JP2003529962A - 無線通信システムにおけるビーム形成の方法および装置 - Google Patents

無線通信システムにおけるビーム形成の方法および装置

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Abstract

(57)【要約】 可変レート伝送ができるCDMAデータ通信システムにおいて、ビーム形成手法の利用は、隣接するセル(124)における加入者局(112)への基地局(104)の送信によって引起こされる平均の干渉を減少させる。基地局(102、104)は、多種多様の送信アンテナ(106、108)を利用し、各々は、個々の加入者局(112、116、114)に相応する送信信号ビーム(110、118、122)を形成するために、制御された位相で信号を送信する。データおよび参照信号は、加入者局(112、116、114)で測定される搬送波対干渉比(C/I)を最小化するために、一定のタイムスロットおよびサブスロットに従って変化するビーム(110、118、122)に沿って送信される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の背景 1.発明の分野 本発明は無線データ通信に関する。特に、本発明は無線通信システムにおける
高レートパケットデータ伝送のための新規で改良された方法および装置に関する
。 2.関連技術の説明 現代の通信システムは、種々の応用を支持するように要求される。このような
通信システムの1つは、後にIS‐95標準として参照される“デュアルモード
広帯域スペクトル拡散セルラシステムのためのTIA/EIA/IS‐95移動
局‐基地局適合性標準”に一致する符号分割多元接続(CDMA)システムであ
る。CDMAシステムは、地上リンクを介するユーザ間の音声およびデータ通信
を考慮に入れる。多元接続通信システムにおけるCDMA手法の用途は、“衛星
または地上中継器を使用するスペクトル拡散多元接続通信システム”と題する、
米国特許第4,901,307号、および“CDMAセルラ電話システムにおけ
る波形を発生させるためのシステムおよび方法”と題する、米国特許第5,10
3,459号に開示されていて、両方とも本発明の譲受人に譲渡され、ここに引
用文献として組入れられている。
【0002】 この明細書においては、基地局は加入者局が通信するハードウェアをさす。セ
ルは術語が使用される文脈によって決まるハードウェアまたは地理的サービス領
域をさす。セクタ(sector)はセルの分区である。CDMAのセクタはセ
ルの属性を持つので、セルの術語で説明された教示は容易にセクタまで拡張され
る。
【0003】 CDMAシステムにおいては、ユーザ間の通信は1つまたはより多い基地局を
通して行われる。1つの加入者局上の第1番目のユーザは、基地局へ逆方向リン
ク上のデータを伝送することによって、第2番目の加入者局上の第2番目のユー
ザと通信する。基地局はデータを受信し、他の基地局へそのデータを発信するこ
とができる。データは第2番目の加入者局へ、同じ基地局つまり第2番目の基地
局の順方向リンク上に伝送される。順方向リンクは基地局から加入者局への伝送
をさし、逆方向リンクは加入者局から基地局への伝送をさす。IS‐95システ
ムにおいては、順方向リンクと逆方向リンクは別々の周波数を割当てられる。
【0004】 加入者局は、通信の間少なくとも1つの基地局と通信する。CDMA加入者局
は、ソフトハンドオフの間、同時に多種多様の基地局と通信することが可能であ
る。ソフトハンドオフは、前基地局を用いるリンクを切断する前に新基地局を用
いるリンクを確立する処理である。ソフトハンドオフは中断呼の確率を最小にす
る。ソフトハンドオフ処理の間、1つより多い基地局を通して通信に加入者局を
提供するための方法およびシステムは、“CDMAセルラ電話システムにおける
移動局援助ソフトハンドオフ”と題する、米国特許第5,267,261号に開
示されていて、本発明の譲受人に譲渡され、ここに引用文献として組入れられて
いる。よりソフトなハンドオフは、同じ基地局によってサービスされる多種多様
のセクタに亘って通信を生じさせる処理である。よりソフトなハンドオフの処理
は、“共通基地局のセクタ間のハンドオフを行うための方法および装置”と題す
る、係属中の米国特許第5,625,876号に詳細に記載されていて、本発明
の譲受人に譲渡され、ここに引用文献として組入れられている。
【0005】 無線データ応用に対し増加する需要を仮定すれば、非常に効果的な無線データ
通信システムの必要はますます重要になってきている。IS‐95標準は、順方
向と逆方向リンクを介するトラフィックデータと音声データを伝送することが可
能である。一定の大きさの符号チャンネルフレームにおけるトラフィックデータ
を伝送するための方法は、“伝送のためのデータの書式化(format)のた
めの方法および装置”と題する、米国特許第5,504,773号に開示されて
いて、本発明の譲受人に譲渡され、ここに引用文献として組入れられている。I
S‐95標準に従って、トラフィックデータまたは音声データは、毎秒14.4
キロビットほど高いデータレートで、20ミリ秒の幅の符号チャンネルフレーム
に区分される。
【0006】 音声サービスとデータサービスの間の重要な相違は、前者が厳しく一定の遅延
要求を課する事実である。典型的には、音声フレームの総合一方向遅延は100
ミリ秒より少なくなければならない。これに対比してデータ遅延は、データ通信
システムの効率を最適化するために使用される可変パラメータになることができ
る。とりわけ、音声サービスによって容認されることができるものよりはっきり
と長い遅延を要求する、より効率的な誤り訂正符号化手法が利用されることがで
きる。例示的データの効率的符号化案は、“回旋的符号化符号語を復号化するた
めのソフトディシジョン(soft decision)出力復号器”と題する
、米国特許第5,933,462号に開示されていて、本発明の譲受人に譲渡さ
れ、ここに引用文献として組入れられている。
【0007】 音声サービスとデータサービスの間の他の重要な相違は、前者が全てのユーザ
について、一定で共通の度合のサービス(grade of service)
(GOS)を要求することである。典型的には、音声サービスを提供するディジ
タルシステムについて、これは全てのユーザのための一定の等しい伝送レートお
よび通話フレームの誤り率のための最大容認値といいかえられる。これに対比し
て、データサービスについて、GOSはユーザからユーザへ異なることができ、
かつデータ通信システムの総合効率を増大するために最適化されたパラメータで
あることができる。データ通信システムのGOSは、典型的には、事前決定され
たデータの量の転送に受ける合計遅延として定義され、後でデータパケットとし
て参照される。
【0008】 それでも、音声サービスとデータサービスの間の他の重要な相違は、例示的C
DMA通信システムにおいて、前者がソフトハンドオフによって提供される信頼
できる通信リンクを要求することである。ソフトハンドオフは信頼性を改善する
ために2つまたはより多い基地局から余分な伝送をする結果になる。しかしなが
ら、誤りがある受信されたデータパケットは再伝送されることができるので、こ
の付加的な信頼性はデータ伝送については要求されない。データサービスについ
