JP2003515771A - 2つ又はそれ以上の入力オーディオ信号から少なくとも1つのオーディオ信号を導出する方法及び装置 - Google Patents

2つ又はそれ以上の入力オーディオ信号から少なくとも1つのオーディオ信号を導出する方法及び装置

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Abstract

(57)【要約】 「適応」オーディオマトリックスを用いる多重方向性デコーダは、2つ又はそれ以上の指向的に符号化されたオーディオ入力信号流れ(S1(α), S2 (α),...SN(α))からの複数の出力オーディオ信号少なくとも1つを導出する。αは源オーディオ信号の符号化された角度である。各出力信号は主方向βとβ1に関連づけられる。各出力信号を発生させるために一対の中間信号(「反優勢」信号)が発生され、デコーダの2つの各隣接主出力方向に対にする反優勢信号を構成する。任意の主(又は優勢)方向に対する反優勢信号は、結合されたものがその優勢方向に関してゼロになるように各係数を有する入力信号が結合されたものである。主方向と関連した出力オーディオ信号を与えるように加算的又は減算的に結合された実質的に等しい大きさを有する一対の信号を与えるために、振幅制御が該2つの反優勢信号に用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】
本発明はオーディオ信号処理に関する。特に、本発明は、2つ又はそれ以上の
指向的に符号化されたオーディオ入力信号流れ(又は「信号」又は「チャンネル
」)から少なくとも1つのオーディオ流れ(又は「信号」又は「チャンネル」)
を導出する「適応」(又は「能動」)オーディオマトリックスを用いる「多重指
向性」(又は「多重チャンネル」)オーディオ復号に関する。
【0002】
【背景技術】
オーディオマトリックス符号化及び復号は先行技術でよく知られる。例えば、
いわゆる「4−2−4」オーディオマトリックス符号化及び復号では、概して同
一の4基本入力及び出力方向(例えば、左、中央、右及び環境又は左前方、右前
方、左後方及び右後方)と関連する、4音源信号は、2つの信号に振幅位相マト
リックス符号化され、そこでは各信号の相対的振幅及び極性がそれらの指向的、
即ち、指向性符号化を表す。同2つの信号は伝送又は記憶され、次いで元の4音
源信号の近似値を回復するために振幅位相マトリックスデコーダによって復号さ
れる。理想的には、各信号間には無限の分離があり、復号された信号は源信号と
同一であるべきである。しかし、マトリックスデコーダの内在的クロストークは
、概して隣接方向と関連する信号間で僅か3dBの分離に帰着するに過ぎない。
マトリックス特性が変わらないオーディオマトリックスは、当業界では「受動マ
トリックス」として知られる。能動又は適応マトリックスの「静止」即ち、「休
止」状態は同様にその「受動」マトリックス状態と呼ばれる。
【0003】 マトリックスデコーダのクロストーク問題を克服するために、復号された信号
間の分離を改良しかつ源信号をより正確に近似するように復号マトリックス特性
を適応的に変えることは先行技術で知られる。そのような能動マトリックスデコ
ーダのよく知られた一例は、米国特許第4,799,260号に記載された、Do
lby Pro Logic デコーダである。同特許は参照によりそのすべてが本明細書に含
まれる。同特許は、その先行技術である多数の特許を引用し、その多くは各種の
他の適応マトリックスデコーダを記載する。
【0004】 改良された型の適応マトリックスデコーダは、1999年12月3日に出願さ
れた、James W. Fosgate の米国特許出願第09/454,810号及び2000
年3月22日に出願された、James W. Fosgate の米国特許出願第09/532,
711号(「Fosgate出願」)に記載される。上記Fosgate出願では、デコーダを
単純化しかつデコーダの精度を改良するために適応マトリックスデコーダの中間
信号間の望ましい各関係が用いられる。
【0005】 Fosgate出願の各デコーダでは、L及びR(「左全体」及び「右全体」)入
力信号が受信されて4つの出力信号が与えられる。同出力信号は基本方向左、右
、中央及び環境を表し、その各対の方向(左/右、中央/環境)は互いに90度を
なす方向上に位置する。L及びR入力信号の相対的大きさ及び極性は指向的
情報を伝える。第1「サーボ」(サーボ機構)はL及びRに作用し、第2「
サーボ」はL及びRの和及び差に作用し、各サーボは一対の中間信号を与え
る。各サーボによって与えられた対をなす中間信号は、大きさが制御され、制御
された中間信号がそれぞれのサーボ(従って「サーボ(自動制御)の名称」)によ
って「平等に向けて強制される」、即ち、「等しい大きさに制御される」(しか
しそれらの極性は同一である必要はない)。4つのデコーダ出力信号は、各対の
大きさ制御された「平等に向けて強制される」中間信号を、加算的及び減算的の
双方で、結合することによって発生される。
【0006】 前記Fosgate出願に開示された4出力デコーダは、L及びR入力信号に符
号化された特定方向の単一源信号が、符号化された方向に隣接する各方向を表す
2つの出力(又は、符号化された方向がたまたま正確に一出力で表される方向で
ある場合にはその信号出力のみ)のみによって再生される(適切な相対的大きさ
で)と言う意味で「完全」である。
【0007】 前記Fosgate出願の2番目のものも同様に、等しい大きさに制御された各対の
中間信号から得られる4出力方向以外の各方向に対するデコーダ出力を与える技
術を開示する。しかし、そのような追加のデコーダ出力信号は、前記Fosgate出
願デコーダの基本的4つの出力より大きい、望ましくないクロストークに悩まさ
れる。従って、前記Fosgate出願のデコーダで与えられる改良された性能にもか
かわらず、多重出力を与え得る適応マトリックスデコーダに対する必要性が依然
として残り、各出力が任意の方向を有すると共に前記Fosgate出願の4出力デコ
ーダに対する高度のクロストーク抑制を有するものが望まれる。
【0008】
【本発明の開示】
本発明は、等しい大きさに制御された対をなす各中間信号の原理が、各対の方
向が互いに90度である4つの主復号方向を有するオーディオマトリックスデコ
ーダに限られず、その代わりに主復号方向に対応する多重出力を有するマトリッ
クスデコーダにも用いられ得ることを実現することにある。同主復号方向は、各
対の出力信号が互いに90度をなす軸上にあることを要することなく、任意の、
任意に隔置された、角位置を有する。さらに、本発明は2つ及び3つ以上の指向
的に符号化された(「全体」)入力信号を受信するデコーダに用いられ得る。こ
の実現は、前記Fosgate出願の4出力デコーダと同一の「完全性」をもつ、平等
な大きさに強制される各対の制御された中間信号の結合されたものを用いる新し
いデコーダに帰着する。一度に一方向からの各源に対して、無音であるべき出力
内に殆ど又は全く不要なクロストークはない(即ち、所望の方向に隣接する各方
向を表す2つ以外の出力には信号はない。ただし、所望の方向がたまたま出力の
その方向と一致する時において実質的にその出力のみに信号がある場合を除く)
【0009】 前記Fosgate出願のデコーダでは、「サーボ」で受信された入力信号は前記Fos
gate出願では認識されない内在的特性を有する。即ち、入力信号に符号化された
方向が、サーボから得られたデコーダ出力信号の2つの主(又は基本)方向の1
つに隣接する主(又は基本)デコーダ出力方向の一方ならば、サーボへの2つの
入力信号の一方は実質的にゼロになる。また、入力信号に符号化された方向が、
サーボから得られたデコーダ出力信号の2つの主(又は基本)方向の1つに隣接
する主(又は基本)デコーダ出力方向の他方ならば、サーボへの2つの入力信号
の他方は実質的にゼロになる。
【0010】 従って、本明細書の図1に示されるデコーダでは、主出力方向は左(Lout
)、右(Rout)、中央(Cout)及び環境(Sout)である。図1は前記F
osgate出願の2つの図が結合されたもの、即ち、図3(本明細書の図15)のフ
ィードバック制御回路が組込まれた図6(本明細書の図18)である。図1の詳
細は、以下の図15及び18の記載で詳説される。例えば、主方向出力Cout
に関して、L及びR入力が「右」源信号(中央に隣接する主出力方向の一方)
によって方向符号化されるならば、L入力はゼロに向かい、L及びR入力が
「左」源信号(中央に隣接する主出力方向の他方)によって方向符号化されるな
らば、R入力はゼロに向かう。サーボ3及び5は、それらのそれぞれの出力振
幅が平等になるように強制制御される。中央出力Coutは各サーボ(L/Rサー
ボ3)の一方の各出力を加算的に結合することによって導出される。各対の出力
(C/Sに関してL/R)の90度関係のために、中央出力を発生させるのに要す
る「同等性維持」信号は環境出力を発生させるのに要する「同等維持」信号と同
一である。従って、出力方向が互いに90度をなす軸上の各対の方向である特殊
な4出力の場合に関して、図1デコーダの中央及び環境(又は左及び右)出力信
号のような出力は、別々に導出される(本発明の任意の主方向出力に対する各出
力の各々で行われるような)必要はないが、「同等維持」信号を加算的及び減算
的の双方で結合することによって同等になるよう強制される同一の「同等維持」
信号から導出され得る。
【0011】 任意の源方向を表す信号は、規則に従って線形、時間不変結合の形で指向的に
2つ(又はそれ以上)の信号又は「チャンネル」に符号化される。例えば、単位
元、即ち、1の振幅を有しかつ任意の方向α度を表す単一源オーディオ信号は、
L及びR(L及びRのような信号は、しばしが「全体」信号、即ち、「左全
体」及び「右全体」)と呼ばれ、そこでは2つの入力信号がそれらの相対的大き
さ及び極性の形で単一オーディオ源に対する指向的情報を伝える。指向性符号化
は以下の各式によりなされ、そこでαは源信号の意図された指向性角度である(
水平円弧フレーム規準に関して、後方における0度で始まり時計方向に進む)。
【0012】 Lt(α)=cos((α-90)/2)、及び 式1 Rt(α)=sin((α-90)/2) 式2 式1及び2のコサイン及びサイン限定は、上記指向的符号化要件を満たす可能
な無限の関数の1つに過ぎないことが理解されるであろう。それらは容易に理解
され、動かすのが簡単で、内在的に正規化される(二乗されたコサインの平方根
に二乗されたサインを加えると1になる)ので、L+Rのような符号化された
全体信号は、式1及び2の関数のような、本明細書中の各例のコサイン及びサイ
ン関数により表され得る。4:2「真の」符号化マトリックスの出力は式1及び
2に合致する(即ち、虚項又は位相変化のないものでは、L=L+0.707C+0.70
7S及びR=R+0.707C-0.707Sのように、4つの主源方向左、中央、右及び環境が
ある)が、前記Fosgate出願デコーダ又は本発明のデコーダのいずれにも、Lt+R
tを発生させるために4:2符号化が用いられると云う要件はなく、又デコーダ
が4:2マトリックスならば、そのようなどんなデコーダにおいてもデコーダで
4つの主方向が用いられるか又はエンコーダで用いられるものと同一主方向の任
意のものがデコーダで用いられると云う要件はない。符号化された「全体」信号
はあらゆる方法で発生され得る。即ち、例えば、符号化マトリックス(例えば、
同等隔置又は任意の主符号化方向間隔を有する4:2又は5:2マトリックスの
どちらでも)、多数の指向性マイク、複数の信号を受信する一連のパンポット、
多数の離散チャンネル等を含む。デコーダへの入力信号の指向的符号化が連続的
である限り、実際のシステムで事実であるように、本発明は任意の数の復号され
た出力方向を可能にする。
【0013】 本発明によるデコーダでは、以下に表される一定の資質を条件として、任意の
角間隔を有する一組の任意の主出力方向を選び得る。β1及びβ3がβ2のいず
れかの側でかつβ2に隣接する主出力方向であり、β2が主出力方向の1つであ
ると仮定する。Lt及びRtのような2つの入力信号の場合に関しては、Lt及びRtに
符号化された源信号の方向αがβ1と同一ならば第1結合がゼロになり、またLt
及びRtに符号化された方向がβ3ならば第2結合がゼロになるような、各係数を
有するLt及びRtの一対の線形結合を発生させることが可能である。これらの結合
によって表される信号は、方向β1及びβ3に対する「反優勢」信号と呼ばれ得
る。言い換えると、あらゆる任意の主(又は「優勢」)方向に対する反優勢信号
は、その優勢方向に対して当該結合がゼロになるような各係数を有する入力信号
の結合である。
【0014】 源方向αに対する任意の主出力方向βに対する反優勢信号(antiβ(α))、即
ち、デコーダの出力方向の1つは次式から決定され得る。
【0015】 antiβ(α)=Alβ・Lt(α)+Arβ・Rt(α) 式3 式3は変数(量)αの関数であり、可変方向では源信号が再生されることが意図
される。言い換えると、反β(α)、即ち、antiβ(α)は出力方向βに対する反優
勢(antidominant)結合であるが、それはあらゆる源信号方向αに対する異なった
値をもつ。固定された係数Alβ及びArβは、αがβと同一角度(即ち、符号化
された源信号の方向が方向βと同一ならば)ならば、antiβ(α)が実質的にゼロ
になるように選ばれる。源が角度βにあると、式3は下式になる。
【0016】 antiβ(β)=Alβ・Lt(β)+Arβ・Rt(β) 式3a 可能な公倍数を無視すると、内在的にこの要件を満たすAlβ及びArβの唯一
の値は下式になる。
【0017】 Alβ=-Rt(β)及び Arβ=Lt(β) 又は Alβ=Rt(β)及び Arβ=-Lt(β) 明らかにRt(β)・Lt(β)- L(β)・Rt(β)≡0なので、従って、式1及び2で
表される実際的場合につき下式が得られる。
【0018】 Alβ=-sin((β-90)/2)及び Arβ=cos((β-90)/2) 又は Alβ=sin((β-90)/2)及び Arβ=-cos((β-90)/2) 本明細書の各例ではある反優勢信号は以下の形式で表される。
【0019】 antiβ(β)=Alβ・Lt(β)- Arβ・Rt(β)、及び 式3b antiβ(β)=Rtβ・Lt(β)- Lβ・Rt(β) 式3c 上記考察から見て、式3b及び3cの形式は、式3(上記)及び22−25(
下記)で表される反優勢信号の一般的形式に合致することが理解されるであろう
【0020】 式3は、式1及び2で表されるL及びRの符号化を代入することによって
下式に書き換えられ得る。
【0021】 antiβ(α)=Alβ・cos((α-90)/2)+Arβ・sin((α-90)/2) 式4 任意の方向β2に対する出力を発生させるために、方向β1及びβ3、即ち、
2つの隣接出力に対する反優勢信号が用いられる。従って、β1及びβ3と等し
いαに対して式3及び4がゼロに等しいならば、主出力方向β2に関して、2つ
の必要な反優勢信号に対する必要な各係数が与えられる。即ち、 anti1(α)=Alβ1・cos((α-90)/2)+Arβ1・sin((α-90)/2)=0 α=β1ならば 式5 anti3(α)=Alβ3・cos((α-90)/2)+Arβ3・sin((α-90)/2)=0 α=β3ならば 式6 本明細書を通して用いられる、anti1(α)」、anti3(α)及び同様な各式(「
antiβ1(α)」のような)は、「反優勢β1(α)」、「反優勢β3(α)」等に対す
る短縮表現(式)であることが理解されるであろう。
【0022】 重要な特性は、源方向αがβ1及びβ3と等しいならば各反優勢式はゼロに向
かうと言うことなので、Al及びArの絶対値は有意ではなく、縮尺率、即ち、尺
度化率(同一尺度化率)が両係数に用いられ得る。以下に述べるように、固定さ
れた縮尺率の使用は、出力方向間の角度が一定でないならば出力ピークが所望の
出力角度で起こることを保証し、また能動マトリックスデコーダが静止又は受動
マトリックス状態(即ち、明確な方向づけがない場合;デコーダが本質的に受動
マトリックスとして機能するようにサーボが弛緩する場合)ならばマトリックス
特性を変えることは有用である。他の種類の尺度化、即ち、符号化された源信号
角度αの関数として振幅の形で反優勢係数を変える適応尺度化が両反優勢信号の
すべての係数に平等に用いられ得る。以下にさらに詳説される、適応尺度化は出
力信号間に一定の制御力(パワー)を維持するのに有用である。
【0023】 縮尺率がない場合、α=β1ならば、係数Alβ1及びArβ1に対する以下の値
によって、anti1(α)に対する「ゼロに向かう」条件は満たされる。
【0024】 Alβ1=sin((β1-90)/2)、及び 式7 Arβ1=cos((β1-90)/2)、及び 式8 α=β3ならば、anti3(α)に結合に関し、Alβ3及びArβ3に対する以下の
値による。
【0025】 Alβ3=sin((β3-90)/2),及び 式9 Arβ3=cos((β3-90)/2) 式10 例えば、所望の主方向が31.5°(左後方、LB)、90°(左前方、LF)、180°(中
央、C)、270°(右前方、RF)及び328.5°(右後方、RB)である2入力でコーダを
考察しよう。本発明により左後方(31.5°)主方向出力を導出するために、2つ
