JP2003513336A - 光シャッタ - Google Patents

光シャッタ

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JP2003513336A
JP2003513336A JP2001535113A JP2001535113A JP2003513336A JP 2003513336 A JP2003513336 A JP 2003513336A JP 2001535113 A JP2001535113 A JP 2001535113A JP 2001535113 A JP2001535113 A JP 2001535113A JP 2003513336 A JP2003513336 A JP 2003513336A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機フリーラジカル化合物を有する光シャッタを提供する。 【解決手段】 有機フリーラジカル化合物が光誘起反応の結果、近赤外における吸収の変化した反応生成物を生成し、好適にはフォトン吸収後0.1ナノ秒未満で光誘起反応が生じ、この吸収変化は可逆的であり10ミリ秒未満で光シャッタは可逆的にイメージングされフリーラジカル化合物を再生する。光ファイバ通信の光スイッチ、レーザ保護装置、安全保護システム、及び目に装着する装置として光シャッタが用いられる。光シャッタを有する光スイッチアレイ、光バッファ、光ルータ、及び調整可能な光利得フィルタが提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 [発明の分野] 本発明は、光シャッタの分野に関し、特に、近赤外及び/又は可視波長領域に
おいて動作する光シャッタに関する。更に具体的には、本発明は、有機フリーラ
ジカル化合物を有する光シャッタに関し、その有機フリーラジカル化合物は、フ
リーラジカル化合物の光誘導反応の結果として波長域における吸収変化を呈する
反応生成物を形成する。この光シャッタは、フリーラジカル化合物を再生するた
めに可逆的にイメージングできる。本発明はまた、本発明の光シャッタを具備す
る光スイッチアレイ、光バッファ、光ルータ、及び同調可能な光利得フィルタに
関する。
【0002】 [発明の背景] 光ファイバシステムを介したデータ通信の質及び速度は、インターネット利用
及び他の通信からくる要望が増大しているために急速に進展しているおり、完全
光スイッチングシステムに対して、汎用スイッチの高コストと低スイッチング速
度を克服すべく関心が高まっている。これらの汎用スイッチには、例えば、種々
の機械式スイッチ、電気光スイッチ、及び熱光スイッチ等がある。例えば、Dona
ldによる米国特許No.5,732,168及びNo.5,828,799に開示されている。特に、光信
号から電気信号へのスイッチング及びその後の光信号への復帰を含むスイッチン
グシステムが複雑になりかつコスト高となったために、完全光スイッチにへの関
心が非常に高まった。
【0003】 完全光スイッチは、通常、1つの出力ポートから別のポートへ光信号を切り替
える。これは、通常、ポンプレーザ源からの入力ポンプ信号を適用して光信号を
選択的に切り替えることにより実現される。このスイッチは、レーザポンプ信号
に応答して光信号の光を、出力ポートのいずれかへ選択的に切り替える。
【0004】 完全光スイッチすなわちハイブリッド光スイッチを製造するための様々な手法
が知られている。例えば、Maenoらによる米国特許No.5,905,587、Aksyukらによ
るNo.5,923,798、BakerらによるNo.5,970,185、Mueller-FiedlerらによるNo.5,8
41,912、RaoらによるNo.5,757,525、SanchezらによるNo.5,872,648、Kobayashi
らによるNo.5,091,984、WolffによるNo.5,406,407、ScaloraらによるNo.5,740,2
87、TomlonsonによるNo.5,960,133、WaslielewskiらによるNo.5,539,100がある
。例えば、Hodgsonによる米国特許No.5,943,453には、完全光スイッチの基本構
成の一つであるMach-Zehnder干渉計が開示され、これは、入力光信号を受信する
ための第1の光ファイバ入力アームと、スイッチングポンプ信号を受信するため
の第2の光ファイバ入力アームとを有する。これらの入力アームは、互いに融合
されることにより第1のカプラを形成するが、これは引き続き2つの中間アーム
へと分岐する。第1のカプラは入力信号を等分するように分割し、それぞれが2
つの中間アームへ入る。これら2つの中間アームは一旦再び融合されることによ
り第2のカプラを形成し、これは2つの出力アームへ分岐する。2つの中間アー
ムを通った後、2つの信号は第2のカプラにより再結合される。これら2つの信
号が第2のカプラにおいて同位相であれば、全ての光が第2の出力ポートの一方
のポートへ結合される。2つの信号が完全に位相がずれていれば、光は2つの出
力ポートの他方のポートへ結合される。光スイッチングにおけるMach-Zehnder干
渉計の信頼性は、一般的に、温度依存性の影響に対して敏感である。
【0005】 光ファイバ中の光信号を、例えば、約1540〜1560nmの近赤外領域にお
ける16の異なる波長における16個の信号へ変換する波長追加/廃棄マルチプ
レクサ(WADM)の利用により、光スイッチの改良の必要性は増している。例
えば、GilesらによるBell Labs Technical Journal, January-March 1999, p. 2
07-229及びこの中の参考文献、Danagherらによる米国特許No.5,959,749に開示さ
れている。波長チャネルの間が約1nmである。光スイッチの基本的機能は、光フ
ァイバを通る多数の波長に対して光信号を追加したり廃棄したりすることである
。光ファイバー毎の多重波長から、そして多重光ファイバーから、例えば100
×100以上の光スイッチアレイまでの光信号を処理する光スイッチのアレイが
強く求められている。さらに、光スイッチの応答時間が超高速、例えば1ナノ秒
又はそれ未満であることも強く要望されている。
【0006】 ハイブリッド電気光システム及び他のシステムの複雑さ及びコストを回避する
と共に、ミリ秒範囲からナノ秒又はピコ秒範囲へスイッチング時間の速度を高速
にする完全光スイッチングシステムが利用可能となれば、有用である。
【0007】 [発明の概要] 励起状態がフリーラジカル基底状態からの励起状態であるような有機フリーラ
ジカル化合物は、1ピコ秒又はそれ未満の短い時間スケールにより付随する熱生
成と共にこの励起状態から基底状態へ戻る速やかな内部変換を行うことができる
。この一例においては、有機ラジカルカチオン化合物がサーモクロミック化合物
の存在下でフォトンを吸収し、その吸収されたフォトンを1ナノ秒又はそれ未満
で熱へと変換し、そのサーモクロミック化合物における熱誘導変化による吸収変
化を生じる。これは、1998年12月3日に公開されたCarlsonによるPCT公報No.WO98
/54615に開示された「Optical Shutter Device」に開示されている。本発明は、
光誘起電子移動反応を行うことによりフリーラジカル化合物の酸化又は還元によ
る吸収変化を生じる有機フリーラジカル化合物を利用する。この光誘起電子移動
反応は、吸収されたフォトンの熱への内部変換よりも高速にかつ高効率で生じ得
る。あるいは、この熱への内部変換よりも同程度又は僅かに低速かつ効率的に生
じ得ることにより、電子遷移と熱生成プロセスの双方が生じる。
【0008】 本発明の一態様は、有機フリーラジカル化合物を含む光シャッタに関し、その
フリーラジカル化合物は、フリーラジカル化合物の光誘起電子移動反応の結果と
して近赤外波長領域における吸収が変化した酸化生成物又は還元生成物を形成す
ることを特徴とする。一実施例では、フリーラジカル化合物が、ラジカルカチオ
ンであり、好適にはアミニウムラジカルカチオンであり、そしてさらに好適には
、ラジカルカチオンがトリス(p−ジブチルアミノフェニル)アミニウム・ヘキサ
フルオロアンチモネートである。一実施例では、フリーラジカル化合物が、ラジ
カルアニオンであり、好適にはアントラセミキノン・ラジカルアニオンである。
【0009】 本発明の光シャッタの一実施例においては、フリーラジカル化合物がラジカル
カチオンであり、そしてこの光シャッタがさらにラジカルアニオンを含む。一実
施例では、フリーラジカル化合物がラジカルアニオンであり、そしてこの光シャ
ッタがさらにラジカルカチオンを含む。一実施例では、フリーラジカル化合物が
1又は複数のラジカルカチオン及び1又は複数のラジカルアニオンを含み、かつ
、吸収変化が、1又は複数のラジカルカチオンの少なくとも1つ及び1又は複数
のラジカルアニオンの少なくとも1つの光誘起電子移動反応から生じる。一実施
例では、フリーラジカル化合物がラジカルカチオン及びラジカルアニオンの塩を
含む。
【0010】 本発明の光シャッタの一実施例では、吸収変化が0.1以上、好適には0.5
以上、そしてさらに好適には1.5以上である。一実施例では、吸収変化の近赤
外波長領域が700〜1000nmである。一実施例では、吸収変化の近赤外波長
領域が1000〜1400nmであり、好適には、1400〜1600nmであり、
さらに好適には1520〜1580nmであり、そして最も好適には1500〜1
700nmである。
【0011】 本発明の光シャッタの一実施例では、光誘起電子移動反応が、フリーラジカル
化合物によるフォトン吸収後1ナノ秒未満で生じ、好適には0.1ナノ秒未満で
生じ、さらに好適には0.01ナノ秒未満で生じ、そして最も好適にはフリーラ
ジカル化合物によるフォトン吸収後0.001ナノ秒未満すなわち1ピコ秒未満
で生じる。
【0012】 本発明の光シャッタの一実施例では、光誘起電子移動反応は、フリーラジカル
化合物の酸化である。適切な電子移動反応には、フリーラジカル化合物の1電子
酸化、フリーラジカル化合物の2電子酸化、フリーラジカル化合物の1電子還元
、及びフリーラジカル化合物の2電子還元が含まれるが、これらに限定されない
【0013】 本発明の光シャッタの好適な実施例では、吸収変化は可逆的である。一実施例
では、吸収における可逆変化が熱により誘起される。一実施例では、吸収におけ
る可逆変化が、紫外線照射、可視光照射、及び赤外線照射からなる群から選択さ
れる照射により誘起され、そして、好適には、吸収における可逆変化が酸素の存
在によりさらに誘起される。一実施例では、吸収における可逆変化が照射のない
場合に50℃未満で生じる。一実施例では、吸収における可逆変化が1秒未満で
生じ、好適には10ミリ秒未満で生じ、さらに好適には1ミリ秒未満で生じ、そ
して最も好適には0.1ミリ秒未満で生じる。
【0014】 本発明の光シャッタの一実施例では、光誘起電子移動反応が紫外線照射により
誘起される。一実施例では、光誘起電子移動反応が可視光照射により誘起され、
そして好適には、近赤外線照射により誘起される。一実施例では、光誘起電子移
動反応がフリーラジカル化合物のフリーラジカル基底状態によるフォトンの吸収
により誘起される。
【0015】 本発明の光シャッタの一実施例では、光シャッタがさらに、その光シャッタの
フリーラジカル化合物を含む層の少なくとも一方の面上に金属層を有する。一実
施例では、金属層はアルミニウムである。
【0016】 本発明の一態様は、有機ラジカルカチオン化合物を含む光シャッタに関し、そ
のラジカルカチオン化合物は、ラジカルカチオン化合物の光誘起電子移動反応の
結果として近赤外領域に吸収変化のある酸化生成物又は還元生成物を生成するこ
とを特徴とする。一実施例では、光シャッタはさらに、ラジカルアニオンを含む
【0017】 本発明の別の態様は、有機ラジカルアニオン化合物を含む光シャッタに関し、
そのラジカルアニオン化合物は、ラジカルアニオン化合物の光誘起電子移動反応
の結果として近赤外領域に吸収変化のある酸化生成物又は還元生成物を生成する
ことを特徴とする。一実施例では、光シャッタはさらに、ラジカルカチオンを含
む。
【0018】 本発明のさらに別の態様は、1又は複数のカチオン及び1又は複数のアニオン
を含む光シャッタに関し、少なくとも1つのラジカルカチオン及び少なくとも1
つのラジカルアニオンが、その少なくとも1つのラジカルカチオン及び少なくと
も1つのラジカルアニオンの光誘起電子移動反応の結果として近赤外領域に吸収
変化のある酸化生成物若しくは還元生成物を生成することを特徴とする。
【0019】 本発明のさらに別の態様は、有機フリーラジカル化合物、好適にはラジカルカ
チオン化合物又はラジカルアニオン化合物を含む光シャッタに関し、フリーラジ
カル化合物が、そのフリーラジカル化合物の光誘起電子移動反応の結果として可
視及び/又は近赤外領域における吸収変化のある酸化生成物又は還元生成物を形
成し、その吸収変化は可逆的であることにより特徴付けられる。一実施例では、
この光シャッタが、光ファイバ通信チャネルの光スイッチに利用される。
【0020】 本発明のさらに別の態様は、有機フリーラジカル化合物を含む光シャッタに関
し、フリーラジカル化合物が、そのフリーラジカル化合物の光誘起電子移動反応
の結果として可視波長領域における吸収変化のある酸化生成物又は還元生成物を
生成することを特徴とする。一実施例では、吸収変化が可逆的である。一実施例
では、吸収変化が可逆的であって、その光シャッタが目に装着する器具の視野レ
ンズに用いられる。
【0021】 本発明の更なる態様は、有機フリーラジカル化合物を含む光シャッタに関し、
フリーラジカル化合物が、そのフリーラジカル化合物の光誘起電子移動反応の結
果として可視又は近赤外波長領域における吸収変化のある酸化生成物又は還元生
成物を生成することを特徴とする。一実施例では、その光シャッタが、レーザ光
源から目やセンサを保護するためのレーザ保護装置に利用される。一実施例では
、光シャッタが、紫外線照射、可視光照射及び赤外線照射からなる群から選択さ
れる高強度照射に対する安全保護システムにおいて光シャッタの露出に対する吸
収変化を検出することに基づく安全保護システムに利用される。
【0022】 本発明の更なる態様は、フォトンによるイメージング可能な光シャッタであっ
て、一の波長における低吸収の第1状態と、その波長における高吸収の第2状態
をもち、その光シャッタがフォトン吸収層を有し、そのフォトン吸収層が本明細
書に記載の通りの有機フリーラジカル化合物を含み、そしてそのフォトン吸収層
は、上記波長における吸収変化を持つ反応生成物を形成するためにフリーラジカ
ル化合物によりフォトン吸収を行いかつフリーラジカル化合物を再生するために
反応生成物の逆反応を行うことにより特徴付けられ、さらに、その光シャッタが
第1状態と第2状態の間で可逆的にイメージング可能であることにより特徴付け
