JP2003535118A - 中枢神経系障害の治療におけるグラチラマーアセテート(共重合体1)の使用 - Google Patents

中枢神経系障害の治療におけるグラチラマーアセテート(共重合体1)の使用

Info

Publication number
JP2003535118A
JP2003535118A JP2002501401A JP2002501401A JP2003535118A JP 2003535118 A JP2003535118 A JP 2003535118A JP 2002501401 A JP2002501401 A JP 2002501401A JP 2002501401 A JP2002501401 A JP 2002501401A JP 2003535118 A JP2003535118 A JP 2003535118A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
copolymer
disease
glatiramer acetate
dose
subject
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002501401A
Other languages
English (en)
Inventor
ヨン、ブイ・ウィー
シャボー、ソフィー
Original Assignee
テバ ファーマシューティカル インダストリーズ リミティド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by テバ ファーマシューティカル インダストリーズ リミティド filed Critical テバ ファーマシューティカル インダストリーズ リミティド
Publication of JP2003535118A publication Critical patent/JP2003535118A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K31/00Medicinal preparations containing organic active ingredients
    • A61K31/74Synthetic polymeric materials
    • A61K31/785Polymers containing nitrogen
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/14Drugs for disorders of the nervous system for treating abnormal movements, e.g. chorea, dyskinesia
    • A61P25/16Anti-Parkinson drugs
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P25/00Drugs for disorders of the nervous system
    • A61P25/28Drugs for disorders of the nervous system for treating neurodegenerative disorders of the central nervous system, e.g. nootropic agents, cognition enhancers, drugs for treating Alzheimer's disease or other forms of dementia
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P27/00Drugs for disorders of the senses
    • A61P27/02Ophthalmic agents
    • A61P27/06Antiglaucoma agents or miotics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P29/00Non-central analgesic, antipyretic or antiinflammatory agents, e.g. antirheumatic agents; Non-steroidal antiinflammatory drugs [NSAID]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/04Antibacterial agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/12Antivirals
    • A61P31/14Antivirals for RNA viruses
    • A61P31/18Antivirals for RNA viruses for HIV
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Neurosurgery (AREA)
  • Neurology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Ophthalmology & Optometry (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Virology (AREA)
  • Communicable Diseases (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • AIDS & HIV (AREA)
  • Tropical Medicine & Parasitology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Hospice & Palliative Care (AREA)
  • Psychiatry (AREA)
  • Pain & Pain Management (AREA)
  • Rheumatology (AREA)
  • Psychology (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、炎症性非自己免疫中枢神経系(CNS)疾患を治療するため、該疾患の症状を軽減するため、マトリクス金属結合タンパク分解酵素の活性を阻害するため、およびTリンパ球によるサイトカイン産生を抑制するために、共重合体1(グラチラマーアセテート)を投与することに関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本出願は、2000年6月5日に出願された米国シリアル番号09/587.
523の一部継続出願であり、該出願の優先権を主張し、該出願の内容は、参照
により本願明細書の開示内容の一部とする。
【0002】 本出願を通して、種々の参照文献が、括弧内にアラビア数字を用いて引用され
る。これら引用文献の完全な引用は、本明細書の末尾に見ることができる。これ
ら刊行物は、その全体を参照により本出願の開示内容の一部とし、本発明が属す
る技術分野の状況をより完全に説明する。
【0003】 [本発明の分野] 本発明は、炎症性非自己免疫中枢神経系(CNS)疾患を有する哺乳類の被検
体もしくは該疾患に遺伝的に罹患しやすい哺乳類の被検体を治療するか、または
該疾患の症状を軽減する方法を提供する。
【0004】 [背景] 脊椎動物の神経系は、脳および脊髄から成る中枢神経系と、末梢に広がる神経
から成る末梢神経系に分けられる(22)。多くの神経細胞の軸索は、特殊な形
質膜の積み重ねであるミエリン鞘で覆われている。軸索の周囲を取り囲むグリア
細胞がミエリン鞘を作り出す。CNSにおいてこれらグリア細胞は、稀突起神経
膠細胞と称される。個々の稀突起神経膠細胞により形成されるミエリンの各領域
は、ランビエ絞輪と称される無髄区域により、次の領域から分離される(22)
【0005】 ミエリン鞘は、軸索の電気絶縁体として機能し、軸索における全電気的活性を
ランビエ絞輪に限定する。
【0006】 成人の間にみられる一般的なタイプのCNS疾患の一つとして、多発性硬化症
がある。この病状は脱髄疾患である。多発性硬化症は、一次性脱髄および軸索傷
害により病理学的に特徴付けられる、慢性、しばしば進行性の、炎症性CNS疾
患である。多発性硬化症の患者において、脱髄ニューロンによる活動電位の伝達
は遅い(22)。多発性硬化症の病因は未知であるが、多発性硬化症の幾つかの
免疫学的特徴、並びに多発性硬化症とある種の主要組織適合遺伝子複合体の対立
遺伝子との適度な関連が、多発性硬化症が免疫介在性疾患であるという推測の裏
付けとなった(17、33、55)。自己免疫の仮説は、自己免疫(アレルギー
)脳脊髄炎(EAE)実験モデルにより裏付けられ、この実験モデルにおいて、
ある種のミエリン構成成分を遺伝的に罹患しやすい動物に注入すると、Tリンパ
球介在性CNS脱髄に至る(58)。
【0007】 何人かの研究者は、多発性硬化症のきっかけとして活性化Tリンパ球を考える
。彼らは、Tリンパ球が血液脳バリア(blood brain barrier;BBB)をCNS実
質組織へ一旦通過すると、Tリンパ球が、小グリア細胞による抗原提示の後、再
活性化されると仮定した(53)。白血球の組織への侵入は、内皮細胞への接着
および内皮バリアを横切る移動を含む複数ステップのプロセスである。
【0008】 近年の証拠により、Tリンパ球がCNS実質組織に侵入するためには、白血球
によるマトリクス金属結合タンパク分解酵素(MMPs)の発現が必要であるこ
とが示唆されている(42、77、88)。MMPは、活性部位を有するタンパ
ク分解酵素であり、当該活性部位において、変化しない(invarinat)亜鉛がM
MPのプロペプチド領域でシステイン残基に結合し、MMPを不活性状態に維持
する(50、89)。活性化剤が、システインと亜鉛の相互作用を混乱させ、活
性部位を露出させ、その結果、触媒反応を起こすことができる。
【0009】 MMPsの不適当な発現が、悪性神経膠腫、発作およびアルツハイマー病の病
因に関与することが推測されている。更に、幾つかのラインの証拠により、多発
性硬化症の疾患プロセスにおけるMMPsの役割が示唆されている(37、91
)。この点において、小グリア細胞、星状細胞および潜入する白血球上にある免
疫組織化学的に同定されたMMPs(具体的にはMMP−3、−7、−9および
ー12)は、多発性硬化症被検体の検死解剖された脳(4、18、21、47、
57)およびEAE動物の脳(16、37)に存在することが幾つかのグループ
により今日文書で報告されている。血清サンプルの分析により、MMP−9のレ
ベルは、健康なコントロールと比べて多発性硬化症患者において有意に増大する
ことが明らかにされ;多発性硬化症集団内において、血清MMP−9レベルは、
安定した状態の期間に比べて臨床上の再発期間において高い(40)。更に、血
清MMP−9レベルは、磁気共鳴画像法(MRI)により検出される、ガドリニ
ウムにより増大する病巣の数と関連している(40、84)。
【0010】 MMPsの病原性役割と一致して、MMPsの活性を阻害するために開発された
幾つかのヒドロキサム酸塩系薬剤(例えばGM6001、Ro31−9790お
よびBB−1101)は、EAEの発症および重症度を軽減することが見出され
た(32、34、43、52)。
【0011】 小グリア細胞活性化の有名な方法は、これら細胞とTリンパ球との間の非抗原
特異的相互作用であると信じられている(19、20、67)。この主張は、培
養研究で得られた幾つかの発見により裏付けられている。例えば、ヒトTリンパ
球とヒト小グリア細胞とが相互作用し、有意な量のTNF−αおよびIL−10
