JP2003535134A - 痴呆治療剤 - Google Patents

痴呆治療剤

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、痴呆のアジュバント療法のためのα−リポ酸または該α−リポ酸の誘導体の使用であって、前記α−リポ酸を還元型または酸化型で使用するか、または、無傷のジチオラン構造を有する前記α−リポ酸の誘導体を、光学異性体または製薬的に容認可能な塩、アミド、エステル、チオエステル、エーテルまたは代謝物の形で使用することに関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、痴呆のアジュバント療法のためのα−リポ酸または該α−リポ酸の
誘導体の使用であって、前記α−リポ酸を還元型または酸化型で使用するか、ま
たは、無傷のジチオラン構造を有する前記α−リポ酸の誘導体を、光学異性体ま
たは製薬的に容認可能な塩、アミド、エステル、チオエステル、エーテルまたは
代謝物の形で使用する、痴呆のアジュバント療法のためのα−リポ酸の使用に関
する。
【0002】 従来技術は以下の明細書に開示されている:独国特許第4343592号明細
書、欧州特許出願公開第0382066号明細書、独国特許第4439477号
明細書、欧州特許第0530446号明細書、欧州特許出願公開第085539
6号明細書、国際公開第99/06040号パンフレット、米国特許第5,53
2,269号明細書、独国特許出願公開第4343593号明細書、米国特許第
5,599,835号明細書、米国特許第5,569,670号明細書、欧州特
許出願公開第0869126号明細書、PCT/GB98/02155、PCT
/US99/11178、独国特許出願公開第4327462号明細書、
【0003】 DANAコンソーシアム、「ヒト免疫不全ウィルス関連の認知障害におけるデプ
レニールおよびチオクト酸の無作為化二重盲式プラセボ比較試験」Neurology 50
: 645-651; 1998,
【0004】 Di Ricco A, Roesler R, Quevedo J, Walz R, Bianchin M、「ヒト免疫不全ウィ
ルス関連認知障害におけるデプレニールおよびチオクト酸の無作為化二重盲式プ
ラセボ比較試験」Neurology 52: 1920, 1999、
【0005】 Boysen KH、「精神科におけるチオクト酸製剤の実績」Med. Welt: 395-400, 196
7、 Tirosh O, Sen CK, Roy S, Kobayashi S, Packer L、「α−リポ酸および正電荷
アミド類似体の神経保護効果」Free Rad Biol Med 26 (11/12), 1418-1426, 199
9、
【0006】 Packer L, Tritschler HJ, Wessel K. 「代謝性抗酸化α−リポ酸による神経保
護」Free Rad Biol Med 22 (1/2), 359-378, 1997、 Stoll S, Hartmann H, Cohen SA, Mueller WE、「強力フリーラジカル・スカベ
ンジャ、α−リポ酸は、老齢マウスの記憶力を改善する:NMDA受容体欠損に
対する推定上の関係」Pharmacol Biochem Behav 46, 799-805, 1993, Stoll S, Rostock A, Bartsch R, Korn E, Meichelbock A, Mueller WE、「強力
フリーラジカル・スカベンジャ、α−リポ酸は、齧歯動物の記憶力を改善する」
Ann NY Acad Sci 717, 122-128, 1994、
【0007】 Loske C, Neumann A, Cunningham AM, Nichol K, Schinzel R, Riederer P, Mue
nch G、「酸化ストレスが糖化最終産物の細胞毒性の媒介となる」J Neural Tran
sm, 219-229, 1998、 Hagen TM, Russel T, Ingersoll T, Lykkesfeldt J, Liu J, Wehr CM, Vinarsky
V, Batholomew JC, Ames BN、「R(+)−アルファ−リポ酸を補充された老齢
ラットは、ミトコンドリア機能を向上させ、酸化損傷を減少させ、代謝率を増大
させる」FASEB J 13: 411-418, 1999およびチオクト酸の専門情報:ASTA Medica
1999。
【0008】 α−リポ酸(チオクト酸、1,2−ジチオラン−3−ペンタン酸)は、ミトコ
ンドリア中のα−ケト酸−デヒドロゲナーゼの生物学的補因子であり、これらの
酸(ピルビン酸塩、α−ケトグルタル酸塩)の生体酸化に関与する。
【0009】 α−リポ酸は、糖尿病性末梢多発ニューロパシーにおける感覚障害の治療、な
らびに、肝疾患、菌中毒および金属中毒の治療に活用される。従来、治療効果は
不確実であると見なされていたが、新しい用法・作用を研究し、充分に高容量(
>200mg/日)の治療を行うことにより、臨床用途において、状況が改善さ
れた(チオクト酸の専門情報)。
【0010】 酸化型および還元型のα−リポ酸の生物学的かつ治療上の効果は、多数の誘導
体および代謝物にも、一部は弱められた形で、また一部は改善された形で見出さ
れる(例えば3−ケトリポ酸、1,2−ジセレノラン−3−ペンタン酸、リポア
ミド、オクトチアミン、2−(NN−ジメチルアミン)エチルアミドリポエート
−HCl、トコフェロール−リポエート、トコトリエニル−リポエート、ガンマ
−ヒドロキシブチレート−リポエート、リポ酸−ビタミンE−エステル、リポ酸
のN−アセチル−p−アミノフェノール誘導体他)(Tirosch他、1999年、上記
欧州特許出願公開第0855396号明細書、欧州特許出願公開第086912