の反優勢信号、即ち、隣接する左前方(90度)主方向用の一方及び隣接する右
後方(328.5度)主方向用の他方の信号が必要である。左前方用の反優勢信
号は下式で表され得る。
【0026】 antiLF(α)=sin((90-90)/2)Lt(α)+cos(90-90)/2)Rt(α) 式11 従って、第1反優勢信号は下式になる。
【0027】 antiLF(α)=0・Lt(α)+1・Rt(α)=Rt(α) 式12 また、第2反優勢信号は下式になる。
【0028】 antiRF(α)=sin((328.5-90)/2)・Lt(α)+cos((328.5-90)/2)・Rt(α) =0.827・Lt(α)-0.489・Rt(α) 式13 反優勢信号を形成する入力信号の相対的大きさ及び極性を制御する係数は、正
の実数及び負の実数であり、一係数を除きすべてがゼロである。
【0029】 対をなす反優勢信号は、実質的に等しい大きさを持つ一対の信号を導出するた
めに、次いで閉ループ又は開ループ関数又は装置によって利得改変を受ける。即
ち、anti1(α)の振幅改変版がanti3(α)の振幅改変版(バージョン)と等しいか
又は、少なくとも、反優勢信号の振幅改変版が制御され、それらのそれぞれの大
きさのあらゆる差が低減するようにされるのが望ましい。
【0030】 任意の特殊の出力信号方向を発生させるのに用いる所望の反優勢信号は、Lt
及びRtのような入力信号を、2つの隣接主方向の各々につき反優勢信号を発生
させるマトリックスに加えることによって発生され得る。前記Fosgate出願の4
出力デコーダでは、過度に反優勢信を号発生させるマトリックスは現れないこと
に注目せよ。前記各出願は、それらに開示されたデコーダのサーボに入る信号が
、事際、隣接主方向に対する反優勢信号であることを理解していない。それは同
信号がたまたまLt、Rt及びLt+Rtの和と差であることの理由による。
【0031】 実質的に等しい振幅をもつ一対の信号を与えるために振幅制御を2つの反優勢
信号に用いる関数又は装置は、それが閉ループ又はフィードバックタイプの制御
関数又は装置の如何にかかわらず、本明細書では「サーボ」と称する。サーボは
、アナログ又はデジタルハードウエア又はソフトウエアで実施され得る。本発明
の実際的なアナログ実施形態では、サーボは一対の電圧制御されたアンプ(VC
A)を含む。本発明のアナログ又はデジタル実施形態における制御は、サーボ出
力の大きさの比が1と比較されるフィードバックシステムによって行われ、サー
ボ内のVCAを制御する誤り信号を発生させ、ほぼ等しい大きさを与えるために
サーボを強制させるようにそれが用いられ得る。その代わりに、本発明のアナロ
グ又はデジタル実施形態では、平等化への強制(促進)は、サーボ入力信号を測
定する開ループフィードフォワードプロセスによって達成され得る。この場合に
は、より小さい入力は実質的に無変化に放置され得るが、より大きい入力は、そ
の大きさがより小さいものに向かうか又はそれと等しくなるように促進するため
に、より小さいものとより大きいものとの比によって大きいほうが減衰される。
各フィードバック制御装置は所望の動的特性を与え得るが、それらはあるデジタ
ル実施形態ではより不便であり得る。本明細書では、デジタル領域における低下
されたサンプリングレートでフィードバック制御を行う技術が開示され、本発明
の代わりの面を構成する。
【0032】 次いで、反優勢信号の2つの「平等化への強制」バージョンが、加算的又は減
算的に結合される。所望の主出力方向に隣接する各主方向の間隔が180度未満
ならば、隣接方向間の2つの弧のより小さい方以内に出力信号方向が位置づけら
れることが意図される極性で信号が結合される。特殊の90度軸、即ち、4出力
の場合には(例えば、前記Fosgate出願に記載された4出力デコーダ)、2つの
出力信号を得るようにするために各信号は両極性で結合され得る。
【0033】 デコーダに用いられる2つの信号に符号化された振幅1の単一源オーディオ信
号を有する他の例を考察しよう。90度の所望の主方向出力に対して隣接主方向
が30°及び150°であると仮定しよう。従って、β2=90°、β1=30
°及びβ3=150°である。anti1(α)及びanti3(α)対αの各プロットは図
2に示される。anti1(α)は30°においてゼロに向かいかつanti3(α)は15
0°においてゼロに向かうことに注意のこと。両反優勢信号は、それらがゼロを
通過する時極性が変わる。
【0034】 反優勢信号は利得改変にさらされて結果的に生じる改変された信号が、閉ルー
プ又は開ループサーボによってそれらを等しい大きさに向けて強制するように制
御される。上記の非フィードバック開ループ接近手段を用いると、反優勢信号を
平等化に向けて強制するのに要する利得、即ち、anti1(α)に対するhβ1(α)、
anti3(α) に対するhβ3(α)、方向角度αの両関数は下式で表される。
【0035】
【式9】
【式10】 上記“if”関数(及び本明細書の他のそのような“if”関数)は以下の構造に
従う。
【0036】 if(条件、値1、値2) 式16 上記式は、同条件が満たされるならば、第1値が適合し、そうでないならば第2
値が適合することを意味する。
【0037】 既に述べたとおり、式14及び15はフィードバック制御用である。これらの
式及び以下に述べる他の式は、フィードバックシステムよりはむしろフィードバ
ック制御システムを表す。それは同式がより簡単かつより容易に理解されるから
である。フィードバックシステムが本質的に同一結果を与えることは理解される
べきである。
【0038】 方向角度αの関数としての式14及び15の利得hβ1(α)及びhβ3(α)は図3
に示される。
【0039】 それぞれの制御された利得又は減衰関数又は要素、magβ1(α)及びmagβ3(α)
は下式で表される。
【0040】 magβ1(α)=hβ1(α)・anti1(α) 式17 magβ3(α)=hβ3(α)・anti3(α) 式18 図4は、方向角度αの関数としての式17のmagβ1(α)及び式18のmagβ3(
α)を表す。制御された利得又は減衰出力magβ1(α)及びmagβ3(α)は、β1〜
β3の範囲を除けば大きさ及び極性は同一であり、そこではそれらは同一大きさ
を有するが極性は逆である。従って、それらを減算することによって(既に述べ
た通り、隣接方向間の2つの弧のうち小さい方以内に出力信号方向を位置づける
と言う意味の極性で各信号は結合される)主方向β2に対する所望の出力が得ら
れる。主方向β2に対する出力は下式で表される。
【0041】 出力β2(α)=magβ1(α)- magβ3(α) 式19 式19は、隣接主方向β1及びβ3間の限定された方向角度内を除けばゼロであ
る。出力β2(α)対方向角度αのプロットは図5に示される。従って、背面にお
けるα=0°から、前方におけるα=180°を経て背面におけるα=360°
に戻る全円周の周りでその指向性符号化がパンされる単一源信号に関して、主方
向β2に対する出力はβ1におけるゼロからβ2におけるか又はその近辺におけ
る最大まで上昇し、β3において再び所望の結果であるゼロまで下降する。従っ
て、β1及びβ3の外側では内在的に源方向からのβ2内へのクロストークはな
い。
【0042】 N出力デコーダにたいしてはβ1、β2及びβ3のN個対があり、従って、各
出力間に実質的に不要なクロストークがないN出力を与えるためには、今述べた
プロセス及び手配がN回行われる。
【0043】 制御された利得又は減衰関数又は要素を制御するためにフィードバックサーボ
を用いる本発明の実際的実施形態では、利得hβ1(α)及び hβ3(α)を直接発生
させないで、その代わりに下式で表される利得gβ1(α)及び gβ3(α)を発生
させ、 gβ1(α)=1- hβ1(α)、及び 式20 gβ3(α)=1- hβ3(α) 式21 次いで、それらの入力から制御された利得又は減衰関数又は要素の出力を減算す
るのがより便利であり得る。即ち、結果は同等である。gβ1(α)及び gβ3(
α)対方向角度αのプロットは図6に示される。
【0044】 既に述べた通り、本発明の原理は3つ以上の入力を受信するデコーダにも同様
に適用され得る。従って、例えば、デコーダに対する3つの入力信号Lt、Rt及
びBtが与えられ、同3信号は、説明された対をなす入力信号が表す源信号に対
する指向的情報を伝えるのと類似の方法でそれらの相対的振幅及び極性としての
指向的情報を伝えるようにされ得る。しかし、3つ又はそれ以上の入力信号の場
合には、隣接する反優勢信号が適切な時にゼロになるようにさせる反優勢信号を
選択するのは不十分である。その規準を満たす係数は2組以上存在する。しかし
、所望の結果を与えるのは1つの組のみである(即ち、その指向性符号化が全円
周の周りでα=0°〜360°時計方向にパンされる単一源信号に関して、主方
向β2の出力は、β1におけるゼロからβ2又はその近辺における最大値まで上
昇し、β3において再び0まで下降し、そこではβ1、β2及びβ3は連続的な
主出力方向である)。その代わりに、各係数は、源信号方向αがβ1及びβ2間
にある時は一極性を有し、他のすべてのα値に対して別の相対的極性をもつよう
に各反優勢信号が選択されなければならない。これらの条件は、上記の「ゼロに
なる」結果に帰着する係数の選択による2つの入力信号の場合につき内在的に満
たされる。「ゼロになる」条件を2入力信号に用いることは、実際、今述べた多
重入力信号に対する一極性、他極性条件の特殊な条件である。この状況は次の節
でさらに説明される。
【0045】 2つの全信号Lt及びRt(その相対的大きさ及び極性が意図される再生方向を
限定する)を用いるシステムに関しては、上記のコサイン/サイン関係のような
、方向符号化パラメータの合理的かつ連続的選択は、源が全360°円周を通し
てパンされるにつれてLtの符号(記号)は1度しか変わらずかつRtの記号は一
度しか変わらないことを意味する。従って、反優勢信号のようなLtt及びRtの
任意の線形結合もまたこの属性をもつであろう。符号の変化はゼロを通る(連続
的)関数として起こらなければならないので、一反優勢信号につき、それがゼロ
の値をもつ時点、即ち、対応する主方向において一回の符号変化が起こることに
なる。従って、一対の反優勢信号を考察すると、各反優勢信号が1つの相対的極
性をもつところではただ1つの弧(切片)が内在的に存在することが可能であり
、それらの優勢信号は同円周の残りの部分に対し反対の極性をもつであろう。等
しい振幅に向けて強制されて加算的又減算的に結合された後では、従って、唯1
つのゼロでない(非ゼロ)弧が存在するであろう。
【0046】 3つ以上の全信号を用いるシステムに関して、各信号それ自体の、さらに特定
的には、反優勢信号を形成する各線形結合物の、符号は2度以上変化し得る。従
って、他と交替する、一極性の多重弧及び出力における多重非ゼロ弧の可能性が
ある。図7は、60°及び180°(少なくとも1つの他の組の係数がほぼその
結果をもたらすことに注目のこと)におけるゼロ出力に対して選ばれた一組の係
数を有する、3入力全信号から得られた一対の反優勢信号を示す。その意図はこ
れらの角度間に一出力を与えるが、他の場所には与えないと言うことである。図
8は平等化に向けて強制される反優勢信号の振幅制御されたバージョンを示す。
同2つの相対的極性は、円周の周りにおける源信号のパン中に数回変わり、従っ
て図9に示されるように、追加(この場合の)は2つの非ゼロ弧、即ち、約12
0°における最大振幅を有する所望のもの及び約300°における最大振幅を有
する不要のものを与える。
【0047】 図7の反優勢信号antiLB(α)は、60°及び240°においてゼロを通過し
、一方反優勢信号antiC(α)は、0°及び180°においてゼロを通過する。従
って、これらの反優勢信号、即ち、図8に示されるL1(α)及びL2(α)は、4
つのすべての角度においてゼロになる(L1及びL2は同一大きさであるが、同
一又は逆極性のものであり得る)。L1又はL2は、それが導出される(L1は
antiLBから、またL2はantiCから導出される)反優勢信号がゼロになるか又
は他の反優勢信号がゼロになってサーボが大きな減衰を導入するかのいずれかの
理由でゼロになる。
【0048】 同一の3つの全信号から得られた各係数の異なった選択で、300°区域の不
要な出力が避けられる。この第2組の係数については、図10、11及び12(
図10、11及び12と図7,8及び9とを比較のこと)に示されるように、反
優勢信号はなおゼロを通過して2度以上符号を変化させるが、発生されている(
60°及び180°において)主出力のいずれかの側の所望の各角度において起
こる変化を除けば、これらの変化は同一角度(300°)において起こる。これ
を異なるように表現すると、所望の2つの点(60°及び180°)を除くすべ
てに対して、信号がゼロを横切って(この場合300°において)平等化に向け
て強制される。その結果は、加算後には所望の、60°及び180°間の非ゼロ
弧及び他の方向からの不要なクロストークのないもののみしかないことである。
【0049】 3つ以上の全信号があるならば、反優勢信号を導出するために係数を選択する
上での追加の制限があることに帰結する。それらの信号は、2つの隣接する主方
向におけるものを除き、2つの反優勢信号の相対的極性変化が同一角度において
起こらなければならず、各信号につき、唯1つのゼロ交差が他の信号に対する有
限な値と一致するようにさせることを保証しなければならない。すべての他のゼ
ロ交差は、他の信号に対するゼロ値と一致しなければならない。これは等しい振
幅に向けた強制及び結合後には唯1つの非ゼロ弧のみが存在することを保証する
【0050】 従って、2つの入力オーディオ信号の場合に関して本発明は、2つの入力オー
ディオ信号S1(α)及びS2 (α)からの複数の出力オーディオ信号の1つを導
出する方法において、該出力オーディオ信号は主方向β2と関連し、該入力オー
ディオ信号は方向αを有するオーディオ信号源信号で符号化される方法を意図す
る。以下の形式の2つの反優勢オーディオ信号が発生される: 反優勢β1(α)=AS1β1・S1(α)+AS2β1・S2(α) 式22 及び 反優勢β3(α)=AS1β3・S1(α)+AS2β3・S2(α) 式23 一方の反優勢信号における該角度β1は、該出力オーディオ信号の該主方向β2
に隣接する該2つの主方向の一方の角度であり、他方の反優勢信号における該角
度β3は、該出力オーディオ信号の該主方向β2に隣接する該2つの主方向の他
方の角度である。該係数AS1β1及びAS2β1は、αがβ1である時該一方
の反優勢信号が実質的にゼロになるように選択され、該係数AS1β3及びAS
2β3は、αがβ3である時該他方の反優勢信号が実質的にゼロになるように選
択される。実質的に等しい大きさを有する一対の信号を与えるために該2つの反
優勢信号に振幅制御を用い、該出力オーディオ信号を発生させるために該振幅制
御された反優勢オーディオ信号を加算的又は減算的に結合されせる。
【0051】 2つ又はそれ以上の入力オーディオ信号に対して本発明は、2つ又はそれ以上
の入力信号(S1(α),...Sn(α))から複数の出力オーディオ信号の1つ
を導出する方法において、該出力オーディオ信号は主方向β2と関連し、該入力
オーディオ信号は方向αを有するオーディオ源信号で符号化される方法を意図す
る。以下の形式の2つの反優勢信号が発生される:
【式11】
【式12】 そこでは、Nは入力オーディオ信号の数であり、β1は、該出力オーディオ信号
の該主方向β2に隣接する該2つの主方向の一方の角度であり、β3は、該出力
オーディオ信号の該主方向β2に隣接する該2つの主方向の他方の角度であり、
係数ASnβ1及びASnβ3は、αがβ1及びβ3間に位置する時該優勢信号
が一方の相対的極性をもちかつαのすべての他の値に対して他の相対的極性をも
つように選択される。該2つの優勢オーディオ信号の相対的振幅を制御し、それ
らの振幅の平等化が推進されるようにし、該出力オーディオ信号を与えるために
該振幅制御された反優勢オーディオ信号を加算的又は減算的に結合される。
【0052】 2つの入力オーディオ信号に関して本発明は、同様に2つの入力オーディオ信
号S1(α)及びS2(α)からの複数の出力オーディオ信号の1つを導出する方法
において、該出力オーディオ信号は主方向β2と関連し、該入力オーディオ信号
は方向αを有するオーディオ信号源信号で符号化される方法を意図する。下記形
式で反優勢オーディオ信号が発生される: 反優勢β1(α)=AS1β1・S1(α)+AS2β1・S2(α) 及び 反優勢β3(α)=AS1β3・S1(α)+AS2β3・S2(α) 一方の反優勢信号における該角度β1は、該出力オーディオ信号の該主方向β2
に隣接する該2つの主方向の一方の角度であり、他方の反優勢信号における該角
度β3は、該出力オーディオ信号の該主方向β2に隣接する該2つの主方向の他
方の角度である。該係数AS1β1及びAS2β1は、αがβ1である時該一方
の反優勢信号が実質的にゼロになるように選択され、該係数AS1β3及びAS
2β3は、αがβ3である時該他方の反優勢信号が実質的にゼロになるように選
択される。実質的に等しい大きさを有する一対の信号を与えるために該2つの反
優勢信号に振幅制御を用い、該対の信号が以下の形式をもつようにし、 反優勢β(α)・(1‐g) そこではgは、振幅制御要素又は関数の利得又は減衰であり、第2対の信号が以
