JP2003530724A - フィードバックを備えた能動無線周波数ミキサー回路 - Google Patents

フィードバックを備えた能動無線周波数ミキサー回路

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Abstract

(57)【要約】 能動ミキサー回路および関連する方法は、従来の能動ミキサー回路が典型的に可能にするよりも広いダイナミックレンジに亘ってミキサー回路が動作可能であるように、ミキサー回路の線形性を増大するフィードバック素子を含んでいる。このミキサー回路は、一対の相互コンダクタンストランジスタを含む相互コンダクタンス段階を含んでいる。並列な相互コンダクタンストランジスタの両者を介して信号が印加される。フィードバック素子は、第一の相互コンダクタンストランジスタの出力側に接続される。また、ミキシング段階は、第二の相互コンダクタンストランジスタの出力側に接続される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、より広範なダイナミックレンジに亘って改善された線形性を提供す
るフィードバックを備えたミキサー回路に関する。更に、本発明の構造体は、低
ノイズの相互コンダクタンス段階が、改善されたスイッチング速度、高周波動作
、および少ないローカルオシレータドライブで、低キャパシタンスのミキシング
ステージを駆動することを可能にする。
【0002】
【発明の背景】
近年、多重ユーザの無線通信方式の使用が広く普及している。通信技術におけ
る進歩は、極めて多くのユーザによって与えられる無線通信システムの実施を可
能にした。
【0003】 ワイヤレス通信方式では、送信ステーションおよび受信ステーションの間を通
信チャンネルが接続している。この通信チャンネルは、電磁気スペクトルの一部
を使用して有線接続を置換する無線接続を形成する。無線通信方式による通信は
、拘束から開放される特別な利点を提供する。
【0004】 無線通信方式における送信ステーションは、受信ステーションへ通信すべき情
報を、その通信チャンネル上での伝搬を可能にする特徴をもった信号に変換する
。この情報を通信信号に変換するために、送信ステーションは割当てられた周波
数のキャリア波上に該情報を変調する。
【0005】 ミキサー回路は、典型的には送信ステーションの一部を形成する。送信ステー
ションによって通信されるべき情報は、最初はベース帯域の周波数である。送信
ステーションのミキサー回路は、このベース帯域情報の周波数をアップコンバー
トする。送信ステーションは、場合によっては二以上のミキサー回路を含んでい
る。複数のミキシングステージが利用されるときは、第一のミキサーステージに
おいてIF(中間周波数)信号が形成され、送信ステーションの最後のミキシング
段階でRF(ラジオ波)信号が形成される。
【0006】 典型的な受信ステーションは、通信チャンネルによってラジオ波通信信号を受
信し、同様にして該ラジオ波信号をベース帯域信号へと変換する。その後、受信
された通信信号の情報が復元される。受信ステーションは一以上のミキサー回路
を利用し、受信した通信信号の周波数をベース帯域信号にダウンコンバートする
。複数のミキシングステージを利用するときは、最初のミキサー段階でIF信号が
形成され、最後のミキシング段階でベース帯域信号が形成される。
【0007】 受信ステーションの特性は、就中、その感度および選択性によって決定される
。感度は、受信ステーションがノイズの存在下で受信した情報を復元する能力で
あり、ノイズ形、情報バンド幅、およびキャリア対ノイズ比の要件を含む種々の
因子に依存する。ノイズ形は、受信ステーションの前面ダウンコンバータによっ
て設定される。選択性は、受信ステーションが妨害信号の中から情報を分離する
能力である。受信ステーションの選択性は、チャンネルフィルタリングおよび信
号取扱い特性によって決定される。
【0008】 ミキサー回路は、受信ステーションの特性を決定する上で大きな役割を果たす
。受信ステーションの典型的な前面ダウンコンバータは、低ノイズ増幅器、画像
拒絶フィルタおよびミキサー回路を含んでいる。従来のミキサー回路は、一般に
受動回路または能動回路の何れかに分類される。
【0009】 受動ミキサー回路は一般に低ノイズ特性を示し、広いダイナミックレンジに亘
って動作可能である。しかし、受動ミキサー回路は相対的に高い挿入ロスを補償
