JP2003528296A - 質量に基づく分離を含む疾患マーカーの同定 - Google Patents

質量に基づく分離を含む疾患マーカーの同定

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JP2003528296A JP2001538814A JP2001538814A JP2003528296A JP 2003528296 A JP2003528296 A JP 2003528296A JP 2001538814 A JP2001538814 A JP 2001538814A JP 2001538814 A JP2001538814 A JP 2001538814A JP 2003528296 A JP2003528296 A JP 2003528296A
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ブラインモア エイ. ワトキンス,
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、哺乳動物(例えば、ヒト)における疾患マーカー(例えば、癌マーカー)の迅速な検出および特徴付けのための方法および組成物を提供する。一旦同定されると、このマーカーは、疾患を検出するためのアッセイにおける標的として、疾患の処置のための標的として、またはその両方として使用され得る。好ましい実施形態において、このサンプルは、組織または体液サンプルのいずれかであり得る。好ましい体液としては、例えば、血液、血漿、血清、汗、涙、尿、腹膜液、リンパ、膣分泌物、精液、髄液、腹水、唾液、痰、または乳房滲出液が挙げられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (関連出願の参考文献) 本願は、代理人整理番号MTP−026により同定される実用特許出願(表題
「Methods and Compositions for Identi
fying Disease Markers」、2000年11月10日出願
)、ならびに米国出願番号60/165,673(1999年11月16日出願
);米国出願番号60/172,170(1999年12月17日出願);米国
出願番号60/178,860(2000年1月27日出願);および米国出願
番号60/207,721(2000年5月3日出願)の優先権を主張し、これ
らの開示は本明細書中で参考として援用される。
【0002】 (発明の分野) 本発明は一般に、哺乳動物における疾患マーカー(例えば、癌マーカー)を同
定するための方法および組成物に関する。より詳細には、本発明は、体液中のガ
ンマーカーを同定するための質量分光法に基づく方法および組成物に関する。
【0003】 (発明の背景) 様々な哺乳動物の障害(例えば、癌)の検出および/または処置において有用
な新しい生物学的マーカーを同定する継続した必要性が存在する。様々なマーカ
ーは特定の疾患について同定されているが、現在利用可能なマーカーがない疾患
に対するマーカー、ならびに現存のマーカーより高感度かつ確かなマーカーを同
定する必要性がなお存在する。
【0004】 生化学的マーカーは、目的の疾患を有する哺乳動物由来の組織または身体サン
プルを分析し、そしてその分析の結果を、その疾患を有さない哺乳動物から得ら
れたサンプルと比較することによって同定され得る。二次元ゲル電気泳動を使用
する1つの首尾良いアプローチにより、様々なマーカータンパク質が同定され、
このマーカータンパク質は、疾患哺乳動物の組織または体液サンプル中に、正常
な哺乳動物と比較して高濃度で存在する。例えば、Partinら(1993)
CANCER RES.53:744−746(これは、前立腺癌マーカーの同
定を記載する)およびGetzenbergら(1996)CANCER RE
S.65:1690−1694(これは、膀胱癌マーカーの同定を記載する)を
参照のこと。
【0005】 米国特許第5,858,683号は、個体における頸部癌を同定するための方
法を開示する。この方法において、正常な頸部組織のサンプル由来のタンパク質
抽出物は、二次元ゲル電気泳動によって画分化された。同様に、頸部癌生検組織
のサンプル由来の第2のタンパク質抽出物もまた、二次元ゲル電気泳動によって
画分化した。得られたゲルを比較し、そして癌サンプル中に高濃度で存在するタ
ンパク質に対応するスポット 対 正常サンプルのスポットを同定した。タンパ
ク質を二次元ゲルで目的のスポットから溶出し、そして従来のタンパク質微量配
列決定に供して、目的のスポット内のタンパク質を同定した。このアプローチは
、少なくとも2つの頸部癌マーカー(当該分野で、TDP−43およびIEF−
SSP−9502と称される)の同定を導いた。このアプローチは首尾良いが、
癌マーカーのより迅速な同定のためのプロトコルを開発する必要性、および他の
場合においてゲル電気泳動アプローチを使用して検出され得ないマーカーを同定
するための必要性がなお存在する。
【0006】 より最近では、ガンマーカーを同定するための代替の非電気泳動に基づく方法
(すなわち、電気泳動工程を必要としない)は、Changら(1999)、R
APID COMMUN.MASS SPECTRUM.13,1808−18
12に報告されている。培養細胞(正常な乳房細胞または悪性乳房細胞のいずれ
か)由来の溶解物を、非多孔性逆相高速液体クロマトグラフィーにより画分化し
て、タンパク質分離特性を得た。悪性細胞溶解物中に特異的に存在するより大量
のタンパク質を収集し、そしてマトリクスアシスティッドレーザーデソープショ
ン/イオン化型(MALDI)質量分光法により分析して、この大量のタンパク
質の質量を決定した。さらに、各タンパク質のサンプルをトリプシン処理し、そ
してトリプシンのフラグメントをMALDIに供し、このフラグメントの質量を
得、次いで、この質量をタンパク質データベースと比較して、癌細胞ベースのサ
ンプル中の大量のタンパク質を同定した。この方法の実施によって、様々なタン
パク質(例えば、リンタンパク質p53、プロトオンコジーンチロシンキナーゼ
SRC(C−SRC)、c−mycプロモータータンパク質、および乳房上皮抗
原AB46(これら全ては乳癌溶解物中に大量に存在する))の同定が可能とな
る。細胞溶解物より複雑なサンプルを分析するためのこのタイプのアプローチの
有用性は、さらに評価される必要がある。
【0007】 従って、実際の組織または体液サンプル中に存在する疾患マーカーを迅速に同
定するために使用され得る新しい方法および組成物を開発する必要性が、当該分
野においてなお存在する。このような新しい方法は、疾患マーカーを同定するた
めのすでに存在する方法を補足し得、その結果さらなる疾患マーカーが同定され
得ることが企図される。
【0008】 (発明の要旨) 本発明は、哺乳動物(例えば、ヒト)における疾患マーカー(例えば、癌マー
カー)の迅速な検出および特徴付けのための方法および組成物を提供する。一旦
同定されると、このマーカーは、疾患を検出するためのアッセイにおける標的と
して、疾患の処置のための標的として、またはその両方として使用され得る。
【0009】 1つの局面において、本発明は、哺乳動物における疾患を示すマーカー分子を
同定するための方法を提供する。この方法は、以下の工程を包含する:(a)疾
患を有する哺乳動物から収集したサンプルから少なくとも1つの大量のタンパク
質を除去する工程;大量のタンパク質が枯渇した得られたサンプルを画分化して
、複数の画分を生成する工程であって、ここで各画分は複数の分子を含有する、
工程;(c)次いで、予め選択した画分に含まれる分子を質量によって分離する
工程;工程(a)〜(c)を、疾患を有さない哺乳動物から収集したサンプルを
用いて繰り返す工程;および(e)疾患を有する哺乳動物由来のサンプルから分
離した分子を、疾患を有さない哺乳動物由来のサンプルから分離した分子と比較
する工程。結果として、疾患を有する哺乳動物由来のサンプル中に、疾患を有さ
ない哺乳動物由来のサンプルと比較して高濃度で存在する1つ以上のマーカー分
子を迅速に同定することが可能であり、個々で、マーカー分子の存在は疾患の存
在を示す。
【0010】 好ましい実施形態において、このサンプルは、組織または体液サンプルのいず
れかであり得る。好ましい体液としては、例えば、血液、血漿、血清、汗、涙、
尿、腹膜液、リンパ、膣分泌物、精液、髄液、腹水、唾液、痰、または乳房滲出
液が挙げられる。しかし、血清が現在のところ最も好ましい。
【0011】 サンプルから1つ以上の大量のタンパク質を除去することによって、潜在的な
疾患マーカーとしてより少ない多量のタンパク質を評価することが容易になるこ
とが発見された。本明細書中で使用する場合、大量のタンパク質は、サンプル中
の総タンパク質の約5%(w/w)以上、より好ましくは20%(w/w)以上
を構成する。サンプルが血清である場合、この大量のタンパク質は、典型的には
、免疫グロブリンまたはアルブミンである。好ましい実施形態において、免疫グ
ロブリンおよびアルブミンの両方は、血清から除去されて、さらなる処理のため
に適切な免疫グロブリンおよびアルブミンの枯渇した血清を生成する。
【0012】 サンプルの少なくとも1つの大量のタンパク質を枯渇した後、次いで、得られ
たサンプルを画分化して複数の画分を得、ここで、各画分は複数の分子を含有す
る。好ましい実施形態において、初めの画分化は、非電気泳動法(例えば、クロ
マトグラフィー、より詳細には、アフィニティクロマトグラフィー)によって行
われる。より好ましい実施形態において、このアフィニティクロマトグラフィー
は、イオン交換クロマトグラフィー(例えば、陰イオン交換クロマトグラフィー
)である。イオン交換クロマトグラフィーの間、目的のサンプルは、適切なマト
リクス(例えば、陰イオン交換マトリクスもしくは陽イオン交換マトリクス)と
合わされ、そして分子はこのマトリクスと結合される。未結合の物質を除去する
ために洗浄した後、次いで、結合した分子を異なる溶出緩衝液に選択的に溶出し
、各緩衝液は、好ましくは、異なる分子の集団を溶出する。イオン交換クロマト
グラフィーにおいて、例えば、溶出緩衝液は、異なるタイプの分子の優先的な溶
出を可能にするために、異なる塩濃度を含み得る。適切な緩衝液を選択すること
によって、複数の画分(この各々は、複数の分子を含有する)を生成することが
可能となる。あるいは、アフィニティクロマトグラフィーは、固体支持体上に沈
着した炭水化物結合部分(例えば、レクチン)を有する支持体を使用することに
よって実施され得る。結果として、炭水化物含有分子(例えば、非グリコシル化
分子からのグリコシル化分子)を分離することが可能となる。
【0013】 1つ以上の得られた画分は、次いで、特定の画分内に含まれる分子の質量を得
るために、質量分光計によって分析され得る。例えば、各画分は、マトリクスア
システィッドレーザーデソープション/イオン化−飛行時間(MALDI−TO
F)型質量分光法によって、より好ましくは、表面増強レーザーデソープション
