JP4372254B2 - 酵素による(s)−シアノヒドリンの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の利用分野】
本発明は、酵素による(S)−シアノヒドリンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
シアノヒドリンは例えばα−ヒドロキシ酸、α−ヒドロキシケトン、および生物活性物質、例えば製薬活性化合物、ビタミンまたはピレトリン類似化合物を得るために使用されるβ−アミノアルコールの合成にとって重要である。
【0003】
シアンヒドリンの製造はシアン化水素酸(HCN)をアルデヒドまたは非対称ケトンのカルボニル基に付加することによって行なうことができ、その際に非対称のシアンヒドリンのエナンチオマー混合物が生じる。
【0004】
一般に生物活性エナンチオマー混合物中の二種類のエナンチオマーの一方だけが生物活性を示すので、光学活性シアンヒドリンの(S)−エナンチオマーをできるだけ高純度で製造する方法を見出す試みが尽くされてきた。
【0005】
例えば Makromol. Chem. 186, (1985)、1755-62 には、アルデヒドを触媒としてのベンジルオキシカルボニル−(R)−フェニルアラニン−(R)−ヒスチジンメチルエステルの存在下にシアン化水素酸と反応させることによって(S)−シアノヒドリンを得る方法が開示されている。しかしながら得られる(S)−シアノヒドリンの光学的純度は極めて不満足なものである。
【0006】
ヨーロッパ特許出願公開(A)第326、063号明細書には、脂肪族−、芳香族−またはヘテロ芳香族アルデヒドまたはケトンとシアン化水素酸とを甘扁桃 (prunus amygdalis) からの(R)−オキシニトリラーゼ(EC 4.1.2.10)またはモロコシ属ビオカラー(Sorghum biocolor)からのオキシニトリラーゼ(EC 4.1.2.11)の存在下に反応させることによって光学活性の(R)−または(S)−シアンヒドリンを酵素的に製造する方法が開示されている。脂肪族(S)−シアノヒドリンの立体特異的製法の例は記載されていない。ヨーロッパ特許出願公開(A)第326、063号明細書にモロコシ属ビオカラー(Sorghum biocolor)からのオキシニトリラーゼの存在下にシアン化水素酸を使用したのでは脂肪族の(S)−シアノヒドリンを製造できないことを開示した発明者によってAngew. Chemie 102 (1990),No.4,第 423-425頁にこのことが言明されているので、驚くべきことではない。この発見は F.Effenberger等によって、Tetrahedron Letters Vol. 31 、No.9 (1990) 、第1249-1252 頁で確認されている。
【0007】
更にヨーロッパ特許出願公開(A)第632,130号明細書には、脂肪族アルデヒドまたは非対称脂肪族ケトンを立体特異的にシアン化水素酸またはパラゴム樹( Hevea brasiliensis )からのオキシニトリラーゼと反応させて(S)−シアノヒドリンを得る方法が開示されている。この反応は、有機溶剤がヨーロッパ特許出願公開(A)第632、130号明細書に記載されている様に酵素の活性を速やかに抑制するので、ヨーロッパ特許出願公開(A)第632,130号明細書に従って好ましくは有機溶剤を加えてない水性希釈状態で実施する。
【0008】
今日まで知られているこれらの方法は大抵は相当に薄めた状態で、水性系または有機系または二相系で実施された。しかしながらこのやり方は多くの原料物質にとって不利である。例えば3−フェノキシベンズアルデヒドまたは4−フルオロ−3−フェノキシベンズアルデヒドまたは種々のケトン類は好ましくない物質であり、満足な収率で良好な光学的純度のシアノヒドリンを製造するためには多量の酵素を使用する必要がある。
【0009】
沢山のカルボニル化合物、例えば脂肪族−、脂環族−、不飽和−、芳香族置換された脂肪族−、芳香族−およびまたヘテロ芳香族アルデホドおよびケトンから対応するシアノヒドリンを高収率および光学的高純度で得る反応が、従来に比較してより濃厚な状態で、そして反応をエマルジョン状態で実施する場合にはより僅かな酵素使用量で実施できることは予期できなかった。多くの蛋白質の場合には失活してしまうエマルジョンの条件、例えば高攪拌エネルギーのもとでの酵素活性が安定していることは予期できなかった。
【0010】
【発明の構成】
