JP4168161B2 - ポリ(ビニルアミン)型高吸収性ゲルおよびその製造方法 - Google Patents

ポリ(ビニルアミン)型高吸収性ゲルおよびその製造方法 Download PDF

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Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許出願第08/974,119号(1997年11月19日出願、係属中)の一部継続出願である。
(発明の分野)
本発明は、ポリ(ビニルアミン)またはその塩を含有する高吸収性ゲル、およびポリ(ビニルアミン)の改善された製造方法に関する。本発明の高吸収性ゲルは、ポリ(ビニルアミン)を含み、そして好ましくは、ポリアクリル酸のような酸性の高吸収性ポリマーと混合されたポリ(ビニルアミン)を含み、あるいはポリ(ビニルアミン)の塩を含む。
(発明の背景)
吸水性樹脂は、サニタリー用品、衛生用品、ふきん、保水剤、脱水剤、スラッジ凝集剤、使い捨て式のタオルおよび浴室マット、使い捨て式の玄関マット、増粘剤、使い捨て式のペット用敷き床、凝結防止剤、および様々な化学品の放出制御剤において広く使用されている。吸水性樹脂は、様々な化学的形態で得ることができる。これには、デンプン−アクリロニトリルグラフトコポリマーの加水分解生成物、カルボキシメチルセルロース、架橋ポリアクリレート類、スルホン酸化ポリスチレン類、加水分解されたポリアクリルアミド類、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドンおよびポリアクリロニトリル類などの置換型および非置換型の天然ポリマーおよび合成ポリマーが含まれる。
【0001】
そのような吸水性樹脂は、「高吸収性ポリマー」またはSAPと呼ばれ、典型的には低架橋度の親水性ポリマーである。SAPは、Goldman他の米国特許第5,669,894号において一般的に議論されている。SAPは、その化学的構造において異なり得るが、すべてのSAPは、適度な圧力のもとにおいてでも、自分自身の重量の数倍に等しい量の水性流体を吸収して保持することができる。例えば、SAPは、自重の100倍またはそれ以上の蒸留水を吸収することができる。一定の圧力のもとで水性流体を吸収し得る能力は、おむつのような衛生用品において使用されるSAPに必要な重要な条件である。
【0002】
SAPの劇的な膨潤性および吸収性は、(a)ポリマー鎖に沿って存在する電荷間の静電気的反発、および(b)対イオンの浸透圧に起因する。しかし、このような吸収性は、生理食塩水、尿および血液などの電解質を含有する溶液中では著しく減少することが知られている。上記のポリマーは、そのような生理学的流体の存在下では効果的なSAPとして機能しない。
【0003】
電解質を含有する液体の低下した吸収性は、代表的には、市販のSAP(すなわち、ポリアクリル酸ナトリウム)の脱イオン水および0.9重量%の塩化ナトリウム(NaCl)溶液での吸収性によって明らかにされる。市販のポリアクリル酸ナトリウムは、0psiで1gのSAPに対して146.2gの脱イオン水(g/g)を吸収することができ、0.28psiでは1gのポリマーに対して103.8gの脱イオン水を吸収することができ、そして0.7psiでは1gのポリマーに対して34.3gの脱イオン水を吸収することができる。これに対して、同じポリアクリル酸ナトリウムは、0psi、0.28psiおよび0.7psiにおいて、それぞれ、43.5g、29.7gおよび24.8gの0.9%NaCl溶液を吸収し得るに過ぎない。従って、尿または月経分泌物のような体液に対するSAPの吸収能は、そのような流体には電解質が含まれているために、脱イオン水の場合よりもはるかに低い。この著しい吸収低下は、「塩中毒」と呼ばれている。
【0004】
塩中毒作用は下記のように説明されている。SAPの吸水性および保水性は、イオン性官能基がポリマー構造に存在することに起因する。イオン性官能基は、典型的にはカルボキシル基であり、ポリマーが乾燥しているときにはその大部分は塩の形態にあり、そして水と接触すると、カルボキシル基は解離して溶媒和する。解離した状態において、ポリマー鎖は、同じ電荷を有する多数の官能基を含有し、従って互いに反発する。このような電子的反発はポリマー構造の拡張をもたらし、これにより、水分子のさらなる吸収が可能になる。しかし、ポリマーの拡張は、ポリマーの可溶化を妨げるのに十分な数が存在するポリマー構造における架橋によって制限される。
【0005】
著しい濃度で存在する電荷質は、イオン性官能基の解離を妨害し、そして「塩中毒」作用が引き起こされることが理論的に考えられている。従って、ナトリウムイオンおよび塩化物イオンなどの溶解したイオンは、SAPゲルに対して2つの作用を有する。そのようなイオンはポリマーの電荷を遮蔽し、そして対イオンがゲルの内外に存在するために、そのようなイオンは浸透圧の不均衡をなくす。従って、溶解したイオンは、イオン性ゲルを非イオン性ゲルに効果的に変換し、そして膨潤性が失われる。
【0006】
尿のような電解質含有液体を吸収するために最も広く使用されているSAPは、中和されたポリアクリル酸、すなわち、少なくとも50%で、100%までの中和されたカルボキシル基を含有するポリアクリル酸である。しかし、中和されたポリアクリル酸は塩中毒を受けやすい。従って、塩中毒に対する感受性がほとんどないSAPを得るためには、中和されたポリアクリル酸とは異なるSAPを開発しなければならず、あるいは塩中毒作用を少なくとも部分的に解消するために、中和されたポリアクリル酸を改変または処理しなければならない。
【0007】
先行技術の研究者は塩中毒作用を中和し、それによって、月経分泌物および尿などの電解質含有液体を吸収することに関するSAPの性能を改善することを試みている。例えば、Tanaka他の米国特許第5,274,018号は、ポリアクリル酸のような膨潤性の親水性ポリマーと、そのポリマー上に界面活性剤の単層が少なくとも形成されるのに十分な量のイオン性界面活性剤とを含むSAP組成物を開示している。別の実施形態において、四級化されたアンモニウム基を水酸化物形態(すなわち、OH型)で含有するゲルのようなカチオン性ゲルが、イオン交換によって溶液から電解質を除くためのアニオン性ゲル(すなわち、ポリアクリル酸)とともに使用されている。
【0008】
Wongの米国特許第4,818,598号には、吸収性を改善するために、DEAEセルロースのような繊維状アニオン交換材と、ポリアクリラートのようなヒドロゲルとを混合することが開示されている。国際特許公開WO96/17681には、塩中毒作用を解消するために、ポリアクリル酸のようなアニオン性SAPを多糖型カチオン性SAPと混合することが開示されている。同様に、国際特許公開WO96/15163号には、少なくとも20%の官能基が塩基型(すなわち、OH型)であるカチオン性SAPを、少なくとも50%の官能基が酸型である陽イオン交換樹脂(すなわち、非膨潤性のイオン交換樹脂)と混合することが開示されている。国際特許公開WO96/15180には、アニオン性SAP(例えば、ポリアクリル酸)および陰イオン交換樹脂(すなわち、非膨潤性のイオン交換樹脂)を含む吸収性物質が開示されている。
【0009】
これらの参考文献は、塩中毒作用を解消しようとする組み合わせを開示している。しかし、ポリアクリル酸ナトリウムのような非常に優れた吸収性および保持性を示し、従って単独でSAPとして使用することができるSAPを提供することは望ましい。塩中毒作用を解消するために、そのようなSAPをポリアクリル酸または他の酸含有SAPと混合することもまた望ましい。
(発明の要旨)
本発明は、ポリ(ビニルアミン)型高吸収性ゲルに関する。ポリ(ビニルアミン)ポリマーは、塩中毒作用を解決するのを助けるために、ポリアクリル酸のような酸性の吸水性樹脂とともに使用することができ、あるいは、ポリ(ビニルアミン)ポリマーの塩はSAPとして単独で使用することができる。本発明のポリ(ビニルアミン)ポリマーまた、酸性媒体を吸収して保持するためのSAPとして単独で使用することができる。より詳細には、SAPとして、あるいはSAPの成分として使用される本発明のポリ(ビニルアミン)は低度に架橋され、好ましい実施形態において、吸収性を改善するために表面処理される。
【0010】
従って、本発明の1つの局面は、ビニルアミンモノマーユニットを含み、適切な多官能基ビニルモノマーを使用して架橋することができるポリ(ビニルアミン)の改善された製造方法を提供することである。本発明の方法は、ポリ(ビニルアミン)のポリ(N−ビニルアミド)前駆体に残留するN−ビニルアミドモノマーの量を実質的に減少させ、従って、残留するモノマー含有物の問題を解決するためにこれまで使用されている厳しい精製手順を不要にし、あるいは長い重合反応時間を短くする。従って、本発明の改善されたプロセスによって、処理時間および製造コストは減少する。
【0011】
本発明の別の局面は、ポリアクリル酸ナトリウムのような従来型SAPに匹敵する吸収性および保持性を有するSAPを提供することである。本発明のSAPは、少なくとも約10%(すなわち、約10%〜100%)のアミン官能基が中和されるように、塩酸のような酸の十分な量でポリ(ビニルアミン)を中和することによって製造される。得られたポリ(ビニルアミン)の塩は、水性媒体を吸収するのに優れたSAPである。
【0012】
本発明の別の重要な局面により、低架橋度のポリ(ビニルアミン)は、単独および非中和型で、酸性の水性媒体を吸収して保持するために使用することができる。酸性の水性媒体によって、低吸収性のポリ(ビニルアミン)は、吸収している途中で、高吸収性のポリ(ビニルアミン)塩に変換される(すなわち、ポリマーはSAPに変換される)。従って、ポリ(ビニルアミン)は、酸流出液の除去および酸性化学種の浄化に優れた樹脂である。
【0013】
本発明のさらに別の局面は、電解質の塩中毒作用を解決する改善されたSAPを提供することである。特に、本発明の改善されたSAP物質は、ポリアクリル酸のような酸性の膨潤性樹脂とポリ(ビニルアミン)との混合物を含有する。
【0014】
