JP2003518528A - ポリオレフィン製造用自己支持型ハイブリッド触媒 - Google Patents

ポリオレフィン製造用自己支持型ハイブリッド触媒

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Abstract

(57)【要約】 固体状の自己支持型シクロアルカジエニル触媒成分を開示し、これは、(i)マグネシウムのアルコキサイドもしくはアリールオキサイドと少なくとも1種のIVB族の金属を含有するアルコキサイドもしくはアリールオキサイドの反応生成物である混合金属アルコキサイド錯体および(ii)Cp[ここで、Cpは、炭素原子数が3−30の環状もしくは多環状炭化水素である]を含有する。また、自己支持型ハイブリッド触媒も開示し、これは、この上に示した成分(i)および(ii)、ならびに(iii)チーグラー・ナッタ触媒種も含有する。また、この自己支持型シクロアルカジエニル触媒および自己支持型ハイブリッド触媒を製造する方法そして前記触媒を用いてオレフィンを重合させる方法も開示する。前記触媒は幅広い分子量分布または二頂分布を示すポリオレフィンを高い収率でもたらす能力を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景)1. 発明の分野 本発明は、ポリオレフィン[幅広い分子量および二頂(bimodal)のポ
リオレフィンを包含]の製造で用いるに有用な自己支持型(self supp
orted)シクロアルカジエニル触媒およびハイブリッド(hybrid)触
媒系に関し、これらは各々混合金属アルコキサイド部分とシクロアルカジエニル
部分を含有する。本発明はまた前記支持型シクロアルカジエニル触媒の製造方法
および前記ハイブリッド触媒の製造方法、そしてそれらの幅広い分子量分布を示
すポリオレフィンの製造における使用、およびそれらの二頂ポリオレフィンの製
造における使用にも関する。2. 関連技術の説明 ポリエチレンの特定用途ではじん性、強度および環境応力亀裂抵抗(envi
ronmental stress cracking resistance
)が重要な考慮すべき事項である。ポリエチレンが高い分子量を有するとき、そ
のような特性が向上する。しかしながら、この重合体の分子量を高くして行くに
つれて通常はこの樹脂の加工性が低下する。重合体が幅広いか或は二頂分子量分
布を示すようにすると、高い分子量を有する樹脂に特徴的な特性が保持されなが
ら加工性、特に押出し加工性が向上する。
【0002】 ポリオレフィンが二頂分子量分布を示すことは、そのようなポリオレフィン樹
脂が平均分子量が異なる成分を2種類含有しかつ分子量が相対的に高い成分と分
子量が低い成分が存在していることが絶対的に必要であることを示している。幅
広いか或は二頂分子量分布を示すポリオレフィン樹脂を製造するアプローチは数
多く提案されてきている。1つのアプローチは反応槽後のブレンドまたは溶融状
態のブレンドであり、このようなブレンドでは、少なくとも2種類の異なる分子
量を有するポリオレフィンを加工前または加工中に共にブレンドすることが行わ
れる。米国特許第4,461,873号には、異なる2種類の重合体を物理的に
ブレンドして二頂重合体ブレンド物を生成させる方法が開示されている。しかし
ながら、このように物理的に製造されたブレンド物は一般にゲルを高濃度で含有
し、その結果、そのようなゲルが原因で製品の外観が悪化することから、それら
はフィルム用途および他の樹脂用途では用いられない。加うるに、そのように樹
脂を物理的にブレンドする手順は、完全に均一にする必要があることに付随して
高い費用がかかるといった欠点を有する。
【0003】 二頂重合体を製造する2番目のアプローチは多段反応槽を用いるアプローチで
ある。このような方法は2基(またはそれ以上)の反応槽を組み立てることに頼
っており、このような方法では、一方の反応槽で二頂ブレンド物の2成分の中の
1成分を特定の条件の組合せ下で生成させて2番目の反応槽に移送しそしてこの
2番目の反応槽内で異なる分子量を有する2番目の成分を前記1番目の反応槽で
設定した条件とは異なる条件の組合せ下で生成させる。このような二頂ポリオレ
フィンは上述したゲルに関連した問題を解決し得るが、複数の反応槽を用いた時
には工程効率および投資費用が明らかに懸念される。加うるに、特に高分子量成
分を1番目の反応槽内で生成させる場合には低分子量種が組み込まれていないポ
リオレフィン粒子が生成しないようにするのが困難である。
【0004】 より望ましい3番目の方策は、触媒混合物を単一の反応槽内で用いて幅広いか
或は二頂分子量分布を示すポリオレフィンを直接製造する方策である。実際、S
cott、Alex、「Ziegler−Natta Fends off M
etallocene Challenge」、Chemical Week、
32頁(1999年5月5日)には、「聖杯[ポリオレフィン研究の]の1つは
1基の反応槽内でPEおよびPPの二頂性能を得た点にある」と述べられている
(Chem Systems consultant Roger Green
を引用)。本技術分野では単一の反応槽内で異なる2種類の触媒を用いて幅広い
分子量分布または二頂分子量分布を示すポリオレフィン生成物を生成させること
により、上述した問題を解決しようとする試みが最近行われている。そのような
方法は分子量分布系(system)の成分樹脂部分をインサイチューで同時に
生成させる方法であると報告されており、その樹脂の粒子は粒子以下のレベル(
subparticle level)で混ざり合っている。例えば、Ewen
の米国特許第4,530,914号および4,935,474号は幅広い分子量
分布を示すポリオレフィンに関係しており、そのポリオレフィンの製造はエチレ
ンまたは高級アルファ−オレフィンを各々が異なる成長速度定数と停止速度定数
を示す2種以上のメタロセン(metallocnes)とアルミノキサン(a
luminoxane)を含んで成る触媒系の存在下で重合させることで行われ
ている。Ewen他の米国特許第4,937,299号も同様にポリオレフィン
の反応槽ブレンド物を単一の重合方法で製造することに関し、そこでは、重合さ
せる単量体に対して異なる反応性比(reactivity ratios)を
示す2種以上のメタロセンを含んで成る触媒系を用いている。
【0005】 不溶性触媒を模擬するようにメタロセンを支持体に固着させ得ることは公知で
ある。米国特許第4,808,561号には、メタロセンとアルミノキサンを反
応させそして反応生成物を支持体の存在下生成させることが開示されている。そ
のような支持体はタルク、無機酸化物、例えばIIA、IIIA、IVAまたは
IVB族の金属の酸化物(シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、マグネシア、
チタニア、ジルコニアおよびそれらの混合物の如き)、そして樹脂状物質、例え
ばポリオレフィン(微細ポリエチレンの如き)、のような多孔質物質である。前
記メタロセンとアルミノキサンを脱水した支持体物質に付着させている。
【0006】 均一(メタロセン)触媒系の利点は、この触媒の活性が非常に高いこととメタ
ロセン触媒系を用いて生成させた重合体が狭い分子量分布を示す点にある。この
ようなメタロセン触媒はメタロセンに対するアルモキサン共触媒の比率が高いと
言った欠点を有する。加うるに、メタロセン触媒を用いて製造された重合体は、
しばしば、加工が困難でありかつ均一重合反応の部位が単一であることが原因で
多くの望ましい物性に欠けている。その上、そのような触媒は、これらが単一部
位触媒に限定されている結果、非常に狭い分子量分布を示す重合体が得られる。
【0007】 また、不均一触媒系も良く知られており、これらは典型的に幅広い分子量分布
を示す重合体を生成させようとする時に用いられる。活性部位が複数(例えば不
均一)であると、長さと分子量がいろいろな数多くの異なる重合体粒子が生成す
る。そのような不均一触媒系は典型的にチーグラー・ナッタ(Ziegler−
Natta)触媒と呼ばれる。数多くのチーグラー・ナッタ触媒の欠点は、得ら
れる重合体の物性を制御するのが困難なことと活性が典型的にメタロセン触媒の
活性よりもはるかに低い点にある。チーグラー・ナッタ触媒を単独で用いたので
は、二頂分子量分布を示す満足されるポリオレフィンを生成させることができず
、そしてシリカまたはアルミニウムに担持させたシクロアルカジエニル基含有メ
タロセン触媒を単独で用いたのでは、幅広い分子量分布を示す満足されるポリオ
レフィンを生成させるのは不可能である。
【0008】 本技術分野では、最近、チーグラー・ナッタ触媒成分とメタロセン触媒成分を
含有する混合触媒系を用いて二頂樹脂を製造する方法が認められるようになって
来ている。このような混合触媒系は典型的に不均一チーグラー・ナッタ触媒と均
一メタロセン触媒の組み合わせを含んで成る。このような混合系を用いると幅広
い分子量分布を示すポリオレフィンまたは二頂ポリオレフィンを生成させること
ができ、そしてそれらはポリオレフィンの分子量分布および多分散性(poly
dispersity)を制御する手段を与えるものである。
【0009】 W.O特許9513871および米国特許第5,539,076号には、混合
メタロセン/非メタロセン触媒系を用いて特定の二頂高密度共重合体を生成させ
ることが開示されている。そこに開示された触媒系は無機支持体に担持されてい
る。支持体、例えばシリカ、アルミナ、塩化マグネシウムなどに担持させた混合
チーグラー・ナッタ/メタロセン触媒を開示している他の資料には、W.O.特
許9802245、米国特許第5183867号、E.P特許0676418A
1、EP 717755B1、米国特許第5747405号、E.P.特許07
05848A2、米国特許第4659685号、米国特許第5395810号、
E.P.特許0747402A1、米国特許第5266544号およびW.O.
