JP2003510599A - 支持体上に固定された核酸を分析するための方法及び装置 - Google Patents

支持体上に固定された核酸を分析するための方法及び装置

Info

Publication number
JP2003510599A
JP2003510599A JP2001527203A JP2001527203A JP2003510599A JP 2003510599 A JP2003510599 A JP 2003510599A JP 2001527203 A JP2001527203 A JP 2001527203A JP 2001527203 A JP2001527203 A JP 2001527203A JP 2003510599 A JP2003510599 A JP 2003510599A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nucleic acid
nitrogen base
support
sample
immobilized
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001527203A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4494694B2 (ja
Inventor
フランソワーズ・ヴィネ
パトリック・シャトン
Original Assignee
コミツサリア タ レネルジー アトミーク
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by コミツサリア タ レネルジー アトミーク filed Critical コミツサリア タ レネルジー アトミーク
Publication of JP2003510599A publication Critical patent/JP2003510599A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4494694B2 publication Critical patent/JP4494694B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/17Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated
    • G01N21/171Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated with calorimetric detection, e.g. with thermal lens detection

Landscapes

  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials Using Thermal Means (AREA)
  • Sampling And Sample Adjustment (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 支持体上に固定された窒素塩基、核酸、または核酸の窒素塩基の特徴付け、定量化、及びマッピングのための方法を提供する。少なくとも一の核酸がその表面に固定された支持体上に、核酸を有するバイオチップを製造する方法、及び前記方法を実施するための装置を提供する。支持体上に固定された窒素塩基、核酸、または核酸の窒素塩基のための特徴付けの方法において、ミラージュ効果法により前記核酸または前記窒素塩基を特徴付けする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は特に、支持体上に固定された窒素塩基、核酸、または核酸の窒素塩基
の特徴付け、定量化、及びマッピングのための方法に関する。これはまた、特に
少なくとも一の核酸がその表面に固定された支持体上に、核酸を有するバイオチ
ップを製造する方法、及び本発明による方法を実施するための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、本発明は、配列決定及び遺伝子発現の研究のために使用される、化
学的または生物学的分析システムの分野における応用のために使用される。
【0003】 例えば、これらの装置は、同一または相違する分子プローブのセット、例えば
支持体の小型化表面またはミクロ表面上に固定された核酸から構成されてもよい
。これらは通常バイオチップ、あるいは核酸がデオキシリボ核酸である場合には
DNAチップ、核酸がリボ核酸である場合にはRNAチップと呼称されるものを
形成する。支持体ミクロ表面上に固定された全ての核酸は、プローブ基質を形成
する。
【0004】 DNAチップを使用して試料を分析する間に、抽出物の標的核酸は、標識され
、プローブ基質上に付着する。ハイブリダイゼーション、換言すれば相補的核酸
の分子同士の相同性、プローブと標識された標的との間の相同性を使用し、分析
される試料中に存在する核酸の配列を標識し、同定する。
【0005】 バイオチップの製造のための数多くの方法が、近年開示及び開発されており、
チップ上の分析部位は、さらに小型化され、性能もしくは密度を改善されている
【0006】 これらの中には、構造化基質上におけるプローブ核酸の原位置合成からなるも
のがある。前記合成方法は、二つの異なるアドレッシング・モード;手動アドレ
ッシング・モードもしくは機械的アドレッシング・モード、または光化学アドレ
ッシング・モードまたはリソグラフィ技術を使用する方式のいずれかを使用して
基質を構成する。
【0007】 第一のアドレッシング・モードは、ミクロロボットを使用する、または基質構
造に連結させた自動合成装置を使用する、手動アドレッシング・モードである。
例えば、このアドレッシング・モードは、文献Southern EM, Nucleic Acid rese
arch, April 25 1994, 22(8):1368-1373に開示されている。
【0008】 ミクロロボットを使用するミクロピペット法またはジェットプリント法による
、付着技術の著しい改善により、化学合成法を使用するプローブの工業的製造方
法を提供することが可能となっている。文献WO-A-9427719(by PROTOG
ENE LAB INC. and A.P. Blanchard, R. J Kaiser, L.E. Hood, Biosensors and
Bioelectronics, vol 11, No. 6/7, pages 687 to 690, 1996)には、ジェット
プリント技術の使用して、DNAの四つの塩基性活性化ヌクレオチド及びカップ
リング試薬を、DNAバイオチップの異なる部位上に分配することが開示されて
いる。
【0009】 光化学アドレッシング技術及びリソグラフィ技術を含む第二のアドレッシング
