JP2003535909A - グラチラマー・アセテートに対する抗体による中枢神経系疾患の治療 - Google Patents

グラチラマー・アセテートに対する抗体による中枢神経系疾患の治療

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、グラチラマー・アセテート、別名コポリマー l、コポリマー-1、Cop-1またはCopのエピトープに対して作製したヒト化抗体に関する。加えて、本発明は、中枢神経系軸索の脱随に関連する疾患を治療するためのグラチラマー・アセテートのエピトープに対して作製された抗体に関する。また、本発明には、中枢神経系軸索の脱随に関連する疾患に罹患している患者を治療する方法が包含される。さらに、本発明は、中枢神経系軸索の再ミエリン化を刺激する方法に関する。加えて、本発明は、リンパ球増殖を刺激する方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本出願は、2001年4月27日に出願の米国仮出願番号第60/287,171号、2001年2月
16日に出願の第60/269,788号、および2000年6月20日に出願の第60/212,577号の
利益を主張し、該仮出願の開示を本明細書の一部として本願に援用する。
【0002】 本出願の全体にわたって、種々の参照が括弧内のアラビア数字で参照される。
これらの参照の全ての引用は、本明細書の最後に見出されるであろう。これらの
参照は、その全体にわたって、本発明が属する技術分野の水準をより完全に記載
するために本願明細書に援用する。
【0003】
【発明の属する技術分野】
本発明は、抗体による中枢神経系(CNS)疾患の治療に向けられる。
【0004】
【発明の背景】
脊椎動物の神経系は、中枢神経系(脳および脊髄の中に含まれる)、および末
梢神経系(外部の神経からなる)に分けられている(16)。大部分の神経細胞の軸
索は、ミエリン鞘(多くの分化した形質膜)で覆われている。軸索のまわりに巻
きついたグリア細胞は、ミエリン鞘を産生する。CNSでは、これらの細胞は、乏
突起膠細胞と呼ばれている。CNSのミエリン膜は、ミエリン塩基性タンパク(MBP
)および脊椎動物のその他の場所では見られないプロテオリピド(PLP)を含む
。個々のグリア細胞によって形成されたミエリンのそれぞれの領域は、ランビエ
絞輪と呼ばれている髄鞘がない領域によって、その次の領域から分離されており
;細胞外液と直接接触している軸索膜は、結節だけである。
【0005】 ミエリン鞘(これは、10-12枚のミエリンラップの厚さであってもよい)は、
軸索の細胞質と細胞外液との間のイオンの移動を防ぐことによって、軸索の電気
絶縁体として作用する(16)。したがって、軸索における全ての電気活性は、ラン
ビエ絞輪(イオンが軸索膜を越えて流入できる部位)に限定される。結節領域は
、高密度の電圧依存性Na+チャネル(約10,000per μm2)を含むが、結節間の軸
索膜領域では、あるとしてもほんの少しのチャネルを有するだけである。
【0006】 ミエリンフリーの結節のみで、イオンが軸索膜を越えて移動可能であるため、
活動電位に付随した膜の脱分極の際に結節で生じる過剰なサイトゾルの陽イオン
は、非常に少量の損失または減衰を伴うだけで軸索のサイトゾルを介して次の結
節に拡散される(16)。したがって、1つの結節の脱分極は迅速に次の結節に広が
り、活動電位は、結節から結節に迅速に移動する。この理由については、ミエリ
ン化された神経の伝導速度は、同じ直径の無髄神経のものよりも非常に大きい。
たとえば、直径12μmのミエリン化された脊椎の軸索および直径600μmの無髄イ
カ軸索では両方とも、12m/sでインパルスを伝導する。
【0007】 ヒト成体においてより一般的な神経疾患のうちの1つは、多発性硬化症である
。この症状は、病理学上、一次的な脱髄によって特徴づけられる慢性の、しばし
ば進行性の、炎症性CNS疾患である。多発性硬化症の病因および原因は、知られ
ていない。研究者は、多発性硬化症が自己免疫性疾患であるのではないか(14,2
3,47)、またはウイルス、細菌もしくはその他の薬剤がCNSにおける炎症性反応
を引き起こし、潜在的に自己免疫成分の誘導を伴って直接的もしくは間接的に(
「傍観者」)ミエリン破壊を引き起こす(31,38)のではないかと仮定した。し
たがって、ミエリン鞘の再構築または再ミエリン化は、多発性硬化症を治療する
ことができる。
【0008】 乏突起膠細胞による病変部内の軸索の自発的再ミエリン化は、SJL/Jマウスお
よび多発性硬化症患者において小程度起こることが示されている(1)。抗体のい
くつかのタイプが、再ミエリン化を促進することが明らかとなっている(1)。こ
れらの抗体のいくつかのは、脊髄ホモジェネートまたはミエリン塩基性タンパク
で免疫化することによって生じたポリクローナル抗体である(71)。1つの再ミ
エリン化促進抗体は、モノクローナル抗体(SCH 94.03)である(1)。これらの抗
体のアイソタイプは、IgMであり、それらは乏突起膠細胞の表層に結合する特徴
を共有する(1)。また、それらはポリ反応性であり、様々な細胞骨格タンパク質
または反復構造を有するタンパク質に結合する(1)。
【0009】 希薄ミエリン鞘の形態的な再生が機能の回復(1)に貢献するかどうかという問
題は、臨床的に重要である。コンピュータシミュレーションでは、不適切に薄い
鞘によるときでさえ、新規なミエリン形成がインパルス伝導を改善することを示
している(1)。通常、ミエリン化された繊維の軸索膜は、高度に分化しているた
め、跳躍伝導を伝達するためには、ナトリウムチャネルが高密度でランビエ絞輪
に存在する必要がある。実験的証拠は、サキシトキシン結合によって示されよう
に、新たに形成された結節が、必要とされる高密度のナトリウムチャネルを発達
させることを示唆する。データは、不適切に薄いミエリンによるときでさえ、再
ミエリン化が、以前に脱随された軸索の伝導を改善することを示唆する。したが
って、この形態学的現象を促進するためのどのようなストラテジも、機能的な回
復を生み出す可能性を有する。重篤な急性増悪患者由来の生検組織を調査する研
究では、脱髄が急性の多発性硬化症病変部の有意な成分であることを示している
(57)。したがって、寛解傾向は、おそらく有意なCNS再ミエリン化と関連する(
1)。
【0010】 通常利用される多発性硬化症の実験的モデルの1つは、サイラーネズミ脳せき
髄炎ウイルス(TMEV)によって誘導される(15,59)。TMEVモデルにおいて、脊
髄の脱髄は、ウイルス感染に対する免疫応答に影響され、したがって免疫修飾に
対して絶えず感受性である。TMEVに感染したStrain Jackson Laboratories(SJL
)マウスにおける以前の実験では、4〜5%の脱随領域が有意に自発的再ミエリン
化を示すことを示した(62)。抗体療法およびモノクローナル抗体療法を使用し
たプロトコールでは、この数は、最高30〜35%に増加した(41,58,71)。TMEVモ
デルを使用した例では、ミエリン成分に対して作製されたCNS特異的抗血清(63
)および精製抗体(55,62,71)による受動伝達がCNS再ミエリン化を促進するこ
とが示された。これは、液性免疫応答がCNS脱髄(56)において病原性の役割を
演ずるという従来の見通しと対照的である。また、研究者は、乏突起膠細胞の表
面成分に対して反応して再ミエリン化を促進するモノクローナル抗体を作製した
(40-42)。また、ミエリン塩基性タンパク(MBP)と反応する抗体は、CNS再ミ
エリン化を促進することが示された(58)。これらの実験において、感染したSJ
Lマウスをウサギまたはラットミエリン塩基性タンパクに対して作製した全抗血
清またはアフィニティー精製マウス抗体で処理した。そこには、定量的形態計測
によって測定される新規ミエリン合成の示量的な証拠があった。電子顕微鏡法に
より、多数の乏突起膠細胞、および炎症細胞の相対欠如を伴う再ミエリン化され
たCNS軸索が示された。これらの動物では、CNS再ミエリン化が増強されたにもか
かわらず、ウイルス性抗原は残留した。これらの所見は、ミエリン自己抗原、お
よび特に、MBPに対して反応性の抗体が、ミエリン修復の可能性を有することを
初めて示した。
【0011】 米国特許5,591,629には、脊髄ホモジェネート(SCH)に対するモノクローナル
抗体SCH 94.03を介して、TMEVモデルにCNS再ミエリン化を促進することが記載さ
れている(1)。SCHは、MBP(64)およびプロテオリピドタンパク質(PLP)(12
,67)などのミエリン抗原を包含する。SCHにはMBPを含むにもかかわらず、この
抗体は、MBPと反応しない。SCH 94.03抗体は、グリア細胞の細胞質決定因子を認
識するIgMである。また、乏突起膠細胞を含むグリア細胞の表面決定因子も認識
する。実験では、抗体がTMEVと反応しないことを示した。加えて、抗体は、混合
されたラット脳培養中のグリア細胞の増殖を、用量依存的方法で促進することを
示した。SCH 94.03は、天然の自己抗体である。
【0012】 多発性硬化症の症状再燃の減少に有効であることが示されている治療は、グラ
チラマー・アセテートの投与である(2-6,31)。グラチラマー・アセテート(20
mg/注入)の日周皮下注射は、再発速度、磁気共鳴画像(MRI)による新規な病変
部の様相および障害(26)の進行を減らす。COPAXONE(R)は、グラチラマー・
アセテートの商標名であり(別名コポリマー-1(77)、コポリマー1、Cop-1または
Cop)、多発性硬化症治療のためのFDA認可の薬剤である。COPAXONE(R)の活性
成分であるグラチラマー・アセテートは、合成ポリペチドの酢酸塩からなり、4
つの天然に存在するアミノ酸:L-グルタミン酸、L-アラニン、LチロシンおよびL
-グルタミン酸を含み、それぞれのモル分率平均値は、L-リジン(77):0.129-0
.153;L-アラニン:0.392-0.462;L-チロシン:0.086-0.100;L-K:0.300-0.376
である。グラチラマー・アセテートの平均分子量は、4,70011,000ダルトンであ
る(77)。化学的には、グラチラマー・アセテートは、L-アラニン、L-リジンお
よびL-チロシン、酢酸塩(塩)を伴うL-グルタミン酸ポリマーと称される(77)
。その構造式は: (Glu、Ala、Lys、Tyr)x・CH3COOH (C5H9NO4・C3H7NO2・C6H14N2O2・C9H11NO3)x・XC2H4O2 CAS-147245-92-9 である(77)。また、グラチラマー・アセテートは: ポリ[L-Glu13-15、L-Ala39-46、L-Tyr8.6-10、L-Lys30-37]・nCH3COOH としても記載される。
【0013】 ミエリン塩基性タンパク(MBP)とは異なり、(これとは構造上の特徴の一部
を共有するが)グラチラマー・アセテートは、MSの実験モデルにおいて、実験的
自己免疫性脳脊髄炎(EAE)を誘導するよりもむしろ抑制する(37,65-66)。グ
ラチラマー・アセテート反応性のタイプ2ヘルパーTリンパ球は、EAEに耐性を与
える。
【0014】 グラチラマー・アセテートがある種の免疫機能をダウンレギュレートするとい
う実験的証拠にもかかわらず、グラチラマー・アセテートの臨床使用では、ペプ
チド治療によって他の免疫機能が刺激されることを示している。齧歯類において
、グラチラマー・アセテートに対するモノクローナル抗体が作製されており、そ
のいくつかはMBP(68)と交差反応するが、その他の交差反応性は知られていな
い。グラチラマー・アセテートに対する液性反応は、多発性硬化症に多種多様の
役割を有しているかもしれない。ミエリン抗原に対する一部の自己反応性抗体は
、病因論に貢献しているかもしれない(22,35)。インターフェロン処理された
患者のサブセットにおいて開発されたものなどのその他の抗体が、治療効果を中
和するかもしれない。第三の可能性は、一部の抗体が実際には保護薬であるかも
しれないことである。全ての個体は、MBPを含む広範な内因性の抗原に対する抗
体を有することから、天然の自己抗体が神経系疾患および障害に対して保護的調
節を示すことを示唆する。自己反応性抗体の保護的役割を支持して、中枢神経系
(CNS)に対して反応性のマウスまたはヒト抗体が、多発性硬化症のウイルス実
験モデルにおいてミエリン修復を促進することが見出された(41,48,53、58)。
抗体が、EAEに慢性的に感染したSJLマウスの再ミエリン化を刺激することが見出
された(41,58)。
【0015】 グラチラマー・アセテートに対する抗血清を、L-グラチラマー・アセテートが
実験的アレルギー性脳脊髄炎(EAE)(74-75)に対して有効である機構を調査す
るために使用した。この目的のために、Webbらは、D-グラチラマー・アセテート
およびコポリマー4(トリプトファンとチロシンの置換によって修飾されたL-グ
ラチラマー・アセテート)とL-グラチラマー・アセテート抗血清との交差反応性
を測定した(75)。Webbらは、同様の実験を実行し、L-グラチラマー・アセテー
トとL-グラチラマー・アセテート抗血清との反応性、並びにAGT(アラニン、グ
ルタミン酸およびチロシン)、BE(塩基性エンセファリトジェン(Encephalitog
en))、AAspLT(アラニン、アスパラギン酸、リジンおよびチロシン)およびAG
L(アラニン、グルタミン酸およびリジン)とL-グラチラマー・アセテート抗血
清との交差反応性を決定した(74)。
【0016】 また、グラチラマー・アセテートに対するモノクローナル抗体およびMBPに対
するモノクローナル抗体は、EAE治療におけるグラチラマー・アセテートの機構
をプローブするために利用されている(68)。MBPとグラチラマー・アセテート
に対するモノクローナル抗体との交差反応性は、Teitelbaumらによって分析され
た(68)。また、彼らは、MBPに対してグラチラマー・アセテートとモノクロー
ナル抗体との交差反応性を決定した(68)。彼らの実験のもう一つの焦点は、MB
Pとグラチラマー・アセテート抗血清との、およびグラチラマー・アセテートとM
BP-抗血清との交差反応性であった(68)。加えて、グラチラマー・アセテート
と抗MBP抗血清との交差反応性が、Lisakらによって調査された(37)。
【0017】
【発明の要旨】
本発明は、グラチラマー・アセテート、別名コポリマー l、コポリマー-1、Co
p-1またはCopのエピトープに対して作製したヒト化抗体に関する。
【0018】 本発明は、さらにグラチラマー・アセテートのエピトープに結合するFabフラ
グメントを包含する。
【0019】 加えて、本発明は、中枢神経系疾患の治療に有効な量のグラチラマー・アセテ
ートのエピトープに対して作製された抗体と薬学的に許容可能なキャリアとを含
