JP2003533325A

JP2003533325A - 外科用中空ゾンデ

Info

Publication number: JP2003533325A
Application number: JP2001585635A
Authority: JP
Inventors: デジンガーカイ
Original assignee: デジンガーカイ
Priority date: 2000-05-24
Filing date: 2001-05-22
Publication date: 2003-11-11
Also published as: WO2001089388A1; EP1292230B1; US7094233B2; ATE373989T1; AU6231201A; US20040097920A1; ES2295168T3; DE50113062D1; CN1430486A; DE10026508A1; EP1292230A1; CN1220471C

Abstract

(57)【要約】最小の侵襲性で組織を採取するための外科用中空ゾンデにおいて、この中空ゾンデは縦長の中空体を有し、この中空体は２つのセグメントを有し、これらのセグメントの少なくとも一方が組織の収容のための中空室を包囲し、かつこれらのセグメントは相互に分離可能であり、かつこれらのセグメントの間の開放部が選択的に開放されるか又は閉鎖されるように相互に相対的に可動に配置されており、並びにそれらのセグメントの少なくとも一方に対して相対的に可動の、リング状又はループ状の導電性切断部材を有し、この切断部材は中空体セグメントの間の開放部内に侵入した組織を電気外科的に切り出すように構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】本発明は、組織を最小の侵襲性で採取するための外科用中空ゾンデであって、
この中空ゾンデは縦長の中空体を有し、この中空体は２つのセグメントを有し、
このセグメントの少なくとも一方が組織の収容のための中空室を包囲し、かつこ
れらのセグメントは相互に分離可能であり、かつこれらのセグメント間の開放部
が選択的に開放又は閉鎖できるように相互に相対的に可動に配置されている中空
ゾンデに関する。

【０００２】最小侵襲性医学の分野では、患者に対して最小の外傷の手術を実現することが
試みられている。この場合、患者の本来の体孔を介して、たとえばインターベン
ジョンによる内視鏡検査法の場合には目視検査で機器（内視鏡）を介して、又は
切開術によって、組織の深部にある手術箇所に直接到達し、そこで診断用の組織
を、たとえば組織検査のため又は治療のため、たとえば腫瘍除去のために採取す
る。

【０００３】最小侵襲性外科のための相応する機器の開発は、この手術技術が美容的な理由
から、術後合併症を最少化するため、及び回復経過の促進のために著しく利点が
あるため、ここ数年において急速に進歩している。

【０００４】「ファインニードルアスピレーション（Feinnadelaspration; ＦＮＡ）」又は
「トゥルーカット−ニードルバイオプシー（True-Cut-Nadelbiopsie）」の名称
で、疑わしい組織エリア内へ導入される微細なニードルを備え、かつこのニード
ルを用いて組織を組織学的に検査するために１以上の組織サンプルを打ち抜き機
構を用いて単に機械的に採取する装置は公知である。

【０００５】その後で、場合により悪性の判定の場合には、相応する外科的措置を講じるこ
とができる。しかしながら、この公知のニードルゾンデを用いて採取可能な組織
体積は極めて少なく、従って専ら診断の目的に適している。１回の刺し込みで採
取される組織体積が僅かであるため、しばしば疑いのある組織エリア内へ複数回
刺し込みを行う必要があり、このことが状況によっては悪性腫瘍細胞の細胞を広
げてしまいかねない。さらに、組織体積が僅かであるため、組織学的判定の精度
は最適とはいえない。

【０００６】米国特許第５７７５３３３号明細書又は米国特許第５７８２７９５号明細書か
ら、同じ目的エリアから多重の組織採取により比較的大きな組織体積を採取可能
な外科用機器は公知である。この公知の機器の場合には、真空アシストした機械
的な打ち抜き切断装置が使用され、この切断装置は必要な刺し込み回数を低減し
ており、さらに、比較的大きな組織体積のために、診断判断の精度も改善される
。この公知の機器を用いて、しばしば比較的小さな組織変異は全体として除去さ
れるため、状況によっては後の手術は不要となる。

【０００７】米国特許第５７７５３３３号明細書による機器の場合、ニードル状の中空ゾン
デが目的領域内、たとえば乳ガン内に導入される。このゾンデの端部には縦長の
開口部が側面に存在し、この開口部内へ採取すべき組織を吸引する。この装置内
には回転する中空刃が存在し、この中空刃が機械的送り装置を介して開口部内へ
吸引された組織をこの装置内部で切断し、真空によって中空ゾンデを通して吸引
する。シャフトを順次３６０゜回転させることにより、中空ゾンデ中にまず吸引
されかつ切断されたこのゾンデの遠位端の周囲の所定の組織体積が採取されるが
、医学的に疑わしい組織エリアの完全な除去のためにはしばしば完全に十分であ
るとはいえない。

【０００８】米国特許第５８１７０３４号明細書から、２５ｍｍまでの直径を有する管状シ
リンダ刃を目的領域まで前進させる外科用機器が公知である。端部に存在し、Ｈ
Ｆ−電圧が印加されたループによって装置内部に打ち抜かれた円筒状の断片を切
除し、引き続きこの全体の分離された円筒状の組織を装置を介して採取する。こ
の公知のシステムの場合、確かに疑わしい組織エリアを全体として採取できるの
だが、ゾンデ先端部が疑わしい組織エリアに到達するまでに極めて多くの健全な
組織も除去されてしまい、大きな装置直径により比較的大きな傷が残ってしまう
。

【０００９】米国特許第５８１０８０６号明細書からは、機械的なリング状刃を用いるので
はなく、中空体の遠位端に固定された軸方向にスライド不能なループを用いて組
織を切除する外科用ゾンデは公知であり、このループはＨＦ−電圧が印加され、
それにより切断刃として用いられる。切断工程において、ＨＦ−ループの領域で
切断された円筒状組織は正面で前方が開口した中空体内へ移動し、この手順の完
了時に、ＨＦ−電圧が印加されたループがワイパ状に旋回運動により分離される
。この公知の装置の場合であっても、組織が中空体内に存在する際に、組織は初
めて完全に除去され、それによりゾンデ先端を疑わしい組織エリアにまで移動さ
せるまでに多くの健全な組織も除去されてしまう。さらに、中空体の正面開口部
の前の円筒状の組織だけが除去できるにすぎないという欠点を有する。