するために、一般に比較的高いローカルオシレータドライブおよび低ノイズIF(
中間周波数)増幅を必要とする。ミキサー回路が携帯電源によって電力を供給さ
れる低電力集積回路の一部を形成する場合のように、電力要因が顕著であるとき
は、受動ミキサー回路に伴う比較的高い電力要件は不利である。
【0010】 逆に、能動ミキサー回路は高ノイズ特性を示し、狭いダイナミックレンジで動
作する。しかし、能動ミキサー回路は小さいIF増幅および低ローカルオシレータ
ドライブを必要とするので、使用電力が小さい。能動ミキサー回路の少ない電力
要求は、低電力の集積電子部品に関する応用において一般に好ましいものである
。これらの能動ミキサー回路は、セルラ通信方式のような無線通信方式に使用さ
れるモバイルステーションのためには特に有利である。しかし、これらの要件に
ついて、標準の能動ミキサー回路は充分に高い特性を提供せず、改善された能動
ミキサー回路が必要とされている。
【0011】 改善されたダイナミックレンジ、および設計の容易さを示す能動ミキサーが有
利であろう。このような能動ミキサーは、セルラー通信方式または他の無線通信
方式において動作可能な、モバイルステーションの一部を形成できるであろう。
【0012】
【発明の概要】
本発明は、従来の能動ミキサーで可能なよりも広いダイナミックレンジで動作
可能なミキサー回路を提供する。
【0013】 この能動ミキサー回路は、入力信号を受信するように接続された相互コンダク
タンス段階を含む。この相互コンダクタンス段階は一対の相互コンダクタンス素
子を含み、その夫々は信号を受信するように接続される。第一の相互コンダクタ
ンス素子の出力から受信された入力信号に、フィードバック素子が接続される。
第二の相互コンダクタンス素子の出力は、ミキサー回路の一部を形成するミキシ
ング段階に接続される。
【0014】 従来のミキサーにおけるフィードバックは、ミキサーの出力が入力信号の周波
数とは異なる周波数であるため、実際的ではない。本発明におけるフィードバッ
クは、第一の相互コンダクタンス素子の出力が、相互コンダクタンス段階への入
力と同じ周波数であるので効果的である。更に、従来のミキサー回路において、
歪みに対する最大の寄与因子は相互コンダクタンス段階である。このようなフィ
ードバックは線形性を延長し、それによってミキサー回路のダイナミックレンジ
を拡大する。
【0015】 本発明のもう一つの利点は、相互コンダクタンス段階が、並列のまたは多数の
素子を用いて実現されることである。ここでは、バイアス電流および複合的形状
を選択して、ノイズ特性を最小化することができる。典型的には、並列かつ多数
の装置によって実現できる大きな形状の装置が用いられる。大きな形状のトラン
ジスタまたは複数の装置は、ピーク動作周波数を実現するために相当の大きさの
電流を必要とする。標準のミキサー回路においては、相互コンダクタンス段階の
バイアス電流が、ミキサー回路のスイッチングトランジスタに直接給電する。こ
れらのスイッチングトランジスタ素子は、全てのバイアス電流を取り扱うような
サイズである。結局、これらのトランジスタは大きな形状で且つ高キャパシタン
ス値を有し、これは能動ミキサーの高周波数特性を制限して、LOバッファー増幅
器に負荷をかける。本発明では、入力信号バイアス電流の一部のみがミキシング
段階に与えられるので、スイッチングトランジスタは、従来のミキサー回路で要
求されるよりも小さいサイズにすることができる。このような小さいサイズは、
スイッチトランジスタの寄生容量を低減し、またそれらのスイッチング動作のた
めに必要な時間をも減少させる。相互コンダクタンス段階の複数素子構造は、相
互コンダクタンス段階の形状および関連のバイアス電流とは独立に、ミキシング
段階のスイッチトランジスタの形状を最適化することを可能にする。
【0016】 本発明によるミキサー回路の実施例は、セルラ通信方式に利用される無線受信
機のような、無線受信機における前面ダウンコンバータ部分の一部を形成する。
受信信号を表すRF信号がミキサー回路に印加される。ダウンミキシング・ローカ
ルオシレータ信号もまたミキシング回路に印加され、これによりダウンコンバー
トされた信号が生じる。このIF信号は、それをベース帯域に変換するI/Q復調器
に与えられる。
【0017】 本発明のもう一つの実施例は、セルラ通信方式に使用される送信機のような、
