JP2003512075A - 転位および組換えを使用して核酸分子を操作および配列決定する方法 - Google Patents

転位および組換えを使用して核酸分子を操作および配列決定する方法

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    • C12N15/66General methods for inserting a gene into a vector to form a recombinant vector using cleavage and ligation; Use of non-functional linkers or adaptors, e.g. linkers containing the sequence for a restriction endonuclease

Abstract

(57)【要約】 本発明は、一般に、核酸分子の操作(特に、このような核酸のクローニング、配列決定、増幅および変異)における使用のための方法、キットおよび組成物に関する。特に、本発明は、目的の核酸分子を操作、選択および分析するための、組換え部位および組換えクローニングの使用に関する。1つの局面において、本発明は、少なくとも1つの組換え部位またはその一部を含む、組み込み配列である。1つの実施形態では、この組み込み配列は、1以上のプライマー部位、1以上の転写シグナルもしくは翻訳シグナルまたは調節配列、1以上の終結シグナル、1以上の複製起点、1以上の選択マーカーおよび1以上の遺伝子または遺伝子の一部からなる群より選択される、少なくとも1つのエレメントをさらに含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) (発明の分野) 本発明は、概して、組換えDNA技術に関する。より詳細には、本発明は、概
して、核酸分子の構築および操作において使用するための組成物、キットおよび
方法に関する。本発明の方法は、インビトロまたはインビボの組み込みおよび組
換えの事象を使用して、所望の核酸分子を構築および/または選択することを包
含する。この所望の核酸分子は、多数の分子生物学技術(配列決定技術、操作お
よび変異誘発を含む)によってさらに操作され得る。
【0002】 (関連する分野) (部位特異的リコンビナーゼ) 部位特異的リコンビナーゼは、多くの生物(例えば、ウイルスおよび細菌)に
おいて存在するタンパク質であり、そしてエンドヌクレアーゼおよびリガーゼの
両方の特性を有すると特徴づけられた。これらのリコンビナーゼは、(いくつか
の場合において関連タンパク質とともに)DNAにおける塩基の特異的な配列を
認識し、そしてこれらのセグメントに隣接するDNAセグメントを交換する。こ
のリコンビナーゼおよび関連タンパク質は、総称して、「組換えタンパク質(r
ecombination protein)」と呼ぶ(例えば、以下を参照の
こと:Landy,A.,Current Opinion in Biote
chnology 3:699−707(1993))。
【0003】 種々の生物由来の多くの組換え系が記載されている。例えば、以下を参照のこ
と:Hoess,et al.,Nucleic Acids Researc
h 14(6):2287(1986);Abremski,et al.,J
.Biol.Chem.261(1):391(1986);Campbell
,J.Bacteriol.174(23):7495(1992);Qian
,et al.,J.Biol.Chem.267(11):7794(199
2);Araki,et al.,J.Mol.Biol.225(1):25
(1992);Maeser and Kahnmann,Mol.Gen.G
enet.230:170−176)(1991);Esposito,et
al.,Nucl.Acids Res.25(18):3605(1997)
。これらの多くは、リコンビナーゼのインテグラーゼファミリーに属する(Ar
gos,et al.,EMBO J.5:433−440(1986);Vo
ziyanov,et al.,Nucl.Acids Res.27:930
(1999))。おそらく、これらのうち最もよく研究されたのは、バクテリオ
ファージλ由来のインテグラーゼ/att系(Landy,A.Current
Opinions in Genetics and Devel.3:69
9−707(1993))、バクテリオファージPIからのCre/loxP系
(Hoess and Abremski(1990)In NucleicA
cids and MolecularBiology,vol.4.Eds.
:Eckstein and Lilley,BerlinHeidelber
g:Springer−Verlag;pp.90−109)、そしてSacc
haromyces cerevisiae 2μ環状プラスミド由来のFLP
/FRT系(Broach,et al.,Cell 29:227−234(
1982))である。
【0004】 (トランスポゾン) トランスポゾンは、移動性遺伝エレメントである。トランスポゾンは、構造的
に可変性であり、単純または複合体(compound)として記載されるが、
代表的に、逆方向に構成されるDNA配列が隣接する転位触媒酵素(トランスポ
ザーゼと呼ばれる)をコードする。トランスポゾンの特性のより詳しい議論につ
いて、以下を参照することができる:Mobile Genetic Elem
ents,D.J.Sherratt,Ed.,Oxford Univers
ity Press(1995)and Mobile DNA,D.E.Be
rg and M.M.Howe,Eds.,American Societ
y for Microbiology(1989),Washington,
DC。これらの文献は、両方とも、具体的に参考として援用される。
【0005】 トランスポゾンは、標的DNA配列にDNAを挿入するために使用されている
。一般的規則として、トランスポゾンの標的DNAへの挿入は、無作為事象であ
る。この規則の一つの例外は、トランスポゾンTn7の挿入である。トランスポ
ゾンTn7は、それ自体をE.coliゲノムにおける特定の部位へと、その生
活環の一部として組み込む(Stellwagen,A.E.,およびCrai
g,N.L.,Trends in Biochemical Science
s 23:486−490,1998,これは本明細書において具体的に参考と
して援用される)。この部位特異的な挿入は、バキュロウイルスゲノムを操作す
るためにインビボで使用されてきた(Lucklow et al.(J.Vi
rol.67:4566−4579(1993)。これは、本明細書において参
考として具体的に援用される)。Tn7のこの部位特異性は、その特徴がアクセ
プターDNA分子における無作為位置への移動である転位エレメントには珍しい
。この出願の目的のために、転位(transposition)とは、そうで
はないと特定しない限り無作為または準無作為の移動をいうが、他方、組換えは
、部位特異的な組換え事象をいうために使用される。従って、部位特異的なTn
7のatt Tn7部位への挿入は、組換え事象と称されるが、他方、Tn7の
無作為挿入は、転位事象と称される。
【0006】 York,et al.(Nucleic Acids Research,
26(8):1927−1933,(1998))は、Tn5を用いたプラスミ
ド事象内の分子内転位に基づくネスティッド欠失の生成のためのインビトロ方法
を開示する。2つの19塩基対Tn5トランスポザーゼ認識配列および標的DN
A配列に隣接するカナマイシン耐性遺伝子を含むベクターは、精製されたトラン
スポザーゼタンパク質の存在下でインビトロでインキュベートされた。使用され
た低濃度のDNAの条件下で、分子内転位反応が優先し、そしてこれを使用して
標的DNAにおけるネスティッド欠失のセットが首尾よく生成された。この著者
は、認識配列に隣接する3つすべての読み枠に終止シグナルを含めることによっ
て、この系がこの標的DNAによってコードされるタンパク質においてC末端短
縮型を生成するために使用され得ることを示唆した。さらに、この著者は、Hi
sタグおよびキナーゼ領域を含めることによって、さらなる分析のためのN末端
欠失タンパク質を生成するために使用され得ることを示唆した。
【0007】 Devine,et al.,(Nucleic Acids Resear
ch,22:3765−3772(1994)および米国特許第5,677,1
70号および同第5,843,772号(これらはすべて、本明細書において参
考として具体的に援用される)は、インビトロでレシピエントDNA分子へとD
NAセグメントを挿入するための人工トランスポゾンの構築を開示する。このシ
ステムは、酵母TY1ウイルス様粒子の挿入触媒酵素を、トランスポザーゼ活性
の供給源として利用する。目的のDNAセグメントは、標準的な方法を用いて、
トランスポゾン様のエレメントTY1の末端の間にクローニングされる。TY1
挿入触媒酵素の存在下で、得られるエレメントは、第二の標的DNA分子に無作
為に組み込まれる。
【0008】 (組換え部位) 上記の組換えタンパク質によって媒介される組換え反応の重要な特徴は、組換
え反応に関与するDNA分子における、しばしば「組換え部位」と呼ばれる、認
識配列である。これらの組換え部位は、組換えの間の組換えタンパク質によって
認識および結合される、関与核酸分子におけるDNAの異なる切片またはセグメ
ントである。例えば、Creリコンビナーゼのための組換え部位は、loxPで
あり、これは、34塩基対配列であり、8塩基対のコア配列に隣接する、2つの
13塩基対の反転反復(これは、リコンビナーゼ結合部位として働く)からなる
。Sauer,B.,Curr.Opin.Biotech.5:521−52
7(1994)の図1を参照のこと。認識配列の他の例としては、attB、a
ttP、attL、およびattRの配列が挙げられる。これは、組換えタンパ
ク質1Intにより認識される。attBは、約25塩基対の配列であり、2つ
の9塩基対コア型Int結合部位および7塩基対重複領域を含むが、他方att
Pは、約240塩基対配列であり、これは、コア型Int結合部位およびアーム
型Int結合部位ならびに補助的タンパク質のための組み込み宿主因子(IHF
)、FISおよび除去酵素(excisionase)(Xis)のための部位
を含む。以下を参照のこと:Landy,Curr.Opin.Biotech
.3:699−707(1993)。
【0009】 (核酸配列決定) 歴史的には、2つの主要な技術を使用して核酸が配列決定されてきた。共同開
発者に従い「MaxamおよびGilbert配列決定」とよばれる第一の方法
において(Maxam,A.M.and Gilbert,W.,Proc.N
atl.Acad.Sci.USA 74:560−564,1977)、DN
Aは放射標識され、4つのサンプルへと分割され、そしてDNAの特定のヌクレ
オチド塩基を選択的に破壊し、そして破壊の部位で分子を切断する化学物質で処
理する。ゲル電気泳動およびそのゲルをX線フィルムに露出することによって、
得られたフラグメントを異なるバンドに分離することによってもとのDNA分子
の配列がフィルムから読まれ得る。この技術を使用して、特定の複雑なDNA分
子の配列が決定された。これには、霊長類ウイルスSV40(Fiers,W.
,et al.,Nature 273:113−120,1978;Redd
y,V.B.,et al.,Science 200:494−502,19
78)および細菌プラスミドpBR322(Sutcliffe,G.,Col
d Spring Harbor Symp.Quant.Biol.43:7
7−90,1979)が含まれる。その共同開発者に従い「Sanger配列決
定」と称される配列決定のための代替技術(Sanger,F.,and Co
ulson,A.R.,J.Mol.Biol.94:444−448,197
5)もまた、伝統的に使用されてきた。この方法は、DNAポリメラーゼのDN
A合成活性を使用する。これは、反応を終結させるジデオキシヌクレオシド三リ
ン酸(Sanger,F.,et al.,Proc.Natl.Acad.S
ci.USA 74:5463−5467,1977)および短いプライマー(
これらのいずれかは検出可能に標識され得る)の混合物と組み合わせたとき4つ
のジデオキシ塩基の一つで特異的に終結する新たに合成された、一連のDNAフ
ラグメントを生じる。次いで、これらのフラグメントは、ゲル電気泳動で解像さ
れ、そしてその配列は、上記のMaxamおよびGilbert配列決定につい
て記載されるように、決定される。4つの別個の反応(各々ddNTPについて
一つ)を行うことによって、さらにかなり複雑なDNA分子の配列が迅速に決定
され得る(Sanger,F.,et al.,Nature 265:678
−695,1977 ;Bames,W.,Meth.Enzymol.152
:538−556,1987)。
【0010】 数年間にわたりこれらの配列決定法が使用されてきたが、Maxam/Gil
bertおよびSangerの配列決定法は、しばしば、時間がかかり、高価で
あり、そして配列決定に誤差が生じやすい。より最近になって、核酸分子のヌク
レオチド配列の決定は、増幅ベースの方法を用いて行われている。そのような方
法で最も一般的に使用されるものは、おそらく、自動化されたPCR方法論にお
いて使用される比較的高温で活性を保持するDNAポリメラーゼのような、特に
熱安定性酵素を用いたMullisら(米国特許第4,683,195号および
同第4,683,202号)によって記載されるポリメラーゼ連鎖反応(PCR
)の使用に依存する(以下を参照のこと:Saiki,R.K.,et al.
,Science 239:487−491(1988);米国特許第4,88
9,818号および同第4,965,188号)。核酸配列決定、特にジデオキ
シ配列決定(例えば、サイクル配列決定)の自動化方法の増幅ベースの方法は、
標準的なSanger配列決定において生成される単一のオリゴヌクレオチドと
は対照的に、各々のテンプレートから多数のジデオキシ終結したオリゴヌクレオ
チドの合成を生じる単一プライマーおよびddNTPと組み合わせたPCR適用
における熱安定性ポリメラーゼおよび温度サイクルを利用する。1テンプレート
あたりの多数のオリゴヌクレオチドの合成により提供される感受性の上昇に加え
、自動化配列決定におけるより高い変性温度の使用はまた、配列決定効率を改善
し(すなわち、より少ない誤取り込みが生じる)、そしてCGリッチであるか、
または顕著な二次構造を含むテンプレートの配列決定を可能にする。
【0011】 標準的なSangerの配列決定方法および増幅ベースの技術の両方の重要な
要件は、その配列決定プライマーがハイブリダイズする部位におけるDNA配列
の知見である。目的のフラグメントに隣接するベクターにおけるプライマー部位
を用いて既知ベクター中の小さなフラグメントを配列決定することが可能である
一方で、より大きなフラグメントの配列決定は、いくらかよりやっかいである。
【0012】 この問題を回避する1つの可能な方法は、初期配列決定反応において決定され
る配列に相補的な配列を有する新たなプライマーを合成することである。この技
術は、しばしば、目的の遺伝子を「ウォーキング」すると称される。
【0013】 遺伝子をウォーキングすることの代替は、目的のDNA分子におけるネスティ
ッド欠失のセットを作製することである(以下を参照のこと:Henikoff
,Gene 28(3):351−9,1984)。挿入物を含むベクターは、
その挿入物とそのベクターとの一つの接合点において切断される。次いで、得ら
れた線状DNA分子を、その挿入物の末端から塩基を除去するエキソヌクレアー
ゼとともにインキュベートする。インキュベーション時間を変動させることによ
り、挿入物から取り除かれる塩基数を変動させ得る。これにより、その挿入物の
漸進的に少ない一連のDNAが生じる。ヌクレアーゼ処理したDNAの連結およ
び形質転換の後、クローンの収集物を、ベクターにおけるプライミング部位に隣
接する新たな配列を有するように単離し得これにより挿入物の全体を、消化の部
位に隣接するベクター配列にハイブリダイズするプライマーを用いて配列決定す
ることを可能にする。
【0014】 最近開発された技術において、トランスポゾンを用いて、未知配列のより大き
なDNA分子中に既知の小DNA分子が挿入されている。既知配列をプライマー
認識部位として用い、そしてその挿入されたトランスポゾンに隣接するより大き
なDNA分子のDNA配列が、標準的な配列決定方法を用いて決定され得る。S
trathmann,et al.,(Proc.Natl.Acad.Sci
.USA,88:1247−1250,,1990)は、標的DNA中へのgd
トランスポゾンのインビボ挿入を利用した、そのような一つの系を記載する。目
的のDNAは、「ミニプラスミド」中にクローニングされて、ベクターDNAで
はなく標的DNA中にトランスポゾンの挿入を変更する。
【0015】 配列決定適用のためのインビトロトランスポゾン挿入系は、米国特許第5,7
28,551号中でDevine,et al.により記載されている。これは
、本明細書において具体的に参考として援用される。「プライマーアイランド」
人工トランスポゾン(PART)と呼ばれる人工トランスポゾンは、トランスポ
ザーゼの存在下で標的DNAを含むベクターと反応される。得られた集団をスク
リーニングして、標的DNA中のPARTを含む分子を同定し、そして標的中の
PARTの位置がマッピングされる。標的DNA中に適切に間隔を開けられたP
ARTを有するベクターの集団が選択され、そして標的のDNA配列がPART
中の配列にハイブリダイズするプライマーを用いて決定される。
【0016】 標的DNA分子中にトランスポゾンを挿入することが可能である一方で、この
技術に基づく配列決定技術は、顕著な限定という欠点を有する。ベクターを含む
標的DNA中にトランスポゾンを挿入することの無作為性の特性により、ベクタ
ー中へのトランスポゾンの頻繁な挿入も生じる。結果として、現在の方法は、標
的DNA中に適切な挿入物を含むクローンを同定するため、またはベクターの反
復配列決定を受容するために、面倒なソート手順(例えば、制限マッピングによ
る)を必要とする。両方の方法が、配列決定計画の努力および専門性に対して顕
著に増強する。
