JP2004528339A - 気道に対して又は気道を介して高分子を送達するための新規方法及び組成物 - Google Patents

気道に対して又は気道を介して高分子を送達するための新規方法及び組成物 Download PDF

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Abstract

高分子が向上した局所的及び/又は全身的の生物学的利用能を示すように、気道に対し又は気道を介して高分子を送達するための方法及び組成物を提供する。そのような方法は、少なくとも1つの生体高分子と組み合わせて形成される、脂質ベースの微細構造であって、当該生体高分子を素早く放出し、それによって当該生体高分子の向上した局所的及び/又は全身的の生物学的利用能をもたらす、優れた能力を有する微細構造を利用する。そのような向上した生物学的利用能は、部分的には気管支肺胞マクロファージ及び/又は粘膜線毛クリアランスによるスカベンジングの低下に起因すると考えられている。少なくとも1つの高分子と組み合わせて形成される、多数の脂質ベースの微細構造を含んで成る、向上した生物学的利用能を有する新規組成物が提供され、ここで、当該高分子の生物学的利用能は、当該微細構造からの当該高分子の放出速度を変更し、それによって気管支肺胞マクロファージ及び/又は粘膜線毛クリアランスによるスカベンジングを低下させることによって向上する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、2001年4月26日に出願された米国仮特許出願第60/286,891号の利益を主張するものであり、引用によってその全体が本明細書に組み入れられる。
【0002】
本発明は、広く薬物送達の分野に関する。更に詳細には、本発明は、気道に対する又は気道を介する、向上した生物学的利用能を有する生体高分子の薬物送達のための新規方法及び組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
気道は、中咽頭及び喉頭を含む上気道、続いて、その後気管支及び細気管支に二分される気管を含む下気道を包含する。上気道及び下気道は、誘導気道と称される。終末細気管支は、続いて、呼吸細気管支に分かれ、続いてこれらは最終的な呼吸領域である肺胞又は肺の深部へと至る(Critical Reviews in Therapeutic Drug Carrier Systems, 6: 273-313 (1990))。
【0004】
気道に対する又は気道を介する生体高分子の送達は、気道又は肺系の疾患及び障害の予防及び治療のために有用であると考えられる。例えば、肺系の局所的疾患は、局所的抗原、例えば微生物抗原(呼吸器合胞体ウイルス、インフルエンザウイルス、ストレプトコッカス(streptococcus))、腫瘍抗原(黒色腫関連抗原, Neu-2)、及び炎症関連抗原(CD4, IgE)と関連しているようである。更に、気道を介する生体高分子の全身送達は、肺以外の器官に影響を及ぼすある障害の予防又は処置に有用であると考えられる。そのような全身的の疾患は、例えば、腫瘍抗原(CD20, CEA)又は炎症関連抗原(TNFα)と関連していることがある。
【0005】
気道に対する又は気道を介する薬物送達が、経口、経費及び非経口投与に代わる魅力的なものであるのは、自己投与が単純で、肺が薬物吸収のとって巨大な粘膜表面を提供し、吸収される薬物の肝初回通過効果が無く、そして経口経路と比較して酵素活性及びpH媒介型の薬物分解が低下するためである。高分子を含む多くの分子の限定された生物学的利用能は、吸入を介して達成されうる。その結果、治療薬の複数のエアロゾル製剤が肺への送達のために使用され、又は試験されている(J. Controlled Release, 28: 79-85 (1994); Pharm. Res., 12 (9): 1343-1349 (1995); 及びPharm. Res., 13(1) : 80-83(1996))。
【0006】
吸入によって現在投与される薬物は、主に液体のエアロゾル製剤として販売されている。しかしながら、多くの薬物及び賦形剤、特に高分子、例えばタンパク質及びペプチドは、長期間水性環境で安定ではない(Biotechnol. Bioeng., 37: 177-184 (1991))。このことは、液体製剤としての保存を厄介にしている。尚、タンパク質変性は、液体製剤によるエアゾール適用の間にも起こりうる(Pharm. Res., 11: 12-20 (1994))。これらの及び他の制限を考慮すると、乾燥粉末製剤(DPF)に対し、呼吸送達の製剤としての関心が集まってきている(EP 0 611 567A1)。しかしながら、従来のDPFの欠点の中には、超微粒子粉末が通常流動性及びエアゾール化の特性に乏しく、呼吸に適したエアロゾルの画分、すなわち口及び咽喉における沈積を回避して吸入されるエアロゾルの画分が比較的少ないという結果に至るというものがある。多くのエアロゾルへのそれ以外の関心は、粒子間相互作用、例えば疎水性、静電的、及び毛細管の相互作用によって生じる粒子の凝集にある。局所又は全身送達のいずれかの、高分子の短期間及び長期間その両方の放出に有効な乾燥粉末吸入療法は、最少の凝集を示す粉末、並びに、薬物が効果的に送達されるまで肺の本来のクリアランス機構を回避し、又は一時停止する手段、を必要とする。しかしながら、最適な空力的特性及び安定性の特性の単なるエンジニアリングは、所望の薬物放出プロファイルを必ずしももたらさないであろう。
【0007】
ヒトの肺は、数分から数時間に及ぶ期間で、加水分解的に開裂可能な沈積粒子を除去し、又は素早く分解することができる。上気道においては、繊毛上皮が「粘膜線毛クリアランス」に寄与しており、これにより、粒子が気道から口に向かって押しやられる。肺の深部においては、肺胞マクロファージが、それらの沈積直後に粒子を貪食することができる。事実、幾つかの文献は、高分子が負荷された粒子のかなりの画分が、気道に送達されてから10〜60分以内に気道マクロファージによって除去されることをはっきりと示している(Pharma. Res., 17: 275 (2000))。粒子の直径が3μmを超える場合、マクロファージによる食作用が益々なくなる。しかしながら、粒径の増大はまた、口腔咽頭又は鼻腔の領域における過剰な沈積のために、(標準的質量を有する)粒子が気道に進入し、そして肺胞に浸透する可能性を最小化している(J. Aerosol Sci., 17: 811-825 (1986))。肺胞内に浸透しないこれらの粒子は、その後、送達から10〜30分以内に粘膜線毛系によって除去される。
【0008】
つまり、従来の気道薬物送達戦略は、高分子の変性、口腔咽頭の腔内で吸入された薬物の粘膜線毛クリアランスによる多大な損失、及び肺マクロファージによる貪食、を含む高分子の送達についての多くの困難を提示する。更に、小さい加水分解性の薬物と対照的に、高分子は、ある賦形剤と相互作用して保持力のある構造を生じさせ、それにより生物学的利用能を制限するという傾向を有する。このように、高分子を送達するために向上した気道薬物送達戦略の必要性がある。更に詳細には、生体高分子の局所的及び/又は全身的の送達のための、気道又は肺の肺胞領域内に有効量の生体高分子を送達することができる方法及び組成物の開発についての必要性が存在している。
【0009】
従って、本発明の目的は、気道に対する又は気道を介する高分子の送達のための向上した方法及び組成物を提供することにある。本発明の更なる目的は、高分子を肺の深部に効果的に送達する吸入型の医薬製剤を提供することである。本発明の別の目的は、高分子が向上した局所的及び/又は全身的の生物学的利用能を示すように、気道に対し又は気道を介して高分子を送達するための方法及び組成物を提供することである。本発明の更に別の目的は、粘膜線毛クリアランス及び/又はマクロファージスカベンジングが低下するように、気道に対して又は気道を介して高分子を送達するための方法及び組成物を提供することである。
【発明の開示】
【0010】
本発明は広く、高分子が向上した局所的及び/又は全身的の生物学的利用能を示すように、気道に対して又は気道を介して高分子を送達するための新規方法及び組成物に関する。
【0011】
