JP2003511431A - シンナムアルデヒド及びジヒドロシンナムアルデヒドの連続的製造方法 - Google Patents
シンナムアルデヒド及びジヒドロシンナムアルデヒドの連続的製造方法Info
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Abstract
Description
反応させることによりシンナムアルデヒド又はシンナムアルデヒド誘導体を製造
し、場合により、続いて循環反応器において懸濁触媒及び水素の存在下で連続的
に水素化してジヒドロシンナムアルデヒド誘導体を得るための連続的方法に関す
る。
もしくは2-ヘキシル-3-フェニル-2-プロペナール、シンナムアルデヒドそれ自体
、又は対応するジヒドロ化合物、例えば、シクラメンアルデヒド(2-メチル-3-(p
-イソプロピルフェニル)-プロパナール)もしくはリスメラール(2-メチル-3-(p-t
ert-ブチルフェニル)プロパナール)は、芳香剤のための中間体として、又は芳香
剤そのものとして用いられ、さらに、医薬品及び作物保護の分野における活性成
分の合成用の出発物質として用いられる(GB 1 086 447を参照)。
基性触媒の存在下で反応させることにより、すなわち、アルドール縮合により(H
ouben-Weyl,「Methoden der organischen Chemie」[有機化学の方法] 第7/1巻,
第76頁以降 (1954)、及びUS 2 976 321を参照)、製造できることが知られている
。公知の先行技術によれば、これらの反応物はバッチ式で又は半連続法で反応さ
せている。
下で、ベンズアルデヒドを最初に導入し、そこにわずかに過剰量のエタノールを
ゆっくりと添加して、ベンズアルデヒドとエタナールとを反応させることにより
シンナムアルデヒドを製造するための半連続的方法を記載している。ここでは、
アルカリ金属水酸化物は、アルデヒド1重量部当たり2.5〜6.5重量部の量で用い
るべきである。実施例に示されるように、この方法では75〜85%の収率しか得ら
れない。この方法の欠点は、工業的規模で用いるには収率が不十分であること、
アルカリ金属水酸化物を大量に必要とすること(これは、そのために必要な費用
の他に、廃水の深刻な汚染を意味する)、および比較的長い反応時間即ちそれに
応じて反応容器が大きくなることである。
セトアルデヒドとの縮合によりシンナムアルデヒドを製造するための半連続的方
法を記載している。この方法では、ベンズアルデヒドを過剰に用いなければなら
ず、アセトアルデヒドは少しずつ添加しなければならない。さらに、ベンズアル
デヒド1重量部当たり約2〜3重量部の水を用いなければならない。特に、大量の
水を用いなければならないこと、またこれを精製して廃棄しなければならないた
め、この方法は経済的ではない。
-置換シンナムアルデヒドを製造するための方法を記載している。用いる触媒は
アルカリ金属水酸化物であり、用いる溶媒はグリコールである。用いる他の補助
剤は、ヘキサンなどの非極性炭化水素である。この文献には、除去するのが困難
である二次成分が生成するため、貫通流が存在する反応器の使用は好ましくない
と記されている(2頁、第10〜16行及び第38〜39行を参照)。本発明者らの研究は
、この先入観の誤りを証明してきた。事実、本発明者らは、驚くべきことに、複
数の反応器を一つずつ順番に連結し、アルカナールを2個以上の反応器に供給す
ることにより、比較的単純な方法で、副生成物の含有量が低く、極めて良好な収
率でシンナムアルデヒド誘導体を製造することができることを見出した。
留時間を有する攪拌型タンク反応器中で、前記方法を実施することを記載してい
る。多段階反応器カスケードについては記載されていない。記載された方法の欠
点は、必要とされる長い滞留時間及び結果として必要とされる大きく、高価な反
応容器である。さらに、この反応は2つの液体の混和しない相の系で起こるので
、実験室における実験から工業プラントへのスケールアップが非常に困難である
。さらに、連続貫通流が存在する攪拌型タンク反応器の調節及び正しい相比の正
