JP2003517865A - 人類や哺乳類の陣痛（ｌａｂｏｒ）予測装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 陣痛の開始を予測し及び／又は出産の切迫度を示し、さらにその技術に関する臨床学上の知識や特別な経験のない妊婦又はその他のいかなる看護者でも操作できる非介入的で非臨床的な使用を可能とする装置と方法の提供。 【解決手段】 複数の記録電極３を備えた可搬装置と必要ならば参照電極４と、データ入手手段１、アナログをデジタル化データに変換する手段と陣痛の準備状態を示唆する、はっきり区別された少数の結果の一つの表現としてこのデータを表示する表示手段５と各電極３は妊婦（特に腹部及び／又は膣表面）に適用する接触面を備え、装置はデジタル化データを予め記録された参照データ及び／又は予め決められた参照パラメータを参照して分析する分析手段１を備えている装置。電極３を妊婦に当て、データを集めて分析し、結果を陣痛の準備状態を示す指標として少数のはっきり区別された結果を表示する方法。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】

本発明は人類や動物の陣痛（a labour）の開始を予測する装置、当該装置を使
用した陣痛予測方法、及びその使用に関する。特に、早まる、予定通り、又は遅
れる等の陣痛の開始を予測する装置、妊婦（the subject）やその他の者が操作
する当該装置の使用方法、及びその使用に関する。

【０００２】

【従来の技術】

妊娠状態を決定づけ、本当の陣痛と判断するための子宮の収縮測定は多数の文
献に記載されている。例えば、ＵＳＰ４，９６７，７６１（Nathanielsz）には
子宮筋層収縮を感知し、感知した収縮を表す信号を生じさせ、信号を蓄積し、そ
して出産予定日の出産（term labour）や早産（preterm labour）に分類される
特徴的な周波数を決定付けることからなる方法が開示されている。ＷＯ９４／１
２３０３（Rosenberg）には筋肉の収縮を評価するための方法と診断具としての
装置が開示されている。しかしながら、触診した収縮の強さ、持続時間、周波数
の観点から機械的な活動の評価に用いる、このような臨床評価は陣痛の始まりや
進展に関係がなく、内部観察者によりかなりいろいろ異なった評価になりやすい
。

【０００３】 電気的活動の測定、子宮筋電図検査（electrohysterography）は陣痛探知に対
する代替的な方法として提案されてきた。例えば、ＷＯ９４／１４３７３（Garf
ield）には、はめ込まれた電極から信号を記録することが開示され、 ＷＯ９５
／３１９３２とＷＯ９６／３９９３１（Garfield）には、データを蓄積し,活動
を比較する方法が開示され、ＵＳＰ５，３７３，８５２（Harrison）には圧力、
温度及び電気的活動を感知するためのラジオテレメトリー（radiotelemetric tr
ansmission）を使用することが開示されている。ＷＯ９７／２５９２２（Rosenb
erg）には、さらに筋電図検査によるデータ（electromyographic data）の分析
方法が開示されている。

【０００４】 しかしながら、これらの公報は専らデータ収集のための臨床上の（clinical）
、通常は介入的な（intrusive）技術に関する。さらに、データ分析及び／又は
診断方法も一般的に専門的操作を要する複雑な方法によるものである。従って、
それらは臨床医の介入を要し、妊婦（the subject）が病院やクリニック等に通
わねばならないので適用が限定され、不便である。また、異常な妊娠を探知する
可能性は低いので、このことからも適用が限定される。

【０００５】 さらに、前記開示技術は、収縮や本物の陣痛の診断のために限定的に用いられ
る周波数分析の様々な態様を使用する子宮筋電図検査（electrohysterography）
によって得られる分析データ方法に関するものばかりである。開示された方法、
特に使用される分析技術は、陣痛が始まる前の収縮前出産準備段階の進展を測定
する予測手段として開示されてない。そのため、従来技術は徴候のある患者が分
娩中であるか否かだけを測定しうる診断方法を開示するものといえる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】

従って、陣痛の開始を非介入的（non-intrusively）に予測し及び／又は陣痛
の切迫度を示し、及び非臨床的な（non clinical）、例えば家庭での使用に適し
た装置に対する要請がある。特に、家庭内で操作でき、臨床医の助けなしに判断
可能な結果を示す装置が必要である。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

我々は今や驚くべきことに、陣痛の開始を予測し、及び／又は出産の切迫度を
示し、さらにその技術に関する臨床学上の知識や特別な経験のない妊婦（the su
bject）又はその他のいかなる看護者（observer）でも操作できる非介入的で非
臨床的な使用を可能とする装置と方法を見い出した。

