JP2003516409A - 抗ウィルス薬としての(1s,シス)−4−(2−アミノ−9h−プリン−9−イル)−2−シクロペンテン−1−メタノール類縁物 - Google Patents

抗ウィルス薬としての(1s,シス)−4−(2−アミノ−9h−プリン−9−イル)−2−シクロペンテン−1−メタノール類縁物

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JP2003516409A JP2001543554A JP2001543554A JP2003516409A JP 2003516409 A JP2003516409 A JP 2003516409A JP 2001543554 A JP2001543554 A JP 2001543554A JP 2001543554 A JP2001543554 A JP 2001543554A JP 2003516409 A JP2003516409 A JP 2003516409A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、ウィルス感染の治療に用いられる(1S,シス)−4−(2−アミノ−9H−プリン−9−イル)−2−シクロペンテン−1−メタノールの類縁物に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の分野 本発明は、(1S,シス)−4−(2−アミノ−9H−プリン−9−イル)−
2−シクロペンテン−1−メタノールの6位修飾類縁物のホスホルアミデート類
およびそれの医学療法での使用に関する。
【0002】発明の背景 レトロウィルスは、複製する上で、最初にそれのゲノムのRNAをDNAに「
逆転写」しなければならない(「転写」とは通常、DNAからのRNA合成を指
す)RNAウィルスの亜群を形成するものである。一旦DNAの形となると、ウ
ィルスゲノムは宿主細胞ゲノム中に取り込まれて、複製に宿主細胞の転写/翻訳
機構を利用できるようになる場合がある。取り込まれるとウィルスDNAは、宿
主のDNAと実質的に識別できなくなり、その状態でウィルスは、細胞の寿命ま
で生き続けることができる。
【0003】 レトロウィルスの一種であるヒト免疫不全ウィルス(HIV)が、AIDS(
後天性免疫不全症候群)患者または進行してAIDSとなる場合が非常に多い症
状を有する患者から再現性良く単離されている。AIDSは、患者を致死的日和
見感染に罹患しやすくする免疫抑制疾患または免疫破壊疾患である。AIDSは
特徴的に、T細胞、特にCD4表面マーカーを有するヘルパー−インデューサー
サブセットの進行性減少と関連している。HIVは細胞変性性であり、CD4マ
ーカーを有するT細胞に対して優先的に感染および破壊を行うように思われ、現
在一般に、HIVがAIDSの病原体であると認められている。AIDS関連症
候群(ARC)、進行性全身性リンパ節腫脹(PGL)、カポジ肉腫、血小板減
少性紫斑病、AIDS性痴呆症候群、多発性硬化症もしくは熱帯性不全対麻痺な
どのAIDS関連神経状態、ならびに無症候患者における状態を含めた抗HIV
抗体陽性状態およびHIV陽性状態などの臨床状態も、適切な抗ウィルス療法に
よって治療可能な状態である。
【0004】 国際的に重大な健康問題となりつつある病原体と認められている別のRNAウ
ィルスは、非A非B肝炎ウィルスである。慢性移植後非A非B肝炎の少なくとも
80%が、現在C型肝炎とされているウィルスによるものであることが明らかに
なっており、恐らくこのウィルスが、B型肝炎について血液製剤のスクリーニン
グを行う臨床状況での輸血後肝炎の実質的に全症例における原因となっている。
急性C型肝炎感染患者の約半数が数ヶ月で自然治癒するが、残りの患者は慢性化
し、全員ではないがそのような患者の多くで、活動性慢性肝炎が、肝硬変および
肝細胞癌に至る可能性がある。C型肝炎ウィルスゲノムの構造は解明されており
、そのウィルスは、フラビウイルスに類似した1本鎖RNAウィルスであると特
徴付けられている。
【0005】 B型肝炎ウィルス(HBV)は、ヒトに感染するウィルスを含む小型のDNA
である。それは、各ウィルスがリス科のウッドチャックやアヒルなどの哺乳動物
宿主または鳥類宿主に選択的に感染する、ヘパドナウィルスと称される非常に関
連性の高いウィルス群の1種である。ヘパドナウィルスゲノム複製の機構に関す
る最近の知見によって、RNA中間体の逆転写の重要性が示されており、それは
逆転写酵素が論理的な化学療法標的であることを示唆している。HBVは、世界
的に重要なウィルス病原体である。このウィルスは病因的には、原発肝細胞癌に
関連し、世界の肝臓癌の80%の原因となっていると考えられている。HBV感
染の臨床的効果は、頭痛、発熱、倦怠感、吐き気、嘔吐、食欲減退および腹痛な
ど多様である。そのウィルスの複製は通常、免疫応答によって抑制され、ヒトに
おいては回復に数週間または数ヶ月を要するが、感染がさらに重度となって、上
記のような持続的な慢性肝臓疾患に至る場合がある。
【0006】 米国特許第4916224号には、2′,3′−ジデオキシ−2′,3′−ジ
デヒドロ−炭素環式ヌクレオシド類と、それのHIV治療における使用が開示さ
れている。米国特許第5049671号には、6−置換プリン炭素環式ヌクレオ
シド類およびそれの医学療法、特にHIV感染およびHBV感染の治療での使用
が開示されている。欧州特許EP0349242A2には、6−置換プリン炭素
環式ヌクレオシド類とそれの医学療法、特にHIV感染およびHBV感染の治療
および予防での使用が開示されている。WO96/29336には、HIV治療
用の被覆モノホスフェートヌクレオシド類縁物が開示されている。
【0007】 今般、(1S,シス)−4−(2−アミノ−9H−プリン−9−イル)−2−
シクロペンテン−1−メタノールの6位修飾類縁物のある種のホスホルアミデー
ト類が、ウィルス感染、詳細にはB型肝炎およびC型肝炎感染ならびにレトロウ
ィルス感染、特にHIV感染の治療に有用であることが発見されている。本発明
の化合物は、治療薬として有利な薬物動態特性を有する。
【0008】発明の概要 本発明は、下記式(I)の化合物またはその化合物の製薬上許容される誘導体
であって、Xがシクロプロピルでモノ置換されたアミノであることができないも
のに関する。
【0009】
【化2】 式中、 Rは、水素;C6−14アリール;またはC1−6アルコキシ、ニトロ、ハ
ロゲン、アミノ、水酸基、カルボキシレートおよびそれのエステル類、カルボキ
シアルキル、−CONHRおよび−CONRからなる群から選択される
1以上の置換基で置換されていても良いヘテロアリールであり;RおよびR は同一でも異なっていても良く、独立にC1−8アルキル、C1−8アルキルア
リールまたはC6−14アリールから選択され; RおよびRは独立に、水素またはC1−8アルキル、C3−8シクロアル
キル、C2−8アルケニル、C5−8シクロアルケニル、C6−14アリール、
アラルキルから選択され;各C1−8アルキル、C3−8シクロアルキル、C −8 アルケニル、C5−8シクロアルケニル、C6−14アリールまたはアラル
キルは、C1−8アルキル、ハロゲン、水酸基、アルコキシ、アミノ、アミノア
ルキル、アミノジアルキル,−SH、チオアルキル、カルボキシレートおよびそ
れのエステル類、カルボキシアルキル、−CONHRおよび−CONR からなる群から選択される1以上の置換基で置換されていても良く;Rおよび
は同一でも異なっていても良く、独立にC1−8アルキル、C1−8アルキ
ルアリールまたはC6−14アリールから選択され;あるいはRとRが一体
となって、3〜8員環を形成していることができ; Rは、−OR、−NRまたは−SRであり;RおよびRは同
一でも異なっていても良く、独立に水素またはC1−8アルキル、C3−8シク
ロアルキル、C2−8アルケニル、C5−8シクロアルケニルまたはアラルキル
から選択され;各C1−8アルキル、C3−8シクロアルキル、C2−8アルケ
ニル、C5−8シクロアルケニルまたはアラルキルは、ハロゲン、水酸基、アル
コキシ、アミノ、アミノアルキル、アミノジアルキル、−SH、チオアルキル、
カルボキシレートおよびそれのエステル類、カルボキシアルキル、−CONHR および−CONRからなる群から選択される1以上の置換基で置換され
ていても良く;RおよびRは同一でも異なっていても良く、独立にC1−8 アルキル、C1−8アルキルアリールまたはC6−14アリールから選択され; Rは、水素;C1−8アルキル;またはC6−14アリールであるか;ある
いはRとRが一体となって5員環または6員環を形成していても良く;ある
いはRとRが一体となって5員環または6員環を形成していても良く; Xは、C3−6シクロアルキルで置換されていても良いC1−6アルコキシ;
3−8シクロアルキルオキシ;アリール部分がC1−8アルキル、水酸基もし
くはハロゲンで置換されていても良いアリールオキシ、アラルキルまたはアラル
キルオキシ;C3−6シクロアルキルチオ;C1−8アルキルチオ;アリール部
分がC1−8アルキル、水酸基もしくはハロゲンで置換されていても良いアリー
ルチオまたはアラルキルチオであり;あるいはXは、1個の酸素原子または1個
もしくは2個の窒素原子および3〜7個の炭素原子を有する複素環基であって、
環に二重結合があっても良く、硫黄および/または酸素ヘテロ原子を有していて
も良く、環が1以上のC1−8アルキル基、水酸基またはハロゲン基、C3−6 シクロアルキルチオ、アラルキルチオによって置換されていても良く、このアリ
ールがC1−8アルキル、水酸基もしくはハロゲンによって置換されていても良
いものであり;あるいはXは、イミダゾリルチオ基であって、そのイミダゾリル
