JP2003531634A - ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonasgingivalis)リコンビナントタンパク質と末端切断物 - Google Patents

ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonasgingivalis)リコンビナントタンパク質と末端切断物

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、PG32およびPG33由来の可溶性P.gingivalisポリペプチドならびにこれらのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに関する。P. gingivalisポリペプチドとヌクレオチドは、被験体にP.gingivalisに対する免疫応答を起こすためにならびに歯周病として知られる症状またはP.gingivalisによる感染に関係する他の症状の重篤度を治療または予防または軽減するために使用する組成物に利用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の分野 本発明はポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)のヌ
クレオチド配列およびP. gingivalisのポリペプチドに関する。P. gingivalisの
ポリペプチドおよびヌクレオチドは、被験者のP. gingivalisに対して免疫応答
を起こすのにならびに歯周病として知られる症状またはP. gingivalisによる感
染に関係する他の症状の重篤度を治療または予防または軽減するのに使用する組
成物において使用することができる。
【0002】発明の背景 歯周病は細菌に関連する歯の支持組織の炎症疾患であり、比較的穏やかな形態
の歯肉炎である非特定的かつ可逆的な歯肉組織の炎症から、歯支持構造の破壊に
より特徴づけられるもっと攻撃的な形態の歯周病まである。歯周病は歯根膜の破
壊に導く特定のグラム陰性菌のコンソーシアムの歯肉下感染に関連し、重要な公
衆衛生問題である。大きな関心を呼んでいる1つの細菌はP.gingivalisであり、
その理由は、この微生物の成人歯周病病変部からの回収は歯肉下の嫌気性培養可
能なフローラの50%にまで達しうるが、P.gingivalisは健康部位からは稀にしか
も少数しか回収されないからである。歯肉下プラーク中のP.gingivalisレベルは
歯周病の重症度の増加に関連して比例的に増加し、この疾患が回復すると培養可
能な歯肉下微生物集団からの該微生物は根絶される。P.gingivalisの歯肉下移植
による、非ヒト霊長類の歯周病病変の進行が実証されている。動物およびヒトの
両方に対するこれらの知見は、成人の歯周病発達におけるP.gingivalisの重要な
役割を示唆する。
【0003】 さらに最近、歯周病と循環器病との連鎖、従ってP.gingivalis感染症と循環器
病との間の連鎖が増加している。この連鎖に関するさらなる情報は、Beck JDら, Ann Periodontol 3:127-141, 1998およびBeck J,ら, J. Periodontol. 67:1123
-37, 1996に見られる。
【0004】 P. gingivalisは黒色素性、嫌気性、非糖分解性、タンパク質分解性グラム陰
性桿菌であり、特定アミノ酸の代謝からエネルギーを得る。該微生物は、鉄を、
好ましくはヘムもしくはそのFe(III)酸化産物ヘミンの形態で絶対増殖要求し、
過剰ヘミンの条件下で増殖すると、実験動物において高度に毒性がある。P. gin
givalisの病原性には多数の毒性因子が示唆されており、莢膜、付着性因子、細
胞毒および細胞外加水分解酵素が挙げられる。
【0005】 P. gingivalisコロニー形成を予防、排除または低下するために効果的かつ安
全なワクチンを開発するために、毒性に関わりかつ特異的抗体の作製を通して免
疫原として効用を有しうる抗原を同定しかつ生産することが必要である。P. gin
givalisの培養から直接、抗原を単離する試みは可能であるが、しばしば困難で
ある。例えば、上述のように、P. gingivalisは厳密な嫌気性生物であり、単離
し増殖することは困難でありうる。また、複数の生物は、in vitro培養すると多
くの毒性遺伝子がダウンレギュレートされて、コードされたタンパク質が発現さ
れないことが知られている。もし通常の化学技術を応用してワクチン候補物を精
製すれば、可能性のある重要な(保護性)分子を同定することができない。DNA
配列決定により、遺伝子は(転写されないが)存在するので、生物をin vitro増
殖するときでも、遺伝子を同定し、クローニングして、リコンビナントDNAタン
パク質として産生することができる。同様に、保護性抗原または治療標的を生物
によりin vitroで一過性に発現させるかまたは低レベルで産生させて、通常の方
法によると極めて困難なこれらの分子の同定を行うことができる。
【0006】 治療標的の血清学的同定については、ウェスタンブロットまたはELISAなどの
標準的方法を用いても検出可能な応答に制限される。ここで、動物またはヒトに
起こる応答のレベルおよびこの応答が保護性、障害性または無関係であるかどう
かの確認の両方が制限される。潜在的治療または予防標的を同定するための配列
決定手法には、そのような制限はない。
【0007】 P. gingivalisは、ある範囲の広く活性のあるプロテアーゼを産生することも
周知であり(国際特許出願PCT/AU 96/00673、米国特許第5475,097号および第5,5
23,390号)、これらのプロテアーゼによる分解によって無傷タンパク質の同定が
難しくなる。
【0008】発明の概要 本発明者らはこのほど、全長タンパク質と比較すると溶解度の改善を示すP. g
ingivalisのPG32およびPG33タンパク質の断片を同定した。マウスの感染病変モ
デルを使って、本発明者らはこれらの可溶性断片がP. gingivalisのチャレンジ
に対する保護能があることを発見した。
【0009】 従って、第1の態様においては、本発明は、配列番号3または配列番号4で示し
た配列の断片を含んでなる可溶性ポリペプチドを提供する。
【0010】 第1の態様の好ましい実施形態においては、断片は配列番号3の残基190〜391に
よって定義される領域または配列番号4の残基210〜380によって定義される領域
由来である。
【0011】 第2の態様においては、本発明は、式X-Y-Z [式中、 Yは、配列番号3の残基86〜223、配列番号3の残基191〜322、配列番号4の残基193
〜310、配列番号3の残基191〜306、配列番号3の残基224〜391、配列番号4の残基
213〜380、配列番号4の残基286〜380、配列番号3の残基224〜306、配列番号4の
残基213〜285、配列番号3の残基281〜384および配列番号4の残基306〜372からな
る群から選択されるアミノ酸配列からなる可溶性P. gingivalisの断片であり;
そして XとZは、存在するかまたは存在せず、かつP. gingivalisの断片の溶解度に実質
的に悪影響を与えないアミノ酸もしくはペプチドからなる] で表される可溶性ポリペプチドを提供する。
【0012】 第2の態様の好ましい実施形態においては、Yは配列番号3の残基224〜391また
は配列番号4の残基213〜380からなるP. gingivalis断片である。
【0013】 第2の態様のさらに好ましい実施形態においては、Xおよび/またはZは存在しな
い。
【0014】 第3の態様においては、本発明は、本質的に配列番号3の残基86〜223、配列番
号3の残基191〜322、配列番号4の残基193〜310、配列番号3の残基191〜306、配
列番号3の残基224〜391、配列番号4の残基213〜380、配列番号4の残基286〜380
、配列番号3の残基224〜306、配列番号4の残基213〜285、配列番号3の残基281〜
384および配列番号4の残基306〜372からなる群から選択される配列を有するポリ
ペプチドからなる可溶性P. gingivalisポリペプチドを提供する。
【0015】 第4の態様においては、本発明は、第1、第2または第3の態様の可溶性ポリペプ
チドを含んでなるキメラまたは融合構築物を提供する。
【0016】 第5の態様においては、本発明は、第1、第2もしくは第3の態様の可溶性断片ま
たは第4の態様のキメラもしくは融合構築物をコードするヌクレオチド配列を含
んでなる単離DNA分子を提供する。
【0017】 第6の態様においては、本発明は、転写調節エレメントと機能的に連結された
本発明の第5の態様のDNA分子を含んでなるリコンビナント発現ベクターを提供す
る。
【0018】 第7の態様においては、本発明は、第6の態様のリコンビナント発現ベクターを
含んでなる細胞を提供する。
【0019】 第8の態様においては、本発明は、P. gingivalisのポリペプチドを産生する方
法であって、そのポリペプチドの発現を可能にする条件下で第7の態様の細胞を
培養することを含んでなる、方法を提供する。
【0020】 第9の態様においては、本発明は、被験体のP. gingivalisに対する免疫応答を
起こすのに使用する組成物であって、本発明の第1、第2もしくは第3の態様の少
なくとも1つの有効量のポリペプチド、および/または第5の態様の少なくとも1つ
の有効量のDNA分子ならびに製薬上許容される担体を含んでなる、組成物を提供
する。
【0021】 第9の態様の好ましい実施形態においては、製薬上許容される担体はアジュバ
ントである。
【0022】 第10の態様においては、本発明は、被験体に第9の態様による組成物を投与す
ることを含んでなる、被験体のP. gingivalis感染の発症または重篤度を軽減ま
