JP4377234B2 - アリルアルコールの異性化方法 - Google Patents

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Description

本発明は、反応体アリルアルコールを触媒が入っている適切な反応器中で半連続または連続方式で生成体アリルアルコールに転位させることを特徴とする、触媒の存在下における反応体アリルアルコールの生成体アリルアルコールへの異性化方法に関する。特に、本発明の方法はゲラニオールおよび/またはネロールからリナロオールを調製するのに用いられる。
アリルアルコールは工業用有機生成品の合成における重要な中間体である。中でも第三級アリルアルコールは、例えば、芳香剤を調製する際の中間体として、あるいは石鹸および洗剤の添加剤として役立つ。
アリルアルコールは酸性触媒の作用下で異性化する。この異性化は、以下の式中一般式IおよびIIで示されるようにヒドロキシル基の1,3-移動および二重結合の内部移動に相当する。
Figure 0004377234
式中R1〜R5基はそれぞれ水素または置換されていてもよいモノ-またはポリ不飽和または飽和C1〜C12-アルキル基である。
ゲラニオール(2-トランス-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-8-オール)、ネロール(2-シス-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン-8-オール)および2-リナロオール(3,7-ジメチル-1,6-オクタジエン-3-オール)は芳香剤産業における重要な化合物である。これらは芳香剤として直接使用されるか、または他の化合物と反応させることで高分子量の芳香剤に変換される。これらのテルペンアルコールは、ビタミンEやビタミンAなどのビタミンの合成におけるC10基本成分としても重要である。
酸を用いてのアリルアルコールの異性化反応は最初は触媒として酸を用いて行なわれていた。しかしながら、この方法は、例えば脱水あるいは環化などの副反応により支配されるのでその価値は限られたものにすぎなかった。
反応体アリルアルコールの生成体アリルアルコールへの異性化、特にゲラニオールもしくはネロールまたはゲラニオール/ネロール混合物のリナロオールへの異性化については先行技術ではバッチ式方法が記載されている。
DE 25 16 698にはゲラニオールおよび/またはネロールのリナロオールへのバッチ式転位方法が記載されており、この方法では反応体が最初に仕込まれ、触媒が加えられ、そうして平衡が達成され、そのあと生成したリナロオールが反応混合物から蒸留分離される。
この方法の欠点の1つは、蒸留ボトム中に発生する高沸物を除去するために、また新鮮な触媒を計量投入するために転位反応を極めて頻繁に中断しなければならないことである。
この複雑なバッチ式の不連続反応制御のため、反応時間が長くなり、また工業規模としての収率も不満足なものである。
加えて、先行技術に記載されているいずれの方法も、精製により副生成物が取り除かれ、単離された反応体のアリルアルコールから出発する。
リナロオールの調製を、例えばシトラールの水素化から得られるネロールおよび/またはゲラニオールから直接出発する場合は、シトラールの水素化で得られる副生成物もまた反応制御において考慮されなければならない。この副生成物分布はリナロオールへの転位に対して影響を及ぼす。
バッチ方式でのシトラールの水素化は、例えばEP 71787に記載されている。
本発明の目的は、第一にバッチ式方法の欠点をもたない、そして第二に、精製によって副生成物が除去されていない反応物から出発しても良好な空間時間収率で経済的に実施できる方法に至る反応体アリルアルコールの生成体アリルアルコールへの異性化方法、特にゲラニオール/ネロールのリナロオールへの異性化方法を開発することである。
本発明者はこの目的が、少なくとも1種の反応体アリルアルコールまたはこれらの混合物を触媒が入っている適切な反応器の中に同時に投入することにより少なくとも1種の反応体アリルアルコールまたはこれらの混合物を連続または半連続方式で転位させて対応する生成体アリルアルコールを得ることを特徴とする次の一般式(I)で表わされる反応体アリルアルコールの一般式(II)で表わされる生成体アリルアルコールへの異性化方法により達成されることを見出した。