・モードは、例えば、Affymetrix, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1996, Nov. 2
6; 93(24), 13555-60に開示されている。
【0010】 これら二つのアドレッシング・モードにおいては、前記合成は、注意深く保護
されたヌクレオシドの連続縮合のためにホスホアミダイトまたはホスファイトを
利用し、従来のカップリング反応を使用する。Caruthersの文献(Science, Oct.
85, page 281)には、脱保護、カップリング、キャッピング、及び酸化の工程
を含む合成サイクルが開示されている。このサイクルは、微量のヌクレオチドを
支持体表面から成長させてバイオチップを形成する手段である。
【0011】 微量のヌクレオチドが予備合成されており、このため固体支持体上にグラフト
結合される前に精製され、適性化されているような幾つかのアドレッシング・モ
ードとは異なり、上述のアドレッシング・モードは、各ヌクレオチドカップリン
グ工程の後に、合成された核酸の特徴付けを必要とするが、これは精製が、合成
後には不可能なためである。
【0012】 例えば、数nlの試薬量から出発する、固体支持体上の(100×100)μm2 の部位における合成には、出来る限り100%に近いカップリング有効性を得る
ために合成方法の最適化が必要である。ハイブリダイゼーションの質は、合成さ
れたプローブの純度に依存するであろう。したがって、各合成工程を適性化する
こと及び合成された配列を検査できることが必要である。
【0013】 さらにまた、微量のヌクレオチド合成を実行した後、プローブ密度及び基質表
面におけるこの密度の均一性の検査を行わねばならない。
【0014】 各工程についての有効性算出のために最も頻繁に使用される方法は、ヌクレオ
シドの脱保護の後に、500nmにてジメトキシトリチルカチオンの吸収を測定す
ることである。例えば、この方法は、Tetrahedron Letters, vol. 25, No. 4, p
ages 375 to 378, 1984に記載されている。
【0015】 測定しようとする吸収は、合成されたプローブの量に依存して0.2乃至10 -3 の範囲で変化しうる。この吸収は、通常、0.1%のオーダーの絶対精度をも
って、複光束分光計によって測定される。原位置合成のために必要な特徴付け用
機器には感度の問題がある。吸収測定が充分に正確(<10-3)であれば、有効
性は、各工程について算出可能である。この測定が塩基に対して特異的でなく、
したがって合成された遺伝子配列について、いかなる情報も提供できない。トリ
チルカチオンの割合は、基質全体について包括的であり、各基質について平均プ
ローブ密度を算出するために使用することができるが、その均一性については何
らの情報も提供していない。
【0016】 Pease A. C. Proc. Natl. Acad. Sci. USA, May 1994, vol. 91, pages 5022
to 5026には、配列決定に使用される合成プローブと等量の、標識したプローブ
を用いたハイブリダイゼーションの後の蛍光を測定することが開示されている。
しかしながら、この測定は、プローブが完全に合成された後に行われており、工
程毎の有効性について何の情報も与えることができない。
【0017】 この技術の改善が、Affymetrixによって提案されたばかりである(in Glen Ma
c Gall, J. Org. Chem., 1998, 63, pages 241 to 246)。この技術は、合成に
おける各工程について、有効性を示すことができる。核酸の長さが変異する領域
をリトグラフィによって定義し、合成終了時には、異なる長さの全プローブ上に
おいて、蛍光を含むホスホアミダイトとカップリングを行う。
【0018】 この方法は、固体支持体上における合成方法の開発に使用可能であるが、様々
な微量ヌクレオチドの合成が完了する前には、微量ヌクレオチドのグラフト化に
おける連続工程を特徴付けすることは不可能である。
【0019】 MALDI-TOF(Matrix Assisted Laser Desorption/Ionization Time of
Flight)技術(Little P. D., Anal. Chem. 1997, 69, pages 4540 to 4546に開
示)は、DNAプローブを含むバイオチップの分析に使用されている。これが、
現在のところ、上限2.5フェントモルの量を分析するためには、最良の解決を
提供する技術である。残念ながら、これは破壊的であり、特別な実施を必要とす
る。プローブは合成の終点において化学的に裂開可能でなければならず、使用し
たレーザーを吸収することのできる物質と共結晶化しなければならない。
【0020】 また別の技術は、合成の後プローブを裂開することからなる。これらはその後
、HPLC(高圧液体クロマトグラフィー)により分析することができる。この
方法は固体支持体上における合成方法の発展を助けはするが、構造化基質上にお
ける原位置合成の特徴付けのためには、決して使用できない。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、特にバイオチップの合成における各工程を適性化し、支持体
上に合成される核酸の配列、及びこれらの密度及び均一性を確認するために使用
される方法を提供することであり、前記方法は、従来の技術が遭遇した上述の問
題を解消し、特に核酸を備えたバイオチップの造成を検査するためのものである
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明による方法は、支持体上に固定された窒素塩基、核酸、または核酸の窒
素塩基の特徴付け、定量化、及びマッピングのために使用可能である。これは、
ミラージュ効果法による、前記核酸または前記窒素塩基の特徴付け、定量化、及
びマッピングからなることを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下の記載を単純化するため、「試料」なる語は、支持体上に固定された、窒
素塩基、核酸、または核酸の窒素塩基を示すために使用する。 例えば、「Biochimie Generale」(General Biochemistry)と題される本(J. H
. WELL. 6th edition, MASSON, pages 279-288)には、核酸及び窒素塩基が開示
されている。
【0024】 本明細書及び添付の請求項中に使用した核酸なる語は、3’−5’ホスホジエ
ステル結合によって互いに結合したヌクレオチドの鎖を示す。ヌクレオチドは、
ヌクレオシドのリン酸エステルであり、ヌクレオシドは、プリンまたはピリミジ
ンの窒素塩基の、リボースまたはデオキシリボースとの間の結合から誘導される
。核酸は、ヌクレオチドがリボースを含む核酸を形成している場合にはリボ核酸
(RNA)であり、ヌクレオチドがデオキシリボース含む核酸を形成している場
合にはデオキシリボ核酸(DNA)である。窒素塩基は、核酸がRNAである場