本発明のこれらの局面および他の局面は、下記の好適な実施態様の詳細な説明から明らかになる。
(発明の詳細な説明)
本発明は、(a)ポリ(ビニルアミン)の改善された製造方法、(b)ポリ(ビニルアミン)およびポリ(ビニルアミン)塩およびSAPとしてのそれらの使用、ならびに(c)ポリ(ビニルアミン)と酸性吸水性樹脂との混合物を含む改善されたSAP物質に関する。
【0015】
(a)ポリ(ビニルアミン)の改善された製造方法
ポリ(ビニルアミン)およびポリ(ビニルアミン)から誘導される塩は既知のポリマーである。例えば、下記の特許には、ポリ(ビニルアミン)の合成または製造が開示されている:米国特許第4,798,871号;同第4、843,118号;および同第4,804,793号。さらに、米国特許第4,018,826号には、ポリ(ビニルアミン)およびその塩を調製するためのプロセスが開示されている。Ford他の米国特許第5,491,199号には、遷移金属触媒の存在下でポリマーを加熱することによって、ホルマートを含まないポリ(ビニルアミン)を調製することを開示している。
【0016】
上記の特許は、一般的には、その後で加水分解されるN−ビニルホルムアミドのポリマーを開示している。加水分解されると、ポリ(N−ビニルホルムアミド)はポリ(ビニルアミン)に変換される。加水分解は、酸性または塩基性の条件のもとで行うことができる。得られたビニルアミンの陽イオン電荷(すなわち、電荷密度)は、媒体のpHに関連する。低いpHでは、ポリ(ビニルアミン)はプロトン化され、陽イオンの大きな電荷密度を有する。逆に、高いpHでは、ポリ(ビニルアミン)はプロトン化されず、そして存在したとしても、陽イオンの電荷密度は実質的に低下している。
【0017】
一般に、未架橋のポリ(ビニルアミン)は、水処理、個人の看護製品およびイオン交換樹脂などの多くの実用的な適用を有する水溶性ポリマーである。ポリ(ビニルアミン)は、ポリマーを架橋することによって不溶性にされる。ポリビニルアミンおよびその塩はよく知られているが、そのようなポリマーがSAPとして使用できることはこれまで提案されていなかった。
【0018】
典型的には、ポリ(ビニルアミン)ポリマーは、酸性または塩基性のいずれかの条件でポリ(N−ビニルホルムアミド)を加水分解することによって製造される。ポリ(ビニルアミン)はまた、ポリ(N−ビニルアセトアミド)、ポリ(N−ビニルプロピオンアミド)およびポリ(N−ビニルスクシンアミド)のような他のポリ(N−ビニルアミド)から製造することができる。ポリ(ビニルアミド)の加水分解は、実質的には、本質的に完了するまで、すなわち、約10%〜100%の完了度であり、好ましくは約30%〜100%の完了度であることが望ましい。本発明の十分な利点を達成するためには、少なくとも約50%のアミド基、より好ましくは少なくとも約90%のアミド基がアミン官能基に加水分解される。アミン官能基ポリマーは、ポリマーが実質的にビニルアミンユニットである限り(すなわち、少なくとも10%、好ましくは少なくとも25%がビニルアミンユニットである限り)、他の共重合可能なユニット(すなわち、他のモノエチレン性不飽和モノマー)を含有することができる。本発明の十分な利点を達成するためには、ポリマーは、少なくとも50%、より好ましくは少なくとも75%のビニルアミンユニットを含有する。
【0019】
残留モノマーまたは他の不純物がポリ(ビニルアミド)に存在する場合、加水分解条件は、ポリ(ビニルアミン)の分子量を大きくし、そして望ましくなく予測できないゲルの形成をもたらし得る架橋を生じさせることがある。従って、ポリ(ビニルアミン)を合成する現行の方法は、ポリ(N−ビニルホルムアミド)の厳密な精製を必要とし、あるいは、残留するポリ(N−ビニルホルムアミド)モノマーのすべてが重合中に確実に消費されるように極端に長い反応時間および比較的高い反応温度を必要とする。
【0020】
ポリ(ビニルアミン)の製造は、残留するN−ビニルアミドモノマーをポリ(N−ビニルアミド)から除く改善された方法によって容易になり、そして製造コストが低下する。従って、本発明の重要な特徴により、ポリ(ビニルアミン)の改善された製造方法が開示される。
【0021】
上記のように、N−ビニルホルムアミドを重合し、その後で加水分解することは、ポリ(ビニルアミン)の最も一般的な製造方法である。重合は、架橋剤(すなわち、多官能基の有機化合物)の存在下または非存在下で行うことができる。しかし、残留するN−ビニルホルムアミドモノマー、あるいはアルデヒドのような他のモノマー不純物は、加水分解中に、架橋反応および望ましくないゲル形成をもたらし得る。本発明の重要な特徴により、残留するモノマー含有物および存在する他の不純物の問題は、ポリ(N−ビニルアミド)から残留モノマーおよび他の不純物を除くために適切な捕捉剤を使用することによって解決できることが見出された。捕捉剤の使用は、N−ビニルアミドモノマーおよび他の不純物のすべてを加水分解前に確実に消費させるために現在検討されている処理時間およびコストを大きく減少させるという利点を有する。
【0022】
本発明の重要な特徴により、捕捉剤は、重合において使用されるN−ビニルアミドモノマーの重量に基づいて、約0.1%〜約3%の量で、好ましくは約0.1%〜約2%の量で、加水分解する前に、ポリ(N−ビニルアミド)に加えられる。本発明の十分な利点を達成するために、捕捉剤は、N−ビニルアミドモノマーの重量に基づいて、約0.1重量%〜約1重量%の量で加えられる。
【0023】
捕捉剤は、N−ビニルホルムアミドのようなN−ビニルアミド、およびホルムアルデヒドまたはアセトアルデヒドのような他のアルデヒド不純物と、加水分解条件(すなわち、酸または塩基の存在下で約25℃〜約80℃の温度で約4時間〜約24時間)のもとで反応し得る任意の化合物であり得る。典型的には、捕捉剤は、約20℃〜約80℃の温度において約1分間〜約10分間でアルデヒドと反応することができる。
【0024】
捕捉剤の例には、下記のものが含まれるが、それらに限定されない:(a)酸化剤、例えば、過マンガン酸カリウム、アンモニア銀塩(トレンス試薬)、二クロム酸カリウムおよび過酸化水素;(b)還元剤、例えば、触媒的水素化、水素化アルミニウムリチウム、ホウ水素化ナトリウム、ジボラン、水素化アルミニウム、LiAlH(O−t−Bu)3(リチウム=アルミニウム=トリt−ブトキシ=ヒドリド)、LiAlH(OCH3)3(リチウム=アルミニウム=トリメトキシ=ヒドリド)、亜鉛(水銀)および濃塩酸、ならびにヒドラジンおよび塩基;(c)グリニャール試薬、例えば、アリールマグネシウムハロゲン化物およびアルキルマグネシウムハロゲン化物;(d)重亜硫酸ナトリウムと一緒にされたシアン化ナトリウムまたはシアン化カリウム;(e)重亜硫酸ナトリウム;ならびに(f)アンモニア誘導体、例えば、ヒドロキシルアミン、ヒドラジン、置換されたヒドラジン(例えば、フェニルヒドラジン)、およびセミカルバジン。還元剤は、好ましい捕捉剤である。ホウ水素化ナトリウムは、最も好ましい捕捉剤である。そのような捕捉剤は、安価であり、ポリ(N−ビニルアミド)を得るための反応時間を大きく減少させ、そしてポリ(N−ビニルアミド)を精製する必要がなくなるという利点を有する。
【0025】
本発明の十分な特徴を達成するために、捕捉剤は、例えば約10重量%〜約15重量%のホウ水素化ナトリウムと水酸化ナトリウムとを含有する水溶液である。ホウ水素化ナトリウムは迅速に作用し、非常に効果的であり、安価である。さらなる利点として、水酸化ナトリウムは、ポリ(N−ビニルアミド)のその後の塩基性での加水分解において有益である。ポリ(N−ビニルアミド)を加水分解する前に、ポリ(N−ビニルアミド)および捕捉剤は、本質的にすべて(すなわち、約95%〜100%)の残留モノマーおよび不純物を除くために、約25℃〜約80℃において約1分間〜約10分間保たれる。
【0026】
捕捉剤を使用して残留モノマーおよび不純物を除いた後で、ポリ(N−ビニルアミド)は加水分解される。溶液でポリ(N−ビニルアミド)を加水分解するために使用される酸または塩基の量は、広範囲に変化させることができるが、一般には、最初に得られたポリマーのN−ビニルアミドモノマー含有物に対する酸または塩基のモル比が約0.05:1〜約3:1で加えられ、好ましくは約0.3:1〜約1:1で加えられる。本発明の十分な特徴を達成するために、N−ビニルアミドモノマーに対する酸または塩基のモル比は約0.7:1〜約1:1である。
【0027】
一般に、加水分解は、無機酸(例えば、塩酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸など)などの適切な酸を用いて行われる。さらに、無機塩基(例えば、水酸化ナトリウム、アンモニア、水酸化アンモニウム、水酸化カリウムなど)のなどの適切な塩基もまた使用することができる。加水分解は、約25℃〜約100℃の温度で約4時間〜約24時間行われる。
【0028】
加水分解度は、酸または塩基の量、反応温度、および/または反応時間によって制御される。一般に、酸または塩基の量が多いほど、反応温度が高いほど、そして反応時間が長いほど、大きな加水分解度が得られる。
【0029】
従って、本発明の方法は、架橋型または未架橋型のいずれかのポリ(ビニルアミン)の改善された製造方法である。下記の実施例は、未架橋型ポリ(ビニルアミン)の改善された製造方法を例示する。
【0030】
実施例1
N−ビニルホルムアミド(400g、5.6mol)を3,000gの脱イオン水に溶解し、次いで、得られたモノマー溶液にアルゴンを1時間吹き込んだ。別の容器において、5gの2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩の開始剤(すなわち、V−50開始剤、和光純薬工業(株)(大阪、日本)から入手可能)を70gの脱イオン水に溶解し、次いで、得られた開始剤溶液にアルゴンを0.5時間吹き込んだ。開始剤溶液の7g部分をモノマー溶液に加えた。開始剤溶液の残りを、得られた反応混合物を約45℃に加熱しながら1時間かけてモノマー溶液に加えた。反応温度を約45℃で約4時間維持した。次いで、得られた反応混合物を55℃に加熱して2時間保った。最後に、20gの15重量%のV−50水溶液を反応混合物に加えた。この重合反応物を65℃で12時間保ち、ポリ(N−ビニルホルムアミド)を得た。
