JP2003527435A - 免疫療法におけるmiaの使用 - Google Patents

免疫療法におけるmiaの使用

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ネリセン,ロベルト・ルイス・フーベルト
フエルヘイデン,ヘイスベルトウス・フランシスクス・マリア
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アクゾ・ノベル・エヌ・ベー
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、炎症性疾患を予防するためのMIAの使用、特に慢性的な関節軟骨破壊の治療におけるそれらの使用に関する。より具体的には、MIAは、慢性関節リウマチに罹患している患者におけるMIA抗原に対する特異的T細胞寛容を誘導するために使用されうる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、炎症性疾患、より具体的には慢性関節リウマチの治療のための免疫
調整剤としての、MIAタンパク質又はその特定の誘導体の使用に関する。
【0002】 免疫系の第一の機能的役割は、侵入してくる外来、即ち非自己の抗原を保持し
ている病原体から、個体を防御することである。この機能を安全かつ効率的に果
たすためには、外来抗原と、その個体自身の身体に由来する自己抗原とを識別す
るためのメカニズムが必要とされる。この自己−非自己識別の過程の失敗、即ち
自己抗原に対する免疫寛容の欠損は、自己抗原に対する免疫反応性をもたらし、
組織の損傷及び器官の機能の欠損を含む自己免疫疾患を引き起こしうる。
【0003】 自己免疫疾患は、ヒトの保健医療における主要な問題である。1つの抗原又は
抗原性複合体に対する免疫学的過程の結果である自己免疫疾患もあるが、自己免
疫反応が、複数の器官に存在しうる多くの型の抗原を含んでいる場合もある。い
くつかの証拠系列が、免疫系が、自己免疫疾患の病原に関与していることを示し
ている。第一に、個体が自己免疫疾患を発症する確率は、遺伝的背景と密接に連
鎖しており、MHC−ペプチド複合体を認識する応答性T細胞へと(自己)抗原
を提示する主要組織適合性複合体(MHC)クラスII分子をコードする遺伝子
は、疾患感受性との強い遺伝連鎖を示す。第二に、単球/マクロファージ及びT
細胞のような免疫系の細胞は、標的の器官に浸潤する。第三に、自己免疫疾患を
有する患者のT細胞は、関与しているかもしれない自己抗原に応答してインビト
ロで増殖する。第四に、自己免疫の動物モデルにおける研究は、単球/マクロフ
ァージ及びT細胞のような免疫系の細胞が、疾患活性の誘導及び発現に関与して
いることを明確に証明している。
【0004】 慢性関節リウマチ(RA)のような疾患は、自己免疫疾患の場合に起こりうる
免疫病理を例示しうる。RAは、共通の臨床症候が、滑膜細胞の増殖、パンヌス
形成、軟骨分解、及び骨侵食を伴う持続性炎症性滑膜炎、並びに機能の欠損を引
き起こす最終的な関節変形である、慢性の多システム疾患として出現する。
【0005】 RAのような、免疫系が不要な望ましくない免疫応答を起こす自己免疫障害の
治療のための既存の療法は、不十分である。治療は、自己免疫疾患の、原因では
なく症状の軽減を焦点としている。自己免疫疾患の治療において使用されている
大部分の薬物、例えばステロイド及び非ステロイド性抗炎症化合物は、非特異的
であり、相当の有毒な副作用を有する。自己免疫疾患は、長期的な薬物投与を必
要とする慢性状態であるため、このことは特に問題である。
【0006】 抗原特異的な無毒の免疫調整療法は、非特異的免疫抑制の極めて魅力的な代替
法である。この抗原特異的療法は、標的(自己)抗原、又は(自己)抗原由来の
合成T細胞反応性ペプチドによる、患者の治療を含む。これらの合成ペプチドは
、(自己)抗原のT細胞エピトープに相当し、それ自体及び(自己)抗原の両方
に対する特異的T細胞寛容を誘導するために使用されうる。標的(自己)抗原の
調節された投与は、免疫系の脱感作において極めて効果的であり得る。免疫系の
脱感作又は免疫寛容は、抗原又はエピトープを摂取又は吸入した動物は、該抗原
又はエピトープが全身経路を介して導入された場合、該抗原又はエピトープに対
する全身性免疫応答を発現する能力が低いという、古くより観察されている現象
に基づいている。
【0007】 本発明において、黒色腫阻害活性(melanoma inhibiting activity)(MIA)と呼ばれるタンパク質が、免疫系の調整におい
て使用されうることが見出された。
【0008】 MIAを含有する黒色腫細胞の分泌タンパク質画分は、Bogdahnら(1
989,Cancer Res.49:5358−5363)により最初に報告
された。精製されたMIAは、S期の延長、及びG2コンパートメントにおける
停止により、黒色腫細胞増殖を阻害した。MIAタンパク質の精製及び部分アミ
ノ酸配列決定により、縮重オリゴヌクレオチドを使用して、MIAタンパク質を
コードするcDNAが同定された(Blesch et al,1994,Ca
ncer Res.54:5695−5701)。タンパク質は、131アミノ
酸の前駆体として翻訳され、それが、推定分泌シグナルペプチドの切断により、
成熟型の107アミノ酸のMIAへとプロセシングされるようである。既知タン
パク質との相同性は見出されなかった。マウスの対応MIA cDNAが単離さ
れ、それは、ヒトタンパク質との88%のアミノ酸同一性を有するタンパク質を
コードしていたため、高い進化上の保存が明らかとなった。ヒト黒色腫細胞系は
、11kDのMIAタンパク質を培養培地へと分泌することが示された。黒色腫
細胞系HTZ−19により分泌された、又は大腸菌において産生された精製MI
Aタンパク質は、悪性黒色腫細胞及びいくつかの神経外胚葉の腫瘍に対して強力
な細胞増殖阻害剤として機能するようであった。増殖抑制特徴に基づき、MIA
が抗腫瘍治療物質として魅力的であることが示唆された。Cys−130の隣に
C末端ヒスチジンタグを含有する精製MIAは、増殖阻害アッセイにおいて完全
に不活性であることが報告された。
【0009】 Van Groningenら(1995,Cancer Res.55:6
237−6243)は、MIA遺伝子発現が、非転移性黒色腫細胞系及び黒色腫
転移巣には検出されるが、高度に転移性の細胞系及び腫瘍前段階では検出されな
いことを示した。ヒトMIA遺伝子の構造は、Bosserhoffら(199
6,Anticancer Res.19:2691−2693)により報告さ
れ、そのプロモーターはヒト及びマウスの黒色腫細胞において特異的に高レベル
の遺伝子活性化を与え、その活性はホルボールエステル処理により増強され得た
【0010】 タンパク質レベルにおいて、Bosserhoffら(1997,Devel
opm.Dynamics 208:516−525;1999,Antica
ncer Res.19:2691−2693)は、悪性黒色腫患者における増
強されたMIAの血清レベルが、疾患の後期と密接に関連していることを結論付
けた。
【0011】 ウシ関節軟骨における遺伝子発現に対するレチノイン酸の効果を研究した、D
ietz及びSandell(1996,J.Biol.Chem.271:3
311−3316)は、阻害されたCD−RAP遺伝子(軟骨由来レチノイン酸
感受性タンパク質)のcDNAをクローニングした。CD−RAPは、ヒトMI
Aのウシ対応物であると結論付けられた。
【0012】 マウス及びラットの組織におけるインシトゥハイブリダイゼーション及び免疫
学的局在部位決定より、CD−RAPの正常な発現は軟骨に限定されていると結
論付けられた。CD−RAP/MIAの発現は、軟骨形成と関連しているようで
あった。
【0013】 最近、関節破壊と関連しているリウマチ病、例えば慢性関節リウマチの患者(
Mullar−Ladner et al,1999,Rheumatol.3
8:148−154)及び競技後のマラソン走者(Neidhart et a
l,1999,Abstract 1412,American Coll.R
heumatol.−第63回Annual Sci.Meeting)におい
ても、MIAの血清レベルが増強されていることが報告された。従って、増強さ
れたMIAの血清レベルの存在と、関節組織損傷との間には診断的な関係が存在
するようである。
【0014】 (例えば、RAのような)(自己)免疫疾患における主要な問題は、免疫系が
