JP2003511068A - Pnaを使用した遺伝子選択 - Google Patents

Pnaを使用した遺伝子選択

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ニールセン,ペーテル・イー
ショウ,カルステン
ウィッセンバッハ,マルギット
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パンセコ・アクティーゼルスカブ
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、感染性微生物、特に細菌と戦うときに使用するための新規医薬品に関する。より詳細には、増強された抗感染特性を備えた新規ペプチド核酸(PNA)分子を入手するために陽イオンペプチド類をPNAへ接合させることによって修飾されたペプチド核酸(PNA)配列に関する。PNA配列は、抗感染療法を開発するために、例えば大腸菌のような微生物中の1種以上の標的遺伝子を同定するための方法で使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、感染性微生物、特に細菌と戦うときに使用するための新規医薬品に
関する。より詳細には、本発明は微生物と戦うときに有効であるように選択され
、増強された抗感染特性を備えた新規PNA分子を入手するために修飾されたペ
プチド核酸(PNA)配列に関する。
【0002】 [発明の背景] 1940年代にペニシリンが発見されて以降、ますます多くの新規医薬品が探
求されてきた。多数の医薬品もしくは抗生物質は、既に存在する医薬品から発見
または開発されてきた。しかし、年月を重ねるにつれて細菌の多くの菌株は、以
前には有効な医薬品であった現在入手可能な1種以上の医薬品に対して耐性を持
つようになってきた。臨床医が現在使用している抗生物質の数は100以上であ
る。
【0003】 大多数の抗生物質は、天然微生物集団の産物であり、これらの集団において発
見された耐性特性は種間で広まる可能性があり、農業および医学で使用される抗
生物質からの選択的圧力下で病原体によって獲得されてきたと思われる(Dav
is、1994)。抗生物質耐性は、抗生物質を化学的に変化させる、もしくは
変性させる酵素をコードする細菌含有遺伝子内で引き起こされる可能性がある。
もう1つの可能性は、細菌が細胞壁を抗生物質に対して不浸透性にする酵素をコ
ードする、またはそれらがそれらの作用を発揮できる前に細胞から抗生物質を追
い出す流出ポンプをコードすることである(Levy、1998)。
【0004】 抗生物質耐性病原菌の出現のために、新規治療戦術に対しては継続的な必要が
ある。耐性遺伝子によって惹起される問題を回避するための1つの戦術は、それ
に対して特異的耐性特性が存在しない新規の化学クラスから抗感染薬を開発する
ことである。
【0005】 アンチセンス物質は、疾患と戦うときの新規戦術、並びにドラッグデザインに
おいて新規化学クラスを使用する機会を提供する。
【0006】 オリゴヌクレオチド類は数種の方法で天然DNAおよびRNAと相互作用する
ことができる。これらの方法の1つは、オリゴヌクレオチドと一本鎖核酸との間
の二重鎖形成である。もう1つは、三重鎖構造を形成するためにオリゴヌクレオ
チドと二本鎖DNAとの間の三重鎖構成である。
【0007】 これまでに基礎研究から得られた結果は前途有望であり、さらにウイルスおよ
び疾患惹起するヒト遺伝子に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド医薬調製物
は臨床試験を通して進展しつつある。細菌遺伝子の効果的なアンチセンス阻害も
また幅広い用途を有しているであろうと思われるが、しかし細菌に対してアンチ
センステクノロジーを拡大しようとする試みは、これまでほとんど行われていな
い。
【0008】 ペプチド核酸(PNA)は、一定事項においてはオリゴヌクレオチド類および
それらのアナログと類似であり、従ってDNAおよびRNAに似ている可能性が
ある。PNAにおいては、オリゴヌクレオチド類のデオキシリボース骨格は擬ペ
プチド骨格に取って代わられている(Nielsenら、1991)(図1)。
各サブユニット、もしくはモノマーはこの骨格に付着した天然型または非天然型
核酸塩基を有している。そのような骨格の1つは、アミド結合を通して連結され
たN−(2−アミノエチル)グリシンの反復単位から構成されている。PNAは
ワトソンクリック(WatsonおよびCrick)塩基対合およびへリックス
構造を通して相補的核酸とハイブリダイズする(Egholmら、1993)。
擬ペプチド骨格は、優れたハイブリダイゼーション特性(Egholmら、19
93)、酵素による分解への抵抗性(Demidovら、1994)および様々
な化学修飾へのアクセス(接近)(NielsenおよびHaaima、199
7)を提供する。
【0009】 PNAは、DNAおよびRNAの両方と結合してPNA/DNAまたはPNA
/RNA二重鎖を形成する。結果として生じたPNA/DNAまたはPNA/R
NA二重鎖はTmによって決定されるような対応するDNA/DNAまたはDN
A/RNA二重鎖より大きな親和性で結合している。この高い熱安定性の理由は
、おそらくPNAにおける中性骨格を原因とする電荷反発の欠如にあると思われ
る。親和性の増加に加えて、PNAはさらにまた高い特異性でDNAに結合する
ことが証明されている。PNA/DNA二重ミスマッチがDNA/DNA二重鎖
に比較して融解しているときには、Tmにおける8〜20℃の低下が見られる。
【0010】 さらにその上、ホモピリミジンPNAオリゴマーはDNAもしくはRNAオリ
ゴマー内の配列相補的標的と一緒に極めて安定性のPNA2−DNA三重鎖を形
成する。最後に、PNAはヘリックス侵入によって二本鎖DNAもしくはRNA
に結合する可能性がある。
【0011】 オリゴヌクレオチド類と比較したPNAの長所は、それらのポリアミド骨格(
適切な核酸塩基類またはそれらに付着した他の側鎖基を有する)はヌクレアーゼ
類またはプロテアーゼ類のどちらかによって認識され、分割されないことである
。その結果として、PNAは核酸およびペプチドとは相違して酵素による分解に
対して抵抗性である。
【0012】 アンチセンス適用のために、標的結合PNAはDNAおよびRNAポリメラー
ゼ類、逆転写、テロメラーゼおよびリボソーム類(Hanveyら1992;K
nudsenら、1996;GoodおよびNielsen、1998)等の立
