JP2003535017A - 微粒子デリバリーシステムおよび使用の方法 - Google Patents

微粒子デリバリーシステムおよび使用の方法

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Abstract

(57)【要約】 選ばれた態様においては免疫活性剤を含んでいてもよい、少なくとも1つの生物活性剤を含む微粒子の投与のための組成物および方法が提供される。この点で、本発明は、例えば気道、胃腸管、泌尿生殖器経路を用いる局所的および全身性デリバリー両方を提供する。それらの微粒子は、安定化されたディスパージョンを与えるための乾燥粉体または非水性懸濁媒体と組み合わされた形であることができる。好ましい態様において、開示された組成物は、粘膜表面への標的デリバリーのための用量計量型の吸入器、乾燥粉体吸入器、アトマイザー、ネブライザー等の吸入装置とともに使用されるであろう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の分野:
【0002】 本発明は、一般的に、少なくとも1つの生物活性(bioactive)剤を
含む(その選ばれた態様においては、免疫活性(immunoactive)剤
を含むことができる)微粒子の投与のための組成物および方法に関する。この点
で、本発明は、例えば、気道、胃腸管、または泌尿生殖器の経路を用いて生物活
性剤の局所的および全身的なデリバリーを与える。特に好ましい態様において、
開示された組成物は用量計量型(metered dose)吸入器、乾燥粉体
吸入器、アトマイザーまたはネブライザー等の吸入器具とともに、粘膜の表面へ
の標的型デリバリーのために用いられるであろう。発明の背景
【0003】 脊椎動物は、環境からの病原体に対する、並びに内部で発現する腫瘍細胞等の
異常型(aberrant)細胞に対する防御として、免疫応答を開始する能力
を有する。これは、好中球および単球/マクロファージ系統(linage)の
細胞によって媒介される自然免疫または受動的な免疫の形、または特定の抗原性
配列に対するリンパ球によって媒介される獲得性または能動的な免疫の形をとる
ことができる。能動的な免疫応答は、それら自身が2つの枝(arms)、体循
環に晒された抗原を中和し、および専門の食細胞による取り込みを助長するため
に役立つ特異的抗体の産生を必要とする液性の反応、および体内の感染されたま
たは異常な細胞認識のために必要な細胞性の枝、に更に再分割することができる
【0004】 両方の場合において、特異的な応答は、抗原の細胞内過程によって誘導される
。抗原が細胞の経路を通して処理されるとき、結果として生じるペプチドが初期
のMHCクラスI分子に結合され、それがエフェクターT細胞への適当な現出(
presentation)を容易にする。MHCクラスI現出は、細胞毒性リ
ンパ球の認識に有利である。対照的に、細胞内取り込み経路を経た細胞内の過程
は、体液性枝の刺激に含まれるTヘルパー応答に有利なMHCクラスII分子の
現出を生じる。ワクチン接種のゴールは、免疫系が活性化(primed)され
て病原性感染に応答するように、両方の応答とも活性化し、且つ記憶T細胞を生
成することである。このような応答は、共刺激的(costimulatory
)分子発現を促進するシグナルの共投与、いわゆるアジュバントによって促進さ
れる。液性および細胞性免疫応答の両方のエンゲージメントは、広いベースの免
疫をもたらし、且つ細胞内の病原体のための好ましいゴールである。適切な共刺
激分子発現の欠如は、T細胞不応答性の状態をもたらす可能性がある。
【0005】 この点で、免疫応答の調節は、2つの方向、病原性因子またはその抗原に対し
て向けられた免疫応答を誘導するか、または慢性炎症をもたらす自己エピトープ
に対してマウントされる不適当な応答を抑制する、のいずれか一つの方向を取る
ことができる。このような自己エピトープに対する慢性応答は、糖尿病、典型的
にはタイプI、多発性硬化症、リューマチ関節炎またはループス・エリスレマト
ージス(erythrematosis)等の種々の自己免疫疾患に結びつく。
いずれの場合においても、活性剤は、しばしば比較的複雑なペプチド、タンパク
、RNA、またはDNAに基づく因子、または古典的な薬剤を代表する小さい化
学的因子よりむしろ他の巨大分子構造の形を取る。経口的に投与されるとき、こ
れらの複合生物活性剤は、貧弱な生体利用性を一般に示し、したがって、侵襲的
で(invasive)非経口的な注射によって伝統的に投与されている。最近
、しかしながら、比較的大きい生体分子が、例えば吸入等の粘膜の経路によりデ
リバリーできることが示唆されている。呼吸の粘膜を経た投与がGI路の消化酵
素を迂回するため、吸入を介するこれらの剤の体循環へのデリバリーは特に魅力
的である。更に、体循環との交換のために利用可能な大きい表面積により、それ
はペプチドとタンパクのための増大されたポテンシャルを生体利用性に対して与
える。経口的な生体利用性のための分子量カットオフは一般に500ダルトンの
範囲にあるが、より大きい分子量のペプチドホルモンまたは類似体(例えば1.
8kDのデスモプレッシン、5.8kDのインシュリン、9.5kDの副甲状腺
ホルモン)は、体循環への鼻または肺の無傷の粘膜を横切って吸収されることが
示されている。
【0006】 分解なしでタンパク、ペプチド、ウィルス性およびDNA処方の効果的デリバ
リーを考慮に入れる他に、粘膜の表面への標的型デリバリーは、それがMALT
(粘膜協同型リンパ組織)リンパ系の範囲内での局所的免疫応答を誘導するなら
ば、それ自体で利益を提供することができる。粘膜のワクチン接種は、そのエン
トリのポートが典型的には体と外部環境を結びつけている粘膜の表面の一つにあ
る、病原体に対してデザインされたワクチンのために、特に重要である。MAL
Tリンパ系は、粘膜の粘膜固有層の範囲内にある。外部抗原が局所的樹状(de
ndritic)細胞に現出される時、B細胞前駆体の局所的増幅および成熟が
あり、そしてそれは、典型的には抗原の全身的なデリバリーによって誘導される
lgG抗体に加えてIgAおよびIgM抗体を製造する。前者は、粘膜の表面を
横切ってルーメンへのトランスサイトーシスとして知られるプロセスによって、
分化された輸送レセプターを介して分泌される。そこで、それらは粘膜の表面で
侵略する病原体に対する防御の最初の系統を与える。最近の証拠は、結合性の病
原性抗原に加えて、免疫複合体の結果として生じる形成が、それ自体で(in
and of itself)、transcytoticな経路を通して起こ
っているウィルス性伝染を抑制することを示す。病原体に由来する抗原に対して
この最初の系統の免疫応答を与えることによって、粘膜の免疫化は、それにより
生物体が侵入する病原体を先ず妨害する効率を、大い強化すべきである。
【0007】 以前のいくつかの試みが、この取り込みメカニズムを利用して、ペプチドまた
はタンパク質の効果的なデリバリーを与えるためになされた。例えば、米国特許
第5,756,104号は、鼻腔内のワクチン処方のためのリポソーム処方の使
用を記述している。これらの処方は、リポソームを有する水性(aqueous
)キャリアと、遊離の抗原性材料を含むように見える。それらの処方は免疫応答
を誘導することが見出されたが、それらは極めて不安定で、且つ時間で分解に影
響されやすいように見える。実際的な意味では、これは実質的な欠点である。
【0008】 このような限界を克服し、デリバリー効率更に増大させる試みは、比較的に大
きい生体分子の投与のための乾燥粉体を発達させた。残念ながら、従来の粉体製
剤(すなわち微粉化された)は、しばしば、長い期間にわたって正確で、再現性
ある投薬を行うことが出来ない。ある程度、これは、パウダーが微粉間の疎水性
または静電的な相互作用のために凝集する傾向があるからである。このような凝
集は、凝集を抑制するためのより大きいキャリア粒子(すなわちラクトース)の
使用により部分的に克服することができる。しかしながら、これらのより大きい
粒子および結合された薬物は、しばしば標的細胞に着くことができず、不均等な
デリバリープロファイルを生ずる。更に、キャリア分子を含む粗製混合物は、あ
るとしても、取り込まれた生体分子のための保護を殆ど与えない。したがって、
上で記述される水性組成物と同様に、このような製剤は、時間とともに分解およ
び活性のロスを受け易い。
【0009】 より最近、コンベンショナルな先行技術パウダーおよび水性製剤に伴う限界を
克服するために、改善された処方方法が着手された。この点について、参照する
ことによりここに取り込む米国特許出願シリアル番号09/218,209号お
よび09/219,736号は、ミクロ微粒子状の形で生物活性剤を含む製剤を
生成するための方法およびプロセスを記述している。結果として得られるパウダ
ー(望ましくは、それは中空の、多孔性の形態を示す)は、乾燥粉体インヘイラ
ー(DPIs)等の吸入器具のために適当であり、または、非水性液体(すなわ
ちヒドロフルオロアルカンまたはフルオロカーボン)中に懸濁された際には、用
量計量型吸入器(MDIs)およびネブライザーのために適当である、更に、処
方プロセスの間に用いられる緩和な条件は生物的活性の保持をサポートして、そ
れらの製剤を、タンパクとペプチドと、並びにウィルス等のより複雑な高分子の
構造とともに使用するために特に適合性を有する(compatible)よう
にする。加えて、結果として得られる粉体は非常に低い残留含水量(それは、推
進剤(propellant)等の短鎖フルオロカーボンまたはフルオロケミカ
ル中、またはパーフルオロオクチルブロミド(PFOB)等のより長鎖フルオロ
ケミカル中の処方まによって更に維持することができる)を有するため、これら
の処方が不安定な生物活性剤の貯蔵のために安定した手段を与える。
【0010】 強化された安定性の他に、ミクロ微粒子の好ましい中空の、多孔性の形態は、
特に吸入療法と適合性を有する空気力学的な特性を与える。更に、粒状の特性は
、例外的に安定したディスパージョンの形成を与え、HFA−134a等のヒド
ロフルオロアルカン推進剤並びにPFOB等の他であるだけでなくフルオロカー
ボン液体ビヒクルと、それらとを特に適合性を有するようにする。従って、乾燥
の形態でまたは非水性ディスパージョンのいずれで用いられても、ミクロ微粒子
は、良好な用量再現性、および優れたプルーム特性(推進剤または乾燥粉体スプ
レーの一つの尺度)、および呼吸できる分率としてデリバリーされる用量(器具
または喉での沈着に対する)高いパーセンテージの一様性の基準)を与える。こ
れらの性質は、開示された微小粒子がの肺中の深くまで、実質的な理論的利点を
与えることを示唆する。体循環へのデリバリーが望まれる場合に、タンパク質お
よびペプチド等の大きい巨大分子の取り込みが肺胞の(alveoli)レベル
で最適であるため、このような深い沈着は好ましい。
【0011】 このようなミクロ微粒子処方の使用はコンベンショナルな先行技術デリバリー
方法に対する実質的な改良であるが、強化された生理応答を生じる生物活性剤、
免疫調節剤、または免疫活性剤の標的型デリバリーを与えるニーズはまだ残る。
【0012】 従って、本発明の目的は、強化された免疫応答の生成を与える組成物、システ
ムおよび方法を提供することにある。
【0013】 他の目的は、ワクチンおよび免疫調節剤を含む免疫活性剤を、それを必要とす
る際の患者の粘膜の表面への効果的なデリバリーを提供することにある。
【0014】 本発明の更に他の目的は、活性を維持するために冷蔵または凍結を必要としな
いワクチンおよび他の生物活性な処方を提供することにある。
【0015】 本発明の更に他の目的は、吸入療法を介する受動的および能動的な免疫の確立
を提供することにある。
【0016】 本発明の更に他の目的は、免疫を授けるか、またはそれを必要とする際の患者
の免疫システムを下方に調節するために用いることができる免疫活性剤の安定製
剤を提供することにある。発明の概要
【0017】 処方これらおよび他の目的は、ここで開示される請求される本発明により与え
られる。そのために、本発明の方法および関連する組成物は、広い面では、粉体
または微粒子形で選ばれた標的サイトへの活性剤の改善されたデリバリーを与え
る。より詳しくは、開示された方法および組成物は、投与の後に、取り込まれた
生物活性剤(好ましくは免疫活性剤を含む)の活性を強化するか、増大させため
に用いることができることが驚くべきことに見出された。この点について、本発
明のワクチンは、相当する先行技術ワクチン処方によって誘導されるより一桁(
order)または、それより大きい強度の強化された免疫応答を誘導させるこ
とができる「アジュバント効果」を示すように見える。この有効性における予想
外の改良に加えて、比較的に穏やかな処方技術は、任意の取り込まれた剤の活性
を保護し、強化する組成物および微粒子形態と組み合わせることができる。これ
は、でもの活性を保護して、強化する組成物は、冷蔵または凍結の必要なしで、
それらの生物的活性を保持する比較的有効な製剤の形成を与える。薬物デリバリ
ーのための先行技術の粉体またはディスパージョンとは異なり、本発明は好まし
くは粒子の間の引力を低減する新しい技術を用いて、改善された流動性および分
散性を生じる。これらの粉体が非水システム懸濁媒体(例えば液体のフルオロケ
ミカル)に取り込まれた際には、これらの同じ特性は、更に剤分解の割合を低減
することができる低減されたフロキュレーション(flocculation)
、沈降またはクリーミングを与える。最後に、粘膜の表面等の選ばれた標的サイ
トへの開示された微粒子またはディスパージョンの投与は、更に生物活性を最適
化するか、強化するために役立つことができる。従って、本発明のディスパージ
ョンまたは粉体は、用量計量型吸入器、乾燥粉体吸入器、アトマイザー、エーロ
ゾライザー、鼻ポンプ、スプレーボトル、ネブライザーまたは液体の用量点滴注
入(LDI)技術とともに、生物活性剤を効果的にデリバリーするために用いる
ことができる。
【0018】 特に有益な開示された粒状の処方技術の特徴は、広範囲の生物活性な構造が、
それらの疎水性または親水性とは無関係に、安定化ディスパージョンまたは粉体
中に取り込むことができるということである。好ましい態様において、生物活性
な粉体は比較的緩和なスプレードライ法を用いて製造される。このような適合性
を有する粒状処方技術のため、ペプチド、タンパク質または遺伝物質(gene
tic material)等のより大きい、より不安定な生体分子は、悪影響
または活性の過度のロスなしに、開示された組成物に容易に取り込むことができ
る。これらの同じ処方技術および得られる微粒子は、更に、従来の投与技術およ
びシステムを用いて、比較的高い服用量(約10mg)の生物活性剤の取り込み
およびデリバリーを与える。従って、乾燥粉体または安定化ディスパージョンの
いずれで投与されても、開示された製剤によって与えられる新しい粒子製作技術
および強化された応答は、粘膜等の標的サイトへの生物活性剤の効果的デリバリ
ーをもたらす。
【0019】 本発明に関して、用語「生物活性剤」は、ホルモン、サイトカインまたはケモ
カイン、または免疫活性剤等の任意の活性なペプチドおよびタンパク質を言う。
すなわち、開示された組成物および方法はほぼ任意の生物活性剤と適合性を有す
るが、例えば外部抗原または病原体への免疫応答を誘導するか、または能動的な
免疫応答を下方調整する等の免疫応答を調整するために設計された免疫活性剤の
デリバリーまたは投与のために、それらが驚くべきことに効果的であることが見
出された。したがって、ここで用いるように、用語「免疫活性剤」または「免疫
学的活性剤」は、生理学的または免疫性の応答を誘導するために使用できるか、
または被験体における既存の応答を調整することができる任意の分子を含む。こ
のような免疫活性剤または生物学的製剤は、ペプチド、ポリペプチド、タンパク
質、炭水化物、DNA、RNAおよびアンチセンス構造物(construct
)を含む遺伝物質、並びにウィルス、ファージおよびバクテリアを含む微生物を
含むことができる。
【0020】 加えて、補因子、増強物質または透過増強剤として機能することができる分子
は、ここで記述される微粒子で容易に共同で処方することできる。当業者は、取
り込み、現出または生体利用性を改善するために作用する任意の化合物でも、こ
こでの教示に従って増強物質または透過増強剤として機能することができると認
めるであろう。例えば、細胞の膜透過性を変えることができるか、増大させこと
ができる化合物は、増強物質または透過増強剤として機能することができる。例
示的な増強物質または透過増強剤は、キレート化剤(例えばEDTA、クエン酸
)、洗浄剤または界面活性剤(例えば9−ラウリルエーテル)、脂肪酸(例えば
オレイン酸)、および胆汁酸塩(例えばナトリウムグリココレート)を含む。特
に好ましい透過増強剤は、約10未満の炭素の鎖長を有する比較的短い鎖のリン
脂質を含む。生物活性剤で、および更に詳細に下で議論されるように、選ばれた
増強物質または透過増強剤は、種々の濃度で、微粒子中、またはそれに関連した
取り込むことができる。
【0021】 本発明の微粒子、ミクロ微粒子状粒子、または有孔(perforated)
ミクロ構造に関して、当業者は、それらが所望の物理的な特性または形態を与え
ている任意の医用(biocompatible)材料で形成することができる
と認めるであろう。この点について、有孔ミクロ構造は、好ましくは、表面相互
作用を最小にし、剪断力を低減することにより引力を低減するように作用するポ
ア、ボイド、または他の間隙を含む。この形態は、凝集を低減して、分散性を改
善するように作用する。更に、これらの制約があるとすれば、ミクロ構造マトリ
ックスを形成するために任意の医用材料でもまたはコンフィグレーションが使用
できることが認められる。選ばれた材料については、ミクロ構造は、好ましい態
様において、透過増強剤の働きをする少なくとも1つの界面活性剤を取り込むこ
とは好ましい。好ましくは、この界面活性剤は、製薬使用のために承認されたリ
ン脂質または他の界面活性剤または両親媒性物質を含む。同様に、ミクロ構造が
少なくとも1つの生物活性剤または生物学的製剤を取り込むことが好ましい。コ
ンフィグレーションに関して、本発明の選ばれた態様は、他のボイド含有構造ま
たは有孔構造も考えられるが、大きい内部ボイドを画する比較的薄い多孔性壁を
有する、スプレードライされた中空ミクロスフェアを含む。
【0022】 中空および/又は多孔性の有孔ミクロ構造の使用が、先行技術の粉体製剤およ
びディスパージョンを支配するファンデルワールス力等の、引力的な分子間力を
実質的に低減できることが、予期せずに見出された。この点について、粉体状組
成物は、吸入療法のために所望の特性を与えつつ、製剤の流動性に寄与する、典
型的には比較的低いバルク密度を有する。より詳しくは、比較的低い密度の有孔
(または多孔質)ミクロ構造またはミクロ微粒子の使用は、粒子間の引力を顕著
に低減して、それにより、結果として生じる粉体の流動性を達成するために必要
な剪断力を低下させる。有孔ミクロ構造の比較的に低い密度は、吸入療法で用い
られた際に、優れた空気力学性能を与える。ディスパージョンにおいて、これら
の粉体の物理的特性は、安定製剤の形成を与える。更に、ここでの教示に従って
ディスパージョン成分を選ぶことによって、粒子間引力は更に低減され、強化さ
れた安定性を有する処方または製剤を与えることができる。
【0023】 本発明の好ましい態様が有孔ミクロ構造または多孔質微粒子を含むが、ここで
の教示と適合性を有する粉体またはディスパージョンを製造するために、比較的
に非多孔性または固体微粒子も用いることができる。すなわち、比較的無孔また
は固体の微粒子のディスパージョンを含む粉体も、本発明の範囲内であると考え
られる。この点について、このような比較的無孔の微粒子は、微粉化した粒子、
ミルド粒子またはナノクリスタルを含むことができる。したがって、ここで用い
たように用語「微粒子」広く解釈され、有孔ミクロ構造と比較的無孔の粒子の両
方を含む、任意のポロシティおよび密度の粒子を含むように維持される。
【0024】 以前に言及したように、開示された粉体は、適当な非水性懸濁媒体中に分散さ
れて、選ばれた生物活性剤を含む安定化ディスパージョンを与えることができる
。このようなディスパージョンは、特に用量計量型吸入器、アトマイザー、鼻ポ
ンプ、スプレーボトル、およびネブライザーにおいて有用である。本発明の他の
態様は、直接の点滴注入技術を用いて肺または鼻腔に直接投与することができる
安定化ディスパージョンを含む。いずれの場合にも、特に好ましい懸濁媒体は、
室温で液体であるフルオロケミカル(すなわち、パーフルオロカーボンまたはフ
ルオロカーボン)、またはフッ素化推進剤(すなわちヒドロフルオロアルカンま
たはクロロフルオロカーボン)を含む。それらの有益な湿潤特性のため、若干の
フルオロケミカルは肺または他の粘膜の表面により深く粒子のディスパージョン
を与えることができる、それにより浸透移行性デリバリーを改善できる。更に、
このような懸濁媒体は、無水である傾向があり、それにより取り込まれた生物活
性剤の加水分解的な分解を遅らせる。最後に。フルオロケミカルは、一般に静菌
的であり、したがって適合性を有する製剤における微生物の成長と付随するタン
パク質分解崩壊の可能性を減少させる。
【0025】 開示された粉体または安定化ディスパージョンのデリバリーに関して、本発明
の他の面は、1以上の生物活性剤または生物学的製剤の患者への投与のための吸
入システムに向けられる。上述したように、本発明と適合性を有する例示的な吸
入器具は、アトマイザー、鼻ポンプ、ネブライザー、スプレーボトル、乾燥粉体
吸入器、用量計量型吸入器またはネブライザーを含む。好ましい態様において、
これらの吸入システムは、エアロゾルとして生物活性剤を所望の生理学的なサイ
ト(例えば粘膜の表面)にデリバリーする。本出願の目的のために、用語「エア
ロゾル化された」は、文脈上の拘束によって別に規定されない限り、微細な固体
または液体の粒子のガス状ディスパージョンを意味するように維持される。すな
わち。例えば、エアロゾルまたはエアロゾル化された薬は、例えば、乾燥粉体吸
入器、用量計量型吸入器、アトマイザー、スプレーボトルまたはネブライザーに
よって発生することができる。もちろん、以下により詳細に説明されるように、
本発明の組成物は、直接に(例えば従来の注射または針無しの注射によって)、
または液体の用量点滴注入等の技術を用いてデリバリーすることができる。特に
好ましい態様においては、本発明の組成物が粘膜の表面(例えば吸入を通して)
で接触され、粘膜および全身の免疫を誘導する。
【0026】 本発明の粉体または安定化ディスパージョンが粘膜の表面への生物活性剤の投
与に特に適当であるが、体の任意の位置への化合物の局所的または全身の投与の
ために用いることができることが認められる。したがって、好ましい態様におい
て、(これらに限定されないが)消化管、気道、局所的に、筋肉内に、非経口的
に、皮内に、経皮的に(transdermally)、腹膜内に、鼻内に、膣
内に、直腸内に、耳内に、バッカル的に、経口的に、または眼内に、含む多くの
異なる経路を用いて投与することができることが強調されるべきである。この点
で、当業者は、投与の選ばれた経路が主に生物活性剤の選択と所望の被験体の応
答によって決定されることを認めるであろう。
【0027】 他の目的、特徴および本発明の利点は、以下の詳細な説明およびその例示的な
好ましい態様をの考慮から、当業者には明らかであろう。好ましい態様の詳細な説明
【0028】 A.序説
【0029】 本発明は多くの異なる形で具体化することができるが、ここで開示しおよびそ
の実例となる特定の態様は、本発明の原理を例証する。本発明は説明された特定
の態様に限られないことを強調すべきである。
【0030】 上述したように、本発明は、生物活性剤のデリバリーのために有利に使用でき
る粉体またはミクロ微粒子を含む組成物、方法、およびシステムを提供する。好
ましくは、生物活性剤は、活性ペプチドまたはタンパク質または免疫活性剤を含
むであろう。本発明の文脈において、免疫活性剤は、ワクチン、免疫グロブリン
または自己抗原等の、免疫応答を誘導するために、または既存の応答を調整する
ために使用可能な任意の分子をも含むことができる。当業者は、開示された粉体
が乾燥状態(例えばDPIまたはガス駆動の粉体インジェクターで)で、または
安定化ディスパージョンの形(例えば、アトマイザー、スプレーボトル、MDI
、LDI、針無しのインジェクター、シリンジ、鼻ポンプまたはネブライザー)
で生物活性剤をデリバリーするために有利に使用可能なことを認めるであろう。
特に好ましい態様において、粉体またはミクロ微粒子は、ここで開示されるよう
に、ボイド、ポア、欠損、中空、スペース、間隙スペース、アパーチュア、パー
フォレーション、またはホールを示し、画し、または含む構造上のマトリックス
を含む有孔ミクロ構造を含むであろう。これらの有孔ミクロ構造粉体は、それら
を吸入療法のために特に有用にする空気力学の特性を有し、および推進剤または
非水性デリバリービヒクルで安定化されたディスパージョンの形を与える形態を
示す。より一般的には、開示された生物活性な粉体の形成中に使用される比較的
緩和な条件、および適合性を有するデリバリー方法に伴う利点は、比較的に壊れ
やすい生物学的製剤の効率的な投与を与える。
【0031】 任意の特定の理論にもよって束縛されることを望まないが、開示された組成物
を形成し、貯蔵し、および投与するために用いられる比較的緩和な方法が、一般
に不安定な剤において生物的活性の効果的保持を与えると考えられる。この点に
ついて、好ましい処方は、それらの活性を維持するために冷蔵を必要としない。
更に、開示された粉体に用いられる適当な化合物の選択、および選ばれた生理学
的なサイト(例えば粘膜の表面)へのデリバリーは、取り込まれた剤または複数
の剤の取り込みを促進し、並びにその活性を強化することができる。加えて、本
発明の組成物および/又はデリバリー技術は、選ばれた剤の投与に続く強化され
た免疫応答または生物活性を与えることができる予想外の「アジュバントな効果
」を生ずるように思われる。より具体的には、例において議論されるように、本
発明は、完全フロイントアジュバントにおける抗原が有する投与によって達成さ
れるそれに匹敵する(すなわち、従来の薬剤処方の一桁またはより多くのマグニ
チュードで)免疫応答を誘導するために用いることができる。したがって、本発
明は、活性局所的または全身の免疫化を誘導するために、または受動免疫化、免
疫調節、ホルモンの制御または遺伝子療法を達成するために、活性ペプチド、タ
ンパク質、遺伝物質または病原性粒子(生存または不活化されたのいずれも)の
効果的デリバリーを与える。B.生物活性剤
【0032】 広い面において、このような粉体を取り込んだディスパージョンを含む本発明
の粉体またはミクロ微粒子の組成物は、好ましくは少なくとも一つの生物活性剤
を含む。ここで用いられるように用語「生物活性剤」は、任意の活性ペプチド、
またはタンパク質または任意の免疫活性剤をも含むように維持される。後者に関
して、本発明の特に好ましい態様は、免疫応答を調整することができるように設
計された免疫活性剤を含むであろう。ここでの教示に従って、被験体免疫応答の
調節は、潜在的な病原性感染または異物抗原に対する応答を誘導すること、また
は既存の免疫応答を刺激すること、局所的または全身性の受動的免疫を誘導する
こと、または自己免疫の応答またはアレルギー応答を抑制することを含む。本出
願の目的のために用語「生物活性剤」または「免疫活性剤」は、被験体で所望の
生理学的または免疫性の応答を与える、任意の分子または生物体、またはそれら
の類似体、同族体または誘導体を含むように広く解釈される。用語「生物活性剤
」は、文脈上の拘束によって別に規定されない限り、「免疫活性剤」およびその
同等物をも含むように維持される。本発明とともに使用できる例示的な生物活性
剤は、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、融合またはキメラ(chimer
ic)タンパク質、免疫グロブリン、DNA、RNAに、組換えおよびアンチセ
ンスの構造物を含む遺伝物質、ウィルス、ファージ、バクテリア性炭水化物およ
びバクテリアを含む微生物、並びに増強物質(potentiators)、コ
ファクターまたは透過増強剤として機能することができるより小さい分子を含む
。本発明に従う生物活性な組成物は、ワクチン、免疫調節剤、遺伝子療法応用の
ためにレプリコンまたはエフェクターとしての用途がある。
【0033】 本発明の粉体またはミクロ粒子組成物は、1以上の生物活性剤(または複数の
剤)のみ(すなわち、100%質量/質量(重量/重量)まで)を含んでいても
よいと認められるであろう。しかしながら、選ばれた態様において、有孔ミクロ
構造は、その活性に依存して、遥かに少ない生物活性剤を含むことができる。従
って、高度に活性の材料に対しては、ミクロ微粒子または有孔ミクロ構造は、(
約0.1質量%(重量%)(w/w)を超える濃度が好ましいが)0.001質
量%(重量%)ほどに少量をも取り込むことができる。本発明の他の態様は、約
5質量%(重量%)、10質量%(重量%)、15質量%(重量%)、20質量
%(重量%)、25質量%(重量%)、30質量%(重量%)または40質量%
(重量%)(w/w)さえ超える任意の生物活性剤または生物学的製剤を含むこ
とができる。更により好ましくは、開示された粉体は、約50質量%(重量%)
、60質量%(重量%)、70質量%(重量%)、75質量%(重量%)、80
質量%(重量%)または90質量%(重量%)さえ超える生物活性剤を含むこと
ができる。本発明の粉体または有孔ミクロ構造に取り込まれる生物活性剤の正確
な量は、剤の選択、必要な用量、投与の方法および実際に用いられる剤の形に依
存する。当業者は、このような決定が、本発明の教示と組み合わせた周知の薬理
学的技術を用いることによってできることを認めるであろう。
【0034】 薬学製剤に関して、免疫応答を含む、生理応答を誘導する目的で、開示された
粉体または有孔ミクロ構造で処方することができる任意の生物活性剤も、明白に
、本発明の範囲内と考えられる。ここでの教示に従って、選ばれた1または複数
の生物活性剤は、所望の効力を与え、且つ選ばれた製造技術と適合性を有する任
意の形の粉体または有孔ミクロ構造と結びつけられ(associated)、
またはそれらの中に取り込むことができる。ここで用いるように、用語「結びつ
けられた」または「結びつけ」は、粒子、ミクロ微粒子、構造上のマトリックス
、または有孔ミクロ構造が、生物活性剤を含み、取り込み、吸着し、吸収し、生
物活性剤でコートされ、または生物活性剤により形成されることを意味する。適
当な場合には、剤は塩(例えば、アルカリ金属、またはアミン塩、または酸付加
塩)またはエステルとしてまたは溶媒和化合物(水和物)として使用できる。こ
の点について、生物活性剤の形は、その化合物の活性および/又は安定性を最適
化し、懸濁媒体中の剤の溶解性を最小にし、および/又は凝集を最小にために選
ぶことができる。
【0035】 少なくともある程度までは、本発明で与えられる利点は、開示された粉体によ
って与えられるユニークな処方、貯蔵およびデリバリー面に存する。この点で、
および以下でより詳細に議論されるように、開示された粉体または有孔ミクロ構
造が形成できる条件は、比較的緩和である。すなわち、生物活性剤を含む微粒子
は、本発明に従って、活性な化合物または剤を極端な物理的または化学的条件に
晒すことのないように形成することができる。これは、簡単に分解され、または
不活化される可能性がある、タンパク質、遺伝物質または弱毒化ウィルス等の比
較的大きい巨大分子または剤に関して、極めて重要である。更に、本発明の選ば
れた態様は、非水性懸濁媒体を含む比較的安定なディスパージョンを形成するこ
とによって、更に、取り込まれた剤の生物的活性を維持するために役立つ。懸濁
媒体(好ましくは、液体のフルオロケミカルまたはフルオロケミカル推進剤)中
の活性粉体のディスパージョンは、静菌的および無水の両方の傾向があり、それ
により取り込まれた剤の加水分解またはタンパク質分解性崩壊を抑制する。この
ような組成物が、長い貯蔵期間にわたって活性の比較的に高いレベルを維持する
ことが判明したと認められる。最後に、開示された粉体の組成物およびそのデリ
バリー技術が、結合された生物活性剤の活性を強化し、または高めることができ
ることは、驚くべきことに見出された。一緒にして、本発明のこれらの利点は、
選ばれた生理学的なサイトに対する活性剤の高度なデリバリーと効力を与える。
【0036】 上記で示されるように、本発明の組成物、方法およびシステムは、ペプチド、
ポリペプチド、バクテリア性炭水化物、ウィルスおよび遺伝物質等の生物活性剤
のデリバリーのために有用である。この点で、開示された本発明は、能動免疫化
のためのワクチン(例えば粘膜および全身のワクチン接種)、受動免疫化のため
の免疫グロブリン、自己免疫疾患の治療のための免疫調節薬、活性ペプチドまた
はタンパク質、および遺伝子療法またはワクチン接種のためのエフェクターおよ
び発現ベクターの投与のために有用である。以下で更に詳細に説明されるように
、選ばれた剤を含む粉体は種々の異なる手段によって形成することができる。好
ましくは、粉体またはミクロ微粒子は、有孔ミクロ構造の形であって、取り込ま
れた生物活性剤の安定性および/又は効力を強化するために追加的な成分を含む
であろう。所望により、粉体は安定化ディスパージョンを与えるために懸濁媒体