を生成する(14、15)。小グリア細胞に対するT−リンパ球の影響は、非常
に効果的な小グリア細胞の刺激物質であるリポ多糖類の小グリア細胞に対する影
響力と同じである。T−リンパ球と小グリア細胞との間の相互作用は、抗原もし
くはMHC拘束を必要としないという観察において、研究者らは追加の裏付けを
見出した。また、マウスの顔面神経切除モデルにおいて、T細胞はCNSに潜入
して小グリア細胞のまわりで集合すること、並びにこのことはIL−1βおよび
TNF−αの増加と対応することが、実験により示された(61)。対宿主性移
植片病(GVHD)モデルにおいて、活性化小グリア細胞クラスターは、T細胞
の潜入物と常に密接に関連していた(68)。
【0012】 TNF−αは、このプロセスに関与する種々の接着分子の発現をアップレギュ
レートすることにより、内皮を横切るリンパ球の移動に影響を及ぼすことができ
(76)、脱髄プロセスに関係している。実際、TNF−αは、脳のミエリン産
生細胞である稀突起神経膠細胞のアポトーシス死をインビトロで直接誘導し(2
6、45、71)、TNF−αを硝子体内(intravitreal)注入すると、マウス
の視神経軸索の脱髄を引き起こす(12)。その上、TNF−αはプロ炎症性で
ある。TNF−αのレベルは、多発性硬化症患者の血清、脳脊髄液、および脳病
巣で増大することが見出され、疾患の活性と関連している(13、35、62、
72)。また、TNF−αは、EAEの病原性に関係しており、TNF−αに対
する抗体もしくは可溶性TNF−αレセプターの投与が、EAEの転移を予防し
、自己免疫性脱髄を排除する(63、69、70)。
【0013】 IL−12は、別のプロ炎症性サイトカインであり、これは、IFN−γおよ
びTNF−α/βを分泌するプロ炎症性Th1サブセットへと中立(uncommitted
)T−リンパ球を変える際に重要な役割を果たす(91)。また、IL−1βは
、炎症性応答を促進し、多発性硬化症と関連している(66)。
【0014】 Th2サブセットは、IL−4、IL−10およびIL−13を産生し、体液
性免疫を調節し、局所性炎症を低減する。IL−4およびIL−10はともに、
ナイーブ前駆体のTh1細胞への分化を抑制することができる(91)。IL−
4は、Bリンパ球およびマクロファージの活性化を促進し、抗体のクラススイッ
チングを刺激する(22)。
【0015】 IL−13は、重要な免疫調節活性を備えたTh2サイトカインである。最も
よく知られたIL−13介在性機能は、ナイーブCD4+T細胞のTh2表現型
への分化を引き起こす能力である(75)。IL−13の抗炎症性機能には、活
性化単球もしくは肺胞マクロファージによるプロ炎症性サイトカインの産生を抑
制する効果(81)、15−リポオキシゲナーゼの誘導(51)、およびプロス
タグランジンE2(PGE2)形成の抑制(27)が含まれる。CNSにおける
IL−13の機能およびグリア細胞に対するIL−13の機能は、充分に明らか
にされていない(87)。
【0016】 IL−10は、単球/マクロファージ、Tリンパ球、およびマスト細胞を含む
種々の細胞により産生される抗炎症性サイトカインである。CNSにおいて、I
L−10の可能性のある供給源は、小グリア細胞(86)および星状細胞(49
)等である。IL−10は、重要な抗炎症特性を有する。第一に、IL−10は
、単核食細胞系の細胞タイプを含む多くの細胞タイプによるプロ炎症性サイトカ
インの産生を抑制し;実際、IL−10は、単球、マクロファージ、および小グ
リア細胞により産生されるTNF−αおよびIL−12の産生を抑制することが
示された(3、9、10、24、38)。また、IL−10は、Tリンパ球にア
ネルギー(不活性もしくは無応答)を起こす際にある役割を果たす(2)。IL
−10の抗炎症性機能には、その他、抗原提示プロセスに対する抑制効果が含ま
れる。IL−10でマクロファージ/小グリア細胞を処理すると、抗原提示に必
須な分子、例えばMHCクラスII(24)および共刺激分子B7−1およびB7
−2(36)の発現がダウンレギュレートした。最後に、抗炎症性分子としての
IL−10の役割は、IL−10欠損マウスの表現型により裏付けられ;これら
マウスは慢性大腸炎を発症し、これは、プロ炎症性Th1細胞によって媒介され
ると思われる(8、23、39)。
【0017】 上述のサイトカインは、誘導性であり、このことは、これらサイトカインがあ
る刺激に応答して産生されることを意味する。対照的に、IL−6はBリンパ球
を活性化し(22)、構成的である。
【0018】 [本発明の概要] 本発明は、炎症性非自己免疫中枢神経系(CNS)疾患を有する哺乳類の被検
体を治療するか、または該疾患の症状を軽減する方法であって、該炎症性非自己
免疫CNS疾患を治療するのに効果的な量および効果的な期間で、該被検体にグ
ラチラマーアセテート(共重合体1)を投与することを具備する方法を提供する
【0019】 また、本発明は、炎症性非自己免疫CNS疾患を発症する危険な状態にある哺
乳類の被検体を治療する方法であって、該被検体に発症し得る炎症性非自己免疫
CNS疾患の重症度を最小にするか、または該疾患の発症を予防するのに効果的
な量および効果的な期間で、該被検体にグラチラマーアセテート(共重合体1)
を投与することを具備する方法を含む。
【0020】 更に、本発明は、マトリクス金属結合タンパク分解酵素の活性を阻害する方法
であって、該マトリクス金属結合タンパク分解酵素をグラチラマーアセテート(
共重合体1)と接触させることを具備する方法を含む。
【0021】 更に、本発明は、活性化Tリンパ球によりサイトカインの産生を抑制する方法
であって、サイトカインの産生を抑制するのに必要な量で、該活性化Tリンパ球
をグラチラマーアセテート(共重合体1)と接触させることを具備する方法を含
む。
【0022】 また、本発明は、炎症性非自己免疫中枢神経系(CNS)疾患を治療するため
、もしくは該疾患の症状を軽減するための薬学的組成物であって、哺乳類被検体
において該炎症性非自己免疫CNS疾患を治療するのに効果的な量および効果的
な期間で該被検体に投与される薬学的組成物を調製する際のグラチラマーアセテ
ート(共重合体1)の使用を提供する。
【0023】 更に、本発明は、炎症性非自己免疫CNS疾患を発症する危険な状態にある哺
乳類の被検体を治療するための薬学的組成物であって、該被検体に発症し得る炎
症性非自己免疫CNS疾患の重症度を最小にするか、もしくは該疾患の発症を予
防するのに効果的な量および効果的な期間で該被検体に投与される薬学的組成物
を調製する際のグラチラマーアセテート(共重合体1)の使用に関する。
【0024】 更に、本発明は、マトリクス金属結合タンパク分解酵素の活性を阻害するため
の薬学的組成物を調製する際のグラチラマーアセテート(共重合体1)の使用を
含む。
【0025】 また、本発明は、活性化Tリンパ球によりサイトカインの産生を抑制するため
の薬学的組成物を調製する際のグラチラマーアセテート(共重合体1)の使用を
提供する。
【0026】 [発明の詳細な説明] 非自己免疫疾患は、罹患した被検体に対して有意な免疫介在性ダメージがない
ことにより特徴づけられる状態をいう。
【0027】 しばしば、炎症性疾患は、患部に血流が増大し、その結果、痛みを生じるかも
しれない膨張および温度の上昇に至る状態として特徴づけられる。
【0028】 本出願で用いられる炎症性非自己免疫疾患は、中枢神経系に影響を及ぼす任意
の疾患を含むが、自己免疫成分を含まず、疾患に罹患した被検体における炎症性
応答と関連している。炎症性非自己免疫疾患には、とりわけ、アルツハイマー病
、パーキンソン病、HIV脳症、脳腫瘍、緑内障、神経障害、痴呆、中枢神経系
感染、中枢神経系細菌感染、髄膜炎、発作、および頭部外傷が含まれる。
【0029】 本発明は、炎症性非自己免疫中枢神経系(CNS)疾患を有する哺乳類の被検
体を治療するか、または該疾患の症状を軽減する方法であって、該炎症性非自己
免疫CNS疾患を治療するのに効果的な量および効果的な期間で、該被検体にグ
ラチラマーアセテート(GAすなわち共重合体1)を投与することを具備する方
法を含む。
【0030】 一つの態様において、該哺乳類の被検体はヒトである。
【0031】 別の態様において、該疾患はアルツハイマー病である。
【0032】 更なる態様において、該疾患はパーキンソン病である。
【0033】 更に別の態様において、該疾患はHIV脳症である。
【0034】 更なる態様において、該疾患は脳腫瘍である。
【0035】 別の態様において、該疾患は緑内障である。
【0036】 更なる態様において、該疾患は神経障害もしくは痴呆である。
【0037】 別の態様において、該疾患はCNS感染である。
【0038】 一つの態様において、該CNS感染は細菌性感染である。
【0039】 別の態様において、該細菌性感染は髄膜炎である。
【0040】 更なる態様において、該疾患は発作に起因する。
【0041】 更に別の態様において、該疾患は頭部外傷に起因する。
【0042】 本発明は、投与ルートが、経口、静脈内、筋内、皮下、腹腔内、経皮、鼻もし
くは直腸である態様を含む。好ましい投与ルートは、経口および皮下注入である
【0043】 一つの態様において、グラチラマーアセテート(共重合体1)の投与量は、約
0.1mg〜約1000mgの範囲にある。
【0044】 別の態様において、グラチラマーアセテート(共重合体1)の投与量は、約1
mg〜約100mgの範囲にある。
【0045】 更なる態様において、グラチラマーアセテート(共重合体1)の投与量は、約
5mg〜約50mgの範囲にある。
【0046】 更に別の態様において、グラチラマーアセテート(共重合体1)の投与量は、
約10mg〜約30mgの範囲にある。
【0047】 一つの態様において、グラチラマーアセテート(共重合体1)の投与量は、約
20mgである。
【0048】 別の態様において、グラチラマーアセテート(共重合体1)の投与量は、約0
.05mg/kg体重〜約50mg/kg体重の範囲にある。
【0049】 更なる態様において、グラチラマーアセテート(共重合体1)の投与量は、約
0.1mg/kg体重〜約10mg/kg体重の範囲にある。
【0050】 更なる態様において、グラチラマーアセテート(共重合体1)の投与量は、約
0.1mg/kg体重〜約1.0mg/kg体重の範囲にある。
【0051】 別の態様において、グラチラマーアセテート(共重合体1)の投与量は、約0
.3mg/kg体重である。
【0052】 一つの態様において、グラチラマーアセテート(共重合体1)の用量は、約3
0日ごとに1回〜約1日に1回の頻度で投与される。好ましい態様において、グ
ラチラマーアセテート(共重合体1)の用量は、約7日ごとに1回〜約1日に1
回の頻度で投与される。より好ましい態様において、グラチラマーアセテート(
共重合体1)の用量は、約1日に1回の頻度で投与される。
【0053】 別の態様において、グラチラマーアセテート(共重合体1)は、被検体にサイ
トカインアンタゴニストが更に投与される治療プログラムの一部として投与され
る。
【0054】 また、本発明は、炎症性非自己免疫CNS疾患を発症する危険な状態にある哺
乳類の被検体を治療する方法であって、該被検体に発症し得る炎症性非自己免疫
CNS疾患の重症度を最小にするか、もしくは該疾患の発症を予防するのに効果
的な量および効果的な期間で、該被検体にグラチラマーアセテート(共重合体1
)を投与することを含む方法に関する。
【0055】 一つの態様において、該被検体はヒトであり、該危険な状態は慢性的な医学的
病状に対する遺伝的素因と関連している。
【0056】 別の態様において、該疾患は、アルツハイマー病、パーキンソン病、緑内障、
痴呆、神経障害、発作および脳腫瘍から成る群より選択される。
【0057】 更なる態様において、投与ルートは、経口、静脈内、筋内、皮下、腹腔内、経