/イオン化−飛行時間(SELFI−TOF)型質量分光法によって分析され得
る。このプロトコルの間に、分子は質量によって分離される。結果として、サン
プル内の質量のプロフィールを生成することが可能となる。疾患を有する哺乳動
物由来のサンプル中に高濃度で存在する分子と、疾患を有さない哺乳動物由来の
サンプル中に存在する分子を比較することによって、疾患哺乳動物において高レ
ベルで見出される分子を同定することが可能となる。
【0014】 必要ならば、マーカー分子をさらに同定することが可能である。さらなる分析
は、分子を単離する工程を包含し、例えば、分子がタンパク質である場合、その
タンパク質は、従来のトリプシンマッピングおよび/またはアミノ酸配列決定方
法によってさらに同定され得る。
【0015】 本発明の方法は、疾患が癌である場合、マーカーの同定において特に有用であ
ることが企図される。従って、この方法は、乳癌、肺癌、前立腺癌、膀胱癌、頸
部癌、卵巣癌、結腸癌または結腸直腸癌に対するマーカーを同定するために使用
され得ることが企図される。本明細書中以下の実施例は、乳癌マーカーの同定を
開示する。
【0016】 別の局面において、マーカータンパク質は、一旦同定されると、哺乳動物にお
ける疾患を診断するためのアッセイにおいて使用され得る。好ましい実施形態に
おいて、この方法は、以下の工程を包含する:(a)哺乳動物由来のサンプルを
、疾患関連タンパク質に特異的に結合する結合部分と接触させて、結合部分−疾
患関連タンパク質複合体を生成する工程であって、ここで、この結合部分は、本
発明の方法によって同定されるマーカータンパク質に特異的に結合する、工程;
および(b)この複合体の存在を検出する工程であって、存在する場合、これは
、哺乳動物における疾患の存在を示す、工程。
【0017】 好ましい実施形態において、この結合部分は、抗体(例えば、モノクローナル
抗体、ポリクローナル抗体、またはそれらのフラグメント(例えば、Fv、Fa
b、Fab’、(Fab’)2)、または生合成抗体結合部位(例えば、sFv
))である。結合部分は、好ましくは、検出可能な部分(例えば、放射性標識、
ハプテン標識、蛍光標識、または酵素標識)で標識される。
【0018】 マーカータンパク質の存在または量は、従って、個体における疾患の存在を示
し得る。例えば、サンプル中のマーカータンパク質の量は、以前に較正された閾
値と比較されて、疾患の存在または非存在を示し得、ここで、閾値に対するサン
プル中の複合体の量は、個体における疾患の存在または非存在を示し得る。この
ような方法は、組織(例えば、乳房組織)または体液(例えば、血清)のいずれ
かについて行われ得る。
【0019】 本発明のこれらおよび他の多数のさらなる局面および利点は、以下の図面、詳
細な説明および上記の特許請求の範囲の考察によって明らかになる。
【0020】 (発明の詳細な説明) 本発明は、疾患の検出のためのアッセイまたは疾患の処置のいずれかにおいて
標的として有用である疾患マーカーを同定するための方法および組成物を提供す
る。マーカーが、例えば、タンパク質である場合、固体における疾患の存在は、
マーカータンパク質、および/あるいはマーカータンパク質またはマーカータン
パク質をコードする核酸配列にハイブリダイズする核酸プローブに結合する結合
部分(例えば、抗体)を使用して検出され得ることが企図される。さらに、当業
者が、疾患を処置するための以下のような新規の治療薬を生成し得ることが企図
される:例えば、個体に投与され得るかまたはインビボで標的タンパク質に結合
し、そしてその生物学的活性を減少または排除する抗体;標的タンパク質をコー
ドする遺伝子または遺伝子転写物にハイブリダイズし、それによりインビボで標
的タンパク質の発現を減少する核酸またはペプチジル核酸配列;または低分子(
例えば、標的タンパク質または他の細胞部分(例えば、標的タンパク質に対する
レセプター)と相互作用して、標的タンパク質の生物学的活性を減少または排除
する有機分子)。
【0021】 疾患マーカーを同定するための方法およびこのマーカータンパク質を標的とし
て使用することによって疾患を検出するための方法が、以下に記載される。
【0022】 (1.疾患マーカーを同定するための方法) 一般的には、疾患マーカーは、疾患を有すると診断された哺乳動物の組織また
は体液のサンプルの組成を、疾患を有さない個体由来の同様に処理されたサンプ
ルの組成と比較することによって同定される。従って、得られたマーカーは、哺
乳動物における疾患の存在または非存在を検出するためのアッセイにおいて使用
され得る。さらに、同じ方法は、別の疾患状態(例えば、進行性の癌対静止状態
の癌)と比較して1つの疾患状態で高濃度で存在するマーカーを同定するために
用いられ得る。
【0023】 本明細書中で使用する場合、用語「マーカー」は、任意の生物学的マーカー(
例えば、タンパク質または核酸)を意味すると理解され、ここで、生物学的マー
カーは、疾患を有さない個体の組織または体液サンプルと比較して、疾患を有す
ると診断されたかまたは疾患を有するとして診断された個体の組織または体液サ
ンプル中に高濃度で検出され得、これは種、ならびにその対立遺伝子改変体およ
びそのフラグメントを含む。用語「マーカー」および「標的」は、本明細書中で
交替可能に使用される。マーカーが疾患状態に対して特有である必要はない;む
しろ、マーカーは疾患個体由来のサンプルと疾患を有さない個体由来のサンプル
とを区別するのに十分高いシグナル対ノイズ比を有するべきである。
【0024】 一実施形態において、本発明の方法は、以下の工程を包含する:(a)疾患を
有する哺乳動物から収集したサンプルから少なくとも1つの大量のタンパク質を
除去する工程;(b)大量のタンパク質を枯渇した得られたサンプルを画分化し
て、複数の画分を生成する工程であって、各画分は複数の分子を含有する、工程
;(c)次いで、予め選択した画分に含まれる分子を質量によって分離する工程
;(d)疾患を有さない哺乳動物から収集したサンプルを用いて、工程(a)〜
(c)を繰り返す工程;および(d)疾患を有する哺乳動物由来のサンプルから
分離した分子を、疾患を有さない哺乳動物由来のサンプルから分離した分子と比
較する工程。結果として、疾患を有さない哺乳動物由来のサンプルと比較して、
疾患を有する哺乳動物由来のサンプル中に高濃度で存在する1つ以上のマーカー
分子を迅速に同定することが可能となる。得られたマーカーは、一旦同定される
と、疾患の存在または状態を検出するためのアッセイ、または治療の標的として
使用され得る。
【0025】 この方法は、組織または体液サンプル中のマーカーを同定するために使用され
得ることが企図される。しかし、この方法は、体液(例えば、血液、血清、血漿
、汗、涙、尿、腹膜液、リンパ、膣分泌物、精液、髄液、腹水、唾液、痰または
乳房滲出液)中の疾患マーカーの同定において特に有用である。しかし、血清が
最も好ましい。
【0026】 サンプルから1つ以上の大量のタンパク質を除去することによって、より少な
い大量のタンパク質を潜在的な疾患マーカーとして評価することがより容易にな
る。本明細書中で使用する場合、大量のタンパク質は、サンプル中の総タンパク
質の約5%(w/w)以上、より好ましくは、約20%(w/w)以上を構成す
る。サンプルが血清である場合、大量のタンパク質は、典型的に、免疫グロブリ
ンまたはアルブミンである。血清において、アルブミンは、総血清タンパク質の
約57〜71%を構成し、そして免疫グロブリンは、総血清タンパク質の8〜2
6%を構成することが報告されている(Lolloら(1999)、ELECT
ROPHORESIS 20:854−869)。従って、これらのタンパク質
のみの除去によって、疾患マーカーとして少ない大量のタンパク質を評価するこ
とが容易になり得る。従って、血清から免疫グロブリンおよびアルブミンの両方
を除去して、さらなる処理のために適切な免疫グロブリンおよびアルブミンを枯
渇した血清を生成することが好ましい。
【0027】 免疫グロブリンおよび/またはアルブミンタンパク質は、当該分野において公
知であり使用される、従来の方法論(例えば、親和性に基づく方法論)を使用し
て、抽出され得る。例えば、免疫グロブリンは、固体支持体上に固定された結合
タンパク質(例えば、抗体またはそのフラグメント、プロテインA、またはプロ
テインG)を使用して、サンプルから選択的に除去され得る。例えば、目的の溶
液は、このような固体支持体を充填したクロマトグラフィーカラムに、免疫グロ
ブリン分子がマトリクスに優先的に結合する条件下で通過され得る。従って、流
した後の(flow through)得られるカラムは、免疫グロブリンが除
去されている。好ましいマトリクスは、アガロース粒子に結合したプロテインG
を含み、これは、Pharmacia and Upjohn,Peapack
,NJから、Hitrap Protein Gの商品名で市販されている。同
様に、アルブミンは、目的のサンプルに関して、例えば、シバクロンブルーに結
合したセファロース(Pharmacia and Upjohn,Peapa
ck,NJ.から市販されている)を使用するアフィニティークロマトグラフィ
ーによって、選択的に除去され得る。あるいは、アルブミンと免疫グロブリンG
との両方が、ProtoClearTM(Lolloら(1999)ELECTR
OPHORESIS 20:854−859)を使用して、血清から同時に除去
され得る。この著者らは、95%より多くのヒト血清アルブミンおよび97%よ
り多くのヒト免疫グロブリンが、ProtoClearTMを使用して除去され得
ることを報告する。
【0028】 少なくとも1つの過剰のタンパク質をサンプルから除去した後に、次いで、得
られるサンプルを分画して、複数の画分を得、各画分が、複数の分子を含む。最
初の分画は、好ましくは、電気泳動ではない方法(例えば、クロマトグラフィー
、より具体的には、アフィニティークロマトグラフィー)による。より好ましい
実施形態において、アフィニティークロマトグラフィーは、イオン交換クロマト
グラフィー(例えば、陰イオンまたは陽イオン交換クロマトグラフィー)である
。血清を用いて、この工程は、好ましくは、陰イオン交換クロマトグラフィーに
よって実施される。イオン交換クロマトグラフィーの間に、目的のサンプルを適
切なマトリクス(例えば、陰イオン性交換マトリクス)と混合し、そして分子を
このマトリクスと結合させる。洗浄して、結合していない材料を除去した後に、
次いで、結合した分子を異なる溶出緩衝液中に選択的に溶出し、各緩衝液は、分
子の異なる集団を優先的に溶出する。適切な緩衝液を選択することによって、各
々が複数の分子を含む複数の画分を生じることが可能であることが、考慮される
。実施例1に詳細に記載される手順において、免疫グロブリンおよびアルブミン
を実質的に含まない血清が、陰イオン交換クロマトグラフィーによって、おおよ
そ等量のタンパク質を含む12の画分に副分割された。「実質的に含まない」と