この目的のために、本発明の1つの観点は、少なくとも1つの生体高分子と組み合わせて形成される、脂質ベースの微細構造であって、当該生体高分子を素早く放出し、それによって当該生体高分子の向上した局所的及び/又は全身的の生物学的利用能をもたらす、優れた能力を有する微細構造、に関する。そのような生物学的利用能は、部分的には気管支肺胞マクロファージ及び/又は粘膜線毛クリアランスによるスカベンジングの低下に起因すると考えられている。
【0012】
更に詳細には、本発明の1つの観点において、少なくとも1つの高分子と組み合わせて形成される、多数の脂質ベースの微細構造を含んで成る、向上した生物学的利用能を有する新規組成物が提供され、ここで、当該高分子の生物学的利用能は、当該微細構造からの当該高分子の放出速度を変更し、それによって気管支肺胞マクロファージ及び/又は粘膜線毛クリアランスによってスカベンジングを低下させることによって向上する。
【0013】
好ましい態様において、新規微細構造組成物は、例えば、鼻腔又は吸入投与を介して気道に対し又は気道を介して薬物送達に適合するように調剤される。
【0014】
詳細な説明
1つの観点において、本発明は、組み込まれた高分子を迅速に放出し、それによってマクロファージスカベンジング及び粘膜線毛クリアランスを低下させ、当該高分子の生物学的利用能を向上させる、多数の脂質ベースの微細構造を含んで成る、気道に対する又は気道を介する送達のための新規医薬製剤の設計を教示する。特に、組み込まれた高分子の迅速な放出は、Fc-ガンマ受容体を発現する気管支肺胞マクロファージによるスカベンジングを少なくとも部分的に回避することができる。本明細書に開示された新規組成物は、気道の組織に対し、又は全身的に、気道投与後に血液に対し、高分子を効果的に送達するために使用されうる。
【0015】
本発明の組成物は、従来の粒子ベースの製剤よりも、組み込まれた高分子の負荷量を迅速に放出し、それによって、微細構造及び/又は生体高分子のスカベンジング及びクリアランスを低下させ、高分子の向上した生物学的利用能をもたらす向上した能力を有する。向上した生物学的利用能は、気道に対する投与又は水性環境に対する曝露から30分以内の高分子のほぼ完全な放出と関連している。好ましい態様において、開示される組成物は、脂質ベースの微細構造からの、組み込まれた高分子の放出速度を調整するために使用されうる。
【0016】
この点に関して、高分子の局所的及び/又は全身的の生物学的利用能が、投与時の高分子の放出プロファイルに依存し、且つ、当該放出プロファイルが厳密に制御されうることが意外にも発見された。更に詳細には、脂質ベースの微細構造からの、組み込まれた高分子の放出速度が、(a)主要な脂質の賦形剤及び/又は炭水化物の賦形剤の型及び量の変更、(b)界面活性剤特性を有する補助的な賦形剤(co-excipient)の添加、及び/又は(c)最終的な製剤のイオン含量の調整、によって達成されうることが、本発明により意外にも発見された。
【0017】
A. 組成物
本発明の組成物は、主要な脂質の賦形剤及び少なくとも1つの高分子を含んで成る、多数の脂質ベースの微細構造から成る。本発明の脂質ベースの微細構造は更に、主要でない補助的な賦形剤、例えば炭水化物、多価の金属イオン、界面活性剤、及びそれらの組み合わせ、を含んで成ることもある。高分子は、当業界で公知の任意な治療的又は予防的な高分子、例えばペプチド、タンパク質、ヌクレオチド、イムノグロブリン等であってもよい。
【0018】
1.微細構造の成分
主要な脂質の賦形剤は、微細構造の全重量を基にして、重量当たり約10%〜約89%、好ましくは重量当たり約25%〜約75%に及ぶ量、そして最も好ましくは重量当たり約50%の量で当該微細構造中に存在することがある。高分子は、重量当たり約5%〜約89%の範囲、好ましくは重量当たり約15%〜約65%の範囲、そして更に好ましくは重量当たり約25%含まれることがある。炭水化物の補助的な賦形剤は、微細構造の全重量を基にして、重量当たり70%以下、好ましくは重量当たり約5%〜約50%、そして最も好ましくは重量当たり約10%の量で微細構造内に存在することがある。生体適合性の多価金属イオンの補助的な賦形剤は、約2以下、好ましくは約1以下の金属/脂質のモル比で存在することがある。界面活性剤の補助的な賦形剤は、微細構造の全重量を基にして、重量当たり約10%以下、好ましくは重量当たり約0.5%〜約5%以下、そして更に好ましくは重量当たり約1%以下の量で微細構造内に存在することがある。
【0019】
好ましい主要な脂質の賦形剤は、5〜22個に及ぶ炭素原子の炭化水素鎖長を有するホスファチド、例えばホモ及びヘテロ鎖のホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルセリン(PS)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、ホスファチジルグリセロール(PG)、ホスファチジルイノシトール(PI)、スフィンゴミエリン、ガングリオシド、3−トリメチルアンモニウム−プロパンホスファチド(TAP)及びジメチルアンモニウム−プロパンホスファチド(DAP)を含む。一本鎖(リゾホスファチド)又は二本鎖のホスファチドも考慮される。ホスファチドは水素化されているか、不飽和であるか、あるいは部分的に水素化されていることがある。好ましいホスファチドは、ダイズ及び卵由来の天然のホスファチド及び水素化されたホスファチド、ダイズ及び卵由来の部分的に水素化されたホスファチド、DiC18PC, DiC16PC, DiC14PC, DiC8PC, DiC6PC,DiC16PS, DiC14PS, DiC8PS及びDiC6PSである。本明細書で使用する場合、短鎖ホスファチドは、5〜10個の炭素原子に及ぶ炭化水素鎖を有するものを含む。特に好ましいホスファチドは、ジステアロイル-PC(DiC16PC)、ジパルミトイル-PC (DiC14PC)、及びジオクタノイル-PC (DiC6PC)を含む。
【0020】
本明細書で開示する脂質ベースの微細構造における使用にとって好ましい炭水化物の補助的な賦形剤は、単糖、二糖及び多糖を含む。例えば、単糖、例えばデキストロース(無水物及び一水和物)、ガラクトース、マンニトール、D−マンノース、ソルビトール、ソルボース等;二糖、例えばラクトース、マルトース、スクロース、トレハロース等;多糖、例えばラフィノース等;及び他の炭水化物、例えばヘタスターチ、スターチ(ヒドロキシエチルスターチ)、デキストリン、シクロデキストリン及びマルトデキストリン、ラクトース、マンニトール、マンノース、インスリン、マンナン、ソルビトール、スクロース、トレハロース、ラフィノース、マルトース、グルコース、セルロース、ペクチン、サポニン、キトサン、キチン、ムコ多糖、コンドロイチン硫酸塩等を含む。他の任意な補助賦形剤は、タンパク質、例えばアルブミン(ヒト、卵又はウシ)、オリゴペプチド、オリゴロイシン、oligoa;浸透圧調節物質、例えばNaCl、KCl、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛等;及び緩衝液系、例えばPBS、酢酸塩、クエン酸塩、トリス等を含む。
【0021】
好ましい多価金属イオンは、IIa, IIIaの族由来の金属イオン又は塩、及び原子番号21〜30;39〜48、57〜80及び89〜106に由来する金属イオンを含む。好ましい多価の金属イオンは、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム及び亜鉛である。更に、多価の金属イオンは、塩の形態で提供されることがある。
【0022】
考慮される界面活性剤には、非イオン性の界面活性剤、ポロキサマー、トゥイーン、トリトン、PEG、及び糖エステルが含まれることがある。最も好ましい界面活性剤は、ポロキサマー188、ポロキサマー407、トゥイーン80、PEG1540セチルアルコール、及びチロキサポールである。陽イオン性の界面活性剤には、塩化ベンザルコニウムを含むことがある。陰イオン性の界面活性剤は、コール酸塩及びデオキシコール酸塩ファミリー、例えばCHAPS (MERCK index 11 ed., monography pg. 2034)、タウロコール酸塩、デオキシタウロコール酸塩、又はリン酸脂肪酸塩、例えばジセチルホスフェートから選択されることがある。他の界面活性化合物は、アルブミン、ロイシン、オリゴペプチド、オリゴロイシン、オリゴアラニン及びサポニンを含む(更なるリストについては、引用によって本明細書に組み入れられる、Gower's handbook of industrial surfactants 1993, pages 885-904, ISBN 0566074575を参照のこと)。
【0023】
様々な予防的又は治療的高分子のいずれかが、本発明の脂質ベースの微細構造内に組み込まれうる。従って、本発明の微細構造は、動物に対して様々な治療的又は予防的物質を局所的に又は全身的に送達するために使用されうる。考慮される高分子の例は、治療活性を有する、タンパク質、ペプチド、免疫原性物質、多糖、他の糖、脂質、及び核酸配列を含む。免疫原性物質は、限定しないが、タンパク質抗原又は抗原性のフラグメント、抗体又は一本鎖の結合分子、及びイムノグロブリン又はイムノグロブリン様分子を含むことがある。核酸配列は、転写を阻害するために相補DNAに結合する遺伝子、アンチセンス分子、及びリボザイムを含むことがある。
【0024】
組み込まれるべき高分子は、様々な生物学的活性、例えば血管作動性物質、向神経活性物質、ホルモン、抗凝血薬、免疫調節物質、細胞障害性物質、予防薬、抗体、抗ウイルス剤、アンチセンス、抗原、及び抗体を有することがある。幾つかの場合において、タンパク質は、免疫活性物質、例えば抗体、イムノグロブリン、あるいは適切な応答を誘発するために注射によって投与されなければならないであろう他の抗原であってもよい。広範な高分子量を有する化合物、例えば分子当たり100〜500又はそれ以上のものが利用されうる。
【0025】
本発明の1つの観点において、本明細書に記載の微細構造は、肺内の局所送達のための高分子、例えば喘息、気腫、又は嚢胞性線維症の処置のための高分子を含むことがある。あるいは、微細構造は、全身送達のための高分子を含むことがある。例えば、考慮される生物学的活性高分子は、限定しないが、インスリン、カルシトニン、ロイプロリド(又はゴナドトロピン放出ホルモン(「LHRH」))、顆粒球コロニー刺激因子(「G-CSF」)、副甲状腺ホルモン関連ペプチド、ソマトスタチン、テストステロン、プロゲステロン、エストラジオール、ノルエチステロン、クロニジン、スコポラミン(scopolamine)、サリチル酸塩、クロモリンナトリウム、サルメテロール、ホルメテロール(formeterol)、アルブテロール、及びバリウムを含む。
【0026】
前述の補助的な賦形剤以外に、粒子の剛性、産生率及び沈積、貯蔵期間及び患者の受け入れ、を向上させるために、本発明の脂質ベースの微細構造に他の賦形剤を添加することも望ましいことがある。そのような任意な賦形剤は、限定しないが、着色剤、風味のマスキング剤、緩衝液、吸湿剤、抗酸化剤、及び化学的安定化剤を含む。更に、種々の賦形剤が、構造を提供し、そして微細構造の組成物(すなわち、ミクロスフェア、例えばラテックス粒子)を調剤するために、脂質ベースの微細構造内に組み込まれ、又はそれに添加されることがある。これに関して、堅い構成成分が、産生後の技術、例えば選択的溶媒抽出を用いて除去されうることは理解されるであろう。
【0027】
2.微細構造の物理的パラメーター
本明細書で開示する脂質ベースの微細構造が、当業界で公知の任意で適当な構造的基盤、例えば粒子、微粒子、孔あきの微細構造、及びそれらの組み合わせを含んで成ることは理解されるだろう。本発明の特に好ましい態様において、微細構造は、引用によってその全体が本明細書に組み入れられるWO99/16419に開示されているような、スプレー乾燥した、中空で且つ多孔性の粒子の構造的基盤を含んで成る。そのような中空で且つ多孔性の粒子は、大きな内側の間隙を特徴付けている比較的薄い多孔性壁を有する粒子を含んで成るが、他の間隙を含む、又は孔あき構造も同様に考慮される。孔あき微細構造の絶対的形状(形態学に反するもの)は一般的に重要ではなく、そして所望の特性を提供する任意な全体的配置が本発明の範囲内として考慮される。従って、好ましい態様は、ほぼマイクロスフェアの形状を含んで成ることもある。しかしながら、崩壊し、変形し又は壊れた粒子も適合可能である。
【0028】
本発明の脂質ベースの微細構造は、好ましくは、約10μm未満、更に好ましくは約0.5μm〜約5μmに及ぶ平均空気力学的径を有する。本明細書で使用する「空気力学的径」は、分散した微細構造の空気力学的サイズの測定値である。空気力学的径は、その沈降動態の観点でエアゾール化した微粒子を説明するために使用され、そして、一般的に空気中での、微細構造と同一の沈降速度を有する単位密度のスフェアの直径である。空気力学的径は、微細構造、密度、及び物理的サイズを包含する。
【0029】
本発明の脂質ベースの微細構造は、好ましくは、約1μm〜約30μm、好ましくは約1μm〜約10μmに及ぶ平均幾何学的径を有する。特に好ましい態様は、約1μm〜約5μmの平均幾何学的直径を有する微細構造に関する。本発明の組成物が広く多分散系である(すなわち、幅広い微細構造のサイズから成る)ので、「平均幾何学的径」は、平均微細構造のサイズの測定値として使用される。本明細書で報告する平均幾何学的径は、レーザー回折によって決定されるが、一般的に利用される技術がいくつでも使用されうる。
【0030】
本発明の脂質ベースの微細構造は、典型的に約0.5g/cm3未満、好ましくは0.3g/cm3未満、更に好ましくは0.1g/cm3未満、そして最も好ましくは0.05g/cm3未満のかさ密度を有する。低いかさ密度を有する微細構造を提供することによって、キャリヤー粒子の必要性を排除する、単位量の容器内に充填されうる。すなわち、本発明の微細構造の比較的低い密度は、比較的少量の高分子の再現性のある投与を提供する。更に、キャリヤー粒子の排除は、咽喉での沈積及び、投与時に咽喉及び上気道に影響を与える大きなキャリヤー粒子からのあらゆる「口止め(gag)」効果を潜在的に最小化する。
【0031】
3.任意の組成物の成分
本発明の組成物は、更に、非水性の担体又は懸濁媒体を含んで成ることがある。例えば、本発明の脂質ベースの微細構造は、非水性媒体中で任意に分散されることがあり、それによって非水性懸濁媒体中での滴下注入によるエアゾール適用又は送達に適合可能となる。例えば、そのような非水性懸濁媒体は、ハイドロフルオロアルカン、フルオロカーボン、ペルフルオロカーボン、フルオロカーボン/ハイドロカーボンのジブロック、ハイドロカーボン、アルコール、エーテル、及びそれらの組み合わせ、を含むことがある。しかしながら、当業界で公知の任意な非水性懸濁媒体が、本発明と一緒に使用されうることは理解される。
【0032】
B.投与
本発明の好ましい観点において、本明細書で開示される組成物が、処置の必要な患者の気道に対する又は気道を介する送達のために調剤されうる。そのような製剤は、当業界で公知の任意な方法、例えば、限定しないが、乾燥粉末吸入、滴下注入(instillation)、定量吸入、噴霧、エアゾール適用、又は適合可能な賦形剤(vehicle)の懸濁液としての滴下注入において、予防的又は治療的な目的で、気道に対し、又は気道を介して送達されうる。他の投与経路、例えば局所的、経皮、皮内、腹腔内、静脈内、筋肉内、皮下、経膣、直腸、耳、経口、又は眼からの投与も考慮される。
【0033】
上述のように、本明細書で開示する組成物は、エアゾール適用を介して、例えば乾燥粉末吸入器(DPI)により、患者の気道に対して投与されうる。そのような微細構造の使用は、引用によってその全てが本明細書に組み入れられる、WO99/16419に開示されているように、優れた分散性及び肺での沈積の改善を提供する。DPIは当業界で周知であり、そして過度の実験を要することなく、特許請求の範囲に記載の微細構造の投与に容易に利用されうる。
【0034】
本明細書で開示する組成物はまた、エアゾール適用を介して、例えば定量吸入器(MDI)により、患者の気道に対して投与されうる。そのような安定化した調製物の使用は、引用によってその全てが本明細書に組み入れられる、WO99/16422に開示されているように、優れた用量の再現性及び肺での沈積の改善を提供する。DPIは当業界で周知であり、そして過度の実験を要することなく、特許請求の範囲に記載の分散液の投与に容易に利用されうる。
【0035】
呼吸活性型(breath activated)MDI及び開発されている、若しくは開発されるであろう他の改良型を含んで成るものも、安定化した分散液及び本発明と適合可能であり、そして、それ故に、本発明の範囲内にあると考えられる。
【0036】
