JP3193301B2 - 生理活性タンパク質p160 - Google Patents
生理活性タンパク質p160Info
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Description
なタンパク質に関する。
万の一群の低分子量GTP結合タンパク質(Gタンパク
質)が存在している。現在、低分子量Gタンパク質のス
ーパーファミリーには酵母から哺乳動物に至るまですで
に50種類以上のメンバーが見出されている。低分子量
Gタンパク質は、アミノ酸配列の類似性からRas、R
ho、Rab、その他の4つのファミリーに大別するこ
とができる。この低分子量Gタンパク質は種々の細胞機
能を制御していることが明らかになってきており、例え
ば、Rasタンパク質は細胞の増殖や分化等を、Rho
タンパク質は細胞の形態変化や細胞接着、細胞運動等を
それぞれ制御していると考えられている。
TP結合能および内在性GTPase活性を示し、リゾ
ホスファチジン酸(LPA)およびある種の成長因子等
のような細胞外シグナルに対する細胞骨格応答に関係し
ているとされている。不活性型であるGDP結合Rho
タンパク質にある刺激が与えられると、Smg GD
S、DblやOstのようなGDP/GTP変換タンパ
ク質の働きによって活性型であるGTP結合Rhoタン
パク質(以下、「活性型Rhoタンパク質」という)に
変換される。そして、この活性型Rhoタンパク質が標
的タンパク質に作用することによってストレス繊維およ
び接着斑が形成され、細胞接着および細胞運動等が誘導
されると考えられている(実験医学 vol.12,No.8,97-10
2(1994) 、Takai, Y. et al. Trends Biochem. Sci., 2
0, 227-231 (1995) )。一方、Rhoタンパク質内在性
GTPaseにより活性型Rhoタンパク質はGDP結
合Rhoタンパク質に変換される。この内在性GTPa
seの活性を亢進するタンパク質はGTPase活性化
タンパク質(GAP)(Lamarche, N. & Hall,A. eta
l.,TIG, 10, 436-440 (1994) )と呼ばれている。
質、RhoCタンパク質、Rac1タンパク質、Rac
2タンパク質、Cdc42タンパク質のようなRhoフ
ァミリーのタンパク質のアミノ酸配列は、お互いに50
%以上の類似性がある。このRhoファミリーのタンパ
ク質は、リゾフォスファチジル酸(LPA)や増殖因子
のような細胞外シグナルに応答して、ストレス繊維(st
ress fiber)やフォーカルコンタクト(focal contact
)の形成を引き起こす反応に関与していると考えられ
ている(A. J. Ridley & A. Hall、Cell,70,389-399 (1
992) ,A. J. Ridley& A. Hall, EMBO J.,1353,2600-261
0(1994))。また、サブファミリーであるRhoタンパ
ク質は、細胞の形態変化(H.F.Parterson et al., J.Ce
ll Biol.,111,1001-1007 (1990) )、細胞接着(Morii,
N. et al.,J. Biol.Chem. 267, 20921-20926 (1992) 、
T. Tominaga et al.,J.Cell Biol., 120, 1529-1537(19
93) 、Nusrat, A. et al.,Proc, Natl. Acad. Sci. US
A, 92, 10629-10633 (1995)*、Landanna, C. et al.,
Science 271, 981-983 (1996)*)、細胞運動(K. Taka
ishi et al.,Oncogene,9,273-279 (1994))、細胞質分
裂(cytokinesis )(K. Kishi et al.,J. Cell Biol.,
120,1187-1195(1993) 、I. Mabuchi et al.,Zygote,1,3
25-331(1993))のような細胞骨格の再編成をともなった
生理機能にも関連があると考えられている(本願の優先
権主張の基礎となる最初の出願の後に発行された刊行物
に*印を付した。以下同じ。)。更に、Rhoタンパク
質は、平滑筋収縮(K. Hirata et al.,J. Biol. Chem.,
267,8719-8722(1992) 、M. Noda et al., FEBS Lett.,
367, 246-250 (1995) 、M. Gong et al.,Proc. Natl. A
cad. Sci. USA, 93,1340〜1345 (1996) *)、フォスフ
ァチジルイノシトール 3−キナーゼ(PI3−キナー
ゼ)(J. Zhang et al.,J. Biol. Chem.,268,22251-222
54 (1993) )、フォスファチジルイノシトール 4−リ
ン酸 5−キナーゼ(PI 4,5−キナーゼ)(L.
