JP2003516137A - 変異ERαおよび転写活性化の試験系 - Google Patents

変異ERαおよび転写活性化の試験系

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Abstract

(57)【要約】 本発明は概して人工細胞、単離された変異ERα、変異ERαをコードする単離されたポリヌクレオチド、試験ERαによるレポーター遺伝子転写活性化活性を定量的に解析する方法、変異リガンド依存性転写因子をスクリーニングする方法、試験ERαによるレポーター遺伝子転写活性化活性を評価する方法、変異ERαの疾患の処置に有用な化合物をスクリーニングする方法、変異ERαのエストロゲン疾患の処置に有用な医薬、変異ERαの使用、試験ERαをコードするポリヌクレオチドの遺伝子型を診断する方法、試験ERαをコードするポリヌクレオチドの遺伝子型を診断する方法、および試験ERαの表現型を診断する方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はERαなどのリガンド依存性転写因子およびリガンド依存性転写因子を
コードする遺伝子に関する。また本発明は、リガンド依存性転写因子と前記リガ
ンド依存性転写因子用の所定のレポーター遺伝子とを含有する細胞に関する。
【0002】
【従来の技術】
様々な細胞機構はリガンド依存性転写因子によって調節される。リガンド依存
性転写因子による調節は通常、当該リガンド依存性転写因子が遺伝子を転写活性
化する活性を持っているために達成される。転写活性化では、リガンド依存性転
写因子とRNAポリメラーゼII複合体とがある遺伝子上で同時に相互作用して遺伝
子発現の速度を上昇させると考えられている。転写活性化は多くの場合、真核細
胞中で、ある遺伝子が十分に発現されて様々な細胞機構を調節するかどうかを決
定することができる。
【0003】 リガンド依存性転写因子によるこのような転写活性化は、リガンド依存性転写
活性化因子がその同系のリガンドおよび同系の応答配列に選択的に結合したとき
に起こりうる。リガンド依存性転写因子がある遺伝子を転写活性化できるかどう
かは、当該遺伝子に同系の応答配列が存在するかどうか、または細胞中にその同
系のリガンドが存在するかどうかによって決定されうる。
【0004】 ERαは上記のようなリガンド依存性転写因子の一例である。ERαは、エストロ
ゲンの標的細胞、例えば卵巣細胞、乳腺細胞、子宮細胞、骨細胞などに天然に見
出される。ERαの転写活性化活性は、通例、ERαがEREとエストロゲン(E2など
)に選択的に結合したときに起こる。ERαによる異常トンラス活性化は様々な疾
患の一因になりうると報告されている。正常ERαに対して拮抗性である抗エスト
ロゲンを使用する試みがなされている。上記の疾患に使用されるそのような抗エ
ストロゲンの例には、タモキシフェン、ラロキシフェン、4-ヒドロキシタモキシ
フェンなどがある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は概して、人工細胞、単離された変異ERα、変異ERαをコードする単離
されたポリヌクレオチド、試験ERαによるレポーター遺伝子転写活性化活性を定
量的に解析する方法、変異リガンド依存性転写因子をスクリーニングする方法、
試験ERαによるレポーター遺伝子転写活性化活性を評価する方法、変異ERαの疾
患の処置に有用な化合物をスクリーニングする方法、変異ERαのエストロゲン疾
患の処置に有用な医薬、変異ERαの使用、試験ERαをコードするポリヌクレオチ
ドの遺伝子型を診断する方法、試験ERαをコードするポリヌクレオチドの遺伝子
型を診断する方法、および試験ERαの表現型を診断する方法を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】
5.1.定義 AR:アンドロゲン受容体タンパク質を意味する。 E2:エストラジオールを意味する。 ERα:エストロゲン受容体αタンパク質を意味する。本明細書では「変異ERα
」という語句に続けて文字-数字-文字の組み合わせを記すことによって、特定の
ERα変異体を表す(例えばK303R、S309F、G390D、M396V、G415V、G494V、K531E
およびS578Pなど)。文字-数字-文字の組み合わせにおいて、数字は変異ERα中
の置換アミノ酸の相対位置を示し、数字の前にある文字は表示した相対位置にお
ける正常ERα中のアミノ酸を示し、数字の後に続く文字は表示した相対位置にお
ける与えられた変異ERα中の置換アミノ酸を示す。変異ERα中に2つの置換アミ
ノ酸がある場合は、「変異ERα」という語句に続けて2組の文字-数字-文字の組
み合わせを記す(例えばG390D/S578Pなど)。 ERβ:エストロゲン受容体βタンパク質を意味する。 GR:グルココルチコイド受容体タンパク質を意味する。 MR:鉱質コルチコイド受容体タンパク質を意味する。 PPAR:ペルオキシソーム増殖剤応答性受容体タンパク質を意味する。 PR:プロゲステロン受容体タンパク質を意味する。 PXR:プレグナンX受容体タンパク質を意味する。 TR:甲状腺ホルモン受容体タンパク質を意味する。 VDR:ビタミンD受容体タンパク質を意味する。 DR1:次のヌクレオチド配列を持つ受容体応答配列を意味する: 5'-AGGTCAnAGGTCA-3' (上記配列中、nはA、C、TまたはGを表す)。 DR3:次のヌクレオチド配列を持つ受容体応答配列を意味する: 5'-AGGTCAnnnAGGTCA-3' (上記配列中、nはA、C、TまたはGを表す)。 DR4:次のヌクレオチド配列を持つ受容体応答配列を意味する: 5'-AGGTCAnnnnAGGTCA-3' (上記配列中、nはA、C、TまたはGを表す)。 ERE:エストロゲン応答配列を意味する。 MMTV:マウス乳癌ウイルスを意味する。
【0007】 5.2.細胞 本発明の細胞は、レポーター遺伝子を含む染色体を含む。染色体中のレポータ
ー遺伝子はERE、TATA配列およびレポーター配列を含む。また本細胞は、変異ER
αまたは変異ERαをコードする遺伝子も含む。この点で、本細胞は、前記変異ER
αが前記レポーター遺伝子を転写活性化する活性を持ちうる生物学的システムに
なる。E2および部分抗エストロゲンが存在する状態での変異ERαによるレポータ
ー遺伝子転写活性化活性は、E2および前記部分抗エストロゲンが存在する状態で
の正常ERαによる活性よりも一般に高い。あるいは、変異ERαを刺激する可能性
がある単独の薬剤として部分抗エストロゲンが存在する状態での変異ERαによる
レポーター遺伝子転写活性化活性は、正常ERαを刺激する可能性がある単独の薬
剤として部分抗エストロゲンが存在する状態での正常ERαによる活性よりも一般
に高い。
【0008】 通例、ERE、TATA配列およびレポーター配列は、レポーター遺伝子中で、当該
レポーター遺伝子の転写活性化が可能になるような構成をとる。例えばレポータ
ー遺伝子は、TATA配列の上流に作動的に配置されたEREと、TATA配列の下流に作
動的に配置されたレポーター配列とを持つことができる。所望により、レポータ
ー遺伝子は、当該レポーター遺伝子の発現に有利な通常のヌクレオチド配列をさ
らに含有してもよい。
【0009】 TATA配列は次のヌクレオチド配列を持ちうる: 5'-TATAA-3'。
【0010】 天然の細胞では、EREは正常ERαの受容体応答配列である。正常ERαがE2に結
合し、正常ERα-E2複合体がEREに結合すると、正常ERαは転写活性化活性を発揮
する。本細胞では、変異ERαに結合して変異ERαにレポーター遺伝子転写活性化
活性を持たせることが、EREの機能である。通例、このようなEREは次のヌクレオ
チド配列に包含される: 5'-AGGTCAnnnTGACCTT-3' (上記配列中、nはA、G、CまたはTを表す)。また、レポーター遺伝子におけるE
REの縦列反復により、より効率のよいレポーター遺伝子転写活性化活性を得るこ
とができる。レポーター遺伝子にはEREの2〜5回の縦列反復を使用することがで
きる。レポーター遺伝子中に使用することができるEREの一例として、アフリカ
ツメガエル・ビテロゲニン遺伝子由来のERE(Cell,57,1139-1146)がある。レ
ポーター遺伝子用EREは、化学合成によって、またはポリメラーゼ連鎖反応(PCR
)増幅法を用いるクローニングによって調製することができる。
【0011】 レポーター遺伝子中のレポーター配列は、EREにとって本来外来であるレポー
ター配列である。したがってレポーター配列とEREとが天然遺伝子に一緒に見出
されることはない。また、かかるレポーター配列がレポータータンパク質をコー
ドする場合、当該レポーター配列は通例、細胞中で多かれ少なかれ活性なレポー
タータンパク質をコードする。レポータータンパク質の例としては、ルシフェラ
ーゼ、分泌アルカリホスファターゼ、β-ガラクトシダーゼ、クロラムフェニコ
ールアセチルトランスフェラーゼ、成長ホルモンなどがある。
【0012】 ERE、TATA配列およびレポーター配列の結合には、従来の方法を使用すること
ができる。レポーター遺伝子を作製した後、そのレポーター遺伝子を染色体に挿
入することができる。レポーター遺伝子を宿主細胞に導入すると、レポーター遺
伝子の染色体への挿入が起こりうる。このような宿主細胞へのレポーター遺伝子
導入法については後述する。
【0013】 細胞中の変異ERαは通例、E2および部分抗エストロゲンの存在下または変異ER
αを刺激する可能性がある単独の薬剤としての部分抗エストロゲンの存在下にレ
ポーター遺伝子を転写活性化する特別な活性を持っている。E2および部分抗エス
トロゲンの存在下に変異ERαがもたらす転写活性化活性は、通例、E2および前記
部分抗エストロゲンの存在下に正常ERαがもたらす活性よりも高い。変異ERαを
刺激する可能性がある単独の薬剤として部分抗エストロゲンが存在する状態での
変異ERαによるレポーター遺伝子転写活性化活性は、正常ERαを刺激する可能性
がある単独の薬剤として当該部分抗エストロゲンが存在する状態での正常ERαに
よる活性よりも高い。トランス活性は転写速度の増加を伴うので、正常ERαおよ
び変異ERαによるこのような転写活性化は、レポーター遺伝子の発現レベルを測
定することによって観察することができる。変異ERαおよび正常ERαがもたらす
レポーター遺伝子の発現レベルを同一の点でゼロになるように調節した場合、変
異ERαは正常ERαよりも高い発現レベルをもたらすだろう。
【0014】 また変異ERαは、完全抗エストロゲンの存在下では、そのレポーター遺伝子転
写活性化活性が阻害されうることにも注目すべきである。変異ERαがもたらすこ
のようなレポーター遺伝子転写活性化活性は、完全抗エストロゲンの存在下に正
常ERαがもたらすレポーター遺伝子転写活性化活性の阻害に似ている。
【0015】 正常ERαは、ある種(ヒト、サル、マウス、ウサギ、ラットなど)が最も普通
に持っているとされるERαを包含する。例えば、ヒト正常ERαは配列番号1に示
すアミノ酸配列を持つ。このようなヒト正常ERαはTora L.ら,EMBO,第8巻,第
7号,1981-1986(1989)に記載されている。
【0016】 部分抗エストロゲンは通例、正常ERαのAF1領域には拮抗性でなく正常ERαのA
F2領域に対して拮抗性である。正常ERαのAF2領域と、正常ERαのAF1領域は、そ
れぞれ正常ERαによる転写活性化に関与する正常ERα中の領域である(Metzger
D.ら,J. Biol. Chem.,270:9535-9542(1995))。
【0017】 部分抗エストロゲンのこのような性質は、例えばBerry M.ら,EMBO J.,9:28
11-2818(1990)に記載のレポーターアッセイを行うことによって観察すること
ができる。このようなレポーターアッセイでは、例えば初代培養ニワトリ胚線維
芽細胞(この細胞は例えばSolomon,J.J.,Tissue Cult. Assoc. Manual.,1:7
-11(1975)の説明に従って調製することができる)など、内因性正常ERαのAF1
領域が強い転写活性化活性を持つ細胞を使用する。ニワトリ胚線維芽細胞を使用
する場合は、同線維芽細胞に改変を施して、当該改変線維芽細胞が正常ERαをコ
ードする遺伝子をその細胞内で発現させ、かつ当該改変線維芽細胞がレポーター
遺伝子を持つようにする(以下、AF1評価用線維芽細胞という)。AF1評価用線維
芽細胞を十分量の部分抗エストロゲンにばく露すると、当該部分抗エストロゲン
が正常ERαのAF1領域に対して拮抗性を示しえないかどうかを決定することがで
きる。このような場合、部分抗エストロゲンはAF1評価用線維芽細胞におけるレ
ポーター遺伝子の発現レベルを増大させる。さらに初代培養ニワトリ胚線維芽細
胞に2回目の改変を施して、当該第2改変線維芽細胞がAF1領域を欠失させた切断
型正常ERαをコードする遺伝子を発現させ、かつ当該第2改変線維芽細胞がレポ
ーター遺伝子を持つようにする(以下、AF2評価用線維芽細胞という)。AF2評価
用線維芽細胞を十分量の部分抗エストロゲンにばく露すると、当該部分抗エスト
ロゲンが正常ERαのAF2領域に対して拮抗性を示すかどうかを決定することがで
きる。このような場合、部分抗エストロゲンはAF2評価用線維芽細胞におけるレ
ポーター遺伝子の発現レベルを増大させることができない。
【0018】 このような部分抗エストロゲンの例にはタモキシフェン、4-ヒドロキシタモキ
シフェン、ラロキシフェンなどがある。
【0019】 完全抗エストロゲンは通例、正常ERαに対して完全な拮抗性を示す抗エストロ
ゲンである。この点で、完全抗エストロゲンはERαに対して部分的作動性を示す
ことはできない。AF1評価用線維芽細胞またはAF2評価用線維芽細胞を使ったレポ
ーターアッセイでは、完全抗エストロゲンは、前記細胞中の正常ERαまたは切断
型正常ERαによるレポーター遺伝子転写活性化活性を実質上示さない。したがっ
て、完全抗エストロゲンとAF1評価用線維芽細胞またはAF2評価用線維芽細胞のい
ずれかとを用いるこのようなレポーターアッセイでは、レポーター遺伝子の発現
レベルは実質上増加しない。
【0020】 このような完全抗エストロゲンの例にはICI182780(Wakeling AEら,Cancer R
es.,512:3867-3873(1991))、ZM189154(Dukes Mら,J. Endocrinol.,141
:335-341(1994))などがある。
【0021】 変異ERαは、E2および部分抗エストロゲンの存在下または変異ERαを刺激する
可能性がある単独の薬剤としての部分抗エストロゲンの存在下で上述のようなレ
ポーター遺伝子転写活性化活性を付与する1または複数の置換アミノ酸を含む。
通例、前記1または複数の置換アミノ酸は、変異ERα中の303から578までの1また
は複数の相対位置に存在する。例えば変異ERαは303、309、390、396、415、494
、531、578などから選択される1または複数の相対位置に置換アミノ酸を含みう
る。通例、変異ERα中のこのような相対位置は、配列番号1に示すアミノ酸配列
とのホモロジー整列に基づく。
【0022】 一般にホモロジー整列には、与えられたアミノ酸配列のホモロジーに基づくア
ミノ酸配列の整列が包含される。例えば下記表1に、配列番号1に示すアミノ酸配
列(ヒト正常ERα)、マウスERα(Genbankアクセッション番号M38651)、ラッ
トERα(X6)(Genbankアクセッション番号X61098)およびラットERα(Y0)(Genba
nkアクセッション番号Y00102)のホモロジー整列を記載する。
【0023】
【表1】
【0024】 表1において「hERa.TXT」は配列番号1に示すアミノ酸配列、「mER.TXT」はマ
ウスERαのアミノ酸配列、「ratER(X6).TXT」はラットERα(X6)のアミノ酸配列
、「ratER(Y0)」はラットERα(Y0)のアミノ酸配列を示し、アミノ酸配列はアミ
ノ酸の1文字表記を使って記載されている。この整列は市販のソフトウェアGENET
YX-WIN SV/Rバージョン4.0(Software Development Co.)を使って作製した。「
*」という記号は相対位置303および578に位置するアミノ酸を示している。
【0025】 ホモロジー整列下での相対位置は配列番号1に示すアミノ酸の絶対位置に対応
する。例えば相対位置303はホモロジー整列下に配列番号1に示すアミノ酸配列中
のN末端から303番目のアミノ酸と整列する変異ERα中のアミノ酸を包含する。ま
た、相対位置578はホモロジー整列下に配列番号1に示すアミノ酸配列中のN末端
から578番目のアミノ酸と整列する変異ERα中のアミノ酸を包含する。表1に関し
て、相対位置303の例には、配列番号1に示すアミノ酸配列においてアミノ末端か
ら303番目のアミノ酸であるリジン、マウスERαのアミノ酸配列においてアミノ
末端から307番目のアミノ酸であるリジン、ラットERα(X6)のアミノ酸配列にお
いてアミノ末端から308番目のアミノ酸であるリジン、およびラットERα(Y0)の
アミノ酸配列においてアミノ末端から308番目のアミノ酸であるリジンがある。
また、表1に関して相対位置578の例には、配列番号1に示すアミノ酸においてア
ミノ末端から578番目のアミノ酸であるセリン、マウスERαのアミノ酸配列にお
いてアミノ末端から582番目のアミノ酸であるセリン、ラットERα(X6)のアミノ
酸配列においてアミノ末端から583番目のアミノ酸であるセリン、およびラットE
Rα(Y0)のアミノ酸配列においてアミノ末端から583番目のアミノ酸であるセリン
がある。
【0026】 本発明に関連して行われるホモロジー整列では、配列番号1に示すアミノ酸配
列を、変異ERαと配列番号1に示すアミノ酸配列とのホモロジーに基づいて、変
異ERαをコードするアミノ酸配列と整列する。ホモロジー整列で配列番号1のア
ミノ酸配列に対してアミノ酸配列を整列させると、変異ERαは通例、配列番号1
に示すアミノ酸配列と少なくとも80%のホモロジーを持つ。
【0027】 変異ERαは哺乳動物などの動物から得ることができる。前記哺乳動物の例とし
てはヒト、サル、ウサギ、ラット、マウスなどが挙げられる。ヒト変異ERαの場
合、変異ERαは一般に595アミノ酸のアミノ酸長を持つ。
【0028】 相対位置303に置換アミノ酸を持つ場合、変異ERαは、正常ERαの相対位置303
に存在するリジンを置換アミノ酸に変化させることによって得ることができる。
このような場合、変異ERαは相対位置303に置換アミノ酸アルギニンを持つこと
ができる(変異ERαK303Rなど)。ヒト変異ERαK303Rは配列番号2に示すアミノ
酸配列を持つ。
【0029】 相対位置309に置換アミノ酸を持つ場合、変異ERαは、正常ERαの相対位置309
に存在するセリンを置換アミノ酸に変化させることによって得ることができる。
このような場合、変異ERαは相対位置309に置換アミノ酸フェニルアラニンを持
つことができる(変異ERαS309Fなど)。ヒト変異ERαS309Fは配列番号3に示す
アミノ酸配列を持つ。
【0030】 相対位置390に置換アミノ酸を持つ場合、変異ERαは、正常ERαの相対位置390
に存在するグリシンを置換アミノ酸に変化させることによって得ることができる
。このような場合、変異ERαは相対位置390に置換アミノ酸アスパラギン酸を持
つことができる(変異ERαG390Dなど)。ヒト変異ERαG390Dは配列番号4に示す
アミノ酸配列を持つ。
【0031】 相対位置396に置換アミノ酸を持つ場合、変異ERαは、正常ERαの相対位置396
に存在するメチオニンを置換アミノ酸に変化させることによって得ることができ
る。このような場合、変異ERαは相対位置396に置換アミノ酸バリンを持つこと
ができる(変異ERαM396Vなど)。ヒト変異ERαM396Vは配列番号5に示すアミノ
酸配列を持つ。
【0032】 相対位置415に置換アミノ酸を持つ場合、変異ERαは、正常ERαの相対位置415
に存在するグリシンを置換アミノ酸に変化させることによって得ることができる
。このような場合、変異ERαは相対位置415に置換アミノ酸バリンを持つことが
できる(変異ERαG415Vなど)。ヒト変異ERαG415Vは配列番号6に示すアミノ酸
配列を持つ。
【0033】 相対位置494に置換アミノ酸を持つ場合、変異ERαは、正常ERαの相対位置494
に存在するグリシンを置換アミノ酸に変化させることによって得ることができる
。このような場合、変異ERαは相対位置494に置換アミノ酸バリンを持つことが
できる(変異ERαG494Vなど)。ヒト変異ERαG494Vは配列番号7に示すアミノ酸
配列を持つ。
【0034】 相対位置531に置換アミノ酸を持つ場合、変異ERαは、正常ERαの相対位置531
に存在するリジンを置換アミノ酸に変化させることによって得ることができる。
このような場合、変異ERαは相対位置531に置換アミノ酸グルタミン酸を持つこ
とができる(変異ERαK531Eなど)。ヒト変異ERαK531Eは配列番号8に示すアミ
ノ酸配列を持つ。
【0035】 相対位置578に置換アミノ酸を持つ場合、変異ERαは、正常ERαの相対位置578
に存在するセリンを置換アミノ酸に変化させることによって得ることができる。
このような場合、変異ERαは相対位置578に置換アミノ酸プロリンを持つことが
できる(変異ERαS578Pなど)。ヒト変異ERαS578Pは配列番号9に示すアミノ酸
配列を持つ。
【0036】 相対位置390および578に置換アミノ酸を持つ場合、変異ERαは、正常ERαの相
対位置390に存在するグリシンを置換アミノ酸に変化させると共に、相対位置578
に存在するセリンをもう1つの置換アミノ酸に変化させることによって得ること
ができる。このような場合、変異ERαは相対位置390に置換アミノ酸アスパラギ
ン酸を、また相対位置578に置換アミノ酸プロリンを持つことができる(変異ER
αG390D/S578Pなど)。ヒト変異ERαG390D/S578Pは配列番号10に示すアミノ酸配
列を持つ。
【0037】 変異ERαを得るには、周知の標準遺伝コードに従って変異ERαをコードする遺
伝子を、細胞によって発現させることができる。このような変異ERα遺伝子は、
通例、変異ERαをコードするポリヌクレオチドおよびプロモーターを含む。変異
ERα遺伝子は組織試料から単離することができる。また、正常ERαをコードする
ポリヌクレオチドを変異導入法により変異ERαをコードするように変異させ、そ
の結果得られる変異ERαをコードするポリヌクレオチドの上流にプロモーターを
作動的に連結することによって、変異ERαを作製してもよい。正常ERαポリヌク
レオチドに1または複数の変異を導入して、変異ERαポリヌクレオチドを得るに
は、部位特異的変異導入法などの変異導入法を利用することができる。ヒト正常
ERαポリヌクレオチドを変異させる場合は、Tora L.ら,EMBO J.,第8巻,第7号
:1981-1986(1989)に記載のヌクレオチド配列を持つヒト正常ERαポリヌクレ
オチドを利用する。
【0038】 変異ERα遺伝子中のプロモーターは、変異ERαを発現させて細胞中に変異ERα
をもたらすことができるように転写を開始する。この点で、通常は、当該細胞内
で機能することができるプロモーターが、変異ERαをコードするポリヌクレオチ
ドの上流に作動的に連結される。例えば、細胞が動物宿主細胞または分裂酵母縮
重細胞に由来する場合、プロモーターの例としては、ラウス肉腫ウイルス(RSV
)プロモーター、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター、シミアンウイル
ス(SV40)の初期および後期プロモーター、MMTVプロモーターなどを挙げること
ができる。細胞が出芽酵母宿主細胞由来である場合、プロモーターの例としてAD
H1プロモーターなどを挙げることができる。
【0039】 変異導入法を使用する場合は、正常ERαをコードするポリヌクレオチドを単離
し、次に単離されたERαポリヌクレオチドにオリゴヌクレオチドを使って変異を
起こさせることができる。次に、得られた変異ERαポリヌクレオチドを利用して
、変異ERα遺伝子を作製することができる。
【0040】 オリゴヌクレオチドは、cDNAライブラリーまたは動物のcDNAから正常ERαをコ
ードするcDNAが特異的に増幅されるように設計し合成する。そのようなオリゴヌ
クレオチドは、正常ERαをコードする周知のヌクレオチド配列(例えばTora L.