6号明細書、PCT/GB98/02155、国際公開第99/06040号パ
ンフレット、独国特許出願公開第4327462号明細書参照)。
【0011】 これらの誘導体は、in vivoでの代謝と分布を改善するために提案され
た。このことは中枢神経系内への分布にも当てはめることができる。個々の誘導
体は、α−リポ酸の生体標的(生体酸化還元系、例えばα−ケト酸−デヒドロゲ
ナーゼ、H−タンパク質、チオレドキシン、グルタチオン還元酵素、または細胞
酸化還元系、例えばグルタチオン、ユビキノン、呼吸鎖の複合体I、または酸化
還元感受性およびSH感受性のタンパク質および酵素、NO系、カタラーゼ、細
胞のシスチン/システイン−シャトル、ホモシステイン、チロシンキナーゼ、M
AP−キナーゼ、(複合体形成のための)金属イオン、アルファ−抗プロテイナ
ーゼ、または酸化還元感受性の転写調節因子、例えばNF−kBまたはAP1)
における効果(例えば親和性および反応速度)を改善することもでき、またはα
−リポ酸の相乗的または付加的な薬理効果の目標を、他の活性分子と結びつける
こともできる。
【0012】 従って、「α−リポ酸」という表現は本明細書では、α−リポ酸の活性ジチオ
ラン基が誘導体の生物学的かつ医学的な作用をさらに一緒に引き起こす範囲で、
光学異性体、ラセミ化合物および光学異性体混合物の他に、誘導体(エステル、
チオエステル、エーテル、塩、アミド、代謝物など)をも含めた一般的な表現と
して使用される。
【0013】 α−リポ酸の抗酸化機能のために、α−リポ酸を栄養補助剤または医学的な栄
養供給のための製剤として単独で、または他の物質との組み合わせで使用するこ
とが提案された(米国特許第第5,569,670号明細書、同第5,599,
835号明細書)。栄養補助剤または医学的な栄養剤は、国内の所定の規則に従
って規制された製品カテゴリーである。これらのカテゴリーは、従来の医薬品分
野外で、人間の所定の目標健康状態に合わせて、製品の製造および販売を規定す
る。
【0014】 さらにα−リポ酸は、喫煙者および糖尿病患者における循環障害を治療するた
めに(米国特許第5,532,269号明細書)、また糖尿病患者におけるレオ
ロジー剤(Rheologikum)として使用する(独国特許第4439477号明細書
)ことが提案された。
【0015】 R(+)−光学異性体は好ましくは炎症性疾患の予防、ならびに、細胞の保護
に適していることが確認された(欧州特許出願公開第0382066号明細書)
【0016】 ラセミα−リポ酸の好ましい誘導体としてのR(+)−光学異性体は、インス
リン抵抗を治療するために(独国特許出願公開第4343593号明細書)、ま
た中枢神経系のグルコース受容器の障害を治療するのにも提案された(独国特許
出願公開第4343592号明細書)。
【0017】 中枢神経系の興奮障害においてα−リポ酸を好ましく使用することが記載され
ている(欧州特許第0530446号明細書)。ラジカル捕捉作用により、α−
リポ酸の神経保護作用を説明する広範囲な試験が行われた。これには、脳虚血に
おける中枢神経系の損傷、興奮性アミノ酸による損傷、ミトコンドリアの損傷、
つまり、フリーラジカル・プロセスが前面に出ている脳組織損傷が属する(Pack
er他、1997、Loske他、1998)。
【0018】 中枢神経系の急性および慢性の疾患において神経細胞を保護するためのこれら
の広範囲の試験とは異なり、脳の機能喪失に影響を与えるためのデータはこれま
でのところ、ほとんどない。痴呆の兆候を改善するための最初の所見が、25〜
50mgのα−リポ酸を投与した後の、硬化性痴呆を有する患者および退行期鬱
病において記載されている(Boysen 1967)。しかしこのような所見は、何十年も
の間α−リポ酸を使用してきた中では確認されることはなく、今日の知識によれ
ば、用量が著しく不足しているために成功に導くものではないと見なさざるをえ
ない。
【0019】 しかしその後、老齢ラットへの高用量のα−リポ酸投与が、老齢ラットの記憶
力を改善するが、しかし若年動物の記憶力を改善することはないことが記載され
た(Stoll他、1993、Stoll他、1994)。老齢動物の運動機能に好ましい影響を与
えることが、R(+)−α−リポ酸に関して記載されている(Hagen他、1999)
【0020】 このような理論的根拠に基づき、最初の臨床研究が開始された。しかし、リポ
酸の抗酸化特性に基づき、また、神経保護作用ならびに老齢ラットの学習行動の
改善のための多数の動物実験上の所見に基づき、効果が期待され、それが臨床研
究の理論的根拠にかなったものであったにもかかわらず、HIV痴呆の患者の認
知機能に対する有効量(600mg)のα−リポ酸療法には効果がないことが判
った。α−リポ酸は効果がないばかりか、α−リポ酸の投与によって、学習行動
を悪化させた(Di Rocco他、1999、Dana Consortium 1998)。言語学習能力およ
び記憶力が明らかに低下した。適用された他の全ての神経生理学試験も悪化した
。すなわちα−リポ酸は有効ではなく、理論的根拠に反して、痴呆の兆候を悪化
させる明らかな薬理学的結果を有した。このような結果は、有効対照薬(デプレ
ニール)がこの研究において、痴呆患者の認知能力に対するその周知の好ましい
効果を確証しており、従ってα−リポ酸に不都合となるネガティブな偶然の所見
を排除できるだけに、なおさら失望させられるものである。
【0021】 痴呆は一般に、自己の知的能力を活用する、人間の能力の欠如を表す。脳疾患
の結果としての痴呆は普通、記憶、思考、見当識、理解、計算、学習能力、発話
および判断力を含む、多くの高度な皮質機能を損ないつつ、慢性的または進行的
に経過する。認知障害は大抵の場合、情緒コントロール、社会的行動またはモチ