【0031】
次いで、このポリ(N−ビニルホルムアミド)水溶液を約70℃に加熱して、(41%水酸化ナトリウム水溶液における)12重量%のホウ水素化ナトリウム溶液の20gをポリマー溶液に加えた。捕捉剤溶液を加えた後で、480gの50%水酸化ナトリウム水溶液をポリマー溶液に加えた。得られた溶液を約70℃で約8時間攪拌して、ポリ(N−ビニルホルムアミド)を加水分解した。
【0032】
所望する場合には、得られたポリ(ビニルアミン)溶液を、次いで、限外濾過によって精製することができる。この必要に応じて行われる操作において、ポリ(ビニルアミン)溶液は3リットルの脱イオン水で希釈された。次いで、希釈された溶液を、分子量カットオフが100,000のタンジェンシャルフロー限外濾過モジュールを用いて限外濾過した。希釈されたポリマー溶液を25リットルの脱イオン水で洗浄し、次いで2,500mlに濃縮して、ギ酸ナトリウムを含まないポリ(ビニルアミン)の4wt%溶液を得た。
【0033】
実施例1を繰り返したが、ホウ水素化ナトリウムを使用する捕捉剤工程は省略した。加水分解の途中で、ポリ(N−ビニルホルムアミド)の水溶液はゲル化した。ゲル化は、捕捉剤処理工程で除かれなかったN−ビニルホルムアミドモノマーに存在する不純物に起因した。
【0034】
下記の実施例は、ポリ(ビニルアミン)の合成における反応時間を減少させるホウ水素化ナトリウムのような捕捉剤の能力を例示する。
【0035】
実施例2
5リットルのフラスコに400gのN−ビニルホルムアミドモノマーおよび2,970gの脱イオン水を仕込んだ。得られたモノマー溶液にアルゴンを1時間吹き込んだ。これとは別に、開始剤溶液を、5gのV−50を67gの脱イオン水に溶解し、そしてアルゴンを0.5時間吹き込むことによって調製した。開始剤溶液の一部(7g)をモノマー溶液に加えた。開始剤溶液の残りを、得られた反応混合物を約45℃に加熱しながら1時間かけてモノマー溶液に加えた。反応温度を約45℃で2.5時間保ち、次いで55℃に加熱し、さらに2.5時間保ち、そして最後に、65℃に加熱して、さらに1時間保った。次に、41%水酸化ナトリウム水溶液における12%のホウ水素化ナトリウムの20gを反応混合物に加え、その後、直ちに480gの50%水酸化ナトリウム水溶液を加えた。反応混合物は迅速にピンク色になったが、その後、無色には戻らなかった。加水分解工程を70℃でさらに8時間続けた。次いで、得られたポリ(ビニルアミン)溶液を、所望する場合には、実施例1に示されるような限外濾過によって精製することができる。ホウ水素化ナトリウム捕捉剤の非存在下において、反応は、実施例1に示されるようなN−ビニルホルムアミドモノマーおよび他の不純物のすべてを反応させるためにはさらに数時間を必要とする。
【0036】
実施例3
新しく蒸留したN−ビニルホルムアミド(250g、3.5mol)および2.8gの15%V−50開始剤を400gの脱イオン水に溶解した。次いで、得られた反応溶液にアルゴンを15分間吹き込んだ。次に、この反応溶液をガラス皿に注ぎ、15mW/cm2のUV光線で25分間硬化させた。重合は発熱的であり、最終的には約100℃に達した。得られた濃縮されたポリ(N−ビニルホルムアミド)溶液は非常に粘稠であった。
【0037】
濃縮されたポリ(N−ビニルホルムアミド)溶液(312g)を、次いで、2リットルの脱イオン水で希釈し、そして希釈されたポリマー溶液を70℃に加熱した。6gのホウ水素化ナトリウム溶液(41%の水酸化ナトリウム水溶液において15重量%)を、加熱したポリマー溶液に5分かけて滴下して加え、その後、143gの50%水酸化ナトリウム水溶液を加えた。得られた溶液を70℃で8時間維持して、ポリ(N−ビニルホルムアミド)を加水分解し、次いで、冷却して、実施例1の場合のように精製した。
【0038】
ポリ(ビニルアミン)を製造する本発明の改善された方法はまた、ポリ(ビニルアミン)が、例えば、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルプロピオンアミド、N−ビニルスクシンアミド、および類似するN−ビニルカルボキサミドから得られるプロセスにおいて使用することができる。
【0039】
ポリ(ビニルアミン)を製造する本発明の改善された方法はまた、架橋型ポリ(ビニルアミン)の製造において使用することができる。上記のように、SAPは、ポリマーが水に不溶性であるように十分な程度に架橋される。架橋は、ポリ(ビニルアミン)ポリマーを実質的に水に不溶性にするのに役立ち、そして部分的には、ポリマーの吸収能を決定するのに役立つ。吸収適用において使用される場合、ポリ(ビニルアミン)は低度に架橋される:すなわち、架橋密度は、約20未満であり、好ましくは約10%未満であり、そして最も好ましくは約0.01%〜約7%である。
【0040】
架橋剤が使用される場合、架橋剤は、最も好ましくは、モノマーの総重量に基づいて、約7wt%未満の量で、典型的には約0.1wt%〜約5wt%の量で含まれる。ポリ(ビニルアミン)は、2つの異なる経路によって架橋することができる。1つの経路では、N−ビニルアミドと共重合し、従ってポリマー骨格の一部を形成するオレフィン性不飽和型の架橋性モノマーが利用される。次いで、架橋ポリ(N−ビニルアミド)は、架橋ポリビニルアミンを得るために加水分解される。
【0041】
架橋性ポリビニルモノマーの例には、下記の式(I)によって表されるポリアクリル酸(またはポリメタクリル酸)エステル;および下記の式(II)によって表されるビスアクリルアミド類が含まれるが、これらに限定されない:
【0042】
【化4】
Figure 0004168161
【0043】
(上式において、Xは、エチレン、プロピレン、トリメチレン、ヘキサメチレン、2−ヒドロキシプロピレン、−(CH2CH2O)nCH2CH2−、または
【0044】
【化5】
Figure 0004168161
【0045】
(ただし、nおよびmはそれぞれ5〜40の整数である)であり、そしてkは1または2である);
【0046】
【化6】
Figure 0004168161
【0047】
(上式において、lは2または3である)。
【0048】
式(I)の化合物は、ポリオール類(エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、ペンタエリトリトール、ポリエチレングリコールまたはポリプロピレングリコールなど)をアクリル酸またはメタクリル酸と反応することによって調製される。式(II)の化合物は、ポリアルキレンポリアミン類(ジエチレントリアミンおよびトリエチレンテトラミンなど)をアクリル酸と反応することによって得られる。
【0049】
具体的な架橋性モノマーには、下記の物質が含まれるが、これらに限定されない:1,4−ブタンジオールジアクリラート、1,4−ブタンジオールジメタクリラート、1,3−ブチレングリコールジアクリラート、1,3−ブチレングリコールジメタクリラート、ジエチレングリコールジアクリラート、ジエチレングリコールジメタクリラート、エトキシル化ビスフェノールAジアクリラート、エトキシル化ビスフェノールAジメタクリラート、エチレングリコールジメタクリラート、1,6−ヘキサンジオールジアクリラート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリラート、ネオペンチルグリコールジメタクリラート、ポリエチレングリコールジアクリラート、ポリエチレングリコールジメタクリラート、トリエチレングリコールジアクリラート、トリエチレングリコールジメタクリラート、トリプロピレングリコールジアクリラート、テトラエチレングリコールジアクリラート、テトラエチレングリコールジメタクリラート、ジペンタエリトリトール=ペンタアクリラート、ペンタエリトリトール=テトラアクリラート、ペンタエリトリトール=トリアクリラート、トリメチロールプロパン=トリアクリラート、トリメチロールプロパン=トリメタクリラート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌラート=トリアクリラート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌラート=トリメタクリラート、ポリカルボン酸のジビニルエステル、ポリカルボン酸のジアリルエステル、テレフタル酸トリアリル、マレイン酸ジアリル、フマル酸ジアリル、ヘキサメチレンビスマレイミド、トリメリト酸トリアリル、アジピン酸ジビニル、コハク酸ジアリル、エチレングリコールのジビニルエーテル、シクロペンタジエンジアクリラート、テトラアリルアンモニウムハロゲン化物、またはこれらの混合物。ジビニルベンゼンおよびジビニルエーテルのような化合物もまた、ポリ(N−ビニルアミド)を架橋するために使用することができる。特に好ましい架橋剤は、N,N’−メチレンビスアクリルアミド、N,N’−メチレンビスメタクリルアミド、エチレングリコールジメタクリラート、およびトリメチロールプロパン=トリメタクリラートである。
【0050】
下記の実施例は、本発明によって調製された架橋ポリ(ビニルアミン)を例示する。
【0051】
実施例4
N−ビニルホルムアミド(250g)、脱イオン水(250g)、メチレンビスアクリルアミド(1.09g)およびV−50開始剤(0.42g)を含有するモノマー混合物を浅い皿に入れ、次いで、実施例3に示されているように紫外線ランプのもとで重合させて、混合物をゴム状ゲルに重合させた。次いで、濃縮されたポリ(N−ビニルホルムアミド)を、実施例1に記載されているようにホウ水素化ナトリウム/水酸化ナトリウムの溶液で処理して、低架橋度のポリ(ビニルアミン)を得た。架橋したポリ(ビニルアミン)中に存在するギ酸ナトリウムは、樹脂をアセトン/水の混合物で洗浄することによって、あるいは当業者に知られている他の適切な方法によって除くことができる。
【0052】
