JP2003530888A - トランスジェニック植物 - Google Patents

トランスジェニック植物

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、直列反復配列を用いることにより、外来遺伝子と共に導入された選択マーカー遺伝子を含まずに外来遺伝子を含有する組換え型プラスチドゲノムを含むトランスジェニック植物を生産する方法、該方法において使用されうる直列反復配列を含有する核酸構築物および該方法によって生産されたトランスジェニック植物を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (技術分野) 本発明は、トランスジェニック植物および核酸構築物ならびにその生産方法に
関する。
【0002】 (背景技術) 近代の遺伝子導入テクノロジーは、所望の特性を有するトランスジェニック植
物の迅速な開発を可能とする。該テクノロジーの範囲は広く、その可能性は社会
に大いに役立つ。例えば、トランスジェニック植物は、工業用有機化合物の再生
可能な供給源を提供するのばかりでなく、食物の量および質を向上する手段を提
供する。
【0003】 作物から雑草系統への導入遺伝子の逸出は、環境に対するその可能性のある心
身に有害な影響について公衆の関心を喚起した。さらに、導入遺伝子が作物から
ヒトへ伝わるかもしれないという懸念がある。したがって、作物からの導入遺伝
子の逸出の危険性を減らすことは、農業におけるトランスジェニック作物の容認
に相当に役立つ。
【0004】 安定なトランスジェニック植物を製造するための遺伝子導入技術の大多数は、
外来性DNAを植物核に導入する。核染色体中に組み込まれた外来性遺伝子は花
粉を経て幅広く分散される。プラスチドおよびミトコンドリアなどのオルガネラ
は、多くの作物植物において母性遺伝する。外来性DNAのオルガネラへの導入
は、導入遺伝子の環境への逸出を減らす一つの方法を提供する。
【0005】 外来性DNAをオルガネラへ導入する方法は、核形質転換技術の出現後に発達
した。初期に記載されたプラスチドを形質転換する方法は効率が悪く、再現性が
なく、ほとんど価値がなかった。オルガネラのための再現性のあるDNA媒介性
形質転換方法は、クラミドモナス・レインハルディ(Chlamydomonas reinhardti
i)プラスチドおよびサッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae
)ミトコンドリアについて最初に記載された。次に、タバコの安定なプラスチド
形質転換のための信頼できる手法が記載された。
【0006】 遺伝子をプラスチドに導入するために一般的に使用される技術は、粒子爆撃、
ポリエチレングリコールおよびミクロインジェクションを包含する。かかる技術
は、100%効果的というわけではない。植物が形質転換したことを決定するた
めに、目的の遺伝子は選択マーカーと共に導入される。最も一般的に使用される
選択マーカーは、形質転換植物に抗生物質耐性を与えるものである。形質転換植
物中の抗生物質耐性遺伝子の存在により、作業者は野生型、非形質転換植物から
形質転換植物を識別および選択することができる。
【0007】 過去10年にわたる陸地植物におけるプラスチド形質転換技術における発展は
、スペクチノマイシンおよびストレプトマイシンに耐性を与えるプラスチド形質
転換のための細菌性aadA遺伝子の使用に依存してきた。aadA遺伝子を含
有する植物は、スペクチノマイシンおよび/またはストレプトマイシン含有培地
において正常に生育し、一方、aadA遺伝子を含有しない野生型植物はかかる
培地上で生育するが、白くなり、形質転換緑色植物と野生型白色植物との間の単
純な区別が可能である。
【0008】 プラスチド形質転換のためのプラスミドR100.1由来のaadA遺伝子マ
ーカーの使用は、シー・レインハルディイ(C. reinhardtii)において最初に記
載さあれた。次に、タバコプラスチド形質転換におけるシゲラ(Shigella)由来
のaadA遺伝子の使用が著しい効率改善を導いた。他の選択マーカー遺伝子、
例えば、カナマイシン耐性遺伝子Kanは、プラスチド形質転換においてaad
Aよりも効率がよくないことが証明されたが、aadAよりも強力でなくとも、
等価の効率を有するさらなる選択マーカーが開発されうると考えられる。
【0009】 遺伝子操作した作物植物中の抗生物質耐性遺伝子の存在によって問われる健康
および環境的危険性に対して相当な不安がある。抗生物質耐性および他の選択マ
ーカー遺伝子をトランスジェニック植物から取り除く一方で、目的遺伝子を保持
する方法は相当に価値のあるものである。
【0010】 現在、抗生物質耐性遺伝子を含有しないトランスジェニック植物を生産するた
めの2つの一般的な方法が存在する。第1の方法において、抗生物質の使用を要
しない選択方法を用いる。例えば、マンノースまたはイソペンテニルトランスフ
ェラーゼをトランスジェニック植物の選択に用いることができる。第2の方法に
おいて、トランスジェニック植物の生産後に抗生物質耐性遺伝子をトランスジェ
ニック植物から除去する。選択マーカー遺伝子を染色体から除去するためのいく
つかのスキームが記載されている。選択マーカー遺伝子が目的遺伝子の近くに連
結されていない場合、子孫の標準的な交雑および分析によって該マーカーを除去
することができる。選択マーカー遺伝子が目的遺伝子の近くに連結されている場
合、その除去を確実にするために他のスキームが考案された。これらは、転移可
能なエレメントまたは部位特異的組換え系の使用を包含する。これらのスキーム
は核遺伝子に限定され、修飾されたプラスチドゲノムを含有するトランスジェニ
ック植物由来の選択マーカー遺伝子の除去には関連しない。
【0011】 藻類シー・レインハルディイ(C. reinhardtti)において、光合成突然変異体
に基づく選択スキームは、aadAのような選択マーカー遺伝子を用いることの
ないプラスチドゲノム中への目的外来遺伝子の導入を可能にした。かかるスキー
ムは、事前の光合成突然変異体の入手に依存するので、高等植物において実際的
ではない。選択マーカー遺伝子を包含する外来性非プラスチド遺伝子の組み込み
を用いることなくプラスチドDNAを修飾するためのいくつかの方法が報告され
た。外来性選択マーカー遺伝子の付随的な組み込みを用いることなくプラスチド
遺伝子を操作することのできるシャトルベクター系(NICE1)がタバコにお
いて記載された。該系は、内在性プラスチド配列の外来性プラスチドDNA配列
での置換を可能とした。NICE1を基礎とするプラスミドもまた、プラスチド
ゲノムのいずれかの部分由来の突然変異をレスキューするのに適当である。
【0012】 シー・レインハルディイのプラスチドゲノムからaadA遺伝子を除去するた
めのスキームが記載された。シー・レインハルディイ葉緑体におけるマーカー再
利用は、シー・レインハルディイプラスチドゲノム中への突然変異の段階的な導
入のための方法を提供する。マーカー再利用もタバコシャトルベクター系もどち
らも、プラスチド遺伝子に対して非相同性である目的の外来遺伝子のプラスチド
ゲノム中への導入を可能としない。
【0013】 選択可能な表現型を有さない外因性または外来性遺伝子のプラスチドゲノム中
への挿入を、抗生物質耐性遺伝子の長期間の組み込みを伴わずに可能とする方法
を開発するという要望が存在する。
【0014】 選択マーカー遺伝子の同時挿入を伴わずに目的の外来遺伝子をプラスチドゲノ
ム中に導入するための方法は、高等植物において記載されていない。かかる方法
は、一般大衆によって認められたトランスジェニック植物の環境的および健康的
危険性を減少させることにおいて大いに有用であろう。また、直接選択を含む現
行のプラスチド形質転換手法にとって効率が悪すぎる広範なマーカー遺伝子の使
用を可能にする方法もまた、生産できるトランスプラストミック植物の範囲を拡
大することにおいて広く応用されるであろう。
【0015】 (発明の開示) 本発明によると、第1の態様において、外来遺伝子と共に導入された選択マー
カー遺伝子を含まずに外来遺伝子を含有する組換え型プラスチドゲノムを含むト
ランスジェニック植物を生産する方法であって: (a)植物細胞のプラスチドゲノムを、形質転換されたプラスチドゲノム内で
組換え事象を起こして選択マーカー遺伝子を切り出すが、外来遺伝子は保持する
ように配置された外来遺伝子、選択マーカー遺伝子および少なくとも2つの直列
反復配列を含む核酸で安定に形質転換し; (b)プラスチドが選択マーカー遺伝子を含む形質転換植物について1次選択
培地上で選択し;次いで (c)形質転換プラスチドゲノム内での組換えにより選択マーカー遺伝子の切
除を促すが、外来遺伝子は保持するために、選択された形質転換植物を1次選択
培地の不在下で生育させる ことを特徴とする方法が提供される。
【0016】 本発明の第1の態様は、選択マーカー遺伝子を伴わずにプラスチドゲノム内に
目的の外来遺伝子を含有するトランスジェニック植物を生産する方法を提供する
。該方法は、目的の外来遺伝子および選択マーカー遺伝子の植物のプラスチドゲ
ノム中への導入を含む。トランスプラストミック植物がいったん生産されると、
望ましくない選択マーカー遺伝子をプラスチドゲノムから除去する。本発明はそ
の第1の態様において、そのプラスチドゲノムが1以上の所望の遺伝子で形質転
換された植物から望ましくない外来性抗生物質耐性遺伝子を除去する方法を提供
する。望ましくない遺伝子の除去は、抗生物質耐性遺伝子の他の植物への逸出お
よび抗生物質耐性遺伝子の細菌への移入に対する公衆の懸念を減少させるのに相
当に価値がある。
【0017】 植物: 本発明の第1の態様による方法は、そのプラスチド中に外来遺伝子を導入する
ことが望まれるいずれの多細胞植物にも応用可能である。タバコのためのプラス
チド形質転換系が開発されたので、該方法は特にタバコに応用可能である。しか
しながら、本発明の第1の態様による方法は、特にそのためにプラスチド形質転
換法が開発された、例えば、穀類、アブラナ科およびナス科、例えば、ジャガイ
モのような他の高等植物にも応用可能である。本発明の第1の態様による方法は
、木および針葉樹ならびに作物植物を包含する単子葉および双子葉植物に応用可
能であると考えられる。
【0018】 形質転換: 高等植物プラスチドを外来性DNAで安定に形質転換するのに利用できるいく
つかの方法があり、本発明の方法はこれらの方法のいずれにも限定されないこと
が意図される。最も一般的に使用される形質転換法は、粒子爆撃、ポリエチレン
媒介性形質転換およびミクロインジェクションを包含する。挿入された外来遺伝
子を有するプラスチドゲノムを含有する形質転換植物を得るために選択される特
定の方法は、選択される植物種および器官に依存するであろう。下記の実施例に
おいて、プラスチド形質転換ベクターが粒子爆撃によってタバコの葉に導入され
た。
【0019】 「植物細胞のプラスチドゲノムを核酸で安定に形質転換する」なる語は、所望
の条件下で、形質転換植物細胞がトランスフェクトされた表現型を維持し、かつ
、野生型に戻らないことを意味する。ホモプラスミーの状態がトランスフェクシ
ョン後に達成されるように形質転換細胞が維持され、所望の条件が、形質転換細
胞が生き残ることができ、かつ、形質転換ゲノム、プラスチドおよび細胞の生育
および増殖に好ましい選択圧を維持するいずれかの条件であることが好ましい。
【0020】 さらに、本明細書で使用される場合、「植物細胞のプラスチドゲノムを核酸で
安定に形質転換する」なる語は、形質転換後にプラスチドゲノムが非天然核酸を
