JP2003508159A - 整形外科修復用のヒドロゲル - Google Patents

整形外科修復用のヒドロゲル

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JP2003508159A
JP2003508159A JP2001521361A JP2001521361A JP2003508159A JP 2003508159 A JP2003508159 A JP 2003508159A JP 2001521361 A JP2001521361 A JP 2001521361A JP 2001521361 A JP2001521361 A JP 2001521361A JP 2003508159 A JP2003508159 A JP 2003508159A
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アーサー ジェイ. カウリー,
スティーブン ディー. グッドリッチ,
ヒルドガード エム. クレイマー,
ルイス ゼット. アヴィラ,
ジョン エフ. トラバース,
ピーター ケイ. ジャレット,
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フォーカル,インコーポレイテッド
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Abstract

(57)【要約】 整形外科適用(軟骨、骨、関節表面および関連する組織の修復および再生を含む)のために意図されるヒドロゲルは、軟組織修復において使用されるヒドロゲルより、高い強度および靭性を有さなくてはならない。高い強度、靭性、適切な機械的弾性率、および低い平衡水和を有するヒドロゲル処方物が提供される。これはまた、制御された多孔度または分解時間を有し得る。この処方物はまた、標的組織または表面への高い(「良好な」から「優れた」)接着を有して、インサイチュで重合するように、作製され得る。このようなゲルを形成するための好ましい処方物は、40重量%〜80重量%の低分子量極性モノマーおよび30重量%〜10重量%の親水性マクロマー架橋剤を含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本出願は、U.S.S.N.60/153,190(1999年9月10日出
願)への優先権を主張する。
【0002】 (発明の分野) 本発明は、一般に、組織への高い接着、小さい膨潤度、靭性および生体適合性
を有するポリマー性材料を使用する、疾患の処置、特に、骨格組織または整形外
科組織(例えば、軟骨および骨)の疾患の処置の分野にある。
【0003】 (発明の背景) ヒドロゲル材料は、軟組織のコーティング、シーリングおよび接着において有
用であり、例えば、米国特許第5,410,016号(Hubbellら)、米
国特許第5,800,373号(Melansonら)、および米国特許第5,
844,016号ならびに同第5,900,245号(Sawhneyら)に記
載される。これらのヒドロゲルの重要な特性は、それらの生体適合性、それらの
組織に強固に接着する能力、および良好な機械的コンプライアンス(これは、組
織のコンプライアンスと適切に適合する)である。生体適合性は、組織と特に適
合する材料(例えば、ポリアルキレンオキシド)の使用によって、および高い水
含量(コーティングされる組織の水含量に類似する)によって達成される。
【0004】 しかし、これらのゲルは、ゲルが高い機械的応力に供される状況においてあま
り有用ではない。このような状況の例は、骨および他の骨格関連組織(例えば、
軟骨、脛骨半月、腱ならびに靱帯、脊髄円板、および筋肉(集合的に、「整形外
科組織」))の修復、またはこのような用途が意図される複合移植片においてで
ある。整形外科組織の損傷、疾患または欠陥の修復は困難であり得る。なぜなら
、ゲルは、機械的応力下で、構造に対する保護を提供する必要があるからである
。基材への強固な接着は、この目的を達成する際に、しばしば有益である。関節
軟骨の修復は、特に困難である。摩耗に対する耐久性であり、そして軟骨、例え
ば、次ぎの組織、細胞または凝集体の移植片の再生および成熟の間に緩衝作用を
提供する表面が提供されなくてはならない。一方で、細胞に伝達された適切な応
力が、正常な細胞内マトリックスの適切な整列および発生を容易にする。同様な
考察が、特に関節での骨再生に適用され得る。
【0005】 伝統的なヒドロゲルは、特に必要とされる時間にわたって(とりわけ、骨また
は結合組織の再生の再生に必要とされるような長期間にわたって)、付与された
応力に耐え得るほど強くない。このようなゲルはまた、水性環境で大規模に膨潤
する傾向にあり、このことは、損傷した関節または他の組織の機械的な特性を妨
害し得る。さらに、ヒドロゲルは、組織(特に、湿性組織)に、または組織への
適用の前に予め形成された場合に、強力に接着する傾向にない。一方で、伝統的
固体移植片(これは、代表的に、疎水性材料から形成される)は、剛性かつ脆性
すぎ得、それによって、組織修復または再生を妨害するまたは妨げる。これらは
また、滑らかさを欠き得、このことは、関節における性能を弱め、そして対向す
る表面の摩耗の危険性を引き起こし得る。
【0006】 強度とコンプライアンスとの適切なバランス、およびヒドロゲルの生体適合性
を有し、そして整形外科組織への強力な接着を有する材料が必要とされる。
【0007】 本発明の目的は、整形外科組織に強力に接着する生体適合性ヒドロゲルを提供
することである。
【0008】 本発明の別の目的は、強い機械的特性を有するヒドロゲルを提供することであ
る。
【0009】 本発明の別の目的は、強い機械的特性を有するヒドロゲルが形成され得るモノ
マー、およびその使用方法を提供することである。
【0010】 (発明の要旨) 整形外科組織(例えば、軟骨、骨ならびに副構造)および移植片の処置に有効
であり得るポリマー性材料が開発されている。1つの実施形態において、この材
料は、共重合して、親水性領域および疎水性領域を含むヒドロゲルを形成する2
つの成分の混合物を含む。第一の成分は、共有結合的に架橋可能で、親水性で、
ポリマー性で、高度に生体適合性であり、そして必要に応じて、自発的に加水分
解する(「生分解性」)。この第一の成分は、約0℃と70℃との間の温度で水
溶性であるために、十分に親水性である。第二の成分は、より疎水性であり(し
かし、これは同じ条件下で好ましくは水溶性である)、共有結合的に重可能可能
であり、構造的強度を提供し、そして形成されたゲルの水吸収能を制限する。組
織に結合または接着した重合抑制剤の存在下のインサイチュでの反応(「プライ
ミング系」)の際に、得られる重合ヒドロゲルは、その組織に強固に接着し、そ
して適切な機械的特性(靭性、強度および組織の修復または再生を容易にする弾
性を含む)を有する。これはまた、ヒドロゲルのままであり、生体適合性および
滑らかさの利点を保持する。
【0011】 第二の実施形態において、この材料は、主に、高分子量の、共有結合的に重合
可能なマクロマーであり、これは、処方物において高濃度(例えば、40重量%
以上)で可溶性であるかまたはペースト状であり、そしてこれは、重合されて、
組織上に靭性の、接着性の生体適合性コーティングを形成し得る。
【0012】 第三の実施形態において、約1kDa未満の分子量のモノマー、またはモノマ
ーの混合物は、材料の唯一または主要な前駆体である。溶液の重量の有意な画分
(例えば、40%以上)は、両親媒性モノマーである:機能性疎水性モノマーは
、この混合物の約50%未満を形成し:マクロマーは、重量の0〜約30%未満
を含み、そして水は、重量の0〜約40%未満である。
【0013】 重合されたヒドロゲルは、水への連続した曝露の際に、制御された、小さい膨
潤度(1MPa以上であり得る引張り係数と組み合せられている)を有し、有意
な、破壊までの伸び(例えば、10%以上)をする。特性のこの組合せは、材料
を、靭性、弾性にし、そして長期間にわたる周期的な機械的応力に耐えることを
可能にする。この材料はまた、多孔性にされ得、それによって、組織修復のプロ
セスにおける細胞または組織の内殖に許容的である。多孔形成は、材料に固有で
あり得るか、または孔形成賦形剤またはプロセスによって提供され得る。
【0014】 組織の処置、修復または再生におけるこのような材料の使用方法が記載される
【0015】 (発明の詳細な説明) (I.ヒドロゲル組成物) (A.必要とされるヒドロゲル特性) 種々の材料が、所望のヒドロゲルを得るために、使用され得る。形成されたヒ
ドロゲルの重要な特性は、以下に規定されるような、固体の高い割合での小さい
膨潤、高引張り係数、有意な破壊までの伸び、生体適合性および接着である。
【0016】 膨潤および水和:膨潤は、形成されたポリマー性材による水の吸収から生じ、
このポリマー性材料は、始め乾燥していてもよいし、既に水を含んでいてもよい
。これは本明細書中で、その初期状態から水溶液(水または体液)と平衡にある
状態までの材料の重量における%増加として表現される。例えば、材料の一片が
形成されたときに1gの重量を有し、そして水との平衡後2gを有した場合、こ
れは、100%の膨潤を示す。体積の直接的な測定は、膨潤度を決定するために
使用され得る。移植片適用に関連する構成で、材料の平衡に近い水和を得るため
の適切な時間および温度は、水中で、理想的には、身体温度をシミュレートする
37℃で約24時間の定温放置である。しかし、室温での単純な一晩の定温放置
は、通常、水和または膨潤度を提供し、この水和または膨潤度は、真の平衡に十
分に近い。(このことは、他の材料(例えば、従来の疎水性熱可塑性樹脂(例え
ば、ポリエチレン))に対しては、真ではないでないかもしれないことに注意す
べきである)。
【0017】 米国特許第5,410,016号(Hubbellら)に記載される材料のよ
うな、類似の材料を含み、大部分または全体が、架橋された親水性マクロマーか
らなる、先行技術のゲルは、数百%膨潤する傾向にある。これらのゲルは、高度
に「弾性」(可撓性(compliant))であり、そして従って、応力に十
分に耐久性ではない。比較的ほとんど膨潤しないヒドロゲルは、例えば、希釈し
た架橋ポリアクリルアミド(例えば、電気泳動に使用されるゲル)から作製され
得る。しかし、これらのゲルは、非常に脆くかつ弱く、そして本明細書中に記載
される目的に適さない。これらの場合において、膨潤の欠如は、組成物中のゲル
形成固体の低い割合を有することによって、部分的に達成される。先行技術の非
ゲル材料(例えば、ポリラクチド)は、有意に膨潤しないが、高い弾性率および
硬度を有するので、これらは、低い弾性制限を有し、そして応力下で、不可逆的
に変形するか破壊される傾向にある。
【0018】 小さい膨潤度を有するゲルが好ましい。最も好ましいゲルは、約150%以下
の平衡膨潤を有する。好ましいゲルは、約200%以下の膨潤を有する。約30
0%より小さい膨潤を有するゲルが、潜在的に有用である。小さい膨潤度は、高
濃度のゲル形成固体において達成される。ゲル形成時のゲル形成固体の適切な範
囲は、少なくとも約30重量%、好ましくは40重量%を超え、より好ましくは
50重量%を超え、そしてなおより好ましくは60重量%を超える。好ましい実
