JP2003511014A - 副甲状腺ホルモン(pth)のポリペプチド誘導体 - Google Patents

副甲状腺ホルモン(pth)のポリペプチド誘導体

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Abstract

(57)【要約】 新規な副甲状腺ホルモン(PTH)ポリペプチド誘導体が開示され、このポリペプチドを含む薬学的組成物、ならびにこのポリペプチドを作製するための合成方法および組換え方法も開示される。このポリペプチドを含む治療的に有効な薬学的組成物を使用して骨質量の減少によって特徴づけられる哺乳動物の状態を処置するための方法もまた開示される。副甲状腺ホルモンレセプター作用に対するアンタゴニスト効果またはアゴニスト効果について、本発明の候補化合物をスクリーニングするための方法もまた、開示される。上記化合物についての診断方法および治療方法もまた、開示される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (連邦政府の援助による研究および開発の下でなされた発明に対する権利の陳
述) 本発明の開発中に行われた研究の一部は、米国政府基金を利用した。米国政府
は、本発明において特定の権利を有する。
【0002】 (発明の背景) (発明の分野) 本発明は、新規な副甲状腺ホルモン(PTH)ポリペプチド誘導体、このPT
H誘導体をコードする核酸ならびにPTH誘導体を調製する方法およびPTH誘
導体を使用する方法に関する。
【0003】 (関連技術の説明) (副甲状腺ホルモン) 副甲状腺ホルモン(PTH)は、主要な標的細胞が骨および腎臓中に見出され
るカルシウムホメオスタシスの主要なレギュレーターである。ネイティブなヒト
副甲状腺ホルモンは、84アミノ酸のポリペプチドである。これは、低血液カル
シウムレベルに応答して上皮小体から分泌し、そして骨の骨芽細胞(骨構築細胞
)においてそして腎臓の尿細管上皮細胞において作用する。ホルモンは、PTH
−1レセプターまたはPTH/PTHrPレセプターと呼ばれる細胞表面レセプ
ター分子(これは、骨芽細胞と尿細管細胞の両方によって発現される)と相互作
用する。PTHの断続的な用量の投与は、骨に対して強力な同化効果を有する。
【0004】 PTHrP(悪性の液性高カルシウム血症の主要な原因)はまた、発生におけ
る役割を含む正常な機能を有する。PTHrPは、141アミノ酸を有するが、
選択的遺伝子スプライシング機構から生じる改変体もまた、生じる。PTHrP
は、PTH−1レセプターへの結合もまた含むプロセスを通じる骨格の形成にお
ける重要な役割を果たす(Karaplis,A.C.ら、Genes and
Dev.8:277〜289(1994)およびLanske,B.ら、Sc
ience 273:663〜666(1996))。
【0005】 カルシウム濃度の調節は、胃腸系、骨格系、神経系、神経筋系、および心血管
系の正常な機能に必要とされる。PTHの合成および放出は、血清カルシウムレ
ベルによって主に制御され;低レベルは、ホルモンの合成および放出の両方を刺
激し、そして高レベルは、ホルモンの合成および放出の両方を抑制する。次いで
、PTHは、カルシウム交換の3つの部位(腸、骨、および腎臓)にて、血液中
へのカルシウムの進入を直接的または間接的に促進することによって、血清カル
シウムレベルを維持する。PTHは、ビタミンDの活性形態の腎臓での合成を助
けることによって、カルシウムの正味の胃腸吸収に寄与する。PTHは、骨再吸
収細胞である破骨細胞の分化を刺激することによって、間接的に、骨からのカル
シウム再吸収を促進する。これはまた、腎臓に対する少なくとも3つの主要な効
果(尿細管カルシウム再吸収の刺激、リン酸クリアランスの増強、およびビタミ
ンDの活性形態の合成を完了する酵素における増加の促進)を媒介する。PTH
は、主に、アデニル酸シクラーゼおよび/またはホスホリパーゼCのレセプター
媒介性活性化を通して、これらの効果を発揮すると考えられる。
【0006】 カルシウムホメオスタシスの破壊は、多くの臨床的な障害(例えば、重篤な骨
疾患、貧血、腎臓障害、潰瘍、ミオパシー、および神経障害)を生じ得、そして
通常、副甲状腺ホルモンのレベルにおける変化を生じる状態から生じる。高カル
シウム血症は、血清カルシウムレベルにおける上昇によって特徴付けられる状態
である。これは、しばしば、過剰なPTH産生が上皮小体の病変(例えば、腺腫
、過形成、または癌腫)の結果として生じる原発性上皮小体機能亢進症と関連す
る。別の型の高カルシウム血症である、悪性の液性高カルシウム血症(HHM)
は、最も一般的な腫瘍随伴性症候群である。これは、PTHとアミノ酸相同性を
共有するタンパク質ホルモンのクラスの腫瘍(例えば、扁平癌、腎臓癌、卵巣癌
、または膀胱癌)による産生からのほとんどの例を生じるようである。これらの
PTH関連タンパク質(PTHrP)は、PTHの特定の腎臓作用および骨格作
用を模倣するようであり、そしてこれらの組織においてPTHレセプターと相互
作用すると考えられる。PTHrPは、通常、多くの組織(ケラチノサイト、脳
、下垂体、上皮小体、副腎皮質、髄質、胎児肝臓、骨芽細胞様細胞、および乳汁
分泌性乳房組織を含む)中で低レベルで見出される。多くのHHM悪性疾患にお
いて、PTHrPは、循環系において高レベルで見出され、それによってHHM
と関連するカルシウムレベルの上昇を生じる。
【0007】 PTHおよびPTHrPの薬理学的プロフィールは、ほとんどのインビトロで
のアッセイ系においてほぼ同一であり、そして上昇した血液レベルのPTH(す
なわち、原発性上皮小体機能亢進症)またはPTHrP(すなわち、HHM)は
、ミネラルイオンのホメオスタシスに対して匹敵する効果を有する(Broad
us,A.E.およびStewart,A.F.「Parathyroid h
ormone−related protein:Structure,pro
cessing and physiological actions」Ba
sic and Clinical Concepts、Bilzikian,
J.P.ら編、Raven Press、New York(1994)、25
9〜294頁;Kronenberg,H.M.ら、「Parathyroid
hormone:Biosynthesis,secretion,chem
istry and action」Handbook of Experim
ental Pharmacology,Mundy,G.R.およびMart
in,T.J.編、Springer−Verlag,Heidelberg(
1993)、185〜201頁)。この2つのリガンドの生物学的活性における
類似性は、骨および腎臓において豊富に発現される共通のレセプターであるPT
H/PTHrPレセプターとのそれらの相互作用によって説明され得る(Ure
na,P.ら、Endocrinology 134:451〜456(199
4))。
【0008】 (PTHレセプター) PTH−1レセプターは、ペプチドホルモン(例えば、セクレチン(Ishi
hara,T.ら、EMBO J.10:1635〜1641(1991))、
カルシトニン(Lin,H.Y.ら、Science 254:1022〜10
24(1991)およびグルカゴン(Jelinek,L.J.ら、Scien
ce 259:1614〜1616(1993))を結合する多くの他のレセプ
ターに対して、一次構造において相同であり;ともに、これらのレセプターは、
レセプターファミリーBと呼ばれる異なるファミリーを形成する(Kolako
wski,L.F.、Receptors and Channels 2:1
〜7(1994))。このファミリー内では、PTH−1レセプターは、それが
2つのペプチドリガンドに結合し、それによって2つの別々の生物学的プロセス
を調節するという点で独特である。最近同定されたPTHレセプターサブタイプ
(PTH−2レセプターと呼ばれる)は、PTHを結合するが、PTHrPを結
合しない(Usdin,T.ら、J.Biol.Chem.270:15455
〜15458(1995))。この観察は、PTHリガンドおよびPTHrPリ
ガンドにおける構造的差異が、PTH−2レセプターとの相互作用についての選
択性を決定することを暗示した。このPTH−2レセプターは、脳、膵臓、およ
び血管系において、RNA法によって検出されているが、その生物学的機能は、
決定されていない(Usdin,T.ら、J.Biol.Chem.270:1
5455〜15458(1995))。ファミリーBレセプターは、それら自体
の同属ペプチドホルモンを係合する、共通の分子機構を使用すると仮定されてい
る(Bergwitz,C.ら、J.Biol.Chem.271:26469
〜26472(1996))。
【0009】 放射性標識したPTH(1−34)またはPTHrP(1〜36)のいずれか
のPTH−1レセプターへの結合は、いずれかの非標識リガンドによって競合的
に阻害される(Juppner,H.ら、J.Biol.Chem.263:8
557〜8560(1988);Nissenson,R.A.ら、J.Bio
l.Chem.263:12866〜12871(1988))。従って、PT
H−1レセプターの2つのリガンドに対する認識部位は、おそらく重複する。P
THおよびPTHrPの両方において、15〜34の領域は、PTH−1レセプ
ターへの結合に対する主要な決定基(determinant)を含む。これら
の領域は、最小の配列相同性(3アミノ酸のみの同一性)を示すが、各々の15
〜34ペプチドは、PTH(1−34)またはPTHrP(1〜34)のいずれ
かのPTH−1レセプターへの結合をブロックし得る(Nussbaum,S.
R.ら、J.Biol.Chem.255:10183〜10187(1980
);Caulfield,M.P.ら、Endocrinology 127:
83〜87(1990);Abou−Samra,A.−B.ら、Endocr
inology 125:2215〜2217(1989))。さらに、各リガ
ンドのアミノ酸末端部分は、生物活性のために必要とされ、そしてこれらは、お
そらく、類似の様式にてPTH−1レセプターと相互作用する。なぜなら、これ
らの残基の13のうちの8は、PTHおよびPTHrPにおいて同一であるから
である。
【0010】 PTHおよびPTHrPの両方は、nM範囲の親和性で、PTH−1レセプタ
ーに結合し;リガンド−占有レセプターは、中間にヘテロ三量体GTP結合タン
パク質(Gタンパク質)を含む機構を通じて、細胞内エフェクター酵素へと細胞
膜を横切って「シグナル」を伝達する。PTHまたはPTHrPに応答してPT
H−1レセプターによって活性化される一次性細胞内エフェクター酵素は、アデ
ニルシクラーゼ(AC)である。従って、PTHは、骨リモデリング(骨形成お
よび骨吸収)に関与する、弱く特徴付けられた「下流」の細胞プロセスを調節し
続ける、「セカンドメッセンジャー」分子であるサイクリックアデノシン一リン
酸(cAMP)における強い増大を誘導する。特定の細胞ベースのアッセイ系に
おいて、PTHは、イノシトール三リン酸(IP3)、ジアシルグリセロール(
DAG)、および細胞内カルシウム(iCa2+)の産生を生じる、AC以外のエ
フェクター酵素(ホルホリパーゼC(PLC)を含む)を刺激し得る。骨代謝に
おける種々のセカンドメッセンジャー分子の役割は、現在未知である。
【0011】 (骨粗しょう症) 骨粗しょう症は、高齢集団の実質的な部分において、妊娠女性において、およ
び若年においてさえも観察される潜在的な損傷性(crippling)骨格疾
患である。用語骨粗しょう症は、異質なグループの障害をいう。臨床的には、骨
粗しょう症は、I型およびII型に分類される。I型骨粗しょう症は、中年の女
性において主に生じ、閉経におけるエストロゲン損失と関連するが、II型骨粗
しょう症は、加齢と関連する。骨粗しょう症を有する患者は、骨折修復を促進す
るように設計される新たな治療から、あるいはこの疾患と関連する骨折を阻止す
るかまたは減少させるように設計された治療から利益を得る。
【0012】 この疾患は、骨質量の減少、骨ミネラル密度(BMD)の減少、骨強度の減少
および骨折の危険性の増大によって特徴付けられる。現在、エストロゲン、カル
シトニンおよびビスホスホネートを介して骨粗しょう症の有効な治療法はなく、
エチドロネートおよびアレンドロネート(alendronate)が、種々の
レベルの成功で、この疾患を処置するために使用される。これらの薬剤は、骨再
吸収を減少するように作用する。副甲状腺ホルモンは、断続的に投与される場合
、血液カルシウムおよびリン酸レベルを調節し、そして動物における骨格に対す
る強力な同化(骨形成)効果(Shen,V.ら、Calcif.Tissue
Int.50:214〜220(1992);Whitefild,J.F.
ら、Calcif.Tissue Int.56:227〜231(1995)
およびWhitifield,J.F.ら、Calcif.Tissue In
t.60:26〜29(1997)、およびヒトにおける骨格に対する強力な同
化(骨形成)効果(Slovik,D.M.ら、J.Bone Miner.R
es.1:337〜381(1986);Dempster,D.W.ら、En
docr.Rev.14:690〜709(1993)およびDempster
,D.W.ら、Endocr.Rev.15:261(1994))を有するの
で、PTHまたはPTH誘導体は、骨粗しょう症についての新規かつ効果的な治
療のための一番の候補である。
【0013】 (PTH誘導体) PTH誘導体は、アミノ酸置換を有するかまたは全長分子と比較して短縮され
たポリペプチドを含む。PTHの14アミノ酸末端短縮形態と34アミノ酸末端
短縮形態の両方、ならびにC末端短縮形態が研究されている。さらに、短縮ポリ
ペプチド内のアミノ酸置換もまた、調査されている。しばしば、それぞれ、ヒト
PTHまたはラットPTHであるhPTHまたはrPTHのいずれもが、調べら
れる。
【0014】 短縮型PTH誘導体(例えば、PTH(1−34)およびPTH(1−31)
)は、ほとんどのアッセイ系において活性であり、そして骨形成を促進する(W
hitefild,J.F.ら、Calcif.Tissue Int.56:
227〜231(1995);Whitfield,J.F.ら、Calcif
.Tissue Int.60:26〜29(1997);Slovik,D.
M.ら、J.Bone Miner.Res.1:337〜381(1986)
;Tregear,G.W.ら、Endocrinology 93:1349
〜1353(1973);Rixon,R.H.ら、J.Bone Miner
.Res.9:1179〜1189(1994);Whitfield,J.F
.およびMorley,P.、Trends Pharmacol.Sci.1
6:372〜386(1995)ならびにWhitfield,J.F.ら、C
alcif.Tissue Int.58:81〜87(1996))。しかし
、これらのペプチドは、効率的な非経口送達のためにはなお大きすぎ、かつ低コ
ストである。PTHまたはPTHrPのさらにより小さな「最小化された」バー
ジョンの発見は、骨粗しょう症のための新しい処置を開発する試みにいて重要な
前進である。
【0015】 PTHのより短い短縮型誘導体もまた研究されている。これには、PTH(1
−14)フラグメント(Luckら、Mol.Endocrinol.13:6
70〜80(1999))、PTH(1−13)フラグメント(Bergwit
z C.ら、J.Biol.Chem.271:4217〜4224(1996
))が挙げられる。短縮型27アミノ酸PTHもまた報告されている。Pott
s、J.ら、J.Endocrin.154’’S15〜S12(1997)。
さらなる誘導体は、米国特許第5,393,869号;同第5,723,557
号;同第5,693,616号およびE.P.特許第748817号において議
論される。
【0016】 1〜14の領域において、アミノ酸の置換または欠失を有する、PTH誘導体
およびPTHrP誘導体は、通常、活性の減少を示す(Tregear,G.W
.ら、Endocrinology 93:1349〜1353(1973);
Goltzman,D.ら、J.Biol.Chem.250:3199〜32
03(1975);Horiuchi,N.ら、Science 220:10
53〜1055(1983)およびGardella,T.J.ら、J.Bio
l.Chem.266:13141〜13146(1991))。さらに、大き
なPTHフラグメントにおける単一のアミノ酸置換の研究がある(Gomber
t、F.O.ら、Peptide Chemistry,Structure
and Biology in Proceedings of the 14 th American Peptide Symposium、6月18日〜2
3日、1996;Cohen,F.E.ら、J.Biol.Chem.266:
1997〜2004、1991;Juppner,Hら、Peptide 11
:1139〜1142、1990)。
【0017】 いくつかの短いNH2末端PTHペプチドまたはPTHrPペプチドは、以前
に調査されているが、活性は、全く検出されなかった。例えば、bPTH(1−
12)は、ラット腎臓膜において行われたアデニリルシクラーゼアッセイにおい
て不活性であり(Rosenblatt,M.、「Parathyroid H
oumone:Chemistry and Structure−Activ
ity Relations」Pathobilogy Annual,Ioa
chim,H.L.編、Raven Press,New York(1981
)、53〜84頁)、そしてPTHrP(1−16)は、クローニン化されたラ
ットPTH−1レセプターを発現しているチャイニーズハムスター卵巣(CHO
)細胞において行われたACアッセイにおいて不活性であった(Azurani
,A.ら、J.Biol.Chem.271:14931〜14936(199
6))。PTHの15−34のドメインにおける残基が、レセプター結合親和性
に重要に寄与することが既知である。なぜなら、PTH(15−34)フラグメ
ントは、このレセプターに弱く結合するが、このペプチドは、ACを活性化しな
いからである(Naussbaum,S.R.ら、J.Biol.Chem.2
55:10183〜10187(1980)およびGardella,T.J.