9613532が含まれる(これらの開示は引用することによって全体が本明細
書に組み入れられる)。
【0010】 支持型チーグラー・ナッタおよびメタロセン系は数多くの欠点を有し、そのよ
うな欠点の1つは、支持体物質がかさ高いことにより活性が失われる点にある。
非支持型の液状触媒を気相反応槽に送り込むことをBrady他が米国特許第5
,317,036号(これの開示は引用することによって全体が本明細書に組み
入れられる)に初めて記述した。Bradyは支持型触媒の欠点を認識しており
、そのような欠点には、とりわけ、重合体に灰分または支持体物質の残留物が存
在することで重合体に含まれる不純物の濃度が高いことと、そのような触媒が反
応体に接触する面積が必ずしも有効面積の全部でないことが原因で触媒の活性が
悪影響を受けていることが含まれる。Bradyは、更に、触媒を液状形態で気
相反応槽に送り込むことに起因し得る幾つかの利点も記述した。しかしながら、
Bradyは、自己支持型の混合チーグラー・ナッタ/メタロセン触媒を単一の
反応槽内で用いて幅広い分子量分布または二頂分子量分布を示すポリオレフィン
を生成させることができるであろうことは認識していなかった。
【0011】 従来技術の支持型混合触媒に関連した別の問題は、そのような支持型触媒の活
性がしばしば均一触媒単独の活性よりも低い点にある。最後に、支持型混合触媒
系を用いた場合には得られるポリオレフィンの特性を具体的な注文に合わせるの
が困難である。
【0012】 従来技術の支持型混合触媒を用いた時にもたらされる重合体は、また、単一の
反応槽を用いたにもかかわらず、本質的に高分子量の粒子と低分子量の粒子を含
有していた。そのような系でもまたこの上で考察した異なる2種類の重合体粒子
をブレンドすることに関連した問題が存在する。その上、異なる重合体粒子を単
一の反応槽内で生成させようとすると反応槽の制御が悪化し、得られる重合体の
形態が劣り、その結果得られた重合体をコンパウンドにするのが困難でありかつ
それをペレットにするのも困難である。最後に、2種類の重合体成分の充分な混
合を確保するのが困難であり、それによって、幾つかの品質管理上の問題が生じ
る。
【0013】 IVB族の金属とπ結合配位子とヘテロアリル部分を含有する配位錯体が有用
なオレフィン重合用触媒であることは公知であり、Reichle他の米国特許
第5,527,752号(これの開示は引用することによって全体が本明細書に
組み入れられる)に開示されている。Reichleが教示したように、有機環
状部分、例えばインデンなどとマグネシウム/ジルコニウムエトキサイドを単に
混合するのでは幅広いMWDを示すポリオレフィンを製造し得る触媒は得られな
い。有機環状部分、例えばインデニルジルコニウムトリス(ピバレート)などと
マグネシウムエトキサイドを反応させるには激しい反応条件(熱クロロベンゼン
中の塩基性溶液)が必要であり、かつ望ましい触媒が得られず、これは恐らくは
インデニル部分がジルコニウムから取り除かれたことによるものであろう。これ
までは、Reichleが開示したように、錯体にジルコニウム含有成分を配位
させて幅広いMWDを示すポリオレフィンを製造し得る触媒を生成させるのは不
可能であると考えられていた。
【0014】 Tajima他の米国特許第5,387,567号には、有機環状部分(Cp
)で可溶性ジルコニウム錯体を処理して触媒成分を生成させる方法が開示されて
いる。このTajimaの開示は引用することによって全体が本明細書に組み入
れられる。Tajimaが記述した触媒成分は溶液状のため溶液相重合が必要で
あり、それを気相重合で用いようとする時には支持体、例えばシリカなどが必要
である。支持型触媒の欠点に関してはこの上に記述した。溶液触媒系の欠点には
、触媒の活性を長期間に亘って維持するのが困難であることと、輸送および取り
扱い中に効力がなくなることから典型的に触媒成分の調製を現場でか或は重合工
程とインラインで行う必要があることが含まれる。加うるに、Tajimaが記
述した触媒の活性は低いため、触媒を著しく多量使用する必要がありかつ恐らく
は重合後に触媒残渣を除去する必要がある。
【0015】 (発明の要約) 触媒成分が示す活性の意味で不利な欠点を持たずかつこの上で考察したように
反応槽の制御が劣ると言った欠点も製品の品質の制御が劣ると言った欠点も生じ
ないように個々の触媒系(即ちチーグラー・ナッタおよびメタロセン)の各々が
示す利点を最大限にする必要性が存在している。また、優れた製品強度と加工性
を示す二頂生成物を製造する必要性も存在している。また、上述した問題点を蒙
むることもないそのような二頂ポリオレフィンをもたらす触媒を開発する必要性
も存在している。加うるに、広い分子量分布を示すポリオレフィンを製造し得る
触媒を開発する必要性も存在している。また、高分子量成分と低分子量成分を含
有する重合体粒子を単一の反応槽内で生成させることができれば、これも望まし
いことである。
【0016】 従って、本発明の特徴は、幅広い分子量分布を示すポリオレフィンを製造し得
る触媒系を提供しかつ二頂分子量分布を示すポリオレフィンを単一の反応槽内で
製造し得る触媒系を提供することにある。本発明の追加的特徴は、幅広い分子量
分布を示すポリオレフィンの製造用触媒、この触媒の製造方法、そのようなポリ
オレフィンを製造する方法そしてこの上に述べた欠点を持たないそのような触媒
を用いて二頂ポリオレフィンを製造する方法を提供することにある。本発明の更
に別の特徴は、高分子量成分と低分子量成分を含有するポリオレフィン粒子を製
造し得る触媒系を提供することにある。
【0017】 本発明の前記および他の特徴に従い、オレフィン単量体重合用の固体状触媒成
分を提供し、この固体状触媒成分は、(i)マグネシウムのアルコキサイドもし
くはアリールオキサイドと少なくとも1種のIVB族の金属を含有するアルコキ
サイドもしくはアリールオキサイドの反応生成物である混合金属アルコキサイド
錯体(complex)および(ii)Cp[ここで、Cpは、炭素原子数が3
−30のシクロアルカジエニル基である]を含んで成る。
【0018】 本発明の追加的特徴に従い、オレフィン単量体重合用の固体状触媒成分を提供
し、この固体状触媒成分は、(i)マグネシウムのアルコキサイドもしくはアリ
ールオキサイドと少なくとも1種のIVB族の金属を含有するアルコキサイドも
しくはアリールオキサイドの反応生成物である混合金属アルコキサイド錯体、(
ii)Cp[ここで、Cpは、炭素原子数が3−30のシクロアルカジエニル基
である]および(iii)チーグラー・ナッタ触媒種を含んで成る。
【0019】 本発明の追加的特徴に従い、固体状触媒成分を製造する方法を提供し、この方
法は、(i)マグネシウムのアルコキサイドもしくはアリールオキサイドと少な
くとも1種のIVB族の金属を含有するアルコキサイドもしくはアリールオキサ
イドの反応生成物である混合金属アルコキサイド錯体と(ii)Cp含有錯体を
適切な溶媒中で反応させて固体状触媒成分を含有する混合物を生成させ、ついで
前記混合物から固体状触媒成分を取り出すことを含んで成る。
【0020】 本発明の別の特徴に従い、固体状触媒成分を製造する方法を提供し、この方法
は、(i)マグネシウムのアルコキサイドもしくはアリールオキサイドと少なく
とも1種のIVB族の金属を含有するアルコキサイドもしくはアリールオキサイ
ドの反応生成物である混合金属アルコキサイド錯体と(ii)Cp含有錯体と(
iii)チーグラー・ナッタ触媒種含有作用剤(agent)を適切な溶媒中で
反応させて固体状触媒成分を含有する混合物を生成させ、ついで前記混合物から
固体状触媒成分を取り出すことを含んで成る。
【0021】 本発明の更に別の特徴に従い、ポリオレフィン、好適には幅広い分子量を有す
るポリオレフィンを製造する方法を提供し、この方法は、(i)マグネシウムの
アルコキサイドもしくはアリールオキサイドと少なくとも1種のIVB族の金属
を含有するアルコキサイドもしくはアリールオキサイドの反応生成物である混合
金属アルコキサイド錯体および(ii)Cp[ここで、Cpは、炭素原子数が3
−30のシクロアルカジエニル基である]を含んで成る固体状触媒成分と少なく
とも1種のオレフィン単量体を重合条件下で接触させることを含んで成る。
【0022】 本発明の更に別の特徴に従い、ポリオレフィン、好適には二項分子量分布を有
するポリオレフィンを製造する方法を提供し、この方法は、(i)マグネシウム
のアルコキサイドもしくはアリールオキサイドと少なくとも1種のIVB族の金
属を含有するアルコキサイドもしくはアリールオキサイドの反応生成物である混
合金属アルコキサイド錯体、(ii)Cp[ここで、Cpは、炭素原子数が3−
30のシクロアルカジエニル基である]および(iii)チーグラー・ナッタ触
媒種を含んで成る固体状触媒成分と少なくとも1種のオレフィン単量体を重合条
件下で接触させることを含んで成る。本分野の技術者に容易に明らかである本発
明の前記および他の特徴は以下に行う詳細な説明を参考にすることにより達成す
ることができるであろう。
【0023】 (好適な態様の詳細な説明) 本発明における混合金属アルコキサイド錯体とCpを含んで成るハイブリッド
触媒成分は自己支持型ハイブリッド触媒成分である。この触媒成分が前記混合金
属アルコキサイド錯体とCpに加えてチーグラー・ナッタ種を含有しない場合、
これを表現「自己支持型シクロアルカジエニル触媒」またはSSCCで表す。こ
の触媒成分が前記混合金属アルコキサイド錯体とCpに加えてチーグラー・ナッ
タ種を含有する場合、これを表現「自己支持型ハイブリッド触媒」で表す。この
自己支持型ハイブリッド触媒は、前記自己支持型シクロアルカジエニル触媒と同
様に、通常の無機支持体、例えばシリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、塩化マ
グネシウムなどを含有しない。むしろ、本発明の触媒の混合金属アルコキサイド
錯体成分が支持体自身として働き、それによって、本触媒を「自己支持型」にし
ている。Cp成分の選択、これと前記混合金属アルコキサイド錯体成分の比率の
選択、チーグラー・ナッタ触媒種含有作用剤(例えばハロゲン化剤)と前記混合
金属アルコキサイドに含まれる金属の比率の選択そして共触媒(cocatal
yst)の選択により、触媒の性能を最適にすることができる。
【0024】 本説明全体に亘って、表現「チーグラー・ナッタ触媒種」は、チーグラー・ナ
ッタ触媒に存在し、オレフィンの重合に有用ないかなる公知金属種をも指す。例
えば、このような種にはTi、Hf、V、Cr、Zrなどが含まれ得る。本説明
全体に亘って表現「チーグラー・ナッタ触媒種含有作用剤」は、上述したチーグ
ラー・ナッタ触媒種を含有するいかなる作用剤をも指し、この作用剤が還元を受
けると前記種を放出し得る。例えば、チーグラー・ナッタ触媒種含有作用剤には
TiCl4、VCl4、HfCl4、ZrCl4などが含まれ得る。加うるに、その
ようなチーグラー・ナッタ触媒種含有作用剤には上述した作用剤の混合物、なら
びにこのような作用剤と他の塩素化剤、例えばSiCl4などの混合物も含まれ
得る。
【0025】 本発明の自己支持型触媒系は如何なるポリオレフィンの重合で用いるにも有用
であり、均一触媒および不均一触媒を用いて個別に重合させることができる如何
なるポリオレフィンの重合で用いるにも有用である。この自己支持型触媒系は、
好適にはオレフィン、より好適にはα−オレフィン、最も好適にはエチレン、プ
ロピレン、ブテンおよびヘキセンの重合で用いるに有用である。アルファオレフ
ィンの重合体である樹脂は単独重合体、共重合体、ターポリマー、または単独重
合体と共重合体の混合物であってもよい。エチレンの共重合体は好適にはエチレ
ンを少なくとも70重量パーセント含有しかつ炭素原子数が3から10のアルフ
ァオレフィンを含有する。好適なアルファオレフィンにはプロピレン、1−ブテ
ン、1−ヘキセン、1−オクテンおよび4メチル−ペンテンが含まれる。プロピ
レンの共重合体は典型的にプロピレンを少なくとも65重量パーセント含有しか
つエチレンまたは炭素原子数が4から10のアルファオレフィンを含有する。好
適なアルファオレフィンには再び1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンおよ
び4メチル−ペンテンが含まれる。
【0026】 本発明のハイブリッド触媒系を用いて製造した幅広い分子量分布または二頂分
子量分布を示すポリオレフィン樹脂の密度は、このような樹脂に通常起因し得る
如何なる密度であってもよい。この樹脂の比密度は一般に0.86から0.97
0の範囲である。本発明に従って製造可能なポリエチレン樹脂(単独−もしくは
共重合体)はそれぞれ高密度、中密度または低密度樹脂の密度を示し得る。従っ
て、製造し得る樹脂が示す比密度は、低密度の場合には0.89から0.92の