られる。本発明の光シャッタの固有の特性は、広範で多様な極めてコンパクトな
ピコ秒速光素子の製造に利用できる。例えば、1又は複数の光シャッタを有する
光スイッチアレイ、光バッファ、光ルータ、及び同調可能な光利得フィルタがあ
るが、これらに限定されない。
【0023】 当業者であれば、本発明の一態様又は一実施例の特徴が本発明の他の態様又は
実施例へも適用可能であることは自明であろう。
【0024】 [図面の簡単な説明] 本発明を説明する便宜ために、特有の機構及び手法が図面に示されている。し
かしながら、本発明は示された精確な機構や詳細な説明の手法に限定されないこ
とを理解されたい。 図1は、本発明の光シャッタを利用する光スイッチアレイの一実施例である。 図2は、本発明の光シャッタを利用する光スイッチアレイの別の実施例である
。 図3は、本発明の光シャッタを利用する光バッファの一実施例である。 図4(A)及び図4(B)は、光スイッチアレイをイメージングするために本
発明の光直列並列シャッタを利用する光ルータの一実施例である。 図5は、光スイッチアレイをイメージングするために本発明の光直列並列シャ
ッタを利用する光ルータの別の実施例である。
【0025】 [発明の詳細な説明] 本発明の光シャッタは、入射光に対して1000ピコ秒又はそれ未満程度の応
答時間という優れた応答速度を実現する。そして、完全光シャッタ機構が望まし
いシステムに特に有用である。
【0026】 本明細書で用いられる「有機フリーラジカル化合物」とは、有機化合物の基底
状態において例えば、炭素原子、窒素原子又は酸素原子等の中性原子上に少なく
とも1つの自由不対電子をもつ有機化合物をいう。本発明の光シャッタに適した
有機フリーラジカル化合物は、中性有機フリーラジカル、有機フリーラジカルカ
チオン、及び有機フリーラジカルアニオンを含む。簡便にするために、「有機フ
リーラジカルカチオン」、「有機ラジカルカチオン」及び「ラジカルカチオン」
は、代替可能に用いられる。本明細書で用いられる「カチオン」は、分子中の正
に荷電した原子をいい、例えば、正に荷電した窒素原子である。同様に、「有機
フリーラジカルアニオン」、「有機ラジカルアニオン」及び「ラジカルアニオン
」は、代替可能に用いられる。本明細書で用いられる「アニオン」は、分子中の
負に荷電した原子をいい、例えば、負に荷電した酸素原子である。自由不対電子
並びに有機フリーラジカル化合物の正及び負の電荷は、1個の原子に局在してい
るか、2以上の原子の間で共有されている。
【0027】 本発明の光シャッタに適した有機フリーラジカルカチオンの例は、アミニウム
ラジカルカチオンを含み、例えば、トリス(p−ジブチルアミノフェニル)アミニ
ウムヘキサフルオロアンチモネートがあり、GlendaleTechnologies, Inc., Lake
land, FLから染料の商標IR−165として入手可能であるが、これに限定され
ない。IR−165は、長時間通常の室温でポリマーコーティング等の材料の層
の中で存在できる安定な材料として知られている。トリス(p−ジブチルアミノ
フェニル)アミニウム塩分子構造をもつ他の適切なアミニウムラジカルカチオン
は、IR−126及びIR−99を含み、これらは、GlendaleTechnologies, In
c., Lakeland, FLから入手可能な染料の商標である。これら2つの染料は、乾燥
粉形態及び層材料として同様に安定であることが知られており、例えば、多年に
わたる長期間通常の室温でポリマーコーティング等において安定である。
【0028】 本発明の光シャッタに適切な有機フリーラジカルアニオンの例は、Carlson と
Herculesによる「Photochemistry and Photobiology」, Vol. 17, p.123-131 (1
973)に記載されたようなアントラセミキノンラジカルアニオンであるが、これら
の限定されない。
【0029】 フリーラジカル部分の存在により、対応する非フリーラジカル化合物と比べた
場合に有機フリーラジカル化合物は、特有の長波長吸収と、特有の光熱変換及び
光化学変換を行う。例えば、ラジカルカチオンであるIR−165の吸収スペク
トルと、その極めて速い吸収フォトンの熱への内部変換は、多くの文献に記載さ
れている。例えば、CarlsonによるPCT国際公開公報No. WO98/54615及びこの
中の参照文献がある。また、例えば、9,10−アントラセミキノンラジカルア
ニオン及びその光化学特性は、上記で引用したCarlsonとHerculesによる文献並
びに、Carlsonによる「The Photochemistry of Anthraquinone and Related Com
pounds」, Ph. D. Thesis, Massachusetts Institute of Technology, 1969に記
載されている。
【0030】 励起状態がフリーラジカル基底状態からの励起状態である有機フリーラジカル
化合物は、この励起状態から基底状態へと1ピコ秒又はそれ未満の時間スケール
で光熱プロセスによる熱の発生を伴いつつ速やかな内部変換を行うことができる
。例えば、IR−165のコーティングについて、フリーラジカル基底状態から
の吸収である1065nmにおける高強度レーザ照射に対して観察された。このフ
ォトンから熱への変換におけるサブピコ秒の速度は、例えば、CarlsonによるPCT
国際公開公報No. WO/98/54615及びこの中の参照文献に記載されている。光誘起
電子移動反応を行う本発明は、有機フリーラジカル化合物を利用することを目的
とする。この光誘起電子移動反応は、光シャッタに用いられるこれらの光熱プロ
セスの速度と同程度か、好適には上回り、光励起に対して所望される吸収変化は
、光誘起電子移動反応による有機フリーラジカル化合物の酸化生成物又は還元生
成物の形成の結果である。
【0031】 例えば、酸化条件又は還元条件下において、IR−165を含む明るい黄緑層
は、1065nmにおけるレーザ照射に対して光誘起電子移動反応を行う。この反
応は、IR−165の超高速光熱プロセスと効率的に同等であり、可視及び近赤
外の双方の波長領域に吸収変化のある酸化生成物を生成する。あるいは、可視及
び近赤外の双方の波長領域に吸収変化のある還元生成物を生成する。例えば、I
R−165の酸化生成物は、2電子光誘起電子移動反応から生じた青色の化合物
であり、特にIR−165の層がニトロセルロース等のポリマーを含む場合は、
照射に曝されることによりそれがIR−165の酸化を促進する。同様に、例え
ば、IR−165の還元生成物は、1電子光誘起電子移動反応から生じる濃い緑
色の化合物であり、特にIR−165の層がポリマーを含む場合は、照射に曝さ
れることに対してIR165の酸化を促進しない。IR−165の緑色の還元生
成物は、IR−165の吸収と比較すると950nm及び1480nmに新たな強い
吸収ピークをもつ。IR−165の緑色の還元生成物の一つがIR−126であ
り、これはIR−165の1電子還元生成物である。その層に存在する他の材料
に依存して、これらの青色酸化化合物又は緑色還元化合物は、過渡的化合物とい
うことができ、0.1ミリ秒未満から数秒までの種々の速度で当初のIR−16
5材料へ戻ることができる。光誘起反応は、当初のIR−165材料への復帰を
加速するために用いることができる。
【0032】 さらに、例えば、アントラセミキノンラジカルアニオンの多くの置換体及び他
の誘導体を含むアントラセミキノンラジカルアニオンを含む層は、光誘起電子移
動反応を行うことができる。この反応は、極めて迅速に起こり、これらのラジカ
ルアニオンの光熱プロセスと効率的に同等であり、可視及び近赤外の双方の領域
で吸収変化のある還元生成物を生成する。この吸収変化には、通常、ラジカルア
ニオンの非フリーラジカル化合物、例えばジアニオン等への変換による近赤外波
長領域における吸収損失を含む。
【0033】 <光シャッタ> 本発明の一態様は、有機フリーラジカル化合物を含む光シャッタに関し、この
フリーラジカル化合物は、そのフリーラジカル化合物の光誘起電子移動反応の結
果として可視及び/近赤外の波長領域において吸収変化のある酸化生成物又は還
元生成物を生成することを特徴とする。本明細書において「近赤外波長領域」と
は、700nm〜2000nmの波長をいう。本明細書において「可視波長領域」と
は、400nm〜700nmの波長をいう。一実施例においては、フリーラジカル化
合物がラジカルカチオンであり、好適にはアミニウムラジカルカチオンであり、
そして最も好適には、ラジカルカチオンがトリス(p−ジブチルアミノフェニル)
アミニウムヘキサフルオロアンチモネート(TAH)である。一実施例では、フリ
ーラジカル化合物がラジカルアニオンであり、好適にはアントラセミキノン(A
SQ)ラジカルアニオンである。
【0034】 本発明の光シャッタの一実施例では、フリーラジカル化合物がラジカルカチオ
ンであり、そして光シャッタがさらにラジカルアニオンを含む。吸収変化は、酸
化生成物又は還元生成物を生成するラジカルカチオンの結果として生じるが、ラ
ジカルアニオンは、光誘起電子移動反応の効率を高める。
【0035】 一実施例では、フリーラジカル化合物がラジカルアニオンであり、そして光シ
ャッタがさらにラジカルカチオンを含む。吸収変化は、酸化生成物又は還元生成
物を生成するラジカルアニオンの結果として生じるが、ラジカルカチオンは、光
誘起電子移動反応の効率を高める。
【0036】 一実施例では、フリーラジカル化合物が1又は複数のラジカルカチオン及び1
又は複数のラジカルアニオンを含み、そして吸収変化は、1又は複数のラジカル
カチオンの少なくとも1つ及び1又は複数のラジカルアニオンの少なくとも1つ
の光誘起電子移動反応から生じる。光誘起電子移動反応は、ラジカルカチオン及
びラジカルアニオンの光酸化と光還元の結合を含むことがあり、例えば、ASQ
ラジカルアニオン等のラジカルアニオンによるIR−165等のラジカルカチオ
ンの電子移動反応の光増感、あるいは、それ他に、ラジカルカチオンによるラジ
カルアニオンの電子移動反応の光増感がある。
【0037】 一実施例では、フリーラジカル化合物がラジカルカチオン及びラジカルアニオ
ンの塩を含む。例えば、IR−165ラジカルカチオンの幾つか又は全てについ
てASQラジカルアニオンをアニオンラジカルとして用いる、ラジカルカチオン
分子とラジカルアニオン分子の互いに密接なこの関係は、光誘起電子移動反応の
速度と効率を高め、そしてさらに元のフリーラジカル化合物を再生する逆電子移
動反応の速度と効率も高める。
【0038】 本発明の光シャッタの一実施例では、吸収変化が0.1より大きく、好適には
0.5より大きく、そしてさらに好適には1.5より大きい。これらの吸収変化
は、公知技術である吸光度装置で測定される。吸光度1.0は、吸収率90%に
対応し、入射波長すなわち照射の波長の透過率10%に対応する。従って、例え
ば、光シャッタの初期吸収すなわち吸光度が1546nmで0.1であったものが
1546nmで1.6に変化した場合は、その吸収変化は1.6−0.1すなわち
1.5である。一実施例では、近赤外波長領域の吸収変化は、700nm〜100
0nmである。一実施例では、近赤外波長領域の吸収変化は、1000nm〜140
0nmであり、好適には1400nmから1600nmであり、さらに好適には152
0nmから1580nmであり、そして最も好適には1500nm〜1700nmである
【0039】 本発明の光シャッタの一実施例では、光誘起電子移動反応が、フリーラジカル
化合物によるフォトン吸収後1ナノ秒未満で生じる。好適には0.1ナノ秒未満
で生じ、より好適には0.01ナノ秒未満で生じ、そして最も好適には0.00
1ナノ秒未満で生じる。
【0040】 本発明の光シャッタの一実施例では、光誘起電子移動反応がフリーラジカル化
合物の酸化である。適切な電子移動反応は、フリーラジカル化合物の1電子酸化
、フリーラジカル化合物の2電子酸化、フリーラジカル化合物の1電子還元、及
びフリーラジカル化合物の2電子還元を含むが、これらに限定されない。ラジカ
ルカチオンの酸化生成物は、ジラジカルであって容易に逆電子移動を行ってラジ
カルカチオンを再生できる。また、ラジカルアニオンの還元生成物は、ジアニオ
ンであって逆電子移動を容易に行ってラジカルアニオンを再生できる。そして、
ASQラジカルアニオン及び対応するジアニオンの場合、逆電子移動プロセス中
に酸素の存在を制御することができる。
【0041】 本発明の光シャッタの好適例では、吸収変化が可逆的である。一実施例では、
可逆的な吸収変化が熱により誘起される。一実施例では、可逆的な吸収変化が、
紫外線照射、可視光照射、及び赤外線照射からなる群から選択される照射により
誘起される。そして、好適には、可逆的吸収変化がさらに酸素の存在により誘起
される。例えば、ASQラジカルアニオン及び対応するジアニオンはいずれも、
酸素の存在下で不安定である。そして、酸素の存在下で対応するアントラキノン
化合物へ酸化され、そのアントラキノン化合物は引き続いて光還元され若しくは
他の既知の方法で還元されて対応するASQラジカルアニオンを生成する。一実
施例では、照射のない場合に可逆的吸収変化が50℃未満で生じる。一実施例で
は、可逆的吸収変化が1秒未満で生じ、好適には10ミリ秒未満で生じ、さらに
好適には1ミリ秒未満で生じ、そして最も好適には0.1ミリ秒未満で生じる。
【0042】 本発明の光シャッタの一実施例では、光誘起電子移動反応が紫外線照射により
誘起される。一実施例では、光誘起電子移動反応が可視光照射により誘起され、
そして好適には近赤外線照射により誘起される。一実施例では、光誘起電子移動
反応が、フリーラジカル化合物のフリーラジカル基底状態によるフォトンの吸収
により誘起される。このことは特に重要であり、フリーラジカル化合物のフリー
ラジカル部分基底状態の励起状態が、例えば芳香族部分基底状態等の非フリーラ
ジカル部分基底状態による吸収によっては効率的に占有され得ず、それに続くフ
リーラジカル部分基底状態に関連するより低い励起状態への内部変換によって占
有される。
【0043】 本発明の光シャッタの一実施例では、光シャッタがさらに、その光シャッタの
フリーラジカル化合物を含む層の少なくとも一方の面上に金属層を有する。一実
施例では、金属層がアルミニウムである。この金属層は種々の機能を果たす。例
えば、より多くの入射光を光シャッタ層を通して反射し、光シャッタ層の熱発生
を強化し、そして本発明の光シャッタを具備する光スイッチにおける反射を強化
したり低減したりする要素として作用する。
【0044】 本発明の一態様は、有機ラジカルカチオン化合物を含む光シャッタに関し、ラ
ジカルカチオン化合物が、ラジカルカチオン化合物の光誘起電子移動反応の結果
として可視光及び/又は近赤外波長領域における吸収変化のある酸化生成物又は
還元生成物を生成することを特徴とする。一実施例では、光シャッタがさらにラ
ジカルアニオンを含む。
