JP2003509377A - 過剰なアンドロゲン状態を処置するためのミューラー阻害物質の使用 - Google Patents

過剰なアンドロゲン状態を処置するためのミューラー阻害物質の使用

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、1以上のアンドロゲンの過剰によって特徴付けられる状態または疾患を処置する方法を提供し、該方法は、患者に有効量のMISタンパク質またはMISをコードする核酸を投与する工程を包含する。本発明はまた、1以上のアンドロゲンのレベルを正常レベル未満に低下させる方法を提供し、該方法は、有効量のMISタンパク質またはMISをコードする核酸を患者に投与する工程を包含する。本発明の方法は、前立腺癌、多嚢胞性卵巣疾患、良性前立腺肥大および性的早熟の処置に特によく適する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 (発明の背景) (資金提供を受けた研究および開発の下で行われた発明に対する権利に関する
記述) 本発明の開発の間に行われた研究の一部は、National Cancer Institute助成金番号R29CA79459、ならびにNation
al Institute of Child Health and Hum
an Development助成金番号RO1−HD−32112、P30−
HD−28138、F32−HD−07954、およびU54HD31398の
合衆国政府資金を利用した。合衆国政府は、本発明において一定の権利を有する
【0002】 (発明の分野) 本出願は、一般に、前立腺癌、多嚢胞性卵巣疾患、良性前立腺肥大、および性
的早熟を処置する方法に関する。
【0003】 (関連技術) ミューラー阻害物質(MIS)は、トランスホーミング増殖因子−β(TGF
−β)ファミリーの増殖因子および分化因子のメンバーである。性的に重要でな
い性腺が精巣決定因子(SRY)の影響下で精巣発生に方向付けた後、胎児精巣
のセルトリ細胞は、MIS(精巣発生の表現型的に顕著な特徴である)を獲得し
始める(Swainら、Nature 391:761−767(1998))
。MIS(抗ミューラーホルモン(Jossaら、Recent Prog.H
orm.Res.48:1−59(1993))としても公知)は、正常な雄性
生殖路発生に絶対的に必要である。なぜなら、これは、両能性尿生殖隆線のミュ
ーラー管の退行に影響を及ぼすからである。ミューラー管は、退行しないままで
ある場合、雌性生殖路構造(例えば、子宮、ファローピウス管、および上部膣)
を生じる(Jost,A.,Arch.Anat.Microsc.Morph
ol.Exp.36:271−315(1947);Cateら、Cell 4
5:685−698(1986);TeixeiraおよびDonohoe,J
.Androl.17:336−341(1996))。成体の卵巣および精巣
はまた、胎児雄性におけるレベルよりはるかに低いレベルであってもMISを生
成し、そしてこれらの状況においてMISにより果たされるこの機能的役割は、
十分には解明されていない(Uenoら、Endocrinology 123
:1652−1659(1988);Tsafririら、Biol.Repr
od.38:481−485(1988))。しかし、ラットにおける研究によ
り、卵母細胞成熟におけるMISの役割(Takahashiら、Mol.Ce
ll Endocrinol.47:225−234(1986))、ならびに
ヒト卵巣においては、顆粒球細胞増殖のブロックおよびステロイド生成の減少(
Kimら、J.Clin.Endocrinol.Metab.75:911−
917(1992);Seiferら、J.Clin.Endocrinol.
Metab.76:711−714(1993))におけるMISの役割が示唆
されている。
【0004】 (発明の要旨) 本発明は、1以上のアンドロゲンの過剰により特徴付けられる状態または疾患
を処置する方法を提供し、この方法は、有効量のMISを患者に投与する工程を
包含する。
【0005】 本発明はまた、1以上のアンドロゲンの過剰により特徴付けられる状態または
疾患を処置する方法を提供し、この方法は、MISをコードする有効量の核酸を
患者に投与する工程を包含する。
【0006】 本発明はまた、1以上のアンドロゲンの血漿レベルを減少させる方法を提供し
、この方法は、有効量のMISを患者に投与する工程を包含する。ここで、MI
Sの量は、1以上のアンドロゲンの血漿レベルを1以上のアンドロゲンの正常な
レベル未満に減少させるに十分である。
【0007】 本発明はまた、1以上のアンドロゲンの血漿レベルを減少する方法を提供し、
この方法は、MISをコードする有効量の核酸を患者に投与する工程を包含する
。ここで、MISの量は、1以上のアンドロゲンの血漿レベルを1以上のアンド
ロゲンの正常なレベル未満に減少させるに十分である。
【0008】 本発明の方法は、特に、前立腺癌、多嚢胞性卵巣疾患、良性前立腺肥大、およ
び性的早熟の処置に十分適している。
【0009】 (詳細な説明) 用語「ミューラー阻害物質」、「MIS」、および「抗ミューラーホルモン」
は、同義語である。
【0010】 1つ以上のアンドロゲンの過剰によって特徴付けられる症状または疾患として
は、多嚢胞性卵巣疾患または多嚢胞性卵巣症候群、性的早熟、およびマックキュ
ーン−オールブライト症候群からなる群から選択される症状または疾患が挙げら
れるがこれらに限定されない。アンドロゲンレベルが過剰であるか否かは、臨床
的化学(尿分析、および血液分析、血清分析または血漿分析を含む)を使用して
当業者によって容易に診察され得る。
【0011】 用語「アンドロゲン」は、テストステロンおよびその代謝産物(例えば、ジヒ
ドロテストステロン、アンドロステロン、エストラジオール、およびエチオコラ
ノロン)を含む。従って、1つ以上のアンドロゲン(例えば、テストステロンま
たはその代謝産物)の過剰によって特徴付けられる症状または疾患は、正常レベ
ルのアンドロゲンと比較して、増加している。例えば、テストステロンの正常な
血漿レベルは、約10〜35nmol/L(約3〜10ng/mL)である。例
えば、Harrison’s Principles of Internal
Medicine、第14版、Fauci,A.S.ら編、McGaw−Hi
ll,New York(1998)2040頁、表332−2を参照のこと(
この内容は参考として援用される)。
【0012】 患者が、1つ以上のアンドロゲンの過剰、特に多嚢胞性卵巣疾患もしくは多嚢
胞性卵巣症候群または性的早熟によって特徴付けられる症状または疾患を有する
か否かは、身体調査、臨床的化学分析、家族歴、および患者面接に基づいて、当
業者によって容易に診断され得る。例えば、Harrison’s Princ
iples of Internal Medicine、第14版、Fauc
i,A.S.ら編、McGaw−Hill,New York(1998)を参
照のこと。
【0013】 良性前立腺肥大を有する患者(この患者にMISまたはMISをコードする核
酸が投与される)において、前立腺肥大の程度は消滅するかまたは減少する。前
立腺肥大の程度およびそこにおける変化は、当業者によって容易に決定され得る
【0014】 前立腺癌を有する患者(この患者にMISまたはMISをコードする核酸が投
与される)において、腫瘍の進行(原発性かまたは転移性)は停止するかまたは
遅くなる。腫瘍の進行(原発性かまたは転移性)は、例えば、組織生検、超音波
、磁気共鳴画像法(MRI)、コンピュータ断層撮影法(CATスキャニング)
、または触診によって、当業者によって容易に決定され得る。
【0015】 ミューラー阻害物質(MIS)は、胎児の精巣によって、オス精巣におけるミ
ューラー管の後退の原因となる140kDaのグリコシル化ジスルフィド結合ホ
モ二量体として産生される。還元条件下で、このタンパク質は、見かけ上70k
Daの分子量で電気泳動ゲル上を移動する。このタンパク質は、外因性プラスミ
ンによってタンパク分解的に、インタクトの535アミノ酸モノマーの427残
基で切断を有して、57kDaおよび12.5kDa部分として電気泳動的に移
動する2つの別個のタンパク質に切断され得る(Pepinskyら、J.Bi
ol.Chem.263:18961−4(1988))。
【0016】 用語「MISのカルボキシル末端(C末端)フラグメント」は、インタクトな
535アミノ酸ヒトMISモノマーの残基427でタンパク分解性(例えば、プ
ラスミン)切断から生じるMISの約12.5kDa(非還元条件下で約25k
Da)のC末端フラグメントに構造的に類似する化合物および物質を含むことが
意図される。タンパク分解性(例えば、プラスミン)切断部位は、551アミノ
酸のウシMIS分子の残基443に存在する。特に「MISのカルボキシル末端
(C末端)フラグメント」は、MISの約25kDaホモ二量体C末端フラグメ
ントを含むことが意図される。
【0017】 「MISのN末端フラグメント」は、上記の535アミノ酸ヒトMISモノマ
ー(551アミノ酸ウシMISの残基443)の残基427での切断から生じる
約57kDaのフラグメントを意図する。
【0018】 MISの完全なヌクレオチド配列は、米国特許第5,047,336号におい
て開示される(これは本明細書中で参考として援用される)。ウシMISのC末
端アミノ酸およびヌクレオチド配列を米国特許第5,661,126号の図17
に示す(その全体が本明細書中に参考として援用される)。ヒトMISのC末端
アミノ酸およびヌクレオチド配列を米国特許第5,661,126号の図18に
示す。N末端およびC末端を示す、ヒトおよびウシMISのアミノ酸配列の比較
は、Cateら、Handbook of Experimental Pha
rmacology 95/II:184、M.B.SpoonおよびA.B.
