JP2003518231A

JP2003518231A - ２つのトルク案内部品のトルク伝達・軸方向保持装置

Info

Publication number: JP2003518231A
Application number: JP2001547473A
Authority: JP
Inventors: ジョセフ、ハウプト; アルフレート、スクラプス; アンドレアス、バイスベンガー
Original assignee: ZF Friedrichshafen AG
Current assignee: ZF Friedrichshafen AG
Priority date: 1999-12-22
Filing date: 2000-12-13
Publication date: 2003-06-03
Also published as: US6729199B2; KR20020073350A; US20020189387A1; DE50011134D1; WO2001046599A1; DE19961988A1; EP1240439A1; EP1240439B1

Abstract

(57)【要約】本発明は、トルクを案内する第１部品（２４）と第２部品（２６）のトルク伝達・軸方向保持装置に関する。本発明に基づく装置はリング状部品（２０）の形態を有し、このリング状部品（２０）は、その円周に沿って互いに間隔を隔てて分布された複数の軸方向突起（２２）を有している。これらの軸方向突起（２２）は、第１部品（２４）の端面（３０）に接する第２部品（２６）の歯状突起（２８）間にある溝の中に係合され、これにより軸方向突起（２２）における第１部品（２４）の面（３０）を向いた側が、第１部品（２４）の面（３０）に固定され得る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】本発明は、特許請求の範囲における請求項１の上位概念部分に記載の、２つの
トルク案内部品のトルク伝達・軸方向保持装置、並びにこの装置による２つのト
ルク案内部品のトルク伝達・軸方向保持方法に関する。

【０００２】まず、図１から図３に示されている公知の、２つのトルク案内部品のトルク伝
達・軸方向保持装置について説明する。

【０００３】例えば図１において、内ば歯車１と、多板クラッチ（図示せず）のシリンダの
形態を有した連動部品２との間で、トルク伝達が行われる。そのシリンダ内に、
それ自体公知のようにして、ピストン３が軸方向に移動可能に支持されている。
そのピストン３はシリンダに対して環状パッキン４によって密封されている。ト
ルクを伝達するために、内ば歯車１およびシリンダのシリンダ背面は、それらの
互いに向かい合う面１′、２′が溶接されている。この方式は、内ば歯車１とシ
リンダが互いに堅固に固定され、強制的に一緒に回転され、接線方向、半径方向
方向および軸方向における遊びの補償ができないという欠点がある。

【０００４】図２には、内ば歯車１と連動部品２との間の公知の異なったトルク伝達装置が
示されている。その場合、内ば歯車１の連動部品２側に、連動部品２の歯７が軸
方向に差し込まれる冠歯６が配置されている。図示されているように、連動部品
２は止め輪８によって、軸方向に固定されている。そのような方式は、特に、各
内ば歯車１に別途フライス加工によって冠歯６が形成されねばならない、という
問題がある。明らかなように、内ば歯車のそのような形成に極めて高い経費がか
かる。また、止め輪８の形態を有した別個の補助部品が必要とされ、これによっ
て、その装置の製造に一層の経費がかかる。しかしこの方式は、接線方向、半径
方向および軸方向における遊びを或る程度補償できる。

【０００５】図３に、更に異なったトルク伝達装置が示されている。その場合、連動部品２
に冠歯１０が配置され、この冠歯１０に、内ば歯車１から半径方向に突出したフ
ランジ１４に存在する冠歯１２が係合している。この方式も明らかなように、連
動部品２に冠歯１０がプレス加工され、内ば歯車１に冠歯１２が別途フライス加
工されねばならないので、非常に高い製造費用がかかる。また、軸方向に固定す
るために、止め輪８の形態を有した補助部品も必要とされる。

【０００６】本発明の課題は、２つのトルク案内部品を非常に簡単に結合することができ、
接線方向、半径方向および軸方向における遊びを補償することができるような、
２つのトルク案内部品のトルク伝達・軸方向保持装置を作ることにある。また、
この装置によって２つのトルク案内部品を結合する方法を提供することにある。

【０００７】この課題は、本発明に基づいて、特許請求の範囲請求項１に記載の２つのトル
ク案内部品のトルク伝達・軸方向保持装置、および請求項７に記載の２つのトル
ク案内部品のトルク伝達・軸方向保持方法によって、解決される。

