JP2003512682A - 位置センサ - Google Patents

位置センサ

Info

Publication number
JP2003512682A
JP2003512682A JP2001532479A JP2001532479A JP2003512682A JP 2003512682 A JP2003512682 A JP 2003512682A JP 2001532479 A JP2001532479 A JP 2001532479A JP 2001532479 A JP2001532479 A JP 2001532479A JP 2003512682 A JP2003512682 A JP 2003512682A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
excitation
winding
circuit
duration
sequence
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001532479A
Other languages
English (en)
Inventor
デビッド, トーマス, エリオット エリー,
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Synaptics UK Ltd
Original Assignee
Synaptics UK Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from GBGB9924846.0A external-priority patent/GB9924846D0/en
Application filed by Synaptics UK Ltd filed Critical Synaptics UK Ltd
Publication of JP2003512682A publication Critical patent/JP2003512682A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F3/00Input arrangements for transferring data to be processed into a form capable of being handled by the computer; Output arrangements for transferring data from processing unit to output unit, e.g. interface arrangements
    • G06F3/01Input arrangements or combined input and output arrangements for interaction between user and computer
    • G06F3/03Arrangements for converting the position or the displacement of a member into a coded form
    • G06F3/041Digitisers, e.g. for touch screens or touch pads, characterised by the transducing means
    • G06F3/046Digitisers, e.g. for touch screens or touch pads, characterised by the transducing means by electromagnetic means
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06FELECTRIC DIGITAL DATA PROCESSING
    • G06F3/00Input arrangements for transferring data to be processed into a form capable of being handled by the computer; Output arrangements for transferring data from processing unit to output unit, e.g. interface arrangements
    • G06F3/01Input arrangements or combined input and output arrangements for interaction between user and computer
    • G06F3/03Arrangements for converting the position or the displacement of a member into a coded form
    • G06F3/033Pointing devices displaced or positioned by the user, e.g. mice, trackballs, pens or joysticks; Accessories therefor
    • G06F3/0354Pointing devices displaced or positioned by the user, e.g. mice, trackballs, pens or joysticks; Accessories therefor with detection of 2D relative movements between the device, or an operating part thereof, and a plane or surface, e.g. 2D mice, trackballs, pens or pucks
    • G06F3/03545Pens or stylus

Abstract

(57)【要約】 携帯情報端末、携帯電話、ウェブブラウザなどの消費者向け電子装置で使用するための低価格x−yデジタル化システムが記載される。ディジタイザは共振スタイラスと、共振スタイラスを励磁する励磁巻線と、スタイラスにより発生される信号を感知する1組のセンサ巻線とを含み、その信号からスタイラスのx−y位置を判定する。励磁巻線に印加される励磁信号は、電源から引き出される電力を削減するように設計されており、本デジタル化システムを特にバッテリー動作に適したものにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は位置センサ及びその部品に関する。本発明は、特に、コードレススタ
イラスと共に動作するx−yデジタル化タブレットに関するが、それにのみ限定
されるわけではない。本発明は、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、ウェブブ
ラウザ又はそれらの組み合わせを具現化した製品などのハンドヘルド電子装置の
表示部の背後に埋め込むのに特に有用である。
【0002】 米国特許第4,878,533号は、共振スタイラスを使用するx−yデジタ
ル化タブレットを開示している。このデジタル化タブレットは、x−y方向に配
列された多数の相互に重なり合うが、個々に分かれているループコイルを具備す
る。それらのループコイルはスイッチング回路及び多重回路を介して励磁回路及
び受信回路とに接続している。このシステムは、多重回路が各々のループコイル
を順番にスイッチング回路に接続し、スイッチング回路が接続されたループコイ
ルをまず励磁回路に接続し、次に受信回路に接続するように構成されている。ル
ープコイルが励磁回路に接続される場合、ループコイルに電流が加えられると共
振スタイラスが励磁される。また、ループコイルが受信回路に接続される場合、
受信回路は、接続されたループコイルで共振スタイラスにより誘起される起電力
(EMF)を検出する。システムは、最大の出力信号レベルを提供するループコ
イルを検出することにより、スタイラスの現在位置を識別する。
【0003】 米国特許第4,878,533号に記載されたデジタル化タブレットの問題点
の1つは、各々のループコイルを励磁し且つその信号を検出するのに、多くの電
力を消費することである。このため、PDA及び携帯電話などのハンドヘルドの
バッテリーを電源とする装置には適さない。
【0004】 本発明の目的は、磁界が作り出されて共振スタイラスに結合される位置センサ
の代替形態において使用される各構成要素を提供することである。
【0005】 本発明の第1の態様によると、一連の励磁パルスが励磁巻線の両端間に印加さ
れ、励磁パルスの持続時間は、励磁巻線を組み込む電流ループの減衰時間未満で
ある位置検出装置が提供される。減衰時間が長くなると、電流は各励磁パルスの
後で相当な時間の間、励磁巻線を流れることができる。これは、短い励磁パルス
を使用することにより、電源から引き出される電力を低減できることを意味する
【0006】 本発明の別の態様によると、複数の励磁シーケンスが励磁巻線の両端間に印加
され、各励磁シーケンスが、持続時間が励磁シーケンス中の低速変動成分を低減
するように構成される一連の励磁パルスから構成される位置検出装置が提供され
る。低速変動成分を低減することによって、電源から引き出される電力は減少す
る。
【0007】 本発明の他の様々な特徴及び態様は、添付の図面を参照し、以下に説明される
実施形態から明白になるであろう。
【0008】 <デジタル化システムの概要> 図1はハンドヘルド携帯情報端末(PDA)1を示し、PDA1は、その液晶
表示部3の下方に配置されたx−yデジタル化システム(図示せず)を採用して
いる。x−yデジタル化システムはLCD3に対する共振スタイラス5の有無と
そのx−y位置を検出するように動作する。PDA1はデジタル化システムから
出力された位置信号を使用して、LCD3に表示される情報を制御すると共に、
PDA1の動作機能を制御する。図示されているように、PDA1は、LCD3
の下方に、オン/オフボタン7と、PDA1の様々に異なる機能を制御するため
に使用されるいくつかの制御ボタン9−1から9−4とを含む複数の押しボタン
を更に含む。
【0009】 図2は、図1に示すPDA1のA−Aに沿った横断面図である。図示されてい
るように、PDA1は、この実施形態では1.5mmから3mmの厚さである液
晶表示部3を含む。このLCD3の下方に、LCD3にバックライトを照射する
ELバックライト11がある。この実施形態では、このバックライト層11の厚
さは約150μmである。これらの層の下方には、前述のx−yデジタル化シス
テムの一部を形成する厚さ0.2mmのセンサプリント回路基板(PCB)13
がある。このセンサPCB13は、共振スタイラス5との間で信号を送受信する
ために使用される励磁巻線及びセンサ巻線を支持している。センサPCB13の
下方には、PDAの機能を制御するための電子回路と、センサPCB13の巻線
から受信される信号を処理し且つセンサPCB13の巻線へ送信される信号を制
御するためのディジタイザ電子回路とを支持するプリント回路基板15がある。 図2に示すように、この実施形態では、センサプリント回路基板13とELバ
ックライト11との間に、液晶表示部3及びバックライト11からの雑音がx−
yデジタル化システムを妨害することを少なくするために、接地静電スクリーン
17が設けられている。この実施形態においては、この静電スクリーンは、厚さ
が約10μmであり且つ磁気感知機能を妨害しないように相対的に高い表面抵抗
率(例えば、1オーム/スクウェアを越える)を有する連続したカーボンインク
の層から形成されている。更に、図2に示すように、センサPCB13の下方に
は、センサPCB13を磁性スクリーン21に接合するための50μmの感圧接
着層19があり、この実施形態では、層19は25μmのスピンメルトリボン(
例えば、ドイツ、ハーナウのVacuumschmelzeが製造しているVitrovac 6025)の
層である。当業者には理解されるであろうが、磁性スクリーン21は、例えば、
センサPCB13の背後の電子回路によりx−yデジタル化システムに対して引
き起こされる恐れのある妨害を減少させるために設けられている。また、磁性ス
クリーン21は磁束がセンサPCB13上のセンサ巻線の背後を通過するための
透磁経路を形成するため、x−yデジタル化システムの感度を向上させる。図2
に示すように、この実施形態ではプラスチック製である外側ケーシング23がこ
れらの層を包囲し、機械的に支持している。
【0010】 図3は、図1に示すPDAの一部を形成するデジタル化システムの機能ブロッ
ク図を概略的に示している。更に、図3は、励磁巻線及びセンサ巻線が共振スタ
イラス5とどのように作用し合うかも示している。すなわち、図3は、励磁巻線
29と、x位置を感知する2つのxセンサ巻線31及び33と、y位置を感知す
る2つのyセンサ巻線35及び37とを概略的に示す。各々の巻線はセンサPC
B13上のプリント導体により形成されている。以下に更に詳細に説明するが、
センサ巻線31、33、35及び37は周期性を有し、相互に90度の空間位相
にある。従って、以下の説明中、xセンサ巻線31をsin xセンサ巻線といい、
xセンサ巻線33をcos xセンサ巻線という。また、yセンサ巻線35をsin yセ
ンサ巻線といい、yセンサ巻線37をcos yセンサ巻線という。矢印39により
示すように、これらの巻線は、使用中、共振スタイラス5の共振回路41(コン
デンサ43及び誘導コイル45を含む)と磁気的に結合するように動作する。
【0011】 励磁巻線及びセンサ巻線は、励磁巻線29を通過する励磁信号を発生し、且つ
センサ巻線より受信した信号から共振スタイラス5のx−y位置を判定するディ
ジタイザ電子回路49(図3の破線で描かれたブロックにより示す)に接続され
る。ディジタイザ電子回路49は、励磁巻線29の両端間に励磁電圧を印加する
励磁ドライバ51を制御するための制御信号TXA及びTXBを動作中に発生す
るデジタル処理/信号発生装置59を含む。この実施形態では、励磁巻線29の
両端間に印加される励磁電圧は、基本周波数成分(F0)が共振回路41の共振
周波数と一致する約100kHzである正パルスと負パルスのシーケンスから構
成されている。様々な代替励磁シーケンスについて以下に詳細に説明する。
【0012】 励磁巻線29を流れる励磁電流は、矢印39−1により指示するように共振回
路41と磁気的に結合して、共振回路41を共振させるための、対応する電磁界
を発生する。この実施形態では、励磁巻線29はLCD3に対するスタイラスの
x−y位置に応じて共振器との磁気結合をできる限り一定に保持するように配置
されている。共振器41が共振しているとき、共振器41は独自の電磁界を発生
し、その電磁界は、矢印39−2、39−3、39−4及び39−5により表さ
れているように、センサ巻線31、33、35及び37とそれぞれ磁気的に結合
する。以下に更に詳細に説明するが、センサ巻線31、33、35及び37は、
それらと共振スタイラスとの結合がスタイラスのx位置又はy位置に伴って変化
し且つそれらの巻線と励磁巻線29との直接結合はできる限り少なくなるように
設計されている。従って、センサ巻線で受信された信号は共振器41とそれぞれ
対応するセンサ巻線との磁気結合に伴って変化するだけにとどめるべきである。
そのため、センサ巻線で受信された信号を適切に処理することにより、センサ巻
線に対する共振器41、従って、共振スタイラス5のx−y位置を判定すること
ができる。
【0013】 この実施形態では、x−y位置測定での励磁巻線29からセンサ巻線へのブレ
ークスルーの影響を少なくするため、励磁電流は励磁巻線29に連続しては印加
されない。その代わりに、励磁電流のバーストが印加され、センサ巻線で誘起さ
れる信号は励磁電流のバースト間でのみ検出される。この動作モードをパルスエ
コーといい、共振器41が励磁電流のバーストが終了した後にも共振し続けるた
めにこれが機能する。
【0014】 このように、センサ巻線は周期性をもっており、相互に90度の空間位相にあ
る。従って、共振回路41から4つのセンサ巻線で誘起される4つの信号を次の
ように近似することができる:
【0015】
【数1】 式中、Aは、特に、巻線からスタイラスまでの距離及びセンサ巻線の巻き数に
よって決まる結合係数であり;xはセンサ巻線に対する共振スタイラスのx位置
であり;yはセンサ巻線に対する共振スタイラスのy位置であり;Lxはセンサ
巻線のx方向の空間波長であって、通常はx方向の基板の幅よりわずかに大きく
(この実施形態では70mm);Lyはセンサ巻線のy方向の空間波長であって
、通常はy方向の基板の幅よりわずかに大きく(この実施形態では50mm);
-t/τは励磁信号のバーストが終了した後の共振器信号の指数減衰であって、
τは、pi(π)と共振回路41の共振周波数との積で除算された共振回路41
の品質係数に等しい共振器定数であり;φは励磁電流の基本周波数と、共振器4
1の共振周波数との差によって起こる電気的位相シフトである。この実施形態で
は、共振スタイラス5は、その共振周波数がスタイラスの先端に加えられる圧力
に応じて変化するように設計されている。この周波数の変化によって位相シフト
φが変化するので、位相シフトφを測定することにより共振スタイラス5の先端
が、LCD3と接触したか否かを判定することができる。
【0016】 式(1)乃至(4)からわかるように、センサ巻線で誘導される信号のピーク
振幅はx位置又はy位置いずれかのsin又はcosとして変化する。このことが図4
a及び図4bに示されている。すなわち、図4aは、センサ巻線31で誘導され
る信号のピーク振幅及びセンサ巻線33で誘起される信号のピーク振幅がセンサ
巻線に対する共振スタイラスのx位置に応じてどのように変化するかを示し、図
4bは、センサ巻線35及びセンサ巻線37で誘導される信号のピーク振幅がセ
ンサ巻線に対する共振スタイラスのy位置に応じてどのように変化するかを示す
。図4に示すように、x方向の巻線のピッチ(Lx)はy方向の巻線のピッチ(
y)より大きい。これは、この実施形態においては測定領域が矩形であるため
である。
【0017】 従って、当業者には理解されるであろうが、適切な復調と処理により、センサ
巻線で誘起される各信号から共振スタイラス5のx−y位置情報と位相シフトφ
の双方を判定することができる。図3に示すように、この復調は、4つのセンサ
巻線の各々を8つのミクサ69−1から69−8のうちの2つにそれぞれ接続す
ることによって実現される。ここでは、センサ巻線ごとに、2つのミクサのうち
の一方の励磁電流と同じ周波数であり且つ同相(in phase)の方形波を誘起され
た信号に乗算し、更に、他方のミクサの励磁電流と同じ周波数であり且つ90度
の位相外れの方形波信号を乗算する。これにより、各々の復調信号の同相(I)
成分と、直角位相(Q)成分が発生する。この実施形態では、全てのセンサ巻線
からの復調信号の同相成分を使用して位置情報を判定し、1つのセンサ巻線から
の復調信号の同相成分と直角位相成分を使用して、電気的位相(すなわち、φ)
を判定する。図3に示すように、これらの各ミクサ69−1から69−8からの
出力はそれぞれ対応する積分器71−1から71−8に入力され、積分器は、リ
セット後、(クロックフィードスルーなどの基本周波数でミクサから出力された
誤差信号の影響を取り除くために)1/F0の倍数である時間周期にわたってミ
クサからの出力を積分する。下記の式は積分器71−1から71−4からの出力
を近似するものである:
【0018】
【数2】 式中、A1は特に定数A、共振器τ及び積分周期に応じて変化する定数である
。x位置ではなく、y位置に応じて変化する点を除いて、同様の信号が積分器7
1−5から71−8から得られる。
【0019】 図3に示すように、積分器71の出力はアナログ/デジタル変換器73に入力
され、アナログ/デジタル変換器73ではそれらの出力がデジタル信号に変換さ
れ、デジタル信号はA/Dインタフェース装置75を介してデジタル処理/信号
発生装置59に入力される。そこで、デジタル処理/信号発生装置59はsin_x_
I信号とcos_x_I信号の比に対してアークタンジェント関数(atan 2)を実行して
、共振スタイラスのx位置を判定すると共に、同様にsin_y_I信号とcos_y_I信号
の比に対してアークタンジェント関数を実行して、共振スタイラス5のy位置を
判定する。また、デジタル処理/信号発生装置59は、位相角φを判定するため
に、1つのセンサ巻線からの信号の直角位相成分と同相成分の比に対してアーク
タンジェント関数を計算する。
【0020】 図3に示すように、各々のセンサ巻線で誘起される信号の同相(I)成分と直
角位相(Q)成分とが測定される。これは、あるx位置及びy位置においては、
センサ巻線からの同相成分と直角位相成分の比が信頼の置けないものになるため
である。これは、sin 位置成分又はcos 位置成分がほぼ0である場合に起こる。
従って、この実施形態では、デジタル処理/信号発生装置59はsin巻線とcos巻
線双方からの同相信号及び直角位相信号の加重組み合わせを使用して位相角φを
判定する。このとき使用される重みは、判定されたスタイラスのx位置及びy位
置によって変動する。
【0021】 デジタル処理/信号発生装置59が共振スタイラスの現在x−y位置を判定し
、スタイラスがLCD3と接触したか否かを判定した後、装置59はこの情報を
インタフェース装置77を介してPDA電子回路へ出力する。この情報はPDA
電子回路により、LCD3に表示される情報及びPDAの機能モードを制御する
ために使用される。この実施形態では、励磁/位置判定回路49は、上記の計算
を毎秒約500回実行する。
【0022】 以上、本実施形態のディジタイザシステムがセンサ巻線に対する共振スタイラ
スのx−y位置をどのようにして判定するかを簡単に説明した。この実施形態で
使用される特定の形態の励磁巻線及びセンサ巻線、並びにこの実施形態で使用さ
れる特定の共振スタイラス及びデジタル処理/励磁信号について以下に更に詳細
に説明する。
【0023】 <ディジタイザの巻線> 図5aは、この実施形態で使用される励磁巻線29の形態を示す。巻線29は
センサPCB13の両側の5回巻きの矩形導体から形成され、それらの導体は一
部が符号97で示されている穴又はビアを通して直列に接続されている。図5a
では、センサPCB13の上部層の導体は実線で示され、センサPCBの下部層
の導体は破線で示されている。また、図5aは、励磁巻線29の端部を励磁ドラ
イバ51に接続するために使用される2つの接続パッド101及び103も示し
ている。この実施形態では、励磁巻線29はセンサ巻線(図示せず)の外側に巻
きつけられている。
【0024】 図5bは、sin xセンサ巻線31を形成するプリント導体を示す。この場合に
も、センサPCB13の上部層のプリント導体は実線で示され、下部層のプリン
ト導体は破線で示されている。図示するように、センサPCB13の上部層には
、ほぼy方向に延出する導体軌道が規定され、センサPCB13の下部層には、
ほぼx方向に延出する導体軌道が規定されており、上部層の導体軌道の端部は一
部が符号97で示されているビア穴を通して下部層の導体軌道の端部に接続され
ている。また、図5bは、sin xセンサ巻線31をディジタイザの電子回路に接
続するために設けられた2つの接続パッド105及び107も示している。
【0025】 図示されているように、sin xセンサ巻線31の導体軌道はx方向に沿って順
に配列される2組のループ32−1及び32−2を形成するように接続されてい
る。当業者には理解されるであろうが、センサ巻線31を横断するように点磁界
源(又は共振スタイラスのような何らかの類似の磁界源)を移動させると、点磁
界源とセンサ巻線31との磁気結合は点磁界源のx位置に伴ってほぼ正弦的に変
化する。y位置にはほとんど又は全く変化がない。
【0026】 図5cは、cos xセンサ巻線33を形成するプリント導体を示す。この場合に
も、センサPCB13の上部層のプリント導体は実線で示され、下部層のプリン
ト導体は破線で示されている。また、図5cは、cos xセンサ巻線33をディジ
タイザの電子回路に接続するために設けられた2つの接続パッド109及び11
1も示している。図示されているように、cos xセンサ巻線33の導体軌道は、
x方向に沿って順に配列された3組のループ34−1a、34−2及び34−1
bを形成するように接続されている。
【0027】 sin xセンサ巻線の場合と同様に、共振スタイラス5をセンサ巻線33を横断
するように移動させると、共振スタイラス5とcos xセンサ巻線33との磁気結
合はスタイラス5のx位置に伴ってほぼ正弦的に変化する。しかし、cos xセン
サ巻線33の各組のループは巻線ピッチ(Lx)の4分の1ずつx方向にずれて
いるので、正弦変化はsin xセンサ巻線31の変化に対して直角の位相を成す。
そのため、共振スタイラス5によりセンサ巻線33で誘起される信号は、ほぼス
タイラスのx位置の余弦として変化するピーク振幅を有する。
【0028】 図5d及び図5eは、sin yセンサ巻線35及びcos yセンサ巻線37を形成す
るプリント導体を示す。これらの図に示すように、これらの巻線は、90°回転
されている点を除いて、sin x巻線及びcos x巻線に類似している。図5d及び図
5eに示すように、sin yセンサ巻線35はsin xセンサ巻線31と接続パッド1
07を共有し、cos yセンサ巻線37はcos xセンサ巻線33と接続パッド111
を共有している。図5fは、センサPCB13のプリント導体の上部層を示し、
図5gはプリント導体の下部層を示すが、これらのプリント導体は一体となって
励磁巻線29と、センサ巻線31、33、35及び37とを形成している。
【0029】 <スタイラス> 図6は、この実施形態で使用される共振スタイラス5の横断面図である。図示
されているように、スタイラスは、中空の前部本体部分152と、中空の後部本
体部分154とを具備し、本体は、誘導コイル45及びコンデンサ43(図示せ
ず)を含む共振回路と、直径2mmのフェライトロッド153と、第1の移動制
限部材155と、第2の移動制限部材157と、ペン先部分159と、ばね16
3とを収納している。
【0030】 この実施形態で使用されるスタイラスの励磁巻線及びセンサ巻線の配置のより
詳細な記載及び説明は、国際出願PCT/GB99/03989において見るこ
とができる。その内容の全体は、参照により本明細書に取り入れられる。
【0031】 <デジタル処理/信号発生装置> 図7に概略的に示すように、デジタル処理/信号発生装置59は、インタフェ
ース装置77を含む。このインタフェース装置77を介して、デジタル処理/信
号発生装置59内のプロセッサ171が、PDA電子回路を制御するプロセッサ
(図示せず)と通信を行なう。これにより、システム設定情報が、PDAのプロ
セッサからプロセッサ171に送信されると共に、LCD3上の共振スタイラス
5のx−y位置が、プロセッサ171からPDAのプロセッサに送信される。プ
ロセッサ171は制御手順(初期化ルーチンなど)を記憶する読出し専用メモリ
(ROM)173と、デジタル信号処理用の作業域を提供するランダムアクセス
メモリ(RAM)175とにも接続されている。
【0032】 プロセッサ171は、デジタル波形発生器179に制御パラメータを送信し、
これに従って、デジタル波形発生器179は、励磁ドライバ51に対する制御信
号TXA及びTXB、並びにミクサ69−1から69−8に対する同相信号と直
角位相信号の混合信号を発生する。この実施形態では、デジタル波形発生器17
9は、ソフトウェアベースであり、TXA、TXB、同相出力及び直角位相出力
が+1状態、−1状態及び0状態間で切り替えられるタイミングは、プロセッサ
171により送信される制御パラメータを使用して判定される。アナログ/デジ
タルインタフェース181が、アナログ/デジタル変換器73からデジタル信号
を受信し、プロセッサ171にこれを転送する。前述のように、このプロセッサ
171において、デジタル信号が処理され、スタイラスのx位置及びy位置とス
タイラスに対する位相情報(φ)とが取得される。
【0033】 <励磁ドライバ> 図8は、この実施形態で使用される励磁ドライバの回路図を示している。図8
に示すように、励磁ドライバ51は、供給電圧Vccと接地との間に並列に接続
された2つの増幅回路191−1及び191−2を備える。励磁回路の動作によ
り供給レールに導入されるリプル電流を最小限にするために供給抵抗Rsup及
び供給容量Csupが含まれる。増幅回路191−1は、p−チャネルMOSF
ETスイッチP1及びn−チャネルMOSFETスイッチN1を具備し、P1のド
レインは、N1のドレインに接続し、P1とN1のゲートは相互に接続している。
増幅回路191−1は、P1とN1の共通ゲートに位置し、且つ駆動信号TXAが
印加される入力端子193−1と、P1のドレインとN1のドレインとの接続部分
に位置し、且つ励磁巻線29の接続パッド101に接続される出力端子195−
1とを有する。増幅回路191−2は、増幅回路191−2と同様に、p−チャ
ネルMOSFETスイッチP2及びn−チャネルMOSFETスイッチN2を使用
して形成され、駆動信号TXBは、増幅回路191−2の入力端子193−2に
印加され、増幅回路191−2の出力端子195−2は、励磁巻線29の接続パ
ッド103に接続される。この実施形態では、低抵抗のMOSFETスイッチが
使用される。
【0034】 励磁巻線29の両端間の励磁電圧は、増幅回路191−1の出力端子195−
1と増幅回路191−2の出力端子195−2との間の電圧であるので、表1に
示すように、駆動信号TXA、TXBに応じて変化する。
【0035】
【表1】
【0036】 <励磁信号> 図3に示すx−yデジタル化システムの性能を複数の励磁信号の例を挙げて説
明する。この性能は、コンピュータでのシミュレーションを検討することによっ
て評価され、ここでは、Rsup及びCsupの影響は無視できるものとする。
この想定は、実際には、必ずしも正しいとは限らないが、このコンピュータシミ
ュレーションにより得られる結論は有効であり、実験的にも検証されている。全
ての例において、共振回路41は、共振周波数が100kHz、品質係数が40
であり、励磁シーケンスは500Hzの周波数で繰り返される。しかし、これら
の例では、幾つかのパラメータ、特に、励磁巻線29のインダクタンスLex及び
100kHzでのAC抵抗Rex、n−チャネルMOSFETスイッチの抵抗Rn
及びp−チャネルMOSFETスイッチの抵抗Rpは様々な値をとる。
【0037】 <例1> 例1では、Lexは25μH、Rexは10オーム、Rnは1オーム、Rpは3オー
ムである。図9aは、単一の励磁シーケンスに対して、この例において励磁巻線
29の両端間に印加される励磁電圧を示す。図9aに示すように、励磁シーケン
スは、一連の交互になった正パルス及び負パルスから成る。これらのパルスは、
方形波である従来の励磁シーケンスとは異なり、励磁電圧が零に戻される期間を
有する。励磁シーケンスの基本周波数は100kHzであり、基本励磁周期の1
0μsに対応する。最初の正パルスと最後の正パルスを除き、各パルスの持続時
間は0.75μに設定され、各パルスは4.25μsの期間により分離されてい
る。従って、中間のパルスに関しては、基本励磁周期中の正パルス又は負パルス
が励磁巻線に印加される時間対基本周期の持続時間の比率(以下、middle_pulse
_ratioと呼ぶ)は、0.15である。この実施形態では、電源が励磁巻線29の
両端間に3.3Vの起電力を印加する。これは、バッテリーを電源とする装置で
は、代表的な値である。
【0038】 図9bは、図9aに示す励磁電圧が励磁巻線29の両端間に印加された結果と
して励磁巻線29を流れる電流である励磁電流の形態に対するタイミング図を示
す。図9bに示すように、励磁電流は、励磁パルスが印加されたときにピーク値
に到達し、励磁電圧が零に等しく設定されたときに指数関数的に減衰する。この
指数減衰が生じるのは、励磁巻線29のインダクタンスLexにより発生する巻線
の逆起電力が原因で、励磁巻線29の両端間に起電力を印加しなくても電流が流
れ続ける可能性があるからである。実際には、励磁電流は、励磁コイルがPDA
1の金属成形部分と結合する場合などに生じる可能性がある励磁コイルに対する
AC損失によって図9bに示すよりも急激に減衰することもある。しかし、この
ことは、この例及び以下の各例で引き出される結論には影響しない。
【0039】 この例では、TXA及びTXBを1に等しく設定することによりp−チャネル
MOSFETスイッチP1、P2ではなく、n−チャネルMOSFETスイッチN 1 、N2において切り替えを行なうことによって、励磁巻線29の両端間の起電力
が零に戻される。従って、励磁巻線29の両端間の起電力が零に設定されると、
励磁電流はN1、N2及び励磁巻線29を循環しながら減衰していく。励磁電流の
振幅が最大値の37%まで減少するのに要する時間に対応する減衰時間定数(de
cay time constant)は、以下の式により表される。:
【0040】
【数3】 この例で使用される値を式9に代入すると、減衰時間定数の値2μsが得られ
る。
【0041】 オン抵抗が1オームであるp−チャネルMOSFETスイッチを使用し、且つ
これらのp−チャネルMOSFETスイッチをオンに切り替えることにより(T
XA及びTXBを零に設定することにより)励磁電圧を零に設定することで、同
じ減衰時間定数を達成することができたとしても、n−チャネルMOSFETと
同じ抵抗を有するp−チャネルMOSFETを製造するのには約3倍のコストが
かかる。なぜなら、p−チャネル装置は、n−チャネル装置と比較して約3倍の
シリコン領域を必要とするからである。従って、ドライバ費用の有用な測定基準
は、以下の通りである:
【0042】
【数4】 例えば、Rn及びRpの値を1として式10に代入すると、relative_driver_si
zeの値2が得られる。
【0043】 図9cは、励磁シーケンス中に電源から引き出される電流を示している。図9
cに示すように、励磁パルスが印加されるときにのみ電流が電源から引き出され
る。更に、最初の励磁パルス以外は、励磁パルスが印加されると、最初のうち電
流が逆方向に流れ、電力を電源に戻す。これは、前の励磁パルスからの減衰励磁
電流が零まで減少しておらず、励磁巻線29により発生した電磁界に含まれる残
存エネルギーの一部が、電源に戻されるためである。
【0044】 図9dは、センサ巻線のうちの1本へと誘起される起電力を示す。図9dに示
すように、起電力は、以下の2つの別々のメカニズムを介してセンサ巻線へと誘
起される。すなわち: (1)励磁シーケンス中は増加し、その後は減衰する結果となる共振スタイラス
5からの結合と、 (2)励磁中の励磁巻線からの直接結合である。
【0045】 第2のメカニズムは、励磁シーケンスの最後のパルスの後には存在せず、従っ
て、パルスエコーシステムにおいて、共振スタイラス5の位置を判定するために
センサ巻線で誘起される起電力が測定されるときにも存在しない。
【0046】 感知される電力の測定値は、励磁シーケンス間の期間×励磁エコーシーケンス
反復率の時間中にセンサ巻線を横断するように接続された10オームの負荷によ
って消耗されるであろう電力を計算することによって判定することができる。こ
の例では、感知された電力は9.435μWである。励磁シーケンス×励磁エコ
ーシーケンス反復率の時間中に電源から引き出されるエネルギーに対応する供給
電力は、0.713mWと算出される。従って、感知された電力を供給電力で割
ることによって判定されるこの例での電力効率は1.32%である。
【0047】 この電力効率は、上述の米国特許第4,878,553号に記載されたような
電磁エネルギーの結合を利用する従来のx−y位置決め装置において取得可能な
電力効率より、1桁向上したものを示している。
【0048】 また、図9aに示す励磁シーケンスが、米国特許第4,878,553号に記
載されたx−y位置決め装置に適用された場合、電力効率は実際に低下するであ
ろう。これは、スイッチング/多重回路の存在によって供給電圧の負荷がほぼ電
気抵抗化しているために、減衰時間定数が短くなり、励磁電流が印加された励磁
電圧の波形をたどることになるからである。これにより、基本周波数F0での励
磁電流の成分の振幅が減少する。このため、励磁電流から共振スタイラスまでの
エネルギーの結合が不十分になる。
【0049】 この例では、基本周波数において励磁電流の成分の振幅を増加する作用のある
米国特許第4,878,553号に記載されたx−y位置決め装置に比べて、負
荷の抵抗成分を削減することにより減衰時間定数が増加する。その結果、励磁巻
線と共振スタイラス中の共振回路との間の結合が改善されることになる。
【0050】 以下により詳細に説明するが、励磁巻線29を流れる励磁電流が零に駆動され
るように、励磁シーケンスの最後のパルスの持続時間は中間パルスよりも短くな
っているので、最後の励磁パルスの後にセンサ巻線で誘起される信号からの低速
変動成分が減少する。これも以下に説明するが、励磁シーケンスの最初のパルス
の持続時間は、励磁パルスが印加される間に流れる励磁電流中の低速変動成分を
低減するために中間パルスと比べて削減される。この成分は、励磁シーケンス後
、センサ巻線で誘起される信号が測定される期間中も残存する可能性がある。
【0051】 <例2> 例1では、n−チャネルMOSFETスイッチの抵抗が、p−チャネルMOS
FETスイッチの抵抗よりも小さい。これが好ましいのは、励磁回路の減衰時間
定数を増加するための低コストの方法を提供するからである。第2の例では、誘
導結合を使用する従来の位置感知システムに対する優位性を得るのに、この特徴
が必ずしも必要な訳ではないことを示すための説明を行なう。
【0052】 第2の例に対するパラメータは、Rn、Rpが共に2オームに設定される以外は
、第1の例と同じである。式(10)において、relative_driver_sizeの値とし
て2が得られるが、これは第1の例と同一であり、第1の例を実現するときのコ
ストと第2の例を実現するときのコストには、大きな違いはない。第2の例では
、供給電力0.724mWに対して感知された電力は8.328μWであり、電
力効率は1.15%である。N1及びN2における電力消費の増大により、第2の
実施形態での電力効率は、第1の実施形態の電力効率よりも10%強低下してい
るが、尚もこの電力効率は、従来のシステムよりも大幅に改善されていることを
示す。
【0053】 <例3> 第1の例では、励磁パルスが印加されるときに、電源は、励磁巻線29の両端
間に3.3ボルトの起電力を印加する。第3の例は、図10a乃至10dを参照
して説明するが、ここでは、電源は、励磁巻線29の両端間に2.1ボルトの起
電力を印加する。励磁ドライバ及び励磁巻線29の残りのパラメータは、第1の
例と同一である。
【0054】 図10aに示すように、最初のパルスと最後のパルスを除き、励磁パルスの持
続時間は1.25μsに増加され、middle_pulse_ratioは0.25である。この
middle_pulse_ratioの増加は、任意のスタイラス位置に対して感知される電力の
大きさが例1と同様であり、分解能にはほぼ影響がないことを保証するためにも
たらされる。図10bに示すように、励磁電流は、第1例として図9bに示され
るのとほぼ同じ形状をたどる。図10cは、この例において電源から引き出され
る電流を示し、図9cに示すのと同様である。図10dは、センサ巻線で誘起さ
れる起電力を示し、励磁巻線とセンサ巻線との直接結合の振幅が供給電圧の減少
につれて減少する様子を示す。
【0055】 第3の例では、供給電圧0.727mWに対して、感知された電力は9.8μ
Wと算出され、電力効率は1.35%である。この値は、第1の例に匹敵するも
のである。
【0056】 第3の例から、ディジタイザシステムの分解能は、励磁パルスの持続時間を変
動させることによって、特に、パルス幅を供給電圧に反比例させることによって
電力効率を大幅に変更しなくても、様々な供給電圧レベルに対してほぼ一定に維
持できることが明らかである。
【0057】 <例4> 第1から第3の例では、最後の励磁パルスは、これが終了するときに励磁電流
が零に駆動されるように短縮されている。第4の例は、図11a乃至11dを参
照して説明するが、ここでは、短縮された最後のパルスが除かれる以外、システ
ムパラメータは、第3の例と同一である。
【0058】 図11aは、最後の4つの励磁パルスの間、励磁巻線29の両端に印加される
励磁電圧シーケンスを示す。図11bは、対応する励磁電流を示す。図11bに
示すように、最後の励磁パルスが終了するとき、励磁電流はピークレベルから零
へと徐々に減衰する。この減衰電流は、センサ巻線で電圧を誘起し、この電圧が
検出プロセスにオフセットをもたらすので、位置誤差を生じる恐れがある。
【0059】 図11cに示すように、励磁シーケンスの終わりでは、励磁巻線29から電源
には電流が流れない。図11dは、センサ巻線で誘起される起電力を示す。供給
電力0.728mWに対して感知された電力は、9.708μWと算出され、電
力効率は1.33%である。従って、電力効率は、全ての励磁パルスを同じ持続
時間にしてもあまり影響を受けないが、検出される位置の正確性は、最後の励磁
パルスの後の減衰励磁電流により誘起されるオフセット電圧により影響を受ける
可能性がある。
【0060】 <例5> 第5の例では、図12a乃至12dを参照して、最後の励磁パルスの持続時間
を削減することの効果をより明確に示すための説明を行なう。この第5の例のパ
ラメータ及び励磁シーケンスは、Rex(励磁巻線29の抵抗)が2オームに設定
され、式9から計算される時間減衰定数が6.25μsに増加されることを除い
ては、第1の例と同一である。
【0061】 図12aは、この例での励磁シーケンスの最後の5つの励磁パルスを示し、最
後の励磁パルスの持続時間がそれより前の励磁パルスの半分未満であることを示
す。図12bは励磁電流を示すが、この励磁電流は、時間減衰定数が長いために
、励磁パルス間においてピーク振幅の約半分までしか減衰しない。図12bに示
すように、励磁電流は、励磁シーケンスの最後のパルスにより急激にほぼ零にま
で駆動される。図12cは供給電流を示し、最後の励磁パルス中に、励磁電流が
零に駆動されると共に励磁巻線29に蓄えられたエネルギーが電源に戻される。
【0062】 図12dは、この例においてセンサ巻線で誘起される起電力を示す。供給電力
0.347mWに対して、感知された電力は13.321μWと算出され、電力
効率は4.13%である。この電力効率は、第1から第4の例よりも相当に高い
が、時間減衰定数の増加(励磁巻線29の抵抗の低下による)により、励磁電流
のうちの半分以上が基本周波数になるからである。実際には、この励磁巻線29
の抵抗の低下は、センサPCB13上にプリントされた導体の厚さ及び/又は幅
を増大することにより達成することができる。しかし、プリント導体間の間隔を
設定値以下に狭めることはできないため、プリント導体の幅を広げることにより
、センサPCB13のサイズを拡大する必要が生じる。これは、多くの適用例に
とって望ましくない。
【0063】 <例6> 図13aから13dは第6の例を示し、ここでは、励磁回路の負荷はほぼ完全
に誘導的である。この例において、励磁巻線29のインダクタンスは50μHに
設定され、励磁巻線29の抵抗、n−チャネルMOSFETスイッチ及びp−チ
ャネルMOSFETスイッチは全て0.1オームに設定される。残りのパラメー
タは、第1実施形態と同一である。
【0064】 図13aは、この例での励磁シーケンスの最後の5つの励磁パルスを示す。図
13aに示すように、最後の励磁パルス以外の各励磁パルスの長さは2.5μs
である。この値は、励磁パルス間の印加される起電力が零の持続時間でもある。
従って、middle_pulse_ratioは0.5である。図13bに示すように、負荷はほ
ぼ完全に誘導的であるので、励磁電流の変化率は励磁電圧に比例する。図13c
に示すように、励磁回路では抵抗損失がほとんどないので、電源から引き出され
るのとほぼ同量の電流が電源に戻される。最後の励磁パルスの持続時間は、その
前の励磁パルスの持続時間の約半分であり、励磁電流は、最後のパルスの終わり
で零になる。図13dは、センサ巻線で誘起される起電力を示す。
【0065】 この例で使用されるシステムパラメータを有する実際の装置用の励磁回路又は
励磁巻線を作製することは実現不可能であるだろうが、励磁巻線29における励
磁電流の動力学と、持続時間が励磁電流を零に駆動するように設定される励磁シ
ーケンスに最後のパルスを追加する方法とを明確に示す。
【0066】 <例7> 前述したように、励磁シーケンスの最初の励磁パルスの持続時間も、中間パル
スに比べて削減されるのが好ましい。図14a乃至14dは第7の例を示す。こ
こでは、最初の励磁パルスの持続時間が後続の励磁パルスの持続時間と等しく設
定される。この例では、Rn、Rp及びRexは0.1オーム、Lexは50μH、
供給電圧は3.3Vである。従って、負荷はほぼ誘導的である。
【0067】 図14aは、励磁シーケンスに対する励磁電圧を示す。この励磁シーケンスに
対するmiddle_pulse_ratioは0.3である。図14bは、励磁電流を図示するが
、この励磁電流は、負パルスのピーク振幅が徐々に増加する一方で正パルスのピ
ーク振幅を励磁シーケンスの全体を通して徐々に減衰させる低速変動成分を示す
。この低速変動成分が、励磁シーケンスの最後のパルスの後まで残存することも
図14bから明らかである。励磁電流中の低速変動成分が好ましくないのは、そ
れが電源からかなりの電流を流出させ、供給電力を増加させるからであり、電力
効率の低下につながる。図14cは、電源から引き出される電流を示し、正パル
スを印加したときの電源に流れる正味電流が徐々に増加する一方で、負パルスを
印加したときの電源に流れる正味電流は徐々に減少する。図14dは、センサ巻
線で誘起される起電力を示す。
【0068】 第7の例から、励磁シーケンスの全ての励磁パルスが同じ持続時間である場合
、低速変動成分が励磁電流に加えられることにより追加の電力が電源から引き出
されることが明らかである。
【0069】 <例8> 第8の例を図15a乃至15dを参照して説明する。ここでは、各パラメータ
及び励磁波形(図15aに示す)は、開始パルスの持続時間が後続の励磁パルス
の持続時間の半分に等しく設定されることを除き、第7の例と同一である。図1
5bに示すように、この例での励磁電流の低速変動成分はごくわずかである。図
15cは、電源から引き出されて電源に戻される電流を示し、最初の励磁パルス
及び最後の励磁パルスを除いては、電源から引き出される正味電流は、負荷の誘
導的な性質によりほぼ零である。図15dは、センサ巻線で誘起される起電力を
示す。
【0070】 先に述べたように、最後の励磁パルスの持続時間をその前の励磁パルスよりも
短く設定することによって、励磁シーケンスの終端で励磁電流をより急速に零に
戻すことができる。励磁電流をより迅速に零に戻すための代替技術は、最後の励
磁パルスが印加された後で励磁回路の時間減衰定数を減少させることである。こ
の代替技術を実現する励磁ドライバを、図16を参照して説明する。図8に示す
励磁ドライバと同一の構成要素には同じ符号を付し、説明は省略する。
【0071】 図16に示すように、増幅回路191−2は、スイッチP2、N2のゲートを分
離し、ドレインが出力端子195−2に接続され、且つソースが電気的接地に接
続される追加のn−チャネルMOSFETスイッチN3を含む点で変更されてい
る。P2、N2のゲートは、それぞれ、入力端子196a及び196bに接続され
、これらの入力端子は、デジタル信号発生/処理装置(図示せず)からの出力T
XC、TXDに接続されている。一方、N3のゲートは入力端子197に接続さ
れ、この入力端子は、デジタル信号発生/処理装置(図示せず)からの出力TX
Eに接続されている。N3は、N1、N2に比べて相当にオン抵抗が高い。励磁シ
ーケンス中、前述の各例で示したように、TXC及びTXDが、P2及びN2のオ
ン/オフの切り替えを行なうように操作される一方で、N3はTXEをローに設
定することによってオフ状態に設定される。従って、電流はN3には流れない。
しかし、励磁シーケンスの最後の励磁パルスの後には、励磁巻線29、N1及び
3を励磁電流が流れるように、P2とN2の双方がオフにされ、信号TXEはハ
イに設定されてN3をオンに切り替える。N3は、N2よりもオン抵抗が高いので
、励磁の時間定数は短くなり、励磁電流は、N2を流れる場合よりも迅速に零に
減衰することになる。励磁電流が無視できるほどの量まで減衰すると、N2はオ
ンに戻され、N3はオフにされる。
【0072】 <例9> 前述の各例では、励磁シーケンスは、単一の正の励磁パルスと単一の負の励磁
パルスが交互になったパルス群から成っていた。図17a乃至17dは、単一の
パルスが交互になっているのではなく、2つずつが交互になったパルスが使用さ
れる代替例を示す。この例では、パラメータ及びmiddle_pulse_ratioは、第1の
例と同一である。
【0073】 図17aは、励磁巻線29の両端間に印加される励磁電圧を示し、励磁パルス
の正負は1つおきに変化する。図17bに示すように、励磁電流は、非常に正弦
的であり、基本周波数F0にある励磁電流の割合の増加を示す。図17cは、電
源から引き出される電流を示し、図17dは、センサ巻線で誘起される起電力を
示す。この例では、2.029mWの供給電力に対して、感知された電力は29
.894μWと算出されており、電力効率は1.47%である。これは、第1の
例より相当に高いが、基本周波数F0にある励磁電流の割合の増加が原因である
【0074】 <例10> 前述した各励磁ドライバは、励磁巻線29の両端間に正の励磁パルスと負の励
磁パルスの両方を供給する。しかし、必ずしも両方である必要はなく、全てが同
じ符号であるパルスを使用することもできる。図18a乃至18dは第10の例
を示し、ここでは、単一端の励磁ドライバが使用される。この例では、Rnは0
.333オーム、Rpは3オーム、Rexは10オーム、Lexは25μH、そして
、供給電圧は3.3Vである。図18aは、この例において励磁巻線29の両端
間に印加される励磁シーケンスを示す。図18aに示すように、励磁シーケンス
は、起電力が印加されない期間により分離された一連の正のピークから成り、mi
ddle_pulse_ratioは0.15である。図18bは、結果の励磁電流を示す。図1
8bに示すように、各励磁パルス間において、励磁電流はピーク値からほぼ零に
まで減衰する。図18c及び18dは、それぞれ、電源から引き出される電流、
及び、センサ巻線で誘起される起電力を示す。この例では、0.545mWの供
給電力に対して、感知される電力は3.369μWと算出され、電力効率は0.
618%であった。この電力効率は、双端励磁回路よりも低い(励磁電流中の多
量の低速変動成分により過剰な電流が電源から引き出されるため)が、尚もこの
電力消費は、従来の励磁駆動回路よりも大幅に改善されていることを示す。
【0075】 単一端の励磁ドライバは、増幅回路191−2を取り外し、且つ励磁巻線29
の接続パッド103を零ボルト供給レールに接続することで図8に示す励磁ドラ
イバを変形することによって作製することができる。制御信号TXBを発生する
必要がないため、これにより、励磁ドライバ及びデジタル波形発生器179を簡
略化できることは当業者には明らかであろう。
【0076】 <例11> 上述のように、第10の例では、励磁パルス間において励磁電流はほぼ零まで
減衰する。これが好ましいのは、励磁電流がほぼ零まで減衰しない場合、励磁電
流の振幅が徐々に増加することで励磁電流の低速変動成分が生じ、第10の例と
比較して電源から過剰な電流が引き出されることになるからである。第11の例
を図19a乃至19dを参照して説明する。ここでは、励磁巻線29の抵抗が2
オームに低減され、これにより時間減衰定数が増加することを除いては、パラメ
ータは第10の例と同じである。図19aに示すように、励磁シーケンスは第1
0の例と同一であるが、図19bに示すように、励磁電流はかなり異なっている
。これは、励磁電流がパルス間で零に戻る時間がないからである。図19cは、
電源から引き出される電流を示し、電源から引き出される電流は、徐々に増加し
ている。図19dは、センサ巻線で誘起される起電力を示す。この構成では、1
.254mWの供給電力に対して、感知される電力は4.72μWと算出され、
電力効率は0.376%であった。電力効率は、基本周波数F0にある励磁電流
の割合の減少が原因で低下している。
【0077】 上述の各例から以下の各結論を導き出すことができる: 1)電力効率の改善は、励磁回路に電力が加えられない期間により分離される励
磁パルスを使用することによって達成することができる。 2)この電力効率の改善は、励磁ドライバにおける抵抗損失が低く、励磁電流に
対する時間減衰定数が著しく増加するときに最も顕著であるが、それは、励磁電
流の半分以上がスタイラス5中の共振回路41の共振周波数にあるからである。
本発明者等は、実際に、時間減衰定数が励磁電圧のパルスの持続時間よりも長い
ときに、時間減衰定数を増加する利点が顕著であることを発見した。 3)励磁シーケンスの終端で励磁電流を急速に減少させ、励磁巻線からセンサ巻
線への励磁ブレークスルーを減少させることが好ましい。 4)励磁電流は、その前の励磁パルスに比べて最後の励磁パルスの持続時間を削
減することによって、励磁シーケンスの終端で励磁電流を急速に削減することが
できる。 5)また、励磁電流は、時間減衰定数を励磁シーケンスの終端で低い値に切り替
える手段を励磁回路に含むことによっても、励磁シーケンスの終端で励磁電流を
急速に削減することができる。 6)励磁シーケンス中及び励磁シーケンス後の励磁電流の低速変動成分が低減さ
れ、それにより、電源から引き出される電流及び位置誤差が低減されるので、最
初の励磁パルスは、後続の励磁パルスよりも持続時間が短いのが好ましい。 7)低抵抗のp−チャネルMOSFETスイッチよりも低抵抗のn−チャネルM
OSFETスイッチを製造する方が安価であるので、低抵抗のMOSFETスイ
ッチを使用するとき、励磁電流がn−チャネルスイッチを流れる時間が大半であ
る場合、n−チャネルスイッチよりもオン抵抗の高いp−チャネルスイッチを使
用するのが好ましい。 8)励磁パルスの厳密な持続時間を電源電圧により調節して、比較的一定の信号
が種々の電源を横断するように設けられた各センサ巻線で誘起されることを確認
することができる。特に、パルスの持続時間を電源電圧に反比例するように変動
させることが好ましい。
【0078】 上述の説明から、励磁シーケンスの形態は適用例に依存し、特に、供給電力及
び共振スタイラスの共振周波数により決まることが当業者には明らかであろう。
製造の観点からみると、デジタル化電子回路49を多様な適用例に使用できるの
が好ましい。これは、図3及び7を参照して説明したデジタル処理/信号発生装
置59を用いることで達成することができる。というのは、PDAプロセッサが
電源電圧及びスタイラスの共振周波数に関連する情報を初期化手順中にインタフ
ェース77を介してプロセッサ171に送信することができ、プロセッサ171
がパルスの持続時間と共に周波数を調整することができるからである。
【0079】 バッテリーの電圧がその耐用年数を通して大きく変動することがあるので、バ
ッテリーを電源とする装置では、電源電圧に対する公称値は十分ではない恐れが
ある。この問題の解決法は、デジタル処理/信号発生装置59が直接バッテリー
の電圧を監視し、それに従ってパルスの持続時間を調整することである。一実施
形態では、バッテリー電圧は、バッテリーをA/D変換器73に接続することに
よって監視される。A/D変換器73は、電圧をデジタル信号に変換するので、
このデジタル信号をA/Dインタフェース181を介してプロセッサ171によ
り定期的に監視することができる。
【0080】 電力効率を改善する別の技術は、スタイラスがLCD3の近隣にないときに電
源から引き出される電力を削減することである。これは、励磁シーケンスが印加
される反復率を低下させることにより実施できる。あるいは、反復率は一定に維
持するが、励磁パルスの持続時間を変動させることによって実施することもでき
る。位置精度の高さは、スタイラスがLCD3に接近するまでは必要とされない
ため、特に、スタイラスがLCDから離れているときに短いパルスを使用するこ
とができる。スタイラスがLCD3に接近しているときは短いパルスを使用して
判定することができ、長いパルスは、正確な位置検出のために使用することがで
きる。励磁パルスの持続時間の変動は、励磁シーケンスが印加される反復率の変
動よりも好ましい。これは、LCD3の近隣にあるスタイラスの存在を検出する
のに要する時間を削減することができるからである。
【0081】 <変形例及び代替実施形態> 上記の実施形態では、共振スタイラスを利用して動作するx−yデジタル化タ
ブレットを含むハンドヘルド携帯情報端末を説明した。システムをバッテリーを
電源とする動作に特に適合させる励磁回路の様々な新規な特徴を説明した。特に
、装置の分解能に影響を及ぼすことなくバッテリーの寿命を延長するので、感知
される信号レベルを維持しながら電源から引き出される電力を削減することが、
バッテリーを電源とする各装置にとっては好ましい。上述のシステムの新規な面
の多くが相互に無関係であることは当業者には理解されるであろう。
【0082】 次に、いくつかの変形例及び代替実施形態を説明する。
【0083】 当業者には理解されるであろうが、上述のデジタル化システムを様々な用途に
使用できる。しかし、PDA、ウェブブラウザ、携帯電話などの低コスト、大量
販売の製品に適用すると特に有用である。図20は、携帯電話251を液晶表示
部255を含むように適応させ、表示部の下に、共振スタイラス257の位置を
感知するように動作する、先に説明したようなx−yの組のディジタイザ巻線を
設けた構成を示している。デジタル化システムは、例えば、携帯電話から別の人
物へ送信できる短いテキストメッセージをユーザが作成するときに使用されれば
良い。例えば、携帯電話がオーガナイザを含む場合、ディジタイザを使用してオ
ーガナイザからのデータの入力、操作及び出力を制御することができる。
【0084】 上述の各実施形態では、ディジタイザシステムはいくつかのセンサ巻線と、励
磁巻線と、共振スタイラスとを使用していた。別の実施形態においては、共振ス
タイラスではなく、短絡コイル又は磁界集中手段(フェライト片など)を使用で
きるであろう。しかし、そのような実施形態では、センサ巻線で誘起される信号
レベルが低下し、励磁信号が終了した後は非共振要素が「鳴り」続けることができ
ないため、システムはパルスエコー動作モードでは動作できないと考えられる。
それでも上述の励磁回路及び励磁波形は、このような「連続的な」励磁システム
において相当の電力削減をもたらすことになる。
【0085】 上述の各例において、センサ巻線で誘起される信号を解析するための回路とし
てミクサ及び積分器を使用したが、その代わりに、アナログデジタル変換器を使
用して誘起される信号を直接検出することもでき、また、デジタルプロセッサを
使用して誘起される信号の振幅及び位相などからペン位置を判定することもでき
る。あるいは、国際出願WO99/34171に記載されるようなアナログ処理
方法を利用して、スタイラスの位置を判定することができる。
【0086】 センサ巻線で誘起される信号を復調するのに使用されるミキシング信号の厳密
な形態は、上述のものとは異なる可能性があることは、当業者には明らかであろ
う。例えば、センサ巻線で誘起される信号を復調するのに使用される2つのミキ
シング信号は、直角位相である必要はないが、これにより、スタイラスの位置を
判定するのに使用される処理回路が複雑になるであろう。
【0087】 上述の各例では、励磁パルスの繰り返し周波数は、スタイラスの共振周波数に
合わせられている。これが好ましいのは、エネルギーを共振回路に効果的に結合
させることができるためである。しかし、励磁パルスのタイミングが、共振スタ
イラスに蓄積されるエネルギーが励磁シーケンス中に増加するようなものである
場合、その他の励磁シーケンスを使用することも可能であろう。励磁シーケンス
のエネルギーの基本周波数である割合の減少により電力効率は減少するが、例え
ば、図9aに示す励磁シーケンスの正の励磁パルス又は負の励磁パルスのうちの
1つを除去することができ、正確な位置測定値も得られる。
【0088】 上述の各例では、中間パルスと比べて励磁シーケンスの最初のパルス及び最後
のパルスの持続時間を短縮することが好ましいことを示してきた。励磁シーケン
スの開始からパルスの持続時間が徐々に増加し、励磁シーケンスの終端に向かっ
て徐々に減少しても良いことが当業者には明らかであろう。
【0089】 上述の励磁回路は、MOSFET切り替え装置技術に基づいている。バイポー
ラトランジスタを代わりに使用しても良いが、バイポーラ装置は、通常、電流を
通すときに相当のコレクタエミッタ電圧を有するので、オン抵抗が高くなる不都
合が生じる。更に、バイポーラ装置は、通常、正規の動作モードの逆方向では適
切な導体ではない。この逆方向への伝導は、相当量の電流を電源に戻す場合に必
要である。尚、ショットキーダイオードなどの逆電流保護ダイオードを相当の追
加の費用をかけることで利用することができる。
【0090】 スタイラスの共振周波数及び品質係数は、センサ巻線で誘起される信号から判
定することが可能であるので、固定にする必要はない。このようにして、複数の
スタイラスのうちのどれが使用中であるかなどの追加の情報を判定することがで
きる。これは、別々のユーザがそれぞれ別々のスタイラスを所有するときに特に
好都合である。
【0091】 上述の各技術は、米国特許第5,600,105号に記載されたスタイラスな
どのように、共振回路に加えて能動素子を含むスタイラスを有する位置センサに
も同様に適用することが可能である。
【0092】 上述の励磁回路及び励磁波形は、励磁巻線を通電し、且つセンサ巻線で誘起さ
れる信号を測定することにより位置が判定されるその他の形態の位置センサに適
用することが可能であることは、当業者には明らかであろう。例えば、位置セン
サは、1次元で位置を測定しても良く、線形位置及び回転位置のいずれでも良い
。あるいは、位置センサは、x、y、z、偏揺れ、たて揺れ及び回転の6次元で
位置を測定しても良い。上述の各実施形態では、共振スタイラス5は、励磁巻線
からのエネルギーをセンサ巻線に結合するのに使用されている。代替実施形態で
は、励磁巻線を支持する第1の部材とセンサ巻線を支持する第2の部材の相対位
置は、励磁巻線を通電し、且つ電磁エネルギーの結合を介してセンサ巻線で誘起
される信号を検出することによって判定することができる。
【0093】 また、上述の励磁回路及び励磁波形は、説明した特定の型の巻線に限定される
のではなく、従来のインダクトシン型の巻線にも使用できることは、当業者には
明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ハンドヘルド携帯情報端末(PDA)の液晶表示部の背後に配置され、共振ス
タイラスの(x,y)位置を感知することができるx−yデジタル化システムを
含むPDAの概略図である。
【図2】 デジタル化システムのセンサプリント回路基板と、液晶表示部との位置関係を
示す、図1に示す携帯情報端末の横断面図を概略的に示す図である。
【図3】 x−yデジタル化システムの励磁/処理電子装置を示し且つデジタル化システ
ムの励磁巻線と共振スタイラスとの磁気結合、並びに共振スタイラスとデジタル
化システムの一部を形成する4つのセンサ巻線との磁気結合を示す概略機能ブロ
ック図である。
【図4】 図4aはデジタル化システムのxセンサ巻線で誘起される信号のピーク振幅が
液晶表示部に対するスタイラスの位置のx座標に応じてどのように変化するかを
近似して概略的に示す図であり、図4bはデジタル化システムのyセンサ巻線で
誘起される信号のピーク振幅が液晶表示部に対するスタイラスの位置のy座標に
応じてどのように変化するかを近似して概略的に示す図である。
【図5a】 図1に示す携帯情報端末の一部を形成するデジタル化システムの励磁巻線の形
態を示す図である。
【図5b】 図1に示す携帯情報端末の一部を形成するデジタル化システムのsin xセンサ
巻線の形態を示す図である。
【図5c】 図1に示す携帯情報端末の一部を形成するデジタル化システムのcos xセンサ
巻線の形態を示す図である。
【図5d】 図1に示す携帯情報端末の一部を形成するデジタル化システムのsin yセンサ
巻線の形態を示す図である。
【図5e】 図1に示す携帯情報端末の一部を形成するデジタル化システムのcos yセンサ
巻線の形態を示す図である。
【図5f】 図5a乃至図5eに示す巻線を支持するプリント回路基板の上部層を示す図で
ある。
【図5g】 図5a乃至図5eに示す巻線を支持するプリント回路基板の下部層を示す図で
ある。
【図6】 図1に示す共振スタイラスの横断面図である。
【図7】 図3に示す励磁/処理回路の一部を形成するデジタル処理/信号発生装置の形
態を示す概略ブロック図である。
【図8】 図3に示す励磁/処理回路の一部を形成する励磁ドライバの形態を詳細に示す
回路図である。
【図9】 図9aは第1の例として、図3に示す励磁/処理電子回路により励磁巻線に印
加される励磁電圧の形態を示すタイミング図であり、図9bは図9aに示す励磁
電圧の印加の結果として励磁回路を流れる励磁電流の形態を示すタイミング図で
あり、図9cは図9aに示す励磁電圧を発生するために電源から引き出される電
流の形態を示すタイミング図であり、図9dは図9aに示す励磁電圧が励磁巻線
に印加される場合、共振スタイラスによりセンサ巻線で誘起される起電力の形態
を示すタイミング図である。
【図10】 図10aは第3の例として、図3に示す励磁/処理電子回路により励磁巻線に
印加される励磁電圧の形態を示すタイミング図であり、図10は図10aに示す
励磁電圧の印加の結果として励磁巻線を流れる励磁電流の形態を示すタイミング
図であり、10cは図10aに示す励磁電圧を発生するために電源から引き出さ
れる電流の形態を示すタイミング図であり、図10dは図10aに示す励磁電圧
が励磁巻線に印加される場合、共振スタイラスによりセンサ巻線で誘起される起
電力の形態を示すタイミング図である。
【図11】 図11aは第4の例として、図3に示す励磁/処理電子回路により励磁巻線に
印加される励磁シーケンスの終端の形態を示すタイミング図であり、図11bは
図11aに示す励磁電圧の印加の結果として励磁巻線を流れる励磁電流の形態を
示すタイミング図であり、図11cは図11aに示す励磁電圧を発生するために
電源から引き出される電流の形態を示すタイミング図であり、図11dは図11
aに示す励磁電圧が励磁巻線に印加される場合、共振スタイラスによりセンサ巻
線で誘起される起電力の形態を示すタイミング図である。
【図12】 図12aは第5の例として、図3に示す励磁/処理電子回路により印加される
励磁電圧シーケンスの終端を示すタイミング図であり、図12bは図12aに示
す励磁電圧の印加の結果として励磁巻線を流れる励磁電流の形態を示すタイミン
グ図であり、図12cは図12aに示す励磁電圧を発生するために電源から引き
出される電流の形態を示すタイミング図であり、図12dは図12aに示す励磁
電圧が励磁巻線に印加される場合、共振スタイラスによりセンサ巻線で誘起され
る起電力の形態を示すタイミング図である。
【図13】 図13aは第6の例として、図3に示す励磁/処理電子回路の励磁巻線により
印加される励磁電圧シーケンスの形態を示すタイミング図であり、図13bは図
13aに示す励磁電圧の印加の結果として励磁巻線を流す励磁電流の形態を示す
タイミング図であり、図13cは図13aに示す励磁電圧を発生するために電源
から引き出される電流の形態を示すタイミング図であり、図13dは図13aに
示す励磁電圧が励磁巻線に印加される場合、共振スタイラスによりセンサ巻線で
誘起される起電力の形態を示すタイミング図である。
【図14】 図14aは第7の例において、図3に示す励磁/処理電子回路の励磁巻線によ
り印加される励磁電圧シーケンスの形態を示すタイミング図であり、図14bは
図14aに示す励磁電圧の印加の結果として励磁巻線を流れる励磁電流の形態を
示すタイミング図であり、図14cは図14aに示す励磁電圧を発生するために
電源から引き出される電流の形態を示すタイミング図であり、図14dは図14
aに示す励磁電圧が励磁巻線に印加される場合、共振スタイラスによりセンサ巻
線で誘起される起電力の形態を示すタイミング図である。
【図15】 図15aは第8の例において、図3に示す励磁/処理電子回路の励磁巻線によ
り印加される励磁電圧の形態を示すタイミング図であり、図15bは図15aに
示す励磁電圧の印加の結果として励磁巻線を流れる励磁電流の形態を示すタイミ
ング図であり、図15cは図15aに示す励磁電圧を発生するために電源から引
き出される電流の形態を示すタイミング図であり、図15dは図15aに示す励
磁電圧が励磁巻線に印加される場合、共振スタイラスによりセンサ巻線で誘起さ
れる起電力の形態を示すタイミング図である。
【図16】 図3に示す励磁/処理電子回路の励磁ドライバの代替形態を示す回路図である
【図17】 図17aは第9の例において、図3に示す励磁/処理電子回路の励磁巻線によ
り印加される励磁電圧シーケンスの形態を示すタイミング図であり、図17bは
図17aに示す励磁電圧の印加の結果として励磁巻線を流れる励磁電流の形態を
示すタイミング図であり、図17cは図17aに示す励磁電圧を発生するために
電源から引き出される電流の形態を示すタイミング図であり、図17dは図17
aに示す励磁電圧が励磁巻線に印加される場合、共振スタイラスによりセンサ巻
線で誘起される起電力の形態を示すタイミング図である。
【図18】 図18aは第10の例において、図3に示す励磁/処理電子回路の励磁巻線に
より印加される励磁電圧シーケンスの形態を示すタイミング図であり、図18b
は図18aに示す励磁電圧の印加の結果として励磁巻線を流れる励磁電流の形態
を示すタイミング図であり、図18cは図18aに示す励磁電圧を発生するため
に電源から引き出される電流の形態を示すタイミング図であり、図18dは図1
8aに示す励磁電圧が励磁巻線に印加される場合、共振スタイラスによりセンサ
巻線で誘起される起電力の形態を示すタイミング図である。
【図19】 図19aは第11の例において、図3に示す励磁/処理電子回路の励磁巻線に
より印加される励磁電圧シーケンスの形態を示すタイミング図であり、図19b
は図19aに示す励磁電圧の印加の結果として励磁巻線を流れる励磁電流の形態
を示すタイミング図であり、図19cは図19aに示す励磁電圧を発生するため
に電源から引き出される電流の形態を示すタイミング図であり、図19dは図1
9aに示す励磁電圧が励磁巻線に印加される場合、共振スタイラスによりセンサ
巻線で誘起される起電力の形態を示すタイミング図である。
【図20】 液晶表示部を含み、表示部の下方に、表示部に対する共振スタイラスの位置を
感知するように動作可能であるデジタル化システムを含む携帯電話を示す斜視図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 エリー, デビッド, トーマス, エリ オット イギリス国 ケンブリッジシャー シービ ー2 5エヌエイチ, ハーストン, ハ ーストン ミル (番地なし) Fターム(参考) 2F051 AA23 AB05 BA07 DA01 2F077 AA36 FF03 FF39 TT07 TT16 TT31 TT83 WW04 5B068 AA03 AA22 BB15 BC02 BC05 BD08 BD17 BE04 BE11 5B087 AA03 AE09 CC01 CC25 CC32 5K027 AA11 HH26

Claims (41)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 励磁巻線及び少なくとも1つのセンサ巻線を備える第1の部
    材と、 駆動信号を前記励磁巻線に印加するための励磁回路と、 前記第1の部材に対して移動可な第2の部材と、ここで、この第2の部材は、
    前記励磁回路により前記励磁巻線に印加される駆動信号に応答して前記センサ巻
    線で出力信号が発生するように前記巻線群と相互に作用する手段を備え、前記相
    互作用手段及び巻線群が、前記出力信号を前記第1の部材及び第2の部材の相対
    位置の関数として変化させるように構成される; 前記励磁回路は、前記励磁巻線の両端間に電圧パルスのシーケンスを印加する
    ように構成され、前記パルスの持続時間は、前記励磁回路及び前記励磁巻線によ
    り形成される電流ループの減衰時間定数未満であることを特徴とする位置検出装
    置。
  2. 【請求項2】 励磁巻線を備える第1の部材と、 駆動信号を前記励磁巻線に印加するための励磁回路と、 前記第1の部材に対して移動可の第2の部材と、ここで、第2の部材は前記励
    磁巻線に電磁気的に結合されたセンサ巻線を備え、前記電磁気的結合が、前記励
    磁回路から前記励磁巻線に印加される駆動信号に応答して前記センサ巻線で前記
    相対位置の関数として変化する出力信号を発生させるように前記第1の部材及び
    第2の部材の相対位置に伴って変化する; 励磁ドライバは、前記励磁巻線の両端間に電圧パルスのシーケンスを印加する
    ように構成され、前記パルスの持続時間は、前記励磁ドライバ及び前記励磁巻線
    により形成される電流ループの減衰時間定数未満であることを特徴とする位置検
    出装置。
  3. 【請求項3】 前記励磁回路は、前記励磁巻線に対して固定されていること
    を特徴とする請求項1又は2記載の位置検出装置。
  4. 【請求項4】 前記励磁回路は、交互になった正の電圧パルス及び負の電圧
    パルスから構成される励磁シーケンスを発生するように構成されることを特徴と
    する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の位置検出装置。
  5. 【請求項5】 前記励磁回路は、交互になった1対の正の電圧パルス及び1
    対の負の電圧パルスから構成される励磁シーケンスを発生するように構成される
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の位置検出装置。
  6. 【請求項6】 前記励磁回路は、低減された電圧が印加される期間により前
    記電圧パルスが分離される励磁シーケンスを発生するように構成されることを特
    徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の位置検出装置。
  7. 【請求項7】 前記励磁回路は、電圧が印加されない期間により前記電圧パ
    ルスが分離される励磁シーケンスを発生するように構成されることを特徴とする
    請求項6記載の位置検出装置。
  8. 【請求項8】 前記励磁回路は、各電圧パルスの持続時間が各電圧パルス間
    の期間の持続時間未満である励磁シーケンスを発生するように構成されることを
    特徴とする請求項6又は7記載の位置検出装置。
  9. 【請求項9】 前記励磁回路は、第1のパルス、複数の中間パルス及び最終
    パルスを含む電圧パルスのバーストから構成される励磁シーケンスを発生するよ
    うに構成され、前記中間パルスの各々の持続時間はほぼ同じであり、前記開始パ
    ルスの持続時間は前記中間パルスの持続時間より短いことを特徴とする請求項1
    乃至8のいずれか1項に記載の位置検出装置。
  10. 【請求項10】 前記励磁回路は、前記最終パルスの持続時間が前記中間パ
    ルスの持続時間より短くなるように構成されることを特徴とする請求項9記載の
    位置検出装置。
  11. 【請求項11】 前記励磁回路は、第1のパルス、複数の中間パルス及び最
    終パルスを含む電圧パルスのバーストから構成される励磁シーケンスを発生する
    ように構成され、前記中間パルスの各々の持続時間はほぼ同じであり、前記終了
    パルスの持続時間は前記中間パルスの持続時間より短いことを特徴とする請求項
    1乃至8のいずれか1項に記載の位置検出装置。
  12. 【請求項12】 前記励磁回路は、前記励磁シーケンスを定期的に繰り返す
    ように構成されることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の位
    置検出装置。
  13. 【請求項13】 前記励磁回路は、 前記駆動信号を前記励磁巻線に供給するように動作可能な励磁ドライバと、 励磁シーケンスを定義する制御信号を発生し、且つ前記励磁ドライバが前記励
    磁シーケンスを前記駆動信号として供給するよう動作可能にするために前記制御
    信号を前記励磁ドライバに供給するように構成される制御手段と を具備することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の位置検
    出装置。
  14. 【請求項14】 前記制御手段は、プロセッサと、前記プロセッサに前記制
    御信号を発生させるための命令を記憶する記憶手段とを具備することを特徴とす
    る請求項13記載の位置検出装置。
  15. 【請求項15】 前記励磁回路は、前記時間減衰定数を調整する手段を具備
    することを特徴とする請求項13又は14記載の位置検出装置。
  16. 【請求項16】 前記調整手段は、前記電流ループにおける抵抗損失を変動
    させるように構成されることを特徴とする請求項15記載の位置検出装置。
  17. 【請求項17】 前記励磁回路は、励磁シーケンスの最終の励磁パルスの後
    に、前記励磁回路における前記抵抗損失が前記調整手段により増加するように構
    成されることを特徴とする請求項16記載の位置検出装置。
  18. 【請求項18】 前記制御手段は、前記励磁シーケンスの発生において使用
    されるパラメータを定義する設定情報をホスト装置から受信する手段を更に具備
    することを特徴とする請求項13乃至17のいずれか1項に記載の位置検出装置
  19. 【請求項19】 前記励磁回路は、前記励磁シーケンスの前記電圧パルスの
    持続時間を前記受信手段を介して受信した前記情報によって変動させるように構
    成されることを特徴とする請求項18記載の位置検出装置。
  20. 【請求項20】 前記励磁回路は、前記励磁シーケンスの前記電圧パルスの
    パルス反復率を前記受信手段を介して受信した前記情報によって変動させるよう
    に構成されることを特徴とする請求項18記載の位置検出装置。
  21. 【請求項21】 前記励磁回路は、前記励磁シーケンスを定期的に繰り返す
    ように構成され、前記励磁シーケンスが繰り返される率は、前記受信手段を介し
    て受信した前記情報によって決まることを特徴とする請求項18記載の位置検出
    装置。
  22. 【請求項22】 前記制御手段は、前記励磁ドライバに対する電源電圧を示
    す信号を受信する手段を更に具備し、前記制御手段は、前記励磁シーケンスの前
    記電圧パルスの持続時間が前記示された電源電圧によって変動するよう前記制御
    信号を変動させるように動作可能であることを特徴とする請求項13乃至21の
    いずれか1項に記載の位置検出装置。
  23. 【請求項23】 前記第1の部材及び第2の部材が相互の感知範囲内にある
    か否かを感知する手段を更に具備し、 前記制御手段は、前記感知手段が前記第1及び第2の部材が前記感知範囲内に
    あることを感知するときには第1の持続時間を有し、前記感知手段が前記第1及
    び第2の部材が前記感知範囲内にないことを感知するときには第2の持続時間を
    伴う励磁パルスを有する励磁シーケンスを前記励磁ドライバに対して発生させる
    ように動作可能であり、前記第1の持続時間は前記第2の持続時間よりも長いこ
    とを特徴とする請求項13乃至21のいずれか1項に記載の位置検出装置。
  24. 【請求項24】 前記励磁ドライバは、MOSFET技術において実現され
    る複数のスイッチング素子を具備することを特徴とする請求項13乃至23のい
    ずれか1項に記載の位置検出装置。
  25. 【請求項25】 前記励磁ドライバは、少なくとも1つのn−チャネルMO
    SFETスイッチ及び少なくとも1つのp−チャネルMOSFETスイッチを具
    備し、前記n−チャネルMOSFETスイッチは、前記p−チャネルMOSFE
    Tスイッチよりも低いオン抵抗を有することを特徴とする請求項24記載の位置
    検出装置。
  26. 【請求項26】 前記励磁回路は、前記励磁シーケンス中において前記n−
    チャネルMOSFETスイッチがオンにされる時間が、前記p−チャネルMOS
    FETスイッチがオンにされる時間よりも長くなるように構成されることを特徴
    とする請求項24又は25記載の位置検出装置。
  27. 【請求項27】 前記装置は、前記励磁巻線を組み込む前記電流ループの時
    間減衰定数が前記電圧パルスの各々の持続時間の2倍よりも長くなるように構成
    されることを特徴とする請求項1乃至26のいずれか1項に記載の位置検出装置
  28. 【請求項28】 前記装置は、前記励磁巻線を組み込む前記電流ループの時
    間減衰定数が前記電圧パルスの各々の持続時間の5倍よりも長くなるように構成
    されることを特徴とする請求項1乃至27のいずれか1項に記載の位置検出装置
  29. 【請求項29】 励磁巻線及び少なくとも1つのセンサ巻線を備える第1の
    部材と、 駆動信号を前記励磁巻線に印加するための励磁回路と、 前記第1の部材に対して移動可である第2の部材と、ここでこの第2の部材は
    、前記励磁回路により前記励磁巻線に印加される駆動信号に応答して前記センサ
    巻線で出力信号が発生するように前記巻線と相互に作用する手段を備え、前記相
    互作用手段及び巻線が、前記出力信号を前記第1の部材及び第2の部材の相対位
    置の関数として変化させるように構成される; 前記励磁回路は、前記励磁巻線の両端間に電圧パルスのシーケンスを印加する
    ように動作可能であり、前記励磁シーケンスの前記第1の電圧パルスの持続時間
    は、前記励磁シーケンスの後続の電圧パルスの持続時間未満であることを特徴と
    する位置検出装置。
  30. 【請求項30】 励磁巻線を備える第1の部材と、 駆動信号を前記励磁巻線に印加するための励磁回路と、 前記第1の部材に対して移動可である第2の部材と、ここでこの第2の部材は
    、前記励磁巻線に電磁気的に結合されたセンサ巻線を備え、前記電磁気的結合が
    、前記励磁回路から前記励磁巻線に印加される駆動信号に応答して前記センサ巻
    線で前記相対位置の関数として変化する出力信号を発生させるように前記第1の
    部材及び第2の部材の相対位置に伴って変化する; 前記励磁回路は、前記励磁巻線の両端間に電圧パルスのシーケンスを印加する
    ように動作可能であり、前記励磁シーケンスの前記第1の電圧パルスの持続時間
    は、前記励磁シーケンスの後続の電圧パルスの持続時間未満であることを特徴と
    する位置検出装置。
  31. 【請求項31】 励磁巻線及び少なくとも1つのセンサ巻線を備える第1の
    部材と、 駆動信号を前記励磁巻線に印加するための励磁回路と、 前記第1の部材に対して移動可である第2の部材と、ここでこの第2の部材は
    、前記励磁回路により前記励磁巻線に印加される駆動信号に応答して前記センサ
    巻線で出力信号を発生させるように前記巻線と相互に作用する手段を備え、前記
    相互作用手段及び巻線群が、前記出力信号を前記第1の部材及び第2の部材の相
    対位置の関数として変化させるように構成される; 前記励磁回路は、前記励磁巻線の両端間に電圧パルスのシーケンスを印加する
    ように動作可能であり、前記最終の電圧パルスの持続時間は、その前の電圧パル
    スの持続時間未満であることを特徴とする位置検出装置。
  32. 【請求項32】 励磁巻線を備える第1の部材と、 駆動信号を前記励磁巻線に印加するための励磁回路と、 前記第1の部材に対して移動可である第2の部材と、ここでこの第2の部材は
    、前記励磁巻線に電磁気的に結合されたセンサ巻線を備え、前記電磁気的結合が
    、前記励磁回路から前記励磁巻線に印加される駆動信号に応答して前記センサ巻
    線で前記相対位置の関数として変化する出力信号を発生させるように前記第1の
    部材及び第2の部材の相対位置に伴って変化する; 前記励磁回路は、前記励磁巻線の両端間に電圧パルスのシーケンスを印加する
    ように動作可能であり、前記最終の電圧パルスの持続時間は、その前の電圧パル
    スの持続時間未満であることを特徴とする位置検出装置。
  33. 【請求項33】 励磁巻線及び少なくとも1つのセンサ巻線を備える第1の
    部材と、 駆動信号を前記励磁巻線に印加するための励磁回路と、 前記第1の部材に対して移動可である第2の部材と、ここでこの第2の部材は
    、前記励磁回路により前記励磁巻線に印加される駆動信号に応答して前記センサ
    巻線で出力信号を発生させるように前記巻線と相互に作用する手段を備え、前記
    相互作用手段及び巻線群が、前記出力信号を前記第1の部材及び第2の部材の相
    対位置の関数として変化させるように構成される; 前記励磁回路は、前記励磁巻線の両端間に電圧パルスのシーケンスを印加する
    ように構成され、且つ励磁パルス間において前記励磁巻線を組み込む電流ループ
    が形成されるように構成され、前記位置検出装置は、前記電流ループの減衰時間
    定数を調整する手段を更に具備することを特徴とする位置検出装置。
  34. 【請求項34】 励磁巻線を備える第1の部材と、 駆動信号を前記励磁巻線に印加するための励磁回路と、 前記第1の部材に対して移動可である第2の部材と、ここでこの第2の部材は
    、前記励磁巻線に電磁気的に結合されたセンサ巻線を備え、前記電磁気的結合が
    、前記励磁回路から前記励磁巻線に印加される駆動信号に応答して前記センサ巻
    線で前記相対位置の関数として変化する出力信号を発生させるように前記第1の
    部材及び第2の部材の相対位置に伴って変化する; 前記励磁回路は、前記励磁巻線の両端間に電圧パルスのシーケンスを印加する
    ように構成され、且つ励磁パルス間において前記励磁巻線を組み込む電流ループ
    が形成されるように構成され、前記位置検出装置は、前記電流ループの減衰時間
    定数を調整する手段を更に具備することを特徴とする位置検出装置。
  35. 【請求項35】 請求項1乃至34のいずれか1項に記載の位置検出装置を
    具備する携帯データ入出力装置。
  36. 【請求項36】 前記装置は携帯情報端末であることを特徴とする請求項3
    5記載の装置。
  37. 【請求項37】 前記装置は携帯電話であることを特徴とする請求項35記
    載の装置。
  38. 【請求項38】 前記装置はバッテリーを電源とすることを特徴とする請求
    項35乃至37のいずれか1項に記載の装置。
  39. 【請求項39】 位置センサの所定の励磁巻線を通電するための駆動回路で
    あって、前記巻線の両端間に電圧パルスのシーケンスを印加するように動作可能
    であり、前記パルスの持続時間は、前記駆動回路及び前記励磁巻線により形成さ
    れる電流ループの減衰時間定数未満であることを特徴とする駆動回路。
  40. 【請求項40】 起電力の複数のパルスを発生し、位置センサの所定の励磁
    巻線にこれを印加するための駆動回路であって、前記複数のパルス中に第1の振
    幅を有する起電力を印加するように動作可能であり、前記複数のパルス間の期間
    において前記第1の振幅よりも小さい第2の振幅を有する起電力を印加するよう
    に動作可能であって、持続時間が前記複数のパルス間の期間の持続時間未満にな
    るように前記複数のパルスを発生するよう動作可能であることを特徴とする駆動
    回路。
  41. 【請求項41】 電圧パルスを発生し、これを位置センサの励磁巻線に印加
    するための駆動回路であって、第1の電圧と、第2のより低い電圧と、前記第1
    の電圧及び第2の電圧に対して中間である第3の電圧とを有するパルスを印加す
    るように動作可能である駆動回路。
JP2001532479A 1999-10-20 2000-10-19 位置センサ Withdrawn JP2003512682A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GB9924846.0 1999-10-20
GBGB9924846.0A GB9924846D0 (en) 1999-10-20 1999-10-20 Drive circuit
GB0013882A GB2355531B (en) 1999-10-20 2000-06-07 Position sensor
GB0013882.6 2000-06-07
PCT/GB2000/004030 WO2001029759A2 (en) 1999-10-20 2000-10-19 Position sensor

