JP2003509352A - 粘膜を介して投与される組成物 - Google Patents

粘膜を介して投与される組成物

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、水、水溶液又は極性液体の溶液の層と交互になっている両親媒性物質に基づく同軸二層の積層によって形成される内部液晶構造を有するタマネギ状構造を有する多層小胞であって、その中に少なくとも1つの抗原が組み込まれる多層小胞の、粘膜を介する投与用の組成物、さらに詳しくは、医薬組成物、特にワクチン組成物の製造における、粘液性応答及び/若しくは全身性セリック(seric)応答を誘発する、並びに/又は、上記抗原が原因となる感染から生物を保護するための粘液を介する投与における新規使用に関する。本発明は、また粘液を介するワクチンの方法、及び、抗体、特にIgAを製造する方法に関する。詳しくは、本発明は、経鼻投与へ適用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、粘膜を介して投与される新規組成物に関する。より詳しくは、本発明
は、医薬組成物、特に粘膜を介して投与されるワクチン組成物に関する。 また本発明は、抗体、特にIgAを産生する方法に関する。
【0002】 いくつかの定義を以下に示す:粘膜を介する投与 : 粘液性部位、例えば: ・鼻咽腔領域 ・口内領域 ・気管支樹状構造 ・腸 ・尿生殖路 ・内耳 ・結膜 ・乳腺、唾液腺、涙腺 への抗原の非侵襲性投与。 粘液関連リンパ様組織(MALT)の種々の構成要素のうち、いくつかの導入経
路は、利用しやすく、許容されやすい:鼻腔、口内、胃腸、直腸および膣。 粘液性応答: IgA(粘膜における高濃度のアイソタイプ)およびIgGの産
生を特徴とする粘膜における免疫系の応答、および/又は粘液性部位およびリン
パ節における細胞応答。全身性応答 : 循環抗体(IgGおよびIgA)の存在によって生じる全身化し
た免疫系の応答、および/又は二次リンパ様器官(脾、節)における細胞応答(
Tヘルパー又はCTL)。応答の播種 : 投与部位において誘発されたリンパ細胞の循環および再局在化に
よる、導入に使用された区画以外の区画における粘液性応答の誘発(例えば、鼻
腔投与後の膣IgA)。補助剤 : 抗原の特異的免疫応答を増強し、方向づけする(orientate
)ために抗原に添加される物質。 合成ベクター/ベクトリゼーション: 抗原を保護し、および/又は免疫系の適応
細胞によるそれの捕獲を促進し、および/又は該細胞による抗原の授与を促進し
、および免疫応答を増強するための、粒子又は小胞(vesicle)の中への
又はその上への抗原の導入。遊離抗原への空のベクターの添加は、増強をほとん
ど生じないか、又は生じない。
【0003】 最近まで、ワクチンは、死んだ、弱毒化した、又は低毒性の微生物から製造され
てきた。現在の医薬工業は、投与における安全性および有効性の理由から、その
ような方法を避け、副作用を制限し、製造を容易にすることを要請している。 分子生物学が進歩したことによって、そのような微生物のサブユニット、特に、
組み換えタンパク質と称されるタンパク質、膜、核又は細胞質タンパク質が工業
生産されるようになった。遺憾なことに、そのようなサブユニットは、ワクチン
接種に充分な応答を与えるのにそれ自体で充分に免疫原性でない。 それらは、充分な応答を誘発させるために、補助剤を添加するか又はベクトラ
イズ(vectorize)しなければならない。 現在、ヒト医薬に許容される補助剤は、水酸化又は燐酸アルミニウムおよび燐酸
カルシウムだけである。これらの塩は、その表面に抗原を吸着するアルミニウム
又はカルシウム塩の粒子(grains)の懸濁液の形態である。それらは多く
の短所を有する:それらは局所炎症応答およびIgEの産生を誘発し、それらは
全ての抗原に有効であるわけではなく、それらはCTL型細胞媒介応答を生じる
ことができない。従って、それらは現在まで粘膜を介する投与に使用されていな
い。 粘液性表面は極めて重要であり、何故なら、第一にそれらは全ての管に存在し、
第二に病原性物質の侵入に対する防御の第一線であるからである。 粘液性表面は、先天性又は非適応性防御機構(蠕動、繊毛運動および粘液)、お
よび他のリンパ様器官に全身化しうる病原性物質に特異的な細胞免疫応答および
適応性体液応答を誘発することによって、保護されている。粘液関連リンパ様組
織(MALT)は、特定要素に関与する。 これに関して、粘膜を介するワクチン接種は重要な利点を有する。
【0004】 現在、ポリオを除く全てのワクチンは注射性であり、これは以下のことを含む: ・メディカリゼーション(medicalization) ・低許容性 ・不快(熱、注射部位痛など) ・汚染のリスク(HIV、肝炎) ・発展途上国における高コスト 粘膜を介する投与は、種々の理由から有利である: ・注射用ワクチンと比較して製造条件がそれほど厳しくない故に、製造コストを
低くすることができる; ・前記の注射に関連する課題を解決する非侵襲性。 このために、以下のことが必要である: ・粘液性投与部位において免疫を与えて、特異的応答の力によって粘液性バリヤ
ーを強化し、粘膜(呼吸器、生殖器など)を介して伝染しうる感染に役立ち; ・簡単な投与後に、全身性免疫および効果的な全身化応答を生じ; ・副作用を生じない(局所刺激)。
【0005】 粘膜免疫学についてのかなり詳しい説明は、“Handbook of Muc
osal Immunology”,Pearay Ograら発行、Acad
emic Press, Inc., San Diego, Califor
nia, USAに記載されている。 病原性物質に対する保護に関して有効な粘液性および全身性応答を誘発しうる新
規補助剤およびベクターを開発しようとする多くの努力および研究がなされてい
る。種々の研究は、生きた組み換えベクター(弱毒化した細菌又はウイルス)、
合成ベクター(「免疫刺激複合体」という略語のイスコム(iscoms)とし
ても既知の免疫刺激複合体、リポソーム、中心体など)、又は微生物毒素(コレ
ラ毒素(CT)、又は熱不安定性大腸菌毒素(LT))の使用に関する。しかし
、これらの研究の大部分はまだ開発段階であり、大部分の配合物は以下の短所を
有する: ・高毒性(STおよびLT)、従ってヒトに適用できない; ・製造が難しい(中心体); ・低安定性(リポソーム); ・低有効性(リポソーム)。
