JP2007107119A - イオン交換繊維の製造方法およびイオン交換繊維からなる布帛の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリビニルアルコール系繊維を気体状無水硫酸で処理することを特徴とするイオン交換繊維の製造方法およびポリビニルアルコール系繊維からなる布帛を気体状無水硫酸で処理することを特徴とするイオン交換繊維からなる布帛の製造方法である。
【選択図】なし
Description
すなわち、本発明は、
(1)ポリビニルアルコール系繊維を気体状無水硫酸で処理することを特徴とするイオン交換繊維の製造方法、および
(2)ポリビニルアルコール系繊維からなる布帛を気体状無水硫酸で処理することを特徴とするイオン交換繊維からなる布帛の製造方法
を提供するものである。
本発明において、ポリビニルアルコール系繊維としては、特に限定されるものではないが、鹸化度が87〜99.99モル%のものが好ましく、90〜99.99モル%のものがより好ましく、94〜99.99モル%のものがさらに好ましい。鹸化度が87モル%未満の場合には、ポリビニルアルコール系繊維の熱安定性が悪く熱分解やゲル化によって紡糸を行うことができない。一方、鹸化度が99.99モル%より大きいポリビニルアルコールは安定に製造することができず、安定した繊維化もできない。
鹸化度92mol%、重合度1200のポリビニルアルコールを33質量%の原液に調製した。この原液を0.1mmφ×50ホールのノズルから紡糸速度500m/min、延伸倍率5倍、延伸−熱処理温度135℃で乾式紡糸を行った。得られたポリビニルアルコール系繊維を切断して、5mmの短繊維とし、この短繊維を回転法により気体状無水硫酸で処理した。すなわち、上記短繊維を1Lのガラス容器に入れ、該ガラス容器を10℃に保持しつつ、容器内で回転している短繊維に窒素で8容量%に希釈した気体状無水硫酸を流速3000mL/minで5分間導入して処理し、その後容器内を窒素で置換した。
上記処理により得られた、茶褐色に変色した短繊維をイオン交換水で洗浄した後、濾過、乾燥して、イオン交換繊維(イオン交換容量2.1meq/g)を得た。得られたイオン交換繊維の表面抵抗値(20℃、40%環境下)は1×107Ωであった。表面抵抗値測定には、三菱化学(株)製 Hiresta−UP MCP−Hi450を使用した。また、処理前のポリビニルアルコール系繊維に対する、得られたイオン交換繊維の引張強度の比率は、14.2%であった。
鹸化度99.95モル%、重合度1150のポリビニルアルコールを33質量%の原液に調整した。この原液を0.1mmφ×50ホールのノズルから紡糸速度500m/min、延伸倍率5倍、延伸−熱処理温度135℃で乾式紡糸を行った。得られたポリビニルアルコール系繊維を緯糸及び経糸に使用し、織物を製造した。該織物を1m/minの速度で長さ2mの反応装置に送り込み、窒素で10容量%に希釈した気体状無水硫酸を流速3000ml/minで導入して、装置内温度を40℃に保持しながら処理を行った。茶褐色に変色した織物をイオン交換水で洗浄し、乾燥してイオン交換繊維からなる布帛(イオン交換容量2.7meq/g)を得た。得られた布帛を構成するイオン交換繊維の表面抵抗値(20℃、40%環境下)は4×104Ωであった。また、処理前の織物に対する、得られた布帛の縦方向と横方向の引張強度の比率は、それぞれ13.5%、12.8%であった。
鹸化度99.9モル%、重合度1200のポリビニルアルコールを33質量%の原液に調整した。この原液を0.1mmφ×50ホールのノズルから紡糸速度500m/min、延伸倍率5倍、延伸−熱処理温度135℃で乾式紡糸を行った。得られたポリビニルアルコール系繊維を緯糸及び経糸に使用し、織物を製造した。該織物を1m/minの速度で長さ2mの反応装置に送り込み、窒素で5容量%に希釈した気体状無水硫酸を流速3000ml/minで導入して、装置内温度を40℃に保持しながら処理を行った。茶褐色に変色した織物をイオン交換水で洗浄し、乾燥してイオン交換繊維からなる布帛(イオン交換容量1.9meq/g)を得た。得られた布帛を構成するイオン交換繊維の表面抵抗値(20℃、40%環境下)は4×107Ωであった。また、処理前の織物に対する、得られた布帛の縦方向と横方向の引張強度の比率は、それぞれ21.3%、18.6%であった。
実施例3で得られた織物を窒素で30容量%に希釈した気体状無水硫酸で処理した以外はすべて実施例3と同条件で処理を行い、黒色に着色したイオン交換繊維からなる布帛(イオン交換容量2.7meq/g)を得た。得られた布帛を構成するイオン交換繊維の表面抵抗値(20℃、40%環境下)は2×104Ωであった。また、処理前の織物に対する、得られた布帛の縦方向と横方向の引張強度の比率は、それぞれ11.2%、8.9%であった。
実施例3で得られた織物を装置内温度65℃の気体状無水硫酸で処理した以外はすべて実施例3と同条件で処理を行い、黒色に着色したイオン交換繊維からなる布帛(イオン交換容量2.3meq/g)を得た。得られた布帛を構成するイオン交換繊維の表面抵抗値(20℃、40%環境下)は5×105Ωであった。また、処理前の織物に対する、得られた布帛の縦方向と横方向の引張強度の比率は、それぞれ16.5%、16.1%であった。
カチオン交換樹脂(商品名:ダイアイオンSK116、三菱化学(株)製)をボールミルで平均粒径1.5μmに湿式法で粉砕した。平均粒径10μm以上の粒子を篩い分けして除去した後、鹸化度99.99モル%、重合度3000のポリビニルアルコール水溶液に添加混合することにより、ポリビニルアルコール13.5質量%およびカチオン交換樹脂13.5質量%とからなる原液を調整した。この原液を90℃で保温し、孔径130μm、30ホールのノズルより130℃の乾燥気流中に吐出せしめ、未延伸糸を得た。未延伸糸を100℃、20質量%の硫酸アンモニウム水溶液に60分間浸漬し、耐水性を付与して、イオン交換繊維(イオン交換容量 1.3meq/g)を得た。得られたイオン交換繊維の表面抵抗値(20℃、40%環境下)は5×109Ωであった。
実施例2で得られた織物を25℃下、発煙硫酸で処理したところ、5秒後には変色を伴いながら、形状が保持できなくなり一部溶解した。
実施例2で得られた織物を25℃下、98%硫酸で処理したところ、20秒後には変色を伴いながら、形状が保持できなくなり一部溶解した。
実施例2で得られた織物を25℃下、50%硫酸で処理したところ、60秒後に変色はなかったが、形状が保持できなくなり一部溶解した。
Claims (2)
- ポリビニルアルコール系繊維を気体状無水硫酸で処理することを特徴とするイオン交換繊維の製造方法。
- ポリビニルアルコール系繊維からなる布帛を気体状無水硫酸で処理することを特徴とするイオン交換繊維からなる布帛の製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009203393A (ja) * | 2008-02-29 | 2009-09-10 | Tayca Corp | イオン交換体およびその製造方法 |
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2005
- 2005-10-12 JP JP2005297425A patent/JP2007107119A/ja active Pending
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