たは予防する方法を提供する。
【0023】 歯周病と循環器病(CVD)の連関の増加および従ってP. gingivalis感染とCVD
の関連の可能性があるとすれば、本発明の第8の態様の組成物はまた、CVDの発症
もしくは重篤度を低下する予防治療にまたはCVDを治療する補助薬としても利用
することができる。
【0024】 第11の態様においては、本発明は、第1、第2もしくは第3の態様の可溶性ポリ
ペプチドに対して産生される抗体を提供する。
【0025】 第11の態様の抗体はポリクローナルまたはモノクローナル抗体であってもよい
【0026】 第12の態様においては、本発明は、第11の態様の抗体および製薬上許容される
担体を含んでなる組成物を提供する。
【0027】 第12のさらに好ましい実施形態においては、組成物は、歯磨きペースト、洗口
液、歯磨き粉、液状歯磨剤、洗口液、トローチ、チューインガム、歯科ペースト
、歯肉マッサージクリーム、含嗽錠剤、乳製品および他の食品組成物からなる群
から選択される。
【0028】 第13の態様においては、本発明は、本発明の第11の態様の抗体を用いる被験体
の受動ワクチン接種を含んでなる、被験体のP. gingivalis感染を治療または予
防する方法を提供する。
【0029】 第14の態様においては、本発明は、サンプル中のP. gingivalisポリペプチド
の存在または不存在を検出する診断方法であって、抗体がサンプル中のP. gingi
valisポリペプチドと免疫複合体を形成するのに十分な条件下で、サンプルを第1
1の態様の抗体と接触させ、そして免疫複合体の存在または不存在を検出するこ
とを含んでなる、前記方法を提供する。
【0030】 第15の態様においては、本発明は、サンプル中のP. gingivalis抗体の存在ま
たは不存在を検出する診断方法であって、ポリペプチドの可溶性断片がサンプル
中の抗体と免疫複合体を形成するのに十分な条件下で、サンプルを第1、第2もし
くは第3の態様の可溶性ポリペプチドと接触させ、そして免疫複合体の存在また
は不存在を検出することを含んでなる前記方法を提供する。
【0031】 第16の態様においては、本発明は、第1、第2もしくは第3の態様の可溶性ポリ
ペプチドおよび/または第11の態様の抗体を含んでなるキットを提供する。
【0032】発明の詳細な説明 口腔内細菌ポルフィロモナス・ジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)は
その表面上に主要外膜タンパク質PG32およびPG33を含有する。これらのタンパク
質の末端切断された可溶性断片は、全長タンパク質と比較すると、マウス膿瘍モ
デルにおいてP. gingivalisチャレンジに対する保護の改善を提供する。
【0033】 従って、第1の態様においては、本発明はPG32またはPG33ポリペプチドの可溶
性断片を提供する。
【0034】 本明細書で使用される「可溶性(soluble)」は、次の方法で測定して少なく
とも5%可溶性、好ましくは10%を超える可溶性を意味する。
【0035】 リコンビナントタンパク質またはそれらの末端切断物のレベルと溶解度は、小
量のリコンビナント大腸菌(E.coli)細胞培養(5-20ml)を取り、細胞を遠心分
離によってペレット化し、そして細胞をpH8.0のTEバッファー1.5mlに再懸濁する
ことによって評価することができる。次いで細胞を、マイクロプローブを備えた
ソニケーター(例えば、レベル5にセットしたVirosonic Digital 475超音波細胞
破砕機、The Virtis Company、NY)を使って、2 X 10秒バーストで超音波処理す
る。15分間の遠心分離(13,000rpm)後に上清を採集して、この画分を可溶性画
分とする。ペレットを洗浄し、次いでTEバッファーpH8.0に再懸濁して、これを
不溶性画分とする。それぞれの画分に存在するリコンビナントタンパク質のレベ
ルを測定するための様々な画分の分析は、SDS-PAGEとウェスタンブロットブロッ
ト分析を用いて実施することができ、もしリコンビナントタンパク質を精製すれ
ば、標準タンパク質アッセイを利用することもできる。溶解度のレベルは、「不
溶性」画分中の量と比較した相対的な「可溶性」画分中のリコンビナントタンパ
ク質の量を決定することによって判断し、その和は回収した全リコンビナントタ
ンパク質の100%を表す。複数の事例では、0.1-1% w/vのレベルのNOGおよびCHAPS
または0.1-1% Tween-20 v/vなどの非イオン性洗剤を超音波処理プロセスに加え
て、リコンビナントタンパク質の可溶化を助けてもよい。さらに大スケールの発
現および精製のためには、500ml大腸菌(E.coli)培養物を遠心分離によりペレ
ット化して、適当なバッファー(例えば、5 mMイミダゾール、500nM NaCl、20mM
Tris-HCl、pH 7.9)40mlに懸濁してもよい。次に細胞を、8のセットでマイクロ
プローブ(0.5")を使って、6 X 10秒バーストで超音波処理する(Virosonic Di
gital 475超音波細胞破砕機、Virtis社、NY)。15分間の遠心分離(13,000rpm)
後に、可溶性リコンビナントタンパク質を含有する上清を採集して、さらなる分
析または精製を行う。もし全てのリコンビナントタンパク質が可溶性画分に見出
されば、この結果は100%可溶性タンパク質であることを表し、逆に全てのタンパ
ク質が不溶性画分に見出されば、この結果は0%可溶性タンパク質を表す。
【0036】 酵母で発現されるリコンビナントタンパク質または末端切断物の溶解度のレベ
ルは、次の手順によって測定することができる。リコンビナントタンパク質を発
現する酵母培養物サンプルを遠心分離(3000g、5分間)によって収穫し、500μl
のブレーキングバッファー(1mM PMSF、10mM E-64を含有する50mM二水素オルト
リン酸ナトリウム、1mM EDTA、5% グリセロール、pH7.4、Sigma)に再懸濁する
。2.0 mlスクリュー栓バイアル(Biospec)の3/4を0.5 mmグラスビーズ(Biospe
c)によって満たし、残りの容積を再懸濁細胞によって満たす。混合物を、次に
ミニビーズビーター細胞破砕機(例えば、Biospecで8x30秒にセットして5,000rp
mで)中でホモジナイズし、各作動の間、氷上で30秒インキュベーションする。
ビーズを静置沈降して、破砕した酵母細胞を回収する。5分間の遠心分離(3000g
)後に上清を回収して、これを可溶性画分とする。残りのペレットはブレーキン
グバッファーに再懸濁して、これを不溶性画分とする。複数の事例では、0.1-1%
w/vのレベルのNOGおよびCHAPS または0.1-1% Tween-20 v/vなどの非イオン性洗
剤を超音波処理プロセスに加えて、リコンビナントタンパク質の可溶化を助けて
もよい。可溶性および不溶性画分中に存在するリコンビナントタンパク質の相対
量を評価するために、画分をSDS-PAGEとウェスタンブロット分析を用いて、大腸
菌(E.coli)から誘導された物質と類似の方法で分析する。
【0037】 第1の態様の好ましい実施形態においては、可溶性画分は、配列番号3の残基19
0〜391を包含するPG32ポリペプチドの領域または配列番号4の残基210〜380を包
含するPG33ポリペプチドの領域に由来する。
【0038】 本発明はまた、式X-Y-Z [式中、 Yは、配列番号3の残基86〜223、配列番号3の残基191〜322、配列番号4の残基193
〜310、配列番号3の残基191〜306、配列番号3の残基224〜391、配列番号4の残基
213〜380、配列番号4の残基286〜380、配列番号3の残基224〜306、配列番号4の
残基213〜285、配列番号3の残基281〜384および配列番号4の残基306〜372からな
る群から選択されるアミノ酸配列からなる可溶性P. gingivalis断片であり;そ
して XとZは、存在するかまたは存在せず、かつP. gingivalis断片の溶解度に実質的
に悪影響を与えないアミノ酸もしくはペプチドからなる] で表されるポリペプチドも提供する。
【0039】 第2の態様のさらなる好ましい実施形態においては、Xおよび/またはZは存在し
ない。
【0040】 さらに他の好ましい実施形態においては、第2の態様のポリペプチドはキメラ
または融合タンパク質の形態である。
【0041】 第3の態様においては、本発明は、本質的に配列番号3の残基86〜223、配列番
号3の残基191〜322、配列番号4の残基193〜310、配列番号3の残基191〜306、配
列番号3の残基224〜391、配列番号4の残基213〜380、配列番号4の残基286〜380
、配列番号3の残基224〜306、配列番号4の残基213〜285、配列番号3の残基281〜
384および配列番号4の残基306〜372からなる群から選択される配列を有するポリ
ペプチドからなる可溶性P. gingivalisのポリペプチドを提供する。
【0042】 本発明はまた、第2または第3の態様のポリペプチドの可溶性変異体および誘導
体も包含する。本発明のアミノ酸配列との関係での用語「変異体(variant)」
または「誘導体(derivative)」は、得られるアミノ酸配列がP. gingivalisに
対する免疫応答を起こす能力を有して、好ましくは配列表に掲げたポリペプチド
の少なくとも25〜50%の活性、さらに好ましくは実質的に同じ活性があることを
条件として、配列からまたは配列への1つの(または1つより多い)アミノ酸のい
ずれの置換、変異、改変、置換え、欠失または付加も含む。
【0043】 本発明のポリペプチドのアミノ酸配列突然変異体は、適当なヌクレオチド変化
を核酸配列中に導入することによって、または所望のポリペプチドのin vitro合
成によって調製することができる。そのような突然変異体は、例えば、アミノ酸