【0006】 多くの特許は、種々の系によってベクトライズされるか又は補足される抗原の
、粘膜を介する投与に関する。下記の特許を引用することができる: ・ヨーロッパ特許EP−A−0 440 289(Duphar)。該特許は
、インフルエンザに対するワクチン接種用の抗原と混合したリポソームの使用を
開示している。脂質は補助剤として作用し、抗原をエンプティリポソームと即時
混合した場合に同じ結果が得られる; ・国際特許出願WO−A−98/10748(The School of
Pharmacy)。注射又は粘膜を介する投与の場合にカチオンリポソームを
使用する。 ・米国特許US−A−5 679 355(Proteus)。非経口投与又
は粘膜を介して(特に経口)投与することができるノニオン小細胞を開示してい
る。 さらに、多くの科学文献は粘膜抗原ベクターとしてのポリマー微粒子の使用を
開示している。該文献の詳しい説明はD.T.O‘HAGAN, Adv. D
rug. Deliv. Rev., 34 (1198), 305−320
に記載されている。 しかし、前記のいずれの技術も商業的に利用できる製品に到達していない。従
って、抗原授与法をさらに改善する必要があり、新規補助剤又は抗原ベクターの
開発がワクチン工業において現在も緊急に要請されている。 タマネギ状構造を有する多層小胞等、小胞、両親媒性分子の分子配列によって
形成される球体は、多くの研究の基礎をなし、いくつかの特許を得ている(WO
−A−93/19735、WO−A−95/18601、WO−A−97/00
623、WO−A−98/02144、WO−A−99/16468)。それら
は、以下の点でリポソームと区別される: ・熱力学的平衡における層状相から開始するそれらの製造法; ・水又は水溶液又は極性液体(例えばグリセロール)の溶液の層と交互になる
両親媒性化合物の同軸二層の規則的積層によって形成される、それらの内部液晶
構造; ・単独か又は混合物として使用される、それらを構成するのに使用し得る両親媒
性分子の種々の性質。
【0007】 国際特許出願WO−A−99/16468は、抗原を組み込むタマネギ状構造
を有し、その抗原への免疫応答を増強することができる小胞を開示している。タ
マネギ状構造を有する多層小胞への抗原の組み込み(該特許において封入とも称
される)を最初に開示している該国際特許出願の実施例は、そのような封入が、
タマネギ状構造を有する多層小胞に封入された抗原の非経口投与の間に免疫応答
を実質的に増強しうることを明確に示している。 本願発明者らは、WO−A−99/16468に開示されている種類の組成物
の粘膜を介する投与、特に鼻腔投与は、種々の粘液性部位だけでなく、全身区画
においても免疫応答を誘発することを見い出した。この応答は、免疫グロブリン
A(IgA)の誘発を特徴とする。そのような結果はWO−A−99/1646
8において全く明らかではなく、何故なら、該出願の実施例で注射を行った条件
において、封入形態においてさえ、抗原は検出し得るIgA応答を誘発しなかっ
たからである。 細胞成分に関係する免疫グロブリン(Ig)又は抗体(Ab)は、病原体に向か
う免疫応答における本質的主役である。Igは、抗原に関し高特異性のタンパク
質である。 種々の抗体が分類されており、それらは、それらの誘発の仕方、それらの局在性
およびそれらの機能(認識、毒活性又は酵素活性の中和)によって識別される。
血液区画においては、産生されるIgの大多数は循環IgG(種々のサブクラス
に再分される)であり、IgAおよびIgEは極めて少数に維持される。これに
対して、粘膜における多数のアイソタイプはIgAであり、これは粘液性リンパ
様系のIgA形質によって産生され、粘膜上皮によって活発に分泌される。
【0008】 IgAは特異抗体であり、病原体に絶えず暴露される粘液性表面を保護するよう
に適応される。それらは、それらの生化学構造(グリコシル化、重合、分泌片)
の故に微生物によって分泌されるプロテアーゼの作用に抵抗する故に、および、
他のアイソトープと対照的に定活性化状態においてそれらの区画における炎症応
答を制限する故に、適応される。それらは多くのレベル:分泌、病原体との結合
、毒素の作用および病原体の侵入の中和による制限、において作用し、および、
それらはトランスシトシス(transcytosis)の間に上皮において、
又は固有層において作用することもできる故に、特異化される。従って、それら
は、非特異的機構と関連して病原体の侵入を制限する本質的活性バリヤーを生じ
る。
【0009】 当然であるが、細胞毒性および特異性応答が抗体応答と組み合わさって、病原
体を除去する。局所応答が充分でない場合、全身性応答を誘発する。 粘液性免疫系の1つの極めて興味ある特徴は、粘液性部位において誘発される
BおよびTリンパ細胞の再循環、および、他の路(tracts)に特異的応答
を伝達する誘発部位以外の部位におけるそれらの可能な定着である。この現象は
、ワクチン接種に関して極めて重要である。 粘液性免疫応答の誘発のメカニズムは解明されていないが、抗原の非経口投与(
補助剤を使用するか又は使用しない)によって、および抗原の粘液性投与によっ
てさえ、粘液性応答を誘発することが極めて困難な場合が多い。実際に、抗原の
非経口投与は、IgG型の特異的循環抗体を誘発させる。この注射型は、粘液性
区画において(全身性区画においても)IgAを誘発することができない。非経
口ワクチン接種は、例えば多くの呼吸器又は生殖器感染と闘うのに必要な自然局
所防御を強化しないことは極めて明らかである。
【0010】 これらの理由から、WO−A−99/16468の開示に照らしてさえ、粘膜(
鼻腔)を介して投与された同じ小胞に組み込まれた同じ抗原が、他の経路による
前記の結果を確かなものにする全身性応答(血清中のIgG)だけでなく、粘液
性部位における応答も誘発することは極めて驚くべきことである。タマネギ状構
造を有する小胞への抗原の組み込みは、投与部位につながる区画(気管支−肺)
だけでなく、生殖器分泌物において優位な他の粘液性区画においても、IgAを
産生させる。さらに、例として使用されるヒト血清アルブミン(HSA)は極僅
かに免疫原性の抗原であり、該抗原は、小胞に組み込まずに単独で鼻腔投与した
場合に、粘液性又は全身性にかかわらずどのような応答も誘発することができな
いことに注目すべきである。 さらに、非経口投与と比較して、粘膜を介する投与は、粘膜への抗原の負荷(l