合、通常はアデニン(A)、グアニン(G)、ウラシル(U)、及びシトシン(
C)であり、核酸がDNAである場合には、アデニン、グアニン、及びチミン(
T)及びシトシンである。
【0025】 本発明による方法は、DNAまたはDNA核酸、及びこれらの窒素塩基並びに
これらの誘導体の、特徴付け、定量化、及びマッピングのために使用することが
できる。
【0026】 例えば、誘導体とは、異常塩基とも呼称される、上記の窒素塩基の誘導体、例
えばシトシンから誘導される5-ヒドロキシメチルシトシンを含む核酸を示す。
【0027】 本発明はまた、原位置で合成された少なくとも一の核酸がその表面に固定され
た、固体支持体から特に形成される核酸バイオチップの製造方法を記載しており
、前記方法は、少なくとも一の合成及び分析のサイクルを含み、とりわけ、第一
に、支持体上に固定された前記核酸の原位置合成のための窒素塩基のカップリン
グ、及び第二に、前記窒素塩基のカップリングを制御するための分析を含み、前
記分析は、本発明による特徴付け、定量化、及びマッピングの方法を使用して行
われるものである。
【0028】 核酸の原位置合成のための技術は、特に、バイオチップの製造を開示する上記
の本、例えば、Cauthers, Science, October 1985, 281頁以降に記載されている
。明らかに、窒素塩基のカップリングは、合成された核酸とカップリングしよう
とする窒素塩基を含むヌクレオチドとの間に、上述の3’−5’ホスホジエステ
ル結合を形成することに相当する。
【0029】 薄い核酸層が、通常は非吸収性であると考えられているというのは重要な点で
ある。このことは、特に"Ellispsometric and interferometric characterizati
on of DNA probes immobilized on a combination assay", Gray et al., Lngmu
ir 1997, 13, 2833-2842に開示されている。
【0030】 これにも関わらず、本発明者らは、輻射熱法とも呼称される、ミラージュ効果
法に興味をもってきた。
【0031】 これら全ての方法は、通常は所定の周波数でレーザー変調され、ポンプビーム
と呼称される放射源を、その吸収を測定しようとする試料の励起のために使用す
る。入射光エネルギーの一部は、試料によって吸収される。吸収されたエネルギ
ーの割合は、当該試料についての吸収スペクトル及び励起源の発光スペクトルに
よって固定されている。吸収されたエネルギーの一部は、指数勾配を発生させる
、局所温度勾配を発生させる。
【0032】 輻射熱方法は、この指数勾配を検出することからなる。
【0033】 本発明者らは、独創的にも、輻射熱偏位法が、輻射熱法またはミラージュ効果
法の一つであり、これが本発明に使用可能であることを示した。
【0034】 輻射熱偏位法は、指数勾配が位置する領域を通過する、プローブビームと呼称
される光線の偏位を測定することからなる。換言すれば、これは、ポンプビーム
により吸収体試料において温度が上昇することに起因する、プローブビームの偏
位を測定することからなる。この輻射熱偏位技術は、吸収マッピング、熱パラメ
ータ映像などの表面分析に応用されたが、支持体上に固定された核酸または核酸
の窒素塩基の特徴付け、定量化、及びマッピングのためには使用されていない。
【0035】 本発明の実施に充分な、輻射熱法の完全な提示は、例えば"Photothermal Spec
troscopy Methods for Chemical Analysis, S. E. Bialkowski, vol. 134 in Ch
emical Analysis: a Series of Monographs on Analytical Chemistry and its
Applications, Wiley"と題される本に見いだされる。
【0036】 したがって、輻射熱偏位法の場合には、核酸または核酸の窒素塩基が、励起源
から発せられる光によって照明され、前記励起源から発せられる光の、核酸によ
る、または窒素塩基による吸収、偏位、または反射を検出または測定するために
プローブビームが使用される。
【0037】 添付の図1には、本発明による方法のための測定波長を決定するために、波長
の関数としてのA、T、C、G、及びU塩基の吸収係数の変化を示すグラフが含
まれる。この図においては、横座標軸は波長λ(nm)を表し、縦座標軸はモル吸
収係数(M.A.C.)(×10-3)を表す。参照番号60は、アデニン(A)の吸収
スペクトルを示し、参照番号62、64、66、及び68はチミン(T)、シト
シン(C)、グアニン(G)、及びウラシル(U)の吸収スペクトルをそれぞれ
示す。これらのスペクトルはまた、DNAまたはRNAの最適な感度長を選択す
るために使用することができる。
【0038】 本発明によれば、励起源は、例えば干渉性の放射源または非干渉性の放射源で
あってよい。
【0039】 ポンプビームの役割は、上述の通りである。例えばこれは、パルスレーザーか
ら発せられても、またはその放出波長が核酸の吸収バンド内にある、連続的に強
度変調されたレーザーから発せられてもよい。核酸の場合には、層厚さの大小の
オーダーは、通常数ナノメーターである。
【0040】 したがって、本発明によれば、ポンプビームは干渉性の光であってもよく、例
えば波長270nmのアルゴンレーザー、または固体レーザー、例えば波長266
nmの四重YAGから選択されるレーザー光線であってよい。本発明によれば、吸
収は、200乃至300nmのスペクトル範囲内で検出又は測定することができる
【0041】 本発明によれば、放射源の発光スペクトルが検出のために充分強いシグナルを
提供できるならば、ポンプビームは、非干渉性の光、例えば多色光であってもよ
い。例えば、非干渉性の光は、水銀灯から発生しうる。
【0042】 プローブビームは、好ましくは、ポンプビームによって照明される試料の一部
の近傍に向けられる。さらにまた、プローブビームは、ポンプビームと同一であ
っても、または相違してもよい。
【0043】 本発明によれば、プローブビームは、好ましくは基質によって、及び存在する
核酸によっても、吸収されない波長を有する。プローブビームは、好ましくはレ
ーザー光線である。例えば、これは400乃至700nmの波長を有してよい。こ
れは、波長が可視領域に入るため、試料についてアラインメントを促進する。例
えば、これは、633nmにてヘリウム−ネオンレーザーから誘導されてもよい。
【0044】 プローブビームとポンプビームとの総体位置は、使用する配置を決定する。例
えば、プローブビームは以下の媒体の一以上を通過してよい−核酸、固体支持体
、または環境媒体、例えば液体または空気。ポンプビームに対するプローブビー
ムの配向は、所望により、例えば機械的サイズの関数として、及び/または、吸
収を最大にする試みにおいて感度を最適化するために、入射角の関数として、選
択してよい。