ては、ソフトハンドオフを支持するために使用される伝送パワーは、付加的なデ
ータを伝送するためにより効率的に使用されることができる。
【0009】 データ通信システムの品質と有効性を評価するパラメータは、データパケット
を転送するために要求される伝送遅延とシステムの平均処理能力レートである。
伝送遅延は、データ通信においては、音声通信についてあるのと同様な影響は持
たないが、それは、データ通信システムの品質を評価するための重要な計量であ
る。平均処理能力レートは、通信システムのデータ伝送容量の効率の評価基準で
ある。
【0010】 セルラシステムにおいては、どれか与えられたユーザの搬送波対干渉比(ca
rrier‐to‐interference)C/Iがサービス領域の中のユ
ーザの位置の関数であることはよく知られている。与えられたサービスの水準を
維持するために、TDMAとFDMAシステムは周波数再使用手法に頼る、すな
わち、全てではない周波数チャンネルおよび/またはタイムスロットは、各基地
局において使用される。CDMAシステムにおいては、同様な周波数割当てはシ
ステムのどのセルにおいてもみな再使用され、これによって総合効率を改善する
。どれか与えられたユーザの加入者局が達成するC/Iは、基地局からユーザの
加入者局へのこの特定のリンクのために支持されることができる情報レートを決
定する。本発明がデータ伝送のために最適化しようと努力する伝送のために使用
される特定の変調と誤り訂正方法を仮定すれば、与えられた水準の性能はC/I
の相応する水準で達成される。6角形のセルレイアウトを用いどのセルにおいて
もみな共通の周波数を利用する理想化されたセルラシステムについては、理想化
されたセルの中の達成されたC/Iの分布は計算されることができる。無線通信
システムにおける高レートディジタルデータを伝送するための例示的システムは
、“より高レートのパケットデータ伝送のための方法および装置”と題する、係
属中の米国特許出願第08/963,386号に開示されていて、(以後´38
6号出願という)本出願の譲受人に譲渡され、ここに引用文献として組入れられ
ている。
【0011】 負荷されたCDMAシステムにおける多くの信号干渉が同様なCDMAシステ
ムに属する送信器によって引起こされることはまたよく知られている。容量を増
大しようとして、セルはしばしば、セクタまたはより低パワーで作動するより小
さいセルに分割されるが、このような方法は費用がかかり広く変化する信号伝播
特性を持つ領域に適用するのが困難である。本発明のデータ通信システムは非常
に多くの数の小さいセルを要求することなく、システムにおける要素間の相互干
渉を減少する方法を提供する。
【0012】 発明の概要 本発明は、CDMAシステムにおける高レートパケットデータ伝送のための新
規で改良された方法および装置である。本発明は、他の加入者局へは最小の干渉
を引起こすが、目的地の加入者局へ強い順方向リンク信号を供給する手段を備え
ることによって、CDMAシステムの効率を改善する。
【0013】 本発明は、地上無線応用への使用のためのビーム形成手法を適応させることに
よって、高データレート無線システムにおける容量を最大化する代りの方法を備
える。本発明に従って、各基地局で多種多様の送信アンテナを用いるセルラシス
テムを説明する。各基地局から、同様であるが、各々異なる相対位相変移とパワ
ーレベルを持つ信号が各アンテナから送信される。意図された信号の受信器(い
つもは単一の加入者局)の搬送波対干渉比(C/I)を最大化するために、送信
アンテナの各々から送信されている信号の位相は適切に設定されなければならな
い。
【0014】 加入者局でC/Iを最大化する1つの方法は、加入者局へのサービス基地局(
serving base station)の送信アンテナの各々からのチャ
ンネルインパルス応答を決定することによることである。サービス基地局は、サ
ービス基地局の各送信アンテナから、加入者局アンテナで受信される各信号の位
相と利得の知識を必要とする。それ故に、送信アンテナの各々から受信される信
号の位相と利得を加入者局に推定させる案が工夫されなければならない。1つの
方法は、送信アンテナの各々によって送信器と受信器の両方に周知の特性を持つ
参照信号を送出することである。本発明の例示的実施形態においては、参照信号
バーストは、基地局の各アンテナから送出され、送信アンテナの各々にそれぞれ
相応するチャンネルインパルス応答を加入者局に推定させる。参照信号バースト
は、各アンテナについて異なるウォルシュ符号(Walsh code)のよう
に、1つのアンテナを通して一度にバーストを送信することによるか、または各
アンテナについて異なる符号スペースを使用することによるかのいずれかによっ
て分離されてもよい。
【0015】 基地局は、その代わりに、各送信アンテナによってチャンネルインパルス応答
参照信号を連続的に送出すかも知れないが、各アンテナについて異なる構造を持
つ参照信号を使用する。加入者局は異なる参照を別々に検出し、かつ各送信アン
テナに相応するチャンネルインパルス応答を推定するかも知れない。加入者局に
多種多様の受信アンテナがあるときは、加入者局は各送信アンテナ‐受信アンテ
ナの組に相応するチャンネルインパルス応答を推定しなければならない。
【0016】 加入者局は、基地局へ各送信アンテナ‐受信アンテナの組に相応する推定され
たチャンネルインパルス応答を表示する信号を逆方向リンク上に送信する。一旦
、各送信アンテナ‐受信アンテナの組のチャンネルインパルス応答が知られると
、基地局はそのとき各加入者局へ向けてビームを最適に形成するかも知れない。
【0017】 送信アンテナから送出された信号を調節する代りの方法は、加入者局から基地
局へのチャンネルインパルス応答とは異なる信号品質帰還を送出することに基づ
く。例えば、加入者局は受信するC/Iを測定し、かつ推定された受信C/I値
を表示する信号を基地局へ送出してもよい。基地局はそのとき、1つのまたは全
てのその送信アンテナによって送信された信号の位相を調節してもよい。加入者
局はそのとき受信されたC/Iの新推定値を作成し、基地局へその推定値を送出
する。基地局は新C/Iを旧C/Iと比較する。C/Iが増加されていれば、基
地局は加入者局でC/Iをさらに増加させるために、前と同じ方向に送信信号の
位相をさらに調節する。しかしながら、新C/Iが旧C/Iより小さいならば、
基地局は反対の方向に送信位相を調節する。異なるアルゴリズムは、加入者局か
らの信号品質帰還に基づいて、異なるアンテナによる送信信号位相と利得を更新
するために使用されてもよい。
【0018】 推定されたC/Iに基づくどのような信号品質計量も、基地局への帰還として
加入者局によって使用されてもよい。´386号出願に記載された例示的高デー
タレート無線通信システムにおいては、加入者局は、その推定されたC/Iに基
づいてパケットを首尾よく受信することができるデータレートを決定する。デー
タレートは、C/I測定の代りに、データレート制御(DRC)信号の形式で基
地局へ送出される。例示的システムにおいては、DRC情報は加入者局によって
送出される逆方向リンク信号に埋め込まれる。基地局はそのとき、正しい方向に
送信信号の位相を変化させているかどうかを決定するためにDRC信号における
変化を使用してもよい。一旦、加入者局からの最大データレート(最大DRC)
