JP2003513723A - スキー用のストックのグリップ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 グリップ（１）に固定されたストラップ（３）の有効長を調整できる手段を備えたスキー用のストックであって、前記グリップ（１）が、前記ストラップ（３）が通される貫通したキャビティ（９）を前記グリップ（１）の上方部分に備え、要素（12）が、前記キャビティ（９）の下方へテーパ状をなす部分の壁に対して前記ストラップ（３）をクランプするために前記キャビティ（９）内へ押し下げられるように適合されている。前記要素（12）が、前記グリップ（１）の頂部に装着される制御ノブ（４）上に位置しており、前記制御ノブ（４）が、前記ストラップ（３）を固定したり解放したりするために、グリップ（１）に対して押し下げたり引き上げたりすることができ、前記制御ノブ（４）が前記ストラップ（３）用の貫通した開口（８）を有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の分野】

本発明は、スキー用のストックのグリップに固定されるストラップの有効長を
調整できるストックに関する。そのグリップは、ストラップが通るキャビティを
そのグリップの上部に備え、構成要素は、キャビティの下方へテーパ状をなす部
分の壁に対してストラップをクランプするためにキャビティ内へと押し下げられ
るように適合される。

【０００２】 「下へ」及び「下方へ」ということは、上部にグリップを備え、垂直に位置し
たストックに対する方向を意味する。

【０００３】

【従来の技術】

上からキャビティへと押し下げられる独立したウェッジの使用により、そのよ
うなストラップをロックすることは既知である。ウェッジを解放するために、ス
トラップを上方に引くことができ、それによってウェッジがそれに続いてクラン
ピング動作をやめ、ストラップを調整することができる。ノルウェー国受理公報
第１４８４３９号には、かかるウェッジの使用例が示され、ウェッジがストラッ
プの端部に固定されることにより、ストラップを用いてウェッジを引き、調整の
ためにウェッジを緩めることが示されている。調整を行うべき時にウェッジの引
き抜きを容易にするために、引出し用フラップまたは環を有するウエッジを設け
ることも既知である。

【０００４】 さらに、ノルウェー国受理公報第１４５０６８号からは、同様の原理が認めら
れ、この場合、ウェッジは、キャビティ内に蝶着されるバックルにより置き換え
られ、そのバックルはキャビティへと枢軸で旋回することによってストラップを
クランプする。

【０００５】 スイス国特許第５９６８５９号には、ストックのリング（disc）がはまり込み
、またはスキーヤーが転倒した際に損傷を防ぐために、ストックの長手方向にお
いてストックから引き離そうとする強い力を受けた際に解放するように適合され
たストラップを有するストックのグリップが示される。ストラップの一方の端部
は、穴を有し、グリップの上部にある小さなピンに引っ掛けられ、ストラップの
他方の端部は、スナップ接続の使用によりグリップの上部に固定される制御ノブ
を備える。そのストラップの最初に言及した端部は、ピン用の複数の穴を有する
ので、ストラップの有効長を調整できる。ストラップは、ストラップを固定する
ことができるグリップのキャビティを通るわけではない。ピンに引っ掛けられる
ストラップのその端部は、グリップの最上端における狭い開口の中を通って挿入
され、通常の使用中、分離に対抗する抵抗力が増大される。

【０００６】

【発明の概要】

本発明によって、請求項１から明らかになるスキー用のストックのグリップが
提供される。

【０００７】 構成要素が制御ノブ上に位置しているという事実によって、ストラップのクラ
ンピング、およびストラップの有効長を調整するためにクランピングを解放する
ことは、制御ノブを押し下げたり、引き上げるという簡単操作により行うことが
できる。

【０００８】 クランピング要素は、下方にテーパ状をなす部分を備えたキャビティ内で下方
に向けられるノブと一体化しているブロックまたはウェッジを含むことができる
。ブロックまたはウェッジに加えて、ノブは、ウェッジの片側に１つずつ、アー
ムを含むことができ、前記アームは互いに面するクランピング端部またはエッジ
を有することができ、それによって２つのストラップの部分は、ノブがグリップ
に対して押し下げられた場合に、それぞれのアームとブロックまたはウェッジの
一方の側との間でクランプされる。ブロックまたはウェッジは、単独で用いよう
が、前記アームと共に用いようが、ストラップのクランピングを改善するために
外側のクランピング端部またはエッジを有することもできる。