【0045】 本発明の別の態様は、有機ラジカルアニオン化合物を含む光シャッタに関し、
ラジカルアニオン化合物が、ラジカルアニオン化合物の光誘起電子移動反応の結
果として可視光及び/又は近赤外波長領域における吸収変化のある酸化生成物又
は還元生成物を生成することを特徴とする。一実施例では、光シャッタがさらに
ラジカルカチオンを含む。
【0046】 本発明の更なる別の態様は、1又は複数のラジカルカチオン及び1又は複数の
ラジカルアニオンを含む光シャッタに関し、ラジカルカチオンの少なくとも1つ
及びラジカルアニオンの少なくとも1つが、1又は複数のラジカルカチオンの少
なくとも1つ及び1又は複数のラジカルアニオンの少なくとも1つの光誘起電子
移動反応の結果として可視光及び/又は近赤外波長領域における吸収変化のある
酸化生成物又は還元生成物を生成することを特徴とする。
【0047】 本発明の更なる別の態様は、有機フリーラジカル化合物、好適にはラジカルカ
チオン化合物又はラジカルアニオン化合物を含む光シャッタに関し、そのフリー
ラジカル化合物が、フリーラジカル化合物の光誘起電子移動反応の結果として可
視及び/近赤外波長領域に吸収変化のある酸化生成物又は還元生成物を生成し、
その吸収変化が可逆的であることを特徴とする。一実施例では、光シャッタが、
光ファイバ通信チャネル用の光スイッチに利用される。例えば、光スイッチの対
象である1525nmから1575nm領域における初期吸光度0.1未満すなわち
透過率80%以上が、1ナノ秒未満で吸光度1.6以上すなわち透過率2.5%
未満へとスイッチングされ、その後1秒未満で初期吸光度へ可逆的に復帰される
【0048】 本発明の更なる別の態様は、フォトンによりイメージング可能であって一波長
における低吸収の第1状態とその波長における高吸収の第2状態とをもつ光シャ
ッタに関する。この光シャッタはフォトン吸収層を有し、フォトン吸収層は本明
細書に記載した有機フリーラジカル化合物を含み、そしてフォトン吸収層は、上
記波長における吸収変化のある反応生成物を生成するフリーラジカル化合物によ
るフォトン吸収を行い、かつ、反応生成物の逆反応によりフリーラジカル化合物
を再生することを特徴とし、この光シャッタは第1状態と第2状態との間で可逆
的にイメージング可能であることを特徴とする。
【0049】 本発明の光シャッタには、種々の中性フリーラジカル、ラジカルカチオン、及
びラジカルアニオン等の広範で多様な有機フリーラジカル化合物を用いることが
できる。本発明の光シャッタにおける有機フリーラジカル化合物を利用する特別
な利点としては、フォトン励起のために所望する波長における極めて強い赤外吸
収をもつこと及び/又は光シャッタに関連する吸収変化、サブピコ秒程度の独自
の超高速フォトン変換、熱、光若しくは湿度及び空気の周囲条件による劣化に対
する安定性、例えばコーティングやプラスチック成型等により製造容易であるこ
と、並びに毒性がないこと等があるが、これらに限定されない。
【0050】 これらの極めて強い吸収は、光シャッタにおける所望する可逆的吸収変化を生
じるために必要な材料の量を低減するために特に有用であり、それにより例えば
フォトンを吸収して吸収変化を生じる光シャッタの層の厚さが8ミクロン程度の
極めて小型の光シャッタを製造可能である。この層は、光スイッチアレイ及び他
の光素子に用いる光シャッタの製造においては、所望により8ミクロンより遙か
に厚くすることもできるが、使用される有機フリーラジカル化合物の量は少量の
ままに維持できる。なぜなら、層を厚くしても、吸収変化の所望するレベルを維
持するために余分な有機フリーラジカル化合物を含有させる必要はないからであ
る。一実施例では、フォトン吸収層の厚さが2〜100ミクロンである。一実施
例では、フォトン吸収層の厚さが4〜25ミクロンである。一実施例では、フォ
トン吸収層の厚さが8ミクロン未満である。
【0051】 例えば、IR−165とIR−126は、本発明の光シャッタにおける有機フ
リーラジカル化合物の一タイプを示すものであり、光誘起電子移動反応において
可逆的に生成される。すなわち、IR−126はIR−165の1電子還元生成
物であり、逆に、IR−165はIR−126の1電子酸化生成物である。IR
−165は、フォトン励起される1065nmにおいて約80,000リットル/
モルcmの極めて高いモル吸光係数を示し、光シャッタが光ファイバ通信チャネル
の光スイッチアレイや他の光素子に利用可能な1530〜1620nmの領域では
約5,000リットル/モルcmの低いモル吸光係数を示す。IR−126は、1
530〜1620nmの波長領域に亘って広くかなり平坦な吸収による40,00
0リットル/モルcmの非常に高いモル吸光係数を示す。IR−126が光シャッ
タのフォトン吸収層に約25重量%存在しかつ光ファイバ通信チャネルの光シャ
ッタで所望される30dB以上のコントラスト比を得るために1530〜162
0nmの領域の波長において99.9%以上の吸収を実現するには3.1以上の吸
光度が必要と仮定すると、IR−126を含むフォトン吸収層として必要な厚さ
は約4ミクロンにすぎない。さらに、例えば、1200×1200光スイッチア
レイに用いられる16,000個の光シャッタを製造するために必要なIR−1
26の量は1マイクログラム未満である。さらに、光シャッタの大きさが極めて
小さいことから、1200×1200光スイッチアレイの体積は0.001cm 又はこれ以下にできる。もっとも、製造並びにフォトン源及び他の光素子の組み
込みの容易さのためにより大きな大きさを選択することもできる。
【0052】 いずれかの特定の理論に結びつける意図はないが、有機フリーラジカル化合物
特有のサブピコ秒程度の超高速フォトン変換は、それらの基底状態の固有のフリ
ーラジカル特性によりそしておそらくそれらの励起状態により大きく影響される
と考えられている。ピコ秒及びサブピコ秒の速度は、光シャッタとして特に有用
である。例えば、光ファイバ通信チャネル技術で知られるように光データパケッ
トではナノ秒の光スイッチングが要求される。また例えば、照射線からの目やセ
ンサの保護には、ピコ秒又はそれ以上の速度が要求される。
【0053】 本発明の光シャッタは、フォトン吸収層を有する光シャッタによる一実施例に
おいて説明される。フォトン吸収層は、IR−165すなわち有機ラジカルカチ
オンを含む。フォトン吸収層の厚さは、4μmであり、IR−165はフォトン
吸収層中に25重量%存在する。この光シャッタは、フォトンによりイメージン
グ可能であり、例えば、フォトン吸収層中のIR−165が1065nm波長のフ
ォトンを吸収しかつ、フォトン吸収層がポリマーの還元性電子供与マトリクスと
、対アニオンと、アミニウムラジカルカチオンの周囲の他の添加物とを含むとき
、IR−165は、1電子還元生成物等の還元生成物を生成する。これは、対ア
ニオンに依存してIR−126と同一か又は類似のものとなる。フォトンの吸収
に先立って、光シャッタは、例えば波長1620nmにおいてIR−165による
吸光度0.05未満程度の低吸収状態にある。フォトンの吸収及び反応生成物の
生成後、光シャッタは、例えば波長1620nmにおいてIR−126又は同様の
有機フリーラジカル化合物による吸光度3.1程度の高吸収状態にある。その後
、照射のない場合に周囲温度すなわち室温又は50℃未満の温度における暗反応
により、IR−126又は同様の有機フリーラジカル化合物の反応生成物等が、
当初のフリーラジカル化合物であるIR−165を再生するために逆反応を行い
、光シャッタを1620nm等の波長における低吸収状態へと戻す。
【0054】 別の例として、逆反応を熱により誘起することができる。これは、イメージン
グプロセス中に発生する熱によりフォトン吸収層の温度を50℃以上に上げるか
、あるいは、光シャッタを50℃以上の高温環境に保持する等により熱源からの
熱を外部から適用することにより行われる。アミニウムラジカルカチオンは、通
常、250℃までは安定であり、かつ600℃までの温度でレーザアブレーショ
ンイメージ形成で見られるように非熱平衡条件下で安定であることが知られてい
る。
【0055】 さらに、別の例として、紫外線、可視光、及び赤外線照射からなる群から選択
された照射線により逆反応を誘起することができる。フォトン吸収層に存在する
反応生成物又は他の成分が酸素感知反応性を持つ場合、照射と組み合わされる所
望のレベルの酸素の存在が逆反応の誘起に利用できる。一実施例では、逆反応を
誘起する照射波長が、反応生成物を生成するために吸収されたフォトンの波長と
は異なる。従って、逆反応の機構は変わるが、本発明の光シャッタは、その波長
での第1状態と第2状態の吸収の間で可逆的にイメージング可能であることを特
徴とする。
【0056】 逆反応の速度及び/又はタイミングは、製品用途の要請に依存して広範囲で変
更可能である。一実施例では、逆反応が、反応生成物の光誘起形成後1秒から1
年で起きる。一実施例では、逆反応が1秒未満で起きる。一実施例では、逆反応
が10ミリ秒未満で起きる。一実施例では、逆反応が1ミリ秒未満で起きる。一
実施例では、逆反応が0.1ミリ秒未満で起きる。一実施例では、逆反応が0.
01ナノ秒未満すなわち10ピコ秒未満、例えば2〜3ピコ秒若しくはそれ未満
で起きる。逆反応を誘起するために照射が用いられる場合、逆反応のタイミング
は、その照射にタイする光シャッタの暴露のタイミングに依存して選択可能であ
る。
【0057】 さらに、逆反応を誘起するための照射により、フォトン吸収後の反応生成物の
生成速度を可能な限り速くすることができる。例えば、サブピコ秒程度である。
例えば、可逆的光誘起電子移動が光シャッタで起きたとき、反応生成物の生成速
度は、サブピコ秒にそして40フェムト秒又はそれ未満にすることができ、そし
て、当初の誘起フリーラジカル化合物を再生するための反応生成物の暗逆反応又
は熱誘起逆反応の速度は2〜3ピコ秒にすることができる。このような速い速度
は、光ファイバ通信チャネル技術で知られるナノ秒の光パケットスイッチングに
用いる光シャッタにおいて特に有用である。
【0058】 反応生成物を生成するためにフォトン吸収層により吸収されるフォトンの波長
は、誘起フリーラジカル化合物及びフォトン吸収層の吸収スペクトル、フォトン
源から得られる波長、並びに光シャッタが低吸収状態と高吸収状態をもち「オン
ーオフ」スイッチとして動作すべく設計される波長と干渉する波長を避けるとい
う必要性に依存して広範な波長から選択可能である。一実施例では、フォトンの
波長は、400〜700nmの領域内の1又は複数の波長である。一実施例では、
700〜2000nmの領域内の1又は複数の波長である。好適例では、フリーラ
ジカル化合物によるフォトン吸収は、フリーラジカル化合物のフリーラジカル基
底状態から生じ、そしてさらに好適には、フリーラジカル基底状態により吸収さ
れるフォトンの波長は、700〜2000nmの領域内の1又は複数の波長である
【0059】 反応生成物を生成するために、そして逆反応を誘起するために照射線が用いら
れるとき当初のフリーラジカル化合物を再生するために、多種多様なフォトン源
を利用することができる。適切なフォトン源としては、高強度フォトン源として
技術的に知られるレーザ、水銀ランプ等の連続光源、キセノンパルスランプ等の
パルス光源、及びエレクトロルミネッセンス発光素子等があるがこれらに限定さ
れない。適切な光源としてパルスレーザ及び他のパルス光源を含むようにパルス
でフォトンを供給することが好適である。
【0060】 別の例として一実施例では、レーザ及び連続光源を用い、所望の長さのイメー
ジング時間を与えるレーザ若しくは連続光源と、イメージング領域との間に第1
のモジュレータを介在させることにより、フォトンによる光シャッタのイメージ
ングを行う。適切なモジュレータは、光モジュレータ技術で知られる例えば電気
光モジュレータ等の多様な光モジュレータのいずれでもよく、モジュレータの「
オン−オフ」イメージングの要請に依存する。例えば、モジュレータの「オン」
時間を1.5ピコ秒、「オフ」時間を20ナノ秒としあるいは「オン」時間を2
0ナノ秒、「オフ」時間を1.5ピコ秒とする要請がある。また、所望するイメ
ージング領域の要請にも依存する。例えば、光シャッタのフォトン吸収層におい
て直径が約6μm又は矩形の辺が約6μmのドット形状すなわちピクセルの形状で
ある等の要請がある。
【0061】 一実施例では、逆反応が、紫外線、可視光、及び赤外線からなる群から選択さ
れた照射により誘起される。第2のモジュレータを照射源と光シャッタとの間に
介在させることにより、照射による光シャッタの逆反応のために所望するイメー
ジング時間及び所望するイメージング領域を実現する。適切なモジュレータは、
光モジュレータ技術で知られる例えば電気光モジュレータ等の多様な光モジュレ
ータのいずれでもよく、上記の第1のモジュレータについて述べたと同様に、「
オン−オフ」イメージングの要請に依存する。また、所望するイメージング領域
の要請にも依存し、光シャッタのフォトン吸収層において直径が約6μm又は矩
形の辺が約6μmのドット形状すなわちピクセルの形状である等の要請がある。
一実施例では、反応生成物を生成するフォトン波長が、逆反応を誘起する照射波
長とは異なる。
【0062】 一実施例では、フォトン源が、無機及び有機エレクトロルミネッセンス発光素
子(LED)技術で知られるエレクトロルミネッセンス発光素子である。一実施
例では、発光素子が、フォトンによる光シャッタのイメージングのために例えば
「オン」時間1.5ピコ秒、「オフ」時間20ナノ秒等の所望する長さのイメー
ジング時間と、例えば直径が約6μm又は矩形の辺が約6μmのドット形状すなわ
ちピクセルの形状等の所望するイメージング領域とを実現するために、外周と断
続的発光部とを具備する複数の発光ピクセルを有する。一実施例では、逆反応が
、紫外線、可視光、及び赤外線からなる群から選択された照射により誘起される
場合、外周と断続的発光部とを具備する複数の発光ピクセルを具備する第2のエ
レクトロルミネッセンス素子が、照射による光シャッタの逆反応のために例えば
「オン」時間1.5ピコ秒、「オフ」時間60ナノ秒等の所望する長さのイメー
ジング時間と、例えば直径が約6μm又は矩形の辺が約6μmのドット形状すなわ
ちピクセルの形状等の所望するイメージング領域とを実現する。一実施例では、
反応生成物を生成するフォトン波長が、逆反応を誘起する照射波長と異なる。
【0063】 有機ラジカルカチオンは、種々のアミニウムラジカルカチオンの塩でよい。塩
の対アニオンの選択は、種々の要因に依存する。例えば、反応生成物を生成する
光誘起反応の所望する速度、当初の有機フリーラジカル化合物を再生するための
反応生成物の逆反応の所望する速度、並びに、可逆光シャッタの動作中の酸素、
湿度及びフォトンへの暴露及び逆反応による劣化に対するフォトン吸収層の必要
な安定性、等がある。
【0064】 例えば、アントラセミキノンラジカルアニオンは、IR−165等のアミニウ