で処方することができる。
【0037】 生物活性剤の特に好ましいクラスは、直ちに下で更に詳細に議論される。B(i).抗原およびワクチン(能動免疫化のため)
【0038】 ここでの教示に従って、特に好ましい生物活性剤は、ワクチンを含むことがで
きる。本明細書と添付の例を通じて議論されるように、適合性を有するワクチン
は、不活化または死滅し微生物(例えば、ウィルス)、弱毒化した生存微生物、
ファージ、タンパク質、ペプチドまたは炭水化物(例えばバクテリア性炭水化物
)等のサブユニットワクチン、融合タンパク質またはキメラ抗体等のレプリコン
、ウィルス性ベクター、およびプラスミドおよび組換え分子を含む遺伝物質を含
むことができる。どのタイプの剤または生物学的製剤が選ばれるかに関係なく、
結果として生じる粉体状組成物は、1以上の標的抗原に対して被験体を免疫する
ために使用可能である。更に、開示された本発明に伴うアジュバント効果または
強化された免疫は、特に効果的な免疫化を与える。
【0039】 ここで定義されるように、「標的抗原」は、抗原、典型的には、それに対して
免疫応答を誘導することが好ましいタンパク質またはペプチドの部分を言う。こ
のような抗原は、ウィルス、バクテリア、原生動物、菌類、イーストまたは寄生
性の抗原等の病原体中に含まれる可能性があり、または細胞(例えば癌細胞)中
に含まれる可能性がある。腫瘍抗原およびウィルス性抗原は、特に好ましい標的
抗原である。遺伝のワクチンの場合、1以上の標的抗原は、投与された遺伝物質
で、自己由来の(autologous)細胞の移入または形質転換に続くホス
トによって発現されるであろう。逆に、キメラまたは融解タンパク質または死滅
したまたは弱毒化した微生物を含むそれらを含む、タンパク質またはペプチドベ
ースのワクチンにおいては、標的抗原または複数の抗原が直接に免疫システムに
与えられる。いずれにせよ、本発明の粉体またはディスパージョンを用いる標的
抗原の現出は、所望の免疫応答を誘導させるであろう。興味あることに、生存ウ
ィルス、または生存および死滅したウィルスの組み合わせが、ここでの教示に従
ってワクチンとして使われたとき、被験体により特に激しい免疫応答が生じるこ
とが判明した。
【0040】 当業者は、一般に、効果的な抗ウィルス性の免疫応答が、典型的にはTh1/
CTL細胞応答とB細胞により媒介された体液性免疫とを含む両方の細胞により
媒介された応答を含むことを認めるであろう。一般に精製されたタンパク質また
は死滅した微生物は、CIL応答のないB、Th2を誘導し、サブユニットまた
は死菌ワクチンを含むある処方、並びに生ワクチンは、CTL応答を伴うB、T
h1を誘導することができる。好ましくは、本発明のワクチン組成物は、投与に
より、B、Th1およびCTL応答を含む広範囲の免疫応答を誘導するであろう
。しかしながら、ワクチン接種の間の生存ウィルス感染は、容認できない副作用
をもたらす可能性がある。したがって、成功したワクチン接種ストラテジーでの
目標は、過度の副作用を負うことなく免疫の細胞および液性の両方のブランチを
保証することである。以下に述べるように、本発明の組成物は投与により、両方
のタイプの応答を誘導するために使用できる。
【0041】 この点で、適合性を有するワクチンは、標的抗原に対してB細胞応答、T細胞
応答、またはそれらの組み合わせを生ずる任意の分子、生物体または化合物を含
むことができる。それ自体で、実際にホスト免疫システムに現出された剤は、(
直接に、または宿主細胞の形質転換の後のいずれでも)天然に存在する標的抗原
の類似体、同族体または誘導体、または標的抗原を含む分子であることができる
。更に、免疫化は、本質的に、現出される標的抗原のタイプおよびデリバリーの
形に従って、局所または全身性であり得る。例えば、特に好ましい態様において
、免疫原の応答は、本質的に主に粘膜性(例えば、粘膜関連のリンパ組織[MA
LT]リンパシステムで)であろう。以前に議論したように、異物抗原が局所的
樹状細胞によって現出されるとき、T細胞およびB細胞の局所的増幅と成熟があ
り、それは、典型的には抗原の全身性デリバリーによって誘導されるIgG抗体
に加えて、IgAおよびIgM抗体を産生する。特に鼻のパスと副鼻洞において
、このような局所的な免疫化は、特にインフルエンザウィルスとRS(resp
iratory syncytial)ウィルス等の空気伝染性病原体による感
染の防止に効果的であることが判明した。
【0042】 より一般的には、本発明のワクチン組成物は、多くの病原体から1以上の標的
抗原を含むことができる。例えば、(これに制限されずに)標的抗原は、インフ
ルエンザウィルス、tサイトメガロウィルス、ヘルペスウィルス(HSV−1と
HSV−IIを含む)、種痘疹ウィルス、肝炎ウィルス(これらに限定されない
が、A、B、CまたはD型肝炎を含む、水痘ウィルス、ロタウィルス、乳頭腫ウ
ィルス属、麻疹ウィルス、エプスタイン・バーウィルス、コクサッキーウィルス
、ポリオウィルス、エンテロウィルス、アデノウィルス、レトロウィルス(これ
らに限定されないが、HIV−1またはH1V2を含む)、RSウィルス、風疹
ウィルス、ストレプトコッカス菌(ストレプトコッカス・ニューモニアエ等)、
スタフィロコッカス菌(スタフィロコッカスアウレウス等)、ヘモフィルス菌(
例えばヘモフィルス・unfluenzae、リステリア菌(例えばリステリア
・モノサイトゲネス)、クレプシュラ菌、グラム陰性バシラス菌、エシェリヒア
菌(大腸菌等)、サルモネラ菌(サルモネラtyphimurium等)、ビブ
リオ菌(コレラ菌等)、エルシニア菌(エルシニアpestisまたはエルシニ
アenterocoliticus)、エンテロコッカス菌、ナイセリア菌、(
ナイセリアmeningitidis等)、コルネバクテリウム(コルネバクテ
リウムdiptheriae等)、クロストリジウム菌(クロストリジウムte
tani等)、マイコ血漿(マイコ血漿tuberculosis等)、カンジ
ダイースト、アスペルギルス菌、Mucor菌類、トキソ血漿、アメーバ、マラ
リア原虫、トリパノゾーマ寄生虫、リーシュマニア寄生虫、蠕虫、その他の中に
含まれる可能性がある。このような標的抗原の特定の非制限的な例は、赤血球凝
集素、核タンパク質、Mタンパク質、Fタンパク質、HBSタンパク質、HIV
のgp120、HIVのnefタンパク質、およびリステリオリジンを含む。
【0043】 どのタイプの抗原が標的抗原として選ばれるかに無関係に、それは少なくとも
1つの関連するエピトープを含む。ここで用いるように、用語「関連するエピト
ープ」は、免疫システムにアクセスできる標的抗原中に含まれるエピトープを言
う。例えば、関連するエピトープは、細胞への微生物の透過の後、処理すること
ができ、または微生物または微生物タンパク質の表面で、抗体によって認識する
ことができる。好ましくは、エピトープに向かう免疫応答は、有益な効果を授け
る;例えば、標的抗原がウィルスタンパク質である場合に、標的抗原の関連する
エピトープに向かう免疫応答は、少なくとも部分的にウィルスの感染性または病
原性を中和する。当業者は、関連するエピトープがB細胞またはT細胞エピトー
プであってもよいと認識するであろう。
【0044】 ここで用いられるように、用語「B細胞エピトープ」は、B細胞によって抗体
製造を誘導することができる、より大きいタンパク質内に含まれるペプチド配列
を含むペプチドを言う。
【0045】 例えば(これらに制限されることなく)、ヒト免疫免疫不全ウィルス(「HI
V」)タイプ1のエンベロープタンパク質の高頻度可変領域3のループ(「V3
ループ」)がB細胞エピトープであることが知られている。本発明に従って使用
できるB細胞エピトープの他の例は、(これらに制限されないが)免疫ドミナン
トB細胞エピトープであることが示された(Liら、(1992)J.Viol
.、66:399〜404)インフルエンザHA 1の赤血球凝集素のサイトB
等の、インフルエンザウィルス株に関連するエピトープ;麻疹ウィルス性Fタン
パク質のエピトープ(残基404〜414、Parlidosら、1992、E
ur.J.Immunol.22:2675〜2680);残基132〜145
からの肝炎ウィルスのpre−S1領域のエピトープ(Lclerc、1991
、J.Immunol.147:3545〜3552);および足口病(foo
t and mouth disease)VP1タンパク質のエピトープ(残
基141〜180、クラークら、1987、Nature、330381〜38
41)等の公知のB細胞エピトープを含む。使用可能な更なるB細胞エピトープ
は、公知であるか、またはcatonら、1982、Cell、31:417〜
427で記述されたように、当該技術で公知の方法によって、確認することがで
きる。
【0046】 本発明の追加的な態様において、ペプチドはT細胞エピトープを含むことがで
きる。ここで用いるように、用語「T細胞エピトープ」は、MHC自己抗原と関
連して、T細胞によって認識されるとき、機能的にT細胞を活性化する、より大
きいタンパク質内のペプチド配列を含むペプチドを言う。この点について、本発
明は、MHCクラスII自己抗原の文脈において、ヘルパーT細胞と認識するこ
とができ、それにより、Th細胞を通じてB細胞抗体産生の容易化を促進するT
hエピトープを与える。
【0047】 例えば、これらに制限されずに、PR8株のインフルエンザA赤血球凝集素(
HA)タンパク質は、アミノ酸残基110〜120でThエピトープを有する。
他の公知のT細胞エピトープの例は、(これらに制限されないが)破傷風トキソ
イドの2つの無差別のエピトープ(Hoら、1990、Eur.J.Immun
ol.20:477〜483);チトクロームcのエピトープ(残基88〜10
3);ミコバクテリアの熱ショックタンパク質のエピトープ(残基350〜36
9、Vordermirら、Eur.J.Immunol.24:2061〜2
067);雌鶏卵白リゾチームのエピトープ、(残基48〜61、Neilso
netら、1992、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.、
89:7380〜7383);ストレプトコッカスA Mタンパク質エピトープ
(残基308〜319、Rossiterら、1994、Eur.J.Immu
nol.24:1244〜1247);およびスタフィロコッカスヌクレアーゼ
タンパク質のエピトープ(残基81〜100、de Magistris、19
92、Dell、68:1〜20)を含む。本発明とともに用いることができる
更なるThエピトープは、公知であるか、または当該技術において公知である方
法によって容易に確認することができる。
【0048】 更なる例として、関連するエピトープがCTLエピトープであることができ、
それはMHCクラスI自己抗原の文脈、細胞毒T細胞によって認識されることが
でき、それにより標的抗原を含む細胞のCTLにより媒介された溶解を促進する
ことができる。このようなエピトープの非制限的な例は、それぞれアミノ酸残基
147〜161および365〜379に対応するインフルエンザウィルス核タン
パク質を含む(テイラーら、1989、Immunogenetics、26:
267);タウンゼンドら、1983、Nature、348:674);LS
MVペプチド(アミノ酸残基33〜41;Zinkernagelら、1974
、Nature、248:701〜702);およびアミノ酸残基257〜26
4に対応する卵アルブミンペプチド(Cerboneら、1983、J.Exp
.Med.、163:603〜612)を含む。
【0049】 遺伝のワクチンに関して、1以上の標的抗原は、投与された遺伝物質で自己由
来の細胞で移入または形質転換の後のホストによって発現される。発現された1
つ以上の抗原は、次いで被験体で所望の免疫応答を誘導する。当業者は、その遺
伝物質が裸の分子(例えばDNAまたはRNA)の形で、またはウィルスの形で
粉体と結合できることを認識するであろう。いずれにせよ、本発明と適合性を有
する核酸は、好ましくは1以上の関連するエピトープをコード化して、所望によ
り、関連するエピトープの発現および/又は安定性および/又は免疫原性を調節
するエレメントを更に含むことができる。
【0050】 例えば、遺伝の構造物内でコード化されたエピトープの発現を調節するエレメ
ントは、(これらに制限されないが)プロモータ/エンハンサ・エレメント、転
写開始サイト、ポリアデニル化サイト、転写終止サイト、リボソーム結合部位、
翻訳スタートコドン、翻訳終止コドン、シグナルペプチド、その他を含む。具体
的な例は、(これらに制限されないが)サイトメガロウィルスの初期の初期遺伝
子のプロモータおよびイントロンA配列(CMVまたはSV40ウィルス(「S
V40」);モンゴメリーら、1993、DNA and Cell Biol
ogy、12:777〜783)を含む。または1を越えるエピトープは、同じ
オープン読み枠内に発現することができる。本発明に従って使用できる遺伝のワ
クチンの例は、およびそれらの製造のための方法は、それらの内用を参照するこ
とによりここに取り込む、メルク社(Merck & Co.)およびVica
l社による国際出願公開第WO94/21797号、Mt.Sinaiによる国
際出願公開第WO97/21687号、米国特許第5,589,466号および
5,580,859号中に、およびVical社による国際出願公開第WO90
/11092号に記述されている。
【0051】 関連するエピトープの強化された安定性および/又は免疫原性を与えるために
、より大きいペプチドまたはタンパク質の文脈において、エピトープを与えるこ
とは好ましいであろう。例えば、関連するエピトープは、キメラ抗体の可変部中
に、または融合タンパク質の部分として発現することができる。他の好ましい態
様においては、1以上の関連するエピトープを含む全長タンパク質(例えばウィ
ルス性コートタンパク質)を投与することは、有利であろう。代わりに、免疫原
性ペプチドまたはタンパク質の組み合わせまたはカクテルを含む粉体または有孔
ミクロ構造を投与することは、好ましいであろう。この点について、関連するエ
ピトープが同じまたは異なる病原体に由来することができると認識される。後者
に関して、日和見性の病原体は、一次的な疾患原因剤とともに目標とすることが
できる。広い標的範囲に加えて、開示された組成物は、種々のエピトープ組み合
わせを含むことができる。例えば、本発明の組成物は、B細胞エピトープの混合
物、T細胞エピトープの混合物、またはBおよびT細胞の組み合わせを含む核酸
またはペプチドまたはタンパク質含むことができる。
【0052】 より具体的には、1を越える関連するエピトープを含むか、または発現する組
成物の投与は、予想外の相乗効果を示すことができる。このような組み合わせワ
クチンは、単一の関連するエピトープをコード化している単一の核酸種を含む組
成物に比べて、選ばれた1以上の病原体に関して、所望の免疫を授けることで遙
かにより効率的なことが証明できると認識される。当業者は、このような相乗作
用が、単一エピトープのワクチンと比べて、より少ない用量とより頻度の少ない
投与で発生されるべき効果的な免疫予防的または免疫治療的な応答を与えること
ができたと更に認識するであろう。更に、このような複数エピトープのワクチン
組成物の使用は、選ばれた病原体による標的抗原の種または迅速突然変異の範囲
内での天然表現型変化に対して、誘導されたマルチサイト免疫をより耐性とする
傾向があるため、より包括的な保護を与えることができる。もちろん、効果的な
免疫は、単一のBまたはT細胞をコード化しているワクチンによって付与するこ
ともでき、このような組成物も、明らかに本発明の範囲内であると考えられる。
【0053】 抗原それ自体に加えて、本発明は、処方された抗原の免疫原性を強化し、また
は改質するために、粒子のシェルそれ自体の賦形剤(excipient)成分
のマニピュレーションを許容する。例えば、抗原取り込みがマンノースレセプタ
ーにより促進される際に、樹状細胞による効率的な抗原捕獲が促進されることが
ことが示され、それゆえに、リソソームのコンパートメントに対するターゲッテ
ィングを改善する(Salustoら、J.Expt.Med.182:389
〜400、1995)。したがって、微粒子に対する、細胞上のレセプターに結
合するマンナンまたは他の多糖類の低いパーセントの取込みは、微粒子の免疫原
性を強化すると予測される。更に、以下により詳細に述べるように、APC応答
を促進するためのコファクターまたはサイトカインの使用は、必要に応じて、免
疫応答を強化し、または抑制することに役立つ。本発明は、局所的樹状細胞また
は他のAPOに向けた、粘膜または他のデリバリーの標的サイトの範囲内で(例
えば経皮的に)刺激局所的免疫応答を増大させことができるコファクターで、抗
原の共処方(co−formulation)を許容する。局所的環境内におけ
るAPC活性化を容易にして、且つ抗原取り込みおよび現出を強化することによ
って、本発明で与えられるこのような組み合わせ処方は、結果として得られる免
疫応答の増大された効率をもたらすことができた。
【0054】 より一般的には、被験体に免疫または予防接種をしたとき、本発明の方法およ
び組成物は、強化された免疫応答を与える。開示された微粒子によって与えられ
るこの「アジュバント効果」は、アジュバント(すなわちミョウバン(alum
)または完全フロイントアジュバント)とともに投与される抗原によって誘導さ
れるそれに匹敵する免疫応答を誘導するために使用できる。本発明と違って、当
業者は、このような従来のアジュバントが典型的には好ましくない副作用と関連
して、多くの場合で、ヒトのために、利用できないことを認識するであろう。逆
に、本発明は、潜在的に有毒なアジュバントの投与なしで、強化された免疫応答
(すなわち、抗体価のためのCTLレベル等の技術認識テクニックを用いて現出
される比較できる抗原によって発生するそれよりも、大きい免疫応答)を与える
ことができる。如何なる特定の理論にもよって束縛されることを欲っしないが、
観察された増進が、少なくとも部分的には、微粒子のコンフィグレーションまた
は形態、抗原放出プロフィル、および微粒子内で可能な抗原凝集の結果であると
思われる。いずれにせよ、その効果はより低いレベルの抗原および/又はより少
ない接種で、臨床上有用な免疫応答を生成させる。
【0055】 このアジュバント効果によって、組成物と本発明の方法によって与えられる免
疫応答は、先行技術接種技術と比較して強化される。特に、本発明の組成物によ
って誘導される免疫応答は、水性キャリアを可溶化され、または懸濁され同じ抗
原の静脈内または腹膜腔内投与によって起こる免疫応答よりも、一般に大きい。
もちろん誘導された免疫応答の大きさは、以下の例で述べられた適合性を有する
方法を含む、当該技術において周知公知である種々の技術の任意の一つを用いて
測定することができる。このような比較を用い、上述した先行技術方法を用いる
同じ抗原の投与によって起こるそれよりも、本発明の製剤は、好ましくは25%
、50%、75%、または100%大きいを免疫応答を誘導する。より好ましく
は、本発明は、水性キャリア中の抗原を用いて得られたベースライン応答よりも
、2倍、3倍、4倍または5倍大きい応答を誘導するであろう。より好ましい態
様において、開示された製剤および方法は、ベースライン応答より、6倍、7倍
、8倍、9倍または10倍大きい10免疫応答を誘導するであろう。更に、他の
態様は、ベースラインより20倍、30倍、40倍、50倍、または2桁も大き
い応答を産生することができる。当業者は、開示された微粒子のこれらの新しく
、従って今まで予想外の性質が、被験体における所望の免疫応答を生成すること
にそれらを極めて効果的にすると認識するであろう。
【0056】 前記のアジュバント効果の他のに、ここでの教示に従って強化された免疫応答
に、他のメカニズムも寄与がすることができる。例えば、生存および死滅したウ
ィルスの組み合わせが、死滅したウィルス単独でによって与えられるそれよりも
、遙かに強い応答を誘導することが、驚くべきことに判明した。より具体的には
、好ましい態様において、粒子製作中にある程度まで、死滅しまたは不活化した
する生存弱毒化ウィルスを用いて、粉体を製作することができる。以下の例に関
連して示されるように、生存および死滅したウィルスのこの混合物は、驚くほど
強いまたは強化された免疫応答を誘導するように思われる。更に、ここでの教示
に合わせて、選ばれたウィルスまたはウィルス混合物が、天然に存在する不活化
された、または弱毒化含むことができ、または1以上の異物抗原を発現するよに
設計することができる。本発明により提供される生存ウィルスを処方する代替方
法は、粒子マトリックス内に、ウィルス性レセプターを処方しし、続いて製作の
後(すなわちスプレードライの後)の粒子に選ばれたウィルスを結合することを
含む。現在良好に定義された多種多様な細胞のウィルス性レセプター、例えば、
レトロウィルスレセプター、CCR5、HIVのための細胞のレセプター、ポリ
オウィルスレセプターとして機能することができるプロラクチンレセプター、H
SV1と結合するIgGFc領域、およびインフルエンザウィルスと結合するレ
セプターがある。
【0057】 選ばれる抗原または抗原の形(ウィルス、ペプチド、遺伝物質、等)に関係な
く、当業者は、更に、被験体の効果的な免疫化が、1を越える接種より含むこと
ができると認識するであろう。ここで用いるように、用語「免疫化する」または
「免疫化」または関連する用語は、ここで、標的抗原またはエピトープに対して
、実質的な免疫応答(抗体またはエフェクターCTL等の細胞の免疫性からなる
)を開始する能力を授けることを言う。これらの用語は、完全な防御免疫がつく
られることを必要とせず、むしろ、ベースラインより実質的に大きい防御免疫応
答が産生されることを言う。例えば、哺乳類は、標的抗原への細胞のおよび/又
は液性の免疫応答が本発明の方法の応用に続いて強化されるならば、標的抗原に
対して免疫化されたと考えることができる。B細胞またはT細胞応答の両方の増
進を示すアッセイは周知であり、当業者によって簡単に実行することができた。
好ましくは、免疫化は、標的抗原を発現している病原体によって引き起こされま
たは誘発された(triggered)疾患への有意な耐性を生じる。
【0058】 ここで用いるように、用語「接種」は、本開示に従って、関連するエピトープ
を含む、または関連するエピトープを生成しまたは発現することができる少なく
とも1つのワクチンを含む組成物を投与する、または導入することを言う。効果
的な免疫応答を単一の接種によって誘導することができるが、被験体の効果的な
免疫化は、多数の接種または以降のブースターまたは複数ブースターを含むこと
ができる。従って、所望の免疫予防的な効能を達成するために、本発明の方法は
1回、2回、3回、4回または5回の接種さえ含むことができる。更に、上述し
たように、投与されたワクチンは、粘膜の表面接触するか、および/又はそれに
より吸収されることが好ましい。特に好ましい態様において、粘膜表面は、口ま
たは鼻のパスまたは空洞、肺の気道に関連する。当業者は、本発明のワクチン組
成物(すなわち、粉体またはディスパージョン)が、新生児(0〜6月)、乳児
(6月〜2年)、子供(2年〜13年)または大人(13年より大)にワクチン
接種をするために使用できると更に認識するであろう。
【0059】 B(ii).免疫グロブリン(受動免疫療法)
【0060】 本発明の方法および組成物は、局在性および全身性能動免疫を誘導するための
有効な手段を与えるが、それらはまた、局在性または全身性の受動免疫の誘導の
ためにも使用可能である。特に、開示された粉体および微粒子は、感染または疾
患に関して迅速予防法または療法を与えるために、免疫グロブリンまたはフラグ
メントまたはその部分を投与するためにも使用可能である。投与された免疫グロ
ブリン(それはモノクローナル性またはかポリクローナル性であり得る)は、標
的病原体上の少なくとも1つの抗原を認識する。好ましくは、認識された抗原ま
たは複数の抗原は、1以上の比較的保存されたエピトープを含む。本発明の目的
のために、投与された組成物は、中和、治療または予防の抗体またはそれらの組
み合わせを含むことができる。特に好ましい態様において、投与された組成物は
、モノクローナル抗体または免疫活性なフラグメントの1以上の種を含むであろ
う。
【0061】 投与に続いて、活性免疫グロブリンまたは複数の免疫グロブリンは、デリバリ
ーのサイトで機能するか、または体循環に取り込まれる。投与のサイトで保持さ
れる抗体は、治療されたサイト(すなわち粘膜の表面)で接触する任意の標的感
染症要因(例えば空気伝染性ウィルス)と迅速に結合することができ、以降の感
染を防ぐか、または微生物を取り除く。または、本発明の好ましい態様によって
与えられる循環する抗体の比較的高いレベルは、血流から標的病原体の迅速なリ
アランスを許容し、それにより感染に伴う徴候を防ぐか、または少なくとも改善
する。もちろん、被験体の寿命の間続くことができる能動免疫と異なり、受動的
な免疫化は比較的一過性であり、デリバリーされた免疫グロブリン用量が循環で
残る限り続くと認識され。
【0062】 上述したように、標的病原体上の抗原または複数の抗原を認識する、任意の免
疫グロブリンまたはそれらの免疫活性なフラグメントは、所望の免疫を被験体に
授けるために使用可能である。特定の病原体および/又は抗原および/又はエピ
トープに対して、モノクローナルおよびポリクローナル抗体を与える能力は、当
該技術において周知である。実際に投与される抗体の形に関して、天然のおよび
設計された抗体の両方ともここでの教示と両立でき、それらは、IgA、IgG
、IgE、IgGおよびIgMを含む異なるクラスの抗体であることが認識され
る。同様に、F(ab’)、FabまたはFvを含む任意の免疫活性なフラグ
メントでもまたは免疫グロブリンのドメインは、所望の防御を与えるために使用
できる。設計された抗体に関して、ヒト化された構造物(すなわちキメラ抗体)
は、特に好ましい。このような免疫グロブリンは、典型的にはネズミ抗体の抗原
結合相補性の決定領域(CDRs)を含むが、分子の残部は、異物と認識されな
いヒトの抗体配列を含む。例えば、参照することによりここに取り込むジョーン
ズら、Nature、321:522〜525、1986を参照。ヒトのポリク
ローナル性のIgGは典型的には被験体によって異物として認識されないため、
まれに投与され、体によって迅速に除去されないならば、これらの抗体は好まし
くない副作用をる産生する傾向を有しない。
【0063】 受動免疫は、容易に伝染される病原体、特に空気または水伝染性のものによる
感染のチャンスを防ぎ、または低減することに効果的である。従って、適当な免
疫グロブリンを含む本発明の粉体およびディスパージョンは、インフルエンザま
たはRSウィルス等の呼吸ウィルスおよび病原体に対して特に効果的である。例
えば、液体のフルオロカーボン媒体中の免疫グロブリンを担持する(laden
)有孔ミクロ構造を含む安定化ディスパージョンは、アトマイザーまたはスプレ
ーボトルを介して鼻道(nasal passage)に与えることができた。
必要に応じて簡単に投与することができた組成物は、コールドウィルス(オルト
ミクソウィルス、Paramyxoウィルス、Rhinoウィルス)等の標的病
原体に関して、局所的および全身の受動免疫を与える。同様に、容易に投与され
た組成物は、本発明に従って与えられて、コレラ菌等の水伝染性の因子に対して
保護を与えることができた。ここで開示された受動免疫は、(これらに制限され
ないが)狂犬病ウィルス、肝炎(A、B、C)ウィルス、HIVおよび破傷風菌
を含む種々の生物体に関する、少なくとも若干の保護を与えるために用いること
ができた。開示された組成物によって受動免疫を付与できる他の感染因子は、当
業者によって簡単に確認することができる。
【0064】 B(iii).腫瘍抗原
【0065】 他の態様において、標的抗原は、腫瘍抗原であることができる。当業者は、腫
瘍抗原がしばしば、それから腫瘍が誘導される組織のタイプに制限されるか、ま
たは悪性形質転換の過程で変異されるかのいずれかの細胞タンパク質から誘導さ
れるペプチドフラグメントであると認識するであろう。他の腫瘍抗原は、しばし
ば、腫瘍細胞によって、異常発現されるか、および/又は、転写の誤りから生じ
ている「新生」抗原、腫瘍細胞に特有な突然変異のためのRNAプロセシングで
ある。代わりに、正常なタンパク質の翻訳後の修飾(例えばグリコシル化)にお
ける変化は、免疫システムによって正常には認識されない(例えば、ムチンの場
合のMUC1)今まで隠された(陰性の)エピトープを現すのを助長することが
できる。腫瘍抗原に伴うB細胞エピトープは、腫瘍細胞の表面で発現されて、特
異的抗体によって認識される。これに対して、T細胞エピトープは2つのタイプ
:腫瘍関連抗原から誘導されるMHCクラスI−制限ペプチド類であるCTLエ
ピトープ、および腫瘍抗原から誘導されるMHCクラスII−制限されたペプチ
ド類であるThエピトープである。Thエピトープが、大部分は細胞(APC)
をCD4+T細胞に与える抗原によって現出されるが、CTエピトープは、AP
C並びに腫瘍細胞によって現出され、腫瘍−特異的なCD8+T細胞によって認
識される。例示的な腫瘍抗原は、(これらに制限されないが)癌胎児性抗原(「
CEA」)抗原)、メラノーマ関連抗原、アルファフェトタンパク質、乳頭腫ウ
ィルス属抗原、エプスタインバー抗原、MUC1、p53、その他を含む。他の
いくつかの腫瘍抗原は、報告されるところによると、それら個々の全体を参照す
ることによりここに取り込む、Boonら、J.Exp.Med.183:72
5〜729,1996;Disis.M.L.ら、Curr.Opin.Imm
unol.、8:637〜642(1996):ロビンス,P.F.ら.Cur
r.Opin.Immunol.、8:628〜636、1996;Salga
llerら、J.Surg.Oncol.、68122〜136(1998)に
記述されたように、自己由来の細胞毒Tリンパ球により認識される。
【0066】 B(iv) 免疫調節
【0067】 自己免疫疾患は、自己反応性(autoreactive)のTおよびB細胞
、並びに調節性またはエフェクター役割を発揮できる他の免疫性の細胞サブタイ
プによって媒介される。器官−特異的自己エピトープを認識するT細胞が、糖尿
タイプI、多発性硬化症(MS)またはリウマチ様関節炎(RA)等の自己免疫
疾患の病因での重要なエレメントであると思われる。体のある位置で現出される
抗原を認識するCD4+、および特定の場合には、CD8+T細胞は、組織を浸
潤させ、種々の細胞タイプの破壊および持続性の炎症の誘発する可能性がある。
IL−2、IFN、TNF−およびLT−を産生するCD4+Th1細胞は病原
であるとみなされるが、IL−4、IL−10、IL−5、IL−13およびI
L−9を産生するCD4+Th2細胞は、自己免疫と比較して非病原性とみなさ
れ、特定の状況において疾患を抑制することができる。更に、TGF−およびI
L−10を分泌するために、抗原への粘膜暴露によって誘導されるTh3細胞は
、粘膜誘導の耐性の重大メディエータであると思われる。
【0068】 自己免疫疾患を防ぐ、または抑制するためのストラテジーとして、自己反応性
のT細胞は、良好な治療標的を与える。自動免疫病のの原因となる病原性の自己
反応性のT細胞を不活性化(一般に、必ずしも「除去」に限定されない、「耐性
」の表示)するいくつかの手段は:(1)高レベルの抗原に長年の暴露を与える
ことによって、直接に病原性細胞を止めるか、または反応遅延(anegize
)させること;(2)非専門のAPCまたはある種の調整因子の文脈でそれらを
抗原にさらすことによって、病原性T細胞の機能を反応遅延、またはスイッチす
る:および(3)疾患のサイトに移行して、病原性T細胞の機能を抑制するTh
2/Th3表現型の抗原−特異的なTh抑制細胞を誘導することがある。
【0069】 驚くべきことに、耐性が本発明に従って、吸入療法の使用を通じて誘導できる
ことが見出された。免疫耐性誘導の標的場所としての気道の利点は、2倍である
:第1に、それは、複雑な抗原を局所的および全身にデリバリーする非侵襲的な
経路であり:且つ、第2におよび粘膜の免疫性は、投与された抗原に対するTh
2/Th3サプレッサを含む可能性がある。このような抗原は、全部の自己抗原
(組換え、または精製された)、抗原フラグメント(当該技術で周知である分子
生物学または生化学的なテクニックによって得れれる)またはエピトープに限ら
れるペプチドであることができる。他の態様において、それらは、ウィルス成分
、ファージ、キメラ抗体、融合タンパク質、レプリコン、バクテリアとして取り
込まれ、または核酸ベースで、またはウィルス性ベクターを介してデリバリーさ
れる。それらは、体細胞上でのレセプターのための免疫グロブリンまたは任意の
天然または合成のリガンド等の自己分子で取り込むことができる。それらは、単
離された、個々の成分としてまたは混合物で投与することができる。糖尿タイプ
Iのための例は、(これらのペプチドおよび抗原に制限されない):GAD65
(グルタミン酸のデカルボキシラーゼ65、Baekkeskovら、Natu
re、1990、347:151)、インシュリン(パーマーら、Scienc
e、1983、222:1337)、ICA5I/IA−2(膵島細胞抗原5
12;ラビンら、J.Immunol.、1994、152:3183)を含む
。MSの場合。このようなタンパク質およびペプチドは、MBP(ミエリン塩基
性タンパク質、Steinmanら、1995、Mol.Med.Today.