【0017】 従って、先行技術の方法に制限を克服し、より迅速で、効率よく、かつ経済的
な、核酸分子のヌクレオチド配列決定を提供する代替の配列決定系について、当
該分野において必要性が存在する。この必要性および他の必要性は、本発明によ
って満たされる。
【0018】 (発明の簡単な要旨) 本発明は概して、核酸分子(DNAまたはRNA)に関する。この核酸は、少
なくとも1つの組み込み配列および少なくとも1つの組換え部位を含み、その組
換え部位は、その組み込み配列の中および/または外側(例えば、隣接する)に
配置され得る。本発明に従って、組み込み配列は、組換えまたは組み込みにより
、目的の核酸分子の一部になる、任意の核酸分子を包含し得る。組み込み配列の
例としては以下が挙げられるがそれらに限定されない:トランスポゾン、挿入配
列、組み込みウイルス、ホーミングイントロン、または他の組み込みエレメント
、あるいはこれらの種々の組合せ。いくつかの好ましい実施形態において、本発
明の組み込み配列は、挿入配列またはトランスポゾンあるいはその誘導体であり
得る。1つの局面において、少なくとも2つの組換え部位(これは、同じまたは
異なり得る)は、組み込み配列の外側に核酸分子中に含まれ、そして好ましくは
その組み込み配列の両側に隣接する。別の局面において、少なくとも2つの組換
え部位(これは、同じまたは異なり得る)は、組み込み配列中に含まれる。本発
明は具体的には、組換え部位に隣接する標的核酸配列、およびその標的配列中に
挿入される少なくとも1つの組み込み配列を含む、核酸分子(好ましくは、ベク
ター)を提供する。本発明に従って、組換え配列を使用して、目的の分子を有す
る配列を交換し得、目的の分子から配列を欠失させ得、目的の分子中に配列を組
み込み得、または他の方法で、目的の分子を同定し得、操作し得、分析し得およ
び/もしくは選択し得る。
【0019】 別の局面において、相同組換えを利用した種々の戦略が標的配列中に目的のD
NAセグメントを挿入するためのトランスポゾンに対する代替物を提供し得る。
これらは、インビボまたはインビトロで達成され得る。Yu et al(Pr
oc Natl Acad Sci U S A 2000 May 23;9
7(11):5978−83)は、標的配列に対する相同性を含むDNAセグメ
ントは、所定のDNA配列中に効率的に組み込まれ得ることが示された。そのよ
うなアプローチを用いて組換え部位、選択マーカー、機能性エレメントを標的配
列の規定された位置中に組み込み得る。同様に、インビトロ異種二重鎖形成およ
び修復反応を用いることのいくつかの報告は、標的配列中に遺伝子および他のD
NAセグメントを挿入するために使用されている(Volkov AA et
al.,Nucl.Acids Res.1999 Sep 15;27(18
):el8)。従って、組換え部位に隣接する完全または部分的な相同性を規定
するオリゴヌクレオチドを用いて、指向される、部分的に指向される、または無
作為の組み込み部位の挿入物を含む標的配列の集団を生成し得る。
【0020】 本発明において使用するための組換え部位は、組換えタンパク質による組換え
反応に関与する核酸分子における任意の認識配列であり得る。1を超える組換え
部位を利用する本発明のこれらの実施形態において、そのような組換え部位は、
同じかまたは異なり得、そして互いに組換わり得るか、または互いに組換わらな
くてもよく、実質的に組換わらなくてもよい。本発明によって企図される組換え
部位はまた、野生型または天然に存在する組換え部位の変異体、誘導体または改
変体を包含する。好ましい組換え部位の改変は、組換えを増強するものを包含す
る。そのような増強は、実質的に以下からなる群より選択される:(i)組み込
み組換え(integrative recombination)を優先させ
ること;(ii)除去組換え(excisive recombination
)を優先させること;(iii)宿主因子に対する要件を軽減すること;(iv
)同時組み込み(cointegrate)または生成物形成の効率の増加;お
よび(v)同時組み込みおよび/または生成物形成の特異性の増加。好ましい改
変としては、組換え特異性を増強する改変、組換え部位またはその部分(または
組換え部分もしくはその部分を含む核酸分子)が増幅(例えば、PCRによる)
についてのプライマー部位として働くことを可能にする改変、1つ以上の終止コ
ドンを取り去る改変、ならびに/あるいはヘアピン形成を回避する改変が挙げら
れる。本発明に従って使用される好ましい組換え部位としては、att部位、F
RT部位およびlox部位、またはそれらの変異体、誘導体、フラグメント、部
分および改変体(またはそれらの組合せ)が挙げられる。本発明により企図され
る組換え部位はまた、そのような組換え部位の一部を含む。
【0021】 本発明の組み込み配列は、1つまたは多数のエレメントおよび/もしくは機能
的配列および/もしくは部位(またはその組合せ)を包含し得る。これらには、
目的の1つ以上の配列決定プライマーもしくは増幅プライマーに相補的な1つ以
上の配列(例えば、プライマー部位または増幅プライマー部位を配列決定するこ
と)、1つ以上の選択マーカー(例えば、毒性遺伝子、抗生物質耐性、遺伝子な
ど)、1つ以上の転写部位もしくは翻訳部位もしくはシグナル、1つ以上の転写
終結部位もしくは翻訳終結部位、1つ以上の複製起点、1つ以上の組換え部位(
またはその部分)などが含まれる。1つの実施形態において、組み込み配列は、
1つ以上の組換え部位(またはその部分)および1つ以上の選択マーカーを含み
得る。従って、本発明に従って、組み込み配列を使用して、1つ以上の組換え部
位(もしくはその部分)または他の目的の部位もしくは配列を任意の核酸分子に
組み込み得る。組み込み配列は、本発明に従って、インビボまたはインビトロの
組み込みにより導入され得る。本発明の方法は、同じであっても異なっていても
よい、1つ以上の組み込み配列を利用し得る。従って、異なる機能部位もしくは
シグナルを伴う異なる配列の使用は、本発明により企図される。
【0022】 本発明はまた、標的核酸配列に、組み込み配列を挿入する方法を提供する。こ
の方法は、組換え部位に隣接する目的の標的配列を、その標的配列中に組み込み
もしくは挿入することを少なくとも1つのその組み込み配列に生じさせるに十分
な条件下で、少なくとも1つの組み込み配列とともにインキュベートする工程、
および必要に応じて、その少なくとも1つの組み込み配列を含むその標的配列を
選択する工程を包含する。本発明に従って、そのような標的配列は、好ましくは
、ベクターにより含まれ、そして好ましい組み込み配列は、1つ以上のトランス
ポゾンである。少なくとも1つの組み込み配列を含む標的配列の選択は、好まし
くは、目的の標的配列に隣接する組み込み部位の使用により達成され得る。好ま
しい局面において、組換えクローニングを用いて、組み込み配列を含む標的配列
を転移および選択する。本発明に従って、そのような方法は、好ましくは、以下
の工程を包含する: (a)組換え部位またはその一部に隣接し、かつ少なくとも1つの組み込み配
列もしくはその一部を含む標的配列を、第一核酸分子から第二核酸分子へと転移
する工程;および (b)組換え部位またはその一部に隣接するこの標的配列を含むその第二核酸
分子を選択する工程。
【0023】 好ましい局面において、その第一および/または第二の核酸分子は、ベクター
である。例えば、この第二の核酸分子の選択は、組み込み配列および/または標
的配列によって含まれる、1つ以上の選択マーカーを用いることにより達成され
得る。第二の核酸分子によって含まれる1つ以上の選択マーカーはまた、本発明
に従った選択スキームによって利用され得る。あるいは、またはそれに加え、ネ
ガティブ選択もまた使用して、目的の標的配列を含まない第二の核酸分子を排除
選択(select against)し得る。好ましい局面において、組換え
クローニングを使用して、少なくとも1つの組み込み部位を含む標的配列をベク
ターに転移する。好ましくは、そのベクターまたは組み込み配列によって含まれ
る選択マーカーを組み合わせて使用して、所望の生成物である、標的配列/組み
込み配列を含むベクターを選択する。このようにして、所望されない生成物、例
えば、挿入された組み込み配列のない標的配列を含むベクターが選択排除される
【0024】 本発明のさらなる局面において、組み込み配列を含む選択された標的配列は、
標的配列のさらなる操作のために使用される。そのような局面において、本発明
は、組み込み配列の無作為組み込みによる所望の配列の無作為挿入を可能にする
。これを使用して、標的配列を操作または分析し得る。例えば、組み込み配列に
より含まれる配列決定プライマー部位の標的配列への無作為挿入により、その標
的配列の種々の部分または全部の配列決定を可能にする。1つの局面において、
標的からの配列情報の一部を使用して、そのような部分配列の配列重複を分析お
よび比較することによって、その標的の核酸配列全体を決定し得る。あるいは、
組み込み配列により含まれる増幅プライマー部位の標的配列中への無作為挿入に
より、その標的配列の部分または全部の増幅が可能となるが、他方、組み込み配
列により含まれる転写配列または制御配列の無作為挿入により、標的配列の種々
の部分または全部からのタンパク質またはポリペプチドの発現が可能となる。同
様に、遺伝子(例えば、GUS、GST、GFPなど)または遺伝子の一部の無
作為挿入により、目的の標的配列についての遺伝子融合物の集団を作製すること
が可能になる。さらに、組み込み配列により含まれる組換え部位(またはその部
分)の無作為挿入によって、目的の標的配列の欠失変異体の集団を作成すること
が可能になる。必要に応じて、この標的配列の欠失部分がクローニングされ得る
。従って、本発明は、標的核酸分子の全部または一部を操作または分析(例えば
、配列決定、増幅、欠失、変異、発現分析など)する方法に関する。この方法は
、以下の工程を包含する: (a)組換え部位またはその部分に隣接し、そして少なくとも組み込み配列ま
たはその一部を含む、標的配列を選択する工程;および (b)その組み込み配列を含むその標的配列の少なくとも一部を、操作または
分析(例えば、配列決定、増幅、変異、発現分析など)する工程。
【0025】 好ましい局面において、そのような操作または分析は、組み込み配列内に含ま
れる1つ以上の部位によって開始されるか、または達成される。
【0026】 配列決定工程は、本発明に従って、以下の工程を包含し得る: (a)配列決定されるべき核酸分子を、1つ以上のプライマー、1つ以上のヌ
クレオチドおよび1つ以上の終結因子と混合して混合物を形成する工程; (b)配列決定されるべきその分子の全部または一部に相補的な分子の集団を
合成するに十分な条件下でその混合物をインキュベートする工程;および (c)その集団を分離して、配列決定されるべきその分子の全部または一部の
ヌクレオチド配列を決定する工程。
【0027】 より詳細には、本発明の配列決定方法は以下の工程を包含する: (a)第一の核酸分子に対してプライマーをハイブリダイズする工程; (b)その分子を、1つ以上のヌクレオチドおよび1つ以上の終結因子に接触
させる工程; (c)工程(b)の混合物を、その第一の核酸分子の全部または一部に相補的
な核酸分子の集団を合成するに十分な条件下でインキュベートする工程であって
、その合成された分子は、その第一の分子より長さが短く、そしてその合成され
た分子は、その3’末端に終結因子を含む、工程;および (d)その第一の分子のヌクレオチド配列の少なくとも一部が決定され得るよ
うにその合成された分子を大きさにしたがって分離する工程。
【0028】 本発明はまた、目的の核酸分子において欠失を作製する方法を提供する。この
方法は、以下の工程を包含する:少なくとも第一の組換え部位を含む核酸分子を
、少なくとも第二の組換え部位を含む組み込み配列に、その組み込み配列の少な
くとも1つがその核酸分子に挿入される条件下で接触する工程、および少なくと
もその第一の組換え部位および第二の組換え部位の組換えを生じさせ、それによ
りその核酸分子の少なくとも一部の欠失を生じさせる工程。いくつかの実施形態
において、その標的核酸分子の欠失された部分は、クローニングされ得る。好ま
しい局面において、新たな組換え部位は、欠失の点において作製される。例えば
、attPとattBとの間の組換えは、attLまたはattRの何れかの部
位を、その欠失部位において形成し得る。次いで、そのような新たな組換え部位
は、そのような新たな組換え部位を含む標的またはベクター配列のさらなる操作
のために使用され得る。好ましい局面において、目的の核酸分子は、標的配列を
含むベクターであり得る。この局面において、その標的配列および/またはベク
ター配列は、その第一の組換え部位および組み込み配列を含み得、いくつかの実
施形態において、トランスポゾンは、第二の組換え部位を含む。この局面におい
て、その標的配列は、少なくとも第一の組換え部位を含むベクターへとまず挿入
され得る。別の局面において、第一の組換え部位および第二の組換え部位は、1
つ以上の組み込み配列によりその標的配列および/またはベクターに取り込まれ
得る。標的配列内の1つ以上の位置への組み込み配列の挿入後、欠失変異体の集
団は、組換え部位の間の組換えを起こすことによって作製され得る。異なる大き
さおよび異なる位置の他の欠失は、標的配列および/または目的のベクター内の
異なる位置においてさらなる組換え部位を含ませることによって達成され得る。
従って、第三、第四および/または第五の組換え部位は、標的またはベクター配
列内に異なる位置に挿入され得る(例えば、そのような異なる組換え部位を含む
さらなる組み込み配列による)。そのような部位の間の組換えを起こすことによ
り、標的またはベクター配列のさらなる欠失の生成が可能になる。例えば、欠失
は、第一の組換え部位と第二の組換え部位との間の組換えをまず生じさせて、欠
失の点において第一の欠失および新たな組換え部位(第三の組換え部位)を生成
すること、標的またはベクターの配列において第四の組換え部位を挿入すること
(好ましくは、1つ以上の組換え部位を含む組み込み配列の挿入による)、およ
びその第三の組換え部位とその第四の組換え部位との間の組換えを起こして第二
の欠失を生成させること、およびその欠失の点において新たな組換え部位(例え
ば、第五の組換え部位)を生成することによって連続的に標的またはベクターの
配列において行われ得る。このプロセスは、標的および/または目的のベクター
配列において多数の欠失を生成するために任意の多数回反復され得る。
【0029】 本発明は、目的の核酸分子において配列を置換または交換するための方法を提
供する。この方法は、少なくとも第一の組換え部位を含む核酸分子を、少なくと
も第二の組換え部位を含む組み込み配列に、その核酸分子にその組換え配列の少
なくとも一つが挿入されるような条件下で、接触させる工程、ならびにその第一
の組換え部位および第二の組換え部位に隣接するその分子における1つ以上の配
列の、組換え部位に隣接する少なくとも第二の核酸分子との置き換えを生じさせ
る工程を包含する。いくつかの実施形態において、標的配列および第二の核酸分
子は、ペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質をコードし、そしてその組換え
事象は、コードされたペプチド、ポリペプチドまたはタンパク質を、同じ読み枠
に配置する。そのような第二の分子は、1つ以上の遺伝子または遺伝子の一部を
含み得る。好ましい局面において、そのような置換を作製するための目的の核酸
分子は、標的配列を含むベクターである。この局面において、その標的配列およ
び/またはベクター配列は、その第一の組換え部位を含み、そして組み込み配列
(好ましくは、トランスポゾン)は、第二の組換え部位を含む。この局面におい
て、その標的配列は、少なくとも第一の組換え部位を含むベクター中に挿入され
得る。別の局面において、第一の組換え部位および第二の組換え部位は、1つ以
上の組み込み配列によって、標的配列および/またはベクターに取り込まれ得る
。標的配列内の1つ以上の位置に組み込み配列を挿入した後、融合物の集団は、
その第一の組換え部位と第二の組換え部位に隣接する分子が、組換え部位に隣接
する第二の核酸分子の集団への置き換えをさせることによって作製され得る。
【0030】 本発明の別の実施形態において、1つ以上の組換え部位は、以下の工程を包含
する方法によって、目的の核酸分子に加えられ得る: (a)1つ以上の核酸分子を、1つ以上の組換え部位またはその一部を含む、
1つ以上の組み込み配列に接触させる工程;および (b)この混合物を、組み込み配列を含むその組換え部位のその核酸分子への
取り込みをさせるに十分な条件下でインキュベートする工程。
【0031】 いくつかの好ましい実施形態において、1つ以上の核酸分子は、1つ以上の組
み込み配列と、インビトロで接触される。
【0032】 一旦そのような1つ以上の組換え部位(および/またはその一部)が、目的の
核酸分子の取り込まれると、その組換え部位を用いて、そのような組換え部位に
隣接する核酸分子を転移させ得る。従って、本発明に従って、組換え部位または
その部分を含む組み込み配列の無作為挿入によって、多数の組換え部位(または
その部分)の、目的の分子への取り込みを可能にする。組換えクローニングを通
じたそのような組換え部位の使用は、組換え部位に隣接する分子の一部を1つ以
上のベクターに転移させるための方法を提供する。例えば、第一の組換え部位お
よび第二の組換え部位(これは、好ましくは、互いに組換えされない)に隣接す
る、1つまたは多数の目的の分子は、第三の組換え部位および第四の組換え部位
(これは、好ましくは、互いに組換えされない)を含むベクターと、第一の組換
え部位が第三の組換え部位との組換え、および第二の組換え部位が第四の組換え
部位との組換えを可能にするに十分な条件下で混合する。次いで、ベクターおよ
び組換え部位に隣接する核酸分子を含む所望の生成物は、本発明に従って選択さ
れ得る。好ましい局面において、分子の集団は、1つ以上のベクターへと目的の
多数の分子を転移することによって生成され得る。従って、本発明は、出発遺伝
子材料の全部または一部の代表であり得るライブラリーの構築を提供する。好ま
しい局面において、そのようなライブラリーは、本発明を用いてcDNA、ゲノ
ムまたは染色体遺伝子材料から調製され得る。
【0033】 別の局面において、目的の核酸分子に取り込まれる組換え部位は、別個の核酸
