JP2003519460A

JP2003519460A - 外科流体収集方法及び装置

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Publication number: JP2003519460A
Application number: JP50273399A
Authority: JP
Inventors: クリスチャン，ジェフリー，ジェイ; ディロー，デイビッド，カーティス
Original assignee: フェムレックス・インコーポレイテッド
Priority date: 1997-06-03
Filing date: 1998-06-01
Publication date: 2003-06-17
Also published as: ATE279951T1; US6152902A; DK0983098T3; WO1998055164A1; DE69827128T2; EP0983098A1; PT983098E; EP0983098A4; ES2230693T3; DE69827128D1; EP0983098B1

Abstract

(57)【要約】外科流体収集装置、システム１０及び方法では、各コンテナの１つの流入口２２と１つの流出口２４を用いて個々のコンテナ１２を直列に接続する。外科流体は各コンテナ内の使い捨てライナー２６内に封止される。ほとんどの実施形態では、ライナーの一方向バルブ３４は、外科流体をライナー内に封止して周囲の真空チャンバ５３へこぼれるのを防ぎ、また、ライナーを横切る圧力を等しくする。この構造により、内部が大容量の柔軟な安価なライナーを使用でき、複雑な圧力均一化構造を用いる必要がなくなる。大容量の収集流体に伴う大きな圧力に耐えることのできる滅菌ポリマー容器２８も提供する。

Description

【発明の詳細な説明】

背景技術１．発明の技術分野本発明は医療方法及び装置に関し、特に、最小侵襲性電気外科手術や他の処置の間に外科流体を収集する装置、システム及び方法を提供する。電気焼灼装置は一般的外科道具として、特に、経子宮頚線維腫除去等の処置に長年使用されている。一般的な線維腫除去では、子宮に十分な流体圧力の下で流体を注ぎ、子宮壁を分離して、観察に適した手術部位を形成する。この方法は一般に子宮腔拡張として説明される。流体を注ぐ間、電気焼灼用手術道具を頚部に通して子宮内に配置する。高電圧の電流を外科器具のカッティング面から手術部位へ流す。電気外科装置は単極でも二極でもよく、拡張流体は非伝導性でも伝導性でもよい。電流をカッティング面に集中させる。組織の電流に対する抵抗により生じる熱は十分に高く、カッティング面近くの細胞を蒸発させる。従って、切断動作に対してほとんど物理的抵抗がない状態で切断でき、切断による熱は小さな血管を焼灼して、可視性の維持とコントロールを助ける。従来、大量の組織を電気外科的に切除するには、中間的に内部の手術部位を流体で洗い流し、切った組織と電気外科的残骸を取り除く必要がある。このような中間流体洗浄により画像の品質が回復するが、線維腫除去の間対象となる子宮内膜組織を完全に取り除くのに必要な時間が非常に延びる。より最近では、電気外科切除の速度を大きく増大させる連続組織除去方法と装置が開発された。特に、切除の間、切った組織を断片化して取り除く細切除具を含む切除装置が開発された。さらに、現在では、視覚化スコープの方向から手術部位に連続して流体を流して画像品質を保ちながら、粗い電気外科的気化を用いて組織を除く。これらの新しい改善された方法の各々では、従来の電気手術の中間流体洗浄と比較すると、全流体量が大分増加する。また、レーザー気化、マイクロウェーブ加熱（しばしば冷却流体を用いる）、組織を直接切除するための加熱及び／又は冷却流体等と共に、大量の流体を用いる様々な他の手術方法が開発されている。