、1:79;ウォーレンら(1995)Proc.Natl.Acad.Sci
.USA、92:11061;PL.トランスアルドラーゼ.2’,3環状ヌ
クレオチド3’ホスホジエステラーゼ(CNP)、MOGおよびMAG(Ste
inman、L.、1995、Nature(375:739)である。自己免
疫疾患の他に、本発明の組成物および方法は、アレルギー抗原によって起こる免
疫応答を下方調節するためにも使用できると認識される。
【0070】 B(v).活性ペプチドおよびタンパク質 特定のペプチドおよびタンパク質は、異物または自己抗原に対する免疫応答を
調整し、上方調整し、または下方調整する能力を有することが知られている。こ
のようなペプチドまたはタンパク質は、ある種のプロセスの活性化または阻害を
もたらす内因性レセプターを働かせる(engaging)することによって、
または内因性エレメントのリガンド−リセプター結合を妨げることによって作用
できる。このようなタンパク質またはペプチドの例は、自己免疫の抑止をもたら
す免疫調節機能を発揮するサイトカイン:インターフェロン、天然の、または他
の分子に結合し、取り込まれ、または複雑なフラグメントの形でのIL−4、I
L−10、IL−13、IL−9である。他のサイトカインは、微生物または腫
瘍細胞に対して増大された免疫をもたらす免疫活性化剤の働きをすることができ
る:IL−12、IL−2、インターフェロン、インターフェロン、TNF−、
TNF、リンホトキシンおよびGM−MSF。例えば、GC−MSF、IFN−
a、IL−2、IL−12またはTNF−αの共投与は、免疫応答および抗原現
出を強化することが示された。しかしながら、多くの場合のこのような剤の全身
性デリバリーは容認できない副作用をもたらし、およびこれらの多能な因子の標
的型デリバリーに向けられた、協奏的エフォートをもたらした。本発明は、有利
に、局所的樹状細胞または他のAPC現出に向けられた粘膜または他のデリバリ
ー(例えば経皮的または皮内的)の目標サイト内での局所的免疫応答刺激を増大
させることができるコファクターとの、選ばれた抗原または複数の抗原の共処方
を許容する。局所的環境におけるAPC活性化を容易にし、抗原取り込みおよび
現出を強化することによって、本発明のこのような組み合わせ処方は、結果とし
て得られる免疫応答の増大された効率を与えることができた。
【0071】 本発明に従って使用可能な他の活性タンパク質またはペプチドは、天然の形で
、またはリンパ球の漸加(recruitment)を増大させ、調整し、また
は抑制することができる他の分子とのフラグメント、構造物または複合体として
のケモカインを含む。例えば、エオタキシン(eotaxin)−1、エオタキ
シン−2、TARC、MIP−3b、SLCはTh2細胞の漸加を媒介すると考
えられるが、MIG、IP−10、MIP−1、MIP−1とRANTESは、
Th1細胞の漸加を媒介すると考えられる(Sallustoら(1998)J
.Exp.Med.(187:875);Wardら(1998)、Immun
ity、9:1)。同様に、天然の形での、または他の分子とのフラグメント、
組み換え構造物、または複合体としての、サイトカイン、またはケモカインレセ
プターは、ある種のリンパ球の漸加または活性化を抑制することができる。進行
中のTh1応答を抑制する可能性があるサイトカインおよびケモカインレセプタ
ーの例は、IL−12レセプター、IFN−レセプター、IL−2レセプター、
TNF−レセプター、CXCR3またはCCR5を含む。進行中のTh2応答を
抑制する可能性があるサイトカインおよびケモカインレセプターの例は、IL−
4レセプター、IL−13レセプター、IL−9レセプター、IL−10レセプ
ター、CCR3、CCRまたはCCR7である。もちろん、極めて適合性を有
する化合物は、サイトカイン、ケモカインまたはそれらのレセプターに限られず
、インテグリン(integrins)およびホーミングレセプターのような他
のリガンドまたはレセプター(天然、他の分子とのフラグメント、構造物または
複合体の形で)を含むことができると認識される。好ましい態様において、これ
らの化合物のカテゴリーは、免疫応答を強化し、抑制しまたは調整するために、
気道を介して局所的にまたは全身的のいすれでも処方し、投与することができる
【0072】 本発明に従う有孔ミクロ構造は、所望により、2つ以上の活性成分の組み合わ
せを含むことができることが、更に認識される。それらの剤は、有孔ミクロ構造
の単一の種であるか、または別個に有孔ミクロ構造の分離した種の組み合わせで
与えることができる。例えば、2以上の活性または生物活性剤は、単一の供給原
料製剤中に取り込み、スプレードライして、複数の生物活性剤を含む単一のミク
ロ構造種を与えることができる。逆に、個々の剤を個々のストックに加えて、別
個にスプレードライして、異なる組成を有する複数のミクロ構造種を与えること
ができた。これらの個々の種は、任意の所望の比率で、懸濁媒体または乾燥粉体
調剤(dispensing)コンパートメントに加えて、後述するようにエア
ロゾルデリバリーシステムに配置することができた。
【0073】 前述のことに基づいて、多種多様な生物活性剤が開示された粉体中に取り込む
ことができることは、当業者によって認識されるであろう。したがって、上記の
好ましい生物活性剤のリストは、例示的なだけであり、制限的と意図されていな
い。生物活性剤の適当な量および投与のタイミングが、すでに既存の情報に従っ
ておよび過度の実験なしで製剤について決定することができることが、当業者に
よって認識されるであろう。C.粉体組成物
【0074】 上記の議論から理解できるように、本発明は、多種多様な生物活性剤をデリバ
リーするために効果的に使用できる。微粒子が生物活性剤のみによって形成する
ことができるが、それらは好ましくは、選ばれた態様において、吸収促進薬、増
強物質、賦形剤または構造成分を含むことができる1以上の追加的な材料を含む
。より一般的には、微粒子(すなわち構造的マトリックス)は、任意の取り込ま
れた活性剤と適合性を有する物理的および化学的特性を有する任意の材料から形
成され、またはこれらを含むことができる。多種多様な材料が粉体を形成するた
めに使用可能であるが、特に好ましい製薬の態様において、微粒子はリン脂質ま
たはフッ素化界面活性剤等の界面活性剤と組み合わされ、または含む。必須では
ないが、適合性を有する界面活性剤の取込みは、粉体流動性を改善し、エアロゾ
ル効率を増大させ、ディスパージョン安定性を改善し、およびディスパージョン
の製剤を容易にすることができる。更に、選ばれた界面活性剤は吸収促進薬とし
ても機能することができ、それにより取り込みを増大させ、選ばれた剤の生物活
性を改善することができる。もちろん、本発明の粉体がは、伝統的な非界面活性
剤の賦形剤以外の何物でもないもの、および取り込まれた1以上の生物活性剤を
用いて、形成することもできると認識されるであろう。
【0075】 示したように、開示された粉体は所望により、一以上の界面活性剤を伴い、ま
たは含むことができる。ここでの教示に従って、これらの化合物は、任意の取り
込まれた生物活性を安定化させ、非水性媒体中に懸濁された微粒子の安定化を助
長し、または標的サイトで剤の取り込みを強化するために役立つことができる。
開示された微粒子と関連するそれらの界面活性剤の他に、微小粒子がディスパー
ジョン媒体液相で処方される場合には、混合できる界面活性剤を所望により組み
合わせることができる。本発明を実施するために必須でないが、界面活性剤の使
用が、更に、ディスパージョン安定性、粉体流動性を増大させ、手順を単純化し
、またはデリバリーの効率を増大できることが、当業者によって認識されるであ
ろう。もちろん、液相における1以上、および有孔ミクロ構造に伴う1以上の使
用を含む、界面活性剤の組み合わせは、本発明の範囲内にあると考えられる。「
伴う(associated)、または含む」は、微粒子または有孔ミクロ構造
が、界面活性剤を取り込み、吸着し、吸収し、それでコートされ、または界面活
性剤によって形成可能であることを意味する。
【0076】 広義に、本発明における使用に適当な界面活性剤は、有孔微小粒子の形成を助
長し、強化された懸濁安定性、改善された粉体分散性、または減少された粒子凝
集を与える任意の化合物または組成物を含む。界面活性剤は、単一化合物、また
は(例えば補助活性剤の場合)化合物の任意の組み合わせをも含むことができる
。特に好ましい界面活性剤は、非フッ素化で、飽和および不飽和の脂質、非イオ
ン性洗浄剤、非イオンブロックコポリマー、イオン性界面活性剤、およびそれら
の組み合わせからなる群から選ばれる。安定化ディスパージョンを含むそれらの
態様において、このような非フッ素化界面活性剤は、好ましくは、懸濁媒体中で
比較的不溶解性である。前記の界面活性剤に加えて、適当なフッ素化界面活性剤
がここでの教示と両立でき、および所望の製剤を与えるために使用可能であるこ
とは、強調すべきである。
【0077】 天然と合成的源からの脂質(リン脂質を含む)は、特に本発明と両立でき、微
粒子または構造的マトリックスを形成するために種々の濃度で際に使用可能であ
る。一般的に適合性を有する脂質は、約40℃を超えるゲル−液晶相転移を有す
るものを含む。好ましくは、取り込まれた脂質は、比較的長い鎖(すなわち、C
16〜C22)の飽和脂質であり、より好ましくはリン脂質を含む。開示された
安定化製剤で有用な例示的なリン脂質は、ジパルミトイルホスファチジルコリン
、ジステロイルホスファチジルコリン、ジアラキドイルホスファチジルコリン、
ジベヘノイルホスファチジルコリン、短鎖ホスファチジルコリン、長鎖飽和ホス
ファチジルエタノールアミン、長鎖飽和したホスファチジルセリン、長鎖飽和ホ
スファチジルグリセロール、長鎖飽和ホスファチジルイノシトール、糖脂質、ガ
ングリオシドGM1、スフィンゴミエリン、ホスファチジン酸、カルジオリピン
;ポリエチレングリコール、キチン、ヒアルロン酸またはポリビニルピロリドン
等のポリマー鎖を有する脂質;スルホン化モノ、ジおよび多糖を有する脂質;パ
ルミチン酸、ステアリン酸およびオレイン酸等の脂肪酸;コレステロール、コレ
ステロールエステルおよびコレステロールは、ヘミスクシネートを含む。
【0078】 適合性を有する非イオン性洗浄剤は:ソルビタントリオレエート(Span(
登録商標)85)、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタンモノオレエート、
ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレ
ート、およびポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエートを含むソル
ビタンエステル;オレイルポリオキシエチレン(2)エーテル、ステアリルポリ
オキシエチレン(2)エーテル、ラウリルポリオキシエチレン(4)エーテル、
グリセロールエステルおよびショ糖エステルを含む。他の適当な非イオン性洗浄
剤は、その全体を参照することによりここに取り込む、マッカティオン(McC
utcheon)のエマルション化剤および洗浄剤(ニュージャージー州グレン
ロックのMcPublishing社)を用いて、簡単に確認することができる
。好ましいブロックコポリマーは、ポロキサマー(poloxamer)188
(プルロニック(Pluronic;登録商標)F−68)、ポロキサマー40
7(Pluronic(登録商標)F−127)およびポロキサマー338を含
む、ポリオキシエチレンおよびポリオキシプロピレンのジブロックおよびトリブ
ロックコポリマーを含む。ナトリウムスルホサクシネートおよび脂肪酸石鹸等の
イオン性界面活性剤も、利用することができる。好ましい態様において、ミクロ
構造はオレイン酸またはそのアルカリ塩を含むことができる。それらの優れた生
体適合性(biocompatibility)特性のため、リン脂質、および
リン脂質とポロキサマーとの組み合わせは、ここで開示される製薬の態様のため
に、特に適当である。
【0079】 上記した界面活性剤に加えて、カチオン性界面活性剤または脂質が、RNAま
たはDNAのデリバリーの場合に特に好ましい。適当なカチオンの脂質の例は:
DOTMA、N−[1−(2,3−ジオレイロキシ)プロピル]−N,N,N−
トリメチルアンモニウムクロリド;DOTAP、1,2−ジオレイロキシ−3−
(トリメチルアンモニオ)プロパン);およびDOTB、1,2−ジオレイル−
3−(4’−トリメチルアンモニオ)ブタノイル−sn−グリセロールを含む。
ポリリジンおよびポリアルギニン等のポリカチオン性アミノ酸も、考えられる。
【0080】 上で列挙された界面活性剤の他に、広範囲にわたる界面活性剤が本発明ととも
に所望により使用できることは、更に認識される。更に、与えられた応用のため
に、最適な界面活性剤またはそれらの組み合わせは、過度の実験を必要としない
経験的な研究によって、容易に決定できる。更に詳細に以下で議論されるように
、微粒子または構造的マトリックスを含む界面活性剤は、有孔ミクロ構造を形成
するためのプロセシングの間に使用される前駆体の水中油型(oil−in−w
ater)エマルション(すなわち、スプレードライ供給原料)の形成でも有用
であることができる。
【0081】 先行技術処方と異なり、界面活性剤または生体適合性の壁形成材料(例えばリ
ン脂質)の比較的高いレベルの取込みが、開示された出願の粉体分散性を改善し
、懸濁安定性を増大させ、粉体凝集を減少させるために使用可能なことが、驚く
べきことに見出された。すなわち、質量対質量(重量対重量)のベースで、有孔
ミクロ構造の微粒子または構造的マトリックスが比較的高いレベルの界面活性剤
を含むことができる。この点について、微粒子は、好ましくは、約1質量%(重
量%)、5質量%(重量%)、10質量%(重量%)、15質量%(重量%)、
18質量%(重量%)、または20質量%(重量%)w/wさえ越える界面活性
剤を含むであろう。より好ましくは、ミクロ微粒子またはミクロ構造は、約25
質量%(重量%)、30質量%(重量%)、35質量%(重量%)、40質量%
(重量%)、45質量%(重量%)または50質量%(重量%)w/wを超える
界面活性剤を含むであろう。例示的な更に他の態様は、界面活性剤または複数の
界面活性剤が、約55質量%(重量%)、60質量%(重量%)、65質量%(
重量%)、70質量%(重量%)、76質量%(重量%)、80質量%(重量%
)。85質量%(重量%)、90質量%(重量%)または95質量%(重量%)
w/wさえ超えて存在する微粒子を含であろう。選ばれた態様において、粉体は
、本質的に界面活性剤(リン脂質等)の100質量%(重量%)w/wを含むで
あろう。当業者は、このような場合、、微粒子または構造的マトリックスの残部
が、(適用可能な場合には)生物活性剤、賦形剤または他の添加剤を含む可能性
があることを認識するであろう。
【0082】 以下で議論されるように、界面活性剤は任意のタイプの微粒子に取り込むこと
ができる。すなわち、前記の界面活性剤レベルは、有孔ミクロ構造で好ましく使
用されるが、それらは比較的に非多孔性、または実質的に固体の微粒子を含む粉
体または安定化ディスパージョンを与えるために使用可能である。本発明の選ば
れた態様が界面活性剤の高レベルに伴う有孔ミクロ構造を含むであろうが、適合
性を有する粉体は、等価な界面活性剤濃度の比較的低いポロシティの微粒子を用
いて形成することができる。好ましくは、このような微粒子は、約5質量%(重
量%)w/wを超えるオーダーで、界面活性剤の比較的に高いレベルを含むであ
ろう。この点で、このような態様は、特に本発明の範囲内にあると考えられる。
【0083】 本発明の他の好ましい態様において、微粒子は所望により合成または天然のポ
リマーまたはそれらの組み合わせを含む。この点で、有用なポリマーは、ポリ乳
酸、ポリ乳酸−コ−グリコリド、シクロデキストリン、ポリアクリレート、メチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアン
ハイドライド、ポリラクタム、ポリビニルピロリドン、単糖、二糖または多糖(
デキストラン、デンプン、キチン、キトサン、その他)、ヒアルロン酸、タンパ
ク質(アルブミン、コラーゲン、ゼラチン、その他)を含む。微小粒子の製造の
ために有用であると証明できるポリマー性樹脂の例は:スチレン−ブタジエン、
スチレン−イソプレン、スチレン−アクリロニトリル、エチレン−ビニルアセテ
ート、エチレン−アクリレート、エチレン−アクリル酸、エチレン−メチルアク
リレート、エチレン−エチルアクリレート、ビニル−メチルメタクリレート、ア
クリル酸−メチルメタクリレートおよび塩化ビニル−ビニルアセテートを含む。
当業者は、適当なポリマーを選ぶことによって、微粒子のデリバリー効率および
/又はディスパージョンの安定性が、活性、またはバイオ活性剤の有効性を最適
化するために適合して仕立てる(tailored)ことができると認識するで
あろう。
【0084】 上記したポリマー材料および界面活性剤の他に、構造を与えるため、および好
ましい態様において有孔ミクロ構造(すなわちラテックス粒子等のミクロスフェ
ア)を形成するために、微粒子内にまたはそれに加えて、種々の賦形剤を取り込
みむことができる。この点について、選択的な溶媒抽出等の製造後(post−
production)の技術を用いて、リジッド化成分を除去することができ
ると認識されるであろう。適合性を有する賦形剤は、(これらに制限されないが
)単糖、二糖および多糖を含む炭水化物を含むことができる。例えば、デキスト
ロース等(無水物および一水和物)、ガラクトース、マンニトール、D−マンノ
ース、ソルビトール、ソルボース、その他等の単糖;ラクトース、マルトース、
ショ糖、トレハロースその他等の二糖;ラフィノースその他等の三糖;およびデ
ンプン(ヒドロキシエチルデンプン)、シクロデキストリンおよびとマルトデキ
ストリンその他等の炭水化物を含むことができる。アミノ酸も適当な賦形剤であ
り、グリシンが好ましい。炭水化物およびアミノ酸の混合物は、更に本発明内に
あるように維持される。無機塩(例えば塩化ナトリウム、塩化カルシウム、その
他)、有機塩(例えばクエン酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、グルコ
ン酸マグネシウム、グルコン酸ナトリウム、トロメタミン塩酸塩、その他)両方
、および緩衝剤の包含も考えられる。炭酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、塩
化アンモニウムまたはカンファー等の有機固体および塩の包含も、考えられる。
【0085】 上述した化合物とともに、粒子の剛性、製造収率、デリバリー効率、および沈
着、貯蔵寿命および患者受容性を改善するために、他の賦形剤をミクロスフィア
に添加することが好ましい。このような任意的な賦形剤は、(これらに制限され
ないが):着色剤、味マスキング剤、緩衝剤、吸湿剤、酸化防止剤、および化学
安定剤を含む。更に、上述したように、微粒子は、関連する生物活性剤の取り込
みを強化し、誘導し、または調整することができる化合物を含むことができる。
更に、本発明の微粒子は、、抗体、コファクター、レセプター、リガンド、およ
び優先して微粒子に向かう、または標的サイトで細胞に関連する分子に結合する
のを許容する基質等のターゲッティング分子を含むことができる。例えば、微粒
子は、免疫活性な化合物および粘膜の細胞レセプターをターゲッティングする抗
体を含むように形成することができた。このようなターゲッティング分子は、た
ぶん標的粘膜のサイトで生物活性粒子の濃度を増大させ、および更に任意の局所
的な免疫応答を強化するであろう。粘膜または他の標的細胞の表面で、優先して
発現されるレセプターに向かうリガンドが、所望のサイトで微粒子の結合を増大
させるためにも使用できたと認識されるであろう。
【0086】 また、好ましい態様は、接触の点での滞留時間を引き伸ばし、または粘膜を通
る透過を強化する荷電種を含むことができる、またはそれによりコートされるこ
とができる有孔ミクロ構造を含む。例えば、カチオン性電荷が形成されたミクロ
微粒子を遺伝物質等の負荷電の生物活性剤と結合させるために使用できるが、ア
ニオン性電荷は粘膜付着に有利なことが知られている。電荷は、ポリアクリル酸
、ポリリジン、ポリ乳酸およびキトサン等のポリアニオン性またはポリカチオン
性材料の結合または取込みを介して付与することができる。
【0087】 D.粉体の形態
【0088】 当業者は、それらが所望の安定性およびデリバリー特性を与える限り、種々の
組成物、コンフィグレーションおよび形態の粉体または微粒子が、本発明に従っ
て使用できると認識するであろう。この点で、いくつかの応用のために(例えば
エアガンまたは針無しのインジェクターを介する安定化ディスパージョンの皮内
投与のために)、比較的濃い固体粒子または粉体を使用することが有利である可
能性があり、他の態様(例えばDPI投与)においては、比較的多孔性の、空気
力学的に軽い有孔ミクロ構造は好ましいであろう。したがって、本発明を以下に
おいて好ましい態様に関して述べるが、それは如何なる特定の粒子組成にも、コ
ンフィグレーションにも、または形態にも限られないことが強調されなければな
らない。むしろ、微粒子特性(電荷、密度、組成物、その他)の選択は、主に投
与の形、標的型デリバリーサイト、および生物活性剤の選択に基づく。
【0089】 ここでの教示に従って、種々の微粒子のコンフィグレーション(微粉化された
、およびミリングされた微粒子を含む)を使用することができるが、本発明は、
乾燥粒子の間の凝集力を低減するためのユニークな方法および組成物を提供し、
それにより改善されたデリバリー効率を生じることできる微粒子凝集を最小にす
ることができる。従って、選ばれた開示された製剤は、能率的にエアロゾル化し
、肺または鼻のパス内に一様にデリバリーされて、深く浸透できる、高度に流動
性での乾燥粉体を与える。更に、選ばれた粉体コンフィグレーションおよび形態
が、非水性の懸濁媒体と組み合わされた際に、比較的安定デスパージョンを与え
ることが判明した。いずれにせよ、開示された微粒子は、投与により驚くほど低
い喉沈着を生じるように製作することができる。
【0090】 以前に議論したように、本発明の特に好ましい態様は、構造的マトリックスを
含む多孔性または有孔ミクロ構造の形での、粉体または微粒子を取り込む。ここ
で用いる用語「構造的マトリックス」または「ミクロ構造マトリックス」は同意
義であり、所望の特性を与える複数のボイド、アパーチュア、中空、欠陥、ポア
、ホール、裂け目、その他を画する有孔ミクロ構造を形成する任意の固体成分を
意味するように維持される。選ばれた態様において、構造的マトリックスによっ
て定義される有孔ミクロ構造は、少なくとも1つの界面活性剤を取り込んでいる
スプレー乾燥された中空多孔質ミクロスフェアを含む。マトリックス成分を変え
ることによって、分散安定性またはデリバリー効率を増大させるように、構造的
マトリックスの密度は調節することができることが、更に認識される。
【0091】 微粒子または有孔ミクロ構造の絶対的な形(形態に対して)は、一般に重要(
critical)でなく、所望の特性を与えるあらゆる全体的コンフィグレー
ションが本発明の範囲内と考えられる。したがって、好ましい態様は、ほぼミク
ロスフィア的な形を含むことができる。しかしながら、潰され、または変形また
は砕かれた微粒子も、適合性を有する。この警告で、本発明の特に好ましい態様
は、スプレー乾燥された中空の、多孔性のミクロスフェアを含むことが更に認識
されるであろう。いずれの場合でも、有孔ミクロ構造の開示された粉体が、(こ
れらに制限されないが)懸濁安定性の増大、改善された分散性、優れたサンプリ
ング特性、キャリア粒子の脱離、および強化された空気力学を含むいくつかの利
点を与える。
【0092】 分散性、ディスパージョン安定性、を最大にし、および投与において分配を最
適化するために、微粒子または有孔ミクロ構造の平均の幾何粒径は、好ましくは
約0.5〜50μm、より好ましくは1〜30μmである。大径粒子(すなわち
50μmを超える)がディスパージョンから凝集または分離する傾向があり、潜
在的にデバイスを詰まらせる可能性があるため、バルブまたは小さいオリフィス
が使用される応用においては、大径粒子がむしろ好ましくない可能性があること
が認識されるであろう。特に好ましい態様において、有孔ミクロ構造の平均の幾
何粒径(または直径)は、20μmまたは10μm未満である。より好ましくは
、平均の幾何直径は、約7μmまたは5μm未満、より好ましくは約4μmまた
は2.5μm未満でさえある。他の好ましい態様は、有孔ミクロ構造の平均の幾
何直径が約1μmと5μmの間である製剤を含む。特に好ましい態様において、
有孔ミクロ構造は、直径で約1〜10μm、または1〜5μmの乾燥した、中空
で、多孔性の粉体であって、約0.1〜約0.5μmのシェル厚のミクロスフィ
ア的なシェルを含むであろう。ディスパージョンおよび構造的マトリックス成分
の微粒子濃度が、選ばれた粒径のデリバリー特性を最適化するために調節するこ
とができることが、本発明の特定の利点である。
【0093】 本明細書を通して言及されるように、ミクロ構造のポロシティは、分散性(例
えばDPIで)またはディスパージョン安定性(例えばMDis、ジェットガン
またはネブライザーのために)を確立すす際に有意な役を果たすことができる。
この点で有孔ミクロ構造の平均のポロシティは、最近のイイメージング技術が組
み合わされる電子顕微鏡法を介して決定することができる。より具体的には、製
剤のポロシティ定量するために、有孔ミクロ構造の代表的な試料の電子顕微鏡写
真を得て、デジタル的に分析することができる。このような方法論は周知であり
、且つ過度の実験をすることなく達成することができる。
【0094】 本発明の目的なために、微粒子または有孔ミクロ構造の平均のポロシティ(す
なわち、内部および/又は中央のボイドに開いている粒子表面積のパーセンテー
ジ)は、約0.5%〜約80%の範囲にあることができる。より好ましい態様に
おいて、平均ポロシティは、約2%〜約40%の範囲にある。選ばれた製造パラ
メータに基づいて、平均のポロシティは、ミクロ構造の表面積の約2%、5%、
10%、15%、20%、25%または30%より大きくてもよい。他の態様に
おいて、ミクロ構造の平均のポロシティは、約40%、50%、60%、70%
または60%さえ超えることができる。孔自体について、それらは平均孔サイズ
で典型的には約5nm〜約400nmの範囲にあり、好ましくは、約20nm〜
約200nmの範囲にある。特に好ましい態様において、平均の孔サイズは、約
50nm〜約100までnmの範囲にある。更に詳細に以下で議論されるように
、孔サイズおよびポロシティが、取り込まれた成分および産生パラメータの慎重
な選択によって、厳密に制御できることが本発明の重要な利点である。
【0095】 この点について、微粒子または有孔ミクロ構造の粒子形態および/又は中空設
計は、ここで開示された乾燥粉体処方の分散性または凝集性に対して重要な役割
を演ずる。すなわち、典型的には乾燥粒子の間に存在するファンデルワールス、
静電的引力および液体のブリッジング力を低下させることにより、微細な粉体の
固有の結合力特性が克服できることが、驚くべきことに発見された。より具体的
には、ここでの教示に従って、改善された粉体分散性は、粒子形態および密度、
並びに湿度および電荷の対照を設計することによって与えることができる。その
ために、本発明の好ましい態様は、孔、ボイド、中空、欠陥または粒子の間で表
面接触面積を低減する他の間隙スペースを有する有孔ミクロ構造を含み、それに
より粒子間力を最小にするようにしている。加えて、ここでの教示に従うリン脂
質およびフッ素化発泡剤等の界面活性剤の使用が、電荷および静電力の強度、並
びに含水量を和らげることによって、粉体の流れ性質の改良に寄与することがで
きる。
【0096】 大部分の細粉(例えば<5μm)は、粉体をデリバリーし、エアロゾル化し、
および/又はパックしようとするとき、問題を含むことがありえる貧弱な分散性
を示す。粒子相互作用を対照する主要な力は、典型的には、長距離および短距離
力に分割することができる。長距離力は重力的引力および静電力を含み、他方、
相互作用は分離距離または粒径の二乗として変化する。乾燥粉体のための重要な
短距離力は、ファンデルワールス相互作用、水素結合および液体ブリッジを含む
。後者の2つの短距離力は、粒子の間での接触が既にある場合に起こるという点
で、他のものと異なる。ここで記述している有孔ミクロ構造の使用により、これ
らの引力を実質的に減殺し、または低減できることは、本発明の主要な利点であ
る。
【0097】 当業者は、ファンデルワールス(VDW)引力が短い範囲で起こって、且つ、
少なくとも部分的に、相互に作用している粒子間の表面接触に依存すると認識す
るであろう。2つの粒子がお互いに接近するとき、VDW力は接触面積の増大で
とともに増大する。2つの乾燥の粒子に対して、VDW相互作用力の大きさ、F
VDWは以下の式を用いて計算することができる:
【数1】 (式中、hはプランク定数であり、ωは角周波数であり、d0は、付着力が最大
である距離であり、およびr1およびrは、2つの相互作用している粒子の半
径である)。したがって、乾燥粉体のためのVDW力の大きさおよび強度を最小
にするmたの一つの方法は、接触の粒子間面積を減少させることであると認識さ
れるであろう。d0の大きさが、接触のこの面積の反映であることは、重要であ
る。2つの対向している物体間の接触の最小の面積は、粒子は完全な球である場
合に起こるであろう。加えて、粒子が非常に多孔性であるならば、接触の面積は
更に最小にされるであろう。したがって、本発明の有孔ミクロ構造は、粒子間接
触、および対応するVDW力を低減するように作用する。VDW力でのこの低減
が主に、幾何粒径の増大よりむしろ本発明の粉体のユニークな粒子形態の結果で
あることに注目することは、重要である。この点について、本発明の特に好まし
い態様が比較的低いVDW引力を示す平均または小さい微粒子(例えば平均の幾
何直径<10μm)を有する粉体を与えることが認識される。
【0098】 更に、上記に示されたように、粒子のどちらか、または両方ともが電気的にチ
ャージされた場合に、粉体に影響を及ぼす静電力が起こる。この現象は、電荷の
類似性または非類似性に依存して、粒子間の引力または反発で起こるであろう。
最も単純な場合、電荷はクーロンの法則を用いて記述することができる。粒子間
の静電力を調整し、または減少させる一つの方法は、粒子のどちらか、または両
方が非電導性表面を有するかどうかである。従って、有孔ミクロ構造粉体が、比
較的に非電導性である賦形剤、界面活性剤または活性剤を含むならば、粒子で発
生する任意の電荷でも不規則に表面に分布される。その結果、高い電荷の保持が
材料の比抵抗によって書き取る時から、非電導性成分を含む粉体の電荷半減期は
比較的短い。抵抗性のまたは非導電性の成分は、効率的な電子供与体または受容
体のどちらとしても機能しない材料である。
【0099】 参照することによりここに取り込むDerjaguinら(Muller、V
.M.、Yushchenko、VS.、およびDerjaguin、B.V.