む医薬組成物に関する。
【0020】 また、本発明は、中枢神経系軸索の再ミエリン化を刺激する方法であって、中
枢神経系軸索の再ミエリン化を刺激するために有効な量のグラチラマー・アセテ
ートのエピトープに対して作製された抗体と前記軸索とを接触させることを含む
方法を提供する。
【0021】 加えて、本発明は、中枢神経系軸索の脱随に関連する疾患に罹患している患者
を治療する方法であって、中枢神経系軸索の脱随に関連する疾患を治療するため
に有効な量のグラチラマー・アセテートのエピトープに対して作製された抗体の
有効な量を、前記患者に投与することを含む方法を含む。
【0022】 本発明は、さらに中枢神経系軸索の再ミエリン化を刺激する方法であって、中
枢神経系軸索の再ミエリン化を刺激するために有効な量の、グラチラマー・アセ
テートと前記軸索とを接触させることを含む方法に関する。
【0023】 また、本発明は、中枢神経系軸索の脱随に関連する疾患に罹患している患者を
治療する方法であって、中枢神経系軸索の脱随に関連する疾患を治療するために
有効な量の、グラチラマー・アセテートのエピトープを前記患者に投与すること
を含み、ここで前記中枢神経系軸索の脱随に関連する疾患は、以下の群から選択
される疾患である方法に関する:急性播種性脳脊髄炎、横断脊髄炎、脱髄性遺伝
病、脊髄損傷、ウイルス誘導性脱髄、進行性多巣的白質脳症、ヒトT細胞白血病
ウイルスI(HTLVI)関連ミエロパシー、および栄養性代謝疾患。
【0024】 最後に、本発明は、リンパ球の増殖を刺激する方法であって、リンパ球の増殖
を刺激するために有効な量のグラチラマー・アセテートのエピトープに対して作
製された抗体と前記リンパ球とを接触させることを含む方法を包含する。
【0025】
【発明の詳細な記載】
初期疾患の語句は、感染後45日までの期間として定義され、疾患における脱髄
段階の始め(感染後約21に始まる)、並びに疾患における脳炎段階を包含する。
【0026】 遅発型疾患の語句は、4ヵ月を越える期間の感染として定義される。
【0027】 低用量グラチラマー・アセテートの語句は、0.02-0.1mg/注射のグラチラマー
・アセテートの単一または多重の注射として定義される。所与の成体SJL/Jマウ
ス平均体重20gにおいて、0.1mgの注射は、5mg/kgと同等である。
【0028】 高投与量グラチラマー・アセテートの語句は、5mg/注射のグラチラマー・アセ
テートの単一または多重の注射として定義される。所与の成体SJL/Jマウス平均
体重20gにおいて、5mgの注射は、250mg/kgと同等である。
【0029】 本発明は、グラチラマー・アセテートのエピトープに対して作製されたヒト化
抗体を提供する。
【0030】 一つの態様において、このヒト化された抗体は、MBPと交差反応性ではない。
【0031】 もう一つの態様において、このヒト化された抗体は、本質的にIgG1からなる。
【0032】 さらなる態様において、このヒト化された抗体は、成熟乏突起膠細胞と反応し
ない。
【0033】 もう一つの態様において、このヒト化された抗体は、SCHと交差反応する。
【0034】 一つの態様において、このヒト化された抗体は、主にマクロファージまたはミ
クログリアの表現型を示す細胞と反応する。
【0035】 もう一つの態様において、さらに、このヒト化された抗体は、モノクローナル
抗体である。
【0036】 さらなる態様において、このヒト化された抗体は、ポリクローナル抗体である
【0037】 本発明は、さらにグラチラマー・アセテートのエピトープと結合するFabフラ
グメントに関する。
【0038】 加えて、本発明は、中枢神経系軸索の脱随に関連する疾患を治療するために有
効な量のグラチラマー・アセテートのエピトープに対して作製された抗体と薬学
的に許容可能なキャリアとを含む医薬組成物に関する。
【0039】 医薬組成物において、この抗体は、ヒト化された抗体であってもよい。
【0040】 医薬組成物において、この抗体は、MBPと交差反応を起こさなくてもよい。
【0041】 医薬組成物において、この抗体は、本質的にIgG1からなっていてもよい。
【0042】 医薬組成物において、この抗体は、成熟乏突起膠細胞と反応なくてもよい。
【0043】 医薬組成物において、この抗体は、SCHと交差反応してもよい。
【0044】 医薬組成物において、この抗体は、主にマクロファージまたはミクログリアの
表現型を示す細胞と反応してもよい。
【0045】 医薬組成物において、この抗体は、モノクローナル抗体であってもよい。
【0046】 医薬組成物において、この抗体は、ポリクローナル抗体であってもよい。
【0047】 また、本発明は、中枢神経系軸索の再ミエリン化を刺激する方法であって、中
枢神経系軸索の再ミエリン化を刺激するために有効な量のグラチラマー・アセテ
ートのエピトープに対して作製された抗体と前記軸索とを接触させることを含む
方法を提供する。
【0048】 本方法において、抗体は、ヒト化された抗体であってもよい。
【0049】 本方法において、抗体は、MBPと交差反応を起こさなくてもよい。
【0050】 本方法において、抗体は、本質的にIgG1からなっていてもよい。
【0051】 本方法において、抗体は、成熟乏突起膠細胞と反応なくてもよい。
【0052】 本方法において、抗体は、SCHと交差反応してもよい。
【0053】 本方法において、抗体は、主にマクロファージまたはミクログリアの表現型を
示す細胞と反応してもよい。
【0054】 本方法において、抗体は、モノクローナル抗体であってもよい。
【0055】 本方法において、抗体は、ポリクローナル抗体であってもよい。
【0056】 その上、本発明は、中枢神経系軸索の脱随に関連する疾患に罹患している患者
を治療する方法であって、中枢神経系軸索の脱随に関連する疾患を治療するため
に有効な量のグラチラマー・アセテートのエピトープに対して作製された抗体の
有効な量を、前記患者に投与することを含む方法に関する。
【0057】 本方法において、抗体は、グラチラマー・アセテートのエピトープに対して作
製されたヒト化抗体であってもよい。
【0058】 本方法において、抗体は、MBPと交差反応を起こさなくてもよい。
【0059】 本方法において、抗体は、本質的にIgG1からなっていてもよい。
【0060】 本方法において、抗体は、成熟乏突起膠細胞と反応なくてもよい。
【0061】 本方法において、抗体は、SCHと交差反応してもよい。
【0062】 本方法において、抗体は、主にマクロファージまたはミクログリアの表現型を
示す細胞と反応してもよい。
【0063】 本方法において、抗体は、モノクローナル抗体であってもよい。
【0064】 本方法において、抗体は、ポリクローナル抗体であってもよい。
【0065】 本方法において、中枢神経系軸索の脱随に関連する疾患は、以下の群から選択
される疾患である:多発性硬化症、急性播種性脳脊髄炎、横断脊髄炎、脱髄性遺
伝病、脊髄損傷、ウイルス誘導性脱髄、進行性多巣的白質脳症、ヒトT細胞白血
病ウイルスI(HTLVI)関連ミエロパシー、および栄養性代謝疾患。
【0066】 一つの態様において、中枢神経系軸索の脱髄と関連する疾患は、多発性硬化症
である。
【0067】 もう一つの態様において、中枢神経系軸索の脱髄と関連する疾患は、急性播種
性脳脊髄炎である。
【0068】 さらなる態様において、中枢神経系軸索の脱髄と関連する疾患は、横断脊髄炎
である。
【0069】 さらなる態様において、中枢神経系軸索の脱髄と関連する疾患は、脱髄性遺伝
病である。
【0070】 もう一つの態様において、さらに、中枢神経系軸索の脱髄と関連する疾患は、
脊髄損傷である。
【0071】 さらなる態様において、中枢神経系軸索の脱髄と関連する疾患は、ウイルス誘
導性脱髄である。
【0072】 もう一つの態様において、中枢神経系軸索の脱髄と関連する疾患は、進行性多
巣的白質脳症である。
【0073】 さらなる態様において、中枢神経系軸索の脱髄と関連する疾患は、HTLVI関連
ミエロパシーである。
【0074】 もう一つの態様において、中枢神経系軸索の脱髄と関連する疾患は、栄養性代
謝疾患である。
【0075】 一つの態様において、栄養性の代謝疾患は、ビタミンB12欠乏症である。
【0076】 もう一つの態様において、栄養性の代謝疾患は、橋中心髄鞘崩壊である。
【0077】 一つの態様において、有効な量は、0.1mg〜400mgの量である。
【0078】 好ましい態様において、有効な量は、0.1mg〜250mgの量である。
【0079】 さらなる態様において、有効な量は、0.5mg〜400mgの量である。
【0080】 もう一つの態様において、有効な量は、0.5mg〜300mgの量である。
【0081】 もう一つの態様において、有効な量は、0.5mg〜250mgの量である。
【0082】 さらなる態様において、有効な量は、1.0mg〜250mgの量である。
【0083】 もう一つの態様において、有効な量は、2.5mg〜225mgの量である。
【0084】 もう一つの態様において、さらに有効な量は、5.0mg〜200mgの量である。
【0085】 さらなる態様において、有効な量は、10mg〜175mgの量である。
【0086】 もう一つの態様において、有効な量は、25mg〜150mgの量である。
【0087】 もう一つの態様において、さらに、グラチラマー・アセテートに対する抗体の
用量は、50mg〜125mgの量である。
【0088】 さらなる態様において、有効な量は、75mg〜100mgの量である。
【0089】 本発明は、さらに、中枢神経系軸索の再ミエリン化を刺激する方法であって、
軸索を、中枢神経系軸索の再ミエリン化を刺激するために有効な量の、グラチラ
マー・アセテートのエピトープに対して作製された抗体と接触させることを含む
方法を提供する。
【0090】 本発明は、加えて、中枢神経系軸索の脱随に関連する疾患に罹患している患者
を治療する方法であって、中枢神経系軸索の脱随に関連する疾患を治療するため
に有効な量のグラチラマー・アセテートのエピトープに対して作製された抗体の
有効な量を、前記患者に投与することを含み、ここで前記中枢神経系軸索の脱随
に関連する疾患は、以下の群から選択される疾患である方法:急性播種性脳脊髄
炎、横断脊髄炎、脱髄性遺伝病、脊髄損傷、ウイルス誘導性脱髄、進行性多巣的
白質脳症、HTLVI関連ミエロパシー、および栄養性代謝疾患に関する。
【0091】 また、本発明は、リンパ球の増殖を刺激する方法であって、リンパ球の増殖を
刺激するために有効な量のグラチラマー・アセテートのエピトープに対して作製
された抗体と前記リンパ球とを接触させることを含む方法を含む。
【0092】 本方法において、抗体は、グラチラマー・アセテートのエピトープに対して作
製されたヒト化抗体であってもよい。
【0093】 本方法において、抗体は、MBPと交差反応を起こさなくてもよい。
【0094】 本方法において、抗体は、本質的にIgG1からなっていてもよい。
【0095】 本方法において、抗体は、成熟乏突起膠細胞と反応なくてもよい。
【0096】 本方法において、抗体は、SCHと交差反応してもよい。
【0097】 本方法において、抗体は、主にマクロファージまたはミクログリアの表現型を
示す細胞と反応してもよい。
【0098】 本方法において、抗体は、モノクローナル抗体であってもよい。
【0099】 本方法において、抗体は、グラチラマー・アセテートのエピトープに対して作
製されたヒト化ポリクローナル抗体であってもよい。
【0100】 一つの態様において、グラチラマー・アセテートに対する抗体は、SJLマウス
にグラチラマー・アセテートを腹腔内投与することによって作製される。あるい
は、グラチラマー・アセテートは、皮内または静脈内に注射することもできる。
グラチラマー・アセテートに対する抗体のその他の供与源は、本発明によって想
定されるものである。これらの供与源は、その他のマウス、ウサギ、ネコ、ヤギ
、サルおよびヒトを含むが、これらに限定されるものではない。
【0101】 加えて、グラチラマー・アセテートのエピトープに対して作製されたモノクロ
ーナル抗体が、本発明によって想定される。これらの抗体は、当業者に既知の手
順によって作製することができる。このような手順は、ハイブリドーマおよび抗
体ライブラリの作製を含むが、これらに限定されるものではない。
【0102】 ハイブリドーマは、培養液柱で無限に培養し得ない正常Bリンパ球と、不死化
されている骨髄腫細胞との融合によって産生される(16,78)。このような融合
細胞を培養するために最もよく使用される選択培地は、ヒポキサンチン、アミノ
プテリンおよびチミジンを含むため、HAT培地と呼ばれている(16)。正常Bリンパ
球は、HAT培地中で培養することができ、サルベージ突然変異体は培養できない
が、正常Bリンパ球とこれらのハイブリッドは、培養することができる(16)。プ
リンのサルベージ経路を欠失した突然変異体ミエローマ細胞系(HAT培地中で培
養不能性であることによって示される)を選択する(16)。次いで、これらの骨髄
腫細胞を正常Bリンパ球と融合させて、ハイブリドーマ細胞を作製する(16)。骨
髄腫細胞のように、ハイブリドーマ細胞は、培養液中で無限に培養することがで
き;正常Bリンパ球のように、融合細胞は、プリンサルベージ経路酵素を有し、H
AT培地中で培養することができる(16)。融合された細胞および融合されていない
細胞の混合液がHAT培地中におかれた場合、融合されていない突然変異体骨髄腫
細胞および融合されていないリンパ球は死に、不死化したハイブリドーマ細胞の
培養が残り、これらのそれぞれがモノクローナル抗体を産生する(16)。所望の抗
体の産生について、ハイブリドーマ細胞のクローンを別々に試験することができ
、次いでその抗体を含むクローンを大量に培養することができる(16)。
【0103】 抗体をコードする遺伝子をクローン化した後、繊維状ファージライブラリを調
製することができる(52)。各ファージは、その表面に選択可能な表現型の独特
の抗体を示す可能性を有する(52)。ファージ外殻の中は、表示された分子をコ
ードする遺伝子型である。ファージ表面を介して封入された遺伝子型に伴って表
示された抗体表現型とのこのようなリンケージが、本技術の基礎を形成する(52
)。典型的には、抗体フラグメントは、Fabフラグメント、一本鎖可変領域フラ
グメント(scFvs)またはダイアボディ(diabodies)としても知られる二量体sc
Fvs(使用されるリンカーペプチドの長さが減少している点、およびそれらが二
量体として結合することを好む点でscFvsと異なる)のいずれかとしてファージ
表面に示される(52)。ライブラリ構築は、ファージミドプラスミドが簡単に入
手可能なことから容易であり、これにより、単一の珍しい切断制限酵素SfiIを使
用してこれらの抗体フラグメントのライブラリ構築および表示が可能となる(52