ら,EMBO J.,第8巻,第7号:1981-1986(1989)またはGenbankなどのデータベ
ースに見出される正常ERαヌクレオチド配列)に基づいて設計することができる
。そのような正常ERαヌクレオチド配列としては、ヒト、サル、ウサギ、ラット
、マウスなどに由来する正常ERαヌクレオチド配列を利用することができる。設
計したオリゴヌクレオチドは、次にDNAシンセサイザー(モデル394,Applied Bi
osystems)で合成することができる。次にポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅を
利用して、正常ERαポリヌクレオチドをcDNAライブラリーまたはcDNAから単離す
ることができる。ヒト正常ERα遺伝子の場合は、配列番号11および配列番号12に
記載のオリゴヌクレオチドを利用して、Tora L.ら,EMBO J.,第8巻,第7号:19
81-1986(1989)に記載のヌクレオチドを配列を持つヒト正常ERαポリヌクレオ
チドをPCR増幅することができる。
【0041】 cDNAはJ.Sambrook,E.F.Frisch,T.Maniatis「Molecular Cloning(第2版
)」(コールドスプリングハーバー研究所,1989)に記載の遺伝子工学的手法に
従って動物組織(例えばヒト、サル、ウサギ、ラットまたはマウス組織)から得
ることができる。このような手法では、肝臓または子宮などの動物組織中のRNA
を当該組織から一括して抽出し、そのRNAを一括して当該動物のcDNAに逆転写す
る。例えば、まず、グアニジン塩酸塩またはグアニジンチオシアネートなどのタ
ンパク質変性剤を含む緩衝液中で動物組織をホモジナイズする。動物組織をホモ
ジナイズすることによって得たタンパク質を変性させるために、フェノールとク
ロロホルムを含む混合液(以下フェノール-クロロホルムという)などの試薬を
さらに加える。変性したタンパク質を遠心分離によって除去した後、回収した上
清画分からRNAを一括して抽出する。RNAは、グアニジン塩酸塩/フェノール法、S
DS-フェノール法、グアニジンチオシアネート/CsCl法などの方法によって、一括
して抽出することができる。ISOGEN(ニッポンジーン)は、上記のRNA一括抽出
法に基づく市販キットの一例である。RNAを一括して抽出した後、オリゴdTプラ
イマーをRNA中のポリA配列にアニールさせて、テンプレートたるRNAを一括して
逆転写する。逆転写酵素を利用することで、RNAを一本鎖cDNAに一括して逆転写
することができる。大腸菌DNAポリメラーゼIを前記一本鎖cDNAと共に使用するこ
とにより、一本鎖cDNAからcDNAを合成することができる。大腸菌DNAポリメラー
ゼIを使用する際は、大腸菌DNAポリメラーゼIをより効率よく作動させるプライ
マーが生成するように、大腸菌RNaseHも使用する。cDNAは通常の精製法を使って
、例えばフェノール-クロロホルム抽出とエタノール沈殿などによって精製する
ことができる。このような方法に基づく市販キットの例には、cDNA Synthesis S
ystem Plus(Amersham Pharmacia Biotech)、TimeSaver cDNA Synthesis Kit(
Amersham Pharmacia Biotech)などがある。
【0042】 次に、正常ERαポリヌクレオチドをcDNAから単離する。正常ERαポリヌクレオ
チドの単離に利用することができる単離法としては、PCR増幅の使用を挙げるこ
とができる。PCR増幅では通例、cDNAから正常ERαポリヌクレオチドを増幅する
。このPCR増幅におけるPCR混合物は、十分量のcDNA、十分量のフォワードオリゴ
ヌクレオチドとリバースオリゴヌクレオチド、耐熱性DNAポリメラーゼ(LT-Taq
ポリメラーゼ(宝酒造)など)、dNTP(dATP、dTTP、dGTP、dCTP)およびPCR増
幅緩衝液を含みうる。ヒト正常ERαポリヌクレオチドを増幅するPCR混合物には
、10ngのcDNAおよび各10pmolのフォワードオリゴヌクレオチドおよびリバースオ
リゴヌクレオチド(配列番号11および配列番号12)を使用することができる。次
に、PCR増幅では、PCR混合物を、アニーリング、伸長および変性のためのインキ
ュベーションサイクルにかける。例えばPCR増幅では、PCRsystem 9700(Applied
Biosystems)などのサーマルサイクラーを使って、95℃で1分間のインキュベー
ションの後、68℃で3分間のインキュベーションを課すインキュベーションサイ
クルを35回繰り返すことができる。cDNAを用いたPCR増幅後に、得られたPCR混合
物の全量を低融点アガロースゲル電気泳動(ニッポンジーン、アガロースL)に
かける。正常ERαポリヌクレオチドを含むバンドが存在することを確認した後、
正常ERαポリヌクレオチドを低融点アガロースゲルから回収する。
【0043】 cDNAライブラリーとしては、QUICK clone cDNAs(CLONETECH製)などの市販の
動物由来cDNAライブラリーを利用することができる。cDNAライブラリーは上述の
ように単離することができる。
【0044】 回収された正常ERαポリヌクレオチドのヌクレオチド配列は、ダイレクトシー
クエンシング用の正常ERαポリヌクレオチド試料を調製することによって確認す
ることができる。また、DNA蛍光シークエンシング法を使って、正常ERαポリヌ
クレオチドを配列決定してもよい。この点に関して、正常ERαポリヌクレオチド
試料の調製には、Dye Terminator Sequencing Kit FS(Applied Biosystems)な
どの市販の蛍光シークエンシング用試薬を利用することができる。正常ERαポリ
ヌクレオチドの蛍光シークエンシングは、ABI自動シークエンサー(モデル377、
Applied Biosystems)などの自動シークエンサーを使って行うことができる。ま
た、正常ERαポリヌクレオチドは手作業で配列決定してもよい(Biotechniques
,7,494(1989))。
【0045】 便宜上、単離された正常ERαポリヌクレオチドを大腸菌などの宿主中で複製す
る能力を持つベクターに挿入することができる。例えば、与えられた単離正常ER
αポリヌクレオチドが突出末端を持つ場合は、単離された正常ERαポリヌクレオ
チド約1μgの末端をDNA Blunting Kit(宝酒造)で処理することによって平滑化
する。次にT4ポリヌクレオチドキナーゼを使って、平滑末端化正常ERαポリヌク
レオチドの末端をリン酸化することができる。フェノール処理の後、正常ERαポ
リヌクレオチドをエタノール沈殿によって精製し、大腸菌中で複製する能力を持
つベクターに挿入することができる。正常ERαポリヌクレオチドを含むこの大腸
菌ベクターは、大腸菌宿主細胞にクローニングすることができる。
【0046】 次に、正常ERαポリヌクレオチドを含む大腸菌ベクターをクローン化大腸菌細
胞から単離することができる。次に、正常ERαポリヌクレオチドを含む単離され
た大腸菌ベクターをテンプレートとして使用して、最終的に得られる変異ERαポ
リヌクレオチドが所望の相対位置に置換アミノ酸をコードする変異コドンを含む
ように、正常ERαポリヌクレオチドに変異を起こさせる(すなわちヌクレオチド
置換を導入する)。
【0047】 所望のヌクレオチド置換は、J.Sambrook,E.F. Frisch,T.Maniatis「Molec
ular Cloning(第2版)」(コールドスプリングハーバー研究所,1989)に記載
の部位特異的変異導入法またはMcClary JAら,Biotechniques 1989(3):282-289
に記載の部位特異的変異導入法に従って、正常ERαポリヌクレオチドに導入する
ことができる。例えば所望のヌクレオチド置換は、Stratagene製のQuikChange S
ite-Directed Mutagenesis Kitなどの市販キットを使用することによって、正常
ERαポリヌクレオチドに導入することができる。通例、このような部位特異的変
異導入法では、所望のヌクレオチド置換を導入するオリゴヌクレオチドを使用す
る。正常ERαポリヌクレオチドに使用した部位特異的変異導入法を、QuikChange
Site-Directed Mutagenesis Kitに関して、以下に詳述する。
【0048】 QuikChange Site-Directed Mutagenesis Kitでは、2つのオリゴヌクレオチド
を利用して、正常ERαポリヌクレオチドに所望のヌクレオチド置換をもたらす。
このような2つのオリゴヌクレオチドの組み合わせとして、配列番号13に記載の
オリゴヌクレオチドと配列番号14に記載のオリゴヌクレオチドとを含む組み合わ
せ、配列番号15に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号16に記載のオリゴヌクレ
オチドとを含む組み合わせ、配列番号17に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号
18に記載のオリゴヌクレオチドとを含む組み合わせ、配列番号19に記載のオリゴ
ヌクレオチドと配列番号20に記載のオリゴヌクレオチドとを含む組み合わせ、配
列番号21に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号22に記載のオリゴヌクレオチド
とを含む組み合わせ、配列番号23に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号24に記
載のオリゴヌクレオチドとを含む組み合わせ、配列番号25に記載のオリゴヌクレ
オチドと配列番号26に記載のオリゴヌクレオチドとを含む組み合わせ、または配
列番号27に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号28に記載のオリゴヌクレオチド
とを含む組み合わせを、正常ERαポリヌクレオチドに使用することができる。下
記表2に、ヌクレオチド置換の位置にコードされるアミノ酸の相対位置と、上述
したオリゴヌクレオチドの組み合わせを使用することによって得られる変異コド
ンを示す。
【0049】
【表2】 得られた変異ERαポリヌクレオチドを配列決定することで、所望のヌクレオチド
置換が正常ERαポリヌクレオチド中に導入されていることを確認することができ
る。
【0050】 本発明細胞を作出するには、通常、変異ERα遺伝子とレポーター遺伝子とを宿
主細胞に導入する。レポーター遺伝子は、当該レポーター遺伝子が宿主細胞の染
色体に挿入されるような形で、宿主細胞に導入される。変異ERα遺伝子は一過性
発現が起こるように宿主細胞に導入されるか、または宿主細胞の染色体に挿入さ
れる。変異ERα遺伝子を宿主細胞の染色体に挿入する場合、変異ERα遺伝子とレ
ポーター遺伝子とを1つの染色体に導入してもよいし、変異ERα遺伝子をレポー
ター遺伝子に利用する染色体とは異なる染色体に挿入してもよい。
【0051】 宿主細胞は通例、正常または変異ERαを発現させない。宿主細胞の例としては
、CG1945(CLONETECH)などの出芽酵母細胞、HeLa細胞、CV-1細胞、Hepa1細胞、
NIH3T3細胞、HepG2細胞、COS1細胞、BF-2細胞、CHH-1細胞および昆虫細胞などの
動物細胞を挙げることができる。
【0052】 変異ERα遺伝子およびレポーター遺伝子は、変異ERα遺伝子およびレポーター
遺伝子を宿主細胞に導入することができるように、ベクターに挿入することがで
きる。そのようなベクターは通例、当該ベクターが細胞中で複製できるように複
製起点を持つ。所望により、ベクターは選択マーカー遺伝子を持ってもよい。
【0053】 出芽酵母細胞を宿主細胞として使用する場合、ベクターの例としては、プラス
ミドpGBT9、pGAD424、pACT2(CLONETECH)などを挙げることができる。哺乳類細
胞を宿主細胞として使用する場合、ベクターの例としては、pRc/RSV、pRc/CMV(
Invitrogen)などのプラスミド、ウイルス由来の自律複製起点を含むベクター、
例えばウシ乳頭腫ウイルスプラスミドpBPV(Amersham Pharmacia Biotech)、EV
ウイルスプラスミドpCEP4(Invitrogen)などを挙げることができる。
【0054】 変異ERαをコードするベクター(以下、変異ERαベクターという)を作製する
場合、変異ERαポリヌクレオチドをベクターに挿入することで、変異ERαベクタ
ーと一緒に変異ERα遺伝子も作製することができるように、当該ベクターはさら
にプロモーターを含むことが好ましい。同様に、レポーター遺伝子をコードする
ベクター(以下、レポーターベクターという)を作製する場合、レポーターベク
ターと一緒にレポーター遺伝子も作製することができるように、当該ベクターは
TATA配列またはEREを含むことが好ましい。
【0055】 変異ERαベクターを動物宿主細胞用の変異ERα遺伝子と一緒に作製する際には
、pRc/RSVまたはpRc/CMVを利用することができる。プラスミドpRc/RSVおよびpRc
/CMVは、動物宿主細胞由来の細胞内で機能することができるプロモーターと、前
記プロモーターの下流に作動的に配置されたクローニング部位とを含んでいる。
この点で、変異ERαベクターは、変異ERαポリヌクレオチドをpRc/RSVまたはpRc
/CMVのクローニング部位に挿入することにより、変異ERα遺伝子と一緒に作製す
ることができる。pRc/RSVおよびpRc/CMVはSV40の自律複製起点(ori)も含んで
いるので、pRc/RSVおよびpRc/CMVは、所望によりori(-)SV40ゲノムで形質転換し
た動物宿主細胞に変異ERα遺伝子を導入するために使用することができる。ori(
-)SV40ゲノムで形質転換したそのような動物宿主細胞としてはCOS細胞が挙げら
れる。ori(-)SV40ゲノムで形質転換したそのような動物宿主細胞に導入すると、
pRc/RSVまたはpRc/CMVから作製した変異ERαベクターは、細胞中でかなり大きい
コピー数まで増加することができるので、変異ERα遺伝子を大量に発現させるこ
とができる。
【0056】 変異ERαベクターを出芽酵母宿主細胞に導入する場合は、pACT2を使って変異E
Rαベクターを作製することが好ましい。pACT2はADH1プロモーターを持っている
ので、変異ERαポリヌクレオチドをADH1プロモーターの下流に挿入することによ
り、変異ERαベクターと一緒に変異ERα遺伝子を作製することができる。このよ
うな場合、変異ERαベクターは変異ER遺伝子を大量に発現させることができる。
【0057】 変異ERα遺伝子の導入には、宿主細胞のタイプに応じて、従来の技術を使用す
ることができる。哺乳類細胞または昆虫細胞を宿主細胞として使用する場合は、
例えばリン酸カルシウム法、DEAE-デキストラン法、エレクトロポレーション、
リポフェクションなどを使用することができる。酵母細胞を宿主細胞として使用
する場合は、リチウム法(例えばYeast Transfomation Kit(CLONETECH)を用い
る方法)などを使用することができる。
【0058】 また、変異ERα遺伝子をウイルスDNAとして宿主細胞に導入する場合、変異ER
α遺伝子は上記の技術によって宿主細胞に導入することができるばかりでなく、
宿主細胞をウイルス型のレポーター遺伝子および変異ERα遺伝子を含む組換えウ
イルス粒子に感染させることによって、変異ERα遺伝子を宿主細胞に導入するこ
ともできる。例えば、動物宿主細胞にはワクシニアウイルスなどのウイルスを利
用することができ、昆虫動物細胞を宿主細胞として使用する場合は、バキュロウ
イルスなどの昆虫ウイルスを利用することができる。
【0059】 変異ERαベクターまたはレポーターベクターが上述のように選択マーカー遺伝
子を含む場合は、その選択マーカー遺伝子を使って本発明の細胞をクローニング
することができる。このような場合は、選択マーカー遺伝子を利用することによ
り、細胞に対して致死的活性を示す選択薬に対する薬剤耐性を付与することがで
きる。この場合は、当該選択薬を添加した培地で細胞を培養することによって、
本発明の細胞をクローニングすることができる。選択マーカー遺伝子と選択薬の
代表的な組み合わせには、ネオマイシン耐性付与選択マーカー遺伝子とネオマイ
シンとの組み合わせ、ハイグロマイシン耐性付与選択マーカー遺伝子とハイグロ
マイシンとの組み合わせ、およびブラストサイジンS耐性付与選択マーカー遺伝
子とブラストサイジンSとの組み合わせなどがある。選択マーカー遺伝子が細胞
の栄養要求性を補足する栄養素をコードする場合は、栄養素を実質上含まない最
少培地を使って細胞を培養することができる。また、エストロゲン結合活性を測
定するアッセイも、細胞のクローニングに使用することができる。
【0060】 レポーター遺伝子を宿主細胞に導入する場合、レポーター遺伝子は通常、線状
遺伝子として導入される。線状レポーター遺伝子により、宿主細胞染色体へのレ
ポーター遺伝子の挿入が可能になる。レポーターベクターを利用する場合、レポ
ーターベクターは制限酵素消化によって線状化することができる。線状レポータ
ー遺伝子は、リポフェクション法を利用して、宿主細胞に導入することができる
【0061】 また、変異ERα遺伝子を導入する前にレポーター遺伝子を宿主細胞に導入して
、安定形質転換カセット細胞を得ることができることに注意すべきである。安定
形質転換カセット細胞はその染色体にレポーター遺伝子を安定に含むので、レポ
ーター遺伝子は遺伝的に子孫世代に受け継がれることができる。安定形質転換カ
セット細胞を作製するために、レポーター遺伝子を宿主細胞の染色体に導入し、
その宿主細胞を数週間培養することができる。選択マーカー遺伝子を利用する場
合は、数週間の培養後に、選択マーカー遺伝子を使って、安定形質転換カセット
細胞をクローニングすることができる。例えば、選択薬を補足した培地で形質転
換宿主細胞を数週間継続的に培養して、安定形質転換カセット細胞をクローニン
グすることができる。次に変異ERα遺伝子を安定形質転換カセット細胞に導入し
て、本発明の細胞を作製することができる。
【0062】 また、変異ERα遺伝子は、宿主細胞がレポーター遺伝子と変異ERα遺伝子とで
安定に形質転換されるような形で、レポーター遺伝子を持つ宿主細胞に導入する
こともできる。
【0063】 本発明の細胞は、変異ERαの疾患の処置に有用な化合物をスクリーニングする
ために利用することができる。そのような変異ERαの疾患として、変異ERαによ
る異常な転写活性化を伴う疾患(乳癌など)を挙げることができる。そのような
化合物をスクリーニングするには、変異ERαに対して拮抗性または作動性である
と思われる有効量の試験化合物に細胞をばく露して、レポーター遺伝子の転写活
性化レベルを測定する。
【0064】 細胞は通例、1〜数日間にわたって十分量の試験化合物にばく露する。細胞は
変異ERαに対する作動条件または拮抗条件下で試験化合物にばく露することがで
きる。作動条件では通例、変異ERαを刺激する可能性がある単独の薬剤としての
試験化合物にアッセイ細胞をばく露する。拮抗条件では通例、試験化合物および
E2にアッセイ細胞をばく露する。
【0065】 ばく露後に、レポーター遺伝子の発現レベルを測定することによって、レポー
ター遺伝子の転写活性化レベルを測定する。このような場合、レポータータンパ
ク質またはレポーターRNA(レポーター配列によってコードされるもの)は細胞
内に貯蔵されるか、細胞から分泌されるので、発現レベルはそれらを使って測定
することができる。レポーター遺伝子の発現レベルはノーザンブロット解析もし
くはウェスタンブロット解析によって、またはレポータータンパク質の活性レベ
ルを測定することによって測定することができる。レポータータンパク質の活性
レベルは通例、レポーター遺伝子の発現レベルを示す。
【0066】 例えば、レポーター遺伝子がレポータータンパク質としてルシフェラーゼをコ
ードする場合、レポーター遺伝子の発現レベルは、ルシフェリンとルシフェラー
ゼとを反応させることによって得られるルミネセンスによって測定することがで
きる。このような場合は、粗細胞抽出物を細胞から調製し、その粗細胞抽出物に
ルシフェリンを加える。ルシフェリンは細胞抽出物中のルシフェラーゼと室温で
反応させることができる。ルシフェリンの添加によって得られるルミネセンスは
、通常、レポーター遺伝子の発現レベルの指標として測定される。というのも、
粗細胞抽出物は、細胞内で発現され粗細胞抽出物中に存在するルシフェラーゼの
レベルに比例する強度のルミネセンスをもたらすからである。得られた粗細胞抽
出物中のルミネセンスを測定するには、ルミノメーターを利用することができる
【0067】 次に、測定された転写活性化レベルをコントロールと比較して、試験化合物の
作動または拮抗作用を評価することができる。試験化合物のスクリーニングにお
けるそのようなコントロールは、細胞を試験化合物にばく露しなかった場合のレ
ポーター遺伝子の予想転写活性化レベルとすることができる。作動条件下で変異
ERαによるレポーター遺伝子の転写活性化レベルがコントロールより高い場合、
当該試験化合物は変異ERαに対するアゴニストとして評価される。
【0068】 また、細胞を拮抗条件下でE2および試験化合物にばく露する場合は、試験化合
物を変異ERαに対するアンタゴニストとして評価することができる。このような
場合、コントロールは、等量のE2の存在下で予想される変異ERαによるレポータ
ー遺伝子の転写活性化レベルとすることができる。変異ERαによるレポーター遺
伝子の転写活性化レベルがコントロールより低い場合、当該試験化合物は変異ER
αに対して拮抗性であると評価される。
【0069】 次に、変異ERαに対して作動性または拮抗性である上述のような試験化合物を
、変異ERαの疾患の処置に有用な化合物として選択することができる。このよう
な場合、細胞を作動条件下でばく露する時は、コントロールより有意に高いレポ
ーター遺伝子の転写活性化レベルを与える試験化合物を通常は選択する。細胞を
拮抗条件下でばく露する時は、コントロールよりも有意に低いレポーター遺伝子
の転写活性化レベルを与える試験化合物を通常は選択する。
【0070】 また、正常リガンド依存性転写因子の疾患を処置するための化合物をスクリー
ニングすることもできる。そのような場合は、変異ERα遺伝子の代わりに正常リ
ガンド依存性転写因子をコードする遺伝子を宿主細胞に導入する。そのような正
常リガンド依存性転写因子の例には、正常ERβ(Genbankアクセッション番号AB0
06590)、正常AR(Genbankアクセッション番号M23263)、正常GR(Genbankアク
セッション番号M10901)、正常TRα(M24748)、正常PR(Genbankアクセッショ
ン番号15716)、正常PXR(Genbankアクセッション番号AF061056)、正常VDR(Ge
nbankアクセッション番号J03258)などの正常親油性ビタミン受容体、正常RAR(
Genbankアクセッション番号06538)、正常MR(Genbankアクセッション番号M1680
1)、正常PPARγ(Genbankアクセッション番号U79012)などがある。このような
場合、レポーター遺伝子はEREの代わりに当該正常リガンド依存性転写因子に対
応する適切な受容体応答配列を含む。
【0071】 5.3.診断方法 本発明の診断方法では、試験ERαの表現型または試験ERαをコードするポリヌ
クレオチドの遺伝子型の診断が行われる。遺伝子型診断法では、上記5.2項で述
べたように、試験ERαをコードするポリヌクレオチドがその中にレポーター遺伝
子転写活性化活性を付与する1または複数の置換アミノ酸を与える変異コドンを
含むかどうかを決定することができる。表現型診断法では、上記5.2項で述べた
ように、試験ERαがその中にレポーター遺伝子転写活性化活性を付与する1また
は複数の置換アミノ酸を含むかどうかを決定することができる。
【0072】 遺伝子型診断法では通例、試験ERαポリヌクレオチドを調製し、変異コドンを
検索し、もし存在すればその変異コドン中の変異を決定する。そのような遺伝子
型診断法の例には、PCR増幅およびヌクレオチド配列決定法、一本鎖高次構造多
型(SSCP)法、制限酵素切断断片長多型(RFLP)法、ハイブリダイゼーション法
などがある。
【0073】 遺伝子型診断法用の試験ERαポリヌクレオチドは、試験ゲノムDNAまたは試験c
DNAを調製することによって調製できる。このような場合、試験ERαポリヌクレ
オチドを含有する試験ゲノムDNAまたは試験cDNAは、試験動物(例えば被験者)
から得た試験試料から一括して調製される。そのような試験試料は非外科的方法
、外科的方法(例えば細針または生検)などによって得ることができる。そのよ
うな試験試料の例には、試験哺乳動物の細胞組織、例えば毛髪、末梢血、口内上
皮組織、肝臓、前立腺、卵巣、子宮、乳腺などがあり、そこから試験DNAまたは
試験cDNAを抽出することができる。
【0074】 例えば試験ゲノムDNAはTAKARA PCR Technical news No. 2(宝酒造、1991年9
月)に記載の方法に従って調製することができる。このような場合、試験哺乳動
物から得た毛髪2〜3本の試験試料を滅菌水とエタノールで洗浄し、長さ2〜3mmに
切断する。次に毛髪中の試験細胞を十分量(例えば200μl)のBCL緩衝液(10mM
トリス-HCl(pH7.5)、5mM MgCl2、0.32Mショ糖、1%トリトンX-100)で溶解す
る。溶解した試験細胞にプロテイナーゼKおよびSDSをそれぞれ100μl/mlおよび0
.5%(w/v)の最終濃度で添加し、混合することによって、試験ゲノムDNAから不
要なタンパク質を除去する。反応混合物を70℃でインキュベートした後、試験ゲ
ノムDNAをフェノール-クロロホルム抽出によって精製することができる。
【0075】 また、試験試料が末梢血である場合は、例えばDNA Extraction Kit(Stratage
ne)で試験試料を処理することにより、試験ゲノムDNAを一括して得ることがで
きる。
【0076】 また、試験試料を生検試料から得る場合は、細胞組織中のRNAを一括して逆転
写することにより、試験試料から試験cDNAを調製することができる。RNAは、好
ましくは当該細胞組織がまだ新鮮なうちに、TRIZOL試薬(Gibco)を使用するこ
とによって、細胞組織から一括して得ることができる。
【0077】 また、試験ゲノムDNAは、村松正實編「ラボマニュアル遺伝子工学」(丸善、1
988)に記載の方法に従って調製することもできる。
【0078】 さらに試験cDNAは、上記5.2項で述べたように、J.Sambrook,E.F.Frisch,
T.Maniatis「Molecular Cloning(第2版)」(コールドスプリングハーバー研
究所,1989)に記載の遺伝子工学的手法に従って調製してもよい。
【0079】 遺伝子型診断法において変異コドンを検索する場合、試験ERαポリヌクレオチ
ド中の検索領域には、変異コドンであると思われるコドンが含まれる。したがっ
て試験ERαポリヌクレオチド中の検索領域は、試験ERα中の相対位置303〜578に
あるアミノ酸をコードする試験ERαポリヌクレオチド中のコドンを含みうる。例
えばこのような遺伝子型診断法では、303、309、390、396、、415、494、531、5
78などから選択される相対位置のアミノ酸をコードする試験ERαポリヌクレオチ
ド中のコドンを検索領域に含めることができる。
【0080】 次に、PCR増幅および配列決定法ならびにSSCP法では、調製した試験cDNAまた
は試験ゲノムDNAを使って、そこから試験ERαポリヌクレオチド中の検索領域を
特異的にPCR増幅することができる。試験ERαポリヌクレオチド中に存在する検
索領域を試験cDNAまたは試験ゲノムDNAから特異的にPCR増幅するには、検索オリ
ゴヌクレオチドを利用することができる。
【0081】 このPCR増幅における検索オリゴヌクレオチドは通例、試験ERαポリヌクレオ
チド中の検索領域を特異的にPCR増幅するように設計される。検索オリゴヌクレ
オチドは8〜50bp(好ましくは15〜40bp)のサイズと30%〜70%のGC含量を持ち
うる。このような検索オリゴヌクレオチドは、DNAシンセサイザーにより、β-シ
アノエチルホスホアミダイト法、チオホスファイト法などを用いて合成すること
ができる。また、検索オリゴヌクレオチドは標識を持たないか、非放射性の標識
を持つか、または32Pなどによる放射性標識を持つことができる。PCR増幅では通
例、フォワード検索オリゴヌクレオチドとリバース検索オリゴヌクレオチドとの
組み合わせを利用して、試験ERαポリヌクレオチド中の検索領域を特異的にPCR
増幅する。ヒト試験ERαポリヌクレオチド用のこのようなフォワードおよびリバ
ース検索オリゴヌクレオチドの例を、検索領域にコードされるアミノ酸の相対位
置と共に下記表3に示す。
【0082】
【表3】
【0083】 試験ERαポリヌクレオチド中の検索領域は、Saikiら,Science,第230巻,135
0-1354頁(1985)に記載の方法に従って、試験cDNAまたは試験ゲノムDNAから特
異的にPCR増幅することができる。このPCR増幅におけるPCR混合物は、1.5mM〜3.
0mMの塩化マグネシウム、耐熱性DNAポリメラーゼ、dNTP(dATP、dTTP、dGTPおよ
びdCTP)、リバース検索オリゴヌクレオチドの1つと組み合わせたフォワード検
索オリゴヌクレオチドの一つ、および試験ゲノムDNAまたは試験cDNAを含みうる
。このPCR増幅では、変性インキュベーション、アニーリングインキュベーショ
ンおよび伸長インキュベーションを課すインキュベーションサイクルを20〜50回
(好ましくは25〜40回)繰り返すことができる。変性インキュベーションでは、
90℃〜95℃(好ましくは94℃〜95℃)で1分〜5分間(好ましくは1分〜2分間)PC
R混合物をインキュベートすることができる。変性インキュベーションに続くア
ニーリングインキュベーションでは、30℃〜70℃(好ましくは40℃〜60℃)で3
秒〜3分間(好ましくは5秒〜2分間)PCR混合物をインキュベートすることができ
る。変性インキュベーションに続く伸長インキュベーションでは、70℃〜75℃(
好ましくは72℃〜73℃)で約15秒〜5分間(好ましくは30秒〜4分間)PCR混合物
をインキュベートすることができる。
【0084】 PCR増幅およびヌクレオチド配列決定法を利用する場合、遺伝子型診断法では
、得られたPCR混合物を低融点アガロースゲル電気泳動にかけることができる。
増幅された検索領域を含むポリヌクレオチド(以下、検索領域ポリヌクレオチド
という)を低融点アガロースゲルから回収し、配列決定することにより、検索領
域ポリヌクレオチドのヌクレオチド配列を得る。
【0085】 次に、検索領域ポリヌクレオチドを配列決定し、そのヌクレオチド配列中の変
異を決定することにより、変異コドンがあればその変異コドン中の変異を決定す
ることができる。検索領域ポリヌクレオチドを配列決定する際には、ダイレクト
シークエンシング法または自動シークエンシング法を利用することができる。ダ
イレクトシークエンシング法の例には、手作業によるシークエンシング法(Maxa
m,A.M.およびW.Gilbert,Proc. Natl. Acad. Sci. USA,74,560,1977に記載
のMaxam Gilbert法)、Sanger法(Sanger,F.およびA.R.Coulson,J. Mol. Bi
ol.,94,441,1975ならびにSanger,F.,NicklenおよびA.R.,Coulson,Proc.
Natl. Acad. Sci. USA.,74,5463,1977に記載)、BioTechniques,7,494(1
989)に記載の方法などがある。ABI自動シークエンサー(モデル377、Applied B
iosystems)などの自動DNAシークエンサーを使用する場合は、ABI Big Dye Term
inator Cycle Sequencing Ready Reaction Kitなどの適当なDNAシークエンシン
グキットを使って、自動DNAシークエンサー用の検索領域を調製することができ
る。配列決定が終わったら、次に、検索領域ポリヌクレオチドのヌクレオチド配
列を正常ERαをコードするヌクレオチド配列と比較して、検索領域中に変異コド
ンがあればその中の変異を決定することができる。
【0086】 SSCP法を利用する場合は、得られたPCR混合物を、Hum. Mutation,第2巻,338
頁に従って非変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動にかける。このような場合、
検索領域ポリヌクレオチドが放射標識され、その放射能を使って非変性ポリアク
リルアミドゲル中の検索領域ポリヌクレオチドを検出することができるように、
上記PCR増幅では放射標識オリゴヌクレオチドを利用することが好ましい。この
ようなSSCP法では、放射標識された検索領域ポリヌクレオチドを一本鎖ポリヌク
レオチドに熱変性し、緩衝液中で非変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけ
て、各一本鎖ポリヌクレオチドを分離することができる。非変性ポリアクリルア
ミドゲル電気泳動に利用することができる緩衝液の例には、トリス-リン酸(pH7
.5〜8.0)、トリス-酢酸(pH7.5〜8.0)、トリス-ホウ酸(pH7.5〜8.3)などが
あり、トリス-ホウ酸(pH7.5〜8.3)は好ましい。さらに、EDTAなどの非変性ポ
リアクリルアミドゲル電気泳動用補助成分を利用してもよい。このような非変性
ポリアクリルアミドゲル電気泳動の条件としては、30〜40Wの定電力、4℃〜室温
(約20〜25℃)で1時間〜4時間を挙げることができる。
【0087】 非変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動後に、その非変性ポリアクリルアミド
ゲルをろ紙に転写し、X線フィルムと接触させて、放射標識検索領域ポリヌクレ
オチドからの放射線にX線フィルムを露出する。X線フィルムの露出には適当なカ
セットを利用することができる。X線フィルムの現像によって得られるオートラ
ジオグラムにより、放射標識検索領域ポリヌクレオチドの移動度を標準物質の移
動度と比較することができる。前記標準物質の移動度は、検索領域ポリヌクレオ
チドが正常ERαポリヌクレオチドの正常コドンだけからなる場合に予想される移
動度とすることができる。標準物質の移動度とは異なる放射標識検索領域ポリヌ
クレオチドの移動度は、通例、当該放射標識検索領域中に1または複数の変異コ
ドンが存在することを示す。
【0088】 次に、熱水または沸騰水を使って、放射標識検索領域ポリヌクレオチドを非変
性ポリアクリルアミドゲルから回収することができる。得られた放射標識検索領
域は再びPCR増幅した後、配列決定用に調製することができる。変異コドンがあ
る場合は、上記の方法と同様にPCR増幅およびヌクレオチド配列法で、変異コド
ン中の変異を決定することができる。
【0089】 ハイブリダイゼーション法では、通例、プローブオリゴヌクレオチドを利用し
て、当該プローブオリゴヌクレオチドが検索領域にハイブリダイズすることがで
きるかどうかを観察する。ハイブリダイゼーション法では、検索領域ポリヌクレ
オチド、調製した試験cDNA、調製した試験ゲノムDNA、精製した試験ERαポリヌ
クレオチドなどを利用することによって、検索領域を用意することができる。ま
た、ハイブリダイゼーション法では、検索領域ポリヌクレオチドを制限酵素消化
した後、制限酵素消化された検索領域ポリヌクレオチドを利用して、プローブオ
リゴヌクレオチドがそれにハイブリダイズすることができるかどうかを観察して
もよい。
【0090】 プローブオリゴヌクレオチドは15〜40bpのサイズと30%〜70%のGC含量を持つ
。このようなプローブオリゴヌクレオチドはDNAシンセサイザーにより、β-シア
ノエチルホスホアミダイト法、チオホスファイト法などを用いて合成することが
できる。またプローブオリゴヌクレオチドは通例、非放射性の(例えばビオチン
などによる)標識を持つか、または32Pなどによる放射標識を持つ。
【0091】 検索領域が正常ERαポリヌクレオチドの正常コドンだけから構成される場合、
プローブオリゴヌクレオチドは検索領域のヌクレオチド配列から構成することが
できる。このようなヌクレオチド配列により、プローブオリゴヌクレオチドは、
試験ERαポリヌクレオチド中の検索領域が正常ERαポリヌクレオチドの正常コド
ンだけから構成される場合には、ストリンジェントな条件で試験ERαポリヌクレ
オチド中の検索領域にハイブリダイズすることができる。ヒト試験ERαポリヌク
レオチド用のこのようなプローブオリゴヌクレオチドの例を、検索領域にコード
されるアミノ酸の相対位置と共に下記表3に示す。
【0092】
【表4】
【0093】 通例、ハイブリダイゼーション法はストリンジェントな条件で行われる。前記
ストリンジェントな条件として、例えばプレハイブリダイゼーション処理または
ハイブリダイゼーション処理を、プレハイブリダイゼーション緩衝液およびハイ
ブリダイゼーション緩衝液中で行い、洗浄緩衝液中で15分間の洗浄を2回行う。
ハイブリダイゼーション法では、所望により、0.1×SSC(0.015M NaCl、0.0015M
クエン酸ナトリウム)および0.5%SDSを含む緩衝液中で30分間の洗浄をさらに行
ってもよい。プレハイブリダイゼーション緩衝液としては、6×SSC(0.9M NaCl
、0.09Mクエン酸ナトリウム)、5×デンハルト液(0.1%(w/v)フィコール400、0
.1%(w/v)ポリピロリドンおよび0.1%BSA)、0.5%(w/v)SDSおよび100μg/mlの
サケ精子DNAを含む緩衝液を利用することができる。またプレハイブリダイゼー
ション緩衝液として、サケ精子DNAを100μg/mlの濃度になるように添加したDIG
EASY Hyb緩衝液(Boehringer Mannheim)を利用してもよい。さらにプレハイブ
リダイゼーション緩衝液として、6×SSPE(0.9M NaCl、0.052M NaH2PO4、7.5mM
