JP2002521344A - 免疫疾患におけるHCgp−39の使用 - Google Patents

免疫疾患におけるHCgp−39の使用

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Abstract

(57)【要約】 本発明は炎症性疾患を予防するためのHCgp−39の使用に関する。より詳細には、HCgp−39以外の抗原に対して反応性であり且つHCgp−39を発現している組織と同一組織に存在するリンパ球の反応性を調節するためにHCgp−39又はそのフラグメントを使用することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は(自己)免疫疾患の治療に関する。より詳細には、本発明は(自己)
免疫状態を始動する初期イベント又は原因に関係なく治療用モジュレータータン
パク質としてのヒト軟骨gp−39(HCgp−39)の使用に関する。
【0002】 免疫系の主要な機能的役割は外来即ち非自己抗原をもつ侵襲病原体に対して個
体を防御することである。この機能を安全且つ有効に果たすためには、外来抗原
と個体自体の体内に由来する自己抗原を区別するメカニズムが必要である。この
自己−非自己識別プロセスが働かなくなり、自己抗原に対する免疫寛容が低下す
ると、自己抗原に対して免疫反応性となり、自己免疫疾患を誘発し、組織損傷や
臓器機能不全に至る。
【0003】 自己免疫疾患はヒト健康管理における重大な問題であると考えられている。自
己免疫疾患は1種の抗原又は抗原複合体に特異的な免疫プロセスに起因するもの
と、多重臓器に存在する場合もある多種の抗原により生じる自己免疫反応に起因
するものがある。免疫系が自己免疫疾患の病理に関与していることはいくつかの
根拠から裏付けられる。第1に、個体が自己免疫疾患を発現する可能性はその遺
伝子バックグラウンドに密接に関連しており、主要組織適合性複合体(MHC)
−ペプチド複合体を認識する応答T細胞に対する(自己)抗原をもつMHCクラ
スII分子をコードする遺伝子は疾患罹病性に強い遺伝的関連を示す。第2に、
単球/マクロファージ及びT細胞等の免疫系の細胞は標的臓器に浸潤する。第3
に、自己免疫疾患患者のT細胞は潜在的に関与している自己抗原に応答してin
vitro増殖する。第4に、単球/マクロファージ及びT細胞等の免疫系の
細胞が疾患活性の誘発及び発現に関与していることは自己免疫動物モデル試験に
より明白に立証されている。
【0004】 自己免疫疾患の場合に発生し得る免疫病理の1例は慢性関節リウマチ(RA)
である。RAは持続炎症性滑膜炎を共通臨床徴候とする慢性多系疾患であり、滑
液細胞増殖、パンヌス形成、軟骨変質及び骨侵食を伴い、関節変形の結果、機能
不全をもたらす。
【0005】 免疫系が望ましくない不要な炎症性応答を生じる自己免疫疾患(例えばRA)
の既存療法は不十分である。治療は自己免疫疾患の原因よりもその症状の緩和に
向けられている。自己免疫疾患の治療に使用されている大半の薬剤(例えばステ
ロイド及び非ステロイド系抗炎症化合物)は非特異的であり、有意毒性副作用が
ある。自己免疫疾患は薬剤の長期投与を必要とする慢性状態であるため、この点
は特に問題である。
【0006】 抗原特異的な非毒性免疫抑制療法は非特異的免疫抑制に代わる非常に魅力的な
療法である。この抗原特異的療法は標的自己抗原又は自己抗原から誘導した合成
T細胞反応性ペプチドで患者を治療する。これらの合成ペプチドは自己抗原のT
細胞エピトープに対応し、ペプチド自体と自己抗原の両者に対して特異的なT細
胞寛容を誘導するために使用することができる。免疫系の活性化に関与する抗原
と同一抗原で免疫系を脱感作するのは奇異に見えるが、標的(自己)抗原を制御
下に投与すると免疫系の脱感作に非常に有効である。抗原又はエピトープを与え
るか又は吸入した動物に同一抗原又はエピトープを全身経路で導入すると、前記
抗原又はエピトープに対する全身免疫応答を発現しにくいという現象が長期的に
観察され、免疫系の脱感作又は免疫寛容が実証された。
【0007】 ヒト軟骨糖タンパク質39(HCgp−39)は既にRAで標的自己抗原とし
て同定されている(Verheijden GFMら,1997,Arthri
tis Rheum.,40,1115)。自己抗原性はRA患者からの末梢血
T細胞によるDR4(DRB1*0401)結合ペプチドの選択的認識により実