有害反応する正確な標的又は抗原について不明な部分が大きいという点である。
それは、抗原特異的な疾病の調整が不可能であるかもしれないことを意味してい
る。
【0015】 しかしながら、(自己)免疫応答における標的として関与している(1つ以上
の)抗原が不明なまま、抗原により推進される(antigen−driven
)無毒な型の免疫調整療法が利用可能であるとすれば、それは重要な利点であろ
う。そのような抗原推進型療法は、自己免疫過程において放出又は産生されると
予想される抗原の使用による、抗原特異的調整細胞の生成を含むであろう。その
ような抗原は、炎症又は組織破壊において利用可能となるであろう。自己免疫疾
患の場合には、局所的に産生された自己抗原が、そのような抗原により誘導され
る調整細胞を活性化、又は再活性化するはずである。
【0016】 T細胞により媒介される軟骨破壊を治療するため、寛容誘導療法を効果的に使
用するためには、炎症過程を担当するT細胞を活性化する自己抗原に対して患者
を脱感作することができるT細胞反応性(ポリ)ペプチドを同定することが必要
である。
【0017】 T細胞により媒介される軟骨破壊に罹患している患者において、好ましくは原
因軟骨抗原に対する全身性免疫寛容、より具体的には特異的T細胞寛容を誘導す
ることができる(ポリ)ペプチドを提供することが、本発明の目的である。MI
Aは、前記の要件を満たし、効率的な寛容原として使用されうることが、本発明
において見出された。
【0018】 本発明において、全身性免疫寛容の誘導とは、リンパ球が抗炎症性サイトカイ
ンを産生する状態を獲得するような、抗原提示細胞(APC)による抗原特異的
リンパ球の刺激と理解されるものとする。抗炎症性サイトカインとは、例えばI
L−4、IL−10、及び/又はTGF−βでありうる。APCにより寛容状態
にされたリンパ球は、身体の他の部位、例えば進展中の炎症部位に、抗炎症状態
を与えることができる。
【0019】 免疫系は、Tリンパ球及びBリンパ球のような特異的細胞を活性化し、インタ
ーロイキン、抗体、及び補体因子のような可溶性因子を産生することにより、外
来抗原から個体を防御し、外来抗原への曝露に応答する。免疫系が応答する抗原
は抗原提示細胞(APC)により分解され、主要組織適合性複合体(MHC)ク
ラスII糖タンパク質と会合した抗原の断片が、細胞表面上に発現される。MH
C糖タンパク質−抗原断片複合体がT細胞へと提示され、それによって、そのT
細胞受容体が、結合しているMHCクラスIIタンパク質と連帯で抗原断片を認
識する。T細胞が活性化され、即ち増殖し、かつ/又はインターロイキンを産生
するようになり、攻撃下の抗原に対して活性化されたリンパ球の増幅が引き起こ
される(Grey et al.,Sci.Am.,261:38−46,19
89)。
【0020】 自己抗原も、連続的にプロセシングされ、MHC糖タンパク質により抗原断片
としてT細胞へと提示される(Jardetsky et al.,Natur
e 353:326−329,1991)。従って、自己認識は免疫系に固有の
ものである。正常な状況では、免疫系は自己抗原に対して寛容であり、これらの
自己抗原による免疫応答の活性化は回避される。自己抗原に対する寛容が欠損し
た場合、免疫系は、1個以上の自己抗原に対して活性化されるようになり、自己
反応性T細胞の活性化が引き起こされ、時には自己抗体の産生も引き起こされる
。この現象が、自己免疫と呼ばれる。免疫応答は、一般に、破壊性、即ち侵入外
来抗原を破壊するため、自己免疫応答は身体の組織の破壊を引き起こしうる。
【0021】 従って、MIAタンパク質の断片がAPCにより発現されるであろうこと、従
って、MIAタンパク質の断片も免疫応答を惹起しうることは、明らかであろう
。ヒトMIAタンパク質と類似の機能を有するか、又は少なくとも構造的に密接
に関係している他の種のタンパク質は、同一の寛容原性効果を達成する可能性が
ある。従って、免疫応答を惹起する相同ポリペプチド又はそのオルソログもしく
は一部も、本発明に含まれる。
【0022】 配列、特に比較的小さいペプチドの配列に起こりうる変動は、全体配列の(1
個以上の)アミノ酸の違い、又は該配列内の(1個以上の)アミノ酸の欠失、置
換、挿入、逆位、もしくは付加により証明されうる。生物学的活性及び免疫学的
活性を本質的に改変させないと予想されるアミノ酸置換は、記載されている。関
連アミノ酸間のアミノ酸交換、又は進化において高頻度に起こっている交換は、
特に、Ser/Ala、Ser/Gly、Asp/Asn、Ile/Valであ
る(Dayhof,M.D.,Atlas of protein seque
nce and structure,Nat.Biomed.Res.Fou
nd.,Washington D.C.,1978,vol.5,suppl
.3)。この情報に基づき、Lipman及びPearsonは、迅速かつ高感
度なタンパク質比較(Science,227:1435−1441,1985
)、及び相同ポリペプチド間の機能的類似性の決定の方法を開発した。
【0023】 本発明に係るタンパク質は、配列番号1を含むポリペプチドを含むが、少なく
とも70%、好ましくは90%、より好ましくは95%の類似性を有するポリペ
プチドも含まれる。寛容原性効果を及ぼすことができるそのようなポリペプチド
の一部も、含まれる。そのような一部は、単独、例えば可溶型で機能性であるか
もしれないし、又はキメラポリペプチドを得るため、既知のバイオテクノロジー
的手段又は化学合成のいずれかにより他のポリペプチドと連結させられてもよい
【0024】 本明細書において使用されるように、類似性という用語は、NCBI−BLA
ST 2.0.10[1999年8月26日](Altschul,Steph
en F.,Thomas L.Madden,Alejandro A.Sc
haffer,Jinghui Zhang,Zheng Zhang,Web
b Miller,and David J.Lipman(1997)”Ga
pped BLAST and PSI−BLAST:a new gener
ation of protein database search pro
grams”,Nucleic Acids Res.25:3389−340
2)に定義されているようなものである。プログラムは、デフォルト設定を使用
して、配列アラインメントを検索するために使用される。アミノ酸アラインメン
トには、BLOSUM62マトリックスがデフォルトとして使用され、類似性が
ポジティブ(positives)の数として示される。低い組成複雑度のフィ
ルタリングは含まれない。
【0025】 MIAタンパク質又は相同ポリペプチドの断片とは、タンパク質の部分配列と
理解されたい。「部分配列」とは、「一部」と定義されると理解され、完全タン
パク質を包含すると誤解すべきではない。これらの部分配列は、以下の機能的特
徴を有する。i)ペプチドは、疾患関連MHC分子、好ましくはHLA−DRB
0101、DRB10401、DRB10404、DRB10408
、DRB10405、DQB0301、又はDQB0302と結合するこ
とができ、かつii)ペプチドは、ヒト、好ましくは自己免疫患者、より好まし
くはRA患者におけるT細胞応答を惹起することができなければならない。その
ような応答は、例えばインビトロT細胞増殖アッセイ、又はT細胞サイトカイン
産生の検出のためのアッセイ(例えば、ELISA又はELISPOT)(Co
ligan et al.,Current Protocols in Im
munology.John Wiley&Sons,Inc.,1998)に
おいて測定されうる。好ましくは、ペプチドは、MIA(ポリ)ペプチドによる
免疫感作の際、前記のような関連ヒトMHCクラスII分子及びヒトCD4に関
してトランスジェニックな動物においてT細胞により認識されなければならない
【0026】 関連MHC分子により認識されるエピトープを含んでいる限り、これらの部分
配列の長さは、重要でない。好ましくは、部分配列は、MIAの少なくとも9個
の連続アミノ酸を有する。好ましくは、これらのペプチドは、9〜55アミノ酸
残基のアミノ酸配列を有する。より好ましくは、ペプチドは、9〜35、特に9
〜25アミノ酸残基のアミノ酸配列を有する。はるかに好ましいのは、9〜15
アミノ酸残基のアミノ酸配列を有するペプチドである。高度に好ましいのは、1
3又は14アミノ酸残基のアミノ酸配列を有するペプチドである。最も好ましい