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003512682A true JP2003512682A (ja) 2003-04-02

Family

ID=26244442

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001532479A Withdrawn JP2003512682A (ja) 1999-10-20 2000-10-19 位置センサ

Country Status (6)

Country Link
EP (1) EP1236163B1 (ja)
JP (1) JP2003512682A (ja)
AU (1) AU776407B2 (ja)
CA (1) CA2388201A1 (ja)
MX (1) MXPA02003854A (ja)
WO (1) WO2001029759A2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008515036A (ja) * 2004-09-24 2008-05-08 株式会社ワコム ポジションセンサを備える電子デバイス
KR20140143052A (ko) * 2013-06-05 2014-12-15 삼성전자주식회사 멀티 레벨 드라이버를 구비한 입력 장치 및 이를 포함하는 사용자 기기

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001042865A1 (en) 1999-12-10 2001-06-14 Gentech Investment Group Ag. Man-machine interface having relative position sensor
GB0126014D0 (en) 2001-10-30 2001-12-19 Sensopad Technologies Ltd Modulated field position sensor
US7196604B2 (en) 2001-05-30 2007-03-27 Tt Electronics Technology Limited Sensing apparatus and method
GB2394293A (en) 2002-10-16 2004-04-21 Gentech Invest Group Ag Inductive sensing apparatus and method
WO2004036147A2 (en) 2002-10-16 2004-04-29 Tt Electronics Technology Limited Position sensing apparatus and method
GB0303627D0 (en) 2003-02-17 2003-03-19 Sensopad Technologies Ltd Sensing method and apparatus
US7755616B2 (en) 2003-03-28 2010-07-13 Lg Display Co., Ltd. Liquid crystal display device having electromagnetic type touch panel

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2140562B (en) * 1983-04-22 1986-10-08 Robert John Collins Current-ratio digitisers
US5066833A (en) * 1990-11-13 1991-11-19 Summagraphics Corporation Low power sensing apparatus for digitizer tablets
US5557076A (en) * 1993-11-12 1996-09-17 Mikron Gesellschaft Fur Cordless position detection apparatus

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008515036A (ja) * 2004-09-24 2008-05-08 株式会社ワコム ポジションセンサを備える電子デバイス
US7903085B2 (en) 2004-09-24 2011-03-08 Wacom Corporation Limited Electronic device having a position sensor
KR20140143052A (ko) * 2013-06-05 2014-12-15 삼성전자주식회사 멀티 레벨 드라이버를 구비한 입력 장치 및 이를 포함하는 사용자 기기
KR102101334B1 (ko) * 2013-06-05 2020-04-16 삼성전자주식회사 멀티 레벨 드라이버를 구비한 입력 장치 및 이를 포함하는 사용자 기기

Also Published As

Publication number Publication date
CA2388201A1 (en) 2001-04-26
AU7934400A (en) 2001-04-30
WO2001029759A3 (en) 2002-07-11
WO2001029759A2 (en) 2001-04-26
EP1236163B1 (en) 2008-11-05
AU776407B2 (en) 2004-09-09
MXPA02003854A (es) 2002-12-13
EP1236163A2 (en) 2002-09-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7019672B2 (en) Position sensor
JP4000056B2 (ja) 磁気抵抗電極式寸法測定装置
EP1412912B1 (en) Position sensor
JP2002531902A (ja) 位置センサ
US7812268B2 (en) Digitizer system
US20050171714A1 (en) Position sensor
US20050174259A1 (en) Signal transfer method and apparatus
TW200917098A (en) Position detecting device and position detecting method
JP2003512682A (ja) 位置センサ
CN103049161B (zh) 通过电磁感应测量触摸对象的位置的感测装置及控制方法
JPH10222283A (ja) 座標読取装置およびその座標指示器
JP2003076483A (ja) 位置検出装置及びその位置指示器
JP2766101B2 (ja) 表示付タブレット装置
KR20200045286A (ko) 터치 장치 및 이의 터치 검출 방법
GB2355531A (en) Drive circuit for a position sensor
JP2855112B2 (ja) 位置検出装置
WO1992008206A1 (en) Electromagnetic position transducer having active transmitting stylus
US20050040818A1 (en) Magnetic field sensor
TW502218B (en) Position sensor
JP3485631B2 (ja) 位置検出装置
KR20210124648A (ko) 터치 장치 및 이의 터치 검출 방법
JPH07111673B2 (ja) 位置検出装置
JP2641205B2 (ja) 表示装置
JPH07111672B2 (ja) 位置検出装置
JPH03241415A (ja) 座標入力装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20080108