皮、鼻もしくは直腸である。
【0058】 更に、本発明は、マトリクス金属結合タンパク分解酵素の活性を阻害する方法
であって、該マトリクス金属結合タンパク分解酵素をグラチラマーアセテート(
共重合体1)と接触させることを具備する方法を含む。
【0059】 一つの態様において、該マトリクス金属結合タンパク分解酵素はMMP−9で
ある。
【0060】 別の態様において、該マトリクス金属結合タンパク分解酵素は被検体中にある
【0061】 一つの態様において、該被検体はヒトである。
【0062】 更に、本発明は、活性化Tリンパ球によりサイトカインの産生を抑制する方法
であって、サイトカインの産生を抑制するのに必要な量で該活性化Tリンパ球を
グラチラマーアセテート(共重合体1)と接触させることを具備する方法を提供
する。
【0063】 一つの態様において、該サイトカインはIL−1である。
【0064】 別の態様において、該サイトカインはIL−4である。
【0065】 更なる態様において、該サイトカインはIL−6である。
【0066】 更に別の態様において、該サイトカインはIL−10である。
【0067】 更なる態様において、該サイトカインはIL−12である。
【0068】 別の態様において、該サイトカインがIL−13である。
【0069】 更なる態様において、該サイトカインはTNF−aである。
【0070】 一つの態様において、該サイトカインは被検体中にある。
【0071】 別の態様において、該被検体はヒトである。
【0072】 また、本発明は、炎症性非自己免疫中枢神経系(CNS)疾患を治療するため
、もしくは該疾患の症状を軽減するための薬学的組成物であって、哺乳類被検体
において該炎症性非自己免疫CNS疾患を治療するのに効果的な量および効果的
な期間で該被検体に投与される薬学的組成物を調製する際のグラチラマーアセテ
ート(共重合体1)の使用を含む。
【0073】 該使用の一つの態様において、該哺乳類の被検体はヒトである。
【0074】 該使用の別の態様において、該疾患はアルツハイマー病である。
【0075】 該使用の更なる態様において、該疾患はパーキンソン病である。
【0076】 該使用の更に別の態様において、該疾患はHIV脳症である。
【0077】 該使用の更なる態様において、該疾患は脳腫瘍である。
【0078】 該使用の別の態様において、該疾患は緑内障である。
【0079】 該使用の更なる態様において、該疾患は神経障害もしくは痴呆である。
【0080】 該使用の別の態様において、該疾患はCNS感染である。
【0081】 該使用の一つの態様において、該CNS感染は細菌性感染である。
【0082】 該使用の別の態様において、該細菌性感染は髄膜炎である。
【0083】 該使用の更なる態様において、該疾患は発作に起因する。
【0084】 該使用の更に別の態様において、該疾患は頭部外傷に起因する。
【0085】 本発明は、投与ルートが、経口、静脈内、筋内、皮下、腹腔内、経皮、鼻もし
くは直腸である使用の態様を含む。好ましい投与ルートは、経口および皮下注入
である。
【0086】 該使用の一つの態様において、グラチラマーアセテート(共重合体1)の投与
量は、約0.1mg〜約1000mgの範囲にある。
【0087】 該使用の別の態様において、グラチラマーアセテート(共重合体1)の投与量
は、約1mg〜約100mgの範囲にある。
【0088】 該使用の更なる態様において、グラチラマーアセテート(共重合体1)の投与
量は、約5mg〜約50mgの範囲にある。
【0089】 該使用の更に別の態様において、グラチラマーアセテート(共重合体1)の投
与量は、約10mg〜約30mgの範囲にある。
【0090】 該使用の一つの態様において、グラチラマーアセテート(共重合体1)の投与
量は、約20mgである。
【0091】 該使用の別の態様において、グラチラマーアセテート(共重合体1)の投与量
は、約0.05mg/kg体重〜約50mg/kg体重の範囲にある。
【0092】 該使用の更なる態様において、グラチラマーアセテート(共重合体1)の投与
量は、約0.1mg/kg体重〜約10mg/kg体重の範囲にある。
【0093】 該使用の更なる態様において、グラチラマーアセテート(共重合体1)の投与
量は、約0.1mg/kg体重〜約1.0mg/kg体重の範囲にある。
【0094】 該使用の別の態様において、グラチラマーアセテート(共重合体1)の投与量
は、約0.3mg/kg体重である。
【0095】 該使用の一つの態様において、グラチラマーアセテート(共重合体1)の用量
は、約30日ごとに1回〜約1日に1回の頻度で投与される。該使用の好ましい
態様において、グラチラマーアセテート(共重合体1)の用量は、約7日ごとに
1回〜約1日に1回の頻度で投与される。該使用のより好ましい態様において、
グラチラマーアセテート(共重合体1)の用量は、約1日に1回の頻度で投与さ
れる。
【0096】 該使用の別の態様において、グラチラマーアセテート(共重合体1)は、被検
体にサイトカインアンタゴニストが更に投与される治療プログラムの一部として
投与される。
【0097】 また、本発明は、炎症性非自己免疫CNS疾患を発症する危険な状態にある哺
乳類の被検体を治療するための薬学的組成物であって、該被検体に発症し得る炎
症性非自己免疫CNS疾患の重症度を最小にするか、もしくは該疾患の発症を予
防するのに効果的な量および効果的な期間で該被検体に投与される薬学的組成物
を調製する際のグラチラマーアセテート(共重合体1)の使用に関する。
【0098】 該使用の一つの態様において、該被検体はヒトであり、該危険な状態は慢性的
な医学的病状に対する遺伝的素因と関連している。
【0099】 該使用の別の態様において、該疾患は、アルツハイマー病、パーキンソン病、
緑内障、痴呆、神経障害、発作および脳腫瘍から成る群より選択される。
【0100】 該使用の更なる態様において、投与ルートは、経口、静脈内、筋内、皮下、腹
腔内、経皮、鼻もしくは直腸である。
【0101】 更に、本発明は、マトリクス金属結合タンパク分解酵素の活性を阻害するため
の薬学的組成物を調製する際のグラチラマーアセテート(共重合体1)の使用を
含む。
【0102】 該使用の一つの態様において、該マトリクス金属結合タンパク分解酵素はMM
P−9である。
【0103】 該使用の別の態様において、該マトリクス金属結合タンパク分解酵素は被検体
中にある。
【0104】 該使用の一つの態様において、該被検体はヒトである。
【0105】 更に、本発明は、活性化Tリンパ球によりサイトカインの産生を抑制するため
の薬学的組成物を調製する際のグラチラマーアセテート(共重合体1)の使用を
提供する。
【0106】 該使用の一つの態様において、該サイトカインはIL−1である。
【0107】 該使用の別の態様において、該サイトカインはIL−4である。
【0108】 該使用の更なる態様において、該サイトカインはIL−6である。
【0109】 該使用の更に別の態様において、該サイトカインはIL−10である。
【0110】 該使用の更なる態様において、該サイトカインはIL−12である。
【0111】 該使用の別の態様において、該サイトカインがIL−13である。
【0112】 該使用の更なる態様において、該サイトカインはTNF−aである。
【0113】 該使用の一つの態様において、該サイトカインは被検体中にある。
【0114】 該使用の別の態様において、該被検体はヒトである。
【0115】 COPAXONE(登録商標)は、グラチラマーアセテート(以前は共重合体
−1として公知)のブランド名である。COPAXONE(登録商標)の有効成
分であるグラチラマーアセテートは、4つの天然存在アミノ酸:L−グルタミン
酸、L−アラニン、L−チロシン、およびL−リジンを、それぞれ0.141、0.427
、0.095、および0.338の平均モル分率で含有する合成ポリペプチドの酢酸塩から
成る。グラチラマーアセテートの平均分子量は、4,700〜11,000ダルトンである
。化学的にグラチラマーアセテートは、L−アラニン、L−リジンおよびL−チ
ロシンとL−グルタミン酸の重合体、酢酸塩と称される。その構造式は、以下の
とおりである: (Glu,Ala,Lys,Tyr)X・XCH3COOH (C59NO4・C37NO2・C61422・C911NO3)X・XC242 CAS − 147245−92−9 (92)。
【0116】 共重合体1(Cop−1)は、薬学的に許容し得る担体を含有する薬学的組成
物に製剤化することができる。ここで使用される「薬学的に許容し得る担体」に
は、任意かつ全ての溶媒、アジュバント、沈殿防止剤、乳化剤、分散媒、被覆剤
、抗菌および抗真菌剤、等張および吸収遅延剤、甘味料、香味増強剤などが含ま
れる。薬学的に許容し得る担体は、調味料、甘味料、および特定の経口治療組成
物を調製するために必要とされ得る緩衝液および吸収剤等のその他の材料を含む
がこれらに限定されない広範な材料から調製することができる。このような媒質
および薬剤の薬学的に活性な物質との使用は、当該技術分野で周知である。慣用
的な媒質もしくは薬剤が有効成分と不適合である場合を除いては、治療組成物に
おけるこのような媒質および薬剤の使用が想定される。
【0117】 共重合体1は、当業者に利用可能な手法を用いて、当該技術分野で公知の任意
の形態に製剤化することができる。共重合体1は、他の食物の形態と混合して、
固体、半固体、懸濁もしくは乳濁の形態で消費されてもよい。一つの態様におい
て、当該組成物は、当業者に利用可能な技術を用いて、カプセル剤もしくは錠剤
に製剤化される。しかし、本組成物は、別の簡便な形態、例えば注入可能な液剤
もしくは懸濁剤、スプレー用液剤もしくは懸濁剤、ローション剤、ガム、ロゼン
ジ、食物もしくはスナックアイテムに製剤化されてもよい。食物、スナック、ガ
ムもしくはロゼンジアイテムは、任意の経口摂取可能な成分、例えば、甘味料、
調味料、オイル、デンプン、タンパク質、果実もしくは果実抽出物、野菜もしく
は野菜抽出物、穀物、動物性脂肪もしくはタンパク質を含有することができる。
従って、本組成物は、シリアル、スナックアイテム、例えば、チップ、バー、ガ
ムドロップ、咀嚼可能なキャンディー、またはゆっくり溶解するロゼンジに製剤
化することができる。また、共重合体1は、適切な製剤および計量された投薬ユ
ニットを用いて、ドライ散剤もしくは計量された用量の吸入用液剤、または点鼻
薬および鼻用スプレーとして投与することもできる。
【0118】 当業者であれば、本発明の精神から逸脱することなく、共重合体1において構
造的に関連のあるアミノ酸を容易に置換することができる。本発明は、チロシン
、グルタミン酸、アラニンもしくはリジンに構造的に関連のあるアミノ酸を含有
し、かつ誘導に対してポリクローナル抗体の産生を刺激する能力を有するポリペ
プチドおよびペプチドを含む。このような置換は、CNS疾患の症状を抑制もし
くは軽減する能力において実質的に同等の生物学的活性を保持する。これらの置
換は、構造的に関連のあるアミノ酸の置換、例えば、チロシン、グルタミン酸、
アラニンもしくはリジンとほぼ同じ電荷、疎水性および大きさを有するアミノ酸
の置換である。例えば、リジンはアルギニンおよびヒスチジンと構造的に関連が
あり;グルタミン酸はアスパラギン酸と構造的に関連があり;チロシンはセリン
、トレオニン、フェニルアラニンおよびトリプトファンと構造的に関連があり;
アラニンはバリン、ロイシンおよびイソロイシンと構造的に関連がある。これら
およびその他の保存的な置換、例えば構造的に関連のある合成アミノ酸は、本発
明により想定される。
【0119】 更に、共重合体1は、l−もしくはd−アミノ酸から構成することができる。
当業者に公知のとおり、l−アミノ酸は、多くの天然タンパク質に存在する。し
かし、d−アミノ酸は、商業的に入手可能なものであり、共重合体1を作成する