oading)、従って抗原の透過を必要とし、これは、非特異的防御メカニズ
ム(繊毛運動、粘液)にうち勝ち、粘膜又は粘膜表面に存在する酵素に抵抗する
のに最適な方法で、抗原を与えなければならないことを意味することに注目すべ
きである。これらのパラメーターは、粘膜を介する投与の間に、小胞の構造によ
って最適化されると考えられる。粘膜を介する投与における小胞のこれらの機能
は、非経口投与の間には必ずしも存在せず、非経口投与においては、免疫系の細
胞による捕獲に有利な領域に注射が直接的に到達する。 従って、粘膜を介する投与によって観察される結果は、非経口投与によって得
られる結果の単純な推定ではなく、タマネギ状構造を有する小胞の新規特徴を示
すものである。
【0011】 本願発明者らは、国際出願WO−A−99/16468に開示されている抗原を
組み込む小胞と同じ小胞が、遊離抗原を投与する場合よりかなり強い免疫応答を
生じることを見い出した。さらに、粘液性投与によって応答を誘発しないある種
の抗原については、タマネギ構造を有する多層小胞にそれらを組み込んで投与す
ることによって、顕著な応答を誘発することができる。最終的に、誘発応答は、
粘液性区画(粘液性応答)において局所的にだけでなく、血液循環(全身性セリ
ック(seric)応答)においても見られる。 さらに、これらの多層小胞は、無害であることが知られている生物学的適合性の
成分から製造される。さらに、製造方法は簡単であり、一般的に使用される化学
装置を必要とするだけである。該方法が初めに熱力学的に平衡な層状相を使用す
ることは、該方法に優れた再現性を付与し、得られる小胞は極めて安定性である
【0012】 第一の本質的特徴において、本発明は、水、水溶液又は極性液体の溶液の層と交
互になる両親媒性物質に基づく同軸二層の積層によって形成される内部液晶構造
を有するタマネギ状構造を有する多層小胞であって、その中に少なくとも1つの
抗原が組み込まれる多層小胞の、粘膜を介する投与用の組成物、特に医薬組成物
、特にワクチン組成物の製造における使用に関する。 「封入される」という語句より好ましいと我々は考える「組み込まれる」とい
う語句は、抗原が、小胞によって構成される独立体の一体部分を形成することを
意味する。実際に、抗原の分子は、該小胞の中心と周囲の間のあらゆる層に見ら
れる。 下記の詳細な説明および実施例から明らかなように、本発明に使用される医薬組
成物は、粘液性応答および/又は全身性セリック応答を誘発するための粘液性ワ
クチンの製造を可能にする。 実施例から明らかなように、該ワクチンを、粘膜を介して投与した場合に、先に
定義したタマネギ状構造を有する抗原を組み込む小胞は、ヒトおよび動物におい
て抗体の産生を誘発する。
【0013】 前記のように、本発明の1つの利点は、IgAおよびIgGの存在を特徴とす
る抗体の極めて高い産生を誘発することである。これは、抗原に特異的なIgA
およびIgGを運ぶリンパ細胞の頻度の増加を意味する。従って、該組成物は、
次に細胞融合に使用されてモノクローナル抗体を産生することができる抗原特異
的Bリンパ細胞の活性化および分化の目的で使用することができる。実際に、投
与部位から出る節に多量に存在する特異的リンパ細胞を、非分泌骨髄腫との融合
によって固定することができ、その結果、モノクローナル抗体を分泌するハイブ
リドーマを生じる。 抗体応答を単純化し増加させるその能力は、抗体、特にポリクローナルIgA、
従来の操作法において産生するのが困難なアイソタイプ、又はポリクローナルI
gGの産生にも、本発明を使用しうることを意味する。これらの抗体は、非治療
目的、例えば、研究、特に生物学的又は免疫学的研究に使用することができる。
抗体試料採取および精製法は当業者に既知である。 従って、本発明は、抗体、特にIgAを産生する方法にも関する。
【0014】 さらに、本発明の組成物は、粘膜を介して投与した場合に、該組成物に組み込ま
れた抗原が関与する感染に対して生物体の保護を誘発することが示された。 さらに本質的な特徴において、本発明は、粘膜を介するワクチン接種によるヒト
又は動物体の治療方法にも関し、該方法において、水、水溶液又は極性液体の溶
液の層と交互になる両親媒性物質に基づく同軸二層の積層によって形成される内
部液晶構造を有するタマネギ状構造を有し、少なくとも1つの抗原がそれに組み
込まれる多層小胞を含有する組成物を投与する。 以下の説明および実施例から明らかなように、前記のタマネギ状構造を有する小
胞に抗原が組み込まれる本発明の組成物は、粘膜を介して投与した場合に、粘液
性免疫応答を生じ、一般的な粘液性リンパ様組織を刺激し得ることが示された。
そのような能力は、粘液指向性を有する侵襲性病原体に対抗するワクチン接種潜
在性を有する抗原に関して、特に重要であることが示された。 粘液性応答および全身性応答の両方を誘発する二元的能力は、免疫を簡単化し、
一方、微生物接近に対して防御する粘液性応答、および、より播種化か又は全身
化された感染に対して防御する全身性応答など、多くの最前線において安全性(
immunity)を与えるので、ワクチン接種において極めて興味深い。
【0015】 さらに、本発明に関して得た結果は、本発明は、抗体応答を増強するだけでなく
、感染に対して保護効果を有する免疫応答も生じ得ることを示す。従って、本発
明は抗体産生およびワクチン接種の両方に適用し得る。 得られた結果は、粘膜を介して投与された、特に鼻腔投与された小胞を使用して
、粘液性区画における抗体応答を誘発するか又は増幅し、この応答を、投与部位
からさらに離れた他の部位に播種し、全身性応答を生じ得ることを確認するもの
である。
【0016】 本発明に使用される小胞の直径は一般に0.1マイクロメートル(μm)〜25
μm、好ましくは0.2μm〜15μmである。 より正確には、本発明に使用される小胞は、水性又は極性相の層と交互になる両
親媒性物質の複数の層によって構成するのが好ましい。これらの層のそれぞれの
厚みは、一般に5ナノメートル(nm)〜10nm程度の分子である。十〜数十
の層の積層については、0.1μm〜数十マイクロメートルの直径が得られる。
これは実験的に観察され、小胞は、最も小さい層についての未解像点(inte
solved points)として、又は最も大きい層についての複屈折球体
(spheres)として、光学顕微鏡(それらの複屈折の故に、より良好なコ