は、少なくとも70%、より好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少な
くとも90%、そして最も好ましくは少なくとも95%の特定の分子を含むこと
を意味すると理解される。陰イオン交換クロマトグラフィーは、異なる集団のサ
ンプルを生成し、各サンプルが、多数であるが最初の出発物質より数が有意に少
ない分子を含む。次いで、これらの分子は、質量の関数としてより容易に特徴付
けられ得る。例示的なプロトコルにおいて、血清は、Mano Q(Pharm
acia and Upjohn,Peapack,NJ)陰イオン交換カラム
に、リン酸緩衝液中で適用される。一旦結合したタンパク質は、塩(例えば、塩
化ナトリウム)の濃度を一連の溶出緩衝液において増加させることによって、溶
出され得る。適切な塩濃度の選択は、当該分野の技術のレベル内であるとみなさ
れ、そして出発物質の型、ならびに各集団において所望のタンパク質の型および
数のような変数に依存する。
【0029】 あるいは、アフィニティークロマトグラフィーは、炭水化物結合部分(例えば
、レクチン)が上に配置された固体支持体を使用して実施される。その結果、非
グリコシル化分子からグリコシル化分子を分離することが可能である。
【0030】 次いで、得られる画分の1つ以上を、例えば質量分析によって、質量によって
分析し得る。例えば、各画分は、マトリクスアシスティッドレーザーデソープシ
ョン/イオン化−飛行時間型(MALDI−TOF)質量分析によって、または
表面増強レーザーデソープション/イオン化−飛行時間型(SELDI−TOF
)質量分析によって、分析され得る。米国特許第5,719,060号を参照の
こと。
【0031】 一般に、質量分析法による分析は、高エネルギー源(例えば、レーザー)を使
用しての材料のサンプルの蒸発およびイオン化を包含する。通常、この材料は、
プローブチップの表面から気体または蒸気相へと、レーザービームによって蒸発
し、これによって、個々の分子のいくつかは、イオン化される。次いで、正に荷
電した分子は、高電圧場を使用して加速され、そして高真空チャンバ内(これの
端部は、検出表面である)に飛ばされる。飛行時間は、イオン化された分子の質
量の関数であるので、イオン化と衝突との間の経過時間を使用して、分子の質量
を決定し得る。その結果、この型の質量分析法を使用して、サンプル内の質量の
プロフィールを作成することが可能である。疾患を有する哺乳動物由来のサンプ
ル中により高い濃度で存在する分子を、疾患を有しない哺乳動物由来のサンプル
に存在する分子に対して比較することによって、疾患した哺乳動物において上昇
したレベルで見出される分子(すなわち、マーカー)を同定することが可能であ
る。
【0032】 質量分析法を使用して、さらに、マーカーを、これらの特定の表面に対する結
合親和性によって特徴付けることが可能である。例えば、SELDI−TOF質
量分析法において、いくつかの異なる表面が、Ciphergen Biosy
stems,Inc.,Palo Alto,CAから市販されている。表面の
各々が、異なる表面特性を有し、従って、マーカーの異なる集団を結合する。利
用可能な表面としては、銅処理した表面およびニッケル処理した表面が挙げられ
、これらは、銅またはニッケルの塩溶液を、エチレンジアミン三酢酸を含むチッ
プに添加することによって、生成し得る。他のSELDIチップ表面としては、
以下が挙げられる:カルボキシレート部分を含むWCX−2、および四級アンモ
ニウム部分を含むSAX−2。従って、これらのマーカーは、さらに、これらの
特定のSELDIチップに対する親和性によって特徴付けられ得る。例えば、本
明細書中において使用される場合に、特定のSELDIチップに対する「親和性
」との用語は、マーカーが、本明細書中に開示される他のSELDIチップ(例
えば、ニッケル、SAX−2およびWCX−2チップ)の1つ以上に対して、1
つの型のSELDIチップ(例えば、銅SELDIチップ)に優先的に結合する
ことを意味することが理解される。実施例1に詳細に議論されるように、疾患し
た個体由来の血清と健常な個体由来の血清との比較は、疾患した個体の血清中に
検出可能なレベルで頻繁に存在するが健常な個体の血清においては匹敵するレベ
ルで頻繁には存在しない、多数のタンパク質を明らかにした。
【0033】 一旦、マーカー(例えば、タンパク質マーカー)が質量分析法によって同定さ
れると、この同定されたタンパク質を、標準的なタンパク質単離方法論によって
単離し得、そして、当該分野において公知でありかつ使用されているタンパク質
配列決定方法論を使用して配列決定し得る。例えば、マーカーの各々は、一旦同
定されると、先の工程においてそのマーカーから誘導された方法論および情報を
使用して、均一にまで精製され得る。例えば、マーカーは、質量分析法によって
決定されたその質量、ならびにその他の物理的性質および化学的性質(例えば、
アフィニティーカラム(例えば、イオン交換カラム)に結合する能力)に基づい
て、単離され得る。これらのタンパク質は、さらに、従来のアミノ酸配列決定(
例えば、タンパク質分解フラグメントの、Edman分解および/または質量分
析に基づくミクロ配列決定)によって、特徴付けられ得る。
【0034】 本発明の方法が、特に、疾患が癌である場合にマーカーを同定する際に有効で
あることが、考慮される。従って、この方法を使用して、乳癌、肺癌、前立腺癌
、膀胱癌、頸部癌、卵巣癌、結腸癌または結腸直腸癌に対するマーカーを同定し
得ることが考慮される。本明細書中以下の実施例は、乳癌マーカーの同定を開示
する。
【0035】 (2.疾患の検出) 一旦、疾患マーカーが同定されると、このマーカー(例えば、タンパク質また
はこのタンパク質をコードする核酸)を使用して、個体が疾患を有するか否かを
決定し得、そしてそうである場合には、適切な検出方法を使用して、この疾患の
状態をモニタリングし得る。
【0036】 タンパク質またはこのタンパク質をコードする核酸をマーカーとして使用する
ことによって、当業者は、ヒトにおいて疾患を検出するための種々の検出方法を
作製し得る。これらの方法は、代表的に、何らかの手段によって、ヒトの組織ま
たは体液のサンプルにおける1つ以上のマーカーの存在を検出する工程を包含す
る。ヒトにおいてマーカーを検出するための方法の、正確さおよび/または信頼
性は、予め選択された組織または体液のサンプルにおいて、複数のマーカータン
パク質または核酸の存在を検出することによって、さらに増強され得る。検出ア
ッセイは、本明細書中以下に記載されるプロトコルの1つ以上を包含し得る。
【0037】 (2.A.タンパク質に基づくアッセイ) マーカーがタンパク質である場合には、このタンパク質は、例えば、このマー
カータンパク質を、このマーカータンパク質を特異的に結合し得る結合部分と組
み合わせることによって、検出され得る。この結合部分は、例えば、リガンド−
レセプター対(すなわち、特異的な結合相互作用を有し得る分子の対)のメンバ
ーを含み得る。結合部分は、例えば、特異的な結合対(例えば、抗体−抗原、酵
素−基質、核酸−核酸、タンパク質−核酸、タンパク質−タンパク質、または当
該分野で耕地の他の特異的な結合対)のメンバーを含み得る。標的タンパク質に
対する親和性が増強された結合タンパク質が、設計され得る。必要に応じて、結
合部分は、検出可能な標識(例えば、酵素標識、蛍光標識、放射性標識、リン光
標識、または有色粒子標識)と連結され得る。標識された複合体は、例えば、視
覚的にかまたは分光計もしくは他の検出器の補助によって、検出され得る。
【0038】 マーカータンパク質はまた、当該分野において利用可能なゲル電気泳動技術を
使用して、検出され得る。二次元ゲル電気泳動において、タンパク質は、最初に
、それらの等電点に従って、pH勾配ゲルにおいて分離される。次いで、得られ
るゲルは、第2のポリアクリルアミドゲルに置かれ、そしてタンパク質は、分子
量によって分離される(例えば、O’Farrell(1975)J.Biol
.Chem.250:4007−4021を参照のこと)。
【0039】 1つ以上のマーカータンパク質が、最初に疾患を有すると疑われる個体から得
たサンプルからタンパク質を単離し、次いでこのタンパク質を二次元ゲル電気泳
動で分離して、特徴的な二次元ゲル電気泳動パターンを作成することによって、
検出され得る。次いで、このパターンを、正常細胞または既知の癌細胞から単離
されたタンパク質を同一かまたは類似の条件下で分離することによって作成され
た標準ゲルパターンと比較し得る。標準ゲルパターンは、電気泳動パターンの電
子データベースに格納され得、そしてこのデータベースから検索され得る。二次
元ゲルにおけるマーカータンパク質の存在は、試験されているサンプルが疾患を
有する人物から採取されたことの指標を提供する。本明細書中において記載され
る他の検出アッセイを用いてと同様に、2つ以上のタンパク質の検出(例えば、
二次元ゲル電気泳動パターンにおいて)は、アッセイの正確さをさらに増強する
。二次元ゲル上での複数(例えば、2〜5)のマーカータンパク質の存在は、個
体における疾患の存在のなお強力な指標を提供する。従って、このアッセイは、
疾患の初期の検出および処置を可能にする。
【0040】 マーカータンパク質はまた、当該分野において利用可能な広範にわたる免疫ア
ッセイ技術のいずれか1つを使用して、検出され得る。例えば、当業者は、サン
ドイッチ免疫アッセイ形式を使用して、体液サンプル中の疾患マーカーを検出し
得る。あるいは、当業者は、1つ以上の標識された結合タンパク質を使用して、
組織サンプルにおけるマーカーの存在を検出するために、従来の免疫組織化学的
手順を使用し得る。
【0041】 サンドイッチ免疫アッセイにおいては、マーカータンパク質を結合し得る2つ
の抗体が、一般的に使用される。例えば、1つは固体支持体上に固定され、そし
て1つは、溶液中でフリーであり、そして検出可能な化学化合物で標識されてい
る。第2の抗体に対して使用され得る化学的標識の例としては、放射性同位体、
蛍光性化合物、および酵素、または反応物もしくは酵素基質に曝露させる場合に
有色かまたは電気化学的に活性な生成物を生成する他の分子が挙げられる。マー
カータンパク質を含むサンプルがこの系に配置される場合に、このマーカータン
パク質は、免疫された抗体と標識された抗体との両方に結合して、「サンドイッ
チ」免疫複合体を支持体表面上で形成する。次いで、複合体形成したタンパク質
が、結合していないサンプル化合物および過剰の標識抗体を洗浄除去し、そして
支持体の表面上でタンパク質と複合体形成した標識抗体の量を測定することによ
って、検出される。あるいは、化学的部分(例えば、ハプテン)で標識され得る
、溶液中でフリーの抗体は、フリーな抗体かまたは例えばそこに結合したハプテ
ンを結合する検出可能な部分で標識された、第3の抗体によって、検出され得る
【0042】 サンドイッチ免疫アッセイと組織免疫組織化学的手順との両方が、良好な検出