体障害を惹起することができる。
【0013】 アンチセンス物質を使用するときの一般的困難は細胞取り込みである。取り込
みを改良するための様々な戦術は想定することができ、脂質(Lewisら、1
996)、カプセル化(Meyerら、1998)および担体戦術(Nyceお
よびMetzger 1997;Poogaら、1998)を使用した真核細胞
内への取り込み改良についての報告書がある。
【0014】 WO第99/05302号はPNAおよび輸送体ペプチドからなるPNAコン
ジュゲートを開示しており、そのペプチドは脂質膜を貫通する輸送のためおよび
PNAを細胞内ポリヌクレオチド類と相互作用的に接触するように送達するため
に使用できる。
【0015】 米国特許第A−5,777,078号は、標的細胞を認識して細菌外毒素のよ
うな孔形成物質に連結される送達物質を備える孔形成化合物を開示している。こ
の化合物は例えばPNAのような薬剤と一緒に投与される。
【0016】 微生物に対するアンチセンス物質として、PNAはユニークな長所を有してい
る可能性がある。細菌適用のためのPNAを基剤とするアンチセンス物質は、大
腸菌rRNAおよびmRNAを標的とする場合は細胞増殖および増殖表現型を制
御することができる(GoodおよびNielsen、1998a、bおよびW
O第99/13893号)。
【0017】 しかし、これらの開示はいずれも高度に有効なPNA配列を入手する方法を考
察してはいない。
【0018】 さらにその上、細菌適用のためには細菌が異物分子に対して厳しい障壁を有し
ており、核酸塩基を含有するアンチセンスオリゴマーは効果的取り込みのために
は大き過ぎると思われるので、不良な取り込みが予想される。GoodおよびN
ielsen(1998a、b)が入手した結果は、PNAオリゴマーが脂質二
重層を貫通する受動的拡散によって細菌細胞内に不良にしか入り込めないことを
示している。
【0019】 米国特許第A−5,834,430号は、増強剤、例えば抗生物質を増強させ
るときの短い陽イオンペプチド類の使用を開示している。この物質と抗生物質は
同時投与される。
【0020】 WO第96/11205号はPNAコンジュゲートを開示しているが、このと
き共役結合部分はPNAを機能的にするためにPNAの骨格の末端または非末端
部分に置くことができる。共役結合部分はレポーター酵素もしくは分子、ステロ
イド類、炭水化物、テルペン類、ペプチド類、タンパク質類等であってよい。コ
ンジュゲートの特性は特に細胞膜を貫通するための改良された移動特性を有して
いる可能性があることが示唆されている。しかし、WO第96/11205号は
細菌膜を貫通するコンジュゲートを開示してはいない。
【0021】 WO第98/52614号は、生体膜、例えば細菌細胞壁を貫通する輸送を増
強する方法を開示している。この特許公開に従うと例えばPNAのような生物学
的に活性な物質は膜貫通輸送を増強するために輸送体ポリマーへ共役結合させる
ことができる。輸送体ポリマーは6〜25サブユニットから構成され、少なくと
もそれの50%はグアニジノもしくはアミジノ側鎖部分を含有しており、さらに
このとき少なくとも6個の隣接サブユニットはグアニジノおよび/またはアミジ
ノ側鎖を含有している。好ましい輸送体ポリマーは9個のアルギニンを含有する
ポリペプチドである。しかし、WO第98/52614号は細菌遺伝子を標的と
する可能性のあるPNA配列を開示していない。
【0022】 従って、これまでに入手されたPNAテクノロジーの使用における前途有望な
結果にもかかわらず、微生物と戦うときに有効である新規のPNAアンチセンス
薬を開発する大きな必要がある。
【0023】 [発明の概要] 本発明は、細菌と戦うための新規戦術に関する。これまでに、アンチセンスP
NAが細菌の増殖を阻害できることは証明されている。しかし、細菌細胞壁を貫
通するPNAの緩徐な拡散が効果の低い標的配列と結び付き、抗生物質としての
PNAの実用的な適用はこれまで可能ではなかった。本発明によれば、許容濃度
での実用的な適用は、標的として1種以上の正確な遺伝子を選択し、さらにその
ような1種以上の遺伝子を標的とするPNA配列と細胞膜を貫通する輸送効率を
増強するペプチドもしくはペプチド様配列とを結合することによって達成できる
可能性がある。
【0024】 本発明の第1態様では、本発明は微生物と戦うときに使用できる特定の有用な
アンチセンスPNA配列を同定する方法に関する。
【0025】 従って、本発明は、抗感染治療のための基礎となりうるある微生物中の1種以
上の標的遺伝子を同定する方法に関し、 a)微生物中に存在することが知られている潜在的標的遺伝子を選択するステ
ップと、 b)選択した潜在的標的遺伝子各々に対する1種以上の相補的(アンチセンス
)PNA配列を入手するステップと、 c)増殖培地中で1種以上のアンチセンスPNA配列を個別にもしくは微生物
と結合して混合するステップと、 d)アンチセンスPNAの存在下および非存在下でその微生物の増殖をモニタ
リングするステップと、 e)標的遺伝子を、対応するアンチセンスPNAによるそれの遮断がアンチセ
ンスPNAの非存在下での増殖と比較してその微生物の制限された増殖を生じさ
せる遺伝子として同定するステップと を含む。
【0026】 ある好ましい実施形態では、本方法は活性増強部分に連結されたPNA配列の
使用を備える。より好ましくは、活性増強部分は、例えばその微生物の細胞壁を
貫通するPNAの横断を増強することによる、その微生物中の遺伝子標的へのP
NAの接近を増強するペプチドである。
【0027】 驚くべきことに、陽イオンペプチドを組み込むことによって抗感染作用の増強
を観察できることが発見されている。そのような修正PNA分子の重要な特徴は
正荷電の脂肪親和性アミノ酸またはアミノ酸アナログを備えるパターンであると
思われる。抗感染作用は、PNA配列に関連したペプチドの様々な配向とともに
所見される。
【0028】 ある好ましい方法では、ペプチドは(Lys−Phe−Phe)3である。
【0029】 本発明の別の態様は、ある微生物中の標的遺伝子の少なくとも1部分に対して
相補的(アンチセンス)であるPNA配列を備えるPNA分子に関するが、その
標的遺伝子は上記の本発明の第1態様で定義された方法に従って同定可能である
【0030】 RNA分子はさらにまた、陽イオンペプチドのような活性増強部分を備えるこ
とができる。
【0031】 さらにまた本発明の別の態様では、PNA分子は感染性疾患の治療もしくは予