部分にC1−8アルキルによる置換および/またはニトロによるC置換があって
も良いものを表し;あるいはXは、C1−8アルキル、C1−6アルコキシ、ヒ
ドロキシC1−8アルキルおよび/またはC3−6シクロアルキル、C6−14 アリール、アラルキルによってモノ置換またはジ置換されているアミノ基であっ
て、このC6−14アリールが、C1−8アルキル、水酸基、ハロゲンまたは、
モノもしくはジアルキルもしくはアルコキシ基で置換されていても良いアリルで
置換されていても良いものを表す。本発明は、ウィルス感染治療における式(I
)の化合物の使用に関するものである。
【0010】発明の説明 本発明は、下記式(I)の化合物またはその化合物の製薬上許容される誘導体
であって、Xがシクロプロピルでモノ置換されたアミノであることができないも
のを特徴とする。
【0011】
【化3】 式中、 Rは、水素;C6−14アリール;またはC1−6アルコキシ、ニトロ、ハ
ロゲン、アミノ、水酸基、カルボキシレートおよびそれのエステル類、カルボキ
シアルキル、−CONHRおよび−CONRからなる群から選択される
1以上の置換基で置換されていても良いヘテロアリールであり;RおよびR は同一でも異なっていても良く、独立にC1−8アルキル、C1−8アルキルア
リールまたはC6−14アリールから選択され; RおよびRは独立に、水素またはC1−8アルキル、C3−8シクロアル
キル、C2−8アルケニル、C5−8シクロアルケニル、C6−14アリール、
アラルキルから選択され;各C1−8アルキル、C3−8シクロアルキル、C −8 アルケニル、C5−8シクロアルケニル、C6−14アリールまたはアラル
キルは、C1−8アルキル、ハロゲン、水酸基、アルコキシ、アミノ、アミノア
ルキル、アミノジアルキル,−SH、チオアルキル、カルボキシレートおよびそ
れのエステル類、カルボキシアルキル、−CONHRおよび−CONR からなる群から選択される1以上の置換基で置換されていても良く;Rおよび
は同一でも異なっていても良く、独立にC1−8アルキル、C1−8アルキ
ルアリールまたはC6−14アリールから選択され;あるいはRとRが一体
となって、3〜8員環を形成していることができ; Rは、−OR、−NRまたは−SRであり;RおよびRは同
一でも異なっていても良く、独立に水素またはC1−8アルキル、C3−8シク
ロアルキル、C2−8アルケニル、C5−8シクロアルケニルまたはアラルキル
から選択され;各C1−8アルキル、C3−8シクロアルキル、C2−8アルケ
ニル、C5−8シクロアルケニルまたはアラルキルは、ハロゲン、水酸基、アル
コキシ、アミノ、アミノアルキル、アミノジアルキル、−SH、チオアルキル、
カルボキシレートおよびそれのエステル類、カルボキシアルキル、−CONHR および−CONRからなる群から選択される1以上の置換基で置換され
ていても良く;RおよびRは同一でも異なっていても良く、独立にC1−8 アルキル、C1−8アルキルアリールまたはC6−14アリールから選択され; Rは、水素;C1−8アルキル;またはC6−14アリールであるか;ある
いはRとRが一体となって5員環または6員環を形成していても良く;ある
いはRとRが一体となって5員環または6員環を形成していても良く; Xは、C3−6シクロアルキルで置換されていても良いC1−6アルコキシ;
3−8シクロアルキルオキシ;アリール部分がC1−8アルキル、水酸基もし
くはハロゲンで置換されていても良いアリールオキシ、アラルキルまたはアラル
キルオキシ;C3−6シクロアルキルチオ;C1−8アルキルチオ;アリール部
分がC1−8アルキル、水酸基もしくはハロゲンで置換されていても良いアリー
ルチオまたはアラルキルチオであり;あるいはXは、1個の酸素原子または1個
もしくは2個の窒素原子および3〜7個の炭素原子を有する複素環基であって、
環に二重結合があっても良く、硫黄および/または酸素ヘテロ原子を有していて
も良く、環が1以上のC1−8アルキル基、水酸基またはハロゲン基、C3−6 シクロアルキルチオ、アラルキルチオによって置換されていても良く、ここでア
リールはC1−8アルキル、水酸基もしくはハロゲンによって置換されていても
良いものであり;あるいはXは、イミダゾリルチオ基であって、そのイミダゾリ
ル部分にC1−8アルキルによる置換および/またはニトロによるC置換があっ
ても良いものを表し;あるいはXは、C1−8アルキル、C1−6アルコキシ、
ヒドロキシC1−8アルキルおよび/またはC3−6シクロアルキル、C6−1 アリール、アラルキルによってモノ置換またはジ置換されているアミノ基であ
って、前記のC6−14アリールが、C1−8アルキル、水酸基、ハロゲンまた
はモノもしくはジアルキルもしくはアルコキシ基で置換されていても良いアリル
で置換されていても良いものを表す。
【0012】 本発明の化合物には、リンにおける絶対配置が異なるジアステレオマー類が含
まれる。ジアステレオマーは、単一の異性体として、あるいはジアステレオマー
の混合物として存在することができる。
【0013】 RおよびRが異なる場合、天然アミノ酸のL配置が好ましい。
【0014】 「アルキル」という用語は、指定数の炭素原子あるいは数字が指定されていな
い場合には好ましくは1〜約10個、より好ましくは1〜約8個の炭素原子を有
する直鎖または分岐の飽和脂肪族炭化水素基を指す。アルキル基の例としては、
メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、se
c−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソアミル、n−ヘキシルなどがあ
るが、これらに限定されるものではない。
【0015】 「アリール」という用語は、指定数の炭素原子、好ましくは6〜14個の炭素
原子、より好ましくは6〜10個の炭素原子を有し、C1−6アルコキシ(例:
メトキシ)、ニトロ、ハロゲン(例:塩素)、アミノ、カルボキシレートおよび
水酸基から選択される1以上の置換基で置換されていても良い炭素環式芳香族基
(フェニルまたはナフチルなど)を指す。アリール基の例としては、フェニル、
ナフチル、インデニル、インダニル、アズレニル、フルオレニル、アントラセニ
ルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0016】 「アルケニル」という用語は、単独または他の用語との組合せで、指定数の炭
素原子または数値の指定がない場合には好ましくは2〜10個の炭素原子、より
好ましくは2〜6個の炭素原子を有する直鎖または分岐のモノ不飽和または多不
飽和の脂肪族炭化水素基を指す。アルケニル基の例としては、エテニル、プロペ
ニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘ
キサジエニルなどがあるが、これらに限定されるものではない。
【0017】 「アルコキシ」という用語はアルキルエーテル基を指し、ここで「アルキル」
という用語は上記で定義の通りである。好適なアルキルエーテル基の例としては
、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソ
ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシなどがあるが、これらに限定
されるものではなく、メトキシが好ましい。
【0018】 「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素
の基を指す。
【0019】 「複素環」という用語は、単独または別の用語との組合せで、飽和もしくは不
飽和であって、単環式の場合にはベンゾ縮合していても良い安定な3〜7員の単
環式複素環または8〜11員の二環式複素環を指す。各複素環は、1個以上の炭
素原子ならびに窒素、酸素および硫黄からなる群から選択される1〜4個のヘテ
ロ原子からなる。本明細書で使用する場合、「窒素および硫黄ヘテロ原子」とい
う用語は、窒素および硫黄の酸化型および塩基性窒素の4級型を含むものである
。複素環基は、いずれかの環内炭素またはヘテロ原子で結合して、安定な構造を
形成していることができる。好ましい複素環には、5〜7員の単環式複素環およ
び8〜10員の二環式複素環などがある。そのような基の例には、イミダゾリル
、イミダゾリノイル、イミダゾリジニル、キノリル、イソキノリル、インドリル
、インダゾリル、インダゾリノリル、パーヒドロピリダジル、ピリダジル、ピリ
ジル、ピロリル、ピロリニル、ピロリジニル、ピラゾリル、ピラジニル、キノキ
ソリル、ピペリジニル、ピラニル、ピラゾリニル、ピペラジニル、ピリミジニル
、ピリダジニル、モルホリニル、チアモルホリニル、フリル、チエニル、トリア
ゾリル、チアゾリル、カルボリニル、テトラゾリル、チアゾリジニル、ベンゾフ
ラノイル、チアモルホリニルスルホン、キサゾリル、ベンゾオキサゾリル、オキ
ソピペリジニル、オキソピロリジニル、オキソアゼピニル、アゼピニル、イソオ
キソゾリル、イソチアゾリル、フラザニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒド
ロフラニル、チアゾリル、チアジアゾリル、ジオキソリル、ジオキシニル、オキ
サチオリル、ベンゾジオキソリル、ジチオリル、チオフェニル、テトラヒドロチ
オフェニル、スルホラニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、テトラヒドロフロ
ジヒドロフラニル、テトラヒドロピラノジヒドロフラニル、ジヒドロピラニル、
テトラヒドロフロフラニルおよびテトラヒドロピラノフラニルなどがある。
【0020】 本明細書において使用される「製薬上許容される誘導体」という用語は、被投