信号に相応する位相が見出されると、基地局はその特定の加入者局への全ての送
信についてそれらの位相を使用する。通常、基地局は多種多様の加入者局へ送信
されるべきパケットを予定しなければならない。この状況においては、異なる加
入者局へ順方向リンク上にパケットが送信される順序を決定するスケジューリン
グアルゴリズムが工夫される。一旦、スケジューラ(scheduler)がど
の加入者局にサービスするかを決定すれば、基地局はその加入者局へ信号を送信
するための最大DRCに相応する位相を使用する。
【0019】 ´386号出願に記載された例示的システムにおいては、加入者局で測定され
たC/IとDRC情報は、サービス基地局からの信号を他の全ての基地局からの
干渉と比較することに基づく。いつでも以前に他の基地局によって引起こされた
干渉は、それらの基地局によって送信された信号の位相に依存する。そのタイム
スロットの中で、加入者局が第1番目の基地局からのデータを受信するように予
定されているタイムスロットの間、第2番目の基地局はその送信位相を変化させ
ると想定されたい。これは考慮中の加入者局で干渉レベルを増加させるかも知れ
なく、第1番目の基地局によって送信された信号を受信することの信頼性を容認
できない水準にまで低下させ、加入者局でのパケット誤り率を増加させる結果と
なる。
【0020】 前の問題を解決する1つのやり方は、各基地局について付加的な信号バースト
(DRC参照バーストとして、ここに参照される)を割当てることであり、その
信号バーストは、基地局が将来事前決定された数のスロットを使用しようと意図
する送信位相を使用して送出される。加入者局はそのとき、DRC参照バースト
を使用して適切な将来の順方向リンクデータレートを計算してもよい。このやり
方で、加入者局は、干渉レベルがあるだろうことを将来のDRCが知ると推定す
るだろう。それ故に、各タイムスロットの間、2つの型の信号バースト、現在の
スロットにおけるデータを復調するためのデータパイロットバーストおよび今か
らの2つのタイムスロットのDRCを推定するためのDRC参照バーストが送出
されるだろう。現在のスロットにおいてデータを送出するために使用されるのと
同様な送信位相を使用して、データパイロットが送出されていることに注目され
たい。
【0021】 提案された第3世代CDMAシステムにおいては、信号は、4相変移(QPS
K)変調を使用して変調される。QPSK信号の同位相(I)と直交位相(Q)
成分上の負荷の平衡をたもつために複合PN拡散の方法が使用される。複合PN
拡散は、“CDMA無線通信システムにおける低減されたピーク対平均伝送パワ
ー高データレート”と題する、米国特許出願第08/856,428号に記載さ
れていて、本出願の譲受人に譲渡され、ここに引用文献として組入れられている
【0022】 ソフトハンドオフにおける異なる基地局からの信号を復調するためのおよび多
通路受信に基づく改善された信号推定のための方法および装置は、“CDMAセ
ルラ通信システムにおけるダイバーシティ受信器”と題する、米国特許第5,1
09,390号に詳細に記載されていて、本出願の譲受人に譲渡され、ここに引
用文献として組入れられている。
【0023】 CDMA通信システムにおける探索と獲得を行うための方法および装置は、“
CDMA通信システムにおける探索獲得を行うための方法および装置”と題する
、米国特許第5,644,591号および第5,805,648号に詳細に開示
されていて、両方とも本発明の譲受人に譲渡され、ここに引用文献として組入れ
られている。
【0024】 本発明の特徴、目的、および利点は、全体を通じてそこに類似の参照文字が対
応して識別する図面とともに取り上げられるときに、下記に述べられる詳細な説
明からより明白になるだろう。
【0025】 好ましい実施形態の詳細な説明 図1は、セル領域124の中の加入者局112へ送信する地上基地局102お
よびセル領域126の中の加入者局116へ送信する地上基地局104を示す。
基地局102は複数の送信アンテナ106を通して送信し、基地局104は複数
の送信アンテナ108を通して送信する。各基地局は2つの送信アンテナのみを
用いるように示されているが、本発明は指向性アンテナ配列を利用するものを含
む2つまたはそれより多い送信アンテナを持つ基地局に適用可能である。さらに
、技術的に習熟した人達は、全方向性および120度方向性を含む種々の型およ
び方向性を持つアンテナが、本発明から逸脱することなく使用されてもよいこと
を認識するだろう。さらに、基地局からの送信のために使用される1つのアンテ
ナは、本発明から逸脱することなく、同様な基地局によって使用される他のアン
テナとは異なる型であってもよい。
【0026】 単一の基地局の複数のアンテナを通して送信される信号は、送信位相における
相違以外については同一である。加入者112へ信号を送信するときは、基地局
102は、加入者局112に属する1つまたはより多い受信アンテナに向けられ
た信号ビームを形成するために、アンテナ106を通して送信される信号の位相
を調節する。例えば、2つの信号が加入者局112に同位相で到着するために、
アンテナ106Aを通して送信される信号は、アンテナ106Nを通して送信さ
れる同様な信号の僅か前に送信されるかも知れない。同様に、基地局104は加
入者局116へ向かう信号ビーム118を形成するために、または加入者局12
0へ向かう信号ビーム122を形成するために、そのアンテナ108を通して送
信される信号の位相を調節する。
【0027】 一般に、そのサービス領域を通して不規則に散在する加入者局へ送信するため
にビーム形成を使用する基地局は、隣接するセルにおける加入者局へ、その全て
の加入者局へ単一のアンテナを通して送信する基地局より少ない干渉を引起こす
。そのセルにおける加入者112の位置に依存して、第1番目の基地局102か
らのビーム110は、第2番目の基地局104から信号を受信する加入者局11
6へ最小の干渉を引起こすかも知れない。またある時は、第1番目の基地局10
2からのビーム110は、加入者局116へより大きな干渉を引起こすような方
向になるだろう。伝送スペクトルの効率的使用を最大化するために、基地局10
4は基地局102によって送信されるビーム110が引起こす干渉に基づいて、
加入者局116へ送出される信号を調節する。
【0028】 ときには、基地局はそのセルのサービス領域における全ての加入者局へ放送情
報を送出しなければならない。セルにおける全ての加入者局が同一のビームに沿
った位置にあることはありそうもないので、このような放送情報は、基地局のサ
ービス領域における全ての加入者局に届くように意図された幅の広いビームを使
用して送信される。
【0029】 搬送波対干渉比(C/I)推定およびデータレート制御(DRC) 好ましい実施形態においては、他の加入者局へサービスする基地局の送信およ
びセル領域が、しばしば受信する加入者局が経験する干渉の大部分を引起こすよ
うな送信は、CDMA信号である。好ましい実施形態においては、各加入者局は
C/Iすなわち、搬送波対干渉比の周期的推定を行う。結果としてのC/I測定
情報はそれから、各加入者局からサービス基地局へ送信される。基地局は一定の
パワーレベルで送信するが、その加入者局から受信したC/I情報に従って、各
加入者局へ送信するために使用されるデータレートを変える。
