JP2003507078A - 抗ウイルス剤の同定方法 - Google Patents

抗ウイルス剤の同定方法

Info

Publication number
JP2003507078A
JP2003507078A JP2001518895A JP2001518895A JP2003507078A JP 2003507078 A JP2003507078 A JP 2003507078A JP 2001518895 A JP2001518895 A JP 2001518895A JP 2001518895 A JP2001518895 A JP 2001518895A JP 2003507078 A JP2003507078 A JP 2003507078A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cdk2
hpv
inhibitor
kinase activity
amino acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001518895A
Other languages
English (en)
Inventor
クリストファー・フィッシャー
ヘ・ワンシア
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pharmacia and Upjohn Co
Original Assignee
Pharmacia and Upjohn Co
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Pharmacia and Upjohn Co filed Critical Pharmacia and Upjohn Co
Publication of JP2003507078A publication Critical patent/JP2003507078A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/48Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving transferase
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P31/00Antiinfectives, i.e. antibiotics, antiseptics, chemotherapeutics
    • A61P31/12Antivirals
    • A61P31/20Antivirals for DNA viruses
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Virology (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Communicable Diseases (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、抗ウイルス剤の同定方法を提供する。より詳しくは、本発明は、CDK2複合体へのE7結合の特異的インヒビターを同定する方法およびE7誘発CDK2キナーゼ活性の特異的インヒビターを同定する方法を提供する。本発明により同定された特異的インヒビター、該特異的インヒビターを含む組成物、および該化合物を用いる治療方法も提供する。より詳しくは、CDK2キナーゼ活性におけるヒト・パピローマウイルスE7タンパク質誘発増大のインヒビターを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本出願は、1999年8月25に出願された係属中の米国特許出願第09/3
82,616号の一部継続である。
【0002】 発明の分野 本発明は、抗ウイルス剤の同定方法、より詳しくは、CDK2キナーゼ活性に
おけるヒト・パピローマウイルスE7タンパク質誘発増大のインヒビターを提供
する。
【0003】 発明の背景 ヒト・パピローマウイルス(HPV)は、80を超える小さな(約8kb)の
DNAウイルスのファミリーであって、重層鱗状上皮に感染して、イボを発生さ
せる。ある種のハイリスクHPV株は、HPV16、HPV18およびHPV3
1を含み、頚部癌における最も重要な病因であるとみなされてきており[zur Ha
usen, Biochim. Biophys. Acta 1288:F55-78 (1996)]、それは、該ハイリスク
HPVからのE6およびE7遺伝子が強力な腫瘍遺伝子であるという観察と一致
する。E6およびE7の腫瘍遺伝子可能性は宿主細胞タンパク質への結合特性に
起因するであろう。例えば、E6は腫瘍サプレッサータンパク質p53に結合し
て、該タンパク質のユビキチン依存性分解をもたらし[Scheffner, et al., Cel
l 63:1129-36 (1990)]、E7は結合し、腫瘍サプレッサー網膜芽腫タンパク質
(pRb)の分解を促進する[Dyson, et al., Science 243:934-7 (1989); Jon
es, et al., Genes & Dev 11:2101-11 (1997)]。E6およびE7は他の活性を
有するが、ウイルスのライフサイクルにおけるそれらの役割は完全に解明されて
いない。
【0004】 該HPVライフサイクルは、重層鱗状上皮内で分化依存性様式で調節される[
Jones, et al., Genes & Dev 11:2101-11 (1997)]。該ウイルスは、当該基底細
胞癌層中でエピソームとして維持され、それは重層上皮中の複製細胞集団である
。ケラチノサイトへの宿主細胞の分化により、該ウイルスは爆発的なDNA複製
を受ける。分化に続いて、ケラチノサイトは該細胞サイクルから外れ、上皮重層
化の通常経過の間に死滅する。通常、これらのイベントは不可逆的であるが、H
PV E7活性は、分化されたケラチノサイトにおけるDNA合成のスケジュー
ルされていないラウンドを進行させるのに充分である[Cheng, et al., Genes &
Dev. 9:2335-49 (1995)]。新たに合成された細菌性DNAは、該上皮の上層生
存可能層(upper viable layers)にパッケージされ、該死んだ分化細胞中の環境
に閉じ込められる。分化細胞中のスケジュールされていないDNA合成は該HP
Vウイルスライフサイクルの中心であり、該E7遺伝子産物はこのイベントにお
いて重要なウイルスタンパク質とみなされてきた。これらの観察と一致して、最
近の遺伝子解析は、E7はHPV感染ケラチノサイト中の成長複製(増殖)に必
要とされることを示した。該E7遺伝子産物は、多数の調節タンパク質と結合す
る98個のアミノ酸タンパク質であり、pRbおよび、サイクリン依存性キナー
ゼ阻害性タンパク質(KIP)ファミリーのタンパク質を含み、その機能は細胞
周期のS期移行への移行にとって重要である[Morgan, Ann. Rev. Cell Dev. Bi
ol. 13:261-291 (1997)]。
【0005】 いかにしてE7がS期への進行を促進するかは、該ウイルスライフサイクルお
よびHPV関連癌に対するこのイベントの重要性のため、熱心な調査の対象であ
る。E7は、例えば、TGF−βに介在されるもの[Pietenpol et al., Cell 6
1:777-85 (1990)]、基質付着性損失(loss of substrate adherence)[Ruesch,
et al., Virol. 250:19-29 (1998)]および血清奪剥[Pei, et al., Carcinogen
esis 19:1481-6 (1998)]を含む負の細胞成長信号に打ち勝つ。この活性は、部
分的に、E7が細胞を形質転換し、pRbファミリーのメンバーに結合する能力
と相関する[Galloway et al., Semin. Cancer Biol. 7:309-15 (1996)]。E7
は、例えば、TATA−結合タンパク質[Massimi, et al., Oncogene 12:2325-
30 (1996)]、およびc−junおよびc−fosファミリーのメンバー[Antin
ore, et al., EMBO. J., 15:1950-60 (1996)]のごとき転写因子を含む他のタン
パク質に結合する。
【0006】 これらの結合活性にもかかわらず、E7の既知の機能は、もしあれば、ウイル
スライフサイクルにとって重要であるかは不明である。最も顕著には、E7はp
Rbファミリーのメンバー[Dyson et al., Science 243:934-7 (1989); Ciccol
ini, et al., Oncogene 9:2633-8 (1994); Wu, et al., J. Virol. 67:2402-7 (
1993)]、p21[Funk, et al., Genes & Dev 11:2090-100 (1997); Jones, et
al., Genes & Dev 11:2101-11 (1997)]、およびp27[Zerfass, et al., On
cogene 13:2323-30 (1996)]、細胞周期進行を調節するサイクリン依存性キナー
ゼリン酸化経路に関与するタンパク質に結合する。該サイクリン依存性キナーゼ
は、pRbがS期への移行に必要な様々な遺伝子をアップレギュレートするタン
パク質であるE2F[Mulligan, et al., Trends Genet 14:223-9 (1998)]を隔
離する能力を阻害することを含む様々な手段により細胞周期進行を調節する[Mo
rgan, Ann, Rev. Cell Dev. Biol. 13:261-291 (1997)]。両方ともがCDKリ
ン酸化を阻害するp21およびp27へのE7の結合は、CDK2活性における
正味の増加をもたらす。これらのインヒビタータンパク質は、少なくとも部分的
には、これらのタンパク質のアミノ末端に見出される共通サイクリン依存性キナ
ーゼ阻害性ドメインを介して作用する細胞周期進行の重要なレギュレータである
とみなされてきた[Polyak, et al., Cell 78:59-66 (1994); Chen, et al., Mo
l. Cell Biol. 16:4673-82 (1996)]。低い腫瘍遺伝子可能性を持つウイルスか
らのE7はこれらの結合活性を欠如し、1以上の細胞タンパク質との相互作用は
癌増殖に重要であることを示唆する。これらの特性のいずれがウイルスライフサ
イクルにおいて本質的であるかは不明である[Davies, et al., J. Virol., 67:
2521-8 (1993); Funk, et al., Genes & Dev 11:2090-100 (1997)]。 かくして、当該分野において、E7がウイルス複製を促進できるメカニズムを
より完全に決定し、E7特異的活性のインヒビターを同定する方法を開発する必
要がある。E7の阻害は、強力な抗ウイルス活性を生じ得、したがって、E7依
存性活性のインヒビターを同定する方法が所望される。
【0007】 発明の概要 本発明は、抗ウイルス剤を同定する方法を提供する。好ましい具体例において
、本発明の方法は、ヒト・パピローマウイルスの増殖を低減するか、または阻害
する剤を同定する。 本発明は:(a)ヒト・パピローマウイルスまたはその断片の存在下、および
試験化合物の存在下または不存在下でのCDK2基質へのCDK2キナーゼ活性
を測定し、次いで、(b)該試験化合物基質の不存在下で検出された該CDK2
のリン酸化と比較して、該試験化合物の存在下でE7誘発CDK2基質の減少し
たリン酸化が検出された場合、該試験化合物をE7誘発CDK2キナーゼ活性の
インヒビターとして同定するステップを含む、E7誘発CDK2キナーゼ活性の
インヒビターを同定する方法を提供する。本発明のCDK2キナーゼ活性は、本
明細書に記載され、例示されるCDK2/サイクリン複合体から検出されるもの
である。一つの局面において、本発明の方法は、CDK2を活性化するE7断片
の使用を含み、ここに、該E7断片は、配列番号:1に記載のアミノ酸残基1に
始まり、アミノ酸残基27、28、29、30、31、32、33、34、35
、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47
、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59
、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71
、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83
、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95
、96、および97よりなる群から選択されるカルボキシ末端残基で終わるE7
の連続アミノ末端断片よりなる。好ましい具体例において、本発明の方法は、配
列番号:1に記載のアミノ酸残基1ないし27、アミノ酸残基1ないし38、ア
ミノ酸残基1ないし48、アミノ酸残基1ないし69、およびアミノ酸残基1な
いし87よりなる群から選択されるE7断片の使用を含む。好ましくは、本発明
の方法は、ヒストンH1、HPVタンパク質E1、およびHPVタンパク質E2