EDTA)、0.5%SDS、5×デンハルト液および0.1mg/mlのサケ精子DNAを含む緩衝液
を利用してもよい。ハイブリダイゼーション緩衝液としては、プローブオリゴヌ
クレオチドを十分量になるように添加したプレハイブリダイゼーション緩衝液を
利用することができる。プレハイブリダイゼーション処理およびハイブリダイゼ
ーション処理の温度はプローブオリゴヌクレオチドの長さによって変わりうるが
、例えばプローブオリゴヌクレオチドのTm値〜プローブオリゴヌクレオチドのTm
値より2〜3℃低い温度とすることができる。洗浄温度もオリゴヌクレオチドの長
さによって変わりうるが、例えば室温で行うことができる。このような場合、Tm
値は、ハイブリダイゼーション緩衝液中でプローブオリゴヌクレオチド中のヌク
レオチド単位と水素結合を形成すべきヌクレオチド単位の量を見積もり、次に、
水素結合を形成すべきプローブオリゴヌクレオチド中のAまたはTヌクレオチド単
位について2℃を加え、水素結合を形成すべきプローブオリゴヌクレオチド中のG
またはTヌクレオチド単位について4℃を加えることによって得られる温度を加え
ることによって得ることができる。
【0094】 例えばハイブリダイゼーション法は、ドットブロットハイブリダイゼーション
法、ミスマッチ検出法などを伴ってもよい。
【0095】 ドットブロットハイブリダイゼーション法では、通例、試験ERαポリヌクレオ
チドをメンブレンに固定し、固定された試験ERαポリヌクレオチド中の検索領域
にプローブオリゴヌクレオチドがハイブリダイズすることができるかどうかを評
価する。試験ERαポリヌクレオチドをメンブレン上に固定する際には、試験ERα
ポリヌクレオチドとして、検索領域ポリヌクレオチド、調製した試験cDNA、調製
した試験ゲノムDNA、精製した試験ERαポリヌクレオチドなどを使用することが
できる。試験ERポリヌクレオチドは、試験ERαポリヌクレオチドを90〜100℃で3
〜5分間インキュベートし、試験ERαポリヌクレオチドをメンブレン上にスポッ
トし、得られたメンブレンを乾燥し、スポットした検索領域をUV光に曝露するこ
とによって固定することができる。メンブレンとしては、Hybond N(Amerscham
Pharmacia)などのナイロンメンブレンを使用することができる。次に、プロー
ブオリゴヌクレオチドを使って、当該プローブオリゴヌクレオチドが検索領域に
ハイブリダイズすることができるかどうかを評価することができる。プローブオ
リゴヌクレオチドは、当該プローブオリゴヌクレオチドと試験ERαポリヌクレオ
チドとを40〜50℃で10〜20時間インキュベートすることによって利用することが
できる。次に、得られたメンブレンを洗浄し、ハイブリダイズしたプローブオリ
ゴヌクレオチドが存在するなら、それを検出することができる。
【0096】 プローブオリゴヌクレオチドが32Pで放射標識される場合、ハイブリダイズし
たプローブオリゴヌクレオチドは(存在するとすれば)、得られたメンブレンを
X線フィルムに曝露することによって検出できる。
【0097】 プローブオリゴヌクレオチドがビオチンを使って非放射性標識される場合、ハ
イブリダイズしたプローブオリゴヌクレオチドは(存在するとすれば)、スペー
サーおよびハイブリダイゼーション検出酵素(ビオチン化アルカリホスファター
ゼ、ビオチン化ペルオキシダーゼなど)を使って検出することができる。ビオチ
ンで標識されたプローブオリゴヌクレオチドが検索領域にハイブリダイズするこ
とができる場合、ストレプトアビジンなどのスペーサーは、ハイブリダイズした
ビオチン標識プローブオリゴヌクレオチドに結合することができ、その結果、ハ
イブリダイゼーション検出酵素は、スペーサーを介して、ハイブリダイズしたビ
オチン標識プローブオリゴヌクレオチドに結合することができるようになる。次
に、結合したハイブリダイゼーション検出酵素は反応に関与して、当該プローブ
オリゴヌクレオチドが試験ERαポリヌクレオチド中の検索領域にハイブリダイズ
しているかどうかを示すことができる。この酵素反応は色の変化またはルミネセ
ンスをもたらすことができる。
【0098】 プローブオリゴヌクレオチドが検索領域にハイブリダイズしない場合は、当該
検索領域は1または複数の変異コドンを含むと決定することができる。次に、検
索領域を配列決定してもよい。変異コドンが存在する場合、変異コドン中の変異
は、上記の方法と同様にして、PCR増幅およびヌクレオチド配列決定法で決定す
ることができる。
【0099】 ミスマッチ検出法はBiswas,I.およびHsieh,P.,J. Biol. Chem.,271(9),5
040-5048(1996)ならびに Nippon gene information,1999,No.125(ニッポ
ンジーン、富山)に記載されている。このミスマッチ検出法では、Taq Mut Sな
どのミスマッチ検出酵素を利用して、検索領域に対するプローブオリゴヌクレオ
チドのハイブリダイゼーション中の一定のミスマッチを検索する。ミスマッチ検
出酵素により、プローブオリゴヌクレオチドと検索領域とのハイブリダイゼーシ
ョン中のミスマッチを、高温(例えば75℃以下の温度)で検出することが可能に
なる。通例、ミスマッチ検出酵素が結合するこのようなハイブリダイゼーション
中のミスマッチは、上述のようなゲルシフトアッセイまたはドットブロットハイ
ブリダイゼーション法によって検出することができる。ミスマッチ検出酵素がプ
ローブオリゴヌクレオチドと検索領域とのミスマッチしたハイブリダイゼーショ
ンに結合することができる場合は、検索領域は1または複数の変異コドンを含む
と決定することができる。検索領域を配列決定してもよい。変異コドンが存在す
るなら、その変異コドン中の変異を、上記の方法と同様にして、PCR増幅および
ヌクレオチド配列決定法で決定することができる。
【0100】 またRFLP法では、制限酵素を反応条件下で試験ERαポリヌクレオチドと混合す
る。通例、制限酵素は、変異コドンであると疑われる検索領域中のコドンとオー
バーラップする制限部位を持つ。前記制限部位での制限消化の成否により、検索
領域中の変異コドンの有無を決定することができる。制限消化の結果は例えば低
融点アガロースゲル電気泳動などによるゲル電気泳動分析によって評価すること
ができる。次に必要なら検索領域を配列決定することができる。次に、変異コド
ンが存在するなら、その変異コドン中の変異は上記の方法と同様にPCR増幅およ
びヌクレオチド配列決定法で決定することができる。
【0101】 表現型診断法では、試験ERαのアミノ酸配列中で、上記5.2項に述べたような
レポーター遺伝子転写活性化活性を付与する1または複数の置換アミノ酸の検索
を行うことができる。置換アミノ酸を検索した後、試験ERα中に変異が存在する
のであれば、試験ERαのアミノ酸配列を正常ERαのアミノ酸配列と比較すること
によって、その変異を決定する。試験ERα中の置換アミノ酸を検索するために、
試験ERα中の検索領域は、試験ERα中の相対位置303〜578のアミノ酸を含むこと
ができる。例えば、このような表現型診断法では、303、309、390、396、415、4
94、531、578などから選択される1または複数の相対位置にある試験ERα中のア
ミノ酸を検索領域に含めることができる。
【0102】 試験ERα中の置換アミノ酸の検索には、試験ERαの検索領域中にエピトープを
持つ抗体が役立ちうる。このような抗体の結合の成否により、試験ERαの検索領
域に置換アミノ酸が存在するかどうかを決定することができる。次に、試験ERα
中の変異は、試験ERαのアミノ酸配列を正常ERαのアミノ酸配列と比較すること
によって決定することができる。
【0103】 試験ERαは試験試料から細胞抽出技術によって調製することができる。また、
表現型診断法用の試験ERαは、組換え試験ERαを精製することによって調製する
こともできる。
【0104】 5.4.試験ERαを用いるレポーターアッセイ 試験ERαは、レポーター遺伝子を含む染色体と当該試験ERαとを含むアッセイ
細胞を利用することにより、上記5.2に記載のレポーター遺伝子転写活性化活性
に関してアッセイすることができる。このような場合は、通例、アッセイ細胞を
リガンドにばく露し、レポーター遺伝子の転写活性化レベルを測定することで、
試験ERαによるレポーター遺伝子転写活性化活性を定量的に解析する。また、試
験ERαによるレポーター遺伝子転写活性化活性は、試験ERαによるレポーター遺
伝子の転写活性化レベルを標準物質によるレポーター遺伝子の転写活性化レベル
と比較することによって評価することもできる。さらにまた、試験ERαによるレ
ポーター遺伝子の転写活性化レベルが標準物質による転写活性化レベルとは異な
る試験ERαを選択することによって、試験ERαをスクリーニングすることもでき
る。
【0105】 アッセイ細胞は、試験ERαをコードする遺伝子とレポーター遺伝子とを宿主細
胞に導入することによって作製することができる。レポーター遺伝子は宿主細胞
の染色体に挿入される。試験ERα遺伝子は一過性発現が起こるように宿主細胞に
導入することができ、また試験ERα遺伝子が宿主細胞の染色体に挿入されるよう
に試験ERα遺伝子を宿主細胞に導入することもできる。試験ERα遺伝子を宿主細
胞の染色体に挿入する場合、試験ERα遺伝子は、試験ERαと一緒に当該染色体に
挿入してもよいし、当該宿主細胞中の別の染色体に挿入してもよい。また、上記
5.2項に記載したように、レポーター遺伝子を宿主細胞に導入して安定形質転換
カセット細胞を作製した後、上記5.2項に記載したように、試験ERα遺伝子を前
記安定形質転換カセット細胞に導入することもできる。
【0106】 試験ERα遺伝子は、当該試験ERα遺伝子をアッセイ細胞中で発現させて試験ER
αを得ることができるように、宿主細胞に導入される。この点で、前記試験ERα
は通例、試験ERαをコードするポリヌクレオチドの上流に作動的に連結されたプ
ロモーターを含む。
【0107】 試験ERα遺伝子を宿主細胞に導入するには、上記5.2項に記載したように、宿
主細胞のタイプに従って従来の試験ERα遺伝子導入技術を適用することができる
。この点に関して、試験ERαを一過性発現用の宿主細胞に導入する場合は、環状
の試験ERα遺伝子を導入する。試験ERα遺伝子を宿主細胞の染色体に挿入する場
合は、線状の試験ERαを導入する。また、上記5.2項に記載したように、ベクタ
ーを利用して宿主細胞に試験ERα遺伝子またはレポーター遺伝子を導入してもよ
い。
【0108】 また、試験ERα遺伝子を安定形質転換カセット細胞に導入して、アッセイ細胞
を得ることもできる。このような場合、試験ERα遺伝子を安定形質転換カセット
細胞に導入して安定形質転換バイナリー細胞を得ることもできる。このような安
定形質転換バイナリー細胞は、試験ERα遺伝子およびレポーター遺伝子を安定に
含む染色体を持っている。
【0109】 アッセイ細胞の作製に利用される宿主細胞は、通例、正常または変異ERαを発
現させない。宿主細胞の例には、HeLa細胞、CV-1細胞、Hepa1細胞、NIH3T3細胞
、HepG2細胞、COS1細胞、BF-2細胞、CHH-1細胞などがある。
【0110】 レポーターアッセイでは、通例、アッセイ細胞を十分量のリガンドに1〜数日
間ばく露する。またリガンドは試験ERαに対する作動条件または拮抗条件下でア
ッセイ細胞にばく露することができる。作動条件では通例、変異ERαを刺激する
可能性がある単独の薬剤としてのリガンドにアッセイ細胞をばく露する。拮抗条
件では通例、リガンドおよびE2にアッセイ細胞をばく露する。
【0111】 リガンドとしては、通常、正常ERαに対して純粋にまたは部分的に拮抗性また
は作動性であるリガンドを利用する。そのようなリガンドの例には、タモキシフ
ェン、4-ヒドロキシタモキシフェンおよびラロキシフェンなどの部分抗エストロ
ゲン、ICI182780(Wakeling AEら,Cancer Res.,512:3867-3873(1991))お
よびZM189154(Dukes Mら,J. Endocrinol.,141:335-341(1994))などの完
全抗エストロゲンがある。
【0112】 ばく露後に、レポーター遺伝子の発現レベルを測定することによって、レポー
ター遺伝子の転写活性化レベルを測定する。このような場合、レポータータンパ
ク質またはレポーターRNA(レポーター配列によってコードされるもの)は細胞
内に貯蔵されるか、細胞から分泌されるので、発現レベルはそれらを使って測定
することができる。レポーター遺伝子の発現レベルはノーザンブロット解析もし
くはウェスタンブロット解析によって、またはレポータータンパク質の活性レベ
ルを測定することによって測定することができる。タンパク質の活性レベルは通
例、レポーター遺伝子の発現レベルを示す。
【0113】 例えば、レポーター遺伝子がレポータータンパク質としてルシフェラーゼをコ
ードする場合、レポーター遺伝子の発現レベルは、ルシフェリンとルシフェラー
ゼとを反応させることによって得られるルミネセンスによって測定することがで
きる。このような場合は、粗細胞抽出物を細胞から調製し、その粗細胞抽出物に
ルシフェリンを加える。ルシフェリンは細胞抽出物中のルシフェラーゼと室温で
反応させることができる。ルシフェリンの添加によって得られるルミネセンスは
、通常、レポーター遺伝子の発現レベルの指標として測定される。というのも、
粗細胞抽出物は、細胞内で発現され粗細胞抽出物中に存在するルシフェラーゼの
レベルに比例する強度のルミネセンスをもたらすからである。得られた粗細胞抽
出物中のルミネセンスを測定するには、ルミノメーターを利用することができる
【0114】 次に、測定された転写活性化レベルを標準物質によるレポーター遺伝子の転写
活性化レベルと比較して、試験ERαによる転写活性化活性を評価することができ
る。試験ERαによる転写活性化活性を評価する場合、前記標準物質によるレポー
ター遺伝子の転写活性化レベルは、アッセイ細胞が(試験ERαの代わりに)正常
ERαまたは表現型がわかっているERαを発現させる場合に予想されるレポーター
遺伝子の転写活性化レベルとすることができる。試験ERαが与える転写活性化レ
ベルの測定値が標準物質によるレポーター遺伝子の転写活性化レベルと異なる場
合は、当該試験ERαを変異ERαとして選択することができる。
【0115】 また、変異リガンド依存性転写因子をスクリーニングすることもできる。この
ような場合は、試験ERα遺伝子の代わりに試験リガンド依存性転写因子をコード
する遺伝子を宿主細胞に導入する。このような試験リガンド依存性転写因子の例
には、試験ERβ、試験AR、試験GR、試験TR、試験PR、試験PXR、試験親油性ビタ
ミン受容体(例えば試験VDR)および試験RARなどがある。このような場合、レポ
ーター遺伝子は、EREの代わりに、与えられた試験リガンド依存性転写因子にコ
グネイトである適当な受容体応答配列を含む。
【0116】
【実施例】
6.1.実施例1 ヒト変異ERαをコードするポリヌクレオチド 6.1.1.ヒト正常ERαをコードするプラスミドの生成 ヒト肝臓cDNAライブラリー(CLONETECH、QuickクローンcDNA#7113-1)を利用
して、そこからヒト正常ERαをコードするcDNAを特異的にPCR増幅する。このPCR
増幅におけるPCR混合物は、ヒト肝臓cDNAライブラリー10ng、配列番号11に記載
のオリゴヌクレオチド10pmol、配列番号12に記載のオリゴヌクレオチド10pmol、
LA-Taqポリメラーゼ(宝酒造)、LA-Taqポリメラーゼと一緒に提供される緩衝液
、およびdNTP(dATP、dTTP、dGTP、dCTP)を含む。配列番号11および配列番号12
に記載のオリゴヌクレオチドはDNAシンセサイザー(モデル394、Applied Biosys
tems)を使って合成する。このPCR増幅では、PCRsystem 9700(Applied Biosyst
ems)を使って、95℃で1分間のインキュベーションの後、68℃で3分間のインキ
ュベーションを課すインキュベーションサイクルを35回繰り返す。
【0117】 得られたPCR混合物を低融点アガロースゲル電気泳動(アガロースL、ニッポン
ジーン)にかけて、PCR増幅によって増幅されたcDNAが約1.8kbのサイズを持つこ
とを確認する。増幅されたcDNAを低融点アガロースゲルから回収した後、Dye Te
rminator Sequence Kit FS(Applied Biosystems)を使って、回収したcDNAの試
料を調製する。調製したcDNA試料をABI自動シークエンサー(モデル377、Applie
d Biosystems)で配列決定することにより、当該cDNAが配列番号1に示すアミノ
酸配列を持つヒト正常ERαをコードするヌクレオチド配列を持っていることを明
らかにする。
【0118】 次に、もう1つのPCR増幅を同様に行って、上記cDNA中の開始コドン(ATG)の
すぐ上流にKozakコンセンサス配列を付加する。このPCR増幅では、100ngの上記c
DNAg、配列番号151に記載のオリゴヌクレオチドおよび配列番号12に記載のオリ
ゴヌクレオチドを利用する。得られたPCR混合物を低融点アガロースゲル電気泳
動(アガロースL、ニッポンジーン)にかけて、このPCR増幅で増幅されたcDNAが
約1.8kbのサイズを持つことを確認する。増幅されたcDNAを低融点アガロースゲ
ルから回収した後、増幅されたcDNA 1μgをDNA Blunting Kit(宝酒造)で処理
することにより、増幅されたcDNAの末端を平滑化する。次に、前記の処理によっ
て得たcDNAをT4ポリヌクレオチドキナーゼと反応させて、その末端をリン酸化す
る。リン酸化したcDNAをフェノール処理した後、リン酸化cDNAをエタノール沈殿
させて、精製型のリン酸化cDNAを得る。
【0119】 プラスミドpRc/RSV(Invitrogen)を制限酵素HindIIIで制限消化し、次に65℃
で1時間、細菌アルカリホスファターゼ(BAP)で処理する。次に、制限消化pRc/
RSVをフェノール処理とエタノール沈殿によって精製する。制限消化されたpRc/R
SVをDNA Blunting Kit(宝酒造)で処理してその末端を平滑化し、低融点アガロ
ースゲル電気泳動(アガロースL、ニッポンジーン)にかける。制限消化されたp
Rc/RSVを低融点アガロースゲルから回収した後、制限消化されたpRc/RSV 100ng
および上記精製型リン酸化cDNAの全てを、T4 DNAリガーゼによるライゲーション
反応に使用する。そのライゲーション反応混合物を使って、大腸菌コンピテント
DH5α細胞(東洋紡)を形質転換する。形質転換した大腸菌細胞は、アンピシリ
ンを50μg/mlの濃度になるように添加したLB(Luria-Bertani)培地(以下、LB-
amp培地という;J. Sambrook,E. F. Frisch,T. Maniatis「Molecular Cloning
(第2版)」(Cold Springs Harbor Laboratory Publishing,1989))で培養す
る。次に、アンピシリン耐性を示すクローンを回収する。次に、それらクローン
の一部を使って、ライゲーション反応によって生成したプラスミドをそこから単
離する。次に、単離された各プラスミドの部分試料を、Dye Terminator Sequenc
e Kit FS(Applied Biosystems)を使って調製する。調製したプラスミドをABI
自動シークエンサー(モデル377、Applied Biosystems)で配列決定して、配列
番号1に示すアミノ酸配列を持つヒト正常ERαをコードするヌクレオチドを配列
を持っているプラスミドが存在することを確認する。そのようなプラスミドを選
択し、pRc/RSV-hERαKozakと名づける。
【0120】 6.1.2.ヒト変異ERαK303R、S309F、M396V、G415V、G494VまたはK531Eをコー
ドするプラスミドの作製 6.1.2.1.変異導入用プラスミドの作製 プラスミドpRc/RSV-hERαKozakを37℃で1時間、制限酵素NotIで制限消化する
。その制限消化反応混合物を低融点アガロースゲル電気泳動(アガロースL、ニ
ッポンジーン)にかけて、約1.6kbのサイズを持つDNA断片が存在することを確認
する。次に、その1.6kb DNA断片を低融点アガロースゲルから回収する。
【0121】 プラスミドpBluescriptII SK(+)(Stratagene)を37℃で1時間、NotIで制限消
化した後、65℃で1時間、BAPで処理する。その制限消化反応混合物を低融点アガ
ロースゲル電気泳動(アガロースL、ニッポンジーン)にかけて、制限消化され
たpBluescriptII SK(+)を低融点アガロースゲルから回収する。次に、上記1.6kb
DNA断片100ngと回収されたpBluescriptII SK(+) 100ngとを、T4 DNAリガーゼに
よるライゲーション反応に使用する。そのライゲーション反応混合物を使って大
腸菌コンピテントDH5α細胞(東洋紡)を形質転換する。形質転換した大腸菌細
胞をLB-amp培地で培養する。次に、アンピシリン耐性を示すクローンを回収する
。次に、それらクローンの一部を使って、上記ライゲーション反応によって生成
したプラスミドをそこから単離する。次に、単離された各プラスミドの部分試料
を制限酵素NotIおよびHindIIIで制限消化する。その制限消化反応混合物をアガ
ロースゲル電気泳動にかける。次に、プラスミドのプラス鎖がヒト正常ERαをコ
ードするセンス鎖を作動的なM13ミクロファージ複製起点(f1 ori)と共に含ん
でいるプラスミドが存在することを確認する。これに関連して、f1 oriがプラス
ミドの一方の鎖を複製する時に、ヒト正常ERαをコードするセンス鎖がそれと共
に複製されるような構造を持つプラスミドが存在することを確認する。そのよう
なプラスミドを選択し、pSK-NNと名づける。
【0122】 6.1.2.2.相対位置303、309、396、415、494および531における部位特異的変
異導入 McClary JAら,Biotechniques 1989(3):282-289に記載の方法に従って、ヒト
正常ERαをコードするポリヌクレオチドに指定の変異を導入する。そのような方
法を本発明との関連で以下に説明する。
【0123】 上記6.1.2.1に記載のプラスミドpSK-NNを利用して大腸菌コンピテントCJ236細
胞(宝酒造)を、大腸菌CJ236細胞と一緒に提供されるプロトコールに従って形
質転換する。次に、アンピシリン耐性を示すクローンをLB-amp培地で16時間培養
する。次に、そのクローンの1コロニーを、M13ヘルパーファージを少なくとも1
×1011pfu/ml-培地の濃度になるように加えた10mlの2×YT培地(以下、2×YT-M1
3という)に懸濁する。クローンを2×YT-M13培地中37℃で2時間培養した後、カ
ナマイシンを50μg/mlの濃度になるように加え、次にそのクローンを22時間培養
する。得られた懸濁液を遠心分離し、得られた上清8mlを15mlの試験管に移す。
次に、その上清に2mlの2.5M NaCl-40%PEG8000(Sigma)を加え、上清と共に撹
拌する。その上清を4℃で1時間冷蔵し、遠心分離(3,000rpm、2,000×g、10分間
、4℃)して、そこからファージをペレットとして集める。ファージを400μlの
蒸留水に懸濁した後、同体積のフェノールを加え、得られた懸濁液を穏やかに5
分間振とうする。得られた上清を遠心分離して、そこから水層を取り出す。次に
、2回目のフェノール処理を行うために、水層に同体積のフェノールを加え、激
しく振とうする。得られた懸濁液を遠心分離して、そこから水層を取り出す。2
回目のフェノール処理によって得た水層に、同体積のクロロホルムを加え、激し
く振盪する。得られた懸濁液を遠心分離(15,000rpm、20,000×g、5分、4℃)し
て、そこから水層を取り出す。クロロホルム処理によって得た水層に、800μlの
100%エタノールと、50μlの3M酢酸ナトリウムとを加える。得られた水層を−80
℃に20分間冷却した後、その水層を遠心分離する。これによって得られるペレッ
トを70%エタノールですすいだ後、乾燥する。滅菌水中の残渣をペレット化した
後、水溶液の吸光度を260nmの波長で測定して、その中に含まれるヒト正常ERα
をコードする一本鎖センスDNAの量を計算する。
【0124】 部位特異的変異導入用のオリゴヌクレオチドを合成して、配列番号152、配列
番号153、配列番号154、配列番号155、配列番号156および配列番号157に記載の
オリゴヌクレオチドを得る。
【0125】 配列番号152に記載のオリゴヌクレオチドを使用すると、相対位置303にあるリ
ジンをコードするAAGコドンが、アルギニンをコードするAGGコドンに変化する。
【0126】 配列番号153に記載のオリゴヌクレオチドを使用すると、相対位置309にあるセ
リンをコードするTCCコドンが、フェニルアラニンをコードするTTCコドンに変化
する。
【0127】 配列番号154に記載のオリゴヌクレオチドを使用すると、相対位置396にあるメ
チオニンをコードするATGコドンが、バリンをコードするGTGコドンに変化する。
【0128】 配列番号155に記載のオリゴヌクレオチドを使用すると、相対位置415にあるグ
リシンをコードするGGAコドンが、バリンをコードするGTAコドンに変化する。
【0129】 配列番号156に記載のオリゴヌクレオチドを使用すると、相対位置494にあるグ
リシンをコードするGGCコドンが、バリンをコードするGTCコドンに変化する。
【0130】 配列番号157に記載のオリゴヌクレオチドを使用すると、相対位置531にあるリ
ジンをコードするAAGコドンが、グルタミン酸をコードするGAGコドンに変化する
【0131】 各オリゴヌクレオチドを、10pmolのポリヌクレオチドキナーゼ(宝酒造)を使
って、ポリヌクレオチドキナーゼと一緒に提供される緩衝液中でリン酸化する。
このリン酸化反応では、2mMのATPを各反応混合物に使用し、反応混合物を37℃で
30分間インキュベートする。次に、リン酸化されたオリゴヌクレオチド約1pmol
を、正常ERαをコードする0.2pmolの一本鎖センスDNA とそれぞれ混合する。次
に、10μlのアニーリング反応混合物を調製するために、上記混合物をそれぞれ
アニーリング緩衝液(20mM トリス-Cl(pH7.4)、2mM MgCl2、50mM NaCl)に加
える。そのアニーリング反応混合物を70℃で10分間のインキュベーション、次い
で37℃で60分間のインキュベーションに付した後、4℃でインキュベートする。
次に、そのアニーリング反応混合物に、それぞれ2単位(0.25μl)のT7 DNAポリ
メラーゼ(New England Labs)、2単位(0.25μl)のT4 DNAリガーゼ(宝酒造)
および1.2μlの合成緩衝液(175mM トリス-Cl(pH7.4)、375mM MgCl2、5mM DTT
、4mM dATP、4mM dCTP、4mM dGTP、4mM dTTPおよび7.5mM ATP)を加えることに
よって、合成反応混合物を調製する。その合成反応混合物を4℃で5分間インキュ
ベートし、室温で5分間インキュベートし、次に37℃で2時間インキュベートして
、合成DNAプラスミドを得る。
【0132】 次に2μlの各合成反応混合物を使って大腸菌コンピテントDH5α細胞細胞(東
洋紡)を形質転換する。形質転換した大腸菌細胞をLB-ampで培養する。次にアン
ピシリン耐性を示すクローンを回収する。次に、それらクローンの一部を使って
上記合成反応で得られたプラスミドをそこから単離する。次に、単離された各プ
ラスミドの部分試料を、Dye Terminator Sequence Kit FS(Applied Biosystems
)を使って調製する。単離されたプラスミドをABI自動シークエンサー(モデル3
77、Applied Biosystems)で配列決定する。
【0133】 上記の配列決定により、配列番号152に記載のオリゴヌクレオチドを利用する
ことによって合成される単離プラスミドは、ヒト変異ERαをコードするヌクレオ
チド配列中に相対位置303に相当するAGGコドンを持っていてアルギニンをもたら
す単離プラスミドを与えることを確認する。このような単離プラスミドを選択し
、pSK-NN303と名づける。
【0134】 上記の配列決定により、配列番号153に記載のオリゴヌクレオチドから合成さ
れる単離プラスミドは、ヒト変異ERαをコードするヌクレオチド配列中に相対位
置309に相当するTTCコドンを持っていてフェニルアラニンをもたらす単離プラス
ミドを与えることを確認する。このような単離プラスミドを選択し、pSK-NN309
と名づける。
【0135】 上記の配列決定により、配列番号154に記載のオリゴヌクレオチドから合成さ
れる単離プラスミドは、ヒト変異ERαをコードするヌクレオチド配列中に相対位
置396に相当するGTGコドンを持っていてバリンをもたらす単離プラスミドを与え
ることを確認する。このような単離プラスミドを選択し、pSK-NN396と名づける
【0136】 上記の配列決定により、配列番号155に記載のオリゴヌクレオチドから合成さ
れる単離プラスミドは、ヒト変異ERαをコードするヌクレオチド配列中に相対位
置415に相当するGTAコドンを持っていてバリンをもたらす単離プラスミドを与え
ることを確認する。このような単離プラスミドを選択し、pSK-NN415と名づける
【0137】 上記の配列決定により、配列番号156に記載のオリゴヌクレオチドから合成さ
れる単離プラスミドは、ヒト変異ERαをコードするヌクレオチド配列中に相対位
置494に相当するGTCコドンを持っていてバリンをもたらす単離プラスミドを与え
ることを確認する。このような単離プラスミドを選択し、pSK-NN494と名づける
【0138】 上記の配列決定により、配列番号157に記載のオリゴヌクレオチドから合成さ
れる単離プラスミドは、ヒト変異ERαをコードするヌクレオチド配列中に相対位
置531に相当するGAGコドンを持っていてグルタミン酸をもたらす単離プラスミド
を与えることを確認する。このような単離プラスミドを選択し、pSK-NN531と名
づける。
【0139】 下記表4に、使用する変異導入用オリゴヌクレオチド、それによって生成する
プラスミド、およびその結果得られるヒト変異ERαを示す。
【0140】
【表5】
【0141】 プラスミドpSK-NN303、pSK-NN309、pSK-NN396、pSK-NN415、pSK-NN494およびp
SK-NN531をそれぞれ37℃で1時間、制限酵素NotIで制限消化する。次に、各制限
消化反応混合物を低融点アガロースゲル電気泳動にかけて、約1.6kbのサイズを
持つDNA断片が存在することを確認する。次に、その1.6kb DNA断片を低融点アガ
ロースゲルから回収する。
【0142】 6.1.1項で得たプラスミドpRc/RSV-hERαKozakを37℃で1時間、制限酵素NotIで
制限消化し、65℃で1時間、BAPで処理する。次にその制限消化反応混合物を低融
点アガロースゲル電気泳動にかけて、約5.5kbのサイズを持つDNA断片が存在する
ことを確認する。次にその5.5kb DNA断片を低融点アガロースゲルから回収する
【0143】 次に、回収された5.5kb DNA断片100ngをそれぞれ上記1.6kb DNA断片100ngと混
合して、T4 DNAリガーゼによるライゲーション反応を行う。そのライゲーション
反応混合物を使って大腸菌コンピテントDH5α細胞(東洋紡)を形質転換する。
形質転換した大腸菌細胞をLB-amp培地で培養する。次に、アンピシリン耐性を示
すクローンを回収する。次に、それらクローンの一部を使って、上記ライゲーシ
ョン反応によって生成したプラスミドをそこから単離する。次に、単離された各
プラスミドの部分試料を制限酵素NotIまたはMluIで制限消化する。次に、その制
限消化反応混合物をアガロースゲル電気泳動にかける。各制限消化によって所望
のサイズを持つDNA断片を与える単離プラスミドが存在することを確認する。そ
のような単離プラスミドは、制限酵素NotIによる制限消化では5.5kbと1.6kbのサ
イズを持つDNA断片を与え、制限酵素MluIによる制限消化では7.1kbのDNA断片を
与える。
【0144】 次に、上記各プラスミドを、配列番号158、配列番号159および配列番号160に
記載のオリゴヌクレオチドを使ってPCR増幅する。これらのPCR増幅では、PCR混
合物は上記プラスミドの1つ、配列番号158に記載のオリゴヌクレオチド、配列番
号159に記載のオリゴヌクレオチド、配列番号160に記載のオリゴヌクレオチド、
400μM dNTP(100μM dATP、100μM dTTP、100μM dGTPおよび100μM dCTP)、
組換えTaq DNAポリメラーゼ(宝酒造)、前記組換えTaq DNAポリメラーゼと一緒
に提供されるPCR緩衝液を含む。これらのPCR増幅では、94℃で30秒間のインキュ
ベーション、次いで65℃で1分間のインキュベーションの後、72℃で1分45秒間の
インキュベーションを課すインキュベーションサイクルを30回繰り返す。得られ
た各25μlのPCR混合物のうち10μlを1%アガロースゲル電気泳動(アガロースS
、ニッポンジーン)にかけて、得られたプラスミドが約1.2kbのサイズを持つこ
とを確認する。次に、Dye Terminator Sequence Kit FS(Applied Biosystems)
を使ってプラスミドを調製する。調製したプラスミドの試料をそれぞれABI自動
シークエンサー(モデル377、Applied Biosystems)で配列決定する。
【0145】 上記の配列決定により、pSK-NN303から得られるプラスミドはヒト変異ERαK30
3R(AAG→AGG;リジン→アルギニン;相対位置303)をコードすることが確認さ
れる。このプラスミドをpRc/RSV-hERαK303R Kozakと名づける。
【0146】 上記の配列決定により、pSK-NN309から得られるプラスミドはヒト変異ERαS30
9F(TCC→TTC;セリン→フェニルアラニン;相対位置309)をコードすることが
確認される。このプラスミドをpRc/RSV-hERαS309F Kozakと名づける。
【0147】 上記の配列決定により、pSK-NN396から得られるプラスミドはヒト変異ERαM39
6V(ATG→GTG;メチオニン→バリン;相対位置396)をコードすることが確認さ
れる。このプラスミドをpRc/RSV-hERαM396V Kozakと名づける。
【0148】 上記の配列決定により、pSK-NN415から得られるプラスミドはヒト変異ERαG41
5V(GGA→GTA;グリシン→バリン;相対位置415)をコードすることが確認され
る。このプラスミドをpRc/RSV-hERαG415V Kozakと名づける。
【0149】 上記の配列決定により、pSK-NN494から得られるプラスミドはヒト変異ERαG49
4V(GGC→GTC;グリシン→バリン;相対位置494)をコードすることが確認され
る。このプラスミドをpRc/RSV-hERαG494V Kozakと名づける。
【0150】 上記の配列決定により、pSK-NN531から得られるプラスミドはヒト変異ERαK53
1E(AAG→GAG;リジン→グルタミン酸;相対位置531)をコードすることが確認
される。このプラスミドをpRc/RSV-hERαK531E Kozakと名づける。
【0151】 下記表5に、プラスミドの生成に使用したプラスミド、およびそのプラスミド
から結果として生成するプラスミドを示す。
【0152】
【表6】
【0153】 6.1.3.ヒト変異ERαG390D、S578PまたはG390D/S578Pをコードするプラスミド
の作製 6.1.3.1.ヒト変異ERαG390DおよびS578Pをコードするプラスミドの生成 QuickChange Site-Directed Mutagenesis Kit(Stratagene)を使って、上記6
.1.1に記載のプラスミドpRc/RSV-hERαKozakを、変異したプラスミドがヒト変異
ERαG390Dまたはヒト変異ERαS578Pをコードするように変異させた。配列番号17
および配列番号18に記載のオリゴヌクレオチドを使用すると、相対位置390にあ
るグリシンをコードするGGTコドンがアスパラギン酸をコードするGAT変異コドン
に変化する。配列番号27および配列番号28に記載のオリゴヌクレオチドを使用す
ると、相対位置578にあるセリンをコードするTCCコドンがプロリンをコードする
CCC変異コドンに変化する。QuickChange Site-Directed Mutagenesis Kitと一緒
に提供されるマニュアルを使って、プラスミドpRc/RSV-hERαG390D Kozak(GGT
→GAT;グリシン→アスパラギン酸;相対位置390)およびpRc/RSV-hERαS578P K
ozak(TCC→CCC;セリン→プロリン;相対位置578)を作製する。プラスミドpRc
/RSV-hERαG390D KozakとpRc/RSV-hERαS578P Kozakとを配列決定して、ヒト変
異ERαをコードするプラスミドが相対位置390または578に所望の変異を含んでい
ることを確認する。
【0154】 次にQuickChange Site-Directed Mutagensis Kit(Stratagene)を使って、変
異したプラスミドがヒト変異ERαG390D/S578Pをコードするように 、pRc/RSV-hE
RαG390D Kozakを変異させる。配列番号27および配列番号28に記載のオリゴヌク
レオチドを使って、プラスミドpRc/RSV-hERαG390D/S578P Kozak(GGT→GAT;グ
リシン→アスパラギン酸;相対位置390およびTCC→CCC;セリン→プロリン;相
対位置578)を作製する。プラスミドpRc/RSV-hERαG390D/S578P Kozakを配列決
定して、ヒト変異ERαをコードするプラスミドが所望の変異を相対位置390およ
び578に含んでいることを確認する。
【0155】 6.1.3.2.ヒト変異ERαG390D/S578Pをコードするプラスミドの試験ヒト肝組織