含有することを意味し;該用語は、形質転換が1つの核酸のプラスチドゲノム中
への組換えの結果として起こったか、または複数の核酸のプラスチドゲノム中へ
の組換えの結果として起こったかに関して、何も意味しないと解釈される。
【0021】 安定なプラスチド形質転換のために、選択マーカー遺伝子および目的遺伝子を
含有する核酸は、導入される外来遺伝子に隣接し、かつ、該外来遺伝子をプラス
チドゲノム中の特定位置に向けるプラスチドDNA配列との相同組換えによって
プラスチドゲノム中に挿入される。これらのプラスチド標的領域は、多数の植物
に関して入手可能なプラスチドDNAのクローンバンクから得られる。例えば、
プラスチドDNA制限フラグメントを含有するクローンバンクはタバコおよびオ
オムギに関して入手可能である。外来遺伝子のプラスチドDNA内での正確な組
み込みは、増加数のプラスチドゲノム、例えば、タバコ、コメおよびトウモロコ
シのプラスチドゲノムの完全配列によって容易になる。下記で議論される実施例
において、外来遺伝子は、rbcLとaccD遺伝子との間の遺伝子間領域にお
けるタバコプラスチドゲノムのAocI制限部位に対応する位置59319に挿
入される。
【0022】 実際、植物細胞を形質転換するために使用されるいずれの核酸も、核酸構築物
の形態であろう。 実際、プラスチドゲノムをトランスフェクトするために使用される構築物は、
さらに、種々の調節エレメントを含むであろう。かかる調節エレメントは、好ま
しくは、プロモーター(例えば、16SrRNAプロモーターrrnBnおよび
rrnHv)および例えばタバコrbcL遺伝子由来の、有効な翻訳開始を確実
にするための翻訳開始コドンの上流に適当な距離をおいて配置されるリボソーム
結合部位(RBS)を包含するであろう。葉緑体プロモーターが好ましい。プラ
スチドpsbA遺伝子の3’調節領域と共に使用されるブラシカ・ナプス(Bras
sica napus)葉緑体16S rRNAプロモーターおよびホルデウム・ブルガレ
(Hordeum vulgare)16S rRNAプロモーターは、好ましい調節エレメント
の2つの例を提供する。本発明は、これらの5’および3’調節配列および多数
の他の細菌性またはプラスチドプロモーターに制限されず、また、3’調節領域
を使用してもよい。
【0023】 好ましいプロモーター配列を図2において、EMBL/DDBJ/GenBa
nk受託番号AJ276676およびAJ276677を有する配列番号15(
rrnHv)および配列番号16(rrnBn)として示す。
【0024】 本発明の第1の態様の具体例によると、プラスチドゲノムは、外来遺伝子、選
択マーカー遺伝子および少なくとも2つの直列反復配列を含む発現カセットを含
む核酸構築物で形質転換される。発現カセットを含むトランスフェクト構築物は
、相同組換え事象によってプラスチドゲノム中に組み込む。
【0025】 本発明の第1の態様の別の具体例によると、本発明の第1の態様によって形質
転換される植物細胞は、予め1以上の遺伝子で形質転換されていてもよく、また
は本発明の第1の態様の方法を行った後に1以上の遺伝子で形質転換されてもよ
い。換言すると、形質転換されたプラスチドゲノム内で組換え事象を起こして選
択マーカー遺伝子を切除するが、外来遺伝子は保持されるように配置された外来
遺伝子、選択マーカー遺伝子および少なくとも2つの直列反復配列を含む発現カ
セットを含む単一の構築物でプラスチドゲノムを形質転換するよりもむしろ、選
択マーカー遺伝子および直列反復配列とは別に、外来遺伝子を含む核酸をプラス
チドゲノム中に形質転換してもよい。
【0026】 外来遺伝子を含む核酸は、選択マーカー遺伝子および直列反復配列のための発
現カセットを含む構築物上で、プラスチドゲノム中に形質転換してもよい。別法
では、プラスチドゲノムは、1つは外来遺伝子を含み、他方は選択マーカー遺伝
子および直列反復配列を含む別々の核酸配列で形質転換してもよい。 2つの核酸配列を用いる場合、好ましくは、同時形質転換によってそれらを一
緒に導入する。
【0027】 外来遺伝子: 本発明の第1の態様の方法にしたがってプラスチドゲノム中に導入される外来
遺伝子は、トランスジェニック植物中に導入することが望ましいいずれの遺伝子
であってもよい。外来遺伝子を植物のプラスチドゲノム中に挿入する利益は大き
い。所望の遺伝子または目的の遺伝子は、天然植物に存在しない植物に望ましい
表現型を提供する。目的の遺伝子は、疾患耐性、害虫耐性遺伝子、除草剤耐性遺
伝子、特定の生合成経路に関与する遺伝子またはストレス耐性に関与する遺伝子
を包含し得る。所望の遺伝子の性質は、本発明の決定的な部分ではない。
【0028】 選択マーカー: 本発明の第1の態様の方法にしたがって使用される選択マーカーは好ましくは
、そのレシピエントに認識可能な表現型を与える非致死選択マーカーである。一
般に使用される選択マーカーは、耐性遺伝子または対立遺伝子を発現していない
細胞、オルガネラまたは組織に致命的であろう抗生物質、除草剤または他の化合
物に対する耐性を包含する。形質転換体の選択は、選択圧下での細胞または組織
の生育により、すなわち、抗生物質、除草剤または他の化合物を含有する培地上
での生育により、達成される。選択マーカーが「致死」選択マーカーである場合
、選択マーカーを発現している細胞は生存するが、選択マーカーを欠く細胞は死
ぬ。選択マーカーが「非致死」である場合、形質転換体はいくつかの手段によっ
て非形質転換体から同定可能であるが、形質転換体および非形質転換体の両方が
選択圧の存在下で生存する。
【0029】 選択マーカーは、細胞レベルで非致死であるが、オルガネラレベルで致死であ
ってもよい。例えば、抗生物質スペクチノマイシンはプラスチドにおけるmRN
Aのタンパク質への翻訳を阻害するが、細胞質において阻害しない。スペクチノ
マイシン感受性プラスチドは、プラスチドの生き残りに必要なタンパク質を製造
することができず、スペクチノマイシン上で培養した植物の組織は緑になる代わ
りに白く漂白される。スペクチノマイシン耐性である植物由来の組織は緑色であ
る。形質転換および非形質転換プラスチドを含有する細胞の混合集団において、
感受性非形質転換体は、選択圧下においてプラスチド/細胞分裂の過程で死滅し
、結局、形質転換プラスチドのみがプラスチド集団を構成するであろう。植物が
プラスチドゲノムの一つの型のみからなる均質な集団を含むとき、それをホモプ
ラスミックという。選択により、形質転換されたプラスチドゲノムのみを含有す
るホモプラスミック植物が得られる。
【0030】 本発明の第1の態様による好ましい選択マーカーは、aadA選択マーカーで
あり、それは、スペクチノマイシンおよび/またはストレプトマイシンに対する
耐性を与える。他の有効な選択マーカーの使用も考えられる。
【0031】 組換え型プラスチドゲノムからの選択遺伝子切除: 選択マーカー遺伝子の切除は、反復DNA配列間の組換え事象により媒介され
る。これは、天然プラスチド組換え酵素または外来性部位特異的組換え酵素によ
って媒介されることができる。プラスチドは、外来性DNAのプラスチドゲノム
中への正確な標的化を可能にする有効な相同性DNA組換え経路を含有する。さ
らに、異なる種由来のプラスチドDNA間の進化論的比較および突然変異体にお
ける研究は、プラスチドが、短い直列反復DNA配列が関わる改変を成立させる
ために必要な複製および組換え酵素を有することを示唆する。複製の間のDNA
のずれ(slippage)は、2、3塩基対長という短い反復の反復数および長さにお
ける変化を可能にするための1のメカニズムを提供する。DNA配列間の組換え
はまた、プラスチドゲノムの配列構成を改変するためのメカニズムを提供する。
これは、異なる種由来のプラスチドゲノムにおける比較可能な研究、プラスチド
DNA突然変異体の分析から、およびプラスチド形質転換体を研究することによ
って推測された。
【0032】 タバコにおけるプラスチド形質転換体の分析は、393bpおよび950bp
のような短い反復配列間のDNA組換え事象を示唆する。進化論的研究は、20
塩基対未満のより短いDNA直列反復間の組換え事象がプラスチドにおいて起こ
ることができることを示唆する。これらの進化論的研究はこれらの組換え事象の
頻度についての情報を提供しないが、プラスチドが非常に短い直列反復DNA配
列を認識し、組換えるために必要な機構を含有することを示す。
【0033】 直列反復配列は、構築物中で二重になった核酸配列であり、逆方向よりむしろ
順方向を向いている。 直列反復は、通常、コーディング配列に隣接する調節配列を包含するいずれか
の核酸配列を含んでいてもよい。直列反復は、形質転換されているプラスチドゲ
ノムにほとんど類似していない外来性核酸配列を含みうる。実際、挿入配列とプ
ラスチドの内在配列との間の組換えが起こる機会を減らすことが好ましい。
【0034】 選択マーカー切除の頻度は直列反復DNA配列の長さに関連すると提案される
。直列反復を形成するために順方向で反復される配列の長さは、少なくとも20
ヌクレオチド、好ましくは少なくとも50、最も好ましくは少なくとも100ヌ
クレオチドである。直列反復配列が長ければ長いほど、より効率のよい組換え事
象が起こると考えられる。実施例において、174bpほどの短い直列反復が選
択マーカー遺伝子の切除に効果的であることが示されている。別の例において、
418bpの直列反復配列が用いられる。
【0035】 したがって、本発明の第1の態様による方法の効率は、直列反復配列の長さを
改変することによって調節されうることが提案される。直列反復配列の長さが長
ければ長いほど、より効率のよい切除が予測されるが、クローニングを容易にす
るために、直列反復配列は、10,000bp未満、より好ましくは5,000
bp未満、最も好ましくは2,000bp未満の長さであることが好ましく;プ
ラスチドゲノム中に挿入されている外来性DNAの全体の大きさが本発明を行う
において重要な因子である。
【0036】 さらに、本発明の第1の態様による方法の効率は直列反復配列の数を改変する
ことによって調節されうることが提案される。 いくつかの直列反復DNA配列の、3以上の遺伝子を含有するプラスチド形質
転換構築物中への導入は、選択マーカー遺伝子の喪失を促進する一方で、1以上
の目的遺伝子を保持するための特に効果的な方法を提供する。
【0037】 多遺伝子構築物中における直列反復DNA配列の配置は、組換え型プラスチド
ゲノムからの遺伝子の相対的切除頻度に対する調節を提供する。 プラスチドゲノム中に導入されるべき核酸が外来遺伝子および選択マーカー遺
伝子(いずれかの調節エレメントを伴う)のみを含む配列において、直列反復は
好ましくは、選択マーカー遺伝子に隣接するように配置される、すなわち、2つ
の直列反復が用いられる。
【0038】 プラスチドゲノム中に導入されるべき核酸が1より多くの外来遺伝子および選
択マーカー遺伝子(いずれかの調節エレメントを伴う)を含む配列において、ど
の外来遺伝子も組換え型プラスチドゲノムにおいて必要な場合、直列反復は好ま
しくは選択マーカー遺伝子に隣接するように配置される。選択マーカー遺伝子お
よび複数の外来遺伝子を含有する単一のプラスチド形質転換ベクターもまた、選
択マーカー遺伝子および1以上の外来遺伝子を切除する一方で、目的の外来遺伝
子を保持するために使用できる。これは、その境界が選択マーカー遺伝子および
1以上の外来遺伝子に隣接する一連の直列反復配列を用いることによって行われ
る。選択マーカー遺伝子が2つの外来遺伝子間の中央に配置される場合、マーカ
ー遺伝子および1つの外来遺伝子の喪失を促すために2組の直列反復が配置され
