JP2003509463A - 肺系のための細胞ベースの遺伝子治療 - Google Patents

肺系のための細胞ベースの遺伝子治療

Info

Publication number
JP2003509463A
JP2003509463A JP2001524610A JP2001524610A JP2003509463A JP 2003509463 A JP2003509463 A JP 2003509463A JP 2001524610 A JP2001524610 A JP 2001524610A JP 2001524610 A JP2001524610 A JP 2001524610A JP 2003509463 A JP2003509463 A JP 2003509463A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cells
growth factor
factor
cell
gene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001524610A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003509463A5 (ja
Inventor
スチュワート,ダンカン,ジェー.,
Original Assignee
アン−ゴー−ジェン インコーポレーテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by アン−ゴー−ジェン インコーポレーテッド filed Critical アン−ゴー−ジェン インコーポレーテッド
Publication of JP2003509463A publication Critical patent/JP2003509463A/ja
Publication of JP2003509463A5 publication Critical patent/JP2003509463A5/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/16Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • A61K38/43Enzymes; Proenzymes; Derivatives thereof
    • A61K38/44Oxidoreductases (1)
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K35/00Medicinal preparations containing materials or reaction products thereof with undetermined constitution
    • A61K35/12Materials from mammals; Compositions comprising non-specified tissues or cells; Compositions comprising non-embryonic stem cells; Genetically modified cells
    • A61K35/36Skin; Hair; Nails; Sebaceous glands; Cerumen; Epidermis; Epithelial cells; Keratinocytes; Langerhans cells; Ectodermal cells
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • A61K38/16Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • A61K38/17Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • A61K38/18Growth factors; Growth regulators
    • A61K38/1858Platelet-derived growth factor [PDGF]
    • A61K38/1866Vascular endothelial growth factor [VEGF]
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K48/00Medicinal preparations containing genetic material which is inserted into cells of the living body to treat genetic diseases; Gene therapy
    • A61K48/0075Medicinal preparations containing genetic material which is inserted into cells of the living body to treat genetic diseases; Gene therapy characterised by an aspect of the delivery route, e.g. oral, subcutaneous
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P11/00Drugs for disorders of the respiratory system
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P9/00Drugs for disorders of the cardiovascular system
    • A61P9/12Antihypertensives
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/52Cytokines; Lymphokines; Interferons
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12YENZYMES
    • C12Y114/00Oxidoreductases acting on paired donors, with incorporation or reduction of molecular oxygen (1.14)
    • C12Y114/13Oxidoreductases acting on paired donors, with incorporation or reduction of molecular oxygen (1.14) with NADH or NADPH as one donor, and incorporation of one atom of oxygen (1.14.13)
    • C12Y114/13039Nitric-oxide synthase (NADPH dependent) (1.14.13.39)
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K48/00Medicinal preparations containing genetic material which is inserted into cells of the living body to treat genetic diseases; Gene therapy