Roberts編、Spinger−Verlag Berlin Heide
lberg(1990)において示される(これは、本明細書中に参考として援
用される)。
【0019】 さらに、本発明の方法は、MISのC末端フラグメントと実質上同一の生物学
的活性を有するMISのC末端フラグメントの変異体形態を使用して実施され得
る。このような変異体形態の例は、アミノ酸配列の欠失、挿入、または変更を有
するMIS分子のC末端フラグメントである。特に、MISのC末端フラグメン
トは、インビボでのその半減期を増加するために改変され得る。例えば、C末端
フラグメントのアミノ末端および/またはカルボキシル末端に1つ以上のアミノ
酸または他の化学薬剤を付加することは、フラグメントの安定性を増加するため
に使用され得る。
【0020】 MISのC末端フラグメントは、哺乳動物供給源からかもしくは組換えDNA
技術の使用を介してか、またはC末端のポリペプチドの化学的合成から獲得され
得る。
【0021】 遺伝子が組換えDNA技術の適用から生じる場合、遺伝子は「組換え」である
といわれる。組換えDNA技術の例としては、クローニング、突然変異誘発、形
質転換などが挙げられる。組換えDNA技術は、Maniatisら、Mole
cular Cloning:A Laboratory Mannual,C
old Spring Harbor,N.Y.(1982,1989)に開示
される。「組換えMIS」は、組換え方法を使用して調製される、MISポリペ
プチド、またはそのフラグメント、および特にC末端フラグメントをいう。
【0022】 組換えMISは、タンパク質発現系において発現され得る。原核生物発現系お
よび真核生物発現系の使用は、当業者によって十分に理解される。例えば、細菌
(例えば、E.coli)発現系、真菌(例えば、酵母)発現系、哺乳動物細胞
(例えば、CHO細胞、COS細胞)発現系または昆虫細胞(例えば、バキュロ
ウイルス細胞)発現系が、使用され得る。例えば、C末端フラグメント(ヒトま
たはウシ)は、米国特許第5,047,336号に記載される組換えDNA技術
によって容易に産生され得、これは本明細書中において十分に参考として援用さ
れる。C末端フラグメントはグリコシル化されないため、E.coliおよび他
の細菌中のC末端フラグメントの発現は、特に興味深い。
【0023】 特定のクローニングビヒクルまたは発現ビヒクル内で、種々の部位が、MIS
またはMISのC末端フラグメントに対してコードする遺伝子の挿入のために選
択され得る。これらの部位は、通常、それらを切断し当業者によって十分に理解
される制限エンドヌクレアーゼによって示される。組換えDNA分子を形成する
ためにDNA配列をこれらの部位に挿入するための種々の方法はまた、周知であ
る。これらには、例えば、dG−dCまたはdA−dTテーリング(taili
ng)、直接連結、合成リンカー、エキソヌクレアーゼおよびポリメラーゼ関連
修復反応およびその後の連結、またはDNAポリメラーゼおよび適切な一本鎖テ
ンプレートを用いるDNA鎖の伸長およびその後の連結が挙げられる。当然、本
発明において有用なクローニングビヒクルまたは発現ビヒクルが、選択されたD
NAフラグメントの挿入のための制限エンドヌクレアーゼ部位を有することを必
要としないことは、理解される。実際に、ビヒクルは、代替の手段によってフラ
グメントに接合され得る。
【0024】 種々の発現調節配列はまた、組換えDNA配列の発現を実施するために選択さ
れ得る。これらの発現調節配列として、例えば、lac系、β−ラクタマーゼ系
、trp系、tac系、trc系、ファージλの主なオペレーター領域およびプ
ロモーター領域、fdコートタンパク質の調節領域、3−ホスホグリセレートキ
ナーゼまたは他の解糖酵素に対するプロモーター、酸ホスホターゼ(例えば、P
ho5)のプロモーター、酵母α−交配因子のプロモーター、哺乳動物細胞に対
するプロモーター(例えば、SV40初期プロモーター)、アデノウイルス後期
プロモーターおよびメタロチオニンプロモーター、および原核生物細胞または真
核生物細胞またはそれらのウイルスおよびそれらの種々の組み合わせの遺伝子の
発現を調節することが公知の他の配列が挙げられる。哺乳動物細胞において、遺
伝子をジヒドロ葉酸還元酵素についてのそれに連結することによって、および宿
主中国ハムスター卵巣細胞に選択肢を適用することによって、発現ユニットを増
幅することが、さらに可能である。
【0025】 組換えDNA配列の発現のために、これらのDNA配列は、発現ベクター内の
上記の発現調節配列の1種以上に作動可能に連結される。このような作動可能な
連結(これは、MISまたはMIS DNA配列のC末端フラグメントがクロー
ンビヒクル内に挿入される前または後に実施され得る)は、発現調節配列がDN
A配列の発現を調節および促進するのを可能にする。
【0026】 ベクターまたは発現ビヒクル、特に本発明で使用される選択されたDNAフラ
グメントおよび発現調節配列の挿入のためにその中で選択された部位は、種々の
因子、例えば、特定の制限酵素に対して感受性の部位の数、発現されるタンパク
質のサイズ、ベクター配列に対する開始コドンおよび終止コドンのような発現特
性、および当業者によって理解される他の因子によって決定される。ベクターの
選択、発現調節配列、およびMISのついての挿入部位またはMIS DNA配
列のC末端フラグメントは、これらの因子のバランスによって決定され、全ての
選択肢が与えられた場合について等しく効果的あるわけではない。
【0027】 クローニングビヒクルまたは発現ビヒクルの選択された部位において挿入され
る、MISまたはMISのC末端フラグメントをコードするDNA配列が、MI
SまたはMISのC末端フラグメントをコードする実際の遺伝子の一部ではない
ヌクレオチドを含み得るか、あるいはその実際の遺伝子のフラグメントのみを含
み得ることもまた、理解されるべきである。いかなるDNA配列が使用されよう
と、形質転換された宿主がMISまたはMISのC末端フラグメントを産生する
ことが唯一必要とされる。例えば、本発明のMIS DNA配列は、少なくとも
1つの真核生物シグナル配列または原核生物シグナル配列、またはそれらの組み
合わせをコードするDNA配列の少なくとも一部に対して、本発明の発現ベクタ
ー内の同じリーディングフレーム内で融合され得る。このような構築物は、例え
ば、本発明の一部である、メチオニルまたは他のペプチジル−MISポリペプチ
ドの産生を可能にする。次いで、このN末端メチオニンまたはペプチドは、種々
の公知のプロセスによって細胞内でまたは細胞外で切断され得るか、あるいは、
メチオニンまたはペプチドが結合したMISポリペプチドが、切断されずに、本
発明の薬学的組成物および方法において使用され得る。
【0028】 本発明のMISまたはMISポリペプチドコード配列のC末端フラグメントを
含有するクローニングビヒクルまたは発現ベクターは、初期腫瘍増殖または転移
性腫瘍増殖を阻害するための有効量のMISまたは有効量のMISのC末端フラ
グメントの発現を可能にするように腫瘍細胞を形質転換するために本発明に従っ
て使用される。
【0029】 示されるように、MISポリペプチド(本発明に従って調製された)として、
融合タンパク質の形態のポリペプチド(例えば、活性C末端フラグメントを放出
するために、排出を指向し、安定性を改善し、精製を改善し、またはアミノ酸残
基443における可能な切断を改善するために、真核生物、原核生物、または組
み合わせのN末端セグメントに連結された)、MISの前駆体の形態のポリペプ
チド(例えば、他の真核生物シグナル配列または原核生物シグナル配列のMIS
シグナル配列の全てまたは一部で開始する)、成熟MISポリペプチドの形態の
ポリペプチド、またはfmet−MISポリペプチドの形態のポリペプチドが挙
げられ得ることが理解されるべきである。
【0030】 本発明はまた、MISのコドンまたはMISヌクレオチド配列のC末端フラグ
メントをコドンに置換する工程を包含する。これらの置換されるコドンは、置き
換えられるコドンによってコードされるアミノ酸と同一のアミノ酸をコードし得
るが、より高い収量のポリペプチドを生じ得る。あるいは、アミノ酸置換あるい
はより長いかまたは短いポリペプチドを導く1つまたは組み合わせのコドンの置
換は、有用な方法でその性質を変化させ得る(例えば、安定性の増加、溶解性の
増加または治療活性の増加)。
【0031】 あるいは、非組換えMISまたはそのフラグメント、および特にC末端フラグ
メントは、本発明の方法において使用され得る。非組換えMISを精製するため
の方法は、当業者に周知である。米国特許第4,404,188号、同第4,4
87,833号および同第5,011,687号を参照のこと。
【0032】 (MISポリペプチド送達方法) MISポリペプチドまたはそのフラグメントおよびMISコード核酸は、薬学
的組成物の形態で投与され得る。薬学的組成物は、薬学的に有用な組成物を調製
するために公知な方法に従って処方され得、これによってMISまたはMISの
C末端フラグメントまたはそれらの機能的誘導体が薬学的に受容可能なキャリア
ビヒクルとの混合物で組み合わせられる。適切なビヒクルおよびそれらの処方物
(他のヒトタンパク質(すなわち、ヒト血清アルブミン)を含む)は、例えば、
Remington’s Pharmaceutical Sciences、
第18版、A.R.Gennaro編、Mack Publ.、Eston、P
A(1990)に記載される。効果的な投与に適切な薬学的に受容可能な組成物
を形成するために、このような組成物は、適切な量のキャリアビヒクルとともに
、有効量のMISまたはMISのC末端フラグメントまたはそれらの機能的誘導
体を含む。
【0033】 本発明の1つの実施形態において、「有効量」のMISは、多嚢胞性卵巣疾患
または多嚢胞性卵巣症候群の進行を抑制するおよび/またはその重篤度を減少す
るか、あるいは性的早熟を遅らせるおよび/または進行を停止するのに十分な量
である。同様に、「有効量」のMISのC末端フラグメントは、多嚢胞性卵巣疾
患または多嚢胞性卵巣症候群の進行を抑制するおよび/またはその重篤度を減少
するか、あるいは性的早熟を遅らせるおよび/または進行を停止するのに十分な
量である。
【0034】 本発明の別の実施形態において、「有効量」のMISは、1つ以上のアンドロ
ゲン(テストステロンおよび/またはその代謝物(例えば、ジヒドロテストステ
ロン、アンドロステロン、エストラジオール、およびエチオコラノロン)を含む
)の血漿レベルを正常レベルより下に下げるのに十分な量である。テストステロ
ンの正常な血漿レベルは、約10〜35nmol/L(約3〜10ng/mL)
より下である。Harrison’s Principles of Inte
rnal Medicine、第14版、Fauci,A.S.ら編、McGa
w−Hill、New York(1998)、2040頁、表332−2を参
照のこと(この内容は、参考として援用される)。好ましい実施形態において、
有効量のMISは、約10〜35nmol/L(約3〜10ng/mL)より下
のテストステロンの血漿レベルを減少するのに十分な量である。特に好ましい実
施形態において、有効量のMISは、約15〜30nmol/Lより下のテスト
ステロンの血漿レベルを減少するのに十分な量である。なおより好ましい実施形
態において、有効量のMISは、約20〜25nmol/Lより下のテストステ
ロンの血漿レベルを減少するのに十分な量である。
【0035】 有効量は、レシピエントの年齢、体重、身体的条件、過去の医学的履歴、およ
び重症度のような基準に依存して変化し得る。有効量はまた、投与が、経口的か
、静脈内的か、筋肉内的か、皮下的か、局所的か、または腫瘍への直接的適用で
あるかに依存して変化する。直接的な腫瘍への適用の場合、少なくとも0.1n
M、好ましくは0.1〜1.0nMのMISの最終血清濃度が達成されることが
好ましい。同様に、MISのC末端フラグメントの直接的な腫瘍適用について、
少なくとも0.1nM、好ましくは約0.1〜1.0nMのMISのC末端フラ
グメントの最終血清濃度が達成されることが好ましい。さらに指名される手段の
投与による有効な個々の投薬量は、当業者に周知の方法によって容易に決定され
得る。例えば、上記のようなサイズ比の計算を使用して、当業者は、任意の手段
の投与のための最適な投薬レベルを決定し得る。患者を処置する際に、少なくと
も10ng/mlのMISの血清濃度を達成することが好ましい。患者をMIS
のC末端フラグメントで処理する際に、約1ng/ml〜約20μg/mlのM
ISのC末端フラグメントの範囲の血清レベルを達成することが好ましい。
【0036】 組成物は、その投与がレシピエントの患者によって耐性であり得る場合、「薬
学的に受容可能」であると言われる。このような薬剤は、その存在がレシピエン
トの患者の生理学的状態において検出可能な変化を生じる場合、生理学的に有意
であると言われる。
【0037】 MISまたはMISのC末端フラグメントまたはそれらの機能的誘導体を含む
組成物は、経口的、静脈内的、筋肉内的、皮下的、または局所的に投与され得る
。さらなる薬学的方法は、作用の期間を制御するために使用され得る。制御放出
調製物は、MISまたはMISのC末端フラグメントまたはそれらの機能的誘導
体を複合体化するかまたは吸収するためのポリマーの使用によって達成され得る
。制御送達は、適切な巨大分子(例えば、ポリエステル、ポリアミノ酸、ポリビ
ニルピロリドン、エチレンビニルアセテート、メチルセルロース、カルボキシメ
チルセルロース、および硫酸プロタミン)および巨大分子の濃度ならびに放出を
制御するための組み込み方法を選択することによってなされ得る。
【0038】 制御放出調製物によって活性の時間を制御するための別の可能な方法は、MI
SまたはMISのC末端フラグメントを、ポリマー材料(例えば、ポリエステル
、ポリアミノ酸、ヒドロゲル、ポリ(乳酸)またはエチレンビニルアセテートコ
ポリマー)の粒子に取り込むことである。あるいは、MISまたはMISのC末
端フラグメントをこれらのポリマー粒子に取り込む代わりに、マイクロカプセル
(例えば、コアセルベーション技術もしくは界面重合により、例えば、ヒドロキ
シメチルセルロースから調製される)またはそれぞれゼラチンマイクロカプセル
およびポリ(メチルメタクリレート)マイクロカプセル中に、あるいはコロイド
状薬物送達系(例えば、リポソーム、アルブミンマイクロ粒子、マイクロエマル
ジョン、ナノ粒子、およびナノカプセル)中に、あるいはマクロエマルジョン)
中にMISまたはMISのC末端フラグメントを包理することが可能である。こ
のような技術は、Remington’s Pharmaceutical S
ciences,第18版,A.R.Gennaro編,Mack Publ.