る。1組の直列反復はマーカー遺伝子および左の外来遺伝子の喪失を促す。第2
組の直列反復はマーカー遺伝子および右の外来遺伝子の喪失を促す。これらの切
除事象は、2つの異なるマーカー不含プラスチドゲノムを単一のプラスチド形質
転換構築物から生産することを可能とする。これらの組換え型プラスチドゲノム
には、2つの型:マーカー遺伝子の左に配置された外来遺伝子を含むか、または
元の構築物中、マーカー遺伝子の右に配置された外来遺伝子を含むものである。
【0039】 トランスプラストミック植物の選択: 形質転換後、それに対し選択マーカー遺伝子によって耐性が与えられるマーカ
ーを含有する培地を用いて、外来性DNAのプラスチドゲノム中への組み込みが
選択される。例えば、選択マーカー遺伝子としてaadA遺伝子を用いると、選
択培地はスペクチノマイシンまたはストレプトマイシンを含有する。この最初の
選択ラウンドは、スペクチノマイシンまたはストレプトマイシンを含有する培地
上で生育可能な植物クローンおよび材料を生じる。植物中の全てのプラスチドゲ
ノムが外来インサートを含有するホモプラスミック植物が生産されるまで、これ
らのクローンおよび材料をスペクチノマシンまたはストレプトマイシン選択下で
増殖させる。
【0040】 望ましくない遺伝子の切除: いったん組換え型プラスチドゲノムのホモプラスミーが達成されたならば、選
択マーカー遺伝子についての選択は、T植物およびその子孫において取り除か
れる。選択の除去は選択マーカー遺伝子の喪失を促す。選択マーカー遺伝子の喪
失は、植物の1次選択培地に対する感受性ならびにサザンブロットハイブリダイ
ゼーションおよびポリメラーゼ連鎖反応のような分子技術によってモニターされ
うる。
【0041】 上記のように、本発明の第1の態様による方法は、外来遺伝子をプラスチドゲ
ノム中に導入し、選択マーカーを用いる形質転換植物の選択を可能とし、また、
生産されたトランスジェニック植物が公衆に許容されるように選択マーカーの切
除を提供するために使用されうる。 本発明の第1の態様の好ましい具体例は、今回、uidA遺伝子(βグルクロ
ニダーゼをコードしている)と共に導入されたaadA遺伝子を含まずに外来性
uidA遺伝子を含有する組換え型プラスチドゲノムを含むトランスジェニック
タバコ植物を生産することに関して記載される。
【0042】 本発明の第1の態様による典型的な方法において、外来遺伝子およびaadA
遺伝子を含有する構築物を用いて粒子爆撃によってタバコ植物を形質転換する。
典型的には、爆撃された器官を小さい断片として、植物ホルモンを含有する固形
培地上で40−72時間培養して、回復させる。次いで、それらを耐性細胞を生
育および分裂させるスペクチノマイシンおよびストレプトマイシンを含有する選
択培地上に移す。緑色のシュートおよび緑色のカルスのような耐性材料をスペク
チノマイシンおよびストレプトマイシン含有培地上で2次培養する。組換え型プ
ラスチドゲノムのホモプラスミーが達成されるまでシュートを植え継ぐ。次いで
、植物を土壌に移し、若い葉および頂端分裂組織をスペクチノマイシンおよびス
トレプトマイシンの溶液で2−3週間噴霧する。
【0043】 本発明の第1の態様は、強力な選択マーカーを用いることに関して上記した。
乏しいプラスチド形質転換頻度をもたらす選択マーカーは、現行のプラスチド形
質転換方法において幅広く使用されない。これらの場合、本発明では、例えば抗
生物質または除草剤に対する耐性を与えるこれらのマーカー遺伝子を、強力な選
択マーカー(例えば、aadA遺伝子)が最初に使用される2段階選択手法にお
いてプラスチド形質転換に使用することが可能である。2元的選択は、潜在的な
プラスチド形質転換体の強力なスクリーニングを提供する。それは、非形質転換
植物の背景から本物のプラスチド形質転換体を単離する確率を大いに増加させる
。プラスチド形質転換体を選択するためのより多種の選択薬剤の利用は、既存の
選択薬剤がDNA媒介性形質転換に不応性の植物種に特に有効であることが示さ
れた場合、特に有益であろう。さらに、2次選択薬剤の使用は、植物のスペクチ
ノマイシンまたはストレプトマイシンへの連続的な曝露が望ましくない場合に柔
軟性を提供する。
【0044】 2つの遺伝子系を用いる場合、いったん核酸を植物中に形質転換したならば、
強力な選択マーカー用の選択培地上での生育によって、例えば、ストレプトマイ
シン/スペクチノマイシン上での生育によって、最初の形質転換体を選択する。
形質転換細胞は、選択マーカーの特性によって非形質転換細胞から区別される。
次いで、最初の形質転換体を2次選択マーカー遺伝子について選択する2次培地
上に置く。いったん2次選択マーカー遺伝子について選択が開始すると、1次選
択マーカーはもはや必要ではなく、除去されてもよい。1次選択マーカーの除去
は、それに隣接する直列反復間の組換えによって媒介される。遺伝子切除を伴う
細胞分裂(細胞質ソーティング(cytoplasmic sorting))の間のプラスチドD
NA複製および分離の推計学的過程は、2次選択マーカー遺伝子、例えば、除草
剤耐性遺伝子のみを含有するホモプラスミック植物を生じるであろう。
【0045】 プラスチドにおけるDNA媒介性組換え事象を促進する薬剤を、選択マーカー
遺伝子の喪失を誘導するために使用することができる。例えば、ガンマ照射への
曝露によるプラスチドにおける組換えの促進は、直列反復配列間の組換えにより
選択マーカー遺伝子の喪失を導く。 したがって、本発明の第1の態様はさらに、特定のタンパク質、化学的作用因
または物理的作用因、例えば、ガンマ照射を用いてプラスチドにおけるDNA媒
介性組換えを刺激して、選択マーカー遺伝子の切除を促進することを含んでもよ
い。
【0046】 下記実施例において、修飾bar遺伝子を用いてグルホシネート−アンモニウ
ムに対する耐性を提供した。修飾bar遺伝子は、68%という高グアニンおよ
びシトシン含量を有し、プラスチドにおける高レベルの発現に最適ではない。該
bar遺伝子またはプラスチドにおいて弱く発現されると予想され得る同様の遺
伝子の使用は、ホモプラスミック組換え型プラスチドゲノムを得るために強力な
選択圧を提供する。2次選択マーカー遺伝子を含有する植物または植物細胞は、
それらを非形質転換細胞から区別するための同定目的で特有の表現型を有するで
あろう。
【0047】 したがって、本発明の第1の態様の具体例によると、外来遺伝子と共に導入さ
れた1次選択マーカー遺伝子を含まずに外来遺伝子を含有する組換え型プラスチ
ドゲノムを含むトランスジェニック植物を生産する方法であって: (a)植物細胞のプラスチドゲノムを、形質転換されたプラスチドゲノム内で
組換え事象を起こして1次選択マーカー遺伝子を切り出すが、外来遺伝子は保持
するように配置された外来遺伝子、1次選択マーカー遺伝子および2次選択マー
カー遺伝子ならびに少なくとも2つの直列反復配列を含む核酸で安定に形質転換
し; (b)プラスチドが1次選択マーカー遺伝子を含む形質転換植物について1次
選択培地上で選択し;次いで (c)2次選択マーカー遺伝子を含有する植物の選択を可能とするために、お
よび形質転換プラスチドゲノム内での組換えにより1次選択マーカー遺伝子の切
除を可能とするが、外来遺伝子は保持するために、選択された形質転換植物を2
次選択培地上で生育させる ことを特徴とする方法が提供される。
【0048】 本発明の該具体例は、通常では選択されることのできない特性を与える目的遺
伝子でのプラスチドの形質転換を可能にする。 外来遺伝子は弱く選択できる特性を与えるものであってもよい。かかる状況で
は、2つの選択マーカー遺伝子を有する必要はなく、その選択マーカー遺伝子の
1つは外来遺伝子によって提供される。
【0049】 目的の遺伝子が選択されることのできない特性を与える場合、野生型プラスチ
ドゲノムにおいて欠損があり、抗生物質耐性遺伝子または除草剤耐性遺伝子のよ
うな選択マーカー遺伝子および目的遺伝子で形質転換されたプラスチドゲノムの
みを含有する植物を選択することが重要である。いったん組換え型プラスチドゲ
ノムのホモプラスミーが達成されたならば、選択を取り除いて、望ましくない選
択マーカー遺伝子を切除するが、目的遺伝子は保持することができる。選択の不
在下での細胞系および植物の連続的な増殖は、選択マーカー遺伝子の喪失および
目的遺伝子のみを含有する組換え型プラスチドゲノムの発生をもたらすであろう
。選択マーカー遺伝子の切除は、構築物中の直列反復配列の数ならびに反復の長
さによって促進される。3つの直列反復DNA配列は、目的遺伝子を保持するが
2つの選択マーカー遺伝子を除去することにおいて特に有用であることが証明さ
れた。下記実施例において、uidA遺伝子が目的の非選択遺伝子として使用さ
れた。
【0050】 どちらの場合も、1以上の選択マーカーのいずれかを用いて、プラスチドゲノ
ムの正しい位置での組み込みおよび組換え型プラスチドゲノムのホモプラスミー
をサザンブロットハイブリダイゼーションによって証明する。下記実施例におい
て、天然プラスチドDNAによって生産された11.4kbp HindIII
フラグメントを1以上の外来遺伝子を含有する新しいHindIIIフラグメン
トで置換する。
【0051】 例えば、本発明の第1の態様による方法を説明するために、2つの目的遺伝子
を用いた。これらは、ストレプトミセス・ヒグロスコピカス(Whiteら、1990)
由来のbar遺伝子およびエシェリキア・コリ(Escherichia coli)(Jefferso
nら、1986)由来のβ−グルクロニダーゼをコードしているuidA遺伝子のコ
ーディング領域であった。
【0052】 bar遺伝子はグルホシネート−アンモニウムに対する耐性を与え、植物にお
いて選択可能な特性を与える遺伝子の一例である。bar遺伝子をプラスチド中
での発現のためにPCRクローニングによって修飾した。これは、NcoI制限
部位をそのN末端コーディング領域内に導入し、第2コドンをセリンからグリシ
ンへ変換し、2つのTAA終止コドンを挿入することを含んだ。β−グルクロニ
ダーゼ遺伝子は、単純な比色または蛍光酵素アッセイによって検出でき、抗生物
質または除草剤を用いて選択できない目的遺伝子の一例である。本発明はこれら
のコーディング配列に制限されず、多数の他の目的遺伝子を用いてもよい。
【0053】 本発明によると、第2の態様において、少なくとも2つの直列反復配列および
選択マーカー遺伝子を含む植物プラスチドゲノムの形質転換用核酸構築物が提供
される。本発明の第2の態様による核酸構築物の構造的特徴は、本発明の第1の
態様の記載に詳述される。かかる核酸構築物は当該分野で既知の標準的な技術を
用いて作成できる。
【0054】 本発明の第2の態様の核酸構築物は、さらに外来遺伝子を含んでいてもよく、
好ましくは第2の外来遺伝子を含んでいてもよい。 本発明の第2の態様の核酸構築物において、直列反復配列は少なくとも20ヌ
クレオチド長、好ましくは少なくとも50ヌクレオチド長、より好ましくは少な
くとの100ヌクレオチド長、さらに好ましくは174ヌクレオチド長、もっと
も好ましくは418ヌクレオチド長であってもよい。
【0055】 一般に、遺伝子操作を容易にするために、直列反復配列は10,000ヌクレ
オチド長未満であることが好ましい。 直列反復配列は、好ましくは、特に配列番号14に示される、Ntpsb A
配列を含む。 直列反復配列は、配列番号15に示されるようなrrnHvプロモーター配列
を含んでいてもよい。 直列反復配列は、配列番号16に示されるようなrrnBvプロモーター配列
を含んでいてもよい。
【0056】 本発明の第2の態様の核酸構築物の外来遺伝子は、好ましくは、疾患耐性遺伝