範囲であり、中密度の場合には0.930から0.940の範囲でありそして高
密度の場合には0.940から0.970の範囲である。本発明のポリオレフィ
ン樹脂には、例えばエチレンの単独重合体、そしてエチレンと1種以上の高級ア
ルファ−オレフィン、例えばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキ
セン、4−メチル−1−ペンテンおよび1−オクテンなどとの共重合体が含まれ
る。ポリオレフィン樹脂にはまた例えばエチレン/プロピレンゴム(EPR)、
エチレン/プロピレン/ジエンターポリマー(EPDM)なども含まれる。
【0027】 そのような幅広い分子量または二頂分子量分布を示すポリオレフィン樹脂が示
す分子量分布は、通常は、メルトフロー比(melt flow ratio)
(MFR)としてか、或は重量平均分子量を数平均分子量で割った値(Mw/M
n)として特徴付けられる。本発明の二頂ポリオレフィン樹脂(例えば、本発明
の自己支持型ハイブリッド触媒を用いて製造した樹脂)が示すMFRは、約35
から約300、好適には約45から約200、最も好適には約70から約150
の範囲のいかなる値でもあり得、ここで、前記MFRは、ASTM D1238
に従い、ポリエチレンについては条件EおよびF、そしてポリプロピレンについ
ては条件Lで測定したMFRである。本発明の幅広い分子量を示すポリオレフィ
ン樹脂(例えば本発明の自己支持型シクロアルカジエニル触媒を用いて製造した
樹脂)が示すMFRは約17から約40、好適には約25から約40の範囲のい
かなる値でもあり得る。本発明の樹脂製品が示すMw/Mnは約4から約75、
好適には約10から約50、最も好適には約15から約25の範囲のいかなる値
でもあり得る。
【0028】 本発明に従って製造した幅広い分子量または二頂分子量を示すポリオレフィン
樹脂は一般に約1から約50、好適には約1.5から約30、最も好適には約2
から約25の範囲内のフローインデックスを示す。本発明に従って製造した幅広
い分子量または二頂分子量を示すポリオレフィン樹脂は、また、典型的に約15
から約50、好適には約20から約40、最も好適には約20から約30ポンド
/立方フィートの範囲内のかさ密度を示す。
【0029】 少なくとも1種のCp触媒成分と少なくとも1種の混合金属アルコキサイド錯
体触媒成分を有する本発明の自己支持型シクロアルカジエニル触媒または自己支
持型ハイブリッド触媒を用いて、幅広い分子量分布(MWD)を示すポリオレフ
ィンを製造することができるばかりでなく二頂分子量分布を示すポリオレフィン
も製造することができる。このMWDはゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)
のチャートで描写可能であるか或はゲルろ過(size exclusion)
クロマトグラフィー(SEC)を用いて測定可能である。このような技術は本技
術分野で良く知られており、技術者は本明細書に示す指針を用い、本発明に従っ
て製造したポリオレフィンのMWDを測定することができる。
【0030】 前記Cp触媒成分を遷移金属、例えばジルコニウム、チタン、ハフニウムなど
と一緒に対になった1成分として単独で用いて製造した重合体が示すMWDは、
一般に、混合金属アルコキサイド錯体触媒成分を用いて製造した重合体のそれに
比較して非常に狭い。従って、そのようなCp触媒成分はメタロセン触媒成分に
多くの面で類似しており、そして前記混合金属アルコキサイド錯体は、ハロゲン
で置換した時、チーグラー・ナッタ触媒成分に類似している。
【0031】 本発明者らは、また、そのような触媒成分を異なる比率で用いることにより多
分散性、即ち分子量分布に影響を与えることができることも見いだした。前記C
p成分を単独(例えば均一触媒)で用いて製造した重合体の分子量は、混合金属
アルコキサイド錯体触媒成分(例えばハロゲンで置換された時の不均一触媒)を
用いて製造した重合体の分子量は異なるので、本発明の自己支持型シクロアルカ
ジエニル触媒系または自己支持型ハイブリッド触媒系に含める一方の触媒成分と
他方の触媒成分の相対量を変えると、生成する重合体の多分散性が変わるであろ
う。技術者は本明細書に示す指針(実施例を包含)を用いて触媒成分の比率を変
えることによりポリオレフィン樹脂生成物を具体的な注文に合わせることができ
るであろう。
【0032】 本発明の自己支持型シクロアルカジエニル触媒は好適には幅広い分子量分布を
示す高密度のポリオレフィン生成物を製造する時に用いるに有用である。本発明
の自己支持型ハイブリッド触媒は好適には高分子量で高密度の二頂ポリオレフィ
ン生成物を製造する時に用いるに有用である。この触媒は、一般に、混合金属ア
ルコキサイド成分とこの混合金属アルコキサイド成分に化学結合しているCp触
媒成分を含有している。前記混合金属アルコキサイド成分は好適には少なくとも
マグネシウムと少なくとも1種の遷移金属とアルコキサイド部分を含有する固体
状錯体を含んで成り、ここで、前記遷移金属はチタン、ジルコニウムおよびハフ
ニウムそしてそれらの混合物から成る群から選択される少なくとも1種の金属で
ある。この混合金属アルコキサイド成分は好適にはマグネシウムのアルコキサイ
ドと遷移金属含有(好適にはジルコニウム、チタンおよび/またはハフニウム含
有)アルコキサイドを接触させて得られる固体状生成物を含んで成る。前記Cp
成分は、好適には炭素原子数が3−30の如何なるシクロアルカジエニル炭化水
素であってもよく、より好適にはシクロペンタジエニル配位子であり、これは置
換されていてもよくそして/または橋架けされていてもよい。本発明の自己支持
型ハイブリッド触媒では、前記自己支持型シクロアルカジエニル触媒をチーグラ
ー・ナッタ触媒種含有作用剤、例えばハロゲン化物、好適にはチタンのハロゲン
化物またはバナジウムのハロゲン化物と反応させることにより、変性することが
できる(それを製造する前、製造する間または製造した後に)。異なるCp成分
と混合金属アルコキサイド成分を組み合わせることにより、特殊なポリオレフィ
ン生成物を製造する目的で使用可能な多目的の触媒組成物を生成させることがで
きる。
【0033】 本ハイブリッド触媒系の混合金属アルコキサイド成分は自己支持型であり、外
来の支持体、例えば塩化マグネシウム、シリカ、アルミナなどを必要としない。
この混合金属アルコキサイド成分は好適にはマグネシウムとチタンを含有する固
体状成分であるが、このチタンのいくらかまたは全部を他の遷移金属、例えばジ
ルコニウムまたはハフニウムで置き換えることもできる。この混合金属アルコキ
サイド成分は最も好適にはマグネシウムとジルコニウムを含有する固体状錯体で
ある。
【0034】 本発明の自己支持型ハイブリッド触媒を生成させる時、前記混合金属アルコキ
サイド成分を好適にはチーグラー・ナッタ触媒種含有作用剤と反応させてチーグ
ラー・ナッタ成分を生成させる。このチーグラー・ナッタ触媒種含有作用剤との
反応は、前記混合金属アルコキサイドとCp含有基を反応させる前、反応させて
いる間または反応させた後に行うことができる。このようなチーグラー・ナッタ
成分の調製は典型的にはマグネシウムとジルコニウムを含有する固体状前駆体物
質をハロゲン置換(TiCl4またはVCl4による)して固体状の前触媒(pr
ocatalyst)を生成させることにより行う。本説明の全体に亘って、用
語「前駆体」および表現「前触媒前駆体」は、マグネシウムとIVB族の金属を
含有していて任意の適切なハロゲン化剤、例えばアルキルアルミニウムハライド
または四価チタンのハロゲン化物(好適にはTiCl4)または四塩化ケイ素(
SiCl4)および場合により電子供与体に接触させると「前触媒」(以下に定
義する)に転化し得る固体状物質を表す。本説明の全体に亘って、用語「前触媒
」は、活性触媒成分であり、これは有機アルミニウム化合物[好適には変性メチ
ルアルミノキサン(MMAO)]および任意の外部供与体または選択率調節剤と
接触させることにより重合用触媒に転化し得る固体状物質を表す。
【0035】 本発明ではマグネシウムとIVB族の金属を含有する如何なる非支持型前駆体
も使用可能であり、そして本発明の自己支持型ハイブリッド触媒を生成させる時
、そのような前駆体をハロゲン置換することが知られている任意の手段を用いて
固体状チーグラー・ナッタ前触媒を生成させることができる。Robert C
.Job(およびRobert C.Job他)に発行された数多くの米国特許
に、マグネシウムとチタンを含有していて最終的にα−オレフィン重合用触媒を
生成させる時に用いるに有用な前触媒の製造で用いるに有用な前駆体がいろいろ
記述されている。例えば米国特許第5,034,361号、5,082,907
号、5,151,399号、5,229,342号、5,106,806号、5
,146,028号、5,066,737号、5,124,298号および5,
077,357号(これらの開示は引用することによって全体が本明細書に組み
入れられる)に種々の前触媒前駆体が開示されている。そこに記述されている前
駆体のいずれも本発明で使用可能である。
【0036】 そのような前触媒前駆体を生成させるための出発材料としてマグネシウムのア
ルコキサイド、例えばマグネシウムエトキサイドなどを用いる時には、高分子量
の(polymeric)マグネシウムエトキサイドを分解してそれが他の成分
と反応させるため、クリッピング剤(clipping agent)が通常は
必要である。米国特許第5,124,298号および5,077,357号に開
示されているように、クロロベンゼンを溶媒として用いかつo−クレゾールをク
リッピング剤として用いて高分子量のマグネシウムエトキサイドを化学的に分解
させることにより、そのような前駆体の調製を行うことができる。他のクリッピ
ング剤には、とりわけ、3−メトキシフェノール、4−ジメチルアミノフェノー
ル、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、p−クロロフェノール、
HCHO、CO2、B(OEt)3、SO2、Al(OEt)3、CO3 =、Br-
(O2COEt)-、Si(OR)4、R’Si(OR)3およびP(OR)3が含
まれる。この上に示した化合物のRおよびR’は炭化水素基、好適には炭素原子
数が1−10のアルキル基を表し、好適にはRとR’は同一もしくは異なりメチ
ルまたはエチルである。大型アニオンを放出するか或はインサイチューで大型ア
ニオンを生成する他の作用剤(即ちクリッピング剤前駆体)、例えばMgBr2
、炭素化(carbonized)マグネシウムエトキサイド(エチルマグネシ
ウムの炭酸塩)、炭酸カルシウムなどを用いることも可能である。フェノール系
化合物、例えばp−クレゾール、3−メトキシフェノール、4−ジメチルアミノ
フェノールなどの如き特定の作用剤はマグネシウムアルコキサイド、例えばマグ
ネシウムエトキサイドなどを溶解することが知られているが、このような作用剤
は典型的に非常に大過剰で用いられ、かつ通常は脂肪族、芳香族および/または
ハロゲン置換炭化水素溶媒の存在下で用いられる。
【0037】 本発明では米国特許出願連続番号09/345,082、09/395,92
4、09/395,916および09/395,917に開示されている固体状
のマグネシウム含有前触媒およびそれの製造方法のいずれも使用可能である。こ
れらの出願の各々の開示は引用することによって全体が本明細書に組み入れられ
る。
【0038】 前記混合金属アルコキサイド成分がマグネシウムとIVB族の金属とアルコキ
サイド部分を含有するのが好適である。有用な混合金属アルコキサイド錯体は、
Mgx(T1T2)y[ここで、T1およびT2は、同一もしくは異なっていても
よく、チタン、ジルコニウムおよびハフニウムから選択され、そしてx/yのモ
ル比は、約2.5から約3.75である]を混合金属部分として含有する。この
混合金属アルコキサイド錯体は前記混合金属部分と錯体を形成し、アルコキサイ
ド基、フェノキサイド基、ハライド、ヒドロキシ基、カルボキシル基およびアミ
ド基から選択される少なくとも1種の基を有することができる。
【0039】 本発明では、T1およびT2がジルコニウムおよびハフニウムそしてこれらの
混合物から選択される1種以上の金属であるのが好適である。Mg金属とT1お
よびT2金属のモル比(即ちx/y比)は好適には2.5から3.75の範囲、
より好適には2.7から3.5の範囲内であり、最も好適には、モル比は3であ
る。また、アルコキサイド基とハライド基は前記混合金属アルコキサイド錯体の
混合金属部分と錯体を形成している(本自己支持型ハイブリッド触媒を生成させ
る時)ことが好適である。
【0040】 そのような混合金属アルコキサイド錯体は、金属の混合物と追加的錯化基(c
