JP2003523736A - R−オキシニトリラーゼを使用して光学活性シアンヒドリンを製造する方法 - Google Patents

R−オキシニトリラーゼを使用して光学活性シアンヒドリンを製造する方法

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JP2003523736A JP2001545564A JP2001545564A JP2003523736A JP 2003523736 A JP2003523736 A JP 2003523736A JP 2001545564 A JP2001545564 A JP 2001545564A JP 2001545564 A JP2001545564 A JP 2001545564A JP 2003523736 A JP2003523736 A JP 2003523736A
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Abstract

(57)【要約】 (R)-オキシニトリラーゼの存在下にアルデヒドまたはケトンをシアニド基供与体と反応させることによって光学活性シアンヒドリンの(R)-エナンチオマーを製造するに当たり、次の成分、すなわちa) 水と不混和性かまたは水と僅かに混和する有機希釈剤中に溶解されたアルデヒドまたはケトン、b) 水性(R)-オキシニトリラーゼ溶液及びc) シアニド基供与体を含む反応混合物を、エマルションが生成するように攪拌し、このエマルションを酵素的反応が終了するまで維持し、そしてこの酵素的反応の終了後、対応する(R)-シアンヒドリンを反応混合物から単離する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【従来の技術】
シアンヒドリンは、例えば、生物学的に活性の物質、例えば薬理有効物質、ビ
タミンまたはピレスロイド化合物の製造に使用されるアルファ- ヒドロキシ酸、
アルファ- ヒドロキシケトン、ベータ- アミノアルコールの合成に重要である。
【0002】 シアンヒドリンの製造は、青酸(HCN) を、アルデヒドまたは非対称のケトンの
カルボニル基に付加することによって行うことができ、この際、非対称のシアン
ヒドリンのエナンチオマー混合物が生ずる。
【0003】 生物学的に有効なエナンチオマー混合物においては、通常は、生物学的に有効
なのはその両エナンチオマーのうち一つだけであるので、光学的に活性のシアン
ヒドリンの(R)-エナンチオマーをできるだけ高い光学的純度で製造する方法を見
出す試みが絶えず行われてきた。多くの方法は、キラル触媒、例えばオキシニト
リラーゼの存在下にHCN をカルボニル基に付加することに基づく。この際、製造
されるシアンヒドリンのエナンチオマー純度は、競合する化学反応及びラセミ化
がどの程度抑制され得るかに大きく依存する。J. Am. Chem. Soc. 1991. 113, 6
992 〜6996頁から公知なように、特に水性系中で行われる方法においては、上記
の競合する反応の故に、高いエナンチオ選択性及びエナンチオマー純度を達成す
ることは困難である。
【0004】 競合する化学反応及びラセミ化を抑制するための方法の一つは欧州特許出願公
開(EP-A)第0 326 063 号に記載されており、それによると、光学活性の(R)-シア
ンヒドリンは、競合する化学反応及びラセミ化が酵素的合成と比較して取るに足
らない程度になる温度及び酸性条件、特に4.5 以下のpHで作業することによって
、プルナス・アミグダラス(Prunus amygdalus)から採取される(R)-オキシニトリ
ラーゼ[EC 4.1.2.10] の存在下に水性環境中で脂肪族、芳香族または複素芳香族
アルデヒドもしくはケトンを青酸と反応させることによって得られるということ
である。そこには、このような条件の下に高まる上記バイオ触媒の活性損失が指
摘されており、そこに記載の例は、5〜8℃の範囲の低い温度で行うことが好ま
しいことを示している。
【0005】 上記の酵素は水溶性のタンパク質でありそしてその基質はそれとは逆に僅かに
しか水に溶けない化合物であるので、基質及び生成物の溶解性を高めるために水
混和性の有機溶剤の使用が提案されている。例えば、水性アルコール性系中での
シアンヒドリンの酵素的生成が、競合する反応の最適な抑制に関して、様々なpH
値、温度及び濃度の下にEffenberger ら(Angew. Chem. 99(1987) 491 〜492 頁
) によって研究されている。しかし、所望の最終生成物の立体化学的な純度は、
しばしば満足できるものではなかった。一つの改良手段として、化学反応を抑制
するために、非水混和性の有機溶剤中でオキソ化合物を青酸と酵素的反応させる
ことが提案されている。この際、好ましくは、キャリアに固定した(R)-オキシニ
トリラーゼの使用の下に酢酸エチルを用いて行われる。この方法では、確かに高
い光学的純度を持つ生成物が得られるが、しかし酵素の不動化によって酵素の活
性にかなりの損失が観察された。更に、水性相中で出発化合物に青酸が付加する
ことによってラセミのシアンヒドリンを導く非酵素的反応が、生成物のエナンチ
オマー純度を不所望に低減させることが確認された。
【0006】 J. Am. Chem. Soc. 1991, 113, 6992 〜6996頁では、遊離の青酸を使用した場