送信機部分を形成するために利用される。IF信号は、アップミキシング信号と共
にミキサー回路に印加される。ミキサー回路はアップミックスされたRF通信信号
を発生する。
【0018】 本発明のもう一つの実施例におけるミキサー回路は、送信機または受信機のI/
Q変調器またはI/Q復調器の一部をそれぞれ形成する。
【0019】 このミキサー回路はフィードバックを組込んでいるので、従来の能動ミキサー
回路に比較して、当該回路は広範なダイナミックレンジに亘って線形の出力信号
を発生する。更に、相互コンダクタンス段階のためのトランジスタ形状およびバ
イアス電流の選択は、スイッチトランジスタの大きさの選択から分離される。こ
れは設計を著しく容易にする。
【0020】 従って、これらの側面および他の側面において、入力信号およびミキシング信
号を一緒にミキシングしてミックスされた信号を形成するための、フィードバッ
クを備えたミキサー回路が提供される。増幅段階は、第一の入力側および第一の
出力側をもった第一のトランジスタを有している。この増幅段階はまた、第二の
入力側および第二の出力側をもった第二のトランジスタを有している。増幅段階
の両方の入力は、入力信号を受信するために接続される。第一のトランジスタは
第一の出力側で第一の増幅された信号を発生し、第二のトランジスタは第二の出
力側で第二の増幅された信号を発生する。フィードバック素子は、増幅段階の第
一のトランジスタにおける第一の出力側と入力側との間に接続される。また、ミ
キシング段階は、増幅段階の第二のトランジスタにおける第二の出力側に接続さ
れ、ミキシング信号を受信するように接続される。ミキシング素子は、第二の増
幅された信号およびミキシング信号をミックスして、ミックスされた信号を形成
する。
【0021】 本発明のより完全な理解およびその範囲は、添付の図面、本発明の現時点での
好ましい実施例に関する以下の詳細な説明、および特許請求の範囲から得ること
ができる。
【0022】
【詳細な説明】
図1は、本発明の一実施例になるミキサー回路を示している。このミキサー回
路は、相互コンダクタンス段階18、フィードバック素子26、およびミキシング段
階38を含むように示されている。相互コンダクタンス段階18によってライン22お
よび24上に発生された信号は、フィードバック素子26およびミキシング段階38に
それぞれ印加される。また、フィードバックライン28は、フィードバック素子26
から伸びるように示されている。ライン14上に発生された入力信号は、ライン28
上に発生されたフィードバック信号と共に組合され、その後、ライン34により相
互コンダクタンス段階18の一部に印加される。ライン14上に発生した入力信号
は、直列に接続されたキャパシタ42を通過する。
【0023】 ライン34上に発生した信号は、相互コンダクタンス段階18のトランジスタ44お
よび46に並列に印加される。これらトランジスタ44および46は、相互コンダクタ
ンス段階19における第一および第二の素子をそれぞれ形成する。トランジスタ44
および46は、夫々がライン34上に印加される電圧信号に応答して、ライン22およ
び24上での出力電流信号を形成する相互コンダクタンス増幅器である。図に示し
た実施例では、トランジスタ44および46はバイポーラ接合トランジスタであり、
ライン34は、これらトランジスタのベース電極に接続される。トランジスタ44お
よび46のエミッタ電極は、インダクタ48を介して共通電位に接続される。インダ
クタ48のインダクタンス値はLeであり、エミッタインダクタンスを表している。
また、この実施例では相互コンダクタンス段階18のトランジスタがバイアスされ
て、50オームの入力インピーダンスが達成され、低ノイズ特性が与えられ、線形
の相互コンダクタンスが提供される。低ノイズ特性を達成するために、トランジ
スタの形状は、低い活性ベース抵抗を持った比較的大きな装置になるように選択
される。典型的には、数ミリアンペアのバイアス電流が選択される。
【0024】 トランジスタの入力抵抗は、順方向電流利得(β)の主極(p)上の周波数に
ついて、次式によって近似される: Rin≒rb−pLeβo ここで、rbは活性ベース抵抗であり、βoはβのDC値である。
【0025】 この式から、インダクタ48の値が選ばれる。インダクタはノイズの無いフィー
ドバックを提供し、相互コンダクタンス段階のダイナミックレンジを拡大する。