従って、現在では、最小侵襲性治療と従来の治療の両方を含む様々な治療で大量の外科流体を使用する。これら大量の外科流体の収集と廃棄がますます問題となってきている。現在、様々な流体収集装置が入手可能である。残念なことに、既存の外科流体収集システムはしばしばコンテナサイズが小さくデザインされているが、これは中間流体洗浄にはほぼ十分である。血液や他の手術残骸によりもたらされる危除がますます認知されるにつれて、これら既知の小さな装置は使い捨てライナーを含むように改善された。既知のライン化収集システムには主に２つの欠点がある。一つは、コンテナ内の真空によりしばしば流体が手術部位からライナー内に引き込まれ、既知のコンテナ構造体が最近の流体容積の大きさを採ろうとするとしばしば圧力負荷で崩壊する。即ち、増加した量の外科流体を収容するために既存のライナーのサイズをただ大きくするだけでは、ライナー及び／又は周囲の真空チャンバ構造体に大きな圧力負荷がかかることになるので、巨大で高価な構造体が必要となる。既存の外科流体収集システムの第二の主な欠点は、多くの小さなコンテナと使い捨てライナーを収容するためには、しばしば複雑なチューブの配設が必要となることである。この複雑さにより、据え付け及び取り外し時間が増え、据え付けを間違える恐れが高まり、さらに、ライナーを外して除く間に汚染された外科流体がこぼれる可能性が非常に高くなる。上記の観点から、改善された外科流体収集装置と方法が提供されることが望ましい。このような改善された装置と方法が、多くの最新の最小侵襲性手術の副生成物である大量の外科流体を収容できるのが特に望ましい。このような改善された装置と方法は、シンプルな接続構造を有し、関わる医療従事者にとって最小の危険性で外科流体を容易にかつ安全に廃棄できるのが特に望ましい。２．背景技術の説明米国特許第４，５１６，９７３号は、硬い（硬質）カバーを有するワンピース使い捨て収集バックを示している。米国特許第４，６７５，０１０号は柔軟な使い捨て収集バックを使用する胸部排液収集システムと方法を示している。米国特許第５，４７０，３２４号は非還流吸引キャニスターシステムを示している。米国特許第５，２７９，６０２号は吸引排液感染制御システムを示し、米国特許第５，４３７，８３６号は体液を含む廃棄液体の処理方法とコンテナを示している。米国特許第５，２３４，４１９号及び同第５，１８５，００７号は吸引排液感染制御システムを示している。米国特許第４，４１９，０９３号、同第４，３２１，９２２号、同第３，７４５，９９９号は、体からの流体を受けて処置する方法と関係する装置を示している。米国特許第５，１１２，３２３号は巻き排出器を示している。米国特許第４，９３０，９９７号、同第４，７９８，５７８号、同第４，７９５，４４８号、同第４，７７５，３６０号、同第４，５２２，６２３号、同第４，３４６，７１１号、同第４，０６０，１０７号、同第３，８４５，７６５号、同第３，７０４，７０９号、同第３，６９９，８１５号も関係する。発明の開示本発明は大容量の外科流体の収集に特に適した外科流体収集装置、システム及び方法を提供する。このシンプルな収集システムでは、各コンテナの１つの流入口と１つの流出口を用いて個々のコンテナを直列に接続する。一般に、コンテナは硬質容器の真空チャンバ内に使い捨てライナーを含む。ライナーの一方向バルブは、流体が周囲の真空チャンバにこぼれるのを防ぎ、また、空気を周囲の真空チャンバからライナーの内部に通し、ライナーの内側から真空引きするときにライナーを横切る圧力を等しくする。この構造により、内部が大容量の安価なライナーを使用でき、圧力を等しくするために複雑なチューブ構造を用いる必要がなくなる。