ために使用されるアミノ酸の幾つかもしくは全てをd−アミノ酸と置換すること
ができる。本発明は、l−アミノ酸から本質的に成る共重合体1、並びにd−ア
ミノ酸から本質的に成る共重合体1を想定する。
【0120】 [実験の詳細] 手法 PBMCの単離 以前に記載されたとおり、正常なボランティアからヘパリンを加えた血液を集
め、それをフィコール−ハイパーク(Pharmacia Biotech, Mississauga, Ontari
o)遠心にかけ、末梢血液の単核性細胞(PBMNCs)を得た(15)。細胞
を2回洗浄した後、水平T-25フラスコ(Nunc, Becton Dickinson, Mississauga,
Ontario)内で、血清フリー培地AIM−V(GIBCO/BRL)に、100万〜200万/m
Lの密度で懸濁し、それに1ng/mLの抗CD3抗体(OKT3, compliments of
Jack Antel, Montreal, Canada)を加えた。抗CD3抗体を添加してから3時間
後、付着した単球を死滅させるために、T-25フラスコを水平から垂直の位置に置
いた。そのほとんどがリンパ球である浮遊細胞を、37℃で72時間放置した。
この72時間の間、MNC集団をフローサイトメトリー分析することにより、C
D3+細胞が全細胞集団の約90%を構成し、約60%CD4+および30%C
D8+の比率であることが示された。Bリンパ球(CD19+)およびNK細胞
(CD56+)は、全MNC集団の5〜6%を構成していたが、単球(CD14
+)は検出されなかった。これ以降、MNC集団における細胞の大部分がTリン
パ球であることから、これらをTリンパ球と呼ぶことにする。
【0121】 共重合体1処理 CD3ライゲーションの開始から3時間後、即ちT-25フラスコを水平から垂直
の位置に変えたときに、リン酸緩衝化塩類溶液に希釈した共重合体1(1〜50μ
g/mL)を培養物に添加した。細胞を37℃で69時間放置し、その後細胞を
集め、計数し、フレッシュなAIM−Vに500,000細胞/mLの密度で再懸濁した
。共重合体1による2回目の処理を施した後、細胞を37℃で更に3時間放置し
た。その後、500μL(250,000細胞)の懸濁液を、後述の泳動アッセイのために
取っておいた。あるいは、100μL(50,000細胞)の細胞懸濁液を、予め小グリ
ア細胞もしくはU937単球様細胞(下記参照)を含有する96ウェルプレート
の各ウェルに添加した。この実験は、Tリンパ球を共重合体1で72時間処理す
ることを含み、共重合体1は2度の時点で投与された。共重合体1処理の72時
間後、Tリンパ球の純度は、未処理のコントロールの純度と同じであった。幾つ
かの実験において、組換えIFNβ−1bをポジティブコントロールとして使用
した。
【0122】 単球リッチな培養物 単球リッチな培養物を産生するために、2×105 PBMCを100μLのAIM
−V培地に懸濁し、96ウェルプレートの各ウェルに入れた。1時間後、浮遊細
胞を除去し、付着性の単球を残した。フレッシュな100μLのAIM−Vをウェ
ルごとに添加し、培養物を37℃に維持した。共重合体1を、96ウェルプレー
ト中の細胞に直接添加した。
【0123】 MMPsアッセイ 細胞によるMMPsの産生が共重合体1によって影響を受けるか否か検討する
にあたり、MMPsは分泌酵素であるため、細胞のコンディション培地を使用し
た。本来は、T-25フラスコ内に含有される浮遊Tリンパ球のために、1mLのコ
ンディション培地を吸い取り、1分間遠心して細胞を除去した。上清を集め、4
×ゲルローディングSDS緩衝液と3.1比率(v/v)で混合し、ザイモグラ
フィーアッセイで使用した。同様に、96ウェルプレートのウェル内の単球のた
めに、コンディション培地を集め、ミクロ遠心し(microfuge)、4×ゲルロー
ディングSDS緩衝液と混合した。
【0124】 ザイモグラフィーは、ゼラチンが更にゲルに添加される点を除いて、本質的に
SDS−PAGEである(77、82)。SDS−PAGEにおいてタンパク質
を分子量に基いて溶解した後、SDSを除去するためにゲルをTriton X-100緩衝
液で洗浄し、これによりタンパク質が再生される。カルシウム含有「反応緩衝液
」(77)において、ゼラチナーゼ(MMP−2および−9)は、そのすぐ近傍
でゼラチンを分解する(MMPsの他のメンバーも著量で存在すれば検出される
)。全タンパク質に結合するクマシーブルーで染色し、脱染した後、ゼラチナー
ゼを含有する領域は、そのすぐ近傍でゼラチンが分解されたために、ダークなバ
ックグラウンドに対して明るいバンドとして現れた。MMPバンドのサイズは、
細胞により産生されるMMP量を反映しており、このことはNIHイメージ分析
ソフトウェアにより記録された。泳動バンドの分子量が、MMPの種類を明らか
にし、これにより、以前のウェスタンブロット分析および免疫沈降反応が確かで
あることが確認された(77、82)。
【0125】 ザイモグラフィーにおける細胞コンディション培地の分析は、特定の培養によ
り産生されるMMPs量を反映したものである。MMPタンパク質レベルに対す
る共重合体1の影響とは無関係に、共重合体1が、MMPs活性の阻害剤である
か否かを決定するために、BHK細胞由来の上清(多くの研究室でスタンダード
なMMPs供給源である)、またはT−リンパ球由来の上清を、ゼラチン含有S
DS−PAGEで電気泳動により溶解した。ゼラチン分解活性の進行する間に、
共重合体1を上述のTriton-100洗浄液および「反応緩衝液」に添加した。MMP
活性の阻害剤は、ゼラチナーゼによるゼラチンの分解を妨害し、得られたゼラチ
ナーゼのバンドサイズは、阻害剤なしに含まれるゼラチナーゼのバンドサイズと
比べて小さい。
【0126】 移動アッセイ Tリンパ球の移動能力を検討するために、500μLの2.5%胎仔ウシ血清(FC
S)含有AIM−V中の2×105 Tリンパ球を、ボイデンチャンバー(Collabor
ative Biomedical Products, Bedford, Maryland)のトップコンパートメントに
播いた。このチャンバーは、上面をフィブロネクチンでプレコーティングされた
ポリカーボネートのメンブレンフィルター(直径9mm、孔3μm)により仕切
られた2つのコンパートメントから成る。フィブロネクチンは、基底膜を模倣す
るために使用した。
【0127】 移動チャンバーの底部コンパートメントは、10%FCS補充AIM−Vを含有
し;底部チャンバーにおける高濃度のFCSは、方向性勾配として機能した(7
7)。37℃で5時間の後、低部チャンバーの中味を集め、移動したTリンパ球
の数をコールターカウンター(Coulter Counter)Z1で数えた。
【0128】 小グリア細胞 胎児小グリア細胞を、Lee et alにより記載されたプロトコールを用いて法的
および治療的流産で得られた脳から単離した(41)。試料の在胎齢は、14週
から20週までに及んでいた。95%の純度を超える2.5×104 小グリア細胞を
、96ウェルプレートのウェルごとに平板培養した。小グリア細胞の培養培地は
、5%FCS、0.1%デキストロースを補充した最少必須培地であった。共培養
ののために、AIM−V中に50,000のTリンパ球を含有する100μL(上述)を
、小グリア細胞の培養培地に25,000の小グリア細胞(またはU937単球様細胞
、下記参照)を予め含有する96ウェルプレートの各ウェルに添加した。24時
間後、コンディション培地を、ELISAによるサイトカイン定量のために集め
た。
【0129】 成人の小グリア細胞を、難治性てんかんを治療するために外科的切除を受けた
患者の切除された脳組織から単離した。95%の純度を超える小グリア細胞を、
前述のプロトコールを用いて得た(90)。胎児の対応部分について記載したの
と同じ方法で、Tリンパ球との相互作用のために細胞を使用した。
【0130】 また、ヒトのプロ単球様細胞株U937を使用した。この細胞株のメンバーは
、50ng/mLのプロテインキナーゼCアクチベーター、ホルボール−12−
ミリステート−13−アセテート(PMA)(0〜48時間)、および100U
/mLのインターフェロンγ(IFNγ)(48〜72時間)で連続して処理す
ると、形態学および細胞表面分子の発現による評価において小グリア細胞のよう
になる。
【0131】 IFNγ処理から1〜3日後の細胞を使用した。小グリア細胞と同様、25,000
のPMA/IFNγ処理U937細胞を予め含有する96ウェルプレートの各ウ
ェルに、AIM−V中の50,000のTリンパ球を添加し、共培養から24時間後に
コンディション培地を集めた。
【0132】 サイトカインおよびケモカインアッセイ 小グリア細胞−Tリンパ球共培養のコンディション培地におけるサイトカイン
タンパク質レベルを、BioSource International(Montreal, Canada)から購入
した酵素結合イムノソルベント検定法(ELISA)キットを用いて測定した。
【0133】 ケモカインおよびケモカインレセプターの発現は、白血球のCNSへの流入を
制御する重要なメカニズムであると現在認識されている。多発性硬化症患者の病
巣における、ケモカインIP−10およびそのレセプターCXCR3のアップレ
ギュレーションが有名である(74)。共重合体1がCXCR3レセプターの発
現に影響を及ぼすか否か決定するために、フローサイトメトリーを使用した。活
性化Tリンパ球もしくはU937細胞は、25μg/mLの共重合体1で1〜3
日間処理した。
【0134】 結果 MMPsに対する共重合体1の影響 活性化Tリンパ球は、培養培地にMMP−9を分泌し、これは抗CD3ライゲ
ーションの2〜3日の間にピークに達した(図1)。抗CD3活性化Tリンパ球
を共重合体1(25μg/mL、1日、2日もしくは3日)で処理しても、コン
トロールと比較してMMP−9の産生に影響を及ぼすことはなく(図1)、高濃
度の共重合体1(50μg/mL)で処理しても影響を及ぼすことはなかった。
また、MMP−9の単球産生も、共重合体1による影響を受けなかった。対照的
に、以前の報告と一致して(77)、IFNβ−1bで処理されたTリンパ球は
、コントロールのTリンパ球と比較してMMP−9の産生が低下した(図1)。
【0135】 ゼラチナーゼバンドのサイズ(MMP−9)は、コントロールと比較して、共
重合体1により用量依存的に小さくなるため、共重合体1がMMP阻害活性を有
することが、図2により実証される。対照的に、MMP−9の産生を阻害するI
FNβ−1b(図1)は、MMP酵素活性の直接的な阻害剤ではない。これらの
結果は、共重合体1がMMP酵素活性の阻害剤であることを示す。
【0136】 細胞移動に対する共重合体1の影響 図3Aは、Tリンパ球を共重合体1(25μg/mL)で1日、2日もしくは
3日間前処理しても、共重合体1がTリンパ球の移動を阻害しないことを示す。
同様に、Tリンパ球を種々の濃度の共重合体1(1〜50μg/mL)で3日間
前処理しても、活性化T−リンパ球のトランス移動に影響を及ぼすことはなかっ
た(図3B)。
【0137】 別シリーズの実験において、10ng/mLの単球化学誘導タンパク質(MC
P)−1もしくはMCP−3を底部チャンバーに置き、化学走性シグナルとして
機能させた。このような条件下、グラチラマーで前処理したTリンパ球の移動速
度も、コントロールの移動速度と変らなかった。
【0138】 Tリンパ球/小グリア細胞の培養に対する共重合体1の影響 PMA/IFNγ処理されたU937細胞も、抗CD3活性化Tリンパ球も、
単独では、検出可能なレベルのTNF−αを産生しなかった。しかし、IL−1
0は、U937で検出されたが、Tリンパ球のコンディション培地では検出され
なかった(図4)。24時間共培養した際、TNF−αおよびIL−10のレベ