ポリ(ビニルアミン)はまた、未架橋のポリ(ビニルアミン)を水性媒体に懸濁または溶解し、次いで、ポリマーのアミノ基との反応によってポリ(ビニルアミン)を架橋し得る二官能基化合物または多官能基化合物を加えることによって溶液中で架橋することができる。そのような架橋剤には、例えば、多官能基アルデヒド(例えば、グルタルアルデヒド)、多官能基アクリラート(例えば、ブタンジオールジアクリラート、TMPTA)、ハロヒドリン(例えば、エピクロロヒドリン)、ジハロゲン化物(例えば、ジブロロモプロパン)、ジスルホン酸エステル(例えば、WS−(O2)O−(CH2)n−OS(O)2W:ただし、nは1〜10であり、Wはメチルまたはトシルである)、多官能基エポキシ(例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル)、多官能基エステル(例えば、アジピン酸ジメチル)、多官能基酸ハロゲン化物(例えば、オキサリルクロリド)、多官能基カルボン酸(例えば、コハク酸)、無水カルボン酸(例えば、無水コハク酸)、有機チタン酸塩(例えば、デュポン(Dupont)社から得られるTYZOR AA)、メラミン樹脂(例えば、サイテック(Cytec Industries、Wayne、NJ)社から得られるCYMEL301、CYMEL303、CYMEL370およびCYMEL373)、ウレア類(例えば、N,N’−ジヒドロキシメチル−4,5−ジヒドロキシエチレンウレア)、および多官能基イソシアナート(例えば、トルエンジイソシアナート)が含まれる。架橋剤はまた、Pinschmidt,Jr.他の米国特許第5,085,787号(これは参考として本明細書中に援用される)および欧州特許第450 923号に開示されている。
【0053】
一般に、架橋剤は水溶性であることが望ましく、そして好ましくは約25℃〜約150℃の温度において制御された様式で架橋反応が起こるようにポリ(ビニルアミン)との十分な反応性を有することが望ましい。好ましい架橋剤は、水溶性のジグリシジルエーテルであるエチレングリコールジグリシジルエーテル(EGDGE)である。
【0054】
下記の実施例は、ポリマーのアミノ基と反応する多官能基架橋剤を使用して、ギ酸ナトリウムを含まない本発明のポリ(ビニルアミン)を低度に架橋することを例示する。
【0055】
実施例5
3重量%のポリ(ビニルアミン)水溶液の2リットルに0.18gのエチレングリコールジグリシジルエーテル(EGDGE)を加えた。得られた混合物を攪拌して、EGDGEを溶解した。次いで、混合物を約60℃に加熱し、1時間保ってゲル化させた。ゲルを約80℃に加熱して、約90%の水が除かれるまで保った。次いで、得られたゲルを押し出し成型し、そして一定の重量になるまで80℃で乾燥した。次いで、乾燥した低架橋度のポリ(ビニルアミン)を凍結粉砕して、水または酸溶液を吸収し得る顆粒物にした。このゲルは、0.1M塩酸(HCl)において下記の吸収特性を示した:
AUNL1=59.3g/g
AUL2(0.28psi)=37.8g/g
AUL2(0.7psi)=26.4g/g
1無負荷時における吸収;および
2負荷時における吸収。
【0056】
負荷時における吸収(AUL)は、加えられた圧力のもとで流体を吸収するSAPの能力の大きさである。AULは、米国特許第5,149,335号(これは参考として本明細書中に援用される)に開示されているように下記の方法で測定された。
【0057】
SAP(0.160g+/−0.001g)を、25mmの内径を有する中空のプレキシガラス製シリンダーの底部に取り付けられた140ミクロンの水透過性メッシュの上に注意深くまき散らす。サンプルを100gのカバープレートで覆って、シリンダーアセンブリーの重量を測定する。これは、20g/cm2(0.28psi)の負荷圧力をもたらす。あるいは、サンプルは、250gのカバープレートで覆って、51g/cm2(0.7psi)の負荷圧力を加えることができる。シリンダーの編み目の底部を、25mlの試験溶液(通常は、0.9%生理食塩水)を含有する100mmのペトリ皿に入れて、1時間(または3時間)ポリマーに吸収させる。(加えられた圧力のもとでの)AULは、シリンダーアセンブリーの重量を再測定して、吸収した液体の重量を、液体と接触する前のポリマーの乾燥重量で除することによって計算される。下記において議論されているように、このポリ(ビニルアミン)粒子はまた、外圧のもとで改善された性能を有する吸収剤を得るために、エチレングリコールジグリシジルエーテルのような架橋剤で表面処理することができる。
【0058】
好ましい実施形態において、低架橋度のポリ(ビニルアミン)は、ポリ(N−ビニルアミン)の表面がさらに架橋される処理工程に付される。ポリ(ビニルアミン)を表面架橋することによって、負荷のもとで水性媒体を吸収して保持するポリマーの能力が高められることが見出された。
【0059】
表面架橋は、ポリ(ビニルアミン)粒子に表面架橋剤のイソプロピルアルコール溶液を噴霧して、ポリ(ビニルアミン)粒子の主として外側表面のみを濡らすことによって達成される。次いで、ポリマーの表面架橋および乾燥が、好ましくはポリ(ビニルアミン)粒子の濡れた表面を少なくとも加熱することによって行われる。
【0060】
典型的には、ポリ(ビニルアミン)粒子は、表面架橋剤のアルコール性溶液で表面処理される。粒子は、例えば、顆粒、フォーム、ビーズ、フレーク、ファイバーまたは粉末の形態であり得る。溶液は、約0.01重量%〜約4重量%の表面架橋剤を含有し、好ましくは約0.4重量%〜約2重量%の表面架橋剤を適切な溶媒に含有する。溶液は、ポリ(ビニルアミン)対表面架橋剤溶液の比が約1:0.01重量部〜約1:0.5重量部で、タンブリング処理中のポリ(ビニルアミン)の表面に細かい噴霧として加えることができる。表面架橋剤は、ポリ(ビニルアミン)の0重量%〜約1重量%の量で存在し、好ましくは0重量%〜約0.5重量%の量で存在する。本発明の十分な利点を達成するために、表面架橋剤は約0.001重量%〜約0.1重量%の量で存在する。
【0061】
表面処理を行ったポリ(ビニルアミン)粒子の架橋反応および乾燥は、表面処理を行ったポリマーを、適切な温度で、例えば、約25℃〜約150℃で、好ましくは約105℃〜約120℃で加熱することによって達成される。しかし、ポリ(ビニルアミン)粒子を表面架橋するために表面架橋剤を反応させる他の任意の方法、およびポリ(ビニルアミン)粒子を乾燥する他の任意の方法、例えば、マイクロ波エネルギーなどを使用することができる。
【0062】
適切な表面架橋剤には、アミノ基および架橋するポリ(ビニルアミン)と反応し得る二官能基分子または多官能基分子が含まれる。好ましくは、表面架橋剤は、アルコールまたは水に可溶性であり、そして約25℃〜約150℃の温度で、制御された様式で架橋反応が生じるようにポリ(ビニルアミン)との十分な反応性を有する。
【0063】
適切な表面架橋剤の非限定的な例には下記の物質が含まれる:
(a)ジハロゲン化物またはジスルホン酸エステル、例えば、下記の式を有する化合物:
Z−(CH2p−Z
(上式において、pは2〜12の数であり、Zは独立して、ハロゲン(好ましくは、ブロモ)、トシラート、メシラート、あるいは他のスルホン酸アルキルエステルまたはスルホン酸アリールエステルである);
(b)多官能基アジリジン類;
(c)多官能基アルデヒド(例えば、グルタルアルデヒド、トリオキサン、パラホルムアルデヒド、テルフタルデヒド、マロンアルデヒド、およびグリオキサール)ならびにそのアセタールおよび重亜硫酸塩;
(d)エピクロロヒドリンのようなハロヒドリン;
(e)多官能基エポキシ化合物、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、およびビスフェノールFジグリシジルエーテル;
(f)多官能基カルボン酸ならびにそのようなカルボン酸から誘導されるメチルエステル、エチルエステル、酸塩化物および無水物、例えば、2個〜12個の炭素原子を含有するジカルボン酸およびポリカルボン酸、ならびにそれらから誘導されるメチルエステル、エチルエステル、酸塩化物および酸無水物、具体的には、シュウ酸、アジピン酸、コハク酸、ドデカン酸、マロン酸およびグルタル酸、ならびにそれらから誘導されるエステル、無水物および酸塩化物;
(g)デュポン社(E.I.DuPont de Nemours、Wilmington、DE)から得られるTYZOR AAのような有機チタン酸塩;
(h)サイテック社(Cytec Industries、Wayne、NJ)から得られるCYMEL樹脂のようなメラミン樹脂;
(i)N,N’−ジヒドロキシメチル−4,5−ジヒドロキシエチレンウレアのようなヒドロキシメチルウレア類;および
(j)トルエンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、キシレンジイソシアナートおよびヘキサメチレンジイソシアナートのような多官能基イソシアナート。
【0064】
好ましい表面架橋剤は、エチレングリコールジグリシジルエーテル(EGDGE)である。これは、約25℃〜約150℃の温度でポリ(ビニルアミン)を架橋する水溶性のジグリシジルエーテルである。
【0065】
下記の実施例6は、低架橋度のポリ(ビニルアミン)の表面処理および架橋を例示する。
【0066】
実施例6
ジビニルベンゼン架橋剤(1.085g、スチレン/エチルスチレンにおいて55重量%活性)、V−50開始剤水溶液(2.541g、15%)およびN−ビニルホルムアミド(245g、3.45mol)を350gの脱イオン水に混合した。得られた溶液にアルゴンを15分間吹き込み、次いで、UV光線(15mW/cm2)のもとで1時間重合させた。得られたゲルを押し出し成型し、100℃で乾燥し、そして粉砕して、低架橋度のポリ(ビニルアミン)の粒子を得た。
【0067】
ポリ(N−ビニルホルムアミド)粒子の一部(82g)を、168gのシクロヘキサン、112gの1−ブタノールおよび46gの粉末化した水酸化ナトリウムを含有する溶液に粒子を分散させることによって加水分解した。次いで、得られた懸濁物を約70℃で約6時間加熱した。次に、150gの脱イオン水を懸濁物に加え、有機溶媒をデカンテーションにより除いた。次いで、アセトン(230g)を加えて、ゲルを砕き、そして副生成物のギ酸ナトリウムを除いた。水/アセトンの洗浄をさらに3回繰り返し、その後、ゲルを乾燥し、次いで再粉砕した。次いで、得られたポリ(ビニルアミン)ゲルを様々な量のエチレングリコールジグリシジルエーテルで表面処理し、そして表面架橋を得るために145℃で乾燥した。