子、害虫耐性遺伝子、除草剤耐性遺伝子、特定の生合成経路に関与する遺伝子ま
たはストレス耐性に関与する遺伝子である。 好ましくは、外来遺伝子はuidA遺伝子またはbar遺伝子、好ましくは配
列番号17に示される修飾bar遺伝子である。 構築物の選択マーカー遺伝子は好ましくは、非致死である選択マーカーをコー
ドする。かかる選択マーカー遺伝子は細菌性aadA遺伝子である。
【0057】 構築物の第2の外来遺伝子は、選択マーカー遺伝子、たとえば、配列番号17
に示される配列を有する修飾bar遺伝子のようなbar遺伝子であってもよい
。 本発明の第2の態様の核酸構築物において、直列反復配列は好ましくは、選択
マーカーに隣接する。外来遺伝子の1つを切除することが望ましい2つの外来遺
伝子を有する核酸構築物において、構築物は好ましくは、2つは選択マーカー遺
伝子に隣接し、1つは外来遺伝子の1つに隣接する3つの直列反復配列を含む。
【0058】 本発明の第2の態様による核酸構築物は、植物プラスチドゲノムを形質転換す
るためのプラスミド中に組み込まれていてもよい。 好ましいプラスミドは、bar遺伝子、uidA遺伝子、aadA遺伝子、N
tpsbAの直列反復配列の3コピー、rrnHvの直列反復配列の2コピーお
よびrrnBvの1コピーを含むpUM71、ならびにuidA遺伝子、aad
A遺伝子およびNtpsbAの直列反復配列の2コピーを含むpUM70である
。これら2つのプラスミドの制限地図を図1に提供する。 これらのプラスミドは、本発明の第1の態様の方法による植物プラスチドゲノ
ムを形質転換するために使用してもよい。
【0059】 本発明の第1の態様に関して記載されたように、核酸は、5’および3’調節
領域を含むプラスチド発現カセットよりなってもよい。タンパク質のコーディン
グ配列を発現カセット中に挿入する。コーディング領域を有する発現カセットは
、プラスチド内に標的化するために予めクローン化されたプラスチドDNAの遺
伝子間領域中に組み込まれうる。完全な構築物をpBR322、pAT153、
pUCシリーズのベクターおよびpBluescriptベクターのようなイー
・コリクローニングベクター中で増殖させる。本発明の目的では、遺伝子の切除
を直列反復DNA配列の構成によって調節する。構築物中の直列反復配列の長さ
および数は遺伝子切除の頻度を調節する。直列反復DNAエレメントの実際の配
列は本発明にとって重大ではない。プラスチドゲノム中に挿入されるべき外来性
DNA配列の長さを増加させることは、また、その後の遺伝子喪失を促進するの
に有益である。遺伝子の切除が必要でない場合、その隣接するいずれかの直列反
復配列の長さを減らすことが重要である。これは、プロモーターおよびターミネ
ーターのような調節エレメントを包含する非重複隣接DNA配列の利用を必要と
する。目的遺伝子およびaadA遺伝子は、同じ構築物内の一片のDNAとして
または別の構築物として導入できる。別々のプラスミド上での2つの連結してい
ない遺伝子のプラスチドゲノム中への同時形質転換の頻度は高い。
【0060】 第3の態様において、本発明は、そのプラスチドが外来遺伝子を含むが、外来
遺伝子と共に導入された選択マーカー遺伝子を含有しない細胞および該細胞を有
する多細胞植物組織(好ましくは、植物全体、カルスおよび葉組織)を含む。 本発明の第3の態様による細胞および植物組織は、本発明の第1の態様の方法
によって調製される。 第4の態様において、本発明は、本発明の第1の態様の方法によって生産され
た、そのプラスチドゲノム中に外来遺伝子を含むトランスジェニック植物を提供
する。
【0061】 本発明の第1の態様の方法を用いて植物細胞のプラスチドを形質転換し、次い
で、標準的な条件を用いてかかる細胞の多細胞組織への再生、分化および生長を
容易にする。 無傷植物の再生は、連続的な選択圧を用いるか、またはホモプラスミーがすで
に形質転換細胞系内で到達されている場合、選択圧の不在下で達成されうる。 トランスジェニック植物は、単子葉植物または双子葉植物ならびに光合成およ
び/または非光合成組織の細胞であることができる。 本発明の第4の態様による好ましいトランスジェニック植物は、そのプラスチ
ド中に図4に示される修飾bar遺伝子を含有するトランスジェニックタバコ植
物である。該トランスジェニック植物はグルホシネートアンモニウムに対して耐
性である。
【0062】 選択マーカー遺伝子に関して遺伝子導入され、次いで切除されると記載されて
いるが、本発明の目的は、望ましくない外来性DNA配列をトランスプラストミ
ック植物のプラスチドゲノムから除去することである。抗生物質耐性遺伝子の存
在は、ほとんど常に、形質転換プラスチドゲノム中において望ましくない。ほと
んどの場合、望ましくない配列であることの定義は固定されていないが、植物中
で所望される表現型に依存するであろう。例えば、除草剤耐性を与える遺伝子は
、ある状況下で望ましいが、他の場合は望ましくない。除草剤耐性が植物におい
て必要とされる場合、この目的に必要とされない全ての外来遺伝子を除去する。
別法では、目的の遺伝子がいくつかの他の特性に関する場合、除草剤耐性遺伝子
および抗生物質耐性選択マーカーを包含する全ての他の外来遺伝子を除去して目
的遺伝子を残す。外来性の補助的な配列を「含まない(free of)」植物とは、
望ましくない配列がサザンブロットハイブリダイゼーションによって検出不可能
なものである。
【0063】 本発明は、今回、単なる例示として下記の図面を引用して記載する。
【0064】 実施例 一般的方法 組換え型DNAを操作および検出するための下記の研究室での手法は、当該分
野でよく知られており、一般的に用いられる方法である。標準的技術は、クロー
ニング、核酸単離、増幅および精製に用いられ、Sambrookら、Molecular Clonin
g-A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor
, N.Y. (1989)に記載されている。DNAリガーゼ、DNAポリメラーゼ、制限
酵素を含む酵素的反応は製造者の説明書にしたがって行われた。 下記の実験的開示において、別記しないかぎり、すべての温度は摂氏(℃)で
あり、重量はグラム(g)、ミリグラム(mg)またはマイクログラム(μg)
であり、濃度はモル濃度(M)、ミリモル濃度(mM)またはマイクロモル濃度
(μM)であり、全ての体積はリットル(l)、ミリリットル(ml)またはマ
イクロリットル(μl)である。
【0065】 実施例1 プラスチド形質転換ベクター pUM70およびpUM71プラスチド形質転換ベクターの制限地図を図1に
示す。図1において、外来遺伝子カセットに5.7および1.3kbpのタバコ
プラスチドDNAを隣接させて、プラスチド内での相同組換えによる遺伝子ター
ゲティングを成立させる。プラスミドは、タバコプラスチドDNAを含有するp
TB27から構築される(Sugiuraら、1986)。外来性uidA、aadAおよ
びbar遺伝子の発現を駆動する調節エレメントを図2−3に記載する。White
ら(1991)に記載されたbar遺伝子はNおよびC末端で修飾され、得られた配
列を図4に示す。aadA遺伝子はpUC−atpX−AAD(Goldschmidt-Cl
ermont, 1991)から入手し、uidA遺伝子は以前に記載されたとおりである(
Jeffersonら、1986)。NtpsbAターミネーター/3’プロセッシングDN
A配列の直列反復コピーは、番号付によって識別される。rrnHvのプロモー
ター−リボソーム結合部位領域の2コピーはコピーAまたはBとして識別される
。外来遺伝子の転写の方向が示される。
【0066】 pUM70を用いるプラスチド形質転換は、uidAおよびaadA遺伝子を
含有する3.8kbpの外来性DNAインサートをプラスチドゲノム中に導入す
る。pUM71は、uidA、aadAおよびbar遺伝子を含有する4.9k
bp外来性インサートを形質転換によってプラスチドゲノム中に導入する。
【0067】 rrnHvプロモーター(配列番号15)は、配列番号1および配列番号2を
有するオリゴヌクレオチドをアニーリングし、一本鎖領域にTaqDNAポリメ
ラーゼおよびデオキシヌクレオチドを供給することによって作成された。 配列番号1 RBC-FL 5'AATAATCTGAAGCGCTTGGATACGTTGTAGGG-3' 配列番号2 RBC-RL 5'CCCCCCATGGATGCCATAAGTCCCTCCCTACAAC-3'
【0068】 得られたフラグメントをプライマーHVRRNF(配列番号3)と共に、鋳型
としてpHvcP8プラスミドDNA(DayおよびEllis, 1985)に対して用いて
、rbcL遺伝子のリボソーム結合部位に連結した16SrRNAプロモーター
を増幅した。 配列番号3 5'CCCCCTCTAGACTCGAGTTTTTTCTATTTTGACTTAC-3'
【0069】 rrnBnプロモーター(配列番号16)は、プライマーSAR5F(配列番
号4)およびXR3R(配列番号5)を用いて精製ブラシカ・ナプス(Brassica
nupus)葉緑体DNAから増幅した16SrRNAプロモーター領域をクローニ
ングすることによって作成された。 配列番号4 5'CCCGCATGCCTTAGGTTTTCTAGTTGGATTTGC-3' 配列番号5 5' GGAGCCCGGGAGTTCGCTCCCAGAAAT-3'
【0070】 これをSmaI部位を介して、アニールしたオリゴRRT(配列番号6)およ
びRRB(配列番号7)をMluIおよびNcoI消化したベクターDNA(p
Trc99:aadA:NtpsbA)中にクローニングすることによって作成
された合成リボソーム結合部位にライゲートした。 配列番号6 5'CGCGTCCCGGGCGAATACGAAGCGCTTGGATAC-3' 配列番号7 5' CATGGATCCCTCCCTACAACTGTATCCAAGCGC-3'
【0071】 合成したrrnHvおよびrrnBnプロモーターの配列を図2において比較
する。配列は約78%の塩基同一性を有する。これらのプロモーター間の組換え
がトランスジェニックプラスチドにおいて高頻度で起こるとは予想されないであ
ろう。なぜなら、それらは最大の完全な重複がたったの17塩基長である不完全
な直列反復を形成するからである。 NtPsbAターミネーター/3’プロセッシング領域は、全ニコチアーナ・
タバカムDNAに対しプライマーPSBA5F(配列番号8)およびPSBA3
R(配列番号9)を用いて作成された。 配列番号8 5'CCCAAGCTTCTGCAGGCCTAGTCTATAGGAGG-3' 配列番号9 5'GGGAAGCTTGGATCCTAAGGAATATAGCTCTTC-3'
【0072】 増幅産物をpBluescriptのEcoRV部位中にクローン化し、pU
M70およびpUM71中に存在する発現カセット中にクローニングするために
、インサートをPstIおよびHindIIIまたはBamHIで切り出した。
NtPsbAの2コピーがpUM70に存在し、NtPsbAの3コピーがpU
M71に存在する。NtPsbAを含む二重領域の全長は図3の配列番号14に
示され、リンカー配列を包含する。
【0073】 aadAコーディング配列を含有する8.0kbp NcoI−PstIフラ
グメントは、pUC−atpX−AAD(Goldschmidt-Clermont, 1991)から得
られた。uidAコーディング配列を含有する1.8kbp NcoI−Sma
IはpJD330から得られた。ストレプトミセス・ヒグロスコピカスのbar