分子またはベクターへと転移させる必要なしに直接組換えられ得る。従って、組
換え部位に隣接する分子は、組換え部位の組換えの際に環状化し得る。好ましく
は、環状分子は再環化に際して新たな組換え部位を含む。従って、目的の核酸分
子内に配置される第一の組換え部位と第二の組換え部位とを組換えることによっ
て、組換え部位にもともと隣接していた核酸分子を含む新たに環化された分子が
生成され得る。好ましい局面において、環化分子は、少なくとも一つの複製起点
を含み、その結果、その分子は、宿主細胞において自己複製し得るか、または宿
主細胞内においてベクターとして機能し得る。この環化した分子はまた、1つ以
上の選択マーカーを含み得る。1つの局面において、1つ以上の複製起点および
/または選択マーカーは、1つ以上の組み込み配列により提供される。従って、
組換えの際に、その分子は好ましくは、少なくとも一つの組換え部位、少なくと
も一つの選択マーカー、目的の核酸分子および1つの複製起点を含む。従って、
本発明は、組換え部位を使用して目的の元の核酸分子の部分を含む1つのベクタ
ーまたはベクターの集団を生成し得る方法を提供する。このようにして、本発明
は、cDNA、ゲノムまたは染色体のDNAのような出発遺伝子材料のライブラ
リーの効率よい調製を可能にする。
【0034】 関連する局面において、本発明は、少なくとも環化されるべき分子内の第一の
組換え部位および第二の組換え部位を組換えることによって線状核酸分子が環化
され得る方法を提供する。好ましくは、第一の組換え部位および第二の組換え部
位は、その線状分子の末端またはその付近に配置される。好ましい局面において
、その組換え部位は、アダプター(これは、少なくとも一つの組換え部位または
その一部を含む)のその分子の一方または両方の末端への連結によっておよび/
または組換え部位またはその一部を含むプライマーを用いてその線状分子を増幅
することによって線状分子の末端またはその付近に取り込まれる。あるいは、共
有結合したトポイロメラーゼを含むDNAセグメントを使用して、リンカー(例
えば、少なくとも一つの組換え部位またはその一部を含むもの)または他のDN
Aセグメントを他の線状DNAセグメントの末端に結合し得る(Shuman,
S.,J.Biol.Chem.269:32678(1994))。別の局面
において、アダプターの付加およびプライマーを用いた増幅の組合せを用いて、
その分子の末端へ組換え部位を取り込ませ得る。このようにして、その線状分子
の第一の末端またはその付近に第一の組換え部位を、およびその線状分子の第二
の末端またはその付近に第二の組換え部位を含む線状分子が生成され得る。本発
明に従って、これらの組換え部位の組換えは、環状分子を提供する。好ましくは
、環状分子は、再環化の点において新たな組換え部位を含む。好ましい局面にお
いて、環状分子は、複製起点および/または少なくとも一つの選択マーカーを含
む。一つの局面において、複製起点、選択マーカー、転写シグナルなどのような
1つ以上の機能的部位を含む、一つ以上の組み込み配列は、線状または環化の分
子に組み込まれて、そのような分子に機能的配列を提供し得る。別の局面におい
て、組み込み配列(これは、好ましくはトランスポゾンである)は、複製起点、
および必要に応じて少なくとも一つの選択マーカーをそのような線状分子または
環状分子へと取り込む。
【0035】 本発明はまた、本発明の方法を実施するため、および特に、核酸を増幅および
配列決定する際、欠失を作製する際、変異を生成する際、および目的の核酸分子
に組換え部位を挿入する際に使用するためのキットに関する。これらのキットは
、本発明の組み込み配列および/またはベクターのような、本発明の1つ以上の
核酸分子を含み得る。このようなキットは、必要に応じて、1つ以上のさらなる
成分を含み得る。このさらなる成分は、1つ以上のヌクレオチド、1つ以上のポ
リメラーゼおよび/または逆転写酵素、1つ以上の適切な緩衝剤、1つ以上のプ
ライマーならびに1つ以上の終結因子(例えば、1つ以上のジデオキシヌクレオ
チド)からなる群より選択される。
【0036】 本発明の組成物、方法およびキットは、好ましくは、ファージλ部位特異的組
換え系、そして最も好ましくはInvitrogen Corporation
,Life Technologies Division(Rockvill
e,MD)から入手可能なGATEWAYTM組換えクローニング技術を用いて調
製および実施される。
【0037】 本発明の他の好ましい実施形態は、当該分野において知られる事項に鑑み、以
下の図面および本発明の説明に鑑み、ならびに特許請求の範囲に鑑み、当業者に
明らかである。
【0038】 (発明の詳細な説明) (定義) 以下の説明において、分子生物学において使用される多数の用語が広汎に利用
される。そのような用語によって与えられる範囲を含め、明細書および特許請求
の範囲の明確かつ一貫した理解を提供するために、以下の定義を提供する。
【0039】 増幅:本明細書において用いられるとき、増幅は、ポリメラーゼ活性を有する
1つ以上のポリペプチド(例えば、1つ以上の核酸ポリメラーゼまたは1つ以上
の逆転写酵素)を使用することにより、ヌクレオチド配列の多数コピーをを増加
させるための任意のインビトロ方法である。核酸増幅は、ヌクレオチドのDNA
および/またはRNAの分子またはプライマーへの取り込みを生じ、それにより
、テンプレートに相補的な新たな核酸分子を形成する。形成された核酸分子およ
びそのテンプレートは、さらなる核酸分子を合成するためのテンプレートとして
使用され得る。本明細書において使用されるとき、1つの増幅反応は、多くの回
の核酸複製からなり得る。DNA増幅反応は、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(
PCR)を含む。1つのPCR反応は、5から100サイクルのDNA分子の変
性および合成からなり得る。
【0040】 遺伝子:本明細書において使用されるとき、遺伝子は、ポリペプチドまたはタ
ンパク質の発現に必要な情報を含む核酸配列である。それは、プロモーターおよ
び構造遺伝子ならびにそのタンパク質の発現に関与する他の配列を含む。
【0041】 宿主:本明細書において使用されるとき、宿主は、複製可能な発現ベクター、
クローニングベクターまたは任意の核酸分子のレシピエントである任意の原核生
物または真核生物の生物である。その核酸分子は、構造遺伝子、転写調節配列(
例えば、プロモーター、エンハンサー、リプレッサーなど)および/または複製
起点(ori)を含み得るがそれらに限定されない。本明細書において使用され
るとき、用語「宿主」、「宿主細胞」、「組換え宿主」および「組換え宿主細胞
」は、互換的に使用され得る。そのような宿主の例について、以下を参照のこと
:Maniatis et al.,Molecular Cloning:A
Laboratory Manual,Cold Spring Harbo
r Laboratory,Cold Spring Harbor,New
York(1982)。
【0042】 ハイブリダイゼーション:本明細書において使用されるとき、用語ハイブリダ
イゼーションおよびハイブリダイズすることは、2つの相補的な一本鎖核酸分子
(RNAおよび/またはDNA)を塩基対合して二本鎖分子を与えることをいう
。本明細書において使用されるとき、2つの核酸分子は、塩基対合が、完全に相
補的ではなくてもハイブリダイズされ得る。従って、ミスマッチ塩基は、当該分
野において周知の適切な条件が使用される場合、2つの核酸分子のハイブリダイ
ゼーションが妨げられる。いくつかの局面において、ハイブリダイゼーションは
、「ストリンジェント条件」下にあるといわれる。本明細書において使用される
とき「ストリンジェント条件」は、50%ホルムアミド、5×SSC(150m
M NaCl、15mMクエン酸三ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(
pH7.6)、5×デンハルト溶液、10%硫酸デキストラン、および20g/
ml変性剪断サケ精子DNAを含む溶液において42℃での一晩のインキュベー
ション、続いてそのフィルターを0.1×SSC中で約65℃で洗浄することを
意味する。
【0043】 取り込み(incorporating):本明細書において使用されるとき
、取り込みは、核酸(例えば、DNA)分子またはプライマーの一部になること
を意味する。
【0044】 挿入物:本明細書において使用されるとき、挿入物は、より大きな核酸分子の
一部である所望の核酸セグメントである。挿入物は、本発明に従って標的核酸分
子であり得る。
【0045】 挿入物ドナー:本明細書において使用されるとき、挿入物ドナーは、挿入物を
有する、本発明の2つの親核酸分子(例えば、RNAまたはDNA)の一方であ
る。挿入物ドナー分子は、組換え部位の両側に隣接する挿入物を含む。挿入物ド
ナーは、線状であってもよく環状であってもよい。本発明の一つの実施形態にお
いて、挿入物ドナーは、環状DNA分子であり、そしてさらに、組換えシグナル
の外側にクローニングベクター配列を含む(図1を参照のこと)。挿入物の集団
または核酸セグメントの集団を使用して、挿入物ドナーを作製する場合、挿入物
ドナーの集団が生成し、そしてこれを本発明に従って使用され得る。
【0046】 組み込み(integration)配列:本明細書において使用されるとき
、組み込み配列は、標的核酸分子へ無作為に挿入し得る任意のヌクレオチド配列
である。組換え配列はまた、移動性の遺伝エレメントとして当該分野において公
知である。当業者に公知の任意の組み込み配列を使用して、本発明を実施し得る
。これには、以下が挙げられるがそれらに限定されない:トランスポゾン(転位
エレメント)、組み込みウイルス(例えば、レトロウイルス)、ISエレメント
、レトロトランスポゾン、結合性トランスポゾン、DrosophilaのPエ
レメント、細菌ビルレンス因子、または真核生物についての移動性遺伝エレメン
ト(例えば、mariner、Tc IおよびSleeping Beauty
)。当業者に公知の他の移動性遺伝エレメントもまた、本発明に従って使用され
得る。
【0047】 ライブラリー:本明細書において使用されるとき、ライブラリーは、核酸分子
(環状または線状)の収集物である。1つの実施形態において、ライブラリーは
、複数(すなわち、2つ以上)の核酸分子を含み得、これは、一般的な供給源細
胞、器官、組織または細胞に由来してもしなくもよい。別の実施形態において、
ライブラリーは、生物の核酸内容物の全部または部分または有意な部分(「ゲノ
ム」ライブラリー)の代表物であるか、あるいは細胞、組織、器官または生物に
おいて発現された核酸分子の全部または部分または有意な部分(cDNAライブ
ラリー)の核酸分子代表物のセットである。他の実施形態において、ライブラリ
ーは、標的内の種々の位置に挿入物を含む標的DNA分子を含み得る。ライブラ
リーはまた、デノボ合成、1つ以上の配列の変異誘発などによって作製される無
作為配列を含む。そのようなライブラリーは、1つ以上のベクターに含まれてい
ても含まれていなくてもよい。
【0048】 ヌクレオチド:本明細書において使用されるとき、ヌクレオチドは、塩基−糖
−ホスフェートの組合せである。ヌクレオチドは、核酸分子(DNAおよびRN
A)のモノマー単位である。この用語ヌクレオチドは、リボヌクレオシド三リン
酸であるATP、UTP、CTP、GTP、およびデオキシリボヌクレオシド三
リン酸(例えば、dATP、dCTP、dITP、dUTP、dGTP、dTT
P)またはその誘導体を含む。そのような誘導体としては、例えば、[αS]d
ATP、7−デアザ−dGTPおよび7−デアザ−dATPが挙げられる。この
用語ヌクレオチドは、本明細書において使用されるときはまた、ジデオキシリボ
ヌクレオシド(ddNTP)およびその誘導体をも指す。ジデオキシヌクレオシ
ド三リン酸の例示的な例としては、ddATP、ddCTP、ddGTP、dd
ITP、およびddTTPが挙げられるがそれらに限定されない。本発明に従っ
て、「ヌクレオチド」は、標識されていなくてもよく、周知技術により検出可能
に標識されていてもよい。検出可能な標識としては、例えば、放射性同位体、蛍
光標識、化学発光標識、生体発光標識、および酵素標識が挙げられる。
【0049】 オリゴヌクレオチド:本明細書において使用されるとき、オリゴヌクレオチド
は、1つのヌクレオチドのペントースの3’位と、隣接するヌクレオチドのペン
トースの5’位との間のホスホジエステル結合によって結合された、ヌクレオチ
ドの共有結合された配列を含む、合成または天然の分子である。
【0050】 プライマー:本明細書において使用されるとき、プライマーは、核酸分子(例
えば、DNA分子)の増幅または重合化の間に、ヌクレオチドモノマーの共有結
合により伸長する、一本鎖または二本鎖のオリゴヌクレオチドである。一つの局
面において、そのプライマーは、配列決定プライマー(例えば、ユニバーサル配
列決定プライマー)であり得る。別の局面において、そのプライマーは、組換え
部位またはその一部を含み得る。
【0051】 生成物(産物):本明細書において使用されるとき、生成物は、組換えクロー
ニングプロセス(図1を参照のこと)の間の第二の組換え事象の後に生成される
、AおよびDの配列を含む所望の娘分子の生成物である。この生成物は、クロー
ニングまたはサブクローニングされるべき核酸を含む。本発明に従って、挿入ド
ナーの集団が使用されるとき、生成物分子の得られた集団は、挿入物ドナーの挿
入物の集団の全部または一部を含み、そして好ましくは、挿入物ドナー野本の分
子の代表的な集合を含む。
【0052】 プロモーター:本明細書において使用されるとき、プロモーターは、転写調節
配列の一例であり、そして詳細には、開始コドンの近位に配置される遺伝子の5
’領域として一般的に記載されるDNA配列である。隣接するDNAセグメント
の転写は、プロモーター領域において開始される。抑制プロモーターの転写の速
度は、抑制因子に応答して低下する。誘導性プロモーターの転写速度は、誘導因
子に応答して上昇する。構成的プロモーターの転写速度は、特に調節されないが
、それは、一般的な代謝条件の影響下で変動し得る。
【0053】 認識配列:本明細書において使用されるとき、認識配列は、タンパク質、化学
化合物、DNAまたはRNAの分子(例えば、制限エンドヌクレアーゼ、改変メ
チラーゼまたはリコンビナーゼ)が認識し結合する特定の配列である。本発明に
おいて、認識配列は、通常組換え部位をいう。例えば、Creリコンビナーゼに
ついての認識配列は、loxPであり、これは、34塩基対配列であり、8塩基
対のコア配列に隣接する2つの13塩基対の反転反復(これは、リコンビナーゼ
結合部位として働く)を含む。Sauer,B.,Current Opini
on in Biotechnology 5:521−527(1994)の
図1を参照のこと。認識配列の他の例は、attB、attP、attL、およ
びattRの配列であり、これは、リコンビナーゼ酵素Iインテグラーゼによっ
て認識される。attBは、2つの9塩基対のコア型Int結合部位および7塩
基対の重複領域を含む、約25塩基対配列である。attPは、コア型Int結
合部位およびアーム型Int結合部位ならびに補助タンパク質である組み込み宿
主因子(IHF)、FISおよび除去酵素(Xis)についての部位を含む、約
240塩基対配列である。以下を参照のこと:Landy,Current O
pinion in Biotechnology 3:699−707(19
93)。そのような部位はまた、本発明に従って操作されて、本発明の方法にお
ける生成物の生産を増強し得る。そのように操作された部位が、組換え反応を不
可逆にするP1ドメインもH1ドメインも含まない場合(例えば、attRまた
はattP)、何らかの方法でこれらの部位のドメインが改変されたことを示す
ためにそのような部位は、attR’またはattP’と称する。
【0054】 組換え(recombination)タンパク質:本明細書において使用さ
れるとき、組換えタンパク質は、切断または組み込みのタンパク質、酵素、補因
子または関連するタンパク質であって、1つ以上の組換え部位を含む組換え反応
に関与するものを含み、これは、野生型タンパク質(以下を参照のこと:See
Landy,Current Opinion in Biotechnol
ogy 3:699−707(1993))、またはその変異体、誘導体、フラ
グメントおよび改変体であり得る。
【0055】 組換え部位:本明細書において使用されるとき、組換え部位は、組換えタンパ
ク質によって組み込み/組換えの反応に関与する核酸分子における認識配列であ
る。組換え部位は、組み込みまたは組換えの開始段階の間に部位特異的組換えタ
ンパク質によって認識および結合される、関与する核酸分子における異なる切片
またはセグメントである。例えば、Creリコンビナーゼについての組換え部位
は、loxPであり、これは、34塩基対配列であり、8塩基対のコア配列に隣
接する2つの13塩基対の反転反復(これは、リコンビナーゼ結合部位として働
く)を含む。Sauer,B.,Current Opinion in Bi
otechnology 5:521−527(1994)の図1を参照のこと
。認識配列の他の例は、本明細書において記載されるattB、attP、at
tL、およびattRの配列、ならびにその変異体、フラグメント、改変体およ
び誘導体であり、これは、リコンビナーゼ酵素Iインテグラーゼによって、およ
び補助タンパク質である組み込み宿主因子(IHF)、FISおよび除去酵素(
Xis)によって認識される。以下を参照のこと:Landy,Curr.Op
in.Biotech.3:699−707(1993)。
【0056】 組換えクローニング:本明細書において使用されるとき、組換えクローニング
は、米国特許第5,888,732号(その内容は、全体が参考として本明細書
において援用される)に記載されるような方法である。ここでは、核酸分子のセ
グメントまたはそのような分子の集団は、インビトロまたはインビボで、交換、
挿入、置換、置き換えまたは改変される。好ましくは、そのようなクローニング
方法はインビトロ方法である。
【0057】 抑制カセット:本明細書において使用されるとき、抑制カセットは、サブクロ
ーニングベクターに存在するリプレッサーまたは選択マーカーを含む、核酸セグ
メントである。
【0058】 選択マーカー:本明細書において使用されるとき、選択マーカーは、しばしば