、J.Colloid Interface Sci.、1980、77、11
5〜119)は、電子を受容し、または供与するそれらの機能のための分子群を
ランクするリスト与える。この点について、例示的な群は、次のようにランクを
付けることができる:
【0100】 供与体:−NH>−OH>−OR>COOR>−CH>−C>−ハ
ロゲン>−COOH>−CO>−CN受容体:
【0101】 本発明は、比較的非伝導性の材料の使用により、開示された粉体で静電効果の
低減を与える。上記のランキングを用いて、好ましい非伝導性の材料は、ハロゲ
ン化されたおよび/又は水素化された成分を含む。それらが粒子荷電への抵抗性
を有するため、リン脂質およびフッ素化発泡剤等の材料(それは、スプレードラ
イした粉体で、ある程度まで保持できる)は好ましい。粒子中の残留発泡剤(例
えばフルオロケミカル)は、比較的低いレベルであっても、典型的にはスプレー
ドライおよびサイクロン分離の間に付与されるため、微粒子または有孔ミクロ構
造の荷電を最小化するのを助長すると認識されるであろう。一般的な静電原理お
よびここでの教示に基づき、当業者は、過度の実験なしで開示された粉体の静電
力を低減するために役立つ追加的な材料を確認することができるであろう。この
点について、非常にチャージされた剤は、単純なpH調整または反対にチャージ
された化合物(例えばカチオン性脂質と結合した核酸)とのキレート化により、
静電的的に修正することができる。更に、必要であるならば、通電および荷電技
術を用いて、静電力を操作して、最小にすることもできる。
【0102】 上述した驚くべき利点に加え、本発明は更に、水素および液体結合の減衰また
は低減を与える。当業者に公知のように、水素結合、および液体ブリッジングの
両方は、粉体によって吸収された水分から生ずる。一般に、より高い湿度は、親
水性の表面に対して、より高い粒子間力を生ずる。これは、ラクトース等の比較
的に親水性の化合物を使用する傾向がある、吸入療法のための先行技術処方にお
ける本質的な問題である。しかしながら、ここでの教示に従って、吸着水による
付着力は、接触表面の疎水性を増大させることによって調整または低減すること
ができる。当業者は、粒子疎水性における増加が、賦形剤の選択および/又はが
流動床を用いて使用されるもの等の、製造後のスプレードライコーティング技術
の使用により達成することができると認識できる。従って、好ましい賦形剤は、
リン脂質、脂肪酸石鹸およびコレステロール等の疎水性界面活性剤を含む。ここ
での教示の点から、当業者が過度の実験なしで同様の望ましい性質を示す材料を
同定できるであろうことが言える。
【0103】 それらが乾燥粉体または非水性の懸濁媒体との組み合わせのいずれとして使わ
れるにせよ、微粒子または有孔ミクロ構造は「乾燥」状態で好ましく与えられる
であろう。すなわち、微小粒子は、外界温度での貯蔵の間に粉体を化学的および
物理的に安定したままとさせ、且つ簡単に分散可能であるままとさせる含水量を
有するであろう。従って、微小粒子の含水量は、典型的には6質量%(重量%)
未満であり、好ましくは3質量%(重量%)未満である。いくつかの例において
、含水量は1質量%(重量%)程度に低い。もちろん、含水量は、少なくとも部
分的には、処方によって規定され、使用されるプロセス条件、例えば、入口温度
、フィード濃度、ポンプ速度、発泡剤タイプ、濃度およびポスト乾燥によって対
照されると認識されるであろう。
【0104】 当業者によって知られているように、安息角または剪断力等の方法は、乾燥粉
体の流れ性質を評価するために使用可能である。安息角は、フラットな表面上に
粉体の円錐を注いだ際に、形成される角度として定義される。45°〜20°の
範囲にある安息角を有する粉体が好ましく、適当な粉体流れを示す。より具体的
には、33°〜20°の間の安息角を有する粉体は、比較的低い剪断力で流動し
、吸入療法(例えばDPIs)に用いられる製剤処方のにおいて特に有用である
。剪断インデックスは、測定するために安息角より時間がかかるが、より信頼性
があり、決定が容易であると考えられる。当業者は、AmidonおよびHou
ghtonによって概説された実験的手順(参照することによりここに取り込む
、G.E.AmidonおよびM.E.Houghton、Pharm.Man
uf.、2、20、1985)が、本発明の目的のための剪断インデックスを評
価するために使用可能であると認識するであろう。これも参照することによりこ
こに取り込むS.KocovaおよびN.Pipel、J.Pharm.Pha
rmacol.、8、33〜35、1973に記述されているように、剪断イン
デックスは降伏ストレス、内部摩擦の有効角、引張強さ、および比凝集力等の粉
体パラメータから評価される。本発明において、約0.98未満の剪断インデッ
クスを有する粉体が好ましい。より好ましくは、開示された組成物、、方法およ
びシステムで用いられる粉体は、約1.1未満の剪断力インデックスを有するで
あろう。特に好ましい態様において、剪断インデックスは、約1.3未満、また
は約1.5未満でさえあろう。もちろん、異なる剪断力インデックスを有する粉
体は、重要なサイトにおける活性または生物活性剤の効果的な沈着の結果で、使
用可能である。
【0105】 粉体の流れ性質が、バルク密度測定と良好に相関することが示されたも、認識
されるであろう。この点については従来の先行技術の考察(C.F.ハーウッド
、J.Pharm.Sci.、60、161〜163,1971)は、バルク密
度の増大が、材料の剪断インデックスによって予測されるように、改善された流
れ性質と相関すると考えた。逆に、本発明の有孔ミクロ構造のために、比較的低
いバルク密度を有する粉体により優れた流れ性質が示されたことが、驚くべきこ
とに判明した。すなわち、本発明の中空の多孔性の粉体は、実質的に孔が全くな
い粉体に対して、優れた流れ性質を示した。このため、特に良い流れ性質を示す
0.5g/cm未満のバルク密度を有する粉体を提供可能であることが判明し
た。より驚くべきことに、優れた流れ性質を示す0.3g/cm未満、約0.
1g/cm未満、更には0.05g/cm未満の桁のバルク密度を有する有
孔ミクロ構造粉体が提供可能であることが判明した。優れた流動性を有する低い
バルク密度粉体を製造する能力は、本発明の新規且つ予想外の性質を更に引き立
たせる。
【0106】 これらの低いバルク密度は、DPIsとともに開示された粉体を用いるとき、
特に有利である。具体的には、異常に低いバルク密度を有する粉体を与えること
によって、本発明は、乾燥粉体吸入器具のために商業的に実行可能な最小の充填
重量の低減を与える。すなわち、DPIsのために最も多くの設計されるユニッ
ト用量容器は、固定された体積または重力技術を用いて満たされる。多くの先行
技術とは逆に、本発明は、生物活性剤およびインシピエントまたはバルキング剤
が吸入された粒子全体を構成する(make−up)粉体を与える。非常に低い
バルク密度を有する粒子を与えることによって、ユニット用量容器に満たすこと
ができる最小限の粉体質量は低減され、それはキャリア粒子の必要性を除去する
。すなわち、本発明の粒子の比較的低い密度は、キャリア粒子の使用なしで、比
較的低用量の薬剤化合物の再現性ある投与を与える。更に、キャリア粒子の除去
は、先行技術の大きいラクトース粒子がそれらのサイズのために喉および上部気
道に衝撃を与える傾向があるため、喉沈着および任意の「ギャグ」効果を最小化
するように作用する。
【0107】 有孔ミクロ構造粉体によって与えられる低減された引力(例えば、ファンデル
ワールス、静電、水素と液体ブリッジング、その他)および優れた流動性は、吸
入療法(例えば、DPIs、MDIs、ネブライザー等の吸入器具における)の
ための製剤における、それら特に有用とすると認識されるであろう。優れた流動
性とともに、ミクロ構造の有孔、多孔性のおよび/又は中空設計も、放出された
際の粉体の結果として生じるエアロゾル性質において重要な役割を演ずる。この
現象は、MDIまたはネブライザーの場合、またはDPIの場合のように乾燥形
での有孔ミクロ構造のデリバリーにおいて、ディスパージョンとしてエアロゾル
化された微粒子または有孔ミクロ構造のためにも有効である。この点で、分散さ
れた微小粒子の有孔構造および比較的に高い表面積は、匹敵するサイズの非有孔
粒子より容易に、より長い距離で吸入の間にガスの流れに沿って、それらが運ば
れることを可能にする。
【0108】 より具体的には、それらの高いポロシティのため、粒子の密度は実質的に1.
0g/cm未満、典型的には0.5g/cm未満、よりしばしば0.1g/
cmの桁、および0.01g/cm程度に低い。幾何粒径と異なり、有孔ミ
クロ構造の空気力学的粒径、daerは、実質的に粒子密度、ρ:daer=d
geoρ(式中、dgeoは幾何直径である)に依存する。0.1g/cm
粒子密度に対して、daerは約3倍dgeoより小さくなり、肺の周辺(pe
ripheral)領域への増大された粒子沈着、および対応して喉におけるよ
り少ない沈着をもたらす。この点について、有孔ミクロ構造の平均の空気力学的
な直径は、好ましくは約5μm未満、より好ましくは約3μm未満、特に好まし
い態様においては、約2μm未満である。このような粒子分布は、DPI、MO
またはネブライザーを用いて投与されるか否かに関係なく、生物活性剤の深い肺
沈着を増大させように作用する。
【0109】 以降の例で示されるように、本発明のエアロゾル処方の粒径分布は、カスケー
ドインパクション等の従来の技術によって、または飛行時間分析法によって、測
定可能である。加えて、参照することによりここに取り込む提案された米国薬局
方の方法(Pharmacopeial Previews、22(1996)
3065)に従って、吸入器具から放出された用量は決定された。これらおよび
関連する技術は、肺に効率的に沈着する可能性があるそれらの微粒子に対応する
エアロゾルの「微粒子分率」が計算されることを可能にする。ここで用いるよう
に、語「微粒子分率」は、DPI、MDIまたはネブライザーのマウスピースか
ら、8段のアンデルセンカスケードインパクターのプレート2−7の上へ、作動
につきデリバリーされる活性薬物の総量のパーセンテージを言う。このような測
定に基づき、本発明の処方は、好ましくは有孔ミクロ構造の重量に基づき約20
質量%(重量%)(w/w)以上の微粒子分率を有するであろうし、より好まし
くは、それらは約25質量%(重量%)〜90質量%(重量%)(w/w)、更
に好ましくは約30〜80質量%(重量%)(w/w)の微粒子分率を示すであ
ろう。本発明の選ばれた態様において、約30質量%(重量%)、40質量%(
重量%)、50質量%(重量%)、60質量%(重量%)、70質量%(重量%
)、80質量%(重量%)または90質量%(重量%)さえ超える微粒子分率を
好ましくは含む。
【0110】 更に、本発明の処方が先行技術製剤と比較した際に、誘導ポート上で、および
インパクターのプレート0および1上で、比較的低い沈着割合を示すことも見出
された。これらのコンポーネントへの沈着は、ヒトにおける喉での沈着とリンク
する。より具体的には、最も商業的に入手可能なMDIsおよびDPIsは、全
用量の約40〜70質量%(重量%)(w/w)の喉沈着をシミュレーションし
た一方で、本発明の処方は、典型的には約20質量%(重量%)(w/w)未満
を沈着させる。したがって、本発明の好ましい態様は、約40質量%(重量%)
、35質量%(重量%)、30質量%(重量%)、25質量%(重量%)、20
質量%(重量%)、15質量%(重量%)または10質量%(重量%)(w/w
)未満の喉沈着さえシミュレーションした。当業者は、本発明によって与えられ
る喉沈着における有意な減少が、喉刺激作用等の関連する局所的副作用における
対応する減少を生じることを認識するであろう。
【0111】 本発明により与えられる有利な沈着プロフィルに関して、MDI推進剤が、典
型的には喉の後方の方向へ、器具から懸濁粒子を高速度で押し出すことは周知で
ある。先行技術の処方が、典型的には大径粒子および/又は凝集体の有意なパー
センテージを含むため、放出された用量の2/3程度に多い量以上が喉に衝撃を
与える可能性がある。更に、従来の粉体製剤の好ましくないデリバリープロフィ
ルはまた、DPI器具で生ずるような、低い粒子速度の条件下で示される。一般
的に、凝集し易い固体の、濃い微粒子をエアロゾル化する際に、この問題は固有
である。それでも、上述したように、本発明の安定化ディスパージョンの新規且
つ予想外の性質は、DPI、MDIアトマイザーまたはネブライザー等の吸入器
具からの投与に際して、驚くほど低い喉沈着しか生じない。
【0112】 如何なる特定の理論によっても束縛されることを欲っしないが、本発明によっ
て与えられる低減された喉沈着は、粒子凝集における減少から、および取り込ま
れたミクロ構造の中空のおよび/又は多孔質形態から生ずるように思われる。す
なわち、分散されたミクロ構造の中空および多孔質の性質は、中空/多孔質ウィ
フル(whiffle)ボールがベースボールより迅速に減速するように、推進
剤流れ(またはDPIsの場合ガス流れ)中の粒子の速度を遅くする。従って、
喉の後部に衝撃を与え、付着するよりはむしろ、比較的遅く移動する粒子は、患
者により吸入され易い。更に、粒子の非常に多孔性の性質は、有孔ミクロ構造内
の推進剤を迅速に去らせ、喉に衝撃を与える前に粒子密度を低下させる。したが
って、投与された生物活性剤の実質的により高いパーセンテージが、それが能率
的に吸収可能な肺の気道に沈着される。
【0113】 E.粉体形成
【0114】 上記の節から理解されるように、本発明のミクロ微粒子には、種々の成分を結
合させ、または取り込むことができる。同様に、いくつかの技術は、所望の形態
(例えば有孔または中空/多孔質コンフィグレーション)、分散性および密度を
有する微粒子を与えるために使用可能である。他の方法の中で、本発明と適合性
を有する微粒子は、スプレードライ、減圧乾燥、溶媒抽出、エマルション化、凍
結乾燥、およびそれらの組み合わせを含む技術によって形成することができる。
これらの技術の多くの基本的な概念が当該技術で周知であり、ここでの教示の点
から、所望の粒子コンフィグレーションおよび/又は密度を与えるように、それ
らを適合させるために過度の実験を必要としないことが、更に認識されるであろ
う。
【0115】 いくつかの手順が一般的に本発明と適合性を有するが、特に好ましい態様は、
典型的には、スプレードライによって形成された微粒子または有孔ミクロ構造を
含む。周知であるように、スプレードライは液体のフィードを乾燥した微粒子の
形に変換する一段階過程である。薬剤応用に関して、吸入を含む種々の投与経路
のための粉体物質を与えるために、スプレードライが使われてきたと認識される
であろう。例えば、参照することによりここに取り込む吸入エアロゾルズ:「治
療の物理学的および生物学的基礎」、A.J.Hicley編集、マーセルデッ
カー社、ニューヨーク、1996におけるM.M.SachettiおよびM.
M.Van Oortを参照。
【0116】 一般的に、スプレードライは、高度に分散された液体と、液滴の蒸発および乾
燥を与えるための充分な体積の熱い空気とをまとめることから成る。スプレード
ライまたはフィード(または供給原料)となるための製剤は、任意の水性溶液、
経過ディスパージョン、スラリー、コロイドディスパージョンまたは選ばれたス
プレードライ装置を用いてアトマイズできるペーストでありえる。好ましい態様
において、供給原料は、エマルション、逆エマルション、ミクロエマルション、
複エマルション、微粒子ディスパージョンまたはスラリー等のコロイド系を含む
。典型的には、フィードは、溶媒を蒸発させて、乾燥した生成物をコレクターに
運ぶ暖かい濾過された空気の流れにスプレーされる。費やされる空気は、次いで
溶媒とともに排気される。当業者は、所望の生成物を与えるために、装置のいく
つかの異なるタイプが使用できると認識するであろう。例えば、Buchi社ま
たはNiro社によって製造される商用のスプレードライ装置、所望のサイズ、
形態および密度の粒子を効果的に製造するであろう。
【0117】 これらのスプレードライ装置、および特にそれらのアトマイザーは、専門化さ
れた応用、すなわち重複ノズル技術を用いる2つの溶液の同時のスプレー)のた
めに改造、またはカスタマイズすることができることが、更に認識されるであろ
う。より具体的には、W/O型(water−in−oil)エマルションは、
1つノズルからアトマイズすることができ、およびマンニトール等の反被着剤を
含む溶液は第二ノズルから共アトマイズすることができる。他の場合において、
高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)ポンプを用いるカスタム設計のノズルを
通してフィード溶液を押し出すことは、好ましいであろう。所望の形態および/
又は組成物を含むミクロ構造が製造されるならば、装置の選択は重要でなくて、
ここでの教示を考慮して容易に当業者にとって明らかであろう。
【0118】 結果として生じるスプレードライされた粉体は典型的には、ほぼ球状の形、大
きさにおいてほぼ均一、およびしばしば中空であるが、取り込まれる薬物および
スプレードライ条件に依存して、形状におけるいくらかの程度の不規則はあり得
る。多くの例において、ディスパージョン安定性、および微粒子または有孔ミク
ロ構造の分散性は、膨張剤(または発泡剤)それらの製造で使用されるならば改
善されるように思われる。特に好ましい態様は、分散または連続相として膨張剤
を有するエマルションを含むことができる。膨張剤は、好ましくは、例えば商業
的に入手可能なミクロ流動化装置を約34,474kPa〜103,241kP
a(5,000〜15,000psi)の圧力で用いて、界面活性剤とともに分
散される。これはプロセスは、エマルション、好ましくは取り込まれた界面活性
剤によって安定され、典型的には水性連続相中に分散された水非混和性の膨張剤
のサブミクロン液滴を含むもの、を形成する。これおよび他の技術を用いるこの
ようなエマルションの形成は、当該技術においてありふれており、且つ当業者に
周知である。発泡剤は、好ましくは、スプレードライ過程で蒸発して、選ばれた
態様においては、比較的に中空の、多孔性の空気力学的に軽いミクロスフィアを
後に残すフッ素化合物(例えば、パーフルオロヘキサン、パーフルオロオクチル
ブロミド、パーフルオロデカリン、パーフルオロブチルエタン)である。以下で
更に詳細に議論されるように、他の適当な液体の発泡剤は、非フッ素化油、クロ
ロホルム、フレオン、エチルアセテート、アルコールおよび炭化水素を含む。窒
素および二酸化炭素も、適当な発泡剤として考えられる。
【0119】 上述した化合物の他に、製造後のステップでの昇華により減圧下で除去できる
無機および有機物質も、本発明と適合性を有する。これらの昇華性化合物は、ス
プレードライフィード溶液中にミクロ化された結晶として溶解または分散可能で
あり、炭酸アンモニウムおよびカンファーを含むことができる。本発明と適合性
を有する他の化合物は、フィード溶液中に分散でき、またはその場で(in−s
itu)製造できるリジッド化性の固体構造を含む。これらの構造は、次いで、
製造後の溶媒抽出ステップを用いて、初期の粒子生成後に抽出される。例えば、
ラテックス粒子は分散でき、その後他の壁形成性化合物とともに乾燥され、次い
で適当な溶媒で抽出される。
【0120】 微粒子は好ましくは上記しれた発泡剤を用いて製造されるが、いくつかの例に
おいて、追加的な発泡剤は必須でなく、薬剤および/又は賦形剤および1以上の
界面活性剤の水性分散液は、直接スプレードライされると認識されるであろう。
このような場合に、その処方は中空の、比較的多孔性の微小粒子の形成をもたら
すことができるプロセス条件(例えば、高温)に従うことができる。更に、薬物
は、このような技術における使用に特に適当とするような特別な物理化学的性質
(例えば高い結晶化度、高い溶融温度、界面活性、その他)を有することができ
る。
【0121】 発泡剤が使用されるとき、得られる微粒子のポロシティおよび分散性の程度は
、少なくとも部分的には、発泡剤の性質、供給原料(例えば、エマルションとし
て)でのその濃度、およびスプレードライ条件に依存するように思われる。ポロ
シティ、およびディスパージョンにおける分散性を制御することに関して、従来
は発泡剤として好ましくないとされていた化合物の使用が、特に好ましい特性を
有する有孔ミクロ構造を与えることができることが、驚くべきことに見出された
。より具体的には、本発明のこの新規で、予想外の面において、比較的高い沸点
(すなわち約40℃を超える)を有するフッ素化合物の使用が、特に多孔質であ
る微粒子を製造するために使用可能なことが見出された。このような有孔ミクロ
構造は、特に吸入療法に適している。この点について、約40℃、50℃、60
℃、70℃、80℃、90℃または95℃さえ超える沸点を有するフッ素化また
は部分的フッ素化発泡剤を用いることができる。特に好ましい発泡剤は、水の沸
点、すなわち、100℃を越える沸点を有する(例えばパーフルブロン(per
flubron)、パーフルオロデカリン)。加えて、それらが0.3μm未満
の平均の重みつけ(mean−weighted)粒径を有する安定なエマルシ
ョンディディスパージョンの製造を容易にするため、比較的に低水溶性(<10
−6M)を有する発泡剤が好ましい。
【0122】 以前に記述されたように、これらの発泡剤は、好ましくは、スプレードライの
前に、エマルション化された供給原料内に取り込まれる。本発明の目的のために
、この供給原料がまた、好ましくは1以上の生物活性剤、1以上の界面活性剤ま
たは1以上の賦形剤をも含むであろう。もちろん、上述したされた成分の組み合
わせも、本発明の範囲内にある。高沸点(>100℃)フッ素化発泡剤が本発明
の1つの好ましい面を含むが、同様の沸点(>100℃)を有する非フッ素化発
泡剤も、適合性を有する微粒子を与えるために使用可能であると認識されるであ
ろう。本発明における使用に適当な例示的な非フッ素化発泡剤は、式:
【0123】 R−X−RまたはR−X (式中、RまたはRは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、芳香族
、環式またはそれらの組み合わせであり、Xは炭素、イオウ、窒素、ハロゲン、
リン、酸素、およびそれらの組み合わせ我を含む任意の基である) を含む。
【0124】 如何なる形であれ本発明を制限しないが、水性フィード成分がスプレードライ
の間に蒸発するため、それが粒子表面で薄い外被を残すと仮定される。スプレー
の初期の瞬間に形成される、得られた粒子壁または外被は、何百ものエマルショ
ン液滴(約200〜300nm)として、任意の高沸点発泡剤をトラップするよ
うに思われる。乾燥過程が続くに従い、微粒子の増大の内側の圧力は増大して、
それにより取り込まれた発泡剤の少なくとも一部を蒸発させ、および比較的薄い
外皮を介してそれを押し出す。これのベント、またはガス抜きは、見かけ上(a
pparently)ミクロ構造における孔または他の欠陥の形成をもたらす。
同時に、残っている微粒子の成分(おそらく、いくらかの発泡剤を含む)、粒子
が固化するにつれて、内部から表面に移行する。この移行は、増大された内部粘
性に起因する物質移動に、増大された抵抗性の結果、乾燥過程の間に、見かけ上
遅くなる。一旦移行が生ずるならば、粒子が固化して、ボイド、孔、欠陥、中空
、スペース、アパーチュア、パーフォレーション、またはホールを残す。孔また
は欠陥の数、それらのサイズ、および得られる壁厚さは、選ばれた発泡剤の処方
および/又は性質(例えば沸点)、エマルション中のその濃度、全固体物濃度、
およびスプレードライ条件に主に依存する。明細書を通して言及するように、こ
の好ましい粒子形態が、少なくとも部分的には、改善された粉体分散性、懸濁安
定性および空気力学に寄与するように思われる。
【0125】 これらの比較的高沸点の発泡剤の実質的な量が、結果として生じるスプレード
ライ生成物中で保持できることが、驚くべきことに判明した。すなわち、ここで
記述されたスプレードライ微粒子は、残留発泡剤の1質量%(重量%)、3質量
%(重量%)、5質量%(重量%)、10質量%(重量%)、20質量%(重量
%)、30質量%(重量%)または40質量%(重量%)(w/w)の程度に多
く含むことができる。このような場合に、この保持された発泡剤によって生ずる
増大された粒子密度の結果、より高い製造収率が得られた。保持されたフッ素化
発泡剤が、微粒子の表面特性を変え、それによりプロセシングの間の粒子凝集を
最小にし、ディディスパージョン安定性を更に増大できることが、当業者によっ
て認識されるであろう。粉体中の残留フッ素化発泡剤は、また、バリヤーを与え
ることによって、または製造の間に引力(例えば静電力)を低減することによっ
て、粒子間の凝集力を低減することもできる。乾燥粉体吸入器とともに開示され
たミクロ構造を用いるとき、この凝集力における低減は、乾燥粒子吸入器との組
み合わせで開示されたミクロ構造を使用する際に、特に有利であることができる
【0126】 更に、残留発泡剤の量は、プロセス条件(例えば出口温度)、発泡剤濃度また
は沸点により対照できる。出口温度が沸点またはより高いならば、発泡剤は粒子
を逃れ、および製造収率は減少する。好ましい出口温度は、発泡剤沸点より、一
般に20、30、40、50、60、10、80、90または100℃低く操作
されるであろう。より好ましくは、出口温度と沸点の間の温度差は、50〜15
0℃の範囲にある。粒子ポロシティ、製造収率、静電性および分散性は、第一に
、選ばれた活性剤および/又は賦形剤に適しているプロセス条件(例えば出口温
度)の範囲を確認することによって最適化することができると、当業者によって
認識されるであろう。好ましい発泡剤は、温度差が少なくとも20℃で150℃
までであるように、最高の出口温度を用いて選ぶことができる。いくつかの場合
で、例えば、超臨界条件下で、または凍結乾燥技術を用いて微粒子を製造する際
等に、温度差は、この範囲外側にある可能性がある。当業者は、発泡剤の好まし
い濃度は、ここでの例で記述されるそれらと同様の技術を用いて、過度の実験な
しで決定できることを更に認識するであろう。
【0127】 残留発泡剤が選ばれた態様において有利であり得るが、スプレードライした生
成物から任意の発泡剤を実質的に除去することは、好ましいであろう。この点で
、残留発泡剤は、減圧オーブン中で製造後の蒸発ステップで容易に除去すること
ができる。更に、このような製造後の技術は、微粒子で有孔を与えるためにも使
用することができる。例えば、孔は、生物活性剤と、減圧下で形成された微粒子
から除去可能な賦形剤とをスプレードライすることによって形成することができ
る。
【0128】 いずれにせよ、供給原料での発泡剤の例示的な濃度は、2%〜50%(v/v
)の間、より好ましくは約10%〜45%(v/v)の間である。他の態様にお
いて、発泡剤濃度は好ましくは約5%、10%、15%、20%、25%または
30%(v/v)さえ越えることが好ましいであろう。それでも、他の供給原料
エマルションは、35%、40%、45%または50%(v/v)の選ばれた化
合物さえ含むことができる。
【0129】 好ましい態様において、フィードで用いられる発泡剤の濃度を確認する他の方
法は、前駆体またはフィードエマルション中の発泡剤の濃度と、安定化界面活性
剤(例えば、ホスファチジルコリンまたはPC)のそれとの比として、それを与
えることである。フルオロカーボン発泡剤(例えばパーフルオロオクチルブロミ
ド)のために、および説明の目的のために、この比は、PFC/PC比と呼ばれ
た。より一般的には、適合性を有する発泡剤および/又は界面活性剤が本発明の
範囲の外にあることなく、例示的な化合物の代用にすることができると認識され
るであろう。いずれにせよ、典型的なPFC/PC比は、約1〜約60、より好
ましくは、約10〜約50の範囲にある。好ましい態様のために、その比は一般
に約5、10、20、25、30、40または50さえ超えるであろう。より高
いPFC/PC比の使用は、一般に、より中空で多孔性の性質の構造を与えると
認識すべきである。より具体的には、約4.8を超えるPFC/PC比を使用す
る方法は、ここで開示された乾燥粒子処方およびディスパージョンと適合性を有
する構造を与える傾向があった。
【0130】 比較的高い沸点発泡剤は本発明の1つの好ましい面を含むが、他の発泡または
膨張剤も、適合性を有するミクロ構造を与えるために使用可能と認識されるであ
ろう。従って、発泡剤は、所望のミクロ構造を製造する目的でフィード溶液に組
み込むことができる任意の揮発性物質をも含むことができる。発泡剤は、初期の
乾燥過程の間で、または減圧乾燥または溶媒抽出等の製造後のステップで、除去
することができる。適当な剤は:
【0131】 1.溶液を飽和させるために用いられる塩化メチレン、アセトン、エチルアセ
テートおよびアルコール等の水性溶液と混合できる、溶解された低沸点(100
℃未満)剤;
【0132】 2.高い圧力で用いられる、COまたはN等のガス、またはフレオン、C
FCs、HFAs、PFCs、HFCs、HFBs、フルオロアルカン、および
炭化水素等の液体;
【0133】 3.本発明の用途に適当な非混和性の低沸点(100℃未満)液体のエマルシ
ョンは、一般に式:
【0134】 R−X−RまたはR−X (式中、R1またはRは、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、芳香族
、環式またはそれらの組み合わせであり、Xは、炭素、イオウ、窒素、ハロゲン
、リン、酸素およびそれらの組み合わせを含む任意の基である) である。
【0135】 4.アンモニウム塩、カンファー、その他等の、製造後のステップで、昇華に
よって減圧下に除去することができる溶解されるか、または分散された塩または
有機物、
【0136】 5.製造後の溶媒抽出を用いる初期の粒子生成後に抽出することができる分散
された固体、 を含む。
【0137】 より低沸点の膨張剤に関して、それらは、界面活性剤溶液の約1%〜40%(
v/v)の量で、典型的には供給原料に添加される。約15%(v/v)の膨張
剤は、本発明の方法で使用できるスプレードライ粉体を製造することが判明した
【0138】 どの発泡剤が最終的に選ばれるにせよ、適合性を有する微粒子がBuechi
ミニスプレードライ装置(B−191型、スイス)等の商業的に入手可能な設備
を用いて製造できることが判明した。当業者によって認識されるように、スプレ
ードライ装置の入口温度と出口温度は、所望の粒子サイズを与え、取り込まれた
生物活性剤の活性を維持するように、調節することができる。この点で、入口お
よび出口温度は、処方成分および供給原料の組成物の溶融特性に従って調節され
る。入口温度は、従って、フィードの組成および所望の微粒子の特性に従って、
60℃〜170℃の間であることができ、出口温度は約40℃〜120℃の間で
あることができる。好ましくは、これらの温度は、入口に対して90℃〜120
D℃、および出口に対して60℃〜90℃である。スプレードライ設備で使用さ
れる流速は、一般に毎分約3ml〜毎分約15mlであろう。アトマイザー空気
流速は、毎分25リットル〜毎分約60リットルの値の間を変化する。商業上入
手可能なスプレードライ装置は、当業者に周知であり、任意の特定のディスパー
ジョンのための適当な設定は、以下に続く例への相応の参照とともに、実験的な
テストを介して容易に決定することができる。
【0139】 ミクロ微粒子が好ましくは、エマルションの形のフッ素化発泡剤を用いて形成
されるが、非フッ素化油が、ミクロ構造を低下させることなく、生物活性剤のロ
ーディング容量を増大させるために使用可能と認識されるであろう。この場合、
非フッ素化油の選択は、活性または生物活性剤の溶解性、水溶性、沸点および引
火点に基づく。生物活性剤は、油に溶解され、フィード溶液においてその後エマ
ルション化されるであろう。好ましくは、油は選ばれた剤に関して、実質的な可
溶化キャパシティ、より低い水溶性(<10−3M)、水より高い沸点、および
乾燥出口温度より高い引火点)を有する。可溶化キャパシティを増大させるため
の非フッ素化油への助溶媒(co−solvent)の、および界面活性剤の添
加も、本発明の範囲内にある。
【0140】 特に好ましい態様において、水性組成物中で制限された溶解性を有する生物活
性剤を可溶化するために、非フッ素化油を使用えきる。非フッ素化油の使用は、
疎水性ペプチドおよびタンパク質のローディング容量を増大させるための特定の
用途である。好ましくは、これらを可溶化するための油または油混合物は、1.