【0045】 本発明によれば、プローブビーム及びポンプビームは、交差してもよい。交差
の位置は、もしあるならば、所望によって、特に感度を最適化する試みの関数と
して、固定されてもよい。一般的に、交差点は、熱勾配の最大値に位置する。
【0046】 本発明によれば、プローブビーム及びポンプビームは、直交配置におかれても
、またはおよそ直線状に配置されてもよい。直交配置においては、プローブビー
ム及びポンプビームは、交差し、互いに垂直となる。この配置は、添付の図2に
図式的に示される。およそ直線状の配置においては、プローブビームとポンプビ
ームとが交差はするがほとんど直線状にある。添付の図3は、直線状配置の図式
的表示である。
【0047】 これらの図においては、参照番号1はポンプビームを示し、参照番号3は直交
位置にあるプローブビームであり、参照番号3はおよそ直線状に配置されたプロ
ーブビームを示し、参照番号7はレーザーを示し、参照番号9は検出器、例えば
四の象限を有する検出器であり、さらに参照番号11はその表面に核酸が固定さ
れた固体支持体からなる試料を示す。
【0048】 プローブビームの反射及び屈折は、多元素光ダイオード、例えば、二または四
の象限、ストリップまたはマトリックスを備えた検出器を使用して、あるいは、
カッシェもしくはブレードによって部分的に、もしくはプローブビームを受容可
能な部分のみを覆った、単純な光ダイオードを使用して、検出してよい。
【0049】 単純な光ダイオードの場合は、別の検出器により、ポンプビームのパワーにお
ける変化から、核酸の吸収における変化を、もしあればだが分離させる必要があ
るかもしれない。
【0050】 図4は、プローブビームの偏位の検出のための、様々な配置を図示して示すも
のである;この図においては、-A-は図式的に二象限検出器13及び該検出器上
にプローブビームによって形成される点15を示し、-B-は四象限検出器を表し
、-C-はマトリックス検出器を表し、-D-は部分的にカッシェによって覆われた
単純な光ダイオードを表し、また-E-は偏心光検出器(off-centered photo det
ector)を表す。
【0051】 十分な感度を得るために、核酸または核酸の窒素塩基によって誘発されるプロ
ーブビームの偏位は、好ましくは媒体に起因する寄生的変化(parasite variati
on)、例えば実験室の温度変化から区別される。これを達成するために、ポンプ
ビームは、連続的であれば変調によって、あるいはそのパルス操作によって、い
ずれ標識されてもよい。変調周波数または参照シグナルを得る可能性の制御は、
ポンプビームの部分的吸収によって引き起こされる温度上昇に起因する反射を、
好ましく検出する手段である。
【0052】 使用する光線の配置によらず、得られる情報は局所的であり、微量核酸または
窒素塩基表面におけるポンプビームの衝突点の周辺領域に適用される。
【0053】 この領域のサイズは、実験パラメーター、例えば試料表面の衝突点におけるポ
ンプビームのサイズまたはその変調周波数などによって、並びに支持体、試料、
及び周辺媒体の熱反応によって、固定されても良い。これは特に、様々な媒体中
における熱の分布による。
【0054】 前記情報が局所的であるため、検出機器は支持体移動システムに接合されてい
て、該システムの表面にポンプビームに対して拡散が固定されていてもよい。こ
の装置は、プローブビームの偏位値を異なる位置間で比較するために使用するこ
とができ、特にシグナルをマップの形態で表してよい。
【0055】 必要であればいつでも、例えば、参照試料またはコントロール試料を用いて、
偏位シグナルは吸収値に換算してよい。このコントロール試料は、その吸収が既
知で安定であり、核酸または窒素塩基について同様の実験条件下における輻射熱
偏位測定の対象としてもよい。例えば、得られる値は、吸収レベルにて測定され
る電気シグナルについての変換係数の算出のために使用することができる。
【0056】 プローブビームとポンプビームとの相関関係のモデルは、試料の吸収によって
損失を測定可能であることを示す。既に見てきたように、該機器には、事前にそ
の吸収が既知である参照試料の偏位シグナルを測定することによって、目盛り定
めをすることができる。吸収が低ければ、これは、輻射熱偏位シグナルが試料の
吸収に比例しうることを示している。したがって、参照資料について、相関させ
て作業することが可能である。
【0057】 本発明による方法では、数ppm(10-6)の吸収による損失が算出可能である。
「損失」なる語は、物質において吸収されるパワーと入射光のパワーとの間の比
率を意味する。本発明の一つの有利な実施態様は、検出感度を最適化するために
、P偏光における、換言すれば、微量核酸の入射の平面と平行の、ポンプビーム
の吸収を使用することである。場合により、P偏光中における吸収は基質のブリ
ュースター角での極大、例えばガラスについては56.6°を通過する。
【0058】 各塩基は特定の吸収スペクトルを有しており、これを使用することができる。
本発明に従い、塩基の数の関数としての光偏位シグナルの変化を追うこととする
【0059】 まず最初に、基本層の吸収係数は下記のように表す。
【数1】 [式中、Aは基本層の吸収を示し、αは吸収係数を示し、eは機械的厚さを示し
、kは薄層吸光係数を示し、λはポンプビームの波長である]
【0060】 N塩基iの成長後、得られるのは単に下記のとおりである。
【数2】
【0061】 生物学領域においては、この係数はまた以下の形態でも表すことができる。
【数3】 ε1及びc1は、モル吸光係数(1.mol-1.cm-1)及び濃度(mol-1.l-1)を、そ
れぞれ各塩基について示す。
【0062】 手引きとしては、吸光係数は10-2から10-3のオーダーであり、測定可能な吸収
は数百ppmのオーダーである。したがって、これらは弱い光学シグナルである。
【0063】 最も重要なこととしては、iの工程は前の工程への追加である。したがって、
シグナルは容易に分析され、微量ヌクレオチドの原位置合成のための工程に伴う
塩基の成長の変化を観察するために使用することができる。
【0064】 本発明によれば、支持体は、例えばガラス、酸化ケイ素、プラスチック、また
はゲル製であってよい。例えば、この支持体は平面支持体であってよく、あるい
は微小空洞、例えば微小な窪みを含むものであって良い。
【0065】 本発明によれば、最初のヌクレオチドは原位置合成のために、第一には支持体
に依存して、第二には好ましい支持体上にヌクレオチドが共有結合によって固定
されるように選択される従来の化学反応によって、支持体上に固定される。これ
らの化学反応は、例えば、Chemical Letterts, 1998, p. 257−258及びAn
alytical Biochemistry 247, p. 96-101, 1997に開示されている。
【0066】 本発明はまた、本発明による方法、特に前記方法が輻射熱偏位法である場合に
、該方法の実施のための装置を提供する。