のは、配列番号11又は配列番号12を含むペプチドである。
【0027】 本発明に係るペプチドの、例えば二量体又は三量体のような多量体も、本発明
の範囲に含まれる。本発明に係る多量体は、多数の同一ペプチドからなるホモマ
ー、又は異なるペプチドからなるヘテロマーのいずれかでありうる。
【0028】 (ポリ)ペプチドが、ペプチドの片側又は両側で延長させられた場合にも、同
一の免疫学的機能を発揮しうることが、当業者には明らかであろう。延長部分は
、タンパク質の天然の配列と類似したアミノ酸配列でありうる。しかしながら、
(ポリ)ペプチドは、非天然配列により延長させられてもよい。従って、MIA
、及び抗炎症機能を有するその断片は、非天然配列によりいずれかの部位で延長
させられうる。従って、例えば、配列番号11又は配列番号12を含むポリペプ
チドは、本発明の一部である。これらのペプチドの長さは、好ましくは前記の通
りである。(ポリ)ペプチドが、本発明に係る免疫学的機能を達成するのであれ
ば、その元々の機能を発揮する必要はなく、従って不活性であってもよい。本発
明に係る(ポリ)ペプチドは、結合溝がペプチドにより占拠されるよう、MHC II分子と接合されうる。好ましくはやはりアミノ酸配列からなる、可動性リ
ンカー分子によって、ペプチドを接合させてもよい。MHC分子は、定常ドメイ
ンを保有していなくてもよく、相互に直接接合しているか、又は可動性リンカー
によって接合している可変ドメインのみからなっていてもよい。そのような複合
体の利点は、可溶型で存在することができ、T細胞により直接認識されうるとい
う点である。
【0029】 従って、本発明に係るポリペプチドは、炎症性疾患を予防するための医薬品の
調製において使用されうる。
【0030】 抗原上に存在するMHCクラスII拘束性T細胞エピトープと類似している(
ポリ)ペプチド(MIAポリペプチド、又はこれらのエピトープを含むその断片
を含む)は、例えば関節炎、より具体的には慢性関節リウマチのような、T細胞
により媒介される軟骨破壊に罹患している哺乳動物、より具体的にはヒトにおけ
る、該抗原に対する全身性免疫寛容を誘導するための療法において使用するのに
極めて適している。
【0031】 より具体的には、ポリペプチドは、炎症性疾患、好ましくは免疫細胞により媒
介される軟骨破壊に罹患している患者における、特異的T細胞寛容を誘導するた
めの医薬品の調製において使用されうる。免疫細胞は、好ましくはT細胞である
。最も好ましい疾患は、関節炎、より好ましくは慢性関節リウマチである。炎症
性疾患に罹患している患者を治療する治療的処置に加え、MIA及びその断片は
、炎症性疾患に対する感受性を有する患者における予防的処置においても、使用
されうる。
【0032】 本発明に係るペプチドによる自己免疫障害の治療は、無関係ではあるが共局在
している抗原に対して、全身性免疫寛容が誘導されるという事実を利用する。制
御細胞が、抗原特異的に、免疫応答を下方調整しうるサイトカインのような多面
性タンパク質を分泌する。
【0033】 場合によっては、そのような処置は、DMARD(疾患修飾抗リウマチ薬(D
isease Modifying Anti−Rheumatic Drug
s)、例えばスルファサラジン、抗マラリア薬(クロロキン、ヒドロキシクロロ
キン)、注射用又は経口用の金、メトトレキサート、D−ペニシラミン、アザチ
オプリン、シクロスポリン、ミコフェノラート(mycophenolate)
)、NSAID(非ステロイド性抗炎症薬)、副腎皮質ステロイド、又は自己免
疫患者における疾患の経過に影響を与えることが既知のその他の薬物のような他
の薬剤の投与と組み合わせられ得る。
【0034】 本発明に係るポリペプチドは、該抗原、即ちMIAポリペプチド、即ち配列番
号1のポリペプチドを含むタンパク質又はその一部とは異なる抗原と反応性であ
るが、抗原と同一の組織に存在するリンパ球を調整するためにも使用されうる。
抗原特異的T細胞寛容の誘導により、自己免疫障害は、全身性免疫寛容により治
療されうる。より一般的には、調整すべき細胞は、造血細胞である。一般に、寛
容原として機能するためには、ペプチドは、免疫調整能を保有しており、かつ通
常比較的大きいタンパク質の一部として局所的に発現される、という少なくとも
2つの条件を満たさねばならない。
【0035】 本発明に係るポリペプチドは、組換えDNA技術により調製されうる。本発明
に係るタンパク質、ペプチド、該ペプチドの多量体、又はキメラペプチドをコー
ドする核酸配列は、発現ベクターへ挿入される。適当な発現ベクターは、複製及
び発現に必要な調節領域を含む。発現ベクターは、宿主細胞における発現をもら
たしうる。適当な宿主細胞は、例えば、細菌、酵母細胞、及び哺乳動物細胞であ
る。そのような技術は、当分野において周知であり、例えば、Sambrook
et al.,Molecular Cloning:a Laborato
ry Manual,Cold Spring Harbor laborat
ory Press,Cold Spring Harbor,1989を参照
のこと。
【0036】 本発明に係る(ポリ)ペプチドは、例えば、例えばJ.Amer.Chem.
Soc.85:2149(1963)及びInt.J.Peptide Pro
tein Res.35:161−214(1990)に記載されている固相ペ
プチド合成のような、ペプチド合成のための周知の有機化学的方法によっても調
製されうる。
【0037】 (ポリ)ペプチドは、エキソペプチダーゼにより触媒される加水分解を減少さ
せるであろうC及び/又はN末端の修飾により安定化させられうる。修飾には、
C末端アシル化(例えば、アセチル化=Ac−ペプチド)、N末端アミド導入(
例えば、ペプチド−NH)、アシル化とアミド導入との組み合わせ(例えば、
Ac−ペプチド−NH)、Lアミノ酸の代わりのDアミノ酸の導入(Powe
ll et al.,J.Pharm.Sci.,81:731−735,19
92)が含まれうる。
【0038】 その他の修飾は、エンドペプチダーゼによる加水分解の防止を焦点とする。こ
れらの修飾の例は、Lアミノ酸の代わりのDアミノ酸の導入、修飾されたアミノ
酸、ペプチド内の環化、修飾されたペプチド結合、例えば還元型ペプチド結合ψ
[CHNH]の導入、及び例えばペプトイド(N−アルキル化グリシン誘導体
)(Adang et al.,Recl.Trav.Chim.Pays−B
as,113:63−78,1994及びSimon et al.,Proc
.Natl.Acad.Sci.USA,89:9367−9371,1992
)である。
【0039】 本発明は、本発明に係る(ポリ)ペプチドを含む医薬調製物の投与により、炎
症性自己免疫疾患に罹患しているか罹患しやすい患者を治療する方法を提供する
。(ポリ)ペプチドは、自己反応性T細胞により認識され、それを刺激すること
ができるT細胞エピトープを含む。これらのT細胞は、例えば炎症性障害に罹患
している患者の血中に見出されうる。そのような患者は、グレーヴス病、若年性
関節炎、原発性糸球体腎炎、多発性関節炎、変形性関節症、シェーグレン症候群
、重症筋無力症、慢性関節リウマチ、アディソン病、原発性胆管硬化症、ブドウ
膜炎、全身性エリテマトーデス、炎症性腸疾患、多発性硬化症、又は糖尿病のよ
うな疾患に罹患している患者でありうる。
【0040】 従って、本発明によると、MIA及び/又は抗炎症効果を有するであろうその
断片を、薬学的に許容される単体と共に含む組成物を投与することにより、炎症
性疾患に罹患しているか罹患しやすい哺乳動物が、治療されうる。好ましくは、
MIA及び/又は全身性免疫寛容を誘導するであろうその断片を含む組成物が、
全身性免疫寛容が誘導される量、投与される。より好ましくは、T細胞特異的寛
容が誘導される量が、投与される。炎症性疾患は、好ましくは、免疫細胞により
媒介される軟骨破壊疾患、より好ましくは関節炎、さらに好ましくは慢性関節リ
ウマチである。
【0041】 前記の組成物は、MIAの少なくとも9個の連続アミノ酸を有するMIAの部
分配列を含むペプチドを含んでいてもよい。好ましくは、組成物は、配列番号1
1又は配列番号12を含むペプチドを含む。さらに好ましくは、ペプチドは、配
列番号11又は12からなる。従って、これらのペプチドは、治療物質として使
用されうる。従って、これらのペプチドは、前記のような炎症性疾患に対する医
薬組成物の製造のためにも使用されうる。
【0042】 本発明に係る医薬組成物の投与は、攻撃下の関節軟骨中の自己抗原性タンパク