ントラストを与える偏光において)で観察できる。サイズのプロフィールは、レ
ーザー粒度計を(スタティック(static)レーザービーム拡散を使用し、
複数の角度で分析する)使用して検査することができる。一般に、0.1μm〜
25μmの数値に集中するガウスプロフィールが得られ、製法の所定の操作条件
において所定の配合物に関して大きさの僅かな不均質性を示す。 前記のように、抗原を組み込む小胞は、多層タマネギ状構造を有し、液体媒体に
よって分離される板状層(lamellar layers)の連続によって、
その中心からその周囲に構成される。これらの小胞は、層状液晶相を製造し、剪
断応力の適用によってそれを変換させる(transformation)こと
を含んで成る方法によって得られる。そのような方法は、引例として本願に包括
されるフランス特許FR−A−2 689 418から優先権を主張するWO−
A−93/19735又はWO−A−95/18601に特に開示されている。
【0017】 フランス特許FR−A−2 689 418において、この変換は、液晶相に
ついての均質剪断工程の間に行うことができ、これによって調節された大きさを
有するマイクロカプセルとしても既知の小胞を製造する。しかし、層状液晶相の
配合、特に、組成物の界面活性剤形成部分の性質を調節することによって、特に
成分を混合する際に、簡単な機械的応力によって液晶相を小胞に変換することが
できる。 そのような小胞は、特に、種々の界面活性剤を使用することができる特に簡単
な製造法によって製造し得るという利点も有する。 ここでもまた本発明に使用されるタマネギ状構造を有する小胞の製造法に本質的
に関係する他の利点は、小胞を形成する前に有効成分および添加剤を組み込むこ
とであり、これは、高い封入歩留まり、従ってより高い有効性を与え、全ての高
価な分子のコストを下げる。
【0018】 そのような構造は、少なくとも1つの界面活性剤を含んで成る層状液晶相に少
なくとも1つの抗原を組み込み、次に、この層状液晶相を小さい多層小胞の緻密
相に変換することによって得るのが有利である。 従って、少なくとも1つの抗原を組み込む液晶層状相を製造し、剪断応力を適
用して該液晶相を多層小胞に再配列(rearrange)する方法を使用して
、本発明に使用される小胞を得ることができる。 この剪断応力は、充分に均質な小胞を生じるという利点を有する均質剪断応力
であることができる。しかし、簡単な機械撹拌でも本発明の多層小胞を形成する
のに充分である。 抗原は、感染性病原性生物、寄生体又は微生物(酵母菌、菌類、細菌又はウイル
ス)のような外因性であるか又は内因性の自然起源(自己免疫疾患又は癌)であ
るかにかかわらず、それに対して免疫応答が必要とされるどのような分子である
こともできる。
【0019】 特に、以下のものから成る群から選択される抗原であることができる: ・グリコシル化されているか又はされていないタンパク質、特に抽出又は組み
換えタンパク質; ・ペプチド; ・リポペプチド; ・多糖; 又は複数のこれらの成分の混合物であってもよい。 タマネギ状構造を有する多層小胞は、前記の方法、特に国際特許出願WO−A−
99/16468に記載の方法によって製造される。それらの製造に使用される
両親媒性分子は、薬局方に記載されているか又は、粘膜に適用される薬剤に既に
使用されている分子から選択されるがこれは強制的ではない。
【0020】 有利な実施態様によれば、本発明の組成物に含有される小胞の膜は、下記のもの
から成る群から選択される少なくとも1つの界面活性剤を含有する; ・水素化されているか又はされていない燐脂質; ・酸又はアルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩又はアミンの形態の、直鎖又は
分岐鎖、飽和又はモノ−若しくはポリ−不飽和C〜C30脂肪酸; ・該脂肪酸、および ・サッカロース; ・ソルビタン; ・マンニトール; ・グリセロール又はポリグリセロール; ・グリコール; のエトキシル化されているか又はされていないエステル ・該脂肪酸のモノ−、ジ−若しくはトリグリセリド又はグリセリドの混合物; ・エトキシル化されているか又はされていない直鎖又は分岐鎖、飽和又はモノ−
若しくはポリ−不飽和C〜C30脂肪アルコール; ・該脂肪アルコール、および ・サッカロース; ・ソルビタン; ・マンニトール; ・グリセロール又はポリグリセロール; ・グリコール; のエトキシル化されているか又はされていないエーテル ・水素化されているか又はされていないポリエトキシル化植物油; ・ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンとのブロックポリマー(ポロキサ
マー); ・ポリエチレングリコールヒドロキシステアレート; ・コレステロール又はシストステロールのようなステロール骨格を有するアルコ
ール; ・スフィンゴリピッド; ・ポリアルキルグルコシド; ・ポリエチレングリコールとアルキルグリコールとのコポリマー(例えばAKZ
O NOBELからのELFACOS系); ・ポリエチレングリコールおよびポリアルキレングリコールのエーテルのジ−又
はトリ−ブロックコポリマー(例えばICIからのARLACELL系)。
【0021】 任意補助界面活性剤(単独か又は混合物として使用することができる)をこれら
の界面活性剤に添加して、小胞を形成する膜の剛性および緊密性(tightn
ess)を改善することができる。そのような分子の例は以下のものである: ・コレステロールおよびその誘導体、特に、コレステロールサルフェートのよう
な荷電又は中性コレステロールエステル; ・ステロール骨格を有する他の誘導体、特に、植物起源の誘導体(シトステロー
ル、シグマステロールなど); ・セラミド。 配合物は、界面活性剤分子の混合物を含有するのが有利である。一般に、少な
くとも2種類の界面活性剤を種々の親水性−親油性バランスで使用し、それによ
って二層特性の連続的調節が可能になり、不安定性の出現を調節することができ
、それによって多層小胞の形成を管理する。 前記の界面活性剤から、相対的に異なる特性、特に、異なる親水性−親油性バラ
ンス(HLB)を有する2つの界面活性剤を選択するのが有利である。第一界面
活性剤は、1〜6、好ましくは1〜4の親水性−親油性バランスを有し、第二界
面活性剤は、3〜15、好ましくは5〜15の親水性−親油性バランスを有する
のが有利である。
