JP2003530370A - プロテアーゼ又はペプチダーゼの蛍光検出 - Google Patents

プロテアーゼ又はペプチダーゼの蛍光検出

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、PyA-(Z)x-pNF残基の、PyAとpNFの間に確立された直接又は間接の結合を開裂させうるペプチダーゼ又はプロテアーゼ類及び/又は該結合を開裂させうる酵素類に対する阻害又は活性化作用をもつ化合物類の蛍光光度法による検出、同定及び/又は検定を目的とした、基質への使用に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は一般に、ペプチダーゼ又はプロテアーゼに対する阻害能をもつ化合物
の同定及び/又は特性解明を目的とした、これらペプチダーゼ又はプロテアーゼ
の基質へのPyA-(Z)X-pNF残基の使用に関する。本発明は特に、エンドセリン変換
酵素の検定及び/又は同酵素の阻害剤の同定を目的とした配列への、かかる残基
の、より具体的にはPyA-pNF残基の使用に関する。
【0002】 動脈圧の調節は数種のペプチドの制御を受けるが、それらのペプチドは血管収
縮作用をもつか(特にアンギオテンシンII、エンドセリン類及びウロテンシンの
場合)、又は血管拡張作用をもつ(特にブラジキニンの場合、又は水分と塩化ナト
リウムの排出でも一役買っている心房性ナトリウム利尿ペプチドの場合)。 これらすべてのペプチドのうち、2つジスルフィド架橋を伴う環状部分と短い
線状部分をもつペプチド、エンドセリン-1 (ET-1)は、特に心臓レベル(冠状動脈
)の血管壁の平滑筋に作用するきわめて強力な血管収縮物質であるとされている(
図1)。
【0003】 ET-1が属するアイソペプチド・ファミリーには、ET-1との違いが二、三のアミ
ノ酸残基の違いにとどまるエンドセリン-2 (ET-2)とエンドセリン-3 (ET-3)も含
まれる(図2)。 エンドセリン類は内皮細胞により不活性型の前駆体「ビッグエンドセリン」と
して分泌され、それがエンドセリン変換酵素(ECE)のZnメタロペプチダーゼによ
る開裂を経て活性型ペプチドとなる。たとえばET-1の場合には、ECE-1が38アミ
ノ酸残基からなるビッグエンドセリン-1のTrp21-Val22結合を加水分解して2つの
断片を生成するが、そのうちのN-末端断片が活性型のET-1である。ET-3の場合に
は、開裂するのはTrp21-Ile22結合である。
【0004】 ビッグ-ET-1とET-1は血漿中で検出される。またECEはサイトゾル又は膜結合酵
素であり、この場合は、短い細胞内部分、約25アミノ酸残基の膜貫通ヘリックス
、さらに活性部位を含む非常に大きな細胞外ドメインからなるのが特徴である。
ECEはジスルフィド架橋で結合された2つのまったく同じサブユニットからなる(S
himada et al., Biochem. J. (1996) 315, 863-867)。
【0005】 ビッグエンドセリンを低用量投与すると動脈圧が大幅に上昇し、該前駆体の分
解によるエンドセリンの形成を裏付ける。この応答はET-1受容体の拮抗薬により
阻害することができる。 従って、心臓血管疾患できわめて多数の応用分野が見込まれる化合物類を用い
てECEを阻害する利点は大きい。そうした応用分野としては、特に心筋梗塞、狭
心症、脳出血後の血管痙攣、抹消血管痙攣、肺高血圧症、心/腎不全、糖尿病性
疾患及び喘息の治療、並びに再狭窄や心/血管線維症の予防などが挙げられよう
【0006】 たとえば、ある種の心臓血管病はいずれ、エンドセリン類を生成させる酵素す
なわちECEを阻害してエンドセリン類の循環濃度を低下させることにより、予防
又は少なくとも軽減が可能になるかもしれない。 しかし、そうした阻害剤を徹底的に探索するには、きわめて多数の検定を短期
間に実施できるようにするための自動化が可能な、単純な同定試験法を開発しな
ければならない。
【0007】 さて、今日の試験法は難しい、時間がかかりすぎる、比較的非特異的である、
費用がかかりすぎるといった難点がある。 ビッグ-ETに対するECEの作用で生成される2つの断片をHPLCで検定するという
試験方法は、多量の酵素とビッグ-ETを必要とするのが大きな難点である。 125I標識ビッグ-ETの分解、125I-ET-1の生成、及びその受容体への結合による
同定を基礎にした試験法は高速大量処理の検定には使用できない(Fawzi, A.B.,
Clemen, R.M. & Wright, D.L. (1994) Anal. Biochem. 222, 342-350)。ET-1と
その受容体の結合により誘発されるcGMPの増加を測定する細胞検定法も同断であ
る。
【0008】 放射免疫測定法(RIA)は非常に複雑な一連の連続試験を必要とし、選択性が比
較的低く、またビッグ-ETと125I-ET-1の両方を必要とする。これらの複雑な検定
