JP2003535308A - pHの電位差測定のための有機アンモニウムおよびホスホニウム塩を含有する参照電極溶液 - Google Patents

pHの電位差測定のための有機アンモニウムおよびホスホニウム塩を含有する参照電極溶液

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JP2003535308A JP2000585650A JP2000585650A JP2003535308A JP 2003535308 A JP2003535308 A JP 2003535308A JP 2000585650 A JP2000585650 A JP 2000585650A JP 2000585650 A JP2000585650 A JP 2000585650A JP 2003535308 A JP2003535308 A JP 2003535308A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、pHの電位差測定およびそれを使用する方法のための、アンモニウム塩およびホスホニウム塩を含む参照電極溶液を提供する。標準的な参照電極中の参照電解質としての塩化カリウムまたは塩化ナトリウムを置き換えるためのアンモニウム塩およびホスホニウム塩の使用は、カチオン感応性化合物を含むサンプル溶液中での沈澱の形成を最小にする。参照電極を通るイオン流の乱れが取り除かれ、そして正確なpH測定が、硬いカチオンに対して強い親和性を有する化合物を含む溶液中で得られ得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、pHの電位差測定のためのアンモニウム塩およびホスホニウム塩を
含有する参照電極溶液を有するpH電極に関する。より具体的には、カチオン感
応性化合物を含有する溶液中での沈澱の形成を最小にするための、参照電解質と
してのアンモニウム塩の使用に関する。
【0002】 (背景技術) pHメーターの最も一般的な使用は、pHの測定、およびそれらが酸−塩基滴
定の終点を測定するために使用される化学分析において行なわれる。全てpHメ
ーターは、指示電極(indicator electrode)(これは、溶
液中の水素イオンの活量に応答する)と参照電極(この電極の電位は電位差測定
の過程に渡って一定に保たれる)との間の電位差を測定する一般的な方法に基づ
く。生成されるこの電位差は、サンプル溶液の水素イオンの活量に比例し、従っ
て、溶液pHの決定を可能にする。
【0003】 最も広範の使用され、かつ利便性のあるpHメーターは、ガラス膜電極を利用
する。膜電極は、異なる水素イオン濃度を有する2つの溶液を分離する薄いガラ
ス膜を横切って発生する電位差を測定する電極である。公知のガラス電極2は、
典型的に、pHが測定される溶液8に浸された指示電極4および参照電極6から
なる(図1を参照のこと)。これらの電極は、外部リード線(10および12)
を介して接続されて、電位測定デバイス(例えば、電位差分析計)の端子を分離
する。
【0004】 指示電極4は、典型的に、一定のpHを有する溶液およびこの溶液に浸された
白金ワイヤ18を含む厚さの薄壁のガラス球16である。指示電極溶液14は、
緩衝溶液と呼ばれ、少量の酸または塩基の添加によって変化しない既知のpHを
有する。
【0005】 小さい電流の存在下で本質的に一定かつ再現性のある電位を維持するために、
参照電極6を使用することがまた必要である。理想的に、この電極は、研究下の
溶液に全く非感応性である。このことは、その応答が分析物の濃度に依存する支
持電極4から区別可能である。
【0006】 先行技術においてしばしば記載される周知の参照電極は、カロメル電極6であ
り得る。標準的なカロメル参照電極の例が、図2に示される。カロメル電極は、
内側管24に含まれる塩化水銀ペースト26を利用する。カロメル電極の外側管
20は、典型的に、塩化カリウムの飽和溶液22で満たされる。
【0007】 カロメル電極の電位は、塩化カリウムの塩化物濃度の共に直接変化する。カロ
メル電極の設計は、以下のように表される:
【0008】
【化2】 塩化水銀の電極反応は、
【0009】
【化3】 である。
【0010】 カロメル電極に類似する別の参照電極6は、塩化銀で飽和された塩化カリウム
