JP2017169822A - 薬剤分包装置および薬剤整列排出装置 - Google Patents

薬剤分包装置および薬剤整列排出装置 Download PDF

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Abstract

【課題】薬剤の個数をより正確に計数することおよび鑑査精度を確保しつつ鑑査処理速度を向上させることが可能である薬剤分包装置を提供することを目的とする。【解決手段】薬剤分包装置10は、薬剤Mを払い出し可能に準備し、払い出す薬剤準備払出部20と、薬剤準備払出部20から払い出された一包分の薬剤Mを一列に整列し、順に排出する整列排出部140と、整列排出部140から順に排出された薬剤Mを計数する分包前計数部162,164と、分包前計数部162,164で計数された薬剤Mを分包紙で分包する分包部180と、を備える。薬剤準備払出部20は、薬剤Mを種類別に収容する複数の薬剤カセット32,36を備え、整列排出部140が、複数の薬剤カセット32,36のうち2以上の薬剤カセットから排出された薬剤を一包分の薬剤として集合させ、一つずつ排出可能としてもよい。【選択図】図1

Description

本発明は、錠剤、カプセル剤等の薬剤を分包するための薬剤分包装置およびこれらの薬剤を分包する前に整列させて排出する薬剤整列排出装置に関する。
従来、錠剤、カプセル剤等の薬剤の払い出しに関する鑑査支援を実施可能な装置として、薬剤を分包袋に分包する前に撮影して鑑査を行うようにしたものや、分包した後に撮影して鑑査を行うようにしたものが提供されている。
分包前に撮影するものとして、例えば、特許文献1に開示されているように、鑑査が必要な薬剤のみをターンテーブルに供給してカメラにより撮影した後、排出ホッパーから搬送コンベアを介して搬送し、分包装置にて一包分ずつ分包するようにしたものがある。
また、分包後に撮影するものとして、例えば、特許文献2に開示されているように、分包後の薬剤を、照明装置によって照明しながら撮影装置により撮影し、その陰画像から薬剤の個数を計数するようにしたものがある。
特許第4034404号公報 特許第4439433号公報
上記特許文献1の装置においては、薬剤を撮影して画像で鑑査し、一包分ずつ分包した後、さらに分包紙越しに薬剤を撮影してその画像データに基づいて薬剤の個数を計数して合否判別を行い、鑑査の支援が行われる。
また、上記特許文献2の装置においても、上述のように分包後の薬剤を撮影しその画像データに基づいて薬剤の個数を計数する。
ここで、分包紙内において薬剤は積み重なったり互いに接触していたりすることがあり、その場合には撮影した画像に基づいて薬剤の個数を正確に計数するのが困難であるという問題がある。
特許文献2には、撮影前に散開機構を用いて分包紙内の薬剤を散開させることが記載されているものの、散開機構を用いても薬剤の接触等が残存している懸念がある。
本発明は上述の問題に鑑みてなされたものであり、薬剤の個数をより正確に計数することおよび鑑査精度を確保しつつ鑑査処理速度を向上させることが可能である薬剤分包装置を提供することを目的とする。また、薬剤の個数の正確な計数を補助する薬剤整列排出装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決すべく提供される本発明の薬剤分包装置は、薬剤を払い出し可能に準備し、払い出す薬剤準備払出部と、前記薬剤準備払出部から払い出された一包分の前記薬剤を一列に整列し、順に排出する整列排出部と、前記整列排出部から順に排出された前記薬剤を計数する分包前計数部と、前記分包前計数部で計数された前記薬剤を分包紙で分包する分包部と、を備えることを特徴とする。
本発明の薬剤分包装置では、薬剤準備払出部から払い出された薬剤を、整列排出部で一列に整列し、1個ずつ順に排出する。順に排出された薬剤は、分包前計数部で計数した上で、分包部において分包紙で分包される。これにより、薬剤を1個ずつ排出計数検査で計数できるため、薬剤の個数を精度良く計数することができ、精度の高い鑑査支援を行うことができる。
上述した本発明の薬剤分包装置は、前記薬剤準備払出部が、薬剤を種類別に収容する複数の薬剤カセットを備え、前記整列排出部が、前記複数の薬剤カセットのうち2以上の薬剤カセットから排出された薬剤を前記一包分の薬剤として集合させ、一つずつ排出可能であるものであってもよい。
本発明の薬剤分包装置においては、一包分の薬剤が2以上の薬剤カセットから排出された2種以上の薬剤からなるものであっても、薬剤の個数を精度良く計数することができ、精度の高い鑑査支援を行うことができる。
上述した本発明の薬剤分包装置は、前記分包前計数部が、前記分包部において前記分包紙に囲まれる位置に配置されていてもよい。
かかる構成によれば、薬剤が分包される前に分包紙に囲まれた領域内で薬剤の個数を計数することができるため、より精度の高い鑑査支援を行うことができる。
上述した課題を解決すべく提供される本発明の薬剤分包装置は、薬剤を種類別に収容する複数の薬剤カセットを有し、前記薬剤を払い出し可能に準備し、払い出す薬剤準備払出部と、前記薬剤準備払出部から払い出された一包分の前記薬剤を分包紙で分包する分包部と、を備える薬剤分包装置であって、前記薬剤準備払出部から払い出された前記薬剤の個数を計数する初期計数部と、前記分包紙に投入される前記薬剤の個数を計数する分包前計数部と、を有し、前記初期計数部と前記分包前計数部の検知情報に基づいて鑑査処理を行うことを特徴とする。
本発明の薬剤分包装置では、薬剤の個数を薬剤カセットから排出された直後だけでなく、分包される前にも計数し、それぞれの計数結果に基づいて鑑査処理を行うことができる。そのため、本発明の薬剤分包装置によれば、薬剤準備払出部における薬剤の払い出しから分包紙内への薬剤の投入に至る区間に亘って網羅的に薬剤の個数を鑑査できる。
上述した本発明の薬剤分包装置は、装置の状態を表示する表示部を備えることが好ましい。
かかる構成によれば、鑑査結果を含め、薬剤分包装置の動作状態を表示部に表示させることができるため、使用者が安心して薬剤分包装置を使用することができる。
上述した本発明の薬剤分包装置は、前記薬剤準備払出部から払い出された一包分の前記薬剤を一列に整列し、順に排出する整列排出部を有することが好ましい。
かかる構成によれば、分包前計数部によって薬剤の個数を精度良く計数することができ、より精度の高い鑑査支援を行うことができる。
上述した課題を解決すべく提供される本発明の薬剤分包装置は、薬剤を払い出し可能に準備し、払い出す薬剤準備払出部と、前記薬剤準備払出部から払い出された前記薬剤を撮影する薬剤撮影部と、前記薬剤準備払出部または薬剤撮影部から受け入れた複数の前記薬剤を整列させ、一列に整列させた後、順に排出する整列排出部と、前記整列排出部から順に排出された前記薬剤を計数する分包前計数部と、前記分包前計数部で計数された前記薬剤を分包する分包部と、装置全体の動作を制御する制御部とを備え、前記制御部が、前記薬剤撮影部により撮影された画像に基づいて前記薬剤に付された識別情報を読み取る読取制御部と、前記読取制御部により読み取られた前記識別情報、前記分包前計数部で計数した薬剤の個数情報および処方情報に基づいて鑑査処理を実行する鑑査処理部とを有し、前記鑑査処理を、前記読取制御部により読み取られた前記識別情報、前記分包前計数部で計数した薬剤の個数情報および処方情報に基づいて実行する画像計数鑑査処理、並びに前記分包前計数部で計数した薬剤の個数情報および処方情報に基づいて実行する計数鑑査処理のいずれかを選択可能であることを特徴とする。
本発明の薬剤分包装置では、整列排出部から1個ずつ排出された薬剤を分包前計数部によって計数するため、精度良く薬剤の個数情報を得ることができる。また、薬剤撮影部によって撮影された画像に基づいて薬剤に付された識別情報を読取制御部で読み取ることができる。この薬剤分包装置では、分包される薬剤の処方情報と個数情報と識別情報とに基づく鑑査処理である画像計数鑑査処理を行うことができるため、精度の高い鑑査支援を行うことができる。また、必要に応じて、識別情報を用いず、処方情報と個数情報に基づく鑑査処理である計数鑑査処理も選択することができる。画像計数鑑査処理と計数鑑査処理とを適宜選択することにより、鑑査精度を確保しつつ鑑査処理速度を向上させることができる。
上述した本発明の薬剤分包装置は、前記計数鑑査処理を実行する場合には、前記薬剤撮影部において前記薬剤の撮影を行わないことが好ましい。
かかる構成によれば、薬剤の撮影を行わないため、計数鑑査処理時における処理速度を向上させることができる。
上述した本発明の薬剤分包装置は、前記画像計数鑑査処理を実行する場合には、前記薬剤準備払出部から前記薬剤撮影部に薬剤を払い出し、前記計数鑑査処理を実行する場合には、前記薬剤準備払出部から前記薬剤撮影部を迂回する経路で前記整列排出部に薬剤を払い出すことが好ましい。
かかる構成によれば、計数鑑査処理時において薬剤が薬剤撮影部を迂回するため、計数鑑査処理時における処理速度をより向上させることができる。
上述した本発明の薬剤分包装置は、薬剤を分包した薬包を複数形成する場合において、任意の薬包について前記画像計数鑑査処理を実行し、その他の薬包について前記計数鑑査処理を実行してもよい。
かかる構成によれば、薬剤を分包した薬剤を複数形成する場合において、薬包ごとに画像計数鑑査処理と計数鑑査処理とを適宜選択することにより、鑑査精度を確保しつつ、鑑査処理速度を向上させることができる。
上述した本発明の薬剤分包装置は、薬剤を同一服用時期ごとに連続して一包ずつ分包する場合において、連続する同一服用時期の任意の一包または複数包について前記画像計数鑑査処理を実行し、前記同一服用時期のその他の薬包について前記計数鑑査処理を実行することが好ましい。
かかる構成によれば、薬剤を同一服用時期ごとに連続して一包ずつ分包する場合において、同一服用時期の薬包ごとに画像計数鑑査処理と計数鑑査処理とを適宜選択することにより、鑑査精度を確保しつつ、鑑査処理速度を向上させることができる。
上述した本発明の薬剤分包装置は、薬剤を服用時期の一周期ごとに周期的に分包する場合において、任意の一周期分または複数周期分の薬包について前記画像計数鑑査処理を実行し、その他の薬包について前記計数鑑査処理を実行することが好ましい。
かかる構成によれば、薬剤を服用時期の一周期ごとに周期的に分包する場合において、一周期分の薬包ごとに画像計数鑑査処理と計数鑑査処理とを適宜選択することにより、鑑査精度を確保しつつ、鑑査処理速度を向上させることができる。
上述した課題を解決すべく提供される本発明の薬剤整列排出装置は、中央側に設けられた頂部から外周側に向けて下り勾配となる斜面を有する傾斜部材と、前記傾斜部材を径方向外側において包囲する外壁と、前記外壁によって囲まれた包囲領域内に導入された薬剤を排出するための開口部と、薬剤を前記開口部に向けて移送する移送機構と、を有し、前記包囲領域内であって前記頂部側の領域に上方から薬剤を導入することにより、前記斜面に沿って前記外周側に薬剤を移動させて整列させると共に、前記移送機構を作動させることにより、前記外周側に整列させた薬剤を前記開口部から順に排出可能であることを特徴とする。
本発明の薬剤整列排出装置は、下り勾配となるように形成された斜面を有する傾斜部材が設けられている。そのため、傾斜部材の頂部側の領域に薬剤を導入すると、薬剤は斜面に沿って転がるなどして外周側に移動し、分散した状態で整列する。また、本発明の薬剤整列排出装置では、外周側に移動してきた薬剤を移送機構により開口部に移送できる。従って、本発明の薬剤整列排出装置によれば、薬剤を1つずつ順に排出させることができる。
上述した薬剤整列払出装置は、前記傾斜部材の外周縁が前記外壁の内周面に接しており、前記外周縁側の領域において薬剤を整列させることが可能であり、前記移送機構が、前記傾斜部材を前記外壁に対して相対回転させることにより、整列させた薬剤を前記開口部から順に排出可能なものであることが望ましい。
本発明の薬剤整列払出装置においては、移送機構として傾斜部材と外壁とを相対回転させることで薬剤を開口部に向けて移送可能なものが採用されている。そのため、移送機構を構成する部材として傾斜部材や外壁を活用でき、装置構成を簡素化することができる。
上述した本発明の薬剤整列排出装置は、前記傾斜部材が、前記頂部を中心として環状に前記斜面を設けたものであることが好ましい。
かかる構成によれば、傾斜部材上において薬剤を周方向略全域に亘って分散させることができる。これにより、傾斜部材の外周側において整列された薬剤同士の間隔を十分確保でき、薬剤をより一層確実に1つずつ排出させることができる。
上述した薬剤整列排出装置は、前記傾斜部材が、前記頂部に上方から薬剤を一旦受け入れた後、前記受け入れた薬剤を前記傾斜部材の上面に排出することが可能な貯留部材を備えたものであることが好ましい。
かかる構成によれば、上方から投入された薬剤を貯留部材によって一旦薬剤を受け入れることが可能となる。これにより、投入された薬剤が傾斜部材の上面で装置外に飛び跳ねる可能性を低減することができる。
上述した本発明の薬剤整列排出装置は、前記貯留部材が、前記傾斜部材の内側に配置された筒状の内壁と、中央部が隆起した形状であり、前記内壁の内側において鉛直上下方向に移動可能である昇降部材と、を有することが好ましい。
かかる構成によれば、貯留部材に受け入れた薬剤を下降した状態の昇降部材の下端で整列させた後、昇降部材を上昇させて薬剤を傾斜部材の上面に排出することができる。そのため、薬剤が傾斜部材の上面を滑り落ちる際に薬剤の間隔を広がることとなる。広い間隔で一列に整列した薬剤を順に排出できるため、確実に1個ずつ薬剤を排出することができる。
上述した本発明の薬剤整列排出装置は、前記昇降部材が、鉛直方向の軸を中心として回転可能であることが好ましい。
かかる構成によれば、昇降部材を回転させることにより、下降した状態の昇降部材の下端で薬剤の間隔を広げることができるため、傾斜部材の下端において薬剤の間隔を十分に広げて整列させることかできる。そのため、薬剤をより確実に1個ずつ排出することができる。
上述した薬剤整列排出装置は、前記昇降部材を上方に移動させることにより、前記昇降部材の表面と前記傾斜部材の斜面とが連続した状態になるものであることが望ましい。
かかる構成によれば、昇降部材を上方に移動させることにより、昇降部材の表面と傾斜部材の斜面とが連続した状態(以下、「連続状態」とも称す)となる。そのため、貯留部材に薬剤を受け入れた後、貯留部材内の薬剤を貯留部材から排出させる際に、前述した連続状態とすることにより、薬剤をスムーズかつ確実に分散させることができる。
上述した本発明の薬剤分包装置は、前記整列排出部に上述した本発明の薬剤整列排出装置を備えることが好ましい。
かかる構成によれば、確実に1個ずつ排出された薬剤を分包前計数センサで計数することができるため、薬剤の個数を精度良く計数することができ、より精度の高い鑑査支援を行うことができる。
本発明によれば、高い精度で鑑査支援を行うことができる薬剤分包装置を得ることができる。また、本発明によれば、薬剤分包装置の鑑査支援の制度を高めることができる薬剤整列排出装置を提供することができる。