【0068】
次いで、ポリ(ビニルアミン)を、0.1M塩酸を吸収して保持する能力について調べた。
【0069】
【表1】
Figure 0004168161
【0070】
吸収の結果は、表面架橋することにより、負荷時(特に、0.7psiの負荷時)におけるポリ(ビニルアミン)の吸収がかなり改善されることを示している。
【0071】
(b)ポリ(ビニルアミン)型SAP
ポリ(ビニルアミン)は、ポリマー上にイオン性電荷が存在しないために、典型的には、その中性形態ではSAPとして機能しない。従って、水の吸収および保持に必要な駆動力が不足している。しかし、塩に変換された場合、あるいはポリアクリル酸のような酸性の吸水性樹脂と一緒に使用された場合、ポリ(ビニルアミン)はSAPのように挙動する。上記の改善された方法、あるいは先行技術の従来的な方法のいずれかによって製造されたポリ(ビニルアミン)はポリ(ビニルアミン)型SAPにおいて使用できることを理解しなければならない。
【0072】
(i)ポリ(ビニルアミン)の塩
上記のように、ポリ(アクリル酸)ナトリウムは最も良いSAPと見なされ、従って、商業的な適用において最も広く使用されているSAPである。ポリ(アクリル酸)ナトリウムは、吸収剤適用におけるその優れた性能をもたらす多電解質特性を有している。このような特性には、大きな電荷密度、およびポリマー骨格に比較的近い電荷が含まれる。
【0073】
ポリ(ビニルアミン)は中性のポリマーであり、従って、SAPを得るために必要な多電解質特性を有していない。しかし、ポリ(ビニルアミン)の塩は、SAPを得るために十分な多電解質特性を有している。SAPを得るために使用されるポリ(ビニルアミン)は、低架橋度のポリ(ビニルアミン)であり、好ましくは上記のように表面架橋される。
【0074】
必要に応じて表面架橋されたそのよう低架橋度のなポリ(ビニルアミン)ポリマーは、この分野で知られている方法によって塩に変換される。例えば、ポリ(ビニルアミンHCl)は、Pinschmidt,Jr.他の米国特許第5,085,787号およびGless,Jr.他の米国特許第4,018,826号に示されているように、塩酸をポリ(ビニルアミン)に加えることによって調製され、あるいはポリ(N−ビニルアミド)を塩酸で加水分解することによって調製される。
【0075】
しかし、SAPとして有用なポリ(ビニルアミン)の塩は、塩酸塩に限定されない。ポリ(ビニルアミン)は、SAPとして有用なポリ(ビニルアミン)の塩を得るために様々な酸と反応させることができるが、好ましい酸は鉱酸である。本発明の十分な利点を達成するためには、ポリ(ビニルアミン)の塩は塩酸塩である。
【0076】
SAPとして作用するポリ(ビニルアミン)塩の能力を明らかにするために、実施例5の低架橋度のポリ(ビニルアミン)を、この分野で十分に知られている方法によって塩酸塩に変換した。このポリ(ビニルアミン)塩を、脱イオン水および電解質含有水性媒体(すなわち、0.9重量%の塩化ナトリウム水溶液)を吸収して保持するその能力について調べた。
【0077】
具体的には、実施例5で調製されたポリ(ビニルアミン)のサンプルを、種々の量の1N塩酸(HCl)を使用して塩酸塩に変換した。次いで、ポリ(ビニルアミン)塩の得られたゲルを乾燥し、0.9重量%のNaCl水溶液を吸収する能力ついて評価した。結果を表2にまとめる。
【0078】
【表2】
Figure 0004168161
【0079】
表2にまとめられた吸収性の結果は、吸収性は、負荷時および無負荷時の両方において、ポリ(ビニルアミン)が塩酸塩に変換されたときに、特に、塩への変換が約30モル%〜約70モル%の範囲において劇的に増大していることを示している。本発明の重要な特徴により、ポリ(ビニルアミン)は、約10モル%〜約100モル%の量で、好ましくは約20モル%〜約90モル%の量で塩に変換されたときにSAPの特性を示している。本発明の十分な利点を達成するために、ポリ(ビニルアミン)は、ポリ(ビニルアミン)を調製するために使用されたN−ビニルアミドモノマーの重量に基づいて、約25モル%〜約75モル%の量で塩に変換される。
【0080】
別の試験において、実施例6で調製された低架橋度のポリ(ビニルアミン)が、イソプロピルアルコールにおける様々なレベルのエチレングリコールジグリシジルエーテル(EGDGE)で表面処理され、その後、80℃の乾燥および硬化が行われた。次いで、低架橋度のポリ(ビニルアミン)の表面架橋した顆粒を、1NHClで部分的に(すなわち、50モル%)中和した。次いで、表面架橋したポリ(ビニルアミン)塩を、0.9%NaCl水溶液を吸収して保持する能力について調べた。結果を表3にまとめる。この結果より、中和され、そして表面架橋したポリ(ビニルアミン)はAULが改善されていることを示していることが認められる。
【0081】
【表3】
Figure 0004168161
【0082】
(ii)SAPにおけるポリ(ビニルアミン)
上記のように、ポリ(ビニルアミン)は、その遊離の塩基型では、中性〜塩基性の水性媒体に対するSAPとして機能しない。同様に、ポリアクリル酸は、その遊離の酸型では、中性〜酸性の水性媒体に対するSAPとして機能しない。それぞれの場合、ポリマーは電荷密度が低く、従って、吸収および保持に必要な大きな駆動力、すなわち、静電的反発が失われている。対照的に、部分的に中和されたポリアクリル酸は十分な電荷密度を有し、そしてそれ自身SAPとして現在使用されている。同様に、上記に開示されているように、ポリ(ビニルアミン)塩は、大きな電荷密度を有し、優れたSAPである。
【0083】
しかし、ポリ(ビニルアミン)は、その遊離の塩基型において、実施例5および実施例6に例示されているように、酸性の水性媒体(すなわち、pHが7未満の媒体)に対する吸収剤として作用することができる:実施例5および実施例6において、1gのポリ(ビニルアミン)は、それぞれ、59.3gおよび51gの0.1M塩酸を無負荷のもとで吸収した。酸性媒体はポリ(ビニルアミン)のアミノ基をプロトン化し、それによって、SAPとして機能するのに十分な電荷密度が、プロトン化されたポリ(ビニルアミン)にもたらされる。従って、ポリ(ビニルアミン)は、それ自身で、酸性の水性媒体を吸収するために、例えば、酸性の流出液を吸収するために使用することができる。
【0084】
ポリ(ビニルアミン)ポリマーは、その遊離の塩基型において、酸性の吸水性樹脂をさらに含有する高吸収性物質における有用成分であることもまた見出された。例えば、本発明の高吸収性物質は、ポリ(ビニルアミン)ポリマーと、ポリアクリル酸のような酸性吸水性樹脂との混合物である。本発明の高吸収性物質は、電解質を含有する水性媒体を吸収して保持することに関して特に有用である。
【0085】
現在、2つの吸収性成分を含有する高吸収性物質(すなわち、2成分系のSAP物質)が、改善された種類のSAPとして検討されている。典型的には、一方の成分は吸水性樹脂であり、そして第2の成分は、水性媒体から電解質を除くためのイオン交換の機能で作用している。
【0086】
対照的に、本発明は、それぞれが膨潤することができ、そして水性媒体を吸収することができる2つの非荷電の低架橋度ポリマーを含む2成分系SAP物質に関する。水と接触したときに、この2つの非荷電のポリマーは互いに中和して、高吸収性物質となる。いずれのポリマーも、その非荷電の形態では、水と接触したときに、それ自身でSAPとして挙動しない。従って、本発明の2成分系高吸収性物質は、その電解質形態において吸収剤として作用し得る2つの樹脂(一方が酸性樹脂であり、もう一方が塩基性樹脂である)を含有する。ポリアクリル酸は、酸性樹脂に関して優れた選択であるが、本発明が開示されるまでは、適当な塩基性樹脂は存在していない。
【0087】
従って、本発明の重要な特徴により、ポリ(ビニルアミン)は、2成分系SAP物質に必要な塩基性樹脂として使用される。このポリ(ビニルアミン)は低度に架橋され、そしてポリ(ビニルアミン)粒子は、好ましくは、吸収特性を改善するために表面架橋される。ポリ(ビニルアミン)と酸樹脂との組み合わせは、水(特に、塩水)の存在下でSAPのように挙動する。このようなポリ(ビニルアミン)は、本明細書中に開示されている改善された方法によって、あるいはこの分野で知られている先行技術の方法によって調製することができる。架橋および表面架橋は、上記のように行うことができる。
【0088】
ポリ(ビニルアミン)は、酸性樹脂と混合される塩基性の樹脂である。酸性樹脂は、その中和された形態でSAPとして作用する任意の樹脂であり得る。このような酸性樹脂は、典型的には、複数のカルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、リン酸基、または硫酸基、またはそれらの混合を含有する。
【0089】
酸性樹脂の例には、下記のものが含まれるが、それらに限定されない:ポリアクリル酸、加水分解されたデンプン−アクリロニトリルグラフトコポリマー、デンプン−アクリル酸グラフトコポリマー、けん化された酢酸ビニル−アクリル酸エステルコポリマー、加水分解されたアクリロニトリルコポリマー、加水分解されたアクリルアミドコポリマー、エチレン−無水マレイン酸コポリマー、イソブチレン−無水マレイン酸コポリマー、ポリ(ビニルスルホン酸)、ポリ(ビニル硫酸)、ポリ(ビニルリン酸)、スルホン酸化ポリスチレン、ポリ(ビニルホスホン酸)、およびそれらの混合物。好ましい酸性樹脂は、ポリアクリル酸類である。
【0090】
ポリ(ビニルアミン)はその非荷電形態(すなわち、遊離の塩基型)で存在し、酸性樹脂はその遊離の酸型で存在する。例えば、低い割合(すなわち、25%以下)のアミン官能基および酸官能基が、処理のために、それらの荷電形態であり得ることが考えられる。低い割合の荷電官能基は高吸収性物質の性能に悪影響を及ぼさないが、荷電官能基の量は最小限にしなければならない。
【0091】