法は、試験法の自動化による厖大な潜在阻害剤の高速大量処理スクリーニングに
は不向きであり、使用期限の短い放射性ヨウ化エンドセリンを合成又は購入する
必要もある。
【0009】 もっと最近では、Trp-Val開裂部位を含む21アミノ酸残基からなるペプチドのN
-末端分へのトリチウム化プロピオニル残基の結合によって得られる放射性基質
の使用を基礎とする試験法が提唱されている(FR No. 96 02673)。生成した放射
性N-末端代謝産物を有機溶媒で撹拌しながら抽出し、この溶媒試料を取り出して
シンチレーション液と混合してから、カウンターで放射能を測定するというもの
である。この場合も、一連のステップが検定の自動化になじまないうえに、放射
性元素の使用が、従ってトリチウム化基質の定期的な合成が必要となる。
【0010】 本発明の目的は、前述の諸試験法に見られる難点の解消を可能にする新規検定
試験法の提供に他ならない。 もっと具体的に言えば、本発明は修飾酸L-パラ-ニトロフェニルアラニン(pNF)
を結合させたピレニルアラニン(PyA)の使用が診断目的に特に有利である旨の立
証を基礎にしている。
【0011】 ピレニルアラニンは蛍光能が大きい合成アミノ酸である。好都合にも、このPy
A残基の蛍光能はPyAの近くに、好ましくは近接して、pNF残基が存在するとほぼ
完全に抑制される。 従って、PyA本来の蛍光能はPyA残基がpNF残基の抑制作用をもはや受けなくな
って初めて発現する。それはたとえば、特にプロテアーゼ又はペプチダーゼ(そ
れがメタロペプチダーゼ、セリンプロテアーゼ、アスパラギン酸プロテアーゼ、
システインプロテアーゼのいずれの種類に属するかは問わない)による開裂でpNF
残基から物理的に切り離されたときである。
【0012】 従って、PyA-pNF型の残基は、基質の中に、特にペプチド又は擬似ペプチド配
列の中に導入して、開裂の出現を蛍光で視覚化しようとするときに、特に有利な
道具となりそうである。 従って本発明の第1の態様は、PyAとpNFの間に確立された直接又は間接の結合
を開裂させる傾向のある化合物類及び/又は該結合を開裂させうる既知化合物に
対する阻害又は活性化作用をもつ化合物類の蛍光法による検出、同定及び/又は
検定を目的とした、基質への PyA-(Z)x-pNF残基 の使用に関連するが、式中ZはL型系列の天然又は非天然アミノ酸残基の配列を
表わし、またxは1又は0を表わす。
【0013】 請求項記載の使用は、プロテアーゼ又はペプチダーゼ型の化合物類を、その種
類たとえばセリンプロテアーゼ、システインプロテアーゼ、アスパラギン酸プロ
テアーゼ、メタロペプチダーゼといった種類を問わず検出、同定及び/又は検定
するうえで、格別に有利である。 本発明は、PyAとpNFの間に確立された結合の開裂による両残基の分離に起因す
る蛍光の出現を基礎とする。
【0014】 従ってZは、好ましくは20種の天然アミノ酸からなるリストより選択される4個
までの同じ又は異なるアミノ酸残基を含むことができる。Zで表わされる該アミ
ノ酸鎖の長さは実際には、該ペプチダーゼの基質特異性に応じて、またPyAとpNF
を隔てる距離がPyAによる本来の蛍光発光に対するpNFの抑制効果の発現と両立し
うるように、調節することになる。
【0015】 こうした調節のための第2の基準は、PyA-(Z)x-pNFを含む基質を本来的に開裂
する化合物の特異性と親和性の保持という課題に関連する。従って、PyA-(Z)x-p
NF残基の選択はこれら2つの基準を考慮して行われる。 ペプチジル残基PyA-(Z)x-pNFの導入先となる基質はペプチド基質である。 本発明の一実施態様はECEにより認識されるペプチド配列へのPyA-(Z)x-pNF残
基の、好ましくはPyA-pNFの導入に関する。こうして、ECEもしくはECE阻害剤又
は活性化剤の同定、検出及び/又は検定が可能になる。PyA-pNF残基の加水分解
は蛍光をきわめて大幅に(基質の分解が5%の場合で約150〜800倍)増強する。
【0016】 本発明の好ましい実施態様によれば、ジペプジジル残基PyA-pNFはECEにより認
識されるペプチド配列中の、該残基により置換される天然の開裂部位に存在する
。 意外にも、ジペプジジル残基PyA-pNFはECEによる開裂が可能であると判明して
おり、また同残基を含むペプチド配列に対するECEの親和性又は特異性を損なわ
ない。
【0017】 該ペプチド配列がビッグ-ET-1又は-2のペプチド配列に相当する場合には置換
される結合はTrp21-Val22であり、ビッグ-ET-3のペプチド配列に相当する場合に
は置換される結合はTrp21-Ile22である。 出発物として使用されるビッグ-ET-1 (19-35)は通常の方法で、たとえば特にF
moc技術により、Applied Biosystemsの431Aモデルなどのような固相自動合成機
を使用して、参考文献E. ATHERTON and R.C. SHEPPARD (1989) Solid Phase Pep