防のためまたは非生物的物体を消毒するための薬剤の製造において使用される。
【0032】 さらに別の態様では、本発明は感染性疾患の治療もしくは予防のためまたは非
生物的物体を消毒するための組成物に関する。
【0033】 さらに別の態様では、本発明は感染性疾患の治療もしくは予防のためまたは非
生物的物体を治療することに関する。
【0034】 [発明の詳細な説明] アンチセンスPNAは遺伝子および配列特異的に細菌遺伝子発現を阻害するこ
とができる(GoodおよびNielsen 1998a、bおよびWO第99
/13893号)。このアプローチは機能的ゲノミクスのためのツールとしてお
よび新規抗菌薬の源として実用的であることを証明できる。しかし、標準的PN
Aを改良するためにはアンチセンス効力を増加させる必要がある。活性について
の1つの限界は正確な標的遺伝子の選択であると思われる。もう1つの限界は細
胞侵入である。細胞は分子量の大きい異物化合物の侵入を排除し、さらにインビ
トロおよび細胞アッセイについての以前の結果は細胞障壁がアンチセンス作用を
制限することを示していると思われる。従って、本発明は標的遺伝子を選択して
アンチセンス効力の活性を改善する戦術に関する。
【0035】 理論に縛られなくとも、短い陽イオンペプチドは細菌細胞壁を貫通するPNA
取り込みの改善をもたらす可能性があると考えられる。短いペプチドは細胞壁に
浸透することによって機能し、例えばゲノム、mRNAs、リボソーム等のよう
な細胞内部の構造へ接近するために修正PNA分子が細胞壁および膜を横断する
ことを可能にすると考えられている。しかし、核酸標的への接近可能性の改善ま
たはPNAの結合の改善もまた観察された総合的作用に付け加わる可能性がある
【0036】 しかし、接近可能性の改善は効果的な抗感染性PNA分子を提供するには不十
分である。高度に重要な特徴は正確なPNA配列への接近であり、これは宿主微
生物の増殖のために不可欠である遺伝子標的の同定に左右される。
【0037】 本発明に従うと、PNA分子を合成することができ、その分子はナノモル濃度
で細菌遺伝子の特異的かつ効果的阻害に使用することができる。この濃度でのア
ンチセンス効力はテクノロジーの実用化と一致している。従って、本発明は患者
にとっても容認可能である効果的濃度でPNAを投与することを可能にした。
【0038】 従って、本発明は、抗感染治療のための基礎となることができる、ある微生物
中の1種以上の標的遺伝子を同定する方法に関し、 a)微生物中に存在することが知られている潜在的標的遺伝子を選択するステ
ップと、 b)選択した潜在的標的遺伝子各々に対する1種以上の相補的(アンチセンス
)PNA配列を入手するステップと、 c)増殖培地中で1種以上のアンチセンスPNA配列を個別にもしくは微生物
と結合して混合するステップと、 d)アンチセンスPNAの存在下および非存在下でその微生物の増殖をモニタ
リングするステップと、 e)標的遺伝子を、対応するアンチセンスPNAによるそれの遮断がアンチセ
ンスPNAの非存在下での増殖と比較してその微生物の制限された増殖を生じさ
せる遺伝子として同定するステップと を含む。
【0039】 潜在的遺伝子標的の選択および結果として生じるPNA構成体の試験は、微生
物中の遺伝子標的の選択の例として大腸菌を用いて実施されてきた。しかし、他
のあらゆる微生物、特に細菌群にこの原理を適用できることは明白である。
【0040】 微生物の大腸菌K12株MG1655はエール大学(コネチカット州、米国)
の大腸菌遺伝材料センターから入手された。この微生物のゲノムは完全に配列決
定されており、計4,639,221bp(塩基対)および4,289個のオー
プンリーディングフレームを含んでいる。
【0041】 潜在的標的遺伝子は、Genbankで完全大腸菌ゲノムから取り出された。
12塩基の長さを備える標的配列は各オープン・リーディング・フレームの開始
コドン領域の周囲から選択された。細菌ゲノムおよびヒトゲノム中の相同遺伝子
および標的配列の存在はNCBI(Genbank,National Cen
ter for Biothechnology Information:全
米バイオテクノロジー情報センター)www BLASTサーバーでBLAST 2.0プログラムを使用することによって解析された。
【0042】 本発明のまた別の態様では、標的遺伝子は例えば細菌のような微生物の増殖を
阻害するために使用できる化合物を同定するために使用することができる。
【0043】 選択基準の定義 潜在的遺伝子標的を選択する場合には下記の一般的検討事項に従うことができ
よう。
【0044】 1.活性の範囲 広域抗生物質はしばしば詳細な診断がなくとも直ちに使用することができる。
病原菌に命中する可能性は高いが、他方では、常在微生物叢もまた影響を受ける
可能性があり、従って治療後に新規病原菌が発生する機会が増加する。これらお
よび耐性関連性の理由から、制限範囲を備えたPNA抗菌薬をデザインすること
を目標とすることが好都合な可能性がある。
【0045】 2.殺菌作用 正常免疫状態を有する患者に対しては、多くの場合に静菌性抗菌薬で十分であ
る。静的作用は、免疫系が侵入者に追いつくための、従って残りの仕事を行うた
めの時間を与える。しかし、免疫状態が弱い、または免疫抑制状態の患者のため
には静菌性作用では不十分である。このため、殺菌性PNA抗菌薬をデザインす
ることがさらに好都合である。
【0046】 3.選択的毒性 抗菌性PNA構成体は微生物標的に対して特異的でなければならない、つまり
高い配列特異性を有していなければならない。
【0047】 細菌生理学に関する知識に基づき、本発明者らは潜在的遺伝子標的の評価の焦
点を下記の3種の主要プロセス複合体に集中してきた。 細胞壁合成、 タンパク質合成(翻訳)、および 核酸合成
【0048】 各プロセス内の各潜在的遺伝子標的に対しては、評価中に下記の4つのポイン
トを取り扱う。 その遺伝子は細菌生存にとって必須でなければならない。 その遺伝子は単一コピーとしてのみ発生しなければならない。 その微生物は標的のノックアウトに対して補償できる生理学的経路を有してい
てはならない。 標的遺伝子配列はヒトゲノムとの相同性を有していてはならない。
【0049】 さらにもう1つの検討事項は、一部の生理学的プロセスは主として細胞を分割
するときに活性であるが、他のプロセスは非分割状況下で同様に機能する点にあ
る。本発明者らは両方の群から標的を選択する方法を示した。