また大容量の収集流体に伴う大きな圧力に耐えることのできる滅菌ポリマー容器も提供する。第一の態様では、本発明は少なくとも１つのコンテナを有する外科流体収集器を提供する。各コンテナは、硬質容器本体と蓋とを有する容器を有する。容器本体は開口端を有し、蓋は開口端を封止でき真空チャンバを形成する。ライナーを容器の真空チャンバ内に配置でき、ライナーはライナー内部を形成する。真空口及び流体入口は、硬質容器を通ってライナーの内部へ流体を連通させる。バルブがライナーの内部とライナーを囲む真空チャンバの間に配置される。バルブは、ライナーの内部への流れを許容するが、ライナーの内部から周囲の真空チャンバへ外科流体が流れるのを防ぐ。従って、バルブは、真空口を通して真空引きするとき、ライナー材料を横切る圧力を等しくする。一般にバルブはシンプルで低コストな信頼性の高い一方向バルブである。他の態様では、本発明は複数のコンテナを有する外科流体収集システムを提供する。各々のコンテナは、真空チャンバを形成する硬質容器を有する。ライナーを容器の真空チャンバ内に配置でき、ライナーはライナー内部を形成する。真空口及び流体入口は、硬質容器を通ってライナーの内部へ流体を連通させる。外科流体流入チューブを第一のコンテナの入口バルブと接続させて患者の体から外科流体を排出する。コンテナ間チューブを第二のコンテナの入口と第一のコンテナの真空口に接続する。従って、第一のコンテナのライナーが充満したとき、外科流体は第一のコンテナのライナーを通って第二のコンテナのライナーへ流れる。ほとんどの実施形態では、各ライナーは少なくとも５リットルの外科流体を保持し、組み合わせたライナーの容量は少なくとも外科流体２０リットルである。他の態様では、本発明は使い捨て外科流体収集ライナーと共に使用する硬質容器を提供する。ライナーはライナー内部を形成し、ライナーの内部への流れを許容するがライナーの内部から外科流体が流れるのを防ぐバルブを有する。容器は、開口端を有する硬質ポリマー本体を有する。蓋は本体の開口端を封止でき、真空チャンバを形成する。真空チャンバの容積は少なくとも５リットルである。第一の通路及び第二の通路は本体又は蓋のいずれかを通って延び、ライナーの内部へ流体を連通させる。さらに他の態様では、本発明は硬質容器と共に使用する使い捨て外科流体収集ライナーを提供する。容器は真空チャンバを形成し、真空チャンバに入る第一の通路及び第二の通路を有する。ライナーは、ライナーの内部の境界をなす柔軟ポーチを有する。真空口は容器の第一の通路を通ってライナーの内部へ流体を連通させ、流体入口は同様に第二の通路を通ってライナーの内部へ流体を連通させる。バルブがライナーの内部とライナーを囲む真空チャンバの間に配置される。バルブはライナーの内部への流れを許容するが、ライナーの内部から周囲の真空チャンバへ外科流体が流れるのを防ぐ。本発明による方法では、柔軟ライナーを硬質真空チャンバ内に入れ、真空源をライナーの内部と接続して、ライナー内を真空引きする。一方向バルブにより、ライナーを囲む真空チャンバ内に真空を分配させる。患者の体から真空ライナーへ外科流体を吸引し、一方向バルブにより、ライナーから周囲の真空チャンバ内へ外科流体がこぼれるのを防ぐ。

【図面の簡単な説明】