【0022】 次に、層状液晶相の多層小胞への変換後に得られる製剤を、特に緩衝液、塩水
又は生理的溶液のような水性溶媒で希釈して、小胞の水性懸濁液を得る。 本発明に使用される封入法は、100%にもなり得る極めて高い封入歩留まり
を容易に達成することができる。しかし、そのような歩留まりは、考えられる用
途の機能に必ずしも必要でない。 本発明の組成物における抗原の封入歩留まりは、50%以上、好ましくは80
%以上であるのが有利である。 小胞の構造は、特に有利な結果を得ることに関係し、本発明の多層小胞は、抗原
が抗原授与細胞(APC)に損なわれずに到達することを可能にし、これらの細
胞による抗原の捕捉を助けると考えられる。従って、本発明の小胞の機能は、免
疫系による抗原の捕捉をベクトライズし、保護し、向上させることであると考え
られる。
【0023】 該方法の特に有利な点は、多糖(アルギネート、キトサンなど)のような天然
又は人工ポリマーをこの配合物に添加して、小胞の個体性を増加し、投与部位又
は生物体に小胞をより長く留めることができるようにし、それによって長時間に
わたって抗原を送達する。これらのポリマーは、小胞に組み込むか、又は被膜の
形態で小胞の周りに付着させることもできる。この場合、ポリマーマトリックス
で被覆した小胞から形成した小胞又は粒子の直径は、小胞だけの直径より大きく
なる。これらのポリマーを任意に架橋して、それらの個体性をさらに増加するこ
ともできる。 さらに、これは該方法をさらに有利にし、免疫応答の増強および指向性を強化
する内因的特性を有する免疫調節分子(キトサン、インターロイキンなど)を添
加することによって配合を仕上げることができる。 抗原を組み込む小胞は、第一段階において層状相を製造することを含んで成る方
法によって製造するのが有利である。これは、各成分の相溶性によって当業者に
よって決められる順序で成分を単に混合することによって得られる。ある種の糊
状成分又は固体成分を加熱して、それらの組み込みを容易にすることが必要な場
合もある。その場合、混合が終了した際に抗原を添加して、抗原を高すぎる温度
に暴露しないようにするのが好ましい。抗原又はその水溶液を除く全ての成分の
混合物を保存混合物の形態で製造し、層状相を製造するのに必要とされる際にそ
れを使用することもできる。水溶液は、その生物学的相溶性を確実にする種々の
成分、特に緩衝剤混合物、および種々の抗原を含有することができる。次に、そ
のようにして製造した層状相を剪断応力(0〜1000s−1)で所定時間(0
〜60分間)にわたって調節する。
【0024】 多くの場合、剪断応力は、混合を行う装置の作動によって直接的に得られる。
極めて少量の場合、エッペンドルフ型試験管内でミクロスパチュラを使用して配
合物を混合することによって手で得られる。 次に、剪断した層状相を、層状相の製造の間に使用したのと同じでもよい最終
媒体、一般に水又は緩衝液に分散する。この分散液は、一定撹拌しながら層状相
に媒体をゆっくり添加することによって周囲温度(20℃〜25℃)で製造する
のが有利である。 生薬配合物を製造するために防腐剤および任意の他の添加剤を配合物に添加す
ることができる。 層状のタマネギ状構造を有する小胞に組み込まれた少なくとも1つの抗原を含ん
で成る前記の組成物は、全て、粘膜を介する投与、特に鼻腔投与に使用すること
ができ、粘液性および/又はセリック全身性応答を誘発しうるという利点を有す
る。 下記の実施例Iは、HSAでのそのような作用を明らかに示している。
【0025】 この実施例に付随する図1および図2は、本発明の組成物(グループI)の鼻腔
投与後に、種々の粘液試料(図1)および動物血清(図2)から得た結果を、同
じ抗原が遊離している組成物(グループII)、又は空の同じ小胞を含有する組成
物(グループIII)の投与によって得た結果と比較して示す。 実施例IIは、FHAの免疫化の方法を示している。この実施例で得た結果を、
図3、図4および図5に示し、各図は以下のことを示す: ・図3: 種々の粘液性部位における抗体応答: ・図4: 血清における抗体応答; ・図5: Bordetella pertussisに感染させたマウスに
おける肺の細菌負荷。
【0026】 実施例 実施例1: HSA−特異抗体の製造 I. ヒト血清アルブミン(HSA)を含有する小胞の製造
【0027】
【表1】
【0028】操作手順 60分間にわたって紫外線照射して成分を滅菌した。容器および付属物(スパ
チュラ、攪拌器など)を使用の直前に火炎滅菌した。 成分1〜5を不特定順序でピルメーカーに導入し、極めて勢いよく電磁撹拌し
ながら60分間で80℃に加熱した。成分3および4の全溶解を顕微鏡で確認し
た。 成分1〜5の混合物の所望量を、滅菌した1.5mLのエッペンドルフ試験管
に周囲温度で導入し、次に、成分6および7を添加した。滅菌針を使用して全体
を均質化し、次に、4℃で一晩置いた。 次に、配合物を滅菌PBS 1×に33.33%に分散した。 II.免疫化プロトコル 本発明の小胞の効果を試験するために、6〜8週のBALB/c雌マウスに、
下記の種々の製剤を2回(D0およびD30)鼻腔投与した。鼻腔投与は、溶液
、Ketamine、ValiumおよびAtropineの混合物によるマウ
スの麻酔を必要とした。最後の免疫化から1ヶ月後に、マウスを犠牲にし、血清
を採集し、粘液性分泌物の試料を採取し、但し、膣洗浄物(vaginal l
avages)は、実験の終了前の3日間にわたって生きたマウスから採取した
免疫化グループ マウスを4つのグループI〜IVに分け、グループIVは対照グループ(非免
疫化マウス、ナイーブ(naive)マウスとしても既知)を構成し、他のグル
ープは下記製剤を使用して前記の免疫化プロトコルに付した。 ・グループI ・封入HSA: 鼻孔につき、HSAを組み込んだ本発明の小胞20μL、マウ
ス1匹につき80μgのHSAに相当; ・グループII: ・HSA: 鼻孔につき、HSAを組み込んだ本発明の小胞20μL、マウス1
匹につき80μgのHSAに相当; ・グループIII: ・空の小胞: 鼻孔につき、空の本発明の小胞20μL。
【0029】分泌物試料採取 全ての試料を、冷溶液(4℃)に採取し、採取すると共に氷に入れてタンパク
質分解酵素による分解を制限した。 気管支−肺胞洗浄物 プローブを使用してマウス気管にカニューレを挿入し、750μlのPBSを
ゆっくり注射して出血を防止し、該溶液で肺を3回洗浄し、次に、試料を遠心分