tide Sythesis: a practical approach, IRL Press, Oxfordに記載の要領で調製
することができる。
【0018】 請求項記載の使用はきわめて高感度であるため、2〜50μM程度の低基質濃度に
対して50〜100μl程度のごく少量で間に合う。 本発明の第2の態様は一般式I Ac-(X1)n-PyA-(Z)x-pNF-(X’1)m-R (I) で示される生成物に関連するが、式中 −記号X1とX’1はアミノ酸残基である; −ZはL型系列の天然又は非天然アミノ酸残基の鎖であり、またxは1又は0である; −RはOH又はNH2基である; −Acはアセチル基である; −nは2〜6の整数、またmは0〜16の、好ましくは3〜13の整数である。
【0019】 こうして、本発明の試験法は式Iで示されるペプチド類の使用を基礎とするが
、該ペプチド類のN-末端部分はアシル化されており、それにはアミノペプチダー
ゼによる開裂からの保護及び加水分解によって生成するN-末端断片の疎水性の強
化という少なくとも2つの利点がある。 蛍光の発現は一般式II Ac-(X1)n-PyA-(Z’)x (II) で示される代謝産物の開裂による生成に関連するが、式中 −X1とnは前記のとおりである; −Z’はL型系列の1個以上の天然又は非天然アミノ酸残基である; −xは1又は0である。 より好ましくは、式I及びII中xは0である。
【0020】 本発明の第1変法によれば、式Iの化合物類は一般式IA Ac-(Z1)-(Z2)-Ile-Ile-PyA-pNF-Asn-Thr-Pro-Glu-His-Val-Val-Pro-Tyr-Gly-Leu
-Gly-Ser-(Z4)-(Z5)-(Z6)-COOH (SEQ ID No.1) (IA) に相当するが、式中Z1、Z2、Z4、Z5及びZ6は同じでも異なってもよいが、1個の
アミノ酸残基を表わす。
【0021】 より具体的には、式I又はIA中 −Z1とZ2は次のとおりである: Z1とZ2が単結合であるか、 又はZ1が単結合であり、Z2がアミノ酸Aspであるか、 又はZ1、Z2がそれぞれアミノ酸Leu、Aspである; −Z4、Z5及びZ6は次のとおりである: Z4、Z5及びZ6が単結合であるか、 又はZ5とZ6が単結合であり、Z4がアミノ酸Proであるか、 又はZ6が単結合であり、Z4、Z5がそれぞれアミノ酸Pro、Argであるか、 又はZ4、Z5、Z6がそれぞれアミノ酸Pro、Arg、Serである。
【0022】 ECEによって認識される基質は、特にこの一般式IAにより網羅される。 ECEによって認識され一般式Iに従う基質の代表例としては Ac-Ile-Ile-PyA-pNF-Asn-Thr-Pro-Glu-His-Val-Val-Pro- Tyr-Gly-Leu-Gly-Ser-COOH (SEQ ID No.2) Ac-Arg-Pro-Lys-Pro-Gln-Gln-PyA-pNF-Gly-Leu-Met-NH2 (SEQ ID No.3) 又は Ac-Ser-Gly-PyA-Lys-Ala-Phe-Ala-pNF-Gly-Lys-NH2 (SEQ ID No.8) が特に挙げられよう。
【0023】 SEQ ID No.2はさらに、一般式IAにも従う。 同様に、式IIで示される代謝産物の代表例としては Ac-Ile-Ile-PyA (SEQ ID No.4) Ac-Arg-Pro-Lys-Gln-Gln-PyA (SEQ ID No.5) 又は Ac-Ser-Gly-PyA-Lys-Ala (SEQ ID No.9) が特に挙げられよう。
【0024】 本発明の第2変法によれば、一般式Iの化合物類は一般式IB Ac-Ser-Lys-Gly-PyA-(Z)x-pNF-Gly-Gly-Lys-NH2 (SEQ ID No.6) (IB) に相当するが、式中Zとxの定義は一般式Iの場合と同じである。 同変法によれば、生成する代謝産物は一般式IIa Ac-Ser-Lys-Gly-PyA-(Z’)x (SEQ ID No.7) に相当するが、式中Z’とxの定義は一般式Iの場合と同じである。
【0025】 本発明の一般式IBで示される基質の例としては、次のものが挙げられよう: ・ セリンプロテアーゼ・ファミリーのモデル酵素としてのカリクレインの基質
として Ac-Ser-Lys-Gly-PyA-Lys-Ile-pNF-Gly-Gly-Lys-NH2 (SEQ ID No.10) [生成代謝産物:Ac-Ser-Lys-Gly-PyA-Lys (SEQ ID No.11)] ・ システインプロテアーゼ・ファミリーのモデル酵素としてのパパインの基質
として Ac-Ser-Lys-Gly-PyA-Leu-Lys-pNF-Gly-Gly-Lys-NH2 (SEQ ID No.12) [生成代謝産物:Ac-Ser-Lys-Gly-PyA-Leu (SEQ ID No.13)] ・ アスパラギン酸プロテアーゼ・ファミリーのモデル酵素としてのペプシンの