ムラジカルカチオンと共に用いる対イオンの一タイプである。アントラセミキノ
ンラジカルアニオンは電子供与剤であり、酸化されることによりアミニウムラジ
カルカチオンの光誘起還元に参与し、さらに当初のアミニウムラジカルカチオン
を再生するために、アントラセミキノンラジカルアニオンを再生成する逆還元を
同時に行うことにより反応生成物の逆反応にも参与する。特に、逆反応が、アン
トラセミキノンラジカルアニオンの酸化生成物、すなわち対応するアントラキノ
ン等により吸収される紫外線、可視光又は赤外線により誘起されるときに参与す
る。アントラセミキノンラジカルアニオン誘導体のタイプを適宜選択することに
より、結合したアミニウムラジカルカチオン−アントラセミキノンラジカルアニ
オン塩のアントラセミキノンラジカルアニオンを有機フリーラジカルとすること
ができ、この有機フリーラジカルは、その波長で吸収変化のある反応生成物を生
成すべくフォトンを吸収する。そして、アミニウムラジカルカチオンは、この光
誘起反応の促進及び当初のアントラセミキノンラジカルアニオンを再生する逆反
応の促進に参与することができる。
【0065】 光シャッタが低吸収状態と高吸収状態とをもつような波長は、有機フリーラジ
カル化合物の選択により、そしてフォトン吸収層の全体組成により、製品用途に
依存して変化し得る。適切な波長は400〜2000nmであるが、この領域に限
定されない。この波長は、単一波長であっても一定領域の複数波長であってもい
。一実施例では、この波長が400〜1000nmの一波長である。一実施例では
、この波長が1000〜1400nmの一波長である。一実施例では、光ファイバ
ー通信チャネルへの適用においてこの波長が1400〜1600nm、好適には1
520〜1580nm、そしてさらに好適には1500〜1700nmの一波長であ
る。
【0066】 低吸収状態及び高吸収状態における吸収レベルは、フリーラジカル化合物のタ
イプ及び量の選択により、そしてフォトン吸収層の全体組成により、製品用途に
依存して変化し得る。通常、その波長における吸収変化は主要な特性であり、製
品用途に依存して、例えば吸光度0.1から吸光度3.0以上までの値の範囲で
ある。例えば、光ファイバ通信チャネルにおける光スイッチアレイの光シャッタ
の通常の用途において、30dB以上のコントラスト比を実現するためには、例
えば1620nmの波長における低吸収状態の吸光度をできるだけ低く、例えば0
.01未満若しくは完全に透明とすべきであり、そしてこの波長における高吸収
状態の吸光度をできるだけ高く、例えば3.1以上とすべきである。
【0067】 前述のIR−165を含むフォトン吸収層を具備する光シャッタの実施例にお
いては、フォトンの吸収が、低吸収の第1状態から高吸収の第2状態へ光シャッ
タをイメージングする。特定の製品用途における光シャッタに対する要請に依存
して、フォトンの吸収が高吸収の第2状態から低吸収の第1状態へ光シャッタを
イメージングするようにフォトン吸収層を改変することも容易にできる。例えば
、フォトン吸収層がIR−126又は類似のアミニウムラジカルカチオンを含ん
でもよく、そしてフォトン吸収層がポリマーの酸化性電子受容マトリクス、対ア
ニオン、及びアミニウムラジカルカチオンの周囲の他の添加物を含む。フォトン
によるこの光シャッタのイメージングにより、例えば980nmにおいて、IR−
126タイプのアミニウムラジカルカチオンが、IR−165と同一又は類似の
1電子酸化生成物等の反応生成物を生成する。フォトンの吸収に先立って、光シ
ャッタは、1620nm等の波長においてIR−126又は類似の有機フリーラジ
カル化合物による吸光度3.1等の高吸収状態をもつ。フォトンの吸収と反応生
成物の生成後、光シャッタは、1620nm等の波長においてIR−165又は類
似の有機フリーラジカル化合物による吸光度0.05未満の低吸収状態をもつ。
前述の通り、光シャッタの逆反応は、当初のフリーラジカル化合物であるIR−
126タイプのラジカルカチオンを再生し、光シャッタを1620nm等の波長で
の高吸収状態へ復帰させる。従って、本発明の光シャッタの実施例はさらに、そ
の波長における吸収の第1状態と第2状態の間で可逆的にイメージング可能であ
ることを特徴とする。
【0068】 本発明の光シャッタの一実施例では、反応生成物がフリーラジカル化合物によ
るフォトン吸収後1ナノ秒未満で生成され、好適にはフォトン吸収後0.1ナノ
秒未満で生成され、さらに好適にはフォトン吸収後0.01ナノ秒未満で生成さ
れ、そして最も好適にはフォトン吸収後0.001ナノ秒未満でフリーラジカル
化合物により生成される。0.001ナノ秒すなわち1ピコ秒未満の反応物生成
速度は、ナノ秒光データパケットスイッチングが要求される光ファイバ通信チャ
ネルにおける製品用途において特に有用である。
【0069】 アミニウムラジカルカチオン等の有機フリーラジカル化合物は、特に、共有結
合の解離が必要とされない光誘起電子移動反応によるサブピコ秒の速度での反応
生成物の生成に特に適している。IR−165が所与のタイプのフォトン吸収層
において熱に対しフォトンのサブピコ秒変換を行い、それでもなお、IR−12
6若しくは類似の化合物の可逆的生成又は青い有機フリーラジカル酸化生成物の
可逆的生成も行うという事実は、これらの反応生成物の生成速度がサブピコ秒の
フォトン−熱変換と同程度に十分速いことを示している。実際に、フォトン励起
時間が、例えば3ピコ秒より長いとき、IR−165含有層のフォトン励起中に
逆反応の間の所与の熱発生と共に十分な程度まで可逆的に生じ得る。特に、光誘
起電子移動反応は、40フェムト秒程度のサブピコ秒で生じ、2〜3ピコ秒程度
の速度で暗反応により可逆であることが知られている。
【0070】 量子効率100%すなわち反応生成物の分子を生成するために吸収された各フ
ォトンの変換率を1に近づけることを目標として、反応生成物の生成効率を最大
とすべく、かつ、フォトン−熱変換及びフォトン−蛍光変換を最小とすべく、フ
ォトン吸収層の組成を変更することができる。この効率は、光シャッタのイメー
ジングのために必要なフォトンの量を低減するために有用である。有機フリーラ
ジカルの非常に強い吸収は、反応生成物を生成するために用いられるフォトンの
波長において高吸光度をもつフォトン吸収層を作製するのに有利であり、これら
の入射フォトンの高い吸収率を実現する。
【0071】 本発明の光シャッタの一実施例では、反応生成物は、例えば1電子酸化生成物
又は2電子酸化生成物等のフリーラジカル化合物の酸化生成物である。フリーラ
ジカル化合物としてのIR−126及び反応生成物としてのIR−165は、1
電子酸化生成物である反応生成物の例である。一実施例では、反応生成物が、例
えば1電子酸化生成物又は2電子酸化生成物等のフリーラジカル化合物の還元生
成物である。フリーラジカル化合物としてのIR−165及び反応生成物として
のIR−126は、1電子還元生成物である反応生成物の例である。
【0072】 有機フリーラジカル化合物に加えて、本発明の光シャッタのフォトン吸収層は
、この層に対する機械的一体性がありかつ反応生成物の生成及び当初有機フリー
ラジカル再生のための逆反応を最適化する他の材料を含んでもよい。フォトン吸
収層のための適切な材料は、ポリカーボネート及びセルロース、無機ガラス技術
で知られる多孔グレードのシリカガラス等の無機ガラス、及びキセロゲル層技術
で知られる1又は複数の無機キセロゲル層を含むが、これらに限定されない。本
発明の光シャッタに可能な小型であるので、有機ポリマー及び無機キセロゲルの
層が好適である。これらは、無機ガラスとは異なり、厚さ0.1〜8μmの層の
作製技術で知られるコーティングや他の蒸着プロセスにより8μm未満の厚さの
層を容易に作製できることが知られている。1又は複数の無機キセロゲル層は、
通常、0.5〜300nmの範囲の平均孔径をもつナノ多孔構造を有し、この多孔
が部分的又は完全に有機フリーラジカル化合物並びにポリマー材料、電子受容化
合物及び電子供与化合物等の他の材料で充填するために用いられ、それによりナ
ノ複合フォトン吸収層を実現する。
【0073】 本発明の光シャッタの一実施例では、光シャッタが、そのフォトン吸収層の少
なくとも一方の面上に金属層を設けており、好適には反応生成物を生成するため
にフォトンがフォトン吸収層へ入ってくる側に設ける。一実施例では、金属層が
アルミニウムである。金属層は、通常、非常に透明であり、例えば光シャッタの
低吸収状体及び高吸収状体の波長における吸光度が0.05未満である。これら
の低吸収の金属層は、例えば厚さ10オングストローム未満の極めて薄い金属層
を用いて得られる。金属層は光シャッタの表面に反射率を付与するために用いら
れる。光シャッタの反射率は、光シャッタが低吸収の第1状態にあるときの1%
未満の反射率から高吸収の第2状態にあるときの99%以上の反射率へと可逆的
に増加し、同時に「透明」から「不透明」へそして「透明」への復帰という光シ
ャッタのイメージングを伴う。さらに、金属層は、大容積の金属等のヒートシン
クへの接続により光シャッタのイメージング中に発生する熱を分散させる熱伝導
経路としても用いられる。例えば、アルミニウムは、約1ピコ秒の速度で吸収さ
れたフォトンを熱へ変換しかつその熱を隣接領域へ伝導させる。
【0074】 一実施例では、本発明の光シャッタがさらに、例えば、低吸収状態及び高吸収
状態の波長で1%未満の45°反射率である等の低反射率状態をもつ表面層を有
する。この場合、光シャッタが、例えば、低吸収状態及び高吸収状態の波長で9
0%以上の45°反射率である等の高反射率状態を形成するためにフリーラジカ
ル化合物によるフォトン吸収を特徴とし、かつ、光シャッタが、低反射率状態と
高反射率状態の間で可逆的にイメージング可能であることを特徴とする。好適に
は、この表面層が、フォトン吸収層における反応生成物を生成するために吸収さ
れるフォトンが入ってくる方の側に設けられる。一実施例では、フォトンの吸収
が、低吸収かつ低反射率の第1状態から高吸収かつ高反射率の第2状態へと光シ
ャッタをイメージングする。表面層に適した材料としては、25℃を超え700
℃未満、好適には200℃未満の温度で溶融する金属であるがこれらに限定され
ない。表面層は、効率的なフォトン−熱変換のために選択された有機フリーラジ
カル化合物及び他の材料、例えば、高反射率状態の可逆速度及び反射率%を高め
るような可逆的溶融−固結プロセスを行う材料等を含んでもよい。フォトン吸収
層の少なくとも一方の面上の金属層は、可逆イメージングの効率を高めることが
ある。
【0075】 本発明の光シャッタは、多様な製品用途に利用することができる。一実施例で
は、光シャッタが、光ファイバ通信チャネルの光スイッチアレイに利用される。
一実施例では、光シャッタが、照射源から目やセンサを保護するための保護装置
に利用される。一実施例では、光シャッタが、紫外線、可視光、及び赤外線から
なる群から選択される照射により安全保護システムにおける光シャッタのイメー
ジングにより吸収変化を検出する安全保護システムに利用される。一実施例では
、光シャッタが、目に装着する器具の視野レンズに利用される。
【0076】 本発明の更なる態様は、有機フリーラジカル化合物を含む光シャッタに関し、
フリーラジカル化合物が、そのフリーラジカル化合物の光誘起電子移動反応の結
果として可視波長領域における吸収変化のある酸化生成物又は還元生成物を生成
することを特徴とする。一実施例では、吸収変化が可逆的である。一実施例では
、吸収変化が可逆的であって光シャッタが、サングラス等の目に装着する器具の
視野レンズに利用される。
【0077】 本発明の更なる態様は、有機フリーラジカル化合物を含む光シャッタに関し、
フリーラジカル化合物が、そのフリーラジカル化合物の光誘起電子移動反応の結
果として可視又は近赤外波長領域における吸収変化のある酸化生成物又は還元生
成物を生成することを特徴とする。一実施例では、光シャッタが、レーザ光源か
ら目やセンサを保護するためのレーザ保護装置に利用される。一実施例では、光
シャッタが、紫外線照射、可視光照射及び赤外線照射からなる群から選択される
高強度照射に対する安全保護システムにおいて光シャッタの露出に対する吸収変
化を検出することに基づく安全保護システムに利用される。高強度照射は、光シ
ャッタを起動するための固有の光強度を与えるパルスレーザにより発生可能であ
り、これは周囲の部屋の灯りや他の汎用的条件下では起動されない。
【0078】 本発明の有機フリーラジカル化合物の有機特性及び光シャッタは、完全光シャ
ッタ又はハイブリッド光シャッタ及びスイッチで用いられる無機ガラス材料と比
較して、コーティング又はプラスチック成型等の汎用的方法により製造容易な点
が有利である。フォトン吸収層のフォトンを受ける領域のみがイメージングされ
かつ光シャッタとして動作するので、この光シャッタは、より大きな表面積をも
つフォトン吸収層に必要とされるよりも製造容易でかつ製品寿命を延ばすことが
できる。この余分なフォトン吸収層は、後に元々の光シャッタが劣化し新たな光
シャッタが必要となった場合に、この余分なフォトン吸収層を光シャッタとして
暴露するように光シャッタの位置を再設定することにより利用される。
【0079】 本発明の光シャッタの特徴は、光ファイバ通信チャネルの様々な光部品に利用
されるように適応できることである。例えば、光スイッチアレイ、光バッファ、
光ルータ、及び同調可能な光利得フィルタである。
【0080】 本発明の光シャッタは、光ファイバ通信チャネル技術で知られる任意の光スイ
ッチアレイに利用可能であり、光スイッチアレイは1又は複数の光シャッタ又は
光ゲートを用いる。通常、光ファイバ用途では光シャッタが光ゲートと称され、
低吸収状態と高吸収状態の間の可逆イメージングにより動作する。同時に低反射
率状態と高反射率状態の間の可逆イメージングも含まれる。これらのタイプの光
シャッタ又は光ゲートの可逆イメージングの各々は、本発明の光シャッタとして
上記の通り説明されたものである。
【0081】 図1は、本発明の光シャッタを用いる光スイッチアレイ100の一実施例を示
す。固有通信チャネルの波長、例えば1620nmの入力光信号1(IN)をもつ第
1チャネル1は、入力信号1(IN)を光分割素子11を介し、好適には等しい信
号振幅をもつ2つの光信号へと分割する。これら2つの光信号の一方は、フォト
ン吸収層4をもつ光シャッタ3へ向けられる。フォトン吸収層が図1の光信号の
光路面の上又は下の光源等からフォトンを吸収するとき、フォトン吸収層中の有
機フリーラジカル化合物がフォトンを吸収し、反応生成物を生成することにより
1620nmにおける吸収変化をもたらす。例えば、1620nmにおける吸光度が
3.10から0.03へと減少する。反応生成物が生成され1620nmにおける
吸光度が非常に低くなると、2つの光信号のうちのこの一方は、光シャッタ3を
通過してミラー5により、又はこの信号を伝搬させるウェーブガイド中の曲部若