合に生ずる問題が、水性緩衝溶液及び水と不混和性の溶剤からなる二相系反応混
合物中でアセトンシアンヒドリンの使用の下にヒドロキシニトリラーゼによりト
ランスシアネーション(transcyanierung) を行うことによって回避されている。
この方法の欠点は、有機溶剤の量、延いては反応混合物の全体量が、使用するア
ルデヒドの量に対して非常に多いということである。更に、極めて長い反応時間
及び多量の酵素が必要である。最後に、多くの場合にシアンヒドリンの光学的純
度も、この目的生成物のエナンチオ特異合成にとって十分なものではない。
【0007】 更に別の改良手段として、欧州特許出願公開(EP-A1) 第0 547 655 号には、ヒ
ドロキシニトリラーゼの均一な水溶液及び少なくとも本質的に水と不混和性の適
当な有機溶剤からなる二相系中でアルデヒドもしくはケトンと青酸から光学活性
のシアンヒドリンを製造する方法が提案されており、この際、上記水溶液は、1
リットル当たり0.005 〜0.1 モルの濃度の酢酸塩緩衝剤で緩衝されそして有機相
と水性相との比率は5:1 〜1:5 である。酵素的反応の間、反応系は攪拌されるが
、二相系は保持される。約4.5 のpH値での反応にも拘わらず、化学反応は、有機
基質溶液及び水性酵素溶液からなる二相系中でも完全には抑制されない。この方
法の欠点は、多量の酵素を投入しない限り、シアンヒドリンのee値が向上され得
ないことである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、酵素及び時間に対する低い要求量と同時に高いエナンチオマ
ー純度を保証する、光学活性シアンヒドリンを製造するための改善された方法を
見出すことであった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
予期できないことには、エマルション中で反応を行った場合に、高い収率及び
光学的純度を持って対応するシアンヒドリンを与える、多種多様なカルボニル化
合物、例えば脂肪族、脂環式、不飽和状、芳香族基置換脂肪族、芳香族並びに複
素芳香族のアルデヒド及びケトンの反応が、従来技術と比較して、より凝縮され
た手順で、より少ない酵素使用量及びより短い反応時間で可能であることがここ
に見出された。予期できないことに、多くのタンパク質において失活を招くエマ
ルションの条件下、例えば高攪拌エネルギー条件下において酵素の活性が安定し
たままで変化しない。
【0010】 それゆえ、本発明の対象は、(R)-オキシニトリラーゼの存在下にアルデヒドま
たはケトンをシアニド基供与体と反応させることによって、光学活性のシアンヒ
ドリンの(R)-エナンチオマーを製造する方法であって、以下の成分、すなわち a) 水と不混和性かまたは僅かに混和性の有機希釈剤中に溶解されたアルデヒド またはケトン、 b) (R)-オキシニトリラーゼ水溶液、及び c) シアニド基供与体、 からなる反応混合物をエマルションが生ずるように攪拌し、このエマルションを
酵素的反応が終了するまで維持し、そうした上で、酵素的反応の終了後、得られ
た対応する(R)-シアンヒドリンを反応混合物から単離することを特徴とする上記
方法である。
【0011】 本発明方法においては出発材料として、アルデヒドまたはケトン、シアニド基
供与体、(R)-オキシニトリラーゼの水溶液、及び水と不混和性かまたは僅かに混
和性である有機希釈剤が使用される。
【0012】 ここでアルデヒドとは、脂肪族、芳香族または複素芳香族アルデヒドを意味す
る。ここでこの脂肪族アルデヒドは、直鎖状、分枝状または環状の飽和または不
飽和脂肪族アルデヒドを意味する。好ましい脂肪族アルデヒドは、飽和または一
もしくは多不飽和の直鎖状アルデヒド、特に2〜30個の炭素原子、好ましくは2
〜18個の炭素原子を有するこのようなアルデヒドである。この際このアルデヒド
は、C-C 二重結合ばかりでなく、C-C 三重結合も有することができる。更に、こ
の脂肪族、芳香族または複素芳香族アルデヒドは、置換されていなくともよいし
、または反応条件下に不活性の基によって置換されていてもよく、このような置
換基には、例えば、場合によっては置換されたアリール基または複素アリール基
、例えば、フェニル基、フェノキシ基またはインドリル基、ハロゲン、ヒドロキ
シ基、ヒドロキシ-C1-C5- アルキル基、C1-C5-アルコキシ基、C1-C5-アルキルチ
オ基、エーテル基、アルコール基、カルボン酸エステル基、ニトロ基、アジド基
などがある。芳香族または複素芳香族アルデヒドの例は、ベンズアルデヒドまた
は多様に置換されたベンズアルデヒド、例えば3,4-ジフルオロベンズアルデヒド
、3-フェノキシベンズアルデヒド、4-フルオロ-3- フェノキシベンズアルデヒド
、ヒドロキシベンズアルデヒド、メトキシベンズアルデヒド、更にはフルフラー
ル、メチルフルフラール、アントラセン-9- カルバルデヒド、フラン-3- カルバ
ルデヒド、インドール-3- カルバルデヒド、ナフタリン-1- カルバルデヒド、フ
タルジアルデヒド、ピラゾール-3- カルバルデヒド、ピロール-2- カルバルデヒ
ド、チオフェン-2- カルバルデヒド、イソフタルアルデヒドまたはピリジンアル
デヒド、チエニルアルデヒドなどである。ケトンは、そのカルボニル炭素原子が
