JP2003515333A - 胆汁酸を含む動物用製剤 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 飼育哺乳類の成長を促進し、鶏卵のコレステロール濃度を減少させるための、胆汁酸を含む、飼料、添加物、またはプレミックスの形態の畜産獣医学用製剤。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、畜産獣医学用の胆汁酸を含む製剤(formulation)に関する。

【０００２】 本発明はさらに、鶏卵中のコレステロール含有量を減少させるため、およびウ
シ、ブタ、ヒツジなどの哺乳類の成長を促進させるために本発明の製剤を使用す
ることにも関する。

【０００３】 （技術的背景） スピラマイシン、タイロシン、バージニアマイシン、バシトラシン等の抗生物
質を成長促進剤（オーキシン剤）として家畜に使用することは、かなり長い間知
られてきたが、現在は厳しく制限されつつあり、さらには法律で禁じられてさえ
いる。

【０００４】 特に、欧州連合は、前記物質の使用許可を１９９９年７月１日に取り下げてお
り、その他２種の既知の成長促進剤、カルバドックスとオラキンドックスの許可
を１９９９年９月１日に取り下げている。

【０００５】 したがって、畜産業では、望ましくない残留物として畜産物中に残らず、低コ
ストで生産と飼料変換効率のどちらの向上も保証する安全な化合物を前記成長促
進剤の代わりに使用することが求められている。

【０００６】 胆汁酸または胆汁酸を含む画分の畜産への使用は、すでに提案されているが、
これまでのところ特別な使用についてのみである。

【０００７】 例えば、ＪＰ６２１４３６４７は、牛肉の質を高めるため、特に脂肪含有量を
減少させるために胆汁酸を使用することを開示している。しかし、成長促進効果
は開示していない。

【０００８】 一方、成長促進効果は、ＪＰ−Ａ−５５１２０７５６（Ｍｉｙａｔａ Ｔ）に
開示されているが、家禽に関してのみである。

【０００９】 ある動物種に適当な成長促進剤が別の種にはまったく不適当であり得ることは
よく知られている。特に、養鶏に関わる問題が、一般に哺乳類の飼育に関わる問
題とは異なることは知られている。

【００１０】 鶏卵中のビタミンＤ３の含有量を増加させるために、ビタミンと組合わせた胆
汁酸を使用することがＵＳ５，４６４，６３７に開示されている。

【００１１】 胆汁酸の他の畜産への使用には、魚類養殖に関しての記載がある（ＪＰ５４１
３０３９３；ＪＰ６１１７２８２６）。

【００１２】 （発明の開示） 胆汁酸の投与は、哺乳類で著しい成長促進効果を発揮し、鶏卵のコレステロー
ル含有量を減少させるということが現在見出されている。

【００１３】 したがって、本発明の第１の態様では、特にウシ、ヒツジ、およびブタなどの
飼育哺乳類への投与に適当な成長促進動物用製剤を提供する。

【００１４】 第２の態様では、本発明は、卵中のコレステロール含有量を減少させるための
産卵鶏への投与に適した胆汁酸を含む動物用製剤を提供する。

【００１５】 さらに、本発明は、それぞれ動物の成長を促進し、卵中のコレステロール含有
量を減少させる上記製剤の各使用に関する。

【００１６】 （発明の詳細な開示） 本発明製剤の主要成分である胆汁酸は、コール酸、デヒドロコール酸、デオキ
シコール酸、ケノコール酸、ケノデオキシコール酸、ウルソコール酸、ウルソデ
オキシコール酸、イオコール酸、イオデオキシコール酸、およびそれらの無毒性
またはグリシンもしくはタウリン結合塩を含むことが好ましい。

【００１７】 純粋な酸の他に、それらの混合物、それらを含む抽出物、例えば動物胆汁画分
もしくは抽出物、または粉末全胆汁も使用することができる。

【００１８】 胆汁酸は、慣用の手法を用いて、飼料、プレミックス、添加物などの動物飼育
に適当な製剤に処方される。

【００１９】 添加物の場合には、胆汁酸含有量は７０〜９８％の範囲であることができ、プ
レミックスの場合には、約１０〜３０％の範囲であることができる。

【００２０】 飼料は通常、飼料１００ｋｇ当たり約２〜約５０ｇの量の添加物を、そして飼
料１００ｋｇ当たり７０〜１５０ｇの量のプレミックスを含むことができる。

【００２１】 製剤の他の成分には、動物性もしくは植物性粉餌、アミノ酸、ビタミン、ミネ
ラル塩、飼料、動物性もしくは植物性脂肪、または関係する畜産応用例に有用な
他の成分を含むことができる。