しくは光ファイバ通信チャネル技術において既知の他の方向変更光学部品により
、光結合素子22へ向けられる。光結合素子22はこの光信号を、同じく光結合
素子22へ同時に向けられた他の任意の光信号と結合させる。第2チャネル22
で光信号は、1620nmにおける出力光信号2(OUT)となる。反応生成物が逆
反応を行い、当初の有機フリーラジカルを再生するとき、1620nmにおける吸
光度は非常に大きくなり、光信号は光シャッタ3を通過できない。
【0082】 任意であるが、この実施例の光スイッチアレイがさらに、フォトン吸収層7を
具備する光シャッタ6を有してもよい。この場合、フォトン吸収層7が図1の光
信号の光路面の上又は下の光源等からフォトンを吸収するとき、フォトン吸収層
7中の有機フリーラジカル化合物がフォトンを吸収し、反応生成物を生成するこ
とにより1620nmにおける吸収変化をもたらす。例えば、1620nmにおける
吸光度が0.03から3.10へと増大する。この反応生成物が生成されかつ1
620nmにおける吸光度が非常に大きくなると、光信号は光シャッタ6を通過で
きない。フォトンの吸収に先立って、すなわち反応生成物が当初の有機フリーラ
ジカル化合物を再生すべく逆反応を行うとき、1620nmにおける吸光度は非常
に小さく、この2つの光信号の他方は光シャッタ6を通過でき、ミラー5により
、又はこの信号を伝搬させるウェーブガイド中の曲部若しくは光ファイバ通信チ
ャネル技術において既知の他の方向変更光学部品により、光結合素子21へ向け
られる。光結合素子21はこの光信号を、同じく光結合素子21へ同時に向けら
れた他の任意の光信号と結合させる。その後、光信号をチャネル1へ方向付け、
光信号は1620nmにおける出力光信号1(OUT)となる。
【0083】 このように、図1では、光シャッタ3が「不透明から透明へ」の光シャッタで
あり、チャネル1からチャネル2へ光信号を落とすために可逆的にイメージング
される。光シャッタ6は「透明から不透明へ」の光シャッタであり、これもまた
交互に可逆的にイメージングされ、スイッチアレイ100を通った後にチャネル
1内でチャネル1からの光信号が持続するのを停止させるために用いられる。同
様に、光分割素子12の後の光シャッタ3及び6は、第2チャネル2からの入力
光信号2(IN)を第1チャネルへ落とし光信号が出力光信号1(OUT)になるた
めに用いられ、かつ/又は、スイッチアレイ100の後に入力光信号2(IN)が
出力光信号2(OUT)になるべくチャネル2へ通過するのを停止させるために用
いられる。
【0084】 従って、本発明の光スイッチアレイの一態様は、1又は複数の入力光信号チャ
ネルと、2又はそれ以上の出力光信号チャネルと、1又は複数の光シャッタとを
有する光スイッチアレイに関し、1又は複数の光シャッタはフォトンによりイメ
ージング可能であり、一の波長で低吸収である第1状態と、その波長で高吸収で
ある第2状態をもつ。1又は複数の光シャッタの少なくとも1つは、フォトン吸
収層を有し、このフォトン吸収層は有機フリーラジカル化合物を含み、このフリ
ーラジカル化合物によるフォトン吸収により当該波長における吸収変化のある反
応生成物を生成し、この反応生成物の逆反応により当初のフリーラジカル化合物
を再生することを特徴とする。さらに、1又は複数のシャッタの少なくとも1つ
は、吸収の第1状態と第2状態の間で可逆的にイメージング可能であることを特
徴とする。さらに、光スイッチアレイは、このスイッチアレイに入るその波長の
光信号を第1入力光信号チャネルから第2出力光信号チャネルのスイッチアレイ
出力へとスイッチングできることを特徴とする。
【0085】 本発明の光スイッチアレイの一実施例では、フォトンの吸収が1又は複数の光
シャッタの少なくとも1つを第1状態から第2状態へイメージングし、第1チャ
ネルから光スイッチアレイに入る光信号が光信号分割素子により2又はそれ以上
のチャネルの2又はそれ以上の光信号へと分割され、1又は複数の光シャッタの
少なくとも1つが光分割素子と第2チャネルの間における2又はそれ以上の光信
号の少なくとも1つの光路に挿入されることにより2又はそれ以上の光信号の少
なくとも1つを出力する。一実施例では、フォトンの吸収が1又は複数の光シャ
ッタの少なくとも1つを第1状態から第2状態へイメージングし、第1チャネル
から光スイッチアレイに入る光信号が光信号分割素子により2又はそれ以上のチ
ャネルの2又はそれ以上の光信号へと分割され、1又は複数の光シャッタの少な
くとも1つが光分割素子とミラー等の1又は複数の反射面の間における光路に挿
入され、1又は複数の反射面は第2チャネルへの光路の一部である。
【0086】 本発明の光スイッチアレイの一実施例では、1又は複数の光シャッタの少なく
とも1つがさらに、その波長での低反射率状態をもつ表面層を有し、1又は複数
の光シャッタの少なくとも1つがフォトン吸収により高反射率状態をもつ表面層
を形成するし、かつ高反射率状態の逆反応により表面層の低反射率状態を再生す
ることを特徴とし、1又は複数の光シャッタの少なくとも1つが低反射率状態と
高反射率状態の間で可逆的にイメージング可能であることを特徴とする。
【0087】 一実施例では、フォトン吸収が、低吸収の第1状態から高吸収の第2状態へと
1又は複数の光シャッタの少なくとも1つをイメージングさせることにより、光
信号がフォトン吸収層を透過しないことを確保する一方、その光信号が同時に高
反射率状態をもつ表面層から反射される。図2を参照すると、フォトン吸収層の
低吸収状態と高吸収状態の双方の間並びに表面層の低反射率状態と高反射率状態
の間を可逆的にイメージングする本発明の光シャッタを利用する光スイッチアレ
イ110の一実施例が示されている。固有の通信チャネルの、例えば、1620
nm等の所定の波長の入力光信号1(IN)をもつ第1チャネル1は、その入力光信
号1(IN)を、ミラー等の反射面15へと向ける。その後、反射面15は、入力
光信号1(IN)を、低反射率状態をもつ表面層9を有する光シャッタ14と、有
機フリーラジカル化合物を有するフォトン吸収層7へと向ける。光シャッタ14
のフォトン吸収層7が、図2の光信号の光路面の上方又は下方の光源からフォト
ンを吸収するとき、有機フリーラジカル化合物がそのフォトンを吸収し、162
0nmにて低吸収状態から高吸収状態へと変化する反応生成物を生成すると同時に
、光シャッタ14の表面層9が低反射率状態から第2の高反射率状態へイメージ
ングされる。反応生成物が生成されかつ1620nmにおける吸光度及び反射率が
非常に高くなる一方、この光信号はミラー等の反射面25へと反射される。その
後、光信号は反射面25により第2チャネルへと反射され、そこで光信号は16
20nmの出力光信号2(OUT)となる。光シャッタ14によるフォトン吸収以前
、又は、反応生成物及び高反射率状態の表面層が逆反応を行い当初の有機フリー
ラジカル化合物及び低反射率状態の表面層を再生したとき、1620nmにおける
吸光度及び反射率は非常に低く、従って、光信号は光シャッタ14及び光シャッ
タ15をチャネル1へと透過でき、そこで光信号は1620nmの出力光信号1(
OUT)となる。
【0088】 同様に、固有の通信チャネルの、例えば、1620nm等の波長における入力出
力信号2(IN)をもつ第2チャネルは、入力光信号を、低反射率状態をもつ表面
層9を有する光シャッタ16と、有機フリーラジカル化合物を有するフォトン吸
収層7へと向ける。光シャッタ16のフォトン吸収層7が図2の光信号の面の上
方又は下方の光源からフォトンを吸収するとき、有機フリーラジカル化合物がフ
ォトンを吸収し、かつ、1620nmにて低吸収状態から高吸収状態へと半価する
反応生成物を生成し、同時に光シャッタ16の表面層9が低反射率状態から高反
射率の第2状態へとイメージングされる。反応生成物が生成されかつ1620nm
における吸光度及び反射率が非常に高いとき、この光信号はチャネル1へと反射
され、そこで光信号は1620nmの出力光信号1(OUT)となる。光シャッタ1
6によるフォトンの吸収以前、又は、反応生成物及び高反射率の表面層が逆反応
を行い当初の有機フリーラジカル及び低反射率状態の表面層を再生したとき、1
620nmにおける吸光度と反射率は非常に低く、従って光信号は光シャッタ16
及び光シャッタ14を透過して反射面25へと透過できる。その後光信号は、反
射面25によりチャネル2へと反射され、そこで光信号は1620nmにおける出
力光信号2(OUT)となる。
【0089】 光シャッタ16と光シャッタ14とは非常に近くにあり、ダブル光シャッタ部
品18を形成するが、これらの光シャッタをイメージングするための光源は、光
スイッチアレイ中のただ一つの光シャッタのみをイメージングするフォトンを与
えるためにコリメートされかつ焦点合わせされる。例えば、ダブル光シャッタ部
品18の光シャッタ14をイメージングすることなく光シャッタ16のみをイメ
ージングする。
【0090】 以上述べたように、「透明から不透明」となる光シャッタとしたり、「不透明
から透明」となる光シャッタとしたり、さらに「透明から反射性」となる光シャ
ッタとしたりするフレキシビリティをもつ本発明の光シャッタの多くの変形及び
組合せは、本発明の光スイッチアレイの設計で利用でき、設計において「透明か
ら不透明」となる光シャッタ、「不透明から透明」となる光シャッタ、及び「透
明から反射性」となる光シャッタを必要とする技術における既知の光スイッチア
レイにおける利用を含む。
【0091】 図2の2×2光スイッチアレイは、より大型のアレイへと容易に拡張できる。
例えば、各チャネルが1530〜1620nmの領域の異なる80個の波長をもつ
光信号の15個のファイバチャネルがある1200×1200光スイッチアレイ
である。非常に近い2つの光シャッタからなるダブル光シャッタ部品を具備する
図2に示した「透明から反射性」となる光シャッタは、例えば、全体の大きさが
各辺が約8μmの立方形のように小さくできる。もし、光スイッチアレイが、各
々固有波長をもつ15個のチャネルを分割して別の79個の固有波長をもつ15
個のチャネルをもつ単一面の光スイッチアレイへ入力し、この第1単一面に平行
で上方又は下方にある79個の個々の面に分割された信号を位置決めしかつ与え
るように動作し、さらに、各面の光シャッタが他のいずれの面の光シャッタから
も十分に離れており、光スイッチアレイの面の上方又は下方からの光源が他のい
ずれの光シャッタもイメージングすることなく一つの個々の光シャッタをイメー
ジングすることができるように動作する場合、光スイッチアレイは非常にコンパ
クトな大きさとすることができる。例えば、図2のダブル光シャッタ部品18の
立方形状の各辺を8μmとすると、対応する「透明から反射性」となるタイプの
光シャッタ及びダブル光シャッタ部品に基づく1200×1200光スイッチア
レイの寸法は、15チャネルの単一面の一次元について約8μm×15チャネル
すなわち120μm 、個々の波長について80個の面全体を計算するために深さ
については約8μm×80波長すなわち640μm、さらに他のいずれの光シャッ
タもイメージングすることなく一つの光シャッタのみをイメージングできるよう
な隙間を計算するために15チャネルの各単一面における2次元について約8μ
m×80波長×15チャネルと見積もることができる。このように大きさが極め
て小さいことは、コスト、製造容易性、並びに、光スイッチアレイ及び光スイッ
チアレイをイメージングする光源の双方についての空間の配慮の点で非常に有利
である。
【0092】 本発明の光スイッチアレイの一実施例では、光スイッチアレイがさらに、例え
ば1542nmの波長の光信号を例えば1544nmの第2の異なる波長へ変換する
光波長変換層を有する。これは、光信号を他のチャネルへと、例えば同じ光ファ
イバの他の利用可能な波長へとスイッチングする更なるフレキシビリティを実現
する。光信号を、入力光信号の上又は下の1、2、又は3の波長である別の波長
へ変換することができる光波長変換層が好適である。安定な有機フリーラジカル
化合物は、通常、フリーラジカル部分を安定化するために大きな分子構造を有す
る。このことから、それらは大きな分子断面積、非常に高い吸収吸光係数、並び
にしばしば吸収したフォトンから熱、電子移動反応及び蛍光へのサブピコ秒変換
を有する。従って、これらの有機フリーラジカル化合物は、有機フリーラジカル
化合物を含む層を通るフォトンの周波数を変化させることによりフォトンに対す
る波長変換を実現する非線形光学特性を付与するために改変することができる。
一実施例では、光波長変換層が有機フリーラジカル化合物を含む。
【0093】 本発明の光シャッタは、光ネットワークシステムにおける光信号の次の目的地
へそれらの光信号を送る前に所定の遅延時間の間、光信号を蓄積するための光バ
ッファを作製するために利用できる。光信号のビットレート及び品質が増すと、
光ファイバ通信チャネル技術でデータコンテンションとして一般に知られる状況
がさらに頻繁となってくる。これは特に、光ファイバ通信チャネルがナノ秒光バ
ーストスイッチング及びナノ秒光パケットスイッチングを発展させる際の技術的
挑戦である。データコンテンションとしては、例えば、2つの異なる光信号のパ
ケットが光ネットワーク内の次の目的地へ同時に伝送されようとして競合状態に
ある場合が含まれる。このコンテンションを解決するために、例えば、ファイバ
遅延ラインへ入れておくことにより光信号のパケットの一つの伝送を遅延させる
。ファイバ遅延ラインでは、光の速度(ピコ秒当たり0.3mm)を所定の遅延時間
を与えるために用いることができる。これらのファイバ遅延ラインは、高価かつ
複雑で、空間を占有し、さらに所望する遅延時間を変動させることについてはそ
れほどフレキシブルではない。これらの欠点は、光バッファにおいて本発明の光
シャッタを利用することにより克服できる。
【0094】 図3を参照すると、本発明のフォトン吸収層の低吸収状態と高吸収状態の間及
び本発明の表面層の低反射率状態と高反射率状態の間で可逆的イメージングを行
う本発明の光シャッタを利用する光バッファの一実施例が示されている。例えば
、1620nmの波長における、又は、例えば1530〜1620nmの領域の80
個の波長等の多重波長における光信号1が、光ネットワークの目的地110へと
向けられる。例えば、ネットワーク光コアスイッチング若しくは光増幅器のため
の光スイッチアレイ、又は、ネットワーク端スイッチングのための電気光スイッ
チアレイ等である。これらは、例えば、Listantiらによる「Architectural and
Technological Issues for Future Optical Internet Networks」(IEEE Communi
cations Magazine, September 2000, pages 82-92)及びその中の文献に記載され
ており、ここに参照することによりその全内容を含めるものとする。光信号1は