D. Chong et al.,Cell,79,507-513(1994))やc−fo
sの発現(C. S. Hill et al.,Cell,81,1159-1170(199
5) )の制御にも関与していることが示唆されている。
したRhoタンパク質が細胞内に導入されるとRas依
存的な腫瘍形成が抑制されること等が見出され、Rho
タンパク質がRasによる細胞の形質転換、すなわち腫
瘍形成、において重要な役割を果たしていることが明ら
かにされている(G.C.Prendergast et al.,Oncogene,1
0,2289-2296(1995)、Khosravi-Far,R.,et al.,Mol.Cel
l.Biol.,15,6443-6453(1995)*、R.Qiu et al.、Proc.N
atl.Acad.Sci.USA,92,11781-11785(1995) *、およびLe
bowitz,P.et al.,Mol.Cell.Biol.,15,6613-6622(1995)
*)。
変換タンパク質が変異すると、細胞が形質転換すること
が明らかにされている(Collard,J.,Int.J.Oncol.,8,13
1 〜138(1996) *)、Hart,M. et al.,J.Biol Chem.,26
9,62-65 (1994)、Horii,Y. et al., EMBO J., 13,4776-
4786 (1994) )。
潤、すなわちガン転移に関与していることが明らかにさ
れている(Yoshioka,K.et al.,FEBS Lett.,372,25 〜28
(1995) )。ガン細胞の浸潤には、ガン細胞の細胞接着
能の変化が密接に関連しているが、Rhoタンパク質は
細胞接着に関与することが明らかにされている(前掲Mo
rii,N.et al.(1992)、Tominaga,T. et al.(1993)、Nusr
at,A.et al.(1995)、Landanna,C.et al.(1996) *)。
運動、細胞凝集ばかりでなく、平滑筋の収縮をも亢進す
ることが明らかとなってきた。最近の研究によれば、R
hoタンパク質は平滑筋収縮に関与することが知られて
いる(K. Hirata et al.,J.Biol. Chem. 267, 8719-872
2 (1992) および Noda, M. et al., FEBS Lett., 367,
246-250(1995)) 。従って、活性型Rhoタンパク質結
合タンパク質もまた、平滑筋収縮に関与する可能性が高
いと考えられる。
の形態変化、細胞接着、細胞運動、細胞質分裂、腫瘍の
形成や転移、血管平滑筋の収縮等の多数のシグナル伝達
経路を調節していることがわかってきた。このことよ
り、Rhoタンパク質には多数の標的分子があり、上記
の多数のシグナル伝達経路を調節していると考えられて
いる。
最初の出願の後において)、哺乳類において、いくつか
の候補タンパク質が報告された。これらのタンパク質
は、プロテインキナーゼN(PKN)(Watanabe, G. e
t al., Science 271, 645-648(1996)*; Amano, M. et
al., Sceince 271, 648-650 (1996) *)、ローフィリ
ン(Watanabe, G. et al., Science 271, 645-648 (199
6)*)、シトロン(Madaule, P. et al., FEBS Lett. 3
77, 243-248 (1995)*)、ROKα(Leung, T.et al.,
J. Biol. Chem. 270, 29051-29054 (1995)*)、Rh
o結合キナーゼ(Matsui,T.et al.,EMBO J.15,1885-1893
(1996)*)、ローテキン(Reid,T.et al.,J.Biol.Chem.,
271,9816-9822(1996) *)である。これらのタンパク質