図１は本発明の原理による外科流体を収集するためのシステムと方法を示す図である。図２は図１のシステムに使用する使い捨て外科流体コンテナライナーを示す図である。図３は図１のシステムに使用する硬質ポリマー容器の分解図である。図４は図１のシステムに使用する外科流体コンテナの断面図であり、図２のライナーは図３の硬質容器内に取り外し可能に配置されている図である。図５Ａ，図５Ｂは別の容器とライナーの斜視図であり、ライナーのリムにあるガスケットは容器の蓋と本体の間の封止を助け、柔軟チューブにあるピンチバルブはライナー内に外科流体を封止できることを示す図である。実施形態の詳細な説明本発明によれば、外科流体を、シンプルな直列構造で接続する大きな流体貯蔵器に収集できる。このシンプルな構造により、流体収集システムの据え付けや取り外しが容易になり、さらに収集した外科流体の移送と廃棄をより容易にかつ安全に実施できる。従って、本発明は、最小侵襲性外科処置、開口外科処置、術後ケア等の様々な幅広い医療方法に使用できる。本発明の外科流体コンテナ、システム及び方法に最も適した用途は、胸部、骨盤領域及び関節の最小侵襲性手術であり、特に、このような最小侵襲性手術を、塩水、ソルビトール、マンニトール、ソルビトール−マンニトール又は他の伝導性又は非伝導性流体媒体で内部の手術部位を注いで実施する場合である。本発明は特に子宮内膜の内面の切除及び／又は切断に適する。図１に示すように、外科流体収集システム１０は、直列に接続する４つの外科流体コンテナ１２を含む。各コンテナ１２には一対の口１４がある。チューブ１６が、コンテナ１２を、真空源１８と、患者２０からの外科流体源に接続する。例えば、１９９５年１０月１２日に出願された係属中の米国特許出願番号０８／５４２，２８９号に記載されているように、チューブ１６を用いて、コンテナ１２を子宮内膜切除プローブに接続してもよい。この特許出願の開示は参考としてここに援用する。一般にコンテナ１２を組み合わせた容積は少なくとも約１０リットルであり、好ましくは、約２０リットルより大きくて、最近開発された幾つかの最小侵襲性手術で使用する大量の外科流体を収容する。このような大量の流体を収容するために、好ましくは、各コンテナ１２の容量は約５リットルより大きく、理想的には約８リットルである。このため、４つのコンテナを有する流体収集システム１０の総容量は約３２リットルになる。この総容量は、システム１０にコンテナ１２を追加して接続することにより、容易に変えることができる。一般に、たくさんのコンテナとコンテナ間接続チューブによりもたらされる複雑化を避け、さらに充満した各コンテナの重量を制限して取扱いと廃棄を容易にするため、３個乃至７個のコンテナを用いる。各コンテナ１２では、口１４の１つは流体入口２２として機能し、ここを通って患者からの外科流体がコンテナに入る。同様に、他の口１４は真空口２４として機能し、ここを通って真空源１８はコンテナ内の内圧を下げる。１つのコンテナが所定の容量に達したら、入口２２から入った外科流体はコンテナ１２を通って真空口２４から出て、他のコンテナ内に貯蔵される。１つの口を真空引きのため及びあふれる外科流体を隣のコンテナに移すために使用するので、コンテナ毎に２つの口だけで外科流体収集システム１０を操作できる。このシンプルな直列又は「ヒナギクをつないだ花輪(daisy-chain)」のような接続により、外科スタッフは、患者２０と真空源１８の間に一列に接続するコンテナ１２の数をただ増やしたり減らしたりするだけで、流体収集システム１０の容量を変えることができる。さらに、チューブ１６には分枝した接続がないので、残留量が最小となり、術後の洗浄が簡単になる。流体を収集した後、空気をシステムに通すと、残留外科流体をチューブから除去して全てコンテナ１２に入れることが容易となり、収集システム１０の部品を分離する間こぼれる可能性を最小にできる。図２乃至図４に示すように、各コンテナ１２には一般に使い捨てライナー２６と硬質容器２８がある。ライナー２６は柔軟なポリマーポーチ３０を含み、このポーチ３０は半硬質又は硬質の蓋３２の下方の周辺付近で封止される。蓋３２は一方向バルブ３４、封止キャップ３６及び一対のノックダウンバルブ３８を支持する。リム４０が蓋３２から放射状に延び、リムのかなりの部分は周囲スロット４２により蓋３２から分離している。外科流体４４（図４参照）はライナー２６の内部４６に収容される。ライナー内部４６は、ブレイクダウンバルブ３８、キャップ３６及び一方向バルブ３４を除いて、柔軟ポーチ３０と蓋３２に囲まれ封止される。一般に柔軟ポーチ３０は塩化ポリビニル（ＰＶＣ）等のポリマーから製造するが、他の様々な物質から製造してもよい。同様に、蓋３２は理想的にはアクリルブタジエンスチレン（ＡＢＳ）から製造するが、他の様々な物質から製造してもよい。一般に蓋３２は、外科流体４４の重さを支えながらその形状をほぼ維持できるのに十分な強度を有し、容器２８から使い捨てライナー２６を取り除くのを容易にする。一方向バルブ３４は、ライナー２６の外側からライナー内部４６への流れを可能とするが、ライナー内部からその周囲環境への流れは妨げるように構成される。従って一方向バルブ３４は、一度ライナーが満杯になったらライナー内部４６から外科流体が流出するのを防ぐ。一方向バルブ３４は、好ましくは、シンプルなダイアフラムフラッパバルブ（例えば、ニューヨーク、エッジウッドのＱｏｓｉｎａ社からモデルＮｏ．５１４６５で市販されているもの）である。封止キャップ３６により、充満したライナー２６を捨てる前に、検査及び／又はテストのために収集した外科流体４４にアクセスすることが可能となる。ノックダウンバルブ３８は蓋３２に回転可能に取り付けられ、チューブ状本体４８が水平方向に向いたときライナー内部４６から口１４を封止する。ノックダウンバルブ３８を開いて口１４を通してアクセスするためには、チューブ状本体４８をただ上方に向ければよい。図３，図４に最も明瞭に示すように、一般に、硬質容器２８は容器本体５０と容器蓋５２を含む。容器本体５０と容器蓋５２が真空チャンバ５３を形成し、理想的には１気圧（１．０１３２５バール）の外部負荷に耐えられるような十分な強度と構造的硬度を有するべきである。滅菌を容易にし、重量を最小にし、さらに最新の最小侵襲性手術での大量の外科流体に伴う相当な圧力負荷に耐えるために、容器本体５０と容器蓋５２は好ましくはGeneral Electric社のUltem（登録商標）等の高強度耐熱性ポリマーから製造する。ハンドル５４により容器２８を静脈注射スタンド等から吊すことができる。Ｏ−リング５６を容器本体５０と容器蓋５２の溝に設置し、容器蓋をクリップ５８で容器本体に押し付ける。または、Ｏ−リングを用いないで、ライナーリム４０に取り付けたガスケットを用いて封止できる。容器蓋５２には２つの貫通孔６０があり、チューブ状本体４８を垂直に向けるとノックダウンバルブ３８はここを通って突出する。チューブ状本体４８には、孔６０に接して容器蓋に対して封止するコンプライアント（従順）リング４９がある。リム４０の側にある突出部６２が容器蓋のデテント（止め）と係合して、ノックダウンバルブ３８が挿入部６０と整合するのを助ける。使い捨てライナー２６のリム４０は容器２８を封止するのを助けると共に、外科流体の除去及び廃棄を容易にするハンドルとなる。リム４０は容器本体５０と容器蓋５２のＯ−リング５６の間に配置できる。前述したように、Ｏ−リングが無くてもリム４０のガスケットにより封止できる。使い捨てライナーが充満したら、スロット４２により蓋３２から離れているリム４０の部分を、容器本体から離して上方に曲げることができる。リム４０の２つの対向する部分を上方に一緒に曲げることにより、これらは、充満した使い捨てポーチを取り外して運ぶための便利な運搬ハンドル６３となる。蓋３２が実質的に真空チャンバ５３を上方チャンバ６４と下方チャンバ６６に分けるが、スロット４２によりこれらのチャンバ間で圧力が等しくなり、使い捨てライナーの蓋に対して大きな圧力がかかるのを避けることができる。