【0026】 フィードバック素子26は、ここではトランジスタ44のコレクタ電極とベース電
極との間に接続された、インピーダンス素子52で形成されるように示されている
。フィードバック素子26は、ライン28上にフィードバック信号を発生するローカ
ル分岐フィードバック経路を形成する。フィードバック信号をライン14に発生し
た信号と組合せると、相互コンダクタンス段階18の線形性および得られたミキサ
ー回路のダイナミックレンジが改善される。トランジスタ44のベース電極および
コレクタ電極における信号の周波数は同じなので、フィードバックが可能である
【0027】 更に、このミキサー回路は、トランジスタ44のコレクタ電極とバイアス源との
間に接続された負荷素子54を含んでいる。フィードバックの量は、フィードバッ
ク素子52および負荷素子54の両方の値によって調節可能である。
【0028】 ミキシング段階38は、ここではスイッチトランジスタ58および62(これらも、
ここではバイポーラ接合トランジスタである)を含むように示されている。異な
るミキシング信号が、トランジスタ58および62のベース電極に印加される。トラ
ンジスタ58および62のエミッタ電極は、共通して、相互コンダクタンス段階18に
おけるトランジスタ46のコレクタ電極から伸びるライン24に接続されている。ま
た、トランジスタ58および62のコレクタ電極は、それぞれ負荷素子64および66を
介してバイアス電圧源に接続される。ミキシング段階38に接続されたこのバイア
ス電圧源は、負荷素子54が接続されるのと同じ電源を用いてバイアスされればよ
い。
【0029】 入力信号14は、トランジスタ44および46の両方に同時に印加される。また、こ
れらのトランジスタは、49における共通接続を介して同じエミッタ電圧を共有す
る。それらのベースエミッタ間電圧は同一であるから、トランジスタ44および46
のベース電流は相互に計測された値である。この関係は装置の形状に依存する。
従って、負荷素子54に印加される電流は、ミキシング段階38におけるトランジス
タ58および62に印加される電流の丁度2倍である。
【0030】 ライン22に発生したコレクタ電流は、負荷素子52を横切る出力電圧に変換され
て、ライン28上にフィードバック電流を生じる。このフィードバックのために、
相互コンダクタンス段階は、従来のミキサー回路の相互コンダクタンス素子が示
すよりも顕著に低い歪みを示す。そのノイズ特性は僅かに高いが、主要な部品は
変更されていないから、従来の能動ミキサーに匹敵するものである。
【0031】 ライン24に発生した電流は、相互コンダクタンス段階18に印加されるバイアス
電流の一部分である。バイアス電流の一部は、ミキシング段階38並びにトランジ
スタ58および62からフィードバック素子へと分岐される。その結果、スイッチト
ランジスタ58および62の形状およびそれらの信号電流は、相互コンダクタンス段
階とは独立に最適化することができる。
【0032】 図2は、図1に示した実施例におけるミキサー回路と同様の、本発明のもう一
つの実施例におけるミキサー回路10を示している。図1の実施例の対応部分を有
する図2に示した実施例の回路素子には、共通の参照番号が付されている。この
ような共通の参照番号を付した素子についての動作の詳細は、上記で述べた通り
である。
【0033】 図2に示した実施例のミキサー回路は、更にカスケードトランジスタ素子76を
含んでおり、これは、相互コンダクタンス段階18のトランジスタ44のコレクタ電
極と、フィードバック素子52および負荷素子54を共通に接続する共通ノードとの
間に接続される。該トランジスタのベース電極に印加されるバイアス電圧は、ミ
キシングトランジスタ58および62に印加されるバイアス電圧と同様である。これ
は、トランジスタ46のコレクタに印加される電圧を倍化し、また負荷素子54を横
切る電圧変化の効果を分離する。結果として、トランジスタ44の動作はトランジ
スタ46の動作により良く適合し、素子52により与えられるフィードバックを更に
効果的にする。
【0034】 図3は、本発明のもう一つの実施例におけるミキサー回路10を示している。図
3に示した実施例のミキサー回路は異なる回路を形成し、ここでは、該回路に印
加された入力信号が、ライン12上に発生した第一の異なる入力信号およびライン
12'上に発生した第二の異なる入力信号を有する異なる信号を形成する。図3に