はいずれもGTP結合RhoAタンパク質に結合する
(ただし、シトロンだけはGTP結合Rac1タンパク
質にも結合する)。
Cのプロテインキナーゼ触媒領域と高い相同性を有する
触媒領域を有しており、セリン/スレオニン・プロテイ
ンキナーゼ活性を示す(Mukai, H. & Ono, Y., Bioche
m. Biopys. Res. Commun. 199, 897-904 (1994); Muka
i, H. et al., Biochem. Biopys. Res. Commun. 204, 3
48-356 (1994) )。一方、ROKαおよびRho結合キ
ナーゼ(前掲Matsui,T.et al.(1996) *)もセリン/ス
レオニン・プロテインキナーゼ触媒領域様のアミノ酸配
列を有する(前掲Leung, T. et al(1995) *)。
最近、酵母(Saccharomyces cerevisiae)では、哺乳類
のRhoAに相当するRho1タンパク質の標的タンパ
ク質として、プロテインキナーゼC1(PKC1)が同
定された(Nonaka, H. et al., EMBO J. 14, 5931-5938
(1995)*)。更にごく最近、酵母(Saccharomyces cere
visiae)のRho1pタンパク質の標的タンパク質とし
て、1,3−β−グルカン合成酵素が同定された(Drgo
nova, J. et al., Science 272, 277-279(1996) *およ
び Qadota, H. et al., Science 272, 279-281(199
6)*)。しかしながら、活性型Rhoタンパク質が関与
する細胞情報伝達機構、特に腫瘍形成や平滑筋収縮に関
する機構、は依然として解明されていない。
ンパク質結合能を有するタンパク質をヒト血液中の血小
板から単離した。また、本発明者らは、上記タンパク質
中においてRhoタンパク質結合領域およびプロテイン
キナーゼ領域を特定した。本発明はかかる知見に基づく
ものである。
結合能および/またはプロテインキナーゼ活性を有する
タンパク質の提供をその目的とする。また、本発明は、
前記タンパク質をコードする塩基配列、前記塩基配列を
含むベクター、前記ベクターによって形質転換された宿
主細胞、前記タンパク質の製造法、および活性型Rho
タンパク質とその標的タンパク質との結合を阻害するス
クリーニング法等の提供をその目的とする。そして、本
発明によるタンパク質は、活性型Rhoタンパク質結合
能を有し、かつプロテインキナーゼ活性を有するもの、
である。
わちL体およびD体、のいずれをも含む意味で用いられ
るものとする。従って、本発明において「ペプチド」と
は、L体のアミノ酸のみによって構成されているペプチ
ドだけでなく、D体のアミノ酸を一部または全部含むペ
プチドをも意味するものとする。
は、天然のタンパク質を構成する20種のα−アミノ酸
のみならず、それら以外のα−アミノ酸、並びにβ−、
γ−、δ−アミノ酸および非天然のアミノ酸等を含む意
味で用いられるものとする。従って、下記のようにペプ
チドにおいて置換されるかまたはペプチド中に挿入され
るアミノ酸としては、天然のタンパク質を構成する20
種のα−アミノ酸だけに限定されることはなく、それら
以外のα−アミノ酸並びにβ−、γ−、δ−アミノ酸お
よび非天然のアミノ酸等であってもよい。このようなβ
−、γ−またはδ−アミノ酸としては、β−アラニン、
γ−アミノ酪酸あるいはオルニチンが挙げられ、また天
然タンパク質を構成するもの以外のアミノ酸あるいは非
天然のアミノ酸としては、3,4−ジヒドロキシフェニ
ルアラニン、フェニルグリシン、シクロヘキシルグリシ
ン、1,2,3,4−テトラハイドロイソキノリン−3
−カルボン酸あるいは二ペコチン酸等が挙げられる。
ンパク質」というときは、その誘導体を含む意味で用い
られるものとする。更にまた、本明細書において「塩基