,Easton,PA(1990)に記載される。
【0039】 MISの「機能的誘導体」は、MISの生物学的活性に実質的に類似する生物
学的活性(機能的または構造的のいずれか)を有する化合物である。用語「機能
的誘導体」は、分子の「フラグメント」、「改変体」、「アナログ」または「化
学的誘導体」を含むことが意図される。このようないずれかのMIS分子の「フ
ラグメント」は、この分子の任意のポリペプチドサブセットを言及することを意
味する。活性を有し、そして溶解性(すなわち、膜に結合しない)であるMIS
のフラグメントは、特に好ましい。MISのような分子の「改変体」は、全分子
またはそのフラグメントのいずれかと構造および機能において実質的に類似する
分子を言及することを意味する。分子は、両方の分子が実質的に類似した構造を
有する場合または両方の分子が類似した生物学的活性を有する場合、別の分子と
「実質的に類似」していると言及される。従って、2個の分子が類似した活性を
有する場合、この分子の一方の構造が他方の分子に見出されないとしても、また
はこのアミノ酸残基の配列が同一でないとしても、この用語が本明細書中で使用
される場合、改変体とみなされる。MISのような分子の「アナログ」は、全分
子またはそのアナログのいずれかに機能において実質的に類似している分子を言
及することを意味する。本明細書中で使用される場合、分子は、通常に分子の一
部でないさらなる化学的部分を含む場合、別の分子の「化学的誘導体」として言
及される。このような部分は、分子の溶解度、吸収、生物学的半減期などを改善
し得る。この部分は、分子の毒素を代わりに減少させ、分子の任意の所望しない
副作用などを除去または和らげ得る。このような効果を媒介し得る部分は、Re
mington’s Pharmaceutical Sciences,第1
8版,A.R.Gennaro編,Mark Publ.Easton,PA(
1990)に記載される。「毒素誘導体化」分子は、「化学的誘導体」の特定の
クラスから構成される。「毒素誘導体化」分子は、毒素部分を含む分子(例えば
、MISまたはそのレセプターに対する抗体)である。このような分子の細胞へ
の結合は、毒素部分を細胞の近くに誘導し、これにより細胞死を促進する。任意
の適切な毒素部分が使用され得るが、例えば、リシン毒素、ジフテリア毒素、放
射性同位体毒素、膜チャネル形成毒素などのような毒素を使用することが好まし
い。このような部分を分子に結合させるための手順は、当該分野で周知である。
【0040】 MIS(またはその機能的誘導体、アナログ、もしくはアンタゴニスト)は、
静脈内、筋肉内、皮下、腸内または非経口的に患者に投与され得る。注射により
このような化合物を投与する場合、この投与は、連続注入または単一ボーラスも
しくは複数ボーラスにより投与され得る。
【0041】 MIS分子(ならびにそれらの機能的誘導体、アゴニストおよびアンタゴニス
ト)が、薬学的に有用である組成物を調製するための公知の方法に従って処方さ
れ得、これにより、これらの材料、またはそれらの機能的誘導体は、薬学的に受
容可能なキャリアビヒクルとの混合物中に組み合わされる。他のヒトタンパク質
を含む、適切なビヒクルおよびそれらの処方物(例えば、ヒト血清アルブミン)
が、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sci
ence,第18版、A.R.Gennaro,編,Mack Publ.,E
aston,PA(1990)に記載される。有効な投与のために適切な薬学的
に受容可能な組成物を形成するために、このような組成物が、適切な量のキャリ
アビヒクルと共に、有効量のMIS分子、またはその機能的誘導体、アゴニスト
またはアンタゴニストを含む。
【0042】 さらなる薬学的方法は、作用の持続を制御するために使用され得る。制御放出
調製物が、MISまたはその機能的誘導体、アゴニストまたはアンタゴニストを
複合体化するかまたは吸収するために、ポリマーの使用を介して達成され得る。
制御された送達が、放出を制御するために、適切な高分子(例えば、ポリエステ
ル、ポリアミノ酸、ポリビニル、ピロリドン、エチレンビニルアセテート、メチ
ルセルロース、カルボキシメチルセルロース、またはプロタミン、サルフェート
)および高分子の濃度ならびに取り込みの方法を選択することにより、行われ得
る。制御放出調製物による活性の持続を制御する別の可能な方法は、MIS分子
、またはその機能的誘導体、アゴニスト、またはアンタゴニストの、ポリマー材
料(例えば、ポリエステルコポリマー、ポリアミノ酸コポリマー、ヒドロゲルコ
ポリマー、ポリ(乳酸)コポリマー、またはエチレンビニルアセテートコポリマ
ー)を、粒子中に取り込むことである。あるいは、これらの因子のポリマー材料
への取り込みの代わりに、例えば、コアセルベーション技術によるか、または界
面重合により(例えば、それぞれ、ヒドロキシメチルセルロースまたはゼラチン
ミクロカプセルおよびポリ(メチルメタクリレート)ミクロカプセル)、あるい
はコロイド状薬物送達系(例えば、リポソーム、アルブミンミクロスフェア、マ
イクロエマルジョン、ナノ粒子、およびナノカプセル)において、あるいはミク
ロエマルジョンにおいて、調製されたミクロカプセル中にこれらの材料を閉じ込
めることを可能にする。このような技術は、Remington’s Phar
maceutical Science,第18版、A.R.Gennaro,
編,Mack Publ.,Easton,PA(1990)に開示される。本
発明の組成物は、製品(例えば、「キット」)の商品として調製され得る。好ま
しくは、このようなキットは、MISまたはその機能的誘導体の1つおよびMI
Sのアゴニストを受容するために特に適する2つ以上の容器を備える。
【0043】 用語「患者」は、動物患者を含むことが意図される。より好ましくは、「患者
」は、哺乳動物患者、最も好ましくは、ヒト患者を含むことが意図される。
【0044】 用語「タンパク質フラグメント」は、MISの天然に存在するアミノ酸配列か
ら誘導可能な合成アミノ酸配列および天然に存在するアミノ酸配列の両方を含む
ことが意味される。このタンパク質は、MISの天然に存在する選択された配列
をフラグメント化することにより得られ得る場合か、またはそれが天然に存在す
るアミノ酸配列の配列またはこの配列をコードする遺伝材料(DNAまたはRN
A)の知識に基づいて合成される場合、「MISの天然に存在するアミノ酸配列
から導き出され得る」ことが言われる。
【0045】 (MIS遺伝子治療法) 本発明の1つの実施形態において、MISをコードする核酸の「有効量」は、
多嚢胞性卵巣疾患または症候群の進行を阻害するためおよび/または多嚢胞性卵
巣疾患または症候群の重篤度を低減するためか、あるいは性的早熟の進行を遅ら
せるためかおよび/または停止するために十分である量である。同様に、MIS
のC末端フラグメントをコードする核酸の「有効量」は、多嚢胞性卵巣疾患また
は症候群の進行を阻害するためおよび/または多嚢胞性卵巣疾患または症候群の
重篤度を低減するためか、あるいは性的早熟の進行を遅らせるためかおよび/ま
たは停止するために十分である量である。
【0046】 本発明の別の実施形態において、MISをコードする核酸の「有効量」は、テ
ストステロンおよび/またはその代謝産物(例えば、ジヒドロテストステロン、
アンドロステロン、エストラジオール、およびエチオコラノロン)を含む1つ以
上のアンドロゲンの血漿レベルを、正常レベル以下に減少させるに十分である量
である。テストステロンの正常な血漿レベルは、約10〜35nmol/L以下
(約3〜10ng/mL)である。Harrison’s Principle
s of Internal Medicine,第14版、Fauci,A.
S.ら、編、McGaw−Hill,New York(1998)、2040
頁、表332〜2を参照のこと(この内容は、参考として援用される)。好まし
い実施形態において、MISの有効量は、約10〜35nmol/L(約3〜1
0ng/mL)以下のテストステロンの血漿レベルを減少させるのに十分な量で
ある。特に好ましい実施形態において、MISの有効量は、約15〜30nmo
l/L以下のテストステロンの血漿レベルを減少させるのに十分である量である
。なおより好ましい実施形態において、MISの有効量は、約20〜25nmo
l/L以下のテストステロンの血漿レベルを減少させるのに十分な量である。
【0047】 ベクターが、「有効量のMIS」または「有効量のMISのC末端フラグメン
ト」を発現させることが可能な遺伝子を含むか否かは、米国特許第5,661,
126号における実施例4に示されるプロトコールに従って、決定され得る(こ
れは、その全体が、本明細書中により、参考として援用される)。
【0048】 遺伝子治療方法は、本発明のMISポリペプチドの発現を達成するための、動
物への、核酸(DNA、RNAおよびアンチセンスDNAまたはアンチセンスR
NA)配列の導入に関する。この方法は、標的組織によるポリペプチドの発現の
ために必要であるプロモーターおよび任意の他の遺伝的エレメントに作動可能に
連結されるMISポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを必要とする。こ
のような遺伝子治療および送達技術は、当該分野で公知であり、例えば、WO9
0/11092を参照のこと(これは、本明細書中に参考として援用される)。
【0049】 従って、例えば、患者由来の細胞は、操作された細胞を用いて、エキソビボで
MISポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含むポリヌクレ
オチド(DNAまたはRNA)で操作され得、次いで、このポリペプチドで処置
される患者に提供される。このような方法は、当該分野で周知である。例えば、
Belldegrun,A.ら,J.Natl.Cancer Inst.85
:207−216(1993);Ferrantini,M.ら,Cancer
Research 53:1107−1112(1993);Ferrant
ini,M.ら,J.Immunology 153:4604−4615(1
995);Kaido,T.ら,Int.J.Cancer 60:221−2
29(1995);Ogura,H.ら,Cancer Research 5
0:5102−5106(1990);Santodonato,L.ら,Hu
man Gene Therapy 7:1−10(1996);Santod
onato,L.ら,Gene Therapy 4:1246−1255(1
997);およびZhang J.−F.ら,Cancer Gene The
rapy 3:31−38(1996)を参照のこと(これらは、本明細書中に
参考として援用される)。1つの実施形態において、操作される細胞は、動脈細
胞である。この動脈細胞は、動脈、この動脈を覆う組織への直接注射を介してか
、またはカテーテル注入を介してこの患者に再導入され得る。
【0050】 以下でより詳細に議論されるように、このMISポリヌクレオチド構築物は、
注入可能な材料を動物の細胞へ送達する任意の方法(例えば、組織(心臓、筋肉
、皮膚、肺、肝臓など)の間質空間への注射)によって送達され得る。このMI
Sポリヌクレオチド構築物は、薬学的に受容可能な液体または水性キャリア中で
送達され得る。
【0051】 1つの実施形態において、このMISポリヌクレオチドは、細胞への侵入を補
助、促進または容易にするように作用する任意の送達ビヒクルなしで送達される
。別の実施形態において、このMISポリヌクレオチドは、ウイルス配列なしで
送達される。別の実施形態において、このMISポリヌクレオチドは、ウイルス
粒子なしで送達される。別の実施形態において、このMISポリヌクレオチドは
、リポソーム処方物なしで送達される。別の実施形態において、このMISポリ
ヌクレオチドは、リポフェクチンなしで送達される。別の実施形態において、こ
のMISポリヌクレオチドは、沈殿剤なしで送達される。しかし、このMISポ
リヌクレオチドはまた、リポソーム処方物中で送達され得、そしてリポフェクチ
ン処方物などは当業者に周知の方法によって調製され得る。このようは方法は、
例えば、米国特許第5,593,972号、同第5,589,466号、および
同第5,580,859号(これらは、本明細書中で参考として援用される)に
おいて記載される。
【0052】 遺伝子治療法において使用されるMISポリヌクレオチドベクター構築物は、
好ましくは、宿主のゲノムに組み込まれず、そしてまた複製を可能にする配列を
含まない構築物である。適切なベクターとしては、Stratageneから入
手可能なpWLNEO、pSV2CAT、pOG44、pXT1およびpSG;
Pharmaciaから入手可能なpSVK3、pBPV、pMSGおよびpS
VL;ならびにInvitrogenから入手可能なpEF1/V5、pcDN
A3.1およびpRc/CMV2が挙げられる。他の適切なベクターは、当業者
に容易に明らかである。
【0053】 当業者に公知の任意の強力なプロモーターは、MIS DNAの発現を駆動す
るために使用され得る。適切なプロモーターとしては、アデノウイルスプロモー
ター(例えば、アデノウイルス主要後期プロモーター);または異種プロモータ
ー(例えば、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター);RSウイルス(
RSV)プロモーター;誘導プロモーター(例えば、MMTプロモーター);メ
タロチオネインプロモーター;熱ショックプロモーター;アルブミンプロモータ
ー;ApoAIプロモーター;ヒトグロビンプロモーター;ウイルスチミジンキ
ナーゼプロモーター(例えば、単純疱疹チミジンキナーゼプロモーター);レト
ロウイルスLTR;b−アクチンプロモーター;およびヒト成長ホルモンプロモ
ーターが挙げられる。これらのプロモーターはまた、MISについてのネイティ
ブなプロモーターであり得る。
【0054】 他の遺伝子治療技術と異なり、裸の核酸配列を標的細胞に導入することの1つ
の主要な利点は、細胞におけるポリヌクレオチド合成の一時的な性質である。非
複製DNA配列が細胞に導入されて6ヶ月までの期間に所望のポリペプチドの産
生を提供し得るということが、研究により示されてきた。
【0055】 MISポリヌクレオチド構築物は、動物内の組織(筋肉、皮膚、脳、肺、肝臓
、脾臓、骨髄、胸腺、心臓、リンパ、血液、骨、軟骨、膵臓、腎臓、胆嚢、胃、
腸管、精巣、卵巣、子宮、直腸、神経系、眼、腺、および結合組織を含む)の間
隙に送達され得る。これらの組織の間隙は、細胞間液、器官組織の細網線維間の
ムコ多糖類基質、脈管もしくは室の壁における弾性線維、線維性組織の膠原線維
、または結合組織鞘性(ensheathing)筋細胞内もしくは骨の裂孔の
同じ基質を含む。循環の血漿およびリンパチャネルのリンパ液により占められる
空間は同様である。筋肉組織の間隙への送達は、以下に議論される理由で好まし
い。これらは、これらの細胞を含む組織への注射により簡便に送達され得る。こ
れらは好ましくは、分化した持続性非分割細胞に送達されかつこの細胞において
発現されるが、送達および発現は、未文化細胞または完全には分化していない細
胞(例えば、血液の幹細胞または皮膚線維芽細胞)において達成され得る。イン
ビボでの筋肉細胞は、ポリヌクレオチドを取り込みそして発現するその能力にお
いて特に適切である。
【0056】 裸の酸配列注射について、DNAまたはRNAの有効投薬量は、体重1kgに
つき約0.05mg〜50mgの範囲にある。好ましくは、この投薬量は、約0
.005mg/kg〜約20mg/kgであり、そしてより好ましくは約0.0
5mg/kg〜約5mg/kgである。当然、当業者が理解するように、この投
薬量は、注射の組織部位に従って変化する。核酸配列の適切かつ有効な投薬量は
、当業者により容易に決定され得、そして処置される状態および投与経路に依存
し得る。
【0057】 好ましい投与経路は、組織の間隙への注射の非経口経路による。しかし、他の
非経口経路(例えば、特に肺もしくは気管支組織、咽喉または鼻の粘膜への送達
のためのエーロゾル処方物の吸入)もまた使用され得る。さらに、裸のMIS
DNA構築物は、手順において使用されるカテーテルにより血管形成の間に動脈
に送達され得る。
【0058】 裸のポリヌクレオチドは、当該分野で公知の任意の方法により送達され、これ
らとしては、送達部位での直接的針注射、静脈内注射、局所投与、カテーテル注
入、およびいわゆる「遺伝子銃」が挙げられるがこれらに限定されない。これら
の送達方法は、当該分野で公知である。
【0059】 構築物はまた、送達ビヒクル(例えば、ウイルス配列、ウイルス粒子、リポソ
ーム処方物、リポフェクチン、沈降剤など)を用いて送達され得る。このような
送達方法は、当該分野で公知である。
【0060】 特定の実施形態において、MISポリヌクレオチド構築物は、リポソーム調製
物において複合体化される。本発明における使用のためのリポソーム調製物は、
カチオン性(正に荷電した)調製物、アニオン性(負に荷電した)調製物および
中性の調製物を含む。しかし、カチオン性リポソームは、特に好ましい。なぜな
らば、密接な(tight)荷電複合体は、カチオン性リポソームとポリアニオ
ン性核酸との間で形成され得る。カチオン性リポソームは、機能的形態で、プラ
スミドDNA(Felgnerら、Proc.Natl.Acad.Sci.U
SA(1987)84:7413−7416(本明細書中で参考として援用され
る));mRNA(Maloneら、Proc.Natl.Acad.Sci.