)。ライブラリからの抗体の選別は、表示された抗体の結合特異性およびアフィ
ニティに基づいており、一般に、パニング法として知られている手法でいくつか
の選別および増幅のラウンドを通じて行われる(52)。
【0104】 抗体ライブラリが表示されたファージは、人為的に表面に固定された精製抗原
のパニングによって、または抗原を発現した細胞表面のパニングによってスクリ
ーニングすることができる(52)。精製された固定化抗原でのパニングとは対照
的に、細胞パニングは、生体内でよりエピトープに結合しそうな抗体を選択する
(52)。
【0105】 ライブラリにおける抗体特異性を改善する1つの方法は、相補性決定領域(CDR
)の飽和突然変異生成である(CDRウォーキング突然変異生成)(52)。このア
プローチでは、CDRの飽和突然変異生成は、標的CDR(52)において生じ得るアミ
ノ酸の全てを検討するライブラリに限定される。2つのストラテジが使用される-
CDRのシーケンシャルなまたは平行した最適化である(52)。シーケンシャルな
アプローチでは、単一のランダム化されたCDRを有する抗体ライブラリを、抗原
に対する数ラウンドのパニングによってスクリーニングする(52)。次いで、選
択されたクローン(s)は、種々の単一のCDRがランダム化された第二のライブラ
リの構築に使用される(52)。パニング、クローン(s)の選別、およびライブ
ラリの構築を数回繰り返す(52)。シーケンシャルな最適化では、CDRs(52)の
相互依存によって最適な結合が生じるであろうことを考慮に入れている。平行し
たアプローチでは、独立したライブラリが構築され、各ライブラリは、所与のCD
Rランダム化を表示している(52)。それぞれのライブラリは、抗原に対する数
ラウンドのパニングによってスクリーニングされる(52)。次いで、個々に最適
化されたCDRsが結合される。個々に最適化されたCDRs結合の自由エネルギー変化
が、単一の最適化されたCDRsにおける自由エネルギー変化の合計とほとんど等し
い場合、自由エネルギー変化は、相加的であると言われる(52)。抗体結合部位
内で相加的であることを実質的に予測することは不可能なので、RaderおよびBar
basは、そのシーケンシャルなCDR最適化を平行して行うことが好ましいと考える
(52)。
【0106】 さらに、本発明は、グラチラマー・アセテートに対するヒト化された抗体を想
定する。ヒト化された抗体は、非ヒト抗体の非可変領域をヒトヌクレオチド配列
で置換することによって遺伝子改変された非ヒト抗体である(1、72)。このよ
うな置換は、抗体の特異性を有意に低下させることなくヒトにおける抗体の免疫
原性を減少する。
【0107】 ヒト化された抗体の1つの型は、キメラであり、これには、非ヒト抗体の可変
領域遺伝子が適切なヒトL鎖およびH鎖定常領域遺伝子を含むヒト発現ベクター内
にクローン化されている(72)。生じたキメラモノクローナル抗体は、抗原結合
能(非ヒト供与源の可変領域に由来)を有するはずであり、変更されていない非
ヒトモノクロナール抗体より有意に低い免疫原性であるはずである。
【0108】 Jonesおよび彼の同僚は、相補性決定領域(CDR)移植術として知られている既知
の技術を介して、さらにキメラ抗体をヒト化した(72)。このプロセスにおいて
、H鎖の3つのCDRsおよびL鎖の3つのCDRsによって形成される抗原結合部位を、非
ヒトモノクロナール抗体を分泌する細胞から切除して、ヒト抗体のフレームワー
クをコードするDNA内に移植する(72)。非ヒト抗体の抗原結合部位CDRsのみが
移植されるので、生じるヒト化された抗体は、可変ドメインの全てが移植された
キメラ抗体より免疫原性がない。
【0109】 このプロセスは、再生(reshaping)、過剰キメラ化(hyperchimerization)
および虚飾(veneering)によってさらに改善された(72)。相同性を基礎とし
た再生プロセスでは、非ヒト可変領域を、それが属するタンパク質配列サブグル
ープの共通配列と比較する(72)。同様に、選択したヒト定常領域受容フレーム
ワークを、そのファミリーの共通配列と比較する(72)。配列解析により、アフィ
ニティー成熟手順の間に変異を受けることにより、特異的となったであろう残基
を同定する(72)。より共通するヒト残基の含有物では、ヒトアクセプター特異
的残基を置換することによって、免疫原性の問題が最小化される。
【0110】 過剰キメラ化は、結合活性の再構成に関与しそうなCDR領域の外側の残基を同
定する代替法である(72)。この方法では、ヒト配列を非ヒト可変領域配列と比
較して、最も高い相同性を有するものをアクセプタフレームワークとして選択す
る(72)。再生の手順のように、特有の残基をより共通して存在するヒト残基に
より置換する(72)。CDR配列と相互作用するであろう非CDR残基が、同定される
(72)。最後に、これらの残基のうち1つを選択して、可変領域フレームワーク
に含ませる(72)。
【0111】 虚飾は、ヒト抗体で共通に見出されるものとは異なるタンパク質または残基の
表示界面を置換するプロセスである(72)。外側残基の適切な置換は、内側のド
メインまたはドメイン間フレームワーク(72)にほとんど影響を有しないであろ
う。虚飾のプロセスにおいて、最も相同的なヒト可変領域を選択し、それぞれの
残基について対応する非ヒト可変領域と比較する(72)。次いで、ヒト相同体と
異なる非ヒトフレームワーク残基を、ヒト相同体に存在する残基で置換する(72
)。
【0112】 グラチラマー・アセテートに対する本抗体は、当業者に既知のいずれの方法に
よって投与することもできる。このような方法は、活性物質および薬学的に許容
可能なキャリアを静脈内、皮下、筋肉内、腹膜内に注射すること、並びに経口、
鼻および直腸で投与することを含むが、これに限定されるものではない。
【0113】 インビボにおける再ミエリン化を促進する方法に加えて、エクスビボでCNS軸
索における再ミエリン化を刺激する方法が、本発明に包含される。たとえば、グ
ラチラマー・アセテートに対する抗体をインビトロで使用して、乏突起膠細胞な
どのグリア細胞の増殖および/または分化を刺激してもよい。次いで、これらの
外因性のグリア細胞を、既知の技術を使用してCNSに導入することもできる。CNS
軸索の再ミエリン化は、これらの細胞がミエリンの産生において重要な役割を演
ずるので、内因性グリア細胞数を増やすことによって増加するだろう。
【0114】 また、インビトロにおいてグリア細胞を産生する方法、または混合培養液から
グリア細胞の増殖を刺激する方法は、本発明に包含される。たとえば、グリア細
胞を含むラット視神経またはラット脳から得られた細胞を、細胞増殖を促進する
のに十分な条件下で混合培養液として培養する。次いで、グラチラマー・アセテ
ートに対する抗体の有効な量を混合培養液に添加して、細胞の成長および増殖の
ために充分な条件下で維持する。グラチラマー・アセテートに対する抗体は、混
合培養液のグリア細胞の増殖を刺激する。したがって、グラチラマー・アセテー
トに対する抗体の存在下で培養されたグリア細胞の増殖は、抗体の非存在下で培
養されたグリア細胞の増殖と比較して増加する。
【0115】 本発明は、グラチラマー・アセテートに対する抗体またはCNS再ミエリン化を
生じるポリクローナルB細胞の産生レベルを促進する治療法によって脱髄性脳脊
髄疾患を治療することに関する。
【0116】 一つの態様において、該治療法は、グラチラマー・アセテートの投与を必要と
する。変形可能な療法には、用量、投与頻度、投与部位およびアジュバントの同
時投与を含んでもよいが、これらに限定されない。グラチラマー・アセテートで
の治療の適切な療法は、患者研究から経験的に決定されるべきである。
【0117】 グラチラマー・アセテートおよびグラチラマー・アセテートに対する抗体は、
薬学的に許容可能なキャリアを含む医薬組成物として処方することができる。本
願明細書において使用されるものとして、薬学的に許容可能なキャリアは、溶媒
、分散媒体、アジュバント、被覆、抗細菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収
遅延剤、甘味料その他同種のもののいずれか、並びに全てを含む。薬学的に許容
可能なキャリアは、香料、甘味料、並びにバッファおよび吸収剤などの雑多な物
質(特定の治療的組成物を調製するために必要であろう)を含むがこれに限らず
広範囲にわたる物質から調製されてもよい。薬学的に活性な物質とこのような媒
体および剤との使用は、公知技術である。活性成分と不適合な従来の媒体または
薬剤を除外する限り、治療的組成物におけるその使用が想定される。
【0118】 グラチラマー・アセテートおよびグラチラマー・アセテートに対する抗体は、
当業者が利用可能な手法を使用して、当業者に既知のどのような形態で処方する
こともできる。一つの態様において、グラチラマー・アセテートまたはグラチラ
マー・アセテートに対する抗体は、経口摂取または吸入によって体内に導入され
る。たとえば、それらは、摂食を介して口を経由して、胃管を介して、気管支通
過吸入によって、または鼻からの吸入によって投与される。本発明において想定
される組成物は、単一の経口液剤として、乳剤もしくは懸濁製剤として、固体経
口剤形(カプセルまたはタブレット)としてまたはソフトゼラチンカプセルとし
てさえ投与されてもよい。本発明は、即時放出剤形および修正放出剤形(微粒子
、被覆顆粒および被覆ペレット、乳剤、マイクロエマルジョン、並びにミクロス
フィアおよびナノスフィアのカプセル化を含む)を想定している。
【0119】 一つの態様において、組成物は、当業者が利用可能な技術を使用してカプセル
またはタブレットに処方される。
【0120】 もう一つの態様において、グラチラマー・アセテートまたはグラチラマー・ア
セテートに対する抗体は、注射可能な溶液または懸濁液、スプレー液またはスプ
レー懸濁液、直腸坐薬、ローション、ガム、ロゼンジ、食物または軽食の品目な
どの、もう一つの便利な形態で投与される。
【0121】 食物、軽食、ガムまたはロゼンジの品目は、甘味料、香料、油、デンプン、タ
ンパク質、果実または果実抽出物、ベジタブルまたはベジタブル抽出物、グレイ
ン、動物脂肪またはタンパク質を含むいずれの摂取可能な成分をも含むことがで
きる。したがって、本組成物は、シリアル、チップス、バール、ガムドロップ、
咀嚼キャンディなどの軽食の品目、またはゆっくり溶解するロゼンジに処方する
ことができる。
【0122】 グラチラマー・アセテートおよびグラチラマー・アセテートに対する抗体の両
者については、当業者は、本発明の精神からそれることなく、構造的に関連した
アミノ酸に容易に置換することができる。本発明は、構造的にチロシン、グルタ
ミン酸、アラニンまたはリジンに関し、これらに対するポリクローナル抗体産生
を刺激する能力を備えたアミノ酸を含むポリペチドおよびペプチドを含む。この
ような置換は、これらがCNS疾患の症状を抑制または軽減する能力について実質
的に同等の生物学的活性を保持している。これらの置換は、チロシン、グルタミ
ン酸、アラニンまたはリジンとほぼ同じ電荷、疎水性および大きさを有するアミ
ノ酸のものを含む構造的に関連したアミノ酸置換である。たとえば、リジンは、
アルギニンおよびヒスチジンに構造的に関連し;グルタミン酸は、アスパラギン
酸に構造的に関連し;チロシンは、セリン、スレオニン、フェニルアラニンおよ
びトリプトファンに構造的に関連し;およびアラニンは、バリン、ロイシンおよ
びイソロイシンに構造的に関連している。構造的に関連した合成アミノ酸などの
、これらおよびその他の保存的な置換は、本発明により想定される。
【0123】 さらに、グラチラマー・アセテートは、l-またはd-アミノ酸から構成されるこ
ともできる。当業者に知られているように、大部分の天然のタンパク質は、l-ア
ミノ酸で存在している。しかし、d-アミノ酸は、市販で入手可能であり、グラチ
ラマー・アセテートを作製するために使用されるアミノ酸の一部または全てを置
換することもできる。本発明は、本質的にl-アミノ酸で存在しているグラチラマ
ー・アセテート、並びに本質的にd-アミノ酸で存在しているグラチラマー・アセ
テートを想定する。
【0124】
【実験の詳細】
(実験方法) 実験に使用した全てのマウスは、SJL/Jマウスであった(Jackson Laboratorie
s, Bar Harbor, ME)。6〜8週齢のマウスには、サイラーマウス脳せき髄炎ウイ
ルスのダニエル株を2.0×106pfuで大脳内に注射した。
【0125】 (ウイルス) 全ての実験において、サイラーマウス脳せき髄炎ウイルス(TMEV)のダニエル
株を使用した。ウイルス株のオリジナル系統は、培養ベビーハムスター腎臓(BH
K)細胞において8継代した後に、J. LehrichおよびB. Arnasonから得た(33)。
ウイルスは、細胞につき0.1プラーク形成単位の感染効率でさらに6回継代した。
細胞内ウイルスを凍結融解および音波処理によって放出させた。可溶化液を遠心
によって精製し、一定分量で-70℃に貯蔵した。
【0126】 (グラチラマー・アセテート注射) 全てのグラチラマー・アセテートの注射は、単独またはIFA中で、脇側または
首の皮下に行った。グラチラマー・アセテートは、同体積のグラチラマー・アセ
テートのPBS溶液とIFA(DIFCO, Fisher, Pittsburgh, PA)からなる乳剤として
投与した。
【0127】 (脊髄傷害:脱髄および再ミエリン化の定量) 脊髄領域の脱髄(病変部負荷)および再ミエリン化(73)は、プラスチック包
埋した脊髄の多数の断面から、カメラルシダー系およびコンピュータ化された図
面タブレット(39)を用いて決定した。簡潔には、マウスをナトリウムペントバ
ルビタールの服用量過多によって屠殺して、4%のパラホルムアルデヒドおよび1%
のグルタールアルデヒドを含むTrumps固定液を心臓内穿刺によって注いだ。脊髄
を切除して四酸化オスミウムでポスト固定し、1mmブロックに断片化した。三ブ
ロックごとに(脊髄あたり10-12ブロック;くびから腰椎の範囲)アラルダイト
プラスチック中に包埋した。包埋した組織を厚さ1μmに断片化して、ミエリン鞘
を強調するために4%パラフェニレンジアミンでスライドを染色した。
【0128】 Zeiss顕微鏡写真機およびZIDAS双方向ディジタルの解析系に取り付けたカメラ
ルシダーを使用して、それぞれのスライドで3つのパラメータ:白質領域の合計
、脱ミエリン化された病変部領域および再ミエリン化領域を測定した。これらの
領域の輪郭をトレースし、コンピュータ化されたディジタル解析系によって領域
を算出した。脱髄は、病変部領域の合計として、白質領域の合計のパーセンテー
ジで表した。再ミエリン化は、再ミエリン化領域の合計として、脱ミエリン化さ