【0067】 前記装置は、以下の部品: ・その表面に核酸が固定された支持体を含む試料を配置する手段、 ・前記試料を照明する手段、 ・前記照明手段によって照明される場合、前記試料による光の吸収、偏位、また
は反射を、検出及び/または測定する手段、 ・前記照明手段及び前記検出及び/または測定手段を配置する手段、 を含む。
【0068】 本発明によれば、試料を配置する手段は、マイクロメーター移動及び回転プレ
ートに正確に取って代わる、いかなる既知の手段であってもよく、例えばMicroC
ontroleまたはSpinder Hoyer製のものがある。これらの手段は、自動化を可能に
するために、特にマッピングのために、モーター駆動であってよい。
【0069】 本発明によれば、試料を照明し、光の吸収を検出する手段は、特に支持体及び
検出しようとする核酸の関数として選択してよい。試料を照明するための手段は
、例えば上述のとおりポンプビームからなっていても良い。吸収を検出するため
の手段は、プローブビーム及びプローブビームの屈折及び反射を検出するための
手段を含んでよい。これらの手段は、以下に、また下記の実施例に説明される。
【0070】 本発明によれば、上記の設置手段並びに照明及び検出手段は、試料を設置する
ことについて上述したような手段であってよい。
【0071】 したがって、本発明は、支持体上に固定された窒素塩基、核酸、または核酸の
窒素塩基の特徴づけ、定量化、及びマッピングのために、輻射熱技術が使用され
たことはないという事実によって、特に革新的である。さらに一般的には、支持
体上でのこのタイプの分析のために、吸収変化の測定に基づいて使用された方法
はこれまでなかった。
【0072】 特に、本発明による方法は、いかなる標識工程も、標識も必要としないという
利点を有する。例えば、これは核酸バイオチップの製造のために有利に使用して
もよい。各窒素塩基の、例えばDNAバイオチップまたはRNAバイオチップの
各原位置合成工程における特徴づけ、定量化、及びマッピングは、前記合成の各
工程を正確に観察し、ひいては製造されるバイオチップの密度、密度の均一性、
及び品質を制御し、おそらくは前記合成中に起こるいかなる過失をも補正するた
めに使用することができる。
【0073】 これは、従来の技術においては不可能であった。本発明による方法を使用して
得られるバイオチップは、正確で均一であり、容易に再生産可能である。
【0074】 本発明による方法は、バイオチップの製造のための微量核酸の原位置合成方法
を最適化するために、また100%と同等または近傍のカップリング有効性を得る
ために、使用することができる。この使用は、以下の実施例中に詳説される。
【0075】 本発明の別の要素及び利点は、添付の図面を参照して以下の記載及び実施例を
読むにつれ、明らかになるであろう。これらは明らかに、詳説を目的としており
、制限的なものでは全くない。
【0076】 本発明の別の特徴及び利点は、添付の図面を参照して以下の記載を読むにつれ
、明らかになるであろう。
【0077】
【実施例】
(実施例1:測定方法) 本発明によるこの実施例において使用されるシステムは、直交配置における輻
射熱偏位に基づく。
【0078】 添付の図5は、本発明による輻射熱偏位方法によって支持体上に固定された、
核酸または核酸の窒素塩基を含む試料の吸収の測定の原理を示す図式的説明であ
る。
【0079】 この図には、ポンプビーム19は、275nmにおける連続的アルゴンレーザー
光線(COHERENT INOVA 40)(商品名)(図示なし)から誘導され、球状鏡(図示
なし)を用いて試料11上に集中させられ、点(図示なし)の直径は、試料11
の表面にて約70ミクロンであったことが示される。ポンプビームの波長は、核
酸の検出が可能になるように選択される。ポンプビームのパワーはレーザー出口
において300mWであった。
【0080】 プローブビーム21は、633nmにおけるヘリウム-ネオンレーザーからのプ
ローブビームである。このプローブビームの波長は、問題ではない。本発明によ
れば、ポンプビームの波長と非常に異なる波長が、より良いシグナルをノイズ比
に与えることができる。
【0081】 プローブビーム21の偏位を、四象限検出器-B-(図3参照)を用い、次いで
増幅及び減算電子機器(図示なし)を用いて検出した。参照番号21aは、輻射
熱偏位によって偏光したプローブビームを示す。角度θは、法線20から試料(
点鎖線で図示)までのポンプビーム19の入射の角度を示し、参照番号19aは
、試料上に反射したポンプビーム19を示す。
【0082】 プローブビームの波長を選択する干渉フィルター(図示なし)を四象限検出器
の正面に設置し、変調したポンプビームから生じる寄生的光の影響を避けても良
い。
【0083】 本発明による装置においては、プローブレーザー、四象限検出器、及び関連の
電子機器は、市販の測定セル、例えばALIS社製のものなどの、必須の部分を形成
しうる。このセルからの出力シグナルは、同時検出のために送出される。
【0084】 ポンプビームは、以下に機械的チョッパとも呼称される、機械的スリットを備
えたディスクを使用して変調されてもよく、その周波数は調製可能である。チョ
ッパ制御シグナルは、同時検出のための基準として用いられる。該周波数は15
7Hzである。測定したシグナルは、同時検出(ポンプビーム変調周波数における
偏位シグナルの増幅)からのアウトプットにて得られる。
【0085】 試料及び二つの光線は、マイクロメーター移動及び回転プレート(MicroContr
ole社製)によって互いに関連して設置されるが、前記プレートには、例えばバ
イオチップのマッピングを、調整の段階において自動化することができるように
モーター駆動である。調整は、プローブビームを含む試料に直交する平面中の偏
位シグナルを最大化するように自動的に行われる。マッピングの間、必要であれ
ば、マッピング走査軸に対して直交方向に調整的な転置を行い、マッピングの間
相対的な位置が正確に維持されることを確実にする。この調整的転置は、予備的
測定工程において自動的に決定される。法線から試料に対するポンプビームの入
射角及び試料に対するセルの方向は、調整可能である。プローブビーム及びポン
プビームの相対位置及び方向もまた、個別に調整可能である。
【0086】 本発明による装置の図は、添付の図6に示される。この図においては、シャッ
ター(図中に図示無し)は、転置段階の間にポンプビームを遮断し、転置後に設
定が定常状態に達するように選択される待ち時間の後の、明確に規定される時間
の間、これをもとに戻す。参照番号23は、275nmのアルゴンレーザー光線を
示し、参照番号25はレーザー光線を配置する鏡を示し、参照番号27は機械的
チョッパを示し、参照番号29はチョッパを通過した後のレーザー光線を示し、
参照番号31は集束鏡を示し、参照番号35は測定試料を示し、参照番号36は
プローブヘリウム−ネオンビームを示し、参照番号37は四象限光ダイオードを
示す。
