JP2003508236A - 絞り孔、特に内燃機関用の噴射弁における絞り孔を口径寸法規定する方法、及びこの方法を実施する装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 絞り孔、特に内燃機関用の噴射弁における絞り孔を、懸濁液を用いた絞り孔の液体浸食によって口径寸法規定する方法及び装置では、実際貫流量が目標貫流量と比較される。、実際貫流量と目標貫流量とが一致した場合に、液体浸食による加工を終了する。絞り孔（１１）の流出側（１３）において、液体のキャビテーションを阻止する対抗圧が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 従来の技術 本発明は、請求項１の上位概念部に記載された形式の方法並びに、請求項５の
上位概念部に記載された、方法を実施する装置に関する。

【０００２】 懸濁液、例えば適宜な粘性を有する鉱物油と研磨粒成分とから成る懸濁液によ
って、絞り孔特に内燃機関用の噴射弁における絞り孔を液体浸食によって加工す
ること、及びこの際に当該ワークの（後の）運転において望まれる貫流量を考慮
して口径寸法規定（kalibrieren）すること（いわゆるＨＥ-方法）は、公知であ
る。

【０００３】 液体の加工圧は絞り孔の出口において低下するので、液体においてキャビテー
ションが発生し、これによって、絞り孔のキャビテーションのない貫流が不都合
なばらつきもしくは拡散を生ぜしめる。

【０００４】 ゆえに本発明の課題は、絞り孔の口径寸法規定作業（Kalibrierung）を改善し
て、キャビテーションのない貫流のばらつきもしくは拡散を減じることである。

【０００５】 本発明の利点 この課題を解決するために本発明では、請求項１の上位概念部に記載された形
式の方法もしくは請求項５の上位概念部に記載された形式の装置において、請求
項１の特徴部に記載のように、もしくは請求項５の特徴部に記載のように構成し
た。

【０００６】 本発明は、絞り孔のキャビテーションのない口径寸法規定作業を可能にする。
それというのは、流出側における対抗圧が圧力降下を相応に減じ、これによって
加工液中における気泡の発生を阻止するからである。

【０００７】 なお、絞り孔の浸食による研削加工は汎用の形式で（例えばＨＥ-方法によっ
て）行うことできる。

【０００８】 したがって本発明による方法によって、キャビテーションのない貫流のばらつ
きもしくは拡散を、他の前処理方法（例えば穿孔又は浸食（Erodieren））に対
して従来の約±３％から約±０.６％に減じることができる。

【０００９】 本発明による別の有利な方法は、請求項２〜４に記載されており、本発明によ
る別の有利な装置は、請求項６及び７に記載されている。

【００１０】 図面 次に図面を参照しながら本発明の２つの実施例を説明する。

【００１１】 図１は、口径寸法を規定される絞り孔に前置された貫流量測定系を備えた、本
発明による方法を実施する装置の１実施例を概略的に示す回路図、 図２は、図１に示された実施例の変化実施例を概略的に示す回路図である。

【００１２】 実施例の記載 符号１０でワークが示されており、このワークは例えば、内燃機関の噴射装置
のインジェクタから成る構成部材であって、液体を用いた浸食による加工（eros
ive Bearbeitung）によって口径寸法を規定される絞り孔１１を備えている。ワ
ーク１０もしくは絞り孔１１の流入側は符号１２のところに、かつ流出側は符号
１３のところに位置しており、したがって絞り孔１１を開口する液体の流れ方向
は矢印１４で示されている。

【００１３】 図１から分かるように、まず初めにタンク１５内に収容されている加工のため
の液体、有利には約２ｃＳｔの粘性と約４０℃の温度とをもつ鉱物油は、ポンプ
１６によって導管系１７内に圧送され、適宜な加工圧（例えば約１００バール）
にもたらされる。ブラダ形アキュムレータ（Blasenspeicher）又はダイヤフラム
形アキュムレータ１８は、場合によっては生じるポンプ１６の吐出圧変動を補償
するために働く。

【００１４】 ワーク１０への経路において液体は貫流量測定系１９を貫流し、この貫流量測
定系１９はその測定結果を常に計算機２０に貯える。同様に計算機２０には、符
号２１；２２で示されているところでピックアップされる液体の圧力及び温度が
入力される。計算機は、ポンプ駆動モータ２３を介して一方ではポンプ１６を、
かつ他方では遮断路２４を制御する。つまり貫流量測定系１９においてはその都
度の実際貫流量が測定され、計算機において、所定の目標貫流量との比較が常に
行われる。貫流量差が０になると、遮断路２４は閉鎖する。このようにして絞り
孔１１の入口（符号１２のところ）においては、正確に調整された貫流量が生じ
る。