【0030】 加入者局がC/Iを測定しそのサービス基地局へ結果を送信する時刻と、基地
局がそれらのC/I測定を使用して加入者局へデータを送信する時刻の間には固
有の遅延が存在する。データ伝送の間に現存する干渉がC/I測定の間に現存す
る干渉を超過するならば、基地局は信頼できる受信のために極めて高いデータレ
ートで、測定する加入者局へデータを送出する。結果として加入者局へのデータ
を失うことになる。データ伝送の間に現存する干渉がC/I測定の間のそれより
少ないならば、基地局はチャンネルが実際に支持することができるよりも低いデ
ータレートで、測定する加入者局へデータを送出するだろう。これが加入者局で
のデータ損失の原因とはならないが、準最適(sub‐optimal)のデー
タレートの使用は、システムの総合容量を減少させるので好ましくはない。
【0031】 例示的実施形態においては、各基地局は、事前決定された持続時間のタイムス
ロットの間一度に1つの加入者局へ高速データバーストを送信して、そのセルの
サービス領域の中に位置する加入者局へ送信する。基地局が特定の時刻にいくつ
かの加入者局のための待ち行列データを持つならば、基地局は加入者局へデータ
が送出される順序の選択に、順位をつけた先入れ先出し処理法を使用する。例示
的実施形態においては、各基地局は、隣接するセルにおける加入者局上への結果
としてのビームの効果には関係なく、その加入者局の各々のためのタイムスロッ
トを予定する。
【0032】 代りの実施形態においては、基地局は、隣接するセルにおける加入者局への干
渉を最小化するために、および網における各加入者局への処理能力を最大化する
ために、送信ビームのスケジューリングを総合調整する。
【0033】 基地局送信ビーム形成を使用するCDMAシステムにおいては、各基地局は加
入者局の各々へ信号ビームを向け、加入者局へデータバーストを送出する。基地
局はそのサービス領域における種々の加入者局へ送信するので、その送信ビーム
の方向は各受信加入者局の位置に従って変化する。図1に描かれているように、
加入者局116へ向かう基地局104からのビーム118は、他のセル124に
おける加入者局112によって受信される信号へ大きな干渉を引起こすような方
向に位置するかも知れない。またある時は、基地局104は、加入者局112で
受信される信号へ最小の干渉を引起こす通路122に沿う異なる加入者局120
へ送信するかも知れない。勿論、基地局104によって使用されるビーム118
または122の方向は、基地局102がそれへの送信のためにデータレートを選
択しなければならないときに、加入者局112にとって最も重要である。
【0034】 前に論議したように、加入者局112は、基地局102から加入者局112へ
の送信のためのデータレートを選択するために使用される情報を基地局102に
送出するためにC/Iの測定を行う。サービス基地局102とは異なる基地局に
よって引起こされる加入者局112への干渉の大きさが大きいならば、そのとき
基地局102は低データレートで加入者局112へ送信する。反対に、サービス
基地局102とは異なる基地局から加入者局112への干渉が小さいならば、そ
のときは、基地局102は高データレートで加入者局112へ送信する。
【0035】 あいにく、他の基地局によって使用されるビームの方向がそれぞれのセルのサ
ービス領域における加入者局の位置に基づいて変わることができるので、加入者
局によって測定されたC/Iもまた広く変わるかも知れない。C/Iの推定値は
、それが送信のタイムスロットの間に現存する干渉に相当するならば、タイムス
ロットについての適切なデータレートを選択するために有用であるのみである。
所与の加入者局とタイムスロットについてC/Iを予言することができないこと
は、最適なデータレートの正確な選択を不可能にする。
【0036】 C/I予言の問題は、無線網における各基地局が将来の送信に使用されるビー
ムに沿ってデータレート制御(DRC)参照信号を送信するような本発明の実施
形態において処理されている。このDRC参照信号は、加入者局が将来の送信を
受信するときに存在すべき干渉レベルを推定しかつ予言するために各加入者局に
よって使用される。
【0037】 図2は本発明の好ましい実施形態に従う伝送タイムスロットの信号構造を示す
。基地局は事前決定された期間202のタイムスロットにおいてデータを送信す
る。各タイムスロットは2つの等しい半スロット204Aと204Bに分割され
る。本発明の好ましい実施形態においては、各タイムスロットは2048個のシ
ンボルチップの長さがあり、各半スロットは1024個のチップの長さがある。
各半スロット204の中央にデータパイロットバースト208がある。本発明の
好ましい実施形態においては、各データパイロットバースト208は96個のチ
ップの持続時間がある。第1番目の半スロット204Aのデータパイロット20
8Aの前にときどき、基地局はデータレート制御(DRC)参照バースト206
を送信する。好ましい実施形態においては、DRC参照バースト206もまた9
6個のチップの長さがある。各スロットの残りの部分210はパワー制御情報の
ような他の必要な信号成分と一緒に、スロットの加入者局データを含む。加入者
局データは、加入者局データと同様なビーム上に送信されるデータパイロットバ
ースト208を使用して復調される。技術的に習熟した人達は、本発明から逸脱
することなく、スロットの長さのように説明したチップの長さ、半スロットの長
さ、データパイロットバーストの長さ、およびDRC参照バーストの長さが変わ
ってもよいことを正しく認識するだろう。
【0038】 DRC参照バースト206は、一般にデータパイロット208または加入者局
データと同じビームに沿って送信されないが、むしろ、将来における事前決定さ
れたタイムオフセットを使用されるべき潜在的に異なるビームに沿って送信され
る。本発明の好ましい実施形態においては、この事前決定されたタイムオフセッ
トは2つのスロットである。それ故に、描かれたスロット202がスロットnな
らば、そのときDRC参照バースト206は、データパイロットバーストおよび
加入者局データのスロットn+2の部分を送信するために使用されるべきビーム
に沿って送信される。技術的に習熟した人達は、本発明から逸脱することなく、
事前決定されたタイムオフセットが2つのスロットとは異なる長さであってもよ
いことを、正しく認識するだろう。
【0039】 データがスロットn+2の間に基地局102から加入者局112へ向けられて
いるならば、そのとき基地局102は、スロットnの間に加入者局112と関係
があるビーム110に沿ってそのDRC参照バーストを送信するだろう。同じス
ロットnの間に、隣接する基地局104は、スロットn+2において、それが送
信すべき加入者局と関係があるビームに沿ってDRC参照バーストを送信する。
例として、加入者局116がスロットn+2の間にビーム118に沿った基地局
104からのデータの目的地であると想定されたい。加入者局112はそのとき
、基地局102と104の両方からのDRC参照バースト信号を受信し、受信さ
れた信号に基づいてC/I測定値を発生させる。本発明の好ましい実施形態にお
いては、各基地局の送信は、加入者局に各基地局を互いに識別させるPNオフセ
ットを持つ疑似雑音(PN)列を用いて混合される。加入者局112は、そのサ