USA(1989)86:6077−6081(本明細書中で参考として援用さ
れる));および精製された転写因子(Debsら、J.Biol.Chem.
(1990)265:10189−10192(本明細書中で参考として援用さ
れる))の細胞内送達を媒介することが示されてきた。
【0061】 カチオン性リポソームは容易に入手可能である。例えば、N[1−2,3−ジ
オレイルオキシ)プロピル]−N,N,N−トリエチルアンモニウム(DOTM
A)リポソームは特に有用であり、そして商標Lipofectinとして、G
IBCO BRL,Grand Island,N.Y.から入手可能である(
Felgnerら、Proc.Natl. Acad.Sci.USA(198
7)84:7413〜7416(これは本明細書中で参考として援用される)も
また参照のこと)。他の市販のリポソームとしては、トランスフェクタス(tr
ansfectace)(DDAB/DOPE)およびDOTAP/DOPE(
Boehringer)が挙げられる。
【0062】 他のカチオン性リポソームは、当該分野で周知の技術を使用して、容易に入手
可能な材料から調製され得る。例えば、DOTAP(1,2−ビス(オレオイル
オキシ)−3−(トリメチルアンモニオ)プロパン)リポソームの合成の記載に
ついてのPCT公開WO90/11092(これは本明細書中で参考として援用
される)を参照のこと。DOTMAリポソームの調製は、文献に説明される。例
えば、P.Felgnerら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA
84:7413〜7417(これは本明細書中で参考として援用される)を参
照のこと。類似の方法を使用して、他のカチオン性脂質材料からリポソームを調
製し得る。
【0063】 同様に、アニオン性リポソームおよび中性リポソームは、例えば、Avant
i Polar Lipids(Birmingham,Ala)から容易に入
手可能であるか、または容易に入手可能な材料を使用して簡単に調製され得る。
このような材料としては、とりわけ、ホスファチジルコリン、コレステロール、
ホスファチジルエタノールアミン、ジオレオイルホスファジチルコリン(DOP
C)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール(DOPG)、ジオレオイルホ
スファチジルエタノールアミン(DOPE)が挙げられる。これらの材料はまた
、DOTMAおよびDOTAP出発物質と適切な割合で混合され得る。これらの
材料を使用するリポソームの作製方法は、当該分野で周知である。
【0064】 例えば、市販のジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジオレオイ
ルホスファチジルグリセロール(DOPG)、およびジオレオイルホスファチジ
ルエタノールアミン(DOPE)は、コレステロールを添加するかまたは添加せ
ずに、従来のリポソームを作製するために様々な組み合わせで使用され得る。従
って、例えば、DOPG/DOPCベシクルは、各々50mgのDOPGおよび
DOPCを、超音波処理容器への窒素ガス流下で乾燥することによって調製され
得る。このサンプルを、真空ポンプ下に一晩置き、そして次の日に脱イオン水で
水和する。次いで、バスを15ECで循環させながら、反転カップ(バス型)プ
ローブを備えたHeat Systemsモデル350ソニケータを最大設定で
使用して、このサンプルを、栓をした容器内で2時間超音波処理する。あるいは
、負に荷電したベシクルを超音波処理なしで調製して、多層ベシクルを生成し得
るか、または核細孔(nucleopore)を通して押し出すことによって、
別個のサイズの単層ベシクルを生成し得る。他の方法が公知であり、そして当業
者に利用可能である。
【0065】 リポソームは、多層ベシクル(MLV)、小単層ベシクル(SUV)、または
大単層ベシクル(LUV)を含み、SUVが好ましい。様々なリポソーム−核酸
複合体が、当該分野で周知の方法を使用して調製され得る。例えば、Strau
bingerら、Methods of Immunology(1983),
101:512〜527(これは本明細書中で参考として援用される)を参照の
こと。例えば、核酸を含むMLVは、リン脂質の薄層をガラスチューブの壁に沈
着させ、次いでカプセル化される材料の溶液で水和することによって調製され得
る。SUVは、MLVを長時間超音波処理して、単層リポソームの均質な集団を
生成することによって調製され得る。捕捉される材料は、予め形成されたMLV
の懸濁液に添加され、そして超音波処理される。カチオン性脂質を含むリポソー
ムを使用する場合、乾燥脂質膜は、適切な溶液(例えば、滅菌水または10mM
トリス/NaClのような等張性緩衝液)に再懸濁され、超音波処理され、次い
で予め形成されたリポソームが直接DNAと混合される。リポソームおよびDN
Aは、正に荷電したリポソームがカチオン性DNAに結合することに起因して、
非常に安定な複合体を形成する。SUVは、小核酸フラグメントを伴う用途を見
出す。LUVは、当該分野で周知の多数の方法によって調製される。一般的に使
用される方法には、Ca2+−EDTAキレート化(Papahadjopaul
osら、Biochim、Biophys.Adta(1975)394:48
3;Wilsonら、Cell(1979)17:77);エーテル注入(De
amer,D.およびBangham,A.、Biochim.Biophys
,Acta(1976)443:629;Ostroら、Biochem.Bi
ophys.Res.Commun.(1977)76:836;Fraley
ら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1979)76:334
8);界面活性剤透析(Enoch,H.およびStrittmatter,P
.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1979)76:146
);および逆相エバポレーション(REV)(Fraleyら、J.Biol.
Chem.(1980)255:10431;Szoka,F.およびPapa
hadjopoulos,D.、Proc.Natl.Acad.Sci.US
A(1978)75:145;Schaefer−Ridderら、Scien
ce(1982)215:166)(これらは本明細書中で参考として援用され
る)が挙げられる。
【0066】 一般的に、DNA対リポソームの比は、約10:1〜約1:10である。好ま
しくは、この比は、約5:1〜約1:5である。より好ましくは、この比は、約
3:1〜約1:3である。さらにより好ましくは、この比は、約1:1である。
【0067】 米国特許第5,676,954号(これは本明細書中で参考として援用される
)は、カチオン性リポソームキャリアと複合体化した遺伝材料のマウスへの注射
について報告する。米国特許第4,897,355号、同第4,946,787
号、同第5,049,386号、同第5,459,127号、同第5,589,
466号、同第5,693,622号、同第5,580,859号、同第5,7
03,055号および国際公開WO94/29469(これらは本明細書中で参
考として援用される)は、DNAを細胞および哺乳動物にトランスフェクトする
際に使用するためのカチオン性脂質を提供する。米国特許第5,589,466
号、同第5,693,622号、同第5,580,859号、同第5,703,
055号、および国際公開WO94/29469(これらは本明細書中で参考と
して援用される)は、DNA−カチオン性脂質複合体を哺乳動物に送達するため
の方法を提供する。
【0068】 特定の実施形態においては、細胞は、エキソビボまたはインビボで、MISを
コードする配列を含むRNAを含むレトロウイルス粒子を用いて操作される。そ
こからレトロウイルスプラスミドベクターが誘導され得るレトロウイルスとして
は、以下が挙げられるが、これらに限定されない:モロニーマウス白血病ウイル
ス、脾臓壊死ウイルス、ラウス肉腫ウイルス、ハーベイ肉腫ウイルス、鳥類の白
血病ウイルス、テナガザル白血病ウイルス、ヒト免疫不全ウイルス、骨髄増殖性
肉腫ウイルスおよび乳腺癌ウイルス。
【0069】 レトロウイルスプラスミドベクターは、パッケージング細胞株を形質転換して
プロデューサー細胞株を形成するために使用される。トランスフェクトされ得る
パッケージング細胞の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない
:PE501、PA317、R−2、R−AM、PA12、T19−14X、V
T−19−17−H2、RCRE、RCRIP、GP+E−86、GP+env
AM12、およびMiller,Human Gene Therapy J:
5−14(1990)(これは、本明細書中にその全体が参考として援用される
)に記載されるようなDAN細胞株。ベクターは、当該分野において公知の任意
の手段によりパッケージング細胞を形質転換し得る。このような手段としては、
エレクトロポレーション、リポソームの使用、およびCaPO4沈降が挙げられ
るが、これらに限定されない。1つの代替法においては、レトロウイルスプラス
ミドベクターは、リポソーム中にカプセル化され得るか、または脂質と結合され
得、次いで宿主に投与される。
【0070】 プロデューサー細胞株は、MISをコードするポリヌクレオチドを含む感染性
レトロウイルスベクター粒子を生じる。次いで、このようなレトロウイルスベク
ター粒子は、真核生物細胞をインビトロまたはインビボのいずれかで形質転換す
るために使用され得る。形質転換された真核生物細胞は、MISを発現する。
【0071】 特定の他の実施形態においては、細胞は、エキソビボまたはインビボで、アデ
ノウイルスベクターに含まれるMISポリヌクレオチドを用いて操作される。ア
デノウイルスは、MISをコードし、発現するように操作され得、そして同時に
、正常な溶解性ウイルスライフサイクルにおいて複製するその能力の点で不活化
される。アデノウイルス発現は、宿主細胞の染色体へウイルスDNAを組み込む
ことなく達成され、それによって挿入性の変異原性についての問題を軽減する。
さらに、アデノウイルスは、優れた安全性プロフィールにより、長年の間、生腸
内ワクチンとして使用されてきた(Schwartz,A.R.ら(1974)
Am.Rev.Respir.Dis.109:233−238)。最終的に、
遺伝子移入を媒介するアデノウイルスは、α−1−アンチトリプシンおよびCF
TRのコットンラット(cotton rat)の肺への移入を含む、多くの例
を実証してきた(Rosenfeld,M.A.ら(1991)Science
252:431−434;Rosenfeldら(1992)Cell 68
:143−155)。さらに、アデノウイルスをヒトの癌における原因物質とし
て確立する試みのための広範な研究は、変わりなく否定的であった(Green
,M.ら(1979)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 76:
6606)。
【0072】 本発明において有用な適切なアデノウイルスベクターは、例えば、Kozar
skyおよびWilson,Curr.Opin.Genet.Devel.3
:499−503(1993);Rosenfeldら、Cell 68:14
3−155(1992);Engelhardtら、Human Genet.