基質として Ac-Ser-Lys-Gly-PyA-Leu-pNF-Gly-Gly-Lys-NH2 (SEQ ID No.14) [生成代謝産物:Ac-Ser-Lys-Gly-PyA-Leu (SEQ ID No.13)] ・ メタロエンドペプチダーゼ・ファミリーのモデル酵素としてのネプリライシ
ンの基質として Ac-Ser-Lys-Gly-PyA-Lys-Phe-pNF-Gly-Gly-Lys-NH2 (SEQ ID No.15) [生成代謝産物:Ac-Ser-Lys-Gly-PyA-Lys (SEQ ID No.11)] ・ メタロジペプチジルカルボキシペプチダーゼ・ファミリーのモデル酵素とし
てのACEの基質として Ac-Ser-Lys-Gly-PyA-Ala-Gly-Phe-pNF-OH (SEQ ID No.16) [生成代謝産物:Ac-Ser-Lys-Gly-PyA-PyA-Ala-Gly (SEQ ID No.17)] 本発明の化合物類の調製は当業者の技術範囲内である。
【0026】 請求項記載の化合物類は、たとえばApplied Biosystemsの431A装置などのよう
な自動合成機を用いて、Merrifield法による通常の固相合成法で得られよう。使
用される化学反応はE. Atherton and R.C. Sheppard (1989), “Solid Phase Pe
ptide Synthesis: a practical approach, IRL Press, Oxford”に記載されてい
るように、Fmoc技術と側鎖の保護に対応し、トリフルオロ酢酸による側鎖の開裂
を可能にする。
【0027】 式Iの化合物類を生成するためのアシル化反応は技術上周知の条件下で行うこ
とができる。 L-ピレニルアラニンは、J.M. Soleilhac et al., Anal. Biochem. (1996) 241
, 120-127に記載の不斉合成法で得られる。最終生成ペプチド類の純度は逆相HPL
Cで99%超と見積もられ、またペプチド類の同定はエレクトロスプレー質量分析で
行う。
【0028】 カップリングは、常法により、HATU又はPyBropなどのようなカップリング剤を
用いて、また好ましくはジクロヘキシルカルボジイミド/ヒドロキシベンゾトリ
アゾールを用いて行う。 本発明の別の態様は、セリンプロテアーゼ、システインプロテアーゼ、アスパ
ラギン酸プロテアーゼ及びメタロペプチダーゼから選択されるプロテアーゼの、
より好ましくはECEの、検出、同定及び/又は検定、並びに該酵素に対する阻害
能又は活性化能を有する化合物類の研究を目的とした、前述の一般式Iで示され
る化合物の使用に関する。本発明の好ましい変法によれば、検定対象の化合物は
ECEであるか又はECEに対する阻害能又は活性化能を有する化合物である。
【0029】 本発明の主題はまた、ECEに対する阻害能又は活性化能を有する化合物を検出
、同定及び/又は検定する方法であり、該方法は − ECEによって認識される一般式Iの化合物を溶液中で該ECE及び該ECEを阻害
又は活性化する傾向のある1以上の化合物と接触させるステップ、 − 検出、同定及び/又は検定対象の化合物の存在下で、また適切な場合には不
存在下で、放出される蛍光を測定するステップ、及び − 蛍光の不存在又は減少が、ECEを阻害する化合物の存在を示唆するステップ
を含むことを特徴とする。
【0030】 3化合物を接触させる順序は実際には決定因ではない。まず一般式Iの化合物
をECEと接触させ、次に阻害剤又は活性化剤と推定される化合物を後続のステッ
プで導入することも可能である。 別の変法では、一般式Iの化合物をまず検定対象の化合物と、次いでECEと接
触させる。
【0031】 ECE阻害活性を測定する試験の対象となる前述の化合物は種類が無制限に多様
であろうし、またたとえばホスホンアミド類、ホスファミド類およびそれら化合
物の誘導体、もしくはメタロプロテイナーゼ類たとえばチオール誘導体、カルボ
キシレート又はヒドロキサメートから選択することができる。また、そのECE阻
害活性が判明しているホスホラミドンやN-(フェニルエチルホスホニル)-Leu-Trp
(TAKEDA)などの化合物も挙げられよう。
【0032】 試験対象の化合物は単離形態をとってもよいし、既知でも未知でも、及び/又
は化合物ライブラリー、生物学的抽出物又は水の中に存在してもよい。 好ましい変法によれば、該基質は Ac-Ile-Ile-PyA-pNF-Asn-Thr-Pro-Glu-His-Val-Val-Pro-Tyr- Gly-Leu-Gly-Ser-COOH (SEQ ID No.2)(ペプチド1s) Ac-Arg-Pro-Lys-Pro-Gln-Gln-PyA-pNF-Gly-Leu-Met-NH2 (SEQ ID No.3)(ペプチド2s) 又は Ac-Ser-Gly-PyA-Lys-Ala-Phe-Ala-pNF-Gly-Lys-NH2 (SEQ ID No.8)(ペプチド3s) である。