【0087】 例えば、試料の配置は、図中には示されていない自己コリメーター照準具(se
lf collimating sight)によって反復的に行ってもよい。全測定装置は、二つの
直交方向において転置を制御し、偏位シグナルを捕捉するワークステーションに
よって制御してもよい。
【0088】 この実施態様においては、偏位は、試料の平面に平行な方向に沿って、またこ
れに直交する方向に沿って、測定される。この第二の方向が有用なシグナルを形
成する。同時検出によって提供される電気シグナルは、それ自体、試料上の様々
な位置間の比較によって使用してよい。
【0089】 これはまた、経時的にレーザー流束の下で安定であると見なされる試料上にお
いて参照測定を行うことによって、吸収値に変換することも可能であり、その吸
収は、分光計を用いて測定可能であって、輻射熱偏位測定ベンチの直線性範囲中
に配置される。
【0090】 (実施例2:シリカ基質上におけるオリゴヌクレオチドの原位置合成) 使用したシリカ基質は、Suprasilタイプ(SESO社)のものであり、これらは5
0mmの直径及び3mmの厚さを有していた。
【0091】 1−表面ヒドロキシル化 2gのソーダNaOH/6mlの脱塩水/8mlの95%エタノールを含有する溶
液を調製し、基質をその中で2時間インキュベートした。その後試料を脱塩水で
濯ぎ、窒素ブロワを用いて乾燥させた。この工程により、シリカの表面にヒドロ
キシル基の造成が行われた(下式(I)参照)。
【0092】 2−シラン化 2mlの3-グルシドキシプロピルトリメトキシシラン(98%)を、7mlのト
ルエン及び0.6mlのトリエチルアミン中の溶液とした。該試料をこの溶液中に
入れて80℃にて一晩おいた。これらを、ブロワを用いてアセトン及び窒素で乾
燥させ、110℃にて3時間焼鈍した。化学シラン化反応は、下記のように図式
的に示してもよい。
【化1】
【0093】 3−エポキシド官能基の開裂 30mlのヘキサエチレングリコール及び18μmの硫酸を含む溶液を使用して 、エポキシド結合の開列を可能にし、よってヘキサエチレングリコールを固定し
た。エポキシド官能基の開裂は、下記のように図式的に示してもよい。
【化2】
【0094】 4−オリゴヌクレオチドの合成 ホスホアミダイト法によるオリゴヌクレオチドの合成は、文献Caruthers, Sci
ence, Oct. 85, page 281に開示されており、これは以下の工程:脱トリチル化
、カップリング、キャッピング、及び酸化を含む。
【0095】 脱トリチル化: 試料を、3%のトリクロロ酢酸をジクロロメタン中に含有する、2mlの溶液(
DMT removal batch 2257-1 Roth)中に入れて2分間撹拌した。これをジクロロ
メタン中で、その後アセトニトリル中で濯ぎ、加圧窒素ジェット下で乾燥させた
【0096】 カップリング: 25mgの2’-デオキシ-5’-O-ジメトキシトリチル-3’-O-(βシアノエ
チル-N,N-ジイソプロピルアミノ)ホスホアミダイトを含有する、2mlの溶液
を、150μlのテトラゾールと混合した。試料をこの溶液中に入れ、アルゴン
下で10分間撹拌した。これをアセトニトリル中で濯ぎ、加圧窒素ジェット下で
乾燥させた。
【0097】 キャッピング:1lのCAP及び1mlのCAP2を含有する溶液を調製した(C
AP1=無水酢酸/ルチジン/THF、CAP2=1-メチルイミダゾール/T
HF)。試料をこの溶液中に2分間入れた。その後これはアセトニトリル中で濯
ぎ、加圧窒素ジェット下で乾燥させた。
【0098】 酸化: 試料を、4mlのReagent Oxidationの溶液(ヨード/水/ピリジン/THF ba
tch 2254.2 Roth)中に入れて撹拌しつつ1分間おいた。これをジクロロメタン
中のアセトニトリル中で濯ぎ、その後アセトニトリル中で濯ぎ、加圧窒素ジェッ
ト下で乾燥させた。
【0099】 これらの工程をN回繰り返し、ここでNは、合成しようとするオリゴヌクレオ
チドの量体数である。カップリング工程は、各ヌクレオチドの塩基(A、C、G
、T、及びU)の性質を決定する。
【0100】 (実施例3:様々な長さのオリゴマーについての吸収測定) この実施例は、実施例2で調製したようにシリカ支持体上に造成され、1量体
、2量体、及び8量体を含む厚さを備え、またT塩基のみを含む配列を有するも
のとした。
【0101】 この実施例の目的は、本発明による方法が、オリゴヌクレオチドの成長を塩基
毎に識別するために使用可能であることを示すことである。
【0102】 発明者らは、上述の方法を用いて、試料1乃至試料4と呼称される四つの異な
る試料を調製した。これらの試料は下記の通り: 試料1:シリカ/NaOH処理/シラン化/HEG、 試料2:シリカ/NaOH処理/シラン化/HEG/T塩基を含むモノマーの合
成、 試料3:シリカ/NaOH処理/シラン化/HEG/各ヌクレオチド上にT塩基
を含むダイマーの合成、 試料4:シリカ/NaOH処理/シラン化/HEG/各ヌクレオチド上にT塩基
を含むオクトマーの合成。
【0103】 1)測定パラメーター: 測定は、アルゴンレーザーを使用して行った。 波長275mm;140mWの標本パワー;チョップ周波数F=157Hz;入射角
45°;二象限における検出。
【0104】 2)測定: 0.1mm目盛りで、試料の中心1mm2にマッピングした。 各点X、Yについて、吸収の捕捉=f(t)、式中、約100msの時間工程中
、0≦t≦4秒である。捕捉は以下のとおり行った: 0≦t≦1秒については、ミラージュ効果によって:シャッターは閉じておいた
。 t=1秒において、シャッターを開き、 1≦t≦4秒については、吸収を測定した。 結果を以下の表1にまとめた。
【0105】
【表1】
【0106】 添付の図9は、グリコールヘキサエチレン(HEG)、T塩基一つを有する1
量体(HEG+T)、T塩基二つを有する2量体(HEG+2T)、及びT塩基
八つを有する8量体(HEG+8T)を含むシリカ基質上に得られる、輻射熱シ
グナルの変化を、時間の関数として示す。
【0107】 これらの曲線は、基準(窒素塩基無し)、T塩基一つについての、T塩基二つ
についての、及びT塩基八つについてのシグナルをそれぞれ示す。
【0108】 (実施例4:オリゴヌクレオチドの合成における、各工程での映像の決定) 各合成工程の「映像」を、前の工程との比較により決定した。添付の図7及び
8は、試験構造物を図式的に示す。これらの図において、試験構造物は、例えば
100×100μm2の領域に相当する四角またはパッドによって図式的に示され
、ここでは光学反応を、基質(基準)、基質にグラフト化した四つの塩基(A、
C、G、及びT)を別個に、最終的なオリゴヌクレオチド(AT、AC、...
、TT)における様々に可能な配列に相当するグラフト化2量体について測定し
た。
【0109】 これらの基準パッドについて、発明者らは、測定波長を知るため、各塩基の吸
収の兆候を測定した。これらの吸収測定と共に、オリゴヌクレオチドプローブ中
に存在するG、C、T、A塩基の数を、図7に示される単純な減算によって測定