異なる基によって置換された、脂肪族、芳香族または複素芳香族ケトンである。
脂肪族ケトンとは、飽和または不飽和の直鎖状、分枝状または環状ケトンを意味
する。ケトンは、飽和または一もしくは多不飽和状であることができる。またこ
のケトンは、置換されていなくとも、または反応条件下に不活性の基によって置
換されていてもよく、この置換基には、例えば、場合によっては置換されたアリ
ール基または複素アリール基、例えばフェニル基またはイノリル基、ハロゲン、
エーテル基、アルコール基、カルボン酸エステル基、ニトロ基またはアジド基な
どがある。芳香族または複素芳香族ケトンの例は、アセトフェノン、インドリル
アセトンなどである。
【0013】 本発明方法に適したアルデヒド及びケトンは公知であるかまたは慣用の方法で
製造できるものである。
【0014】 シアニド基供与対としては青酸が加えられる。この際、青酸は、先ず反応の少
し前にその塩の一つ、例えばNaCNまたはKCN から遊離させ、そしてそのままでも
しくは溶解させた形で反応混合物に加えることもできる。
【0015】 オキシニトリラーゼとしては、(R)-オキシニトリラーゼ、例えばプルナス・ア
ミグダラス(Prunus amygdalus)、プルナス・ラウロセラサス(Prunus Lauroceras
us) またはプルナス・セロチナ(Prunus serotina) から得られる(R)-オキシニト
リラーゼが使用される。好ましくは、オキシニトリラーゼとして、プルナス・ア
ミグダラスからのオキシニトリラーゼが使用される。この酵素は、溶剤に対する
高い耐性を特徴とする。それ故、様々な有機溶剤を該酵素的反応に使用すること
ができ、それによって各々のプロセスの生産性に有利に作用するエマルションの
調製が可能になる。オキシニトリラーゼは、精製してもまたは精製しなくともよ
いし、そしてそれをそのままでまたは不動化して使用することができる。
【0016】 有機希釈剤としては、水と不混和性かまたは僅かに混和する脂肪族または芳香
族炭化水素(場合によってはハロゲン化されていてもよい)、アルコール、エー
テルまたはエステルあるいはこれらの混合物が使用し得る。これの例は、ジエチ
ルエーテル、ジイソプロピルエーテルジブチルエーテル、メチル-tert.- ブチル
エーテル、酢酸エチル、酢酸プロピル、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、
トリクロロエタン、クロロベンゼンなどである。好ましくは、メチル-tert.- ブ
チルエーテル(MTBE)、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル及び酢酸エチ
ル、またはMTBEとトルエンとの混合物が使用される。
【0017】 アルデヒドまたはケトン1g当たり、約0.2 〜20gの希釈剤、及び10〜2000 I
U 、好ましくは約50〜1000IU活性のオキシニトリラーゼが加えられる。
【0018】 1IU(国際単位)は、一分間当たり1マイクロモルの生成物の形成を触媒する
酵素調剤の量を表す。各々のオキシニトリラーゼの必要量は、活性試験、例えば
Jorns ら、J. Biolog. Chem. 254, 12145 〜12152 頁, 1979に記載の方法と類似
のシグマ社の活性試験で求めるのが最良である。
【0019】 使用するアルデヒド基またはケト基1モル当たり、少なくとも1モル、好まし
くは1〜5モル、特に好ましくは1〜2モルのシアニド基供与体が加えられる。
本発明方法においては、アルデヒドまたはケトンは有機希釈剤中に溶解された状
態で存在する。この溶液に酵素を水性緩衝溶液の形で加える。この際、この溶液
のpH値は、7未満、好ましくは3〜6.5 の範囲にあるのがよい。こうして得られ
た反応混合物を、0℃〜約30℃、好ましくは5〜25℃の温度で、エマルションが
生成するように攪拌する。ここで、そのために必要な回転数(N) は、所謂、使用
する攪拌機の動力数(Vermoegenskennzahl, Po)、その直径(d) 、反応容積(V) 、
及び反応媒体の密度(ρ)に依存する。これらのファクターから、攪拌機エネル
ギー(P/V)、すなわち反応容積(装置のではなく、反応混合物の体積)当たりの
攪拌機の動力を導くことができる。
【0020】
【式1】
【0021】 本発明方法においては攪拌エネルギーは、好ましくは、500 W/m3以上、特に好ま
しくは1000 W/m3 以上である。比較を挙げれば、水性、有機性または二相の系中
で行われる従来公知の方法、例えば欧州特許出願公開(EP-A1) 第0 547 655 号の
方法では、おおよそ100 W/m3の攪拌エネルギーしか達成されない。
【0022】 反応混合物がエマルションとして存在する場合、シアニド基供与体が加えられ
る。このエマルションは反応の終わりまで維持される。この際、反応の経過は、
例えばアルデヒドまたはケトンの含有量の低下から光度滴定により追跡すること
ができる。出発材料に依存して、出発材料は吸収を示すが、生成するシアンヒド
リンは吸収しない波長において測定する。それゆえ、反応混合物の吸収は、転化
が進むにつれてそれに比例して減少する。
【0023】 しかし、先ず全ての成分を混合し、次いでそうして得られた反応混合物を、エ
マルションが得られるように攪拌することもできる。