【0050】 1.細胞壁生合成 細胞壁生合成における抗生物質に対する標的領域は、グラム陰性菌では単一層
およびグラム陽性菌では多膜層であるペプチドグリカン層、いわゆるムレイン球
形嚢の重合である。これらの標的は細胞壁の少ない細菌(マイコプラズマ種)に
おいては存在せず、非浸透性壁を有する細菌(マイコバクテリア)においてはほ
とんど接近不能である。一部の細菌細胞壁生合成においては一部の化合物は標的
に接近不能であり、例えばグリコペプチドであるバンコマイシンはグラム陰性菌
の壁に浸透することができない。
【0051】 細胞壁生合成が妨害される場合は、標的は細胞を分割することにのみ有効であ
る。さらに、その作用は細胞溶解をもたらすムレイン加水分解酵素の引続いての
活性化に左右される。さらにその上、さもないと細胞壁の少ないL形が形成され
るので、低浸透圧培地が必要とされる。
【0052】 細胞壁生合成における標的タンパク質は、例えばβラクタム抗菌性ペニシリン
の標的であるペニシリン結合タンパク質のPBPである。それらはムレイン球形
嚢の架橋結合の最終段階に含まれている。基質アナログとして機能するペニシリ
ンの結合によって、PBPは阻害され、さらに引続いてペプチドグリカン中間物
の蓄積によって加水分解酵素が活性化され、従ってペプチドグリカン層を加水分
解して溶解を惹起する。
【0053】 大腸菌は、高分子量PBPのPBP1a、PBP1b、PBP1c、PBP2
およびPBP3並びに7種の低分子量PBPのPBP4−7、DacD、Amp
CおよびAmpHを含む12種のPBPを有している。増殖にとって不可欠であ
ることが知られているのは高分子量PBPだけであるので、このためそれらがP
NAアンチセンスの標的として選択された。
【0054】 2.タンパク質合成(翻訳) タンパク質合成の領域における標的は、主として原核生物70Sリボソーム、
即ち30Sもしくは50Sサブユニットにおいて所見される。タンパク質生合成
は細菌増殖サイクルを通しての重要なプロセスであるので、これらの標的に打撃
を与える作用は細胞分割には左右されない。
【0055】 選択された標的、即ち翻訳開始因子、伸長因子および終結因子は天然型抗生物
質にとっての標的であるとは知られていない。
【0056】 3.核酸合成 DNAおよびRNA合成はどちらも抗生物質にとっての標的である。DNA合
成において知られている標的タンパク質はジャイレースである。ジャイレースは
細菌染色体のネガティブスーパーコイル化を触媒するトポイソメラーゼである。
この酵素が例えばキノロン系のような抗菌薬によって阻害されると、スーパーコ
イル化は発生せず、この結果として染色体を新しい細胞内に封入できなくなる。
ジャイレースは複製、転写、修復および制限において機能する。この酵素は2種
のサブユニットから構成されるが、それらはどちらもPNAの標的候補である。
【0057】 いかなる意味でも本発明を決して制限することのない上記の考察に従って、本
発明者らは例として下記のタンパク質標的を選択した。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】 標的遺伝子選択のために使用されるPNA 標的配列の選択は、その後のmRNAとPNAとの複合体の安定性に関する化
学的考察を含んでいる。
【0061】 最初は核標的遺伝子に対してAUG開始コドンを含む2つの重複配列が合成さ
れた。最適な作用のためには均衡の取れたプリン対ピリミジン比が不可欠である
。低プリン含量は低親和性を生じさせるが、他方高プリン含量はしばしばPNA
凝集を生じさせる。
【0062】 細菌取り込みを容易にするために、全PNAはカルボキシ末端に連結されたデ
カペプチドを用いて合成された。ペプチド−PNA構成体の全体構造は、例えば
KFFKFFKFFK−Ado−PNA−NH2である。その代わりに細胞壁を
貫通するPNAの輸送増強のために適切なその他のペプチド類もまた使用するこ
とができる。
【0063】 表1は、標的遺伝子選択実験のために使用されたペプチド−PNAを表わして
いる(開始コドンは強調表示されている)。
【0064】
【表3】
【0065】
【表3(つづき)】
【0066】 Kはリシン(Lys)に対する1文字コードであり、Fはフェニルアラニン(
Phe)に対する1文字コードである。A、C、GおよびTはPNA配列中の塩
基であるアデニン、シトシン、グアニンおよびチミンを意味する。
【0067】 ペプチドKFFKFFKFFKは細胞壁を貫通するPNAの輸送を増強できる
多数の可能性のあるペプチドの1つであることを強調しておく。その他のペプチ
ドは同時係属の特許出願第 号に記載されている。
【0068】 その他の潜在的標的遺伝子は抗生物質耐性遺伝子である。当業者であればそれ
らからどの遺伝子を選択すべきかが容易に分かるであろう。2つの例はβラクタ
ム系抗生物質を不活化するβラクタマーゼ類をコードする遺伝子、およびクロラ
ムフェニコールアセチルトランスフェラーゼをコードする遺伝子である。
【0069】 そのような耐性遺伝子に対するPNAは耐性細菌に対して使用することができ
よう。
【0070】 感染性疾患は極めて広範囲の細菌、ウイルス、原虫、寄生虫および節足動物に
属する微生物によって惹起され、理論的観点からは抗生物質に対して感受性もし
くは耐性であるそのような微生物における全種類のRNAに対してPNAを修飾
かつ使用することができる。
【0071】 本発明に従って治療できる微生物の例は、たとえばストレプトコッカス属、ス
タフィロコッカス属、ペプトコッカス属、バシラス属、リステリア菌、クロスト
リジウム属、プロピオン酸菌属のようなグラム陽性菌、バクテロイデス属、フゾ
バクテリウム属、エシェリキア属、クレブシエラ属、サルモネラ属、シゲラ属、
プロテウス属、シュードモナス属、ビブリオ属、レジオネラ菌、ヘモフィルス属
、ボルデテラ属、ブルセラ菌、カンピロバクター菌、ナイセリア菌、ブランハメ
ラ亜属のようなグラム陰性菌、および例えばマイコバクテリウム属、トレポネー
マ属、レプトスピラ属、ボレリア属、マイコプラズマ属、クラミジア属、リケッ
チア属およびコクシエラ属のようなグラム染色液で僅かに染色するまたは全く染
色しない微生物である。
【0072】 細菌増殖を阻害するPNAの能力は多くの方法で測定することができる。当業
者であれば容易に実施方法がわかるであろう。例として、本発明者らはNCCL
S(米臨床研究所規格委員会)ガイドラインに従った微量希釈ブロス法の使用に
よって増殖を測定することを選択した。