Ther.4:759−769(1993);Yangら、Nature Ge
net.7:362−369(1994);Wilsonら、Nature 3
65:691−692(1993);および米国特許第5,652,224号(
これらは、本明細書中に参考として援用される)に記載される。例えば、アデノ
ウイルスベクターAd2は有用であり、ヒト293細胞において増殖し得る。こ
れらの細胞は、アデノウイルスのE1領域を含み、そしてElaおよびElb(
これらは、このベクターから欠失した遺伝子の産物を提供することによって欠損
アデノウイルスを補完する)を構成的に発現する。Ad2に加えて、アデノウイ
ルスの他の種類(例えば、Ad3、Ad5、およびAd7)もまた、本発明にお
いて有用である。
【0073】 好ましくは、本発明において使用されるアデノウイルスは、複製欠乏性である
。複製欠乏性アデノウイルスは、感染性粒子を形成するために、ヘルパーウイル
スおよび/またはパッケージング細胞株の助けを必要とする。得られるウイルス
は、細胞を感染させ得、そしてプロモーターに作動可能に連結された目的のポリ
ヌクレオチドを発現し得るが、ほとんどの細胞において複製し得ない。複製欠乏
性アデノウイルスは、以下の遺伝子の全てまたは一部のうちの1つ以上において
欠失され得る:E1a、E1b、E3、E4、E2a、またはL1〜L5。
【0074】 特定の他の実施形態においては、細胞は、アデノ随伴ウイルス(AAV)を用
いて、エキソビボまたはインビボで操作される。AAVは、感染性粒子を生成す
るためにヘルパーウイルスを必要とする、天然に存在する欠損ウイルスである(
Muzyczka,N.,Curr.Topics in Microbiol
.Immunol.158:97(1992))。AAVはまた、そのDNAを
非分裂細胞に組み込み得るいくつかのウイルスのうちの1つである。AAVの3
00塩基対程度に少ない塩基対を含むベクターは、パッケージングされ得そして
組み込み得るが、外来性DNAのためのスペースは、約4.5kbに制限される
。このようなAAVを生成および使用するための方法は、当該分野において公知
である。例えば、米国特許第5,139,941号、同第5,173,414号
、同第5,354,678号、同第5,436,146号、同第5,474,9
35号、同第5,478,745号および同第5,589,377号を参照のこ
と。
【0075】 例えば、本発明における使用に適切なAAVベクターは、DNA複製、キャプ
シド形成、および宿主細胞組み込みのために必要な全ての配列を含む。MISポ
リヌクレオチド構築物は、標準的なクローニング方法(例えば、Sambroo
kら、Molecular Cloning:A Lavoratory Ma
nual,Cold Spring Harbor Press(1989)に
見出される方法)を用いて、AAVベクターに挿入される。次いで、組換えAA
Vベクターは、任意の標準的な技術(リポフェクション、エレクトロポレーショ
ン、リン酸カルシウム沈降などを含む)を用いて、ヘルパーウイルスに感染した
パッケージング細胞にトランスフェクトされる。適切なヘルパーウイルスとして
は、アデノウイルス、サイトメガロウイルス、ワクシニアウイルス、またはヘル
ペスウイルスが挙げられる。一旦、パッケージング細胞がトランスフェクトおよ
び感染されると、これらはMISポリヌクレオチド構築物を含む感染性AAVウ
イルス粒子を生成する。次いで、これらのウイルス粒子は、真核生物細胞をエキ
ソビボまたはインビボのいずれかで形質転換するために使用される。形質転換さ
れた細胞は、そのゲノムに組み込まれたMISポリヌクレオチド構築物を含み、
そしてMISを発現する。
【0076】 遺伝子治療の別の方法は、異種制御領域と内因性ポリヌクレオチド配列(例え
ば、MISをコードする)を、相同組換えによって作動可能に結合する工程を包
含する(例えば、米国特許第5,641,670号(1997年6月24日発行
);国際公開第WO 96/29411(1996年9月26日公開);国際公
開第WO 94/12650(1994年8月4日公開);Kollerら、P
roc.Natl.Acad.Sci.USA 86:8932−8935(1
989);およびZijlstraら、Nature 342:435−438
(1989)を参照のこと)。この方法は、標的細胞に存在するが、細胞におい
て通常発現されないか、または所望より低いレベルで発現される遺伝子の活性化
を包含する。
【0077】 ポリヌクレオチド構築物が、当該分野で公知の標準的な技術を使用して作製さ
れ、このポリヌクレオチド構築物は、プロモーターに隣接する標的化配列を有す
るプロモーターを含む。適切なプロモーターが本明細書中に記載される。この標
的化配列は、プロモーター−標的化配列と内因性配列との相同組換えを可能にす
るために、内因性配列と十分に相補的である。標的化配列は、MISの所望の内
因性ポリヌクレオチド配列の5’末端に十分に近く、その結果、このプロモータ
ーは、相同組換えの際に内因性配列に作動可能に連結される。
【0078】 プロモーターおよび標的化配列は、PCRを使用して増幅され得る。好ましく
は、この増幅されたプロモーターは、5’末端および3’末端に個別の制限酵素
部位を有する。好ましくは、第一の標的化配列の3’末端は、増幅されたプロモ
ーターの5’末端と同じ制限酵素部位を含み、そして第二の標的化配列の5’末
端は、増幅されたプロモーターの3’末端と同じ制限部位を含む。増幅されたプ
ロモーターおよび標的化配列は、消化され、そして一緒に連結される。
【0079】 プロモーター−標的化配列構築物は、裸のポリヌクレオチドとしてか、または
上により詳細に記載されるトランスフェクション促進剤(例えば、リポソーム、
ウイルス配列、ウイルス粒子、全ウイルス(whole virus)、リポフ
ェクチン、沈澱剤など)とともにかのいずれかで、細胞に送達される。Pプロモ
ーター−標的化配列は、任意の方法(直接的な針注入、静脈内注入、局所的投与
、カテーテル注入、粒子促進剤など)によって送達され得る。これらの方法は、
以下により詳細に記載される。
【0080】 プロモーター−標的化配列構築物は、細胞によって取り込まれる。構築物と内
因性配列との間に相同組換えが起こり、その結果、内因性MIS配列が、プロモ
ーターの制御下で配置される。次いで、このプロモーターは、内因性MIS配列
の発現を駆動する。
【0081】 好ましくは、MISをコードするポリヌクレオチドは、タンパク質の分泌を容
易にする分泌シグナル配列を含む。代表的に、このシグナル配列は、コード領域
の5’末端に向かって、または5’末端で、発現されるべきポリヌクレオチドの
コード領域に配置される。このシグナル配列は、目的のポリヌクレオチドに相同
的または非相同的であり得、そしてトランスフェクトされるべき細胞に相同的ま
たは非相同的であり得る。さらに、このシグナル配列は、当該分野で公知の方法
を使用して化学的に合成され得る。
【0082】 上記のポリヌクレオチド構築物のいずれかの投与の任意の様式は、この様式が
治療効果を提供するために十分な量で1つ以上の分子の発現を生じる限り、使用
され得る。これは、直接的な針注入、全身注入、カテーテル注入、微粒子銃注入
器、粒子促進器(すなわち、「遺伝子銃」)、ゲルフォームスポンジ蓄積、他の
市販の蓄積材料、浸透圧ポンプ(例えば、Alzaミニポンプ)、経口または坐
剤固体(錠剤または丸剤)薬学的処方物、および手術の間の、デカンティング(
decanting)または局所適用を含む。例えば、裸のリン酸カルシウム沈
澱プラスミドのラット肝臓およびラット脾臓への直接注入、またはタンパク質被
覆プラスミドの門脈への直接注入は、ラット肝臓において外来遺伝子の遺伝子発
現を生じた(Kanedaら、Science 243:375(1989))
【0083】 局所投与の好ましい方法は、直接注入による。好ましくは、送達ビヒクルと複
合体化した、本発明の組換え分子は、動脈の領域への直接注入によってか、また
はその領域内に局所的に投与される。動脈の領域内に局所的に組成物を投与する
ことは、動脈内に、その組成物を、センチメートル、および好ましくはミリメー
トル注入することをいう。
【0084】 局所投与の別の方法は、外科的創傷内、またはそのまわりに、本発明のポリヌ
クレオチド構築物を接触させることである。例えば、患者が手術を受け得、そし
てポリヌクレオチド構築物が、創傷の内部の組織の表面上にコートされ得るか、
またはこの構築物は、創傷内部の組織の領域に注入され得る。
【0085】 全身投与において有用な治療組成物は、本発明の標的化送達ビヒクルに複合体
化された、本発明の組換え分子を含む。全身投与を用いる使用に適切な送達ビヒ
クルは、ビヒクルを特定の部位に標的化するためのリガンドを含むリポソームを
含む。
【0086】 全身投与の好ましい方法としては、静脈内注射、エアロゾル、経口送達および
経皮(局所)送達が挙げられる。静脈内注射は、当該分野において標準的な方法
を使用して、実施され得る。エアロゾル送達もまた、当該分野において標準的な
方法を使用して、実施され得る(例えば、Striblingら、Proc.N
atl.Acad.Sci.USA 189:11277−11281(199
2)を参照のこと、これは、本明細書中に参考として援用される)。経口送達は
、本発明のポリヌクレオチド構築物を、動物の消化管内の消化酵素による分解に
耐え得るキャリアと複合体化させることによって、実施され得る。このようなキ
ャリアの例としては、当該分野において公知のもののような、プラスチックのカ
プセルまたは錠剤が挙げられる。局所送達は、本発明のポリヌクレオチド構築物
を、皮膚内に通過し得る脂肪親和性試薬(例えば、DMSO)と混合することに
よって、実施され得る。
【0087】 送達される物質の有効量の決定は、多数の因子(例えば、その物質の化学構造
および生物学的活性、動物の年齢および体重、処置を必要とする正確な状態およ
びその重篤度、ならびに投与経路が挙げられる)に依存し得る。処置の頻度は、
多数の因子(例えば、1用量あたり投与されるポリヌクレオチド構築物の量、な
らびに被験体の健康および病歴)に依存する。正確な量、投薬の数および投薬の
タイミングは、主治医によって決定される。
【0088】 遺伝的に変更された成体マウスの表現型は、この成体におけるMISに関する
可能な役割(ステロイド生成の調節を含む)についてのいくつかの手掛かりを与
えた。ヒトMIS導入遺伝子を慢性的に過剰発現するマウスは、成体において、
種々の程度の性腺異常を発生させる(Behringerら、Nature 3
45:167−170(1990))。生後すぐに、卵巣は生殖細胞を発生させ
るようになり、そして精細管に類似の構造に組織化する;後に、これらの卵巣は
、成体において退化する。最も高いMIS過剰発現動物由来の雄性マウス(25
%)は、停留精巣を有し、これらもまた生殖細胞を枯渇する。これらの雄性は、
性嚢を欠き、そして発生不足の精巣上体、雌性化外性器、および正常雄性マウス
における血清テストステロンレベルの1/10のテストステロンの血清レベルを
有した(Behringerら、Nature 345:167−170(19
90);Lyetら、Biol.Reprod.52:444−454(199
5))。これらの結果は、MIS過剰発現が、ライディッヒ細胞におけるアンド
ロゲン生合成を妨害し得ることを示唆した。逆に、MISリガンド(Behri
ngerら、Cell 79:415−425(1994))もMIS II型
レセプター(Mishinaら、Genes Dev.10:2577−258
7(1996))もいずれももはや発現しないように、マウスを相同組換えする
こともまた、ライディッヒ細胞過形成からなる性腺異常および胚上皮の限局性萎
縮症を生じた。従って、MISは、生後の雄性および雌性の両方の性腺において
ステロイドホルモンバランスを維持する際に、役割を有するようである。
【0089】 ライディッヒ細胞または腸管細胞は、精細管の周囲の精巣において見出される
。これらの主要な機能は、テストステロンを産生することであり、これは、正常
な雄性表現型のために必須である。テストステロンは、コレステロールから、5
工程において、4つの酵素の活性によって合成され(図1)、これらの酵素のう
ちの3つを、本発明者らは研究した(P450scc、P450c17、および
3β−ヒドロキシステロイドデヒドロゲネート/Δ5−Δ4−イソメラーゼ(3β
HSD)(PayneおよびYoungblood,Biol.Reprod.
52:217−225(1995)))。P450cc(シトクロムP450側
鎖切断、CYP11Aとしても公知)は、シトクロムP450ヘムタンパク(h
emeprotein)のスーパーファミリーのメンバーであり(Nelson
ら、DNA Cell Biol.12:1−51(1993))、ミトコンド
リア内膜に位置し、そして27炭素のコレステロール分子を21炭素のプレグネ
ノロンに転換することによって、コレステロールのステロイドホルモンへの転換
の方向付けられた工程を触媒する。プレグネノロンは、ミトコンドリアから移動
し、そして3βHSD(非P450酵素)の活性によって、プロゲステロンに転
換される。シトクロムP450c17αヒドロキシラーゼ/C17-20リサーゼ(
lysase)(P450C17、CYP17)は、二重の活性を有する;これ
は、プロゲステロンを17α位においてヒドロキシル化し、そして21炭素の1
7α−ヒドロキシプロゲステロンを、19炭素のアンドロステンジオンに転換す
る。次いで、アンドロステンジオンは、17−ケトステロイドレダクターゼ(1
7位の炭素においてケトンを還元する非P450酵素)の活性によって、テスト
ステロンに転換される。
【0090】 最近の研究は、ステロイド誘発性酵素P450cc、3βHSDおよびP45
0C17についてのメッセンジャーRNA(mRNA)の定常状態レベルが、M
IS過剰発現トランスジェニックマウスの前立腺および精製されたライディッヒ
細胞において、血清テストステロンおよびエストラジオールレベルと同様に、ダ
ウンレギュレートされるようであることを示した(Racineら、Proc.
Natl.Acad.Sci.USA 95:594−599(1998);R
ouiller−Fabreら、Endocrinology 139:121
3−1220(1998))。相関性PT−PCRの結果は、MIS II型レ
セプターmRNAが、精製されたライディッヒ細胞に存在することを示した。こ
のことは、MISが、MISレセプターを介して直接的にその観察されたライデ
ィッヒ細胞の効果に影響を与えたことを示唆する(Racineら、Proc.