証された。
【0008】 Balb/cマウスでHCgp−39を誘発タンパク質として使用し、自己免
疫−関節炎の慢性再発モデルが開発された。不完全フロイントアジュバント(I
FA)に懸濁した低用量(μg範囲)のHCgp−39を1回全身注射して感作
後、まず前脚に慢性関節炎が発現した。後期段階で広い活性ピークで増減する第
2期慢性関節炎が後脚に生じ、少なくとも250日間持続した。後脚の組織学的
分析の結果、主に踝関節の周囲に顕著な浸潤物が認められた。サフラニンO染色
の結果、軟骨変質を示すプロテオグリカン欠乏が判明した。このモデルは新規R
A特異療法としてのHCgp−39による寛容誘導の研究に有用であることが判
明した。このモデルで誘発よりも数日前にμg量のHCgp−39を鼻腔投与す
ると、HCgp−39により誘発される関節炎の発症を予防することができた。
HCgp−39に対するDTH応答は完全に阻止されたので、この背後のメカニ
ズムはT細胞に媒介されると考えられる。第1期関節炎の発症後の寛容誘導によ
りHCgp−39の治療的使用が試験された。データによると、HCgp−39
の鼻腔吸入は後脚の広い関節炎活性ピークを防止することが判明した。こうして
、HCgp−39は抗原特異的免疫寛容を誘導するために非常に有効に使用でき
ることが立証された(WO96/13517)。
【0009】 (自己)免疫疾患(例えばRA)における主要な問題は免疫系が有害に反応し
ている厳密な標的又は抗原が一般に不明であるため、疾患実体を抗原特異的に調
節できないという点にある。
【0010】 しかし、標的として(自己)免疫応答に関与する抗原が不明でも抗原による非
毒性形態の免疫調節療法を利用できるならば非常に有利であると思われる。この
ような抗原による療法は炎症又は組織損傷の結果として自己免疫プロセス中に放
出又は生産されると予想される抗原を使用して抗原特異的モジュレーター細胞を
生成する。自己免疫疾患の場合には、その後、局所的に生産された自己抗原がこ
のような抗原により誘導されるモジュレーター細胞を活性化又は再活性化する。
【0011】 HCgp−39はRA、変形性関節炎(OA)、アルコール誘発肝線維症、炎
症性腸疾患(IBD)及び全身性紅斑性狼瘡(SLE)等の多数の炎症性(自己
)免疫状態で発現されることが分かっている。一般に、HCgp−39は単球か
らマクロファージへの成熟が生じる免疫状態で発現されると予想されており(K
rause SWら,1996,J.Leukoc.Biol.,60,540
)、従って、HCgp−39は潜在的に全炎症性自己免疫疾患に存在すると思わ
れる。しかし、HCgp−39の発現は疾患の直接原因ではなく、局在炎症の結
果であると思われる。
【0012】 HCgp−39反応性モジュレーター細胞の誘導は望ましくない免疫活性の結
果としてHCgp−39が発現される状態で有益であることが今般判明した。従
って、HCgp−39の粘膜投与は(自己)免疫状態一般に有益であり、炎症状
態の開始に関与する(自己)抗原が不明でも使用することができる。
【0013】 本発明によると、HCgp−39は標的として(自己)免疫応答に関与する抗
原に関係なく疾患活性を有効に調節できることが意外にも判明した。即ち、例え
ば単球からマクロファージへの成熟のプロセス中に生産される結果として炎症部
位又はこのような部位に通じるリンパ節にHCgp−39が存在するだけでHC
gp−39の使用により誘導されるモジュレーターT細胞を活性化でき、従って
、疾患活性のダウンモジュレーションを実現できることが判明した。
【0014】 疾患誘発前−7、−5及び−2日にII型コラーゲン(CII)でLewis
ラットを前処置するとアジュバント関節炎モデル(AAモデル)で関節炎重篤度
が抑制されることはZhang JZら(1990,J.Immunol.14
5,2489)により立証されている。少量のCIIを事前に与えたラットでは
関節腫脹の顕著な抑制が生じた。この濃度のCIIは自己免疫疾患の抗原免疫療
法で一般に見られるような処置プロトコール(関節炎誘発後17日に開始して週
3回ラットに投与)では効力が非常に限られていた。
【0015】 CIIで認められる効果とは異なり、HCgp−39は疾患の誘発を予防する
ように設計したスキーム(−15、−10及び−5日に投与)で試験すると、コ
ラーゲンにより誘発した関節炎をダウンモジュレートしない。即ち、この状況で