与者に投与すると、(直接または間接に)本発明の化合物またはその化合物の阻
害活性を有する代謝物もしくは残基を提供することができる、本発明の化合物の
製薬上許容される塩、エステル、エステルの塩その他の誘導体を意味する。特に
好適な誘導体およびプロドラッグは、哺乳動物に投与すると本発明の化合物の生
物学的利用能を高めるもの(例えば、経口投与される化合物が血中により容易に
吸収されるようにすることで)、あるいは親化合物と比較して、生物学的区画(
例:脳またはリンパ系)への親化合物の送達を促進するものである。
【0021】 式(I)の化合物およびそれの製薬上許容される誘導体は以下において、本発
明による化合物と称することができる。
【0022】 本発明のさらに別の態様は、RがC6−14アリールであり;RおよびR が独立に、水素、C1−8アルキルで置換されていても良いC1−8アルキル
、C6−14アリールまたはアラルキルであり;Rが−ORであり;R
、C1−8アルキルまたはアラルキルから選択され;Rが水素であり;XがC 1−6 アルコキシまたはC1−6アルキルチオを表すか;あるいはXが、窒素原
子および3〜7個の炭素原子を有する複素環基を表すか;あるいはXが、C1− アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシC1−6アルキルおよび/または
3−6シクロアルキル、C6−14アリール、アラルキルによってモノ置換ま
たはジ置換されているアミノ基であって、ここでアリールはC1−8アルキル、
水酸基、ハロゲンまたはモノもしくはジアルキルもしくはアルコキシ基で置換さ
れていても良いアリルで置換されていても良いものである式(I)の化合物;あ
るいはその化合物の製薬上許容される誘導体であって、Xがシクロプロピルでモ
ノ置換されたアミノであることができないものを特徴とする。
【0023】 本発明の別の態様は、 (1S,シス)−4−[2−アミノ−6−(1−アゼチジニル)−9H−プリ
ン−9−イル]−2−シクロペンテン−1−メタノールO−[フェニル(メトキ
シ−L−アラニニル)]ホスホルアミデート; (1S,シス)−4−[2−アミノ−6−(シクロプロピルメチルアミノ)−
9H−プリン−9−イル]−2−シクロペンテン−1−メタノールO−[フェニ
ル(メトキシ−L−アラニニル)]ホスホルアミデート; (1S,シス)−4−(2−アミノ−6−ブトキシ−9H−プリン−9−イル
)−2−シクロペンテン−1−メタノールO−[フェニル(メトキシ−L−アラ
ニニル)]ホスホルアミデート; (1S,シス)−4−(2−アミノ−6−メトキシ−9H−プリン−9−イル
)−2−シクロペンテン−1−メタノールO−[フェニル(メトキシ−L−アラ
ニニル)]ホスホルアミデート; (1S,シス)−4−[2−アミノ−6−(プロピルアミノ)−9H−プリン
−9−イル]−2−シクロペンテン−1−メタノールO−[フェニル(メトキシ
−L−アラニニル)]ホスホルアミデート; (1S,シス)−4−[2−アミノ−6−(イソプロピルアミノ)−9H−プ
リン−9−イル]−2−シクロペンテン−1−メタノールO[フェニル(メトキ
シ−L−アラニニル)]ホスホルアミデート; (1S,シス)−4−[2−アミノ−6−(アリルチオ)−9H−プリン−9
−イル]−2−シクロペンテン−1−メタノールO−[フェニル(メトキシ−L
−アラニニル)]ホスホルアミデート; (1S,シス)−4−(2,6−ジアミノ−9H−プリン−9−イル)−2−
シクロペンテン−1−メタノールO−[フェニル(メトキシ−L−アラニニル)
]ホスホルアミデート; (1S,シス)−4−[2−アミノ−6−(シクロプロピルメチルアミノ)−
9H−プリン−9−イル]−2−シクロペンテン−1−メタノールO−[フェニ
ル(メトキシ−α,α−ジメチルグリシニル)]ホスホルアミデート; (1S,シス)−4−[2−アミノ−6−(シクロプロピルメチルアミノ)−
9H−プリン−9−イル]−2−シクロペンテン−1−メタノールO−[フェニ
ル(ベンジルオキシ−L−アラニニル)]ホスホルアミデート; (1S,シス)−4−[2−アミノ−6−(シクロプロピルメチルアミノ)−
9H−プリン−9−イル]−2−シクロペンテン−1−メタノールO−[フェニ
ル(メトキシ−L−フェニルアラニニル)]ホスホルアミデート からなる群から選択される式(I)の化合物ならびにその化合物の製薬上許容
される誘導体を特徴とする。
【0024】 本発明の化合物の生理的に許容される塩には、その分子の塩基性部分または酸
性部分の塩などがある。塩基性部分の塩は、酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、イ
セチオン酸、ラクトビオン酸およびコハク酸などの有機カルボン酸;メタンスル
ホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸およびp−トルエンスルホン酸
などの有機スルホン酸;ならびに塩酸、硫酸、リン酸およびスルファミン酸など
の無機酸によって形成される。酸性部分の酸は、アルカリ金属(例:ナトリウム
)、アルカリ土類元素(例:マグネシウム、カルシウム)、アンモニウムおよび
アンモニウム塩などの適切な塩基によって形成される。
【0025】 治療で用いる場合、本発明による化合物の塩は生理的に許容されるものである
。すなわちその塩は、生理的に許容される酸から誘導された塩である。しかしな
がら、生理的に許容されない酸の塩も、例えば生理的に許容される化合物の製造
または精製において用途がある場合がある。生理的に許容される酸から誘導され
るか否かを問わず全ての塩が、本発明の範囲に含まれる。
【0026】 式(I)の化合物は、文献(Biochem. Biophys. Res. Commun. 225 : 363-369
, 1996)に記載の手順の変法によって製造することができる。
【0027】 本発明はさらに、本発明による化合物の製造方法であって、 下記式(II)の化合物:
【化4】 と下記式(III)の化合物:
【化5】 (式中、R〜Rは前記で定義の通りである)との反応を含む方法を含む。
【0028】 この反応は、t−ブチルマグネシウムクロライド存在下に、ピリジン、ピリジ
ン−テトラヒドロフランまたはアセトニトリル中で行うことができる(Balzarin
i et al., Biochem. Biophys. Res. Comm. 225 : 363-369 (1996))。ホスホク
ロリデート中間体は、WO96/29336に従って製造することができる。
【0029】 異性体の分離は、当業界で公知の方法によって、例えば、キラルカラムを用い
る高速液体クロマトグラフィー、特に移動相として液体二酸化炭素を用いるもの
、あるいはキラルな酸もしくは塩基との塩の結晶化によって行うことができる。
【0030】 ホスフェート異性体は、溶離液として25%メタノール/二酸化炭素を用い、
流量2mL/分、温度40℃および圧力3000psi(約27.6MPa)で
のキラルパック(Chiralpak)(登録商標)ASカラムを用いる超臨界流体クロ
マトグラフィーで分離することができる。
【0031】 本発明の1態様は、医学療法で使用される、詳細にはレトロウィルス感染、特
にHIVおよびB型肝炎ウィルスおよびC型肝炎ウィルスの感染の治療で使用さ
れる本発明による化合物を特徴とする。
【0032】 本発明のさらに別の態様は、ウィルス感染の治療、詳細にはレトロウィルス感
染、特にHIVおよびB型肝炎ウィルスおよびC型肝炎ウィルスの感染の治療用
の医薬品の製造で使用される本発明による化合物を特徴とする。
【0033】 本発明のさらに別の態様においては、宿主におけるレトロウィルス感染、およ
びB型肝炎ウィルス感染およびC型肝炎ウィルス感染の治療方法であって、前記
宿主に対して、治療上有効量の本発明による化合物を投与する段階を有する方法
が提供される。
【0034】 本発明に従って治療または予防することができるレトロウィルス感染の例とし
ては、ヒト免疫不全ウィルス(HIV)、HIV−1、HIV−2およびヒトT
細胞向リンパ性ウィルス(HTLV)(例:HTLV−IまたはHTLV−II
)感染などのヒトレトロウィルス感染などがある。本発明による化合物は、AI
DSならびにAIDS関連症候群(ARC)、進行性全身性リンパ節腫脹(PG
L)、多発性硬化症もしくは熱帯性不全対麻痺などのAIDS関連神経状態、抗
HIV抗体陽性状態およびHIV陽性状態ならびに血小板減少性紫斑病などの関
連する臨床状態の治療に特に有用である。
【0035】 本発明による化合物は特に、ヒトレトロウィルスによって生じるまたはそれに
関連するヒトでの無症候性の感染または疾患の治療に利用可能である。
【0036】 本発明による化合物は、酸介在加水分解に対して安定であることができ、従っ
て、胃の酸性環境に耐える可能性が高いことから、経口投与用の治療薬として有
利である。
【0037】 本発明による化合物は、上記感染または状態の治療用の他の治療薬と併用する
ことができる。他の治療薬には、ジドブジンおよびアブカビル(abacavir)のよ
うな逆転写酵素阻害薬;(1α,2β,3α)−9−[2,3−ビス(ヒドロキ
シメチル)シクロブチル]グアニン[(−)BHCG、SQ−34514];オ
キセタノシン(oxetanocin)−G(3,4−ビス(ヒドロキシメチル)−2−オ
キセタノシル]グアニン);非環状ヌクレオシド類(例:アシクロビル、バラシ
クロビル(valaciclovir)、ファムシクロビル(famciclovir)、ガンシクロビ
ル(ganciclovir)、ペンシクロビル(penciclovir));非環状ヌクレオシドホ
スホネート類(例:(S)−1−(3−ヒドロキシ−2−ホスホニル−メトキシ