Natl.Acad.Sci.USA 95:594−599(1998))。
【0091】 糖タンパク質ホモ二量体のTGFβファミリーのメンバーによるシグナル伝達
は、そのリガンドが、膜貫通セリン/スレオニンキナーゼのみのヘテロマー複合
体に結合する場合に起こる。このファミリーにおけるリガンド特異性は、II型
レセプターによって決定され、このレセプターは次に、その適切なI型レセプタ
ーを、リガンド特異的Smadのサブセットを介して、引き続く下流シグナル伝
達のために漸増およびリン酸化する(KretzschmarおよびMassa
gue,Curr.Opin.Genet.Dev.8:103−111(19
98))。MISシグナル伝達の分子的機構を決定する努力により、MISリガ
ンドおよびそのMIS II型レセプターのクローニングならびにこれらの特徴
付けがなされた(Cateら、Cell 45:685−698(1986);
Picardら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 83:54
64−5468(1986);Baarendsら、Development
120:189−197(1994);di Clementeら、Mol.E
ndocrinol.8:1006−1020(1994);Teixeira
ら、Endocrinology 137:160−165(1996))。M
ISリガンドがそのレセプターに結合することによって活性化される、下流の経
路を理解するために、本発明者らは、ライディッヒ細胞機能およびストロイド生
成においてMISが果たす役割を検討する。げっ歯類のライディッヒ腫瘍細胞株
R2CおよびMS−10を使用して、本発明者らは、MISシグナル伝達を研究
するための系を樹立し、そしてMISが転写レベルにおいてステロイド生成を調
節することを示すことができた。
【0092】 本発明を一般的に記載したが、同じことは、以下の実施例を参照することによ
って、より容易に理解される。この実施例は、例示の目的で提供され、そして限
定として意図されない。
【0093】 以下の実施例において、使用された材料および方法は、以下の通りである。
【0094】 (材料) 化学薬品を、他に記載されない限り、Fisher Scientific(
Fairlawn,NJ)またはSigma Chemical Co.(St
.Louis,MO)から購入した。Maymounth’s MB752/1
培地、ゲンタマイシン、オリゴヌクレオチド、およびトリプシン−EDTAを、
Life Technologies,Inc.(Grand Island,
NY)から得た。制限酵素および修飾酵素、ホタルルシフェラーゼおよびRen
illaルシフェラーゼベクター、ならびに試薬を、Promega Corp
.(Madison,WI)から購入した。放射性ヌクレオチド(radion
ucleotide)を、New England Nuclear(Bost
on,MA)から購入した。ラットP450scc相補的DNA(cDNA)は
、J.S.Richards博士(Baylor College of Me
dicine,Houston,TX)から贈呈された。雌性ウシ胎仔血清(F
CS)を、Aires Scientific/Biologos(Richa
rdson,TX)から得た。標準的な組換えDNA技術を使用した(Samb
rookら,Molecular Cloning:A Laboratory
Manual,Cold Spring Harbor Laborator
y Press,Cold Spring Harbor,NY(1989))
。有利なポリメラーゼ酵素を、PCR増幅において使用した(CLONTECH
Laboratories,Inc.,Palo Alto,CA)。すべて
の動物研究を、実験動物の管理と使用に関するNIH指針(NIH Guide
for the Care and Use of Laboratory
Animals)に従って実施した。
【0095】 (細胞培養) R2C(ラットライディヒ腫瘍細胞株(American Type Cul
ture Collection,Manassas,VA))を、15%ウマ
血清および2.5%雌性FCS(Aires Scientific/Biol
ogos)を含むF−10培地において維持した。Mario Ascoli博
士(University of Iowa,Ames,IA)から贈呈された
マウスMA−10ライディヒ腫瘍細胞株を、20mm HEPES(pH7.4
)、50μg/mlゲンタマイシン、および15%ウマ血清を含むように改変さ
れたWaymouth’s MB752/1培地(Life Technolo
gies,Inc.)において維持した。これらの実験について、R2Cおよび
MA−10細胞を、5%CO2を有する加湿雰囲気下で37℃にてインキュベー
トし、そして80〜90%コンフルエンスに到達するまで、1日おきに給餌した
【0096】 (ノーザン分析) 総RNAを、グアニジンイソチオシアネート−塩化セシウム方法(Sambr
ookら,Molecular Cloning:A Laboratory
Manual,Cold Spring Harbor Laboratory
Press,Cold Spring Harbor,NY(1989))を
使用して抽出した。すべてのRNAを、連続回のフェノール、クロロホルムおよ
びエーテル;エタノールでの沈殿により抽出し、そしてA260での吸光度によっ
て定量した。10μgの各RNAサンプルを、65℃にてジメチルスルホキシド
およびグリオキサールを用いて変性させ、1.5%アガロースゲル中で分離させ
、ナイロン膜に一晩ブロッティングし、そして真空オーブン中で80℃でのベー
キングまたはUV架橋のいずれかをした。精巣を、生後30日目のラットから外
科的に取り出し、そしてホモジネートし、そしてポジティブコントロールとして
使用するために、先に述べたようにRNAを抽出した。パーコール密度勾配遠心
分離によって95%均質性まで精製された、21日齢のラットの単離された原発
性ライディヒ細胞由来のRNAは、Mary Lee博士(Leeら,「Mul
lerian inhibiting substance type II
receptor expression and binding in p
rimary Leydig cells」,Endocrinology(印
刷中))より贈呈された。ブロットを3時間、50%ホルムアミドハイブリダイ
ゼーション溶液中で、100μg/mlの音波破砕サケ精子DNAと共に、リボ
プローブについては65℃で、そしてランダムプライムプローブについては42
℃で、プレハイブリダイズさせた。MIS II型レセプタープラスミドを、E
coRVおよび標準的技術を使用して5P6ポリメラーゼで作製されたリボプロ
ーブを用いて、線状化した。32P標識化ランダムプライムcDNAプローブを、
P450ccおよび3βHSDについて作製した。ラットP450cc cDN
Aは、J.S.Richards博士(Baylor College of
Medicine)から贈呈された。P450c17プラスミドを、EcoRI
および標準的技術を使用してT7 RNAポリメラーゼで作製された32P標識化
リボプローブを用いて、線状化した。ブロットを、リボプローブでは65℃にて
2×106cpm/mlプローブを用いて一晩ハイブリダイズさせ、そして72
℃で洗浄し、ランダムプライムヒトプローブでは42℃にて2×106cpm/
mlプローブを用いて一晩ハイブリダイズさせ、そして60℃で洗浄した。この
洗浄には、0.1×SSC(1×SSC=150mM塩化ナトリウムおよび15
mMクエン酸ナトリウム)−0.1%SDSを用いた。そしてこれらのブロット
を、−70℃にて3日間、増感スクリーンを有する放射線用フィルムに曝露した
。すべての動物研究を、登録番号97−4216のもとで8−19−98に認可
された施設を用いて、実験動物の管理と使用に関するNIH指針に従って実施し
た。
【0097】 (ラジオイムノアッセイ) MA−10細胞を、0日目に、示される各時点について、12ウェルプレート
中に5×104/ウェルにて六連でプレーティングした。組換えヒトMIS(r
hMIS)を、ヒトMIS遺伝子の線状構築物で安定的にトランスフェクトされ
たチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞から調製した(Cateら,Ce
ll 45:685−698(1986))。次いで、増殖培地中で活性に分泌
されたタンパク質を、Affi−Gel−10(Raginら,Protein
Expr.Purif.3:236−245(1992))に結合体化された
モノクローナルMIS抗体(6E11)で調製された免疫親和性カラムに対して
通過させた。次いで、結合したMISを、3Mアンモニウムチオシアネート溶液
(pH7.4)または1M酢酸(pH3.0)を用いて、このカラムから溶出し
た。タンパク質濃度を、pH中和および遠心濾過による脱塩処理後に、ブラッド
フォードアッセイによって決定した(Bradford,M.M.,Anal
Biochem.72:248−254(1976))。次いで、MISの生物
活性を、確立された器官培養物アッセイ(これは、14.5日目の妊娠率泌尿生
殖隆線(14.5−day gestation rate urogenti
al ridge)の後退を分類分けする(Donohoeら,J Surg.
Res.23:141−148(1977)))を使用して確認した。(Bu) 2 cAMP(50μm)の存在下または非存在下において、ビヒクルコントロー
ルまたは105nM MISを、プレーティングの2日後にMA−10細胞に添
加し、そして示された日数の間、インキュベートした。培養培地を収集し、そし
てMassachusetts General HospitalのNICH
HD P30 Reproductive and Endocrine Sc
iences RIA Core Laboratoryにより、総蓄積プロゲ
ステロンおよびテストステロンについてRIAによってアッセイした。
【0098】 (ルシフェラーゼレポーターアッセイ) 1018bpのP450c17プロモーターフラグメントを、マウスゲノムD
NAから、5’−GAGCTCGAGTATTGGCATTGCGTCCCおよ
び5’−CTCGAGGGCAGATGGCCAGCTGTGGAをプライマー
として用いて、相補的SacIおよびXhoI部位を使用して、PCRによって
増幅した(Payneら、J.Steroid Biochem.Mol.Bi
ol. 43:895−906(1992))。優位ポリメラーゼ酵素(adv
antage polymerase enzyme)をPCR増幅に使用した
(CLONTECH Laboratories、Inc.,Palo Alt
o,CA)。そのPCRフラグメントを、pCRII(Invitrogen,
San Diego,CA)中に、配列分析のためにクローニングし、SacI
/XhoIで切り出した。PGL3Bベクターを、SacIおよびXhoIで消
化し、そしてP450c17プロモーターフラグメントに連結し、P450c−
17−Lucを生成した。その構築物を塩化セシウム超遠心分離によって精製し
た。MA−10細胞を2×105で、3連でプレートし、そしてP450c−1
7−α−Lucで、FuGene 6脂質プロトコルを使用してトランスフェク
ト(transected)した(Roche Molecular Bioc
hemicals)。プロモーターのない親プラスミドであるPGL3Bを、ネ
ガティブコントロールとして使用した。HSVチミジンキナーゼプロモーターの
制御下のRenillaルシフェラーゼをコードするpRL−TK(Prome
ga Corp)を、トランスフェクション効率およびステロイド経路特異性の
ための内部コントロールとして同時トランスフェクトした。細胞の溶解物を作製
し、そしてBerthold Automatic照度計(Mallac,In
c.,Turku,Finland)を使用して、ルシフェラーゼ活性について
アッセイした。
【0099】 (実施例1) (MIS II型レセプターは、ライディッヒ細胞において発現される) MISリガンドは、MIS II型レセプターに結合して、下流のシグナリン
グを開始する。ノーザン分析(図2を参照のこと)を行って、ラットの精巣、R
2C細胞、MA−10細胞から単離した総RNAにおいてMIS II型レセプ
ターの必要な発現が存在するか否かを決定し、そして一次ライディッヒ細胞を精
製した。これらの知見は、ライディッヒ細胞が、近傍のセルトリ細胞におけるM
ISのパラクリン産生からMIS II型レセプターを介して直接応答し得るこ
とを示す。細胞株および精製されたライディッヒ細胞においてストリンジェント
なハイブリダイゼーション条件下で観察されたバンドは、精巣RNAで観察され
たと同様の距離移動し、これはMIS II型レセプタープローブが同じmRN
A種にハイブリダイズしたことを示唆する。MA−10細胞は、他のノーザン実
験においてR2C細胞で観察されるものより早い移動バンドを示す。
【0100】 (実施例2) (MISは、ライディッヒ細胞によってステロイド産生を阻害する) MISをインビボで過剰発現するマウスにおいて観察されるステロイドホルモ
ン産生のダウンレギュレーションを研究するためにMA−10が適切な細胞とし
て作用するか否かを決定するために、MA−10をMISとともにインキュベー
トし、そして培地に分泌されるプロゲステロンおよびテストステロンのレベルを
測定した(図3Aおよび3B)。MA−10細胞は、さらに機能的ゴナドトロピ
ンレセプターを有してcAMPまたはLH/hCGに応答して増強したステロイ
ド産生を生じ、そのためライディッヒ細胞のインビボでの生理学的状態を模倣す
る、マウスライディッヒ細胞腫瘍株である(PayneおよびYoungblo
od、Biol.Reprod.52:217−225(1995);Asco
li,M.,Endocrinology 108:88−95(1981))
【0101】 図3Aは、MA−10細胞のMISとの2日間のインキュベーションが、cA
MP刺激状態および非刺激状態の両方で、プロゲステロン分泌における、中程度
の、しかし有意な、40%の減少を生じたことを示す。図3Bは、2日間MIS
とインキュベートしたMA−10細胞によって分泌されたテストステロンの濃度
が、MISで処理していない細胞のそれよりも10倍低かったことを示す。ステ
ロイドホルモン減少のレベルおよび時間経過は、インビボでの受精の時点で収集
されたヒト濾胞細胞が、組換えMISとインキュベートされた場合に観察された
もの(Kimら、J.Clin.Endocrinol.Metab.75:9
11−917(1992))および初代ライディッヒ細胞がMISとインキュベ
ートされた場合に観察されたもの(Rouiller−Fabreら、Endo
crinology 139:1213−1220(1998))と類似してい
た。
【0102】 (実施例3) (MISは、c17mRNAの定常状態レベルを減少させる) これらの効果を担う分子機構を解明するために、ステロイド産生酵素P450
scc、3βHSD、およびP450c17についてのmRNAの定常状態に対
するMISの効果を試験した(図4A〜C)。ノーザン分析により、mRNAの