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Dermatology (AREA)
  • Developmental Biology & Embryology (AREA)
  • Cardiology (AREA)
  • Vascular Medicine (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Virology (AREA)
  • Pulmonology (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 血管新生促進因子または他の治療因子をコードしている発現可能なトランス遺伝子を含む真皮または他の起源のトランスフェクトされた線維芽細胞を、患者の肺循環器系に投与することによって、細胞ベースの遺伝子転移を行う。細胞が発現してトランス遺伝子の発現産物を分泌し、これが発現部位で局所的に作用し、あるいは他の身体器官へ患者の循環器系によって運ばれる場合もある。この方法は、発現される血管新生促進因子による肺高血圧症の治療において、特に有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の分野) 本発明は医学的治療および組成物、およびその有用な手順に関する。詳細には
本発明は、ホ乳類患者の肺系への投与用の細胞ベースの遺伝子導入システムに関
する。
【0002】 (発明の背景) 細胞ベースの遺伝子導入は知られているが、患者の遺伝子治療を行うための比
較的新しく実験的な技法である。この手順では、患者の身体に導入されるのが望
ましい遺伝子(導入遺伝子)を含むDNA配列が細胞外で、たとえば酵素による
切断、その後の挿入DNA配列を用いたDNAの組換えを使用することによって
作製される。次いで患者自身の細胞などのホ乳類細胞をin vitroで培養
し、発現できる形で導入遺伝子を取り込むように処理する。導入遺伝子はホ乳類
細胞にとって外来でもよく、既に細胞中に存在する遺伝子の追加的なコピーであ
ってもよく、特定の患者において欠失しているか無くなっている、遺伝子の発現
産物の量または正常な遺伝子のコピーの量を増加させる。ついで、治療目的には
、身体中で必要とされる遺伝子産物を遺伝子が発現できるように導入遺伝子を含
む細胞が患者に導入される。たとえばリポフェクション、エレクトロポレーショ
ン、またはトランスフェクトされた細胞を得るための他の認められている手段に
よって、転移される遺伝子のDNAを含むウイルスを用いて細胞のトランスフェ
クションを引き起こすなどの、遺伝子工学的な技法によって、培養中の細胞によ
る外来性の取り込みを行わせることができる。時にはこれに、患者への細胞の投
与は導入遺伝子を発現するトランスフェクトされた細胞に限られるように、発現
できる形で導入遺伝子を首尾よく取り込んだ細胞を選択する培養が続く。他の場
合は、取り込みプロセスにかけた細胞すべてを投与する。
【0003】 過去においてこの手順は、導入遺伝子の発現産物による治療が必要な身体の器
官に導入遺伝子を含む細胞を直接投与することを必要とした。したがって、適切
な媒体中のトランスフェクトされた細胞が治療を必要とする肝臓または筋肉に直
接注入されるか、または全身性動脈循環器系を介して注入されて、治療を必要と
する器官に入るようにした。
【0004】 このような遺伝学的に改変された細胞を患者の全身性動脈循環器系に導入する
これまでの試みは、いくつかの問題点に遭遇してきた。たとえば、最良の治療的
な利点のために遺伝子発現産物が必要とされる特定の器官または身体部分付近で
の遺伝学的に改変された細胞の非常に高度な同化を保証するのは困難であった。
特異性がないことは遺伝学的に改変された細胞を過剰量投与することにつながり
、これは浪費的で高価であるばかりでなく、副作用の危険性が増大する。さらに
移植される遺伝学的に改変された細胞の多くは、全身性動脈循環器系に投与され
ると生存できない。なぜなら細胞は、比較的高い動脈圧に遭遇するからである。
細胞を含めた粒子状物質を脳および心臓などの他の全身性循環器系に注入するこ
とによって、塞栓形成による悪い結果、すなわち局所貧血およびさらには梗塞に
つながる可能性がある。
【0005】 本発明の一目的は、ホ乳類への細胞ベースの遺伝子導入の新規な手順を提供す
ることである。
【0006】 本発明の他の目的は、真皮(または他の)線維芽細胞を使用する細胞ベースの
遺伝子治療の新規な手順を提供することである。
【0007】 本発明の他の目的は、血管新生促進因子を発現する導入遺伝子を含む、新規な
遺伝子工学的に処理した細胞を提供することである。
【0008】 (発明の概要) 本発明は、導入遺伝子の担体として患者の線維芽細胞、内皮細胞および骨髄に
由来する前駆細胞を使用する遺伝子治療(すなわち細胞ベースの遺伝子導入)の
目的で、ヒトを含めたホ乳類の肺系は遺伝学的に改変された細胞を身体に導入す
る潜在的に魅力的な手段を提供するという発見に基づく。肺系には、それ自体を
細胞ベースの遺伝子導入に非常に適合したものにするいくつかの特有の特徴があ
る。したがって、肺のミクロ循環器系の低い動脈圧および比較的せん断力の低い
大きな表面積によって、移植された細胞が生存するチャンスが増大する。換気型
の肺のミクロ循環器系の多量の酸素注入によっても、移植された細胞の生命力が
向上する。
【0009】 さらに、肺循環器は天然のフィルタとして機能し、注入した細胞を効率的かつ
効果的に保持することができる。さらに、肺は2つの循環器(肺動脈および気管
支)を有する。これは細胞などの粒子状物質の注入が前述の悪い結果につながる
可能性がある脳および心臓などの他の全身性循環器とは対照的である。肺は多量
の血管系を持つ。肺内皮の表面積が広いことによって、ミクロ循環器系中で捕ら
えられた移植された細胞が内皮層を越えて移動し血管周囲の空間に住みつくこと
が可能になる。
【0010】 身体の他のいかなる循環器とも異なり、肺循環器は心臓から出る物すべてを受
け取る。したがって肺循環器は、遺伝子産物を循環器中に放出するための最大の
便宜(opportunity)を提供する。肺のこの際だった性質は肺の遺伝
子治療、全身性疾患および肺疾患の治療に特に有用である。
【0011】 トランスフェクトされた細胞の患者への簡単な静脈内注射後にトランスフェク
トされた細胞は肺循環器系の小さな動脈−毛細管移行領域に留まると考えられて
いる。静脈内に投与される産物は静脈の循環と共に心臓の右側、次いで肺へと移
動する。本発明に従って投与されるトランスフェクトされた細胞は肺の循環器系
の小さな動脈−毛細管移行領域に留まるようであり、次いで管腔から血管周囲の
空間に移動し、そこから導入遺伝子の発現産物を肺に送達し、本発明の方法を肺
疾患の治療に特に適用できるものにする。他の身体器官の疾患を治療するために
、いくつかの因子、特に安定した因子を全身性呼吸器に分泌することができる。
【0012】 したがって本発明の第1の態様によると、ホ乳類患者の遺伝子治療を行うため
の方法が提供され、この方法は線維芽細胞、内皮細胞および骨髄に由来する前駆
細胞から選択される遺伝学的に改変されたホ乳類細胞を患者の肺系へ投与するこ
とを含み、投与後に肺循環器において少なくとも1つの遺伝子産物を生成するこ
とができる少なくとも1つの発現可能な導入遺伝子を前記細胞が含む。
【0013】 本発明の他の態様によると、線維芽細胞、内皮細胞および前駆細胞から選択さ
れる遺伝学的に改変されたホ乳類細胞が提供され、前記細胞は治療因子をコード
している少なくとも1つの発現可能な導入遺伝子を含む。
【0014】 本発明の他の態様では、疾患の症状を軽減させるためにホ乳類患者に投与する
ための薬剤の調製に、線維芽細胞、内皮細胞および前駆細胞から選択される生命
力のあるトランスフェクトされたホ乳類細胞を使用することを提供し、前記トラ
ンスフェクトされたホ乳類細胞は治療因子をコードしている少なくとも1つの発
現可能な導入遺伝子を含む。
【0015】 本発明の他の態様は、線維芽細胞、内皮細胞および前駆細胞から選択されるホ
乳類細胞の遺伝学的改変体を調製する方法であり、この方法は前記ホ乳類細胞を
治療因子をコードしている少なくとも1つの遺伝子を用いてトランスフェクトし
て、in vivoで前記治療因子を発現することができるトランスフェクトさ
れた細胞を生成するすることを含む。
【0016】 (好ましい実施形態の説明) 本発明の方法および産物においては、治療因子をコードしている非常にさまざ
まな導入遺伝子を使用することができる。肺系疾患の治療は本発明の主な焦点で
あるが、本発明はこのような治療だけに限られない。導入遺伝子によって発現さ
れ、肺の下流の他の身体器官の循環器によって送達される治療因子は、本発明の
範囲内である。古典的な血友病の治療用のFactor VIIIなどの治療因
子、およびさまざまな出血障害を治療するための他の凝固因子を発現する導入遺
伝子を使用することができる。他の例には以下のものがある。
【0017】 ホルモン、たとえば脳下垂体不全の治療用の成長ホルモン、インシュリン、甲
状腺不全および下垂体障害を治療するためのチロイド刺激ホルモン(TSH)、
および他のホルモンを発現する導入遺伝子、 Apo1などの有用なリポタンパク質、リポタンパク質リパーゼなどの脂質代
謝に関係がある他のタンパク質/酵素を発現する導入遺伝子、 プロスタサイクリンおよび他の血管作動性物質を発現する導入遺伝子、 抗酸化物およびフリーラジカルスカベンジャーを発現する導入遺伝子、 免疫仲介体のレベルを低下させる作用を中和するための可溶性サイトカイン受
容体(たとえば可溶性TNFα受容体)、またはサイトカイン受容体アンタゴニ
スト(たとえばIL1ra)を発現する導入遺伝子、 炎症性疾患において起こるような病原性細胞接着プロセスを阻害するために、
可溶性接着分子(たとえばICAM−1)を発現する導入遺伝子、 細胞の感染を阻害するための、ウイルスの可溶性受容体(たとえばHIV用の