離して、肺細胞を除去し、アリコートに分けて、アッセイに付すまで−20℃で
保存した。 膣洗浄物 これらの試料は、50μLのPBSを膣口に注射し、該溶液で膣を3回洗浄す
ることによって、麻酔していない生きたマウスから採取した。この試料を3日連
続して採取し、マウスのホルモン周期の変化を相殺した。分泌物を合わし、−2
0℃で保存した。 腸洗浄物 腸を切除し、腸間膜を除去し、水洗して外部血液を除去した。次に、縦に切り、
プロテアーゼ阻害剤を添加した洗浄液1mL中、氷で培養した。全体を遠心分離
に付し、上澄みを採集し、−20℃で凍結した。抗体アッセイ 血清および分泌物に存在するHSA特異抗体を、ELISAを使用してアッセイ
に付し、HSA特異性IgAおよびIgG(ビオチニル化抗IgA/ストレプタ
ビジンペルオキシダーゼ、抗IgGペルオキシダーゼ)を測定した。ナイーブマ
ウスからの参考血清に関して求め、参考限界値に等しい希釈度(dilutio
n)の逆関数に対応する平均滴定量として、結果を示す。
【0030】 III.結果 特異抗体アッセイの結果を、2つの図(図1および図2)に示し、それぞれ、
粘膜に関連する応答について粘液試料から得た抗体応答、および動物血清(全身
性応答)において得た抗体応答を示す。 これらの図において、それぞれの場合に、免疫化プロトコルに応答したマウス
の数をこのプロトコルに付したマウスの数に対して示した(「n/m」の記載は
、免疫化プロトコルに付したm匹のマウスのうち、n匹のマウスが応答したこと
を意味する)。 HSAを組み込んだ本発明の小胞の鼻腔投与は、肺(図1)において抗体の実
質的な産生を生じることがこれらの2つの図から明らかである。封入形態におけ
る免疫化だけが、アイソタイプIgAおよびIgGの肺免疫応答を生じる(これ
らの2つのアイソタイプの肺における存在は、種々の公表物に記載されている)
。この投与経路は動物においてあまり容易でないが、本発明の小胞で鼻腔におい
て免疫化した全ての動物が応答した。 他の粘液試料の分析は、HSAを組み込んだ本発明の小胞で免疫化した動物の
膣および腸におけるHSA特異的IgAの存在を示し、それらの粘膜は投与部位
からかなり離れており、膣粘膜に関してはプレディレクション(predile
ctilection)を有する。これらの応答は、肺又は鼻の粘液性リンパ様
組織において誘発される応答の全身化、および投与部位に近い活性化および分化
リンパ細胞の循環および再分布を示す。 肺粘膜に対比して、腸および膣において優位なHSA特異的アイソタイプはI
gAである。IgGH+L滴定(titers)は膣洗浄物については実施でき
なかったが、他の抗原を使用して行った同様の実験は膣分泌物におけるIgAの
優位性を示した。 ベクトライズした形態の抗原だけが強い特異的応答を生じた。遊離HSA(H
SAを含有する本発明の小胞での膣分泌物における滴定量650に対して、滴定
量3であった)で免疫化したグループにおいて、検出し得るIgA応答を示す少
数の動物は、空の本発明の小胞を使用したグループとの差異を認めることができ
なかった。 動物血清の試験(図2)は、鼻腔投与されるHSAを組み込んだ本発明の小胞
により、IgGだけでなく多量のセリックIgAの主存在をも特徴とする全身性
応答を生じうることを示す。ベクトライズした形態だけが、この産生を生じた(
IgA、HSA単独=35;IgA、本発明の小胞 HSA=17620)。ベ
クトライズした抗原への全身性応答を得ることは注目すべきことである。抗原の
みか、又はヒトへの使用が許可された補助剤を伴う抗原での全身性免疫化によっ
て、セリックIgA応答を誘発することは極めて難しいことを思い起こすべきで
ある。 結論として、封入形態は肺免疫応答を生じるだけでなく、この形態だけが気道で
誘発された応答の他の粘膜への播種を可能にし、本発明の小胞が、粘液性免疫を
誘発し、所定部位における応答の負荷および誘発を促進し、該応答を他の部位に
再分布させる強力なベクターであることを示している。
【0031】 実施例II:FHA特異抗体の産生およびBordetella pertuss is に対する保護 FHAタンパク質は、Bordetella pertussis、百日咳菌の
フィラメント状接着剤(adhesin)である。前記で使用したHSAに対比
して、FHAはより免疫原性であり、従って、抗体応答を誘発しやすい。このタ
ンパク質は、市販の百日咳ワクチンに含有される保護抗原の一部を形成する。最
後に、マウスモデルをBordetella pertussisに感染させる
ことができ、それによって、粘液投与後に感染試験を行い、免疫化によって誘発
される応答の保護性能を示すことができる。A.抗体誘発 I. FHAを含有する小胞の製造
【0032】
【表2】
【0033】 製造の操作プロトコルは実施例1と同じであった。最終製剤のFHA濃度は、
40μLにつき3μgであった。
【0034】 II. 免疫化プロトコル 抗体応答を試験するための粘液性免疫化および試料採取プロトコルは、実施例
1と同じであった。5匹の動物の2つのグループを構成し、グループIは小胞に
封入した抗原を投与され、グループIIはPBS中の溶液形態の非封入抗原が投与
された。それぞれの免疫化において、各鼻孔に1つの点滴を行うために2つの点
滴に分配した3μgのFHAを、各動物に投与した。分泌物試料採取 実施例1に記載したのと全く同じ方法で試料を採取した。抗体アッセイ FHA抗原に特異性の試薬を使用して、実施例1に記載したのと同じプロトコ
ルによってELISAを用いて、血清および分泌物に存在するFHA特異抗体を
アッセイに付した。
【0035】 III. 結果 結果を図3および図4に示し、該図において、2つのグループIおよびIIに関し
て、粘液性分泌物(図3)および血清(図4)におけるIgAおよびIgG抗体
の平均滴定量を示した。 気管支−肺胞洗浄物(A)、腸洗浄物(B)および膣洗浄物(C)からの粘液
性分泌物をそれぞれ、実施例1に記載したように試験した。 グループIの本発明の小胞に組み込んだ抗原で免疫化したマウス(図3)におい
ては、全てのマウスが抗原に応答し、一方、遊離抗原を投与した場合は、1/5
のマウスだけが極めて弱く応答したに過ぎない。 実施例1におけるHSAの場合と同様に、粘液性部位における抗体応答の極めて
強い増強が観察された。本発明の小胞に組み込んだ抗原での鼻腔免疫化は、投与
部位に近い肺における粘液性応答(IgA)を誘発しうるだけでなく(IgA滴