確な観測は極めて困難である(コンピュータ化された制御が必要である)。
合物を、ヘキサンを用いて繰り返し抽出する必要がある。上述した欠点のため、
前記方法を経済的に実施することができない。
80は、塩基性触媒としてピロリジンを用いたベンズアルデヒドとアルカナールと
の反応によるα-アルキルシンナムアルデヒドの製造方法を提案している。追加
的な共触媒として、硫酸又は塩酸などの酸を推奨している。後処理のために、先
ず、粗反応生成物を水酸化ナトリウム水溶液で洗浄した後、酸で中和する必要が
ある。
使用である。これは、供給原料及び廃棄のための費用の増加を意味する。さらな
る欠点は、反応生成物を大量の水酸化物溶液で洗浄する必要がある高価で複雑な
後処理である。同様に、この操作は高い供給原料の費用及び廃棄費用をもたらす
。また共触媒として酸を用いるため、装置は耐食性材料で製作する必要がある。
上記の欠点により、前記方法は不経済となる。
法であって、この方法に由来する以下の欠点を有する:即ち長い反応時間、大き
な反応装置並びにバッチ運転(バッチ運転は工業規模で使用する場合、要員及び
メンテナンススタッフの点で経費の増加をもたらす)。連続運転の可能性につい
て記載されている方法については、反応の実施に関する情報が存在しないか、又
は連続貫通流が存在する攪拌型タンク反応器の個々についてのみ記載されており
、上記のような理由から、工業的規模でのシンナムアルデヒド誘導体の経済的な
製造には適していない。
載されている。この概説は、Houben-Weylの研究、Methoden der organischen Ch
emie [有機化学的方法]、第4版、第4/1c巻、第161頁以降、及び同じ研究の第7/1
巻、第388頁以降に記載されている。
どのシンナムアルデヒド誘導体を、水素の存在下でパラジウム含有触媒上で反応
させることにより、ジヒドロ化合物に転化できることは、US 3,280,192から公知
である。該著者らは、供給原料と混和せず、8〜13のpHを有する水相の添加は水
素化の選択性について特に有利であると記載している。このバッチ法では、高い
収率及び選択性が達成される。
で、水素雰囲気を繰り返し交換しながら水素化を行う場合、空時収率の改善が達
成される。
素化のためのバッチ法におけるK2CO3などの塩基性化合物の添加を推奨している
。この方法においては、97%を超える高い純度で、溶媒を用いることなく出発原
料を使用する。
造されたシンナムアルデヒド誘導体の反応のためのバッチ法を記載している。
のAl2O3上のパラジウムへの酢酸カリウムの添加が特に有利であると記載してい
る。
めに、反応を連続的に行うためには、特定のリチウム含有触媒の使用が必要であ
るとされている。反応器中で押出成形体(extrudate)又は球体の形態で用いる必
要がある該触媒の耐用年数に関する詳細については記載されていない。
複雑なバッチ式の反応手順、長い反応時間及び大きな反応器具を必要とするか、
又は、固定床上での連続的反応手順については、活性の喪失が生じる時に(一般
的にはプラントのスイッチが切られることになる)複雑な手順でしか交換するこ
とができない特別に調製された触媒の使用を必要とする。
出発する。対応するベンズアルデヒド及びアルカナールから出発するシンナムア
ルデヒド誘導体の連続的製造と、ジヒドロシンナムアルデヒド誘導体を得るため
の後続の連続的水素化とを組合わせる連続的方法は、従来技術には記載されてい
ない。
対応するベンズアルデヒド及びアルカナールから出発するシンナムアルデヒド又
はシンナムアルデヒド誘導体の連続的製造方法、及びまたジヒドロシンナムアル
デヒド誘導体の連続的製造方法を開発することである。
なるプラントにおいて連続的に反応させ、かつ該アルカナールを該プラントの2
個以上の反応器中に導入することにより、式I:
基又はC1〜C9-アルコキシ基であり、好ましくは、R1、R2、R3及びR6が、互いに
独立して、水素又はC1〜C9-アルキル基であり、R4及びR5が水素である) のシンナムアルデヒド誘導体を連続的に製造するための、並びに (b) 場合により、続いて、循環反応器において懸濁触媒及び水素の存在下に連続