質、及び本発明に係るペプチド1個以上のアミノ酸配列により特徴付けられるか
、又は類似している、同定されたMHCクラスII結合T細胞エピトープを示す
他の自己抗原に対する、これらの患者の全身性免疫寛容、特に特異的自己反応性
T細胞の寛容を誘導するであろう。従って、誘導された寛容は、攻撃下の関節軟
骨における局所的炎症応答の減少をもたらすであろう。
【0043】 本発明に係る(ポリ)ペプチドは、免疫抑制薬の非特異的抑制効果と比較して
、自己反応性T細胞に対する特異的な効果を有しており、従って免疫系の他の成
分には影響しないという利点を有する。
【0044】 全身性免疫寛容は、本発明に係るペプチドを、高用量又は低用量、投与するこ
とにより獲得されうる。ペプチドの量は、投与経路、投与時間、患者の年齢、並
びに一般的な健康状態及び食事に依存するであろう。
【0045】 一般的に、体重1kg当たり0.01から10000μg、好ましくは0.0
5から500μg、より好ましくは0.1から100μgのペプチドが使用され
うる。
【0046】 薬学的に許容される担体は、当業者に周知であり、例えば、無菌生理食塩水、
ラクトース、ショ糖、リン酸カルシウム、ゼラチン、デキストリン、寒天、ペク
チン、落花生油、オリーブ油、ゴマ油、及び水を含む。その他の担体は、例えば
、所望によりリポソームに封入されていてもよい、MHCクラスII分子であり
うる。
【0047】 さらに、本発明に係る医薬組成物は、1個以上のアジュバントを含みうる。適
当なアジュバントは、特に、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、アンフ
ィゲン(amphigen)、トコフェノール(tocophenols)、モ
ノホスフェニル(monophosphenyl)リピドA、ムラミルジペプチ
ド、及びQuill Aのようなサポニンを含む。好ましくは、本発明に係る寛
容療法において使用されるアジュバントは、粘膜上皮と結合する、コレラ毒素B
サブユニット又はカルボマー(carbomers)のような粘膜アジュバント
(mucosal adjuvants)である。アジュバントの量は、アジュ
バント自体の性質による。
【0048】 さらに、本発明に係る医薬組成物は、例えば、ソルビトール、マンニトール、
デンプン、スクロースデキストリン(sucrosedextrin)、及びグ
ルコースを含む炭水化物、アルブミン又はカゼインのようなタンパク質、並びに
アルカリ金属リン酸塩のような緩衝剤のような安定化剤を1個以上含んでいても
よい。
【0049】 適当な投与経路は、例えば、筋肉内注射、皮下注射、静脈注射、又は腹腔内注
射、経口投与、及びスプレーのような鼻腔内投与である。鼻腔内投与が好ましい
【0050】 (ポリ)ペプチドの(自己)免疫応答調整能の試験には、マウスにおけるコラ
ーゲン誘導関節炎(CIA)、ラットにおけるアジュバント関節炎、マウスにお
ける実験的アレルギー性脳脊髄炎、及びマウスにおける非肥満性糖尿病(NOD
)のような、いくつかのネズミモデルが適していることが示されている。抗原は
、そのようなモデルにおいて、静脈内に、腹腔内に、経口的に、又は鼻腔内に投
与されうる(Liblau et al.,Immunol.Today 18
:599−603,1997による概説)。これらのモデルにおける読み出しを
容易にするためには、信頼区間を増加させることが重要である。本発明により、
関節炎モデルにおける罹患率及び臨床スコアは、最初の関節炎誘発因子、例えば
CIAにおけるコラーゲンII型を、細胞外マトリックスタンパク質アグリカン
に由来するペプチドと組み合わせることにより改善されうることが見出された。
このペプチドは、好ましくは、最初の誘発因子と同時に投与されるが、別々の投
与も可能である。
【0051】 以下の実施例は、本発明を例示するものであり、決して本発明の範囲を制限す
るものとは解釈すべきでない。
【0052】 (図面の簡単な説明) 図1は、pNGV1−MIA(His)DNA構築物の概略図である。MI
A(His)コーディング配列は、SV40初期プロモーター/エンハンサー
/開始点の後ろにEcoRI−BamHI断片としてクローニングされた。
【0053】 図2は、DBA/1マウス(n=15/群)におけるコラーゲンII型誘導関
節炎の臨床的徴候の発症率を示す図である。モニタリングには、各動物の四肢全
てが含まれた(基準については、図3の説明を参照のこと)。関節炎誘導後20
日目、25日目、及び30日目に、MIA30μg(黒四角)又は生理食塩水(
黒丸)の鼻腔内投与により、動物を処理した。両側カイ二乗統計検定(生理食塩
水処理対照群と比較)は、P=0.020()を示した。
【0054】 図3は、DBA/1マウスにおける関節炎誘導後20日目、25日目、及び3
0日目の、MIA30μg(黒四角)又は生理食塩水(黒丸)の鼻腔内投与の後
の、コラーゲンII型誘導関節炎の進展を示す図である。モニタリングには各動
物の四肢全てが含まれ、Joostenら(1997,J.Immunol.,
159:4094−4102)による記載された基準:スコア0.5(有意な変
化);スコア1.0(中程度の変化);スコア1.5(顕著な変化);スコア2
.0(最大の腫脹、発赤、及び強直を伴う重度の関節炎)に従った。データは、
各マウス群(n=15)についての平均スコアを表している。疾患発症の重度は
、MIA処理動物において、大きく抑制された。95%信頼レベルを用いた両側
マンホイトニー統計検定(生理食塩水処理対照群と比較)は、P<0.05( )、即ち28日目におけるP=0.0316、30日目におけるP=0.037
7、及び35日目におけるP=0.0268を示した。33日目においては、P
=0.0545(**)であった。
【0055】 図4は、MIAの鼻腔内適用が、コラーゲンII型関節炎における関節破壊か
ら防御することを示す図である。X線撮影(X線画像化)は、実験の最後(35
日目)に、個々のマウスの後肢に対して実施された(n=15 DBA/1マウ
ス/群)。X線写真は、低倍率の立体顕微鏡を使用してスコア化された。以下の
指針に従い、0から5のスコアが各肢に与えられた。スコア0:変化なし;スコ
ア1:微小の変化;スコア2:中程度の変化;スコア3:顕著な変化;スコア4
:重度の変化;スコア5:多数の動物において外見的にも可視であった重度の関
節炎を反映する完全な破壊。データは、生理食塩水処理マウス(白バー)及びM
IA処理マウス(黒バー、30μg用量)についての平均値+/−SEMを表し
ている。95%信頼レベルを用いた両側マンホイトニー統計検定を使用したデー
タの統計学的比較は、P<0.0065()を示した。
【0056】 図5は、RA軟骨におけるMIA遺伝子発現の検出を示す図である。RA患者
5人の関節膝軟骨に由来するcDNAに対し、MIA特異的オリゴヌクレオチド
(レーン2〜6)又はGAPDH特異的オリゴヌクレオチド(レーン8〜12)
を用いたRT−PCRを実施した。各PCR反応物5μlを、断片長マーカーと
しての100bpラダー(Gibco−BRL)(レーン7)と共に、アガロー
スゲルで分離した。レーン7の中央のブロードなバンドは、600bpマーカー
断片を表している。MIA特異的オリゴヌクレオチド及びGAPDH特異的オリ
ゴヌクレオチドを使用した、鋳型cDNAなしのRT−PCR対照反応は、それ
ぞれレーン1及び13に示されている。
【0057】 図6は、DBA/1マウス(n=15/群)におけるコラーゲンII型誘導関
節炎の臨床的徴候の発症率を示す図である。モニタリングには、各動物の四肢全
てが含まれた(基準については、図7の説明を参照のこと)。関節炎誘導後20
日目、25日目、及び30日目に、MIAペプチド10μg(黒三角)、MIA
ペプチド30μg(黒四角)、又は生理食塩水(黒丸)の鼻腔内投与により、動
物を処理した。両側フィッシャー統計検定(生理食塩水処理対照群と比較)は、
P<0.05()、即ち30日目におけるP=0.042、及び33日目にお
けるP=0.014を示した。両側カイ二乗統計検定は、37日目におけるP=
0.040を示した。
【0058】 図7は、関節炎誘導後20日目、25日目、及び30日目の、MIAペプチド
10μg(黒三角)、MIAペプチド30μg(黒四角)、又は生理食塩水(黒
丸)の鼻腔内投与の後の、コラーゲンII型誘導関節炎の進展を示す図である。
モニタリングは、各動物の四肢全てを含み、Joostenら(1997,J.