定量は、遊離抗原の4.25に比較して、本発明の小胞に組み込んだ抗原に関し
ては8925である)、他の分泌区画(腸および膣)に播種される粘液性応答も
誘発する(膣IgAの滴定量は、遊離抗原の2.5に比較して、本発明の小胞に
組み込んだ抗原に関しては13500である)。さらに、試験した3つの粘液性
区画において、IgGが有意な量で検出された。
【0036】 HSAの場合と同様に、小胞に組み込んだ抗原の鼻腔投与後に、循環における
IgAおよびIgG抗体の高滴定量(図4)を我々は観察した(IgA滴定量は
、遊離抗原の39.2に比較して、本発明の小胞中の抗原に関しては1300で
あり、IgG滴定量は、3000に比較して、1265000であった)。 この実施例2の結果は、HSAについて得た結果を充分に確認するものである。
該結果は、鼻腔投与される小胞を使用して、粘液性区画における抗体応答を誘発
するか又は増強し、それらの応答を投与部位から離れた他の部位に播種し、全身
性応答を生じさせることができることを確認するものである。
【0037】 B. 保護試験 得られた免疫化が保護性であるかを検査するために、攻撃試験として既知の保
護試験を実施した。この実験において、免疫化したマウスを所定量のBorde
tella pertussisに鼻腔感染させ、次に、マウスを種々の時期に
犠牲にして感染の進行を観察した。肺におけるコロニーをカウントすることによ
って測定を行った。 I. FHAを含有する小胞の製造 小胞の配合および製造は、抗体応答を特性決定するのに使用したのと全く同じ
であった。 II. 免疫化プロトコル 免疫化プロトコルおよび投与した抗原の用量は、抗体を誘発するのに使用した
のと同じであった。 3つのグループのマウスを使用した: I. 本発明の小胞に組み込んだ抗原によって免疫化したマウス; II. PBS中の溶液形態の遊離抗原によって免疫化したマウス; III. 非免疫化マウス。 各グループは4匹のマウスで構成され、同じバッチの抗原で同時に免疫化して
、同じ条件下で同じ感染測定を行った。 III. 感染プロトコル 第二免疫化から4週間後に、マウスに麻酔をかけ、Bordetella p ertussis に鼻孔感染させ(5×10細菌/マウス、20μLで投与)
、感染から3時間後に初期感染負荷(initial infectios l
oad)を確認した。 IV. 感染量(infectious charge)測定のプロトコル マウスを犠牲にし、それらの肺を感染後の種々の時期に除去し、PBS中で引き
裂いて均質懸濁液を得た。懸濁液の種々の稀釈液を、Bordetellaの特
殊栄養培地に散布し、3日間にわたって成長させた後にコロニーをカウントした
【0038】 V. 結果 結果を図5に示し、該図は、感染から3日め(D3、中実棒)および5日め(
D5、開放棒)のマウスの肺におけるBordetella pertussi のコロニーの数を、下記の3つのグループのマウスについての細菌コロニー数
(百万単位)で示す: グループI: 本発明の小胞に組み込んだ抗原で免疫化したマウス; グループII: PBS中の溶液形態の遊離抗原で免疫化したマウス; グループIII: 非免疫化マウス。 感染後3日めのマウスから、本発明の小胞に組み込んだ抗原で免疫化したマウ
スの細菌負荷は、非免疫化マウス(ファクター8)より低かった(ファクター2
)ことがわかる。注目すべきことに、感染後5日めでは、遊離抗原で免疫化した
マウスおよび非免疫化マウスは細菌負荷の増加を示し、本発明の小胞に組み込ん
だ抗原で免疫化したマウスはD5においてD3より少ない細菌を有し、有利な疾
患展開を意味する。さらに、この段階において、本発明の小胞に組み込んだ抗原
で免疫化したグループにおける細菌コロニーの数は、遊離FHAで免疫化したグ
ループより6倍で低く、非免疫化グループより13倍で低く、高い保護を示す。 これらの結果は、本発明が、抗体応答を増強するだけでなく、感染に対する保
護効果を有する免疫応答も生じることを示す。従って、本発明は、抗体の産生お
よびワクチン接種にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、本発明の組成物(グループI)の鼻腔投与後に、種々の粘
液試料から得た実施例Iの結果を、同じ抗原が遊離している組成物(グループII
)、又は空の同じ小胞を含有する組成物(グループIII)の投与によって得た結
果と比較して示した図である。
【図2】 図2は、本発明の組成物(グループI)の鼻腔投与後に、種々の動
物血清から得た実施例Iの結果を、同じ抗原が遊離している組成物(グループII
)、又は空の同じ小胞を含有する組成物(グループIII)の投与によって得た結
果と比較して示した図である。
【図3】 実施例IIのFHAの免疫化の方法から得られる種々の粘液性部位
における抗体応答を示した図である。
【図4】 実施例IIのFHAの免疫化の方法から得られる血清における抗体
応答を示した図である。
【図5】 実施例IIのFHAの免疫化の方法から得られるBordetel la pertussis に感染させたマウスにおける肺の細菌負荷を示した図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 47/24 A61K 47/24 47/26 47/26 47/28 47/28 47/34 47/34 47/44 47/44 A61P 31/04 A61P 31/04 C07K 16/00 C07K 16/00 C12P 21/00 C12P 21/00 A Fターム(参考) 4B064 AG26 CA10 CC01 CD20 DA01 DA13 4C076 AA21 BB21 BB25 CC06 DD37 DD41 DD70 EE23 EE30 FF11 4C085 AA03 BB07 BB24 EE01 EE03 GG10 4H045 AA11 AA20 DA75 EA20 EA50 FA71

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水、水溶液又は極性液体の溶液の層と交互になっている両親媒
    性物質に基づく同軸二層の積層によって形成される内部液晶構造を有するタマネ
    ギ状構造を有する多層小胞であって、その中に少なくとも1つの抗原が組み込ま
    れる多層小胞の、粘膜を介する投与用の組成物の製造における使用。