ルに相当な増加が観察された。PMA/IFNγ処理されたU937細胞と遭遇
する前にT−リンパ球を共重合体1で処理すると、TNF−αおよびIL−10
の産生は用量依存的に低下した(図4)。PMA/IFNγ処理したU937細
胞を共重合体1で前処理しても、その後のTリンパ球−U937相互作用におけ
るサイトカイン産生に影響を及ぼすことがなかったため、共重合体1の影響は、
主としてTリンパ球に対するものであると思われる。
【0139】 また、活性化Tリンパ球とPMA/IFNγ処理したU937との相互作用は
、2つのTh2様抗炎症性サイトカイン、IL−4およびIL−13のアップレ
ギュレーションにつながった(図5)が、その産生量は、IL−10もしくはT
NF−αよりおよそログ倍低かった。Tリンパ球とPMA/IFNγ処理したU
937を共培養した際、このIL−4およびIL−13の産生は、共重合体1に
より有意に低下し、この低下は、プロ炎症性サイトカインIL−12についても
観察された(図5)。要するに、抗CD3ライゲートTリンパ球を共重合体1で
前処理(72時間)すると、Tリンパ球−U937相互作用で調査された全ての
誘導性サイトカインが抑制されるという結果に至った。
【0140】 共重合体1は、抗CD3処理後に形成されるTリンパ球集合体の数もしくは大
きさを減少させないため、Tリンパ球とU937を共培養した際のサイトカイン
産生の低下に対する共重合体1の影響は、Tリンパ球の増殖が低下した結果では
なく、このことは、共重合体1がTリンパ球の増殖に有意に影響を及ぼさないこ
とを示している。実際、共重合体1処理の72時間後、細胞の総数を数えると、
細胞数は、コントロール(24±2×103)に対し、共重合体1(5、25、および5
0μg/mL)で処理したグループ(それぞれ、26±1×103、26±2×103、およ
び22±1×103)で同等であった。全ての試験状況において、同数のTリンパ球
を小グリア細胞もしくはU937細胞に添加した。
【0141】 胎児の小グリア細胞は、単独では、検出可能な量のIL−10もしくはTNF
−αを培養培地に分泌しない;よって、これらの細胞は、単独の成人の小グリア
細胞と同様にみえる(14、15)。活性化Tリンパ球と共培養した際、著量の
IL−10およびTNF−αを産生した(それぞれ、139±4および1068±68n
g/mL、図6)。共重合体1で前処理されたTリンパ球について、T−リンパ
球−小グリア細胞の共培養で得られるIL−10およびTNF−αは、有意に減
少した(図6)。実際、共重合体1による低下は、用量依存的に起こった(図6
)。
【0142】 Tリンパ球とヒト神経細胞由来の成人小グリア細胞との相互作用は、検出不可
能なレベルからIL−10およびTNF−αのアップレギュレーションにつなが
り、このことはIL−1βについても同じであった。IL−6は、小グリア細胞
によって高レベルで構成的に発現した(図7)。Tリンパ球を共重合体1で前処
理すると、誘導性サイトカイン(IL−1β、IL−10およびTNF−α)が
用量依存的に阻害された。同様に、共重合体1は、構成的サイトカイン、IL−
6の発現を低下させた(図7)。
【0143】 (50U/mL IL−2の存在下でさえ)不活性なTリンパ球と小グリア細胞
の共培養は、TNF−αの産生を増大させる結果にならないため、Tリンパ球が
、抗CD3抗体で活性化されなければならないことに注目されたい。更に、共重
合体1を共培養時に添加しても、サイトカイン産生に対する減少効果は起こらな
いため、Tリンパ球は共重合体1で前処理されることが必要である。
【0144】 成人の小グリア細胞がインビトロで活性化Tリンパ球と遭遇すると、小グリア
細胞の形態が、分岐/二極性形態からアメーバ状の丸みを帯びた形態に変化する
ことを図8は実証する(14)。しかし、Tリンパ球を共重合体1で前処理する
と、Tリンパ球と小グリア細胞を共培養した際の小グリア細胞の形態変化は、減
少した。このことは、活性化Tリンパ球と共培養した際のヒト小グリア細胞もし
くはPMA/IFNγ処理U937細胞についても同じであった。結局、小グリ
ア細胞が形態変化しないということは、Tリンパ球の共重合体1による前処理が
、小グリア細胞と相互作用する能力を低下させることを示唆する。
【0145】 ケモカインに対する共重合体1の影響 活性化Tリンパ球を共重合体1で処理しても、CXCR3の発現が、処理から
1〜3日後に低下しないことを図9は示す;このネガティブな結果は、U937
細胞株についても同じであった(図10)。また、CXCR4の発現を評価した
ところ、共重合体1処理に対して応答しないことが分かった。
【0146】 議論 共重合体1、すなわちグラチラマーアセテート(GA)は、チロシン、アラニ
ン、グルタミン酸、およびリジンのランダムな合成線状共重合体の不均一混合物
である。この薬剤は、多発性硬化症を治療する際に効果的である。
【0147】 多発性硬化症における共重合体1の作用機序は、免疫応答を抑制する能力に基
くものであり、これは、当該疾患の臨床的症状発現に特異的に影響を及ぼす。本
発明は、共重合体1が、CNS抗炎症および再髄鞘形成などの別の生物学的活性
を有することを実証する。これらの発見により、多発性硬化症以外の更なる適応
症に共重合体1の潜在的な治療効果を広げる可能性が高まる。
【0148】 種々の遺伝的背景のMHCクラスII分子に結合し、その結果、T細胞応答を阻
害する共重合体1の能力は、共重合体1が一般的な免疫抑制剤として機能し得る
という仮説につながった。
【0149】 インビボ動物モデルから得られた結果、および共重合体1で治療された多発性
硬化症患者から得られた結果より、多くの場合、多発性硬化症もしくはEAEに
影響を及ぼす投薬プロトコールにおける共重合体1の投与は、非特異的免疫抑制
を誘導しないことが示唆される。むしろ、多発性硬化症およびEAEにおける共
重合体1の有益な治療効果は、おそらく抗原特異的サプレッサーT細胞により媒
介される。
【0150】 一方、種々のプロトコールを用いた共重合体1の投与(高い用量および/また
は頻度の高い投与)は、インビボで正常反応性(alloreactivity)を妨害し、実
験的GVHDを予防し、マウスモデルにおける皮膚および甲状腺の移植(engraf
ment)に対して有益な効果を有していることが示された。これら共重合体1の効
果は、抗原呈示細胞上のMHC分子による呈示用抗原と競合する共重合体1の能
力によっておそらく媒介され、これは用量依存的であることが示されている。こ
の仮説に対する別の証拠は、D−共重合体1が、マウスGVHDモデルにおいて
非常に活性があるという事実である。実際、D−共重合体1は、L−共重合体1
より10倍高い活性を有する。従って、多発性硬化症の治療に用いたよりも高い
用量の共重合体1を用いることにより、一般的な免疫抑制剤として機能し、これ
により多発性硬化症以外の適応症に対して臨床的に適切なものとすることができ
る。
【0151】 抗原呈示細胞上のクラスII分子に対する共重合体1の強い結合を考慮して、共
重合体1がT細胞介在性免疫応答を妨害できるか否かを調査するための研究を計
画した。共重合体1は、インビトロでMBPに対するT細胞の応答を用量依存的
に阻害することが報告されている(5、11、58、60、78、80)。共重
合体1とMBPの間の交叉反応のため、この阻害効果は、MHCクラスII分子へ
の結合に対する競合だけでなく、T細胞認識に関連するメカニズムにも起因し得
る(1、73)。しかし、共重合体1の阻害能力は、非交叉反応性T細胞反応に
も及ぶことが示された(7、60、79、83)。この場合、阻害効果は、おそ
らくMHCクラスII分子への結合に対する競合によるものである。
【0152】 共重合体1は、MHC拘束に関係なく(無差別の結合)、マウスおよびヒトの
抗原呈示細胞に用量依存的に結合する(29、30)。共重合体1のMHCクラ
スII分子への結合は、抗クラスII抗体を用いた特異的阻害により実証された(3
0)。種々の精製HLA−DR分子と共重合体1との直接的相互作用に関する証
拠が、最近報告された(28)。更に、共重合体1は競合して、MHCクラスII
分子に既に結合した抗原と置き換わることが示された(30、31、79)。M
HCクラスII分子への結合は、迅速かつ効率的であり(30)、この相互作用に
処理は必要でないと思われる(29)。
【0153】 近年の研究により、共重合体1により再発−鎮静している多発性硬化症患者か
ら単離したリンパ球は、未処理の多発性硬化症患者の細胞と比較すると、フィブ
ロネクチンバリアを横切って移動する能力が有意に低下することが観察された(
59)。フィブロネクチンは、基底膜のモデルとして使用された。フィブロネク
チンバリアを横切る白血球の移動は、マトリクス金属結合タンパク分解酵素の発
現と関連しているため(42、77、88)、MMPsに対する共重合体1の影
響を評価することは関心が高かった。本発明は、共重合体1がMMP−9酵素の
活性を阻害するが、Tリンパ球もしくは単球によってMMP−9の産生を低下さ
せないことを示す。この阻害は、リンパ球のトランス移動を変化させない。
【0154】 共重合体1がMMP酵素活性の阻害剤であるという発見は、白血球の移動に無
関係なMMP介在性効果と関連している。例えば、多くのサイトカイン(例えば
TNF−αおよびTGF−α)、サイトカインレセプター(例えばTNFRs、
IL−6Rα)、および接着分子(例えばL−セレクチン、VCAM)は、前駆
体で合成され、前駆体は、活性剤となるのにタンパク分解処理を必要とする。こ
れら「コンバターゼ」もしくは「シェダーゼ(shedase)」の正体は、未解明の
ままであり、おそらく金属結合タンパク分解酵素(アダマリシン(adamalysins
))の別のグループのメンバーであるが、MMPは、前駆分子(例えばプロ−T
NF−α)を活性型(例えばTNF−α)に変換する能力を有するため、CNS
内のプロ炎症性環境をつくる(91)。本発明は、共重合体1によるMMP酵素
活性の阻害を実証し、この阻害は、プロサイトカインのサイトカインへの変換を
減少させ、その結果、非炎症性環境(milieu)に至る。
【0155】 多くの細胞が、生存のために細胞外マトリクス(ECM)分子への付着に依存
していることが充分に報告されている。これら細胞の細胞外マトリクス基質から
の解離は、結果として、「anoikis」と称される現象、アポトーシスに至る(6
4、65)。MMPsは、細胞外マトリクスのターンオーバーの生理学的メディ
エイターであるため、MMPの異常発現および活性は、細胞外マトリクスの完全
な状態を混乱させ、その結果、細胞接着および細胞死を変化させることができる
(85)。グラチラマーアセテート(共重合体1)は、MMP活性の阻害剤とし
て作用することにより、細胞外マトリクスの混乱を防止し、細胞外マトリクスか
らの細胞の解離を防止することができる。その結果、神経細胞の死が減少し、こ
れにより疾患の進行が遅くなる。また、MMPは、細胞の分化、移動および炎症
のように多様なプロセスを管理する細胞−ECM相互作用に関係している。発達
する神経系において、MMPファミリーのメンバーは、脈管形成、神経成長円錐
の伸長、および稀突起神経膠細胞によるプロセス形成を制御する。
【0156】 また、MMPsは、抗炎症性サイトカインの産生を抑制することができ、この
ことは、EAE動物をMMP阻害剤で処理すると、抗炎症性サイトカインIL−
4がCNS内で増加するという発見によって提案されたが(43)、この活性の
メカニズムはまだ説明されていない。CNS内での異常なMMPの発現の結果に
は、その他、ミエリンの破壊における直接的な役割(48)、並びに炎症の伝播
につながる脳炎誘発性ミエリンフラグメントの形成(16、56)が含まれる。
共重合体1がMMP酵素活性を阻害するという本発見は、これら観察に関連があ
り、CNSの抗炎症性環境(milieu)につながり得る。