の溶液に浸された銀から作製されたワイヤ電極19を有する銀/塩化銀電極であ
る(図1を参照のこと)。
【0011】 銀/塩化銀電極の簡略化したセル表現は、以下である:
【0012】
【化4】 塩化銀の電極反応は、以下である:
【0013】
【化5】 両方のタイプの参照電極の本体は、外側ガラス管20からなり、この外側ガラ
ス管20は、典型的に、飽和塩化カリウムの溶液22または硬いカチオン成分(
例えば、ナトリウム)を含む他の類似の溶液で満たされる(図1を参照のこと)
。内側管24は、塩化水銀または塩化銀および飽和塩化カリウムの飽和溶液26
を含む。内側管24は、小さい開口部28を有し、2つの電極仕切り間のイオン
の通過を可能にする。外側管20は、サンプル溶液8に浸され、そして、フリッ
ト化ディスク(fritted disk)30または外側管の端部に密封され
た多孔性繊維によってサンプル溶液と接触する(図1を参照のこと)。フリット
化ディスク30または多孔性繊維の代りに、外側管20は、スリガラススリーブ
32を有し、サンプル溶液との電気的接触を達成し得る(図2を参照のこと)。
【0014】 先行技術における参照電極で遭遇する1つの課題は、pHが測定されるサンプ
ル溶液8の成分が、カチオンに対して強い親和性を有し得ることである。これら
のカチオン感応性化合物は、塩化カリウムで満たされたフリット化ガラスチャネ
ルとサンプル溶液との間の相境界34で沈澱を形成し得る(図1を参照のこと)
。この沈澱は、この参照電極を通るイオン流を乱し、それによって、電極を不安
定にする。この反応は、硬いカチオン(例えば、カリウムまたはナトリウム)と
強く相互作用するサンプル溶液で起こり、そして不溶性の塩を形成する。カリウ
ムおよびナトリウムのような硬いカチオンを含む溶液は、一般に、参照電極中の
電解質溶液として使用される。例えば、濃縮KCl溶液は溶液22として使用さ
れる(図1および2を参照のこと)。このような反応の結果は、pH電極は汚染
され、そして不安定になる。この不安定性は、pH読み取りにおいて大きな誤差
を生じさせ、その誤差は1pH単位ほど大きく、そしてしばしばそれより大きい
。この理由のために、電解質化合物を含む参照電解質溶液を使用すること、そし
てそれを使用する方法を提供することが所望され、その結果、電解質は、サンプ
ル溶液と反応して沈澱を形成しない、相互作用しない(柔らかい)カチオン性化
合物を含む。以下に記載されるように、第4級アンモニウム塩のような化合物、
および第4級ホスホニウム塩が、参照電極溶液に使用される場合、サンプル溶液
の成分と沈澱を形成することなく、置換電解質として作用する。
【0015】 アンモニウム塩は、種々の化学的適用のために、先行技術において一般的にL
使用される。これらの化合物の注目すべき適用は、Ozawaらの米国特許第5
,116,481号である。Ozawaは、無機アニオン(例えば、体液に含ま
れる塩化物イオン)の濃度を測定するためのアニオン選択性電極におけるアニオ
ン選択性感応膜にむける。アニオン選択性感応膜は、例えば、第4級オニウム塩
(第4級アンモニウム塩および第4級ホスホニウム塩を含む)のようなアニオン
感応性物質を含む。これらのアニオン選択性物質は、高分子量のポリマーおよび
可塑剤を含むポリマーフィルムによって支持される(第2欄、第24行目〜第2
7行目)。第4級オニウム塩の中で、ホスホニウム塩が、特定のイオン(例えば
、クロレートイオン、チオシアネートイオン、ヨージドイオン、およびニトレー
トイオン)に対するそれらの高い選択性、および他のイオン(例えば、ヒドロキ
シルイオンまたはフッ化物イオン)に対するそれらの低い選択性のために好まし
い(第5欄、第17行目〜第66行目)。この高い選択性能力は、より長い電極
寿命での正確なアニオン測定を報告されたように実行する(第6欄、第10行目
〜第19行目)。
【0016】 本発明におけるアンモニウム塩およびホスホニウム塩の使用は、Ozawaに
おけるそれらの使用から容易に区別される。Ozawaにおける開示とは異なり
、本発明はアニオン感応性フィルムまたは膜をを形成するために第4級アンモニ
ウム塩および第4級ホスホニウム塩を使用しない。むしろ、本発明において、第
4級アンモニウム塩および第4級ホスホニウム塩は、pH電極中の参照電極溶液