下の形式を持つ。
【0053】 反優勢β(α)・g 各信号の第2対は、出力オーディオ信号を与えるために主出力方向β2に対す
る受動マトリックス成分と加算又は減算的に結合される。
【0054】 2つ又はそれ以上の入力信号に関して本発明は、2つ又はそれ以上の入力信号
(S1(α),...Sn(α))から複数の出力オーディオ信号の1つを導出する
方法において、該出力オーディオ信号は主方向β2と関連し、該入力オーディオ
信号が方向αを有するオーディオ源信号で符号化される方法を意図する。以下の
形式の2つの反優勢信号が発生される:
【式13】 及び
【式14】 そこでは、Nは入力オーディオ信号の数であり、β1は、該出力オーディオ信号
の該主方向β2に隣接する該2つの主方向の一方の角度であり、β3は、該出力
オーディオ信号の該主方向β2に隣接する該2つの主方向の他方の角度である。
係数ASnβ1及びASnβ3が、αがβ1とβ3間に位置する時該優勢信号が
一方の相対的極性をもちかつαのすべての他の値に対して他の相対的極性をもつ
ように選択される。実質的に等しい大きさをもつ第1対の信号及び第2対の信号
を与えるために該2つの反優勢信号に振幅制御を用い、第1及び第2対の信号が
それぞれ、 反優勢β(α)・(1‐g) 反優勢β(α)・g の形式をもち、gが振幅制御要素又は関数の利得又は減衰であり、該出力信号を
与えるために該主方向β2に対し該受動マトリックス成分を発生させ、該第2対
の信号を該主出力方向β2に対する該受動マトリックス成分と加算的又は減算的
に結合される。
【0055】 本発明はまた、本明細書に開示された方法及び各種の実施形態を実施する装置
も意図する。
【0056】 本発明の各面は円形平面環境に関して記載され、そこでは基準点が円の中心で
ありかつ円の平面は水平であるが、本発明が他の環境、即ち、隣接方向が限定さ
れるように各方向が階層を有すると言う条件で、各角度が球に関連するような他
の環境にも適用されることが理解されるであろう。
【0057】 本発明は入力信号を復号する条件で記載され、そこでは各信号の相対的振幅及
び極性が指向的符号化を表すようにされているが、本発明によるデコーダが離散
的2チャンネル又は多重チャンネル再生用に初めから記録されたデータ(資料)
から好ましい指向的効果を発生させるためにも有用である。
【0058】 当業者は、ハードウエア及びソフトウエア実施形態と、アナログ及びデジタル
実施形態との一般的同等性を理解するであろう。従って、本発明はアナログハー
ドウエア、デジタルハードウエア、ハイブリッドアナログ/デジタルハードウエ
ア及び/又はデジタル信号処理を用いて実施され得る。
【0059】
【本発明を実施する最良の態様】
図13乃至18及びそれらに関する説明は、図1乃至6及びそれらに関する、
前記Fosgate特許出願の説明に基づくものである。図13乃至18の以下の説明
は、前記Fosgate出願に記載された4出力、2入力デコーダのさらなる詳細を与
える。これらのデコーダのある面は本発明に関連し、本発明の開示の一部分を構
成する。
【0060】 受動復号マトリックスが機能的かつ図式的に図13に示される。以下の各式は
、各出力を入力Lt及びRt(「左全」及び「右全」)に関連づける。
【0061】 Lout=Lt 式26 Rout=Rt 式27 Cout=1/2(Lt+Rt) 式28 Sout=1/2(Lt−Rt) 式29 中央出力は各入力の和であり、環境出力は各入力間の差である。さらに、双方
が縮尺(尺度化)を有する。即ち、この尺度化は,任意であり、説明を簡単にす
るために1/2に選ばれている。他の尺度化の各値が可能である。Cout出力は、
1/2の縮尺率(尺度化率)でLt及びRtを線形結合器2に加えることによって
得られる。Sout出力はそれぞれ+1/2及び-1/2の縮尺率でLt及びRtを線形
結合器4に加えることによって得られる。
【0062】 図13の受動マトリックスは、このように2対のオーディオ信号を発生させる
。即ち、第1対はLout及びRout、第2対はCout及びSoutである。この例では
、受動マトリックスの基本出力方向は、「左」、「中央」、「右」及び「環境」
と呼ばれる。隣接基本出力方向は互いに90度をなす軸上に、これらの方向標語
(ラベル)に対して、左は中央及び環境に隣接し、また環境は左及び右に隣接す
る等、相互に隣接するように位置する。
【0063】 受動マトリックスデコーダは、一定の関係(例えば、図13では、Coutは常
に1/2(Rout+Lout)である)により、mオーディオ信号からnオーディオ信号
を導出する(そこではnはmより大きい)。対照的に、能動マトリックスデコー
ダは、可変関係によりnオーディオ信号を導出する。能動マトリックスを構成す
る一方法は、信号依存した信号成分を受動マトリックスの出力信号と結合するこ
とである。例えば、図14に機能的かつ図式的に示すように、受動マトリックス
出力の可変的に尺度化されたバージョンを与える4つのVCA(電圧制御された
アンプ)6、8、10及び12は、線形結合器14、16、18及び20内で変
化していない受動マトリックス出力(即ち、結合器2及び4の2つの出力と共に
2つの入力それ自体)と加算される。各VCAは、それらの入力がそれぞれ受動
マトリックスの左、右、中央及び環境出力から導出されるので、それらの利得は
gl、gr、gc及びgs(すべてが正)と呼ばれ得る。各VCA出力信号は、相殺信号
を構成し、クロストークを抑制することによってマトリックスデコーダの指向的
性能を向上させるために、相殺信号が導出される各方向からのクロストークを有
する、受動的に得られた出力と結合される。
【0064】 図14の装置では、受動マトリックスの各路がなお存在することに注目のこと
。各出力は、それぞれの受動マトリックス出力に2つのVCAの出力を加えて結
合されたものである。各VCA出力は、隣接基本出力方向を表す各出力でクロス
トーク成分が起こることを考慮して、それぞれの受動マトリックス出力に対して
所望のクロストーク相殺を与えるために選択されかつ尺度化される。例えば、中
央信号は、受動的に復号される左及び右信号内にクロストークをもち、また環境
信号は受動的に復号される左及び右信号内にクロストークをもつ。従って、左信
号出力は、受動的に復号される中央及び環境信号から導出される相殺信号成分と
結合されなければならならず、他の4つの出力についても同様である。図14に
おいて各信号が尺度化され、極性化されて結合される方法は、所望のクロストー
ク抑制を与える。それぞれのVCA利得をゼロから1(図14の尺度化に対する
例)の範囲で変えることによって、受動的に復号される出力の望ましくないクロ
ストーク成分は抑制され得る。
【0065】 図14の装置は以下の式を有する: Lout=Lt-gc・1/2・(Lt+Rt)-gs・1/2・(Lt-Rt) 式30 Rout=Rt-gc・1/2・(Lt+Rt)+gs・1/2・(Lt-Rt) 式31 Cout=1/2・(Lt+Rt)-gl・1/2・Lt-gr・1/2Rt 式32 Sout=1/2・(Lt-Rt)-gl・1/2・Lt+gr・1/2Rt 式33 すべてのVCAがゼロの利得をもつとすれば、同装置は受動マトリックスと同
一であろう。すべてのVCA利得のあらゆる等しい値に対して、図14の装置は
一定の尺度化に加えて受動マトリックスと同一である。例えば、すべてのVCA
が0.1の利得をもつとすれば: Lout=Lt-0.05・1/2・(Lt+Rt)-0.05・(Lt-Rt)=0.9Lt Rout=Rt-0.05・(Lt+Rt)+0.05・(Lt-Rt)=0.9Rt Cout=1/2・(Lt+Rt)-0.05・Lt-0.05・Rt=0.9・1/2・(Lt+Rt) Sout=1/2・(Lt-Rt)-0.05・Lt+0.05・Rt=0.9・1/2・(Lt-Rt) 結果は率0.9によって尺度化された受動マトリックスである。従って、以下
に述べる、静止VCA利得の正確な値は決定的ではないことは明らかであろう。
【0066】 一例を考察してみよう。基本出力方向(左、右、中央及び環境)のみに関して、
それぞれの入力はLtのみ、Rtのみ、Lt=Rt(同一極性)及びLt=-Rt(逆極性
)、また対応する所望の出力は、Loutのみ、Routのみ、Coutのみ及びSoutの
みである。理想的には、各々の場合において唯一の出力は一信号を与えるべきで
あり、残りのものは何も与えるべきではない。
【0067】 検査により、所望の基本出力方向に対応する方向が1の利得を持ち、残りのも
のが1より遥かに小さくなるようにVCAが制御され得るならば、所望の一つを
除くすべての出力において、VCA信号は不要な出力を相殺するであろうことは
明らかである。既に述べた通り、図14の構成では、VCA出力は、隣接する基
本出力方向(その中に受動マトリックスはくロストークをもつ)のクロストーク
成分を相殺するように作動する。
【0068】 従って、例えば、Rt=Lt=(大体)1になるように両入力が等しい同位相信号
で供給され、その結果gc=1でありかつgl、gr及びgsがすべてゼロ又はゼロに近
くなるならば以下が得られる: Lout=1-1・1/2・(1+1)-0・1/2・(1-1)=0 Rout=1-1・1/2・(1+1)+0・1/2 (1-1)=0 Cout=1/2・(1+1)-0・1/2・1-0.・/2・1=1 Sout=1/2・(1-1)-0・1/2・1+0・1/2・1=0 唯一の出力は所望のCoutからである。同様な計算で、同じことが他の3つの
基本出力方向の1つからのみの信号の場合に当てはまることが立証されるであろ
う。
【0069】 式30、31、32及び33は以下のように同等に表し得る: Lout=1/2・(Lt+Rt)・(1-gc)+1/2・(Lt-Rt)・(1-gs) 式34 Cout=1/2・Lt・(1-gl)+1/2・Rt・(1-gr) 式35 Rout=1/2・(Lt+Rt)・(1-gc)-1/2・(Lt-Rt)・(1-gs) 式36 Sout=1/2・Lt・(1-gl)-1/2・Rt・(1-gr) 式37 この構成では、各出力は2つの信号が結合されたものである。Lout及びRout
は、入力信号の和及び差と、和及び差VCAの利得との双方を必要とする(VC
Aの入力は中央及び環境方向から導出され、同対の方向は左及び右方向に対して
90度をなす)。Cout及びSoutは、実際の入力信号と、左及び右VCAの利得
とを必要とする(VCAのそれぞれの入力は左及び右方向から導出され、同対の
方向は中央及び環境方向に対して90度をなす)。
【0070】 基本出力方向に対応しない源信号方向を考察すると、そこではRtには、極性
は同一であるが減衰された、Ltと同一の信号が供給される。この条件は、左及
び中央基本出力方向間のどこかに置かれた信号を表し、従って、Lout及びCout
から出力出力を伝えるべきであり、Rout又はSoutからは殆ど又は全く伝えるべ
きではない。
【0071】 Rout又はSoutに対するこのゼロ出力は、2つの項の大きさは等しいが極性が
逆であるならば達成され得る。
【0072】 Routに対するこの相殺のための関係は以下の式で表される。
【0073】 [1/2・(Lt+Rt) (1-gc)]の大きさ=[1/2・(Lt-Rt)・(1-gs)] 式38 Soutにつき対応する関係は以下の式で表される。
【0074】 [1/2・Lt・(1-gl)]の大きさ=[1/2・Rt・(1-gr)] 式39 任意の隣接する2つの基本出力方向間でパンされた源信号を考察すると、同一
の2つの関係を示すであろう。言い換えると、入力信号が任意の隣接する2つの
基本出力方向間でパンされた源信号を表すならば、これらの大きさの関係は、音
がこれらの隣接する2つの基本方向に対応する出力から現れると共に他の2つの
出力が何も伝えないことを保証するであろう。その結果を実質的に達成するため
に式34−37の各々の2つの項の大きさは平等化に向けて強制されるべきであ
る。これは能動マトリックス内の2対の信号の相対的大きさを等しく保つことを
追求することによって達成され得る: [(Lt+Rt) (1-gc)]の大きさ=[(Lt-Rt)・(1-gs)] 式40 及び [Lt・(1-gl)]の大きさ=[Rt・(1-gr)] 式41 式40及び41に示される所望の関係は、式38及び39のものと同一である
が、尺度化が省略される。各信号が結合される極性及びそれらの尺度化は、図1
4の結合器14、16、18及び20におけるように、それぞれの出力が得られ
る時が管理され得る。
【0075】 不要なクロストーク信号成分の相殺に関する上記考察及び基本出力方向に対す
る要件から本説明で用いられる尺度化に関してVCAに対する最大利得は1であ
るべきことが推論され得る。静止、限定されていないか又は「方向づけられてい
ない」条件下では、各VCAは小さい利得を用い、受動マトリックスを効果的に
提供すべきである。対をなすVCAの一方の利得がその静止値から1に向けて上
昇することを要するならば、対の他方は静止利得に止まるか又は逆方向に移動し
得る。便利でかつ実際的な一関係は、対の利得の積を一定に保つことである。d
Bで表される利得がVCA制御電圧の線形関数であるアナログVCAを用いるこ
とで、制御電圧が対の2つに平等に(しかし実効的に逆極性で)加えられるなら
ば、これはたまたま自動的に起こり得る。他の代替案は、対の利得の和を一定に
保つことである。実施態様は、アナログ成分を用いるよりはむしろデジタル又は
ソフトウエアの形にされ得る。
【0076】 従って、例えば、静止利得が1/aならば、各対の2つの利得間の実際的関係
は以下に示すようなそれらの積となり得る。
【0077】 gl・gr=1/a、及び gc・gs=1/a “a”に対する典型的な値は10〜20の範囲に入るであろう。 図15は、図14の左及び右VCA(それぞれ、6及び12)に対するフィード
バック導出される制御システムを機能的かつ図式的に示す。フィードバック導出
される制御システムは2つのVCAと共に一種の「サーボ」を構成する(既に述
べた通り)。それは、Lt及びRt入力信号を受け取り、中間信号Lt・(1-gl)及び
Rt・(1-gr)を導出するためにそれらを処理し、同中間信号の大きさを比較し、大
きさのあらゆる差に応答して誤り信号を発生させる。誤り信号は、VCAを通し
て大きさの差を低減させるようにさせる。そのような結果を達成する一方法は、
それらの大きさを導出するために中間信号を整流し、2つの大きさ信号を比較器
にかけ、例えば、Lt信号の増大でglが増大しかつgrが減少するような極性を用
いて、比較器の出力でVCAの利得を制御することである。回路値(又はデジタ
ル又はソフトウエア実施形態におけるそれらの同等値)は、比較器出力がゼロの
時静止アンプ利得が1(例えば、1/a)未満になるように選ばれる。
【0078】 アナログ領域において比較関数を実施する実際的方法は、比較器がそれらの比
を決定するよりはむしろそれらを減算するように2つの大きさを対数領域に変換
することである。多くのアナログVCAは制御信号の指数に比例する各利得を有
し、それらが内在的かつ便宜的に対数に基礎付けられた比較器の制御出力の真数
をとるようにされる。しかし、対照的にデジタルで実施されるならば、2つの大
きさを分割し、結果的に得られたものを直接乗数又は除数としてVCA関数に用
いるのがより便利であり得る。
【0079】 さらに特定すると、図15に示されるように、Lt入力は「左」VCA6及び
線形結合器22の一方に加えられ、そこでそれには+1の尺度化が用いられる。
左VCA6出力は、-1(従って減算器を構成)の尺度化を用いて結合器22に
加えられ、結合器22の出力は全波整流器24に加えられる。Rt入力は「右」
VCA12及び線形結合器26の一方に加えられ、そこでそれには+1の尺度化
が用いられる。右VCA12出力は、-1(従って減算器を構成)の尺度化を用
いて結合器26に加えられ、結合器26の出力は全波整流器28に加えられる。
整流器24及び28出力は、それぞれオペアンプ30の非反転及び反転入力に加
えられ、差動増幅器として作動する。アンプ30出力は誤り信号と同種の制御信
号を与え、同制御信号は反転することなくVCA6の利得制御入力に加えられ、
また極性反転してVCA12の利得制御入力に加えられる。誤り信号は、その大
きさが平等化されるべき2つの信号の大きさが異なることを示す。誤り信号は、
中間信号の大きさの差を低減させるためにVCAを正しい方向でVCAを“方向
づける”。結合器16及び18への出力はVCA6及び12出力からとられる。
従って、各中間信号の一成分のみが出力結合器、即ち、‐Lt・gl及び-Rt・grに
加えられる。
【0080】 定常状態信号条件のために大きさの差は、十分なループ利得を与えることによ
って無視できる量まで低減され得る。しかし、本質的なクロストーク相殺を達成
するために大きさの差をゼロ又は無視できる量まで低減させる必要はない。例え
ば、dB差を率10だけ低減させるのに十分なループ利得は、理論的に、30dB
低下よりよい、最悪の場合のクロストークに帰着する。動的条件に対して、フィ
ードバック制御装置の時定数は、ある意味で少なくとも大抵の信号条件に対して
本質的に聴取不能である平等に向けて大きさを強制するように選択されるべきで
ある。時定数の選択の詳細は本発明の範囲を超えるものである。
【0081】 回路パラメータが約20dBの負フィードバックを与えるように選ばれ、VC