配列内の残基の欠失体、挿入体または置換体が挙げられる。最終タンパク質産物
が所望の特性を有することを条件として、最終構築物に到達するために、欠失、
挿入および置換の組合せを行ってもよい。
【0044】 アミノ酸配列変異体の設計において、突然変異部位の位置および突然変異の性
質は、改変すべき特性に依存するであろう。突然変異部位は、個々にまたは連続
して、例えば、(1)最初に保存アミノ酸選択と、次いで得られた結果に依ってさ
らなるラジカルな選択と置換し、(2)標的残基を欠失させ、または(3)位置を定め
た部位に隣接して他残基を挿入することによって、改変することができる。
【0045】 アミノ酸配列欠失は、一般的に約1〜30残基、好ましくは約1〜10残基そして典
型的には約1〜5連続残基の範囲で行う。
【0046】 置換突然変異は、ポリペプチド分子の少なくとも1つのアミノ酸残基が除去さ
れ、その場所に異なる残基が挿入される。置換突然変異誘発で最も重要な部位は
、抗原性決定領域および活性部位として同定された部位が挙げられる。他の重要
な部位は、様々な種から得られる特定残基が同一である部位である。これらの位
置は生物活性にとって重要でありうる。これらの部位、特に少なくとも3つが他
と同一に保存された部位の配列内にある部位は、相対的に保存的方法で置換する
ことが好ましい。そのような保存的置換を「置換例」の標題で表1に示した。
【0047】
【表1】
【0048】 さらに、もし所望であれば、非天然アミノ酸または化学的アミノ酸類似体を、
本発明のポリペプチド中に置換または付加として導入してもよい。そのようなア
ミノ酸は、限定されるものでないが、通常のアミノ酸のD異性体、2,4-ジアミノ
酪酸、α-アミノイソ酪酸、4-アミノ酪酸、2-アミノ酪酸、6-アミノヘキサン酸
、2-アミノイソ酪酸、3-アミノプロピオン酸、オルチニン、ノルロイシン、ノル
バリン、ヒドロキシプロリン、サルコシン、シトルリン、ホモシトルリン、シス
テイン酸、t-ブチルグリシン、t-ブチルアラニン、フェニルグリシン、シクロヘ
キリシルアラニン、β-アラニン、フルオロ-アミノ酸、β-メチルアミノ酸、Cα
-メチルアミノ酸、Nα-メチルアミノ酸などのデザイナーアミノ酸、およびアミ
ノ酸類似体全般が挙げられる。
【0049】 また本発明の範囲内に含まれるのは、合成中または後に、例えばビオチン化、
ベンジル化、グリコシル化、アセチル化、リン酸化、アミド化、既知の保護/ブ
ロック基、タンパク質分解切断、抗体分子もしくは他の細胞リガンドとの結合な
どによって、異なるように改変された本発明のポリペプチドである。これらの改
変は、本発明のポリペプチドの安定性および/または生物活性を増加することに
役立ちうる。
【0050】 また、本発明の範囲内に含まれるのは、本発明のポリペプチドの生物活性をも
つ断片である。本発明者らは、「生物活性をもつ断片(biologically active fr
agment)」によって、元来のポリペプチドの活性の少なくとも1つを保持する、
第2または第3の態様の配列の可溶性断片を意味する。最も好ましくは、本発明の
「生物活性をもつ断片」は、その断片を被験体に投与するとP. gingivalisに対
する免疫応答を起こすことができる。
【0051】 被験体のP. gingivalisに対する免疫応答を起こすことができる本発明のポリ
ペプチドの生物活性をもつ断片または突然変異体を同定する技術が当業界で周知
であることは理解されるであろう。例えば、本発明のポリペプチドに対して置換
および/または欠失を行い、得られる断片/突然変異体をP. gingivalisに対する
免疫応答を起こす能力について試験することができる。
【0052】 本発明はまた、キメラまたは融合タンパク質を提供する。本明細書に使用され
る「キメラタンパク質」または「融合タンパク質」は、パートナーポリペプチド
と機能的に連結された本発明の第一のポリペプチドを含んでなる。用語「機能的
に連結された」は、第一のポリペプチドとパートナーポリペプチドがフレーム内
でお互いに融合しているのを示すことを意図する。パートナーポリペプチドは本
発明のポリペプチドのN末端またはC末端と融合することができる。
【0053】 パートナーポリペプチドは同じかまたは異なる生物から誘導することができ、
第1のポリペプチドと同じかまたは異なってもよい。従って、融合タンパク質は2
以上の本発明のポリペプチドを含んでなってもよい。
【0054】 一実施形態においては、融合タンパク質はそのN末端に異種シグナル配列を含
有する本発明のポリペプチドである。ある特定の宿主細胞(例えば、哺乳類宿主
細胞)においては、ポリペプチドの発現および/または分泌を異種シグナル配列
の利用を通して増加することができる。
【0055】 他の実施形態においては、融合タンパク質は、マルトース結合タンパク質(MB
P)またはグルタチオントランスフェラーゼ(GST)タンパク質と連結された本発
明のポリペプチドを含んでなる。MBP融合タンパク質はNew England Biolabs pMa
l発現系を用いて作ることができる。複数の事例においては、MBPまたはGSTとリ
コンビナントタンパク質との融合はリコンビナント融合パートナーのフォールデ
ィングを容易にするので、非融合の本発明のリコンビナントP. gingivalisポリ
ペプチドと比較して、融合タンパク質の溶解度を増加しうることが示されている
【0056】 好ましくは、本発明のキメラまたは融合タンパク質は、標準のリコンビナント
DNA技術によって産生する。例えば、異なるポリペプチド配列をコードするDNA断
片を通常の技術によってフレーム内で一緒にライゲートする、例えばライゲーシ
ョン用の平滑末端もしくはねじれ型末端(stagger-end)、適当な末端を与える
ための制限酵素消化、適当な付着末端の充填、所望でない接合を避けるためのア
ルカリホスファターゼ処理、および酵素ライゲーションを使うことによる。他の
実施形態においては、融合遺伝子は自動DNA合成器を含む、通常の技術によって
合成することができる。
【0057】 あるいは、遺伝子断片のPCR増幅を、2つの連続遺伝子断片の間に相補的オーバ
ーハングを生じるアンカープライマーを用いて実施し、次いでアニーリングしか
つ再増幅してキメラ遺伝子配列を作製することができる(例えば、Current Prot
ocols in Molecular Biology, 編 Ausubelら,John Wiley & Sons:1992を参照)
。さらに、既に融合部分(例えば、GSTポリペプチド)をコードする多くの発現ベ
クターが市販されている。本発明のポリペプチドをコードする核酸をそのような
発現ベクター中にクローニングして、融合部分がフレーム内で本発明のポリペプ
チドと連結するようにしてもよい。
【0058】 本発明はまた、可溶性PG32またはPG33断片をコードするヌクレオチド配列なら
びに前記ヌクレオチド配列の機能的同一物および前記ヌクレオチド配列の核酸プ
ローブも提供する。
【0059】 本発明はまた、上記ヌクレオチドおよびキメラもしくは融合リコンビナントポ
リペプチドを含むリコンビナント産物の様々な応用と使用も、その範囲内に含む
【0060】 リコンビナントDNA技術を利用する本発明の一実施形態によると、可溶性PG32
または可溶性PG33をコードする遺伝子配列を発現ベクター中に組込み、リコンビ
ナントベクターを適当な宿主細胞中に導入して、それによってその特定宿主細胞
における配列の発現を指令する。発現系は、宿主細胞中に導入されたリコンビナ
ントベクターを含んでなって、(a)精製してワクチン製剤の免疫原として使用し
うる可溶性PG32またはPG33を産生するために;(b)診断免疫アッセイのためのま
たは治療および/もしくは診断上価値のあるP. gingivalis特異的抗血清を作製す
るための抗原として利用しうる可溶性PG32またはPG33を産生するために;(c)ま
たはもしリコンビナント発現ベクターがワクシニアウイルスなどの生ウイルスで
あれば、ベクター自身を、生または不活化ワクチン調製物として用いて、可溶性
PG32またはPG33断片の発現のために宿主細胞へ導入するために;(d)可溶性PG32
またはPG33断片を発現して個体にワクチン接種するために利用される生弱毒化細
菌細胞または遺伝子操作した共生口腔内細菌中への導入のために;(e)またはコ
ードされ発現された可溶性PG32またはPG33断片に対して免疫感作するために直接
個体中への導入のために使用することができる。特に、もしワクチンが動物の歯
周病を予防するためであれば、リコンビナント細菌ワクチンはヒト口腔または動
物の共生生息体をベースにしてもよい。可溶性PG32またはPG33を発現するリコン
ビナント細菌ワクチンを用いて口腔、歯肉上または歯肉下プラークにコロニー形
成させてもよい。口腔内細菌を歯周病を患う患者から単離し、可溶性PG32または
PG33断片を発現するように遺伝子操作してもよい。可溶性PG32またはPG33断片は
、粘膜関連リンパ組織(MALT)を刺激してP. gingivalisに対する特異的な抗体
を産生しうる。
【0061】 可溶性PG32またはPG33断片は、P. gingivalisの病原株に対する予防および/ま
たは治療ワクチン製剤における免疫原として使用することができ、免疫原が化学
合成されたかP. gingivalisから精製されたか、またはリコンビナント発現ベク
ター系から精製されたかを問わない。あるいは、可溶性PG32またはPG33断片をコ
ードする遺伝子セグメントを、1以上の可溶性PG32またはPG33断片を産生するか
、または他の病原性微生物の免疫原性エピトープと組合せて産生するように遺伝
子操作されたリコンビナント細菌またはウイルスを含んでなる細菌またはウイル
スワクチン中に組み込むことができる。さらに、1以上の調節エレメントと機能
的に連結された可溶性PG32またはPG33断片をコードする遺伝子を直接ヒトに導入