【０００８】 本発明の装置と方法は、単に陣痛を診断する上で役立つというよりは、むしろ
予測的なものなので、分娩自体に先行する、予定より早期の陣痛の場合に必要な
箇所へ医学的援助を施すために最初の対策が講じられることを可能にし、例えば
予防的処置を与え、治療上の処置を単純化し、早産を原因とする人命損失や出産
傷害を減らすことができる。

【０００９】 また、本発明の装置と方法により、妊婦（the subject）は期待される陣痛の
始まりを正確に測定することができる。これは医療上の援助を求める妊婦（the
subject）にとって、辛く、危険なことが多い誤診や医療サービスにおける過剰
負担を避けるのに役立つが、陣痛の始まりが近づいたとき妊婦（the subject）
が医療上の援助を受け得る範囲内にいることを保証するのに役立つ。

【００１０】 従って、本発明の第１の側面では、複数の記録電極を備えた可搬装置（a pota
ble assembly）、データ入手手段、アナログをデジタル化データに変換する手段
、陣痛の準備状態を示唆する、はっきり区別された少数の結果の表現（terms）
、たとえば陣痛の準備を示す肯定的または否定的な結果の表現（terms）として
、このデータを表示するためのディスプレイとを備え、各電極は妊婦（a subjec
t）に適用する接触面を備え、前記装置（the device）はデジタル化データを予
め記録された参照データ及び／又は予め決められた参照パラメータを参照して分
析する分析手段を備え、前記装置（the assembly）はコンパクトな方法で操作で
きるように関連づけられている陣痛の開始を予測する装置を提供することにある
。

【００１１】 当該装置は、特に腹部又は膣表面に適用することにより、従来技術で知られた
方法とほぼ同じ態様で子宮の電気的活動を記録する。すなわち、分析に基づき患
者の腹部又は膣表面に適用可能な、活動可能性を測定する複数の記録電極が設け
られる；電極に接続されたアナログ−デジタル変換器は、筋電図検査による信号
（the electromyographic signals）を、筋電図検査による信号（the electromy
ographic signals）と活動可能性を示唆するデジタル化データに変換する；デジ
タル化データは蓄積され、予め記録された参照データ及び／又は予め決められた
参照パラメータを参照して分析され、その結果が測定した子宮の活動を示す明確
に区別された状態に関するある少数の数字を示して、このデータを表示するのに
適したディスプレイを働かせるのに用いられる。

【００１２】 本発明が従来技術と異なるのは、子宮の電気的活動の分析が、従来技術におけ
るように単に活発な陣痛の進展を監視すること及び／又は分析することだけでな
く、活発な陣痛が始まる前の分娩初期段階において子宮の陣痛準備の始まりを知
るために使用できるという驚きべき結果を活用することである。

【００１３】 当該ディスプレイは、子宮が陣痛の準備をするいくつかの個別的状態（例えば
、肯定的又は否定的な準備の結果を示す二つの状態モデル、例えば、出産前、初
期状態の変化、準備万端などを示す三つの状態モデル）のうちの一つを示す簡易
なディスプレイを提供するため、予め記録された参照データ及び／又は予め決め
られた参照パラメータに連動するように応用される。

【００１４】 従って、本発明により、子宮が出産の収縮又は陣痛段階を準備するとき、第一
に子宮の陣痛の始まりを予測し及び／又は出産の陣痛前の段階を監視することが
できる。さらに、本発明によりこれをコンパクトで携帯可能な態様で実現でき、
個別的な少数の結果だけで表示することにより、臨床医が介入する必要なく、妊
婦（a subject）が簡単に判断可能な結果を提供できるので、特に家庭での使用
に適している。

【００１５】 本発明は、あるパラメータが子宮の電気的信号の発生を管理するという事実認
定に基づく非常に信頼できる結果を提供する。特に、次第に同時性をおび効果的
な機械的活動（収縮）をさせながら、子宮の一部分から他の部分への電気的な刺
激の広がりを促進する細胞間接続（intercell connections）（間隙接合点）が
増加する。これらの変化は出産陣痛前の段階を通して漸次に起こる。我々は電気
的活動を支配する周期的変動において観察された変化がこれらの細胞の変化を映
し出すと考えた。

【００１６】 信号が広がるという特徴付け（characterisation）が初めて確実に得られるの
で（be reliably faciliated）、当該見解は我々が初めてディスプレイ装置を提
供可能とする上で非常に重要である。信号が広がるという特徴付けにより、素人
が容易に理解できる結果を表示し、従来技術と異なり、意味のある予測又は診断
を得るために臨床医の分析を必要としない、簡易なディスプレイ装置の提供が可
能になる。