【０００９】 ノブは、グリップの自然な延長部分を構成することができ、引き上げられた位
置、即ちそれによってクランピングが行われない位置にある場合、ノブを案内し
位置決めされたノブを保持するために、ノブとグリップは、相互に噛み合うけれ
ども、グリップに対してノブの必用な押し下げと引き上げを可能にする要素を有
する。これらの要素は、例えば、できる限り２つ以上の場所において、ノブの壁
における垂直な細長いリセス、およびグリップのリセスに対応するできる限り２
つ以上の場所における、例えば短いピンのような協働する突出部とすることがで
き、それによって突出部は、ノブの壁のリセスに挿入される。リセスは、１つ以
上の狭窄部によって不規則な幅を有し、それによって狭窄部は、グリップに対す
るノブの移動の間、ピンを通過しなければならない。このための前提は、ノブが
弾性的に変形できる材料からなるということである。その結果、ノブは、狭窄部
の数によって決定される（１つの狭窄部が２つの画定された位置を意味し、２つ
の狭窄部が３つの画定された位置を意味する等）２つ以上の都合よく画定された
位置を有する。狭窄部は、移動に対抗する抵抗力を生じることにより、ノブの意
図せぬ上昇を防止する。ノブが３つ以上の画定された位置を有することが望まし
い場合があるという理由は、同じタイプのグリップと共に用いることができるス
トラップが異なる厚みを有し、固定されるためにクランピングの異なる度合いを
必用とするからである。クランピングの度合いは、グリップに対してノブをどれ
ぐらい押し下げるかによる。

【００１０】 グリップの操作は、ストラップのクランピング用の独立したウェッジまたは蝶
着された要素を備える実施形態に比較して簡略化される。クランピングのために
、およびクランピングの解放のために、ノブをグリップの残りの部分に対して、
押し下げたり、引き上げたりすることにより操作できる。ノブが制御要素を構成
することを示すために、ノブはグリップとは違う色で作ることができ、移動方向
はノブ上の矢印によって示され得る。ノブはグリップからばらばらになることを
防ぐためにロックされているので、ノブは紛失するはずはない。

【００１１】 本発明は、以下に添付図面に関してより詳細に説明され、それらの添付図面は
、本発明に従ったスキー用のストックのグリップに関する限定的でない実施形態
の例を示す。

【００１２】 同じ参照番号は、全ての図面において同じ部品に使用される。

【００１３】

【実施形態の例の説明】

図１と図２は、ストック２に固定されたグリップ１を示し、小さい部分だけが
示される。例えば、グリップ１はストック２の端部に挿入され、そこに接着され
得る。頂部において、グリップは、栓（peg）形状の端部５を備えることにより
幾分細くされる。図１においてグリップ１から取り外された状態で示されている
ノブ４は、図２に示すようにグリップ上に取り付けられることができ、そのノブ
４は中空であり、グリップ１の端部５の外側に適合する周方向壁１１（図４）を
備える。図２から明らかなように、装着された状態の場合、ノブ４はグリップ１
の自然な延長部分を構成する。

【００１４】 グリップ１上でその装着された位置にノブ４を固定し、同時にグリップ１に対
してノブ４の所定の運動を可能にするために、グリップの端部５は両側から突き
出る２つの短いピンを備える。図１と図２は、端部５の片側のピン６を示し、図
５と図６は、断面においてピン６の双方を示す。ノブ４において、壁１１（図４
）を貫いて伸びる２つのリセス７が形成される。リセスは、ノブ４がグリップ１
に装着される際にピン６がリセス７へと挿入され得るくらいの位置を有する。装
着にはノブ４の弾性的な変形が必用であり、それによって壁１１の各側の下部は
ピン６を通過することができる。壁１１の弾性的な戻り変形により、ノブ４はグ
リップ１の端部５から移動することに対抗してロックされる。

【００１５】 リセス７が細長い形状を備えているので、ノブ４は端部５に対してある程度ま
で移動することができる。移動距離は、ピン６の直径と関連してリセスの過剰な
長さにより決定される。図示された実施形態において、リセス７は１つの狭窄部
だけを有する。説明されたように、リセスは複数の狭窄部を備えることができる
。図１から明らかなように、図示された実施形態において、リセス７はその中央
でくびれている形状を有し、それによって狭窄部は、ノブ４が終端の位置との間
を移動する場合にピン６を通過しなければならない。それによって、ノブ４がリ
セス７の狭窄部によって画定された終端の位置を備えることが達成される。２つ
以上の狭窄部を有するリセス７を成形することにより、ノブは終端の位置間に２
つ以上の画定された位置をさらに備えることになる。

【００１６】 図２は、グリップ１とノブ４を通るストラップ３を示す。ストラップは切断さ
れて示されており、実質的には下方にループ状に伸びている。

【００１７】 図３は、ノブ４の上面に対して垂直に見たノブ４を示す。ノブ４は、ストラッ
プ３の自由端が通るための２つの細長い開口を備える。

【００１８】 図４と図５は、断面において、ノブ４、及びグリップ１の上方端部がどのよう
な形状をしているかを示す。図６は、対応する断面において、ノブ４がグリップ
１に装着され、ノブ４がグリップ１に対して押し下げられた状態でストラップ３
（鎖線により示される）の端部がグリップ１の内部にクランプされる場合のノブ
４を示す。図４及び図５に示すように、ノブ４は、図３に示した２つの開口８を
有する上部壁１０を含む。さらに、ノブ４は、リセス７が形成された壁１１を含
む。