ベーションの悪化を伴う。 痴呆の判定基準は特に以下のものである:
【0022】 > 社会的かつ職業的な能力が損なわれている規模での知的能力の喪失 > 情動コントロール、発動性の低下、または、社会的行動の粗雑化(情緒不
安定、易怒性、感情鈍麻を含む)を含む人格変化 > 日常的作業の困難 > 重大な記憶力問題、例えば短時間記憶または長時間記憶の障害、共通性お
よび差異を認識する能力の低下
【0023】 > 新しい情報の習得困難 > 危険な状況を導く誤った不合理な決定 > 発話および話の理解の初期傷害(失語症) > 運動調和の困難(失行症) > 物や人を認識する能力の欠如(失認) > 計算能力および筆記能力の喪失
【0024】 原因となる正確な疾患経過については、今のところ最終的には解明されていな
い。臨床的な病状はしばしば似ており、病理学的原因もしくは痴呆の種類はしば
しば死後初めて確認できる。さらに、痴呆のいくつかの脳器質的な原因が同時に
(または時間的にずらされて)相並んで生じるような多くの混合型があることが
判っている。一次的な脳器質的原因とは無関係に、全ての痴呆には、ニューロン
機能障害が明らかである。このような機能障害は、脳内の信号伝達の障害によっ
て特徴付けされる(神経伝達障害)。この場合、種々の神経伝達物質(例えばア
セチルコリン、ドーパミンおよびグルタミン酸塩、セロトニン他)の合成の減退
または放出の減少、または受容体後作用の減少が、疾患のタイプに応じて個々の
種々の役割を演じる。このような神経伝達障害によって、種々異なる全ての脳器
質的原因における痴呆の臨床的病状が決まってくる。進行した状態では、機能障
害は神経細胞の死にまで進むことがある。重要なのは、いくつかの種類の痴呆、
特にHIV痴呆およびアルツハイマー痴呆の場合、慢性的に炎症性の経過が現れ
ることである(McArthur他、1999; McGeer, McGeer、1997)。
【0025】 認知機能喪失の臨床経過はゆっくりと進行し、大抵の場合、中年期および老齢
期の人間を襲う。年齢は痴呆発症の最も重要な危険因子である(Payami他、1997
)。
【0026】 最も重要な痴呆の種類は以下の通りである: 1. アルツハイマー病の痴呆 アルツハイマー病は、病因が判ってはいないものの、固有の神経病理学的かつ
神経化学的特徴を有する一次性変性脳痴呆である。アルツハイマー病は通常潜伏
状態で始まり、ゆっくりと、しかし徐々に数年(2〜3年、場合によってはさら
に長い時間)にわたって発症する。まれに中年期の成人が発病する(初老期発病
のアルツハイマー病)が、しかし比較的高齢者の発病が多い(老年期発病のアル
ツハイマー病)。65歳前から70歳までの場合、しばしばよく知られた類似の
症例が観察できる。つまり、経過がより急速で、側頭および頭頂の障害が前面に
出ている症状であり、この症状には不完全失語症または結合運動障害が含まれる
。より高齢で発病する場合、経過はより緩慢になる傾向があり、比較的高度な皮
質機能がより全般的に損傷されることが特徴となる。ダウン症患者もアルツハイ
マー病と同様の形を呈する。
【0027】 以下のような特徴的な脳変化が判っている:すなわち、特に海馬、無名質、青
斑、側頭頭頂および前頭の皮質におけるニューロン個体群が著しく減少し;細胞
骨格タンパク質の対を成すらせん状のフィラメントから成る神経原線維の「もつ
れ(変化)」が発生し;明白に進行性の発生を伴う、大部分がアミロイドから成
る神経炎性(銀親和性)プラーク(アミロイドを有さないプラークもあり得る)
、および、顆粒空胞体が形成される。神経化学的変化、つまり、酵素コリンアセ
チルトランスフェラーゼ、アセチルコリン、および他の神経伝達物質および神経
修飾物質の明らかな減少も見出されている。
【0028】 アルツハイマー病の疑いがあるという診断は大抵の場合、症状の臨床判断だけ
に基づいて下される。痴呆の存在の他に、緩慢な悪化を伴う潜伏性の発病が特徴
的である。発病は普通、正確に確認することは難しく、その上、欠損があるとい
う認識は第三者に突然生じることがある。更なる判定基準は以下の通りである:
痴呆を引き起こし得る系または脳の疾患(例えば甲状腺機能低下症、高カルシウ
ム血症、ビタミンB12欠乏症、ナイアシン欠乏症、神経梅毒、正常圧水頭症、
硬膜下血腫)を示す臨床的示唆または特定の検査所見がないこと;突然の卒中発
症または神経学的な病巣兆候(例えば片側不全麻痺、知覚喪失、視野欠損および
疾患の早期に併発する調和異常)がないこと。
【0029】 2. 血管性痴呆 多発脳梗塞性痴呆を含む、血管性(以前の動脈硬化性)痴呆は、発病、臨床的
特徴および経過の点で、アルツハイマー病と異なる。既往歴には、短期の意識障
害、一過性の不全麻痺または失明を伴う一過性虚血性発作がしばしばある。痴呆
は、一連の急性脳血管発作に続いて生じることもあり、または、あまり頻繁には
ないが、個々の卒中に続いて生じることもある。普通は比較的高齢で発病するこ
のような種類の痴呆は、個々の虚血性発作後に突然に発生するか、または、徐々
に発症する。この痴呆は、脳血管の筋緊張亢進を含む血管性疾患の結果としての
脳の梗塞形成の結果である。梗塞は大抵小さいが、しかしその作用は蓄積される
【0030】 診断は痴呆を前提とする。認知障害は普通、不一様なので、記憶喪失、知的障
害および神経病巣兆候が生じることがある。分別および判断力は比較的良好に保
たれることがある。突然の発病、段階的な悪化、および神経病巣兆候および神経
学的症状は、診断の確率を高める。診断は多くの場合、コンピュータ・トモグラ
フィだけで、または最終的には神経病理学的な検査によって下すことができる。
付加的な特徴として次の点が挙げられる:筋緊張亢進、頚動脈雑音、一過性抑鬱
気分を伴う情動性、泣きまたは自制不能な笑い、および意識混濁の一過性発作、
またはしばしば更なる梗塞によって引き起こされる、せん妄。人格は大抵の場合