遺伝子は、プラスミドpIJ4104(Whiteら, 1990)から得られた。bar
遺伝子は、開始コドンでのNcoI部位の導入およびその通常のTGA終止コド
ンの代わりにC末端での2つのTAA終止コドンの挿入によって修飾された(図
4、配列番号17)。TAA終止コドンはプラスチド遺伝子において共通であり
、タンデムTAA終止コドンの挿入は、有効なチェーンターミネーションを保証
する。これは、PCRプライマーBARF(配列番号10)およびBARR(配
列番号11)を用いて行われた。 配列番号10 5'CCCCCCCATGGGCCCAGAACGACGCCC-3' 配列番号11 5'TTATTAGATCTCGGTGACGGGCAG-3'
【0074】 得られた570bpコーディング配列をpBluescriptのEcoRV
部位中にクローン化した後、pUM71に存在する発現カセット中に570bp
NcoI−PstI制限フラグメントとして挿入した。プラスチド調節領域の
調節下で外来遺伝子を含有する発現カセットは、標準的なクローニングベクター
中で構築された。構築された外来遺伝子発現カセットのプラスチドゲノム中への
組み込みのために、それらを予め単離した葉緑体DNAのフラグメント中にクロ
ーン化する。プラスミドpTB27(Sugiuraら, 1986)を用いて該手法を説明
した。クローニングを容易にするために、ApaIおよびNotIのための部位
を含有する合成リンカーをタバコプラスチドゲノムの位置59319bpに存在
するpTB27のAocI部位中に挿入して(Shinozakiら, 1986; DDBJ/EMBL/G
enBank 受託番号 z00044; Version 95 Feb 1999)pTB27−linkを作成
した。 合成リンカーは、オリゴヌクレオチド配列番号12および配列番号13をアニ
ーリングすることによって作成された。 配列番号12 5'TTAGGGCCCGGGAAAGCGGCCGC-3' 配列番号13 5'TAAGCCGCCGCTTTCCCGGGCCC-3'
【0075】 外来遺伝子カセットは、pTB27−linkのNotIおよびApaI部位
間に挿入された。リンカーは、タバコプラスチドDNAのrbcLおよびacc
D遺伝子間の遺伝子間領域に位置する。pUM71の場合、uidA、aadA
およびbarを含有する3つの外来遺伝子カセットをClaIおよびNotIを
用いて切り出した。ClaI部位をデオキシヌクレオチドおよびクレノウ酵素で
埋めた後、ApaI(デオキシヌクレオチドおよびクレノウ酵素で埋められた)
およびNotI消化したpTB27−linkにライゲートした。 pUM70およびpUM71中の外来遺伝子は、相同組換えによるプラスチド
ゲノム中への組み込みを成立させるためのタバコプラスチドDNAの5.7kb
pおよび1.3kbpに隣接する(この組み込みは図5および6に説明される)
【0076】 実施例2 植物のプラスチド形質転換 タバコ種子(Nicotiana tabacum v.Wisconsin 38)を10%(W/V)次亜塩
素酸ナトリウム中に浸漬することにより表面殺菌し、室温で20分間ジャー中で
穏かに振盪した。次いで、種子を滅菌蒸留水中で5回洗浄した。各洗浄は10分
間持続させた。種子は発芽し、30g/lシュークロースを有する寒天固形MS
培地(Murashige and Skoog, 1962)上で増殖させた。 一連の無菌タバコ植物由来の若いおよび古い葉の混合物を切断し、固形RMO
P培地(Svabら, 1990)上に軸側を下に向けて置いた。9cmペトリ皿の中央の
4cmの円内に葉を配置した。この4cm円の中央に葉のない約0.5cmの穴
を残した。ドーナツに似たこの葉の配置は、ほとんどのプラスチド形質転換体が
生産される噴霧領域に葉を局在させることによってプラスチド形質転換の効率を
最大にする。
【0077】 約3mgの金ミクロプロジェクトル(1μm)をまず、スペルミジンおよび塩
化カルシウムを用いて5μgのプラスミドDNAで被覆し、最後に100%エタ
ノールの65μl中に再懸濁した。pUM70およびpUM71を被覆プラスミ
ドとして用いた。Bio-Rad PDS-1000 He 粒子デリバリーシステムを用いる爆撃あ
たり5μlのエタノール中におけるプラスミド被覆金懸濁液を用いた。葉を含有
するペトリ皿をシェルフ位置3(ラプチャーディスクから約9cm)に置き、葉
を27−28mmHgの真空で1,100PSIで爆撃した。2つのスペーサー
リング(5mm)はミクロキャリヤーランチシステムにおいてマクロキャリヤー
ホルダーからストッピングスクリーンを分離した。
【0078】 爆撃した葉を40〜48時間で回復させた後、幅3〜5mmの小片に切断し、
500μg/mlスペクチノマイシンおよび500μg/mlストレプトマイシ
ンを含有するRMOP培地上に置いた。プレートを積み重ねて置き、26℃にて
側面照明を用いる12時間明所、12時間暗所サイクルでインキュベートした。 最初の耐性緑色シュートおよび緑色カルスは、3ないし20週後に現れた。p
UM70形質転換体の場合、シュートを小片に切断し、スペクチノマイシンおよ
びストレプトマイシンを含有する新鮮なRMOP固形培地上に置いた。該培地上
でのシュートの再生後、それらを2回目のために再切断し、スペクチノマイシン
およびストレプトマイシンを有する新鮮なRMOP培地上に置いた。抗生物質を
含有するRMOP培地上での再生の第3サイクル後、シュートを100μg/m
lのスペクチノマイシンを補足した固形MS培地を含有するマゼンタ(magenta
)ボックスに移した。いったん根が生じると、小植物を土壌に移し、5−10日
間回復させた。頂点分裂組織および若い葉を毎週、スペクチノマイシン(500
μg/ml)、ストレプトマイシン(500μg/ml)および0.1%(V/
V)Tween20の溶液で3−4週間噴霧した。
【0079】 pUM71の場合、スペクチノマイシンおよびストレプトマイシンに耐性の最
初のシュートおよび緑色細胞系を切断し、5μg/mlのグルホシネート−アン
モニウムを含有する固形RMOP培地に移した。再生の第2サイクル後、植物を
1μg/mlのグルホシネート−アンモニウムで補足したMS培地を含有するマ
ゼンタボックスに移した。根を有する小植物を土壌に移し、5−10日間回復さ
せた。土壌生長植物の頂点分裂組織および若い葉を毎週、グルコシネート−アン
モニウムを含有する0.1%V/VのChallengeTM(登録商標)(Ho
escht "AgrEvo")溶液で、3−5週間噴霧した。修飾されたbar遺伝子は高レ
ベルのグルホシネート耐性をトランスプラストミック植物に与える(図13)。
【0080】 実施例3 トランスプラストミック外来遺伝子の母性遺伝 開花において、プラスチド形質転換体を非形質転換植物の花と相互交雑におい
て交雑した。母親としてプラスチド形質転換体および父親として非形質転換野生
型植物(WT)を含む交雑由来の全ての子孫は、グルホシネート−アンモニウム
に耐性であった(図7)。対照的に、父親(花粉ドナー)としてプラスチド形質
転換体を含む交雑由来の全ての子孫は、グルホシネート−アンモニウムに感受性
であった。抗生物質または除草剤耐性の該母性遺伝パターンはプラスチドDNA
中に組み込まれた耐性遺伝子の典型である。
【0081】 実施例4 トランスプラストミック植物からの抗生物質耐性および除草剤耐性遺伝子の切
除 pUM71は3つの418bp直列反復NtpsbA配列を含有する(図3)
。これらは図5において1−3番の番号をつける。また、それは図5においてA
およびBと称される2つの174bp直列反復rrnHv配列(図2)およびr
rnBn配列を含有する。rrnHvおよびrrnBnプロモーター配列間の組
換えは、その限られた配列同一性(78%塩基同一性、図2)を考えれば、高頻
度で起こることは予測されなかったであろう。pUM71中に存在するuidA
、aadAおよびbar発現カセットの組み込みは、11.4kbp Hind
IIIプラスチドDNAフラグメントを6.9および9.5kbpの2つのHi
ndIIIフラグメントと置き換える。このことは、図5のスキームにおいて示
される。9.5kbp HindIIIフラグメントは、タバコプラスチドDN
Aの接合フラグメントに結合した全部で3つの外来遺伝子(uidA、aadA
、bar)を含有する。組み込まれた遺伝子は、プラスチドrbcLとaccD
遺伝子との間に位置する。該挿入事象は、4.9kbp外来性DNA配列をタバ
コプラスチドゲノム中へ導入し;今日までに記載された最も大きい挿入である。
組み込み事象後、161kbpの組換え型プラスチドゲノムについての選択をグ
ルホシネートアンモニウムを用いて維持する。これは、植物を、内在する野生型
プラスチドゲノムの全コピーがbar遺伝子を含有する組換え型プラスチドゲノ
ムで置換されたホモプラスミーの状態にする。実際、これは、5μg/mlグル
ホシネートアンモニウムを含有する培地上で無菌の植物を生育させ、土壌で生育
させた植物に1:1000希釈のChallenge TM(登録商標)(Ag
rEvo)除草剤を噴霧することによって達成される。
【0082】 いったん全ての野生型プラスチドゲノムが組換え型プラスチドゲノムによって
置換されたならば、選択圧を除去する。該手法は、bar遺伝子を含有する組換
え型プラスチドゲノムを選択する。かかるゲノムはまた、外来性インサート中に
存在する直列反復418NtpsbAまたは174rrnHv調節配列間の組換
え事象のために喪失しないかぎり、uidAおよびaadA遺伝子を含有するで
あろう。
【0083】 uidA、aadAおよびbar遺伝子の喪失を導く組換え事象は、図5に示
される。ケース1におけるaadAおよびbar遺伝子の喪失は、NtpsbA
1およびNtpsA3間の組換え事象に起因する。ケース2において、uidA
およびaadA遺伝子の喪失は、rrnHv AおよびrrnHv B間の組換え
事象に起因する。ケース3において、NtpsbA1およびNtpsA2間の組
換えはaadA喪失をもたらす。ケース4におけるbar遺伝子の喪失は、Nt
psbA2およびNtpsA3間の組換えに起因する。最後に、rrnHv A
およびrrnBn間の組換えはuidA喪失を導いたであろう(ケース5)。r
rnBnおよびrrnHvB間の組換えはケース3に似ており、示されていない
【0084】 60個のトランスプラストミックタバコ植物がpUM71を用いる15の爆撃
から生じた。60個の植物は48の独立した形質転換事象から誘導された。これ
らの植物のうち54個が詳細に研究された。uidA、aadAおよびbar遺
伝子を含有する無傷カセットは、研究された54個の植物のうち47個に存在し
た。これは、11.4kbp野生型プラスチドDNA HindIIIバンドの
プラスチド形質転換体における9.5kbpおよび6.9kbpバンドによる置
換をもたらす。例えば図8を参照し、説明のために図5を参照のこと。トランス
プラストミック植物の大部分における検出可能な11.4kbpバンドの不在は
、野生型プラスチドゲノムの大部分の外来遺伝子を含有する組換え型プラスチド
ゲノムによる置換と一致する。強力な野生型11.4kbpプラスチドフラグメ
ントは、3つのトランスプラストミック植物(図8の15A−11を包含する)
において見ることができ、それは野生型および組換え型プラスチドゲノムのヘテ
ロプラスミーを示す。9.5kbpバンドは3個の外来遺伝子カセット全てを含
有し、uidA、aadAおよびbar遺伝子に特異的なDNAプローブにハイ
ブリダイズする。無傷9.5kbpバンドを含有する植物は全て、グルホシネー