CD4、CXCR4、CCR5)を発現する導入遺伝子、 感染との戦闘用に免疫応答を活性化させるための、サイトカイン(たとえばI
L−2)を発現する導入遺伝子、 導入遺伝子としてののう胞繊維症遺伝子。
【0018】 肺に留まりこのような因子および他の産物を発現する導入遺伝子を含むトラン
スフェクトされた細胞は、適切な因子の全身性の源として作用するはずである。
【0019】 本発明の1つの好ましい態様は、肺高血圧症(PH)の治療である。原発性肺
高血圧症(PPH)および他のPHの原因は、内皮機能の重度の異常性と関係が
あり、これはその発病において重要な役割を果たしているようである。血管拡張
剤、抗トロンビンおよび抗増殖因子、一酸化窒素(NO)は、実験条件および臨
床条件の両方において肺の圧力を低下させることが証明されている。しかしなが
ら、長期のウイルスベースの方法によって、重大な局部的炎症を引き起こす可能
性がある。PPHを治療するための以前の他の試みはプロスタサイクリンの使用
を伴ない、連続的な投与が使用されるが、これは困難で高価な手順であり、副作
用が生じがちである。
【0020】 この第2の好ましい態様では、本発明はPPHの症状(および他のPHの原因
)を軽減する方法を提供し、この方法はそれらに苦しむ患者の肺系に真皮または
他の起源の形質転換されたホ乳類線維芽細胞、骨髄に由来するかあるいは全身性
循環器から単離された内皮細胞または前駆細胞を投与することからなり、前記ト
ランスフェクトされた細胞は肺循環器に切り離すための血管新生促進因子をコー
ドする少なくとも1つの発現可能な導入遺伝子を含むものである。
【0021】 本発明のこの好ましい態様における有用な血管新生促進因子の具体例には一酸
化窒素シンターゼ(NOS)、あらゆるさまざまな知られている形の血管内皮細
胞増殖因子(VEGF)、すなわち最も一般的で本明細書において使用するのに
好ましいVEGF165、VEGF205、VEGF189、VEGF121
VEGFおよびVEGF(本明細書では集合的にVEGFと呼ぶ)、線維芽
細胞増殖因子(FGF、酸性および塩基性)アンギオポエチン−1およびアンギ
オポエチン、トランスフォーミング増殖因子−β(TGF−β)、肝細胞増殖因
子(細胞分散因子)および低酸素症誘導因子(HIF)がある。これらの血管新
生促進因子の遺伝子を構成しているDNA配列は知られており、組換えDNA技
術の標準的な方法(たとえばDNAの酵素による切断および組換え)によって作
製することができ、前述のような標準的な遺伝子工学技術(ウイルスによるトラ
ンスフェクション、エレクトロポレーション、リポフェクション、ポリカチオン
性タンパク質の使用など)によって発現可能な形でホ乳類細胞に導入される。こ
の因子に関する多大な経験および実際の効果的な発現レベルのために、VEGF
は好ましい血管新生促進因子である。
【0022】 血管の疾患の治療において治療用物質として使用するものとして、前述のよう
な血管新生促進因子が以前から提案されていた。しかしながら、この研究からは
、このような血管新生促進因子が肺高血圧症の治療においても非常に有用であろ
うことは、予測できない。本発明の範囲が何らかの特定の理論または操作の形態
に限られるべきであるとは考えていないが、血管新生促進因子は、新しい血管形
成を誘導する能力に加えた諸性質を有している可能性もあるようである。これら
の他の性質には、肺循環器において一酸化窒素生成および活性を増大させる、お
よび/またはエンドセリン−1の生成を低下させる能力が含まれ、したがってエ
ンドセリン−1生成における肺細胞の一酸化窒素のバランスを改善する。
【0023】 トランスフェクションしその後患者の肺系に導入するための細胞を調製する際
には、皮膚の線維芽細胞、本発明の細胞ベースの遺伝子導入治療の最終的な受容
体から得られる内皮または前駆のホ乳類細胞から始めるのが好ましい。皮膚の線
維芽細胞は患者の外部皮膚層から単純かつ容易に得られ、標準的な技法によるi
n vitroでの培養用に用意される。たとえば伏在静脈を取り除き内皮細胞
を培養することによって、内皮細胞が最終的な受容体から摘出される。前駆細胞
は骨髄のバイオプシーからを得ることができ、または循環している血液から単離
しin vitroで培養することができる。培養方法は、再び植え込むための
ヒト細胞を培養するために、特別な予防措置を伴なう標準的な培養技法である。
【0024】 本発明によると、患者からの皮膚の線維芽細胞を遺伝子導入用の細胞として使
用することが非常に好ましい。当業者が細胞タイプの理論的な選択を行うならば
、それは平滑筋細胞などの元来患者の肺系において見られる細胞タイプであろう
。線維芽細胞の使用は直感的なものではない。驚くことに、線維芽細胞はこの作
業に非常に適しており、平滑筋細胞などの細胞に関して重大かつ予想外の利点を
示すことが分かっている。技法の選択が適切であれば、線維芽細胞を培養中に生
育させることは容易であり、導入遺伝子を用いてトランスフェクトすることも容
易であることが判明している。患者の肺系への導入後に、線維芽細胞によって多
量のトランスフェクト体、in vivoでの血管新生促進因子の高度な発現が
生み出される。平滑筋細胞と比較して、肺系においておそらく繊維症を引き起こ
すであろうという、線維芽細胞に関して予想される多大な危険性は具体化されて
いない。
【0025】 in vitroでの体細胞の受容体細胞への遺伝子導入、すなわち遺伝子工
学によるものは、前述のような遺伝子導入を得るための標準的で商業的に利用可
能な手法によって行われる。この方法はポリカチオン性タンパク質(たとえばS
UPERFECT)、またはリポフェクション(たとえばGENEFECTOR
の使用による)、市販されていて遺伝子導入を向上させる試薬の使用を含むこと
が好ましい。しかしながら、エレクトロポレーション、アデノおよびレトロウイ
ルスを含めたウイルスによる遺伝子導入の方法などの、リポフェクションおよび
ポリカチオン性タンパク質の使用以外の他の方法を使用することができる。これ
らの方法および技法は当業者にはよく知られており、本発明の方法における使用
に容易に適合される。リポフェクションは、真皮の線維芽宿主細胞に関して使用
するための最も好ましい技法である。
【0026】 周辺静脈または中央静脈のいずれかへの細胞の注入によって、遺伝子工学的に
処理した細胞の肺循環器への再導入が行われ、前述のようにそこから細胞は循環
によって肺系に移動し、肺の血管床の最小の動脈中に留まる。やや不便ではある
が、肺循環器への直接的な注射を選ぶこともできる。ボーラスの形で(すなわち
短時間の間に細胞をすべて注射する)注入を行うことができ、長時間かけた少数
の細胞の連続的な注入によっても注入を行うことができ、一定時間かけて数回に
わたって限られたサイズのボーラスを投与することによって代替的に行うことも
できる。
【0027】 トランスフェクトされた細胞自体は大部分が(または全てが)肺循環器中、特
に患者の肺の動脈中に保持されるが、その導入遺伝子の発現産物はこの方法では
制限されない。発現産物はトランスフェクトされた細胞から発現および分泌され
、患者の正常な循環によって他の場所へ移動し、下流の身体器官において治療効
果を発揮することができる。したがって、本発明の方法の好ましい使用は肺疾患
の治療においてであるが、発現産物は患者の肺系と最初に接するので、好ましい
使用はこのような治療だけには限られない。トランスフェクト体は、患者の他の
身体器官の治療用に設計されている産物を発現する導入遺伝子を含む可能性があ
る。肺系において発現されるこのような産物は、他の所定の器官を標的とし、患
者の本来の循環器系によってそこに送達されるはずである。
【0028】 以下の具体的で非制限的な実施例において、例示的な目的で本発明をさらに記
載する。
【0029】 実施例1 皮膚線維芽細胞の外植片の培養 生後21日のFisherの344匹のラット(Charles River Co.)を入手し、ケタミンおよびキシラジンの過量摂取によって殺傷した。
毛を注意深く剃り背中の皮膚を切り取り、2%ペニシルアミンおよびストレプト
マイシンを含むリン酸緩衝塩水(PBS)溶液(Gibco BRL、Burl
ington、Ontario)にすぐに移した。メスを使用して、上皮および
深部の脂肪および結合組織を除去した。真皮組織を約4ミリメートル平方の小片
に切断し、個々のフィブロネクチン被覆型(Sigma Chemical C
o.、Mississauga、Ontario)組織培養プレート(Falc
on、Becton Dickinson Canada、Mississau
ga、Ontario)の上に置いた。次いで、37℃においてO95%およ
びCO5%である湿気のある環境下で、20%ウシ胎児血清(FCS)および
2%ペニシルアミンおよびストレプトマイシン(いずれもGibco BRL)
を有するDulbeccoの改質型イーグル培地で次いで外植片を生育させ、そ
の培地を2日ごとに交換した。ひとたび多くの薄いスピンドル形の細胞(真皮の
外植片から生育したもの)をはっきりと見ることができるまで、0.05%トリ
プシン/EDTA(Gibco BRL)を使用して外植片を継代培養し、残り
の外植片組織を取り除いた。次いでその後の実験において使用するまで、20%
FCSおよび2%ペニシルアミンおよびストレプトマイシンを有するDEME中
で細胞を生育させた。
【0030】 抗体および標準的な染色技法を使用して、効果的なタイプに関して細胞の純度
をチェックして、利用可能で効果的な線維芽細胞系統の細胞のおよその数を判定
した。
【0031】 実施例2 蛍光性細胞の標識 5〜9回継代培養した細胞を80%が融合するまで生育させ、次いで蛍光運搬
体、クロロメチルトリメチルローダミン(CMTMR、Molecular P
robes Inc.、Eugene、Oregon)を用いて標識した。CM
TMRはex vivoでの標識された細胞を検出する非常に正確な方法を提供