よりなる群から選択されるCDK2基質を含む。本発明の方法は、そこでCDK
2キナーゼ複合体へのEP7結合が、該CDK2複合体のサイクリン成分に影響
されるものを含む。
【0008】 本発明は:(a)基質のCDK2キナーゼリン酸化を測定し;(b)ヒト・パ
ピローマウイルス(HPV)E7またはその断片の存在下で基質の増加したCD
K2リン酸化を測定してE7誘発CDK2キナーゼ活性を決定し;(c)HPV
E7またはその断片の存在下および試験インヒビター化合物の存在下で基質の
CDK2キナーゼリン酸化を測定し;次いで、(d)ステップ(b)で測定され
た増加したリン酸化が、該試験化合物の存在するステップ(c)において減少す
る場合、該試験化合物をE7誘発CDK2キナーゼ活性のインヒビターとして同
定するステップを含む、E7誘発CDK2キナーゼ活性のインヒビターを同定す
る方法も提供する。一つの局面において、本発明の方法は、CDK2を活性化す
るE7断片の使用を含み、ここに、該E7断片は、配列番号:1に記載のアミノ
酸残基1に始まり、アミノ酸残基27、28、29、30、31、32、33、
34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、
46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、
58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、
70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、
82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、
94、95、96、および97よりなる群から選択されるカルボキシ末端残基で
終わるE7の連続アミノ末端断片よりなる。好ましい具体例において、本発明の
方法は、配列番号:1に記載のアミノ酸残基1ないし27、アミノ酸残基1ない
し38、アミノ酸残基1ないし48、アミノ酸残基1ないし69、およびアミノ
酸残基1ないし87よりなる群から選択されるE7断片の使用を含む。好ましく
は、本発明の方法は、ヒストンH1、HPVタンパク質E1、およびHPVタン
パク質E2よりなる群から選択されるCDK2基質を含む。
【0009】 本発明は:(a)CDK2キナーゼ活性におけるE−7誘発増大のインヒビタ
ーを同定し;(b)(a)で同定されたインヒビターの存在下および不存在下で
ウイルス増殖を測定し;次いで、(c)該インヒビターの不存在下でのウイルス
増殖と比較して、該インヒビターの存在下で減少したウイルス増殖が検出された
場合、該インヒビターを抗ウイルス剤として同定するステップを含む、抗ウイル
ス剤を同定する方法も提供する。
【0010】 本発明は、HPV感染細胞をE7誘発CDK2リン酸化のインヒビターに接触
させるステップを含む、ヒト・パピローマウイルス(HPV)E7誘発CDK2
キナーゼ活性を低減する方法をさらに提供する。もう一つの具体例において、本
発明は、HPV感染細胞をCDK2キナーゼ複合体へのE7結合のインヒビター
に接触させることを含む、ヒト・パピローマウイルス(HPV)E7誘発CDK
2キナーゼ活性を低減する方法を提供する。
【0011】 本発明は、その必要がある個人に、有効量のHPV E7誘発CDK2キナー
ゼ活性インヒビターを投与するステップを含む、ヒト・パピローマウイルス(H
PV)増殖を軽減する方法も提供する。もう一つの局面において、本発明は、そ
の必要がある個人に、有効量のCDK2キナーゼ複合体へのHPV E7結合の
インヒビターを投与するステップを含む、ヒト・パピローマウイルス(HPV)
増殖を軽減する方法を提供する。
【0012】 発明の詳細な記載 本発明の方法は、CDK2キナーゼ活性を誘発するウイルスタンパク質の使用
を含む。好ましくは、本発明の方法に用いるウイルスタンパク質は、(本明細書
で例示される)HPV E7または、E7 Cr1および/またはCR2領域に少
なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、少なくとも50%、少
なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少
なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少
なくとも95%、もしくは少なくとも99%相同である他のウイルスタンパク質
である。相同性は、例えば、基本的なBLAST調査解析を用いて、デフォルト
パラメータで決定し得る。E7のCR1および/またはCR2領域に相同な例示
的なウイルスタンパク質は、アデノウイルスE1AおよびSV−40 T抗原を
含む。
【0013】 本発明は:(a)ヒト・パピローマウイルス(HPV)E7またはそのE7断
片の存在下、および試験化合物の存在下または不存在下でのCDK2基質へのC
DK2キナーゼ活性を測定し、次いで、(b)該試験化合物基質の不存在下で検
出された該CDK2のリン酸化と比較して、該試験化合物の存在下でE7誘発C
DK2基質の減少したリン酸化が検出された場合、該試験化合物をE7誘発CD
K2キナーゼ活性のインヒビターとして同定するステップを含む、E7誘発CD
K2キナーゼ活性のインヒビターを同定する方法を提供する。E7誘発CDK2
キナーゼ活性は、E7およびCDK2キナーゼインヒビターの不存在下で観察さ
れたCDK2基質リン酸化と比較して、CDK2キナーゼインヒビター(例えば
、p21および/またはp27)の不存在下で該CDK2複合体をE7と接触さ
せたときに観察されるCDK2基質の増加したリン酸化である。かくして、所望
により、E7不存在下のCDK2キナーゼ活性を対照と決定することができる。
一つの局面において、本発明の方法は、該CDK2複合体を活性化する(CDK
2活性を誘発する他のウイルスE7ホモログまたはオルトログを含む)E7の断
片またはその変異体の使用を含む。例示的なE7断片は、配列番号:1に記載の
アミノ酸残基1に始まり、アミノ酸残基27、28、29、30、31、32、
33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、
45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、
57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、
69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、
81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、
93、94、95、96、および97よりなる群から選択されるカルボキシ末端
残基で終わるE7の連続アミノ末端断片よりなる。好ましい具体例において、本
発明の方法は、配列番号:1に記載のアミノ酸残基1ないし27、アミノ酸残基
1ないし38、アミノ酸残基1ないし48、アミノ酸残基1ないし69、および
アミノ酸残基1ないし87よりなる群から選択されるE7断片の使用を含む。本
明細書で用いるE7変異体は、天然に産出するE7とは全く異なるがCDK2キ
ナーゼ活性を誘発する能力は保持するE7ポリペプチドをもたらす付加、欠失、
置換および他の共有的修飾を含むE7タンパク質を含む。好ましくは、本発明の
方法は、ヒストンH1、HPVタンパク質E1およびHPVタンパク質E2より
なる群から選択されるCDK2基質を含むが、本発明の方法は、CDK2のいず
れの生理学的、非生理学的または合成基質の使用も含む。合成基質は、天然に産
出するCDK2基質の非天然産出断片、アナログおよび変異体を包含する。好ま
しい具体例において、本発明の方法は、p21およびp27のごときCDK2イ
ンヒビタータンパク質の不存在下で行われ、これによって、DCK2阻害におい
てE7誘発低減よりも、むしろ、E7誘発キナーゼ活性を与える。
【0014】 本発明は:(a)基質のCDK2キナーゼリン酸化を測定し;(b)ヒト・パ
ピローマウイルス(HPV)E7またはその断片の存在下で基質の増加したCD
K2キナーゼリン酸化を測定してE7誘発CDK2キナーゼ活性を決定し;(c
)HPV E7またはその断片の存在下および試験インヒビター化合物の存在下
で基質のCDK2キナーゼリン酸化を測定し;次いで、(d)ステップ(b)で
測定された増加したリン酸化が、該試験化合物の存在するステップ(c)におい
て減少した場合、該試験化合物をE7誘発CDK2キナーゼ活性のインヒビター
として同定するステップを含む、E7誘発CDK2キナーゼ活性のインヒビター
を同定する方法も提供する。一つの局面において、本発明の方法は、CDK2を
活性化するE7断片の使用を含み、ここに、該E7断片は、配列番号:1に記載
のアミノ酸残基1に始まり、アミノ酸残基27、28、29、30、31、32
、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44
、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56
、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68
、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80
、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92
、93、94、95、96、および97よりなる群から選択されるカルボキシ末
端残基で終わるE7の連続アミノ末端断片よりなる。好ましい具体例において、
E7断片の使用を含む本発明の方法は、配列番号:1に記載のアミノ酸残基1な
いし27、アミノ酸残基1ないし38、アミノ酸残基1ないし48、アミノ酸残
基1ないし69、およびアミノ酸残基1ないし87よりなる群から選択されるE
7断片を含む。好ましくは、本発明の方法は、ヒストンH1、HPVタンパク質
E1、およびHPVタンパク質E2よりなる群から選択されるCDK2基質を含
む。該CDK2キナーゼ活性を生じるCDK2複合体の成分は、サイクリン、例
えば、例えばA1およびA2を含むAファミリーのメンバー、例えばB1および
B2を含むBファミリーのメンバー、サイクリンC、例えばD1、D2およびD
3を含むDファミリーのメンバー、例えばE1、E2およびEsを含むEファミ
リーのメンバー、サイクリンF、例えばG1およびG2を含むGファミリーのメ
ンバー、サイクリンH、サイクリンI、サイクリンL、および例えばT1、T2
a、およびT2bを含むTファミリーのメンバーを該サイクリンがCDK2に結
合し、CDK2キナーゼ活性へ影響することに関与する程度まで含むであろう。
【0015】 本発明の方法は、天然に産出する起源ならびに所望する組換え産物をコードす
る1以上のポリヌクレオチドで形質転換されたまたはトランスフェクトされた組
換え起源からのCDK2複合体タンパク質、E7および/またはCDK2基質化
合物の使用を包含する。CDK2キナーゼ活性を誘発するE7の断片も含まれる
。好ましくは、該CDK2複合体、E7(またはその断片)および/またはCD
K2基質化合物は組換え産物である。該化合物は、精製を容易にする方法によっ
ても生成し得る。すなわち、融合タンパク質がラベルまたはタグを含むとき、そ
れによって、かなり純粋な化合物の生成を許容する。好ましいラベルまたはタグ
は、(グルタチオン寒天を用いて精製を可能にする)グルタチオン−S−トラン
スフェラーゼ配列または(ニッケルアフィニティークロマトグラフィーを用いて
精製を可能にする)ポリヒスチジン領域である。当該分野でよく知られ、規定通
りに用いられる他のラベルまたはタグも意図される。本発明は、しかしながら、
本質的に他のヒトタンパク質を含まないE7、CDK2複合体、およびCDK2
基質の粗調製を用いる方法も包含する。
【0016】 本発明の多数の具体例はE7(またはその断片)と該CDK2複合体との結合
を妨げるか、逆転させるか、または不安定にする試験化合物の存在下、E7誘発
CDK2キナーゼ活性の減少を検出するために実行する。このタイプの好ましい
方法は、溶液アッセイで実行する。このタイプの溶液キナーゼアッセイ、例えば
、ヒストンキナーゼアッセイは、当該分野でよく知られ、規定通り行われている
【0017】 本発明の方法は、E7(または、CDK2キナーゼ活性を誘発する能力を保持
するその断片、変異体もしくはアナログ)あるいは該CDK2複合体に結合する
かのいずれかが固相担体に固定化され、固定化されていないいずれかのE7(ま
たはその断片、アナログもしくは変異体)あるいは該CDK2複合体を検出可能
にラベル化するものを含む。該2つの化合物間の結合を試験化合物の存在下およ
び不存在下で調べ、結合した検出可能ラベルの量の変化を測定する。該試験化合
物の存在下でより少ない量の結合したラベルが検出されるアッセイにおいて、該
試験化合物は該CDK2複合体へのE7結合のインヒビターであると同定される
。引続くキナーゼアッセイを用いて、該試験化合物のキナーゼ活性に対する効果
を決定する。
【0018】 本発明は、E7とCDK2複合体との結合のインヒビターならびにE7促進リ
ン酸化のインヒビターを同定し得る細胞ベースのアッセイも含む。一つの局面に