【0033】 たとえば一般式Iの基質に対するECEの酵素活性を阻害しうる化合物の逓増量
の追加は、ECEにより形成される式Ac-Ile-Ile-PyA (ペプチド1m)、Ac-Arg-Pro-L
ys-Gln-Glu-PyA (SEQ ID No.5) (ペプチド2m)又はAc-Ser-Gly-PyA-Lys-Ala (SEQ
ID No.9) (ペプチド3m)の代謝産物に由来する蛍光の強度を低下させ、その蛍光
強度が数時間ほとんど変わらないという結果を招くであろう。基質と形成される
蛍光代謝産物との混合物で確立される標準曲線と関連づけて行われる該強度の測
定は従って、生成物Pの任意の規定濃度における阻害率としての阻害能を評価す
るか、又はそのIC50を、次いでそのKIを、基質のKmといくつかの生成物P濃度を
用いて精密に算出することを可能にする。
【0034】 該試験法は感度がきわめて高く、ごく少量(100μl)でも、基質1sなら20μM程
度の濃度(すなわち検定当たり4.43μgに対応する2 nmole)に対し、又は基質2sな
ら5μMに対して、有効である。従って、該試験法は96穴以上のプレートにも楽に
使用することが可能であり、適当な市販ソフトウエアを備えたコンピューターに
読取り蛍光光度計を連結すれば、KI値の自動計算による試験の自動化が可能にな
る。
【0035】 ペプチド1s、2s及び3sはECEとインキュベートすると、HPLCによる反応系の分
析から明らかなように、PyA-pNFペプチド結合の単一開裂に対応する2つの代謝産
物を生成するだけである。 好都合にもこれらの基質はきわめて選択性が高い。というのも、ECEと同じフ
ァミリーに属する精製Znメタロペプチダーゼ類たとえばネプリライシン(NEP)又
はアンギオテンシン変換酵素(ACE)と37℃で2時間インキュベートした後にHPLCで
分析しても開裂はまったく観測されないからである。
【0036】 最後に、該試験法は高感度、高特異性であるため、精製ECE類 (Takahashi et
al., J. Biol. Chem. (1993) 268, 21395-21398) だけでなく、ECEをその中に予
め導入したCHO細胞の膜調製品 (Xu et al., Cell (1994) 78, 473-485)も、又は
ECE濃度が高い動物組織(ラットの肺又は脳)さえも、使用が可能である。ECEの配
列と構造は生物種間の保存度がきわめて高く、ラットとヒトでは特にそうである
ため、精製又は非精製げっ歯類ECEで得られる結果(たとえば阻害剤のKI値)は組
換えヒト酵素で得られる結果と全く同じである。
【0037】 本発明は従って、ごく迅速な、再現性の高い蛍光光度検定法を用いてECE阻害
剤を同定するための、またその阻害能を決定するための試験法を提供して、自動
化が可能な、従ってまた阻害性分子の高速大量スクリーニングへの適合が可能な
きわめて多数の試験を行えるようにする。 本発明はまた、新規工業製品の生産を可能にするが、該製品は凍結乾燥ECEか
又は一般式I及び1s、2s及び3sの基質を入れてあるインスタント96穴、192穴及
び384穴プレートを含むキットとして使用することも随意に可能であり、その場
合には所要の試薬を加えれば一連の分子の阻害能を、随意にコンピューターを用
いて、決定することができる。
【0038】 本発明のもう1つの態様は、前記の式I化合物を使用して、血漿中の異常なエ
ンドセリン変換酵素濃度に関連した病理を診断する方法に関する。 添付の図と実施例は本発明の非限定的な説明を目的に示す。
【0039】 実施例1 ペプチドの調製 ピレニルアラニン残基をもつペプチド1s及び2s並びに対応する蛍光代謝産物の
調製を、“Solid Phase Peptide Sythesis: a practical approach, IRL Press,
Oxford”に記載の要領で、固相自動合成機で、Merrifield法により、Fmoc技術
と一般にt-ブチル、エーテル又はエステル、トリチル又はBoc残基の形をとる側
鎖の保護とを用いて行う。
【0040】 カップリングはN-メチルピロリドンに溶かしたジシククロヘキシルカルボジイ
ミド/ヒドロキシベンゾトリアゾールを用いて行う。側鎖の開裂とトリフルオロ
酢酸による脱保護を経て目的のペプチドが得られる。溶液を減圧で蒸発させ、ペ
プチドをエーテルで沈殿させ、HPLCによりVyDac C18カラムで精製する。 ペプチド類の分析には質量分析と1H NMR (400又は600 MHz)を用いる。 化合物1s Ac-Ile-Ile-PyA-pNF-Asn-Thr-Pro-Glu-His-Val-Val-Pro-Tyr-G
ly-Leu-Gly-Ser-COOH (SEQ ID No.2) MH+ (exp): 2101.1 ; MH+ (theo): 2102.7 化合物2s Ac-Arg-Pro-Lys-Pro-Gln-Gln-PyA-pNF-Gly-Leu-Met-NH2 (SEQ ID No.