施形態は、形成時に70%を超える固体を有する。従って、平衡膨潤後の固体の
濃度もまた、高い。ゲル形成材料は、体液中での膨潤平衡後に、少なくとも20
重量%のゲルを含むべきである。より高い値(例えば、30%以上)が好ましい
。好ましい実施形態は、水との平衡後40%以上の固体を有する。
【0019】 弾性率:材料の弾性率は、歪み(本来の長さに対する圧縮したまたは伸張した
長さの比)に対する応力(単位面積あたりの付与された力)の比である。これは
、単位面積あたりの力の単位で表現され(例えば、パスカルまたはPSI)、そ
して代表的に、Instron(登録商標)機械的試験器のようなデバイスで定
量的に測定される。本明細書中に記載されるゲルは、ヒドロゲルに対して全く高
い弾性率を有する。引張り係数または圧縮率の最も好ましい値は、小さい歪みで
および膨潤後、1メガパスカル(MPa)を超える値である。500キロパスカ
ル(kPa)以上の膨潤後の弾性率を有するゲルが好ましい。100kPa、好
ましくは200kPa以上の弾性率を有するゲルが、本発明において有用である
。約50kPaより大きい弾性率を有するゲルが、低応力状態において使用され
得る。
【0020】 破壊までの伸び:本明細書中に記載される目的について、破壊までの伸びは、
材料が機能しなくなる(壊れる)歪み(変形の程度)であり、材料の本来の長さ
の%として表現される。これもまた、Instron(登録商標)試験器または
類似のデバイスで測定される。破壊において100%伸び(歪み)を有する材料
は、その本来の長さの2倍である。有意な破壊までの伸びを有する材料が好まし
い。好ましい材料は、約300%より大きい値を有し、そして適切な材料は、他
の特性が適切である場合に、約25%〜800%を超える範囲の値を有し得る。
この破壊までの伸びの値に加えて、材料が弾性である(すなわち、その本来の形
状に戻る)測定可能な範囲を有することは、特に、関節および他の整形外科組織
において見出される条件下での、その耐久性のために重要である。本明細書中で
使用される場合、用語「弾性(である)」は、「実質的に弾性(である)」およ
び「主に弾性(である)」を含み、そして引張りおよび圧縮における低い弾性率
および高い破壊までの伸びを有する材料を記述するために使用される。実質的に
弾性である材料としては、25%までの変形が、不可逆的な(可塑的な)変形で
あり得る材料が挙げられる。好ましい材料の変形は、実質的に弾性である。
【0021】 靭性:伸びおよび弾性率の値は、靭性の定量的な測定を与えるために組合せら
れ得、これは、破壊点までの、応力−歪み曲線の下の面積である。しかし、いく
つかの潜在的に複雑にする因子(例えば、伸びの速度および試験片の形状)が存
在する。本明細書中に記載される目的について、曲線の下の面積は、単に、関連
するサンプルの比較の手段として使用されるべきである。「靭性」は、他にそう
ではないと特定されない限り、比較的な意味でのみ、本明細書中で使用される。
特定の厚さのゲルについての、靭性の定性的な尺度が、ロッキング手術止血鉗子
の顎の間で一片のゲルを圧縮することによって得られる。標準的な圧縮負荷が、
ロッキング機構上で、「歯止めのつめ」(次第に、より高い圧縮力を与える移動
止め)がいくつ使用されているかを特定することによって達成され得る。この試
験において破壊されないゲルが、破壊されるゲルより靭性である。
【0022】 生体適合性:その移植が、重篤な局所的または全身的炎症反応を引き起こさな
い場合、材料は生体適合性である。これは、実質的に全ての移植片を伴う一過性
の穏やかな炎症反応とは、対照的である。生体適合性は、移植後の種々の時間で
、移植部位での組織学的試験によって決定され得る。乏しい生体適合性の1つの
サインは、その部位での重篤で、慢性的な未解決の(unresolved)食
細胞応答であり得る。乏しい生体適合性の別のサインは、その部位での組織の壊
死または退行であり得る。
【0023】 接着:ゲルの組織への接着は、エチレン性不飽和前駆体の重合によって形成さ
れるゲルについての米国特許第5,800,373号(Melansonら)、
同第5,844,016号または同第5,900,245号(Sawhneyら
)に記載されるように、機能的プライマーを使用する技術によって最適化され得
る。適切なゲル組成物は、組織への強い結合を形成する。これらの技術は、組織
(従来の方法によって接着を得ることが困難な組織を含む(例えば、軟骨))へ
の材料の強固な接着を作り出すことに適用可能である。
【0024】 整形外科組織に材料を適用するための一般的な手順は、材料が適用される範囲
よりも広い範囲にわたってプライマーをブラッシングまたは塗る工程を包含する
。その後、材料を、堆積されたプライマー上にブラッシングまたは塗る。次いで
、バルク材料を、処理ゾーンのより小さな領域になおも、浸漬(液体である場合
)または延展(ペーストである場合)することによって、適用する。次いで、光
(適切な波長、強度、距離で、適切な時間の間)を、各ゾーンに適用するか、ま
たは材料を重合する他の手段を使用する。
【0025】 ヒドロゲルの組織への接着は、組織界面付近のヒドロゲルのベースに20ゲー
ジ針を通し、次いで、両方の端部において針をつかみ、そして最後に組織に平行
に針を持ち上げ、一方で試験物体を押え付けることによって決定され得る。この
針は、最終的に、組織に対するヒドロゲルの接着的破壊を介して、またはヒドロ
ゲルまたは組織の粘着的な破壊によってのいずれかで放される。以下の実施例は
、粘着的破壊を引き起こすに十分に強い結合を提供する多くのプライミングされ
たヒドロゲルを示す。
【0026】 接着は、以下のように定性的に評価付けされ得る。「優れた接着」は、針への
力の適用の際に、組織またはヒドロゲルの粘着的破壊が観測されたことを意味す
る。「中程度の接着」は、針への力の適用の際に、破壊が部分的に粘着的および
部分的に接着的であったことを意味する。「まずまずの接着」は、破壊の様式が
、接着的破壊であったことを意味する。「劣った接着」は、粘着的破壊を引き起
こすために必要とされる力と比較して、軽い力が、接着的破壊を引き起こすため
に必要とされたことを意味する。好ましいゲルは、このスケールで中程度から優
れた接着を有する。
【0027】 滑らかさは、両方を表面をぬらす、表面上の液体材料の薄膜をしばしば介する
、その表面と対向する表面との間に比較的小さい摩擦力を付与する表面の性質で
ある。この流体は、表面に吸着され得るか、または表面によって浸出され得るか
、またはその両方であり得る。ヒドロゲルは、天然に滑らかである傾向にある。
さらに、ヒドロゲル表面は、水に対する固有の親和性を有する。天然の軟骨は、
同様の特性を有する。
【0028】 ゲルまたはヒドロゲルは、本明細書中で使用される場合、伝統的なゲルを含み
、ここで、ポリマーおよび水の各々は、連続相を形成する。本明細書中で使用さ
れる場合、これらの用語はまた、少なくとも5%の水相を吸収する材料を含み、
この水相は、連続である必要はない。本明細書中で使用されるような「機能性疎
水性モノマー」は、反応性基および疎水性基を含み、そしてアルキルエステルま
たはジアルキルアミドほど親水性ではない1つまでの基を有するモノマーを意味
する。機能性疎水性モノマーの例としては、ビニルカプロラクタム(VC)、ア
クリル酸メチル、メタクリル酸メチル、スチレン、N−ビニルピロリドン(VP
)、およびN−ビニルイミダゾール(VI)が挙げられる。対照的に、両親媒性
モノマーの例としては、ジアセトンアクリルアミド(DAA)、ビニルオキシエ
タノール(VOE)、2−アクリルアミド−2−メチルプロパン(AMPS)、
およびメチルアクリロイルラクテート(ALM)ならびにその類似体が挙げられ
る。
【0029】 (B.ゲル形成前駆体) ゲル形成前駆体は、反応性ポリマー(マクロマー)を含み、この反応性ポリマ
ーは、任意の従来の技術によって測定された、約500Dalton(Da)〜
約200,000Daの範囲の分子量を有する。これらのマクロモノマーは疎水
性領域および親水性領域を含み、そしてほとんどの実施形態において、反応性低
分子量モノマー(約1000Daより少ない分子量を有する)と組合される。こ
の組合せは、好ましくは、水との平衡後に小さい膨潤および比較的高い固体含量
を有するヒドロゲルを提供するために、重合後の十分な疎水性によって特徴付け
られる。例えば、形成されたゲルと水または体液との平衡後の好ましいポリマー
性固体濃度は、約15%重量/重量〜約70%重量/重量である。この特徴は、
重合間の相分離またはコアセルベート形成に関連し得、不均質なハイドロゲルに
導く。このような生成物は、多孔性であり得る。
【0030】 (1.マクロマー) ヒドロゲルを形成するために使用され得る種々のマクロモノマーは、文献に記
載される。PEG(ポリエチレングリコール;ポリ(エチレンオキシド))骨格
およびアクリレート末端に基づく好ましいファミリーは、米国特許第5,410
,016号(Hubbellら)、米国特許第5,573,934号(Hubb
ellら)、米国特許第5,800,373号(Melansonら)、米国特
許第5,844,016号ならびに米国特許第5,900,245号(Swah
neyら)、および国際特許公開第WO 96/29370(Board of
Regents,University of Texas)、および同第W
O 98/2243ならびに同第WO 99/07417(Focal)に記載
される。このような分子の設計、合成および使用が記載される。これらの分子は
、ほとんど実験を行うことなく、本明細書中に記載の系における使用のために容
易に適合され得る。他の適切な材料、または適合するように容易に改変される材
料は、米国特許第4,938,763号(Dunnら)、米国特許第5,100
,992号ならびに同第4,826,945号(Cohnら)、米国特許第4,
741,872号ならびに同第5,160,745号(De Lucaら)、米
国特許第4,511,478号(Nowinskiら)、米国特許第5,198
,507号(Kohnら)、米国特許第5,219,564号(Zalipsk
yら);WO 98/00170(Henninkら);WO 99/0345
4(Hubbellら);および米国特許第5,854,382号(Loomi
sら)に記載される。
【0031】 縮合または求電子剤/求核剤化学を介してヒドロゲルを形成するために重合す
るマクロモノマーは、以下を含む、多くの刊行物に記載される:米国特許第5,
744,545号、同第5,614,587号、ならびに同第5,874,50
0号(Rheeら);米国特許第5,514,379号(Weissleder
およびBogdanov);米国特許第5,173,301号(Itohおよび
Matsuda);米国特許第5,583,114号(Barrowsら)およ
び米国特許第4,057,535号(Lipatovaら)。他の例は、米国特
許第4,839,345号(Doiら);米国特許第5,252,714号、同
第5,739,208号ならびに同第5,672,662号(Harris,ら
);米国特許第4,740,534号、同第4,994,542号、ならびに同
第4,806,614号(Matsudaら);米国特許第4,804,691
号(Englishら);およびWO 99/14259(Harris)。
【0032】 ポリ(エチレングリコール)(PEG)は、生体適合性および安定性のための