、光ネットワークの目的地110へ伝達される前に光バッファ120の光シャッ
タ10及び11を通過しなければならない。光信号1の伝送を遅延させるデータ
コンテンション又は他の理由が生じた場合、図2の類似の光シャッタ14及び1
6について前述したように低反射率状態の表面層9とフォトン吸収層7とを具備
する光シャッタ11がイメージングされる。その後、光信号1は低反射率状態の
表面層9とフォトン吸収層7とを具備する光シャッタ12へと反射される。光バ
ッファ120の遅延を望むならば、図2の類似の光シャッタ14及び16につい
て前述したように光シャッタ12がイメージングされる。その後、光信号1は、
低反射率状態の表面層9とフォトン吸収層7とを具備する光シャッタ10へと反
射され、図2の類似の光シャッタ14及び16について前述したように光シャッ
タ10がイメージングされる。その後、光信号1は、光シャッタ11へと反射さ
れ、光信号1が光バッファ120の周囲を伝わった時点までに、光シャッタ11
は逆反応を行い低吸収状態及び低反射率状態を再生する。
【0095】 更なる遅延が不要であるならば、光シャッタ11はイメージングされず、光信
号1は光ネットワークの目的地110へと伝わっていく。更なる遅延が必要なら
ば、光シャッタ11がイメージングされ、光信号1は再び光シャッタ12へと反
射され、光バッファ120内で光信号1を蓄積するすなわち遅延させるプロセス
が続けられ、光信号1が光シャッタ11へ到達したとき更なる遅延が不要となる
まで持続する。一つの光バッファのみが必要ならば、光シャッタ12及び13は
光シャッタとする必要はなく、ミラーのような永久的な反射表面としてもよい。
光の速度である0.3mm/ピコ秒において、光バッファ120内の光信号1によ
る伝達距離は、光バッファ120の周囲の単一ループ又は多重ループにおける所
望する遅延時間を実現するように設定される。所望する遅延時間が変動して単一
ループ若しくは任意の数の多重ループに適合させられない場合、4つの光シャッ
タ又はミラーの2個又はそれ以上を移動させることにより、新たな所望する遅延
時間に適合する単一ループ若しくは任意の数の多重ループの新たな距離を創設し
て光バッファ120の単一ループの距離を調整することができる。
【0096】 一方、光バッファ130内の遅延若しくは光信号蓄積が望ましい場合、光シャ
ッタ12はイメージングされず、光信号1は光バッファ130へと伝わる。光シ
ャッタ20、21、22及び23は、図3の光シャッタ10、11、12及び1
3のそれぞれについて説明したと同じ層及びその替わりの永久反射面を有する。
従って、これらの光シャッタをイメージングすることにより光信号1は光バッフ
ァ130の周囲のループ内を循環させられ、そして、光信号1が光シャッタ20
に到達したとき光シャッタ20がイメージングされないならば、光信号1は、光
バッファ120へと戻されることがわかる。光信号1が光バッファ120へ戻さ
れたとき、光信号1は、光シャッタをイメージングすることにより光バッファ1
20の周囲のループ内を循環することができる。そして、光信号1が光シャッタ
11に到達したとき光シャッタ11がイメージングされないならば、光信号1は
光ネットワークの目的地へと伝わっていくことができる。
【0097】 光バッファ120及び130に隣接する他の場所に、光バッファ120及び1
30が互いに隣り合っていて光信号1によりアクセスもされるのと同様の方法で
同様の光バッファを設けることができる。更なる光バッファは、広範囲のバイト
サイズをもつ多様な光データパケットを処理する際に更なるバッファ容量と、更
なるフレキシビリティとをもたらすであろう。例えば、50バイト〜1500バ
イトの範囲のサイズであって、互いに必ずしも整数倍ではなく所望の遅延時間が
変動するものである。第1光バッファへ光学的に接続される更なる光バッファに
替わるものとして、単一の光バッファがその光バッファの各辺に2以上の光シャ
ッタを設けてもよい。例えば、光バッファ120及び130の各辺上の互いに向
き合う2つの光シャッタの替わりに、各辺上に互いに向き合う100個の光シャ
ッタを設けてもよい。これにより、光信号が特定の光シャッタへ到達したときそ
の光シャッタをイメージングするか否かを選択することにより遅延時間を容易に
変えることができる。
【0098】 このように、本発明の光バッファの一態様は、所望する時間だけ光信号を蓄積
するための光バッファに関し、光バッファは、互いに第1の距離及び第1の角度
で位置付けられた少なくとも2つの光シャッタを有し、少なくとも2つの光シャ
ッタはフォトンいよりイメージング可能でありかつ、一波長にて低吸収の第1状
態とその波長にて高吸収の第2状態とをもち、光シャッタがフォトン吸収層を有
し、フォトン吸収層は有機フリーラジカル化合物を含みかつ該有機フリーラジカ
ル化合物によるフォトンの吸収により当該波長における吸収変化のある反応生成
物を生成し、その反応生成物の逆反応により該フリーラジカル化合物を再生し、
そして少なくとも2つの光シャッタが、吸収の第1状態と第2状態との間で可逆
的にイメージング可能であることを特徴とし、かつ、それら少なくとも2つの光
シャッタはさらに当該波長で低反射率状態の表面層を有し、該少なくとも2つの
光シャッタは、前記フォトンの吸収により高反射率状態の表面層を形成しかつ高
反射率状態の逆反応 により低反射率状態を再生し、該少なくとも1つの光シャ
ッタは、低反射率状態と高反射率状態との間で可逆的にイメージング可能である
ことを特徴とし、少なくとも2つの光シャッタの少なくとも2つが、光信号を搬
送する入力チャネルと、該光信号の出力チャネルとの間に挿入される。
【0099】 本発明の光バッファの一実施例では、フォトンの吸収が低吸収の第1状態から
高吸収の第2状態へと光シャッタをイメージングする。一実施例では、光バッフ
ァがさらに2又はそれ以上の反射面、例えば2又はそれ以上の「透明から反射性
」になる光シャッタ又は2つのミラーを有し、それらは少なくとも2つの光シャ
ッタから第2の距離及び第2の角度で位置付けられることにより、光信号を少な
くとも2つの光シャッタのうちの少なくとも1つへと戻す。一実施例では、第1
の距離、第1の角度、第2の距離、及び第2の角度は、入力チャネルと出力チャ
ネルとの間に挿入される少なくとも2つの光シャッタのいずれかに対して所望す
る時間で光信号を戻すように選択される。一実施例では、第1の距離、第1の角
度、第2の距離、及び第2の角度は、光信号を蓄積するための所望する時間の変
動に適合するように調整可能である。
【0100】 本発明の光バッファでは、光シャッタのフォトン吸収層が好適には、有機フリ
ーラジカル化合物を含むが、フォトン吸収層の可逆的な「透明から不透明」への
イメージングを誘導する他の材料を用いることができる。
【0101】 本発明の光シャッタは、光ルータに利用でき、光パケット中の光ヘッダ信号又
は別の形態の光信号を、光スイッチアレイをイメージングし、光ネットワークの
所望する目的地へ光パケットのルートを決めたり方向付けたりするために利用で
きる。本発明の光ルータの一態様は、(a)1又は複数の波長をもつ複数の光信
号を有する入力チャネルと、(b)複数の光シャッタをもつ光スイッチアレイと
、(c)入力チャネルと光スイッチアレイとの間に挿入される光シリアルパラレ
ル変換シャッタとを有する光ルータに関し、光シリアルパラレル変換シャッタは
フォトンによりイメージング可能であり、一波長における低吸収の第1状態と当
該波長における高吸収の第2状態とを有し、光シリアルパラレル変換シャッタは
フォトン吸収層を有する。フォトン吸収層は有機フリーラジカル化合物を含み、
フリーラジカル化合物によるフォトンの吸収により当該波長における吸収変化の
ある反応生成物を生成しかつ該反応生成物の逆反応により該フリーラジカル化合
物を再生することを特徴とする。光シリアルパラレル変換シャッタは、低吸収の
第1状態と高吸収の第2状態との間で可逆的にイメージング可能であり、かつ、
フォトンの吸収が光シリアルパラレル変換シャッタを第2状態から第2状態へと
イメージングすることを特徴とする。さらに(d)光シリアルパラレル変換シャ
ッタの表面に対して90度未満の角度でフォトンを与えるべく位置付けられた光
源を有する。この光源は、光シリアルパラレル変換シャッタの表面上にフォトン
を供給することにより、光シリアルパラレル変換シャッタが第2状態から第1状
態へイメージングされかつ一定期間過ぎるとその表面上の異なる複数の場所にて
第2状態へと可逆的に戻り、複数の光信号は複数の場所にて光シリアルパラレル
変換シャッタを通過する。複数の場所は、それらの場所の1つを通過して前記光
スイッチアレイの前記光シャッタの一つへと光信号の伝送を方向付けるように位
置付けられる。
【0102】 本発明の光ルータの一実施例では、複数の光信号が光パケットの光ヘッダを含
む。一実施例では、光ルータがさらに、光シリアルパラレル変換シャッタの片側
又は両側に光信号増幅器を有する。一実施例では、光ルータがさらに、入力チャ
ネルの複数の光信号の1又は複数を、1又は複数の波長の1/2波長に変換する
ために光シリアルパラレル変換シャッタの片側又は両側に光周波数2逓倍素子を
有する。一実施例では、光ルータがさらに、光信号を分割するために光シリアル
パラレル変換シャッタの片側に1又は複数の光分割素子を有し、前記スイッチア
レイの光シャッタが2つの異なる光信号によりイメージングされるように光シリ
アルパラレル変換シャッタの片側に1又は複数の周波数2逓倍素子を有する。一
実施例では、2つの異なる光信号の波長が異なり、2つの異なる光信号の一方の
波長がスイッチアレイの光シャッタの第1反応をイメージングするために用いら
れ、2つの異なる光信号の第2の波長が第1反応の逆反応をイメージングするた
めに用いられる。
【0103】 図4Aは、本発明の光シャッタを用いる光ルータの一実施例を示している。入
力チャネル2は、光信号1を、フォトン吸収層7を有する前述の「不透明から透
明」タイプの光シリアルパラレル変換シャッタ32へと向ける。光源50は、光
シリアルパラレル変換シャッタ32の表面に対して90度未満の角度でフォトン
を供給するように位置付けられ、光シリアルパラレル変換シャッタ32をイメー
ジングするためにフォトンのフラックス6を供給する。光速が0.3mm/ピコ秒
でありかつ光源6からフォトン吸収層7までの距離が変動するので、光シリアル
パラレル変換シャッタ32は高吸収状態から低吸収状態へとイメージングされ、
一定期間過ぎるとその表面上の異なる場所で高吸収状態へと可逆的に戻り、そし
て光信号1は光シリアルパラレル変換シャッタ32の右側の位置19にて光シリ
アルパラレル変換シャッタ32を通過する。位置19の場所は、光信号1を光ス
イッチアレイ60の光シャッタ16へと透過させ、この場合、図4Aの光シャッ
タ16は図2の光シャッタ16と同様のものでよい。光信号1は、光パケットの
光ヘッダを含むことにより、光パケットの光のルート決定を行うことができる。
特に、前述のListantiらによる文献に記載されたナノ秒光パケットスイッチング
システムにおいて行うことができる。
【0104】 光信号1が光シャッタ16をイメージングするために十分な強度でもなく適切
な波長でもない場合は、光信号増幅器技術で知られる1又は複数の光信号増幅器
を光シリアルパラレル変換シャッタ32の片側又は両側に追加することにより、
信号1を増強することができ、そして光周波数2逓倍素子技術で知られる光周波
数2逓倍素子を光シリアルパラレル変換シャッタの片側に追加することにより入
力チャネルの光信号の1又は複数の波長を、1又は複数の波長の1/2波長へ変
換することができる。光ヘッダからの光信号1は通常、光スイッチアレイを通過
する光データ信号の波長と同じか又は近い波長を有するので、通常、光ヘッダ誘
導光信号の場合は光シャッタ16のイメージングのために光周波数2逓倍素子に
よるような何らかのタイプの波長変換が必要となるであろう。
【0105】 図4Bの各符号は、図4Aと同じ意味を有し、図4Aと図4Bの違いは、図4
Bでは光信号1がタイミング的により早く、例えば1.5ピコ秒だけ早く、図4
Aの光信号と比較すると640/GBsの概算のビットスペーシングとなる。結論
として、図4Bでは、光シリアルパラレル変換シャッタ32がその左側の位置1
8で開くことにより光信号1は通過することができ、光スイッチアレイ60の光
シャッタ14へと透過される。
【0106】 図5を参照すると、光源50、フォトンのフラックス6、フォトン吸収層7を
有する光シリアルパラレル変換シャッタ32、位置18及び19、光シャッタ1
4及び16、並びに光スイッチアレイ60は、図4A及び図4Bについて説明し
た通りである。2つの光シャッタを可逆的にイメージングするために必要な場合
は、光分割素子41及び42がそれぞれ位置18及び19の下方の光シリアルパ
ラレル変換シャッタ32の片側に追加されることにより、シャッタ32を通る光
信号を2つの信号へとそれぞれ分割し、2つの異なる光信号の各々により、好適
には光スイッチアレイ60の光シャッタの2つの異なる側からそして2つの異な
る光信号の一方に時間遅延を導入して光シャッタ14及び16をイメージングす
る。これにより、2つの異なる光信号の一方は、他方によるイメージングの後に
光シャッタをイメージングし、2つの異なる光信号の波長は波長変換のため周波
数2逓倍技術又は他の技術により2つの異なる波長へと変換される。図5の光信
号1は、図4A及び図4Bに示された2つの光信号を有し、結果的に光シリアル
パラレル変換シャッタ32は2つの位置18及び19にて開かれ、これらの光信
号は2つの光シャッタ14及び16へ透過される。光分割素子41及び42を用
いて、これらの光信号が分割されて2つの側へと向けられる。2つの側は、好適
には反対側であって光スイッチアレイ60でスイッチングされる光データ信号の
面に対して垂直である。
【0107】 本発明の光シャッタは、調整可能な光利得フィルタにも利用でき、この光利得
フィルタを通過することにより所望する量だけ光信号の振幅が低減され、振幅の
低減量は変更可能である、すなわち光入力により「調整」される。光信号は、例
えば1620nm等の単一波長でよく、光信号は、例えば1530〜1620nmの
領域内の80個の波長等の一定範囲の波長でもよい。本発明の光利得フィルタの
一態様は、光シャッタを有する調整可能な光利得フィルタに関し、光シャッタが
フォトンによりイメージング可能でありかつ一波長における低吸収の第1状態と
、当該波長における高吸収の第1状態とをもつ。光シャッタは、フォトン吸収層
を有し、このフォトン吸収層は有機フリーラジカル化合物を含み、このフリーラ
ジカル化合物によるフォトン吸収により当該波長における吸収変化のある反応生
成物を生成しかつこの反応生成物の逆反応によりフリーラジカル化合物を再生す
ることを特徴とする。さらに、光シャッタは、吸収の第1状態と第2状態との間
で可逆的にイメージング可能であることを特徴とし、光利得フィルタは当該波長