比較的良好に保たれるが、しかし多くの場合、感情鈍麻または脱抑制を伴う人格
変化、または自己中心性、偏執的態度、または易怒性のような、以前の人格傾向
の先鋭化が発生することがある。
【0031】 3. ピック病における痴呆 普通50〜60歳の中年期に発病する進行性痴呆は、緩慢に進行する早期の人
格変化と、社会的能力の喪失とを特徴とする。この病気は知力、記憶力および言
語機能の障害を招き、感情鈍麻、多幸、および場合によっては錐体外路症状をも
伴う。神経病理学的症状は、前頭葉および側頭葉の限局性萎縮を呈するが、しか
しこの場合、正常な年齢規模を超えた神経炎性プラークや神経原線維の堆積はな
い。早期発病を伴う場合には、悪性の経過をたどる傾向がある。奇異な社会的行
動はしばしば記憶障害が明らかになる前に始まる。アルツハイマー病とは異なり
、側頭および頭頂の脳症状よりも前頭の脳症状が際立っている。
【0032】 4. パーキンソン病の痴呆 既に発病している(特に重症の)パーキンソン病の経過中に発症する痴呆症。
従来は、一義的に顕著な臨床特徴を説明することはできなかった。この痴呆はア
ルツハイマー病における痴呆または血管性痴呆とは異なる場合があるが、しかし
、これら両痴呆型のうちの一方がパーキンソン病と一緒に同時に発症する、とい
う示唆もある。
【0033】 5. レービ体痴呆 この痴呆型は、脳能力の変動(特に注意力および覚醒性の変動)および以下の
3つの点のうちの2つにおいて想定される: 視覚的な詳細な幻覚 パーキンソン症候 パーキンソニズム発症に関する、神経弛緩薬に対する異常な感受性
【0034】 6. ヒト免疫不全ウィルス(HIV)による疾患における痴呆 認知障害によって特徴付けされる障害であり、この障害は、臨床症状を説明で
きる病気または障害(HIV感染を除く)が同時に存在しない場合に、痴呆の診
断のための臨床的な判定基準を満たす。典型的には、HIV痴呆においては、健
忘、緩慢化、集中力悪化、および、問題解決時および読書時の困難、のような訴
えがある。感情鈍麻、自発的行動の減少、および社会的引きこもりがしばしば生
じる。極めて少数の患者において、この疾患は情動障害、精神疾患の症状のもと
に発生するか、または、痙攣発作と共に発生することがある。身体的な検査時に
は、振戦、迅速な反復運動の障害、平衡障害、運動失調、緊張亢進、全身反射亢
進、前頭脱抑制症状、ならびに、眼球追従運動障害、および、眼球のがたつき運
動がしばしば見出される。小児はHIVに起因する、ZNSの発育障害を呈する
ことがある。この発育障害は発育遅滞、緊張亢進、小頭症および大脳基底核の石
灰化によって特徴付けされる。成人とは異なり、神経学的な関与は、大抵の場合
、日和見感染および新生物のない状態で生じる。
【0035】 例外がないわけではないが、一般的には、HIV痴呆は重篤な、広範囲な痴呆
をもたらし、無言症を引き起こし、死に至らしめる。
【0036】 痴呆の重症度を神経心理学的に測定する方法 臨床的な日常において痴呆を選別するために、基準化された方法、例えば精神
状態ミニテスト(MMSE)またはアルツハイマー病評価スケール(ADAS)
が用いられる。別の方法としては、GDS:グローバル悪化スケール(Reisberg
他、1982)、FAST:機能評価段階付け(Reisberg、1988)も挙げられる。
【0037】 精神状態ミニテスト(MMSE) 精神状態ミニテストはMarshall Folstein 1975によって開示され、当初は認知
機能を識別するためのテストとして考えられた(Folstein 他、1975)。このテ
ストは簡略なので、対象基準/除外基準を把握する検査におけるスクリーニング
・テストとして今日利用される。試験されるのは、見当識、注意力、短時間およ
び中時間の記憶力、言葉を見出す能力、読み書きであり、さらに、取り扱い指示
に従わなければならない。この試験の出題は、認知障害を持たない人ならば通常
問題なく解くことができるように構想されている。達成し得る最高得点は30点
であり、24点よりも低いとこれは痴呆疾患であることを示唆する。以下の段階
で一般的には区別される(Zec他、1992)。
【0038】 MMSE 24点以上=ほとんど顕著ではない 20〜23点=顕著 10〜19点=極めて顕著 0〜 9点=重症
【0039】 アルツハイマー疾患評価スケール−認知サブスケール(ADAS−Cog) 痴呆患者の神経心理学的状態を検出するための別のテストとして、「アルツハ
イマー疾患評価スケール−認知サブスケール(ADAS−Cog)」(Rosen他,
1984)がある。アルツハイマー疾患評価スケールは、W.G. Rosen, R.C. Mohs (
1988)、Rosen およびK.L. Davis (1984)によって発明された。ドイツ版は、R. I
hl G. Weyer (Beltz Test 1993) によって作成された。ADASは当初から診断
機器として考えられたものではないが、しかし痴呆患者を同年齢の健康な対照者
から極めて良好に選別する。ADASでは、以下の判定基準を識別することがで
きる:認知領域、非認知領域、記憶力、見当識/実行、運動機能、抑鬱性、精神
病的症状、集中力/調和、発話。ここで利用するテキストでは、発話は認知領域
に一緒に取り込まれ、最大70点の減点があり得る。アルツハイマー型痴呆の患
者の場合、総スケールが12ヶ月の経過中に平均して5〜7点だけ上昇し、24
ヶ月の経過中には平均14点だけ上昇することが判った。この場合、認知部分の
項目が最も高い感受性を有している。
【0040】 MMSEと同様にADASでも以下のように分類することができる: ADAS 23点以下=ほとんど顕著ではない 24〜38点=顕著 39〜53点=極めて顕著 54点以上=重症
【0041】 痴呆の治療 (対症療法を含む)痴呆分野において今日利用可能な全ての有効成分は、残念