【００１０】ドイツ連邦共和国特許第１９７０６７５１号明細書又はドイツ連邦共和国特許
第１９５２８４４０号明細書からは、冒頭に記載した種類の電気外科的器具が公
知であり、この場合、ループ状の切断部材が組織の電気外科的切除のために、縦
長の中空体の長軸方向に対して平行に配置されており、それにより隣接する組織
を中空ゾンデの回転によりトーラス状に切除することができる。切除されたこの
組織は、切断部材が出てくる同じ開口部を通して中空体の中空通路内へ収容され
、中空通路に沿って器具の近位端にまで搬送される。この公知の器具は、僅かな
寸法の刺し込み箇所を有し、かつ中空ゾンデを外側で隣接して取り囲む治療箇所
の組織を採取することができるという利点を有する。この場合、しかしながら、
切除可能な組織容量は比較的に少なく、より大きな組織領域の根本的な試験のた
めにはなお不十分であるという欠点を有する。

【００１１】後に公開された国際公開第９９／４４５０６号パンフレットからは、ループ状
の切断部材は公知であり、この切断部材は中空体の長軸に対して横方向に延びる
平面内で中空体から繰り出し可能であり、この場合、切断部材を繰り出した後に
、この切断部材は中空体の長手方向にスライド可能である。

【００１２】米国特許第５８１０６５９号明細書からは、組織採取用の外科用ゾンデが公知
であり、この場合、シャフトの遠位端には鋭く尖った切断スリーブが設けられて
おり、このスリーブにＨＦ電圧を印加することができる。切断スリーブの背後の
遠位で、カテーテルを通して走行するガイドワイヤに接して、セラミック成形体
が切断スリーブに対するエンドサポートとして存在し、その端部に丸められた金
属電極が固定されており、かつガイドワイヤを介してＨＦ−ジェネレータと接続
されている。コントロールパネルを介して円筒状のエンドサポートは鋭く尖った
金属スリーブにガイドワイヤによって引き寄せることができ、この場合に、その
間に存在する組織は金属スリーブの鋭い面によって単に機械的に分離され、近位
切断のスリーブの内部に集められる。近位のスリーブもエンドサポートに固定さ
れた金属電極も、ＨＦ−ジェネレータと接続しており、場合により出血を止める
ために組織の二極性凝固を可能にする。しかしながら、この場合に集められた生
検材料の簡単な取り出しのための技術的解決手段は存在しない。組織はマイクロ
ピンセット又はニードルによってスリーブから手間をかけて取り出さなければな
らない。

【００１３】ＰＣＴ／ＵＳ９９／２１４１６号明細書から、組織試料の取り出しのため及び
組織の凝固のために同様に相互にスライド可能なスリーブ構造からなる堅固な外
科的器具は公知である。先行技術に対する革新は、一方で高価な部分的に自動化
されたコントロールパネルにあり、並びに組織を電気外科的切除するために２つ
の走行可能なスリーブの一方に切断電流を供給する方法にある。他の実施態様に
おいては、スリーブ自体が切断を行うのではなく、近位のスリーブ周面にあるジ
ャケット中にはめ込まれた固定された切断電極が切断を行っている。

【００１４】本発明の課題は、先行技術の欠点を回避しかつ簡単に取り扱うことができる、
冒頭に記載した種類の外科的ゾンデを提供することであった。

【００１５】前記の課題は、セグメントの少なくとも一方に対して相対的に可動の、導電性
のリング状又はループ状の切断部材を有し、この切断部材はセグメント半部の間
の開放部内へ侵入した組織を電気外科的切除するように構成されており、並びに
さらに中空ゾンデから組織を排出するためのエジェクタを有している外科用ゾン
デによって解決される。

【００１６】この種の中空ゾンデは特に、切断部材を特に有利な露出する位置に動かすこと
ができる。この切断部材に予定したように高周波電圧を印加する場合、切断部材
の周囲の電界の濃度に基づき切断部材に直接隣接する組織の加熱が行われる。切
断部材が露出する場合には、この加熱は切断部材の周囲に蒸気クッションが形成
されるまで行われるため、この切断部材は実際に無接触形で組織に侵入すること
ができる。切断部材が完全に蒸気クッションにより取り囲まれているようなこの
種の効果は、ＰＣＴ／ＵＳ９９／２１４１６号明細書から公知なようなスリーブ
のフロントエンドに取り付けられた電極の場合には生じないか又は比較的大きな
電界強度の場合にだけ生じるにすぎない。

【００１７】ワイヤループとして構成された切断電極は、高周波電圧（＞２００Ｖ）の印加
により、多くの小さな火花放電が電極に沿って生じる。従って、組織と電極との
間の蒸気クッションが生じ、これれは、ほぼ無接触の電気的切断を可能にする。
むしろ正弦波の高周波交流を使用することにより、熱的な縁部凝集を最小にして
組織内の切断を行うことができる。いわゆる波高率の変更により、つまり最大電
圧対実効電圧の割合の変更によりもしくは付加的なＨＦ−変調により、切断面に
関する多様な凝固速度が調整される。電流の帰路は本発明による構成において中
空体の１つ以上の機能面を介して行う。この双極電極構造を用いて僅かなジェネ
レータ出力で患者に安全でかつ痛みの少ない侵襲が実施される。しかしながら、
患者の四肢に設置可能な帰路電極を備えた単極構造としても、このゾンデを運転
することができる。

【００１８】さらに、本発明の中空ゾンデは採取した組織を簡単に排出することができる。
この排出にはゾンデ内に組み込まれたエジェクタが用いられ、組織を中空ゾンデ
から取り出すために特別な工具を必要としない。

【００１９】中空ゾンデの２つのセグメントは、中空室の周囲の円周線に沿って相互に分割
可能であるのが有利である。２つのセグメントは有利に軸方向に相互にスライド
可能である。有利な実施態様において、２つのセグメント間の分離線は中空ゾン
デの遠位端付近にある。中空ゾンデにおいて有利に一方のセグメントが中空ゾン
デの先端部を形成し、他方のセグメントは先端部に関して軸方向にスライド可能
な、円形、楕円形又は多角形の断面を有するスリーブである。中空ゾンデを組織
内に刺し込んだ後に、スライド可能なスリーブが引き戻されるため、スリーブの
断面形状に応じて円柱状又は角柱状の開放部が中空ゾンデの先端部とスリーブと
の間に生じる。

【００２０】このスライド可動性はスラストロッドによって達成するのが有利であり、この
スラストロッドは先端部と強固に結合しており、スリーブ内で縦方向に案内され
ている。このスラストロッドはスリーブにより取り囲まれる中空室内の中央に延
在するか又はスリーブ壁付近に延在することができる。

【００２１】最初に記載した実施態様は、対称な力の分布の利点を有するが、第２に記載し
た実施態様は、スリーブにより規定される中空室がスラストロッドを取り囲んで
おらず、スラストロッドが完全に中空室の側面に存在するという利点を有する。
これは中空ゾンデによって採取された身体組織の排出の際に有利である。