【００１５】 絞り孔１１の流出側１３には絞り２８が配置されており、この絞り２８は対抗
圧を形成する。圧力ピックアップ２６において対抗圧を検査することができる。

【００１６】 絞り孔１１の流出側において絞り２８を用いて生ぜしめられた対抗圧によって
、絞り孔１１の加工（口径寸法規定作業）中に液体内においてキャビテーション
の生じることが阻止される。

【００１７】 加工される絞り孔１１及び絞り２８の貫流後に、液体は最終的に捕集容器１５
に達する。

【００１８】 図２に示された変化実施例は、図１に示された実施例と異なっている点は下記
のことである。すなわち図２の実施例では、絞り２８（図１）の代わりに、ブラ
ダ形アキュムレータ又はダイヤフラム形アキュムレータ３０が対抗圧を生ぜしめ
るために設けられている。ブラダ形又はダイヤフラム形アキュムレータ３０は分
岐導管３１を介して流出導管２７と接続されている。ブラダ形又はダイヤフラム
形アキュムレータ３０に続いて流出導管２７には遮断コック３２が配置されてい
る。

【００１９】 研削動作の継続中、遮断コック３２は閉鎖されている。研削動作の終了後に、
研削動作中にワーク１０の絞り孔１１を貫いて貫流した量は、遮断コック３２を
介して排出される。

【図面の簡単な説明】

【図１】 口径寸法を規定される絞り孔に前置された貫流量測定系を備えた、本発明によ
る方法を実施する装置の１実施例を示す回路図である。

【図２】 図１に示された実施例の変化実施例を示す回路図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Ｆターム(参考） 3C058 AA07 AA09 AC02 BA02 BA09 BB04 BC02 CA01 CB01 3G066 AB02 BA51 BA54 CC21 CC70 CD16 CD28

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 絞り孔、特に内燃機関用の噴射弁における絞り孔を、液体を
   用いた絞り孔の液体浸食によって口径寸法規定する方法であって、実際貫流量を
   目標貫流量と比較して、実際貫流量と目標貫流量とが一致した場合に液体浸食に
   よる加工を終了する形式の方法において、絞り孔（１１）の流出側（１３）にお
   いて、液体のキャビテーションを阻止する対抗圧を形成することを特徴とする、
   絞り孔、特に内燃機関用の噴射弁における絞り孔を口径寸法規定する方法。
2. 【請求項２】 対抗圧が６０バール又はほぼ６０バールである、請求項１記
   載の方法。
3. 【請求項３】 加工のための液体の粘性及び温度を、次いで行われる検査の
   条件に対応するように選択する、請求項１又は２記載の方法。
4. 【請求項４】 加工のための液体の粘性が２.５ｃＳｔであり、温度が４０
   ℃である、請求項３記載の方法。
5. 【請求項５】 請求項１から４までのいずれか１項記載の方法を実施する装
   置であって、口径寸法規定される絞り孔（１１）の流入側（１２）に貫流量測定
   装置（１９）が配置されており、該貫流量測定装置（１９）が貫流量の調整を目
   的として計算機（２０）に接続されている形式のものにおいて、絞り孔（１１）
   の流出側（１３）に液体導管（２７）が接続されていて、該液体導管（２７）に
   、対抗圧を生ぜしめる絞り（２８）が配置されていることを特徴とする、絞り孔
   、特に内燃機関用の噴射弁における絞り孔を口径寸法規定する方法を実施する装
   置。
6. 【請求項６】 液体導管（２７）に設けられた絞り（２８）が、圧力ピック
   アップ（２６）に通じる分岐導管（２５）の開口部に続いて配置されている、請
   求項５記載の装置。
7. 【請求項７】 液体導管（２７）に、圧力ピックアップ（２６）に通じる分
   岐導管（２５）の開口部に続いて別の分岐導管（３１）が開口しており、該別の
   分岐導管（３１）がブラダ形アキュムレータ又はダイヤフラム形アキュムレータ
   （３０）と接続されており、液体導管（２７）に、別の分岐導管（３１）の開口
   部に続いて液体弁（３２）が配置されている、請求項５記載の装置。