Aば1を超えて上昇しないようにするのが望ましい。VCA利得は、ある小さな
値(例えば、1より遥かに小さい1/a)から、図14、16及び17の装置
と関連して本明細書に記載された各尺度化例の1まで上昇するが、それを超えな
い。負フィードバックのために、図15の配列は、整流器に入る信号をほぼ等し
く保つように作動するであろう。
【0082】 利得が小さいならば正確な利得は決定的ではないので、他方が1に向けて上昇
する時はいつでも対の一方の利得を小さい値に強制する他の任意の関係は同様な
受容可能な結果を生じさせるであろう。
【0083】 図14の中央及び環境VCA(それぞれ8及び10)に対するフィードバック
制御されたシステムは、実質的に図15の配列と同一であるが、記載されるよう
に、L及びRは受信しないがそれらの和及び差を受信し、VCA6及び12
(それぞれの中間信号を構成する)からのその出力を結合器14及び20に加え
る。
【0084】 従って、精度に対する特殊な要件のない回路要素を用いと同時に、信号路と一
体化された簡単な制御路を用いた広く多様な入力信号条件下で、高度のクロスト
ーク相殺が達成され得る。フィードバック導出される制御システムは、受動マト
リックスからの各対のオーディオ信号を処理するために作動し、各対の中間オー
ディオ信号内の中間オーディオ信号の相対的振幅の大きさが平等に向けて強制さ
れるようにする。
【0085】 図15に示されるフィードバック導出される制御システムは、整流器24及び
28への入力を平等に向けて逆に強制するように2つのVCA6及び12の利得
を制御する。これらの2つの項が平等に向けて強制される程度は、各整流器、そ
れらに続く比較器30及び各VCAの利得/制御関係の諸特性に依存する。ルー
プ利得が大きいほど、平等性はより近接するが、平等に向けた強制は、これらの
要素の特性に関係なく起こる(勿論各信号の極性がレベル差を低減させるように
されることが前提である)。実際に、比較器は無限の利得はもたないが有限の利
得をもつ減算器として実現され得る。
【0086】 各整流器が線形、即ち、それらの出力が入力の大きさに直接比例するならば、
比較器又は減算器は信号電圧又は電流差の関数である。その代わりに、各整流器
がそれらの入力の大きさの対数、即ち、dBで表されたレベルに応答するならば
、比較器入力で行われる減算は入力レベルの比を取るのと同等である。これは、
同結果がそれなら絶対信号レベルとは無関係で、dBで表わされる信号の差のみ
に依存するので有利である。より近い人の知覚を反映するさせるためにdBで表
わされた源信号を考察すると、これは他の事項が同等ならループ利得は大きさに
無関係であることを意味し、従って平等に向けての強制の度合いもまた絶対大き
さには無関係であることを意味する。ある非常に低いレベルにおいて、勿論、対
数整流器は正確に作動するのを止め、従って入力閾値があり、それ未満では平等
に向けの強制は終わるであろう。しかし、結果は、高入力信号レベルに対する極
端に高ループ利得を要することなく、70又はそれ以上のdB範囲に亘る制御が
維持され得るが、ループの安定性に対する潜在的問題が結果的に生じることであ
る。
【0087】 同様に、VCA6及び12はそれらの制御電圧(即ち、乗数又は除数)に直接
又は逆比例する利得を有し得る。これは、利得が小さいならば、制御電圧の小さ
な絶対変化はdBで表わされる大きな変化を生じさせるであろう。例えば、この
フィードバック導出される制御システム構成で必要とされるような、最大利得1
のVCA及び0〜10ボルト変化する制御電圧Vcを考察すると、利得はA=0
.1・Vcで表わし得るようにされる。Vcがその最大に近いならば、例えば、
9900から1000mVへの100mVの変化は、20・log(10000/9900)、即
ち、約0.09dBの利得変化を与える。Vcが遥かに小さいならば、例えば1
00から200mVへの変化は、20・log(200/100)、即ち、約6dBの利得変
化を与える。その結果、実効ループ利得、従って応答比率は、制御信号が大きい
か又は小さいかに依存して極端に変わるであろう。
【0088】 この問題は、そのdB利得が制御電圧に比例するか又は、異なった表現を用い
ると、その電圧又は電流利得が制御電圧の指数又は真数に依存する各VCAを用
いることによって除去され得る。100mVのような小さな制御電圧の変化は、
それなら制御電圧がその範囲内にあればどこでも同一のdB利得変化を与えるで
あろう。そんな装置は、各アナログICとして容易に入手し得る。またその特性
又はそれに近似するものはデジタル実施形態で容易に達成され得る。
【0089】 従って、望ましい実施形態は対数整流器及び指数的に制御される利得アンプを
用い、入力レベル及び2つの入力信号の比率の広範囲に亘ってより一様に近い平
等に向けた強制を与える。
【0090】 人の聴覚では方向の知覚が周波数に対して一定ではないので、人の方向感覚に
最も貢献する周波数を強調し、不適当な方向づけにつながるものの強調を止める
ように、整流器に入る信号にある周波数加重を用いるのが望ましい。従って、実
際的実施形態では、図15の整流器24及び28が経験的に得られたフィルタに
よって先行され、低周波数及び非常に高い周波数を減衰させる応答を与え、可聴
範囲の中央をおおってなだらかに上昇する応答を与える。これらのフィルタは出
力信号の応答は変えず、フィードバック導出される制御システムの制御信号及び
VCA利得を変えるに過ぎない。
【0091】 図14及び15の結合されたものと同等の装置、即ち、配列が図16に機能的
かつ図式的に示される。 図14及び15の結合されたものとの相違は、相殺成
分が導出される受動マトリックスからLt及びRt入力信号を受信する代わりに、
各出力結合器はLt及びRt入力信号に応答して受動マトリックス出力信号成分を
発生させことである。同配列は図14及び15の結合されたものと同一の結果を
与えるが、加算係数が本質的に受動マトリックスにおけるのと同一であることを
前提とする。図16は、図15に関連して述べたフィードバック装置を組み入れ
る。
【0092】 さらに特定すると、図16では、Lt及びRt入力信号は、図13の受動マトリ
ックス構成におけるように結合器2及び4を含む受動マトリックスに最初に加え
られる。Lt入力は、同様に受動マトリックス「左」出力であり、「左」VCA
32に加えられ、尺度化+1で線形結合器34の一入力に加えられる。左VCA
32出力は尺度化‐1(従って減算器を構成する)で結合器34に加えられる。
入力は、同様に受動マトリックス「右」出力であり、「右」VCA44に加
えられ、尺度化‐1で線形結合器46の一入力に加えられる。右VCA44出力
は尺度化‐1(従って減算器を構成する)で結合器46に加えられる。結合器3
4及び46の出力はそれぞれLt・(1-gl)及びRt・(1-gr)であり、これらの信号の
大きさを等しく保つか又はそれらを平等に向けて強制することが望ましい。Lt・
(1-gl)及びRt・(1-gr)であり、これらの信号の大きさを等しく保つか又はそれら
を平等に向けて強制することが望ましい。その結果を達成させるために、これら
の信号は図15に示されかつそれに関して記載されたようなフィードバック回路
に加えられのが望ましい。フィードバック回路はそこでVCA32及び44の利
得を制御する。
【0093】 さらに、なお図16を参照して、結合器2からの受動マトリックスの「中央」
出力は「中央」VCA36及び尺度化+1で線形結合器38の一入力に加えられ
る。中央VCA36出力は尺度化‐1(従って減算器を構成する)で結合器38
に加えられる。結合器4からの受動マトリックスの「環境」出力は「環境」VC
A40及び尺度化+1で線形結合器42の一入力に加えられる。環境VCA40
出力は尺度化‐1(従って減算器を構成する)で結合器42に加えられる。結合
器38及び42の出力はそれぞれ1/2・(Lt+Rt)・(1-gc)及び1/2・(Lt-Rt)・(1-g
s)であり、これらの信号の大きさを等しく保つか又はそれらを平等に向けて強
制することが望ましい。その結果を達成させるために、これらの信号は図15に
示されかつそれに関して記載されたようなフィードバック回路に加えられのが望
ましい。フィードバック回路はそこでVCA38及び42の利得を制御する。
【0094】 出力信号Lout、Cout、Sout及びRoutは結合器48、50、52及び54に
よって発生される。相殺信号成分及び受動マトリックス信号成分を与えるように
入力信号の一方又は双方を与えるために、各結合器は2つのVCAの出力(同出
力はその大きさが等しく保たれるように追及される中間信号の成分を構成する)
を受信する。さらに特定すると、入力信号Lは、+1の尺度化でLout結合器
48に、+1/2の尺度化でCout結合器50に及び+1/2の尺度化でSout結合
器52に加えられる。入力信号Rは、+1の尺度化でRout結合器54に、+
1/2の尺度化でCout結合器50に及び‐1/2の尺度化でSout結合器52に加
えられる。左VCA出力32は、‐1/2の尺度化でCout結合器50に及び同様
に‐1/2の尺度化でSout結合器52に加えられる。右VCA出力44は、‐1
/2の尺度化でCout結合器50に及び+1/2の尺度化でSout結合器52に加え
られる。中央VCA出力36は、‐1の尺度化でLout結合器48に及び‐1の
尺度化でRout結合器54に加えられる。環境VCA出力40は、‐1の尺度化
でLout結合器48に及び+1の尺度化でRout結合器54に加えられる。
【0095】 各種の図面において、例えば、図14及び15において、相殺信号が受動マト
リックスと対抗しないことが初めに現れ得る(例えば、若干の相殺信号が、受動
マトリックス信号が加えられるのと同一極性で結合器に加えられる)ことが注目
されるであろう。しかし、作動中、相殺信号が有意になれば、それは受動マトリ
ックス信号と対抗しない極性をもつであろう。
【0096】 図14と15の組合せ及び図16と同等の他の配列が図17に機能的かつ図式
的に示される。図17構成では、等しく保たれるべき各信号は、各VCAの制御
のために各出力導出結合器及び各フィードバック回路に加えられる信号である。
これらの信号は各受動マトリックス出力成分を含む。対照的に、図16の配列で
は、各フィードバック回路から各出力結合器に加えられる信号はVCA出力信号
であり、受動マトリックス成分を排除する。従って、図16(及び図14及び1
5の結合では)では、受動マトリックス成分はフィードバック回路の出力と明示
的に結合されなければならない、しかし一方図17では、フィードバック回路の
出力は受動マトリックス成分を含むのでそれ自体で十分である。図17配列では
、VCA出力(その各々は中間信号の成分のみを構成する)よりはむしろ中間信
号出力が出力結合器に加えられることが同様に注目されるであろう。それにもか
かわらず、図16及び図17(図14及び15の結合と共に)構成は同等であり
、加算係数が正確ならば、図17の出力は図16からのもの(及び図14及び1
5の結合)と同一である。
【0097】 図17では、受動マトリックス出力を処理することによって、34、35、3
6及び37の中間信号、Lout=[1/2・(Lt+Rt)・(1-gc)]、[1/2・(Lt-Rt)・(
1-gs)]、[1/2・Lt・(1-gl)]及び[1/2・Rt・(1-gr)]が得られ、その後所望の
出力を導出するために加算及び減算がなされる。同信号は、図15に関して既に
述べたように、同様に整流器及び2つのフィードバック回路の比較器に供給され
、フィードバック回路は、各対の信号を等しく保つように作動するのが望ましい
。図15のフィードバック回路は、図17構成に用いられるように、出力結合器
へのそれらの出力をVCA6及び12からよりはむしろ結合器22及び26の出
力からとらせる。
【0098】 なお図17を参照して、結合器2及び4と、VCA32、36、40及び44
と、結合器34、38、42及び46との間の結線は、図16における配列と同
一である。図16及び17の両装置において、結合器34、38、42及び46
の出力は2つのフィードバック制御回路に加えられるのが望ましい(VCA32
及び44に対する制御信号生させるために結合器34及び44の出力は、そのよ
うな第1回路に、VCA36及び40に対する制御信号生させるために結合器3
8及び42の出力は、そのような第2回路に)。図17における結合器34の出
力、Lt・(1-gl)信号は、+1の尺度化でCout結合器58に加えられかつ‐1の
尺度化でSout結合器60に加えられる。結合器46の出力、Rt・(1-gr)信号は
、+1の尺度化でCout結合器58に加えられかつ‐1の尺度化でSout結合器6
0に加えられる。結合器38の出力、1/2・(Lt+Rt)・(1-gc)信号は、+1の尺度
化でLout結合器56に加えられかつ+1の尺度化でRout結合器62に加えられ
る。結合器42の出力、1/2・(Lt‐Rt)・(1-gs)信号は、+1の尺度化でLout結
合器56に加えられかつ‐1の尺度化でRout結合器62に加えられる。
【0099】 理想的には、実際的回路の欠点は別にして、デコーダの「大きさを等しく保つ
」構成は、既知の相対的振幅及び極性でLt及びRt入力に供給される任意の源は
、所望の出力から信号を与えかつ他の出力からは無視できる信号しか与えないと
言う意味で、「完全」である。「既知の相対的振幅及び極性」とは、Lt及びRt
入力が一基本出力方向又は各基本出力方向間の一点における源信号を表すことを
意味する。
【0100】 再び式34、35、36及び37を考察すると、VCAを組入れる各可変利得
回路の総合利得は(1−g)の形式の減算的配列であることが分かるであろう。
各VCA利得は小さな値から1まで変わり得るが1を超えることはできない。対
応的に、可変利得回路利得(1−g)は1に非常に近い値からゼロまで変わり得
る。従って、図17は図18のようにように書き換えられ、そこではすべてのV
CA及び関連する減算器が唯一のVCAによって置き換えられ、その利得は図1
7の各VCAのものとは逆方向に変わり得るようにされる。従って、すべての可
変利得回路利得(1−g)(例えば、利得「g」をもち、その出力が図14/1
5、16及び17におけるように受動マトリックス出力から減算される一VCA
によって実施される)は、対応する可変利得回路利得「h」(例えば、利得「h
」をもち、受動マトリックス出力に作用する一独立VCAによって実施される)
によって置き換えられる。利得(1−g)の特性が利得「h」と同一でありかつ
フィードバック回路が必要な各対信号の大きさ間の平等性を維持するように作動
すとすれば、図18の構成は図17の構成と同一でありまた同一出力を与えるで
あろう。実際、開示されたすべての構成、即ち、図14/15、16、17及び
18の構成は互いに同等である。
【0101】 図18の構成は、すべての先行構成と同等でありかつ全く同一に機能するが、
各受動マトリックス成分は出力には明示的に現れず、潜在的であることに注目の
こと。先行構成の静止、即ち、方向づけられていない条件では、各VCA値は小
さな値に低下する。図18構成では、対応する静止条件は、すべてのVCA利得
hが最大、即ち1又はそれに近いところまで上昇した時に起こる。
【0102】 さらに特定的に図18を参照すると、同様に入力信号Ltと同一である、受動
マトリックスの「左」出力は、中間信号Lt・hlを発生させるために利得hlをもつ
「左」VCA64に加えられる。同様に入力信号Rtと同一である、受動マトリ
ックスの「右」出力は、中間信号Rt・hrを発生させるために利得hrをもつ「右」
VCA70に加えられる。結合器2からの受動マトリックスの「中央」出力は、
中間信号1/2(Lt+Rt)・hcを発生させるために利得hcをもつ「中央」VCA66
に加えられる。結合器4からの受動マトリックスの「環境」出力は、中間信号1/
2(Lt+Rt)・hsを発生させるために利得hsをもつ「環境」VCA68に加えられ
る。既に述べた通り、VCA利得hはVCA利得gに対して逆に作動し、h利得
特性が(1−g)利得特性と同一になるようにされる。
【0103】 前記Fosgate出願の基本4出力、2入力、90度出力方向デコーダにつき記載
したので、本発明によるデコーダのさらなる詳細につき詳説する。
【0104】 図19は、2つ又はそれ以上の入力信号S1(α),S2(α)...Sn(α)から基本
方向β2を表わす出力信号を導出する本発明によるデコーダの構成図を示す。同
図では、各入力信号は、1つ又はそれ以上のオーディオ信号源に関してそれらの
相対的大きさ及び極性の形で指向性情報を伝える。方向β2に対する出力は、複
数のデコーダ出力の1つであり、各出力は主(又は基本)方向をもつ。各入力信
号は、方向β1及びβ3、即ち、方向β2に隣接する2つの主出力方向、に対する
一対の反優勢信号を導出するマトリック102に加えられる。マトリックス10
2によって発生される対をなす反優勢信号はサーボ112に加えられる。サーボ
112は、反優勢信号の大きさを平等に向けて強制(平等化を推進)するために
反優勢信号対の大きさ制御されたバージョン(改良版)に作用する。デコーダ出
力β2は、加算又は減算的のいずれかで、対をなす「強制平等化される」反優勢
信号の大きさ制御版を結合させることによって発生される。既に述べと通り、所
望の主出力方向に隣接する各主方向が180度未満ならば、当該隣接する方向間
の2つの弧のより小さい方以内に出力信号方向を位置づけると言う極性方向(向