レベルが、MISでの3時間の処理後のR2Cおよび一晩の処理後のMA−10
細胞の両方について、P450sccおよび3βHSDについてわずかに低いが
(それぞれ、図4Aおよび4B)、劇的に、P450c17についてcAMP刺
激したMA−10細胞において検出不能なレベルまで減少したことが明らかにな
った。
【0103】 本発明者らはまた、MISによるc17mRNAのダウンレギュレーションが
、タンパク質合成を必要とするか否か(これは、c17mRNAに対するMIS
の効果が直接的であるか否かを示すであろう)を試験し、そしてシクロヒキサミ
ド(タンパク質合成のインヒビター)の存在下でのMA−10細胞のMISとの
一晩のインキュベーションが、c17mRNAの定常状態レベルにおける有意な
減少を引き起こし続けたことを見出した(図4C)。RNAを、MA−10細胞
から調製し、シクロヘキサミドの存在下または非存在下で、MISとともにイン
キュベートし、そしてc17mRNAについてノーザンブロットによって分析し
た。驚いたことに、シクロヘキサミド単独の添加は、cAMP誘導で観察された
レベルを超えてc17mRNAの発現を誘導するのに十分であった。
【0104】 (実施例4) (MISは、転写レベルでのc17発現を調節する) ステロイド産生酵素についてのmRNAの変化は、とりわけ、メッセージの安
定性、核輸送、または転写における差異に反映され得る。これらの全ては、MI
Sによる調節についてのポテンシャルポイント(potential poin
t)であり得る。MISによるCyp17遺伝子の転写調節を研究するために、
DNA構築物(これは、ホタルルシフェラーゼ遺伝子と融合した約1kbのCy
p17プロモーターを含む)を作製し、これをMA−10細胞にトランスフェク
トし、そしてルシフェラーゼ活性についてアッセイした(図5A〜C)。実験の
第1のセットにおいて、レポーター構築物を用いるトランスフェクションの翌日
、MA−10細胞を、可変濃度のMISと共にインキュベートし、そして18時
間後かまたは29時間後のいずれかで収集して、ルシフェラーゼ活性を誘導させ
、これを測定および比較した(図5A)。MISは、70nM MISを用いて
、18時間後でのみ、外因性Cyp17プロモーター/ルシフェラーゼレポータ
ーに対するその効果を発揮するようである。29時間までに、35nM MIS
は、ルシフェラーゼ活性を著しく低下させ得、そして105nM MISでは、
ルシフェラーゼ活性を、バックグラウンドレベルまで低下させた。これらの濃度
(これはTGFβファミリーの他のメンバーによる転写活性化に必要とされる濃
度と比較して高い)は、他のアッセイにおけるMIS効果に必要とされる濃度に
類似し、そしてMIS調製物の能力を試験するために用いられる器官培養バイオ
アッセイ(Racineら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA
95:594−599(1988);MacLaughlinら、Method
s Enzymol.198:358−369(1991))において、ミュラ
ー管の完全な退行に必要とされる35−nMのMIS濃度を有する。また、ホタ
ルルシフェラーゼ活性化を同時トランスフェクトしたRenillaレポーター
に対して正規化して、MISによる細胞に対する非特異的効果を除外する。MI
S調製物を試験し、そして酵素結合イムノソルベントアッセイにより、アクチビ
ンおよびTGFβを含まないことを見出したこと、ならびにTGFβをMA−1
0に添加した場合に、Cyp17駆動ルシフェラーゼ活性は、未処理細胞の活性
とは優位に異なっていなかった(データ示さず)ことに注目することもまた重要
である。
【0105】 図5Bは、1日のトランスフェクションの後のMISインキュベーションが、
3時間後にルシフェラーゼに対するわずかだが優位な効果を有し、そしてこの効
果が、18時間後に明確になることを示す。別の実験では、MA−10細胞は、
L9(pro−MISが切断されて、ホルモンの生理活性C末端部分を生成し得
ないように変異させているMISリガンドの不活化形態(MacLaughli
nら、Endocrinology 131:291−296(1992)))
と共にインキュベートした場合、同じ濃度および時間で生理活性の切断可能なM
ISに影響するようには、ルシフェラーゼ活性に影響しない(図5Bにおいて*
で示す)。L9が、CHO細胞において産生され、そして野生型MISと同じ様
式で精製されるので、本発明者らは、P450c17転写に対する効果が、MI
Sに起因し、そしておこり得る同時精製される夾雑物に起因しないと結論付け得
る。
【0106】 ルシフェラーゼ発現は、一晩のトランスフェクションの後に極大を表す。なぜ
ならば、ルシフェラーゼ活性は、3〜18時間のさらなるインキュベーションを
伴うコントロールMA−10細胞において優位に異ならないからである(図5B
)。より速くMIS効果の利点を得るために、本発明者らは、Cyp17レポー
ター構築物をトランスフェクトし、そして同じ時間でMISを添加した。図5C
に示されるように、トランスフェクションの18時間後、本発明者らは、MIS
添加で、ルシフェラーゼ活性における4倍の減少を観察した。これは、MISを
添加した1日後に観察した減少よりもかなり高い。この観察は、MISが、それ
が完全に活性化する前にCyp17プロモーター駆動レポーターの発現をより有
効に抑制し得ることを示唆する。
【0107】 ヒト男性では、誕生した1年後に、MISの発現と血清テストステロン濃度(
これは一生を通じて維持する)との間に相関関係が存在する(Bardinら、
「Androgens」,Reproductive Endocrinolo
gy,Surgery and Technology,Adashiら、編、
Lippincott−Raven,Philadelphia(1995),
505−525頁;Jossoら、Early Hum、Dev.33:91−
99(1993);Leeら、J.Clin.Endocrinol Meta
b.81:571−576(1996))。しかし、胎児期の間および周産期の
直後におけるテストステロンの最下点の後に再び、MISおよびテストステロン
レベルの両方が高くなる。出生時に、男性におけるMISのレベルは、わずかに
低いが、なお依然として、女性のレベルよりも10倍高い。人生の最初の6ヶ月
(小思春期(minipuberty))の間、血清テストステロンにおける鋭
いピークおよびMIS濃度におけるその最も高いレベルまでの緩やかな増加が存
在する。最も高いレベルは、男性における血清テストステロンの濃度が再び低点
になる最初の12ヶ月齢までに達する。精巣中毒症(testotoxicos
is)またはマックキューン−オールブライト症候群を併発するような早発思春
期症候群では、テストステロンレベルが若齢で上昇する。精巣中毒症は、マック
キューン−オールブライト症候群の原因である規定のGタンパク質共役レセプタ
ーにおける変異の活性化(これは、初期の胚発生の間の体細胞変異に通常起因す
る)により引き起こされる(Yenら、Reproductive Endcr
inology:Physiology,Pathophysiology,
and Clinical Management,Saunders,Phi
ladelphia(1999),viii839頁)。血清MISおよびテス
トステロン濃度が、正常な思春期と早発思春期との間で逆の関係にあるので、他
のものは、アンドロゲンがMIS発現を調節すると推測される(Reyら、J.
Clin.Endocrinol.Metab.77:1220−1226(1
993))。しかし、組織培養物におけるアンドロゲン調節MIS発現を刺激す
る試み(HappおよびP.K.Donahoe,未公開)は達成されておらず
、従ってこの仮説は推測のままである。
【0108】 本発明者らは、MA−10細胞によるプロゲステロン分泌に対するMISの効
果を観察した。これは、P450sccおよび3βHSDの両方についての定常
状態mRNAレベルの低下を反映した。
【0109】 Cyp17の転写コントロールによるライディヒ細胞におけるステロイド生成
のMIS調節は、発生調節を示し得るテストステロン合成のMIS媒介抑制にお
ける難問をあらわにする。胎児ライディヒ細胞は増殖し、かつ増加したアンドロ
ゲン合成を示す。これは、齧歯類におけるゴナドトロピン刺激とは無関係に、雄
性表現型の発達のために必要とされる(O’Shaughnessyら、End
ocrinology 139:1141−1146(1998);Kenda
llら、Genes Dev.9:2007−2019(1995))。本発明
者らは、これらの胎児ライディヒ細胞が、アンドロゲン合成のMIS媒介阻害に
対して不能性でなくてはならない。なぜならば、MISのレベルはまたこの時間
で高いからである。しかし、MIS過剰発現マウス(Behringerら、N
ature 345:167−170(1990))では、胎児ウォルフ管(こ
れは、精管、精巣上体、および精嚢の前駆体である)のテストステロン調節分化
の機能障害が観察された。また、インビトロでのMISとの胎児ラットライディ
ヒ細胞のインキュベーションは、テストステロン合成の抑制を生じる(Roui
ller−Fabreら、Endocrnology 139:1213−12
20(1998))。誕生後、MISレベルが高いままである場合、胎児誘導ラ
イディヒ細胞は退行をはじめ、そしてより低いレベルのアンドロゲンが結果とし
て起こる。MISレベルがそれらの再下点に達した時に、成体ライディヒ細胞が
生じ、そして思春期に間葉前駆体から増殖し(Leeら、J.Clin.End
ocrinol.Metab.81:571−576(1996);Hudso
nら、J.Clin.Endocrinol.Metab.70:16−22(
1990))、LHでの刺激の後にアンドロゲンの生成を開始する(Saez,
J.M.,Endocr.Rev.15:574−626(1994))。本発
明者らの研究で用いられるMIS調節細胞株は、初めから、この成体ライディヒ
細胞集団に由来する。この区別は、なぜライディヒ細胞(これは高レベルのMI
Sを有する環境にある)がアンドロゲンを産生し続けるのかを理解することを試
みる場合に重要である。
【0110】 MA−10細胞により分泌されるテストステロンの量は、精製されたLeyd
ig細胞によって分泌された量よりもかなり少なく(Rouiller−Fab
reら、Endocrinology 139:1213〜1220(1998
))、そしてプロゲステロンのレベルよりも有意に低いが、このことは、MA−
10細胞がテストステロンを生じないという意見を克服するものである。本発明
者らの結果は、MA−10細胞が培地中に測定可能な量のテストステロンを分泌
することだけでなく、cAMP添加によって3倍に増強され得ることも明白に示
す。MA−10細胞株のクローニングおよび特徴づけを詳述する元の報告はまた
、hCGで誘導された低レベルのテストステロン分泌を示す。MA−10細胞は
、Cyp17発現のMIS媒介阻害を理解することにおいてかなりの価値を証明
し、そしてその阻害の分子機構を理解するための本発明者らの将来の取組みにお
いて非常に有用である。
【0111】 MISシグナル伝達が、タンパク質合成の非存在下でCyp17 mRNA発
現の抑制を直接媒介したか否かを決定するための本発明者らの研究において、本
発明者は、シクロヘキサミド単独でCyp17 mRNAの発現を誘導し得るこ
とを観察した。シクロヘキサミド処理でのCyp17 mRNAの増大は、おそ
らく人為現象ではなく、通常は不安定なmRNAで観察される(Theodor
akisおよびCleveland,in Translation Cont
rol,Hersheyら編、Cold Spring Harbor Lab
oratory Press,Cold Spring Harbor,NY(
1996)pp631〜652);このことはCyp17発現の重要な成分を不
活性化するかまたは反転させるタンパク質の存在を示し得る。c−myc mR
NAの場合、mRNAの安定性は、c−myc mRNA自体の翻訳に関連して
いる。すなわち、c−myc mRNA崩壊は、その翻訳によって加速される。
シクロヘキサミドは、c−mycの翻訳をブロックし、従ってc−myc mR
NAの半減期を延長する(Yeildingら、J.Biol.Chem.27
3:15749〜15757(1998))。
【0112】 TGFβシグナル伝達機構の理解において長足の進歩がなされた。これは、T
GFβおよびレポーター遺伝子に反応する両方の細胞株(これでその反応を測定
する)の有用性によるものである。現在まで、MISシグナル伝達を研究するた
めのこのようなモデルシステムはなかった。MISによるげっ歯類Leydig
細胞のステロイド合成酵素の転写調節の証拠は、本発明者らのMISシグナル伝
達の理解における重大な進歩である。MISによる遺伝子の転写調節のこの最初
の例は、関連するMIS特異的シスエレメントおよびトランス活性化因子ならび
に上流経路(MISレポーター媒介分子事象の原因である)を分析し規定するた
めに利用され得る。
【0113】 このMISシグナル伝達経路の研究から、多数の可能性のある臨床的な意味が
広がり得る。例えば、テストステロン合成のMIS媒介下方調節におけるMIS
特異的チエックポイントは、活性化され得、そして前立腺癌および良性前立腺肥
大のような臨床設定において内因性テストステロンを低下させるために、または
性的早熟症におけるステロイドの上昇を低下させるために用いられ得る。GnR
Hレセプターを下方制御するためのGnRH長時間作用性アナログを用いる現在
の処置は、中枢性性的早熟の処置において成功した(HoffmanおよびCr
owley,N.Engl.J.Med.307:1237〜1241(198
2))。しかしこのアナログは下流改変体でありこの処置にはまだ至適とはいえ
ず、そしてMIS関連処置により増強され得る。McCune−Albrigh
t患者(理由は不明だが女性対男性の比が31)の60%以上が、Gタンパク質
調節性アデニルシクラーゼのαサブユニットにおける活性化変異に起因して、ゴ
ナドトロピン(性腺刺激ホルモン)の上昇がない状態で性ステロイドを上昇した
(Ringelら、Medicine 75:171〜184(1996))。
ゴナドトロピン依存性性的早熟のこれらの患者において、MISによるステロイ
ド産生経路における複数の酵素の抑制は、例えば、短時間では助けになるが長期
間(1〜3年)では有効性が低い、現在用いられるアロマターゼ阻害剤を増強す
るために用いられ得る(Feuillanら、N.Engl.J.Med.31
5:1115〜1119(1986);Hauffaら、Helv.Paedi
atr.Acta 42:471〜480(1987))。
【0114】 (実施例5) (MISはインビボでテストステロンを調節する) 成体雄性ラット(250g)に、hCG(50U,n=3、白抜きバー)、ま
たは50U hCGおよび1mg MIS(n=3、黒色バー)のいずれかを複
腔内投与した。18時間後、各動物から血清を収集し、そして放射免疫アッセイ
(ラジオイムノアッセイ)を用いてテストステロン濃度について試験した。結果
を表6に示す。各群の平均値を示しており、誤差バーはSEMを示す(p<0.