それ故に本願発明は、アルデヒドまたはケトンを天然のまたは組換え(S)−ヒドロキシニトリル−リアーゼの存在下にシアニド基供与体と反応させることによって光学活性シアノヒドリンの(S)−エナンチオマーを製造する方法において、
a) 水と混和しないかまたは僅かに混和する有期系希釈剤に溶解したアルデヒドまたはケ トン、
b) (S)−ヒドロキシニトリル−リアーゼ水溶液および
c) シアニド基供与体
より成る反応混合物をエマルジョンが生じる様に攪拌し、このエマルジョンを攪拌によって反応の終わりまで維持し、次いで対応する(S)−シアンヒドリンを反応の終了後に相分離によって反応混合物から分離することを特徴とする、上記方法に関する。
【0011】
本発明の方法で使用される出発物質はアルデヒドまたはケトン、シアニド基供与体、天然のまたは組換えヒドロキシニトリル−リアーゼ(Hnl)および水と混和しないかまたは僅かしか混和しない有機系希釈剤である。
【0012】
ここにおいてアルデヒドとは脂肪族−、芳香族−またはヘテロ芳香族アルデヒドを意味する。そして脂肪族アルデヒドとは飽和−または不飽和脂肪族の直鎖状の、枝分かれしたまたは脂環式アルデヒドを意味する。有利な脂肪族アルデヒドは直鎖状アルデヒド、特に炭素原子数2〜18、中でも炭素原子数2〜12のものであり、これらは飽和でもまたは単一−または多重不飽和でもよい。その際、アルデヒドはC−C二重結合およびC−C三重結合を有していても良い。あるいは非置換でも、または反応の条件のもとで不活性である基、例えば場合によっては置換されたアリール−またはヘテロアリール基、例えばフェニル−またはインドリル基、またはハロゲン原子、エーテル基、アルコール基、アシル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、ニトロ基またはアジド基で置換されていてもよい。
【0013】
芳香族−またはヘテロ芳香族アルデヒドの例にはベンズアルデヒドおよび色々に置換されたベンズアルデヒド、例えば3,4−ジフルオロベンズアルデヒド、3−フェノキシベンズアルデヒド、4−フルオロ−3−フェノキシベンズアルデヒド、および更にフルフラール、アントラセン−9−カルボアルデヒド、フラン−3−カルボアルデヒド、インドール−3−カルボアルデヒド、ナフタレン−1−カルボアルデヒド、フタルアルデヒド、ピラゾール−3−カルボアルデヒド、ピロール−2−カルボアルデヒド、チオフェン−2−カルボアルデヒド、イソフタルアルデヒドまたはピリジンアルデヒド類等がある。
【0014】
ケトン類としてはカルボニル炭素原子が不均等に置換されている脂肪族−、芳香族−またはヘテロ芳香族ケトンがある。脂肪族ケトンは飽和または不飽和の直鎖状の、枝分かれしたまたは環状ケトンがある。ケトンは飽和でもまたは単一−または多重不飽和でもよい。これらは非置換でも、または反応の条件のもとで不活性である基、例えば場合によっては置換されたアリール−またはヘテロアリール基、例えばフェニル−またはインドリル基、またはハロゲン原子、エーテル基、アルコール基、アシル基、カルボン酸基、カルボン酸エステル基、ニトロ基またはアジド基で置換されていてもよい。
【0015】
芳香族−またはヘテロ芳香族ケトンの例にはアセトフェノン、インドリルアセトン等がある。
【0016】
本発明に従う方法に適するアルデヒドおよびケトンは公知であり、慣用の方法で製造できる。
【0017】
シアン化水素酸はシアニド基供与体として添加する。シアン化水素酸はこの場合、それの塩の1種類、例えばNaCNまたはKCNから反応の直前にだけ放出されそして反応混合物に未希釈の状態でまたは溶解した状態で添加することができる。
【0018】
ヒドロキシニトリル−リアーゼ(Hnl)としては天然の(S)−ヒドロキシニトリル−リアーゼ、例えばキャッサバ(cassava)およびパラゴム樹(Hevea brasiliensis) からのものおよび組換え(S)−Hnlがある。天然のHnlとしてはパラゴム樹(Hevea brasiliensis) またはマニホット−エスクレンタ(Manihot esculenta)からのHnlを使用するのが有利である。適する組換え(S)−Hnlは例えば遺伝子変異微生物、例えばピヒア−パストリス(Pichia pastoris) またはビール酵母菌(Saccharomyces cerevisiae)から得られる。ピヒア−パストリス(Pichia pastoris) からの組換え(S)−Hnlを使用するのが有利である。
【0019】