おいて、本発明は、概略的に、1998年4月2日に公開され、出典明示して本
明細書の一部とみなされるWO98/13502に記載されるスプリットハイブ
リッドアッセイ(split hybrid assay)を提供し、そこでは、例えば、(i)該C
DK2複合体の成分は転写因子DNA結合ドメインまたは転写因子トランス活性
化ドメインのいずれかを含むアミノ酸配列を持つ融合タンパク質として発現され
、および(ii)E7(またはその断片)もいずれかの転写因子ドメインが該C
DK2複合体タンパク質に融合されていない融合タンパク質として発現される。
該CDK2複合体とE7融合タンパク質との間の結合は該転写因子の2つの成分
を近接させて生物学的活性な転写因子を生成する。レプレッサー遺伝子をコード
するプラスミドも同じ細胞型に導入され、該レプレッサーの発現は該2つの融合
タンパク質を含む生物学的活性な転写因子により認識される転写エレメントによ
り駆動される。次いで、該発現エレメントは、レポーター遺伝子の転写を妨げる
ように作用する。該E7とCDK2複合体融合タンパク質との間の結合を阻害す
る化合物の存在下、該生物学的活性な転写因子は形成されず、該レプレッサータ
ンパク質は発現されず、および該レポーター遺伝子の転写が可能となる。このタ
イプのアッセイにおいて、特異的結合相互作用の阻害は、正信号、すなわち、検
出可能なレポーター遺伝子の発現により検出する。本発明は、1995年8月3
日に公開され、出典明示して本明細書の一部とみなされるWO95/20652
に記載されるこの方法についての多数の変形も包含する。さらに、本発明は、以
前記載されたジハイブリッドまたはツーハイブリッドアッセイ[Fields and Son
g, Nature 340:245-246 (1989); Fields, Methods: A Companion to Methods in
Enzymology 5: 116-124 (1993);1994年2月1日にFieldsらに対して発行さ
れた米国特許第5,283,173号]を包含し、そこでは、特異的結合相互作用
の阻害が負信号、すなわち、レポーター遺伝子の損失または発現により検出され
る。ジハイブリッドアッセイ(当該分野では「ツーハイブリッド」アッセイとも
いう)に対する修飾および変形は以前に記載され[Colas and Brent, TIBTECH 1
6:355-363 (1998)]、本明細書に包含される。しかしながら、細胞ベースのアッ
セイにおいては、正信号での結合の阻害の検出が好ましい。
【0019】 もう一つの局面において、細胞ベースのアッセイが提供され、そこでは、E7
および該CDK2キナーゼ複合体の成分が細胞内で発現(または過剰発現)され
、E7促進リン酸化を低減するインヒビターが同定される。所望により、E7促
進リン酸化の検出はE7の不存在下でCDK2キナーゼ複合体成分を発現する対
照細胞系統を用いて達成し得る。この対照細胞におけるキナーゼ活性はキナーゼ
複合体活性の基底レベルを同定するであろう。このタイプのアッセイについての
細胞系統はE7および/または該CDK2複合体の成分をコードする外来DNA
の導入によるか、または当該内在性細胞ゲノム中でコードされるこれらのアッセ
イ成分の1以上の発現を増加させる外来DNAを導入することによって生成し得
る。
【0020】 本発明のアッセイは、特に、高スループットスクリーニング(HTS)アッセ
イにかなう。HTSは、効果的に、多数(すなわち、数十ないし数千以上)の化
合物のスクリーニングを可能にする。細胞ベースHTS系も包含され、メラノフ
ォアアッセイ、酵母ベースアッセイ系、および哺乳類細胞発現系[Jayawickreme
and Kost Curr. Opin. Biotechnol. 8:629-634 (1997)]を含む。特に、自動化
およびミニチュア化HTSアッセイが好ましい[Houston and Banks, Curr. Opi
n. Biotechnol. 8:734-740 (1997)]。HTSアッセイは、所望する阻害特性を
有する「ヒット」または「リード化合物(lead compounds)」を同定するように設
計され、そこから、該所望する特性を向上するように修飾を設計し得る。しばし
ば、該「ヒット」または「リード化合物」の化学修飾は、「ヒット」と1以上の
結合パートナーポリペプチドとの間の同定可能な構造/活性関係に基づく。
【0021】 特定の小分子インヒビターの同定のために用いられる多数の異なるライブラリ
ーが存在し、(1)化学ライブラリー、(2)天然産物ライブラリー、および(
3)無作為ペプチド、オリゴヌクレオチドまたは有機分子よりなるコンビナトリ
アルライブラリーを含む。 化学ライブラリーは、既知の化合物または天然産物スクリーニングにより「ヒ
ット」または「リード」と同定される化合物よりなる。天然産物ライブラリーは
、微生物、動物、植物または海洋生物のコレクションから誘導され、それを用い
て、(1)土壌、植物または海洋微生物からのブロスの発酵もしくは抽出、また
は(2)植物もしくは海洋生物の抽出によって、スクリーニング用混合物を生成
する。天然産物ライブラリーは、ポリケチド、非リボソームペプチド、および(
非天然的に産生する)それらの変異体を含む。レビューとして、例えば、出典明
示して本明細書の一部とみなされる[Science 282:63-68 (1998)]を参照せよ。
コンビナトリアルライブラリーは多数のペプチド、オリゴヌクレオチド、または
有機化合物を混合物として含む。それらは、伝統的な自動化合成方法、PCR、
クローニングまたは私有の方法により比較的容易に調製される。特に興味深いこ
とは、ペプチドおよびオリゴヌクレオチドコンビナトリアルライブラリーである
。興味のあるさらに別のライブラリーは、ペプチド、タンパク質、ペプチドミメ
ティクス、多重平行合成コレクション(multiparallel synthetic collection)、
リコンビナトリアル、およびポリペプチドライブラリーを含む。コンビナトリア
ル化学ライブラリーおよびそれから作製されるライブラリーのレビューとして、
出典明示して本明細書の一部とみなされる[Myers, Curr. Opin. Biotechnol. 8
:701-707 (1997)]を参照せよ。
【0022】 本発明は、さらに、本発明の方法により同定された特定のインヒビターを提供
する。特定のインヒビターは、CDK2複合体へのE7結合(またはCDK2キ
ナーゼ活性)を不可能にするか、逆転させるか、もしくは台無しにし、および/
またはCDK2キナーゼ活性のE7誘発増大を妨げるか、逆転させるかもしくは
台無しにするように作用するものである。E7誘発CDK2キナーゼ活性の特異
的インヒビターおよび医薬上許容される担体を含む組成物も提供する。好ましく
は、本発明の組成物は医薬組成物である。本発明は、ウイルス感染、例えば、H
PV感染、アデノウイルス感染、またはSV40感染を軽減するための医薬の製
造における該CDK2複合体へのE7結合のインヒビターの使用も提供する。
【0023】 所望により、本発明の医薬組成物は、医薬賦形剤、補形剤または媒体として機
能する医薬上許容される(すなわち、滅菌および非毒性)の液体、半固体または
固体希釈物を含むことができる。分野公知のいずれの希釈剤も使用することがで
きる。例示的な希釈剤は、限定されないが、モノラウリル酸ポリオキシエチレン
ソルビタン、ステアリン酸マグネシウム、ヒドロキシ安息香酸メチルおよびプロ
ピル、タルク、アルギナート、デンプン、ラクトース、スクロース、デキストロ
ース、ソルビトール、マンニトール、アカシアゴム、リン酸カルシウム、鉱油、
カカオ脂およびテオブロマの油を含む。
【0024】 該医薬組成物は、デリバリーに簡便な形態にパッケージし得る。該組成物をカ
プセル、包装、カシェ、ゼラチン、ペーパー、または他の容器内に封入し得る。
これらのデリバリー形態は、該組成物の受容生物体への移行に適合する場合、特
に、該組成物が単位用量形態でデリバリーすべき場合に好ましい。該用量単位は
、例えば、錠剤、カプセル剤、坐剤またはカシェ剤にパッケージし得る。
【0025】 本発明は:(a)CDK2キナーゼ活性におけるE7誘発増大のインヒビター
を同定し;(b)(a)で同定されたインヒビターの存在下および不存在下でウ
イルス増殖を測定し;次いで、(c)該インヒビターの不存在下でのウイルス増
殖と比較して、該インヒビターの存在下で減少したウイルス増殖が検出された場
合、該インヒビターを抗ウイルス剤として同定するステップを含む、抗ウイルス
剤の同定方法も提供する。一つの局面において、E7誘発CDK2キナーゼ活性
のインヒビターを同定する方法を用いて抗ウイルス剤として用いる試験化合物を
スクリーニングする。同定されたインヒビターは、例えば、細胞ベースのアッセ
イ(すなわち、細胞培養系)および/またはHPVウイルス感染の動物モデルに
おいて抗ウイルス剤として作用する該インヒビターの能力の決定を可能にするア
ッセイにおいて用いる。
【0026】 本発明のもう一つの局面は、その必要がある個人に、有効量のE7誘発CKD
2キナーゼ活性インヒビターまたは該CDK2複合体へのE7結合のインヒビタ
ーを投与するステップを含む、E7誘発CDK2キナーゼ活性を阻害する方法を
提供する。また、その必要がある個人に、有効量のE7誘発CKD2キナーゼ活
性インヒビターまたは該CDK2複合体へのE7結合のインヒビターを投与する
ステップを含むウイルス増殖を軽減(阻害)する方法も提供する。さらに、本発
明は、その必要がある個人に、有効量のE7誘発CKD2キナーゼ活性インヒビ
ターまたは該CDK2複合体へのE7結合のインヒビターを投与するステップを
含む、ウイルス感染を予防または治療する方法を提供する。好ましくは、該その
必要がある個人には、本発明の医薬組成物が投与される。該医薬組成物は、治療
すべき対象に、例えば、静脈内、皮内、筋肉内、乳房内、会陰内、 眼内、 眼球
後、肺内(例えば、エアロゾル化薬物溶液)もしくは皮下注射(長期放出用のデ
ポー投与を含む)による;経口、舌下、鼻腔内、肛門内、膣内、もしくは経皮デ
リバリーによる;または、例えば、脾被膜、脳の下、もしくは角膜内に埋め込む
外科手術によることを含むいずれかの常法により導入することができる。該治療
は単一用量または一定期間にわたる複数用量よりなることができる。例えば、ア
シクロビル(acyclovir)、ガンシクロビル(gancyclovir)、ビダラビジン(vidarab
idine)、フォスカーネット(foscarnet)、シドフォビル(cidofovir)、アマンチジ
ン(amantidine)、リバビリン(ribavirin)、トリフルオロチミジン、インターフ
ェロン−α、ジドブジン(zidovudine)、ジダノシン(didanosine)またはザルシタ
ビン(zalcitabine)を含む他の抗ウイルス剤の共投与も意図される。
【0027】 非経口的に与えられる場合、一般に、特異的結合インヒビター組成物は、一日
あたり1μg/kgないし100μg/kgの範囲の用量で、好ましくは一日あ
たり0.1mg/kgないし50mg/kgの範囲の用量にて、より好ましくは
1ないし20mg/kg/日の範囲の用量にて注射する。該インヒビター組成物
は、最初ボーラスにより、その後、薬物製剤の治療循環レベルを維持する連続注
入により投与することができる。当業者は、良好な医療実践および当該個々の患
者の臨床状態により決定される有効用量および投与処方を容易に最適化するであ
ろう。用量頻度は該剤の薬物動態学パラメータおよび投与経路に依存するであろ
う。最適化医薬製剤は投与経路および所望の用量に依存して、当業者により決定
されるであろう。例えば、その開示は出典明示して本明細書の一部とみなされる
[Remington's Pharamaceutical Sciences, 18th Ed. (1990, Mack Publishing
Co., Easton, PA 18042) pages 1435-1712]を参照せよ。そのような製剤は、投
与された剤の物理状態、安定性、イン・ビボ放出速度、およびイン・ビボ排出速
度に影響するであろう。投与経路に依存して、適当な用量は、体重、体表面積、
または生体サイズに従って計算することができる。上記製剤の各々に関与する治
療用に適当な用量を決定するのに必要な計算のさらなる精密化は、過度な実験な
くして、特に、本明細書に開示される用量情報およびアッセイ、ならびに、ヒト
臨床実験で観察された薬理動態学的データを考慮して、当業者により規定通りに
行われる。適当な用量は、適当な用量−反応データと共に、血中レベル用量を決
定する確立されたアッセイの使用によって、確かめることができる。最終用量処
方は、担当医により、薬物作用を修飾する様々な要因、例えば、該薬物の特異的
活性、該損傷の重篤度、該患者の反応性、該患者の年齢、状態、体重、性別およ
び規定食、いずれの感染の重篤度、投与回数および他の臨床的要因を考慮して決
定される。実験を行うとき、様々な疾患および状態についての適当な用量レベル
および治療の持続時間に関して、さらなる情報が明らかになるであろう。
【0028】 本発明の医薬組成物および治療方法は、ヒト医薬および動物医薬の分野におい
て、有用であろうことが理解されるであろう。かくして、治療すべき対象は哺乳
類、好ましくはヒトまたは他の動物であってよい。獣医学的目的のため、対象は