して、保護免疫を誘発する可溶性断片を発現させることができる。ワクチンはま
た、適当なベクター中に組み込まれてそのベクターを含有する適切な形質転換宿
主細胞(例えば、大腸菌(E.coli)、枯草菌(Bacillus subtilis)、酵母(Sacc
haromyces cerevisiae)、COS細胞、CHO細胞およびHeLa細胞)において発現され
る可溶性PG32またはPG33断片のリコンビナント成分をベースにしてもよい。ワク
チンは、可溶性PG32またはPG33断片を発現するリコンビナント細菌が口腔の共生
生息体であることを特徴とする、口腔内リコンビナント細菌ワクチンをベースに
してもよい。
【0062】 本発明の好ましい実施形態は、第1の態様の可溶性断片または第2の態様のポリ
ペプチドおよび鼻スプレイ、経口または注射により送達される適当なアジュバン
トをベースにして、PG32またはPG33タンパク質に対して特異的免疫応答を起こす
ワクチンである。ワクチンはまた、適当なベクター中に組み込まれてそのベクタ
ーを含有する適当な形質転換宿主細胞(例えば、大腸菌、枯草菌、酵母、COS細
胞、CHO細胞およびHeLa細胞)で発現される第1の態様の可溶性断片または第2の
態様のポリペプチドのリコンビナント成分をベースにしてもよい。
【0063】 本発明はまた、本発明の可溶性ポリペプチドに対する抗体も提供する。
【0064】 本明細書に使用される用語「抗体」は、標的抗原に対する結合活性を保持する
全抗体のフラグメントを含む。そのようなフラグメントは、Fv、F(ab')およびF(
ab')2フラグメント、ならびに一本鎖抗体(scFv)が挙げられる。さらに、抗体
およびそれらのフラグメントは、例えばEP-A-239400に記載のヒト化抗体であっ
てもよい。
【0065】 本発明の可溶性PG32およびPG33ポリペプチドを使って標準技術を用いて抗体を
作製することができる。抗体作製に利用する動物は、ウサギ、ヤギ、ニワトリ、
ヒツジ、ウマ、ウシなどであってもよい。イムノアッセイにより可溶性断片に対
する高い抗体力価が検出されると、動物から採血するかまたは卵もしくは乳を採
集し、標準技術を用いて血清を調製しおよび/または抗体を精製するか、または
標準技術を用いて脾細胞と骨髄腫細胞とを融合することによりモノクローナル抗
体を産生する。抗体(免疫グロブリン画分)は、培養物または腹水、血清、乳ま
たは卵から塩析、ゲル濾過、イオン交換および/またはアフィニティクロマトグ
ラフィなどにより分離することができ、塩析が好ましい。塩析法では、抗血清も
しくは乳を硫酸アンモニウムにより飽和して沈澱物を作り、次いで沈澱物を生理
食塩水に対し透析して特異的抗PG32もしくは抗PG33抗体を含む精製免疫グロブリ
ン画分を得られる。好ましい抗体はウマの抗血清ならびにウシの抗血清および乳
から得る。本発明においては、可溶性断片を用いて動物を免疫感作することによ
って得た抗血清および乳に含有される抗体を経口組成物中にブレンドする。この
場合、抗血清および乳、ならびに抗血清および乳から分離し精製した抗体を使用
することができる。これらの物質はそれぞれ単独でまたは2以上を組み合わせて
使用してもよい。PG32およびPG33に対する抗体を、歯磨ペーストおよび洗口液な
どの経口組成物に利用してもよい。該抗体はまた、歯肉下プラークサンプル中の
P.gingivalisを早期検出するため、手元の固相酵素免疫測定法(ELISA)により
使用してもよい。
【0066】 経口組成物としては、投与される上記抗体の量は0.0001〜50g/kg/日であり、
上記抗体の含量は組成物の0.0002〜10重量%、好ましくは0.002〜5重量%であるこ
とが好ましい。上記の血清または乳抗体を含有する本発明の経口組成物は、歯磨
ペースト、歯磨粉および液状歯磨剤を含む歯磨剤、洗口液、トローチ、歯周ポケ
ット洗浄デバイス、チューインガム、歯科用ペースト、歯肉マッサージクリーム
、うがい錠、乳製品ならびに他の食料品などの口に入れるのに適した様々な形態
に調製して使うことができる。本発明による経口組成物はさらに、特定の経口組
成物のタイプと形態に応じて、追加の周知の成分を含んでもよい。
【0067】 本発明のある特定の特に好ましい形態では、経口組成物は洗口液またはリンス
液のように実質的に性状が液体であってよい。このような調製物では、ビヒクル
は典型的には水-アルコール混合物であり、望ましくは以下に記載の湿潤剤(hum
ectant)を含む。一般的に、水対アルコールの重量比は約1:1〜約20:1の範囲に
ある。このタイプの調製物中の水-アルコール混合物の総量は典型的には調製物
の約70〜約99.9重量%の範囲にある。アルコールは典型的にはエタノールまたは
イソプロパノールである。エタノールが好ましい。
【0068】 本発明のこのような液および他の調製物のpHは一般的に約4.5〜約9の範囲であ
り、典型的には約5.5〜8である。pHは好ましくは約6〜約8.0の範囲にあり、好ま
しくは7.4である。pHは酸(例えば、クエン酸または安息香酸)もしくは塩基(
例えば水酸化ナトリウム)を用いて調節するか、または緩衝化(クエン酸ナトリ
ウム、安息香酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、もしくは重炭酸ナトリウム、リン
酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウムなど)することができる。
【0069】 本発明の他の望ましい形態である経口組成物は、歯磨粉、歯科錠または歯磨ペ
ースト(歯科クリーム)もしくはゲル歯磨剤である歯磨剤のような実質的に固体
またはペーストの性状であってもよい。このような固体またはペーストの経口調
製物のビヒクルは一般的に歯科用に許容しうる研磨材を含有する。研磨材の例は
、水不溶メタリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、リン酸三カルシウム、二
水和リン酸カルシウム、無水リン酸二カルシウム、ピロリン酸カルシウム、オル
トリン酸マグネシウム、リン酸三マグネシウム、炭酸カルシウム、水和アルミナ
、か焼アルミナ、珪酸アルミニウム、珪酸ジルコニウム、シリカ、ベントナイト
、およびこれらの混合物である。他の適当な研磨材としては、メラミンホルムア
ルデヒド、フェノールホルムアルデヒド、および尿素-ホルムアルデヒドなどの
特定の熱硬化性樹脂、ならびに架橋ポリエポキシドおよびポリエステルが挙げら
れる。好ましい研磨材としては、約5ミクロン以下の粒径、約1.1ミクロン以下の
平均粒径、および約50,000cm2/gm以下の表面積を有する結晶シリカ、シリカゲル
もしくはコロイド状シリカ、および複合無定形アルカリ金属アルミノ珪酸塩が挙
げられる。
【0070】 視覚的に透明なゲルを用いる場合、Syloid 72およびSyloid 74などの登録商標
SYLOID、またはSantocel 100などの登録商標SANTOCELで販売されるコロイド状シ
リカ、アルカリ金属アルミノ珪酸塩複合体の研磨剤は、通常の歯磨剤に使われる
ゲル化剤-液系(水および/または湿潤剤を含む)の屈折率に近い屈折率を有する
ので、特に有用である。
【0071】 いわゆる「水不溶」研磨材の多くは性状が陰イオン性であり、小量の可溶物質
も含む。そして、不溶メタリン酸ナトリウムは「ソープ(Thorpe)の応用化学辞
書(Thorpe's Dictionary of Applied Chemistry)」, [Volume 9, 4th Edition
, pp.510-511]に説明されたいずれかの適当な方法で作ることができる。マドレ
ル(Madrell)の塩およびクロール(Kurrol)の塩として知られる不溶メタリン
酸ナトリウムの形態は適当な材料のさらなる例である。これらのメタリン酸塩は
水中で僅かな溶解度しか示さず、従って通常不溶メタリン酸塩(IMP)と呼ばれ
ている。これらには小量の可溶リン酸塩材料が不純物として通常4重量%以下の数
パーセントで存在する。不溶メタリン酸塩の場合には、可溶性三メタリン酸ナト
リウムを含有すると考えられる可溶性リン酸塩材料の量は、もし所望であれば水
洗により低減または消去することができる。不溶アルカリ金属メタリン酸塩は、
典型的には、37ミクロンより大きい材料が1%を越えない粒子サイズの粉末形状
で使用される。
【0072】 研磨材は一般的に固体またはペースト状組成物中に約10%〜約99%の重量濃度で
存在する。好ましくは、研磨材は歯磨ペースト中には約10%〜約75%、そして歯磨
粉中には約70%〜約99%の量で存在する。歯磨ペーストでは、研磨材が珪酸質であ
れば、一般的に約10〜30重量%で存在する。他の研磨材は典型的には約30〜75重
量%で存在する。
【0073】 歯磨ペーストでは、液ビヒクルは、水および湿潤剤を典型的には調製物の約10
%〜約80重量%の範囲の量で含有しうる。グリセリン、プロピレングリコール、ソ
ルビトールおよびポリプロピレングリコールが適当な湿潤剤/担体の例である。
また、水、グリセリンおよびソルビトールの液混合物も有利である。屈折率の考
慮が重要である透明ゲルにおいては、約2.5〜30%w/wの水、0〜約70%w/wのグリセ
リンおよび約20〜80%w/wのソルビトールを使用するのが好ましい。
【0074】 歯磨ペースト、クリームおよびゲルは、典型的には天然または合成の増粘剤ま
たはゲル化剤を、約0.1〜約10、好ましくは約0.5〜約5%w/wの比率で含有する。
適当な増粘剤は合成ヘクトライト、すなわち合成コロイド状マグネシウムアルカ
リ金属珪酸塩複合体粘土であり、これは例えばラポルト社(Laporte Industries Limited)から市販されるラポナイト(Laponite)(例えば、CP、SP 2002、D)と
して入手可能である。ラポナイト Dの組成は、近似的に重量で58.00% SiO2、25.