図1は本発明の一実施形態に係る薬剤分包装置の概略構成を示した説明図である。 図2は図1に示した薬剤分包装置の構成を示したブロック図である。 図3は、薬剤準備払出部および鑑査ユニット部を模式的に示した側面図である。 図4は、読取部周辺を模式的に示した平面図である。 図5は、イオン照射装置を模式的に示した側面図である。 図6は、整列排出部の模式図であり、図6(a)は昇降部材上に薬剤を受け入れた状態、図6(b)は昇降部材を回転させて薬剤を分散させた状態、図6(c)は昇降部材を上昇させて傾斜部材の下端で薬剤を整列させた状態、図6(d)は整列した薬剤を順に排出する状態をそれぞれ示す平面図であり、図6(e)から図6(h)は順に図6(a)から図6(d)の一つに対応する正面方向から見た整列排出部の中心を通る断面図である。 図7(a)は処方データの一例を示す表であり、図7(b)は図7(a)の処方データに基づいて鑑査処理を行った結果にかかる表示例を示す図である。 図8は、薬剤撮影部の実施例の斜視図である。 図9は、図8に示す薬剤撮影部のうち、下部回転台および分解した薬剤撮影装置を示す斜視図である。 図10は、図9に示す下部回転台上の転動ユニットのうち1個と開閉機構とを示す斜視図である。 図11は、転動ユニットの斜視図であり、図11(a)は図10と同じ方向から見た状態、図11(b)は斜め下から見た状態を示す。 図12は、図11(a)に示す転動ユニットの分解斜視図である。 図13は、転動ユニットの平面図である。 図14は、図11(a)と別の角度から見た転動ユニットの斜視図であり、導入部の上部構成部材を外した状態を示す。 図15は、図14の反対側から見た転動ユニットの斜視図であり、図15(a)は底構成部材を外した状態を示し、図15(b)はさらに第一側方構成体および第二側方構成体を外した状態を示す。 図16は、図15(b)に示す状態から底部構成体を外した状態を示す図であり、図16(a)は平面図、図16(b)は正面図、図16(c)は背面図をそれぞれ示す。なお、図16(c)では、歯車の配置を示すため、動力付与部、ハンドルおよび可動片の一方を外した状態を示す。 図17は、第一回転ローラおよび第二回転ローラによる薬剤の回転原理を説明するための模式図であり、図17(a)は第一回転ローラおよび第二回転ローラの回転中心を同程度の高さとした状態、図17(b)は第一回転ローラの回転中心の高さを第二回転ローラの回転中心の高さよりも低くした状態を示す。 図18は、導入部を構成する底構成部材と上部構成部材との接続部分近傍の部分拡大図である。 図19は、開閉機構を構成する作動片周辺の部分拡大図であり、図19(a)は常時における下降した状態、図19(b)は上昇した状態を示す。 図20は、本実施例に係る薬剤整列排出装置の斜視図である。 図21は、図20に示す薬剤整列排出装置の分解斜視図であり、カバーを取り外した状態を示す。 図22は、図20に示す薬剤整列排出装置を下方から見た斜視図であり、カバーおよびベースを取り外した状態を示す。 図23は、昇降機構の斜視図である。 図24は、昇降部材を上昇させた状態の薬剤整列排出装置の斜視図である。
以下、本発明の一実施形態に係る薬剤分包装置10および薬剤整列排出装置(薬剤準備払出部20)について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「側」、「端」を含む用語)を用いる。それらの用語の使用は、図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が限定されるものではない。また、以下の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物、またはその用途を制限することを意図するものではない。また、薬剤とは、錠剤のほか、カプセル剤等も含まれ、一定の剤型を保持可能なものを意味する。
1.本発明の一実施形態に係る薬剤分包装置10の構成
図1は本発明の一実施形態に係る薬剤分包装置10の概略構成を示した説明図であり、図2は図1に示した薬剤分包装置10の構成を示したブロック図である。図3は、薬剤準備払出部20および鑑査ユニット部60を模式的に示した側面図であり、図4は、読取部周辺を模式的に示した平面図である。
図1に示すように、薬剤分包装置10は、装置本体12に薬剤準備払出部20、鑑査ユニット部60、分包部180、および制御部200を備えている。薬剤分包装置10は、薬剤準備払出部20に準備されている薬剤を処方データに基づいて払い出し、分包部180において払い出された薬剤を一包分ずつ分包紙に分包するものである。制御部200は、薬剤分包装置10の動作全般を制御する。
装置本体12には、正面側に観音開きの扉14が設けられている。装置本体12の正面(例えば一方の扉14)には、タッチパネル14a、バーコードリーダ14b、およびジャーナルプリンタ14cが設けられている。タッチパネル14aは、薬剤分包装置10の操作部としての機能に加え、動作状態を表示するための表示部としての機能も発揮する。タッチパネル14aは、一般的な使用者の目の高さに相当する位置など、視野に入りやすい位置に設けられている。
1−1.薬剤準備払出部20
薬剤準備払出部20は、分包に用いる薬剤が払い出し可能に準備され、払い出されるものである。薬剤準備払出部20は、第一薬剤供給部22、第二薬剤供給部24および手撒薬剤供給部26を備える。
1−1−1.第一薬剤供給部22
第一薬剤供給部22は扉14の内側に配置される。第一薬剤供給部22は、略円筒状のシリンダの上下方向および周方向に第一モータベース30を備え、各第一モータベース30に第一薬剤カセット32が着脱可能である。第一モータベース30は、モータおよびギア(いずれも図示せず)を内蔵する。図3では、簡略化のため第一薬剤カセット32を1個だけ示している。
第一薬剤供給部22には、上下方向および周方向に配置された第一薬剤カセット32の、上下方向の各列に対して第一薬剤通路42(図3参照)がそれぞれ設けられている。第一薬剤カセット32から払い出された薬剤は、これらの第一薬剤通路42によってスムーズに下方の鑑査ユニット部60側に案内される。
第一薬剤カセット32は、略直方体の箱状であり、例えばロット番号などの識別情報により管理される同一種類の薬剤が多数収容される。第一薬剤カセット32内にはロータ(図示せず)が設けられ、ロータの外周部にはポケット部が複数形成されている。各ポケット部には、第一薬剤カセット32内に収容した薬剤が1つずつ保持される。ロータは、第一モータベース30の内蔵するモータの駆動力がギアを介して伝達され、回転する。ロータが回転すると、ポケット部に保持された薬剤が、順次第一薬剤通路42へと払い出される。第一薬剤カセット32の排出口に連通する部分には、図3に示すように第一初期上部計数センサ48が設けられており、第一薬剤カセット32から払い出された薬剤は第一初期上部計数センサ48によって計数される。第一薬剤供給部22の下方には、薬剤を第一薬剤通路42から鑑査ユニット部60に案内する第一ホッパー44が設けられている。第一ホッパー44の下部には薬剤を計数する第一初期下部計数センサ56が設けられている。
図2に示すように、各第一薬剤カセット32には、RFID38(Radio Frequency IDentification)が設けられ、収容されている薬剤に関する情報(例えば、薬剤の名称や、収容されている薬剤の数量等の情報)が記憶されている。各第一モータベース30には、アンテナ40が設けられ、第一薬剤カセット32のRFID38と通信ができる。アンテナ40を介してRFID38から記憶されている薬剤情報および薬剤の払出情報(例えば、払い出した薬剤の数量や、第一薬剤カセット32内に残存する薬剤の数量、第一薬剤カセット32を装着した棚の識別番号等の情報)を読み込み、後述する制御部200のバッファに格納する。
1−1−2.第二薬剤供給部24
第二薬剤供給部24は、使用頻度の低い薬剤や、計数する必要のある薬剤等を供給するのに使用される。第二薬剤供給部24は、第二モータベース34を備えており、第二モータベース34に第二薬剤カセット36が着脱可能である。第二モータベース34および第二薬剤カセット36の基本的な構成は、それぞれ上述の第一モータベース30および第一薬剤カセット32の構成と同様である。第二モータベース34は、単数であってもよいし、図1に示すように複数(本実施形態では4個)であってもよい。第二モータベース34の配置は、適宜のものとすることができ、本実施形態では上下方向に一列に並べて配置されている。図3では、簡略化のため第二薬剤カセット36を1個だけ示している。
第二薬剤供給部24は、第一薬剤供給部22と異なり、扉14を開いた状態および閉じた状態のいずれの状態でも第二モータベース34への第二薬剤カセット36の着脱や第二薬剤カセット36への薬剤の補充、交換等の作業を実施できる。上下方向に一列に配置された第二モータベース34に対して、図3に示すように第二薬剤通路46が設けられている。第二薬剤通路46は、いかなるものであっても良いが、例えば鉛直部46aと水平部46bとからなり、第二薬剤カセット36から払い出された薬剤を鉛直部46aを通じて水平部46bに落下させうるようなものを採用できる。また、水平部46bに、押出装置を内蔵させる等して、水平部46bに落下した薬剤をこの押し出し装置によって第二ホッパー52に向けて押し出し可能なものとすることができる。
第二薬剤カセット36も、第一薬剤カセット32と同様に、例えばロット番号などの識別情報により管理される同一種類の薬剤が多数収容される。第二薬剤カセット36の排出口に連通する部分には、図3に示すように第二初期上部計数センサ50が設けられており、第二薬剤カセット36から払い出された薬剤は第二初期上部計数センサ50によって計数される。第二薬剤供給部24の下方には、第二薬剤通路46の水平部46bの端部から落下した薬剤を鑑査ユニット部60に案内する第二ホッパー52が設けられている。以下では、第一初期上部計数センサ48および第二初期上部計数センサ50を「初期上部計数センサ」と総称する。
1−1−3.手撒薬剤供給部26
手撒薬剤供給部26は、半錠の薬剤や使用頻度の低い薬剤等、自動払出に適さない薬剤を供給するのに用いられる。手撒薬剤供給部26は、図1に示すように、扉14の下方に配置される。手撒薬剤供給部26には、補充テーブル28が並んで設けられる。手撒薬剤供給部26および補充テーブル28は、装置本体12から引き出し可能である。手撒薬剤供給部26はマスが格子状に形成されており、各マスには手作業(以下「手撒き作業」ともいう。)により薬剤が一包分ずつ撒き入れられる。2錠以上の薬剤が一包分として処方されている場合には、単一のマスに複数の薬剤が撒き入れられる。どの薬剤をどのマスに配置するかの指示は、処方データに基づいてジャーナルプリンタ14cによって印刷される。
手撒薬剤供給部26は装置本体12の正面側において手前に引き出した状態で薬剤の手撒き作業を行うことができる。手撒き作業が完了し、手撒薬剤供給部26が装置本体12内部に押し戻されると、薬剤を払い出し可能な状態となる。手撒薬剤供給部26のマスの底面は開閉可能であり、手撒薬剤供給部26の下方には手撒薬剤用ホッパー54が設けられている。手撒薬剤供給部26の各マスの底面を開放することにより、手撒薬剤用ホッパー54を通じて鑑査ユニット部60側に薬剤が払い出される。
1−2.鑑査ユニット部60
鑑査ユニット部60は、薬剤準備払出部20から払い出された薬剤について鑑査支援を行うのに必要な処理を行うものである。図1〜図3に示すように、鑑査ユニット部60は、薬剤撮影部70と整列排出部140とを備えている。
1−2−1.薬剤撮影部70
薬剤撮影部70は、薬剤準備払出部20から払い出された薬剤を受け入れ、薬剤に付された識別情報を読み取るために薬剤を撮影するものである。図3および図4に示すように、薬剤撮影部70は、下部回転台72、上部回転台110、および薬剤撮影装置120を備える。
1−2−1−1.下部回転台72
下部回転台72は、水平に配置された円盤状の台であり、中心軸72aを軸として回転可能である。下部回転台72は、中心軸72aを中心として周方向に複数(本実施形態では6個)の転動ユニット74を備える。転動ユニット74は、収容した薬剤を転動させることおよび下方に排出することができる。転動ユニット74は、例えば図3および図4に示すように、軸が水平に配置され、互いに接する第一回転ローラ76および第二回転ローラ78を備えるものとすることができる。これらのローラ76,78を回転させることにより、ローラ76,78上の薬剤を転動させることができる。また、これらのローラ76,78を離間させることにより、ローラ76,78上の薬剤を下方に排出することができる。
下部回転台72の上方には、上述の第一ホッパー44、ならびに上部回転台110および薬剤撮影装置120が配置される。第一ホッパー44は、下端側の開口部が下部回転台72を回転させた際の転動ユニット74の軌道の上方に位置するように配置される。
1−2−1−2.上部回転台110
上部回転台110は水平に配置された円盤状の台であり、中心軸110aの周囲に複数(本実施形態では4個)の薬剤収容部110bを備える。上部回転台110は中心軸110aを軸として回転可能である。薬剤収容部110bは、上部回転台110の上面から窪んだ形状であり、薬剤収容部110bの底面は開閉可能である。上部回転台110は、上部回転台110を回転させた際の薬剤収容部110bの軌道の一部が、下部回転台72を回転させた際の転動ユニット74の軌道の上方となる位置に配置される。
上部回転台110の上方には、第二薬剤供給部24の下方に設けられた第二ホッパー52と、手撒薬剤供給部26の下方に設けられた手撒薬剤用ホッパー54とが配置される。第二ホッパー52の下端側の開口部および手撒薬剤用ホッパー54の下端側の開口部は、上部回転台110を回転させた際の薬剤収容部110bの軌道の上方に配置される。
上部回転台110の薬剤収容部110bと下部回転台72の転動ユニット74との間には、薬剤収容部110bから排出される薬剤を計数する第二初期下部計数センサ58が設けられる。以下では、必要に応じ、第二初期下部計数センサ58および上述した第一初期下部計数センサ56を「初期下部計数センサ」と総称する。また、「初期下部計数センサ」は、上述した「初期上部計数センサ」とともに、本願発明に係る「初期計数部」を構成する。
1−2−1−3.薬剤撮影装置120
薬剤撮影装置120は、転動ユニット74によって転動させた薬剤を撮影するものである。薬剤撮影装置120は、薬剤を撮影可能なものであればいかなるものであってもよいが、本実施形態では複数台(図示例では2台)のカメラユニット(第一カメラユニット122および第二カメラユニット124)を備えるものとされている。第一カメラユニット122および第二カメラユニット124は、下部回転台72を回転させた際の転動ユニット74の軌道の上方に配置される。
第一カメラユニット122と第二カメラユニット124は、それぞれカメラと光源とを有している点において共通するが、撮影に適した薬剤の種類が相違する。具体的には、薬剤には、表面の識別情報が刻印により付されたものと、印刷により付されたものとがある。第一カメラユニット122は、光源からの光をカメラから薬剤に向かう方向に対して交差する方向に照射するものであり、主として刻印により識別情報が付された薬剤の撮影に適している。また、第二カメラユニット124は、光源からの光をカメラから薬剤に向かう方向に照射するものであり、主として印刷により識別情報が付された薬剤の撮影に適している。
薬剤撮影部70の動作について説明する。第一薬剤供給部22の第一薬剤カセット32から払い出された薬剤は、第一ホッパー44を経て下部回転台72の転動ユニット74に収容される。
また、第二薬剤供給部24の第二薬剤カセット36または手撒薬剤供給部26から払い出された薬剤は、第二ホッパー52または手撒薬剤用ホッパー54を経て上部回転台110の薬剤収容部110bに収容される。その後、上部回転台110が回転して薬剤を収容した薬剤収容部110bが下部回転台72の転動ユニット74の上方に移動し、薬剤収容部110bの底面が開放され、薬剤は転動ユニット74に収容される。