に使用される。さらに、本発明の参照電極溶液は、サンプル溶液のpHを正確に
測定するために使用され、アニオン濃度を測定するために使用されるのではない
【0017】 本発明はまた、Levyらの米国特許第5,066,373号から区別される
。Levyは、フェノールを生成し、そしてクメンヒドロペルオキシドの有用な
副生成物(フェノールを作り出すのに使用される化合物)を最大にし、そして単
離するために使用される、フェノール−アセトン流のpHをモニターしそして制
御するための電極システムを開示する。Levyは、電極溶液を形成するために
フェノール、アセトンおよび水の溶液に溶解されるアンモニウム塩を開示する(
第2欄、第35行目〜第40行目)。
【0018】 Levyは、水のような外部溶媒の添加の必要性を取り除き、時間変化しない
電圧を生成し、そして汚染を減少させるために、電極溶液におけるアンモニウム
塩の好ましい使用を開示する(第2欄、第16行目〜第45行目)。この一貫し
たフェノール−アセトン−クメンプロセス流の中和された切断混合物の酸性度を
連続的にモニターするために使用される。
【0019】 本発明におけるアンモニウム塩およびホスホニウム塩の使用は、Levyのア
ンモニウム塩の使用には類似しない。Levyにおけるそれらの塩の使用とは異
なり、本発明は、アンモニウム塩およびホスホニウム塩を置換水性電解質として
利用して、サンプル溶液におけるカチオン感応性成分との沈澱の形成を防ぐ。対
照的に、Levyは、可溶性かつ安定な電解質溶液を作り出すために、フェノー
ル、アセトンおよび水と組合せてのアンモニウム塩の使用を開示する。この溶液
は、フェノールを生成するために使用される混合物の酸性度を測定する際に有効
であるとして開示されているが、カチオン感応性化合物を含有する溶液のpHを
測定するためではない。
【0020】 (発明の要旨) 本発明は、pHの電位差測定のための、アンモニウム塩またはホスホニウム塩
を含有する参照電極溶液の使用を提供する。参照電解質溶液中のアンモニウム塩
またはホスホニウム塩の使用は、カチオン感応性化合物を含有するサンプル溶液
中の沈殿の形成を最小限にする。用語「カチオン感応性」は、pH電極の参照溶
液中のカチオンと反応し得、そして電極を通じたイオン流を乱し得る成分を含む
任意の溶液(単一溶質、コロイド性溶質、分散型固体)を意味する。硬いカチオ
ンとしては、カリウムのような全てのIA群の元素、全てのIIA群の元素、I
群からVIIIB群における全ての遷移元素、ランタニドおよびアクチニドのシ
リーズ、ならびにアルミニウム、ガリウム、ゲルマニウム、インジウム、スズ、
アンチモン、タリウム、鉛、ビスマスおよびポロニウムを含むIIIA群からV
IA群におけるさらなる元素が挙げられる。カチオン感応性化合物は、前述の金
属イオンのいずれかまたはそれの組み合わせと反応した場合、参照電極への混入
を起こし、これにより安定なpH読取りは不能となる。この混入としては、フリ
ット化ディスクもしくはチャネル(図1および3の30)またはスリーブ(sl
eeve)(図2の32)のいずれの実施形態にもにおけるイオン接合での沈殿
形成が挙げられるがこれらに限定されない。さらに、アンモニウム塩またはホス
ホニウム塩を含む溶液によって、塩化カリウム溶液を置換すると、広い電解質濃
度範囲にわたって、安定かつ正確であるpHの読取りを生じる。
【0021】 本発明に従って、カチオン感応性化合物のpHを測定するための参照電極が提
供される。塩化カリウムの公知の参照電解質化合物または他の類似のカチオン性
化合物が、参照電極溶液において以下の一般的構造を有する化合物と置き換えら
れる:
【0022】
【化6】 ここで、R1、R2、R3、およびR4は、水素、またはアルキル、アルケニルおよ
びアリールのような有機置換基である。Aは、窒素またはリン原子である。Bは
、フルオライド、クロリド、ブロミドまたはヨージドのハロゲンイオンのような
対イオンである。Bはまた、ニトレート、スルフェート、ホスフェート、カーボ
ネート、ブロメート、クロレートまたはヨーデートのようなオキシアニオンであ
ってもよい。対イオンBはまた、スルホネート(例えば、メチルスルホネート)
、カルボキシレート(例えば、アセテートまたはゼンゾエート)、またはシアニ
ド(CN-)のような有機アニオンであってもよい。