における光信号の所望するパーセント割合の透過を可能とする。一実施例では、
光利得フィルタが、所望するパーセント割合で透過すべくフィルタリングされる
波長とは異なる波長を除去するために1又は複数の干渉フィルタ層を有する。
【0108】 本発明の調整可能な光利得フィルタは、光シャッタをイメージングするために
フォトンフラックスの強度を変化させることにより調整可能である。これは、フ
ィルタリングされる1又は複数の波長における吸収変化のある当初フリーラジカ
ル化合物と反応生成物との間で形成される「安定状態平衡」を利用することによ
り利得フィルタにおける様々なパーセント割合の透過を実現することである。こ
の安定状態条件は、反応生成物の光誘起生成の速度と、当初フリーラジカル化合
物を再生する逆反応の速度の違いから生じる。別の方法では、本発明の2又はそ
れ以上の光シャッタを具備する調整可能な光利得フィルタを設けることにより、
調整することができる。2又はそれ以上の光シャッタの各々は、フィルタリング
される波長における光信号の透過のパーセント割合を異なるようにできる。所望
するパーセント割合の透過は、所望するパーセント割合を実現する2又はそれ以
上の光シャッタの特定の1つをイメージングすることにより得られる。本発明の
光シャッタは極めて小さな大きさとできるので、2又はそれ以上の光シャッタを
用いて調整可能な光利得フィルタを容易に作製できる。例えば、99個の光シャ
ッタの各々が所定の波長で1%〜99%の各整数のパーセント割合透過を実現し
、なおかつ光利得フィルタを極めて小さくできる。さらに、調整可能な光利得フ
ィルタは、本発明の2又はそれ以上の光シャッタをこの調整可能な光利得フィル
タに設けることにより、2若しくはそれ以上の異なる単一波長又は2若しくはそ
れ以上の異なる範囲の波長において調整可能な利得フィルタとして動作するため
に調整可能である。2又はそれ以上の光シャッタの各々は、フィルタリングされ
る第1の波長若しくは波長領域の光信号について異なるパーセント割合透過を実
現し、かつ/又は第1の波長若しくは波長領域とは異なる第2の波長若しくは波
長領域の光信号の異なるパーセント割合透過を実現する。これは、例えば、調整
可能な光利得フィルタに198個の光シャッタを利用することにより実行され、
その場合、2組の99個の光シャッタが、第1組の99個の光シャッタにより第
1の波長若しくは波長領域の光信号の別々のパーセント割合透過を実現し、そし
て第2組の99個の光シャッタにより第2の波長若しくは波長領域の光信号の別
々のパーセント割合透過を実現する。
【0109】 本発明における「透明から不透明」タイプ及び「不透明から透明」タイプの光
シャッタは、フォトンの吸収が光シャッタを吸収の第1状態から第2状態へそし
て第2状態から第1状態へとそれぞれイメージングさせるが、本発明の調整可能
な光利得フィルタで用いるのに特に適している。例えば、IR−126の153
0〜1620nm波長領域における非常に強くかなり平坦で均一な吸収は、調整可
能な光利得フィルタにおいて光シャッタを非常に有利な要素とする。IR−12
6は、生成される反応生成物としても、当初の有機フリーラジカル化合物として
も存在する。有機フリーラジカル化合物は、フィルタリングされる所望する波長
領域の吸収スペクトルに対して所望する「傾斜」を付与するために化学的に修飾
することができ、それにより利得フィルタ用途をイコライジング(平坦化)する
ためのイコライジングタイプの調整可能な光利得フィルタを実現する。このよう
なイコライジング利得フィルタ用途は、光ファイバ通信チャネル技術で知られて
おり、特に多重波長の光信号が光スイッチや光増幅器等の光学素子で処理された
後にその振幅をイコライジングするための用途がある。
【0110】 本発明は、特定の一般的な実施例を参照して詳細に説明されたが、本発明の主
旨及び範囲から逸脱することなく種々の変更及び改変が当業者には可能であるこ
とは明らかであろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE,TR),OA(BF ,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW, ML,MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,G M,KE,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ, MD,RU,TJ,TM),AE,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,EE ,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,HR, HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,K P,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU ,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW,MX, NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,S G,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ ,UA,UG,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW

Claims (89)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フォトンによりイメージング可能でありかつ一波長における
    低吸収の第1状態と該波長における高吸収の第2状態とをもち、フォトン吸収層
    を有し、該フォトン吸収層が有機フリーラジカル化合物を含み、かつ該フリーラ
    ジカル化合物による該フォトンの吸収により該波長における吸収変化のある反応
    生成物を生成すると共に該反応生成物の逆反応により該フリーラジカル化合物を
    再生し、該第1状態と該第2状態との間で可逆的にイメージング可能であること
    を特徴とする光シャッタ。
  2. 【請求項2】 前記フリーラジカル化合物が有機ラジカルカチオンである請
    求項1に記載の光シャッタ。
  3. 【請求項3】 前記ラジカルカチオンがアミニウムラジカルカチオンである
    請求項2に記載の光シャッタ。
  4. 【請求項4】 前記ラジカルカチオンがトリス(p−ブチルアミノフェニル)
    アミニウム塩である請求項2に記載の光シャッタ。
  5. 【請求項5】 前記フリーラジカル化合物が有機ラジカルアニオンである請
    求項1に記載の光シャッタ。
  6. 【請求項6】 前記ラジカルアニオンがアントラセミキノンラジカルアニオ
    ンである請求項5に記載の光シャッタ。
  7. 【請求項7】 前記フリーラジカル化合物が1又は複数の有機ラジカルカチ
    オン及び1又は複数の有機ラジカルアニオンを含み、かつさらに前記吸収変化が
    、前記1又は複数のラジカルカチオン及び前記1又は複数のラジカルアニオンの
    少なくとも1つによる前記フォトンの吸収により前記反応生成物を生成した結果
    である請求項1に記載の光シャッタ。
  8. 【請求項8】 前記フリーラジカル化合物がラジカルカチオン及びラジカル
    アニオンの塩を含む請求項1に記載の光シャッタ。
  9. 【請求項9】 前記波長における前記第1状態と前記第2状態との間の吸収
    の差が吸光度において0.1より大きい請求項1〜8のいずれかに記載の光シャ
    ッタ。
  10. 【請求項10】 前記波長における前記第1状態と前記第2状態との間の吸
    収の差が吸光度において0.5より大きい請求項1〜8のいずれかに記載の光シ
    ャッタ。
  11. 【請求項11】 前記波長における前記第1状態と前記第2状態との間の吸
    収の差が吸光度において1.5より大きい請求項1〜8のいずれかに記載の光シ
    ャッタ。
  12. 【請求項12】 前記波長における前記第1状態と前記第2状態との間の吸
    収の差が吸光度において3.0より大きい請求項1〜8のいずれかに記載の光シ
    ャッタ。
  13. 【請求項13】 前記フォトン吸収層の厚さが2〜100μmである請求項
    1〜12のいずれかに記載の光シャッタ。
  14. 【請求項14】 前記フォトン吸収層の厚さが4〜25μmである請求項1
    〜12のいずれかに記載の光シャッタ。
  15. 【請求項15】 前記フォトン吸収層の厚さが8μm未満である請求項1〜
    12のいずれかに記載の光シャッタ。
  16. 【請求項16】 前記波長が400〜1000nmの領域の一波長である請求
    項1〜15のいずれかに記載の光シャッタ。
  17. 【請求項17】 前記波長が1000〜1400nmの領域の一波長である請
    求項1〜15のいずれかに記載の光シャッタ。
  18. 【請求項18】 前記波長が1400〜1600nmの領域の一波長である請
    求項1〜15のいずれかに記載の光シャッタ。
  19. 【請求項19】 前記波長が1520〜1580nmの領域の一波長である請
    求項1〜15のいずれかに記載の光シャッタ。
  20. 【請求項20】 前記波長が1500〜1700nmの領域の一波長である請
    求項1〜15のいずれかに記載の光シャッタ。
  21. 【請求項21】 前記フォトンの前記吸収が前記第1状態から前記第2状態
    へ前記シャッタをイメージングする請求項1〜20のいずれかに記載の光シャッ
    タ。
  22. 【請求項22】 前記フォトンの前記吸収が前記第2状態から前記第1状態
    へ前記シャッタをイメージングする請求項1〜20のいずれかに記載の光シャッ
    タ。
  23. 【請求項23】 前記反応生成物が前記フリーラジカル化合物による前記フ
    ォトンの前記吸収の後、1ナノ秒未満で生成する請求項1〜22のいずれかに記
    載の光シャッタ。
  24. 【請求項24】 前記反応生成物が前記フリーラジカル化合物による前記フ
    ォトンの前記吸収の後、0.1ナノ秒未満で生成する請求項1〜22のいずれか
    に記載の光シャッタ。
  25. 【請求項25】 前記反応生成物が前記フリーラジカル化合物による前記フ
    ォトンの前記吸収の後、0.01ナノ秒未満で生成する請求項1〜22のいずれ
    かに記載の光シャッタ。
  26. 【請求項26】 前記反応生成物が前記フリーラジカル化合物による前記フ
    ォトンの前記吸収の後、0.001ナノ秒未満で生成する請求項1〜22のいず
    れかに記載の光シャッタ。
  27. 【請求項27】 前記反応生成物が前記フリーラジカル化合物の酸化生成物
    である請求項1〜26のいずれかに記載の光シャッタ。
  28. 【請求項28】 前記反応生成物が前記フリーラジカル化合物の1電子酸化
    生成物である請求項1〜26のいずれかに記載の光シャッタ。
  29. 【請求項29】 前記反応生成物が前記フリーラジカル化合物の2電子酸化
    生成物である請求項1〜26のいずれかに記載の光シャッタ。
  30. 【請求項30】 前記反応生成物が前記フリーラジカル化合物の還元生成物
    である請求項1〜26のいずれかに記載の光シャッタ。
  31. 【請求項31】 前記反応生成物が前記フリーラジカル化合物の1電子還元
    生成物である請求項1〜26のいずれかに記載の光シャッタ。
  32. 【請求項32】 前記反応生成物が前記フリーラジカル化合物の2電子還元
    生成物である請求項1〜26のいずれかに記載の光シャッタ。
  33. 【請求項33】 前記逆反応が熱により誘起される請求項1〜32のいずれ
    かに記載の光シャッタ。
  34. 【請求項34】 前記逆反応が紫外線照射、可視光照射、及び赤外線照射か
    らなる群から選択される照射により誘起される請求項1〜32のいずれかに記載
    の光シャッタ。
  35. 【請求項35】 前記逆反応を誘起する前記照射の波長が前記反応生成物を
    生成するために吸収される前記フォトンの波長と異なる請求項34に記載の光シ
    ャッタ。
  36. 【請求項36】 前記逆反応が、酸素の存在と、紫外線照射、可視光照射、
    及び赤外線照射からなる群から選択される照射の存在との組合せにより誘起され
    る請求項1〜32のいずれかに記載の光シャッタ。
  37. 【請求項37】 前記逆反応が照射なしで50℃未満で生じる請求項1〜3
    6のいずれかに記載の光シャッタ。
  38. 【請求項38】 前記逆反応が1秒未満で生じる請求項1〜36のいずれか
    に記載の光シャッタ。
  39. 【請求項39】 前記逆反応が10ミリ秒未満で生じる請求項1〜36のい
    ずれかに記載の光シャッタ。
  40. 【請求項40】 前記逆反応が1ミリ秒未満で生じる請求項1〜36のいず
    れかに記載の光シャッタ。
  41. 【請求項41】 前記逆反応が0.1ミリ秒未満で生じる請求項1〜36の
    いずれかに記載の光シャッタ。
  42. 【請求項42】 前記逆反応が0.01ナノ秒未満で生じる請求項1〜36
    のいずれかに記載の光シャッタ。
  43. 【請求項43】 前記フォトンの波長が1又は複数の紫外波長である請求項
    1〜42のいずれかに記載の光シャッタ。
  44. 【請求項44】 前記フォトンの波長が400〜700nmの領域の1又は複
    数の波長である請求項1〜42のいずれかに記載の光シャッタ。
  45. 【請求項45】 前記フォトンの波長が700〜2000nmの領域の1又は
    複数の波長である請求項1〜42のいずれかに記載の光シャッタ。
  46. 【請求項46】 前記フリーラジカル化合物による前記フォトンの前記吸収
    が前記フリーラジカル化合物のフリーラジカル基底状態からである請求項1〜4
    5のいずれかに記載の光シャッタ。
  47. 【請求項47】 前記フォトンの光源がレーザである請求項1〜46のいず
    れかに記載の光シャッタ。
  48. 【請求項48】 前記フォトンによる前記シャッタのイメージングにおいて
    所望の長さのイメージング時間及び所望のイメージング領域を実現するために第
    1のモジュレータが前記レーザと前記シャッタとの間に挿入される請求項47に
    記載の光シャッタ。
  49. 【請求項49】 前記逆反応が紫外線照射、可視光照射、及び赤外線照射か
    らなる群から選択される照射により誘起され、かつ、前記照射による前記シャッ
    タの前記逆反応において所望の長さのイメージング時間及び所望のイメージング