しかしながら、好ましい態様において、当該組成物が、限定しないが局所的、鼻、肺又は口を含む多数の異なる経路を用いて、MDIで投与されうることに注意するべきである。当業者は、そのような経路が周知であること、そして服用及び投与の手順が、本発明の安定化した分散液のために容易に導き出されうることを理解するだろう。
【0037】
前述の態様と一緒に、本発明の組成物はまた、必要としている患者の肺気道に対し投与されるエアゾール化した薬物を提供するために、引用によってその全体が本明細書に組み入れられるPCT WO99/16420に開示されているような噴霧器と一緒に使用されうる。噴霧器は当業界で周知であり、そして過度の試験を要することなく、特許請求の範囲に記載の分散液の投与に容易に利用されうる。
【0038】
呼吸活性型噴霧器、及び開発されている、又は開発されうる他の改良型を含んで成るものも、例えば、引用によってその全体が本明細書に組み入れられるWO99/16421に開示されているような、液量注入(liquid dose instillation, LDI)又はLDI技術と一緒に使用されうることは理解されるだろう。液量注入は、肺に対する安定化した分散液の直接投与を包含する。これに関して、高分子の直接的な経肺投与は、特に、肺の疾患部分の乏しい血管の循環が静脈内の薬物送達の有効性を低下させる疾患の処置において特に有効である。LDIに関して、安定化した分散液は、好ましくは、部分的液体換気又は全体的液体換気(total liquid ventilation)と一緒に使用される。更に、本発明は、治療的に有益な量の生理学的に許容される気体(例えば、一酸化窒素又は酸素)を、投与前、その間又はその後に医薬用の微小分散液(microdispersion)中に導入することも含んで成ることがある。
【0039】
C.向上した生物学的利用能と関連する方法
本発明の別の観点において、気道に対して又は気道を介して送達される高分子の局所的及び/又は全身的生物学的利用能を向上させるための方法を提供する。一般的に、高分子の生物学的利用能は、少なくとも約95%の組み込まれた高分子が、水性環境に対する曝露から約30分以内に放出され、それによって気道に対する又は気道を介する投与後の気管支肺胞マクロファージによるスカベンジング及び/又は粘膜線毛クリアランスを低下させるように、脂質ベースの微細構造からの高分子の放出速度を変更することによって向上しうる。
【0040】
高分子は、従来の微細構造の基盤と相互作用又は関連し、その結果限定された生物学的利用能を有する保持力のある構造を作り出すという生来の傾向を有する。しかしながら、本発明は、高分子の生物学的利用能を向上させる方法であって、中に組み込まれる高分子の少なくとも約95%、好ましくは99%が、気道に対する又は気道を介する投与から、あるいは水性環境に対する曝露から30分以内に脂質ベースの微細構造から放出されるように脂質ベースの微細構造内に高分子を組み込むことを含んで成る方法、を提供する。特に好ましい態様において、中に組み込まれる高分子の少なくとも約60%、好ましくは80%、更に好ましくは90%、そして最も好ましくは99%が、気道に対する又は気道を介する投与から、あるいは水性環境に対する曝露から約15分以内に脂質ベースの微細構造から放出される。
【0041】
本発明の更に別の観点において、処置が必要な患者の気道に対して又は気道を介して、向上した局所的及び/又は全身的な生物学的利用能を有する高分子を投与する方法が提供される。そのような方法は、中に組み込まれた高分子の約95%、好ましくは99%を患者に対する投与から約30分以内に放出するように調剤されている、多数の脂質ベースの微細構造を含んでなる、治療的又は予防的有効量の組成物を投与することを含んで成る。また、特に好ましい態様において、中に組み込まれた少なくとも約60%、好ましくは80%、更に好ましくは90%、そして最も好ましくは99%の高分子が、患者に対する投与から焼く15分以内に脂質ベースの微細構造から放出される。
【0042】
本明細書に記載の任意な脂質ベースの微細構造は、向上した生物学的利用能と関連して開示した方法において使用されうる。しかしながら、本発明によると、意外なことに、脂質ベースの微細構造における少なくとも1つの界面活性剤の包含が、微細構造のスカベンジング及び/又はクリアランスを低下させることにより、気道に対する又は気道を介する投与時に、組み込まれた高分子の局所的及び/又は全身的な生物学的利用能を増強することが発見された。従って、中に組み込まれた高分子の局所的及び/又は全身的な生物学的利用能を向上させるのに好ましい資質を基にした微細構造は、少なくとも1つの主要な脂質の賦形剤、少なくとも1つの主要でない炭水化物の賦形剤、及び少なくとも1つの主要でない界面活性剤、を含んで成るものを含む。
【0043】
また、本発明によると、意外なことに、脂質ベースの微細構造の主要な液体の賦形剤としての短鎖ホスファチドの包含が、組み込まれた高分子のより一層増強された生物学的利用能をもたらすことが発見された。この点で特に好ましい脂質ベースの微細構造は、5〜10個の長さの炭素原子の炭化水素鎖を有する短鎖ホスファチドから成る群から選択される主要な脂質の賦形剤、主要でない炭水化物の賦形剤、及び、任意に、多価金属イオン、界面活性剤、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される少なくとも1つの主要でない補助的な賦形剤、を含んで成る。
【0044】
本発明は、以下の限定しない実施例を参照して更に理解されるだろう。
【実施例】
【0045】
実施例1:スプレー乾燥した金属/脂質ベースの微細構造(「SDMLM」)の構築
本実施例の以下の金属イオン−脂質複合体を基にした微細構造の組成物は、スプレー乾燥法によって製造した。水性の調製物は、スプレー乾燥直前に、調製物AとBの組み合わせを調製物Cと混合することによって調製した。
【0046】
調製物Aは、T-25 Ultraturraxを用いて9000rpmで、23gの熱いDI水中に約5分間分散させた0.57gのリポソーム懸濁液から構成された。粗製のリポソームを、高圧下(18,000 psi)で別々に5回Avestin Emulsiflex C5に通過させてホモジェナイズした。調製物Bは、0.15gのCaCl2・2H2O及び0.17gのラクトース一水和物を含んだ。
【0047】
調製物Aは、全成分を調製物B中に溶解させるために添加され、これは以降調製物(A+B)と称される。調製物Cは、2 mLの0.9%NaCl中に溶解した50.6mgのヒトIgG (Sigma Chemical Co.)を含んだ。4gの調製物A+Bが、調製物Cに添加された。一緒にされた原料調製物は、改良型の高効率サイクロンを備えたB-191ミニスプレードライヤーを用いて、以下の条件:インレット温度=70℃;アウトレット温度=43℃;アスピレーター= 84%;ポンプ= 2.2 mL/分;及び窒素流=2400 L/h、のもとでスプレー乾燥された。
【0048】
微細構造の最終的な重量組成(%)は、DPPC:CaCl2・2H2O:ラクトース:hIgG (48: 12: 15: 25)であった。生じた粉末は、1〜5μmの範囲内の幾何学的径の、独特でコンパクトな粒子を含んでいた。
【0049】
実施例2:スプレー乾燥した金属−脂質ベースの微細構造であって界面活性剤と一緒に調剤されたもの(「SDMLM-Tyl」)の構築
活性成分の向上した放出のための以下の金属イオン−脂質複合体を基にした微細構造組成物は、スプレー乾燥法によって製造された。水性調製物は、スプレー乾燥直前に調製物AとBとの組み合わせを調製物Cと混合することによって調製した。
【0050】
調製物Aは、T-25 Ultraturraxを用いて9000rpmで、23gの熱いDI水中に約5分間分散させた0.57gのリポソーム懸濁液から構成された。粗製のリポソームを、高圧下(18,000 psi)で別々に5回Avestin Emulsiflex C5に通過させてホモジェナイズした。調製物Bは、0.15gのCaCl2・2H2O及び0.17gのラクトース一水和物及び11.7mgのチロキサポールを含んだ。
【0051】
調製物Aは、全成分を調製物B中に溶解させるために添加され、これは以降調製物(A+B)と称される。調製物Cは、2 mLの0.9%NaCl中に溶解した53.6mgのヒトIgG (Sigma Chemical Co.)又は0.5 mgの抗CD3εモノクローナル抗体(PharMingen-BD)を含んだ。