omplexing groups)(これらの少なくとも1つはアルコキサイ
ド基、フェノキサイド基、ハライド、ヒドロキシ基、カルボキシル基およびアミ
ド基から選択される)の間で錯体を形成し得る如何なる方法によっても製造する
ことができる。前記前駆体の調製は、好適には、マグネシウムのアルコキサイド
、ハライド、カルボキシル、アミド、フェノキサイドまたはヒドロキサイドの混
合物をT1およびT2金属のアルコキサイド、ハライド、カルボキシル、アミド
、フェノキサイドまたはヒドロキサイドの混合物と接触させて固体状前駆体錯体
を生成させ、ついでこの混合物から固体状錯体を分離することにより行う。上述
した前駆体調製方法では、ハライドとの反応を「ハロゲン置換」とは見なさない
、と言うのは、この用語は本発明の自己支持型ハイブリッド触媒を生成させる時
に用いる変性を記述する時に用いるからである。本方法に従い、好適にはクリッ
ピング剤を用いそして場合により脂肪族アルコールを用いて、そのような固体状
の前駆体錯体を生成させることができる。次に、この前駆体錯体を単独で用いて
本自己支持型シクロアルカジエニル触媒(SSCC)を生成させることもでき、
或は本分野の技術者に知られる任意手段を用いてそれにチーグラー・ナッタ触媒
種含有作用剤によるハロゲン置換を行って前触媒成分に転化し、本発明の自己支
持型ハイブリッド触媒を生成させることも可能である。
【0041】 前記混合金属アルコキサイド錯体がおおよその式Mg3M(OEt)8Cl2
式中、MはIVB族の金属である]で表される制御された形態の粒状固体物質で
あるのが最も好適である。この錯体ではIVB族の金属がマグネシウムアルコキ
シ部分に配位しそれに永久的に固定されているのが好適である。そのような錯体
は、好適には、この上で定義したように、下記の反応: (3±a)Mg(OR)2+bM1(OR’)pq+cM2(OR”)rs+d
(Clipper) [ここで、a<1、b+c=1、d<1;p+q=4;r+s=4;M1、M2
はIVB族の金属であり;R、R’、R”はアルキルまたはアリールであり;X
、Yはハライド、アルコキサイド、アルキル、アリールであり;Clipper
は、高分子量のマグネシウムアルコキサイドもしくはアリールオキサイドの分解
を補助し得る種である] により製造することができる。
【0042】 本発明では、メチルアルミノキサン(MAO)またはMMAOを共触媒として
用いて前記混合金属アルコキサイド錯体を活性化することができるのが特に好適
である。本発明では、また、向上したフィルム属性およびフィルム形成属性(f
ilm−forming attributes)を有する重合体をもたらす混
合金属アルコキサイド錯体成分を用いるのも好適である。このような混合金属ア
ルコキサイド錯体成分の調製は最も好適にはマグネシウムエトキサイド、ZrC
4、Zr(OEt)4およびZr(OBu)4(これらはサリチル酸メチルの如
きクリッピング剤と混合することができる)を溶媒の存在下で接触させるにより
行う。次に、このような固体状の前駆体物質を単独で用いてSSCCを生成させ
てもよく、或はそれを最初にチーグラー・ナッタ触媒種含有作用剤と共に四塩化
ケイ素と四塩化チタンの混合物と反応させて前触媒に転化させ、ついで場合によ
りエチルアルミニウムジクロライドおよび/または三塩化ホウ素と反応させて自
己支持型ハイブリッド触媒を生成させることもできる。そのような混合金属アル
コキサイド成分はメタロセン成分(Cp)に優れた支持を与える。
【0043】 本発明では炭素原子数が3−30の如何なるシクロアルカジエニル化合物もC
p成分として使用可能である。Cpは好適には共役二重結合を2つ以上有する有
機環状化合物であり、その例には、共役二重結合を2つ以上、好適には2−4、
より好適には2−3有する全炭素原子数が3−30、好適には4−24、より好
適には4−12の環状炭化水素化合物が含まれる。このような環状炭化水素化合
物は1−6個の炭化水素部分、典型的には炭素原子数が1−12のアルキルもし
くはアラルキル基で部分的に置換されていてもよい。
【0044】 このCp成分を送り込んで前記混合金属アルコキサイド成分と反応させる時の
形態は、Cp成分を送り込みかつ前記混合金属アルコキサイド錯体に含まれるI
VB族の遷移金属原子と反応し得る如何なる形態であってもよい。このCp成分
は好適にはLiCp、MgCpX[ここで、Xはハロゲンである]、HCp+ア
ルキルアルミニウム、HCp+MAOまたはMMAOなどとして反応に送り込ま
れる。このCp成分はまた一般式 (Cp)LSiR4-L [式中、Cpは、環状炭化水素基、例えばシクロペンタジエニル、置換シクロペ
ンタジエニル、インデニルおよび置換インデニル基などであり、Rは、炭素原子
数が1−24、好適には1−12の炭化水素部分(この例はアルキル基、例えば
メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル、ヘキシルおよ
びオクチルなど、アルコキシ基、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシおよび
ブトキシなど、アリール基、例えばフェニルなど、アリールオキシ基、例えばフ
ェノキシなど、そしてアラルキル基、例えばベンジルなどである)、または水素
であり、そしてLは、1≦L≦4、好適には1≦L≦3である] で表され得る有機ケイ素化合物として反応に送り込むこともできる。
【0045】 Cpの特に好適な例には、これらに限定するものでないが、炭素原子数が3−
30のシクロポリエンもしくは置換シクロポリエン、例えばシクロペンタジエン
、メチルシクロペンタジエン、エチルシクロペンタジエン、t−ブチルシクロペ
ンタジエン、ヘキシルシクロペンタジエン、オクチルシクロペンタジエン、1,
2−ジメチルシクロペンタジエン、1,3−ジメチルシクロペンタジエン、1,
2,4−トリメチルシクロペンタジエン、1,2,3,4−テトラメチルシクロ
ペンタジエン、ペンタメチルシクロペンタジエン、インデン、4−メチル−1−
インデン、ブチルシクロペンタジエン、1,2−ビス(インデニル)エタン、4
,7−ジメチルインデン、4,5,6,7−テトラヒドロインデン、シクロヘプ
タトリエン、メチルシクロヘプタトリエン、シクロオクタテトラエン、メチルシ
クロオクタテトラエン、アズレン、エチルアズレン、フルオレン、メチルフルオ
レン、モノシクロペンタジエニルシラン、ジシクロペンタジエニルシラン、トリ
シクロペンタジエニルシラン、テトラシクロペンタジエニルシラン、モノシクロ
ペンタジエニルモノメチルシラン、モノシクロペンタジエニルモノエチルシラン
、モノシクロペンタジエニルジメチルシラン、モノシクロペンタジエニルジエチ
ルシラン、モノシクロペンタジエニルトリメチルシラン、モノシクロペンタジエ
ニルトリエチルシラン、モノシクロペンタジエニルモノメトキシシラン、モノシ
クロペンタジエニルモノエトキシシラン、モノシクロペンタジエニルモノフェノ
キシシラン、ジシクロペンタジエニルモノメチルシラン、ジシクロペンタジエニ
ルモノエチルシラン、ジシクロペンタジエニルジメチルシラン、ジシクロペンタ
ジエニルメチルエチルシラン、ジシクロペンタジエニルジプロピルシラン、ジシ
クロペンタジエニルエチルプロピルシラン、ジシクロペンタジエニルジフェニル
シラン、ジシクロペンタジエニルフェニルメチルシラン、ジシクロペンタジエニ
ルモノメトキシシラン、ジシクロペンタジエニルモノエトキシシラン、トリシク
ロペンタジエニルモノメチルシラン、トリシクロペンタジエニルモノエチルシラ
ン、トリシクロペンタジエニルモノメトキシシラン、トリシクロペンタジエニル
モノエトキシシラン、3−メチルシクロペンタジエニルシラン、ビス−3−メチ
ルシクロペンタジエニルシラン、3−メチルシクロペンタジエニルメチルシラン
、1,2−ジメチルシクロペンタジエニルシラン、1,3−ジメチルシクロペン
タジエニルシラン、1,2,4−トリメチルシクロペンタジエニルシラン、1,
2,3,4−テトラメチルシクロペンタジエニルシラン、ペンタメチルシクロペ
ンタジエニルシラン、モノインデニルシラン、ジインデニルシラン、トリインデ
ニルシラン、テトラインデニルシラン、モノインデニルモノメチルシラン、モノ
インデニルモノエチルシラン、モノインデニルジメチルシラン、モノインデニル
ジエチルシラン、モノインデニルトリメチルシラン、モノインデニルトリエチル
シラン、モノインデニルモノメトキシシラン、モノインデニルモノエトキシシラ
ン、モノインデニルモノフェノキシシラン、ジインデニルモノメチルシラン、ジ
インデニルモノエチルシラン、ジインデニルジメチルシラン、ジインデニルジエ
チルシラン、ジインデニルメチルエチルシラン、ジインデニルジプロピルシラン
、ジインデニルエチルプロピルシラン、ジインデニルジフェニルシラン、ジイン
デニルフェニルメチルシラン、ジインデニルモノメトキシシラン、ジインデニル
モノエトキシシラン、トリインデニルモノメチルシラン、トリインデニルモノエ
チルシラン、トリインデニルモノメトキシシラン、トリインデニルモノエトキシ
シラン、3−メチルインデニルシラン、ビス−3−メチルインデニルシラン、3
−メチルインデニルメチルシラン、1,2−ジメチルインデニルシラン、1,3
−ジメチルインデニルシラン、1,2,4−トリメチルインデニルシラン、1,
2,3,4−テトラメチルインデニルシラン、ペンタメチルインデニルシランお
よびそれらの混合物が含まれる。本発明のCp成分をインデン、1,2,3,4
,5−ペンタメチルシクロペンタジエン、トリメチルシリルシクロペンタジエン
、ジフェニルフルベン、1,2−ビスインデニルエタン、2−メチル−インデン
、トリメチルシリルインデン、ビス(インデニル)ジメチルシランおよびそれら
の混合物から成る群から選択するのが特に好適である。
【0046】 本発明のSSCCおよび自己支持型ハイブリッド触媒の調製は、その選択した
Cp成分と選択した混合金属アルコキサイド成分1種または2種以上の反応を可
能にする如何なる様式で行なうこともできる。最初に、本技術分野で公知の技術
(この上に記述した技術を包含)を用いて、個々の混合金属アルコキサイドとC
p成分を別個に調製する。好適には、混合金属アルコキサイド前駆体を調製しか
つCp成分を別途する。次に、これらの成分を互いに反応させてSSCCを生成
させるか、或はこれらの成分をチーグラー・ナッタ触媒種含有作用剤と共に互い
に反応させて自己支持型ハイブリッド触媒を生成させる。技術者は本明細書に示
した指針を用いて本発明で用いるに有用な混合金属アルコキサイド錯体およびC
p成分を調製することができるであろう。
【0047】 本発明では、SSCCの調製を、最初に混合金属アルコキサイド成分を適切な
溶媒、例えばトルエン、キシレン、クロロベンゼンなどに懸濁させるか或はスラ
リー化することにより行うのが好適である。次に、前記スラリーにCp成分を添
加することができ、ついでMAOまたはMMAOを約10分以内の時間かけて加
える。次に、このスラリーを個々の成分が反応するに充分な時間、好適には約1
0時間から約72時間、より好適には約10時間から約35時間、最も好適には
約10から約24時間撹拌する。この反応を充分に進行させると、本発明の固体
状SSCCを含有する混合物が生成する。前記混合金属アルコキサイド成分とチ
ーグラー・ナッタ触媒種含有作用剤を反応させて本発明の固体状の自己支持型ハ
イブリッド触媒を生成させる場合、この反応を起こさせる時期は、そのような混
合物を生成させる前、生成させている間または生成させた後であってもよい。
【0048】 次に、本技術分野で公知の技術(これには濾過、蒸発、真空蒸留などが含まれ
る)を用いて前記混合物から固体状成分を取り出すことができる。次に、その回
収した固体状成分は適切な溶媒で任意回数洗浄することができ、好適にはトルエ
ンで少なくとも1回洗浄した後にヘキサンで少なくとも1回洗浄する。次に、前
記洗浄の結果得られた固体状触媒成分(SSCCまたは自己支持型ハイブリッド
触媒)は慣用の技術で乾燥することができ、例えば窒素の如き不活性ガスを前記
固体の上に通すことにより固体状の粉末様粒状触媒成分を生成させることができ
、そしてこれを直ちに用いてもよく、或は不活性雰囲気下で貯蔵してもよく、或
は鉱油に入れてスラリーにしてもよい。
【0049】 如何なる理論でも範囲を限定することを意図するものでないが、Cp成分と混
合金属アルコキサイド成分を反応させると固体状錯体が生成し、個々の成分の間
の相互作用が触媒が通常の重合条件下で実質的に損なわれることのないほど強く
なると考えている。また、触媒を例えば鉱油などに懸濁させた時にも個々の成分
の間の相互作用が触媒が実質的に損なわれることのないほど強いのも好適である
。もしそうでないとすれば、その2つの成分が互いに離れて単に二者の混合物と
して機能することになってしまうと思われる。本SSCCの成分が実際に分離し