的に水素化することにより、式IV:
成されることを見出した。
を組合わせることによる式IVのジヒドロシンナムアルデヒド誘導体の製造の双方
を提供する。
ヒドロシンナムアルデヒド誘導体を得るための水素化を行う。
工程の連続的反応手順により、第二に、式IIのベンズアルデヒド誘導体と、式II
Iのアルカナールとの上流のアルドール縮合の製造される出発物質の精製又は単
離は水素化には必要ではないという事実により、従来技術とは区別される。
後処理することなく水素化に送られる。
ピオン酸、クエン酸、フタル酸などの有機酸であり、特に好ましくは酢酸である
。
ルデヒド自体、m-イソプロピル-ベンズアルデヒド、p-イソプロピルベンズアル
デヒド、p-tert-ブチルベンズアルデヒド、m-tert-ブチルベンズアルデヒド、m-
メチルベンズアルデヒド、p-メチルベンズアルデヒド、o-メチルベンズアルデヒ
ド、m-アニスアルデヒドもしくはp-アニスアルデヒド、又はこれらのベンズアル
デヒド誘導体のうちの2種以上の混合物を挙げることができる。
ヒド、プロパナール、n-及びイソ-ブタナール、n-及びイソ-ペンタナール、n-及
びイソ-ヘキサナールを挙げることができる。
又はリスメラールである。特に好ましくは、本発明による方法(工程(a)及び工程
(b))を用いて、リスメラールを製造する。
用いる触媒は、アルカリ金属水酸化物であるNaOH、KOH及びLiOH、アルカリ土類
金属水酸化物、並びにそれらの混合物などの塩基性化合物;又は水の存在下で対
応する水酸化物を遊離し得る他のアルカリ金属及びアルカリ土類金属の化合物;
並びに、アンモニア、アミン又は、例えばナトリウムメトキシドもしくはカリウ
ムtert-ブトキシドなどのアルコキシドである。アルカリ金属の酸化物及び水酸
化物の水溶液、特に、酸化ナトリウム又は水酸化ナトリウムの水溶液が有利であ
り、この場合、酸化物又は水酸化物の濃度は、0.5〜50重量%、好ましくは10〜5
0重量%である。一般的には、塩基は全て、第1の反応器に導入するが、全ての反
応器に分割して導入することもできる。必要とされる塩基の量は非常に少なく、
これは本発明による方法の格別の効果を示すものである。例えば、反応混合物中
の塩基の濃度は、たったの0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜5重量%の間である
。
例1〜4に例示する。
トは、原理的には、カスケードシステムにおいて順番に連結された複数の反応器
からなる。一般的には、用いる反応器の数は2〜20個であり、好ましくは2〜10個
、特に好ましくは2〜5個である。ある反応器からの流出物を次の反応器に通過さ
せることを意味するカスケードシステムにおいて、該反応器を運転する。次いで
、生成された反応混合物を、最後の反応器の出口で流出させる。
器から取り出し、1個以上の上流の反応器に戻す。
container)などの非逆混合型(non-back-mixed)反応器であるが、好ましくは、攪
拌型タンク反応器、ループ型反応器、ジェットループ型反応器又はジェット型反
応器などの逆混合型(back-mixed)反応器である。しかし、逆混合型反応器及び非
逆混合型反応器の連なる組合せを用いることも可能である。
そのような反応器は、例えば、多孔板が組み込まれたループ型反応器、カスケー
ド型容器、中間段階で原料を供給できる管状反応器、又は攪拌塔である。個々の
反応器の全て又は一部は熱交換器を装備するのが適切である。反応器中では、反
応物の十分な混合を確実にしなければならないが、これは、例えば、攪拌又は再
循環によって達成することができ、場合によってはスタティックミキサー(stati
c mixer)もしくは混合ノズルを組合せて行う。
時間となるように、反応器の容積を調整する。ほぼ同一の容積を有する反応器を
使用するのが特に有利であるが、異なる容積を有する反応器を使用することも可
能である。
。
て保持される程度に十分に高いものであるべきである。一般的には、本発明の方
法には1〜40バールの圧力が必要であり、1〜6バールの圧力が有利である。