【0023】 いくつかの有機置換基は、R1、R2、R3、およびR4として用いられ得る。ア
ルキル置換基は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、
イソブチル、sec−ブチルおよびtert−ブチル、ペンチル、ネオペンチル
、ヘキシル、イソヘキシルなどのような直鎖または分枝した炭化水素鎖である。
これらの置換基は、一般式Cn2n+1を有し、ここでnは正の整数である。好ま
しくは、メチルおよびエチルのようなアルキル置換基が用いられる。メチル置換
基は、本発明において使用される好適なアルキル置換基の例である。窒素に結合
される4つのメチル置換基は、正に荷電したテトラメチルアンモニウムイオンを
形成する。このカチオンは、ハロゲン対イオンと結合し、第四級アンモニウム塩
と称される好適な化合物を生成し得る。
【0024】 本発明の参照電解質化合物は、また、アルケニル置換基を用い得る。アルケニ
ル置換基は、少なくとも1つの二重結合を含んでいる不飽和の非環式の炭化水素
鎖である。それらは、一般式Cn2n+1を有し、ここでnが正の整数であり、そ
してsは、分子の不飽和の数に等しい。好適なアルケニル置換基は、エテニル、
プロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、ヘキセニルまたは他の公知
のアルケニル置換基である。アルケニル置換基エテニルおよびプロペニルは、よ
り通常にはビニルおよびアリルとして公知である。
【0025】 また、参照電解質化合物は、1つの原子の除去により、芳香族炭化水素に由来
する有機置換基であるアリール置換基を含み得る。通常のアリール置換基は、フ
ェニルであり、一般式C65を有する。他のアリール置換基は、ナフチルおよび
ビフェニルを含み得る。付加されたアリール置換基を有するアルキル置換基は、
また、ベンジル、1−フェニルエチル、2−フェニルエチル、1−フェニルプロ
ピル、2−フェニルプロピル、3−フェニルプロピルなどのような置換基を含む
【0026】 他の有機置換基は、n、m、x、yおよびzが正の整数である式Cnmxyzを有するヘテロ置換(hetrosubstitute)された炭化水素鎖
であってもよい。多くの他の中で、ヘテロ置換された置換基としては、ピリジニ
ル、ピラジニル、ピリミジニル、ピロリル、チエニル、チアゾリル、フリル、ピ
ラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリルおよびキノリニルを含む
ヘテロアルキル置換基およびヘテロアリール置換基が挙げられる。X、Yおよび
Zは、異種原子(例えば窒素、イオウまたは酸素)に関連する。
【0027】 本発明が、カチオン感応性の化合物のpHを測定するために塩化第一水銀電極
を利用する場合、短縮型のセル表現は以下のとおりである:
【0028】
【化7】 ここで、Rが有機置換基であり、そしてXが対イオン(例えばハロゲンまたはオ
キシアニオン)であり、そして、cはR4NXのモル濃度である。
【0029】 本発明がカチオン感応性の化合物のpHを測定するための銀/塩化銀電極であ
る場合、この電極は以下のように表される得る:
【0030】
【化8】 ここで、Rは有機置換基であり、そしてXは、対イオン(例えばハロゲンまたは
オキシアニオン)であり、そして、cはモル濃度である。
【0031】 本発明はまた、カチオン感応性の溶質を含有する溶液のpHの測定において参
照電極を使用する方法を提供する。この方法は、以下の工程からなる:電気リー
ド線および外部チューブおよび内部チューブを備える参照電極を提供する工程、
この外部チューブおよび内部チューブ中に参照電解質化合物を提供する工程であ
って、ここでこの化合物は式R4ABを有する化合物であり、ここでRは、水素
または有機置換基(例えばアルキル、アルケニルまたはアリール)であり、そし
て、Aは、窒素またはリン酸原子であり、そしてBは、対イオン(例えばハロゲ
ンまたはオキシアニオン)である、工程、サンプル溶液中に参照電極の外部チュ
ーブを浸漬する工程、ならびに小さい電流がある場合には、定常的かつ再生可能
な電位を維持する工程。
【0032】 参照電極は、指示電極(図1および2)、または参照セルおよび指示セルが1
つの電極に組み込まれる、組み合わせ電極(図3)の部分から離れていてもよい