【００２２】中空ゾンデの遠位端が尖って延びており、組織の切断の際に切断部材の対向電
極として用いることができる第１の電極を有するのが特に有利である。この場合
、切断作業においてＨＦ−電圧源を切断部材と接続し、他方で第１の電極と接続
する。ゾンデを刺し込む場合に、切断部材は電圧をかけずに中空体の内部に収容
されている。

【００２３】切断部材は有利に円形、楕円形又は多角形に成形されたワイヤループとして構
成されているのが有利であり、このワイヤループは平面を規定し、この平面に対
して垂直方向で少なくとも一方のセグメントに対して相対的に軸方向にスライド
可能に有利にスラストロッドによって案内されている。このようなワイヤループ
は導電性でありかつ電気的高周波電圧を印加するための電極として用いることが
できる特性を有している。この対向電極はたとえば中空ゾンデ先端部により形成
された一方のセグメントであるか又は中空ゾンデのスライド可能なスリーブによ
って形成された他方のセグメントであることができる。切断部材用のワイヤは０
．０５〜１ｍｍ、有利に約０．１５ｍｍの直径を有する場合には、対向電極はこ
の切断部材よりも著しく大きな表面を有することができるため、切断部材と対向
電極との間の電場は切断部材の周囲に集中する。この所望な電場の集中は、前記
したベーパーロックを切断部材の周囲にのみ生じさせる。

【００２４】有利な実施態様において、ワイヤループはリング状に湾曲した切断ワイヤから
なり、この切断ワイヤは１本以上のスポーク状に配置された切断ワイヤを介して
中央の管状ロッド又はスリーブと接続している中央のスリーブの前進及び後退に
よって、組織を切除もしくは切り出すために、リング状電極は組織を通してスラ
イドすることができ、並びに中心軸を中心として回転することができる。

【００２５】２つのセグメントを結合するスラストロッドは中空室の中央に延在している場
合に特に、ワイヤループとスラストロッドとの間に切断電極として機能する別の
ワイヤが設けられているのが有利であり、たとえばトーラス状にスラストロッド
を取り囲む組織断片の片側を切断することができる。

【００２６】このような実施態様において、この切断電極はその円周部でこの電極に対して
直交して配置されたスラストロッドとしての棒状の成形体と結合しており、２つ
のセグメントを結合するスラストロッドはほぼ中央でワイヤループの中点を通る
ように延びている。採取すべきトーラス状の組織試料を切除するために、ワイヤ
ループとして形成されるリング状電極と中央のスラストロッドとの間に取り付け
られたスポーク又はループが用いられ、これらは後での試料の取り出しを可能に
している。この場合、ワイヤループのためのスラストロッドは中空体の内部でス
ライド可能に設けられており、かつたとえば異形成形体として構成されているか
又は他の手段によって曲げ安定性に設けられている。この実施態様において切断
電極は回転可能ではない。

【００２７】この切断部材は、たとえば中空体の内壁に沿って案内された接続導線を介して
、中空ゾンデの近位端に存在するＨＦ−電圧源と接続される。他方でＨＦ−電圧
源は対向電極と接続しており、この対向電極は患者の皮膚の外側におかれている
か又は組織を通過する無制御の電流を回避するために、中空体に存在するかもし
くは中空体の一部に存在する。中空体が金属から製造されている場合には、中空
ゾンデの全体の中空成形体が対向電極として機能し、それにより切断部材から対
向電極まで制御された、局所的に狭く制限された電流の流れが生じる。しかしな
がら短絡を避けるためにこの両方は相互に電気的に絶縁されていなければならな
い。

【００２８】さらに、両方のセグメントが有利に電極として構成されており、この電極に組
織を熱により不活性化するために高周波電圧を印加することができる。このため
に２つのセグメントの間に絶縁部材が存在してもよい。

【００２９】刺し込み工程の間に、有利に金属先端部により形成される第１の電極にＨＦ電
圧を印加し、対向電極を検査すべき組織エリア付近で患者の外側に置くのが特に
有利である。ゾンデに隣接する組織を、局所的に限定された高周波交流で、それ
ぞれ予め設定可能な時間にわたり熱的に不活性化する。さらに予め設定された軸
方向の間隔で第２の電極を中空体上に設置する場合、有利に円筒状の２つの電極
間に高周波交流フィールドが生じ、それによりこの交流フィールドはゾンデの刺
し込みの際は、直接隣接する組織区域に局所的に限定されている。外側に置かれ
た対向電極は使用しなくてもよい。ＨＦ−電圧はこの場合、５５℃〜１００℃、
有利に６０℃〜８０℃の温度が、比較的長い時間にわたり、たとえば５〜２０分
間にわたり組織内で保たれるように規定され、腫瘍細胞内での物質代謝現象は不
可逆に停止する。この熱による不活性化によって、腫瘍細胞が引き続き組織の採
取の際にもはや広がらず、転移が行われないことを保証する。

【００３０】中空ゾンデを取り囲む組織へ高周波電流を供給するために、中空ゾンデの付近
に配置された２つの電極を備えた中空ゾンデを有し、この２つの電極間のインピ
ーダンスを測定する装置と接続している電気外科的装置が特に有利である。この
ような装置は高周波電流の供給の間に２つの電極間のインピーダンスを測定する
ことができる。このことは電流強度、電圧又はフィラメント角（Fadenwinkel）
の検出によって行うことができる。さらに、組織内へ有効に供給された電力が算
出される。

【００３１】高周波電流の供給の間のインピーダンス測定により、中空ゾンデの周囲のそれ
ぞれの組織の特異的な組織抵抗が測定される。全体の周辺組織抵抗が測定される
ような身体の外側に置かれた対向電極又はニュートラル電極を用いる単極技術の
場合とは異なり、この有利な双極技術の場合には、電極間の現実の位置特異的な
組織抵抗を測定する。こうして得られたデータは有利にジェネレータのための電
力制御装置又はインピーダンス制御装置に送られ、これらの装置は組織内へ供給
される電力を監視する。インピーダンス又は組織抵抗に依存する制御によって、
ジェネレータ出力はそれぞれの最新の組織状態に常に合わせられる。さらに、そ
れぞれ得られたデータはそれぞれ最新の組織状態に関する情報としてたとえば聴
覚的又は視覚的に表示することができる。これは、この提案された中空ゾンデを
用いた治療がそれぞれフィードバックされた組織の状態に個々にかつ緊急に適合
させる方法を外科医に提供する。

【００３２】エジェクタはスタンプの形態で中空室内に縦方向に配置されたピストン形の成
形体であり、このエジェクタは停止位置で有利に中空室の一端に存在し、中空室
内に存在する組織をセグメントのスライドにより中空室を開放する際に排出する
ことができるように、この停止位置から中空室の方向へスライド可能である。こ
のような組織がトーラスの形状でたとえば一方のセグメントのためのスラストロ
ッドを取り巻いている場合には、エジェクタの中空室に向かう側に１つ以上の分
離刃が設けられており、この分離刃は排出の際に、スラストロッドの周囲のトー
ラス形状がもはや閉じていないように組織を切断する。