薬剤が転動ユニット74に収容されると、下部回転台72は、薬剤を収容した転動ユニット74が第一カメラユニット122の下方に位置するように回転する。続いて、第一カメラユニット122の下方において、転動ユニット74で薬剤を転動させながら、第一カメラユニット122で薬剤を撮影し、所定数の画像データを得る。
第一カメラユニット122による撮影が完了すると、さらに下部回転台72が回転し、薬剤を収容した転動ユニット74が第二カメラユニット124の下方に位置するように回転する。転動ユニット74で薬剤を転動させながら、第二カメラユニット124で薬剤を撮影し、所定数の画像データを得る。第二カメラユニット124による撮影が完了すると、転動ユニット74から下方の整列排出部140に排出される。第一カメラユニット122および第二カメラユニット124では、薬剤を転動させながら撮影するため、得られた画像データには薬剤に付された識別情報も含まれる。第一薬剤供給部22などから払い出される薬剤が刻印の施されたものである場合は、第二カメラユニット124での撮影はしなくても良い。また、第一薬剤供給部22などから払い出される薬剤が印刷の施されたものである場合は、第一カメラユニット122での撮影はしなくても良い。
1−2−1−4.イオン照射装置96
イオン照射装置96は、転動ユニット74に収容した薬剤にイオンを照射するものである。薬剤撮影部70は、第一カメラユニット122に対向する転動ユニット74および第二カメラユニット124に対向する転動ユニット74に収容した薬剤にイオンを照射可能なイオン照射装置96を設けることが好ましい。薬剤が帯電している場合、静電気によって薬剤が転動ユニット74内部に張り付いて、転動ユニット74を動作させても十分に転動しないことがある。しかし、イオン照射装置96によって薬剤にイオンを照射すると、帯電した薬剤又は転動ユニット74から除電することができるため、転動ユニット74によって薬剤を十分に転動させることができるようになる。
図5は、イオン照射装置96を模式的に示した側面図である。イオン照射装置96は、ダクト96aと、ダクト96a内に設けられたフィルター96b、ファン96cおよびイオン電極96dとを備える。ファン96cはダクト内の空気を転動ユニット74に向けて流動させる。フィルター96bは転動ユニット74に吹き付けられる空気を清浄にするものであり、空気の流動方向に対してファン96cの上流側と下流側の2箇所に設けられる。イオン電極96dは、イオンを発生させるものであり、空気の流動方向に対して下流側のフィルター96bよりも下流側に設けられる。発生したイオンは、ダクト96a内を流動する空気によって搬送され、転動ユニット74に吹き付けられる。図5中の矢印は空気の流動方向を示す。
本実施形態に係るイオン照射装置96は、フィルター96bおよびファン96cよりも空気の流動方向に対して下流側にイオン電極96dを配置することにより、(1)イオン電極96dにはフィルター96bを通過した清浄な空気が流動するため、イオン電極96dは汚れが付着しにくく、清掃の頻度を低減することができ、(2)イオン電極96dから発生したイオンがフィルター96bを通過せず直接転動ユニット74に吹き付けられるため、2箇所のフィルターの間にイオン電極を配置した場合と比べて、転動ユニット74に収容された薬剤の除電効果が高い、という効果が得られる。
1−2−2.整列排出部140
整列排出部140は、薬剤撮影部70で撮影された薬剤を受け入れ、整列させた後、順に排出するものである。図6は、整列排出部140の模式図であり、図6(a)は昇降部材上に薬剤を受け入れた状態、図6(b)は昇降部材を回転させて薬剤を分散させた状態、図6(c)は昇降部材を上昇させて傾斜部材144bの下端で薬剤を整列させた状態、図6(d)は整列した薬剤を順に排出する状態をそれぞれ示す平面図であり、図6(e)から図6(h)は順に図6(a)から図6(d)の一つに対応する正面方向から見た整列排出部140の中心を通る断面図である。図6(e)から図6(h)では薬剤は一部省略している。
図6に示すように、整列排出部140は、円筒状の外壁142と、外壁142の内側に配置された環状の外輪部材144と、外輪部材144の内側に配置された昇降部材150とを備える。また、図3に示すように、整列排出部140の下方には、整列排出ホッパー168が配置される。本実施形態に係る整列排出部140は、本発明の一実施形態に係る薬剤整列排出装置である。
外壁142の一部には、貫通した開口部142aが設けられており、外壁142の内周面には、開口部142aに対向するように誘導部材148が配置されている。誘導部材148は、鉛直方向に伸びる鉛直面を有し、鉛直面の一端は外壁142に接し、他端は外壁142から離れている。図6には、誘導部材148の鉛直面の端部のうち、同図(d)に示す矢印方向下流側の端部が外壁142の内周面に接し、上流側の端部が外壁142から内側に離れている状態を示す。
図6(e)〜(h)に示すように、外輪部材144は、筒状の内壁144aと、内壁144aの外周面に接する環状の傾斜部材144bとを備える。内壁144aは、外壁142と同心円状に配置される。傾斜部材144bは、外周が外壁142の内周面に接し、内壁144a側から外壁142側に向かって低くなる、円錐台状の斜面を有する部材である。外輪部材144は、円錐台の軸を回転軸として図6(d)に示す矢印方向(平面視における時計回り方向)に回転可能である。傾斜部材144b(外輪部材144)は、上述した外壁142との組み合わせにより、外壁142によって囲まれた領域(包囲領域)内にある薬剤を開口部142aに向けて移送するための移送機構を構成する。具体的には、傾斜部材144b及び外壁142の組み合わせを備えた移送機構によれば、傾斜部材144bを外壁142に対して相対回転させることにより、傾斜部材144bの下端側(外周縁側)に整列された薬剤を開口部142aに向けて移送することができる。
昇降部材150は、上部に頂点を有する円錐状の部材であり、外輪部材144の内壁144aの内周面に接して上下方向に摺動可能である。また、昇降部材150は円錐の軸を回転軸として図6(b)に示す矢印方向(平面視における時計回り方向および反時計回り方向)に正逆回転可能である。なお、昇降部材150は、外周に比べて中央が隆起した形状であれは円錐状でなくてもよい。また、昇降部材150と外輪部材144の内壁144aとの間には、薬剤が落下しない限りにおいて隙間が生じていてもよい。
整列排出ホッパー168は、外壁142の開口部142aの下方に配置される。整列排出ホッパー168の上部には第三カメラユニット170および分包前上部計数センサ162が配置され、下部には分包前下部計数センサ164が配置される。分包前上部計数センサ162および分包前下部計数センサ164は、本願発明に係る「分包前計数部」を構成する。なお、第三カメラユニット170は設けなくてもよい。
整列排出部140の動作(整列排出動作)について説明する。図6(a)および(e)に示すように、外輪部材144の内壁144aと下降した状態の昇降部材150とで、薬剤を一旦受け入れるための貯留部材151を構成する。この貯留部材151に、転動ユニット74から排出された薬剤Mが受け入れられる。一包分の薬剤Mを受け入れると、昇降部材150は図6(b)に示す矢印方向への回転、すなわち一方向への回転と逆方向への反転を所定の回数繰り返し、薬剤Mを遠心力によって内壁144aに沿って分散させる(図6(f)も参照のこと)。
薬剤Mを内壁144aに沿わせた後、昇降部材150は上昇し、図6(c)および(g)に示すように、薬剤Mを昇降部材150上から外輪部材144の傾斜部材144bの下端まで滑らせる。この際、各薬剤Mは図6(c)に示す矢印方向すなわち傾斜部材144bの半径方向に移動するため、間隔が広がる。これにより、傾斜部材144bの下端において、薬剤Mを所定の間隔で一列に整列させることができる。
昇降部材150の回転、反転制御は、必ずしも行わなくてもよいが、内壁144aに沿って薬剤を分散させ、外輪部材144において薬剤の間隔を十分に広げて一列に整列させることができるため、行うことが好ましい。
薬剤Mを一列に整列させた後、外輪部材144が図6(d)に示す矢印方向に回転し、薬剤Mを1個ずつ順に誘導部材148によって開口部142aに誘導する。開口部142aに誘導された薬剤Mは、十分な間隔をおいて1個ずつ開口部142aから整列排出ホッパー168に排出されて分包紙に落下する(図6(h)も参照のこと)。
なお、整列排出部140は、外輪部材144の傾斜部材144bと、上昇した昇降部材150とが一体化したものであってもよい。すなわち、昇降部材150と傾斜部材144bとで一つの傾斜部材144bを構成してもよい。この場合、傾斜部材144bの上方から受け入れた薬剤は、貯留部材151を経ることなく、直接傾斜部の下端まで滑らせて整列させることとなる。
1−3.分包部180
図1に示すように、鑑査ユニット部60の整列排出部140の下方には、分包部180が設けられている。分包部180は、分包紙に対して印刷を施すための印刷ユニット182と、分包紙により薬剤を包装するための包装ユニット184とを備える。
印刷ユニット182は、2つ折りにされた分包紙が巻回された分包紙ロール186と、入力された処方データに基づいて、分包紙ロール186から巻き戻された分包紙の表面に、薬剤服用方法等を印刷するプリンタ188とを備える。分包紙ロール186に巻回された分包紙の残量は、残量検出センサ190によって検出され、制御部200に残量信号が送信される。また、分包紙ロール186から巻き戻される分包紙の搬送路の途中には分包紙切れセンサ192が設けられている。分包紙切れセンサ192によって分包紙が欠品となったことが検出されると、制御部200に欠品信号が送信される。
包装ユニット184は、斜め上方から斜め下方に向かって搬送される分包紙の両側に配置されるヒータローラ194を備える。ヒータローラ194は、回転することにより分包紙を搬送しながら薬剤を1包分ずつ包装(分包)することができる。分包紙の搬送方向に対してヒータローラ194の上流側には、上述の整列排出ホッパー168が配置されている。整列排出ホッパー168は、整列排出部140から排出された薬剤を包装用として分包紙に供給する。
整列排出ホッパー168は、包装ユニット184による搬送経路の中途において二つ折りとされた分包紙の間に先端部が差し込まれる。そのため、分包前下部計数センサ164は、分包紙に囲まれることとなる。分包紙の搬送方向に対してヒータローラ194の下流側には、カッター196および搬送装置198が順に設けられている。カッター196は分包紙を所望の包数で切断し、搬送装置198は切断された分包紙を取出位置に搬送する。
1−4.制御部200
制御部200は、複数の処方データが記憶されているサーバとの間で信号の送受信を行う。制御部200は、サーバから受信したコマンドをバッファに蓄積し、コマンドに則って薬剤準備払出部20を駆動制御することにより、処方データに即した薬剤を払い出させる。また同時に、分包部180を駆動制御する。これにより、払い出す薬剤に関する服用情報等を印刷ユニット182において分包紙に印刷させるとともに、包装ユニット184を駆動させて1服用分ずつ薬剤を包装させる。さらに、後述するようにして行われる薬剤の鑑査結果をタッチパネル14a等の表示装置に表示させる。なお、サーバの記憶部には、処方データのほか、薬剤情報(薬剤識別情報、薬剤名、薬剤コード、用法、効能、薬剤画像等)からなるデータテーブルが記憶されている。これらの処方データやデータテーブルは、制御部200の記憶部に記憶されてもよい。
制御部200には、薬剤分包装置10の各部が信号の送信あるいは受信のいずれか一方又は双方を実施可能なように接続されている。本実施形態では、制御部200は、薬剤準備払出部20、鑑査ユニット部60、および分包部180に対して信号を送受信可能なように接続されている。
1−4−1.制御部200の各部構成
図2に示すように、制御部200は、動作制御部210を備えており、これにより薬剤準備払出部20、鑑査ユニット部60、及び分包部180の各部の動作を適宜制御可能とされている。本実施形態では、薬剤分包装置10における特徴的な動作を実現すべく、制御部200は、動作制御部210に加えて計数部220、読取制御部230、整列排出制御部240および鑑査処理部250を備えている。以下、動作制御部210を構成する各部についてさらに詳細に説明する。
計数部220は、第一初期上部計数センサ48、第二初期上部計数センサ50、第一初期下部計数センサ56、第二初期下部計数センサ58、分包前上部計数センサ162および分包前下部計数センサ164のそれぞれで計数した薬剤の個数を記憶する。上述したように、第一初期上部計数センサ48および第二初期上部計数センサ50を「初期上部計数センサ」と総称し、第一初期下部計数センサ56および第二初期下部計数センサ58を「初期下部計数センサ」と総称する。また、「初期上部計数センサ」および「初期下部計数センサ」は、本願発明に係る「初期計数部」を構成し、「分包前上部計数センサ」および「分包前下部計数センサ」は、本願発明に係る「分包前計数部」を構成する。
読取制御部230は、薬剤に付された識別情報を読み取るべく、薬剤撮影部70の動作制御を行うものである。読取制御部230は、上部回転台制御部232、転動制御部234、撮影制御部236を備える。なお、読取制御部230を構成する各部は必ずしも必須のものではなく、薬剤に付された識別情報を読み取るための動作を実現可能であれば一部を省略したり、他の構成を付加したものであっても良い。
上部回転台制御部232は、上部回転台110の動作制御を行うものである。上部回転台制御部232は、第二薬剤供給部24および手撒薬剤供給部26からの薬剤の受け入れに備え、薬剤を受け入れるのに適した位置に薬剤収容部110bが配置されるように上部回転台110を回転させる制御を行う。また、上部回転台110の薬剤収容部110bに薬剤を収容した後、薬剤を収容した薬剤収容部110bが下部回転台72の転動ユニット74の上方に配置されるよう、上部回転台110を回転させ、薬剤収容部110bの底面を開放して薬剤を転動ユニット74に排出する制御を行う。
転動制御部234は、下部回転台72および転動ユニット74の動作制御を行うものである。転動制御部234は、下部回転台72の回転制御を行うことにより、各転動ユニット74を順次適切な位置に移動させる制御(移動制御)を行う。具体的には、鑑査対象である薬剤を第一薬剤供給部22または上部回転台110の薬剤収容部110bから受け入れるのに適切な位置に各転動ユニット74を移動させるとともに、薬剤を収容した転動ユニット74を順次第一カメラユニット122が設けられた位置まで移動させる制御を行う。また、転動制御部234は、第一カメラユニット122が設けられた位置に到達した転動ユニット74の一対のローラ76,78を作動させ、ローラ76,78上において薬剤を転動させる制御(転動制御)を行う。転動制御部234は、後述の撮影制御部236の制御に基づき第一カメラユニット122により薬剤の画像を撮影する期間の略全体に亘って薬剤を転動させる。
転動制御部234は、第一カメラユニット122による撮影が完了すると、薬剤を収容した転動ユニット74を順次第一カメラユニット122が設けられた位置から第二カメラユニット124が設けられた位置まで移動させる制御を行う。そして、後述の撮影制御部236の制御に基づき第二カメラユニット124で薬剤の画像を撮影する期間の略全体に亘って転動制御を行う。