、例えば、ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマ、およびヤギのごとき家畜、イヌまたネコ
のごとき愛玩動物;外来および/または動物園の動物;マウス、ラット、ウサギ
、モルモット、およびハムスターを含む実験動物;およびニワトリ、シチメンチ
ョウ、アヒル、およびガチョウのごとき家禽を含む。
【0029】 実施例 本発明を以下の実施例により例示する。実施例1は、様々なタンパク質とのE
7の相互作用を特徴付ける結合アッセイに関する。実施例2は、CDK2活性へ
のE7の効果を調べるキナーゼアッセイを記載する。実施例3は、種々のキナー
ゼへのHPV E7の効果に関する。実施例4は、CDK2のE7誘発活性の反
応速度論を記載する。実施例5は、CDK2活性化に必要なE7アミノ酸残基の
同定に焦点をあてる。実施例6は、サイクリンAであるE7の相互作用を記載す
る。
【0030】 実施例1 E7結合アッセイ HPV E7結合相互作用を特徴付ける試みにおいて、HPV6b E7、HP
V16 E7またはHPV31 E7のいずれかと種々の細胞タンパク質またはそ
れらの断片とを用いてアッセイを設計した。該E7タンパク質はグルタチオン−
S−トランスフェラーゼ(GST)融合タンパク質として発現され、精製を容易
にし、発現構築物を以下のように調製した。
【0031】E7発現構築物 該E7遺伝子は、クローン化されたHPV31、HPV6、HPV6b DN
A(HPV31およびHPV6bについては、American Type Cu
lture Collection [ATCC]; HPV16については、[Seed
off et al., Virol. 145:181-185 (1985)]および該ATCCからも入手可能)
からポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって増幅した。以下に記載するPCR
プライマーを設計して、BamHIまたはXhoIサイトを該増殖産物中に加工
して、発現ベクターpGEX−4T−3(Pharmacia Biotech)へのイン・フレ
ームサブクローニングを容易にした。該ベクターを用いて、各サブクローン化配
列の産物をグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)部分をアミノ末端
に持つ融合タンパク質として発現させた。
【0032】HPV31プライマー E7センス(BamHIサイトを持つ) 配列番号:2 CGGGATCCATGCGTGGAGAAACACCTAC E7アンチセンス(BamHIサイトを持つ) 配列番号:3 CGGGATCCTTACAGTCTAGTAGAACAGHPV6bプライマー E7センス(BamHIサイトを持つ) 配列番号:4 CGGGATCCATGCATGGAAGACATGTT E7アンチセンス(BamHIサイトを持つ) 配列番号:5 CCGCTCGAGTTAGGTCTTCGGTGCGCHPV16プライマー E7センス(BamHIサイトを持つ) 配列番号:6 CGGGATCCATGCATGGAGATACACCTAC E7アンチセンス(BamHIサイトを持つ) 配列番号:7 CCGCTCGAGTTATGGTTTCTGAGAACAGATG
【0033】 HPV31 E7につき、該増幅産物は予めBamHIで消化したpGEX−
4T−3にサブクローン化し、一方、HPV6bおよびHPV16 E7増幅産
物は予めBamHIおよびXhoIで消化したpGEX−4T−3にサブクロー
ン化した。制限マッピングを用いて適切な向きを決定し、Perkin-Elm
er ABI-Prism技術を用いて配列解析を行い、次いで、該発現構築物
を対数増殖期にあるE.coli菌のJM109株に個々にトランスフェクトし
、0.5mM IPTGで30℃にて4時間の誘発後、遠心で収穫した。細胞ペ
レットを11.3mM NaHPO、38.7mM NaHPO、0.0
7% β−メルカプトエタノール、10mM EDTA、0.5mM PMSF、
0.025IU/ml アプロチニン、および10nM ロイペプチンを含有する
溶菌バッファーに再懸濁させ、グルタチオン寒天ビーズ(Sigma)を用いて、製
造業者の提案するプロトコルに準じてタンパク質を精製した。PBSで徹底的に
洗浄した後、該GST−E7−連結ビーズを使用するまで4℃にて保存した。タ
ンパク質レベルは、BioRadタンパク質アッセイキットを用いて測定し、精
製されたタンパク質調製物は、SDS−PAGE、引続いてクーマシーブルー染
色およびウェスタンブロッティングにより調べた。
【0034】結合タンパク質発現構築物 完全長E7結合タンパク質p21およびp27は、ポリヒスチジンタグと共に
発現させて精製を容易にした。p21およびp27のヒスチジンタグ化断片も発
現させ、それらは、p21のアミノ末端残基1〜78(His−p21Nと称す
る)、p21のカルボキシ末端残基72〜164(His−p21Cと称する)
、p27からのアミノ末端残基1〜101(His−27Nと称する)またはp
27のカルボキシ末端残基95〜198(His−27Cと称する)を含んだ。
該完全長タンパク質または断片ポリペプチドをコードする発現構築物も以下のよ
うにして調製した。
【0035】 His−p21と称される完全長ヒスチジンラベル化p21タンパク質は、X
hoI/BamHI PCR断片として、同じ2つの酵素で予め消化されたpE
T15b(Novagen)にサブクローン化した。テンプレートDNAは該クローン
化−p21コード配列であり[Harper et al., Cell 75:805-816 (1993)]、プ
ライマーはp−21−1’およびp21−4’を含んで、該完全長p21コード
領域を増幅した。該p21のアミノおよびカルボキシ末端ヒスチジンタグ化断片
もPCRにより増幅して、残基1ないし78をコードする配列を増幅するために
プライマーp21−1’およびp21−2’、ならびに残基72ないし164を
コードする領域を増幅するためにプライマーp21−3’およびp21−4’を
用いてXhoI/BamHI断片を生成した。
【0036】 p21−1’ GCCTCGAGATGTCAGAACCGGCTGGGGATG 配列番号:8 p21−2’ GCGGATCCTTAGAAGGTAGAGCTTGGGCAG 配列番号:9 p21−3’ GCCTCGAGCTGCCCAAGCTCTACCTTC 配列番号:10 p21−4’ GCGGATCCTTAGGGCTTCCTCTTGGAG 配列番号:12
【0037】 増幅反応は、Ready-to-GoTM PCR Reaction Beads
(Amersham-Pharmacia Biotech)を用い、製造業者の提案するプロトコルに準じ
て行った。反応産物はBamHIおよびXhoIで消化し、同体積のフェノール
およびクロロホルムで抽出し、エタノールで沈殿させ、次いで、20μlの水中
に懸濁させた。ベクターpET15b(Novagen)へのライゲーションは、5μ
l PCR増幅産物、(予めBamHIおよびXhoIで消化された)2μl ベ
クターDNA、2μl 5×ライゲーションバッファー(BRL)および1μl T
4リガーゼを含有する反応物中で15℃にて一晩行った。適切な向きを有するク
ローンを選択し、それらの配列は制限解析およびABI−PRISMRR(PE A
pplied Biosystems)技術を用いるPCR配列決定により確認した。
【0038】 同様に、His−27と称されるヒスチジンラベル化完全長p27タンパク質
は、XhoI/BamHI PCR断片として、同じ2つの酵素で予め消化され
たpET15b(Novagen)にサブクローン化した。ヒトp27をコードするD
NA[Toyoshima and Hunter, Cell 78:67-74 (1994)]を完全長p27 cDN
Aを増幅するためのプライマー対p27−1およびp27−5との増幅反応にテ
ンプレートとして用いた。同一のテンプレートDNAを用いて、p27のヒスチ
ジンラベル化アミノおよびカルボキシ末端断片をコードするポリヌクレオチドを
増幅し、一緒に、p27−7’およびp27−8’を用いてp27残基1ないし
101をコードするDNAを増幅し、p27−9’およびp27−10’を用い
て残基95ないし198をコードするDNAを作製した。
【0039】 p27−1 CGGATCCTATGTCAAACGTGCGAGTG 配列番号:11 p27−5 AGGATCCTTACGTTTGACGTCTTCTG 配列番号:13 p27−7’ GCCTCGAGATGTCAAACGTGCGAGTGTC 配列番号:14 p27−8’ GCGGATCCTTACACCTTGCAGGCACCTTTG 配列番号:15 p27−9’ GCCTCGAGAAAGGTGCCTGCAAGGTGC 配列番号:16 p27−10’ GCGGATCCTTACGTTTGACGTCTCTG 配列番号:17
【0040】 全てのPCR増幅は、Ready-to-GoTM PCR Reaction B
eads(Amersham-Pharmacia Biotech)を用い、製造業者の提案するプロトコ
ルに準じて行った。
【0041】 該完全長p27発現ベクターを生成することにおいて、先ず、該PCR増幅産
物をTAクローニングキット(Invitrogen)を用いて、製造業者の提案するプロ
トコルに準じて、ベクターpCRIIにサブクローン化した。完全長cDNAを
BamHI消化により該ベクターから取り出し、1%寒天ゲル電気泳動を用いて
該配列を単離した。該完全長バンドを該ゲルから切り出し、GeneClean キット(Bio101)を用い、製造業者の提案するプロトコルに準じて、該断片を
精製した。該単離された断片は、BamHIで予め消化されたベクターpTrc
HisB(Invitrogen)にサブクローン化し、5μlの消化されたPCR産物、
2μl 5×ライゲーションバッファー(BRL)、および1μl T4リガーゼ(B
RL)を用いて行った。該ライゲーション反応物を用い、標準形質転換プロトコル
に準じて、JM109コンピテント細胞に形質転換した。
【0042】 残基1ないし101および95ないし198をコードするp27DNA断片を
クローン化するために、PCR産物をBamHIおよびXhoIで消化し、同体
積のフェノールおよびクロロホルムで抽出し、エタノールで沈殿させ、次いで、
水中に再懸濁させた。上記のようにライゲーションを行い、該ライゲーション産
物を用いて、E.coli株DH5αを形質転換した。クローンを選択し、制限
解析およびABI-PRISM技術を用いるPCR配列決定により向きを決定
した。
【0043】 該ヒスチジンタグ化タンパク質をコードする発現構築物は標準技術を用いてE
.coli株BL21(DE3)に形質転換し、発現されたタンパク質は変性条件
下でニッケル寒天アフィニティークロマトグラフィーを用いて精製した。溶出さ
れたタンパク質を当該分野でよく知られた技術を用いて、大規模な段階的透析に
より再折畳みした。
【0044】HEK293細胞ライゼートの調製 HEK293細胞を遠心にて収集し、リン酸バッファー化食塩水で2回洗浄し
、20mM HEPES、pH7.9、10mM KCl、0.1mM バナジル
酸ナトリウム、1mM EDTA、1mM EGTA、0.1% NP−40
よび10%グリセロールを含有する3倍体積の低塩バッファー中に再懸濁させ、
次いで、氷上で10分間インキュベートした。細胞を13,000×gにて遠心
し、細胞質抽出物を含有する上清を収集した。核を含有するペレットを該低塩バ
ッファーで1回洗浄し、20mM HEPES、pH7.9、420 NaCl、
10mM KCl、0.1mM バナジン酸ナトリウム、1mM EDTA、1m
M EGTA、0.1% NP−40および10%グリセロールを含有する3倍
体積の高塩バッファー中に懸濁させた。該核懸濁液を攪拌しつつ、4℃にてイン
キュベートし、13,000×gにて遠心し、その後、該核ライゼートを収集し
、使用するまで保存した。(下記の)沈降アッセイにおいて、核抽出物を1:2
の比率にて細胞質抽出物と混合した。
【0045】結合アッセイ条件 グルタチオン寒天ビーズに結合したGST−16E7またはGST−31E7
融合タンパク質は、精製されたpRb(QED Bioscience Inc.)、His−p2
1、His−p21N、His−p21C、His−p27、His−p27N
、His−p27C、またはHEK293細胞ライゼートのいずれかと共に、2
0mM HEPES、pH7.4、10mM KCl、1mM EDTA、1mM
EGTA、140mM NaCl、13%グリセロール、1mM DTT、および
1×プロテアーゼインヒビタータブレット(Boehringer Mannheim)を含有する
結合バッファー中で4℃にて2時間インキュベートした。結合バファーで5回の
洗浄後、該グルタチオン寒天ビーズをSDSサンプルバッファー中に再懸濁させ
、100℃まで加熱して、結合タンパク質を溶出した。溶出されたタンパク質は
15%SDS−PAGEを用いて分離し、該タンパク質はクーマシーブルー染色
およびウェスターンブロッティングを用いて分析した。
【0046】 結果は、GST−31E7が精製pRbおよびHEK293細胞ライゼート中
のpRbに結合することを示した。該HPV株からのE7タンパク質はp21お
よびp27両方の組換え形態に結合することが分り、以前の観察[Funk, et al.