ト−アンモニウム耐性、スペクチノマイシン耐性であり、容易に検出可能なβ−
グルクロニダーゼ(GUS)活性を含有した。GUSはuidA遺伝子の産物で
ある。ブロットと核リボソームDNAに特異的なプローブとのハイブリダイゼー
ション(図8、底面パネル)は、レーンあたりのDNAの同様な負荷を明らかに
した。無傷外来性インサートを含有しなかった5つの植物のうち4つは、ミスタ
ーゲッティングまたは望ましくない再配列のいずれかを示すハイブリダイゼーシ
ョンパターンを生じ、さらに研究されなかった。
【0085】 目的遺伝子を含有するaadA不含およびbar不含プラスチドゲノムを生産
するために図5に示される組換え事象の有用性を明らかにするために、サザンブ
ロット分析を用いた。8の異なる爆撃から得られた48の独立したクローン系統
由来の51個のトランスプラストミック植物を研究した。かかる大きな試料サイ
ズにより、発明者らは、図5に詳述される組換え事象の頻度を正確に評価するこ
とができる。aadAおよびbar遺伝子を切除するNtpsbA1およびNt
psbA3間の組換え事象(図5のケース1)が高頻度で起こって、uidA遺
伝子だけを含有する組換えプラスチドゲノムが生じる。これは、無傷4.9kb
p uidA−aadA−bar外来性インサートも含有する47個の形質転換
体のうち35個において、uidA遺伝子にハイブリダイズする7.0kbp
HindIIIバンドとして容易に見ることができる。例えば、図8を参照のこ
と。これら35個の植物のうち6個において、7.0kbp HindIIIバ
ンドの化学量は9.5kbpバンドと同様か(図8の2D参照)またはそれより
も高い。
【0086】 11個のpUM71トランスプラストミック植物由来のDNA試料は、uid
Aプローブに弱くハイブリダイズした少数の7.0kbp HindIIIバン
ドを生じた(例えば、図8、レーン15A−8、15A−11)。かかる植物の
子孫(例えば、図9の13G)を研究したとき、aadAおよびbar遺伝子喪
失のためにuidA遺伝子だけを含有する組換え型プラスチドゲノムの生産が継
続的な過程であったことは明らかであった。それは、有性交雑および有糸細胞分
裂を通してプラスチドの伝達に伴う。例えば、親植物13GのT子孫のいくつ
かに由来する葉試料は、濃い7.0kbpバンド(図9、底面パネル、レーン3
−6)によって示される高レベルのマーカー不含プラスチドゲノムを含有するが
、親13G(図9、レーン2)は含有しない。13G親は、WTプラスチドDN
Aを含有せず、予測どおり、11.4kbp WTバンドは子孫植物由来のDN
Aの消化物中で検出不可能であった(図9、上部パネル、レーン3−6)。細胞
分裂(細胞質ソーティング)の間のプラスチドDNA複製および分離の推計学的
過程はまた、各ゲノム型の相対レベルにおける変動に寄与するであろう。遺伝子
切除および細胞質ソーティングの組み合わせた作用が、uidA遺伝子を含有す
る「マーカー不含」ホモプラスミックプラスチド形質転換体を生産する。マーカ
ー不含トランスプラストミック幼植物は、aadA遺伝子を欠くので、スペクチ
ノマイシン含有培地上で白くなり、白くなったWT幼植物に似ている(図10A
)。それらは、13G−T1−2親から誘導されるT2幼植物の約24%(79
/326)を示し、それは高レベルの「マーカー不含」プラスチドゲノムの診断
的7.0kbp HindIIIバンドを含有した(図9、底面パネル、レーン
5および6)。トランスジェニック種子をスペクチノマイシン欠如培地上に植え
たとき白色幼植物は観察されなかったので、白色幼植物はプラスチドDNAにお
ける突然変異の結果ではない(図10)。β−グルクロニダーゼ(GUS)活性
は明らかに、親13G−T1−2由来の緑色T幼植物において観察されたが、
WTにおいては観察されなかった(図10C)。均質ではない染色は、GUS基
質(X−Gluc)の葉への不完全な浸透に大きく起因する。親13G−T1−
2由来の白くなったT幼植物をスペクチノマイシン欠如培地に移して、プラス
チドタンパク質合成(図10D)の回復およびuidA遺伝子発現を可能にした
。これらの幼植物中におけるGUS活性は、プラスチドタンパク質合成の回復が
完全である緑色の葉(図10D)に大きく局在した。全ての試験されたスペクチ
ノマイシン感受性トランスプラストミック植物はGUS陽性であって、グルホシ
ネート−アンモニウム感受性であった。
【0087】 NtpsbA 1およびNtpsbA 2間(図5、ケース3)およびNtps
bA 2およびNtpsbA 3間(図5、ケース4)の組換え事象の結果は、サ
ザンブロット分析によって検出されなかった。もし、これらの組換え事象が起こ
るのならば、発明者らのデータは、図5のケース3および4に示される得られる
生産物が不安定であることを示唆する(図11A)。これらの生産物中における
二重のNtpsbA領域間のさらなる組換えは、uidAを保持したままでさら
なる遺伝子喪失を導く。図5のケース4における組換え産物はまた、タバコプラ
スチドをpUM70で形質転換することによっても得られた。7つの独立したp
UM70プラスチド形質転換体のサザンブロット分析は、2つのNtpsbA反
復を含有するタンデムuidA、aadA遺伝子カセットが比較的安定であるこ
とを示す(図11B)。優勢な7.0kbp HindIIIバンドがないので
、これらのpUM70プラスチド形質転換体のうち、aadA遺伝子を高頻度で
失うものはない(図6のスキーム参照)。したがって、pUM71プラスチド形
質転換体の発明者らの分析は、3つの直列反復が、これらの反復のうち2つおよ
びそれらの間に挟まっているDNA領域の迅速な喪失を導く組換え経路を活性化
することを示唆する。pUM70形質転換体に関する研究は、2つのNtpsb
A反復を含有するpUM71組換え経路における中間体が本質的に不安定ではな
いことを示唆する。
【0088】 uidAおよびaadA遺伝子の喪失を導くrrnHv AおよびrrnHv
B間の組換え事象(図5、ケース2)は、NtpsbA反復間の組換え事象と比
べて減少した頻度で起こる。bar遺伝子だけを含有する組換え型プラスチドゲ
ノムは、bar遺伝子プローブにハイブリダイズするが、uidAまたはaad
Aプローブにハイブリダイズしない5.7kbpバンドとして見ることができる
(図5のケース2)。該5.7kbpバンドは、9.5kbp uidA−aa
dA−barバンドを含有する大多数のpUM71形質転換体において少数の種
である。それは、明らかに、3つのpUM71プラスチド形質転換体において見
ることができる(例えば、図8、形質転換体13O参照)。この低い切除頻度は
、uidAおよびaadA遺伝子を欠くが、bar遺伝子を含有するホモプラス
ミックプラスチド形質転換体を生産するのに十分である(図8、形質転換体14
Bおよび14C)。aadAおよびuidAプローブを用いて、14Bおよび1
4C由来のDNAにおいてハイブリダイゼーションは検出できなかった。植物1
4BおよびCは、グルホシネート−アンモニウムに耐性であったが、aadA遺
伝子喪失のためにスペクチノマイシン感受性であった。uidA遺伝子の産物、
β−グルクロニダーゼ(GUS)に関する酵素アッセイは、14BおよびCにお
いて検出可能な活性を示さなかった。uidAの喪失をもたらすrrhHv A
およびrrnBn間の組換え事象は検出されなかった(図5、ケース5)。
【0089】 実施例5 pUM70トランスプラストミック植物の照射 pUM70をタバコプラスチド中に形質転換して、安定なトランスプラストミ
ック植物を生産した。pUM70−1は、サザンブロット分析によって、uid
AおよびaadA遺伝子を含有する組換え型3.8kb外来性インサートに関し
てホモプラスミックであることが示された。形質転換体pUM70−1由来の花
を非形質転換WTタバコ植物由来の花粉と交雑した。500個の種子の発芽によ
り幼植物が生じ、その全てがスペクチノマイシン耐性であった。該母性遺伝パタ
ーンは、プラスチドゲノム中におけるaadA遺伝子を含有する外来性インサー
トの配置と一致する。pUM70−1トランスプラストミック種子の分離したバ
ッチをコバルト源由来の増加する放射線量に曝露した。使用した線量は、50、
100、150および200キロラドであった。表面殺菌後(10%次亜塩素酸
ナトリウム中30分、滅菌蒸留水中で3回洗浄)、種子を3%シュークロース、
1mg/L BAPおよび0.1mg/L NAAを補足した固形MS培地上で発
芽させた。3−4週間後、植物を新鮮な培地に移した。移植後3−4週間以内で
、植物のフラクションが葉上に白色セクターを生じた。これらの班入りの植物の
白色および緑色シュートを分離し、イン・ビトロで同時に増殖させた。いくつか
の場合、黄色シュートが観察され、それは不安定であり、全体として白色または
緑色シュートを生じた。全部で25系統がアルビノおよび緑色植物として増殖し
た。これらの系統の全ては、100−200キロラドで照射された種子から誘導
された。ガンマ照射は、プラスチドDNA中で二本鎖を破壊させ、DNA組換え
および修復酵素を誘導すると予想されたであろう。二本鎖破壊の修復は、白化を
もたらすプラスチドDNAにおける欠失を導くことができる。したがって、白化
は、増加した組換えを被ったプラスチドゲノムのインジケーターを提供すること
ができる。これらの一般的な組換え酵素は、aadA遺伝子に隣接し、その切除
を導く二重NtpsbA反復において作用することが予測されうる。
【0090】 7つの種子から誘導された緑色(G)およびアルビノ(A)植物は、サザンブ
ロット分析によって詳細に研究された。8.3kbp HindIIIバンドは
、uidAおよびaadA遺伝子を含有する無傷外来性インサートのプラスチド
ゲノム中への組み込みに起因する(図6)。8.3kbp HindIIIは、
緑色およびアルビノ植物の大部分に存在し、aadAおよびuidA遺伝子プロ
ーブにハイブリダイズする(図12)。aadA遺伝子の切除は、uidA遺伝
子だけを含有する7.0kbp HindIIIを生じる(図6)。該7.0k
bpバンドは、無傷8.3kbpバンドをも含有する植物2G、7Gおよび7A
において見ることができる。これらの植物はヘテロプラスミックであり、無傷u
idA−aadAインサートを有するプラスチドゲノムおよびaadA遺伝子を
喪失したがuidAを保持しているプラスチドゲノムを含有する。植物5Aにお
けるプラスチドゲノムからのaadA遺伝子の切除は、uidA遺伝子を含有す
る「マーカー不含」トランスプラストミック植物を生産した。植物5A由来のD
NAにおいて、aadA遺伝子はサザンブロットハイブリダイゼーションにより
検出不可能である(図12)。植物5Aは、GUS酵素を含有するが、aadA
遺伝子を欠くので、スペクチノマイシン感受性である。感受性は、植物のスペク
チノマイシン含有培地上で根を生じる能力によって決定される。
【0091】 参考文献 Day, A.および THN. Ellis. (1985) 穀類葯培養由来のアルビノ植物における
プラスチドDNAの欠失形態(Deleted forms of plastid DNA in albino plant
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アデニントランスフェラーゼのトランスジェニック発現:コナミドリムシにおけ
る部位特異的形質転換のための選択マーカー(Transgenic expression of amino
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2.