限界を有する標識が使用されると仮定すれば、高度に特異的かつ非常に感受性で
ある。免疫学的アッセイの設計、理論およびプロトコルの詳細な概説は、当該分
野における多数の教科書(「Practical Immunology」,B
utt,W.R.編、(1984)Marcel Dekker,New Yo
rkおよび「Antibodies,A Laboratory Approa
ch」,Harlowら編(1988)Cold Spring Harbor Laboratoryが挙げられる)において見出され得る。
【0043】 一般に、免疫アッセイの設計の考慮は、非特異的相互作用の生成物から容易に
区別され得る複合体を形成するため十分に高い、標的タンパク質に対する結合特
異性を有する抗体(例えば、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体)の
調製を包含する。本明細書中において使用される場合に、用語「抗体」とは、免
疫グロブリン可変領域様結合ドメインを含み、標的タンパク質に対する適切な結
合親和性および特異性を有する、結合タンパク質(例えば、抗体または他のタン
パク質)を意味すると理解される。抗体結合特性が高いほど、検出され得る標的
タンパク質濃度は低くなる。本明細書中において使用される場合に、用語「特異
的な結合」または「特異的に結合する」とは、結合部分(例えば、結合タンパク
質)が、標的タンパク質に対して約105-1より大きい、より好ましくは約1
7-1より大きい結合親和性を有することを意味することが、理解される。
【0044】 個体における乳癌を検出するためのアッセイにおいて有用な単離されたマーカ
ーまたは標的タンパク質に対する抗体は、当該分野において周知でありかつ十分
に記載されている標準的な免疫学的手順を使用して、生成され得る。例えば、P
ractical Immunology,Butt,N.R.編、Marce
l Dekker,NY,1984を参照のこと。簡単に言えば、単離された標
的タンパク質を使用して、異種の宿主(例えば、マウス、ヤギまたは他の適切な
哺乳動物)において、抗体を惹起する。マーカータンパク質は、宿主における抗
体産生を増強し得る適切なアジュバントと合わせられ、そして例えば、腹腔内投
与によって、宿主に注射される。宿主の免疫応答を刺激するために適した任意の
アジュバントが、使用され得る。通常使用されるアジュバントは、フロイント完
全アジュバント(殺傷されそして乾燥された微生物細胞を含むエマルジョンであ
り、そして例えば、Calbiochem Corp.,San Diego、
またはGibco,Grand Island,NYから入手可能である)であ
る。複数の抗原注射が所望である場合には、引き続く注射は、不完全アジュバン
ト(例えば、無細胞エマルジョン)との組み合わせで抗原を含み得る。ポリクロ
ーナル抗体は、抗体産生宿主から、目的のタンパク質に対する抗体を含む血清を
抽出することによって、単離され得る。モノクローナル抗体は、所望の抗体を産
生する宿主細胞を単離し、これらの細胞を免疫学の分野において公知の標準的な
手順を使用して骨髄腫細胞と融合し、そして標的タンパク質と特異的に反応し、
かつ所望の結合親和性を有するハイブリッド細胞(ハイブリドーマ)についてス
クリーニングすることによって、生成され得る。
【0045】 抗体結合ドメインはまた、生合成的に生成され得、そしてこの結合ドメインの
アミノ酸配列は、標的タンパク質上の好ましいエピトープとの結合親和性を増強
するよう操作され得る。特定の抗体方法論は、十分に理解されており、そして文
献に記載されている。これらの調製のより詳細な記載は、例えば、Butt(1
984)「Practical Immunology」(前出)に見出され得
る。
【0046】 さらに、遺伝的に操作された生合成抗体結合部位(当該分野においてはBAB
SまたはsFvとしてもまた公知である)を、本発明の実施において使用し得る
。(i)非共有結合したかまたはジスルフィド結合した合成VHおよびVL二量体
、(ii)共有結合したVH−VL単鎖結合部位、(iii)個々のVHドメイン
またはVLドメイン、あるいは(iv)単鎖抗体結合部位を含むBABSを作製
および使用するための方法は、例えば、米国特許第5,091,513号;同第
5,132,405号;同第4,704,692号;および同第4,946,7
78号に開示されている。さらに、マーカータンパク質に対する必須の特異性を
有するBABSは、コンビナトリアル遺伝子ライブラリーからのファージ抗体ク
ローニングによって誘導され得る(例えば、Clacksonら(1991)N
ature 352:624−628を参照のこと)。簡単に言えば、単離され
たマーカータンパク質またはそのフラグメントで予備免疫されたマウス由来の可
変領域遺伝子配列によってコードされる免疫グロブリン可変領域を有するBAB
Sを、各々がコート表面において発現するファージは、免疫された乳癌関連タン
パク質に対する結合活性に関して、スクリーニングされる。免疫されたマーカー
タンパク質に結合するファージが採取され、そしてBABSをコードする遺伝子
が配列決定される。次いで、目的のBABSをコードする得られる核酸配列は、
従来の発現系において発現されて、BABSタンパク質を生成し得る。
【0047】 単離されたマーカータンパク質はまた、診断キットおよび他の組織評価キット
、ならびに組織または流体のサンプルにおけるタンパク質のレベルをモニタリン
グするためのアッセイを開発するために、使用され得る。例えば、このキットは
、マーカータンパク質に特異的に結合し、そしてマーカータンパク質の存在およ
び/または濃度が組織または流体のサンプルにおいて検出および/または定量さ
れることを可能にする、抗体または他の特異的な結合タンパク質を含み得る。
【0048】 マーカータンパク質を検出するための適切なキットは、例えば、評価されるべ
きサンプルを捕獲するためのレセプタクルまたは他の手段、ならびに本明細書中
に記載される1つ以上のマーカータンパク質の存在および/または量をサンプル
中で検出するための手段を含むと考えられる。本明細書中において使用される場
合に、「検出するための手段」とは、1つの実施形態において、これらのタンパ
ク質に対して特異的な1つ以上の抗体、およびこれらのタンパク質に対する抗体
の結合を、例えば本明細書中に記載されるような標準的なサンドイッチ免疫アッ
セイによって検出するための手段を含む。細胞(例えば、組織サンプル由来のよ
うな)におけるタンパク質の存在が検出されるべきである場合には、このキット
はまた、細胞内タンパク質を露出するために、細胞構造を破壊するための手段を
含み得る。
【0049】 (2.B.核酸に基づくアッセイ) 個体における疾患の存在はまた、組織または体液のサンプルにおいて、マーカ
ータンパク質をコードする核酸分子を検出することによって、決定され得る。当
業者に周知の方法を使用して、マーカータンパク質は配列決定され得、次いで、
決定された配列に基づいて、cDNAライブラリーをスクリーニングするるため
のオリゴヌクレオチドプローブが設計され得る(例えば、Sambrookら(
1989)前出を参照のこと)。
【0050】 マーカータンパク質をコードする標的核酸分子は、この標的核酸を特異的に結
合し得る標識された結合部位を使用して、検出され得る。この結合部位としては
、例えば、タンパク質、核酸またはペプチジル核酸が挙げられ得る。さらに、標
的核酸(例えば、マーカータンパク質をコードするmRNA)は、例えば、標識
されたオリゴヌクレオチド(例えば、標的核酸の少なくとも一部と相補的であり
、かつこの部分と特異的にハイブリダイズし得る核酸フラグメント)を使用する
ノーザンブロット分析を実施することによって、検出され得る。
【0051】 より具体的には、相補的RNA、または好ましくは、疾患関連核酸配列に対す
るDNA、またはマーカータンパク質をコードするmRNA配列を含む遺伝子プ
ローブは、確立された組換え技術またはオリゴヌクレオチド合成を使用して、生
成され得る。このプローブは、試験標本において提示される相補的核酸配列とハ
イブリダイズし、そして必須の特異性を提供し得る。単一の独自の配列をコード
する、短い、十分に規定されたプローブは、最も適切であり、かつ好ましい。よ
り大きなプローブは、一般に、特異性が低い。任意の長さのオリゴヌクレオチド
が、mRNA転写物とハイブリダイズし得るが、代表的に8〜100ヌクレオチ
ドの範囲内、好ましくは15〜50ヌクレオチドの範囲内であるオリゴヌクレオ
チドは、標準的なハイブリダイゼーションアッセイにおいて最も有用であること
が、予測される。プローブの長さおよび配列の選択は、所望の特異性の程度を選
択することを可能にする。ハイブリダイゼーションは、50℃〜65℃で、高塩
緩衝溶液、ホルムアミドまたは必要とされる相補性の程度を設定する他の薬剤中
で、実施される。技術水準は、プローブが本質的に任意のDNAまたはRNAの
配列を認識するように、作製され得るような技術水準である。さらなる詳細につ
いては、例えば、Guide to Molecular Technique
s,Bergerら、Methods of Enzymology,第152
巻,1987を参照のこと。
【0052】 プローブまたは抗体に結合される広範な種々の異なる標識が、アッセイにおい
て使用され得る。標識された試薬は、アッセイの設計に依存して、溶液中に提供
されても不溶性支持体に結合されてもよい。種々の結合体が、共有的にかまたは
非共有的に、直接的にかまたは間接的に、結合され得る。共有結合される場合に
は、特定の連結基は、結合される2つの部分の性質に依存する。多数の連結基お
よび連結の方法が、文献において教示されている。広義には、標識は、以下の分
類に分割され得る:色原体;触媒された反応;化学発光;放射性標識;およびコ
ロイドの大きさの有色粒子。色原体としては、色が観察され得るように異なる範
囲の光を吸収する化合物、または特定の波長もしくは波長範囲の光で照射する場
合に発光する化合物(例えば、蛍光剤)が挙げられる。酵素的触媒と非酵素的触
媒との両方が、利用され得る。酵素を選択する際に、その酵素の安定性、アッセ
イが設計された型のサンプル中にその酵素が通常存在するか否か、基質の性質、
およびその酵素の特性に対する結合の効果(存在する場合)を含む、多くの考慮
が存在する。潜在的に有用な酵素標識としては、オキシヨードレダクターゼ(o
xiodoreductase)、トランスフェラーゼ、加水分解酵素、リアー
ゼ、イソメラーゼ、リガーゼ、またはシンテターゼが挙げられる。相互に関係す
る酵素系もまた、使用され得る。化学発光標識は、化学反応によって電子的に励
起され、次いで光(これが、検出可能なシグナルとして働くか、または蛍光アク
セプターにエネルギーを供与する)を放出し得る化合物を包含する。放射性標識
としては、通常の使用において見出される種々の放射性同位体が挙げられ、例え
ば、不安定な形態の水素、ヨウ素、リンなどである。コロイドの大きさの有色粒