する。なぜなら、分子は細胞の細胞質への通過後に不可逆的なエステル化および
グルコン化を経て、それによって膜を透過しない最終生成物が生じるからである
。したがってこの活性蛍光運搬体は元の標識された細胞から近隣の細胞または構
造体に拡散することができず、製造者に従って数カ月間かけてin vivoで
検出することができる。凍結乾燥した生成物をジメチルスルホキシド(DMSO
)中に溶かして10ミリモルの濃度にすることによって、蛍光性プローブを作製
した。この溶液を20℃で保存し、使用の直前に血清を含まないDMEM中で最
終濃度25マイクロモルに希釈した。細胞を標識剤に45分間暴露させ、次いで
PBSで2回洗浄し、通常の培地(10%FCSおよび2%ペニシリンおよびス
トレプトマイシンを有するDMEM)に置き換えた。細胞を一晩生育させ、受容
体のFisherの344匹のラットの頚静脈内に注射するために24時間後に
摘出した。
【0032】 カバースリップ上で細胞を平板培養し、その細胞を蛍光運搬体を用いてインキ
ュベートして時間をかけて蛍光性の質および期間を判定することによって、一連
のin vitro実験も行った。25マイクロモルの濃度において、蛍光運搬
体、CMTMR、を用いてインキュベーションした直後に、培養した細胞の10
0%がローダミンフィルタ下で観察すると強烈に蛍光を発していることを発見し
た。標識後48時間および7日後にも細胞を観察し、無数の細胞分裂があったに
もかかわらず、カバースリップ上に存在する100%の細胞が、鮮やかに蛍光を
発し続けた(データは示さず)。
【0033】 実施例3 ex vivoでのCMV−βGalプラスミドを用いた細胞のト
ランスフェクション サイトメガロウイルスエンハンサー/プロモーターの制御下でβ−ガラクトシ
ダーゼ遺伝子を含むベクターCMV−βGal(Clontech Inc.、
Palo Alto、California)をレポーター遺伝子として使用し
て、in vivoでの導入遺伝子発現の行程に従った。線維芽細胞を生育させ
、70〜80%融合させた。リポソームとDNAの最適な比は、リポソーム6μ
g/DNA1μgであると判定した。DMEM培地(添加剤なし)で細胞を洗浄
し、DMEM6.4mlをそれぞれの100mmプレートに加えた。Genef
ector(Vennova Inc.、Pablo Beach Fla)2
00μlをDMEM0.8ml中で希釈し、DMEM0.8ml中で希釈したD
NA(CMV−βgal)16μgと混合させた。次いでリポソーム溶液をプレ
ートの表面全体に一滴ずつ加え、それを穏やかに撹拌し30℃で8時間インキュ
ベートした。ウイルスベクターの使用を避け、同時にin vivoでの有意な
トランスフェクション効率を得るためにこの方法を使用した。Genefect
or産物は、最適化されたリポソーム調製物である。次いでこのGenefec
tor−DNA複合体が細胞表面と相互作用し、細胞質に運ばれ、その後でプラ
スミドDNAは核に転位することができる。
【0034】 次いでトランスフェクション培地を、20%FBSおよび2%ペニシリン/ス
トレプトマイシンを有するM199に置き換え、24〜48時間インキュベート
した。この方法によって、トランスフェクション効率が40%と60%の間とい
う結果となった。
【0035】 実施例4 動物手術および蛍光によって標識した組織中の細胞の検出 動物に関する手順はすべて、Animal Care Committee
of St.Michael’s Hospital Tronto、Cana
daによって承認された。キシラジン(4.6ミリグラム/キログラム)および
ケタミン(70ミリグラム/キログラム)の腹膜内注射によって、生後6週間の
Fisherの344匹のラット(Charles River Co.St.
Constant、Quebec)に麻酔をかけ、頚部を剃ってヨウ素およびエ
タノールで清掃した。メスを用いて中央頚部を切断し、右内部、外側および共通
のけい静脈を同定した。外径が0.02ミリメートルのプラスチックチューブを
23ゲージ針に接続し、滅菌食塩水(Baxter)でフラッシュした。次いで
チューブを使用して外側けい静脈を管状にし、大動脈の上にあると考えられる約
5センチメートルの静脈に導入し、早急な静脈血の戻りを使用してカテーテルの
位置を確認した。
【0036】 肺中の細胞生存の時間行程および導入遺伝子の発現を判定するための実験では
、蛍光運搬体、CMTMRで標識したか、あるいはプラスミドベクターCMV−
βGalを用いてトランスフェクトした皮膚の線維芽細胞をトリプシン処理し、
850rpmで5分間遠心分離した。余分な培地を取り除き、細胞のペレットを
全容量が2ミリリットルのリン酸緩衝食塩水(PBS)溶液中で再懸濁した。次
いでこれらの再懸濁した細胞のアリコート50マイクロリットルを取り出し、血
球計測板のグリッド上で計測してPBSの1ミリリットル当たりに存在する細胞
の総数を判定した。次いでその溶液を細胞が約500,000個の1ミリリット
ルのアリコートに分け、滅菌的な方法で動物ケア施設に送った。次いで穏やかに
撹拌することによってこれらの細胞を再懸濁し、外側けい静脈のカルテールを介
して動物に注射した。1〜2分かけてゆっくりと溶液を注入し、次いで除去する
前にカルテールを滅菌食塩水で再びフラッシュした。外側けい静脈を結さつし、
切り口を3〜0本の断続的で吸収性のある縫合糸で閉じて、動物を手術から回復
させた。
【0037】 標識した細胞(それぞれのタイムポイントでn=3)の送達、または食塩水の
注射(ネガティブコントロール、n=3)から30分または24時間後に、麻酔
薬の過量摂取によって動物を殺傷し、腹腔を開いた。肺動脈および気管を食塩水
でフラッシュし、右および左の肺を摘出した。両方の肺の基底、内側および先端
部分から横方向の断片を取り出し、肝臓、脾臓、腎臓およびガストロネミウス(
gastronemius)筋から試験片を得た。組織の試験片をOCT化合物
(Sakura Finetek U.S.A.Inc.、Torrance、
California)中に正面向きに埋め込み、次いで液体窒素中でフラッシ
ュ凍結した。2つの異なる組織レベルで少なくとも200ミクロンに分離された
これらの凍結ブロックから10ミクロン断片を切断し、次いでこれらの断片をロ
ーダミンフィルタを使用して蛍光顕微鏡下で観察し、それぞれの正面向きの組織
の試験片中で強く蛍光している細胞の数を計測した。
【0038】 肺全体中に存在する標識した細胞の総数の推定値を提供するために、それぞれ
の肺部分における蛍光性細胞の総数を計測し、計測した部分の数を平均化した。
円錐台の体積についてシンプソンの法則を使用することによって、数学的近似値
を肺中に存在する細胞の総数とすることができる。この等式は3つの異なる部分
の関連領域の円錐の総体積に基づいており、以下の通りである。
【0039】 体積=〔(面積(基底部分))+(面積(中央部分))×肺の高さ〕/3+〔
(面積(先端部分))/2×肺の高さ/3〕+〔λ/6×(肺の高さ/3)〕 器官の摘出後に肺の高さを測定し、それぞれの横方向部分の面積は面積測定法
によって決定した。これらの部分の総体積で割った3つの部分に存在する細胞の
平均数によって、単位体積当たりの細胞数の推定値を得た。この数字に肺全体の
体積を掛けることによって、肺中の細胞の総数の推定値が得られた。多数の隣接
する肺部分における1つ1つの細胞の外見を正確なものにするために、ラットに
約500,000個のCMTMR標識細胞を注射し、早急に殺傷した。肺を作製
し、通常の方法で摘出し埋め込み、20の一連部分(それぞれ厚さ5ミクロン)
を肺の柔組織から取り出した。ローダミンフィルタを使用してそれぞれの部分を
観察し、際だった個々の細胞および隣接部分で判定されるその存在を同定した。
1つ1つの細胞を同定することができる5ミクロン部分の数を計測し、in v
ivoでの肺動脈の平滑筋細胞の平均寸法を得た。観察した平均径は16.4±
1.22ミクロンであった。したがって、シンプソンの式を使用して計算した細
胞の総数に0.61を掛けて、平均でそれぞれ16.4ミクロン部分中の1細胞
の存在を正確なものにした。
【0040】 線維芽細胞送達の30分後、373±36個のCMTMR標識細胞/cm
肺部分中において同定し、これは注射された細胞の総数の約60%であった。2
4時間後、CMTMR標識細胞がわずかに減少し(317±4個/cm、すな
わち30分後の値の85%)、これは移植された細胞の優れた生存力を示す。そ
の後のタイムポイント2、4、7および14日目、1、2、3および6カ月目に
おけるCMTMR標識細胞の生存も評価して、受容体ラットの肺中における移植
された細胞の生存の時間行程を確立した。標識していない平滑筋細胞を注射した
いずれの肺においても、鮮やかな蛍光シグナルは見られなかった。
【0041】 脾臓、肝臓および骨格筋組織では、蛍光シグナルは同定されなかった。観察し
た4つの腎臓のうちの2つでは、不規則な蛍光シグナルを同定することができた
。これらはいずれも細胞全体の形状とは一致しないようであり、細胞の注射中あ
るいはその直後にせん断または破壊された細胞を表すようであった。さらに、注
射から7日後には、肺以外のいずれの器官においても蛍光シグナルは同定されな
かった。
【0042】 実施例5 組織中のβ−ガラクトシダーゼ発現の検出 細胞ベースの遺伝子導入後のさまざまなタイムポイントにおいて、動物を殺傷
し胸部を開いた。肺動脈を食塩水でフラッシュし、気管を管状化し、肺が充分膨
張するまで2%パラホルムアルデヒドでフラッシュした。両方の肺の基底、内側
および先端部分から横方向の断片を取り出し、ある動物の肝臓、脾臓、腎臓およ
びガストロネミウス筋から試験片を得た。その試験片を2%パラホルムアルデヒ
ドおよび0.2%グルタルアルデヒド中で1時間インキュベートし、次いでPB
S中でリンスした。次いで組織を、クロモゲン溶液を用いて37℃で18時間イ
ンキュベートした。この溶液は5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−