プロピル)シトシン(HPMPC)またはPMEAまたはPMPA;ヒドロキシ
尿素、2−アセチルピリジン5−[(2−クロロアニリノ)チオカルボニル)チ
オカルボノヒドラゾンなどのリボヌクレオチドレダクターゼ;2′,3′−ジデ
オキシシチジン、2′,3′−ジデオキシアデノシン、2′,3′−ジデオキシ
イノシン、3′−デオキシ−2′,3′−ジデヒドロチミジン(d4T)などの
他の2′,3′−ジデオキシヌクレオシド類;サクイナビル(saquinavir)、イ
ンジナビル(indinavir)、リトナビル(ritonavir)、ネルフィナビル(nelfin
avir)、アンプレナビル(amprenavir)、チプラナビル(tipranavir)などのプ
ロテアーゼ阻害薬;ラミブジン(lamivudine)、シス−1−(2−(ヒドロキシ
メチル)−1,3−オキサチオラン−5−イル)−5−フルオロシトシン(FT
C);3′−デオキシ−3′−フルオロチミジン、5−クロロ−2′,3′−ジ
デオキシ−3′−フルオロウリジン、リバビリン、9−[4−ヒドロキシ−2−
(ヒドロキシメチル)ブト−1−イル]−グアニン(H2G)などのオキサチオ
ラン系ヌクレオシド類縁物;7−クロロ−5−(2−ピリル)−3H−1,4−
ベンゾジアゼピン−2−(H)オン(Ro5−3335)、7−クロロ−1,3
−ジヒドロ−5−(1H−ピロール−2−イル)−3H−1,4−ベンゾジアゼ
ピン−2−アミン(Ro24−7429)などのtat阻害薬;α−インターフ
ェロンなどのインターフェロン類;プロベネシドなどの腎臓排泄阻害薬;ジピリ
ダモールなどのヌクレオシド輸送阻害薬;ペントキシフィリン、N−アセチルシ
ステイン(NAC)、プロシステイン、α−トリコサンチン、ホスホノギ酸、な
らびにインターロイキンIIもしくはチモシン、顆粒球・マクロファージ・コロ
ニー刺激因子、エリスロポイエチン、可溶性CDおよびそれらの遺伝子操作誘
導体などの免疫調節剤;あるいはネビラピン(nevirapine)(BI−RG−58
7)、ロビライド(loviride)(α−APA)、デラブリジン(delavuridine)
(BHAP)、アテビルジン(atevirdine)、エファビレンツおよびDPC96
1/963などの非ヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬(NNRTI類)、および
ホスホノギ酸、ならびに(−)−6−クロロ−4−シクロプロピルエチニル−4
−トリフルオロメチル−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンゾオキサジン−
2−オン(L−743726またはDMP−266)などの1,4−ジヒドロ−
2H−3,1−ベンゾオキサジン−2−オン系NNRTI類、およびイソプロピ
ル(2S)−7−フルオロ−3,4−ジヒドロ−2−エチル−3−オキソ−1(
2H)−キノキザリンカルボキシレート(HBY1293)などのキノキザリン
系NNRTI類のようなウィルス感染または関連状態の治療に有効な薬剤などが
あり得る。そのような併用療法の成分化合物は、同時に、別の製剤もしくは組合
せ製剤で、あるいは例えば順次投与のように異なる時点で投与して、併用効果が
得られるようにすることができる。
【0038】 本明細書では有効成分とも称する、本発明による化合物は、経口投与、直腸投
与、経鼻投与、局所投与(口腔内投与および舌下投与など)、経膣投与および非
経口投与(皮下投与、筋肉投与、静脈投与および皮内投与など)等の好適な経路
によって、治療用に投与することができる。好ましい経路は、患者の状態および
年齢、感染の性質および選択される有効成分によって変わることは明らかであろ
う。
【0039】 有効成分の必要量は、治療の対象となる状態の重度および被投与者自体などの
多くの要素によって決まるものであり、最終的には担当の医師または獣医の裁量
によって決まる。しかしながら一般には、その各用途および適応症に関して、式
(I)の化合物の好適な有効用量は、1日当たり被投与者の体重1kg当たり0
.01〜100mgの範囲、有利には1〜70mg/kg/日の範囲、好ましく
は1〜50mg/kg/日の範囲である。
【0040】 望ましい用量は好ましくは、1日を通じて適切な間隔で投与される1、2、3
または4以上の部分用量として提供される。これらの部分用量は、例えば単位製
剤当たり有効成分を約0.5〜2000mg、好ましくは約5、25、50、1
50、200または250mg含む単位製剤で投与することができる。
【0041】 有効成分を単独で投与することが可能であるが、それを医薬組成物として提供
することが好ましい。本発明のさらに別の態様は、式(I)の化合物またはその
化合物の製薬上許容される誘導体、ならびに製薬上許容される担体を含む医薬組
成物を特徴とする。
【0042】 本発明の組成物は、1以上の製薬上許容される担体および場合によって他の治
療薬とともに、少なくとも1種類の上記で定義の有効成分を含む。各担体は、組
成物の他の成分と適合性であり、被投与者に対して有害性がないという意味にお
いて「許容できる」ものでなければならない。組成物には、経口投与、直腸投与
、経鼻投与、局所投与(口腔内投与および舌下投与など)、経膣投与または非経
口投与(皮下投与、筋肉投与、静脈投与および皮内投与など)に好適なものなど
がある。
【0043】 組成物は簡便には、製薬業界で公知の方法によって単位製剤で提供することが
できる。そのような方法には、1以上の補助成分を構成する担体と有効成分とを
組み合わせる段階がある。一般に組成物は、有効成分と液体担体もしくは微粉砕
固体担体またはその両方とを均一かつ十分に混和し、次に必要に応じて取得物を
成形することで製造される。
【0044】 経口投与に好適な本発明の組成物は、それぞれが所定量の有効成分を含むカプ
セル、カシェ剤、顆粒袋または錠剤(嚥下可能錠剤、分散性錠剤または咀嚼錠な
ど)などの分離した単位として;粉剤もしくは粒剤として;水系液体または非水
系液体中の溶液または懸濁液として;あるいは水中油型乳濁液または油中水型乳
濁液として提供することができる。有効成分は、ボラス、舐剤またはペーストと
して提供することもできる。
【0045】 錠剤は、場合により1以上の補助成分とともに、圧縮または成形することで製
造することができる。圧縮錠は、場合により結合剤、潤滑剤、不活性希釈剤、保
存剤、界面活性剤または分散剤と混合した、粉末または顆粒などの自由流動性形
態の有効成分を好適な装置で圧縮することで製造することができる。成形錠は、
好適な装置で、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末状化合物の混合物を成形するこ
とで製造することができる。錠剤は場合により、コーティングまたは刻印を施す
ことができ、有効成分の徐放または制御放出が行えるように製剤することができ
る。錠剤は、腸溶コーティングすることができる。
【0046】 口内での局所投与に好適な組成物には、香味基剤、通常はショ糖およびアカシ
アもしくはトラガカント中に有効成分を含むロゼンジ剤;ゼラチンおよびグリセ
リンまたはショ糖およびアカシアなどの不活性基剤中に有効成分を含むパステル
剤;ならびに好適な液体担体中に有効成分を含む含嗽薬などがある。
【0047】 直腸投与用の組成物は、例えばカカオバターまたはサリチル酸化合物を含む好
適な基剤を用いた坐剤として提供することができる。
【0048】 経膣投与に好適な組成物は、有効成分以外に、当業界で適切であることが知ら
れている担体を含むペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、発泡剤
または噴霧製剤として提供することができる。
【0049】 非経口投与に好適な組成物には、酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤ならびに製剤を
水系および非水系の無菌懸濁液とする溶質(懸濁剤および増粘剤などがあり得る
)を含むことができる水系および非水系の等張性無菌注射液などがある。その組
成物は、例えばアンプルおよびバイアルなどの単一用量または複数用量の密封容
器に入れて提供することができ、使用直前に例えば注射用水などの無菌液体担体
を加えるのみで良い冷凍乾燥(凍結乾燥)状態で保存することができる。即時調
合液剤および懸濁液は、前述した種類の無菌粉剤、粒剤および錠剤から製造する
ことができる。
【0050】 有効成分は、マイクロメートルまたはナノメートルレベルの粒径の有効成分を
含む組成物で提供することもできる。
【0051】 好ましい単位製剤組成物は、1日用量または単位一日部分用量(本明細書で前
述したもの)あるいはそれらの適切な一部分の有効成分を含むものである。
【0052】 理解しておくべき点として、上記で詳細に言及した成分以外に本発明の組成物
は、対象となる製剤の種類に関係する業界で従来使用されている他の薬剤を含む
ことができる。例えば、経口投与に好適な製剤は、香味剤または味隠蔽剤を含む
ことができる。
【0053】 本発明のさらに別の態様は、ウィルス感染を患う患者の治療で使用されるキッ
トに関するものである。そのキットは、1以上の用量の式(I)の化合物を含む
ものであり、1以上の別の治療薬を含むことができる。例を挙げると本発明のキ
ットは、式(I)の化合物を含む1以上の錠剤、カプセル、小カプセル、ゲルカ
ップ(gelcaps)または液体製剤、ならびに上記の範囲内の投与量で式(I)の
化合物を含む1以上の錠剤、カプセル、小カプセル、ゲルカップまたは液体製剤
を含むことができる。そのキットは、薬剤併用に関する印刷された投与関係情報
を、添付文書として有することができる。