子は、撹拌の際に、検出されるべき物質の部位に対応する視覚的に検出可能な別
個のスポットを形成する、コロイド金のような材料を包含する。標識技術に関す
るさらなる情報は、例えば、米国特許第4,366,241号に開示されている
【0053】 ヌクレオチドプローブのインビトロ標識の通常の方法は、標識されていないD
NAプローブがエンドヌクレアーゼで切れ目を入れられて、二本鎖フラグメント
のいずれかの鎖において遊離3’ヒドロキシル末端を生じる、ニックトランスレ
ーションを包含する。同時に、エキソヌクレアーゼは、この切れ目の5’ホスホ
リル側から、ヌクレオチド残基を除去する。置換ヌクレオチドの配列は、二重鎖
の反対側の鎖の配列によって決定される。従って、標識ヌクレオチドが供給され
る場合に、DNAポリメラーゼは、この標識ヌクレオチドでこの切れ目を充填す
る。この周知の技術を使用して、分子の50%までが標識され得る。より小さな
プローブに対しては、3’末端標識を包含する公知の方法が使用され得る。さら
に、蛍光分子、触媒、酵素、または化学発光材料でDNAを標識する、現在市販
されている方法が存在する。ビオチン標識キットは、Bio−Probeの商品
名で市販されている(Enzo Biochem Inc.)。この型の系は、
プローブが、アビジン(これは次に、例えば、蛍光分子、酵素、抗体などで標識
される)と結合することを可能にする。プローブの構築および技術に関するさら
なる開示に関しては、例えば、Sambrookら、Molecular Cl
oning,A Laboratory Manual(Cold Sprin
g Harbor,N.Y.,1982)を参照のこと。
【0054】 標的核酸にハイブリダイズするために選択されるオリゴヌクレオチドは、化学
的に合成されようと組換えDNA方法論によって合成されようと、標準的な技術
を使用して単離および精製され、次いで好ましくは、標準的な標識プロトコルを
使用して、(例えば、35Sまたは32Pで)標識される。次いで、標的核酸を含む
サンプルが電気泳動ゲル上で泳動され、分布した核酸をニトロセルロースフィル
ターに移し、そして標識オリゴヌクレオチドを、Sambrookら(1989
)前出に記載のようなストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下(例え
ば、42℃で50%ホルムアミド、5×SSPE、2×Denhardt溶液、
0.1% SDS)でこのフィルターに曝露する。次いで、このフィルターを、
2×SSPE、0.1% SDSを使用して68℃で、より好ましくは、0.1
×SSPE、0.1% SDSを使用して68℃で、洗浄し得る。当該分野にお
いて公知の他の有用な手順としては、溶液ハイブリダイゼーション、ならびにド
ットおよびスロットRNAハイブリダイゼーションが挙げられる。必要に応じて
、次いで、サンプル中に存在する標的核酸の量が、当該分野において公知の標準
的な手順を使用して、ハイブリダイズされたフラグメントの放射性を測定するこ
とによって、定量される。
【0055】 さらに、オリゴヌクレオチドはまた、標的タンパク質ファミリーのメンバーを
コードする他の配列を同定するために使用され得る。この方法論はまた、例えば
、タンパク質コード領域の上流または下流に位置する非コード配列を同定するた
めに、本明細書中に記載されるタンパク質をコードする核酸配列に関連する遺伝
配列、およびこれらの遺伝子の発現において機能的役割を果たし得る遺伝配列を
同定するために、使用され得る。さらに、結合アッセイは、例えば、タンパク質
の遺伝調節または遺伝発現に関与し得る乳癌関連タンパク質をコードする核酸と
特異的に結合相互作用し得るタンパク質を同定および検出するために実施され得
る。さらなる実施形態において、本明細書中に記載されるアッセイは、マーカー
タンパク質を認識し、そして特異的に結合され得る配列を含む、核酸分子を同定
および検出するために、使用され得る。
【0056】 さらに、適切なオリゴヌクレオチドプライマーの組み合わせ(すなわち、1つ
より多いプライマー)を使用して、当業者は、標準的なポリメラーゼ連鎖反応(
PCR)手順(例えば、定量PCR)によって、インビボでの標的遺伝子の発現
レベルを決定し得ることが、予測される。従来のPCRに基づくアッセイは、例
えば、Innesら(1990)「PCR Protocols;A guid
e to methods and Applications」,Acade
mic PressおよびInnesら(1995)「PCR Strateg
ies」Academic Press,San Diego,CAにおいて議
論されている。
【0057】 組換えマーカー分子は、本明細書中以下に記載されるように、生成され得る。
例えば、マーカー分子をコードするDNAは、当該分野において十分に記載され
ている従来の技術(例えば、Sambrook(1989)前出を参照のこと)
を使用して、種々の発現ベクターのいずれかに挿入され、そして適切な宿主細胞
にトランスフェクトされて、全長形態と短縮形態との両方を含む組換えタンパク
質を生成し得る。有用な宿主細胞としては、E.coli、Saccharom
yces cerevisiae、Pichia pastoris、昆虫/バ
キュロウイルス細胞系、骨髄腫細胞、および種々の他の哺乳動物細胞が挙げられ
る。このようなタンパク質の全長形態は、好ましくは、本明細書中に開示される
ように、哺乳動物細胞において発現される。ベクターは、さらに、組換えタンパ
ク質の正しい発現を促進するための、種々の配列(転写プロモーターおよび終止
配列、エンハンサー配列、好ましいリボソーム結合部位配列、好ましいmRNA
リーダー配列、好ましいタンパク質プロセシング配列、タンパク質分泌のための
好ましいシグナル配列などが挙げられる)を含み得る。目的の遺伝子をコードす
るDNA配列もまた、潜在的に阻害性の配列を除去するため、または所望でない
二次構造形成を最小にするために、操作され得る。当業者によって理解されるよ
うに、組換えタンパク質はまた、融合タンパク質として発現され得る。
【0058】 翻訳後、タンパク質は、細胞自体から精製され得るかまたは培養培地から収集
され得る。DNAはまた、組換えタンパク質の発現および/または精製を補助す
る配列を含み得る。DNAは、直接発現され得るか、または容易に切断可能な融
合接合部を有する融合タンパク質の一部として発現され得る。
【0059】 1つの好ましい実施形態において、DNAは、適切な哺乳動物宿主において発
現される。有用な宿主としては、線維芽細胞3T3細胞(例えば、CRL 16
58からのNIH 3T3)、COS(サル腎臓ATCC、CRL−1650)
またはCHO(チャイニーズハムスター卵巣)細胞(例えば、Chasin(1
980)Proc.Nat’l.Acad.Sci.USA 77:4216−
4222からのCHO−DXB11)、ミンク肺上皮細胞(MV1Lu)、ヒト
包皮線維芽細胞、ヒト神経膠芽腫細胞、および奇形癌細胞が挙げられる。他の有
用な真核生物細胞系としては、酵母細胞、昆虫/バキュロウイルス系または骨髄
腫細胞が挙げられる。
【0060】 マーカータンパク質分子を発現するために、DNAを適切なプロモーター/エ
ンハンサー配列および3’停止配列と共に、適切な市販のベクターの挿入部位に
サブクローニングする。有用なプロモーター/エンハンサー配列の組合せは、例
えば、pCDM8に存在するCMVプロモーター(ヒトサイトメガロウイルス(
MIE)プロモーター)、ならびにラウス肉腫ウイルスLTRエンハンサー配列
(例えば、Clontech,Inc.,Palo Alto製)によりブース
トされる乳腺癌ウイルスプロモーター(MMTV)を含む。有用な誘導性プロモ
ーターとしては、例えば、Zn2+誘導性プロモーター(例えば、Zn2+メタロチ
オネインプロモーター(Wranaら、(1992)Cell 71:1003
−1014))が挙げられる。他の誘導性プロモーターは当該分野で周知であり
、そして同様に首尾良く用いられ得る。発現をまた、トランス活性エンハンサー
配列を用いて、さらに、増大し得る。プラスミドはまた、好ましくは、増幅可能
なマーカー(例えば、適切なプロモーター例えば、SV40初期プロモーター(
ATCC#37148)制御下の(DHFR)を含む。トランスフェクション、
細胞培養、遺伝子増幅、およびタンパク質発現条件は、例えば、Ausbelら
編(1989)「Current Protocols inMolecula
r Biology」,John Wiley&Sons,NYに記載されるよ
うな、当該分野で周知の標準的な条件である。簡単には、トランスフェクトした
細胞を、5−10%の透析した胎児ウシ血清(dFCS)を含む培地中で培養し
、そして安定にトランスフェクトした高発現細胞株を、増幅およびサブクローニ
ングにより得、そしてウェスタンブロット分析およびノーザンブロット分析によ
り評価した。サザーンブロットをまた用いて、統合された配列の状態およびこれ
らのコピー数の程度を評価し得る。
【0061】 次いで、発現された候補タンパク質は、標準的な手順を用いて精製される。現
在好ましい方法論は、アフィニティーカラム(例えば、リガンドアフィニティー
カラムまたは抗体アフィニティーカラム)を用いる。次いで、このカラムを洗浄
し、そして候補分子を、イオン強度の漸増勾配、pHの変化、または界面活性剤
の添加で選択的に溶出させる。乳癌関連タンパク質に結合する候補分子に加えて
、乳癌関連タンパク質自身を、同様に、このような組換えDNA技術を用いて生
成し得ることを認識する。
【0062】 以下に、非制限の実施例は、乳癌の検出のためのマーカーを使用する方法と共
に、乳癌マーカーの単離および特徴付けのための詳細を提供する。同一または類
似のプロトコルを用いて、他の疾患(例えば、他の癌)についてのマーカーを同
定し得ることが意図される。
【0063】 (実施例1−乳癌マーカーの同定) 乳癌についてのマーカーを同定するために、乳癌を有する個体の血清を、以下
のプロトコルを用いて正常な個体の血清と比較した。簡単には、個体から収集し
た血清の0.5mLのアリコートを解凍した。次いで、1μLの1mg/mL溶
液のダイズトリプシンインヒビター(SBTI)およびロイペプチンの1mg/
mL溶液を各アリコートに添加した。脂質を取り除くために、350μLの1,
1,2−トリフルオロトリクロロエタンを各サンプルに添加した。次いで、サン
プルを5分間ボルテックスし、そして4℃にて5分間マイクロ遠心分離器中で遠
心分離した。得られた上清を、プロテインGと結合したアガロース(Hitra
p Protein Gカラム、Pharmacia and Upjohn、
Peapack,NJ)の1mLカラムにアプライして免疫グロブリンタンパク
質を取り除いた。次いで、カラムを3mLの50mMリン酸ナトリウム(pH7
.0、SBTIおよびロイペプチン(「結合緩衝液」)を有する)を用いてリン
スし、そして得られた貫流液をCibacronブルーと結合した6%Seph