36〜1.41の間の屈折率を有する(例えば酪酸エチル、炭酸ブチル、ジブチ
ルエーテル)。加えて、温度および圧力等のプロセス条件は、選ばれた剤の溶解
性を押し上げるために調節することができる。剤のローディング容量を最大にす
るための適当な油または油混合物およびプロセシング条件の選択は、ここでの教
示を考慮して、当業者の範囲内であり、および過度の実験なしで達成可能と認識
されるであろう。
【0141】 本発明の特に好ましい態様は、リン脂質等の界面活性剤と、少なくとも1つの
生物活性剤を含む。他の態様は、それが更に、任意の選ばれた界面活性剤に加え
て、例えば炭水化物(すなわちグルコース、ラクトースまたはデンプン)等の親
水性部分を含むことができる賦形剤を更に含むことができるスプレードライ製剤
を含む。この点について、種々のデンプンおよび誘導体化されたデンプンは、本
発明における使用に適している。他の任意的な成分は、粘度調整剤、リン酸緩衝
剤または他の従来の生体適合性の緩衝剤等の緩衝剤または酸または塩基等のpH
調整剤、および浸透圧剤(等張性、高モル濃度(molarity)または低モ
ル濃度を与えるため)を含むことができる。適当な塩の例は、リン酸ナトリウム
(一塩基性および二塩基性)、塩化ナトリウム、リン酸カルシウム、塩化カルシ
ウムおよび他の生理的に許容できる塩を含む。
【0142】 如何なる成分が選ばれるにせよ、微粒子製造における第一段階は典型的には供
給原料製造含む。好ましくは、選択された薬物は、濃厚溶液を製造するために水
中に溶解される。薬物は、特に水不溶性剤の場合、エマルション中にで直接分散
することもできる。または薬物は固体粒子ディスパージョンの形で取り込むこと
ができる。用いられる活性または生物活性剤の濃度は、最終的な粉体で必要な剤
の量、および使用されるデリバリー器具(例えばMDIまたはDPIのための微
粉用量)の性能に依存する。必要に応じて、ポロキサマー188またはスパン(
span)80等の補助界面活性剤は、この付加的な溶液へ分散されてもよい。
加えて、糖およびデンプン等の賦形剤も、加えることができる。
【0143】 選ばれた態様において、水中油型エマルションが、次いで別の容器で形成され
る。使用される油は、好ましくは、長鎖飽和リン脂質等の界面活性剤を用いてエ
マルション化されるフルオロカーボン(例えばパーフルオロオクチルブロミド、
パーフルオロデカリン)である。例えば、1グラムのリン脂質は、150gの熱
い蒸留水(例えば60℃)中に、適当な高剪断の機械的ミクサー(例えばウルト
ラ−トゥラックス(Ultra−Turrax)のT−25型ミクサー)を80
00rpmで5分間用いてされてにおいて均質化することができる。典型的には
、5〜25gのフルオロカーボンが、混合しつつ、分散された界面活性剤溶液に
滴下される。水エマルション中の結果として生じるパーフルオロカーボンは、次
いで、粒子サイズを低減するために高圧ホモジナイザを用いて処理される。例え
ば、そのエマルションは82,737〜103,421kPa(12,000〜
18,000psi)で、別個の5パスで処理することができ、且つ50〜80
℃に維持することができる。
【0144】 生物活性剤溶液およびパーフルオロカーボンエマルションは、次いで、組み合
わされ、スプレードライ装置に供給することができる。エマルションが好ましく
は水性連続相を含むために、2つの製剤は典型的には混和性であろう。生物活性
剤は本議論の目的のために別々に可溶化されるが、他の態様においては、活性ま
たは生物活性剤は、エマルション中に直接可溶化(または分散)することができ
ると認識されるであろう。このような場合に、活性または生物活性なエマルショ
ンは、分離した薬物製剤を組み合わせることなく、単にスプレードライされる。
【0145】 いずれにせよ、入口および出口温度、フィード速度、微粒化圧力、乾燥空気の
流速およびノズルのコンフィグレーション等の操作条件は、結果として生じる乾
燥構造の必要な粒径、および製造収率を与えるために、製造者のガイドラインに
従って調節することができる。例示的な設定は、次の通りである:60℃〜17
0℃の間の空気入口温度;40℃〜120℃の間の空気出口;毎分約3ml〜1
5mlの間のフィード速度;および300L/分の吸引空気流量、および25〜
50のの間の微粒化空気流速。適当な装置およびプロセシング条件の選択は、こ
こでの教示を考慮した当業者の範囲内であって、過度の実験なしで達成すること
ができる。いずれにせよ、これらおよび実質的に均等の方法の使用は、肺へのエ
アロゾル沈着に適当な粒径を有する、中空の多孔性の空気力学的に軽いミクロス
フェアの形成を与える。中空および多孔質であるミクロ構造は、外観上、ほぼハ
チの巣状、または発泡体状である。特に好ましい態様において、有孔ミクロ構造
は、中空、多孔質、スプレードライされたミクロスフェアを含む。
【0146】 スプレードライとともに、本発明において有用な有孔ミクロ構造は、凍結乾燥
(lyophilization)によって形成することができる。当業者は、
凍結乾燥が、それが凍結した後に、水が組成物から昇華されるフリーズドライプ
ロセスであると認識するであろう。凍結乾燥プロセスに伴う特定の利点は、水溶
液中で比較的不安定である生物学的製剤および他の薬剤が、高い温度(それによ
り、有害な熱効果を除去して)なしで乾燥することができ、次いで、安定性の問
題が殆どない乾燥状態で貯蔵できるということである。本発明に関して、このよ
うな技術は、生理学的な活性を低下(compromise)させることなく、
微粒子または有孔ミクロ構造での、ペプチド、タンパク質、遺伝物質および他の
天然および合成高分子とのないの取込みと、特に適合性を有する。凍結乾燥され
た微粒子を与える方法は当業者に公知であり、ここでの教示に従って適合性を有
するミクロ構造を与えることは、明らかに、過度の実験を必要としない。微細な
気泡状の構造を含む凍結乾燥されたケークは、5μmまたは10μm未満で平均
直径を有する粒子を与えるために、当業者において公知の技術を用いて微粉化す
ることができる。したがって、所望の特性を有するミクロ構造を与えるために凍
結乾燥プロセスが使用できる範囲で、それらは本発明の範囲内にあると明白に考
えられる。
【0147】 上記技術の他に、本発明の微粒子および有孔ミクロ構造は、また、壁形成剤を
含むフィード溶液(エマルションまたは水性)が、減圧力下で迅速に加熱油(例
えばパーフルブロンまたは他の高沸点FCs)のリザーバに添加される方法を用
いて形成することができる。フィード溶液の水および揮発性溶媒は、迅速に沸騰
され、および蒸発される。このプロセスは、パフ化米またはポップコーンと同様
に、壁形成剤から有孔構造を与えるために使用可能である。好ましくは、壁形成
剤は加熱油中に不溶である。結果として生じる粒子は、次いでフィルタリング技
術を用いて加熱油から分離され、その後、減圧下で乾燥することができる。
【0148】 加えて、本発明の粒子または有孔ミクロ構造は、二重エマルション方法を用い
て形成することもできる。二重エマルション方法においては、薬物は第1に音波
処理または均質化によって有機溶媒(例えば塩化メチレン)中に溶解されたポリ
マー中に分散される。この第1次のエマルションは、ポリビニルアルコール等の
エマルション化剤を含む連続水相中で、複エマルションを形成することによって
次いで安定化される。従来の技術および装置を用いる蒸発または抽出により、次
いで有機溶媒が除去される。結果として生じる微小粒子は、次いで、本発明に従
ってそれらを適当な懸濁媒体と組み合わせ、または使用される前に、洗浄され、
濾過され、および乾燥される。
【0149】 F.投与
【0150】 ミクロ微粒子の製造のために如何なる方法が最終的に選ばれるにせよ、結果と
して生じる粉体は、粉体形で、または非水性の懸濁媒体を含むディスパージョン
としてそれらが効果的に用いられるような多数の有利な性質を有する。特に好ま
しい態様において、乾燥粉体またはディスパージョンの形のいずれでも、吸入療
法を介して、生物活性な組成物が気道(すなわち肺および/又は鼻道)の粘膜の
表面に投与されるであろう。このような投与は、MDIs、DPIs、ネブライ
ザー、鼻ポンプ、アトマイザー、スプレーボトルを用いて、または滴の形での直
接の点滴注入より行うことができる。しかしながら、吸入療法は本発明と極めて
適合性があるが、投与の他の形および/又は経路も、有用であると認識されるで
あろう。
【0151】 この点について、本発明の粉体および安定化ディスパージョンは、体の任意の
位置に対する化合物の局所的または全身の投与のためにも使用できる。したがっ
て、好ましい態様において、(これらに制限されないが)局所的、筋肉内、経皮
的、皮内、腹腔内、鼻、肺、バッカル、膣、直腸、耳に、または目への投与を含
む多くの異なる経路を用いて製剤を投与できることが強調されるべきである。好
ましい標的サイトは、例えば、胃腸管、尿生殖路または気道に見出すことができ
る。より一般的には、本発明の安定化ディスパージョンは、局所的に、または任
意の体腔への投与によって剤をデリバリーするために使用できる。好ましい態様
において、体腔は腹膜、副鼻洞空洞、直腸、尿道、胃、鼻腔、膣、耳道、口腔、
頬側嚢および肋膜からなる群から選ばれる。当業者は、投与の選択された経路が
主に生物活性剤の選択と被験体の所望の応答によって決定されると認識するであ
ろう。
【0152】 開示された粉体または安定化ディスパージョンのデリバリーに関して、本発明
他の面は、患者への1以上の生物活性剤、または生物学的製剤の投与のためのシ
ステムに向けられる。上記したように、本発明と適合性を有する例示的な吸入器
具は、アトマイザー、鼻ポンプ、ネブライザーまたはスプレーボトル、乾燥粉体
吸入器、用量計量型吸入器またはネブライザーを含むことができる。好ましい態
様においては、これらの吸入システムは、エアロゾルとして生物活性剤を所望の
生理学的サイト(例えば粘膜の表面)にデリバリーするであろう。文脈上の拘束
によって別に規定されない限り、本出願の目的のために、用語「エアロゾル化さ
れる」は、微細な固体または液体の粒子のガス状ディスパージョンを意味するよ
うに維持される。すなわち、エアロゾル、またはエアロゾル化された薬物は、例
えば、乾燥粉体吸入器、用量計量型吸入器、アトマイザー、スプレーボトルまた
はネブライザーによって発生させることができる。もちろん、以下で更に詳細に
説明されるように、本発明の組成物は、直接に(例えば、従来の注射または針無
しの注射により)、または液体用量点滴注入等の技術を用いて、デリバリーする
ことができる。従って、本発明の更なる面は、開示された粉体またはディスパー
ジョンを含む針無しのインジェクター(例えば、加圧気体ガン)に向けられる。
【0153】 F(i).乾燥粉体吸入器
【0154】 吸入療法に関して、当業者は、本発明の粉体、特に有孔ミクロ構造を含むもの
が、特にDPIsにおいてで有用であると認識するであろう。従来のDPIs、
または乾燥粉体吸入器は、粉体状処方と、単独でまたはラクトースキャリア粒子
とのブレンドで、薬物の所定の用量が吸入のための乾燥粉体の微細なミストまた
はエアロゾルとしてデリバリーされる器具とを含む。有用なDPI薬物は、典型
的には、それらが0.5〜20μmまでの間のサイズを有する個々の粒子に容易
に分散するように処方される。粉体は、吸気によって、または加圧された空気等
の外部のあるデリバリー力によって作動される。DPI処方は、典型的には単一
用量ユニットでパックされ、または用量の器具へのマニュアル移行によって、多
数の用量を計測可能なリザーバシステムを使用する。
【0155】 DPIsは、一般に、使用される用量デリバリーシステムに基づいて分類され
る。この点で、DPIsの2つの主要なタイプは、ユニット用量デリバリー器具
と、バルクリザーバデリバリーシステムとを含む。ここで用いるように、用語「
リザーバ」は一般のセンスで使用され、文脈上の拘束によって別に規定されない
限り、両方のコンフィグレーションを包含するように維持される。いずれにせよ
、ユニット用量デリバリーシステムは、単一のユニットとして器具に与えられる
粉体処方の用量を必要とする。このシステムにより、処方は、フォイル包装され
、または水分侵入を防ぐためにブリスターストリップで与えることができる投与
ウェルに予備充填される。他のユニット用量パッケージは、硬質ゼラチンカプセ
ルを含む。DPIsのために設計された大部分のユニット用量容器は、固定体積
技術を用いて充填される。その結果、粉体流動性とバルク密度によって規定され
るユニットパッケージ内に計量できる最小用量に、物理的限界(ここで密度)が
ある。
【0156】 上述したように、本発明の粉体は、先行技術キャリア製剤に伴う困難の多くを
取り除く。すなわち、DPI性能における改良は、ここで開示されたように、粒
径、空気力学、形態および密度、湿度、および電荷を調節することによって得る
ことができる。この点で、本発明は、薬物、賦形剤または増量剤が、好ましくは
有孔ミクロ構造と組み合わされ、または有孔ミクロ構造を含む処方を与える。上
述したように、本発明に従う好ましい組成物は、典型的には0.1g/cm
満、しばしば0.05未満g/cmのバルク密度を有する粉体を産する。従来
のDPIより低い大きさのオーダーのバルク密度を有する粉体を提供することに
より、選ばれた生物活性剤の遙かに低い用量がユニット用量容器に充填され、ま
たはリザーバベースのDPIsを介して計量することが可能となる。効果的に小
さい量を計量する能力は、ホルモン等の比較的効能ある生物活性剤のために重要
である。更に、関連キャリア粒子なしで効果的に微粒子をデリバリーする能力は
、生成物処方および充填を単純化し、および好ましくない副作用を低減する。
【0157】 本発明の粉体が特に単一の作動で生物活性剤の比較的高い服用量をデリバリー
することにおいて、効果的と認識されるであろう。先行技術と異なり、その粉体
状処方は、効果的な充填およびデリバリーのために増量剤の使用を必要とせず、
したがって、重量−重量ベースで生物活性剤のより高いレベルを含むことができ
る。重要なことに、開示された組成物は、単一の作動で約10mg程度に多い生
物活性剤をデリバリーするために使用できる。このような利点は、例えば、他の
適合性を有する剤ほどには有力でない可能性がある受動免疫化のための免疫調節
剤または抗体をデリバリーする際に、恐らく特に重要であろう。もちろん、この
議論が特にDPIsの使用に向けられているが、この同じ利点は、ディスパージ
ョン、およびMDIs、鼻ポンプおよび針無しのインジェクター等の他の形の投
与にも等しくに適用できる。
【0158】 前記の利点に加えて、本発明の好ましい態様は、それらを特にDPIsのため
に、効果的にする良好な空気力学の性質を示す。より具体的には、微小粒子の有
孔構造と比較的高い表面は、吸入の間、匹敵するサイズの比較的に非有孔の粒子
と比べて、より容易に、およびより長い距離で、ガスの流れでそれらが運ばれる
ことを可能にする。それらの高いポロシティと低比重のため、DPIによる有孔
ミクロ構造の投与は、鼻道および肺の周辺における粘膜の表面等の標的サイトで
の増大された粒子沈着と、これに対応して、喉でのより少ない沈着を与える。こ
のような粒子分布は、全身性投与のために好ましい、投与された剤の深い肺沈着
を増大させるために使用することができる。更に、先行技術DPI製剤に対する
実質的な改良において、本発明の低い密度、高度に多孔性の粉体は、好ましくは
キャリア粒子の必要性を除去する。
【0159】 F(ii).安定化された分散性
【0160】 乾燥粉体コンフィグレーションでのそれらの使用とともに、本発明の粉体は、
安定化ディスパージョンを与えるために懸濁媒体中の取り込むことができると認
識されるであろう。好ましくは、安定化ディスパージョンは、非水性ディスパー
ジョンを含む。数ある使用の中で、安定化ディスパージョンは、MDIs、アト
マイザーまたはスプレーボトル、鼻ポンプ、針無しのインジェクター、ネブライ
ザーまたは液体の用量点滴注入(LDI技術)を用いて、患者の肺の気道への生
物活性剤の効果的デリバリーをが与える。
【0161】 当業者は、開示されたディスパージョンまたはディスパージョンの強化された
安定性が、主に、懸濁粒子の間でのファンデルワールス引力を下げることによっ
て、および懸濁媒体と粒子の間で密度における差違を低減することによって、達
成されることを認識するであろう。ここでの教示に従って、懸濁安定性の増大は
、それが次いで適合性を有する懸濁媒体中に分散される有孔ミクロ構造を設計す
ることによって付与することができる。上述したように、有孔ミクロ構造は、流
体懸濁媒体を微粒子の境界に自由に浸透させ、または灌流(perfuse)さ
せる孔、ボイド、中空、欠損、または他の介在(interstitial)ス
ペースを含む。特に好ましい態様は、中空および多孔質の両方である、外観にお
いてほぼハチの巣状または発泡体状の有孔ミクロ構造を含む。特に好ましい態様
においては、有孔ミクロ構造は、中空、多孔性のスプレードライされたミクロス
フェアを含む。もちろん、比較的無孔の、固体の微粒子を含む他の態様において
、強化された安定性は、微粒子成分(例えば界面活性剤)の選択を介して付与す
ることができる。
【0162】 有孔ミクロ構造が懸濁媒体(すなわちヒドロフルオロアルカン推進剤または液
体のフルオロカーボン)中に配置される、懸濁媒体は粒子に浸透することができ
、それにより、連続相および分散相が見分けがつかないホモ分散性を作る。画さ
れたまたは「仮想」粒子(すなわち、ミクロ微粒子マトリックスによって境界線
を描かれた(circumscribed)体積を含む)それらが懸濁される媒
体中のほぼ全体で作製されるため、粒子凝集(フロキュレーション)を駆動する
力は最小にされる。加えて、画された粒子と連続相との間の密度における差違は
、ミクロ構造を媒体で充填させることによって最小にされ、それにより粒子クリ
ーミングまたは遠心沈降を効果的に遅くさせる。従って、本発明の微粒子と安定
化ディスパージョンは、多くのエアロゾル化技術(例えばMDI、スプレーボト
ルを介する微粒化、鼻ポンプ、ネブライゼーション、その他等と、特に適合性を
有する。更に、安定化ディスパージョンは、(これらに限定されないが)液体の
用量点滴注入、針無しの注入、従来の注入および局所適用を含む投与の他の経路
と適合性を有する。
【0163】 先行技術組成物と異なり、本発明の好ましいディスパージョンは、粒子の間で
反発を増大させず、粒子の間でむしろ引力を減少させるように設計されている。
この点で、非水性媒体中のフロキュレーションを駆動する主要な長所がファンデ
ルワールス引力であると認識すべきである。上述したように、VDW力は、量子
力学起原であって、変動している双極子の間(すなわち誘起双極子一誘起双極子
の相互作用)で、引力として視覚化することができる。ディスパージョン力は、
極めて短距離で、および原子間の距離の6乗としてのスケールである。2つの巨
視的な物体が互いに接近する時は、原子間のディスパージョン引力は総計される
。結果として生じる力は、かなりより長距離で、相互に作用している物体の幾何
学に依存する。
【0164】 より具体的には、2つの球状粒子に対して、VDWポテンシャル(VA)の大
きさは、:
【0165】
【数2】 (式中、Aeffは、粒子および媒体の性質を説明する有効Hamaker定数
であり、Hは粒子間の距離であり、RおよびRは、球状の粒子1および2
の半径である) により近似することができる。有効Hamaker定数は、分散粒子と懸濁媒体
の分極率における差違に比例する:
【数3】 (式中、ASMおよびAPARTは、それぞれ、懸濁媒体および粒子のためのハ
メーカー(Hamaker)定数である)。懸濁粒子と分散媒が本質的に類似し
てくると、ASMおよびAPARTが大きさにおいてより近くなり、Aeff
よびVは、より小さくなる。すなわち、懸濁媒体に伴うハメーカー定数と、分
散粒子に伴うハメーカー定数の間で差違を低減することによって、有効ハメーカ
ー定数(および対応するファンデルワールス引力)は、低減することができる。
【0166】 ハメーカー定数における差違を最小にする一つの方法は、上述したように連続
相および分散相の両方が本質的に見分けがつかない、「ホモディスパージョン」
を作製することである。有効ハメーカー定数を低減するために粒子の形態を利用
する他に、構造的マトリックス(有孔ミクロ構造を画する)の成分は、懸濁媒体
のそれに比較的近いハメーカー定数を示すように好ましくは選ばれるであろう。
この点で、ディスパージョン成分の適合性を決定するため、および製剤の安定性
に関して良好な指標を与えるために、懸濁媒体および微粒子成分のハメーカー定
数の実際の値を使用することができる。代わりに、測定可能なハメーカー定数と
符号するが、より容易により識別可能な特徴的な物理的な値を用いて、比較的に
適合性を有する微粒子または有孔ミクロ構造成分と、懸濁媒体とを選ぶことがで
きるであろう。
【0167】 この点で、多くの化合物の屈折率値が、対応するハメーカー定数に応じて変化
する(scale with)傾向があることが判明した。したがって、容易に
実質的にの屈折率値は、それに関して、懸濁媒体および粒子賦形剤の組み合わせ
が、比較的低い有効ハメーカー定数、およびこれに伴う安定性を有するディスパ
ージョンを与えるであろうところの、かなり(fairly)良好な指標を与え
るために使用可能である。化合物の屈折のインデックスが広く利用でき、または
容易に誘導できるため、このような値の使用により、過度の実験をすることなく
、本発明に従う安定化ディスパージョンの形成が可能となると認識されるであろ
う。説明のみの目的で、開示されたディスパージョンと適合性を有するいくつか
の化合物の屈折のインデックスを、直ぐ下の表Iに与える:
【0168】
【表1】
【0169】 上述した適合性を有するディスパージョン成分と調和して、当業者は、複数の
成分が約0.5未満の屈折率差を有するディスパージョンの形成が好ましいこと
を認識するであろう。すなわち。懸濁媒体の屈折率は、好ましくは粒子または有
孔ミクロ構造に伴う屈折率のうちの約0.5の範囲内にある。懸濁媒体および粒
子の屈折率は直接測定することができ、または個々それぞれの相における主成分
の屈折率を用いて近似できることが、更にに認識されるであろう。微粒子または
有孔ミクロ構造に対して、主要な成分は、重量パーセントベースで決定できる。
懸濁媒体に対して、主要な成分は、典型的には体積パーセントベースで導かれる
。本発明の選ばれた態様において、屈折率差の値は、好ましくは約0.45未満
、約0.4、約0.35または約0.3未満でさえあるであろう。低い屈折率差
が、より高いディスパージョン安定性を暗示するならば、特に好ましい態様は、
約0.28未満、約0.25、約0.2、約0.15または約0.1未満の指数
差を含む。当業者は、本開示を与えられたならば、過度の実験なしで、どの賦形
剤が特に適合性を有するかについて決定できることが言える。好ましい賦形剤の
最終的な選択は、また、生体適合性、規則の事情、製造の容易さ、コストを含む
他の要素よって影響される。
【0170】 上述したように、粒子と連続相の間の密度差の最小化は、懸濁媒体が粒子体積
の大部分を構成するように、有孔および/又は中空ミクロ構造を用いることによ
って達成することができる。ここで用いるように、用語「粒子体積」は、それら
が固体(すなわち粒子境界によって定義される体積)であるならば、取り込まれ
た中空/多孔質粒子によって置き換えられるであろう懸濁媒体の体積に対応する
。説明の目的のため、および上述したように、これらの流体充填された微粒子の
体積は、「仮想的な微粒子」と言うことができる。好ましくは、生物活性剤/賦
形剤シェルまたはマトリックスの平均体積(すなわち、有孔ミクロ構造によって
、実際に置き換えられる媒体の体積)は、平均の粒子体積の80%未満(または
仮想微粒子の80%未満)を含む。より好ましくは、ミクロ微粒子マトリックス
の体積は、平均の粒子体積の約50%、40%、30%または20%未満さえ含
む。より好ましくは、シェル/マトリックスの平均体積は、平均の粒子体積の約
10%、5%、3%または1%未満を含む。当業者は、このようなマトリックス
またはシェル体積が、典型的には、そこに見出される懸濁媒体によって圧倒的に
規定される仮想粒子密度に、殆ど寄与しないと認識するであろう。
【0171】 このようなミクロ構造の使用は、仮想粒子の見掛けの密度が、引力的なファン
デルワールス力を実質的に除去している懸濁媒体のそれに近似させると、更に認
識されるであろう。更に上述したように、ミクロ微微粒子マトリックスの成分が
、懸濁媒体の密度に近似するために、可能な与えられた他の考慮をできる限り多
くするように、選ぶことが好ましい。したがって、本発明好ましい態様において
、仮想粒子と懸濁媒体は、約0.6g/cm未満の密度差を有するであろう。
すなわち、仮想粒子の平均の密度(マトリックス境界によって画されるように)
は、懸濁媒体の約0.6g/cmの範囲内にある。より好ましくは、仮想粒子
の平均の密度は、選ばれた懸濁媒体の0.5、0.4.0.3または0.2g/
cmの範囲内にあるであろう。より好ましい態様において、密度差は、約0.