【0073】 1つの例は下記であろう。 細菌菌株:大腸菌 K12 MG1655 培地:無菌水を用いて希釈した10%ミュラー・ヒントンブロス。 トレイ:96ウェル型トレイ、Costar#3474、バイオテックライン
AS社製、コペンハーゲン。(トレイ表面へのPNA付着を防止する/最小限に
抑えるために超低吸着性トレイを使用する)
【0074】 予備加温した新鮮培地を用いて大腸菌の対数期培養を希釈し、各ウェル中で2
00μlの細菌培養を含有する5×105および5×104細菌/ml(培地)の
最終濃度を生じさせるために一定OD(ここでは:600nmでの光学密度)に
調整する。300nmから1,000nMの範囲内の最終濃度を生じさせるため
にウェル内の細菌培養にPNAを添加する。しかし、初期合成の数回については
我々は限られた材料という問題に直面したため、このため試験濃度の理想数より
少ない数を選択することが必要になった。トレイはロボット分析装置のPowe
rWavex、ソフトウエアKC4、Kebo.Lab(コペンハーゲン)中で攪
拌することによって37℃で16時間に渡って培養し、増殖曲線を記録するため
にインキュベーション時間中に600nmで光学密度を測定する。正確な接種サ
イズおよびインキュベーション中の細菌増殖を確認するためのコントロールとし
てPNAを含まない細菌培地を含有するウェルを使用する。汚染を検出するため
に培養を試験する。
【0075】 個々のペプチド−PNA構成体は、組成に依存しておよそ4,200から5,
000の間の分子量を有している。このため、全試験は重量/体積ベースではな
くむしろモルベースで実施した。しかし、500nMの濃度4500の構成体の
平均MWの推定は、2.25マイクログラム/mlに等しい。
【0076】 相違するペプチド−PNA構成体、例えばより大きなペプチド類および/また
はより大きなPNAを使用しなければならない場合は、それに従って分子量を計
算して使用しなければならない。
【0077】 PNA構成体の増殖阻害作用の定義 ウェル内の細菌増殖は、誘導期、即ち増殖が開始する(前)までの期間、対数
期、即ち最高増殖率を伴う期間、定常状態期、その後の死滅期によって説明され
る。これらのパラメーターは、PNAを含むおよび含まない増殖曲線を比較する
ことによって、細菌増殖にPNAが及ぼす阻害作用を評価するときに使用する。
OD測定値へのアッセイ内およびアッセイ間変動係数は各々4.5%および8%
であった。
【0078】 細菌増殖の全阻害は下記のように定義することができる。 OD(16時間)=OD(0時間)+/−8%
【0079】 ペプチドは、通常はアミノ末端もしくはカルボキシル末端を通してPNA配列
に連結されている。しかし、PNA配列はまたペプチドの内側部分へ連結させる
こともできる。好ましくは、PNA配列はペプチドのC末端へ連結させることが
できる。
【0080】 PNA分子は直接結合を通して、またはリンカーを通してペプチド部分へ結合
することができる。PNAをペプチドと結合するためには様々な連結基を使用す
ることができる。本発明のためには連結基の選択は重要ではない。しかし、PN
Aおよびペプチドの特定の組み合わせと結合すると一部の連結基が有益な可能性
がある。当業者であれば正しいリンカーを容易に選択することができるであろう
。一部の連結基については、それらの内容がこれにより参照して組み込まれるW
O第96/11205号およびWO98/52614号に記載されている。
【0081】 連結基の例は、Ado(8−アミノ−3,6−ジオキサオクタン酸)、cmc
c(システイン−4−(N−マレイミドメチル)シクロヘキサン−1−カルボン
酸)、ahex(6−アミノヘキサン酸)、4−アミノブチル酸、4−アミノシ
クロヘキシルカルボン酸、ポリエチレングリコール類およびアミノ酸類である。
これらの基はいずれも単一連結基として、または適切なリンカー群を作り出すと
きに複数の基と一緒に使用することができる。さらに、リンカー群において様々
な機能性を入手するためにあらゆる順序および数で様々な連結基を組み合わせる
ことができる。
【0082】 本発明に従った修飾PNA分子は、例えば細菌のような微生物中の少なくとも
1つの標的ヌクレオチド配列に相補的である配列のPNAオリゴマーを備える。
標的は、その細菌の増殖および/または複製のために不可欠なあらゆるRNAの
ヌクレオチド配列であってよい。あるいはまた、標的は抗生物質類に耐性である
原因となる因子をコードする遺伝子であってもよい。ある好ましい実施形態では
、標的ヌクレオチド配列の機能化は細菌の生存にとって必須であり、標的核酸の
機能化はアンチセンス方法でPNA配列によって遮断される。
【0083】 DNAまたはRNA鎖へのPNA鎖の結合は、アンチパラレル(逆平行)また
はパラレル(平行)の2種の配向の1つで発生する可能性がある。本発明で使用
するように、PNAに適用される用語の相補的はそれ自体ではパラレルまたはア
ンチパラレルの配向を特定しない。PNA/DNAおよびPNA/RNAの最も
安定した配向がアンチパラレルであることが重要である。ある好ましい実施形態
では、一本鎖RNAを標的とするPNAはアンチパラレル配向において相補的で
ある。
【0084】 本発明のまた別の好ましい実施形態では、相互に共有的に連結した2個のPN
Aオリゴマーから構成されるビスPNAは、それと一緒にPNA2−RNA(P
NA2−DNA)三重ヘリックスを形成することができるRNA(もしくはDN
A)中のホモプリン配列(アデニンおよび/またはグアニンヌクレオチドのみか
ら成る)を標的とする。
【0085】 本発明のある好ましい実施形態では、PNAは5〜20核酸塩基、特に7〜1
5核酸塩基、および最も好ましくは9〜20核酸塩基を含有する。
【0086】 ペプチド核酸については、それらの内容がこれにより参照して組み込まれるW
O第92/20702号およびWO92/20703号に記載されている。
【0087】 修飾PNA分子は最初は感受性10%培地アッセイでスクリーニングすること
ができる。陽性結果が出た場合は、その後より「現実的」環境において阻害作用
を検証するために100%培地アッセイにおいて実行する(米国のガイドライン
(NCCLS)を参照)。
【0088】 最初のスクリーニング方法の後、最初に同定したものよりいっそう良好な標的
を探索するのが有益な可能性がある。ヒットからのこの最適化は多数の形態を取
る可能性がある。1つの方法は潜在的標的であると同定された遺伝子中でより良
好な標的を探索することであろう。これは無作為試行錯誤法またはより系統的な