Figure 0004377234
式中R1〜R5はそれぞれ水素または置換されていてもよいモノ-またはポリ不飽和または飽和C1〜C12-アルキルである。
生成した生成体アリルアルコールを同時に蒸留分離するのが好ましい。
本発明の方法で有利に異性化することができる一般式(I)または(II)のアリルアルコールとしては以下が挙げられる:2-メチル-3-ブテン-2-オール、プレノール(3-メチル-2-ブテン-1-オール)、リナロオール、ネロールおよびゲラニオール、ならびにファルネソール(3,7,11-トリメチルドデカ-2,6,10-トリエン-1-オール)およびネロリドール(3,7,11-トリメチルドデカ-1,6,10-トリエン-3-オール)、特にリナロオール、ネロールおよびゲラニオール。
本発明の方法は、使用する反応体アリルアルコールがゲラニオールおよび/またはネロールであり、調製される生成体アリルアルコールが2-リナロオールである場合は特に有利である。
反応体アリルアルコールは、先行して精製や存在する副生成物の除去を行なうことなく直接前駆物質から出発して用いてもよいし、あるいは単離し精製して用いてもよい。例えば、シトラールの水素化では、リナロオールへの転位に対して影響を及ぼすある特定の副生成物分布をもつゲラニオール/ネロール混合物が得られる。
特にゲラニオール/ネロール中の以下の副生成物は、転位の実施形態に対して重要な役割を演じる。
・過水素化により生成され、水素化の転化率に応じてゲラニオール/ネロール中に1〜10%の含量で存在し得るシトロネロール。
・以下の本明細書中でイソネロール1およびイソネロール 2と呼ばれ、水素化流出物中に0.1〜5%の量で存在するトランス-およびシス-3,7-ジメチル-3,5-オクタジエンオール。
Figure 0004377234
これらの3つの化合物をゲラニオールおよびネロールから許容される程度の複雑さと費用でもって除去するのは、仮にできたとしても非常に難しい。それ故、シトラールの水素化から得られるゲラニオールおよび/またはネロールをリナロオールへ転位させることが望まれている場合は、それらもまた転位反応の中に導入せざるを得ない。
好適な触媒は、例えばDE 10046865.9に開示されているものまたはWO 00/142177に開示されているものであり、あるいは次の一般式(III)で表わされるジオキソタングステン(VI)錯体である。
Figure 0004377234
式中、
L1、L2はそれぞれ独立に、アミノアルコール類、アミノフェノール類、またはこれらの混合物の群から選択されるリガンドであり、
m、nはそれぞれ1または2である。
異性化を実施するについては、3つの変形方法がある。異性化は、必要な滞留時間を得るために、1つの反応器中で、または少なくとも3つの一組の反応器中で、あるいは反応器の中間空間に反応器ゾーンが設けられている反応搭(Lord反応器)中で行なうことができる。
本転位の実施形態に関しての重要な1つの事実は、転位は平衡反応であって、ゲラニオールおよび/またはネロールの異性化の場合は、所望生成体リナロオールはゲラニオールおよびネロールよりも低い沸点を有し、その結果それを蒸留によりその平衡から除去できることである。これにより平衡反応で新しいリナロオールが常に生成されることになる。
上記した変形方法をゲラニオールおよび/またはネロールのリナロオールへの異性化の例を用いて以下に一般的な方法で説明する。
本方法を半連続方式で行なう場合は、ゲラニオールもしくはネロールまたはゲラニオール/ネロール混合物を蒸留搭が付設された反応器の中に最初に仕込む。次に触媒を計量投入し、生成するリナロオールの蒸留分離を開始する。同時に、さらなるゲラニオールもしくはネロールまたはゲラニオール/ネロール混合物を計量投入し、反応器中のそのレベルを一定に保つ。この方法の間、さらなる触媒を連続的または不連続的に加えて触媒の部分的不活化に対処することもできる。
用いる出発ゲラニオールおよび/またはネロール混合物が直接シトラールの水素化から得られるゲラニオールまたはネロールである場合は、リナロオールよりも高い沸点を有する副生成物がセミバッチ式反応の過程で反応器中にどんどん蓄積する。これは当然、所望の反応すなわちゲラニオールまたはネロールのリナロオールへの転位に利用可能な反応器容量の割合をどんどん小さくし、これは時間の経過とともにリナロオールの生成速度を低下させる。
反応器中に副生成物が蓄積した結果リナロオールの生成速度があまりにも小さくなる場合は、ゲラニオールもしくはネロールまたはゲラニオール/ネロール混合物の計量投入を停止し、さらなるリナロオールを蒸留分離して反応器中になお存在するゲラニオールおよびネロールの実質的に全部をリナロオールに変換させる。この時点では、反応器には、ごく少量のリナロオール、ゲラニオールおよびネロールのほかに、上記した副生成物、触媒、および反応の間に生成した高沸物が含まれている。シトロネロール、イソネロール1およびイソネロール2の副生成物を今度は高沸物および触媒から蒸留分離する。
残っている蒸留ボトムは廃棄するか、あるいは、そこに存在する触媒がなお十分に活性である場合は、蒸留ボトムは次のバッチでもう一度再使用することもできる。触媒は、例えば結晶化により蒸留ボトムから分離することもでき、そのようにして得られた触媒は再び使用される。
シトロネロール、イソネロール1およびイソネロール2の副生成物はこのようにして分離することができ、そのあと有価物のロスを生じることなく単離することができ、場合によってはさらなる用途に供給することもできる。
存在するとしても少量の上記したシトロネロール、イソネロール1およびイソネロール2の副生成物だけ、ならびにゲラニオールまたはネロールから分離するのが難しいさらなる副生成物を含有するゲラニオールもしくはネロールまたはゲラニオール/ネロール混合物を本反応で使用する場合は、供給原料を計量投入しリナロオールを蒸留分離する時間長さは、単位時間当たりより少ない副生成物が蒸留ボトム中に蓄積するので非常に長くすることができる。触媒の活性が失活の結果ひどく低下する場合はさらなる触媒を計量投入することが推奨される。
セミバッチ反応の終点では副生成物の除去を無しで済ませることも可能である。
本方法は、ゲラニオールまたはネロールから分離するのが難しい他の副生成物を含有するゲラニオールもしくはネロールまたはゲラニオール/ネロール混合物の転位にも極めて好適である。
完全連続式方法形体においては、触媒およびゲラニオールもしくはネロールまたはゲラニオールおよびネロールの混合物が連続式反応器の中に同時かつ連続的に計量投入され、生成するリナロオールが連続的に蒸留分離される。加えて、同じように反応器内容物の分別量を連続的に抜き出し、この分別中にまだ存在するゲラニオール、ネロールおよびリナロオールの有価物を反応中に生成した高沸物から例えば単蒸留によりあるいは搭を用いる蒸留により分離することで高沸物が排出される。不揮発性の触媒は廃棄工程に供給される高沸物中にそのまま残しておくか、またはそれを冷却することにより高沸物から析出させ、分離し、もう一度再使用することができる。蒸留分離された有価物は反応器の中に戻される。
この方法は、高沸物を排出するためあるいは触媒を加えるために反応を中断しなければならないということなしにゲラニオールまたはネロールまたはゲラニオールおよびネロールの混合物のリナロオールへの完全連続式転位を可能とする。
連続式および半連続式方法のいずれも温度は130〜220℃、好ましくは150〜200℃で大気圧か減圧下で行なわれる。リナロオールの沸点より明らかに低い反応温度においては、リナロオールを反応器外へ蒸留分離するのを可能とするために反応を減圧下で行うことが推奨される。
異性化は、直列で一列に連結された複数の反応器から構成されるプラントで行なうこともできる。用いる反応器の数は通常2〜10、好ましくは2〜5であり、3つの反応器を用いるのが特に好ましい。