D−ガラクトシダーゼ(X−Gal、Boehringer Mannheim
、Laval、Quebec)0.2%、フェロシアンカリウム(Sigma)
5ミリモル、フェロシアンカリウム(Sigma)5ミリモル、および塩化マグ
ネシウム(Sigma)2ミリモルを含み、これらはすべてリン酸緩衝食塩水中
に溶解している。次いで試験片をPBS中でリンスし、OCT化合物(Mile
s Laboratories)中に埋め込み、10ミクロン部分に切断し、淡
い赤色で対比染色した。
【0043】 正面向きの部分を顕微鏡によって観察し、強く青色に染色されている細胞の数
を評価することができた。それぞれの反応シリーズのトランスフェクション効率
を判定するために、細胞の1ディシュをin vitroでの染色用に使用する
ので、レポーター遺伝子プラスミドpCMV−βGalを用いてトランスフェク
トされた細胞のパーセンテージの評価を、それぞれの動物について行うことがで
きる。この情報および存在する蛍光性細胞の数の近似について記載する数学的計
算を使用して、動物の殺傷時に残っているトランスフェクトされた細胞の総数の
評価を行うことができる。
【0044】 pCMV−βGalプラスミドを使用するいくつかの別のトランスフェクショ
ン反応において、in vitroでの皮膚の線維芽細胞について約40〜50
%の平均トランスフェクション効率を得ることができる。疑似のトランスフェク
ト培地では、染色は見られない。
【0045】 X−Galクロモゲン溶液を用いたインキュベーションの後に、pCMV−β
Galでトランスフェクトされた皮膚の線維芽細胞の内部けい動脈への注射の4
8時間後の、細胞ベースの導入遺伝子発現の顕微鏡による証拠を見ることができ
、強烈に青色に染色された多数の細胞が肺全体で見られ、注射された元のトラン
スフェクトされた細胞の少なくとも30%である。蛍光によって標識された細胞
に関しては、β−ガラクトシダーゼを発現している細胞の大部分は、肺の末端微
細血管中に留まるようである。トランスフェクトされていない皮膚の線維芽細胞
を注射した動物からのいずれの肺においても、β−ガラクトシダーゼ発現の証拠
は検出されない。異常な多形核球の存在、またはリンパ球の侵入、隔膜肥大また
は肺胞の破壊によって判定される、肺の病状に関する証拠も検出されていない。
【0046】 実施例6 モノクロタリン阻害の実験 VEGF165の細胞ベースの遺伝子導入が病気である動物モデルの肺高血圧
症を阻害することができるかどうか判定するために、pVEGFまたはpcDN
A3.1(エンプティーベクター)のいずれかでトランスフェクトした皮膚の線
維芽細胞を前述のように作製した。ヒト大動脈の平滑筋細胞から抽出したすべて
のRNA、および以下の配列の特異的なプライマー:センス 5’TCGGGC
CTCCGAAACCATGA3’、アンチセンス 5’CCTGGTGAGA
GATCTGGTTC3’を使用する逆転写ポリメラーゼ連鎖反応によって、V
EGF165の完全長のコード配列が生成した。これによって649bpの断片
が生成され、これをpGEM−Tベクター(Promega、Madison、
Wisconsin)にクローン化し、配列決定して同一性を確認した。次いで
この断片をEcoR1制限部位において発現ベクターpcDNA3.1にクロー
ン化し、異なる消化物を使用して正しい方向を決定した。挿入欠失ベクター(p
cDNA3.1)を、モノクロタリン実験用のコントロールとして使用した。形
質転換の熱ショック法によってプラスミドDNAすべてをE.ColiのJM1
09菌株に導入し、100マイクログラム/ミリリットルのアンピシリンを含む
LB培地中で細菌を一晩培養した。次いで製造者の指示(Qiagen End
otoxin−Free Maxi Kit、Qiagen Inc.、Mis
sissauga、Ontario)に従って、エンドトキシンを含まない精製
キットを使用してこのプラスミドを精製し、A260とA280の比が1.75
より大きく濃度が少なくとも1.0マイクログラム/マイクロリットルであるプ
ラスミドDNAを生成した。
【0047】 トランスフェクトされた皮膚の線維芽細胞をトリプシン処理し、500,00
0個の細胞のアリコートに分けた。次いで6〜8週間後のFisherの344
匹のラットに麻酔をかけ、外部けい静脈中のカテーテル、500,000pVE
GF(n=5)、またはpcDNA3.1(n=3)をトランスフェクトした細
胞を介して80ミリグラム/モノクロタリン1キログラム(n=13)(Ald
rich Chemical Co.、Milwaukee、Wisconsi
n)単独、またはモノクロタリンと共に皮下に注射した。
【0048】 モノクロタリンは植物のアルカロイドであり、その代謝産物は肺内皮を傷つけ
、肺高血圧症の動物モデルを提供する。
【0049】 静脈を縛り、通常の方法で切り口を閉じ、動物を回復させた。注射後28日目
に、動物に再度麻酔をかけ、Millarマイクロチップカテーテルを右内部の
けい静脈を介して右心室に再度挿入した。右側の収縮期圧を記録し、次いでカテ
ーテルを上部の動脈に挿入し、全身の動脈圧を記録した。次いで動物を殺し、心
臓を摘出した。右心室(RV)と左心室および隔膜(LV)の重量比(RV/L
V比)を、長期の肺高血圧症への肥大性応答の指標として判定した。肺静脈を介
して滅菌リン酸緩衝食塩水で肺をフラッシュし、気管を介して2%パラホルムア
ルデヒドを穏やかに吸引させた。次いで肺の断片を後のRNA抽出のために液体
窒素中でスナップ凍結、またはパラフィン固定および分画用の2%パラホルムア
ルデヒド中の浸漬によって固定した。右側の収縮期圧およびRV/LV比をpV
EGF、pcDNA3.1、およびモノクロタリン単独のグループの間で比較し
た。
【0050】 ラットの肺から抽出したRNAを定量化し、それぞれの動物からの合計5マイ
クログラムのRNAをハツカネズミの白血病ウイルスの逆転写酵素を使用して逆
転写し、結果として生じたcDNAのアリコートを以下の配列の特異的なプライ
マー:センス 5’CGCTACTGGCTTATCGAAATTAATACG
ACTCAC3’、アンチセンス 5’GGCCTTGGTGAGGTTTGA
TCCGCATAAT3’を使用するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって
、65℃のアニーリング温度で30サイクルかけて増幅させた。50マイクロリ
ットルの反応のうち10マイクロリットルは、1.5%アガロースゲル上で行っ
た。上流プライマーはpcDNA3.1ベクターのT7プライマー部位内部に位
置し、したがっていかなる内生RNA転写物ともアニールするはずがなく、下流
プライマーはVEGFのコード領域のエクソン4内部に位置した。したがって、
首尾の良いPCR反応によって、外来性VEGFのRNAのみを選択的に増幅さ
せることができたはずである。RNAの量および質を調節するために、同じ逆転
写反応の第2のアリコートを、構築的に発現される遺伝子GAPDHに関する以
下のプライマー:センス 5’CTCTAAGGCTGTGGGCAAGGTC
AT3’、アンチセンス 5’GAGATCCACCACCCTGTTGCTG
TA3’を用いて増幅した。58℃のアニーリング温度で25サイクルかけてこ
の反応を行った。50マイクロリットルの反応のうち10マイクロリットルは、
1.5%アガロースゲル上で行い、VEGFのPCRから得たシグナルと比較し
た。
【0051】 パラホルムアルデヒド固定したラットの肺をその長軸に垂直に切断し、正面向
きにパラフィン固定した。断片を得て、elastin−von Giesse
n(EVG)の技法を使用して染色した。何も知らない観察者によってこれらの
断片を評価し、C+コンピュータ画像システムを使用して40倍の倍率下で、そ
れぞれの断面内で認知可能な媒体を用いてすべての血管を測定した。それぞれの
血管の内側面積を決定し、それぞれの動物について0〜30、30〜60、60
〜90、90〜120、および120ミクロンを超える外径の血管サイズの平均
値を得た。それぞれのサイズの平均値をpVEGF、pcDNA3.1、および
モノクロタリン単独のグループの間で比較した。
【0052】 モノクロタリン注射(n=11)単独から4週間後、右側の収縮期圧は48±
2mmHgに増大したが、pcDNA3.1でトランスフェクトされた細胞(n
=3)を受け取った動物では改善が見られず、平均RVSPは48±2mmHg
のままであった。しかしながら、pVEGFでトランスフェクトされた線維芽細
胞(n=5)を用いて治療した動物では、RV圧は32±2mmHgに大幅に低
下した(p<0.0001)。
【0053】 長期の肺高血圧症から予想されるように、モノクロタリン注射(n=13)後
、ベースラインからRV/LV比は0.345±0.015に大幅に上昇し、p
cDNA3.1でトランスフェクトされたグループ(n=3)でもほぼ同様であ
った。VEGFの遺伝子導入(n=5)の後、pcDNA3.1でトランスフェ
クトされたグループよりも大幅にこの比が低下した。動脈圧の違いは見られなか
った。肺内皮毒性モノクロタリンおよびトランスフェクトした細胞を注射した4
週間後、MCTグループおよびpcDNA3.1グループにおいてRV/LV比
が大幅に上昇したが、pVEGFでトランスフェクトした動物では低下した。
【0054】 組織断片の形態学的分析によって、モノクロタリン単独およびpcDNA3.
1で治療したグループの両方において、0〜30、30〜60、60〜90ミク
ロンのグループの血管の内側面積が、VEGFで治療した動物と比較して大幅に
増大したことが明らかになった。コントロールベクター、pcDNA3.1でト
ランスフェクトした動物においても、同様の結果が見られた。VEGFの細胞ベ
ースの遺伝子導入の後に、外径が0〜90ミクロンの血管において、内側の厚さ
および面積の大幅な減少を観察した。