ら、Endocrinology 132:2024〜2030(1993))
【0018】 PTH(1−14)が、PTH−1レセプターを発現する細胞においてアデニ
ルシクラーゼを活性化するが、効力はPTH(1−34)の効力よりも非常に低
かった(それぞれ、Ec50=100μMおよび約1nM)ことが以前に報告さ
れている(Luckら、Mol.Endcrin.13(1990))。さらに
、PTH(1−14)のアラニン−スキャニング置換分析により、3位および1
0−14位がトレオニン部位であり、一方、2位および4−9位が比較的不耐性
の部位であることが示されている。
【0019】 さらに、PTH(1−14)における置換のさらなる特徴付けが報告されてい
る(Abstract #398:1999 American Societ
y of Bone and Mineral Resarch Meetin
g、9月30日〜10月4日)。PTH(1−14)におけるアミノ酸をさらに
特徴付けるために、かつ活性を強力に改善するために、種々の単一置換を導入し
て、その結果、少なくとも1つの型のアミノ酸(例えば、極性、無極性、カチオ
ン性、低分子、芳香族)およびプロリンを各位置に提示した。
【0020】 従って、本発明は、骨関連欠損もしくは疾患、または副甲状腺ホルモンが関与
する任意の状態の処置を必要とする患者を処置するために用いられ得る、新規の
PTH誘導体に関する、当該分野における必要性を満たす。このように、本発明
は、PTHの新規の短縮型誘導体(PTH(1−14)、PTH(1−20)、
PTH(1−22)、PTH(1−24)、PTH(1−26)、PTH(1−
28)、PTH(1−30)、PTH(1−32)およびPTH(1−34))
、この誘導体を作製する方法およびこの誘導体を使用する方法、ならびのこの誘
導体を使用して、種々の骨関連欠損または疾患を有する患者を処置する方法に関
する。
【0021】 (発明の要旨) 本発明は、とりわけ、ポリヌクレオチドの選択された位置でのアミノ酸置換を
含む、新規のPTHポリペプチド誘導体に関する。この誘導体は、PTH−1レ
セプターの完全、またはほぼ完全なアゴニストとして機能し得る。固有の特性に
より、これらのポリペプチドは、骨格のヒト疾患(例えば、骨粗しょう症)を処
置するための薬物としての有用性を有する。
【0022】 本発明は、PTH(1−14)、PTH(1−22)、PTH(1−24)、
PTH(1−26)、PTH(1−28)、PTH(1−30)、PTH(1−
32)およびPTH(1−34)のポリペプチドの誘導体、ならびにこれらのポ
リペプチドをコードする核酸に関する。これらのポリペプチドのフラグメントも
また、本発明の一部である。本発明はさらに、望まれない骨損失の危険性がある
脊椎動物においてこのような骨損失を制限する際の使用、望まれない骨損失また
は骨成長のための必要性により特徴付けられる状態を処置する際(例えば、骨折
または軟骨疾患を処置する際)の使用、ならびに必要であると考えられる細胞に
おいてcAMPレベルを上昇させるための使用、のための組成物および方法に関
する。
【0023】 本発明は、始めに、以下から本質的になるアミノ酸配列を有するポリペプチド
に関する:AlaValAlaGluIleGlnLeuMetHisX010203LysX04(配列番号1(SEQ ID NO:))、ここで、X01はAl
a、AspまたはGlnであり;X02はLeu、ArgまたはホモArgであり
;X03はArgまたはAlaであり;そしてX04は、PheまたはTrpである
。1つの特定の実施形態では、本発明は、配列番号1のポリペプチドに少なくと
も90%同一のポリペプチドを提供する。別の実施形態では、Ala−3は、セ
リンと置換され得る。さらに別の実施形態では、少なくとも1つのX01、X02
03またはX04は、その位置についてネイティブのアミノ酸で有り得る。但し、
ラットまたはヒトのいずれかのネイティブPTH(1−14)を生じるように、
Xの全ては置換されない。
【0024】 本発明は、以下から本質的になるアミノ酸配列を有するポリペプチドにさらに
関する:AlaValAlaGluIleGlnLeuMetHisX01Arg
AlaLysX02(配列番号2)、ここで、X01はAlaまたはGlnであり;
そしてX02はTrpまたはHisである。1つの特定の実施形態では、本発明は
、このペプチドに少なくとも85%同一のポリペプチドを提供する。より好まし
くは、このポリペプチドは90%同一である。
【0025】 1つの実施形態では、本発明は、以下のアミノ酸配列を有するポリペプチドに
特に関する:
【0026】
【化6】 本発明は、さらに、以下のアミノ酸配列を有する特定のより短いPTH誘導体
に関する:
【0027】
【化7】 本発明はまた、より長いPTH誘導体に関する、ここで、最初の14個のアミ
ノ酸は、配列AlaValAlaGluIleGlnLeuMetHisX01 0203LysX04(配列番号1)を有し、ここで、X01はAlaAspであり;
02は、Leu、ホモArgまたはArgであり;X03は、ArgまたはAla
であり;そしてX04は、PheまたはTrpである。本発明が提供する1つのP
TH誘導体である、PTH(1−20)は、アミノ酸配列AlaValAlaG
luIleGlnLeuMetHisX010203LysX04LeuAsnSe
rMetX05Arg(配列番号25)を有し、ここで、X05は、ArgまたはA
laである。本発明が提供する別のPTH誘導体であるPTH(1−22)は、
アミノ酸配列AlaValAlaGluIleGlnLeuMetHisX01 0203LysX04LeuAsnSerMetX05ArgValGlu(配列番号
26)を有し、ここで、X05は、ArgまたはAlaである。本発明が提供する
別のPTH誘導体であるPTH(1−24)は、アミノ酸配列AlaValAl
aGluIleGlnLeuMetHisX010203LysX04LeuAsn
SerMetX05ArgValGluTrpLeu(配列番号27)を有し、こ
こで、X05は、ArgまたはAlaである。本発明が提供するさらに別のPTH
誘導体であるPTH(1−26)は、アミノ酸配列AlaValAlaGluI
leGlnLeuMetHisX010203LysX04LeuAsnSerMe
tX05ArgValGluTrpLeuArgLys(配列番号28)を有し、
ここで、X05はArgまたはAlaである。本発明が提供するさらに別のPTH
誘導体であるPTH(1−28)は、アミノ酸配列AlaValAlaGluI
leGlnLeuMetHisX010203LysX04LeuAsnSerMe
tX05ArgValGluTrpLeuArgLysLysLeu(配列番号2
9)、ここで、X05は、ArgまたはAlaである。本発明が提供するさらに別
のPTH誘導体であるPTH(1−30)は、アミノ酸配列AlaValAla
GluIleGlnLeuMetHisX010203LysX04LeuAsnS
erMetX05ArgValGluTrpLeuArgLysLysLeuGl
nAsp(配列番号30)を有し、ここで、X05は、ArgまたはAlaである
。そして、本発明が提供するさらに別のPTH誘導体であるPTH(1−32)
は、アミノ酸配列は、AlaValAlaGluIleGlnLeuMetHi
sX010203LysX04LeuAsnSerMetX05ArgValGluT
rpLeuArgLysLysLeuGlnAspValHis(配列番号31
)を有し、ここで、X05は、ArgまたはAlaである。あるいは、本発明の1
つの実施形態は、Ala−3をセリンに置換し得る。さらに別の実施形態では、
01、02、03、04またはX05の少なくとも1つは、この位置についてネイ
ティブのアミノ酸であり得る。但し、rPTHまたはhPTHの種々の誘導体の
いずれかについてネイティブのアミノ酸を生じるように、Xの全ては置換されな
い。
【0028】 この誘導体の全34個のアミノ酸配列は、以下:
【0029】
【化8】 であり、ここで、X01は、AlaまたはAspであり;X02は、Leu、ホモA
rgまたはArgであり;X03は、ArgまたはAlaであり;X04は、Phe
またはTrpであり、そしてX05は、PheまたはTyrである。あるいは、本
発明の1つの実施形態では、PTH誘導体のいずれかにおいて、Ala−3をセ
リンに置換し得る。さらに別の実施形態では、X01、02、03、04またはX 05 の少なくとも1つは、この位置についてネイティブのアミノ酸である。但し、
ラットまたはヒトのいずれかのネイティブPTH(1−14)を生じるように、
Xの全ては置換されない。本発明の特定の実施形態は、以下の配列を有するポリ
ペプチドに関する:
【0030】
【化9】 本発明のなお別の実施形態では、本発明のPTH(1−34)ポリペプチドの
いずれかは、Glu−19をArgと置換し得る。
【0031】 本発明は、さらに、本発明のPTH誘導体のフラグメント、または保存的アミ
ノ酸置換がポリペプチド配列の中で行われるようなPTH誘導体に類似するポリ
ペプチドに関する。
【0032】 本発明は、さらに、PTH(1−14)、PTH(1−20)、PTH(1−
22)、PTH(1−24)、PTH(1−26)、PTH(1−28)、PT
H(1−30)、PTH(1−32)およびPTH(1−34)の合成および組
換えの両方の生物学的に活性なポリペプチド誘導体を提供する。本発明の好まし
い実施形態は、アミノ酸1−9、1−10、1−11、1−12および1−13
を含む。本発明はまた、薬学的塩および上記のポリペプチドのN末端誘導体また
はC末端誘導体に関する。
【0033】 本発明の好ましい実施形態は、上記のポリペプチドのいずれかに関し、ここで
、このポリペプチドは、C末端アミドを含む。C末端アミドを有するPTHポリ
ペプチド誘導体の例は、以下を含むがこれらに限定されない:
【0034】
【化10】 本発明の実施形態はまた、本明細書中に記載される配列のいずれかを含むアミ
ノ酸を有するポリペプチド、または本明細書中に記載される配列のいずれかを含
むポリペプチドに関する。同様に、本発明はまた、明細書中に記載される配列の
いずれかを含む核酸を有するポリヌクレオチド、または本明細書中に記載される
配列のいずれかを含むポリヌクレオチドに関する。
【0035】 本発明は、さらに、ネイティブのラットまたはヒトのPTH(配列番号14お
よび配列番号17)に対する単一アミノ酸置換を有するPTH1−14ポリペプ
チドに関する。いくつかの実施形態では、単一アミノ酸置換は、HKRK−B7
細胞におけるネイティブのPTHに対してcAMP刺激を増加させるが、他の実
施形態では、この置換は、PTHが、HKRK−B7細胞においてcAMPを刺
激する能力を低下させる。
【0036】 AMP刺激を増加させる本発明の好ましい実施形態は、以下置換の1つからな
る群より選択されるPTH1−14における単一アミノ酸置換を有する。
【0037】
【化11】 上記の言葉は、例えば、ネイティブのポリペプチドにおける10位のアミノ酸ア
スパラギンは、Asp、GluまたはGlnのいずれか1つと置換され得ること
を意味する。同様に、Lys−13は、Leu、Arg、HisまたはTrpと
置換され得る。本願の好ましい実施形態は、PTHのアミノ酸1−9、1−10
、1−11、1−12、1−13、1−14または1−34を含むポリペプチド
である。
【0038】 本発明は、さらに、ネイティブのラットまたはヒトのPTH(配列番号18お
よび配列番号19)に対する単一アミノ酸置換を有するPTH(1−34)ポリ
ペプチドのフラグメントの誘導体に関する。いくつかの実施形態では、単一アミ
ノ酸置換は、HKRK−B7細胞におけるネイティブのPTHに対してcAMP
刺激を増加させるが、他の実施形態では、この置換は、PTHが、HKRK−B
7細胞においてcAMPを刺激する能力を低下させる。
【0039】 本発明の好ましい実施形態は、PTH(1−20)、PTH(1−22)、P
TH(1−24)、PTH(1−26)、PTH(1−28)、PTH(1−3
0)、およびPTH(1−32)(これらは、cAMP刺激を増大する単一アミ
ノ酸置換を有する)からなる群より選択されるポリペプチドである。好ましくは
、HKRK−B7細胞におけるcAMP刺激の増大の原因であるアミノ酸置換は
、以下の置換の1つ以上からなる群より選択される。
【0040】
【化12】 上記の言葉は、例えば、ネイティブのポリペプチドにおける10位にアミノ酸ア
スパラギンは、Asp、GluまたはGlnのいずれか1つと置換され得ること
を意味する。同様に、Lys−13は、Leu、Arg、HisまたはTrpと
置換され得る。本願の好ましい実施形態は、PTHのアミノ酸1−9、1−10
、1−11、1−12、1−13、1−14、1−20、1−22、1−24、
1−26、1−28、1−30または1−32を含むポリペプチドである。
【0041】 本発明は、さらに、PTH(1−14)ポリペプチドに関し、ここで、単一ア
ミノ酸置換は、HKRK−B7細胞におけるネイティブPTHに対してcAMP
刺激を低下させる。但し、この置換は、任意の位置のアラニンではなく、Ser
−1での置換は、Tyr、ProまたはAspではなく、Val−2での置換は
、Leu、Ser、ArgまたはGluではなく、Ser−3での置換は、Th
r、Gly、IleまたはAsnではなく、そしてGlu−4での置換は、Gl
y、His、Lys、ValまたはAspではない。
【0042】 本発明は、さらに、以下からなる群より選択される標識を用いて標識された上
記ポリペプチドのいずれかに関する:放射性標識、蛍光標識、生物発光標識、ま
たは化学発光標識。好ましい実施形態では、放射性標識は、99mTcである。
【0043】 本発明のなおさらなる局面に従って、本発明はまた、PTH誘導体および薬学
的に受容可能な賦形剤および/または薬学的に受容可能な溶液(例えば、生理食
塩水または生理学的緩衝化溶液)を含む薬学的組成物を提供する。
【0044】 本発明は、さらに、本発明のポリペプチド誘導体のいずれかをコードする、組
換えまたは単離されたDNA分子を提供する。本発明の好ましい実施形態は、以
下からなる組換えまたは単離されたDNA分子を提供する:(1)発現制御領域
、この領域は(2)PTH誘導体をコードするポリヌクレオチド配列と作動可能
に連結される。本発明の好ましい実施形態は、以下からなる群より選択されるP
TH誘導体をコードするポリヌクレオチドを含む:AlaValAlaGluI
leGlnLeuMetHisX010203LysX04(配列番号1)、ここで
、X01はAla、AspまたはGlnであり;X02はLeuまたはArgであり
;X03はArgまたはAlaであり;そしてX04は、PheまたはTrpである
;AlaValAlaGluIleGlnLeuMetHisX01ArgAla
LysX02(配列番号2)、ここで、X01はAla、AspまたはGlnであり
;そしてX02はTrpまたはHisである;
【0045】
【化13】 好ましい実施形態はまた、細菌プロモーター、ウイルスプロモーター、真菌プロ
モーターまたは哺乳動物プロモーターである制御領域を含む。
【0046】 本発明はさらに、本発明のポリペプチドを作製する方法に関する。好ましい実
施形態は、液相合成もしくは固相合成または組換えDNA技術を用いてポリペプ
チドを作製する工程を包含する。
【0047】 本発明の好ましい実施形態は、本発明のポリペプチドをコードするDNAを含
む組換えベクターを作製する方法に関する。好ましい実施形態は、さらに、本発
明の組換えDNA分子を宿主細胞に導入して、この分子によりコードされるポリ
ペプチドを発現させることによりポリペプチドを作製および調製する工程を包含
する。宿主は、原核生物または真核生物のいずれかであり得る。好ましい実施形
態は、細菌または哺乳動物である宿主細胞を含む。
【0048】 本発明のなおさらなる局面に従って、本発明は、骨質量の減少により特徴付け
られる哺乳動物の状態を処置するための方法を提供し、ここで、この方法は、生
物学的に活性なPTHポリペプチドの、骨質量を増加するのに有効な量を、骨質
量を増加する必要のある被験体に投与する工程を包含する。本発明の好ましい実
施形態は、骨粗しょう症のような状態に関する。骨粗しょう症の型としては、老
年性骨粗しょう症および閉経後の骨粗しょう症を含むがこれらに限定されない。
さらに好ましい実施形態は、約0.01μg/kg/日〜約1.0μg/kg/
日のポリペプチドの有効量を用いることを包含し、ここで、このポリペプチドは
、非経口投与、皮下投与され得るかまたは経鼻吸入により投与され得る。
【0049】 本発明は、さらに、骨質量の減少を処置するための方法に関し、ここで、この
ポリペプチドの骨質量を増加するのに有効な量が、このポリペプチドをコードす
るDNAを患者に提供し、そしてインビボでこのポリペプチドを発現させること
により投与される。
【0050】 本発明のなおさらなる局面に従って、本発明はまた、骨再形成、骨吸収、およ
び/または骨再造形の速度を決定するための方法を提供する。この方法は、標識
したPTHポリペプチド(例えば、配列番号1)またはその誘導体の有効量を患
者に投与する工程、そしてこの患者の骨への、このペプチドの取込みを決定する
工程を包含する。このペプチドは、以下からなる群より選択される標識を用いて
標識され得る:放射性標識、蛍光標識、生物発光標識、または化学発光標識。好
ましい実施形態では、放射性標識は、99mTcである。
【0051】 本発明のさらなる局面は、PTH1/PTH2レセプターをアンタゴナイズま
たはアゴナイズするPTH誘導体を生成するポリペプチドの1−14位でのアミ
ノ酸置換に関する。
【0052】 本発明は、さらに、PTH−1レセプターを有する哺乳動物細胞においてcA
MPを増加させる方法に関し、この方法は、この細胞をcAMPを増加するのに
十分な量の本発明のポリペプチドと接触させる工程を包含する。
【0053】 (好ましい実施形態の詳細な説明) (定義) 明細書および特許請求の範囲のより明確な理解を提供するために、以下の定義
を提供する。
【0054】 (アミノ酸配列)−本願のアミノ酸配列は、アミノ酸の1文字表記または3文
字表記のいずれかを用いる。これらの命名は当業者に周知であり、そして例えば
、Cooper,G.M.,The Cell 1997,ASM Press
,Washington,D.C.またはAusbelら、Current P
rotocols in Molecular Biology,1994のよ
うな多数の容易に入手可能な参考文献に見出され得る。配列における置換は、例
えば、Ser−−>Alaと言及され得、これは、ポリペプチドのN末端から3
番目の位置のセリンが、別のアミノ酸(この場合、アラニン)と交換され得る意
味する。
【0055】 (タンパク質の生物学的活性):この表現は、ポリペプチドの任意の生物学的
活性をいう。これらの活性の例としては、配列番号1の化合物またはその誘導体
の代謝機能または生理学的機能(同様の活性、もしくは改善された活性、または
低下した望まれない副作用を有するそれらの活性を含む)が挙げられるが、これ
らに限定されない。例えば、配列番号1のような化合物またはその誘導体の、抗
原性活性および免疫原性活性もまた含まれる。
【0056】 (クローニングベクター):宿主細胞において自律的に複製し得、かつ1また
は少数の制限エンドヌクレアーゼ認識部位によって特徴付けられる、プラスミド
もしくはファージのDNAまたは他のDNA配列であって、この部位において、
このようなDNA配列は、決められた様式で切断され得、そしてこの部位に、D
NAフラグメントがスプライスされて、その複製およびクローニングをもたらし
得る。このクローニングベクターは、このクローニングベクターで形質転換され
た細胞の同定における使用に適切なマーカーをさらに含み得る。マーカーは、例
えば、テトラサイクリン耐性またはアンピシリン耐性を提供する。
【0057】 (DNA構築物) 本明細書で使用される場合、「DNA構築物」は、組換え
、人工DNA(線状または環状のいずれか)をいうと理解されるべきである。
【0058】 (誘導体または機能的誘導体):用語「誘導体」または「機能的誘導体」とは
、PTH分子の「改変体(variant)」「誘導体(derivative
s)」または「化学的誘導体(chemical derivatives)」
を含むことを意図する。例えば配列番号1の化合物またはそれの誘導体のような
分子の「改変体」とは、分子全体またはそれのフラグメントのいずれかに実質的
に類似の分子をいうことを意味する。例えば配列番号1の化合物またはそれらの
誘導体の化合物のような分子の「アナログ」は、配列番号1の分子またはそれら
のフラグメントのいずれかに実質的に類似の非天然の分子をいうことを意味する
【0059】 PTH誘導体は、同じサイズのネイティブPTHポリペプチドと比較して、ポ
リペプチド中に変化を含む。ネイティブPTH(1−14)ポリペプチドの配列
は、配列番号14(ヒト)または17(ラット)の配列である。分子が別の分子
と「実質的に類似である」といわれるのは、両方の分子のアミノ酸の配列が、実
質的に同じものである場合、および両方の分子が、類似した生物学的活性を有す
る場合である。従って、類似した活性を有する2つの分子は、分子のうちの1つ
が他方で見出されないさらなるアミノ酸残基を含むか、またはアミノ酸残基の配
列が同一でない場合でさえも、その語が本願明細書において使われる場合、それ
らは改変体、誘導体またはアナログとみなされ得る。しかし、PTH誘導体は、
ネイティブの分子と実質的に類似の生物学的活性を有する必要はない。いくつか
の例では、PTH誘導体は、ネイティブPTHと実質的に異なる活性を有し得る
。例えば、誘導体は、PTHレセプターのアンタゴニストまたはアゴニストのい
ずれかであり得る。
【0060】 本明細書中で用いられる場合、分子は、それが通常は、分子の一部ではない、
さらなる化学部分を含む場合に、別の分子の「化学誘導体」であると言われる。
このような部分は、分子の溶解性、吸収、生物学的半減期などを改善し得る。こ
れらの部分は、あるいは分子の毒性を減少させ得るか、分子の任意の望まれない
副作用などを排除し得るか、または減弱し得る。このような効果を媒介し得る部
分の例は、Remington’s Pharmaceutical Scie
nce(1980)に開示され、そして当業者に明らかである。
【0061】 (発現ベクター) 本明細書中で使用される場合、「発現ベクター」は、発現
ベクターが適切な宿主細胞に形質転換される場合に構造遺伝子が発現され得るよ
うに、発現制御配列に作動可能に連結される構造遺伝子を含むDNA構築物であ
る。2つのDNA配列は、1つの領域の生物学的活性が他の領域に影響を及ぼす
場合、およびまたその2つのDNA配列間の連結の性質が、(1)フレームシフ
ト変異の導入を生じない場合、(2)プロモーター領域配列が所望の配列の転写
を指向する能力を妨害しない場合、または(3)所望の配列がプロモーター領域
配列によって転写される能力を妨害しない場合に、「作動可能に連結される」と
いわれる。従って、プロモーター領域は、このプロモーターがその所望のDNA
配列の転写をなし得た場合に、その所望のDNA配列に作動可能に連結される。
【0062】 (フラグメント):例えば配列番号1またはその誘導体のような分子の「フラ
グメント」とは、これらの分子の任意のポリペプチドサブセットをいうことを意
味する。
【0063】 (融合タンパク質):用語「融合タンパク質」によって、そのN末端に連結し
た「選択的切断部位」を有するかまたは有さないかのいずれかの、例えば配列番