ードシステムを備えたプラントの第1の反応器中に導入する。しかしながら、場
合によっては、ベンズアルデヒド(誘導体)の一部を、カスケードシステムを備え
たプラントの別の反応器に添加することも必要となる。
ベンズアルデヒド誘導体を、反応器に導入する前に、同じ反応器に添加されるア
ルカナールの一部と予め混合する。この前混合のために、スタティックミキサー
、攪拌型タンク反応器、混合ノズルなどの慣用的な混合装置を用いることができ
る。2種の反応物の前混合により、選択性が上昇する。特許明細書US 2 529 186
には、反応物の前混合が選択性を低下させると記載されているので、この選択性
の上昇は特に驚くべきことである。
量のアルカナールを、カスケードシステムのプラントの各反応器に添加するのが
特に有利である。しかしながら、さらに、全ての反応器間のアルカナールの均一
な分配は高い選択性にとって好ましくないことも見出された。従って、添加する
アルカナールの全量のうちの約20〜70%、特に好ましくはアルカナールの40〜60
%を、第1の反応器に導入し、残量、すなわち、アルカナールの約80〜30%を他
の反応器に添加するのが有利であることが見出された。さらに、アルカナールの
少なくとも一部を、ベンズアルデヒド誘導体の一部又は全部と共に、予め混合さ
れた形態で反応器に導入するのが特に有利である。
としての添加も可能である。
ヒド(誘導体)とアルカナールのモル比が5〜100 mol/mol、好ましくは10〜60 mol
/molとなるように、アルカナールの量を選択する。このモル比は、公知の分析法
、例えば、ガスクロマトグラフィーを用いて反応混合物を分析することにより容
易に測定することができる。一般的には、一日一回の分析で十分であるが、特定
の場合には、オンライン分析を用いることも必要である。
、20〜95%、好ましくは30〜80%である。本発明による方法の特に有利な点は、
アルカナールの転化率が、一般的には未反応のアルカナールの回収をしなくても
よい程度に十分に高いことである。
な溶媒は、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノ
ールもしくはエチレングリコールなどのアルコール、及びジエチルエーテルなど
のエーテル、又はジオキサンなどの環状エーテルである。特に有利な溶媒はメタ
ノールである。溶媒は、そのまま個々の反応器に導入してもよいし、又は1種以
上の反応体もしくは触媒塩基と混合してもよい。しかし、全部の溶媒を第1の反
応器に添加するのが好ましい。
離操作によって容易に後処理することができ、従って、単純な方法でシンナムア
ルデヒド誘導体を単離することができる。一般的には、反応混合物を後処理する
前に、無機酸又は有機酸を添加することにより塩基性触媒を少なくとも部分的に
中和するのが有利である。
な品質のシンナムアルデヒド、一般的には式Iのシンナムアルデヒド誘導体を製
造することができる。本発明による方法は、少数の、単純で、小型の、コスト効
率の良い装置しか必要としない。本発明による方法を用いると、アルカナール及
びベンズアルデヒド誘導体の双方に基づいて、高い選択性で式Iのシンナムアル
デヒド誘導体を製造することができる。
い水素化を行う場合、液相と気相を、0.5〜20 mm、好ましくは1〜10 mm、特に好
ましくは1〜3 mmの水力直径を有するオリフィス又はチャンネルを有する装置に
通過させる、US 5,939,589に記載のような反応器中で前記水素化を行う。この水
力直径とは、オリフィスの断面積をその外周で割った商x4である。
び抽出の技術から、原理的に、すなわち、その幾何学的形状の点で既に知られて
いるように、好ましくはプラスチック(例えば、ポリウレタン又はメラミン樹脂)
製もしくはセラミック製の床(bed)、編み物、連続気泡のフォーム構造物、又は
パッキング部材からなる。
イヤメッシュパッキングである。しかしながら、本発明の目的のために、パッキ
ングは、基本的には、蒸留及び抽出の技術分野における匹敵する内部物よりも顕
著に、通常は2〜10倍、小さい水力直径を有する。
性の材料から作製されたパッキングを用いることもできる。さらに好適なパッキ