【００３３】本発明の有利な実施態様によると、エジェクタは中空室内の中空体の近位部分
にスライド可能に配置されたピストン部材であり、このピストン部材は金属スリ
ーブに関して、軸方向に走行可能な切断部材を介して組織体を分離した後にピス
トン部材の引き戻しによって真空が生じるように密接に密閉されて配置されてお
り、このピストン部材は切り出された円柱状又はトーラス状の組織が中空体の近
位スリーブ内へ入り込むのを支援する。

【００３４】他の実施態様に置いて、別に又は付加的に別個に接続された真空ポンプによっ
て真空を生じさせることができ、組織の吸引のために中空体を真空にすることが
できる。

【００３５】本発明の有利な実施態様は、引用形式請求項の特徴部に記載されている。

【００３６】次に、本発明の実施例を図面を用いて詳説する。

【００３７】図１ａ〜１ｌは、多様な運転状態の中空ゾンデの第１の実施態様を示す。

【００３８】図２〜９は、多様な運転状態の中空ゾンデの他の実施態様を示す。

【００３９】図１０ａ〜１０ｈは、中央のコネクティングロッドに固定された切断ループを
備えた中央のコネクティングロッドの多様な実施態様を示す。

【００４０】図１１ａ〜１１ｈは、切断ループを備えた偏心のコネクティングロッドの別の
実施態様を示す。

【００４１】図１２は、別の中空ゾンデの図式的な透視図を示す。

【００４２】図１３及び１４は、多様な運転状態での図１２からの中空ゾンデの図式的な断
面図を示す。

【００４３】図１５は、図３と同様の中空ゾンデの図式的な透視図を示す。

【００４４】図１６は、中空ゾンデ及びＨＦ−発生器を備えた外科用装置の略図を示す。

【００４５】図１ａ〜１ｌに図示した中空ゾンデ１０．１の主要な構成要素は、遠位端１４
で絶縁されている金属スリーブ１２並びに金属先端部１６である。この遠位端１
４を備えた金属スリーブ１２は、金属先端部１６と共に中空室又は収容室１８を
取り囲む。この金属先端部１６は金属スリーブ１２内を軸方向にスライド可能に
設置されたコネクティングロッド２０を介して金属スリーブ１２と接続している
。図１ｂ〜１ｌに図示されたように、金属先端部１６と金属スリーブ１２とは、
金属先端部１６のカラー２２と遠位端１４との間で収容室１８に対して円筒状に
開放もしくは閉鎖するように相互に相対してスライドすることができる。遠位端
１４を備えたこの金属スリーブ１２はこのように中空体の第１のセグメントを形
成し、中空体の第２のセグメントは第１のセグメントに対して相対的に軸方向に
スライド可能な金属先端部１６である。

【００４６】中空ゾンデ１０．１の他の構成要素は、ワイヤリングから構成される切断部材
２４であり、この直径は収容室１８の直径よりもわずかに小さい。この切断部材
２４はワイヤストラット２６（図１には図示されていない、図１０参照）を介し
て第２のスラストロッド２８と接続しており、このスラストロッド２８は金属先
端部１６用の第１のスラストロッド２０上のスライドスリーブの形式で軸方向に
スライド可能に案内されている。従って、この切断部材２４は金属先端部１６に
対して並びに金属スリーブ１２に対して相対的に軸方向にスライド可能でもある
。

【００４７】さらに、この中空ゾンデ１０．１中には、第３のスラストロッド３２に固定さ
れているエジェクタ３０が設けられており、このエジェクタ３０は第２のスラス
トロッド２８上のスライドスリーブの形式で軸方向にスライド可能に案内されて
いる。このエジェクタ３０はスタンプの形式で図１ａ〜図１ｉに図示された位置
から図１ｋに図示された位置へ移動可能であり、収容室１８内に存在する組織を
排出する（図１ｊ参照）。

【００４８】３つのスラストロッド２０、２８及び３２は金属スリーブ１２と第３のスラス
トロッド３２との間に配置された、絶縁する軸方向ガイド３４内に案内されてい
る。この軸方向ガイド３４は同時に、収容室１８をその他に金属スリーブ１２に
よって取り囲まれた空間に対して密封するために用いられる。

【００４９】図１ａ〜１ｌを用いて、中空ゾンデ１０．１の作動様式を詳説する。まず、鋭
い金属先端部１６を備えたこの中空ゾンデを予め組織内に突き刺す。その間に、
まず第１の電極として機能する金属先端部１６と、患者の身体に接する大面積の
対向電極との間に高周波の交流電圧を印加する。これは、中空ゾンデに隣接する
組織を、局所的に限定する高周波の交流を用いて熱的に不活性化する結果となる
。中空ゾンデをさらに組織内に突き刺すことで、金属スリーブ１２も組織内へ侵
入する場合には、この金属スリーブ１２は高周波電圧を印加するための第２の電
極として機能する。この場合に金属先端部１６及び金属スリーブ１２は、金属ス
リーブ１２の絶縁する遠位端１４によって相互に電気的に絶縁されている。高周
波の交流フィールドが金属先端部１６と金属スリーブ１２との間に印加される場
合には、交流フィールドは中空ゾンデを突き刺す際に直接隣接する組織区域に限
定される。大面積の対向電極はもはや必要ない。印加された高周波電圧は、中空
ゾンデ１０．１に隣接する組織内で５５℃〜１００℃の間の温度、有利に６０℃
〜８０℃の間の温度が５〜２０分の時間にわたり生じ、特に腫瘍細胞内部の物質
代謝現象が回復不能に停止するように調整される。この種の熱による不活性化に
よって、引き続く組織採取の際に特に腫瘍細胞をもはやばらまくことなく、転移
の危険性を低下させることが保証される。

【００５０】図１ａは、完全に組織内へ突き刺された中空ゾンデ１０．１を表す。中空ゾン
デ１０．１を突き刺した後に、金属スリーブ１２を軸方向ガイド３４、エジェク
タ３０、切断部材２４及び金属スリーブ１６に対して引き戻される。このように
、金属先端部１６のカラー２２と金属スリーブ１２の遠位端１４との間に円筒状
の開放部が生じる。中空ゾンデ１０．１を突き刺す際にまず横側から侵入する組
織は、円筒状の開放部を通して入り込み、第２のスラストロッド２８に当接する
。これが図１ｂに示されている。