れた病変部領域の合計パーセンテージで表した。乏突起膠細胞による再ミエリン
化の判定基準は、異常に薄いミエリン鞘であった。全ての再ミエリン化データは
、乏突起膠細胞媒介の再ミエリン化に関連している。時に、シュワン細胞媒介の
再ミエリン化が観察され、これは、異常に厚いミエリン鞘およびミエリン鞘に並
列した核によって特徴づけられた。
【0129】 脳病態スコアリング マウスを屠殺して、心臓内穿刺によってTrumps固定液を注ぎ、4%のパラホルム
アルデヒドおよび1%のグルタールアルデヒドを含むTrumps固定液を心臓内穿刺に
よって注入した。脳を切除してTrumpsでポスト固定した。脳を、漏斗および視交
叉で切断することによって3つの断片に冠状切断した。次いで、該断片を脱水し
てパラフィン中に包埋した。各ブロックの断面をスライドにマウントして、ヘマ
トキシリンおよびエオジンで染色し、以下の脳領域の病態を同定した:皮質、脳
梁、海馬、脳幹、線条体および小脳。病態スコアは、実験治療についての知識な
しに割り当てた。脳のそれぞれの領域を次のように等級分した: 0=炎症なし 1=最小の炎症、脈管周囲炎に限定 2=中程度の炎症、実質浸潤を含むが、組織損傷はない 3=軽微であるが明確な組織損傷(組織構築の欠損、細胞死、死肉食、ニューロ
ンの空胞化)を伴う強度の実質炎症 4=大広範な炎症および組織損傷。
【0130】 (ELISA) 間接ELISAは、グラチラマー・アセテートまたはその他のタンパク質抗原でプ
レコートしたプレートに血清または精製された抗体を塗布して行った。感興の抗
原を0.1M炭酸エステルバッファ(pH 9.5)に溶解し、96穴ポリスチレンプレート
にウェルあたり1μgを塗布した。4℃でオーバーナイトインキュベーションした
。次いで、プレートをPBST(0.05% Tween 20界面活性剤を含むリン酸緩衝食塩水
)でリンスして、PBSM(5%脱脂乳粉末を含むリン酸緩衝食塩水)中で1時間イン
キューベートした。プレートをPESTでリンスして、次いで50X PBS中で4時間、室
温においてインキューベートした。プレートをPESTでリンスして、次いでビオチ
ン化されたヤギ産生二次抗体と共にインキューベートした。二次抗体(PBSMで1
:50に希釈)は、マウスIgGまたはマウスIgM特異的であった。室温で2時間イン
キュベーションを行った。プレートをPEST、次いでPBSでリンスした。PBSで希釈
したストレプトアビジン-アルカリホスファターゼ複合体を、室温で2時間プレー
トに塗布した。プレートをPBSTでリンスし、水で最終的なすすぎをした。0.1M炭
酸エステルバッファさらに1mM塩化マグネシウム中でp-ニトロフェニルホスファ
ターゼとインキュベーションすることにより、色のついた反応生成物が産生され
た。反応を0.5N水酸化ナトリウムで停止した。抗体のアイソタイプ決定は、検出
キットおよびZymed Laboratories(San Francisco, CA)の精製アイソタイプ標
準を使用して行った。抗体サンプルのにおける各アイソタイプの濃度の推定は、
各標準アイソタイプ曲線の最も直線的な部分に該当する吸収シグナルを産生した
サンプル希釈を基礎とした。光学吸光度は、405nmの波長で測定した。
【0131】 (遅延型過敏症(DTH)) マウスには、10μl(3.5mg)のUV不活性化TMEVまたはグラチラマー・アセテー
トの滅菌PBS溶液を、耳介皮内に27-ゲージニードルを使用して注射した。注射前
および注射後24時間および48時間に、耳の厚さを測定した。
【0132】 (培養細胞における免疫組織化学) 膠細胞培養(混合物または乏突起膠細胞濃縮)は、4-7日齢 Sprague Dawley子
ラット(Harlan Sprague Dawley. Indianapolis, IA)に由来する大脳半球から
得て、ポリリジン被覆グラスカバーグラスにおいて10%ウシ胎児血清を含むDMEM
培地中で維持し、4-28日の間にインビトロで免疫染色した。また、CNS膠培養液
は、成人ヒト脳生検(癲癇の外科矯正から得られた)に由来した。マウス腹腔マ
クロファージは、滅菌3%チオグリコレート(thioglycollate)溶液の腹こう内投
与後5-8日の洗浄液から得られ、5%ウシ胎児血清を含むRPMI培地中で1-3週間維持
した。
【0133】 脊髄切片は、凍結脊髄をクリオスタット断片化することによって得た(厚さ10
μm)。切片は、氷冷95%エチルアルコールで5分間軽く固定して、非特異的染色
を減らすために10%ヤギ血清中でインキューベートした。
【0134】 一次抗体のPBSバッファ溶液処理は、細胞表面を染色することを意図して、氷
冷溶液で培養プレート氷上で行った。一次抗体では、30-45分間処理した。PBSで
10分間リンスした後、PBSで希釈したフルオロフォア結合二次抗体で、30分間処
理した。次いで、細胞を10-15分間PBSでリンスした。4%パラホルムアルデヒドに
よる固定を最終的なPBSリンスの後で一度、または二次抗体処理の直前および最
終的なPBSリンスの後の二度行った。細胞をオリンパス蛍光顕微鏡で観察した。
【0135】 一次抗体には、グラチラマー・アセテートに対する抗体(4-40μg/ml)、通常
抗体(20μg/ml)、抗膠細胞筋原線維酸性タンパク質(GFAP、星状細胞マーカー
)(Dako、Carpinteria、CA)、O1(成熟乏突起膠細胞マーカー)、O4(乏突起
膠細胞マーカー)、A2B5(未成熟乏突起膠細胞マーカー)、94.03(乏突起膠細
胞マーカー)、イソレクチンB4、CDllb(補体レセプター3)(活性型小膠細胞お
よびマクロファージのマーカー)、ラット抗-F4/80(Serotec、Raleigh、NC)、
Bandeiraea simplicifolia(Sigma)由来のビオチン化イソレクチンB4、ビオチ
ン化マウス抗MHC Class II(10.2.16クローン)、ビオチン化ラット抗Fcγ III/
II受容体(CD16/CD32、BD PharMingen、San Diego、CA)、ラット抗ミエリン塩
基性タンパク(82-87;Calbiochem、San Diego、CAを含む)。二次抗体は、ヤギ
で産生された抗生物種IgGまたはIgMであり、直接検出にはフルオロフォア結合型
(Jackson Immunoresearch; Vector)、または検出のためにABCElite kit (Vecto
r)を使用したペルオキシダーゼ法にはビオチン化型を使用した。
【0136】 グラチラマー・アセテート抗体および標準マウス抗体は、通常、ビオチン化誘
導体として適用した。ビオチン化は、精製抗体をEZ-Link NHS-LCビオチン(Pier
ce)と30分インキュベーションした後、PBSに対して多量の透析(10,000分子量
カットオフ)をすることによって行った。ビオチン化およびグラチラマー・アセ
テート結合活性が保存されていることを、ウエスタンブロットおよびELISAによ
って確認した。Mouse-on-Mouse Stainingキット(Vector)とともに使用した精
製非ビオチン化グラチラマー・アセテート抗体では、ビオチン化されたグラチラ
マー・アセテート抗体と同じ染色パターンを示した。
【0137】 (SJL/J マウスのグラチラマー・アセテートに対する抗体の精製(図29)) グラチラマー・アセテートに対する抗体の精製に含まれる工程は、以下の通り
であった: 1. SJL/Jマウスの免疫化。マウスは、IFA中のグラチラマー・アセテートを8回
の皮下注射(0-50日間隔で0.1mg/注射)によって免疫にした。
【0138】 2. 血清の分離。マウスには、最初の免疫化のときから14-56日間に9回採血し
た。各採血の後、血液を4℃において一晩貯蔵し、次いで、遠心分離して血清を
分離した。全ての採血が完了するまで、血清を-20で保存した。
【0139】 3. グラチラマー・アセテートに対する抗体のアフィニティーカラム単離。グ
ラチラマー・アセテートは、製造業者の推奨された手順によってNHS-活性化Hi-T
rapアフィニティーカラム(Amersham Pharmacia)に結合した。血清を解凍しプ
ールし、遠心分離して、血清脂質を除去して、リン酸緩衝液で希釈し、グラチラ
マー・アセテートアフィニティーカラムに二回流した。カラムをリンスした後、
グラチラマー・アセテートに対する抗体をグリシン-HCl(pH 3.0)トリス緩衝液
(pH 8.0)で溶出した。溶出サンプルのOD260を、タンパク含有量の度量衡単位
として測定した。グラチラマー・アセテートに対する抗体の大部分は、最初の2
画分で溶出された。
【0140】 4. 透析。グラチラマー・アセテートに対する抗体を高レベルで含んでいる溶
出画分をプールしてPBS(10,000分子量カットオフ)で透析した。
【0141】 5. 純度およびタンパク質解析。透析したグラチラマー・アセテートに対する
抗体をドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)
によって分析し、ほとんどが抗体重鎖および軽鎖を示す産物からなるだけである
ことが見出された。ビシコニニック酸(Bicichoninic acid)タンパク質アッセ
イを使用して、サンプルの総タンパク質含有量を決定するために、標準としてウ
シ血清アルブミン(BSA)を使用した。決定された4.8mg/mlの濃度は、グラチラ
マー・アセテートに対する抗体量と考えられた。
【0142】 6. 貯蔵。透析したグラチラマー・アセテートに対する抗体を0.22μmフィルタ
ーで濾過殺菌し、4℃で貯蔵した。2年以上の貯蔵では、沈降または汚染は観察さ
れず、グラチラマー・アセテートのELISAによる反応性および細胞結合性は保持
されていた。
【0143】 (標準抗体の精製(図30)) 標準抗体の精製に含まれる工程は、以下の通りであった: 1. グラチラマー・アセテートに対する抗体のプロテインA/Gカラム単離。標準
マウス血清(SIGMA, St. Louis, MOの市販標品)を遠心分離して血清脂質を除去
し、リン酸緩衝液で希釈してプロテインA/Gカラム(Hi-トラッププロテインA/G
カラム;Amersham Pharmacia)に流した。カラムをリンスした後、標準抗体は、
タンパク含有量の度量衡単位として決定した。
【0144】 2. 透析。抗体を高レベルで含んでいる溶出画分をプールしてPBSで透析した。
【0145】 3. 純度およびタンパク質解析。透析されたグラチラマー・アセテートに対す
る抗体をドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE
)によって分析し、ほとんどが抗体重鎖および軽鎖を示す産物からなるだけであ
ることが見出された。ビシコニニック酸(Bicichoninic acid)タンパク質アッ
セイを使用して、サンプルの総タンパク質含有量を決定するために、標準として
ウシ血清アルブミン(BSA)を使用した。決定された2.6mg/mlの濃度は、標準抗
体量として考えられた。
【0146】 4. 貯蔵。透析した標準抗体を0.22μmフィルターで濾過殺菌し、4℃で貯蔵し
た。2年以上の貯蔵では、沈降または汚染は観察されなかった。
【0147】 また、標準抗体は、プロテインA/Gカラム(Pierce、Rockford、IL)に標準マ
ウス血清(SIGMA, St. Louis, MOの市販標品)を流すことによって精製した。抗
体は、グラチラマー・アセテート抗体のものと同様の条件で溶出させた。
【0148】 (抗体の注射) 全ての抗体は、PBSに溶解して腹膜内に投与した。標準抗体は、商業的に購入
したマウス血清から分離したプロテインG精製抗体であった。これらは、グラチ
ラマー・アセテートに対する抗体のコントロールとして使用した。
【0149】 (実施例1:初期疾患時の脊髄白質病態範囲に対するグラチラマー・アセテー
ト治療の効果) (手順) マウスには、IFA中グラチラマー・アセテート(0.1mg/注射)またはIFA単独を
、ウイルス注射から15日目および17日目に注射にした。-7、0、13、21、32およ
び41日目に、グラチラマー・アセテートまたはリン酸緩衝食塩水(PBS)単独に
より、さらなる注射を行った。ウイルスは、0日目に注射した。注射後45日目に
マウスを屠殺し(60日のグラチラマー・アセテート治療)、脊髄の脱随病態を測
定した。
【0150】 (結果) グラチラマー・アセテートは、脱髄範囲に対し、注射後45日までに統計学的に
有意な効果を及ぼさなかった(図1)。しかし、脱髄減少の傾向はあった(t検定
、P=0.08)。
【0151】 (実施例2:遅発型疾患時のグラチラマー・アセテート治療の効果) (実験2A:遅発型疾患時の脊髄白質病態範囲に及ぼすグラチラマー・アセテー
トの効果) 慢性的に感染したマウス(感染後124-365日)には、皮下に41-76日間処理した
。1つのマウス群には、それぞれ0.1mgを8回注射することによって、0.1mgのグラ
チラマー・アセテートを受けさせた。これらのマウスを65の日後に屠殺した。第
二のマウスには、等間隔(0.1mg/注射)で4-8回注射することによって、0.1mgの
グラチラマー・アセテート/IFAを受けさせた。この群の構成メンバは、65-76日
後に屠殺した。第三のマウス群には、それぞれ、EAE(32)の抑制に有効な用量5
mgを1-2回注射することによって、5mgのグラチラマー・アセテート/IFAを受けさ
せた。これらのマウスの屠殺は、41-65日後に行った。対照群マウスには、PBSを
受けさせた。全ての群において、屠殺後に脊髄脱髄を測定した。
【0152】 (結果) 高用量のグラチラマー・アセテート処理によって、脱髄性病変部の拡大が生じ
た(P<0.05、PBS処理されたマウスと比較した不対t検定)(図2)。低用量のグ
ラチラマー・アセテートでは、単独またはアジュバント併用のいずれにおいても
脱髄の範囲は変化しなかった。病変部は、広範な一次的脱髄およびマクロファー
ジおよびリンパ球の浸潤によって特徴づけられた(図21)。平均して、白質の10
%は、PBS、IFAまたは低用量グラチラマー・アセテート処理後に脱随した。対照
的に、高用量グラチラマー・アセテートで免疫化した後では、病変部負荷の平均
が20%まで二倍になった。これは、t検定(P=0.01対IFA)において、および一元
分散分析(ANOVA、P=0.006、全ての群を比較)において有意であった。
【0153】 (実験2B:遅発型疾患時の脊髄における再ミエリン化範囲に及ぼすグラチラマ
ー・アセテートの効果) 実験2Aに示したように、慢性的に感染したマウス(感染後124-365日)には、
皮下に41-76日間処理した。屠殺後、脊髄再ミエリン化を全てのマウスにおいて
測定した。脱髄が4.0%より少ない脊髄は、再ミエリン化解析から除いた(PBSか
ら2つ、IFAから1つおよび0.1mgグラチラマー・アセテートから2つ)。