はHCgp−39は前処置プロトコールを使用する場合には関節炎活性のダウン
モジュレーションに有効でない。しかし、驚くべきことにHCgp−39を関節
炎誘発後20、25及び30日に投与すると、CIIにより誘発した自己免疫状
態の治療に極めて有効である。従って、患者が進行中の自己免疫疾患であると医
師に診断される臨床状況に高度に関連する治療投与スケジュールでHCgp−3
9を投与すると、関節炎活性は強く抑制された。HCgp−39の投与の結果と
してのこの関節炎活性の抑制は疾患の誘発に使用した抗原であるII型コラーゲ
ンで認められる効果よりも著しく強力であった。
【0016】 本発明によると、HCgp−39以外の抗原に対して反応性であり且つHCg
p−39と同一組織に存在するリンパ球を調節するためにHCgp−39を使用
することができる。抗原特異的T細胞寛容の誘導により、自己免疫疾患をバイス
タンダー抑制により治療することができる。より一般には、調節する細胞は造血
細胞である。一般に、寛容原として機能するためには、タンパク質は少なくとも
2つの条件を満足しなければならず、即ち免疫調節能をもつと共に、局所的又は
局所部位に通じるリンパ節で発現される必要がある。
【0017】 従って、本発明はHCgp−39を含む医薬製剤の投与により、標的として免
疫応答に関与する抗原に関係なく炎症性自己免疫疾患患者を治療するための方法
を提供する。このような患者としてはグレーブス病、原発性糸球体腎炎、変形性
関節炎、若年性関節炎、シェーグレン症候群、重症筋無力症、慢性関節リウマチ
、アジソン病、原発性胆嚢硬化症、ブドウ膜炎、全身性紅斑性狼瘡、炎症性腸疾
患、多発性硬化症又は糖尿病等の患者が挙げられる。従って、本発明のポリペプ
チドはこれらの疾患の患者に寛容を誘導するための医薬の製造に使用することが
できる。慢性関節リウマチ患者の治療が最も好ましい。
【0018】 こうして、リンパ球の反応性を調節するための医薬製剤の製造にHCgp−3
9又はそのフラグメントを使用することができる。これらのリンパ球はHCgp
−39以外の抗原に対して反応性のものとすることができる。他方、これらのリ
ンパ球はHCgp−39と同一組織に存在する。その結果、炎症性疾患が予防さ
れる。
【0019】 HCgp−39による自己免疫疾患の治療は、同じ場所に局在する無関係の抗
原にバイスタンダー抑制が誘導されるという事実を利用するものである。調節細
胞は免疫応答をダウンモジュレートすることが可能なサイトカイン等の多面発現
性タンパク質を抗原特異的に分泌する。
【0020】 場合により、DMARD(疾患調節抗リウマチ薬、例えばスルファサラジン、
抗マラリア剤(クロロキン、ヒドロキシクロロキン)、注射用又は経口金、メト
トレキセート、D−ペニシラミン、アザチオプリン、シクロスポリン、ミコフェ
ノレート)、NSAID(非ステロイド系抗炎症薬)、コルチコステロイド又は
炎症性疾患患者で疾患の経過に作用することが知られている他の薬剤等の他の医
薬の投与と治療を組み合わせてもよい。
【0021】 当然のことながら、関連抗原部分をもつ寛容原のフラグメントも免疫応答のダ
ウンレギュレーションに十分に利用できる。このようなフラグメントは実施例1
及び2に記載すると同一アッセイにより同定することができる。
【0022】 「フラグメント」なる用語は本発明の範囲に該当し且つ完全抗原に機能的に等
価の共通起源、構造及び作用メカニズムの要素をもつ上記ポリペプチドの一部を
構成する任意アミノ酸配列を意味する。
【0023】 本明細書で使用する「機能的に等価」なる用語は、HCgp−39の配列又は
エピトープフラグメントの機能特性即ち免疫特性又は寛容原特性を維持しながら
HCgp−39又はそのフラグメントの変異をもつ化合物を意味する。
【0024】 配列に存在し得る変異は、完全配列のアミノ酸差異でもよいし、前記配列にお
けるアミノ酸の欠失、置換、挿入、逆位又は付加でもよい。生物及び免疫活性を
実質的に変えないと予想されるアミノ酸置換は従来記載されている。関連アミノ
酸間のアミノ酸置換又は進化の過程で頻繁に生じている置換は特にSer/Al
a、Ser/Gly、Asp/Gly、Asp/Asn、Ile/Valである
(Dayhof,M.D.,Atlas of protein sequen
ce and structure,Nat.Biomed.Res.Foun
d.,Washington D.C.,1978,vol.5,suppl.