メチロトロフェン酵母(Methylotrophic yeast)のピヒア−パストリス(Pichia pastoris)を官能的に過剰表現すると、このHnlは如何なる所望の量でも得ることができる(M. Hasslacher 等、J. Biol. Chem. 1996, 271, 第5884頁)。この表現システムは高い細胞密度で発酵させるのに特に適している。例えば1Lの発酵媒体当り約20gの純粋酵素を得ることが可能である。精製した組換え蛋白質の達成可能な比活性度は、パラゴム樹(Hevea brasiliensis) の木の葉から単離された天然の酵素のそれの約2倍である。細胞の崩壊後にシトソル(cytosolic)-フラクションを更に精製することなしに使用することができ、それによって作業経費が最小限にされる。酵素はグリコシル化されておらず、そして蛋白質部分を崩壊させる際に不活性化に導く配合団を有していない。
【0020】
Hnlは、活性を著しく損失することなしに数日の間室温で使用することができ、−20℃で十分に長期間安定している。結果として同じ酵素バッチを繰返使用することが可能である。この酵素は要するに溶剤に対しての高い安定性にも特徴がある。それ故に、エマルジョンの生成を許容する色々な有機溶剤を酵素反応に使用することが可能である。このことは個々の方法の再現性に有利に作用する。
【0021】
ヒドロキシニトリル−リアーゼは精製した状態でまたは非精製状態でそのまままたは固定して使用することができる。ヒドロキシニトリル−リアーゼは製造できそして例えば硫酸アンモニアでの沈殿処理および続いてのゲル濾過によって例えば D.Selmar 等、Physiologia Plantarum 75 (1989) 、第97-101頁に従って精製することができる。
【0022】
使用可能な有機系希釈剤は水と混和しないかまたは僅かだけ混和する脂肪族−または芳香族炭化水素および場合によってはハロゲン化されたアルコール、エーテルまたはエステルまたはそれらの混合物である。
【0023】
特にメチル第三ブチルエーテル(MTBE)、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテルおよび酢酸エチルまたはMTBEとトルエンとの混合物を使用するのが有利である。
【0024】
1gのアルデヒドまたはケトン当り約0.1〜10gの希釈剤および10〜10,000IU、特に約50〜2000IUのヒドロキシニトリル活性リアーゼを添加する。
【0025】
IU(国際単位)は、1分当りに1μモルの生成物を生成する触媒作用をする酵素の生産量を示している。必要とされる個々のヒドロキシニトリル−リアーゼの量は活性試験、例えば Selmar 等、Analytical Biochemistry 166 (1987)、第208-211 頁に従って精製する。
【0026】
使用されるアルデヒド基またはケト基1モル当り少なくとも1モル、好ましくは1〜5モル、特に好ましくは1〜2モルのシアニド基供与体を添加する。
【0027】
本発明の方法では、アルデヒドまたはケトンは有機系希釈剤に溶解されて存在している。酵素は水性の緩衝溶液の状態でこの溶液に添加される。この溶液のpHは7以下、好ましくは3〜6.5である。
【0028】
こうして得られる反応混合物をエマルジョンが得られる様に0℃〜約30℃の温度で攪拌する。そのためにこの場合に必要とされる攪拌機速度(N)は使用される攪拌機のいわゆる出力値(P0 )、攪拌機の直径(d)、反応容積(V)および反応媒体の密度(ρ)に左右される。攪拌エネルギー、即ち反応容積(反応混合物の容量であり、装置の容積ではない)当りの攪拌機出力はこれらのファクターから算出できる。
【0029】
本発明の方法での攪拌エネルギーは500W/m3 以上、殊に1000W/m3 以上であるのが有利である。これに比較して水性系、有機系または二相系で行なわれる今日まで知られている方法では、約100W/m3 の攪拌エネルギーしかである。
【0030】
反応混合物がエマルジョンとして存在する場合に、シアニド基供与体を添加する。エマルジョンは攪拌によって反応の終わりまで維持する。この場合、反応の過程はアルデヒド含有量の減少に基づき測光器で監視することができる。
【0031】
出発物質に依存して、測定は出発物質は吸収するが得られるシアノヒドリンは吸収しない波長について実施する。反応混合物の吸収は転化率の上昇に比例して減少する。
【0032】
シアン化水素酸の塩を使用する場合には、シアン化水素酸を最初に例えばH2 SO4 またはH3 PO4 を添加することによって塩の溶液から遊離してもよい。
【0033】
シアン化水素酸のこの溶液のpHは7以下、好ましくは4〜6.5であるべきである。
【0034】