Immunol.,159:4094−4102)により記載された基準:スコ
ア0.5(有意な変化);スコア1.0(中程度の変化);スコア1.5(顕著
な変化);スコア2.0(最大の腫脹、発赤、及び強直を伴う重度の関節炎)に
従った。データは、各マウス群(n=15 DBA/1マウス/群)についての
平均スコアを表している。疾患発症の重度は、MIAペプチド10μg処理動物
において、大きく抑制される。95%信頼レベルを用いた両側マンホイトニー統
計検定(生理食塩水処理対照群と比較)は、33日目におけるP=0.0388
)、及び37日目におけるP=0.0574(**)を示した。片側検定に
おいては、37日目にP=0.0287(**)であった。
【0059】 図8は、DBA/1マウスにおける、関節炎誘導後20日目、25日目、及び
30日目の、MIAペプチド10μg(黒三角)、MIAペプチド30μg(黒
四角)、又は生理食塩水(黒丸)の鼻腔内投与の後の、コラーゲンII型誘導関
節炎における個々の関節炎スコアを示す図である。モニタリングには、各動物の
四肢全てが含まれた(基準については、図7の説明を参照のこと)。各処理群に
ついて、37日目の実験終了時の各マウスの個々の関節炎スコアの中央値が示さ
れている。95%信頼レベルを用いた両側マンホイトニー検定を使用した統計分
析(生理食塩水処理対照群と比較)は、毎回10μgのMIAで処理された群に
ついて、両側検定においてはP=0.0574、片側検定においてはP=0.0
287(**)を示した。
【0060】 図9は、MIAペプチドの鼻腔内適用が、コラーゲンII型関節炎における関
節破壊を防御することを示す図である。実験終了時(37日目)に、X線撮影(
X線画像化)を、個々のマウスの後肢に対して実施した(n=15/群のDBA
/1マウス)。低倍率の立体顕微鏡を使用してX線写真をスコア化した。以下の
指針に従い、各肢に0〜5のスコアを与えた。スコア0:変化なし;スコア1:
微小の変化;スコア2:中程度の変化;スコア3:顕著な変化;スコア4:重度
の変化;スコア5:多数の動物において外見的にも可視であった重度の関節炎を
反映する完全な破壊。データは、生理食塩水処理マウス(白バー)及びMIA処
理マウス(黒バー;10μg用量、斜線付きバー:30μg用量)についての平
均+/−SEMを表している。95%信頼レベルを用いた両側マンホイトニー検
定を使用したデータの統計学的比較は、P=0.0010()を示した。
【0061】 図10は、DBA/1マウスにおけるチャレンジ後24時間目(黒バー)及び
48時間目(白バー)におけるDTH応答を示す図である。マウスを、MIA(
右の2セットのバー)又はDTH誘導における陽性対照としてのオボアルブミン
(左の2セットのバー)により免疫感作し、チャレンジした。免疫感作の5日前
、10日前、及び15日前に、MIA30μg、オボアルブミン30μg(陽性
処理対照)、又は生理食塩水(陰性処理対照)の鼻腔内投与により、マウスを処
理した。データは、抗原特異的な肢腫脹の平均+/−SEMを表している。95
%信頼レベルを用いた片側マンホイトニー検定を使用した、タンパク質処理群(
MIA又はオボアルブミン、鼻腔内)の24hデータと、対応する生理食塩水処
理対照との統計学的比較は、P<0.05()を示した。
【0062】 図11は、Balb/cマウスにおけるチャレンジ後24時間目(黒バー)及
び48時間目(白バー)におけるDTH応答を示す図である。マウスを、MIA
(右の2セットのバー)又はDTH誘導における陽性対照としてのオボアルブミ
ン(左の2セットのバー)により免疫感作し、チャレンジした。免疫感作の5日
前、10日前、及び15日前に、MIA30μg、オボアルブミン30μg(陽
性処理対照)、又は生理食塩水(陰性処理対照)の鼻腔内投与により、マウスを
処理した。データは、抗原特異的な肢腫脹の平均+/−SEMを表している。9
5%信頼レベルを用いた片側マンホイトニー検定を使用した、タンパク質処理群
(MIA又はオボアルブミン、鼻腔内)と、対応する生理食塩水処理対照との統
計学的比較は、P<0.05()を示した。
【0063】 図12は、RA患者(白バー、ドナー1から5)又は健常ドナー(黒バー、ド
ナー6から10)のヒトリンパ球を用いたT細胞増殖を示す図である。細胞を、
プレートと結合した抗CD3抗体0.2μgと共に培養した。3日後、0.1μ
Ci Hチミジンを添加し、細胞を18時間インキュベートした。細胞増殖の
尺度としてのHチミジン取り込みを、ガスシンチレーションにより決定した。
データは、平均刺激指数を表している。
【0064】 図13は、RA患者(白バー、ドナー1から5)又は健常ドナー(黒バー、ド
ナー6から10)のヒトリンパ球を用いたT細胞増殖を示す図である。細胞を、
MIA0.5μgと共に培養した。6日後、0.1μCi Hチミジンを添加
し、細胞を18時間インキュベートした。細胞増殖の尺度としてのHチミジン
取り込みを、ガスシンチレーションにより決定した。データは、平均刺激指数を
表している。
【0065】 実施例 実施例1 DNAクローニング及び組換えMIA(his7)の作製/精製 cDNAクローニング 10%ウシ胎仔血清の存在下で、DMEM/Hamm’s F12(1:1)
培地中で、ヒト黒色腫細胞を用いて、標準的な培養を実施した。RNA単離の前
に、培養された単層細胞を、氷冷PBS緩衝液で一回洗浄した。RNAをRNA
zolB(Campro Scientific)を用いて単離した。第一鎖c
DNA合成は、およそ4μgの全RNAに対して、SuperscriptII
(Gibco−BRL)及びランダム6マープライマーを用いて実施した。GM
M3細胞由来のcDNAに対するRT−PCRによるMIA cDNAクローニ
ングのため、2つのオリゴヌクレオチドを設計した。センスプライマー(5’A
TATGAATTCGCCACCATGGCCCGGTCCCTGGTGTGC
CTT3’)(配列番号4)及びアンチセンスプライマー(5’ATATGGA
TCCTTTAATGGTGATGGTGATGGTGATGGCAGTAGA
AATCCCATTTGTC3’)(配列番号5)。センスプライマーは、Ko
zak(1999,Gene 234:187−208)に従い最適化された翻
訳開始領域を含有しており、アンチセンスプライマーは、最適化された翻訳終止
コドン(McCaughan et al.,1995,Proc.Natl.
Acad.Sci.USA 92:5431−5435);イタリック体)及び
MIAのCys−130に続く7個のHisコドン(Blesch et al
.,1994,Cancer Res.54:5695−5701)を含有して
いた。PCRは、400ng/プライマー、200μM dNTP、及び1u
Taqポリメラーゼを全容量100μlで用いて、Perkin Elmer9
600で、94℃5分を1サイクル、94℃30秒/55℃30秒/72℃1分
を35サイクル、72℃5分を1サイクル、実施された。PCR増幅産物をアガ
ロースゲルから単離し、ベクターpCR2.1(Invitrogen)へとク
ローニングした。MIA−pCR2.1クローン2のcDNA挿入物を二方向に
配列決定した(配列番号2)。真核生物発現ベクターpNGV1(EMBL登録
番号X99274)へのcDNAのサブクローニングのため、制限酵素EcoR
I及びBamHIによりMIA−pCR2.1クローン2からMIA cDNA
を消化し、pNGV1のSV40初期プロモーターの後ろへとライゲートさせ、
pNGV1−MIA(His7)クローン1(図1)を得た。プラスミドは、最
後のアミノ酸Qが(His)に交換された配列番号1の配列を有するタンパク
質をコードする。
【0066】 pNGV1−MIA(His7)DNAによるCHO細胞のトランスフェクシ
ョン CHO細胞(ATCC CCL61)を、5%FCS(Harlan sera
lab)を含有するDMEM/Hamm’s F12中で培養した。Tran
sfectam(Promega)、並びに5%FCS及び0.8mg/mlネ
オマイシン(G418スルフェート、Gibco BRL Life tech
nology、0.22μM Millipore SLGV025BSフィル
ターを使用してフィルター滅菌)を含有する選択培地DMEM/Hamm’s
F12を使用して、pNGV1−MIA(His7)構築物をCHO−K1へと
トランスフェクトした。トランスフェクトされた細胞を、細胞プールとして、D
MEM F12、10%FCS、10%DMSO中で、−140℃で凍結させた
。これらのストックを、解凍させ、T25 rouxフラスコで、DMEM F
12、5%FCS+0.8mg/mlネオマイシン中で培養した。3日後、96
穴プレートに1ウェル当たり20個、10個、及び5個の細胞を播くことにより
、単一細胞クローニングを実施した。クローンを視覚的検査により選択した。ク
ローニングから2週間後、クローンを6穴プレートに移し、90%コンフルエン