3参照)。この情報に基づき、LipmanとPearsonは迅速且つ高感度
でタンパク質を比較し(Science 227,1435−1441,198
5)、相同ポリペプチド間の機能的類似性を決定するための方法を開発した。
【0025】 本発明のペプチドの製造は公知有機化学ペプチド合成法の1種により実施され
る。HCgp−39とペプチドは組換えDNA技術により製造することもできる
。この目的では、HCgp−39又は本発明のペプチドもしくは前記ペプチドの
多量体をコードする核酸配列を発現ベクターに挿入する。利用可能な発現ベクタ
ーは特に複製と発現に必要な制御領域を含むプラスミド、コスミド、ウイルス及
びYAC(酵母人工染色体)である。発現ベクターは宿主細胞で発現させること
ができる。利用可能な宿主細胞は例えば細菌、酵母細胞及び哺乳動物細胞である
。このような技術は当技術分野で周知である(Sambrookら,Molec
ular Cloning: a Laboratory Manual,Co
ld Spring Harbor Laboratory Press,Co
ld Spring Harbor,1989)。
【0026】 ペプチドはエキソペプチダーゼに触媒される加水分解を減らすC及び/又はN
末端修飾により安定化することができる。このような修飾としては、C末端アシ
ル化(例えばアセチル化=Ac−ペプチド)、N末端アミド導入(例えばペプチ
ド−NH)、アシル化とアミド導入の併用(例えばAc−ペプチド−NH
及びL−アミノ酸に代わるD−アミノ酸の導入が挙げられる(Powellら,
J.Pharm.Sci.,81:731−735,1992)。
【0027】 エンドペプチダーゼによる加水分解を防止する修飾も可能である。これらの修
飾の例はL−アミノ酸に代わるD−アミノ酸の導入、修飾アミノ酸の導入、ペプ
チド内の環化、修飾ペプチド結合(例えば還元ペプチド結合Ψ(CHNH))
及び例えばペプトイド(N−アルキル化グリシン誘導体)の導入である(Ada
ngら,Recl.Trav.Chim.Pays−Bas,113:63−7
8,1994及びSimonら,Proc.Natl.Acad.Sci.US
A,89:9367−9371,1992)。
【0028】 HCgp−39及び/又はHCgp−39のサブ配列を含むペプチドを制御下
に投与すると、免疫系の調節に有効であり得る。本発明によると、組織が自己応
答T細胞の攻撃下にある患者をHCgp−39又は本発明の1種以上のペプチド
と許容可能な医薬キャリヤーを含む医薬組成物で治療し、炎症性応答を減らすよ
うに例えばバイスタンダー抑制を行うT細胞をこれらの患者で生成することがで
きる。
【0029】 本発明の医薬組成物で使用するのに非常に適したペプチドはWO96/135
17の配列番号1(FGRSFTLAS)、配列番号2(FTLASSETG)
、配列番号3(YDDQESVKS)、配列番号4(FSKIASNTQ)、配
列番号5(PTFGRSFTLASSE)、配列番号6(RSFTLASSET
GVG)、配列番号7(VGYDDQESVKSKV)及び配列番号8(SQR
FSKIASNTQSR)に示すアミノ酸配列を含むペプチドである。
【0030】 本発明により利用可能なペプチドは全長55アミノ酸までのフランキング配列
をもつ配列番号1〜8の配列を含むペプチドである。ペプチドは25アミノ酸長
がより好ましい。ペプチドのアミノ酸配列は配列番号1〜8の配列に一致してい
ることが更に好ましい。
【0031】 HCgp−39に関連するタンパク質を使用して自己免疫応答を生じることも
できる。従って、これらのタンパク質も後期寛容化に使用できると予想される。
本発明の医薬組成物でHCgp−39に代用するのに適したタンパク質は例えば
ブタヘパリン結合38kDaタンパク質、ウシ39kDa乳漿タンパク質、ヒト
YKL−39タンパク質、マウス乳腺退行39kDaタンパク質(brp39)
、ヒト卵管特異的糖タンパク質、マウス卵管特異的糖タンパク質、ハムスター卵
管特異的糖タンパク質、ウシ卵管特異的糖タンパク質、ヒトキトトリオシダーゼ
前駆体タンパク質及びマウス分泌タンパク質YM−1前駆体である。
【0032】 HCgp−39又は本発明のペプチドもしくはタンパク質の1種以上をコード
するDNAを含むDNA(発現)ベクターも本発明の医薬組成物で使用するのに
非常に適している。送達後、DNA(発現)ベクターはHCgp−39タンパク
質又はペプチドを含む医薬組成物の直接投与により達成されるレベルと同等レベ
ルで本発明の組換えHCgp−39タンパク質又はそのフラグメントを発現によ
り提供することができる。
【0033】 高用量又は低用量の本発明の寛容原又はペプチドを投与することにより寛容を