【0024】 青酸の塩を使用する場合は、先ず、例えばH2SO4 またはH3PO4 を添加すること
によってその塩の溶液から青酸を遊離させることができる。この青酸溶液のpH値
は7未満、好ましくは4〜6.5 の範囲であるのがよい。次いで、この青酸溶液に
、水性酵素溶液、有機希釈剤、及びアルデヒドまたはケトンを加え、反応を開始
しそして場合によってはpH値を再び調節する。この場合もまた、エマルションが
生成するように反応混合物を攪拌するよう留意しなければならず、そしてこのエ
マルションは反応の終点まで維持される。
【0025】 反応混合物の後処理及び生成したシアンヒドリンの単離のためには、最初にエ
マルションを破壊する慣用の技術、例えば濾過、遠心分離または併合(Koaleszie
rung) 技術が使用される。次いで、生じた各相を──場合によっては解乳化剤を
加えて──分離し、そして生成物を含む方の相を仕上げ処理する。この際、対応
するシアンヒドリンを得るためには、最終生成物に依存して、濾過、蒸留、抽出
または結晶化などの公知の技術を用いる。こうして得られたシアンヒドリンは、
場合によっては、二次加工の前に酸を加えることによって安定化することができ
る。
【0026】
【実施例】
例1: 2-クロロベンズアルデヒド R-オキシニトリラーゼ溶液(E.C.4.1.2.10, 877 単位/ml) 0.25 〜1mlを、50
mMクエン酸塩/リン酸塩緩衝剤(pH 4)で4mlに希釈し、そして場合によっては、
この酵素溶液のpH値を、クエン酸溶液を数滴垂らしてpH4に調節した。この溶液
に、t-ブチルメチルエーテル3ml及び2-クロロベンズアルデヒド0.8g(5.69 mmol
) からなる溶液を加え、次いで青酸 445μl(11.38 mmol) を添加した。この反応
混合物を、室温下に、磁気攪拌機を用いて500rpm及び900rpmの回転速度で攪拌し
た。500rpmで攪拌した場合は(比較例)、欧州特許出願公開(EP-A1) 第0 547 65
5 号に記載のものと類似の二相系が生じ、一方、900rpmで攪拌した場合はエマル
ションが生じた。
【0027】 生じた(R)-シアンヒドリンの転化率及びエナンチオマー純度をGCにより分析し
た。この分析のために、反応溶液のサンプルを遠心分離し、そしてその有機相50
μl をジクロロメタンで希釈した。塩化アセチルで誘導体を作り、その後、シク
ロデキストリンカラムでガスクロマトグラフィーにより分析した。
【0028】 酵素の量及び攪拌機の回転速度に対する転化率及びエナンチオマー純度の依存
性が、表1及び2から明らかである(二相系またはエマルション)。
【0029】
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】 例2: n-ブチルアルデヒド R-オキシニトリラーゼ溶液(E.C.4.1.2.10, 877 単位/ml)1mlを50mMクエン
酸塩/リン酸塩緩衝液(pH4) で4mlに希釈し、そして場合によっては、この酵素
溶液のpH値を、クエン酸溶液を数滴垂らして4に調節した。この溶液に、t-ブチ
ルメチルエーテル3ml及びn-ブチルアルデヒド 0.8g(11mmol)からなる溶液を加
え、次いで青酸860 μl(22mmol) を添加した。この反応混合物を、室温下に、磁
気攪拌機を用いて900rpmで攪拌し、それよってエマルションが生成した。
【0032】 生じたシアンヒドリンの転化率及びエナンチオマー純度をGCにより分析した。
この分析のために、反応溶液のサンプルを遠心分離し、そしてその有機相50μl
をジクロロメタンで希釈した。塩化アセチルで誘導体を作り、その後シクロデキ
ストリンカラムでガスクロマトグラフィーにより分析した。5分後、アルデヒド
は、98%のエナンチオマー純度をもって対応する(R)-シアンヒドリンに完全に転
化された。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年11月27日(2001.11.27)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】 J. Am. Chem. Soc. 1991, 113, 6992 〜6996頁では、遊離の青酸を使用した場
合に生ずる問題が、水性緩衝溶液及び水と不混和性の溶剤からなる二相系反応混
合物中でアセトンシアンヒドリンの使用の下にヒドロキシニトリラーゼによりト
ランスシアネーション(transcyanierung) を行うことによって回避されている。
この方法の欠点は、有機溶剤の量、延いては反応混合物の全体量が、使用するア
ルデヒドの量に対して非常に多いということである。更に、極めて長い反応時間
及び多量の酵素が必要である。最後に、多くの場合にシアンヒドリンの光学的純
度も、この目的生成物のエナンチオ特異合成にとって十分なものではない。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】 更に別の改良手段として、欧州特許出願公開(EP-A1) 第0 547 655 号には、ヒ
ドロキシニトリラーゼの均一な水溶液及び少なくとも本質的に水と不混和性の適
当な有機溶剤からなる二相系中でアルデヒドもしくはケトンと青酸から光学活性
のシアンヒドリンを製造する方法が提案されており、この際、上記水溶液は、1