した。
【0110】 図8に示されるように、各塩基のシグナルは、連続的な減算を行うことにより
、その環境によらず算出された。こうして、参照番号80の最初の列において、
Aのシグナルは、それぞれA、C、G、及びTに対して決定され、参照番号82
の第二列においては、CのシグナルがそれぞれA、C、G、及びTに対して決定
され、参照番号84の第三列においては、GのシグナルがそれぞれA、C、G、
及びTに対して決定され、参照番号86の第四列においては、Tのシグナルがそ
れぞれA、C、G、及びTに対して決定された。
【0111】 (実施例5:本発明によるバイオチップの合成方法) 詳細な説明及び上記の実施例に示したように、本発明は、構造化基質上におけ
るオリゴヌクレオチドの原位置合成における、各カップリング工程の分析のため
の方法を提供することを企図する。
【0112】 該分析は、非破壊的である。 しかしながら、発明者らは、試料に送達されるパワーが1kW/cm2のオーダーの
所定のパワー密度を越えると、試料が破壊されうることを観察している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、G、C、T、及びAのモル吸収係数の変化を、波長の
関数として示すグラフである。
【図2】 図2は、本発明の方法を使用して試験しようとする試料の分析
のための直交配置における輻射熱偏位を示す図である。
【図3】 図3は、本発明の方法を使用して試験しようとする試料の分析
のための一直線状配置における輻射熱偏位を示す図である。
【図4】 図4は、プローブビームの偏光の検出のための様々な配置を示
す図である。
【図5】 図5は、本発明による直行配置における輻射熱偏位法を使用し
て試料の吸収の測定を示す図である。
【図6】 図6は、本発明による方法の実施のための装置を示す図である
【図7】 図7は、本発明による方法を使用するプローブの合成における
各工程の後、「映像」を決定する方法を図式的に示す。
【図8】 図8は、本発明による方法を使用するプローブの合成における
各工程の後、「映像」を決定する方法を図式的に示す。
【図9】 図9は、本発明によるシリカ基質上に得られる、輻射熱シグナ
ルの経時的変化を示す。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年12月3日(2001.12.3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に固定された窒素塩基、核酸、または核酸の窒素塩
    基のための特徴付けの方法であって、ミラージュ効果法により前記核酸または前
    記窒素塩基を特徴付けすることからなる方法。
  2. 【請求項2】 支持体上に固定された窒素塩基、核酸、または核酸の窒素塩
    基のための定量化方法であって、ミラージュ効果法により前記核酸または前記窒
    素塩基を定量化することからなる方法。
  3. 【請求項3】 支持体上に固定された窒素塩基、核酸、または核酸の窒素塩
    基のためのマッピング方法であって、ミラージュ効果法により前記核酸または前
    記窒素塩基をマッピングすることからなる方法。
  4. 【請求項4】 原位置にて合成された少なくとも一の核酸がその表面に固定
    された支持体から、特に形成される核酸バイオチップの製造方法であって、少な
    くとも一の合成及び分析のサイクルを含み、特に、第一に支持体表面に固定され
    た前記核酸の原位置合成のための窒素塩基のカップリング及び、第二に前記窒素
    塩基のカップリングを検査するための分析を含み、前記分析が、請求項1に記載
    の特徴付け方法、請求項2に記載の定量化方法、または請求項3に記載のマッピ
    ング方法を利用して行われる方法。
  5. 【請求項5】 ミラージュ効果法が、輻射熱偏位法である、請求項1乃至4
    のいずれか一項に記載の方法。
  6. 【請求項6】 窒素塩基、核酸、または核酸の窒素塩基が、励起源より発せ
    られるポンプビームによって照明され、前記励起源から発せられる光の、核酸に
    よる、または窒素塩基による吸収、偏位、または反射を、プローブビームを使用
    して検出または測定する、請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記ポンプビームが、干渉性の光である、請求項6に記載の
    方法。
  8. 【請求項8】 前記プローブビーム及びポンプビームが、交差する、請求項
    7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記プローブビーム及びポンプビームが、直交配置または一
    直線状配置である、請求項6または7に記載の方法。
  10. 【請求項10】 吸収が、200乃至300nmのスペクトル範囲内で検出ま
    たは測定される、請求項6に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記ポンプビームとして、波長275nmのアルゴンレーザ
    ー、または波長266nmの固体レーザーのいずれかが選択される、請求項7に記
    載の方法。
  12. 【請求項12】 前記励起源が、干渉性でない放射源である、請求項6に記
    載の方法。
  13. 【請求項13】 前記特徴付け、定量化、マッピング、または分析が、前記
    支持体表面に存在する核酸の極性化において行われる、請求項1乃至4のいずれ
    か一項に記載の方法。
  14. 【請求項14】 請求項5に記載の方法を実施するための装置であって、以
    下の部品: ・その表面に核酸が固定された支持体を含む試料を配置する手段、 ・前記試料を照明する手段、 ・前記照明手段によって照明される場合、前記試料による光の吸収、偏位、また
    は反射を、検出及び/または測定する手段、 ・前記照明手段及び前記検出及び/または測定手段を配置する手段、 を含む装置。
JP2001527203A 1999-09-30 2000-09-29 支持体上に固定された核酸を分析するための方法 Expired - Fee Related JP4494694B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
FR9912230A FR2799282B1 (fr) 1999-09-30 1999-09-30 Procede et dispositif d'analyse d'acides nucleiques fixes sur un support
FR99/12230 1999-09-30
PCT/FR2000/002702 WO2001023866A1 (fr) 1999-09-30 2000-09-29 Procede et dispositif d'analyse d'acides nucleiques fixes sur un support