【0052】
4gの調製物A+Bが、調製物Cに添加された。一緒にされた原料調製物は、改良型の高効率サイクロンを備えたB-191ミニスプレードライヤーを用いて、以下の条件:インレット温度=70℃;アウトレット温度=43℃;アスピレーター= 84%;ポンプ= 2.2 mL/分;及び窒素流=2400 L/h、のもとでスプレー乾燥された。
【0053】
微細構造の最終的な重量組成(%)は、DPPC:CaCl2・2H2O:ラクトース:hIgG:チロキサポール(47: 12: 15: 25: 1)であった。生じた粉末は、1〜5μmの範囲内の幾何学的径の、独特でコンパクトな粒子を含んでいた。
【0054】
実施例3:スプレー乾燥した短鎖の脂質ベースの微細構造(「SDSCM」)の構築
活性成分の向上した放出のための、以下の金属イオン−脂質複合体を基にした微細構造の組成物は、スプレー乾燥法によって製造した。水性の調製物は、スプレー乾燥直前に、調製物AとBの組み合わせを調製物Cと混合することによって調製した。
【0055】
調製物Aは、23gの熱いDI水中に分散させた0.14gのジオクタノイルホスファチジルコリン、0.04gのCaCl2・2H2O及び0.17gのラクトースのリポソーム/ミセル懸濁液から構成された。調製物Bは、2 mLの0.9%NaCl中に溶解した58.6mgのヒトIgG (Sigma Chemical Co.)を含んだ。
【0056】
4gの調製物Aが、調製物Bに添加された。一緒にされた原料調製物は、改良型の高効率サイクロンを備えたB-191ミニスプレードライヤーを用いて、以下の条件:インレット温度60℃;アウトレット温度=38℃;アスピレーター= 100%;ポンプ= 2.2 mL/分;及び窒素流=2400 L/h、のもとでスプレー乾燥された。
【0057】
微細構造の最終的な重量組成(%)は、ジオクチル−PC:CaCl2・2H2O:ラクトース:hIgG (12: 3: 60: 25)であった。生じた粉末は、1〜5μmの範囲内の幾何学的径の、独特でコンパクトな粒子を含んでいた。
【0058】
実施例4:スプレー乾燥した微細構造(「SDM」)であって、界面活性剤と一緒に調剤されたもの(「SDM-Tyl」)の構築
活性成分の向上した放出のための以下の微細構造組成物は、スプレー乾燥法によって製造された。水性調製物は、スプレー乾燥直前に、2つの調製物、調製物AとBとの組み合わせを、調製物Cと混合することによって調製した。
【0059】
調製物Aは、T-25 Ultraturraxを用いて9000rpmで、23gの熱いDI水中に約5分間分散させた0.57gのリポソーム懸濁液から構成された。粗製のリポソームを、高圧下(18,000 psi)で別々に5回Avestin Emulsiflex C5に通過させてホモジェナイズした。
【0060】
調製物Bは、0.17gのラクトース一水和物及び11.7mgのチロキサポールを含んだ。コントロールとして、ラクトース一水和物のみを使用した。調製物Aは、全成分を調製物B中に溶解させるために添加され、これは以降調製物(A+B)と称される。
【0061】
調製物Cは、2 mLの0.9%NaCl中に溶解した53.6mgのヒトIgG (Sigma Chemical Co.)又は0.5 mgの抗CD3εモノクローナル抗体(PharMingen-BD)を含んだ。4gの調製物A+Bが、調製物Cに添加された。一緒にされた原料調製物は、改良型の高効率サイクロンを備えたB-191ミニスプレードライヤーを用いて、以下の条件:インレット温度=70℃;アウトレット温度=43℃;アスピレーター= 84%;ポンプ= 2.2 mL/分;及び窒素流=2400 L/h、のもとでスプレー乾燥された。
【0062】
微細構造の最終的な重量組成(%)は、DPPC:ラクトース:hIgG:チロキサポール(50: 24: 25: 1)であった。生じた粉末は、1〜5μmの範囲内の幾何学的径の、独特でコンパクトな粒子を含んでいた。
【0063】
実施例5:微細構造(SDM,SDM-Tyl, SDMLM, SDMLM-Tyl及びSDSCLM)内で調剤されたイムノグロブリンの全量の測定
ペルフルオロカーボン(perflubron)中で懸濁した、確定した量の微細構造はプラスチックウェル上で乾燥され、そして0.1%SDSを添加した1mlの標準的な塩溶液(リン酸緩衝液、1倍)を用い、激しく振とうしながら、37℃で30分間インキュベートした。インキュベーション後、溶液を回収し、そして遠心し(10,000RPMで5分間)、そして上清中のヒトIgGの濃度は、捕捉ELISAストラテジーを用いて測定した。このために、プレートは、抗ヒトκ+抗ヒトγ軽鎖のモノクローナル抗体の混合物(1:500+1:500希釈;PharMingen, San Diego, CA)でコーティングし、SeaBlock (Pierce)でブロッキングし、そして室温で2時間、試料と一緒にインキュベートした。反応は、以下の連続的な段階を用いて進めた:アルカリホスファターゼと共役した1:1000の抗ヒトIgG (Sigma)及びpNPP基質 (Sigma Immunochemical)の添加。シグナルは、405nmに設定した自動ELISAリーダー(Molecular Devices)を用いて読み取った。濃度は、塩溶液−0.1% SDS中で調剤されていないhIgGで構築された標準曲線から補間された。結果(図1を参照のこと)は、使用した賦形剤の量を基に算出した、調剤されたイムノグロブリンの異なる量に応じて(すなわち、25% hIgG w/wは、1mgのイムノグロブリンが4mgの微細構造に対応している)405nmで測定したODで表した。
【0064】
図1のデータは、調剤時に、イムノグロブリンが、全体の四次構造と同様に(重鎖と軽鎖の複合体)、軽鎖及び重鎖の発現を保持していることを示す。次に、標準曲線及び製剤に使用する賦形剤の量との比較を基に、当該データは、微細構造内でのイムノグロブリンの完全な組み込みを示す。
【0065】
実施例6:塩溶液での15分のインキュベーション時の、種々の微細構造(SDM, SDM-Tyl, SDMLM, SDMLM-Tyl 及び SDSCLM)から放出されるイムノグロブリンの量の測定
5μgの調剤されたhIgGに対応する20μgの乾燥した微細構造は、穏やかに振とうしながら、37℃で15分間、標準的な塩溶液と一緒にインキュベートした。懸濁液は、10,000RPMで5分間遠心し、そして上清中のヒトIgGの濃度は、捕捉ELISAストラテジーで測定した:読取プレートは、抗ヒトκ+抗ヒトγ軽鎖のモノクローナル抗体の混合物(1:500+1:500希釈;PharMingen, San Diego, CA)でコーティングし、SeaBlock (Pierce)でブロッキングし、そして室温で2時間、試料と一緒にインキュベートした。反応は、以下の連続的な段階を用いて進めた:アルカリホスファターゼと共役した1:1000の抗ヒトIgG (Sigma)及びpNPP基質 (Sigma Immunochemical)の添加。シグナルは、405nmに設定した自動ELISAリーダー(Molecular Devices)を用いて読み取った。読取試薬に対する補助的な賦形剤の作用を調節するために、イムノグロブリンを含まない微細構造に添加された量と見合う量の調剤されていないhIgGで構築された標準曲線から結果を補間した。微小構造内のイムノグロブリンの全量は、実施例5に記載の方法を用いて確認された。結果は、微細構造の各カテゴリーにつき、放出された(そして保持された)hIgG(%)として表した(図2を参照のこと)。データは、速い放出対遅い放出のコントロールが、主要な賦形剤を変更することによって達成され(すなわち、短鎖リン脂質は15分でのhIgGの放出の増大が可能である)、あるいは生体適合性のある界面活性剤の添加によって達成されうる(すなわち、一緒に調剤されたチロキサポールによる、より迅速な放出)ことを示している。
【0066】
実施例7:金属−脂質界面活性剤の微細構造における調剤による抗原複合部位及び抗体の機能性の保存