号1の化合物、またはその誘導体のような化合物を含む、融合タンパク質が意図
される。この選択的切断部位は、次いで、さらなるアミノ酸リーダーポリペプチ
ド配列に連結される。
【0064】 (遺伝子治療) 本明細書で使用される場合、「遺伝子治療」は、とりわけ、
目的の遺伝子もしくはその目的の遺伝子により発現される産物を変更することに
より、目的の細胞もしくは生物の遺伝子型を変更することにより、または生物の
遺伝子発現の通常パターンを変更することにより、欠損または疾患を、改善、排
除または減弱する能力を意味する。例えば、これは、目的の遺伝子を変異遺伝子
で置き換えることにより、目的の遺伝子をノックアウトすることにより、または
目的の遺伝子を阻害もしくは刺激する産物を産生する異なる遺伝子を挿入するこ
とにより、あるいは当業者に公知の他の方法を使用することにより達成され得る
。一般に、組換えポリヌクレオチドは、遺伝子発現における変化をもたらすため
に生物の細胞または組織に導入される。遺伝物質の操作は、インビボまたはエキ
ソビボ(ex vivo)のいずれかで達成され得る。上記の例は、遺伝子治療
がなされ得る異なる様式を制限することを意味しない。遺伝子治療の当業者に公
知の任意の技術は、特許請求される本発明と共に使用され得る。
【0065】 (宿主動物):用語トランスジェニック動物とは、その生殖細胞および体細胞
が本発明のDNA構築物を含む動物をいう。このようなトランスジェニック動物
は、一般に脊椎動物である。好ましい宿主動物は、哺乳動物(例えば、非ヒト霊
長類動物、マウス、ヒツジ、ブタ、ウシ、ヤギ、モルモット、げっ歯類動物(例
えば、ラット)など)である。用語、「宿主動物」はまた、胚段階および胎仔段
階を含む、発生の全ての段階における動物を含む。
【0066】 (%同一性):任意の2つのポリペプチドまたはポリヌクレオチドが、例えば
少なくとも90%「同一」であるか否かは、「FAST A」プログラムのよう
な公知のコンピュータープログラムを使用して(例えば、Pearsonおよび
Lipman,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:244
4(1988)のようなデフォルトパラメーターを使用して)決定され得る。あ
るいは、Biotechnology Informationデータベースの
ためのNational CenterのBLAST関数を使用して、同一性を
決定し得る。
【0067】 用語相同性および同一性は、頻繁に相互交換可能に使用される。この点では、
パーセント相同性または同一性は、当業者に公知の方法により決定され得る。例
えば、GAPコンピュータプログラム(バージョン6.0)(Universi
ty of Wisconsin Genetics Computer Gr
oup(UWGCG)から入手可能)を使用して配列情報を比較することによる
。このGAPプログラムは、SmithおよびWaterman(Adv.Ap
pl.Math.2:482(1981)により改訂された、Needlema
nおよびWunsch(J.Mol.Biol.48:443(1970))の
整列方法を利用する。手短には、GAPプログラムは、類似性を、2つの配列の
うちのより短い配列におけるシンボル(すなわち、ヌクレオチドまたはアミノ酸
)の全数で除される、類似である整列されたシンボルの数として規定する。
【0068】 一般に、最高の大きさのマッチが得られるように、配列は整列される。「同一
性」とは、本来、当該分野で認識された意味を有し、そして公表された技術を用
いて算出され得る。(例えば、以下を参照のこと:Computational
Molecular Biology、Lesk、A.M.編、Oxford
University Press,New York,1988;Bioc
omputing:Informatics and Genome Proj
ects、Smith、D.W.編 Academic Press,New
York,1993;Computer Analysis of Seque
nce Data.Part I,Griffin,A.M.およびGriff
in,H.G.編、Humana Press、NewJersey、1994
;Sequence Analysis in Molecular Biol
ogy,von Heinje,G.,Academic Press,198
7;ならびにSequence Analysis Primer,Gribs
kov,M.および Devereux,J.編,M Stockton Pr
ess,New York、1991)。2つのポリヌクレオチド配列またはポ
リペチド配列の間の同一性を測定するための多くの方法が存在するが、用語「同
一性」は、当業者に周知である(Carillo、H.およびLipton,D
.SIAM J Applied Math 48:1073 (1988))
。2つの配列の間の同一性または類似性を決定するために通常用いられる方法と
しては、「Guide to Huge Computers」Martin
J.Bishop編、Academic Press、San Diego、1
994およびCarillo,HおよびLipton,D.、SIAM J A
pplied Math 48:1073(1988)に開示される方法が挙げ
られるがこれらに限定されない。同一性および類似性を決定するための方法は、
コンピュータープログラムにおいて確認される。2つの配列の間の同一性および
類似性を決定するための好ましいコンピュータープログラム方法としては、GC
Gプログラムパッケージ(Devereux,Jら、Nucleic Acid
s Research 12(i):387(1984))、BLASTP、B
LASTN、FASTA(Atschul、S.F.ら、J Molec Bi
ol 215:403(1990))が挙げられるがこれらに限定されない。
【0069】 従って、本明細書において用いられる場合、用語「同一性」は、試験ポリペプ
チドまたは試験ポリヌクレオチドと参照ポリペプチドまたは参照ポリヌクレオチ
ドとの間の比較を示す。より詳細には、試験ポリペプチドは、参照ポリペプチド
に90%以上同一である任意のポリペプチドと規定される。本明細書において用
いる場合、用語少なくとも90%同一とは、参照ポリペプチドに対して90〜9
9.99%同一であることをいう。90%以上のレベルの同一性とは、100ア
ミノ酸の試験ポリヌクレオチド長および参照ポリヌクレオチド長の例示目的と仮
定した場合、試験ポリペプチドにおける10%未満(すなわち、100のうち1
0)のアミノ酸が参照ポリペプチドのアミノ酸と異なるという事実を示す。この
ような差異は、本発明のアミノ酸配列の全長にわたって無作為に分布された点変
異として示され得るかまたは、最大許容数例えば、1/14アミノ酸相違数(約
90%同一性)まで長さを変化させる1つ以上の位置においてクラスター化され
得る。差異はアミノ酸置換または欠失として規定される。
【0070】 異なるポリペプチド間の相対同一性の決定の例を、表1に示す。
【0071】
【表1】 %同一性を、William Pearsonのlalignプログラムにより
算出した。lalignプログラムは、HuangおよびMiller(Adv
.Appl.Meth.12:337−357(1991)に公開される)のア
ルゴリズムを実行する。このプログラムは、配列分析プログラムのFASTAパ
ッケージの一部である。デフォルトパラメーター(BLOSUM50,ギャップ
ペナルティー:−14/−4)を用いる包括的整列法を使用した。http:/
/www.ch.embnet.org/software/LALIGN_f
orm.html)を参照のこと。
【0072】 単離した(単離された)(Isolated):天然状態から変化したことを
意味する用語。例えば、生存する動物において天然に存在するポリヌクレオチド
またはポリペプチドは「単離」されていないが、その天然状態の共存する物質か
ら分離された同じポリヌクレオチドまたはポリペプチドは、その用語が本明細書
において使用される場合「単離されている」。従って、組換え宿主細胞内で生成
されるおよび/または組換え宿主細胞内に含まれるポリペチドまたはポリヌクレ
オチドは、本発明の目的のために単離されたとみなされる。また、「単離された
ポリペプチド」または「単離されたポリヌクレオチド」と意図されるのは、部分
的にまたは実質的に、組換え型宿主細胞から、またはネイティブな供給源から精
製されたポリペチドまたはポリヌクレオチドである。例えば、配列番号1の化合
物の組換え的に生成されたバージョンおよびそれの誘導体は、Smithおよび
Johnson(Gene 67:31−40(1988)に記載されている一
段法(one−step method)によって、実質的に精製され得る。用
語単離されたおよび精製されたは、時々交換可能に使用される。
【0073】 「単離された(単離した)(isolated)」とは、DNAが、本発明の
DNAが誘導される生物の天然に存在するゲノム(もしあれば)において、本発
明のDNAをコードしている遺伝子にすぐ隣接するそれらの遺伝子のコード配列
を含まないことを意味する。単離したDNAは、一本鎖であっても二本鎖であっ
てもよく、そしてゲノムDNA、cDNA、組換え型ハイブリッドDNAまたは
合成DNAであってもよい。それは、例えば配列番号1の化合物をコードしてい
るネイティブなDNA配列およびその誘導体と同一でもよく、または一つ以上の
ヌクレオチドの欠失、付加または置換によってこのような配列と異ってもよい。
本発明の一本鎖DNAは一般に少なくとも8つのヌクレオチド長(好ましくは少
なくとも18ヌクレオチド長、そしてより好ましくは、少なくとも30ヌクレオ
チド長)である。これは、配列番号1の化合物をコードするDNA分子およびそ
れらの誘導体の全長(すなわち、42ヌクレオチド)にわたる;それらは、好ま
しくは、ハイブリダイゼーションプローブとしての用途のために検出可能に標識
され、そしてアンチセンスであってもよい。
【0074】 生物学的細胞または宿主から作製された調製物を言及する場合の単離されたま
たは精製されたは、示されたDNAを含有する任意の細胞抽出物または目的のD
NAまたはタンパク質の粗製抽出物を含むタンパク質を意味すると理解されるべ
きである。例えば、タンパク質の場合、精製された調製物は、個々の技術または
一連の調製技術または生化学的技術に従って得られ得、そして目的のDNAまた
はタンパク質は、これらの調製物中に種々の純度で存在し得る。これらの手順と
しては、例えば、硫酸アンモニウム分別、ゲル濾過、イオン交換変換(chan
ge)クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー、密度勾配遠心分
離および電気泳動が挙げられるが、これらに限定されない。
【0075】 「純粋」であるかまたは「単離された」DNAまたはタンパク質の調製物は、
通常はこのようなDNAまたはタンパク質に天然で付随する、天然に存在する材
料を含まない調製物を意味すると理解されるべきである。「本質的に純粋」は、
少なくとも95%の目的のDNAまたはタンパク質を含有する「高度に」精製さ
れた調製物を意味すると理解されるべきである。
【0076】 目的のDNAまたはタンパク質を含有する細胞抽出物は、目的のタンパク質を
発現するか目的のDNAを含む細胞から得られた均質化調製物または無細胞調製
物を意味すると理解されるべきである。用語「細胞抽出物」は、培養培地、特に
細胞が除去された使用後の培養培地を含むことを意図される。
【0077】 (リーダー配列):用語「リーダー配列」によって、例えば、配列番号1の化
合物に連結し、かつ選択的切断部位および配列番号1の化合物に融合した融合タ
ンパク質として宿主細胞において発現される、ポリヌクレオチド配列を意図され
る。用語「リーダーポリペプチド」は、融合タンパク質において得られるような
、「リーダー配列」の発現された形態を記載する。
【0078】 融合タンパク質(これは、それが過剰発現される場合に、しばしば、不溶性で
あり、かつ封入体において見出される)は、当該分野において周知の方法によっ
て、他の細菌タンパク質から精製される。好ましい実施形態において、不溶性融
合タンパク質は、細胞溶解後に遠心分離および洗浄され、そしてグアニジンHC
lを用いて再溶解される。それは、透析による変性剤の除去後に可溶性のままで
あり得る。(屈折タンパク質の精製については、Jones、米国特許第4,5
12,922号;Olson、米国特許第4,518,526号;ならびにBu
ilderら、米国特許第4,511,502号および同第4,620,948
号を参照のこと)。
【0079】 例えば配列番号1の組換え産生された化合物、またはその誘導体は、種々の方
法論のいずれかの使用を通じて、可溶化された融合タンパク質から、天然の夾雑
物を実質的に含まないように精製され得る。本明細書中で用いられる場合、化合
物は、それが、細菌宿主細胞または真核生物宿主細胞における発現の後に、共に
見出される物質から実質的に精製されている場合に、「天然の夾雑物を実質的に
含まない」といわれる。配列番号1の化合物またはその誘導体は、標準的なクロ
マトグラフィー分離技術の適用により精製され得る。
【0080】 あるいは、このペプチドは、免疫アフィニティークロマトグラフィーを用いて
精製され得る(Rotman,Aら、Biochem.Biophys.Act
a 641:114−121(1981);Sairam,M.R.J.Chr
omatog 215:143−152(1981);Nielsen,L.S
.ら、Biochemistry 21:6410−6415(1982);V
ockley,J.ら、Biochem.J.217:535−542(198
4);Paucha,E.ら、J.Virol.51:670−681(198
4);およびChang,P.ら、J.Virol.Meth.10:261−
268(1985))。
【0081】 部分的精製または実質的精製の後、融合タンパク質は、切断部位に対応する酵
素を用いて酵素的に処理される。あるいは、そのより不純な状態において融合タ
ンパク質は、たとえ屈折形態であっても、酵素を用いて処理され得る。必要とさ
れる場合、例えば配列番号1の得られた成熟化合物、またはその誘導体は、さら
に精製され得る。酵素処理の条件は、当業者に公知である。
【0082】 (作動可能に連結される):2つのDNA配列(例えば、プロモーター領域配
列およびPTH誘導体をコードする配列)は、2つのDNA配列間の連結の性質
が、(1)フレームシフト変異の導入を生じない場合、(2)プロモーター領域
配列が所望の配列の転写を指向する能力を妨害しない場合または(3)所望の配
列がプロモーター領域配列によって転写される能力を妨害しない場合に、作動可
能に連結されているといわれる。従って、プロモーター領域は、このプロモータ
ーがDNA配列を転写し得た場合に、所望のDNA配列に作動可能に連結される
【0083】 ポリヌクレオチド:この用語は一般に、未改変のRNAもしくはDNAまたは
改変されたRNAもしくはDNAであり得る、任意のポリリボヌクレオチドまた
はポリデオキシリボヌクレオチド(polydeoxribonucleoti
de)をいう。「ポリヌクレオチド」としては、一本鎖および二本鎖のDNA、
一本鎖領域および二本鎖領域の混合物であるDNA、一本鎖および二本鎖のRN
A、ならびに一本鎖領域および二本鎖領域の混合物であるRNA、一本鎖であり
得るか、より代表的には二本鎖または一本鎖領域および二本鎖領域の混合物であ
り得る、DNAおよびRNAを含むハイブリッド分子が挙げられるがこれらに限
定されない。さらに、「ポリヌクレオチド」は、RNAもしくはDNAまたはR
NAおよびDNAの両方を含む三本鎖領域をいう。用語「ポリヌクレオチド」は
また、1以上の改変された塩基を含むDNAもしくはRNA、および安定性に関
してまたは他の理由について改善された骨格を有するDNAもしくはRNAを含
む。「改変された」塩基としては、例えば、トリチル化塩基およびイノシンのよ
うな普通でない塩基が挙げられる。種々の改変がDNAおよびRNAに行われて
いる;従って、「ポリヌクレオチド」は、天然に代表的に見出されるような、化
学的に、酵素的にまたは代謝的に改変された形態のポリヌクレオチド、ならびに
ウイルスおよび細胞に特有の化学的形態のDNAおよびRNAを含む。「ポリヌ
クレオチド」はまた、比較的短いポリヌクレオチド(しばしば、オリゴヌクレオ
チドと呼ばれる)を含む。
【0084】 (ポリペプチド):ポリペプチドおよびペプチドは、交換可能に使用される。
用語ポリペプチドは、ペプチド結合または改変されたペプチド結合(すなわち、
ペプチド同配体)によって互いに連結された2以上のアミノ酸を含む任意のペプ
チドまたはタンパク質をいう。「ポリペプチド」は、短鎖(通常、ペプチド、オ
リゴペプチドまたはオリゴマーと呼ばれる)およびより長い鎖(一般にタンパク
質と呼ばれる)の両方をいう。ポリペプチドは、遺伝子にコードされる20種の
アミノ酸以外のアミノ酸を含み得、自然のプロセス(例えば、翻訳後プロセシン
グ)または当該分野で周知である化学的改変技術のいずれかによって改変された
アミノ酸配列を含む。このような改変は、基本的教科書に十分に記載されており
、そして単行本および調査文献に、より詳細に記載されている。改変は、ペプチ
ド骨格、アミノ酸側鎖およびアミノ末端またはカルボキシル末端を含むポリペプ
チドにおいてどこでも生じ得る。同じ型の改変が所定のポリペプチドにおいて同
じまたは種々の程度でいくつかの部位に存在し得ることが認識される。また、所
定のポリペプチドは、多くの型の改変を含み得る。
【0085】 ポリペプチドは分枝状であり得、そして分枝を含むかまたは含まない環状であ
り得る。環状ポリペプチド、分枝したポリペプチドおよび分枝した環状ポリペプ
チドは、翻訳後改変から生じてもよいし、または合成方法によって作製されても
よい。改変としては以下が挙げられる:アセチル化、アシル化、ADP−リボシ
ル化、アミド化、フラビンの共有結合、ヘム部分の共有結合、ヌクレオチドまた
はヌクレオチド誘導体の共有結合、脂質または脂質誘導体の共有結合、ホスファ
チジルイノシトール(phosphotidylinositol)の共有結合
、架橋、環状化、ジスルフィド結合形成、脱メチル化、共有架橋の形成、シスチ
ンの形成、ピログルタメートの形成、ホルミル化、γ−カルボキシル化、グリコ
シル化、GPIアンカー形成、ヒドロキシル化、ヨー素化、メチル化、ミリスト
イル化、酸化、タンパク質分解処理、リン酸化、プレニル化、ラセミ化、セレノ
イル化(selenoylation)、硫酸化、タンパク質へのトランスファ
ーRNA媒介アミノ酸付加(例えば、アルギニル化)、およびユビキチン結合。
例えば、Proteins−Structure and Molecular
Properties,第2版、T.E.Creighton,W.H.Fr
eeman and Company,New York,1993およびWo
ld,F.,Posttranslational Protein Modi
fications:Perspectives and Prospects
,1〜12頁、Posttranslational Covalent Mo
dification of Proteins,B.C.Johnson,編
、Academic Press,New York、1983;Seifte
rら、「Analysis for protein modificatio
ns and nonprotein cofactors」Methods
in Enzymol.182:626〜646(1990)ならびにRatt
anら「Protein Synthesis:Posttranslatio
nal Modifications and Aging」Ann NY A
cad Sci 663:48〜62(1992)を参照のこと。
【0086】 プロモーター:一般的に、開始コドンの近位に位置する、遺伝子の5’領域と
記載されるDNA配列。隣接遺伝子の転写は、プロモーター領域で開始される。
プロモーターが誘導性プロモーターである場合、転写速度は、誘導剤に応答して
増大する。対照的に、転写速度は、プロモーターが構成性プロモーターである場
合、誘導剤によって調節されない。プロモーターの例としては、CMVプロモー
ター(InVitrogen,San Diego,CA)、SV40、MMT
VおよびhMTIIaプロモーター(米国特許第5,457,034号)、HS
V−1 4/5プロモーター(米国特許第5,501,979号)ならびに前初
期HCMVプロモーター(WO92/17581)が挙げられる。また、組織特
異的エンハンサーエレメントは、用いられ得る。さらに、このようなプロモータ
ーは、生物の組織特異的プロモーターおよび細胞特異的プロモーターを含み得る
【0087】 (組換え宿主):本発明によれば、組換え宿主は、発現ベクターまたはクロー
ニングベクター上の所望のクローニングされた遺伝子を含む、任意の原核生物宿
主細胞または真核生物細胞であり得る。この用語はまた、所望の遺伝子をその生
物の染色体またはゲノム中に含むように遺伝子操作された、原核生物細胞または
真核生物細胞を含むことを意味する。このような宿主の例については、Samb
rookら,Molecular Cloning:A Laboratory
Manual,第2版,Cold Spring Harbor Labor
atory,Cold Spring Harbor,New York(19
89)を参照のこと。好ましい組換え宿主は、本発明のDNA構築物で形質転換
された真核生物細胞である。より詳細には、哺乳動物細胞が好ましい。
【0088】 (選択的切断部位):用語「選択的切断部位」とは、予想可能な様式で、化学
薬品または酵素のいずれかを用いて、選択的に切断され得るアミノ酸残基(単数
または複数)をいう。選択的な酵素切断部位とは、タンパク質分解酵素によって
認識されかつ加水分解されるアミノ酸またはペプチドの配列である。このような
部位の例としては、制限なしに、トリプシン切断部位またはキモトリプシン切断
部位が挙げられる。
【0089】 (ストリンジェントハイブリダイゼーション) 本明細書中で使用される場合
、「ストリンジェントハイブリダイゼーション」条件は、DNAまたはDNAお
よびRNAの相補的断片間の少なくとも95%の相同性を確立するために、当業
者により通常使用される条件であると理解されるべきである。
【0090】 DNAの変性鎖へのハイブリダイゼーションが起きるための必要条件は3つし
かない。(1)サンプル中に相補一本鎖が存在しなければならない。(2)1本
鎖DNAの溶液のイオン強度は、塩基が互いに接近し得るようにかなり高くなけ
ればならず;操作上、これは0.2Mより上を意味する。(3)DNA濃度は、
分子間衝突が妥当な頻度で起きるほど十分高く高くなければならない。第3の条
件は、速度のみに影響するが、再変性/ハイブリダイゼーションが起きるか否か
には影響しない。
【0091】 当業者により慣用的に使用される条件は、容易に入手可能な手順テキスト(例
えば、Ausubel.F.ら,Current Protocols in
Molecular Biology,Vol.1,Chap.2.10,Jo
hn Wiley & Sons,Publishers(1994)またはS
ambrookら,Molecular Cloning,Cold Spri
ng Harbor(1989)(これらの文章全体が本明細書中に参考として
援用される))に記述される。当業者に公知のように、最終的なハイブリダイゼ
ーションストリンジェンシーは、実際のハイブリダイゼーション条件およびハイ