【0157】 Tリンパ球が小グリア細胞と遭遇することが、多くのサイトカインの重要な供
給源である。Tリンパ球を共重合体1で前処理すると、Tリンパ球−小グリア細
胞(もしくはU937細胞)相互作用で検査した全サイトカインが実質的に減少
した。
【0158】 免疫デビエイションは、近年注目を集めた概念である。この概念は、中立(un
committed)Tリンパ球が、Th1ルート(IFN−γ、IL−12もしくはT
NF−α等のプロ炎症性サイトカインを産生する)、またはTh2経路(IL−
4、IL−10、IL−13もしくはトランスホーミング増殖因子βs(TGF
−βs)等のTh2様抗炎症性サイトカインを産生する)の何れかを経て分化で
きるという観察に由来する。TGF−βsを産生する細胞は、Th3細胞とも称
される。ある疾患に対する感受性は、主要なTh1もしくはTh2応答に起因し
ている(46)。
【0159】 抗原とは無関係なシステムを用いた実験の開示により、以下のことが示唆され
る。TNF−α、IL−4、IL−6、IL−10、IL−12およびIL−1
3等の全サイトカインは、Tリンパ球−小グリア細胞の相互作用において抑制さ
れ、非炎症性環境(milieu)をつくり出すため、共重合体1は、CNS内でTh
1もしくはTh2タイプのサイトカインに対して優先的に影響を及ぼすことがな
い。
【0160】 共重合体1は、検査した全サイトカイン(プロ炎症性および抗炎症性)の分泌
を減少させたが、CNS状況に対する患者の治療は、Tリンパ球介在性炎症を最
終的に減少させるであろう。炎症の減少は、当該疾患の重症度を軽くするであろ
う。炎症は、ニューロンおよび軸索の破壊とも関連しているため、炎症性CNS
疾患においてニューロンおよび軸索の完全な状態も良くなるであろう。更に、C
NS疾患を発症する危険のある個人を、共重合体1で処理して、当該疾患の発症
を予防したりその重症度を軽くしたりすることができる。その上、稀突起神経膠
細胞を殺傷することができるサイトカイン、TNF−αの産生が低下すると(2
5、44、45、69)、患者のCNSにおいて、共重合体1により稀突起神経
膠細胞の消失度および脱髄は減少するであろう。加えて、共重合体1は、サイト
カインの分泌を阻害することにより、細胞のダメージおよび破壊の原因となるフ
リーラジカルの生成を減少させることができる。従って、共重合体1は、CNS
炎症と関連した症状を軽減するだけでなく、CNS疾患自体の進行を遅らせるで
あろう。
【0161】
【参照文献】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、Tリンパ球によるMMP−9の産生に対して、共重合体
1(グラチラマーアセテート(GA))の影響がないことを示す。薬剤処理なし(
コントロール)、あるいは25μg/mLの共重合体1もしくは1000IU/m
Lの組換えインターフェロンβ−1bの存在下において、AIM−Vコンディシ
ョン培地を、抗CD3活性化Tリンパ球から集めた。以前に報告されているとお
り、インターフェロンβ(IFN−β)は、MMP−9のTリンパ球産生を阻害
したが(77)、共重合体1は、MMP−9タンパク質レベルに影響を及ぼさな
かった。同様の結果が、処理1日後の単球から得られた。各時点におけるコンデ
ィション培地を、等量のTリンパ球を有する培養物から集めた。
【図2】 図2は、共重合体1がMMP−9の酵素活性の阻害剤であること
を実証する。ザイモグラム展開の間のインキュベーション緩衝液に共重合体1が
存在すると、MMP活性の発現は阻害される。対照的に、IFNβ−1bは、直
接的なMMP活性の阻害剤ではないが、図1で実証されるとおり、MMP−9の
産生を減少させる。ポジティブコントロール、TIMP−1およびフェナントロ
リン(Phe)は、このアッセイでMMP活性を阻害することが示される。図2
Aは、ベビーハムスター腎臓(BHK)細胞由来のMMP−9(最も強いバンド
)を示し、図2Bは、Tリンパ球により産生されるMMP−9を示す。
【図3】 図3は、共重合体1が、フィブロネクチンチャンバーを横切るT
リンパ球の移動を阻害することを示す。図3Aは、Tリンパ球を25μg/mL
の共重合体1で1、2もしくは3日間処理しても、コントロールと比較して、フ
ィブロネクチンバリアを横切る細胞のその後の移動に影響がないことを実証する
。対照的に、細胞をIFNβ−1b(1000IU/mL)で3日間処理すると
、以前に報告されているとおり(77)、移動は20〜50%減少した。図3B
においても同様、Tリンパ球を種々の濃度の共重合体1で3日間処理しても、移
動に影響はなかった。値は、それぞれ3回の分析の平均値±SEMであり、それ
ぞれの用量応答実験のコントロールに対する%で表した。
【図4】 図4は、活性化Tリンパ球を共重合体1で前処理すると、Tリン
パ球−U937相互作用で生成されるIL−10およびTNF−αの産生が抑制
されることを示す。活性化Tリンパ球は、単独で、検出不可能なIL−10もし
くはTNF−αを産生し;PMA/IFNγで前処理したU937細胞は、検出
可能なIL−10を有するが、TNF−αレベルは無視できる。サイトカインは
、共培養した際に有意に増大し、これは、Tリンパ球を共重合体1で前処理する
ことにより用量依存的に減少する。値は、3回の分析の平均値±SEMである。
【図5】 図5は、活性化Tリンパ球を共重合体1で処理すると、Tリンパ
球−U937相互作用において、IL−4、IL−12およびIL−13が抑制
されることを報告する。Tリンパ球もPMA/IFNγで前処理したU937細
胞も、検出可能な量のIL−4、IL−12もしくhIL−13をコンディショ
ン培地に分泌しない。これらサイトカインのレベルは、共培養により増大したが
、そのレベルは、IL−10もしくはTNF−αのレベルと比較して低く(図4
);Tリンパ球−U937相互作用におけるIL−4、IL−12およびIL−
13の量は、それぞれ13、12、62pg/mLである。これらは、Tリンパ
球を共重合体1で前処理することにより用量依存的に減少する。
【図6】 図6は、Tリンパ球と胎児小グリア細胞を共培養した際のサイト
カインの産生が、共重合体1により低下することを実証する。値は、3回もしく
は4回の分析の平均値±SEMであり、コントロールのTリンパ球−小グリア細
胞共培養(即ち、0μg/mL共重合体1)に対する%で表す。コントロールの
Tリンパ球−小グリア細胞共培養におけるTNF−αの量は、1068±68p
g/mLで、IL−10の量は、139±4pg/mLであった。
【図7】 図7は、成人の小グリア細胞とTリンパ球を共培養した際の、サ
イトカイン産生に対する共重合体1の影響を表す。Tリンパ球も小グリア細胞も
、単独では、IL−1β、IL−10もしくはTNF−αを発現しない。小グリ
ア細胞と活性化Tリンパ球を共培養した際、24時間後に誘導されるサイトカイ
ンのレベルは、TNF−αが1012±86pg/mL、IL−1βが18±2
pg/mL、IL−10が46±2pg/mLであった。IL−6は、小グリア細
胞で構成的に発現するが(1010±215pg/mL)、Tリンパ球では構成
的に発現しない。Tリンパ球を共重合体1で前処理すると、小グリア細胞と共培
養した際の誘導性サイトカインのレベルは減少し、IL−6の発現レベルも低下
した。値は、3回の培養の平均値+SEMである。
【図8A】 図8A〜Dは、Tリンパ球と小グリア細胞を共培養した際の小
グリア細胞の形態を示す。 図8Aは、成人の小グリア細胞が、培養時にほとんど双極性の形態であること
を示す。
【図8B】 図8Bは、Tリンパ球が単一の細胞もしくは細胞塊として存在
することを実証する。
【図8C】 図8Cは、Tリンパ球が、共重合体1の非存在下で小グリア細
胞と共培養されると、双極性の小グリア細胞が、丸みをおびた/アメーバ様の形
態になることを報告する(幾つかの小グリア細胞を矢印により示す)。
【図8D】 図8Dが表すとおり、この形態学的変換は、Tリンパ球を共重
合体1で処理することにより妨害される。 図8A〜Dは、同じ倍率、400×である。
【図9】 図9は、共重合体1が、Tリンパ球におけるCXCR3およびC
XCR4発現に影響を及ぼさないことを報告する。全てのTリンパ球が、時間0
において抗CD3抗体で活性化され、3時間で、共重合体1(25μg/mL)
を幾つかの培養物に添加した。1日目(図9Aおよび9B)、2日目(図9Cお
よび図9D)および3日目(図9Eおよび9F)に、細胞を取り出し染色した。
アイソタイプコントロール抗体を、コントロールおよび共重合体1処理Tリンパ
球を染色するために使用し、これらの蛍光は変らなかった。従って、コントロー
ルTリンパ球のアイソタイプ染色のみを表示する。
【図10】 図10は、共重合体1が、U937細胞におけるCXCR3お
よびCXCR4発現に影響を及ぼさないことを実証する。時間0において、細胞
を共重合体1(25μg/mL)で処理するか、あるいは未処理のまま置いた。
1日目(図10Aおよび10B)もしくは3日目(図10Cおよび10D)に、
細胞を取り出し染色した。アイソタイプコントロール抗体を、コントロールおよ
び共重合体1処理細胞を染色するために使用し、これらの蛍光は変らなかった。
従って、コントロールU937細胞のアイソタイプ染色のみを表示する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 25/16 A61P 25/28 25/28 27/06 27/06 29/00 29/00 31/04 31/04 31/18 31/18 35/00 35/00 43/00 111 43/00 111 A61K 37/64 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE ,DK,DM,DZ,EC,EE,ES,FI,GB, GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,I N,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC ,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD, MG,MK,MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,P L,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK ,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG, US,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 シャボー、ソフィー カナダ国、ジー0アール・2ワイ0、ケベ ック州、ベル、サン・ダミアン、シーピー 400、リュ・ケリー 20 Fターム(参考) 4C076 AA01 AA93 BB25 BB29 CC01 CC04 4C084 AA02 AA19 BA01 BA09 BA23 CA62 DC32 MA02 MA31 MA52 MA56 MA59 MA60 MA63 MA66 NA05 NA14 ZA011 ZA021 ZA151 ZA161 ZA331 ZB111 ZB112 ZB351 ZC022 ZC202 ZC551

Claims (46)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炎症性非自己免疫中枢神経系(CNS)疾患を有する哺乳類
    の被検体を治療するか、または前記疾患の症状を軽減する方法であって、前記炎
    症性非自己免疫CNS疾患を治療するのに効果的な量および効果的な期間で、前
    記被検体にグラチラマーアセテート(共重合体1)を投与することを含む方法。