【0055】 プラスミドベースのプライマーを使用し、ポリメラーゼ連鎖反応を使用するこ
とによって、外来性VEGF転写物を選択的に増幅させた。すべてのサンプル中
に常に存在するハウスキーピング遺伝子GAPDHを増幅させることによって、
RNAの質および充填量を評価した。これによって、細胞ベースの遺伝子導入か
ら28日後に外来性RNAが転写され、おそらく転写物(おそらく翻訳されたタ
ンパク質)の存在がVEGFで治療した動物のRVSPの低下に関する原因であ
ったことが証明された。
【0056】 殺傷直後に左心室穿刺によって動物から採取した血液を、pH、酸素充填量(
pO2)、二酸化炭素充填量(pCO2)および飽和の%について分析した。そ
の結果を以下に与える。
【0057】
【表1】 血液の分析データ
【0058】 これらの結果は、VEGFでトランスフェクトしたグループの動脈のO圧お
よび飽和が、トランスフェクトした細胞を受け取っていない動物よりもよりも良
いことを予備的に示す。このことは肺の血行動態および肺の血管形態の改善と一
致し、肺静脈中で起こる可能性のある静脈シャントへの重要な右から左への移動
に対して論じられる。
【0059】 予備的な指標によれば、「シャンティング」の形成、すなわち肺系の静脈と細
管の間の新しい通路の形成(静脈をバイパスさせそれによって血液酸素の取り込
みを制限する)は、問題のある程度で起こるわけではない。
【0060】 実施例7 モノクロタリン逆行の実験 VEGF165の皮膚の線維芽細胞の細胞ベースの遺伝子導入が、病気である
動物モデルの明らかな肺高血圧症の進行を逆行または阻害することができるかど
うかを判定するために、6〜8週齢のFisher344ラット複数匹に1キロ
グラム当たり80ミリグラムのモノクロタリンを皮下に注射した。モノクロタリ
ン注射の14日後に、動物に再度麻酔をかけ、Millarカテーテルを右心室
に通してRV圧を記録した。次いでpVEGFまたはpcDNA3.1のいずれ
かでトランスフェクトした皮膚の線維芽細胞を、500,000個の細胞のアリ
コートの形で外部けい静脈に注射して、動物を回復させた。モノクロタリン注射
の28日後、および細胞ベースの遺伝子導入の14日後に、動物に再度麻酔をか
け、Millarミクロチップカテーテルを右内部のけい静脈を介して右心室に
再度挿入した。右心室の収縮期圧(RVSP)を記録し、次いでカテーテルを上
行する大動脈に挿入し、全身の動脈圧を記録した。次いで動物を殺傷し、心臓を
摘出した。RV/LV比を、長期の肺高血圧症への肥大性応答の指標として判定
した。pVEGFとpcDNA3.1グループの間で右心室の収縮期圧およびR
V/LV比を比較すると、モノクロタリン注射の2週間後では、RVSPが上昇
し、pcDNA3.1でトランスフェクトされた細胞を受け取った動物では、モ
ノクロタリン送達の4週間後に圧力がさらに上昇して55±5mmHgになるこ
とが分かる。しかしながらpVEGFで処置した動物では、RVSPは少量増大
しただけだった。肺内皮毒性モノクロタリンを注射した4週間後、pcDNA3
.1グループにおいてRVSPが大幅に増大したが、pVEGFでトランスフェ
クトした動物では大幅に低下した。
【0061】 RV/LV比はpcDNAグループにおいて大幅に増大したが、その後のVE
GFの遺伝子導入で、その比は大幅に低下した。動脈圧の違いは見られなかった
。モノクロタリンを注射して4週間後、pcDNA3.1グループにおいてその
比がさらに上昇したが、pVEGFでトランスフェクトした動物では大幅に低下
した。
【0062】 考察 本発明によって、トランスフェクトされた線維芽細胞を使用する肺の脈管構造
への首尾の良いウイルスによらない遺伝子導入の証拠が示され、この手法を使用
するPHの治療における血管細胞新生戦略の将来性のある治療効力が証明される
。蛍光標識技法およびβ−ガラクトシダーゼを使用するレポーター遺伝子の研究
の両方によって判定されるように、この送達の方法は48時間目に肺中に保持さ
れていた高い割合の細胞と関係があり、適度ではあるが14日を超える持続的な
遺伝子発現とも関係があった。これらの結果は、脈管構造への脈管内遺伝子送達
のウイルスベースの方法に関して、以前に証明されたこととほぼ同じである(S
chachtner、S.K.、J.J.Rome、R.F.Hoyt、Jr.
、K.D.Newman、R.Virmani、D.A.Dichek、199
5.In vivo adenovirus−mediated gene t
ransfer via the pulmonary artery of
rats.Circ.Res.76:701−709;and Rodman、
D.M.、H.San、R.Simari、D.Stephan、F.Tann
er、Z.Yang、G.J.Nabel、E.G.Nabel、1997.I
n vivo gene delivery to the pulmonar
y circulation in rats:transgene dist
ribution and vascular inflammatory r
esponse.Am.J.Respir.Cell Mol.Biol.16
:640−649を参照のこと)。
【0063】 しかしながら、本発明によって提供される細胞ベースの技法によって、潜在的
な免疫原性ウイルス構築体の使用が回避され、この技法はいかなる重度の肺また
は全身性の炎症とも関係がなく、肺の微小脈管構造中のより選択的な導入遺伝子
の発現、特に末端の肺動脈領域の特定の部位での導入遺伝子発現のターゲティン
グを可能にし、これは肺脈管の耐性、したがってPHの判定を主に担う。
【0064】 本発明は、遺伝子工学によって処理した細胞の生存、細胞の特定の部位への選
択性、および肺中での導入遺伝子の発現を含めた、肺循環器の細胞ベースの遺伝
子導入手法の実現性に関するいくつかの重要な問題を取り扱っている。移植した
細胞は、肺で効率的に保持された。
【0065】 大部分の細胞は小さな肺動脈中に留まるようであったという発見は、解剖学的
構造上のフィルタとして肺が果たす正常な生理学的役割と合致し、したがって再
懸濁された細胞などの比較的大きな粒子が肺の脈管構造中に留まると考えられる
。しかしながら、高い選択的な方法での前毛細血管の抵抗血管へのこの細胞の「
ターゲティング」は、ある種の肺脈管疾患の治療において非常に有用なものとな
る可能性がある。末端動脈レベルでの血管作動性遺伝子の過剰発現によって、脈
管領域中での肺脈管耐性の制御において重要な特定の部位への効果が提供され、
遺伝子導入の生物学的な結果が増幅される可能性がある。実際に、VEGFでト
ランスフェクトした細胞を投与されたモノクロタリン処置動物において見られる
特定の部位でのRVSPの低下は、対応する全身の圧力の低下なく起こり、トラ
ンスフェションのこの方法の特異性が際だっている。したがってこの手法は、気
管内の遺伝子送達などの他の肺選択的遺伝子導入戦略に関して重大な利点を提供
する可能性があり、主に気管での過剰発現、またはカテーテルベースの肺脈管遺
伝子導入につながる結果となり、これによって拡散型巨大脈管および全身性の過
剰発現物が生成する(Rodman、D.M.、H.San、R.Simari
、D.Stephan、F.Tanner、Z.Yang、G.J.Nabel
、E.G.Nabel、1997.In vivo gene deliver
y to the pulmonary circulation in ra
ts:transgene distribution and vascul
ar inflammatory response.Am.J.Respir
.Cell Mol.Biol.16:640−649;and Nabel、
E.G.、Z.Yang、D.Muller、A.E.Chang、X.Gao
、L.Huang、K.J.Cho、G.J.Nabel.1994.Safe
ty and toxicity of catheter gene del
ivery to the pulmonary vasculature i
n a patient with metastatic melanoma
.Hum.Gene Ther.5:1089−1094を参照のこと)。
【0066】 器官特異的なトランスフェクションが全体的に比較的少ないにもかかわらずこ
の重要な効果が発生し、これはトランスフェクトされた細胞がそのサイズを基づ
いて、肺圧を制御する際に重要な役割を果たす前毛細血管の肺の抵抗血管を標的
にするという事実によるものであるらしい。肺脈管遺伝子導入のこの方法は、既
存の技法に優る利点を有している可能性がある。これは身体に送達される外来性
導入遺伝子の全体的な「量」を最小限にすることにより、このことによって望ま
しくない副作用の発生率を理論的に低下させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 15/09 ZNA C12N 5/00 B (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD ,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL, PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,S L,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG,US ,UZ,VN,YU,ZA,ZW Fターム(参考) 4B024 AA01 CA02 DA02 EA04 GA13 HA17 4B065 AA90 AB01 BA02 CA44 4C084 AA13 CA17 CA53 CA56 DA45 DB52 DB54 NA10 NA13 NA14 NA20 ZA42 ZA59 ZB21 4C087 AA01 AA02 BB63 BB64 BB65 CA04 DA40 NA10 NA13 NA14 ZA42 ZA59 ZB21