マクロマー骨格を形成するのに好ましい、他の高分子もまた有用である。これら
は、以下に例示されるように、PEG−PPO(ポリエチレングリコールとポリ
プロピレンオキシドのコポリマー)、親水性セグメントウレタンおよび多価誘導
可能表面(各々の場合、輸送反応基に誘導体化される)を含む。広範または他の
親水性ポリマーおよび合成ポリマーは、ヒドロゲルを作製するためのマクロマー
を形成する際に、骨格としての利用に適切である。これらには、親水性合成ポリ
マー(例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール(部分的に脱アセ
チル化されたポリビニルアセテートを含む)、ポリ[メタ]アクリル酸およびポ
リ[メタ]アクリルアミド)(ここで、「[メタ]」は、アクリル酸基の任意の
メチル置換体を示す)ならびに混合した水溶性コポリマー(例えば、マレイン酸
とエチレンとのコポリマー)が挙げられる。天然、合成および半合成サッカリド
およびポリサッカリドとしては、ヒドロキシアルキルセルロース、デキストラン
、FicollTM、細菌発酵産物(例えば、キサンタンまたはゲラン(gell
an))および食品等級物質(例えば、アルギネート、カラゲナン、ペクチン、
寒天、グルコマンナン、ガラクトマンナン、ヒアルロン酸、ヘパリン、コンドロ
イチンスルフェート、および他のグリコサミノグリカン、ならびにデンプン)が
挙げられる。タンパク質および核酸が使用され得る。多価置換可能な脂質(例え
ば、「二価の脂肪酸」)、モノアシルグリセロール、ホスファチジルイノシトー
ル、カルジオリピンおよびそれらの誘導体は、高分子を形成するための骨格の成
分として使用され得る。
【0033】 いくつかの場合において、マクロマー成分のみを含む系が使用され得る。この
場合、少なくともいくつかのマクロマー成分が有意に疎水性の特性を有し、重合
の際に疎水性ドメインを形成することが重要である。このようなマクロマーにつ
いて適切な骨格(重合可能な基は、グラフト化され得る)には、プロピレンオキ
シドおよび/またはブチレンオキシドを有するエチレンオキシドと、親水性セグ
メントを含むポリウレタン、ポリエステルおよびポリアミドとの水溶性または分
散性コポリマーが挙げられる。
【0034】 (2.モノマー) ヒドロゲル材料において有用である低分子量のモノマーは、数種の鍵となる特
性を共有する。第1の特性は、このモノマーが、いずれかまたは両方が存在する
場合に、この系の他の成分(特に、マクロマー成分または水)の存在下で適切に
反応することである。この特性を得るために、モノマーが物質の他の成分と混和
性であることが好ましいが、必要であるわけではない。1つの鍵となる物質は、
室温または高温(約100℃まで)で水であり、モノマーが、有意な範囲(例え
ば、30重量%/体積、好ましくは、40重量%/体積、最も好ましくは50重
量%/体積以上)まで好ましくは溶解性または混和性である。あるいは、モノマ
ーは、同様の条件下、水の存在または非存在下でマクロマーに溶解するか、また
はマクロマーにための溶媒であり得る。しかし、部分的に非混和性のマクロマー
およびモノマーから形成される組成物は、この重合反応が最終の重合物質に必要
とされる特性を与える場合、安定であり得る。
【0035】 第2の特性は、モノマーが重合の際にヒドロゲルに水溶液中で低い膨張特性を
与えることである。低い膨張を提供するための1つの機構は、モノマーから重合
によって優先的に形成されたポリマーの水吸収性における有意な減少である。ヒ
ドロゲル中の固体の高濃度において、明確に異質のヒドロゲルが、重合の際また
は水溶液中での続く膨張の間に形成し得る。
【0036】 第3に、モノマーおよびマクロマーの重合から形成された生成物は、水を含ま
なければならないか、または水を吸収し得なければならない。これは、当量で2
重量%〜5重量%程度少量であり得るが、好ましくは、少なくとも10重量%、
そしてより好ましくは、20重量%以上である。この水は、重合化組成物に潤滑
性を与えるために重要である。この物質は、体液と接触する場合に十分な水を吸
収または吸着して潤滑性となる場合、重合の結果としてヒドロゲルとなる必要は
ない。
【0037】 この機能のために好ましいと実験的に見出された不飽和のモノマーは、ジアセ
トンアクリルアミド(「DAA」;CAS 2873−97−4)を含む。DA
Aについて最小有効濃度は、単独のモノマーとして約30%であるが、他のモノ
マーとのブレンドの場合、より低くても良い。これらには、ビニルカプロルアク
タム(VC)、ビニルオキシエタノール(VOE)、または約10%までの2−
アクリルアミド 2−メチルプロパンスルホン酸(AMPS)が挙げられる。他
の低分子量のモノマーは、DAAと混合する場合に適切であると考えられる。安
定性および制限的な濃度は、実験によって容易に決定される。モノマーの有用な
範囲は、このマクロマーが、有意な疎水性セグメントまたはドメインを有する場
合に実質的に増加する。
【0038】 好ましい低分子量のモノマーの効果は、重合の後の組成物において、疎水性お
よび親水性のドメインまたはセグメントのバランスに起因すると考えられる。こ
の疎水性ドメインは、水の取り込みを制御および制限し、そして水膨張性マトリ
クスとして機能する重合化組成物を強化するのに役立つ。この理由で、少なくと
もいくつかのマクロマー、またはマクロマーのセグメントが親水性であり、そし
て重合後も親水性のままであり;そして重合後のマクロマーのセグメントまたは
モノマーのセグメントは、疎水性であることが重要である。
【0039】 好ましいモノマーの代表的なクラスは、アクリルオキシ乳酸メチルエステル(
ALM)である。メチルアクリロイルラクテート;乳酸メチルエステルのアクリ
ルエステル;CH2=CH−C(=O)OCH(CH3)C(=O)OCH3が実
施例30に記載されるように調製される。ALMモノマーは、3ヶ所の部分、一
般的に命名された「AHK」から構成されると考えられ得る。「A」は、反応基
を表し、ここで、ALMは、乳酸を水酸基にエステル化した後のアクリル酸の残
基である。「H」は、ヒドロキシカルボン酸を表し、これは、ALM中の乳酸で
ある。最後に、「K」は、アルキル基、または別の比較的不活性な基(Hカルボ
キシル基にエステル化する前にアルコール基を含む)を表す。ALMにおいて、
K基は、メタノールの残基である。
【0040】 ALM構造の改変体は、容易に製造され得、そしてモノマーの特性を特定の組
織の状態に合わせることが可能となることは、当業者に理解される。例えば、こ
れらの基の各々は、同じクラスの均一な基で置換され得、これらのモノマーの重
合から得られる物質の疎水性、結晶性、および加水分解安定性である改変体が得
られる。従って、Aは、アクリル酸およびメタクリル酸から、または他の酸保持
不飽和物から選択され得る。これらは、クロトン酸、イソクロトン酸、チグリン
酸、アンゲリカ酸および桂皮酸、ならびに不飽和の二酸(マレイン酸、フマル酸
、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、クエン酸、イソクエン酸)、ならび
に二カルボン酸のモノエステルおよびモノアミドが挙げられる。
【0041】 Hは、任意の複数のヒドロキシカルボン酸であり得る。これらは、ポリマーに
おいて分解性を作り出すために広範に使用される残基であり、これらは、人体中
の予測可能な合理的な方法で、小さく、代謝可能な、または排出可能な単位まで
分解する。これらの最も共通して使用されるものは、低級アルキルヒドロキシ酸
(グリコール酸、乳酸、3−ヒドロキシプロパン酸、2−ヒドロキシブタン酸、
3−ヒドロキシブタン酸、または4−ヒドロキシブタン酸、ヒドロキシペンタン
酸の種々の異性体(吉草酸を含む)、およびヒドロキシヘキサン酸異性体(2−
カプロン酸および6−カプロン酸(ε−カプロン酸を含む))が挙げられる)で
ある。これらのヒドロキシ酸の多くは、「ラクチド」またはラクトンの形態とし
て利用可能であり、これらは、簡単に合成され得る。他の共通して使用されるヒ
ドロキシ酸には、ラクトンおよびジオキサノン(1,4−ジオキサン−2−オン
)および他の環状ジオキサノン、ならびに5員環および7員環を有する同様の1
−オキサン−2−オンエーテルの加水分解形態が挙げられる。
【0042】 一般に、Hが2−ヒドロキシ酸から形成される場合、このモノマーならびに対
応するポリマーおよびコポリマーは、最も速い加水分解によって分解する傾向に
あり、3−ヒドロキシ酸、4−ヒドロキシ酸、5−ヒドロキシ酸、および6−ヒ
ドロキシ酸と続く。このことは、主により高度なヒドロキシ酸の疎水性に起因す
る。疎水性は、H基とK基との間の不安定なエステル結合から水を排除する傾向
があり、これにより加水分解を遅らせる。疎水性はまた、側鎖(例えば、乳酸中
のメチル基)の取り込みによってヒドロキシ酸の炭水化物の含有量を増加させる
ことによって影響を与え得る。同様に、K基の増加した疎水性はまた、加水分解
を遅らせる。水からのエステル結合の安定的な保護によりまた、加水分解を遅ら
せる。分解時間はまた、ポリマーまたはコポリマーの結晶化によって影響を受け
る。結晶化の増加は、H基とK基との間の不安定なエステル結合から水を排除す
る傾向があり、これにより、加水分解を遅らせる。ポリマーまたはコポリマーの
結晶化は、立体規則性、分子量などのような代表的な因子によって影響を受け得
る。
【0043】 代替の構造において、Hは、アミノ酸、特にα−アミノ酸の残基であり得る。
次いで、A基とH基との間の結合は、アミド結合である。これにより、Kが除去
される場合、A−H結合とH−K結合との間の加水分解速度の差が増加する。例
えば、グリシンエチルエステルヒドロクロリドは、市販されており、特に遊離ア
ミンへの変換後、特にメチルグリコレート(上記)のような同一の条件下で、ア
クリル化され得る。これにより、優先的に脱エステル化して、ALMのような同
一の条件下で誘導体化乳酸を生成することが予想される(実施例33を参照のこ
と)。
【0044】 Kは、エステル化された基であり、これは、ALMにおいてメチルである。エ
ステル結合をH基のカルボキシル基に加水分解する場合に、無害のアルコールに
なるので、低級アルコールは、K基の供給源として好ましい。これらには、メタ
ノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールの異性体、
ペンタノールの異性体、およびヘキサノールの異性体が挙げられる。より一般的
には、より大きなアルキルがまた、適切である(例えば、以下から形成されるア
ルキル:脂肪酸(約30個までの炭素原子を含む)、またはステロール(例えば
、コレステロール、コレスタノール)もしくはヒドロキシ基を有する他の脂質材
料(例えば、スフィンゴシン))。公知のように、K成分のサイズの増大は、材
料の疎水性を増大させる傾向があり、これは、材料特性および分解時間の両方を
変化させる。
【0045】 アルコール基を含む他のK基(容易に加水分解性結合を提供する)が可能であ
る。これらには、生物学的に活性な分子、ポリマー、および他の大きな分子が挙
げられ得る。立体構造の考慮が、このようなモノマーを小さな分子(例えば、低
級アルコールから誘導されるKを有するAHK分子;または適切な非AHK重合
可能モノマー)と共に重合することを一般に必要とする。