、特定条件下で、分子(例えば、レプリコン)またはそれを含む細胞についてま
たはそれを排除して選択することを可能にする核酸セグメントである。これらの
マーカーは、活性(例えば、RNA、ペプチドまたはタンパク質の生成であるが
これらに限定されない)をコードし得るか、あるいはRNA、ペプチド、タンパ
ク質、無機化合物、有機化合物または組成物などについての結合部位を提供し得
る。選択マーカーの例としては以下が挙げられるがそれらに限定されない:(1
)そうでなければ毒性化合物(例えば、抗生物質)に対する耐性を提供する産物
をコードするDNAセグメント;(2)そうでなければレシピエント細胞におい
て欠如する産物(例えば、tRNA遺伝子、栄養要求性マーカー)をコードする
DNAセグメント;(3)遺伝子産物の活性を抑制する産物をコードするDNA
セグメント;(4)容易に同定され得る産物(例えば、βガラクトシダーゼ、緑
色蛍光タンパク質(GFP)および細胞表面タンパク質のような表現型マーカー
)をコードするDNAセグメント;(5)そうでなければ細胞生存および/また
は機能に有害な産物に結合するDNAセグメント;(6)上記番号1−5におい
て記載されるDNAセグメントのいずれかの活性をそうでなければ阻害するDN
Aセグメント(例えば、アンチセンスオリゴヌクレオチド);(7)基質を改変
する産物(例えば、制限エンドヌクレアーゼ)に結合するDNAセグメント;(
8)所望の分子を単離または同定するために使用され得るDNAセグメント(例
えば、特定のタンパク質結合部位);(9)そうでなければ非機能性であり得る
特定のヌクレオチド配列をコードするDNAセグメント(例えば、分子の亜集団
のPCR増幅のため);(10)存在しない場合、特定の化合物に対する耐性ま
たは感受性を、直接または間接的に付与するDNAセグメント;ならびに/また
は(11)レシピエント細胞において毒性である産物をコードするDNAセグメ
ント。
【0059】 選択スキーム:本明細書において記載されるように、選択スキームは、混合物
から所望の産物または分子の選択、富化または同定を可能にする任意の方法であ
る。いくつかの好ましい実施形態において、選択スキームは、1つ以上の所望の
生成物または分子のみについて選択またはその富化を生じる。本明細書において
定義されるように、DNA分子について選択するとは、(a)所望のDNA分子
の存在について選択または富化すること、および(b)所望のDNA分子ではな
いDNA分子の存在を排除して選択または富化することを包含する。
【0060】 1つの実施形態において、選択スキーム(これは、逆で行われ得る)は、3つ
の形態のうちの1つを採り得、これを、図1の観点で考察する。第一は、本明細
書において選択マーカーおよびそのリプレッサーを用いて例示されるように、セ
グメントDを有し、そしてセグメントCを欠如する分子について選択する。第二
は、セグメントCを有する分子を排除選択し、そしてセグメントDを有する分子
について選択する。第二の形態の可能な実施形態は、そのインビトロ反応生成物
が導入されるべき細胞にとって毒性である遺伝子を有するDNAセグメントを有
する。毒性遺伝子は、毒性遺伝子産物(毒性タンパク質またはRNA)として発
現されるDNAであり得るか、またはそれ自体においておよびそれ自体が毒性で
あり得る(後者の場合、毒性遺伝子は、「遺伝的形質」のその古典的な定義を有
すると理解される)。
【0061】 そのような毒性遺伝子産物の例は、当該分野において周知であり、そして以下
が挙げられるがそれらに限定されない:制限エンドヌクレアーゼ(例えば、Dp
nI)、チミジンキナーゼ(TK)遺伝子、アポトーシス関連遺伝子(例えば、
ASK1またはbcl−2/ced−9 ファミリーのメンバー)、レトロウイ
ルス遺伝子(ヒト免疫不全ウイルス(HIV)の遺伝子を含む)、デフェンシン
(例えば、NP−1)、反転反復または対合パリンドロームDNA配列、バクテ
リオファージ溶解遺伝子(例えば、fX174またはバクテリオファージT4か
らの遺伝子);抗生物質感受性遺伝子(例えば、rpsL)、抗微生物剤感受性
遺伝子(例えば、pheS)、プラスミドキラー遺伝子、宿主細胞にとって毒性
である遺伝子産物を生成する真核生物転写ベクター遺伝子(例えば、GATA−
1)、および抑制機能の非存在下で宿主を殺傷する遺伝子(例えば、kicB、
ccdB、fX174 E)(Liu,Q.et al.,Curr.Biol
.8:1300−1309(1998))、ならびにレプリコンの安定性および
/または複製に負に影響を与える他の遺伝子。毒性遺伝子は、あるいは、インビ
トロで選択可能であり得る(例えば、制限部位)。
【0062】 誘導性プロモーターに作動可能に連結された制限エンドヌクレアーゼをコード
する多くの遺伝子が知られており、そして本発明において使用され得る。例えば
、以下を参照のこと:米国特許第4,960,707号(DpnIおよびDpn
II);同第5,000,333号、同第5,082,784号および同第5,
192,675号(KpnI);同第5,147,800号(NgoAIIIお
よびNgoAI);同第5,179,015号(FsplおよびHaeIII)
:同第5,200,333号(HaeIIおよびTaqI);同第5,248,
605号(HpaII);同第5,312,746号(ClaI);同第5,2
31,021号および同第5,304,480号(XhoIおよびXhoII)
;同第5,334,526号(AluI);同第5,470,740号(Nsi
I);同第5,534,428号(SstI/SacI);同第5,202,2
48号(NcoI);同第5,139,942号(NdeI);ならびに同第5
,098,839号(PacI)。以下もまた参照のこと:Wilson,G.
G.,Nucl.Acids Res.19:2539−2566(1991)
;および Lunnen,K.D.,et al.,Gene 74:25−3
2(1988)。
【0063】 第二の形態において、セグメントDは、選択マーカーを有する。この毒性遺伝
子は、ベクタードナー、共取り込みおよび副生成物の分子を有する形質転換体を
除去するが、他方、選択マーカーを使用して、生成物を含む細胞を選択し得、そ
して挿入物ドナーのみを有する細胞を選択排除し得る。
【0064】 第三の形態は、セグメントAおよびセグメントDの両方を同じ分子においてシ
スで有する細胞を選択するが、異なる分子においてトランスで両方のセグメント
を有する細胞は選択しない。これは、セグメントAおよびセグメントDにおいて
、2つの不活性フラグメントをそれぞれ一つずつ分割される選択マーカーによっ
て具現化され得る。このフラグメントは、そのセグメントが組換え事象によって
一緒にされるとき、それらが機能的選択マーカーを構成する組換え部位に比較し
てそのように配置される。例えば、この組換え事象は、プロモーターを構造核酸
分子(例えば、遺伝子)と連結し得、構造核酸分子の2つのフラグメントを連結
し得るか、または生存に必要なヘテロダイマー遺伝子産物をコードする核酸分子
を連結し得るか、あるいはレプリコンの一部を連結し得る。
【0065】 部位特異的リコンビナーゼ:本明細書において使用されるとき、部位特異的な
リコンビナーゼは、少なくとも以下の4つの活性(またはその組合せ)を代表的
に有する型のリコンビナーゼである:1)1または2の特定の核酸配列の認識;
(2)この配列(単数または複数)の切断;(3)鎖交換に関与するトポイソメ
ラーゼ;および(4)核酸の切断された鎖を再結合するリガーゼ活性。以下を参
照のこと:Sauer,B.,Current Opinions in Bi
otechnology 5:521−527(1994)。保存的部位特異的
組換えは、相同組換えおよび転位とは、両方のパートナーについて高度の特異性
により識別される。鎖交換機構は、DNA合成の存在下での特定のDNA配列の
切断および再結合を包含する(Landy,A.(1989)Ann.Rev.
Biochem.58:913−949)。
【0066】 構造遺伝子:本明細書において使用されるとき、構造遺伝子とは、メッセンジ
ャーRNAに転写され、次いで特定のポリペプチドに特徴的なアミノ酸の配列へ
と翻訳される、核酸配列をいう。
【0067】 サブクローニングベクター:本明細書において使用されるとき、サブクローニ
ングベクターは、環状核酸分子または線状核酸分子を含むクローニングベクター
であって、好ましくは、適切なレプリコンを含む。本発明において、サブクロー
ニングベクター(図1におけるセグメントD)はまた、クローニングされたDN
A挿入物(図1におけるセグメントA)に対してまたはそれとともに作用する最
終産物へと、取り込まれることが所望される機能エレメントおよび/または調節
エレメントを含み得る。サブクローニングベクターはまた、選択マーカーを含み
得る。
【0068】 標的核酸分子:本明細書において使用されるように、標的核酸分子は、本発明
を用いる際に作用することになる、目的の核酸セグメント(好ましくはDNA)
である。
【0069】 テンプレート:本明細書において使用されるとき、テンプレートは、二本鎖ま
たは一本鎖の核酸分子であって、増幅、合成または配列決定されるべきものであ
る。二本鎖DNA分子の場合において、第一の鎖および第二の鎖へとその鎖を変
性することは、好ましくは、これらの分子が増幅、合成または配列決定され得る
前に行われ、あるいは二本鎖分子は、直接テンプレートとして使用され得る。一
本鎖テンプレートについて、そのテンプレートの少なくとも一部に対して相補的
なプライマーは、適切な条件下でハイブリダイズされ、次いでポリメラーゼ活性
を有する1つ以上のポリペプチド(例えば、DNAポリメラーゼおよび/または
逆転写酵素)は、テンプレートの全部または一部に対して相補的な分子を合成し
得る。あるいは、二本鎖テンプレートについて、1つ以上の転写調節配列(例え
ば、1つ以上のプロモーター)は、1つ以上のポリメラーゼと組み合わせて使用
されて、そのテンプレートの全部または一部に相補的な核酸分子を作製し得る。
新たに合成される分子は、本発明に従って、もとのテンプレートに比較して同じ
かまたは短くあり得る。新たに合成された分子の合成または伸長の間のミスマッ
チ取り込みまたは鎖の滑り(slippage)は、1または多数のミスマッチ
塩基対を生じ得る。従って、合成分子は、テンプレートに精確に相補的である必
要はない。さらに、核酸テンプレートの集団は、合成または増幅の間に用いられ
て、元のテンプレート集団の代表的な代表である核酸分子の集団を生成し得る。
【0070】 転写調節配列:本明細書において使用されるとき、転写調節配列は、任意の形
態または構造の、核酸分子において含まれるヌクレオチドの機能的ストレッチで
あって、1つ以上の構造遺伝子のメッセンジャーRNAへの転写を調節するよう
に作用するものである。転写調節配列の例としては、プロモーター、エンハンサ
ー、リプレッサーなどが挙げられるがそれらに限定されない。「転写調節配列」
、「転写部位」および「転写シグナル」は、互換的に使用され得る。
【0071】 ベクター:本明細書において使用されるとき、ベクターは、挿入物に対して、
有用な生物学的または生化学的な特性を提供する、核酸分子(好ましくはDNA
)である。例としては、プラスミド、ファージ、自己複製配列(ARS)、セン
トロメア、およびインビトロまたは宿主細胞において複製し得または複製され得
るか、または縮主細胞内の所望の位置に所望の核酸セグメントを運搬し得る、他
の配列が挙げられる。ベクターは、そのベクターの本質的な生物学的機能を喪失
することなく、決定可能な様式でその配列が切断され得、そして核酸フラグメン
トがスプライシングされてその複製およびクローニングが達成され得る、1つ以
上の制限エンドヌクレアーゼ認識部位を有し得る。ベクターは、例えば、PCR
、転写および/または翻訳の開始および調節の部位、組換えシグナル、レプリコ
ン、選択マーカーなどのためのプライマー部位をさらに提供し得る。明らかに、
相同組換え、転位または制限酵素の使用を必要としない所望の核酸フラグメント
を挿入する方法(例えば、PCRセグメントのUDGクローニング(米国特許第
5,334,575号、本明細書においてその全体が参考として援用される)、
T:Aクローニングなど(しかし、これらに限定されない))もまた適用されて
、本発明に従って使用されるべきクローニングベクターへとクローニングされ得
る。そのクローニングベクターは、そのクローニングベクターを用いて形質転換
される細胞の同定において使用するために適切な、1つ以上の選択マーカーをさ
らに含み得る。
【0072】 ベクタードナー:本明細書において使用されるとき、ベクタードナーは、本発
明の2つの親の核酸分子(例えば、RNAまたはDNA)の一方であって、所望
の生成物の部分になるべき、ベクターを含むセグメントを有するものである。ベ
クタードナーは、サブクローニングベクターD(または、それは、その挿入物ド
ナーがクローニングベクターはまだ含まない場合クローニングベクターと呼ばれ
得る)および組換え部位に隣接するセグメントCを含む(図1を参照のこと)。
セグメントCおよび/またはDは、選択スキームについて上記されるように、所
望の生成物の娘分子について選択することに寄与するエレメントを含み得る。こ
の組換えシグナルは、同じであってもよく異なっていてもよく、そして同じまた
は異なるリコンビナーゼによって作用し得る。さらに、ベクタードナーは、線状
または環状であり得る。
【0073】 本明細書において使用される、組換えDNA技術および分子生物学および細胞
生物学の分野において使用される他の用語は、適用可能な分野における当業者に
よって一般的に理解される。
【0074】 (概説) 本発明は、少なくとも1つの組み込み配列(例えば、トランスポゾン)を標的
核酸分子へと挿入すること、および続いてその改変された標的核酸分子を組換え
クローニングを用いてベクターへと転移させることによる、核酸分子(RNAま
たはDNA)の構築に関する。本発明に従って、組換えクローニングにより、組
み込み配列の全部または一部を含む標的配列を含む分子(特にベクター)の効率
よい選択および同定が可能になる。従って、目的の部位または配列(組み込み配
列によって含まれる)は、標的配列に挿入され得、これにより、標的核酸分子の
さらなる操作が可能になる。標的核酸配列に導入されるべき、本発明の組み込み
配列は、プライマー部位(プライマー(例えば、配列決定プライマーまたは増幅
プライマー)がハイブリダイズして、核酸合成、増幅または配列決定を開始し得
る配列)、転写シグナル、翻訳シグナル、または調節配列(例えば、プロモータ
ー、リボソーム結合部位、翻訳達成配列(例えば、Kozak配列、Shine
−Delgarno配列)、開始コドン、複製起点、終止シグナル(例えば、終
止コドン)、組換え部位(またはその一部)、選択マーカーおよびタンパク質融
合体(例えば、Nまたはカルボキシ末端)を作製する遺伝子または遺伝子の一部
(例えば、GST、GUS、GFP)、あるいはその組合せのような任意の数の
機能配列またはその組合せを包含し得る。そのような目的の配列の挿入後、その
分子は、種々の方法(標的配列の全部または一部の配列決定または増幅(すなわ
ち、組み込み配列によって導入された少なくとも1つのまたはそのプライマー部
位を用いることによる)を含む)、その標的配列の変異(すなわち、標的配列の
挿入、欠失または置換)、および標的配列またはその一部からのタンパク質発現
(すなわち、翻訳シグナルおよび/または転写シグナルの挿入による)において
操作され得る。
【0075】 本発明はまた、その分子に組換え部位含有組み込み配列を挿入すること、およ
び組換えクローニングを行うことかまたは挿入された組換え部位の組換えを生じ
させることによって、核酸分子(例えば、ゲノムDNAまたはcDNA)をクロ
ーニングすることに関する。従って、少なくとも1つの組換え部位を含む1つ以
上の組み込み配列は、目的の分子内に挿入されて、そのような分子またはその一
部の組換えクローニングまたはクローニングを可能にし得る。この局面において
、組み込み配列はまた、他の目的の機能配列(例えば、プライマー部位、転写シ
グナル、翻訳シグナル、終止シグナル、選択マーカー、複製起点など、上記)を
含んで、本発明のこの方法によって得られた分子のさらなる操作を可能にし得る
【0076】 本発明において使用するための組換え部位は、組換え反応に関与する任意の認
識配列であり得る。そのような組換え部位は、同じであってもよく異なっていて
もよく、そして野生型または天然に存在する組換え部位でも、改変もしくは変異
体の組換え部位であってもよい。本発明において使用するための組換え部位の例
としては、ファージλ組換え部位(例えば、attP、attB、attLおよ
びattR、ならびにその変異体および誘導体)、および他のバクテリオファー
ジ(例えば、PI、phi80、P22,P2,186,P4およびPIからの
組換え部位(loxPおよびloxP511のようなlox部位を含む)が挙げ
られるがそれらに限定されない。これらの系について対応する組換えタンパク質
は、本発明に従って、指定された組換え部位とともに使用され得る。本発明にお
いて使用するための組換え部位および組換えタンパク質を提供する他の系は、S
accharmycs cervisiaeからのFLP/FRT系、レソルバ
ーゼ(resolvase)ファミリー(例えば、gd、Tn3レソルバーゼ、
Hin、Gin、およびCin)ならびにIS231および他のBaccill
us thuringiensis転位エレメントを包含する。本発明において
使用するための、好ましい組換えタンパク質および変異体もしくは改変された組
換え部位は、米国特許第5,888,732号、同時係属中の米国特許出願番号
09/438,358号(1991年11月12日出願)、および同時係属中の
米国特許出願09/517,466(2000年3月2日出願)、ならびにIn
vitrogen Corporation,Life Technologi
es Division(Rockville,MD)から入手可能なGATE
WAYTM Cloning Technologyとともに使用されるものを包
含する。
【0077】 (組み込み配列) 当業者に公知の任意の組み込み配列を本発明の実施において使用し得る。組み
込み配列はまた、当該分野において移動性遺伝子エレメントとして知られる。い
くつかのこの間II実施形態において、組み込み配列は、トランスポゾン(転位