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 患者の肺疾患またはその症状を軽減させるためにホ乳類患者
    の肺循環器に投与するための薬剤である、線維芽細胞、内皮細胞および前駆細胞
    から選択される生命力のあるトランスフェクトされたホ乳類細胞の調製における
    使用であって、前記トランスフェクトされたホ乳類細胞が血管新生促進因子また
    は一酸化窒素シンターゼをコードしている少なくとも1つの発現可能な導入遺伝
    子を含む使用。
  2. 【請求項2】 前記ホ乳類細胞が皮膚の線維芽細胞である、請求項1に記載
    の使用。
  3. 【請求項3】 前記血管新生促進因子が血管内皮細胞増殖因子、線維芽細胞
    増殖因子、アンギオポエチン−1、トランスフォーミング増殖因子−β、肝細胞
    増殖因子(細胞分散因子)または低酸素症誘導因子(HIF)である、請求項1
    または請求項2に記載の使用。
  4. 【請求項4】 前記血管新生促進因子が血管内皮細胞増殖因子、VEGFで
    ある、請求項3に記載の使用。
  5. 【請求項5】 前記ホ乳類細胞が前記トランスフェクトされた細胞の最終的
    な受容体に由来する、前記請求項のいずれかに記載の使用。
  6. 【請求項6】 前記肺疾患が肺高血圧症である、前記請求項のいずれかに記
    載の使用。
  7. 【請求項7】 線維芽細胞、内皮細胞および骨髄に由来する前駆細胞から選
    択される遺伝学的に改変された生命力のあるホ乳類細胞であって、前記細胞が血
    管新生促進因子、一酸化窒素シンターゼ、リポタンパク質、血管作動性物質、抗
    酸化剤、フリーラジカルスカベンジャー、可溶性サイトカイン受容体、可溶性接
    着分子、ウイルスまたはサイトカインの可溶性受容体、またはのう胞繊維症の遺
    伝子をコードしている少なくとも1つの発現可能な導入遺伝子を含むホ乳類細胞
  8. 【請求項8】 改変された皮膚の線維芽細胞を含む、請求項7に記載の細胞
  9. 【請求項9】 遺伝学的に改変されて血管新生促進因子をコードしている発
    現可能な導入遺伝子を含む皮膚の線維芽細胞を含む、請求項8に記載の細胞。
  10. 【請求項10】 前記導入遺伝子が血管内皮細胞増殖因子、線維芽細胞増殖
    因子、アンギオポエチン−1、トランスフォーミング増殖因子−β、および肝細
    胞増殖因子から選択される血管新生促進因子をコードしている、請求項9に記載
    の細胞。
  11. 【請求項11】 遺伝学的に改変されて血管内皮細胞増殖因子、VEGFを
    コードしている発現可能な導入遺伝子を含む皮膚の線維芽細胞を含む、請求項1
    0に記載の細胞。
  12. 【請求項12】 プロスタサイクリンを生成する発現可能な導入遺伝子を含
    む、請求項7または請求項8に記載の細胞。
  13. 【請求項13】 一酸化窒素シンターゼ用の発現可能な導入遺伝子を含む、
    請求項7または請求項8に記載の細胞。
  14. 【請求項14】 皮膚の線維芽細胞、内皮細胞および骨髄に由来する原種幹
    細胞から選択されるホ乳類細胞の形質転換体を調製する方法であって、血管新生
    促進因子、一酸化窒素シンターゼ、リポタンパク質、血管作動性物質、抗酸化剤
    、フリーラジカルスカベンジャー、可溶性サイトカイン受容体、可溶性接着分子
    、ウイルスまたはサイトカインの可溶性受容体、またはのう胞繊維症の遺伝子を
    コードしている少なくとも1つの遺伝子を有する前記ホ乳類細胞をトランスフェ
    クトして、in vivoで前記導入遺伝子の産物を発現することができる形質
    転換した細胞を生成することを含む方法。
  15. 【請求項15】 前記ホ乳類細胞が皮膚の線維芽細胞である、請求項14に
    記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記血管新生促進因子が血管内皮細胞増殖因子、線維芽細
    胞増殖因子、アンギオポエチン−1、トランスフォーミング増殖因子−β、また
    は肝細胞増殖因子から選択される、請求項15に記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記血管新生促進因子が血管内皮細胞増殖因子、VEGF
    である、請求項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】 リポフェクションによって前記トランスフェクションを行
    う、請求項14から17のいずれかに記載の方法。
  19. 【請求項19】 ホ乳類患者の遺伝子治療を行うための方法であって、投与
    後に肺循環器中で少なくとも1つの遺伝子産物を発現することができる少なくと
    も1つの発現可能な導入遺伝子を含み、皮膚の線維芽細胞、内皮細胞および骨髄
    に由来する前駆細胞から選択される遺伝学的に改変されたホ乳類細胞をex v
    ivoで前記ホ乳類患者の肺系へ投与することを含み、前記導入遺伝子が血管新
    生促進因子、一酸化窒素シンターゼ、リポタンパク質、血管作動性物質、抗酸化
    剤、フリーラジカルスカベンジャー、可溶性サイトカイン受容体、可溶性接着分
    子、ウイルスまたはサイトカインの可溶性受容体、またはのう胞繊維症の遺伝子
    をコードしている導入遺伝子である方法。
  20. 【請求項20】 前記遺伝学的に改変された細胞が皮膚の線維芽細胞である
    、請求項19に記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記発現可能な導入遺伝子が血管新生促進因子をコードし
    ている遺伝子である、請求項20に記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記発現可能な導入遺伝子が一酸化窒素シンターゼ、血管
    内皮細胞増殖因子、線維芽細胞増殖因子、アンギオポエチン−1、トランスフォ
    ーミング増殖因子−β、および肝細胞増殖因子から選択される血管新生促進因子
    をコードしている遺伝子である、請求項19から21のいずれかに記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記血管新生促進因子が血管内皮細胞増殖因子、VEGF
    である、請求項22に記載の方法。
  24. 【請求項24】 肺高血圧症に苦しむホ乳類患者の症状を軽減させる方法で
    あって、血管新生促進因子をコードしている発現可能な導入遺伝子を含むex
    vivoで遺伝学的に改変された皮膚の線維芽細胞を前記ホ乳類患者の肺循環器
    系へ投与することを含む方法。
  25. 【請求項25】 肺高血圧症に苦しむホ乳類患者の症状を軽減させるために
    ホ乳類患者の肺循環器に投与するための薬剤である、血管新生促進因子をコード
    している発現可能な導入遺伝子を含むex vivoで遺伝学的に改変された皮
    膚の線維芽細胞の調製における使用。
JP2001524610A 1999-09-23 1999-09-23 肺系のための細胞ベースの遺伝子治療 Pending JP2003509463A (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/CA1999/000869 WO2001021184A1 (en) 1999-09-23 1999-09-23 Cell-based gene therapy for the pulmonary system