転動制御部234は、第二カメラユニット124による撮影が完了すると、下部回転台72を回転させ、薬剤を収容した転動ユニット74を順次整列排出部140の上方に移動させる制御を行う。
さらに、転動制御部234は、撮影が完了した薬剤を転動ユニット74から排出させるべく、転動ユニット74の動作制御を行う。転動制御部234は、転動ユニット74から薬剤を排出させる際に、転動ユニット74において互いに接している一対のローラ76,78を離間させる。これに伴い、薬剤が、ローラ76,78の間から落下し、整列排出部140側に排出される。
撮影制御部236は、転動ユニット74の作動に伴い転動する薬剤を撮影し、画像データを取得すべく、第一カメラユニット122および第二カメラユニット124を含む薬剤撮影装置120の動作制御を行う。薬剤の撮影は、転動する薬剤に付された識別情報を含む画像データを取得するため、一定の期間に亘って行う。これにより得られた画像データは、後述の鑑査処理部250に向けて出力され、鑑査処理を行うために使用される。
整列排出制御部240は、整列排出部140の動作制御を行うものである。整列排出制御部240は、昇降部材制御部242および外輪部材制御部244を備えている。なお、整列排出制御部240を構成する各部は必ずしも必須のものではなく、整列排出部140において薬剤を整列させ、順に分包部180側に排出する動作を実現可能であれば一部を省略したり、他の構成を付加したものであってもよい。
昇降部材制御部242は、昇降部材150の回転動作および昇降動作の制御を行うものである。昇降部材制御部242は、整列排出部140から排出された薬剤を、下降した状態の昇降部材150の上方から受け入れると、昇降部材150を図6(b)に示す矢印方向へ回転させる制御、すなわち一方向への回転と逆方向への反転を所定の回数繰り返し行う制御を行う。その後、昇降部材150を上昇させて薬剤を外輪部材144の傾斜部材144b上に移動させ、再び昇降部材150を下降させる制御を行う。昇降部材150の回転、反転制御は必ずしも行わなくてもよいが、内壁144aに沿って薬剤を分散させ、外輪部材144において薬剤の間隔を十分に広げて一列に整列させることができるため、行うことが好ましい。
外輪部材制御部244は、外輪部材144の回転動作の制御を行うものである。外輪部材制御部244は、外輪部材144が昇降部材150から薬剤を受け入れると、外輪部材144を図6(d)に示す矢印方向へ一定時間回転させる制御を行う。これにより、外輪部材144を構成する傾斜部材144bの下端において一列に整列した薬剤を外壁142の開口部142aから順に整列排出ホッパー168に向けて排出することができる。
1−4−2.鑑査処理部250
鑑査処理部250は、計数部220から取得した各計数センサで計数した薬剤の個数データを用いた鑑査(計数鑑査)を行う。計数鑑査には、(1)分包前下部計数センサ164などの各計数センサで計数した個数データと処方データとの比較、(2)第一初期上部計数センサ48または第二初期上部計数センサ50(初期上部計数センサ)で計数した個数データと第一初期下部計数センサ56または第二初期下部計数センサ58(初期下部計数センサ)で計数した個数データとの比較、(3)分包前上部計数センサ162で計数した個数データと分包前下部計数センサ164で計数した個数データとの比較、(4)初期上部計数センサまたは初期下部計数センサ(初期計数部)で計数した個数データと分包前上部計数センサまたは分包前下部計数センサ(分包前計数部)で計数した個数データとの比較が含まれる。計数鑑査において鑑査処理部250が各個数データを比較した結果、合致している場合には、薬剤の払い出しが適正であるとの判定を行い、合致していない場合には、薬剤の払い出しが不適正であるとの判定を行う。なお、本実施形態の鑑査処理部250は、上記(1)から(4)の全ての鑑査処理を実施可能であるが、いずれか一つあるいは複数の鑑査処理を実施不可能なものや、他の鑑査処理を実施可能なものであっても良い。
また、鑑査処理部250は、撮影制御部236から取得した画像データを用いた鑑査(画像鑑査)を行う。画像鑑査において、鑑査処理部250は、まず薬剤に付された刻印や印刷等の識別情報を取得する処理を行う。鑑査処理部250は、画像データに基づいて取得された識別情報に基づき、サーバ等に記憶されているデータベースから取得した識別情報に該当する薬剤を特定する。薬剤を特定することにより、鑑査処理部250は、薬剤の撮影した画像データに基づいて取得された識別情報から、実際に払い出されている薬剤についての薬剤情報を特定する。また、処方データに基づき、分包すべきとされている薬剤についての薬剤情報を特定する。鑑査処理部250は、画像データに基づいて導出された薬剤情報と、処方データに基づいて導出された薬剤情報とを比較する。その結果、両者の薬剤情報が合致している場合には、薬剤の払い出しが適正であるとの判定を行い、合致していない場合には、薬剤の払い出しが不適正であるとの判定を行う。
計数鑑査または画像鑑査において薬剤の払い出しが適正であると判定された場合には、薬剤の分包をそのまま進めて問題がない。一方、薬剤の払い出しが不適正であると判定された場合には、例えばタッチパネル14a等の表示装置にその旨を表示したり、タッチパネル14aとともに設けられたスピーカー(図示せず)から警報音または音声を発生させたり、本体に設けられたランプを点灯させる等の警告動作を行うことが好ましい。また、薬剤準備払出部20および分包部180の動作を停止させることが好ましい。
計数鑑査または画像鑑査の結果は、薬剤の払い出しが不適正と判定された場合だけでなく、適正であると判定された場合にも表示させるようにすることが好ましい。また、画像鑑査の結果を表示する際には、第一カメラユニット122、第二カメラユニット124により取得された画像を一枚、あるいは複数枚分、鑑査結果を補足するデータとして出力するようにしてもよい。具体的には、薬剤の識別情報を取得するために利用された薬剤の表面あるいは裏面の画像を鑑査結果を補足するためのデータとして出力してもよい。
タッチパネル14a等の表示装置への画像鑑査による結果表示の形態は、種々のものとすることができるが、例えば薬剤の画像データを分包部180において包装される包装(服用時期)単位で識別可能に表示するようにしてもよい。また、各包装単位で表示した薬剤の画像データは、予め決定した薬剤の種類順に並び替えるようにしてもよい。このようにすることで、表示された画像データに基づいて、簡単に鑑査結果を確認できる。鑑査の結果、薬剤の不適切な払い出しが行われていると判定された場合には、タッチパネル14a等に表示される薬剤の画像の色彩を変更したり、点滅状態で表示させたりする等してエラーである旨の表示を行うようにするのが好ましい。
図7(a)は処方データの一例を示す表であり、図7(b)は図7(a)の処方データに基づいて鑑査処理を行った結果にかかる表示例を示す図である。結果表示の形態について具体的に説明すると、例えば、図7(a)に示すような処方データに則って払い出された薬剤について鑑査を行った場合に、その鑑査結果を図7(b)に示すようにして画面表示してもよい。図7(b)においては、図示の都合上、不適切であると判定されたものについて該当欄に斜線を施した表示としているが、画面上に表示する場合には例えば赤色で表示する等してもよい。図7(a)に示す例に基づいて例示すると、例えば昼の服用分についての処方データは、薬剤A(○)を2錠、薬剤B(△)を1錠、薬剤C(□)を1錠処方すべきというものである。処方データがこのようなものである場合に、上述したように各包装単位で表示した薬剤の画像データを予め決定した薬剤の種類順に並び替える方針に則れば、適正に薬剤が払い出されていれば○○△□の順で表示される。
ここで、図7(b)に示した鑑査結果を示す画面表示例を参照すると、1日目〜5日目までの昼の服用分については、いずれも○○△□の順で表示されている。従って、1日目〜5日目までの昼の服用分については、各薬剤が適正に払い出されていることが分かる。一方、6日目の昼の服用分については、○−△□と表示されており、本来○印で表示されるべきである箇所にエラーであることを示す「−」印が表示されている。また、7日目の昼の服用分については、6日目の昼の服用分として包装されるべき薬剤Aが紛れ込んでおり、○○△□○と表示されている。6日目の服用分についての表示に含まれる「−」印、及び7日目の服用分についての表示に含まれる薬剤Aの余剰分を示す「○」印は、いずれも図中において不適合である旨を示す斜線が付されており、画面上に表示する場合には赤色等で表示される。このようにして表示することにより、鑑査業務における薬剤師の負担をより一層低減し、鑑査ミスを最小限に抑制できる。
なお、図7(b)では、薬剤を○印等の簡略化した図形で表示した例を示したが、実際には薬剤の画像データを表示する等して、より一層鑑査業務を行う者が直感的に把握できる表示形態とすることが望ましい。また、鑑査結果について別欄を設け、適正な場合に「O」印で表示し、不適正な場合に「×」印で表示する等して、鑑査業務に従事する者にとって分かりやすい表示とすることが好ましい。さらに、画面上において薬剤の画像データをクリックする等により拡大画像をポップアップ表示させるようにしてもよい。これにより、薬剤の外観形状や、薬剤の表面に付された刻印等の識別情報の確認をより一層容易かつ確実に行うことが可能となる。
2.薬剤分包装置10全体の動作
本発明の一実施形態に係る薬剤分包装置10全体の動作について説明する。
薬剤準備払出部20から処方データに則って1個ずつ払い出された薬剤は、図3に示す経路を経て鑑査ユニット部60の薬剤撮影部70に到達する。具体的には、薬剤準備払出部20のうち、第一薬剤供給部22から払い出された薬剤は、第一ホッパー44を経て薬剤撮影部70の下部回転台72に設けられた転動ユニット74に到達する。このとき、薬剤は一つずつ、別々の転動ユニット74に収容される。第一薬剤供給部22から払い出された薬剤は、第一薬剤カセット32に設けられた第一初期上部計数センサ48および第一ホッパー44に設けられた第一初期下部計数センサ56によって計数される。
また、第二薬剤供給部24または手撒薬剤供給部26から払い出された薬剤は、第二ホッパー52または手撒薬剤用ホッパー54から上部回転台110を経て転動ユニット74に到達する。このとき、第二薬剤供給部24から払い出された薬剤は、第二薬剤カセット36に設けられた第二初期上部計数センサ50および上部回転台110と下部回転台72との間に設けられた第二初期下部計数センサ58によって計数される。手撒薬剤供給部26から払い出された薬剤は、第二初期下部計数センサ58によって計数される。
さらに具体的には、第二薬剤供給部24または手撒薬剤供給部26から払い出された薬剤は、上部回転台110の薬剤収容部110bに収容される。その後、上部回転台110を回転させ、薬剤を収容した薬剤収容部110bが下部回転台72に設けられた転動ユニット74上に到達すると、薬剤収容部110bの底面が開放され、排出された薬剤が転動ユニット74に収容される。
転動ユニット74に薬剤が収容されると、下部回転台72を回転させる。薬剤を収容した転動ユニット74が薬剤撮影装置120を構成する第一カメラユニット122の下方に到達すると、下部回転台72を停止させる。そして、転動ユニット74のロールを回転させて薬剤を転動させながら、第一カメラユニット122により所定の期間に亘って薬剤の画像を撮影する。第一カメラユニット122による撮影が完了すると、下部回転台72をさらに回転させる。
第一カメラユニット122による撮影が完了した薬剤を収容した転動ユニット74が第二カメラユニット124の下方に到達すると、下部回転台72を停止させる。そして、再び転動ユニット74のロールを回転させて薬剤を転動させながら、第二カメラユニット124により所定の期間に亘って薬剤の画像を撮影する。第一カメラユニット122および第二カメラユニット124の両方で画像を撮影することにより、薬剤に付された識別情報が印刷されたものであるか刻印されたものであるかに関わらず、薬剤の識別情報を含む画像データを取得される。第二カメラユニット124による撮影が完了すると、下部回転台72をさらに回転させる。
第二カメラユニット124による撮影が完了した薬剤を収容した転動ユニット74が整列排出部140の上方に到達すると、下部回転台72を停止させる。そして、転動ユニット74のロールが離間され、排出された薬剤が整列排出部140に収容される。このとき、整列排出部140の上方に到達した転動ユニット74をイオン照射装置96などの除電機構で除電してもよい。また、除電を行う場合、転動ユニット74におけるロールの離間開始のタイミングは、除電開始と同時、除電開始前、除電開始後のいずれでも良い。
薬剤撮影装置120によって鑑査対象である薬剤の画像データが取得されると、鑑査処理部250による制御の下、上述したようにして画像鑑査処理が実行される。すなわち、画像データから鑑査対象である薬剤について刻印等の識別情報を割り出し、薬剤情報を特定する一方で、処方データから鑑査すべき薬剤についての識別情報を取得する。そして、これらの識別情報を比較し、処方データに即して適正に払い出された薬剤であるか否かの判定が行われる。また、初期上部計数センサで計数した個数データと初期下部計数センサで計数した個数データとを比較することによっても、処方データに即して適正に払い出された薬剤であるか否かの判定が行われる。判定結果は、タッチパネル14aの表示、警報音の発生、ランプの点灯等、適宜の方法によって報知される。
整列排出部140は、一包分の薬剤の貯留が完了するまで待機する。一包分の薬剤を貯留すると、整列排出部140は上述の整列排出動作を行う。これにより、薬剤が1個ずつ整列排出部140から整列排出ホッパー168に排出される。整列排出ホッパー168に排出された薬剤は、分包前上部計数センサ162および分包前下部計数センサ164によって計数される。分包前上部計数センサ162で計数した個数データと分包前下部計数センサ164で計数した個数データは、鑑査処理部250で比較され、適正に排出されたか否かの判定が行われる。この判定結果も、タッチパネル14aの表示等の適宜の方法によって報知される。
整列排出部140では、薬剤を一定の間隔をあけて一列に整列させ、1個ずつ排出することができるため、例えば静電気によって整列排出ホッパー168の内面に薬剤が張り付く等のトラブルがあっても、分包前上部計数センサ162および分包前下部計数センサ164の計数結果を比較することにより、当該トラブルを精度良く検出することができる。この最終的な分包前上部計数センサ162および分包前下部計数センサ164による計数鑑査を行うことにより、画像鑑査を完了した後に生じるトラブルを低減することができる。
整列排出ホッパー168から適正に分包部180に払い出された一包分の薬剤は、印刷ユニット182において該当する服薬情報(薬剤の名称、服用方法等)が印刷された分包紙により、包装ユニット184において包装される。包装ユニット184における包装は、自動的に行うものとしてもよいし、一旦確認のボタンをタッチパネル14aに表示させて、そのボタンが操作されることを条件として行うものとしてもよく、適宜の方法とすることができる。
これにより、整列排出部140に貯留した状態で、対応する服薬情報の印刷を行った一包分の分包紙に確実に一包分の薬剤を供給して包装することができる。鑑査の結果、適正でない旨の判定が行われた場合には、その旨を分包紙に印刷してもよいし、既に印刷が完了しているのであれば、その印刷をこれに続く分包紙に行うようにしてもよい。