, Genes & Dev 11:2090-100 (1997); Jones, et al., Genes & Dev. 11:2101-11
(1997); Zerfass, et al., Oncogene 13: 2323-30 (1996)]と一致した。しか
しながら、p21またはp27のアミノ−またはカルボキシ−末端断片のいずれ
も、該完全長分子と比較して、顕著にはE7に結合できず、p21またはp27
のカルボキシ−またはアミノ−末端半分のいずれもE7結合にとって十分ではな
いことを示している。
【0047】 実施例2 キナーゼアッセイ キナーゼアッセイは、下記のように、Sf9細胞中でバキュロウイルスベクタ
ーからのサイクリンEまたはサイクリンAと共発現されたCDK2で行う。
【0048】バキュロウイルスベクター構築物 組換えサイクリンEおよびサイクリンBは以下のように調製した。サイクリン
EをコードするDNAは、公開された配列に基づいて設計されたプライマーKW
133およびPH113を用いてヒト肝臓cDNAからクローン化した。
【0049】 KW133 GATCAGATCTCATGAAGGAGGACGGCGGCG 配列番号:18 RH113 GCAGATCTTCAGTGGTGGTGGTGGTGGTGG 配列番号:19
【0050】 該サイクリンE増幅産物を該PCRにおいて修飾して、非常に安定な形態の該タ
ンパク質を生じる3’RH113を持つ異常ヌクレオチドを作製した。該増幅産
物は、GST融合体としてコードされたタンパク質を発現するベクターpAcG
HLT−C(PharMingen)に挿入した。
【0051】 該サイクリンA遺伝子[Pines and Hunter, Nature 346:760-763 (1990)]は
、該融合遺伝子増幅産物の両側に配置されるNotI制限サイトを導入したプラ
イマーRH101およびRH103を用いることからのPCRにより増幅した。
【0052】 RH102 GGGCGGCCGCATGTCCCCTATACTAGGTTAT 配列番号:20 RH103 GGGCGGCCGCGTCAGTCAGTCACGATG 配列番号:21
【0053】 該増幅産物はGST融合体としてコードされたタンパク質を発現するバキュロウ
イルストランスファーベクターpVL1392(PharMingen)にサブクローン化
した。制限マッピングは正しい挿入向きを持つクローンを同定し、一つのクロー
ン、pVL−GST−サイクリンAを配列決定し、野生型であると確認した。
【0054】バキュロウイルス発現 組換えバキュロウイルスは、サイクリントランスファーベクターおよびBac
uloGoldクリップル化(crippled)バキュロウイルスDNA(PharMingen)
と共に、製造業者の提案するプロトコルに準じて、Spodoptera fr
ugiperda細胞(Sf9)を共トランスフェクトすることによって生成し
た。得られたウイルスは、3連続プラーク精製で精製した。以前記載された[De
sai et al., Mol. Biol. Cell 3:571-582)]赤血球凝集素タグを持つCDK2を
発現するバキュロウイルスをCDK2発現のために用いた。
【0055】サイクリン/CDK2複合体の精製 サイクリンEおよびサイクリンAは、Sf9またはHigh FiveTM(I
nvitrogen)細胞のいずれかと該サイクリン発現ウイルスについて20の、およ
び該CDK発現ウイルスについて10の感染多重度(m.o.i.)にての組換
えバキュロウイルスとの共インフェクションによって、CDK2と共発現させた
。Sf9細胞は、28℃にて、回転フラスコ中、10% 胎児ウシ血清(FBS
)、100単位/mlペニシリン、および100μg/mlストレプトマイシン
を含有するグレース培地(GIBCO/BRL)中で増殖させた。High Five細胞
は、28℃にて、振盪フラスコ中、150r.p.mにて、InsectEXP
RESSTM培地(Bio Whittaker)中で成長させた。
【0056】 細胞は遠心で収集し、細胞ペレットはリン酸バッファー化食塩水(PBS)で
洗浄し、次いで、該細胞は10mM HEPES、pH7.4、10mM NaC
l、1mM EDTA、0.2μg/mlロイペプチン、0.2μg/mlぺプ
スタチン、0.2μg/mlアプロチニン、および0.2mM AEBSFを含
有する高張溶菌バッファー中に、初期感染した各10細胞につき1mlの密度
にて再懸濁させた。1時間後、NaClを添加して、150mMの最終濃度にし
た。細胞に氷上で2分間超音波照射し(4の出力での100%デューティーサイ
クル)、該ライゼートを遠心で透明化した。該GST−サイクリン/CDK2複
合体は、グルタチオン−セファロースビーズ(Pharmacia Biotech)を用いる
アフィニティークロマトグラフィーによって単離した。該ビーズをPBSで徹底
的に洗浄し、50mM Tris−HCl、pH8.0中の15mM還元グルタ
チオンで溶出した。溶出されたタンパク質をSDS−PAGEおよびウェスター
ンブロッティングによって分析して、該サイクリンA−およびサイクリンE−C
DK2複合体の純度を確認した。
【0057】MBP−E1およびMBP−E2発現および精製 マルトース結合タンパク質(MBP)−E1融合タンパク質発現ベクターを以
下のように構築した。簡単には、該ベクターは、pSGE1−18からのHPV
18E1遺伝子[Sverdrup and Khan, J. Virol. 68:505-509 (1994)]を増幅し
、次いで、得られた増幅産物をBamHIで予め消化されたpMAL−CR1(
New England Biolabs, Inc.)にクローン化することによって構築した。該E1
遺伝子の5’および3’端に対するプライマーはBamHIまたはBglIIサ
イトを該増幅産物に含ませた。得られたベクターは誘発性MBP−E1融合タン
パク質をコードした。
【0058】 該MBP−E1融合タンパク質は、製造業者の提案するプロトコルに準じて精
製した。簡単には、組換えMBP−E1融合タンパク質を発現するE.coli
株DH5を4リットル規模で発酵させた。細胞は遠心で収集し、該細胞ペレット
は20mM HEPES、pH7.4、200mM NaCl、1mM EDTA
、10%グリセロール、および5mM β−メルカプトエタノールを含有するカ
ラムバッファー中に再懸濁させ、該細胞は、15,000ないし20,000ps
iにてAvestin EmulsiflexTMダイナミックホモジナイザー
を用いて溶菌した。ライゼートは、5ないし8℃にて、25,000×gにて6
0分間遠心し、該上清は、0.45μmフィルターを通して濾過した。濾過され
た上清を50mlアミラーゼ樹脂(New England BioLabs)を含有する2.6c
mのアミロース−アフィニティーカラム上に充填した。該カラムを12ベッド体
積のカラムバッファーで洗浄し、カラムバッファー中10mM マルトースを用
いて溶出した。抽出画分はSDS−PAGEを用いて純度につき分析した。 E2マルトース結合融合タンパク質をコードする構築物を同様にして調製した
【0059】キナーゼアッセイ ヒストンH1をキナーゼアッセイにおける基質として選んだ。なぜならば、p
Rb、生理学的CDK2基質はE7に結合し、該アッセイを妨害するであろうこ
とが知られているからである。必要とされる場合、該CDK2キナーゼ活性の5
0%を阻害することが予め論証された濃度にて、His−p27を添加した。 GST−E7融合タンパク質を上記のように調製し、50mM Tris−H
Cl(pH8.0)、5mM 還元グルタチオン、0.1% トリトン X−1
00、1m DTT、および1×プロテアーゼインヒビタータブレット(Boehrin
ger Mannheim)を含有するバッファーを用いて該グルタチオン寒天ビーズから溶
出した。
【0060】 いくつかのアッセイについて、HEK293細胞ライゼート(上記のごとく調
製された100μgの全タンパク質)をp13寒天ビーズ(Calbiochem)の存在
下、PBS中の精製GST−31E7と共に4℃にて1時間プレインキュベート
し、引続き、精製His−p27で4℃にて30分間インキュベートした。プレ
インキュベーションは、タンパク質複合体形成を可能にするために行い、一方、
p13寒天ビーズはサイクリンキナーゼ寒天ビーズに結合して、精製を容易にす
る[Dreatta, et al., Cell 56:829-838 (1989)]。収集およびPBSでの4回
の洗浄後、50mM Tris−HCl、pH7.5、10mM MgCl、5
mM EGTA、2mM DTT、および10μM ATPを含有するKIPバッ
ファーで、該ビーズをさらに2回洗浄した。該ビーズを35μl KIPバッフ
ァーに再懸濁させ、0.6mg/mlヒストンH1、0.2mM ATP、5μ
Ci[γ−32P]−ATP/アッセイ、40mM HEPES、pH7.3、1
0mM EGTA、および20mM MgClを含有する35μlのヒストンキ
ナーゼバッファーと混合し、次いで、室温にて20分間インキュベートした。反
応を70μlの2×SDSサンプルバッファーの添加によって停止した。リン酸
化タンパク質は、SDS−PAGEに引続きオートラジオグラフィーおよびPh
sphorImager解析によって解析した。
【0061】 他のアッセイには、精製サイクリンA−またはサイクリンE−複合化CDK2
が含まれる。GST−E7をキナーゼバッファー(20mM MgCl、10m
M EGTA、および40mM HEPES、pH7.0)中の精製組換えサイク
リン/CDK2複合体に直接添加し、該キナーゼアッセイの開始前に氷上で20
分間インキュベートした。いくつかのアッセイにおいて、GST−E7をp21
またはp27でプレインキュベートした。キナーゼ活性は、30μlアッセイあ
たり1μlの2mCi/ml [γ−32P]ATPおよび3.75μgヒストン
H1の添加および30℃にて20分間のインキュベーションの後に測定した。反
応をSDSサンプルバッファーの添加によって停止し、リン酸化タンパク質をS
DS−PAGEに引続き、オートラジオグラフィーおよびPhosphorIm
ager分析によって分析した。
【0062】 結果は、E7は、サイクリンE/CDK2活性のp21−およびp27−依存
性阻害に対してほとんどまたは全く効果を有しないことを示し、これらの観察は
、E7が著しくp21[Funk, et al., Genes & Dev 11:2090-100 (1997); Jone
s, et al., Genes & Dev 11:2101-11 (1997)]および/またはp27[Zerfass,
et al., Oncogene 13:2323-30 (1996)]の阻害活性をブロックするという以前
の報告と一致しなかった。せいぜい、p27の阻害活性に対して、ほんの少しか
、または全く効果がないことが認められた。
【0063】 精製されたサイクリンE/CDK2およびサイクリンA/CDK2を用いて、
溶液キナーゼアッセイにおいてp27およびE7の効果を直接調べた。上記の結
果と同様に、CDK2活性のp27阻害に対してほとんどまたは全くGST−E
7の効果がないことが認められた。しかしながら、サイクリンE/CDK2およ
びサイクリンA/CDK2ヒストンH1キナーゼ活性に対するGST−16E7
およびGST−31E7の顕著な効果が認められた。PhosphorImag
分析はGST−16E7の存在下、サイクリンA/CK2キナーゼ活性に2
6倍の増加を示した。pRbキナーゼ活性に低めの1.9倍の増加も認められた
。いずれのGST−E7調製物においてキナーゼ活性は認められず、GST単独
でも効果はなかった。これらの結果は、E7は著しく実質的にサイクリン/CD
K複合体の基質特異性を変化させられることを示した。該GST−E7効果につ
いて線形用量反応が認められ、E7の50%刺激濃度は約0.18μMであり、
ピーク刺激活性は約0.29μMであった。これらの結果は、E7が、CDK2
活性および/または基質としてヒストンH1タンパク質を用いる基質特異性を直
接変化させられることを示した。
【0064】 結果は、精製MBP−HPV18E1融合タンパク質のサイクリンE/CDK
2リン酸化がHPV16E7の添加により2.3倍に刺激されることも示した。
CDK2はMBP単独でリン酸化しなかった。E1のリン酸化は、過剰なGST
−16E7の存在下でさえ、p27の添加によって完全に阻害された。かくして
、GST−E7は、HPV18E1を含む複数基質のCDK2依存性リン酸化を
直接促進できた。CDK2/サイクリンAによるHPV E2のリン酸化もE7
の添加によって促進されたが、E2は、E7の存在下または不存在下でCDK2
/サイクリンEに対して、不充分な基質であった。
【0065】 E1リン酸化は重要な生物学的イベントである。何故ならば、それは、通常、
DNA合成を支持しない分化細胞中でのHPVゲノム増幅を可能にするからであ
る。E1は、起点依存性HPV複製を開始する72kDaのリンタンパク質であ
る[Cho, et al., Intervirology 1994;37:150-8 (1994)]。アミノ配列相同性
に基づき、E1はヘリカーゼスーパーファミリーIIに分類されている[Koonin
, Nucl. Adids Res. 21:2541-7 (1993)]。E1のリン酸化は、HPV DNA複
製イン・ビトロ活性を活性化するのに重要であり、リン酸化がウイルスと宿主複
製機構とを調和させるのに重要であることを示唆している[Ma, et al., Proc.