【００５１】引き続き、切断部材２４が第２のスラストロッド２８を用いてエジェクタ３０
の方向へ引き戻される。この間に、切断部材２４を形成するワイヤリングと対向
電極として用いられる金属スリーブ１２との間に高周波交流電圧を印加する。ワ
イヤリングにより形成された切断電極は、この場合、印加された高周波電圧によ
ってワイヤリングに沿って多数の小さな火花放電を発生させる。それによって、
組織４０と切断部材２４との間に蒸気クッションが生じ、この蒸気クッションは
非接触形の電気的切断を可能にする。むしろ空洞形の高周波交流を使用すること
によって、縁部の熱による凝集を最小にして組織内を切断することができる。切
断部位での他の凝集の度合いは、最大電圧対実効電圧の割合で表される波高率の
変更によって、並びに付加的な高周波変調によって調整することができる。組織
の切除は、図１ｃ及び１ｄに記載されており、この場合、特に１ｄから推知する
ことができ、生じた組織断片４２は第１のスラストロッド２０を取り囲むトーラ
スの形を有し、このトーラス状の組織断片はスラストロッド２０を完全に取り囲
むが、後でこの組織断片４２をスラストロッド２０から除去でき、かつ分割でき
るように、前記の組織断片をワイヤストラット又はストラット２６（図１０参照
）によって切れ目が入れられる。

【００５２】図１ｅに示されているように、組織断片４２を完全に分離した後に、切断部材
２４はエジェクタ３０の直前に存在する。組織断片４２を完全に分離した後に、
図１ｆに示されているように、金属スリーブ１２を再び金属先端部１６の方向へ
スライドさせる。図１ｇに示されているように、中空ゾンデ１０．１が引き続き
閉鎖されると、中空ゾンデ１０．１を再び組織４０から引き抜かれる。図１ｈは
組織４０から引き抜かれ、閉鎖した中空ゾンデを示す。引き続き、金属先端部１
６はスラストロッド２０を用いて前方へ、中空ゾンデ１０．１に関して遠位の方
向へスライドさせる。カラー２２と遠位端１４との間に再び円筒状の開放部が形
成される。

【００５３】引き続き、エジェクタ３０が切断部材２４と一緒に金属先端部１６の方向へ前
方に向かってスライドされる。それにより組織断片４２は中空室１８から排出さ
れる（図１ｊ及び１ｋ参照）。

【００５４】切断部材２４のワイヤストラット２６によって組織断片２４はすでに切れ込み
が入れられているため、図１ｌに記載されているように、この組織断片２４はス
ラストロッド２０から容易に取り外される。組織断片４２が排出された後に、中
空ゾンデ１０．１は再び図１に示された状態に戻すことができ、新たに使用する
ための準備が整う。

【００５５】前記したようにトーラス状の組織を金属先端部１６と金属スリーブ１２との間
の開放部の全長にわたって切断する代わりに、切断部材２４をこの長さにわたり
相応して走行させることで、開放部内へ入り込む組織の一部だけを分離すること
もできる。まず組織の一部を今までに記載されたと同様に切断して、たとえば図
１ｃに示されたような状態が生じるようにする。この状態では、すでに部分的に
分離された組織は金属スリーブに向かう側ではなお残りの組織と結合している。
この切断部材２４を図１ｃに示した位置で、スラストロッド２８と一緒に、この
スラストロッドの長手方向軸を中心に回転させる場合に、１つ又は複数のウェブ
又はストラット２６（図１０参照）は、組織が部分的に切断されるまで完全に残
りの組織を切断する。金属先端部１６と金属スリーブ１２との間の開放部を閉鎖
することによって、小さな組織断片を採取することもできる。これは、金属先端
部１６と金属スリーブ１２との間の開放部が、図１ｂ〜１ｅに示されているよう
に完全に開放されず、部分的にだけ開放されることで、全体としてよりわずかな
組織が金属先端部１６と金属スリーブ１２との間のより小さな開放部内へ入り込
むことによっても達成される。

【００５６】図２ａ〜２ｅに図示した中空ゾンデ１０．２は、図１ａ〜１ｌに図示した中空
ゾンデ１０．１と構造上の細部が異なる。次に、図１に図示した中空ゾンデ１０
．１との中空ゾンデ１０．２の相違点だけを示す。切断部材２４．２用のスラス
トロッド２８．２は中心ではなく、収容室１８の側面に配置されている。さらに
、エジェクタ３０．２用の特別なスラストロッドは設けられていない。むしろ、
このエジェクタ３０．２は切断部材２４．２と同様にスラストロッド２８．２に
固定されている。この切断部材２４．２及びエジェクタ３０．２はつまりスラス
トロッド２８．２によって同じように動き、相互に一定の間隔を保持する。図２
ｂから明らかなように、金属先端部１６と金属スリーブ１２との間の開放部を開
放するために、スラストロッド２８．２と一緒に切断部材２４．２を引き戻すた
め、開放部を開放した直後に切断部材２４．２はなお金属スリーブ１２の遠位端
１４内に存在している。組織の切断のために、スラストロッド２８．２を切断部
材２４．２及びエジェクタ３０．２と一緒に金属先端部１６の方向に前方に向か
ってスライドさせる。この状態は図１ｃに図示されている。切断部材２４．２が
金属先端部１６付近のその最終位置に達し、かつ相応する組織断片が分離された
後に、金属スリーブ１２を金属先端部１６及びそのスラストロッド２０に対して
相対的に、並びに切断部材２４．２、その切断部材２４．２のスラストロッド２
８．２及びこのスラストロッド２８．２に固定されたエジェクタ３０．２に対し
て相対的に、金属先端部１６の方向にスライドさせて、開放部を閉鎖する。中空
ゾンデ１０．２の閉鎖された状態は、図２ｄに図示されている。

【００５７】この閉鎖された中空ゾンデ１０．２を引き続き切断された組織と一緒に組織か
ら引き出す。組織から中空ゾンデ１０．２を引き出した後に、切断された組織を
排出するために中空ゾンデ１０．２を再び開放する。このために金属スリーブ１
２を金属先端部１６及び切断部材２４．２並びにエジェクタ３０．２に対して相
対的に引き戻される、つまり、金属先端部１６、切断部材２４．２及びエジェク
タ３０．２は相互に相対的位置を保持する。エジェクタ３０．２によって組織は
金属スリーブ１２と一緒に引き戻されずに、収容室１８から排出される。