ていると、これはチーグラー・ナッタ触媒種を含有していないので、ジルコニウ
ムを含有する混合金属アルコキサイド部分はほとんど活性を示さないことから重
合体がほとんど生成しなくなり、かつまたCp成分もジルコニウムを含んでいな
いのである程度活性を示すとしても非常に僅かである。本自己支持型ハイブリッ
ド触媒の個々の成分が互いから分離していると、チーグラー・ナッタ触媒を単独
で用いた場合と同様な重合体が生成すると思われる、と言うのは、Cp成分はジ
ルコニウムを含有していないのでいくらか活性を示すとしても非常に僅かのみで
あるからである。
【0050】 しかしながら、本発明者らは、驚くべきことに、そのような状況のいずれも起
こらないことから個々の成分が重合中に互いに接触した状態のままであると言っ
た結論が導かれることを見いだした。如何なる理論でも範囲を限定することを意
図するものでないが、本発明者らは、Cp成分と混合金属アルコキサイド成分が
反応すると低分子量成分と高分子量成分の両方が互いに相互分散している重合体
粒子が得られると考えている。本発明とは全く対照的に、チーグラー・ナッタ触
媒とCp含有メタロセン触媒の通常の混合物を用いると高分子量の重合体粒子と
低分子量の重合体粒子が得られるが、それらを後でコンパウンド化して混合する
必要がある。
【0051】 本発明では如何なる溶媒もこれが前記混合金属アルコキサイド成分をスラリー
にして前記Cp成分との複分解(metathesis)反応を起こさせ得る限り使用可能で
ある。使用可能な溶媒には不活性溶媒、好適には非官能性炭化水素溶媒が含まれ
、それには脂肪族炭化水素、例えばブタン、イソブタン、エタン、プロパン、ペ
ンタン、イソペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、ヘ
キサデカン、オクタデカンなど、脂環式炭化水素、例えばシクロペンタン、メチ
ルシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン、ノルボルナン、エチルシ
クロヘキサンなど、芳香族炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、エチルベンゼ
ン、プロピルベンゼン、ブチルベンゼン、キシレン、テトラヒドロフランなど、
石油溜分、例えばガソリン、ケロセン、軽油など、および鉱油が含まれ得る。同
様にまたハロゲン化炭化水素、例えば塩化メチレン、クロロベンゼン、オルソ−
クロロトルエンなどを用いることも可能である。「不活性」は、引用される材料
が前記混合金属アルコキサイド成分とCp成分の間の反応を妨害しないことを意
味し、かつ「不活性」は、引用される材料が触媒を気相重合条件下の重合反応ゾ
ーン内で失活させずかつ反応ゾーンの中または外側でも失活させないことを意味
する。「非官能性」は、溶媒が活性触媒金属部位を失活させ得る強極性基の如き
基を含有しないことを意味する。
【0052】 本SSCCまたは自己支持型ハイブリッド触媒の合成は、好適には、前以て決
定した量の混合金属アルコキサイドと前以て決定した量のCp成分の反応を最小
体積の適切な溶媒および場合により前以て決定した量のチーグラー・ナッタ触媒
種含有作用剤の存在下で行うことにより実施可能である。本分野の技術者は、本
明細書に示した指針を用いて、必要なCp成分の量、ならびに反応を助長するに
必要な溶媒の量を決定することができる。このCp成分と混合金属アルコキサイ
ド成分の比率は幅広い範囲内で変えることができ、生成物である樹脂の所望特性
で決定される。例えば、本自己支持型ハイブリッド触媒を用いて二頂ポリオレフ
ィンを製造しようとする時に狭いMWDを示す低分子量成分の量の方を多くする
ことが望まれる場合には、より多いCp成分を用いることができる。同様な文脈
で、本自己支持型ハイブリッド触媒を用いて二頂ポリオレフィンを製造しようと
する時に幅広いMWDを示す高分子量成分の量の方を多くすることが望まれる場
合には、混合金属アルコキサイド成分の方を多く用いて、これにチーグラー・ナ
ッタ部分がより多く生成するように変性することもできる。
【0053】 本発明の自己支持型ハイブリッド触媒を用いる場合、チタンとジルコニウムの
比率、使用する混合金属アルコキサイド前駆体の量および種類、そして使用する
Cp成分の量および種類に応じて、高分子量成分および低分子量成分の各々の量
が変化し得る。技術者は本明細書に示す指針を用いてCp、混合金属アルコキサ
イドおよびチーグラー・ナッタ触媒種含有(例えばSiCl4および/またはT
iCl4)成分の各々の比率を変えることにより所望の生成物特性が得られるよ
うにすることができるであろう。
【0054】 本発明のSSCCおよび自己支持型ハイブリッド触媒は重合用触媒系の1成分
として働き、ここでは、それを共触媒および場合により選択率調節剤に接触させ
る。本発明の触媒と共に用いる共触媒は、メタロセン触媒を用いたオレフィン重
合で典型的に用いられる如何なる共触媒であってもよい。
【0055】 メタロセン触媒と共に典型的に用いられるアルミニウム含有活性化共触媒には
通常のアルミノキサン化合物が含まれる。例示的アルミノキサン化合物にはメチ
ルアルミノキサン(MAO)、変性メチルアルミノキサン(MMAO)またはエ
チルアルミノキサン(EAO)が含まれる。アルミノキサンは本技術分野で良く
知られており、式:
【0056】
【化1】
【0057】 で表されるオリゴマー状の線状アルキルアルミノキサンと式:
【0058】
【化2】
【0059】 で表されるオリゴマー状の環状アルキルアルミノキサンを含んで成り、ここで、
sは1−40、好適には10−20であり、pは3−40、好適には3−20で
あり、そしてR”は、炭素原子数が1から12のアルキル基、好適にはメチル、
エチル、またはアリール基、例えば置換もしくは未置換のフェニルもしくはナフ
チル基などである。
【0060】 アルミノキサンの調製は種々の方法で実施可能である。例えばトリメチルアル
ミニウムと水からアルミノキサンを生成させる時には、一般に、線状アルミノキ
サンと環状アルミノキサンの混合物が得られる。例えば、アルキルアルミニウム
を湿った溶媒の形態の水で処理することができる。別法として、アルキルアルミ
ニウム、例えばトリメチルアルミニウムなどを水和塩、例えば水和硫酸第一鉄な
どに接触させてもよい。この後者の方法は、トリメチルアルミニウムが例えばト
ルエンに入っている希薄溶液を硫酸第一鉄七水化物の懸濁液で処理することを含
んで成る。また、C2もしくは高級アルキル基を含有するテトラアルキルジアル
ミノキサンと化学量論的過剰量より少ない量のトリメチルアルミニウムを反応さ
せることによりメチルアルミノキサンを生成させることも可能である。メチルア
ルミノキサンの合成は、また、トリアルキルアルミニウム化合物またはC2もし
くは高級アルキル基を含有するテトラアルキルジアルミノキサンと水を反応させ
てポリアルキルアルミノキサンを生成させた後にトリメチルアルミニウムと反応
させることにより達成することも可能である。例えば米国特許第5,041,5
84号に開示されているように、C2もしくは高級アルキル基を含有するポリア
ルキルアルミノキサンをトリメチルアルミニウムと、及び続いて水と反応させる
ことによりメチル基と高級アルキル基の両方を含有するさらなる変性メチルアル
ミノキサンを合成することも可能である。
【0061】 好適な共触媒はアルミノキサンであり、変性メチルアルミノキサン(MMAO
)が最も好適である。
【0062】 ポリオレフィンが示す分子量分布の分割(split)は触媒組成物で用いる
触媒の量およびアルミニウム含有活性化共触媒の量によって決定される。この用
語「分割」は、結果として得られる二頂ポリオレフィンにおける低分子量成分と
高分子量成分の相対量を表す。アルミニウム含有活性化共触媒に含まれるアルミ
ニウム原子全体と本自己支持型ハイブリッド触媒に含まれるIVB族の金属原子
全体のモル比を調整することにより、二頂もしくは多頂ポリオレフィンの分子量
分布を微調整することができる。例えば、Cp含有メタロセン触媒を用いる時に
はアルミニウム含有活性化共触媒をより多い量で用いる必要があることが一般に
知られている。従って、アルミニウムの量を少なくすることは本発明の自己支持
型ハイブリッド触媒のCp部分によって生成する特定の重合体成分の量を少なく
することに役立つことができ、従って、結果として得られるポリオレフィンのM
WDに影響を与え得る。ポリオレフィンが示す分子量分布を広げようとする時に
はアルミニウム/(IVB族の遷移金属)のモル比を高くすることができる。ポ
リオレフィンの分子量分布を狭くしようとする時にはアルミニウム/(IVB族
の遷移金属)のモル比を下げることができる。本分野の技術者は本明細書に示し
た指針を用いて所望MWDを示す重合体の具体的な注文に合わせるようにアルミ
ニウム/遷移金属モル比を変えることができるであろう。
【0063】 本SSCCおよび/または自己支持型ハイブリッド触媒組成物中の有効なアル
ミニウム/(IVB族の遷移金属)のモル比が全体として一般に約2:1から約
100,000:1、好適には約10:1から約10,000:1、最も好適に
は約50:1から約500:1の範囲になるようにする。本発明ではAl:Zr
比を約100:1より高くし、最も好適には約300:1より高くするのが好適
である。
【0064】 本発明の触媒系を用いてプロピレンを重合させる場合、典型的にはまた外部電
子供与体(external electron donor)も用いる。この
電子供与体は、ポリプロピレン単独重合体または共重合体を製造する時にチーグ
ラー・ナッタおよび/またはメタロセン触媒と共に用いるに有効な電子供与体の
1つであることができる。このような電子供与体は典型的には有機ケイ素化合物
である。本発明で用いるに有用な適切な電子供与体の例はメチルシクロヘキシル
ジメトキシシラン(MCHDMS)、ジフェニルジメトキシシラン(DPDMS
)、ジシクロペンチルジメトキシシラン(DCPDMS)、イソブチルトリメト
キシシラン(IBTMS)およびn−プロピルトリメトキシシラン(NPTMS
)である。電子供与体の他の例が米国特許第4,218,339号、4,395
,360号、4,328,122号、4,473,660号、4,562,17
3号および4,547,552号(これらは各々引用することによって全体が本
明細書に組み入れられる)に開示されている。
【0065】 この固体状のオレフィン重合用触媒はオレフィン重合技術で公知の如きスラリ
ー、液相、気相および液状単量体型の反応系で使用可能である。しかしながら、
好適には、炭素原子数が2から8のアルファ−オレフィンを本触媒系の成分、即
ち固体状の前触媒成分、共触媒および任意のSCAに連続的に接触させることに
より、重合を流動床重合反応槽内で実施する。このような方法に従い、本触媒成
分の個別部分を触媒有効量で反応槽にアルファ−オレフィンと共に連続供給して
もよく、それと同時に連続工程中に重合体生成物を絶えず取り出す。アルファ−
オレフィンを連続的に重合させるのに適した流動床反応槽は以前に記述されてお
り、本技術分野で良く知られている。この目的で用いるに有用な流動床反応槽は
、例えば米国特許第4,302,565号、4,302,566号および4,3
03,771号(これらの開示は引用することによって本明細書に組み入れられ
る)に記述されている。本分野の技術者は本明細書に示した指針を用いて流動床
重合反応を実施することができるであろう。
【0066】 流動床反応槽からの未反応単量体の再循環流れを利用して前記流動床の操作を
行うのも時には好適である。これに関連して、その再循環流れの少なくとも一部
を凝縮させるのが好適である。別法として、液状の溶媒を用いて凝縮を誘発させ
ることも可能である。これは操作を「凝縮様式」で行うとして本技術分野で知ら
れている。流動床反応槽を凝縮様式で操作することは一般に本技術分野で公知で
あり、例えば米国特許第4,543,399号および4,588,790号(こ
れらの開示は引用することによって全体が本明細書に組み入れら)に記述されて
いる。このような凝縮様式を用いるとアイソタクティックポリプロピレンに含ま
れるキシレン可溶物の量が少なくなり、本発明の触媒を用いた時の触媒性能が向
上することを確認した。
【0067】 本触媒組成物は懸濁、溶液、スラリーまたは気相方法のいずれの方法でも、公
知の装置および反応条件を用いてオレフィン重合に用いることができ、特定種類
の反応装置に限定するものでない。オレフィン重合温度は大気圧、大気圧以下ま
たは大気圧以上の圧力下で一般に約0℃から約200℃の範囲である。スラリー
または溶液重合方法では大気圧以下または大気圧以上の圧力および約40℃から
約110℃の範囲の温度を用いることができる。有用な液相重合反応装置が米国