。 図3は、pHを測定するための代表的な組み合わせガラス電極を示す。参照電解
質溶液は、充填ポート(35)と通じて電極に導入される。
【0033】 (発明の詳細な説明) 本発明は、多くの異なる形態における実施形態をとり得、図面に示され、そし
て、本明細書において、本発明の好適な実施形態に詳細に記載されているが、こ
れは、本開示が本発明の原理の例示とみなされるものであり、本発明の広範な局
面を、例示される実施形態に限定することを意図しないという了解の下である。
【0034】 本発明の図1は、pHが測定されることになっている溶液8に浸漬された、指
示電極4および参照電極6を含む標準ガラス電極2を示す。この電極は、潜在的
な測定デバイスの別の末端に、外部リード線10および12を介して接続される
【0035】 参照電極6は、塩化第一水銀または塩化銀および飽和塩化カリウムの溶液また
は懸濁液26を含む外側ガラスチューブ20および内部チューブ24を有する。
外部チューブ18の中の内部溶液26と溶液22との間の流路は、小開口部28
によって提供される。外側チューブ20は、サンプル溶液8に浸漬され、これは
フリット化ディスク30または外側チューブの端に封入される多孔性ファイバー
によって溶液22に連絡している。フリット化ディスク30または多孔質ファイ
バーの代わりに、図2は、外側チューブ18が、サンプル溶液8との電気的接触
を達成するためにスリガラススリーブ32を有してもよいことを例示している。
(図2を参照のこと。) 外側のガラスチューブ20は、代表的には、参照電解質化合物の溶液22(こ
れは相互作用しない(軟性の)カチオン化合物として役立つ)で満たされており
、これは、以下の一般の構造を有する:
【0036】
【化9】 ここで、R1、R2、R3およびR4は水素、アルキル、アルケニルまたはアリール
の置換基であり、そして、Aは、窒素またはリン原子であり、そして、Bは、ハ
ロゲンイオン、シアニド、またはオキシアニオンのいずれかの群から選択される
対イオンである。
【0037】 好適な参照電解質化合物は、アルキルおよびアリールラジカルの第四級アンモ
ニウム塩または第四ホスホニウム塩(例えば、テトラメチルアンモニウムフルオ
ライド、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロ
ミド、テトラメチルアンモニウムヨージド、テトラエチルアンモニウムフルオラ
イド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブロミ
ド、テトラエチルアンモニウムヨージド、テトラ−n−プロピルアンモニウムフ
ルオライド、テトラ−n−プロピルアンモニウムクロライド、テトラ−n−プロ
ピルアンモニウムブロミド、テトラ−n−プロピルアンモニウムヨージド、テト
ラ−n−ブチルアンモニウムフルオライド、テトラ−n−ブチルアンモニウムク
ロライド、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミドまたはテトラ−n−ブチル
アンモニウムヨージド、テトラフェニルアンモニウムフルオライド、テトラフェ
ニルアンモニウムクロライド、テトラフェニルアンモニウムブロミド、テトラフ
ェニルアンモニウムヨージドおよび適当な溶剤)を含む。
【0038】 特定の実施形態が例示され、そして記載されていたが、多数の改変が、本発明
の精神から逸脱することなく、可能である、そして、保護の範囲は、添付の特許
請求の範囲によって制限されるのみである。
【0039】 (実施例) 6,7−ジクロロ−5−ニトロ−1,4−ジヒドロキノキサリン−2,4−ジ
オンを含む溶液のためのpH測定は、従来のガラス電極の使用により得られた(
銀/塩化銀の組み合わせpHガラス電極が、用いられた(Ross(登録商標)
Sure−FlowTM、Model番号8172)。この化合物(下で表される
)が、カチオンに対して強力な親和性を有することが見出された。
【0040】
【化10】 6,7−ジクロロ−5−ニトロ−1,4−ジヒドロキノキサリン−2,3−ジオ
ン。
【0041】 参照電極の外側チューブを、塩化カリウムの3M溶液で満たした。6,7−ジ
クロロ−5−ニトロ−1,4−ジヒドロキノキサリン−2,3−ジオンのサンプ