【００１９】 上部壁１０の中央において、ノブは内部ウェッジ１２を備え、その内部ウェッ
ジ１２は、その自由端において、多少とがったエッジを有する突出部１４を備え
ることができる。図示された実施形態において、ノブ４は、ウェッジ１２の片側
に１つずつ、２つのアーム１３をさらに有し、また、それらのアームがウェッジ
１２に面するエッジ１５と共に示される。

【００２０】 理解されるように、ノブ４は、ピン６を通過するためにノブ４の壁１１を弾性
的に変形させることにより、グリップ１の細くなった端部５に装着されることが
でき、壁１１の弾性的な戻り変形によってリセス７がそれぞれのピン６を取り囲
む。その結果、ノブ４はグリップ１の長手方向に、リセス７の自由空間に対応す
る距離、即ち、ピン６が円筒形である場合にピン６の直径から減じたリセス７の
距離だけ移動することができる。ピン６が、平行６面体のような、円筒形以外の
他の形状を有することができるのは理解されるであろう。

【００２１】 ノブ４がグリップ１上でその上部位置にある場合、図６に示した位置より高い
位置で、アーム１３がそれらの弾性によりグリップの内部キャビティ９の壁に係
合し、ウェッジ１２はその分だけ高い位置に位置することになる。この理由は、
アーム１３とウェッジ１２の双方がノブ４の上部壁１０と一体化しているからで
ある。これにより、２つのストラップ３の端部がグリップ１の側面の開口を通っ
て、グリップ１のキャビティ９の下からそのキャビティ９の中を通って上へ、さ
らにノブ４の中を通って上に通され得る。ストラップ３の端部は、ノブ４がグリ
ップ１に装着される前に、グリップ１とノブ４に通されることができ、それによ
りストラップ３の端部は、ノブ４の開口８に入るためにより容易に導かれること
ができる。

【００２２】 ノブ４をグリップ１に完全に押し下げる前に、ストラップがグリップ１から下
方へ適切なループを形成するようにストラップ３の端部が位置決めされ、その後
、ノブ４が、図２と図６に示すような位置まで押し下げられる。その結果、アー
ム１３は、グリップ１の下方にテーパ状をなすキャビティ９によって、ウェッジ
１２に比べて変形し、それによってアーム１３のエッジ１５はストラップ３の端
部に押しつけられるとともに、ストラップ３の端部をウェッジ１２のエッジ１４
に押しつける。その結果、ストラップ３の端部は、グリップ１の内部にクランプ
される。

【００２３】 ストラップのループのサイズを調整するために、グリップ１の上方延長部分を
構成するノブ４は、リセス７とピン６により決定される分だけ、つかまれて上方
向へ引かれて、ストラップ３の端部のクランピングをゆるめることができ、それ
によって、ユーザが、ストラップをループの適切なサイズに調整するために、ノ
ブ４から上方向へ伸びるストラップ３の端部を引く、またはグリップ１から突出
するストラップをさらに降ろすことができ、その後、ノブ４は押し下げられて選
択された位置にストラップを固定する。

【００２４】 図示されたアーム１３を省くことができ、それによってストラップは、ウェッ
ジ１２によってキャビティ９内の壁に直接的に押しつけられる。しかしながら、
アーム１３の省略は、ストラップのより不安な固定ということになるであろう。
とりわけ、グリップが、異なる厚みを有するストラップと共に用いられるべきで
ある場合、アーム１３は、安全確実なクランピングがどうであろうと達成される
ことを保証する。ウェッジ１２は、ノブ４の一部として押し下げられることによ
りキャビティ９内でストラップをクランプする平行６面体のブロックのような別
の構成要素に置き換えることができる。

【００２５】 キャビティ９は、グリップに位置していることを述べた。しかしながら、複合
要素であるグリップに障害がなく、それによってキャビティが上部グリップ要素
に位置し、グリップの残りの部分は、上部要素が取り付けられる別の要素を構成
することができる。例として、グリップの上部要素はプラスチックからなり、グ
リップの他の要素が、例えば皮、革、またはコルクの外側のライナを有するプラ
スチックのスリーブとすることができる。代替案として、例えばグリップの上部
要素とスリーブが、スリーブ上に外部から設けられたライナと一体化され得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 スキー用のストックの上方端部に固定されたグリップを示し、ノブがそのグリ
ップから取り外されている状態を示す図である。