使用の際、手術チームのメンバーが特定の処置に必要な外科流体容量を決定し、少なくともこの決定した流体容積を収容できるコンテナ１２を準備する。リム４０を対応するＯ−リング５６と係合させて、使い捨てライナー２６を各容器本体５０内に設置する。任意に、リム４０の底にある突出部（リムの上部にある突出部６２と同様である）を、対応する容器本体のデテントと係合させる（図示せず）。ノックダウンバルブ３８のチューブ状本体４８を上方に向けて、バルブを開くと、口１４を通してライナーの内部にアクセスできる。チューブ状本体４８を孔６０を通してスライドさせて、さらに突出部６２を容器蓋の底にある対応するデテントと整合させて（図示せず）、容器蓋５２を容器本体の上に設置する。容器蓋５２と対応するＯ−リング５６は使い捨てライナー２６のリム４０の上部と係合し、リムが２つのＯ−リングに挟まれる。チューブ状本体４８が孔６０を封止するので、容器２８を通る唯一の開口が口１４となり、これらはライナーの内部と連通する。図１に示すように、チューブ１６は１番目のコンテナ（第一のコンテナ）を患者２０内の外科流体源に接続する。これにより、第一のコンテナの容器を通るただ１つの開口が残る。例示の実施形態では、２つの口は同一であり、どちらの口１４も流体入口２２として使用できる。次に、残った口を隣のコンテナの２つの口のいずれかに接続し、このコンテナを通って、真空引きする。各コンテナには２つの口しかなく、これらは交換可能であるので、流体収容システム１０が不適切に接続される恐れは少ない。所定の量の外科流体を収容するのに十分な数のコンテナを接続するまで、残りのコンテナを前のコンテナの真空口に接続する。そして、最後のコンテナをチューブ１６で真空源１８に接続する。コンテナ１２と真空源１８の間に、さらに、任意に、患者２０とコンテナ１２の間に、バルブ、フィルター、圧力調節機等があってもよい。図１，図４に示すように、真空源１８は、真空口２４を通して空気及び／又は流体を引くことにより、各コンテナ１２内の圧力を下げる。図４に示すように、ライナーの周りから一方向バルブ３４を通して流れる空気により、ライナー２６の内部４６の圧力が周囲の真空チャンバ５３と等しくなる。容器本体５０内の溝又は隆起物は、ライナー２６の柔軟ポーチ３０が周囲の容器本体を封止するのを防ぎ、圧力が真空チャンバ全体に分配され等しくなるのを促がす（図示せず）。図２に最も明瞭に示すように、空気は蓋３２の下からスロット４２を通って上方チャンバ６４にも流れる。従って、柔軟ライナーポーチとライナー蓋の両方に圧力がかかることは実質的に避けられる。始めに、流体は患者２０から第一のコンテナ１２に流れ、ライナーの内部に収容される。流体４４がライナー２６の内部４６を満たしたら、一方向バルブ３４がライナー内部４６とライナーを囲む真空チャンバ５３の圧力を等しくする。しかし、流体４４がライナー内部４６を実質的に満たしたら、一方向バルブ３４は流体がライナーから外へ出て周囲の真空チャンバにこぼれることを防ぐ。次に、さらに流体が流入すると、流体は真空口２４を通って流出し始める。流体は第一のコンテナのライナーの内部を通って流れ、チューブ１６を通り、隣のコンテナ１２の入口２２へ入る。この隣のコンテナが満たされ始め、患者２０からこの第二のコンテナを満たす程多くの流体が導入されるなら、過剰の流体は再び次のコンテナへ流出する。好ましくは、最後のコンテナが完全に満たされる前に、流体の導入は止まる。流体収集システム１０が充満したら、又は外科処置が終了したら、チューブ１６をコンテナ１２から外しクリップ５８を開いて容器蓋５２を外せるようにする。ノックダウンバルブ３８のチューブ状本体４８を水平位置に向け、流体４４をライナー２６の内部４６に封止する。スロット４２に沿ってリム４０を掴むと、リムを容器本体５０から離して上方に曲げることができる。