ングは板金パッキングである。また、例えば、Montz BSH型のパッキングなどの
エキスパンドメタルから作製されたパッキングも有利である。オリフィス、例え
ば、穿孔部を、対応して小さくする必要がある。本発明にとってパッキングの好
適性のための決定的な要点は、その形状ではなく、パッキング内での運搬を起こ
すオリフィスの寸法又はチャンネルの幅である。
05〜0.05 mmの平均粒径を有する市販の触媒粒子を、懸濁液として用いることが
できる。
バールの圧力で、上記の内蔵物の1つを有する反応器中で、本発明による方法に
より水素化を行う。反応温度は、10〜160℃、好ましくは20〜80℃、特に好まし
くは40〜75℃である。
パッキングである。反応混合物、触媒及び水素を、回路にある反応器に高速でポ
ンプで送る。ここで、気相と液相の空塔速度は、50 m3/m2hを超え、好ましくは5
0〜300 m3/m2h、特に好ましくは100〜250 m3/m2hの範囲である。射出ノズルを用
いて、気相を十分に液相と混合する。
市販の懸濁触媒を用いる。パラジウムだけでなく、触媒は、例えば、亜鉛、カド
ミウム、白金、銀又は希土類金属などのさらなる活性成分をも含んでもよい。触
媒は、特に担体材料上の、金属及び/又は酸化物の形態で用いることができる。
好適な担体材料は、例えば、SiO2、TiO2、ZrO2、Al2O3又は黒鉛、カーボンブラ
ックもしくは活性炭などの炭素であるが、特に好ましくは活性炭である。パラジ
ウムの含量は0.1〜10重量%、好ましくは1〜7重量%である。
約50〜300 m3/m2h、好ましくは250〜200 m3/m2hの空塔速度で、オリフィス及び
チャンネルを有する上記の装置に液体を通過させることを特徴とする。気相が同
時に存在する場合、その空塔速度は50〜300 m3/m2hが好ましく、特に好ましくは
100〜200 m3/m2hである。
型反応器などの様々な連続運転される反応器構築物において行うことができる。
しかし、上記の内蔵物は、反応器全体を必ずしも満たす必要がないし、満たさな
いほうが好ましい。好ましくは、本発明による反応器は、気相の存在下で、流れ
が底部から頂部まで並流にある、垂直に配置された気泡塔である。別の好ましい
反応器は、本発明による内蔵物が個々のチューブ内に収容された、加熱可能で冷
却可能なチューブバンドル型反応器である。気相の存在下では、反応器を通る流
れは底部から頂部への並流が好ましい。慣用的な技術(沈殿、遠心、ケーキ濾過
、十字流濾過)を用いて、懸濁触媒材料を導入し、再び除去することができる。
スメラールへの水素化のための反応器を、図3を参照して詳細に説明する。実施
例により、図3は、ライン3を介して液体を供給し、ライン4を介して新鮮な気体
を供給するパッキング2を備える連続運転反応器(気泡塔)1の実験装置を示す。循
環する気体5を、混合ノズル6により新鮮な気体と混合し、懸濁物11をポンプ14に
より循環させる。反応器の流出物を、ライン7を介して分離容器8に通過させ、そ
こでライン9を介して気相を分離し、取り出す。ガス状の不純物の蓄積を制限す
るために、ライン10を介して一部のストリームをこの量の気体から除去し、ライ
ン5を介して残余を反応器に送る。十字流フィルター12を介して保持されること
により、懸濁触媒は反応器系に残り、触媒を含まない液相のみがライン13を介し
て出現し、取り出される。熱交換器15を介して目標とされる様式で、反応器系の
温度を調整することができる。
るものである。
る装置(図1を参照)の各々の容器を、サーモスタットを用いて二重壁ジャケット
を介して加熱し、熱交換器W1、W2及びW3により冷却し、その内容物をポンプP1、
P2及びP3により循環させた。ベンズアルデヒド誘導体を溶媒及び一部の塩基と混
合し、第1の容器に添加した(ストリーム<1>)。塩基の第2の部分を第1の容器に添
加した(ストリーム<2>)。混合ノズルM1、M2及びM3により、アルカナールを対応
する容器に添加した (ストリーム<21>、<22>、<23>)。
タノール、45.5重量%のp-tert-ブチルベンズアルデヒド、及び0.5重量%の濃度