リットル当たり0.005 〜0.1 モルの濃度の酢酸塩緩衝剤で緩衝されそして有機相
と水性相との比率は5:1 〜1:5 である。酵素的反応の間、反応系は攪拌されるが
、二相系は保持される。約4.5 のpH値での反応にも拘わらず、化学反応は、有機
基質溶液及び水性酵素溶液からなる二相系中でも完全には抑制されない。この方
法の欠点は、多量の酵素を投入しない限り、シアンヒドリンのee値が向上され得
ないことである。 欧州特許第0 927 766 号には、(S)-シアンヒドリンを製造するための方法が記
載されている。この方法では、アルデヒドまたはケトンを、エマルション中で、
(S)-ヒドロキシニトリラーゼの使用の下に対応する(S)-シアンヒドリンに転化す
る。(S)-ヒドロキシニトリラーゼ及び(R)-ヒドロキシニトリラーゼは、例えばAn
gew. Chem. 1994, 106, 1612頁に記載のように、その構造並びにその触媒特性に
おいてかなり異なる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
【発明が解決しようとする課題】 本発明の課題は、酵素及び時間に対する低い要求量と同時に高いエナンチオマ
ー純度を保証する、光学活性シアンヒドリンを製造するための改善された方法を
見出すことであった。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
【課題を解決するための手段】 予期できないことには、エマルション中で反応を行った場合に、高い収率及び
光学的純度を持って対応するシアンヒドリンを与える、多種多様なカルボニル化
合物、例えば脂肪族、脂環式、不飽和状、芳香族基置換脂肪族、芳香族並びに複
素芳香族のアルデヒド及びケトンの反応が、従来技術と比較して、より凝縮され
た手順で、より少ない酵素使用量及びより短い反応時間で可能であることがここ
に見出された。予期できないことに、多くのタンパク質において失活を招くエマ
ルションの条件下、例えば高攪拌エネルギー条件下において酵素の活性が安定し
たままで変化しない。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】 それゆえ、本発明の対象は、(R)-オキシニトリラーゼの存在下にアルデヒドま
たはケトンをシアニド基供与体と反応させることによって、光学活性のシアンヒ
ドリンの(R)-エナンチオマーを製造する方法であって、以下の成分、すなわち a) 水と不混和性かまたは僅かに混和性の有機希釈剤中に溶解されたアルデヒド またはケトン、 b) (R)-オキシニトリラーゼ水溶液、及び c) シアニド基供与体、 からなる反応混合物をエマルションが生ずるように500W/m3 を超える攪拌エネル
ギーで攪拌し、このエマルションを酵素的反応が終了するまで維持し、そうした
上で、酵素的反応の終了後、得られた対応する(R)-シアンヒドリンを反応混合物
から単離することを特徴とする上記方法である。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】 本発明方法においては出発材料として、アルデヒドまたはケトン、シアニド基
供与体、(R)-オキシニトリラーゼの水溶液、及び水と不混和性かまたは僅かに混
和性である有機希釈剤が使用される。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】 ここでアルデヒドとは、脂肪族、芳香族または複素芳香族アルデヒドを意味す
る。ここでこの脂肪族アルデヒドは、直鎖状、分枝状または環状の飽和または不
飽和脂肪族アルデヒドを意味する。好ましい脂肪族アルデヒドは、飽和または一
もしくは多不飽和の直鎖状アルデヒド、特に2〜30個の炭素原子、好ましくは2
〜18個の炭素原子を有するこのようなアルデヒドである。この際このアルデヒド
は、C-C 二重結合ばかりでなく、C-C 三重結合も有することができる。更に、こ
の脂肪族、芳香族または複素芳香族アルデヒドは、置換されていなくともよいし
、または反応条件下に不活性の基によって置換されていてもよく、このような置
換基には、例えば、場合によっては置換されたアリール基または複素アリール基
、例えば、フェニル基、フェノキシ基またはインドリル基、ハロゲン、ヒドロキ
シ基、ヒドロキシ-C1-C5- アルキル基、C1-C5-アルコキシ基、C1-C5-アルキルチ
オ基、エーテル基、アルコール基、カルボン酸エステル基、ニトロ基、アジド基
などがある。芳香族または複素芳香族アルデヒドの例は、ベンズアルデヒドまた
は多様に置換されたベンズアルデヒド、例えば3,4-ジフルオロベンズアルデヒド
、3-フェノキシベンズアルデヒド、4-フルオロ-3- フェノキシベンズアルデヒド
、ヒドロキシベンズアルデヒド、メトキシベンズアルデヒド、更にはフルフラー
ル、メチルフルフラール、アントラセン-9- カルバルデヒド、フラン-3- カルバ
ルデヒド、インドール-3- カルバルデヒド、ナフタリン-1- カルバルデヒド、フ
タルジアルデヒド、ピラゾール-3- カルバルデヒド、ピロール-2- カルバルデヒ
ド、チオフェン-2- カルバルデヒド、イソフタルアルデヒドまたはピリジンアル
デヒド、チエニルアルデヒドなどである。ケトンは、そのカルボニル炭素原子が