従って、リムは、充満した使い捨てライナー２６を容器本体から上げるための、さらに外科流体４４を廃棄場所へ運ぶための便利なハンドルを形成する。移送中にライナーを誤って落しても、一方向バルブ３４、封止キャップ３６及びノックダウンバルブ３８が外科流体４４の漏れを防ぐ。ノックダウンバルブの１つを作動させて又は封止キャップ３６を通して、外科流体４４にアクセスできる。別の実施形態の容器７０と対応するライナー７２をそれぞれ図５Ａ，図５Ｂに示す。リム４０にはガスケット７４が設けられ本体７６と蓋７８の間を封止する。ガスケット７４はリム４０の上面と下面を延び、蓋７８と本体７６の材料を直接封止する。従って、Ｏ−リングは必要でない。隆起物８０は本体７６を補強し、さらに圧力を分配してライナーの周りで等しくする。ライナー７２は、角度のある取付具８４と固定チューブ状本体８６の間に柔軟チューブ８２を有する。チューブ８２にあるピンチクランプ８８が収集した外科流体をライナー内に封止する。本発明の理解のために実施形態を例示して詳細に説明したが、本発明の様々な変更、改変及び適用は当業者に自明である。例えば、柔軟チューブを用いて、ライナーの内部を、容器に固定された流体入口と真空口に接続してもよい。従って、本発明の範囲は請求の範囲のみによって限定される。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】少なくとも１つのコンテナを有し、各コンテナは、開口端を有する容器本体と、前記開口端を封止可能で真空チャンバを形成する蓋とを有する硬質容器と、前記容器の真空チャンバ内に配置でき、ライナー内部を形成するライナーと、前記硬質容器を通って前記ライナーの内部と流体が連通する真空口と、前記硬質容器を通って前記ライナーの内部と流体が連通する流体入口と、前記ライナーの内部への流れを許容するが、前記ライナーの内部から前記ライナーを囲む真空チャンバへ外科流体が流れるのは防ぐ、前記ライナーの内部と前記真空チャンバの間に配置されるバルブとを有する外科流体収集器。
【請求項２】前記バルブが一方向バルブを含む請求の範囲第１項記載の収集器。
【請求項３】前記ライナーが柔軟ポーチと、前記ライナーのポーチより硬い蓋とを有し、前記一方向バルブは前記ライナーの蓋に取り付けられ、さらに、前記ライナーの蓋から放射状に延びるリムを有し、前記リムは前記容器本体と前記容器蓋の間に設置して前記真空チャンバの封止を助けることができ、前記ライナーの蓋とリムは前記真空チャンバを上方部と下方部に分け、開口が前記リムと前記ライナーの蓋の間にあって前記真空チャンバの上方部と下方部の圧力を等しくする請求の範囲第２項記載の収集器。
【請求項４】前記開口が、前記リムの一部を隣の前記ライナーの蓋から離す少なくとも１つのスロットを含み、前記リムの一部は前記ライナーの蓋から離れることができ、前記容器本体から前記ライナーを持ち上げるのを容易にする請求の範囲第３項記載の収集器。
【請求項５】さらに、第一のチューブ状本体及び第二のチューブ状本体を有し、前記第一のチューブ状本体及び第二のチューブ状本体はそれぞれ前記ライナーから前記容器を通って前記真空口及び前記流体口へ延びることができ、前記容器は前記チューブ状本体の周りで封止される請求の範囲第２項記載の収集器。
【請求項６】さらに、前記ライナーの内部を封止するために各チューブ状本体のそばにある封止バルブを有する請求の範囲第５項記載の収集器。
【請求項７】前記ライナーが少なくとも５リットルの外科流体を保持する請求の範囲第１項記載の収集器。
【請求項８】さらに、複数のコンテナを有し、第一のコンテナの流体口は患者の体からの外科流体源と接続することができ、第二のコンテナの流体口は前記第一のコンテナの真空口と流体が連通し、前記第一のコンテナのライナーが充満したら、前記外科流体が前記第一のコンテナのライナーを通って前記第二のコンテナのライナーへ流れる請求の範囲第１項記載の収集器。