arose(Hitrapブルーカラム、Pharmacia and Upj
ohn、Peapack,NJ)の5mLカラムに直接アプライして、アルブミ
ンタンパク質を取り除いた。Hitrapブルーカラムを20mLの結合緩衝液
を用いてリンスした。得られた貫流液を10kDのカットオフを有する4つの遠
心分離ベースの濃縮器(Centricon 10,Millipore Co
rporation,Bedford,MA)を用いて濃縮して、約0.7mL
の最終容量を得た。
【0064】 得られた血清(実質的に免疫グロブリンおよびアルブミンを含まない)を、ア
ニオン交換クロマトグラフィーによるほぼ等量のタンパク質を含む12の画分に
細分画した。詳細には、血清を、50mMリン酸ナトリウム、pH7.0中で、
Mono Q(Pharmacia and Upjohn、Peapack,
NJ)アニオン交換カラム(四級アンモニウム基を有する強力なアニオン交換体
)にアプライし、そしてタンパク質を段階的な様式で、塩化ナトリウムの濃度を
増加させることによりカラムから溶出させた。このプロトコルでは、血清を溶出
に用いた塩化ナトリウムの濃度に基づき12個の画分に分割した。従って、これ
らの画分を、貫流25mM塩化ナトリウム、貫流50mM塩化ナトリウム、貫流
75mM塩化ナトリウム、貫流100mM塩化ナトリウム、貫流125mM塩化
ナトリウム、貫流150mM塩化ナトリウム、貫流200mM塩化ナトリウム、
貫流250mM塩化ナトリウム、貫流300mM塩化ナトリウム、貫流400m
M塩化ナトリウム、および貫流2M塩化ナトリウムと命名した。溶出の後、各画
分を約100μg/mLに濃縮し、そして結合緩衝液と緩衝液交換した。
【0065】 次いで、12個の画分の各々からの4〜10μLをアプライし、そして4つの
SELDIチップ表面の各々に結合させた(各表面は8つまでのサンプルを保持
する)。チップ上の各サンプルの意図した配置を、Papスメア(smear)
に用いたような疎水性マーカーを用いて、サークルドローン(circle d
rawn)とはっきりと区別した。本明細書中で用いたSELDIチップをCi
phergen Biosystems,Inc.,Palo Alto,Ca
liforniaから購入し、そして以下に記載されるように用いた。
【0066】 銅またはニッケル表面について、エチレンジアミントリ酢酸部分を含むチップ
(IMAC,Chiphergen Biosystems,Inc.,Pal
o Alto,CA)を5μLの銅塩溶液またはニッケル塩溶液の2回の5分間
のアプライで前処理をし、そして脱イオン水で洗浄した。5μLの結合緩衝液を
用いる5分間の処理の後、2〜3μLのサンプルを、30〜60分間表面にアプ
ライした。次いで、別の2〜3μLのサンプルを、さらに、30〜60分間アプ
ライした。次いで、チップを結合緩衝液を用いて2回洗浄して、未結合のタンパ
ク質を取り除いた。0.5μLのシナピン酸(12.5mg/mL)を2回添加
し、そして毎回乾燥させた。シナピン酸の存在は、質量分析の際の結合タンパク
質の気化およびイオン化を増強する。
【0067】 カルボキシル部分を含むチップ表面(WCX−2,Chiphergen B
iosystems,Inc.,Palo Alto,CA)について、疎水性
ペン(pen)の使用の後に、この表面を10mM HClを用いて洗浄し、そ
して脱イオン水を用いて5回リンスした。このペンの使用後、表面を5μLの結
合緩衝液を用いて5回および脱イオン水を用いて1回洗浄した。2〜3μLのサ
ンプルを各々30〜60分間の2つの適用でアプライした。表面を、5μLの結
合緩衝液を用いて2回洗浄し、そして0.5μLのシナピン酸を二回アプライし
た。
【0068】 四級アンモニウム部分を含むチップ表面(SAX−2,Chiphergen Biosystems,Inc.,Palo Alto,CA)について、ペ
ンの使用の前に、表面を5μLの結合緩衝液を用いて5回および脱イオン水を用
いて1回洗浄した。サンプルの適用、洗浄、そしてシナピン酸の適用を上記のよ
うに行った。
【0069】 次いで、チップを、ソフトウェアプログラム「SELDI v.2.0」で実
行するChiphergen SELDI PBS One(Chipherg
en Biosystems,Inc.,Palo Alto,CA)を利用す
る質量分析に供した。全てのチップについて、「high mass」を、20
0,000ダルトンに設定し、「starting detector sen
sitivity」を、9(1〜10の範囲、10は最も高い感度)に設定し、
NDF(neutral density filter)を「OUT」に設定
し、データ取得法を「Seldi Quantitation」に設定し、SE
LDI取得パラメーターを20(5の増分を有する)に設定し、そして(100
のうち)50の強度で2つのショット(shot)を暖めることを含んだ。IM
ACチップについて、質量を3000ダルトン〜3001ダルトンに最適化し、
開始レーザー強度(starting laser intensity)を(
100のうち)80に設定し、そしてトランジアント(transient)を
5(1つの部位あたり5レーザー照射)に設定した。ピークをコンピューターに
より自動的に同定した。WCX−2チップについて、質量を3,000ダルトン
〜50,000ダルトンに最適化し、開始レーザー強度を80に設定し、そして
トランジアントを8に設定した。ピークをコンピューターにより自動的に同定し
た。SAX−2チップについて、質量を3,000ダルトン〜50,000ダル
トンに最適化し、開始レーザー強度を85に設定し、そしてトランジアントを8
に設定した。ピークをコンピューターにより自動的に同定した。
【0070】 10個の血清サンプル(正常な個体由来の5個、および乳癌を有する個体由来
の5個)を質量分析により分析して、上記の60個の画分に存在するタンパク質
を同定した。質量分析トレースにおいて得られたピークを比較して、乳癌を有す
る個体由来の血清サンプルに存在するが、正常なサンプルには存在しないピーク
を同定した。異なるサンプルにおけるピークが、1%を超えない質量の差異を有
した場合、このピークを同一と推定した。約11,000Da〜103,000
Daのサイズ範囲の11個の質量分析ピークを、乳癌を有する個体由来の5つの
血清サンプルの全てに存在すると同定した。このピークは、正常な個体由来のサ
ンプルには存在しなかった。次いで、これらのピークの存在または非存在を、さ
らなる30個の血清サンプル(正常な個体由来の15個、および乳癌を有する個
体由来の15個)について決定した。本来の5つの乳癌血清サンプルの4つに存
在するが、正常なサンプルのいずれにも存在しない、7つの他のピークをまた分
析した。なぜならば、これらは、既に評価の下にある11個のピークの1個以上
と、同一の画分中および同一のSELDI表面上に存在したからである。研究し
た18個のピークの15個は、20個のうち15個以上の乳癌血清サンプル中に
存在したが、15個以上の正常な血清サンプルには存在しなかった。
【0071】 上記の分析の結果を、表1に要約する。表に列挙される質量は、1%以内の正
確さと推測される。
【0072】
【表1】
【0073】 (実施例2−28.3kD乳癌タンパク質の精製および特徴付け) 上記で提供される生化学的および質量分析データに基づく乳癌関連タンパク質
は、周知の技術を用いて特徴づけされ得る。例えば、血清のサンプルを、例えば
、カラムクロマトグラフィーおよび/または電気泳動を用いて分画して、表1で
同定されるタンパク質の各々に対応する生成タンパク質サンプルを生成し得る。
次いで、単離したタンパク質の配列を、従来のペプチド配列決定方法論を用いて
決定し得る。上記の開示を鑑みれば、本明細書中に記載される方法により同定し
た任意の乳癌関連タンパク質に対する抗体を作製し得ることは当業者に明かであ
る。さらに、当業者は、上記の開示を鑑みれば、上記のフラグメントをコードす
る核酸配列、ならびにこれらに相補的な核酸配列を生成し得る。さらに、当業者
は、従来の組換えDNA方法論を用いて(例えば、本発明の核酸配列を有するc
DNAライブラリーをスクリーニングすることにより)、標的乳癌関連タンパク
質をコードする全長核酸配列を単離し得る。このような全長核酸配列またはこの
フラグメントを用いて、核酸ベースの検出システムおよび治療薬を開発し得る。
【0074】 実施例1で同定した28.3kDの乳癌タンパク質を単離し、そしてさらに以
下のように特徴づけした。約30mLの血清(複数の乳癌患者から組合せた)を
、実施例1に記載したような標準的な方法論を用いる、プロテインGクロマトグ
ラフィーおよびCibacron Blueアガロースクロマトグラフィーを使
用して、それぞれ、免疫グロブリンGおよび血清アルブミンを枯渇させた。次い
で、アルブミンおよび免疫グロブリン枯渇血清を、Mono Qイオン交換アフ
ィニティークロマトグラフィーにより分画した。簡単には、血清タンパク質を、
50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)中で、5mLのMono Qカ
ラム(Pharmacia and Upjohn、Peapack,NJ)に
アプライし、そして貫流画分を収集した。その後、血清タンパク質を、漸増濃度
の塩化ナトリウムを含む、50mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)を用
いて、カラムから段階的に溶出させた。この様式で、12個の血清画分(各々、
異なる量の塩化ナトリウムを含む)を得た。この画分は、貫流、ならびに25m
M、50mM、75mM、100mM、125mM、150mM、200mM、
250mM、300mM、400mM、および2Mの塩化ナトリウムを含む、5
0mMリン酸緩衝液(pH7.0)の溶出緩衝液を含んだ。
【0075】 目的のタンパク質を含む50mM塩化ナトリウム画分を、引き続いて、50m
Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)へと再び緩衝液交換して、製造業者の
指示に従ってCentricon10(Millipore)により濃縮した。
次いで、得られたサンプルを、100Mリン酸ナトリウム、150mM NaC
l(pH7.4)を含む無勾配緩衝液を用いてSephacryl S−200
カラムのサイズ排除カラムクロマトグラフィーにより分画した。カラムから溶出
した画分を、実施例1に記載されるようなCiphergen SELDI質量
分析を用いて28.3kDタンパク質の存在について評価した。28.3kDタ
ンパク質を含む画分を、プールしそしてIMACカラム(Sigma)(これは
、50mM NiCl2を用いる事前のインキュベーションにより、Ni2+を充
填している)にアプライした。次いで、IMACカラムを6ベッド容量の100
mMリン酸ナトリウム、150mM NaClを含む溶液(pH7.4)を用い