調剤後のモノクローナル抗体(型抗-CD3ε-mAb, PharMingen, San Diego, CA)の活性は、複合型の捕捉ELISA/バイオアッセイアプローチを用いて確認された。主要な賦形剤としての金属−脂質及び主要でない賦形剤としてのチロキサポール(1% w/w)を基にした、0.5%モノクローナル抗体を含む製剤が生成された。20μgの乾燥製剤が、はげしく振とうしながら、37℃で30分間、1mlの標準的な塩溶液と一緒にインキュベートした。懸濁液は、遠心(10,000RPMで5分間)によって清澄にされ、そして放出されたmAbの量は、以下のように捕捉ELISAによって測定した:読取プレートは、抗ハムスター軽鎖モノクローナル抗体(1:500希釈;PharMingen, San Diego, CA)でコーティングし、SeaBlock (Pierce)でブロッキングし、そして室温で2時間、試料と一緒にインキュベートした。反応は、以下の連続的な段階を用いて進めた:ビオチンと共役した抗ハムスターIgG、1:1000のストレプトアビジン−アルカリホスファターゼ(Sigma)及びpNPP基質 (Sigma Immunochemical)の添加。シグナルは、405nmに設定した自動ELISAリーダー(Molecular Devices)を用いて読み取った。放出されたmAbの量は、調剤されていない抗CD3εmAbにより生成した標準曲線の直線部分上での補間によって推定された。
【0067】
調剤されたイムノグロブリンの生体活性は、上述の様に生成した上清の種々の希釈液を、IL-2によって制御されたレポーター遺伝子(β−ガラクトシダーゼ)に恒久的にトランスフェクションされた読取T細胞のハイブリドーマ(TcH)とインキュベートすることによって評価された。抗CD3εmAbによる、TcH上でのTCR関連CD3εの会合は、IL-2プロモーターからのレポーター遺伝子の転写を導く。機能的なmAbの濃度が高いほど、β−ガラクトシダーゼ+TcHの数が多い。活性化したTcHの数は、2x104細胞との希釈した上清の4時間の37℃及び5% CO2でのインキュベーション後に測定された。要約すると、細胞はPBSで洗浄され、ホルムアルデヒド+グルタルアルデヒドで固定され、そしてX-gal基質が室温で8時間超添加された。β−ガラクトシダーゼ+(青)細胞は顕微鏡で数えられた。
【0068】
図3の結果は、(ELISAによって得られた、異なるOD 405nmに対応する)上清の種々の希釈液で活性化されたTcHの数の二次元プロットとして表す。コントロールとして、調剤されていない抗CD3εmAbが使用された。図3は、肺におけるイムノグロブリン濃度の増大を達成するのに最も有効な経路は、呼吸器の経路である(非経口経路よりも30分以上有効)。
【0069】
実施例8:微細構造(SDM,SDM-Tyl, SDMLM, SDMLM-Tyl及びSDSCLM)内で調剤されたイムノグロブリンの呼吸器送達
BALB/cマウス(Taconic Farmsから購入した2ヶ月齢の雌)をMetofaneで麻酔し、そして40μlの塩溶液(リン酸緩衝液、1倍)又はペルフルオロカーボン(perflubron)微細構造−hIgG懸濁液(実施例1〜4に記載した、言及される賦形剤中で20mg/mlで懸濁されたSDM, SDM-Tyl, SDMLM, SDMLM-Tyl又はSDSCLM)を用いて、鼻腔を介して滴下注入した。滴下注入から1時間後、マウスを再び麻酔し、右脇の動脈を切開することによって出血させ、そして肺を回収し、低温チューブ内に沈積させ、そして液体窒素中に浸漬した。当該組織は、10.0gのアプロチニン(Sigma)を添加した全量1mlの滅菌塩溶液中でホモジェナイズした。10,000RPMで5分間遠心した後、上清中のヒトIgGの濃度は、捕捉ELISAストラテジーで測定した。要約すると、読取プレートは、抗ヒトκ+抗ヒトγ軽鎖のモノクローナル抗体の混合物(1:500+1:500希釈;PharMingen, San Diego, CA)でコーティングし、SeaBlock (Pierce)でブロッキングし、そして室温で2時間、試料と一緒にインキュベートした。反応は、以下の連続的な段階を用いて進めた:アルカリホスファターゼと共役した1:1000の抗ヒトIgG (Sigma)及びpNPP基質 (Sigma Immunochemical)の添加。シグナルは、405nmに設定した自動ELISAリーダー(Molecular Devices)を用いて読み取った。hIgGの濃度は、PBS-10μg/mlのアプロチニン中の調剤されていないイムノグロブリンで構築した標準曲線から結果を補間した。最終結果は、肺の体積(200μl)に対して正規化された。
【0070】
図4Aの結果は、気道を介する又は静脈内からの調剤されていないhIgG(塩溶液)の投与から1時間後の、肺内のhIgG濃度を表す。図4は、肺内でのイムノグロブリン濃度の増強を達成するのに最も有効な経路が呼吸器の経路であることを示す(非経口経路よりも30分以上有効)。
【0071】
図4Bの結果は、気道を介するペルフルオロカーボン中の50μlの微細構造の懸濁液(10mg/kgのhIgG)の投与から1時間後の、肺内のhIgG濃度(平均±SEM, n=4)を表す。コントロールとして、肺hIgGの濃度が、投与量に見合ったhIgG/塩溶液の静脈内投与後に測定された。図4Bの結果は、異なる種類の微細構造が、異なる有効性でhIgGを肺組織に送達することを与えられていることを示す。最高の有効性は、生体適合性のある界面活性剤と一緒に調剤された微細構造によって示される。
【0072】
実施例9:気道に対する投与時の微細構造(SDM, SDM-Tyl, SDMLM, SDMLM-Tyl及びSDSCLM)内で調剤されたイムノグロブリンの全身的な生物学的利用能
BALB/cマウス(Taconic Farmsから購入した2ヶ月齢の雌)をMetofaneで麻酔し、そしてペルフルオロカーボン(perflubron)微細構造−hIgG懸濁液(実施例1〜4に記載した、言及される賦形剤中で20mg/mlで懸濁したもの)を用いて、鼻腔を介して滴下注入した。投与量に見合うhIgG/塩溶液が、静脈内からコントロールマウスに投与された。滴下注入又は注射から1時間及び3日目に、血清がマウスから採集され、そしてhIgGの濃度が捕捉ELISAストラテジーによって測定された。要約すると、読取プレートは、抗ヒトκ+抗ヒトγ軽鎖のモノクローナル抗体の混合物(1:500+1:500希釈;PharMingen, San Diego, CA)でコーティングし、SeaBlock (Pierce)でブロッキングし、そして室温で2時間、試料と一緒にインキュベートした。反応は、以下の連続的な段階を用いて進めた:アルカリホスファターゼと共役した1:1000の抗ヒトIgG (Sigma)及びpNPP基質 (Sigma Immunochemical)の添加。シグナルは、405nmに設定した自動ELISAリーダー(Molecular Devices)を用いて読み取った。hIgGの濃度は、マウス血清(Sigma Immunochemical)中の調剤されていないイムノグロブリンで構築した標準曲線から結果を補間した。
【0073】
図5に表わす結果は、異なる実験群に対応する血清濃度の平均±SEM (n=4)を表す。図5は、様々な種類の粒子が、気道に対する投与によりhIgGを全身的に送達することにおいて、異なる有効性を有することを示している。最高の有効性は、短鎖のリン脂質ベースの微細構造(SDSCLM)又は界面活性剤と一緒に調剤された微細構造(SDM-Tyl; SDMLM-Tyl.)によって供される。
【0074】
実施例10:SDMLM又はSDMLM-Tylの気道内へのエアゾール適用による、イムノグロブリンの局所送達
Sprague Dawleyラットをイソフルランで麻酔し、そして気管内に挿入された装置(Penn-Centuryinsufflator(商標))で処理した。当該装置は、perflubron中20mg/mlの粒子懸濁液を充填された。1回の投与量は、800μgの製剤と200μgのイムノグロブリンを含む400μlの懸濁液に相当した。SDMLM製剤は、1%チロキサポールを用いて、又は用いずに使用した。コントロールとして、塩溶液中で投与量に見合った量のhIgGを静脈内注射されたラットが使用された。
【0075】