ながら、症候性脳能力欠損に関して、患者を僅かに改善するだけにすぎない。こ
れらの医薬品は、数ヶ月しか改善をもたらさないことが多く、適合性プロフィー
ルにより、注意深く選択しなければならない。認知機能喪失の進行を緩慢にすれ
ば、このことをすでに治療上の進歩と見なさざるを得ない。脳能力が一時的に改
善されるほど良好に患者が応答することはまれであり、しかもこの改善は、疾患
経過を永続的に減速するものではない。
【0042】 すべての有効成分は、種々異なる形式で、障害されたニューロン信号伝達を再
び改善するという点で共通する。このことは、脳血液灌流を改善する有効成分(
イチョウ抽出物、シンナリジン、ヒドロエルゴトキシン、ニセルゴリン、ピラセ
タム、ペントキシフィリン、ピリチノール、ビンポセチン)、神経細胞の能力を
改善するかまたは神経細胞を保護する有効成分(カルシウム拮抗体、NMDA拮
抗体、メマンチン)、または、他の形式で脳内の信号伝達を改善する有効成分(
例えばアリセプト(Aricept)(有効成分:ドネペジル)、エクソロン(Exolon)(
有効成分:ENA713)またはリバスチグミン(Rivastigmin)のようなアセチ
ルコリン作用促進剤(Pro-Acetylcholinergika))に当てはまる。
【0043】 良好な適合性を有する別の有効な医薬品に対する夥しい需要に基づいて、臨床
開発された一連の物質がある(ガランタミン、プロペントフィリン)。さらに炎
症抑制剤(「非ステロイド系抗炎症薬」例えばイブプロフェン、アセチルサリチ
ル酸またはジクロフェナク)も使用される。さらに、ビタミンEなどの物質が臨
床的効果を示すか否かが試験されている。
【0044】 要約すると、今までのところ、ようやく極めて僅かな治療上の手掛かりをつか
めたにすぎない。このような手段は、最良の場合、一時的な安定化作用をもたら
すものの、痴呆のさらなる進行を長期間持続して防止することはない。 いまや驚くべきことに、基礎治療に際して、痴呆治療薬(神経伝達増強剤を含
む)とともに充分な用量のα−リポ酸を特別な形式で投与すると、痴呆患者の能
力欠損が改善され、もしくは欠落症状の自然の悪化が抑止されるかまたは停止さ
せられることが判った。
【0045】 組み合わせにおいてのみ明白で際立ったポジティブな作用を示すという、医薬
物質のこのような特性は普通ではない。一般には、単独治療薬として作用する2
つの物質を組み合わせた場合に、付加的または相乗的な効果が生じる。単独治療
においては全く作用しないか、またはネガティブに作用する1つの有効成分が、
次いで組み合わせによってポジティブであることが明らかになり、もしくはポジ
ティブなものに逆転することは、思いもよらないことである。
【0046】 実施例 臨床学的に明らかな痴呆性欠落症状を有し、アルツハイマー痴呆または血管性
痴呆などの疑いがあると診断されている患者を、症候性脳能力欠損を改善するた
めの医薬品(対症療法)で治療した。痴呆分野で今日利用可能な全ての有効成分
が僅かにしか改善をもたらさないので、最初の研究では失望させられたにもかか
わらず、この基礎治療では、α−リポ酸を高用量で患者に投与することを正当化
した。治療の作用は、今日一般に基準化されている、高い信頼性を有する臨床的
痴呆評価スケールを用いて判断した。すなわち精神状態ミニテスト(MMSE)
またはアルツハイマー病評価スケール(ADAS)である。このような臨床機器
の利点は、臨床学的な痴呆症状の、通常は一義的ではない脳組織ベースとは無関
係に、痴呆の重症度を検出できることである。
【0047】 アルツハイマー痴呆患者 例1: 患者1(1945年生)、男性、1998年12月にアルツハイマー病と診断。リポ酸治
療開始時:GDS:3/4、中程度の認知障害、FAST:複雑な課題の理解能
力が減少、失業中であり、患者は一人住まいで、ひどくおぼつかないため、役所
との連携による援助を必要とし、また自宅内で日常作業を計画する際にも介助を
必要とする。
【0048】 患者は4ヶ月前からアリセプト(5/10mg/日)を服用。認知状態はMM
SEにおいて1点だけ悪化した。600mgのα−リポ酸による4週間の付加治
療後、MMSEは2点だけ改善し、ADASは6点だけ改善して18点に下がっ
た。患者は自分の名前と住所とを再び読み易く書けるようになり、自転車に乗り
、スポーツをすることが可能である。
【0049】 例2: 患者2(1948年生)、女性、1997年10月にアルツハイマー病と診断。リポ酸治
療開始時:GDS:5/6、中程度の重度の障害、FAST:日常的な雑事をこ
なす際に多くの介助を必要とし、一緒に生活している両親が娘の世話をしなけれ
ばならない。
【0050】 患者は12ヶ月前からアリセプト(5/10mg/日)を服用。認知状態は連
続的に悪化している。MMSEでは7点だけ悪化し、ADASでは53点になっ
た。
【0051】 痴呆型の抑鬱気分があるため、患者は5ヶ月前から、リモーティブ(セントジ
ョンズ・ワート)を服用し、さらに12ヶ月前から600mgのビタミンEを服
用。600mgのα−リポ酸による付加治療に伴い、患者のコンプライアンスが
著しく改善された。MMSEでは、最近の7ヶ月経過中に1点だけ改善され、A
DASでは11点だけ改善された。
【0052】 例3: 患者3(1930年生)、男性、1997年5月にアルツハイマー病と診断。リポ酸治
療開始時:GDS:4/5、中程度の認知障害、FAST:妻の介助を必要とす
る。
【0053】 患者を13ヶ月前からアリセプト(5mg/日)と、付加的に600mgのビ
タミンEとで治療。MMSEはこの時期に2点だけ悪化し、ADASは14点だ
け増加した。600mgのα−リポ酸による付加治療に伴い、認知機能はMMS
Eにおいて1点だけ改善され、ADASでは、2点だけ再び持ち直した。患者は