達成できる。寛容原又はペプチドの量は投与経路、投与時間、患者の年齢並びに
一般健康状態及び食事により異なる。
【0034】 一般に、体重1kg当たりペプチド又はタンパク質0.01〜10000μg
、好ましくは0.05〜2000μg、より好ましくはペプチド又はタンパク質
0.1〜100μgの用量を使用することができる。
【0035】 許容可能な医薬キャリヤーは当業者に周知であり、例えば滅菌生理食塩水、ラ
クトース、スクロース、リン酸カルシウム、ゼラチン、デキストリン、寒天、ペ
クチン、落花生油、オリーブ油、ゴマ油及び水が挙げられる。他のキャリヤーと
しては例えば所望によりリポソームに封入したMHCクラスII分子が挙げられ
る。
【0036】 更に、本発明の医薬組成物は1種以上のアジュバントを含むことができる。利
用可能なアジュバントとしては特に水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、
アンフィジェン、トコフェノール、モノホスホリル脂質A、ムラミルジペプチド
及びサポニン(例えばQuill A)が挙げられる。アジュバントの量はアジ
ュバント自体の種類によって異なる。
【0037】 更に、本発明の医薬組成物は例えば炭水化物(例えばソルビトール、マンニト
ール、澱粉、スクロース、デキストリン及びグルコース)、タンパク質(例えば
アルブミン又はカゼイン)、及び緩衝液(例えばアルカリリン酸塩)等の1種以
上の安定剤を含むことができる。
【0038】 利用可能な投与経路は筋肉内注射、皮下注射、静脈内注射又は腹膜組織内注射
、経口及び鼻腔内投与である。経口投与と鼻腔内投与が好ましい投与経路である
。特に、粘膜、例えば鼻粘膜を通して抗原を投与することにより抗原に特異的な
モジュレーター細胞を生成することができる。抗原の粘膜投与はこのような抗原
に対する免疫寛容を誘導することが分かっている。
【0039】 本発明は非関連抗原により誘発される自己免疫疾患をダウンモジュレートする
ためにHCgp−39を使用できることを立証し、HCgp−39により誘導さ
れるモジュレーター細胞が自己免疫プロセスに作用するという概念を裏付けるも
のである。
【0040】 以下、実施例により本発明を説明するが、これによって発明の範囲を制限する
ものではない。
【0041】 図面の簡単な説明 図1はDBA/1マウスでII型コラーゲンにより誘発した関節炎の発症及び
進行に及ぼす30μgHCgp−39鼻腔投与の効果を示す。 図1Aはマウス群における臨床的関節炎スコアに及ぼす効果を示す。 図1Bは個体マウスにおける臨床的関節炎スコアに及ぼす効果を示す。 図1Cは変質抑制の組織分析結果を浸潤物スコアにより示す。 図1Dは変質抑制の組織分析結果を膝関節の写真により示す。 図1Eは損傷抑制の放射線分析結果をX線撮像スコアにより示す。 図1Fは損傷抑制の放射線分析結果を踝関節の写真により示す。
【0042】 図2はDBA/1マウスでII型コラーゲンにより誘発した関節炎の発症及び
進行に及ぼす3、10又は30μgHCgp−39鼻腔投与の効果を示す。マウ
ス群における臨床的関節炎スコアに及ぼす効果を示す。
【0043】 実施例 実施例1:コラーゲンにより誘発した関節炎の30μgHCgp−39鼻腔投
与による緩和 方法 試薬 ウシII型コラーゲンは1〜2歳の子牛から得た膝関節の関節軟骨から単離し
た(Miller EJ,Rhodes RK.In: Colowick S
P,Kaplan NO編,Methods in Enzymology,V
ol 82.New York: Academic Press,1982:
33−65)。コラーゲンは0.05M HAc(5mg/ml)に溶かし、−
70℃で保存した。HCgp−39はトランスフェクトしたCHO細胞の上清か
ら単離した。HCgp−39はヘパリンアフィニティークロマトグラフィー、次
いでsuperdex 75クロマトグラフィーにより培養上清から精製した。
SDS−PAGEにより純度を確認した。対照タンパク質オボアルブミンはSi
gma,St.Louis,USAから入手した。
【0044】 関節炎の誘発及び緩和 Bomholtgaardから雄DBA/1マウスを入手した。完全フロイン
トアジュバント(CFA)に懸濁したウシII型コラーゲン100μgでマウス
を免疫した(0日)。生理食塩水に懸濁したウシII型コラーゲン100μgを
マウスに腹膜組織内ブースター注射した。20、25及び30日にHCgp−3
9(n=11;30μg/頭/用量)、ウシII型コラーゲン(n=11;10
0μg/頭/用量)、対照タンパク質(n=10;オボアルブミン;100μg
/頭/用量)又は緩衝液単独(n=10)をマウスに鼻腔内投与した。PT45
微量導管とハミルトン注射器を使用してエンフルラン麻酔下に鼻腔寛容誘導を実