示した実施例の回路10の異なる性質のために、該回路は適合した回路素子で形成
され、図において破線で示すようにライン82に関して対称である。図1〜2に示
した実施例に関して先に説明した回路素子に対応する、図3に示したミキサー回
路の実施例の一部を形成する回路素子は、再び共通の参照番号で示されている。
このミキサー回路10は、異なる入力信号を受信し、このような異なる入力信号を
異なるミキシング信号とミックスし、異なるミックスされた信号を発生するよう
に動作可能である。
【0035】 図4は、一般的に90で示した無線トランシーバを示しており、これには本発明
の一実施例のミキサー回路10が含まれている。トランシーバ90は、セルラ通信方
式において動作可能な無線トランシーバのような、例示トランシーバの一部を示
している。他の構成のトランシーバもまた、本発明のミキサー回路の実施例を含
むことができる。
【0036】 無線トランシーバ90に送信された電磁気信号92は、アンテナトランスジューサ
によって検出され、ライン96上で電気的形態に変換される。このライン96は、電
気信号を増幅する増幅器98に接続されている。増幅された信号がライン102上に
発生され、フィルター104によってフィルターされる。
【0037】 フィルター104は、ここではライン106上にフィルターされた信号を発生し、該
信号は本発明の一実施例になるミキサー回路10の第一の入力に接続される。オシ
レータ110によりライン112上に発生されたミキシング信号は、当該ミキサー回路
の第二の入力に印加される。このミキサー回路は、ダウンミックスされた信号を
ライン118上に発生し、該信号はフィルター122によりフィルターされる。このフ
ィルター122は該印加された信号をフィルターし、フィルターされた信号をライ
ン124上に発生する。ライン124上に発生したこのフィルターされた信号は、可変
利得増幅器126によって増幅される。
【0038】 増幅器126により増幅された信号は、I/Q復調器に印加される。このI/Q復調器
は二つのミキサー回路、すなわち、ミキサー回路128および130を含んでおり、可
変増幅器により増幅された信号は、入力としてこれらミキサー回路に印加される
。オシレータ134により発生された振動信号は、ミキサー128および130の第二の
入力に印加される。オシレータ134により発生された振動信号は、ミキサー130に
印加される前に、位相シフタ136によってオフセットされる。I-信号およびQ-信
号は、それぞれのミキサー128および130によってライン138および142上に発生さ
れる。本発明の一実施例において、ミキサー回路128および130は、構造的に先の
図に示したミキサー回路10に対応する。
【0039】 当該トランシーバは、更に、そこから電磁気信号を送信するための送信部分を
含んでいる。I-信号およびQ-信号は、ライン144および146上に発生し、ミキサー
回路148および150に印加される。本発明の一実施例において、当該ミキサー回路
148および150は、構造において先の図に示した実施例のミキサー回路10に対応す
る。オシレータ152により発生された振動信号が、ミキサー148および150の第二
の入力に印加される。ミキサー150に印加される振動信号は、ミキサー150に印加
される前に、位相シフタ154によって位相シフトされる。ミキサー148および150
によりライン156および158上に発生したミックスされた信号は、それぞれ、加算
器160によって合算され、この合算された信号は可変利得増幅器162によって増幅
される。ライン164上に発生した増幅された信号は、本発明の実施例になるミキ
サー回路10に印加される。ミキサー回路10の第二の入力は、オシレータ170によ
り発生されたライン168上の振動信号を受信するように接続される。ミキサー回
路10により形成されアップミックスされた信号が、ライン172上に発生し、フィ
ルター174によってフィルターされる。
【0040】 フィルター174はフィルターされた信号をライン176に発生し、該信号は増幅器
178により増幅された後、アンテナトランスジューサ94に与えられて放射される
【0041】 本発明のミキサー回路を使用することにより、改善されたミキサー特性が可能
である。本発明のミキサー回路は、従来の能動ミキサー回路よりも広いダイナミ
ックレンジにおいて線形特性を示す。加えて、相互コンダクタンス段階の設計が