き)で結合される。
【0105】 サーボ112は、閉ループ又はフィードバック式方法又は開ループフィードバ
ック式方法のいずれかで作動する。従って、サーボ112では、制御装置108
は、その入力としてサーボ112出力信号(実線で示される)又はその入力とし
てサーボ112出力信号(破線で示される)のいずれかを受信し得る。サーボ1
12は、第1及び第2制御された利得又は減衰された関数又は要素104及び1
06を含むように構成され得る。簡単のために、関数又は要素104及び106
(図面全体を通して他のそのような制御される利得又は減衰関数又は要素に加え
て)図式的に電圧制御されるアンプ(VCA)として示される。制御される利得
又は減衰関数又は要素は、各々電圧制御されるアンプ(VCA)又はそれらのデ
ジタル同等物(ハードウエア、ファームウエア又はソフトウエアの形の)であり
得る。関数又は要素104の利得は制御装置108の一出力で制御される。関数
106の利得は、他の制御装置108出力で制御される。制御された利得又は減
衰関数又は要素104及び106は対の反優勢信号を受信する。
【0106】 開示された実施形態の各種の要素及び関数(例えば、マトリックス、整流器、
比較器、結合器、可変アンプ又は減衰器等)は、アナログ又はデジタル領域のい
ずれかにおけるハードウエア又はソフトウエアの形で実施され得ることは理解さ
れるべきである。
【0107】 サーボ112のアナログ又はデジタル実施形態の制御はフィードバックシステ
ムによってなされ、同システムではサーボ出力の大きさの比は1と比較され、サ
ーボ112内の制御された利得又は関数又は要素の対を制御する誤り信号を発せ
させるのに用いられ、近似的に等しい大きさを与えるようにサーボを強制するよ
うにする。
【0108】 その代わりに、サーボ112のアナログ又はデジタル実施形態では、平等化へ
の強制は、サーボ入力信号を測定する開ループフィードバックプロセスによって
達成され得る。この場合には、より小さい入力は実質的に不変であり、同時によ
り大きいものは、より小さい方に向けるか又はそれと等しくなるようにその大き
さを強制するために、より大きい方はより小さい方に対する比だけ減衰される。
【0109】 2つの「平等化へ強制された」反優勢信号版は、そこで線形結合器110にお
いて加算又は減算的のいずれかで結合される。所望の主出力方向に隣接する主方
向が180度未満ならば、当該出力信号方向を隣接方向間の2つの弧間の小さい
方内に置くと言う極性方向で各信号が結合される。
【0110】 式14乃至19及び図3−5を含む上記検討が図19の配列と関連する。
【0111】 同一要素又は関数につき同一の参照番号が図19−23全体を通して用いられ
る。
【0112】 図19サーボ配列に対する代わりのものが図20に示される。そのような代替
物は式20及び21を含む上記検討で言及されている。その検討及びそれと関連
する図6が、図20の配列と関連する。図19の104及び106(各々が利得
hを与える)は、各々が減算器(118及び122)と組合って、制御された利
得又は減衰関数又は要素116及び120(各々が1−hの利得を与える)に置
き換えられ、結合された関数及び減算器利得の各々が、図19の配列におけるよ
うにそのまま残る。減算器118は、各反優勢信号の1つから制御された利得又
は減衰関数又は要素116出力を減じ、減算器122は、他の反優勢信号から関
数112出力を減じる。図20の配列を本明細書の図14/15及び16と比較
のこと。
【0113】 デジタル領域における低減されたサンプリングレート(標本化率)でフィード
バック制御を達成する技術は図21に示される。当該配列は、図19配列方法の
形の減算器なしで構成された要素又は関数104及び106で示されているが、
図20の減算的配列が用いられ得ることは理解されるであろう。
【0114】 図21を参照すると、各入力は第1マトリックス102及び、マトリックス1
02と同一の特性をもち得る、第2マトリックス102 に加えられる。図19
の配列におけるように、マトリックス102によって発生された反優勢信号は、
制御された利得又は減衰関数又は要素104及び106に加えられ、その出力は
線形結合器110で加算又は減算的に結合され、出力β2を与えるようにする。
マトリックス102の出力は制御された利得又は減衰関数104と106及び図
19の配列におけるように相互接続される制御力108の一部である。しかし、
破線130以内の作動のあるもの又はすべては、マトリックス102及び関数1
04及び106におけるより低いサンプリングレートで行われ得る。関数104
及び106に対する制御信号は、これらの関数のみならず同様に補間器及び/又
は平滑器132にも加えられ、それは制御された利得又は減衰関数又は要素10
4及び106を制御するために同制御信号を用いる前により低いビットレート制
御信号を補間及び/又は平滑化する。破線134以内の要素のすべてが本実施形
態のサーボを構成する。選択的に、ある程度の「将来への備え」を与えかつ破線
内の関数又は要素の遅延を補償するために、マトリックス102への入力の前に
遅延時間が設けられ得る(しかしマトリックス102への路には遅延はない)。
【0115】 図22は多重出力を発生させる一般的装置を示す。各入力信号が1つ又はそれ
以上のオーディオ信号源に対してそれらの相対的大きさ及び極性で指向性情報を
伝える2つ又はそれ以上の入力信号(S1(α),S2(α),...Sn(α))が
、各主出力方向(出力1、出力2、...出力N)に隣接する主出力方向に対する
一対の反優勢信号を導出するマトリックス136に加えられる。マトリックス1
36によって発生された各対の反優勢信号は、サーボ114、114、114’
’等に加えられる。図19、20及び/又は21装置の方法におけるように、実
質的に等しい大きさを有する一対の信号を与えるために各サーボは一対の反優勢
信号に作用する。各デコーダ出力は、次に既に述べた方法で、反優勢信号の対を
なす「平等化に向けて強制された」版を加算又は減算的に結合することによって
発生される。簡単にするために、制御可能利得又は減衰関数又は要素に対する制
御は示さない。
【0116】 図22のトポロジーに対する代替案が図23に示され、そこでは出力マトリッ
クス152が与えられ、各サーボの出力は、減算器(図22が図20配列を用い
る場合)の出力から又は制御された利得又は減衰関数又は要素(図22が図19
配列を用いる場合)からの出力の代わりに、制御された利得又は減衰関数又は要
素(図20の減算的代替案を用いる構成の)の出力からとられる。図22配列が
図20サーボ構成を用いる場合のように明示的にかつそれが図19サーボ構成を
用いる場合のように潜在的に単位利得路を与える代わりに、図23の代替案は、
出力マトリックス152への入力信号の別の供給により単位利得を与える。
【0117】 図22及び図23のトポロジー間の差を見る別の方法は、図22配列では受動
マトリックスは潜在的であるが、それに反して図23配列ではマトリックスは顕
在的(即ち、出力マトリックス)であることである。簡単のために、これは前記
Fosgate出願におけるように2入力4出力「90度」システムであると想定する
。さらに出力1はLout出力と想定する。必要な隣接反優勢信号は、あらゆる追
加の共通尺度化を無視して、中央前方及び中央背面に対するものである。即ち、
(Lt-Rt)/2及び(Lt+Rt)/2である。等しい大きさをもつ一対の信号を得るた
めにそれらは式1‐gs及び1‐gcでそれぞれ乗算され、次に加算され、(1-gs)・(
Lt-Rt)/2+(1-gc)・(Lt+Rt)/2を与える。これは部分的に乗算されて、Lt-gs・(Lt-
Rt)/2-gc・(Lt+Rt)/2を与えるようにされる(ここで、乗算されてないRt項は相
殺するが、より複雑なシステムではより多くの項があるであろう)。項gs(..
.)及びgc(...)は受動マトリックスLtを増大(実際には、縮小させる)させ
る相殺項と考えられ得る。
【0118】 同一仮定を用いて図23を検討しよう。平等化へ強制される反優勢信号は同一
である。出力マトリックスは、Lt及びにRtに加えてVCA出力gs・(Lt-Rt)/2及
びgc・(Lt+Rt)/2を受信し、図22におけると同一のLout信号を与えるために、
加算/減算される。出力マトリックスは受動マトリックス(この例では、Ltに対
して丁度1、Rtに対してゼロ)に対する必要な係数を用い、その結果を相殺項
と結合する。従って、それらはサーボ内の代わりに出力マトリックス内で用いら
れるが、結果は同じである。
【0119】 各対の反優勢信号を発生させるために、図22及び23実施形態では同一入力
マトリックス102が用いられる。図23では、反優勢信号はサーボ142、1
42’、142’’等に用いられる。図14/15及び16の方法で、各減算器
の出力が平等化に向けて強制されるように、制御された利得又は減衰関数又は要
素が制御され、一方サーボ出力が制御された利得又は減衰関数又は要素出力から
とられる。簡単のために、制御された利得又は減衰関数又は要素に対する制御は
示されてない。マトリックス152は、入力信号から受動マトリックス成分を引
き出し、図14/15及び16の方法でそれらをサーボからの相殺成分と適切に
結合させる。
【0120】 定電力適応尺度化 上記例では、所望の主方向出力は90°でありかつ隣接主方向は30°及び1
50°(即ち、 β2=90°、β1=30°及びβ3=150°)である。図2乃至6はその例に
関する。本発明の他の面を理解するのを支援するために、その例の一拡張につき
考察しよう。の例では所望の第2主方向出力β3は隣接方向β2及びβ4を有し、
そこではβ4は210°である。従って、 β4=210に対して以下の式が得られる。
【0121】 anti2(α)=Rt(β2)・Lt(α)- Lt(β2)・Rt(α)、及び 式42 anti4(α)=Rt(β4)・Lt(α)- Lt(β4)・Rt(α) 式43 利得修正される反優勢信号を等しい大きさに向けて強制するために要する利得
は、下式で表され得る。
【0122】
【式15】
【式16】 それぞれの制御された利得又は減衰関数又は要素(即ち、各サーボ)magβ2及
びmagβ4は下式で表され得る。
【0123】 magβ2(α)=hβ2(α)・anti2(α)、及び 式46 magβ4(α)=hβ4(α)・anti4(α) 式47 従って、主方向β3に対する出力は下式で表され得る。
【0124】 出力β3=magβ4(α)- magβ2(α) 式48 出力β2(α)(図5参照)及び出力β3対方向角度αのプロットは図24に示さ
れる。図24の検査は、その指向的符号化が90度又は150度の単一源信号は
、適切な出力から単位源電力を与えることを立証する。しかし、出力β2及び出
力β4は約0.5、即ち、6dB下方で交差することを示す。従って、その指向的
符号化角度αの単一源信号は120度(即ち、2つの主方向間の中間にパンされ
る)、そのLt及びRt電力も同様に合計1になる(上記正規化された定義により
)単一源信号は、両出力から約6dB下方に現れるであろう。2つの等しい電力
が3dBの増加を与えるように加算されるので、概して一定大きさは、2つの出
力からのレベルが3dB下方であることのみを要する。言い換えると、定レベル
源がパンされるにつれて、源が2つの主方向間にある場合見掛けのレベルは下が
るであろう。
【0125】 制御され得る関数又は要素利得を修正すると同時に方向に関するそれらの相対
的変化を保持することによって、即ち、各関数又は一対の要素の双方に可変尺度
化を加えることによって、このレベル変化の影響は、低減され得るか又は実際に
他の変化が導入され得る。この特定の例では、主方向において0dBから+3d
B間の中途まで変化する尺度化を要する。一方法は、下式に従って、符号化され
た角度αの関数として変化する追加の乗数を発生させることである。
【0126】
【式17】 hβ1及びhβ3は0及び1間にあるように強制され、またそれらの一方又は他方
が常に1になるので、この関数は平方根2及び1間、即ち、各主方向間の中間+
3dB及び主方向における0dB間で変化する。従って、それは所望の3dBだけ
中間点においてレベルを増加させる。出力 β2に対して、改変された等しい大きさ項は下式で表される。
【0127】 magβ1(α)=multβ2(α)・hβ1(α)・anti1(α)及び 式50 magβ3(α)=multβ2(α)・hβ3(α)・anti3(α) 式51 新しいoutputβ2は、 outputβ2=magβ3(α)- magβ1(α) 式52 同様にoutputβ3に対して:
【式18】 magβ2(α)=multβ3(α)・hβ2(α)・anti2(α)及び 式54 magβ4(α)=multβ3(α)・hβ4(α)・anti4(α) 式55 新しいoutputβ3は、 outputβ3=magβ4(α)- magβ2(α) 式56
【0128】 改変された出力β2(α)及び改変された出力β4(α)対方向角αのプロットは、
図25に示される。図25の検査は、乗数がこの特殊の対をなす出力を約-3dB
において交差させ、見掛けの定音量(音の大きさ)を与えることを示す。他の主
方向に対しては、異なった乗算関数が必要となり得る。乗数は、可変利得又は減
衰関数又は要素(即ち、両関数又は要素に同一乗数を用いて)を用いることによ
って上記の通り等量項に用いられ得る。その代わりに、さらに制御された利得又
は減衰関数又は要素によって、それは出力信号に用いられ得る(即ち、強制等利
得改変された反優勢信号の結合に続いて)。1つ又はそれ以上の選択された信号
に影響させるように、各反優勢信号又はそれらの大きさ制御された版の双方が実
質的に平等に影響されることを前提として、可変尺度化もまた他の要素又は関数
に用いられ得る。概して、出力信号のすべてが影響されるので、可変尺度化を入
力信号に用いることは不適当であろう。
【0129】 非一様増分の主方向を用いる6つの出力 最大信号出力位置を制御する固定尺度化 上記例では所望の主方向は一様な増分で隔置される。本発明をよりよく理解し
かつ本発明の他の面(即ち、主出力方向間の間隔が一様でない場合に、所望の出
力角度で最大信号出力を位置づける)の理解を助長するために、6つの主出力方
向が非一様な角隔置で得られる他の例を考察しよう。式1及び2に限定されるよ
うに2つの入力信号Lt及びRtがありかつ角度、β1、β2、...β6で6つの
出力又は主方向があると仮定する。以下にさらに説明されるように、これらの6
つの出力は左後方(β1)、左前方(β2)(90°)、中央前方(β3)(180°)、右
前方(β4)(270°)、右後方(β5)及び背面後方(β6)(360°)に対応する。
【0130】 この例では、以下に説明される常数k1及びk2を用いて、各出力の2つのみ、即
ち、β1及びβ2に対して計算が改変された。これは、β1及びβ2に対する最大出
力は、数度離れるよりはむしろ正確に主方向において起こることを保証すると云
う効果をもつ。主方向β4及びβ5は、β1及びβ2出力への改変効果を例示するた
めに改変されない。
【0131】 3つの隣接主出力方向β1、β2及びβ3を考察しよう。左後方をLt及びRt間
の5dBの大きさの差と限定すると下式が得られる。
【0132】
【式19】 βlb=31.298° 従って、左前方に対して、隣接主方向はβ=βlb及びβ=180°即ち、 β1=βlb、 β2=90°及び β3=180°である。
【0133】 第1反優勢信号がある。即ち、Lt及びRtのanti1と、α=β1の時ゼロを通過
する適切な係数との結合されたものが下式で表される。
【0134】 anti1(α)=Rt(β1)・Lt(α)- Lt(β1)・Rt(α) 式58 同様に、第2反優勢信号がある。即ち、Lt及びRtのanti3aと、α=β3の時
ゼロを通過する適切な係数との結合されたものが下式で表される。
【0135】 anti3a(α)=Rt(β3)・Lt(α)- Lt(β3)・Rt(α) 式59 次に、反優勢信号anti3を発生させるために、反優勢信号anti3を率(係数)k1だ
け尺度化する: anti3a(α)=k1 anti3a(α) 式60 αが主出力角β2と同一の時、anti1及びanti3の大きさを実質的に等しく(1
の比率)するために率k1を選択する:
【式20】 k1=0.693 anti1(α)及びanti3(α)対αのプロットは図26に示される。anti1(α)は3
0°でゼロになり、anti3(α)は180°でゼロになる。anti3(α)を尺度化する
効果は明らかである(そのピークの大きさは1ではなくて0.693である)。
両反優勢信号ともにゼロを通過するとき極性が変わる。
【0136】 次いで、反優勢信号anti1及びanti3は、既に述べたように、閉ループサーボ又
はその他の方法で等しい大きさに向けて強制されるように制御される。例えば、
より小さいものは実質的に変化されず(1の利得)、より大きいものはより小さ
いものと等しくなるように強制するために減衰される。必要な減衰は、より大き
い入力大きさに対するより小さいものの比率である。必要な利得、即ち、anti1
に対するh13及びanti3に対するh31(例えば、h13は、anti1のおおきさをanti3の
ものと等しくするために用いられるべき利得である)、即ち、方向角αの両関数
は下式で表される:
【式21】 ここでδは、ゼロ又はゼロの対数による除算を避ける、10-10のような非常