スにまで増殖させた。次に、細胞を無血清培地(0.8mg/mlネオマイシン
を含有)中で一夜培養し、発現を1日継続させた。96穴ドットブロット(下記
参照)を使用して、MIA−His7発現を検出した。産生量の最も多いトラン
スフェクタントをスケールアップし、アンプル中で−140℃で凍結させた。無
血清培養上清を、SDS−PAGE、それに続くウェスタンブロッティング及び
その後の抗His6モノクローナル抗体(Dianova GMBH、カタログ
番号Dia900、ロット番号100696、1000倍希釈)を用いた検出に
より分析した。ブロッキング及び抗体インキュベーションは、ドットブロット法
についての記載のようにして実施された。
【0067】 ドットブロットを使用したMIA−His7の検出 CHO.pNGV1.MIA(His7)クローニングの条件培地から採取さ
れた試料を、真空ドットブロット装置(Hybri.DOT、BRL、The
Netherlands)を使用して、ニトロセルロースフィルター(Bior
ad 0.45μM、ロット番号9473)上へ滴下した。ドットブロットをA
mersham Life science液体ブロック緩衝液(ECF緩衝液
で10倍希釈;0.1M トリス−HCl pH7.5、0.3M NaCl)
と共に30分間インキュベートした。次に、ドットブロットを、PBSTで希釈
された0.2μg/mlマウス抗(his6)タグ(Dianova GMBH
、カタログ番号Dia900、ロット番号100696)と共に室温でインキュ
ベートした。PBSTで室温で5分間3回洗浄した後、ドットブロットを、25
0ng/ml抗マウスIgG−HRP(Promega、カタログ番号3624
512)と共にRTで2時間インキュベートした。PBSTで室温で5分間3回
洗浄した後、製造業者の指示に従い、ECL(Amersham life s
cienceバッチ96)を使用して検出を実施した。
【0068】 ドットブロット検出により、トランスフェクタント18、32、及び37の細
胞2.104個/ml当たりの発現量が最も多いことが示された。従って、これ
らのクローンをさらなる分析のため選択した。スピナ(spinners)にお
けるパイロット安定性研究を実施した。
【0069】 撹拌培養におけるMIA−His7トランスフェクタントの安定性研究 トランスフェクタント18、32、及び37の細胞を、T175 Rouxフ
ラスコ内で100%コンフルエンスにまで培養した。250mlの修飾DMEM F12、5%FCS、及び250mgの担体を含有するスピナ(cultis
phereS、P Biolytica AB、Art.DG−2001−ZZ
)をデュプロ(duplo)に播いた。FCSを段階的に減少させ、最終的にD
MEM F12+0.5μg/lインスリン及び5mg/lトランスフェリンと
交換した。少なくとも4週間、最後の培地を2又は3日毎に交換し、MIA−H
is7の発現をウェスタンブロットにより分析した。全てのスピナの上清を収集
し、後の使用のため−20℃で保存した。これらのクローンの安定性を34〜3
9日間かけて試験した。毎回、培地を新たなものと交換し、試料を採取し、Am
icon微量濃縮器(カットオフ10kDa、番号424070)を使用して5
倍に濃縮し、ウェスタンブロット法を使用してMIA(His7)について試験
した。34〜39日後、6つのスピナ全てが依然としてMIA−His7タンパ
ク質を発現していた。ウェスタンブロット上では、最後の試料のバンドが、最初
の試料と同じ強度を有していた。従って、この分析によると、トランスフェクタ
ントはMIA(His7)の産生に関して安定であった。CHO−K1−pNG
V1.MIA(His7)クローン18を、5L発酵槽における作製のため選択
した。発酵槽の収穫培地は、DMEM F12+0.5μg/lインスリン及び
5mg/lトランスフェリンを含有していた。発酵槽からの収穫培地は、3μm
、0.8μm、.22μmと段階的に濾過され、プラスチックバッグに4℃で収
集された。
【0070】 CHO−K1条件培地からのMIA(His7)タンパク質の精製 発酵槽培養からの条件培地、約12lを、20mMリン酸ナトリウムpH7.
0で緩衝し、12ml/分の流速(Pharmacia Biotechピスト
ンポンプP9000)でSP−セファロースStreamline XL(Ph
armacia Biotech、コード番号17−5076−01)カラム(
XK50、300ml)へと担荷させた。この過程を、UV検出器(Monit
or UV−900 Pharmacia biotech)を使用してモニタ
リングした。20mMリン酸ナトリウム、0.10M NaCl pH7.0に
よる洗浄工程を1回実施した。カラムと結合したMIA(His7)を20mM
リン酸ナトリウム、0.40M NaCl pH7.0で溶出させ、50ml毎
の画分に収集した(Pharmacia biotech frac−900)
。画分をSDS−PAGE及びウェスタンブロッティングにより分析した。MI
A−His7を含有する画分をプールし、ゲル濾過カラムへ供した。20mMリ
ン酸ナトリウム、0.4M NaCl pH7.0でのゲル濾過カラム(XK2
6/70 300mlSuperdex75、Pharmacia Biote
chコード番号17−1044−01)の平衡化の後、SP−セファロースプー
ルを6mlずつカラムへアプライした。タンパク質を2.0ml/分の流速で溶
出させた。画分をSDS−PAGE及びウェスタンブロッティングにより分析し
、MIA(His7)タンパク質を含有する画分をプールした。これは、ウェス
タンブロットにより確認された。SDS−PAGE(16×20cm)を使用し
て、プールされた画分の純度を決定するため、精製されたタンパク質20μgを
担荷させた。タンパク質濃度をPierce BCAタンパク質アッセイ試薬キ
ットを使用して決定した。濃度計を使用してゲルをスキャニングし(GS−70
0、Bio−rad)、スキャンを分子分析ソフトウェア(Bio−rad)を
使用して分析した。スキャニングデータより、MIA(His)調製物の純度
が、92%超であるとの結論が得られた。精製されたMIA(His)タンパ
ク質の同定は、MALDI及びESI質量決定、それに続くN末端アミノ酸配列
決定により肯定的に確認された。
【0071】 実施例2 MIAによる鼻腔内寛容誘導は、DBA−1マウスにおけるコラーゲンII型
誘導関節炎の臨床的徴候及び放射線学的徴候を緩解させる 関節炎疾患発症に対するMIAの免疫調整能を調査するため、関節炎発症の初
期に、MIA(実施例1のようにして調製)を、DBA/1マウスへ鼻腔内投与
した。雄DBA/1マウスをBomholtgaard(Ry、Denmark
)より入手した。マウスを、アグリカンペプチド(アミノ酸:AGWLADRS
VRYPI、配列番号6)30μg及びウシコラーゲンII型100μgを含む
、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)が濃縮さ
れた(2mg/ml最終濃度)完全フロイントアジュバントで免疫感作した(0
日目)。21日目、アグリカンペプチド30μg及びウシコラーゲンII型10
0μgを含む生理食塩水の腹腔内追加注射を、マウスに与えた。20日目、25
日目、及び30日目に、MIA(30μg/匹/回、n=15)、又は対照とし
ての緩衝液(生理食塩水15μl)のみ(n=15)のいずれかの鼻腔内投与に
より、マウスを処理した。疾患の罹患率及び関節炎活性の進展を、0日目から2
〜3日間隔(処理中、関節炎誘導後21日目、23日目、26日目、28日目、
30日目、33日目、及び35日目)で視覚的に追跡した。関節炎の臨床的重度
を、各肢について0から2のスケールで等級付けした。
【0072】 21日目に、関節炎が徐々に発症し始めた。35日目、生理食塩水処理動物の
73%が関節炎の臨床的徴候を示した(図2)。対照的に、MIA処理群におい
ては、わずか40%の動物が疾患の臨床的徴候を示した(図2)。さらに、関節
炎の臨床的徴候(21から35日目)の重度は、生理食塩水処理マウスよりもM
IA処理群の方が低いことが認められ(図3)、このことから、MIAの鼻腔内
投与が、関節炎発症と関連した局所的な炎症過程を減少させることが示された。
【0073】 MIAが関節破壊から防御しうるか否かを調査するため、実験の最後(35日
目)に、X線撮影(X線画像化)を、個々のマウスの後肢に対して実施した。低
倍率の立体顕微鏡を使用してX線写真をスコア化した。破壊過程は、0(変化な
し)から5(関節及び/又は新生骨形成の完全な破壊)のスケールに分類した。
MIAの鼻腔内投与は、生理食塩水のみで処理されたマウスと比較して、有意に
関節破壊を阻害した(図4)。
【0074】 実施例3 関節軟骨におけるMIA遺伝子発現の検出 患部組織におけるMIA遺伝子の発現を、RA患者5人の軟骨試料に由来する