【００２２】 ウシ、ブタ、またはヒツジの成長を促進するためには、動物１頭当たり胆汁酸
１〜１０ｇが通常十分な１日量であるが、より具体的には、体重１００ｋｇのブ
タには１日約４ｇ、成体ウシには１日約７〜８ｇである。

【００２３】 ウシの場合、胆汁酸投与により乳中の体細胞が減少することがさらに観察され
ている。

【００２４】 胆汁酸を約０．０１〜０．２％含む飼料を産卵鶏に１週間から９〜１０週間投
与すると、卵黄中のコレステロール含有量１０％以上の減少が引き起こされる。

【００２５】 したがって、本発明は、成長を促進して、生産を増大させ、飼料変換効率を、
したがって生産コストを向上させ、生産自体の規格化に対する代替手段として、
品質が独特な製品の生産を質的に向上させ、逆症療法薬の治療的介入の必要性を
減少させる。

【００２６】 以下の実施例でより詳細に本発明を記述する。

【００２７】 （実施例１） デオキシコール酸２７．５ｇおよびコール酸２．５ｇを下記の組成割合を有す
る産卵鶏用の飼料１００ｋｇに添加する。

【００２８】

【表１】

【００２９】 （実施例２） 鶏卵中のコレステロール濃度を減少させる胆汁酸の作用 ２２０羽のブラウン プラス（Ｂｒｏｗｎ Ｐｌｕｓ）雌鶏を５群に分けた。
３群は、実施例１で報告した基本処方を有する飼料で処理したが、次の表に報告
するとおり、胆汁酸の割合が異なる。第１の対照群は、胆汁酸を含まない同一処
方で処理し、第２群は、レシチンで処理した。

【００３０】 卵黄は、処理の０、１４、２８、および４２日後に集めた。前記の各場合、上
記５つの各処理に卵６個からなる７つのプールを集めた。卵黄中のコレステロー
ル濃度は、ＨＰＬＣで評価した。

【００３１】 ブランクと比較したコレステロール濃度の百分率平均値は、以下の表に報告す
る。

【００３２】

【表２】

【００３３】 （実施例３） ブタ飼料プレミックス 組成 コール酸 ７ｇ デオキシコール酸 ４ｇ ケノデオキシコール酸 ２．５ｇ 植物性キャリア 合計１００ｇとなる十分量 飼料１００ｋｇ当たり１５０ｇを混合する。体重１００ｋｇのブタ１頭当たり
１日４ｇに相当する。

【００３４】 （実施例４） ウシ飼料プレミックス デオキシコール酸 ２５ｇ コール酸 １０ｇ 植物性キャリア 合計１００ｇとなる十分量 飼料１００ｇ当たり７５ｇを混合する。生体ウシ１頭当たり１日７．５〜８ｇ
に相当する。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ，ＴＲ)，ＯＡ(ＢＦ ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ， ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，Ｇ Ｍ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＭＺ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ， ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＧ，ＡＬ，ＡＭ， ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，Ｂ Ｚ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ ，ＤＭ，ＤＺ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ， ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，Ｊ Ｐ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ， ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＭＺ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，Ｒ Ｏ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ， ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ (72)発明者 プレディエリ、 ヴリーデル イタリア国 イ−42025 カヴリアゴ ヴ ィア ポルテッラ デッラ ジネストラ ９／ア (72)発明者 バルトーリ、 エンソ イタリア国 イ−42100 レッジョ エミ ーリア ヴィア シチリア ８／10 Ｆターム(参考） 2B150 AA04 AA05 AB02 AB08 BC01 DA34 DA59

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 胆汁酸を含む、哺乳類飼育用の畜産獣医学用成長促進製剤。
2. 【請求項２】 胆汁酸を含む、鶏卵中のコレステロール含有量を減少させる
   ための畜産獣医学用製剤。
3. 【請求項３】 飼料、添加物、またはプレミックスの形態の請求項１または
   ２に記載の製剤。
4. 【請求項４】 純粋な胆汁酸もしくはその混合物、または胆汁画分もしくは
   抽出物、または全胆汁を含む、上記請求項のいずれか一項に記載の製剤。
5. 【請求項５】 哺乳類を飼育するための成長促進飼料補助剤としての胆汁酸
   の使用。
6. 【請求項６】 卵中のコレステロール含有量を減少させるための産卵鶏用の
   飼料補助剤としての胆汁酸の使用。