試料からの調製 試験ヒト肝組織の凍結試料を使って、ヒト変異ERαG390D/S578Pをコードする
ポリヌクレオチドを得た。試験ヒト肝組織試料を利用するにあたって、4Mチオシ
アン酸グアニジウム、0.1M トリス-HCl(pH7.5)および1%β-メルカプトエタノ
ールを含む緩衝液5mlにて、0.1gの試験ヒト肝組織試料をホモジナイザーでホモ
ジナイズした。得られた緩衝液を25mlの5.7M CsCl水溶液に重層し、90,000×gで
24時間超遠心分離することにより、RNAペレットを得た。そのRNAペレットを70%
エタノールで濯いだ後、RNAペレットを室温で乾燥させた。次にそのRNAペレット
を1.2μg/mlの濃度になるように滅菌水10μlに溶解した。次に、RNA溶液中のRNA
を一括して逆転写反応におけるテンプレートとして使用することにより、試験cD
NAを作製した。試験cDNAを作製するにあたって、逆転写酵素(Superscript II;
GibcoBRL)を1μlのRNA溶液、オリゴ-dTオリゴヌクレオチド(Amerscham Pharma
cia)、および逆転写酵素と一緒に提供される緩衝液と共に使用した。逆転写反
応を37℃で1時間行って、上記試験cDNAを得た。
【0156】 上記6.1.1と同様に、1/50体積の試験cDNAを使ってpRc/RSV-hERαG390D/S578P
Kozakを作製した。この場合、上記試験cDNAを使用して、配列番号11および配列
番号12に記載のオリゴヌクレオチドにより、ヒト変異ERαG390D/S578Pをコード
するcDNAを試験cDNAから特異的にPCR増幅した。次に、ヒト変異ERαG390D/S578P
をコードするcDNAを、配列番号151および配列番号12に記載のオリゴヌクレオチ
ドを使ってPCR増幅して、当該cDNAの開始コドン(ATG)のすぐ上流にKozakコン
センサス配列を加えた。次に増幅産物をプラスミドpRc/RSVのHindIII部位に挿入
して、pRc/RSV-hERαG390D/S578P Kozakを得た。
【0157】 6.2 実施例2 レポーター遺伝子を含有するプラスミドの作製 配列番号161に記載のオリゴヌクレオチドと、それに相補的なヌクレオチド配
列を持つオリゴヌクレオチドとを、DNAシンセサイザーで合成した。配列番号161
に記載のオリゴヌクレオチドは、アフリカツメガエル・ビテロゲニン遺伝子中の
上流領域に由来するEREの一方の鎖をコードするように合成した。もう一つのオ
リゴヌクレオチドは、配列番号161に記載のオリゴヌクレオチドに相補的なヌク
レオチド配列を持つように合成した。これら2つのオリゴヌクレオチドを互いに
アニールさせて、EREをコードするDNA(以下、ERE DNAという)を作製した。次
にERE DNAをT4 DNAリガーゼで互いに結合させて、EREが5回縦列反復したERE×5
DNAを得た。T4ポリヌクレオチドキナーゼをERE×5 DNAと反応させて、その末端
をリン酸化した。
【0158】 次に配列番号162に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号163に記載のオリゴヌ
クレオチドとをDNAシンセサイザーで合成した。配列番号162に記載のオリゴヌク
レオチドは、マウスメタロチオネインI遺伝子に由来するTATA配列のヌクレオチ
ド配列およびそのリーダー配列中の一方の鎖をコードするように合成した。配列
番号163に記載のオリゴヌクレオチドは、配列番号162に記載のオリゴヌクレオチ
ドに相補的なヌクレオチド配列をコードするように合成した。配列番号162と配
列番号163に記載のオリゴヌクレオチドを互いにアニールさせて、TATA配列をコ
ードするDNAを作製した。T4ポリヌクレオチドキナーゼを、TATA配列をコードす
る前記DNAと反応させて、その末端をリン酸化した。
【0159】 ホタルルシフェラーゼ遺伝子をコードするプラスミドpGL3(Promega)を、制
限酵素BglIIおよびHindIIIで制限消化した後、65℃で1時間、BAPで処理した。次
にその制限消化反応混合物を低融点アガロースゲル電気泳動(アガロースL、ニ
ッポンジーン)にかけて、ホタルルシフェラーゼをコードするヌクレオチド配列
を持つDNA断片が存在することを確認した。次に、ホタルルシフェラーゼをコー
ドするヌクレオチド配列を持つDNA断片を低融点アガロースゲルから回収した。
次に、回収したDNA断片100ngと、TATA配列をコードするDNA 1μgとをT4 DNAリガ
ーゼによるライゲーション反応に使用して、プラスミドpGL3-TATAを得た。
【0160】 プラスミドpGL3-TATAを制限酵素SmaIで制限消化した後、65℃で1時間、BAPで
処理した。次に、その制限消化反応混合物を低融点アガロースゲル電気泳動(ア
ガロースL、ニッポンジーン)にかけて、TATA配列とホタルルシフェラーゼとを
コードするDNA断片が存在することを確認した。そのようなDNA断片を低融点アガ
ロースゲルから回収した後、回収したDNA断片100ngとERE×5 DNA 1μgとをT4 DN
Aリガーゼによるライゲーション反応に使用して、プラスミドpGL3-TATA-ERE×5
を得た。
【0161】 プラスミドpUCSV-BSD(フナコシ)を制限酵素BamHIで制限消化して、ブラスト
サイジンSデアミナーゼ遺伝子発現カセットをコードするDNAを調製した。また、
プラスミドpGL3-TATA-ERE×5を制限酵素BamHIで制限消化した後、65℃で1時間、
BAPで処理した。次にブラストサイジンSデアミナーゼ遺伝子発現カセットをコー
ドするDNA断片を制限消化したpGL3-TATA-ERE×5と混合した。次にその混合物を
、T4 DNAリガーゼによるライゲーション反応に使用して、プラスミドを得た。そ
のライゲーション反応混合物を使って大腸菌コンピテントDH5α細胞を形質転換
した。形質転換細胞をLB-ampで培養する。次にアンピシリン耐性を示すクローン
を回収する。次にそれらクローンの一部を使って、上記ライゲーション反応によ
って生成したプラスミドをそこから単離する。次に単離された各プラスミドの部
分試料を制限酵素BamHIで制限消化する。次に、その制限消化反応混合物をアガ
ロースゲル電気泳動にかけて、ブラストサイジンSデアミナーゼ遺伝子発現カセ
ットをコードするDNAがpGL3-TATA-ERE×5のBamHIの制限部位に挿入されている構
造を持つプラスミドが存在するかどうかを確認した。そのような構造を持つプラ
スミドを選択し、pGL3-TATA-ERE×5-BSDと名づけた。
【0162】 6.3.実施例3 安定形質転換カセット細胞の作製 染色体の一つに6.2項で作製したレポーター遺伝子(以下、EREレポーター遺伝
子という)を安定に含有する安定形質転換カセット細胞を作製するために、プラ
スミドpGL3-TATA-ERE×5-BSDを線状化し、HeLa細胞に導入した。
【0163】 プラスミドpGL3-TATA-ERE×5-BSDを線状化するために、pGL3-TATA-ERE×5-BSD
を制限酵素SalIで制限消化した。
【0164】 直径約10cmの培養皿(Falcon)を使用し、10%FBSを含むDMEM培地(日水製薬
)にて、5%CO2下に37℃で、約5×105個のHeLa細胞を宿主細胞として1日培養し
た。
【0165】 次に、線状化したpGL3-TATA-ERE×5-BSDをリポフェクトアミン(Life Technol
ogies)を用いるリポフェクション法によって培養HeLa細胞に導入した。リポフ
ェクトアミンと一緒に提供されるマニュアルに従い、このリポフェクション法の
条件には、5時間の処理、7μg/培養皿の上記プラスミドおよび21μl/培養皿のリ
ポフェクトアミンを含めた。
【0166】 リポフェクション処理の後、DMEM培地を、10%FBSを含むDMEM培地と交換し、
形質転換したHeLa細胞を約36時間培養した。次に、形質転換HeLa細胞をトリプシ
ン処理によって培養皿から除去、収集し、ブラストサイジンSを16μg/mlの濃度
になるように添加した培地を含む容器に移した。ブラストサイジンS含有培地を3
、4日毎に新しいバッチのブラストサイジンS含有培地に交換しながら、前記ブラ
ストサイジンS含有培地で形質転換HeLa細胞を1ヶ月培養した。
【0167】 その結果増殖して1〜数mmの直径を持つコロニーを形成することができたクロ
ーンを、前もって培地を分注しておいた96ウェルViewPlate(Berthold)のウェ
ルに、丸ごと移した。それらクローンのコロニーをさらに培養した。コロニーが
増殖してウェルの底面の50%以上を覆うようになったら(移植の約5日後)、そ
れらのクローンをトリプシン処理によって除去、収集した。次にクローンを2つ
の継代培養物に分割した。一方の継代培養物は96ウェルViewPlateに移して、そ
れをマスタープレートとした。もう1つの継代培養物は96ウェルViewPlateに移し
て、これをアッセイプレートとした。マスタープレートとアッセイプレートには
、クローンを培養することができるように培地を含めた。マスタープレートは同
様の条件で引き続き培養した。
【0168】 アッセイプレート中の継代培養物を2日間培養した後、培地をアッセイプレー
トのウェルから除去し、ウェル壁に付着したクローンをPBS(-)で2回洗浄した。5
倍希釈した溶解緩衝液PGC50(東洋インキ)をアッセイプレートのウェル中の継
代培養物に1ウェルあたり20μlずつ加えた。そのアッセイプレートを室温で30分
間静置した後、自動基質注入器を装着したルミノメーターLB96P(Berthold)に
セットした。次に、基質溶液PGL100(東洋インキ)50μlをアッセイプレート中
の各溶解クローンに自動的に分注して、各ウェル中のルシフェラーゼ活性をルミ
ノメーターLB96Pで測定した。高いルシフェラーゼ活性を示すクローン10個をそ
こから選択した。
【0169】 次に、選択した10クローンに相当するマスタープレート中のクローン試料を、
直径約10cmの培養皿(Falcon)を用いて、培地中、5%CO2下に、37℃で1〜2週間
培養した。
【0170】 次に、リポフェクトアミン(Life Technologies)を用いるリポフェクション
法により、プラスミドpRc/RSV-hERαKozakを、上で選択したクローンに導入して
、2次クローンを得た。リポフェクトアミンと一緒に提供されるマニュアルに従
い、このリポフェクション法の条件には、5時間の処理、7μg/培養皿の上記プラ
スミドおよび21μl/培養皿のリポフェクトアミンを含めた。次に、得られた2次
クローンに、17β-E2を含有するDMSO溶液を、濃度が10nMになるように添加した
。2次クローンを2日間培養した後、各2次クローンについて上記と同様にルシフ
ェラーゼ活性を測定した。最も高いルシフェラーゼ活性の誘導を示す2次クロー
ンを与えるマスタープレート中のクローンを、染色体の一つにEREレポーター遺
伝子を安定に含んでいる安定形質転換カセット細胞(以下、安定形質転換EREカ
セット細胞という)として選択した。
【0171】 6.4.実施例4 安定形質転換バイナリー細胞の作製 EREレポーター遺伝子をヒト変異ERαG390D、S578PもしくはG390D/S578Dまたは
ヒト正常ERαと共に含有する4つの安定形質転換細胞(以下、安定形質転換EREバ
イナリー細胞という)を作製した。第1の安定形質転換EREバイナリー細胞は、そ
の染色体中にレポーター遺伝子をコードする線状化pGL3-TATA-ERE×5-BSDと、ヒ
ト正常ERαをコードする線状化pRc/RSV-hERαKozakとを含んだ。第2の安定形質
転換EREバイナリー細胞は、その染色体中にEREレポーター遺伝子をコードする線
状化pGL3-TATA-ERE×5-BSDと、ヒト変異ERαG390Dをコードする線状化pRc/RSV-h
ERαG390D Kozakとを含んだ。第3の安定形質転換EREバイナリー細胞は、その染
色体中にEREレポーター遺伝子をコードする線状化pGL3-TATA-ERE×5-BSDと、ヒ
ト変異ERαS578Pをコードする線状化pRc/RSV-hERαS578P Kozakとを含んだ。第4
の安定形質転換EREバイナリー細胞は、その染色体中にEREレポーター遺伝子をコ
ードする線状化pGL3-TATA-ERE×5-BSDと、ヒト変異ERαG390D/S578Pをコードす
る線状化pRc/RSV-hERαG390D/S578P Kozakとを含んだ。
【0172】 安定形質転換EREバイナリー細胞を作製するために、プラスミドpGL3-TATA-ERE
×5-BSD、pRc/RSV-hERαG390D Kozak、pRc/RSV-hERαS578P KozakおよびpRc/RSV
-hERαG390D/S578P Kozakをそれぞれ線状化し、HeLa細胞に導入した。線状化す
るために、上記プラスミドを制限酵素SalIで制限消化した。
【0173】 直径約10cmの培養皿(Falcon)を使用し、10%FBSを含むDMEM培地(日水製薬
)にて、5%CO2下に37℃で、約5×105個のHeLa細胞を宿主細胞として1日培養し
た。
【0174】 下記表6に示すように、線状pGL3-TATA-ERE×5-BSDをヒト変異ERαまたはヒト
正常ERαをコードする線状プラスミドと共にそれぞれHeLa細胞に導入した。線状
化したプラスミドは、リポフェクトアミン(Life Technologies)を用いるリポ
フェクション法によってHeLa細胞に導入した。リポフェクトアミンと一緒に提供
されるマニュアルに従い、このリポフェクション法における各処理の条件には、
5時間の処理、7μg/培養皿のプラスミド(それぞれ3.5μg)および21μl/培養皿
のリポフェクトアミンを含めた。
【0175】
【表7】
【0176】 リポフェクション処理の後、DMEM培地を、10%FBSを含むDMEM培地と交換し、
形質転換HeLa細胞を約36時間培養した。次に、形質転換HeLa細胞をトリプシン処
理によって培養皿からそれぞれ除去、収集し、ブラストサイジンSおよびG418を
添加した培地を含む容器に移した。各細胞培養物についてブラストサイジンSの
濃度は16μg/mlとした。各細胞培養物についてG418 の濃度は800μg/mlとした。
培地を3、4日毎に新しいバッチのブラストサイジンSおよびG418 含有培地に交換
しながら、前記ブラストサイジンSおよびG418 含有培地で形質転換HeLa細胞を1
ヶ月培養した。
【0177】 その結果1〜数mmの直径を持つコロニーまで増殖することができたクローンを
、前もって培地を分注しておいた96ウェルViewPlate(Berthold)のウェルに、
それぞれ移した。それらのクローンをさらに培養した。クローンが増殖してウェ
ルの底面の50%以上を覆うようになったら(移植の約5日後)、それらのクロー
ンをトリプシン処理によって除去、収集した。次に各クローンを3つの継代培養
物に分割した。各クローンについて、1つの継代培養物は96ウェルViewPlateに移
して、マスタープレートとした。他の2つの継代培養物はそれぞれ96ウェルViewP
lateに移して、アッセイプレートとした。マスタープレートとアッセイプレート
には、クローンを培養することができるように培地を含めた。マスタープレート
は同様の条件で引き続き培養する。第1アッセイプレート中の各継代培養物に、1
7β-E2を含有するDMSO溶液を、濃度が10nMになるように添加した。第2アッセイ
プレート中の継代培養物には等体積のDMSOを添加した。次に第1および第2アッセ
イプレートを2日間培養した。
【0178】 次に第1および第2アッセイプレートのウェルから培地を除去し、ウェル壁に付
着したクローンをPBS(-)で2回洗浄した。5倍希釈した溶解緩衝液PGC50(東洋イ
ンキ)を第1および第2アッセイプレートのウェル中のクローンに1ウェルあたり2
0μlずつ加えた。その第1および第2アッセイプレートを室温で30分間静置した後
、自動基質注入器を装着したルミノメーターLB96P(Berthold)にセットした。
次に、基質溶液PGL100(東洋インキ)50μlをアッセイプレート中の各溶解クロ
ーンにそれぞれ自動的に分注して、各ウェル中のルシフェラーゼ活性をルミノメ
ーターLB96Pで測定した。2倍高いルシフェラーゼ活性の誘導(%)を示した第1
アッセイプレート中のクローンに相当するマスタープレート中のクローンを、レ
ポーター遺伝子とヒト変異ERαG390D、S578PもしくはG390D/S578P遺伝子または
ヒト正常ERα遺伝子とを安定に含有する安定形質転換EREバイナリー細胞として
選択した。
【0179】 6.5.実施例5 ヒト変異ERαのレポーターアッセイ 6.5.1.レポーターアッセイ用安定形質転換EREバイナリー細胞の調製 次に、上記6.4で作製した約2×104個の安定形質転換EREバイナリー細胞を96ウ
ェルルミノメータープレート(Corning Coaster)のウェルに移し、活性炭デキ
ストラン処理FBSを濃度が10%(v/v)になるように添加したE-MEM培地(以下、
活性炭デキストランFBS/E-MEMという)中で安定形質転換EREバイナリー細胞を終
夜培養した。
【0180】 6.5.2.ヒト変異ERαK303R、S309F、M396V、G415V、G494VまたはK531Eをコー
ドするプラスミドの導入 それぞれに6.3項で作製した安定形質転換EREカセット細胞約2×106個を含む7
つの継代培養物を、直径約10cmの培養皿(Falcon)を使って、活性炭デキストラ
ンFBS/E-MEM培地で1日培養した。
【0181】 一過性発現のために、プラスミドpRc/RSV-hERαKozak(6.1.1項で作製したも
の、正常ERαをコードする)および変異ERαをコードするプラスミド(6.1.2.2
項で作製したもの、すなわちpRc/RSV-hERαK303R Kozak、pRc/RSV-hERαS309F K
ozak、pRc/RSV-hERαM396V Kozak、pRc/RSV-hERαG415V Kozak、pRc/RSV-hERαG
494V Kozak、またはpRc/RSV-hERαK531E Kozak、それぞれヒト変異ERαをコード
する)を、リポフェクトアミン(Life Technologies)を用いるリポフェクショ
ン法により、安定形質転換EREカセット細胞の継代培養物に、それぞれ導入した
。リポフェクトアミンと一緒に提供されるマニュアルに従い、このリポフェクシ
ョン法における各処理の条件には、5時間の処理、7μg/培養皿のプラスミドおよ
び21μl/培養皿のリポフェクトアミンを含めた。得られた細胞培養物を5%CO2
に37℃で16時間培養した後、その活性炭デキストランFBS/E-MEM培地を新しいバ
ッチの活性炭デキストランFBS/E-MEM培地に交換して、各細胞継代培養物をさら
に3時間培養した。次に、その細胞継代培養物をそれぞれ収集し、活性炭デキス
トランFBS/E-MEM培地に均一に懸濁した。
【0182】 6.5.3.レポーター遺伝子転写活性化活性の測定 大別して4種類のDMSO溶液を使用して、上記6.5.1および6.5.2で調製した継代
培養物中の細胞を、様々な濃度の完全抗エストロゲンまたは部分抗エストロゲン
にばく露した。第1のDMSO溶液は様々な濃度の部分抗エストロゲン(4-ヒドロキ
シタモキシフェンまたはラロキシフェン)を含むように調製した。第2のDMSO溶
液は様々な濃度の完全抗エストロゲン(ZM189154)を含むように調製した。第3
のDMSO溶液は10nMのE2と様々な濃度の部分抗エストロゲン(4-ヒドロキシタモキ
シフェンまたはラロキシフェン)とを含むように調製した。第4のDMSO溶液は、1
0nMのE2と様々な濃度の完全抗エストロゲン(ZM189154)を含むように調製した
【0183】 次に第1、第2、第3または第4DMSO溶液を上記6.5.1および6.5.2で調製した継代
培養物に、下記表7、8、9および10に示すように添加した。第1、第2、第3または
第4DMSO溶液は、各ウェルにおける第1、第2、第3または第4DMSO溶液の濃度が約0
.1%(v/v)になるように、96ウェルViewPlateのウェルに添加した。また、96ウ
ェルViewPlateのウェル中の各継代培養物について、2つのコントロールを調製し
た。一方のコントロールはDMSO(部分抗エストロゲンまたは完全抗エストロゲン
を含まない)にばく露した。他方のコントロールは本質的に100pMのE2からなるD
MSO溶液にばく露した。
【0184】 次に、細胞を5%CO2下に37℃で36〜40時間培養した。5倍希釈した溶解緩衝液P
GC50(東洋インキ)をウェル中の細胞に1ウェルあたり50μlずつ加えた。その96
ウェルViewPlateをときどき穏やかに振とうしながら室温で30分間インキュベー
トした。次に、溶解した細胞10μlをそれぞれ白色96ウェルサンプルプレート(B
erthold)に移し、自動基質注入器を装着したルミノメーターLB96P(Berthold)
にセットした。次に、基質溶液PGL100(東洋インキ)50μlを白色96ウェルサン
プルプレート中の各溶解細胞にそれぞれ自動的に分注して、各ウェル中のルシフ
ェラーゼ活性をルミノメーターLB96Pで直ちに5秒間測定した。
【0185】 6.5.2項で調製した細胞から得られるルシフェラーゼ活性を図1〜32に図示する
【0186】 図1および2は、ヒト正常ERαまたはヒト変異ERαK303Rを刺激する可能性があ
る単独の薬剤として4-ヒドロキシタモキシフェンまたはZM189154が存在する状態
でヒト正常ERαまたはヒト変異ERαK303Rがもたらすルシフェラーゼ活性を表す
【0187】 図3は、E2とZM189154とが存在する状態でヒト正常ERαおよびヒト変異ERαK30
3Rがもたらすルシフェラーゼ活性を表す。
【0188】 図4および5は、ヒト正常ERαまたはヒト変異ERαS309Fを刺激する可能性があ
る単独の薬剤として4-ヒドロキシタモキシフェンまたはZM189154が存在する状態
でヒト正常ERαおよびヒト変異ERαS309Fがもたらすルシフェラーゼ活性を表す
【0189】 図6は、E2とZM189154とが存在する状態でヒト正常ERαおよびヒト変異ERαS30
9Fがもたらすルシフェラーゼ活性を表す。
【0190】 図7および8は、ヒト正常ERαまたはヒト変異ERαM396Vを刺激する可能性があ
る単独の薬剤として4-ヒドロキシタモキシフェンまたはラロキシフェンが存在す
る状態でヒト正常ERαおよびヒト変異ERαM396Vがもたらすルシフェラーゼ活性
を表す。
【0191】 図9〜11は、E2と4-ヒドロキシタモキシフェン、ラロキシフェンまたはZM18915
4とが存在する状態でヒト正常ERαおよびヒト変異ERαM396Vがもたらすルシフェ
ラーゼ活性を表す。
【0192】 図12および13は、ヒト正常ERαまたはヒト変異ERαG415Vを刺激する可能性が
ある単独の薬剤として4-ヒドロキシタモキシフェンまたはZM189154が存在する状
態でヒト正常ERαおよびヒト変異ERαG415Vがもたらすルシフェラーゼ活性を表
す。
【0193】 図14および15は、E2と4-ヒドロキシタモキシフェンまたはZM189154とが存在す
る状態でヒト正常ERαおよびヒト変異ERαG415Vがもたらすルシフェラーゼ活性
を表す。
【0194】 図16〜17は、ヒト正常ERαまたはヒト変異ERαG494Vを刺激する可能性がある
単独の薬剤として4-ヒドロキシタモキシフェンまたはラロキシフェンが存在する
状態でヒト正常ERαおよびヒト変異ERαG494Vがもたらすルシフェラーゼ活性を
表す。
【0195】 図18〜20は、E2と4-ヒドロキシタモキシフェン、ラロキシフェンまたはZM1891
54とが存在する状態でヒト正常ERαおよびヒト変異ERαG494Vがもたらすルシフ
ェラーゼ活性を表す。
【0196】 図21〜26は、ヒト正常ERαまたはヒト変異ERαK531Eを刺激する可能性がある
単独の薬剤として4-ヒドロキシタモキシフェン、ラロキシフェンまたはZM189154
が存在する状態でヒト正常ERαおよびヒト変異ERαK531Eがもたらすルシフェラ
ーゼ活性を表す。
【0197】 図27〜32は、E2と4-ヒドロキシタモキシフェン、ラロキシフェンまたはZM1891
54とが存在する状態でヒト正常ERαおよびヒト変異ERαK531Eがもたらすルシフ
ェラーゼ活性を表す。
【0198】 6.5.1項で調製した細胞から得られるルシフェラーゼ活性を図33〜48に示す。
【0199】 図33〜40は、ヒト正常ERα、ヒト変異ERαG390D、ヒト変異ERαS578Pおよびヒ
ト変異ERαG390D/S578Pを刺激する可能性がある単独の薬剤として4-ヒドロキシ
タモキシフェン、ラロキシフェンまたはZM189154が存在する状態でヒト正常ERα
、ヒト変異ERαG390D、ヒト変異ERαS578Pおよびヒト変異ERαG390D/S578Pがも
たらすルシフェラーゼ活性を表す。
【0200】 図41〜48は、E2と4-ヒドロキシタモキシフェン、ラロキシフェンまたはZM1891
54とが存在する状態でヒト正常ERα、ヒト変異ERαG390D、ヒト変異ERαS578Pお
よびヒト変異ERαG390D/S578Pがもたらすルシフェラーゼ活性を表す。
【0201】
【表8】
【0202】
【表9】
【0203】
【表10】
【0204】
【表11】
【0205】 6.6.実施例6 比較用二重一過性レポーターアッセイ 約2×106個のHeLa細胞を、直径約10cmの培養皿(Falcon)を使って、活性炭デ
キストランFBS/E-MEM培地中、5%CO2下に37℃で、1日培養した。HeLa細胞を培養
した後、それらHeLa細胞を2つの継代培養物に分割した。
【0206】 次に、一過性発現のために、3.75μgのpRc/RSV-hERαKozakと3.75μgのpGL3-T
ATA-ERE×5とを、第1継代培養物中のHeLa細胞に、リポフェクタミンを用いるリ
ポフェクション法で導入した。第2の継代培養物には、一過性発現のために、3.7
5μgのpRc/RSV-hERαK531E Kozakと3.75μgのpGL3-TATA-ERE×5とを、リポフェ
クトアミンを用いるリポフェクション法で導入した。次に、第1および第2継代培
養物を5%CO2下に37℃で16時間培養した。活性炭デキストランFBS/E-MEM培地を
新しいバッチの活性炭デキストランFBS/E-MEM培地と交換した後、第1および第2
継代培養物を同様に3時間培養した。次に第1および第2継代培養物中の細胞をそ
れぞれ収集し、活性炭デキストランFBS/E-MEM培地に均一に懸濁した。
【0207】 第1および第2継代培養物中の細胞をばく露するために、大別して2種類のDMSO
溶液を調製した。第1DMSO溶液は様々な濃度の4-ヒドロキシタモキシフェンを含
むように調製した。第2DMSO溶液は10nMのE2と様々な濃度の4-ヒドロキシタモキ
シフェンとを含むように調製した。
【0208】 次に第1および第2DMSO溶液をそれぞれ、96ウェルViewPlate中の第1および第2
継代培養物と、各ウェルにおける第1または第2DMSO溶液の濃度が約0.1%(v/v)
になるように混合した。
【0209】 次に第1および第2継代培養物を5%CO2下に37℃で36時間培養した。5倍希釈し
た溶解緩衝液PGC50(ニッポンジーン)を、ウェル中の第1および第2継代培養物
に、1ウェルあたり50μlずつ加えた。その96ウェルViewPlateをときどき穏やか
に振とうしながら室温で30分間インキュベートした。次に、得られた溶解細胞10
μlをそれぞれ白色96ウェルサンプルプレート(Berthold)に移し、自動基質注
入器を装着したルミノメーターLB96P(Berthold)にセットした。次に、基質溶
液PGL100(東洋インキ)50μlを白色96ウェルサンプルプレート中の各溶解細胞
にそれぞれ自動的に分注して、各ウェル中のルシフェラーゼ活性をルミノメータ
ーLB96Pで直ちに5秒間測定した。
【0210】 上記二重一過性レポーターアッセイで得られるルシフェラーゼ活性を図49〜52
に示す。
【0211】 図49および50は、ヒト正常ERαまたはヒト変異ERαK531Eを刺激する可能性が
ある単独の薬剤として4-ヒドロキシタモキシフェンが存在する状態でヒト正常ER
αおよびヒト変異ERαK531Eがもたらすルシフェラーゼ活性を表す。
【0212】 図51および52は、E2と4-ヒドロキシタモキシフェンとが存在する状態でヒト正
常ERαおよびヒト変異ERαK531Eがもたらすルシフェラーゼ活性を表す。
【0213】 6.7.実施例7 検索オリゴヌクレオチド ヒト試験ERα中の置換アミノ酸をコードする変異コドンを検索するために、ヒ
ト試験ERα遺伝子がヒト正常ERαをコードする場合には検索オリゴヌクレオチド
がヒト試験ERα遺伝子中の検索領域にアニールできるように、検索オリゴヌクレ
オチドを設計する。検索領域は、相対位置303のアミノ酸をコードするコドン、
相対位置309のアミノ酸をコードするコドン、相対位置390のアミノ酸をコードす
るコドン、相対位置396のアミノ酸をコードするコドン、相対位置415のアミノ酸
をコードするコドン、相対位置494のアミノ酸をコードするコドン、相対位置531
のアミノ酸をコードするコドン、または相対位置578のアミノ酸をコードするコ
ドンを含む。また、上記オリゴヌクレオチドは30〜70%のGC含量と20bpのサイズ
とを持つように設計する。このように設計したオリゴヌクレオチドに基づいて、
上記の本発明オリゴヌクレオチドをDNAシンセサイザー(モデル394、Applied Bi
osystems)で合成する。
【0214】 6.8.実施例8 PCR増幅およびヌクレオチド配列決定法による遺伝子型診断 試験ヒト肝組織試料を使って、当該試料中の試験ERαポリヌクレオチドの遺伝
子型を診断する。試験ヒト肝組織試料を利用するにあたって、4Mチオシアン酸グ
アニジウム、0.1M トリス-HCl(pH7.5)および1%β-メルカプトエタノールを含
む緩衝液5mlにて、0.1gの試験ヒト肝組織試料をホモジナイザーでホモジナイズ
する。得られた緩衝液を25mlの5.7M CsCl水溶液に重層し、90,000×gで24時間超
遠心分離することにより、RNAペレットを得る。そのRNAペレットを70%エタノー
ルで濯いだ後、RNAペレットを室温で風乾する。次にそのRNAペレットを1.2μg/m
lの濃度になるように滅菌水10μlに溶解する。次に、RNA溶液中のRNAを逆転写反
応におけるテンプレートとして一括して使用することにより、試験cDNAの溶液を
作製する。試験cDNAを作製するにあたって、Superscript II(Gibco)を1μlのR
NA溶液、オリゴ-dTオリゴヌクレオチド(Amersham-Pharmacia)、およびオリゴ-
dTと一緒に提供される緩衝液と共に使用した。逆転写反応は37℃で1時間行った
【0215】 1/50体積の試験cDNA試料を使用し、下記表11に示す検索オリゴヌクレオチドの
組み合わせを使って、PCR増幅を行う。
【0216】
【表12】
【0217】 これらのPCR増幅では、PCR混合物は試験cDNA、AmpliTaq DNAポリメラーゼ(Pe
rkin Elmer)、100μMのdNTP(dATP、dTTP、dGTP、dCTP)、検索オリゴヌクレオ
チドの組み合わせの一つ、AmpliTaqポリメラーゼと一緒に提供される緩衝液を含
む。このPCR増幅では、95℃で1分間のインキュベーション、次いで55℃で30秒間
のインキュベーションの後、72℃で1分間のインキュベーションを課すインキュ
ベーションサイクルを、各PCR増幅について35回繰り返す。得られた検索領域ポ
リヌクレオチドを1%低融点アガロースゲル電気泳動(アガロースL、ニッポンジ
ーン)にかけて、回収する。回収された検索領域ポリヌクレオチドの全量を用い
て、検索領域を配列決定する。検索領域のヌクレオチド配列をヒト正常ERαをコ
ードするヌクレオチド配列と比較する。
【0218】 6.9.実施例9 SSCP法による遺伝子型診断 6.9.1.試験組織試料からの試験ゲノムcDNAの抽出 TAKARA PCR Technical news No.2(宝酒造、1991年9月)に記載の方法に従っ
て試験組織試料から試験ゲノムDNAを調製する。この方法を本発明との関連で以
下に説明する。
【0219】 試験対象の毛髪試料2〜3本を滅菌水で洗浄した後、100%エタノールで洗浄す
る。毛髪試料を風乾した後、毛髪試料を2〜3mmに切断してプラスチック製試験管
に移す。そこに200μlのBCL(10mM トリス-HCl(pH7.5)、5mM MgCl2、0.32Mシ
ョ糖、1%トリトンX-100)を加える。次に、プロテイナーゼK溶液とSDS溶液をそ
れぞれ100μg/mlおよび0.5%(w/v)になるように混合する。
【0220】 得られた混合物を70℃で1時間インキュベートした後、その混合物をフェノー
ル-クロロホルム抽出して、そこから水層を回収する。フェノール-クロロホルム
抽出では、実質的に等体積のフェノール-クロロホルムを上記混合物に加える。
その混合物を激しく振とうし、遠心分離する(15,000rpm、20,000×g、5分、4℃
)。そこから、フェノール層を乱さないようにピペットで水層を取り出す。次に
、その水層を使って、2回目のフェノール-クロロホルム抽出を同様に行う。
【0221】 実質的に等体積のクロロホルムを2回目のフェノール-クロロホルム抽出で得た
水層と混合して、得られたクロロホルム混合物から水層を取り出す。クロロホル
ムによるこの抽出では、クロロホルム混合物を激しく振とうし、水層をクロロホ
ルム混合物から取り出すことができるように遠心分離する。次に、クロロホルム
混合物から取り出した水層に500μlの100%エタノールを加える。その中の試験
ゲノムDNAを−80℃で20分間沈殿させた後、遠心分離して試験ゲノムDNAのペレッ
トを得る。得られた試験ゲノムDNAのペレットを乾燥し、試験ゲノムDNAを試験ER
αポリヌクレオチドにすることができるように、滅菌水に溶解する。
【0222】 もう1つの選択肢として、末梢血を試験試料として使用し、そこから試験ゲノ
ムDNAを得ることもできる。10mlの血液を試験対象から採取し、DNA Extraction
Kit(Stratagene)を使ってその血液から試験ゲノムDNAを抽出する。
【0223】 6.9.2.PCR-SSCP法による試験ゲノムDNAの解析 試験ゲノムDNAを用いるPCR増幅のために、フォワード検索オリゴヌクレオチド
とリバース検索オリゴヌクレオチドの組み合わせを選択する。フォワードおよび
リバース検索オリゴヌクレオチドは、試験ERαポリヌクレオチド中の検索領域の
位置に基づいて選択される。下記表12に、フォワードおよびリバース検索オリゴ
ヌクレオチドの組み合わせを、与えられた相対位置の置換アミノ酸をコードする
変異コドンを含有すると疑われる検索領域と共に示す。
【0224】
【表13】
【0225】 フォワードおよびリバース検索オリゴヌクレオチドの組み合わせをDNAシンセ
サイザーで合成する。DNA MEGALABEL Kit(宝酒造)を使ってフォワードおよび
リバース検索オリゴヌクレオチドのそれぞれを32Pで標識する。次に試験ゲノムD
NAをそれぞれPCR増幅に使用して、増幅された検索領域ポリヌクレオチドを得る
。これらのPCR増幅において各PCR混合物はAmplitaq DNAポリメラーゼ(Perkin E
lmer)、400μMのdNTP(100μM dATP、100μM dTTP、100μM dGTPおよび100μM
dCTP)、100pmolの32P標識フォワード検索オリゴヌクレオチド、100pmolの32P標
識リバース検索オリゴヌクレオチド、1μgの試験ゲノムDNA、およびAmplitaq DN
Aポリメラーゼと一緒に提供される緩衝液を含む。各PCR増幅では、94℃で1分間
のインキュベーション、次いで55℃で30秒間のインキュベーションの後、72℃で
1分間のインキュベーションを課すインキュベーションサイクルを、各PCR増幅に
ついて35回繰り返す。
【0226】 PCR増幅後に、増幅された各検索領域ポリヌクレオチドから採取した1/20体積
の試料を80%ホルムアミド中、80℃で5分間熱変性させる。次に、熱変性した各
検索領域ポリヌクレオチドを、180mM トリス-ホウ酸緩衝液(pH8.0)を用いる5
%非変性ポリアクリルアミドゲルでの電気泳動にかける。電気泳動の条件には室
温空冷かつ40Wの定電力で60分を含める。電気泳動後に、その5%非変性ポリアク
リルアミドゲルをX線フィルムを使って従来の方法でオートラジオグラフィーに
かけて、検索領域の放射活性を検出する。
【0227】 変異コドンをコードする産物は5%非変性ポリアクリルアミドゲルでは正常コ
ドンをコードする産物とは異なる移動度を持つので、検索領域ポリヌクレオチド
の各移動度を、ヒト正常ERα中の対応する領域をコードする標準ポリヌクレオチ
ドと比較することにより、検索領域中の変異の有無が検出される。
【0228】 6.9.3.変異の決定 検索領域中の変異コドンを検出したら、検索領域ポリヌクレオチドを含む1mm
角の切片を5%非変性ポリアクリルアミドゲルから切り出す。1mm角の切片のそれ
ぞれを100μlの滅菌水中90℃で10分間処理して、検索領域ポリヌクレオチドを1m
m角の切片から回収する。次に、検索領域ポリヌクレオチドの1/20体積試料をそ
れぞれ2回目のPCR増幅に使用する。これらのPCR増幅では、上記6.9.2項で使用し
た検索オリゴヌクレオチドの組み合わせを使用した。これらのPCR増幅における
各PCR混合物は、Amplitaq DNAポリメラーゼ(ABI)、400μMのdNTP(100μM dAT
P、100μM dTTP、100μM dGTPおよび100μM dCTP)、フォワード検索オリゴヌク
レオチド、リバース検索オリゴヌクレオチド、試験DNA断片の一つ、およびAmpli
taq DNAポリメラーゼと一緒に提供される緩衝液を含む。各PCR増幅では、94℃で
1分間のインキュベーション、次いで55℃で30秒間のインキュベーションの後、7
2℃で1分間のインキュベーションを課すインキュベーションサイクルを、35回繰
り返す。
【0229】 反応の完了後に、増幅された検索領域ポリヌクレオチドを、低融点アガロース