1つ目の反応器では、ゲラニオールおよび/またはネロールならびに触媒が計量投入され、圧力60〜1000ミリバール、温度150〜200℃で部分的に異性化される。この部分的に変換された混合物は2つ目の反応器の中にポンプで送られ、その中でゲラニオールおよびネロールについての完全変換が行なわれる。2つ目の反応器における完全変換は、1つ目の反応器および2つ目の反応器それぞれから蒸気の流れを抜き出すことで可能となる。この2つの蒸気の流れは合わせられ、1つ目の反応器の搭中で精留される。分離される搭頂生成物はリナロオール、低沸物および水からなり、ゲラニオール/ネロールは1つ目の反応器の中にリサイクルされる。3つ目の反応器には低沸物および触媒ならびに場合によってはシトロネロールおよびイソネロールが含まれている。シトロネロールおよびイソネロールは、場合によっては3つ目の反応器の搭で搭頂生成物として一緒に分離される。3つ目の反応器の底部からは連続した液体の流れが取り出され、蒸発器中で高沸物および触媒からシトロネロールがイソネロールと一緒に分離される。高沸物および触媒は廃棄される。蒸発器からのシトロネロールおよびイソネロールは3つ目の反応器の底部にリサイクルされる。
いずれの方法においても好適な反応器は管型反応器あるいは内部構造物が配置されている遅れ時間型容器[delay time vessels]などの非バックミックス型反応器であるが、好ましくは撹拌型タンク、ループ型反応器、ジェットループ型反応器またはジェットノズル型反応器などのバックミックス型反応器とする。しかしながら、直列に連結されたバックミックス型反応器と非バックミックス型反応器の組み合せも用いることができる。
複数の反応器を場合によっては多段装置の中で組み合せることもできる。そのような反応器は、例えば、シーブトレイが装填されたループ型反応器、直列に連なった容器、中間供給部のある管型反応器または撹拌型搭である。個々の反応器の全てまたは一部に熱交換器を付けることが推奨される。反応器の中では、反応体の良好な混合を確実に行なわなければならず、これは、例えば、場合によってはスタティックミキサーまたはミキシングノズルによる処理と組み合せた撹拌またはポンプ循環により行なうことができる。
反応器の容量は、反応器における反応混合物の平均滞留時間が5分〜8時間、特に10分〜5時間となるようにすべきである。およそ同じ容量の反応器で運転を行なうのが特に有利であるが、原理的には異なる容量の反応器を用いることもできる。
反応器中の温度は通常150〜200℃である。
反応器中の圧力は臨界的ではないが、反応器の内容物が実質的に液体のままであるように十分高いものでなければならない。これは普通圧力が1バール〜40バールであることを必要とする。圧力は有利には1〜6バールである。
もう1つの変形方法では、異性化をLord反応器(混合が行なわれる液体空間と非常に小さい圧力降下が特徴)が取り付けられた蒸留搭で行なうことができる。
Lord反応器は、少なくとも2つのチャンバーが1つの上に他の1つが縦方向に配置されていることを特徴とし、チャンバーは液体密封式トレイにより互いから分離されており、各チャンバーは直ぐ下のチャンバーとそれぞれの場合1つの液体の溢流[overflow]により連結されており、この液体溢流を介して一番下のチャンバーから液体生成物の流れが取り出され、それぞれのチャンバーの中の液面の上にあるガス空間は直ぐ上に配置されているチャンバーにそれぞれの場合1つ以上の案内管により連結されており、この案内管は、液面の下でガスが出て行くための穴を有しているガス分配器[gas distributor]の中にそれぞれが開口しており、かつそれぞれの案内管は各ガス分配器の周りに少なくとも1枚の垂直に並べられた、上部末端が液面の下で終わり下部末端がチャンバーの液体密封トレイの上で終わりかつそれぞれのチャンバーをガスの流れを有している1つ以上のチャンバーとガスの流れを有していない1つ以上のチャンバーとに分ける案内板を有している。
触媒溶液は、1つの上に他の1つが配置される複数のLord反応器から構成される装置の上部分離セクションとその下の反応ゾーンの間に在る搭トレイ上に導入される。