【0054】 以下の実施例は、説明のみを目的としたものであり、いかなる形でも本発明の
範囲を限定するものではない。なお、以下の記載で、「Anal. Calcd. for」は元
素分析、計算値であり、「Found」は実測値である。
【0055】実施例 実施例1 (1S,シス)−4−[2−アミノ−6−(1−アゼチジニル)−9H−プリ ン−9−イル]−2−シクロペンテン−1−メタノールO−[フェニル(メトキ シ−L−アラニニル)]ホスホルアミデート (a)(1S,シス)−4−[2−アミノ−6−(1−アゼチジニル)−9H −プリン−9−イル]−2−シクロペンテン−1−メタノール (1S,シス)−4−(6−クロロ−9H−プリン−9−イル)−2−シクロ
ペンテン−1−メタノール(米国特許第5917041号、1999年6月)(
300mg、1.13mmol)およびアゼチジン(1.00g、17.5mm
ol)のメタノール(10mL)溶液を、密閉したパール管中、60℃で18時
間維持した。冷却した溶液に1N水酸化ナトリウム(1.13mL)を加えた。
揮発分を留去し、残留固体についてシリカゲルでのクロマトグラフィーを行った
。6%メタノール−クロロホルムで溶離することで、アセトニトリルで磨砕した
後、標題化合物を白色固体として得た(280mg、87%)。融点:187〜
189℃;[α] 20−31.9(c0.25、メタノール)。
【0056】
【化6】 (b)(1S,シス)−4−[2−アミノ−6−(1−アゼチジニル)−9H −プリン−9−イル]−2−シクロペンテン−1−メタノールO−[フェニル( メトキシ−L−アラニニル)]ホスホルアミデート 脱水ピリジン少量ずつを留去することでヌクレオシドを乾燥させた。乾燥(1
S,シス)−4−[2−アミノ−6−(1−アゼチジニル)−9H−プリン−9
−イル]−2−シクロペンテン−1−メタノール(600mg、2.1mmol
)の脱水ピリジン(5mL)−テトラヒドロフラン(5mL)溶液に窒素下で攪
拌しながら、1Mのtert−ブチルマグネシウムクロライド(3.2mL)を
加えた。20分後、フェニル(メトキシ−L−アラニニル)ホスホロクロリデー
ト(C. McGuigan et al. J. Med. Chem. 1993, 36: 1048-1052に記載の方法に従
って製造)(4.2mL、4.2mmol)の脱水テトラヒドロフラン溶液を加
え、溶液を室温で12時間撹拌した。得られた混合物を減圧下に濃縮してシロッ
プとした。そのシロップを塩化メチレン(60mL)に溶かし、有機相を水(3
0mLで2回)、次にブライン(30mL)で洗浄し、脱水し(硫酸マグネシウ
ム)、濾過し、濃縮して泡状物とした。その泡状物を、シリカゲルでのフラッシ
ュカラムクロマトグラフィーによって精製した。標題化合物を5%メタノール/
クロロホルムで溶離して、揮発分除去後に、白色固体泡状物850mg(77%
)を得た。
【0057】
【化7】 実施例2 (1S,シス)−4−[2−アミノ−6−(シクロプロピルメチルアミノ)− 9H−プリン−9−イル]−2−シクロペンテン−1−メタノールO−[フェニ ル(メトキシ−L−アラニニル)]ホスホルアミデート (a)(1S,シス)−4−[2−アミノ−6−(シクロプロピルメチルアミ ノ)−9H−プリン−9−イル]−2−シクロペンテン−1−メタノール (1S,シス)−4−(6−クロロ−9H−プリン−9−イル)−2−シクロ
ペンテン−1−メタノール(米国特許第5917041号、1999年6月)(
4.00g、15mmol)およびN−シクロプロピル−N−メチルアミン(J. Med. Chem., 1994, 37: 3482-3491)(10.7g、37.7mmol)のエタ
ノール(60mL)溶液を2時間還流させた。冷却した溶液に、1N水酸化ナト
リウム(15mL)を加えた。揮発分を留去し、残留固体についてシリカゲルで
のクロマトグラフィーを行った。5%メタノール−クロロホルムで溶離すること
で、エタノール溶液の濃縮後に、標題化合物を白色固体泡状物として得た(4.
30g、95%)。[α] 20−49.2(c0.23、メタノール)。
【0058】
【化8】 (b)(1S,シス)−4−[2−アミノ−6−(シクロプロピルメチルアミ ノ)−9H−プリン−9−イル]−2−シクロペンテン−1−メタノールO−[ フェニル(メトキシ−L−アラニニル)]ホスホルアミデート (1S,シス)−4−[2−アミノ−6−(シクロプロピルメチルアミノ)−
9H−プリン−9−イル]−2−シクロペンテン−1−メタノール(本実施例の
段階a、1.20g、3.70mmol)から、実施例1段階bの方法によって
標題化合物を製造し、5%メタノール−クロロホルムを用いるシリカゲルカラム
からの溶出後に、白色固体泡状物として単離した(1.30g、65%)。
【0059】
【化9】 実施例3 (1S,シス)−4−(2−アミノ−6−ブトキシ−9H−プリン−9−イル )−2−シクロペンテン−1−メタノールO−[フェニル(メトキシ−L−アラ ニニル)]ホスホルアミデート (a)(1S、シス)−4−[2−アミノ−6−ブトキシ−9H−プリン−9 −イル]−2−シクロペンテン−1−メタノール (1S,シス)−4−(6−クロロ−9H−プリン−9−イル)−2−シクロ
ペンテン−1−メタノール(米国特許第5917041号、1999年6月)(
4.00g、15mmol)の脱水n−ブタノール(50mL)溶液に、水素化
ナトリウム(鉱油中60%品、723mg、18mmol)を加えた。得られた
混合物を55℃で3時間維持した。揮発分を留去し、残留固体についてシリカゲ
ルでのクロマトグラフィーを行った。5%メタノール−クロロホルムで溶離する
ことで、メタノール−アセトニトリルからの固化後に、標題化合物を白色粉末と
して得た(3.70g、81%)。[α] 20−77.5(c0.24、メタ
ノール)。
【0060】
【化10】 (b)(1S,シス)−4−(2−アミノ−6−ブトキシ−9H−プリン−9 −イル)−2−シクロペンテン−1−メタノールO−[フェニル(メトキシ−L −アラニニル)]ホスホルアミデート (1S、シス)−4−[2−アミノ−6−ブトキシ−9H−プリン−9−イル
]−2−シクロペンテン−1−メタノール(本実施例の段階a、1.00g、3
.30mmol)から、実施例1段階bの方法によって標題化合物を製造し、5
%メタノール−クロロホルムを用いるシリカゲルカラムからの溶出後に、白色固
体泡状物として単離した(1.30g、75%)。
【0061】
【化11】 実施例4 (1S,シス)−4−(2−アミノ−6−メトキシ−9H−プリン−9−イル )−2−シクロペンテン−1−メタノールO−[フェニル(メトキシ−L−アラ ニニル)]ホスホルアミデート (a)(1S,シス)−4−(2−アミノ−6−メトキシ−9H−プリン−9 −イル)−2−シクロペンテン−1−メタノール (1S,シス)−4−(6−クロロ−9H−プリン−9−イル)−2−シクロ
ペンテン−1−メタノール(米国特許第5917041号、1999年6月)(
4.00g、15mmol)の脱水メタノール(60mL)溶液に、水素化ナト
リウム(鉱油中60%品、1.2g、30mmol)を加えた。得られた混合物
を2時間還流させた。溶液を冷却しながら(氷浴)、1N塩酸(15mL)を加
えた。揮発分を留去し、残留固体についてシリカゲルでのクロマトグラフィーを
行った。5%メタノール−クロロホルムで溶離することで、エタノール溶液の溶
媒留去後に標題化合物を白色固体泡状物として得た、(3.80g、97%)。
[α] 20−102.5(c0.57、メタノール)。
【0062】
【化12】 (b)(1S,シス)−4−(2−アミノ−6−メトキシ−9H−プリン−9 −イル)−2−シクロペンテン−1−メタノールO−[フェニル(メトキシ−L −アラニニル)]ホスホルアミデート (1S,シス)−4−(2−アミノ−6−メトキシ−9H−プリン−9−イル
)−2−シクロペンテン−1−メタノール(本実施例の段階a、1.00g、3
.80mmol)から、実施例1段階bの方法によって標題化合物を製造し、3
%メタノール−クロロホルムを用いるシリカゲルカラムからの溶出後に、白色固
体泡状物として単離した(1.30g、68%)。
【0063】
【化13】 実施例5 (1S,シス)−4−[2−アミノ−6−(プロピルアミノ)−9H−プリン −9−イル]−2−シクロペンテン−1−メタノールO−[フェニル(メトキシ −L−アラニニル)]ホスホルアミデート (a)(1S,シス)−4−[2−アミノ−6−(プロピルアミノ)−9H− プリン−9−イル]−2−シクロペンテン−1−メタノール (1S,シス)−4−(6−クロロ−9H−プリン−9−イル)−2−シクロ
ペンテン−1−メタノール(米国特許第5917041号、1999年6月)(
1.00g、3.77mmol)およびプロピルアミン(3.1mL、38mm
ol)のエタノール(16mL)溶液を3時間還流させた。冷却溶液に、5N水
酸化ナトリウム(0.76mL)を加えた。揮発分を留去し、残留固体について
シリカゲルでのクロマトグラフィーを行った。5%メタノール−クロロホルムで
溶離することで、メタノール−アセトニトリルからの固化後に、標題化合物を白
色粉末として得た(1.00g、92%)。[α] 20−57.1(c0.3
0、メタノール)。融点:146〜148℃。
【0064】
【化14】 (b)(1S,シス)−4−[2−アミノ−6−(プロピルアミノ)−9H− プリン−9−イル]−2−シクロペンテン−1−メタノールO−[フェニル(メ トキシ−L−アラニニル)]ホスホルアミデート (1S,シス)−4−[2−アミノ−6−(プロピルアミノ)−9H−プリン
−9−イル]−2−シクロペンテン−1−メタノール(本実施例の段階a、1.
00g、3.50mmol)から、実施例1段階bの方法によって標題化合物を
製造し、5%メタノール−クロロホルムを用いるシリカゲルカラムからの溶出後
に、白色固体泡状物として単離した(1.20g、64%)。
【0065】
【化15】 実施例6 (1S,シス)−4−[2−アミノ−6−(イソプロピルアミノ)−9H−プ リン−9−イル]−2−シクロペンテン−1−メタノールO[フェニル(メトキ シ−L−アラニニル)]ホスホルアミデート (a)(1S,シス)−4−[2−アミノ−6−(イソプロピルアミノ)−9 H−プリン−9−イル]−2−シクロペンテン−1−メタノール (1S,シス)−4−(6−クロロ−9H−プリン−9−イル)−2−シクロ
ペンテン−1−メタノール(米国特許第5917041号、1999年6月)(
1.00g、3.77mmol)およびイソプロピルアミン(3.2mL、38
mmol)のエタノール(16mL)溶液を4時間還流させた。冷却溶液に、5
N水酸化ナトリウム(0.76mL)を加えた。揮発分を留去し、残留固体につ
いてシリカゲルでのクロマトグラフィーを行った。5%メタノール−クロロホル
ムで溶離することで、酢酸エチル−ヘキサンからの固化後に、標題化合物を白色
粉末として得た(1.00g、85%)。[α] 20−50.6(c0.37
、メタノール);融点:87〜90℃。
【0066】
【化16】 (b)(1S,シス)−4−[2−アミノ−6−(イソプロピルアミノ)−9 H−プリン−9−イル]−2−シクロペンテン−1−メタノールO[フェニル( メトキシ−L−アラニニル)]ホスホルアミデート (1S,シス)−4−[2−アミノ−6−(イソプロピルアミノ)−9H−プ
リン−9−イル]−2−シクロペンテン−1−メタノール(本実施例の段階a、
1.00g、3.10mmol)から、実施例1段階bの方法によって標題化合
物を製造し、5%メタノール−クロロホルムを用いるシリカゲルカラムからの溶
出後に、白色固体泡状物として単離した(1.00g、61%)。
【0067】
【化17】 実施例7 (1S,シス)−4−[2−アミノ−6−(アリルチオ)−9H−プリン−9 −イル]−2−シクロペンテン−1−メタノールO−[フェニル(メトキシ−L −アラニニル)]ホスホルアミデート (a)(1S,シス)−4−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−チオキソ −9H−プリン−9−イル)−2−シクロペンテン−1−メタノール (1S,シス)−4−(6−クロロ−9H−プリン−9−イル)−2−シクロ
ペンテン−1−メタノール(米国特許第5917041号、1999年6月)(
481mg、1.81mmol)およびチオ尿素(151mg、1.99mmo
l)をn−プロパノール(6mL)中で1.5時間還流させた。得られた混合物
を冷却し(氷浴)、1N水酸化ナトリウムで中和した後に沈殿を回収した。エタ
ノール−水からの再結晶によって、標題化合物をオフホワイト粉末として得た(
300mg、63%)。融点:>250℃;[α] 20−29.1(c0.2
4、メタノール)。
【0068】
【化18】 (b)(1S,シス)−4−[2−アミノ−6−(アリルチオ)−9H−プリ ン−9−イル]−2−シクロペンテン−1−メタノール (1S,シス)−4−(2−アミノ−1,6−ジヒドロ−6−チオキソ−9H
−プリン−9−イル)−2−シクロペンテン−1−メタノール(本実施例段階a
、210mg、0.80mmol)のジオキサン(2mL)および1N水酸化ナ
トリウム(0.80mL)溶液に、塩化アリル(0.43mL)を加えた。溶液
を2時間撹拌した。水(10mL)を加え、粗生成物をクロロホルムで抽出した
(10mLで3回)。クロロホルム抽出液を脱水し(MgSO)、揮発分を留
去し、残留ガム状物についてシリカゲルでのクロマトグラフィーを行った。標題
化合物を5%メタノール−クロロホルムで溶離して、酢酸エチル溶液の溶媒留去
後に、オフホワイト固体泡状物として得た(212mg、88%)。[α] −53.5(c0.245、メタノール)。
【0069】
【化19】 (c)(1S,シス)−4−[2−アミノ−6−(アリルチオ)−9H−プリ ン−9−イル]−2−シクロペンテン−1−メタノールO−[フェニル(メトキ シ−L−アラニニル)]ホスホルアミデート (1S,シス)−4−[2−アミノ−6−(アリルチオ)−9H−プリン−9
−イル]−2−シクロペンテン−1−メタノール(本実施例の段階b、700m
g、2.30mmol)から、実施例1段階bの方法によって標題化合物を製造
し、3%メタノール−クロロホルムを用いるシリカゲルカラムからの溶出および
エタノール溶液の溶媒留去後に、白色固体として単離した(1.10g、88%
)。MS(ES)545(M+1)。
【0070】
【化20】 実施例8 (1S,シス)−4−(2,6−ジアミノ−9H−プリン−9−イル)−2− シクロペンテン−1−メタノールO−[フェニル(メトキシ−L−アラニニル) ]ホスホルアミデート (a)(1S,シス)−4−(2,6−ジアミノ−9H−プリン−9−イル) −2−シクロペンテン−1−メタノール (1S,シス)−4−(6−クロロ−9H−プリン−9−イル)−2−シクロ
ペンテン−1−メタノール(米国特許第5917041号、1999年6月)(
274mg、1.00mmol)およびアンモニア(I、40mL)を、密封し
たパール管中、60℃で3日間撹拌した。−78℃のメタノール(40mL)で
希釈した後、アンモニアを蒸発させ、1N水酸化ナトリウム(1.00mL)を
加えた。揮発分を留去し、残留固体についてシリカゲルでのクロマトグラフィー
を行った。15%メタノール−クロロホルムで溶離することで、アセトニトリル
中でスラリーとした後、標題化合物を白色粉末として得た(208mg、85%
)。融点:174〜176℃;[α] 20−75.7(c0.25、メタノー
ル)。
【0071】
【化21】 (b)(1S,シス)−4−(2,6−ジアミノ−9H−プリン−9−イル) −2−シクロペンテン−1−メタノールO−[フェニル(メトキシ−L−アラニ ニル)]ホスホルアミデート (1S,シス)−4−(2,6−ジアミノ−9H−プリン−9−イル)−2−
シクロペンテン−1−メタノール(本実施例の段階a、1.00g、4.06m
mol)から、実施例1段階bの方法によって標題化合物を製造し、7.5%メ
タノール−クロロホルムを用いるシリカゲルカラムからの溶出後に、白色固体泡
状物として単離した(730mg、37%)。
【0072】
【化22】 実施例9 (1S,シス)−4−[2−アミノ−6−(シクロプロピルメチルアミノ)− 9H−プリン−9−イル]−2−シクロペンテン−1−メタノールO−[フェニ ル(メトキシ−α,α−ジメチルグリシニル)]ホスホルアミデート 実施例1段階bの方法によって、(1S,シス)−4−[2−アミノ−6−(
シクロプロピルメチルアミノ)−9H−プリン−9−イル]−2−シクロペンテ
ン−1−メタノール(実施例2段階a、200mg、0.67mmol)を、フ
ェニル(メトキシ−α,α−ジメチルグリシニル)ホスホロクロリデート(1M
テトラヒドロフラン溶液1.7mL、1.7mmol;マグイガンらの報告(C.