投与から1時間後、肺組織が採集され、そして10μgのアプロチニン(Sigma)を添加した滅菌塩溶液中でホモジェナイズした。10,000RPMで5分間遠心した後、上清中のヒトIgGの濃度は、捕捉ELISAストラテジーで測定した。要約すると、読取プレートは、抗ヒトκ+抗ヒトγ軽鎖のモノクローナル抗体の混合物(1:500+1:500希釈;PharMingen, San Diego, CA)でコーティングし、SeaBlock (Pierce)でブロッキングし、そして室温で2時間、試料と一緒にインキュベートした。反応は、以下の連続的な段階:アルカリホスファターゼと共役した1:1000の抗ヒトIgG (Sigma)の添加で進められ、そしてpNPP基質 (Sigma Immunochemical)で進められた。シグナルは、マイクロタイタープレートリーダー(Molecular Devices)を用いて読み取った。hIgGの濃度は、PBS-10μg/mlのアプロチニン中の調剤されていないイムノグロブリンで構築した標準曲線から結果を補間した。最終結果は、肺の体積(1.8ml)に対して正規化された。
【0076】
データは、処置したラットの肺内で回収されたイムノグロブリンの全量の平均±SEMで表す。それらは、チロキサポールの添加が、SDMLM粒子のエアゾール適用により局所的な肺での保持及び生物学的利用能を大きく向上させたことを示す。
【0077】
本発明は特に本明細書に記載の実施例及び好ましい態様を参照して示され、そして説明されたが、型及び詳細の種々の変化が特許請求の範囲に包含される本発明の範囲から逸脱することなく行われることは当業者に理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】図1は、本発明の種々の微細構造中内に調剤されたイムノグロブリンの量の測定値を示す。
【図2】図2は、水性環境中で15分間隔内に本発明の種々の微細構造から放出されるイムノグロブリンのパーセンテージを示す。
【図3】図3は、生物学的活性を与えられたプロトタイプのモノクローナル抗体の機能的構造が調剤により保持されることを示す。
【図4A】図4Aは、静脈内投与と比較した、呼吸器投与経路を介する肺組織に対してのイムノグロブリンの増強された局所送達を示す。
【図4B】図4Bは、本発明の微細構造の呼吸器投与を介する肺組織に対してのイムノグロブリンの増強された局所送達を示す。
【図5】図5は、本発明の呼吸器投与を介するイムノグロブリンの増強された局所送達を示す。
【図6】図6は、気道内へのエアゾール適用の後の、本発明の界面活性剤と一緒に調剤された微細構造の増強された生物学的利用能を示す。

Claims (56)

  1. 処置を必要とする患者の気道に対する又は気道を介する投与により高分子の局所的及び/又は全身的生物学的利用能を向上させるための方法であって、主要な脂質の賦形剤又は脂質の賦形剤の混合物、並びに界面活性剤、炭水化物及びそれらの組み合わせから成る群から選択される補助的な賦形剤を含んで成る、脂質ベースの微細構造内に前記高分子を組み込むことを含んでなり;
    前記の脂質ベースの微細構造が、処置を必要とする前記患者の気道に対する又は気道を介する投与後約30分以内に、その中に組み込まれた前記高分子の少なくとも約95%を放出し、それにより前記投与後の気管支肺胞マクロファージによるスカベンジング及び/又は粘膜線毛クリアランスを少なくとも部分的に回避し、そして前記高分子の前記局所的及び/又は全身的生物学的利用能を向上させるように調剤される、方法。
  2. 前記の脂質ベースの微細構造が、前記投与後約30分以内に、その中に組み込まれた前記高分子の少なくとも約99%を放出するように調剤される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記の脂質ベースの微細構造が、前記投与後約15分以内に、その中に組み込まれた前記高分子の少なくとも約60%を放出するように調剤される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記の脂質ベースの微細構造が、前記投与後約15分以内に、その中に組み込まれた前記高分子の少なくとも約80%を放出するように調剤される、請求項1に記載の方法。
  5. 前記の脂質ベースの微細構造が、前記投与後約15分以内に、その中に組み込まれた前記高分子の少なくとも約90%を放出するように調剤される、請求項1に記載の方法。
  6. 前記の脂質ベースの微細構造が、前記投与後約15分以内に、その中に組み込まれた前記高分子の少なくとも約99%を放出するように調剤される、請求項1に記載の方法。
  7. 前記の主要な脂質の賦形剤又は脂質の賦形剤の混合物が、約10%〜約89%w/wに及ぶ量で前記の脂質ベースの微細構造内に存在する、請求項1に記載の方法。
  8. 前記の主要な脂質の賦形剤又は脂質の賦形剤の混合物が、約25%〜約75%w/wに及ぶ量で前記の脂質ベースの微細構造内に存在する、請求項1に記載の方法。
  9. 前記の主要な脂質賦形剤又は脂質賦形剤の混合物がホスファチドを含んで成る、請求項1に記載の方法。
  10. 前記ホスファチドが、5〜22個に及ぶ炭素原子の炭化水素鎖長を有する、ホモ及びヘテロ鎖のホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリン、ガングリオシド、3−トリメチルアンモニウム−プロパンホスファチド及びジメチルアンモニウム−プロパンホスファチドから成る群から選択される、請求項9に記載の方法。
  11. 前記ホスファチドが水素化されているか、不飽和であるか、あるいは部分的に水素化されている、請求項9に記載の方法。
  12. 前記ホスファチドが、DiC18PC, DiC16PC, DiC14PC, DiC8PC, DiC6PC,DiC16PS, DiC14PS, DiC8PS, DiC6PS、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項9に記載の方法。
  13. 前記ホスファチドが、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジオクタノイルホスファチジルコリン、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項9に記載の方法。
  14. 前記ホスファチドが、5〜10個に及ぶ炭素原子の炭化水素鎖長を有する、ホモ及びヘテロ鎖のホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、スフィンゴミエリン、ガングリオシド、3−トリメチルアンモニウム−プロパンホスファチド及びジメチルアンモニウム−プロパンホスファチドから成る群から選択される、請求項9に記載の方法。
  15. 前記ホスファチドが、DiC18PC, DiC16PC, DiC14PC, DiC8PC, DiC6PC,DiC16PS, DiC14PS, DiC8PS, DiC6PS、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項14に記載の方法。
  16. 前記ホスファチドがジオクタノイルホスファチジルコリンである、請求項15に記載の方法。
  17. 前記の補助的な賦形剤が、約1%〜約70%w/wに及ぶ量で前記の脂質ベースの微細構造中に存在する、主要でない炭水化物の賦形剤を含んで成る、請求項1に記載の方法。
  18. 前記の主要でない炭化水素の賦形剤が、約5%〜約50%w/wに及ぶ量で前記の脂質ベースの微細構造中に存在する、請求項17に記載の方法。
  19. 前記の主要でない炭化水素の賦形剤が、ヘタスターチ、スターチ、ラクトース、マンニトール、マンノース、インスリン、マンナン、ソルビトール、ガラクチトール、スクロース、トレハロース、ラフィノース、マルトース、グルコース、セルロース及び誘導体、ペクチン、デキストラン、デキストリン、キトサン、キチン、ムコ多糖、コンドロイチン硫酸塩、及びサポニンから成る群から選択される、請求項17に記載の方法。
  20. 前記の補助的な賦形剤が、、約10%w/w以下の量で前記の脂質ベースの微細構造中に存在する、主要でない界面活性剤の賦形剤を含んで成る、請求項1に記載の方法。
  21. 前記の主要でない界面活性剤の賦形剤が、約0.5%〜約5%w/wに及ぶ量で前記の脂質ベースの微細構造中に存在する、請求項20に記載の方法。
  22. 前記の主要でない界面活性剤の賦形剤が、ポロキサマー、トゥイーン、トリトン、ポリエチレングリコール、及び糖エステル、から成る群から選択される、請求項20に記載の方法。
  23. 前記の主要でない界面活性剤の賦形剤が、ポロキサマー188、ポロキサマー407、トゥイーン80、ポリエチレングリコール1540、セチルアルコール、及びチロキサポール、から成る群から選択される、請求項22に記載の方法。