ービスする基地局102によって送信されたパイロットと参照信号の獲得を維持
する。スロットnの間に、加入者局112は、ビーム110に沿って送信される
DRC参照バーストの強さを、基地局104からのDRC参照バーストのように
、周囲の基地局からのDRC参照バーストによって引起こされる干渉と比較する
C/I測定値を発生させる。
【0040】 DRC参照バースト206は、加入者局がDRC参照信号からの干渉推定値を
発生させ、基地局へ干渉情報を送信するために、および基地局が適切なレートで
加入者局へデータを送信するための情報を使用するために、十分な時間があるよ
うに、各スロット202において早く送信されなければならない。この理由のた
めに、例示的実施形態は、スロット期間202の始めに送信されているように示
されているDRC参照バースト206を用いて示されている。技術的に習熟した
人達は、本発明から逸脱することなく、スロット202の中のDRC参照バース
ト206の位置が変わってもよいことを、正しく認識するだろう。 ビーム形成最適化 特定の加入者局に信号ビームを向けるためのビーム形成手法を使用するために
、各加入者について最適のビームは、送信する基地局によって知られていなけれ
ばならない。地上無線網においては、網または各追加されまたは移動させられた
加入者局における数種類の基地局のビーム形成の較正を行うことなく、加入者局
を追加しまたは移動させることができることは望ましい。たとえ較正が各追加さ
れまたは移動させられた加入者局について許容されなくても、地上無線環境にお
ける伝播環境は、追加または移動と無関係に時間に亘って変化することができる
。時間に亘って各加入者局へ信号を送信するために使用されるビームの適応性あ
る最適化ができる必要がある。
【0041】 ビーム形成最適化のいくつかの方法は、本発明の実施形態によって例示される
。だれもビーム形成較正を要求するものではなく、全ては、基地局が加入者局へ
のビームに沿って送信するような無線網における送信ビームの適応性ある調節の
ために使用されてもよい。
【0042】 本発明の第1番目の実施形態は、基地局から各加入者局への伝送チャンネルを
特徴づけるゲート開閉された信号を使用する。基地局は、複数の送信アンテナの
各々を通して加入者局によって知られた特性を持つ参照信号を送信し、加入者局
は、チャンネルのチャンネルインパルス応答を推定するための信号を受信する。
一度にただ1つの送信アンテナを通して送信された事前決定された参照信号を評
価することによって、加入者局は、基地局に各個々の送信アンテナについてのチ
ャンネルインパルス応答情報を供給することができる。
【0043】 代りの実施形態においては、そのうちに各アンテナについて参照信号を分離す
る代わりに、複数の送信アンテナの各々について参照信号が同時に送信されるが
、例えば各アンテナについて異なるウォルシュ符号を使用して直交符号化によっ
て分離される。
【0044】 本発明の好ましい実施形態においては、事前決定された参照信号はCDMA疑
似雑音(PN)信号であり、加入者局は、各送信アンテナから受信されるパイロ
ット信号の相対オフセットを推定するためのCDMA探索器(CDMA sea
rcher)を利用する。一旦相対オフセットが基地局へ通知し返されたならば
、その基地局は、それらが加入者局の受信器に同位相で到着するように、各アン
テナを通して送信される信号の位相を調節するための情報を使用することができ
る。多種多様のアンテナを通してのこのような送信信号の位相調節の結果は、関
係がある加入者局の方向のビームとなるだろう。
【0045】 代りの実施形態においては、各基地局の異なる送信アンテナに相応する参照信
号は連続的にされるが、加入者局がそれらを互いに識別できるような構造におい
て異なる。異なる参照信号の構造を変えるために使用されることができる手法は
、それらのPNオフセットを変えることまたは異なる直交ウォルシュ符号を用い
て各々を混合することを含む。符号スペース効率的方式(code space
efficient manner)における多種多様なパイロット信号を伝
送するための方法は、“直交スポットビーム、セクタおよび非常に小さいセル(
PICOCELL)を提供するための方法および装置”と題する、係属中の米国
特許出願第08/925,521号に記載されていて、本出願の譲受人に譲渡さ
れ、ここに引用文献として組入れられている。
【0046】 代りの実施形態においては、各加入者局もまた、各送信アンテナから受信され
る信号の振幅を測定する。いくつかの場合においては、基地局の送信アンテナか
ら加入者局への信号の阻止を引起こす妨害があるかも知れないが、他ではない。
振幅測定が加入者局によって基地局へ通知されるとき、基地局は、測定している
加入者局へデータを送信するときどの送信アンテナを使用するかを決定するため
の情報を使用する。目的地の加入者局のためにはならないで、隣接するセルへ追
加の干渉を引起こすような、阻止されたアンテナから信号を送信するよりもむし
ろ、阻止されていない送信アンテナのみが目的地の加入者局へ信号を送信するた
めに使用される。
【0047】 このようなチャンネルインパルス応答測定を行うことの利点は、各加入者局へ
の正確で迅速な最適送信ビームの確立を含む。しかしながら、基地局によって使
用される送信アンテナの数が増加するので、各アンテナについてチャンネルイン
パルス特性を測定しかつそれらをサービス基地局で維持するために要求される諸
経費は重荷になる。
【0048】 本発明の好ましい実施形態は、各加入者局からそのサービス基地局の各々へ送
出されるC/I測定値情報を使用してビーム形成最適化を達成する。各サービス
局は各加入者局へ送信するために使用されるビームを繰り返し調節し、かつ加入
者局から送り返されるC/I情報上のビーム調節の影響を評価する。この方法は
、より簡単であり、各個々の送信アンテナについてチャンネルインパルス応答を
測定するよりも要求される諸経費は少ない。しかしながら、この方法を使用して
ビーム形成最適化を繰り返すことは、チャンネルインパルス応答方法よりも多く
の時間がかかるかも知れない。
【0049】 好ましい実施形態においては、加入者局によって発生したC/I測定値は、基
地局による加入者局への次の送信を用いて使用されるためのデータレートを選択
するために使用される。結果としてのデータレート情報は、データレート制御(
DRC)チャンネルを通して各加入者局からサービス基地局へ送信される。好ま
しい実施形態においては、DRCチャンネルを介して各基地局へ送出されるデー
タレート情報もまた、ビーム形成最適化のために使用される。C/I測定値はD
RC情報の形成に量子化される必要があるが、DRC情報はより狭い帯域幅を要
求する。ビーム形成最適化を行うためのDRCチャンネルの再使用もまた、伝播
環境における変化または時間に亘る加入者局の移動を補償することができる頻繁
な最適化を容易にする。 ビーム形成基地局送信器装置 図3は、本発明の好ましい実施形態に従った多種多様のアンテナを通して、セ
ルにおける1つまたはより多い加入者局へ信号を送信するために使用されるCD
MA基地局の例示的実施形態のブロック図である。送信されるデータは、複合疑
似雑音(PN)拡散器302への入力として供給される同位相(I)と直交位相
(Q)標本のストリームの形式で発生する。複合PN拡散器302は、短PN符