ゲル電気泳動(アガロースL、ニッポンジーン)にかける。増幅された検索領域
ポリヌクレオチドを低融点アガロースゲルから回収した後、回収された検索領域
ポリヌクレオチドを、Dye Terminator Cycle Sequence Ready Reaction Kit(Ap
plied Biosystems)を使って調製する。調製した検索領域ポリヌクレオチドの試
料をそれぞれABI自動シークエンサー(モデル377、Applied Biosystems)で配列
決定して、検索領域中に変異コドンがあれば、その変異コドン中の変異を決定す
る。
【0230】 6.10.実施例10 RFLP法による遺伝子型診断 試験ゲノムDNAまたは試験cDNAを用いるPCR増幅のために、フォワード検索オリ
ゴヌクレオチドとリバース検索オリゴヌクレオチドの組み合わせを選択する。フ
ォワードおよびリバース検索オリゴヌクレオチドは、試験ERαポリヌクレオチド
中の検索領域の位置に基づいて選択される。下記表13に、フォワードおよびリバ
ース検索オリゴヌクレオチドの組み合わせを、与えられた相対位置の置換アミノ
酸をコードする変異コドンを含有すると疑われる検索領域と共に示す。
【0231】
【表14】
【0232】 PCR増幅に試験ゲノムDNAまたは試験cDNAを使って、約100または160bpのサイズ
を持つ検索領域ポリヌクレオチドを増幅する。これらのPCR増幅における各PCR混
合物は、Amplitaq DNAポリメラーゼ(ABI)、試験ゲノムDNAまたは試験cDNA、dN
TP(dATP、dTTP、dGTPおよびdCTP)、フォワード検索オリゴヌクレオチド、リバ
ース検索オリゴヌクレオチド、およびAmplitaq DNAポリメラーゼと一緒に提供さ
れる緩衝液を含む。各PCR増幅では、94℃で1分間のインキュベーション、次いで
55℃で30秒間のインキュベーションの後、72℃で1分間のインキュベーションを
課すインキュベーションサイクルを、35回繰り返す。
【0233】 次に、各検索領域ポリヌクレオチドの試料をそれぞれ制限消化反応用の様々な
制限酵素(各制限消化反応につき1制限酵素)と混合し、37℃で1時間インキュベ
ートする。その制限消化反応混合物をアガロースゲル電気泳動にかけて、検索領
域ポリヌクレオチドが様々な制限酵素の一つによってうまく制限消化されるかど
うかを確認する。下記表14および表15に示す制限酵素による制限消化の成功によ
り、下記表14および表15に示す与えられた相対位置の置換アミノ酸をコードする
変異コドンが検索領域中に存在するかどうかが示される。
【0234】
【表15】
【0235】 表14では、与えられた相対位置のアミノ酸をコードするコドンにおける与えら
れた制限酵素による制限消化の不成功により、当該コドンは変異コドンであるこ
とが示される。このような場合は、ABI自動シークエンサー(モデル377、Applie
d Biosystems)を使って当該検索領域を配列決定して、検索領域中に変異コドン
があるなら、その変異コドン中の変異を決定する。
【0236】
【表16】
【0237】 表15の場合は、与えられた相対位置のアミノ酸をコードするコドンにおける与
えられた制限酵素による制限消化の成功により、当該コドンは変異コドンである
ことが示される。このような場合は、検索領域中に変異コドンがあるとすれば、
その変異コドン中の変異は上記表15に記載のヌクレオチド配列であると決定され
る。
【0238】 6.11.実施例11 サザンハイブリダイゼーション法による遺伝子型診断 6.9.1項で得た5μgの試験ゲノムDNAを制限酵素StuIで完全に制限消化する。そ
の制限消化反応混合物を、4%Nusieve 3:1アガロースゲル(FMC BIO)を使って
、20Vで16時間の電気泳動にかける。キャピラリーアルカリブロット法(Hybond
blotting membrane manual、Amerscham)を使って、4%Nuseive 3:1アガロース
ゲル中の分離されたDNA断片をナイロンメンブレンに2時間ブロットする。続いて
、ブロットしたフィルターを2×SSC緩衝液(0.3M NaCl、0.33M クエン酸Na、pH7
.0)で軽く洗浄し、ブロットしたナイロンメンブレンを80℃で90分間乾燥する。
【0239】 ブロットしたナイロンメンブレンを55℃で16時間、プレハイブリダイゼーショ
ン緩衝液(6×SSPE(0.9M NaCl、0.052M NaH2PO2、7.5mM EDTA)、0.5%SDS、5
×デンハルト液、および0.1mg/mlサケ精子DNA)で処理する。次にプレハイブリ
ダイゼーション緩衝液を等体積のハイブリダイゼーション緩衝液(6×SSPE(0.9
M NaCl、0.052M NaH2PO2、7.5mM EDTA)、0.5%SDS、5×デンハルト液、0.1mg/m
lサケ精子DNAおよび32P標識プローブオリゴヌクレオチド)と交換する。ハイブ
リダイゼーション緩衝液中の32P標識プローブオリゴヌクレオチドの放射能濃度
は、ハイブリダイゼーション緩衝液150ml毎に少なくとも10×108cpmである。32P
標識プローブオリゴヌクレオチドとしては、末端が32Pで標識された配列番号81
に記載のオリゴヌクレオチドを利用する。32P標識プローブは、T4ポリヌクレオ
チドキナーゼと一緒に提供される緩衝液中で、γ-32P-ATP、T4ポリヌクレオチド
キナーゼおよび配列番号81に記載のオリゴヌクレオチド1μgを、37℃で1時間イ
ンキュベートすることによって作製する。
【0240】 ハイブリダイゼーションの後、ブロットしたナイロンメンブレンを、1×SSC(
0.15M NaCl、15mMクエン酸ナトリウム)および0.5%SDSを含む洗浄緩衝液で2回
洗浄する。ブロッティングフィルターを2回洗浄する際には、各洗浄後に、ブロ
ットしたナイロンメンブレンを洗浄緩衝液中、62℃で40分間インキュベートする
【0241】 次にブロットしたメンブレンをX線フィルムで10日間オートラジオグラフィー
にかけて、制限酵素StuIが相対位置494の置換アミノ酸をコードする変異コドン
と思われる検索領域中のコドンとオーバーラップする制限部位を制限消化するこ
とができるかどうかを解析する。制限酵素StuIによる制限消化の成功は、試験ER
αポリヌクレオチド中に、相対位置494のアミノ酸をコードするコドンとオーバ
ーラップして、AGGCCTを包含するヌクレオチド配列が存在することを示す。この
ような場合、試験ERαは正常ERαであると決定される。対応する部位での制限酵
StuIによる制限消化の失敗は、試験ERαポリヌクレオチドの相対位置494に置
換アミノ酸をコードする変異コドンが存在することを示す。このような場合は、
ABI自動シークエンサー(モデル377、Applied Biosystems)を使って検索領域を
配列決定し、検索領域に変異コドンがあれば、その中の変異を決定する。
【0242】 6.12.実施例12 ヒト正常ARをコードするプラスミドの作製 ヒト前立腺cDNAライブラリー(CLONETECH、QUICK clone cDNA#7123-1)を利
用して、そこからヒト正常ARをコードするcDNA(Genbankアクセッション番号M23
263)をPCR増幅する。このPCR増幅におけるPCR混合物は、ヒト前立腺cDNAライブ
ラリー10ng、配列番号176に記載のオリゴヌクレオチド10pmol、配列番号177に記
載のオリゴヌクレオチド10pmol、LA-Taqポリメラーゼ(宝酒造)、LA-Taqポリメ
ラーゼと一緒に提供される緩衝液、およびdNTP(dATP、dTTP、dGTP、dCTP)を含
む。配列番号176および配列番号177に記載のオリゴヌクレオチドは、DNAシンセ
サイザー(モデル394、Applied Biosystems)を使って合成する。このPCR増幅で
は、PCRsystem 9700(Applied Biosystems)を使って、95℃で1分間のインキュ
ベーションの後、68℃で3分間のインキュベーションを課すインキュベーション
サイクルを35回繰り返す。
【0243】 得られたPCR混合物を低融点アガロースゲル電気泳動(アガロースL、ニッポン
ジーン)にかけて、ヒト正常ARをコードするcDNAがPCR増幅されることを臭化エ
チジウム染色で確認する。増幅されたcDNAを低融点アガロースゲルから回収した
後、回収したcDNAの試料をDye Terminator Sequence Kit FS(Applied Biosyste
ms)を使って調製する。調製したcDNA試料をABI自動シークエンサー(モデル377
、Applied Biosystems)で配列決定する。
【0244】 次に、cDNA中の開始コドン(ATG)のすぐ上流にKozakコンセンサス配列を加え
るために、新たなPCR増幅を行う。このPCR増幅におけるPCR混合物は、ヒト正常A
RをコードするcDNA 100ng、配列番号178に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号
179に記載のオリゴヌクレオチド、LA-Taqポリメラーゼ(宝酒造)、LA-Taqポリ
メラーゼと一緒に提供される緩衝液、およびdNTP(dATP、dTTP、dGTP、dCTP)を
含む。このPCR増幅では、95℃で1分間のインキュベーションの後、68℃で3分間
のインキュベーションを課すインキュベーションサイクルを25回繰り返す。得ら
れたPCR混合物を低融点アガロースゲル電気泳動(アガロースL、ニッポンジーン
)にかける。増幅されたcDNAを低融点アガロースゲルから回収した後、1μgの増
幅cDNAをDNA Blunting Kit(宝酒造)で処理して、増幅cDNAの末端を平滑化する
。次に、それによって得たcDNAをT4ポリヌクレオチドキナーゼと反応させて、そ
の末端をリン酸化する。リン酸化されたcDNAをフェノール処理した後、リン酸化
cDNAをエタノール沈殿して、精製型のリン酸化cDNAを得る。
【0245】 プラスミドpRc/RSV(Invitrogen)を制限酵素HindIIIで消化した後、65℃で1
時間、BAPで処理する。次に、制限消化pRc/RSVをフェノール処理およびエタノー
ル沈殿によって精製する。次に、制限消化pRc/RSVをDNA Blunting Kit(宝酒造
)で処理してその末端を平滑化し、低融点アガロースゲル電気泳動(アガロース
L、ニッポンジーン)にかける。制限消化されたpRc/RSVを低融点アガロースゲル
から回収した後、その制限消化pRc/RSV 100ngおよび上記精製型リン酸化cDNAの
全てをT4 DNAリガーゼによるライゲーション反応に使用する。そのライゲーショ
ン反応混合物を使って大腸菌コンピテントDH5α細胞(東洋紡)を形質転換する
。形質転換した大腸菌細胞をLB-ampで培養する。次にアンピシリン耐性を示すク
ローンを回収する。次にそれらクローンの一部を使って、上記ライゲーション反
応によって生成したプラスミドをそこから単離する。次に、単離された各プラス
ミドの部分試料を、Dye Terminator Sequence Kit FS(Applied Biosystems)を
使って調製する。単離されたプラスミドをABI自動シークエンサー(モデル377、
Applied Biosystems)で配列決定して、ヒト正常ARをコードするプラスミドが存
在することを確認する。そのようなプラスミドを選択し、pRc/RSV-hAR Kozakと
名づける。
【0246】 6.13.実施例13 ヒト正常GRをコードするプラスミドの作製 ヒト肝臓cDNAライブラリー(CLONETECH、QUICK clone cDNA#7113-1)を利用
して、そこからヒト正常GRをコードするcDNA(Genbankアクセッション番号M1090
1)をPCR増幅する。このPCR増幅におけるPCR混合物は、ヒト肝臓cDNAライブラリ
ー10ng、配列番号180に記載のオリゴヌクレオチド10pmol、配列番号181に記載の
オリゴヌクレオチド10pmol、LA-Taqポリメラーゼ(宝酒造)、LA-Taqポリメラー
ゼと一緒に提供される緩衝液、およびdNTP(dATP、dTTP、dGTP、dCTP)を含む。
配列番号180および配列番号181に記載のオリゴヌクレオチドは、DNAシンセサイ
ザー(モデル394、Applied Biosystems)を使って合成する。このPCR増幅では、
PCRsystem 9700(Applied Biosystems)を使って、95℃で1分間のインキュベー
ションの後、60℃で3分間のインキュベーションを課すインキュベーションサイ
クルを35回繰り返す。
【0247】 得られたPCR混合物を低融点アガロースゲル電気泳動(アガロースL、ニッポン
ジーン)にかけて、ヒト正常GRをコードするcDNAがPCR増幅されることを臭化エ
チジウム染色で確認する。増幅されたcDNAを低融点アガロースゲルから回収した
後、回収したcDNAの試料をDye Terminator Sequence Kit FS(Applied Biosyste
ms)を使って調製する。調製したcDNA試料をABI自動シークエンサー(モデル377
、Applied Biosystems)で配列決定する。
【0248】 次に、cDNA中の開始コドン(ATG)のすぐ上流にKozakコンセンサス配列を加え
るために、新たなPCR増幅を行う。このPCR増幅におけるPCR混合物は、ヒト正常G
RをコードするcDNA 100ng、配列番号182に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号
183に記載のオリゴヌクレオチド、LA-Taqポリメラーゼ(宝酒造)、LA-Taqポリ
メラーゼと一緒に提供される緩衝液、およびdNTP(dATP、dTTP、dGTP、dCTP)を
含む。このPCR増幅では、95℃で1分間のインキュベーションの後、60℃で3分間
のインキュベーションを課すインキュベーションサイクルを25回繰り返す。得ら
れたPCR混合物を低融点アガロースゲル電気泳動(アガロースL、ニッポンジーン
)にかける。増幅されたcDNAを低融点アガロースゲルから回収した後、1μgの増
幅cDNAをDNA Blunting Kit(宝酒造)で処理して、増幅cDNAの末端を平滑化する
。次に、それによって得たcDNAをT4ポリヌクレオチドキナーゼと反応させて、そ
の末端をリン酸化する。リン酸化されたcDNAをフェノール処理した後、リン酸化
cDNAをエタノール沈殿して、精製型のリン酸化cDNAを得る。
【0249】 プラスミドpRc/RSV(Invitrogen)を制限酵素HindIIIで消化した後、65℃で1
時間、BAPで処理する。次に、制限消化pRc/RSVをフェノール処理およびエタノー
ル沈殿によって精製する。次に、制限消化pRc/RSVをDNA Blunting Kit(宝酒造
)で処理してその末端を平滑化し、低融点アガロースゲル電気泳動(アガロース
L、ニッポンジーン)にかける。制限消化されたpRc/RSVを低融点アガロースゲル
から回収した後、その制限消化pRc/RSV 100ngおよび上記精製型リン酸化cDNAの
全てをT4 DNAリガーゼによるライゲーション反応に使用する。その反応混合物を
使って大腸菌コンピテントDH5α細胞(東洋紡)を形質転換する。形質転換した
大腸菌細胞をLB-ampで培養する。次にアンピシリン耐性を示すクローンを回収す
る。次にそれらクローンの一部を使って、上記ライゲーション反応によって生成
したプラスミドをそこから単離する。次に、単離された各プラスミドの部分試料
を、Dye Terminator Sequence Kit FS(Applied Biosystems)を使って調製する
。単離されたプラスミドをABI自動シークエンサー(モデル377、Applied Biosys
tems)で配列決定して、ヒト正常GRをコードするプラスミドが存在することを確
認する。そのようなプラスミドを選択し、pRc/RSV-hGR Kozakと名づける。
【0250】 6.14.実施例14 ヒト正常PRをコードするプラスミドの作製 ヒト肝臓cDNAライブラリー(CLONETECH、QUICK clone cDNA#7113-1)を利用
して、そこからヒト正常PRをコードするcDNA(Genbankアクセッション番号M1571
6)をPCR増幅する。このPCR増幅におけるPCR混合物は、ヒト肝臓cDNAライブラリ
ー10ng、配列番号184に記載のオリゴヌクレオチド10pmol、配列番号185に記載の
オリゴヌクレオチド10pmol、LA-Taqポリメラーゼ(宝酒造)、LA-Taqポリメラー
ゼと一緒に提供される緩衝液、およびdNTP(dATP、dTTP、dGTP、dCTP)を含む。
配列番号184および配列番号185に記載のオリゴヌクレオチドは、DNAシンセサイ
ザー(モデル394、Applied Biosystems)を使って合成する。このPCR増幅では、
PCRsystem 9700(Applied Biosystems)を使って、95℃で1分間のインキュベー
ションの後、55℃で3分間のインキュベーションを課すインキュベーションサイ
クルを35回繰り返す。
【0251】 得られたPCR混合物を低融点アガロースゲル電気泳動(アガロースL、ニッポン
ジーン)にかけて、ヒト正常PRをコードするcDNAがPCR増幅されることを臭化エ
チジウム染色で確認する。増幅されたcDNAを低融点アガロースゲルから回収した
後、回収したcDNAの試料をDye Terminator Sequence Kit FS(Applied Biosyste
ms)を使って調製する。調製したcDNA試料をABI自動シークエンサー(モデル377
、Applied Biosystems)で配列決定する。
【0252】 次に、cDNA中の開始コドン(ATG)のすぐ上流にKozakコンセンサス配列を加え
るために、新たなPCR増幅を行う。このPCR増幅におけるPCR混合物は、ヒト正常P
RをコードするcDNA 100ng、配列番号186に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号
187に記載のオリゴヌクレオチド、LA-Taqポリメラーゼ(宝酒造)、LA-Taqポリ
メラーゼと一緒に提供される緩衝液、およびdNTP(dATP、dTTP、dGTP、dCTP)を
含む。このPCR増幅では、95℃で1分間のインキュベーションの後、55℃で3分間
のインキュベーションを課すインキュベーションサイクルを25回繰り返す。得ら
れたPCR混合物を低融点アガロースゲル電気泳動(アガロースL、ニッポンジーン
)にかける。増幅された試験cDNAを低融点アガロースゲルから回収した後、1μg
の増幅試験cDNAをDNA Blunting Kit(宝酒造)で処理して、増幅試験cDNAの末端
を平滑化する。次に、それによって得た試験cDNAをT4ポリヌクレオチドキナーゼ
と反応させて、cDNAの末端をリン酸化する。リン酸化された試験cDNAをフェノー
ル処理した後、リン酸化試験cDNAをエタノール沈殿して、精製型のリン酸化試験
cDNAを得る。
【0253】 プラスミドpRc/RSV(Invitrogen)を制限酵素HindIIIで消化した後、65℃で1
時間、BAPで処理する。次に、制限消化pRc/RSVをフェノール処理およびエタノー
ル沈殿によって精製する。次に、制限消化pRc/RSVをDNA Blunting Kit(宝酒造
)で処理してその末端を平滑化し、低融点アガロースゲル電気泳動(アガロース
L、ニッポンジーン)にかける。制限消化されたpRc/RSVを低融点アガロースゲル
から回収した後、その制限消化pRc/RSV 100ngおよび上記精製型リン酸化試験cDN
Aの全てをT4 DNAリガーゼによるライゲーション反応に使用する。その反応混合
物を使って大腸菌コンピテントDH5α細胞(東洋紡)を形質転換する。形質転換
した大腸菌細胞をLB-ampで培養する。次にアンピシリン耐性を示すクローンを回
収する。次にそれらクローンの一部を使って、上記ライゲーション反応によって
生成したプラスミドをそこから単離する。次に、単離された各プラスミドの部分
試料を、Dye Terminator Sequence Kit FS(Applied Biosystems)を使って調製
する。単離されたプラスミドをABI自動シークエンサー(モデル377、Applied Bi
osystems)で配列決定して、ヒト正常PRをコードするプラスミドが存在すること
を確認する。そのようなプラスミドを選択し、pRc/RSV-hPR Kozakと名づける。
【0254】 6.15.ヒト正常MRをコードするプラスミドの作製 ヒト肝臓cDNAライブラリー(CLONETECH、QUICK clone cDNA#7113-1)を利用
して、そこからヒト正常MRをコードするcDNA(Genbankアクセッション番号M1680
1)をPCR増幅する。このPCR増幅におけるPCR混合物は、ヒト肝臓cDNAライブラリ
ー10ng、配列番号188に記載のオリゴヌクレオチド10pmol、配列番号189に記載の
オリゴヌクレオチド10pmol、LA-Taqポリメラーゼ(宝酒造)、LA-Taqポリメラー
ゼと一緒に提供される緩衝液、およびdNTP(dATP、dTTP、dGTP、dCTP)を含む。
配列番号188および配列番号189に記載のオリゴヌクレオチドは、DNAシンセサイ
ザー(モデル394、Applied Biosystems)を使って合成する。このPCR増幅では、
PCRsystem 9700(Applied Biosystems)を使って、95℃で1分間のインキュベー
ションの後、60℃で3分間のインキュベーションを課すインキュベーションサイ
クルを35回繰り返す。
【0255】 得られたPCR混合物を低融点アガロースゲル電気泳動(アガロースL、ニッポン
ジーン)にかけて、ヒト正常MRをコードするcDNAがPCR増幅されることを臭化エ
チジウム染色で確認する。増幅されたcDNAを低融点アガロースゲルから回収した
後、回収したcDNAの試料をDye Terminator Sequence Kit FS(Applied Biosyste
ms)を使って調製する。調製したcDNA試料をABI自動シークエンサー(モデル377
、Applied Biosystems)で配列決定する。
【0256】 次に、cDNA中の開始コドン(ATG)のすぐ上流にKozakコンセンサス配列を加え
るために、新たなPCR増幅を行う。このPCR増幅におけるPCR混合物は、ヒト正常M
RをコードするcDNA 100ng、配列番号190に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号
191に記載のオリゴヌクレオチド、LA-Taqポリメラーゼ(宝酒造)、LA-Taqポリ
メラーゼと一緒に提供される緩衝液、およびdNTP(dATP、dTTP、dGTP、dCTP)を
含む。このPCR増幅では、95℃で1分間のインキュベーションの後、60℃で3分間
のインキュベーションを課すインキュベーションサイクルを25回繰り返す。得ら
れたPCR混合物を低融点アガロースゲル電気泳動(アガロースL、ニッポンジーン
)にかける。増幅されたcDNAを低融点アガロースゲルから回収した後、1μgの増
幅cDNAをDNA Blunting Kit(宝酒造)で処理して、増幅cDNAの末端を平滑化する
。次に、それによって得たcDNAをT4ポリヌクレオチドキナーゼと反応させて、そ
の末端をリン酸化する。リン酸化されたcDNAをフェノール処理した後、リン酸化
cDNAをエタノール沈殿して、精製型のリン酸化cDNAを得る。
【0257】 プラスミドpRc/RSV(Invitrogen)を制限酵素HindIIIで消化した後、65℃で1
時間、BAPで処理する。次に、制限消化pRc/RSVをフェノール処理およびエタノー
ル沈殿によって精製する。次に、制限消化pRc/RSVをDNA Blunting Kit(宝酒造
)で処理してその末端を平滑化し、低融点アガロースゲル電気泳動(アガロース
L、ニッポンジーン)にかける。制限消化されたpRc/RSVを低融点アガロースゲル
から回収した後、その制限消化pRc/RSV 100ngおよび上記精製型リン酸化cDNAの
全てをT4 DNAリガーゼによるライゲーション反応に使用する。その反応混合物を
使って大腸菌コンピテントDH5α細胞(東洋紡)を形質転換する。形質転換した
大腸菌細胞をLB-ampで培養する。次にアンピシリン耐性を示すクローンを回収す
る。次にそれらクローンの一部を使って、上記ライゲーション反応によって生成
したプラスミドをそこから単離する。次に、単離された各プラスミドの部分試料
を、Dye Terminator Sequence Kit FS(Applied Biosystems)を使って調製する
。単離されたプラスミドをABI自動シークエンサー(モデル377、Applied Biosys
tems)で配列決定して、ヒト正常MRをコードするプラスミドが存在することを確
認する。そのようなプラスミドを選択し、pRc/RSV-hMR Kozakと名づける。
【0258】 6.16.実施例16 MMTVレポーター遺伝子を染色体の一つに安定に含有する安定
形質転換細胞の作製 プラスミドpMSG(Pharmacia)を制限酵素HindIIIおよびSmaIで制限消化して、
1463bpのサイズを持ちMMTV-LTR領域の部分配列をコードするDNA断片を得る。次
にその1463bp DNA断片をDNA Blunting Kit(宝酒造)で処理して、当該1463bp D
NA断片の末端を平滑化する。
【0259】 ホタルルシフェラーゼ遺伝子をコードするプラスミドpGL3(Promega)を、制
限酵素BglIIおよびHindIIIで制限消化した後、65℃で1時間、BAPで処理する。次
にその制限消化反応混合物を低融点アガロースゲル電気泳動(アガロースL、ニ
ッポンジーン)にかけて、ホタルルシフェラーゼをコードするヌクレオチド配列
を持つDNA断片が存在することを確認した。次に、ホタルルシフェラーゼをコー
ドするヌクレオチド配列を持つDNA断片を低融点アガロースゲルから回収した。
次に、ホタルルシフェラーゼをコードするヌクレオチド配列を持つ回収したDNA
断片100ngと、上記1463bp DNA断片1μgとを、T4 DNAリガーゼによるライゲーシ
ョン反応に使用する。次に、そのライゲーション反応混合物を使って大腸菌コン
ピテントDH5α細胞(東洋紡)を形質転換する。形質転換した大腸菌細胞をLB-am
pで培養する。次に、アンピシリン耐性を示すクローンを回収する。次に、それ
らクローンの一部を使って、上記ライゲーション反応によって生成したプラスミ
ドをそこから単離する。次に、単離された各プラスミドの部分試料を制限酵素Kp n IおよびClaIで制限消化する。その制限消化反応混合物を、アガロースゲル電気
泳動にかけて、ホタルルシフェラーゼをコードするヌクレオチド配列を持つDNA
断片の上流に作動的に配された上記1463bp DNA断片1コピー(以下MMTVレポータ
ー遺伝子という)を含有するプラスミドが存在することを確認する。そのような
プラスミドを選択し、pGL3-MMTVと名づける。
【0260】 プラスミドpUCSV-BSD(フナコシ)を制限酵素BamHIで制限消化して、ブラスト
サイジンSデアミナーゼ遺伝子発現カセットをコードするDNAを調製する。また、
プラスミドpGL3-MMTVを制限酵素BamHIで制限消化した後、65℃で1時間、BAPで処
理する。得られたブラストサイジンSデアミナーゼ遺伝子発現カセットコードDNA
と制限消化pGL3-MMTVとを混合して、T4 DNAリガーゼによるライゲーション反応
に使用する。そのライゲーション反応混合物を使って大腸菌コンピテントDH5α
細胞を形質転換する。形質転換した大腸菌細胞をLB-ampで培養する。次にアンピ
シリン耐性を示すクローンを回収する。次にそれらクローンの一部を使って、上
記ライゲーション反応によって生成したプラスミドをそこから単離する。次に単
離された各プラスミドの部分試料をDye Terminator Sequence Kit FS(Applied
Biosystems)を使って調製する。単離されたプラスミドをABI自動シークエンサ
ー(モデル377、Applied Biosystems)で配列決定して、ブラストサイジンSデア
ミナーゼ遺伝子発現カセットをコードするDNAがpGL3-MMTVのBamHIの制限部位に
挿入されている構造を持つプラスミドが存在することを確認する。そのような構
造を持つプラスミドを選択し、pGL3-MMTV-BSDと名づける。
【0261】 染色体の一つにMMTVレポーター遺伝子を安定に含有する安定形質転換細胞(以
下、安定形質転換MMTVカセット細胞という)を作製するために、プラスミドpGL3
-MMTV-BSDを線状化し、HeLa細胞に導入した。
【0262】 プラスミドpGL3-MMTV-BSDを線状化するために、pGL3-MMTV-BSDを制限酵素SalI
で制限消化する。
【0263】 直径約10cmの培養皿(Falcon)を使用し、10%FBSを含むDMEM培地(日水製薬
)にて、5%CO2下に37℃で、約5×105個のHeLa細胞を宿主細胞として1日培養し
た。
【0264】 次に、線状化したpGL3-MMTV-BSDをリポフェクトアミン(Life Technologies)
を用いるリポフェクション法によって培養HeLa細胞に導入する。リポフェクトア
ミンと一緒に提供されるマニュアルに従い、このリポフェクション法の条件には
、5時間の処理、7μg/培養皿の線状化pGL3-MMTV-BSDおよび21μl/培養皿のリポ
フェクトアミンを含めた。
【0265】 リポフェクション処理の後、DMEM培地を、10%FBSを含むDMEM培地と交換し、
形質転換HeLa細胞を約36時間培養する。次に、形質転換HeLa細胞をトリプシン処
理によって培養皿から除去、収集し、ブラストサイジンSを16μg/mlの濃度にな
るように添加した培地を含む容器に移す。ブラストサイジンS含有培地を3、4日
毎に新しいバッチのブラストサイジンS含有培地に交換しながら、前記ブラスト
サイジンS含有培地で形質転換HeLa細胞を1ヶ月培養する。
【0266】 その結果増殖して1〜数mmの直径を持つコロニーを形成することができるクロ
ーンを、前もって培地を分注しておいた96ウェルViewPlate(Berthold)のウェ
ルに、丸ごと移す。それらクローンのコロニーをさらに培養する。クローンが増
殖して各ウェルの底面の50%以上を覆うようになったら(移植の約5日後)、そ
れらのクローンをトリプシン処理によって除去、収集する。次にクローンを2つ
の継代培養物に分割する。一方の継代培養物は96ウェルViewPlateに移して、そ
れをマスタープレートとする。他方の継代培養物は96ウェルViewPlateに移して
、これをアッセイプレートとする。マスタープレートとアッセイプレートには、
クローンを培養することができるように培地が含まれている。マスタープレート
は同様の条件で引き続き培養する。
【0267】 次に、培地をアッセイプレートのウェルから除去し、ウェル壁に付着したクロ
ーンをPBS(-)で2回洗浄する。5倍希釈した溶解緩衝液PGC50(東洋インキ)をア
ッセイプレートのウェル中のクローンに1ウェルあたり20μlずつ加える。そのア
ッセイプレートを室温で30分間静置した後、自動基質注入器を装着したルミノメ
ーターLB96P(Berthold)にセットする。次に、基質溶液PGL100(東洋インキ)5
0μlをアッセイプレート中の各溶解クローンに自動的に分注して、各ウェル中の
ルシフェラーゼ活性をルミノメーターLB96Pで測定する。高いルシフェラーゼ活
性を示した複数のクローンをそこから選択する。
【0268】 次に、選択したクローンの試料を、直径約10cmの培養皿(Falcon)を用いて、
活性炭デキストランFBS/E-MEM培地中、5%CO2下に、37℃で1〜2週間培養する。
【0269】 次に、リポフェクトアミン(Life Technologies)を用いるリポフェクション
法により、プラスミドpRc/RSV-hAR Kozakを、上で選択したクローンに導入して
、2次クローンを得る。リポフェクトアミンと一緒に提供されるマニュアルに従
い、このリポフェクション法の条件には、5時間の処理、7μg/培養皿の上記プラ
スミド、および21μl/培養皿のリポフェクトアミンを含めた。次に、得られた2
次クローンに、正常ARの天然のコグネイトリガンドであるジヒドロテストステロ
ン(DHT)を含有するDMSO溶液を、DHT濃度が10nMになるように添加する。2次ク
ローンを2日間培養した後、各2次クローンについて上記と同様にルシフェラーゼ
活性を測定する。最も高いルシフェラーゼ活性の誘導を示す2次クローンを与え
たマスタープレート中のクローンを、安定形質転換MMTVカセット細胞として選択
する。
【0270】 ちなみに、安定形質転換MMTVカセット細胞は、AR、GR、PR、MRなどを用いるレ
ポーターアッセイに使用することができる。
【0271】 6.17.実施例17 ヒト試験ARとしてヒト正常ARを用いるレポーターアッセイ 6.17.1.安定形質転換MMTVカセット細胞の調製 6.16項で得た安定形質転換MMTVカセット細胞約2×106個を直径約10cmの培養皿
(Falcon)を使って、5%CO2下に、活性炭デキストランFBS/E-MEM培地で1日培養
する。
【0272】 一過性発現のために、プラスミドpRc/RSV-hAR Kozakを、リポフェクトアミン
(Life Technologies)を用いるリポフェクション法により、安定形質転換MMTV
カセット細胞の継代培養物に導入する。リポフェクトアミンと一緒に提供される
マニュアルに従い、このリポフェクション法の条件には、5時間の処理、7μg/培
養皿のpRc/RSV-hAR Kozak、および21μl/培養皿のリポフェクトアミンを含める
。得られた細胞継代培養物を5%CO2下に37℃で16時間培養した後、活性炭デキス
トランFBS/E-MEM培地を新しいバッチの活性炭デキストランFBS/E-MEM培地に交換
して、細胞継代培養物をさらに3時間培養する。次に、細胞継代培養物を収集し
、活性炭デキストランFBS/E-MEM培地に均一に懸濁して、その継代培養物とする
【0273】 6.17.2.MMTVレポーター遺伝子転写活性化活性の測定 第1DMSO溶液は様々な濃度のフルタミドを含むように調製する。第1DMSO溶液で
は、正常ARに対するアゴニストとしてフルタミドを使用する。また、第2DMSO溶
液は10nMのDHTと様々な濃度のフルタミドとを含むように調製する。第2DMSO溶液
では、正常ARに対するアンタゴニストとしてフルタミドを使用する。
【0274】 次に、96ウェルViewPlateで、第1および第2DMSO溶液をそれぞれ上記6.17.1項
で調製した継代培養物と、各ウェル中の第1または第2DMSO溶液の濃度が約0.1%
(v/v)になるように混合する。また、標準物質として、6.17.1項で得た細胞継
代培養物の試料を96ウェルViewPlateのウェルで、DHTを含有するDMSO溶液と混合
する。
【0275】 次に、細胞を5%CO2下に37℃で40時間培養する。5倍希釈した溶解緩衝液PGC50
(東洋インキ)をウェル中の継代培養物に1ウェルあたり50μlずつ加える。その
96ウェルViewPlateをときどき穏やかに振とうしながら室温で30分間インキュベ
ートする。次に、溶解した細胞10μlをそれぞれ白色96ウェルサンプルプレート
(Berthold)に移し、自動基質注入器を装着したルミノメーターLB96P(Berthol
d)にセットする。次に、基質溶液PGL100(東洋インキ)50μlを白色96ウェルサ
ンプルプレート中の各溶解細胞にそれぞれ自動的に分注して、各ウェル中のルシ
フェラーゼ活性をルミノメーターLB96Pで直ちに5秒間測定する。
【0276】 また、上記レポーターアッセイでは、試験ARとして変異ARを使用することもで
きる。この場合は、pRc/RSV-hAR Kozakの代わりに変異ARをコードするプラスミ
ドを使用する。変異ARをコードするプラスミドを得るには、上記と同様にして、
変異ARをコードするポリヌクレオチドの上流にKozakコンセンサス配列を作動的
に付加し、得られたポリヌクレオチドをプラスミドpRc/RSV(Invitrogen)中のH in dIIIの制限部位に挿入する。
【0277】 6.18.実施例18 ヒト試験GRとしてヒト正常GRを用いるレポーターアッセイ 6.18.1.安定形質転換MMTVカセット細胞の調製 6.16項で得た安定形質転換MMTVカセット細胞約2×106個を直径約10cmの培養皿
(Falcon)を使って、5%CO2下に、活性炭デキストランFBS/E-MEM培地で1日培養
する。
【0278】 一過性発現のために、プラスミドpRc/RSV-hGR Kozakを、リポフェクトアミン
(Life Technologies)を用いるリポフェクション法により、安定形質転換MMTV
カセット細胞の継代培養物に導入する。リポフェクトアミンと一緒に提供される
マニュアルに従い、このリポフェクション法の条件には、5時間の処理、7μg/培
養皿のpRc/RSV-hAR Kozak、および21μl/培養皿のリポフェクトアミンを含める
。得られた細胞継代培養物を5%CO2下に37℃で16時間培養した後、活性炭デキス
トランFBS/E-MEM培地を新しいバッチの活性炭デキストランFBS/E-MEM培地に交換
して、細胞継代培養物をさらに3時間培養する。次に、その細胞継代培養物を収
集し、活性炭デキストランFBS/E-MEM培地に均一に懸濁する。
【0279】 6.18.2.MMTVレポーター遺伝子転写活性化活性の測定 第1DMSO溶液は様々な濃度のプレグナノロン16αカルボニトリル(PCN)を含む
ように調製する。第1DMSO溶液では、正常GRに対するアゴニストとしてPCNを使用
する。また、第2DMSO溶液は10nMのコルチコステロンと様々な濃度のPCNとを含む
ように調製する。第2DMSO溶液では、正常GRに対するアンタゴニストとしてPCNを
使用する。
【0280】 次に、96ウェルViewPlateで、第1および第2DMSO溶液をそれぞれ上記6.18.1項
で調製した細胞継代培養物と、各ウェル中の第1または第2DMSO溶液の濃度が約0.