40% MgO、3.05% Na2O、0.98% Li2O、ならびに若干の水および微量金属である。
その真比重は2.53であり、8%湿分にて見かけ嵩密度1.0g/mlを有する。
【0075】 他の適当な増粘剤としては、アイリッシュ・モス(Irish moss)、イオタ・カ
ラギーナン(iota carrageenan)、トラガカントガム、デンプン、ポリビニルピ
ロリドン、ヒドロキシエチルプロピルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセル
ロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(
例えばNatrosolとして市販される)、カルボキシメチルセルロースナトリウム、
および微細に粉砕されたサイロイド(Syloid)(例えば、244)などのコロイド
状シリカが挙げられる。また可溶化剤は、プロピレングリコール、ジプロピレン
グリコールおよびヘキシレングリコールなどの湿潤剤ポリオール、メチルセロソ
ルブおよびエチルセロソルブなどのセロソルブ、オリーブ油、ヒマシ油およびワ
セリンなどの少なくとも約12個の炭素を直鎖に含有する植物油およびワックス、
ならびに酢酸アミル、酢酸エチル、安息香酸ベンジルなどのエステルを含んでも
よい。
【0076】 通常そうであるように、経口調製物は適当なラベルを付した包装で販売される
かさもなくば流通されることは理解されるであろう。従って、口リンスの壜は、
内容物が口リンスまたは洗口液であることを記載するラベルが付いて、その使用
に関する指示書を有するであろう;そして歯磨ペースト、クリームまたはゲルは
、通常、押出しチューブ、典型的にはアルミニウム、ライニングした鉛もしくは
プラスチック、または他の内容物を計り出す押出器、ポンプもしくは加圧ディス
ペンサーに入っていて、歯磨ペースト、ゲルもしくは歯科用クリームのような物
質を記載するラベルが付いている。
【0077】 有機界面活性剤を本発明の組成物に使用して、予防作用の増強を達成し、口腔
全体に活性薬の十分で完全な分散の達成を助け、本発明の組成物をさらに化粧用
として(cosmetically)許容され得るものにする。有機界面活性物質は、好まし
くは陰イオン性、非イオン性、または両性電解質であって本発明の抗体を変性し
ない性質であり、そして、界面活性剤として、抗体を変性することなく洗浄およ
び発泡物性を組成物に付与する洗浄材料を使用することが好ましい。陰イオン性
界面活性剤の適当な例は、水素化ココナッツオイル脂肪酸のモノ硫酸化モノグリ
セリドのナトリウム塩などの高級脂肪酸モノグリセリドモノスルフェートの水溶
性塩、ラウリル硫酸ナトリウムなどの高級アルキルスルフェート、ドデシルベン
ゼンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルアリールスルホネート、高級アルキル
スルホアセテート、1,2-ジヒドロキシプロパンスルホネートの高級脂肪酸エステ
ル、および低級脂肪族アミノカルボン酸化合物の実質的に飽和した高級脂肪族ア
シルアミド(例えば脂肪酸、アルキルもしくはアシル基に12〜16個の炭素を有す
るもの)、その他である。最後に記述したアミドの例は、N-ラウロイルサルコシ
ン、およびN-ラウロイル、N-ミリストイル、またはN-パルミトイルサルコシンの
ナトリウム、カリウム、およびエタノールアミン塩であり、実質的に石鹸または
同様な高級脂肪酸物質を含有すべきでない。本発明の経口組成物におけるこれら
のサルコナイト化合物の使用は、これらの物質が、炭水化物分解による口腔内の
酸形成阻害に持続性の顕著な効果をあらわすのに加えて、酸性溶液中の歯エナメ
ル質の溶解度低下に作用するので特に有利である。抗体との使用に適当な水溶性
非イオン界面活性剤の例は、エチレンオキサイドと各種反応性水素を含有し長い
疎水鎖(例えば、約12〜20個の炭素原子の脂肪族鎖)を有することにより反応性が
ある化合物との縮合生成物であって、その縮合生成物(「エトキサマー(ethoxa
mer)」)は、ポリ(エチレンオキサイド)と脂肪酸、脂肪アルコール、脂肪族
アミド、多価アルコール(例えば、ソルビタンモノステアレート)およびポリプロ
ピレンオキサイド(例えばプルロニック剤(Pluronic materials))との縮合生
成物のような親水性ポリオキシエチレン部分を含有する。
【0078】 界面活性剤は、典型的には、約0.1〜5重量%の量で存在する。注目すべきは、
界面活性剤は本発明の抗体の溶解を助け、それにより必要な可溶化湿潤剤の量を
削減できることである。
【0079】 本発明の経口調製物には、増白剤、保存剤、シリコーン、クロロフィル化合物
および/または尿素、リン酸二アンモニウムのようなアンモニア化物、ならびに
それらの混合物のような様々な他の材料を組み込むことができる。これらのアジ
ュバントは、存在する場合には、所望の物性および特性に実質的に悪影響をあた
えない量で調製物に組み込まれる。
【0080】 また適当な風味剤または甘味剤を使用してもよい。適当な風味剤成分の例は、
風味(flavoring)オイル、例えば、スペアミント(spearmint)、ペパーミント(
peppermint)、ヒメコウジ(wintergreen)、ササフラス(sassafras)、チョウ
ジ(clove)、セージ(sage)、ユーカリノキ(eucalyptus)、マヨラナ(marjoram)、
シナモン、レモン、およびオレンジ、ならびにサリチル酸メチルのオイルである
。適当な甘味剤としては、ショ糖、ラクトース、マルトース、ソルビトール、キ
シリトール、サイクラミン酸ナトリウム、ペリラルチン(perillartine)、AMP
(アスパルチルフェニルアラニン、メチルエステル)、サッカリン等が挙げられ
る。風味剤および甘味剤はそれぞれまたは一緒に調製物の約0.1%〜5%以上を含有
するのが適当でありうる。
【0081】 本発明の好ましい実施においては、本発明の組成物を含有する洗口液または歯
磨剤などの本発明による経口組成物を、歯ぐきおよび歯に、例えば毎日または1
日おきにまたは2日おきにまたは好ましくは毎日1〜3回のように規則的に、約4.5
〜約9、一般的に約5.5〜約8、好ましくは約6〜8のpHで、少なくとも2週間から8
週間まで、またはそれ以上生涯にわたって適用するのが好ましい。
【0082】 本発明の組成物は、望ましくは通常の可塑剤または軟化剤、糖類または他の甘
味剤またはグルコース、ソルビトール等と一緒に、ロゼンジまたはチューインガ
ムまたは他の製品に、例えば、暖かいガムベース中に攪拌するかまたはガムベー
スの外面をコーティングすることによって組み込むことができ、ガムベースの例
としてはジェルトン(jelutong)、ゴムラテックス、ビニライト樹脂などが挙げ
られる。
【0083】 本発明の組成物はまた、歯周ポケット洗浄デバイスなどのターゲティングされ
た送達ビヒクル、歯周ポケットに配置されたまたはバリア膜として使われたまた
は直接歯根に適用されたコラーゲン、エラスチンまたは合成スポンジ、膜または
繊維も含む。
【0084】 本発明はまた、P. gingivalisの存在の診断方法であって、本明細書に今まで
定義した抗体もしくは抗原の任意の1つまたは組合せの使用により特徴づけられ
、例えば固相酵素免疫測定法を含む既知の技術の適用を含んでなる前記診断方法
も提供する。
【0085】 本明細書全体にわたって、用語「含んでなる(comprise)」、または「含んで
なる(comprises)」または「含んでなること(comprising)」などの変形は、
規定した要素、完全体(integer)またはステップ、あるいは要素、完全体または
ステップの群を包含するが、いずれの他の要素、完全体またはステップ、あるい
は要素、完全体またはステップの群も排除するものでないことを意味すると理解
されるであろう。
【0086】 本明細書に含まれている文書、行為、材料、デバイス、物品またはその他のい
ずれの考察も、単に本発明の背景を提供することを目的とする。それはこれらの
事項のいずれかまたは全てが先行技術の基礎の部分を形成することまたは本出願
の各請求項の優先日前にオーストラリアで存在した本発明に関連する分野の一般
常識であったことを自認するととってはならない。
【0087】 本発明の性質がさらに明確に理解されるように、その好ましい形態を以下の実
施例を参照して説明することにする。
【0088】実施例 実施例1:P. gingivalisリコンビナントタンパク質PG32およびPG33ならびにこ
れらのタンパク質の断片または末端切断物(truncation)のクローニングと分析
(a) P. gingivalis末端切断タンパク質のクローニング PG32(GenBank登録番号AF175714)およびP33(GenBank登録番号AF175715)は、P.