施した。鼻腔経路投与を行わない対照群(n=10)も実験に加えた。
【0045】 関節炎の臨床経過 関節炎活性の進行を経時的(関節炎誘発後23、25、27、29、31及び
34日)に目視追跡し、疾患の重篤度を採点した(指及び/又は脚の発赤及び/
又は腫脹に基づく肉眼スコア)。後期時点では強直症もこの採点系に加えた。関
節炎の臨床重篤度は発赤及び/又は腫脹の外観に従って以下の0〜2点で各脚を
採点した。0点:変化なし、0.5点:有意変化、1.0点:中度変化、1.5
点:著変、2.0点:最大腫脹及び発赤と後期強直症を伴う重度関節炎。この採
点を更に細かくした(0.25点刻みの採点系)。
【0046】 組織病理分析 膝関節に組織病理異常が存在するか否かを調べた。関節全体を取り出して4%
ホルマリンに4日間固定した。5%ギ酸で脱灰後、試料をパラフィン包埋処理し
た。組織切片(7μm)をヘマトキシリンとエオシン(HE)で染色して炎症性
変化を検出するか、又はサフラニンOで染色して軟骨損傷の徴候であるプロテオ
グリカン欠乏を検出した。組織病理変化を以下のパラメーターに従って採点した
。細胞浸潤は滑液腔及び滑液組織における炎症細胞の量に基づいて0〜3点で採
点した。プロテオグリカン欠乏はサフラニンO染色を使用して判定し、完全軟骨
染色から軟骨脱色又は関節軟骨の完全な損失までの0〜3点でプロテオグリカン
減少を採点した。II型コラーゲンにより誘発した関節炎の特性パラメーターで
ある関節軟骨の進行性損失も軟骨破壊に基づいて採点した。この破壊は死軟骨細
胞(空の小腔)の出現から関節軟骨の完全な損失まで0〜3点で採点した。膝関
節の組織病理変化は膝蓋/大腿領域で関節の5個の半連続切片について採点した
。踝関節については踝骨領域を採点した。
【0047】 放射線分析 実験の終わり(34日)に各マウスの後脚を放射線写真撮影(X線撮像)した
。低倍率の立体顕微鏡を使用して放射線写真を採点した。以下の基準に従って各
脚を0〜5点で採点した。0点:変化なし、1点:微変、2点:中度変化、3点
:著変、4点:重度変化、5点:多数の動物で外観から明白な重度関節炎を示す
完全な破壊。
【0048】 結果 HCgp−39の免疫調節活性:臨床効果 II型コラーゲンで免疫したDBA/1マウスは予定及び予想通りにコラーゲ
ン誘発関節炎を発現した。疾患を誘発するために使用した抗原即ちII型コラー
ゲンで処置したマウスは処置の初期段階で軽症疾患活性に向かう傾向を示した。
HCgp−39を投与したマウスはその臨床的疾患活性発現が強く抑制された(
図1A)。関節炎の臨床重篤度の抑制は実験の25日で最初に検出することがで
き、実験の終わりである34日まで続いた。HCgp−39を投与した11頭の
動物のうちで中度又は重度の関節炎を発現したのは4頭のみであり、11頭のう
ちの7頭は多少なりとも防御された(図1B)。オボアルブミン又は緩衝液を投
与したマウスは対照マウスに認められる臨床的関節炎と同等の臨床的関節炎を示
した(図1A及び1B)。このように、以上の実験から明らかなように、HCg
p−39投与は非関連抗原即ちII型コラーゲンの使用による関節炎の誘発を防
害する調節又は制御メカニズムを始動することができる。従って、HCgp−3
9の治療投与は誘発抗原が不明の(自己)免疫状態に有益であると結論すること
ができる。
【0049】 組織及び放射線分析評価 膝関節の組織分析試験の結果、HCgp−39を投与した動物は炎症活性が著
しく低減することが判明した(図1C及び1D)。HCgp−39を投与した動
物はサフラニンO染色の低減により立証される通り、プロテオグリカン欠乏が著
しく抑制され、関節軟骨の損傷も抑制された(図1C及び1D)。放射線写真試
験の結果、HCgp−39投与が有効であった動物には軟骨損傷と骨侵食の抑制
が判明した(図1E及び1F)。結論すると、HCgp−39の治療投与は疾患
発現の臨床パターンを変えるだけでなく、組織及び放射線写真分析により検出可
能な変質の進行を防止し、関節破壊と機能不全をもたらす炎症及び侵食過程を抑
制する。このように、HCgp−39投与は疾患の経過を実際に変えることがで
きる。
【0050】 実施例2:コラーゲンにより誘発した関節炎の3、10又は30μgHCgp
−39鼻腔投与による緩和 方法 試薬 ウシII型コラーゲンは1〜2歳の子牛から得た膝関節の関節軟骨から単離し
た(Miller EJ,Rhodes RK.In: Colowick S
P,Kaplan NO編,Methods in Enzymology,V
ol 82.New York: Academic Press,1982:
33−65)。コラーゲンは0.05M HAc(5mg/ml)に溶かし、−
70℃で保存した。HCgp−39はトランスフェクトしたCHO細胞の上清か