酵素水溶液、有機系希釈剤およびアルデヒドまたはケトンを次いでシアン化水素酸溶液に添加し、反応を開始しそして必要な場合にはpHを再調整する。
【0035】
この他に、エマルジョンが生じる様に反応混合物を攪拌しそして反応の終わり頃まで攪拌によって維持する様に注意する必要がある。
【0036】
反応混合物を後処理しそして生じるシアンヒドリンを単離するために、エマルジョンを初めて解乳化する慣用の技術、例えば濾過、遠心分離または合体処理を使用する。次いで生じた相を、場合によっては解乳化剤を添加して分離しそして生成物含有相を後処理する。
【0037】
適当なシアンヒドリンを得るために最終生成物次第で公知の技術、例えば蒸留、抽出または結晶化処理をここで使用する。こうして得られるシアンヒドリンは場合によっては、後続の加工の前に酸の添加によって安定化してもよい。
【0038】
【実施例】
実施例1〜8:(S)−3−フェノキシベンズアルデヒド−シアノヒドリンの製造
実施例1
a)15g(0.0756モル)のm−フェノキシベンズアルデヒドを45mLのMTBEに溶解し、六枚羽根攪拌機を備えた150mLの二重ジェケット式容器中に導入しそして反応混合物を15℃にする。
【0039】
26.4mLの酵素[ピヒア−パストリス(Pichia pastoris) からのHnl:未希釈の細胞レイゼートを遠心分離した上澄み]を、33.6mLの脱イオン水(pH5.8)に1.5gのソルビトールを溶解した溶液に混入し、希釈クエン酸溶液を用いてpH5.5に調整しそして反応器に導入する。次いで3×5mLのHCNを3方向タップを備えたシリンジを介して添加する。この反応溶液はこの過程の間に既に600回転/分で攪拌されている。
【0040】
反応の間に、反応混合物がエマルジョンの状態で存在する様に800回転/分で攪拌する。反応の過程をアルデヒド含有量の減少に関連してIPにより監視する(304nmの吸光度)。この目的のために0.5〜1mLの反応溶液を除き、規定の反応時間の後に遠心分離処理する。100μLの有機相をMTBEで10mLに希釈し、それの250μLを再びMTBEで10mLに希釈して、総希釈度を100×40=4000倍に相当する。
【0041】
反応の終わり頃(転化率>95%)に吸光度は非常に小さくなり、正確さを高めるために二回目の希釈段階を省く。即ちこの場合の吸光度が転化率を計算する前に2回目の希釈ファクター(40)で割る。
【0042】
転化率(t)=[1−(吸光度(t)/吸光度(出発))]×100%
次の転化率が算出される:
【0043】
(反応の終わりでの伝導率0.8mS)
b)上記の反応を繰り返すが、1000回転/分で攪拌する。
【0044】
【0045】
(反応の終わりでの伝導率0.7mS)
c)比較のために上記の反応を更に繰り返すが、たった400回転/分で攪拌する。
【0046】
(反応の終わりでの伝導率0.8mS)
これらの3つのバッチの攪拌エネルギーは次の式で計算した:
P0 :攪拌機の出力値、
ρ:密度 [ kg/m3]
N:攪拌機速度[ rpm]
d:攪拌機の直径(m)
V:反応容積[m3 ]
実施例2
実施例1と同様に225mLのMTBEに75g(0.378モル)のm−フェノキシベンズアルデヒドを溶解した溶液および132mLの酵素溶液を、六枚羽根攪拌機を備えた750mLの二重ジェケット式容器中で73mL(1.89モル)のHCNと反応させる。
【0047】
エマルジョンを得るために攪拌を770回転/分で実施する。これは約1150W/m3 の攪拌エネルギーに相当する。
【0048】
(1.5時間後に反応が完了する)
後処理:
150mLの反応混合物を75mLのMTBEと一緒に震盪し、ガラスウールが充填されたカラム(高さ:9cm、直径3cm)に低圧で通す。流出液は透明な有機相および黄色の僅かに濁った水性相とより成る。次いで別の未希釈の反応混合物300mLを次いで同じカラムに通し、透明な相分離物を同様に得る。少量の固体がカラムで富化し、そを水およびMTBEで除く。次いで相分離のために再びカラムが使用できる。
【0049】
MTBE相を集めそして回転式蒸発器で濃縮する。
【0050】
残留物:(S)−3−フェノキシベンズアルデヒド−シアノヒドリン(SCMB)52.7g(92%)。
【0051】
実施例3