Natl. Acad. Sci. (USA) 96:382-7 (1999)]。E1はRXLサイクリン相互作用
モチーフを持ち、それは、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)によるその効率
的なリン酸化を可能にする。CDKリン酸化サイトを欠如するE1はE2に結合
するが、HPV複製を活性化するには不完全である[Ma, et al., Proc. Natl.
Acad. Sci. (USA) 96:382-7 (1999)]。上記のリン酸化結果は、したがって、H
PV E7をE1に対するCDK2特異性に再指向するであろうメカニズムおよ
びE7が分化ケラチノサイトにおけるウイルスDNA複製を優先的に促進するで
あろう手段を示唆する。
【0066】 結果は、E7はp21およびp27に結合し得るが、E7はこれらのタンパク
質のCDK阻害活性に打ち勝つ能力をほとんどまたは全く有しないことも示唆し
、これらの結果は以前の報告と一致しない。しかしながら、以前刊行された研究
は、E7−CDKインヒビター相互作用の機能的局面の研究をするために免疫沈
降キナーゼ活性を用い[Funk, et a., Genes & Dev 1:2090-100 (1997); Jones,
et al., Genes & Dev 11:2101-11 (1997); Zerfass, et al., Oncogene 13:232
3-30 (1996)]、一方、本発明の研究は精製キナーゼ複合体を用いた。したがっ
て、以前の研究は、これらの調製物の純度の欠如のため、キナーゼ活性に対する
いずれかの直接的E7効果を観察していたか、そのような効果は、該キナーゼへ
の直接的な結合ではなくて、該インヒビターへの結合に起因すると誤って解釈さ
れていたかであろう。 さらに、本発明の結果は、腫瘍遺伝子進行の高いまたは低い両方の可能性を持
つパピローマウイルスから誘導されたHPV−E7が著しくCDK2を活性化す
ることを示した。HPV31およびHPV16は、それぞれ、12.6および1
8.2倍CDK2ヒストンキナーゼ活性を活性化し、一方、HPV6bからのロ
ーリスク誘導E7は15.8倍活性化した。
【0067】 実施例3 種々のキナーゼに対するHPV E7の効果 キナーゼ活性に対するE7効果が該サイクリン依存性キナーゼファミリーのメ
ンバーに特異的であるどうかを決定するための試みにおいて、種々のキナーゼ/
基質の組合せをE7存在下での促進された活性につき調べた。 基質としてヒストンH1を用いて、HPV16−E7をサイクリンA/CDK
2またはサイクリンE/CDK2のいずれかに添加した場合、上記のように、対
照に対して大きな増加(26倍および13倍)が認められた。サイクリンE/C
DK2に対する基質として網膜芽腫(pRb)タンパク質を用いた場合、バック
グラウンドに対して、1.9倍の増加が認められた。p25と複合化する関連す
るサイクリン依存性キナーゼCDK5もH1リン酸化に増加を示したが、対照に
対して4.5倍の増加のCDK2よりも少なかった。他のアッセイにおいて、M
APキナーゼ活性およびCDC2/サイクリンB活性はHPV16E7に影響さ
れないことが示され、E7キナーゼ活性は該サイクリン依存性キナーゼファミリ
ーのメンバーに特異的であることを示唆する。
【0068】 実施例4 HPV E7によるCDK2の活性化の反応速度論 次いで、CDK2/サイクリンAヒストンキナーゼ活性のHPV16−E7刺
激への基質濃度の効果を決定する実験を設計し、実施例2に上記したキナーゼア
ッセイ実験条件を些細な修飾をして用いた。最初の実験は、15分間のアッセイ
は該キナーゼ活性の直線範囲にあたることを示し、その結果、全てのアッセイを
15分間で行った。さらに、サイクリンA/CDK2複合体は、以前の実験でC
DK2キナーゼの最大活性化を生じることが決定されている量のHPV16−E
7と共にプレインキュベートした。
【0069】 この手法を用いると、結果は、ミカエリス−メンテン式を用いる非線形最小自
乗曲線フィットを可能にし、ヒストンH1に対して、1.1±0.2μMのK 、サイクリンA/CDK2によるヒストンリン酸化について以前決定された該K と同様の1.4μMの濃度[Connell-Crowley et al., Mol. Biol. Cell 4:79
-92 (1993)]を与えた。したがって、これらの結果は、HPV−E7がCDK2
活性に対して有する大きな効果は、基質結合の変化によっては達成されないが、
その代わりに、該CDK2触媒メカニズムの直接変化によって達成されることを
示した。
【0070】 実施例5 E7の突然変異誘発および重要なアミノ酸配列の決定 CDK2の結合および/または活性化に重要なE7アミノ酸を同定する試みに
おいて、該E7配列に点突然変異を導入し、CDK2キナーゼ活性の変化を下記
(以下)のように決定した。一般に、E7の構造は3つの領域に分割し得る:C
R1はアミノ酸残基1からだいたい残基16まで広がり、CR2はだいたいアミ
ノ酸17ないし38を含み、およびCR3はだいたい残基39ないし98を包含
する。CR2およびCR3の各々の中に、いくつかの生物学的重要な領域が同定
され、CR2内にRb結合ドメイン(残基22〜26)およびカゼインキナーゼ
IIリン酸化サイト(残基31〜37)、CR3内に少なくとも2つの亜鉛結合
ドメインを含む。様々な突然変異体をこれらのE7領域を考慮して調製した。
【0071】E7点突然変異 E7構築物のすべての部位指向突然変異は、QikChangeTMキット(
Stratagene)を用いて行った。ほとんどの場合、HPV16E7は突然変異化さ
れた。98個のアミノ酸タンパク質HPV16E7の以前規定された機能的領域
内の以下の保存アミノ酸変化を導入した:
【0072】
【表1】
【0073】 下記のPCRプライマーを用いて該変化を導入した。 M12→L12(Δ12) センス 配列番号:22 TACATTGCATGAATATTTGTTAGATTTGCAACCAG アンチセンス 配列番号:23 CTGGTTGCAAATCTAACAAATATTCATGCAATGTA C24,E26→S24,D26(Δ24,26) センス 配列番号:24 GAGACAACTGATCTCTACTCTTATGTCAATTAAATGACAGC アンチセンス 配列番号:25 GCTGTCATTTAATTGATCATAAGAGTAGAGATCAGTTGTCTC S31,S32→G31,G32(Δ31,32) センス 配列番号:26 GAGCAATTAAATGACGGCGGAGAGGAGGAGGATGAA アンチセンス 配列番号:28 TTCATCCTCCTCCTCTCCGCCGTCATTTAATTGCTC C91→W91(Δ91) センス 配列番号:27 ACACTAGGAATTGTGGGCCCCATCTGTTCTCAG アンチセンス 配列番号:29 CTGAGAACAGATGGGGCCCACAATTCCTAGTGT
【0074】 該E7コード領域内の複数の突然変異は、一連の部位指向突然変異誘発反応によ
り発生させた。各ステップにて、該突然変異誘発は、配列解析によって確認した
。単離された突然変異タンパク質を上記の条件下でCDK2を活性化する相対能
力につき調べた。結果を以下のテーブル1に記載する。
【0075】
【表2】
【0076】 結果は、E7は以前に決定された機能的ドメイン内のアミノ酸配列における複
数変化を許容し得、依然として、CDK2キナーゼ活性を活性化し得ることを示
した。この結論は、5つまでの突然変異した残基を有するE7がCDK2を活性
化する能力にほとんど変化を示さなかったことによって論証される。
【0077】 E7切取り突然変異体 CDK2活性化に必要なE7領域をより完全に調べる試みにおいて、E7断片
を上記アッセイで試験した。HPV16−E7切取りは、該完全長コードE7配
列中の残基87、69、48、38、27および15の後に停止コドンが導入さ
れたDNAを用いて発現させた。該GST−HPV16 E7 pGEX−4T−
3発現構築物は、QuickChangeTM(Stratagene)での部位指向的当
然変異誘発を用いて修飾し、該適切な配列変化は、Perkin-Elmer A
BI-PRISMを用いて、配列によって確認した。該切取りE7−GST融
合タンパク質を精製し、上記のように試験した。該E7コード領域に停止コドン
を導入するために用いたプライマーを下に記載する。
【0078】 GST−16E7(1〜15) センス 配列番号:40 GCATGAATATATGTTAGATTTGTAACCAGAGACAACTGATCTC アンチ 配列番号:41 GAGATCAGTTGTCTCTGGTTACAAATCTAACATATATTCATGC GST−16E7(1〜27) センス 配列番号:30 CTACTGTTATGAGCAATAAAATGACAGCTCAGAG アンチ 配列番号:31 CTCTGAGCTGTCATTTTATTGCTCATAACAGTAG GST−16E7(1〜38) センス 配列番号:42 CAGAGGAGGAGGATGAAATATAAGGTCCAGCTGGACAAGCAG アンチ 配列番号:43 CTGCTTGTCCAGCTGGACCTTATATTTCATCCTCCTCCTCTG GST−16E7(1〜48) センス 配列番号:32 GACAAGCAGAACCGGACTGAGCCCATTACAATATTG アンチ 配列番号:33 CAATATTGTAATGGGCTCAGTCCGGTTCTGCTTGTC GST−16E7(1〜69) センス 配列番号:34 GCTTCGGTTGTGCGTATAAAGCACACACGTAGAC アンチ 配列番号:35 GTCTACGTGTGTGCTTTATACGCACAACCGAAGC GST−16E7(1〜87) センス 配列番号:36 GTTAATGGGCACACTATGAATTGTGTGCCCCATC アンチ 配列番号:37 GATGGGGCACACAATTCATAGTGTGCCCATTAAC
【0079】 結果は、当該カルボキシ末端から48および98の間のHPV16E7残基の
欠失がCDK2活性能力に僅かな減少を生じることを示した。HPV E7(1
〜87)、HPV E7(1〜69)、HPV E7(1〜48)は、全て、同程
度のCDK2活性を示し、完全長E7の存在下での活性と比較して、それぞれ、
76.67%、83.45%および73.25%の相対キナーゼ活性であった。
HPV E7(1〜38)もおよそ72%の相対キナーゼ活性を示した。残基2
8〜48の切取りは、CDK2活性化に、一つの実験では、完全長E7のものの
28.64%まで、反復実験では52%までの著しい落ち込みをもたらし、該タ
ンパク質のアミノ末端部分に、E7の大部分のCDK2活性機能を示した。しか
しながら、HPV E7(1〜15)は、たった15%の相対キナーゼ活性しか
示さず、大部分のCDK2促進活性はCR1およびCR2 E7領域の両方に見
られる配列に起因することを示す。これらの結果は、以下のPCR計画を用いる
HPV16 E7アミノ末端の切取りによって確認した。
【0080】 該pGEX−4T−3 GST−HPV16 E7発現ベクターもテンプレート
として用いて、アミノ末端E7欠失突然変異体を調製した。HPV16 E7の
残基1〜39は、(i)該pGEX−4T−3ベクターのE7遺伝子の5’直接
のアンチセンス鎖にハイブリダイズする逆方向PCRプライマー、および(ii
)該E7遺伝子のコドン39(およびコドン39の下流)にての開始にハイブリ
ダイズする順方向の別のプライマーを用いて除去した。PCR条件は、カルボキ
シ末端指向突然変異誘発に用いたものと同一であった。該反応は、全体ベクター
をもたらし、E7遺伝子はE7コードアミノ酸残基1〜38のその領域の発現で
増幅した。用いたプライマーは以下である:
【0081】 GST−167(39〜98)プライマー センス 配列番号:38 GATGGTCCAGCTGGACAAGC アンチセンス 配列番号:39 CATGGATCCACGCGGAACCAG
【0082】 得られたPCR産物はDpnIで消化してテンプレートDNAを除去し、フェノ
ール−クロロホルムで抽出し、エタノール沈殿させ、次いで、E.coli株J
M109に形質転換した。単離されたクローンを調製し、残基1〜38をコード
するE7遺伝子の5’末端を欠損する適切な構築物を制限エンドヌクレアーゼ消
化および配列決定解析によって確認した。該GST−HPV16 E7(39〜
98)ポリペプチドを誘発し、該切取りタンパク質はグルタチオンアフィニティ
ークロマトグラフィーを用いて単離した。適切なサイズは、SDA−PAGEを
用いて決定した。同様に、HPV16アミノ酸9〜98および16〜98をコー
ドするGST−E7構築物を作製した。
【0083】 サイクリンA/CDK2を活性化する能力につきアッセイされたGST−HP
V16 E7(39〜98)は完全長GST−HPV16 E7の活性化活性の2
8.6%を示した。反復実験において、GST−HPV16 E7(39〜98)
は、18%の活性化可能性を示した。しかしながら、GST−HPV16 E7
(9〜98)は完全長E7の64%活性化を示し、GST−HPV16 E7(
16〜98)は53%活性化を示した。これらの結果は、該カルボキシ末端切取
り突然変異体を用いた以前の結果と共に、E7内のより小さな領域、特に、該タ
ンパク質のアミノ末端部分がサイクリン依存性キナーゼの活性化に重要であるこ
とを示す。
【0084】 これらの結果から、E7の内部アミノ酸領域または内部E7配列が除去された欠
失突然変異体のみをコードするさらなる構築物を調製した。構築物GST−16
E7(16〜38)は、GST−16 E7(16〜98)をコードする構築物
に停止コドンを導入することによって調製し、一方、構築物GST−16E7(
39〜98)およびGST−E7(20〜48)は、pGEX16E7およびp
GEX16E7(1〜48)をテンプレートとして用いてアミノ末端配列を除去
するためのPCRプライマーを用いるQuickChangeTM突然変異誘発
キットを用いて調製した。内部E7アミノΔ9〜13、Δ13〜15、Δ34〜
37、Δ21〜37、Δ31〜37またはΔ16〜37を保有する構築物は、製
造業者の提案するプロトコルに準じてQuickChangeTM突然変異誘発
キットを用い、テンプレートとしてpGEX−16E7DNAを用いて除去した