  2. 【請求項2】 前記哺乳類の被検体がヒトである請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記疾患がアルツハイマー病である請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記疾患がパーキンソン病である請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記疾患がHIV脳症である請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記疾患が脳腫瘍である請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記疾患が緑内障である請求項1に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記疾患が神経障害もしくは痴呆である請求項1に記載の方
    法。
  9. 【請求項9】 前記疾患がCNS感染である請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記CNS感染が細菌性感染である請求項9に記載の方法
  11. 【請求項11】 前記細菌性感染が髄膜炎である請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記疾患が発作に起因する請求項1に記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記疾患が頭部外傷に起因する請求項1に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記投与ルートが、経口、静脈内、筋内、皮下、腹腔内、
    経皮、鼻もしくは直腸である請求項1に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記投与ルートが経口である請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記投与ルートが皮下注入である請求項14に記載の方法
  17. 【請求項17】 前記グラチラマーアセテート(共重合体1)の投与量が、
    約0.05mg/kg体重〜約50mg/kg体重の範囲にある請求項14に記載
    の方法。
  18. 【請求項18】 前記グラチラマーアセテート(共重合体1)の投与量が、
    約0.1mg/kg体重〜約10mg/kg体重の範囲にある請求項17に記載の
    方法。
  19. 【請求項19】 前記グラチラマーアセテート(共重合体1)の投与量が、
    約0.1mg/kg体重〜約1.0mg/kg体重の範囲にある請求項18に記載
    の方法。
  20. 【請求項20】 前記グラチラマーアセテート(共重合体1)の投与量が、
    約0.3mg/kg体重である請求項19に記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記グラチラマーアセテート(共重合体1)の投与量が、
    約0.1mg〜約1000mgの範囲にある請求項14に記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記グラチラマーアセテート(共重合体1)の投与量が、
    約1.0mg〜約100mgの範囲にある請求項21に記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記グラチラマーアセテート(共重合体1)の投与量が、
    約10mg〜約30mgの範囲にある請求項22に記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記グラチラマーアセテート(共重合体1)の投与量が、
    約20mgである請求項23に記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記グラチラマーアセテート(共重合体1)の用量が、約
    30日ごとに1回〜約1日に1回の頻度で投与される請求項14に記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記グラチラマーアセテート(共重合体1)の用量が、約
    7日ごとに1回〜約1日に1回の頻度で投与される請求項25に記載の方法。
  27. 【請求項27】 前記グラチラマーアセテート(共重合体1)の用量が、約
    1日に1回の頻度で投与される請求項26に記載の方法。
  28. 【請求項28】 前記グラチラマーアセテート(共重合体1)が、治療プロ
    グラムの一部として投与され、該治療プログラムの間に前記被検体にサイトカイ
    ンアンタゴニストが更に投与される請求項1に記載の方法。
  29. 【請求項29】 炎症性非自己免疫中枢神経系(CNS)疾患を発症する危
    険な状態にある哺乳類の被検体を治療する方法であって、前記被検体に発症し得
    る炎症性非自己免疫CNS疾患の重症度を最小にするか、もしくは前記疾患の発
    症を予防するのに効果的な量および効果的な期間で、前記被検体にグラチラマー
    アセテート(共重合体1)を投与することを含む方法。
  30. 【請求項30】 前記被検体がヒトであり、前記危険な状態が慢性的な医学
    的病状に対する遺伝的素因と関連している請求項29に記載の方法。
  31. 【請求項31】 前記疾患が、アルツハイマー病、パーキンソン病、緑内障
    、痴呆、神経障害、発作および脳腫瘍から成る群より選択される請求項29に記
    載の方法。
  32. 【請求項32】 前記投与ルートが、経口、静脈内、筋内、皮下、腹腔内、
    経皮、鼻もしくは直腸である請求項29に記載の方法。
  33. 【請求項33】 マトリクス金属結合タンパク分解酵素の活性を阻害する方
    法であって、前記マトリクス金属結合タンパク分解酵素をグラチラマーアセテー
    ト(共重合体1)と接触させることを含む方法。
  34. 【請求項34】 前記マトリクス金属結合タンパク分解酵素がMMP−9で
    ある請求項33に記載の方法。
  35. 【請求項35】 前記マトリクス金属結合タンパク分解酵素が被検体中にあ
    る請求項34に記載の方法。
  36. 【請求項36】 前記被検体がヒトである請求項35に記載の方法。
  37. 【請求項37】 活性化Tリンパ球によりサイトカインの産生を抑制する方
    法であって、サイトカインの産生を抑制するのに必要な量で前記活性化Tリンパ
    球をグラチラマーアセテート(共重合体1)と接触させることを含む方法。
  38. 【請求項38】 前記サイトカインがIL−1である請求項37に記載の方
    法。
  39. 【請求項39】 前記サイトカインがIL−4である請求項37に記載の方
    法。
  40. 【請求項40】 前記サイトカインがIL−6である請求項37に記載の方
    法。
  41. 【請求項41】 前記サイトカインがIL−10である請求項37に記載の
    方法。
  42. 【請求項42】 前記サイトカインがIL−12である請求項37に記載の
    方法。
  43. 【請求項43】 前記サイトカインがIL−13である請求項37に記載の
    方法。
  44. 【請求項44】 前記サイトカインがTNF−aである請求項37に記載の
    方法。
  45. 【請求項45】 前記サイトカインが被検体中にある請求項37に記載の方
    法。
  46. 【請求項46】 前記被検体がヒトである請求項45に記載の方法。
JP2002501401A 2000-06-05 2001-06-05 中枢神経系障害の治療におけるグラチラマーアセテート(共重合体1)の使用 Pending JP2003535118A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US58752300A 2000-06-05 2000-06-05
US09/587,523 2000-06-05
PCT/US2001/018248 WO2001093828A1 (en) 2000-06-05 2001-06-05 The use of glatiramer acetate (copolymer 1) in the treatment of central nervous system disorders

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003535118A true JP2003535118A (ja) 2003-11-25

Family

ID=24350145

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002501401A Pending JP2003535118A (ja) 2000-06-05 2001-06-05 中枢神経系障害の治療におけるグラチラマーアセテート(共重合体1)の使用

Country Status (9)

Country Link
EP (1) EP1292279A4 (ja)
JP (1) JP2003535118A (ja)
AU (2) AU7528001A (ja)
CA (1) CA2411536A1 (ja)
HU (1) HUP0302333A3 (ja)
IL (1) IL153236A0 (ja)
PL (1) PL363431A1 (ja)
WO (1) WO2001093828A1 (ja)
ZA (1) ZA200210084B (ja)

Families Citing this family (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES2527760T3 (es) 1998-07-23 2015-01-29 Yeda Research And Development Co., Ltd. Tratamiento de enfermedad de Crohn con copolímero 1 y polipéptidos
EP1098902A4 (en) 1998-07-23 2002-07-24 Yeda Res & Dev TREATMENT OF AUTOIMMUNE DISEASES BY COPOLYMER 1 AND SIMILAR COPOLYMERS AND PEPTIDES
US6800287B2 (en) 1998-09-25 2004-10-05 Yeda Research And Development Co., Ltd. Copolymer 1 related polypeptides for use as molecular weight markers and for therapeutic use
US7022663B2 (en) 2000-02-18 2006-04-04 Yeda Research And Development Co., Ltd. Oral, nasal and pulmonary dosage formulations of copolymer 1
US20020077278A1 (en) 2000-06-05 2002-06-20 Yong V. Wee Use of glatiramer acetate (copolymer 1) in the treatment of central nervous system disorders
WO2002076503A1 (en) * 2000-06-20 2002-10-03 Mayo Foundation For Medical Education And Research Treatment of central nervous system diseases by antibodies against glatiramer acetate
