JP2003534226A - セメント結合材料 - Google Patents
セメント結合材料Info
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- C04B28/00—Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
- C04B28/02—Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing hydraulic cements other than calcium sulfates
Abstract
Description
)に関する。 強化コンクリート構造物の耐久性が、それらの設計時に想定されていたものよ
り実質的に低いことを示す様々な例がある。このため、建設業界における国内消
費量は、工業国の国々において、現存する建築物の修復に関し半減している。そ
のような修復方法でさえ、所望の耐久性を示さないことが多い。これは、有効材
料及び材料系が、依然として、新築物及び現存建築物の修復部の両者に対して所
望の耐久性を付与し損ねているとの事実によるものである。 発生する損傷は、主には、次のメカニズムに基づく: 1.セメント結合材料は、脆弱であり、それらの生産後には、異なる収縮変形(s
hrinkage deformation)に付される。これらの2つの現象から、複雑な固有の緊
張状態がもたらされ、かつ、建築物成分の表面上にクラックが生じる。これらの
クラックにより、コンクリートの崩壊をもたらす物質(スルフェート)及び補強
材(armoring)の腐食をもたらす物質(不凍塩からの塩化物)の両者との接触が進
む。腐食生成物は、3倍の大きさまでの容量で、コンクリートの欠け落ち(chipp
ing off)、及びスチール補強材の露出をもたらす。 2.セメント結合材料は、毛管吸引(capillary suction)、拡散及び浸透により
それらの表面へ損傷物質(スルフェート、塩化物、酸)を吸収する多孔性系であ
る。 3.従来のセメント結合材料(初期コンクリート)では、均一構造を達成するた
めに、振動発生器によりそれらをせき板(shuttering)に導入した後、コンパクト
化することが必要とされていた。この作業工程は、要求どおりに行われないこと
が多く、それにより、コンクリートが不均一となり、損傷物質の吸収が局所的に
極度に上昇するとの結果がもたらされる。
ば、EP-A-0 286 112には、合成繊維をセメントモルタル又はコンクリート用強化
剤として用いることが記載されており、その繊維は、モノフィラメントからなり
、最大引張強度が80kg/mm2である。US-A-4,261,754には、強化繊維成分
が記載されており、それは、マトリックス材料、例えばセメントを強化するため
の配向ポリオレフィンからなる。その繊維は、たて方向において変動横断面を有
し、原繊維が突出する粗面を有する。US-A-4,483,727には、ポリエチレン繊維か
ら製造されるバンドルを製造する方法が記載されており、それは、脆弱材料、例
えばセメント、コンクリートプラスター(パリ)等を強化するために用いられる
。US-A-4,968,561には、ポリビニルアルコールから製造される合成モノフィラメ
ントが記載されており、それは、セメントモルタル又はコンクリート用強化剤と
して使用される。US-A-5,399,195には、セメント材料を製造する方法が記載され
ており、それにより、自己誘発クラッキングが低減される。このためには、合成
繊維バンドルが添加されるが、そのバンドルは、バンドルあたり10〜1000
0個のフィラメントからなる。フィラメントは、実質的に、ポリオレフィン、ポ
リオレフィン誘導体及びポリエステルからなる。更に、いわゆる腐食抑制剤が、
US-A-6,071,436及びUS-A-6,174,461に記載されている。いわゆる防水剤は、US-A
-5,531,812及びUS-A-6,139,622に記載されており、それにより、コンクリート表
面がはっ水性となる。この目的のために、アルコキシルシラン、有機シラン及び
有機シロキサン樹脂から製造される水溶液が使用される。 上記損傷メカニズムの全てを防止可能であり、かつ、現在用いられている方法
と比較して数倍高い耐久性をもたらす材料系について有効な概念はない。