【0046】 合成のためのいくつかの出発物質「HK」(ここで、活性化された「A」基(
ここでは、アクリロイルクロリド)が予め形成されたHK基(ここで、乳酸メチ
ル)に添加される)は、市販されている。これらには、乳酸、グリコール酸、2
−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシカプロン酸、および6−ヒドロキシカプロン
酸のエチルエステルおよび/またはメチルエステルが挙げられる。しかし、プロ
ピルおよびより高度な置換基は、簡単に入手可能ではない。このアミン等価物(
例えば、グリシンエチルエステルヒドロクロリド)が同様に利用可能である。任
意の広範のK基を含むモノマーを生成するための合成方法は、実施例に記載され
る。「K」基の原理的な条件は、少なくとも1個のヒドロキシル基を含むことで
ある。
【0047】 (C.賦形剤) 組成物はまた、補助剤(例えば、重合化の触媒または開始剤;賦形剤(緩衝液
を含む);安定剤;および乾燥剤)を含み得る。この組成物は、物質を重合およ
び架橋するために使用される化学物質(単数または複数)と適合するように調製
される。
【0048】 強化物質(例えば、繊維および粒子)がヒドロゲル材料に添加され得、充填お
よび剪断下での靱性を改善し得ることに注目すべきである。これは、ヒドロゲル
材料が、重合または続く水和の間に分離した微細構造を自然に形成する場合に好
ましい。従って、このような物質は、「自己強化性」である。この独特の特性は
、他の必要性を満たしつつ得られ得る場合に好ましいが、必要とされる特性では
ない。
【0049】 ヒドロゲル材料は、他の治療材料、予防材料または診断材料を含み得、この材
料が適用された組織と、またはその組織上で相互作用する。これらの材料には、
薬物および他の治療活性材料(例えば、タンパク質、小分子の薬物、核酸分子、
糖およびポリサッカリド、脂質、天然抽出物、グルコサミノグリカンならびに無
機化合物)が挙げられる。上記のように、可塑剤、緩和剤、充填剤、潤滑剤、緩
衝液および安定剤のような賦形剤がまた添加され得る。これらのいずれも、重合
または架橋の前またはその間に物質中に混合され得、必要に応じて、リポソーム
、微粒子、または他の送達形態中に、局所送達または全身送達のためにカプセル
化され得る。
【0050】 (II.重合の方法) 水性環境下での適合に適合性であり、そして生きた組織上で安全に処置され得
る任意の反応性化学物質は、このゲルを重合するのに潜在的に適切である。好ま
しい化学物質は、エチレン性不飽和物質(ビニル基、アクリル基、およびアルキ
ル基(「不飽和基」)が挙げられるが、これらに限定されない)の使用を含む。
少なくともいくつかのマクロマーまたはモノマーが(末端基または側部基におい
て)好ましくは、置換され、線状重合に加えて架橋を可能にする少なくとも2官
能基となる。エチレン性不飽和物質との反応は、通常、フリーラジカル鎖成長反
応であり、そして代表的に化学的開始剤または光開始剤の使用により開始される
。フリーラジカル重合可能な結合は、ヒドロゲルを形成するために好ましい。好
ましいモノマー(DAAおよびALM)は、この機構によって反応し、架橋と同
一の方法を使用するのに都合が良い。しかし、重合および/または架橋は、他の
化学物質(例えば、上記のもの)によって適用され得る。体内でインサイチュで
使用され得る任意の架橋方法または重合方法が、潜在的に使用される。
【0051】 代替の化学物質は、段階的成長(縮合)重合、および同様の異種反応(het
erolytic reaction)を含む。例えば、脱離基(例えば、N−
ヒドロキシスクシンイミドエステル)は、求核基(例えば、アミン)によって容
易に置換される。線状ポリマーを作製するために、反応分子の優勢は、2個の官
能基を有さなければならない。架橋されたゲルを作製するために、この組成物は
、2個以上の官能基を有する反応性分子を含まなければならない。低溶解性の物
質を形成するために少なくとも1種の成分を重合することは、好ましいゲル組成
物を得るのに関与すると考えられるので、組成物中にいくつかのタイプの反応物
質が存在し得る。
【0052】 両タイプの化学物質を使用する重合および架橋の系が、可能である。例えば、
1成分または、成分の画分が、良好な脱離基および不飽和基を有する求電子キャ
リアを有し得る一方で、別の反応成分が求核基を有し得る。次いで、この第1成
分は、フリーラジカルによって重合し得るが、また第2成分によって架橋される
。さらに、特定の反応基が、架橋のいくつかのタイプを固有に耐え得る。例えば
、マレイミド基は、アミンまたはチオールのような求核基を用いるMichae
lタイプの付加を受け得るが、また二重結合のフリーラジカル重合によって重合
され得る。これはまた、歪んだ環の加水分解、例えば、アミンとの反応によって
、アミドを形成するように反応し得る。
【0053】 ヒドロゲルは、ネットワークを相互浸透またはネットワークを半分相互浸透し
ているホモ−ポリマーまたはヘテロポリマー(もしくは、コポリマー)であり得
る。
【0054】 重合した材料は、共有結合または非共有結合的に架橋され得る。非共有結合的
に架橋した材料は、重合後に200kDa未満の分子量を有する。
【0055】 (III.医療適用) 本明細書中に記載されるヒドロゲルは、「整形外科組織」と呼ばれ得るものの
処置に有用である。整形の医療的専門は、筋骨格系、端、棘および関連する構造
の形態および機能の、医療的、外科的および物理学的方法による、保存、修復お
よび展開に関連する(Stedman’s Medical Dictiona
ry、第25版、Wiliams & Wilkins,1996)。整形外科
組織には、骨、軟骨、および関連する構造(例えば、半月板、嚢、滑膜、および
関節構造)ならびに腱、靱帯、筋肉、ならびに椎骨盤の輪および核が挙げられる
。同様の機械的特性(例えば、歯、ゴム、および歯肉靱帯)を有する組織はまた
、ヒドロゲル材料と共に効果的に処置され得る。
【0056】 薬剤を形成するヒドロゲルの特性は、ヒドロゲル(本明細書中で定義される)
および整形外科組織に良好に接着する特定の材料を可能にするように調製される
。このような強力な接着は、現在の使用においてポリマー材料と共に達成するこ
とを困難にし得る。例えば、骨および軟骨の添窩および中空のファスナーおよび
スカルプティング(sculpting)は、利用可能なポリマー性移植片の良
好な接着を得ることを必要とし得る。本明細書中に記載されるヒドロゲル材料は
、それらの強力な接着力によって特徴付けられる。組織の存在下で適切なプライ
ミング技術を使用して、重合する場合、このヒドロゲルは、組織と移植片との間
の接着結合(上に定義されるような「良好な」接着)が壊れる前に、ゲルまたは
組織のいずれかが壊れるのに十分なテナシティで組織と接着し得る。「良い」接
着はまた、これらの材料において受容可能である。
【0057】 さらに、これらの材料は、適切な機械的強度および他の機械的特性(例えば、
弾性および剛性)を有し、これらの解剖学的な状況において適用される力に耐え
る。さらに、同一の物理学的特性は、関節および同様の構造体に適用される移植
片をコーティングするのに適切なヒドロゲルを作製する。とりわけ、これらのヒ
ドロゲルによって提供される治療的利点は、処置された表面に透明性を与えるこ
とである。このヒドロゲルコーティングは、整形外科表面(例えば、軟骨)の天
然の透明性を模倣し得、これにより、良好な関節を可能にする一方で、組織下を
治療する際の損傷を防ぐ。
【0058】 別の利点は、重合化沈着物を鋳型を用いて形づくることによって関節表面を再
構築し、組織の表面輪郭(例えば、顆)を形成または再形成する能力である。例
えば、所望の輪郭は、透明または高度な半透明成形部材として存在し得る。この
組織表面は、本明細書に記載されるような反応性材料でプライムされ、そして鋳
型の空洞は、材料で充填され、ヒドロゲルを形成する。この充填された鋳型を配
置するか、または続いて組織表面に適用して、その結果、重合していない材料は
、プライムされた表面と接触する。次いで、この材料は、光の適用または予め混
合した反応性物質の重合のために待機することによって重合される。後者の場合
、鋳型は、透明または半透明である必要はない。重合後、鋳型は取り除かれ、適
切な輪郭を有する、高密で透明な堅い接着性ヒドロゲル形成材料となる。あるい
は、この材料がペースト、組織と接触した身体的ゲルとして適用される場合(例
えば、温度変化のため)、重合の前または後にメスまたは他の道具を使用して輪
郭に形づけられ得る。
【0059】 同様に、本明細書中に記載されるヒドロゲル材料および技術は、損傷部位を修
復するために使用され得る。例えば、軟骨移植片が採取される部位は不規則であ
り得、そして損傷に対して感受性であるか、または反対の表面を損傷し得る。間
隙をヒドロゲル材料でコーティングまたは充填することにより、組織が治癒して
いる間に付随的な損傷が防止される。この材料は、必要に応じて、このプロセス
の間の自発的な分解または制御された摩耗によって除去されるように設計され得
る。このおよび他の用途におけるヒドロゲル材料の特定の利点は、改良された材
料が最小の侵襲技術(例えば、針または幅の狭いカニューレによって)によって
適用され、そしてインサイチュで重合され得ることである。これにより、修復お
よび他の操作が簡単になり、従って成功の機会を改善しつつ、より少ない外傷お
よびより少ない費用が可能となる。適用手順は簡単かつ最小の侵襲性であるため
、組織の有用性(例えば、膝関節)を維持することが必要とされる場合にこれは
繰り返され得、それにより継手交換または他の侵襲性修復手順に対する要件を延
期し得る。このような手順において、得られる粒子が過剰な組織応答を引き起こ
さないために適切なサイズである限り、ヒドロゲル形成移植片または表面コーテ
ィングが次第にすり減ることが受容可能である。この材料は、単純なまたは酵素
触媒される加水分解によって同時に分解し得る。
【0060】 別の用途において、半月板の割れた領域は、最初に、標準的な方法によって修
復され得、この方法は、割れたセグメントを再配列するためにピン留めおよび縫
合を使用する。次いで、ヒドロゲルの層が適用される。固く接着したゲル材料は
、治癒の間、半月板上の付与荷重を再分散する。類似の用途は、体内の他の位置
(例えば、脊椎)および非肢関節(例えば、顎)において見出され得る。
【0061】 ヒドロゲル材料は、組織または移植片上のコーティングの観点から記載されて
いるが、これらの材料を、接着すべき両面をプライマーでコーティングし、この
材料がプライマー化された両方の表面と接触している間に、この材料を重合する
ことによって、非常に強いさらに生体適合性の医用接着剤として使用することも
可能である。その水和から平衡の間に、接着剤の予測可能な拡大を許容しなけれ
ばならない。
【0062】 (IV.実施例) 本発明は、以下の非限定的な実施例を参照することによって、よりよく理解さ
れる。
【0063】 これらの実施例は、生体適合性であり、整形外科組織によく接着する非常に強
く、弾力性があり、膨潤性の低いヒドロゲルを作製することが可能であることを
例示する。これらの実施例はまた、重合化ゲルとしての所望の最終特性を有する
という点から、より首尾良い処方物は、重合前に、0%〜約40%(wt/wt
)の範囲の初期含水量を有することも示す。最良のゲルを与える範囲は広く;首