ミキシング段階の設計から分離されて、設計が容易になる。これは、低ノイズの
相互コンダクタンス段階を可能にし、低キャパシタンスのミキシング段階をドラ
イブし、これによりスイッチ速度、高周波動作および低LOバッファードライブを
含む特性が改善される。
【0042】 上記の説明は本発明を実施するための好ましい例であり、本発明の範囲はこの
説明によって必ずしも制限されるべきではない。本発明の範囲は特許請求の範囲
によって決定される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の一実施例になるミキサー回路を示す概略回路図である。
【図2】 図2は、本発明のもう一つの実施例になるミキサー回路を示すもう一つの概略
回路図である。
【図3】 図3は、本発明の更にもう一つの実施例になるミキサー回路を示す概略回路図
である。
【図4】 図4は、本発明の一実施例を一部として含む無線トランシーバを示すブロック
図である。
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Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号をミキシング信号と共にミキシングして、ミックス
    された信号を形成するためのミキサー回路において: 第一の入力側および第一の出力側を備え且つ前記第一の入力側は前記入力信号
    を受信するように接続された第一のトランジスタを有すると共に、第二の入力側
    および第二の出力側を備え且つ前記第二の入力側は前記入力信号を受信するよう
    に接続された第二のトランジスタを有する増幅段階であって、前記第一のトラン
    ジスタは前記第一の出力側に第一の増幅された信号を発生させるためのものであ
    り、前記第二のトランジスタは前記第二の出力側に第二の増幅された信号を発生
    させるためのものである増幅段階と; 前記増幅段階の第一のトランジスタにおける前記第一の出力側と入力側との間
    に接続されたフィードバック素子と; 前記増幅段階の第二のトランジスタにおける前記第二の出力側に接続されると
    共に、前記ミキシング信号を受信するように接続されて、前記第二の増幅された
    信号および前記ミキシング信号をミックスすることにより、ミックスされた信号
    を形成するためのミキシング素子とを具備するミキサー回路。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のミキサー回路であって、更に、前記増幅段
    階の第一のトランジスタにおける前記第一の出力側とバイアス源との間に接続さ
    れた抵抗素子を具備し、前記抵抗素子は、前記フィードバック素子と共通のノー
    ドにおいて前記第一の出力側に接続されているミキサー回路。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載のミキサー回路であって、前記ミキシング素
    子は更に前記バイアス源に接続されており、前記抵抗素子で発生した電流は、大
    きさにおいて、前記ミキシング素子で発生した電流に対応するミキサー回路。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載のミキサー回路であって、前記入力信号は電
    圧信号を含み、前記第一の増幅された信号は前記電圧信号の電圧レベルに応答す
    る第一の電流レベルの電流信号を含み、前記第二の増幅された信号は前記電圧信
    号の電圧レベルに応答する第二の電流レベルの電流信号を含むミキサー回路。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載のミキサー回路であって、前記第一のトラン
    ジスタは第一の相互コンダクタンストランジスタを含み、前記第二のトランジス
    タは第二の相互コンダクタンストランジスタを含み、前記増幅段階は相互コンダ
    クタンス段階を含むミキサー回路。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載のミキサー回路であって、前記ミキシング素
    子は、前記増幅段階の第二のトランジスタにおける前記第二の出力側とバイアス
    源との間に並列に接続された、第一のスイッチトランジスタおよび第二のスイッ