るセメント結合材料を提供することを目的とする。 本発明の目的は、請求項1又は3の特徴を有する材料により達成される。 本発明の材料の主な利点は、マス疎水化(mass hydrophobing)の結果として、
汚染物質含有水の浸透が防止され、従って、修復物の耐久性がかなり向上するこ
とである。補強スチール(armoring steel)は、移動可能な腐食抑制剤の添加によ
り、遡及して、腐食から保護される。 本発明の更なる利点は、従属項及び本発明を概略図に示される実施態様を参照
することにより一層詳細に説明する以下の記載を参照されたい。 これらの図中においては、同一の要素に対して同一の参照番号を付した。別に
特段の記載のない限り、最初の説明のいずれも全ての図に関連する。
ng agent)、例えば天然生石灰、ポゾラン、天然又はポルトランドセメント、1
種又は数種の鉱物充填剤(a mineral filler)、例えば粉末化鉱物、煙じん及びミ
クロシリケートから、及び/又は鉱物集合体(a mineral aggregate)、例えば砂
又は砂利から製造する。水及びセメントを、1:2の比で混合し、その後、鉱物
充填剤及び/又は鉱物集合体を特定の比で添加する。引張荷重下での前記通常コ
ンクリートの最大弾性ひずみは約0.01%である。本件明細書に記載する系の
セメント結合材料は、既知のコンクリート混合物と、追加割合の、鉱物結合剤又
はセメントの質量をベースとして0.5〜20質量%のステアレート、シリコネ
ート、シラン又はシロキサンを含むマス疎水化剤と、追加割合の、移動可能で、
材料の立方メートルあたり0.1〜20kgの亜硝酸塩、ベンゾエート、アミノ
アルコールを含む、又はモノフルオロリン酸ナトリウムを含む腐食抑制剤からな
る。また、スチールから製造される可撓性(flexible)金属及び/又はポリオレフ
ィン、例えば高結晶性ポリエチレン、ポリビニルアルコール又はアラミドから製
造される非金属繊維であって、高さ−幅比が10〜1000、好ましくは200
〜600で、引張強度が0.8〜4.0GPaで、弾性率が20〜230GPa
、好ましくは25GPaより高いものを、全容量をベースとして0.1〜4.0
容量%、好ましくは0.5〜3.0容量%で添加することができる。更に、軽量
集合体、例えばスチロフォームボール(styrofoam balls)、ミクロ中空ボール(mi
cro hollow balls)、気泡ガラス(cellular glass)、スウェリングクレー(swelli
ng clay)等を添加してもよい。場合により、更なる添加剤、例えば、高性能液化
剤(high-performance liquefiers)、収縮低減剤(shrinkage)、収縮補強剤(reduc
tion agents)、安定化剤、空気連行剤(air entraining agents)、遅延混合物(re
tarding admixtures)、硬化促進剤(hardening accelerators)及び消泡剤(defrot
hing agents)等を添加してもよい。
ック開口を示す。図1aは、繊維強化されていないコンクリートにおけるクラッ
ク開口を示し:約3N/mm2の引張りで、伸長脆弱(elongation weakening)が
生じる程度に材料が局所的に脆弱し、セメント結合材料は約2mmのクラック開
口で破損(break apart)を生じる。図1bは、イントロダクションにおいて記載
したような当該技術分野における現状で既知の繊維強化セメント結合材料におけ
るクラック開口を示す。大きなクラック10が繊維11に生じ、より高い伸長能
力が達成される。この場合、強度はほぼ直線的に低下する。図1cは、本発明の
セメント結合材料におけるクラック開口を示し、非常に小さな、即ち、いわゆる
ミクロクラック13が生じる。このためには、種々の割合で、スチール又はポリ
オレフィン(高結晶性ポリエチレン、ポリビニルアルコール、アラミド)から製
造される可撓性金属及び/又は非金属繊維を添加している。繊維の容量割合は、
全容量をベースとして0.1〜4.0%、好ましくは0.5〜3.0%であり、
高さ−幅比は、10〜1000、好ましくは200〜600であり、引張強度は
0.8〜4.0GPaであり、弾性率は20〜230GPa、好ましくは25G
Paより高い。それは、0.1〜約0.7容量%の割合では、図1bの挙動と依
然としてちょうど同様なものであることが分かる。しかしながら、0.7〜3.