05)。これらのデータは、血清テストステロンがMIS投与によって低下され
ることを示す。
【0115】 (実施例6) (MISの急性投与はインビボでテストステロンを調節する) ステロイドの急性調節を研究するために、LHまたはhCG(rhMISを伴
うかまたは伴わない)を、複腔内投与によって動物に投与する。6つの時点(そ
れぞれ10匹)で、MISと一緒にまたはMISなしで、LH(25IU)を単
回注射で動物に複腔内注射する。示した時点(30分、1時間、2時間、4時間
、8時間、18時間)で血清MIS、LHおよびテストステロンの測定のために
血液を収集し、そしてRNAの調製のためおよび組織学のために精巣を回収する
。ステロイド合成酵素(SCC、3βHSD、Cyp17など)のmRNA発現
を、ノーザン分析で分析する。rhMISは、血清テストステロン濃度を抑制す
る。
【0116】 (実施例7) (MISの長期間投与はインビボでテストステロンを調節する) ステロイドの長期間調節を研究するために、LHまたはhCG(rhMISを
伴うかまたは伴わない)を、Alzet浸透圧ミニポンプによって動物に投与す
る。慢性MIS曝露の効果を1週間毎日分析する。低いテストステロンが上昇し
、次にテストステロン濃度が増大して、MIS効果を補償し、そしておそらくM
IS効果を隠すまで、LHレベルを測定する。逆に、MIS阻害性効果を観察す
るには、インビトロでのMA−10細胞のcAMP刺激と同様に、LHまたはc
AMPおよび引き続いて高いテストステロンレベルが要求され得る。LHがイン
ビボでMIS効果を補償することが見出されれば、下垂体切除したラットまたは
長時間作用性LHRHアナログで生理学的にクランプされた動物のいずれかで、
MIS処置の前に引き続く注意深く制御されたhCGまたはLH送達を用いて、
この研究を繰り返す。rhMISは血清テストステロン濃度を抑制する。
【0117】 本発明は、前述の詳細な説明および実施例において具体的に記載された以外に
も実施され得ることが明らかである。
【0118】 本発明の多くの改変および変更が上記の教示に照らして可能であり、従って添
付の特許請求の範囲の範囲内である。
【0119】 本明細書において引用した全ての刊行物(特許、特許出願、文献記事、実験マ
ニュアル、書籍、または他の文書を含む)の全開示が、参考として本明細書に援
用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、テストステロン生合成の経路を示す。21炭素のテストステロンは、
P450−scc(シトクロムP450側鎖切断)、P450c17(シトクロ
ムP450c17ヒドロキシラーゼ/リアーゼ)、3βHSD、および17KS
R(17−ケトステロイドレダクターゼ)の活性によって、27炭素のコレステ
ロール分子から合成される。
【図2】 図2は、齧歯目ライディヒ細胞におけるMISII型レセプターmRNA発現
の研究の結果を示す。総RNAを、その示される供給源から単離し、変性し、電
気泳動し、ナイロンメンブレンにブロットし、そして放射標識したMISII型
レセプターリボプローブでプローブした。このブロットを、X線フィルムに露光
し、ハイブリダイズされたmRNAの移動を検出した。示される分子量マーカー
は、λHindIII消化物の2kbのバンドの移動を表す。
【図3】 図3Aおよび3Bは、MA−10細胞のステロイド産生の分析の結果を示す。
培養培地を収集し、蓄積された総プロゲステロン(図3A)および総テストステ
ロン(図3B)についてRLAによってアッセイした;50μMのcAMPの存
在下または非存在下での105nMのMISでの処置後1日目または2日目のレ
ベルを示す。交差形態(cross morphology)は、MIS処理細
胞と未処理細胞との間で区別不能であった。以前に測定されたように(Brad
ford,M.M.,Anal Biochem.72:248−254(19
76))、MIS処理細胞と未処理細胞との間で総タンパク質含量において有意
な差異は存在しなかった。誤差俸は、SEMを表す。*P<0.05;**P<0
.001;***P<0.0001。有意性をスチューデントT検定を使用して測
定した。
【図4】 図4A〜Cは、ステロイド産生(steroidogenic)酵素のRNA
の発現のノーザン分析を示す。その示される細胞由来のステロイド産生酵素のm
RNAの定常状態レベルのノーザン分析を、その示されるプローブを用いて、「
材料および方法」に記載のように行った。ブロットを、ヒトβ−アクチンでリプ
ローブして、サンプルロードについて調節した。図4Aにおいて、R2C細胞を
、示されるように、MIS(105nM)またはビヒクルコントロールで3時間
処理した。総RNAを、インキュベーション後の細胞培養物から抽出し、そして
ノーザンブロットを、10μgの各サンプルを使用し、コントロールとして生後
30日のラット精巣RNAを用いて行った。図4Bにおいて、MA−10細胞を
、示されるように、(Bu)2−cAMP(50μM)の存在下または非存在下
で、MIS(105nM)またはビヒクルコントロールで18時間処理した。図
4Cにおいて、MA−10細胞を、示されるように、MISまたはビヒクルコン
トロールでの処置の30分前に10μM/mlのシクロヘキサミドで処理した。
【図5】 図5A〜Cは、P450c17αプロモーターのMIS調節の研究の結果を示
す。ルシフェラーゼレポーター遺伝子を使用するプロモーター/レポーターミニ
遺伝子系を用いて、P450c17α遺伝子のプロモーターを特徴付けた。図5
Aにおいて、MA−10細胞を、トランスフェクションの24時間後、ビヒクル
コントロールまたは1、4、7、35、70、105および175nMのMIS
と共に、18時間または29時間インキュベートした。細胞抽出物を、ホタルル
シフェラーゼおよびRenillaルシフェラーゼの活性についてアッセイし、
その結果を、ビヒクルコントロール値を1000相対光単位に正規化した、ホタ
ル/Renilla値として示す。図5Bにおいて、細胞を、トランスフェクシ
ョン後24時間で開始してその示される時間の間、ビヒクルコントロールまたは
105nM MISと共にインキュベートした。細胞をまた、不活性なL9非切
断変異体MISと共に18時間インキュベートした(アスタリスクで示す)。細
胞抽出物をルシフェラーゼ活性についてアッセイし、そして結果を、18時間の
ビヒクルコントロール値を1000相対光単位に正規化した、ホタル/Reni
lla値として示す。図5Cにおいて、細胞を、トランスフェクションの開始時
に105nMのMISで処理し、その示される時間の間、インキュベートした。
細胞抽出物をルシフェラーゼ活性についてアッセイし、そして結果を、18時間
のビヒクルコントロール値を1000相対光単位に正規化した、ホタル/Ren
illa値として示す。誤差俸は、SEMを表す。
【図6】 図6は、インビボでのテストステロン濃度のMIS調節の研究の結果を示す。
成体雄性ラット(250g)に、hCG(50U、n=3、白俸)または50U
のhCGおよび1mgのMIS(n=3、黒俸)のいずれかを、腹腔内投与した
。18時間後、血清を各動物から収集し、そして放射免疫アッセイを使用してテ
ストステロン濃度について試験した。各群における平均値を示す。誤差俸はSE
Mを表す。p<0.05。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 13/08 A61P 15/00 15/00 15/08 15/08 35/00 35/00 A61K 37/24 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN,YU, ZA,ZW (72)発明者 ティセイラ, ホセ アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02118, ボストン, ウエスト コンコ ード ストリート 116 (72)発明者 フィン−トンプソン, エリック アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02115, ボストン, アベニュー ルイ ス パストゥール 107 Fターム(参考) 4C084 AA02 AA03 AA07 AA13 AA17 BA44 DB01 DB70 MA13 MA17 MA24 MA32 MA35 MA37 MA38 MA52 MA56 MA57 MA59 MA63 MA65 MA66 NA14 ZA812 ZB262 ZC032 ZC412 4C086 AA01 AA02 AA03 EA16 MA01 MA04 MA13 MA17 MA24 MA32 MA35 MA37 MA38 MA52 MA56 MA57 MA59 MA63 MA65 MA66 NA14 ZA81 ZB26 ZC03 ZC41 4C087 AA01 AA02 BC83 CA09 CA12 CA20 MA13 MA17 MA24 MA32 MA35 MA37 MA38 MA52 MA56 MA57 MA59 MA63 MA65 MA66 NA14 ZA81 ZB26 ZC03 ZC41

Claims (30)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1以上のアンドロゲンの過剰によって特徴付けられる状態ま
    たは疾患を処置する方法であって、該方法は、患者に有効量のMISを投与する
    工程を包含する、方法。
  2. 【請求項2】 前記1以上のアンドロゲンが、テストステロンである、請求
    項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記MISが、約140kDaまたは約70kDaの分子量
    を有する、請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記MISが、MISのC末端フラグメントである、請求項
    1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記C末端フラグメントが、約25kDaまたは約12.5
    kDaの分子量を有する、請求項3に記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記状態または疾患が、多嚢胞性卵巣疾患および性的早熟か
    らなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記状態または疾患が、多嚢胞性卵巣疾患である、請求項6
    に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記状態または疾患が、性的早熟である、請求項6に記載の
    方法。
  9. 【請求項9】 1以上のアンドロゲンの過剰によって特徴付けられる状態ま
    たは疾患を処置する方法であって、該方法は、MISをコードする有効量の核酸
    を患者に投与する工程を包含する、方法。
  10. 【請求項10】 前記1以上のアンドロゲンが、テストステロンである、請
    求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記MISが、約140kDaまたは約70kDaの分子
    量を有する、請求項9に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記MISが、MISのC末端フラグメントである、請求
    項9に記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記C末端フラグメントが、約25kDaまたは約12.
    5kDaの分子量を有する、請求項12に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記状態または疾患が、多嚢胞性卵巣疾患および性的早熟
    からなる群より選択される、請求項9に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記状態または疾患が、多嚢胞性卵巣疾患である、請求項
    14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記状態または疾患が、性的早熟である、請求項14に記
    載の方法。
  17. 【請求項17】 1以上のアンドロゲンの血漿レベルを低下させる方法であ
    って、該方法は、有効量のMISを患者に投与する工程を包含し、該量のMIS
    は、該1以上のアンドロゲンの血漿レベルを、該1以上のアンドロゲンの正常レ
    ベル未満に低下させるに十分である、方法。
  18. 【請求項18】 前記1以上のアンドロゲンが、テストステロンである、請
    求項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記MISが、約140kDaまたは約70kDaの分子
    量を有する、請求項17に記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記MISが、MISのC末端フラグメントである、請求
    項17に記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記C末端フラグメントが、約25kDaまたは約12.
    5kDaの分子量を有する、請求項20に記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記患者が、良性前立腺肥大を有し、そして前記MISの
    投与の結果として、該肥大の程度が減少される、請求項17に記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記患者が、前立腺癌を有し、そして前記MISの投与の
    結果として、該癌の進行が停止するかまたは遅くなる、請求項17に記載の方法
  24. 【請求項24】 1以上のアンドロゲンの血漿レベルを低下させる方法であ
    って、該方法は、MISをコードする有効量の核酸を患者に投与する工程を包含
    し、該量のMISは、該1以上のアンドロゲンの血漿レベルを、該1以上のアン
    ドロゲンの正常レベル未満に低下させるに十分である、方法。
  25. 【請求項25】 前記1以上のアンドロゲンが、テストステロンである、請
    求項24に記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記MISが、約140kDaまたは約70kDaの分子
    量を有する、請求項24に記載の方法。
  27. 【請求項27】 前記MISが、MISのC末端フラグメントである、請求
    項24に記載の方法。
  28. 【請求項28】 前記C末端フラグメントが、約25kDaまたは約12.
    5kDaの分子量を有する、請求項27に記載の方法。
  29. 【請求項29】 前記患者が、良性前立腺肥大を有し、そして前記核酸の投
    与の結果として、該肥大の程度が減少される、請求項24に記載の方法。
  30. 【請求項30】 前記患者が、前立腺癌を有し、そして前記核酸の投与の結
    果として、該癌の進行が停止するかまたは遅くなる、請求項24に記載の方法。
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