13.8g(0.28モル)のNaCNを12mLの脱イオン水に溶解し、丸底フラスコに入れそして水で濯ぐ(90mLになる)。10%のH2 SO4 を滴加ロートから氷で冷しながら添加して5.6のpHにする。こうして得られる混合物を、六枚羽根攪拌機を備えた750mLの二重ジェケット式容器中に導入する。26.4mLの酵素[ピヒア−パストリス(Pichia pastoris) からのHnl:未希釈の細胞ライゼートを遠心分離した上澄み:850IU/mL]を水で130mLに希釈しそして同様に反応器に導入する。この反応混合物のpHを5.5に再度調整し、180mLのMTBEおよび31g(0.156モル)のm−フェノキシベンズアルデヒドを添加しそして反応を開始する。攪拌は500回転/分(3.8kW/m3 )で実施し、エマルジョンを得る。反応の過程を再び吸光測定により監視する。
【0052】
実施例4
実施例3と同様に、6.9g(0.141モル)のNaCN、15.5g(0.0781モル)のm−フェノキシベンズアルデヒド、45mLのMTBE中26.4mLの酵素(850IU/mL)および16.1mLの水を、六枚羽根攪拌機を備えた150mLの二重ジェケット式容器中でpH5.6(10%濃度H2 SO4 を使用して調整)で反応させる。この反応混合物をエマルジョンが生じる様に攪拌する。
【0053】
攪拌速度は最初に1000回転/分である。攪拌機の寸法から、反応装置の表示出力は1860回転/分に初めて達することが算出される。この回転数は2.5時間後にこの値に増加する。
【0054】
150分後にこの攪拌機速度に増加する結果として、反応が著しく早められる。
【0055】
実施例5
実施例4と同様に、13.8g(0.28モル)のNaCN、31gのm−フェノキシベンズアルデヒド、45mLのMTBE中26.4mLの酵素および220mLの水を、六枚羽根攪拌機を備えた750mLの二重ジェケット式容器中でpH5.6(10%濃度H2 SO4 を使用して調整)で反応させる。この反応混合物をエマルジョンが生じる様に再び攪拌する。攪拌速度は550回転/分である(実際の反応容積について計算して5.1kW/m3 )。
【0056】
反応時間 吸光度 転化率
0
90 0.20 約70
165 0.047 約90
210 0.041 約95
後処理をガラス製カラムに通すことによって実施する:
生成物を溶剤を留去することによって純粋な状態で得る。分析用サンプルを採取し、ジクロロメタン中での塩化アセチルとの反応によって慣用の方法でアセチル化しそしてその残留アルデヒド含有量およびそのエナンチオマー過剰量をガスクロマトグラフィ−カラムでのクロマトグラフィーによって測定する:
GC分析:転化率97%
e.e.98%
実施例6
88mLの酵素(850IU/mL)を112mLの水と混合し、0.1%濃度のクエン酸によってpH5.5に調整しそして六枚羽根攪拌機を備えた750mLの二重ジェケット式容器中に導入する。50g(0.252モル)のm−フェノキシベンズアルデヒドを150mLのMTBEに溶解しそして酵素溶液に添加する。反応混合物を15℃とし、エマルジョンが存在する様に500回転度/分(6kW/m3 )で攪拌する。12.3g(0.454モル)のHCNを滴加ロートを通して30分の間に添加する。反応の過程を再び測光分析によって監視する。
【0057】
反応混合物をガラスウールの充填されたカラムで相分離することによって後処理する。
【0058】
実施例7
パラゴム樹 (Hevea brasiliensis) からの4gの天然(S)−ヒドロキシニトリル−リアーゼ(Hnl)を100mLのクエン酸ナトリウム緩衝液(5mmol)に懸濁させ、室温で2.5時間攪拌しそして遠心分離しそして上澄み液を回転式蒸発器(30℃、1mbar)で10mLに濃縮する。活性(348IU/g)を測定した後に、酵素を25mLの丸底フラスコに移し、そして1g(5mmol)のm−フェノキシベンズアルデヒドおよび1.5mLの第三ブチルメチルエーテル(MTBE)を添加する。
【0059】
こうして得られた反応混合物を次いで約1kW/m3 の攪拌エネルギー(マグネットスタラー)のもとでエマルジョンが生ずるまで0〜5℃で攪拌する。0.3mLのHCN(7.7mmol)を次に迅速に滴加しそして攪拌エネルギーを低下させることなく攪拌を0〜5℃で23時間継続する。
【0060】
反応の過程をm−フェノキシベンズアルデヒド含有量の減少をチェックするIPにより監視する(304nmで測光的に測定する)。
【0061】
反応溶液を反応の完了後に遠心分離し、酵素を除きそして残留溶液を2.5mLのMTBEで希釈し、震盪しそして再び遠心分離する。
【0062】
(S)−3−フェノキシベンズアルデヒド−シアノヒドリンが有機相に残留物として残る。(e.e.=90.6%、純度91.4%)(ガスクロマトグラフィーで測定)。
【0063】
転化率は23時間後に92.7%である。