ポリ(ビニルアミン)および酸性樹脂は、約5:95〜約95:5の重量比で混合され、好ましくは約10:90〜約90:10の重量比で混合される。本発明の十分な利点を達成するために、これらの樹脂は、約30:70〜約70:30の重量比で混合される。本発明の2成分系SAP物質は、均一な粒子状物を得るためにポリ(ビニルアミン)および酸性樹脂の粒子を単に混合することによって調製される。
【0092】
本発明の2成分系SAP物質を例示するために、下記の例示物を調製して、試験を行った。
【0093】
実施例7
実施例5で調製された粉末化ポリ(ビニルアミン)(粒子サイズ:210μm〜710μm)を、低架橋度のポリアクリル酸(粒子サイズ:210μm〜710μm、中和度:0%)と、63%のポリアクリル酸に対して37%のポリ(ビニルアミン)の重量比で混合した。得られた2成分系SAPの吸収特性を、0.9重量%のNaCl水溶液に関する吸収特性について調べて比較した。結果を表4に示す。
【0094】
【表4】
Figure 0004168161
【0095】
表4は、ポリ(ビニルアミン)/ポリアクリル酸の混合物が、ポリ(ビニルアミン)単独と比較して、実質的に改善された吸収特性を有していることを示している。
【0096】
2成分系SAP物質は、液体(特に、電解質を含有する液体)を吸収して保持することを目的とする物品において特に有用である。そのような物品には、例えば、おむつおよび生理用品が含まれる。
【0097】
本発明の2成分系SAP物質の改善された吸収特性を明らかにするために、下記の表5に記載される混合物を調製して、0.7psiの負荷のもとで合成尿を吸収する能力について調べた。この場合に、そして本明細書を通して使用されているように、ポリ(AA)(DN=70)は、約70%〜約80%が中和された標準的な市販のポリ(AA)を示す。ポリ(AA)(DN=0)は、未中和のポリ(AA)を示す。
【0098】
【表5】
Figure 0004168161
【0099】
表5に示す結果は、単独で使用された場合(すなわち、例4)、あるいはポリ(AA)(DN=70)のような標準的なSAP物質と組み合わせて使用された場合(すなわち、例1)において、本発明の2成分系SAP物質によって達成される吸収性が実質的に改善されていることを示している。
【0100】
本発明の2成分系SAP物質は、現行のSAPと比較して、液体を吸収して保持する能力が改善されていることをさらに明らかにするために、本発明の2成分系SAP物質を含有する実験室的なおむつコア材を調製して、従来のSAPを含有する実験室的なおむつコア材と比較した。具体的には、下記のコア材を調製した:
コア材A1−50%のポリ(AA)(DN=70)および30%の綿毛、
コア材A2−70%のポリ(AA)(DN=70)および50%の綿毛、
コア材B−27.5%のポリ(ビニルアミン)、22.5%のポリ(AA)(DN=0)および50%の綿毛パルプ(重量比)、
コア材C−コア材Bと同一(ただし、ポリ(ビニルアミン)は500ppmのEGDGEで表面架橋された)、
コア材D−38.5%のポリ(ビニルアミン)、31.5%のポリ(AA)(DN=0)および30%の綿毛パルプ(重量比)、
コア材E−コア材Dと同一(ただし、ポリ(ビニルアミン)は500ppmのEGDGEで表面架橋された)。
【0101】
典型的には、市販のおむつは、液体の迅速な吸収を達成するために45重量%〜60重量%のパルプを含有する。おむつのコア材A〜コア材Eを、本発明の2成分系SAP物質を含有するコア材を有するおむつによってもたらされる改善された透過性および吸収速度、ならびに液体の改善された吸収および保持を明らかにするために互いに比較した。
【0102】
現行のおむつは、一般には、着用者の皮膚と接触する不織材から作製されたトップシート、トップシートの下部(すなわち、着用者の皮膚とは反対側)の吸収層、吸収層の下部に位置するコア材、およびコア材の下部のバックシートからなる。このような構造は、この産業界では十分に知られている。
【0103】
コア材A〜コア材Eを、下記のような従来の実験室手順を使用して調製した。
【0104】
2つのチャンバー真空系を含む実験室的なコア材成形ユニットにより、エアレイド(airlaid)された綿毛パルプ−吸収剤のマトリックスを作製して、12cm×21cmのおむつコア材を作製した。このコア材成形ユニットは、速度が変更できる実験室モーターに取り付けられたローラーブラシ、ブラシの非常に近いところに位置するファイバー分配スクリーン、調節可能なダンパーに取り付けられた成形用スクリーン、および8インチ水柱〜15インチ水柱の間で一定で連続的な負圧を提供し得る真空系を含む。
【0105】
コア材成形ユニットは、真空によって、ファイバーおよび顆粒状物が、調節可能な導入スライドから、回転ブラシおよび分配スクリーンを通って、直接的に成形用スクリーン上に引かれるように含まれる。真空排気は成形スライドの入り口を通って再循環され、それによって操作中の温度および湿度が制御される。
【0106】
コア材が成形されるとき、所望量の脱繊維化綿毛パルプが、上部チャンバーにおいてブラシローラー上に少量ずつ一様にばらまかれる。下部チャンバーにおいて、矩形織物またはトップシート(21cmx12cm)が成形用スクリーン上に置かれる。大部分のコア材の場合、滑動する上部チャンバーの蓋は、約1/2インチの隙間を残して部分的に閉じられる。均一的なパルプ/SAPのコア材の場合、SAPは、ブラシが回転し始めた直後に、その隙間から上部チャンバー内にばらまかれる。均一な分布を得るために、少量のSAPが、モーターの始動前に綿毛に加えられる。残りのSAPを導入するために使用される時間の長さは、用いられる綿毛パルプの量によって変化する。ファイバーおよび吸収性ポリマー物質が堆積した後、モーターを止め、実験室的なコア材を含有するダンパーユニットを下部チャンバーから取り出す。次いで、未圧縮のコア材を、ポリマーフィルムから作製されたバックシートの上に置き、圧縮ユニットに入れる。このとき、別の矩形織物および不織カバーストックをコア材の上部に置く。吸収性コア材を、所定の時間、典型的には5分間、水圧プレス機を用いて約5,000psi〜約10,000psiの間の圧力(典型的には、約7,000psiの圧力)で圧縮して、所望の密度を達成する。5分後、実験室的に調製された吸収性コア材をプレス機から取り出して、重量および厚さを測定する。
【0107】
コア材A〜H2、および他の実験室的コア材、および市販のおむつを、0.7psiの負荷のもとでの逆もれ、液体吸収時間、および液体吸収速度について調べた。下記に、おむつのような衛生用品の負荷時における吸収および逆もれを測定するための手順を記載する。これらの試験は、0.7psiの負荷のもとでの3回〜5回のそれぞれの液体吸収に関する衛生用品による0.9重量%の生理食塩水の吸収速度および液体保持を示す。
【0108】
装置:
100mlの分液ロート(7ml/秒の流速で送達されるように調節する)または同等物;
3.642kgの円筒型おもり(0.7psi)、直径10cm、おもりの中心を通る内径が2.38cmのパースペックス(perspex)製投入チューブを伴う;
VWR Scientific社の9cmろ紙または同等物;
デジタル式時計;
電子天秤(0.01gの精度);
ストップウォッチ。
【0109】
手順:
1.調製
(a)試験すべき衛生用品(例えば、おむつ)の重量(g)を記録する;
(b)衛生用品を、例えば、何らかの弾性材を除くこと、および/または当該用品の両端を実験台上面にテープで固定することによって実験台上面に広げる;
(c)3.64kgの円筒型おもりを、パースペックス製投入チューブの開口部が吸収点(すなわち、中心から5cm前方のところ)に置かれた当該衛生用品に載せる。
【0110】
2.初回の吸収および逆もれ試験
(a)100mlの0.9%NaCl溶液(すなわち、脱イオン水または蒸留水における0.9重量%の塩化ナトリウム)を計って分液ロートに入れる。このNaCl溶液を、7ml/秒の流速で、おもりのパースペックス製チューブに分配して、タイマーを直ちに始動させる。すべてのNaCl溶液がパースペックス製チューブの底部に位置する衛生用品の表面から完全に消失したときにタイマーを止める。この時間を最初の吸収時間(秒)として記録する。
(b)10分経過した後、おもりを除いて、逆もれ試験の手順を行う:
(i)10枚のろ紙を積み重ねて重量測定し、この値を記録する(乾燥重量)、
(ii)このろ紙を衛生用品の吸収点の上に置く。タイマーを2分に設定する。2.5kgのおもりをろ紙の上に加えて、直ちにタイマーを始動させる。
(iii)2分経過した後、おもりを除いて、ろ紙の重量を再度測定する(湿重量)。ろ紙の乾燥重量を湿重量から引き、この値を逆もれ値とする。この値を初回の逆もれ値(g)として記録する。
【0111】
3.2回目の吸収および逆もれ試験
(a)3.64kgのおもりを、衛生用品の前と同じ位置に置く。50mlのNaCl溶液を使用して(吸収時間を2回目の吸収時間として記録する)工程2aを、そして20枚のろ紙を使用して(逆もれ値を2回目の逆もれとして記録する)工程2bの(i)〜(iii)を繰り返す。
【0112】
4.3回目およびさらなる吸収および逆もれ試験
(a)負荷を、おむつの前と同じ位置に置く。50mlのNaCl溶液を使用して(吸収時間を3回目の吸収時間として記録する)工程2aを、そして30枚のろ紙を使用して(逆もれ値を3回目またはその後の逆もれとして記録する)工程2bの(i)〜(iii)を繰り返す。
【0113】
図1〜図4は、本発明の2成分系SAP物質を含有するおむつの改善された特性を示している。
【0114】
図1は、コア材A1、BおよびCを含有するおむつについて、0.7psiの負荷のもとでの0.9%生理食塩水の吸収回数に対する吸収時間のプロットを含む。図1において、コア材Bおよびコア材Cは本発明のコア材である。コア材A1は比較用コア材である。
【0115】
コア材Bおよびコア材Cは、0.7psiの負荷のもとで0.9%生理食塩水を吸収する優れた能力を示した。コア材A1は、特に再吸収のときに生理食塩水を比較的ゆっくり吸収した。コア材A1は、50%のSAPを含有する標準的なコア材を表し、コア材Bまたはコア材Cよりも大きな吸収時間を有する。コア材A1の吸収時間は、吸収が非常に遅かったので、4回目以降の吸収は測定できなかった。