て洗浄し、そして結合したタンパク質画分を100mMイミダゾールを含む同一
溶液を用いて溶出させた。次いで、溶出した画分をMinicon 10(Mi
llipore)により濃縮し、次いで12%TrisグリシンSDS−PAG
Eゲルのドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−
PAGE)により分画した。タンパク質画分のサンプルをゲルの2つの別々のレ
ーンにアプライした。電気泳動後、次いで得られたゲルをCoomassie
Brilliant Blue色素を用いて染色し、そして脱色して、タンパク
質の存在を示した。約28.3kDの3つのバンド(最も高い分子量のタンパク
質、中程度の分子量のタンパク質、および最も低い分子量のタンパク質として特
徴づけされる)を、2つのレーンのうち1つから切り出し、そしてアクリルアミ
ド切片から溶出させた。
【0076】 タンパク質を以下のようにゲルから溶出させた。簡単には、ゲル切片を激しい
ボルテックスと共にHPLCグレードの水を用いて5回洗浄した。次いで、洗浄
した切片を、の120μLの100mM酢酸ナトリウム(pH8.5)、0.1
%SDS中で、小片に切断し、そして37℃にて一晩インキュベートした。上清
を新しいチューブにデカントし、そして高速真空(speedvac)中で乾燥
させた。次いで、得られたペレットを37μLのHPLCグレードの水の中で再
構成した。次いで、約1480μLの冷エタノールを添加し、そして得られた混
合物を−20℃で一晩インキュベートした。その後、サンプルを4℃にて15分
間11,000rpmで遠心分離した。上清を、取り除き、そして得られたペレ
ットを5μLの水中で再構成した。得られたタンパク質溶液に、SELDIを実
施し、そして28.3kDのタンパク質を、3つの調製物の1つにおいて同定し
た(図1A(これは最も重い28kDタンパク質に対応する)を参照のこと)。
次いで、対応するバンドをゲルの2つのレーンの第2の部分から切り出した。ト
リプシンを用いるタンパク質分解の後、トリプシン処理フラグメントを、ゲルか
ら溶出し、そして質量分析を通じてマイクロ配列分析に供した。
【0077】 4つの個々の質量を質量分析により決定した。4つの質量を用いてSwiss Proteinデータベースを検索した場合、4つの質量の全ては、U2小核
リボヌクレオタンパク質B’’(U2snRNPB’’)(Habetsら(1
987)前出、Swiss Proteinデータベース登録番号450712
3)と当該分野で呼ばれるタンパク質に存在するアミノ酸配列と一致することを
見出した。結果を表2に要約する。
【0078】
【表2】
【0079】 単一アミノ酸コードのU2snRNP B’’タンパク質のN末端からC末端
方向におけるアミノ酸配列は、以下である:
【0080】
【化1】
【0081】 28.3kDは、U2snRNP B’’であると同定され、従って、これは
、このタンパク質またはこのタンパク質をコードする核酸を、個体における乳癌
の存在を検出するためのアッセイにおける標的としての使用が可能であることを
意図する。このようなアッセイの開発は、一旦マーカーが同定されると、当該分
野の範囲(レベル)内にあると考えられる。
【0082】 (実施例3−乳癌関連タンパク質に特異的に結合する抗体の産生) 一旦同定されると、乳癌関連タンパク質は、当業者に周知である多数の結合ア
ッセイを用いる組織または体液サンプルにおいて検出され得る。例えば、上記の
ように、乳癌関連タンパク質を、組織サンプルまたは体液サンプルのいずれかに
いおて、乳癌関連タンパク質に対するエピトープに特異的に結合する抗体(例え
ば、モノクローナル抗体)を用いて検出し得る。このような検出システムにおい
て、抗体は、好ましくは、検出可能な部分を用いて標識される。
【0083】 以下に提供されるものは、抗乳癌関連モノクローナル抗体の産生についての例
示的プロトコルである。他のプロトコルもまた、想定される。従って、標的タン
パク質に対する抗体を産生する特定の方法が、本発明の1つの局面になることを
想定していない。
【0084】 Jマウス(Jackson Laboratory,Bar Harbor,
ME)によるBalb/cに、免疫したマウスから適切な血清力価が得られるま
で、標的タンパク質を2週間ごとに腹腔内に注射する。その後、このマウスに3
回の連続した静脈ブースト注射を行う。フロイント完全アジュバント(Gibc
o,Grand Island)を、1回目の注射に用い、フロイント不完全ア
ジュバントを2回目の注射に用いる;そして生理食塩水を引き続く静脈注射のた
めに用いる。次いで、動物を屠殺し、そしてその脾臓を取り出す。次いで、脾細
胞(またはリンパ節細胞)を、例えば、Kohlerら(1975)Natur
e 256:495の方法を用いて、マウスミエローマ細胞株と融合する。標的
タンパク質と反応する抗体を生成するハイブリドーマをクローニングし、そして
腹水として増殖させる。ハイブリドーマを任意の望ましいアッセイにおいて免疫
原に対する反応性によりスクリーニングする。スクリーニングプロトコル、腹水
生成およびイムノアッセイの詳細な説明は、PCT/US92/09220(1
993年5月13日公開)に開示される。
【0085】 (実施例4:個体における乳癌を検出するための抗体ベースのアッセイ) 以下のアッセイを、組織サンプルのために開発した;しかし、体液サンプルを
試験するための類似のアッセイが過度の実験なく開発されうることが意図される
。代表的なアッセイは、市販の免疫検出キット(例えば、Vector Lab
oratories,Inc.のABC Elite Kit)を用いうる。
【0086】 生検サンプルを、適切な医療ガイドラインに従って、研究の下で患者から取り
出す。次いで、サンプルを、ガラス顕微鏡スライドに塗布し、そしてこのサンプ
ルを、冷アセトンで10分間固定する。次いで、このスライドを、蒸留水でリン
スし、そして過酸化水素含有溶液(2mL 30% H22および30mL冷エ
タノール)で前処理する。次いで、このスライドを、0.1% Tweenおよ
び0.1% Brijを含有するTris緩衝化生理食塩水(TBS)を含む緩
衝液Aでリンスする。緩衝液A中のマウス抗乳癌関連タンパク質モノクローナル
抗体をスライドに添加し、次いで、このスライドを室温で1時間インキュベート
する。次いで、このスライドを緩衝液Aで洗浄し、次いで、緩衝液A中の二次抗
体(ABC Elite Kit,Vector Labs,Inc.)をスラ
イドに添加する。次いで、このスライドを、加湿チャンバ中で37℃で15分間
インキュベートする。このスライドを再び緩衝液Aで洗浄し、次いでABC試薬
(ABC Elite Kit,Vector Labs,Inc.)をシグナ
ルを増幅するためにスライドに添加する。次いで、このスライドを、加湿チャン
バ中で37℃でさらに15分間インキュベートする。
【0087】 次いで、このスライドを、蒸留水で洗浄し、そしてジアミノベンジジン(DA
B)基質をスライドに4〜5分間添加する。次いで、このスライドを、蒸留水で
リンスし、ヘマトキシリンで対比染色し、95%エタノールでリンスし、100
%エタノールでリンスし、次いで、キシレンでリンスする。次いで、カバースリ
ップをスライドに載せ、そして光学顕微鏡により結果を観察する。
【0088】 (等価物) 本発明は、その趣旨または本質的な特徴から逸脱することなく他の特定の形態
において具現化されうる。従って、前述の実施形態は、全ての点で、本明細書中
に記載された本発明を限定するのではなく、例示として解釈されるべきである。
従って、本発明の範囲は、前述の説明ではなく添付の特許請求の範囲により示さ
れ、そして特許請求の範囲の意味および均等の範囲内に入る全ての変更は、特許
請求の範囲を参照することにより含まれることが意図される。
【0089】 (参考文献の援用) 前述の特許および本明細書中上記に引用した科学文献の各々の開示全体は、明
らかに本明細書中に参考として援用される。
【図面の簡単な説明】
本発明は、以下の図面を参照してより完全に理解され得る。
【図1A】 図1Aは、ポリアクリルアミドゲルから溶離され、そしてニッケルSELDI
チップに塗布された、28kDのタンパク質の質量分光法による特徴付けから得
られるスペクトルである。図1Aは、ゲルから単離した最も大きい28kDタン
パク質のスペクトルである。
【図1B】 図1Bは、ポリアクリルアミドゲルから溶離され、そしてニッケルSELDI
チップに塗布された、28kDのタンパク質の質量分光法による特徴付けから得
られるスペクトルである。図1Bは、ゲルから単離した中間の28kDタンパク
質のスペクトルである。
【図1C】 図1Cは、ポリアクリルアミドゲルから溶離され、そしてニッケルSELDI
チップに塗布された、28kDのタンパク質の質量分光法による特徴付けから得
られるスペクトルである。図1Cは、ゲルから単離した最も小さい28kDタン
パク質のスペクトルである。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 30/88 G01N 30/88 J 33/53 33/53 D 33/543 501 33/543 501A 33/574 33/574 A 33/577 33/577 B 33/68 33/68 (31)優先権主張番号 60/178,860 (32)優先日 平成12年1月27日(2000.1.27) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/201,721 (32)優先日 平成12年5月3日(2000.5.3) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 09/709,954 (32)優先日 平成12年11月10日(2000.11.10) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),AU,C A,JP Fターム(参考) 2G045 AA01 AA15 CA25 CA26 CB03 CB07 CB08 CB11 CB12 CB14 CB15 CB30 DA36 FB05 FB06 FB07 4D017 AA11 BA07 CA17 DA03 EB03 【要約の続き】

Claims (50)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 哺乳動物における疾患を示すマーカー分子を同定するための
    方法であって、該方法は、以下: (a)該疾患を有する哺乳動物から収集したサンプルから大量のタンパク質を
    除去する工程; (b)該工程(a)により生成したサンプルを画分化する工程であって、複数
    の画分を生成し、各画分が複数の分子を含む、工程; (c)該工程(b)によって生成した画分内に含まれる分子を、質量によって
    分離する工程; (d)該工程(a)〜(c)を、該疾患を有さない哺乳動物から収集したサン