本発明に係る薬剤分包装置10では、画像鑑査を省略し、計数鑑査のみを行うこともできる。この場合、薬剤撮影装置120による撮影を省略できるため、薬剤を受け入れた転動ユニット74を、薬剤撮影装置120の下方を迂回して、または薬剤撮影装置120の下方での停止を行わずに直接整列排出部140の上方に移動させることができる。そのため、鑑査処理に必要な時間を、画像鑑査も行った場合と比べて短縮することができる。
3.複数の薬包に分包する場合の鑑査処理の形態
薬剤を分包した薬包を複数形成する場合には、任意の薬包について画像計数鑑査処理を行い、その他の薬包については計数鑑査処理を行ってもよい。この場合、薬包ごとに、鑑査処理の精度の高い画像計数鑑査処理と、鑑査処理の速度の速い計数鑑査処理とを適宜選択することにより、十分な鑑査精度を確保しつつ、鑑査処理速度を向上させることができる。
また、薬剤を同一服用時期ごとに連続して一包ずつ分包する場合において、連続する同一服用時期の任意の一包または複数包について画像計数鑑査処理を実行し、同一服用時期のその他の薬包について前記計数鑑査処理を実行してもよい。具体的な例を挙げると、服用時期が「朝」、「昼」、「晩」の薬包を1週間分分包する際に、「朝」を7包連続、「昼」を7包連続、「晩」を7包連続して分包するような場合である。同一服用時期の薬包の薬剤構成は、全て同じとする。この場合に、「朝」の連続する7包のうち、任意の薬包について画像計数鑑査処理を実行し、残りの薬包については計数鑑査処理を行う。「昼」と「晩」の薬包についても同様とする。
同じ薬剤構成の薬包を複数連続して分包する場合には、一つの薬包が正確に分包されていれば残りの薬包も正確に分包されている蓋然性が高い。そのため、同一服用時期の薬包ごとに、画像計数鑑査処理と計数鑑査処理とを適宜選択することにより、十分な鑑査精度を確保しつつ、鑑査処理速度を向上させることができる。
さらに、薬剤を服用時期の一周期ごとに周期的に分包する場合おいて、任意の一周期または複数周期分の薬包について画像計数鑑査処理を実行し、残りの薬包については計数鑑査処理を行ってもよい。具体的な例を挙げると、服用時期が「朝」、「昼」、「晩」の薬包を1週間分分包する際に、「朝」、「昼」、「晩」の一日分(一周期分)の分包を7回繰り返して行うような場合である。同一服用時期の薬包の薬剤構成は、全て同じとする。この場合、一周期分の薬包を一組として7組分包することになる。7組の薬包のうち、任意の一組または複数組について画像計数鑑査処理を実行し、残りの組については計数鑑査処理を行う。
同じ薬剤構成である一組の薬包の分包を、複数組について繰り返し行う場合には、一組の薬包が正確に分包されていれば残りの組も正確に分包されている蓋然性が高い。そのため、薬包の一組ごとに、画像計数鑑査処理と計数鑑査処理とを適宜選択することにより、十分な鑑査精度を確保しつつ、鑑査処理速度を向上させることができる。
上述したように、本実施形態の薬剤分包装置10では、薬剤準備払出部20から払い出された薬剤を、整列排出部140において一列に整列させ、1個ずつ順に排出させることができる。また、順に排出された薬剤は、分包前下部計数センサ164で計数された上で、分包部180において分包紙で分包される。これにより、薬剤の個数を精度良く計数でき、薬剤の個数を基準とする鑑査を精度良く実施することができる。
上述したように、薬剤分包装置10では、薬剤準備払出部20に設けられた複数の第一薬剤カセット32や第二薬剤カセット34のうち2以上のものから排出された薬剤を一包分の薬剤として集合させ、一つずつ排出して分包可能である。このように、異種の薬剤が一包に纏めて包装される場合であっても、薬剤の個数に基づいて精度の高い鑑査支援を行うことができる。
また、本実施形態の薬剤分包装置10においては、分包前下部計数センサ164が分包部180において分包紙に囲まれる位置に配置されている。そのため、薬剤が分包される直前に薬剤の個数を計数することができるため、より精度の高い鑑査支援を行うことができる。なお、本実施形態では、分包部180において分包紙に囲まれる位置に分包前下部計数センサ164を設けた例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、分包前下部計数センサ164を設けない構成としても良い。
また、本実施形態の薬剤分包装置10は、分包前下部計数センサ164に加え、第一薬剤カセット32や第二薬剤カセット34から払い出された薬剤の個数を計数するための第一初期上部計数センサ48や第二初期上部計数センサ50を備えている。そのため、薬剤分包装置10では、分包される直前に加えて、薬剤の個数を第一薬剤カセット32や第二薬剤カセット34から排出された直後にも計数し、それぞれの計数結果に基づいて鑑査処理を行うことができる。従って、薬剤分包装置10によれば、薬剤準備払出部20における薬剤の払い出しから分包紙内への薬剤の投入に至る区間に亘って網羅的に薬剤の個数を鑑査できる。なお、本実施形態では、薬剤準備払出部20から払い出された薬剤の個数を計数するためのもの(初期計数部)として第一初期上部計数センサ48や第二初期上部計数センサ50を設けた例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、第一初期上部計数センサ48や第二初期上部計数センサ50のうち、いずれか一方又は双方を省略した構成や、第一初期上部計数センサ48や第二初期上部計数センサ50とは別の計数のために設けても良い。
なお、本実施形態では、第一薬剤カセット32及び第二薬剤カセット34の双方を備えた薬剤分包装置10を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、第一薬剤カセット32及び第二薬剤カセット34のいずれか一方又は双方を備えていないものであっても良い。また、上述した薬剤分包装置10は、手撒薬剤供給部26を備えたものであるが、本発明はこれに限定されるものではなく、手撒薬剤供給部26を備えていないものであっても良い。
本実施形態の薬剤分包装置10においては、装置の状態をタッチパネル14a等の表示部に表示可能とされている。そのため、薬剤分包装置10においては、鑑査結果を容易かつ確実に把握することができる。なお、本実施形態では、タッチパネル14aを表示部として設ける例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、別途表示装置を表示部として設けたり、表示部に相当するものを設けないようにしたりしても良い。
上述したように、薬剤分包装置10は、分包前下部計数センサ164よりも薬剤の通過経路の上流側に整列排出部140を備えており、薬剤準備払出部20から払い出された一包分の薬剤を一列に整列して順に排出可能とされている。そのため、分包前下部計数センサ164によって薬剤の個数を精度良く計数することができ、より精度の高い鑑査支援を行うことができる。なお、本実施形態では、整列排出部140を薬剤分包装置10に設けた例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく薬剤分包装置10を省略した構成としても良い。
本実施形態の薬剤分包装置10は、分包前下部計数センサ164により取得された薬剤の排出数に関する情報と、薬剤撮影部70や読取制御部230、鑑査処理部250を備えており、薬剤撮影部70で撮影された画像に基づいて薬剤に付された識別情報を読み取ることで得られた識別情報とを用いて精度の高い鑑査処理(画像計数鑑査処理)を行うことができる。また、必要に応じて、識別情報を用いず、処方情報と個数情報に基づく鑑査処理である計数鑑査処理も選択することができる。画像計数鑑査処理と計数鑑査処理とを適宜選択することにより、鑑査精度を確保しつつ鑑査処理速度を向上させることができる。なお、本実施形態では、画像計数鑑査処理と、計数鑑査処理のいずれかを任意に選択可能とした例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、画像計数鑑査処理及び計数鑑査処理のうち一方のみ実施可能なものや、処方データなどの情報に基づいて強制的に画像計数鑑査処理あるいは計数鑑査処理が選択され実行されるものなどであっても良い。
上述した薬剤分包装置10では、計数鑑査処理を実行する場合には、薬剤準備払出部20から薬剤撮影部70を迂回する経路で整列排出部140に薬剤を払い出し、薬剤撮影部70において薬剤の撮影を行わない。そのため、薬剤分包装置10によれば、計数鑑査処理を行う場合の処理速度をより一層向上させることができる。なお、本実施形態では、計数鑑査処理を実行する場合に薬剤準備払出部20から薬剤撮影部70を迂回する経路で整列排出部140に薬剤を払い出し可能とした例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。具体的には、薬剤分包装置10は、計数鑑査処理を実行する場合についても、薬剤撮影部70において薬剤の撮影を行うようにしても良い。また、本実施形態では、計数鑑査処理を実行する場合に薬剤撮影装置120で停止等させず素通りさせることで、薬剤撮影装置120での撮影を回避する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。具体的には、薬剤を鑑査ユニット部60を通らず迂回させる迂回路を別途設け、計数鑑査処理を実行する場合にこの迂回路を通じて薬剤を直接整列排出部140等の下流側に移動させるようにしても良い。
また、上述した薬剤分包装置10は、薬剤を分包した薬包を複数、連続的に形成する場合に、任意の薬包について画像計数鑑査処理を実行し、その他の薬包について計数鑑査処理を実行するような動作モードで動作させることが可能である。具体的には、例えば分包の規則性に着目し、規則性を考慮しつつ任意の薬包について画像計数鑑査処理を実行し、その他の薬包について計数鑑査処理を実行するようにすることが可能である。さらに詳細には、上述したように、連続する同一服用時期の任意の一包または複数包について画像計数鑑査処理を実行し、同一服用時期のその他の薬包について計数鑑査処理を実行するように制御することが可能である。また、薬剤を服用時期の一周期ごとに周期的に分包する場合において、任意の一周期分または複数周期分の薬包について画像計数鑑査処理を実行し、その他の薬包について計数鑑査処理を実行するように制御することが可能である。また、薬剤師等によって特定された薬包についてのみ画像計数鑑査処理を実施し、その他の薬包については計数鑑査処理を実行するようにしても良い。このように、動作モードにバリエーションを持たせることにより、鑑査精度を確保しつつ、鑑査処理速度の向上を図ることが可能となる。なお、本実施形態では、任意の薬包について画像計数鑑査処理を実行し、他の薬包について計数鑑査処理を実行するようにした例を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、規定に基づいて強制的に画像計数鑑査処理や計数鑑査処理を実行するようにしても良い。
また上述したように、整列排出部140は、下り勾配となるように形成された斜面を有する傾斜部材144bを備えている。そのため、傾斜部材144bの頂部側の領域に薬剤が導入されると、薬剤が斜面(上面)に沿って転がるなどして外周側に移動し、分散して整列した状態になる。また、傾斜部材144bが頂部を中心として環状に斜面を形成したものであるため、薬剤を周方向略全域に亘って分散させ、整列された薬剤同士の間隔を十分確保できる。整列排出部140は、このようにして十分分散させた薬剤を移送機構により開口部142aに移送し、排出させることができる。従って、整列排出部140によれば、薬剤を1つずつ、確実に排出させることができる。なお、本実施形態では、整列排出部140として傾斜部材144bの斜面を利用して薬剤を分散させる構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の構造を採用することにより薬剤を分散させるようにしても良い。また、傾斜部材144bは、略全周に亘って形成された斜面を有するものであるが、本発明はこれに限定されるものではなく、周方向の一部が欠落したものなどであっても良い。さらに、傾斜部材144bは、上述したように円錐状、あるいは台円錐状の形状を有するものであることが好ましいが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば三角錐、四角錐等の多角錐状の形状のものであっても良い。
上述したように、整列排出部140は、傾斜部材144bの頂部に貯留部材151が設けられており、上方から落下してきた薬剤を貯留部材151において一旦受け入れた後、受け入れた薬剤を傾斜部材144bの上面に排出可能な構成とされている。これにより、整列排出部140に向けて落下してきた薬剤が、傾斜部材144bの上面で装置外に飛び跳ねる可能性を低減することができる。なお、本実施形態では、貯留部材151を傾斜部材144bの頂部に設けた構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、貯留部材151を設けない構成としても良い。
また、上述した貯留部材151は、傾斜部材144bの頂部に形成された筒状の内壁144aの内側に昇降部材150を設け、昇降部材150を上下動可能としたものとされている。また、昇降部材150は、上述した傾斜部材144bと同様に中央部が隆起した形状とされている。そのため、昇降部材150を下降させた状態で貯留部材151に薬剤を導入すると、昇降部材150の傾斜に沿って薬剤が外周側(内壁144a)側に移動(滑落)しつつ、周方向に分散された状態になる。これに加えて、本実施形態では、昇降部材150が、鉛直方向の軸を中心として回転可能とされている。そのため、昇降部材150を内壁144aの内側で回転させることにより、より一層薬剤を周方向に拡散させることができる。このような状態において、昇降部材150の斜面が傾斜部材144bの斜面と連続した状態(連続状態)になるまで昇降部材150を上昇させると、薬剤が昇降部材150側から傾斜部材144b側に周方向に分散した状態で排出され、傾斜部材144bの斜面に沿って下端側(外周縁側)まで滑落する。そのため、上述した構成によれば、貯留部材151内において予め薬剤を周方向に分散させておいた後、傾斜部材144bに沿って滑落させることでさらに周方向に分散させることが可能となる。
なお、本実施形態では、上述したような構成の昇降部材150を設けた例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。具体的には、本実施形態では、昇降部材150として、略円錐状であって内壁144aの内側で回転可能なものを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、円錐以外の形状のものとしたり、回転不能なものであっても良い。また、昇降部材150を上昇させることにより、昇降部材150の斜面が傾斜部材144bの斜面と連続した状態(連続状態)になるものを例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、昇降部材150を上昇させても傾斜部材144bの傾斜面144bと非連続な状態になるものであっても良い。
上述した本発明の実施形態において採用されている薬剤撮影部70や、整列排出部140(薬剤整列排出装置)の具体的な構成の一例について、以下に実施例として説明する。以下の説明では、「発明を実施するための形態」の欄で説明した薬剤撮影部70および整列排出部140と実質的に同一の部分には同一の符号を付している。