ブリダイゼーション後の洗浄条件を反映し、そして当業者は、これらの条件を変
化させて所望の結果を得る適切な様式を理解する。
【0092】 例えば、プレハイブリダイゼーション溶液は、所望の温度および所望のプレハ
イブリダイゼーション時間で、固体マトリックス上の非特異的部位へのハイブリ
ダイゼーションを可能にするために、十分な塩および非特異的DNAを含有する
べきである。例えば、ストリンジェントハイブリダイゼーションのために、この
ようなプレハイブリダイゼーション溶液は、6×塩化ナトリウム/クエン酸ナト
リウム(1×SSCは、0.15M NaCl、0.015M クエン酸Na;
pH7.0である)、5×Denhardt溶液、0.05%ピロリン酸ナトリ
ウムおよび100μg/mlのニシン精液DNAを含有し得る。次いで、適切な
ストリンジェントハイブリダイゼーション混合物は、6×SSC、1×Denh
ardt溶液、100μg/mlの酵母tRNAおよび0.05%ピロリン酸ナ
トリウムを含む。
【0093】 DNA−DNA分析のための代替条件は、以下を必要とする: 1)室温でのプレハイブリダイゼーションおよび68℃でのハイブリダイゼー
ション; 2)室温での0.2×SSC/0.1%SDSでの洗浄; 3)所望の場合、42℃での0.2×SSC/0.1%SDSでのさらなる洗
浄(穏やかなストリンジェンシー洗浄);または 4)所望の場合、68℃での0.1×SSC/0.1%SDSでのさらなる洗
浄(高ストリンジェンシー)。
【0094】 以下の組成を含む公知のハイブリダイゼーション混合物(例えば、Churc
h and Gilbert,Proc,Natl Acad.,Sci,US
A 81:1991−1995 (1984)の混合物)もまた使用され得る:
1%結晶等級ウシ血清アルブミン/1mM EDTA/0.5M NaHPO4
、pH 7.2/7% SDS。さらに、代替であるが類似の反応条件はまた、
Sambrookら,Molecular Cloning,Cold Spr
ing Harbor(1989)に見出され得る。ホルムアミドはまた、所望
の場合、プレハイブリダイゼーション/ハイブリダイゼーション溶液に含まれ得
る。本発明は、PT誘導体をコードする核酸配列にストリンジェントにハイブリ
ダイズするDNA配列を含み得る。
【0095】 (トランスジェニック) 本明細書中で使用される場合、「トランスジェニッ
ク」生物は、導入遺伝子を含有する生物であり、ここで導入遺伝子は、生物また
はその生物の先祖に、出生前段階(例えば、胚段階)で導入されていた。この導
入遺伝子は、その生殖細胞系に規定された変化を生じ、ここでこの変化は、通常
野生型生物には見出されない。この変化は、この生物の子孫まで継代し得、そし
て従ってその子孫もまたトランスジェニック動物である。生物の生殖細胞系への
変化は、目的の遺伝子における挿入、置換、または欠失であり得る。非ヒト動物
は、当該分野で公知の技術により導入遺伝子が導入され得る生物であり、このよ
うな動物としては、マウス、ヤギ、ヒツジ、ブタ、ウシおよび他の家畜動物が挙
げられるがこれらに限定されない。トランスジェニック動物を作製するための方
法は、当該分野で慣例になり、そして例えば、Hogan B.ら,「A La
boratory Manual」,Cold Spring Harbor,
N.Y,(1986)または米国特許第5,922,927号もしくは同第5,
917,123号に記載される。1つの導入遺伝子を保有するトランスジェニッ
ク動物は、第2の導入遺伝子を保有する別のトランスジェニック動物にさらに交
配されて、2つの導入遺伝子を保有する「二重トランスジェニック」動物を生成
し得る。
【0096】 これらの条件は、限定的または制限することを意味せず、そして必要な場合に
、所望の目的を達成するために当業者によって調整され得るということが理解さ
れるべきである。
【0097】 (本発明の化合物−構造的特徴ならびに機能的特徴) 簡便な非注射法により送達され得るのに十分に小さい、PTHの新規の「最小
型」改変体を本明細書中に記載する。このポリペプチドの1次14アミノ酸に置
換基を有するより大きなPTH誘導体をまた記載する。新規のペプチドは、ネイ
ティブのPTHの1〜34、1〜32、1〜30、1〜28、1〜26、1〜2
4、1〜22、1〜20、1〜14、1〜13、1〜12、1〜11、1〜10
および1〜9アミノ酸配列に対応する。こののより短い改変体(≦PTH1〜1
4)は、2,000ダルトン未満の分子量を有する。
【0098】 ネイティブヒトPTH(1−14)ペプチド(N−末端〜C末端)の1次アミ
ノ酸配列は、SerValSerGluIleGlnLeuMetHisAsn
LeuGlyLysHis(配列番号14)であり、一方、このネイティブPT
HrP(1〜14)ペプチド(N末端〜C末端)の1次アミノ酸配列は、Ala
ValSerGluHisGlnLeuLeuHisAspLsyGlyLys
Ser(配列番号15)である。
【0099】 この節において頻繁に、参照が、配列番号1のポリペプチドに対してなされる
。これは、単なる例示に過ぎず、これにより、本発明の他のポリペプチド配列に
対して任意の方法に限定することを暗示することを意味すべきではない。タンパ
ク質産物の場合、本発明の化合物は、液相ペプチド合成もしくは固相ペプチド合
成または組換え生物学の技術による産物に従う。
【0100】 固相ペプチド合成技術は、特に、ヒトPTHの産生に首尾良く適用されており
、そして配列番号1の化合物またはその誘導体の産生のために有用であり得る(
ガイダンスについては、Kimuraら、前出、を参照のこと、およびFair
wellら、Biochem.22:2691(1983)を参照のこと)。比
較的大きな規模のヒトPTHを産生することの成功は、Goudら、J.Bon
e.Min.Res.6(8):781(1991)(本明細書中で参考として
援用される)により報告されている。合成ペプチド合成アプローチは、一般的に
、自動合成機および固相として適切な樹脂の使用を必要とする。この樹脂は、配
列番号1の所望の化合物またはその誘導体のC末端アミノ酸に付着される。次い
で、N末端方向での、ペプチドの伸長は、代表的には、FMOC−またはBOC
−のいずれかに基づく化学プロトコルを用いて、合成が完了するまで、次に所望
されるアミノ酸の適切に保護された形態を、連続的にカップリングすることによ
り達成される。次いで、保護基は、通常、樹脂からのペプチドの切断と同時に、
ペプチドから切断され、次いでこのペプチドは、従来技術(例えば、溶媒として
アセトニトリルおよびイオン対形成剤(ion−pairing agent)
としてトリフルオロ酢酸を用いる逆相HPLCによる)を用いて単離され、そし
て精製される。このような手順は、一般に多数の刊行物に記載されており、そし
て例えば、StewartおよびYoung,「Solid Phase Pe
ptide Synthesis」、第2版、Pierce Chemical
Company,Rockford,IL(1984)を、参照されても良い
。ペプチド合成アプローチが、遺伝的にコードされないアミノ酸を組み込む、例
えば、配列番号1およびその誘導体(例えば、ホモアルギニン)の生成のために
必要とされる。
【0101】 本発明の1つの局面において、1〜9位の任意のアミノ酸置換基そしてより詳
細には、アミノ酸の10位、11位、12位、13位、14位および/または1
9位でのこれらのアミノ酸置換基であって、PTH−1/PTH−2レセプター
をアンタゴナイズまたはアゴナイズする(当業者に公知のアッセイおよび本明細
書中で議論されるアッセイにより決定されるような)ために、PTHポリペプチ
ドの生物学的活性を破壊しない置換基もまた、本発明の範囲内に含まれる。
【0102】 ウシPTH、PTH(3〜34)の合成アナログは、インビトロにおける強力
なPTHアンタゴニストとして認識されている。N末端アミノ酸1〜2および1
〜7を欠くPTHの改変体は、アゴニスト活性を欠き、そしてアンタゴニスト活
性の能力があることが示された(Born,W.ら、Endocrinol.2
3:1848−1853(1988))。本発明の配列番号1の好ましい強力な
アンタゴニスト改変体は、N末端で短縮化(truncate)された改変体で
ある。
【0103】 改変体が、N末端で1つのアミノ酸により短縮化される場合、それはアミノ酸
残基#1を欠くが、アミノ酸残基#2〜14を含むという点で、PTHまたはP
THrP(2〜14)と称される。改変体がC末端で1つのアミノ酸により短縮
化される場合、それはアミノ酸残基#14を欠くが、アミノ酸残基#1〜13を
含むという点で、PTHまたはPTHrP(1〜13)と称される。この番号付
けシステムはまた、より短縮化されたPTHの改変体に適用される。
【0104】 本発明の別の局面に従って、置換基は、当該分野において公知の標準的方法に
よって、例えば、配列番号1の化合物またはその誘導体のN末端アミノ酸の遊離
アミンに付加され得る。例えば、アルキル基(例えば、C1-12アルキル)は、還
元的アルキル化を使用して付加され得る。ヒドロキシアルキル基(例えば、C1- 12 ヒドロキシアルキル)もまた、還元的アルキル化を使用して付加され得、ここ
では遊離ヒドロキシ基をt−ブチルエステルで保護する。アシル基(例えば、C
OE1)は、遊離酸(例えば、E1COOH)をN末端アミノ酸の遊離アミン(a
mino)にカップリングすることにより、付加され得る。さらに、ポリペプチ
ドのC末端の強力な化学的改変体が、本発明の範囲内に含まれる。これらの改変
体は、レセプターに対する結合親和性を改変し得る。
【0105】 配列番号1の化合物もしくはその誘導体の二次構造または三次構造、または安
定性を変更し、なお生物学的活性を保持する、例えば、配列番号1のそれらの化
合物およびその誘導体もまた、本発明の範囲内と意図される。このような誘導体
は、ラクタム環化、ジスルフィド結合、または当業者に公知の他の手段を通して
達成され得る。
【0106】 (ベクター、宿主細胞、および組換え発現) 本発明はまた、本発明のポリヌクレオチドを含むベクター、および本発明のベ
クターで遺伝子操作された宿主細胞、ならびに組換え技術による本発明のポリペ
プチドの産生に関する。細胞を含まない翻訳系もまた、本発明のDNA構築物由
来のRNAを使用して、このようなタンパク質を産生するために使用され得る。
【0107】 組換え産生のために、宿主細胞は、本発明のポリヌクレオチドについての発現
系またはその部分を組込むように遺伝子操作され得る。宿主細胞へのポリヌクレ
オチドの導入は、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デキスト
ラン媒介性トランスフェクション、トランスベクション(transvecti
on)、微量注入、カチオン性脂質媒介性トランスフェクション、エレクトロポ
レーション、形質導入、切屑負荷(scrape loading)、弾道的導
入、または感染のような、多くの標準的実験室マニュアル(例えば、Davis
ら、Basic Methods in Molecular Biology
(1986)およびSambrookら、Molecular Cloning
:A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring
Harbor Laboratory Press、Cold Spring
Harbor、N.Y.(1989))に記載される方法によって、もたらさ
れ得る。
【0108】 適切な宿主の代表的な例としては、細菌細胞(例えば、Streptococ
ci細胞、Staphylococci細胞、E.coli細胞、Strept
omyces細胞およびBacillus subtilis細胞);真菌細胞
(例えば、酵母細胞およびAspergillus細胞);昆虫細胞(例えば、
Drosophila S2細胞およびSpodoptera Sf9細胞);
動物細胞(例えば、CHO細胞、COS細胞、HeLa細胞、C127細胞、3
T3細胞、BHK細胞、293細胞およびBowes黒色腫細胞);ならびに植
物細胞が挙げられる。
【0109】 非常に種々の発現系が、使用され得る。このような系としては、特に、染色体
由来の系、エピソーム由来の系およびウイルス由来の系(例えば、細菌性プラス
ミド由来のベクター、バクテリオファージ由来のベクター、トランスポゾン由来
のベクター、酵母エピソーム由来のベクター、挿入エレメント由来のベクター、
酵母染色体エレメント由来のベクター、ウイルス(例えば、バキュロウイルス、
パポバウイルス(例えば、SV40)、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、
家禽ポックスウイルス、仮性狂犬病ウイルスおよびレトロウイルス)由来のベク
ター、ならびにそれらの組合せ由来のベクター(例えば、プラスミドおよびバク
テリオファージ遺伝的エレメント(例えば、コスミドおよびファージミド)由来
のベクター)が挙げられる。発現系は、発現を調節しならびに発現を生じる制御
領域を含み得る。一般に、宿主においてポリペプチドを産生するためにポリヌク
レオチドを維持、増殖または発現するために適切な任意の系またはベクターが、
使用され得る。適切なヌクレオチド配列は、任意の種々の周知および慣用的な技
術(例えば、Sambrookら、Molecular Cloning:A
Laboratory Manual(前出)に示される技術)によって、発現
系へ挿入され得る。
【0110】 RNAベクターはまた、本発明に開示される本発明の化合物またはその誘導体
をコードする核酸の発現のために利用され得る。これらのベクターは、広範な種
々の真核生物細胞において天然に複製される、+(プラス)鎖または−(マイナ
ス)鎖のRNAウイルスに基づく(Bredenbeek,P.J.およびRi
ce,C.M.、Virology 3:297−310、1992)。レトロ
ウイルスとは異なり、これらのウイルスは、RNA形態において完全に存在する
、中間のDNAライフサイクル相を欠如する。例えば、αウイルスは、外来タン
パク質のための発現ベクターとして使用される。なぜなら、これらは、広範囲の
宿主細胞において利用され得、そして高レベルの発現を提供し得るからである;
この型のウイルスの例としては、シンドビスウイルスおよびセムリキ森林ウイル
スが挙げられる(Schlesinger,S.、TIBTECH 11:18
−22、1993;Frolov,I.ら、Proc.Natl.Acad.S
ci.(USA)93:11371−11377、1996)。Invitro
genのシンビス発現系によって例示されるように、研究者らは、簡便に、研究
室でDNA形態(pSinrep5プラスミド)において組換え分子を維持し得
るが、RNA形態における増殖も同様に可能である。発現のために使用される宿
主細胞において、目的の遺伝子を含むベクターは、完全にRNA形態で存在し、
そして所望であれば、この状態において連続的に増殖され得る。
【0111】 翻訳されたタンパク質の、小胞体の管腔への分泌、ペリプラズム空間への分泌
または細胞外環境への分泌について、適切な分泌シグナルは、所望のポリペプチ
ドへ組み込まれ得る。これらのシグナルは、ポリペプチドに対して内因性であり
得るか、またはこれらは、異質性シグナルであり得る。
【0112】 DNA配列の発現は、そのDNA配列が転写調節情報および翻訳調節情報を含
むDNA配列に「作動可能に連結される」必要がある。作動可能な連結は、制御
DNA配列または調節DNA配列および発現されようとしているDNA配列が、
遺伝子発現を許容するような方法で連結される、連結である。遺伝子発現のため
に必要な「制御領域」の正確な性質は、生物間で変化し得るが、一般に、プロモ
ーター領域(原核生物細胞において、プロモーター(これは、RNA転写の開始
を指向する)ならびにDNA配列(RNAへ転写される場合に、タンパク質合成
の開始をシグナル伝達する)の両方を含む)を含む。真核生物細胞における調節
領域は、一般に、RNA合成の開始を指向するに十分なプロモーター領域を含む
【0113】 本発明の発現ベクターを生成するための、種々のDNAフラグメントの結合は
、従来の技術に従い、連結のために平滑末端または付着末端、適切な末端を提供
するための制限酵素消化、適切な粘着末端の充填、望まない結合を回避するため
のアルカリおよびホスファターゼ処理、ならびに適切な連結物との連結を使用し
て、実施される。融合タンパク質の場合において、遺伝的構築物は、この融合タ
ンパク質の5’遺伝子配列に作動可能に連結された誘導性プロモーターをコード
して、この融合タンパク質の効率的な発現を可能にする。
【0114】 原核生物細胞(例えば、E.coli、B.subtilis、Pseudo
monas、Streptomycesなどのような)において、本発明の化合
物またはその誘導体を発現するために、例えば、配列番号1をコードするDNA
配列を機能性原核生物プロモーターに作動可能に連結する必要がある。このよう
なプロモーターは、構成性であり得るか、またはより好ましくは、調節性(すな
わち、誘導性または抑制解除性(depressible))であり得る。構成
性プロモーターの例としては、バクテリオファージλのintプロモーター、p
BR322のβラクタマーゼ遺伝子のblaプロモーター、およびpBR325
のクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ遺伝子のCATプロモータ
ーなどが挙げられる。誘導性原核生物プロモーターの例としては、バクテリオフ
ァージλの主要な(major)右鎖プロモーターおよび左鎖プロモーター(P
LおよびPR)、E.coliのtrp、recA、lacZ、lacIおよび
galプロモーター、α−アミラーゼ(Ulmanen,I.ら、J.Bact
eriol.162:176−182(1985))、およびB.subtil
isのσ−28−特異的プロモーター(Gilman,M.Z.ら、Gene
32:11−20(1984))、Bacilliusのバクテリオファージの
プロモーター(Gryczan,T.J.:The Molecular Bi
ology of the Bacilli,Academic Press,
Inc.,NY(1982))、ならびにStreptomycesのプロモー
ター(Ward,J:M.ら、Mol.Gen.Genet.203:468−
478(1986))が挙げられる。原核生物プロモーターは、Glick,B
.R.、J.Ind.Microbiol.1:277−282(1987);
Cenatiempo,Y.、Biochimie 68:505−516(1
986));およびGottesman,S.、Ann.Rev.Genet.
18:415−442(1984)によって総説されている。
【0115】 本発明のために好ましい原核生物プロモーターは、E.coli trpプロ
モーターであり、これは、インドールアクリル酸に対して誘導性である。
【0116】 発現が真核生物細胞(例えば、酵母、真菌、哺乳動物細胞、または植物細胞)
において所望される場合、このような真核生物宿主において転写を指向し得るプ
ロモーターを使用することが必要である。好ましい真核生物プロモーターとして
は、マウスメタロチオネインI遺伝子のプロモーター(Hamer,D.ら、J
.Mol.Appl.Gen.1:273−288 (1982));ヘルペス
ウイルスのTKプロモーター(McKnight,S.、Cell 31:35
5−365(1982));SV40初期プロモーター(Benoist,C.
ら、Nature(London)290:304−310(1981));な
らびに酵母gal4遺伝子プロモーター(Johnston,S.A.ら、Pr
oc.Natl.Acad.Sci.(USA)79:6971−6975(1
982);Silver,P.A.ら、Proc.Natl.Acad.Sci
.(USA)81:5951−5955(1984))が挙げられる。
【0117】 好ましくは、導入される遺伝子配列は、レシピエント宿主において自立的に複
製し得るプラスミドまたはウイルスベクターに組み込まれる。任意の広範な種々
のベクターが、この目的のために使用され得る。特定のプラスミドまたはウイル
スベクターを選択する際に重要な因子としては、以下が挙げられる:ベクターを
含むレシピエント細胞が、ベクターを含まないレシピエント細胞を認識し得、そ
してその細胞から選択され得る、容易性;特定の宿主において所望されるベクタ
ーのコピー数;および異なる種の宿主細胞間でベクターを「往復(shuttl
e)」し得ることが望ましいか否か。
【0118】 好ましい原核生物ベクターとしては、E.coliにおいて複製可能なプラス
ミド(例えば、pBR322、ColEl、pSC101、pACYC 184
、πVXのような)が挙げられる。このようなプラスミドは、例えば、Mani
atis,T.ら、Molecular Cloning,A Laborat
ory Manual,Cold Spring Harbor Press,
Cold Spring Harbor,NY(1982)によって開示される
。好ましいプラスミド発現ベクターとしては、pGFP−1プラスミド(Gar
dellaら、J.Biol.Chem.265:15854−15859(1
989)に記載される);またはpETベクターの1つに基づく改変プラスミド
(StudierおよびDunn、Methods in Enzymolog
y 185:60−89(1990)に記載される)が挙げられる。Bacil
lusプラスミドとしては、pC194、pC221、pT127などが挙げら
れる。このようなプラスミドは、Gryczan,T.:The Molecu
lar Biology of the Bacilli,Academic
Press,NY、307−329頁(1982)によって開示される。適切な
Streptomycesプラスミドとしては、pIJIOI(Kendall
,K.J.ら、J.Bacteriol.169:4177−4183(198
7))、およびstreptomycesバクテリオファージ(例えば、φC3
1(Chater,K.F.ら:Sixth International S
ymposium on Actinomycetales Biology,
Akademiai Kaido,Budapest,Hungary、45−
54頁(1986))が挙げられる。Pseudomonasプラスミドは、J
ohn,J.F.ら、Rev.Infect.Dis.8:693−704(1
986)、およびIzaki,K.、Jon.J.Bacteriol.33:
729−742(1978)によって総説される。
【0119】 好ましい真核生物発現ベクターとしては、限定はしないが、BPV、ワクシニ
ア、2−ミクロンサークル(2−micron circle)などが挙げられ
る。このような発現ベクターは、当該分野において周知である(Botstei
n,D.ら、Miami Wntr.Symp.19:265−274(198
2);Broach,J.R.:The Molecular Biology
of the Yeast Saccharomyces:Life Cyc
le and Inheritance,Cold Spring Harbo
r Laboratory,Cold Spring Harbor,NY、4
45−470頁(1981);Broach,J.R.、Cell 28:20
3−204(1982);Bollon,D.P.ら、J Clin.Hema
tol.Oncol.10:39−48(1980);Maniatis,T.