配列」とは、DNA配列およびRNA配列のいずれをも
意味するものとする。
M1、M2、M3、およびC等)の後に続く括弧内の番
号は、配列番号1のアミノ酸配列の領域を表す。例え
ば、KD(2‐333)は、配列番号1の2〜333番
のアミノ酸配列を表す。また、タンパク質変異体の変異
部位は、置換される前のアミノ酸残基(一文字表記)、
置換されるアミノ酸の位置、および置換された後のアミ
ノ酸残基(一文字表記)を連続して記載することで表し
た。例えば、「K921M(906‐926)」は、配
列番号1の906〜926番のアミノ酸配列であって、
921番目のアミノ酸残基であるK(Lys :リジン)が
M(Met :メチオニン)で置換されたアミノ酸配列を表
す。
合能を有し、かつプロテインキナーゼ活性を有するタン
パク質またはその誘導体である。ここで、Rhoタンパ
ク質としては、RhoAタンパク質、RhoBタンパク
質、RhoCタンパク質、またはRhoGタンパク質が
挙げられる。
質結合能を有するタンパク質」とは、当業者により活性
型Rhoタンパク質との結合が認められたと評価される
タンパク質をいい、例えば、実施例1および4〜10と
同様の条件において実験した場合に活性型Rhoタンパ
ク質との結合が認められたと評価されるタンパク質を意
味するものとする。
hoタンパク質と本発明によるタンパク質との結合が実
質的に損われないように改変されたRhoタンパク質を
も含むものとする。このような改変Rhoタンパク質と
しては、14番目のアミノ酸をバリンで置換したRho
A変異体(RhoAVal14 )が挙げられる。
性を有するタンパク質」とは、当業者によりプロテイン
キナーゼ活性が認められたと評価されるタンパク質をい
い、例えば、実施例2と同様の条件において実験した場
合にプロテインキナーゼ活性が認められたと評価される
タンパク質を意味するものとする。
タンパク質と結合することによってそのプロテインキナ
ーゼ活性が亢進されるとの性質を有する。ここで「プロ
テインキナーゼ活性」とは、セリン/スレオニン・プロ
テインキナーゼ活性を含む意味で用いられるものとす
る。
されず、ヒトを含むホ乳類由来のものであっても、それ
以外を由来とするものであってもよい。
S−PAGEによる測定で約160kDである。
例1(2)に記載される方法によって得ることができ
る。
体」とは、タンパク質のアミノ末端(N末端)のアミノ
基または各アミノ酸の側鎖のアミノ基の一部もしくは全
部、および/またはペプチドのカルボキシル末端(C末
端)のカルボキシル基または各アミノ酸の側鎖のカルボ
キシル基の一部もしくは全部、および/または、ペプチ
ドの各アミノ酸の側鎖のアミノ基およびカルボキシル基
以外の官能基(例えば、水素基、チオール基、アミド基
等)の一部もしくは全部が、適当な他の置換基によって
修飾を受けたものをいう。適当な他の置換基による修飾
は、例えば、ペプチド中に存在する官能基の保護、安全
性ならびに組織移行性の向上、あるいは活性の増強等を
目的として行われる。
は、(1)タンパク質のアミノ末端(N末端)のアミノ
基または各アミノ酸の側鎖のアミノ基の一部もしくは全
部の水素原子が、置換または非置換のアルキル基(直
鎖、分岐鎖または環状であってもよい)(例えば、メチ
ル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、イソブ
チル基、ブチル基、t−ブチル基、シクロプロピル基、
シクロヘキシル基、ベンジル基)、置換または非置換の
アシル基(例えば、ホルミル基、アセチル基、カプロイ
ル基、シクロヘキシルカルボニル基、ベンゾイル基、フ
タロイル基、トシル基、ニコチノイル基、ピペリジンカ
ルボニル基)、ウレタン型保護基(例えば、p−ニトロ
ベンジルオキシカルボニル基、p−メトキシベンジルオ
キシカルボニル基、p−ビフェニルイソプロピルオキシ
カルボニル基、t−ブトキシカルボニル基)またはウレ
