JP2003532506A - テニスラケット用複合合成ストリング - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、特にテニスラケット用の複合合成ストリングに関する。本発明は、多繊維糸（２）に取り囲まれた中央の単繊維（３）で構成されるストリングを特徴とし、集合体は、ポリウレタン（１）が含浸して被覆されており、成型後に引張り曲げに耐えるようになっている。本発明は、新規性のある外観を有し、寿命が長くボールに当たった場合に反応が早いテニスのガットに有用である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 （技術分野） 本発明は、限定的ではないが特にテニスラケットのガットでの利用が意図され
ている複合合成ストリングに関する。

【０００２】 （発明の背景）

【０００３】 幾つかの複合合成ストリングが公知である。仏国公開特許ＦＲ−Ａ−２４９１
０９８には、２つの成分、即ちポリアミド多繊維糸及びポリウレタンを有する合
成ストリングが説明されており、多繊維糸は、ポリウレタンマトリクスに一体化
されている。ポリアミドよりも非常に弾性が優れているポリウレタン結合剤は、
ストリングの特定の構造でもって、高い破壊強度及び平均硬度を得ることを可能
にしているが、平均硬度は、ボール衝突後のストリングの初期位置への急激な戻
りによって表わされる。

【０００４】 本発明は、前記の利点を利用して、剛体フレームを有するラケットに使用する
場合でも初期の外観を保ちながらテニスのガットの寿命を延ばすことに関連する
。

【０００５】 （発明の開示） 本発明によれば、特にテニスラケット用の合成複合ストリングは、第１の合成
材料の糸と、コア材に含浸された第２の合成材料からなる結合剤とを有し、この
結合剤は螺旋状に巻きつけられた前記糸を結合及び被覆し、前記結合剤の融点は
、前記糸の融点よりも低く且つ弾性が非常に高く、そして前記糸は多繊維で構成
されている、特にテニスラケット用の合成複合ストリングであって、平らな２辺
を有する少なくとも１本の単繊維が前記ストリングの中央に配置されており、該
ストリングが成形の後、引張り曲げを受けていることを特徴とする。

【０００６】 本発明の他の特徴によれば、ストリングは、長円単繊維が透明な結合剤および
多繊維を通して、コントラストのある螺旋形のものとして見えることを特徴とし
ている。

【０００７】 単一の平らな中央の糸は、所望の効果を得るに十分である。中央の単繊維は、
非常に高い靱性を有する長円単繊維であることが好ましく、この断面は、丸みの
ある辺を備えた略矩形形状を有する。これはある意味ではストリングのコアを構
成する。また、摩耗に耐えるために、ストリングの周縁に配置される少数の小さ
な単繊維を設けることも可能である。中央の単繊維（又は多繊維の束）は、虹色
の発光効果を高めるために着色することができる。ポリウレタン又は結合剤の大
部分を着色することも可能である。

【０００８】 本発明の他の特徴及び利点は、図面を参照して、以下の例示的な特定の実施形
態の説明を理解することで明らかになるであろう。

【０００９】 （発明を実施するための最良の形態） 図１において、本発明によるストリングは、ストリングのマトリクスを形成し
、多繊維及び単繊維に含浸して取り囲むポリウレタン１を備えていることが分か
る。ポリウレタンは、多繊維２と中央の単繊維３との間に見ることができ、結果
的に均質集合体を形成する。また、ポリウレタンは、リング４又はストリングの
外皮層を形成する。多繊維のマトリクスの内側には、その主要部の中央において
、長円単繊維３が配置されており、その数は例示的には２本である。しかし、全
ての場合において、単繊維３は、ポリウレタンマトリクスによって多繊維２と結
合されている。

【００１０】 また、単繊維３は、ストリングの動的機能を引き受ける。単繊維の存在により
更に強固になった本発明によるストリングは、張りめぐらすことが容易である。

【００１１】 多繊維２並びに単繊維２は、ショア硬さ「Ｄ」が８５の「ナイロン６．６」の
名称で知られているポリアミド、または他のポリアミド及びコポリアミドで構成
されている。