gingivalis株W50の免疫反応性タンパク質としてすでに説明されている。その完
全なDNA配列とタンパク質配列は、PG32についてはそれぞれ配列番号1と3に、ま
たPG33についてはそれぞれ配列番号2と4に与えられている。
【0089】 PG32とPG33リコンビナントタンパク質の両方ならびにこれらのタンパク質の複
数の末端切断物(表2)をクローニングして大腸菌(E.coli)に発現させた。
【0090】 表2に掲げたオリゴヌクレオチドプライマーを用いて、全長PG32、PG33(それ
らのリーダー配列は除いて)およびPG32とPG33からの多数の断片を精製P. gingi
valis W50ゲノムDNAから、Pfu DNAポリメラーゼ(Promega)およびPTC-100サーマ
ルサイクラー(MJ Research)を使ってPCR増幅した。PCR反応は次の条件を用いた
:30サイクルの変性(95℃、1分間)、アニーリング(50℃、2分間)、および伸
長(72℃、6分間)。それぞれのPCR産物は、プロテイナーゼK(Boehringer Mann
heim)処理し、QIAquick PCR精製キット(Qiagen)を使って精製した。次いでDNA
をプライマーが導入した制限酵素部位でEcoRIおよびNotIによって消化した。DNA
断片を1%低融点アガロースゲル(Bio-Rad)を介して電気泳動に従って精製し、Q
IAexIIゲル抽出キット(Qiagen)を使って抽出した。精製DNAを、先にEcoRIおよ
びNotIを用いて消化しておいたQIAexII精製プラスミド発現ベクターpET24a(+)(
Novagen)中に連結した。連結産物をカルシウムコンピテント大腸菌(E.coli)BL
21 DE3細胞(Stratagene)中に形質転換し、形質転換体を50μgカナマイシンを
含有するLB上で選択した。PG32、PG33およびこれらのタンパク質の末端切断物は
、発現されるリコンビナントタンパク質のN末端に融合したヘキサヒスチジンタ
グを含有するpET24a(+)から発現された。タンパク質発現は、IPTG添加によって
誘導され、ニッケルアフィニティクロマトグラフィにより精製された(以下を参
照)。
【0091】
【表2】
【0092】(b) 大腸菌(E.coli)におけるリコンビナントタンパク質の発現 単一コロニー形質転換体を用いて、50 μg/mlカナマイシンを含有するLuria-B
ertaniブロス(LB)20mlに接種して、37℃で一夜振とうした。次いでこの接種菌
を用いて、テリフィック(Terrific)ブロス500ml(リン酸カリウムおよび50μg
/mlカナマイシンを含有する)に接種して、37℃で吸光度(OD600)が2.0になる
まで振とうした。培養物を0.1mM IPTGを用いて誘導した。30℃または37℃で1〜4
時間の誘導期間後に培養物を、4℃で4000rpmにて10分間遠心分離することによっ
て回収して、ペレットを-70℃で保存してリコンビナントタンパク質の溶解度測
定に備えた。
【0093】(c)リコンビナントタンパク質の溶解度の測定 IPTG誘導後に、r-PG32またはr-PG33タンパク質あるいはそれらの末端切断物の
発現レベルと溶解度を評価した。約14mlのリコンビナント大腸菌(E.coli)細胞
培養物を遠心分離によりペレット化し、そしてTE pH8.0の1.5mlに再懸濁した。
次に細胞を5の設定でマイクロプローブ(Virosonic Digital 475 超音波細胞破
砕機、The Virtis社、NY)を使って2 X 10秒間のバーストで超音波処理した。15
分間の遠心分離(13,000rpm)後に上清を回収して、これを可溶性画分とした。
ペレットを洗浄し、次にTE pH8.0に再懸濁して、これを不溶性画分とした。様
々な画分の分析をウェスタンブロット分析とSDS-PAGEを用いて実施した。これら
の実験結果を表3に示す。複数の事例では、NOGおよびCHAPSなどの非イオン性洗
剤を0.1〜1%で超音波処理プロセスに加えて、リコンビナントタンパク質の可溶
化を助けた。大規模な発現および精製の目的のために、大腸菌(E.coli)培養物5
00mlを遠心分離によりペレット化して、1x結合バッファー(5 mMイミダゾール、
500nM NaCl、20mM Tris-HCl、pH 7.9)40mlに再懸濁した。次いで細胞を、8の設
定のマイクロプローブ(0.5")(Virosonic Digital 475超音波細胞破砕機、The
Virtis社、NY)を使って、6 X 10秒バーストで超音波処理した。15分間の遠心
分離(13,000rpm)後に、可溶性リコンビナントタンパク質を含有する上清を回
収して、以下に概説したように精製した。
【0094】(d)封入体または不溶性リコンビナントタンパク質の単離と可溶化 全長PG32(配列番号3;残基21-391)およびPG33(配列番号4;残基22-380)の
事例のようにr-タンパク質が不溶性であるとわかると、リコンビナント大腸菌(
E.coli)ペレットを氷上で解凍して結合バッファーに再懸濁し、次いで超音波処
理し、20,000 x gで遠心分離して封入体を回収した。ペレットを結合バッファー
に再懸濁し、超音波処理と遠心分離のプロセスを2回以上繰返してさらにタンパ
ク質を遊離させた。次いでペレットを6M尿素を含有する結合バッファーに再懸濁
し、氷上で2〜3時間攪拌しながらインキュベートして完全にタンパク質を溶解し
た。39,000 x g、20分間の遠心分離によって残留する不溶性物質を除去した。上
清は、カラム精製の前に0.45μm膜を通して濾過した。
【0095】(e)ニッケル-ニトリロ三酢酸(Ni-NTA)精製とリコンビナントタンパク質のリフ ォールディング Ni-NTA金属アフィニティクロマトグラフィを使ってリコンビナントタンパク質
をH6タグを介して精製した。簡単に説明すると、タンパク質を平衡化Ni-NTA樹脂
(Qiagen)にバッチ結合させて、これを小カラム中に注いで重力下で未結合タン
パク質を溶出した。次にカラムを結合バッファー10mlを用いて洗浄し、次いで洗
浄バッファー(60 mMイミダゾール、500mM NaCl、20mM Tris-HCI、pH 7.9)6ml
によって洗浄した。次に結合したタンパク質を、1Mイミダゾール、500mM NaCl、
20mM Tris-HCI、pH 7.9を含有するバッファー中に溶出した。可溶化封入体また
は不溶性リコンビナントタンパク質を精製する場合には、上記バッファーに6M尿
素を加えた。
【0096】(f)リコンビナントタンパク質の再生 尿素を含有しない調製物については、Ni-NTA樹脂からの溶出タンパク質画分を
プールした後、痕跡量のイミダゾールを除去するために0.5M Tris-HCl、50mM Na
Clに対する透析を行った。
【0097】 尿素を含有する調製物については、Ni-NTA樹脂からの溶出タンパク質画分をプ
ールし、そして以下のバッファー(50mM Tris-HCl、0.5M NaCIおよび8%グリセロ
ール)に含有される尿素を6Mから4Mへ、2Mへ、0.5Mへ、0Mへと段階的に変えた透
析を行ってリフォールディングした。それぞれの異なる尿素濃度において最小2
時間の透析を実施した。複数の事例では、透析バッファーに0.5〜1%のNOGまたは
0.5%〜1%のCHAPSなどの様々な界面活性剤を加えて溶解度を改善した。
【0098】(g)ポリアクリルアミドゲル電気泳動とウェスタンブロッティング SDS-PAGEは本質的にNovexによる推奨の通り実施した。サンプルを2 x サンプ
ル還元バッファー(Novex)の等容積と混合し、100℃で10分間ボイルし、Tris-
グリシン4〜20%ゲル(Novex)に適用した。分子量標準(SeeBlueTM)もNovexか
ら購入した。ウェスタンブロットは、電気泳動後に、タンパク質をニトロセルロ
ース上に1時間100ボルトでエレクトロブロッティングして調製した。メンブラン
を5%のスキムミルク-PBSを用いてブロッキングした後、1/5000に希釈した抗ウサ
ギ抗体と共に、または5%のスキムミルク-PBS中に1/1000に希釈した抗ラット抗体
と共にインキュベートした。メンブランをその後洗浄し、ヤギ抗ウサギ-HRPコン
ジュゲート(KPL)またはヤギ抗マウス-HRPコンジュゲート(KPL)と共にインキ