McGuigan et al. Antiviral Research 1997, 35: 195-204)に記載の方法に従
って製造)で処理した。3%メタノール−クロロホルムを用いるシリカゲルカラ
ムからの溶離後に、標題化合物を淡黄色固体泡状物(290mg、78%)とし
て単離した。
【0073】
【化23】 実施例10 (1S,シス)−4−[2−アミノ−6−(シクロプロピルメチルアミノ)− 9H−プリン−9−イル]−2−シクロペンテン−1−メタノールO−[フェニ ル(ベンジルオキシ−L−アラニニル)]ホスホルアミデート 実施例1段階bの方法により、(1S,シス)−4−[2−アミノ−6−(シ
クロプロピルメチルアミノ)−9H−プリン−9−イル]−2−シクロペンテン
−1−メタノール(実施例2段階a、200mg、0.67mmol)を、フェ
ニル(ベンジルオキシ−L−アラニニル)ホスホロクロリデート(1Mテトラヒ
ドロフラン溶液1.7mL、1.7mmol;マグイガンらの報告(C. McGuiga
n et al. Antiviral Research 1997, 35: 195-204)に記載の方法に従って製造
)で処理した。3%メタノール−クロロホルムを用いるシリカゲルカラムからの
溶離後に、標題化合物を淡黄色固体泡状物(160mg、39%)として単離し
た。
【0074】
【化24】 実施例11 (1S,シス)−4−[2−アミノ−6−(シクロプロピルメチルアミノ)− 9H−プリン−9−イル]−2−シクロペンテン−1−メタノールO−[フェニ ル(メトキシ−L−フェニルアラニニル)]ホスホルアミデート 実施例1段階bの方法により、(1S,シス)−4−[2−アミノ−6−(シ
クロプロピルメチルアミノ)−9H−プリン−9−イル]−2−シクロペンテン
−1−メタノール(実施例2段階a、200mg、0.67mmol)を、フェ
ニル(メトキシ−L−フェニルアラニニル)ホスホロクロリデート(1Mテトラ
ヒドロフラン溶液1.7mL、1.7mmol;マグイガンらの報告(C. McGui
gan et al. Antiviral Research 1997, 35: 195-204)に記載の方法に従って製
造)で処理した。3%メタノール−クロロホルムを用いるシリカゲルカラムから
の溶離後に、標題化合物を淡黄色固体泡状物(170mg、41%)として単離
した。
【0075】
【化25】 実施例12 抗HIV活性 アベレットの報告(Averett, D. R., J. Virol. Methods, 23, 1989, 263-276
)に記載の方法に従って、化合物に関し、MT細胞での抗HIV活性を調べた
。HIVに対する化合物の活性は、IC50値0.010μM〜2.5μMの範
囲であった。
【0076】実施例13 抗B型肝炎ウィルス活性 ジャンセンらの報告(Jansen, R. et al., Antimicrobial Agents and Chemot
herapy Vol. 37, No. 3, pp. 441-447, 1993)に記載の方法に従って、化合物に
関し、抗B型肝炎ウィルス活性を調べた。化合物の抗B型肝炎活性は、IC50 値0.020μM〜4.0μMの範囲であった。
【0077】実施例14 錠剤製剤 ポビドンの溶液とともに成分を湿式造粒し、次にステアリン酸マグネシウムを
加え、加圧することで、下記の製剤A、BおよびCが調製される。
【0078】 製剤A 製剤B 製剤C 混合した成分を直接加圧することで、以下の製剤DおよびEが調製される。製
剤Eにおける乳糖は、直接加圧型のものである(Dairy Crest「Zeparox」)。
【0079】 製剤D 製剤E 製剤F(徐放製剤) この製剤は、ポビドンの溶液とともに成分を湿式造粒し、次にステアリン酸マ
グネシウムを加え、加圧することで調製される。
【0080】 薬剤放出は約6〜8時間かけて起こり、12時間後に完了する。
【0081】実施例15:カプセル製剤 製剤A 上記実施例6における製剤Dの成分を混合し、2分割の硬ゼラチンカプセルに
充填することで、カプセル製剤が製造される。製剤B(下記)も同様にして製造
される。
【0082】 製剤B 製剤C 製剤Cのカプセルは、マクロゲル(Macrogel)4000B.P.を溶融させ、
溶融物に有効成分を分散させ、その溶融物を2分割硬ゼラチンカプセルに充填す
ることで製造される。
【0083】 製剤D 製剤Dのカプセルは、レシチンおよび落花生油に有効成分を分散させ、得られ
た分散液を軟弾性ゼラチンカプセルに充填することで製造される。
【0084】 製剤E ビタミンE TPGS(イーストマン・ケミカル社(Eastman Chemical Co.)
から入手)4kgを、液化するまで50℃で加熱した。液化したビタミンE T
PGSに、50℃まで加熱したポリエチレングリコール400(PEG400)
(低アルデヒド、<10ppm、ユニオンカーバイド社(Union Carbide)また
はダウケミカル社(Dow Chemical Co.)から入手)2.005kgを加え、均一
溶液が形成されるまで混合した。得られた溶液を65℃まで加熱した。有効成分
1.5kgを、ビタミンE TPGSおよびPEG400の液化溶液に溶かした
。室温のプロピレングリコール0.395kgを加え、均一溶液が形成されるま
で混合した。溶液を冷却して28〜35℃とした。溶液の脱気を行った。混合物
を好ましくは、カプセル充填機を用い、サイズ12の長楕円形白色不透明軟ゼラ
チンカプセルに、揮発分を含まない化合物150mgに相当する充填重量にて、
28〜35℃でカプセル充填した。水3〜6%の一定の充填水分量および7〜1
0ニュートンの外殻硬度となるまでカプセル外殻を乾燥させ、好適な容器に入れ
た。
【0085】 製剤F(徐放カプセル) 押出機を用いて成分a、bおよびcの押出を行い、次に押出物を球状に成形し
、乾燥させることで、以下の徐放カプセル製剤が製造される。乾燥ペレットを徐
放膜(d)でコーティングし、2分割の硬ゼラチンカプセルに充填する。
【0086】 実施例16:注射製剤 製剤A 有効成分を、大半の水(35〜40℃)に溶かし、適宜、塩酸または水酸化ナ
トリウムを用いてpHを4.0〜7.0に調節する。次に、水でバッチを規定量
とし、無菌微細孔フィルターで濾過して、10mLの琥珀色ガラスバイアル(1
型)に入れ、無菌栓および外包密封材で密封する。
【0087】 製剤B 実施例17:筋肉注射剤 有効成分をグリコフロール(glycofurol)に溶かす。次に、ベンジルアルコー
ルを加えて溶かし、水を加えて3mLとする。混合物を無菌微細孔フィルターで
濾過し、無菌の3mL琥珀色ガラスバイアル(1型)に入れて密封する。
【0088】実施例18:シロップ 有効成分を、グリセリンおよび大半の精製水の混合液に溶かす。安息香酸ナト
リウムの水溶液をその溶液に加え、次にソルビトール溶液を加え、最後に香味剤
を加える。精製水で規定量とし、十分に混合する。
【0089】実施例19:坐剤 ウィテップゾル(Witepsol)H15の1/5量を、最高温度45℃の蒸気ジャ
ケット皿で溶融させる。有効成分を200μmの篩に通し、滑らかな分散液が得
られるまで、切断ヘッドを取り付けたシルバーソン(Silverson)を用いて混合
しながら、溶融基剤に加える。混合物を45℃に維持しながら、ウィテップゾル
(Witepsol)H15の残りを懸濁液に加え、撹拌して、均一な混合物が得られる
ようにする。懸濁液全体を250μmのステンレススチール製スクリーンに通し
、撹拌を継続しながら放冷して45℃とする。38℃〜40℃の温度で、混合物
2.02gを、好適な2mLプラスチック製鋳型に充填する。坐剤を放冷して、
室温とする。
【0090】実施例20:ペッサリー 上記成分を直接混合する。
【0091】実施例21:酸安定性 胃条件をシミュレーションする試験を用いて、化合物に関して、酸介在加水分
解に対する安定性を調べた。各化合物を、25℃で24時間にわたり、pH1の
希塩酸中で初期濃度0.3mg/mLにてインキュベートした。直ちに(t=0
)および約24時間までの所定の間隔で、HPLCを行った。実施例2段階bの
化合物、実施例9の化合物ならびにPCT/GB96/00580に記載の2′
,3′−ジデオキシ−アデノシンのホスホルアミデート(化合物1093)およ
び2′,3′−ジデヒドロ−2′,3′−ジデオキシ−アデノシンのホスホルア
ミデート(化合物1001)という比較化合物についての結果を、下記の表に示
してある。
【0092】 化合物1001は直ちに消失した(<1分)。化合物1093は、13時間後
より前に分解した。実施例2bおよび9の化合物は大半が、24時間後に未変化
で残っていた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 31/20 A61P 31/20 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ, VN,YU,ZA,ZW (72)発明者 ダルージ,スーザン,メアリー アメリカ合衆国 27709 ノースカロライ ナ州,リサーチ トライアングル パー ク,ピー.オー.ボックス 13398,ファ イブ ドライブ, グラクソスミスクライ ン Fターム(参考) 4C086 AA01 AA02 AA03 DA38 MA01 NA14 ZB33 ZC55 4H050 AA01 AB29

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I)の化合物または該化合物の製薬上許容される誘
    導体であって、Xがシクロプロピルでモノ置換されたアミノであることができな
    いもの。 【化1】 [式中、 Rは、水素;C6−14アリール;またはC1−6アルコキシ、ニトロ、ハ
    ロゲン、アミノ、水酸基、カルボキシレートおよびそれのエステル類、カルボキ
    シアルキル、−CONHRおよび−CONRからなる群から選択される
    1以上の置換基で置換されていても良いヘテロアリールであり;RおよびR は同一でも異なっていても良く、独立にC1−8アルキル、C1−8アルキルア