ア型置換基(例えば、メチルアミノカルボニル基、フェ
ニルカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル
基)等によって置換されたもの、並びに(2)タンパク
質のカルボキシル末端(C末端)のカルボキシル基また
は各アミノ酸の側鎖のカルボキシル基の一部もしくは全
部が、エステル型の修飾を受けているもの(例えば、そ
の水素原子がメチル、エチル、イソプロピル、シクロヘ
キシル、フェニル、ベンジル、t−ブチル、4−ピコリ
ルにより置換されたもの)、アミド型の修飾を受けてい
るもの(例えば、非置換アミド、C1−C6アルキルア
ミド(例えば、メチルアミド、エチルアミド、イソプロ
ピルアミド)を形成しているもの、並びに(3)タンパ
ク質の各アミノ酸の側鎖のアミノ基およびカルボキシル
基以外の官能基(例えば、水素基、チオール基、アミノ
基等)の一部もしくは全部が、上述のアミノ基と同様の
置換基あるいはトリチル基などで修飾されたもの等が挙
げられる。
列番号1のアミノ酸配列からなるタンパク質(本明細書
において「p160」という)およびその誘導体が挙げ
られる。配列番号1のアミノ酸配列は、ヒト巨核球性白
血病細胞(Hirata, M. et al., Nature 349, 617-620(1
991)および Ogura, M. et al., Blood 66, 1384-1392(1
985))由来のcDNAライブラリーから得られたDNA
配列(cDNA配列)から決定されたものである。この
cDNAライブラリーは、Kakizuka, M. et al.,Nature
349, 617-620(1991) に記載の方法に従って調製するこ
とができる。また、cDNA配列は、図1に記載のペプ
チドAP−23に対応するオリゴヌクレオチドをプロー
ブとして用いることによって得ることができる。
は、配列番号1のアミノ酸配列からなり、前記配列番号
1のアミノ酸配列に1以上のアミノ酸配列が付加および
/または挿入され、および/または前記配列番号1のア
ミノ酸配列の1以上のアミノ酸が置換および/または欠
失されたタンパク質であって、活性型Rhoタンパク質
結合能を有し、かつプロテインキナーゼ活性を有するも
のが挙げられる。すなわち、ここにいう付加(additio
n)、挿入(insertion) 、置換(substitution)、および欠
失(deletion)とは、配列番号1のアミノ酸配列からなる
タンパク質の活性型Rhoタンパク質結合能およびプロ
テインキナーゼ活性を損なわない(not damage)ような
ものをいう。
る:K921M、R926A、E930A、E943
A、D951A、E960A、E989A、E995
A、K999M、R1012L、およびK1013M。
つプロテインキナーゼ活性を有するタンパク質であっ
て、上記の置換を1つ有するものとしては、例えば、K
921M(1−1354)、R926A(1−135
4)が挙げられる。活性型Rhoタンパク質結合能を有
し、かつプロテインキナーゼ活性を有するタンパク質で
あって、上記置換を2つ以上有するものとしては、K9
21M・R926A(1−1354)が挙げられる。
のアミノ酸配列から72〜343番のアミノ酸配列(プ
ロテインキナーゼ領域)と920〜1015番のアミノ
酸配列(Rhoタンパク質結合領域)とを除いた領域ま
たはその一部分の欠失である。具体的には、1016〜
1354番のアミノ酸配列およびこの部分配列(例え
ば、1022〜1354番、および1025〜1354
番)、344〜933番のアミノ酸配列およびこの部分
配列(例えば、344〜726番、344〜846番、
344〜905番、および344〜919番)、並びに
1〜71番のアミノ酸配列およびこの部分配列である。
2〜343番のアミノ酸配列(プロテインキナーゼ領
域)と920〜1015番のアミノ酸配列(Rhoタン