異なる基によって置換された、脂肪族、芳香族または複素芳香族ケトンである。
脂肪族ケトンとは、飽和または不飽和の直鎖状、分枝状または環状ケトンを意味
する。ケトンは、飽和または一もしくは多不飽和状であることができる。またこ
のケトンは、置換されていなくとも、または反応条件下に不活性の基によって置
換されていてもよく、この置換基には、例えば、場合によっては置換されたアリ
ール基または複素アリール基、例えばフェニル基またはイノリル基、ハロゲン、
エーテル基、アルコール基、カルボン酸エステル基、ニトロ基またはアジド基な
どがある。芳香族または複素芳香族ケトンの例は、アセトフェノン、インドリル
アセトンなどである。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】 本発明方法に適したアルデヒド及びケトンは公知であるかまたは慣用の方法で
製造できるものである。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0014】 シアニド基供与対としては青酸が加えられる。この際、青酸は、先ず反応の少
し前にその塩の一つ、例えばNaCNまたはKCN から遊離させ、そしてそのままでも
しくは溶解させた形で反応混合物に加えることもできる。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】 オキシニトリラーゼとしては、(R)-オキシニトリラーゼ、例えばプルナス・ア
ミグダラス(Prunus amygdalus)、プルナス・ラウロセラサス(Prunus Lauroceras
us) またはプルナス・セロチナ(Prunus serotina) から得られる(R)-オキシニト
リラーゼが使用される。好ましくは、オキシニトリラーゼとして、プルナス・ア
ミグダラスからの(R)-オキシニトリラーゼが使用される。この酵素は、溶剤に対
する高い耐性を特徴とする。それ故、様々な有機溶剤を該酵素的反応に使用する
ことができ、それによって各々のプロセスの生産性に有利に作用するエマルショ
ンの調製が可能になる。オキシニトリラーゼは、精製してもまたは精製しなくと
もよいし、そしてそれをそのままでまたは不動化して使用することができる。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0016】 有機希釈剤としては、水と不混和性かまたは僅かに混和する脂肪族または芳香
族炭化水素(場合によってはハロゲン化されていてもよい)、アルコール、エー
テルまたはエステルあるいはこれらの混合物が使用し得る。これの例は、ジエチ
ルエーテル、ジイソプロピルエーテルジブチルエーテル、メチル-tert.- ブチル
エーテル、酢酸エチル、酢酸プロピル、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、
トリクロロエタン、クロロベンゼンなどである。好ましくは、メチル-tert.- ブ
チルエーテル(MTBE)、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル及び酢酸エチ
ル、またはMTBEとトルエンとの混合物が使用される。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0017】 アルデヒドまたはケトン1g当たり、約0.2 〜20gの希釈剤、及び10〜2000 I
U 、好ましくは約50〜1000IU活性のオキシニトリラーゼが加えられる。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】 1IU(国際単位)は、一分間当たり1マイクロモルの生成物の形成を触媒する
酵素調剤の量を表す。各々のオキシニトリラーゼの必要量は、活性試験、例えば
Jorns ら、J. Biolog. Chem. 254, 12145 〜12152 頁, 1979に記載の方法と類似
のシグマ社の活性試験で求めるのが最良である。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0019】 使用するアルデヒド基またはケト基1モル当たり、少なくとも1モル、好まし
くは1〜5モル、特に好ましくは1〜2モルのシアニド基供与体が加えられる。
本発明方法においては、アルデヒドまたはケトンは有機希釈剤中に溶解された状
態で存在する。この溶液に酵素を水性緩衝溶液の形で加える。この際、この溶液
のpH値は、7未満、好ましくは3〜6.5 の範囲にあるのがよい。こうして得られ
た反応混合物を、0℃〜約30℃、好ましくは5〜25℃の温度で、エマルションが
生成するように攪拌する。ここで、そのために必要な回転数(N) は、所謂、使用
する攪拌機の動力数(Vermoegenskennzahl, Po)、その直径(d) 、反応容積(V) 、
及び反応媒体の密度(ρ)に依存する。これらのファクターから、攪拌機エネル
ギー(P/V)、すなわち反応容積(装置のではなく、反応混合物の体積)当たりの
攪拌機の動力を導くことができる。
【手続補正16】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0020】
【式1】