cDNAに対する、MIA特異的オリゴヌクレオチド(配列番号7及び配列番号
8)を用いたRT−PCRにより検出した。関節軟骨は、膝の関節交換手術の際
に得られた。軟骨から酵素的に軟骨細胞を単離し(Cornelissen e
t al.,1993,J.Tiss.Cult.Meth.15:139−1
46)、その後、Trizol(Gibco−BRL)又はRNAzolB(C
ampro Scientific)を使用してRNAを単離した。全容量20
μlで、全RNA1μgを用いて、SuperscriptII(Gibco−
BRL)を使用してcDNAの合成を実施した。MIA及び陽性対照としてのハ
ウスキーピング遺伝子GAPDHに対するRT−PCRのため、各反応に0.5
μlのcDNAを使用した。Perkin Elmer 9600で、50ng
/プライマー、200μM dNTP、及び2.5u Taqポリメラーゼ(P
harmacia)を全容量25μlで用いて、94℃5分を1サイクル、94
℃30秒/55℃30秒/72℃1分を35サイクル、72℃5分を1サイクル
、PCRを実施した。GAPDHに特異的なオリゴヌクレオチドは、配列番号9
及び配列番号10であった。PCR試料を、アガロースゲル上で分析した(図5
)。レーン2から6は、関節炎患者5人全員について、予想長のMIA cDN
A増幅産物の明確なシグナルを示しており、GAPDH増幅シグナルは、各cD
NA調製物について同程度の大きさであった(レーン8から12)。RT−PC
Rデータは、試験されたRA患者5人中5人の患部組織、即ち罹患膝軟骨で、M
IA遺伝子が発現されていることを示している。MIA遺伝子は、実際に、少な
くとも相当の割合のRA患者の患部関節軟骨において発現されている可能性が高
い。従って、MIAタンパク質はRA患者の患部軟骨において合成されていると
予想される。
【0075】 実施例4 MIA由来ペプチドによる鼻腔内寛容誘導は、DBA/1マウスにおけるコラ
ーゲンII型誘導関節炎の臨床的徴候及び放射線学的徴候を緩解させる MIA由来断片の関節炎疾患発症に対する免疫調整能を調査するため、MIA
アミノ酸配列(配列番号1)からペプチドを選択した。選択は、対応するペプチ
ドのRA関連MHCクラスII DR分子との結合を推定するコンセンサス配列
モチーフに基づいていた。結果として、アミノ酸100〜108のMIA配列が
、推定DR結合ペプチドとして同定された(配列番号11)。両端に2個の付加
的アミノ酸が存在する13マーMIAペプチド98−110(アミノ酸:ARL
GYFPSSIVRE;配列番号12)が、Neosystem(Strasb
ourg、France)により合成され、純度95%超の調製物として届けら
れた。MIAペプチド(配列番号12)を誘導関節炎発症の初期に、DBA/1
マウスに鼻腔内投与した。雄DBA/1マウスをBomholtgaard(R
y、Denmark)から入手した。アグリカンペプチド(アミノ酸:AGWL
ADRSVRYPI、配列番号6)30μg及びウシコラーゲンII型100μ
gを含む、結核菌が濃縮された(2mg/ml最終濃度)完全フロイントアジュ
バントで、マウスを免疫感作した(0日目)。21日目、マウスに、アグリカン
ペプチド30μg及びウシコラーゲンII型100μgを含む生理食塩水の腹腔
内追加注射を与えた。20日目、25日目、及び30日目に、MIAペプチド(
10及び30μg/匹/回、n=15/群)、又は対照としての緩衝液のみ(生
理食塩水15μl、n=15/群)のいずれかの鼻腔内投与によりマウスを処理
した。疾患の罹患率及び関節炎活性の進展を、0日目から2から3日間隔(処理
中、関節炎誘導後21日目、23日目、26日目、28日目、30日目、33日
目、35日目、及び37日目)で視覚的に追跡した。関節炎の臨床的重度を、各
肢について0〜2のスケールで等級付けした。実験は、3ブロック(1ケージ当
たり5匹)でランダム化された二重盲検として実施された。
【0076】 21日目に、関節炎が徐々に発症し始めた。37日目、生理食塩水処理動物の
67%が関節炎の臨床的徴候を示した(図6)。対照的に、MIAペプチド処理
群(10μg/匹/回)においては、わずか28%の動物が疾患の臨床的徴候を
示した(図6)。さらに、関節炎の臨床的徴候(21から37日目)の重度は、
生理食塩水処理マウスよりもMIAペプチド処理群(10μg/匹/回)の方が
低いことが認められ(図7)、このことから、MIAの鼻腔内投与が、関節炎発
症と関連した局所的な炎症過程を減少させることが示された。30μg/匹/回
のMIAペプチドによる処理は、10μg/匹/回と比較すると少ない緩解を与
えたが、それでも、関節炎スコア及び罹患率の値は、一般に、生理食塩水処理対
照マウスで見出されたものよりも低かった(図6及び7)。MIAペプチド(配
列番号12)による処理の結果としての関節炎スコア及び罹患率の緩解は、図8
に示されるように、個々の動物についても見られた。
【0077】 MIAが関節破壊から防御しうるか否かを調査するため、実験の最後(37日
目)に、X線撮影(X線画像化)を、個々のマウスの後肢に対して実施した。低
倍率の立体顕微鏡を使用してX線写真をスコア化した(ランダム化二重盲検)。
破壊過程は、0(変化なし)から5(関節及び/又は新生骨形成の完全な破壊)
のスケールで等級付けした。結果(図9)は、MIAペプチドの鼻腔内投与が、
生理食塩水のみで処理されたマウスと比較して、有意に関節破壊を阻害したこと
を示している。
【0078】 実施例5 MIAの鼻腔内投与後に減少した遅延型過敏反応(DTH) MIAタンパク質の鼻腔内投与により、全身免疫寛容を引き起こす制御T細胞
応答を誘導することが可能であることを示すため、典型的なDTH試験を実施し
た。マウスをMIAタンパク質(タンパク質調製については実施例1参照)10
μgを含む50%不完全フロイントアジュバントで0日目に皮下免疫感作した。
7日後、全てのマウスの左足蹠に、MIAタンパク質10μgを含むミョウバン
(1mg/ml最終濃度)をチャレンジした。右足蹠には、対照としてミョウバ
ンを注射した。T細胞反応性に起因する典型的なDTH応答(足蹠腫脹)を、チ
ャレンジ後24h目及び48h目に測定した。MIAタンパク質の免疫調整的役
割を調査するため、免疫感作の5日前、10日前、及び15日前に、MIA30
μg又は対照としての生理食塩水の鼻腔内投与により、マウスを処理した(n=
10匹/群)。インビボDTHモデルの陽性対照として、マウスをオボアルブミ
ンで免疫感作(50μg/匹)し、チャレンジ(10μg/匹)し、オボアルブ
ミン又は生理食塩水で鼻腔内処理(50μg/匹)した。オボアルブミンは、D
TH試験において制御T細胞応答を誘導しうることが記載されている。DTH応
答を雄DBA/1マウス(Bomholtgaardより入手)及び雌Balb
/cマウス(Charles Riverより入手)の両方において測定し、そ
れぞれ図10及び11に示した。DTH反応において予想されるように、チャレ
ンジ後48h目の足蹠腫脹は24h目と比較して常に減少していた。図10及び
11より、いずれのマウス系統においても、MIAタンパク質に対するDTH応
答が、MIAタンパク質の鼻腔内投与の結果として約30%減少することが結論
付けられた。陽性対照としてのオボアルブミンでも、類似の減少が観察された。
これらのデータは、全身性免疫寛容をもたらすMIAタンパク質の鼻腔内投与に
よる免疫制御T細胞集団の誘導と一致している。
【0079】 実施例6 RA患者及び健常ドナーのヒトリンパ球を用いたMIAタンパク質に対するT
細胞応答の検出 MIAタンパク質が、健常ドナー又はRA患者のいずれに由来するT細胞によ
り認識されるか否かを示すため、T細胞増殖実験を実施した。健常ドナー5人及
びRA患者5人のヘパリン処理済み静脈末梢血から、Ficoll−Paque
での標準的な遠心分離により、ヒトリンパ球を単離し、10%DMSO中で−1
40℃にまで徐々に凍結させた(Kryo 10 Series)。全ての患者
が、American Rheumatology Associationに
より規定された改訂された基準(Arnett et al,1988,Art
hritis&Rheumatism 31:315−324)に従いRAと診
断され、リウマチ因子陽性であることが見出された。細胞を解凍させ、培養培地
(50%熱不活化ウシ胎仔血清(FCS)を含有するDMEM F12)中に徐
々に再懸濁させた。培養培地中の細胞を、平底96穴プレート(Nunc)に、
100μlの容量で播いた(1.5×10個/ウェル、10%FCS最終濃度
)。細胞を、37℃、5%CO、湿潤空気中で、MIAタンパク質(タンパク
質調製については実施例1参照)0.5μgと共に6日間培養した。細胞を、プ
レートへとコーティングされた抗CD3抗体(CLB、The Netherl
ands、クローンT3/2 16A9、1μg/ml、200μl/ウェル、