パク質結合領域)とを有するタンパク質が提供される。
結合能を有し、かつプロテインキナーゼ活性を有さない
タンパク質またはその誘導体が提供される。
のアミノ酸配列からなり、前記配列番号1のアミノ酸配
列に1以上のアミノ酸配列が付加および/または挿入さ
れ、および/または前記配列番号1のアミノ酸配列の1
以上のアミノ酸が置換および/または欠失されたタンパ
ク質であって、活性型Rhoタンパク質結合能を有し、
かつプロテインキナーゼ活性を有さないものが挙げられ
る。すなわち、ここにいう付加、挿入、置換、および欠
失とは、配列番号1のアミノ酸配列からなるタンパク質
の活性型Rhoタンパク質結合能を損なわず、かつプロ
テインキナーゼ活性を損なうようなものをいう。
〜343番のアミノ酸配列(プロテインキナーゼ領域)
もしくはプロテインキナーゼ活性に必要な領域またはそ
の一部を含む領域の欠失である。
付加、挿入、置換および/または欠失を有する)からな
る活性型Rhoタンパク質結合能を有し、かつプロテイ
ンキナーゼ活性を有さないタンパク質またはその誘導体
は、上記付加、挿入、置換および/または欠失に加え
て、そのタンパク質のRhoタンパク質結合能を損なわ
ないような付加、挿入、置換および/または欠失を有し
ていてもよい。
ノ酸配列から934〜1015番のアミノ酸配列(Rh
oタンパク質結合領域)を除いた領域またはその一部分
の欠失である。具体的には、1015〜1354番のア
ミノ酸配列およびその部分配列(例えば、1021〜1
354番、および1024〜1354番)、344〜9
33番のアミノ酸配列およびその部分配列(例えば、3
44〜726番、344〜846番、344〜905
番、および344〜919番)、並びに1〜71番のア
ミノ酸配列およびその部分配列である。
である:K921M、R926A、E930A、E94
3A、D951A、E960A、E989A、E995
A、K999M、R1012L、およびK1013M。
つプロテインキナーゼ活性を有さないタンパク質であっ
て、上記置換と欠失とを組み合わせて有するものの例
は、K921M(906−1094)、R926A(9
06−1094)、およびK921M・R926A(9
06−1094)等である。
34〜1015番のアミノ酸配列を少なくとも有するタ
ンパク質(例えば、配列番号1の727〜1021番、
847〜1024番、906〜1024番、920〜1
024番、906〜1015番、920〜1015番、
または906〜1094番のアミノ酸配列からなるタン
パク質)またはその誘導体が提供される。これらのタン
パク質は、活性型Rhoタンパク質結合能を有し、かつ
プロテインキナーゼ活性を有さないものである。
ゼ活性を有し、かつ活性型Rhoタンパク質結合能を有
さないタンパク質またはその誘導体が提供される。ここ
で「プロテインキナーゼ活性」とは、セリン/スレオニ
ン・プロテインキナーゼ活性を含む意味で用いられるも
のとする。
のアミノ酸配列からなり、前記配列番号1のアミノ酸配
列に1以上のアミノ酸配列が付加および/または挿入さ
れ、および/または前記配列番号1のアミノ酸配列の1
以上のアミノ酸が置換および/または欠失されたタンパ
ク質であって、プロテインキナーゼ活性を有し、かつ活
性型Rhoタンパク質結合能を有さないものが挙げられ
る。すなわち、ここにいう付加、挿入、置換、および欠
失とは、配列番号1のアミノ酸配列からなるタンパク質
のプロテインキナーゼ活性を損なわず、かつ活性型Rh
oタンパク質結合能を損なうようなものをいう。
4〜945番または1005〜1015番アミノ酸配列
もしくは活性型Rhoタンパク質結合能を有する領域ま
たはその一部を含む領域の欠失である。
M、L941A、E1008A、およびI1009Aで
ある。
付加、挿入、置換、および/または欠失を有する)から
なるプロテインキナーゼ活性を有し、かつ活性型Rho
タンパク質結合能を有さないタンパク質またはその誘導