遺伝子歩行によって実施できる。遺伝子歩行法を使用するときの利点は、ほぼす
べての可能性が試される点である。他方、遺伝子をカバーするためには多数の構
成体が必要とされる。
【0089】 本発明に従うと、PNAのために好ましい標的を同定するために修飾PNA分
子を使用できる。例えばゲノムシークエンシングもしくはcDNAライブラリー
からの標的微生物の知られている、もしくは部分的に知られているゲノムに基づ
いて、様々なPNA配列を構成して効果的な抗感染性増強ペプチドに連結させ、
その後その抗感染活性を試験することができる。できる限り多数の微生物と共有
する、または例えばグラム陰性菌もしくはグラム陽性菌のような別個のサブセッ
トと共有する、または選択された別個の複数の微生物と共有する、または単一微
生物に対して特異的なPNA配列を選択することが有益な可能性がある。
【0090】 本発明のまた別の態様では、本発明は例えば輸送を増強するペプチド類のよう
な活性増強部分に接合されたアンチセンスPNA配列の形で静菌剤のような新規
の抗感染薬を作製するときに有用である遺伝子標的を選択する可能性を提供する
。そのようなコンジュゲートは感染性微生物の増殖または複製を阻害することに
使用するための組成物において調製することができる。ある実施形態では、微生
物の増殖の阻害は修飾PNA分子単独または抗生物質もしくは他の抗感染薬と組
み合わせてのいずれかを用いる治療を通して入手される。また別の実施形態では
、本組成物は2種以上の相違する修飾PNA分子を備える。第2修飾PNA分子
は第1修飾PNA分子と同一の細菌を標的とするため、または相違する細菌を標
的とするために使用することができる。後者の形態では、治療に対して特異的な
標的細菌の組み合わせを選択することができる。あるいはまた、標的は1種以上
の細菌に対する1種以上の抗生物質に耐性を付与する1種以上の遺伝子であって
よい。そのような治療においては、その組成物またはその治療はさらに前記抗生
物質(類)の使用を備える。
【0091】 組成物は製薬学的に容認可能な担体および/または希釈剤を含むことができる
。そのような担体および希釈剤は技術において知られている。活性組成物は、錠
剤、注射、粉末、溶液、スプレー剤、ドレッシング類等の形で投与することがで
きる。
【0092】 動物において感染性疾患を治療または予防するための調製物においては、使用
される活性修飾PNA分子の量は特定活性薬、治療すべき微生物およびその微生
物の担体に従って決定される。
【0093】 本発明のさらにまた別の態様では、本発明は例えば手術用道具類、病院在庫品
、歯科用道具類、屠殺場在庫品および道具類、酪農業在庫品および道具類、理容
および美容用道具類その他のような生物以外の物体を消毒するときに使用するた
めの修飾PNA分子の供給に関する。
【0094】 下記の実施例は本発明の単なる具体例であって、いかなる意味においても本発
明の範囲を限定すると見なすべきではない。本発明の原理は試験微生物としての
大腸菌を使用して示されている。しかし、実施例18に示されているように、有
益な作用は他の細菌に対しても同様に当てはまる。
【0095】 実施例1 一次スクリーンの説明 細菌増殖アッセイは、細菌増殖を阻害または完全に廃止させるPNAを同定す
るために設計されている。増殖阻害は標的とされた遺伝子のmRNAへのPNA
のアンチセンス結合の結果として生じる。試験化合物(PNA)は全アッセイ中
に存在する。
【0096】 構成要素 本プロトコルのための実験的細菌菌株は、大腸菌K12 MG1655(大腸
菌遺伝材料センター、エール大学、ニューヘーブン)である。増殖用培地は10
%無菌LB(Lurea Bertani)培地である。大腸菌試験細胞は、3
7℃で一晩かけてLB培地中で予備培養する(オーバーナイト培養)。スクリー
ニングは、37℃での定速振とう下で96ウェル型マイクロタイタープレート内
で実施する。 PNAは40×濃縮保存溶液としてのH2O中に溶解させる。
【0097】 アッセイ条件 オーバーナイト培養から新鮮培養(試験培養)を中対数期(OD600=107
ells/mlに対応する0.1)へ37℃で増殖させる。試験培養は10%L
B培地を用いて105〜101の範囲内で段階的に希釈する。希釈培地195μl
に40×濃縮PNA保存溶液5μlを加えたものを各試験ウェルに添加する。 96ウェル型マイクロタイタープレートを37℃での定速振とう下でマイクロ
プレート走査型分光光度計中でインキュベートする。OD600測定は3.19分
毎に自動的に実施され、同時に記録される。
【0098】 標的遺伝子 ペニシリン結合タンパク質(PBP) PBPはグラム陽性菌およびグラム陰性菌のエンベロープの一部であるムレイ
ン(ペプチドグリカン)の生合成において機能する。基質アナロゴンとして機能
するペニシリンの結合によって、PBPは阻害され、さらにその結果として加水
分解酵素がペプチドグリカン中間物の蓄積によって活性化され、従ってペプチド
グリカン層を加水分解して溶解を惹起する。
【0099】 PNAデザイン第1号 PNA #PNA26は、PBP1Aをコードする大腸菌のmrcA(pon
A)遺伝子の配列に従ってデザインされている。mrcA遺伝子の配列(アクセ
ッション番号X02164)はEMBL配列データベースから入手された(ハイ
デルベルク、ドイツ)(Broome−Smithら、1985,Eur J
Biochem 147:437−46)。mrcA遺伝子の配列は図3に示さ
れている。
【0100】 #PNA26の標的領域は下記の通りである。
【化5】 GTG開始コドン領域のコーディングおよび非コーディング(アンチセンス)鎖
の両方が示されている。 アンチセンス鎖およびPNA26のGTG開始コドン領域の配列は5’から3’
の方向で示されている。
【化6】 PNA26は10アミノ酸ペプチドへ結合した12merのPNA分子(ボール
ド体で示されている)である。
【0101】 PNA26を用いた増殖アッセイ このアッセイは下記の通りに実施した。 PNA26を1.5、2.0、2.5、3.0および3.5μMの最終濃度で
含有する105、104、103、102および101cells/mlに対応する
試験培養の希釈液を定速振とうしながら37℃で16時間インキュベートする。
増殖の全阻害は、104〜101cells/mlおよび少なくとも2.5μMの
PNA濃度を有する培養において所見できる(表2)。