気分が良くなり、再び頻繁に、妻に付き添われて外出することができるようにな
った。自宅のすぐ近くに店があるので、簡単な買い物をこなすことができる。G
DSは4に改善された。
【0054】 例4: 患者4(1940年生)、男性、1996年11月にアルツハイマー病と診断。リポ酸治
療開始時:GDS:3/4、中程度の認知障害、失業中、FAST:妻の介助を
必要とする。
【0055】 19ヶ月前からアリセプト(5/10mg/日)で、また、20ヶ月前から3
00mgのASSおよび600mgのビタミンEで治療。認知能力はMMSEで
5点だけ、ADASで9点だけ悪化した。8ヶ月前から600mgのα−リポ酸
を使用したことに伴い、MMSEでは2点だけ改善され、ADASでは3点だけ
値が戻った。患者は再び会話に加わることができるようになり、スポーツをし、
簡単な家事をこなすことができる。
【0056】 例5: 患者5(1931年生)、女性、1998年5月にアルツハイマー病と診断。リポ酸治
療開始時:GDS:4/5、中程度の認知障害、FAST:自宅内の全ての作業
、入浴、着衣に際して介助を必要とする。
【0057】 24ヶ月前からアリセプト(5/10mg/日)で治療。さらにアキュザイド
20(降圧剤)、アカチノールおよび600gのビタミンEで治療。このような
治療にもかかわらず、患者はMMSEにおいては6点だけ悪化した。600mg
のα−リポ酸の投与後最初の3ヶ月以内に、患者はMMSEでは1点だけ改善さ
れ、GDSでは1段階だけ改善されて第4段階になった。この状態は目下のとこ
ろ持続している。患者はやはり調和された運動機能の改善を示し、付き添われて
再び自転車に乗ることができるようになり、いくつかの庭仕事をこなすことがで
きる。
【0058】 例6: 患者6:(1919年生)、男性、1996年9月にアルツハイマー病と診断。リポ酸
治療開始時:GDS:4/5、中程度の認知障害、FAST:日常生活の全ての
分野で介助を必要とする。
【0059】 患者を13ヶ月前からアリセプト(5/10mg/日)で治療。5年前からA
SS100を、3年前からレーカン(イチョウ)と、600mgのビタミンEと
を服用。にもかかわらず、痴呆がMMSEで5点だけ悪化しているのがわかった
。600mgのα−リポ酸による治療を受けて以来、さらに悪化することはなく
、ADASは8点だけ低下した。患者は自宅外での多くの活動に参加することが
でき、GDSは4に改善された。
【0060】 例7: 患者7:(1939年生)、男性、1997年4月にアルツハイマー病と診断。リポ酸
治療開始時:GDS:4、中程度の認知障害、このため患者は指導者的立場を放
棄せざるをえなかった、FAST:役所との関係に問題があり、ことのなり行き
が複雑である。
【0061】 患者を6ヶ月前からアリセプト(5mg/日)と、付加的に600mgのビタ
ミンEとで治療。痴呆はその間、MMSEにおいて6点だけ悪化した。600m
gのリポ酸の投与後、進行が間もなく停止し、2ヵ月後僅かに改善し、MMSE
で1点だけ上昇、ADASでは変わらないままである。妻が旅行に出なければな
らなかったので、患者は数日間ほとんど介助されずに一人で生活することができ
た。患者は簡単な買い物を再びこなせるようになった。 下記の例(UB)において、基礎治療を試験的に再び絶っても、α−リポ酸に
よる治療は効果的に続行できることが判った。
【0062】 例8: 患者8:(1942年生)、男性、1999年6月にアルツハイマー病と診断。リポ酸
治療開始時:GDS:3、患者は計算能力を失ってしまったので、仕事をあきら
めざるをえなかった。 8週間前からアリセプト(5/10mg/日)で治療。4週間前から600m
gのリポ酸で治療。MMSEは、600mgのリポ酸による治療開始時には18
点であり、現在20点である。ADASは3点だけ改善され、35の失点に戻っ
た。
【0063】 別の種類の痴呆患者 例9: 患者9(1938年生)、男性、1996年7月にレービ体痴呆と診断;GDS:5/
6、重度の認知障害、FAST:全ての日常生活において妻の介助を必要とする
【0064】 患者を12ヶ月前から5mgのアリセプトと、1x125/日のマドパールT
と、夜間用のマドパール・デポ剤とで治療。MMSEでは患者は17点に達した
。600mgのリポ酸による治療後、MMSEでは3点だけ改善し、患者の発話
は改善されて、重要な事柄を妻に再び取り次ぐことができるようになり、進行が
停止している。患者は日常の多くの活動に良好に参加することができる。
【0065】 例10: 患者10(1929年生)、男性、1999年3月に前頭脳萎縮と診断;GDS:3、
FAST:若干攻撃的であり、これにより妻が面倒を見るのは極めて困難である
。 患者を9ヶ月前から6mg/日のエキセロンで治療。MMSEはその間、5点
だけ低下した。600mgのリポ酸による付加的な治療後、MMSEで1点だけ
改善することができた。患者は一人で再び散歩することができるようになり、多
くの日常的活動(例えば自転車)に参与することができる。
【0066】 例11: 患者(1925年生)、男性、1996年11月に痴呆およびパーキンソンと診断;GD
S:5、FAST:患者は全ての日常的な行動において、妻の介助を必要とする
。 患者を17ヶ月前から5/10mg/日のアリセプトで治療。1999年6月以来
、付加的にマドパールT(3x125mg)と、4ヶ月前から600mgのリポ
酸とで治療。これまで観察された進行を停止することができ、悪化は目下のとこ
ろ認められていない。MMSEおよびADASは同じ値に留まっている。患者は
簡単な日常的活動に、より良い状態で再び参加できるようになった。
【0067】 例12: 患者12:(1935年)、女性、1996年4月に前頭脳萎縮の診断;GDS:3、
FAST:患者はその攻撃性において顕著であり、認知欠損および運動性失語症