号発生器304によって発生した短PN符号を用いてIとQ標本を混合する。結
果としてのPN拡散標本ストリームは、アップコンバートされ加入者局へ送信さ
れるための基底帯域複合標本ストリームを発生させるために基底帯域有限インパ
ルス応答(FIR)濾波器306によって濾波される。前述の米国特許出願番号
第08/856,428号に記載されたような複合PN拡散手法に従って、基底
帯域FIR306へ供給される信号は、次の方程式に従う。
【数1】 XI =I・PNI −Q・PNQ
【数2】 XQ =Q・PNI +I・PNQ ここで、Iはディジタル同位相標本であり、Qはディジタル直交位相標本であり
、PNI は同位相短PN列であり、PNQ は直交位相PN列であり、および
XI とXQ はそれぞれ、同位相と直交位相チャンネル上へ変調されるための
信号である。方程式(1)によって表される信号は、FIR濾波器306Aによ
って濾波され、方程式(2)によって表される信号は、FIR濾波器306Bに
よって濾波される。FIR濾波器306は、割当てられた帯域幅に合わせシンボ
ル間の干渉を最小化するための送信波形の形成を行う。
【0050】 FIR濾波器306によって出力された信号は、2つまたはより多いアンテナ
送信サブシステムへ供給され、各アンテナ送信サブシステムは、単一の送信アン
テナ322を含む。スロットTDMタイミング発生器307は、各伝送スロット
の中の種々の時分割多重(TDM)伝送期間に相応するタイミング信号を発生さ
せる。スロットTDMタイミング発生器307は、この出力された信号をビーム
形成制御プロセッサ308へ供給し、ビーム形成制御プロセッサ308は、異な
る信号ビーム上の異なるTDM期間に相応する信号を送信するためにその信号を
使用する。上述したように、信号206のDRC参照部分を送信するために使用
されるビームは、データパイロット208および各スロットの加入者局データ2
10部分を送信するために使用されるビームとは異なるかも知れない。
【0051】 スロットTDMタイミング発生器307からの信号に基づいて、ビーム形成制
御プロセッサ308は、別々の位相および振幅制御信号を各アンテナ送信サブシ
ステム324へ供給する。各アンテナ送信サブシステム324への位相制御信号
を調節することによって、ビーム形成制御プロセッサ308は、そのセルにおけ
る異なる加入者局に相応するビームに沿って時間に亘って基地局の送信ビームを
変える。示されているように、ビーム形成制御プロセッサ308は、振幅制御信
号α1 と位相制御信号φ1 をアンテナ送信サブシステム324Aへ供給し、
振幅制御信号αN と位相制御信号φN をアンテナ送信サブシステム324N
へ供給する。前にも論議したようにまた、ビーム形成制御プロセッサ308によ
って発生したビーム形成位相および振幅信号は、基地局によって受信されるその
セルにおける各加入者局からのC/I情報に基づく。
【0052】 例示的実施形態においては、ビーム形成制御プロセッサ308は、基地局のサ
ービス領域における各加入者局について最適のビーム形成パラメータのデータベ
ースを維持する。示されているように、ビーム形成制御プロセッサ308は、加
入者局へのスロットの割当てを示す信号または基地局制御プロセッサ(図示せず
)からのビームを受信する。
【0053】 ビーム形成制御プロセッサ308は、マイクロプロセッサ、現場プログラム可
能ゲートアレー(FPGA)、プログラム可能論理機器(PLD)、ディジタル
信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)または必要な振
幅および位相制御信号を発生させ調節することが可能な他の機器を使用して実施
されてもよい。技術的に習熟した人達は、これが送信器装置において既に現存す
る他のプロセッサの内部のビーム形成制御プロセッサ308の機能を実施するこ
とを排除しないことを、正しく認識するだろう。
【0054】 前述したように、アンテナ322Nから目的地の加入者局への信号伝播通路が
阻止されるようにより早く決定されていたならば、制御プロセッサ308は、ア
ンテナ送信サブシステム324Nへ非常に低いパワーで、または零パワーでさえ
、送信を示す振幅制御信号αN を送出する。
【0055】 各アンテナ送信サブシステム324は、1つの送信アンテナ322を通しての
信号のアップコンバート、位相制御、増幅、および送信に必要な構成要素を含む
。基底帯域FIR306Aによって供給された信号は、位相制御発振器(pha
se‐controlled oscillator)310によって供給され
る混合信号を用いて混合器312において混合される。基底帯域FIR306B
によって供給された信号は、位相制御発振器318によって供給される混合信号
を用いて混合器314において混合される。示されているように、位相制御発振
器310と318は、ビーム形成制御プロセッサ308からの振幅および位相制
御信号を受信し、ビーム形成制御プロセッサ308は、それらの出力混合信号の
位相と振幅を変えるために使用される。混合器312と314の出力信号は、合
算器(summer)316に一緒に加えられ、送信アンテナ322を通しての
送信のために増幅器320へ供給される。
【0056】 各アンテナ送信サブシステム324については、増幅と送信の前にディジタル
信号をアナログ形式へ変換するために要求されるディジタルアナログ変換器(D
AC)は、示されていない。技術的に習熟した人達は、本発明から逸脱すること
なく、アナログ形式へ変換されてもよい多種多様の場所があることを、正しく認
識するだろう。
【0057】 本発明の好ましい実施形態においては、各アンテナ送信サブシステム324は
、合算器316と増幅器320の間に配置されたDACを含む。この好ましい実
施形態においては、混合器312と314はディジタル混合器であり、位相制御
発振器310と318はディジタル発振器信号を発生させる。各DACは、合算
器316のディジタル出力をアナログ信号へ変換し、そのあと、増幅器320に
よって増幅され送信されるために役たつ。
【0058】 代りの実施形態においては、アンテナ送信サブシステム324へ供給される入
力信号は、すでに、アナログ形式(信号をアンテナ送信サブシステム324へ供
給する前にアナログへ変換された)である。この代りの実施形態においては、位
相制御発振器310と318はアナログ混合信号を発生させ、混合器312と3
14は、アナログ混合器であり、および合算器316はアナログ合算器である。
【0059】 技術的に習熟した人達はまた、本発明から逸脱することなく、各アンテナを通
して送信される信号の振幅制御が異なるやり方で実施されることができることを
、正しく認識するだろう。例示的実施形態においては、ビーム形成制御プロセッ
サ308は、各アンテナ送信サブシステム324の各個々の増幅器320へ振幅
制御信号を供給する。
【0060】 技術的に習熟した人達は、本発明から逸脱することなく、位相制御発振器31
0と318が種々のやり方で実施されてもよいことを、認識するだろう。例示的
実施形態においては、位相制御直接ディジタルシンセサイザ(phase‐co
ntrolled direct digital synthesizer)
(DDS)は、非常に細密な位相分析を用いてディジタル正弦波形信号を発生さ
せるために使用されてもよい。他の実施形態においては、発振器310と318