ル溶液に浸漬する場合、塩化カリウムは、サンプル溶液と作用して、6,7−ジ
クロロ−5−ニトロ−1,4−ジヒドロキノキサリン−2,3−ジオンのカリウ
ム塩を形成し、そしてこの反応物は、フリット化ガラスチャネルとサンプル溶液
との間の相境界(基準接合)で、沈降物を形成した。
【0042】 溶液のpH測定は不安定であり、そして、読み込みは1回の測定の間に偏向し
た。サンプル溶液のアッセイに続いて測定した溶液のpHは、1pH単位ほどの
またはそれ以上のかなり大きい誤差を生じ、このことは電極の汚染をより証明し
た。
【0043】 塩化カリウム溶液をテトラメチルアンモニウムクロライドの3M溶液と置き換
えた場合、得られるpH読み取りは、サンプル溶液の電極の浸漬後、1分以内に
、正確でかつ安定していた。読み取りは、浸漬の後、数時間安定したままであり
、そして、pH測定値は、0.1単位内で近接して一致した。この実験を、2M
〜5.5Mの電解質濃度範囲にわたって繰り返し、同一の結果を生むことがわか
った。
【0044】 この実験を、また、種々の供給業者からの種々の標準ガラス電極を使用して繰
り返した。溶液のpHは、各々の場合においてうまく測定され、そして、その結
果は、上記の結果に非常に類似していた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、指示電極および参照電極の斜視図である。
【図2】 図2は、ガラススリーブを有する別の参照電極の斜視図である。
【図3】 図3は、組み合わせガラス電極の斜視図である。
【図3A】 図3Aは、図3に示される電極の一部の拡大図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウェアマン, グレン ジュニア. アメリカ合衆国 イリノイ 60085, ワ ウクガン, ダブリュー. スワロウテイ ル 4480 (72)発明者 ハモンド, リチャード ビー. アメリカ合衆国 イリノイ 60030, グ レイスレイク, ポウプス クリーク サ ークル 1008 (72)発明者 レベック, クリスティーン エル. アメリカ合衆国 イリノイ 60102, ア ルゴンキン, イーグル リッジ レーン 525

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カチオン感応性化合物のpHを測定するための参照電極であ
    って、該電極は、以下の構造: 【化1】 を有する参照電解質化合物および適切な溶媒を含有する溶液を含み、 ここで、R1、R2、R3およびR4は、式Cnmxyzを有するヘテロ置換さ
    れた置換基であり、ここで、n、m、x、y、およびzは、正の整数であり、X
    、YおよびZは、窒素、硫黄、および酸素からなる群から選択され、ここでAは
    窒素原子およびリン原子からなる群から選択され、ここでBは、ハロゲン、オキ
    シアニオン、およびシアニドイオンからなる群から選択される対イオンである、
    参照電極。
  2. 【請求項2】 B-が、フルオリド、クロリド、ブロミド、およびヨージド
    からなる群から選択されるハロゲンイオンである、請求項1に記載の参照電解質
    化合物。
  3. 【請求項3】 B-が、ニトレート、スルフェート、スルフェート水素、カ
    ルボキシレート、カーボネート、ビカーボネート、ブロメート、ヨーデート、ク
    ロレート、ホスフェート、ホスフェート水素、メチルスルホネート、p−トリル
    スルホネート、およびトリフルオロメチルスルホネートをからなる群から選択さ
    れるオキシアニオンである、請求項1に記載の参照電解質化合物。
  4. 【請求項4】 B-が、シアニドイオンである、請求項1に記載の参照電解
    質化合物。
  5. 【請求項5】 前記ヘテロ置換された置換基が、ピリジニル、ピラジニル、
    ピリミジニル、ピロリル、チエニル、チアゾリル、フリル、ピラゾリル、イミダ
    ゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、およびキノリニルからなる群から選択さ
    れる、請求項1に記載の参照電解質化合物。
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