3) MH+ (exp): 1558.8 ; MH+ (theo): 1559.7 これらのペプチドは凍結乾燥後に粉末として暗所に4℃で又は−20℃で、変質
せずに6か月余り保存することができる。同様に、基質ストック液(10-3〜10-4 M
)もまた暗所に4℃で数週間保存することができる。
【0041】 実施例2 2.1: 材料と方法 種々のECE含有調製品、たとえばCos-1細胞中で発現する組換えヒトECE-1c (Sh
imada et al., J. Biol. Chem. (1994) 269, 18275-18278) 又はCHO細胞 (Xu et
al., Cell (1994) 78, 473-485) などが使用可能である。いずれの場合も、ウ
ェスタン・ブロット法で抗体を用いて該酵素の有無を試験し、その濃度を精製酵
素との比較で評価する。
【0042】 ECE活性は96穴プレートを使用して一般に次の条件で測定する: 100μlの50mMトリス-マレエート緩衝液(pH 6.5)、20μM又は5μMの蛍光ペプチ
ド1s又は2s、及びECEの純度に応じてかつ蛍光基質の開裂が5%未満に止まるよう
に希釈した10μlのECE液。インキュベーションは使用基質次第で20分間〜1時間
、20℃〜37℃で、潜在阻害剤の存在下又は不存在下に、その濃度を(たとえば5×
10-6Mや10-6Mに) 固定して又はKI値を求められるよう10-11〜10-5Mの範囲で逓増
させて行う。反応を種々の方法で、たとえば90℃への加熱、4℃への急冷、最終
容量の20%を限度とするジオキサンなどの有機溶媒の添加により停止させ、次い
で随意に自動分析装置へと連結した蛍光光度計(λex = 340nm; λem = 400 nm)
で値を読み取る。ネットワーク蛍光光度計の使用は377nmでの蛍光読取りにより
検定感度をさらに大幅に向上させる。コントロール試験は諸々の試薬の存在下に
、ただしECEを用いずに、又は90℃、5分間の熱処理で予め不活性化したECEを用
いて、行う。ENZFITTERソフトウエアを用いて計算した基質のKm値(基質に対する
酵素の親和性を表わす定数)は次のとおりである: 1s, Km = 22.1±0.9 μM; 2s, Km =2±0.5 μM. 阻害剤のKI値は、種々の濃度での減衰率及び標準範囲との比較を用いて自動的
に求めることができる。IC50値が蛍光の観測値から直接、線形近似後に得られる
ので、それをCheng-Prussof式、KI = IC50/1 + ([S]/ Km)に代入すればKIが得ら
れる(式中[S]は基質濃度である)。
【0043】 2.2: 阻害剤の不存在下での蛍光ペプチド1s及び2sに関するECE活性の検定 基質1s及び2sの蛍光は、またそれらの代謝産物の蛍光も、阻害剤の不存在下に
評価した。採用したプロトコールは前述のとおりである。 図3a及び3bはそれぞれ、ペプチド1sとその代謝産物1m及びペプチド2sとその代
謝産物2mの蛍光発光スペクトルを示す。
【0044】 生成物は、基質選択性の検証を目的に、HPLCでヌクレオシルC18カラム[7μm/3
00Å(4.6×70mm)により、緩衝液B [TFAのCH3CH/H2O(容量比9/1) 0.038%溶液]と
緩衝液Bの40〜47%/10分グラジエントを用いて分析する(送液流量1ml毎分)。 いずれの場合でも、L.PyA-L.pNFジペプチドに単一開裂部位が観測され、生成
代謝産物は2つだけであった。
【0045】 実施例3 いくつかの化合物の阻害作用を実施例2の場合と同じプロトコールで評価した
。 試験化合物は次のとおりである: ネガティブ・コントロール R=レトロチオルファン T=チオルファン C=カプトプリル L=リシノプリル ポジティブ・コントロール P=ホスホラミドン 採用した個別検定条件は次のとおりである:
【表1】 * 6N HCl又は80℃、10分間の加熱処理で変性させた酵素を使用するとブランク
の残留蛍光はほとんど変わらない。
【0046】 プレインキュベーションを37℃で10分間行う。次いでECE基質を所定量加える
。全混合液を37℃で20分間〜1時間インキュベートし、冷却により、又はジオキ
サン(20μl)添加により反応を停止させる。 蛍光プレートリーダーでの読取りは4℃で、次の個別条件下で行う: 励起光波
長340nm、観測光波長400nm、利得85。
【0047】 検定は96穴プレートで行う。 表Iは試験化合物の内容と濃度をウェルごとに示している。化合物の試験は2
濃度で実施した。
【表2】 実施例4 表IIは蛍光強度の測定値をウェルごとに示している。低蛍光値は試験化合物の
強い阻害活性を物語る。化合物Pの阻害活性は完全に検証されている。
【0048】
【表3】
【図面の簡単な説明】
【図1】 ビッグエンドセリンのペプチド配列。
【図2】 エンドセリンET-1、ET-2及びET-3のペプチド配列。