【０００８】本発明の主な利点は、第１部品の端面に第２部品の外周にある歯が軸方向に当
てられ、リング状部品の形態を有した本発明に基づく構成要素が、そのリング状
部品にある各軸方向突起が、第２部品の各外周歯間にある溝内に係合し、第１部
品の端面に接触するように、第２部品の外周歯に軸方向に当てられ、最終的に、
その外周歯間の溝に係合する軸方向突起が、第１部品に固定されることによって
、２つの部品の結合が特に簡単に行えることある。このようにして、第１部品と
第２部品との間において、半径方向遊びおよび軸方向遊びが確保され、同時に、
第１部品において必要とされる高価な冠歯が不要とされる。上述の接線方法、半
径方向および軸方向における遊びの補償は、好適には、本発明に基づく装置によ
る両部品間の軸方向保持によって、同時に達成される。

【０００９】本発明に基づく構成要素は、好適には、単純なプレス・型押し加工によって製
造される。

【００１０】本発明の他の利点に基づいて、歯を備えた第２部品も、プレス加工によって製
造される。

【００１１】部品間の結合は、好適には、止め輪の組付けが不要であるので、僅かな半径方
向必要空間において行える。

【００１２】本発明の有利な実施態様は従属請求項に記載されている。

【００１３】以下図に示した実施例を参照して本発明を詳細に説明する。

【００１４】図４において、本発明に基づく装置は、主に、リング状部品２０の形態を有し
ている。このリング状部品２０はその円周に沿って互いに間隔を隔てて分布され
た複数の軸方向突起２２を有している。これらの軸方向突起２２は、リング状部
品２０からその片側面に型押し加工によって形成されている。

【００１５】この片側面は、図７および図８において、本発明に基づくトルク伝達・軸方向
保持装置によって互いに固定すべき第１部品２４および第２部品２６の側の面に
対応している。図７における第１部品２４は内ば歯車の形態を有し、この第１部
品２４に、第２部品２６として連動部品が固定される。この連動部品２６はその
外周に、好適には互いに一様に間隔を隔てて分布された歯状突起２８を有してい
る。これらの歯状突起２８は、それに面した第１部品２４の端面に当てられてい
る。

【００１６】第１部品２４および第２部品２６を半径方向および軸方向に固定するために、
互いに接する第１、第２の両部品２４、２６上にリング状部品２０が、このリン
グ状部品２０の軸方向突起２２が第２部品２６の歯状突起２８間にある溝の中に
係合するように、被せられている。軸方向突起２２の第１部品２４に面した側は
、第１部品２４の端面３０に接している。

【００１７】リング状部品２０の第１部品２４への本来の固定は、固定作業によって、好適
には、溶接作業、特に安価なＫＥ溶接作業あるいはレーザー溶接ないしラジアル
溶接ビームによるＥＢ溶接作業によって行われる。所定の用途において、接着に
よって固定することも考えられる。

【００１８】図６において、第２部品２６の歯状突起２８は、リング状部品２０の軸方向突
起２２間に保持されている。その場合、接線方向遊びＳＴ並びに半径方向遊びＳ
Ｒを設けることができる。その軸方向保持は、図８からも理解できるように、第
２部品２６の歯状突起２８を、第１部品２４の端面３０と、リング状部品２０の
２つの軸方向突起２２を橋渡しする部位との間に収容することによって行われる
。その場合、軸方向の遊びが可能である。

【００１９】図４、図５および図８において、リング状部品２０に軸方向突起２２を形成す
るために型押し加工する際、軸方向突起２２の第１部品２４に面した側に、それ
ぞれリブ状に突出した隆起部３４を形成することが考えられる。その隆起部３４
は、軸方向突起２２を上述したように第２部品２６の歯状突起２８間にはめ込ん
だ後、第１部品２４の端面３０に接する。図８において、このリブ状隆起部３４
は、溶接作業時に溶接材料蓄積部として利用される。この溶接材料蓄積部は、溶
接作業を実施する際、溶接継手（継目）３２を製造するために利用される。

【００２０】リブ状隆起部３０を形成する型押し加工中に、その反対側に、リング状部品２
０における軸方向突起２２の範囲に、相応した凹所３６が生ずる。好適には、リ
ング状部品２０は鋼から成る。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来における、互いに突き合わせ溶接された２つの部品間のトルク伝達・軸方
向保持装置の一部を示す断面図。

【図２】従来における、第１部品が第２部品の冠歯に係合し、軸方向に固定するために
止め輪が設けられている２つの部品間のトルク伝達・軸方向保持装置の一部を示
す断面図。