ュベートし、洗浄し、そしてTMBメンブランペルオキシダーゼ基質(KPL)を用い
て顕色した。
【0099】実施例2:抗血清 BALB/cマウスに、PG32(構築物21)組換えタンパク質20μgを含むフロイント
不完全アジュバント(FIA;Sigma)を2回、3週間隔で投与することによって、精
製組換えタンパク質に対するポリクローナル抗血清を産生させた。2回目の投与
の1週間後にマウスから採血し、産生された抗血清を用いて、変性および還元条
件下で泳動したP. gingivalis W50の全体細胞のウェスタンブロットをスクリー
ニングした。また、ウサギにおいても、P. gingivalis全体細胞(W50株)または
P. gingivalis細胞(W50株)のサルコシル不溶性濃縮画分(グラム陰性生物の外
側膜タンパク質を濃縮する方法により)を含むFIAを、3回投与して免疫感作して
、抗血清を産生させた。また、ラットにおいても、P. gingivalis W50の全体細
胞を含むフロイント不完全アジュバントを用いて免疫感作して、抗血清を産生さ
せた。次いでラットにP. gingivalis生細胞(ATCC 33277株)を経口投与してチ
ャレンジし、6週後に採血した。これらのラットは、対照ラットと比較して、チ
ャレンジ後の大臼歯周囲の歯槽骨の損失から守られていることを示した。
【0100】
【表3】
【0101】実施例3:マウス病変モデル 10匹の雌のBALB/cマウス(6-8週齢)からなる群を、各組換えタンパク質、PG3
2(0.5M尿素中に含まれる構築物1)、PG33(2M尿素中に含まれる構築物2)、PG3
2断片(構築物21)およびPG33断片(構築物22)を用いて、皮下へ免疫感作した
(20μg/投与量)。対照マウスにはホルマリン殺菌P. gingivalis細胞(ほぼ2×
109)、または大腸菌(E.coli)ライセート(20pg/投与)を、いずれも不完全フ
ロイントアジュバント(Sigma)中に乳化して与えた。この免疫感作は、尾の基
部に皮下注射して与え、P. gingivalisによるチャレンジの4週前および1週前に
実施した。チャレンジの2日前に、マウスの球後神経叢(retrobulbar plexus)
から採血した。BALB/cマウスに P. gingivalis 33277の7.5 x 109生細胞を腹部
の腹側領域中に皮下注射してチャレンジした。チャレンジ後、7日間にわたって
毎日、病変の数とサイズについてマウスを試験した。病変が注射部位周囲のマウ
ス腹部に発生したのでその病変を毎日測定した。
【0102】 図1は、3つの別々の実験で得た結果を示すが、ここで全長r-PG32(0.5M尿素
中に含まれる構築物1;aa21-391)図1a;および全長r-PG33(2M尿素中に含まれ
る構築物2;aa22-380)図1b;はマウスを免疫感作するのに使用したものであり
、さらにr-PG32断片(PBS中に含まれる構築物21;aa224-391)およびr-PG33断片
(PBS中に含まれる構築物22;aa213-380)、図1cと比較した。対照マウスには、
ホルマリン殺菌P. gingivalis株33277の全体細胞(FK 33277)または全大腸菌(
E.coli)全体ライセートを与えた。病変サイズの有意な低下が、ホルマリン殺菌P
. gingivalis細胞(33277株)ならびにr-PG32断片(PBS中に含まれる構築物21;
aa224-391、p<0.01)およびr-PG33断片(PBS中に含まれる構築物22;aa213-380
、p<0.05)を用いてワクチン接種した場合のみ得られた。
【0103】実施例4:酵母におけるPG32(aa224-391)の発現 PG32断片(aa224-391)のクローニング。 PG32(構築物21)を、実施例1に概説
したようにして、PCR増幅して抽出した。精製したDNAは、先にEcoRIおよびNotI
を用いて消化しておいた、QIAexII精製した酵母GST発現ベクターpYEX4T-1(Amra
d)中にライゲートした。ライゲーション産物をカルシウムコンピテント大腸菌
(E.coli)BL21 DE3(Stratagene)中に形質転換し、50μgアンピシリンを含有す
るLBプレート上で選択した。組換えプラスミドを含有する大腸菌(E.coli)細胞
の単一コロニーをアンピシリンを含有するテリフィック(Terrific)ブロスを含
む100ml培養中に接種して一夜培養し、そしてそのプラスミドを、酵母中に形質
転換する前に、QIAGEN Plasmid Maxiキットを用いて精製した。
【0104】酵母形質転換。 S.セレビシエ(S. cerevisiae)DY150グリセロールストックのサンプルをYPD
プレート上にストリークして、30℃で3〜4日間放置した。単一コロニーを20ml Y
PD培地中に接種して、30℃にて24時間振とうした。500μl容量の一夜培養物を30
00rpmにて5分間、遠心分離にかけ、そのDY150ペレットを1mlのdH2Oで洗浄した。
ペレットを10mg/ml子ウシ胸腺DNA(Sigma)に再懸濁し、それに1μgのプラスミ
ドDNAをプレート溶液の500μlとともに加えて、その混合物を25℃にて24時間イ
ンキュベートした。細胞を3000rpmにて5分間、遠心沈降して、プレート溶液を除
去した。酵母を1mlのdH2Oで洗浄し、YNBSプレート上にプレーティングして30℃
にて4〜5日間インキュベートした。
【0105】酵母における小規模発現 単一コロニー形質転換体を5mlのYNBSブロスに接種し、30℃にて48時間振とう
した。0.5mlの種菌を5mlの新鮮なYNBSブロスに加え、0.5mM CuS04を用いて誘導
を行った。30℃にて3時間の誘導期間後に、培養物を遠心分離によって回収し、5
00μlブレーキングバッファー(1mM PMSFおよび1OmM E-64を含有、Sigma)に再
懸濁した。2.0 mlスクリュー栓バイアル(Biospec)を、3/4量は0.5 mmガラスビ
ーズ(Biospec)によって満たし、残りの容積は細胞によって満たした。その混
合物を、ミニ・ビーズビーター細胞破砕機(Biospec)中で30秒(5,000rpm)×
8回ホモジナイズし、その各作動の間は、氷上で30秒インキュベーションした。
ビーズを静置沈降させて、破砕された酵母細胞を回収した。5分間の遠心分離(3
000g)の後、上清を回収し、これを可溶性画分とした。ペレットはブレーキング
バッファー中に再懸濁して不溶性画分とした。画分はSDS-PAGEとウェスタンブロ
ット分析を用いて分析した。
【0106】 PG32断片(aa224-391)の酵母発現の結果を、図2aおよび2bに示した。両図の
レーン1は、前染色した分子量マーカー(Novex, SeeBlue)を含有し、レーン2は
、GSTだけを発現する破砕組換え酵母から得た上清を含有する。レーン3〜7は、P
G32遺伝子(aa224-391)と融合したGSTを含有する破砕酵母細胞の拡張された個
々のクローンであって、酵母のコドン使用に対して最適化したPG32遺伝子を含む
場合(レーン3)と含まない場合(レーン4〜7、実施例5を参照)である。メンブ
ランを抗GSTを用いてプローブすると、反応性はGST単独の位置(レーン2、図2a
、ほぼ27.5kDaの位置の矢印を参照)だけで見られることに、GSTがPG32(aa224-
391)と融合したときに見られる特徴的なより高い分子量のバンド(レーン3-7、
図2aのほぼ48kDaの位置の矢印に注目)と比較して注目すること。ウェスタンブ
ロットを抗PG32抗血清と反応させると(図2b)、GST単独を発現する酵母(レー
ン2)では反応性は見られないが、強い反応性がほぼ46〜48kDaの位置(矢印を参
照)で見られるとともに、他のバンドでいくらかの反応性が見られた。融合タン
パク質の推定分子量はほぼ46kDaであって、これはレーン3〜7の強く染色したバ
ンド(図2b、矢印で示した)と対応する。
【0107】実施例5:酵母における最適のタンパク質発現のための合成PG32(aa224-391)
の構築とクローニング 合成PG32末端切断型遺伝子(PG32 aa224-391に対応)を、S.セレビシエ(S.
cerevisiae)の推定上のコドン使用を利用して構築し、S.セレビシエ中のP.