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003510599A true JP2003510599A (ja) 2003-03-18
JP4494694B2 JP4494694B2 (ja) 2010-06-30

Family

ID=9550448

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001527203A Expired - Fee Related JP4494694B2 (ja) 1999-09-30 2000-09-29 支持体上に固定された核酸を分析するための方法

Country Status (8)

Country Link
US (1) US6989233B1 (ja)
EP (1) EP1216410B1 (ja)
JP (1) JP4494694B2 (ja)
AT (1) ATE453858T1 (ja)
CA (1) CA2388490A1 (ja)
DE (1) DE60043617D1 (ja)
FR (1) FR2799282B1 (ja)
WO (1) WO2001023866A1 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002034108A2 (en) * 2000-10-19 2002-05-02 Applied Medical Resources Corporation Surgical access apparatus and method
FR2849195B1 (fr) * 2002-12-20 2005-01-21 Commissariat Energie Atomique Biocapteur a substrat quelconque pouvant etre caracterise en deflexion photothermique
FR2864550B1 (fr) 2003-12-29 2006-02-24 Commissariat Energie Atomique Puce d'analyse avec gamme etalon, trousses et procedes d'analyse.
DE102005027667A1 (de) * 2005-06-15 2006-12-28 Febit Biotech Gmbh Verfahren zur Qualitätskontrolle funktionalisierter Oberflächen

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6045995A (en) * 1994-08-24 2000-04-04 Isis Pharmaceuticals, Inc. Capillary electrophoretic detection of nucleic acids
US5843655A (en) * 1995-09-18 1998-12-01 Affymetrix, Inc. Methods for testing oligonucleotide arrays
US5952654A (en) * 1997-10-29 1999-09-14 Northeastern University Field-release mass spectrometry

Also Published As

Publication number Publication date
EP1216410B1 (fr) 2009-12-30
DE60043617D1 (de) 2010-02-11
US6989233B1 (en) 2006-01-24
EP1216410A1 (fr) 2002-06-26
CA2388490A1 (fr) 2001-04-05
FR2799282A1 (fr) 2001-04-06
FR2799282B1 (fr) 2002-04-05
WO2001023866A1 (fr) 2001-04-05
JP4494694B2 (ja) 2010-06-30
ATE453858T1 (de) 2010-01-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7081954B2 (en) Microarray detector and synthesizer
US9651487B2 (en) Surface plasmon resonance compatible carbon thin films
US6210896B1 (en) Molecular motors
US6245507B1 (en) In-line complete hyperspectral fluorescent imaging of nucleic acid molecules
JP5260339B2 (ja) 核酸分析デバイス、及び核酸分析装置
US20090112482A1 (en) Microarray detector and synthesizer
US20030054396A1 (en) Enzymatic light amplification
US20090061447A1 (en) High speed parallel molecular nucleic acid sequencing
CN1391615A (zh) Dna测序方法
JP2007010413A (ja) 核酸ハイブリッドの融点測定方法及びそのための装置
JP4494694B2 (ja) 支持体上に固定された核酸を分析するための方法
KR20030011152A (ko) 생화학 물질 미세 배열 칩의 품질 검사 방법
JP4494695B2 (ja) 分子認識反応を検出するための方法
US6921638B2 (en) Hydrogel-based microarray signal amplification methods and devices therefor
JP2007529999A (ja) ポリヌクレオチド増幅反応の測定
JP5309092B2 (ja) 核酸分析用デバイス,核酸分析装置、及び核酸分析用デバイスの製造方法
JP2004045390A (ja) 分光法を利用した分子アレイによる検体の分析方法
US20060147913A1 (en) Method of analyzing substance on substrate by mass spectrometry
EP4375644A1 (en) Fingerprint analysis of single molecule events
US20050221319A1 (en) Use of capturing probes for identifying nucleic acids
JP2007010557A (ja) バイオセンサの検出方法及び製造方法
Yao et al. Molecular beacon DNA probes based on fluorescence biosensing
EP3810317A1 (en) Methods and systems for monitoring solid-phase stepwise oligonucleotide synthesis
JP2004527742A (ja) 蛍光−相関分光法による分析物の測定
Watterson Towards the development of a fibre-optic nucleic acid biosensor, considerations for the quantitative transduction of hybridization of immobilized DNA

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070816

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090416

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090526

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20090818

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20090825

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20090925

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20091002

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20091026

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20091102

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091120

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100309

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100408

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130416

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130416

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140416

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees