JP2003512171A - 多成分イオン交換樹脂 - Google Patents

多成分イオン交換樹脂

Info

Publication number
JP2003512171A
JP2003512171A JP2001532901A JP2001532901A JP2003512171A JP 2003512171 A JP2003512171 A JP 2003512171A JP 2001532901 A JP2001532901 A JP 2001532901A JP 2001532901 A JP2001532901 A JP 2001532901A JP 2003512171 A JP2003512171 A JP 2003512171A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
resin
acid
ion exchange
granules
acidic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001532901A
Other languages
English (en)
Inventor
ミッチェル,ミカエル,エイ.
ベイホファー,トーマス,ダブリュ.
スピンドラー,ラルフ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
BASF SE
Original Assignee
BASF SE
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by BASF SE filed Critical BASF SE
Publication of JP2003512171A publication Critical patent/JP2003512171A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J43/00Amphoteric ion-exchange, i.e. using ion-exchangers having cationic and anionic groups; Use of material as amphoteric ion-exchangers; Treatment of material for improving their amphoteric ion-exchange properties
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J39/00Cation exchange; Use of material as cation exchangers; Treatment of material for improving the cation exchange properties
    • B01J39/04Processes using organic exchangers
    • B01J39/05Processes using organic exchangers in the strongly acidic form
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J39/00Cation exchange; Use of material as cation exchangers; Treatment of material for improving the cation exchange properties
    • B01J39/04Processes using organic exchangers
    • B01J39/07Processes using organic exchangers in the weakly acidic form
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J47/00Ion-exchange processes in general; Apparatus therefor
    • B01J47/018Granulation; Incorporation of ion-exchangers in a matrix; Mixing with inert materials

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Treatment Of Water By Ion Exchange (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
  • Epoxy Resins (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 少なくとも1種の酸性樹脂および少なくとも1種の塩基性樹脂を含有する多成分イオン交換樹脂顆粒。それぞれの顆粒は、塩基性樹脂の少なくとも1つのミクロ領域と接触または近接した酸性樹脂の少なくとも1つのミクロ領域を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】関連出願の相互参照 本特許出願は、1999年10月27日に出願した仮特許出願第60/161,856号の利益を
主張する。
【0002】発明の分野 本発明は、一般的に、少なくとも1種の架橋した酸性樹脂および少なくとも1種
の架橋した塩基性樹脂を含んでなる顆粒を含有する多成分イオン交換樹脂に関す
る。各高吸水性イオン交換顆粒は、塩基性樹脂の少なくとも1つのミクロ領域と
接触または近接した酸性樹脂の少なくとも1つのミクロ領域を有する。本発明の
イオン交換樹脂は、例えば、水の精製、精糖、遷移金属の回収、発酵ブロスおよ
び農業副産物からのタンパク質の回収に、ならびに製薬上の分離技術に利用する
ことができる。
【0003】発明の背景 イオン交換は、一般的に、選択されたイオンが固体と液体の間で交換されるこ
とを特徴とする、固体と液体との間の可逆的な化学的相互作用として定義される
。イオン交換プロセスの例として、液体中に存在する金属イオンもしくは陰イオ
ンとの交換に利用し得る電荷移動性陽イオンまたは陰イオン(例えば水素もしく
は水酸化物イオン)を有する多孔質樹脂ビーズ床に液体を通すことを特徴とする
、交換プロセスが挙げられる。液体が前記の床を通過するときに、イオン交換樹
脂は容易に水素イオンを液中に存在する金属イオンと、または水酸化物イオンを
液中に存在する他の陰イオンと交換する。
【0004】 時間が経つと、金属イオンまたは他の陰イオンとの交換に利用しうる水素また
は水酸化物イオンの数が減少する。最終的に樹脂は枯渇し、それ以上のイオン交
換ができなくなる(すなわち、全ての利用し得る交換部位が占有される)。しか
し、樹脂は再生が可能である。再生は再生溶液を用いて実施し、陽イオン交換樹
脂の場合には、再生溶液には酸、すなわち大過剰の水素イオンが含まれており、
イオン交換ビーズに該再生溶液を通過させて、回収したイオンを樹脂から追い出
し、それによってイオン交換樹脂を元の型に戻す。
【0005】 陽イオン交換プロセスの特定の例は、水道水の精製/軟化である。このプロセ
スにおいて、弱酸イオン交換樹脂は、ナトリウム型のカルボキシル基を、陽イオ
ン交換部位として使用する。ナトリウムイオンは電荷移動性陽イオンである。水
道水中に存在するカルシウムおよびマグネシウムのようなアルカリ土類金属は、
水がイオン交換樹脂ビーズの床を通過するときに、樹脂のナトリウム陽イオンと
交換される。弱酸陽イオン交換樹脂を介するナトリウムイオンとの交換によるカ
ルシウムおよびマグネシウムイオンの水からの除去は、水精製/軟化への応用に
限定されるものでなく、粘土懸濁液、糖シロップ、および血液などの液体の軟化
にも応用され、それによって液体のその後の処理を容易に実施できるようになる
。イオン交換樹脂の交換能力が枯渇すると、弱酸を用いて樹脂の酸型を再生し、
次いで樹脂の酸型を希水酸化ナトリウムを用いてナトリウム型に変換することが
できる。
【0006】 同様に、陰イオン基を含有する陰イオン交換樹脂は、溶液から硝酸イオンおよ
び硫酸イオンを除去する。陰イオン交換樹脂も、例えば、水酸化ナトリウム溶液
を用いて再生することができる。
【0007】 イオン交換プロセスは可逆性であるので、樹脂の取替えが必要になるまで、長
期間にわたり繰り返し使用が可能である。イオン交換樹脂の使用可能な寿命には
複数の因子が関係し、限定されるものでないが、イオン交換および再生プロセス
中に受ける膨潤と収縮の量、および樹脂床を通過する液体中に存在する酸化剤の
量が挙げられる。
【0008】 陽イオン交換樹脂は、典型的には、高度に架橋したポリマーであって、カルボ
キシル基、フェノール基、ホスホン基および/またはスルホン基、ならびにほぼ
当量の交換可能な移動性陽イオンを含有する。同様に陰イオン交換樹脂は、高度
に架橋したポリマーであって、アミノ基およびほぼ当量の交換可能な移動性陰イ
オンを含有する。適当な交換樹脂は、好ましくは、(a) 樹脂を不溶化しかつ低膨
潤性とするのに十分な架橋度を有し;(b) その構造全体にイオンを拡散させるの
に十分な親水性を持ち;(c)十分な量のアクセスしうる移動性陽イオンまたは陰
イオン交換基を含有し;(d)通常の使用において化学的に安定でありかつ劣化に
耐え;そして(e)膨潤したときに水より密度が高い。
【0009】 Hatchの米国特許第3,957,698号は弱酸イオン交換樹脂の製造を開示し、この方
法では、メタクリル酸またはアクリル酸を、低分子量炭化水素希釈剤中で、最初
のモノマー重量に基いて0.5〜10重量%のジビニルベンゼンと懸濁共重合させる
ことにより、適当な架橋度を達成している。この方法によって高純度のイオン交
換樹脂を調製するには、樹脂を高温に加熱するかまたは徹底的に溶媒を用いて洗
浄し、希釈剤を除去する。樹脂粒子は2〜5ミクロンの範囲の粒度であった。
【0010】 Meitznerらの米国特許第4,224,415号が開示するイオン交換樹脂粒子の製造法
は、アクリル酸メチルおよびメタクリル酸メチルのような水不溶性モノマーをジ
ビニルベンゼンなどの架橋剤を用いて懸濁共重合することによるものである。さ
らに、沈殿剤をモノマー相に加えて、得られる粒子に網状の物性を与える。この
プロセスは、所望の材料を調製するために、8〜25重量%の範囲のジビニルベン
ゼン含量が必要である。交換性官能基をもつ材料を調製するには、粒子を強い塩
基を用いて加水分解しなければならない。
【0011】 このように、従来の弱酸陽イオン交換樹脂は、典型的には複数工程のプロセス
を用いて製造される。第1工程は、ジビニルベンゼンの存在のもとでのアクリル
酸メチルモノマーの回分式水性懸濁重合であり、架橋したアクリル酸メチルのビ
ーズを得る。次いで、ポリ(アクリル酸メチル)ビーズを水酸化ナトリウムと反
応させてポリ(アクリル酸メチル)のエステル基を加水分解し、それによってカ
ルボン酸(すなわち弱酸)官能基をビーズに導入する。以上のプロセスでは、懸
濁重合の水相にアクリル酸が溶解性であるが故に、アクリル酸はアクリル酸メチ
ルモノマーと全て置き換わるわけではない。従って、従来の製造プロセスは、好
ましくは、比較的高価なモノマーであるアクリル酸メチルをイオン交換樹脂の合
成に使用する。しかし、アクリル酸は、ジビニルベンゼン架橋剤を利用すると回
分式プロセスにおいてアクリル酸メチルモノマーと共重合が可能である。
【0012】 電解質含有溶液からイオンを本質的に全て除去するには、しばしば、2つのイ
オン交換樹脂が使用される。このプロセスでは、脱イオン化は電解質含有溶液を
2つの異なる型のイオン交換樹脂、すなわち陰イオン交換樹脂および陽イオン交
換樹脂と接触させることにより実施される。最も普通の脱イオン化方法は、酸樹
脂(すなわち陽イオン交換)および塩基樹脂(すなわち陰イオン交換)を使用す
る。水の脱塩に関する脱イオン化の二段反応は、次の通り説明される: NaCl + R-SO3H → R-SO3Na + HCl HCl + R-N(CH3)30H → R-N(CH3)3Cl + H20。
【0013】 酸樹脂(R-SO3H)はナトリウムイオンを除去し;塩基樹脂(R-N(CH3)30H)は塩
素イオンを除去する。従って、このイオン交換反応は塩化ナトリウムが樹脂に吸
着すると水を生成する。イオン交換に使われる樹脂はそれほど多量の水を吸収し
ない。
【0014】 強酸と強塩基樹脂を使用するときに、最も効率的なイオン交換が起こる。しか
し、弱酸と弱塩基樹脂を塩類溶液の脱イオン化に使用することもできる。酸と塩
基交換樹脂の様々な組合せの効率は次の通りである: 強酸-強塩基(最も効率的) 弱酸-強塩基 強酸-弱塩基 弱酸-強塩基(最も低効率)。
【0015】 弱酸/弱塩基樹脂の組み合わせは、脱イオン化を達成するために「混合床」構
成を用いる必要がある。強酸/強塩基樹脂の組合せは、水の脱イオン化に「混合
床」構成を必ずしも使用する必要がない。脱イオン化はまた、電解質含有溶液を
直列に強酸樹脂と強塩基樹脂を通過させることによって達成することもできる。
【0016】 従来の技術の「混合床」構成は、Battaerdの米国特許第3,716,481号に開示さ
れるように、単に、イオン交換カラム中の酸イオン交換樹脂と塩基イオン交換樹
脂との物理的混合である。1つのイオン交換樹脂が第2のイオン交換樹脂中に埋め
込まれている、イオン交換樹脂に関する他の特許には、Hatchの米国特許第3,957
,698号、Wadeらの米国特許第4,139,499号、Eppingerらの米国特許第4,229,545号
、およびPilkingtonの米国特許第4,378,439号がある。複合イオン交換樹脂も、H
atchの米国特許第3,041,092号および米国特許第3,332,890号、ならびにWeissの
米国特許第3,645,922号に開示されている。
【0017】 以上の特許は、水性液からイオンを除去するために使用しそれにより純水を得
ることができる樹脂に関する。水を精製するために用いるイオン交換樹脂は、大
量の水を吸収してはならない。なぜなら、吸水がもたらす樹脂膨潤がイオン交換
充填カラムの破壊を引き起こしうるからである。
【0018】 酸および塩基イオン交換粒子を含有する複合粒子が一緒にマトリックス樹脂中
に埋め込まれたイオン交換樹脂、またはお互いに隣接した酸および塩基イオン交
換粒子がマトリックス樹脂のない粒子中にあるイオン交換樹脂は、B. A. Bolto
ら, J. Polymer Sci.: Symposium No. 55, John Wiley and Sons, Inc. (1976),
pp87-94、が開示している。
【0019】 以上を考慮すると、例えば、アクリル酸などのより安価なモノマーから製造さ
れる多成分イオン交換樹脂が望ましい。さらに、簡単で連続的なプロセスで製造
することができ、かつ従来のイオン交換樹脂の優れたイオン交換特性および物理
的特性を示すかまたはこれらの特性を向上させる、多成分イオン交換樹脂が望ま
しい。さらに、イオン交換樹脂の製造に使用する有機溶媒の量を最小限にするこ
とも望ましい。
【0020】発明の概要 本発明は、少なくとも1種の架橋したポリアクリル酸などの酸性樹脂と、少な
くとも1種の架橋したポリ(ビニルアミン)、ポリエチレンイミン、またはポリ
(ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド)もしくはポリ(ジアルキルアミノ
アルキルメタクリルアミド)(以後ひとまとめにしてポリ(ジアルキルアミノア
ルキル(メタ)アクリルアミド)と呼ぶ)などの塩基性樹脂を含む多成分イオン
交換樹脂、ならびに前記多成分イオン交換樹脂を製造する方法に関する。さらに
特定すれば、本発明は、少なくとも1種の塩基性樹脂の少なくとも1つのミクロ
領域と接触または近接した、少なくとも1種の酸性樹脂の少なくとも1つの不連続
なミクロ領域を含む多成分イオン交換樹脂顆粒に関する。多成分イオン交換顆粒
は、粒子全体に分散された酸性樹脂および/または塩基性樹脂の複数のミクロ領
域を含んでいてもよい。酸性樹脂は強または弱酸性樹脂であってもよい。同様に
塩基性樹脂は強または弱塩基性樹脂であってもよい。
【0021】 好ましいイオン交換顆粒は、少なくとも1種の弱酸性樹脂の1以上のミクロ領域
および少なくとも1種の弱塩基性樹脂の1以上のミクロ領域を有する。イオン交換
用途において、弱酸と弱塩基の組合せは、強または弱酸イオン交換樹脂および強
または弱塩基性イオン交換樹脂のいずれの組合せのなかでも最も効果が低いので
、そのような好ましい多成分イオン交換顆粒により示された特性は、予測できる
ものではなかった。本発明のイオン交換顆粒は、酸性と塩基性樹脂の不連続なミ
クロ領域を含み、そして水和時に顆粒は非膨潤性である。
【0022】 従って、本発明の一態様は、好ましくはバルク(bulk)および潜伏性(latent
)架橋剤を用いて内部架橋され、場合によっては表面架橋された、乾燥顆粒生成
物を含む多成分イオン交換樹脂を提供することである。
【0023】 バルク架橋剤は、酸性樹脂ポリマー鎖または塩基性樹脂ポリマー鎖の間に内部
架橋を提供し、少なくとも2つの重合可能な炭素-炭素二重結合を有する。潜伏性
架橋剤はまた、ポリマーのペンダント(pendant)酸もしくはアミノ基を介して
内部架橋を提供し、(a)少なくとも1つの重合可能な二重結合および酸もしくはア
ミノ基と反応性のある少なくとも1つの官能基を有する化合物、(b)酸もしくは塩
基と反応性のある少なくとも2つの官能基を有する化合物、(c)酸基とイオン性
架橋を形成しうる多価金属化合物、および(d)それらの混合物を含む。表面架
橋剤は、典型的には、ジグリシジルエーテル、ポリヒドロキシ化合物、ヒドロキ
シアルキルアミド、炭酸アルキレン、またはそれらの混合物である。
【0024】 本発明の他の態様は、多成分イオン交換樹脂を製造する方法、好ましくは、連
続的方法を提供することである。本発明の多成分イオン交換顆粒は、塩基性樹脂
のミクロ領域に接触または近接して酸性樹脂のミクロ領域を配置し、不連続な(d
iscrete)粒子を得るいずれの方法により製造してもよい。一実施形態においては
、多成分イオン交換顆粒は、酸性ヒドロゲルと塩基性ヒドロゲルを同時押出加工
して製造し、粒子全体に分散された複数の不連続な酸性樹脂と塩基性樹脂のミク
ロ領域を有する顆粒を得る。そのようなイオン交換顆粒は、水道水中、無負荷下
吸収(すなわち、AUNL(absorbance under no load)がその重量の約25倍未満、好
ましくは約15倍未満であり、イオン交換樹脂として機能するのに十分な程度に膨
潤に対する耐性がある。
【0025】 他の実施形態においては、本発明の多成分イオン交換顆粒は、塩基性樹脂の乾
燥粒子を酸性樹脂のヒドロゲルと混合し、次いで得られた混合物を押出加工し、
酸性樹脂の連続相全体に分散された塩基性樹脂のミクロ領域を有する多成分イオ
ン交換顆粒を形成することによって、製造することができる。あるいは、乾燥酸
性樹脂粒子を塩基性樹脂ヒドロゲルと混合し、次いで得られた混合物を押出加工
して、塩基性樹脂の連続相全体に分散された酸性樹脂のミクロ領域を有する多成
分イオン交換顆粒を形成することができる。
【0026】 さらに、酸性樹脂の乾燥粒子と塩基性樹脂の乾燥粒子をマトリックスヒドロゲ
ルのヒドロゲルに加えて次いで押出加工することにより、マトリックス樹脂の連
続相中に分散された酸性樹脂および塩基性樹脂のミクロ領域を含む多成分イオン
交換顆粒を製造することができる。本発明の多成分イオン交換顆粒の他の形態、
例えば凝塊粒子、相互貫入ポリマーネットワーク形態、層状形態、および同心球
形態も、良好なイオン交換物性を示す。
【0027】 本発明のさらに他の重要な態様によれば、酸性および塩基性樹脂は適当なバル
ク架橋剤および潜伏性架橋剤などを用いて内部架橋される。好ましい実施形態に
おいては、酸性樹脂、塩基性樹脂、および/または全体の多成分イオン交換顆粒
を表面処理されるかまたは焼なまし(anneal)してさらにイオン交換特性を改良
する。
【0028】 さらに本発明の他の態様は、酸性樹脂または塩基性樹脂を製造する方法であっ
て、1以上のモノ不飽和の酸もしくは塩基モノマーまたはそれらの塩および場合
によってはビニルモノマーを、モノマーの全モル数に基づいて約0.01〜約3モル%
のポリビニルバルク架橋剤の存在下で重合してバルク架橋ポリマーヒドロゲルを
得て、次いでバルク架橋ヒドロゲルをさらに架橋するためにモノマーの全モル数
に基づいて約0〜約6モル%の潜伏性架橋剤を加え、次いでヒドロゲル-潜伏性架橋
剤混合物を十分な温度で十分な時間加熱して、ヒドロゲルを乾燥しかつ硬化(cur
e)してポリマー鎖に存在するペンダント酸基を介して架橋を形成することを特徴
とする前記方法を提供する。
【0029】 多成分イオン交換顆粒は、顆粒の重量に基づいて0〜約2重量%の表面架橋剤を
用いて表面架橋してもよい。表面架橋の工程は、イオン交換顆粒の表面を表面架
橋剤を含有する溶液を用いてコーティングし、次いでコーティングした顆粒を、
顆粒を乾燥するのに十分な温度でかつ十分な時間加熱して表面架橋を得ることに
より達成できる。イオン交換樹脂にとって必要な架橋度を得るには、しばしば表
面架橋剤が必要である。
【0030】 本発明の多成分イオン交換樹脂は、好ましくは、球ではなく不規則な顆粒形状
である。顆粒形状のイオン交換樹脂は球より大きい表面積を与え、それによって
より効率的なイオン交換を行う。複数の実施形態では、本発明のイオン交換樹脂
顆粒は、一般的に、比較的「軟質の」内部を有し、すなわち内部架橋(すなわち
バルク架橋+潜伏性架橋)度が顆粒膨潤を受けにくくしかつ粒子を通しての液浸
出を可能にするのに十分な程度である。顆粒はしかし、典型には、比較的「硬質
の」表面を有し、すなわち表面架橋度が高く、すなわち少なくとも1000ppm、好
ましくは約1000〜約20,000ppmで、顆粒の構造保全性を与えかつさらに使用時の
顆粒の膨潤を阻止する。
【0031】 弱酸樹脂の例は、0%〜25%中和化カルボン酸基(すなわち、DN=0〜DN=25)を有
するポリアクリル酸である。弱塩基性樹脂の例は、ポリ(ビニルアミン)、ポリ
エチレンイミン、および一般構造式(I)
【化6】 で表されるモノマーもしくは一般構造式(II)
【化7】 で表される(I)のエステル類似体[式中、R1およびR2は独立して水素およびメ
チルからなる群から選択され、Yは1〜8個の炭素原子を有する二価の直鎖または
分枝有機基であり、そしてR3およびR4は独立して1〜4個の炭素原子を有するアル
キル基である]のいずれかから調製されるポリ(ジアルキルアミノアルキル(メ
タ)アクリルアミド)である。強塩基性水吸収樹脂の例は、ポリ(ビニルグアニ
ジン)およびポリ(アリルグアニジン)である。
【0032】 本発明のさらなる態様と利点は、以下の本発明の好ましい実施形態の詳細な説
明、ならびに実施例および添付した請求の範囲から明白になるであろう。
【0033】好ましい実施形態の詳細な説明 本発明は、塩基性樹脂の少なくとも1つのミクロ領域と近接した、好ましくは
接触した酸性樹脂の少なくとも1つのミクロ領域を含む多成分イオン交換顆粒に
関する。各顆粒は酸性樹脂の1以上のミクロ領域および塩基性樹脂の1以上のミク
ロ領域を含む。ミクロ領域はそれぞれの粒子全体に不均一にまたは均一に分布し
てもよい。
【0034】 本発明のそれぞれの多成分イオン交換顆粒は、少なくとも1種の酸性樹脂と少
なくとも1種の塩基性樹脂を含有する。一実施形態においては、イオン交換顆粒
は酸性樹脂と塩基性樹脂からなることが必須であり、酸性および/または塩基性
樹脂のミクロ領域を含む。他の実施形態においては、酸性樹脂と塩基性樹脂のミ
クロ領域は吸収性マトリックス樹脂中に分散している。
【0035】 本発明の多成分イオン交換顆粒は、特定の構造または形状に限定されない。し
かし、それぞれのイオン交換顆粒は、お互いに近接した酸性樹脂の少なくとも1
つのミクロ領域と塩基性樹脂の少なくとも1つのミクロ領域を実質的に含むこと
が重要である。酸性樹脂ミクロ領域と塩基性樹脂ミクロ領域が顆粒内で近接して
いる限り、イオン交換特性の改良が観察される。好ましい実施形態においては、
酸性樹脂のミクロ領域と塩基性樹脂のミクロ領域は接触している。
【0036】 複数の実施形態においては、理想化した本発明の多成分イオン交換顆粒は、第
1の液の小滴すなわち分散相が第2の液すなわち連続相中に分散している乳化液に
類似している。第1と第2の液は非相溶性であり、従って、第1の液は第2の液中に
均一に分散している。第1の液は水または油系であって、逆に、第2の液はそれぞ
れ油または水系であってもよい。
【0037】 従って、一実施形態においては、本発明の多成分イオン交換顆粒は、塩基性樹
脂の連続相中に分散した酸性樹脂の1以上のミクロ領域、または連続的な酸性樹
脂中に分散した塩基性樹脂の1以上のミクロ領域と考えられる。これらの理想化
した多成分イオン交換顆粒を図1に図解した。この図は多成分イオン交換顆粒10
は第2の樹脂の連続相12中に分散した樹脂の不連続ミクロ領域14を有することを
示す。ミクロ領域14が酸性樹脂を含む場合、連続相12は塩基性樹脂を含む。逆に
、ミクロ領域14が塩基性樹脂を含む場合、連続相12は酸性樹脂である。
【0038】 他の実施形態においては、多成分イオン交換顆粒は、連続相がなくて酸性樹脂
のミクロ領域および塩基性樹脂のミクロ領域がそれぞれの粒子全体に分散してい
ると考えられる。この実施形態を図2に図解しているが、理想化した多成分イオ
ン交換顆粒20は、粒子20全体に分散した複数の酸性樹脂のミクロ領域22および複
数の塩基性樹脂のミクロ領域24を有することを示す。
【0039】 さらに他の実施形態においては、酸性および塩基性樹脂のミクロ領域はマトリ
ックス樹脂を含む連続相全体に分散している。この実施形態も、図1に図解され
ているが、ここで多成分イオン交換顆粒10は、マトリックス樹脂の連続相12中に
分散した1以上のミクロ領域14(それぞれが酸性樹脂または塩基性樹脂である)
を含む。
【0040】 それぞれの粒子内のミクロ領域は規則的なまたは不規則な形状であってもよく
、かつミクロ領域はそれぞれの粒子全体に均一にまたは不均一に分散してもよい
ことは理解されなければならない。従って、多成分イオン交換顆粒の他の実施形
態を図3Aに図解しているが、塩基性樹脂のシェル34に囲まれた酸性樹脂のコア32
を有する理想化多成分粒子30を示す。反対に、コア32が塩基性樹脂を含み、シェ
ル34が酸性樹脂を含んでいてもよい。
【0041】 図3Bは、酸性樹脂と塩基性樹脂のシェルが交互するコアおよび同心シェルを有
する類似の実施形態を図解する。一実施形態においては、コア42とシェル46は酸
性樹脂を含み、シェル44は塩基性樹脂を含む。他の実施形態はコア42とシェル46
は塩基性樹脂を含み、シェル44は酸性樹脂を含み、または、コア42はマトリック
ス樹脂を含み、シェル44およびシェル46は交互のシェルに酸性樹脂および塩基性
樹脂を含む。コアを囲むシェル数の増加などの他の構成は、当業者には明白であ
る。
【0042】 図4Aおよび4Bは本発明の多成分イオン交換顆粒の実施形態を図解しているが、
ここでは酸性樹脂の1つのミクロ領域(すなわち、52または62)が塩基性樹脂の1
つのミクロ領域(すなわち、54または64)と接触して多成分イオン交換顆粒(す
なわち、50または60)を提供する。これらの実施形態においては、ミクロ領域は
不均一に粒子全体に分散している。図4に図解した実施形態は、酸性樹脂および
塩基性樹脂それぞれのミクロ領域を1つ以上有する図4Cおよび4Dに図解したよう
な多成分イオン交換顆粒にまで拡大する。図中、多成分イオン交換顆粒70および
80は酸性樹脂(すなわち72または82)と塩基性樹脂(すなわち74または84)とが
交互になった層を含有する。粒子70および80はまた、マトリックス樹脂を含む1
以上の層、72、74、82、または84を含有してもよい。
【0043】 他の実施形態においては、多成分イオン交換顆粒は、図5に図解した相互貫入
ポリマーネットワーク(IPN)を含む。IPNは、それぞれがネットワーク形状であ
る2つのポリマーを含む物質である。IPNにおいては、2つのポリマーを、お互い
の存在のもとで合成および/または架橋し、重合は逐次的または同時であってよ
い。逐次的IPNの製造は最初に、第1の架橋ポリマーを合成する。次に、第2のポ
リマーを含むモノマー、架橋剤および重合開始剤を第1のポリマー中に膨潤させ
てin situで重合および架橋させる。例えば、架橋ポリ(アクリル酸)ネットワ
ークにポリ(ビニルアミン)および架橋剤を含有する溶液を浸潤させてもよい。
【0044】 同時的IPNを製造するには、それぞれのポリマーのモノマーおよびそれらのそ
れぞれの架橋剤を含有する溶液を使い、次いでそれらを段階的または連鎖重合な
どの妨害しない方式によって同時に重合する。IPNを合成する第3の方法は、2つ
の直鎖ポリマー格子を用いる方法であって、格子を混合し凝固させ、2成分を同
時に架橋する。当業者は、それぞれ特定のトポロジーを生じるIPNを調製し得る
他の方法も心得ている。
【0045】 ほとんどのIPNにおいては、ポリマー相は分離して第1のポリマーが目立つ領域
と第2のポリマーが目立つ領域とを形成する。残りのIPNにおいては、第1と第2の
ポリマーはお互いに「溶解して」いる。両方のIPNの形態は共にミクロ領域を有
し、本発明の多成分SAPである。
【0046】 図5Aおよび5BはIPNシステムを図解する。図5Aは、第1と第2のポリマーを逐次
的に合成して作ったIPNを図解する。図5Bは、第1と第2のポリマーを同時に重合
して作ったIPNを図解する。図5Aおよび5Bにおいて、実線は第1のポリマー(例え
ば、酸性ポリマー)をそして点線は第2のポリマー(例えば、塩基性ポリマー)
を表す。黒丸は架橋部位を表す。
【0047】 他の実施形態においては、多成分イオン交換顆粒は、酸性樹脂の微粒子と塩基
性樹脂の微粒子から調製される凝塊粒子である。典型的には、樹脂微粒子の直径
は、約200ミクロン(μ)以下、例えば約0.01〜180μである。凝塊多成分イオン交
換顆粒は、構造が図2に描いた粒子と類似している。凝塊イオン交換顆粒につい
ては、粒子が単一粒子の特性を保持するのに十分耐える乾凝塊性(すなわち乾燥
状態)と湿凝塊性(すなわちヒドロゲル状態)を有すること、すなわち、粒子が
その組成微粒子である酸性樹脂と塩基性樹脂に崩壊しないことが重要である。
【0048】 特に、凝塊粒子は破砕に十分耐える乾凝塊である。典型的な乾凝塊粒子は弾性
を有して脆くない。凝塊粒子はまた、十分な湿強度を有し、「湿凝塊性」と呼ば
れる物性を示す。湿凝塊性は、凝塊多成分イオン交換顆粒が水和時に単一粒子の
物性を保持する、すなわち水和時に崩壊しない能力として定義される。湿凝塊性
は、50個の凝塊イオン交換顆粒を時計皿上に置き、粒子をその重量の20倍の1%(
重量で)塩化ナトリウム溶液(すなわち、1%塩水)を用いて水和することによっ
て測定する。顆粒を水和後にお互いが接触しないように、十分に離れて配置する
。イオン交換顆粒は1時間、食塩水を吸収するに任せ、その後、顕微鏡下でイオ
ン交換顆粒の数を再び数える。数えられた水和粒子が約53個以下であれば、多成
分イオン交換顆粒は湿凝塊試験を合格する。
【0049】 本発明の多成分イオン交換顆粒は、約90:10〜約10:90、好ましくは約20:80
〜約80:20の重量比で、酸性樹脂と塩基性樹脂を含む。本発明の利点を十分に発
揮するには、多成分イオン交換顆粒中の酸性樹脂と塩基性樹脂の重量比は、約30
:70〜約70:30である。酸性樹脂と塩基性樹脂は、イオン交換顆粒全体に均一に
または不均一に分布していてもよい。
【0050】 酸性樹脂と塩基性樹脂は、バルク架橋に加えて、潜伏性および/または表面架
橋を含有する。潜伏性架橋剤はモノマー混合物中に存在してもよいしまたはヒド
ロゲルに添加してもよい。次いでヒドロゲル、もし存在するのであれば、および
潜伏性架橋剤を、乾燥し硬化しそして分級し、バルク、場合によっては、および
潜伏性架橋を含有する乾燥顆粒を成形する。幾つかの事例においては、酸性樹脂
と塩基性樹脂の表面を、少なくとも約1000ppmの表面架橋剤を用いて表面架橋す
る。もし潜伏性架橋剤を用いて潜伏性架橋を与えるのであれば、表面架橋を省略
してもよい。本発明の多成分イオン交換樹脂の好ましい実施形態は、潜伏性架橋
剤と表面架橋剤を酸性樹脂および/または塩基性樹脂に組み込む。
【0051】 一実施形態においては、潜伏性架橋剤をモノマー混合物に加える。潜伏性架橋
剤はバルク重合反応に関わることはないが、ポリマーヒドロゲル中に分散される
。他の実施形態においては、潜伏性架橋剤を、バルク重合反応の後にポリマーヒ
ドロゲルに加えて均一に分散させる。
【0052】 いずれの実施形態においても、ヒドロゲルを潜伏性架橋剤の存在のもとで十分
な温度にて十分な時間加熱すると、ポリマー鎖上に存在するペンダント酸もしく
はアミノ基と反応して潜伏性架橋が形成される。潜伏性架橋後に、得られた酸性
樹脂または塩基性樹脂粒子を、場合によっては、表面架橋してもよい。表面架橋
は、例えば、酸性または塩基性樹脂の表面を表面架橋剤を用いてコーティングし
、ついでコーティングした顆粒を十分な温度にて十分な時間加熱して乾燥した酸
性または塩基性樹脂を得ることによって達成できる。
【0053】 バルク架橋剤は、少なくとも2つの重合可能な炭素-炭素二重結合を有する化合
物を含み、ポリマー鎖に組み込まれる。潜伏性架橋剤は、(a)少なくとも1つの重
合可能な二重結合および少なくとも1つの酸もしくはアミノ基と反応性のある官
能基を有する化合物、(b)少なくとも2つの酸もしくはアミノ基と反応性のある官
能基を有する化合物、(c)酸基とイオン性架橋を形成しうる多価金属化合物、お
よび(d)それらの混合物を含む。潜伏性架橋剤は、ペンダント酸もしくはアミノ
基を介してポリマー鎖を架橋する。表面架橋剤は、典型的には、ジグリシジルエ
ーテル、グリセロール、グリコールもしくはポリオール、ヒドロキシアルキルア
ミド、炭酸アルキレンのような二官能基化合物、またはそれらの混合物である。
【0054】 本発明の多成分イオン交換顆粒は、水媒質の存在のもとでのかなりの膨潤に耐
えるために十分な内部架橋度および表面架橋度を有する。好ましい本発明のイオ
ン交換樹脂顆粒は、バルク架橋度が比較的低い。これは、現行のイオン交換樹脂
がイオン交換粒子に構造保全性を与えかつ水和時のイオン交換粒子の膨潤を制限
するために高度のバルク架橋に依存するのと対照的である。この機能は、本発明
の多成分イオン交換顆粒中に存在する潜伏性および表面架橋剤によって獲得され
る。本発明の多成分イオン交換顆粒は、化学的特性が超吸収性ポリマーと類似す
るが、内部架橋度および表面架橋度が十分に高いために、本発明のイオン交換樹
脂は大量の液を吸収することはできず、そして典型的な超吸収性ポリマーのよう
には膨潤しない。
【0055】 超吸収性ポリマー(SAP)は、Goldmanら,米国特許第5,669,894号および米国特
許第5,559,335号において全般的に論じられている。多成分SAP樹脂はWO 99/2539
3に開示されている。本明細書において使用される、用語「SAP」は、乾燥状態の
超吸収ポリマー粒子、さらに特定すれば、無水から粒子重量未満の水量を含有す
る粒子を意味する。SAPの化学的特性は異なってもよいが、全てのSAPは通常の圧
力下でもそれ自体の重量の何倍にも(すなわち、少なくとも10倍、最大で100倍
)相当する量の水性液を吸収しかつ保持することができる。制限圧力下で水性液
を吸収しかつヒドロゲルを形成する能力は、SAPにとって重要である。用語「ヒ
ドロゲル」は、水和状態のポリマー粒子、さらに特定すれば、少なくともその重
量の水、そして典型的にはその数倍の重量の水を吸収した粒子を意味する。この
特性が重要であるのは、SAPは、例えば、衛生および保健用品、掃除布、保水剤
、脱水剤、使い捨てタオルおよび浴用マット、使い捨てドアマット、ならびに使
い捨てペット用敷きマットに利用するからである。その重量の数倍の水を保持し
かつそれにより膨潤してヒドロゲルを形成する能力はイオン交換樹脂にとっては
好ましくないので避ける。なぜなら、イオン交換樹脂の過剰の膨潤がイオン交換
樹脂顆粒床を通過する液流を遅らせるかまたは妨げるからである。
【0056】 本発明の多成分イオン交換顆粒は、酸性樹脂と塩基性樹脂とを合計で重量で少
なくとも約50%、好ましくは約70%含有する。本発明の利点を十分に発揮するには
、多成分イオン交換顆粒は、酸性樹脂と塩基性樹脂とを合計で重量で約80%〜100
%含有する。本発明のイオン交換顆粒の酸性樹脂と塩基性樹脂以外の成分は、典
型的には、マトリックス樹脂または小量の他の任意の成分である。
【0057】 本発明の多成分イオン交換顆粒は、顆粒、繊維、ビーズ、フレークなどの規則
的もしくは不規則な形状のいずれであっても、またはイオン交換応用において有
用な他のいずれの所望の形状であってもよい。押出加工工程を利用して多成分イ
オン交換顆粒を製造する実施形態においては、顆粒の形状は押出加工ダイの形状
により決定される。多成分イオン交換顆粒の形状はまた、粉砕などの他の物理的
操作によってまたは凝塊などの粒子を製造する方法によって決定してもよい。
【0058】 好ましい一実施形態においては、本発明のイオン交換顆粒は顆粒またはビーズ
形状であり、粒径は約1〜約10,000ミクロン(μm)、そして好ましくは約100〜
約2500μmである。本発明の利点をフルに達成するには、多成分イオン交換顆粒
は、粒径が約150〜約2000μm、およびメジアン粒径が約300〜約1000μmである。
【0059】 ミクロ領域は、多成分イオン交換顆粒中に存在する多量の酸性樹脂または塩基
性樹脂として定義される。それぞれの多成分イオン交換顆粒は、酸性樹脂の少な
くとも1つのミクロ領域および塩基性樹脂の少なくとも1つのミクロ領域を含ん
でいるので、1つのミクロ領域は多成分イオン交換顆粒の容積より小さい容積を
有する。1つのミクロ領域は、従って、多成分イオン交換顆粒の容積の約90%の容
積であってもよい。
【0060】 典型的には、ミクロ領域の直径は、約750μm以下、好ましくは約100μm以下で
ある。本発明の利点を十分に発揮するには、ミクロ領域の直径は約20μm以下で
ある。多成分イオン交換顆粒はまた、サブミクロンの直径、例えばミクロ領域の
直径が1μm未満、好ましくは0.1μm未満〜約0.01μmであるミクロ領域も含有す
る。
【0061】 他の好ましい実施形態においては、多成分イオン交換顆粒は、繊維形状、すな
わち、細長い非円形のイオン交換顆粒である。繊維は例えば、小寸法(すなわち
直径)と大寸法(すなわち長さ)を有する円筒形であってもよい。繊維はまた、
織ることができる長フィラメント形状であってもよい。そのようなフィラメント
様繊維は、1フィラメント当たり約80デシテックス、好ましくは約70デシテック
ス以下、例えば1フィラメント当たり約2〜約60デシテックスの重量を有する。テ
ックス(Tex)は繊維1キロメートル当たりのグラムによる重量である。1テック
スは10デシテックスと等しい。比較として、ポリ(アクリル酸)は約4デシテッ
クスであり、ポリ(ビニルアミン)は約80デシテックスである。
【0062】 円筒形多成分イオン交換顆粒の小寸法(すなわち繊維の直径)は、約1mm未満
、通常約500μm未満、そして好ましくは250μm未満で約50μm以上である。例え
ばフィブリド、ラメラ、またはフレーク形状物の円筒形イオン交換繊維は比較的
短い大寸法、例えば約1mmを有してよいが、一般的に、繊維は約3〜約100mmの長
さを有する。フィラメント様の繊維の大寸法と小寸法の比は、少なくとも500対1
、そして好ましくは少なくとも1000対1、例えば10,000対1以上である。
【0063】 それぞれの多成分イオン交換顆粒は、お互いに接触または近接した酸性樹脂の
1以上のミクロ領域と塩基性樹脂の1以上のミクロ領域を含む。本発明の重要な特
徴によって、本発明の多成分イオン交換顆粒は、個々の粒子内および粒子間の両
方について良い透過性を示す。
【0064】 1個の多成分イオン交換顆粒は電解質含有液を同時に脱塩する。脱塩は本質的
に粒径に依らない。従って、本発明の多成分イオン交換顆粒は比較的大きい粒径
であってもよい。これらの特性は、イオン交換顆粒内およびイオン交換顆粒間の
液透過性の改善を可能にし、電解質含有液のより速やかな脱塩をもたらす。
【0065】 次の模式的反応は、塩類水溶液を脱イオン、例えば脱塩する反応であって、1
個の多成分イオン交換顆粒中で本質的に同時に起こる反応を説明する: R-CO2H + NaCl → R-CO2 -Na+ + HCl (酸性樹脂) R-NH2 + HCl → R-NH3 +Cl- (塩基性樹脂)。
【0066】 本発明の多成分イオン交換顆粒は、酸性樹脂のミクロ領域が塩基性樹脂のミク
ロ領域と接触している形状であってもよい。他の実施形態においては、多成分イ
オン交換顆粒は、酸性樹脂の少なくとも1つのミクロ領域が塩基性樹脂の連続相
中に分散している形状であってもよい。あるいは、多成分イオン交換顆粒は、塩
基性樹脂の少なくとも1つのミクロ領域が酸性樹脂の連続相中に分散している形
状であってもよい。他の実施形態においては、1種以上の酸性樹脂の少なくとも
1つのミクロ領域と1種以上の塩基性樹脂の少なくとも1つのミクロ領域がイオン
交換顆粒全体を含み、いずれのタイプの樹脂も分散相および連続相でないと考え
られる。さらに他の実施形態においては、酸性樹脂の少なくとも1つのミクロ領
域と塩基性樹脂の少なくとも1つのミクロ領域がマトリックス樹脂中に分散して
いる。
【0067】 多成分イオン交換顆粒中に存在する酸性樹脂は、強または弱酸性のいずれの吸
水樹脂であってもよい。酸性樹脂は単一樹脂、または樹脂混合物であってよい。
酸性樹脂は典型的には酸性型で存在する、すなわち酸性部分の約75%〜100%は遊
離酸型で存在する。しかし有効なイオン交換顆粒を得るのは、酸性部分の75%未
満が遊離酸型で存在するときである。
【0068】 酸性樹脂は、潜伏性架橋剤および/または表面架橋剤を用いてさらに架橋され
る。本明細書に使用する用語「潜伏性架橋剤」は、重合反応生成物上に存在する
ペンダント酸基と反応できる官能性を有する化合物である。潜伏性架橋剤はモノ
マー混合物または酸性樹脂ヒドロゲルに加えられ、ヒドロゲルを乾燥してイオン
交換顆粒を成形するときに、顆粒全体に(ペンダントカルボン酸基との反応によ
って)内部架橋を形成する。
【0069】 本明細書で使用する「表面架橋剤」もまた、ペンダント酸基と反応できる官能
性を有する化合物である。「表面架橋剤」はイオン交換顆粒の表面に施用され、
反応させてイオン交換顆粒の表面においてさらなる架橋を形成する。
【0070】 酸性樹脂と塩基性樹脂は、典型的には、アシルもしくは他の酸部分、例えばア
クリル酸もしくはその塩を含有するモノマー、アミノ基を含有するモノマー、ま
たは酸もしくはアミノ基を提供しうる部分、すなわちアクリロトリルもしくはN-
ビニルホルムアミドを、バルク架橋剤の存在のもとで重合することによって製造
される。用語「バルク架橋剤」は、不飽和炭素-炭素結合の反応を経由して他の
モノマーと共重合しうるポリビニルモノマーとして定義される。酸性樹脂と塩基
性樹脂は、そのポリマーが実質的に、すなわち少なくとも10%、好ましくは少な
くとも50%が酸もしくは塩基モノマー単位である限りにおいて、他の共重合しう
る単位、すなわち当業界で周知の他のモノエチレンのように不飽和の共重合用モ
ノマー(例えばスチレン)を含有してもよい。本発明の利点を十分に発揮するに
は、酸性または塩基性樹脂は少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも85%、
および100%までの酸または塩基モノマー単位を含有する。酸性樹脂および塩基性
樹脂の0〜100モル%を水酸化ナトリウムのような塩基または酸を用いて中和し、
中和した酸性樹脂または塩基性樹脂を得てもよい。
【0071】 酸性樹脂は、ポリマー鎖に沿ってペンダントカルボキシル基を有する。そのよ
うなペンダントカルボキシル基を含有するポリマーは、予め1以上の酸基を用い
て置換したモノマーから合成されるか、または合成後に酸基がポリマー中に組み
込まれることによって合成される。カルボキシル基をポリマー中に組み込むため
には、任意の数のエチレン不飽和の酸をホモ重合するかまたは共重合することが
できる。カルボキシル基はまた、アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリ
ルアミド、および(メタ)アクリル酸アルキルなどのモノマーのホモポリマーお
よびコポリマーを加水分解することによって、ポリマー鎖中に間接的に組み込ん
でもよい。
【0072】 従って、酸性樹脂はアクリル酸に基づく樹脂に限定されるのではなく、酸性樹
脂は、限定されるものでないが、メタクリル酸、エタクリル酸、α-クロロアク
リル酸、α-シアノアクリル酸、β-メタクリル酸(クロトン酸)、2-メチル-2-
ブテンジカルボン酸、α-フェニルアクリル酸、β-アクリルオキシプロピオン酸
、ソルビン酸、α-クロロソルビン酸、アンゲリカ酸、桂皮酸、p-クロロ桂皮酸
、β-ステアリルアクリル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタ
コン酸、アコニット酸、マレイン酸、フマル酸、トリカルボキシエチレン、無水
マレイン酸、無水フマル酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水メサコン
酸、無水メチルイタコン酸、無水エチルマレイン酸、マレイン酸ジエチル、マレ
イン酸メチル、および他のα,β-不飽和カルボン酸および無水物、それらの塩、
それらの部分的塩、ならびにそれらの混合物に及ぶ。しかし、アクリル酸が最も
好ましいα,β-不飽和カルボン酸である。
【0073】 さらに、酸性樹脂は、酸性基としてスルホネート基、硫酸基、ホスホネート基
、またはリン酸基を含有するモノマーから調製されてもよい。スルホネート基は
スルホン酸型に加水分解しうる官能基を含有するモノマー、例えばアルケニルス
ルホン酸化合物およびスルホアルキルアクリレート化合物から作製することがで
きる。エチレン不飽和のスルホン酸モノマーは、例えば、ビニルスルホン酸、ア
リルスルホン酸、ビニルトルエンスルホン酸、スチレンスルホン酸などの脂肪族
または芳香族ビニルスルホン酸、スルホエチルアクリレート、スルホエチルメタ
クリレート、スルホプロピルアクリレートなどのアクリルおよびメタクリルスル
ホン酸、2-ビニル-4-エチルベンゼン、2-アリルベンゼンスルホン酸、1-フェニ
ル-エチレンスルホン酸、スルホプロピルメタクリレート、2-ヒドロキシ-3-メタ
クリルオキシプロピルスルホン酸、ならびに2-アクリルアミド-2-メチルプロパ
ンスルホン酸が挙げられる。
【0074】 硫酸基は、ヒドロキシル基または残余のエチレン不飽和を含有するホモポリマ
ーまたはコポリマーを硫酸または三酸化硫黄と反応させて作製される。そのよう
な処理されたポリマーの例は、硫酸化ポリビニルアルコール、硫酸化ヒドロキシ
エチルアクリレート、および硫酸化ヒドロキシプロピルメタクリレートが挙げら
れる。リン酸基は、メタクリルオキシエチルホスフェートなどのリン酸部分を含
有するエチレン不飽和モノマーをα,β-不飽和カルボン酸と共重合させて組み込
まれる。
【0075】 酸性基は、従って、例えばポリアクリル酸、加水分解デンプン-アクリロニト
リルグラフトコポリマー、デンプン-アクリル酸グラフトコポリマー、鹸化酢酸
ビニル-アクリル酸エステルコポリマー、加水分解アクリロニトリルコポリマー
、加水分解アクリルアミドコポリマー、エチレン-無水マレイン酸コポリマー、
イソブチレン無水マレイン酸コポリマー、ポリ(ビニルスルホン酸)、ポリ(ビ
ニルホスホン酸)、ポリ(乳酸)、およびそれらの混合物に基づいてよい。好ま
しい酸性樹脂はポリアクリル酸である。
【0076】 酸性樹脂中に導入する任意の共重合可能なビニルモノマーには、限定されるも
のでないが、エチレン、プロピレン、イソブチレン、C1〜C4アルキルアクリル酸
およびメタクリル酸エステル、酢酸ビニル、メチルビニルエーテル、および式:
【化8】 [式中、Rは水素またはC1-6アルキル基を表し、フェニル環は1〜4個のC1-4アル
キルまたはヒドロキシ基により置換されてもよい。]で表されるスチレン化合物
が含まれる。そのようなビニルモノマーは、重合可能モノマー混合物中に存在す
るモノマーのうち重量で0〜50%の量が存在する。
【0077】 適当なC1〜C4アルキルアクリル酸エステルには、限定されるものでないが、ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n-プ
ロピル、アクリル酸n-ブチルなど、およびそれらの混合物が含まれる。適当なC1 〜C4アルキルメタクリル酸エステルには、限定されるものでないが、メタクリル
酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メチルメタクリル
酸n-プロピル、メタクリル酸n-ブチルなど、およびそれらのまたはC1〜C4アルキ
ルアクリル酸エステルとの混合物が含まれる。適当なスチレン化合物には、限定
されるものでないが、スチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、t-ブ
チルスチレンなど、およびそれらまたはC1〜C4アクリル酸および/またはメタク
リル酸アルキルとの混合物が含まれる。
【0078】 アクリル酸または他のα,β-不飽和酸、および任意のビニルモノマーは、多官
能バルク架橋剤の存在のもとで、好ましくは標準のフリーラジカル技術によって
重合される。本明細書に記載の水溶液重合は酸性樹脂を製造する好ましい方法で
あるが、他の重合法を利用してもよい。そのような方法には、本明細書に参照に
より組み入れられる、Obayashiら,米国特許第4,340,706号、およびFlesher,米国
特許第4,506,062号に一般的に記載される逆乳化重合および逆懸濁重合プロセス
が含まれる。逆相プロセスまたはいずれか他の有機溶媒を用いるプロセスを使う
場合は、それらのプロセスから回収されるポリマーは処理して実質的に全ての過
剰な溶媒を除去する。
【0079】 典型的には、アクリル酸もしくはアミノ含有モノマー、またはそれらの塩、お
よび任意のビニル・供重合化用モノマーは、水性モノマー混合物中に、水性混合
物の重量に基づいて少なくとも約25〜約95重量%の量で存在する。バルク架橋剤
は、モノマー1モル当たりのバルク架橋剤が約0.01〜約3モル%の量で、さらに好
ましくは、モノマー1モル当たりのバルク架橋剤が約0.02〜約2モル%の量で存在
する。代わりの表現では、バルク架橋剤はモノマー混合物中に、モノマー全重量
に基づいて約7重量%未満、典型的には、約0.1〜約5重量%の量で存在する。好ま
しくは、バルク架橋剤はモノマー混合物中に、モノマー全重量に基づいて約0.2
〜約3重量%の量で存在する。
【0080】 α,β-不飽和酸モノマーは、得られるポリマーが実質的に水不溶性(すなわち
重量で3%未満の水溶性)であるが、その重量の数倍の水を吸収する能力をもつの
に十分な程度まで、水溶液重合中にバルク架橋される。また反応生成物は、重合
反応生成物が水和後の膨潤に耐えてイオン交換樹脂として機能し得るよう十分に
重合中に架橋される。そのような物性がイオン交換樹脂には望ましい。従って、
重合反応生成物は、約20%未満、典型的には、約15%未満、そしてしばしば約0.01
〜約10%の架橋密度を有する。
【0081】 バルク架橋剤には少なくとも2つの重合し得る炭素-炭素二重結合を有する化合
物が含まれる。バルク架橋剤の例には架橋ポリビニルモノマーであり、次式(III
)
【化9】 [式中、Xはエチレン、プロピレン、トリメチレン、シクロへキシル、ヘキサメ
チレン、2-ヒドロキシプロピレン、-(CH2CH20)nCH2CH2-、または-(CH2-CHCH3-0) m CH2-CHCH3-(ここにnおよびmは独立して5〜40の整数である)かつkは1または2
である]により表されるポリアクリル(またはポリメタクリル)酸エステル;お
よび次式(IV)
【化10】 [式中、lは2または3である]のビスアクリルアミドが含まれる。
【0082】 式(I)の化合物はポリオール、例えばエチレングリコール、プロピレングリ
コール、トリメチロールプロパン、1,6-ヘキサンジオール、グリセリン、ペンタ
エリスリトール、ポリエチレングリコール、またはポリプロピレングリコールな
どを、アクリル酸またはメタクリル酸と反応させて調製する。式(II)の化合物
はポリアルキレンポリアミン、例えばジエチレントリアミン、トリス(2-アミノ
エチル)アミン、1,3-ジアミノプロパン、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジ
アミン、およびトリエチレンテトラミンなどを、アクリル酸と反応させて得られ
る。
【0083】 特定の架橋モノマーには、限定されるものでないが、1,3-ブチレングリコール
ジアクリレート、1,3-ブチレングリコールジメタクリレート、1,4-ブタンジオー
ルジメタクリレート、1,4-ブタンジオールジアクリレート、1,6-ヘキサンジオー
ルジメタクリレート、1,6-ヘキサンジオールジアクリレート、シクロペンタジエ
ンジアクリレート、コハク酸ジアリル、マレイン酸ジアリル、ポリカルボン酸の
ジアリルエステル、フマル酸ジアリル、ジエチレングリコールジアクリレート、
ジエチレングリコールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリ
レート、エチレングリコールのジビニルエーテル、ポリカルボン酸のジビニルエ
ステル、ジビニルエーテル、ジビニルアジペート、ジビニルベンゼン、エトキシ
ル化ビスフェノール-Aジメタクリレート、エトキシル化ビスフェノール-Aジアク
リレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリ
レート、エチレングリコールジグリシジルエーテル(EGDGE)、N,N'-メチレンビス
アクリルアミド(MBA)、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ペンタエリ
スリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ポリ
エチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート
、テトラアリルアンモニウムハロゲン化物、テトラアリルオキシエタンテトラエ
チレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート
、トリアリルアミン(TAA)、トリアリルテレフタレート、トリアリルペンタエリ
スリトールエーテル(TAPE)、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエ
チレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート(T
MPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリプロピレングリコー
ルジアクリレート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレ
ート、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリメタクリレート、トリ
メリト酸トリビニルおよびそれらの混合物が含まれる。ジビニルベンゼンおよび
ジビニルエーテルなどの化合物は架橋剤としても利用しうる。特に好ましいバル
ク架橋剤は、N,N'-メチレンビスアクリルアミド、N,N'-メチレンビスメタクリル
アミド、エチレングリコールジメタクリレート、および トリメチロールプロパントリアクリレートである。
【0084】 場合によっては、酸性樹脂ヒドロゲルは、潜伏性架橋剤によってさらに架橋さ
れてもよい。特に、幾つかの事例においては、低い架橋密度を有する重合反応生
成物(すなわち、酸性樹脂ヒドロゲル)を得ることが望ましい。そのようなヒド
ロゲルは加工が容易であって、例えば、容易に押出加工できる。しかし、ヒドロ
ゲル中に存在する水不溶性ポリマーは、イオン交換樹脂として利用しうるポリマ
ー顆粒を提供するのに十分な架橋密度を有しない。例えば、軽度に架橋した重合
反応生成物から得られる顆粒は、その重量の数倍の水を吸収して膨潤するであろ
う。そのような顆粒は、水性液が水吸収性、膨潤性顆粒の床を効率よく通過して
流れることができないので、イオン交換樹脂として使用することはできない。
【0085】 従って、本発明の一実施形態によれば、軽度に架橋した重合反応生成物を調製
して、軽度に架橋したポリマーの優れた加工特性の利点を活用する。その後、軽
度に架橋したポリマーを、ポリマー鎖上に存在するペンダント酸基を介してポリ
マー鎖を架橋する潜伏性架橋剤を用いてさらに架橋する。潜伏性架橋が起こった
後、得られるポリマーは十分な架橋を有し、大量の水性液を吸収せず、それほど
膨潤しない顆粒を提供する。従って、該顆粒はイオン交換用途に利用することが
できる。
【0086】 潜伏性架橋剤は、重合反応前にモノマー混合物に加えることができる。重合中
の反応条件は、潜伏性架橋剤がポリマー上のペンダント酸基とそれほど反応を起
こさない条件である。重合後に得られるポリマーは、典型的にはヒドロゲルであ
り、ポリマーおよび溶媒、典型的には水、ならびに存在する場合は潜伏性架橋剤
を含む。その後、次の加熱また乾燥工程においてヒドロゲルから溶媒を除去して
イオン交換顆粒を形成する間に、潜伏性架橋剤はポリマー鎖上のペンダント基と
反応してさらにポリマーを架橋する。代わりに、重合後に潜伏性架橋剤をポリマ
ーヒドロゲルに加えて、次の加熱工程においてさらにポリマーを架橋してもよい
【0087】 潜伏性架橋剤は、モノマー混合物またはポリマーヒドロゲルに、モノマー混合
物中に存在するモノマーのモル数に基づいて、0〜約6、好ましくは約0.1〜約5、
モル%の量を添加される。本発明の利点を十分に発揮するには、潜伏性架橋剤は
、モノマー混合物中に存在するモノマーのモル数に基づいて、約0.2〜約5モル%
の量が存在する。
【0088】 潜伏性架橋剤は、ポリマー上のペンダント酸性基と反応し得る2つの官能基を
有する任意の化合物であってよい。さらなる潜伏性架橋剤は、少なくとも1つの
重合し得る二重結合および少なくとも1つの酸基と反応性のある官能基を有する
化合物である。そのような化合物は、重合反応中にポリマー鎖中に組み込まれ、
次の加工工程において潜伏性架橋を形成する。他のクラスの潜伏性架橋剤は、酸
基とイオン性架橋を形成し得る多価金属イオンである。
【0089】 潜伏性架橋剤は典型的には水溶性化合物であり、重合前または後のいずれかに
、そのままで、または水および/もしくはアルコール溶液として添加されてポリ
マーヒドロゲル中に存在する。その後、ポリマーヒドロゲルを約50℃〜約200℃
、好ましくは約75〜約180℃の温度で十分な時間加熱し、ヒドロゲルを乾燥し硬
化すると、潜伏性架橋剤は軽度に架橋したポリマー上のペンダント基と反応し、
ポリマー鎖間にさらなる架橋を形成する。本発明の利点を十分に発揮するには、
ポリマーヒドロゲルを潜伏性架橋剤の存在のもとで約90〜約160℃の温度にて乾
燥する。ポリマーヒドロゲルを、約30分間〜約4時間、好ましくは約30分間〜約3
時間加熱する。本発明の利点を十分に発揮するには、ポリマーヒドロゲルを、約
30分間〜約150分間加熱して潜伏性架橋を形成する。
【0090】 潜伏性架橋剤の性質は、その潜伏性架橋剤がポリマー上のペンダント酸基と約
50℃〜約200℃の温度で約30分間〜4時間に反応し得る少なくとも1つの官能基を
有する限り、限定されるものでない。好ましくは、潜伏性架橋剤はアルコール溶
解性または水溶性でありかつポリマーとの十分な反応性を有しているために、架
橋が制御された方式で好ましくは約50〜約200℃の温度で起こる。
【0091】 限定されるものでないが、架橋したアクリル酸およびα,β-不飽和酸の重合反
応生成物に対する適当な潜伏性架橋剤の例には、 (a) グリコール、トリオールおよびポリオールなどのポリヒドロキシ化合物、
例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール
、およびグリセロール; (b)多価金属塩; (c)第四級アンモニウム化合物; (d)多官能エポキシ化合物、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル
など; (e)炭酸アルキレン、例えば、炭酸エチレン、炭酸プロピレンなど; (f)ポリアジリジン、例えば、2,2-ビス-ヒドロキシメチルブタノールトリス[3-(
1-アジリジンプロピオナート)]など; (g)ハロエポキシ、例えば、エピクロロヒドリンなど; (h)ポリアミン、例えば、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、1,3-ジア
ミノプロパン、1,6-ジアミノヘキサン、トリエチレンテトラアミン、トリス(2-
アミノエチル)-アミン、1,4-ジアミノブタン、および1,5-ジアミノペンタンなど
; (i)ポリイソシアネート、例えば、2,4-トルエンジイソシアネート; (j)本明細書に参照により組み入れられるSwiftら,米国特許第4,076,917号に開示
されたヒドロキシアルキルアミド、例えば、ビス[N,N-ジ(β-ヒドロキシエチル)
]アジポアミド、ビス[N,N-ジ(β-ヒドロキシプロピル)]スクシンアミド、ビス[N
,N-ジ(β-ヒドロキシエチル)]アゼラミド、ビス[N,N-ジ(β-ヒドロキシプロピル
)]アジポアミドおよびビス[N-メチル-N-(β-ヒドロキシエチル)]オキサミドなど
(なお、市販のHAAはEMS-CHEMIE, Dornat, SwitzerlandのPRIMID(商標)XL-552で
あり、次の構造
【化11】 を有しており、また市販のHAAはPRIMD(商標)QM-1260であり、次の構造
【化12】 を有する); (k)ヒドロキシアルキルアクリレート、ヒドロキシアルキルメタクリレート、ア
ミノアルキルアクリレート、およびアミノアルキルメタクリレート;ならびに (l)ポリマー上のペンダント酸基と反応し得る少なくとも2つの官能基を有する、
当業者に周知の他の架橋剤;が含まれる。
【0092】 酸性樹脂の潜伏性架橋剤の例には、限定されるものでないが、グリコール、ト
リオール、ポリオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチ
レングリコール、グリセロール、エチレングリコールジグリシジルエーテル、炭
酸エチレン、炭酸プロピレン、2,2-ビスヒドロキシメチルブタノールトリス[3-(
1-アジリジンプロピオナート)]、エピクロロヒドリン、エチレンジアミン、ジエ
チレントリアミン、トリス(2-アミノエチル)アミン、1,3-ジアミノプロパン、1,
6-ジアミノヘキサン、トリエチレンテトラアミン、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジ
アミノペンタン、2,4-トルエンジイソシアネート、ビス[N,N-ジ(β-ヒドロキシ
エチル)]アジポアミド、ビス[N,N-ジ(β-ヒドロキシプロピル)]スクシンアミド
、ビス[N,N-ジ(β-ヒドロキシエチル)]アゼラミド、ビス[N,N-ジ(β-ヒドロキシ
プロピル)]アジポアミド、ビス[N-メチル-N-β-(ヒドロキシエチル)]オキサミド
、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、アミノ
エチルアクリレート、アミノプロピルメタクリレート、およびそれらの混合物が
含まれる。
【0093】 好ましい潜伏性架橋剤には、多官能エポキシ化合物、炭酸アルキレン、ヒドロ
キシアルキルアミド、ポリヒドロキシ化合物、ポリアミン、またはそれらの混合
物が含まれる。特に好ましい潜伏性架橋剤は、グリコール、エチレングリコール
ジグリシジルエーテル、炭酸プロピレン、プロピレングリコール、エチレンジア
ミン、およびビス[N,N-ジ(β-ヒドロキシプロピル)アジポアミドである。
【0094】 水性モノマー混合物の重合は、その混合物を約-10℃〜約100℃、好ましくは約
50〜約80℃の温度に調節し、重合開始剤を加えて実施する。開始剤はレドックス
開始剤、熱開始剤、またはそれらの混合物であり得る。
【0095】 レドックス開始剤の例には、アルカリ金属の亜硫酸塩または重亜硫酸塩、亜硫
酸アンモニウム、メタ重硫酸アンモニウムもしくは重亜硫酸アンモニウムなどの
還元剤;アルカリ金属過硫酸塩または過硫酸アンモニウム;t-ブチルヒドロペル
オキシド;ジ-t-ブチルヒドロペルオキシド;過安息香酸t-ブチル;t-ブチルペ
ルオキシイソプロピルカーボネート;およびペルオキシ-3,3,5-トリメチルシク
ロヘキサンが含まれる。適当な熱開始剤の例には、アゾビスイソブチロニトリル
;4-t-ブチルアゾ-4'-シアノ吉草酸;4,4'-アゾビス(4-シアノ吉草酸);2,2'-ア
ゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩;2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニト
リル);2,2'-アゾビスイソ酪酸ジメチル;2,2'-アゾジメチルビス(2,4-ジメチル
バレロニトリル);(1-フェニルエチル)アゾジフェニルメタン;2,2'-アゾビス(2
-メチルブチロニトリル);1,1'-アゾビス(1-シクロヘキサンカルボニトリル);2
-(カルバモイルアゾ)-イソブチロニトリル;2,2'-アゾビス(2,4,4-トリメチルペ
ンタ-2-フェニルアゾ-2,4-ジメチル-4-メトキシバレロニトリル;2,2'-アゾビス
(2-メチルプロパン);2,2'-アゾビス(N, N'-ジメチレンイソブチルアミジン)二
塩酸塩;4,4'アゾビス(4-シアノペンタン酸);2,2'-アゾビス(2-メチル-N-[1,1-
ビス(ヒドロキシメチル)-2-ヒドロキシエチル]プロピオンアミド);2,2'-アゾビ
ス(2-メチル-N-[1,1-ビス(ヒドロキシメチル)エチル]プロピオンアミド);2,2'-
アゾビス[2-メチル-N(2-ヒドロキシエチル)プロピオンアミド];2,2'-アゾビス(
イソブチルアミド)二水和物、などが含まれる。
【0096】 これらのレドックスおよび熱開始剤は、単独でまたは組合せで使用され得る。
これらのうち、特に好ましい開始剤はレドックス開始剤であり、過硫酸アンモニ
ウムおよび亜硫酸水素ナトリウム、ならびにアゾビスイソブチロニトリルまたは
2,2'-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩(Wako Chemicals U.S.A.,Inc.,Ri
chmond,Virginiaから登録商標V-50で市販されている)などのアゾ開始剤が含ま
れる。開始剤は水溶液の形態で使用されるが、開始剤を他の適当な溶媒を用いて
希釈することもできる。開始剤は、典型的には、例えば、固体として計算してア
クリル酸モノマーの重量に基づいて約0.1重量%〜約10重量%、好ましくはアクリ
ル酸モノマーの重量に基づいて約0.5重量%〜約5重量%の量が使用される。開始剤
の量と種類に依っては、開始剤を場合によってはイソプロピルアルコール、アル
キルメルカプタン、または他の連鎖移動剤を一緒に使用して重合生成物の分子量
を制御することができる。
【0097】 紫外(UV)光を利用してモノマー混合物の重合を実施することもできる。UV光
は、レドックス開始剤および/またはフリーラジカル開始剤と一緒に使われる。
さらにUV光を使用するときに光開始剤が反応混合物に加えられる。光開始剤は当
業者に周知の標準的な量が使用される。適当な光開始剤には、限定されるもので
ないが、Ciba Additives of Hawthorne, New YorkからIRGACURE 2959として市販
される2-ヒドロキシ-l-[4-(ヒドロキシエトキシ)フェニル]-2-メチル-1-プロパ
ノン、およびCiba AdditivesからDAROCUR 1173として市販される2-ヒドロキシ-2
-メチル-1-フェニル-1-プロパノンが含まれる。
【0098】 多成分イオン交換顆粒は、(a)単一の酸性樹脂を含有するかまたは(b)1種以上
の酸性樹脂、すなわち酸性樹脂の混合物を含有する個々のミクロ領域を含んでも
よい。多成分イオン交換顆粒はまた、酸性成分については、酸性ミクロ領域のあ
る部分が第1の酸性樹脂または酸性樹脂混合物を含有し、かつ残りの部分が第2の
酸性樹脂または酸性樹脂混合物を含有するミクロ領域を含んでもよい。
【0099】 酸性樹脂と同様に本発明の多成分イオン交換顆粒中の塩基性樹脂は、強または
弱塩基性樹脂であってよい。塩基性樹脂は単一樹脂または樹脂の混合物であって
よい。塩基性樹脂はホモポリマーまたはコポリマーであってよい。典型的には弱
塩基性樹脂は、遊離塩基または中性型で存在する。すなわち塩基部分、例えばア
ミノ基の約75%〜約100%が中性、非荷電型で存在する。しかし、有効なイオン交
換顆粒は塩基部分の75%未満が遊離型であるときに得られる。強塩基性樹脂は典
型的には水酸化物(OH)または重炭酸(HCO3)型で存在する。
【0100】 塩基性樹脂は、典型的には、ポリ(ビニルアミン)またはポリ(ジアルキルアミ
ノアルキル(メタ)アクリルアミド)などの、架橋アクリル型樹脂である。塩基
性樹脂はまた、軽度に架橋したポリエチレンイミン、ポリ(アリルアミン)、ポリ
(アリルグアニジン)、ポリ(ジメチルジアリルアンモニウムヒドロキシド)、
【化13】 などの四級化ポリスチレン誘導体、
【化14】 などのグアニジン-修飾したポリスチレン誘導体、
【化15】 もしくは
【化16】 [式中、Meはメチルであり、R2は水素もしくはメチルであり、nは1〜8の数字で
あり、そしてqは10〜約100,000の数字である]などの四級化ポリ((メタ)アク
リルアミド)またはエステル類似体、または、 一般構造式(V)
【化17】 [式中、qは10〜約100,000の数字であり、R5およびR6は独立して水素、C1-C4
ルキル、C3-C6シクロアルキル、ベンジル、フェニル、アルキル置換フェニル、
ナフチル、および類似の脂肪族および芳香族基からなる群から選択される]を有
するポリ(ビニルグアニジン)、すなわちポリ(VG)、強塩基性水吸収樹脂などのポ
リマーであり得る。架橋塩基性水吸収樹脂は他の共重合しうる単位を含有しても
よく、酸性樹脂について先に説明したように、多官能有機化合物を用いて架橋さ
れている。
【0101】 本発明の多成分イオン交換顆粒に使用される塩基性樹脂は、典型的にはアミノ
またはグアニジノ基を含有する。従って、水溶性塩基性樹脂はまた、未架橋塩基
性樹脂を水またはアルコール媒質に懸濁もしくは溶解し、次に、塩基性樹脂を塩
基性樹脂のアミノ基との反応により架橋し得る二または多官能化合物、すなわち
潜伏性架橋剤を加えることによって、溶液中で架橋され得る。
【0102】 そのような潜伏性架橋剤には、例えば、多官能アルデヒド(例えば、グルタル
アルデヒド)、多官能アクリレート(例えば、ブタンジオールジアクリレート、
TMPTA)、ハロヒドリン(例えば、エピクロロヒドリン)、ジハロゲン化物(例
えば、ジブロモプロパン)、ジスルホン酸エステル(例えば、ZA(02)O-(CH2)n-O
S(O)2Z、ここにnは1〜10であり、Zはメチルまたはトシルである)、多官能エポ
キシ(例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル)、多官能エステル(例
えば、アジピン酸ジメチル)、多官能酸ハロゲン化物(例えば、塩化オキサリル
)、多官能カルボン酸(例えば、コハク酸)、無水カルボン酸(例えば、無水コ
ハク酸)、有機チタン酸エステル(例えば、DuPontからのTYZOR AA)、メラミン
樹脂(例えば、Cytec Industries, Wayne, NJからのCYMEL 301、CYMEL 303、CYM
EL 370、およびCYMEL 373)、ヒドロキシメチル尿素(例えば、N,N'-ジヒドロキ
シメチル-4,5-ジヒドロキシ-エチレン尿素)および多官能イソシアネート(例え
ば、トルエンジイソシアネートまたはメチレンジイソシアネート)が含まれる。
架橋剤はまた、本明細書に参照により組み入れられるPinschmidt,Jr.ら,米国特
許第5,085,787号、およびEP 450 923にも開示されている。
【0103】 通常、架橋剤は水またはアルコール可溶性であり、かつ塩基性樹脂と十分な反
応性を有し、そのために架橋は制御された様式で、好ましくは約25℃〜約150℃
の温度で起こる。好ましい架橋剤は、エチレングリコールジグリシジルエーテル
(EGDGE)、水溶性ジグリシジルエーテル、およびジブロモアルカンである。
【0104】 塩基性樹脂に対する潜伏性架橋剤の例には、限定されるものでないが、エチレ
ングリコールジグリシジルエーテル、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピ
ン酸、ピメリン酸、1,2-ジブロモエタン、1,3-ジブロモプロパン、1,4-ジブロモ
ブタン、1,5-ジブロモペンタン、1,6-ジブロモヘキサン、1,7-ジブロモヘプタン
、マロン酸ジメチル、コハク酸ジエチル、コハク酸ジメチル、グルタル酸ジメチ
ル、アジピン酸ジメチル、ピメリン酸ジメチル、ヘキサメチレンジイソシアネー
ト、およびそれらの混合物が含まれる。
【0105】 塩基性樹脂は、強または弱塩基性のいずれも、典型的にはアミノまたはグアニ
ジノ部分を有する。塩基性樹脂の例には、ポリ(ビニルアミン)、ポリエチレンイ
ミン、ポリ(ビニルグアニジン)、ポリ(アリルアミン)、ポリ(アリルグアニジン)
、またはポリ(ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド)が挙げられ、こ
れらは構造
【化18】 を有するモノマー、またはそのエステル類似体
【化19】 [式中、R1およびR2は独立して水素およびメチルからなる群から選択され、Yは
、1〜8個の炭素原子を有する二価の直鎖または分枝の有機基であり、そしてR3
よびR4は独立して1〜4個の炭素原子を有するアルキル基である]を重合しかつ架
橋することによって調製される。
【0106】 好ましい塩基性樹脂には、ポリ(ビニルアミン)、ポリエチレンイミン、ポリ(
ビニルグアニジン)、ポリ(ジメチルアミノエチルアクリルアミド)(ポリ(DAEA)
)、およびポリ(ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド)(ポリ(DMAPMA))が
含まれる。酸性樹脂のミクロ領域と同様に、本発明の多成分イオン交換顆粒は単
一塩基性樹脂のミクロ領域、塩基性樹脂の混合物を含有するミクロ領域、または
異なる塩基性樹脂のミクロ領域を含んでもよい。
【0107】 バルク架橋剤だけによってまたはバルクと潜伏性架橋剤の組合わせによって得
られた架橋を含有する酸性樹脂または塩基性樹脂の粘性ヒドロゲルを脱水し(す
なわち乾燥し)、固体形態の架橋された酸性樹脂または塩基性樹脂を得る。脱水
工程は、粘性ヒドロゲルを強制空気オーブン中で約40℃〜約220℃、好ましくは
約120〜150℃の温度で、物質の実質的な固体塊を形成するのに十分な一定の時間
たとえば約1〜約2時間加熱することにより実施できる。あるいは、脱水工程は、
約60℃の温度で終夜粘性のヒドロゲルを加熱することによって実施することもで
きる。当業者に公知の他の脱水方法(例えば、脱水溶媒の使用、または共沸蒸留
)を使用してもよい。
【0108】 脱水工程の後、架橋した酸性または塩基性樹脂を粉砕し、乾燥ポリマーの粒子
を作る。次いで、乾燥固体ポリマー顆粒を表面架橋剤を用いて表面架橋してもよ
い。酸性または塩基性樹脂顆粒をイオン交換目的に適した比較的非膨潤性で非吸
収性の顆粒を得るのに十分な程度、バルク架橋剤により内部架橋してもよい。表
面架橋は、顆粒の非膨潤性を強化するか、またはイオン交換顆粒を得るために必
要な架橋を与える。「非膨潤性」は、乾燥顆粒の容積が水和後に10倍未満、好ま
しくは5倍未満しか増加しないことを意味する。対照的に、乾燥SAP粒子の容積は
水和後に約100〜約200倍増加する。「非吸収性」は、顆粒がその重量(ANUL)の
25倍未満、好ましくは15倍未満の重量の水道水を吸収することを意味する。好ま
しい実施形態においては、顆粒は室温(すなわち25℃)でその重量(AUNL)の約
1〜約10倍、最も好ましくは約1〜約5倍の重量の水道水を吸収する。
【0109】 表面架橋は、例えば、酸性樹脂、塩基性樹脂、または多成分イオン交換顆粒の
表面を、表面架橋剤の溶液を用いてコーティングし、次いでコーティングした粒
子を乾燥しかつ表面架橋した樹脂を得るのに十分な温度にて十分な時間加熱する
ことによって達成される。
【0110】 本発明の重要な特徴によれば、ポリマー顆粒および/または多成分イオン交換
樹脂は、少なくとも約1000ppm、好ましくは少なくとも約5000ppm、さらに好まし
くは約10,000〜約20,000ppmの表面架橋剤を用いて表面架橋される。高い表面架
橋度は、イオン交換顆粒が非膨潤性であることを保証する。従って、本発明のイ
オン交換樹脂顆粒は軟質のセンターまたはコア、および優れた機械的保全性なら
びに安定性を示す硬質の外面を有することができる。
【0111】 表面架橋は、ポリマー顆粒を表面架橋剤の溶液と接触させて主にポリマー粒子
の外表面だけを湿らせることにより実施する。次にポリマー粒子の表面架橋と乾
燥を、好ましくは少なくともポリマー粒子の湿った表面を加熱することにより実
施する。
【0112】 ポリマー粒子の表面架橋を実施する従来の方法は、例えば、Obayashi,米国特
許第4,541,871号、WO 92/16565、WO 93/05080, Alexander,米国特許第4,824,901
号、Johnson,米国特許第4,789,861号、Makita,米国特許第4,587,308号、Tsubaki
moto,米国特許第4,734,478号、Kimuraら,米国特許第5,164,459号、DE 40 20 780
、およびEP 509,708に開示されている。ポリマー粒子の表面架橋は、F. L. Buch
holzら編,「現代の超吸収性ポリマー技術(Modern Superabsorbent Polymer Tec
hnology)」,Wiley-VCH,New York,New York,pp.97-108(1998)に全般的に論じら
れている。
【0113】 典型的には、ポリマー顆粒は表面架橋剤の溶液を用いて表面処理される。溶液
は適当な溶媒、例えば水またはアルコール中に、重量で約0.01%〜約4%、好まし
くは約0.4%〜約2%の表面架橋剤を含有する。該溶液を微細スプレイとして自由に
転がしたポリマー顆粒の表面に、顆粒と表面架橋剤の溶液との重量比で約1:0.01
〜約1:0.05部の比で施用してもよい。表面架橋剤は、顆粒重量に対して、0%〜約
10%、好ましくは約0.1%〜8%の量で存在する。本発明の利点を十分に発揮するに
は、表面架橋剤は、顆粒の重量に対して、約0.2%〜約7%の量で存在する。
【0114】 所望のイオン交換物性を達成するには、表面架橋剤をポリマー顆粒表面に均一
に分布させる。この目的で、混合は適当なミキサー、例えば流動床ミキサー、パ
ドルミキサー、回転円板ミキサー、リボンミキサー、スクリューミキサー、回転
ミル(milling roll)、または二軸ウォームミキサー(twin-worm mixer)で実施さ
れる。
【0115】 表面処理した粒子の乾燥は、表面処理したポリマー顆粒を適当な温度、例えば
約25℃〜約170℃、好ましくは約50〜約165℃、そして最も好ましくは約100℃〜
約160℃にて加熱することによって達成される。表面処理したポリマー顆粒は、
約30〜約180分間、好ましくは、約60〜約150分間加熱されて表面架橋が実施され
る。本発明の利点を十分に発揮するには、ポリマー顆粒は約75〜約120分間加熱
される。
【0116】 通常の乾燥機または加熱オーブンを使って、表面処理したポリマー顆粒を加熱
することができる。そのような加熱装置には、例えば、攪拌溝型乾燥機、回転乾
燥機、回転円板乾燥機、混練乾燥機、流動床乾燥機、空気輸送乾燥機、および赤
外乾燥機が含まれる。しかし、表面架橋剤をポリマーと反応させて顆粒の表面架
橋を達成させる任意の方法(マイクロ波エネルギーなど)を使用してもよい。表
面処理および表面架橋工程において、もしミキサーが加熱可能なタイプであれば
、ミキサーを使用して表面架橋剤とポリマー顆粒の混合と加熱を同時に実施でき
る。
【0117】 先に述べたように、表面架橋剤を用いる表面処理およびその後のまたは同時の
加熱は、ポリマー顆粒表面付近に追加のポリマー架橋を与える。顆粒の表面から
内部への架橋の漸次移行、すなわち架橋密度の非等方性は、深さとプロフィール
が様々であり得る。従って、例えば、表面架橋の深さが浅く、架橋の高いレベル
から低いレベルまでの遷移が比較的鋭くてもよい。あるいは、例えば、表面架橋
の深さがポリマー顆粒の寸法のかなりの比率であって、遷移が緩やかでもよい。
【0118】 従って、当業界で理解されているように、表面架橋ポリマー顆粒はその内部よ
り表面付近に高いレベルの架橋を有する。本明細書で使用する「表面」は顆粒の
外面境界を指す。多孔質ポリマー顆粒では、曝された内部表面も表面の定義に含
まれる。
【0119】 寸法、形状、多孔性、ならびに機能上の考慮によって、表面架橋度および勾配
は、一定のタイプのポリマー顆粒内でも変わりうる。ポリマー顆粒内の表面:容
積比の変化に依存し(例えば、小粒子と大粒子の間で)、典型的には、表面架橋
の全レベルはポリマー顆粒のグループにわたって変化する(例えば、より小さい
粒子はより大きい)。
【0120】 表面架橋は、一般的に、ポリマー顆粒の最終境界が実質的に確立した後に実施
される。しかし、最終境界を作製するのと同時に表面架橋を実施することも可能
である。さらに、表面架橋を行った後に、ポリマー顆粒境界に複数のさらなる変
化が起こってもよい。しかし、顆粒の表面架橋を達成する任意の他の方法および
顆粒を乾燥する任意の他の方法、例えばマイクロ波エネルギーなどを使用しても
よい。
【0121】 酸性樹脂粒子、または顆粒の外側に酸性樹脂を有する多成分イオン交換顆粒に
ついて言えば、適当な表面架橋剤はカルボン酸部分と反応してポリマー顆粒を表
面架橋する能力を有する。好ましくは、表面架橋剤はアルコール可溶性または水
溶性であり、酸含有樹脂と十分な反応性を有しており、そのために制御された様
式で好ましくは約25℃〜約170℃の温度にて架橋が起こる。
【0122】 酸含有樹脂に対する適当な表面架橋剤の例には、限定されるものでないが、(a
) ポリヒドロキシ化合物、例えば、グリコールおよびグリセロール;(b)金属塩
;(c)第四級アンモニウム化合物;(d)多官能エポキシ化合物;(e)炭酸アルキレ
ン、例えば、炭酸エチレンまたは炭酸プロピレン;(f)ポリアジリジン、例えば
、2,2-ビスヒドロキシメチルブタノールトリス[3-(1-アジリジンプロピオナート
)];(g)ハロエポキシ、例えば、エピクロロヒドリン;(h)ポリアミン、例えば、
エチレンジアミン;(i)ポリイソシアネート、例えば、2,4-トルエンジイソシア
ネート;(j)本明細書に参照により組み入れられる、米国特許第4,076,917号に開
示のヒドロキシアルキルアミド、例えば、EMS-CHEMIE AG,Dornat,スイス、から
市販されるPRIMID(商標)XL-552;および(k)当業者に公知のその他の酸含有樹脂
用の架橋剤;が含まれる。
【0123】 好ましい表面架橋剤には、多官能エポキシ化合物、例えばエチレングリコール
ジグリシジルエーテル;炭酸アルキレン;またはヒドロキシアルキルアミン(HAA
)が含まれる。HAAは、本明細書に参照により組み入れられるSwiftら,米国特許第
4,076,917号に開示されている。本発明に表面架橋剤として有用なHAAは、次式:
【化20】 [式中、Aは、結合、水素、または、1〜60個の炭素原子を有する飽和もしくは不
飽和アルキル基(メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、へ
プチル、オクチル、ノニル、デシル、エイコシル、トリアコンチル、テトラコン
チル、ペンタコンチル、ヘキシルコンチルなど)、アリール(例えばフェニル、
ナフチルなどの単環および二環アリール)、トリ-C1-4アルキレンアミン(トリ
メチレンアミノ、トリエチレンアミノなど)、ならびに1以上のエチレン基(>C=
C<)を含有する不飽和基(エテニル、1-メチルエテニル、3-ブテニル-1,3-ジイ
ル、2-プロペニル-1,2-ジイル、3-カルボキシ-2-プロペニルなどのカルボキシC1 -4 アルケニル、3-メトキシカルボニル-2-プロペニルなどのC1-4アルコキシカル
ボニル低級アルケニルその他)からなる群から選択される一価もしくは多価有機
基であり;R1は、独立して選択され、水素、直鎖もしくは分枝鎖のC1-5アルキル
(メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチ
ルなど)、または直鎖もしくは分枝鎖のC1-5ヒドロキシアルキル(ヒドロキシエ
チル、3-ヒドロキシプロピル、2-ヒドロキシプロピル, 4-ヒドロキシブチル、3-
ヒドロキシブチル、2-ヒドロキシ-2-メチルプロピル、5-ヒドロキシペンチル、4
-ヒドロキシペンチル、3-ヒドロキシペンチル、2-ヒドロキシペンチル、および
ペンチルの異性体など)であり;R2は、独立して選択され、水素および直鎖また
は分枝のC1-5アルキルから独立して選択される基であるか、またはR2基は炭素原
子と一緒にシクロアルキル環(シクロペンチル、シクロへキシルなど)の形成に
加わることができ;pおよびp'は独立して1〜4の整数であり;nは1または2の整数
であり、n'は0〜2の整数であるか、またはn'が0のとき、Aが不飽和基であれば、
β-ヒドロキシアルキルアミドからポリマーまたはコポリマー(すなわちnが1以
上の値、好ましくは2〜10である)が形成される]である。
【0124】 好ましいHAAは、R1がHまたはC1-5ヒドロキシアルキルであり、nおよびn'はそ
れぞれ1であり、-A-は-(CH2)m(ここにmは0〜8、好ましくは2〜8)であり、α-
炭素上のそれぞれのR2はHであり、それぞれの場合にβ-炭素上のR2基の1つはHで
あり他の1つはHまたはC1-5アルキルであり、そしてqおよびq'は独立して1〜3の
整数であって、すなわち次式:
【化21】 である。
【0125】 最も好ましいHAAは、次式:
【化22】 [式中、両方のR2基はHであるかまたは両方のR2基は-CH3である] である。
【0126】 HAA化合物の特定の例には、限定されるものでないが、ビス[N,N-ジ(β-ヒドロ
キシエチル)]アジポアミド、ビス[N,N-ジ(β-ヒドロキシプロピル)]スクシンア
ミド、ビス[N,N-ジ(β-ヒドロキシエチル)]アゼラミド、ビス[N,N-ジ(β-ヒドロ
キシプロピル)]アジポアミドおよびビス[N-メチル-N-β-(ヒドロキシエチル)]オ
キサミドが含まれる。市販されるβ-HAAは、EMS-CHEMIE, Dornat, スイスからの
PRIMID(商標) XL-552である。PRIMID(商標) XL-552は構造式:
【化23】 を有する。
【0127】 他の市販されるHAAは、EMS-CHEMIEからのPRIMDTM QM-1260であり、構造式
【化24】 で表される。
【0128】 他の実施形態においては、HAAは環状構造
【化25】 [式中、R3は、1〜4個の炭素原子を含有するアルキレン基およびアリーレンから
なる群から選択される二価の基である] で表される。好ましい実施形態においては、R3は、独立して、(CH2)2、(CH2)3
または(CH2CHCH3)である。
【0129】 塩基性樹脂粒子、または顆粒の外側表面上に存在する塩基性樹脂を有する多成
分イオン交換樹脂については、適当な表面架橋剤は、アミノ基と反応して樹脂を
架橋する能力を有する二または多官能性分子が挙げられる。好ましくは、表面架
橋剤はアルコールまたは水可溶性であってペンダントアミノ基を含有する樹脂と
十分な反応性を有し、約25℃〜約170℃の温度で、架橋が制御された様式で起こ
る。
【0130】 ペンダントアミノ基を含有する樹脂に対する適当な表面架橋剤の例は、限定さ
れるものでないが: (a) ジハロゲン化物およびジスルホン酸エステル、例えば式、Y-(CH2)p-Y[式
中、pは2〜12の数であり、Yは、独立してハロ(好ましくはブロモ)、トシレー
ト、メシレート、または他のアルキルもしくはアリールスルホン酸エステルであ
る]で表される化合物; (b) 多官能性アジリジン; (c) 多官能性アルデヒド、例えば、グルタルアルデヒド、トリオキサン、パラ
ホルムアルデヒド、テレフタルアルデヒド、マロンアルデヒド、およびグリオキ
サール、およびアセタールならびにそれらの重亜硫酸塩; (d) ハロヒドリン、例えばエピクロロヒドリン; (e) 多官能性エポキシ化合物、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、およびビスフェノールFジグリシジ
ルエーテル; (f) 多官能性カルボン酸とそれから誘導されるエステル、酸クロリド、および
無水物、例えば、2〜12個の炭素原子を含有するジおよびポリカルボン酸とそれ
から誘導されるメチルおよびエチルエステル、酸クロリド、および無水物、具体
的には、例えば、蓚酸、アジピン酸、コハク酸、ドデカン酸、マロン酸、および
グルタル酸などとそれから誘導されるエステル、無水物および酸クロリド; (g) 有機チタン酸エステル、例えば、E.I.DuPont de Nemours, Wilmington, DE
から入手しうるTYZOR AA; (h) メラミン樹脂、例えばCytec Industries, Wayne, NJから入手しうるCYMEL
樹脂; (i) ヒドロキシメチル尿素、例えばN,N'-ジヒドロキシメチル-4,5-ジヒドロキ
シエチレン尿素; (j) 多官能性イソシアネート、例えばトルエンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、お
よびヘキサメチレンジイソシアネート; (k) 本明細書に参照により組み入れられる米国特許第4,076,917号に開示された
ヒドロキシアルキルアミド、例えばEMS-CHEMIE AG, Dornat, Switzerlandから入
手できるPRIMIDTM XL-552およびQM-1260;および (l) 当業者に周知のアミノ含有樹脂用の他の架橋剤;が挙げられる。
【0131】 好ましい表面架橋剤は、約25℃〜約170℃で塩基性樹脂を架橋するジハロアル
カン、ヒドロキシアルキルアミド、エチレングリコールジグリシジルエーテル(
EGDGE)、またはそれらの混合物である。特に好ましい表面架橋剤は、3〜10個の
炭素原子を有するジブロモアルカンおよびEGDGEである。
【0132】 表面処理に加えて、またはその代わりに、酸性樹脂粒子、塩基性樹脂粒子、ま
たは多成分イオン交換顆粒全体、またはそれらの組合せを焼なましして硬質の外
側コーティングを得てもよい。酸性もしくは塩基性樹脂、またはイオン交換顆粒
を十分な時間、樹脂のTg(ガラス転移温度)を十分に超える温度で加熱すると、
軟質の内部の周囲に十分硬質のシェルができて、顆粒は水性液と接触したときに
過度に膨潤しないことがわかっている。
【0133】 本発明の好ましい多成分イオン交換顆粒は移動性カルボキシルおよびアミノ基
を顆粒の軟質のコアまたは中心部に有する。これらの移動性カルボキシルおよび
アミノ基は、例えば、廃液中に存在する水素またはナトリウムイオンを多価金属
イオンと交換する、または水酸化物イオンを硝酸または硫酸または他の夾雑物と
交換する点についてより効率的である。さらに、本発明の顆粒は高い表面積を有
し、イオン交換がより効率的である。
【0134】 本発明の多成分イオン交換顆粒は様々な方法により調製することができる。多
成分イオン交換顆粒を調製する正確な方法は以下の実施形態に限定されるもので
ないことは理解されなければならない。塩基性樹脂の少なくとも1つのミクロ領
域と接触または近接した酸性樹脂の少なくとも1つのミクロ領域を有する粒子を
提供する方法であれば、いずれの方法でも適当である。
【0135】 1つの方法においては、塩基性樹脂の乾燥粒子を、場合によっては表面架橋し
たおよび/または焼なましして、酸性樹脂のゴム様ゲルに混合する。得られる混
合物を押出加工し、次いで乾燥し、場合によっては表面架橋および/または焼な
ましして、酸性樹脂の連続相中に分散した塩基性樹脂のミクロ領域を有する多成
分イオン交換顆粒を得る。あるいは、酸性樹脂の粒子を、場合によっては表面架
橋および/または焼なましして、塩基性樹脂のゴム様ゲルに混合し、そして得ら
れる混合物を押出加工し、乾燥し、場合によっては表面架橋および/または焼な
ましして、塩基性樹脂の連続相中に分散した酸性樹脂のミクロ領域を有する多成
分イオン交換顆粒を得る。
【0136】 他の方法においては、酸性樹脂の乾燥粒子を塩基性樹脂の乾燥粒子と混合し、
得られる混合物からヒドロキシゲルを作り、次いで押出加工して多成分イオン交
換顆粒を成形する。
【0137】 さらに他の方法においては、酸性樹脂のゴム様ゲルと塩基性樹脂のゴム様ゲル
とを、それぞれ場合によっては表面架橋および/または焼なましして、同時押出
加工し、そして同時押出加工品を乾燥し、場合によっては表面架橋および/また
は焼なましし、粒子全体に分散した酸性樹脂と塩基性樹脂のミクロ領域を含んで
なる多成分イオン交換顆粒を成形する。
【0138】 従って、本発明の多成分イオン交換顆粒を調製する方法は、限定されるもので
なく、押出加工工程を必要とするものではない。当業者であれば、お互いに接触
または近接した酸性樹脂の少なくとも1つのミクロ領域と塩基性樹脂の少なくと
も1つのミクロ領域を含んでなる多成分イオン交換顆粒を調製する他の方法を思
い当たるであろう。1つの例は、少なくとも1つの酸性樹脂と少なくとも1つの塩
基性樹脂の微粒子とをお互いに、場合によってはマトリックス樹脂と共に凝集さ
せ、酸性および/または塩基性樹脂のミクロ領域を含んでなる多成分イオン交換
顆粒を得る。多成分イオン交換顆粒を所望の粒径に粉砕するかまたは所望の粒径
を与える技術により調製してもよい。本発明のイオン交換顆粒を調製する他の方
法は、限定されるものでないが、本明細書に参照により組み入れられるWO 99/25
393に説明されている。
【0139】 酸性樹脂および塩基性樹脂がマトリックス樹脂のマトリックス内にミクロ領域
として存在する実施形態においては、酸性樹脂および塩基性樹脂の粒子をマトリ
ックス樹脂のゴム様ゲルと混合し、得られる混合物を押出加工し、次いで乾燥し
て、マトリックス樹脂の連続相中に分散した酸性樹脂と塩基性樹脂のミクロ領域
を有する多成分イオン交換顆粒を成形する。あるいは、酸性樹脂、塩基性樹脂、
およびマトリックス樹脂のゴム様ゲルを同時押出加工して、粒子全体に分散した
酸性樹脂、塩基性樹脂、およびマトリックス樹脂のミクロ領域を含有する多成分
イオン交換顆粒を得てもよい。この実施形態においては、酸性樹脂、塩基性樹脂
、および得られる多成分イオン交換顆粒はそれぞれ、場合によっては表面架橋お
よび/または焼なまししてもよい。
【0140】 マトリックス樹脂は、液媒質が酸性樹脂および塩基性樹脂と接触し得るように
液移動が可能であるいずれの樹脂であってもよい。マトリックス樹脂は、典型的
には、水を吸収し得る親水性樹脂であって非膨潤性である。マトリックス樹脂の
例としては、限定されるものでないが、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(N-ビニ
ルホルムアミド)、ポリエチレンオキシド、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリ(ヒ
ドロキシエチルアクリレート)、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロー
ス、およびそれらの混合物が挙げられる。
【0141】 好ましい実施形態においては、酸性樹脂、塩基性樹脂、および/または多成分
イオン交換顆粒を表面処理および/または焼なましする。表面処理および/また
は焼なましすることにより粒子の表面架橋が起こる。特に好ましい実施形態にお
いては、酸性樹脂および/または塩基性樹脂を含んでなる多成分イオン交換顆粒
を表面処理および/または焼なましし、そして多成分イオン交換顆粒全体を表面
処理および/または焼なましする。酸性樹脂、塩基性樹脂、および/または本発
明の多成分イオン交換顆粒の表面処理および/または焼なましすると、樹脂また
は多成分イオン交換顆粒の水媒質を吸収しかつ膨潤する能力を低下することがわ
かっている。
【0142】 本発明の顆粒を含有するイオン交換床は、球とは反対に、線状の流れを変えて
流れ分布を広げ、樹脂を通過する流れの道筋ができる可能性を低下させる。本発
明の顆粒イオン交換樹脂の表面積の増加はまた、発酵ブロスなどの微粒子に対す
る負荷の大きい水流を再生するのに利用しうる。対照的に、通常のイオン交換樹
脂は発酵ブロスによって容易に汚染し、その結果、発酵ブロスおよび農業副産物
からタンパク質を除去する能力が低下する。
【0143】 本発明のイオン交換顆粒を利用して水および溶媒流から汚染イオンを除去する
ことができる。より具体的には、顆粒を水の精製に利用してもよく、これには重
金属および遷移金属、または不要な陰イオンの、水および様々な陰イオンからの
除去および回収が含まれる。例えば、本発明の顆粒は、水中に存在する硝酸塩、
硫酸塩、ならびに低レベルの可溶性および沈殿した鉛または硝酸イオンを除去す
る上で、通常のイオン交換樹脂より効率的である。さらに、樹脂の高度な表面架
橋は、イオンをより有効にキレート化する能力を顆粒に与えるので、伝統的なイ
オン交換樹脂では効果がなかった条件下で金属イオンの除去が可能になる。本発
明のイオン交換顆粒はまた、重炭酸アルカリ度からおよびpH緩衝化操作において
生じる、水の一時的硬度の除去に利用してもよい。
【0144】 本発明の重要な特徴によって、強酸性樹脂を強塩基性樹脂もしくは弱塩基性樹
脂のいずれか、またはそれらの混合物と共に使用してもよい。弱酸性樹脂を強塩
基性樹脂もしくは弱塩基性樹脂のいずれか、またはそれらの混合物と共に使用し
てもよい。好ましくは、酸性樹脂は弱酸性樹脂であり、塩基性樹脂は弱塩基性樹
脂である。この結果はイオン交換業界の観点では予想されないことであって、イ
オン交換業界では弱酸性樹脂と弱塩基性樹脂の組合せは他の組合せ、例えば強酸
性樹脂と強塩基性樹脂と同じような性能を示さない。さらに好ましい実施形態に
おいては、弱酸性樹脂、弱塩基性樹脂、および/または多成分イオン交換顆粒を
、表面架橋および/または焼なましする。
【0145】 本発明の多成分イオン交換顆粒においては、塩基性樹脂はその遊離塩基、例え
ばアミン型で存在してもよく、酸性樹脂はその遊離の酸の型で存在してもよい。
さらに、アミンおよび/または酸性官能基はその荷電型であってもよい。すなわ
ち、それぞれの樹脂は個々にDN=0〜DN=100を有してもよい。強塩基性樹脂は水酸
化物または炭酸水素塩、すなわち荷電型で存在する。荷電官能基の百分率すなわ
ちDNは、処理する液および液から除去するイオンに基づいて選択する。
【0146】 本発明の多成分イオン交換顆粒の他の用途は、例えば発酵ブロスからのセファ
ロスポリンの抽出および精製、またはストレプトマイシンおよびネオマイシン(
抗体)の抽出などの製薬上の分離プロセス;凝縮液ポリッシングおよび糖加工に
使われるプレコート濾過プロセス;果汁およびワインの苦味抜き;クロマトグラ
フィー分離の交換媒質;薬物の徐放用担体;ならびに局所医薬品の吸収剤および
緩衝化剤が挙げられる。
【0147】実施例 以下の非限定的な実施例は、本発明を説明するために提供するものであるが、
本発明の範囲を限定することを意図するものでない。以下に記述する試験結果に
おいて、本発明のイオン交換顆粒は無負荷下の吸収(AUNL)および0.28psi負荷
下の吸収(AUL(0.28psi))について試験した。負荷下の吸収(AUL)は、ポリマ
ー粒子の施用圧力下で液体を吸収する能力の基準である。AULは、本明細書に参
照により組み入れられる米国特許第5,149,335号に開示された次の方法により決
定した。
【0148】 イオン交換樹脂の粒子(0.160g±0.001g)を、内径25mmの中空プレキシグラス
(Plexiglas)シリンダーの基部に取り付けた140ミクロンの透水性メッシュ上に
、注意深く散布する。100gのカバープレートを用いてサンプルを覆い、シリンダ
ーアセンブリを秤量する。この状態で20g/cm2(0.28psi)の施用圧力がかかってい
る。スクリーンを取り付けたシリンダーの基部を25ミリリットルの試験溶液(通
常0.9%の塩水)を含有する100mmペトリ皿内に置いて、1時間(または3時間)ポ
リマーに吸収させる。シリンダーアセンブリを再秤量し、吸収した液重量を液接
触前の乾燥重量により除して(所与の圧力における)AULを計算する。
【0149】 イオン交換樹脂はまた、抽出可能物質の重量パーセントについても試験するこ
とができる。この試験においては、イオン交換樹脂(0.400g)を攪拌バーを含有
する150mlビーカーに秤量して入れた。次いで0.9重量%のNaCl水溶液75mlをビー
カーに加えた。得られた混合物を300rpmで16時間攪拌した。次いでサンプルを濾
過し、濾液40mlを0.1M HClを用いてpH 2.7まで滴定した。pH 2.7に達するために
必要な酸の容積を、イオン交換樹脂から抽出した可溶性ポリマーの量と相関させ
た。
【0150】 イオン交換樹脂を次の方法により、イオン交換能力(樹脂1グラム当たりの滴
定可能な酸性基のmeqとして)について試験した。水素型のイオン交換樹脂のサ
ンプル0.5グラムを、1M水酸化ナトリウム(NaOH)15g中に入れて3時間、150rpm
にて攪拌した。次いでサンプルを濾過し、濾液に脱イオン水(DI)20mlを加えた
。濾液を0.5N塩酸(HCl)を用いて滴定して樹脂が消費したNaOHの量を定量し、
次いでこれを樹脂のイオン交換能力と相関させた。
【0151】 水和イオン交換顆粒の直径を、Coulter LS230粒度分析計を用いて測定した。
測定は脱イオン水中で行った。
【0152】 以下の実施例は、改良された本発明のイオン交換樹脂を説明する。本発明のイ
オン交換樹脂は、(a)イオン交換樹脂が受ける処理および最終使用条件に対する
機械的強度の増加、(b)使用前に樹脂を処理するためおよび樹脂を再生するため
に使われる酸および塩基による加水分解に対する耐性、および(c)水流からの高
いpH、鉛、硬度、アルカリ度、硫酸塩、および硝酸塩を除去することについての
、現在の市販イオン交換樹脂と同等のまたはそれより改良された能力を示す。
【0153】実施例1 アクリル酸約25重量%、DI水約75%、トリアリルアミン(TAA、バルク架橋剤と
して)0.26mol%、およびジエチレントリアミン(DETA)1.0mol%を含有するモノ
マー混合物を調製し、約10℃まで冷却した。開始剤(DAROCUR 1173、0.02mol%)
を冷却したモノマー溶液に加え、次いで混合物を紫外光を用いて光重合した。得
られた酸性樹脂ヒドロゲルを押出加工した。
【0154】 独立して、ポリ(ビニルアミン)水溶液(濃度約5重量%)に、ビニルアミン反
復単位に基づいて約10mol%の架橋濃度を与えるようにDENECOL EX-810 (すなわち
EGDGE)を加えた。得られた溶液を均一になるまで混合し、そしてポリマーを60℃
にて2時間硬化させてポリ(ビニルアミン)を架橋し、塩基性樹脂のゲルを得た。
【0155】 酸性樹脂ゲルと塩基性樹脂ゲルのブレンドを調製した。ブレンドはポリ(アク
リル酸)ゲル約55重量%に対し、ポリ(ビニルアミン)ゲル約45重量%の比でこれ
らを含んでいた。2つのゲルを一緒にブレンドし、次いで数回、押出加工して均
一な混合物とした。次に、2つの個別の混合物サンプルを、それぞれ2時間または
4時間、155℃で乾燥し硬化させた。硬化させた多成分イオン交換顆粒を次いで粉
砕し、分級して約180〜約710μmの直径をもつ顆粒を得た。
【0156】 両方の多成分イオン交換顆粒のサンプルは、水道水中で約14g/gのAUNL値およ
び0.9wt.塩水中で20〜24g/gのAUNL値を示した。これらの多成分イオン交換顆粒
は、7meq/gの陽イオン交換能力および約1144μmのメジアン粒度分布を有した。
【0157】実施例2 アクリル酸約25重量%、脱イオン(DI)水約75重量%、トリアリルペンタエリ
スリトールエーテル(TAPE)0.1mol%、およびジエチレントリアミン(DETA)3mo
l%を含有するモノマー混合物を調製し、次いで約10℃まで冷却した。開始剤(DA
ROCUR 1173、0.02 mol%)を冷却したモノマー溶液に加え、次いで得られた混合
物を紫外光を用いて光重合した。得られた酸性樹脂ヒドロゲルを押出加工した。
【0158】 独立して、分枝ポリエチレンイミン水溶液(約33重量%)、DENECOL EX-810 (
エチレンイミン反復単位に基づいて0.5 mol%)、およびコハク酸(エチレンイミ
ン反復単位に基づいて2.5 mol%)を混合した。得られた溶液を均一になるまで混
合し、次いで60℃にて2時間硬化させてポリエチレンイミンを架橋し、塩基性樹
脂ヒドロゲルを得た。
【0159】 酸性樹脂ヒドロゲルと塩基性樹脂ヒドロゲルのブレンドを調製した。ブレンド
はポリ(アクリル酸)ゲル約50重量%に対し、ポリエチレンイミン約50重量%の比
でこれらを含んでいた成った。2つのゲルを混合し、次いで数回押出加工して均
一な混合物を得た。得られた樹脂を165℃で2時間硬化させた。次いで硬化させた
多成分イオン交換顆粒を粉砕し、分級して約180〜約710μmの直径をもつ顆粒を
得た。得られた樹脂顆粒は、2.2 g/gのAUNL値(水道水)を有した。
【0160】実施例3 硝酸イオン対硫酸イオン選択性 実施例1の多成分イオン交換樹脂の硝酸対硫酸選択性をM. Coxら,Chem. Ind.,5
,161-162(1981)に記載の方法を用いて試験し、市販される硝酸イオン選択的強塩
基性樹脂(Sybron SR-7)の選択性と比較した。本実験において、イオン交換樹
脂のサンプルを、硝酸ナトリウムと硫酸ナトリウムの混合物を含有する溶液中で
攪拌した。硝酸ナトリウムと硫酸ナトリウムに対するポリマーの比は、ポリマー
の交換可能部位当たり約2モルの硫酸ナトリウムが存在するように設定した。1セ
ットの実験においては、実施例2から得られたイオン交換樹脂、約25mgを6つの容
器のそれぞれに入れ、硝酸塩対硫酸塩のモル比を0〜1の間で変えた。第2の実験
においては、Sybron SR-7樹脂、約120mgを容器のそれぞれに入れ、再び硝酸塩対
硫酸塩のモル比を0〜1の間で変えた。サンプルを室温で約16時間攪拌した。次に
、溶液をイオンクロマトグラフィーにより硫酸塩と硝酸塩含量について試験した
。次表は、これらの実験から得られたデータをまとめたものである。
【0161】
【表1】 図6は、これらの実験で得られたデータを図解する。Sybron SR-7樹脂は、試験
した硝酸塩および硫酸塩濃度の全範囲にわたって、硫酸イオンに対する硝酸イオ
ンの優先的除去を示す。しかし実施例1の多成分イオン交換樹脂は、硫酸イオン
を除去するのと同じ効率で硝酸イオンを除去する。
【0162】 実施例2の樹脂は、上記の実験で用いた硝酸塩の最高濃度で実施例3のSybron S
R-7樹脂より質量基準で多くの硝酸塩を除去する利点を示す(それぞれ0.18mg硝
酸塩/mg樹脂対0.11mg硝酸塩/mg樹脂)。さらに、実施例2の樹脂は、多成分イオ
ン交換樹脂中の酸性カルボキシレート基の存在により、硬度、アルカリ度、およ
び他の正荷電金属イオンを除去する能力を保持する。
【0163】実施例4 直径2インチのポリ塩化ビニル管と適当な末端キャップおよびフィルターを使
用し、管路に圧力をかけてカートリッジ内に濾過媒体を保持させ、軸流型水精製
カートリッジを組み立てた。1つのカートリッジを、粉末活性炭(PAC, NORIT 21
1)11mlおよび実施例2に記載の水和多成分イオン交換樹脂 11mlとともに重力充
填した。またPACの22mlだけを含有する対照カートリッジも調製した。カートリ
ッジを、10分間オン/10分間オフでサンプルを流すサイクルテスターで試験し、
サンプルを1サイクルおきに試験した。管路圧力は50psiであり、流入水は約102p
pmのアルカリ度(CaCO3として)、140ppmの硬度(CaCO3として)、および2ppmの
塩素を有していた。
【0164】 PACだけを含有する対照カートリッジは実質的に硬度を除去しない。多成分イ
オン交換樹脂とPACの混合物を含有するカートリッジは、実質的な量の硬度を除
去し、かつ数サイクル後も硬度を除去しつづける。
【0165】 本発明のカートリッジはまた、全試験サイクルを通してアルカリ度も除去する
が、PACだけを含有する対照カートリッジはアルカリ度を評価できるほどには除
去できない。両方のカートリッジは、試験サイクルを通して流入液から塩素を完
全に除去する。
【0166】 実施例4の軸流型カラムと同様に、動経流の形状を有するカートリッジを水流
から硬度、アルカリ度および塩素を除去するために使うこともできる。
【0167】 本発明のイオン交換樹脂を含有する水精製カートリッジは、粉末活性炭に加え
てまたはその代わりに他の吸着剤、例えば、ゼオライト、ポリスチレン吸着樹脂
、またはXAD-4およびXAD-7(Rohm and Haas Co.,Philadelphia,PAから入手しう
る)などのポリアクリレート吸着樹脂、またはそれらの混合物を含有してもよい
し、またはそのような追加の吸着剤を含まなくてもよい。
【0168】 以上の説明は理解を明確にするためだけに提供したものであって、それから不
必要な限定をするために提供したのでないことは理解されなければならない。ま
た本発明の範囲内の改変は当業者には明白であろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、第2の樹脂の連続相中に分散した第1の樹脂のミクロ領域を含む水吸収
粒子の模式図である。
【図2】 図2は、粒子全体に分散した第1の樹脂のミクロ領域および第2の樹脂のミクロ
領域を含む水吸収粒子の模式図である。
【図3】 図3Aおよび3Bは、第2の樹脂の層によって囲まれた第1の樹脂のコアミクロ領域
を有する水吸収粒子の模式図である。
【図4】 図4A〜Dは、第2の樹脂のミクロ領域と接触した第1の樹脂のミクロ領域を有す
る水吸収粒子の模式図である。
【図5】 図5Aおよび5Bは、第1の樹脂と第2の樹脂が相互貫入しているネットワークを有
する水吸収粒子の模式図である。
【図6】 図6は、硝酸イオンモル分率(測定値)対硝酸イオンモル分率(最初)のプロ
ットであり、本発明の多成分イオン交換顆粒の硝酸イオン除去能力を市販の対照
イオン交換樹脂と比較する。
【手続補正書】
【提出日】平成14年5月9日(2002.5.9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【化1】 [式中、Rは水素またはC1-6アルキル基を表し、フェニル環は1〜4個のC1-4アル
キルまたはヒドロキシ基によって置換されていてもよい]で表されるスチレン系
化合物、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アク
リル酸n-プロピル、アクリル酸n-ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸n-ブ
チル、スチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、t-ブチルスチレン、
およびそれらの混合物からなる群から選択される1以上の任意のビニルモノマー
を含有することを特徴とする、請求項1に記載の樹脂。
【化2】 [式中、Aは結合、水素、1〜60個の炭素原子を含有する飽和もしくは不飽和アル
キル基、アリール、トリ-C1-4アルキレンアミン、および1以上のエチレン系基を
含有する不飽和基からなる群から選択される一価もしくは多価有機基であり;R1 は、独立して選択され、水素、直鎖もしくは分枝鎖のC1-5アルキル、または直鎖
もしくは分枝鎖のC1-5ヒドロキシアルキルであり;R2は、独立して選択され、水
素および直鎖または分枝のC1-5アルキルからなる群から選択されるか、またはR2 基は連結して炭素原子と一緒になって、シクロアルキル環を形成し;pおよびp'
は独立して1〜4の整数であり;nは1または2の整数であり、n'は0〜2の整数であ
るか;またはn'が0のとき、Aが不飽和基であればヒドロキシアルキルアミドから
ポリマーまたはコポリマー(ここでnは1より大きい)が形成される]で表される
ことを特徴とする、請求項31に記載の樹脂。
【化3】 [式中、R1はHまたはC1-5ヒドロキシアルキルであり、mは0〜8であり、そしてβ
-炭素上のR2基の1つはHであり、他方はHまたはC1-5アルキルであり、qおよびq'
は独立して1〜3の整数である]で表されることを特徴とする、請求項33に記載の
樹脂。
【化4】 [式中、両方のR2基はHであるかまたは両方のR2基は-CH3である]で表されるこ
とを特徴とする、請求項33に記載の樹脂。
【化5】 [式中、R3は、1〜4個の炭素原子を含有するアルキレン基およびアリーレンから
なる群から選択される二価の基である]で表されることを特徴とする、請求項31
に記載のイオン交換樹脂。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08G 59/40 C08G 59/40 C08K 5/00 C08K 5/00 C08L 101/02 C08L 101/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DZ ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM, HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,K G,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT ,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN,MW, MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S D,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR ,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN,YU,ZA, ZW (72)発明者 スピンドラー,ラルフ アメリカ合州国 60047 イリノイ州 レ イク チューリッヒ,レイクサイド ドラ イブ 24140 Fターム(参考) 4D024 AA02 AA10 BA02 BA07 BA17 BB01 BC01 CA04 DB19 4D025 AA02 AA10 AB11 AB14 AB23 AB28 BA08 BA13 BA22 BA24 BB01 DA02 DA03 4J002 BB101 BB141 BB181 BC041 BC081 BC121 BE041 BF021 BG011 BG041 BG051 BG091 BG131 BH021 BJ001 BN011 BQ001 CC182 CF191 CL021 CM011 EB046 EC036 EC046 EC056 EC076 EE016 EF066 EG046 EH076 EH096 EL026 EL106 EL136 EM006 EN036 EN046 EN096 EN106 EN136 EP026 ET016 EU016 EV246 FD142 FD146 GD01 4J034 BA03 DA03 DA05 DA06 DB03 DB07 DB08 DD02 DF01 DF24 DL04 DN03 DP03 DP06 DP12 DP13 DP17 DP18 DP20 EA04 HA02 HA07 HC12 HC61 HC71 RA04 4J036 AA01 FB01 FB02 FB03 FB04 FB14 FB18 JA15 KA06

Claims (70)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1種の酸性樹脂の連続相中に分散された少なくと
    も1種の塩基性樹脂の少なくとも1つのミクロ領域を含む乾燥顆粒を含有する多成
    分イオン交換樹脂であって、前記顆粒が無負荷下で顆粒1グラム当たり25グラム
    以下の水道水を吸収しかつ水和後の顆粒容積が水和前の顆粒容積の10倍以下であ
    ることを特徴とする前記多成分イオン交換樹脂。
  2. 【請求項2】 塩基性樹脂が強塩基性樹脂を含み、そして酸性樹脂が強酸性
    樹脂、弱酸性樹脂、またはそれらの混合物を含むことを特徴とする、請求項1に
    記載の樹脂。
  3. 【請求項3】 塩基性樹脂が弱塩基性樹脂を含み、酸性樹脂が強酸性樹脂、
    弱酸性樹脂、またはそれらの混合物を含むことを特徴とする、請求項1に記載の
    樹脂。
  4. 【請求項4】 酸性樹脂と塩基性樹脂の重量比が約90:10〜約10:90であるこ
    とを特徴とする、請求項1に記載の樹脂。
  5. 【請求項5】 塩基性樹脂と酸性樹脂とを合計で約50重量%〜100重量%含有
    することを特徴とする、請求項1に記載の樹脂。
  6. 【請求項6】 粒子の直径が約1〜約10,000ミクロンであることを特徴とす
    る、請求項1に記載の樹脂。
  7. 【請求項7】 顆粒が無負荷下で顆粒1グラム当たり約1〜約15グラムの水道
    水を吸収することを特徴とする、請求項1に記載のイオン交換樹脂。
  8. 【請求項8】 顆粒が無負荷下で顆粒1グラム当たり約1〜約5グラムの水道
    水を吸収することを特徴とする、請求項1に記載のイオン交換樹脂。
  9. 【請求項9】 水和した顆粒の容積が水和前の顆粒の容積の5倍以下である
    ことを特徴とする、請求項1に記載のイオン交換樹脂。
  10. 【請求項10】 塩基性樹脂が約65℃〜約185℃の温度で約20分間〜約16時
    間焼なましされていることを特徴とする、請求項1に記載の樹脂。
  11. 【請求項11】 塩基性樹脂が該樹脂の約2重量%まで表面架橋剤により表
    面架橋されていることを特徴とする、請求項1に記載の樹脂。
  12. 【請求項12】 表面架橋剤が、 (a) 式 Y-(CH2)p-Y [式中、pは2〜12の整数であり、Yは、独立してハロゲン、トシレート、メシレ
    ート、アルキルスルホン酸エステルまたはアリールスルホン酸エステルである]
    で表されるジハロゲン化物またはジスルホン酸エステル; (b) 多官能アジリジン; (c) 多官能アルデヒド、ならびにそのアセタールおよび重亜硫酸塩; (d) ハロヒドリン; (e) 多官能エポキシ化合物。 (f) 2〜12個の炭素原子を含有する多官能カルボン酸、ならびに該カルボン酸か
    ら誘導されるメチルおよびエチルエステル、酸クロリド、および無水物; (g) 有機チタン酸エステル; (h) メラミン樹脂; (i) ヒドロキシメチル尿素; (j) 多官能イソシアネート; (k) ヒドロキシアルキルアミド;および (l) それらの混合物 からなる群から選択されることを特徴とする、請求項11に記載の樹脂。
  13. 【請求項13】 樹脂が約20,000ppm以下の表面架橋剤を用いて表面架橋さ
    れていることを特徴とする、請求項1に記載の樹脂。
  14. 【請求項14】 樹脂が約65℃〜約185℃の温度で約20分間〜約16時間焼な
    ましされていることを特徴とする、請求項1に記載の樹脂。
  15. 【請求項15】 塩基性樹脂が0%〜100%のDNを有することを特徴とする、
    請求項1に記載の樹脂。。
  16. 【請求項16】 塩基性樹脂を含むモノマー単位の少なくとも50%が塩基性
    モノマー単位であることを特徴とする、請求項1に記載の樹脂。
  17. 【請求項17】 塩基性樹脂がポリ(ビニルアミン)、ポリ(ジアルキルア
    ミノアルキル(メタ)アクリルアミド)、N-(ジアルキルアミノ(メタ)アクリルア
    ミド)のエステル類似体から製造されるポリマー、ポリエチレンイミン、ポリ(
    ビニルグアニジン)、ポリ(アリルグアニジン)、ポリ(アリルアミン)、ポリ(ジメ
    チルジアルキルアンモニウムヒドロキシド)、グアニジン-修飾ポリスチレン、四
    級化ポリスチレン、四級化ポリ(メタ)アクリルアミドまたはそれらのエステル類
    似体、ポリ(ビニルアルコール-co-ビニルアミン)、およびそれらの混合物からな
    る群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の樹脂。
  18. 【請求項18】 酸性樹脂が複数のカルボン酸基、スルホン酸基、硫酸基、
    ホスホン酸基、もしくはリン酸基、またはそれらの混合物を含有することを特徴
    とする、請求項1に記載の樹脂。
  19. 【請求項19】 酸性樹脂が0%〜100%のDNを有することを特徴とする、請求
    項1に記載の樹脂。
  20. 【請求項20】 酸性樹脂を含んで成るモノマー単位の少なくとも50%が酸
    性モノマー単位ことを特徴とする、請求項1に記載の樹脂。
  21. 【請求項21】 酸性樹脂がアクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、α
    -クロロアクリル酸、α-シアノアクリル酸、β-メタクリル酸、2-メチル-2-ブテ
    ンジカルボン酸、α-フェニルアクリル酸、β-アクリルオキシプロピオン酸、ソ
    ルビン酸、α-クロロソルビン酸、アンゲリカ酸、桂皮酸、p-クロロ桂皮酸、β-
    ステアリルアクリル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、グルタコン酸
    、アコニット酸、マレイン酸、フマル酸、トリカルボキシエチレン、無水マレイ
    ン酸、無水フマル酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水メサコン酸、無
    水メチルイタコン酸、無水エチルマレイン酸、マレイン酸ジエチル、マレイン酸
    メチル、それらの塩、それらの部分塩、およびそれらの混合物からなる群から選
    択されるモノマーを含むことを特徴とする、請求項1に記載の樹脂。
  22. 【請求項22】 酸性樹脂が、アルケニルスルホン酸化合物、スルホアルキ
    ルアクリレート化合物、脂肪族ビニルスルホン酸、芳香族ビニルスルホン酸、ア
    クリルスルホン酸、メタクリルスルホン酸、硫酸化ヒドロキシエチルアクリレー
    ト、硫酸化ヒドロキシプロピルメタクリレート、およびそれらの混合物からなる
    群から選択されるスルホネート基、硫酸基、またはリン酸基を含有するモノマー
    を含むことを特徴とする、請求項1に記載の樹脂。
  23. 【請求項23】 モノマーがビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、ビニル
    トルエンスルホン酸、スチレンスルホン酸、スルホエチルアクリレート、スルホ
    エチルメタクリレート、スルホプロピルアクリレート;2-ビニル-4-エチルベン
    ゼン、2-アリルベンゼンスルホン酸、1-フェニル-エチレンスルホン酸、スルホ
    プロピルメタクリレート、2-ヒドロキシ-3-メタクリルオキシプロピルスルホン
    酸、2-アクリル-アミド-2-メチルプロパンスルホン酸、メタクリルオキシエチル
    ホスフェート、およびそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とす
    る、請求項22に記載の樹脂。
  24. 【請求項24】 塩基性樹脂および/または酸性樹脂が、エチレン、プロピ
    レン、イソブチレン、酢酸ビニル、メチルビニルエーテル、式: 【化1】 [式中、Rは水素またはC1-6アルキル基を表し、フェニル環は1〜4個のC1-4アル
    キルまたはヒドロキシ基によって置換されていてもよい]で表されるスチレン系
    化合物、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アク
    リル酸n-プロピル、アクリル酸n-ブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
    チル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸n-ブ
    チル、スチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン、t-ブチルスチレン、
    およびそれらの混合物からなる群から選択される1以上の任意のビニルモノマー
    を含有することを特徴とする、請求項1に記載の樹脂。
  25. 【請求項25】 酸性樹脂が、ポリアクリル酸、加水分解デンプン-アクリ
    ロニトリルグラフトコポリマー、デンプン-アクリル酸グラフトコポリマー、鹸
    化酢酸ビニル-アクリル酸エステルコポリマー、加水分解アクリロニトリルポリ
    マー、加水分解アクリルアミドコポリマー、エチレン-無水マレイン酸コポリマ
    ー、イソブチレン-無水マレイン酸コポリマー、ポリ(ビニルホスホン酸)、ポ
    リ(ビニルスルホン酸)、ポリ(ビニルリン酸)、ポリ(ビニル硫酸)、スルホン化
    ポリスチレン、ポリ(アスパラギン酸)、ポリ(乳酸)、およびそれらの混合物か
    らなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の樹脂。
  26. 【請求項26】 塩基性樹脂がポリ(ビニルアミン)、ポリ(ジアルキルア
    ミノアルキル(メタ)アクリルアミド)、ポリ(ビニルグアニジン)、ポリエチ
    レンイミン、またはそれらの混合物を含み、酸性樹脂がポリ(アクリル酸)を含む
    ことを特徴とする、請求項1に記載の樹脂。
  27. 【請求項27】 酸性樹脂および/または塩基性樹脂が、少なくとも1つの
    重合可能な二重結合と、酸基もしくはアミノ基と反応性のある少なくとも1つの
    官能基とを有する化合物、酸基もしくは塩基と反応性のある少なくとも2つの官
    能基を有する化合物、酸基とイオン性架橋を形成しうる多価金属化合物、および
    それらの混合物からなる群から選択される潜伏性架橋剤を含有することを特徴と
    する、請求項1に記載の樹脂。
  28. 【請求項28】 酸性樹脂に対する潜伏性架橋剤が、ポリヒドロキシ化合物
    、多価金属塩、第四級アンモニウム化合物、多官能エポキシ化合物、炭酸アルキ
    レン、ポリアジリジン、ハロエポキシ、ポリアミン、ポリイソシアネート、ヒド
    ロキシアルキルアミド、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アミノアルキ
    ル(メタ)アクリレート、およびそれらの混合物からなる群から選択されることを
    特徴とする、請求項27に記載の樹脂。
  29. 【請求項29】 潜伏性架橋剤がグリコール、トリオール、ポリオール、エ
    チレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、グリセロ
    ール、エチレングリコールジグリシジルエーテル、炭酸エチレン、炭酸プロピレ
    ン、2,2-ビスヒドロキシメチルブタノールトリス[3-(1-アジリジンプロピオネー
    ト)]、エピクロロヒドリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリス
    (2-アミノエチル)アミン、1,3-ジアミノプロパン、1,6-ジアミノヘキサン、トリ
    エチレンテトラアミン、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、2,4-トル
    エンジイソシアネート、ビス[N,N-ジ(β-ヒドロキシエチル)]アジポアミド、ビ
    ス[N,N-ジ(β-ヒドロキシプロピル)]スクシンアミド、ビス[N,N-ジ(β-ヒドロキ
    シエチル)]アゼラミド、ビス[N,N-ジ(β-ヒドロキシプロピル)]アジポアミド、
    ビス[N-メチル-N-(β-ヒドロキシエチル)]オキサミド、ヒドロキシエチルアクリ
    レート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、アミノエチルアクリレート、アミ
    ノプロピルメタクリレート、およびそれらの混合物からなる群から選択されるこ
    とを特徴とする、請求項28に記載の樹脂。
  30. 【請求項30】 塩基性樹脂に対する潜伏性架橋剤が多官能アルデヒド、多
    官能(メタ)アクリレート、ハロヒドリン、ジハロゲン化物、ジスルホン酸エステ
    ル、多官能エポキシド、多官能エステル、多官能酸ハロゲン化物、多官能カルボ
    ン酸、無水カルボン酸、有機チタン酸エステル、メラミン樹脂、ヒドロキシエチ
    ル尿素、多官能イソシアネート、およびそれらの混合物からなる群から選択され
    ることを特徴とする、請求項27に記載のイオン交換樹脂。
  31. 【請求項31】 潜伏性架橋剤がエチレングリコールジグリシジルエーテル
    、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、1,2-ジブロモエ
    タン、1,3-ジブロモプロパン、1,4-ジブロモブタン、1,5-ジブロモペンタン、1,
    6-ジブロモヘキサン、1,7-ジブロモヘプタン、マロン酸ジメチル、コハク酸ジエ
    チル、コハク酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、ピメリン
    酸ジメチル、ヘキサメチレンジイソシアネート、およびそれらの混合物からなる
    群から選択されることを特徴とする、請求項30に記載のイオン交換樹脂。
  32. 【請求項32】 モノマーの全モルに基づいて、0〜約6モル%の量の潜伏性
    架橋剤を含有することを特徴とする、請求項27に記載のイオン交換樹脂。
  33. 【請求項33】 酸性樹脂表面が、ポリヒドロキシ化合物、金属塩、第四級
    アンモニウム化合物、多官能エポキシ化合物、炭酸アルキレン、ポリアジリジン
    、ハロエポキシド、ポリアミン、ポリイソシアネート、ヒドロキシアルキルアミ
    ド、多官能エポキシ化合物、トリオール、グリコール、およびそれらの混合物か
    らなる群から選択される表面架橋剤を用いて架橋されていることを特徴とする、
    請求項1に記載の樹脂。
  34. 【請求項34】 表面架橋剤が、プロピレングリコール、エチレングリコー
    ルジグリシジルエーテル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、エチレンジアミン、
    ジエチレントリアミン、1,3-ジアミノプロパン、1,6-ジアミノヘキサン、トリエ
    チレンテトラアミン、1,4-ジアミノブタン、1,5-ジアミノペンタン、ポリエチレ
    ンイミン、トリス(2-アミノエチル)アミン、ビス[N,N-ジ(β-ヒドロキシエチル)
    ]アジポアミド、ビス[N,N-ジ(β-ヒドロキシプロピル)]スクシンアミド、ビス[N
    ,N-ジ(β-ヒドロキシエチル)]アゼラミド、ビス[N,N-ジ(β-ヒドロキシプロピル
    )]アジポアミド、ビス[N-メチル-N-β-ヒドロキシエチル)]オキサミド、および
    それらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項33に記載の
    樹脂。
  35. 【請求項35】 ヒドロキシアルキルアミドが構造 【化2】 [式中、Aは結合、水素、1〜60個の炭素原子を含有する飽和もしくは不飽和アル
    キル基、アリール、トリ-C1-4アルキレンアミン、および1以上のエチレン系基を
    含有する不飽和基からなる群から選択される一価もしくは多価有機基であり; R1は、独立して選択され、水素、直鎖もしくは分枝鎖のC1-5アルキル、または直
    鎖もしくは分枝鎖のC1-5ヒドロキシアルキルであり;R2は、独立して選択され、
    水素および直鎖または分枝のC1-5アルキルからなる群から選択されるか、または
    R2基は連結して炭素原子と一緒になって、シクロアルキル環を形成し;pおよびp
    'は独立して1〜4の整数であり;nは1または2の整数であり、n'は0〜2の整数であ
    るか;またはn'が0のとき、Aが不飽和基であればヒドロキシアルキルアミドから
    ポリマーまたはコポリマー(ここにnは1より大きい)が形成される]で表される
    ことを特徴とする、請求項33に記載の樹脂。
  36. 【請求項36】 ヒドロキシアルキルアミドが構造 【化3】 [R1はHまたはC1-5ヒドロキシアルキルであり、mは0〜8であり、そしてβ-炭素
    上のR2基の1つはHであり、他方はHまたはC1-5アルキルであり、qおよびq'は独立
    して1〜3の整数である]で表されることを特徴とする、請求項35に記載の樹脂。
  37. 【請求項37】 ヒドロキシアルキルアミドが構造 【化4】 [両方のR2基はHであるかまたは両方のR2基は-CH3である]で表されることを特
    徴とする、請求項35に記載の樹脂。
  38. 【請求項38】 ヒドロキシアルキルアミドが構造 【化5】 [式中、R3は、1〜4個の炭素原子を含有するアルキレン基およびアリーレンから
    なる群から選択される二価の基である]で表されることを特徴とする、請求項33
    に記載のイオン交換樹脂。
  39. 【請求項39】 表面架橋剤が少なくとも約1,000ppmの量で存在することを
    特徴とする、請求項11に記載の樹脂。
  40. 【請求項40】 表面架橋剤が少なくとも約5,000ppmの量で存在することを
    特徴とする、請求項11に記載の樹脂。
  41. 【請求項41】 表面架橋剤が少なくとも約10,000〜約20,000ppmの量で存
    在することを特徴とする、請求項11に記載の樹脂。
  42. 【請求項42】 請求項1に記載のイオン交換樹脂顆粒を含有するイオン交
    換床上に水性液を流すことを含む、水性液から夾雑物を除去する方法。
  43. 【請求項43】 夾雑物が金属イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、またはそ
    れらの混合物を含むことを特徴とする、請求項42に記載の方法。
  44. 【請求項44】 金属イオンが鉛イオン、銅イオン、またはそれらの混合物
    を含むことを特徴とする、請求項43に記載の方法。
  45. 【請求項45】 請求項1に記載の多成分イオン交換樹脂顆粒を含有するイ
    オン交換床上に水を流すことを含む、水から硬度およびアルカリ度を除去する方
    法。
  46. 【請求項46】 イオン交換床が、粉末活性炭、ゼオライト、ポリスチレン
    吸着剤、ポリアクリレート吸着剤、またはそれらの混合物をさらに含むことを特
    徴とする、請求項45に記載の方法。
  47. 【請求項47】 水入口および水出口を有するハウジング、ならびにハウジ
    ング内に配置された請求項1に記載の多成分イオン交換樹脂顆粒を含んでなる水
    精製カートリッジ。
  48. 【請求項48】 粉末活性炭、ゼオライト、ポリスチレン吸着剤、ポリアク
    リレート吸着剤、またはそれらの混合物をハウジング内にさらに含有する請求項
    47に記載の水精製カートリッジ。
  49. 【請求項49】 少なくとも1種の塩基性樹脂の連続相中に分散された少な
    くとも1種の酸性樹脂の少なくとも1つのミクロ領域を含む乾燥顆粒を含有する多
    成分イオン交換樹脂であって、前記顆粒が無負荷下で顆粒1グラム当たり25グラ
    ム以下の水道水を吸収しかつ水和後の顆粒容積が水和前の顆粒容積の10倍以下で
    あることを特徴とする前記多成分イオン交換樹脂
  50. 【請求項50】 請求項49に記載のイオン交換樹脂顆粒を含有するイオン交
    換床上に水性液を流すことを含む、水性液から夾雑物を除去する方法。
  51. 【請求項51】 夾雑物が金属イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、またはそ
    れらの混合物を含むことを特徴とする、請求項50に記載の方法。
  52. 【請求項52】 金属イオンが鉛イオン、銅イオン、またはそれらの混合物
    を含んでなることを特徴とする、請求項51に記載の方法。
  53. 【請求項53】 マトリックス樹脂の連続相中に分散された少なくとも1種
    の塩基性樹脂の少なくとも1つのミクロ領域および少なくとも1種の酸性樹脂の少
    なくとも1つのミクロ領域を含む乾燥顆粒を含有する多成分イオン交換樹脂であ
    って、前記顆粒が無負荷下で顆粒1グラム当たり25グラム以下の水道水を吸収し
    かつ水和後の顆粒容積が水和前の顆粒容積の10倍以下であることを特徴とする前
    記多成分イオン交換樹脂。
  54. 【請求項54】 請求項53に記載のイオン交換樹脂顆粒を含有するイオン交
    換床上に水性液を流すことを含む、水性液から夾雑物を除去する方法。
  55. 【請求項55】 夾雑物が金属イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、またはそ
    れらの混合物を含むことを特徴とする、請求項54に記載の方法。
  56. 【請求項56】 金属イオンが鉛イオン、銅イオン、またはそれらの混合物
    を含むことを特徴とする、請求項55に記載の方法。
  57. 【請求項57】 少なくとも1種の酸性樹脂の少なくとも1つのミクロ領域と
    接触した少なくとも1種の塩基性樹脂の少なくとも1つのミクロ領域を含む乾燥顆
    粒を含有する多成分イオン交換樹脂であって、前記顆粒が無負荷下で顆粒1グラ
    ム当たり25グラム以下の水道水を吸収しかつ水和後の顆粒容積が水和前の顆粒容
    積の10倍以下であることを特徴とする前記多成分イオン交換樹脂。
  58. 【請求項58】 請求項57に記載のイオン交換樹脂顆粒を含有するイオン交
    換床上に水性液を流すことを含む水性液から夾雑物を除去する方法。
  59. 【請求項59】 夾雑物が金属イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、またはそ
    れらの混合物を含むことを特徴とする、請求項58に記載の方法。
  60. 【請求項60】 金属イオンが鉛イオン、銅イオン、またはそれらの混合物
    を含むことを特徴とする、請求項59に記載の方法。
  61. 【請求項61】 第2の樹脂の少なくとも1つのミクロ領域と接触した第1の
    樹脂の少なくとも1つのミクロ領域を含む乾燥顆粒を含有する多成分イオン交換
    樹脂であって、前記顆粒が無負荷下で顆粒1グラム当たり25グラム以下の水道水
    を吸収しかつ水和後の顆粒容積が水和前の顆粒容積の10倍以下であることを特徴
    とする前記多成分イオン交換樹脂。
  62. 【請求項62】 第1の樹脂が塩基性樹脂を含み、そして第2の樹脂が酸性樹
    脂を含むことを特徴とする、請求項61に記載の粒子。
  63. 【請求項63】 第1の樹脂が酸性樹脂を含み、そして第2の樹脂がマトリッ
    クス樹脂と塩基性樹脂の混合物を含むことを特徴とする、請求項61に記載の粒子
  64. 【請求項64】 請求項61に記載のイオン交換樹脂顆粒を含有するイオン交
    換床上に水性液を流すことを含む、水性液から夾雑物を除去する方法。
  65. 【請求項65】 夾雑物が金属イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、またはそ
    れらの混合物を含むことを特徴とする、請求項64に記載の方法。
  66. 【請求項66】 金属イオンが鉛イオン、銅イオン、またはそれらの混合物
    を含むことを特徴とする、請求項65に記載の方法。
  67. 【請求項67】 塩基性樹脂の少なくとも1つのミクロ領域に近接した酸性
    樹脂の少なくとも1つのミクロ領域を含む乾燥顆粒を含有する多成分イオン交換
    樹脂であって、前記顆粒が無負荷下で顆粒1グラム当たり25グラム以下の水道水
    を吸収しかつ水和後の顆粒容積が水和前の顆粒容積の10倍以下であることを特徴
    とする前記多成分イオン交換樹脂。
  68. 【請求項68】 請求項67に記載のイオン交換樹脂顆粒を含有するイオン交
    換床上に水性液を流すことを含む、水性液から夾雑物を除去する方法。
  69. 【請求項69】 夾雑物が金属イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、またはそ
    れらの混合物を含むことを特徴とする、請求項68に記載の方法。
  70. 【請求項70】 金属イオンが鉛イオン、銅イオン、またはそれらの混合物
    を含むことを特徴とする、請求項68に記載の方法。
JP2001532901A 1999-10-27 2000-05-31 多成分イオン交換樹脂 Withdrawn JP2003512171A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US16185699P 1999-10-27 1999-10-27
US60/161,856 1999-10-27
PCT/US2000/015145 WO2001030496A1 (en) 1999-10-27 2000-05-31 Multicomponent ion exchange resins