が生じている。 患者をゾロフト50(向精神薬)、ASS100、イチョウ、ユーネルパン(
向精神薬、間歇的)で治療。8週間前からアリセプト(5/10mg/日)で、
4週間前から600mgのリポ酸で治療。MMSEはこの短期間に16点から1
8点に戻り、ADASは5点だけ減少して、41点から36点に減少した。患者
のコンプライアンスは、著しく増大し(攻撃的な面)、夫は患者の面倒をより良
く見ることができるようになった。
【0068】 製薬例 α−リポ酸または誘導体は、経口投与形態(速放出性または徐放性の錠剤また
はカプセル、飲用溶液または懸濁液)または非経口の静脈内または筋内投与の形
態でアンプル剤または輸液剤として、例えば下記の文献に記載されているような
、一般的な従来技術に従って製造することができる。 欧州特許出願第901211340.5号明細書、欧州特許出願公開第085
8802号明細書、欧州特許出願公開第0318891号明細書、欧州特許第0
560092号明細書、米国特許第005650429号明細書、米国特許第0
05334612号明細書、米国特許第005569670号明細書、米国特許
第9755433号明細書、PCT/US99/11178、および特開平1−
335772号公報(1989年12月25日)。
【0069】 このように製造された製品は、痴呆における使用を目的として商標を付けて市
販される。専門家や患者用に使用することを指示する際には、相応の国内の規則
に留意しなければならない。製品は一般的には医薬品、または場合によっては栄
養補助剤の枠内で変更することができる。 有効用量のα−リポ酸は、痴呆治療の補助として使用することができる。痴呆
は、種々様々な脳組織に基づいて(アルツハイマー、ピック痴呆、血管性痴呆、
パーキンソン痴呆など、またはしばしばその混合型に基づいて)存在することが
ある。
【0070】 この場合、基礎治療は、痴呆における脳能力欠損の対症療法のための有効成分
を投与することにある。α−リポ酸は、軽度、中程度または重度の痴呆の、1つ
または複数の痴呆用製品に対して付加的な治療薬として、特に神経伝達増強剤と
して投与することができ、または、前治療実施時に重大な悪化が生じた後で、一
時的に単独で投与することもできる。
【0071】 治療には、認知能力の明確な慢性または一過性の制限、または、日常生活の活
動の制限、または一般的な緊張制限も対象となる。このような患者群は、文献で
はMCI患者(僅かに認知障害を有する患者)と呼ばれる。痴呆前の患者もしく
は軽度の痴呆を伴う、臨床的にはまだほとんど目立たない患者の場合、私的な能
力および職務能力をいかにして長く維持するか、また、介護の必要性をいかにし
て長く回避するかという、予防的局面が前面に押し出される。この場合、このよ
うな治療目的が、完全に痴呆の患者には意味を成さないということはない。
【0072】 α−リポ酸投与経過中に脳能力障害の治療のための別の製品を投与することも
でき(多重治療)、または、精神医学的手段を個々の治療コンセプトに組み込む
こともできる。治療の別の目的は、認知機能を実際に改善することの他に、運動
能力の障害および身体的かつ精神的な緊張を改善し、抑鬱性の随伴症状および精
神医学的−精神病的な随伴症状を緩和し、本来の基礎治療ならびに非薬物的な個
々の治療方法に対する患者のコンプライアンスを改善し、また、治療方法全体の
信頼性を改善し、介護の必要性および介護の手間を低減し、日常生活の活動を改
善し、場合によっては、職務能力を再形成することであってよい。最後の点は、
痴呆前の治療コンセプトの範囲内でも重要である場合がある。
【0073】 α−リポ酸は、経口または非経口(静脈内、筋内)で投与することができる。
経口投与による治療には、固体状または液状の速放出性または徐放性の製薬形態
を使用することができる。 100〜2000mgのα−リポ酸または等価のモル量の誘導体を一日の用量
として投与することができる。無傷のジチオラン構造をモル単位として見なすこ
とができる。一日の用量は一度に投与するか、または、その日全体にわたって数
回、好ましくは2〜3回に分けて投与することができる。300〜1200mg
のα−リポ酸を一日の用量として投与し、この一日の用量を一度に投与するか、
または、その日全体にわたって2〜3回、等しい量に分けて投与することが好ま
しい。
【0074】 還元型または酸化型のα−リポ酸誘導体(例えば塩、エステル、チオエステル
、エーテル、アミド、代謝物)を同様に使用することができる。ただしこのこと
は、この誘導体が、等価の濃度または目標構造(生物学的な酸化還元系)におけ
る同等の効果を達成するような用量で投与される場合に限る。 光学的に右旋性のα−リポ酸(R(+)−α−リポ酸またはR(−)−ジヒド
ロリポ酸)またはその誘導体を使用することが好ましく、または、α−リポ酸ま
たはその誘導体が、脳能力障害を改善するための1つまたは複数の有効成分と自
由にまたは固定的に有効に組み合わせて、投与することができる。
【0075】 ビタミンCおよび誘導体、ビタミンEおよびトコフェロール、ユビキノン、ビ
タミンB1〜12、チアミン、リボフラビン、パントテン酸、ナイアシン、ビオ
チン、イノシトール、β−カロチン、亜鉛、マグネシウム、セレン、タウリン、
コリン、N−アセチルシステインおよび誘導体、不飽和脂肪酸、n−3およびn
−6列の必須脂肪酸、γ−リノレン酸および誘導体、アスピリンおよび非ステロ
イド系抗炎症剤、L−カルニチンおよび誘導体、セントジョンズ・ワート、ニン
ニク製剤を、α−リポ酸との自由なまたは固定的な組み合わせで添加することが
できる。
【0076】 α−リポ酸および脳能力の治療のための基礎有効成分は、医薬品、栄養補助剤