【0154】 (結果) グラチラマー・アセテート単独またはIFAを伴う処理では、遅発型疾患時にお
ける乏突起膠細胞媒介再ミエリン化の範囲に影響を及ぼさなかった(図3)。PBS
処理したマウスにおける自発的再ミエリン化は、病変部領域の8.5%を示した。IF
Aは、単独で再ミエリン化を強化した(p<0.05、PBSと比較した不対t検定)。IFA
による有益な効果は、適切な刺激を伴うポリクローナルB細胞活性化が再ミエリ
ン化を促進するかもしれないという可能性を増加することである。治療効果は、
シュワン細胞媒介性再ミエリン化の範囲については見られず、これは、異常に厚
いミエリン鞘、シュワン細胞体の隣接およびより広く散在性の軸索プロフィール
によって特徴づけられた。
【0155】 (実験2C:遅発型疾患時の脳病態に及ぼすグラチラマー・アセテートの効果) (手順) 慢性的に感染したマウス(感染後124-365日)に、PBS、IFAまたは1.0mgグラチ
ラマー・アセテートとIFAのいずれかを、週二回合計8回注射により皮下に処理し
た。処理から29日後、マウスを屠殺して、パラフィン包埋脳切片を、実験方法の
節で述べたように、病態範囲についてスコアした。
【0156】 (結果) 図4は、脳病態に及ぼすグラチラマー・アセテートの効果を示す。それぞれの
シンボルは、個々の動物に由来するスコアである。グラチラマー・アセテート処
理は、遅発型疾患時の脳病態の範囲に影響を及ぼさなかった。
【0157】 (実験2D:抗ウイルス性免疫に及ぼすグラチラマー・アセテートの効果) (手順) 実験2Aに示したように、慢性的に感染したマウス(感染後124-365日)には、
皮下にグラチラマー・アセテート処理した。TMEVに対する抗体の血清タイターお
よび抗TMEV DTH反応を測定した。
【0158】 (結果) グラチラマー・アセテート免疫化の4週間後、抗TMEVタイターは、コントロー
ルマウスと比較して減少しており(IgG、IgGlおよびIgG2aの合計)、3クラスの
抗体間で12希釈のうちの6つにおいて統計学的に有意であった(表1)。
【0159】 表1 グラチラマー・アセテート免疫後の抗ウィルス免疫の変化
【0160】
【表1】 全ての値は、平均±SEMである。
【0161】 N=マウス数 a免疫後4週 b免疫後6〜9週 cUV-TMEV接種後48時間の測定 d6250×血清稀釈 eIFAコントロール免疫 fPBSコントロール免疫 gp<0.05対IFA、不対t検定 fp<0.05対PBS、Mann Whitney 検定 また、免役したマウスでは、抗TMEV DTH反応が減少した。免役した10匹のマウ
スのうち9匹では、TMEV DTHが、IFAコントロール群の平均以下であった。残り
のマウスでは、不可解なことだが、全てのコントロールマウスを上回った高い反
応を有した。抗ウィルス免疫が減少したことから予想されるように、ウイルス抗
原陽性細胞の定量化では、高用量免疫化した6-9週後に、ウイルス発現が高くな
る傾向を示した。グラチラマー・アセテート群においては、8匹のマウスのうち7
匹でのウイルス発現は、対照群における平均発現を上回った。DTH実験のように
、PBS対照群における12匹のマウスのうち1匹は、異例に高いウイルス発現を有し
た(残りの11匹のマウスの平均に由来する6標準偏差)。これらの結果は、高用
量のグラチラマー・アセテートでは、TMEVに対する細胞性免疫および体液性免疫
を穏やかに減少したを示す。この減少した抗ウィルス免疫は、ウイルス病原性の
増加を生じ、病変部負荷の増加を説明するかもしれない。該減少は、感染したマ
ウスおよび感染してないマウスの両者において見出されたグラチラマー・アセテ
ート特異的T細胞の効果により生じているのかもしれない。
【0162】 (実験2E:遅発型疾患時の脱随に及ぼすグラチラマー・アセテートの効果) 慢性的に感染したマウス(感染後160-477日)に、抗体の腹こう内投与による
処理を36-76日間行った。マウス群の1つには標準抗体を受けさせ、各0.05mgを10
回で合計0.5mgを42日にわたって投与した。マウスの第二の群には、0.5mgのグラ
チラマー・アセテートに対する抗体を受けさせ、各0.05mgを10回で合計0.5mgを4
1-42日にわたって投与した。マウスの第三の群には、1.5mgのグラチラマー・ア
セテートに対する抗体を受けさせ、各0.3mgを5回で合計1.5mgを36日にわたって
投与した。PBSは、マウスの対照群に投与された。脊髄白質の脱随病態を、屠殺
後の全てのマウスにおいて測定した。
【0163】 (結果) 受動導入したときに、グラチラマー・アセテートに対する抗体または標準抗体
のいずれにおいても、遅発型疾患時の脱随病態に影響を及ぼさなかった(図5)
【0164】 (実験2F:遅発型疾患時の脱随に及ぼすグラチラマー・アセテートに対する抗
体の効果) (i) (手順) 慢性疾患のウイルス感染マウスには、グラチラマー・アセテート抗体または標
準抗体で5-6週間処理した。それぞれのマウスには、合計で0.5または1.5mg(0.1
-0.3mg/注射)の抗体を週1回で5回を受けさせた。屠殺後、脊髄脱髄を測定した
【0165】 (結果) PBS処理したマウスと比較して、抗体処理は、病変部負荷に影響を及ぼさなか
ったことから(図7a)、グラチラマー・アセテート抗体が約200μg/ml以下の血
清レベルで病原性がないことが示される。
【0166】 (ii) (手順) 2E(i)実験の手順に続いて、慢性的に感染したマウス(感染後160-477日)を
抗体またはPBSで処理した。屠殺後、脊髄再ミエリン化を測定した。脱髄が4.0%
より少ない脊髄を再ミエリン化解析から除外した(PBSから2つ、0.5mgのグラチ
ラマー・アセテートに対する抗体から2つおよび1.5mgのグラチラマー・アセテー
トに対する抗体から1つ)。
【0167】 (結果) 両用量のグラチラマー・アセテートにおいて、再ミエリン化の範囲が増加した
(P<0.05PBSと比較した不対t検定)(図6)。標準抗体は、再ミエリン化に影響
を及ぼさなかったことから、グラチラマー・アセテートに対する抗体の有益な効
果は、Fc受容体を有する抗体H鎖の非特異的相互作用を介するというよりも、む
しろ特異的抗原(エピトープ)との相互作用を介していることが示唆された。
【0168】 (実験2G:遅発型疾患時の再ミエリン化に及ぼすグラチラマー・アセテートの
効果) (手順) 慢性疾患のウイルス感染マウスには、グラチラマー・アセテート抗体または標
準抗体で5-6週間処理した。それぞれのマウスには、合計で0.5または1.5mg(0.1
-0.3mg/注射)の抗体を週1回で5回を受けさせた。屠殺後、脊髄再ミエリン化を
測定した。
【0169】 (結果) グラチラマー・アセテート抗体は、乏突起膠細胞媒介の再ミエリン化に対して
陽性の治療効果を有した(図7b)。合計1.5mg用量では、平均再ミエリン化は、
グラチラマー・アセテート抗体によって2.4倍に増加され、t検定(P=0.02対PBS
)および一元ANOVA(PBS、SJLIg、プールされたIgおよび1.5mgグラチラマー・ア
セテートIgと比較して、P=0.04)において有意であった。また、陽性の処理効果
は、1.5mgグラチラマー・アセテート抗体群およびその他の処理群(バートレッ
トの試験(P=0.003))の分散間に強い統計学的相違があることによって示され
た。再ミエリン化領域内の軸索密度に基づいて、我々が分析した切片では、再ミ
エリン化の2.4倍の増加が約7,000-21,000節間の修復に匹敵した。また、再ミエ
リン化は、0.5mgグラチラマー・アセテート抗体処理で増加する傾向があったが
、統計的有意差はない。定性的に、グラチラマー・アセテート抗体で促進される
再ミエリン化では、一部の病変部がほとんど完全に修復されており、これらの実
験において見られる最高品質のものであった(図28)。標準SJL免疫グロブリン
またはプールしたマウス免疫グロブリンのいずれにおいても、再ミエリン化は有
意に促進されなかった。したがって、完全なグラチラマー・アセテート免疫化の
非存在下で、かつ乏突起膠細胞結合の非存在下で、グラチラマー・アセテートに
対する抗体は、ミエリン修復を刺激した。
【0170】 (実施例3:グラチラマー・アセテートIgGの血清タイター) (実験3A:非感染、免疫化マウスにおけるグラチラマー・アセテートIgGの血
清タイター) (手順) 非感染マウスには、0,4,8,15および26日(0.1mgグラチラマー・アセテート/注
射)、または0,3,7,10および21日(1.0mg/注射)にグラチラマー・アセテート/I
FAで免疫した。0,7,14,19,28,33および51日に、26-35匹のマウスから血液を回収
して、血清をグラチラマー・アセテートアフィニティークロマトグラフィー(GA
Ig)によって単離し、プールした。また、標準SJL血清(SJLIg)および市販のプ
ールされたマウス血清(プールIg)からの抗体をProtein A/Gクロマトグラフィ
ーによって精製した。グラチラマー・アセテート被覆プレートおよび二次抗体と
してビオチン化抗マウスIgGを使用してELISAを行った。
【0171】 (結果) 図8には、1:1000の血清希釈のものを示した。グラチラマー・アセテートIgG
の血清タイターは、免疫化後14日で最初に検出可能となり、次第に増加した。高
い抗体タイターを達成するには、約3週を必要とした。グラチラマー・アセテー
ト用量を0.1-1.0mgに変化させること、および注射のタイミングを変えることに
よっては、グラチラマー・アセテートIgGタイターに有意に影響を及ぼさなかっ
た。但し、免疫化法および試料採集法も異なっていた。これらのデータは、感染
マウスの免疫化によって生じたグラチラマー・アセテートに対する抗体が再ミエ
リン化を促進することができるかどうかを評価するために、感染マウスをグラチ
ラマー・アセテートでどれくらいの期間処理すべきかを決定するのに役立った。
【0172】 (実験3B:免疫化後の慢性疾患マウスにおけるグラチラマー・アセテートIgG
の血清タイター) (手順) 124日間感染したマウスに、グラチラマー・アセテートまたはグラチラマー・
アセテート/IFAを、0-50日間に合計0.8mgを0.1mg/注射で免疫した。免疫化65日
後にマウスを屠殺した。次いで、血清を分離して、グラチラマー・アセテート被
覆プレートにおいてELISAを行った。二次抗体は、ビオチン化抗マウスIgGであっ
た。
【0173】 (結果) グラチラマー・アセテートIgGの血清タイターは、免疫化後14日で最初に検出
可能となり、その後も増加した。グラチラマー・アセテート単独で免疫した個々
のマウス間のグラチラマー・アセテートに対する抗体作成には、有意な多様性が
存在した(図9)。対照的に、抗体レベルは、グラチラマー・アセテートおよびI
FAで処理したマウス間でより類似していた。グラチラマー・アセテートおよびIF
Aによる免疫化では、グラチラマー・アセテート単独での免疫化より非常に高い
抗体レベルを生じた。グラチラマー・アセテートIgGは、血清においてPBSまたは
IFA単独で処理したマウスからは検出されなかった。
【0174】 (実験3C:慢性疾患マウスにおけるグラチラマー・アセテートIgGの血清タイ
ター) (手順) 慢性疾患マウス(196-286日間感染させた)には、グラチラマー・アセテート
で免疫した。マウスの第一群には、0および20日に5mgのグラチラマー・アセテー
ト/IFA注射を受けさせた。62日に、これらのマウスから血清を分離した。マウス
の次の群には、0日に5mgのグラチラマー・アセテート/IFA注射を受けさせた。41
日に、これらのマウスから血清を分離した。マウスの最後の群には、0、25、37
および64日に0.1mgのグラチラマー・アセテート/IFA注射を受けさせた。76日に
、これらのマウスから血清を分離した。全ての基について、グラチラマー・アセ
テート被覆プレートを使用してELISAを行った。二次抗体は、ビオチン化抗マウ
スIgGであった。
【0175】 (結果) 再び、グラチラマー・アセテートIgGの血清タイターは、免疫化後14日で最初
に検出可能となり、その後も増加した。5mgのグラチラマー・アセテートで免疫
したマウスでは、抗体価が1.2mg/mlの高さに達した(図12a)。グラチラマー・
アセテートに対する抗体作成は、非常に用量依存的であった(図10)。免疫化し
て、かつ5mgグラチラマー・アセテート注射を使用した追加免疫をした後に、非
常に高いグラチラマー・アセテートIgGタイターに達した。該タイターは、0.1mg
のグラチラマー・アセテートを4回注射した後より非常に高かった。しかし、0.1
mgのグラチラマー・アセテートを使用した際にも、次第に比較的高い力価に達し
た。個々のシンボルは、非処理の群(2匹のマウス)を除いて、4-5匹のマウスの
平均(±SEM)である。
【0176】 (実験3D:受動導入されたグラチラマー・アセテートに対する抗体、対、グラ
チラマー・アセテート免疫化、による処理後のグラチラマー・アセテートIgGの
血清タイター) (手順) 慢性疾患マウスの一つの群(接種196-348日)にが、5mgのIFA中グラチラマー
・アセテートを、一回の皮下注射で受けさせた。慢性疾患マウスの他方の群には
、毎週二回、グラチラマー・アセテートに対する抗体の10×50μg腹こう内投与
を受けさせた。最後の受動導入は、35日目であった。処理の41日後、両群のマウ
スを屠殺して、コポリマーIgGの血清タイターをELISAによって測定した。二次抗
体は、ビオチン化抗マウスIgGであった。
【0177】 (結果) グラチラマー・アセテートIgGは、グラチラマー・アセテートに対する抗体の
最後の受動導入の6日後の血清において検出されたが、高用量グラチラマー・ア
セテートで単一の免疫化を受けさせたマウスよりも、レベルは低かった(図11)
。IgGは半減期が約3週で除去されるので、最後の受動導入の6日後のグラチラマ
ー・アセテートに対する抗体が低い血清タイターであることから、再ミエリン化
の促進のには、低レベルのグラチラマー・アセテートに対する抗体で充分なこと
が示唆される。
【0178】 (実施例4:精製されたグラチラマー・アセテートに対する抗体および精製さ
れた標準抗体の反応性) (実験4A:精製されたグラチラマー・アセテートに対する抗体および精製され
た標準抗体:IgGおよびIgMのグラチラマー・アセテート反応性) (手順) グラチラマー・アセテートに対する抗体および標準IgGを単離するための手順
は、実験方法に記載されている。グラチラマー・アセテートに対する抗体または
標準抗体を、グラチラマー・アセテート被覆プレートを使用したELISAによって
アッセイした。二次検出抗体は、ビオチン化抗マウスIgGまたはビオチン化抗マ
ウスIgMのいずれかであった。
【0179】 (結果) グラチラマー・アセテートに対する抗体は、グラチラマー・アセテートに対し