【0085】 構築物GST−16E7(16〜38)、GST−16E7(39〜98)、
およびGST−16E7(20〜48)を用いたキナーゼアッセイからの結果は
、これらのE7残基は、それぞれ、完全長E7によるものの53%、18%およ
び33%のレベルまでキナーゼ活性を誘発できることを示した。様々な内部欠失
突然変異体の活性の誘発をテーブル2に示す。
【0086】
【表3】
【0087】 まとめると、これらの結果は、Rb結合ドメイン、カゼインキナーゼIIドメイ
ンまたは亜鉛結合ドメインの不活性化は、E7CDK2キナーゼ活性を活性化す
る能力にほんの僅かな減少しかもたらさないことを示す。同様に、該Rb結合ド
メインおよびカゼインキナーゼIIドメイン両方の欠失は完全長E7につき決定
されたもののたった28%の損失しか生じず、単独でも組み合せても、CR1お
よびCR2領域からの内部欠失のいずれもE7による活性化に顕著には影響しな
かった。
【0088】 該E7CR1およびCR2領域は、アデノウイルスE1Aタンパク質およびS
V40T抗原の非連続部分に高度な類似性を示す。この程度の類似性から、CD
K2の活性化もこれらおよび他のウイルス性タンパク質の生物学的特性であるこ
とが予想される。
【0089】 実施例6 サイクリンAとのE7相互作用 該CDK2/サイクリン複合体へのE7結合を特徴付けるために、CDK2お
よびサイクリンAを別個に用いて、結合アッセイを行った。 HighFiveTM細胞(Invitrogen)は、GST−サイクリンA(上記)
または赤血球凝集素(HA)−タグ化CDK2[Desai, et al., Mol. Cell. Bi
ol. 3:571-582 (1992)]を発現するバキュロウイルスで感染させた。GST−サ
イクリンA発現細胞は、溶菌バッファー(20mM Tris−HCl、pH8
.0、2mM EDTA、100mM NaCl、5mM NaF、1mM Na VO、0.5% NP−40、10μg/mlロイペプチン、4μg/mlア
プロチニンおよび1mM PMSF)中で溶菌し(4×10細胞/ml)、不
溶性物質を遠心で除去した。GST−サイクリンA発現はSDS−PAGEおよ
び免疫ブロッティングによって確認した。HA−CDK2発現細胞は、低塩高張
溶菌バッファー(10mM HEPES、pH7.4、10mM NaCl、1m
M EDTA、0.1% NP−40、1mM DTT、20μM 塩化4−(2−
アミノエチル)ベンゼンスルホニル(AEBSF)および1×Complete TM プロテイナーゼインヒビターカクテル(Boehringer Mannheim))中で溶菌
した。
【0090】 グルタチオン寒天ビーズ(25μl)(Sigma)をPBS中の4%ウシ血清ア
ルブミン(BSA)でプレインキュベートし、1ml溶菌バッファーで3×洗浄
し、1mlGST−サイクリンAライゼートに添加し、次いで、混合しながら4
℃にて1時間インキュベートした。該ビーズを1ml溶菌バッファーで4×洗浄
し、100mM NaClを含有する1ml結合バッファー(20mM HEPE
S、pH7.4、10mM KCl、100mM NaCl、1mM EDTA、
1mM EGTA、0.1% NP−40、12.5%グリセロール、1mM D
TTおよび1×CompleteTMプロテイナーゼインヒビターカクテル)で
2×洗浄し、次いで、0.4ml結合バッファー中に再懸濁させた。精製HPV
16E7(4μg)を該ビーズに添加し、攪拌しながら4℃にて1.5時間イン
キュベートした。該ビーズを1ml結合バッファーで5×洗浄し、2×Laem
mliバッファー中で沸騰させ、次いで、SDS−PAGEおよび免疫ブロッテ
ィングを用いて分析した。
【0091】 粗HA−CDK2ライゼート(0.2ml)を150mM NaClを含有す
る高張溶菌バッファーチュで1:5に希釈し、1μgマウスIgGおよび25μ
lプロテインA/プロテインGプラス寒天(Santa Cruz Biotekhnology, Inc.)
で4℃にて1時間透明化した。HA−CDK2の免疫沈降を1μg抗HA−モノ
クローナル抗体12CA2(Roche Molecular Biochemicals)および20μlプ
ロテインA/プロテインGプラス寒天で、4℃にて1時間行った。該ビーズは、
150mM NaClを含有する1ml高張溶菌バッファーで3×、1ml結合
バッファーで2×洗浄し、0.4ml結合バッファーに再懸濁させた。精製HP
V16E7(4μg)を該ビーズに添加し、4℃にて1.5時間インキュベーシ
ョンを行った。該ビーズを1ml結合バッファーで5×洗浄し、2×Laemm
liサンプルバッファーでブロットし、次いで、SDS−PAGEおよび免疫ブ
ロッティングによって分析した。
【0092】 結果は、GST−サイクリンAを含有するビーズへのE7結合を示したが、固
定化されたHA−CDK2ではビーズへの結合を示さなかった。これらの結果は
、CDK2促進キナーゼ活性へのE7の作用は、該CDK2/サイクリン複合体
中のサイクリン成分との結合相互作用によって影響されるであろうことを示す。
この結合相互作用は、サイクリンがCDK2基質特異性を媒介することに役割を
演じるという事実[Roberts, Cell 98:129-132 (1999)]の観点から、E7がCD
K2基質特異性を変化させられるという理論と一致する。作用の一つの態様にお
いて、E7結合は、ウイルスDNA複製に関わるウイルス基質に対してCDK2
を再指向するであろう。あるいは、E7結合は、宿主細胞S期の開始を促進する
ことに関わるか、または、細胞基質を再指向させてウイルスDNAを複製するこ
とに関わるかにいずれかの細胞基質に対するCDK2特異性を変化させ得る。
【0093】 上記した例示的実施例に記載された本発明の数多くの修飾および変形は当業者
に思い浮かぶことは予想される。その結果、単に、特許請求の範囲に現われるよ
うな制限のみが本明細書に置かれる。
【配列表】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/50 G01N 33/50 Z (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VN, YU,ZA,ZW Fターム(参考) 2G045 AA28 AA40 BB20 CB01 DA20 FB01 4B063 QA06 QQ95 QR07 QR48 QR79 QS28 4C084 AA17 NA14 ZB33 ZC20

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 E7誘発CDK2キナーゼ活性のインヒビターを同定する方
    法であって、 (a)ヒト・パピローマウイルスまたはその断片の存在下、および試験化合物
    の存在下または不存在下でのCDK2基質へのCDK2キナーゼ活性を測定し、
    次いで、 (b)該試験化合物基質の不存在下で検出された該CDK2のリン酸化と比較
    して、該試験化合物の存在下でE7誘発CDK2基質の減少したリン酸化が検出
    された場合、該試験化合物をE7誘発CDK2キナーゼ活性のインヒビターとし
    て同定するステップを含む該方法。
  2. 【請求項2】 該HPV E7断片が配列番号:1に記載のアミノ酸残基1
    ないし27、アミノ酸残基1ないし38、アミノ酸残基1ないし48、アミノ酸
    残基1ないし69、およびアミノ酸残基1ないし87よりなる群から選択される
    ことを特徴とする請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 E7誘発CDK2キナーゼ活性のインヒビターを同定する方
    法であって、 (a)基質のCDK2キナーゼリン酸化を測定し; (b)ヒト・パピローマウイルス(HPV)E7またはその断片の存在下で基
    質の増加したCDK2リン酸化を測定してE7誘発CDK2キナーゼ活性を決定
    し; (c)HPV E7またはその断片の存在下および試験インヒビター化合物の
    存在下で基質のCDK2キナーゼリン酸化を測定し;次いで、 (d)ステップ(b)で測定された増加したリン酸化が、該試験化合物の存在
    するステップ(c)において減少する場合、該試験化合物をE7誘発CDK2キ
    ナーゼ活性のインヒビターとして同定するステップを含む該方法。
  4. 【請求項4】 該HPV E7断片が配列番号:1に記載のアミノ酸残基1
    ないし27、アミノ酸残基1ないし38、アミノ酸残基1ないし48、アミノ酸
    残基1ないし69、およびアミノ酸残基1ないし87よりなる群から選択される
    ことを特徴とする請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 該CDK2基質がヒストンH1、HPVタンパク質E1、お
    よびHPVタンパク質E2よりなる群から選択されることを特徴とする請求項1
    、2、3または4記載の方法。
  6. 【請求項6】 CDK2キナーゼ活性の測定がサイクリンの存在下で行われ
    ることを特徴とする請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 該サイクリンがサイクリンAおよびサイクリンEよりなる群
    から選択されることを特徴とする請求項5記載の方法。
  8. 【請求項8】 抗ウイルス剤を同定する方法であって、 (a)CDK2キナーゼ活性におけるE−7誘発増大のインヒビターを同定し
    ; (b)(a)で同定されたインヒビターの存在下および不存在下でウイルス増
    殖を測定し;次いで、 (c)該インヒビターの不存在下でのウイルス増殖と比較して、該インヒビタ
    ーの存在下で減少したウイルス増殖が検出された場合、該インヒビターを抗ウイ
    ルス剤として同定するステップを含む該方法。
  9. 【請求項9】 ヒト・パピローマウイルス(HPV)E7誘発CDK2キナ
    ーゼ活性を低減する方法であって、HPV感染細胞をE7誘発CDK2リン酸化
    のインヒビターに接触させるステップを含む該方法。
  10. 【請求項10】 ヒト・パピローマウイルス(HPV)E7誘発CDK2キ
    ナーゼ活性を低減する方法であって、HPV感染細胞をCDK2キナーゼ複合体
    へのE7結合のインヒビターに接触させることを含む該方法。
  11. 【請求項11】 ヒト・パピローマウイルス(HPV)増殖を軽減する方法
    であって、その必要がある個人に、有効量のHPV E7誘発CDK2キナーゼ
    活性インヒビターを投与するステップを含む該方法。
  12. 【請求項12】 ヒト・パピローマウイルス(HPV)増殖を軽減する方法
    であって、その必要がある個人に、有効量のHPV E7誘発CDK2キナーゼ
    活性インヒビターを投与するステップを含む該方法。
  13. 【請求項13】 CDK2キナーゼ複合体へのE7結合が該活性を有するサ
    イクリン成分との相互作用によって影響されることを特徴とする請求項10およ
    び12いずれかに記載の方法。
JP2001518895A 1999-08-25 2000-08-25 抗ウイルス剤の同定方法 Pending JP2003507078A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US09/382,616 1999-08-25
US09/382,616 US6200746B1 (en) 1999-08-25 1999-08-25 Methods of identifying anti-viral agents
PCT/US2000/023487 WO2001014584A2 (en) 1999-08-25 2000-08-25 Methods of identifying anti-viral agents

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003507078A true JP2003507078A (ja) 2003-02-25

Family

ID=23509744

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001518895A Pending JP2003507078A (ja) 1999-08-25 2000-08-25 抗ウイルス剤の同定方法

Country Status (5)

Country Link
US (2) US6200746B1 (ja)
EP (1) EP1206581A2 (ja)
JP (1) JP2003507078A (ja)
AU (1) AU7078100A (ja)
WO (1) WO2001014584A2 (ja)

Families Citing this family (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20080318890A1 (en) * 1999-04-08 2008-12-25 Antisoma Research Limited Antiproliferative activity of G-rich oligonucleotides and method of using same to bind to nucleolin
US20080318889A1 (en) * 1999-04-08 2008-12-25 Antisoma Research Limited Antiproliferative activity of G-rich oligonucleotides and method of using same to bind to nucleolin
US7960540B2 (en) * 1999-04-08 2011-06-14 Advanced Cancer Therapeutics, Llc Antiproliferative activity of G-rich oligonucleotides and method of using same to bind to nucleolin
US8114850B2 (en) * 1999-04-08 2012-02-14 Advanced Cancer Therapeutics, Llc Antiproliferative activity of G-rich oligonucleotides and method of using same to bind to nucleolin