尾良い処方物は、0%および33%に、ならびにその間のいくつかの濃度におい
て見出された。
【0064】 残りのこの処方物は、重合可能材料を含有した。500Daより大きい分子量
(典型的には、1000Daを超え、そして約100kD程度大きい)を有する
マクロマーが、重量の0%〜約50%を構成した。約10%〜約20%の範囲が
、最もしばしば首尾良いものであった。
【0065】 使用されたマクロマーはまた、架橋剤であった。マクロマーは、架橋剤として
および親水性領域としての2つの機能に役立ち、そしてこれらの機能は、所望さ
れる場合、別個の分子内に配置され得ると考えられる。しかし、1分子中の2つ
の機能の組み合わせが都合良い。
【0066】 1000Daより下、より典型的には、約500Daより下の分子量を有する
モノマーは、処方物の約45%〜100%、典型的には、約50%〜90%の範
囲、そして最も頻繁には、約60%〜80%の範囲を構成する。最も首尾良いモ
ノマー、DAAおよびALMの各々は、疎水性基および1より多い親水性基を有
する。ALMは2つのエステル結合を有し、一方、DAAは、アミドおよびケト
ンを有する。乏しい水溶性のALMは100%の濃度でゲルを形成し得、これは
2%より多い水を吸収し、そして親水性架橋剤を含有している場合、より良好な
ゲルを形成し得た。逆に、架橋剤を含まない、水溶性のDAA、VCまたはこれ
ら2つの組み合わせは、単独の重合可能成分として適切ではなかった。
【0067】 一般的に、ポリアクリルアミドおよびポリアクリル酸は、ゲルの主成分として
適切ではない。なぜならこれらは、膨潤し、そして弱いゲルを形成することが知
られているからである。DAAが両親媒性(親水性領域および疎水性領域の両方
を有する)であることは有意であり、そしてヒドロゲル中の実質的な割合の材料
が両親媒性であるべきであると考えられる。言い換えると、非常に疎水性のモノ
マー(例えば、メタクリル酸メチルまたはスチレン)は、剛性の非膨潤性ポリマ
ーを形成する。純粋なALMに関する例から、単一のモノマーとしてALMを使
用することによって、水吸収の範囲の下限に近い材料が生成することが明らかで
ある。しかし、より親水性のモノマー、特に、架橋マクロマーの添加により、改
良された水和の程度ならびに改良された弾性が与えられる。有用な疎水性の程度
は制限されるため、比較的少ないヒドロキシまたはアミノ酸、および比較的少な
いエステル基を有するALMの「AHK」アナログが好ましい。要約すると、好
ましい組成物は、少なくとも約5%、好ましくは、約10%、最も好ましくは約
20%〜少なくとも約50%の、実質的な水溶性を有するモノマーまたはマクロ
マーを含む。あるいは、親水性は、ポリマーの重量の少なくとも約20%を構成
する実質的に水溶性のブロックを有する、両親媒性マクロマー(例えば、Plu
ronic型ポリマーのような特定のポロキサマー(poloxamer))の
ただ1つの低い溶解度によって提供され得る。
【0068】 これらの適用のために最も適切な組成物は、約300%、好ましくは、200
%未満の、水における最大平衡膨潤を有するゲルを形成する。約100%以下の
値がより好ましい。適切な靱性および引張り特性を維持するために、膨潤状態の
固体の割合は、少なくとも約20%、好ましくは30%、最も好ましくは40%
以上でなければならない。これらの特性の好ましい組み合わせを得るために、4
0%以上の重合可能な材料の予め膨潤した固体含量が好ましいが、この値は所望
の膨潤後の値を得る工程に対して補助的である。
【0069】 膨潤の前および後の両方のゲルは、使用の動的条件下で耐久性であるために、
弾性でなければならない。100%以上の破壊までの伸び%の値が好ましいが、
特に高い固体含有量において、より小さい伸び(例えば、25%〜50%)が適
切であり得る。破壊時において、所望の可撓性(可逆的)の伸びの上限はない。
いくらかの不可逆的な変形もまた起こり得る。引張り強さおよび弾性率は明らか
に重要である。張力値の測定値を得ることは簡単であるが、部分的にこの適用に
おいて、応力−歪み曲線の正確な形態の非臨界のため、制限値を無効にすること
は簡単ではない。一般的に、好ましい材料は、水和の前に1MPaを超える張力
値を有し、そして水和の後に0.4MPaを超える張力値を有する。水和後の値
は、特に移植片またはコーティングが小さな剪断で圧縮負荷に供された場合、明
らかに低くなり得る。100〜200kPaの水和後の値が適切である。いくつ
かの用途において、20〜50kPaの引張り強さが使用され得る。
【0070】 (実施例1.PEG−TMC−ジアクリレート/DAAヒドロゲルの調製) ポリエチレングリコール(PEG)の35キロダルトン(kDa)のコア(メ
ーカーが特定した分子量;GPCによる約27kDaのMW)を含むマクロマー
を、トリメチレンカルボネートと反応させて、一分子につき平均約2個のPEG
セグメントおよび平均約15個のTMC基を有するヒドロキシ末端分子を得た。
次いで、この分子をアクリロイルクロリドでエンドキャッピングし、この分子を
架橋可能にした。この分子を、35KTA2と命名した。合成の詳細は、Foc
alによるWO98/12243に記載される。
【0071】 約68重量%のDAA、15重量%の35KTA2、約17重量%の水、およ
び電子キャリアおよび緩衝液としての酸化還元補助光重合のための材料(例えば
、Irgacure(登録商標)651(2,2−ジメトキシ−2−フェニルア
セトフェノン;DMAP)、t−ブチルヒドロペルオキシド、およびトリエチル
アミンを含む)を含む水中で、溶液を調製した。これは、3.0gの35kTA
2および13.6gのDAAを3.4gの水に添加し、そして完全に溶解するま
で撹拌しながら70℃で加熱することによって達成した。次いで、83マイクロ
リットルの6%t−ブチルヒドロペルオキシド(水中)および30マイクロリッ
トルの溶融したDMAPを、溶解に必要な程度撹拌および加熱しながら添加した
。この混合物を遠心分離または静置によって処理して気泡を除去した。これを−
40℃(暗室)で保存するか、または温かい温度(45〜50℃)または室温で
使用してヒドロゲルを形成した。
【0072】 このゲル形成材料を、キセノン光源からの近UV光の350〜400nmのバ
ンドで、約40秒間、約50〜100mW/cm2で照射することによって重合
し、機械特性および他の特性の試験のためのかさ高いゲルを形成した。接着を試
験するための組織に塗布する場合、この組織を以下のように調製した溶液でプラ
イムした。グルコン酸鉄(II)(0.71g)および1.42gのD−フルク
トースを100mLの水に溶解した。7.0gのこの溶液に、3.0gの低分子
量マクロマー、3.3KLA2(1PEGにつき平均5個のラクテート残基を有
し、アクリレートでエンドキャップされた直鎖の3.3kDaのPEGから作製
した)を溶解した。このプライマーを組織表面にブラシで塗布した。プライミン
グ技術は、米国特許第5,800,373号および同第5,844,016号(
Hubbellら)により詳細に記載され;35KTA2マクロマーの合成は、
FocalによるWO98/12243に記載され、そして3.3KLA2マク
ロマーの合成は、光重合の技術に属するHubbellらの米国特許第5,41
0,016号に記載される。
【0073】 「68DAA/1535KTA2」ゲルのかさ特性は、37℃で1日、水中で
定温放置した後、および57℃で7日後(再び促進される)に形成されたものと
して図1に示される。
【0074】 表1において、好ましい材料を、機械特性:引張り係数、引張り強さおよび伸
びにおいて、軟骨および半月板と比較する。 (表1:ウシ軟骨および半月板、ならびにヒドロゲルの材料特性)
【0075】
【表1】 「伸び(%)」は、(破壊時の長さ−もとの長さ)/もとの長さである。引張
り強さは、破壊前の最大応力におけるセカント弾性率である。最終の固体%は、
約40%であった。組織接着において、このゲルは「良好」とスコア付けされ、
そしてクランプ(止血)試験に合格した。このゲルは、膨潤前に濁り(白色、ほ
とんど不透明)、そして膨潤後に不透明であった。顕微鏡試験は、この構造に不
均一性が存在すること、およびおそらく多孔性が存在することを示唆した。
【0076】 (実施例2〜27.DAAおよび他のビニルベースのヒドロゲル材料の合成お
よび比較) 潜在的に適切な材料のさらなるサンプルを調製し、そして試験の制限されたセ
ットに供した。これらのサンプルを、表2に示す。
【0077】
【表2】 表2の脚注: 1.全処方物のパーセント。 2.DAA=ジアセトンアクリルアミド;VC=ビニルカプロラクタム;VOE
=ビニルオキシエタノール;MVA=メチルビニルアクリルアミド;AMPS=
2,アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸;VP=N−ビニルピロリ
ドン。 3.プライマーを用いる酸化還元のためのt−BHP、T−ブチルヒドロペルオ
キシド(約250ppm)。 4.UV硬化(40秒、約100mW/cm2;350〜400nm)、Irg
acure(登録商標)651光開始剤、VCの重量がIrgacure(登録
商標)の重量の2倍である溶液として時折添加される。 5.止血物質(2クリック)を被験物に適用し、キャストしそしてPetri皿
上で「円板」として硬化し(他の箇所の詳細を参照のこと)、示されない限り膨
潤した。合格とは5秒より長く(好ましくは、少なくとも30秒間)破壊に耐え
たことを意味する。 6.30%の3.3KL5A2、500ppmのグルコン酸鉄(II);水中1
%フルクトースをプライマーとして使用する。接着試験は、20ゲージの針をゲ
ルの基材に挿入し、そして基材に対して平行に引っ張り上げる工程を包含する。
評点付け「E」、「M」、「F」、および「P」は、それぞれ、「良好な接着」
、「中程度の接着」、「普通の接着」および「乏しい接着」に対応する。 7.BDO=1,4−ブタンジオール;HDI=ヘキサメチレンジイソシアネー
ト;F−127=Pluronic F−127コポリマー;Tween A3
=Tween界面活性剤、トリアクリレート;P−65=Pluronic P
−65コポリマー。 8.NIPAM=N−イソプロピルアクリルアミド;VC=N−ビニルカプロラ
クタム;DAA=ジアセトンアクリルアミド、VI=N−ビニルイミダゾール。 9.「Plu」=Pluronic F−88またはPluronic F−1
27コポリマー。
【0078】 実施例2〜27は、重合して整形外科用途のために受容可能なヒドロゲル、な
らびに選択されたコントロール材料を生成する処方物を例示する。
【0079】 実施例2は、「伝統的な」ヒドロゲルを示し、これはいくらかの(4.4%)
のDAAを含み、組織によく接着するが、高い膨潤性および低い最終個体濃度を
有する。これは耐力用途において使用するにはあまりに軟らかすぎる。なぜなら
、この最終ポリマー濃度(6.36%個体)が低すぎるからである。
【0080】 実施例3は、架橋剤を含まないDAAが、ある収量で、高弾性材料よりむしろ
プラスチックを形成することを示す。
【0081】 実施例4、5、7および9は、実施例8に示される好ましい式の変形を示す。
実施例8のように、これらの実施例もまた、整形外科適用に有用なヒドロゲル材
料を生成する。