【0064】
比較実験
Tetrahedron 、第52巻、No.23 、第7833-7840 頁と同様に、(S)−3−フェノキシベンズアルデヒドを、ピヒア−パストリス(Pichia pastoris) からのHnlを使用して、m−フェノキシベンズアルデヒドとKCNとの反応によって水性クエン酸緩衝液(pH=4.0〜4.5)(HCNはその場で製造)中で製造する。この場合、攪拌エネルギーは約100kW/m3 である。
【0065】
(S)−3−フェノキシベンズアルデヒドがe.e.=99%の光学純度で得られるが、収率は9%である。
【0066】
実施例8
12.5mLのMTBEに45.6g(0.23モル)のm−フェノキシベンズアルデヒドを溶解した溶液、12.5mLのトルエンおよび52.9mLの蒸留水および12.5mLの酵素[ピヒア−パストリス(Pichia pastoris) からのHnl:5.2kU/mL]を、バッフル、パーフューサーポンプ(perfusor pump)、冷却器、温度計およびKPG攪拌機(3cm)を備えた不活性化された100mLのSchmizo装置中に充填し、こうして得られる反応混合物を約20℃の温度に維持する。
【0067】
この反応混合物を950回転/分(3.2kW/m3 の攪拌エネルギー)で攪拌してエマルジョンを製造する。
【0068】
次いでエマルジョンを得た後に、12.6mLのシアン化水素酸(H2 SO4 を用いてNaCNから放出される)を60分に渡って継続的に計量供給する。
【0069】
このエマルジョンを強力攪拌(950回転/分)の下で2.5時間保持する。反応の過程をアルデヒドの含有量の減少をチェックするIPにより監視する。
【0070】
反応時間 吸光度 アルデヒド含有量
滴加の終了1時間後 0.978 >30 %
1.5時間 0.396 10.3%
2 時間 0.213 5.6%
2.5時間 0.136 3.1%
反応溶液を後処理するために、更に25mLのMTBEおよび25mLのトルエンを添加しそして20分攪拌する。
【0071】
反応混合物を室温で夜通し放置する。
【0072】
15時間の放置時間の後のIPチェックで1.8%のアルデヒド含有量が測定された。
【0073】
次いでこの反応溶液を30分間、3000回転/分で遠心分離処理し、上澄み有機相を吸引濾過しそして250mLの丸底フラスコに移す(有機相1:83.55g)。水性相を反応器に戻し、更に25mLのMTBEおよび25mLのトルエンを添加しそして900回転/分で20分攪拌する。次いでこの混合物を30分遠心分離する。
【0074】
一緒にした有機相中に残留物としてSCMBが残る。
【0075】
(e.e.98%、転化率:92%)
実施例9(S)−4−フルオロ−3−フェノキシベンズアルデヒド−シアンヒドリン
実施例8と同様に、40mLのMTBE中の10.8g(0.05モル)の4−フルオロ−3−フェノキシベンズアルデヒドおよび15mLの酵素[ピヒア−パストリス(Pichia pastoris) からのHnl:5.2kU/mL]を含有する20mLの水を8mLのHCN(硫酸によってNaCNから遊離したもの)と10〜15℃で反応させる。シア化水素酸を30分にわたって継続的に計量供給する。エマルジョンを得るために調整された攪拌速度は950回転/分である。
【0076】
4時間後に攪拌速度を500回転/分に落とし、反応混合物を12−15℃で15時間攪拌する。全部で20時間の後に、アルデヒド含有量は>5%である。反応溶液を測定用シリンダーに流し込み(収量:68.72g)、次いで3000回転/分で20分遠心分離する。有機相を取り出し(有機相1)、水性相を反応器に移し、20mLのMTBEで処理しそして900回転/分で20分攪拌する。次いで再び20分間遠心分離し、有機相を引き出しそして有機相1と一緒にする。
【0077】
一緒にした有機相を次いで回転式蒸発器で濃縮する。
収量:11.45gの(S)−4−フルオロ−3−フェノキシベンズアルデヒド−シアンヒドリン
(理論値:12.11g)94.55%
e.e.:95.43%
実施例10:(S)−3,4−ジフルオロ−ベンズアルデヒド−シアノヒドリン
実施例8と同様に、40mLのMTBE中の8.2g(0.05モル)の3,4−ジフルオロベンズアルデヒド、20mLのH2 Oおよび15mLの酵素[ピヒア−パストリス(Pichia pastoris) からのHnl:5.2kU/mL]を、10〜15℃で9mLのシアン化水素酸(NaCNから遊離される)と反応させる。
【0078】
攪拌速度は再び950回転/分である。