エレメント)であり得る。当業者に知られる任意のトランスポゾン配列は、本発
明における使用に適切であり得る。いくつかの好ましい実施形態において、本発
明の使用に適切なトランスポゾンとしては、以下が挙げられるがそれらに限定さ
れない:Tn3ファミリートランスポゾン、Tn3、TnA、gd、Tn100
0、Tn5、Tn1721、Tn7、Tn9、Tn10ならびにその誘導体およ
び変異体。
【0078】 他の好ましい実施形態において、組み込み配列は、組み込みウイルスであり得
る。いくつかの好ましい実施形態において、組み込みウイルスは、λ型ファージ
であり得る。λ型ファージは、以下を含むようであるが、それらに限定されない
:コリファージ(例えば、I、21、434,f80およびHK022)および
サルモネラファージ(例えば、P22)。他の好ましい実施形態において、組み
込みウイルスは、1に関連しないファージ(例えば、Mu−1、P2およびP4
)であり得る。当業者に公知の他の組み込みウイルスも、本発明の実施において
使用され得る。
【0079】 さらなる好ましい実施形態において、組み込み配列は、ISエレメント(例え
ば、IS1、IS2、IS4、IS5)ならびにその誘導体および変異体であり
得る。他の実施形態において、組み込み配列は、レトロウイルス、レトロトラン
スポゾン、結合性トランスポゾン、DrosophilaのPエレメント、細菌
ビルレンス因子、または真核生物についての移動性遺伝エレメント(例えば、m
ariner、TcIおよびSleeping Beauty)。当業者に公知
の他の移動性遺伝エレメントもまた、本発明に従って使用され得る。
【0080】 (複製起点) 複製起点(ori)は、核酸分子の複製が開始する、核酸分子におけるヌクレ
オチド配列である。本明細書において使用されるとき、ファージ複製起点は、規
定可能な複製起点および核酸分子の複製に必要な1つ以上の接合制御エレメント
を含むようである。複製の間のDNA合成の規定可能な出発点および隣接する制
御エレメント(単数または複数)の組合せはまた、レプリコンと呼ばれ得る。本
発明において使用するために適切なレプリコンは、pMBIレプリコン、p15
Aレプリコン、pSC101レプリコン、ColE1レプリコン、R6Kレプリ
コン、Fレプリコン、P1レプリコン、Rts1レプリコン、pColV−K3
0レプリコン、Idvレプリコン、pIP522レプリコン、R1162/RS
F1010レプリコン、RK2レプリコン、pSaレプリコン、およびRA1レ
プリコンを包含するが、それらに限定されない。本発明の実施に対して適切なレ
プリコンは、E.coliにおいて機能的なレプリコンには限定されない。他の
生物において機能的なレプリコンとしては、以下が挙げられるがそれらに限定さ
れない:PS10レプリコン、pCTT1レプリコン、pWV02レプリコン、
pF3AレプリコンおよびpIP404レプリコン。真核生物において使用する
ために適切なレプリコンは、非限定的に、昆虫細胞、酵母細胞、哺乳動物細胞、
両生類細胞または任意の以下に記載の宿主細胞を含み、本発明と関連して使用さ
れ得る。
【0081】 (宿主細胞) 本発明はまた、1つ以上の本発明の核酸分子またはベクター、特に本明細書に
おいて詳細に記載された核酸分子およびベクターを含む宿主細胞に関する。本発
明の局面に従って使用され得る代表的な宿主細胞としては、細菌細胞、酵母細胞
、昆虫細胞、植物細胞および動物細胞が挙げられる芽それらに限定されない。好
ましい細菌宿主細胞としては、Escherichia spp.細胞(特にE
.coli細胞、最も詳細にはE.coli株DH10B、Stbl2、DH5
a、DB3、DB3.1(好ましくは、E.coli LIBRARY EFF
ICIENCY(登録商標) DB3.1TM Competent Cells
;Invitrogen Corporation,Life Technol
ogies Division,Rockville,MD)、DB4およびD
B5(以下を参照のこと:米国特許出願第518,188号(2000年3月1
8日出願)(その開示は本明細書においてその全体が参考として援用される)、
E.coli W株(例えば、米国特許仮出願第60/139,889号(19
99年6月22日出願)において記載される上記のもの))、Bacillus
spp.細胞(特にB.subtilisおよびB.megaterium
cells)、Streptomyces spp.細胞、Erwinia s
pp.細胞、Klebsiella spp.細胞、Serratia spp
.細胞(特に、S.marcessans細胞)、Pseudomonas s
pp.細胞(特に、P.aeruginosa細胞)、およびSalmonel
la spp.細胞(特に、S.typhimuriumおよびS.typhi
細胞)が挙げられるがそれらに限定されない。好ましい動物宿主細胞としては、
昆虫細胞(最も詳細には、Drosophila melanogaster細
胞,Spodoptera frugiperdaのSf9細胞およびSf21
細胞ならびにTrichoplusa High−Five細胞)、線虫細胞(
特に、C.elegans 細胞)、鳥類細胞、両生類細胞(特に、Xenop
us laevis細胞)、爬虫類細胞、および哺乳動物細胞(最も詳細には、
CHO細胞、COS細胞、VERO細胞、BHK細胞およびヒト細胞)が挙げら
れる。好ましい酵母宿主細胞としては、Saccharomyces cere
visiae細胞およびPichia pastoris 細胞が挙げられる。
これらおよび他の適切な宿主細胞は市販されている(例えば、Invitrog
en Corporation,Life Technologies Div
ision(Rockville,Maryland),American T
ype Culture Collection(Manassas,Virg
inia),、およびAgricultural Research Cult
ure Collection(NRRL;Peoria,Illinois)
)。
【0082】 本明細書において記載される、本発明の核酸分子および/またはベクターを宿
主細胞に導入して、本発明の1つ以上の核酸分子および/またはベクターを含む
宿主細胞を生成するための方法は、当業者には周知・慣用されている。例えば、
本発明の核酸分子および/またはベクターは、感染、形質導入、トランスフェク
ション、および形質転換の周知技術を用いて宿主細胞へと導入され得る。本発明
の核酸分子および/またはベクターは、単独で、または他の核酸分子および/ま
たはベクターとともに導入され得る。あるいは、本発明の核酸分子および/また
はベクターは、沈降物(例えば、リン酸カルシウム沈降物)または脂質との複合
物として宿主細胞へと導入され得る。エレクトロポレーションもまた、本発明の
核酸分子および/またはベクターを宿主に導入するために使用され得る。同様に
、そのような分子は、化学的にコンピテントな細胞へと導入され得る。いくつか
の好ましい実施形態において、化学的にコンピテントな細胞は、E.coli細
胞(特に、E.coli W細胞)である。そのベクターがウイルスである場合
、それは、インビトロでパッケージングされ得るか、またはパッケージング細胞
へと導入され得、そしてそのパッケージングされたウイルスは、細胞へと形質導
入され得る。それゆえ、本発明のこの局面に従って、本発明の核酸分子および/
またはベクターを宿主に導入するために適切な広汎な種々の技術は当業者に周知
でありそして慣用されている。そのような技術は、例えば以下において詳細に概
説されている:Sambrook,J.,et al.,Molecular
Cloning,a Laboratory Manual,2nd Ed.,
Cold Spring Harbor,NY:Cold Spring Ha
rbor Laboratory Press,pp.16.30−16.55
(1989),Watson,J.D.,et al.,Recombinan
t DNA,2nd Ed.,New York:W.H.Freeman a
nd Co.,pp.213−234(1992),and Winnacke
r,E.−L.,From Genes to Clones,New Yor
k:VCH Publishers(1987)。これらは、これらの技術を詳
述する多くのラボマニュアルの例示であり、そして本明細書においてその関連す
る開示についてその全体が参考として援用される。
【0083】 (ポリメラーゼ) 本発明において使用するためのポリメラーゼとしては、ポリメラーゼ(DNA
ポリメラーゼおよびRNAポリメラーゼ)、および逆転写酵素挙げられるがそれ
らに限定されない。DNAポリメラーゼとしては、以下が挙げられるがそれらに
限定されない:Thernlus thermophilus(Tth)DNA
ポリメラーゼ、Thermus aquaticus(Taq)DNAポリメラ
ーゼ、Thermotoga neopolitana(Tne)DNAポリメ
ラーゼ、Thermotoga maritima(Tma)DNAポリメラー
ゼ、Thermococcus litoralis(TliまたはVENTTM )DNAポリメラーゼ、Pyrococcus furiosus(Pfu)D
NAポリメラーゼ、DEEPVENTTMDNAポリメラーゼ、Pyrococc
us woosii(Pwo)DNAポリメラーゼ、Pyrococcus s
p KOD2(KOD)DNAポリメラーゼ、Bacillus sterot
hermophilus(Bst)DNAポリメラーゼ、Bacillus c
aldophilus(Bca)DNAポリメラーゼ、Sulfolobus
acidocaldarius(Sac)DNAポリメラーゼ、Thermop
lasma acidophilum(Tac)DNAポリメラーゼ、Ther
musflavus(Tfl/Tub)DNAポリメラーゼ、Thermus
ruber(Tru)DNAポリメラーゼ、Therrnus brockia
nus(DYNAZYMETM)DNAポリメラーゼ、Methanobacte
rium thermoautotrophicum(Mth)DNAポリメラ
ーゼ、mycobacterium DNAポリメラーゼ(Mtb、Mlep)
、E.coli pol I DNAポリメラーゼ、T5 DNAポリメラーゼ
、T7 DNAポリメラーゼ、および一般的なpol I型のDNAポリメラー
ゼならびにそれらの変異体、改変体および誘導体。RNAポリメラーゼ(例えば
、T3、T5およびSP6ならびにその変異体、改変体および誘導体)もまた、
本発明に従って使用され得る。
【0084】 本発明において使用される核酸は、中温性であっても好熱性であってもよく、
そして好ましくは好熱性である。好ましい中温性DNAポリメラーゼとしては、
Pol IファミリーのDNAポリメラーゼ(およびそのそれぞれのKleno
wフラグメント)(以下のような生物から単離され得るもののいずれか:E.c
oli、H.influenzae、D.radiodurans、H.pyl
ori、C.aurantiacus、R.prowazekii、T.pal
lidum、Synechocystis sp.、B.subtilis、L
.lactis、S.pneumoniae、M.tuberculosis、
M.leprae、M.smegmatis、バクテリオファージL5、phi
−C31、T7、T3、T5、SP01、SP02、S.cerevisiae
MIP−1、真核生物C.elegansおよびD.melanogaste
rからのミトコンドリア(Astatke,M.et al.,1998,J.
Mol.Biol.278,147−165)、任意の供給源について単離され
たpol III型DNAポリメラーゼ、ならびにそれらの変異体、誘導体また
は改変体などが挙げられる。本発明の方法および組成物において使用され得る好
ましい耐熱性DNAポリメラーゼとしては、Taq、Tne、Tma、Pfu、
KOD、Tfl、Tth、Stoffeフラグメント、VENTTMおよびDEE
PVENTTMのDNAポリメラーゼ、ならびにそれらの変異体、改変体および誘
導体(米国特許第5,436,149号;米国特許第4,889,818号;米
国特許第4,965,188号;米国特許第5,079,352号;米国特許第
5,614,365号;米国特許第5,374,553号;米国特許第5,27
0,179号;米国特許第5,047,342号;米国特許第5,512,46
2号;WO 92/06188;WO 92/06200;WO 96/106
40;WO 97/09451;Barnes,W.M.,Gene 112:
29−35(1992);Lawyer,F.C.,et al.,PCR M
eth.Appl.2:275−287(1993);Flaman,J.−M
,et al.,Nucl.Acids Res.22(15):3259−3
260(1994))。
【0085】 本発明において使用するための逆転写酵素としては、逆転写酵素活性を有する
任意の酵素が挙げられる。そのような酵素としては、以下が挙げられるがそれら
に限定されない:レトロウイルス逆転写酵素、レトロトランスポゾン逆転写酵素
、B型肝炎逆転写酵素、カリフラワーモザイクウイルス逆転写酵素、細菌逆転写
酵素、Tth DNAポリメラーゼ、Taq DNAポリメラーゼ(Saiki
,R.K.,et al.,Science 239:487−491(198
8);米国特許第4,889,818号および同第4,965,188号)、T
ne DNA ポリメラーゼ(WO 96/10640 および WO 97/
09451)、Tma DNA ポリメラーゼ(米国特許第5,374,553
号、ならびにその変異体、改変体または誘導体(例えば、以下を参照のこと:W
O 97/09451およびWO 98/47912)。本発明において使用す
るための好ましい酵素としては、RNaseH活性が減少したか、実質的に減少
したかまたは除去された酵素が挙げられる。「RNaseH活性が実質的に減少
した」酵素とは、野生型またはRNaseH+酵素(例えば、野生型モロニーマ
ウス白血病ウイルス(M−MLV)、鳥類骨髄芽球腫ウイルス(AMV)または
ラウス肉腫ウイルス(RSV)の逆転写酵素)に対応するRNaseH活性の約
20%未満、より好ましくは、約15%未満、約10%未満、または約5%未満
、そして最も好ましくは、約2%未満をその酵素が有することを意味する。任意
の酵素のRNaseH活性は、種々のアッセイにより決定され得る(例えば、以
下に記載されるアッセイ:米国特許第5,244,797号、Kotewicz
,M.L.,et al.,Nucl.Acids Res.16:265(1
988)およびGerard,G.F.,et al.,FOCUS 14(5
):91(1992)。これらのすべての開示は、本明細書において完全に参考
として援用される)。本発明において使用するための特に好ましいポリペプチド
としては、以下が挙げられるがそれらに限定されない:M−MLV H-逆転写
酵素、RSV H-逆転写酵素、AMV H−逆転写酵素、RAV(ラウス関連
ウイルス)H-逆転写酵素、MAV(骨髄芽細胞症関連ウイルス)H-逆転写酵素
およびHIV H-逆転写酵素以下を参照のこと:米国特許第5,244,79
7号およびWO 98/47912)。しかし、当業者は、リボ核酸分子からD
NA分子を生成し得る(すなわち、逆転写酵素活性を有する)任意の酵素が本発
明の組成物、方法およびキットにおいて等価に使用され得ることを理解する。
【0086】 本発明において使用するためのポリメラーゼ活性を有する酵素は、市販されて
いる(例えば、Invitrogen Corporation。Life T
echnologies Division(Rockville,Maryl
and),Perkin−Elmer(Branchburg,New Jer
sey)、New England BioLabs(Beverly,Mas
sachusetts)またはBoehringer Mannheim Bi
ochemicals(Indianapolis,Indiana)から)。
本発明において使用するための逆転写酵素活性を有する酵素は、市販されている
(例えば、Invitrogen Corporation,Life Tec
hnologies Division(Rockville,Marylan
d)、Pharmacia(Piscataway,New Jersey)、
Sigma(Saint Louis,Missouri)またはBoehri
nger Mannheim Biochemicals(Indianapo
lis,Indiana)から)。あるいは、ポリメラーゼまたはポリメラーゼ
活性を有する逆転写酵素は、当業者に周知の天然タンパク質を単離および精製す
るための標準的な手順に従ってその天然のウイルスまたは細菌の供給源から単離
され得る(例えば、以下を参照のこと:Houts,G.E.,et al.,
J.Virol.29:517(1979))。さらに、そのようなポリメラー
ゼ/逆転写酵素は、当業者に慣用される組換えDNA技術により調製され得る(
例えば、以下を参照のこと:Kotewicz,M.L.,et al.,Nu
cl.Acids Res.16:265(1988);米国特許第5,244
,797号;WO 98/47912;Soltis,D.A.,and Sk
alka,A.M.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:
3372−3376(1988))。ポリメラーゼ活性および逆転写酵素活性を
有する酵素の例としては、本願に記載される任意の酵素が挙げられ得る。
【0087】 (核酸合成、増幅および配列決定の方法) 本発明は、核酸分子(例えば、DNA(cDNAを含む)分子およびRNA分
子)の合成を包含する任意の方法とともに使用され得る。そのような方法として
は、核酸合成方法、核酸増幅方法および核酸配列決定方法が挙げられる芽それら
に限定されない。
【0088】 本発明のこの局面に従った核酸合成方法は、1つ以上の工程を包含し得る。例
えば、本発明は核酸分子を合成するための方法を提供する。この方法は以下の工
程を包含する:(a)核酸テンプレート(例えば、組み込み配列を含む標的分子
)と、1つ以上のプライマーおよび1つ以上のポリメラーゼ活性もしくは逆転写
酵素活性を有する酵素と混合して、混合物を形成する工程;ならびに(b)その
混合物を、そのテンプレートの全部または一部に相補的な第一の核酸分子が生成