【0082】 実施例6は、荷電したモノマーでのDAAの部分的置換を示す。
【0083】 実施例10および11は、ポリエーテルウレタン骨格の使用を示し、その合成
は、以下の実施例28に記載される。
【0084】 実施例12は、界面活性剤(ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート(
Tween(登録商標)20))の使用を示し、この界面活性剤は、親水性の架
橋するマクロマーとして、1分子あたり約3つのアクリル基を含むように誘導体
化されている。
【0085】 実施例13および14は、実施例1または8の好ましい処方物の種々の組織へ
の付着を示す。実施例13はまた、加熱なしで、または加熱なしの凍結状態から
解凍した際に得られた場合の、溶液(加熱後)としての好ましい処方物をペース
トとしての好ましい処方物に対して比較する。このペーストは、付着性が低く、
「優れた」付着よりもむしろ「中程度」の付着を生じる。
【0086】 実施例15は、好ましい処方物を用いる(ラットでの)皮下移植実験を要約す
る。良好な生体適合性(最小の組織応答)が見出された。
【0087】 実施例16および17は、DAAをN−イソプロピルアクリルアミド(NIP
AM)およびビニルカプロラクタム(VC)で完全に置換することにより、ゲル
が大量に膨潤し、そしてそれにより靱性を失うということを示す。しかし、実施
例18は、VCが所望の特性を保持したまま、DAAを部分的に置換され得ると
いうことを示す。DAAは、VCより疎水性であるので、この効果は、材料にお
ける疎水性の望ましさを実証し得る。
【0088】 実施例19〜21は、加熱しながらマクロマーおよびモノマーを同時に溶解さ
せることにより作製された、水を含有しない処方物を示す。実施例19は、不適
切であり;実施例20は下限に近いが許容でき;そして実施例21は、本質的に
実施例18と同じであり、これは重合の間に水を含んでいた。実施例20がメチ
ルビニルアクリルアミド(MVA)をモノマーとして使用し、そしてDAAを含
んでいないことに留意すること。
【0089】 実施例22〜26は、マクロマーがアクリル化ポロキサマー(poloxam
er)(すなわち、PEG−PPOブロックコポリマー)である種々の処方物を
示し、これは、BASFによるPluronic(登録商標)界面活性剤のよう
な市販材料の単純なアクリル化により作製される。これらのマクロマー(疎水性
部分を有する)はまた、整形外科用途のためのヒドロゲル材料を形成し得る。し
かし、VCを含む処方物は、比較的脆性であるが、DAA含有処方物は許容でき
る。
【0090】 実施例27は、架橋のないことから予測されるように、VC単独では不十分で
あることを示す。
【0091】 (実施例28 ポリウレタンベースのマクロマーに基づくヒドロゲル) PEGまたはポロキサマー、および必要に応じて短鎖ジオールのジイソシアネ
ートとの反応は、マクロマージオールを生成し、このマクロマージオールは塩化
アクリロイルと反応し、必要に応じて反応後に分解可能な連結を生じ、軟弱から
非常に靭性までの広範な特性を有するアクリル官能性マクロモノマーを生成し得
る。これらの融通の利く組成は、溶解度および疎水性の制御を可能にする。
【0092】 上記の実施例10および11において使用される、ポリウレタン骨格を有する
マクロマーを、1,4−ブタンジオール(1.27g、0.147m)、PET
、MW 3,400(50.00g、0.0147m)および1,6−ジイソシ
アナトへキサン(4.66g、0.0277m)をトルエン中で二ラウリル酸ジ
ブチルすず触媒と反応(80℃、4時間)させることにより調製した。得られた
マクロジオールを塩化アクリロイルでアクリル化し、そしてヘキサンを用いて沈
殿させることにより単離した。この材料(3.0g)を、水(4.0g)中DA
A(3.0g)の溶液中に混合することにより、実施例10に示される、接着剤
/密封剤処方物において使用した。この溶液を加温し、そして6%t−ブチルヒ
ドロペルオキシド水溶液(42ml)を溶融Irgacure(登録商標)65
1(15μL)と共に混合した。得られた処方物を、遠心分離かまたは周囲温度
で放置することにより気泡を除去するために処理し、そして−40℃で貯蔵する
かまたはヒドロゲルを調製するために使用した。
【0093】 同様の調製を、2gのアクリル化ポリウレタンを、6gのDAAおよび2gの
水を含む溶液と混合することにより実施例11において使用し、他の成分は同じ
であった。
【0094】 (実施例29:整形外科ヒドロゲルのインビボ試験) 急性移植研究を、好ましい組成(DAA(68%)/35KTA2(15%)
/H2O(17%))を用いて、3mm×1mmの欠損を作製されたウサギ内側
大腿顆に対して行った。ヒドロゲル移植片と、それが接触されている軟骨および
骨との間に強い結合が形成された。
【0095】 10日間の研究は、このヒドロゲルが明らかな損傷なく適所に残っていること
を示した。周囲の組織は、未処理の損傷したコントロールと一致することが見出
され、短期間の生体適合性を実証した。特に、組織学的切片は、軟骨細胞または
基質のいずれかにおいて隣接する軟骨への明らかな損傷または傷害を全く示さな
かった。この研究において使用された材料は、以前に細胞適合性試験に合格して
おり、そして滅菌かつ非発熱性であった。これらの結果は、ヒドロゲル置換軟骨
組織が損傷を全く引き起こさず、そして研究の持続期間の間、関節の機能を可能
にしたことを示した。
【0096】 (実施例30:ポリALMの合成、重合、および試験) アクリロイル乳酸メチルエステルを、整形外科材料のための処方物のために設
計した。アクリル乳酸メチルエステル(ALM;メチルアクリロイルラクテート
;乳酸メチルエステルのアクリルエステル;CH2=CH−C(=O)OCH(
CH3)C(=O)OCH3)を以下のように調製した。
【0097】 81mLのトルエン中の15.61g量の乳酸メチル(S(−)異性体)を、
15.79gのトリエチルアミンの存在下で13.79gの塩化アクリロイルと
20℃未満で反応させた。塩化アクリロイルを、発熱を制御するために、冷却し
ながらTEAを含む反応混合物に滴下した。生じたTEA・HCl塩を濾別し;
そしてALM/トルエン溶液を15gのアルミナを含むカラムを通して精製し、
そして6.5mgのヒドロキノンで安定化した。ALM生成物を、ロータリーエ
バポレーターを使用して減圧下でトルエンを除去することにより単離した。
【0098】 ALMの収率は72%〜75%の範囲であった。プロトン核磁気共鳴分光法(
H−NMR)による分析に基づいて、この琥珀色の生成物は、代表的に以下を含
有する:94.4%ALM、1.0%アクリロイル乳酸エチルエステル(ALE
)、0.0%TEA・HCl、1.43%乳酸メチル、0.72%アクリル酸、
および1.45%トルエン。
【0099】 次いで、ALMを、60〜62℃および0.8〜0.95mTorrで減圧蒸
留して無色透明液体を得た。H−NMRによる分析に基づいて、ALMは、代表
的に以下を含む:98.01%ALM、0.74%ALE、0.0%TEA・H
Cl、1.43%乳酸メチル、0.22%アクリル酸、および0.02%トルエ
ン。
【0100】 ポリマーA:150gALMのニート溶液を、減圧下60〜70℃にて約20
分間自己重合させた(120℃まで発熱)。非常に弾性の超高分子量(MW)ポ
リマーは、取り出すために反応容器を破壊する必要があった。このポリマーは膨
潤し、そしてまたは大部分の有機溶媒(クロロホルム、塩化メチレン、ジメチル
スルホキシド、テトラヒドロフラン、ヘキサフルオロイソプロパノールを含む)
に部分的な溶解性を示したが、水には可溶ではなかった。この材料は、3日間に
わたって37℃で2.7%水和し、そして減圧乾燥後338.64kPaの弾性
率を有した。
【0101】 ポリマーB:1.95gのALMのニート溶液を、N2下で10.0mgの過
酸化ベンゾイルを開始剤として用いて60〜70℃に約5分間加熱することによ
り重合させた。弾性の高MWポリマーは、取り出すために反応容器を破壊する必
要があった。このポリマーは、29.55kPaの弾性率を有した。
【0102】 ポリマーC:低MW等価体を、2.45gのALMを30.2mgの過酸化ベ
ンゾイルを開始剤として用いて60〜70℃にて約5分間加熱することにより重
合させて調製した。このポリマーは、16.2kPaの弾性率を有した。ポリマ
ーBおよびCの両方とも、非常に可撓性でありかつ多くの有機溶媒(クロロホル
ム、塩化メチレン、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフランを含む)に可溶
性であるが、水には可溶性ではなかった。
【0103】 高MWポリALM(ポリマーB)の0.2261gの破片を、約30mLのリ
ン酸緩衝液(pH7.4)と共に37℃で定温放置した。3日後サンプルの重量
は0.2272gであった。この材料を減圧下室温で24時間乾燥した。重量は
、0.2212gに減少し、約2.2%の平衡水和を示した。このことは、高M
WポリALMは水に不溶であるが、少なくとも2.2重量%の水を吸収したとい
うことを実証する。水和したポリALMは、粘着性というよりはむしろ滑らかで
あった。この定温放置されたポリマーの弾性率は、44.18kPaであった。
【0104】 0.3163g量の低MWポリALM(ポリマーC)を、約30mLのリン酸
緩衝液(pH7.4)と共に37℃で定温放置した。サンプル重量は、3日後0
.3131gであった。この材料を4時間減圧下室温で乾燥した。重量は0.2
967gに減少し、約5.2%の平衡水和を示した。このことは、低MWポリA
LMは、水に不溶であるが、少なくとも5.2重量%の水を吸収したことを実証
する。水和したポリALMは、粘着性というよりはむしろ滑らかであった。この
ポリマーの弾性率は26.95kPaであった。
【0105】 ポリマーA、B、およびCを、pH11.8〜12.5の水中85℃で定温放
置した。8日後、ポリマーAは、実質的に溶解していた。その水溶液は粘性であ
った。ポリマーBおよびCは、85℃で6日間かけて実質的に溶解した。その水
溶液は、いくらか粘性であった。
【0106】 膨潤した(24時間)ポリALMおよび膨潤していないポリALM、ポリマー
A、ポリマーB、およびポリマーCの機械的特性としては、以下が挙げられる: a)全ての3つの材料は、靭性についての鉗子試験に合格し;そして b)全ての3つの材料は、少なくとも100%の破壊までの伸長を有していた
。 感覚試験(手技(manipulation))は、これらの材料が変形可能で
あるが、かつ軟骨を保護するのにおそらく十分靭性であるということを示した。
【0107】 したがって、弾性、靭性および整形外科組織への適用に適切な水和を有し、か
つさらに加速(accelerated)試験において分解可能であるALMの
ポリマーを調製し得る。
【0108】 (実施例31:ALM含有コポリマー) ALMを他の材料と共重合させた。試験された組合せは以下を含む: a)17%の35KTA2マクロマー(表2の説明を参照のこと)、18%の
水および65%のALMは、この順番で約70℃に加熱することにより混合した
。この混合物を、0.3%のIrgacure(登録商標)光開始剤の存在下で
UV光を用いて重合させた。得られた材料は不透明であり、そしていくらか多孔