    領域を実現するために第2のモジュレータが前記照射の光源と前記シャッタとの
    間に挿入される請求項48に記載の光シャッタ。
  50. 【請求項50】 前記フォトンの波長が前記逆反応を誘起する前記照射の波
    長とは異なる請求項49に記載の光シャッタ。
  51. 【請求項51】 前記フォトンの光源が連続光源である請求項1〜46のい
    ずれかに記載の光シャッタ。
  52. 【請求項52】 前記フォトンによる前記シャッタのイメージングにおいて
    所望の長さのイメージング時間及び所望のイメージング領域を実現するために第
    1のモジュレータが前記連続光源と前記シャッタとの間に挿入される請求項51
    に記載の光シャッタ。
  53. 【請求項53】 前記逆反応が紫外線照射、可視光照射、及び赤外線照射か
    らなる群から選択される照射により誘起され、かつ、前記照射による前記シャッ
    タの前記逆反応において所望の長さのイメージング時間及び所望のイメージング
    領域を実現するために第2のモジュレータが前記照射の光源と前記シャッタとの
    間に挿入される請求項52に記載の光シャッタ。
  54. 【請求項54】 前記フォトンの波長が前記逆反応を誘起する前記照射の波
    長と異なる請求項53に記載の光シャッタ。
  55. 【請求項55】 前記フォトンの光源がエレクトロルミネッセンス発光素子
    である請求項1〜46のいずれかに記載の光シャッタ。
  56. 【請求項56】 前記フォトンによる前記シャッタのイメージングにおいて
    所望の長さのイメージング時間及び所望のイメージング領域を実現するために前
    記発光素子が外周と断続的発光部とを具備する複数の発光ピクセルを有する請求
    項47に記載の光シャッタ。
  57. 【請求項57】 前記逆反応が紫外線照射、可視光照射、及び赤外線照射か
    らなる群から選択される照射により誘起され、かつ、外周と断続的発光部とを具
    備する複数の発光ピクセルを有する第2のエレクトロルミネッセンス発光素子が
    前記照射による前記シャッタの逆反応において所望の長さのイメージング時間及
    び所望のイメージング領域を実現する請求項56に記載の光シャッタ。
  58. 【請求項58】 前記フォトンの波長が前記逆反応を誘起する前記照射の波
    長と異なる請求項57に記載の光シャッタ。
  59. 【請求項59】 前記フォトン吸収層が誘起ポリマーを含む請求項1〜58
    のいずれかに記載の光シャッタ。
  60. 【請求項60】 前記フォトン吸収層が無機ガラスを含む請求項1〜58の
    いずれかに記載の光シャッタ。
  61. 【請求項61】 前記フォトン吸収層が1又は複数の無機キセロゲル層を含
    む請求項1〜58のいずれかに記載の光シャッタ。
  62. 【請求項62】 前記光シャッタが前記フォトン吸収層の少なくとも片面上
    に金属層を有する請求項1〜61のいずれかに記載の光シャッタ。
  63. 【請求項63】 前記金属層がアルミニウムを含む請求項62に記載の光シ
    ャッタ。
  64. 【請求項64】 前記シャッタがさらに、前記波長における低反射率状態を
    もつ表面層を有し、該表面層が前記フォトンの前記吸収により該表面層の高反射
    率状態を形成し、かつ、前記高反射率状態の逆反応により前記低反射率状態を再
    生することを特徴とし、さらに前記シャッタが前記低反射率状態と前記高反射率
    状態との間で可逆的にイメージング可能であることを特徴とする請求項1〜63
    のいずれかに記載の光シャッタ。
  65. 【請求項65】 前記フォトンの前記吸収が前記第1状態でかつ前記低反射
    率状態から前記第2状態でかつ前記高反射率状態へと前記シャッタをイメージン
    グする請求項64に記載の光シャッタ。
  66. 【請求項66】 前記シャッタが光ファイバ通信チャネルのための光スイッ
    チアレイに用いられる請求項1〜65のいずれかに記載の光シャッタ。
  67. 【請求項67】 前記シャッタが照射の光源から目又はセンサを保護する保
    護装置に用いられる請求項1〜65のいずれかに記載の光シャッタ。
  68. 【請求項68】 前記シャッタが安全保護システムに用いられ、該安全保護
    システムが、紫外線照射、可視光照射、及び赤外線照射からなる群から選択され
    る照射による該シャッタのイメージングに対する前記吸収の変化を検知すること
    に基づく請求項1〜65のいずれかに記載の光シャッタ。
  69. 【請求項69】 前記シャッタが目に装着する装置の視野レンズに用いられ
    る請求項1〜65のいずれかに記載の光シャッタ。
  70. 【請求項70】 光スイッチアレイにおいて、1又は複数の入力光チャネル
    と、1又は複数の出力光信号チャネルと、1又は複数の入力光信号チャネルと、
    2又はそれ以上の出力光信号チャネルと、1又は複数の光シャッタとを有し、前
    記1又は複数のシャッタがフォトンによりイメージング可能でありかつ一波長に
    おける低吸収の第1状態と該波長における高吸収の第2状態とを有し、前記1又
    は複数のシャッタの少なくとも1つがフォトン吸収層を有し、該フォトン吸収層
    が誘起フリーラジカル化合物を含み、前記フリーラジカル化合物による前記フォ
    トンの吸収により該波長における吸収の変化した反応生成物を生成しかつ該反応
    生成物の逆反応により前記フリーラジカル化合物を再生し、さらに前記1又は複
    数のシャッタの少なくとも1つが前記第1状態と前記第2状態との間で可逆的に
    イメージング可能であり、前記スイッチアレイが、第1入力光信号チャネルから
    該スイッチアレイへ入り第2出力光信号チャネルにて該スイッチアレイを出てい
    く前記波長の光信号をスイッチングできることを特徴とする光スイッチアレイ。
  71. 【請求項71】 前記フォトンの前記吸収が前記1又は複数のシャッタの少
    なくとも1つを前記第1状態から前記第2状態へとイメージングし、前記第1チ
    ャネルから前記スイッチアレイに入る前記光信号が光信号分割素子により2又は
    それ以上のチャネルの2又はそれ以上の光信号へと分割され、さらに1又は複数
    のシャッタの前記少なくとも1つが、前記2又はそれ以上の光信号の1つの出力
    のために前記分割素子と前記第2チャネルとの間における前記2又はそれ以上の
    光信号の1つの光路に挿入される請求項70に記載の光スイッチアレイ。
  72. 【請求項72】 前記1又は複数のシャッタの少なくとも1つが前記分割素
    子と1又は複数の反射面との間の光路に挿入され、1又は複数の反射面が前記第
    2チャネルへの光路の一部である請求項71に記載の光スイッチアレイ。
  73. 【請求項73】 前記1又は複数のシャッタの少なくとも1つがさらに前記
    波長における低反射率状態をもつ表面層を有し、該1又は複数のシャッタの少な
    くとも1つが前記フォトンの吸収により高反射率状態をもつ表面層を形成し、前
    記高反射率状態の逆反応により前記表面層の前記低反射率状態を再生し、さらに
    前記1又は複数のシャッタの少なくとも1つが前記低反射率状態と前記高反射率
    状態との間で可逆的にイメージング可能であることを特徴とする請求項70〜7
    2のいずれかに記載の光スイッチアレイ。
  74. 【請求項74】 前記フォトンの前記吸収が前記1又は複数のシャッタの少
    なくとも1つを前記第1状態から前記第2状態へとイメージングする請求項73
    に記載の光スイッチアレイ。
  75. 【請求項75】 前記スイッチアレイがさらに前記波長にて前記光信号を第
    2の異なる波長へと変換する光波長変換層を有する請求項70〜74のいずれか
    に記載の光スイッチアレイ。
  76. 【請求項76】 前記光波長変換層が誘起フリーラジカル化合物を有する請
    求項75に記載の光スイッチアレイ。
  77. 【請求項77】 所望の時間だけ光信号を蓄積するための光バッファにおい
    て、前記バッファが互いに第1の距離及び第2の角度に位置付けられた少なくと
    も2つの光シャッタを有し、前記少なくとも2つのシャッタがフォトンによりイ
    メージング可能でありかつ一波長における低吸収の第1状態と該波長における高
    吸収の第2状態とを有し、前記シャッタがフォトン吸収層を有し、該フォトン吸
    収層が誘起フリーラジカル化合物を含み、該フリーラジカル化合物による前記フ
    ォトンの吸収により前記波長における吸収の変化した反応生成物を生成しかつ前
    記反応生成物の逆反応により前記フリーラジカル化合物を再生し、前記少なくと
    も2つのシャッタが前記第1状態と前記第2状態との間で可逆的にイメージング
    可能であり、前記少なくとも2つのシャッタがさらに前記波長における低反射率
    状態をもつ表面層を有し、該少なくとも2つのシャッタが前記フォトンの吸収に
    より高反射率状態をもつ表面層を形成しかつ該高反射率状態の逆反応により該低
    反射率状態を再生し、前記少なくとも2つのシャッタが該低反射率状態と該高反
    射率状態との間で可逆的にイメージング可能であり、 前記少なくとも2つのシャッタの少なくとも2つが、前記光信号を伝達する入
    力チャネルと前記光信号の出力チャネルとの間に挿入される 光バッファ。
  78. 【請求項78】 前記フォトンの前記吸収が前記第1状態から前記第2状態
    へ前記シャッタをイメージングする請求項77の光バッファ。
  79. 【請求項79】 前記バッファがさらに、前記光信号を前記少なくとも2つ
    のシャッタの少なくとも1つへ戻すために前記少なくとも2つのシャッタから第
    2の距離及び第2の角度に位置付けられた2又はそれ以上の反射面を有する請求
    項77又は78に記載の光バッファ。
  80. 【請求項80】 前記第1の距離、第1の角度、第2の距離、及び第2の角
    度が前記光信号を所望する時間内に、前記入力チャネルと前記出力チャネルとの
    間に挿入された前記少なくとも2つのシャッタの一つへ戻すように選択される請
    求項79に記載の光バッファ。
  81. 【請求項81】 前記第1の距離、第1の角度、第2の距離、及び第2の角
    度が、前記光信号を蓄積するために前記所望する時間内の変化に適合させるべく
    調整可能である請求項79又は80に記載の光バッファ。
  82. 【請求項82】 光ルータにおいて、 (a)1又は複数の波長をもつ複数の光信号を有する入力チャネルと、 (b)複数の光シャッタをもつ光スイッチアレイと、 (c)前記入力チャネルと前記スイッチアレイとの間に挿入される光シリアル
    パラレル変換シャッタであって、該シリアルパラレル変換シャッタがフォトンに
    よりイメージング可能であり、一波長における低吸収の第1状態と、該波長にお
    ける高吸収の第2状態とを有し、該シリアルパラレル変換シャッタがフォトン吸
    収層を有し、該フォトン吸収層が有機フリーラジカル化合物を含み、該フリーラ
    ジカル化合物による該フォトンの吸収により前記波長における吸収の変化した反
    応生成物を生成しかつ該反応生成物の逆反応により前記フリーラジカル化合物を
    再生し、前記シリアルパラレル変換シャッタは該第1状態と該第2状態との間で
    可逆的にイメージング可能であり、前記フォトンの吸収が該シリアルパラレル変
    換シャッタを該第2状態から該第1状態へとイメージングするところの光シリア
    ルパラレル変換シャッタと、 (d)光源であって、前記シャッタの前記表面上へフォトンを供給することに
    より前記シリアルパラレル変換シャッタが前記第2状態から前記第1状態へイメ
    ージングされ、そして一定期間後に前記表面上の異なる場所にて前記第2状態へ
    と可逆的に戻り、かつ前記入力チャネルの前記複数の光信号が複数の場所にて前
    記シリアルパラレル変換シャッタを通過し、該複数の場所はそれらの場所の1つ
    を通過する光信号の伝達を前記スイッチアレイの前記光シャッタの1つへと方向
    付けるように位置付けられるところの光源とを有する 光ルータ。
  83. 【請求項83】 前記入力チャネルの前記複数の光信号が、光パケットの光
    ヘッダを有する請求項82に記載の光ルータ。
  84. 【請求項84】 前記ルータがさらに、前記シリアルパラレル変換シャッタ
    の片側又は両側に光信号増幅器を設ける請求項82又は83に記載の光ルータ。
  85. 【請求項85】 前記ルータがさらに、前記シリアルパラレル変換シャッタ
    の片側に光周波数2逓倍装置を設けることにより前記入力チャネルの前記複数の
    光信号の1又は複数の波長を該1又は複数の波長の1/2波長へと変換する請求
    項82〜84のいずれかに記載の光ルータ。
  86. 【請求項86】 前記ルータがさらに、前記シリアルパラレル変換シャッタ
    の片側に1又は複数の光分割装置を設けることにより前記光信号を分割し、かつ
    前記シリアルパラレル変換シャッタの片側に1又は複数の光周波数2逓倍装置を
    設けることにより前記スイッチアレイの前記光シャッタが2つの異なる光信号に
    よりイメージングされる請求項82〜84のいずれかに記載の光ルータ。
  87. 【請求項87】 前記2つの異なる光信号の波長が異なり、前記2つの異な
    る光信号の一方の波長が前記スイッチアレイの前記光シャッタの第1反応をイメ
    ージングするために用いられ、かつ前記2つの異なる光信号の他方の波長が前記
    第1反応の逆反応をイメージングするために用いられる請求項86に記載の光ル
    ータ。
  88. 【請求項88】 光シャッタを有する調整可能な光利得フィルタにおいて、
    前記シャッタがフォトンによりイメージング可能でありかつ一波長における低吸
    収の第1状態と該波長における高吸収の第2状態とを有し、該シャッタがフォト
    ン吸収層を有し、該フォトン吸収層が誘起フリーラジカル化合物を含み、該フリ
    ーラジカル化合物による前記フォトンの吸収により該波長における吸収の変化し
    た反応生成物を生成しかつ該反応生成物の逆反応により前記フリーラジカル化合
    物を再生し、前記シャッタが前記第1状態と前記第2状態との間で可逆的にイメ
    ージング可能であり、前記利得フィルタが前記波長にて光信号の所望するパーセ
    ント割合の透過を実現する光利得フィルタ。
  89. 【請求項89】 前記利得フィルタが、前記波長と異なる波長を除去するた
    めに1又は複数の干渉フィルタ層を有する請求項87に記載の光利得フィルタ。
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