ら単離した。HCgp−39はヘパリンアフィニティークロマトグラフィー、次
いでsuperdex 75クロマトグラフィーにより培養上清から精製した。
SDS−PAGEにより純度を確認した。対照タンパク質オボアルブミンはSi
gma,St.Louis,USAから入手した。
【0051】 関節炎の誘発及び緩和 Bomholtgaardから雄DBA/1マウスを入手した。完全フロイン
トアジュバント(CFA)に懸濁したウシII型コラーゲン100μgでマウス
を免疫した(0日)。生理食塩水に懸濁したウシII型コラーゲン100μgを
マウスに腹膜組織内ブースター注射した。20、25及び30日に3μg/頭/
用量、10μg/頭/用量又は30μg/頭/用量のHCgp−39(n=10
/群)、ウシII型コラーゲン(n=10;100μg/頭/用量)又は対照タ
ンパク質(n=10;オボアルブミン;100μg/頭/用量)をマウスに鼻腔
内投与した。PT45微量導管とハミルトン注射器を使用してエンフルラン麻酔
下に鼻腔寛容誘導を実施した。
【0052】 関節炎の臨床経過 関節炎活性の進行を経時的(関節炎誘発後23、25、26、28及び30日
)に目視追跡し、疾患の重篤度を採点した(指及び/又は脚の発赤及び/又は腫
脹に基づく肉眼スコア)。後期時点では強直症もこの採点系に加えた。関節炎の
臨床重篤度は発赤及び/又は腫脹の外観に従って以下の0〜2点で各脚を採点し
た。0点:変化なし、0.5点:有意変化、1.0点:中度変化、1.5点:著
変、2.0点:最大腫脹及び発赤と後期強直症を伴う重度関節炎。この採点を更
に細かくした(0.25点刻みの採点系)。
【0053】 結果 各種用量のHCgp−39の免疫調節活性:臨床効果 II型コラーゲンで免疫したDBA/1マウスは予定及び予想通りにコラーゲ
ン誘発関節炎を発現した。疾患を誘発するために使用した抗原即ちII型コラー
ゲンで処置したマウスはこの場合も処置の初期段階で軽症疾患活性に向かう傾向
を示した。重要な点として、30μgHCgp−39を投与したマウスはその臨
床的疾患活性発現が強く抑制された(図2)。3又は10μgHCgp−39を
投与したマウスも程度は劣るがその臨床的疾患発現の抑制を示した。関節炎の臨
床重篤度の抑制は23、25及び30日の評価で関節炎であると判断された各マ
ウスの後脚のデータにより更に詳細に裏付けられ、HCgp−39投与の臨床効
果が立証され、30μg/頭/用量が最も有効である。従って、以上の実験から
明らかなように、特に30μg/頭/用量のHCgp−39投与は非関連抗原即
ちII型コラーゲンの使用による関節炎の誘発を妨害する調節又は制御メカニズ
ムを始動することができる。即ち、HCgp−39の治療投与は誘発抗原が不明
の(自己)免疫状態に有益であると結論することができる。
【0054】 実施例3:RA患者におけるHCgp−39応答 方法 患者と試薬 米国リウマチ協会(ARA)基準(Arnettら,Arthritis R
heum 31:315,1988)に従ってRA患者を診断した。これらの患
者の疾患の重篤度をX線スコアにより0〜IV段階に分類した。HCgp−39
はアフィニティークロマトグラフィー、次いでsuperdex 75クロマト
グラフィーにより培養上清から精製した。SDS−PAGEにより純度を確認し
た。Candida albicansはHalアレルギー研究所から入手した
【0055】 増殖アッセイ ヘパリン化静脈末梢血からFicoll−Paque勾配で標準遠心分離によ
り末梢血単核細胞(PBMC)を採取した。HCgp−39に対する増殖応答を
測定するために使用したアッセイは文献(Salvatら,J Immunol
153:5321,1994)に記載されているアッセイの変法である。要約
すると、上記のように採取したPBMCを24ウェルプレートのウェルに5×1
細胞/mlの濃度で懸濁した。細胞を培地単独又は抗原の存在下にインキュ
ベートした(HCgp−39は2、10、25及び50μg/mlの用量範囲で
試験し、対照抗原であるCandida albicansは1及び10μg/
mlで試験した)。3種の異なるバックグラウンドウェルで自然増殖又はバック
グラウンド増殖をアッセイした。培養液を5%COの加湿雰囲気下に6日間3
7℃でインキュベートした。次に細胞を懸濁し、培地200又は150μl容量
を96ウェル丸底プレートのウェルに4又は5倍に分配した。最後の18時間の
培養中に培養液に0.5μCi(1.85×10Bq)[H]チミジン([ H]TdR)をパルスした。細胞をガラス繊維フィルターで回収し、[H]
TdR取り込みをガスシンチレーションにより測定した。ガスシンチレーション
による計数は液体シンチレーションに比較して5分の1の効率であることに留意