特許第3,324,095号に記述されている。液相反応装置は一般に反応槽を
含んで成っていて、これにオレフィン単量体および触媒組成物を添加しそしてこ
れにポリオレフィンを溶解または懸濁させるための液状反応媒体を入れる。この
液状反応媒体はバルク(bulk)な液状単量体または用いる重合条件下で反応
を起こさない不活性な液状炭化水素で構成させることができる。そのような不活
性液状炭化水素が本方法で得られる触媒組成物または重合体の溶媒として機能す
る必要はないが、これは一般に重合で用いる単量体用の溶媒として働く。この目
的で用いるに適した不活性液状炭化水素はとりわけイソペンタン、ヘキサン、シ
クロヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエンなどである。掻き混ぜまたは撹拌
を絶えず行うことにより、オレフィン単量体と触媒組成物の間で反応が起こるよ
うな接触を維持すべきである。オレフィン重合体生成物と未反応のオレフィン単
量体を含む反応媒体を連続的に反応槽から排出させる。オレフィン重合体生成物
を分離した後、未反応のオレフィン単量体と液状の反応媒体を反応槽に再循環さ
せる。
【0068】 好適には気相重合が用いられ、圧力を大気圧以上の圧力である1から1000
、好適には50から400psi、最も好適には100から300psiの範囲
にしそして温度を30から130℃、好適には65から110℃の範囲にする。
特に撹拌型または流動床気相反応装置が有用である。一般的には、1種以上のオ
レフィン単量体を含有する流れを反応条件下の流動床反応槽に触媒組成物の存在
下で連続的に固体粒子の床が懸濁状態に維持されるに充分な速度で通過させるこ
とにより、通常の気相流動床方法を実施する。未反応単量体を含む流れを反応槽
から連続的に排出させ、圧縮し、冷却し、米国特許第4,528,790号およ
び5,462,999号に開示されているように、場合により完全にまたは部分
的に凝縮させた後、反応槽に再循環させる。生成物を反応槽から取り出しそして
補給用単量体を再循環流れに添加する。また、所望に応じて、前記装置の温度を
管理する目的で触媒組成物にも反応体にも不活性な如何なるガスもガス流れに存
在させることができる。加うるに、米国特許第4,994,534号に開示され
ているように、流動助剤、例えばカーボンブラック、シリカ、粘土またはタルク
などを用いることもできる。
【0069】 重合は単一の反応槽内でか或は直列連結の2基以上の反応槽内で実施可能であ
り、実質的に触媒毒の非存在下に実施する。触媒活性を高くする目的で有機金属
化合物を毒捕捉剤として用いることもできる。捕捉剤の例はアルキル金属、好適
にはアルキルアルミニウム、最も好適にはトリイソブチルアルミニウムである。
【0070】 この重合の正確な手順および条件は幅広い意味で慣用の手順および条件である
が、固体状前駆体から生成させた重合用触媒を用いることからオレフィン重合方
法で生成するポリオレフィン生成物は比較的高いかさ密度を示し、かつ本オレフ
ィン重合用触媒が相対的に高い生産性を示すことを反映した量でポリオレフィン
生成物が生成する。加うるに、本発明で生成した重合体生成物は微細物の濃度が
低い。
【0071】 本方法に慣用の添加剤を含ませることができるが、但しそれらが本触媒組成物
が所望のポリオレフィンを生成する時の操作を妨害しないことを条件とする。本
方法で水素を連鎖移動剤として用いる場合、使用する水素の量は全単量体供給原
料1モル当たり約0.001から約10モルの範囲で変化する。また、所望に応
じて前記装置の温度を制御する目的でまた本触媒組成物にも反応体にも不活性な
如何なるガスもガス流れ中に存在させることができる。
【0072】 本発明の重合生成物は如何なる生成物であってもよく、単独重合体、共重合体
、ターポリマーなどであってもよい。この重合生成物は通常、単独重合体、例え
ばポリエチレンまたはポリプロピレン、特にポリプロピレンである。別法として
、本発明の触媒および方法は共重合体の製造で用いるにも有用であり、そのよう
な共重合体には、エチレンとプロピレンの共重合体、例えばEPRなど、そして
ポリプロピレン衝撃共重合体(polypropylene impact c
opolymers)[2種以上のオレフィン単量体を重合過程に供給した場合
]が含まれる。本分野の技術者は本明細書に示した指針を用いて単独重合体、共
重合体、ターポリマーなどの適切な重合を液状スラリーまたは気相反応条件を用
いて実施することができるであろう。
【0073】 ここに、以下に示す非限定実施例を示すことで本発明の説明を行う。
【0074】 (実施例) 本実施例では、以下に定義する用語を用いる。
【0075】 用語解 密度(g/ml)の測定を、ASTM 1505に従い、ASTM D−19
28の手順Cのプラーク(plaque)調製を基にして行った。プラークを作
成しそして平衡結晶化度に近づくように条件付けを100℃で1時間行った後、
密度勾配カラム(density gradient column)を用いて
密度の測定を行った。
【0076】 MMAOは、アルミニウムが約2.3モルであるように変性メチルアルミノキ
サン(タイプ3A)がヘプタンに入っている溶液であり、これはAkzo Co
rporationから入手可能である。
【0077】 PDIは多分散性指数を表し、これは分子量分布(Mw/Mn)に相当する。P
DIの測定では、架橋したポリスチレンが下記の孔サイズの順で入っているカラ
ム(1本のカラムに1000Å未満のポリスチレン、3本のカラムに混合5x1
7Åのポリスチレンが入っている)が用いられているゲルろ過クロマトグラフ
ィー(SEC)を用い、1,2,4−トリクロロベンゼン溶媒を140℃で用い
て、屈折率による検出も行った。
【0078】 MIはメルトインデックス(場合によりI2と呼ぶ)[10分当たりのグラム
として報告]であり、これの測定をASTM D−1238、条件Eに従って1
90℃で行った。
【0079】 FIはフローインデックス(場合によりI21と呼ぶ)[10分当たりのグラム
として報告]であり、これの測定をASTM D−1238、条件Fに従って行
い、前記メルトインデックス試験で用いた荷重の10倍の荷重で測定を行った。
【0080】 3番目のインデックス(I5と呼ぶ)の測定を5.0Kgの荷重を用いる以外
はMIおよびFIと同じ条件下で行った。
【0081】 MFRはメルトフロー比であり、これはフローインデックスとメルトインデッ
クスの比率である。これは重合体の分子量分布に関係する。
【0082】 活性を重合体(Kg)/触媒(g)/時/エチレン(100psi)で示す。実施例1 自己支持型シクロアルカジエニルHf/Zr触媒の調製 混合マグネシウム−ハフニウム−ジルコニウムアルコキサイド錯体を下記の如
く調製した。
【0083】
【化3】
【0084】 HfCl4(4.40g、13.75ミリモル)、Zr(OEt)4(1.02
g、3.75ミリモル)およびZr(OBu)4(4.40g、87.5%、1
0.0ミリモル)を8オンスのボトル内でエタノール(5.6ml、4.4g、
95ミリモル)と混合した後、サリチル酸メチル(0.38g、2.5ミリモル
)を加えて、この混合物を室温で一晩撹拌することで、麦藁黄色の溶液を得た。
前記ボトルにクロロベンゼンを70gに続いてMg(OEt)2(8.58g、
75ミリモル)そして続いて更にクロロベンゼンを30g加えた。このボトルを
100℃のオイルバスに入れて440rpmで120分間撹拌すると、この時点
で、マグネシウムエトキサイド粒子の全部が溶解したように見えた。前記ボトル
のキャップを外して、反応物の上に窒素流を溶媒の約8%が蒸発するまで穏やか
に流した。この混合物をグローブボックスに移して、温かい状態で濾過した。そ
の固体をクロロベンゼンで1回そしてヘキサンで2回洗浄した後、窒素流下で乾
燥させた。直径が5から15ミクロンの白色粒子で主に構成されている白色粉末
を11.2g得た。
【0085】 15mlのトルエンにこの上で調製した混合マグネシウム−ハフニウム−ジル
コニウムアルコキサイド錯体を1.12g(Zr+Hfが〜1.3ミリモル)入
れることでスラリーにして、これにインデンを0.58g(5ミリモル)加えた
。2分間かけてMMAO/ヘプタン溶液を2.9ml(Alが5ミリモル)加え
た。この淡黄色のスラリーを一晩撹拌した後、濾過した。その固体をトルエンで
1回、続いてヘキサンで3回洗浄した後、窒素流下で乾燥させ、クリーム色のハ
イブリッド触媒粉末を1.24g得た。この粉末(200mg)を20mlのK
AYDOL(商標)油に混合することで重合試験用の触媒サンプルを調製した。 自己支持型シクロアルカジエニル触媒の重合 1リットルのステンレス鋼製反応槽にヘキサンを500mlおよび1−ヘキセ
ンを5ml入れて、これにH2を12標準立方センチメートル(SCC)加えた
(1.0psiの分圧)。50ccのボンベにこの上で調製した混合Hf/Zr
触媒サンプル(1.2%スラリーを0.6ml)とMMAO(1.74Mのヘプ
タン溶液を1.74ミリモル)を入れて混合した後、エチレン圧および約20m
lのヘキサンを用いて反応槽(90分間放置した後)に注入した。全圧を181
psiに維持する必要に応じてエチレンを加えながら重合を85℃で60分間行
った後、イソプロパノールを2ml注入することで反応を停止させた。触媒の崩
壊速度は23%/20分であった。重合体を集めて空気で一晩乾燥させた後、特
徴付けを行った。I5が0.47dg/分でフローインデックス(I21)が3.
66dg/分の重合体を77.3g得た。SECは曲線が対称的であることを示
しており、Mw/Mn=4.5であった。実施例2 マグネシウムジルコニウムアルコキサイド錯体を下記の如く調製した。
【0086】 MgとZrを含有する前駆体の調製 マグネシウムとジルコニウムを含有する前駆体を下記の反応で調製した。
【0087】
【化4】
【0088】 A. 約32.0g(138ミリモル)のZrCl4、Zr(OEt)4(10.
2g、37.5ミリモル)およびZr(OBu)4(44.0g、87.5%、
100ミリモル)を1クォートのボトル内で71ml(55.5g、1.2モル
)のエタノールと混合した。次に、サリチル酸メチル(1.9g、12.5ミリ
モル)を加えた後、この混合物を室温で一晩撹拌(溶液が温かくなる)すること
で、黄色から暗褐色の溶液を得た(固体が完全に溶解した)。この溶液を660
gのクロロベンゼンで希釈した。このボトルを窒素で迅速パージ(quick
purge)し、密に蓋をした後、シリコン流体(PDMS、20cs)浴に入
れて、これを75℃に加熱して440rpmで撹拌した。材料の温度が65℃に
到達した時点で、Mg(OEt)2(85.8g、750ミリモル)を加えた。
75℃で3時間後にマグネシウムエトキサイド粒子の全部が溶解したように見え
、それによって均一で半透明なスラリーが生じた。窒素を穏やかに流し始めて約
4時間継続した(溶媒の10−15%が蒸発するまで)。次に、加熱を止めて、
反応混合物を撹拌しながら一晩冷却した。
【0089】 この混合物をグローブボックスに移して、600mlの中間フリット(medium
frit)および1リットルの真空フラスコを用いて濾過した。前記ボトルを200
mlのクロロベンゼンで濯いだ後、これを用いて固体を洗浄した。次に、この固
体を250mlのヘキサンで3回洗浄した後、吸引乾燥(sucked dry
)させることで、12−24μmの半透明粒子で構成されている濃密な白色粉末
を88.4g得た。SEM分析により、前記粒子は短くて幅広い小板で構成され
ていることが分かった。この固体状物質を分析することにより、これはZrを約
13.9%とMgを13.5%含有することが分かった。
【0090】 前記反応を5ガロンの槽内でZrCl4を約650g用いて(そして他の全て
の反応体の規模を相当する規模にして)繰り返すことで白色粒状粉末を約2Kg
得た。 自己支持型シクロアルカジエニルZr触媒の調製 100mlのトルエンにこの上に示した実施例2に従って調製したマグネシウ
ム−ジルコニウムアルコキサイド錯体を33.04g(Zrが50.3ミリモル
)入れることでスラリーにして、これに99%のインデンを17.7g(152
ミリモル)加えた。5分間かけてMMAO/ヘプタン溶液を115ml(Alが
200ミリモル)加えた。この錆褐色のスラリーを一晩撹拌した後、濾過した。
その固体をトルエンで2回に続いてヘキサンで2回洗浄した後、窒素流下で乾燥
し、黄褐色の触媒粉末を40.65g得た。この粉末(200mg)を20ml
のKaydol油に混合することで重合試験用の触媒サンプルを調製した。 自己支持型シクロアルカジエニルZr触媒の重合 1リットルのステンレス鋼製反応槽にヘキサンを500mlおよび1−ヘキセ
ンを5ml入れて、これにH2を11標準立方センチメートル(SCC)(0.