1%(v/v)になるように混合する。また、標準物質として、上記細胞継代培養物
の試料を、96ウェルViewPlateのウェルで、コルチコステロンを含有するDMSO溶
液と混合する。
【0281】 次に、細胞を5%CO2下に37℃で40時間培養する。5倍希釈した溶解緩衝液PGC50
(東洋インキ)をウェル中の継代培養物に1ウェルあたり50μlずつ加える。その
96ウェルViewPlateをときどき穏やかに振とうしながら室温で30分間インキュベ
ートする。次に、溶解した細胞10μlをそれぞれ白色96ウェルサンプルプレート
(Berthold)に移し、自動基質注入器を装着したルミノメーターLB96P(Berthol
d)にセットする。次に、基質溶液PGL100(東洋インキ)50μlを白色96ウェルサ
ンプルプレート中の各溶解細胞にそれぞれ自動的に分注して、各ウェル中のルシ
フェラーゼ活性をルミノメーターLB96Pで直ちに5秒間測定する。
【0282】 また、上記レポーターアッセイでは、試験GRとして変異GRを使用することもで
きる。この場合は、pRc/RSV-hGR Kozakの代わりに変異GRをコードするプラスミ
ドを使用する。変異GRをコードするプラスミドを得るには、上記と同様にして、
変異GRをコードするポリヌクレオチドの上流にKozakコンセンサス配列を作動的
に付加し、得られたポリヌクレオチドをプラスミドpRc/RSV(Invitrogen)中のH in dIIIの制限部位に挿入する。
【0283】 6.19.実施例19 ヒト試験PRとしてヒト正常PRを用いるレポーターアッセイ 6.19.1.安定形質転換MMTVカセット細胞の調製 6.16項で得た安定形質転換MMTVカセット細胞約2×106個を直径約10cmの培養皿
(Falcon)を使って、5%CO2下に37℃で、活性炭デキストランFBS/E-MEM培地で1
日培養する。
【0284】 一過性発現のために、プラスミドpRc/RSV-hPR Kozakを、リポフェクトアミン
(Life Technologies)を用いるリポフェクション法により、安定形質転換MMTV
カセット細胞の継代培養物に導入する。リポフェクトアミンと一緒に提供される
マニュアルに従い、このリポフェクション法の条件には、5時間の処理、7μg/培
養皿のpRc/RSV-hAR Kozak、および21μl/培養皿のリポフェクトアミンを含める
。得られた細胞継代培養物を5%CO2下に37℃で16時間培養した後、活性炭デキス
トランFBS/E-MEM培地を新しいバッチの活性炭デキストランFBS/E-MEM培地と交換
して、細胞継代培養物をさらに3時間培養する。次に、その細胞継代培養物を収
集し、活性炭デキストランFBS/E-MEM培地に均一に懸濁する。
【0285】 6.19.2.MMTVレポーター遺伝子転写活性化活性の測定 第1DMSO溶液は様々な濃度のRU486を含むように調製する。第1DMSO溶液では、
正常PRに対するアゴニストとしてRU486を使用する。また、第2DMSO溶液は10nMの
プロゲステロンと様々な濃度のRU486とを含むように調製する。第2DMSO溶液では
、正常PRに対するアンタゴニストとしてRU486を使用する。
【0286】 96ウェルViewPlateで、第1および第2DMSO溶液をそれぞれ上記6.19.1項で調製
した細胞継代培養物と、各ウェル中の第1または第2DMSO溶液の濃度が約0.1%(v
/v)になるように混合する。また、標準物質として、上記細胞継代培養物の試料
を、プロゲステロンを含有するDMSO溶液と混合する。
【0287】 次に、細胞を5%CO2下に37℃で40時間培養する。5倍希釈した溶解緩衝液PGC50
(東洋インキ)をウェル中の細胞に1ウェルあたり50μlずつ加える。その96ウェ
ルViewPlateをときどき穏やかに振とうしながら室温で30分間インキュベートす
る。次に、溶解した細胞10μlをそれぞれ白色96ウェルサンプルプレート(Berth
old)に移し、自動基質注入器を装着したルミノメーターLB96P(Berthold)にセ
ットする。次に、基質溶液PGL100(東洋インキ)50μlを白色96ウェルサンプル
プレート中の各溶解細胞にそれぞれ自動的に分注して、各ウェル中のルシフェラ
ーゼ活性をルミノメーターLB96Pで直ちに5秒間測定する。
【0288】 また、上記レポーターアッセイでは、試験PRとして変異PRを使用することもで
きる。この場合は、pRc/RSV-hPR Kozakの代わりに変異PRをコードするプラスミ
ドを使用する。変異PRをコードするプラスミドを得るには、上記と同様にして、
変異PRをコードするポリヌクレオチドの上流にKozakコンセンサス配列を作動的
に付加し、得られたポリヌクレオチドをプラスミドpRc/RSV(Invitrogen)中のH in dIIIの制限部位に挿入する。
【0289】 6.20.実施例20 ヒト正常ERβをコードするプラスミドの作製 ヒト前立腺cDNAライブラリー(CLONETECH、QUICK clone cDNA#7123-1)を利
用して、そこからヒト正常ERβをコードするcDNA(Genbankアクセッション番号A
B006590)をPCR増幅する。このPCR増幅におけるPCR混合物は、ヒト肝臓cDNAライ
ブラリー10ng、配列番号192に記載のオリゴヌクレオチド10pmol、配列番号193に
記載のオリゴヌクレオチド10pmol、LA-Taqポリメラーゼ(宝酒造)、LA-Taqポリ
メラーゼと一緒に提供される緩衝液、およびdNTP(dATP、dTTP、dGTP、dCTP)を
含む。配列番号192および配列番号193に記載のオリゴヌクレオチドは、DNAシン
セサイザー(モデル394、Applied Biosystems)を使って合成する。このPCR増幅
では、PCRsystem 9700(Applied Biosystems)を使って、95℃で1分間のインキ
ュベーションの後、68℃で3分間のインキュベーションを課すインキュベーショ
ンサイクルを35回繰り返す。
【0290】 得られたPCR混合物を低融点アガロースゲル電気泳動(アガロースL、ニッポン
ジーン)にかけて、ヒト正常ERβをコードするcDNAがPCR増幅されることを臭化
エチジウム染色で確認する。増幅されたcDNAを低融点アガロースゲルから回収し
た後、回収したcDNAの試料を、Dye Terminator Sequence Kit FS(Applied Bios
ystems)を使って調製する。調製したcDNA試料をABI自動シークエンサー(モデ
ル377、Applied Biosystems)で配列決定する。
【0291】 次に、cDNA中の開始コドン(ATG)のすぐ上流にKozakコンセンサス配列を加え
るために、新たなPCR増幅を行う。このPCR増幅におけるPCR混合物は、上記cDNA
100ng、配列番号194に記載のオリゴヌクレオチド10pmol、配列番号195に記載の
オリゴヌクレオチド10pmol、LA-Taqポリメラーゼ(宝酒造)、LA-Taqポリメラー
ゼと一緒に提供される緩衝液、およびdNTP(dATP、dTTP、dGTP、dCTP)を含む。
このPCR増幅では、95℃で1分間のインキュベーションの後、68℃で3分間のイン
キュベーションを課すインキュベーションサイクルを25回繰り返す。得られたPC
R混合物を低融点アガロースゲル電気泳動(アガロースL、ニッポンジーン)にか
ける。増幅されたcDNAを低融点アガロースゲルから回収した後、1μgの増幅cDNA
をDNA Blunting Kit(宝酒造)で処理して、増幅cDNAの末端を平滑化する。次に
、それによって得たcDNAをT4ポリヌクレオチドキナーゼと反応させて、当該cDNA
の末端をリン酸化する。リン酸化されたcDNAをフェノール処理した後、リン酸化
cDNAをエタノール沈殿して、精製型のリン酸化cDNAを得る。
【0292】 プラスミドpRc/RSV(Invitrogen)を制限酵素HindIIIで消化した後、65℃で1
時間、BAPで処理する。次に、制限消化pRc/RSVをフェノール処理およびエタノー
ル沈殿によって精製する。次に、制限消化pRc/RSVをDNA Blunting Kit(宝酒造
)で処理してその末端を平滑化し、低融点アガロースゲル電気泳動(アガロース
L、ニッポンジーン)にかける。制限消化されたpRc/RSVを低融点アガロースゲル
から回収した後、その制限消化pRc/RSV 100ngおよび上記精製型リン酸化cDNAの
全てをT4 DNAリガーゼによるライゲーション反応に使用する。そのライゲーショ
ン反応混合物を使って大腸菌コンピテントDH5α細胞(東洋紡)を形質転換する
。形質転換した大腸菌細胞をLB-ampで培養する。次にアンピシリン耐性を示すク
ローンを回収する。次にそれらクローンの一部を使って、上記ライゲーション反
応によって生成したプラスミドをそこから単離する。次に、単離された各プラス
ミドの部分試料を、Dye Terminator Sequence Kit FS(Applied Biosystems)を
使って調製する。単離されたプラスミドをABI自動シークエンサー(モデル377、
Applied Biosystems)で配列決定して、ヒト正常ERβをコードするプラスミドが
存在することを確認する。そのようなプラスミドを選択し、pRc/RSV-hERβKozak
と名づける。
【0293】 6.21.実施例21 ヒト試験ERβとしてヒト正常ERβを用いるレポーターアッセ
イ 6.21.1.安定形質転換EREカセット細胞の調製 6.3項で得た安定形質転換EREカセット細胞約2×106個を直径約10cmの培養皿(
Falcon)を使って、5%CO2下に37℃で、活性炭デキストランFBS/E-MEM培地で1日
培養する。
【0294】 一過性発現のために、プラスミドpRc/RSV-hERβKozakを、リポフェクトアミン
(Life Technologies)を用いるリポフェクション法により、安定形質転換EREカ
セット細胞の継代培養物に導入する。リポフェクトアミンと一緒に提供されるマ
ニュアルに従い、このリポフェクション法の条件には、5時間の処理、7μg/培養
皿のpRc/RSV-hERβKozak、および21μl/培養皿のリポフェクトアミンを含める。
得られた細胞継代培養物を5%CO2下に37℃で16時間培養した後、活性炭デキスト
ランFBS/E-MEM培地を新しいバッチの活性炭デキストランFBS/E-MEM培地に交換し
て、細胞継代培養物をさらに3時間培養する。次に、その細胞継代培養物を収集
し、活性炭デキストランFBS/E-MEM培地に均一に懸濁する。
【0295】 6.21.2.EREレポーター遺伝子転写活性化活性の測定 第1DMSO溶液は様々な濃度の4-ヒドロキシタモキシフェンを含むように調製す
る。第1DMSO溶液では、ヒト正常ERβに対するアゴニストとして4-ヒドロキシタ
モキシフェンを使用する。また、第2DMSO溶液は10nMのE2と様々な濃度の4-ヒド
ロキシタモキシフェンとを含むように調製する。第2DMSO溶液では、ERβに対す
るアンタゴニストとして4-ヒドロキシタモキシフェンを使用する。
【0296】 96ウェルViewPlateで、第1および第2DMSO溶液をそれぞれ上記6.21.1項で調製
した継代培養物と、各ウェル中の第1または第2DMSO溶液の濃度が約0.1%(v/v)
になるように混合する。また、標準物質として、96ウェルViewPlateのウェルで
、上記細胞の試料を、E2 を含有するDMSO溶液と混合する。
【0297】 次に、細胞を5%CO2下に37℃で40時間培養する。5倍希釈した溶解緩衝液PGC50
(東洋インキ)をウェル中の細胞に1ウェルあたり50μlずつ加える。その96ウェ
ルViewPlateをときどき穏やかに振とうしながら室温で30分間インキュベートす
る。次に、溶解した細胞10μlをそれぞれ白色96ウェルサンプルプレート(Berth
old)に移し、自動基質注入器を装着したルミノメーターLB96P(Berthold)にセ
ットする。次に、基質溶液PGL100(東洋インキ)50μlを白色96ウェルサンプル
プレート中の各溶解細胞にそれぞれ自動的に分注して、各ウェル中のルシフェラ
ーゼ活性をルミノメーターLB96Pで直ちに5秒間測定する。
【0298】 また、上記レポーターアッセイでは、試験ERβとして変異ERβを使用すること
もできる。この場合は、pRc/RSV-hERβKozakの代わりに変異ERβをコードするプ
ラスミドを使用する。変異ERβをコードするプラスミドを得るには、上記と同様
にして、変異ERβをコードするポリヌクレオチドの上流にKozakコンセンサス配
列を作動的に付加し、得られたポリヌクレオチドをプラスミドpRc/RSV(Invitro
gen)中のHindIIIの制限部位に挿入する。
【0299】 6.22.実施例22 ヒト正常TRαをコードするプラスミドの作製 ヒト肝臓cDNAライブラリー(CLONETECH、QUICK clone cDNA#7113-1)を利用
して、そこからヒト正常TRαをコードするcDNA(Genbankアクセッション番号M24
748)をPCR増幅する。このPCR増幅におけるPCR混合物は、ヒト肝臓cDNAライブラ
リー10ng、配列番号196に記載のオリゴヌクレオチド10pmol、配列番号197に記載
のオリゴヌクレオチド10pmol、LA-Taqポリメラーゼ(宝酒造)、LA-Taqポリメラ
ーゼと一緒に提供される緩衝液、およびdNTP(dATP、dTTP、dGTP、dCTP)を含む
。配列番号196および配列番号197に記載のオリゴヌクレオチドは、DNAシンセサ
イザー(モデル394、Applied Biosystems)を使って合成する。このPCR増幅では
、PCRsystem 9700(Applied Biosystems)を使って、95℃で1分間のインキュベ
ーションの後、68℃で3分間のインキュベーションを課すインキュベーションサ
イクルを35回繰り返す。
【0300】 得られたPCR混合物を低融点アガロースゲル電気泳動(アガロースL、ニッポン
ジーン)にかけて、ヒト正常TRαをコードするcDNAがPCR増幅されることを臭化
エチジウム染色で確認する。増幅されたcDNAを低融点アガロースゲルから回収し
た後、回収したcDNAの試料を、Dye Terminator Sequence Kit FS(Applied Bios
ystems)を使って調製する。調製したcDNA試料をABI自動シークエンサー(モデ
ル377、Applied Biosystems)で配列決定する。
【0301】 次に、cDNA中の開始コドン(ATG)のすぐ上流にKozakコンセンサス配列を加え
るために、新たなPCR増幅を行う。このPCR増幅におけるPCR混合物は、ヒト正常T
RαをコードするcDNA 100ng、配列番号198に記載のオリゴヌクレオチド10pmol、
配列番号199に記載のオリゴヌクレオチド10pmol、LA-Taqポリメラーゼ(宝酒造
)、LA-Taqポリメラーゼと一緒に提供される緩衝液、およびdNTP(dATP、dTTP、
dGTP、dCTP)を含む。このPCR増幅では、95℃で1分間のインキュベーションの後
、68℃で3分間のインキュベーションを課すインキュベーションサイクルを25回
繰り返す。得られたPCR混合物を低融点アガロースゲル電気泳動(アガロースL、
ニッポンジーン)にかける。増幅されたcDNAを低融点アガロースゲルから回収し
た後、1μgの増幅cDNAをDNA Blunting Kit(宝酒造)で処理して、増幅cDNAの末
端を平滑化する。次に、それによって得たcDNAをT4ポリヌクレオチドキナーゼと
反応させて、当該cDNAの末端をリン酸化する。リン酸化されたcDNAをフェノール
処理した後、リン酸化cDNAをエタノール沈殿して、精製型のリン酸化cDNAを得る
【0302】 プラスミドpRc/RSV(Invitrogen)を制限酵素HindIIIで消化した後、65℃で1
時間、BAPで処理する。次に、制限消化pRc/RSVをフェノール処理およびエタノー
ル沈殿によって精製する。次に、制限消化pRc/RSVをDNA Blunting Kit(宝酒造
)で処理してその末端を平滑化し、低融点アガロースゲル電気泳動(アガロース
L、ニッポンジーン)にかける。制限消化されたpRc/RSVを低融点アガロースゲル
から回収した後、その制限消化pRc/RSV 100ngおよび上記精製型リン酸化cDNAの
全てをT4 DNAリガーゼによるライゲーション反応に使用する。そのライゲーショ
ン反応混合物を使って大腸菌コンピテントDH5α細胞(東洋紡)を形質転換する
。形質転換した大腸菌細胞をLB-ampで培養する。次にアンピシリン耐性を示すク
ローンを回収する。次にそれらクローンの一部を使って、上記ライゲーション反
応によって生成したプラスミドをそこから単離する。次に、単離された各プラス
ミドの部分試料を、Dye Terminator Sequence Kit FS(Applied Biosystems)を
使って調製する。単離されたプラスミドをABI自動シークエンサー(モデル377、
Applied Biosystems)で配列決定して、ヒト正常TRαをコードするプラスミドが
存在することを確認する。そのようなプラスミドを選択し、pRc/RSV-hTRαKozak
と名づける。
【0303】 6.23.実施例23 ヒト正常TRβをコードするプラスミドの作製 ヒト肝臓cDNAライブラリー(CLONETECH、QUICK clone cDNA#7113-1)を利用
して、そこからヒト正常TRβをコードするcDNA(Genbankアクセッション番号M26
747)をPCR増幅する。このPCR増幅におけるPCR混合物は、ヒト肝臓cDNAライブラ
リー10ng、配列番号200に記載のオリゴヌクレオチド10pmol、配列番号201に記載
のオリゴヌクレオチド10pmol、LA-Taqポリメラーゼ(宝酒造)、LA-Taqポリメラ
ーゼと一緒に提供される緩衝液、およびdNTP(dATP、dTTP、dGTP、dCTP)を含む
。配列番号200および配列番号201に記載のオリゴヌクレオチドは、DNAシンセサ
イザー(モデル394、Applied Biosystems)を使って合成する。このPCR増幅では
、PCRsystem 9700(Applied Biosystems)を使って、95℃で1分間のインキュベ
ーションの後、68℃で3分間のインキュベーションを課すインキュベーションサ
イクルを35回繰り返す。
【0304】 得られたPCR混合物を低融点アガロースゲル電気泳動(アガロースL、ニッポン
ジーン)にかけて、ヒト正常TRβをコードするcDNAがPCR増幅されることを臭化
エチジウム染色で確認する。増幅されたcDNAを低融点アガロースゲルから回収し
た後、回収したcDNAの試料を、Dye Terminator Sequence Kit FS(Applied Bios
ystems)を使って調製する。調製したcDNA試料をABI自動シークエンサー(モデ
ル377、Applied Biosystems)で配列決定する。
【0305】 次に、cDNA中の開始コドン(ATG)のすぐ上流にKozakコンセンサス配列を加え
るために、新たなPCR増幅を行う。このPCR増幅におけるPCR混合物は、ヒト正常T
RαβをコードするcDNA 100ng、配列番号202に記載のオリゴヌクレオチド10pmol
、配列番号203に記載のオリゴヌクレオチド10pmol、LA-Taqポリメラーゼ(宝酒
造)、LA-Taqポリメラーゼと一緒に提供される緩衝液、およびdNTP(dATP、dTTP
、dGTP、dCTP)を含む。このPCR増幅では、95℃で1分間のインキュベーションの
後、68℃で3分間のインキュベーションを課すインキュベーションサイクルを25
回繰り返す。得られたPCR混合物を低融点アガロースゲル電気泳動(アガロースL
、ニッポンジーン)にかける。増幅されたcDNAを低融点アガロースゲルから回収
した後、1μgの増幅cDNAをDNA Blunting Kit(宝酒造)で処理して、増幅cDNAの
末端を平滑化する。次に、それによって得たcDNAをT4ポリヌクレオチドキナーゼ
と反応させて、当該cDNAの末端をリン酸化する。リン酸化されたcDNAをフェノー
ル処理した後、リン酸化cDNAをエタノール沈殿して、精製型のリン酸化cDNAを得
る。
【0306】 プラスミドpRc/RSV(Invitrogen)を制限酵素HindIIIで消化した後、65℃で1
時間、BAPで処理する。次に、制限消化pRc/RSVをフェノール処理およびエタノー
ル沈殿によって精製する。次に、制限消化pRc/RSVをDNA Blunting Kit(宝酒造
)で処理してその末端を平滑化し、低融点アガロースゲル電気泳動(アガロース
L、ニッポンジーン)にかける。制限消化されたpRc/RSVを低融点アガロースゲル
から回収した後、その制限消化pRc/RSV 100ngおよび上記精製型リン酸化cDNAの
全てをT4 DNAリガーゼによるライゲーション反応に使用する。そのライゲーショ
ン反応混合物を使って大腸菌コンピテントDH5α細胞(東洋紡)を形質転換する
。形質転換した大腸菌細胞をLB-ampで培養する。次にアンピシリン耐性を示すク
ローンを回収する。次にそれらクローンの一部を使って、上記ライゲーション反
応によって生成したプラスミドをそこから単離する。次に、単離された各プラス
ミドの部分試料を、Dye Terminator Sequence Kit FS(Applied Biosystems)を
使って調製する。単離されたプラスミドをABI自動シークエンサー(モデル377、
Applied Biosystems)で配列決定して、ヒト正常TRβをコードするプラスミドが
存在することを確認する。そのようなプラスミドを選択し、pRc/RSV-hTRβKozak
と名づける。
【0307】 6.24.実施例24 DR4レポーター遺伝子を含有するプラスミドの作製 配列番号204に記載のオリゴヌクレオチドと、それに相補的なヌクレオチド配
列を持つオリゴヌクレオチドとを、DNAシンセサイザーで合成する。配列番号204
に記載のオリゴヌクレオチドは、DR4の一方の鎖をコードするように合成する。
もう一つのオリゴヌクレオチドは、第1オリゴヌクレオチドに相補的なヌクレオ
チド配列を持つように合成する。これら2つのオリゴヌクレオチドを互いにアニ
ールさせて、DR4配列をコードするDNA(以下、DR4 DNAという)を作製する。次
に、DR4 DNAをT4ポリヌクレオチドキナーゼと反応させて、DR4 DNAの末端をリン
酸化する。次に、DR4 DNAをT4 DNAリガーゼで互いに結合させて、DR4配列が5回
縦列反復したDR4×5 DNAを得る。次に、そのライゲーション反応混合物を低融点
アガロースゲル電気泳動(アガロースL、ニッポンジーン)にかけて、そのゲル
からDR4×5 DNAを回収する。
【0308】 6.2項で得たプラスミドpGL3-TATAを制限酵素SmaIで制限消化した後、65℃で1
時間、BAPで処理する。次に、その制限消化反応混合物を低融点アガロースゲル
電気泳動(アガロースL、ニッポンジーン)にかける。その低融点アガロースゲ
ルからホタルルシフェラーゼをコードするヌクレオチド配列を持つDNA断片を回
収した後、回収したDNA断片100ngとDR4×5 DNA 1μgとをライゲーション反応に
使用する。次に、得られたライゲーション反応混合物を使って大腸菌コンピテン
トDH5α細胞(東洋紡)を形質転換する。形質転換した大腸菌細胞をLB-ampで培
養する。次にアンピシリン耐性を示すクローンを回収する。次にそれらクローン
の一部を使って、上記ライゲーション反応によって生成したプラスミドをそこか
ら単離する。次に単離された各プラスミドの部分試料を制限酵素KpnIおよびXhoI
で制限消化する。その制限消化反応混合物をアガロースゲル電気泳動にかけて、
DR4×5 DNAがpGL3-TATA中の制限酵素SmaIの制限部位に挿入されている構造を持
つプラスミドが存在することを確認する。そのような構造を持つプラスミドを選
択し、pGL3-TATA-DR4×5と名づける。
【0309】 次に、プラスミドpGL3-TATA-DR4×5を制限酵素SalIで制限消化する。制限消化
されたpGL3-TATA-DR4×5の末端をBlunting Kit(宝酒造)で平滑化した後、その
制限消化pGL3-TATA-DR4×5を65℃で1時間、BAPで処理する。また、6.2項で得た
ブラストサイジンSデアミナーゼ遺伝子をコードするDNA断片(BamHI-BamHI断片
)の末端も、Blunting Kitを使って平滑化する。
【0310】 次に、ブラストサイジンSデアミナーゼ遺伝子発現カセットをコードするDNA断
片と、制限消化pGL3-TATA-DR4×5とを混合して、T4 DNAリガーゼによるライゲー
ション反応を行う。そのライゲーション反応混合物を使って大腸菌コンピテント
DH5α細胞(東洋紡)を形質転換する。形質転換した大腸菌細胞をLB-ampで培養
する。次に、アンピシリン耐性を示すクローンを回収する。次にそれらクローン
の一部を使って、上記ライゲーション反応によって生成したプラスミドをそこか
ら単離する。次に、単離された各プラスミドの部分試料を、Dye Terminator Seq
uence Kit FS(Applied Biosystems)を使って調製する。単離されたプラスミド
をABI自動シークエンサー(モデル377、Applied Biosystems)で配列決定して、
ブラストサイジンSデアミナーゼ遺伝子発現カセットをコードするDNAがpGL3-TAT
A-DR4×5中の制限酵素SalIの制限部位に挿入されている構造を持つプラスミドが
存在するかどうかを確認する。そのようなプラスミドを選択し、pGL3-TATA-DR4
×5-BSDと名づける。
【0311】 6.25.実施例25 DR4レポーター遺伝子を染色体の一つに安定に含有する安定
形質転換細胞の作製 DR4レポーター遺伝子を染色体の一つに安定に含有する安定形質転換細胞(以
下、安定形質転換DR4カセット細胞という)を作製するために、プラスミドpGL3-
TATA-DR4×5-BSDを線状化し、HeLa細胞に導入した。
【0312】 プラスミドpGL3-TATA-DR4×5-BSDを線状化するために、pGL3-TATA-DR4×5-BSD
を制限酵素NotIで制限消化する。
【0313】 直径約10cmの培養皿(Falcon)を使用し、10%FBSを含むDMEM培地(日水製薬
)にて、5%CO2下に37℃で、約5×105個のHeLa細胞を宿主細胞として1日培養す
る。
【0314】 次に、線状化pGL3-TATA-DR4×5-BSDを、リポフェクトアミン(Life Technolog
ies)を用いるリポフェクション法によって培養HeLa細胞に導入する。リポフェ
クトアミンと一緒に提供されるマニュアルに従い、このリポフェクション法の条
件には、5時間の処理、7μg/培養皿の線状化pGL3-TATA-DR4×5-BSD、および21μ
l/培養皿のリポフェクトアミンを含める。
【0315】 リポフェクション処理の後、DMEM培地を、10%FBSを含むDMEM培地と交換し、
形質転換したHeLa細胞を約36時間培養する。次に、形質転換HeLa細胞をトリプシ
ン処理によって培養皿から除去、収集し、ブラストサイジンSを16μg/mlの濃度
になるように添加した培地を含む容器に移す。ブラストサイジンS含有培地を3、
4日毎に新しいバッチのブラストサイジンS含有培地に交換しながら、前記ブラス
トサイジンS含有培地で形質転換HeLa細胞を1ヶ月培養する。
【0316】 その結果増殖して1〜数mmの直径を持つコロニーを形成することができるクロ
ーンを、前もって培地を分注しておいた96ウェルViewPlate(Berthold)のウェ
ルに、丸ごと移す。それらのクローンをさらに培養する。クローンが増殖してウ
ェルの底面の50%以上を覆うようになったら(移植の約5日後)、それらのクロ
ーンをトリプシン処理によって除去、収集する。次に、各クローンを2つの継代
培養物に分割する。一方の継代培養物は96ウェルViewPlateに移して、それをマ
スタープレートとする。他方の継代培養物は96ウェルViewPlateに移して、これ
をアッセイプレートとする。マスタープレートとアッセイプレートは、クローン
を培養することができるように培地を含有する。マスタープレートは同様の条件
で引き続き培養する。
【0317】 次に、アッセイプレートのウェル中の培地をウェルから除去し、ウェル壁に付
着したクローンをPBS(-)で2回洗浄する。5倍希釈した溶解緩衝液PGC50(東洋イ
ンキ)をアッセイプレートのウェル中のクローンに1ウェルあたり20μlずつ加え
る。そのアッセイプレートを室温で30分間静置した後、自動基質注入器を装着し
たルミノメーターLB96P(Berthold)にセットする。次に、基質溶液PGL100(東
洋インキ)50μlをアッセイプレート中の各溶解クローンに自動的に分注して、
各ウェル中のルシフェラーゼ活性をルミノメーターLB96Pで測定する。ルシフェ
ラーゼ活性を示した複数のクローンをそこから選択する。
【0318】 次に、選択したクローンの試料を、直径約10cmの培養皿(Falcon)を用いて、
活性炭デキストランFBS/E-MEM培地中、5%CO2下に、37℃で1日培養する。
【0319】 次に、リポフェクトアミン(Life Technologies)を用いるリポフェクション
法により、プラスミドpRc/RSV-hTRαKozakを、上で選択したクローンに導入して
、2次クローンを得る。リポフェクトアミンと一緒に提供されるマニュアルに従
い、このリポフェクション法の条件には、5時間の処理、7μg/培養皿の上記pRc/
RSV-hTRαKozak、および21μl/培養皿のリポフェクトアミンを含めた。次に、得
られた2次クローンに、ヒト正常TRαの天然のコグネイトリガンドであるトリヨ
ードチロニン(T3)を含有するDMSO溶液を、培地中のT3濃度が10nMになるように
加える。それらの2次クローンを2日間培養した後、各2次クローンについて上記
と同様にルシフェラーゼ活性を測定する。最も高いルシフェラーゼ活性の誘導を
示す2次クローンを与えたマスタープレート中のクローンを、安定形質転換DR4カ
セット細胞として選択する。
【0320】 ちなみに、安定形質転換DR4カセット細胞は、TRα、TRβ、CAR、LXR、PXRなど
を用いるレポーターアッセイに使用することができる。
【0321】 6.26.実施例26 ヒト正常VDRをコードするプラスミドの作製 ヒト肝臓cDNAライブラリー(CLONETECH、QUICK clone cDNA#7113-1)を利用
して、そこからヒト正常VDRをコードするcDNA(Genbankアクセッション番号J032
58)をPCR増幅する。このPCR増幅におけるPCR混合物は、ヒト肝臓cDNAライブラ
リー10ng、配列番号205に記載のオリゴヌクレオチド10pmol、配列番号206に記載
のオリゴヌクレオチド10pmol、LA-Taqポリメラーゼ(宝酒造)、LA-Taqポリメラ
ーゼと一緒に提供される緩衝液、およびdNTP(dATP、dTTP、dGTP、dCTP)を含む
。配列番号205および配列番号206に記載のオリゴヌクレオチドは、DNAシンセサ
イザー(モデル394、Applied Biosystems)を使って合成する。このPCR増幅では
、PCRsystem 9700(Applied Biosystems)を使って、95℃で1分間のインキュベ
ーションの後、68℃で3分間のインキュベーションを課すインキュベーションサ
イクルを35回繰り返す。
【0322】 得られたPCR混合物を低融点アガロースゲル電気泳動(アガロースL、ニッポン
ジーン)にかけて、ヒト正常VDRをコードするcDNAがPCR増幅されることを臭化エ
チジウム染色で確認する。増幅されたcDNAを低融点アガロースゲルから回収した
後、回収したcDNAの試料を、Dye Terminator Sequence Kit FS(Applied Biosys
tems)を使って調製する。調製したcDNA試料をABI自動シークエンサー(モデル3
77、Applied Biosystems)で配列決定する。
【0323】 次に、正常VDRをコードするcDNA中の開始コドン(ATG)のすぐ上流にKozakコ
ンセンサス配列を加えるために、新たなPCR増幅を行う。このPCR増幅におけるPC
R混合物は、正常VDRをコードするcDNA 100ng、配列番号207に記載のオリゴヌク
レオチド10pmol、配列番号208に記載のオリゴヌクレオチド10pmol、LA-Taqポリ
メラーゼ(宝酒造)、LA-Taqポリメラーゼと一緒に提供される緩衝液、およびdN
TP(dATP、dTTP、dGTP、dCTP)を含む。このPCR増幅では、95℃で1分間のインキ
ュベーションの後、68℃で3分間のインキュベーションを課すインキュベーショ
ンサイクルを25回繰り返す。得られたPCR混合物を低融点アガロースゲル電気泳
動(アガロースL、ニッポンジーン)にかける。増幅されたcDNAを低融点アガロ
ースゲルから回収した後、1μgの増幅cDNAをDNA Blunting Kit(宝酒造)で処理
して、増幅cDNAの末端を平滑化する。次に、それによって得たcDNAをT4ポリヌク
レオチドキナーゼと反応させて、当該cDNAの末端をリン酸化する。リン酸化され
たcDNAをフェノール処理した後、リン酸化cDNAをエタノール沈殿して、精製型の
リン酸化cDNAを得る。
【0324】 プラスミドpRc/RSV(Invitrogen)を制限酵素HindIIIで消化した後、65℃で1
時間、BAPで処理する。次に、制限消化pRc/RSVをフェノール処理およびエタノー
ル沈殿によって精製する。次に、制限消化pRc/RSVをDNA Blunting Kit(宝酒造
)で処理してその末端を平滑化し、低融点アガロースゲル電気泳動(アガロース
L、ニッポンジーン)にかける。制限消化されたpRc/RSVを低融点アガロースゲル
から回収した後、その制限消化pRc/RSV 100ngおよび上記精製型リン酸化cDNAの
全てをT4 DNAリガーゼによるライゲーション反応に使用する。そのライゲーショ
ン反応混合物を使って大腸菌コンピテントDH5α細胞(東洋紡)を形質転換する
。形質転換した大腸菌細胞をLB-ampで培養する。次にアンピシリン耐性を示すク
ローンを回収する。次にそれらクローンの一部を使って、上記ライゲーション反
応によって生成したプラスミドをそこから単離する。次に、単離された各プラス
ミドの部分試料を、Dye Terminator Sequence Kit FS(Applied Biosystems)を
使って調製する。単離されたプラスミドをABI自動シークエンサー(モデル377、
Applied Biosystems)で配列決定して、ヒト正常VDRをコードするプラスミドが
存在することを確認する。そのようなプラスミドを選択し、pRc/RSV-hVDR Kozak
と名づける。
【0325】 6.27.実施例27 DR3レポーター遺伝子を含有するプラスミドの作製 配列番号209に記載のオリゴヌクレオチドと、それに相補的なヌクレオチド配
列を持つオリゴヌクレオチドとを、DNAシンセサイザーで合成する。配列番号209
に記載のオリゴヌクレオチドは、DR3の一方の鎖をコードするように合成する。
もう一つのオリゴヌクレオチドは、第1オリゴヌクレオチドに相補的なヌクレオ
チド配列を持つように合成する。これら2つのオリゴヌクレオチドを互いにアニ
ールさせて、DR3配列をコードするDNA(以下、DR3 DNAという)を作製する。次
に、DR3 DNAをT4ポリヌクレオチドキナーゼと反応させて、DR3 DNAの末端をリン
酸化する。次に、DR3 DNAをT4 DNAリガーゼで互いに結合させて、DR3配列が5回
縦列反復したDR3×5 DNAを得る。次に、そのライゲーション反応混合物を低融点
アガロースゲル電気泳動(アガロースL、ニッポンジーン)にかけて、そのゲル
からDR3×5 DNAを回収する。
【0326】 6.2項で得たプラスミドpGL3-TATAを制限酵素SmaIで制限消化した後、65℃で1
時間、BAPで処理する。次に、その制限消化反応混合物を低融点アガロースゲル
電気泳動(アガロースL、ニッポンジーン)にかける。その低融点アガロースゲ
ルからホタルルシフェラーゼをコードするヌクレオチド配列を持つDNA断片を回
収した後、回収したDNA断片100ngとDR3×5 DNA 1μgとをライゲーション反応に
使用する。次に、得られたライゲーション反応混合物を使って大腸菌コンピテン
トDH5α細胞(東洋紡)を形質転換する。形質転換した大腸菌細胞をLB-ampで培
養する。次にアンピシリン耐性を示すクローンを回収する。次にそれらクローン
の一部を使って、上記ライゲーション反応によって生成したプラスミドをそこか
ら単離する。次に単離された各プラスミドの部分試料を制限酵素KpnIおよびXhoI
で制限消化する。その制限消化反応混合物をアガロースゲル電気泳動にかけて、
DR3×5 DNAがpGL3-TATA中の制限酵素SmaIの制限部位に挿入されている構造を持
つプラスミドが存在することを確認する。そのようなプラスミドを選択し、pGL3
-TATA-DR3×5と名づける。
【0327】 次に、プラスミドpGL3-TATA-DR3×5を制限酵素SalIで制限消化する。制限消化
されたpGL3-TATA-DR3×5の末端をBlunting Kit(宝酒造)で平滑化した後、その
制限消化pGL3-TATA-DR3×5を65℃で1時間、BAPで処理する。また、6.2項で得た
ブラストサイジンSデアミナーゼ遺伝子発現カセットを含むDNA断片(BamHI-BamH
I断片)の末端も、Blunting Kitを使って平滑化する。平滑末端化pGL3-TATA-DR3
×5と、ブラストサイジンSデアミナーゼ遺伝子発現カセットを含む平滑末端化DN
A断片とを、T4 DNAリガーゼによるライゲーション反応に使用する。次に、得ら
れたライゲーション反応混合物を使って大腸菌コンピテントDH5α細胞(東洋紡
)を形質転換する。形質転換した大腸菌細胞をLB-ampで培養する。次に、アンピ
シリン耐性を示すクローンを回収する。次にそれらクローンの一部を使って、上
記ライゲーション反応によって生成したプラスミドをそこから単離する。ブラス
トサイジンSデアミナーゼ遺伝子発現カセットを含むDNA断片がpGL3-TATA-DR3×5
中の制限酵素SalIの制限部位に挿入されている単離プラスミドを選択し、pGL3-T
ATA-DR3×5-BSDと名づける。
【0328】 6.28.実施例28 DR3レポーター遺伝子を染色体の一つに安定に含有する安定
形質転換カセット細胞の作製 DR3レポーター遺伝子を染色体の一つに安定に含有する安定形質転換細胞(以
下、安定形質転換DR3カセット細胞という)を作製するために、プラスミドpGL3-
TATA-DR3×5-BSDを線状化し、HeLa細胞に導入した。
【0329】 プラスミドpGL3-TATA-DR3×5-BSDを制限酵素NotIで制限消化することにより、
pGL3-TATA-DR3×5-BSDを線状化する。
【0330】 直径約10cmの培養皿(Falcon)を使用し、10%FBSを含むDMEM培地(日水製薬
)にて、5%CO2下に37℃で、約5×105個のHeLa細胞を宿主細胞として1日培養す
る。
【0331】 次に、リポフェクトアミン(Life Technologies)を用いるリポフェクション
法によって線状化pGL3-TATA-DR3×5-BSDを培養HeLa細胞に導入する。リポフェク
トアミンと一緒に提供されるマニュアルに従い、このリポフェクション法の条件
には、5時間の処理、7μg/培養皿の線状化pGL3-TATA-DR3×5-BSD、および21μl/
培養皿のリポフェクトアミンを含める。
【0332】 リポフェクション処理の後、DMEM培地を、10%FBSを含むDMEM培地と交換し、
形質転換したHeLa細胞を約36時間培養する。次に、形質転換HeLa細胞をトリプシ
ン処理によって培養皿から除去、収集し、ブラストサイジンSを16μg/mlの濃度