【図３】従来における、両部品が２つの冠歯を介して係合し、軸方向に固定するために
止め輪が設けられている２つの部品間のトルク伝達・軸方向保持装置の一部を示
す断面図。

【図４】リング状部品の形態を有した本発明に基づく装置の斜視図。

【図５】図４におけるＶ−Ｖ線に沿った側面図。

【図６】接線方向および半径方向遊びの補償を説明するための両部品並びにリング状部
品を軸方向から見た図。

【図７】両部品に取り付けられた本発明に基づく装置の縦断面図。

【図８】図７におけるVIII−VIII線に沿った断面図。

【符号の説明】

１内ば歯車１′ 内ば歯車の端面２連動部品２′ 連動部品の端面３ピストン４パッキン６冠歯７歯８止め輪１０冠歯１２冠歯１４フランジ２０構成要素（リング状部品）２２軸方向突起２４第１部品２６第２部品２８歯状突起３０第１部品の端面３２溶接継手３４隆起部３６凹所

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者アンドレアス、バイスベンガードイツ連邦共和国ラーベンスブルク、ローゼンシュトラーセ、９【要約の続き】

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】トルクを案内する第１部品（２４）および第２部品（２６）のトルク伝達・軸
方向保持装置において、この装置はリング状部品（２０）の形態を有し、このリング状部品（２０）が
その円周に沿って互いに間隔を隔てて分布された複数の軸方向突起（２２）を有
し、これらの軸方向突起（２２）が、第１部品（２４）の端面（３０）に接する
第２部品（２６）外周の複数の歯状突起（２８）間の溝内に係合され、軸方向突
起（２２）の第１部品（２４）の端面（３０）を向いた側が、第１部品（２４）
の端面（３０）に固定される、ことを特徴とする装置。
【請求項２】リング状部品（２０）の円周に沿って分布された複数の軸方向突起（２２）同
士が一様に間隔を隔てられている、ことを特徴とする請求項１記載の装置。
【請求項３】リング状部品（２０）およびその軸方向突起（２２）が、プレス・型押し加工
によって同時に形成されている、ことを特徴とする請求項１又は２記載の装置。
【請求項４】各軸方向突起（２２）がそれぞれ、第１部品（２４）の端面（３０）を向いた
側に、リング状部品（２０）の円周方向に延びるリブ状隆起部（３４）を有し、
これらの隆起部（３４）が、軸方向突起（２２）を第１部品（２４）に溶接作業
によって固定する際、溶接材料蓄積部として用いられる、ことを特徴とする請求
項１ないし３のいずれか１つに記載の装置。
【請求項５】リング状部品（２０）が鋼から成る、ことを特徴とする請求項１ないし４のい
ずれか１つに記載の装置。
【請求項６】軸方向突起（２２）におけるリブ状隆起部（３４）が、軸方向突起（２２）の
型押し加工時に同時に形成されている、ことを特徴とする請求項４又は５記載の
装置。
【請求項７】請求項１ないし６のいずれか１つに記載のトルクを案内する第１部品（２４）
および第２部品（２６）のためのトルク伝達・軸方向保持方法において、第１部品（２４）の端面（３０）に、第２部品（２６）の外周にある歯状突起
（２８）が軸方向に当てられ、リング状部品（２０）の各軸方向突起（２２）がそれぞれ第２部品（２６）の
外周にある歯状突起（２８）間の溝内に係合し、第２部品（２６）の第１部品（
２４）に面する側が第１部品（２４）の端面（３０）に接するように、リング状
部品（２０）が第２部品（２６）に軸方向に当てられ、軸方向突起（２２）が、固定作業によって第１部品（２４）の端面（３０）に
固定される、ことを特徴とする方法。
【請求項８】リング状部品（２０）の軸方向突起（２２）が、溶接作業によって、場合によ
ってはリング状部品（２０）の軸方向突起（２２）にあるリブ状隆起部（３４）
の材料を消費しながら、第１部品（２４）の端面（３０）に固定される、ことを
特徴とする請求項７記載の方法。
【請求項９】リング状部品（２０）の溶接が、ＫＥ溶接作業によって行われる、ことを特徴
とする請求項８記載の方法。
【請求項１０】リング状部品（２０）の溶接が、レーザー溶接ないしＥＢ溶接作業によって行
われる、ことを特徴とする請求項８記載の方法。
【請求項１１】軸方向突起（２２）の固定が、接着によって行われる、ことを特徴とする請求
項９又は１０記載の方法。