または医学的な栄養供給剤の製品カテゴリーの形で投与し、使用することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE ,DK,DM,DZ,EC,EE,ES,FI,GB, GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,I N,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC ,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD, MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,P L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK ,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG, US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ミュンヒ,ゲラルト ドイツ連邦共和国,04103 ライプツィヒ, フィリップ ローゼンタール シュトラー セ 27 (72)発明者 ハーガー,クラウス ドイツ連邦共和国,30657 ハノーバー, フリックシュトラーセ 6 (72)発明者 ケンクリース,マルレーネ ドイツ連邦共和国,30655 ハノーバー, コッペルベーク 11 (72)発明者 ロビッシュ,ミカエル ドイツ連邦共和国,61203 ライヒェルシ ャイム/ブロフェルト,シェーネ アウッ シヒト 11 (72)発明者 ポイケルト,マンフレート ドイツ連邦共和国,61440 オーベルルゼ ール/テーエス,アン ダー ウンテルミ ューレ 2 (72)発明者 ボルベ,ハラルト ドイツ連邦共和国,55127 マインツ,イ ン ボルナー グルント 87 (72)発明者 マラーレンス,アンドレアス ドイツ連邦共和国,30916 イゼルンハー ゲン,ゼーローゼンシュトラーセ 10デー Fターム(参考) 4C023 MA03 4C084 AA19 NA14 ZA151 ZA152 ZA161 ZA162 4C086 AA01 AA02 BB04 MA01 MA02 MA03 MA04 NA14 ZA15 ZA16

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 痴呆のアジュバント療法のためのα−リポ酸または該α−リ
    ポ酸の誘導体の使用であって、前記α−リポ酸を還元型または酸化型で使用する
    か、または、無傷のジチオラン構造を有する前記α−リポ酸の誘導体を、光学異
    性体または製薬的に容認可能な塩、アミド、エステル、チオエステル、エーテル
    または代謝物の形で使用する、痴呆のアジュバント療法のためのα−リポ酸の使
    用。
  2. 【請求項2】 還元型または酸化型のR(+)−α−リポ酸を、α−リポ酸
    の誘導体として使用する、請求項1に記載のα−リポ酸の使用。
  3. 【請求項3】 付加的に、1つまたは複数の痴呆治療薬が使用されるか、ま
    たは、神経伝達を改善するための1つまたは複数の有効成分が使用される、請求
    項1または2に記載のα−リポ酸の使用。
  4. 【請求項4】 以下の物質、すなわち、ビタミンCおよび誘導体、ビタミン
    Eおよびトコフェロール、ユビキノン、ビタミンB1〜12、チアミン、リボフ
    ラビン、パントテン酸、ナイアシン、ビオチン、イノシトール、β−カロチン、
    亜鉛、マグネシウム、セレン、タウリン、コリン、N−アセチルシステインおよ
    び誘導体、不飽和脂肪酸、n−3およびn−6列の必須脂肪酸、γ−リノレン酸
    および誘導体、アスピリンおよび非ステロイド系抗炎症剤、L−カルニチンおよ
    び誘導体、セントジョンズ・ワートおよびニンニク製剤から選択した1つまたは
    複数の物質を、付加的に使用する、請求項1から3までのいずれか1項に記載の
    α−リポ酸の使用。
  5. 【請求項5】 痴呆前の患者にα−リポ酸を使用する、請求項1から4まで
    のいずれか1項に記載のα−リポ酸の使用。
  6. 【請求項6】 α−リポ酸を、1つまたは複数の痴呆治療薬に対するアジュ
    バント療法として、前治療実施時に重大な悪化が生じた後で、一時的に単独で投
    与する、請求項1から4までのいずれか1項に記載のα−リポ酸の使用。
  7. 【請求項7】 α−リポ酸または該α−リポ酸の誘導体を含有する組成物で
    あって、該組成物が、還元型または酸化型のα−リポ酸、または、光学異性体ま
    たは製薬的に容認可能な塩、アミド、エステル、チオエステル、エーテルまたは
    代謝物の形の、無傷のジチオラン構造を有する前記α−リポ酸の誘導体と、付加
    的に1つまたは複数の痴呆治療薬または神経伝達を改善するための1つまたは複
    数の有効成分とを含有する、リポ酸を含有する組成物。
  8. 【請求項8】 以下の物質、すなわち、ビタミンCおよび誘導体、ビタミン
    Eおよびトコフェロール、ユビキノン、ビタミンB1〜12、チアミン、リボフ
    ラビン、パントテン酸、ナイアシン、ビオチン、イノシトール、β−カロチン、
    亜鉛、マグネシウム、セレン、タウリン、コリン、N−アセチルシステインおよ
    び誘導体、不飽和脂肪酸、n−3およびn−6列の必須脂肪酸、γ−リノレン酸
    および誘導体、アスピリンおよび非ステロイド系抗炎症剤、L−カルニチンおよ
    び誘導体、セントジョンズ・ワートおよびニンニク製剤から選択した1つまたは
    複数の物質を、付加的に含有する、請求項7に記載の組成物。
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