:Cell Biology:A Comprehensive Treati
se、第3巻、Gene Expression,Academic Pres
s,NY、563−608頁(1980))。
【0120】 微生物に加えて、多細胞生物由来の細胞の培養物もまた、宿主として使用され
得る。原理的に、任意のこのような細胞培養物は、脊椎動物細胞供給源または無
脊椎動物細胞供給源のいずれかから実行可能である。しかし、脊椎動物供給源由
来の細胞を用いるものが、大いに興味深い。有用な脊椎動物宿主細胞株の例は、
VERO細胞株およびHeLa細胞株、チャイニーズハムスター(CHO)細胞
株、WI38細胞株、BHK細胞株、COS−7細胞株、およびMDCK細胞株
である。このような細胞のための発現ベクターは、通常(必要であれば)、任意
の必要なリボソーム結合部位、RNAスプライス部位、ポリアデニル化部位およ
び転写終結部位とともに、複製起点、発現される遺伝子の前またはその上流に位
置するプロモーターを含む。
【0121】 哺乳動物細胞における使用に関しては、発現ベクターの制御機能は、しばしば
、ウイルス物質により提供される。例えば、一般に使用されるプロモーターは、
ポリオーマ、アデノウイルス2、シミアンウイルス40(SV40)およびサイ
トメガロウイルス由来である。SV40ウイルスの初期プロモーターおよび後期
プロモーターは、特に有用である。なぜなら、両方とも、SV40ウイルスの複
製起点もまた含むフラグメントとしてこのウイルスから容易に得られるからであ
る(Fiersら,Nature 273:113(1978))。
【0122】 複製起点は、ベクターの構築により以下のいずれかを提供されて、外因性の起
点(SV40または他のウイルス(例えば、ポリオーマ、アデノ、VSV、BP
V)の供給源由来であってもよく、宿主細胞染色体複製機構により提供されても
よい)を含み得る。ベクターが宿主染色体に組み込まれる場合、後者はしばしば
充分である。
【0123】 多くの(formidable)細胞膜障壁のない細胞が宿主細胞として使用
される場合、トランスフェクションは、GrahamおよびVan der E
rb,Virology 52:546(1978)に記載されるように、リン
酸カルシウム沈澱法により行われる。しかし、細胞にDNAを導入するための他
の方法(例えば、核注入によるか、またはプロトプラスト融合による)もまた使
用され得る。遺伝子治療の場合では、トランスフェクション促進剤(例えば、リ
ポソームが挙げられるが、これに限定されない)の有無に拘わらず、裸のプラス
ミドまたはウイルスDNAの直接注入法が、哺乳動物細胞のインビボまたはイン
ビトロのトランスフェクションという現在の方法に対する代替アプローチを提供
する。実質的な細胞壁構築物を備える原核生物細胞が使用される場合、好ましい
トランスフェクション法は、Cohenら,Proc.Natl.Acad.S
ci.USA 69:2110(1972)に記載のように、塩化カルシウムを
用いたカルシウム処理である。
【0124】 (遺伝子治療) PTHを必要とする骨粗しょう症または他の疾患のような疾患の症状を患った
患者(ヒトまたは非ヒト)は、遺伝子治療によって処置され得る。このアプロー
チを受けることによって、この疾患症状の減衰が存在すべきである。遺伝子治療
は、以下において効果的であると証明されるか、または見込みが有ると考えられ
る:ヒトの血友病の特定の形態の治療において(Bontempo,F.A.ら
、Blood 69:1721−1724(1987);Palmer,T.D
.ら、Blood 73:438−445(1989);Axelrod,J.
H.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:5173−5
177(1990);Armentano,D.ら、Proc.Natl.Ac
ad.Sci.USA 87:6141−6145(1990));ならびに以
下のような他の哺乳動物の処置において:嚢胞性線維症(Drumm,M.L.
ら、Cell 62:1227−1233(1990);Gregory,R.
J.ら、Nature347:358−363(1990);Rich,D.P
.ら、Nature347:358−363(1990))、ゴシェ病(Sor
ge,J.ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84 906
−909(1987);Fink,J.K.ら、Proc.Natl.Acad
.Sci.USA 87:2338(1990))、筋ジストロフィー(Par
tridge,T.A.ら、Nature 337:176−179(1989
);Law,P.K.ら、Lancet 336:114−115(1990)
;Morgan,J.E.ら、J.Cell Biol.111:2437−2
449(1990))および転移性黒色腫(Rosenberg,S.A.ら、
Science 233:1318−1321(1986);Rosenber
g,S.A.ら、N.Eng.J.Med.319:1676−1680(19
88);Rosenberg,S.A.らN.Eng.J.Med.323:5
70−578(1990))。より最近になって、遺伝子治療は、前立腺癌(H
erman,J.R.ら、Hum.Gene Ther.10:1239−12
49(1999))および転移性黒色腫(Nemunaitis,J.ら、Hu
m.Gene Ther.20:1289−1298(1999))を患った患
者において抗癌活性または抗腫瘍活性を提供することが示されている。さらに、
数種の特許が、遺伝子治療の方法に与えられている。例えば、米国特許第5,8
36,905号、同第5,741,486号、同第5,871,486号、およ
び同第5,656,465号。
【0125】 好ましいアプローチにおいて、PTHポリペプチド誘導体に関して、ヌクレオ
チド配列を有するポリヌクレオチドは、形質移入ベクターを形成するために、処
理されるべき哺乳動物の細胞中に核酸分子を導入するのに適したベクター中に取
り込まれ得る。
【0126】 種々のベクターが、遺伝子送達および強力な遺伝子治療のために開発された。
この目的のために適切なベクターとしては、レトロウイルス、アデノウイルスお
よびアデノ関連ウイルス(AAV)が挙げられる。あるいは、本発明の核酸分子
は、ウイルス(例えば、アデノウイルス)またはウイルス成分(例えば、ウイル
ス性カプシドタンパク質)との分子結合体に複合化され得る。このベクターは、
単純疱疹ウイルス1型(HSV−1)、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス(
AVV)およびレトロウイルス構築物由来である(概説のために、例えば、Fr
iedmann,T.,Trends Genet 10:210−214(1
994);Jolly,D.,Cancer Gene Therapy 1(
1994);Mulligan,R.C.Science 260:926−9
32(1993);Smith,F.ら、Rest.Neurol.Neuro
sci.8:21−34(1995)を参照のこと)。HSV−1に基づくベク
ター(組換えウイルスベクターおよびアンプリコンベクターの両方を含む)およ
びアデノウイルスベクターは、細胞核中での染色体外状態および有糸分裂後の細
胞(有糸分裂細胞ではない)中での制限された長期の遺伝子発現を想定し得る。
HSV−1アンプリコンベクターは、比較的高度のタイター(107形質導入ユ
ニット/ml)まで増殖され得、そして外来DNA(少なくとも15kb(1ビ
リオンあたり10鎖状のコピーを有する))の大きなフラグメントに順応する能
力を有する。AAVベクター(rAAV)(アンプリコンベクターに適切なタイ
ターで利用可能である)は、有糸分裂後に遺伝子(<4.5kb)を、ヘルパー
ウイルスとしてアデノウイルスまたはヘルペスウイルスと組合せた有糸分裂細胞
を送達し得る。長期の導入遺伝子の発現を、「エピゾーム」エレメントの複製お
よび形成によって、ならびに/またはランダム部位または特異的部位で宿主細胞
ゲノムへの組込みを介して達成される(概説のために、Samulski,R.
J.,Current Opinion in Genetics and D
evelopment 3:74−80(1993);Muzyczka、N.
,Curr.Top.Microbiol.Immunol.158:129(
1992)を参照のこと)。HIV、アデノウイルスおよびrAVVベクターは
、安定な粒子中に全てパッケージングされる。レトロウイルスベクターは、7〜
8kbの外来DNAに適応し、そして有糸分裂細胞中でのみ宿主細胞ゲノム中に
組み込まれ、そして粒子は、低いタイターで比較的不安定である。最近の研究に
よると、異なるウイルスからのエレメントがベクターの送達能力を増大するよう
に組合せられ得ることが示された。例えば、HIVビリオンのエレメント(マト
リクスタンパク質およびインテグラーゼを含む)をレトロウイルスベクターに取
り込むことで、導入遺伝子カセットを非有糸分裂細胞および有糸分裂細胞の核に
入れること、ならびにこれらの細胞のゲノムに取り込むことを可能にし(Nal
dini,L.ら、Science272:263−267(1996));そ
して水疱性口内炎ウイルスエンベロープ糖タンパク質(VSV−G)の封入は、
レトロウイルス粒子の安定性を増大させる(Emi,N.ら、J.Virol6
5:1202−1207(1991))。
【0127】 HSV−1は、細胞の核中で複製および転写される二重鎖DNAウイルスであ
る。HSV−1は、溶解性サイクルと潜伏性サイクルの両方を有する。HSV−
1は、広範な宿主範囲を有し、そして哺乳動物および鳥類(ニワトリ、ラット、
マウスサル、およびヒトを含む)の中の多くの細胞型を影響を与える(Spea
rら、DNA Tumor Viruses,J.Tooze編(Cold S
pring Harbor Laboratory,Cold Spring
Harbor,N.Y.,1981,第615頁〜746頁))。HSV−1は
、ニューロン、線維芽細胞およびマクロファージを含む広範な種々の細胞を溶解
感染し得る。さらに、HSV−1は、成人動物において有糸分裂後のニューロン
に感染し、潜伏状態で無期限に維持され得る。Stevens,Current
Topics in Microbiology and Immunolo
gy 70:31(1970)。潜伏HSV−1は、遺伝子を発現し得る。
【0128】 AAVはまた、広範の宿主範囲を有し、そしてほとんどのヒト細胞は、感染さ
れると考えられている。組込みのための宿主範囲は、同様に幅広いと考えられる
。AAVは、ヒトの集団に対して内因的な単鎖DNAパルボウイルスであり、安
定な遺伝子治療ベクター候補物にする。AAVは、任意の疾患と関係なく、従っ
て、遺伝子の転移適用を安全にする(Cukorら、The Parvovir
uses,Ed.K.I.Berns,Plenum,N.Y.,(1984)
第33〜36頁;Ostroveら、Virology113:521(198
1))。AAVは、感染で宿主ゲノムに取り込み、その結果、導入遺伝子は、無
限に発現され得る(Kotinら、Proc.Natl.Acad.Sci.U
SA87:221(1990);Samulskiら、Embo J.10:3
941(1991))。AAVの細胞ゲノムへの組込みは、細胞の複製と独立し
ており、このことは、AAVが遺伝子を静止状態の細胞へ転移し得るので、特に
重要である(Lebkowskiら、Mol.Cell.Biol.8:398
8(1988))。
【0129】 HSVとAVVの両方は、分割細胞および非分割細胞に遺伝子を送達し得る。
一般に、HSVウイルスは、HSVに対して10の範囲(Browne,H.ら
、J.Virol.70:4311−4316(1996))およびAAVに対
して1000までの範囲(Snyder,R.O.ら、InCurrent P
rotocols in Human Genetics編、Dracopol
i,N.ら、John WileyおよびSons:New York(199
6)第1〜24頁)のウイルス粒子:感染ユニットの比率でAAVウイルスより
もより高度に感染し、そして両方は、幅広い種類の範囲を有すると考えられる。
さらに、各ビリオンは、特定の細胞型の感染の有効性に影響を与える特定の栄養
機能を有する。腫瘍壊死因子αファミリーのメンバーであるHSV−1に対する
膜レセプターの最近の検証(Montgomery、R.I.ら、21st H
erpes Virus Wirkshop Abstract #167(1
996))によると、ほとんどの動物細胞型がHSV−1に感染可能であるよう
だとしても、このレセプターの分配は、細胞の相対的感染能力に影響を与えるこ
とを示している。AAVはまた、非常に広範の宿主および細胞型範囲を有する。
AAVに対する細胞レセプターは、未知であるが、150kDAの糖タンパク質
は、記載されており、培養細胞中でのこの存在は、AAVと結合するそれらの能
力と相関する(Mizukami,Hら、Virology217:124−1
30(1996))。
【0130】 このようなベクターの形成のための技術は、当該分野で周知であり、そして一
般に「Working Toward Human Gene Therapy
」の第2章RecombinantDNA,第2版、Watson,J.D.ら
編、New York:Scientific Amercan Books、
第567〜581頁(1992)に記載されている。さらに、遺伝子治療ベクタ
ーの構築物および治療目的のための感染した動物へのその導入のための一般的な
方法は、上記で参照した刊行物に見出され得、これらの開示は、本明細書中でそ
の全体が参考として特に援用される。
【0131】 一つの一般的な方法において、PTH誘導遺伝子をコードするポリヌクレオチ
ドを含むベクターは、好ましくは、注入、吸入、摂取または溶液で粘膜に導入す
ることによって、影響を受けた固体の細胞または組織に直接的に導入され;この
ようなアプローチは、一般的に「インビボ」遺伝子治療と呼ばれている。あるい
は、細胞または組織(例えば、骨髄由来の造血細胞)は、影響を受けた動物から
取り出されて、そして当業者に周知の方法に従って培地に配置され;次いで、ポ
リヌクレオチドを含むベクターが、細胞または組織へ単離されたポリヌクレオチ
ドを導入するための一般に上記の任意の方法によってこれらの細胞または組織に
導入され、そして十分な時間後にポリヌクレオチドの取り込みを可能にし、次い
で、細胞または組織は、処置が必要な影響を受けた動物または第2動物へ再挿入
され得る。目的のDNAの導入は影響を受けた動物の体の外で行われるので、こ
のアプローチは、一般に、「エキソビボ」遺伝子治療と呼ばれている。
【0132】 インビボ遺伝子治療とエキソビボ遺伝子治療の両方について、本発明のポリヌ
クレオチドは、代替的に制御DNA配列(この配列は、非相同的調節DNA配列
であり得る)に作動的に連結されており、上記のように遺伝子構築物を形成する
。次いで、この遺伝子構築物は、ベクターに挿入され得、これは、次いで、イン
ビボ遺伝子治療アプローチにおいて影響を受けた動物に、またはエキソビボアプ
ローチにおいて影響を受けた動物の細胞または組織に直接的に導入される。別の
好ましい実施形態において、この遺伝子構築物は、ウイルス(例えば、アデノウ
イルス)またはウイルス成分(例えば、ウイルスカプシドタンパク質)との分子
結合体で、インビボまたはエキソビボのいずれかで動物の細胞または組織に導入
され得る。
【0133】 上記のアプローチは、(a)罹患した動物の細胞におけるこの核酸分子と欠陥
遺伝子との間の相同組換え、(b)宿主細胞のゲノムへのこの遺伝子のランダム
挿入;または(c)細胞の核へのこの遺伝子の組み込み(ここで、この遺伝子は
染色体外の遺伝因子として存在し得る)を生じる。このような遺伝子治療のため
の方法およびアプローチの一般的な記載は、例えば、米国特許第5,578,4
61号;WO94/12650;およびWO93/09222において見出され
得る。
【0134】 あるいは、トランスフェクトされた宿主細胞(これは、同種または異種であり
得る)は、半透過性バリアデバイス内に封入され得、そして罹患した動物に移植
され、例えば、PTHポリペプチド誘導体の、この動物の組織および循環への通
過を可能にするが、この動物の免疫系とこのトランスフェクトされた細胞との間
の接触を防止する(WO93/09222を参照のこと)。
【0135】 (本発明の化合物の有用性および投与) 本発明の化合物またはその誘導体は、複数の用途を有する。これらとしては、
とりわけ、PTHレセプターのアゴニストまたはアンタゴニスト、骨質量の損失
によって現れる種々の哺乳動物の状態の予防および処置、診断プローブ、診断プ
ローブおよびさらに分子量マーカーとしての使用のための抗体を調製するための
抗原が挙げられる。PTHポリペプチド中の1つ以上のアミノ酸を特異的に置換
し得ることは、要求に応じた特定の分子量のポリペプチドの合成を可能にする。
【0136】 特に、本発明の化合物は、ヒトにおける骨粗しょう症およびオステオペニアの
予防処置および治療処置に関して記載される。さらに、本発明の化合物は、他の
骨疾患の予防処置および治療処置に関して記載される。本発明の化合物はまた、
上皮小体低下症の予防処置および治療処置に関して記載される。最終的に、本発
明の化合物は、骨折修復のためのアゴニストとしての使用、および高カルシウム
血症のためのアンタゴニストとしての使用に関して記載される。
【0137】 一般に、例えば、配列番号1の化合物、またはその誘導体、あるいはそれらの
塩は、1日あたり約0.01μg/kg体重と1μg/kg体重との間、好まし
くは、1日あたり約0.07〜約0.2μg/kg体重の量で投与される。50
kgのヒト女性被験体に関しては、生物学的に活性な化合物の毎日の用量は、約
0.5〜約50μg、好ましくは約3.5〜約10μgである。他の哺乳動物(
例えば、ウマ、イヌ、およびウシ)においては、より高い用量が必要であり得る
。この用量は、最も有効な結果を達成するために必要とされるように、1回の投
与により、複数回の適用により、または徐放により、好ましくは、1日1回以上
の注射により、従来の薬学的組成物において送達され得る。例えば、この投薬量
は、経鼻吸入法により、従来の薬学的組成物において送達され得る。
【0138】 正確な用量および組成物ならびに最も適切な送達レジメンの選択は、特に、選
択された本発明の化合物の薬理学的特性、処置される状態の性質および重篤度、
ならびにレシピエントの物理的状態および精神的明瞭度により影響される。
【0139】 代表的な好ましい送達レジメンとしては、経口、非経口、皮下、経皮、筋肉内
および静脈内、直腸、口内(舌下を含む)、経皮、および経鼻吸入法が挙げられ
るが、これらに限定されない。
【0140】 薬学的に受容可能な塩は、有毒な副作用なく、本発明の化合物の所望される生
物学的活性を保持する。このような塩の例としては、(a)無機酸(例えば、塩
酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、硝酸など)を用いて形成された酸付加塩;有機
酸(例えば、酢酸、シュウ酸、酒石酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グル
コン酸、クエン酸、リンゴ酸、アスコルビン酸、安息香酸、タンニン酸、パモ酸
(pamoic acid)、アルギン酸、ポリグルタミン酸、ナフタレンスル
ホン酸、ナフタレンジスルホン酸、ポリガラクツロン酸など)を用いて形成され
た酸付加塩;(b)多価金属カチオン(例えば、亜鉛、カルシウム、ビスマス、
バリウム、マグネシウム、アルミニウム、銅、コバルト、ニッケル、カドミウム
など)を用いて形成された塩基付加塩;またはN,N’−ジベンジルエチレンジ
アミンまたはエチレンジアミンから形成された有機カチオンを用いて形成された
塩基付加塩;あるいは(c)(a)および(b)の組み合わせ(例えば、亜鉛の
タンニン酸塩など)である。薬学的に受容可能な緩衝液としては、以下が挙げら
れるがこれらに限定されない:生理食塩水またはリン酸緩衝生理食塩水。当業者
に公知な受容可能な防腐剤もまた、これらの溶液に含まれ得る。
【0141】 本発明のさらなる局面は、薬学的に受容可能な非毒性キャリアとの混合物中に
、活性成分として、本発明の化合物または本発明のそれらの誘導体、あるいは薬
学的に受容可能なそれらの塩を含む薬学的組成物に関する。上記のように、この
ような組成物は、非経口(皮下、経皮、筋肉内または静脈内)投与のために、特
に、液体溶液または懸濁液の形態で;経口または口内投与のために、特に錠剤ま
たはカプセル剤の形態で;直腸、経皮投与のために;および鼻腔内投与のために
、特に散剤、経鼻小滴またはエアロゾルの形態で調製され得る。
【0142】 この組成物は、単位投薬形態で簡便に投与され得、そして薬学分野において周
知の任意の方法(例えば、本明細書中に参考として援用される、Remingt
on’s Pharmaceutical Sciences,第17版,Ma
ck Publishing Company,Easton,Pa.,(19
85)に記載)によって調製され得る。非経口投与のための処方物は、賦形剤(
滅菌水または生理食塩水、アルキレングリコール(例えば、プロピレングリコー
ル)、ポリアルキレングリコール(例えば、ポリエチレングリコール)、植物起
源の油、硬化ナフタレンなど)を含み得る。経口投与に関しては、この処方物は
、胆汁酸塩またはアシルカルニチンの付加により増強され得る。経鼻投与のため
の処方物は、固体であってもよく、そして賦形剤(例えば、ラクトースまたはデ
キストラン)を含み得るか、経鼻ドロップまたは用量測定スプレーの形態で使用
するための水溶液または油溶液であってもよい。口内投与に関しては、代表的な
賦形剤として、糖、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、予め
ゼラチン様にしたデンプンなどが挙げられる。
【0143】 最も好ましい投与経路である経鼻投与のために処方される場合、鼻粘膜を通る
吸収は、界面活性剤の酸(例えば、グリココール酸、コール酸、タウロコール酸
、エトコール酸、デオキシコール酸、ケノデオキシコール酸、デヒドロコール酸
、グリコデオキシコール酸、シクロデキストリンなど)の約0.2〜15重量%
の間、好ましくは約0.5〜4重量%の間、最も好ましくは約2重量%の範囲の
量により増強され得る。
【0144】 本発明の化合物を長期間(例えば、1週間から1年)にわたり被験体に送達す
ることは、所望の放出期間にわたり十分な活性成分を含む徐放系の1回の投与に
より達成され得る。種々の徐放系(例えば、モノリシックまたはリザーバ型マイ
クロカプセル、デポー(depot)インプラント、浸透圧ポンプ、小胞、ミセ
ル、リポソーム、経皮パッチ、イオン導入デバイスおよび代替的な注射可能投薬
形態)がこの目的のために利用され得る。活性成分の送達が所望される部位にお
ける局在化は、特定の障害の処置において利益があることが証明され得るいくつ
かの徐放デバイスのさらなる特徴である。
【0145】 徐放性処方物の1つの形態は、ゆっくりと分解され、非毒性で、非抗原性のポ
リマー(例えば、Kent,Lewis,Sanders,およびTice,米
国特許第4,675,189号(本明細書中に参考として援用される)の先駆的
研究において記載される、コポリ(乳酸/グリコール酸))中に分散されるか、
またはカプセル化される、ポリペプチドまたはその塩を含む。この化合物、また
は好ましくはそれらの比較的不溶性の塩もまた、コレステロールもしくは他の脂
質マトリクスペレット、またはシラストマー(silastomer)マトリク
スインプラントに処方され得る。さらなる遅延型放出、デポーインプラントまた