1、0.05.0.01未満、または0.005g/cm未満の範囲内にある
であろう。
【0172】 前記の利点に加えて、開示された微粒子の使用は、懸濁物中の遙かに高い体積
の粒子分率を含むディスパージョンを形成させる。密充填(close pac
king)にアプローチする体積分率での先行技術ディスパージョンの処方が、
一般に、ディスパージョン粘弾性挙動の劇的な増大を生ずることが認識されるべ
きである。このタイプのレオロジー的挙動は、MDIまたはネブライザー応用に
適当でない。当業者は、粒子の体積分率が粒子の見かけ体積(すなわち粒子体積
)と、そのシステムの総容積への比として定義できることを認識するであろう。
各システムは、最大体積分率または充填分率を有する。例えば、単一の立方配置
での粒子が0.52の最大充填分率に到達し、他方、面心立方/六方晶の密充填
コンフィグレーションにおけるそれらが約0.74の最大充填分率に到達する。
非球状粒子または多分散システムに対して、誘導された値は異なる。したがって
、最大充填分率は、しばしば与えられたシステムのための経験的なパラメータで
あると思われる。
【0173】 ここで、本発明の好ましい微粒子が、密充填に近似する高い体積分率でさえ、
好ましくない粘弾性な挙動を示さないことが、驚くべきことに判明した。逆に、
それらは、固体粒子を含む同様な懸濁物と比較して、殆どまたは全く降伏応力を
有さない自由流れの、低粘度懸濁物のままである。開示された懸濁物の低い粘度
は、少なくとも大部分は、流体充填された中空、多孔質粒子の間の比較的低いフ
ァンデルワールス引力のためであると思われる。従って、選ばれた態様において
、開示されたディスパージョンの体積分率は、約0.3を超える。他の態様は、
密充填条件に近似するより高い値で、0.3〜0.8のオーダー、または0.5
〜約0.8のオーダーのパッキング値を有していてもよい。更に、体積分率が密
充填に近似するとき、粒子沈降が当然に減少する傾向があるため、比較的濃縮さ
れた濃いディスパージョンの形成は、処方の安定性を更に増大させことができる
【0174】 本発明の方法および組成物は比較的に濃縮された懸濁物を形成するために使用
できるが、安定化因子は、遙かに低いパッキング体積で等しく良好に機能し、且
つこのようなディスパージョンは、本開示の範囲内にると考えれれる。この点に
ついて、低い体積分率を含むディスパージョンが、先行技術のテクニックを用い
て安定させることは極めて難しいと認識されるであろう。逆に、ここで記述した
ように、生物活性剤を含む微粒子を取り込んでいるディスパージョンは、低い体
積分率でさえ特に安定である。したがって、本発明は、安定化ディスパージョン
、特に0.3未満の体積分率で形成され、使用されるべき呼吸のためのディスパ
ージョンを当てる。好ましいいくつかの態様において、体積分率は約0.000
1〜0.3、より好ましくは、約0.001〜0.01である。更に、他の好ま
しい態様は、約0.01〜約0.1まで体積分率を有する安定化ディスパージョ
ンを含む。
【0175】 本発明の有孔ミクロ構造は、微粉化された生物活性剤の希薄ディスパージョン
を安定させるためにも使用できる。このような態様において、有孔ミクロ構造は
懸濁物中の粒子の体積分率を増大させるめに添加することができ、それによりク
リーミングまたは沈降に対する懸濁安定性を増大させる。更に、これらの態様に
おいて、取り込まれたミクロ構造は、また、微粉化された薬物粒子の近いアプロ
ーチ(凝集)を防ぐように作用することができる。このような態様において取り
込まれた有孔ミクロ構造は、必ずしも生物活性剤を含まなくてもよいと認識すべ
きである。むしろ、それらは界面活性剤を含む、種々の賦形剤のみで形成するこ
とができる。
【0176】 当業者は、本発明の安定化懸濁物またはディスパージョンが、それが容器また
はリザーバに次いで配置できる選ばれた懸濁媒体中の、ミクロ構造の分散によっ
て製造できると更に認識するであろう。この点について、本発明の安定化製剤は
、最終的な所望のディスパージョン濃度を製造するために、充分な量で成分を単
に混合することによって作製できる。ミクロ構造は、機械的エネルギーなしで容
易に分散されるが、分散(例えば、音波処理を用いて)を助長するための機械的
エネルギーの印加も考えられる。代わりに、複数の成分は単純な振盪または他の
タイプの攪拌によって混合することができる。そのプロセスは、好ましくは、懸
濁安定性に対する水分の悪影響を除くために、無水条件下で行われる。一旦形成
されたならば、そのディスパージョンは、フロキュレーションまたは沈降に対し
て低減された感受性を有する。
【0177】 本明細書を通して示したように、本発明のディスパージョンは好ましくは安定
される。広義に、用語「安定化ディスパージョン」は、生物活性剤の効果的デリ
バリーを与えるために必要とされる程度に、凝集、フロキュレーションまたはク
リーミングに対して抵抗性を有する任意のディスパージョンを意味するように維
持される。更に、開示されたディスパージョンおよび粉体が室温で安定であって
、それらの活性を効果的に維持するために冷蔵または凍結を必要としないことは
、本発明の重要な利点である。貯蔵寿命を引き伸ばす他に、注目に値する温度安
定性は、出荷(shipping)および投与を著しく単純化する。
【0178】 当業者は、与えられたディスパージョンの安定性を評価するために使用可能な
いくつかの方法があると認識するであろうが、本発明の目的のための好ましい方
法は、動的光沈降法を用いるクリーミングまたは沈降時間の決定を含む。好まし
い方法は、懸濁粒子を遠心力に供し、時間の関数として懸濁物の吸光度を測定す
ることを含む。吸光度における迅速な減少は、貧弱な安定性を有する懸濁物を確
認する。当業者が過度の実験なしで、その手順を特定のディスパージョンに適応
可能なことが言える。
【0179】 本発明の目的のために、クリーミング時間は、懸濁された薬物微粒子が懸濁媒
体の体積の1/2までクリーム化するのための時間として定義される。同様に、
沈降時間は、微粒子が液体媒体の体積の1/2に沈降物するために必要とされる
時間として定義することができる。上述した光沈降技術の他に、製剤のクリーミ
ング時間を決定する比較的簡単な方法は、シールされたガラスバイアル中に微粒
子のディスパージョンを与えることである。バイアルは攪拌または振盪されて比
較的均一なディスパージョンを与え、それは次いで、わきに置かれ、適当な機器
を用いて、または目視査によって観察される。懸濁粒子が懸濁媒体の体積の1/
2までクリーム化するため(すなわち、懸濁媒体の上半分まで上昇する)、また
は体積の1/2まで沈降する(すなわち、媒体の1/2の底に落ちつく)ために
必要な時間が、次いで記録される。1分より長いクリーミング時間を有するディ
スパージョン処方が好ましく、適当な安定性を示す。より好ましくは、安定化さ
れたディスパージョンは、1、2、5、10、15、20または30分より長い
クリーミング時間を含む。特に好ましい態様において、安定化ディスパージョン
は、約1、1.5、2、2.5または3時間を超えるクリーミング時間を示す。
沈降時間のための実質的に均等の期間は、適合性を有するディスパージョンを示
す。
【0180】 他の成分を本発明の安定化ディスパージョンに含むことができると理解される
であろう。例えば、浸透圧剤、安定剤、キレート化剤、緩衝剤、粘度調節剤、塩
および糖を、最大寿命および投与の容易さを微調整するために、安定化ディスパ
ージョンに添加することができる。このような成分は、直接懸濁媒体に添加する
ことができ、または有孔ミクロ構造と組み合わせ、またはその中に取り込むこと
ができる。滅菌性、等張性および生体適合性等の考慮は、開示された組成物に従
来の添加剤の使用を支配する可能性がある。このような剤の使用は当業者にとっ
て理解されるであろうし、特定の量、比および剤のタイプは、過度の実験なしで
経験的に決定することができる。
【0181】 F(iii).計量型用量吸入器
【0182】 上述したように、安定化ディスパージョンは、好ましくは、用量計量型吸入器
等のエアロゾル適用を介して、患者の鼻または肺の気道に投与することができる
。このような安定化製剤の使用は、優れた用量再現性、および上述したように標
的サイトで改善された沈着を与える。MDIsは当該技術において周知であり、
過度の実験なしでクレームされたディスパージョンの投与のために容易に使用す
ることができた。呼吸活性化型MDIs、並びに既に開発され、または将来開発
されるであろう他のタイプの改善を含むものも、安定化ディスパージョンおよび
本発明で両立でき、およびそれらの範囲内と考えられる。
【0183】 MDIカニスターは、一般に、プラスチックまたはプラスチック−コートされ
たガラスボトル、または好ましくは、所望により陽極酸化され、ラッカーコート
され、および/又はプラスチックコートされていてもよい金属(例えばアルミニ
ウム)等の推進剤の蒸気圧に耐えることができる容器またはリザーバを含み、そ
の容器が計量型バルブで閉じられている。計量型バルブは、作動につき処方の計
量された量をデリバリーするように設計されている。バルブは、そのバルブを介
する推進剤のリークを防ぐためのガスケットを取り込む。ガスケットは、例えば
、低密度ポリエチレン、クロロブチル、白および黒のブタジエン−アクリロニト
リルゴム、ブチルゴム、およびネオプレン等の任意の適当なエラストマー性材料
を含むことができる。適当なバルブは、例えばフランスのバロア社(Valoi
s)(例えば、DFIO、DF30、DF31/50ACT、DF60)、ベス
パク社(Bespak plc、LTK)(例えばBK300、BK356)、
および3M−ネオテクニックLTK(例えば、スプレーマイザー(Spraym
iser))等のエアロゾル産業界で周知の製造者から商業的に入手可能である
【0184】 個々の充填されたカニスターは、患者の肺または口または鼻の空洞への薬物の
投与のための用量計量型吸入器を形成するために、使用の前に、便利に適当なチ
ャネリング器具または作動装置にはめ込まれる。適当なチャネリング器具は、そ
れにより、例えば、患者の鼻または口(例えばマウスピース作動装置)に対して
、充填されたカニスターから計量バルブを介して薬物がデリバリーできる、例え
ばバルブ作動装置および円柱形または円錐形状のパスを含む。計量型用量吸入器
は、例えば、作動につき10〜5000マイクログラムの範囲で生物活性剤等の
、作動につき固定されたユニット薬用量をデリバリーするように設計されている
。典型的には、単一充填型のカニスターは、数十または数百のショットまたは用
量を与える。
【0185】 MDIsに関して、推進剤として作用するために適当な蒸気圧を有する任意の
生体適合性の懸濁媒体をも使用できることは、本発明の利点である。特に好まし
い懸濁媒体は、用量計量型吸入器との使用に適合性を有する。すなわち、それら
は計量型バルブの作動および関連する圧力の放出の際に、エアロゾルを形成でき
るであろう。一般的に、選ばれた懸濁媒体は、生体適合性(すなわち、比較的に
非毒性)で、生物活性剤を含む懸濁された有孔ミクロ構造に関して非反応性であ
るべきである。好ましくは、懸濁媒体は、有孔ミクロスフェア中に取り込まれる
任意の成分に対して実質的な溶媒の働きをしない。本発明の選ばれた態様は、フ
ルオロカーボン(他のハロゲンで置換されたものを含む)、ヒドロフルオロアル
カン、パーフルオロカーボン、炭化水素、アルコール、エーテルまたはそれらの
組み合わせからなる群から選ばれる懸濁媒体を含む。懸濁媒体は、特定の特性を
付与されるために選ばれる種々の化合物の混合物を含むことができると認識され
るであろう。
【0186】 本発明のMDI懸濁媒体に用いられる特に適当な推進剤は、室温での圧力下の
液化性でき、吸入または局所的使用において安全であり、毒物学的に無害で、副
作用のないような推進剤ガスである。この点について、適合性を有する推進剤は
、用量計量型吸入器の作動の際に、エアロゾルを能率的に形成するために充分な
蒸気圧を有する、任意の炭化水素、フルオロカーボン、水素含有フルオロカーボ
ンまたはそれらの混合物を含むことができる。それらの推進剤(典型的にはヒド
ロフルオロアルカンまたはHFAsと呼ばれる)は、特に適合性を有する。例え
ば、適当な推進剤は、短鎖炭化水素、CHClF、CClCHClF、
CFCHClF、CHFCClF、CHClFCHF、CFCH
l、およびCClFCH等のC〜C水素含有クロロフルオロカーボン;
CHFCHF、CFCHF、CHFCHおよびCFCHFCF
等のC〜C水素含有フルオロカーボン(例えばHFAs);およびCF
およびCFCFCF等のパーフルオロカーボンを含む。好ましくは、
単一のパーフルオロカーボンまたは水素含有フルオロカーボンが推進剤として使
用される。推進剤として特に好ましいものは、1,1,1,2−テトラフルオロ
エタン(CHCHF)(HFA−134a)、および1,1,1,2,3,
3,3−ヘプタフルオロ−n−プロパン(CFCHFCF)(HFA−22
7)、パーフルオロエタン、モノクロロジフルオロメタン、1,1−ジフルオロ
エタン、およびそれらの組み合わせである。その処方は、成層圏のオゾンを枯渇
させる成分を含まないことが好ましい。CClF、CC12とCFCC
等のクロロフルオロカーボンを実質的に含まなくことが特に好ましい。
【0187】 本発明の好ましい態様は生態学的に優しい懸濁媒体を含むが、従来のクロロフ
ルオロカーボンおよび置換されたフッ素化合物も、ここでの教示に従って懸濁媒
体として使用できる。この点で、環境的な懸念が伴う可能性があるものの、FC
−11(CClF)、FC−11B1(CBrClF)、FC−1162(
CBrClF)、FC12B2(CFBr)、FC21(CHClF)
、FC−21B1(CHBrClF)、FC−21B2(CHBrF)、FC
−31B1(CHBrF)、FC113A(CClCF)、FC−122
(CClFCHCl)、FC−123(CFCHCl)、FC−132
(CHClFCHClF)、FC−133(CHClFCHF)、FC−14
1(CHClCHClF)、FC−141B(CClFCH)、FC−1
42(CHFCHCl)、FC−151(CHFCHCl)、FC−1
52(CHFCHF)、FC−1112(CClF=CClF)、FG−1
121(CHCl=CFCl)およびFC1131(CHCl=CHF)の全て
は、ここでの教示と適合性を有する。従って、これらの化合物の各々は、単独ま
たは他の化合物(すなわち揮発性がより小さいフルオロカーボン)と組み合わせ
て、本発明に従って呼吸性のディスパージョンを安定させるために使用できる。
【0188】 前記の態様とともに、本発明の安定化ディスパージョンは、必要とする際の患
者の肺の気道に投与できるエアロゾル化された薬物を与えるように、ネブライザ
ーとともに用いることもできる。ネブライザーは当該技術において周知であり、
過度の実験なしでクレームされたディスパージョンの投与のために容易に使用す
ることができた。呼吸活性化ネブライザー、並びに既に開発された、または開発
されるであろう改良の他のタイプを含むものも、安定化ディスパージョンと適合
性を有し、本発明の範囲内と考えられる。
【0189】 ネブライザーは、バルク液体を呼吸可能なガス中に懸濁された小さい液滴に変
換するエアロゾルによって動く。ここで、(好ましくは、肺の気道に)投与され
るべきエアロゾル化された薬物は、生物活性剤を含む有孔ミクロ構造と組み合わ
された懸濁媒体の小さい液滴を含む。このような態様において、本発明の安定化
ディスパージョンは、ネブライザーと操作可能に結合される流体リザーバ中に、
典型的には配置される。与えられる製剤の特定の体積、リザーバを充填する手段
、その他は主に、個々のネブライザーの選択に依存し、充分に当業者の範囲内に
ある。もちろん、本発明は、単一用量ネブライザーおよび多数回投与ネブライザ
ーと、完全に適合性を有する。
【0190】 本発明は、好ましくはフッ素化合物(すなわちフルオロケミカル、フルオロカ
ーボン、またはパーフルオロカーボン)を含む懸濁媒体を有する安定化ディスパ
ージョンを与えることによって、これらおよび他の困難を克服する。本発明の特
に好ましい態様は、室温での液体であるフルオロケミカルを含む。上述したよう
に、このような化合物の使用は、連続相として、または懸濁媒体としてのいずれ
でも、先行技術の液体吸入製剤に勝るいくつかの利点を与える。この点について
、多くのフルオロケミカルは肺における安全性と生体適合性の証明された歴史を
有することは、充分に確立されている。更に、水溶液に対比して、フルオロケミ
カルは肺の投与の後の気体交換に否定的に衝撃を与えない。逆に、それらが実際
に気体交換を改善できること、およびそれらのユニークな湿潤性特性により、粒
子のエアロゾル化された流れを、肺の中に深く運んで、それにより所望の薬剤化
合物の全身性デリバリーを改善する。加えて、フルオロケミカルの比較的に非反
応性の性質は、取り込まれた生物活性剤の任意の分解(タンパク質分解または加
水分解による)を遅らせるように作用する。
【0191】 いずれにせよ、ネブライザー媒介されたエアロゾル適用は、液滴の増大された
表面積を与え、いくつかの場合には、微粉化され、またはエアロゾル化された薬
物の輸送を与えるために、典型的には、エネルギーの入力を必要とする。エアロ
ゾル適用の1つの共通の方法は、ノズルから流体の流れを押し出して放出させ、
それにより液滴が形成される。霧状にされた投与に関して、肺中へ深く輸送され
るために充分に小さくなるように、追加的なエネルギーが液滴に一般的に付与さ
れる。従って、高速ガス流れまたは圧電結晶によって与えられるような、追加的
なエネルギーが必要である。ネブライザーの2つのポピュラーなタイプ、ジェッ
トネブライザおよび超音波ネブライザーは、アトマイゼーションの間に、追加的
なエネルギーを流体に印加する前記の方法に依存する。
【0192】 ネブライゼーションを介する体循環への生物活性剤の肺デリバリーに関して、
最近の研究は、計量型溶液とも呼ばれる移動式の手で持てる(hand−hel
d)超音波ネブライザーの使用に集中した。単一ボラス(bolus)ネブライ
ザーとして知られるこれらの器具は、一回または二回の呼吸における深い肺デリ
バリーに対して効率的な粒径を有する水溶液中の薬剤の単一ボラスをエアロゾル
化する。これらの器具は、3つの広いカテゴリーに分類される。第1のカテゴリ
ーは、Muetterleinら(J.Aerosol Med.1988;1
:231)によって記述されたもの等の純粋の圧電気の単一ボラスネブライザー
を含む。他のカテゴリーにおいて、所望のエアロゾル雲は、米国特許第3,81
2,854号に記述されたもの等のミクロチャネル押出単一ボラスネブライザー
によって生成することができる。最後に、第3のカテゴリーは、環状の加圧単一
ボラスのネブライザーを記述しているロバートソンら(WO92/11050号
)によって例証された器具を含む。前記の参照の各々は、それらの全部でここで
取り込む。大部分の器具は手で作動されるが、存在するいくつかの器具は、呼吸
で作動される。器具が患者の回路を介する呼吸感じるとき、エアロゾルを放出す
ることによって呼吸作動の器具は動く。呼吸作動のネブライザーは、患者のため
の吸入ガスを含む、エアロゾルを空気流れの中に放出するためのベチレータ回路
とインラインに配置されてもよい。
【0193】 どのタイプのネブライザーが使用されるかに関係なく、または生体適合性の非
水性化合物が懸濁媒体として使用できることは、本発明の利点である。好ましく
は、それらはそれらへのにエネルギーの印加によりエアロゾルを形成することが
できる。一般的に、選ばれた懸濁媒体は、生体適合性であるべきであり(すなわ
ち比較的に非毒性)、および生物活性剤を含む懸濁された有孔ミクロ構造に対し
て非反応性であるべきである。好ましい態様は、懸濁媒体が、フルオロケミカル
、フルオロカーボン(他のハロゲンで置換されたものを含む)、パーフルオロカ
ーボン、フルオロカーボン/炭化水素ジブロック、炭化水素、アルコール、エー
テルまたはそれらの組み合わせから成る群から選ばれた懸濁媒体を含む。懸濁媒
体は、特定の特性を付与するために選ばれた種々の化合物の混合物を含むことが
できると認識されるであろう。
【0194】 ここでの教示に従って、懸濁媒体は、炭化水素、フルオロカーボンまたは炭化
水素/フルオロカーボンジブロックを含む多くの異なる化合物の任意の一つを含
むことができる。一般に、考えられる炭化水素または高度にフッ素化されたパー
フルオロ化された化合物は、線状または分岐または環式、飽和または不飽和の化
合物であることができる。これらのフルオロケミカルと炭化水素の従来の構造上
の誘導体も、本発明の範囲内にあると考えられる。これらの全くまたは部分的に
フッ素化された化合物を含む選ばれた態様は、1以上のヘテロ−原子および/又
は臭素または塩素の原子を含むことができる。好ましくは、これらのフルオロケ
ミカルは、2〜16個の炭素原子を含み、(これらに制限されないが)線状、環
式または多環パーフルオロアルカン、ビス(パーフルオロアルキル)アルケン、
パーフルオロエーテル、パーフルオロアミン、パーフルオロアルキルブロミドお
よびパーフルオロアルキルクロリド(例えばジクロロオクタン)を含む。懸濁媒
体に用いられる特に好ましいフッ素化合物は、パーフルオロオクチルブロミドC
17Br(PFOBまたはパーフルブロン)、ジクロロフルオロオクタンC
16Cl、およびヒドロフルオロアルカン、パーフルオロオクチルエタン
17(PFOE)を含むことができる。他の態様に関して、パー
フルオロヘキサンまたはパーフルオロペンタンの懸濁媒体としての使用は、特に
好ましい。
【0195】 より一般的には、本発明における使用が考えられる例示的なフルオロケミカル
は、ハロゲン化されたフルオロケミカル(すなわち、C2n+1X、XC
2nX、(式中、n=2〜10、X=Br、ClまたはI))、および特に、
1−ブロモ−F−ブタン、n−CBr、1−ブロモ−F−ヘキサン(n−
13Br)、1−ブロモ−F−ヘプタン(n−C15Br)、1,4
−ジブロモ−F−ブタンおよび1,6−ジブロモ−F−ヘキサンを含む。他の有
用な臭素化されたフルオロケミカルは、Longへの米国特許第3,975,5
12号に開示され、これを参照することによりここに取り込む。パーフルオロオ
クチルクロリド(n−C17Cl)、1,8−ジクロロ−F−オクタン(n
−ClC16Cl)、1,6−ジクロロ−F−ヘキサン(n−ClC
Cl)、および1、4−ジクロロ−F−ブタン(n−ClC)等の
クロリド置換基を有する特定のフルオロケミカルも好ましい。
【0196】 エステル、チオエーテルおよびとアミン等の他のリンケージを含むんで、ハロ
ゲン化フルオロケミカル、フルオロカーボン、フルオロカーボン−炭化水素化合
物も、本発明における懸濁媒体としての使用に適している。例えば、一般式C
2n+1OC2m+1、またはC2n+1CH=CHC2m+1
、(式中、nおよびmは同一または異なり、nおよびmは約2〜約12の整数で
ある)を有する化合物(例えば、CCH=CHC(F−44E)、
i−CCH=CHCF13(F−i36E)、およびCF13CH=
CHCF13(F−66E)として)は、ここでの教示と適合性を有する。有
用なフルオロケミカル炭化水素ジブロックおよびトリブロック化合物は、一般式
2n+1−C2m+1、またはC2n+1−C2m−1(式
中、n=2〜12;m=2〜16)、またはC2p+1−C2n−C
2m+1(式中、p=2〜12;m=1〜12;n=2〜12)を有するもの
を含む。このタイプの好ましい化合物は、C17、C13
21、C1717、C13CH=CHC13、およびC
17CH=CHC0H1を含む。置換されたエーテルまたはポリエーテ
ル(すなわち、XC2nOC2mX、XCFOC2nOCFX(
式中n、およびm=1〜4、X=Br、ClまたはI)、およびフルオロケミカ
ル−炭化水素エーテルジブロックまたはトリブロック(すなわち、C2n+
−O−C2m+1H(式中、n=2〜10;m=2〜16)、C2p
+1−O−C2m−O−CF2p+1(式中、p=2〜12;m=1〜1
2;n=2〜12)も、C2n+1−O−C2n−O−C2m+1
(式中、n、mおよびpは、1〜12である)と同様に使用できる。更に、応用
に応じて、パーフルオロアルキル化エーテルまたはポリエーテルは、クレームさ
れたディスパージョンと適合性を有することができる。
【0197】 C1018等の多環および環式フルオロケミカル(例えばF−デカリンまた
はパーフルオロデカリン)、パーフルオロパーヒドロフェナントレン、パーフル
オロテトラメチルシクロヘキサン(AP−144)およびパーフルオロ−ブチル
デカリンも、本発明の範囲内にある。追加的な有用なフルオロケミカルは、F−
トリプロピルアミン(「FTPA」)およびF−トリブチルアミン(「FTBA
」)、F−4−メチルオクタヒドロキノリジン(「FMOQ」)、F−N−メチ
ルデカヒドロイソキノリン(「FMIQ」)、F−N−メチルデカヒドロキノリ
ン(「FHQ」)、F−N−シクロヘキシルピロリジン(「FCHP」)および
F−2−ブチルテトラヒドロフラン(「FC−75」または「FC−77」)等
のパーフルオロ化アミンを含む。更に他の有用なフッ素化合物は、パーフルオロ
フェナントレン、パーフルオロメチルデカリン、パーフルオロジメチルエチルシ
クロヘキサン、パーフルオロジメチルデカリン、パーフルオロジエチルデカリン
、パーフルオロメチルアダマンタン、パーフルオロジメチルアダマンタンを含む
。パーフルオロオクチルハイドライド等の非フッ素置換基を有する他の考えられ
るフルオロケミカル、および異なる数の炭素原子を有する類似化合物も、有用で
ある。当業者は、他の種々に修飾されたフルオロケミカルが、本出願で用いるよ
うなフルオロケミカルの広い定義内に包含され、本発明ににおける使用に適当し
ていることを更に認識するであろう。従って、本発明の安定化ディスパージョン
を形成するために、前述の化合物の各々が単独で、または他の化合物との組み合
わせで使用できる。
【0198】 懸濁媒体として有用な可能性がある追加的な例証的なフルオロカーボンまたは
フッ素化合物のクラスは、(これらに制限されないが)フルオロヘプタン、フル
オロシクロヘプタン、フルオロメチルシクロヘプタン、フルオロヘキサン、フル
オロシクロヘキサン、フルオロペンタン、フルオロシクロペンタン、フルオロメ
チルシクロペンタン、フルオロジメチルシクロペンタン、フルオロメチルシクロ
ブタン、フルオロジメチルシクロブタン、フルオロトリメチルシクロブタン、フ
ルオロブタン、フルオロシクロブタン、フルオロプロパン、フルオロエーテル、
フルオロポリエーテル、およびとフルオロトリエチルアミンを含む。このような
化合物は、一般に環境的に健全で、生物学的に非反応性である。
【0199】 エネルギーの印加の際にエアロゾルを製造できる任意の液体もネブライザーと
ともに使用可能である、選ばれた懸濁媒体は、約506,625Pa(5気圧)
未満、より好ましくは約202,650Pa(2気圧)未満の蒸気圧を好ましく
は有するであろう。特に明記しない限り、ここで記述される全ての蒸気圧は、2
5℃で測定される。他の態様において、好ましい懸濁媒体化合物は、約666.