になるように添加した培地を含む容器に移す。ブラストサイジンS含有培地を3、
4日毎に新しいバッチのブラストサイジンS含有DMEM培地に交換しながら、前記ブ
ラストサイジンS含有培地で形質転換HeLa細胞を1ヶ月培養する。
【0333】 増殖して1〜数mmの直径を持つコロニーを形成することができるクローンを、
前もって培地を分注しておいた96ウェルViewPlate(Berthold)のウェルに、丸
ごと移す。それらのクローンをさらに培養する。クローンが増殖してウェルの底
面の50%以上を覆うようになったら(移植の約5日後)、それらのクローンをト
リプシン処理によって除去、収集する。次に、各クローンを2つの継代培養物に
分割する。一方の継代培養物は96ウェルViewPlateに移して、それをマスタープ
レートとする。他方の継代培養物は96ウェルViewPlateに移して、これをアッセ
イプレートとする。マスタープレートとアッセイプレートは、クローンを培養す
ることができるように培地を含有する。マスタープレートは同様の条件で引き続
き培養する。
【0334】 次に、アッセイプレートのウェル中の培地をウェルから除去し、ウェル壁に付
着したクローンをPBS(-)で2回洗浄する。5倍希釈した溶解緩衝液PGC50(東洋イ
ンキ)をアッセイプレートのウェル中のクローンに1ウェルあたり20μlずつ加え
る。そのアッセイプレートを室温で30分間静置した後、自動基質注入器を装着し
たルミノメーターLB96P(Berthold)にセットする。次に、基質溶液PGL100(東
洋インキ)50μlをアッセイプレート中の各溶解クローンに自動的に分注して、
各ウェル中のルシフェラーゼ活性をルミノメーターLB96Pで測定する。ルシフェ
ラーゼ活性を示した複数のクローンをそこから選択する。
【0335】 次に、選択したクローンの試料を、直径約10cmの培養皿(Falcon)を用いて、
活性炭デキストランFBS/E-MEM培地中、5%CO2下に、37℃で1〜2週間培養する。
【0336】 次に、リポフェクトアミン(Life Technologies)を用いるリポフェクション
法により、プラスミドpRc/RSV-hVDR Kozakを、上で選択したクローンに導入して
、2次クローンを得る。リポフェクトアミンと一緒に提供されるマニュアルに従
い、このリポフェクション法の条件には、5時間の処理、7μg/培養皿の上記pRc/
RSV-VDR Kozak、および21μl/培養皿のリポフェクトアミンを含めた。次に、得
られた2次クローンに、ヒト正常VDRの天然のコグネイトリガンドである1,25-(OH
)ビタミンD3を含有するDMSO溶液を、培地中の1,25-(OH)ビタミンD3濃度が10nMに
なるように加える。それらの2次クローンを2日間培養した後、各2次クローンに
ついて上記と同様にルシフェラーゼ活性を測定する。最も高いルシフェラーゼ活
性の誘導を示す2次クローンを与えたマスタープレート中のクローンを、安定形
質転換DR3カセット細胞として選択する。
【0337】 6.29.実施例29 正常PPARγをコードするプラスミドの作製 ヒト肝臓cDNAライブラリー(CLONETECH、QUICK clone cDNA#7113-1)を利用
して、そこからヒト正常PPARγをコードするcDNA(Genbankアクセッション番号U
79012)をPCR増幅する。このPCR増幅におけるPCR混合物は、ヒト肝臓cDNAライブ
ラリー10ng、配列番号210に記載のオリゴヌクレオチド10pmol、配列番号211に記
載のオリゴヌクレオチド10pmol、LA-Taqポリメラーゼ(宝酒造)、LA-Taqポリメ
ラーゼと一緒に提供される緩衝液、およびdNTP(dATP、dTTP、dGTP、dCTP)を含
む。配列番号210および配列番号211に記載のオリゴヌクレオチドは、DNAシンセ
サイザー(モデル394、Applied Biosystems)を使って合成する。このPCR増幅で
は、PCRsystem 9700(Applied Biosystems)を使って、95℃で1分間のインキュ
ベーションの後、68℃で3分間のインキュベーションを課すインキュベーション
サイクルを35回繰り返す。
【0338】 得られたPCR混合物を低融点アガロースゲル電気泳動(アガロースL、ニッポン
ジーン)にかけて、ヒト正常PPARγをコードするcDNAがPCR増幅されることを臭
化エチジウム染色で確認する。増幅されたcDNAを低融点アガロースゲルから回収
した後、回収したcDNAの試料を、Dye Terminator Sequence Kit FS(Applied Bi
osystems)を使って調製する。調製したcDNA試料をABI自動シークエンサー(モ
デル377、Applied Biosystems)で配列決定する。
【0339】 次に、上記cDNA中の開始コドン(ATG)のすぐ上流にKozakコンセンサス配列を
加えるために、新たなPCR増幅を行う。このPCR増幅におけるPCR混合物は、正常P
PARγおよびKozakコンセンサス配列をコードするcDNA 100ng、配列番号212に記
載のオリゴヌクレオチド、配列番号211に記載のオリゴヌクレオチド、LA-Taqポ
リメラーゼ(宝酒造)、LA-Taqポリメラーゼと一緒に提供される緩衝液、および
dNTP(dATP、dTTP、dGTP、dCTP)を含む。このPCR増幅では、95℃で1分間のイン
キュベーションの後、68℃で3分間のインキュベーションを課すインキュベーシ
ョンサイクルを25回繰り返す。得られたPCR混合物を低融点アガロースゲル電気
泳動(アガロースL、ニッポンジーン)にかける。増幅されたcDNAを低融点アガ
ロースゲルから回収した後、1μgの増幅cDNAをDNA Blunting Kit(宝酒造)で処
理して、増幅cDNAの末端を平滑化する。次に、それによって得たcDNAをT4ポリヌ
クレオチドキナーゼと反応させて、当該cDNAの末端をリン酸化する。リン酸化さ
れたcDNAをフェノール処理した後、リン酸化cDNAをエタノール沈殿して、精製型
のリン酸化cDNAを得る。
【0340】 プラスミドpRc/RSV(Invitrogen)を制限酵素HindIIIで消化した後、65℃で1
時間、BAPで処理する。次に、制限消化pRc/RSVをフェノール処理およびエタノー
ル沈殿によって精製する。次に、制限消化pRc/RSVをDNA Blunting Kit(宝酒造
)で処理してその末端を平滑化し、低融点アガロースゲル電気泳動(アガロース
L、ニッポンジーン)にかける。制限消化されたpRc/RSVを低融点アガロースゲル
から回収した後、その制限消化pRc/RSV 100ngおよび上記精製型リン酸化cDNAの
全てをT4 DNAリガーゼによるライゲーション反応に使用する。そのライゲーショ
ン反応混合物を使って大腸菌コンピテントDH5α細胞(東洋紡)を形質転換する
。形質転換した大腸菌細胞をLB-ampで培養する。次にアンピシリン耐性を示すク
ローンを回収する。次にそれらクローンの一部を使って、上記ライゲーション反
応によって生成したプラスミドをそこから単離する。次に、単離された各プラス
ミドの部分試料を、Dye Terminator Sequence Kit FS(Applied Biosystems)を
使って調製する。単離されたプラスミドをABI自動シークエンサー(モデル377、
Applied Biosystems)で配列決定して、ヒト正常PPARγをコードするプラスミド
が存在することを確認する。そのようなプラスミドを選択し、pRc/RSV-hPPARγK
ozakと名づける。
【0341】 6.30.実施例30 DR1レポーター遺伝子を含有するプラスミドの作製 配列番号213に記載のオリゴヌクレオチドと、それに相補的なヌクレオチド配
列を持つオリゴヌクレオチドとを、DNAシンセサイザーで合成する。配列番号213
に記載のオリゴヌクレオチドは、DR1配列の一方の鎖をコードするように合成す
る。もう一つのオリゴヌクレオチドは、第1オリゴヌクレオチドに相補的なヌク
レオチド配列を持つように合成する。これら2つのオリゴヌクレオチドを互いに
アニールさせて、DR1配列をコードするDNA(以下、DR1 DNAという)を作製する
。T4ポリヌクレオチドキナーゼをDR1 DNAと反応させて、DR1 DNAの末端をリン酸
化する。次に、DR1 DNAをT4 DNAリガーゼで互いに結合させて、DR1配列が5回縦
列反復したDR1×5 DNAを得る。次に、そのライゲーション反応混合物を低融点ア
ガロースゲル電気泳動(アガロースL、ニッポンジーン)にかけて、そのゲルか
らDR1×5 DNAを回収する。
【0342】 6.2項で得たプラスミドpGL3-TATAを制限酵素SmaIで制限消化した後、65℃で1
時間、BAPで処理する。次に、その制限消化反応混合物を低融点アガロースゲル
電気泳動(アガロースL、ニッポンジーン)にかける。その低融点アガロースゲ
ルからホタルルシフェラーゼをコードするヌクレオチド配列を持つDNA断片を回
収した後、回収したDNA断片100ngとDR1×5 DNA 1μgとをT4 DNAリガーゼによる
ライゲーション反応に使用する。次に、得られたライゲーション反応混合物を使
って大腸菌コンピテントDH5α細胞(東洋紡)を形質転換する。形質転換した大
腸菌細胞をLB-ampで培養する。次にアンピシリン耐性を示すクローンを回収する
。次にそれらクローンの一部を使って、上記ライゲーション反応によって生成し
たプラスミドをそこから単離する。次に単離された各プラスミドの部分試料を制
限酵素KpnIおよびXhoIで制限消化する。その制限消化反応混合物をアガロースゲ
ル電気泳動にかけて、DR1×5 DNAがpGL3-TATA中の制限酵素SmaIの制限部位に挿
入されているプラスミドが存在することを確認する。次に、そのプラスミドをAB
I自動シークエンサー(モデル377、Applied Biosystems)で配列決定して、DR1
配列の5回縦列反復を持つプラスミドが得られたことを確認する。そのようなプ
ラスミドを選択し、pGL3-TATA-DR1×5と名づける。
【0343】 次に、プラスミドpGL3-TATA-DR1×5を制限酵素SalIで制限消化する。制限消化
されたpGL3-TATA-DR1×5の末端をBlunting Kit(宝酒造)で平滑化した後、その
制限消化pGL3-TATA-DR1×5を65℃で1時間、BAPで処理する。また、6.2項で得た
ブラストサイジンSデアミナーゼ遺伝子をコードするDNA断片(pUCSV-BSD(フナ
コシ)由来のBamHI-BamHI断片)の末端も、Blunting Kitを使って平滑化する。
【0344】 次に、ブラストサイジンSデアミナーゼ遺伝子発現カセットをコードするDNA断
片と、制限消化したpGL3-TATA-DR1×5とを混合して、T4 DNAリガーゼによるライ
ゲーション反応を行う。次に、そのライゲーション反応混合物を使って大腸菌コ
ンピテントDH5α細胞(東洋紡)を形質転換する。形質転換した大腸菌細胞をLB-
ampで培養する。次に、アンピシリン耐性を示すクローンを回収する。次にそれ
らクローンの一部を使って、上記ライゲーション反応によって生成したプラスミ
ドをそこから単離する。次に、単離された各プラスミドの部分試料を、Dye Term
inator Sequence Kit FS(Applied Biosystems)を使って調製する。単離された
プラスミドをABI自動シークエンサー(モデル377、Applied Biosystems)で配列
決定して、ブラストサイジンSデアミナーゼ遺伝子発現カセットをコードするDNA
がpGL3-TATA-DR1×5中の制限酵素SalIの制限部位に挿入されている構造をプラス
ミドが持つかどうかを確認する。そのプラスミドを選択し、pGL3-TATA-DR1×5-B
SDと名づける。
【0345】 6.31.実施例31 DR1レポーター遺伝子を染色体の一つに安定に含有する安定
形質転換カセット細胞の作製 DR1レポーター遺伝子を染色体の一つに安定に含有する安定形質転換カセット
細胞(以下、安定形質転換DR1カセット細胞という)を作製するために、プラス
ミドpGL3-TATA-DR1×5-BSDを線状化し、HeLa細胞に導入した。
【0346】 プラスミドpGL3-TATA-DR1×5-BSDを線状化するために、pGL3-TATA-DR1×5-BSD
を制限酵素NotIで制限消化する。
【0347】 直径約10cmの培養皿(Falcon)を使用し、10%FBSを含むDMEM培地(日水製薬
)にて、5%CO2下に37℃で、約5×105個のHeLa細胞を宿主細胞として1日培養す
る。
【0348】 次に、リポフェクトアミン(Life Technologies)を用いるリポフェクション
法によって線状化pGL3-TATA-DR1×5-BSDを培養HeLa細胞に導入する。リポフェク
トアミンと一緒に提供されるマニュアルに従い、このリポフェクション法の条件
には、5時間の処理、7μg/培養皿の線状化pGL3-TATA-DR1×5-BSD、および21μl/
培養皿のリポフェクトアミンを含める。
【0349】 リポフェクション処理の後、DMEM培地を、10%FBSを含むDMEM培地と交換し、
形質転換したHeLa細胞を約36時間培養する。次に、形質転換HeLa細胞をトリプシ
ン処理によって培養皿から除去、収集し、ブラストサイジンSを16μg/mlの濃度
になるように添加した培地を含む容器に移す。ブラストサイジンS含有培地を3、
4日毎に新しいバッチのブラストサイジンS含有培地に交換しながら、前記ブラス
トサイジンS含有培地で形質転換HeLa細胞を1ヶ月培養する。
【0350】 増殖して1〜数mmの直径を持つコロニーを形成することができるクローンを、
前もって培地を分注しておいた96ウェルViewPlate(Berthold)のウェルに、そ
れぞれ丸ごと移す。それらのクローンをさらに培養する。クローンが増殖してウ
ェルの底面の50%以上を覆うようになったら(移植の約5日後)、それらのクロ
ーンをトリプシン処理によって除去、収集する。次に、各クローンを2つの継代
培養物に分割する。一方の継代培養物は96ウェルViewPlateに移して、それをマ
スタープレートとする。他方の継代培養物は96ウェルViewPlateに移して、これ
をアッセイプレートとする。マスタープレートとアッセイプレートは、クローン
を培養することができるように培地を含有する。マスタープレートは同様の条件
で引き続き培養する。
【0351】 次に、アッセイプレートのウェル中の培地をウェルから除去し、ウェル壁に付
着したクローンをPBS(-)で2回洗浄する。5倍希釈した溶解緩衝液PGC50(東洋イ
ンキ)をアッセイプレートのウェル中のクローンに1ウェルあたり20μlずつ加え
る。そのアッセイプレートを室温で30分間静置した後、自動基質注入器を装着し
たルミノメーターLB96P(Berthold)にセットする。次に、基質溶液PGL100(東
洋インキ)50μlをアッセイプレート中の各溶解クローンに自動的に分注して、
各ウェル中のルシフェラーゼ活性をルミノメーターLB96Pで測定する。ルシフェ
ラーゼ活性を示した複数のクローンをそこから選択する。
【0352】 次に、選択したクローンの試料を、直径約10cmの培養皿(Falcon)を用いて、
活性炭デキストランFBS/E-MEM培地中、5%CO2下に、37℃で1〜2週間培養する。
【0353】 次に、リポフェクトアミン(Life Technologies)を用いるリポフェクション
法により、プラスミドpRc/RSV-hPPARγKozakを、上で選択したクローンに導入し
て、2次クローンを得る。リポフェクトアミンと一緒に提供されるマニュアルに
従い、このリポフェクション法の条件には、5時間の処理、7μg/培養皿の上記pR
c/RSV-hPPARγKozak、および21μl/培養皿のリポフェクトアミンを含めた。次に
、得られた2次クローンに、ヒト正常PPARγの天然のコグネイトリガンドである1
5dプロスタグランジンJ2を含有するDMSO溶液を、培地中の15dプロスタグランジ
ンJ2濃度が10nMになるように加える。それらの2次クローンを2日間培養した後、
各2次クローンについて上記と同様にルシフェラーゼ活性を測定する。最も高い
ルシフェラーゼ活性の誘導を示す2次クローンを与えたマスタープレート中のク
ローンを、安定形質転換DR1カセット細胞として選択する。
【0354】 ちなみに、安定形質転換DR1カセット細胞は、PPAR、RAR、レチノインX受容体
、HNF-4、TR-2、TR-4などを用いるレポーターアッセイに使用することができる
。 [図面の簡単な説明] 図1〜32は、ヒト変異ERαまたはヒト正常ERαが与えるルシフェラーゼ活性を
表す。レポーター遺伝子は細胞の染色体から発現させた。変異ERα遺伝子は細胞
中で一過性に発現させた。図1、2、4、5、7、8、12、13、16、17および21〜26は
、ヒト変異ERαまたはヒト変異ERαを刺激する可能性がある単独の薬剤として様
々な濃度の4-ヒドロキシタモキシフェン、ラロキシフェンまたはZM189154が存在
する状態でのルシフェラーゼ活性を表す。図3、6、9〜11、14、15、18〜20、27
〜32は、様々な濃度の4-ヒドロキシタモキシフェン、ラロキシフェンまたはZM18
9154と共に様々な濃度の100pM E2が存在する状態でのルシフェラーゼ活性を表す
。安定形質転換カセット細胞を利用して、ヒト変異ERα遺伝子またはヒト正常ER
α遺伝子を一過性に発現させると共に、その染色体からレポーター遺伝子を発現
させた。図1、2、4、5、7、8、12、13、16、17および21〜26では、ヒト変異ERα
またはヒト正常ERαを(4-ヒドロキシタモキシフェン、ラロキシフェンまたはZM
189154を含まない)DMSOの存在下に置いたコントロールがもたらすルシフェラー
ゼ活性を使って、ルシフェラーゼ活性をゼロにする。図3、6、9〜11、14、15、1
8〜20、27〜32では、100pMのE2を含むDMSO溶液の存在下にヒト変異ERαまたはヒ
ト正常ERαを置いたコントロールがもたらすルシフェラーゼ活性を使って、ルシ
フェラーゼ活性をゼロにする。ヒト変異ERαおよびヒト正常ERαが与えるルシフ
ェラーゼ活性をゼロにする際には、コントロールによるルシフェラーゼ活性を10
0%に設定した。図1、2、4、5、7、8、12、13、16、17および21〜26では、コン
トロールが与えるルシフェラーゼ活性をDMSOとして示している。図3、6、9〜11
、14、15、18〜20、27〜32では、コントロールが与えるルシフェラーゼ活性をDM
SO+E2として示している。 図33〜48は、ヒト変異ERαまたはヒト正常ERαが与えるルシフェラーゼ活性を
表す。レポーター遺伝子、ヒト変異ERα遺伝子およびヒト正常ERαは、細胞の染
色体から発現させた。図33〜40は、ヒト変異ERαまたはヒト正常ERαを刺激する
可能性がある単独の薬剤として様々な濃度の4-ヒドロキシタモキシフェン、ZM18
9154またはラロキシフェンが存在する状態でのルシフェラーゼ活性を表す。図41
〜48は、様々な濃度の4-ヒドロキシタモキシフェン、ZM189154またはラロキシフ
ェンと共に100pMのE2が存在する状態でのルシフェラーゼ活性を表す。安定形質
転換バイナリー細胞を利用して、レポーター遺伝子をヒト変異ERα遺伝子と共に
、またはヒト正常ERα遺伝子と共に、染色体から発現させた。図33〜40では、ヒ
ト変異ERαまたはヒト正常ERαを(4-ヒドロキシタモキシフェン、ラロキシフェ
ンまたはZM189154を含まない)DMSOの存在下に置いたコントロールがもたらすル
シフェラーゼ活性をゼロにする。図41〜48では、100pMのE2を含むDMSO溶液の存
在下にヒト変異ERαまたはヒト正常ERαを置いたコントロールがもたらすルシフ
ェラーゼ活性をゼロにする。ヒト変異ERαおよびヒト正常ERαが与えるルシフェ
ラーゼ活性をゼロにする際には、コントロールによるルシフェラーゼ活性を100
%に設定した。図33〜40では、コントロールが与えるルシフェラーゼ活性をDMSO
として示している。図41〜48では、コントロールが与えるルシフェラーゼ活性を
DMSO+E2として示している。 図49〜52は、比較例として、レポーター遺伝子を細胞中で一過性に発現させた
場合にヒト変異ERαK531Eまたはヒト正常ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表
す。図49および50は、ヒト変異ERαを刺激する可能性がある単独の薬剤として様
々な濃度の4-ヒドロキシタモキシフェンが存在する状態でのルシフェラーゼ活性
を表す。図51および52は、様々な濃度の4-ヒドロキシタモキシフェンと共に100p
MのE2が存在する状態でのルシフェラーゼ活性を表す。図49および50では、ヒト
正常ERαまたはヒト変異ERαK531Eを(4-ヒドロキシタモキシフェンを含まない
)DMSOの存在下に置いたコントロールのルシフェラーゼ活性をゼロにする。図51
および52では、100pMのE2を含むDMSO溶液の存在下にヒト変異ERαK531Eを置いた
コントロールのルシフェラーゼ活性をゼロにする。ヒト変異ERαおよびヒト正常
ERαが与えるルシフェラーゼ活性をゼロにする際には、結果として得られたコン
トロールによるルシフェラーゼ活性を100%に設定する。図49および50では、コ
ントロールが与えるルシフェラーゼ活性をDMSOとして示している。図51および52
では、コントロールが与えるルシフェラーゼ活性をDMSO+E2として示している。
【0355】 [配列表フリーテキスト] 配列番号1 ヒト正常ERα 配列番号2 ヒト変異ERαK303R 配列番号3 ヒト変異ERαS309F 配列番号4 ヒト変異ERαG390D 配列番号5 ヒト変異ERαM396V 配列番号6 ヒト変異ERαG415V 配列番号7 ヒト変異ERαG494V 配列番号8 ヒト変異ERαK531E 配列番号9 ヒト変異ERαS578P 配列番号10 ヒト変異ERαG390D/S578P 配列番号11 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号12 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号13 変異導入のために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号14 変異導入のために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号15 変異導入のために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号16 変異導入のために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号17 変異導入のために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号18 変異導入のために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号19 変異導入のために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号20 変異導入のために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号21 変異導入のために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号22 変異導入のために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号23 変異導入のために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号24 変異導入のために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号25 変異導入のために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号26 変異導入のために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号27 変異導入のために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号28 変異導入のために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号29 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号30 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号31 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号32 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号33 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号34 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号35 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号36 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号37 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号38 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号39 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号40 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号41 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号42 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号43 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号44 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号45 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号46 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号47 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号48 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号49 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号50 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号51 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号52 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号53 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号54 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号55 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号56 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号57 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号58 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号59 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号60 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号61 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号62 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号63 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号64 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号65 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号66 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号67 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号68 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号69 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号70 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号71 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号72 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号73 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号74 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号75 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号76 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号77 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号78 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号79 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号80 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号81 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号82 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号83 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号84 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号85 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号86 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号87 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号88 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号89 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号90 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号91 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号92 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号93 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号94 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号95 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号96 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号97 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号98 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号99 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号100 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号101 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号102 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号103 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号104 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号105 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号106 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号107 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号108 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号109 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号110 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号111 サザンハイブリダイゼーションのために設計されたオリゴヌクレオチドプロー
ブ 配列番号112 サザンハイブリダイゼーションのために設計されたオリゴヌクレオチドプロー
ブ 配列番号113 サザンハイブリダイゼーションのために設計されたオリゴヌクレオチドプロー
ブ 配列番号114 サザンハイブリダイゼーションのために設計されたオリゴヌクレオチドプロー
ブ 配列番号115 サザンハイブリダイゼーションのために設計されたオリゴヌクレオチドプロー
ブ 配列番号116 サザンハイブリダイゼーションのために設計されたオリゴヌクレオチドプロー
ブ 配列番号117 サザンハイブリダイゼーションのために設計されたオリゴヌクレオチドプロー
ブ 配列番号118 サザンハイブリダイゼーションのために設計されたオリゴヌクレオチドプロー
ブ 配列番号119 サザンハイブリダイゼーションのために設計されたオリゴヌクレオチドプロー
ブ 配列番号120 サザンハイブリダイゼーションのために設計されたオリゴヌクレオチドプロー
ブ 配列番号121 サザンハイブリダイゼーションのために設計されたオリゴヌクレオチドプロー
ブ 配列番号122 サザンハイブリダイゼーションのために設計されたオリゴヌクレオチドプロー
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ブ 配列番号149 サザンハイブリダイゼーションのために設計されたオリゴヌクレオチドプロー
ブ 配列番号150 サザンハイブリダイゼーションのために設計されたオリゴヌクレオチドプロー