【0116】
図2は、コア材A2、DおよびEの吸収時間を示す。図2は、コア材Dおよびコア材E(すなわち、本発明のコア材)は、0.7psiの負荷のもとでの0.9%生理食塩水の吸収時間に関して、比較用の実験室的コア材(コア材A2)よりも著しく性能が優れていることを示している。
【0117】
図3および図4は、本発明のコア材(すなわち、コア材B〜E)が、ポリ(AA)(DN=70)を含有する比較用の実験室的なコア材よりも大きな吸収速度を有することを示している。
【0118】
全体的に、図1〜図4に示されている結果は、本発明のおむつコア材が、5回の吸収に関して、変動しない、すなわち、本質的に一定した吸収時間、あるいは著しく減少した吸収時間を維持していることを示しているが、先行技術のコア材は、先行技術のコア材に関する吸収時間が増大していることを示している。これらの結果はまた、吸収回数の増大に従って改善された吸収速度を示している。そのような結果は、先行技術のコア材が吸収回数の増大に従って、特に1回目と2回目との吸収の間で吸収速度の増大を示しているので予想されないものであった。本発明のコア材は、生理食塩水を用いた2回目の吸収の後において、最初の吸収速度を維持している(図3を参照のこと)。従って、本発明のコア材は、1回目の吸収速度よりも多くても20%遅い吸収速度を有し、好ましくは1回目の吸収速度と少なくとも等しい2回目の吸収速度を有し得る。このような改善された特性の実用的な結果は、液量の多い状況および逆もれの状況での漏れを防止する改善された能力を有するコア材である。
【0119】
これらの結果は、コア材において現在使用されている標準的なポリ(AA)(DN=70)が本発明の2成分系SAP物質によって完全に取り換えられた場合に、液体吸収における改善が速度論および保持の両方に関して認められることを示している。
【0120】
本発明のコア材によって明らかにされる改善された結果によって、コア材の厚さもまた減らすことができる。典型的には、コア材は、ゲル阻止のような問題を回避しながら迅速な液体吸収を達成するために50%以上の綿毛またはパルプを含有する。2成分系SAP物質を含有する本発明のコア材は、ゲル阻止のような問題を軽減するために液体を十分に早く吸収する。従って、コア材における綿毛またはパルプの量を減らすことができる。低密度の綿毛の量を減らすことによって、より薄いコア材が得られ、従って、より薄いおむつが得られる。
【0121】
約25重量%もの少量の2成分系SAP物質を含有するコア材は、液体を吸収して保持する優れた能力を示す。好ましくは、本発明のコア材は、少なくとも50%の2成分系SAP物質、最も好ましくは少なくとも75%のSAP物質を含有する。2成分系SAP物質は、コア材において単独で使用することができ、あるいは綿毛、および/またはポリ(AA)(DN=70)のような標準的なSAP粒子と組み合わせて使用することができる。2成分系SAP物質は、おむつのコア材に導入するために、綿毛および/または標準的なSAP粒子と混合することができる。あるいは、おむつのコア材は、2成分系SAP粒子の層および標準的なSAP粒子の層を含有することができる。
【0122】
前記のように、本発明の多くの改変および変化を、本発明の精神および範囲から逸脱することなく行うことができる。従って、添付した請求項によって示されているそのような限定のみが賦されるだけである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、実験室的に調製された一連のおむつコア部に関して、0.7psiの負荷のもとでの吸収回数に対する吸収時間(秒)を示す図である。
【図2】 図2は、実験室的に調製された一連のおむつコア部に関して、0.7psiの負荷のもとでの吸収回数に対する吸収時間(秒)を示す図である。
【図3】 図3は、実験室的に調製された一連のおむつコア部に関して、0.7psiの負荷のもとでの吸収回数に対する吸収速度(ml/秒)を示す図である。
【図4】 図4は、実験室的に調製された一連のおむつコア部に関して、0.7psiの負荷のもとでの吸収回数に対する吸収時間(ml/秒)を示す図である。

Claims (61)

  1. 下記の工程を含むポリ(ビニルアミン)の製造方法:
    (a)下記のものを含むモノマー混合物を作製する工程:
    (i)N−ビニルアミド、および
    (ii)混合物中のモノマーの重量比で0%〜90%の1つまたは複数のモノエチレン性不飽和モノマー、
    (b)前記モノマー混合物のモノマーを重合して、ポリ(N−ビニルアミド)の混合物を得る工程;
    (c)前記モノマー混合物中のN−ビニルアミドの重量比で0.1%〜3.0%の捕捉剤を前記ポリ(N−ビニルアミド)混合物に加える工程;
    (d)残留するN−ビニルアミドおよび前記ポリ(N−ビニルアミド)混合物に由来する不純物を除くのに十分な時間、前記捕捉剤を反応させる工程;
    (e)その後、十分な量の酸または塩基を前記ポリ(N−ビニルアミド)混合物に加えて、加水分解反応混合物を作製し、そしてポリ(N−ビニルアミド)をポリ(ビニルアミン)に加水分解する工程
    (f)前記ポリ(ビニルアミン)を前記加水分解反応混合物から単離する工程;
    (g)前記ポリ(ビニルアミン)を適切な溶媒に加えて、ポリ(ビニルアミン)の混合物を得る工程;および
    (h)前記ポリ(ビニルアミン)混合物に、前記ポリ(ビニルアミン)のアミノ基と反応し得る多官能基化合物をポリ(ビニルアミン)に対して0.1%〜10%の重量比で加えて、架橋ポリ(ビニルアミン)を得る工程。
  2. (i)工程(h)の架橋ポリ(ビニルアミン)を固体として単離する工程;
    (j)前記架橋ポリ(ビニルアミン)のアミノ基と反応し得る表面架橋剤を、前記の固体の架橋ポリ(ビニルアミン)の表面を濡らすのに十分な量で、前記の固体の架橋ポリ(ビニルアミン)に加える工程;および
    (k)前記の固体の架橋ポリ(ビニルアミン)を乾燥させ、そしてその表面での表面架橋を形成させるのに十分な時間および十分な温度で、前記の濡らした架橋ポリ(ビニルアミン)を加熱する工程
    をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  3. 下記の工程を含むポリ(ビニルアミン)の製造方法:
    (a)下記のものを含むモノマー混合物を作製する工程:
    (i)N−ビニルアミド、
    (ii)混合物中のモノマーの重量比で0%〜90%の1つまたは複数のモノエチレン性不飽和モノマー、および
    (iii)モノマー混合物中のモノマーの重量比で0%〜10%のポリビニルモノマー;
    (b)前記モノマー混合物のモノマーを重合して、ポリ(N−ビニルアミド)の混合物を得る工程;
    (c)前記モノマー混合物中のN−ビニルアミドの重量比で0.1%〜3.0%の捕捉剤を前記ポリ(N−ビニルアミド)混合物に加える工程;
    (d)残留するN−ビニルアミドおよび前記ポリ(N−ビニルアミド)混合物に由来する不純物を除くのに十分な時間、前記捕捉剤を反応させる工程;
    (e)その後、十分な量の酸または塩基を前記ポリ(N−ビニルアミド)混合物に加えて、加水分解反応混合物を作製し、そしてポリ(N−ビニルアミド)を架橋したポリ(ビニルアミン)に加水分解する工程;
    (f)工程(e)の架橋ポリ(ビニルアミン)を固体として単離する工程;
    (g)前記架橋ポリ(ビニルアミン)のアミノ基と反応し得る表面架橋剤を、前記の固体の架橋ポリ(ビニルアミン)の表面を濡らすのに十分な量で、前記の固体の架橋ポリ(ビニルアミン)に加える工程;および
    (h)前記の固体の架橋ポリ(ビニルアミン)を乾燥させ、そしてその表面での表面架橋を形成させるのに十分な時間および十分な温度で、前記の濡らした架橋ポリ(ビニルアミン)を加熱する工程
  4. 前記N−ビニルアミドは、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルスクシンアミド、N−ビニルプロピオンアミドおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1又は3に記載の方法。
  5. 前記モノマー混合物はアゾ型の重合開始剤をさらに含む、請求項1又は3に記載の方法。
  6. 0.1%〜2%の前記捕捉剤が前記ポリ(ビニルアミド)混合物に加えられる、請求項1に記載の方法。
  7. 0.1%〜1%の前記捕捉剤が前記ポリ(ビニルアミド)混合物に加えられる、請求項1又は3に記載の方法。
  8. 前記捕捉剤は、20℃〜80℃の温度において1分間〜10分間でアルデヒドと反応することができる、請求項1又は3に記載の方法。
  9. 前記捕捉剤は、酸化剤、還元剤、グリニャール試薬、シアン化物および重亜硫酸塩、重亜硫酸ナトリウム、ならびにアンモニア誘導体からなる群から選択される、請求項1又は3に記載の方法。
  10. 前記酸化剤は、過マンガン酸カリウム、アンモニア銀塩、二クロム酸カリウム、および過酸化水素からなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
  11. 前記還元剤は、触媒的水素化、水素化アルミニウムリチウム、ホウ水素化ナトリウム、ジボラン、水素化アルミニウム、LiAlH(O−t−Bu)3、LiAlH(OCH3)3、亜鉛(水銀)および濃塩酸、ならびにヒドラジンおよび塩基からなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
  12. 前記アンモニア誘導体は、ヒドロキシルアミン、ヒドラジン、置換されたヒドラジン、フェニルヒドラジン、およびセミカルバジンからなる群から選択される、請求項9に記載の方法。
  13. 前記捕捉剤はホウ水素化ナトリウムを含む、請求項1又は3に記載の方法。
  14. 前記捕捉剤は、25℃〜80℃の温度において1分間〜10分間で前記ポリ(N−ビニルアミド)混合物と反応する、請求項1又は3に記載の方法。