    プルを用いて繰り返す工程;および (e)該工程(c)により分離した分子と該工程(d)によって分離した分子
    とを比較して、該疾患を有さない哺乳動物由来のサンプルに対して該疾患を有す
    る哺乳動物由来のサンプル中に高濃度で存在するマーカー分子を同定する工程で
    あって、ここで該マーカー分子は該疾患を示す、工程、 を包含する、方法。
  2. 【請求項2】 前記工程(a)において、前記サンプルが体液である、請求
    項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記体液が、血液、血清、血漿、汗、涙、尿、腹膜水、リン
    パ液、膣分泌物、精液、髄液、腹水、唾液、痰、または乳房滲出液である、請求
    項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記体液が血清である、請求項2に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記大量のタンパク質が、前記サンプル中の総タンパク質の
    5%(w/w)より多くを構成する、請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記大量のタンパク質が、前記サンプル中の総タンパク質の
    20%(w/w)より多くを構成する、請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記大量のタンパク質が、免疫グロブリンまたはアルブミン
    である、請求項5に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記大量のタンパク質が、免疫グロブリンまたはアルブミン
    である、請求項6に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記工程(b)において、前記画分化が非電気泳動法による
    画分化である、請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記工程(b)において、前記画分化がアフィニティクロ
    マトグラフィーによる画分化である、請求項1に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記アフィニティクロマトグラフィーがイオン交換クロマ
    トグラフィーである、請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記イオン交換クロマトグラフィーが陰イオン交換クロマ
    トグラフィーである、請求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記アフィニティクロマトグラフィーが、固体支持体上に
    配置された炭水化物結合部分を有する固体支持体を用いる、請求項10に記載の
    方法。
  14. 【請求項14】 前記炭水化物結合部分がレシチンを含む、請求項13に記
    載の方法。
  15. 【請求項15】 前記工程(c)において、前記分子が、マトリクスアシス
    ティッドレーザーデソープション/イオン化−飛行時間型(MALDI−TOF
    )質量分光法、または表面増強レーザーデソープション/イオン化−飛行時間型
    (SELDI−TOF)質量分光法によって分離される、請求項1に記載の方法
  16. 【請求項16】 前記工程(e)において、前記マーカー分子が、前記疾患
    を有する哺乳動物由来のサンプルにおいて検出可能であるが、前記疾患を有さな
    い哺乳動物由来のサンプルにおいて検出不可能である、請求項1に記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記マーカー分子がタンパク質である、請求項1に記載の
    方法。
  18. 【請求項18】 前記疾患が癌である、請求項1に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記癌が、乳癌、肺癌、前立腺癌、膀胱癌、頸部癌、卵巣
    癌、結腸癌または結腸直腸癌である、請求項18に記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記哺乳動物がヒトである、請求項1に記載の方法。
  21. 【請求項21】 哺乳動物における疾患を示すマーカー分子を同定するため
    の方法であって、該方法は、以下: (a)該疾患を有する哺乳動物から収集した体液サンプルから大量のタンパク
    質を除去する工程; (b)該工程(a)により生成したサンプルを、イオン交換クロマトグラフィ
    ーによって画分化して、複数の画分を生成する工程であって、該画分の各々が複
    数の分子を含む、工程; (c)該工程(b)によって生成した画分内に含まれる分子を、表面増強レー
    ザーデソープション/イオン化−飛行時間質量型分光法によって分離する工程; (d)該工程(a)〜(c)を、該疾患を有さない哺乳動物から収集した体液
    サンプルを用いて繰り返す工程;および (e)該工程(c)により生成した分子と該工程(d)によって生成した分子
    とを比較して、該疾患を有さない哺乳動物由来のサンプルと比較して該疾患を有
    する哺乳動物由来のサンプル中により高濃度で存在するマーカー分子を同定する
    工程であって、ここで該マーカー分子は該疾患を示す、工程、 を包含する、方法。
  22. 【請求項22】 前記工程(a)において、前記体液が、血液、血清、血漿
    、汗、涙、尿、腹膜水、リンパ液、膣分泌物、精液、髄液、腹水、唾液、痰、ま
    たは乳房滲出液である、請求項21に記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記工程(a)において、前記体液が血清である、請求項
    21に記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記大量のタンパク質が、前記サンプル中の総タンパク質
    の5%(w/w)より多くを構成する、請求項21に記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記大量のタンパク質が、前記サンプル中の総タンパク質
    の20%(w/w)より多くを構成する、請求項24に記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記大量のタンパク質が、免疫グロブリンまたはアルブミ
    ンである、請求項24に記載の方法。
  27. 【請求項27】 前記イオン交換クロマトグラフィーが陰イオン交換クロマ
    トグラフィーである、請求項20に記載の方法。
  28. 【請求項28】 前記工程(e)において、前記マーカー分子が、前記疾患
    を有する哺乳動物由来の体液サンプルにおいて検出可能であるが、前記疾患を有
    さない哺乳動物由来の体液サンプルにおいて検出不可能である、請求項21に記
    載の方法。
  29. 【請求項29】 前記マーカー分子がタンパク質である、請求項21に記載
    の方法。
  30. 【請求項30】 前記疾患が癌である、請求項21に記載の方法。
  31. 【請求項31】 前記癌が、乳癌、肺癌、前立腺癌、膀胱癌、頸部癌、卵巣
    癌、結腸癌または結腸直腸癌である、請求項30に記載の方法。
  32. 【請求項32】 前記哺乳動物がヒトである、請求項20に記載の方法。
  33. 【請求項33】 請求項1に記載の方法によって同定される、単離されたマ
    ーカー分子。
  34. 【請求項34】 請求項32に記載の方法によって同定される、単離された
    マーカー分子。
  35. 【請求項35】 哺乳動物における疾患を診断する方法であって、該方法は
    、以下: (a)該哺乳動物由来のサンプルを、疾患関連タンパク質に特異的に結合する
    結合部分と接触させて、結合部分−疾患関連タンパク質複合体を生成する工程で
    あって、ここで、該結合部分が請求項17に記載の方法によって同定されるマー
    カータンパク質に特異的に結合する、工程;および (b)該複合体の存在を検出する工程であって、存在する場合、該哺乳動物に
    おける疾患の存在を示す、工程、を包含する、 方法。
  36. 【請求項36】 前記結合部分が抗体である、請求項35に記載の方法。
  37. 【請求項37】 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項36に記載
    の方法。
  38. 【請求項38】 前記抗体がポリクローナル抗体である、請求項36に記載
    の方法。
  39. 【請求項39】 前記抗体が、検出可能な部分で標識される、請求項36に
    記載の方法。
  40. 【請求項40】 前記検出可能な部分が、放射性標識、ハプテン標識、蛍光
    標識および酵素標識からなる群から選択される標識を含む、請求項39に記載の
    方法。
  41. 【請求項41】 前記疾患が癌である、請求項35に記載の方法。
  42. 【請求項42】 前記哺乳動物がヒトである、請求項35に記載の方法。
  43. 【請求項43】 哺乳動物における疾患を診断する方法であって、該方法は
    、以下: (c)該哺乳動物由来のサンプルを、疾患関連タンパク質に特異的に結合する
    結合部分と接触させて、結合部分−疾患関連タンパク質複合体を生成する工程で
    あって、ここで、該結合部分が請求項29に記載の方法によって同定されるマー
    カータンパク質に特異的に結合する、工程;および (d)該複合体の存在を検出する工程であって、存在する場合、該哺乳動物に
    おける疾患の存在を示す、工程、 を包含する、方法。
  44. 【請求項44】 前記結合部分が抗体である、請求項43に記載の方法。
  45. 【請求項45】 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項44に記載
    の方法。
  46. 【請求項46】 前記抗体がポリクローナル抗体である、請求項44に記載
    の方法。
  47. 【請求項47】 前記抗体が、検出可能な部分で標識される、請求項44に
    記載の方法。
  48. 【請求項48】 前記検出可能な部分が、放射性標識、ハプテン標識、蛍光
    標識および酵素標識からなる群から選択される標識を含む、請求項47に記載の
    方法。
  49. 【請求項49】 前記疾患が癌である、請求項43に記載の方法。
  50. 【請求項50】 前記哺乳動物がヒトである、請求項43に記載の方法。
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