6Pa〜約101,325Pa(約5Torr〜約760Torr)のオーダー
の蒸気圧を有し、より好ましい化合物は、約1067Pa〜約79993Pa(
約8Torr〜約600Torr)のオーダーの蒸気圧を有し、とりわけ好まし
い化合物は約1333Pa〜約4663Pa(約10Torr〜約350Tor
r)のオーダーの蒸気圧を有する。このような懸濁媒体は、効果的な換気療法を
与えるために圧縮空気ネブライザー、超音波ネブライザーまたは機械的アトマイ
ザーとともに使用可能である。分散された生物活性剤の安定性または生体利用性
を更に強化するた選ばれた特定の物理的特性を有する懸濁媒体を与えるために、
より揮発性の化合物を、より低い蒸気圧の成分に混合することができる。
【0200】 ネブライザーに向けられる本発明の他の態様は、周囲の条件(すなわち1気圧
)下で、選ばれた温度で沸騰する懸濁媒体を含む。例えば、好ましい態様は、0
℃より上、5℃より上、10℃より上、15℃より上、または20℃より上で沸
騰する懸濁媒体化合物を含むであろう。他の態様において、懸濁媒体化合物は、
25℃以上で、または30℃より上で沸騰することができる。更に、他の態様に
おいて、選ばれた懸濁媒体化合物は、ヒト体温(すなわち37℃)以上で、45
℃、55℃、65℃、75℃、85℃、または100℃より上で沸騰することが
できる。
【0201】 F(v).直接投与
【0202】 MDIおよびネブライザーとともに、本発明の安定化ディスパージョンは、種
々の経路を用いて種々の標的サイトに、生物活性剤を投与するために使用可能と
認識されるであろう。例えば、開示された組成物は、液体の用量点滴注入(LD
I)技術とともに、直接肺にデリバリーすることができる。代わりに、安定化デ
ィスパージョンは、鼻ポンプ、スプレーボトルまたはアトマイザーを用いて鼻道
における粘膜の表面に効果的にデリバリーすることができた。まだ他の態様にお
いて、開示されたディスパージョンは、従来の注入を用いて、または圧縮ガスを
用いる針無しのインジェクターにより、標的サイトに(例えば筋肉内に、または
皮膚内に)投与することができた。後者は、針無しの接種の場合に特に好ましい
。更に他の態様は、眼または耳等、またはより好ましくは、泌尿生殖器管または
胃腸管におけるそれら等の粘膜表面の標的サイトへのディスパージョンの局所的
デリバリーに向けられる。このような技術は、取り込まれた生物活性剤の透過を
強化するために更にイオン泳動を使用することができる。いずれにせよ、安定化
ディスパージョンは取り込まれた剤の活性を保存しつつ、優れた用量再現性を与
える。
【0203】 当業者は、前記のデリバリー技術と適合性を有する懸濁媒体が、ネブライザー
との使用に対して上述したものと同様であることを認識するであろう。すなわち
、安定化ディスパージョンは、フルオロケミカル、フルオロカーボン(他のハロ
ゲンで置換されたものを含む)、パーフルオロカーボン、フルオロカーボン/炭
化水素ジブロック、炭化水素、アルコール、エーテルまたはそれらの組み合わせ
からなる群から選ばれた懸濁媒体を好ましくは含む。特に好ましくは、本出願の
目的のために、このようデリバリー技術のための適合性を有する懸濁媒体は、ネ
ブライザーでの使用とともに受器で列挙されたものと同等である。特に好ましい
態様において、選ばれた懸濁媒体は、周囲の条件下の液体であるフルオロケミカ
ルを含む。
【0204】 更に、液体の用量点滴注入が、安定化ディスパージョンの肺への直接の投与を
含むと認識すべきである。この点について、生物活性な化合物の直接の肺投与は
、特に、肺の疾患部分の貧弱な血管循環が静脈内薬物デリバリーの有効性を低減
するような、疾患の治療において特に効果的である。LDIに関して、安定化デ
ィスパージョンは、部分的な液体換気または全体の(plumonary)液体
換気とともに好ましくは使用される。更に、本発明は、投与より前の、投与の間
の、またはその後の薬剤微粒ディスパージョン内への生理学的に許容可能なガス
(例えば一酸化窒素または酸素)の治療上有益な量を導入することを更に含むこ
とができる。
【0205】 LDIのために、本発明のディスパージョンは、肺デリバリー導管を用いて、
肺に投与することができる。当業者は、ここで用いるように、用語「肺デリバリ
ー導管」が、肺内への液体の点滴注入または投与を与える任意の器具または装置
またはそれらの部分を含むように、広義に解釈されると認識するであろう。この
点で、肺デリバリー導管またはデリバリー導管は、それを必要とする際の患者の
少なくとも肺気道の部分に、開示されたディスパージョンの投与または点滴注入
を与える任意のボア、ルーメン、カテーテル、チューブ、導管、シリンジ、作動
装置、マウスピース、気管内チューブまたは気管支鏡を意味するように維持され
る。デリバリー導管は、液体換気機またはガス換気機を伴ってもよく、または伴
わなくてもよいと認識されるであろう。特に好ましい態様において、デリバリー
導管は、気管内チューブまたは気管支鏡を含む。
【0206】 本発明の安定化ディスパージョンは患者の肺の機能的残気量(functio
nal residual capacity)まで投与することができるが、
選ばれた態様は、遙かに小さい体積(例えば1ミリリットル以下のオーダー)の
肺の投与を含むと認識されるであろう。例えば、治療されるべき疾患に依存して
、投与される体積は、1、3、5、10、20、50、100、200または5
00ミリリットルのオーダーであることができる。好ましい態様において、液体
の体積は、0.25または0.5パーセントFRC未満である。特に好ましい態
様のために、液体の体積は、0.1パーセントFRC以下である。安定化ディス
パージョンの比較的少ない体積の投与に関して、懸濁媒体(特にフルオロケミカ
ル)の湿潤性およびスプレッド特性が肺における活性剤の一様な分布を容易にす
ると認識されるであろう。しかしながら、他の態様において、0.5を超える、
0.75または0.9パーセントFRCより大きい体積のディスパージョンを投
与することは、好ましい可能性がある。もちろん、少なくともいくつかのフルオ
ロケミカルに伴う非凡な湿潤およびスプレッド特性は、鼻道等の他の粘膜の表面
への投与に関して、それらを特に適合性にさせる。
【0207】 ここで開示される粉体および安定化とディスパージョンに関して、当業者は、
それらが滅菌され、プレパッケージされたキット形で、医師または他の健康管理
の専門家に有利に供給することができると認識するであろう。より具体的には、
すぐ患者に投与できる安定粉体、または予め形成されたディスパージョンとして
、処方を供給することができる。逆に、別個の、すぐ混合できる複数の成分とし
て、それらを提供することもできる。すぐ使用できる形で提供された際には、粉
体またはディスパージョンは、一回使用の容器またはリザーバで、並びに多数回
使用の容器またはリザーバでパッケージすることができる。いずれにせよ、容器
またはリザーバは、こで記述されるように、選ばれた吸入または投与器具と組み
合わせることができ、且つ用いることができる。個々の成分として(例えば、粉
体状ミクロスフェアとして、およびニートな懸濁媒体として)提供された際には
、次いで、いつでも使用前に指示されたように容器内の内容物を単に組み合わせ
ることによって、安定化された製剤を形成できる。加えて、ユーザーが必要に応
じてそれらを次いで投与することができるように、このようなキットは、すぐに
混合できる多くプレ包装された投与ユニットを含むことができる。
【0208】 G.例
【0209】 上記の記述は、以下の例を参照することにより、より充分に理解されるであろ
う。このような例は、しかしながら、本発明を実施する好ましい方法の単なる代
表的なもののみであって、いかなる方法でも、本発明の範囲を制限することと読
まれ、または解釈されるべきではない。
【0210】 I.スプレードライによるHAペプチドの中空多孔質粒子の製造
【0211】 吸引:100%、入口温度:85℃、出口温度:51℃;フィードポンプ:1
0%:N流:800L/hrの条件下で、B−191のミニスプレードライヤ
ー(Buechi、Flawil、スイス)を用いるスプレードライ技術によっ
て、中空多孔性のHA110−120ペプチド(インフルエンザウィルス粒子の
赤血球凝集素のアミノ酸残基110〜120)粒子(「プルモ・スフィア」(P
ulmoSheres;商標))を製造した。そのフィードは、スプレードライ
の直前に2つの製剤(AおよびB)を混合することによって製造した。粒子収集
を助長するためにサイクロン出口ポートに、150メッシュのステンレス鋼スク
リーンを置いた。
【0212】 製剤A:18mgのHA110〜120のペプチド(カイロン(Chiron
)社、エメリービル(Emeryville)、カリフォルニア州)と、1mg
のヒドロキシエチル澱粉(味の素、日本)とを溶解するために、5gの脱イオン
水を用いた。
【0213】 製剤B:リン脂質によって安定化された水中フルオロカーボン−エマルション
を、以下のようにして製造した。そのリン脂質(0.3gのEPC−100−3
(リポイドKG、Ludwigshafen、ドイツ)を、33gの熱い脱イオ
ン水(T=50〜60℃)中でウルトラ−トゥラックスミクサー(T−25型)
を8000rpmで2〜5分間(T=60〜70℃)用いて均質にした。8グラ
ムのパーフルブロン(パーフルオロオクチルブロミド:アトケム(Atoche
m)、パリ、フランス)を、混合の間、滴下で加えた。フルオロカーボンを加え
た後、エマルションを少なくとも4分間混合した。得られた粗製エマルションを
、次いで、124,106kPa(18,000psi)で5パスで高圧ホモジ
ナイザ(Avestin、オタワ、カナダ)に通した。
【0214】 製剤Bの8分の1を分離し、製剤Aに添加した。得られたHAペプチド/パー
フルブロンのエマルションフィード溶液を、上述した条件下でスプレードライヤ
ーに供給した。粉体をサイクロンで集め、篩分けスクリーンを、パーフルブロン
を用いて収集ジャー内に洗浄した。パーフルブロン中のHA懸濁液を、その後−
60℃で凍結させ、凍結乾燥した。易流動性(free flowing)の白
い粉体を得た。
【0215】 II.HAペプチドを含む中空多孔質微粒子のインビトロ活性
【0216】 プルモ・スフィア(HA−Pul)でのHAペプチドの、抗原を現出している
細胞を活性化する機能性を、ニートなHAペプチドと比較した。例1からのHA
ペプチドのプルモ・スフィアを、5mg/ml(処方の重量/体積)の濃度で、
滅菌PBSでインキュベートした。得られたHA−Pul−PBS溶液のシリア
ル希釈を、完全RPMI−10%FCS中のM12抗原を現出している細胞(1
×10/ウェル)およびHA特異的TcH(2×10/ウェル)を含むマイ
クロウェルに添加した。TcHセルラインは、IL−2プロモータ(IL−2/
−gal)によって制御されるリポーター遺伝子を有する。
【0217】 37℃で12時間のインキュベーションの後、マイクロウェルプレートを遠心
分離し、パラホルムアルデヒド−グルタルアルデヒドで細胞を4℃、5分間で固
定して、PBSで洗浄し、X−gal基質を一晩中加えた。ウェルあたり500
個の細胞につき活性TcHの数を、光学顕微鏡を用いてカウントした。ウェルあ
たりの活性TcHの総数は、細胞の総数に青い細胞のパーセンテージを掛けるこ
とによって見積もった。図1に示す結果は、処方中の活性ペプチドの存在を示す
。標準の活性化曲線(HA食塩水(saline))による比較は、活性ペプチ
ドの濃度が約5%質量/質量(重量/重量)であることを示し、それは逆相−H
PLC測定と一致した。
【0218】 III.HAペプチドプルモスフィアの作用のメカニズム
【0219】 T細胞エピトープHA110−120(HA−Pul)を含むプルモ・スフィ
アミクロ粒子の内面化(internalization)およびプロセシング
の必要性を検討した。パーフルブロン中に懸濁されたHA−Pul(500nM
/ウェル HA110化120のペプチド)を風乾(air−dried)し、
および非固定、またはパラホルムアルデヒド固定のM12抗原現出細胞(APC
)細胞と、完全RPMI−10%FCS中の特異的TcH細胞の存在下でインキ
ュベートし、および同様の濃度でPBS中に懸濁されたHA−Pul、およびニ
ートなHAペプチドと比較した。それが細胞内プロセシングを必要とする(do
es that require)ことから、ショ糖−精製したA/PR/8/
34(H1N1)ウィルス(15g/ml)をポジティブ対照として使用した。
ネガティブ対照は、NP147−155ペプチドと、処方されていないNPペプ
チドと、無関係な無関係なウィルスとからなっていた。例IIにおいて記述した
細胞の数および成長条件が、続いた。細胞を固定し、X−gal基質にさらした
。結果を、活性TcHlの%として表した。
【0220】 図2は、固定した、および非固定のAPCが、ニートなHAペプチドとHAP
ulを現出できたことを示す。対照的に、生存APCのみが、ウィルス性状況か
らHAペプチドを現出することができた。更に、処方された、およびニートなN
Pペプチド、並びにB/Leeウィルスは、特異的TcHを活性化しなかった。
結果は、HA−Pulの内面化およびプロセシングが、TcHの活性化の必要条
件でないことを示す。むしろ、HA−ペプチドは、容易にプルモ・スフィアから
放出され、M12 APC上でMHCクラスII分子(I−E)に結合して、
TCRのエンゲージメントおよびTcHの活性化を生じる。このプロセシングス
テップを、PBSまたはパーフルブロン中でデリバリーされたHA−Pul、並
びにニートなHAペプチドに対して観察した。更に、これらの結果は、プルモ・
スフィア中で処方され、パーフルブロン中で安定化されたHA 110−120
のペプチドが、その免疫原性を保持することを証明する。
【0221】 IV.スプレードライによる蛍光ラベルした中空多孔質HAペプチド粒子の製
【0222】 吸引:100%、入口温度:85℃、出口温度:51℃;フィードポンプ:1
0%:N流:800L/hrの条件下で、B−191のミニスプレードライヤ
ー(Buechi、Flawil、スイス)を用いるスプレードライ技術によっ
て、中空多孔性のHA−フルオロセイン(fluoroscein)110−1
20ペプチド/テキサスレッドDHPE粒子を製造した。そのフィードは、スプ
レードライの直前に2つの製剤(AおよびB)を混合することによって製造した
。粒子収集を助長するためにサイクロン出口ポートに、150メッシュのステン
レス鋼スクリーンを置いた。
【0223】 製剤A:20mgのHA−フルオロセイン 110〜120のペプチド(カイ
ロン社、エメリービル(Emeryville)、カリフォルニア州)と、1m
gのヒドロキシエチル澱粉(味の素、日本)とを溶解するために、5gの脱イオ
ン水を用いた。
【0224】 製剤B:リン脂質によって安定化された水中フルオロカーボン−エマルション
を、以下のようにして製造した。そのリン脂質(0.3gのEPC−100−3
(リポイドKG、Ludwigshafen、ドイツ)、および0.3mgの蛍
光色素、テキサスレッドDHPE(モレキュラープローブ、Eugene、OR
、3mg)を、先ずクロロホルムに溶解した。クロロホルムを、次いでBuch
i RotoVapを用いて除去した。そのE100−3/テキサスレッドDH
PE薄膜を、次いで33gの熱い脱イオン水(T=60〜70℃)中に分散させ
た。その界面活性剤を、更に、でウルトラ−トゥラックスミクサー(T−25型
)を10,000rpmで約2分間(T=50〜60℃)用いてプロセシングし
た。8グラムのパーフルブロン(アトケム、パリ、フランス)を、混合の間、滴
下で加えた。フルオロカーボンを加えた後、エマルションを少なくとも4分間混
合した。得られた粗製エマルションを、次いで、124,106kPa(18,
000psi)で5パスで高圧ホモジナイザ(Avestin、オタワ、カナダ
)に通した。
【0225】 製剤Bの8分の1を分離し、製剤Aに添加した。得られたHAペプチド/テキ
サスレッドDHPE/パーフルブロンのエマルションフィード溶液を、上述した
条件下でスプレードライヤーに供給した。粉体をサイクロンで集め、篩分けスク
リーンを、パーフルブロンを用いて収集ジャー内に洗浄した。パーフルブロン中
のHA懸濁液を、その後−60℃で凍結させ、凍結乾燥した。易流動性の蛍光フ
クシア色の粉体を得た。
【0226】 V.蛍光ラベルしたHAプルモスフィアの生体利用性
【0227】 例IVのように製造したフルオロセイン−HAペプチド(20%質量/質量(
重量/重量%))を、パーフルブロン中に懸濁した。メトファン(Metofa
n)麻酔したマウスを、70gのペプチド用量に対応する、パーフルブロン中の
f−HAPulの70 l体積で、鼻内に(i.n.)接種した。血液サンプル
を目ブリージングによってヘパリン処理チューブ内に集め、血漿を分離し、ペプ
チドの濃度を蛍光分析で測定した。対照として、滅菌食塩水(全ての群に対して
n=4)の70 l中の70gのf−HAペプチドの静脈内(i.v.)接種を
使用した。
【0228】 図3は、時間に対するf−HAペプチドの血清濃度を示す。i.n.−デリバ
リーされたf−HAペプチドの絶対生体利用性は約5%であり、Tmaxは20
分で生じた。i.v.投与に対する連続的な対数的減少と、i.n.投与の場合
の一過性の増大と、後に続く指数関数的な減少で、薬物動態的なプロフィルは2
つの投与経路の間で異なっていた。6時間までの総クリアランスで、f−HAの
除去は、尿(図示しない)を介して生ずる。
【0229】 この例は、Pul中で処方されたT細胞エピトープ(約1.4kDaの分子量
)のi.n.投与が全身性デリバリーと適合性を有することを示す。
【0230】 VI.スプレードライによるヒトIgG中空の多孔質微粒子の製造
【0231】 吸引:100%、入口温度:85℃、出口温度:61℃;フィードポンプ:1
0%:N流:800L/hrの条件下で、B−191のミニスプレードライヤ
ー(Buechi、Flawil、スイス)を用いるスプレードライ技術によっ
て、中空多孔性のヒトIgG粒子を製造した。そのフィードは、スプレードライ
の直前に2つの製剤(AおよびB)を混合することによって製造した。
【0232】 製剤A:55mgのヒトIgG(シグマケミカル、セントルイス、ミズーリ州
)と、3.2mgのヒドロキシエチル澱粉(味の素、日本)とを溶解するために
、2mgの正常食塩水(バクスター、シカゴ、イリノイ州)を用いた。
【0233】 製剤B:リン脂質によって安定化された水中フルオロカーボン−エマルション
を、以下のようにして製造した。そのリン脂質、0.415gのEPC−100
−3(リポイドKG、Ludwigshafen、ドイツ)を、40.3gの熱
い脱イオン水(T=50〜60℃)中でウルトラ−トゥラックスミクサー(T−
25型)を8000rpmで2〜5分間(T=60〜70℃)用いて均質にした
。5.2gのパーフルブロン(アトケム、パリ、フランス)を、混合の間、滴下
で加えた。フルオロカーボンを加えた後、エマルションを少なくとも4分間混合
した。得られた粗製エマルションを、次いで、124,106kPa(18,0
00psi)で5パスで高圧ホモジナイザ(Avestin、オタワ、カナダ)
に通した。
【0234】 製剤Bの8分の1を分離し、製剤Aに添加した。得られたIgG/パーフルブ
ロンのエマルションフィード溶液を、上述した条件下でスプレードライヤーに供
給した。粉体をサイクロンで集め、篩分けスクリーンを、パーフルブロンを用い
て収集ジャー内に洗浄した。パーフルブロン中のIgG懸濁液を、その後−60
℃で凍結させ、凍結乾燥した。易流動性の白い粉体を得た。中空多孔性のIgG
粒子は、飛行時間型の分析法(Aerosizer、Amherst Proc
ess Instruments、Amherst、マサチューセッツ州)によ
って決定された2.373±1.88μmの体積−重み平均空気力学的直径を有
していた。
【0235】 VII. ポリクローナル性ヒトIgGプルモ・スフィアのインビトロ活性
【0236】 例IVからのポリクローナル性ヒトIgGプルモ・スフィア(hIgG−Pu
l)の処方を、捕捉hIgG酵素免疫吸着測定法(ELISA)を用いて活性に
ついて確認した。パーフルブロン中の5mg/mLのhIgG−PuL懸濁液を
製造し、ウェル中へピペットで移し、風乾した。PBSを乾燥したhIgG−P
ulに添加して、一晩中をインキュベートさせた。水和されたhIgG−Pul
溶液を希釈して、コーティング緩衝剤(dil.1:1000、シグマ・イムノ
ケミカル)中のマウス抗ヒトk鎖モノクローナル抗体でコートした酵素免疫吸着
測定法プレート移し、その後、15%のヤギ血清を含むPBSで室温、2時間で
ブロックした。ウェルを洗浄し、ヤギ抗ヒトIgGアルカリホスファターゼのコ
ンジュゲート(PBS−15%ヤギ血清、0.05%Tween中、1:100
0)を用い、その後pNPP基質を添加することによりアッセイを行った。40
5nmに設定した自動プレートリーダーを用いて、光学濃度(OD)を読んだ。
食塩水(標準)中のhIgG、およびブランクのプルモ・スフィアと混合したh
IgGを、アッセイ上での脂質の効果を除外するための対照として使用した。ブ
ランクのプルモ・スフィアは、リン脂質とデンプンのみから成っていた。
【0237】 図4は、hIgG−Pul、hIgGおよびhIgIG+ブランクのプルモ・
スフィアのためのキャリブレーション曲線を示す。hIgG−Pul処方は、約
20質量%(重量%)のhIgGを含むと決定された。加えて、hIgG−Pu
lは、k軽鎖および重鎖エピトープの発現を保持した。
【0238】 VIII.プルモスフィア処方からのHA110−120ペプチドおよびヒト
IgGの溶解動態
【0239】 プルモ・スフィアからの抗原およびhIgG放出の動態を、0.1um直径フ
ィルタを備えた溶解チャンバと、適合した24ウェル平底セル培養プレートを用
いて測定した。例1およびVIからのプルモ・スフィア粉体の約3mgを、溶解
チャンバの下部コンパートメントに配置して、同時に滅菌PBSにさらした(1
.3m1/ウェル)。呼吸パターンをシミュレーションするために、プレートを
37℃で水平の振盪機(30RPM)上に配置した。25μlサンプルを、上部
コンパートメントから集め、hIgGの場合の捕捉ELISA(図5A)、また
はフルオロセインでラベルしたHAペプチド処方(f−HA)の場合のバイオア
ッセイ(図5B)で分析した。f−HAに対する結果を、蛍光分析(図示せず)
によって独立に確認した。hIgGおよびHAペプチドプルモ・スフィアの溶解
動態を、それらのそれぞれの水性対照と比較した。
【0240】 図5Aおよび5Bに示す結果は、パーセント放出として表した。迅速な拡散制
御の放出は、HAペプチド処方に対して観察され、水性対照との間の差違は無か
った。完全溶解は、2時間以内に生じた。対照的に、より遅い浸食制御動態は、
hIgGに対して観察された。完全溶解は、水のIgG対照に対する1時間と比
較して、6時間より長い時間を必要とした。ここで記述した結果は、プルモ・ス
フィアからの溶解動態が、少なくとも部分的に、処方された化合物の分子量(そ
れぞれ、1.4kDaおよび150kDa)に依存することを証明する。それは
また、親水性および疎水性における差違は、同様の効果を有する可能性があるこ
とが認識されるであろう。
【0241】 IX. hIoGプルモスフィアの生体利用性
【0242】 ケタミン/キシラジンで麻酔されたマウスに気管内で(20 lのパーフルブ
ロン中の20gのhIgG)、またはメトファンで麻酔されたマウスへ鼻ルート
で(70μlのパーフルブロン中の70ghIgG)を介して、例VIからのヒ
トIgIGプルモスフィア(hIgG−Pulを)を投与した。滅菌PBS中の
hIgGの同一の体積を、対照群において静脈内投与した。種々の時間的間隔で
マウスから血を抜き取り、およびhIgGの血清濃度を全ての群(n=3)で、
捕捉酵素免疫吸着測定法によって評価した。i.v.対照と比較した血清濃度一
時間曲線(AUC)の下で面積から、絶対生体利用性を決定した。AUC値は、
台形法則を用いて計算した。
【0243】 血漿hIgG濃度曲線を、図6A(i.t.)、および図6GB(i.n.)