触媒の計量投入点の上には分離セクションが配置されており、この中で流れ[stream]のリナロオール・低沸物・水への分離と、ゲラニオール・ネロール・場合によってはシトロネロールとイソネロールへの分離が行なわれる。触媒計量投入点の下では、触媒が反応ゾーンの中に流れ込む。一番下の反応チャンバー、すなわち底部の直ぐ上では、ほぼ全部のゲラニオール/ネロールが異性化で消費されてしまっているべきである。存在しているシトロネロールおよびイソネロールはサイドストリームを抜き出すことによりここで一部分離されるべきである。底部内容物のある割合は蒸発器に連続的に導かれる。蒸発できない高沸物は一部が底部から触媒と一緒に廃棄され、一部が新しいゲラニオール/ネロールにリサイクルされる。蒸発器からの蒸発可能な蒸留ボトムの構成成分は、存在する場合は主にシトロネロールおよびイソネロールから構成され、蒸留ボトム中にリサイクルされる。
以下実施例により本発明の方法を詳細に説明するが、これらは本発明をそれらに限定するものではない。
連続式方法
実施例1
蒸留搭が付設されている1.6Lの撹拌型反応器に、最初にゲラニオールの含有量が69.5%でありネロールの含有量が29.5%であるゲラニオール/ネロール混合物825gを仕込み、160℃に加熱し、132〜135ミリバールの真空をかけた。次にオキソジペルオキソタングステン溶液(タングステン酸1.29gを30%過酸化水素3.86g中に40℃で6時間かけて溶解させることで調製した)5.14gとメタノール26.3g中8-ヒドロキシキノリン2.63g溶液の混合物を加えた。同時に、最初に触媒溶媒の、そのあと生成したリナロオールの蒸留搭による蒸留分離を開始した。この目的のためには、頂部から抜き出されるリナロオールの量を、リフラックス分配器[reflux divider]を用いて搭の頂部温度で制御した。頂部温度133.8℃で、リナロオール含有量が約98%のリナロオールが1時間当たり110g連続的に蒸留分離された。同時に、液面制御の下でほば同じ量(112g/時間)のゲラニオール/ネロール混合物と、上記した30%過酸化水素中タングステン酸溶液とメタノール中8-ヒドロキシキノリン溶液の混合物1g/時間を同じように連続的に計量投入した。加えて、反応混合物110g/時間から薄膜型蒸発器を用いて高沸物を同じように連続的に分離した。薄膜型蒸発器の頂部流出物107g/時間は実質的にゲラニオール、ネロールおよびリナロオールから構成され、反応器中に戻された。薄膜型蒸発器の底部流出物(3g/時間)は少量のゲラニオール、ネロールおよびリナロオールならびに反応器中で生成した高沸物および触媒の一部をなお含有していたが、これは捨てた。
実施例2と3
供給原料として純粋なゲラニオールと純粋なネロールを用いて反応を全く同じようにして行ない、供給原料としてゲラニオール/ネロール混合物を用いた場合の結果と同じ結果が得られた。
半連続式方法
実施例4
蒸留搭が付設されている1.6Lの撹拌型反応器に、シトラールをバッチ式で水素化することで得た、ゲラニオールの含有量が72%、ネロールの含有量が21%、シトロネロールの含有量が2%、イソネロール1の含有量が2%、イソネロール2の含有量が1%であるゲラニオール/ネロール混合物800gを最初に仕込み、160℃に加熱し、132〜135ミリバールの真空をかけた。次にオキソジペルオキソタングステン溶液(タングステン酸1.29gを30%過酸化水素3.86g中に40℃で6時間かけて溶解させることで調製した)5.14gとメタノール26.3g中8-ヒドロキシキノリン2.63g溶液の混合物を加えた。同時に、最初に触媒溶媒の、そのあと生成したリナロオールの蒸留分離を開始した。この目的のためには、頂部から抜き出されるリナロオールの量を、リフラックス分配器[reflux divider]を用いて搭の頂部温度(この実験では133.8℃に保った)で制御した。同時に、液面制御下で、リナロオールが蒸留分離されるのとほば同じ量の上記した組成のゲラニオール/ネロール混合物を同じように連続的に計量投入した。計量投入が停止されるまでの運転時間は79時間であった。最初に仕込んだゲラニオール/ネロール混合物に加えて、さらなるゲラニオール/ネロール混合物6305gを連続的に計量投入し、30時間の運転時間の後、上記したのと同じ量の触媒溶液をもう一度計量投入した。ゲラニオール/ネロールの計量投入が停止された後は、リナロオールがもはや蒸留分離されなくなるまで蒸留を続けた。蒸留分離されたリナロオールの総量は98%リナロオール6570gであった。このあと真空を120〜80ミリバールに減じ、混合物289gが蒸留分離されたが、これはシトロネロール41%、イソネロール1 28%、イソネロール2 18%、およびリナロオール4%を含有していた。この蒸留の後、蒸留ボトム177gが残ったが、これは捨てた。