9psiの分圧)、0.865Mのトリイソブチルアルミニウム/ヘプタンを0
.1mlおよびMMAOを1.0ml(1.74Mのヘプタン溶液を1.74ミ
リモル)加えた。50ccのボンベにこの上で調製した自己支持型触媒サンプル
(1.2%のスラリーを0.5ml)入れた後、エチレン圧および約20mlの
ヘキサンを用いて反応槽に注入した。全圧を103psiに維持する必要に応じ
てエチレンを加えながら重合を65℃で30分間行った後、イソプロパノールを
2ml注入することで反応を停止させた。触媒の崩壊速度は22%/20分であ
った。重合体を集めて空気で一晩乾燥させた後、特徴付けを行った。I5が0.
79dg/分でフローインデックス(I21)が6.41dg/分の重合体を42
.4g得た。SECは曲線が対称的であることを示しており、Mw/Mn=4.
2であった。この重合体のSECを図1に示す。
【0091】 メチルアルミノキサン(Alが2ミリモル)の代わりにエチルアルミノキサン
(Ethyl Corporationの)のヘプタンスラッシュ(slush
)を用いて重合を繰り返した。重合体を約13g得た。
【0092】 この実施例および実施例1により、幅広い分子量分布を示すポリオレフィンを
もたらす自己支持型シクロアルカジエニル触媒を調製し得ることが分かる。実施例3 自己支持型ハイブリッド触媒の調製 10mlのヘキサンに実施例2で調製した自己支持型シクロアルカジエニルZ
r触媒を約2.298g入れてスラリーにした。20%SiCl4+5%TiC
4+75%トルエンで構成させた溶液(11ml)を約2分間かけて加えた。
その結果得られた暗褐色のスラリーを室温で約2時間撹拌した後、固体を濾過で
集めた。この固体をヘキサンで3回洗浄した後、窒素流下で乾燥させることで、
褐色粉末を2.658g得た。5mlのヘキサンに前記褐色粉末を約1.355
g入れてスラリーにした後、SiCl4/TiCl4/トルエンを5ml加えて、
この混合物を30分間撹拌した後、固体を濾過で集めた。この固体をトルエンで
1回洗浄し、次にヘキサンで3回洗浄した後、窒素流下で乾燥させた。褐色粉末
の収量は1.34gであった。この粉末(100mg)を20mlのKaydo
l油に混合することで重合試験用サンプルを調製した。 ハイブリッド触媒の重合 1リットルのステンレス鋼製反応槽にヘキサンを500mlおよびヘキセンを
5ml入れて、これにH2を101SCC(1.3psiの分圧)加えた。シリ
ンジを用いて最初にTIBA(0.865Mのヘプタン溶液を0.1ml)そし
て次にMMAO(1.74Mのヘプタン溶液を1.74ミリモル)を注入した。
エチレン圧および約20mlのヘキサンを用いて、この上で調製したハイブリッ
ド触媒サンプル(0.6%のスラリーを0.5ml)を50mlのボンベから注
入した。全圧を103psiに維持する必要に応じてエチレンを加えながら重合
を65℃で30分間行った後、イソプロパノールを2ml注入することで反応を
停止させた。重合体を集めて空気で一晩乾燥させた後、特徴付けを行った。I5
が0.32dg/分でフローインデックス(I21)が6.62dg/分の重合体
を54.2g得た。SECは曲線に2つの丘があることを示しており、Mw/M
n=18.7であった。このSECを図2に示す。実施例4 自己支持型シクロアルカジエニルZr触媒の調製 200mlのヘキサンにこの上に示した実施例2に従って調製したマグネシウ
ム−ジルコニウムアルコキサイド錯体を42.9g入れてスラリーにした。撹拌
を行いながら20%SiCl4/トルエン220mlをゆっくり加えた。このス
ラリーを60℃のオイルバスの中で2時間撹拌した後、濾過した。その固体をヘ
キサンで3回洗浄した後、窒素流下で乾燥させることで、白色の触媒前駆体粉末
を39.9g得た。
【0093】 10mlのトルエンにこの上に記述したSiCl4による処理を行ったマグネ
シウム−ジルコニウムアルコキサイド錯体を3.28g(Zrが〜5.0ミリモ
ル)入れることでスラリーにして、これにインデンを1.16g(10ミリモル
)加えた。2分間かけてMMAO/ヘプタン溶液を5.75ml(Alが10ミ
リモル)加えた。反応が以下の式
【0094】
【化5】
【0095】 に従って進行し、ここで、成分Aはマグネシウムジルコニウムアルコキサイド錯
体であり、そして成分Bは、自己支持型シクロアルカジエニルZr触媒である。
暗褐色のスラリーを一晩振とうした後、濾過した。その固体をトルエンで1回洗
浄し、次にヘキサンで2回洗浄した後、窒素流下で乾燥させることでカーキ色の
ハイブリッド触媒粉末を3.27g得た。この粉末(200mg)を20mlの
Kaydol油に混合することで重合試験用触媒サンプルを調製した。 自己支持型シクロアルカジエニルZr触媒の重合 1リットルのステンレス鋼製反応槽にヘキサンを500ml入れて、これにH 2 を40SCC(2.2psiの分圧)加えた。シリンジを用いてMMAO(1
.74Mのヘプタン溶液を1.74ミリモル)注入した。エチレン圧および約2
0mlのヘキサンを用いて、この上で調製したハイブリッド触媒サンプル(1.
2%のスラリーを1.0ml)を50mlのボンベから注入した。全圧を156
psiに維持する必要に応じてエチレンを加えながら重合を85℃で30分間行
った後、イソプロパノールを2ml注入することで反応を停止させた。重合体を
集めて空気で一晩乾燥させた後、特徴付けを行った。メルトインデックス(I2
)が0.48dg/分でI5が1.08dg/分でフローインデックス(I21
が9.63dg/分(MFR=20)の重合体を56.7g得た。SECは曲線
が対称的であることを示しており、Mw/Mn=15.4であった。
【0096】 この実施例は、混合金属アルコキサイド成分に最初の変性を行ってチーグラー
・ナッタ触媒成分を生成させた後に前記成分をCp成分と反応させて自己支持型
ハイブリッド触媒を生成させることで得た自己支持型ハイブリッド触媒を用いる
と幅広い(broad)二頂ポリオレフィンを調製することができることを示し
ている。実施例5 自己支持型シクロアルカジエニルZr触媒の調製 100mlのトルエンにこの上に示した実施例2に従って調製したマグネシウ
ム−ジルコニウムアルコキサイド錯体を33g(Zrが50ミリモル)入れてス
ラリーにして、これにインデンを177g(152ミリモル)加えた。4分間か
けてMMAO/ヘプタン溶液を115ml(Alが200ミリモル)加えた。錆
褐色のスラリーを一晩撹拌した後、濾過した。その固体をトルエンで2回洗浄し
、次にヘキサンで2回洗浄した後、窒素流下で乾燥させることで黄褐色のハイブ
リッド触媒粉末を40.65g得た。 ハイブリッド触媒の調製 この上と同様に調製した自己支持型シクロアルカジエニルZr触媒の数サンプ
ルを少量のTiCl4と共に鉱油スラリーの状態で一晩振とうすることにより、
変性を行った(以下の表1に示すようにTi/Zr=0.1−0.8)。各実験
で用いる水素の量を変えてフローインデックスがほぼ8の重合体が得られるよう
にする以外は重合を実施例3と同様に実施した。この目標は、高いMWをもたら
すチーグラー・ナッタ触媒種含有作用剤と同様に、I21/I5が目標の20に近
い重合体が得られるに充分な量でTiCl4を加えることにあった。TiCl4
使用量を変えた場合の重合結果を以下の表に示す。Ti/Zrが〜0.26の時
にI21/I5値が最適になることが分かり、これを図3に示す。
【0097】
【表1】
【0098】 この実施例は、混合金属アルコキサイド成分とCp成分を反応させそしてこの
成分に変性を行って自己支持型ハイブリッド触媒を生成させることで得た自己支
持型ハイブリッド触媒を用いると幅広い分子量分布および二頂分布を示すポリオ
レフィンを調製することができることを示している。実施例6 自己支持型シクロアルカジエンZr触媒の調製 150mlのトルエンにこの上に示した実施例2に従って調製したマグネシウ
ム−ジルコニウムアルコキサイド錯体を50.25g(Zrが76.6ミリモル
)入れてスラリーにして、これに99%のインデンを28.77g(248ミリ
モル)加えた。4分間かけてMMAO/ヘプタン溶液を174ml(Alが34
8ミリモル)加えた。錆褐色のスラリーを一晩撹拌した後、濾過した。その固体
をトルエンで2回洗浄し、次にヘキサンで2回洗浄した後、窒素流下で乾燥させ
ることでカーキ色の触媒粉末を61.5g得た。 ハイブリッド触媒の調製 255mlのヘキサンに前記カーキ色の触媒粉末を約51.3g入れてスラリ
ーにした。20%SiCl4+5%TiCl4+75%トルエンで構成させた溶液
(168ml)を約2分間かけて加えた。その結果得られた暗褐色のスラリーを
約1時間振とうした後、固体を濾過して集めた。この固体をヘキサンとトルエン
の50/50混合物で1回そして次にヘキサンで3回洗浄した後、窒素流下で乾
燥させることで、赤−褐色粉末を57.4g得た。250mlのヘキサンに前記
赤−褐色粉末を入れてスラリーにした後、この上に示したのと同じSiCl4
TiCl4/トルエンを168ml用いて2回目の処理を行った。乾燥させた褐
色粉末の収量は66.2gであった。元素分析により、この粉末の組成は7.3
0%がZrで6.23%がAlで7.39%がMgで5.28%がTiであるこ
とが分かった。この粉末(20g)を54.2mlのKaydol油に混合する
ことで重合試験用サンプルを調製した。 ハイブリッド触媒の重合(気相/撹拌床における) MMAOを共触媒として用いてエチレンとヘキサンの共重合を撹拌床気相反応
槽内で実施した。エチレンの流量を1時間当たり約5から7ポンドの範囲に調整
した。反応槽の圧力を300psigにし温度を85℃にして水素を約4500
ppm用いて調製した重合体は、SECで示されるように、二頂分子量分布を示
し、Mw/Mn=61.7であった。このSECを図4に示す。実施例7 自己支持型シクロアルカジエンZr触媒の調製 5ガロンの反応槽にトルエンを3kg入れ、これに実施例2のMgとZrを含
有する前駆体を約1500g入れてスラリーにした。撹拌を25から30゜で行
いながら、99%のインデンを約1260g加えた。これに18.3%のMMA
O/イソペンタン(Alが7重量%)を約4.7Kg加えた。この混合物を25
から30゜で約12時間撹拌した後、固体を濾過で集めた。その固体を約6Kg
のトルエンで1回洗浄し、次に約6Kgのヘプタンで2回洗浄し、そしてイソペ
ンタンで1回洗浄した後、窒素流下で乾燥させた。明褐色粉末を約1750g得
て、これは10.7%がZrで9.28%がMgで12.8%がAlで8.77
%がClであると分析した。
【0099】 5ガロンの反応槽にトルエンを5.3kg入れて、これに前記明褐色粉末を約
1700g入れてスラリーにした。撹拌を25から30゜で行いながら、99%
のインデンを約935g加えた。これに18.3%のMMAO/イソペンタン(
Alが7重量%)を約3.5Kg加えた。この混合物を25から30゜で約12
時間撹拌した後、固体を濾過で集めた。その固体を約6Kgのトルエンで2回洗
浄し、次に約6Kgのヘプタンで2回洗浄し、そしてイソペンタンで1回洗浄し
た後、窒素流下で乾燥させた。褐色粉末を約1870g得て、これは7.39%
がZrで7.53%がMgで16.6%がAlで7.60%がClであると分析
した。 ハイブリッド触媒の調製 1.3リットルのヘキサンに前記シクロアルカジエンZr触媒粉末を約580
g入れてスラリーにした。118mlのSiCl4+25.3mlのTiCl4
640gのトルエンで構成させた溶液を約2分間かけて加えた。その結果得られ
た暗褐色のスラリーを約2時間振とうしながら、時折排気を行って生成した少量
の気体を放出させた。次に、固体を濾過で集めた。この固体をヘキサンとトルエ
ンの50/50混合物で2回そして次にヘキサンで2回洗浄した後、窒素流下で
乾燥させた。この赤−褐色粉末を1.4リットルのヘキサンに入れてスラリーに
した後、この上に示したのと同じ131mlのSiCl4と28.1mlのTi
Cl4と750mlのトルエンで構成させた2回目の溶液で処理した。乾燥させ
た褐色粉末の収量は661gであった。元素分析により、この粉末の組成は6.