ブ 配列番号151 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号152 変異導入のために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号153 変異導入のために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号154 変異導入のために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号155 変異導入のために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号156 変異導入のために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号157 変異導入のために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号158 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号159 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号160 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号161 合成のために設計されたオリゴヌクレオチド 配列番号162 合成のために設計されたオリゴヌクレオチド 配列番号163 合成のために設計されたオリゴヌクレオチド 配列番号164 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号165 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号166 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号167 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号168 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号169 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号170 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号171 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号172 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号173 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号174 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号175 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号176 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号177 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号178 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号179 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号180 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号181 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号181 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号182 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号183 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号184 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号185 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号186 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号187 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号188 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号189 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号190 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号191 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号192 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号193 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号194 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号195 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号196 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号197 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号198 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号199 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号200 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号201 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号202 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号203 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号204 合成のために設計されたオリゴヌクレオチド 配列番号205 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号206 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号207 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号208 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号209 合成のために設計されたオリゴヌクレオチド 配列番号210 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号211 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号212 PCRのために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー 配列番号213 合成のために設計されたオリゴヌクレオチド
【0356】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 ヒト変異ERαまたはヒト正常ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。レポー
ター遺伝子は細胞の染色体から発現させた。変異ERα遺伝子は細胞中で一過性に
発現させた。
【図2】 ヒト変異ERαまたはヒト正常ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。レポー
ター遺伝子は細胞の染色体から発現させた。変異ERα遺伝子は細胞中で一過性に
発現させた。
【図3】 ヒト変異ERαまたはヒト正常ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。レポー
ター遺伝子は細胞の染色体から発現させた。変異ERα遺伝子は細胞中で一過性に
発現させた。
【図4】 ヒト変異ERαまたはヒト正常ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。レポー
ター遺伝子は細胞の染色体から発現させた。変異ERα遺伝子は細胞中で一過性に
発現させた。
【図5】 ヒト変異ERαまたはヒト正常ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。レポー
ター遺伝子は細胞の染色体から発現させた。変異ERα遺伝子は細胞中で一過性に
発現させた。
【図6】 ヒト変異ERαまたはヒト正常ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。レポー
ター遺伝子は細胞の染色体から発現させた。変異ERα遺伝子は細胞中で一過性に
発現させた。
【図7】 ヒト変異ERαまたはヒト正常ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。レポー
ター遺伝子は細胞の染色体から発現させた。変異ERα遺伝子は細胞中で一過性に
発現させた。
【図8】 ヒト変異ERαまたはヒト正常ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。レポー
ター遺伝子は細胞の染色体から発現させた。変異ERα遺伝子は細胞中で一過性に
発現させた。
【図9】 ヒト変異ERαまたはヒト正常ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。レポー
ター遺伝子は細胞の染色体から発現させた。変異ERα遺伝子は細胞中で一過性に
発現させた。
【図10】 ヒト変異ERαまたはヒト正常ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。レポー
ター遺伝子は細胞の染色体から発現させた。変異ERα遺伝子は細胞中で一過性に
発現させた。
【図11】 ヒト変異ERαまたはヒト正常ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。レポー
ター遺伝子は細胞の染色体から発現させた。変異ERα遺伝子は細胞中で一過性に
発現させた。
【図12】 ヒト変異ERαまたはヒト正常ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。レポー
ター遺伝子は細胞の染色体から発現させた。変異ERα遺伝子は細胞中で一過性に
発現させた。
【図13】 ヒト変異ERαまたはヒト正常ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。レポー
ター遺伝子は細胞の染色体から発現させた。変異ERα遺伝子は細胞中で一過性に
発現させた。
【図14】 ヒト変異ERαまたはヒト正常ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。レポー
ター遺伝子は細胞の染色体から発現させた。変異ERα遺伝子は細胞中で一過性に
発現させた。
【図15】 ヒト変異ERαまたはヒト正常ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。レポー
ター遺伝子は細胞の染色体から発現させた。変異ERα遺伝子は細胞中で一過性に
発現させた。
【図16】 ヒト変異ERαまたはヒト正常ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。レポー
ター遺伝子は細胞の染色体から発現させた。変異ERα遺伝子は細胞中で一過性に
発現させた。
【図17】 ヒト変異ERαまたはヒト正常ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。レポー
ター遺伝子は細胞の染色体から発現させた。変異ERα遺伝子は細胞中で一過性に
発現させた。
【図18】 ヒト変異ERαまたはヒト正常ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。レポー
ター遺伝子は細胞の染色体から発現させた。変異ERα遺伝子は細胞中で一過性に
発現させた。
【図19】 ヒト変異ERαまたはヒト正常ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。レポー
ター遺伝子は細胞の染色体から発現させた。変異ERα遺伝子は細胞中で一過性に
発現させた。
【図20】 ヒト変異ERαまたはヒト正常ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。レポー
ター遺伝子は細胞の染色体から発現させた。変異ERα遺伝子は細胞中で一過性に
発現させた。
【図21】 ヒト正常ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。レポーター遺伝子は細胞の
染色体から発現させた。
【図22】 ヒト変異ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。レポーター遺伝子は細胞の
染色体から発現させた。変異ERα遺伝子は細胞中で一過性に発現させた。
【図23】 ヒト正常ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。レポーター遺伝子は細胞の
染色体から発現させた。
【図24】 ヒト変異ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。レポーター遺伝子は細胞の
染色体から発現させた。変異ERα遺伝子は細胞中で一過性に発現させた。
【図25】 ヒト正常ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。レポーター遺伝子は細胞の
染色体から発現させた。
【図26】 ヒト変異ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。レポーター遺伝子は細胞の
染色体から発現させた。変異ERα遺伝子は細胞中で一過性に発現させた。
【図27】 ヒト正常ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。レポーター遺伝子は細胞の
染色体から発現させた。
【図28】 ヒト変異ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。レポーター遺伝子は細胞の
染色体から発現させた。変異ERα遺伝子は細胞中で一過性に発現させた。
【図29】 ヒト正常ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。レポーター遺伝子は細胞の
染色体から発現させた。
【図30】 ヒト変異ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。レポーター遺伝子は細胞の
染色体から発現させた。変異ERα遺伝子は細胞中で一過性に発現させた。
【図31】 ヒト正常ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。レポーター遺伝子は細胞の
染色体から発現させた。
【図32】 ヒト変異ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。レポーター遺伝子は細胞の
染色体から発現させた。変異ERα遺伝子は細胞中で一過性に発現させた。 図1、2、4、5、7、8、12、13、16、17および21〜26は、ヒト変異ERαまたはヒト
変異ERαを刺激する可能性がある単独の薬剤として様々な濃度の4-ヒドロキシタ
モキシフェン、ラロキシフェンまたはZM189154が存在する状態でのルシフェラー
ゼ活性を表す。図3、6、9〜11、14、15、18〜20、27〜32は、様々な濃度の4-ヒ
ドロキシタモキシフェン、ラロキシフェンまたはZM189154と共に様々な濃度の10
0pM E2が存在する状態でのルシフェラーゼ活性を表す。安定形質転換カセット細
胞を利用して、ヒト変異ERα遺伝子またはヒト正常ERα遺伝子を一過性に発現さ
せると共に、その染色体からレポーター遺伝子を発現させた。図1、2、4、5、7
、8、12、13、16、17および21〜26では、ヒト変異ERαまたはヒト正常ERαを(4
-ヒドロキシタモキシフェン、ラロキシフェンまたはZM189154を含まない)DMSO
の存在下に置いたコントロールがもたらすルシフェラーゼ活性を使って、ルシフ
ェラーゼ活性をゼロにする。図3、6、9〜11、14、15、18〜20、27〜32では、100
pMのE2を含むDMSO溶液の存在下にヒト変異ERαまたはヒト正常ERαを置いたコン
トロールがもたらすルシフェラーゼ活性を使って、ルシフェラーゼ活性をゼロに
する。ヒト変異ERαおよびヒト正常ERαが与えるルシフェラーゼ活性をゼロにす
る際には、コントロールによるルシフェラーゼ活性を100%に設定した。図1、2
、4、5、7、8、12、13、16、17および21〜26では、コントロールが与えるルシフ
ェラーゼ活性をDMSOとして示している。図3、6、9〜11、14、15、18〜20、27〜3
2では、コントロールが与えるルシフェラーゼ活性をDMSO+E2として示している
【図33】 ヒト正常ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。レポーター遺伝子およびヒ
ト正常ERαは、細胞の染色体から発現させた。
【図34】 ヒト変異ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。レポーター遺伝子およびヒ
ト変異ERα遺伝子は、細胞の染色体から発現させた。
【図35】 ヒト変異ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。レポーター遺伝子およびヒ
ト変異ERα遺伝子は、細胞の染色体から発現させた。
【図36】 ヒト変異ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。レポーター遺伝子およびヒ
ト変異ERα遺伝子は、細胞の染色体から発現させた。
【図37】 ヒト正常ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。レポーター遺伝子およびヒ
ト正常ERαは、細胞の染色体から発現させた。
【図38】 ヒト変異ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。レポーター遺伝子およびヒ
ト変異ERα遺伝子は、細胞の染色体から発現させた。
【図39】 ヒト正常ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。レポーター遺伝子およびヒ
ト正常ERαは、細胞の染色体から発現させた。
【図40】 ヒト変異ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。レポーター遺伝子およびヒ
ト変異ERα遺伝子は、細胞の染色体から発現させた。
【図41】 ヒト正常ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。レポーター遺伝子およびヒ
ト正常ERαは、細胞の染色体から発現させた。
【図42】 ヒト変異ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。レポーター遺伝子およびヒ
ト変異ERα遺伝子は、細胞の染色体から発現させた。
【図43】 ヒト変異ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。レポーター遺伝子およびヒ
ト変異ERα遺伝子は、細胞の染色体から発現させた。
【図44】 ヒト変異ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。レポーター遺伝子およびヒ
ト変異ERα遺伝子は、細胞の染色体から発現させた。
【図45】 ヒト正常ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。レポーター遺伝子およびヒ
ト正常ERαは、細胞の染色体から発現させた。
【図46】 ヒト変異ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。レポーター遺伝子およびヒ
ト変異ERα遺伝子は、細胞の染色体から発現させた。
【図47】 ヒト正常ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。レポーター遺伝子およびヒ
ト正常ERαは、細胞の染色体から発現させた。
【図48】 ヒト変異ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。レポーター遺伝子およびヒ
ト変異ERα遺伝子は、細胞の染色体から発現させた。 図33〜40は、ヒト変異ERαまたはヒト正常ERαを刺激する可能性がある単独の
薬剤として様々な濃度の4-ヒドロキシタモキシフェン、ZM189154またはラロキシ
フェンが存在する状態でのルシフェラーゼ活性を表す。図41〜48は、様々な濃度
の4-ヒドロキシタモキシフェン、ZM189154またはラロキシフェンと共に100pMのE
2が存在する状態でのルシフェラーゼ活性を表す。安定形質転換バイナリー細胞
を利用して、レポーター遺伝子をヒト変異ERα遺伝子と共に、またはヒト正常ER
α遺伝子と共に、染色体から発現させた。図33〜40では、ヒト変異ERαまたはヒ
ト正常ERαを(4-ヒドロキシタモキシフェン、ラロキシフェンまたはZM189154を
含まない)DMSOの存在下に置いたコントロールがもたらすルシフェラーゼ活性を
ゼロにする。図41〜48では、100pMのE2を含むDMSO溶液の存在下にヒト変異ERα
またはヒト正常ERαを置いたコントロールがもたらすルシフェラーゼ活性をゼロ
にする。ヒト変異ERαおよびヒト正常ERαが与えるルシフェラーゼ活性をゼロに
する際には、コントロールによるルシフェラーゼ活性を100%に設定した。図33
〜40では、コントロールが与えるルシフェラーゼ活性をDMSOとして示している。
図41〜48では、コントロールが与えるルシフェラーゼ活性をDMSO+E2として示し
ている。
【図49】 比較例として、レポーター遺伝子を細胞中で一過性に発現させた場合にヒト正
常ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。
【図50】 比較例として、レポーター遺伝子を細胞中で一過性に発現させた場合にヒト変
異ERαK531Eが与えるルシフェラーゼ活性を表す。
【図51】 比較例として、レポーター遺伝子を細胞中で一過性に発現させた場合にヒト正
常ERαが与えるルシフェラーゼ活性を表す。
【図52】 比較例として、レポーター遺伝子を細胞中で一過性に発現させた場合にヒト変
異ERαK531Eが与えるルシフェラーゼ活性を表す。 図49および50は、ヒト変異ERαを刺激する可能性がある単独の薬剤として様々
な濃度の4-ヒドロキシタモキシフェンが存在する状態でのルシフェラーゼ活性を
表す。図51および52は、様々な濃度の4-ヒドロキシタモキシフェンと共に100pM
のE2が存在する状態でのルシフェラーゼ活性を表す。図49および50では、ヒト正
常ERαまたはヒト変異ERαK531Eを(4-ヒドロキシタモキシフェンを含まない)D
MSOの存在下に置いたコントロールのルシフェラーゼ活性をゼロにする。図51お
よび52では、100pMのE2を含むDMSO溶液の存在下にヒト変異ERαK531Eを置いたコ
ントロールのルシフェラーゼ活性をゼロにする。ヒト変異ERαおよびヒト正常ER
αが与えるルシフェラーゼ活性をゼロにする際には、結果として得られたコント
ロールによるルシフェラーゼ活性を100%に設定する。図49および50では、コン
トロールが与えるルシフェラーゼ活性をDMSOとして示している。図51および52で
は、コントロールが与えるルシフェラーゼ活性をDMSO+E2として示している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 5/10 C12Q 1/68 A 4H045 7/00 Z C12Q 1/68 G01N 33/15 Z 33/50 Z G01N 33/15 C12N 15/00 ZNAA 33/50 5/00 B (31)優先権主張番号 特願2000−207011(P2000−207011) (32)優先日 平成12年7月7日(2000.7.7) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願2000−220508(P2000−220508) (32)優先日 平成12年7月21日(2000.7.21) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願2000−234053(P2000−234053) (32)優先日 平成12年8月2日(2000.8.2) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願2000−235463(P2000−235463) (32)優先日 平成12年8月3日(2000.8.3) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願2000−235460(P2000−235460) (32)優先日 平成12年8月3日(2000.8.3) (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願2000−235461(P2000−235461) (32)優先日 平成12年8月3日(2000.8.3) (33)優先権主張国 日本(JP) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW Fターム(参考) 2G045 AA25 AA40 BA11 BA13 BB03 BB20 BB50 CA25 CB01 CB21 DA12 DA13 DA14 DA36 DA77 FB02 FB03 FB04 FB05 4B024 AA01 AA11 AA12 BA63 CA04 CA09 DA02 DA12 EA02 GA11 HA14 4B063 QA18 QA19 QQ02 QQ43 QR55 QR62 QS25 QS34 4B065 AA72 AA90 AB01 BA02 CA44 CA46 4C084 AA17 NA14 ZC022 4H045 AA10 AA30 BA10 CA40 DA50 EA28 EA51

Claims (55)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i)ERE、TATA配列および前記EREにとって本来外来であるレポ
    ーター配列を含むレポーター遺伝子を含む染色体、ならびに (ii)以下の(ii-a)および(ii-b)から選択される1または複数の因子、 (ii-a)前記レポーター遺伝子を転写活性化する活性を持つ変異ERα(ここに
    、部分抗エストロゲンおよびE2の存在下における前記活性は前記部分抗エストロ
    ゲンおよびE2の存在下における正常ERαの活性よりも高いか、または部分抗エス
    トロゲンの存在下における前記活性は前記部分抗エストロゲンの存在下における
    正常ERαの活性よりも高いものとする)、および (ii-b)前記変異ERαをコードする遺伝子、 を含む人工細胞。
  2. 【請求項2】 (ii-b)の遺伝子が(i)の染色体に含まれる請求項1に記載の
    人工細胞。
  3. 【請求項3】 (ii-b)の遺伝子がベクターに含まれる請求項1に記載の人工細
    胞。
  4. 【請求項4】 前記部分抗エストロゲンがタモキシフェン、ラロキシフェン、ま
    たは4-ヒドロキシタモキシフェンである請求項1に記載の人工細胞。
  5. 【請求項5】 前記活性が完全抗エストロゲンの存在下で阻害されるレポーター
    遺伝子転写活性化活性でもある請求項1に記載の人工細胞。
  6. 【請求項6】 前記変異ERαが前記活性を付与する1または複数の置換アミノ酸
    を持つ請求項1に記載の人工細胞。
  7. 【請求項7】 前記変異ERαが、相対位置303〜578(ここに前記相対位置は配列
    番号1に示すアミノ酸配列とのホモロジー整列に基づくものとする)の1または複
    数に、前記活性を付与する1または複数の置換アミノ酸を持つ、請求項1に記載
    の人工細胞。
  8. 【請求項8】 前記変異ERαが、相対位置303、309、390、396、415、494、531
    および578(ここに前記相対位置は配列番号1に示すアミノ酸配列とのホモロジー
    整列に基づくものとする)から選択される1または複数の位置に、前記活性を付
    与する1または複数の置換アミノ酸を持つ、請求項1に記載の人工細胞。
  9. 【請求項9】 前記正常ERαが配列番号1に示すアミノ酸配列を持つERαである
    請求項1に記載の人工細胞。
  10. 【請求項10】 ERE、TATA配列および前記EREにとって本来外来であるレポータ
    ー配列を含むレポーター遺伝子を含む染色体、および 正常ERαのAF1領域には拮抗性でなく正常ERαのAF2領域に対して拮抗性である
    抗エストロゲンにばく露されたときに、EREの下流にある遺伝子の転写を活性化
    する変異ERα、 を含む人工細胞。
  11. 【請求項11】 前記変異ERαが、E2に結合したときにもEREの下流にある遺伝
    子の転写を活性化する変異ERαであり、前記活性化は、正常ERαのAF1領域には
    拮抗性でなく正常ERαのAF2領域に対して拮抗性である抗エストロゲンによって
    阻害されない、請求項10に記載の人工細胞。
  12. 【請求項12】 ERE、TATA配列および前記EREにとって本来外来であるレポータ
    ー配列を含むレポーター遺伝子を転写活性化する活性を持ち(ここに、部分抗エ
    ストロゲンおよびE2の存在下における前記活性は前記部分抗エストロゲンおよび
    E2の存在下における正常ERαの活性よりも高いか、または部分抗エストロゲンの
    存在下における前記活性は前記部分抗エストロゲンの存在下における正常ERαの
    活性よりも高いものとする)、 かつ、 相対位置303、309、390、396、494および578の1または複数の位置に1または
    複数の置換アミノ酸を含むか、または相対位置303、309、390、396、415、494、
    531および578から選択される2以上の位置に2以上の置換アミノ酸を含むERαのア
    ミノ酸配列を持つ(ここに前記相対位置は配列番号1に示すアミノ酸配列とのホ
    モロジー整列に基づくものとする)、 単離された変異ERα。
  13. 【請求項13】 前記置換アミノ酸が、相対位置303のアルギニン、相対位置309
    のフェニルアラニン、相対位置390のアスパラギン酸、相対位置396のバリン、相
    対位置494のバリン、または相対位置578のプロリンである(ここに前記相対位置
    は配列番号1に示すアミノ酸配列とのホモロジー整列に基づくものとする)請求
    項12に記載の単離された変異ERα。
  14. 【請求項14】 相対位置303にリジン、相対位置309にセリン、相対位置390に
    グリシン、相対位置396にメチオニン、相対位置494にグリシン、および相対位置
    578にセリンを含む正常ERα(ここに前記相対位置は配列番号1に示すアミノ酸配
    列とのホモロジー整列に基づくものとする)から誘導される請求項12に記載の
    単離された変異ERα。
  15. 【請求項15】 配列番号2に示すアミノ酸配列を持つ単離された変異ERα。
  16. 【請求項16】 配列番号3に示すアミノ酸配列を持つ単離された変異ERα。
  17. 【請求項17】 配列番号4に示すアミノ酸配列を持つ単離された変異ERα。
  18. 【請求項18】 配列番号5に示すアミノ酸配列を持つ単離された変異ERα。
  19. 【請求項19】 配列番号7に示すアミノ酸配列を持つ単離された変異ERα。
  20. 【請求項20】 配列番号9に示すアミノ酸配列を持つ単離された変異ERα。
  21. 【請求項21】 配列番号10に示すアミノ酸配列を持つ単離された変異ERα。
  22. 【請求項22】 請求項12の変異ERαをコードする単離されたポリヌクレオチ
    ド。
  23. 【請求項23】 請求項15の変異ERαをコードする単離されたポリヌクレオチ
    ド。
  24. 【請求項24】 請求項16の変異ERαをコードする単離されたポリヌクレオチ
    ド。
  25. 【請求項25】 請求項17の変異ERαをコードする単離されたポリヌクレオチ
    ド。
  26. 【請求項26】 請求項18の変異ERαをコードする単離されたポリヌクレオチ
    ド。
  27. 【請求項27】 請求項19の変異ERαをコードする単離されたポリヌクレオチ
    ド。
  28. 【請求項28】 請求項20の変異ERαをコードする単離されたポリヌクレオチ
    ド。
  29. 【請求項29】 請求項21の変異ERαをコードする単離されたポリヌクレオチ
    ド。
  30. 【請求項30】 請求項22のポリヌクレオチドを含むベクター。
  31. 【請求項31】 請求項30のベクターを含むウイルス。
  32. 【請求項32】 試験ERαによるレポーター遺伝子転写活性化活性を定量的に解
    析する方法であって、 前記試験ERαと、ERE、TATA配列および前記EREにとって本来外来であるレポー
    ター配列を含むレポーター遺伝子を含む染色体とを含む人工細胞を、リガンドに
    ばく露すること、および 前記試験ERαによる前記レポーター遺伝子の転写活性化量を測定すること、 を含む方法。
  33. 【請求項33】 前記リガンドが部分抗エストロゲンである請求項32に記載の
    方法。
  34. 【請求項34】 前記リガンドがタモキシフェン、ラロキシフェンまたは4-ヒド
    ロキシタモキシフェンである請求項32に記載の方法。
  35. 【請求項35】 前記リガンドが、AF1領域には拮抗性でなくAF2領域に対して拮
    抗性である抗エストロゲンである請求項32に記載の方法。
  36. 【請求項36】 試験リガンド依存性転写因子をスクリーニングする方法であっ
    て、 試験リガンド依存性転写因子と、前記試験リガンド依存性転写因子が結合する
    同系の受容体応答配列、TATA配列および前記受容体応答配列にとって本来外来で
    あるレポーター配列を含むレポーター遺伝子を含む染色体とを含む人工細胞を、
    リガンドにばく露すること、 前記試験リガンド依存性転写因子による前記レポーター遺伝子の転写活性化量
    を測定すること、 前記試験リガンド依存性転写因子による前記レポーター遺伝子の転写活性化量
    を、標準物質による前記レポーター遺伝子の転写活性化量と比較すること、およ
    び 試験転写活性化量による前記レポーター遺伝子の転写活性化量が前記標準物質
    による前記レポーター遺伝子の転写活性化量とは異なる試験リガンド依存性転写
    因子を選択すること、 を含む方法。
  37. 【請求項37】 前記試験リガンド依存性転写因子が変異リガンド依存性転写因
    子であり、前記標準物質が正常試験リガンド依存性転写因子である請求項36に
    記載の方法。
  38. 【請求項38】 前記試験リガンド依存性転写因子が試験ERα、試験ERβ、試験
    AR、試験GR、試験PR、試験MR、親油性ビタミンを本来のリガンドとする試験受容
    体、試験PPAR、または試験TRである請求項36に記載の方法。
  39. 【請求項39】 試験ERαをスクリーニングする方法であって、 前記試験ERαと、ERE、TATA配列および前記EREにとって本来外来であるレポータ
    ー配列を含むレポーター遺伝子を含む染色体とを含む人工細胞を、リガンドにば
    く露すること、 前記試験ERαによる前記レポーター遺伝子の転写活性化量を測定すること、 前記試験ERαによる前記レポーター遺伝子の転写活性化量を、標準物質による
    前記レポーター遺伝子の転写活性化量と比較すること、および 前記試験ERαによる前記レポーター遺伝子の転写活性化量が前記標準物質によ
    る前記レポーター遺伝子の転写活性化量とは異なる試験ERαを選択すること、 を含む方法。
  40. 【請求項40】 前記標準物質が配列番号1に示すアミノ酸配列を持つ正常ERα
    であるか、または既知の表現型を持つERαである、請求項39に記載の方法。
  41. 【請求項41】 前記リガンドが部分抗エストロゲンである請求項39に記載の
    方法。
  42. 【請求項42】 前記リガンドがタモキシフェン、ラロキシフェンまたは4-ヒド
    ロキシタモキシフェンである請求項39に記載の方法。
  43. 【請求項43】 試験ERαによるレポーター遺伝子転写活性化活性を評価する方
    法であって、 前記試験ERαと、ERE、TATA配列および前記EREにとって本来外来であるレポー
    ター配列を含むレポーター遺伝子を含む染色体とを含む人工細胞を、リガンドに
    ばく露すること、 前記試験ERαによる前記レポーター遺伝子の転写活性化量を測定すること、お
    よび 前記試験ERαによる前記レポーター遺伝子の転写活性化量を、標準物質による
    前記レポーター遺伝子の転写活性化量と比較すること、 を含む方法。
  44. 【請求項44】 前記標準物質が配列番号1に示すアミノ酸配列を持つ正常ERα
    であるか、または既知の表現型を持つERαである、請求項43に記載の方法。
  45. 【請求項45】 前記リガンドが部分抗エストロゲンである請求項43に記載の
    方法。
  46. 【請求項46】 前記リガンドがタモキシフェン、ラロキシフェンまたは4-ヒド
    ロキシタモキシフェンである請求項43に記載の方法。
  47. 【請求項47】 変異ERαの疾患の処置に有用な化合物をスクリーニングする方
    法であって、 請求項1の人工細胞を試験化合物にばく露すること、 前記人工細胞のレポーター遺伝子の転写活性化量を測定すること、 を含む方法。
  48. 【請求項48】 請求項46の方法によって選別された化合物を活性成分として
    含む、変異ERαの疾患の処置に有用な医薬。
  49. 【請求項49】 レポーター結合アッセイへの請求項12の変異ERαの使用。
  50. 【請求項50】 試験ERαをコードするポリヌクレオチドの遺伝子型を診断する
    方法であって、 前記試験ERαをコードするポリヌクレオチドのヌクレオチド配列中で、レポー
    ター遺伝子転写活性化活性(ここに、部分抗エストロゲンおよびE2の存在下にお
    ける前記活性は前記部分抗エストロゲンおよびE2の存在下における正常ERαの活
    性よりも高いか、または部分抗エストロゲンの存在下における前記活性は前記部
    分抗エストロゲンの存在下における正常ERαの活性よりも高いものとする)を付
    与する前記試験ERα中の1または複数の置換アミノ酸をコードする1または複数の
    変異コドンを検索すること(ここに染色体は、ERE、TATA配列および前記EREにと
    って本来外来であるレポーター配列を含むレポーター遺伝子を含むものとする)
    、および 前記1または複数の変異コドンのヌクレオチド配列を、標準物質をコードする
    ヌクレオチド配列中の1または複数の対応するコドンのヌクレオチド配列と比較
    することによって、前記1または複数の変異コドンのヌクレオチド配列中の変異
    を決定すること、 を含む方法。
  51. 【請求項51】 前記試験ERαをコードするポリヌクレオチドのヌクレオチド配
    列を、相対位置303、309、390、396、494および578から選択される1または複数
    の位置にあるアミノ酸、または相対位置303、309、390、396、415、494、531お
    よび578から選択される2以上の位置にあるアミノ酸(ここに前記相対位置は配列
    番号1に示すアミノ酸配列とのホモロジー整列に基づくものとする)をコードす
    る1または複数の変異コドンで検索する、請求項50に記載の方法。
  52. 【請求項52】 前記標準物質が配列番号1に示すアミノ酸配列を持つ正常ERα
    であるか、または既知の表現型を持つERαである、請求項50に記載の方法。
  53. 【請求項53】 試験ERαの表現型を診断する方法であって、 前記試験ERαのアミノ酸配列中で、レポーター遺伝子転写活性化活性(ここに
    、部分抗エストロゲンおよびE2の存在下における前記活性は前記部分抗エストロ
    ゲンおよびE2の存在下における正常ERαの活性よりも高いか、または部分抗エス
    トロゲンの存在下における前記活性は前記部分抗エストロゲンの存在下における
    正常ERαの活性よりも高いものとする)を付与する前記試験ERα中の1または複
    数の置換アミノ酸を検索すること(ここに染色体は、ERE、TATA配列および前記E
    REにとって本来外来であるレポーター配列を含むレポーター遺伝子を含むものと
    する)、および 前記試験ERαのアミノ酸配列を標準物質のアミノ酸配列と比較することによっ
    て、前記試験ERαのアミノ酸配列中の変異を決定すること、 を含む方法。
  54. 【請求項54】 試験ERαのアミノ酸配列を、相対位置303、309、390、396、49
    4および578から選択される1または複数の位置、または相対位置303、309、390、
    396、415、494、531および578から選択される2以上の位置(ここに前記相対位置
    は配列番号1に示すアミノ酸配列とのホモロジー整列に基づくものとする)で検
    索する、請求項53に記載の方法。
  55. 【請求項55】 前記標準物質が配列番号1に示すアミノ酸配列を持つ正常ERα
    であるか、または既知の表現型を持つERαである、請求項53に記載の方法。
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