は注射可能処方物は当業者に明らかである。例えば、Sustained an
d Controlled Release Drug Delivery S
ystems,J.R.Robinson編,Marcel Dekker,I
nc.,New York,1978,およびR.W.Baker,Contr
olled Release of Biologically Active
Agents,John Wiley&Sons,New York,198
7(本明細書中に参考として援用される)を参照のこと。
【0146】 PTHと同様に、PTH改変体は、所定の臨床状態を処置する際に有用な他の
薬剤と組み合わせて投与され得る。例えば、骨粗しょう症および他の骨関連障害
を処置する場合、PTH改変体は、カルシウム補助食品またはビタミンDアナロ
グとともに投与され得る(米国特許第4,698,328号を参照のこと)。あ
るいは、PTH改変体は、例えば、米国特許第4,761,406号に記載の二
リン酸と組み合わせて、またはカルシトニンおよびエストロゲン(限定はされな
い)のような1つ以上の骨治療剤と組み合わせて、好ましくは、循環的治療レジ
メンを用いて投与され得る。
【0147】 (本発明の化合物またはその誘導体のレセプターシグナル伝達活性) ホルモン作用の発現における重大な工程は、ホルモンと、標的細胞の原形質膜
表面上のレセプターとの相互作用である。ホルモン−レセプター複合体の形成は
、細胞への細胞外シグナルの伝達を可能にし、種々の生物学的応答を誘発する。
【0148】 本発明のポリペプチドは、cAMP蓄積アッセイを使用して、それらのアゴニ
ストまたはアンタゴニストの特性についてスクリーニングされ得る。その細胞表
面上にPTH−1レセプターを発現する細胞を、2mM IBMX(3−イソブ
チル−1−メチル−キサンチン、Sigma,St.Louis,MO)の存在
下、ネイティブPTH(1−84)と共に5〜60分間、37℃でインキュベー
トする。サイクリックAMP蓄積を、特異的放射免疫アッセイによって測定する
。PTH−1レセプターへの結合についてネイティブPTH(1−84)または
PTH(1−34)と競合し、そしてcAMP蓄積に対するネイティブPTH(
1−84)またはPTH(1−34)の効果を阻害する本発明の化合物を、競合
的アンタゴニストとみなす。このような化合物は、高カルシウム血症を処置する
ために有用である。
【0149】 反対に、PTH−1レセプターへの結合についてネイティブPTH(1−84
)またはPTH(1−34)と競合しないが、なおcAMP蓄積のネイティブP
TH(1−84)またはPTH(1−34)の活性化を妨げる(おそらく、レセ
プター活性化部位をブロックすることによる)、本発明の化合物またはその誘導
体を、非競合的アンタゴニストとみなす。このような化合物は、高カルシウム血
症を処置するために有用である。
【0150】 PTH−1レセプターへの結合についてネイティブPTH(1−84)または
PTH(1−34)と競合し、そしてネイティブPTH(1−84)またはPT
H(1−34)の存在下または非存在下でcAMP蓄積を刺激する本発明の化合
物またはその誘導体は、競合的アゴニストである。PTH−1レセプターへの結
合についてネイティブPTH(1−84)またはPTH(1−34)と競合しな
いが、ネイティブPTH(1−84)またはPTH(1−34)の存在下または
非存在下で、なおcAMP蓄積を刺激し得るか、あるいは本発明の化合物または
その誘導体単独で観察されるよりも、より高いcAMP蓄積を刺激する、本発明
の化合物またはその誘導体を、非競合的アゴニストとみなす。
【0151】 (本発明の化合物またはその誘導体の治療的使用) 高カルシウム血症および低カルシウム血症のいくつかの形態は、PTHとPT
HrPとの間の相互作用、ならびにPTH−1レセプターとPTH−2レセプタ
ーとの間の相互作用に関連する。高カルシウム血症は、血清カルシウムレベルの
異常な上昇が存在する状態であり;これは、しばしば、以下を含む他の疾患に関
連する:上皮小体機能亢進症、骨粗しょう症、乳房、肺および前立腺の癌腫、頭
部および頸部、ならびに食道の類表皮癌、多発性骨髄腫、および副腎腫。低カル
シウム血症(血清カルシウムレベルが異常に低い状態)は、効果的PTHの欠損
(例えば、甲状腺手術後の)から生じ得る。
【0152】 本発明の化合物またはその誘導体をコードする本発明の核酸はまた、選択され
た組織特異的プロモーターおよび/またはエンハンサーに連結され得、そして得
られたハイブリッド遺伝子を、標準的な方法(例えば、Lederら、米国特許
第4,736,866号(本明細書中に参考として援用される)に記載のような
)によって初期発生段階(例えば、受精卵母細胞段階)の動物胚に導入し、選択
された組織において上昇したレベルの本発明の化合物またはその誘導体を発現す
るトランスジェニック動物を生成し得る(例えば、骨についてのオステオカルシ
ンプロモーター)。このようなプロモーターを使用して、このトランスジェニッ
ク動物における本発明の化合物またはその誘導体の組織特異的発現を指向する。
【0153】 さらに、PTH誘導体のPTH−1/PTH−2レセプターを拮抗または作動
する能力(当業者に公知のアッセイによって決定され、そして以下に議論される
ような)を破壊しない、天然の任意の他のアミノ酸置換が、本発明の範囲に含ま
れる。
【0154】 「アゴニスト」によって、PTH−1レセプターによって媒介される細胞性応
答を増強または強化し得るリガンドが意図される。「アンタゴニスト」によって
、PTH−1レセプターによって媒介される細胞性応答を阻害し得るリガンドが
意図される。本発明の任意の候補「アゴニスト」または「アンタゴニスト」が、
このような細胞性応答を増強または阻害し得るか否かは、当該分野で公知のタン
パク質リガンド/レセプターの細胞性応答アッセイまたは結合アッセイ(本出願
の他の箇所に記載されるアッセイを含む)を使用して決定され得る。
【0155】 本発明のさらなる局面に従って、PTH−1レセプターの変化した作用または
過剰な作用から生じる医学的障害を処置するための方法が提供され、この方法は
、患者のPTH−1レセプターの活性化を阻害するのに十分な、治療有効量の本
発明の化合物またはその誘導体を、その患者に投与する工程を包含する。
【0156】 この実施形態において、PTH−1レセプターの変化された作用から生じる障
害を有することが疑われる患者は、PTH−1レセプターの選択的アンタゴニス
トである本発明の化合物またはその誘導体を使用して処置され得る。このような
アンタゴニストとしては、PTH−1レセプター媒介細胞活性化に干渉すること
が決定されている(本明細書中に記載のアッセイによって)本発明の化合物また
はその誘導体、あるいは類似の特性を有する他の誘導体が挙げられる。
【0157】 アンタゴニストを投与するために、本発明の適切な化合物またはその誘導体を
、一般的に、適切なキャリアまたは賦形剤(例えば、生理食塩水)中に処方する
ことによって、医薬の製造において使用して、そして好ましくは、PTH−1レ
セプターに対する本発明の化合物またはその誘導体の結合の十分な阻害を提供す
る投薬量で、静脈内、筋内、皮下、経口または鼻内投与する。代表的な投薬量は
、1ng〜10mgのペプチド/kg体重/日である。
【0158】 本発明のなおさらなる局面に従って、骨粗しょう症を処置するための方法が提
供され、この方法は、患者のPTH−1レセプターを活性化するのに十分な、治
療有効量の本発明の化合物またはその誘導体を、その患者に投与する工程を包含
する。PTH/PTHrPアンタゴニストについて上記されたような同様の投薬
量および投与が、例えば、骨粗しょう症、他の代謝性骨障害、ならびに上皮小体
機能低下症および関連する障害のような状態の処置のための、PTH/PTHr
Pアゴニストの投与に使用され得る。
【0159】 本発明が、本発明またはその任意の実施形態の精神または範囲から逸脱するこ
となく、組成、濃度、投与形態および状態の広範な等価のパラメーターの範囲内
で実施され得ることが、当業者に理解される。
【0160】 本発明をここで十分に記載しているが、本発明が、特定の実施例を参照するこ
とによって、より容易に理解される。本明細書中に明記されない限り、これらの
特定の実施例は、例示目的で提供され、そして本発明を限定することが意図され
ない。
【0161】 (実施例への導入) 1型PTHレセプター(PTH−1レセプター)への副甲状腺ホルモンの高親
和性結合および引き続くレセプター活性化の誘導は、リガンド−レセプター相互
作用の多数の部位に関わる。種々の長さのペプチドフラグメントの分析は、レセ
プター結合親和性およびcAMP刺激効力の主な決定因子を含む完全に活性なP
TH(1−34)分子内の領域を広く規定した(Nussbaum,S.R.ら
,J.Biol.Chem.255:10183−10187(1980);R
osenblatt,M.ら,Endocrinology 107:545−
550(1980);Tregear,G.W.ら,Endocrinolog
y 93:1349−1353(1973))。これらの研究は、それぞれペプ
チドのC末端部分およびN末端部分との機能性をマッピングした。N末端残基(
特に、残基1〜6)の欠失はレセプターには効率的に結合するが、cAMPの産
生は刺激しないペプチドを生じ、そして従って大部分のPTH−1レセプターア
ンタゴニストの開発のための基礎を提供した(Horiuchi,N.ら、Sc
ience 220:1053−1055(1983))。PTH(1−34)
のC末端からの欠失は、レセプターに検出可能に結合できないペプチド、および
このレセプターに弱く結合する(kD-4M)C末端残基{例えば、PTH(1
5〜34)}のみを含む短いフラグメントを生じるが、これはcAMP応答アッ
セイにおいて不活性である(Caulfield,M.P.ら,Endocri
nology 127:83−87(1990);Abou−Samra,A.
-B.ら,Endocrinology 125:2215−2217(198
9))。対照的に、N末端残基のみを含み、そしてPTH(1−27)よりも長
さが短いフラグメントは、レセプター結合アッセイまたはシグナル伝達アッセイ
のどちらにおいても不活性であることが以前に見出された(Nussbaum,
S.R.ら,J.Biol.Chem.255:10183−10187(19
80);Rosenblatt,M.(1981)Pathobiology
Annual,第11巻,Ioachim,H.L.編,Raven Pres
s,New York(1981)53−58頁)。
【0162】 PTH−1レセプターは、アゴニスト活性化の際にアデニリルシクラーゼプロ
テインキナーゼAシグナル伝達経路を強く刺激する、クラスII Gタンパク結
合レセプターである(Segre,G.V.&Goldring,S.R.,T
rends in Endo.Metab.4:309−314(1993);
Kolakowski,L.F.,Receptors&Channels 2
:1−7(1994);Juppner,H.ら,Science 254:1
024−1026(1991))。このレセプターの大きなアミノ末端細胞外ド
メイン(〜167アミノ酸)は、PTH(1−34)のC末端位の主要な結合部
位またはドッキング部位を提供すると考えられるが、一方、7つの膜貫通ドメイ
ンおよび細胞外ループを含むレセプターの部分は、このリガンドのN末端シグナ
ル伝達部分と相互作用すると考えられる(Mannstadt,M.ら,J.B
iol.Chem.273:16890−16896(1998);Bergw
itz,C.ら,J.Biol.Chem.272:28861−28868(
1997);Hoare,S.ら,J.Pharmacol.Exp.Ther
.289:1323−1333(1999))。PTH−PTHレセプター相互
作用のための2連のスキームは、変異の研究および架橋の研究の両方からのかな
りの集団のデータによって支持され(Bergwitz,C.ら,J.Biol
.Chem.272:28861−28868(1997);Bergwitz
,C.ら,J.Biol.Chem.273:22498−22505(199
8))、そしてこのスキームは、おそらく他のクラスIIレセプターについても
当てはまる(Dong,M.ら,J.Biol.Chem.274:903−9
09(1999);Holtmann,M.ら,J.Biol.Chem.27
0:14394−14398(1995);Holtmann,M.H.ら,J
.Pharmacol.Exp Ther.279:555−560(1996
);Stroop、S.ら,Biochem.34:1050−1057(19
95))。それにもかかわらず、このスキームは、全体として全アゴニスト結合
親和性およびシグナル伝達力価を決定する相互作用の大きなネットワークを含む
おそらく複雑な問題であるものの全体の単純化として最も良くみなされる。
【0163】 PTH−1レセプターおよびその2つのアゴニスト、PTHおよびPTH関連
ペプチドが、カルシウムのホメオスタシスおよび骨の発達において果たす重要な
役割(Kronenberg,H.ら,Genetics of Endocr
ine and Metabolic disorders,Thakker,
R.編,Chapman&Hall,London(1997),389−42
0頁)、ならびにPTHおよびPTHrPが骨に対してタンパク同化性効果を有
するという知識(Dempster,D.W.ら,Endocr.Rev.14
:690−709(1993);Dempster,D.W.ら,(誤植で発行
),Endocr.Rev.15:261(1994);Roe,E.ら,J.
Bone Mineral Res.14(補遺1):S137(1999);
Plotkin,H.ら,J.Clin.Endocrinol.&Metab
ol.83:2786−2791(1998))のために、骨粗しょう症のよう
な骨の疾患の治療剤としてのPTH−1レセプターアゴニストの開発における多
くの目的が存在する。PTH(1−34)のようなペプチドは、治療目的には理
想的ではない。なぜなら、その大きなサイズが送達の非経口的でない経路に適切
ではないためである。さらに、5アミノ酸よりも非常に大きなサイズのペプチド
分子は、ペプチド模倣物の開発を目的とする合理的な薬物設計ストラテジーにお
いて、開始点として適切ではない。しかし、レセプター活性化のために必要とさ
れるネイティブPTHの最低の鎖長が決定され、引き続いて最適化され、そして
さらにサイズが減少されるストラテジーは、新しい低分子量PTH−1レセプタ
ーアゴニストを潜在的に導き得る。少数の中程度のサイズのペプチドホルモンに
ついて、このような最小化および最適化の反復のストラテジーは、親ホルモンよ
りも非常に小さな「模倣性」ペプチドアゴニストの開発において功を奏すること
が証明される(Kimura,T.ら,J.Biochem.122:1046
−1051(1997);Cwirla,S.E.ら,Science 276
:1696−1699(1997);Wells,J.A.,Science
273:449−450(1996);Wrighton,N.C.ら,Sci
ence 273:458−464(1996);Livnah,O.ら,Sc
ience 273:464−471(1996);Li,B.ら,Scien
ce 270:1657−1660(1995))。
【0164】 高レベルのPTH−1レセプターを発現するトランスフェクトされた細胞にお
いて、弱いcAMPシグナル伝達活性は、PTH(1−14)のように短いN末
端ペプチドについて検出され得ることが最近見出された(Luck,M.ら,M
olecular Endocrinology 13:670−680(19
99))。
【0165】 このペプチドの比較的弱い活性は、おそらくこのレセプターのアミノ末端ドメ
インへの「ドッキング」によってこのホルモンをレセプターに係留するように貢
献する、重要なレセプター結合残基を含むことが公知のPTH(1−34)のC
末端部分が存在しないことによって満足され得る。この概念は、PTH(1−1
4)が、インタクトなrPTH−1レセプターを有した状態と同程度に、N末端
細胞外ドメインを欠失した短縮型ラットPTHレセプターを有した状態で強力で
あったが、一方、対照的に、PTH(1−34)は短縮型レセプターを有する状
態でインタクトなレセプターを有するものよりも1000倍弱いという知見によ
って支持される(Luck,M.ら、Molecular Endocrino
logy 13:670−680(1999))。これらの知見(N末端残基の
欠失から生じる、活性化の際の強力な有害効果、およびこれらのアミノ酸の高度
な進化論的保存)は、以下のことを予想する:短いN末端PTHペプチドは、こ
のレセプターと生産的に相互作用すべきであり、そしてさらに、レセプター結合
親和性が改善され得る場合、このようなペプチドは完全に強力なアゴニストであ
り得る。
【0166】 従って、PTH(1−14)におけるレセプター活性化のための側鎖の要求は
、このペプチドを、以下の新しい改変を同定するための出発骨格として用いる:
i)PTH−1レセプターを用いるアゴニスト活性の増大;ii)ペプチドサイ
ズにおけるさらなる減少を可能にすること;およびiii)リガンド−レセプタ
ー相互作用の機構の研究のプローブとしての機能。この結果は、PTH(1−1
4)の効力がいくつかの改変によって有意に改善され得、そしてこれらの増大が
、7つの膜貫通ドメインおよび細胞外ループを含むレセプターの部分との相互作
用が原因であることを示す。
【0167】 (実施例1) (PTH(1−14)におけるアミノ酸の単一置換) PTH(1−14)における単一アミノ酸置換の効果を最初に研究した。この
研究において使用した種々の方法を以下に記載する。
【0168】 (ポリペプチド) この研究における全てのポリペプチドは、カルボキシ末端アミドを含んだ。ラ
ット(r)PTH(1−14)NH2{PTH(1−14)}およびより短い長
さのPTHペプチドの全てのアナログを、N−(9−フルオレニル)メトキシカ
ルボニル(Fmoc)保護基化学およびTFA−媒介切断/脱保護(MGH B
iopolymer Synthesis Facility,Boston,
MA)を用いるマルチペプチド合成機(Advanced Chemtech
Model 369 MBS)で合成し;そしてC18含有カートリッジ(Se
p−Pak)への吸着によって脱塩した。[Tyr34]ヒト(h)PTH(1−
34)NH2{(hPTH(1−34)}および[Nle8,21,Tyr34]−r
PTH(1−34)NH2{rPTH(1−34)}を、同様のFmoc化学お
よびTFA媒介切断/脱保護を用いて、Applied Biosystems
モデル431Aペプチド合成機で調製し;続いて高速液体クロマトグラフィー(
HPLC)に適用した。全てのペプチドを、10mMの酢酸中で再構築し、そし
て−80℃で保存した。各化合物の純度、同一性、およびストック濃度を、分析
HPLC、MALDI質量分析、およびアミノ酸分析によって確実に保った。
【0169】 (細胞培養物) 細胞を、37℃でT−75フラスコ(75mm2)において、胎児ウシ血清(
10%)、ペニシリンG(20単位/ml)、ストレプトマイシンサルフェート
(20μg/ml)およびアンホテリシンB(0.05μg/ml)を補充した
ダルベッコの改変イーグル培地(DMEM)中で、5%のCO2を含む加湿雰囲
気下で培養した。EGTA/トリプシンのストック溶液および抗生物質はGIB
COからのものであり;胎児ウシ血清はHyclone Laboratori
es(Logan,UT)からのものであった。細胞を、24ウェルプレート中
で継代培養し、そしてコンフルエントな場合に新鮮な培地で処理し、そしてアッ
セイの前に12〜24時間、33℃に変化させた(Bergwitz,C.ら,
J.Biol.Chem.272:28861−28868(1997);Ab
ell,A.ら,J.Biol.Chem.271:4518−4527(19
96))。
【0170】 ブタ腎臓細胞株LLC−PK1、HKRK−B7(Takasu,H.ら,J
.Bone.Miner.Res.14:11−20(1999))およびhP
R2−20の安定にトランスフェクトした誘導体は、それぞれヒトPTH−1レ
セプターおよびヒトPTH−2レセプターを発現する。このHKRK−B7 L
LC−PK1細胞株は、hPTH−1レセプターを〜1×106レセプター/細胞
で発現し(Takasu,H.ら,J.Bone.Miner.Res.14:
11−20(1999))、そしてこのhPR2−22 LLC−PK1細胞株
は、hPTH−2レセプターを〜0.8×106レセプター/細胞で発現する(
H.TakasuおよびF.R.Bringhurst,Endocrine
Unit,Massachusetts General Hospitalよ
り提供)。
【0171】 ラット骨芽細胞株ROS 17/2.8(Majeska,R.J.ら,En
docrinology 107:1494−1503(1980))は、細胞
当たり〜80,000のレベルで内因性PTH−1レセプターを発現し、そして
ヒト骨芽細胞株(SAOS−2)は、細胞当たり〜30,000のレベルで内因
性PTH−1レセプターを発現する。
【0172】 (レセプター変異誘発) 短縮型レセプター(本明細書中においてhCNtまたはhDelNtと称する
)を、オリゴヌクレオチド特異的変異誘発(Kunkel,T.A.,Proc
.Natl.Acad.Sci.USA 82:488−492(1985))
によって、変異誘発プライマーおよびHK−WT由来の一本鎖ウラシル含有テン
プレートDNAを用いて、構築した。この変異体レセプターを、残基24〜18
1に関して欠失させ、そしてシグナルペプチダーゼ切断がAla22とTyr23
の間で起こると仮定して(Nielsen,H.ら、Protein Engi
neering 10:1−6(1997))、Tyr23がそのN末端残基にお
いて、第一の膜貫通ドメインの境界またはその近くに位置するGlu182に結合
していることを予測する。類似の短縮型ラットPTHレセプターが、最近、本発
明者らによって報告された(Luck,M.ら、Molecular Endo
crinology 13:670−680(1999))。変異体プラスミド
のDNA配列を、変異部位にわたる約600ヌクレオチドの領域において、Ap
plied Biosystems Taq DyeDeoxy Termin
atorサイクル配列決定法を使用して、サンプル分析をABI 377 PR
ISM自動化シークエンサーで実施して、確認した。
【0173】 (COS−7細胞およびDNAトランスフェクション) インタクトなhPTH−1レセプター(HK−WT)(Schipani,E
.ら、Endocrinology 132:2157−2165(1993)
)、または短縮型ヒトPTH−1レセプター(hΔNt)をコードするベクター
pCDNA−1(InVitrogen,SanDiego,CA)由来のプラ
スミドを用いる、COS−7細胞の一過性トランスフェクションを、DEAE−
デキストランを使用して、以前に記載されたように実施した(Bergwitz
,C.ら、J.Biol.Chem.272:28861−28868(199
7))。COS−7細胞を、これらの細胞が85〜95%のコンフルエンシーの
場合に、塩化セシウム/エチジウムブロマイド勾配遠心分離によって精製したプ
ラスミドDNAを各ウェルに対して200ng使用して、24ウェルプレートで
トランスフェクトした。アッセイを、トランスフェクションの72〜96時間後
に実施した。これらの条件下で、約20%のCOS−7細胞がトランスフェクト
され、そしてアッセイの時点で、1つの細胞あたり約5×106のインタクトな
表面PTHレセプターを発現する(Bergwitz,C.ら、J.Biol.