【0079】
この時にシアン化水素酸を1度に添加する。反応の過程はチェックするIPによって監視する。
【0080】
3.5時間の反応時間の後に、アルデヒドはかろうじて検出でき、4.5時間後にアルデヒドの更なる変化は認められない。
【0081】
反応溶液(62.5g)を実施例9と同様に後処理する。
【0082】
収量:8.25g(97.74%)の(S)−3,4−ジフルオロ−ベンズアルデヒド−シアノヒドリン(理論値8.44g)
e.e.:95.61%
実施例11:
8mmolの3−メチル−2−ブタノン(860μl)を2.4mLのメチル第三ブチルエーテルに溶解し、0℃に冷却する。750IUの酵素水溶液[ピヒア−パストリス(Pichia pastoris) からのHnl]の添加後(有機相と水性相との比は0.75:1.0であり、クエン酸でpH4.0に調整してある)、反応容器を耐圧密封し、エマルジョンが生じる様に攪拌する。40mmol(1.52mL)のシアン化水素酸を0℃で添加し、次いで攪拌し続ける。反応の過程をC=O結合(1720cm-1)の減少をチェックするIR分光分析によって監視する。3−メチル−2−ブタノンは2分後に完全に反応している。
【0083】
反応溶液の相を分離し、水性相をMTBEで数度処理し、こうして得られるMTBE溶液を一緒にする。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥しそして溶剤を40℃、20mbarで留去する。
【0084】
(S)−2−ヒドロキシ−2,3−ジメチルブタンニトリルが残留物として残る。
【0085】
e.e.=98%(ガスクロマトグラフィーで測定)
転化率は99%である。
【0086】
実施例12:
1250μLの4−メチル−2−ペンタノン(10mmol)を攪拌下に3mLのメチル第三ブチルエーテルに溶解し、0℃に冷却する。3.9mL(585IU/mmol)の酵素水溶液[ピヒア−パストリス(Pichia pastoris) からのHnl]を添加する。この酵素溶液をクエン酸を用いて予めpH=4.5に調整する。この混合物を5−10分攪拌する。エマルジョンの生成後に50mmol(1.9mL)の無水シアン化水素酸を一度に速やかに添加し、反応容器を耐圧密封し、そしてこの混合物を0℃で5分攪拌する。次いでこの反応溶液の各相を分離し、水性相をメチル第三ブチルエーテルで数回処理しそしてこうして得られるMTBE溶液を一緒にする。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥しそして溶剤を減圧下に除く。
【0087】
(S)−2−ヒドロキシ−2,4−ジメチルペンタンニトリルが残留物として残る。
【0088】
ガスクロマトグラフィー分析で>99%のエナンチオマー過剰が判明し、IRスペクトロスコピーは86%の転化率を明らかにする。
【0089】
実施例13:
4.6mmolの2−ペンタノン(493μl)を2.4mLのメチル第三ブチルエーテルに0℃で攪拌下に溶解する。3.2mLの酵素溶液[ピヒア−パストリス(Pichia pastoris) からのHnl:1050IU/mmol]を、クエン酸でpH4.0に調整し、次いで初めて添加する。この後で混合物を5〜10分攪拌し、25mmol(973μL)の無水シアン化水素酸を、得られるエマルジョンに添加する。
【0090】
反応容器を耐圧密封し、0℃で5分間攪拌する(1000回転/分)。反応の過程をC=O結合(1720cm-1)の減少をIR分光分析によって監視する。IR分光分析によると、この時間の後に転化が終了する。反応溶液の各相を互いに分離し、水性相をMTBEで数度処理し、こうして得られるMTBE溶液を一緒にしそして反応溶液に添加する。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥しそして溶剤を40℃、20mbarで留去する。
【0091】
(S)−2−ヒドロキシ−2−メチルペンタンニトリルが残留物として残る。
【0092】
e.e.=74%(ガスクロマトグラフィーで測定)
実施例14:
1210μLの2−ヘキサノン(10mmol)を4mLのメチル第三ブチルエーテルに攪拌下に溶解し、0℃に冷却する。3.9mLの酵素水溶液[ピヒア−パストリス(Pichia pastoris) からのHnl:585IU/mmol]の添加後に、反応容器を耐圧密封し、そしてこの混合物をエマルジョンが生じるまで攪拌する。50mmol(1.9mL)の無水シアン化水素酸を一度に速やかに添加し、次いで0℃で5分攪拌する。各反応相を互いに分離し、水性相をメチル第三ブチルエーテルで数回処理しそして一緒にしたMTBE溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥しそして減圧下に溶剤を除く。