  15. 前記ポリ(N−ビニルアミド)混合物は、ポリ(N−ビニルアミドに対して0.05:1〜3:1のモル比の酸または塩基を使用して加水分解される、請求項1又は3に記載の方法。
  16. 前記ポリ(N−ビニルアミド)混合物は塩基で加水分解される、請求項1又は3に記載の方法。
  17. 前記ポリ(N−ビニルアミド)の10%〜100%のアミド官能基がアミン官能基に加水分解される、請求項1又は3に記載の方法。
  18. 前記ポリビニルモノマーは、
    Figure 0004168161
    (上式において、Xは、エチレン、プロピレン、トリメチレン、ヘキサメチレン、2−ヒドロキシプロピレン、−(CH2CH2O)nCH2CH2−、または
    Figure 0004168161
    (ただし、nおよびmは5〜40の整数である)である);
    Figure 0004168161
    (上式において、lは2または3である);
    またはその混合物
    を含む、請求項3に記載の方法。
  19. 前記ポリビニルモノマーは、ジビニルベンゼン、ジビニルエーテル、またはその混合物を含む、請求項3に記載の方法。
  20. 前記多官能基化合物は、多官能基アルデヒド、多官能基アクリラート、ハロヒドリン、ジハロゲン化物、ジスルホン酸エステル、多官能基エポキシ、多官能基エステル、多官能基酸塩化物、多官能基カルボン酸、無水カルボン酸、有機チタン酸塩、メラミン樹脂、ヒドロキシメチルウレア、多官能基イソシアナート、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  21. 前記表面架橋剤は、
    (a)下記の式を有するジハロゲン化物またはジスルホン酸エステル:
    Z−(CH2)p−Z
    (上式において、pは2〜12の整数であり、Zは独立して、ハロゲン、トシラート、メシラート、スルホン酸アルキルエステル、またはスルホン酸アリールエステルである);
    (b)多官能基アジリジン;
    (c)多官能基アルデヒドならびにそのアセタールおよび重亜硫酸塩;
    (d)ハロヒドリン;
    (e)多官能基エポキシ化合物;
    (f)2個〜12個の炭素原子を含有する多官能基カルボン酸、ならびにそのようなカルボン酸から誘導されるメチルエステル、エチルエステル、酸塩化物および無水物;
    (g)有機チタン酸塩;
    (h)メラミン樹脂;
    (i)ヒドロキシメチルウレア;および
    (j)多官能基イソシアナート
    からなる群から選択される、請求項2に記載の方法。
  22. 前記表面架橋剤は、
    (a)下記の式を有するジハロゲン化物またはジスルホン酸エステル:
    Z−(CH2)p−Z
    (上式において、pは2〜12の整数であり、Zは独立して、ハロゲン、トシラート、メシラート、スルホン酸アルキルエステル、またはスルホン酸アリールエステルである);
    (b)多官能基アジリジン;
    (c)多官能基アルデヒドならびにそのアセタールおよび重亜硫酸塩;
    (d)ハロヒドリン;
    (e)多官能基エポキシ化合物;
    (f)2個〜12個の炭素原子を含有する多官能基カルボン酸、ならびにそのようなカルボン酸から誘導されるメチルエステル、エチルエステル、酸塩化物および無水物;
    (g)有機チタン酸塩;
    (h)メラミン樹脂;
    (i)ヒドロキシメチルウレア;および
    (j)多官能基イソシアナート
    からなる群から選択される、請求項3に記載の方法。
  23. 前記表面架橋剤はエチレングリコールジグリシジルエーテルを含む、請求項2に記載の方法。
  24. 前記表面架橋剤はエチレングリコールジグリシジルエーテルを含む、請求項3に記載の方法。
  25. 前記の濡れた架橋ポリ(ビニルアミン)は、25℃〜150℃において1分間〜15分間加熱される、請求項2に記載の方法。
  26. 前記の濡れた架橋ポリ(ビニルアミン)は、25℃〜150℃において1分間〜15分間加熱される、請求項3に記載の方法。
  27. 酸性の水性媒体を吸収する方法であって、酸性の水性媒体を低架橋度のポリ(ビニルアミン)と接触させることを含む方法。
  28. 前記の低架橋度ポリ(ビニルアミン)は表面架橋される、請求項27に記載の方法。
  29. 前記ポリ(ビニルアミン)は、ポリ(ビニルアミン)に対する重量比で1%までの表面架橋剤によって表面架橋される、請求項28に記載の方法。
  30. 水性媒体を吸収する方法であって、水性媒体を低架橋度ポリ(ビニルアミン)の塩と接触させることを含む方法。
  31. 前記水性媒体は電解質を含有する、請求項30に記載の方法。
  32. 前記水性媒体は、生理食塩水、血液、尿、または月経分泌物を含む、請求項30に記載の方法。
  33. 前記ポリ(ビニルアミン)塩は、少なくとも10%〜100%の中和されたアミノ基を含有する、請求項30に記載の方法。
  34. 前記の低架橋度ポリ(ビニルアミン)は表面架橋される、請求項30に記載の方法。
  35. 前記ポリ(ビニルアミン)は、ポリ(ビニルアミン)に対する重量比で1%までの表面架橋剤によって表面架橋される、請求項34に記載の方法。
  36. 前記ポリ(ビニルアミン)塩は、無機鉱酸で中和されたポリ(ビニルアミン)を10モル%〜100モル%含む、請求項30に記載の方法。
  37. 前記ポリ(ビニルアミン)塩はポリ(ビニルアミン)塩酸塩を含む、請求項36に記載の方法。
  38. 前記ポリ(ビニルアミン)塩は、無機鉱酸で中和されたポリ(ビニルアミン)を30モル%〜70モル%含む、請求項30に記載の方法。
  39. (a)低架橋度のポリ(ビニルアミン);および
    (b)酸性の吸水性樹脂
    を含む高吸収性物質。
  40. 前記ポリ(ビニルアミン)は表面架橋される、請求項39に記載の高吸収性物質。
  41. 前記ポリ(ビニルアミン)は、ポリ(ビニルアミン)に対する重量比で1%までの表面架橋剤によって表面架橋される、請求項40に記載の高吸収性物質。
  42. 前記表面架橋剤はエチレングリコールジグリシジルエーテルを含む、請求項40に記載の高吸収性物質。
  43. 前記酸性樹脂は、ポリアクリル酸、加水分解されたデンプン−アクリロニトリルグラフトコポリマー、デンプン−アクリル酸グラフトコポリマー、けん化された酢酸ビニル−アクリル酸エステルコポリマー、加水分解されたアクリロニトリルコポリマー、加水分解されたアクリルアミドコポリマー、エチレン−無水マレイン酸コポリマー、イソブチレン−無水マレイン酸コポリマー、ポリ(ビニルスルホン酸)、ポリ(ビニル硫酸)、ポリ(ビニルリン酸)、スルホン酸化ポリスチレン、ポリ(ビニルホスホン酸)、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項39に記載の高吸収性物質。
  44. 前記ポリ(ビニルアミン)および前記酸性樹脂は5:95〜95:5の重量比で存在する、請求項39に記載の高吸収性物質。
  45. 水性媒体を吸収する方法であって、前記媒体を請求項39に記載の高吸収性物質と接触させることを含む方法。
  46. 請求項39に記載の高吸収性物質を含む物品。
  47. (a)低架橋度のポリ(ビニルアミン);および
    (b)酸性の吸水性樹脂
    を含む高吸収性物質を少なくとも25重量%含むコア材を有するおむつ。
  48. 前記コア材は少なくとも50重量%の前記高吸収性物質を含む、請求項47に記載のおむつ。
  49. 前記コア材は少なくとも75重量%の前記高吸収性物質を含む、請求項47に記載のおむつ。
  50. 前記ポリ(ビニルアミン)は0%〜25%が中和され、かつ前記酸性吸水性樹脂は0%〜25%が中和されている、請求項47に記載のおむつ。
  51. 前記コア材は、25%〜100%が中和された酸性の吸水性樹脂をさらに含む、請求項50に記載のおむつ。
  52. 前記の中和された酸性の吸水性樹脂はポリ(アクリル酸)である、請求項51に記載のおむつ。
  53. 前記コア材は、0.7psiの負荷のもとで100mlの0.9%生理食塩水を吸収する吸収速度が1ml/秒よりも大きい、請求項47に記載のおむつ。
  54. 前記コア材は、その後の50mlの0.9%生理食塩水を吸収する吸収速度が0.8ml/秒よりも大きい、請求項53に記載のおむつ。
  55. 前記コア材の第1の表面と接触しているトップシート、および前記コア材の第2の表面と接触しているバックシートをさらに含み、前記の第2のコア材表面は前記の第1のコア材表面の反対側に位置する、請求項47に記載のおむつ。
  56. 前記トップシートと前記コア材との間に配置された吸収層をさらに含む、請求項55に記載のおむつ。
  57. 前記ポリ(ビニルアミン)は、ポリ(ビニルアミン)に対する重量比で1%までの表面架橋剤によって表面架橋される、請求項47に記載のおむつ。
  58. 前記酸性樹脂は、ポリアクリル酸、加水分解されたデンプン−アクリロニトリルグラフトコポリマー、デンプン−アクリル酸グラフトコポリマー、けん化された酢酸ビニル−アクリル酸エステルコポリマー、加水分解されたアクリロニトリルコポリマー、加水分解されたアクリルアミドコポリマー、エチレン−無水マレイン酸コポリマー、イソブチレン−無水マレイン酸コポリマー、ポリ(ビニルスルホン酸)、ポリ(ビニル硫酸)、ポリ(ビニルリン酸)、スルホン酸化ポリスチレン、ポリ(ビニルホスホン酸)、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項47に記載のおむつ。
  59. 前記ポリ(ビニルアミン)および前記酸性樹脂は5:95〜95:5の重量比で存在する、請求項47に記載のおむつ。
  60. 前記ポリ(ビニルアミン)はホモポリマーである、請求項47に記載のおむつ。
  61. 前記ポリ(ビニルアミン)は、ビニルアミンと、少なくとも1つのさらなるモノエチレン性不飽和モノマーとを含む、請求項47に記載のおむつ。
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