0容量%の割合では、図1cの挙動が得られる。
rengthening)を示す。約8%の最大伸長で、脆弱が始まり、その結果として、大
きなクラック14が形成され、コンクリートにおける張力がほぼ直線的に低下す
る。 図3は、マス疎水化なし(図3a)及びマス疎水化あり(図3b)のコンクリ
ートにおける塩化物の侵入度を示す。汚染ゾーン20は、補強スチール21まで
達しているのが明らかである。補強スチール21より下に位置するコンクリート
成分22は汚染されない。コンクリートにマス疎水化剤が施されない場合、塩化
物の侵入度はほぼ0であり、それは、最大でも数ミリメートルを意味する。図4
におけるそれぞれの図は、2種の材料についての測定侵入度を示す。測定は、3
%Cl-溶液で180日間表面接触した後に行った。W/Zは、水のセメントに
対する比を示し、それは、その測定について1:2の標準で挿入した。 図5は、損傷領域26を有するトンネルの横断面を示す概略図である。その次
の図6a〜6cの工程は、この領域を修復するのに必要なものである。 このためには、クラックが生じた汚染カバーコンクリート26を腐食補強スチ
ール21まで除去する(図6a及び6b)。通常、低部に位置するコンクリート
成分22は汚染されない。次いで、新たな、マス疎水化セメント結合材料27を
施すが、該材料は、更に、移動可能で、コンクリート中において補強スチール2
1の方へ移動し、更なる腐食を防止する腐食抑制剤28を含む。
。 繊維の効果は、一方では、それらが、クラックが発生しない又は有害物質の吸
収による危険を生じない程度のわずかなクラック開口のみの全表面にわたるよう
に、収縮による変形発生を分配することである。他方では、住宅建築としての特
定の用途のための従来のスチール補強材を完全に除去することができ、それによ
り、腐食による損傷を完全に回避できる。本発明のセメント結合材料の挙動は、
繊維が緊張により生じるミクロクラックをブリッジ(bridge)し、それらの更なる
開口を防止し、かつ、機械的緊張をミクロクラックが生じる近隣ゾーンへ伝える
という事実による。結果として、セメント結合材料において、非常に小さなクラ
ックのみが生じる。いわゆる多重クラック形成のこの現象の結果として、荷重及
び変形能力が、繊維なしのセメント結合材料と比較して非常に上昇する。 マス疎水化剤は、ステアレート、シリコネート、シラン又はシロキサンをベー
スとする物質であり、それらは、セメント結合材料の製造の間にそれらに添加さ
れ、硬化材料の毛管孔の接触ぬれ角(wetting angle of contact)を高い程度で低
減する。このように、液体(及び主要汚染物質含有水)の吸収は、前述の損傷メ
カニズムの作用が防止され又は少なくとも強力に改良される高い程度で低減され
る(図3及び4)。疎水化剤の質量割合は、鉱物結合剤の質量をベースとして0
.5〜20質量%である。
はモノフルオロリン酸ナトリウムをベースとする物質であり、それらの双極分子
により、スチールの不動態化が生じ、従って、補強スチール又はスチール繊維上
に堆積した場合に腐食からの保護がなされる(陰極又は陽極部分反応の抑制)。
質量割合は、セメント結合材料の立方メートルあたり0.1〜20kgである。 高性能可塑剤は、ポリカルボキシレート、メラミン又はナフタレンスルホネー
トをベーストする物質であり、一方では、セメント結合材料の水要求を低減する
ために添加され、それにより、空隙率及び収縮変形性が低くなり、従って、耐久
性が長くなる。他方では、それらは、十分な量で所定の条件下で添加された場合
に、セメント結合材料の自己コンパクト化能力をもたらす。自己コンパクト化能
力により、振動装置による不適切な外部コンパクト化による構造不均一性を回避
できる。その結果、高い均質材料が得られる。高性能可塑剤の含量は、結合剤質
量をベースとして0.1〜3%である。これは、振動コンパクト化が省略可能で
あることを意味する。 材料成分の変化により、多くの異なる方法において、即ち、機械的又は手動的
のいずれかで、湿潤又は乾燥スプレー方法で、手で、せき板、振動又は自己コン
パクト化により、又は建設現場で又はアセンブリユニット(押出)の製造におい
て、適用することができるようにコンシステンシーを設定可能となる。