【手続補正17】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0021】 本発明方法においては攪拌エネルギーは、好ましくは、500 W/m3以上、特に好
ましくは1000 W/m3 以上である。比較を挙げれば、水性、有機性または二相の系
中で行われる従来公知の方法、例えば欧州特許出願公開(EP-A1) 第0 547 655 号
の方法では、おおよそ100 W/m3の攪拌エネルギーしか達成されない。
【手続補正18】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0022】 反応混合物がエマルションとして存在する場合、シアニド基供与体が加えられ
る。このエマルションは反応の終わりまで維持される。この際、反応の経過は、
例えばアルデヒドまたはケトンの含有量の低下から光度滴定により追跡すること
ができる。出発材料に依存して、出発材料は吸収を示すが、生成するシアンヒド
リンは吸収しない波長において測定する。それゆえ、反応混合物の吸収は、転化
が進むにつれてそれに比例して減少する。
【手続補正19】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0023】 しかし、先ず全ての成分を混合し、次いでそうして得られた反応混合物を、エ
マルションが得られるように攪拌することもできる。
【手続補正20】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0024】 青酸の塩を使用する場合は、先ず、例えばH2SO4 またはH3PO4 を添加すること
によってその塩の溶液から青酸を遊離させることができる。この青酸溶液のpH値
は7未満、好ましくは4〜6.5 の範囲であるのがよい。次いで、この青酸溶液に
、水性酵素溶液、有機希釈剤、及びアルデヒドまたはケトンを加え、反応を開始
しそして場合によってはpH値を再び調節する。この場合もまた、エマルションが
生成するように反応混合物を攪拌するよう留意しなければならず、そしてこのエ
マルションは反応の終点まで維持される。
【手続補正21】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0025】 反応混合物の後処理及び生成したシアンヒドリンの単離のためには、最初にエ
マルションを破壊する慣用の技術、例えば濾過、遠心分離または併合(Koaleszie
rung) 技術が使用される。次いで、生じた各相を──場合によっては解乳化剤を
加えて──分離し、そして生成物を含む方の相を仕上げ処理する。この際、対応
するシアンヒドリンを得るためには、最終生成物に依存して、濾過、蒸留、抽出
または結晶化などの公知の技術を用いる。こうして得られたシアンヒドリンは、
場合によっては、二次加工の前に酸を加えることによって安定化することができ
る。
【手続補正22】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0026】
【実施例】 例1: 2-クロロベンズアルデヒド R-オキシニトリラーゼ溶液(E.C.4.1.2.10, 877 単位/ml) 0.25 〜1mlを、50
mMクエン酸塩/リン酸塩緩衝剤(pH 4)で4mlに希釈し、そして場合によっては、
この酵素溶液のpH値を、クエン酸溶液を数滴垂らしてpH4に調節した。この溶液
に、t-ブチルメチルエーテル3ml及び2-クロロベンズアルデヒド0.8g(5.69 mmol
) からなる溶液を加え、次いで青酸 445μl(11.38 mmol) を添加した。この反応
混合物を、室温下に、磁気攪拌機を用いて500rpm及び900rpmの回転速度で攪拌し
た。500rpmで攪拌した場合は(比較例)、欧州特許出願公開(EP-A1) 第0 547 65
5 号に記載のものと類似の二相系が生じ、一方、900rpmで攪拌した場合はエマル
ションが生じた。
【手続補正23】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0027】 生じた(R)-シアンヒドリンの転化率及びエナンチオマー純度をGCにより分析し
た。この分析のために、反応溶液のサンプルを遠心分離し、そしてその有機相50
μl をジクロロメタンで希釈した。塩化アセチルで誘導体を作り、その後、シク
ロデキストリンカラムでガスクロマトグラフィーにより分析した。
【手続補正24】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0028】 酵素の量及び攪拌機の回転速度に対する転化率及びエナンチオマー純度の依存
性が、表1及び2から明らかである(二相系またはエマルション)。
【手続補正25】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0029】
【表1】
【手続補正26】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0030】
【表2】
【手続補正27】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】 例2: n-ブチルアルデヒド R-オキシニトリラーゼ溶液(E.C.4.1.2.10, 877 単位/ml)1mlを50mMクエン
酸塩/リン酸塩緩衝液(pH4) で4mlに希釈し、そして場合によっては、この酵素