1.薬剤撮影部70
図8は、薬剤撮影部70の実施例の斜視図であり、図9は、図8に示す薬剤撮影部70のうち、下部回転台72および分解した薬剤撮影装置120を示す斜視図である。図8に示すように、薬剤撮影部70は、下部回転台72、上部回転台110、および薬剤撮影装置120を備える。図8には、薬剤撮影部70に加えて、3つのホッパー44,52,54および整列排出部140を併せて示している。これらのホッパーは、「発明を実施する形態」で説明した薬剤分包装置10の薬剤準備払出装置を構成する部材であり、第一ホッパー44、第二ホッパー52および手撒薬剤用ホッパー54は、それぞれ図1に示す薬剤準備払出部20を構成する第一薬剤供給部22、第二薬剤供給部24および手撒薬剤供給部26から供給された薬剤を受け入れ、受け入れた薬剤を薬剤撮影部70側に排出する。
第一ホッパー44は、上端側から下端側に向けて先細り形状となるように形成された筒体である。第一ホッパー44は、いかなる形状のものであっても良いが、本実施例では上端側と下端側の開口部が円形の逆円錐台形状のものとされている。第一ホッパー44の下端には、通過する薬剤を計数する第一初期下部計数センサ56が設けられている。また、第一ホッパー44の下方には複数(本実施例では6個)の転動ユニット74が設けられた下部回転台72が配置されている。第一ホッパー44は、下端側の開口部が下部回転台72を回転させた際の転動ユニット74の軌道の上方に位置するように配置されている。
第二ホッパー52は、上端側から下端側に向けて先細り形状となるように形成されたものである。第二ホッパー52は、いかなる形状のものであっても良いが、本実施例では上端側と下端側の開口部が円形の斜円柱形状のものとされている。手撒薬剤用ホッパー54は、上端側の開口部が矩形、下端側の開口部が円形の逆錐台形状である。第二ホッパー52の下部および手撒薬剤用ホッパー54の下方には、上部回転台110が配置されている。第二ホッパー52および手撒薬剤用ホッパー54は、それぞれ下端側の開口部が、上部回転台110を回転させた際の薬剤収容部110bの軌道の上方に位置するように配置されている。以下では、下部回転台72、上部回転台110および薬剤撮影装置120について順に説明する。
2−1.下部回転台72
図8および図9に示すように、下部回転台72は、水平に配置された円盤状の台であり、図示しないモータ等の駆動源を用いることにより、中心軸72aを軸として回転可能である。
下部回転台72には、中心軸72aを中心として周方向に複数(本実施例では6個)の転動ユニット74が設けられている。下部回転台72の周囲には、転動ユニット74を開閉する開閉機構130が設けられている。転動ユニット74の上方には、円盤状の天板106が下部回転台72と略平行に配置されている。天板106には、各転動ユニット74に対応した複数(本実施例では6個)の反射部108が設けられている。反射部108は、光沢を有する板体により構成されている。反射部108は、天板106からすり鉢状に窪んだ逆円錐台形状であり、底部が開口している。各反射部108の開口部には、各転動ユニット74の上部に設けられた導入部104が貫通して配置されている。反射部108の内周面は、45°〜60°程度の傾斜を有しており、反射部108の上方から照射された光を導入部104側へと反射させることができる。
2−2.転動ユニット74
図10は、図9に示す下部回転台72上の転動ユニット74のうち1個と開閉機構130とを示す斜視図である。図11は、転動ユニット74の斜視図であり、図11(a)は図10と同じ方向から見た状態、図11(b)は斜め下から見た状態を示す。図12は、図11(a)に示す転動ユニット74の分解斜視図であり、図13は、転動ユニット74の平面図である。図14は、図11(a)と別の角度から見た転動ユニット74の斜視図であり、導入部104の上部構成部材104bを外した状態を示す。図15は、図14の反対側から見た転動ユニット74の斜視図であり、図15(a)は底構成部材104aを外した状態を示し、図15(b)はさらに第一側方構成体90および第二側方構成体92を外した状態を示す。図16は、図15(b)に示す状態から底部構成体82を外した状態を示す図であり、図16(a)は平面図、図16(b)は正面図、図16(c)は背面図をそれぞれ示す。なお、図16(c)では、歯車の配置を示すため、動力付与部100a、ハンドル76dおよび可動片102aの一方を外した状態を示す。
これらの図に示すように、転動ユニット74は、第一回転ローラ76および第二回転ローラ78を内蔵しており、これらのローラ76,78によって図1に示す薬剤準備払出部20から供給された薬剤を転動させることができる。転動ユニット74は、下部回転台72に固定される基部80と、基部80に対して装着される駆動部100および可動部102と、薬剤を導入可能なように上方に向けて開口した導入部104とを備えている。
2−2−1.第一回転ローラ76および第二回転ローラ78
図15および図16に示すように、第一回転ローラ76は、第一回転軸76aの周囲にゴム製の第一ローラ部76bを一体化したものである。第一ローラ部76bは、第一回転軸76aの軸線方向両端側から中央側に向かうにつれて径方向(軸線方向に対して直交する方向)外側に向けて円弧状に膨出した洋樽状の外観形状を有する。すなわち、第一ローラ部76bは、軸方向中心側の部位の外径が両端側の外径よりも大きい、いわゆるラジアルクラウン型またはテーパークラウン型のローラとされている。第一回転ローラ76は、基部80に対して第一回転軸76aを装着することにより回転自在に支持されている。また、第一回転軸76aの一端側には、第一ギア76cが一体的に取り付けられている。さらに、第一回転軸76aの第一ギア76cが取り付けられた側の端部には、メンテナンス等の際に手動により第一回転軸76aを回転させるためのハンドル76dが設けられている。
図15および図16に示すように、第二回転ローラ78は、第二回転軸78aの周囲にゴム製の第二ローラ部78bを一体化したものである。第二ローラ部78bは、第二回転軸78aの軸線方向両端側から中央側に向かうにつれて径方向内側に向けて円弧状にくびれた形状とされている。すなわち、第二ローラ部78bは、第一ローラ部76bとは逆に、軸方向中心側の部位の外径が両端側の外径よりも小さい、いわゆる逆クラウン型のローラとされている。第二ローラ部78bは、可動部102に対して第二回転軸78aを装着することにより回転自在に支持されている。また、第二回転ローラ78の一端側(第一回転ローラ76において第一ギア76cが設けられている側)には、第二ギア78cが一体的に取り付けられている。
2−2−2.基部80
基部80は、下部回転台72において薬剤排出用として設けられた開口(図示せず)の位置に合わせて配置される部材である。図15に示すように、基部80は、底部構成体82、第一側方構成体90および第二側方構成体92を備えている。底部構成体82は、基部80の底部をなすものであり、下部回転台72の上に固定される。図11(b)に示すように、底部構成体82には、薬剤排出用の排出口82aが設けられている。底部構成体82は、排出口82aを下部回転台72に設けられた薬剤排出用の開口を基準として位置決め固定される。
図15に示すように、底部構成体82には、ローラ装着部84や駆動部装着部86、第一除電部材88等が設けられている。ローラ装着部84には、第一回転ローラ76が自由に回転可能なように装着されている。具体的には、ローラ装着部84には、第一軸配置部84a、第一ローラ配置部84b、および第一ギア配置部84cが設けられており、これらにそれぞれ第一回転軸76a、第一ローラ部76bおよび第一ギア76cが配置されている。また、第一除電部材88は、除電可能なものであればいかなるものであるが、本実施例では一方の端部に複数の突起を有する板状の部材が用いられている。図11(b)および図15に示すように、第一除電部材88は、底部構成体82において第一回転ローラ76に隣接する位置に設けられた挿入口(図示せず)に挿入されている。第一除電部材88は、突起が設けられた部分(辺)が第一回転ローラ76の表面形状に沿うように湾曲している。図15(b)に示すように、第一除電部材88は、突起が設けられた湾曲部分が第一回転ローラ76側に向く状態とされ、図中に矢印で示すように前述の挿入口に挿入される。これにより、第一除電部材88は、突起が第一回転ローラ76に接するように配置されている。
また、第一回転ローラ76の設置領域に対して転動ユニット74の正面側(下部回転台72の径方向外側)に隣接する部分は、第二回転ローラ78の設置領域とされる。図12や図15に示すように、第二回転ローラ78の設置領域となる部分には、ガイド部94,94が設けられている。ガイド部94,94には、ガイド溝94a,94aが設けられている。ガイド溝94a,94aは、後述する可動部102と共に第二回転ローラ78が揺動する際に第二回転軸78aを案内するためのものである。
2−2−3.駆動部100
図14に示すように、駆動部装着部86には、駆動部100が装着されている。駆動部100は、第一回転ローラ76および第二回転ローラ78を駆動させるためのものである。駆動部100は、動力付与部100aと、駆動ギア100bと、従動ギア100cとを備えている。動力付与部100aには、従来公知のモータを採用することができる。なお、動力付与部100aは、従来公知のモータに代えて、例えばマグネットギア等の動力伝達機構と、後述する薬剤撮影装置120等の他の場所に設けられたモータ等の動力源との組み合わせにより動力を付与可能なもの等を適用してもよい。
駆動部装着部86には、図14に示すように、モータ取付部86aと、回転軸配置部86bと、駆動ギア配置部86cと、従動ギア配置部86dとが設けられている。モータ取付部86aおよび回転軸配置部86bには、それぞれ動力付与部100aの本体部および回転軸が配置されている。駆動ギア配置部86cには、動力付与部100aの回転軸に取り付けられた駆動ギア100bが自由に回転可能なように配置されている。また、従動ギア配置部86dには、従動ギア100cが駆動ギア100bと噛み合いつつ自由に回転可能なように配置されている。
2−2−4.可動部102
図11、図12、図13および図15に示すように、可動部102は、第一側方構成体90および第二側方構成体92に支持されている。具体的には、第一側方構成体90および第二側方構成体92は、それぞれ底部構成体82の上部に立設され、転動ユニット74の側壁を構成している。第一側方構成体90および第二側方構成体92には、可動部102を支持する支軸102b,102bが挿通されている。
可動部102は、一対の可動片102a,102aの間(内側)を繋ぐように操作片102cを設け、これらを一体化したものとされている。可動片102a,102aは、正面視が略三角形状の板体によって構成されている。可動片102a,102aの間には、第二回転ローラ78が配置されている。第二回転ローラ78は、第二回転軸78aの一端側および他端側をそれぞれ可動片102a,102aに対して接続することにより回転可能に支持されている。
また、図16(a)に示すように、可動片102a,102aの間には、操作片102cとともに第二除電部材102fが設けられている。第二除電部材102fは、第二回転ローラ78側に複数の突起を有し、この突起が第二回転ローラ78に接するように配置されている。本実施例では、第二除電部材102fは、第二回転ローラ78の湾曲形状に沿うように湾曲した湾曲部を有する。第二除電部材102fは、前述の湾曲部に複数の突起が設けられており、この突起が第二回転ローラ78に接するように配置されている。
さらに、可動片102a,102aには、支軸102b,102bが外側に向けて突出するように設けられている。上述したように、支軸102b,102bはそれぞれ第一側方構成体90および第二側方構成体92に対して挿通されている。これにより、可動部102は、支軸102b,102bを中心として、第一側方構成体90および第二側方構成体92に対して揺動可能なように支持されている。
図11〜図16に示すように、操作片102cは、操作部102dと固定部102eとを有する。操作部102dは、転動ユニット74の正面側(下部回転台72の径方向外側)に向けて突出するように形成された板状の部分である。操作部102dは、後述する開閉機構130により操作される部分である。操作部102dは、常時においては図11〜図16に示すような略水平な姿勢とされている。この状態においては、図15および図16に示すように、第一回転ローラ76と第二回転ローラ78とが最も近接した位置関係となり、鑑査対象である薬剤を第一回転ローラ76および第二回転ローラ78の上に配置することができる。
図11、図14および図16等に示すように、固定部102e,102eは、可動片102a,102aに対して外側(側方)に向けて突出するように形成された片状の部分である。固定部102e,102eは、操作片102cに対して略直交しており、常時においては第一側方構成体90および第二側方構成体92の正面に対して面接触している。固定部102e,102eは、例えば鉄などの磁性体によって構成されている。そのため、常時においては、固定部102e,102eが、図14や図16に示すように第一側方構成体90および第二側方構成体92の正面側凹部90a,92aの内部に設けられた磁石に対して吸着(付着)して固定されている。従って、操作部102dは、固定部102e,102eに作用している吸着力を上回る外力が作用しない限り持ち上がらない。
2−2−4−1.可動部102における第一回転ローラ76と第二回転ローラ78との位置関係
ここで、図17(b)に示すように、第一回転ローラ76および第二回転ローラ78が近接し、これらの上に鑑査対象である薬剤を配置可能な状態においては、第二回転ローラ78の軸心位置(回転中心)が、第一回転ローラ76の軸心位置(回転中心)に比べて上方に位置している。これにより、第一回転ローラ76および第二回転ローラ78の上で薬剤を確実に回転させることができる。この原理について、図を用いて具体的に説明する。
図17は、第一回転ローラ76および第二回転ローラ78による薬剤の回転原理を説明するための模式図であり、図17(a)は第一回転ローラおよび第二回転ローラ78の回転中心を同程度の高さとした状態、図17(b)は第一回転ローラ76の回転中心の高さを第二回転ローラ78の回転中心の高さよりも低くした状態を示す。図17は、図16(c)と同じ方向から見た図である。
もし仮に、図17(a)のように第一回転ローラ76および第二回転ローラ78が同一あるいは同程度の高さに設置されている場合には、次のような原理により、第一回転ローラ76および第二回転ローラ78を回転させても、薬剤が回転しない懸念がある。すなわち、図中に矢印Rで示す方向(図示例では時計回り方向)にローラ76,78を回転させると、ローラ76,78の回転とは逆方向(図示例では反時計回り方向)への回転力が薬剤に付与される。
ここで、ローラ76,78の径が薬剤の大きさに対して比較的小さい等の理由により薬剤の重心Gが、第二回転ローラ78と薬剤の接触点Aよりも第一回転ローラ76から離れる側(図示例では右側)にあると、薬剤の自重の影響により、図中に矢印rで示すように薬剤に対してローラ76,78と同一方向(図示例では反時計回り方向)への力が作用する。このような理由で、ローラ76,78が同一あるいは同程度の高さに設置されている場合には、ローラ76,78を回転させても、薬剤を回転させることができない懸念がある。
これに対し、図17(b)のようにローラ76,78のうち一方(本実施例では第二回転ローラ78)を他方よりも高い位置に設置すると、同一あるいは同程度の高さに設置した場合に比べて薬剤が起立した状態になる。具体的には、ローラ76,78がそれぞれ第一回転軸76aおよび第二回転軸78aを中心として反時計回り方向に回転する場合には、ローラ76,78のうち左側に配置されたものの回転中心が他方の回転中心よりも高くなるように設置されている。逆に、ローラ76,78が回転軸76a,78aを中心として時計回り方向に回転する場合には、ローラ76,78のうち右側に配置されたものの回転中心が他方の回転中心よりも高くなるように設置される。
上述した構成とすることにより、ローラ76,78の上に配置された薬剤の重心Gが第二回転ローラ78と薬剤の接触点Aよりも第一回転ローラ76に近づく側(図示例では右側)に位置した状態になり、薬剤の回転が阻害されない。従って、第一回転ローラ76および第二回転ローラ78の一方(本実施形態では第二回転ローラ78)の回転中心を他方よりも高くすることにより、ローラ76,78として比較的径の小さなものを採用したとしても薬剤を確実に回転させうる。また、ローラ76,78として小径のものを採用できるため、装置構成をコンパクト化しうる。
2−2−4−2.第一回転ローラ76と第二回転ローラ78の回転による効果
図16(c)に示すように、第一回転ローラ76および第二回転ローラ78に取り付けられた第一ギア76cおよび第二ギア78cは、それぞれ従動ギア100cを介して動力付与部100aの回転軸に接続された駆動ギア100bに接続されている。そのため、動力付与部100aの駆動に伴い各ギアに動力が伝達されると、第一回転ローラ76および第二回転ローラ78が同一方向に回転する。
図17(b)に示す例においては、第一回転ローラ76および第二回転ローラ78は反時計回りに回転する。したがって、第一回転ローラ76および第二回転ローラ78の上に薬剤が配置されると、薬剤と第二回転ローラ78との接触部分においては、第二回転ローラ78の回転に伴い、第二回転ローラ78の外周面が第一回転ローラ76側から離反する方向に移動する。また、第一回転ローラ76の回転に伴い、薬剤と第一回転ローラ76との接触部分においては、第一回転ローラ76の外周面が第二回転ローラ78側に近接する方向に移動する。これにより、薬剤は第一回転ローラ76および第二回転ローラ78の境界部分近傍に留まりつつ回転する。また、薬剤は、第一回転ローラ76および第二回転ローラ78の軸線方向に沿う方向に延びる仮想の回転軸が存在しているかの如く回転する。これにより、薬剤の表面に刻印や印刷により付された識別情報(薬剤の種類を特定するための情報)を薬剤撮影装置120に向けて周期的に表出させることができる。
2−2−4−3.第一回転ローラ76と第二回転ローラ78の形状による効果
さらに、上述したように第一回転ローラ76がいわゆるラジアルクラウン型あるいはテーパークラウン型のローラとされており、第一回転軸76aの軸線方向両端側から中央側に向かうにつれて径方向外側に向けて膨出している。そのため、第一回転ローラ76の回転に伴い、薬剤に対して第一回転ローラ76の軸線方向略中央部に向かう方向への推進力が作用する。従って、転動ユニット74に投入された薬剤は、仮に軸線方向中央部を離れた位置に存在していたとしても、第一回転ローラ76の回転に伴って発生する推進力により軸線方向略中央部に移動し、この場所で回転する。具体的には、ラジアルクラウン型とされた第一回転ローラ76においては、軸線方向中央部と両端部との直径差により、回転している第一回転ローラ76の表面において速度差が生じる。これにより、薬剤が仮に第一回転ローラ76の両端側に外れた位置に投入されたとしても、薬剤が速度の速い中央側に寄せられる効果(いわゆるクラウン効果、あるいはこれに類似した効果)が得られる。
上述したように、ラジアルクラウン型のローラを第一回転ローラ76として採用することにより、薬剤撮影装置120が備える第一カメラユニット122および第二カメラユニット124に対して定位置で回転させることができる。これにより、カメラユニット122,124による薬剤の撮影精度を向上させることができる。また、第二回転ローラ78を第一回転ローラ76に沿って湾曲した逆クラウン型のものとすることにより、撮影すべき薬剤の落下原因となるような隙間がローラ76,78間に形成されるのを防止できる。
2−2−4−4.操作部102dを持ち上げた際の動作
常時において略水平な姿勢にある操作部102dを持ち上げる操作を行うと、可動片102a,102aが支軸102b,102bを中心として揺動する。これに伴い、底部構成体82に設けられたガイド部94,94のガイド溝94a,94aによって第二回転軸78aが案内され、第二回転ローラ78が斜め下方に降下する。これにより、第一回転ローラ76と第二回転ローラ78との間隔が拡がり、これらのローラ76,78の上に乗っていた薬剤が下方に向けて払い出される。なお、上述したように、常時においては、操作部102dに設けられた固定部102e,102eが、図14や図16に示すように第一側方構成体90および第二側方構成体92の正面側凹部90a,92aの内部に設けられた磁石に対して吸着(付着)して固定されているため、操作部102dは、固定部102e,102eに作用している吸着力を上回る外力が作用しない限り持ち上がらない。
2−2−5.導入部104
図11および図12に示すように、導入部104は、底構成部材104aおよび上部構成部材104bを組み合わせたものである。導入部104は、図9に示すように、天板106に設けられた反射部108の開口部に貫通して配置される。底構成部材104aは、図12および図14に示すように、基部80に取り付けられた第一回転ローラ76および第二回転ローラ78に対して上方から被さるように装着される部材である。底構成部材104aは、暗色(本実施形態では黒色)の部材とされている。
図12に示すように、上部構成部材104bは、底構成部材104aに対して上方に接続される筒状の部材である。上部構成部材104bは、アクリル樹脂等の透光性を有する材料(無色透明が好ましい)によって構成されている。これにより、図9に示す状態において、天板106に設けられた反射部108の上方から照射された光が反射部108において反射し、上部構成部材104bを介して内側の導入領域104cに導入可能とされている。上部構成部材104bは、内側に断面形状が非円形の導入領域104cが形成される筒状の部材である。本実施例では、上部構成部材104bとして、外周面は略円形の断面形状であり、内周面が多角形(本実施例では略正方形)の断面形状を有する上下方向に連通した筒状の部材が用いられている。
ここで、上述したように透光性を有する上部構成部材104bを底構成部材104aに対して接続した場合、底構成部材104aと接触する上部構成部材104bの底(接触端104d)において光が反射し、薬剤撮影装置120における薬剤の撮影に悪影響を及ぼす懸念がある。具体的には、接触端104dにおいて発生した反射光の影響により、薬剤撮影装置120で撮影した画像において上部構成部材104bが白く写り込んでしまい、薬剤と上部構成部材104bとの区別が困難になる懸念がある。
図18は、導入部104を構成する底構成部材104aと上部構成部材104bとの接続部分近傍の部分拡大図である。上記した懸念を払拭すべく、本実施例では、図18に示すように、上部構成部材104bにおいて、底構成部材104aとの接続に伴って底構成部材104aと接触する側の端部(接触端104d)を暗色(本実施例では黒色)に着色している。さらに具体的には、上部構成部材104bの接触端104dに、艶消しの黒色に着色された着色層104eを設けている。これにより、接触端104dにおける光の反射を抑制している。これに加えて、本実施形態では、上述したように底構成部材104aについても暗色(本実施例では艶消しの黒色)とすることにより、より一層光の反射を抑制している。また、底構成部材104aを設けることにより、第一回転ローラ76および第二回転ローラ78の回転により上部構成部材104bの接触端104dに付された着色層104eが剥がれ落ちるのを防止している。
また、本実施例では、着色層104eの表面に、帯電防止剤により構成された帯電防止層104fが設けられている。これにより、上部構成部材104b内において薬剤が回動することに伴う静電気を、帯電防止層104fによって抑制できる。なお、本実施例では、着色層104eとは別に帯電防止層104fを設けているが、帯電防止層104fを設けず、着色層104eに帯電防止剤を練り込む等して、着色層104eが帯電防止効果を備えたものとしても良い。
2−2−6.開閉機構130
図8〜図10に示すように、開閉機構130は、上述した下部回転台72に対して径方向外側に隣接する位置に設けられている。開閉機構130は、下部回転台72の回転に伴って隣接する位置に到来した転動ユニット74の操作片102cを持ち上げることにより第一回転ローラ76と第二回転ローラ78との間隔が拡げる操作を行うためのものである。図10や図19に示すように、開閉機構130は、開閉用駆動源132と、動力伝達部134と、アーム136と、回転量検知部138とを備えている。
開閉用駆動源132は、開閉機構130において駆動力を発揮する部分である。開閉用駆動源132は、本実施例ではモータによって構成されているが、いかなるもので構成されてもよい。動力伝達部134は、ギアを備え、作動軸134aを介して開閉用駆動源132からアーム136に動力を伝達する部分である。アーム136は、動力伝達部134を経て開閉用駆動源132から受けた動力を用いて作動する片状の部分である。
回転量検知部138は、切り込みを有する円形状の回転板138aと、発光部と受光部とを有する光電センサ138bからなるいわゆるロータリーエンコーダである。回転板138aは作動軸134aの一端に設けられており、光電センサ138bが回転板138aの回転に伴う切り込みの通過を検知することにより、作動軸134aの回転量を検知する。回転量検知部138は、ロータリーエンコーダ以外にも、回転量を検知できるものであればいかなるものによって構成されていてもよい。
図19は、開閉機構130を構成する作動片周辺の部分拡大図であり、図19(a)は常時における下降した状態、図19(b)は上昇した状態を示す。図19に示すように、アーム136は、長手方向の基端側に作動軸134aを挿通するための挿通孔136aを有し、先端側に操作片102cと接触するローラからなる接触部136bを有するものとされている。アーム136は、接触部136bが下部回転台72側を向くように配されている。挿通孔136aは、アーム136の長手方向に長い長円状の開口形状を有するものである。作動軸134aには、カム134bが設けられており、作動軸134aが回転するとカム134bは挿通孔136a内において偏心回転する。また、アーム136は、挿通孔136aを離れた位置において作動軸134aに対して略平行に設けられた支軸136cによって回転可能に支持されている。このような構成とすることにより、開閉用駆動源132の回転軸を所定方向(正方向)に回転させるだけで、操作片102cを上下させ、第一回転ローラ76および第二回転ローラ78の間を開閉できる。
2−3.上部回転台110
図8に示すように、上部回転台110は、水平に配置された円盤状の台であり、中心軸110aの周囲に複数(本実施例では4個)の薬剤収容部110bを備える。薬剤収容部110bは、上部回転台110を窪ませた形状であり、底面が開閉可能である。上述のように、上部回転台110の上方には、第二ホッパー52および手撒薬剤用ホッパー54が配置され、それぞれ下端側の開口部が、上部回転台110を回転させた際の薬剤収容部110bの軌道の上方に位置するように配置されている。また、上部回転台110は、上部回転台110を回転させた際の薬剤収容部110bの軌道の一部が下部回転台72を回転させた際の転動ユニット74の軌道の上方となる位置に配置される。
2−4.薬剤撮影装置120
図8および図9に示すように、薬剤撮影装置120は、下部回転台72の上方に配置され、第一カメラユニット122および第二カメラユニット124の2台のカメラユニットと、カメラユニットの下部に配置された遮光カバー126を備える。薬剤撮影装置120は、開閉機構130が設けられた位置に対して下部回転台72の正回転方向(図示例では上方から見て時計回り方向)の上流側に外れた位置に設けられている。本実施例では、開閉機構130に隣接する位置に転動ユニット74が静止した状態において、これよりも下部回転台72の正回転方向上流側に隣接する2つの転動ユニット74が配置される位置に対応する位置(以下、「撮影位置」とも称する。)に第一カメラユニット122と第二カメラユニット124が設置されている。
第一カメラユニット122および第二カメラユニット124は、いずれもカメラおよび光源を備え、転動ユニット74に収容された薬剤に光を照射しつつ撮影することが可能である点で共通するが、撮影に適した薬剤の種類が相違する。
遮光カバー126は、内部に円柱形にくり抜かれた第一遮光部126aおよび第二遮光部126bの2個の遮光部を有し、各遮光部126a,126bは、第一カメラユニット122および第二カメラユニット124のそれぞれに対向する。遮光カバー126により、各カメラユニット122,124の光源から照射した光の漏洩と、外部からの余分な光のカメラへの入射が防止される。
各遮光部126a,126bの直径は、天板106に設けられた反射部108の外径と略同一である。第二遮光部126bの内部には、円筒形の絞り部材128が設けられている。絞り部材128の内径は、反射部108の内径と略同一である。第一遮光部126aには、内部に他の部材は配置されていない。
そのため、第一カメラユニット122から出射した光は、一部は直接転動ユニット74内の薬剤に照射され、一部は天板106の反射部108で反射し、透明な部材からなる導入部104の上部構成部材104bを透過して、カメラから薬剤に向かう方向に対して交差する方向に照射される。このように光が照射されるため、第一カメラユニット122は、主として印刷により識別情報が付された薬剤の撮影に適している。
一方、第二遮光部126bの第二カメラユニット124に対向する部分には、反射部108の中心に設けられた開口部と略同一の直径の円筒形の絞り部材128が設けられている。第二カメラユニット124の光源から出射した光は、絞り部材128により絞られるため、転動ユニット74内の薬剤に照射される光は、カメラから薬剤に向かう方向に照射される光のみである。そのため、第二カメラユニット124は、主として刻印により識別情報が付された薬剤の撮影に適している。
3.整列排出部140(薬剤整列排出装置)
図20は、本実施例に係る整列排出部140の斜視図である。図21は、図20に示す整列排出部140の分解斜視図であり、カバーを取り外した状態を示す。図22は、図20に示す整列排出部140を下方から見た斜視図であり、カバーおよびベースを取り外した状態を示す。
図20に示すように、整列排出部140は、ベース158上に設けられている。整列排出部140は、略円筒状の外壁142と、外壁142の内側に配置された環状の外輪部材144と、外輪部材144の内側に配置された昇降部材150とを備える。外壁142の周囲には、保護カバー160が設けられている。ベース158上において、保護カバー160により外壁142が支持されている。