性に思われた。水と共に定温放置した後、この材料は、滑らかであり、そして明
らかに膨潤していたが、鉗子試験には不合格であった。
【0109】 b)60%のALM、30%のビニルカプロラクタム(VC)、および10%
の35KTA2を、約70℃に加熱することにより混合した。この混合物をUV
光を用いて0.3%ppm Irgacure(登録商標)光開始剤の存在下で
重合させた。重合された(as−polymerized)材料は透明であった
が、水と共に短時間定温放置した際に不透明に変わった。この材料は水和前は剛
性でわずかに脆性であったが、一晩の水和の後、約40%膨潤して弾性かつ可塑
性になった。破壊までの伸びは、50%を超え、そしてこの材料は靭性について
の鉗子試験に合格した。この水和した材料の圧縮弾性率は、151kPaであっ
た。
【0110】 c)75%のALM、15%のVC、および10%の35KTA2を約70℃
に加熱することにより混合した。この混合物をUV光で0.3%ppm Irg
acure(登録商標)光開始剤の存在下で重合させた。重合された材料は透明
であったが、水と共に短時間定温放置した際に不透明に変わった。この材料は、
水和前は、実施例b)に記載される材料よりも低い剛性でかつ低い脆性であった
が、この材料は、一晩の水和の後、約40%膨潤し、そして弾性かつ可塑性にな
った。破壊までの伸びは、50%を超え、そしてこの材料は靭性についての鉗子
試験に合格した。折り畳まれた水和した円板は、その元の形状に5秒未満ではね
戻ったが、上記の実施例bに記載される材料からの等価な円板は、跳ね返るのに
約30秒を要した。
【0111】 d)90%のALMおよび10%の35KTA2を約70℃まで加熱すること
により混合した。この混合物は、0.3%ppmのIrgacure(登録商標
)光開始剤の存在下でUV光を用いて5分内に重合しなかった。
【0112】 実施例30および31は、本明細書中に規定されるように、整形外科修復材料
として有用である材料が分解可能な材料から作製され得るということを実証する
。これらの実施例に基づいて、当業者は、高い固体の割合、高い引張り係数、有
意な破壊までの伸び、生体適合性、および付着性という所望の特性を有する、新
規な材料から作製し得る。
【0113】 (実施例32:AHCモノマー) 工程1.ALA(アクリロイル乳酸)の合成。上記のALM材料は、この合成
に好都合な出発物質である。なぜならば、乳酸メチルは、市販されているからで
ある。塩化アクリロイルは、AHK材料において所望される活性基に依存して、
他の活性エチレン性不飽和化合物(例えば、アクリルイミダゾールまたは臭化メ
タクリルまたはシンナモイルスクシンイミド)で置換され得る。
【0114】 ALMは、塩基性水溶液中の選択的脱エステルによりALAに加水分解される
。この反応は、アクリロイル−ラクチルエステル(A−H結合)と比較して、乳
酸メチルエステル(H−K結合)のより速い加水分解を利用する。代表的な手順
において、10.03gのALM(純度92.92%)は、90mLの水に分散
されて、そして5.45mLの10N 水酸化ナトリウムでNa−アクリロイル
酢酸塩に加水分解される。この塩基を20〜25℃で添加する。Na−アクリロ
イル酢酸塩を、pH1.0で6N HClを用いてアクリロイル酢酸(ALA)
に変換する。このALAを水相から112mLのトルエンで液−液抽出器を使用
して一晩抽出する。残留水分を6gの硫酸マグネシウムで除去する。硫酸マグネ
シウムの濾過後、トルエンをロータリーエバポレーターを使用して減圧下で除去
する。濃縮されたALAは、黄色油状物である。1H−NMRによるALAの典
型的な分析:
【0115】
【表3】 上記の条件はアクリロイル乳酸(ALA)の収率を最適化し、ここでALMの大
部分は加水分解したが、アクリロイル−ラクチルエステル結合の有意な加水分解
は開始しなかったことが実験的に決定された。
【0116】 工程2.ALC(アクリロイル−ラクトイルクロリド、CH2=CH−CO−
OCH−O−CH(CH3)−CO−Cl)の合成。この工程は、カルボン酸の
直接活性化反応であり、そして多くの手順がこのような活性化について公知であ
る。
【0117】 代表的な手順において、粗製ALA(遊離酸)を、テトラヒドロフラン(TH
F)に溶解し、過剰の塩化オキサロイルおよび触媒量のジメチルホルムアミド(
DMF)を添加した。約20分間の0℃での定温放置後に、反応は本質的に完了
した。粗反応混合物を、直接次の工程に使用した。
【0118】 工程3.AHKエステルの合成。これは、単純な、活性カルボキシル(例えば
、塩化アシル)とアルコールとの反応である。多くのこのような手順が文献で公
知である。以下の仮定の実験例示は、一般的方法である。
【0119】 ALCを精製するよりも、このALC含有溶液を直接適切なアミン(例えば、
ピリジンまたはトリエチルアミン)を含む適切な溶媒中の所望のアルコールに添
加して、生成した酸を捕捉することが最も簡便かつ効率的である。例えば、AL
Cを含有する上記のTHF溶液を、算出されたALA含量およびトリエチルアミ
ンに基づいて、0.9%当量のコレステロールのトルエン溶液に添加し得る。反
応の完了後、ALAのコレステロールエステルを、アミン塩の除去および減圧下
ロータリーエバポレーターでの濃縮後に得る。
【0120】 遊離酸(例えばALA)の活性化エステル(例えばALC)への活性化および
その後のAHKエステルの合成もまた、単一または段階的な「ワンポット(on
e−pot)」の活性化として、適切なアシル化剤(例えば、触媒量のジメチル
アミノピリジンを伴うジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC))を使用して
達成し得る。種々の基を脱離基Cとして使用し得る。これらとしては、ハロゲン
、スクシンイミジル基の残基、イミダゾールの残基、チオエステルの残基、ニト
ロフェノール、ピリジン、およびo−アシル尿素が挙げられる。鍵となる必要条
件は、脱離基が容易に求核試薬(例えば、ヒドロキシル基、アミン、またはチオ
ール)により置換されるということである。
【0121】 (実施例33.ポリマーのアクリルラクテートエステル) ポリビニルアルコール(PVA)をALCと反応させてモノマーのアクリロイ
ル−ラクチル−PVAを形成する。ALCを本質的に上記のように調製した。A
ldrichからのPVAは、10kDaの規定分子量(しかし実際の分子量は
9kDa〜10kDaであった)を有し、そして約80%が加水分解されている
と規定されていた。10グラムのPVAを3つ口250mLフラスコに入れ、そ
してピリジンを約200mLの最終容積になるまで加えた、この混合物を窒素下
で攪拌してPVAを溶解させた。このフラスコを約95℃に加熱し、そしてピリ
ジンの蒸留が始まった。PVAは約120℃で沈殿し始め;約200mLのジメ
チルアセトアミド(DMAC)の添加により均一な溶液が生じ、そして温度は、
約70℃に下がった。蒸留により約200mLまで容積が減少した後、この混合
物を60℃まで放冷させ、そしてALC(450μL;純度および活性約97%
)を添加した。
【0122】 この混合物を攪拌しながら窒素下で20分間60℃に維持した。次いで、18
00mLのトルエンに激しく攪拌しながら注ぐことにより沈殿させた。ゼラチン
状の沈殿を減圧濾過した。この沈殿を200mLのヘキサンと混合し、そして濾
過し;これを2回繰り返した。湿った微粉末を得、これを40℃で一晩減圧乾燥
した。
【0123】 得られた収量は9.18gを含んでいた。1H−NMR分析は、PVA分子あ
たり約0.77のアクリレート−ラクテート置換を示した。このモノマーのフリ
ーラジカル重合では、低い程度の置換および立体障害の見込みから期待されたよ
うなゲルは得られなかった。
【0124】 DMACが溶媒であり、そして300μLのピリジンを450μLのALCと
共に添加した60分間の反応時間の、別の実験により、9.2%でポリマーが生
成した。緩衝化水溶液中10%のポリマーで、およそ等重量のビニルカプロラク
トンと共重合した場合、このポリマーはゆるいゲルを生じた。共重合をエオシン
Yを光開始剤として、およびトリエタノールアミンを電子移動試薬として使用し
て可視光下で行った。
【0125】 この研究は、このモノマーがポリマーを「K」基として含み得、そしてその特
性は変動し得る程度の誘導体化によりあつらえられ得ることを実証する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、機械的特性(引張り強度ならびに弾性率(psi)および%伸び)の
グラフである。これらは、始めに形成された材料、37℃で1日間の水和(膨潤
)後の材料、および57℃で13日間の加速された定温放置後の材料について示
される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 290/06 C08F 290/06 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN,YU, ZA,ZW (72)発明者 カウリー, アーサー ジェイ. アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02116, ボストン, ワーレン アベニ ュー 154 (72)発明者 グッドリッチ, スティーブン ディー. アメリカ合衆国 ミネソタ 56001, マ ンカト, サンレイ アベニュー 1901 (72)発明者 クレイマー, ヒルドガード エム. アメリカ合衆国 コネチカット 60880, ウエストポート, リーマー ロード 5 (72)発明者 アヴィラ, ルイス ゼット. アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02174, アーリントン, スリーピー ハロウ レーン 11 (72)発明者 トラバース, ジョン エフ. アメリカ合衆国 マサチューセッツ 02143, ソマービル, クレイギー ス トリート 74, アパートメント 1 (72)発明者 ジャレット, ピーター ケイ. アメリカ合衆国 マサチューセッツ 01776, サドベリー, ウィリス ロー ド 353 Fターム(参考) 4C081 AB01 AB03 AB04 AB11 AB18 BA12 BA13 BB01 BB04 BB05 BB07 BB08 CA081 CA102 CA172 CA242 CC01 CC04 CE02 DA12 4J027 AA06 AC01 AC02 AC03 AG01 AG04 BA07 BA13 BA14 CB10 CC05 CD07 4J100 AL08P BA15P CA01 FA03 JA51

Claims (40)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共有結合的に重合した、吸水性のヒドロゲル形成材料であっ
    て、 ここで、該材料は、親水性領域および疎水性領域の両方を有し、0〜50%(
    重量/重量)の架橋する親水性マクロマー、50〜100%(重量/重量)の少
    なくとも1つの疎水性基を備えるモノマー、および0〜40%(重合前の重量/
    重量)の水から形成され、そして以下の特性: a)水または体液との平衡時に、その初期重量の約300%未満まで水を吸収