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003509463A true JP2003509463A (ja) 2003-03-11
JP2003509463A5 JP2003509463A5 (ja) 2007-02-22

Family

ID=4173386

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001524610A Pending JP2003509463A (ja) 1999-09-23 1999-09-23 肺系のための細胞ベースの遺伝子治療

Country Status (11)

Country Link
EP (2) EP1220679B1 (ja)
JP (1) JP2003509463A (ja)
AT (1) ATE364387T1 (ja)
AU (1) AU5724499A (ja)
BR (1) BR9917500A (ja)
CA (1) CA2383093A1 (ja)
DE (1) DE69936320T2 (ja)
ES (1) ES2546937T3 (ja)
IL (3) IL148826A0 (ja)
MX (1) MXPA02003131A (ja)
WO (1) WO2001021184A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020191036A1 (en) * 2019-03-19 2020-09-24 Fibrogenesis Treatment of chronic obstructive pulmonary disease and lung degeneration using activated fibroblasts and exosome derivatives thereof

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1992015676A1 (en) * 1991-03-08 1992-09-17 The Salk Institute For Biological Studies Somatic cell gene therapy
US5219740A (en) * 1987-02-13 1993-06-15 Fred Hutchinson Cancer Research Center Retroviral gene transfer into diploid fibroblasts for gene therapy
WO1998020027A2 (en) * 1996-11-01 1998-05-14 Eurogene Limited Therapeutic use of an agent that stimulates no or prostacyclin production and delivery device
WO1999018952A1 (en) * 1997-10-14 1999-04-22 Brigham & Women's Hospital, Inc. UPREGULATION OF TYPE III ENDOTHELIAL CELL NITRIC OXIDE SYNTHASE BY HMG-CoA REDUCTASE INHIBITORS
WO1999040197A2 (en) * 1998-02-06 1999-08-12 Collateral Therapeutics, Inc. Variants of the angiogenic factor vascular endothelial cell growth factor: vegf

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04507041A (ja) * 1988-12-13 1992-12-10 アメリカ合衆国 遺伝工学により修飾された内皮細胞およびその利用方法
US5240846A (en) * 1989-08-22 1993-08-31 The Regents Of The University Of Michigan Gene therapy vector for cystic fibrosis
WO1993013807A1 (en) * 1992-01-10 1993-07-22 Georgetown University A method of administering genetically engineered endothelial cells to sites of angiogenesis for effecting genetic therapy
CA2086844A1 (en) * 1993-01-07 1994-07-08 Ian D. Dube Method and product of gene transfer into cells
CA2260771A1 (en) * 1996-07-17 1998-01-22 The General Hospital Corporation Method of inducing vasodilation and treating pulmonary hypertension using adenoviral-mediated transfer of the nitric oxide synthase gene
US5980887A (en) * 1996-11-08 1999-11-09 St. Elizabeth's Medical Center Of Boston Methods for enhancing angiogenesis with endothelial progenitor cells
EP0893493A3 (de) * 1997-07-21 2002-12-04 Aventis Pharma Deutschland GmbH Genetisch veränderte Zellen und deren Verwendung in der Prophylaxe oder Therapie von Erkrankungen
CA2227425A1 (en) * 1998-03-27 1999-09-27 An-Go-Gen Inc. Cell-based gene therapy
CA2266805C (en) * 1998-03-27 2015-04-28 An-Go-Gen Inc. Cell-based gene therapy in the treatment of pulmonary disorders

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5219740A (en) * 1987-02-13 1993-06-15 Fred Hutchinson Cancer Research Center Retroviral gene transfer into diploid fibroblasts for gene therapy
WO1992015676A1 (en) * 1991-03-08 1992-09-17 The Salk Institute For Biological Studies Somatic cell gene therapy
WO1998020027A2 (en) * 1996-11-01 1998-05-14 Eurogene Limited Therapeutic use of an agent that stimulates no or prostacyclin production and delivery device
WO1999018952A1 (en) * 1997-10-14 1999-04-22 Brigham & Women's Hospital, Inc. UPREGULATION OF TYPE III ENDOTHELIAL CELL NITRIC OXIDE SYNTHASE BY HMG-CoA REDUCTASE INHIBITORS
WO1999040197A2 (en) * 1998-02-06 1999-08-12 Collateral Therapeutics, Inc. Variants of the angiogenic factor vascular endothelial cell growth factor: vegf

Also Published As

Publication number Publication date
EP1220679B1 (en) 2007-06-13
ES2546937T3 (es) 2015-09-30
EP1220679A1 (en) 2002-07-10
ATE364387T1 (de) 2007-07-15
CA2383093A1 (en) 2001-03-29
EP1839667A3 (en) 2010-04-14
AU5724499A (en) 2001-04-24
WO2001021184A1 (en) 2001-03-29
DE69936320D1 (de) 2007-07-26
MXPA02003131A (es) 2003-08-20
BR9917500A (pt) 2002-05-21
EP1839667B1 (en) 2015-06-17
IL148826A (en) 2010-12-30
IL192893A0 (en) 2009-02-11
IL192893A (en) 2014-03-31
DE69936320T2 (de) 2008-02-21
IL148826A0 (en) 2002-09-12
EP1839667A2 (en) 2007-10-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6482406B1 (en) Cell-based gene therapy for the pulmonary system
US9827270B2 (en) Cell-based therapy for the pulmonary system
US20210145894A1 (en) Cell-based therapy for the pulmonary system
JP3712409B2 (ja) 細胞の部位特異的な点滴注入または細胞の部位特異的形質転換による疾患の治療およびそのためのキット
US7514261B2 (en) Platelet-derived growth factor protection of cardiac myocardium
KR102146815B1 (ko) Hmgb1 단편을 이용한 신규 심근경색의 치료법
CA2188575A1 (en) Gene transfer-mediated angiogenesis therapy
US20030118567A1 (en) Cell-based therapy for the pulmonary system
JP2007527395A (ja) 血管新生のための骨髄由来細胞および培地の注入方法
JP4111950B2 (ja) 自家骨髄の心筋内注射
JP2003509463A (ja) 肺系のための細胞ベースの遺伝子治療
WO2019240296A1 (ja) 組織治癒剤
US8263756B2 (en) Method of gene transfer via vascular system or ureter
JP2020174573A (ja) 虚血組織に集積するエクソソームおよびその製造方法
CA2227425A1 (en) Cell-based gene therapy
JP2023184168A (ja) 脈管障害の予防又は治療用医薬組成物
AU2002332486A1 (en) Platelet-derived growth factor protection of cardiac myocardium

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060922

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070105

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091130

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20100226

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20100305

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100531

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100707