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、プラスチド形質転換ベクターpUM70およびpUM7
1の制限地図を示す。
【図2】 図2は、プラスチドプロモーターrrnHv(配列番号15)お
よびrrnBn(配列番号16)の配列および比較を示す。rrnHvは、リボ
ソーム結合部位(RBS)に融合したオオムギプラスチドDNAの修飾された1
6S rRNAプロモーターおよびオオムギrbcL遺伝子の開始ATGコドン
を含有する。該プロモーターは穀類のような単子葉植物に最も適当である。rr
nBnの16SrRNAプロモーター領域は、修飾されたニコチアーナ・タバカ
ム(Nicotiana tabacum)プラスチドDNA配列に融合したブラシカ・ナプス(B
rassica napus)プラスチドDNA配列を含有する。該キメラ16SrRNAプ
ロモーター領域はエヌ・タバカム(N. tabacum)rbcL遺伝子のRBSに融合
される。エヌ・タバカム配列に下線を付し、塩基46−116はビー・ナプス(
B. napus)由来である。該プロモーターは双子葉植物に最も適当である。
【図3】 図3は、NtpsbAの3’プロセッシング/ターミネーター領
域の配列を示す(配列番号14)。エヌ・タバカムpsbA遺伝子のターミネー
ター領域は、プラスチド発現カセット中へのクローニングを容易にするために、
上流にPstI部位ならびに下流にAocIおよびBamHI部位を挿入するこ
とによって修飾された。
【図4】 図4は、修飾されたbar遺伝子の配列を示す(配列番号17)
。bar遺伝子(Whiteら、1991)は、図2および3において記載のプラスチド
調節配列を用いてプラスチド内でのその発現が可能になるように、NおよびC末
端が修飾された。修飾は、NcoI部位をそのN末端に、2つのTAA終止コド
ンをC末端に導入する。bar遺伝子の第2のアミノ酸をセリンからグリシンに
変化させた。
【図5】 図5は、pUM71カセットのプラスチドゲノム中への組み込み
および組換え事象によって媒介される遺伝子喪失のスキームを示す。uidA、
aadAおよびbar遺伝子を含有する無傷4.9kbpインサートのプラスチ
ドゲノム中への組み込みは、161kbpの組換え型プラスチドゲノムを生じる
。グルホシネート−アンモニウムを用いるbar遺伝子の選択は、天然プラスチ
ドゲノムのbar遺伝子を含有する組換え型ゲノムによる置換を保証する。直列
反復DNA配列の長さおよび置換は、遺伝子喪失の頻度および型を調節する。p
UM71プラスチド形質転換体において、bar遺伝子についての選択は、rr
nHv AおよびrrnHv B間の組換え事象によって媒介されるaadAおよ
びuidA遺伝子喪失と矛盾しない(ケース2)。NtpsbA1およびNtp
sbA3間の組換えはaadAおよびbarを切除する(ケース1)。Ntps
bA1およびNtpsbA2間、またはrrnBnおよびrrnHvB間の組換
えは、aadAを切除する(ケース3)。NtpsbA 2およびNtpsbA
間の組換えはbarを切除する(ケース4)。rrnHv AおよびrrnBn
間の組換えはuidAを切除する(ケース5)。ケース1および2は、barま
たはuidAのいずれかである目的遺伝子のみを含有するプラスチドゲノムを生
じる。rrnHv AおよびB間の組換えは高頻度ではないと予測されるであろ
う。
【図6】 図6は、pUM70カセットのプラスチドゲノム中への組み込み
および組換え事象によって媒介される遺伝子喪失のスキームを示す。uidAお
よびaadA遺伝子を含有する無傷3.8kbpインサートのプラスチドゲノム
中への組み込みは、160kbpの組換え型プラスチドゲノムを生じる。スペク
チノマイシンおよびストレプトマイシンを用いるaadA遺伝子についての選択
は、天然プラスチドゲノムのaadA遺伝子を含有する組換え型ゲノムによる置
換を保証する。いったんゲノムを含有する組換え型aadAのホモプラスミーが
達成すれば、選択圧を除く。aadAの切除は2つのNtpsbA直列反復間の
組換えによって媒介される(ケース1)。uidAの切除は、rrnHvおよび
rrnBn不完全直列反復間の組換えによって媒介され(ケース2)、高頻度で
はないと予測される。ケース1は、uidAのみを含有する組換え型プラスチド
ゲノムの発生を導く。
【図7】 図7は、pUM71トランスプラストミック植物におけるグルホ
シネート−アンモニウム耐性の母性遺伝パターンを示す。形質転換されていない
野生型(WT)タバコ植物における花との交雑において、pUM71形質転換体
13Gにおける花が花粉ドナーおよびアクセプター部位の両方として用いられた
相互交雑が行われた。交雑において、pUM71−13G(雌)xWT(雄)全
子孫は、母系13G親のグルホシネート−アンモニウム耐性表現型を有する。交
雑において、WT(雌)xpUM71(雄)全子孫は、母系WT(非形質転換)
親のグルホシネート−アンモニウム感受性表現型を有する。対照植物は、植えつ
け後36、43および50日目に0.1%(V/V)チャレンジ(Challenge)
溶液(AgrEvo,150g/lグルホシネート−アンモニウム)で噴霧され
た植物と比較する。ポットは、57日目に写真撮影した。各ポットは5つの植物
体を含んだ。
【図8】 図8は、遺伝子喪失およびbar遺伝子を含有するaadA不含
トランスプラストミック植物の生産を示す初代pUM71形質転換体(T世代
)のサザンブロット分析を示す。個々の植物由来のHindIII消化した全D
NA(2μg)を:挿入部位に隣接するcpDNA(エヌ・タバカムプラスチド
ゲノムの57176ないし60604塩基にまたがる3.4kbp ClaI−
EcoRVフラグメント)、uidA、aadAおよびbarでプローブした。
ビー・ナプス由来の核リボソームDNAを用いてレーンあたりの同様のDNA負
荷をモニターした。9.5kbpHindIIIバンドは3遺伝子(uidA、
aadAおよびbar)全てにハイブリダイズする。7.0kbpHindII
IバンドはuidAプローブのみにハイブリダイズする。5.7kbpHind
IIIバンドはbar遺伝子のみにハイブリダイズする。7.0および5.7k
bpバンドの大きさおよびハイブリダイゼーションパターンは、図5に示される
組換え事象の結果である(ケース1および2)。植物14Aおよび14Bはいず
れの検出可能なaadAまたはuidA配列も含まず、グルホシネート−アンモ
ニウム耐性であるがスペクチノマイシン感受性である。ブロットは60℃にてハ
イブリダイズされ、0.1%SSC、0.1%SDS中60℃で洗浄された。制
限フラグメントの大きさはDNAサイズマーカーから概算された。
【図9】 図9は、増殖の間のaadA遺伝子喪失を示すpUM71形質転
換体の子孫(T1世代)のサザンブロット分析を示す。全DNAは、13G(雌
)xWT(雄)交雑の2つのT2子孫(2および3)の別々の葉領域から調製さ
れた。子孫および親DNAのHindIII消化物を:(a)挿入部位に隣接す
るcpDNA、(b)uidAでプローブした。ブロットは0.1%SSC、0
.1%SDS中60℃で洗浄された。
【図10】 図10は、uidA遺伝子を含有するマーカー不含プラスチド
形質転換体を示す。トランスプラストミック植物13G−T1−2および対照W
T植物由来の種子(T)を表面殺菌し、(A)500mg/mlスペクチノマ
イシンを含有するMS塩類培地(親13G−T1−2由来の漂白された種子を矢
印で示す)または(B)MS塩類培地上に植えた。(C)緑色WTおよび親13
G−T1−2由来のスペクチノマイシン耐性幼植物におけるβ−グルクロニダー
ゼ(GUS)活性。(D)スペクチノマイシンを欠くMS塩類培地上の漂白され
た13G−T1−2幼植物の再緑化は、GUS活性の検出を可能にする。uid
A遺伝子を含有するこれらのスペクチノマシン感受性幼植物は、マーカー不含ト
ランスプラストミック幼植物である。GUSは、uidAレポーター遺伝子の産
物であり、X−Glucを青色産物に変換し、それは白色GUS陰性野生型幼植
物とは対照的に濃く染色された葉として現れる。
【図11】 図11は、pUM71プラスチド形質転換体由来のaadA不
含およびマーカー不含プラスチドゲノムの発生を示す。(A)uidA、aad
Aおよびbar遺伝子を含有するトランスプラストミックpUM71形質転換体
は、bar遺伝子を含有するaadA不含プラスチドゲノムまたはuidA遺伝
子を含有するマーカー不含プラスチドゲノムのいずれかを生じる。2つの174
塩基直列反復間で唯一の組換え事象が可能であり、これはbar遺伝子を含有す
るaadA不含プラスチドゲノムを生じる。pUM71形質転換体において3つ
の418bpNtpsbA反復間では、3つの組換え事象が可能であり、uid
Aのみ、uidA−barまたはuidA−aadAを含有するゲノムを生じる
。2つのNtpsbA反復を含有するプラスチドゲノムuidA−barおよび
uidA−aadAは、高レベルまで蓄積しない。もしこれらのゲノムが生じる
ならば、それらは、残りのNtpsbA直列反復間の組換えのために不安定であ
る。(B)uidAでプローブされた3つのpUM70形質転換体由来のDNA
のサザンブロット。ブロットは0.1%SSC、0.1%SDS中60℃で洗浄
した。タンデムuidAおよびaadA遺伝子を含有する8.3kbp Hin
dIIIバンドは、(A)に示されるuidA−aadAプラスチドゲノムの特
徴である。これは、(A)におけるuidA−aadA中間体が本質的に不安定
でないことを示す。
【図12】 図12は、遺伝子喪失およびuidA遺伝子を含有するaad
A不含トランスプラストミック植物の生産を示すpUM70形質転換体の照射し
た子孫(T1世代)のサザンブロット分析を示す。照射後、個々の種子由来の植
物は緑/白色斑を示した。緑色(G)およびアルビノ(A)シュートは、別々に
増殖させた全体として緑色および白色の植物を生じた。同じ種子から誘導される
緑および白色植物由来のDNAは、隣接するレーンにおいてブロット上で分析さ
れた。2μgの全DNAをHindIIIまたはBamHIのいずれかで消化し
、示されるように、uidAおよびaadA特異的プローブでプローブした。8
.3kbpバンドはuidAおよびaadA遺伝子の両方を含有し、植物の大部
分に存在する。植物5Aにおいて、この8.3kbpバンドはuidAにのみハ
イブリダイズする7.0kbpのバンドによって置換される。植物5Aはいずれ
の検出可能なaadA配列も含有せず、スペクチノマイシン感受性である。それ
は、「マーカー不含」トランスプラストミック植物の一例である。uidAのみ
を含有する7.0kbp HindIIIバンドは、2つのNtpsbA反復間
の組換えから誘導される(図6、ケース1)。
【図13】 図13は、pUM71で形質転換されたトランスプラストミッ
クタバコ植物のグルホシネート−アンモニウム耐性を示す。植えつけ後45、4
9および53日目にChallenge(登録商標)の0%、0.1%、0.5
%および2.5%(V/V)溶液で噴霧し、71目に写真撮影した、対照の非形
質転換植物およびpUM71トランスプラストミック植物、13G(雌)xWT
(雄)交雑のT2子孫。各ポットは4つの植物体を含んだ。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 0017338.5 (32)優先日 平成12年7月15日(2000.7.15) (33)優先権主張国 イギリス(GB) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CO,CR,CU,CZ,DE ,DK,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD, GE,GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK ,LR,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG, MK,MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,P T,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL ,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US, UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ミハイロ・ズブコ イギリス、エム33・2ディイー、チェシャ ー、セール、クラレンドン・クレセント5 番 Fターム(参考) 2B030 AD04 AD05 CA05 CA15 CA17 CA19 4B024 AA08 AA20 BA07 BA10 BA12 BA79 BA80 CA02 CA09 CA10 CA20 DA02 EA04 FA02 FA10 FA20 GA11 HA13 HA14 HA20 4B065 AA50Y AA88X AB01 AC10 AC14 AC20 BA02 CA27 CA29 CA31 CA53