gingivalisタンパク質の発現を改善した。表4に掲げた2本鎖DNA配列全体をカバ
ーするオリゴヌクレオチドを、酵母中の発現用に高発現バイアスコドンを用いて
設計した(Sharp,P.M.およびCowe,E. (1991) Yeast. 7, 657-678)。オリゴヌク
レオチドプライマーAおよびBを、TaqPlus precision(Stratagene)DNAポリメラ
ーゼを使って、次の条件下でのPCRにより、dsDNA断片に変換した:変性(96℃、
1分間)、アニーリング(53℃、1分間)および伸長(72℃、2分間)の20サイク
ルとし、かつ伸長ステップの継続時間をサイクル毎に5秒ずつ増加する(Di Dona
to,A., de Nigris,M., Russo,N., Di Biase,S.およびD'Alessio, G. (1993) Ana
lytical Biochemistry. 212, 291-293)。第2のPCRランでは、コア混合物の1/20
アリコートを、コアテンプレート延長に機能するオリゴヌクレオチドプライマー
CおよびDと共に使用した。この操作を各プライマー対を使用して繰返し、最終的
に500bp産物を作製した。このPCR産物をプロテイナーゼK(Boehringer Mannheim
)処理し、QIAquick PCR精製キット(Qiagen)を用いて精製し、プライマーによ
り導入された制限酵素切断部位EcoRIおよびNotIで消化した。DNA断片を、1%低融
点アガロースゲル(Bio-Rad)を通す電気泳動によって精製し、QIAexIIゲル抽出
キット(Qiagen)を使って抽出した。精製したDNAを、先にEcoRIおよびNotIを用
いて消化しておいたQIAexII精製済の酵母GST発現ベクターpYEX4T1(Amrad)中に
ライゲートした。ライゲーション産物をカルシウムコンピテント大腸菌(E.coli)
BL21 DE3(Stratagene)中に形質転換して、50μgアンピシリンを含有するLBプ
レート上で選択した。コドンを置き換えたインサートが正確であることをDNA配
列分析によって確認した。酵母の形質転換とPG32の発現を前に概説した通り実施
した。図2は、酵母により発現された、GSTと融合した合成PG32(aa224-391)の
発現および免疫反応性を示す。図2aおよび2bにおいて、レーン3は、酵母により
発現された未改変P. gingivalisコドンを含有し、レーン4、5、6、7は、それら
のコドンを以上概説したようにして酵母での発現に対して最適化したクローンを
含有する。特にPG32に対する抗血清を用いたとき(図2b)の、ほぼ48kD(矢印を
参照)のバンドにおける反応性増加によって立証されるように、コドン最適化が
行われると、ある程度の発現と免疫反応性の増加があるようである。
【0108】
【表4】
【0109】 当業者であれば、特定の実施形態に示した本発明に対して、広範囲にわたって
記載した本発明の精神または範囲から逸脱することなしに、多数の改変および/
または修正をなしうることが理解されるであろう。従って、本発明の実施形態は
、あらゆる点において、説明的なものであって制限するものでないと考えられる
べきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は3つの別々の実験から得た結果を示し、ここで、全長r-PG32(構築物1;0
.5M尿素中aa21-391)(図la)および全長r-PG33(構築物2;2M尿素中aa22-380)
(図1b)を使ってマウスを免疫感作し、そしてr-PG32(構築物21;PBS中aa224-3
91)およびr-PG33(構築物22;PBS中aa213-380)の断片(図1c)と比較した。対
照マウスにはホルマリン殺菌したP. gingivalis株33277全細胞(FK 33277)また
は全大腸菌(E.coli)ライセートを与えた。
【図2】 図2は、マウスモノクローナル抗GST(B14;Santa Cruz Biotechnology)と反
応させた12% SDS-PAGEゲル(Novex)のウェスタンブロット(図2a)およびPG32(a
a224-391)を含むFIAを用いて免疫感作したマウスから得た血清と反応させたブ
ロット(図2b)を示す。結合した抗体は、1:2000のヒツジ抗マウスIg-HRP血清(
Silenus)を使ってトレースし、TMB膜ペルオキシダーゼ基質(KPL)を用いて検
出した。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 1/02 A61P 31/04 4H045 31/04 C07K 14/195 C07K 14/195 16/12 16/12 19/00 19/00 C12N 1/15 C12N 1/15 1/19 1/19 1/21 1/21 C12P 21/02 C 5/10 G01N 33/53 D C12P 21/02 33/569 F G01N 33/53 C12N 15/00 ZNAA 33/569 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ロス,ブルース,カーター オーストラリア国 3058 ヴィクトリア 州,コバーグ,ケルソン ストリート 32 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 AA13 BA61 BA80 CA01 CA03 CA06 DA06 DA12 EA04 FA10 FA20 GA11 GA19 HA01 4B064 AG01 BA14 BE01 BH09 CA02 CA06 CA19 CC24 CE02 CE07 CE12 DA01 DA08 DA13 DA15 4B065 AA01Y AA26X AA80X AB01 BA02 BA25 BD01 BD04 BD09 BD15 BD18 CA24 CA44 CA46 4C084 AA13 ZA67 ZB35 4C085 AA03 AA13 BA15 BB11 BB31 CC07 CC21 DD88 EE01 EE06 FF24 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 BA41 CA11 DA75 DA86 EA20 EA22 EA31 EA50 EA52 FA73 FA74 GA01 GA15 GA22 GA26 HA05 HA31

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号3または配列番号4で示す配列の断片を含んでなる可
    溶性ポリペプチド。
  2. 【請求項2】 断片が配列番号3の残基190〜391によって定義される領域ま
    たは配列番号4の残基210〜380によって定義される領域由来である、請求項1に
    記載の可溶性ポリペプチド。
  3. 【請求項3】 式X-Y-Z [式中、 Yは、配列番号3の残基86〜223、配列番号3の残基191〜322、配列番号4の残基193
    〜310、配列番号3の残基191〜306、配列番号3の残基224〜391、配列番号4の残基
    213〜380、配列番号4の残基286〜380、配列番号3の残基224〜306、配列番号4の
    残基213〜285、配列番号3の残基281〜384および配列番号4の残基306〜372からな
    る群から選択されるアミノ酸配列からなる可溶性P. gingivalis断片であり;そ
    して XとZは存在するかもしくは存在せず、かつP. gingivalisの断片の溶解度に実質
    的に悪影響を与えないアミノ酸もしくはペプチドからなる] で表される、可溶性ポリペプチド。
  4. 【請求項4】 Yが配列番号3の残基224〜391または配列番号4の残基213〜38
    0からなるP. gingivalisの断片である、請求項3に記載の可溶性ポリペプチド。
  5. 【請求項5】 Xおよび/またはZが存在しない、請求項3または請求項4に
    記載の可溶性ポリペプチド。
  6. 【請求項6】 本質的に配列番号3の残基86〜223、配列番号3の残基191〜32
    2、配列番号4の残基193〜310、配列番号3の残基191〜306、配列番号3の残基224
    〜391、配列番号4の残基213〜380、配列番号4の残基286〜380、配列番号3の残基
    224〜306、配列番号4の残基213〜285、配列番号3の残基281〜384および配列番号
    4の残基306〜372からなる群から選択される配列を有するポリペプチドからなる
    、可溶性P. gingivalisのポリペプチド。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の可溶性ポリペプチドを
    含んでなるキメラまたは融合構築物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の可溶性ポリペプチドを
    コードするヌクレオチド配列を含んでなる単離されたDNA分子。
  9. 【請求項9】 転写調節エレメントと機能的に連結された請求項8に記載の
    DNA分子を含んでなるリコンビナント発現ベクター。
  10. 【請求項10】 請求項9のリコンビナント発現ベクターを含んでなる細胞
  11. 【請求項11】 P. gingivalisのポリペプチドを産生する方法であって、
    そのポリペプチドの発現を可能にする条件下で請求項10に記載の細胞を培養す
    ることを含んでなる方法。
  12. 【請求項12】 被験体のP. gingivalisに対する免疫応答を起こすのに使
    用する組成物であって、請求項1〜6のいずれか1項に記載の少なくとも1つの
    有効量の可溶性ポリペプチド、および/または請求項8に記載の少なくとも1つの
    有効量のDNA分子、ならびに製薬上許容される担体を含んでなる前記組成物。
  13. 【請求項13】 製薬上許容される担体がアジュバントである、請求項に1
    2に記載の組成物。
  14. 【請求項14】 被験体に請求項12または請求項13の組成物を投与する
    ことを含んでなる、被験体のP. gingivalis感染の発症または重篤度を低減また
    は予防する方法。
  15. 【請求項15】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の可溶性ポリペプチド
    に対して産生される抗体。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載の抗体および製薬上許容される担体を含
    んでなる組成物。
  17. 【請求項17】 請求項15に記載の抗体を用いる被験体の受動ワクチン接
    種を含んでなる、被験体のP. gingivalis感染を治療または予防するための方法
  18. 【請求項18】 サンプル中のP. gingivalisのポリペプチドの存在または
    不存在を検出する診断方法であって、サンプルを請求項15に記載の抗体と、抗
    体がサンプル中のP. gingivalisのポリペプチドと免疫複合体を形成するのに十
    分な条件下で接触させ、そして免疫複合体の存在または不存在を検出することを
    含んでなる方法。
  19. 【請求項19】 サンプル中のP. gingivalis抗体の存在または不存在を検
    出する診断方法であって、サンプルを請求項1〜7のいずれか1項に記載の可溶
    性ポリペプチドと、ポリペプチドの可溶性断片がサンプル中の抗体と免疫複合体
    を形成するのに十分な条件下で接触させ、そして免疫複合体の存在または不存在
    を検出することを含んでなる方法。
  20. 【請求項20】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の可溶性ポリペプチド
    および/または請求項15に記載の抗体を含んでなるキット
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Class et al. Patent application title: SYNTHETIC PEPTIDE CONSTRUCTS FOR THE DIAGNOSIS AND TREATMENT OF PERIODONTIS ASSOCIATED WITH PORPHYROMONAS GINGIVALIS Inventors: Eric Charles Reynolds (Deepdene, AU) Neil Martin O'Brien-Simpson (Brunswick, AU) Nada Slakeski (Kew East, AU) Assignees: THE UNIVERSITY OF MELBOURNE

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