01%がZrで14.9%がAlで6.63%がMgで3.79%がTiである
ことが分かった。この粉末(600g)を1543gのKaydol油に混合す
ることで重合試験用サンプルを調製した。 ハイブリッド触媒の重合 種晶床としての反応槽にメルトインデックスが10分当たり1.0グラムで密
度が1立方センチメートル当たり0.920グラムのポリエチレンを約100ポ
ンド仕込む。共重合用単量体はエチレンと1−ヘキセンであった。次に、前記反
応槽に80℃の高純度窒素によるパージ洗浄を水分含有量が3ppm未満になる
まで数時間行った。次に、この反応槽に窒素による高圧パージ洗浄を2回行った
後、この反応槽内に表2に挙げる条件を確立した:
【0100】
【表2】
【0101】 前記反応槽にイソペンタン中4重量パーセントのMMAOを1時間当たり約1
50立方センチメートルの供給速度で供給することで、これを共触媒として用い
た。次に、スラリー触媒供給装置を用いて28%ハイブリッド触媒/鉱油の供給
を1時間当たり6立方センチメートルの供給速度で開始した。この反応槽に供給
する触媒の供給速度を結果として樹脂が1時間当たり30ポンドの生産速度で得
られるように操作した。アルミニウムとチタンの比率を一定に維持する目的で、
触媒を1時間当たり1立方センチメートル供給する毎にMMAO溶液を1時間当
たり25立方センチメートルの供給速度で反応槽に供給した。この反応槽内のH 2 /C2モル比およびC6/C2モル比をフローインデックスが1分当たり7から1
0デシグラムで密度が1立方センチメートル当たり0.946から0.950グ
ラムの樹脂が得られるように操作した。この反応槽から出る樹脂が示す分割の目
標値は60/40(重量パーセント)であった、即ち60パーセントが高分子量
の樹脂で40パーセントが低分子量の樹脂であった。これをAl/Ti比、重合
温度およびエチレン分圧を操作することで達成した。過程が6時間に亘るバルク
樹脂(bulk resin)の特性を以下の表3に挙げる。図5に示すSEC
曲線は二頂生成物が得られたことを明らかに示している。
【0102】
【表3】
【0103】比較実施例 この比較実施例では、前以て生成させておいたモノ−Cpジルコニウム触媒を
マグネシウムアルコキサイド支持体に担持させると触媒生産性が著しく低下する
ことを示す。それとは対照的に、Cp基を添加する前にZrを支持体の中に組み
込んでおいた本発明の実施例は、はるかに優れた重合活性を示す。 触媒の調製 制御形態(controlled morphology)マグネシウムアルコ
キサイド支持体の調製 米国特許第4,806,696号の実施例67の手順に本質的に従って臭素と
マグネシウムメトキサイドから結晶性[Mg4(OMe)6(MeOH)10]Br 2 を調製した。 マグネシウムアルコキサイド支持体の部分的脱溶媒和(desolvation
) 150mlのシクロヘキサンに2.1g(10ミリモル)のテトラエトキシシ
ランと共に、この上で調製した結晶を約15g(Mgが〜19.7ミリモル)入
れてスラリーにした。この混合物を120゜のオイルバスに入れて穏やかな窒素
流下で溶媒の15%が蒸発するまで撹拌した。その固体を濾過で集め、ヘキサン
で洗浄した後、窒素流下で乾燥させることで粒状粉末を13.2g得た。これは
メタノールが約3当量失われたことに相当する。 マグネシウムアルコキサイド支持体に単一部位(single site)触媒を含浸 間隙率が中程度のフリット付き(fritted)漏斗(60ml)にこの上
で調製した支持体(部分的に脱溶媒和している)を約4.37g入れた。これに
トルエン中58%のブチルシクロペンタジエニルジルコニウムトリスピバレート
{C4954Zr(O2493}溶液(米国特許第5,527,752号に
概略が示されている手順に従って調製)を1.23g滴下して加えた。この脆い
固体を穏やかに約5分間撹拌することで粉末の全部が湿ることを確保した。次に
、この固体に乾燥窒素流を約40分間通すことで、自由流れするオフホワイト(
off−white)の粉末を4.97g得た。この粉末(165mg)を20
mlの鉱油に入れることで生成させたスラリーを重合試験用サンプルとして調製
した。 エチレンの重合 スラリー重合(水素を全く添加しないでヘキセンを10mlのみ用いる以外は
この上に本発明の実施例で記述したのと同様)で約3.0mlの前記スラリー(
約5.43ミクロモルのZr)と2.0mlの1.73M MMAO(Alが3
.48ミリモル)を共に用いてエチレンの共重合体を40.25g製造した。こ
の生産性は7.4Kg/Zr(ミリモル)/100psi/時に過ぎなかった。
MFRは17であった。これは非支持型触媒で期待される生産性の半分未満に相
当する。実施例8 自己支持型シクロアルカジエンZr触媒の調製 10mlのトルエンにこの上の実施例2と同様に調製したMgとZrを含有す
るマグネシウム−ジルコニウムアルコキサイド錯体(Zrを約5ミリモル含有)
を約3.3g入れてスラリーにした後、これにMMAOのヘプタン溶液を11.
5ml(Alが約20ミリモル)および下記の表から選択したシクロアルカジエ
ンを約15ミリモル用いて処理を行った。暗色のスラリーを一晩振とうした後、
濾過した。その固体をトルエンで2回そしてヘキサンで2回洗浄した後、窒素流
下で乾燥させた。各触媒(200mg)を20mlのKaydol油に混合する
ことで重合用サンプルを調製した。 自己支持型シクロアルカジエニルZr触媒の重合 実施例2に概略を示した手順に従い、1リットルの反応槽を用いて、ヘキサン
スラリー中で重合を実施した。生産性(実施例2のSSCC触媒の生産性の分率
として表す)、フローインデックス(I21)およびフロー比(I21/I5)を以
下の表4に示す。
【0104】
【表4】
【0105】実施例9 実施例2のマグネシウム−ジルコニウムアルコキサイド錯体の代わりに以下の
表に示す種々の混合マグネシウム/金属アルコキサイド錯体を用いる以外は実施
例2の手順に従って自己支持型シクロアルカジエニル触媒を調製した。実施例2
に記述したようにしてヘキサンスラリー中の重合を試みた。その結果を以下の表
5に示す。
【0106】
【表5】
【0107】 特に好適な態様を言及することで本発明を詳細に記述してきたが、本分野の技
術者は、本発明の精神および範囲から大きく逸脱することのないいろいろな変更
を本発明に対して成すことができることを理解するであろう。本明細書に記述し
た資料は全部引用することによって全体が本明細書に組み入れられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、実施例2に従って製造した重合体の分子量分布を示すゲルろ過クロマ
トグラフィー(SEC)図である。
【図2】 図2は、実施例3に従って製造した重合体の分子量分布を示すゲルろ過クロマ
トグラフィー(SEC)図である。
【図3】 図3は、実施例5の結果をグラフで示す図である。
【図4】 図4は、実施例6に従って製造した重合体の分子量分布を示すゲルろ過クロマ
トグラフィー(SEC)図である。
【図5】 図5は、実施例7に従って製造した重合体の分子量分布を示すゲルろ過クロマ
トグラフィー(SEC)図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,EE ,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S G,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ ,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 レイチル,ウオルター・トーマス アメリカ合衆国ニユージヤージイ州07059 ウオレン・マウンテンアベニユー158 Fターム(参考) 4J028 AA02 AB01 AC01 AC10 AC28 BA00A BA01B BB00A BB01B BC25B CB35A EA01 EB02 EB04

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体状の自己支持型シクロアルカジエニル触媒成分であって
    、(i)マグネシウムのアルコキサイドもしくはアリールオキサイドと少なくと
    も1種のIVB族の金属を含有するアルコキサイドもしくはアリールオキサイド
    の反応生成物である混合金属アルコキサイド錯体、(ii)Cp[ここで、Cp
    は、炭素原子数が3−30のシクロアルカジエニル炭化水素である]および(i
    ii)チーグラー・ナッタ触媒種を含んで成る固体状触媒。
  2. 【請求項2】 前記IVB族の金属がTi、ZrおよびHfから成る群から
    選択される請求項1記載の固体状触媒。
  3. 【請求項3】 Cpがシクロペンタジエニル化合物である請求項1記載の固
    体状触媒。
  4. 【請求項4】 Cpがシクロペンタジエン、インデン、ブチルシクロペンタ
    ジエン、1,2−ビス(インデニル)エタンおよびそれらの混合物から成る群か
    ら選択される1種以上のシクロペンタジエニル化合物である請求項3記載の固体
    状触媒。
  5. 【請求項5】 前記混合金属アルコキサイド錯体が下記の反応 (3±a)Mg(OR)2+bM1(OR’)pq+cM2(OR”)rs+d
    (Clipper) [ここで、a<1、b+c=1、d<1;p+q=4;r+s=4;M1、M2
    はIVB族の金属であり;R、R’、R”はアルキルまたはアリールであり;X
    、Yはハライド、アルコキサイド、アルキル、アリールであり;Clipper
    は、高分子量のマグネシウムアルコキサイドもしくはアリールオキサイドの分解
    を補助し得る種である] により生成した錯体である請求項1記載の固体状触媒。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の固体状触媒の製造方法であって、 (i)マグネシウムのアルコキサイドもしくはアリールオキサイドと少なくとも
    1種のIVB族の金属を含有するアルコキサイドもしくはアリールオキサイドの
    反応生成物である混合金属アルコキサイド錯体と(ii)Cp含有錯体[ここで
    、Cpは、炭素原子数が3−30のシクロアルカジエニル炭化水素である]と(
    iii)チーグラー・ナッタ触媒種含有作用剤を適切な溶媒中で反応させて固体
    状触媒成分を含有する混合物を生成させ、そして 前記混合物から固体状触媒成分を取り出す、 ことを含んで成る方法。
  7. 【請求項7】 前記IVB族の金属がTi、ZrおよびHfから成る群から
    選択される請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 Cpがシクロペンタジエン、インデン、ブチルシクロペンタ
    ジエン、1,2−ビス(インデニル)エタンおよびそれらの混合物から成る群か
    ら選択される1種以上のシクロペンタジエニル化合物である請求項6記載の方法
  9. 【請求項9】 少なくとも1種のオレフィンを重合させる方法であって、少
    なくとも1種のオレフィンとアルミニウム含有化合物と場合により選択率調節剤
    を請求項1記載の固体状触媒の存在下で接触させることを含んで成る方法。
  10. 【請求項10】 前記オレフィンがエチレン、プロピレン、ブチレンおよび
    それらの混合物から成る群から選択される請求項9記載の方法。
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