【００１２】 このようなストリングをより合わせることによる製造方法は一般的であり、即
ち、より合わせる前に単繊維及び多繊維を被覆する段階と、次に、５０−２００
回／メートルのねじり程度により合わす段階とからなり、より合わして溶剤を蒸
発させた後で、ストリングは、外観を整えて余分なポリウレタンを排出するため
にダイを通り抜ける。その後、引張り曲げをストリングに与え、剥離（ｄｅｌａ
ｍｉｎａｔｉｏｎ）を引き起こして中央の単繊維がポリウレタンを通して見える
ようにする。

【００１３】 多繊維スプール、長円単繊維スプールは、回転トレイ上に取り付けられ、各繊
維はポリウレタンの溶体で被覆される。繊維は加熱炉内に入れられ、溶剤が蒸発
してポリウレタンが予重合される。次に、繊維はリングに注入され、結合剤が加
熱炉内で最終的に重合され、その後、所望の効果を得るために、繊維には引張り
力が付与される。従って、ストリングは、再スタートすることなく単一操作で作
ることができる。

【００１４】 例えば、キャプスタンによって、又は軸上の通路又は絞りダイによってストリ
ングに付与される引張り曲げは剥離を引き起こし、透明なポリウレタンを通して
螺旋形のものとして見える、中央の単繊維の螺旋を作り出す。螺旋のピッチは、
より合わせの関数である。

【００１５】 本発明によるストリングは、ボールの衝突時に天然のガットと同じように丈夫
であることが観察されている。

【００１６】 実施例 図１に示すストリングは、１．３０ｍｍの直径、８０ｄａＮより大きい破壊強
度を有している。破断時の伸びは２５％程度であり、単位メートル当たりの重量
は１．５ｇである。これは２本の２２００デシテックスの長円単繊維と、４本の
多繊維糸で構成されており、該長円単繊維は、より合わせの過程で螺旋状に巻き
つけられ、該多繊維糸は、各々１４０本の繊維を含み、その直径は２８ミクロン
である。糸の集合体は、８０回／メートルの割合でより合わされる。

【００１７】 前記の説明においては、多繊維及び単繊維はポリアミド製であるが、この材料
は、例えばポリエステル等の良好な動的特性をもつ任意の他の合成材料に置き換
えることができる。中央の単繊維糸は、２本の糸の間の接触が非局在領域上に生
じるように平らな辺を有していれば、任意の断面をもつことができる。

【００１８】 結果的に本発明の範囲から逸脱することなく、特に、技術的に均等な手段の置
き換えによって多数の変形例が可能であることは言うまでもない。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明によるストリングの断面である。

【図２】 本発明によるストリングの図である。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 第１の合成材料の糸（２）と、コア材に含浸された第２の合
   成材料からなる結合剤（１）とを有し、この結合剤は螺旋状に巻きつけられた前
   記糸を結合及び被覆し、前記結合剤の融点は、前記糸の融点よりも低く且つ弾性
   が非常に高く、そして前記糸は多繊維で構成されている、特にテニスラケット用
   の合成複合ストリングであって、平らな２辺を有する少なくとも１本の単繊維が
   前記ストリングの中央に配置されており、該ストリングが剥離を引き起こす引張
   り曲げを受けていることを特徴とする複合ストリング。
2. 【請求項２】 長円単繊維（３）が、透明な前記結合剤および多繊維（２）
   を通して、コントラストのある螺旋形のものとして見えることを特徴とする請求
   項１に記載の複合ストリング。
3. 【請求項３】 前記単繊維（３）及び前記多繊維（２）はポリアミド製であ
   り、前記結合剤はポリウレタンから成ることを特徴とする請求項１又は２に記載
   の複合ストリング。