50%水酸化ナトリウム水溶液からなる217 ml/hの混合物、ストリーム<21>として
、13.1 g/hのプロパナール、並びに、ストリーム<2>として、6 g/hの水酸化ナト
リウム溶液(濃度50%の水溶液)であった。第2の容器中に計量して供給されたの
は、ストリーム<22>として、6.6 g/hのプロパナールであり、第3の容器中に計量
して供給されたのは、ストリーム<23>として、3.3 g/hのプロパナールであった
。個別に加熱可能な容器の温度は、47〜48℃であった。循環した液体の量を、各
容器につき600 ml/minに設定した。カスケードを8時間運転した後、第3の容器か
ら得た生成物は、以下の組成:<0.1重量%のプロパナール、21重量%のp-tert-
ブチルベンズアルデヒド、20.5重量%の3-(p-tert-ブチルフェニル)-2-メチル-2
-プロペナール、を有していた。これは、p-tert-ブチルベンズアルデヒドの量の
48%の転化率に相当し、その選択性は、ベンズアルデヒド誘導体に基づくと85%
であり、プロパナールに基づくと、理論の62%である。
タノール、45.5重量%のp-tert-ブチルベンズアルデヒド及び0.5重量%の濃度50
%水酸化ナトリウム水溶液からなる217 ml/hの混合物、ストリーム<21>として、
13.1 g/hのプロパナール、並びに、ストリーム<2>として、6 g/hの水酸化ナトリ
ウム溶液(濃度50%の水溶液)であった。第2の容器中に計量して供給されたのは
、ストリーム<22>として、6.6 g/hのプロパナールであり、第3の容器中に計量し
て供給されたのは、ストリーム<23>として、3.3 g/hのプロパナールであった。
個別に加熱可能な容器の温度は47〜48℃であった。循環した液体の量を、各容器
につき1200 ml/minに調整した。カスケードを8時間運転した後、第3の容器から
得た生成物は以下の組成:<0.1重量%のプロパナール、19重量%のp-tert-ブチ
ルベンズアルデヒド、及び23.5重量%の3-(p-tert-ブチルフェニル)-2-メチル-2
-プロペナール、を有していた。これは、p-tert-ブチルベンズアルデヒドの52%
の転化率に相当する。従って、3-(p-tert-ブチルフェニル)-2-メチル-2-プロペ
ナールの選択性は、ベンズアルデヒド誘導体に基づくと、理論の87%であり、プ
ロパナールに基づくと、70重量%であった。
る装置(図2を参照)の各々の容器を、サーモスタットを用いて二重壁ジャケット
を介して加熱し、熱交換器W1、W2及びW3を介して冷却した。これらの容器の内容
物をポンプP1、P2及びP3により循環させた。ベンズアルデヒド誘導体及び第1の
容器用のアルカナールの一部を、混合容器M1中で前混合した後、第1の容器B1中
に計量して供給した(ストリーム<1>)。第2及び第3の容器用のアルカナールの量
を、混合ノズルM2及びM3により対応する容器中に添加した(ストリーム<22>及び<
23>)。溶媒を塩基と混合し、得られた混合物を第1の容器に導入した(ストリーム
<2>)。
p-tert-ブチルベンズアルデヒド及び12.3重量%のプロパナールからなる114 g/h
の混合物、ストリーム<2>として、4重量%の水酸化ナトリウム水溶液(濃度50重
量%)及び96重量%のメタノールからなる129.7 g/hの混合物であった。第2の容
器中に計量して供給されたのは、ストリーム<22>として、6.6 g/hのプロパナー
ルであり、第3の容器中に計量して供給されたのは、ストリーム<23>として、4.2
g/hのプロパナールであった。個別に加熱可能な容器の温度は43〜51℃であった
。循環した液体の量を、各容器につき1200 ml/minに設定した。カスケードを8時
間運転した後、第3の容器の生成物は以下の組成:<0.1重量%のプロパナール、1
6.2重量%のp-tert-ブチルベンズアルデヒド、及び28.3重量%の3-(p-tert-ブチ
ルフェニル)-2-メチル-2-プロペナール、を有していた。これは、p-tert-ブチル
ベンズアルデヒドの理論の60%の転化率に相当する。従って、その選択性は、ベ