【請求項９】各コンテナの真空口と流体口は交換可能である請求の範囲第８項記載の収集器。
【請求項１０】３以上のコンテナが直列に接続し、前記ライナーは組み合わせて少なくとも外科流体２０リットルの容量である請求の範囲第８項記載の収集器。
【請求項１１】前記流体口と真空口は第一のチューブ状本体及び第二のチューブ状本体を介して前記ライナーの内部に接続し、前記容器が前記チューブ状本体の周りを封止し、前記チューブ状本体が前記容器を通る唯一の開口通路であるとき、前記コンテナは前記ライナーに外科流体を収集する請求の範囲第１項記載の収集器。
【請求項１２】各々のコンテナが、真空チャンバを形成する硬質容器と、前記容器の真空チャンバ内に配置でき、ライナー内部を形成するライナーと、前記容器を通って前記ライナーの内部と流体が連通する真空口と、前記容器を通って前記ライナーの内部と流体が連通する流体入口とを有する複数のコンテナと、第一のコンテナの入口バルブと接続可能で患者の体から外科流体を排出する外科流体流入チューブと、第二のコンテナの入口と前記第一のコンテナの真空口を接続して、前記第一のコンテナのライナーが充満したとき、前記外科流体を前記第一のコンテナのライナーを通って前記第二のコンテナのライナーへ流すコンテナ間チューブとを有する外科流体収集システム。
【請求項１３】各ライナーが少なくとも５リットルの外科流体を保持し、前ライナーは組み合わせて少なくとも外科流体１０リットルの容量である請求の範囲第１２項記載のシステム。
【請求項１４】使い捨て外科流体収集ライナーと共に使用する硬質容器であって、前記ライナーはライナー内部を形成し、前記ライナーの内部への流れを許容するが前記ライナーの内部から外科流体が流れるのを防ぐバルブを有し、前記容器は、開口端を有する硬質ポリマー本体と、前記本体の開口端を封止可能で容積が少なくとも５リットルの真空チャンバを形成する蓋と、前記本体と前記蓋より成る群から選択される構造体を通り、前記ライナーの内部へ流体を連通させる第一の通路及び第二の通路とを有する硬質容器。
【請求項１５】真空チャンバを形成する硬質容器と共に使用する使い捨て外科流体収集ライナーであって、前記容器は前記真空チャンバに入る第一の通路及び第二の通路を有し、前記ライナーは、前記ライナーの内部の境界をなす柔軟ポーチと、前記容器の第一の通路を通って前記ライナーの内部と流体が連通する真空口と、前記容器の第二の通路を通って前記ライナーの内部と流体が連通する流体入口と、前記ライナーの内部への流れを許容するが、前記ライナーの内部から前記ライナーを囲む真空チャンバへ外科流体が流れるのは防ぐ、前記ライナーの内部と前記真空チャンバの間に配置されるバルブとを有する使い捨て外科流体収集ライナー。
【請求項１６】柔軟ライナーを硬質真空チャンバ内に入れ、真空源を前記ライナーの内部と接続して、前記ライナー内を真空引きし、一方向バルブにより、前記ライナーを囲む真空チャンバ内に真空を分配させ、患者の体から前記真空ライナーへ外科流体を吸引し、一方向バルブにより、前記ライナーから前記ライナーを囲む真空チャンバ内へ外科流体がこぼれるのを防ぐ外科流体収集方法。
【請求項１７】さらに、前記第一のライナーが充満したとき、前記真空源を用いて、前記第一のライナーの内部から他の真空チャンバ内へ前記外科流体を引き込む請求の範囲第１６項記載の方法。
【請求項１８】さらに、前記ライナーに固定されたリムを用いて、前記チャンバの蓋を前記チャンバの本体へ封止し、前記リムと前記ライナーの間の開口に沿って前記リムを掴んで、前記チャンバから前記ライナーを取り出す請求の範囲第１５項記載の方法。