【００１７】 特に、収縮運動の準備過程を表示する予め定義された陣痛前の状態に関する少
数の数字であるという特徴を示す予め記録された参照データ及び／又は予めプロ
グラム化された特別の参照パラメータの提供が可能になる。例えば、活動的な収
縮運動のための完全な、又はほぼ完全な子宮の準備を示す分娩前の状態と子宮の
活動を示唆する子宮の電気的活動に対応するデータは予め記録され、及び／又は
パラメータは予めプログラム化され、ディスプレイ手段は肯定的／否定的な結果
に応じながらある状態又はその他の状態を表示するために構成される。選択的に
、出産準備段階がより大きな程度まで、又はより小さな程度まで進行したとき、
１以上の中間状態を示すデータ及び／パラメントが蓄積される。これらの参照パ
ラメントに対する電気的活動における変化の比較により完全な運動準備の切迫度
を示すことができる。

【００１８】 当該装置は、このように、初めて活発な陣痛の診断及び／又は活発な陣痛の過
程の分析だけではなく、出産の準備段階の間の監視が行われて診断を可能にする
ことによって陣痛の開始を予測する道具を提供する。さらに、その装置はこの目
的をコンパクトで持ち運びできる方法で達成でき、特に家庭での使用に適してい
る。

【００１９】 例えば、ＵＳＰ４，２５６，１１８（Nagel）では子宮内の圧力変化を子宮筋
電図検査（electrohysterography）により管理するパラメータとして開示してお
り、本発明によって／さらに改良され取って代わられる。

【００２０】 本発明のディスプレイは陣痛のための準備状態を示す少数の区別できる結果の
うちのひとつに関してデジタル化されたデータを表示するのに用いられる。子宮
の電気的活動を示すデジタル化データは、事前に記録された適切な参照データお
よび／またはデータアナライザーによる事前に決定された参照パラメータと比較
され、前述の個々の結果の内のひとつに対応する準備の状態を示すように特徴づ
けられる。

【００２１】 最も簡単な実施例において、このディスプレイは子宮が充分に収縮運動に対し
て準備されているかどうかを、肯定的なあるいは否定的な結果を示すように構成
されていても良い。しかしながら、子宮が陣痛に対して準備する出産の最初の段
階はある時間にわたることは知られており、そして探知できる電気的変化はこの
時間に子宮の中で起こることを今や我々は発見した。従って表示手段は少なくと
も３つの個別の結果（予め記録された参照データおよび／または予め決定された
参照パラメータが、それに応じてセットされている）としてデジタル化され分析
されたデータを表示するのに用いられることが好ましく、その少なくとも３つの
結果は出産の前段階に相当する活動レベルの表示、運動に対する完全に近い、あ
るいは完全な準備の表示、そして少なくとも１つの準備の中間の状態の表示を含
むことが好ましい。

【００２２】 探知できる変化は多くの妊婦に対して、陣痛の開始の少なくとも２週間前に得
ることが可能であり、そのためこれらの探知できる変化群は前記中間の状態の推
測（intermediate reading）を可能にする。従って、この装置は否定的な／中間
状態の／肯定的な結果を表示し、それらの結果は実用的な目的のために患者の見
通しから、しばらく間がある陣痛（labour distant）(１週間位の内の再テスト)
／１週間或いは２週間内にありそうな陣痛（毎日の再テスト、医学的な注意が残
るようにする）／差し迫った陣痛（陣痛の開始のために準備し、起こりそうな陣
痛としてどんな兆候でも扱う）に対応すると考えられる。表示手段は簡単な教育
のためのあるいは案内のメッセージ、特にこの結果に対する特別のメッセージを
表示する文字数字式のディスプレイを含んでもよい。

【００２３】 本実施の形態に示すように、本発明の特に有利な点は、表示手段が、臨床医の
介在を要求せず、間違って警告すること（false alarms）と、医療補助者が近く
にいないことにより合併症（complication)を生ずる予期しない時期早尚の陣痛
の両方をかなり減少させる、簡単で理解可能な結果を提供できることである。

【００２４】 好ましくは、当該装置は子宮全体の電気刺激の広がりを探知し、子宮内の細胞
の結合（intersell connection）を０〜１００％のスケールで領域として（as a
range）分類する。

【００２５】 本発明の装置は適切にケーシング、支持台（mounting)、カセット、カード、
フレームあるいはそれに類するものなどの構成要素の組合わせ（アセンブリ）を
効果的に関連づけたいかなる手段も含む。支持台は硬いか或いは柔軟でもよく、
例えば柔軟な支持台は長い期間の間にも不便がなく患者が身につけるのに便利な
ベルト、パッチあるいはそれに類するものなどから成っても良い。

【００２６】 上記装置は手動操作されてもよく、あるいは通常行われる(on a regular basi
s)定期的な検査ができるようにする間欠的な操作（intermittent operation）の
ための手段を含んでも良い。

【００２７】 作動（activation）は例えばタイマー制御手段を使用する定期的な活動及び／
またはパワースイッチを用いて行う手動による作動のように、手動でも自動でも
良い。前記装置は、再チャージ可能な、又は再チャージができないバッテリーの
ような持ち運びできる動力供給源を組み入れることが好ましい。付加的に又は選
択的（alternatively）に前記装置を主動力供給源に接続する手段を用いる。

【００２８】 表示手段は聴覚的、視覚的あるいは両方でも良く、患者が活動の頻度や段階を
解釈する必要なく便利良く表示する、たとえば、明るい光の一式や振動のような
接触で感知できるパターンあるいは区別できる聴覚信号あるいはアラームあるい
は簡単なメッセージを表示する文字数字表示などである。好ましい３つの状態の
実施例のような複数の状態（multi-state)の実施例において、それぞれの色が準
備の異なる状況を示す多色光を使用しても良い。

【００２９】 事前に記録されたデータとの比較は、医療スーパーバイザーによってプログラ
ムされたデータとの比較であり、例えば選択的な又は協調的なセッティング（al
ternative or co-operative settings）として特別な状況や陣痛前の期間（pre-
labour period)やそれらの組合せの探知を可能にするのもである。選択的に事前
に記録されたデータは、陣痛の無い、特に出産の前の状態の時に簡単な方法で患
者によってプログラムモードにおける装置で取得することとしても良い。

【００３０】 データの取得とデジタル化は既知の方法で電極と協動するように関連づけられ
たマイクロプロセッサーによって適切に行われる。データ分析は電気的信号の変
化に関係するパラメータに関連づけられたどんな適切な手段と方法によっても良
い。特に、信号は筋電図記録法(electromyographic）のポテンシャルの電源密度
のスペクトルの分析を行うことによって分析され、アナライザーは、例えば適切
なプログラミングにより、そのような分析を行うのために用いられる。

【００３１】 特別な分析技術は数多く考えられている。例えば、ＷＯ９６／３９９３１（Ga
rfild）は、特にこのようなスペクトル分析によって生ずるパワーがピークにな
る周波数（peak power frquency)に注目している。ガーフィールドは一度陣痛が
始まると期待できるこのパワーのピーク周波数がシフトすることに基づいて陣痛
を診断し、監視している。

【００３２】 本発明は陣痛の開始の予測を容易にするための陣痛前の子宮の電気的活動の分
析に関するものである。このように、好ましい実施例において分析は例えば下記
に開示されるようなパワースペクトル時間平均供給高低周波数データ（power sp
ectral time averaging providing high:low frequncy data）である。

【００３３】 ・Marque C, Duchene J, Leclercq S, Panczer GS, Chaumont J (1986) 産科的
観察のための子宮のＥＨＧ過程、ＩＥＥＥバイオメディカルエンジニアリング会
報３３：１１８２−１１８７ ・Buhimischi C, Boyle MB, Garfield RE(1997) 腹部表面から記録された妊娠
中の人の子宮の電気的活動 Obset Gynecol 90:102-111 ・Simpson N A B, Barker A, Wall O, Snowden S, Smye S, Walker JJ(1998)
人の妊娠における陣痛の開始に関連する子宮の電気的活動における変化 Physio
logical Society, ロンドン、１９９８年１月、J. Physiol 507P:68Pに掲載（pr
esent） ・Simpson NAB, Snowden S, Barker A, Wall O, Snowden S, Walker JJ(1998)
陣痛のための子宮の準備を予測する子宮筋電図（electrohysterogram）の特徴
第１８回ＳＰＯ会議、マイアミ、１９９８年１月、Am J Obstet Gynecol 178;1(
2):S91に掲載（present）

【００３４】 このように信号を分析するための好ましい周波数の分析方法は、パワースペク
トルの生成と、少なくとも高低ひとつずつの周波数の領域の負荷平均率（a load
average ratio)の分析の実行を含む。アナライザーはこのような（たとえば適
切なプログラミングによる）分析を行うのに用いられる。この負荷平均率分析は
、断定的で測定可能な方法で出産の準備段階が進行するにつれて変化する結果を
生み出し、本発明で要求された関連する目的を正確に特徴づけて領域（ranges）
を決めることができる。アナライザーは２つかそれ以上の、別々の範囲又は接触
する範囲であり、そして周波数のある特定の実用的な部分か、実質的にすべての
実用的な領域をカバーする周波数領域の負荷平均率分析を実行するのに用いられ
ても良い。