は位相制御されないが、移相器(phase shifter)が合算器316
と増幅器320の間に配置される。
【0061】 図3には2つのアンテナ送信サブシステム324がに示されているが、本発明
から逸脱することなく、2つより多いアンテナ送信サブシステムがビーム形成基
地局に実施されてもよい。 加入者局装置 図4は、本発明の好ましい実施形態に従って構成されたCDMA加入者局の一
部の図である。示されている装置は、いくつかの可能な信号伝播通路、すなわち
“フィンガ(finger)”の各々の搬送波対干渉比(C/I)を推定するた
めに使用される。
【0062】 CDMA加入者局は、アンテナ402を通して無線信号を受信する。この受信
された信号は、加入者局のサービス基地局からの信号成分、隣接する基地局から
の信号成分、および熱雑音を含む。
【0063】 アンテナ402で受信された信号は、受信器404へ供給され、受信器404
は、自動利得制御(AGC)、ダウンコンバート、および方程式(1)と(2)
を用いて前に論議したディジタルXI とXQ 標本ストリームを作り出すため
の複合標本化を含む、技術的によく周知のいくつかの作用を行う。標本ストリー
ムは、受信器の1つまたはより多いフィンガ復調器モジュールヘ供給される。図
4は、C/I推定モジュール422と呼ばれる各フィンガ復調器モジュールのサ
ブセット(subset)の構成要素を示す。各C/I推定モジュール422は
、単一の基地局から単一の伝播通路を介して受信される信号に相応するC/I推
定値を発生させる。
【0064】 好ましい実施形態においては、各フィンガ復調器は、複合PN逆拡散器410
を含み、複合PN逆拡散器410は、XI とXQ 標本ストリームを受信し、
PN逆拡散されたIとQ標本ストリームを作り出すためにPN発生器412から
の疑似雑音列PNI とPNQ を使用する。各PN発生器412によって発生
したPN信号のタイムオフセットは、フィンガ割当て制御器(図示せず)によっ
て制御される。スロットTDM制御器408は、各フレーム期間202のDRC
参照期間に相応する各フィンガ復調器のC/I推定モジュール422へDRC参
照タイミング信号を供給する。スロットTDMタイミング制御器408からのD
RC参照タイミング信号は、各フィンガ復調器の相応するPN発生器412よっ
て発生した信号を用いて整列させられる。
【0065】 各C/I推定モジュール422の中で、IとQ標本の別々の平均値は、モジュ
ール418において平方され合算される前に累積器414によって発生する。ス
ロットTDMタイミング制御器408によって供給された信号を使用して、累積
器414は、DRC参照期間206に亘って標本を累積し、DRC参照期間20
6の終りで累積された合計は、DRC参照期間206の標本持続時間であるとこ
ろのnDRCによって除算される。例えば、複合PN逆拡散器410によって作
り出されるIとQ信号が各々チップ当たり1つの標本の割合で作り出され、DR
C参照期間206が96個のチップであるならば、そのとき各DRC参照期間2
06に亘り各累積器414に累積された和は、各DRC参照期間206の終りで
96によって除算される。各累積器414によって出力されたこの除算計算の結
果は、DRC参照期間206の間の平均のIまたはQ標本値である。これら2つ
の平均値は、次のC/I計算に使用される平均搬送波エネルギー値EC を作り
出すためにモジュール418において平方され加えられる。
【0066】 各C/I推定モジュール422の中で、各複合逆拡散器410からのIとQス
トリームもまた、モジュール416において標本毎を基準に平方され合算される
。結果としての平方和値(sum‐of‐square value)のストリ
ームは、累積414と同様な作用を行う累積器420において累積される。スロ
ットTDMタイミング制御器408によって供給された信号を使用して、累積器
420はDRC参照期間206に亘って標本を累積し、DRC参照期間206の
終りで累積された合計は、DRC参照期間206の標本持続時間によって除算さ
れる。累積器420によって作り出された平均値は、次のC/I計算に使用され
る平均信号レベルIO である。
【0067】 技術的に習熟した人達は、本発明から逸脱することなく、累積器414と42
0が合算器、積分器、バッファ、または低域濾波器のようなものを含む種々のや
り方で実施されてもよいことを、正しく認識するだろう。
【0068】 一旦EC とIO 値が各フィンガ復調器について作り出されると、そのフィ
ンガについてのC/Iは、次の方程式に従って計算される。
【数3】 C/I=EC /(IO −EC ) ここで、C/Iは搬送波対干渉比である。好ましい実施形態においては、加入者
局における全てのフィンガ復調器についてのC/I値は、方程式(4)に従って
総合C/I値を発生させるために合算される。
【数4】
【0069】 ここで、(C/I)overallは、基地局へのDRC信号を発生させるために加入
者局によって使用されるC/I値であり、(C/I)l は、各フィンガ復調器
によって測定されるC/I値であり、および#demod´sは、受信器によっ
て使用されているフィンガ復調器の数である。総合C/I値は、それから大気を
介して加入者局の1つまたはより多いサービス基地局へ送信される、事前決定さ
れたデータレートの組にマップされる。
【0070】 2つのフィンガ復調器のみを用いて描かれているけれども、技術的に習熟した
人達は、本発明から逸脱することなく、受信器が2つより多いフィンガ復調器を
、およびこれ故に2つより多いC/I推定モジュール422を持ってもよいこと
を認識するだろう。その上、本発明から逸脱することなく、受信器は、直交符号
化または簡単なPN逆拡散のような、複合PN逆拡散とは異なる逆拡散方法を使
用してもよい。 ビーム形成最適化方法 図5は、本発明の実施形態に従って、加入者局への送信において、基地局によ
って使用される送信ビームを最適化するための処理を描いているフローチャート
である。例示的実施形態においては、開始ブロック501と継続ブロック520
の間のステップによって包含される最適化処理は、基地局のサービス領域におけ
る各加入者局のために完成される。
【0071】 単一加入者局について送信ビームの最適化における第1番目のステップは、加
入者局でC/Iを測定し、その測定値情報をサービス基地局へ供給することであ
る502。C/I値は上記の方程式(3)と(4)に従って計算される。このC
/Iレベルが基準線として得られた後、サービス基地局の送信ビーム角は、事前
決定された正のビーム角増加504によってオフセットされる。この例について
、ビーム角を増大させることは、基地局の周りを時計回り方向にビームを移動さ
せることであると言うことにしよう。(角度を“増加させて”いるというような
1つの方向の呼称が任意であることは、容易に認識されるだろう。) C/I推定ステップ506Aで、加入者局は、再度、その受信された信号のC
/Iを測定し、サービス基地局へ情報を供給する。基地局は、それから、ステッ
プ508Aでビーム角の増加の結果として生じるC/Iにおける変化を評価する
。C/Iが増加するならば、ステップ504、506A、および508Aは、繰
り返され、信号のビーム角を増加させることが、もはや結果としてC/Iにおけ
る測定可能な増加を生じなくなり、または結果としてC/Iにおける減少を生じ