て高い反応性を有していた(図13)。グラチラマー・アセテートIgGおよびグラ
チラマー・アセテートIgMの両者が検出された。標準抗体は、グラチラマー・ア
セテートに対し、ほとんどまたは全くIgGもしくはIgM-反応性を有しなかった。
【0180】 (実験4B:精製されたグラチラマー・アセテートに対する抗体および精製され
た標準抗体のタンパク質ポリ反応性) (手順) タンパク質は、実験方法にて説明したように、ELISAプレートに吸着させた。
次いで、プレートをグラチラマー・アセテートに対する抗体、標準抗体またはSC
H 94.03モノクローナルIgM抗体と反応させた。二次性抗体は、抗マウスIgGまた
は抗マウスIgMであった。
【0181】 (結果) グラチラマー・アセテートIgG/IgMおよび標準IgGは、非常に低いポリ反応性で
あることが観察された(図14)。有意な交差反応性は、ウサギミオシンH鎖に対
するものだけであった。これは、米国特許5,591,629(1)において報告されたよ
うに、SCH 94.03IgMに見られる多数の交差反応性と対照的である。これは、グラ
チラマー・アセテートに対する抗体による再ミエリン化促進の機構が、SCH 94.0
3などのポリ反応性IgM抗体によって使用される機構とは異なっているという仮説
を支持する。
【0182】 (実施例5:グラチラマー・アセテートに対する抗体および標準抗体のアイソ
タイプ解析) (手順) 精製されたグラチラマー・アセテートに対する抗体および標準抗体を、抗体ア
イソタイプ決定キット(Pierce)を使用したELISAによってアイソタイプ決定し
た。
【0183】 (結果) グラチラマー・アセテート抗体および標準抗体のいずれにおいても、試験した
全てのアイソタイプが見出された(図15)。
【0184】 ポリクローナル・グラチラマー・アセテートIg標品のグラチラマー・アセテー
トIgG反応性は、強く、酵素結合免疫吸着検定法(ELISA)により、8ng/mlほどの
低濃度で検出可能であったのに対し、IgM反応性は、かろうじて検出可能であっ
た。グラチラマー・アセテート抗体標品は、標準抗体のIgG1レベルと比較して、
他のアイソタイプより高い相対的IgG1レベルを有した。コントロールIg標品のい
ずれにおいても、グラチラマー・アセテート反応性のIgGまたはIgMは見出されな
かった。精製された免疫グロブリンアイソタイプの標準曲線から推定することに
より、IgG1は、精製されたグラチラマー・アセテートIgの70%を構成したことが
決定された(図12b)。IgG2bは、次に豊富であり、プールの18%を表した。対照
的に、IgG2bは、精製されたSJL免疫グロブリンにおいて最も豊富であり(45%)
、IgAは、プールしたマウスIgにおいて最も豊富であった(32%)。これらの結果
は、グラチラマー・アセテート抗体が免疫したマウスにおいて(感染または感染
していないマウスのいずれにおいても)豊富に産生されることを示し、主に、マ
ウスにおいて補体活性をしないことが知られているアイソタイプから構成されて
いた。IgG1(マウスにおける補体固着されない)は、グラチラマー・アセテート
に対する抗体において最も豊富なもののようである。IgG1が明らかに豊富である
ことは、補体活性化がグラチラマー・アセテート抗体処理の有意な結果でないで
あろうことを意味する。
【0185】 (実施例6:MBP84-102およびPLP179-191免疫化マウス由来のリンパ節由来リン
パ球のインビトロにおける増殖に対するグラチラマー・アセテートに対する抗体
の効果) (実験6A:グラチラマー・アセテートに対する抗体は、マウス由来のリンパ節
由来リンパ球のインビトロにおける増殖を刺激する) (手順) 2匹のマウスには、完全Fruendアジュバント(CFA)中のMBP84-102を脇側の皮
下に注射した。MBP84-102は、Hawes等の手順に従って得られた(24)。PLP179-1 91 を産生するために、Tuohy等のものと同様の方法を使用した(70)。CFA中のPLP179-191 を、1匹のマウスの脇側の皮下に注射した。10日後、鼠径部および大動
脈周囲のリンパ節を除去して分離し、培地単独またはMBP84-102、PLP179-191
標準抗体、グラチラマー・アセテートに対する抗体もしくはグラチラマー・アセ
テートの存在下、培養液中で53時間培養した。培養の最後の13時間において、1
μCiの[3H]-チミジンを添加して、回収した細胞のシンチレーション計数によっ
てその取込みを測定した。
【0186】 (結果) グラチラマー・アセテートに対する抗体(25μg/ml)は、50μg/mlの特異的ペ
プチド(刺激インデックス=12-17)と比較可能なレベルまでリンパ球増殖を刺激
した(図16)。標準抗体で誘導される増殖が生じたが、グラチラマー・アセテー
トに対する抗体または特異的ペプチドによる誘導より非常に低いレベルであるこ
とから、グラチラマー・アセテートに対する抗体の抗原特異性がその効果に貢献
したことが示唆される。グラチラマー・アセテートは、有意な増殖を誘導しなか
った。増殖刺激は、グラチラマー・アセテートに対する抗体の抗原提示に対する
効果と一致しているが、リンパ球へ直接結合することなどのその他の説明もあり
うる。
【0187】 (実験6B:グラチラマー・アセテートに対する抗体は、MBP84-102免疫化マウ
ス由来のリンパ節由来リンパ球のインビトロにおける増殖を刺激する) (手順) マウス(2匹のマウス)には、CFA中のMBP84-102を脇側の皮下に注射した。10
日後、鼠径部および大動脈周囲のリンパ節を除去し、分離して、培地単独または
図17で示したようなさらなる添加物を有する培地中で、74時間培養した。培養の
最後の12時間において、1μCiの[3H]-チミジンを添加して、回収した細胞のシン
チレーション計数によってその取込みを測定した。
【0188】 (結果) グラチラマー・アセテートに対する抗体(25μg/ml)は、リンパ球増殖を刺激
した(刺激インデックス=6-13)(図17)。標準抗体では、比較可能な抗体濃度
において増殖を誘導しなかった。実験6Aのように、増殖刺激は、グラチラマー・
アセテートに対する抗体の及ぼす抗原提示に及ぼす効果に寄与しているが、リン
パ球へ直接結合することなどのその他の説明もありうる。
【0189】 (実験6C:グラチラマー・アセテートに対する抗体は、非免疫化マウス由来の
リンパ節由来リンパ球のインビトロにおける増殖を刺激しない) (手順) 非免疫化SJL/Jマウスからのリンパ節由来鼠径部および大動脈周囲を除去して
分離し、培地単独またはMBP84-102、PLP179-191、標準抗体、グラチラマー・ア
セテートに対する抗体もしくはグラチラマー・アセテートの存在下、培養液中で
74時間培養した。培養の最後の12時間において、1μCiの[3H]-チミジンを添加し
て、回収した細胞のシンチレーション計数によってその取込みを測定した。
【0190】 (結果) 図18は、グラチラマー・アセテートに対する抗体を(25μg/ml)含む処理では
、ベースラインレベルを越える有意な程度にリンパ球増殖を刺激しなかったこと
を示す(培地単独)。これは、グラチラマー・アセテートに対する抗体がミエリ
ンペプチドまたはその他の抗原に免疫応答活性の間にのみ、リンパ球増殖(図16
-17)を刺激することを示唆する。
【0191】 (実施例7:培養細胞に対するグラチラマー・アセテート抗体の結合) (実験7A:中枢神経系由来の培養細胞に対するグラチラマー・アセテート抗体
の結合) (手順) 方法は、実験方法において上記記載されている。簡単には、全ての染色は、氷
冷溶液で、氷中の培養プレートで、および細胞表面に結合させるために固定前に
行った。これらの実験のための一次抗体は、グラチラマー・アセテートに対する
抗体、4-40μg/ml、標準抗体、20μg/ml、抗GFAP(星状細胞マーカー)、O1、O4
、A2B5、94.03(乏突起膠細胞マーカー)、イソレクチンB4、CDllb(補体レセプ
ター3)(活性小膠細胞およびマクロファージのマーカー)を含んだ。二次抗体
は、適切な生物種のIgGまたはIgMに対するものであった。
【0192】 (結果) (新生児ラット脳由来のCNSグリア細胞培養) グラチラマー・アセテートIgGおよびIgM(二次性抗体は、アイソタイプ-特異
的であった)により、乏突起膠細胞とは異なった細胞の小個体群を染色した。成
熟乏突起膠細胞は、同化プロセス伸張(elaborate process extension)によっ
て、および乏突起膠細胞マーカーで染色することによって容易に同定された。対
照的に、グラチラマー・アセテート抗体陽性細胞は、同化プロセス伸張を有しな
かった。むしろ、それらは円形であり、培養表面の上面だけに位置し、ときには
クラスターとなっており、小膠細胞/マクロファージマーカー(Bandeiraea simp
licifoliaイソレクチンB4)に常に陽性だったので(図23a)、これらは、活性小
膠細胞(60)の表現型を有していた。これらは、初期系統の乏突起膠細胞(A2B5
陽性;図23b)、分化した乏突起膠細胞(O1-、O4またはMBP陽性;図23c)、星状
細胞(グリア原線維酸性タンパク質(GFAP)-陽性)および被覆-ガラス基体に付
着した活性小膠細胞から容易に識別された。グラチラマー・アセテートに対する
抗体またはいずれの乏突起膠細胞マーカーにおいても、細胞の共標識化は観察さ
れなかったが、細胞は、グラチラマー・アセテートIgGおよび活性小膠細胞マー
カー、イソレクチンB4またはMac-1で共標識化された。
【0193】 グラチラマー・アセテートに対する抗体による強い染色は、マウスIgMに対す
るものよりも、マウスIgGに対する二次性抗体を使用した後に観察された。グラ
チラマー・アセテートに対する抗体による免疫染色は、標準IgGによる染色およ
び二次性抗体単独による染色を上回ったことから、グラチラマー・アセテートに
対する抗体は、単に非特異的F受容体により結合したというよりむしろ特定の
細胞表面エピトープを認識していることが示唆された。GFAP(細胞内の抗原)で
は、非常にわずかな免疫染色しか観察されなかったことから、その他の抗体(す
なわちグラチラマー・アセテートに対する抗体)で見られる染色が細胞表面抗原
に対するものであることが示唆された。
【0194】 (ヒト混合グリア細胞培養(図20)) CNSグリア細胞培養において、細胞の個体群は、グラチラマー・アセテートIgG
に対して陽性に染色された。これらの細胞は、ラットグリア細胞培養のものと表
現型が似ており、同化プロセス伸張を有するO4陽性の乏突起膠細胞とは異なって
いた。これらのデータは、乏突起膠細胞よりむしろ活性小膠細胞のグラチラマー
・アセテートIgG染色と一致している。
【0195】 (実験7B:グラチラマー・アセテートに対する抗体による培養マウス腹腔マク
ロファージに対する結合) (手順) 方法は、実験方法において上記記載されている。簡単には、腹腔マクロファー
ジ(表現型および機能が活性小膠細胞のものと同様である)は、3%滅菌トリグリ
コレートブロースで腹腔内刺激後5日のSJLマウス腹膜から得た。次いで、染色前
に細胞を1-3週間培養した。細胞表面染色を検出するために、抗体を氷冷PBSで希
釈して、溶液を氷上の培養プレートに添加した。一次抗体インキュベーションは
、以下の組合せから成っていた:グラチラマー・アセテートに対する抗体、40μ
g/ml、標準抗体、20μg/ml、イソレクチンB4、CDllb(補体レセプター3)、(活
性小膠細胞およびマクロファージのマーカー)、グラチラマー・アセテート、80
-200μg/ml。
【0196】 (結果) 図19は、冷却下、固定されてない条件下でのグラチラマー・アセテートに対す
る抗体とのインキュベーションが、腹腔マクロファージのサブセットのIgG染色
を生じることを示しており、小膠系統細胞に対する結合と一致している。プール
したマウスIgでは染色が観察されなかったので、小膠細胞およびマクロファージ
の培養の両者の表面結合が、単にFcレセプタとの非特異的な相互作用によるとい
うわけではなかった。グラチラマー・アセテートに対する抗体とのインキュベー
ションの前にアセトン固定/透過化処理をすることにより、全ての細胞を強く染
色する結果を生じたことから、グラチラマー・アセテートに対する抗体が細胞内
抗原に非常に反応性であったことが示唆された。標準抗体では、アセトン固定細
胞を染色しなかった。グラチラマー・アセテートに対する抗体とのインキュベー
ション前の4%パラホルムアルデヒドによる固定では、グラチラマー・アセテート
に対する抗体とインキュベーションした後の固定と比べて、有意に染色パターン
は変わらなかった。グラチラマー・アセテートIgG陽性細胞は、常にイソレクチ
ンB4およびMac-1と共に染色された。
【0197】 培地のみでプレインキュベートした細胞と比較して、様々な薬剤(20μg/mlグ
ラチラマー・アセテート、ミエリンホモジェネート、腎臓ホモジェネート、MBP8 4-102 、PLP179-191)による37℃でのマクロファージとの4時間のプレインキュベ
ーションでは、次のグラチラマー・アセテートIgGによる染色に影響を及ぼさな
かった。これは、細胞表面のプロセスされたグラチラマー・アセテートまたはそ
の他の抗原のMHC ClassII提示は、グラチラマー・アセテートに対する抗体の結
合に影響しなかったことを示唆する。
【0198】 グラチラマー・アセテートおよびマクロファージとグラチラマー・アセテート
に対する抗体のコインキュベーションは、グラチラマー・アセテートIgG染色の
強さおよび染色細胞の数を非常に増加したことから、グラチラマー・アセテート
と複合体を形成したグラチラマー・アセテートに対する抗体が、グラチラマー・
アセテートに対する抗体単独よりもずっと広範にマクロファージに結合すること
が示唆される。ミエリンホモジェネート、SCHまたは腎臓ホモジェネートとグラ
チラマー・アセテートに対する抗体とのコインキュベーションでは、グラチラマ
ー・アセテート染色は変化しなかった。グラチラマー・アセテートに対する抗体
をグラチラマー・アセテートとコインキュベートした場合にのみ点状の染色が示
された。
【0199】 この染色パターンが、クラスター形成した受容体を表したことから、MHC Clas
s II分子は、グラチラマー・アセテートによって結合されていたであろうことを
示唆した。
【0200】 グラチラマー・アセテートIgG(ビオチン化されている)は、正常マウスおよ
びサイラーウイルスマウス由来の脊髄切片に広範に結合した(図23d)。グリア
細胞培養と同様に、乏突起膠細胞またはCNSミエリンに対する反応性は観察され
なかった。白質において、グラチラマー・アセテートIgGは、グリアと推定され