実施例5
実施例1の転位を、供給原料として、ゲラニオール45%、ネロール50%、シトロネロール4%、イソネロール1および2 0.6%の混合物を用いて同様にして行なった。
実施例6
実施例1の転位を、供給原料として、ゲラニオール96%、ネロール0.2%、シトロネロール0.1%、イソネロール1および2 3.9%の混合物を用いて同様にして行なった。
実施例7
実施例1の転位を、供給原料として、ゲラニオール99%の混合物を用いて同様にして行なった。
実施例8
実施例1の転位を、供給原料として、ネロール99%の混合物を用いて同様にして行なった。
実施例7および8では、単位時間当たりより少ない副生成物が蒸留ボトム中に蓄積するので、供給原料を計量投入して得られたリナロオールを蒸留分離する時間長さは、実施例1に比較して倍となった。80時間の後、また115時間の後、触媒をもう一度計量投入した。加えて、セミバッチ式反応の終点における副生成物の分離はなしで済ませた。

Claims (11)

  1. 次の一般式(I)で表わされる反応体アリルアルコールの一般式(II)で表わされる生成体アリルアルコールへの異性化方法であって、
    Figure 0004377234
    [式中R1〜R5はそれぞれ水素または置換されていてもよいモノ-またはポリ不飽和または飽和C1〜C12-アルキルである]
    少なくとも1種の反応体アリルアルコールまたはその混合物を、次の一般式(III)
    Figure 0004377234
    [式中、
    L 1 、L 2 はそれぞれ独立にアミノアルコール類、アミノフェノール類およびこれらの混合物の群から選択されるリガンドであり、
    m、nはそれぞれ1または2の数である]
    で表わされるジオキソタングステン(VI)錯体の1つまたは異なるジオキソタングステン(VI)錯体の混合物である触媒が入っている適切な反応器中に同時に計量投入することにより少なくとも1種の反応体アリルアルコールまたはその混合物を半連続方式で転位させて対応する生成体アリルアルコールを得ることを特徴とする上記方法。
  2. 前記生成する生成体アリルアルコールを同時に蒸留分離する請求項1に記載の方法。
  3. 前記用いる反応体アリルアルコールがゲラニオール、ネロールまたはそれらの混合物である請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記ゲラニオールおよび/またはネロールが直接シトラールの水素化から用いられる請求項3に記載の方法。
  5. 前記ゲラニオール/ネロールが1〜10%のシトロネロール含有量を有する請求項3または4に記載の方法。
  6. 前記ゲラニオール/ネロールが0.1〜5%のトランス-およびシス-3,7-ジメチル-3,5-オクタジエンオール含有量を有している請求項3〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記異性化を撹拌型タンク中で行なう請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記異性化を一組の反応器中で行なう請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記異性化を反応搭(Lord反応器)中で行なう請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  10. 130〜220℃の温度で行なわれる請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記取り出される副生成物中に存在する触媒を単離し、場合によっては再使用する請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
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