に小さい数である。
【0137】 従って、制御された利得又は減衰関数又は要素は下式である。
【0138】 mag13(α)=h13(α)・anti1(α)、及び 式63 mag31(α)=h31(α)・anti3(α) 式64 mag13(α)及びmag31(α)対符号化された源信号αの角度のプロットは、図27
に示される。出力mag13(α)及びmag31(α)は、それらの大きは同一であるが極性
が反対になる、範囲α=β1〜α=β3を除けば、大きさ及び極性は同一である。
その限られた範囲を除けば同出力を減算することによってゼロが得られる。図2
8のmag31(α)- mag13(α)対符号化された源信号角度αのプロットに示されるこ
の差は、β1及びβ3間の主方向である、方向β2に対応する出力である。背面に
おけるα=0°から、前方におけるα=180°を通り、背面におけるα=36
0°に戻る、全円周周りの一回のパンに関して、この出力はα=β1の時のゼロ
からβ2における最大まで上昇し、次いでβ3において再びゼロまで下降する。率
k1なしでは、正確にβ2において最大は起こらないであろう。
【0139】 同様な方法で、他の5つの主出力方向を導出し得る。そうすることにおいて各
反優勢信号は2つの主出力信号に対して用いられ、例えば、anti2はβ1及びβ3
の双方における出力に用いられる。
【0140】 主方向出力β3=180°の導出 β2:=90 β3:=180 β4:=270 anti2(α):=Rt(β2)・Lt(α)- Lt(β2)・Rt(α) 式65 anti4(α):=Rt(β4)・Lt(α)- Lt(β4)・Rt(α) 式66
【式22】
【式23】 mag24(α):=h24(α) ・anti2(α) 式69 mag42(α):=h42(α) ・anti4(α) 式70
【0141】 主方向出力β4=270°の導出 β3:=180 β4:=270 β5:=360−β1b anti3(α):=Rt(β3)・Lt(α)- Lt(β3)・Rt(α) 式71 anti5(α):=Rt(β5)・Lt(α)- Lt(β5)・Rt(α) 式72
【式24】
【式25】 mag35(α):=h35(α) ・anti3(α) 式75 mag53(α):=h53(α) ・anti5(α) 式76
【0142】 主方向出力β5=360-β1b°の導出 β4:=270 β5:=360−β1b β6:=360 anti4(α):=Rt(β4)・Lt(α)- Lt(β4)・Rt(α) 式77 anti6(α):=Rt(β6)・Lt(α)- Lt(β6)・Rt(α) 式78
【式26】
【式27】 mag46(α):=h46(α) ・anti4(α) 式81 mag64(α):=h64(α) ・anti6(α) 式82
【0143】 主方向出力β6=360°の導出 β5:=360−β1b β6:=360 β1:=β1b anti5(α):=Rt(β5)・Lt(α)- Lt(β5)・Rt(α) 式83 anti1(α):=Rt(β1)・Lt(α)- Lt(β1)・Rt(α) 式84
【式28】
【式29】 mag51(α):=h51(α) ・anti5(α) 式87 mag15(α):=h15(α) ・anti1(α) 式88
【0144】 主方向出力β1=β1bの導出 β6:=360 β1:=β1b β2:=90 anti6(α):=Rt(β6)・Lt(α)- Lt(β6)・Rt(α) 式89 anti2a(α):=(Rt(β2)・Lt(α)- Lt(β2)・Rt(α)) 式90
【0145】 β1において及びanti6の大きさが等しいところで、anti2を与えるために
率k2だけanti2aを尺度化する。
【式30】 k2=0.55 anti2(α):=k2・anti2a(α) 式92
【式31】
【式32】 mag62(α):=h62(α) ・anti6(α) 式95 mag26(α):=h26(α) ・anti2(α) 式96
【0146】 結果的に得られた6つの出力はdBで表され得る。隣接主方向において任意に
選ばれた各項の極性に依存して、ある出力では等しい大きさ項が同一極性をもち
、他においては逆極性をもつ。 以下のように、各主方向が同一レベルで現れるようにdB量は正規化され得る。
【0147】 左前方 out2α:=mag31(α)- mag13(α) 式97
【式33】 中央前方 out3α:=mag42(α)- mag24(α) 式99
【式34】 右前方 out4α:=mag53(α)- mag35(α) 式101
【式35】 右後方 out5α:=mag64(α)- mag46(α) 式103
【式36】 中央後方 out6α:=mag51(α)+ mag15(α) 式105
【式37】 左後方 out1α:=mag62(α)+ mag26(α) 式107
【式38】
【0148】 図29では、dBの出力が符号化された源信号角αに対してプロットされる。
改変された各出力は、β1(31.298°)及びβ2(90°)においてそれらの最大量を
もつが、一方対応する改変されなかった出力β4及びβ5は、隣接出力がゼロにな
るところではそれらの最大量はもたない(例えば、改変されなかったoutdb4はou
tdb5がゼロになる270°の代わりに約245°においてピークに達する)。
【0149】 所望の受動マトリックスに対する反優勢信号尺度化 他方に対して一方の反優勢信号の固定した尺度化を用いることは、出力方向間
の角度が一様でない場合所望の出力角度において出力ピークが起こることを保証
するのみならず、能動マトリックスデコーダがその静止又は受動マトリックス状
態(即ち、明確な方向操作がない時;デコーダが本質的に受動マトリックスとし
て機能するようにサーボが「緩やかになる」時)にある時マトリックス特性を変
えるためにも同様に有用である。しかし、方向ピークを達成するために固定した
相対的尺度化を用いることは受動マトリックス特性に影響をあたえ、その逆も又
同じであることに注目すべきである。従って、そのような尺度化の実施は工学デ
ザイン上の兼合いを要する。多くの場合において、特に正確な方向ピークを達成
するより受動マトリックス特性が聴覚的により重要であると考えられる。実際的
オーディオ再生システムでは、スピーカはしばしばデコーダ出力と同一方向角度
では物理的に配置されていないので、正確な方向ピークの達成はあまり重要では
ないと考えられる。
【0150】 他方に対して一方の反優勢信号の固定された尺度化は、少なくとも1つの反優
勢信号出力に関して、入力反優勢マトリックス(図19、20、22及び23の
マトリックス102並びに図21のマトリックス102及び102)を変えるか
又はそれを可変利得又は減衰関数又は要素に用いる前に、少なくとも反優勢信号
の信号振幅を変えることによって達成され得る。
【0151】 所望の受動マトリックス特性を与える目的で次に尺度化を取り上げると、方向
操作されてない状態で起こるように、制御された利得又は減衰関数又は要素の各
利得hが1に近い(又は、等価的に両利得が1と比べて小さい)ならば、出力は
尺度化された反優勢信号の和(又は差)から成る。従って、特に相対的尺度化に
おいて、尺度化を変えることによって、受動マトリックスを変えることができる
。即ち、サーボが「緩やかになる」時、各反優勢信号の大きさを制御しかつそれ
らを平等化に向けて強制する前に、反優勢信号に用いられる各尺度化によって受
動マトリックスが選択され得る。以下は、左後方、左前方、中央、右前方及び右
後方の主出力を有する5出力デコーダの左後方出力に対するそのような尺度化の
一例である。
【0152】 5出力デコーダの左後方出力を考察しよう。関心のある3つの出力方向は従っ
て、βlb及び各隣接出力である。一貫性のために、それらをβ1、β2及びβ3と
呼ぶ。そこではβ1は右後方、β2は左後方及びβ3は左前方に対応する。βlbを
31度と仮定する。従って、 β1=360-βlb、 β2=βlb、及び β3=90 β1及びβ3における隣接主方向に対して尺度化係数k1及びk3を用いると:
【式39】
【式40】
【0153】 各同等な大きさ利得が等しいか又は1に近いならば: LBpass(α)=反優勢β1(α)+反優勢β3(α) 式111 各反優勢信号に対する代入でこれは下式で表され得る: LBpass(α)=A・Lt(α)+B・Rt(α) 式112 そこでは、
【式41】 及び
【式42】
【0154】 受動マトリックスが、比率c(12dBに対して0.25、5dBに対して0
.56)に対応する差を与えるべきであるならば: B/A=-c 式115 kの絶対値は任意であるが、それらの比は有意である。当該比をK2/K1=Kと呼
ぶ。 c=0.56に関して:
【式43】 k=0.977 同様に、c=0.25に対してk=0.707 従って、方向づけ操作を妨げることなく所望の受動マトリックスにつき尺度化
が選択され得る。
【0155】 3入力チャンネル 本発明をよりよく理解しかつ本発明の他面の理解を助長するために(即ち、3
つ以上の入力を有するデコーダ)他の例を考察する。そこでは6つの主出力方向
、即ち、後方(B)、左後方(LB)、左(L)、中央(C)、右(R)及び右
後方(RB)が一様な角間隔(各出力は互いに60°をなす)で3つの入力信号
から得られる。
【0156】 角度αからの単一源信号に対して、方向は3つの入力信号Lt、Rt及びBtに
符号化され得る:
【式44】
【式45】
【式46】
【0157】 3つの入力「全」信号の上記定義で、図30に示されるように、3つの信号対
符号化された源信号αのプロットから明らかなように極性転換はない。
【0158】 0度における後方Bから開始して、各出力主方向が60度増分において定めら
れる。各隣接主方向は、それぞれ0及び120度におけるB及びLである。従っ
て、必要とされるものは、単一源信号の符号化された方向が出力B及びLと同一
角度になる時においてゼロになる、入力全信号の結合されたものである。図30
から、Rtは0乃至120度の範囲全体を通してゼロなので、LBの導出はLt及
びBtのみを要すると期待されることが注目される。2入力チャンネルの場合に
ついては、x・Lt−y・Btから成る適切な結合が期待され、そこではx及びyは
、ゼロが必要となる各方向においてそれぞれBt及びLtに用いられる係数である
。従って下式が得られる。
【0159】 antiLB1(α)=Bt(0)・Lt(α)- Lt(0)・Bt(α) 式120 及び antiLB2(α)=Bt(120)・Lt(α)- Lt(120)・Bt(α) 式121 符号化された信号αの角度に対するantiLB1(α)及び antiLB2(α) の各絶
対値は図31に示される。既に述べた通り、等しい大きさの2つの信号を与える
ために、制御された利得又は減衰関数又は要素を用いてこれらの反優勢信号に作
用することが必要である。これは、大きさを平等化に向けて強制する利得を発生
させることによって達成され得る:
【式47】
【式48】
【0160】 従って、等しい振幅の2つの項は下記で表される。
【式49】
【式50】
【0161】 符号化された信号αの角度に対するLB1(α)及び LB2(α) のプロットは図
32に示される。2デバイダーの平方根は単に最終最大単位元を作るためである
。下式のLB出力は、図33の符号化された源信号αの角度に対してプロットさ
れる。
【0162】 LBout(α)=LB1(α)-LB2(α) 式126 さて、L出力(120度)を検討しよう。Lに隣接する出力はLB(60°)
及びC(180°)である。Lは3つの全入力信号に含まれる。しかし、一隣接
方向出力LBは、Lt及びBtにのみ含まれ、一方これに対して他の隣接出力方向
Cは、Lt及びRtにのみ含まれる。従って、何かに相殺させるためには、3つの
すべての入力信号、即ち、Lt、Rt及びBtの結合されたものを用いることを要
する。一例として(多分同要件を満たす他の各係数がある):
【式51】 及び
【式52】
【0163】 符号化された源信号αに対する、antiL1(α)及びantiL2(α)及びL出力導出
に要する2つの反優勢信号の各プロットが図34に示される。
【0164】 等しい大きさを強制するのに要する各利得は:
【式53】 及び
【式54】
【0165】 平等な項は下式で表される。 L1(α)=gl1(α)・antiL1(α)及び 式131 L2(α)=gl2(α)・antiL2(α) 式132
【0166】 左出力を与える結合は下式で表される。 Lout(α)=L1(α)+L2(α) 式133 符号化された源信号αに対する、L1(α)及びL2(α)のプロットは図35に示
される。符号化された源信号αに対する、Lout(α)のプロットは図36に示さ
れる。
【0167】 同様にB出力に対しては:
【式55】
【式56】
【式57】
【式58】 B1(α):=gb1(α) ・antiB1(α) 式138 B2(α):=gb2(α) ・antiB2(α) 式139 Bout(α):=B1(α) + B2(α) 式140
【0168】 符号化された源信号αに対するB1(α)及びB2(α) のプロットは図37に
示される。符号化された源信号αに対するBout(α)のプロットは図38に示さ
れる。
【0169】 同様にC出力に対しては:
【式59】
【式60】
【式61】
【式62】 C1(α):=gc1(α) ・antiC1(α) 式145 C2(α):=gc2(α) ・antiC2(α) 式146 Cout(α):=C2(α) - C1(α) 式147
【0170】 符号化された源信号αに対するC1(α)及びC2(α) のプロットは図39に示
される。符号化された源信号αに対するCout(α)のプロットは図40に示され
る。
【0171】 残りの2つの出力(R及びRB)に対しても同様な計算がされ得る。dBに変
換後上記計算された4つの出力は、符号化された源信号αに対してプロットされ
て図41に示される。
【0172】 反優勢信号に対する係数の計算 反優勢信号内のゼロの存在及び数 オーディオ信号源を角度αとして表すならば、デコーダに対して入力信号の方
向を符号化する正規化された各関数は周期的であろう。例えば、30°及び30
°+360°は同一方向を表す。
【0173】 2つの入力信号の場合を検討すると、そこでは正規化された関数の相対的振幅
及び極性によって方向が伝えられる。他がゼロならば(例えば、Lt=1及びRt
=0である、左前方)、有限のゼロでない値をもつために1つの方向のみが1つ
の関数を必要とし、その時点において当該有限関数の極性は方向と無関係である
(例えば、再び左前方に対して、Lt=+1又は-1かどうかには差がない)。可
能なすべての方向が各関数の半周期によって伝えられ得ることは明らかである。
即ち、他の半分は、両係数が反対極性を用いるが、従って同一相対的極性で、単
にすべての指向的符号化を単に反復するに過ぎない。言い換えると、2つの入力
信号に対して、各関数はα/2であり、式1及び2は一共通選択を例示するであ
ろう。全周期ではゼロを2回通過しなければならないので、源方向が全周期を通
してパンされるにつれて、各関数の半周期はゼロを一度通過するのみであろう。
半優勢信号のような入力信号の線形結合されたものは、従って、図2に示される
ように、ゼロを一度だけ通過するに過ぎないであろう。
【0174】 3つ以上の入力信号があるならば、指向的関数はより多くのゼロを示し得る。
例えば、式117-119に示される対称的な場合における3入力信号の場合に
関しては、各関数の半周期は可能な方向の全周期は占めず、その2/3のみを占
めるに過ぎない。言い換えると、各関数は3/2・α/2又は3α/4のものであり
、また半周期は精々2つのゼロをもつに過ぎないであろう。 従って、周期的入力信号の線形結合によって得られた周期的反優勢信号も同様に
僅かに2つのゼロもつに過ぎないであろう。
【0175】 概して、N入力信号が、曖昧さがないように(特定の組の相対的大きさ及び極
性が一方向のみを伝えるように)選ばれた周期的関数を用いて方向を表とすれば
、それらから構成される反優勢信号は、Nα/4で周期的であり、精々P個のゼ
ロを有するに過ぎないであろう。ここでPは、Nが奇数ならば一整数に丸められ
るN/2である。
【0176】 等しい大きさに向けて強制される信号中のゼロ サーボの各出力は、概してゼロ及び1間にある、正の数を乗じられた各入力信
号の1つである。従って、出力におけるゼロ値は2つの原因で起こり得る。
【0177】 a)サーボ入力、即ち、一反優勢信号は、それ自体ゼロであり得る。概して、
反優勢信号がゼロを通過すると、それは極性を変える(図2、7及び10参照)
。この場合には、サーボ出力はその入力と同一極性をもたなければならならない
ので、出力もまたそれがゼロを通過する時極性を変える。例えば、図4を見よ。
30°においてmagβ1はゼロを通過して正から負に変わる。同様に、150°
においてmagβ3はゼロを通過して正から負に変わる。これをタイプIゼロと呼ぶ
【0178】 b)その代わりに、サーボ利得(VCA、乗算器等)がゼロ(又はそれに近く
)になるので、サーボ出力はゼロ(又はそれに近く)になり得る。この場合には
、対応するサーボ入力はゼロではなく、それ故に入力又は出力の極性変化はない
。再び、図4では、30°においてmagβ3はゼロになるが、常に正(それは水平
線軸を横切らない)であり、150°においては、magβ1はゼロになるが負に
止まる。これをタイプIIゼロと呼ぶ。