するに十分な条件下でインキュベートする工程。本発明のこの局面に従って、核
酸テンプレートは、cDNA分子またはライブラリーのようなDNA分子、ある
いはmRNAのようなRNA分子であり得る。pH、温度、イオン強度およびイ
ンキュベーション時間のような合成を可能にするに十分な条件は、当業者により
最適化され得る。
【0089】 本発明に従って、標的またはテンプレートの核酸分子またはライブラリーは、
天然の供給源(例えば、種々の細胞、組織、器官または生物)から得られた核酸
分子から調製され得る。
【0090】 核酸分子の供給源として使用され得る細胞としては、原核生物細胞(細菌細胞
(以下の属の種の細菌を含む:Escherichia、Bacillus、S
erratia、Salmonella、Staphylococcus、St
reptococcus、Clostridium、Chlamydia、Ne
isseria、Treponema、Mycoplasma、Borreli
a、Legionella、Pseudomonas、Mycobacteri
um、Helicobacter、Erwinia、Agrobacteriu
m、Rhizobium、およびStreptomyces))または真核生物
細胞(真菌(特に酵母)、植物、原生動物および他の寄生動物、ならびに昆虫(
特に、Drosophila spp.細胞)、線虫(特にCaenorhab
ditis elegans細胞)、および哺乳動物(特にヒト細胞)を含む動
物の細胞を含む)が挙げられる。
【0091】 当然、有利に使用され得る核酸合成の他の技術は、当業者に容易に明白である
【0092】 本発明の他の局面において、本発明は、核酸分子の増幅または配列決定のため
の方法と組み合わせて使用され得る。本発明のこの局面に従った核酸増幅方法は
、ワンステップ(例えば、ワンステップRT−PCR)またはツーステップ(例
えば、ツーステップRT−PCR)逆転写酵素増幅反応として当該分野において
一般的に知られる方法において、逆転写酵素活性を有する、1つ以上のポリペプ
チドの使用を包含し得る。長い核酸分子(すなわち、約3−5Kb長より長い)
の増幅のために、WO 98/06736およびWO 95/16028に記載
されるようなDNAポリメラーゼの組合せが使用され得る。
【0093】 本発明に従う増幅方法は、1つ以上の工程を包含し得る。例えば、本発明は、
核酸分子を増幅するための方法を提供する。この方法は、以下の工程を包含する
:(a)1つ以上の核酸テンプレート(例えば、組み込み配列を含む標的分子)
と、ポリメラーゼ活性を有する1つ以上の酵素とを混合する工程;および(b)
その混合物を、ポリメラーゼ活性を有する酵素がそのテンプレートの全部または
一部に相補的な1つ以上の核酸分子を増幅することを可能にするに十分な条件下
で、インキュベートする工程。本発明はまた、そのような方法によって増幅され
た核酸分子を提供する。
【0094】 核酸分子またはフラグメントの増幅および分析のための一般的な方法は、当業
者に周知である(例えば、以下を参照のこと:米国特許第4,683,195号
;同第4,683,202号;および同第4,800,159号;Innis,
M.A.,et al.,eds.,PCR Protocols:A Gui
de to Methods and Applications,San D
iego,California:Academic Press,Inc.(
1990);Griffin,H.G.,and Griffin,A.M.,
eds.,PCR Technology:Current Innovati
ons,Boca Raton,Florida:CRC Press(199
4))。例えば、本発明に従って使用され得る増幅方法は、PCR(米国特許第
4,683,195号および同第4,683,202号)、鎖置換増幅(SDA
;米国特許第5,455,166号;EP 0 684 315)、および核酸
配列ベース増幅(NASBA;米国特許第5,409,818号;EP 0 3
29 822)が挙げられる。
【0095】 代表的には、これらの増幅方法は、以下の工程を包含する:(a)ポリメラー
ゼ活性を有する1つ以上の酵素を、1つ以上のプライマー配列の存在下で、核酸
サンプルと混合する工程、および(b)その核酸サンプルを増幅して、増幅され
た核酸フラグメントの収集物を生成する工程(好ましくは、これは、PCRまた
は等価な自動増幅技術による)。
【0096】 本発明の方法による増幅または合成の後、増幅または合成された核酸フラグメ
ントは、さらなる使用および特徴付けのために単離され得る。この工程は、通常
、大きさまたは任意の物理的もしくは生化学的な手段(ゲル電気泳動、キャピラ
リー電気泳動、クロマトグラフィー(サイズ分離、アフィニティーおよび免疫ク
ロマトグラフィーを含む)、密度勾配遠心分離および免疫吸着を含むによる、増
幅または合成された核酸フラグメントの分離によって達成される。ゲル電気泳動
による核酸フラグメントの分離は、特に好ましい。なぜなら、それは、多数の核
酸フラグメントの高感度な分離の、迅速かつ高度の再現性のある手段を提供する
からであり、そしていくつかの核酸サンプルにおけるフラグメントの直接で、同
時の比較を可能にするからである。このアプローチは、別の好ましい実施形態に
おいて、これらのフラグメントまたは本発明の方法によって増幅もしくは合成さ
れた任意の核酸フラグメントを単離および特徴付けすることへと拡張され得る。
従って、本発明はまた、本発明の増幅または合成方法によって生成された単離核
酸分子にも関する。
【0097】 この実施形態において、増幅または合成された核酸フラグメントの1つ以上は
、ゲルから取り出され、これは、電気溶出または物理的切り出しのような標準的
な技術に従って、同定(上記参照)するために使用された。次いで、単離された
特有の核酸フラグメントは、種々の原核生物(細菌)または真核生物(酵母、植
物または動物(ヒトおよび他の哺乳動物を含む))の細胞のトランスフェクショ
ンまたは形質転換に適切な標準的なベクター(発現ベクターを含む)に挿入され
得る。あるいは、本発明の方法によって生成された核酸分子は、例えば、当該分
野において標準的であるとして以下および他の箇所に記載される方法による配列
決定(すなわち、核酸フラグメントのヌクレオチド配列を決定すること)によっ
て、さらに特徴づけられ得る(例えば、以下を参照のこと:米国特許第4,96
2,022号および同第5,498,523号、これらは、DNA配列決定の方
法に関する)。
【0098】 本発明に従った核酸配列決定は、1つ以上の工程を包含する。例えば、本発明
は、核酸分子の配列決定のための方法と組み合わされ得る。この方法は以下の工
程を包含する:(a)ポリメラーゼ活性を有する酵素と、配列決定されるべき核
酸分子、1つ以上のプライマー、1つ以上のヌクレオチドおよび1つ以上の終結
因子(例えば、ジデオキシヌクレオチド)を混合して、混合物を形成する工程;
(b)その混合物を、配列決定されるべき分子の全部または一部に対して相補的
な分子の集団を合成するに十分な条件下で、インキュベートする工程;および(
c)その集団を分離して、配列決定されるべき分子の全部または一部のヌクレオ
チド配列を決定する工程。
【0099】 使用され得る核酸配列決定の技術は、米国特許第4,962,022号および
同第5,498,523号に開示される技術のような持デオキシ配列決定方法を
包含する。
【0100】 (キット) 別の局面において、本発明は、本発明とともに使用され得るキットを提供する
。本発明のこの局面に従うキットは、1つ以上の容器を含み得る。この容器は、
以下からなる群より選択される1つ以上の成分を含み得る:1つ以上の本発明の
核酸分子またはベクター、1つ以上のポリメラーゼ、1つ以上の逆転写酵素、1
つ以上の挿入触媒酵素、1つ以上の組換えタンパク質(または本発明の方法を実
施するための他の酵素)、1つ以上の緩衝剤、1つ以上の界面活性剤、1つ以上
の制限エンドヌクレアーゼ、1つ以上のヌクレオチド、1つ以上の終結因子(例
えば、ddNTP)、1つ以上のトランスフェクション試薬、ピロホスファター
ゼなど。本発明のキットはまた、本発明の方法を実施するための指示書を備え得
る。
【0101】 当業者は、本明細書において記載される方法および適用に対して他の適切な改
変および適用は、当業者に知られる情報に鑑み本明細書において含まれる本発明
の説明から容易に明かであり、そしてそのような改変および適用は、本発明の範
囲からもその任意の実施形態からも逸脱することなくなされ得ることを理解する
。本発明を今や詳細に説明したので、本発明は、以下の実施例を参照してより明
確に理解される。この実施例は、例示の目的のみで含まれ、そして本発明を限定
することは意図しない。
【0102】 (実施例) (実施例1:トランスポゾン含有標的DNA分子の構築) 標的分子を、GATEWAYTMクローニングシステムの方法および手順に従っ
て記載されるように、組換えクローニングに適した第1のベクターにクローン化
した(米国特許第5,888,732号、米国特許出願第09/438,358
号および同第09/517,466号、ならびにGATEWAYTMClonin
g Technology(version 1 and 2)と表題を付けら
れた取扱説明書を参照のこと(これらの全ては、その全体を本明細書中で参照と
して援用される))。簡潔に言うと、標的DNA分子を、この標的分子を組換え
部位に隣接させるように適切なベクターに挿入する。いくつかの実施形態におい
て、この組換え部位は、互いに組換えをなし得ない。この標的を含有する第1の
ベクターを、トランスポゾンのような組み込み配列、緩衝塩、イオンなどのよう
な適切な補因子、ならびに標的DNA分子へのこの組み込み配列の挿入を触媒す
る酵素を含有する溶液と接触させる。あるいは、Strathmannら(Pr
oceedings of the National Academy of
Sciences、USA、88:1247−1250、1991(特に本明
細書中で参照として援用される))により記載される、gdベースのトランスポ
ゾンを挿入するためのプラスミドの接合伝達のようなインビボでの反応において
、トランスポゾンを標的DNAに挿入し得る。本実施例は、標的DNAへのトラ
ンスポゾンのインビトロ挿入に関するが、当業者は、対応する反応が当業者に公
知の方法を用いてインビトロで実行され得ることを理解する。このような対応す
る方法は、本発明の範囲内であるとみなされる。トランスポゾンのDNA配列は
、挿入を触媒する酵素の基質として作用する末端配列を含み、そしてこの酵素は
、標的DNA分子へのトランスポゾンの挿入を触媒する。上述のように、挿入を
触媒する酵素はまた、ベクターへのトランスポゾンの挿入も同様に触媒する。転
位反応の結果は、図2に示されるような、このベクターおよび標的DNAにおい
て、多様な場所にトランスポゾンが挿入されている分子の集合である。この標的
DNA配列は、2つの組換え部位(RS1およびRS2)に隣接される。この組み
込み配列は、選択マーカー(SM2)およびそれぞれの末端でプライマー結合配
列を含むように示される。当業者は、これらの特徴の改変およびさらなる特徴の
含有が、本発明の範囲内であることを理解する。この挿入反応は無作為であるの
で、この組み込み配列は、示されるように標的およびベクターの両方に挿入し得
る。
【0103】 本発明における使用に適切なトランスポゾンは、1つ以上の選択マーカーを含
み得る。いくつかの実施形態において、本発明のトランスポゾンは、毒性遺伝子
を含み得る。この毒性遺伝子は、自殺遺伝子(すなわち、この遺伝子が発現され
た場合はいつでも感受性のある生物に対して致死的である)であり得るか、また
はこの毒性遺伝子は、条件的に致死的(すなわち、この遺伝子が発現され、そし
ていくつかの付加的な因子が存在する場合のみ、感受性のある生物に対して致死
的である)であり得る。さらに、本発明の配列決定法における使用に適切なトラ
ンスポゾンは、プライマーと結合するのに適切な1つ以上の配列を含み得る。プ
ライマーは、このトランスポゾンに隣接する標的DNA分子の配列を決定するた
めに用いられ得るか、またはPCRのような他の目的のために用いられ得る。配
列決定されるかまたは増幅されるDNAとプライマーとのインキュベーションで
形成されるプライマー:DNAの二重鎖が、引き続き行なわれる反応(すなわち
、配列決定またはPCR)を可能にするのに十分安定である限り、適切な配列は
、任意の長さの配列であり得る。このプライマー結合部位の実際のヌクレオチド
配列は、それが知られている限り重要ではない。適切なプライマー結合配列の選
択およびその後の反応のための適切な反応条件の決定は、当業者にとって慣用的
作業である。
【0104】 標的の部分をクローン化するためのDNA標的分子への挿入のために適切なト
ランスポゾンは、1つ以上の組換え部位またはそれらの部分を含み得る。いくつ
かの好ましい実施形態において、本発明のトランスポゾンは、2つの組換え部位
を含みこれらは、同じであっても異なってもよい。この2つの部位は、互いに反
対方向に存在し得る。
【0105】 クローニングの適用に適切なトランスポゾンは、複製起点を含み得る。いくつ
かの実施形態において、複製起点は、本発明の実施において用いられる1つ以上
のベクターにおける複製起点と適合性があるように選択され得る。このことは、
このトランスポゾン由来の複製起点を含む核酸分子が、このベクターもまた含む
細胞において安定に維持されることを可能にする。他の実施形態において、複製
起点は、ベクターの複製起点と不適合であるように選択され得る。このことは、
ベクターと、核酸分子を含むトランスポゾンの分離を容易にする。複製起点の配
列および特徴は、当業者に周知である。適切な複製起点の例は、Current
Protocols in Molecular Biology、Ausu
belら編、John Wiley and Sons、1994年(これは特
に本明細書中で参照として援用される)に見出される。他の適切な複製起点は、
当業者に公知であり、そして本発明の範囲内である。本発明で用いられる複製起
点は、種々の生物において、それらを含む核酸分子の複製を指向し得る。いくつ
かの実施形態において、複製起点は、前述のような原核生物宿主細胞で機能し得
る。他の実施形態において、複製起点は、真核生物宿主細胞で機能し得る。
【0106】 本発明における使用に適切なトランスポゾンは、1つ以上の制限酵素に対する
基質として働く1つ以上の部位を含むDNA配列を含み得る。いくつかの好まし
い実施形態において、本発明で用いられるトランスポゾンは、まれに切断をする
制限酵素(「レアカッター(rare cutter)」と呼ばれる)の基質と
して働く部位を含み得る。本発明のいくつかの実施形態において、ベクタードナ
ーもまた、1つ以上のレアカッターに対する部位を提供し得る。いくつかの実施
形態において、ベクタードナーには、2つのレアカッター部位が提供され得、こ
れらは、同じであっても異なってもよく、そして組換え部位に隣接する。
【0107】 本発明のトランスポゾンは、1より多い前述の特徴を含み得る。例えば、トラ
ンスポゾンは、組換え部位に加えて複製起点を含み得、そしてさらに、1つ以上
のプライマー結合配列、選択マーカーおよび/または自殺遺伝子を含み得る。他
の有用な特徴の組み合わせは、当業者に容易に明らかであり、そして本発明の範
囲内である。
【0108】 いくつかのこのましい実施形態において、この転位反応における標的を含有す
る第1のベクターに対するトランスポゾンのモル比は、約25:1から約1:2
5の範囲である。好ましい実施形態において、モル比は、約10:1から約1:
10の範囲である。このモル比は、1つのトランスポゾンがDNA標的に挿入さ
れることを確実にするために、変更され得る。第1のベクターの大きさが、標的
に比べて大きい場合、標的DNAへの挿入を得るために、各第1の標的含有ベク
ターへの複数の挿入に有利なように反応を傾かせるように、より高いトランスポ
ゾン:ベクターの比を有することが望ましくあり得る。逆に、標的DNAの大き
さがベクターに比べて大きい場合、トランスポゾン:ベクターの比を減少するこ
とが望ましくあり得る。
【0109】 代表的なインビトロでの転位反応物は、トランスポゾン、標的を含有する第1
のベクター、イオン、緩衝剤などを含み得る。適切な反応条件は、約100〜5
00ngのトランスポゾンおよび約1mgの第1の標的含有ベクターであり得る
。この反応は、約0.5mMから約250mMの濃度で二価金属イオンを含み得
る。好ましい実施形態において、MgCl2が二価金属イオンの供給源であり得
、そして約1mMから約50mM、より好ましくは約5mMから約20mMの濃
度で存在し得る。この反応溶液はまた、約1mMから約100mM、より好まし
くは約5mMから約50mMそして最も好ましくは約10mMから約25mMの
濃度で緩衝剤を含み得る。適切な緩衝剤は、Trisである。この反応溶液はま
た、約0.1mMから約5mM、好ましくは約1mMの濃度で、還元剤(例えば
、b−メルカプトエタノール(b−ME)、ジチオトレイトール(DTT)、ま
たはジチオエリトリトール(DTE))を含み得る。この反応溶液のpHは、約
6.5から約8.5、好ましくは約7.5であり得る。この反応溶液は、約1m
Mから約100mM、好ましくは約5mMから約25mM、最も好ましくは約1
0mMの濃度で一価カチオンを含み得る。適切な一価カチオンの供給源としては
、KCLおよびNaClが挙げられ得る。適切な反応条件の設定は、15mMの
MgCl2、10mMのTris−HCl(pH7.5)、10mMのKCl、
1mMのDTTおよび挿入反応を触媒するのに十分な挿入触媒酵素活性である。
適切な反応条件は、組み込み配列/挿入触媒酵素の供給源の組み合わせに依存し
て変化する。当業者は、公知の種々の挿入触媒酵素が、各酵素に特異的な条件下
で最適な活性を有することを理解する。所定の酵素に対する反応条件の決定およ
び最適化は、当業者による慣用的実験により決定され得る。反応条件は、トラン
スポゾンおよびベクターの大きさ、ならびに挿入触媒酵素調製物の活性に基いて
変更され得る。いくつかの実施形態において、この転位反応は、この反応におい
て存在する核酸種の有効な濃度を増大する試薬の存在下で実行され得る。この種
の適切な試薬は、ポリエチレングリコール(PEG)である。適切なPEGは、
PEG8000である。この反応混合物は、適切な温度(例えば、約20℃から