    チトランジスタを含むミキサー回路。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載のミキサー回路であって、前記第一のスイッ
    チトランジスタおよび前記第二のスイッチトランジスタは、実質的に対応するト
    ランジスタ特性のものであるミキサー回路。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載のミキサー回路であって、実質的に対応する
    前記第一のスイッチトランジスタおよび前記第二のスイッチトランジスタのトラ
    ンジスタ特性にはトランジスタ形状が含まれ、該トランジスタ形状は、該トラン
    ジスタへの前記第二の増幅された信号の印加を可能にするサイズであるように選
    択されるミキサー回路。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載のミキサー回路であって、前記入力信号は、
    無線受信機で受信された無線信号周波数の無線信号を表す受信信号を含み、前記
    ミキシング信号は、前記無線信号周波数よりも低いミキシング信号周波数であり
    、前記ミキシング素子はダウンミックスされた周波数のミックスされた信号を形
    成するミキサー回路。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載のミキサー回路であって、前記入力信号は
    送信信号周波数の送信信号を含み、前記ミキシング信号は前記送信信号周波数よ
    りも大きいミキシング信号周波数のものであるミキサー回路。
  11. 【請求項11】 請求項1に記載のミキサー回路であって、前記フィードバ
    ック素子は、選択されたフィードバック抵抗を示すフィードバック抵抗器を含む
    ミキサー回路。
  12. 【請求項12】 請求項1に記載のミキサー回路であって、前記入力信号は
    異なる入力信号対を含み、前記ミキシング信号は異なるミキシング信号対を含み
    、前記増幅段階は第一の異なる増幅部および第二の異なる増幅部を含み、前記第
    一のトランジスタは第一部分の第一のトランジスタおよび第二部分の第二のトラ
    ンジスタを含み、前記第二のトランジスタは第一部分の第二トランジスタおよび
    第二部分の第二のトランジスタを含み、前記第一部分の第一のトランジスタおよ
    び前記第一部分の第二のトランジスタは前記第一の異なる増幅部を形成し、また
    前記第二部分の第一のトランジスタおよび前記第二部分の第二のトランジスタは
    前記第二の異なる増幅部を形成するミキサー回路。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載のミキサー回路であって、前記フィード
    バック素子は第一のフィードバック素子および第二のフィードバック素子を含み
    、前記第一のフィードバック素子は、前記第一の異なる増幅部における前記第一
    部分の第一のトランジスタと前記第二部分の第二のトランジスタとの間に接続さ
    れ、また前記第二のフィードバック素子は、前記第二の異なる増幅部における前
    記第二部分の第一のトランジスタと前記第二部分の第二のトランジスタとの間に
    接続されるミキサー回路。
  14. 【請求項14】 請求項13に記載のミキサー回路であって、前記ミキシン
    グ素子は前記第一の異なる増幅部および前記第二の異なる増幅部の両方に接続さ
    れ、また前記ミキシング素子により発生された前記ミックスされた信号は、第一
    の異なるミックスされた信号および第二の異なるミックスされた信号で形成され
    るミキサー回路。
  15. 【請求項15】 送信されてきたダウンリンク信号を受信するように動作す
    る無線受信機において、前記ダウンリンク信号および前記ダウンミキシング信号
    を表す受信信号を受信するように接続され、そこからダウンミックスされた信号
    を形成するためのミキサー回路の改良であって:前記ミキサー回路は、 第一の入力側および第一の出力側を備え且つ前記第一の入力側は前記受信信号
    を受信するように接続された第一のトランジスタを有すると共に、第二の入力側
    および第二の出力側を備え且つ前記第二の入力側は前記受信信号を受信するよう