プレートを18hコーティングし、室温で保存した)の存在下又は非存在下でも
培養した。抗CD3チャレンジに対するT細胞応答は、T細胞集団の全体的な反
応能の尺度と見なされる。インビトロ刺激をそれぞれ5つの別々のウェルで実施
し、測定した。抗CD3刺激のためには3日後に、MIA刺激のためには6日後
に、上清50μlをウェルから取り出した。続いて、0.1μCiHチミジン
を含有する培養培地25μlを各ウェルに添加した後、18hインキュベーショ
ンを行った。細胞採集器を使用して、ガラスファイバーフィルター上に細胞を採
集した。増殖の尺度としてのHチミジン取り込みを、ガスシンチレーション(
Matrix9600、Packard Canberra)により5分間決定
した。抗CD3により誘導されたシグナル、及び抗原により誘導されたシグナル
を、バックグラウンドシグナルで割ることにより、刺激指数(SI)を計算し、
それぞれ図12及び13に示した。図12からのデータは、抗CD3チャレンジ
により、健常ドナーのT細胞が、RAドナーから単離されたT細胞よりもおよそ
2〜3倍強く応答することを示している。図13の刺激指数より、健常ドナー5
人中4人に由来するT細胞は、T細胞自体によりプロセシングされ提示されるM
IAタンパク質の断片を認識するようである。バックグラウンドレベルを越える
応答が、RA患者5人中3人で検出されたが、MIAに対する応答性のレベルは
、RA患者由来のT細胞では低かった。この比較的低い応答レベルは、抗CD3
チャレンジにより決定されるようなRA T細胞の比較的低い全体的な応答能に
対応するようである。
【0080】 これらのデータは、ヒト末梢T細胞のMIA応答能が、RA病理そのものとは
無関係であることを示唆している。ヒトT細胞のMIA応答能は稀ではないと考
えられるため、寛容が誘導される量のMIA又はその断片の投与は、実際に、ヒ
トにおける制御T細胞応答を惹起する可能性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 pNGV1−MIA(His)DNA構築物の概略図である。
【図2】 DBA/1マウス(n=15/群)におけるコラーゲンII型誘導関節炎の臨
床的徴候の発症率を示す図である。
【図3】 DBA/1マウスにおける関節炎誘導後20日目、25日目、及び30日目の
、MIA30μg(黒四角)又は生理食塩水(黒丸)の鼻腔内投与の後の、コラ
ーゲンII型誘導関節炎の進展を示す図である。
【図4】 MIAの鼻腔内適用が、コラーゲンII型関節炎における関節破壊から防御す
ることを示す図である。
【図5】 RA軟骨におけるMIA遺伝子発現の検出を示す図である。
【図6】 DBA/1マウス(n=15/群)におけるコラーゲンII型誘導関節炎の臨
床的徴候の発症率を示す図である。
【図7】 関節炎誘導後20日目、25日目、及び30日目の、MIAペプチド10μg
(黒三角)、MIAペプチド30μg(黒四角)、又は生理食塩水(黒丸)の鼻
腔内投与の後の、コラーゲンII型誘導関節炎の進展を示す図である。
【図8】 DBA/1マウスにおける、関節炎誘導後20日目、25日目、及び30日目
の、MIAペプチド10μg(黒三角)、MIAペプチド30μg(黒四角)、
又は生理食塩水(黒丸)の鼻腔内投与の後の、コラーゲンII型誘導関節炎にお
ける個々の関節炎スコアを示す図である。
【図9】 MIAペプチドの鼻腔内適用が、コラーゲンII型関節炎における関節破壊を
防御することを示す図である。
【図10】 DBA/1マウスにおけるチャレンジ後24時間目(黒バー)及び48時間目
(白バー)におけるDTH応答を示す図である。
【図11】 Balb/cマウスにおけるチャレンジ後24時間目(黒バー)及び48時間
目(白バー)におけるDTH応答を示す図である。
【図12】 RA患者(白バー、ドナー1〜5)又は健常ドナー(黒バー、ドナー6〜10
)のヒトリンパ球を用いたT細胞増殖を示す図である。
【図13】 RA患者(白バー、ドナー1〜5)又は健常ドナー(黒バー、ドナー6〜10
)のヒトリンパ球を用いたT細胞増殖を示す図である。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 29/00 101 A61P 37/06 37/06 C07K 14/47 C07K 14/47 A61K 37/02 ZNA // C12N 15/09 C12N 15/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AU, BA,BB,BG,BR,BZ,CA,CN,CO,C R,CU,CZ,DM,DZ,EE,GD,GE,HR ,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KP,KR, LC,LK,LR,LT,LV,MA,MG,MK,M N,MX,MZ,NO,NZ,PL,RO,RU,SG ,SI,SK,SL,TR,TT,UA,US,UZ, VN,YU,ZA Fターム(参考) 4B024 AA01 BA80 CA01 CA04 CA11 DA02 EA04 FA10 GA11 GA18 4C076 AA93 BB25 CC04 CC09 CC26 4C084 AA02 BA01 BA08 BA17 BA18 CA27 DC50 MA59 MA66 NA14 ZA961 ZA962 ZB082 ZB111 ZB112 ZB151 ZB152 ZC022 4H045 AA10 AA30 BA10 CA41 EA20 EA22 FA72 FA74 GA22

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炎症性疾患に対する医薬調製物の製造のための、MIA、及
    び/又は抗炎症効果を有するであろうその断片の使用。
  2. 【請求項2】 炎症性疾患に罹患しているか罹患しやすい患者における全身
    性免疫寛容の誘導のための医薬調製物の製造のための、MIA、及び/又はMI
    A抗原に対する全身性免疫寛容を誘導するであろうその断片の使用。
  3. 【請求項3】 炎症性疾患に罹患しているか罹患しやすい患者における特異
    的T細胞寛容の誘導のための医薬調製物の製造のための、MIA、及び/又はM
    IA抗原に対する特異的T細胞寛容を誘導するであろうその断片の使用。
  4. 【請求項4】 炎症性疾患が免疫細胞により媒介される軟骨破壊疾患である
    、請求項1から3の使用。
  5. 【請求項5】 免疫細胞により媒介される軟骨破壊疾患が、関節炎、より具
    体的には慢性関節リウマチである、請求項5の使用。
  6. 【請求項6】 組成物が、注射により、経口的に、又は鼻腔内に投与される
    、請求項1から5の使用。
  7. 【請求項7】 炎症性疾患に罹患しているか罹患しやすい哺乳動物を治療す
    るための方法であって、MIA、及び/又は抗炎症効果を有するであろうその断
    片を、薬学的に許容される担体と共に含む組成物を投与することを含む、方法。
  8. 【請求項8】 炎症性疾患に罹患しているか罹患しやすい哺乳動物を治療す
    るための方法であって、MIA、及び/又は全身性免疫寛容を誘導するであろう
    その断片を、薬学的に許容される担体と共に含む組成物を、全身性免疫寛容が誘
    導される量で投与することを含む方法。
  9. 【請求項9】 炎症性疾患に罹患しているか罹患しやすい哺乳動物を治療す
    るための方法であって、MIA、及び/又はT細胞特異的寛容を誘導するであろ
    うその断片を、薬学的に許容される担体と共に含む組成物を、T細胞特異的寛容
    が誘導される量で投与することを含む方法。
  10. 【請求項10】 炎症性疾患が、免疫細胞により媒介される軟骨破壊疾患で
    ある、請求項7から9の方法。
  11. 【請求項11】 疾患が、関節炎、より具体的には慢性関節リウマチである
    、請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】 組成物が、注射により、経口的に、又は鼻腔内に投与され
    る、請求項7から11の方法。
  13. 【請求項13】 MIAの少なくとも9個の連続アミノ酸を有するMIAの
    部分配列を含むペプチド。
  14. 【請求項14】 少なくとも9個のアミノ酸を有し、かつ配列番号11又は
    配列番号12を含むMIAのペプチド。
  15. 【請求項15】 配列番号11又は配列番号12のアミノ酸配列を有する、
    請求項13のペプチド。
  16. 【請求項16】 請求項13又は14に記載のペプチドの有効量と、薬学的
    に許容される担体とを含む医薬組成物。
  17. 【請求項17】 治療物質として使用するための、請求項13又は14に記
    載のペプチドの使用。
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