ンズアルデヒド誘導体に基づくと、理論の94%であり、プロパナールに基づくと
、理論の83%であった。
p-tert-ブチルベンズアルデヒド及び12.3重量%のプロパナールからなる114 g/h
の混合物、並びに、ストリーム<2>として、メタノール1モル当たり1モルのナト
リウムメトキシドを含む123 g/hの混合物であった。第2の容器中に計量して供給
されたのは、ストリーム<22>として、6.6 g/hのプロパナールであり、第3の容器
中に計量して供給されたのは、ストリーム<23>として、4.2 g/hのプロパナール
であった。個別に加熱可能な容器の温度は43〜50℃であった。循環した液体の量
を、各容器につき1200 ml/minに設定した。カスケードを8時間運転した後、第3
の容器の生成物は以下の組成:<0.1重量%のプロパナール、20.4重量%のp-tert
-ブチルベンズアルデヒド、及び20.3重量%の3-(p-tert-ブチルフェニル)-2-メ
チル-2-プロペナール、を有していた。これは、p-tert-ブチルベンズアルデヒド
の49%の転化率に相当する。従って、3-(p-tert-ブチルフェニル)-2-メチル-2-
プロペナールの選択性は、ベンズアルデヒド誘導体に基づくと、理論の83%であ
り、プロパナールに基づくと、理論の59%であった。
p-tert-ブチルベンズアルデヒド及び12.3重量%のプロパナールからなる114 g/h
の混合物、並びに、ストリーム<2>として、5重量%の水酸化カリウム水溶液(濃
度25重量%)及び95重量%のメタノールからなる123 g/hの混合物であった。第2
の容器中に計量して供給されたのは、ストリーム<22>として、6.6 g/hのプロパ
ナールであり、第3の容器中に計量して供給されたのは、ストリーム<23>として
、4.2 g/hのプロパナールであった。個別に加熱可能な容器の温度は48〜51℃で
あった。循環した液体の量を、各容器につき1200 ml/minに設定した。カスケー
ドを24時間運転した後、第3の容器の生成物は以下の組成:<0.1重量%のプロパ
ナール、16.4重量%のp-tert-ブチルベンズアルデヒド、及び30.8重量%の3-(p-
tert-ブチルフェニル)-2-メチル-2-プロペナール、を有していた。これは、p-te
rt-ブチルベンズアルデヒドの58%の転化率に相当する。従って、3-(p-tert-ブ
チルフェニル)-2-メチル-2-プロペナールの選択性は、ベンズアルデヒド誘導体
に基づくと、理論の99%であり、プロパナールに基づくと、理論の91%であった
。
径27.3 mm)の中で行った。実験の設定を図3に示した。パッキングの形状は市販
のMontz A1 1200型の織物パッキングに対応していた。パッキングの単位容積当
たりの表面積は1200 m2/m3であり、この数値は織物としての表面にのみ関係する
。懸濁触媒を含む液体及び気体を、200 m3/m2hの空塔速度で下から反応器に導入
した。
粒径を有する活性炭上の含量5%のパラジウムを含む従来の懸濁触媒であった。
調整した後のp-tert-ブチルベンズアルデヒド(TBA)とプロパナールとの連続アル
ドール縮合から得た生成物であった。通常、そのような供給溶液は50重量%のメ
タノール、29重量%のデヒドロリスメラール(DHL)、13重量%のTBA、5重量%の
水、1重量%の高沸点成分などの組成を有する。サーモスタットを用いて、温度
を60℃に調整した。93%を超える選択性で、転化率は96%を超えていた。空間速
度は5.8 kgDHL/(kgcat*h)であり、空時収率は118 kgDHL/(m3h)である。
1:2の比でさらに希釈した上記(実施例6)の供給原料であった。通常、そのような
供給溶液は、50重量%のメタノール、20重量%のリスメラール、10重量%のデヒ
ドロリスメラール、13重量%のTBA、5重量%の水、1重量%の高沸点成分などの
組成を有する。この場合もサーモスタットを用いて温度を60℃に調整した。供給
原料の量は600 g/hであった。これらの条件下では、98.2%の転化率と同時に88.