【００３５】 適切な周波数領域は最高５Ｈｚであり、好ましくは高低帯域が０−５Ｈｚの範
囲、例えば０．２−０．４５Ｈｚと０．８−３．０Ｈｚである。 周波数領域内の上記の範囲で計測される全体のパワーも重要である。

【００３６】 出産準備段階中に発生する全ての電気的変化の内、周波数のシフトが顕著に見
られる。この分析技術により本発明の装置に対して、増加した細胞間（intercel
lular）の電気的活動に対応する周波数のシフトが特に効率的に確認されたり、
また予め記録された参照データおよび／または予め決定された参照パラメータの
供給(provision)を助けるために特徴的な範囲を決定することを可能にする。

【００３７】 負荷平均比率に基づいた分析は、子宮が収縮する陣痛の準備をするにつれて、
ギャップの接合の数が増加するので、出産準備段階中に発生するように思われる
、電気的活動の低・高周波数のピークの間での変化を解釈する（interpreting t
he variation between low and high frequency bursts）のに特に効率的な方法
を提供しているものと考えられている。このように、さらに好ましい実施例の統
計分析技術は、陣痛の開始を効率的に予測する装置を提供することにおいてはＷ
Ｏ９６／３９９３１の実施例で提案された統計分析技術と比較して、本発明の内
容が特に能率的である。

【００３８】 このように、本発明の、この好ましい実施例を行う(operating)データアナラ
イザー及びディスプレイ手段は、採用された、例えば適切にプログラムされた、
マイクロプロセッサーないしはフィルターといったアナライザーからなり、少な
くとも二つの範囲で高・低周波数を有するデータをカテゴライズしたり、少なく
とも二つの範囲の間でパワーロードの平均を分析したり、少なくとも二つの範囲
の間でパワーロード平均の所定比率に応じた表示に対して与えられた信号を提供
したりする。

【００３９】 このように本発明は初めて、周波数を分析した子宮筋電図検査によるデータ（
electrohysterographic data）を、肯定的または否定的な結果やさらに一つもし
くはそれ以上の中間結果、特にただ単に陣痛の診断だけでなく陣痛開始の予測を
する結果といった、少数の区分された結果という形で表示する手段を提供する。

【００４０】 本発明の別の観点において、妊婦の子宮領域の皮膚に対して前記定義された装
置を適用したり、電気的活動を記録するために十分な期間の間、装置を活性化し
たり、陣痛のための子宮の準備状態を示す少数の区分された結果の一つを含むデ
ィスプレイの結果、例えば、肯定的または否定的結果及び前述したように一つも
しくはそれ以上の中間結果を得ることを含む陣痛の開始を予測する方法が提供さ
れている。

【００４１】 特に、子宮領域における患者の腹部ないしは膣表面に対する電極のポテンシャ
ルの測定を行い、電気的活動を記録するための十分な期間の間、装置を活性化し
、電気的活動に対応するデータを獲得し、獲得したアナログをデジタル化し、予
め記録してある参照データおよび／または予め決定された参照パラメータを参考
にして子宮の活性の分析結果を得るためにデータを解析し、前記解析により分析
された子宮の活性と陣痛のための子宮の準備の状態の指標に対応した少数の区別
できる結果の一つを含む表示される結果を得る工程を含む方法からなる。

【００４２】 電気的活動を記録するための十分な期間の間、装置を活性化し、電気的活動に
対応するデータを獲得し、獲得したアナログをデジタル化し、予め記録してある
参照データおよび／または予め決定された参照パラメータを参考にして子宮の活
性の分析結果を得るためにデータを解析し、前記分析の結果として分析された子
宮の活性と陣痛のための子宮の準備の状態の指標に対応した少数の区別できる結
果の一つを含む表示される結果が生じさせることを含む。

【００４３】 この装置と方法は、好ましくは、子宮の全体を通じて電気的インパルスの広が
りを検出して、一つの範囲ないしは連続した範囲、子宮内で０〜１００％の細胞
内結合(intercell connection)のスケールで分類する。

【００４４】 また、好ましくは、この方法には電源周波数分析技術によりデータを分析する
ことが含まれ、そして特にその分析は、少なくとも一つの高周波数領域と少なく
とも一つの低周波数領域との間の負荷平均率を決定し、参照データおよび／また
は参照パラメータと比較することにより前記区別される状態の一つに対応した結
果をカテゴライズすることからなる。