    に接続された第二のトランジスタを有する増幅段階であって、前記第一のトラン
    ジスタは前記第一の出力側に第一の増幅された信号を発生させるためのものであ
    り、前記第二のトランジスタは前記第二の出力側に第二の増幅された信号を発生
    させるためのものである増幅段階と; 前記増幅段階の第一のトランジスタにおける前記第一の出力側と入力側との間
    に接続されたフィードバック素子と; 前記増幅段階の第二のトランジスタにおける前記第二の出力側に接続されると
    共に、前記ダウンミキシング信号を受信するように接続されて、前記第二の増幅
    された信号および前記ダウンミキシング信号をミックスすることにより、ダウン
    ミックスされた信号を形成するためのミキシング素子とを具備する改良。
  16. 【請求項16】 無線送信機において、その第一の入力に印加される送信信
    号およびその第二の入力に印加されるミキシング信号を有し、アップミックスさ
    れた信号を形成するためのミキサー回路の改良であって:前記ミキサー回路は、 第一の入力側および第一の出力側を備え且つ前記第一の入力側は前記送信信号
    を受信するように接続された第一のトランジスタを有すると共に、第二の入力側
    および第二の出力側を備え且つ前記第二の入力側は前記送信信号を受信するよう
    に接続された第二のトランジスタを有する増幅段階であって、前記第一のトラン
    ジスタは前記第一の出力側に第一の増幅された信号を発生させるためのものであ
    り、前記第二のトランジスタは前記第二の出力側に第二の増幅された信号を発生
    させるためのものである増幅段階と; 前記増幅段階の第一のトランジスタにおける前記第一の出力側と入力側との間
    に接続されたフィードバック素子と; 前記増幅段階の第二のトランジスタにおける前記第二の出力側に接続されると
    共に、前記アップミキシング信号を受信するように接続され、前記第二の増幅さ
    れた信号および前記アップミキシング信号をミックスすることにより、前記ミッ
    クスされた信号を形成するためのミキシング素子とを具備する改良。
  17. 【請求項17】 入力信号をミキシング信号と共に ミックスするための方法であって: 増幅段階における第一のトランジスタおよび第二のトランジスタに対して並列
    に入力信号を印加し、ここで前記第一のトランジスタは第一の入Y碌側および第
    一の出力側を有し、前記第二のトランジスタは第二の入力側および第二の出力側
    を有することと; 前記第一のトランジスタにおける第一の出力側に、第一の増幅された信号を発
    生させることと; 前記第二のトランジスタにおける第二の出力側に、第二の増幅された信号を発
    生させることと; 前記第一のトランジスタにおける第一の出力側に発生した前記第一の増幅され
    た信号を、フィードバック素子により、前記第一の増幅器における第一の入力側
    に接続することと; 前記第二の増幅された信号をミキシング素子に印加することと; 前記ミキシング信号を前記ミキシング素子に印加することと; 前記ミキシング素子に印加された前記第二の増幅された信号を前記ミキシング
    信号と共にミックスすることにより、前記ミックスされた信号を形成することと
    を具備する方法。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の方法であって、前記増幅段階に印加さ
    れた入力信号は電圧信号を含み、前記第一の増幅された信号および前記第二の増
    幅された信号は電流信号を含み、該電流信号は前記電圧信号の電圧レベルに関連
    した電流レベルである方法。。
  19. 【請求項19】 請求項17に記載の方法であって、前記接続するステップ
    は、前記第一の増幅された信号の第一の部分を前記第一のトランジスタにおける
    第一の入力側に分岐させることを含む方法。
  20. 【請求項20】 請求項19に記載の方法であって:前記第一のトランジス
    タにおける第一の出力側に発生した前記第一の増幅された信号を負荷素子に接続
    すること;および前記第一の増幅された信号の第二の部分を前記負荷素子に分岐
    させることの追加の動作を含む方法。
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