るサブセット、特にそれらの薄いネットワーク、ランダム指向のプロセスを認識
した。グラチラマー・アセテートIg陽性の構造は、しばしばGFAP(星状細胞認識
を表す)とともに標識された。また、グラチラマー・アセテートIgGは、マクロ
ファージ、小膠細胞およびリンパ球からなる脊髄病変部部の大部分の血管周囲浸
潤細胞の骨子を示した。コントロールビオチン化されたプールマウスIgを使用し
て、低レベルのバックグラウンド染色のみが見出された(図23e)。
【0201】 (考察) 形態学的および共免疫ラベルによる判定基準により、グチラマー・アセテート
に対する抗体は、培養液中の活性小膠細胞およびマクロファージの亜細胞に結合
した。この染色パターンは、モノクローナル抗体SCH 94.03およびその他の再ミ
エリン化促進抗体のものと対照をなし、乏突起膠細胞の表層に優先的に結合する
(1)。グラチラマー・アセテートIgG染色は、グラチラマー・アセテートIgM染色
よりも強かった。グラチラマー・アセテートに対する抗体は、表面抗原および細
胞内抗原に結合した。グラチラマー・アセテートに対する抗体による染色では、
グラチラマー・アセテートと共にインキュベーションすることにより、非常に増
加したが、グラチラマー・アセテートとマクロファージのプレインキュベーショ
ンでは増加しなかった。
【0202】 グラチラマー・アセテートと共にインキュベーションした後に増加した染色は
、グラチラマー・アセテートの結合を反映しているのであろう:抗体は、MHC Cl
ass II分子と複合体を形成し、これがグラチラマー・アセテートを結合すること
が知られている(19,69)。加えて、インビボにおける小膠/マクロファージへ
の結合は、細胞機能を調整するのかもしれない。したがって、再ミエリン化に対
して許容的な環境を誘発する。
【0203】 (実施例8:病変部病態および再ミエリン化) (手順) 慢性的に感染したマウス(感染後6月以上)を、PBS、グラチラマー・アセテー
ト(0.1mg/注射)またはグラチラマー・アセテートに対する抗体(合計1.5mg)
で処理した。
【0204】 (結果) PBS処理 PBSで処理したマウスでは、病変部において広範な脱髄およびマクロファージ
のフィルトレーションを示した。異常に薄いミエリン鞘によって特徴づけられる
再ミエリン化は、実質的に存在しなかった(図21-22)。
【0205】 (グラチラマー・アセテート処理) 病変部は、広範に脱髄され、グラチラマー・アセテート処理したマウス(図25
26)ではマクロファージで浸潤されていた。一部の病変部において、有意に再ミ
エリン化したパッチが時々観察されたが、定量的には、PBS処理の後よりも再ミ
エリン化は広範囲ではなかった。
【0206】 (グラチラマー・アセテートに対する抗体による処理) グラチラマー・アセテートに対する抗体で処理したマウスの病変部は、広範囲
に乏突起膠細胞媒介性再ミエリン化を示した(図27-28)。
【0207】 (考察) グラチラマー・アセテートは、多発性硬化症の治療に有効であると判明した(
2-6,31)。いくつかの抑制的性質のために、グラチラマー・アセテートは、多発
性硬化症研究(13,28)における主要な感興の領域である側面ペプチドリガンド
(latered peptide ligand)の混合液として分類することができる。従来の研究
では、グラチラマー・アセテートは、グラチラマー・アセテートに対するポリク
ローナル抗体の産生を誘導することによって機能することは提案されていなかっ
た。その代わりに、科学者は、グラチラマー・アセテートが特定のペプチド(51
)に対しMHC/TCR複合体形成を破壊して、インビボでのグラチラマー・アセテー
ト特異的サプレッサー細胞を誘導し(9)、または主要組織適合複合体クラスIIに
直接結合してMBPペプチドを置換すると理論づけた(5,69)。
【0208】 特定の機構のいずれにも限定されないが、CNS疾患の治療におけるグラチラマ
ー・アセテートの機構に関する1つの仮説は、それが保護的な体液性免疫応答を
能動的に誘導するということである。グラチラマー・アセテート治療した多発性
硬化症患者では、グラチラマー・アセテート反応性リンパ球のTh2サイトカイン
シフトが起こり、これはサプレッサーリンパ球(17、45,50)の生成と一致する
。予備的なデータでは、グラチラマー・アセテート治療した多発性硬化症患者が
、グラチラマー・アセテートに対して非常に高い抗体価を作り出すことを示して
いる。グラチラマー・アセテートに対する抗体と治療効果との間に強い陽性の相
関があるようである。グラチラマー・アセテートが免疫系を刺激するというもう
一つの徴候は、グラチラマー・アセテートに応答した局所的膨潤およびまれにあ
る過敏性反応の証拠である。多発性硬化症治療法における最も一般的な目的は、
免疫活性を和らげることであるので、強い免疫応答を誘発する化合物が治療的で
あることは予想外である。
【0209】 抗体が再ミエリン化を促進する方法に関する1つの理論は、乏突起膠細胞また
はそれらの前駆体に結合することにより、抗体が乏突起膠細胞の増殖もしくは移
動、または乏突起膠細胞前駆体の分化を直接刺激しているかもしれないというこ
とである。感染から約4月(大部分の活性ミエリン経口摂取が静まったように見
えるとき)たっただけで、再ミエリン化を促進することも起こりうる。感染4月
より早期の治療では、再ミエリン化が促進されなかったことから、病変部が成熟
状態に達し、修復の平衡が保たれていることが示唆される。
【0210】 しかし、特定の機構のいずれにも限定されないが、グラチラマー・アセテート
に対する抗体は、乏突起膠細胞またはそれらの前駆体の直接刺激を介するという
よりも、むしろ免疫修飾機構を介した再ミエリン化を促進するようである。グラ
チラマー・アセテートに対する抗体は、活性小膠細胞、マクロファージ、T細胞
および樹状細胞などのその他の同種のタイプの細胞に結合する。これらの細胞に
対する結合がその機能を調整しているかもしれず、したがって乏突起膠細胞によ
る再ミエリン化を容易にする。この仮定は、本発明における多数の所見によって
支持される。たとえば、ヒトグリア細胞培養において、グラチラマー・アセテー
トに対する抗体は、形態学的判定基準により、および活性小膠細胞マーカーと共
にする免疫染色の判定基準により、小膠細胞に結合することが明らかとなった。
グラチラマー・アセテート陽性細胞は、O4陽性乏突起膠細胞とは異なっており、
これは広範囲に分岐した。また、グラチラマー・アセテート抗体は、血管周囲浸
潤にも結合したことは、さらにグラチラマー・アセテート抗体が小膠細胞または
マクロファージの活性に影響を及ぼすという理論を支持した。グリア細胞へのグ
ラチラマー・アセテートに対する抗体の結合は、その他の再ミエリン化促進抗体
とは異なり、これは乏突起膠細胞に結合する。グラチラマー・アセテートに対す
る抗体の結合による潜在的な効果には、抗原提示、リンパ球増殖およびサイトカ
イン/成育因子産生の変化を含む。この仮定のさらなる支持として、グラチラマ
ー・アセテートに対する抗体が、インビトロにおいてリンパ球増殖を刺激するこ
とが見出されている。
【0211】 SCH 94.03(1)を含む大部分の再ミエリン化促進抗体は、生殖系列配列に由来
するポリ反応性の自己抗体である(11,42)。したがって、興味をそそるもう一
つの可能性は、グラチラマー・アセテートから成るペプチド複合体の混合液が、
保護的な「天然の」自己抗体を模倣した抗体を生じたということである。加えて
、グラチラマー・アセテートに対する抗体は、その他のタンパク質に対しても非
常に低いポリ反応性を有し、多くのタンパク質抗原と交差反応する他の再ミエリ
ン化促進抗体(たとえば、SCH 94.03モノクローナル抗体)と異なっている(1)。
さらに、グラチラマー・アセテートに対する抗体は、その他の再ミエリン化促進
抗体におけるIgMの優位性とは異なった抗体アイソタイプのスペクトルから構成
されている(1)。もう一つの可能性は、グラチラマー・アセテート抗体が、病変
部からオプソニン作用を介して破片をクリアするのに役立っているということで
あり、これによって自発的再ミエリン化をより容易に起こすことが可能になる。
【0212】 明らかな逆説には、グラチラマー・アセテート抗体の養子移入が再ミエリン化
を促進し、さらに能動免疫が起こらないということがある。実際には、高投与量
免疫化では、病変部負荷が増加した。これは、グラチラマー・アセテートがイン
ビボにおいて多面的効果を有すること、および抗体による陽性の影響が能動免疫
のその他の効果によって越えられたことを示唆する。グラチラマー・アセテート
において最も共通に考証された効果は、Th2サプレッサーリンパ球の誘起、MHC C
lass IIに対するペプチド結合の阻害およびT細胞拮抗作用などの機構を介したTh
lリンパ球活性のサプレッションである(8-10,18,21,51,67)。グラチラマー・
アセテート媒介サプレッションは、比較的非特異的であり(12,20,67,76)、Tリ
ンパ球は、遅発型疾患においてさえサイラーウイルスの制御に必須であるため(
44,61)、抗ウィルス免疫がグラチラマー・アセテートによって抑制された結果
、ウイルス病原性の増加および病変部病状再燃を生じる。この仮定は、増加した
ウイルス抗原発現、減少した抗ウイルス性抗体価および減少したTMEV特異的DTH
反応と一致している。これらの変化は温和であることから、グラチラマー・アセ
テート免疫化がその他の機構を介して病変部を拡張したという可能性も生じる。
もし、グラチラマー・アセテート抗体とマクロファージまたはリンパ球との間の
相乗作用に再ミエリン化が必要とされるならば、グラチラマー・アセテートによ
るこれらの細胞機能の変化は、再ミエリン化を抑止しするであろう(34,49)。
【0213】 多発性硬化症分野における定説では、細胞性および体液性の両方の免疫活性化
は、抗しがたい有害性を発揮し、有効な治療のためには抑制されなければならな
いということである。しかし、免疫系が、栄養因子の分泌などの機構を介して傷
ついたCNSに保護的でもあり得ることは、ますます明白になっている(25,29,43,
54)。以下の実験的な視神経損傷においては、グラチラマー・アセテート反応性
のおよびMBP反応性のリンパ球がセカンダリニューロンの変質を減少している(4
3)。グラチラマー・アセテート抗体によるミエリン修復は、体液性の活性化が
おこない得る治療的貢献を例証する。種々の手段を介したグラチラマー・アセテ
ートに対する体液性反応を最大にすることにより、急性脱髄発作後の伝導および
軸索健康の回復を向上することができる。
【0214】
【参照文献】
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【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、グラチラマー・アセテートが初期疾患において脊髄脱髄病変部の範囲
を変えないことを示す。それぞれの点は、1匹のマウスを表す。
【図2】 図2は、高用量グラチラマー・アセテートが遅発型疾患において脊髄脱髄病変
部の範囲を増大することを示す。それぞれの点は、1匹のマウスを表す。
【図3】 図3は、グラチラマー・アセテートが遅発型疾患において再ミエリン化の範囲
を変えないこと示す。それぞれの点は、1匹のマウスを表す。
【図4】 図4は、グラチラマー・アセテートが遅発型疾患において脳病態の範囲を変え
ないことを示す。それぞれの点は、1匹のマウスを表す。
【図5】 図5は、グラチラマー・アセテートのエピトープに対する抗体が、遅発型疾患
において脊髄脱髄病変部の範囲を変えないことを示す。それぞれの点は、1匹の
マウスを表す。
【図6】 図6は、グラチラマー・アセテートのエピトープに対する抗体が、遅発型疾患
において再ミエリン化を促進することを示す。それぞれの点は、1匹のマウスを
表す。
【図7】 図7は、グラチラマー・アセテートに対する抗体が、脱髄に影響を及ぼさない
が(図7A)、再ミエリン化を促進する(図7B)ことを報告する。
【図8】 図8は、グラチラマー・アセテートIgGが、免疫化後の非感染マウスから生じる
ことを示す。
【図9】 図9は、慢性疾患マウスが、グラチラマー・アセテート処理に応答してグラチ
ラマー・アセテートのエピトープに対する抗体を生じること、およびこれらの抗
体のレベルが、不完全フロイントアジュバント(IFA)によって増加することを
示す。
【図10】 図10は、グラチラマー・アセテートのエピトープに対する抗体のレベルが増加
することを、免疫化後の時間の関数として、および慢性疾患マウスにおける用量
の関数として示す。
【図11】 図11は、グラチラマー・アセテートIgGが、慢性疾患の非免疫化マウスに対す
る受動的導入後10日の血清中で検出可能であることを示す。
【図12】 図12は、血清中のグラチラマー・アセテートIgG濃度が、一般にグラチラマー
・アセテート用量とともに増加することを示す(図12A)。図12Bは、精製された
グラチラマー・アセテートIg、標準Igおよびプールされたマウス血清Igのアイソ
タイプを記載し、IgG1が、主なグラチラマー・アセテートアイソタイプであった
ことを示す。
【図13】 図13は、グラチラマー・アセテートのエピトープに対するアフィニティー精製
された抗体(IgGおよびIgM)が、ELISAによってCop-1に高い反応性を有するが、
標準抗体はグラチラマー・アセテートに反応性を有しないことを示す。
【図14】 図14は、グラチラマー・アセテートエピトープに対する抗体および標準抗体の
低いポリ反応性を表す。図において;Hu=ヒト;Ms=マウス;Rb=ウサギ;Bov=ウ
シ;BSA=ウシ血清アルブミンである。
【図15】 図15はグラチラマー・アセテートのエピトープに対する抗体および標準抗体は
、幅広いスペクトルの抗体アイソタイプを有することを示す。
【図16】 図16は、グラチラマー・アセテート抗体が、ミエリンペプチドで免疫されたマ
ウスのリンパ節由来のリンパ球増殖を刺激するが、非免疫化マウスでは刺激しな
いことを示す。量は、ウェルあたり200μlの培地について示す。
【図17】 図17は、グラチラマー・アセテート抗体が、ミエリンペプチドで免疫されたマ
ウスのリンパ節由来のリンパ球増殖を刺激するが、非免疫化マウスでは刺激しな
いことを示す。量は、ウェルあたり200μlの培地について示す。
【図18】 図18は、グラチラマー・アセテート抗体が、ミエリンペプチドで免疫されたマ
ウスのリンパ節由来のリンパ球増殖を刺激するが、非免疫化マウスでは刺激しな
いことを示す。量は、ウェルあたり200μlの培地について示す。
【図19】 図19は、グラチラマー・アセテートのエピトープに対する抗体が、小膠細胞お
よびマクロファージに結合するが、乏突起膠細胞に結合しないことを示す。
【図20-1】 図20は、グラチラマー・アセテートのエピトープに対する抗体が、小膠細胞お