【００４５】 装置の適用は一時的ないしは永久的であり、すなわち、装置は妊婦により周期
的に適用されるか、ないしは厚い衣類の一部分として着用される。

【００４６】 この方法は、非陣痛データを獲得するため予備の非陣痛プログラム段階を含む
。あるいは、この方法は予めプログラムされた装置で操作される。

【００４７】 この方法の、さらなる特徴は、後述の記載から明らかとなる。

【００４８】 本発明の別の観点では、事前に身体的に検知でき、または観測できる収縮性の
活動により時間通りにまたは遅れた陣痛について、早産の予測をするために前述
の装置と方法が提供される。

【００４９】 本発明の使用は、予防的かつ治療上の臨床作業（preventative and remedial
clinical action）を促進させたり、死産ないしは異常出産の例を減少させると
いった事において特に利点があり、さらには母親及び子供への影響としては妊婦
（the subject）へのストレスや臨床スタッフへの誤ったコールを最小限にする
際に便利となる。

【００５０】 この使用は人体ないしは動物向けである。いづれの場合においても、装置は、
陣痛前の妊娠中に人体及び動物が遠方の地域の自然な環境に止まっていることが
でき、また、手助けのために旅行ができる適当な期間の間に陣痛の開始を予測す
ることができるように使用される。

【００５１】 この装置の使用は、公共の場、病院、クリニック及びそれに類する所で妊婦の
正常な日常的活動中であれば、家の中もしくは移動中でも良い。使用は簡単で便
利であり、装置は熟練した又は熟練していない人間、妊婦または他のいかなる人
によっても操作できることが特に利点となっている。

【００５２】 本発明の別の観点においては、今までに定義したように陣痛の開始を予測する
ようプログラムされた装置が提供されている。該装置は、図１で定義される連続
した活動を実行するようプログラムされた、信号捕捉(capture)・分析・表示手
段からなることが好ましい。

【００５３】

【発明の実施の形態】

本発明は下記図面及び実施例を参照して説明するが、本発明はこれらに限定さ
れない。

【００５４】 図１ａ及び１ｂは、本発明による二つの実施例の手段である信号捕捉(capture
)・分析・表示のメカニズムを図示している。

【００５５】 図２はベルト・コルセットに装着した装置の形の本発明の実施例を図示してい
る。

【００５６】 図１において、本発明によりプログラムされた装置によって実行された連続し
た活動が図示されていて、第一段階では信号加工（signal processing）、第二
段階ではデータ分析、第三段階では結果予測という構成になっている。図１ａに
おいては、簡単な二段階表示状態(stage display phase)が図示されている。図
１ｂにおいては、好ましい三段階（出産予兆、準備、差し迫った陣痛(labour im
minent)）の表示状態（phase）が図示されている。

【００５７】 図２において、図１に従いプログラムされた捕捉・分析・表示装置１は、記録
電極３と参照電極４に接続されたベルト・コルセット２に装着されている。

【００５８】 装置１は、はっきり区別された結果の状態を示唆する色光６ａ、６ｂ、６ｃか
ら適切に成る。好ましい実施例においては、一般に出産予兆を中間の子宮準備及
び陣痛間近(near-labour)を表す三つの区別された結果状態が考えられ(envisage
d)。例えば、緑色、琥珀色、赤色の光が用いられる。ＬＣＤパネル５は単一の文
字数字情報を表示するよう予めプログラムされている。例えば、これには、陣痛
までのおおよその時間及び／又は再テストが行われる前の望ましい期間の指示が
含まれている。このようにして、この装置は、何か特別な医学の知識がなくとも
、妊婦が家で簡単に使用でき、陣痛がまだ先である時に安心感を与え、陣痛がそ
う遠くない時は早期の警告を与え、及び陣痛が差し迫っている時は強い警報を与
える。

【００５９】 また、装置は電源（on/off）スイッチ７とバッテリーパネルを備えている。

【００６０】 さらに、本発明の別の観点は前述から明らかである。

【００６１】 実施例１ 図１ｂに従ってプログラムされた図２の装置は、０．３〜０．８Ｈｚの高周波
と０．８〜３Ｈｚの低周波帯域で捕捉された信号の電源周波数スペクトラムの負
荷平均比率分析を実行するために、出産予定日までの四週間以上、妊婦により毎
日装着される。毎日の検査は、信号で捕捉・分析・表示するのに十分な期間、ス
イッチ７で装置のスイッチをオンにする方法による。検査は初め、例えば緑色光
６ａで結果を何ら示さない。

【００６２】 初めの肯定的な結果は、機械収縮の開始の二週間前まで記録される。予めプロ
グラムされたデータおよび／または予めプログラムされた参照パラメータにより
、これが装置により解釈され(interpreted)、中間結果として表示されているこ
とが分かる。例えば、琥珀光６ｂが照らされると、陣痛がそのような時間のスケ
ール内であることが予想され、毎日の再テストの指示などがＬＣＤディスプレイ
（パネル）５に表示される。