溶液のpH値を、クエン酸溶液を数滴垂らして4に調節した。この溶液に、t-ブチ
ルメチルエーテル3ml及びn-ブチルアルデヒド 0.8g(11mmol)からなる溶液を加
え、次いで青酸860 μl(22mmol) を添加した。この反応混合物を、室温下に、磁
気攪拌機を用いて900rpmで攪拌し、それよってエマルションが生成した。
【手続補正28】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0032】 生じたシアンヒドリンの転化率及びエナンチオマー純度をGCにより分析した。
この分析のために、反応溶液のサンプルを遠心分離し、そしてその有機相50μl
をジクロロメタンで希釈した。塩化アセチルで誘導体を作り、その後シクロデキ
ストリンカラムでガスクロマトグラフィーにより分析した。5分後、アルデヒド
は、98%のエナンチオマー純度をもって対応する(R)-シアンヒドリンに完全に転
化された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),AE,AG,AL,AM,AU,AZ ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,CA,CN, CR,CU,CZ,DM,DZ,EE,GD,GE,H R,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KG,KP ,KR,KZ,LC,LK,LR,LT,LV,MA, MD,MG,MK,MN,MX,NO,NZ,PL,R O,RU,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR ,TT,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA, ZW (72)発明者 ヴィルト・イルマ オーストリア国、エンス、ゼベリヌススト ラーセ、4 (72)発明者 マイローファー・ヘルベルト オーストリア国、エンゲルヴィルツドル フ、フライシュタッターストラーセ、62 (72)発明者 ノイホーファー・ルドルフ オーストリア国、ミッタートレッフリン グ、ライトナーストラーセ、4 Fターム(参考) 4B064 AE01 CA21 CB30 CC06 CD04 CD05 CD06 CD07 CD12 CE01 CE15 CE20 DA01

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (R)- オキシニトリラーゼの存在下にアルデヒドまたはケトン
    をシアニド基供与体と反応させることによって光学活性のシアンヒドリンの(R)-
    エナンチオマーを製造する方法であって、以下の成分、すなわち a) 水と不混和性かまたは水と僅かに混和性の有機希釈剤中に溶解させたアルデ ヒドまたはケトン、 b) 水性(R)-オキシニトリラーゼ溶液、及び c) シアニド基供与体、 を含む反応混合物を、エマルションが生成するように攪拌し、このエマルション
    を、酵素的反応が終了するまで維持し、そしてそうした上で、その酵素的反応の
    終了後に、対応する(R)-シアンヒドリンを反応混合物から単離することを特徴と
    する、上記方法。
  2. 【請求項2】 脂肪族、芳香族または複素芳香族アルデヒドまたは非対称性
    ケトンを反応させることを特徴とする、請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 シアニド基供与体として青酸を加えることを特徴とする、請
    求項1の方法。
  4. 【請求項4】 オキシニトリラーゼとして、プルナス・アミグダラス(Prunu
    s amygdalus)から得られる(R)-オキシニトリラーゼを使用することを特徴とする
    、請求項1の方法。
  5. 【請求項5】 希釈剤として、水と不混和性のまたは水と僅かに混和する脂
    肪族または芳香族炭化水素(これは場合によってはハロゲン化されていてもよい
    )、アルコール、エーテルまたはエステル、あるいはこれらの混合物が使用され
    ることを特徴とする、請求項1の方法。
  6. 【請求項6】 希釈剤として、メチル-tert.- ブチルエーテル、ジイソプロ
    ピルエーテル、ジブチルエーテル、酢酸エチル、またはメチル-tert.- ブチルエ
    ーテルとトルエンとの混合物を使用することを特徴とする、請求項1の方法。
  7. 【請求項7】 反応温度が0℃〜30℃であることを特徴とする、請求項1の
    方法。
  8. 【請求項8】 酵素的反応の終了後、対応する(R)-シアンヒドリンを反応混
    合物から単離するために、先ずエマルションを、濾過もしくは遠心分離によって
    または併合させることによって破壊し、次いで生じた各相を──場合によっては
    解乳化剤を加えて──分離し、そして生成物を含む相を後処理することを特徴と
    する、請求項1の方法。
  9. 【請求項9】 生成物含有相の後処理を、最終生成物に応じて、濾過、蒸留
    、抽出または結晶化によって行うことを特徴とする、請求項8の方法。
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