MXPA04005433A (es) 2001-12-04 2004-10-11 Teva Pharma Proceso para la medicion de la potencia de acetato de glatiramero.
WO2006029411A2 (en) 2004-09-09 2006-03-16 Yeda Research And Development Co. Ltd. Mixtures of polypeptides, compositions containing and processes for preparing same, and uses thereof
RS52885B (en) 2009-08-20 2014-02-28 Yeda Research And Development Co. Ltd. LOW-FREQUENCY GLATIRAMER ACETATOM THERAPY
USRE49251E1 (en) 2010-01-04 2022-10-18 Mapi Pharma Ltd. Depot systems comprising glatiramer or pharmacologically acceptable salt thereof
US8759302B2 (en) 2010-03-16 2014-06-24 Teva Pharmaceutical Industries, Ltd. Methods of treating a subject afflicted with an autoimmune disease using predictive biomarkers of clinical response to glatiramer acetate therapy in multiple sclerosis
EA025780B1 (ru) 2010-10-11 2017-01-30 Тева Фармасьютикал Индастриз Лтд. Цитокиновые биомаркеры в качестве биомаркеров, прогнозирующих клинический ответ на глатирамер ацетат
TW201326399A (zh) 2011-10-10 2013-07-01 Teva Pharma 用於預測對格拉替雷(glatiramer)醋酸鹽之臨床反應之單核苷酸多型性之判定
MX2015004563A (es) 2012-10-10 2015-07-14 Teva Pharma Biomarcadores predictivos para respuesta clinica para acetato de glatiramero.
UY35790A (es) 2013-10-21 2015-05-29 Teva Pharma Marcadores genéticos que predicen la respuesta al acetato de glatiramer
DK3185882T3 (da) 2014-08-29 2020-01-27 Region Midtjylland Positivt ladede copolymerer til anvendelse som antimikrobielle midler
US9155775B1 (en) 2015-01-28 2015-10-13 Teva Pharmaceutical Industries, Ltd. Process for manufacturing glatiramer acetate product
CN106924175B (zh) * 2015-12-29 2020-07-03 深圳翰宇药业股份有限公司 一种治疗多发性硬化症的药物组合物
KR102425326B1 (ko) 2016-05-20 2022-07-25 세다르스-신나이 메디칼 센터 알츠하이머병 및 관련 병태의 치료 또는 예방 방법
EP3600553A4 (en) 2017-03-26 2020-09-02 Mapi Pharma Ltd. GLATIRAMER DEPOT SYSTEMS FOR TREATMENT OF PROGRESSIVE FORMS OF MULTIPLE SCLEROSIS

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5800808A (en) * 1994-05-24 1998-09-01 Veda Research And Development Co., Ltd. Copolymer-1 improvements in compositions of copolymers
GB9411292D0 (en) * 1994-06-06 1994-07-27 Teva Pharma Pharmaceuticals compositions
US5665764A (en) * 1995-06-02 1997-09-09 Warner-Lambert Company Tricyclic inhibitors of matrix metalloproteinases
IL119989A0 (en) * 1997-01-10 1997-04-15 Yeda Res & Dev Pharmaceutical compositions for oral treatment of multiple sclerosis
US6844314B2 (en) * 2000-01-20 2005-01-18 Yeda Research Development Co., Ltd. Use of copolymer 1 and related peptides and polypeptides and T cells treated therewith for neuroprotective therapy
DK1294390T3 (da) * 2000-06-07 2006-04-03 Yeda Res & Dev Anvendelse af copolymer 1 og beslægtede peptider og polypeptider og T-celelr behandlet dermed til neurobeskyttelse mod glutamattoksicitet

Also Published As

Publication number Publication date
ZA200210084B (en) 2003-12-12
AU2001275280B2 (en) 2006-03-16
CA2411536A1 (en) 2001-12-13
EP1292279A4 (en) 2005-01-12
AU7528001A (en) 2001-12-17
WO2001093828A1 (en) 2001-12-13
PL363431A1 (en) 2004-11-15
HUP0302333A2 (hu) 2003-11-28
EP1292279A1 (en) 2003-03-19
IL153236A0 (en) 2003-07-06
HUP0302333A3 (en) 2005-07-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7033582B2 (en) Use of glatiramer acetate (copolymer 1) in the treatment of central nervous system disorders
JP2003535118A (ja) 中枢神経系障害の治療におけるグラチラマーアセテート(共重合体1)の使用
Anwar et al. Adhesion to fibronectin prolongs eosinophil survival.
Rutkowski et al. Signals for proinflammatory cytokine secretion by human Schwann cells
Gupta et al. Modulation of CXCR4 expression and SDF-1α functional activity during differentiation of human monocytes and macrophages
AU2001275280A1 (en) The use of glatiramer acetate (copolymer 1) in the treatment of central nervous system disorders
US9567371B2 (en) Short beta-defensin-derived peptides
EP2680872B1 (en) Use of pif peptides for treating infections, atherosclerosis and peritonitis
JP2019503386A (ja) 免疫療法を増強するためのヒストンデアセチラーゼ阻害剤の使用
Weidt et al. Stem cell migration: a quintessential stepping stone to successful therapy
Bernardino et al. Inflammation and neurogenesis in temporal lobe epilepsy
Miao et al. Injecting immunosuppressive M2 macrophages alleviates the symptoms of periodontitis in mice
AU2008210988A1 (en) Potentiation of stem cell homing and treatment of organ dysfunction or organ failure
JP2021530570A (ja) てんかん、発作および中枢神経系障害を治療するための経口抗炎症性ペプチド
WO2003045376A1 (en) Method for inhibiting overactivity of phagocytes or lymphocytes in an individual
EP0953051A1 (fr) Utilisation de molecules antagonistes de chemokines pour leur activite antivirale notamment contre un retrovirus de type vih
JP2003510248A (ja) ケモカイン受容体ccr3アンタゴニスト
Yoshida et al. Differential chemokine regulation by Th2 cytokines during human RPE–monocyte coculture
AU2006274653A1 (en) Inflammation
CN115666586A (zh) 通过激活iNKT细胞清除衰老细胞
US7390870B2 (en) Immune-enhancing peptides
EP1781377A2 (en) Elastase inhibitor in leukemia
US20020122821A1 (en) Immunotherapeutic anti-cancer pharmaceutical compositions
JP2000516935A (ja) 生物活性インターロイキン―1(il―1)の放出を抑制する方法
Zhu et al. Thalidomide suppresses T-and B-cell responses to myelin antigen in experimental allergic neuritis