よびマクロファージに結合するが、乏突起膠細胞に結合しないことを示す。図20
A乃至20Dは、グラチラマー・アセテートに対する抗体による染色を示すが、図20
E乃至20Fは、O4陽性の乏突起膠細胞の染色を反映する。
【図20-2】 図20は、グラチラマー・アセテートのエピトープに対する抗体が、小膠細胞お
よびマクロファージに結合するが、乏突起膠細胞に結合しないことを示す。図20
A乃至20Dは、グラチラマー・アセテートに対する抗体による染色を示すが、図20
E乃至20Fは、O4陽性の乏突起膠細胞の染色を反映する。
【図20-3】 図20は、グラチラマー・アセテートのエピトープに対する抗体が、小膠細胞お
よびマクロファージに結合するが、乏突起膠細胞に結合しないことを示す。図20
A乃至20Dは、グラチラマー・アセテートに対する抗体による染色を示すが、図20
E乃至20Fは、O4陽性の乏突起膠細胞の染色を反映する。
【図21】 図21は、リン酸緩衝食塩水(PBS)処理した慢性疾患マウスの脱髄性病変部を
示す。
【図22】 図22は、リン酸緩衝食塩水(PBS)処理した慢性疾患マウスの脱髄性病変部を
示す。
【図23】 図23は、精製されたグラチラマー・アセテートIgのCNS反応性を示す。(a、b
、c)ラットCNSグリア細胞培養では、グラチラマー・アセテートIgGが、円形の
界面および培養液の上側表面に位置する非プロセスベアリング(non-process-be
aring)細胞に結合した。グラチラマー・アセテートIgG陽性細胞は、小膠細胞マ
ーカーのBandeiraea simplicifoliaイソレクチンB4で共にラベルされたが、乏突
起膠細胞とマーカーのA2B5(未成熟乏突起膠細胞)またはO1(成熟乏突起膠細胞
)で共にラベルされなかった。(d、e)病巣部脊髄由来の脊髄切片では、白質に
おいてビオチン化グラチラマー・アセテートIgGがグリア細胞、および特にその
プロセスで、血管周囲の浸潤に結合したが、ミエリンまたは乏突起膠細胞には結
合しなかった。また、灰白質および神経細胞体は、グラチラマー・アセテートIg
G陽性であった。プールされたビオチン化マウスIgGは、これといって切片に結合
しなかった。
【図24】 図24は、正常ミエリン構築物を示すミエリンを染色した脊髄白質の横断切片を
表す。
【図25】 図25は、慢性疾患のグラチラマー・アセテート処理マウス(0.1mg/注射)由来
の脱髄性病変部を示す。病変部は、再ミエリン化の試みを示す。
【図26】 図26は、慢性疾患のグラチラマー・アセテート処理マウス(0.1mg/注射)由来
の脱髄性病変部を示す。病変部は、再ミエリン化の試みを示す。
【図27】 図27は、グラチラマー・アセテート処理した慢性疾患マウスの脱髄性病変部を
示す。病変部では、広範な再ミエリン化(軸索のまわりの薄いミエリン鞘によっ
て特徴づけられる)を示す(概説した)。
【図28】 図28は、グラチラマー・アセテート処理した慢性疾患マウスの脱髄性病変部を
示す。病変部では、広範な再ミエリン化(軸索のまわりの薄いミエリン鞘によっ
て特徴づけられる)を示す(概説した)。
【図29】 図29は、グラチラマー・アセテートのエピトープに対する抗体を精製するプロ
セスを説明する。
【図30】 図30は、標準抗体を精製するプロセスを概説する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 25/00 A61P 25/00 G01N 33/53 G01N 33/53 D 33/577 33/577 B // C12P 21/08 C12P 21/08 (31)優先権主張番号 60/287,171 (32)優先日 平成13年4月27日(2001.4.27) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE ,DK,DM,DZ,EC,EE,ES,FI,GB, GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,I N,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC ,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD, MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,P L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK ,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG, UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ウアー、ダレン アメリカ合衆国、ミネソタ州 55901 ロ チェスター、トゥエンティセカンド・スト リート・エヌダブリュ 2315 Fターム(参考) 4B064 AG27 CA10 CA19 CA20 CC24 CE13 DA01 4C085 AA13 AA14 AA33 AA37 BB36 BB41 4H045 AA11 DA76 DA86 EA21 FA71

Claims (53)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グラチラマー・アセテート(コポリマー1)のエピトープに
    対して作製されたヒト化抗体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の抗体であって、前記抗体は、ミエリン塩基
    性タンパク質(MBP)と交差反応性ではない抗体。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の抗体であって、前記抗体は、本質的にIgG1
    からなる抗体。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の抗体であって、前記抗体は、成熟乏突起膠
    細胞と反応しない抗体。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の抗体であって、前記抗体は、脊髄ホモジェ
    ネート(SCH)と交差反応する抗体。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の抗体であって、前記抗体は、主にマクロフ
    ァージまたはミクログリアの表現型を示す細胞と反応する抗体。
  7. 【請求項7】 前記抗体はモノクローナル抗体である請求項1に記載の抗体
  8. 【請求項8】 前記抗体はポリクローナル抗体である請求項1に記載の抗体
  9. 【請求項9】 グラチラマー・アセテート(コポリマー1)のエピトープと
    結合するFabフラグメント。
  10. 【請求項10】 中枢神経系軸索の脱随に関連する疾患を治療するために有
    効な量のグラチラマー・アセテート(コポリマー1)のエピトープに対して作製
    された抗体と薬学的に許容可能なキャリアとを含む医薬組成物。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の医薬組成物であって、前記抗体はヒト化
    抗体である医薬組成物。
  12. 【請求項12】 請求項10に記載の医薬組成物であって、前記抗体は、ミエ
    リン塩基性タンパク質(MBP)と交差反応性ではない医薬組成物。
  13. 【請求項13】 請求項10に記載の医薬組成物であって、前記抗体は、本質
    的にIgG1からなる医薬組成物。
  14. 【請求項14】 請求項10に記載の医薬組成物であって、前記抗体は、成熟
    乏突起膠細胞と反応しない医薬組成物。
  15. 【請求項15】 請求項10に記載の医薬組成物であって、前記抗体は、脊髄
    ホモジェネート(SCH)と交差反応する医薬組成物。
  16. 【請求項16】 請求項10に記載の医薬組成物であって、前記抗体は、主に
    マクロファージまたはミクログリアの表現型を示す細胞と反応する医薬組成物。
  17. 【請求項17】 前記抗体はモノクローナル抗体である請求項10に記載の医
    薬組成物。
  18. 【請求項18】 前記抗体はポリクローナル抗体である請求項10に記載の医
    薬組成物。
  19. 【請求項19】 中枢神経系軸索の再ミエリン化を刺激する方法であって、
    前記軸索を、中枢神経系軸索の再ミエリン化を刺激するために有効な量のグラチ
    ラマー・アセテート(コポリマー1)のエピトープに対して作製された抗体と接
    触させることを含む方法。
  20. 【請求項20】 請求項19に記載の方法であって、前記抗体はヒト化抗体で
    ある方法。
  21. 【請求項21】 請求項19に記載の方法であって、前記抗体は、ミエリン塩
    基性タンパク質(MBP)と交差反応性ではない方法。
  22. 【請求項22】 請求項19に記載の方法であって、前記抗体は、本質的にIg
    G1からなる方法。
  23. 【請求項23】 請求項19に記載の方法であって、前記抗体は、成熟乏突起
    膠細胞と反応しない方法。
  24. 【請求項24】 請求項19に記載の方法であって、前記抗体は、脊髄ホモジ
    ェネート(SCH)と交差反応する方法。
  25. 【請求項25】 請求項19に記載の方法であって、前記抗体は、主にマクロ
    ファージまたはミクログリアの表現型を示す細胞と反応する医薬組成物。
  26. 【請求項26】 前記抗体はモノクローナル抗体である請求項19に記載の方
    法。
  27. 【請求項27】 前記抗体はポリクローナル抗体である請求項19に記載の方
    法。
  28. 【請求項28】 中枢神経系軸索の脱随に関連する疾患に罹患している患者
    を治療する方法であって、中枢神経系軸索の脱随に関連する疾患を治療するため
    に有効な量のグラチラマー・アセテート(コポリマー1)のエピトープに対して
    作製された抗体の有効な量を、前記患者に投与することを含む方法。
  29. 【請求項29】 請求項28に記載の方法であって、前記抗体はヒト化抗体で
    ある方法。
  30. 【請求項30】 請求項28に記載の方法であって、前記抗体は、ミエリン塩
    基性タンパク質(MBP)と交差反応性ではない方法。
  31. 【請求項31】 請求項28に記載の方法であって、前記抗体は、本質的にIg
    G1からなる方法。
  32. 【請求項32】 請求項28に記載の方法であって、前記抗体は、成熟乏突起
    膠細胞と反応しない方法。
  33. 【請求項33】 請求項28に記載の方法であって、前記抗体は、脊髄ホモジ
    ェネート(SCH)と交差反応する方法。
  34. 【請求項34】 請求項28に記載の方法であって、前記抗体は、主にマクロ
    ファージまたはミクログリアの表現型を示す細胞と反応する方法。
  35. 【請求項35】 請求項28に記載の方法であって、前記抗体は、主にマクロ
    ファージまたはミクログリアの表現型を示す細胞と反応する方法。
  36. 【請求項36】 前記抗体はモノクローナル抗体である請求項28に記載の方
    法。
  37. 【請求項37】 前記抗体はポリクローナル抗体である請求項28に記載の方
    法。
  38. 【請求項38】 請求項28に記載の方法であって、前記中枢神経系軸索の脱
    随に関連する疾患は、以下の群から選択される疾患である方法:多発性硬化症、
    急性播種性脳脊髄炎、横断脊髄炎、脱髄性遺伝病、脊髄損傷、ウイルス誘導性脱
    髄、進行性多巣的白質脳症、ヒトT細胞白血病ウイルスI(HTLVI)関連ミエロパ
    シー、および栄養性代謝疾患。
  39. 【請求項39】 請求項38に記載の方法であって、前記栄養性代謝疾患は、
    ビタミンB12欠損である方法。
  40. 【請求項40】 請求項38に記載の方法であって、前記栄養性代謝疾患は、
    橋中心髄鞘崩壊である方法。
  41. 【請求項41】 請求項28に記載の方法であって、前記有効な量は、0.5〜4
    00mgの量である方法。
  42. 【請求項42】 請求項28に記載の方法であって、前記有効な量は、0.5〜2
    50mgの量である方法。
  43. 【請求項43】 中枢神経系軸索の再ミエリン化を刺激する方法であって、
    中枢神経系軸索の再ミエリン化を刺激するために有効な量のグラチラマー・アセ
    テート(コポリマー1)のエピトープに対して作製された抗体と前記軸索とを接
    触させることを含む方法。
  44. 【請求項44】 中枢神経系軸索の脱随に関連する疾患に罹患している患者
    を治療する方法であって、中枢神経系軸索の脱随に関連する疾患を治療するため
    に有効な量のグラチラマー・アセテート(コポリマー1)を、前記患者に投与す
    ることを含み、ここで前記中枢神経系軸索の脱随に関連する疾患は、以下の群か
    ら選択される疾患である方法:急性播種性脳脊髄炎、横断脊髄炎、脱髄性遺伝病
    、脊髄損傷、ウイルス誘導性脱髄、進行性多巣的白質脳症、ヒトT細胞白血病ウ
    イルスI(HTLVI)関連ミエロパシー、および栄養性代謝疾患。
  45. 【請求項45】 リンパ球の増殖を刺激する方法であって、リンパ球を、リ
    ンパ球の増殖を刺激するために有効な量のグラチラマー・アセテート(コポリマ
    ー1)のエピトープに対して作製された抗体と接触させることを含む方法。
  46. 【請求項46】 請求項45に記載の方法であって、前記抗体はヒト化抗体で
    ある方法。
  47. 【請求項47】 請求項45に記載の方法であって、前記抗体は、ミエリン塩
    基性タンパク質(MBP)と交差反応性ではない方法。
  48. 【請求項48】 請求項45に記載の方法であって、前記抗体は、本質的にIg
    G1からなる方法。
  49. 【請求項49】 請求項45に記載の方法であって、前記抗体は、成熟乏突起
    膠細胞と反応しない方法。
  50. 【請求項50】 請求項45に記載の方法であって、前記抗体は、脊髄ホモジ
    ェネート(SCH)と交差反応する方法。
  51. 【請求項51】 請求項45に記載の方法であって、前記抗体は、主にマクロ
    ファージまたはミクログリアの表現型を示す細胞と反応する方法。
  52. 【請求項52】 前記抗体はモノクローナル抗体である請求項45に記載の方
    法。
  53. 【請求項53】 前記抗体はポリクローナル抗体である請求項45に記載の方
    法。
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