【００５８】図３ａ〜３ｅに図示された中空ゾンデ１０．３の場合には、金属先端部１６．
３並びに切断部材２４．３のために、収容室の横側に配置されたスラストロッド
２０．３もしくは２８．３が設けられている。エジェクタ３０．３は図１と同様
に中央のスラストロッド３２を有している。これらのスラストロッド２０．３、
２８．３及び３２を用いて、金属先端部１６．３、切断部材２４．３及びエジェ
クタ３０．３は、図１からの中空ゾンデ１０．１の場合と同様に別個に動く。図
３ｂ〜３ｅに図示された作動経過は、中空ゾンデ１０．３を組織内に突き刺した
後に、金属スリーブ１２が切断部材２４．３及びエジェクタ３０とを一緒に金属
スリーブ１２と金属先端部１６との間の開放部を開放するために引き戻すことに
より図１に示された作動経過と異なっている。組織断片を切断するために、切断
部材２４．３は、図２に示した実施態様と同様に、金属スリーブ１２から金属先
端部１６の方向へ前方に向かってスライドさせる。引き続き中空ゾンデ１０．３
を閉鎖し、切断された組織断片と一緒に組織から取り出す。切断された組織断片
の排出は、図１に図示されたと同様に、エジェクタ３０．３を用いて中空室１０
．３の開放後に行う（図３ｅ参照）。

【００５９】図４ａ〜４ｊに図示された中空ゾンデ１０．４の実施態様は、図１からの中空
ゾンデと異なり、遠位端に切断部材２４が固定されておりかつさらにエジェクタ
３０．４が固定されている中央のスラストロッド２８．４を有している。従って
、図２に図示された実施態様と同様に切断部材２４及びエジェクタ３０．４は共
通のスラストロッド２８．４によって動く。切断部材のこの動きは、この場合、
中空ゾンデ１０．４の開放後に、図３に図示された実施態様と同様に、金属スリ
ーブ１２から金属先端部１６に向かって行われる。図４ｃ〜４ｅに図示したよう
に、エジェクタ３０．４を同時に切断部材２４と一緒に金属先端部１６の方向へ
スライドさせる。

【００６０】切断部材２４を、図４ｃ又は図４ｄに図示した位置でスラストロッド２８．４
の長手方向軸を中心として回転させ、リング状の切断部材２４とスラストロッド
２８．４とを接続しているストラット２６がすでに部分的に切断された組織断片
４２を残りの組織４０から完全に切り離す。

【００６１】組織断片４２が、図４ｅに図示されたように、完全に切断された後に、中空ゾ
ンデ１０．４は再び閉鎖される。このために金属スリーブ１２を金属先端部１６
の方向へ前方に向かってスライドさせることができるが、金属先端部１６を切断
部材２４及びエジェクタ３０と一緒に収容室内へ引き戻すこともできる。有利な
実施態様において、エジェクタ３０は金属スリーブ１２の壁部と密接に密閉され
ている。このことは、中空ゾンデ１０．４を閉鎖する間に、分離された組織断片
４２が収容室１８内へ吸い込まれることを促進する。

【００６２】エジェクタ３０が収容室１８内で動くことによって生じる真空の他に、収容室
１８に付加的に外部手段を介して真空を生じさせることもできる。この場合には
、エジェクタ３０が金属スリーブ１２の壁部と密接に密封されていないのが有利
である。収容室１８に真空をかける手段を、残りの全ての本発明の実施態様の場
合にも設けることができる。

【００６３】中空ゾンデ１０．４の閉鎖後に、中空ゾンデ１０．４を組織４０から取り出す
。引き続く中空ゾンデ１０．４の開放（図４ｉ）並びにエジェクタ３０を用いた
分離された組織断片４２の排出（図４ｊ）は、前記した発明の実施態様の場合と
同様に行う。

【００６４】図５ａにおいて中空ゾンデ１０．５の実施態様が図示されている。図２及び３
に図示された実施態様と同様に、スラストロッド２８．５は収容室１８の側面に
配置されている。図１に記載された実施態様の場合と同様に、金属先端部１６及
びエジェクタ３０は、それぞれ固有のスラストロッド２０もしくは３２によって
別個に可動である。予定される作動経過は図１と同様であるが、中空ゾンデ１０
．５を相応する組織内へ突き刺した後に、金属先端部１６と金属スリーブ１２と
の間の開放部を開放するために金属スリーブ１２を引き戻す際に、金属スリーブ
１２と一緒にエジェクタ３０を引き戻さずに、このエジェクタ３０は中空ゾンデ
１０．５の開放後に金属スリーブ１２の遠位端１４の領域に留まったままである
。組織断片の切断は、切断部材２４を金属先端部１６から金属スリーブ１２の遠
位端１４に向かって引き戻すことによって行う。この中空ゾンデ１０．５を閉鎖
する間に、このエジェクタ３０は切断部材２４と一緒に収容室１８内へ順次に引
き戻され、エジェクタ３０が金属スリーブ１２の壁部と密接に当接している場合
には、切断された組織断片の収容室１８内への吸引が促進される。組織から中空
ゾンデ１０．５を取り出した後の中空ゾンデ１０．５の開放並びに切断された組
織の排出は、前記の実施態様と同様に行う（図５ｅ参照）。

【００６５】図６ａ及び６ｅに図示された中空ゾンデ１０．６の実施態様は、図１ａ〜１ｌ
に図示された実施態様１０．１の構造と一致している。従って、金属先端部１６
、切断部材２４及びエジェクタ３０はそれぞれ別個のスラストロッドによって相
互に独立して可動である。図１に示された実施態様と図６に示された実施態様と
の差異は、切断部材２４が中空ゾンデ１０．６の開放後に金属先端部１６から出
発して金属スリーブ１２まで引き戻されずに、収容室１８から金属先端部１６の
方向へ前方に向かってスライドされ、中空ゾンデ１０．６が開放された際に金属
先端部１６と金属スリーブ１２との間の開放部内へ侵入する組織を分離すること
である。図６ｅは切断された組織断片を排出する位置を示す。

【００６６】図７ａ〜７ｅに図示された中空ゾンデ１０．７の実施態様は、構造に関して図
５ａ〜５ｅに図示された実施態様１０．５に一致する。図５に図示された実施態
様と異なる点は、切断部材２４が中空ゾンデの開放後に金属先端部１６から出発
して金属スリーブ１２の遠位端１４内へ引き戻されるのではなく、遠位端１４か
ら金属先端部へスライドされることである。従って、この作動経過は図６ａ〜６
ｅに図示された実施態様に一致する。切断部材２４用の偏心のスラストロッド２
８．７は、ガイドスリーブ３６内で案内される。