【0102】 PNAデザイン第2号 PNA #PNA14はPBP2をコードするmrdA遺伝子の配列に従って
デザインされている。この配列(アクセッション番号AE000168、塩基4
051〜5952)はNCBIの大腸菌ゲノムデータベース(Genbank,
National Centre for Biothechnology I
nformation(全米バイオテクノロジー情報センター)、米国)から入
手した。
【0103】 mrdA遺伝子の配列は図4に示されている。 PNA14の標的領域は下記の通りである。
【化7】 GTG開始コドン領域のコーディング(センス)および非コーディング(アンチ
センス)鎖の両方が示されている。 下記ではアンチセンス鎖およびPNA26のATG開始コドン領域の配列が5’
から3’の配向で示されている。
【化8】 PNA14は、10アミノ酸ペプチドへ結合した12merのPNA分子(ボー
ルド体で示されている)である。
【0104】 PNA14を用いた増殖アッセイ このアッセイは下記の通りに実施した。 PNA14を1.3、1.4および1.5μMの最終濃度で含有する105
104、103、102および101cells/mlに対応する試験培養の希釈液
を定速振とうしながら37℃で16時間インキュベートする。増殖の全阻害は、
104〜101cells/mlおよび少なくとも1.4μMのPNA濃度を有す
る培養において所見できる(表3)。
【0105】 実施例2 表1から取り出した多数の構成体を第20頁で検討した実験セットアップに従
って試験した。図5および6において例示したように、PNA構成体の試験に選
択した細菌増殖条件を使用すると様々なPNA特異性によって示される阻害作用
の直接比較を行うことができた。どちらの図もPNA−ペプチドを含まずに、お
よび200nM〜1,000nMで相違する最終濃度で存在するPNA−ペプチ
ドを含んで入手した細菌増殖曲線を示している。
【0106】 図5におけるPNA#109は、細胞分割タンパク質をコードするftsZ遺
伝子に対して向けられている。図6におけるPNA#111は、細菌細胞分割中
の隔壁形成プロセスに含まれるATP結合タンパク質をコードするftsA遺伝
子に向けられている。阻害作用は、どちらの構成体についても用量依存性である
。細菌増殖の完全な阻害はPNA#109については600nMで、PNA#1
11については1,000nMで観察された(1.5×105細菌/ml)。
【0107】 下記の表4および5は、標的遺伝子を選択する目的で実施された細菌増殖阻害
アッセイの要約である。
【0108】
【表4】
【0109】
【表5】
【0110】
【表6】
【0111】
【表7】
【0112】 上記の表4および5に略述したように、選択した潜在的標的遺伝子中の数種に
対するPNA−ペプチド構成体は選択した濃度範囲内で細菌増殖を阻害すること
ができた。
【0113】 「ナンセンス」PNA、即ち#136は微生物中のいずれのゲノム領域とも完
全には適合しなかったので、このため全長塩基対合を許容しなかった。この対照
を使用してペプチド−PNA構成体の一般毒性を調査した。選択した濃度範囲内
では細菌増殖阻害は検出されなかった。
【0114】 細菌細胞分割に含まれる標的 1,000nMの濃度で、潜在的標的に対する数種のPNA構成体は細菌増殖
阻害を示した。これらの一部は、例えばジャイレースA、ジャイレースB、PB
P2およびPBP3と同様の方法で機能した。PBP1a2およびftsAを比
較すると、後者は2種のPNAの増殖への作用を示したが、前者は唯一のPNA
による影響しか受けなかった。ftsAはσ70より強力な標的であった。ft
sA並びにftsZはPBP1b1atglより強力な標的であった。ftsA
とftsZとの直接比較は、それらがどちらも適切な標的であるが、ftsZに
対するPNA構成体を用いて所見される阻害作用の方がftsAに対するより強
力であることを示した(表5並びに図4および5を参照)。この方法で、細胞分
割タンパク質をコードする一次標的ftszを選択した。
【0115】 非分割細菌細胞において活性な標的 500nMへ低下させた濃度で、数種の潜在的標的、即ちIF1、IF3、E
F−GおよびRF2に対するPNA構成体は細菌増殖阻害を示した。しかし、5
00nMの濃度ではいずれのPNAも細菌増殖を完全には阻害しなかった。70
0nMの濃度では3種の標的、即ちIF1、IF2βおよびEf−Tsに対する
PNAは細菌増殖の完全な阻害を示した。1,000nMのPNAを用いて試験
した標的の内では、1種(RF2)は1種のPNAによってのみ阻害され、2種
(IF1およびEF−G)は試験した両方のPNAによって阻害された。IF1
およびEF−Gは、細菌増殖阻害実験から判定されたようにどちらも適切な遺伝
子標的であろう。しかし、引続いての遺伝子歩行を心に留めて、我々は一次標的
として長い遺伝子(EF−GをコードするfusA、2キロベース)より短い遺
伝子(IF1をコードするinfA、230塩基)を選択した。
【0116】 実施例3 大腸菌のIF−1をコードする遺伝子上の遺伝子歩行 選択した標的遺伝子は、さらに各遺伝子内の最適標的配列を選択するために遺
伝子歩行によって分析することができる。これらの配列に向けられたPNA’s
は適切な細菌取り込みを増強する化合物をデザインすることを目的とした実験内
にある可能性がある。
【0117】 大腸菌のIF−1をコードする遺伝子に対してPNA#130を用いると好都
合な細菌増殖阻害が得られるために、手作業による遺伝子歩行を実施した。表6
は、infA遺伝子からデザインされた相違するPNA配列を示している。実験
セットアップは、上記で説明した通りに10%ミュラー・ヒントンブロス中に入
れた大腸菌 K12 MG1655の使用を備えるセットアップであった。
【0118】
【表8】
【0119】 結果は表7に示されており、この表は大腸菌遺伝子infAを標的とするとき
に使用するためにはおそらく構成体PNA267が最高の化合物であることを示
している。
【0120】
【表9】
【0121】 文献 * Davies, J. et al. (1994) Science 264, 375-82. * Nielsen, P.E., Egholm, M., Berg, R.H. and Buchardt, O. Science (19
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Nucleic Acids Research 1995, 23,217-222.