【００６３】 出産準備段階が進行すると、子宮が陣痛の準備をし、低・高周波の活発な信号
の相対割合および結果的に分析された負荷平均比率が、更に変化することが期待
される。予めプログラムされたデータおよび／またはパラメータは、陣痛のため
の完全なまたは完全に近い準備を表すものを蓄積している。データがこれらに対
応して捕捉される時、完全な肯定的結果が出て、この後二日間以内に（陣痛の）
開始を予測する。 中間の結果及び完全な肯定的結果の両方が、子宮内を流れる電気インパルスの
広がりを促進させる細胞内結合の発達により影響される。検出は０から完全な１
００％までの細胞内結合の状態に対応する電気的インパルスの検出のしきい値に
到達する際に行われる。図１ｂの表示システムに対応する実施例において、その
ような二つのしきい値が、初期段階及び完全に近い段階に対応して提供される。

【図面の簡単な説明】

【図１ａ】 本発明による二つの実施例の手段である信号捕捉(capture)・
分析・表示のメカニズムを示す図である。

【図１ｂ】 本発明による二つの実施例の手段である信号捕捉(capture)・
分析・表示のメカニズムを示す図である。

【図２】 ベルト・コルセットに装着した装置を示す図である。

【符号の説明】

１ 捕捉・分析・表示装置 ２ ベルト・コルセット ３ 記録電極 ４ 参照電極 ５ ＬＣＤパネル ６ａ、６ｂ、６ｃ 色光

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ，ＴＲ)，ＯＡ(ＢＦ ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ， ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，Ｇ Ｍ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＭＺ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ， ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＧ，ＡＬ，ＡＭ， ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，Ｂ Ｚ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ ，ＤＭ，ＤＺ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ， ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，Ｊ Ｐ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ， ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＭＺ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，Ｒ Ｏ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ， ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ (72)発明者 シンプソン、ニジェール アラステアー ブイスト 英国 エルエス２ ９エヌエス、リーズ、 ベルモント グローブ、リーズ ジェネラ ル インファーマリー、クラレンドン ウ ィング Ｄ階、リーズ大学 産科・婦人科 学研究課内 (72)発明者 ウォーカー、ジェームズ ジョンストン 英国 エルエス２ ９エヌエス、リーズ、 ベルモント グローブ、リーズ ジェネラ ル インファーマリー、クラレンドン ウ ィング Ｄ階、リーズ大学 産科・婦人科 学研究課内 Ｆターム(参考） 4C038 VA04 VB20 VC20