【図２】 図１のと同じような対応するグリップを示し、ノブがグリップに装着され、ス
トラップがグリップに固定された状態を示す図である。

【図３】 ノブの上面に対して垂直に見たノブを示す図である。

【図４】 図１のＡ−Ａ断面を示す図である。

【図５】 図１のＢ−Ｂ断面を示す図である。

【図６】 図４と図５のそれぞれに対応する断面図において、２つのストラップの端部が
どのようにグリップの内部にクランプされるかを示す図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＣＹ， ＤＥ，ＤＫ，ＥＳ，ＦＩ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，Ｉ Ｔ，ＬＵ，ＭＣ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ，ＴＲ)，ＯＡ(ＢＦ ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＧＷ， ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ，ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＧＨ，Ｇ Ｍ，ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＭＺ，ＳＤ，ＳＬ，ＳＺ，ＴＺ ，ＵＧ，ＺＷ)，ＥＡ(ＡＭ，ＡＺ，ＢＹ，ＫＧ，ＫＺ， ＭＤ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，ＡＥ，ＡＧ，ＡＬ，ＡＭ， ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＡ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ，ＢＹ，Ｂ Ｚ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＲ，ＣＵ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＫ ，ＤＭ，ＤＺ，ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＤ，ＧＥ， ＧＨ，ＧＭ，ＨＲ，ＨＵ，ＩＤ，ＩＬ，ＩＮ，ＩＳ，Ｊ Ｐ，ＫＥ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＣ，ＬＫ，ＬＲ ，ＬＳ，ＬＴ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＡ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ， ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ，ＭＺ，ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，Ｒ Ｏ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，ＳＧ，ＳＩ，ＳＫ，ＳＬ，ＴＪ ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＴＺ，ＵＡ，ＵＧ，ＵＳ，ＵＺ， ＶＮ，ＹＵ，ＺＡ，ＺＷ

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 グリップ（１）に固定されたストラップ（３）の有効長を調整できるスキー用
   のストックであって、前記グリップ（１）が、前記ストラップ（３）が通される
   貫通したキャビティ（９）を前記グリップ（１）の上方部分に備え、構成要素（
   12）が、前記キャビティ（９）の下方へテーパ状をなす部分の壁に対して前記ス
   トラップ（３）をクランプするために前記キャビティ（９）内へ押し下げられる
   ように適合されており、 前記構成要素（12）が、前記グリップ（１）の頂部に装着される制御ノブ（４
   ）上に位置しており、前記制御ノブ（４）が、前記ストラップ（３）を固定した
   り解放したりするために、グリップ（１）に対して押し下げたり引き上げたりす
   ることができ、前記制御ノブ（４）が前記ストラップ（３）用の貫通した開口（
   ８）を有することを特徴とする、スキー用のストック。
2. 【請求項２】 前記構成要素（12）がブロックであることを特徴とする、請求項１によるスキ
   ー用のストック。
3. 【請求項３】 前記構成要素（12）がウェッジであることを特徴とする、請求項１によるスキ
   ー用のストック。
4. 【請求項４】 前記制御ノブ（４）が前記ブロックまたは前記ウェッジの各側にアーム（13）
   を含み、前記アーム（13）が前記ブロックまたは前記ウェッジ（12）に面するク
   ランピング端部またはエッジ（15）を備えることを特徴とする、請求項２または
   ３によるスキー用のストック。
5. 【請求項５】 前記ブロックまたは前記ウェッジ（12）が外側のクランピング端部またはエッ
   ジ（14）を備えることを特徴とする、請求項２から４の何れかによるスキー用の
   ストック。
6. 【請求項６】 前記ノブ（４）が前記グリップ（１）の上方端部（５）を囲む周方向壁（11）
   を含み、前記周方向壁（11）内の、および前記グリップの上方端部（５）上の協
   働要素が、前記グリップの前記ノブ（４）の制限された長手方向の移動を可能に
   することを特徴とする、請求項１から５の何れかによるスキー用のストック。
7. 【請求項７】 前記周方向壁（11）が少なくとも１つのリセス（７）を備え、前記グリップ（
   １）の前記上方端部（５）が、前記リセスに係合すると共に前記制御ノブ（４）
   の移動を制限するそれに対応した数の突出部（６）を備えることを特徴とする、
   請求項６によるスキー用のストック。
8. 【請求項８】 前記リセス（７）が端と端との間に少なくとも１つの狭窄部を備えることによ
   って、前記狭窄部が前記制御ノブ（４）の移動により前記突出部（６）を通過し
   なけらばならず、それによって前記制御ノブ（４）が少なくとも２つの画定され
   た位置を有することを特徴とする、請求項７によるスキー用のストック。
9. 【請求項９】 前記リセス（７）が２つ以上の狭窄部を備えることによって、前記制御ノブ（
   ４）が少なくとも３つの画定された位置を有することを特徴とする、請求項８に
   よるスキー用のストック。