【0093】
(S)−2−ヒドロキシ−2−メチルヘキサンニトリルが残留物として残る。
【0094】
ガスクロマトグラフィー分析で98.5%のエナンチオマー過剰および58.5%の転化率が判った。
【0095】
実施例15:
5mmolのアセトフェノン(580μl)を1.9mLのメチル第三ブチルエーテルに溶解し、0℃に冷却する。2.5mLの酵素溶液[ピヒア−パストリス(Pichia pastoris) からのHnl:750IU/mmol]を、クエン酸でpH3.75に調整し、反応混合物に添加する。次いでこれを5〜10分攪拌する。25mmol(973μL)の無水シアン化水素酸を、得られるエマルジョンに添加する。次いで反応容器を耐圧密封し、0℃で5分間攪拌する。反応の過程をIR分光分析によって監視する。反応溶液の各相を互いに分離する。水性相をメチル第三ブチルエーテルで数度処理し、MTBE溶液を一緒にする。有機相は無水硫酸ナトリウムで乾燥しそして溶剤を減圧下に除く。
【0096】
(S)−2−ヒドロキシ−2−メチルフェニルアセトニトリルが残留物として残る。
【0097】
e.e.=99%
IR分光分析にて転化率38%が判る。
【0098】
実施例16:
580μLのアセトフェノン(5mmol)を1.9mLのジイソプロピルエーテルに攪拌下に溶解し、0℃に冷却する。2.5mLの酵素水溶液[ピヒア−パストリス(Pichia pastoris) からのHnl:750IU/mmol]を添加し、この酵素溶液をクエン酸を使用して予めにpH5.0に調整する。この混合物を5−10分攪拌し、そしてエマルジョンが生じた後に、25mmol(0.95mL)の無水シアン化水素酸を一度に速やかに添加する。反応容器を耐圧密封し、この反応溶液を更に5分、0℃で攪拌する。反応溶液の各相を互いに分離し、水性相をメチル第三ブチルエーテルで数回処理しそしてこうして得られるMTBE溶液を一緒にする。有機相を無水硫酸ナトリウムで乾燥しそして溶剤を減圧下に除く。
【0099】
2−ヒドロキシ−2−メチルフェニルアセトニトリルが残留物として残る。
【0100】
ガスクロマトグラフィー分析で99%のエナンチオマー過剰が判明し、IR分光分析で40%の転化率が明らかになる。
Claims (7)
- アルデヒドまたはケトンを天然のまたは組換え(S)−ヒドロキシニトリル−リアーゼの存在下にシアニド基供与体と反応させることによって光学活性シアノヒドリンの(S)−エナンチオマーを製造する方法において、
a) 水と混和しないかまたは僅かに混和する有機系希釈剤に溶解したアルデヒドまたはケトン、
b) (S)−ヒドロキシニトリル−リアーゼ水溶液および
c) シアニド基供与体
より成る反応混合物をエマルジョンが生じる様に500W/m3 以上の攪拌エネルギーで攪拌し、このエマルジョンを攪拌によって反応の終わりまで維持し、次いで対応する(S)−シアンヒドリンを反応の終了後に相分離によって反応混合物から分離することを特徴とする、上記方法。 - 脂肪族−、芳香族−またはヘテロ芳香族アルデヒドまたは非対称ケトンを反応させる請求項1に記載の方法。
- 添加されるシアニド基供与体がシアン化水素酸である請求項1に記載の方法。
- 使用されるヒドロキシニトリル−リアーゼがマニホット−エクスレンタ(Manihot esculenta) またはパラゴム樹(Hevea brasiliensis)からの天然の(S)−ヒドロキシニトリル−リアーゼ、またはピヒア−パストリス(Pichia pastoris) またはビール酵母菌(Saccharomyces cerevisiae)から製造される組換え(S)−ヒドロキシニトリル−リアーゼである請求項1に記載の方法。
- 使用される希釈剤が水と混和しないかまたは僅かに混和する場合によっては水素化された脂肪族−または芳香族炭化水素、アルコール、エーテルまたはエステルまたは混合物である請求項1に記載の方法。
- 使用される希釈剤がメチル第三ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、酢酸エチルまたはメチル第三ブチルエーテルとトルエンとの混合物である請求項1に記載の方法。
- 反応温度が0℃〜30℃である請求項1に記載の方法。
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