  24. 前記の脂質ベースの微細構造が更に、多価金属イオンの主要でない補助的な賦形剤を含んで成る、請求項1に記載の方法。
  25. 前記の多価金属イオンの主要でない補助的な賦形剤が、約2以下の金属/脂質のモル比で前記の脂質ベースの微細構造内に存在する、請求項24に記載の方法。
  26. 前記の多価金属イオンの主要でない補助的な賦形剤が、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム及び亜鉛から成る群から選択される、請求項24に記載の方法。
  27. 前記高分子が、ペプチド、タンパク質、ヌクレオチド、及び免疫原性物質から成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
  28. 前記高分子がタンパク質抗原である、請求項1に記載の方法。
  29. 前記タンパク質抗原がイムノグロブリン又はイムノグロブリン様分子である、請求項28に記載の方法。
  30. 前記の脂質ベースの微細構造が、非水性の懸濁媒体中で分散される、請求項1に記載の方法。
  31. 前記の非水性懸濁媒体が、ハイドロフルオロアルカン、フルオロカーボン、ペルフルオロカーボン、フルオロカーボン/ハイドロカーボンのジブロック、ハイドロカーボン、アルコール、エーテル、及びそれらの組み合わせ、から成る群から選択される、請求項30に記載の方法。
  32. 前記の非水性懸濁媒体が、液性フルオロケミカル及びハイドロフルオロアルカン噴霧剤から成る群から選択される、請求項30に記載の方法。
  33. 前記の脂質ベースの微細構造の平均空気力学的径が0.5〜5μmである、請求項1に記載の方法。
  34. 前記の脂質ベースの微細構造の平均空気力学的径が約1〜約30μmに及ぶ、請求項1に記載の方法。
  35. 前記の脂質ベースの微細構造が、約0.1〜約0.5g/cm3に及ぶかさ密度を有する、請求項1に記載の方法。
  36. 前記の脂質ベースの微細構造が、粒子、微粒子、孔あきの微細構造、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される構造的基盤を有する、請求項1に記載の方法。
  37. 前記の脂質ベースの微細構造が、孔あきの微細構造である、請求項1に記載の方法。
  38. 前記の脂質ベースの微細構造が、液量滴下注入、噴霧、エアゾール適用、乾燥粉末吸入、及び定量吸入から成る群から選択される、送達技術を用いる処置を必要とする前記患者の気道に対する又は気道を介する投与が可能なように調剤される、請求項1に記載の方法。
  39. 前記微細構造が、約10%w/w以下の量で前記の脂質ベースの微細構造内に存在する主要でない界面活性剤、及び約1%〜約70%w/wに及ぶ量で前記の脂質ベースの微細構造内に存在する主要でない炭水化物の賦形剤を含んで成る、請求項1に記載の方法。
  40. 対象者の気道に対する又は気道を介する投与により高分子の向上した局所的生物学的利用能を提供するための薬物の製造における前記高分子の使用であって、前記薬物が、主要な脂質の賦形剤又は脂質の賦形剤の混合物;主要でない界面活性剤の賦形剤又は界面活性剤の賦形剤の混合物;及び前記高分子を含んで成る、多数の脂質ベースの微細構造を含んで成り;
    前記の脂質ベースの微細構造が、前記対象者の気道に対する又は気道を介する投与後約30分以内に前記の脂質ベースの微細構造から前記高分子の少なくとも約95%を放出し、それにより前記投与後の気管支肺胞マクロファージによるスカベンジング及び/又は粘膜線毛クリアランスを少なくとも部分的に回避し、そして前記高分子の前記局所的及び/又は全身的生物学的利用能を向上させるように調剤される、使用。
  41. 前記高分子がイムノグロブリンを含んで成る、請求項40に記載の使用。
  42. 前記高分子の少なくとも約99%が、前記患者に対する前記医薬組成物の投与後約30分以内に前記の脂質ベースの微細構造から放出される、請求項40に記載の使用。
  43. 前記高分子の少なくとも約60%が、前記患者に対する前記医薬組成物の投与後約15分以内に前記の脂質ベースの微細構造から放出される、請求項40に記載の使用。
  44. 前記高分子の少なくとも約80%が、前記患者に対する前記医薬組成物の投与後約15分以内に前記の脂質ベースの微細構造から放出される、請求項40に記載の使用。
  45. 前記高分子の少なくとも約90%が、前記患者に対する前記医薬組成物の投与後約15分以内に前記の脂質ベースの微細構造から放出される、請求項40に記載の使用。
  46. 前記高分子の少なくとも約99%が、前記患者に対する前記医薬組成物の投与後約15分以内に前記の脂質ベースの微細構造から放出される、請求項40に記載の使用。
  47. 対象者の気道に対する又は気道を介する投与により高分子の向上した局所的生物学的利用能を提供するための薬物の製造における前記高分子の使用であって、前記薬物が、5〜10個に及ぶ炭素原子の炭化水素鎖長を有する短鎖ホスファチドから成る群から選択される主要な脂質の賦形剤;多価金属イオン、界面活性剤、炭水化物、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される少なくとも1つの主要でない補助的な賦形剤;及び少なくとも1つの高分子、を含んで成り;
    前記の脂質ベースの微細構造が、処置を必要とする前記患者の気道に対する又は気道を介する投与後約30分以内に、前記脂質ベースの微細構造から前記高分子の少なくとも約95%を放出し、それにより前記投与後の気管支肺胞マクロファージによるスカベンジング及び/又は粘膜線毛クリアランスを少なくとも部分的に回避し、そして前記高分子の前記局所的及び/又は全身的生物学的利用能を向上させるように調剤される、使用。
  48. 前記高分子がイムノグロブリンを含んで成る、請求項47に記載の使用。
  49. 前記高分子の少なくとも約99%が、前記患者に対する前記医薬組成物の投与後約30分以内に前記の脂質ベースの微細構造から放出される、請求項47に記載の使用。
  50. 前記高分子の少なくとも約60%が、前記患者に対する前記医薬組成物の投与後約15分以内に前記の脂質ベースの微細構造から放出される、請求項47に記載の使用。
  51. 前記高分子の少なくとも約80%が、前記患者に対する前記医薬組成物の投与後約15分以内に前記の脂質ベースの微細構造から放出される、請求項47に記載の使用。
  52. 前記高分子の少なくとも約90%が、前記患者に対する前記医薬組成物の投与後約15分以内に前記の脂質ベースの微細構造から放出される、請求項47に記載の使用。
  53. 前記高分子の少なくとも約99%が、前記患者に対する前記医薬組成物の投与後約15分以内に前記の脂質ベースの微細構造から放出される、請求項47に記載の使用。
  54. 処置を必要とする患者の気道に対する又は気道を介する送達により高分子の局所的及び/又は全身的生物学的利用能を向上させるための方法であって、主要な脂質の賦形剤又は脂質の賦形剤の混合物及び主要でない炭水化物の賦形剤又は炭水化物の賦形剤の混合物を含んで成る脂質ベースの微細構造内に前記高分子を組み込み;
    前記高分子の少なくとも約95%が、
    (a)前記の脂質ベースの微細構造内に存在する主要な脂質の賦形剤及び/又は主要でない炭水化物の賦形剤の型及び量の変更;
    (b)前記の脂質ベースの微細構造に対する、界面活性剤の特性を有する主要でない補助的な賦形剤の添加;又は
    (c)(a)及び(b)の組み合わせ、
    により、前記患者の気道に対する又は気道を介する投与後約30分以内に放出されるように、
    前記の脂質ベースの微細構造からの前記高分子の放出速度を変更すること、
    を含んで成る方法。
  55. 段階(a)が、前記の主要な脂質の賦形剤としての使用のための、5〜10個に及ぶ炭素原子の炭化水素鎖長を有する短鎖ホスファチドを選択することを含んで成る、請求項54に記載の方法。
  56. 5〜10個に及ぶ炭素原子の炭化水素鎖長を有する前記短鎖ホスファチドの前記選択が、長鎖の主要な脂質の賦形剤を用いて調剤される匹敵する高分子と比較して、前記高分子の向上した全身的生物学的利用能をもたらす、請求項55に記載の方法。
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