【0179】 反優勢信号内のゼロ 何処かよそで説明されたように、等しい大きさに向けて強制された2つの信号
の結合(加算又は減算)が、一区分の方向に亘る有限の出力を与えるためでありか
つ円周の残部に亘って実質的に何もないならば、それらは所望の区分に亘って1
つの相対的極性をもち、その外側では逆の相対的極性をもたなければならない。
図4に例示されるように、2つの入力信号をもつシステムに関して、各信号には
2つのゼロがあり、一方は対応する反優勢信号(上記a)におけるように)のゼ
ロから結果として生じ、他方は他の反優勢信号(上記b)におけるように)から
のものである。従って、全円周の周りの一パンには2つのみの相対的極性変化し
かあり得ないか又は、言い換えると、円周は2つの区分からなり、一方が1つの
相対的極性をもち、他方が他のものをもつ。結合後、そこでは有限の出力をもつ
1つのみの区分しかあり得ず、他方のものは実質的に出力を与えない。
【0180】 しかし、3つ以上の入力信号に対しては、一出力のために結合された対をなす
信号は、各種類の2つ以上のゼロを有し、それでは潜在的に結合がゼロでないと
ころでは2つ以上の区分があり得る。
【0181】 図8及び11を比較すると、ゼロでない出力をもつ唯一の区分に対する要件は
、結合されるべき信号の各々は、ゼロに近づくが上記タイプIIにおけるような軸
は横切らない1つの方向をもたなければならないことを意味する。
【0182】 図8においてL2はゼロになるが、60及び240°において軸を2回横切る
ことはなく、またL1はゼロになるが、0(又は360)及び180°において
軸を2回横切ることはない。従って、加算は、60と180(所望のとおり)間
及び同様に240と360°間で有限な出力を与える(減算は、同様に0と60
及び180と240°間で有限出力を与えるであろう。)。
【0183】 これを図11と対照すると、L1及びL2はそれぞれ1つの角度を有し、そこに
おいてのみ関数はゼロに近づくが軸を横切らずかつ極性を変えない。L1及びL2
がゼロに近づく他のすべての角度において、それらは同一角度で近づきかつ共に
極性を変え、それらの相対的極性が変わらないようにする。従って、逆極性の場
合における加算又は同極性の場合における減算は、L1及びL2が軸を横切らない
ところの各角度間の一区分を除けば、実質的に出力を与えない。
【0184】 有限の出力を与える区分の各境界において、結合される各信号の一方はゼロに
近づくが極性を変えず、他方はゼロを通過し、従って極性を変える。即ち、それ
らの相対的極性が変わり、境界の一方側上では実質的に相殺(殆ど又は全く出力
はない)すると共に他方側ではそれらは結合して所望の有限出力を与えるように
なる。言い換えると、各境界において一方の信号はタイプIゼロを有しかつ他方
がタイプIIゼロを有する。他のすべてのゼロはタイプIでなければならず、相対
的極性が変わらずかつ相殺が続くように同時に起こらなければならない。
【0185】 サーボ出力のタイプIゼロは対応する反優勢信号のゼロと同時に起こるので、
一有限区分にとって、各境界角度(当該隣接方向、そこでは一方の出力がタイプ
Iゼロを有しかつ他方がタイプIIゼロを有するであろう)におけるものを除き反
優勢信号のすべてのゼロが同時に起こらなければならない。
【0186】 これを異なるように表現すると、各反優勢信号(サーボ入力)はゼロを通過し
て数個所で極性を変えるであろう。一箇所は境界(一隣接方向)にあるが、他の
境界において反優勢信号はゼロ(サーボ出力はタイプIIゼロを有するであろう)
であってはならない。他のすべてのゼロは、当該対の他の反優勢信号のゼロと同
時に起こらなければければならない。
【0187】 さらに別の方法で表現すると、出力を与える区分が唯1つしかないならば、反
優勢信号はその区分内に1つの相対的極性を有し、その外側に逆の相対的極性を
有するであろう。
【0188】 反優勢信号の係数 係数A1,A2,..ANを用いることによってN入力信号S1(α),S2(α),
..SN(α)から構成される反優勢信号は下式で表され得る。
【式63】
【0189】 上記で示されるように、反優勢信号はαの特定の値に対してゼロにならなけれ
ばならない。一対の反優勢信号の和又は差が、所望の区分を通して有限でなけれ
ばならずかつ他のどこでもゼロでなければならにとすれば、各反優勢信号は実際
上その区分の一方端及びそれに加えて同対の他の反優勢信号が他の端を除いてゼ
ロになる他のすべての点においてゼロにならなければならない。反優勢信号がゼ
ロになることを要する角度は精々下記Pに過ぎないであろう。 γ1,γ2,...γP
【0190】 次いで、これらの各々において、下式に表されるように反優勢信号はゼロであ
る。 Aniti(λ1)=Aniti(λ2)=0,等
【0191】 従って、下記連立方程式Pが構成され得る。
【0192】
【式64】
【式65】
【0193】 下式まで及ぶ
【式66】
【0194】 各γ角度(例えば、それらが対称性により推論され得る)の値が既に知られて
いるならば、これらのP方程式はN未知数、即ち、係数Aを含む。これらの絶対
値は任意(それらの相対的値につきのみ注意する)なので、その1つを任意に設
定してN-1独立係数のみにすることが可能である。
【0195】 他の情報が利用不能ならば、各係数の値を求めるのに十分な方程式の数はN=
2及びN=3に対するもののみであることは明らかである。しかし、実際上現実
のシステムは対称性(例えば、前方/後方軸)もち、検査によってある係数は同
一数値を有し、従って、変数の数が減らされて方程式が解き得るようにされる。
【0196】 γの値が未知ならば、関心のあるすべての反優勢信号につき等価の方程式を書
くことが可能であり、これらの確かに知られている(各反優勢信号に対して我々
は明らかに現実の方向につきγを知っている)「変数」を挿入し、再び対称性に
よってあらゆる等価のγ角度及び係数が推論され、従って、未知数が減らされ得
る。
【0197】 結論 本発明の他の変形及び改変並びにその各種の面の実施は当業者にとって明らか
でありかつ記載されこれら特定の実施形態によって本発明が限定されないことは
理解されるべきである。従って、本明細書に開示されかつ請求された本発明の根
底をなす基本原理の趣旨及び範囲内に入るあらゆる改変、変更又は同等物のすべ
てが本発明に含まれることが意図される。
【0198】 当業者は、ハードウエア及びソフトウエア実施形態並びにアナログ及びデジタ
ル実施形態の一般的同等性を認めるであろう。従って、本発明は、アナログハー
ドウエア、デジタルハードウエア、ハイブリッドアナログ/デジタルハードウエ
ア及び/又はデジタル信号処理によって実施され得る。ハードウエア要素は、ソ
フトウエア及び/又はファームウエアで関数として実行され得る.従って、開示
された実施形態の各種の要素及び関数(例えば、マトリックス、整流器、比較器
、結合器、可変アンプ又は減衰器等)は、アナログ又はデジタル領域のいずれか
においてハードウエア又はソフトウエアで実施され得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明を理解するのに有用な能動オーディオマトリックスデコーダの
機能的構成図である。
【図2】 図2は、2信号に符号化された振幅1の単一源オーディオ信号が本発明のデコ
ーダに用いられる場合に対する理想化されたグラフであり、2反優勢信号(anti
1(α)及びanti3(α))対α、即ち、本発明によるデコーダによって受信される
入力信号に符号化された源信号の意図する指向性角度をプロットする。
【図3】 図3は、2信号に符号化された振幅1の単一源オーディオ信号が本発明のデコ
ーダに用いられる場合に関する理想化されたグラフであり、αに対して、主方向
指向的方向出力信号を発生させるのに用いられる一対の制御された利得又は減衰
関数又は要素の利得hβ1(α)及びhβ3 (α)をプロットする。
【図4】 図4は、2信号に符号化された振幅1の単一源オーディオ信号が本発明のデコ
ーダに用いられる場合に対する理想化されたグラフであり、制御された利得又は
減衰出力magβ1(α)及びmagβ3 (α)(即ち、同等性に向けて強制される大きさ制
御された反優勢信号)対αをプロットする。
【図5】 図5は、2信号に符号化された振幅1の単一源オーディオ信号が本発明のデコ
ーダに用いられる場合に関する理想化されたグラフであり、出力β2(α)対方向
角度αをプロットする。
【図6】 図6は、理想化されたグラフであり、図3にプロットされた利得関数に対して
代わりの(gβ1(α)及びgβ3(α)をプロットする。
【図7】 図7は、3信号に符号化された振幅1の単一源オーディオ信号が本発明による
デコーダに用いられかつ第1組(不正確な)の係数が優勢信号に対して選択される
場合に関する理想化されたグラフであり、方向角度α対、3つの全信号から得ら
れた一対の反優勢信号、antiLB(α)及びantiC(α)をプロットする。
【図8】 図8は、3信号に符号化された振幅1の単一源オーディオ信号が本発明による
デコーダに用いられかつ第1組(不正確な)の係数が優勢信号に対して選択される
場合に関する理想化されたグラフであり、制御された利得又は減衰出力L1(α)及
びL2α)対方向角度αをプロットする。
【図9】 図9は、3信号に符号化された振幅1の単一源オーディオ信号が本発明による
デコーダに用いられかつ第1組(不正確な)の係数が優勢信号に対して選択される
場合に関する、出力Lout(α)対方向角度αをプロットする。
【図10】 図10は、3信号に符号化された振幅1の単一源オーディオ信号が本発明によ
るデコーダに用いられかつ第2(正確な)組の係数が反優勢信号に対して選択され
る場合に関する理想化されたグラフであり、方向角度αに対し、3つの全入力信
号から得られた一対の反優勢信号、antiLB(α)及びantiC(α)をプロットする
【図11】 図11は、3信号に符号化された振幅1の単一源オーディオ信号が本発明によ
るデコーダに用いられかつ第2(正確な)組の係数が反優勢信号に対して選択され
る場合に関する理想化されたグラフであり、制御された利得又は減衰出力L1(α)
及びL2α)対方向角度αをプロットする。
【図12】 図12は、3信号に符号化された振幅1の単一源オーディオ信号が本発明によ
るデコーダに用いられかつ第2(正確な)組の係数が反優勢信号に対して選択され
る場合に関する理想化されたグラフであり、出力Lout(α)対方向角度αをプロッ
トする。
【図13】 図13は、本発明を理解するのに有用な先行技術の受動復号マトリックスの機
能的構成図である。
【図14】 図14は、本発明を理解するのに有用な先行技術の能動マトリックスデコーダ
の機能的構成図であり、そこでは可変的に尺度化された受動マトリックス出力の
バージョンが線形結合器の変化されていない受動マトリックスと加算される。
【図15】 図15は、図14の左及び右VCA及び和及び差VCA及び図16、17及び
18実施形態のVCA用のフィードバック導出される制御システムの機能的構成
図である。
【図16】 図16は、図14及び15の結合物と同等な装置を示す機能的構成図であり、
そこでは相殺成分が導出される受動マトリックスから受動マトリックス出力信号
成分を受信する代わりに、出力結合器がLt及びRt入力信号に応答してそれらを
発生させる。
【図17】 図17は、図14、15及び16の結合物と同等な装置を示す機能的構成図で
ある。図17構成では、等しく維持されるべき信号は、出力導出結合器及びVC
Aの制御用フィードバック回路に用いられる信号である。即ち、フィードバック
回路の出力は受動マトリックス成分を含む。
【図18】 図18は、図14、15、16及び17の結合物と同等な装置を示す機能的構
成図であり、そこではVCA及び減算器によって与えられる可変利得回路利得(1
-g)は、利得がVCA及び減算器構成の各VCAのものと逆方向に変わるVCA
によって置き換えられる。この実施形態では、出力の受動マトリックス成分は内
在的である。他の実施形態では、出力の受動マトリックス成分は明示的である。
【図19】 図19は、2つ又はそれ以上の入力信号S1(α)、S2(α)、...SN(α)か
ら主方向β2を表す出力信号を導出する、本発明によるデコーダの機能的構成図
であり、そこでは入力信号が、1つ又はそれ以上のオーディオ信号に対してそれ
らの相対的大きさ及び極性の形で指向的情報を伝える。
【図20】 図20は、代わりのサーボ装置を用いる図19のデコーダの改変されたバージ
ョンの機能的構成図である。
【図21】 図21は、デジタル領域において低減されたサンプリングレートでフィードバ
ック制御を行う技術を用いる本発明によるデコーダの機能的構成図である。
【図22】 図22は、2つ又はそれ以上の入力信号S1(α)、S2(α)、...SN(α)か
ら主方向1、2、...Nを表す複数の出力信号を導出する、本発明によるデコ
ーダの機能的構成図であり、そこでは入力信号が、1つ又はそれ以上のオーディ
オ信号に対してそれらの相対的大きさ及び極性の形で指向的情報を伝える。
【図23】 図23は出力マトリックスをもつ代わりのトポロジーを用いる図22のデコー
ダの改変されたバージョンの機能的構成図である。
【図24】 図24は、2つの信号に符号化された振幅1の単一源オーディオ信号が本発明
によるデコーダに用いられる場合及び、例えば、複数の出力信号間に一定の影響
力を与えるために、符号化された源信号角度の関数として出力信号の振幅を可変
的に尺度化することに関連する本発明の追加の面を例示する理想化されたグラフ
であり、本発明の一定な影響力面を用いることなく、出力β2(α)及び出力β3
(α)対方向角度αをプロットする。
【図25】 図25は、2つの信号に符号化された振幅1の単一源オーディオ信号が本発明
によるデコーダに用いられる場合及び、例えば、複数の出力信号間に一定の影響
力を与えるために、符号化された源信号角度の関数として出力信号の振幅を可変
的に尺度化することに関連する本発明の追加の面を例示する理想化されたグラフ
であり、本発明の一定な影響力面を用いて、出力β2(α)及び出力β3(α)対方
向角度αをプロットする。
【図26】 図26は、主方向が一様でない増分で隔置される6つの出力を有する本発明に
よるデコーダに対する、本発明の尺度化の一面を理解するのに有用な理想化され
たグラフであり、反優勢信号anti1(α)及びanti3(α)対αをプロットする。
【図27】 図27は、主方向が一様でない増分で隔置される6つの出力を有する本発明に
よるデコーダに対する、本発明の尺度化の一面を理解するのに有用な理想化され
たグラフであり、制御された大きさmag13(α)及びmag31(α)対符号化された源信
号の角度αをプロットする。
【図28】 図28は、主方向が一様でない増分で隔置される6つの出力を有する本発明に
よるデコーダに対する、本発明の尺度化の一面を理解するのに有用な理想化され
たグラフであり、信号ピークの位置上の尺度化率の効果を理解するのに有用な、
mag31(α)-mag13(α)対符号化された源信号の角度αの理想化されたプロットで
ある。
【図29】 図29は、主方向が一様でない増分で隔置される6つの出力を有する本発明に
よるデコーダに対する、本発明の尺度化の一面を理解するのに有用な理想化され
たグラフであり、改変された出力β1及びβ2対改変された出力β4及びβ5上
の尺度化率の効果を示す、デコーダのdB出力対符号化された源信号角度αの理想
化されたプロットである。
【図30】 図30は、本発明の他の面、即ち、3つ以上の入力チャンネルを有するエンコ
ーダを理解するのに有用な理想化されたグラフであり、3つの入力信号対符号化
された源信号角度αをプロットする。
【図31】 図31は、本発明の他の面、即ち、3つ以上の入力チャンネルを有するエンコ
ーダを理解するのに有用な理想化されたグラフであり、符号化された源信号角度
αに対してプロットされた、左後方出力、antiB1(α)及びantiB2(α)に対する
2つの反優勢信号の絶対値を示す。
【図32】 図32は、本発明の他の面、即ち、3つ以上の入力チャンネルを有するエンコ
ーダを理解するのに有用な理想化されたグラフであり、符号化された源信号角度
αに対してプロットされた、左後方出力、antiB1(α)及びantiB2(α)に関して
等しい大きさにつき制御された改変された反優勢信号を示す。
【図33】 図33は、本発明の他の面、即ち、3つ以上の入力チャンネルを有するエンコ
ーダを理解するのに有用な理想化されたグラフであり、符号化された源信号角度
αに対してプロットされた、左後方出力、LBout(α)を示す。
【図34】 図34は、本発明の他の面、即ち、3つ以上の入力チャンネルを有するエンコ
ーダを理解するのに有用な理想化されたグラフであり、符号化された源信号角度
αに対して、左出力、antiL1(α)及びantiL2(α)を導出するのに用いられる2
つの反優勢信号をプロットする。
【図35】 図35は、本発明の他の面、即ち、3つ以上の入力チャンネルを有するエンコ
ーダを理解するのに有用な理想化されたグラフであり、符号化された源信号角度
αに対して、左出力、L1(α)及びL2(α)に対して等しい大きさにつき制御され
る、改変された反優勢信号をプロットする。
【図36】 図36は、本発明の他の面、即ち、3つ以上の入力チャンネルを有するエンコ
ーダを理解するのに有用な理想化されたグラフであり、符号化された源信号角度