図21に示すように、ベース158において外壁142の外周面近傍となる位置には、薬剤排出口158aが設けられている。薬剤排出口158aの上部には、分包前上部計数センサ162が設けられている。また、図22に示すように、薬剤排出口158aの下部には、整列排出ホッパー168が設けられている。図22では、保護カバー160およびベース158を取り外すとともに、整列排出ホッパー168をベース158に設けられる位置よりも下方に移動させた状態を示す。分包前上部計数センサ162の上部には、薬剤カバー162aが設けられている。また、ベース158上には、外輪部材駆動モータ146、昇降部材回転モーター152、および昇降部材昇降モータ156が設けられている。
3−1.外壁142
図21に示すように、外壁142は、厳密には上部の直径に比べて下部の直径が若干小さい逆円錐台形状であり、上端には半径方向外側に向けてフランジが設けられている。外壁142の一部には、貫通した開口部142aが設けられており、外壁142の内周面には、開口部142aを覆うように誘導部材148が配置されている。
誘導部材148は、板状の固定部148aと、固定部148aに垂直に配置された薬剤回収部148bとからなる。誘導部材148は、固定部148aが外壁142のフランジに水平に固定される。薬剤回収部148bは、屈曲した板状の部材であり、整列排出部140において鉛直方向に伸びるように配置される。薬剤回収部148bは、鉛直方向に伸びる端部のうち一端が外壁142の内周面に接し、他端が外壁142から離れている。
3−2.外輪部材144
外輪部材144は、筒状の内壁144aと、内壁144aの上端で内壁144aの外周面に接する環状の傾斜部材144bとを備える。内壁144aは、外壁142と同心円状に配置される。傾斜部材144bは、外周が外壁142の内周面に接し、内壁144a側から外壁142側に向かって低くなる、円錐台状の斜面を有する。本実施例では、傾斜部材144bは、内側と外側で傾斜の大きさが異なる2つの円錐台状の斜面からなり、外側の斜面よりも内側の斜面の方が傾斜が大きい。
外輪部材144の下面には、図21および図22に示す外輪ギア144cが設けられる。外輪部材駆動モータ146の駆動力は、ギア146aおよびギア146bを介して外輪ギア144cに伝達され、上方から見て時計回り方向または反時計回り方向に外輪部材144を回転させる。外輪部材144の上面に載置された薬剤を外壁142の開口部142aから排出する際には、時計回り方向に回転させる。
3−3.昇降部材150
昇降部材150は、上部に頂点を有する円錐状の部材であり、外輪部材144の内壁144aに接して上下方向に摺動可能である。また、昇降部材150は、円錐の軸を回転軸として、上方から見て時計回り方向および反時計回り方向の両方に回転可能である。
図21および図22に示すように、昇降部材150の下部には円筒形の胴体150aが設けられている。胴体150aの外周には、ギアが設けられている。昇降部材回転モーター152の駆動力は、図22に示すギア152a、ギア152bおよびギア152cを介して胴体150aに伝達される。これにより、昇降部材150を、円錐の軸を回転軸として回転させうる。胴体150aに接するギア152cは、図21にも示されている。
図22に示すように、昇降部材150の下部に設けられた胴体150aの内部には、昇降部材150を昇降させるための昇降機構154が配置されている。図23は、昇降機構の斜視図である。図23には、図21に示す昇降機構154を平面視において時計回り方向に90°回転させた状態を示す。昇降機構154は、水平板154aと、2本の支柱154cと、らせん軸154dとを備える。水平板154aは、周面の一部が中央部まで窪んだ円盤状の部材であり、2個の貫通孔154bを有する。水平板154aの窪みには、図23においてらせん軸154dに隠れた位置に、らせん軸154d方向に突出した突起が設けられている。水平板154aは、図22に示すように昇降部材150の下部に設けられた胴体150aの内部に固定される。
2本の支柱154cは、いずれも円柱形であり、それぞれ水平板154aの貫通孔154bを貫通するように配置される。水平板154aは支柱154cに沿って昇降可能である。らせん軸154dは、表面にらせん状の溝154eが設けられた円柱形の部材であり、下部にギア154fが設けられている。2本の支柱154cの上端は、上端固定板154gに固定されている。また、らせん軸154dの上端は、上端固定板154gに回転可能に支持されている。
図22に示すように、昇降部材昇降モータ156は、ギア156a、ギア156b、ギア156cおよびギア156dを介して、らせん軸154dの下部に設けられたギア154fに駆動力を伝達可能なように配置されている。そのため、昇降部材昇降モータ156を作動させることにより、らせん軸154dを回転させうる。らせん軸154dの溝154eには、水平板154aの窪みに設けられた突起(図示せず)が挿入されている。そのため、らせん軸154dが回転すると、水平板154aの突起が溝154eから上向きまたは下向きの力を受ける。その力により、水平板154aとともに昇降部材150が昇降する。図22には、水平板154aが下端に位置している状態を示す。
図21に示すように、上端固定板154gの近傍には上部水平板センサ154hが設けられている。また、図22に示すように、らせん軸154d下端の近傍には、下部水平板センサ154iが設けられている。上部水平板センサ154hおよび下部水平板センサ154iは、各種センサによって構成できるが、本実施例では光電センサによって構成されている。上部水平板センサ154hは、水平板154aが上端に接近したことを検知できる。また、下部水平板センサ154iは、水平板154aが下端に接近したことを検知できる。昇降部材昇降モータ156は、上部水平板センサ154hや下部水平板センサ154iから出力される各信号に基づき駆動制御される。
3−4.整列排出部140の動作
本実施例に係る整列排出部140の動作の概略は、「発明を実施するための形態」の欄において図6を用いて説明したものと同様である。以下では図6を適宜参照して説明する。
図20に示すように、整列排出部140は、外輪部材144の内壁144aに囲まれた空間内に昇降部材150を下降させた状態で待機する。一包分の薬剤が内壁144aに囲まれた空間内に払い出されると、昇降部材150を正逆両方向へ所定回数回転させる。これにより発生する遠心力により、薬剤を内壁144aに沿って分散させる(図6(b)参照)。
上述したようにして薬剤を内壁144aに沿って分散させた後、図24に示すように外輪部材144の内壁144aに囲まれた空間から露出するまで昇降部材150を上昇させると、昇降部材150の上に乗っていた薬剤を外輪部材144を構成する傾斜部材144bの下端まで滑らせることができる。これにより、傾斜部材144bの下端において、薬剤が、隣接する他の薬剤との間に間隔を有しつつ一列に整列した状態になる(図6(c)参照)。昇降部材150は、上端まで上昇した後、下端に戻り、待機状態と戻る。
上述したようにして薬剤を一列に整列させた後、外輪部材144を上方から見て時計回り方向に回転させることにより、薬剤を1個ずつ順に誘導部材148によって開口部142aに誘導し、排出させることができる(図6(d)参照)。
なお、本実施例において例示した薬剤撮影部70や整列排出部140は、上記実施形態において示した薬剤撮影部70や整列排出部140の構成をさらに具体的に実現したものであるが、薬剤撮影部70や整列排出部140は上述したものに限定される訳ではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜設計変更可能である。
本発明は、薬剤を分包する薬剤分包装置全般において好適に利用可能である。
10 薬剤分包装置
14a タッチパネル(表示部)
20 薬剤準備払出部
32 第一薬剤カセット
36 第二薬剤カセット
48 第一初期上部計数センサ(初期計数部)
50 第二初期上部計数センサ(初期計数部)
56 第一初期下部計数センサ
58 第二初期下部計数センサ(分包前計数部)
70 薬剤撮影部
140 整列排出部(薬剤整列排出装置)
142 外壁
142a 開口部
144 外輪部材
144a 内壁
144b 傾斜部材
151 貯留部材
162 分包前上部計数センサ
162a 薬剤カバー
164 分包前下部計数センサ(分包前計数部)
168 整列排出ホッパー
170 第三カメラユニット
180 分包部
182 印刷ユニット
184 包装ユニット
186 分包紙ロール
200 制御部
230 読取制御部
250 鑑査処理部
M 薬剤

Claims (20)

  1. 薬剤を払い出し可能に準備し、払い出す薬剤準備払出部と、
    前記薬剤準備払出部から払い出された一包分の前記薬剤を一列に整列し、順に排出する整列排出部と、
    前記整列排出部から順に排出された前記薬剤を計数する分包前計数部と、
    前記分包前計数部で計数された前記薬剤を分包紙で分包する分包部と、
    を備えることを特徴とする薬剤分包装置。
  2. 前記薬剤準備払出部が、薬剤を種類別に収容する複数の薬剤カセットを備え、
    前記整列排出部が、前記複数の薬剤カセットのうち2以上の薬剤カセットから排出された薬剤を前記一包分の薬剤として集合させ、一つずつ排出可能であることを特徴とする請求項1に記載の薬剤分包装置。
  3. 前記分包前計数部が、前記分包部において前記分包紙に囲まれる位置に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の薬剤分包装置。
  4. 薬剤を種類別に収容する複数の薬剤カセットを有し、前記薬剤を払い出し可能に準備し、払い出す薬剤準備払出部と、
    前記薬剤準備払出部から払い出された一包分の前記薬剤を分包紙で分包する分包部と、を備える薬剤分包装置であって、
    前記薬剤準備払出部から払い出された前記薬剤の個数を計数する初期計数部と、
    前記分包紙に投入される前記薬剤の個数を計数する分包前計数部と、を有し、
    前記初期計数部と前記分包前計数部の検知情報に基づいて鑑査処理を行うことを特徴とする薬剤分包装置。
  5. 装置の状態を表示する表示部を備えることを特徴とする請求項4に記載の薬剤分包装置。
  6. 前記薬剤準備払出部から払い出された一包分の前記薬剤を一列に整列し、順に排出する整列排出部を有することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の薬剤分包装置。
  7. 薬剤を払い出し可能に準備し、払い出す薬剤準備払出部と、
    前記薬剤準備払出部から払い出された前記薬剤を撮影する薬剤撮影部と、
    前記薬剤準備払出部または薬剤撮影部から受け入れた複数の前記薬剤を整列させ、一列に整列させた後、順に排出する整列排出部と、
    前記整列排出部から順に排出された前記薬剤を計数する分包前計数部と、
    前記分包前計数部で計数された前記薬剤を分包する分包部と、
    装置全体の動作を制御する制御部とを備え、
    前記制御部が、
    前記薬剤撮影部により撮影された画像に基づいて前記薬剤に付された識別情報を読み取る読取制御部と、
    前記読取制御部により読み取られた前記識別情報、前記分包前計数部で計数した薬剤の個数情報および処方情報に基づいて鑑査処理を実行する鑑査処理部とを有し、
    前記鑑査処理を、前記読取制御部により読み取られた前記識別情報、前記分包前計数部で計数した薬剤の個数情報および処方情報に基づいて実行する画像計数鑑査処理、並びに前記分包前計数部で計数した薬剤の個数情報および処方情報に基づいて実行する計数鑑査処理のいずれかを選択可能であることを特徴とする薬剤分包装置。
  8. 前記計数鑑査処理を実行する場合には、前記薬剤撮影部において前記薬剤の撮影を行わないことを特徴とする請求項7に記載の薬剤分包装置。
  9. 前記画像計数鑑査処理を実行する場合には、前記薬剤準備払出部から前記薬剤撮影部に薬剤を払い出し、
    前記計数鑑査処理を実行する場合には、前記薬剤準備払出部から前記薬剤撮影部を迂回する経路で前記整列排出部に薬剤を払い出すことを特徴とする請求項7に記載の薬剤分包装置。
  10. 薬剤を分包した薬包を複数形成する場合において、任意の薬包について前記画像計数鑑査処理を実行し、その他の薬包について前記計数鑑査処理を実行することを特徴とする請求項7から請求項9までのいずれか1項に記載の薬剤分包装置。
  11. 薬剤を同一服用時期ごとに連続して一包ずつ分包する場合において、連続する同一服用時期の任意の薬包について前記画像計数鑑査処理を実行し、前記同一服用時期のその他の薬包について前記計数鑑査処理を実行することを特徴とする請求項7から請求項9までのいずれか1項に記載の薬剤分包装置。
  12. 薬剤を服用時期の一周期ごとに周期的に分包する場合において、任意の一周期分または複数周期分の薬包について前記画像計数鑑査処理を実行し、その他の薬包について前記計数鑑査処理を実行することを特徴とする請求項7から請求項9までのいずれか1項に記載の薬剤分包装置。
  13. 中央側に設けられた頂部から外周側に向けて下り勾配となる斜面を有する傾斜部材と、
    前記傾斜部材を径方向外側において包囲する外壁と、
    前記外壁によって囲まれた包囲領域内に導入された薬剤を排出するための開口部と、
    薬剤を前記開口部に向けて移送する移送機構と、を有し、
    前記包囲領域内であって前記頂部側の領域に上方から薬剤を導入することにより、前記斜面に沿って前記外周側に薬剤を移動させて整列させると共に、前記移送機構を作動させることにより、前記外周側に整列させた薬剤を前記開口部から順に排出可能であることを特徴とする薬剤整列排出装置。
  14. 前記傾斜部材の外周縁が前記外壁の内周面に接しており、
    前記外周縁側の領域において薬剤を整列させることが可能であり、
    前記移送機構が、前記傾斜部材を前記外壁に対して相対回転させることにより、整列させた薬剤を前記開口部から順に排出可能であることを特徴とする請求項13に記載の薬剤整列排出装置。
  15. 前記傾斜部材が、前記頂部を中心として環状となるように前記斜面を設けたものであることを特徴とする請求項13又は14に記載の薬剤整列払出装置。
  16. 前記傾斜部材が、前記頂部に上方から薬剤を一旦受け入れた後、前記受け入れた薬剤を前記傾斜部材の上面に排出することが可能な貯留部材を備えたものであることを特徴とする請求項13から請求項15のいずれか1項に記載の薬剤整列排出装置。
  17. 前記貯留部材が、
    前記傾斜部材の内側に配置された筒状の内壁と、
    中央部が隆起した形状であり、前記内壁の内側において鉛直上下方向に移動可能である昇降部材と、を有することを特徴とする請求項16に記載の薬剤整列排出装置。
  18. 前記昇降部材が、鉛直方向の軸を中心として回転可能であることを特徴とする請求項17に記載の薬剤整列排出装置。
  19. 前記昇降部材を上方に移動させることにより、前記昇降部材の表面と前記傾斜部材の斜面とが連続した状態になることを特徴とする請求項17又は18に記載の薬剤整列排出装置。
  20. 請求項1から請求項3までまたは請求項6から請求項12までのいずれか1項に記載の薬剤分包装置であって、前記整列排出部に請求項13から請求項19までのいずれか1項に記載の薬剤整列排出装置を備えることを特徴とする薬剤分包装置。
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