    リールまたはC6−14アリールから選択され; RおよびRは独立に、水素またはC1−8アルキル、C3−8シクロアル
    キル、C2−8アルケニル、C5−8シクロアルケニル、C6−14アリールま
    たはアラルキルから選択され;各C1−8アルキル、C3−8シクロアルキル、
    2−8アルケニル、C5−8シクロアルケニル、C6−14アリールまたはア
    ラルキルは、C1−8アルキル、ハロゲン、水酸基、アルコキシ、アミノ、アミ
    ノアルキル、アミノジアルキル,−SH、チオアルキル、カルボキシレートおよ
    びそれのエステル類、カルボキシアルキル、−CONHRおよび−CONRからなる群から選択される1以上の置換基で置換されていても良く;R
    よびRは同一でも異なっていても良く、独立にC1−8アルキル、C1−8
    ルキルアリールまたはC6−14アリールから選択され;あるいはRとR
    一体となって、3〜8員環を形成していることができ; Rは、−OR、−NRまたは−SRであり;RおよびRは同
    一でも異なっていても良く、独立に水素またはC1−8アルキル、C3−8シク
    ロアルキル、C2−8アルケニル、C5−8シクロアルケニルまたはアラルキル
    から選択され;各C1−8アルキル、C3−8シクロアルキル、C2−8アルケ
    ニル、C5−8シクロアルケニルまたはアラルキルは、ハロゲン、水酸基、アル
    コキシ、アミノ、アミノアルキル、アミノジアルキル、−SH、チオアルキル、
    カルボキシレートおよびそれのエステル類、カルボキシアルキル、−CONHR および−CONRからなる群から選択される1以上の置換基で置換され
    ていても良く;RおよびRは同一でも異なっていても良く、独立にC1−8 アルキル、C1−8アルキルアリールまたはC6−14アリールから選択され; Rは、水素;C1−8アルキル;またはC6−14アリールであるか;ある
    いはRとRが一体となって5員環または6員環を形成していても良く;ある
    いはRとRが一体となって5員環または6員環を形成していても良く; Xは、C3−6シクロアルキルで置換されていても良いC1−6アルコキシ;
    3−8シクロアルキルオキシ;アリール部分がC1−8アルキル、水酸基もし
    くはハロゲンで置換されていても良いアリールオキシ、アラルキルまたはアラル
    キルオキシ;C3−6シクロアルキルチオ;C1−8アルキルチオ;アリール部
    分がC1−8アルキル、水酸基もしくはハロゲンで置換されていても良いアリー
    ルチオまたはアラルキルチオであり;あるいはXは、1個の酸素原子または1個
    もしくは2個の窒素原子および3〜7個の炭素原子を有する複素環基であって、
    環に二重結合があっても良く、硫黄および/または酸素ヘテロ原子を有していて
    も良く、環が1以上のC1−8アルキル基、水酸基またはハロゲン基、C3−6 シクロアルキルチオ、アラルキルチオ(ここで、アリールはC1−8アルキル、
    水酸基もしくはハロゲンによって置換されていても良い)によって置換されてい
    ても良く;あるいはXは、イミダゾリルチオ基であって、そのイミダゾリル部分
    にC1−8アルキルによる置換および/またはニトロによるC置換があっても良
    いものを表し;あるいはXは、C1−8アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロ
    キシC1−8アルキルおよび/またはC3−6シクロアルキル、C6−14アリ
    ール(C1−8アルキル、水酸基、ハロゲンまたは、モノもしくはジアルキルも
    しくはアルコキシ基で置換されていても良いアリルで置換されていても良い)、
    アラルキルによってモノ置換またはジ置換されているアミノ基を表す。]
  2. 【請求項2】 RがC6−14アリールであり;RおよびRが独立に
    、水素、C1−8アルキル、アラルキル、またはC1−8アルキルで置換されて
    いても良いC6−14アリールから選択され;Rが−ORであり;Rが、
    1−8アルキルまたはアラルキルから選択され;Rが水素であり;XがC −6 アルコキシまたはC1−6アルキルチオを表すか;あるいはXが、窒素原子
    および3〜7個の炭素原子を有する複素環基を表すか;あるいはXが、C1−6 アルキル、C1−6アルコキシ、ヒドロキシC1−6アルキルおよび/またはC 3−6 シクロアルキル、C6−14アリール、アラルキルによってモノ置換また
    はジ置換されているアミノ基であって、ここのアリールはC1−8アルキル、水
    酸基、ハロゲンまたは、モノもしくはジアルキルもしくはアルコキシ基で置換さ
    れていても良いアリルで置換されていても良いものである、請求項1に記載の式
    (I)の化合物;あるいは該化合物の製薬上許容される誘導体であって、Xがシ
    クロプロピルでモノ置換されたアミノであることができないもの。
  3. 【請求項3】 (1S,シス)−4−[2−アミノ−6−(1−アゼチジニル)−9H−プリ
    ン−9−イル]−2−シクロペンテン−1−メタノールO−[フェニル(メトキ
    シ−L−アラニニル)]ホスホルアミデート; (1S,シス)−4−[2−アミノ−6−(シクロプロピルメチルアミノ)−
    9H−プリン−9−イル]−2−シクロペンテン−1−メタノールO−[フェニ
    ル(メトキシ−L−アラニニル)]ホスホルアミデート; (1S,シス)−4−(2−アミノ−6−ブトキシ−9H−プリン−9−イル
    )−2−シクロペンテン−1−メタノールO−[フェニル(メトキシ−L−アラ
    ニニル)]ホスホルアミデート; (1S,シス)−4−(2−アミノ−6−メトキシ−9H−プリン−9−イル
    )−2−シクロペンテン−1−メタノールO−[フェニル(メトキシ−L−アラ
    ニニル)]ホスホルアミデート; (1S,シス)−4−[2−アミノ−6−(プロピルアミノ)−9H−プリン
    −9−イル]−2−シクロペンテン−1−メタノールO−[フェニル(メトキシ
    −L−アラニニル)]ホスホルアミデート; (1S,シス)−4−[2−アミノ−6−(イソプロピルアミノ)−9H−プ
    リン−9−イル]−2−シクロペンテン−1−メタノールO[フェニル(メトキ
    シ−L−アラニニル)]ホスホルアミデート; (1S,シス)−4−[2−アミノ−6−(アリルチオ)−9H−プリン−9
    −イル]−2−シクロペンテン−1−メタノールO−[フェニル(メトキシ−L
    −アラニニル)]ホスホルアミデート; (1S,シス)−4−(2,6−ジアミノ−9H−プリン−9−イル)−2−
    シクロペンテン−1−メタノールO−[フェニル(メトキシ−L−アラニニル)
    ]ホスホルアミデート; (1S,シス)−4−[2−アミノ−6−(シクロプロピルメチルアミノ)−
    9H−プリン−9−イル]−2−シクロペンテン−1−メタノールO−[フェニ
    ル(メトキシ−α,α−ジメチルグリシニル)]ホスホルアミデート; (1S,シス)−4−[2−アミノ−6−(シクロプロピルメチルアミノ)−
    9H−プリン−9−イル]−2−シクロペンテン−1−メタノールO−[フェニ
    ル(ベンジルオキシ−L−アラニニル)]ホスホルアミデート; (1S,シス)−4−[2−アミノ−6−(シクロプロピルメチルアミノ)−
    9H−プリン−9−イル]−2−シクロペンテン−1−メタノールO−[フェニ
    ル(メトキシ−L−フェニルアラニニル)]ホスホルアミデート、 ならびにこれらの製薬上許容される誘導体からなる群から選択される化合物。
  4. 【請求項4】 単一の異性体の形態である、請求項1ないし3のいずれかに
    記載の化合物。
  5. 【請求項5】 ジアステレオマーの混合物の形態である、請求項1ないし3
    のいずれかに記載の化合物。
  6. 【請求項6】 ヒトでのウィルス感染の治療方法であって、前記ヒトに対し
    て、有効な抗ウィルス治療量の請求項1ないし3のいずれかに記載の式(I)の
    化合物または該化合物の製薬上許容される誘導体を投与することを含んでなる方
    法。
  7. 【請求項7】 前記ウィルスが、ヒト免疫不全ウィルス、B型肝炎ウィルス
    およびC型肝炎ウィルスから選択される請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】 ヒトでのB型肝炎ウィルス感染の治療方法であって、前記ヒ
    トに対して、有効な抗B型肝炎治療量の請求項1に記載の式(I)の化合物また
    は該化合物の製薬上許容される誘導体を投与することを含んでなる方法。
  9. 【請求項9】 ヒトでのHIV感染の治療方法であって、前記ヒトに対して
    、有効な抗HIV治療量の請求項1に記載の式(I)の化合物または該化合物の
    製薬上許容される誘導体を投与することを含んでなる方法。
  10. 【請求項10】 前記製薬上許容される誘導体が塩である請求項1ないし3
    のいずれかに記載の化合物。
  11. 【請求項11】 製薬上許容される担体とともに、有効な抗ウィルス量の請
    求項1ないし3のいずれかに記載の式(I)の化合物または該化合物の製薬上許
    容される誘導体を含む医薬組成物。
  12. 【請求項12】 式(I)の化合物以外の抗ウィルス剤をさらに含む請求項
    11に記載の医薬組成物。
  13. 【請求項13】 錠剤またはカプセルの形態である、請求項11または12
    に記載の医薬組成物。
  14. 【請求項14】 溶液、懸濁液またはシロップの形態である、請求項11ま
    たは12に記載の医薬組成物。
  15. 【請求項15】 医学療法で使用される請求項1に記載の式(I)の化合物
  16. 【請求項16】 ウィルス感染の治療または予防用の医薬品製造における請
    求項1に記載の式(I)の化合物の使用。
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