4%の選択性が達成された。空時収率は103 kgDHL/m3*hであり、空間速度は3.7 k
gDHL/(kgcat*h)であった。
1:2の比でさらに希釈した上記(実施例6)の供給原料であった。通常、そのような
供給溶液は、50重量%のメタノール、20重量%のリスメラール、10重量%のデヒ
ドロリスメラール、13重量%のTBA、5重量%の水、1重量%の高沸点成分などの
組成を有する。この場合もサーモスタットを用いて温度を60℃に調整した。供給
原料の量は900 g/hであった。これらの条件下では、94.5%の転化率と同時に90
%の選択性が達成された。空時収率は253 kgDHL/m3*hであり、空間速度は8.5 kg DHL /(kgcat*h)であった。
2及びB3からなる装置を示した図である。
びB3からなる装置を示した図である。
る。
Claims (21)
- 【請求項1】 (a) 式II: 【化1】 のベンズアルデヒド誘導体と、式III: 【化2】 のアルカナールとを、塩基の存在下に、カスケードシステムの複数の反応器から
なるプラントにおいて連続的に反応させ、かつ該アルカナールを該プラントの2
個以上の反応器に導入することにより、式I: 【化3】 (式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、互いに独立して、水素、C1〜C9-アルキル
基又はC1〜C9-アルコキシ基であり、好ましくは、R1、R2、R3及びR6が、互いに
独立して、水素又はC1〜C9-アルキル基であり、R4及びR5が水素である) のシンナムアルデヒド誘導体を連続的に製造する、 (b) 場合により、続いて、循環反応器において懸濁触媒及び水素の存在下に連続
的に水素化することにより、式IV: 【化4】 (式中、R1〜R6は上記の意味を有する) のジヒドロシンナムアルデヒド誘導体を得る、 ための方法。 - 【請求項2】 工程(a)の後に、工程(b)の水素化を行う、請求項1に記載の
方法。 - 【請求項3】 用いる式IIのベンズアルデヒド誘導体が、ベンズアルデヒド
自体、m-イソプロピルベンズアルデヒド、p-イソプロピルベンズアルデヒド、p-
tert-ブチルベンズアルデヒド、m-tert-ブチルベンズアルデヒド、m-メチルベン
ズアルデヒド、p-メチルベンズアルデヒド、o-メチルベンズアルデヒド、m-アニ
スアルデヒドもしくはp-アニスアルデヒドであるか、又はこれらのベンズアルデ
ヒド誘導体のうちの2種以上の混合物である、請求項1又は2に記載の方法。 - 【請求項4】 工程(a)で用いる前記プラントの反応器の数が2〜20である、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。 - 【請求項5】 工程(a)で用いる前記プラントの反応器の数が2〜6である、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。 - 【請求項6】 工程(a)で用いる反応器が攪拌型タンク反応器、ループ型反
応器、ジェットループ型反応器、ジェット型反応器又は管状反応器であり、再循
環回路を有していてもよい、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。 - 【請求項7】 前記アルカナールの一部分を、用いる反応器のそれぞれに導
入する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。 - 【請求項8】 添加するアルカナールの全量の20〜70%を、第1の反応器に
導入する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。 - 【請求項9】 前記方法を、ベンズアルデヒド誘導体の転化率が20〜95%と
なるように行う、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。 - 【請求項10】 少なくとも一部のアルカナールを、ベンズアルデヒド誘導
体の一部又は全部との混合物として予め混合した形態で用いる、請求項1〜9の
いずれか1項に記載の方法。 - 【請求項11】 前記反応混合物中の式IIのベンズアルデヒド誘導体と、式
IIIのアルカナールとのモル比が、5 mol/mol〜100 mol/molである、請求項1〜
10のいずれか1項に記載の方法。 - 【請求項12】 ジヒドロシンナムアルデヒドがシクラメンアルデヒド又は
リスメラールからなる群より選択される、請求項1〜11のいずれか1項に記載
の方法。 - 【請求項13】 シンナムアルデヒド誘導体の水素化を、予め精製すること
なく、内臓物を有する懸濁反応器中で行う、請求項1〜12のいずれか1項に記
載の方法。 - 【請求項14】 水素化(b)の触媒粒子が、0.0001〜2 mmの平均粒径を有す
る、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。 - 【請求項15】 工程(b)において、水素化反応器中で用いる内臓物が織物
パッキング又は板状金属パッキングである、請求項1〜14のいずれか1項に記
載の方法。 - 【請求項16】 気相及び液相の空塔速度が50 m3/m2hを超える、請求項1
〜15のいずれか1項に記載の方法。 - 【請求項17】 工程(b)で用いる反応器が、ジェット型反応器、気泡塔型
反応器又はチューブバンドル型反応器である、請求項1〜16のいずれか1項に
記載の方法。 - 【請求項18】 工程(b)で用いる懸濁触媒が活性成分として少なくともパ
ラジウムを含む、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。 - 【請求項19】 パラジウムの割合が0.1〜10重量%である、請求項18に
記載の方法。 - 【請求項20】 前記触媒がSiO2、TiO2、ZrO2、Al2O3又は炭素を含有する
担体上で用いられる、請求項18又は19に記載の方法。 - 【請求項21】 前記触媒が活性炭を含有する担体上で用いられる、請求項
18〜20のいずれか1項に記載の方法。
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