【図面の簡単な説明】
【図1】 DNAおよびPNAオリゴマーの化学構造を示している。
【図2】 smccを使用した共役結合における原理を示している。
【図3】 PBP1AをコードするmrcA(ponA)遺伝子のヌクレオチド配列を示
している。遺伝子(アクセッション番号X02164)の配列はEMBL配列デ
ータベース(ハイデルベルク、ドイツ)から入手した(Broome−Smit
hら、1985、Eur J Biochem 147:437−46)。2個
の可能性ある開始コドンは同定されている(強調表示されている)。塩基1〜2
688が示されている(停止コドンで終了する)。
【図4】 PBP2をコードするmrdA遺伝子のヌクレオチド配列を示している。この
配列(アクセッション番号AE000168、塩基4051〜5952、番号1
−2000)はNCBI(Genbank,National Centre
for Biothechnology Information(全米バイオ
テクノロジー情報センター)、米国)の大腸菌ゲノムデータベースから入手した
。開始コドンは強調表示されている。
【図5】 PNA特異性PNA109によって呈示される阻害作用を示している。この図
はPNAペプチドを含まずに、および200nM〜1,000nMで相違する最
終濃度で存在するPNAペプチドを含めて入手された細菌増殖曲線を示している
【図6】 PNA特異性PNA111によって呈示される阻害作用を示している。この図
はPNAペプチドを含まずに、および200nM〜1,000nMで相違する最
終濃度で存在するPNAペプチドを含めて入手された細菌増殖曲線を示している
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12Q 1/68 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW (72)発明者 ウィッセンバッハ,マルギット デンマーク国,ディーケイ‐2200 コペン ハーゲン エヌ、ステンガーザ 52ビー, 1 Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 CA06 DA06 EA04 GA11 HA11 4B063 QA01 QA06 QQ41 QR31 QR55 QR62 QS34 4C084 AA02 AA07 AA13 BA01 BA08 BA17 BA23 BA35 CA04 DC50 NA14 ZB351 ZC412 4C086 AA01 AA02 AA03 AA04 EA16 NA14 ZB35 ZC41

Claims (37)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微生物中における抗感染治療のための基礎なりうる1種以上の
    標的遺伝子を同定する方法であって、 a)微生物中に存在することが知られている潜在的な標的遺伝子を選択するス
    テップと、 b)選択された潜在的な標的遺伝子各々に対する1種以上の相補的(アンチセ
    ンス)PNA配列を入手するステップと、 c)増殖培地中で1種以上のアンチセンスPNA配列を別々にもしくは微生物
    と組み合わせて混合するステップと、 d)アンチセンスPNAの存在下および非存在下でその微生物の増殖をモニタ
    リングするステップと、 e)標的遺伝子を、アンチセンスPNAの非存在下での増殖と比較して、対応
    するアンチセンスPNAによる遮断によってその微生物の増殖が制限される遺伝
    子として同定するステップと を含む方法。
  2. 【請求項2】 PNA配列が活性増強部分を含む請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 活性増強部分がペプチドである請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 活性増強部分が微生物中の遺伝子標的へのPNAの接近を増
    強する部分である請求2または請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】 活性増強部分が微生物の細胞壁を貫通するPNAの交叉を増
    強する請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 ペプチドが(Lys−Phe−Phe)3−Lysである請
    求項3〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 抗感染薬を調製するための基礎としての標的遺伝子または標
    的遺伝子産物の使用であって、前記標的遺伝子が請求項1〜6のいずれかに記載
    の方法によって同定可能である使用。
  8. 【請求項8】 抗感染薬が標的遺伝子の少なくとも1部分に対して相補的な
    ヌクレオチド配列である請求項7に記載の使用。
  9. 【請求項9】 ヌクレオチド配列がアンチセンスPNAである請求項8に記
    載の使用。
  10. 【請求項10】 PNAが活性増強部分をさらに含む請求項9に記載の使用
  11. 【請求項11】 活性増強部分がペプチドである請求項10に記載の使用。
  12. 【請求項12】 活性増強部分が微生物中の遺伝子標的へのPNAの接近を
    増強する部分である請求項10または請求項11に記載の使用。
  13. 【請求項13】 活性増強部分が微生物の細胞壁を貫通するPNAの交叉を
    増強する請求項12に記載の使用。
  14. 【請求項14】 ペプチドが(Lys−Phe−Phe)3−Lysである
    請求項11〜13のいずれかに記載の方法。
  15. 【請求項15】 結果として生じたアンチセンスPNAがいずれのヒトまた
    は動物DNA配列に対しても相補的ではない請求項9〜14のいずれかに記載の
    使用。
  16. 【請求項16】 標的遺伝子が単一コピー遺伝子である請求項7〜15のい
    ずれかに記載の使用。
  17. 【請求項17】 アンチセンスPNAが1つ以上の標的部位に対して相補的
    ではない請求項9〜16のいずれかに記載の使用。
  18. 【請求項18】 微生物が大腸菌である請求項7〜17のいずれかに記載の
    使用。
  19. 【請求項19】 標的遺伝子がftsA、infA、infB、infC、
    tsf、fusAおよびprfBからなる群から選択される請求項18に記載の
    使用。
  20. 【請求項20】 微生物中の標的遺伝子の少なくとも1部分に対して相補的
    (アンチセンス)であるPNA配列を含み、前記標的遺伝子が請求項1〜6のい
    ずれかに記載の方法によって同定可能であるPNA分子。
  21. 【請求項21】 PNAが活性増強部分をさらに含む請求項20に記載のP
    NA分子。
  22. 【請求項22】 活性増強部分がペプチドである請求項21に記載のPNA
    分子。
  23. 【請求項23】 活性増強部分が微生物中の遺伝子標的へのPNAの接近を
    増強する部分である請求項21または請求項22に記載のPNA分子。
  24. 【請求項24】 活性増強部分が微生物の細胞壁を貫通するPNAの交叉を
    増強する請求項23に記載のPNA分子。
  25. 【請求項25】 ペプチドが(Lys−Phe−Phe)3−Lysである
    請求項22〜24のいずれかに記載のPNA分子。
  26. 【請求項26】 PNAがいずれのヒトまたは動物DNA配列に対しても相
    補的ではない請求項20〜25のいずれかに記載のPNA分子。
  27. 【請求項27】 標的遺伝子が単一コピー遺伝子である請求項20〜26の
    いずれかに記載のPNA分子。
  28. 【請求項28】 アンチセンスPNAが1つ以上の標的部位に対して相補的
    ではない請求項20〜27のいずれかに記載のPNA分子。
  29. 【請求項29】 微生物が大腸菌である請求項20〜28のいずれかに記載
    のPNA分子。
  30. 【請求項30】 標的遺伝子がftsA、infA、infB、infC、
    tsf、fusAおよびprfBからなる群から選択される請求項29に記載の
    PNA分子。
  31. 【請求項31】 PNA配列が下記から選択される請求項30に記載のPN
    A分子。 【化1】
  32. 【請求項32】 PNA配列が下記から選択される請求項31に記載のPN
    A分子。 【化2】
  33. 【請求項33】 下記からなる群から選択されるPNA分子。 【化3】
  34. 【請求項34】 下記から選択される請求項33に記載のPNA分子。 【化4】
  35. 【請求項35】 請求項1〜6のいずれかに記載の方法により同定可能な遺
    伝子断片。
  36. 【請求項36】 ストリンジェントな条件下で請求項31に記載のPNA配
    列にハイブリダイズする請求項35に記載の遺伝子断片。
  37. 【請求項37】 微生物の増殖を阻害することのできる化合物の同定におい
    て請求項1〜6のいずれかに記載の方法に従って同定可能な遺伝子標的の使用。
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