されたい。フィルターを5分間測定した(Packard Matrix 96
βカウンター;Meriden CT)。
【0056】 結果 RA患者のHCgp−39応答 RA患者(n=10)から採取したPBMCがHCgp−39に応答して増殖
したか否かを試験した。被験PBMC試料の品質を確認するために、多数の場合
にCandida albicansを陽性対照抗原として使用した。10人の
患者のうち6人がHCgp−39応答者(SI>10)と分類することができ、
10人のうち4人はHCgp−39に応答しなかった(SI<10)(表1)。
採血時点で疾患が活性であるか不活性であるかに関係なく疾患の各段階で応答者
(R)と非応答者(NR)が認められた。このように、慣用増殖アッセイを使用
してRA患者をHCgp−39応答個体とHCgp−39非応答個体に分類する
ことができる。
【0057】
【表1】 疾患段階はSteinbrocker基準による。act=1個以上の関節が
炎症を起こしている場合に疾患が活性であるとする。BGは5分当たりのバック
グラウンド計数である。HCgp−39応答はSI値として示す。SI値>5を
陽性とみなし、太字で示す。R=応答者。NR=非応答者。使用したPBMCの
品質を確認するために、対照としてCandida albicansに対する
応答を測定した。nd=測定不能。
【図面の簡単な説明】
【図1A】 DBA/1マウスでII型コラーゲンにより誘発した関節炎の発症及び進行に
及ぼす30μgHCgp−39鼻腔投与の効果を示し、マウス群における臨床的
関節炎スコアに及ぼす効果を示す。
【図1B】 DBA/1マウスでII型コラーゲンにより誘発した関節炎の発症及び進行に
及ぼす30μgHCgp−39鼻腔投与の効果を示し、個体マウスにおける臨床
的関節炎スコアに及ぼす効果を示す。
【図1C】 DBA/1マウスでII型コラーゲンにより誘発した関節炎の発症及び進行に
及ぼす30μgHCgp−39鼻腔投与の効果を示し、変質抑制の組織分析結果
を浸潤物スコアにより示す。
【図1D】 DBA/1マウスでII型コラーゲンにより誘発した関節炎の発症及び進行に
及ぼす30μgHCgp−39鼻腔投与の効果を示し、変質抑制の組織分析結果
を膝関節の写真により示す。
【図1E】 DBA/1マウスでII型コラーゲンにより誘発した関節炎の発症及び進行に
及ぼす30μgHCgp−39鼻腔投与の効果を示し、損傷抑制の放射線分析結
果をX線撮像スコアにより示す。
【図1F】 DBA/1マウスでII型コラーゲンにより誘発した関節炎の発症及び進行に
及ぼす30μgHCgp−39鼻腔投与の効果を示し、損傷抑制の放射線分析結
果を踝関節の写真により示す。
【図2】 DBA/1マウスでII型コラーゲンにより誘発した関節炎の発症及び進行に
及ぼす3、10又は30μgHCgp−39鼻腔投与の効果を示す。マウス群に
おける臨床的関節炎スコアに及ぼす効果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AL,AU,BA,BB,BG,BR,CA ,CN,CU,CZ,EE,GE,HU,ID,IL, IN,IS,JP,KP,KR,LC,LK,LR,L T,LV,MG,MK,MN,MX,NO,NZ,PL ,RO,RU,SG,SI,SK,SL,TR,TT, UA,US,UZ,VN,YU,ZA

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 HCgp−39以外の抗原に対して反応性であり且つHCg
    p−39と同一組織に存在するリンパ球の反応性を調節して免疫疾患を予防する
    ための医薬製剤の製造におけるHCgp−39又はそのフラグメントの使用。
  2. 【請求項2】 フラグメントが配列番号1(FGRSFTLAS)、配列番
    号2(FTLASSETG)、配列番号3(YDDQESVKS)、配列番号4
    (FSKIASNTQ)、配列番号5(PTFGRSFTLASSE)、配列番
    号6(RSFTLASSETGVG)、配列番号7(VGYDDQESVKSK
    V)又は配列番号8(SQRFSKIASNTQSR)に示すアミノ酸配列を含
    む群から選択されることを特徴とする請求項1に記載のフラグメントの使用。
  3. 【請求項3】 HCgp−39以外の抗原に対して反応性であり且つHCg
    p−39と同一組織に存在するリンパ球の反応性を調節して慢性関節リウマチを
    予防するための医薬製剤の製造における請求項1又は2に記載のHCgp−39
    又はそのフラグメントの使用。
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