Claims (62)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外来遺伝子と共に導入された選択マーカー遺伝子を含まずに
    外来遺伝子を含有する組換え型プラスチドゲノムを含むトランスジェニック植物
    を生産する方法であって: (a)植物細胞のプラスチドゲノムを、形質転換されたプラスチドゲノム内で
    組換え事象を起こして選択マーカー遺伝子を切り出すが、外来遺伝子は保持する
    ように配置された外来遺伝子、選択マーカー遺伝子および少なくとも2つの直列
    反復配列を含む核酸で安定に形質転換し; (b)プラスチドが選択マーカー遺伝子を含む形質転換植物について1次選択
    培地上で選択し;次いで (c)形質転換プラスチドゲノム内での組換えにより選択マーカー遺伝子の切
    除を促すが、外来遺伝子は保持するために、選択された形質転換植物を1次選択
    培地の不在下で生育させる ことを特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 植物細胞がタバコ植物またはナス科由来の他の植物、アブラ
    ナ科由来の植物のような双子葉植物、あるいは穀類または牧草のようなイネ科由
    来の植物を包含する単子葉植物から選択される請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 核酸が相同組換えによりプラスチドゲノム中に安定に形質転
    換される請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 プラスチドゲノムが外来遺伝子、選択マーカー遺伝子および
    少なくとも2つの直列反復配列を含む発現カセットを含む核酸構築物で形質転換
    される請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 プラスチドゲノムが、1つは直列反復配列に隣接する選択マ
    ーカー遺伝子を含み、他の1つは外来遺伝子を含む2つの別個の核酸構築物で同
    時形質転換される請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 外来遺伝子が疾患耐性遺伝子、害虫耐性遺伝子、除草剤耐性
    遺伝子、特定の生合成経路に関与する遺伝子またはストレス耐性に関与する遺伝
    子である請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 外来遺伝子がストレプトミセス・ヒグロスコピカスのbar
    遺伝子である請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 選択マーカーが非致死である請求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 選択マーカー遺伝子が細菌性aadA遺伝子である請求項8
    記載の方法。
  10. 【請求項10】 挿入配列とプラスチドの内在配列との間の組換えが起こる
    機会を減少させるために、直列反復配列が形質転換されているプラスチドゲノム
    にほとんど類似していない核酸配列を含む請求項1記載の方法。
  11. 【請求項11】 直列反復配列が少なくとも20ヌクレオチド長である請求
    項1記載の方法。
  12. 【請求項12】 直列反復配列が少なくとも50ヌクレオチド長である請求
    項11記載の方法。
  13. 【請求項13】 直列反復配列が少なくとも100ヌクレオチド長である請
    求項12記載の方法。
  14. 【請求項14】 直列反復配列が174ヌクレオチド長である請求項13記
    載の方法。
  15. 【請求項15】 直列反復配列が418ヌクレオチド長である請求項14記
    載の方法。
  16. 【請求項16】 直列反復配列が10,000ヌクレオチド長未満である請
    求項11記載の方法。
  17. 【請求項17】 直列反復配列が選択マーカー遺伝子に隣接する請求項1記
    載の方法。
  18. 【請求項18】 プラスチドゲノム中に導入されるべき核酸が外来遺伝子お
    よびどちらも選択マーカー遺伝子に隣接している2つの直列反復配列を伴う選択
    マーカー遺伝子を含む請求項1記載の方法。
  19. 【請求項19】 プラスチドゲノム中に導入されるべき核酸が1以上の外来
    遺伝子および2つが選択マーカー遺伝子に隣接し、1つが外来遺伝子に隣接して
    いる3つの直列反復配列を伴う選択マーカー遺伝子を含む請求項1記載の方法。
  20. 【請求項20】 プラスチドゲノム中に導入されるべき核酸が1以上の外来
    遺伝子およびどちらも選択マーカー遺伝子に隣接している2つの直列反復配列を
    伴う選択マーカー遺伝子を含む請求項1記載の方法。
  21. 【請求項21】 1次選択培地上での選択をホモプラスミーになるまで続け
    る請求項1記載の方法。
  22. 【請求項22】 さらに、1次選択培地上で生育させた形質転換植物をガン
    マ照射して選択マーカー遺伝子の切除を促すことを含む請求項1記載の方法。
  23. 【請求項23】 外来性uidA遺伝子(βグルクロニダーゼをコードして
    いる)を含有し、uidA遺伝子と共に導入されたaadA遺伝子を含まない組
    換え型プラスチドゲノムを含むトランスジェニックタバコ植物を生産するための
    請求項1記載の方法。
  24. 【請求項24】 外来遺伝子と共に導入された1次選択マーカー遺伝子を含
    まずに外来遺伝子を含有する組換え型プラスチドゲノムを含むトランスジェニッ
    ク植物を生産するための請求項1記載の方法であって: (a)植物細胞のプラスチドゲノムを、形質転換されたプラスチドゲノム内で
    組換え事象を起こして1次選択マーカー遺伝子を切り出すが、外来遺伝子は保持
    するように配置された外来遺伝子、1次選択マーカー遺伝子および2次選択マー
    カー遺伝子ならびに少なくとも2つの直列反復配列を含む核酸で安定に形質転換
    し; (b)プラスチドが1次選択マーカー遺伝子を含む形質転換植物について1次
    選択培地上で選択し;次いで (c)2次選択マーカー遺伝子を含有する植物の選択を可能とするために、お
    よび形質転換プラスチドゲノム内での組換えにより選択マーカー遺伝子の切除を
    促すが、外来遺伝子は保持するために、選択された形質転換植物を2次選択培地
    中で生育させる ことを特徴とする方法。
  25. 【請求項25】 2次選択マーカーが外来遺伝子である請求項24記載の方
    法。
  26. 【請求項26】 ホスフィノスリシンアセチルトランスフェラーゼをコード
    しているbar遺伝子が2次選択マーカーである請求項25記載の方法。
  27. 【請求項27】 少なくとも2つの直列反復配列および選択マーカー遺伝子
    を含む植物プラスチドゲノムを形質転換するための核酸構築物。
  28. 【請求項28】 さらに外来遺伝子を含む請求項27記載の核酸構築物。
  29. 【請求項29】 さらに第2の外来遺伝子を含む請求項28記載の核酸構築
    物。
  30. 【請求項30】 直列反復配列が少なくとも20ヌクレオチド長である請求
    項27〜29のいずれか1項記載の核酸構築物。
  31. 【請求項31】 直列反復配列が少なくとも50ヌクレオチド長である請求
    項27〜29のいずれか1項記載の核酸構築物。
  32. 【請求項32】 直列反復配列が少なくとも100ヌクレオチド長である請
    求項27〜29のいずれか1項記載の核酸構築物。
  33. 【請求項33】 直列反復配列が174ヌクレオチド長である請求項27〜
    29のいずれか1項記載の核酸構築物。
  34. 【請求項34】 直列反復配列が418ヌクレオチド長である請求項27〜
    29のいずれか1項記載の核酸構築物。
  35. 【請求項35】 直列反復配列が10,000ヌクレオチド長未満である請
    求項27〜29のいずれか1項記載の核酸構築物。
  36. 【請求項36】 直列反復配列がNtpsb A配列を含む請求項27〜2
    9のいずれか1項記載の核酸構築物。
  37. 【請求項37】 Ntpsb A配列が配列番号14に示されるものである
    請求項36記載の核酸構築物。
  38. 【請求項38】 直列反復配列がrrnHvプロモーター配列を含む請求項
    27〜29のいずれか1項記載の核酸構築物。
  39. 【請求項39】 rrnHvプロモーター配列が配列番号15に示されるも
    のである請求項38記載の核酸構築物。
  40. 【請求項40】 直列反復配列がrrnBvプロモーター配列を含む請求項
    27〜29のいずれか1項記載の核酸構築物。
  41. 【請求項41】 rrnBvプロモーター配列が配列番号16に示されるも
    のである請求項40記載の核酸構築物。
  42. 【請求項42】 外来遺伝子が疾患耐性遺伝子、害虫耐性遺伝子、除草剤耐
    性遺伝子、特定の生合成経路に関与する遺伝子またはストレス耐性に関与する遺
    伝子から選択される請求項27〜29のいずれか1項記載の核酸構築物。
  43. 【請求項43】 外来遺伝子がuidA遺伝子である請求項42記載の核酸
    構築物。
  44. 【請求項44】 外来遺伝子がbar遺伝子である請求項44記載の核酸構
    築物。
  45. 【請求項45】 選択マーカー遺伝子が非致死である選択マーカーをコード
    する請求項27〜29のいずれか1項記載の核酸構築物。
  46. 【請求項46】 選択マーカー遺伝子が細菌性aadA遺伝子である請求項
    45記載の核酸構築物。
  47. 【請求項47】 第2の外来遺伝子が選択マーカー遺伝子である請求項29
    記載の核酸構築物。
  48. 【請求項48】 第2の外来遺伝子がbar遺伝子である請求項47記載の
    核酸構築物。
  49. 【請求項49】 bar遺伝子が配列番号17に示される配列を含む修飾さ
    れたbar遺伝子である請求項48記載の核酸構築物。
  50. 【請求項50】 直列反復配列が選択マーカーに隣接する請求項27〜29
    のいずれか1項記載の核酸構築物。
  51. 【請求項51】 2つが選択マーカー遺伝子に隣接し、1つが外来遺伝子の
    1つに隣接する少なくとも3つの直列反復配列が存在する請求項29記載の核酸
    構築物。
  52. 【請求項52】 請求項27〜51のいずれか1項記載の核酸構築物を含む
    植物プラスチドゲノムを形質転換するための核酸プラスミド。
  53. 【請求項53】 bar遺伝子、uidA遺伝子、aadA遺伝子、Ntp
    sbAの直列反復配列の3コピー、rrnHvの直列反復配列の2コピーおよび
    rrnBvの1コピーを含むプラスミドpUM71。
  54. 【請求項54】 uidA遺伝子、aadA遺伝子およびNtpsbAの直
    列反復配列の2コピーを含むプラスミドpUM70。
  55. 【請求項55】 植物プラスチドゲノムを形質転換するための請求項52〜
    54のいずれか1項記載のプラスミドの使用。
  56. 【請求項56】 請求項1記載の方法による植物プラスチドゲノムを形質転
    換するための請求項52〜54のいずれか1項記載のプラスミドの使用。
  57. 【請求項57】 プラスチドが請求項52〜54のいずれか1項記載のプラ
    スミドによって形質転換されたトランスジェニック植物細胞または組織。
  58. 【請求項58】 請求項1記載の方法によって生産された、トランスジェニ
    ック植物細胞または組織であって、そのプラスチドは外来遺伝子を含むが、外来
    遺伝子と共に導入された選択マーカー遺伝子を含まないトランスジェニック植物
    細胞または組織。
  59. 【請求項59】 請求項1記載の方法によって生産された、プラスチドゲノ
    ム中に外来遺伝子を含むトランスジェニック植物。
  60. 【請求項60】 外来性bar遺伝子を含む請求項59記載のトランスジェ
    ニック植物。
  61. 【請求項61】 プラスミドpUM71を用いてbar遺伝子が提供される
    請求項60記載のトランスジェニック植物。
  62. 【請求項62】 核に位置するbar遺伝子を欠くグルホシネート−アンモ
    ニウム耐性植物を生産するための請求項1記載の方法の使用。
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JP2021534754A (ja) * 2018-08-22 2021-12-16 ザ トラスティーズ オブ ザ ユニバーシティ オブ ペンシルバニア レタス葉緑体で抗生物質フリーのバイオ医薬品を製造するための組成物および方法

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