強されるコンクリート構造物は、上記説明に従って、繊維強化セメント結合材料
により置き換えることができる。更に、使用される材料のコンシステンシーは、
自己コンパクト化であるように設定することができる。結果として、スチール補
強材の設置及び振動装置によるコンパクト化を省略することができる。 ドリフトマイニング(drift mining)トンネルの壁の修復の際、コンクリートカ
バーを補強材の第1腐食層まで除去する。マス疎水化セメント結合材料は、その
表面を再生するために使用され、その物質は、繊維強化剤を有し、移動可能な腐
食抑制剤を含む。繊維補強材(fiber armoring)により、新たな層の表面上におけ
るクラックの形成が防止される。腐食抑制剤は、存在する基部に移動し、新たな
又は更なる腐食からスチール補強材を保護又は再不動態化する。マス疎水化によ
り、汚染物含有水の浸透が防止される。この修復物の耐久性は、元の構造物の耐
久性よりも又は他の修復手段での耐久性よりも数倍高い(図4参照)。 ドリフトマイニングにおいては、ジェットクリート(jetcrete)が、分解するト
ンネル横断面をライニングするために使用されることが多い。それは、最初に、
スチール補強ネットを備え、又はスチール繊維コンクリートが用いられることが
多い。あるいは、マス疎水化及び繊維強化セメント結合材料を用いる。マス疎水
化により、攻撃性(例えばスルフェート含有)の高い水の浸透が防止される。繊
維は静止作用を前提とする。これにより、スチール腐食の見込みが防止され、コ
ンクリートが損傷物質から保護される。
の層を1つのみでなく2つ施すことによる図6に従った修復を行う際、第1の低
部層についての新たな材料中において繊維を省略することができ、かつ、単に、
マス疎水化及び腐食抑制剤を提供することができる。なぜなら、第1の上部層の
みが、乾燥され、従って、クラック形成の危険にさらされるからである。他方に
おいて、第2の上部層の新たな材料では、腐食抑制剤を省略することができ、か
つ、更に、繊維及びマス疎水化剤のみを提供することができる。
ある。
Claims (6)
- 【請求項1】 鉱物結合剤、鉱物充填剤及び/又は鉱物集合体を含むセメン
ト結合材料であって、ステアレート、シリコネート、シラン又はシロキサンを含
むマス疎水化剤を、鉱物結合剤の質量をベースとして0.5〜20質量%の割合
で含み、かつ、移動可能で、亜硝酸塩、ベンゾエート、アミノアルコールを含む
か又はモノフルオロリン酸ナトリウムを含む腐食抑制剤を、該材料の立方メート
ルあたり0.1〜20kg含むことを特徴とする該材料。 - 【請求項2】 高さ−幅の比が10〜1000、好ましくは200〜600
であり、引張強度が0.8〜4.0GPaであり、弾性率が20〜230GPa
、好ましくは25GPaより高い可撓性繊維を、全容量をベースとして0.1〜
4.0容量%、好ましくは0.5〜3.0容量%で含む請求項1に記載の材料。 - 【請求項3】 鉱物結合剤、鉱物充填剤及び/又は鉱物集合体を含むセメン
ト結合材料であって、ステアレート、シリコネート、シラン又はシロキサンを含
むマス疎水化剤を、鉱物結合剤の質量をベースとして0.5〜20質量%の割合
で含み、かつ、高さ−幅の比が10〜1000、好ましくは200〜600であ
り、引張り強度が0.8〜4.0GPaであり、弾性率が20〜230GPa、
好ましくは25GPaより高い可撓性繊維を、全容量をベースとして0.1〜4
.0容量%、好ましくは0.5〜3.0容量%で含むことを特徴とする該材料。 - 【請求項4】 可撓性繊維が、スチール及び/又はポリオレフィンからなり
、特には、高結晶性ポリエチレン、ポリビニルアルコール又はアラミドからなる
請求項2又は3に記載の材料。 - 【請求項5】 少なくとも1種の軽量集合体、例えばスチロフォームボール
、ミクロ中空ボール、気泡ガラス又はスウェリングクレーを含む請求項1〜4の
いずれか1項に記載の材料。 - 【請求項6】 更なる添加剤、例えば高性能液化剤、収縮低減剤、収縮補償
剤、安定化剤又は空気連行剤を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の材料。
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