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003512171A true JP2003512171A (ja) 2003-04-02

Family

ID=22583063

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001532901A Withdrawn JP2003512171A (ja) 1999-10-27 2000-05-31 多成分イオン交換樹脂

Country Status (5)

Country Link
US (1) US6534554B1 (ja)
EP (1) EP1230027A1 (ja)
JP (1) JP2003512171A (ja)
AU (1) AU5313800A (ja)
WO (1) WO2001030496A1 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007504951A (ja) * 2003-05-21 2007-03-08 ソントル ナショナル ド ラ ルシェルシュ ションティフィーク 溶液中に存在する酸性又は求電子性化合物の固定化方法
JP2007107119A (ja) * 2005-10-12 2007-04-26 Mitsubishi Paper Mills Ltd イオン交換繊維の製造方法およびイオン交換繊維からなる布帛の製造方法
JP2009126910A (ja) * 2007-11-21 2009-06-11 Tokyo Institute Of Technology スルホン化含窒素複素環を有する高分子有機化合物および有機化合物、それらの製造方法、およびそれらを用いたイオン交換体、電解質膜、医薬品、触媒、膜電極接合体、燃料電池
JP2015518043A (ja) * 2012-05-31 2015-06-25 エイジェンシー フォー サイエンス,テクノロジー アンド リサーチ タンパク質製剤中の凝集物含量を低減する混合型多官能金属アフィニティー表面
JP2015188829A (ja) * 2014-03-28 2015-11-02 オルガノ株式会社 浄水器用カートリッジおよび浄水器
JP2015188828A (ja) * 2014-03-28 2015-11-02 オルガノ株式会社 浄水器用カートリッジおよび浄水器
KR20180074827A (ko) * 2016-12-23 2018-07-04 주식회사 삼양사 비응집성 혼합층 이온 교환 수지 및 이의 제조방법

Families Citing this family (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE60121347T3 (de) * 2000-08-29 2018-05-30 Avantor Performance Materials, Llc Funktionalisierte polymere für die trennung von analyten
JP4844783B2 (ja) * 2001-07-05 2011-12-28 ナガセケムテックス株式会社 架橋剤およびそれを用いた吸水性樹脂
US6776907B2 (en) * 2001-11-20 2004-08-17 Calco, Ltd. High capacity portable exchange single bed deionizer
US7014762B2 (en) * 2001-11-20 2006-03-21 Calco, Ltd. High capacity portable exchange single bed deionizer
EP1512417B1 (en) * 2003-09-02 2013-06-19 Nippon Shokubai Co., Ltd. Particulate water-absorbent resin composition
JP2006116086A (ja) * 2004-10-21 2006-05-11 Tokuyama Corp イオントフォレーシス装置用作用極構造体及びイオントフォレーシス装置
US20060189774A1 (en) * 2005-02-18 2006-08-24 Agency For Science, Technology And Research Modifiable polyunsaturated polymers and processes for their preparation
DE102005036356C5 (de) * 2005-07-29 2015-09-10 Perma-Trade Wassertechnik Gmbh Wasserbehandlungseinrichtung für eine Heizanlage
WO2008064708A1 (de) * 2006-11-30 2008-06-05 Perma-Trade Wassertechnik Gmbh Wasserbehandlungseinrichtung für eine heizanlage
WO2008070680A1 (en) * 2006-12-04 2008-06-12 Berkeley Heartlab, Inc Separation of high density lipoproteins on polymer monoliths with decreased hydrophobicity
US8772197B2 (en) * 2007-08-17 2014-07-08 Massachusetts Institute Of Technology Compositions for chemical and biological defense
US9902626B2 (en) 2013-07-26 2018-02-27 General Electric Company Method and filter for removing nitrate ions
CN113976185B (zh) * 2021-10-26 2023-07-21 安徽皖东树脂科技有限公司 一种水处理用大孔阴离子交换树脂的制备方法
CN117819799B (zh) * 2024-03-06 2024-05-31 西安益维普泰环保股份有限公司 一种高分子污泥调理剂及其制备方法

Family Cites Families (49)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NL176208B (nl) 1952-02-19 Sony Corp Magneetbandapparaat met bedienbare pauzemiddelen.
US3041292A (en) 1954-12-13 1962-06-26 Dow Chemical Co Composite ion exchange resin bodies
NL241315A (ja) 1958-07-18
US3332890A (en) 1962-03-12 1967-07-25 Dow Chemical Co Process of making composite ion exchange resin bodies
AU434130B2 (en) 1967-11-22 1973-03-27 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organization Improved ion-exchange resins
GB1521128A (en) 1971-04-19 1978-08-16 Rohm & Haas Ion exchange resins
US3716481A (en) 1971-07-19 1973-02-13 Ici Australia Ltd Thermal regeneration ion exchange process with triallylamine polymers
US3840482A (en) 1971-09-13 1974-10-08 Ici Australia Ltd Process for curing poly(vinyl alcohol)matrix beads
US3901236A (en) 1974-07-29 1975-08-26 Union Carbide Corp Disposable absorbent articles containing hydrogel composites having improved fluid absorption efficiencies and processes for preparation
US3957698A (en) 1974-11-05 1976-05-18 The Dow Chemical Company Thermally reversible, amphoteric ion exchange resins consisting of crosslinked microbeads embedded in crosslinked matrix of opposite exchange group type
US4139499A (en) 1975-07-01 1979-02-13 Ici Australia Limited Thermally reversible amphoteric ion exchange resins of improved demineralization capacity
AU509755B2 (en) 1976-12-13 1980-05-22 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Basic ion exchange resins
US4206051A (en) 1978-01-10 1980-06-03 Ici Australia Limited Process for demineralizing saline solutions
US4150205A (en) 1978-02-01 1979-04-17 The Dow Chemical Company Composite ion exchange resins having low residual amounts of quaternary ammonium cation
US4229545A (en) 1978-02-27 1980-10-21 Ici Australia Limited Matrix amphoteric thermally regenerable ion exchange resins
US4378439A (en) 1978-03-06 1983-03-29 Ici Australia Limited Purification of saline solutions
US4578068A (en) 1983-12-20 1986-03-25 The Procter & Gamble Company Absorbent laminate structure
PH26954A (en) 1985-05-15 1992-12-03 Procter & Gamble Disposable absorbent articles
US4818598A (en) 1985-06-28 1989-04-04 The Procter & Gamble Company Absorbent structures
US5384343A (en) 1986-03-03 1995-01-24 Allied Colloids Limited Water absorbing polymers
TW201758B (ja) 1988-06-28 1993-03-11 Catalyst co ltd
US5340865A (en) 1988-12-19 1994-08-23 Cytec Technology Corp. Cross-linked cationic polyermic microparticles
US5079080A (en) 1989-05-26 1992-01-07 Bix Fiberfilm Corporation Process for forming a superabsorbent composite web from fiberforming thermoplastic polymer and supersorbing polymer and products produced thereby
US5085787A (en) 1989-11-29 1992-02-04 Air Products And Chemicals, Inc. Crosslinked vinylamine polymer in enhanced oil recovery
DE4020780C1 (ja) 1990-06-29 1991-08-29 Chemische Fabrik Stockhausen Gmbh, 4150 Krefeld, De
US5075399A (en) 1990-11-15 1991-12-24 Phillips Petroleum Company Superabsorbent crosslinked ampholytic ion pair copolymers
GB9107952D0 (en) 1991-04-15 1991-05-29 Dow Rheinmuenster Surface crosslinked and surfactant coated absorbent resin particles and method of preparation
US5274018A (en) 1991-05-24 1993-12-28 Massachusetts Institute Of Technology Salt tolerant super absorbents
ES2062900B1 (es) 1991-07-29 1995-07-01 Univ Madrid Nac Educacion Hidrogeles de polimero heterociclico, su procedimiento de obtencion y su utilizacion como pastillas insolubles reguladoras del ph.
WO1994004352A1 (en) 1992-08-17 1994-03-03 Weyerhaeuser Company Particle binders
US5447727A (en) 1992-10-14 1995-09-05 The Dow Chemical Company Water-absorbent polymer having improved properties
TW320647B (ja) 1993-02-24 1997-11-21
DE4333056C2 (de) 1993-09-29 1998-07-02 Stockhausen Chem Fab Gmbh Pulverförmige, wäßrige Flüssigkeiten absorbierende Polymere, Verfahren zu ihrer Herstellung und ihre Verwendung als Absorptionsmittel
EP0700672B1 (en) 1994-09-09 2000-05-24 The Procter & Gamble Company Absorbent composite structure and method of making the same
US5763530A (en) 1993-11-24 1998-06-09 Cytec Technology Corp. Stable emulsion blends and methods for their use
ATE216895T1 (de) 1994-02-17 2002-05-15 Procter & Gamble Absorbierende produkte versehen mit saugfähigen materialien mit verbesserten absorptionseigenschaften
US5599335A (en) 1994-03-29 1997-02-04 The Procter & Gamble Company Absorbent members for body fluids having good wet integrity and relatively high concentrations of hydrogel-forming absorbent polymer
IT1267493B1 (it) 1994-11-10 1997-02-05 P & G Spa Polimero cationico, ad esempio di tipo superassorbente, procedimento ed uso relativi.
IT1267494B1 (it) 1994-11-10 1997-02-05 P & G Spa Materiale assorbente, ad esempio di tipo superassorbente, e relativo uso.
IT1267495B1 (it) 1994-11-10 1997-02-05 P & G Spa Materiale assorbente, ad esempio di tipo superassorbente, e relativo uso.
US5804605A (en) 1994-11-10 1998-09-08 The Procter & Gamble Company Absorbent material
IT1267184B1 (it) 1994-12-06 1997-01-28 P & G Spa Materiale assorbente, ad esempio del tipo superassorbente, e relativo impiego.
MY113226A (en) 1995-01-19 2001-12-31 Asahi Glass Co Ltd Porous ion exchanger and method for producing deionized water
US5849862A (en) 1995-06-07 1998-12-15 Cytec Technology Corp. Processes of spray drying polymer-containing dispersions, water-in-oil emulsions and water-in-oil microemulsions
US6951895B1 (en) 1996-12-02 2005-10-04 Kimberly-Clark Worldwide, Inc. Absorbent composition
MX219085B (es) 1997-02-19 2004-02-10 Procter & Gamble Composiciones de polimero formador de hidrogel de intercambio de ion de lecho mezclado y miembros absorbentes que comprenden concentraciones relativamente elevadas de estas composiciones
US6222091B1 (en) 1997-11-19 2001-04-24 Basf Aktiengesellschaft Multicomponent superabsorbent gel particles
US5962578A (en) * 1997-11-19 1999-10-05 Amcol International Corporation Poly(dialkylaminoalkyl (meth)acrylamide)-based superabsorbent gels
US6072101A (en) * 1997-11-19 2000-06-06 Amcol International Corporation Multicomponent superabsorbent gel particles

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007504951A (ja) * 2003-05-21 2007-03-08 ソントル ナショナル ド ラ ルシェルシュ ションティフィーク 溶液中に存在する酸性又は求電子性化合物の固定化方法
JP2007107119A (ja) * 2005-10-12 2007-04-26 Mitsubishi Paper Mills Ltd イオン交換繊維の製造方法およびイオン交換繊維からなる布帛の製造方法
JP2009126910A (ja) * 2007-11-21 2009-06-11 Tokyo Institute Of Technology スルホン化含窒素複素環を有する高分子有機化合物および有機化合物、それらの製造方法、およびそれらを用いたイオン交換体、電解質膜、医薬品、触媒、膜電極接合体、燃料電池
JP2015518043A (ja) * 2012-05-31 2015-06-25 エイジェンシー フォー サイエンス,テクノロジー アンド リサーチ タンパク質製剤中の凝集物含量を低減する混合型多官能金属アフィニティー表面
JP2015188829A (ja) * 2014-03-28 2015-11-02 オルガノ株式会社 浄水器用カートリッジおよび浄水器
JP2015188828A (ja) * 2014-03-28 2015-11-02 オルガノ株式会社 浄水器用カートリッジおよび浄水器
KR20180074827A (ko) * 2016-12-23 2018-07-04 주식회사 삼양사 비응집성 혼합층 이온 교환 수지 및 이의 제조방법
KR102048978B1 (ko) 2016-12-23 2019-11-27 주식회사 삼양사 비응집성 혼합층 이온 교환 수지 및 이의 제조방법

Also Published As

Publication number Publication date
EP1230027A1 (en) 2002-08-14
US6534554B1 (en) 2003-03-18
WO2001030496A1 (en) 2001-05-03
AU5313800A (en) 2001-05-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003512171A (ja) 多成分イオン交換樹脂
US6569910B1 (en) Ion exchange resins and methods of making the same
JP4837824B2 (ja) 多成分超吸収性ゲル粒子
US6590137B2 (en) Multicomponent superabsorbent gel particles
US6121409A (en) Poly(vinylamine)-based superabsorbent gels and method of manufacturing the same
JP4168161B2 (ja) ポリ(ビニルアミン)型高吸収性ゲルおよびその製造方法
EP1169502B1 (en) Multicomponent superabsorbent fibers
JP2001523740A (ja) ポリ(ビニルグアニジン)を主成分とする超吸収性ゲル
JP2001523734A (ja) ポリ(ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド)系超吸収体ゲル
WO2005095498A1 (en) Improved method of manufacturing superabsorbent polymers
WO2003018671A1 (en) Multicomponent superabsorbent gel particles
US20030138631A1 (en) Multicomponent superabsorbent gel particles

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070807