Claims (24)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数の記録電極を備えた可搬装置（a potable assembly）、
   データ入手手段、アナログをデジタル化データに変換する手段、陣痛（labor）
   の準備状態を示唆する、はっきり区別された少数の結果の表現（terms）、たと
   えば陣痛（labor）の準備を示す肯定的または否定的な結果の表現（terms）とし
   て、このデータを表示するためのディスプレイとを備え、 各電極は妊婦（a subject）に適用する接触面を備え、前記装置（the device
   ）はデジタル化データを予め記録された参照データ及び／又は予め決められた参
   照パラメータを参照して分析する分析手段を備え、前記装置（the assembly）は
   コンパクトな方法で操作できるように関連づけられている陣痛（labor）の開始
   （onset）を予測する装置。
2. 【請求項２】 ディスプレイは、子宮が収縮して陣痛の準備が実質的にされ
   ているかどうかの少なくとも肯定的または否定的な結果を示すように構成される
   請求項１記載の装置。
3. 【請求項３】 出産予兆となる子宮の電気的活動および活発な収縮性陣痛の
   ための完全な又は完全に近い子宮の運動を示唆する子宮の活動度に対応するデー
   タは、予め記録され及び／又はパラメータが予めプログラムされ、またディスプ
   レイ手段は、肯定的／否定的な結果として一つまたはその他の状態を表示するよ
   うに構成されている請求項２記載の装置。
4. 【請求項４】 デスプレイ手段は、少なくとも３つの区別される結果の表現
   （terms）としてデジタル化され、そして分析されたデータを表示するために採
   用され、前記少なくとも３つの結果は出産状態に対応した活動レベルの指標、ほ
   ぼ完全なまたは完全な陣痛の準備の指標および少なくとも一つの準備の中間段階
   の指標である請求項２または３記載の装置。
5. 【請求項５】 出産の予兆の指標となる子宮の電気的活動レベル、および活
   発な収縮性陣痛のための完全な又はほぼ完全な子宮の準備の子宮の活性指標およ
   び多かれ少なかれ出産の準備段階としての少なくとも一つの中間段階の状態に対
   応するデータは予め記録されおよび／またはパラメータは予めプログラムされ、
   ディスプレイ手段は、肯定的または否定的な結果として一つまたはその他の状態
   を表示するように構成されている請求項４記載の装置。
6. 【請求項６】 ディスプレイ手段は、出産状態に対応した活動レベルの示唆
   、ほぼ完全な又は実質的に完全な陣痛の準備および準備の中間段階をそれぞれ示
   唆する３つの段階の指標を提供するように用いられる請求項４または５記載の装
   置。
7. 【請求項７】 ケーシング、マウンティング、カセット、カード、フレーム
   などのコンポウネントの集合物を操作しやすいように関連付けた手段を備えた先
   行するいずれかの請求項に記載の装置。
8. 【請求項８】 コンポネントの集合を関連付けて提供する柔軟な装着手段を
   備えた請求項７記載の装置。
9. 【請求項９】 柔軟な装着手段は、ベルト、パッチまたはそれに類する形で
   衣類物品を含む請求項８記載の装置。
10. 【請求項１０】 間欠的な操作用の作動（actuation）用手段を備えた先行
    するいずれかの請求項記載の装置。
11. 【請求項１１】 聴覚表示手段を備えた先行する請求項のいずれかに記載の
    装置。
12. 【請求項１２】 視覚表示手段を備えた先行する請求項のいずれかに記載の
    装置。
13. 【請求項１３】 各色が陣痛の準備の異なった段階を示唆して、多色光が使
    用可能な表示手段を備えた請求項１２記載の装置。
14. 【請求項１４】 参照電極を備えた先行する請求項のいずれかに記載の装置
    。
15. 【請求項１５】 データの取得とデジタル化を実行するために設けられた電
    極と共に操作されるように関連付けられたマイクロプロセッサーを備えた先行す
    る請求項のいずれかに記載の装置。
16. 【請求項１６】 データアナライザーは、筋電図記録法(electromyographic
    )によるポテンシャルの電源密度（power density）の特別な分析を実行するデジ
    タルデータの分析用に用いられる先行する請求項のいずれかに記載の装置。
17. 【請求項１７】 データアナライザーは、パワースペクトラムを製造し、少
    なくとも一つの低周波数と一つの高周波数の負荷（a load）平均比率分析を実行
    する請求項１６記載の装置。
18. 【請求項１８】 データアナライザーは、少なくとも二つの範囲の間でパワ
    ーロード（power load）の平均を分析し、少なくとも二つの範囲の間での平均パ
    ワーロードの与えられた比率に応じた表示に対して与えられた信号を提供し、少
    なくとも二つの範囲の間で高周波数と低周波数を有するカテゴライズされたデー
    タに適用されるデータ分析装置である請求項１７記載の装置。
19. 【請求項１９】 データアナライザーは、０−５Ｈｚの範囲の周波数の範囲
    内で、０．２−０．４５Ｈｚと０．８−３．０Ｈｚからなる低周波と高周波帯域
    でデータを分類する請求項１６または１７記載の装置。
20. 【請求項２０】 電気的活動を記録する十分な期間の間、装置を活性化し、
    陣痛のための子宮の準備状態の指標となる少数の区分された結果の一つを含む表
    示結果を得る子宮領域の妊婦（a subject）の皮膚に対して請求項１〜１９記載
    のいずれかの装置に適用されることからなる陣痛開始の予測方法。
21. 【請求項２１】 子宮領域における患者の腹部表面に対する電極のポテンシ
    ャルの測定を行い、電気的活動を記録するための十分な期間の間、装置を活性化
    し、電気的活動に対応するデータを獲得し、獲得したアナログをデジタル化し、
    予め記録してある参照データおよび／または予め決定された参照パラメータを参
    考にして子宮の活性の分析結果を得るためにデータを解析し、前記解析により分
    析された子宮の活性と陣痛のための子宮の準備の状態の指標に対応した少数の区
    別できる結果の一つを含む表示される結果を得る工程を備えた請求項２０記載の
    方法。
22. 【請求項２２】 電源周波数分析によりデータを分析するステップを含む請
    求項２０または２１の方法。
23. 【請求項２３】 少なくとも一つの高周波数領域と少なくとも一つの低周波
    数領域との間の負荷平均率を決定し、参照データおよび／または参照パラメータ
    と比較することにより前記区別される状態の一つに対応した結果を分類し、そし
    て得られる結果を表示する工程を備えた請求項２２記載の方法。
24. 【請求項２４】 事前に身体的に検知でき、または観測できる収縮性の活動
    を時間通りの陣痛又は遅れた陣痛について、早産の予測をする今までに定義した
    装置と方法。