に示す。hIgG−Pulの気管内デリバリーに対する絶対生体利用性は27%
であり、鼻腔内接種に対しては1.5%であった。両方の場合とも、Tmax
、約2日で生じた。ウエスタンブロッティングは、気道を介するデリバリー後の
循環するhIgGに対する分子量が、ニートな材料から区別できないことを示し
た。そのhIgGは、14日を越える循環において持続することが観察された。
【0244】 X.気管の経路を介してデリバリーされたhIgGプルモスフィアへの抗体応
【0245】 パーフルブロン中に懸濁された、例VIからのhIgG−プルモ・スフィア(
hIgG−Pul)で処理されたマウスにおける気管内投与(hIgGの20g
用量)を介する血液および気管支・肺胞洗浄(BAL)中の液の応答。マウスを
、以下の対照でも処理した:食塩水中の20μgのhIgG、i.t.;1食塩
水中の100μgのhIgG、i.v.およびi.t.;完全フロイントアジュ
バント(CFA)中の100μg、皮下、および食塩水、i.t.。個々の群を
、三重実験(triplicate)で行った。血液およびBALを、免疫化の
2週後に集めた。
【0246】 抗原hIgG−マウスIgGのタイターを、hIgGまたは0.1%のBSA
でコートした酵素免疫吸着測定法プレートを用いて測定した。ウェルを、PBS
−15%ヤギ血清でブロックして、血清またはBALの種々の希釈を用いて2時
間インキュベートした。洗浄の後、抗マウスIgGアルカリホスファターゼのコ
ンジュゲート、およびこれに続くPNPP基質の添加により、アッセイを行った
。およびが続いた。プレートの光学濃度(OD)を、自動プレートリーダーを用
いて550nmで分析し、および結果を血清IgGの場合(図7A)終点希釈タ
イターとして、またはBAL IgG(図7B)に対する平均ODとして表した
【0247】 これらの結果は、食塩水中でhIgGを受けた用量/経路を調和させた群と比
較して、気管内経路を介してhIgG−Pulで処理しるマウスにおける、増大
した全身性および局所的な液性の応答を示す。更に、気管内または静脈内経路を
介して、食塩水中のhIgGのより高い用量を受けたマウスと比較して、応答が
強化された。血清抗体のタイターは、CFA中のhIgGでs.c.免疫したマ
ウスで測定されたものと同様であった。興味あることに、液性の応答は全身の生
体利用性(データ示さず)と相関せず、局所免疫の関与を暗示した。
【0248】 XI.気管の経路を介してデリバリーされたhIgGプルモスフィアへのT細
胞応答
【0249】 パーフルブロン中に懸濁された、例VIからのhIgG−プルモ・スフィア(
hIgG−Pul)により気管経路で免疫されたマウスの脾臓において誘導され
たT細胞免疫のレベル。脾臓を単細胞懸濁に分離し、赤血球を除去するために低
張緩衝剤で処理した。脾細胞を、4×106細胞/mlで完全RPMI−10%
FCS中に再懸濁し、24−ウェルの平底プレート(1ml/ウェル)中で、6
g/mlのhIgGの存在下でインキュベートした。72時間のインキュベーシ
ョンの後、上澄みを集め、酵素免疫吸着測定法(バイオソース(Biosour
ce)インターナショナル、Camarillo、カリフォルニア州)によって
、IL−2、IFN−およびIL−4の濃度を決定した。
【0250】 結果(図8)は、各群での個々のマウスの中のサイトカイン濃度の平均値とし
て表され、hIgG食塩水対照と比較して、hIgG−Pulで免疫したマウス
における全3個のサイトカインの強化された産生を示した。hIgG−Pul処
理した群に対する脾臓T細胞によるサイトカインの産生は、食塩水中のhIgG
のi.v.群に対して観察されたそれに匹敵した。これらの結果は、肺で活性化
された記憶T細胞の全身性移行を強く示唆する。
【0251】 XI.鼻経路を介してデリバリーされたhIgGプルモスフィアへの抗体応答
【0252】 パーフルブロン中に懸濁され、または食塩水に溶解された例VIからのプルモ
・スフィア(hIgG−Pul)として処方されたいずれかの鼻腔内滴下(20
g)を介してhIgGを受けたマウスの液性の応答を確認した。免疫化後の種々
の時間的間隔で血清を得て、hIgGに対する特異的マウスIgGのタイターを
、例Xで記述した酵素免疫吸着測定法の手順を用いた測定した。それらの結果(
図9)は、平均の終点タイター(n=3)として表され、食塩水と比較して、h
IgG−Pulで処理したマウスにおける開始の動態がより速く、大きさが高く
、免疫応答の被検体間(intersubject)再現性がより低いことを示
した。
【0253】 III.腹膜経路を介してデリバリーされたhIgGプルモ・スフィアへの
抗体応答
【0254】 パーフルブロン中に懸濁された例VIからのhIgG−プルモ・スフィア(h
IgG−Pul)で、腹膜(i.p.)経路(hIgGの100g用量)を介し
て処理したマウスの体液性応答。マウスを、以下の対照で100μgのhIgG
でもi.p.処理した:食塩水中、多重膜ジパルミトイルホスファチジルコリン
(DPPC)リポソーム食塩溶液(+ml lip)中、単層(unilame
llar)DPPCリポソーム食塩溶液(+ul lip)中、およびブランク
のプルモ・スフィア食塩溶液(+empty Pul)中。hIgGが全くない
ブランクのプルモ・スフィア溶液の追加的な対照群をも、テストした。ml l
iP(>10μl)およびul lip(90nm)の粒子メジアン径を、レー
ザ光散乱技術を用いて決定した。各群を、三重実験で行った。例Xと同じ酵素免
疫吸着測定法技術を用いて、血清中のIgG体液免疫応答を7日および14日で
測定した。
【0255】 結果は終点タイターの平均として表され、hIgG−Pulで接種された動物
に対する抗体価の一貫した増大を示した。特に図10Aおよび10Bは、それぞ
れ7日および14日での終点タイターを示す。空Puhに加えられたIgGは、
食塩水中のhIgGに類似するタイターを誘導した。更に、hIgGへのいずれ
のDPPCリポソーム製剤の添加も、hIgG−Pulで観察された増大した免
疫を回復しなかった。従って、これらの結果は:(1)hIgG−Pulの強化
された免疫は、経路に依存する現象でない(例XおよびXIIを参照);(2)
hIgG−Pulの処方は、hIgGの強化された免疫原性のための先行必要条
件である;および(3)DPPCまたはPulの他の成分は、独立したアジュバ
ント効果を有しない、ことを証明する。更に、これらの結果は、hIgG−Pu
lによって誘導された強化された免疫性の原因となるデリバリーの経路、並びに
他の因子の重要性を解明する。
【0256】 XIV.スプレードライによるインフルエンザウィルスA/WSN/32(H
1N1)の中空多孔質粒子の製造
【0257】 吸引:100%、入口温度:85℃、出口温度:61℃;フィードポンプ:1
0%:N流:800L/hrの条件下で、B−191のミニスプレードライヤ
ー(Buechi、Flawil、スイス)を用いるスプレードライ技術により
、8個の構造タンパク質複合体と8個の負荷電されたRNAセグメントとを含む
比較的複雑なエンベロープウィルスを含む、中空多孔性のインフルエンザウィル
スA/WSN/32(H1N1)をミクロ粒子内に良好に取り込んだ。そのフィ
ードは、スプレードライの直前に2つの製剤(AおよびB)を混合することによ
って製造した。処方前に、ウィルスは生存しており、ショ糖勾配遠心分離によっ
て精製した。
【0258】 製剤A:1mgのヒドロキシエチル澱粉(味の素、日本)を秤量し、食塩水中
0.6gのインフルエンザウィルスを含むチューブへ移した。
【0259】 製剤B:リン脂質によって安定化された水中フルオロカーボン−エマルション
を、以下のようにして製造した。そのリン脂質、0.111gのEPC−100
−3(リポイドKG、Ludwigshafen、ドイツ)を、20gの熱い脱
イオン水(T=50〜60℃)中でウルトラ−トゥラックスミクサー(T−25
型)を8000rpmで2〜5分間(T=60〜70℃)用いて均質にした。4
.4gのパーフルブロン(アトケム、パリ、フランス)を、混合の間、滴下で加
えた。フルオロカーボンを加えた後、エマルションを少なくとも4分間混合した
。得られた粗製エマルションを、次いで、124,106kPa(18,000
psi)で5パスで高圧ホモジナイザ(Avestin、オタワ、カナダ)に通
した。
【0260】 製剤Bの体積で8分の1を分離し、製剤Aに添加した。得られたインフルエン
ザウィルス/パーフルブロンのエマルションフィード溶液を、上述した条件下で
スプレードライヤーに供給した。粉体をサイクロンで集め、篩分けスクリーンを
、パーフルブロンを用いて収集ジャー内に洗浄した。パーフルブロン中のHA懸
濁液を、その後−60℃で凍結させ、凍結乾燥した。易流動性の白い粉体を得た
【0261】 XV.インフルエンザウィルスA/WSN/32(H1N1)プルモ・スフィ
アのインビトロ活性
【0262】 スプレードライした粒子への生存ウィルス性抗原の取込みを、以下の技術を用
いて確認した:例XIVからのインフルエンザウィルスA/WSN/32(H1
N1)プルモ・スフィア(WSN−Pul)を、40℃、6時間で5mg/ml
の濃度で滅菌PBSに溶解した。水和されたWSN−Pulを、次いで96−ウ
ェルプレートにおいて37℃、1時間で種々の希釈の非固定の、およびパラホル
ムアルデヒドで固体したM12抗原を現出している細胞(APC)とともにイン
キュベートした。抗原標識(pulsing)の後、それらのAPCを洗浄し、
TcHとともに4時間インキュベートした。ホルムアルデヒド−グルタルアルデ
ヒド固定した細胞をX−gal基質でインキュベートし、および陽性の細胞をカ
ウントした。
【0263】 結果を、パーセント活性化TcHとして表した(図11A)。ショ糖精製した
生存WSNウィルスの種々の濃度を、対照(図11B)として使用した。WSN
−Pul処方は、約5質量%(重量%)のインフルエンザウィルスを含むと決定
された。非固定のAPCのもののみがウィルスを活性化することができ、抗原が
分解しなかったことを示した。感染ウィルスの滴定が、MDCK(メダイン ダ
ービー腎臓癌細胞)アッセイによって決定され(図11C)、および全体のウィ
ルスの約1%が、なお許容細胞中で感染および複製できることを示した。一緒に
、これらの結果は、プルモ・スフィア粉体への比較的大きいインフルエンザウィ
ルス抗原の成功した取込みを示す。
【0264】 XVI.鼻経路を介してデリバリーされたインフルエンザウィルスAIWSN
I32(H1N1)プルモスフィアへの抗体応答
【0265】 5gのウィルスおよび生存ウィルスの2×10TCID50(生存ウィルス
の量に対応する全体の抗原ロードの1%)を含むインフルエンザウィルスA/W
SN/32(H1N1)プルモ・スフィア(WSN−Pul)処方によるBAL
B/cマウスの鼻内接種の後、WSNウィルスに対するウィルス特異的IgG抗
体応答の誘導を測定した。対照マウスを、2×10TCID50生存ウィルス
(全ウィルスのの0.05gに対応)、またはUV−死滅させたWSNウィルス
(5g)で免疫化した。hIgGで処理されたマウスからの血清を、ネガティブ
対照として使用した。抗体応答を、以下の酵素免疫吸着測定法技術を用いて血清
中で測定した:ウェルを、コーティング緩衝剤中で、ショ糖精製したWSNウィ
ルスでコートし、非哺乳類のタンパク質(SeraBlok)でブロックし、血
清サンプルのシリアル希釈とともにインキュベートした。サンプルを洗浄し、お
よびビオチンコンジュゲートのラット抗マウスmAb、続くストレプトアビジン
−アルカリフォスファターゼおよびpNPP基質によって、アッセイを行った。
結果を、終点タイター逆数の幾何平均として表した。接種群につき、マウスの数
は3であった。
【0266】 図12に示された結果は、7日および14日での食塩水中のWSN−Pulま
たは生存WSNウィルス(WSN/Io)で免疫化されたマウスにおける高タイ
ターのIG抗体の誘導を示す。対照的に、特異的IgGの小さいタイターのみが
、塩水中で死滅したウィルスで免疫されたマウスにおいて検出された。
【0267】 XVII.鼻経路を介してデリバリーされたインフルエンザウィルスA/WS
N/32(H1N1)プルモ・スフィアへのT細胞応答
【0268】 T細胞応答を、上述したように免疫されたマウス(例XVI)からのリンパ球
のウィルスおよびエピトープ−特異的なサイトカイン産生に関して定義した。5
gのウィルスおよび生存ウィルスの2×10TCID50(生存ウィルスの量
に対応する全体の抗原ロードの1%)を含むインフルエンザウィルスA/WSN
/32(H1N1)プルモ・スフィア(WSN−Pul)処方によるBALB/
cマウスの鼻内接種の後、T細胞応答の誘導を測定した。対照マウスを、2×1
TCID50生存ウィルス(全ウィルスのの0.05gに対応)、またはU
V−死滅させたWSNウィルス(5g)で免疫化した。検査した抗原は、ショ糖
精製したWSNウィルス、HA110−120のペプチド、およびNP147−
155ペプチドであった。未処理の食塩水の群を、対照として含せた。
【0269】 免疫化の10日後に、フィコール勾配遠心によって末梢血液単核細胞(PSM
C)を血液から単離した。応答細胞の種々の数を、完全RPMI−10%FCS
中、3×10細胞/ウェルでニトロセルロース/抗−IFNまたは抗IL−4
(PharMingen)ELISPOTプレート(ミリポア)でインキュベー
トした。刺激細胞(マイトマイシン処理された脾細胞、5×10/ウェル)、
抗原、およびヒトrIL−2(20 U/ml)を添加し、それらのプレートを
48時間共インキュベートした。細胞を次いでPBS−0.05%Tweenで
洗浄し、抗サイトカイン抗体(PharMingen)は一晩中インキュベート
し、およびHRP−ストレプトアビジンコンジュゲート、これに続く不溶基質(
ベクターラボラトリー)を用いてアッセイを行った。アッセイを水で停止させ、
ウェルを風乾し、およびスポットを立体顕微鏡を用いてカウントした。
【0270】 結果を、バックグランド信号を差し引いた後の、IFN−またはIL−4/1
PBMCを産生する特異的な細胞の頻度として表した。バックグランドは、
再現的に6/10未満であった。PBMCは、各群のマウスからプールした。
図13A、13Bおよび13Cにおける結果は、WSN−PulおよびWSNウ
ィルスによるワクチン接種が、一般に、IFN−およびIL−4を産生するHA
−、NP−およびWSN−特異的なT細胞を誘導したことを示す。対照的に、死
滅したウィルスによる免疫化は、主に、IL−4を産生するT細胞を誘導した。
更に、死滅したウィルスによる免疫化は、NP147−155のペプチドに対し
て特異的な、IL−4を産生するTc2細胞の強化された部分個体群を誘導した
。これらのデータは、生存対照および処方されたウィルス(すなわち、生存およ
び死滅したウィルスを含む)によって誘発された細胞応答が、典型的な従来のワ
クチンに対応する死滅したウィルス対照によって誘発された応答より更に効果的
であったことを示す。
【0271】 XVIII.鼻経路.を介してデリバリーされたインフルエンザウィルスA/
WSN/32(H1N1)プルモスフィアで免疫されたマウスの感染性攻撃に対
する防御
【0272】 例XVIIに記述したように免疫したマウスを、免疫化の3週間後に、鼻経路
を介してデリバリーされた1.2×10のインフルエンザウィルスで攻撃した
。ウィルス放散および体重変化の点での防御は、攻撃の4日後で定義した。結果
を、図14Aおよびと14Bに示す。
【0273】 鼻の洗浄液中のウィルスタイター測定を、生存ウィルスをMDCKアッセイで
滴定することによって決定した。結果は、インフルエンザウィルスA/WSN/
32(H1IN1)プルモ・スフィア(WSN−Pul)または対照生存WSN
ウィルスで前もって免疫されたマウスにおいて、感染性ウィルスが無いことを示
した(図14A)。UV死滅WSNウィルスで免疫されたマウス、または非投薬
マウスは、鼻の洗浄液中でインフルエンザウィルスの顕著なタイターを示した。
加えて、WSN−PulまたはWSNウィルス(生存ウィルスの低用量)で免疫
されたマウスは、攻撃の後にそれらの体重を保持した(図14B)。非免疫化マ
ウス、およびUV死滅WSNウィルスで免疫されたマウスは、体重の顕著な低減
、および続く死亡を示した(7日で、各群での2/3)。これらの結果は、WS
N−Pulが粘膜のデリバリーの際に効果的なワクチン接種効率を与えることを
証明した。
【0274】 XIX.スプレードライによるTA7 レトロウィルスの中空多孔質粒子の製
【0275】 吸引:100%、入口温度:85℃、出口温度:61℃;フィードポンプ:1
0%:N流:800L/hrの条件下で、B−191のミニスプレードライヤ
ー(Buechi、Flawil、スイス)を用いるスプレードライ技術によっ
て、TA7レトロウィルス粒子を製造した。そのフィードは、スプレードライの
直前に2つの製剤(AおよびB)を混合することによって製造した。
【0276】 製剤A:lmgのTA7レトロウィルスを溶解するために、2gの脱イオン水
を用いた。
【0277】 製剤B:リン脂質によって安定化された水中フルオロカーボン−エマルション
を、以下のようにして製造した。そのリン脂質(0.3gのEPC−100−3
(リポイドKG、Ludwigshafen、ドイツ)を、16.5gの熱い脱
イオン水(T=50〜60℃)中でウルトラ−トゥラックスミクサー(T−25
型)を8000rpmで2〜5分間(T=60〜70℃)用いて均質にした。8
.0gのパーフルブロン(アトケム、パリ、フランス)を、混合の間、滴下で加
えた。フルオロカーボンを加えた後、エマルションを少なくとも4分間混合した
。得られた粗製エマルションを、次いで、124,106kPa(18,000
psi)で5パスで高圧ホモジナイザ(Avestin、オタワ、カナダ)に通
した。
【0278】 製剤Bの8分の1(体積で)を分離し、製剤Aに添加した。得られたTA7レ
トロウィルス/パーフルブロンのエマルションフィード溶液を、上述した条件下
でスプレードライヤーに供給した。粉体をサイクロンで集め、篩分けスクリーン
を、パーフルブロンを用いて収集ジャー内に洗浄した。パーフルブロン中のTA
7レトロウィルス懸濁液を、その後−60℃で凍結させ、凍結乾燥した。易流動
性の白い粉体を得た。
【0279】 例XIX.TA7レトロウィルスのスプレードライ粒子のインビトロ活性 例XIXで製造したスプレードライ粒子に取込みした後、TA7レトロウィル
スの活性を検査した。スプレードライしたTA7レトロウィルス粒子を食塩水に
溶解し、ヒーラ(Hela)細胞に1時間で加えた。接種の24時間後、次いで
、β−galを用いてそれらの細胞をトランスジェニック発現について分析した
。ニートおよびスプレードライしたTA7レトロウィルス粒子の間で、差違は観
察されなかった。これらの結果は、比較的に大きく且つ複雑なTA7レトロウィ
ルスが、見かけ上の活性のロスなしにスプレードライ粒子に効果的に取り込み可
能であることを示す。
【0280】 XXI.スプレードライによるウシ・ガンマグロブリンの中空の多孔質粒子の
製造 吸引:100%、入口温度:85℃、出口温度:61℃;フィードポンプ:1
0%:N流:800L/hrの条件下で、B−191のミニスプレードライヤ
ー(Buechi、Flawil、スイス)を用いるスプレードライ技術によっ
て、TA7レトロウィルス粒子を製造した。そのフィードは、スプレードライの
直前に2つの製剤(AおよびB)を混合することによって製造した。
【0281】 製剤A:0.6gのBGG(Calbiochem、サンディエゴ、カリフォ
ルニア州)、0.42gのラクトース(シグマケミカル、セントルイス、ミズー
リ州)、および25mgのプルロニックF−68、NFグレード(BASF、P
arsippany、ニューヨーク州)を溶解するために、0.2%の食塩溶液
の21gを使用した。
【0282】 製剤B:リン脂質によって安定化された水中フルオロカーボン−エマルション
を、以下のようにして製造した。そのリン脂質(0.3gのEPC−100−3
(リポイドKG、Ludwigshafen、ドイツ)を、33gの熱い脱イオ
ン水(T=50〜60℃)中でウルトラ−トゥラックスミクサー(T−25型)
を8000rpmで2〜5分間(T=60〜70℃)用いて均質にした。35g
のF−デカリン(エアープロダクツ、Allentown、ペンシルベニア州)
を、混合の間、滴下で加えた。フルオロカーボンを加えた後、エマルションを少
なくとも4分間混合した。得られた粗製エマルションを、次いで、124,10
6kPa(18,000psi)で5パスで高圧ホモジナイザ(Avestin
、オタワ、カナダ)に通した。
【0283】 製剤AおよびBを組み合わせ、上述した条件下でスプレードライヤーに供給し
た。易流動性の白粉体を、サイクロン分離器で集めた。中空多孔質粒子は、飛行
時間型の分析法(Aerosizer、Amherst Process In
struments、Amherst、マサチューセッツ州)によって決定され
た1.27±1.42μmの体積−重みつけ平均空気力学的直径を有していた。
【0284】 XXII ウシ・ガンマグロブリンMDI処方に対するアンデルセンカスケー
ドインパクター結果 例XXIに従って製造した、BGGの多孔質粒子で処方された用量計量型吸入
器(MDI)の吸入性を、アンデルセンカスケードインパクターを用いて評価し
た。83mgの中空多孔質BGG粒子を10mlのアルミニウム缶内に秤量し、
40℃、3〜4時間の窒素流れ下の減圧オーブンで乾燥した。その缶をDF31
/50act50 1バルブ(米国バロア、グリニッジ、コネチカット州)を用
いて圧着シールし、ステムによる超過圧により9.64gのHFA−134a(
デュポン、ウィルミントン、デラウェア州)推進剤で充填した。
【0285】 装置の作動により、61%の微粒子分率と68μgの微粉用量が観察された(
図15)。本例は、BGG等の比較的大きい生物活性剤が処方でき、且つMDI
から効果的にデリバリーできることを説明している。
【0286】 当業者は、本発明がその精神または中心的な属性から逸脱することなく他の特
定の形で具体化できると更に認識するであろう。本発明の前述した記述がその例
示的な態様のみを開示するという点で、他の変形も本発明の範囲内にあると考え
られることが理解されるべきである。したがって、本発明は、ここで詳述した特
定の態様に、限られない。むしろ、本発明の範囲および内容の指標として、添付
の請求項が参照されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明に従うミクロ構造における処方に従う機能性HAペプチド(イ
ンフルエンザウィルスの赤血球凝集素の残基110〜120)のレベルの図示表
現である。
【図2】 図2は、ミクロ構造中に処方された抗原が、T細胞を活性化するために細胞内
プロセシングを必要としないという事実を説明する。
【図3】 図3は、鼻投与されたミクロ微粒子および静脈内注射を用いてデリバリーされ
たHAペプチドの血漿濃度を比較する。
【図4】 図4は、本出願で記述されたようなミクロ微粒子内で処方されたヒトIgGに
対するキャリブレーション曲線を選ばれた対照とともに表す。
【図5A】 図5Aは、IgG処方されたミクロ微粒子とHAペプチド処方されたミクロ微
粒子のための放出動態を図で説明する。
【図5B】 図5Bは、IgG処方されたミクロ微粒子とHAペプチド処方されたミクロ微
粒子のための放出動態を図で説明する。
【図6A】 図6Aは、処方されたミクロ微粒子を用いて気管内および鼻投与に従う血漿中
のIgGの持続性に示す。
【図6B】 図6Bは、処方されたミクロ微粒子を用いて気管内および鼻投与に従う血漿中
のIgGの持続性に示す。
【図7】 図7Aおよび7Bは、それぞれ、本発明に従って処方されたミクロ微粒子とし
て気管内投与されたIgGに対する全身および局所的な抗体応答を示す。
【図8】 図8は、IgGミクロ微粒子のマウスへの気管内部投与の後のT細胞応答を示
すサイトカインのレベルを図で説明する。
【図9】 図9は、鼻腔内に投与されたIgGミクロ微粒子に対するネズミの抗体応答を
示す。
【図10A】 図10Aは、IgGミクロ微粒子の腹腔内注射の7日後の、ネズミの抗体価を
示す。
【図10A】 図10Bは、IgGミクロ微粒子の腹腔内注射の14日後の、ネズミの抗体価
を示す。
【図11A】 図11Aは、ミクロ微粒子処方のウィルスに対するT細胞応答を説明する。
【図11B】 図11Bは、ウィルス性対照に対するT細胞応答を説明する。
【図11C】 図11Cは、処方および未処方ウィルス両方の感染タイターをそれぞれ説明す
る。
【図12】 図12は、鼻腔内投与後の7日および14日後で、ミクロ微粒子処方された生
存および死滅したインフルエンザウィルスに対するネズミの抗体応答を示す。
【図13A】 図13Aは、対照抗原とともに、ウィルス性ミクロ微粒子鼻腔内接種後のT細
胞応答を示す因子のネズミのレベルを示す。
【図13B】 図13Bは、対照抗原とともに、生存ウィルス鼻腔内接種後のT細胞応答を示
す因子のネズミのレベルを示す。
【図13C】 図13Cは、対照抗原とともに、死滅したウィルス鼻腔内接種後のT細胞応答
を示す因子のネズミのレベルを示す。
【図14A】 図14Aは、生存および死滅したウィルスの両方を含むミクロ微粒子を、鼻腔
内に接種されたマウスにおけるウィルス性放散(shedding)を説明する
【図14B】 図14Bは、生存および死滅したウィルスの両方を含むミクロ微粒子を、鼻腔
内に接種されたマウスにおける体重変化を説明する。
【図15】 図15は、用量計量型吸入器からウシのガンマグロブリンを含む処方されたミ
クロスフェアの効率的なデリバリーを示すインビトロのアンデルセンカスケード
インパクター研究の結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 38/00 A61K 39/00 G 39/00 37/02 (31)優先権主張番号 US9820603 (32)優先日 平成10年9月29日(1998.9.29) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 US9820602 (32)優先日 平成10年9月29日(1998.9.29) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 US9820615 (32)優先日 平成10年9月29日(1998.9.29) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 US9820613 (32)優先日 平成10年9月29日(1998.9.29) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 09/218,213 (32)優先日 平成10年12月22日(1998.12.22) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 09/219,736 (32)優先日 平成10年12月22日(1998.12.22) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 09/218,209 (32)優先日 平成10年12月22日(1998.12.22) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 09/218,212 (32)優先日 平成10年12月22日(1998.12.22) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ,BA ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,G E,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS ,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK, LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM, TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,Z A,ZW (72)発明者 ウィアーズ,ジェフリー ジー. アメリカ合衆国,カリフォルニア 92129, サンディエゴ,サリックス ウェイ 12191 (72)発明者 カバルノフ,アレクセイ アメリカ合衆国,オレゴン 97330,コー バリス,ノースウエスト ウイザム ヒル ドライブ 4410 #3 (72)発明者 シャット,アーネスト ジー. アメリカ合衆国,カリフォルニア 92129, サンディエゴ,ラグウイード ストリート 12139 (72)発明者 デラマリー,ルイス エー. アメリカ合衆国,カリフォルニア 92069, サンマルコス,レッドベリー コート 838 Fターム(参考) 4C076 AA24 AA31 AA65 AA93 AA95 BB21 DD35 DD37 DD39 DD63 FF31 FF68 4C084 AA02 AA17 BA23 BA35 MA13 MA23 MA43 NA10 NA12 ZB071 4C085 AA03 EE01 FF24 GG08

Claims (50)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被験体の免疫システムの調節のための薬物の製造における免
    疫活性剤の使用であって、その薬物が、1以上の免疫活性剤を伴う(assoc
    iated)複数の微粒子を含むものである使用。
  2. 【請求項2】 前記微粒子が、有孔ミクロ構造を含む請求項1の使用。
  3. 【請求項3】 前記微粒子が界面活性剤を含む請求項1または2の使用。
  4. 【請求項4】 前記界面活性剤が、リン脂質、非イオン性洗浄剤、非イオン
    性ブロックコポリマー、イオン性界面活性剤、生体適合性のフッ素化界面活性剤
    、およびそれらの組み合わせからなる群から選ばれる請求項3の使用。
  5. 【請求項5】 前記界面活性剤がリン脂質である請求項3または4の使用。
  6. 【請求項6】 前記リン脂質が、ジラウロイルホスファチジルコリン、ジオ
    レイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジステロ
    イルホスファチジルコリン、ジベヘノイルホスファチジルコリン、ジアラキドイ
    ルホスファチジルコリン、およびそれらの組み合わせからなる群から選ばれる請
    求項5の使用。
  7. 【請求項7】 前記微粒子が、非水性懸濁媒体中に分散される請求項1〜6
    のいずれかの使用。
  8. 【請求項8】 前記非水性懸濁媒体が、ヒドロフルオロアルカン、フルオロ
    カーボン、パーフルオロカーボン、フルオロカーボン/炭化水素ジブロック、炭
    化水素、アルコール、エーテルまたはそれらの組み合わせからなる群から選ばれ
    る化合物を含む請求項7の使用。
  9. 【請求項9】 前記非水性懸濁媒体が、液体フルオロケミカルおよびヒドロ
    フルオロアルカン推進剤からなる群から選ばれる化合物を含む請求項7または8
    の使用。
  10. 【請求項10】 微粒子の平均の空気力学的な直径が0.5〜5μmの間に
    ある請求項1〜9のいずれかの使用。
  11. 【請求項11】 微粒子の平均の幾何学的直径が、約5μm未満である請求
    項1〜10のいずれかの使用。
  12. 【請求項12】 前記免疫活性剤が、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質
    、炭水化物、DNA、RNAおよびアンチセンスの構造物を含む遺伝物質、およ
    びウィルス、ファージおよびバクテリアを含む微生物からなる群から選ばれる請
    求項1〜11のいずれかの使用。
  13. 【請求項13】 前記免疫活性剤がワクチンを含む請求項1〜12のいずれ
    かの使用。
  14. 【請求項14】 被験体の免疫システムの調節が、異物抗原または病原性粒
    子への免疫応答の誘発、局在性または全身性の受動免疫の誘導、免疫応答の刺激
    、または免疫反応の下方調節のいずれかを含む請求項1〜13のいずれかの使用
  15. 【請求項15】 前記薬物が、局所的、筋肉内、皮内、経皮、腹腔内、鼻、
    肺、膣、直腸、耳、口、または眼投与を用いてデリバリーされる請求項1〜14
    のいずれかの使用。
  16. 【請求項16】 被験体における免疫応答を誘導するために吸入されるワク
    チンの製造における免疫活性剤の使用であって、それにより、そのワクチンが1
    以上の免疫活性剤を伴う複数の微粒子を含み、且つそのワクチンが被験体の呼吸
    パスに投与されるものである使用。
  17. 【請求項17】 前記微粒子が有孔ミクロ構造を含む請求項16の使用。
  18. 【請求項18】 前記微粒子が界面活性剤を含む請求項16または17の使
    用。
  19. 【請求項19】 前記免疫活性剤が、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質
    、炭水化物、DNA、RNA、およびアンチセンスの構造物を含む遺伝物質、ウ
    ィルス、ファージおよびバクテリアを含む微生物からなる群から選ばれる請求項
    16〜18ののいずれかの使用。
  20. 【請求項20】 前記ワクチンが乾燥粉体吸入器を用いて投与される請求項
    16〜19のいずれかの使用。
  21. 【請求項21】 前記微粒子が非水性懸濁媒体中に分散される請求項16〜
    19のいずれかの使用。
  22. 【請求項22】 前記非水性懸濁媒体が、液体フルオロケミカルおよびヒド
    ロフルオロアルカン推進剤からなる群から選ばれる化合物を含む請求項21の使
    用。
  23. 【請求項23】 前記ワクチンが、用量計量型吸入器、ネブライザー、アト
    マイザー、鼻ポンプ、スプレーボトル、または液滴の直接滴下を用いて投与され
    る請求項21または22の使用。
  24. 【請求項24】 微粒子の平均の空気力学的な直径が、0.5〜5μmの間
    にある請求項16〜23のいずれかの使用。
  25. 【請求項25】 前記微粒子の平均の幾何学的な直径が、約5μm未満であ
    る請求項16〜24のいずれかの使用。
  26. 【請求項26】 前記誘導された免疫応答が、粘膜の免疫を含む請求項16
    〜25のいずれかの使用。
  27. 【請求項27】 被験体に生物活性剤を投与するためのシステムであって; リザーバを含む投与装置と; 前記リザーバ中の粉体とを含み;前記粉体が、1以上の生物活性剤を伴う複数
    の微粒子を含み、それにより粉体が投与により被験体の免疫システムの調節を与
    えるシステム。
  28. 【請求項28】 前記投与装置が、乾燥粉体吸入器または粉体インジェクタ
    ーを含む請求項27のシステム。
  29. 【請求項29】 前記微粒子が非水性懸濁媒体中に分散される請求項27の
    システム。
  30. 【請求項30】 前記非水性懸濁媒体が、液体のフルオロケミカルおよびヒ
    ドロフルオロアルカン推進剤からなる群から選ばれる化合物を含む請求項29の
    システム。
  31. 【請求項31】 前記投与装置が用量計量型吸入器、アトマイザー、スプレ
    ーボトル、アトマイザー、鼻ポンプ、滴剤の滴下器、または針無しのインジェク
    ターを含む請求項29のシステム。
  32. 【請求項32】 前記微粒子が有孔ミクロ構造を含む請求項27〜31のい
    ずれかのシステム。
  33. 【請求項33】 前記微粒子が界面活性剤を含む請求項27〜32のいずれ
    かのシステム。
  34. 【請求項34】 前記界面活性剤が、リン脂質、非イオン性洗浄剤、非イオ
    ン性ブロックコポリマー、イオン性界面活性剤、生体適合性のフッ素化界面活性
    剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選ばれる請求項33のシステム。
  35. 【請求項35】 前記界面活性剤がリン脂質である請求項33または34の
    システム。
  36. 【請求項36】 前記微粒子が約5μm未満の平均の幾何学的直径を有する
    請求項27〜35のいずれかのシステム。
  37. 【請求項37】 前記生物活性剤が免疫活性剤を含む請求項27〜36のい
    ずれかのシステム。
  38. 【請求項38】 前記免疫活性剤が、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質
    、炭水化物、DNA、RNA、およびアンチセンスの構造物を含む遺伝物質、ウ
    ィルス、ファージおよびバクテリアを含む微生物からなる群から選ばれる請求項
    37のシステム。
  39. 【請求項39】 前記免疫活性剤がワクチンを含む請求項37または38の
    システム。
  40. 【請求項40】 その必要な際に被験体の免疫応答を調節するための組成物
    であって;その組成物が、1以上の免疫活性剤を伴う複数の有孔ミクロ構造を含
    み;前記有孔ミクロ構造が約0.5g/cm未満のバルク密度を有する組成物
  41. 【請求項41】 前記有孔ミクロ構造が界面活性剤を含む請求項40の組成
    物。
  42. 【請求項42】 前記界面活性剤が、リン脂質、非イオン性洗浄剤、非イオ
    ン性ブロックコポリマー、イオン性界面活性剤、生体適合性のフッ素化界面活性
    剤、およびそれらの組み合わせからなる群から選ばれる請求項41の組成物。
  43. 【請求項43】 前記界面活性剤がリン脂質である請求項41または42の
    組成物。
  44. 【請求項44】 前記微粒子が約5μm未満の平均の幾何学的直径を有する
    請求項40〜43のいずれかのいずれかの組成物。
  45. 【請求項45】 有孔ミクロ構造の平均の空気力学的直径が、0.5〜5μ
    mの間にある請求項40〜44のいずれかの組成物。
  46. 【請求項46】 有孔ミクロ構造が、中空多孔質ミクロスフェアを含む請求
    項40〜45のいずれかの組成物。
  47. 【請求項47】 前記免疫活性剤が、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質
    、炭水化物、DNA、RNA、およびアンチセンスの構造物を含む遺伝物質、ウ
    ィルス、ファージおよびバクテリアを含む微生物からなる群から選ばれる請求項
    40〜46のいずれかの組成物。
  48. 【請求項48】 前記有孔ミクロ構造が非水性懸濁媒体中に分散される請求
    項40〜47のいずれかの組成物。
  49. 【請求項49】 被験体における強化された免疫応答を与えるための薬物の
    製造における生物活性剤の使用であって;それにより、その薬物が、1以上の免
    疫活性剤を伴う複数の微粒子を含み;その薬物が、水性キャリア中の匹敵する免
    疫活性剤に対して、強化された免疫応答を誘発するものである使用。
  50. 【請求項50】 前記生物活性剤が、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質
    、炭水化物、DNA、RNAおよびアンチセンスの構造物を含む遺伝物質、およ
    びウィルス、ファージおよびバクテリアを含む微生物からなる群から選ばれる請
    求項49の使用。
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