αに対してプロットされた左出力、L1(α)及びL2(α)を示す。
【図37】 図37は、本発明の他の面、即ち、3つ以上の入力チャンネルを有するエンコ
ーダを理解するのに有用な理想化されたグラフであり、符号化された源信号角度
αに対して、左後方出力、B1(α)及びB2(α)に関して等しいおおきさにつき制
御される、改変された反優勢信号をプロットする。
【図38】 図38は、本発明の他の面、即ち、3つ以上の入力チャンネルを有するエンコ
ーダを理解するのに有用な理想化されたグラフであり、符号化された源信号角度
αに対してプロットされた後方出力、Bout(α)を示す。
【図39】 図39は、本発明の他の面、即ち、3つ以上の入力チャンネルを有するエンコ
ーダを理解するのに有用な理想化されたグラフであり、符号化された源信号角度
αに対して、中央前方出力、C1(α)及びC2(α)に関して等しい大きさに制御さ
れる改変された反優勢信号をプロットする。
【図40】 図40は、本発明の他の面、即ち、3つ以上の入力チャンネルを有するエンコ
ーダを理解するのに有用な理想化されたグラフであり、符号化された源信号角度
αに対してプロットされた中央前方出力Cout(α)を示す。
【図41】 図41は、本発明の他の面、即ち、3つ以上の入力チャンネルを有するエンコ
ーダを理解するのに有用な理想化されたグラフであり、符号化された源信号角度
αに対して、dBへの変換後4つの出力をプロットする。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 09/602,585 (32)優先日 平成12年6月21日(2000.6.21) (33)優先権主張国 米国(US) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM, AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,B Z,CA,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK ,DM,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE, GH,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,J P,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK, MN,MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 フォスゲイト、ジェイムス・ダブリュ アメリカ合衆国、ユタ州 84032、ヒーバ ー・シティ、イー・1200エス 4750、ピ ー・オー・ボックス 564 Fターム(参考) 5D045 DA20

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2つの入力オーディオ信号S1(α)及びS2 (α)からの複数の
    出力オーディオ信号の1つを導出する方法において、該出力オーディオ信号は主
    方向β2と関連し、該入力オーディオ信号は方向αを有するオーディオ信号源信
    号で符号化される方法であって、 反優勢β1(α)=AS1β1・S1(α)+AS2β1・S2(α) 反優勢β3(α)=AS1β3・S1(α)+AS2β3・S2(α) の形式で2つの反優勢オーディオ信号を発生させ、 一方の反優勢信号における該角度β1は、該出力オーディオ信号の該主方向β2
    に隣接する該2つの主方向の一方の角度であり、他方の反優勢信号における該角
    度β3は、該出力オーディオ信号の該主方向β2に隣接する該2つの主方向の他
    方の角度であり、該係数AS1β1及びAS2β1は、αがβ1である時該一方
    の反優勢信号が実質的にゼロになるように選択され、該係数AS1β3及びAS
    2β3は、αがβ3である時該他方の反優勢信号が実質的にゼロになるように選
    択されるようにし、 実質的に等しい大きさを有する一対の信号を与えるために該2つの反優勢信号
    に振幅制御を用い、 該出力オーディオ信号を発生させるために該振幅制御された反優勢オーディオ
    信号を加算的又は減算的に結合させることから成る出力オーディオ信号導出方法
  2. 【請求項2】 2つ又はそれ以上の入力信号(S1(α),...Sn(α))から
    複数の出力オーディオ信号の1つを導出する方法において、該出力オーディオ信
    号は主方向β2と関連し、該入力オーディオ信号は方向αを有するオーディオ源
    信号で符号化される方法であって、 【式1】 及び 【式2】 の形式の2つの反優勢信号を発生させ、 Nは入力オーディオ信号の数であり、β1は、該出力オーディオ信号の該主方向
    β2に隣接する該2つの主方向の一方の角度であり、β3は、該出力オーディオ
    信号の該主方向β2に隣接する該2つの主方向の他方の角度であり、係数ASn
    β1及びASnβ3は、αがβ1及びβ3間に位置する時該優勢信号が一方の相
    対的極性をもちかつαのすべての他の値に対して他の相対的極性をもつように選
    択されるようにし、 該2つの優勢オーディオ信号の相対的振幅を制御し、それらの振幅の平等化が
    強制されるようにし、 該出力オーディオ信号を与えるために該振幅制御された反優勢オーディオ信号
    を加算的又は減算的に結合することから成る出力オーディオ信号導出方法。
  3. 【請求項3】 2つの入力オーディオ信号S1(α)及びS2 (α)からの複数の
    出力オーディオ信号の1つを導出する方法において、該出力オーディオ信号は主
    方向β2と関連し、該入力オーディオ信号は方向αを有するオーディオ信号源信
    号で符号化される方法であって、 反優勢β1(α)=AS1β1・S1(α)+AS2β1・S2(α) 反優勢β3(α)=AS1β3・S1(α)+AS2β3・S2(α) の形式で反優勢オーディオ信号を発生させ、 一方の反優勢信号における該角度β1は、該出力オーディオ信号の該主方向β2
    に隣接する該2つの主方向の一方の角度であり、他方の反優勢信号における該角
    度β3は、該出力オーディオ信号の該主方向β2に隣接する該2つの主方向の他
    方の角度であり、該係数AS1β1及びAS2β1は、αがβ1である時該一方
    の反優勢信号が実質的にゼロになるように選択され、該係数AS1β3及びAS
    2β3は、αがβ3である時該他方の反優勢信号が実質的にゼロになるように選
    択されるようにし、 実質的に等しい大きさを有する一対の信号を与えるために該2つの反優勢信号
    に振幅制御を用い、該対の信号が以下の形式をもつようにし、 反優勢β(α)・(1‐g) そこではgは、振幅制御要素又は関数の利得又は減衰であり、第2対の信号が以
    下の形式を持つようにし、 反優勢β(α)・g 該主方向β2に対する該受動マトリックス成分を発生させ、 該出力オーディオ信号を与えるために該第2対の信号を該主出力方向β2に対
    する該受動マトリックス成分と加算的又は減算的に結合することから成る出力オ
    ーディオ信号導出方法。
  4. 【請求項4】 2つ又はそれ以上の入力信号(S1(α),...Sn(α))から
    複数の出力オーディオ信号の1つを導出する方法において、該出力オーディオ信
    号は主方向β2と関連し、該入力オーディオ信号が方向αを有するオーディオ源
    信号で符号化される方法であって、 【式3】 及び 【式4】 の形式の2つの反優勢信号を発生させ、 そこでNは入力オーディオ信号の数であり、β1は、該出力オーディオ信号の
    該主方向β2に隣接する該2つの主方向の一方の角度であり、β3は、該出力オ
    ーディオ信号の該主方向β2に隣接する該2つの主方向の他方の角度であり、係
    数ASnβ1及びASnβ3が、αがβ1とβ3間に位置する時該優勢信号が一
    方の相対的極性をもちかつαのすべての他の値に対して他の相対的極性をもつよ
    うに選択されるようにし、 実質的に等しい大きさをもつ第1対の信号及び第2対の信号を与えるために該
    2つの反優勢信号に振幅制御を用い、第1及び第2対の信号がそれぞれ 反優勢β(α)・(1‐g) 反優勢β(α)・g の形式をもち、gが振幅制御要素又は関数の利得又は減衰であるようにし、 該出力信号を与えるために該主方向β2に対し該受動マトリックス成分を発生
    させ、該第2対の信号を該主出力方向β2に対する該受動マトリックス成分と加
    算的又は減算的に結合させることから成る出力オーディオ信号導出方法。
  5. 【請求項5】 該第2反優勢信号に関して該第1反優勢信号の該相対的振幅を実
    質的に固定した定数だけ尺度化することをさらに含む、請求項1乃至4のいずれ
    か1つの方法。
  6. 【請求項6】 該入力オーディオ信号に符号化されたオーディオ源信号の該角度
    αに関して該第1及び第2反優勢信号を可変的に尺度化することをさらに含む、
    請求項1乃至4のいずれか1つの方法。
  7. 【請求項7】 該振幅制御された反優勢信号が結合されると言う意味は、該隣接
    主方向β1及びβ2間の2つの弧より小さい方以内に該出力信号方向を位置づけ
    る極性である、請求項1又は2の方法。
  8. 【請求項8】 該第2対の信号が該受動マトリックス成分と結合されると言う意
    味は、該隣接主方向β1及びβ2間の2つの弧より小さい方以内に該出力信号方
    向を位置づける極性である、請求項1又は2の方法。
  9. 【請求項9】 2つの入力オーディオ信号S1(α)及びS2 (α)からの複数の
    出力オーディオ信号の1つを導出する装置において、該出力オーディオ信号は主
    方向β2と関連し、該入力オーディオ信号は方向αを有するオーディオ信号源信
    号で符号化される装置であって、 前記2つの入力オーディオ信号を受信する反優勢マトリックスであって、 反優勢β1(α)=AS1β1・S1(α)+AS2β1・S2(α) 及び 反優勢β3(α)=AS1β3・S1(α)+AS2β3・S2(α) の形式で2つの反優勢オーディオ信号を発生させるマトリックスであって、 一方の反優勢信号における該角度β1は、該出力オーディオ信号の該主方向β2
    に隣接する該2つの主方向の一方の角度であり、他方の反優勢信号における該角
    度β3は、該出力オーディオ信号の該主方向β2に隣接する該2つの主方向の他
    方の角度であり、該係数AS1β1及びAS2β1は、αがβ1である時該一方
    の反優勢信号が実質的にゼロになるように選択され、該係数AS1β3及びAS
    2β3は、αがβ3である時該他方の反優勢信号が実質的にゼロになるように選
    択されるマトリックスと、 該2つの反優勢信号及び受信しかつ実質的に等しい大きさを有する一対の信号
    を与える一対の可変アンプ又は減衰器を含むサーボと、 該出力オーディオ信号を発生させるために該振幅制御された反優勢オーディオ
    信号を加算的又は減算的に結合する結合器とから成る出力オーディオ信号導出装
    置。
  10. 【請求項10】 2つ又はそれ以上の入力信号(S1(α),...Sn(α))か
    ら複数の出力オーディオ信号の1つを導出する装置において、該出力オーディオ
    信号は主方向β2と関連し、該入力オーディオ信号は方向αを有するオーディオ
    源信号で符号化される装置であって、 前記2つの入力信号を受信し、 【式5】 及び 【式6】 の形式の2つの反優勢信号を発生させるマトリックスであって、Nは入力オーデ
    ィオ信号の数であり、β1は、該出力オーディオ信号の該主方向β2に隣接する
    該2つの主方向の一方の角度であり、β3は、該出力オーディオ信号の該主方向
    β2に隣接する該2つの主方向の他方の角度であり、係数ASnβ1及びASn
    β3は、αがβ1及びβ3間に位置する時該優勢信号が一方の相対的極性をもち
    かつαのすべての他の値に対して他の相対的極性をもつように選択される反優勢
    信号マトリックスと、 該2つの反優勢信号を受信しかつ実質的に等しい大きさを有する一対の信号を
    与える一対の可変アンプ又は減衰器を含むサーボと、 該出力オーディオ信号を発生させるために該振幅制御された反優勢オーディオ
    信号を加算的又は減算的に結合する結合器とから成る出力オーディオ信号導出装
    置。
  11. 【請求項11】 2つの入力オーディオ信号S1(α)及びS2 (α)からの複数
    の出力オーディオ信号の1つを導出する装置において、該出力オーディオ信号は
    主方向β2と関連し、該入力オーディオ信号は方向αを有するオーディオ信号源
    信号で符号化される装置であって、 前記2つの入力信号を受信し、 反優勢β1(α)=AS1β1・S1(α)+AS2β1・S2(α) 及び 反優勢β3(α)=AS1β3・S1(α)+AS2β3・S2(α) の形式で反優勢オーディオ信号を発生させる反優勢マトリックスであって、一方
    の反優勢信号における該角度β1は、該出力オーディオ信号の該主方向β2に隣
    接する該2つの主方向の一方の角度であり、他方の反優勢信号における該角度β
    3は、該出力オーディオ信号の該主方向β2に隣接する該2つの主方向の他方の
    角度であり、該係数AS1β1及びAS2β1は、αがβ1である時該一方の反
    優勢信号が実質的にゼロになるように選択され、該係数AS1β3及びAS2β
    3は、αがβ3である時該他方の反優勢信号が実質的にゼロになるように選択さ
    れる反優勢マトリックスと、 該2つの反優勢信号を受信し、実質的に等しい大きさをもつ第1及び第2対の
    信号を与える一対の可変アンプ又は減衰器を含むサーボであって、該第1対の信
    号が 反優勢β(α)・(1‐g) の形式をもち、そこでgは振幅制御要素又は関数の利得又は減衰であり、該第2
    対の信号が、 反優勢β(α)・g の形式をもつサーボと、 前記2つの入力オーディオ信号を受信する受動マトリックスであって、該主方
    向β2に対する該受動マトリックス成分を発生させる受動マトリックスと、 出力オーディオ信号を与えるために該第2対の信号を該主出力方向β2に関し
    て該受動マトリックス成分と結合する結合器とから成る出力オーディオ信号導出
    装置。
  12. 【請求項12】 2つ又はそれ以上の入力信号(S1(α),...Sn(α))か
    ら複数の出力オーディオ信号の1つを導出する装置において、該出力オーディオ
    信号は主方向β2と関連し、該入力オーディオ信号は方向αを有するオーディオ
    源信号で符号化される装置であって、 前記2つの入力信号を受信し、 【式7】 及び 【式8】 の形式の2つの反優勢信号を発生させる反優勢マトリックスであって、そこでN
    は入力オーディオ信号の数であり、β1は、該出力オーディオ信号の該主方向β
    2に隣接する該2つの主方向の一方の角度であり、β3は、該出力オーディオ信
    号の該主方向β2に隣接する該2つの主方向の他方の角度であり、係数ASnβ
    1及びASnβ3は、αがβ1及びβ3間に位置する時該優勢信号が一方の相対
    的極性をもちかつαのすべての他の値に対して他の相対的極性をもつように選択
    される反優勢マトリックスと、 該2つの反優勢信号を受信し、実質的に等しい大きさをもつ第1及び第2対
    の信号を与える一対の可変アンプ又は減衰器を含むサーボであって、該第1対の
    信号が 反優勢β(α)・(1‐g) の形式をもち、そこでgは振幅制御要素又は関数の利得又は減衰であり、該第2
    対の信号が、 反優勢β(α)・g の形式をもつサーボと、 前記2つの入力オーディオ信号を受信する受動マトリックスであって、該主
    方向β2に対する該受動マトリックス成分を発生させる受動マトリックスと、 出力オーディオ信号を与えるために該第2対の信号を該主出力方向β2に関
    して該第2対の信号と該受動マトリックス成分とを加算的又は減算的に結合する
    結合器とから成る出力オーディオ信号導出装置。
  13. 【請求項13】 該第2反優勢信号に関して実質的に固定された定数だけ尺度化
    するために該第1反優勢信号を該第1及び/又は第2反優勢信号を受信するアン
    プ又は減衰器をさらに含む、請求項9乃至12のいずれか1つの装置。
  14. 【請求項14】 該入力オーディオ信号に符号化されたオーディオ源信号の方向
    αに関して該第1及び第2反優勢信号を尺度化するために該第1及び第2反優勢
    信号を受信する可変アンプ又は減衰器をさらに含む、請求項9乃至12のいずれ
    か1つの装置。
  15. 【請求項15】 前記結合器は、該隣接主方向β1及びβ2間の2つの弧のより
    小さい方以内に該出力信号方向を位置づける極性で該振幅制御された反優勢信号
    を結合する、請求項9又は10の装置。
  16. 【請求項16】 前記結合器は、該隣接主方向β1及びβ2間の2つの弧のより
    小さい方以内に該出力信号方向を位置づける極性で該第2対の信号を受動マトリ
    ックス成分と結合する、請求項11又は12の装置。
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