Chem.272:28861−28868(1997))。
【0174】 (cAMP刺激) ペプチドアナログでの細胞の刺激を、24ウェルプレートで実施した。細胞を
、0.5mLの結合緩衝液でリンスし、そして200μLのcAMPアッセイ緩
衝液(2mMの3−イソブチル−1−メチルキサンチン、1mg/mLのウシ血
清アルブミン、35mMのHepes−NaOH(pH7.4)を含むダルベッ
コ改変イーグル培地)および種々の量のペプチドアナログを含む100μLの結
合緩衝液(最終容量=300μL)で処理した。この培地を、室温での1時間の
インキュベーションの後に除去し、そして細胞を凍結し(−80℃)、0.5m
Lの50mM HClで溶解し、そして凍結した(−80℃)。希釈した溶解物
のcAMPの内容量を、ラジオイムノアッセイによって決定した。可能である場
合には、cAMP EC50および最大応答値を、非線形回帰を用いて決定した(
以下を参照のこと)。
【0175】 細胞内cAMP蓄積を、Abou−Samraら、J.Biol.Chem.
262:1129、(1986)によって記載されたように、または当業者に公
知の他の方法で、測定し得る。1mlの50mM HCl中で細胞を解凍するこ
とによって細胞内cAMPを抽出し、そして抗cAMP抗体(例えば、Sigm
a、St.Louis、Mo)を使用する特異的ラジオイムノアッセイによって
、分析する。cAMPについてのトレーサーとして使用されたcAMPアナログ
(2’−O−モノスクシニル−アデノシン 3’:5’−環状モノホスフェート
チロシルメチルエステル(Sigmaから得られた))を、クロラミンT方法に
よりヨウ素化する。遊離ヨウ素を、C18 Sep−pakカートリッジ(Wa
ters、Milford、Mass.)上にヨウ素化cAMPアナログを吸着
させることによって、除去する。dH2Oでの洗浄後、ヨウ素化cAMPアナロ
グを、40%アセトニトリル(ACN)および0.1%トリフルオロ酢酸(TF
A)でSep−pakカートリッジから溶出する。ヨウ素化cAMPアナログを
凍結乾燥し、1mlの0.1% TFA中で再構成させ、そしてC18逆相HP
LCカラム(Waters)内に注入する。このカラムを0.1% TFA中1
0% ACNで平衡化し、そして0.1% TFA中10〜30%のACNの勾
配で溶出する。これは、非ヨウ素化cAMPアナログからの、モノヨウ素化cA
MPアナログの分離を可能にする。トレーサーは、−20℃で保存される場合に
4ヶ月間まで安定である。アッセイに使用される標準であるアデノシン3’:5
’−環状モノホスフェートを、Sigmaから購入する。サンプル(HCl抽出
物の1−10 82l)または標準(0.04〜100 fmol/チューブ)
を、50mM 酢酸ナトリウム(pH5.5)中に希釈し、そしてトリエチルア
ミンおよび無水酢酸(2:1 容量:容量)の混合物10μlでアセチル化する
。アセチル化の後、cAMP抗血清(100μl)を、PBS(pH7.4)、
5mM EDTAおよび1%正常ウサギ血清中に作製されたストック溶液(1:
4000)から添加する。トレーサーを、0.1% BSAを有するPBS(p
H7.4)中に希釈し、そして添加する(20,000cpm/チューブ)。ア
ッセイを、4℃で一晩インキュベートする。結合したトレーサーを、100μl
のヤギ抗ウサギ抗血清(PBS中で1:20)および1mlの7%ポリエチレン
グリコール(MW 5000〜6000)を添加すること、2000rpmで3
0分間4℃にて遠心分離することにより沈殿させる。上清を取り出し、そして結
合した放射能を、γ線計数器(Micromedic)で計数する。cAMPデ
ータを計算するために、エクセル(登録商標)のスプレッドシートでロジット計
算を実施した。代表的に、アッセイ感度は、0.1 fmol/チューブであり
、そしてトレーサーの50%が置き換わる標準濃度は、5 fmol/チューブ
である。
【0176】 (結合アッセイ) 結合反応を、安定にトランスフェクトしたHKRK−B7細胞を用いて、24
ウェルプレート中で実施した。細胞を、0.5mLの結合緩衝液(50mM T
ris−HCl、100mM NaCl、5mM KCl、2mM CaCl2
、5%熱不活化ウマ血清、0.5%ウシ胎仔血清、HClでpH7.7に調整)
でリンスし、そして引き続いて、100μLの結合緩衝液、種々の量の非標識競
争的リガンドを含む100μLの結合緩衝液、および約100,000cpmの 125 I−rPTH(1−34)(約26fmol)を含む100μLの結合緩衝
液で処理した。インキュベーション(最終容量=300μL)は、15℃で4時
間であった。次いで、細胞を氷上に置き、結合媒体を除去し、そして0.5mL
の冷結合緩衝液で単層を3回リンスした。続いて、細胞を0.5mLの5N N
aOHで溶解し、そして放射能を計数した。各実験に対する非特異的結合を、1
μM用量の非標識rPTH(1−34)との競合によって決定した。最大特異的
結合(B0)は、非特異的結合に関して補正された、非標識PTHリガンドの非
存在下で結合した全放射能であった。結合IC50値を、非線形回帰を使用して決
定した(以下を参照のこと)。
【0177】 (データ計算) 全ての計算を、Microsoft(登録商標) Excel(登録商標)を
使用して実施した。cAMP刺激データの非線形回帰分析を、応答曲線の最小値
(Min)、最大値(Max)、Emax、中点(EC50)、および傾斜(sl
ope)と定義されるパラメータを使用して、実施した。所定の用量(x)のペ
プチドに対して予測される応答(yp)を、以下の等式を用いて計算した:yp
Min+[(Max−Min)/(1+(EC50/x)slope)]。初期のパ
ラメータ値を、一次データから推定し、次いでExcel(登録商標)の「So
lver function」を使用して、予測された応答と実際の応答との間
の差異を最小にするために、これら4つのパラメータを変化させた(最小二乗法
)(Bowen,W.およびJerman,J.、Trens in Phar
macol.Sci.16:413−417(1995))。2つのデータセッ
ト間の統計学的有意性を、その2つのセットに関して等しくない分散を仮定して
、片側Student t検定を使用して決定した。
【0178】 PTH(1−14)におけるアミノ酸置換を、各々が単一の置換を有する13
7の合成PTH(1−14)アナログのスクリーンにおいて発見した。これらの
置換を、「型置換(type−substitusion)」ストラテジー(こ
こで、各型の20の天然アミノ酸の少なくとも1つ、および少なくとも1つのD
エナンチオマーが、1−14の配列の各位置に導入された)によって選択した。
得られたペプチドの各々を、HKRK−B7細胞における単一用量分析において
cAMP形成を刺激する能力について、試験した。
【0179】 図1に示すように、大部分の置換(特に、(1−9)セグメントにおける置換
)は、不活性なペプチドを生じたが、いくつかは、ネイティブなPTH(1−1
4)とほぼ同等の活性のペプチドを生じ、そしてわずかなものは、シグナル伝達
応答の増強を生じた(図1)。用量−応答分析は、これらの少ない単一置換が、
ネイティブなPTH(1−14)に対して、効力を数倍改善することを示した(
(データは)示さない)。
【0180】 (実施例2) (PTH(1−14)におけるアミノ酸の組み合わせられた置換) 上記活性増強置換のいくつかを、最初に1対ずつ組み合わせて、活性に対する
可能な相加効果を試験した。各二重変異体ペプチド(図2A)は、単一に変更し
た親ペプチド(図示せず)のいずれよりもさらに強力であった。同様に、各三重
変異体リガンドは、同じ置換を含む対応する二重または単一の変異体リガンドよ
りさらに強力であった(図2B)(図2Aと2Bとを比較のこと)。最後に、4
つのアミノ酸置換を含むPTH(1−14)ペプチド(ペプチド#1および3)
または5つのアミノ酸置換を含むPTH(1−14)ペプチド(ペプチド#2)
は、試験した最も効力のあるPTH(1−14)ペプチドであり、そしてHKR
K−B7細胞において、ネイティブなPTH(1−14)より160〜220倍
強力であった(図2C、表2)。
【0181】
【表2】 cAMP産生に対する用量−応答分析を、本文中に記載されるように、ヒト(h
)PTH−1レセプター(HKRK−B7細胞)またはhPTH−2レセプター
(P2R−22細胞)で安定にトランスフェクト(transect)されたL
LC−PK1細胞において、示されるペプチドを用いて実施した。
【0182】
【化14】 *EC50および対応する最大応答(Emax)値(平均±SEM)を、データ
の曲線当てはめのために使用した4つのパラメータの非線形回帰式から誘導した
。これらの計算において、Emaxを、100nMにおいてrPTH(1−34
)に対して観察された応答の(±)1標準偏差以内に制限した。
【0183】 (実施例3) (PTH(1−14)より短いポリペプチドにおけるアミノ酸の置換) 以前に、ネイティブなラットPTHフラグメントアナログであるPTH(1−
13)、PTH(1−12)、PTH(1−11)、PTH(1−10)および
PTH(1−9)が、HKRK−B7細胞においてcAMP応答をほとんどまた
は全く誘導しないことが見出された(Luck,M.ら、Mol.Endocr
inol.13:670−680(1990))。しかし、ペプチド#1の全て
またはいくらかの置換がこれらのより短いペプチド(例えば、ペプチド#4、#
5、および#6)に転移される場合には、シグナル伝達活性が、容易に観察され
た(図3、表1)。このことは、11アミノ酸程度に小さなペプチド(ペプチド
#6)が、PTH−1レセプターでのcAMP応答を刺激し得ることの最初の証
拠である;そしてアナログ[A3、Q10]rPTH(1−10)でさえも、い
くらかの活性を惹起した(図3)。この研究におけるより短い長さのペプチドの
大部分に関して、明らかな応答最大値は観察されなかったことに注目のこと;こ
れらのペプチドに対する最大応答(Emax)および対応するEC50の値の推
定は、データの曲線当てはめに使用した非線形回帰計算から得られた。
【0184】 (実施例4) (PTH(1−34)におけるアミノ酸置換) これらの置換がPTH(1−34)の活性を増強し得るか否かを決定するため
に、Ser3→Ala、Asn10→Ala、Leu11→ArgおよびGly
12→Alaの置換を、アナログ[Ala1,Tyr34]hPTH(1−34
)に導入して、ペプチド#7を得た。HKRK−B7細胞において、このペプチ
ドは、2つのコントロールrPTH(1−34)およびhPTH(1−34)よ
り約2倍さらに強力であった(表2)。HKRK−B7細胞において125I−r
PTH(1−34)トレーサー放射リガンドを用いてペプチド#7の用量を変化
させて実施した競合結合研究は、rPTH(1−34)と比較した場合に、結合
親和性において同量の約2倍の改善を示した(図4)。
【0185】 (実施例5) (PTH−2レセプターの刺激) PTH−2レセプターサブタイプは、PTH(1−34)に選択的に応答し、
そしてPTHrP(1−34)には応答しない(Usidinら、J.Biol
.Chem.270:15455−15458(1995))。レセプターサブ
タイプの生理学的役割は公知ではないが、これは特に脳、大動脈および膵臓にお
いて、広範に発現される(Usidinら、J.Biol.Chem.270:
15455−15458(1995))。ネイティブなPTH(1−14)は、
LLC−PK1細胞において発現されたPTH−2レセプターを刺激しなかった
;しかし、ペプチド#1は、これらの細胞において活性であった(図5、表1)
が、その効力は依然として、PTH(1−34)の効力より4〜5桁弱かった(
図5、表2)。従って、ペプチド#1は、弱いPTH−2レセプターアゴニスト
である。
【0186】 (実施例6) (COS−7細胞のPTH(1−14)刺激) PTH(1−14)アナログのいくつかを、WT−hPTH−1レセプターで
一時的にトランスフェクトしたCOS−7細胞における活性に関して試験した(
図6A、表3)。HKRK−B7細胞において見られるように、各アナログは、
cAPM産生の刺激において、ネイティブなPTH(1−14)よりさらに強力
であった。効力における類似の改善が、hΔNt(hDeINt)(アミノ末端
細胞外ドメインの大部分を欠く短縮型変異体hPTH−1レセプター)でトラン
スフェクトしたCOS−7細胞において観察された(図6B、表3)。重要なこ
とに、ペプチド#7は、hΔNtを発現するCOS−7細胞において、rPTH
(1−34)またはhPTH(1−34)より劇的に強力であった(図6のパネ
ルAおよびBを比較のこと、表3)。インタクトなPTHレセプターを用いて実
施した研究において、ペプチド#7のシグナル伝達効力において大きな改善が検
出し得なかったことは、理解されていないが、これらの感受性のある細胞系のう
ちの、高度に効力のあるアゴニスト間を区別する能力における制限を、反映し得
る(Colquhoun,D.Br.J.Pharmacol.125:924
−947(1998))。しかし、これらのペプチドは、hΔNt(インタクト
なPTHレセプターが過剰発現される系より固有的にずっと弱い細胞/レセプタ
ー系)により区別され得る。いずれの場合においても、hΔNtを用いる結果は
、ペプチド#7が実際に、hPTH(1−34)またはrPTH(1−34)よ
り強力であることを確認し、そしてアナログ間での効力および潜在能力の相対レ
ベルが、使用される薬理学的系に依存して変動し得ることを、実証する。
【0187】 本明細書中に報告されるペプチドのいずれも、トランスフェクトされていない
LLC−PK1細胞またはトランスフェクトされていないCOS−7細胞におい
て、cAMP応答を誘導しなかった(データは示さない)。このことは、観察さ
れた効果が、PTH−1レセプターとの特異的な相互作用に起因したことを示す
【0188】
【表3】 cAMP産生に対する用量−応答分析を、本文中に記載されるように、WT h
PTH−1レセプターまたは短縮型レセプターhDeINtで一時的にトランス
フェクト(transect)されたCOS−7細胞において、示されるペプチ
ドを用いて実施した。EC50および対応する最大応答(Emax)値(平均±
SEM)を、データの曲線当てはめのために使用した4つのパラメータの非線形
回帰式から誘導した。これらの計算において、Emaxを、WTについては10
0nMにおいてrPTH(1−34)に対して、そしてhDeINtについては
ペプチド#7(20μM)に対して、観察された応答の(±)1標準偏差以内に
制限した。
【0189】 (実施例7) (PTH(1−14)誘導体によるROS−17/2.8およびSAOS細胞
の刺激) この研究の主要なペプチドを、骨芽細胞(脊椎動物における主要な骨構築細胞
)から直接確立した2つの細胞株において、活性に関して試験した。これらの細
胞株ROS17/2.8(33)およびSAOS−2は、骨細胞に対するPTH
アナログの効果を調査するために、PTHの分野において広範に使用されてきた
。これらの細胞においてペプチドに関して観察された応答は、PTH−1レセプ
ターで一時的にかまたは安定にトランスフェクトされた細胞において観察された
応答と、緊密に平行であった(図7AおよびB、表4)。
【0190】
【表4】 cAMP産生に対する用量−応答分析を、本文中に記載されるように、骨芽細胞
株ROS17/2.8およびSAOS−2において、示されるペプチドを用いて
実施した。 EC50および対応する最大応答(Emax)値(平均±SEM)を、データの
曲線当てはめのために使用した4つのパラメータの非線形回帰式から誘導した。
これらの計算において、Emaxを、rPTH(1−34)(100nM)に対
して観察された応答の(±)1標準偏差以内に制限した。
【0191】 (実施例1〜7の要約) アナログの活性が、ヒトhPTH−1レセプターを安定に発現するLLC−P
K−1細胞において、最初に評価された。不耐性位置における大部分の置換は、
cAMP刺激活性を無効にした。対照的に、耐性位置における大部分の置換は、
機能と適合性であり、そしていくつか(Ser3→Ala;Asn10→Gln、
Asp、Ala;Leu11→ArgまたはLys;Gly12→AlaまたはAr
g;およびHis14→TrpまたはPhe)は、活性を増強した。次いで、活性
増強置換の種々の組み合わせを有するPTH(1−14)アナログを、合成した
。これらのアナログの各々は、ネイティブなPTH(1−14)よりさらに強力
であり、そしてその置換の効果は、相加的であった。従って、[A3、A10、R1 1 、A12]rPTH(1−14)アミドは、最も活性なアナログ試験物であり、
そしてネイティブなPTH(1−14)より100倍強力であった。本発明の目
的は、さらなるPTHアナログを提供することである。
【0192】 ネイティブなPTH(1−14)は、短縮型PTH−1レセプターrP1R−
ΔNt(これは、アミノ末端細胞外ドメインの大部分を欠く)を発現するCOS
−7細胞において、cAMP形成を刺激した。上記活性増強置換の各々は、rP
1R−ΔntでのPTH(1−14)活性を改善した。
【0193】 さらに、ペプチド#1は、ペプチド#2、6および7とともに、PTH−2レ
セプターを発現する細胞において活性であり(実施例5)、そして骨芽細胞にお
いて活性であった(実施例7)。さらに、1−14領域において主要な置換を有
するPTH(1−34)は、試験したいくつかの細胞株において、コントロール
PTH(1−34)よりさらに強力であった。
【0194】 従って、これらのアミノ酸改変は、レセプターの膜貫通/細胞外ループ領域と
の相互作用を、直接的にかまたは間接的にかのいずれかで改善する。PTH(1
−14)の構造−活性関係の研究は、より強力な、低分子量のPTH−1レセプ
ターアゴニスト、ならびにリガンド−レセプター相互作用機構への新たな洞察を
導き得る。
【0195】 (実施例8) (骨成長の刺激) PTH誘導体をコードする核酸(例えば、配列番号1の核酸など)を、インサ
イチュで骨細胞に移入する。これを達成するための技術は、米国特許第5,76
3,416号(本明細書中に参考として完全に援用される)に記載されている。
次いで、これらの細胞を使用して、前駆細胞を刺激し得、そして骨の成長、修復
および再生を、インビボで促進し得る。これを達成するための遺伝子移入プロト
コルは、当業者に公知であり、そして必要に応じて、所望の目的を達成するため
に使用し得る。このような手順の目的としては、とりわけ、種々の骨関連疾患お
よび欠損の処置(例えば、骨折の予防、骨折修復の促進)、移植物と組み合わせ
ての使用、ならびに骨粗しょう症および骨形成不全症の処置における使用が挙げ
られる。
【0196】 (実施例9) (骨粗しょう症の処置の方法) 経口エストロゲン処置と組み合わせての、PTH(1−34)の皮下投与は、
閉経後の骨粗しょう症に対する骨密度の増加を生じる(Abstract #1
019、1999 American Society of Bone an
d Mineral Research Meeting,9月30日〜10月
4日,1999)。特許請求される本発明のPTH誘導体もまた、この点に関し
て効果的であるはずである。PTHポリペプチド誘導体は、皮下的にか、非経口
的にか、または経鼻吸入法によってかのいずれかで、骨粗しょう症に起因する骨
の損失を減少させるに十分な量で、患者に施される。PTH誘導体の皮下投与は
、必要に応じて、例えば、毎日400IU/日で投与され得る。経口エストロゲ
ンは、例えば、毎日800IUにおいて、PTH誘導体の相補的投与であり得る
【0197】 本発明の方法はまた、PTHポリペプチド誘導体をコードするDNAを含むベ
クターを投与することを包含する。このベクターは、エキソビボまたはインビボ
のいずれかで投与され、そして患者において効果的なレベルのPTHを提供する
に十分な量で、またはPTHレセプターを有する細胞においてcAMPを増加さ