【図3】 ペプチド1sとその代謝産物1mの蛍光発光スペクトルを示すグラフ(図3a)及びペ
プチド2sとその代謝産物2mの蛍光発光スペクトルを示すグラフ(図3b)。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロク,ベルナール ピエール フランス国,エフ−75014 パリ,リュ カナビ,38 (72)発明者 ルシアニ,ナタリー フランス国,エフ−75010 パリ,リュ フィリップ ドゥ ジラール,2 (72)発明者 フルニー−ザルスキー,マリー−クロード フランス国,エフ−75011 パリ,アブニ ュ ドゥ ブービヌ,16 (72)発明者 ドゥ ロキニュイ,ユギュ フランス国,エフ−78000 ベルサイユ, リュ ジャック ルメルシエ,29 Fターム(参考) 4B063 QA18 QA19 QQ03 QQ36 QR48 QR58 QR67 QS02 QX02 4H045 AA10 AA30 BA15 BA16 BA17 EA50 EA65

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 PyA-(Z)x-pNF残基(式中ZはL型系列の天然又は非天然アミノ
    酸の鎖を表わし、またxは1又は0を表わす)の、PyAとpNFの間に確立された直接又
    は間接の結合を開裂させる傾向のある化合物類及び/又は該結合を開裂させうる
    既知化合物類に対する阻害又は活性化作用をもつ化合物類の蛍光法による検出、
    同定及び/又は検定を目的とした、基質への使用。
  2. 【請求項2】 基質がペプチド性であり、かつPyA-(Z)x-pNF残基を開裂させ
    る傾向のある、又は開裂させうる化合物がプロテアーゼ又はペプチダーゼである
    請求項1記載の使用。
  3. 【請求項3】 プロテアーゼがセリンプロテアーゼ、システインプロテアー
    ゼ、アスパラギン酸プロテアーゼ及びメタロプロテアーゼのファミリーから選択
    される請求項2記載の使用。
  4. 【請求項4】 プロテアーゼがメタロプロテアーゼである請求項3記載の使
    用。
  5. 【請求項5】 基質がエンドセリン変換酵素(ECE)によって認識されるペプ
    チド配列であり、かつ検出、同定及び/又は検定されるのがECE又はECE阻害剤で
    ある請求項1ないし4のいずれか1項に記載の使用。
  6. 【請求項6】 PyA-(Z)x-pNF残基がペプチジル残基であり、式中xは1であり
    、またZは4個までの同じ又は異なるアミノ酸残基を含みうる群あって、その長さ
    がPyAに対するpNFの抑制効果の発現と両立しうることを特徴とする請求項1ない
    し5のいずれか1項に記載の使用。
  7. 【請求項7】 ペプチジル残基PyA-(Z)x-pNF中のxが0である請求項1ないし5
    のいずれか1項に記載の使用。
  8. 【請求項8】 ジペプチドPyA-pNFが、ECEによって認識される配列中の、該
    ジペプチドの置換先となる自然開裂部位に存在する請求項5ないし7のいずれか1
    項に記載の使用。
  9. 【請求項9】 置換される結合がビッグエンドセリン-1又はビッグエンドセ
    リン-2のTrp21-Val22結合である請求項8記載の使用。
  10. 【請求項10】 置換される結合がビッグエンドセリン-3のTrp21-Ile22
    合である請求項9記載の使用。
  11. 【請求項11】 式(I)で示される化合物: Ac-(X1)n-PyA-(Z)x-pNF-(X’1)m-R (I) (式中 −X1とX’1は互いに独立に1個のアミノ酸残基である; −ZはL型系列の天然又は非天然アミノ酸残基の配列であり、またxは1又は0であ
    る; −RはOH又はNH2基である; −Acはアセチル基である; −nは2〜6の整数、またmは0〜16の整数である。)
  12. 【請求項12】 xが0である請求項11の化合物。
  13. 【請求項13】 式(Ia)で示される請求項11又は12の化合物: Ac-(Z1)-(Z2)-Ile-Ile-PyA-pNF-Asn-Thr-Pro-Glu-His-Val-Val-Pro-Tyr-Gly-Leu
    -Gly-Ser-(Z4)-(Z5)-(Z6)-COOH (Ia) (SEQ ID No.1) (式中Z1、Z2、Z4、Z5及びZ6は同じでも異なってもよいが、1個のアミノ酸残基
    を表わす。)
  14. 【請求項14】 次の条件を満たす請求項13の化合物: −Z1とZ2は次のとおりである: Z1とZ2が単結合であるか、 又はZ1が単結合であり、Z2がアミノ酸Aspであるか、 又はZ1、Z2がそれぞれアミノ酸Leu、Aspである; −Z4、Z5及びZ6は次のとおりである: Z4、Z5及びZ6が単結合であるか、 又はZ5とZ6が単結合であり、Z4がアミノ酸Proであるか、 又はZ6が単結合であり、Z4、Z5がそれぞれアミノ酸Pro、Argであるか、 又はZ4、Z5、Z6がそれぞれアミノ酸Pro、Arg、Serである。