【００６７】図８ａ〜８ｆには中空ゾンデ１０．８が示されており、この中空ゾンデ１０．
８は構造において図４ａ〜４ｊに図示された中空ゾンデ１０．４に類似している
。金属先端部１６用の中央のスラストロッド２０及び共通の中央のスラストロッ
ド２８及びエジェクタ３０が設けられている。収容室１８は図４に図示された実
施態様の場合よりも全体として小さい。特に図８ｃ及び８ｄから明らかなように
、中空ゾンデ１０．８の開放の後に、金属スリーブ１２並びにスラストロッド２
８は切断部材２４と一緒に、エジェクタ３０は金属先端部１６と一緒にスライド
される。この場合に重要なのは、切断部材２４が、金属スリーブ１２の遠位端に
対してわずかであっても間隔を置いて配置されているため、この切断部材２４は
露出していることである。金属スリーブ１２及び切断部材２４は一緒に金属先端
部１６方向へスライドされ、切断部材２４は組織断片４２を切断し、この組織断
片４２は金属スリーブ１２を前方へスライドさせる間に同時に収容室１８内へ収
容される。図８ｅは、組織断片４２を完全に切断した後に閉鎖された中空ゾンデ
１０．８を示す。図８ｆでは、組織４０から取り出した中空ゾンデ１０．８が分
離された組織断片４２を排出するために開放された状態を表す。

【００６８】図９ａ〜９ｅに図示された中空ゾンデ１０．９の実施態様の場合に、切断部材
２４及びエジェクタ３０用の共通の中央のスラストロッド２８．９が設けられて
いる。このスラストロッド２８．９はガイドスリーブ３６内に案内されている。
組織断片の分離の際の作動経過は図８に図示された実施態様と同様である。この
図８との差異は、切断部材２４が中空ゾンデ１０．９の開放時にまず収容室１８
内に引き戻され、次いで組織断片の分離のために金属先端部１６の方向へいくら
かスライドさせるため、この切断部材２４は露出する（図９ｃ参照）。引き続き
、切断部材２４はエジェクタ３０及び金属スリーブ１２と一緒に金属先端部１６
へスライドさせるため、組織断片は図８ａ〜８ｅに図示されたと同様に分離され
る。図９ｄは組織断片の分離後の閉鎖されたゾンデ１０．９を表し、図９ｅは組
織から取り出した後に、組織断片の排出のために開放された中空ゾンデ１０．９
を表す。

【００６９】図１０ａ〜１０ｈは、中央のスラストロッド２８と接続した切断部材２４の多
様な実施態様を表す。それぞれ１又は複数のストラット２６を確認でき、これら
のストラットによってそれぞれの切断部材２４はそれぞれのスラストロッド２８
と接続する。このストラット２６は、ワイヤリングにより形成される切断部材２
４と同じ直径を有するのが有利である。ワイヤ直径は０．０５〜１．０ｍｍ、有
利に０．１５ｍｍである。このスラストロッド２８はそれぞれ管として構成され
ているため、このスラストロッド２８内に、それぞれの中空ゾンデの金属先端部
用の他のスラストロッドを案内することができる。ワイヤストラット２６は切断
部材２４を保持する目的だけでなく、この特性は前記した用の分離した組織断片
を縦方向に切断する。

【００７０】図１１ａ〜１１ｈは、スラストロッド２８に固定された、ワイヤリングから形
成された切断部材２４を備えたそれぞれのスラストロッド２８を表す。図示され
たこの実施態様の場合には、切断部材２４をスラストロッド２８に保持するため
のワイヤストラットは必要ないことは明らかである。従って、図１１ａ〜１１ｈ
に図示されたワイヤストラット２６は切断された組織断片の縦方向に切り込みを
入れるための切断電極としての目的だけに使用される。図１１ｉ〜１１ｋに図示
されたように、ワイヤストラット２６はワイヤループとして形成されていてもよ
い。図１１ｉ〜１１ｋに図示されたワイヤストラット２６の正面図は、図１１ａ
からのワイヤストラット２６と同じであるため、スラストロッド２８が長軸方向
に動く場合に双方の場合とも同じ断面が生じる。

【００７１】図１２において、別の中空ゾンデ５０が図示されており、この場合には、円筒
形の収容室が半面側で外側に開放している。この開放部は中空ゾンデ５０の縦軸
５２を中心として回転可能なカバー５４によって閉鎖することができる。カバー
の長辺の前方に中空ゾンデ５０の縦軸５２に対して平行に並ぶ直線状の切断部材
５６が取り付けられている。この中空ゾンデ５０に真空をかけることができ、こ
の真空を用いて組織５８は開放した中空ゾンデ５０内へ吸引される。開口部を閉
鎖するために、切断部材５６がカバー５４に先行し、中空ゾンデ５０の開放部内
へ吸引された組織断片６０を分離するように、カバー５４を切断部材５６と一緒
に中空ゾンデ５０の縦軸５２を中心として回転させる。これは図１３ａ〜１３ｃ
に図示されている。

【００７２】図１２に図示された中空ゾンデ５０を用いて簡単な方法で比較的大きな組織断
片を分離するために、開放された中空ゾンデ５０を露出する切断部材５６と一緒
に組織５８内を、中空ゾンデ５０の縦軸５２を中心として回転させて（図１４ａ
〜１４ｈ）、相応する組織断片６０を剥ぎ取ることができる。引き続き、この中
空ゾンデ５０は再び閉鎖され、組織は取り出される。

【００７３】図１５は図３ａ〜３ｅに図示された中空ゾンデ１０．３の実施態様の斜視図を
表す。

【００７４】図１６には、中空ゾンデ７２を備えた外科用装置７０が図示されており、この
装置７０に、中空ゾンデ７２を取り囲む組織内へ高周波電流を導入するための２
つの電極７４、７６が設置されている。この２つの電極７４及び７６は導線７８
及び８０を介して、組織内へ導入すべき電力を発生させるためのジェネレータ８
２と接続している。導線にはさらに測定ユニット８４が接続しており、この測定
ユニット８４は両方の電極７２と７４との間のインピーダンスの測定のために構
成されている。この測定装置８４はジェネレータ８２と接続されており、このジ
ェネレータの電力は電極７４と７６との間で測定されたインピーダンスに依存し
て制御される。インピーダンス信号を用いたジェネレータ８２の制御は、治療に
併せてジェネレータ８２の遮断についても考慮することができる。組織の切除の
増大と共に、このインピーダンスは上昇する。従って、測定された高い相対的な
組織インピーダンスは、組織が十分に切除されていることを示すために、インピ
ーダンスのために限界値を設けることもでき、この限界値からジェネレータを遮
断する。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１ａ〜１ｌは、多様な運転状態の中空ゾンデの第１の実施態様の断面図