せるに十分な量で、提供される。「効果的な」レベルとは、健全な患者において
産生されるPTHのレベル、または骨の損失の置換を必要とする患者においてこ
のような置換のために必要なレベルである。
【0198】 あるいは、PTH誘導体をコードするDNAは、レトロウイルスを使用して、
培養された細胞に導入され、PTH分泌細胞を作製する。次いで、PTH分泌細
胞は、このような処置を必要とする患者に移植されて、PTH誘導体の血清レベ
ルを提供する。
【0199】 (結論) PTH−1レセプターを活性化させ得ることが公知の最小のペプチドである、
PTHアナログの新たなファミリーが記載される。これらのペプチドは、以下の
主要な置換のうちの1つ以上を含み:Ser3→Ala、Asn10→Alaま
たはGln、Leu11→Arg、Gly12→AlaおよびHis14→Tr
p、そして大きさがPTH(1−14)からPTH(1−11)の範囲である。
Ser3→AlaおよびAsn10→AlaまたはGlnを含むPTH(1−1
0)でさえ、活性であることが見出されている。これらのアナログは、骨誘導骨
芽細胞において、cAMP形成を刺激する際に、活性であった。これらのペプチ
ドの効力、およびこれらの小さな大きさは、これらが骨の疾患(例えば、骨粗し
ょう症)を処置するために有用であることを示す。
【0200】 同じ主要なアミノ酸置換を含むPTH(1−34)アナログ(ペプチド#7)
は、rPTH(1−34)およびhPTH(1−34)よりさらに強力である。
ペプチド#7もまた、骨粗しょう症を処置する際に有用であるはずである。なぜ
なら、より弱いペプチドであるネイティブなhPTH(1−34)が、エストロ
ゲンと組み合わせて、閉経後の女性の骨に対して劇的な同化効果を有することが
既に示されているからである(22)。
【0201】 PTHにおけるレセプター結合およびcAMPシグナル伝達の主要な決定基は
、それぞれPTH(1−34)のC末端およびN末端の部分に存在すると考えら
れる。このことと一致して、PTH(1−14)が、高レベルのPTH−1レセ
プターを発現する細胞において、弱いcAMP応答を刺激し得ることが、最近示
された{PTH(1−34)に対してEC50が約100μM対約3nM}(L
uck,M.D.ら、Mol.Endocrin.13:670−680(19
99))。PTH(1−14)におけるレセプター−シグナル伝達決定基を同定
するため、そして効力を潜在的に改善するために、137の単一置換されたPT
H(1−14)アナログを、hPTH−1レセプターを安定に発現するLLC−
PK1細胞を合成し、この細胞において機能的に評価した。大部分の置換は、c
AMP刺激活性を低減させるかまたは無効にしたが、いくつか(例えば、Ser
3→Ala、Asn10→Ala;Leu11→Arg、Gly12→Alaお
よびHis14→Trp)は、活性を2〜5倍増強した。これらの増強効果は、
相加的であり、その結果、[A3、A10、R11、A12]rPTH(1−14)ア
ミド(ペプチド#1)、[A3、A10、R11、A12、W14]rPTH(1−14
)アミド(ペプチド#2)は、ネイティブなPTH(1−14)よりそれぞれ1
60倍および220倍強力であった。PTH(1−34)、またはこれらの置換
のいくらかもしくは全てを含むPTH(1−11)アナログは、改変されていな
いコントロールペプチドに対して、増強された効力を示した。ペプチド#1は、
アミノ末端ドメインの大部分を欠く短縮型hPTH−1レセプターに関して試験
した場合に、ネイティブなPTH(1−14)より100倍強力であった。これ
らの結果は、PTHの(1−14)領域が、レセプターの膜貫通ドメイン/細胞
外ループ領域と相互作用する重要な活性化コアドメインを含むこと、およびこの
相互作用が、より効力の高い短いペプチドアゴニストを得るために最適化され得
ることを実証する。
【0202】 本明細書中で言及した全ての参考文献は、本開示に参考として完全に援用され
る。
【0203】 ここで、本発明を、明瞭化および理解の目的で、図示および実施例によって十
分に記載したが、特定の変化および改変が、開示された実施形態においてなされ
得ることは、当業者に明らかであり、そしてこのような改変は、本発明の範囲内
であることが意図される。
【0204】 図2〜7において参照されるポリペプチドの配列については、例えば、表2、
3、または4を参照のこと。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、PTH(1−14)における単一変異の効果を示す。各グラフは、上
記のグラフに示されるネイティブrPTH(1−14)における位置での単一ア
ミノ酸置換の、HKRK−B7細胞におけるcAMPシグナル伝達の効果を示す
。HKRK−B7細胞は、ブタの腎臓細胞株のクローンの誘導体、LLC−PK
1である。LLC−PK1は、ヒトPTH−1レセプターを用いて、安定にトラ
ンスフェクトされる。各ペプチドを100μMの用量で試験した。示される全て
ペプチドを二連でかつ同時に試験し;そして実験を二回繰り返した。このデータ
は、2つの実験からの平均(±)S.E.M.を合わせている。
【図2】 図2A−2Cは、置換したPTH(1−14)アナログの用量応答分析を示す
。2つの置換(図2A)、3つの置換(図2B)、または4つおよび5つの置換
(図2C)のいずれかを有するPTH(1−14)アナログを、HKRK−B7
細胞におけるcAMP刺激活性について可変用量で試験した。コントロールとし
て、ネイティブのrPTH(1−14)、rPTH(1−34)および[Nle
8,21Tyr34rPTH(1−34)アミドもまた試験した。記号は、長さで示
されるペプチドに対応する。各グラフは、各々二連で行われた、3つの別個の実
験(平均±S.E.M.)から組合されたデータを示す。
【図3】 図3は、HKRK−B7細胞における置換PTHアナログの用量応答分析を示
す。長さで示されるPTHアナログを、HKRK−B7細胞におけるcAMP刺
激活性について可変用量で試験した。各曲線は、各々二連で行われた、3つ以上
の別個の実験(平均±S.E.M.)から組合されたデータを示す。
【図4】 図4は、HKRK−B7細胞におけるPTHアナログの結合を示す。親コント
ロールペプチド、hPTH(1−34)、およびPTH(1−34)アナログ(
ペプチド#7)を、HKRK−B7細胞に対する125I−rPTH(1−34)
(100,000CPM/ウェル)の結合を阻害する能力について、可変用量で
試験した。データは、単一の実験からの二連の値の平均±S.E.M.である。
【図5】 図5は、PTH−2レセプター発現細胞における置換PTHアナログの用量応
答分析を示す。長さで示されるPTHアナログを、PTH−2レセプターで安定
にトランスフェクトされたLLC−PK1細胞におけるcAMP形成を刺激する
能力について、可変用量で試験した。データは、単一の実験からの二連の値の平
均±S.E.M.である。
【図6】 図6A−6Bは、COS−7細胞における置換PTHアナログの用量応答分析
を示す。COS−7細胞を、インタクトなヒトPTH−1レセプター(HK−W
T)(図6A)または殆どのアミノ末端ドメインを欠く短縮型PTH−1レセプ
ター(hΔNtまたはhDeINt)(図6B)を用いて一過性トランスフェク
トし、そして示される長さのPTHアナログの種々の可変用量を用いて処理した
場合の、cAMP産生を媒介する能力について試験した。各グラフは、各々二連
で行われた、3つの別個の実験(平均±S.E.M.)から組合されたデータを
示す。
【図7】 図7A−7Bは、骨芽細胞における置換PTHアナログの用量応答分析を示す
。骨芽細胞株、ROS17/2.8(図7A)およびSAOS−2(図7B)(
これは、それぞれ、ラットおよびヒトのPTH−1レセプターを内因的に発現す
る)を、示される長さのPTHアナログを用いて処理し、そしてcAMPの得ら
れたレベルを定量した。パネルAにおける各曲線は、各々二連で行った、二つの
別個の実験において各ペプチドについて観察された組合されたcAMP応答(平
均±S.E.M.)を示す。パネルBにおける曲線は、二連で行った、単一の実
験に由来する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 19/10 C07K 14/635 43/00 105 C12N 1/19 C07K 14/635 1/21 C12N 1/19 C12P 21/02 C 1/21 C12N 15/00 ZNAA 5/10 5/00 B C12P 21/02 A61K 37/30 (72)発明者 クロネンバーグ, ヘンリー エム. アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02478, ベルモント, ハスティングス ロード 48 (72)発明者 ポッツ, ジョン ティー. アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02465, ニュートン, チェスナット ストリート 129 (72)発明者 ユップナー, ハラルト アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02139, ケンブリッジ, キナード ス トリート 59 Fターム(参考) 4B024 AA01 BA01 CA05 DA02 DA03 HA17 4B064 AG15 CA19 CC24 DA01 4B065 AA90X AA91Y AA93X AB01 BA01 CA24 CA44 4C084 AA02 AA06 AA07 AA13 BA01 BA08 BA17 BA18 BA19 BA23 CA18 DB32 MA01 MA55 MA59 MA63 NA14 ZA962 ZA972 ZB212 4H045 AA10 AA20 AA30 BA16 BA17 BA18 CA40 DA30 EA30 FA50

Claims (40)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリペプチドであって、以下 【化1】 から本質的になるアミノ酸配列を有し、ここで: X01がAla、AspまたはGlnであり; X02が、Leu、ArgまたはホモArgであり; X03が、ArgまたはAlaであり;そして X04が、PheまたはTrpである、 ポリペプチド。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のポリペプチドのアミノ酸配列に少なくとも
    90%同一であるアミノ酸配列を有する、ポリペプチド。
  3. 【請求項3】 ポリペプチドであって、以下 【化2】 から本質的になるアミノ酸配列を含み、ここで: X01がAla、AspまたはGlnであり;そして X02が、TrpまたはHisである、 ポリペプチド。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のポリペプチドのアミノ酸配列に少なくとも
    85%同一であるアミノ酸配列を有する、ポリペプチド。
  5. 【請求項5】 ポリペプチドであって、以下のアミノ酸配列 【化3】 を含み、ここで: X01がAla、AspまたはGlnであり; X02が、Leu、ArgまたはホモArgであり; X03が、ArgまたはAlaであり; X04が、PheまたはTrpであり;そして X05が、ArgまたはAlaである、 ポリペプチド。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のポリペプチドのアミノ酸配列に少なくとも
    90%同一であるアミノ酸配列を有する、ポリペプチド。
  7. 【請求項7】 ポリペプチドであって、以下: 【化4】 からなる配列の群より選択されるアミノ酸配列を有する、ポリペプチド。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載のポリペプチドであって、前
    記ポリペプチドが、C末端アミドを含む、ポリペプチド。
  9. 【請求項9】 請求項1に記載のポリペプチドのフラグメントであって、該
    フラグメントが、アミノ酸1〜9、1〜10、1〜11、1〜12または1〜1
    3を含む、フラグメント。
  10. 【請求項10】 請求項1に記載のポリペプチドであって、該ペプチドが、
    放射性標識、蛍光標識、生物発光標識、または化学発光標識からなる群より選択
    される標識で標識される、ポリペプチド。
  11. 【請求項11】 前記放射性標識が99mTcである、請求項10に記載のポ
    リペプチド。
  12. 【請求項12】 薬学的組成物であって、以下: 1.請求項1に記載のポリペプチド;および 2.薬学的に受容可能なキャリア、 を含む、薬学的組成物。
  13. 【請求項13】 請求項1に記載のポリペプチドをコードするヌクレオチド
    配列を含む、単離された核酸分子。
  14. 【請求項14】 請求項7に記載のポリペプチドをコードするヌクレオチド
    配列を含む、単離された核酸分子。
  15. 【請求項15】 組換えDNA分子であって、(1)発現制御領域を含み、
    該領域は、(2)請求項1に記載のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド
    配列と作動可能に連結されている、組換えDNA分子。
  16. 【請求項16】 ポリペプチドを調製する方法であって、請求項13に記載
    の前記核酸を宿主中に導入する工程、および該核酸によってコードされる該ポリ
    ペプチドを発現させる工程を包含する、方法。
  17. 【請求項17】 組換えベクターを作製するための方法であって、請求項1
    3に記載の核酸分子をベクターに挿入する工程を包含する、方法。
  18. 【請求項18】 前記制御領域が細菌プロモーター、ウイルスプロモーター
    、真菌プロモーターまたは哺乳動物プロモーターを含む、請求項15に記載の組
    換えDNA分子。
  19. 【請求項19】 請求項15に記載の組換えDNA分子を含む、原核生物宿
    主細胞または真核生物宿主細胞。
  20. 【請求項20】 細菌細胞である、請求項19に記載の細胞。
  21. 【請求項21】 酵母細胞または哺乳動物細胞である、請求項19に記載の
    細胞。
  22. 【請求項22】 配列番号14のアミノ酸配列を有するポリペプチドであっ
    て、単一のアミノ酸置換が、HKRK−B7細胞においてネイティブなPTHと
    比較してcAMP刺激を減少し、但し、該置換が、任意の位置におけるアラニン
    ではなく、Ser−1における該置換が、Tyr、ProまたはAspではなく
    、Val−2における該置換が、Leu、Ser、ArgまたはGluではなく
    、Ser−3における該置換が、Thr、Gly、IleまたはAsnではなく
    、そしてGlu−4における該置換が、Gly、His、Lys、Valまたは
    Aspではない、ポリペプチド。
  23. 【請求項23】 配列番号14のアミノ酸配列を有するポリペプチドであっ
    て、単一のアミノ酸置換が、ネイティブなPTHポリペプチドと比較してHKR
    K−B7細胞においてcAMP刺激を増加するが、但し、該置換が、アラニンで
    はない、ポリペプチド。
  24. 【請求項24】 請求項21に記載のポリペプチドであって、前記単一のア
    ミノ酸置換が、以下: (a)Asn−10−−>Asp、GluまたはGln; (b)Leu−11−−>Ile、Met、Lys、ArgまたはTrp; (c)Gly−12−−>ArgまたはHis; (d)Lys−13−−>Leu、Arg、HisまたはTrp;および (e)His14−−>Leu、Arg、PheまたはTrp、 からなる群より選択される、ポリペプチド。
  25. 【請求項25】 請求項21に記載のポリペプチドであって、該ポリペプチ
    ドが、アミノ酸1〜9、1〜10、1〜11、1〜12または1〜13を含む、
    ポリペプチド。
  26. 【請求項26】 PTH(1−20)、PTH(1−22)、PTH(1−
    24)、PTH(1−26)、PTH(1−28)、PTH(1−30)、PT
    H(1−32)、およびPTH(1−34)からなる群より選択されるポリペプ
    チドであって、単一のアミノ酸置換が、ネイティブなPTHポリペプチドに比較
    して、HKRK−B7細胞においてcAMP刺激を増加するが、ただし、該置換
    が、アラニンではない、ポリペプチド。
  27. 【請求項27】 請求項25に記載のポリペプチドであって、前記単一のア
    ミノ酸置換が、以下: (a)Asn−10−−>Asp、GluまたはGln; (b)Leu−11−−>Ile、Met、Lys、ArgまたはTrp; (c)Gly−12−−>ArgまたはHis; (d)Lys−13−−>Leu、Arg、HisまたはTrp; (e)His14−−>Leu、Arg、PheまたはTrp;および (f)Glu−19−−>Arg、 からなる群より選択される、ポリペプチド。
  28. 【請求項28】 請求項21に記載のポリペプチドであって、該ポリペプチ
    ドが、アミノ酸1〜9、1〜10、1〜11、1〜12、1〜13、1〜14、
    1〜20、1〜22、1〜24、1〜26、1〜28、1〜30、または1〜3
    2を含む、ポリペプチド。
  29. 【請求項29】 骨質量における減少によって特徴付けられる哺乳動物の状
    態を処置するための方法であって、該方法は、該処置を必要とする被験体に、骨
    質量増加に有効な量の請求項1に記載のいずれか1つのポリペプチドを投与する
    工程を包含する、方法。
  30. 【請求項30】 骨の再形成、骨吸収および/または骨再造形の速度を決定
    するための方法であって、有効な量の請求項1に記載のいずれか1つのポリペプ
    チドを患者に投与する工程、ならびに該患者の骨への該ペプチドの取り込みを決
    定する工程を包含する、方法。
  31. 【請求項31】 請求項29に記載の方法であって、前記有効な骨質量増加
    量のポリペプチドを、該ペプチドをコードするDNAを患者に提供することによ
    って投与し、そしてインビボで該ペプチドを発現させる、方法。
  32. 【請求項32】 請求項29に記載の方法であって、前記処置される状態が
    、骨粗しょう症である、方法。
  33. 【請求項33】 請求項32に記載の方法であって、前記骨粗しょう症が、
    老年性骨粗しょう症である、方法。
  34. 【請求項34】 前記骨粗しょう症が閉経後骨粗しょう症である、請求項3
    2に記載の方法。
  35. 【請求項35】 骨質量を増加させるための、有効量の前記ポリペプチドが
    、一日あたり約0.01μg/kg〜一日あたり約1.0μg/kgである、請
    求項29に記載の方法。
  36. 【請求項36】 投与方法が非経口である、請求項29に記載の方法。
  37. 【請求項37】 投与方法が皮下である、請求項29に記載の方法。
  38. 【請求項38】 前記投与方法が経鼻吸入法である、請求項29に記載の方
    法。
  39. 【請求項39】 PTH−1レセプターを有する哺乳動物細胞においてcA
    MPを増加させる方法であって、該細胞を、cAMPを増加させるのに十分な量
    の請求項1に記載のいずれか1つのポリペプチドと接触させる工程を包含する、
    方法。
  40. 【請求項40】 ポリペプチドであって、以下のアミノ酸配列: 【化5】 を有し、ここでX01が、Ala、Aspであり;X02がLeuまたはArgであ
    り;X03がArgまたはAlaであり;X04がPheまたはTrpであり;およ
    びX05がPheまたはTyrである、ポリペプチド。
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