  15. 【請求項15】 次の式で示される、請求項12ないし14のいずれか1項の化
    合物: Ac-Ile-Ile-PyA-pNF-Asn-Thr-Pro-Glu-His-Val-Val-Pro- Tyr-Gly-Leu-Gly-Ser-COOH (SEQ ID No.2) Ac-Arg-Pro-Lys-Pro-Gln-Gln-PyA-pNF-Gly-Leu-Met-NH2 (SEQ ID No.3) 又は Ac-Ser-Gly-PyA-Lys-Ala-Phe-Ala-pNF-Gly-Lys-NH2 (SEQ ID No.8)
  16. 【請求項16】 式(IB)に相当する請求項11の化合物: Ac-Ser-Lys-Gly-PyA-(Z)x-pNF-Gly-Gly-Lys-NH2 (SEQ ID No.6) (式中ZはL型系列の天然又は非天然アミノ酸残基の配列であり、またxは1又は0で
    ある。)
  17. 【請求項17】 次の式で示される、請求項16の化合物: Ac-Ser-Lys-Gly-PyA-Lys-Ile-pNF-Gly-Gly-Lys-NH2 (SEQ ID No.10) Ac-Ser-Lys-Gly-PyA-Leu-Lys-pNF-Gly-Gly-Lys-NH2 (SEQ ID No.12) Ac-Ser-Lys-Gly-PyA-Leu-pNF-Gly-Gly-Lys-NH2 (SEQ ID No.14) Ac-Ser-Lys-Gly-PyA-Lys-Phe-pNF-Gly-Gly-Lys-NH2 (SEQ ID No.15) 又は Ac-Ser-Lys-Gly-PyA-Ala-Gly-Phe-pNF-OH (SEQID No.16)
  18. 【請求項18】 一般式IIで示される化合物: Ac-(X1)n-PyA-(Z’)x (II) (式中 −X1は同じでも異なってもよいが、1個のアミノ酸残基を表わす; −nは2〜6の整数である; −xは1又は0である; また −Z’はL型系列の天然又は非天然アミノ酸残基の鎖である。)
  19. 【請求項19】 次の式で示される、請求項18の化合物: Ac-Ile-Ile-PyA (SEQ ID No.4) Ac-Arg-Pro-Lys-Gln-Gln-PyA (SEQ ID No.5) Ac-Ser-Lys-Gly-PyA-Lys (SEQ ID No.11) Ac-Ser-Lys-Gly-PyA-Leu (SEQ ID No.13) Ac-Ser-Lys-Gly-PyA-Ala-Gly (SEQ ID No.17)
  20. 【請求項20】 セリンプロテアーゼ、システインプロテアーゼ、アスパラ
    ギン酸プロテアーゼ及びメタロプロテアーゼのファミリーから選択されるプロテ
    アーゼ又は該酵素に対する阻害能又は活性化能を有する化合物の検出、同定及び
    /又は検定を目的とした、請求項11ないし17に記載の化合物の使用。
  21. 【請求項21】 メタロプロテアーゼの、より好ましくはECEの、又は該酵
    素に対する阻害能又は活性化能を有する化合物の検出、同定及び/又は検定を目
    的とした、請求項20記載の使用。
  22. 【請求項22】 ECEに対する阻害能又は活性化能を有する化合物を検出、
    同定及び/又は検定する方法であって、 − ECEによって認識される請求項11ないし17に記載の一般式Iの化合物を、溶
    液中で、該ECE及び該ECEを阻害又は活性化する傾向のある1以上の化合物と接触
    させるステップ、 − 検出、同定及び/又は検定対象の化合物の存在下で、また適切な場合には不
    存在下で、放出される蛍光を測定するステップ、及び − 蛍光の不存在又は減少が、ECEを阻害する化合物の存在を示唆するステップ
    を含むことを特徴とする方法。
  23. 【請求項23】 一般式Iの化合物が Ac-Ile-Ile-PyA-pNF-Asn-Thr-Pro-Glu-His-Val-Val-Pro- Tyr-Gly-Leu-Gly-Ser-COOH (SEQ ID No.2) Ac-Arg-Pro-Lys-Pro-Gln-Gln-PyA-pNF-Gly-Leu-Met-NH2 (SEQ ID No.3) 又は Ac-Ser-Gly-PyA-Lys-Ala-Phe-Ala-pNF-Gly-Lys-NH2 (SEQ ID No.8) である請求項22の方法。
  24. 【請求項24】 請求項11ないし17のいずれか1項に記載の化合物を使用し
    て、血漿中の異常なエンドセリン変換酵素濃度に関連した病理を診断する方法。
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