約37℃)、適切な期間(例えば、約15分から約16時間)でインキュベート
され得る。所定のトランスポゾン、標的および挿入触媒酵素調製物に対する最適
な温度およびインキュベーション時間は、当業者による慣用的実験により決定さ
れ得る。
【0110】 転位反応についてのインキュベーションの後、DNAは、そのまま用いられ得
るか、または当業者に公知の方法により精製され得る。精製されずに用いられる
場合、この挿入触媒酵素は、例えば、65℃で20分間の加熱により不活性化さ
れ得る。この転位反応物からの適切なDNAの精製についての方法として、フェ
ノール/クロロホルム抽出およびエタノール沈殿、シリカ(例えば、CONCE
RTTM system(Invitrogen Corporation、Li
fe Technologies Division、Rockville、M
Dから入手可能))を用いた抽出、または当業者により用いられる他の任意の精
製スキームが挙げられる。
【0111】 転位反応が十分に有効である場合、このトランスポゾンを含有する標的DNA
分子を含む第1のベクターの十分な分子が生成され、引き続く組換え反応に対す
る基質として働く。他の場合では、この転位反応において生成した分子でコンピ
テントな宿主生物を形質転換し、そしてこの形質転換された生物を増殖させてこ
の反応産物を増幅させることが必要であり得る。この形質転換された生物は、増
殖中の生物におけるトランスポゾン上に存在する選択マーカーの存在を確証する
ために、抗生物質のような適切な選択薬剤の存在下で増殖され得る。増幅工程は
、当該分野で慣用的なものであり、当業者は適切な生物および形質転換条件を選
択し得、そして過度の実験を伴うことなく増幅反応産物を単離し得る。
【0112】 (実施例2:トランスポゾン含有標的分子とベクタードナーとの組換え) 第1のベクター中のトランスポゾン含有の標的DNA分子は、組換えクローニ
ングを用いて第2のベクターへ転位され得る。図3に示されるように、前述の実
施例に記載される挿入反応産物を、ベクタードナーと呼ばれる第2のベクターと
混合し得る。ベクタードナーは、図3においてRS3およびRS4として示される
組換え部位を含む。これらの組換え部位は、第1のベクターにおいて存在する組
換え部位と適合性がある。この混合物が、適切な組換えタンパク質と接触された
場合、標的DNA分子は、第2のベクターに転位される。図3に示される実施形
態において、このベクタードナーは、組換え部位の間に毒性遺伝子を含み、さら
に組換え部位の外側に選択マーカー(SM3)を含む。適切なベクタードナー分
子の調製については、Hartleyらに発行された米国特許第5,888,7
32号中に記載され、およびGATEWAYTMCloning Technol
ogy(version1 and 2)(Invitrogen Corpo
ration、Life Technologies Division(Ro
ckville、MD)から入手可能)と表題を付けられた取扱説明書に従う。
【0113】 第1および第2のベクターは、適切な緩衝液中でインキュベートされる。反応
条件は、用いられる特定のベクターおよび組換えタンパク質に対して最適化され
得る。この反応溶液は、所望のpHを維持し得る濃度で緩衝剤を含み得る。この
緩衝剤の濃度は、約1mMから約100mMであり得る。好ましくは、約10m
Mから約50mMであり得る。適切な緩衝剤はTrisである。反応溶液のpH
は、用いられる組換え酵素の至適pHに依存して変更し得る。好ましい実施形態
において、反応溶液のpHは、約6.5から約8.5であり、より好ましくは、
約7.0から8.0であり、そして最も好ましくは、7.5である。この反応溶
液は、約1mMから約100mM、好ましくは約5mMから約50mM、そして
最も好ましくは、約20mMから約35mMの濃度で一価カチオンを含有し得る
。適切な一価カチオンの供給源は、NaClである。この反応溶液はまた、約0
.1mMから約10mM、好ましくは約1mMから約5mMの濃度でスペルミジ
ンを含有し得る。この反応溶液はまた、約50mg/mlから約5mg/ml、
好ましくは、100mg/mlから約1mg/ml、最も好ましくは、約500
mg/mlの濃度でウシ血清アルブミン(BSA)を含み得る。この反応溶液は
また、約0.1mMから約10mM、好ましくは約1mMから約5mMの濃度で
キレート剤を含み得る。反応条件の1つの適切な設定は、50mMのTris・
HCl(pH7.5)、33mMのNaCl、5mMのスペルミジン・HClお
よび500mg/mlのウシ血清アルブミンである。この組換え部位が、att
LおよびattRの誘導体である場合、反応条件は、25mMのTris・HC
l(pH7.5)、22mMのNaCl、5mMのEDTA、5mMのスペルミ
ジン・HCLおよび1mM/mlのBSAを含み得る。この反応溶液を約25℃
で約60分間インキュベートし、次いでプロテアーゼ(例えば、プロテイナーゼ
K)と共に10分間インキュベートし、組換えタンパク質を不活性化する。この
組換え反応の効率の増大は、組換え反応の前にベクターを線状にすることにより
実現する。これは、適切な制限酵素で消化することにより達成され得る。あるい
は、トポイソメラーゼIがこの組換え反応に加えられ得る。組換え反応の後、反
応混合物を用いてコンピテントな宿主生物を形質転換し得る。形質転換された宿
主を、適切な選択薬剤の存在下で増殖し、所望の反応産物の存在を確かめ得る。
例えば、形質転換された宿主のための増殖培地は、この実施形態において2つの
抗生物質を含有し得、ここで、トランスポゾンがその抗生物質の一方に対する耐
性をコードし、そして第2のベクターがもう一方の抗生物質に対する耐性をコー
ドする。図3に示される実施形態において、このトランスポゾンは、選択マーカ
ーSM2を保有し、一方このベクタードナーは、SM3を保有する。このシナリオ
において、第1のベクターは、さらに第3の抗生物質に対する耐性、すなわちS
1をコードし得る。この増殖条件はまた、毒性遺伝子の非存在について選択す
る。これらの条件下で増殖し得る任意の生物は、トランスポゾン由来の選択マー
カーおよび第2のベクター由来の選択マーカーの両方を含有し、そして毒性遺伝
子を含有しない。これらの分子は、第1のベクターと第2のベクターとの間の組
換え、および融合中間体の分割(resolution)の結果である。図3に
示されるように、この生成分子は、挿入を含有し、組換え部位に隣接される標的
DNAを含有し、これらの組換え部位は、本来の隣接部位とベクタードナー中の
部位との組換えの生成物(RS1+3およびRS2+4として示される)である。例え
ば、本来の隣接部位が、attL1およびattL2であり、そしてベクタード
ナー上の部位が、attR1およびattR2である場合、生成される分子は、
標的配列についてのそれらの部位の方向性に依存して、attB1またはatt
P1のいずれかにより一方の末端で隣接され、そしてattB2またはattP
2のいずれかにより他方で隣接される標的核酸を含有する。特定の好ましい実施
形態において、生成される分子は、異なる変異attB部位によって隣接される
標的核酸を含有し得る。
【0114】 あるいは、この組換え反応の後、混合物をインビトロで使用して、標的をさら
に操作し得る。トランスポゾン含有DNAセグメントが転位されたベクターに対
するオリゴヌクレオチドを、このトランスポゾンと相補的なオリゴヌクレオチド
と共に使用して、ベクターからトランスポゾン挿入部位へ伸長したアンプリコン
の集団を生成し得る。これらのセグメントは、クローン化され得(例えば、この
オリゴヌクレオチドが組換え部位を含有する場合か、またはこのベクターがトポ
イソメラーゼにより変換(charge)される場合)そしてさらに操作または
配列決定され得る。別のこのような局面において、増幅前に、この集団の個々の
メンバーはまた、分離され得、増幅され得、そしてその増幅産物が直接的に配列
決定され得、それによってこのDNAセグメントをクローン化および増幅する必
要性が排除される。
【0115】 いくつかの実施形態において、この標的DNAは、適切な宿主細胞に導入され
た場合に、1つ以上の目的の生物学的活性の発現を生じる配列を有し得る。例え
ば、この標的DNA配列の導入は、特定の酵素活性の発現を生じ得る。これらの
実施形態において、組換え反応混合物で形質転換した宿主細胞を、目的の生物学
的活性が存在しないことについて選択することが望ましくあり得、このようにし
てこのトランスポゾンがその生物学的活性の発現のために必要な配列に挿入され
たクローンを同定する。このことは、より大きな標的DNA配列内でのこの活性
をコードする配列の位置についての情報を提供する。このことは、特に、標的配
列が大きい場合(例えば、標的配列が、コスミド、BAC、YACまたはゲノム
フラグメントである場合)に有用である。
【0116】 このトランスポゾン含有標的DNA分子の配列は、この標的DNA分子にトラ
ンスポゾン配列の一部に結合するプライマーを接触させ、次いで当業者に公知の
任意の適切な配列決定プロトコルを実行することにより決定され得る。
【0117】 配列決定の適用に関して、本発明が、標的DNAへのトランスポゾンの挿入に
代わる、または標的DNAへのトランスポゾンの挿入に加えた、ベクター配列へ
のトランスポゾンの挿入により提示される障壁に打ち勝つということに注目する
ことが重要である。簡単に言うと、図2は、標的含有ベクター分子へのたった1
つの挿入を描いている;しかし、当業者は、複数の挿入もまた可能であることを
理解する。転位反応の完了後に標的DNAを第2のベクターに移動させる組換え
工程は、このベクターの配列決定についての問題を効果的に排除する。なぜなら
、第1のベクター配列は、この組換え反応から回収されないからである。これは
、ベクターへの挿入により、繰り返しこのベクターを配列決定することを必要と
するかまたは、トランスポゾンがベクターに挿入されているクローンを除去する
ために退屈なスクリーニング手順を実施することを必要とする先行技術とは対照
的である。トランスポゾンがベクターおよび標的配列に挿入されるこれらの場合
において、生じた分子は先行技術の方法では用いられ得ない。なぜなら、配列決
定される同じ分子内の2つのプライマー結合部位の存在が、生成物の不鮮明な混
合物を生じることからである。本方法は、開始のDNA分子のトランスポゾン含
有ベクター部分を除去するので、配列決定され得るより多くの分子が、所定の転
位反応から回収され得る。
【0118】 (実施例3:挿入および組換えを使用する大きな核酸分子の操作) 本発明の方法は、図4Aに示されるゲノムDNAのような大きいDNAの分子
のセグメントをクローニングするために使用され得る。ゲノムDNAに加えて、
本発明の方法は、任意のより大きなDNA分子のセグメントのクローニングを可
能にする。従って、本発明のこの実施形態は、ゲノムDNAで例示されるが、当
業者は、任意の大きなDNA分子由来のセグメントが、これらの方法を使用して
クローニングされ得ることを理解する。例えば、大きいDNA分子は、YAC、
BACまたは任意の単離された染色体またはその部分であり得る。
【0119】 ゲノムDNAは、目的の生物から単離され、そして1つ以上の組換え部位を含
むトランスポゾンおよび挿入触媒酵素に、トランスポゾンのゲノムDNAへの組
み込みを引き起こす条件下で接触される。次いで、ゲノムDNAが、トランスポ
ゾンの組換え部位と適合した組換え部位を有するベクタードナーと接触される(
図4A)。あるいは、トランスポゾンおよびベクタードナーにおける組換え部位
が、トランスポゾンのみがベクタードナーと生産的に反応しえないように配向さ
れ得る(図4B)。適切な組換えタンパク質の存在下でのインキュベーションの
後、反応混合物が、コンピテントな宿主細胞を形質転換するために使用され得る
。この形質転換された宿主細胞は、ベクタードナー上の選択マーカーの存在につ
いて、および毒性遺伝子の存在に対して選択される条件下で増殖される。いくつ
かの実施形態において、トランスポゾンは、組換え事象が、ゲノムDNAととも
に選択マーカーをベクタードナーに転移するように改変され得る。トランスポゾ
ンの構成が、図5に示される。
【0120】 ゲノムDNAのクローニングに関係する実施形態に適切なトランスポゾンは、
2つの組換え部位を含み得る。いくつかの好ましい実施形態において、組換え部
位は同じ配列を有し、そして逆の方向(すなわち、逆方向繰返し単位)である。
この実施形態を使用するゲノムDNAのクローニングの概略図を、図6に示す。
いくつかの実施形態において、トランスポゾンは、毒性DNAをコードするDN
A配列を含み得る。この型のトランスポゾンは、トランスポゾンの組換えクロー
ニングまたはゲノムフラグメントの組換えクローニングを阻害する際に有用であ
り、このゲノムフラグメントは、クローニングのための組換え部位を提供された
トランスポゾン間に配置されるさらなるトランスポゾンを有する。他の好ましい
実施形態において、組換え部位は、異なる配列を有し得、そして逆の配向にあり
得る。トランスポゾンの挿入後、ゲノムDNAは、トランスポゾン上の組換え部
位とベクタードナー上の組換え部位との間の組換えを生じる条件下で、ベクター
ドナー分子と接触され、このベクタードナー分子は、トランスポゾンおよび適切
な組換えタンパク質における部位と適合する組換え部位を有する。形質転換およ
びスクリーニングを、上記のように実施し得る。いくつかの実施形態において、
ベクタードナー上に、トランスポゾンとベクタードナーを組換えるために使用さ
れる部位とは異なる特異性を有する1つ以上の更なる組換え部位を含むことが所
望され得る(図6)。これらのさらなる部位は、クローニングされたDNAのさ
らなる操作のために使用され得る。例えば、クローニングされたDNAを、異な
るベクターに移動させることが所望され得、これは、さらなる組換え部位を使用
して達成され得る。
【0121】 いくつかの好ましい実施形態において、ゲノムクローニングに使用されるトラ
ンスポゾンは複製起点を含み得る。1つ以上の組換え部位および複製起点をさら
に含むトランスポゾンが、ゲノムDNAに挿入される。トランスポゾン上に存在
する組換え部位は、隣接するトランスポゾン上に存在する組換え部位と組換えら
れ得、2つの組換え部位の間のフラグメントの切除を生じる。切除された分子は
、複製起点を有する環状分子であるので、この切除された分子は、宿主細胞にお
いて安定に維持され得る。切除された分子の選択を容易にするために、本発明の
トランスポゾンは、必要に応じて、1つ以上の選択マーカーを含む。この型のい
くつかの実施形態において、トランスポゾンの2つの個別の集団をゲノムDNA
に組込むことが所望され得る。好ましい実施形態において、1つの集団は、組換
え部位および複製起点を含み得るが、一方で、他のトランスポゾンは、選択マー
カーおよび組換え部位を含み得る。2つの隣接するトランスポゾン上に存在する
組換え部位の間の組換えが、目的のDNAに加えて、複製起点および選択マーカ
ーを含むDNA分子を生成する。このような分子は、選択マーカーに1つ以上に
ついて選択された適切な宿主細胞系列に形質転換され得る。これは、図7に模式
的に示される。
【0122】 組込み反応に存在するゲノムDNAの濃度とトランスポゾンの濃度との比は、
ベクタードナーに形質転換されるゲノムDNAフラグメントの大きさを制御する
ように変化され得る。トランスポゾンの濃度を増加させることによって、ゲノム
DNAフラグメントの平均の大きさが減少され得る。
【0123】 (実施例4:転移および組換えを使用するサブクローンの構築) トランスポゾンを含む標的DNAが、標的DNAの配列全体未満を含むクロー
ンを構築するために使用され得る。このようなより小さいクローンは、一般に、
命名されたサブクローンである。トランスポゾンは、組換え部位を含むか、また
は組換え部位に隣接する標的DNAに挿入されて、図8Aの上部に示される分子
を生成し得る。このトランスポゾンは、標的分子の組換え部位とは異なる1つ以
上の組換え部位を含み得、そして1つ以上の選択マーカーをさらに含み得る。次
いで、この分子は、トランスポゾンおよび標的と組換えられる組換え部位を含む
1つまたは2つのベクタードナーと接触される。いくつかの実施形態において、
標的DNAを含むベクターが、さらなる組換え部位を備え得、一方で、ベクター
ドナーは、これらのさらなる部位と組換えられる組換え部位を含む。組換えが行
われ、次いで、組換え反応において生成された核酸が宿主細胞に挿入される。形
質転換反応の部分を、種々の選択培地上にプレートすることによって、所望のサ
ブクローンが、図8Aに示されるように単離され得る。
【0124】 図8Bに示される、いくつかの実施形態において、標的DNAのセグメントが
、置換され得る。例えば、RS1およびRS2に隣接する標的DNAのセグメント
が、置換配列と交換され得る。この置換配列は、置換されたセグメントとは異な
る大きさであり得る。従って、標的DNAの大きなセグメントと、小さい置換配
列との交換は、標的配列の一部分の欠失を生じる。置換配列は、標的配列に、任
意の好ましい特性(所望の生物学的活性の発現を含むが、これに限定されない)
を導入する。
【0125】 本発明のいくつかの実施形態において、組換え部位、複製起点および選択マー
カーを含むトランスポゾンは、標的分子に組込まれる。トランスポゾン上に存在
する組換え分子は、標的DNA分子を含むベクター上に存在する組換え部位と適
合するように選択される。トランスポゾンの挿入の後、組換えが、ベクタードナ
ーの非存在下で行われる。この結果は、トランスポゾンに存在する組換え部位と
ベクターに存在する組換え部位との間のDNAの切除である。標的DNAの切除
部分は、複製起点および選択マーカーを含むために、この切除部分は、宿主細胞
に挿入され、そして安定に維持される。この結果は、標的DNAの切除部分をサ
ブクローニングすることである。これを、図9に模式的に示す。
【0126】 (実施例5:転移および組換えを使用するPCRフラグメントのクローニング
) 本発明の方法を使用して、PCRフラグメントをクローニングし得る。組換え
配列(またはその部分)を含むプライマーを使用して、標的DNA配列を増幅す
る(米国仮特許出願番号60/065,930(1997年10月24日出願)
および米国特許出願番号09/177,384を参考のこと)。あるいは、PC
Rプライマーが、例えば、制限酵素についての認識配列を含むことによって、連
結可能な末端の生成を可能にする配列を有し得る。組換え部位(または連結可能