【図２】図２ａ〜２ｅは、多様な運転状態の中空ゾンデの他の実施態様の断面図

【図３】図３ａ〜３ｅは、多様な運転状態の中空ゾンデの他の実施態様の断面図

【図４】図４ａ〜４ｊは、多様な運転状態の中空ゾンデの他の実施態様の断面図

【図５】図５ａ〜５ｅは、多様な運転状態の中空ゾンデの他の実施態様の断面図

【図６】図６ａ〜６ｅは、多様な運転状態の中空ゾンデの他の実施態様の断面図

【図７】図７ａ〜７ｅは、多様な運転状態の中空ゾンデの他の実施態様の断面図

【図８】図８ａ〜８ｆは、多様な運転状態の中空ゾンデの他の実施態様の断面図

【図９】図９ａ〜９ｅは、多様な運転状態の中空ゾンデの他の実施態様の断面図

【図１０】図１０ａ〜１０ｈは、中央のコネクティングロッドに固定された切断ループを
備えた中央のコネクティングロッドの多様な実施態様の断面図

【図１１】図１１ａ〜１１ｈは、切断ループを備えた偏心のコネクティングロッドの別の
実施態様の断面図

【図１２】別の中空ゾンデの図式的な透視図

【図１３】多様な運転状態での図１２からの中空ゾンデの図式的な断面図

【図１４】多様な運転状態での図１２からの中空ゾンデの図式的な断面図

【図１５】図３と同様の中空ゾンデの図式的な透視図

【図１６】中空ゾンデ及びＨＦ−発生器を備えた外科用装置の略図

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ，ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ，ＴＲ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，ＧＭ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＭＺ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ，ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＧ，ＡＬ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，ＢＺ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＯ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＫ，ＤＭ，ＤＺ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ，ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，ＪＰ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＭＺ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】最小の侵襲性で組織を採取するための外科用中空ゾンデ（１
０）であって、この中空ゾンデ（１０）は縦長の中空体を有し、この中空体は２
つのセグメント（１２，１６）を有し、これらのセグメント（１２，１６）の少
なくとも一方が組織の収容のための中空室（１８）を包囲し、かつこれらのセグ
メント（１２，１６）は相互に分離可能であり、かつこれらのセグメント（１２
，１６）の間の開放部が選択的に開放されるか又は閉鎖されるように相互に相対
的に可動に配置されている形式のものにおいて、これらのセグメントの少なくと
も一方に対して相対的に可動の、リング状又はループ状の導電性切断部材（２４
）を有し、この切断部材（２４）は、中空体セグメント（１２，１６）の間の開
放部内に入り込んだ組織を電気外科的に切り出すように構成されていることを特
徴とする、外科用中空ゾンデ（１０）。
【請求項２】中空ゾンデ（１０）から組織を排出するためのエジェクタ（
３０）を有する、請求項１記載の中空ゾンデ。
【請求項３】切断部材（２４）が露出しているかもしくは露出する位置に
動かすことができる、請求項１又は２記載の中空ゾンデ。
【請求項４】切断部材（２４）がＨＦ−電圧を印加するための切断電極と
して導電性に構成されている、請求項１から３までのいずれか１項記載の中空ゾ
ンデ。
【請求項５】２つのセグメント（１２，１６）は中空室（１８）の周囲の
円周線に沿って分離可能である、請求項１から４までのいずれか１項記載の中空
ゾンデ。
【請求項６】２つのセグメント（１２，１６）は相互に軸方向にスライド
可能である、請求項１から５までのいずれか１項記載の中空ゾンデ。
【請求項７】セグメント（１２，１６）の間の開放部は、中空室（１８）
の断面形状に応じて、円筒形であるか又は角柱形である、請求項６記載の中空ゾ
ンデ。
【請求項８】この２つのセグメント（１２，１６）は、一方のセグメント
内に案内されたスラストロッド（２０）を介して相互に結合している、請求項１
から７までのいずれか１項記載の中空ゾンデ。
【請求項９】スラストロッド（２０）はセグメント（１２，１６）により
閉じられた中空室（１８）の中央に延在する、請求項８記載の中空ゾンデ。
【請求項１０】切断部材は軸方向にスライド可能でありかつ導電性のルー
プ（２４）を有しており、前記のループ（２４）は円柱形又は角柱形の組織断片
を切り出すように構成されている、請求項４から９までのいずれか１項記載の中
空ゾンデ。
【請求項１１】切断部材は切断ウェブ（２６）を有しており、この切断ウ
ェブ（２６）はスラストロッド（２０）と切断ループ（２４）との間に延在して
おり、かつ切断ループ（２４）と導電性に接続している、請求項９及び１０記載
の中空ゾンデ。
【請求項１２】切断部材（２４）は開放部内及び／又は中空室内でスライ
ド可能である、請求項１から１１までのいずれか１項記載の中空ゾンデ。
【請求項１３】切断部材（２４）が開放部内及び／又は中空室内でスライ
ド可能である、請求項１から１２までのいずれか１項記載の中空ゾンデ。
【請求項１４】相互に相対的に可動の２つのセグメント（１２，１６）は
、組織を熱により不活性化するためにＨＦ−電圧をかけるための電極として構成
されている、請求項１から１３までのいずれか１項記載の中空ゾンデ。
【請求項１５】２つのセグメント（１２，１６）は、中空ゾンデ（１０）
の遠位端付近で分離されている、請求項１から１４までのいずれか１項記載の中
空ゾンデ。
【請求項１６】一方のセグメント（１６）は、中空ゾンデ（１０）の遠位
端で尖った金属先端部を形成する、請求項１から１５までのいずれか１項記載の
中空ゾンデ。
【請求項１７】エジェクタ（３０）が中空室（１８）内で軸方向にスライ
ド可能に配置されている、請求項１から１６までのいずれか１項記載の中空ゾン
デ。
【請求項１８】エジェクタは中空室（１８）の一端にある停止位置から中
空室（１８）の方向に向かってスライド可能に配置されており、停止位置のエジ
ェクタの中空室（１８）に向かう側に中空室（１８）に向かう切断刃を有する、
請求項１から１７までのいずれか１項記載の中空ゾンデ。
【請求項１９】切断部材（２４）及びエジェクタ（３０）が共通のスラス
トロッド（２８）に固定されており、このスラストロッド（２８）はセグメント
（１２，１６）に関して長軸方向にスライド可能に案内されている、請求項１か
ら１８までのいずれか１項記載の中空ゾンデ。
【請求項２０】中空ゾンデ（７２）を備えた外科用装置において、中空ゾ
ンデ（７２）の２つの電極（７４，７６）が、中空ゾンデ（７２）を取り囲む組
織に電気エネルギーを放出するように構成されており、かつ測定装置（８４）と
接続されており、この測定装置（８４）は２つの電極（７４，７６）の間のイン
ピーダンスに依存する信号を生じるように構成されていることを特徴とする、特
に請求項１４記載の中空ゾンデ（７２）を備えた外科用装置。
【請求項２１】ジェネレータ（８２）から放出された電力が測定装置（８
４）により発せられる信号によって制御可能であるように、測定装置（８４）は
電極（７４，７６）を介して放出すべき電気エネルギーのためのジェネレータ（
８２）と接続している、請求項２０記載の外科用装置。