JP2002541264A (ja) * 1999-04-08 2002-12-03 ユーエイビー・リサーチ・ファウンデーション 冨gオリゴヌクレオチドの抗増殖活性およびヌクレオリンに結合するためのその使用方法
AU3007001A (en) * 1999-12-06 2001-06-12 Axxima Pharmaceuticals Ag Method for identification and quantification of kinase inhibitors
US7601497B2 (en) * 2000-06-15 2009-10-13 Qiagen Gaithersburg, Inc. Detection of nucleic acids by target-specific hybrid capture method
US7439016B1 (en) * 2000-06-15 2008-10-21 Digene Corporation Detection of nucleic acids by type-specific hybrid capture method
WO2004078929A2 (en) * 2003-02-28 2004-09-16 University Of Rochester Materials and methods for identifying genes and/or agents that alter replicative lifespan
US20050123902A1 (en) * 2003-05-21 2005-06-09 President And Fellows Of Harvard College Human papillomavirus inhibitors
US20090131351A1 (en) * 2007-11-16 2009-05-21 Antisoma Research Limited Methods, compositions, and kits for modulating tumor cell proliferation
JP2011518333A (ja) * 2008-04-17 2011-06-23 キアジェン ゲイサーズバーグ インコーポレイテッド 標的核酸の存在を判別するための合成プローブを用いた組成物、方法、およびキット
EP2347011B1 (en) 2008-10-27 2017-01-18 QIAGEN Gaithersburg, Inc. Fast results hybrid capture assay and system
AU2010242867B2 (en) * 2009-05-01 2016-05-12 Qiagen Gaithersburg, Inc. A non-target amplification method for detection of RNA splice-forms in a sample
CA2773320C (en) * 2009-09-14 2018-02-20 Qiagen Gaithersburg, Inc. Compositions and methods for recovery of nucleic acids or proteins from tissue samples fixed in cytology media
CN102803490B (zh) * 2010-01-04 2015-03-25 奇亚根盖瑟斯堡股份有限公司 用于从固定组织样品回收核酸或蛋白质的方法、组合物和试剂盒
EP2528932B1 (en) * 2010-01-29 2016-11-30 QIAGEN Gaithersburg, Inc. Methods and compositions for sequence-specific purification and multiplex analysis of nucleic acids
BR112012018545A2 (pt) 2010-01-29 2016-05-03 Qiagen Gaithersburg Inc método de determinação e confirmação da presença de um hpv em uma amostra
EP2572001A2 (en) 2010-05-19 2013-03-27 QIAGEN Gaithersburg, Inc. Methods and compositions for sequence-specific purification and multiplex analysis of nucleic acids
JP6153866B2 (ja) 2010-05-25 2017-06-28 キアゲン ガイサーズバーグ アイエヌシー. 迅速なハイブリッド捕捉アッセイ、及び関連する戦略的に切断されたプローブ
CN103517994A (zh) * 2011-01-07 2014-01-15 奇亚根盖瑟斯堡股份有限公司 用于对高风险人乳头瘤病毒进行基因型分型和定量的材料和方法
WO2012116220A2 (en) 2011-02-24 2012-08-30 Qiagen Gaithersburg, Inc. Materials and methods for detection of hpv nucleic acid
US9777264B2 (en) 2011-11-03 2017-10-03 Qiagen Gaithersburg, Inc. Materials and method for immobilizing, isolating, and concentrating cells using carboxylated surfaces

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3907721A1 (de) 1989-03-10 1990-09-20 Behringwerke Ag Immunogene regionen auf dem e7-protein des humanen papillomvierus typ 16
US5457189A (en) 1989-12-04 1995-10-10 Isis Pharmaceuticals Antisense oligonucleotide inhibition of papillomavirus
US5811232A (en) 1989-12-04 1998-09-22 Isis Pharmaceuticals, Inc. Oligonucleotides for Papillomavirus
US5283173A (en) 1990-01-24 1994-02-01 The Research Foundation Of State University Of New York System to detect protein-protein interactions
DK0523391T3 (da) 1991-07-13 2003-06-23 Dade Behring Marburg Gmbh Anvendelse af HPV-16 E6 og E7 genafledte peptider til diagnostisk formål
AU3609693A (en) * 1992-01-29 1993-09-01 Duke University Method of assaying for the oncogenic state of cells
US5376542A (en) 1992-04-27 1994-12-27 Georgetown University Method for producing immortalized cell lines using human papilluma virus genes
US5376742A (en) 1993-09-23 1994-12-27 Quantum Chemical Corporation Monomer recovery in gas phase fluid bed olefin polymerization
DE19502584C2 (de) 1994-01-28 1999-08-12 Medigene Ag Ges Fuer Molekular Verfahren zur Bestimmung der Aktivität eines regulatorischen Faktors sowie Verwendung dieses Verfahrens
US5625031A (en) 1994-02-08 1997-04-29 Bristol-Myers Squibb Company Peptide inhibitors of the p33cdk2 and p34cdc2 cell cycle regulatory kinases and human papillomavirus E7 oncoprotein
US5736318A (en) 1995-03-17 1998-04-07 President And Fellows Of Harvard College Method and kit for evaluating human papillomavirus transformed cells
EP0915976A2 (en) 1996-09-27 1999-05-19 Icos Corporation Method to identify compounds for disrupting protein/protein interactions

Also Published As

Publication number Publication date
US6200746B1 (en) 2001-03-13
WO2001014584A2 (en) 2001-03-01
US20050032038A1 (en) 2005-02-10
WO2001014584A3 (en) 2001-08-02
AU7078100A (en) 2001-03-19
EP1206581A2 (en) 2002-05-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003507078A (ja) 抗ウイルス剤の同定方法
Sangfelt et al. Induction of Cip/Kip and Ink4 cyclin dependent kinase inhibitors by interferon-α in hematopoietic cell lines
Dalal et al. Mutational analysis of human papillomavirus type 16 E6 demonstrates that p53 degradation is necessary for immortalization of mammary epithelial cells
Jones et al. The human papillomavirus E7 oncoprotein can uncouple cellular differentiation and proliferation in human keratinocytes by abrogating p21Cip1-mediated inhibition of cdk2
Srinivasan et al. The amino-terminal transforming region of simian virus 40 large T and small t antigens functions as a J domain
JP3193301B2 (ja) 生理活性タンパク質p160
KR0160185B1 (ko) 유두종 바이러스의 안티센스 올리고뉴클레오티드 저해
Phelps et al. Molecular targets for human papillomaviruses: prospects for antiviral therapy
JP2009543559A (ja) 癌特異的転写複合体の標的化のための組成物および方法
JP2002512788A (ja) 分化をモジュレートする方法
Mechoulam et al. Expression and activation of STAT3 in ischemia-induced retinopathy
CN113382743A (zh) 基于间充质干细胞的动员的疾病治疗药
Sherr et al. Regulation of CYL/cyclin D genes by colony‐stimulating factor 1
EP0563307A1 (en) Medicaments for the treatment of papillomavirus diseases
KR101169980B1 (ko) 심근 세포의 증식 방법
US6641994B2 (en) Methods of identifying anti-viral agents
Gu et al. p47phox participates in activation of RelA in endothelial cells
BELYAVSKYI et al. Perturbation of the host cell cycle and DNA replication by the bovine papillomavirus replication protein E1
JP4499994B2 (ja) 終末分化細胞の増殖方法及びそのための組換えベクター
Wilson et al. Molecular targets for papillomavirus therapy
WO2006001275A1 (ja) グリコーゲン合成酵素を直接活性化する化合物をスクリーニングする方法
US7795032B2 (en) Methods for proliferating cardiomyocytes and recombinant vectors therefor
RU2279289C2 (ru) Применение кардиотрофина при заболеваниях печени
JP2000512846A (ja) Dna複製開始のための無細胞系
JP4430821B2 (ja) E1オリゴマー化に関係するパピローマウイルスe1ヘリカーゼの領域