な部位)に隣接する得られた線状フラグメントは、選択マーカーまたは複製起点
を含むトランスポゾンと反応される。トランスポゾンの組込み後、組換え反応(
連結反応)が、行われる。この結果は、複製起点および選択マーカーを有する環
状分子である。あるいは、分子は、最初に環化され得、続いてトランスポゾンの
組込みに供され得る。この環状分子が、コンピテントな宿主細胞に形質転換され
、そして維持され得る。この方法は、遺伝子標的化ベクターの構築のために特に
有用である。この型のいくつかの実施形態において、トランスポゾンは、ネオマ
イシンに対する耐性を与える選択マーカーを含み得、そしてこの選択マーカーを
含む細胞が、G−418を用いて選択され得る。この方法の模式図は、図10に
示される。図10に示される実施形態において、標的DNA分子が、RS1およ
びRS2によって示される組換え部位を含むプライマーを使用して増幅される。
組込み配列が増幅産物に挿入され、次いで、この増幅産物が、組換え事象によっ
て環化される。他の実施形態において、組込み産物を含む増幅産物が、増幅産物
の組換え部位と適合する組込み部位を有する別の核酸分子と反応され得る。
【0127】 (実施例6:標的DNA分子における欠失の構築) 2つの異なる非反応性組換え部位に隣接する標的DNA分子を含むベクターが
、標的DNA分子への、またはベクターへの、または両方への、トランスポゾン
の挿入を引き起こす条件下で、トランスポゾンおよび挿入−触媒酵素と接触され
る。トランスポゾンは、標的DNA分子に隣接する組換え部位および配列決定プ
ライマー結合部位のうちの1つと適合性の組換え部位を含むように構築され得る
。さらに、トランスポゾンは、図11に示されるように分布される、選択マーカ
ーをコードする配列および毒性遺伝子をコードする配列を含み得る。
【0128】 標的DNA分子を含むベクターへのトランスポゾンの挿入の後に、組換え反応
が、トランスポゾン上に存在する組換え部位とベクター上に存在する適合可能な
組換え部位との間で実施され得る。図11を参照して、これは、RS3とRS2
の間の組換えである。組換え反応混合物を使用して、毒性遺伝子に対して感受性
であるコンピテントな宿主細胞を形質転換し、そして形質転換された宿主細胞が
、トランスポゾン上に存在する選択マーカーおよびベクター上に存在する選択マ
ーカーを使用する選択のための適切な試薬を含むプレート上に広げられる。トラ
ンスポゾン中の組換え部位が、ベクター中の同族組換え部位に対して、逆方向に
あるような、トランスポゾンのベクター配列への挿入またはトランスポゾンの標
的DNAへの挿入は、毒性遺伝子を保持する分子を生じ、従って、形質転換の際
にコロニーを生成しない。トランスポゾンの組換え部位が、ベクター上の組換え
部位と同じ配向を有するように、トランスポゾンが標的DNAに挿入される場合
、標的DNAの一部分および毒性遺伝子を含むトランスポゾンの一部分が欠失さ
れる。得られた欠失プラスミドは、形質転換の際にコロニーを生成する。プラス
ミドは、ポジティブなコロニーから回収され得、そして標的DNAのどれくらい
が欠失されたかをアッセイするために、回収されたプラスミドのサイズが、ゲル
電気泳動によって決定され得る。必要に応じて、プラスミドが、従来の技術を使
用する制限マッピングによって分析され得る。
【0129】 あるいは、図12に示されるように、欠失された配列が回収され得る。1つ以
上の組換え部位を含む挿入エレメントが、組換え部位を含む分子の標的領域に挿
入される。ベクタードナーと接触される場合、挿入エレメント上の組換え部位と
標的分子上の組換え部位と標的分子上の組換え部位との間の領域が、ベクタード
ナーに転移され、もともとの標的の欠失部分のクローニングを生じる。
【0130】 (実施例7:固体支持体上での核酸分子の集団の生成) 本発明の方法は、さらに、固体基板に付着された分子の集団を生成するために
使用され得る。このアプローチは、集団のメンバーを分離するために、増幅のた
めのテンプレートとして機能し得るか、またはDNAセグメントのさらなる付加
および操作のための基板として使用され得る核酸分子を提供するために、あるい
いは、インビトロ転写/および翻訳のような系において、およびプローブ生成の
ためのテンプレートとして利用され得る。図13に模式的に示される、1つのこ
のような局面において、標的DNAは、少なくとも1つの組換え部位を含むトラ
ンスポゾンと反応される。本発明のこの局面の1つの好ましい実施形態において
、標的DNAおよびトランスポゾンは線状であるが、これらの分子の他の構成お
よび構造(例えば、円形、スーパーコイル状、ヘアピンなど)がまた、使用され
得る。組換え部位を含むトランスポゾンのランダムな(または指向された)組込
みは、組換え部位を各々含む分子の集団を生成する。この集団は、さらに、固体
基板上に固定された組換え部位と反応され得、その結果、組換え反応が、標的D
NAと固定化組換え部位との共有結合を生成する。固定化基板の各々の特徴は、
それによって、集団のメンバーを含む。
【0131】 このような固定化集団について、多くの適用が存在する:例えば、個々の特徴
が、さらに、トランスポゾンおよび標的DNAの末端に相補的なオリゴヌクレオ
チドを使用する増幅のための基板として使用され得る。可動プライマー部位とし
てトランスポゾンを使用する集団からのいくつかのメンバーを配列決定すること
によって、大きなDNAセグメントの全体が決定され得る。同様に、特徴上のメ
ンバーから生成されるアプリコンが、プローブの生成、タンパク質のセグメント
の発現、ドメイン(DNAまたはタンパク質)の局在化などのために、使用され
得る。所望ならば、各集団のメンバーが、組換え部位および標的DNAの末端と
適合性の末端を含むベクターを使用して、クローニングされ得るか、または増幅
に続いてクローニングされ得ることに注意すべきである。
【0132】 理解の明確さの目的のための図および実施例によって、いくらか詳細に本発明
を記載してきたが、本発明の範囲またはその任意の特定の実施形態に影響するこ
となく、条件、処方および他のパラメータの広範および等価な範囲内で、本発明
を改変および変更することによって、本発明が実施され得、そしてこのような化
異変または変更は、添付の特許請求の範囲の範囲内に包含されることが意図され
ることが、当業者に明らかである。
【0133】 本明細書中に言及される全ての刊行物、特許および特許出願は、本発明が属す
る当業者の技術水準を示し、そして個々の各刊行物、特許または特許出願が、参
考として援用されることが、具体的にかつ個別に示されるのと同じ程度に、本明
細書中で参考として援用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の組換え反応の模式図である。
【図2】 図2は、標的核酸分子および/またはベクター核酸分子へのトランスポゾンの
挿入の模式図である。
【図3】 図3は、本発明を使用して、転位(transposition)反応を行っ
た後に組換えクローニング工程を行うことによって、挿入配列を含む標的核酸分
子について選択し得る方法の模式図である。
【図4A】 図4Aは、組換え部位を含むトランスポゾンを用いたゲノムDNAのクローニ
ングの模式図である。
【図4B】 図4Bは、生成性および非生成性の組換え反応を可能にするように配向された
組換え部位を含むトランスポゾンを用いたゲノムDNAのクローニングの模式図
である。
【図5】 図5は、組換えによって選択マーカーを転移するように設計したトランスポゾ
ンの模式図である。
【図6】 図6は、毒性遺伝子を含むトランスポゾンを用いたゲノムDNAのクローニン
グの模式図である。
【図7】 図7は、複製起点を含むトランスポゾンおよび選択マーカーを含むトランスポ
ゾンを用いたゲノムDNAのクローニングの模式図である。
【図8A】 図8Aは、本発明の組成物および方法を用いた、サブクローンの構築の模式図
である。
【図8B】 図8Bは、本発明の組成物および方法を用いた標的配列の一部の置換の模式図
である。
【図9】 図9は、本発明の方法に従った、複製起点を含む挿入配列を用いたサブクロー
ンの構築の模式図である。
【図10】 図10は、本発明の組成物および方法を用いたPCR産物からの遺伝子標的化
ベクターの構築の模式図である。
【図11】 図11は、本発明の組成物および方法を用いた、標的DNA分子における欠失
の構築の模式図である。
【図12】 図12は、本発明の組成物および方法を用いた、標的分子の欠失部分のクロー
ニングの模式図である。
【図13】 図13は、本発明の組成物および方法を用いた、固体支持体に付着した核酸分
子の集団の生成の模式図である。 これらの図面において、組換え部位は、RSによって示され、そして組換え部
位は、下付の数字によって識別され、選択マーカーはSMおよび下付の数字によ
って示される。2つの適合性の組換え部位の反応生成物は、RSと称され、そし
て下付数字は、組換えられる2つの部位を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN,YU, ZA,ZW (72)発明者 テンプル, ギャリー エフ. アメリカ合衆国 メリーランド 20880, ワシントン グローブ, リッジ ロー ド 114 Fターム(参考) 4B024 AA20 BA80 CA01 CA04 CA11 DA01 DA02 DA05 DA11 EA04 FA02 FA07 FA10 FA20 GA11 HA19 4B063 QA01 QA18 QQ13 QQ42 QQ52 QR08 QR33 QR42 QR60 QR62 QR80 QR82 QS05 QS25 QS36 QX02

Claims (29)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つの組換え部位またはその一部を含む、組み込
    み配列。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の組み込み配列であって、ここで、該組み込
    み配列は、1以上のプライマー部位、1以上の転写シグナルもしくは翻訳シグナ
    ルまたは調節配列、1以上の終結シグナル、1以上の複製起点、1以上の選択マ
    ーカーおよび1以上の遺伝子または遺伝子の一部からなる群より選択される、少
    なくとも1つのエレメントをさらに含む、組み込み配列。
  3. 【請求項3】 少なくとも第1の組換え部位および少なくとも第2の組換え
    部位によって隣接される、標的核酸配列であって、ここで、該標的核酸配列は、
    少なくとも1つの組み込み配列を含む、標的核酸配列。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の標的核酸配列であって、ここで、前記組み
    込み配列は、1以上のプライマー部位、1以上の転写シグナルもしくは翻訳シグ
    ナルまたは調節配列、1以上の終結シグナル、1以上の組換え部位またはその一
    部、1以上の複製起点、1以上の選択マーカーおよび1以上の遺伝子または遺伝
    子の一部からなる群より選択される、少なくとも1つのエレメントをさらに含む
    、標的核酸配列。
  5. 【請求項5】 少なくとも1つの組み込み配列を含む標的核酸分子を選択す
    るための方法であって、以下: 組換え部位によって隣接される目的の標的配列を、少なくとも1つの組み込み
    配列と共に、少なくとも1つの該組み込み配列に該標的配列中への組み込みを生
    じさせるのに十分な条件下で、インキュベートする工程;および 該標的配列を選択する工程、 を包含する、方法。
  6. 【請求項6】 前記選択工程が、前記標的配列をベクター内へ転移すること
    を含む、請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 標的核酸分子を選択するための方法であって、以下: 組換え部位によって隣接されそして少なくとも1つの組み込み配列を含む標的
    配列を、第1の核酸分子から第2の核酸分子への転移させる工程;および 組換え部位によって隣接される該標的配列を含む該第2の核酸分子を選択する
    工程、 を包含する、方法。
  8. 【請求項8】 核酸分子の配列を決定するための方法であって、以下: 組換え部位によって隣接されそして少なくとも1つの組み込み配列を含む標的
    配列を、第1の核酸分子から第2の核酸分子への転移させる工程;および 該標的配列の少なくとも一部の配列を決定する工程 を包含する、方法。
  9. 【請求項9】 前記組み込み配列が、少なくとも1つのプライマー部位を含
    む、請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記転移が、組換えクローニングによって達成される、請
    求項8に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記転移が、インビトロまたはインビボで行われる、請求
    項8に記載の方法。
  12. 【請求項12】 核酸分子中に1以上の欠失を作製する方法であって、以下
    : 少なくとも第1の組換え部位を含む核酸分子に、少なくとも第2の組換え部位
    を含む組み込み配列を、少なくとも1つの該組み込み配列が該核酸分子内に挿入
    されるような条件下で接触させる工程;および 少なくとも該第1および該第2の組換え部位に組換えを生じさせる工程であっ
    て、これによって、該核酸分子の少なくとも一部の欠失を生じる、工程、 を包含する、方法。
  13. 【請求項13】 核酸分子中に1以上の欠失を作製する方法であって、以下
    : 少なくとも第1および第2の組換え部位を含む核酸分子を得る工程;および 該第1および該第2の組換え部位に組換えを生じさせる工程であって、これに
    よって、該核酸分子の少なくとも一部の欠失を生じる、工程、 を包含する、方法。
  14. 【請求項14】 核酸分子または核酸分子の集団をクローニングする方法で
    あって、以下: 少なくとも1つの組換え部位を含む1以上の組み込み配列を、少なくとも1つ
    の核酸分子に挿入する工程;および 組換え部位によって隣接される1以上の核酸分子を、組換えクローニングによ
    って、1以上のベクターに転移させる工程、 を包含する、方法。
  15. 【請求項15】 前記核酸分子が、ゲノムDNA、染色体DNAまたはcD
    NAである、請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 核酸分子または核酸分子の集団をクローニングするための
    方法であって、以下: 少なくとも1つの組換え部位を含む1以上の組み込み配列を、少なくとも1つ
    の核酸分子に挿入する工程であって、その結果、少なくとも第1および第2の組
    み込み部位を含む核酸配列を生じる工程;および 該少なくとも第1および第2の組換え部位に組換えを生じさせる工程、 を包含する、方法。
  17. 【請求項17】 前記第1および第2の組換え部位の前記組換えが、環状分
    子を生じる、請求項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記第1および第2の組換え部位が、前記核酸分子の少な
    くとも一部によって離されている、請求項16に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記組み込み配列が、1以上のプライマー部位、1以上の
    転写シグナルもしくは翻訳シグナルまたは調節配列、1以上の終結シグナル、1
    以上の複製起点、1以上の選択マーカーおよび1以上の遺伝子または遺伝子の一
    部からなる群より選択される、少なくとも1つのエレメントを含む、請求項16
    に記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記組み込み配列が、1以上の複製起点および/または1
    以上の選択マーカーを含む、請求項16に記載の方法。
  21. 【請求項21】 線状核酸分子を環状化する方法であって、以下: 少なくとも第1および第2の組換え部位を含む線状核酸分子を得る工程;およ
    び 該第1および第2の組換え部位に組換えを生じさせる工程、 を包含する、方法。
  22. 【請求項22】 前記組換え部位が、前記線状核酸分子の各末端または各末
    端付近に位置される、請求項21に記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記第1および/または第2の組換え部位が、少なくとも
    1つの組換え部位またはその一部を含む1以上のプライマーでの増幅によって、
    前記線状核酸分子に付加される、請求項21に記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記第1および/または第2の組換え部位が、少なくとも
    1つの組換え部位またはその一部を含む1以上のアダプターの付加によって、前
    記線状核酸分子に付加される、請求項21に記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記線状核酸分子を、少なくとも1つの組み込み配列と共
    に、少なくとも1つの該組み込み配列に該線状核酸分子中への挿入を生じさせる
    のに十分な条件下で、インキュベートする工程をさらに包含する、請求項21に
    記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記環状化された核酸分子を、少なくとも1つの組み込み
    配列と共に、少なくとも1つの該組み込み配列を該環状化された核酸分子中へ挿
    入するのに十分な条件下で、インキュベートする工程をさらに包含する、請求項
    21に記載の方法。
  27. 【請求項27】 前記核酸分子が、ゲノムDNA、染色体DNAまたはcD
    NAである、請求項16に記載の方法。
  28. 【請求項28】 前記核酸分子が、ゲノムDNA、染色体DNAまたはcD
    NAである、請求項21に記載の方法。
  29. 【請求項29】 前記第1および前記第2の組換え部位が、インビトロで組
    換わる、請求項13に記載の方法。
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