    すること、 b)水または体液中の平衡後に、少なくとも約20%の固体含量を有すること
    、 c)水和平衡において、少なくとも約25%の破壊までの伸びを有すること、 d)生物学的組織の処置または修復を可能にするに十分に生体適合性であるか
    、または患者において移植片として使用されること、ならびに e)重合および架橋の一方または両方によって、身体組織上でインサイチュで
    ヒドロゲルを形成し得るか、または医療用移植片を形成し得ること、 を有するように特徴付けられる、材料。
  2. 【請求項2】 重合後に、少なくとも10kDaの分子量を有する、請求項
    1に記載の材料。
  3. 【請求項3】 共有結合的に架橋された、請求項1に記載の材料。
  4. 【請求項4】 非共有結合的に架橋された、請求項1に記載の材料。
  5. 【請求項5】 平衡水和後に、少なくとも約50kPaの引張り係数を有す
    る、請求項1に記載の材料。
  6. 【請求項6】 少なくとも約2%の平衡水含量を有する、請求項1に記載の
    材料。
  7. 【請求項7】 組織上で重合された場合に、該組織に接着する、請求項1に
    記載の材料。
  8. 【請求項8】 10%の伸びおよびその状態からの解放の間に、実質的に弾
    性である、請求項1に記載の材料。
  9. 【請求項9】 滑らかであることでさらに特徴付けられる、請求項1に記載
    の材料。
  10. 【請求項10】 重合または架橋の前に、 a)約1000Da以上の分子量のマクロマーである、少なくとも1つの成分
    であって、該マクロマーの少なくとも20%が、親水性ブロックまたは親水性領
    域であり、そして少なくとも1つの化学反応性基を含む、少なくとも1つの成分
    ;ならびに b)1つより多い化学反応性基を有する少なくとも1つの成分、 を含むことでさらに特徴付けられる、請求項1に記載の材料。
  11. 【請求項11】 重合または架橋の前に、少なくとも20重量%の、約10
    00Da未満の分子量の少なくとも1つの両親媒性の水溶性モノマーを含むこと
    でさらに特徴付けられる、請求項1に記載の材料。
  12. 【請求項12】 平衡水和における水吸収が約200%未満である、請求項
    1に記載の材料。
  13. 【請求項13】 平衡膨潤後に、前記固体含量が少なくとも約25%である
    、請求項1に記載の材料。
  14. 【請求項14】 前記破壊までの伸びが、少なくとも約200%である、請
    求項1に記載の材料。
  15. 【請求項15】 前記引張り係数が、少なくとも200kPaである、請求
    項1に記載の材料。
  16. 【請求項16】 治療剤、予防剤または診断剤をさらに含む、請求項1に記
    載の材料。
  17. 【請求項17】 以下: a)約40重量%〜約100重量%の、約1000Da以下の分子量を有する
    1つ以上の重合可能なモノマーであって、 ここで、少なくとも約40重量%以下の該モノマーは、両親媒性モノマーから
    なり、 ここで、約50重量%の該モノマーは、機能性疎水性モノマーからなる、 モノマー; b)0重量%〜約40重量%の、約500Daより大きい分子量を有する反応
    性マクロマーであって、該反応性マクロマーは、平均して、1分子あたり1つよ
    り多くの重合可能な基を含みそして該マクロマーの約20%が親水性基を有する
    、反応性マクロマー;ならびに c)0%〜約40%の水、 を含む混合物の重合によって形成される、請求項1に記載の材料。
  18. 【請求項18】 移植片またはデバイス上のコーティングの形態である、請
    求項1に記載の材料。
  19. 【請求項19】 移植片またはデバイスを形成する、請求項1に記載の材料
  20. 【請求項20】 式AHKを有するモノマーであって、ここで: Aは、エステルおよびアミドから選択される結合によってHに連結されるエチ
    レン性不飽和酸の残基であり; Hは、ヒドロキシカルボン酸、炭酸、またはアミノ酸の残基であり、該Hは、
    エステル結合によってKに連結され;そして Kは、少なくとも1つの炭素原子を含むアルコールの残基である、 モノマー。
  21. 【請求項21】 請求項20に記載のモノマーであって、ここで: Aは、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、チグリン酸
    、アンゲリカ酸、およびケイ皮酸;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサ
    コン酸、イタコン酸、クエン酸およびイソクエン酸、ならびにこれらのモノエス
    テルおよびモノアミド、ならびにこれらの混合物からなる群から選択され; Hは、グリコール酸、乳酸、3−ヒドロキシ−プロパン酸、ヒドロキシ酪酸、
    ヒドロキシペンタン酸、ヒドロキシトリメチレン炭酸、ヒドロキシエチレン炭酸
    、ヒドロキシプロピレン炭酸、加水分解されたジオキサノン(すなわち、2−ヒ
    ドロキシエトキシ酢酸)、ヒドロキシヘキサン酸、8つ以下の炭素のα、βまた
    はγアミノ酸、およびそれらの混合物からなる群から選択され;そして Kは、1〜約10個の炭素原子および少なくとも1つのヒドロキシル基を含む
    アルコールであるか、またはこのようなアルコールの混合物である、 モノマー。
  22. 【請求項22】 Aが、アクリル酸およびメタクリル酸からなる群から選択
    される、請求項21に記載のモノマー。
  23. 【請求項23】 Hが、1〜約8個の炭素原子を有し、そしてグリコール酸
    、乳酸、3−ヒドロキシ−プロパン酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシペンタン酸
    、およびヒドロキシヘキサン酸からなる群から選択される、請求項21に記載の
    モノマー。
  24. 【請求項24】 Hが、ヒドロキシトリメチレン炭酸、ヒドロキシエチレン
    炭酸、ヒドロキシプロピレン炭酸、および加水分解されたジオキサノン(すなわ
    ち、2−ヒドロキシエトキシ酢酸)からなる群から選択される、請求項21に記
    載のモノマー。
  25. 【請求項25】 Hが、2〜8個の炭素原子を有し、そしてαアミノ酸、β
    アミノ酸、γアミノ酸、およびこれらの混合物からなる群から選択される、請求
    項21に記載のモノマー。
  26. 【請求項26】 Kが、メタノール、エタノール、プロパノ−ル、イソプロ
    パノール、ブタノールの異性体、ペンタノールの異性体、およびヘキサノールの
    異性体からなる群から選択される、請求項21に記載のモノマー。
  27. 【請求項27】 請求項21に記載のモノマーの調製のための中間体であっ
    て、該中間体は、式AHCを有し、ここで、 Aは、エステルおよびアミドから選択される結合によってHに連結されるエチ
    レン性不飽和酸の残基であり; Hは、ヒドロキシカルボン酸、炭酸、またはアミノ酸の残基であり、該Hは、
    アシル結合によってCに連結され;そして Cは、脱離基であって、該脱離基が、アルコールによって置換されて、エステ
    ルを形成する、 中間体。
  28. 【請求項28】 前記脱離基Cが、ハロゲン、スクシンイミジル基、イミダ
    ゾール、チオール、ニトロフェノール、ピリジン、およびo−アシル尿素からな
    る群から選択される、請求項27に記載の中間体。
  29. 【請求項29】 Aが、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロ
    トン酸、チグリン酸、アンゲリカ酸、ならびにケイ皮酸;マレイン酸、フマル酸
    、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、クエン酸ならびにイソクエン酸、な
    らびにこれらのモノエステルおよびモノアミド、およびこれらの混合物からなる
    群から選択される、請求項27に記載の中間体。
  30. 【請求項30】 Aが、アクリル酸およびメタクリル酸からなる群から選択
    される、請求項27に記載の中間体。
  31. 【請求項31】 Hが、グリコール酸、乳酸、3−ヒドロキシ−プロパン酸
    、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシペンタン酸、ヒドロキシトリメチレン炭酸、ヒド
    ロキシエチレン炭酸、ヒドロキシプロピレン炭酸、加水分解されたジオキサノン
    (2−ヒドロキシエトキシ酢酸)、ヒドロキシヘキサン酸、8つ以下の炭素のα
    、βまたはγアミノ酸、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求
    項27に記載の中間体。
  32. 【請求項32】 前記組織が、整形外科組織である、請求項1に記載の材料
  33. 【請求項33】前記組織が、骨、軟骨、半月、嚢、滑膜、腱、靱帯、筋肉お
    よび椎骨円板からなる群から選択される、請求項1に記載の材料。
  34. 【請求項34】 前記材料が、滑らかさ、耐摩耗性、負荷分布、整形外科組
    織への表面付け替えを提供するに有効である、請求項1に記載の材料。
  35. 【請求項35】 前記材料が組織に接着する、請求項1に記載の材料。
  36. 【請求項36】 生物学的組織または医療用移植片の処置のための方法であ
    って、該方法は、該組織または移植片への架橋されたポリマー性ヒドロゲル材料
    の適用を含み、ここで、親水性領域および疎水性領域の両方を有する該材料は、
    0〜50%(重量/重量)の架橋する親水性マクロマー、50〜100%(重量
    /重量)の少なくとも1つの疎水性基を備えるモノマー、および0〜40%(重
    合前の重量/重量)の水から形成され、そして以下の特性: a)水または体液への曝露の際に、その初期重量の約300%未満まで水を吸
    収すること b)水または体液中の平衡後に、少なくとも約20%の固体含量を有すること c)形成時および膨潤平衡後の両方で、少なくとも約25%の破壊までの伸び
    を有すること、 d)生体適合性であること、 を有するように特徴付けられ、 ここで、該材料が、組織の存在下で、反応性モノマーとマクロマーとの架橋に
    より形成され、そして含水材料を形成するために体液との水和を起こす、 方法。
  37. 【請求項37】 組織の疾患または障害の処置のための医薬の製造における
    、請求項1〜35のいずれかに記載の材料の使用。
  38. 【請求項38】 前記組織が、整形外科組織である、請求項37に記載の材
    料の使用。
  39. 【請求項39】 前記組織が、前記組織が、骨、軟骨、半月、嚢、滑膜、腱
    、靱帯、筋肉および椎骨円板から選択される、請求項38に記載の材料の使用。
  40. 【請求項40】 移植片またはデバイス、もしくはその上のコーティングを
    形成するための、請求項1〜19または32〜35のいずれかに記載の材料の使
    用。
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