るまで繰り返される。これらのビーム角調節504の1つが結果としてC/Iに
おける減少を生じるとき、その一番最近のビーム角調節は取り消される(予約さ
れる)510。ステップ510は、送信ビーム角を一番最近のビーム角調節の前
の状態へ戻す。
【0072】 ステップ514で、送信ビーム角を増加させることの効果は、送信ビーム角を
減少させることが結果として改善されたC/Iを生じるかも知れないだろうかど
うかを調べて評価される。ステップ504から通して510までが結果として継
続するビーム角増加を生じたとするならば、ビーム角における減少を試験するス
テップ(ステップ512から518まで)は飛び越される。換言すれば、1つよ
り多いビーム角増加がなされたならば、またはステップ504、506、および
508が結果としてステップ510によって取り消されないビーム角増加を生じ
たならば、そのときは、送信ビーム角を減少させることがC/Iを改善するだろ
うかどうかを評価する必要がある。この場合において、本方法はステップ514
からステップ520へ進む。
【0073】 しかしながら、ビーム角減少がC/Iを改善するだろうことがまだ疑わしいな
らば、そのとき送信ビーム角は、事前決定された負のビーム角オフセットによっ
てオフセットされ504、結果として生じるC/Iは、加入者局で推定され、お
よびサービス基地局へ供給される506B。
【0074】 決定ステップ508Bで、ビーム角調節512の結果として生じるC/Iにお
ける変化は評価される。C/Iが増加したならば、そのときステップ512、5
06B、および508Bは繰り返され、信号のビーム角を増加させることが、も
はや結果としてC/Iにおける測定可能な増加を生じなくなり、または結果とし
てC/Iにおける減少を生じるまで繰り返される。これらのビーム角調節512
の1つが結果として減少したC/Iを生じるとき、一番最近のビーム角調節は取
り消される(予約される)518。ステップ518は入力信号ビーム角を一番最
近のビーム角調節の前の状態へ戻す。
【0075】 ステップ518後、選択された加入者局についてのビーム最適化は、終結し5
20、最適化は必要ならば次の加入者局について行われる。
【0076】 前述の処理のいくつかの変形もまた、本発明の実施形態によって予期される。
例示的実施形態においては、各加入者局は、詳細なC/I測定値の代りに、デー
タレートをサービス基地局へ送信する。測定されたC/I値のデータレートへの
マッピングにおいて、同様なデータレートがC/I値の範囲について基地局へ送
出されるような量子化誤りがあり得る。基地局はちょうど最高のデータレートに
ではなく、達成し得る最高のC/I値に相応するビームに沿って送信することが
望ましい。本発明の1つの実施形態は、それ故に、加入者局について達成し得る
最高のデータレートに相応する送信ビーム角の範囲を確認するようにC/I測定
を行う。一旦この範囲が加入者局について確認されると、基地局はその加入者局
へ伝送するために、その範囲の中心の送信ビーム角を使用する。
【0077】 順方向リンクのC/I特徴描写の点から説明したけれども、技術的に習熟した
人達は、本発明から逸脱することなく、本発明はまた、逆方向リンクC/I推定
にも適用可能であるかも知れないことを、認識するだろう。
【0078】 好ましい実施形態の上記説明は、技術的に習熟したどのような人でも本発明を
行いまたは使用することを可能にするように提供される。これらの実施形態の種
々の変形は、技術的に習熟した人達には容易に明白だろう。およびここに定義さ
れた総称的原理は、創意的能力を使用することなく他の実施形態に適用されても
よい。こうして本発明は、ここに示された実施形態に限定するように意図するも
のではなく、ここに開示された原理並びに新規な特徴と矛盾がない最も広い範囲
と一致するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態に従って形成された地上基地局と加入者局の図である。
【図2】 本発明の実施形態に従って大気を介して伝送されるフレームの構造の図である
【図3】 本発明の実施形態に従って形成された基地局装置のブロック図である。
【図4】 本発明の好ましい実施形態に従って形成されたCDMA加入者装置の一部の図
である。
【図5】 本発明の実施形態に従って加入者局への送信において基地局によって使用され
る送信ビームを最適化するための処理を描くフローチャートである。
【符号の説明】 102、104…基地局 112、116、120…加入者局 124、12
6…セル領域 324…アンテナ伝送サブシステム 422…C/I推定モジュ
ール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN,YU, ZA,ZW

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)少なくとも2つのアンテナ送信サブシステムであって
    、各アンテナ送信サブシステムは、 (1)複数の位相制御信号の1つに基づいて位相制御アップコンバートされ
    た信号を発生させる手段、 (2)前記発生させる手段へ作動可能に結合され、増幅された信号を生成す
    るために前記位相制御アップコンバートされた信号を増幅する増幅器、 (3)前記増幅器へ作動可能に結合され、大気を通して前記増幅された信号
    を送出する送信アンテナを含み、 (b)前記複数の位相制御信号の各々を発生させ、かつ前記少なくとも1つの
    アンテナ送信サブシステムへ前記位相制御信号を供給するためのビーム形成制御
    プロセッサ を含む無線信号を送信するための装置。
  2. 【請求項2】 (a)少なくとも1つの多通路信号の各々のスロットおよび
    サブスロットタイミングに基づいてタイミング信号を発生させるためのスロット
    タイミング制御器、 (b)前記タイミング信号に基づいて前記少なくとも1つの多通路信号の1つ
    について搬送波対干渉比を推定するための手段、 (c)送信器への前記搬送波対干渉比に基づいて情報を送信するための手段 を含む無線信号を受信するための装置。
  3. 【請求項3】 基地局から少なくとも1つの加入者局への送信ビームを最適
    化するための方法であって、 (a)送信器から受信器への第1番目の送信ビームに沿って事前決定された信
    号を送信し、 (b)受信された第1番目の信号を前記事前決定された信号と比較することに
    基づいて前記受信器で第1番目の搬送波対干渉比推定値を発生させ、 (c)第2番目の送信ビームを形成するために前記第1番目の送信ビームを調
    節して前記加入者局への前記第2番目の送信ビームに沿って前記事前決定された
    信号を送信し、 (d)受信された第2番目の信号を前記事前決定された信号と比較することに
    基づいて前記受信器で第2番目の搬送波対干渉比推定値を発生させ、 (e)前記第2番目の搬送波対干渉比推定値を前記第1番目の搬送波対干渉比
    推定値とおよび前に発生した搬送波対干渉比推定値と比較し、 (f)前記ステップ(c)、(d)および(e)を繰り返して最大の搬送波対
    干渉比推定値に相応する送信ビームを確認する ステップを含む方法。
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