  2. 【請求項2】 該組成物が粘液性応答を誘発するための組成物であることを特
    徴とする、請求項1記載の使用。
  3. 【請求項3】 該組成物が全身性セリック応答を誘発するための組成物である
    ことを特徴とする、請求項1又は2記載の使用。
  4. 【請求項4】 該組成物が抗体産生を誘発するための組成物であることを特徴
    とする、請求項1〜3のいずれか1項記載の使用。
  5. 【請求項5】 該組成物が、抗原が関与する感染に対する生物体の保護を誘発
    するための医薬組成物、特にワクチンであることを特徴とする、請求項1〜4の
    いずれか1項記載の使用。
  6. 【請求項6】 該抗原が外因性又は内因性の天然起源であることを特徴とする
    、請求項1〜5のいずれか1項記載の使用。
  7. 【請求項7】 該抗原が、 ・グリコシル化されているか又はされていないタンパク質、特に抽出又は組み換
    えタンパク質; ・ペプチド; ・リポペプチド; ・多糖; から成る群から選択されるか、又は複数のこれらの成分の混合物であることを特
    徴とする、請求項1〜6のいずれか1項記載の使用。
  8. 【請求項8】 該小胞が、下記のものから成る群から選択される少なくとも1
    つの界面活性剤: ・水素化されているか又はされていない燐脂質; ・酸又はアルカリ金属又はアルカリ土類金属の塩又はアミンの形態の、直鎖又は
    分岐鎖、飽和又はモノ−若しくはポリ−不飽和C〜C30脂肪酸; ・該脂肪酸および ・サッカロース; ・ソルビタン; ・マンニトール; ・グリセロール又はポリグリセロール; ・グリコール; のエトキシル化されているか又はされていないエステル ・該脂肪酸のモノ−、ジ−若しくはトリグリセリド又はグリセリドの混合物; ・エトキシル化されているか又はされていない直鎖又は分岐鎖、飽和又はモノ−
    若しくはポリ−不飽和C〜C30脂肪アルコール; ・該脂肪アルコール、および ・サッカロース; ・ソルビタン; ・マンニトール; ・グリセロール又はポリグリセロール; ・グリコール; のエトキシル化されているか又はされていないエーテル ・水素化されているか又はされていないポリエトキシル化植物油; ・ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンとのブロックポリマー(ポロキサ
    マー); ・ポリエチレングリコールヒドロキシステアレート; ・コレステロール又はシストステロールのようなステロール骨格を有するアルコ
    ール; ・スフィンゴリピッド; ・ポリアルキルグルコシド; ・ポリエチレングリコールとアルキルグリコールとのコポリマー; ・ポリエチレングリコールおよびポリアルキレングリコールのエーテルのジ−又
    はトリ−ブロックコポリマー; を含有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項記載の使用。
  9. 【請求項9】 該小胞が、該小胞の膜の剛性および/又は緊密性を改善するた
    めに少なくとも1つの補助界面活性剤をも含有することを特徴とする、請求項1
    〜8のいずれか1項記載の使用。
  10. 【請求項10】 該補助界面活性剤が、 ・コレステロールおよびその誘導体、特に、コレステロールサルフェートのよう
    な荷電又は中性コレステロールエステル; ・ステロール骨格を有する誘導体、特に、シトステロール又はシグマステロール
    のような植物起源の誘導体; ・セラミド; から成る群から選択されることを特徴とする、請求項9記載の使用。
  11. 【請求項11】 該小胞が、免疫調節物質をも含有することを特徴とする、請
    求項1〜10のいずれか1項記載の使用。
  12. 【請求項12】 該小胞の直径が、0.1μm〜25μm、好ましくは0.2
    μm〜15μmであることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項記載の
    使用。
  13. 【請求項13】 該小胞の二層が少なくとも2つの界面活性剤を含んで成り、
    一方の界面活性剤は、1〜6、好ましくは1〜4の親水性−親油性バランス(H
    LB)を有し、他の界面活性剤は、3〜15、好ましくは5〜15の親水性−親
    油性バランスを有することを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項記載の
    使用。
  14. 【請求項14】 該小胞における抗原の封入歩留まりが50%以上、好ましく
    は80%以上であることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項記載の使
    用。
  15. 【請求項15】 粘膜を介する該投与が鼻腔投与であることを特徴とする、請
    求項1〜14のいずれか1項記載の使用。
  16. 【請求項16】 請求項1〜15のいずれか1項に記載の組成物を粘膜を介し
    て投与することを含んで成ることを特徴とする、ワクチン接種によるヒト又は動
    物の体の治療方法。
  17. 【請求項17】 該投与を鼻腔経路で行うことを特徴とする、請求項16に記
    載の方法。
  18. 【請求項18】 水、水溶液又は極性液体の溶液の層と交互になる両親媒性物
    質に基づく同軸二層の積層によって形成される内部液晶構造を有するタマネギ状
    構造を有し、その中に少なくとも1つの抗原が組み込まれる層状小胞を、宿主生
    物体に粘膜を介して導入し、次に、抗体を採取し精製することを含んで成ること
    を特徴とする抗体の産生方法。
  19. 【請求項19】 水、水溶液又は極性液体の溶液の層と交互になる両親媒性物
    質に基づく同軸二層の積層によって形成される内部液晶構造を有する複層タマネ
    ギ状構造を有し、その中に適切な抗原が組み込まれる層状小胞を、宿主生物体に
    粘膜を介して導入し、次に、免疫グロブリンを採取し精製することを含んで成る
    ことを特徴とするIgAの産生方法。
JP2001522970A 1999-09-14 2000-09-13 粘膜を介して投与される組成物 Pending JP2003509352A (ja)

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