体は、上記付加、挿入、置換、および/または欠失に加
えて、そのタンパク質のプロテインキナーゼ活性を損な
わないような付加、挿入、置換、および/または欠失を
有していてもよい。
ノ酸配列から72〜343番のアミノ酸配列(プロテイ
ンキナーゼ領域)を除いた領域またはその一部分の欠失
が挙げられる。具体的には、1〜71番のアミノ酸配列
およびこの部分配列、並びに344〜1354番のアミ
ノ酸配列およびこの部分配列の欠失である。
2〜343番のアミノ酸配列を少なくとも有するタンパ
ク質またはその誘導体が提供される。このタンパク質
は、プロテインキナーゼ活性を有し、かつ活性型Rho
タンパク質結合能を有さないものである。このようなタ
ンパク質としては、例えば、I1009A(1−135
4)が挙げられる。
の後に発行されたLeung, T. et al., J. Biol. Chem. 2
70, 29051-29054 (1995)*には、発現クローニングによ
りラット脳cDNAライブラリーからクローニングされ
たRhoタンパク質結合タンパク質、すなわち、p16
0アイソザイム(ROKα)、が記載されている。これ
によれば、ROKαのRhoタンパク質結合フラグメン
トは、ROKαのアミノ酸配列893‐982(これは
配列番号1の949〜1039番のアミノ酸配列に対応
する)をカバーしていることが示唆されている。2つの
アインザイムのアミノ酸配列の比較は図42に示される
通りである。図42によれば、p160のRhoタンパ
ク質結合領域、すなわち本発明による改変タンパク質、
は前記文献において示唆されたRhoタンパク質結合領
域と相違する。
列の部分アミノ酸配列からなり、少くともロイシンジッ
パー様配列、コイルド−コイル領域、プレクストリン類
似領域またはジンク・フィンガー領域のいずれかを有す
るタンパク質またはその誘導体が提供される。
タンパク質結合能とプロテインキナーゼ活性とを有する
もの、あるいはこれらのいずれかまたは両方を失わせる
ように改変されたものである。また、Rhoタンパク質
は腫瘍の形成、転移をはじめとして細胞形態、細胞運
動、細胞接着、細胞質分裂等の細胞の機能発現に密接に
かかわっている(前掲Takai, Y., et al. 、G.C.Prende
rgast.et al.、Khosravi-Far, R., et al .、R. Qiu e
t al. 、 Lebowitz 、P., et al., およびYoshioka,K.e
t al. )。従って、本発明によるタンパク質は、腫瘍の
形成および転移の機構解明に有用であると考えられる。
関与することが知られている(前掲K. Hirata et al.
および M. Noda et al. )。従って。本発明によるタン
パク質は、高血圧や血管攣縮等の種々の循環器系疾患の
機構の解明に有用であると考えられる。
塩基配列が提供される。この塩基配列の典型的配列は、
配列番号2のDNA配列の一部または全部を有するもの
である。
に、ヒト巨核球性白血病細胞由来のcDNAライブラリ
ーから得られたものである。このDNA配列は、p16
0のオープンリーディングフレームに相当する。また、
その周辺配列を含めたDNA配列は図2から10にかけ
て連続して記載されている。この配列中オープンリーデ
ィングフレームは448〜450番のATGから始ま
り、4510〜4512番のTAAで終了する。
与えられれば、それをコードする塩基配列は容易に定ま
り、配列番号1に記載されるアミノ酸配列をコードする
種々の塩基配列を選択することができる。従って、本発
明によるタンパク質をコードする塩基配列とは、配列番
号2に記載のDNA配列の一部または全部に加え、同一
のアミノ酸をコードするDNA配列であって縮重関係に
あるコドンをDNA配列として有する配列をも意味する
ものとし、更にこれらに対応するRNA配列も含まれ
る。
であっても、全合成したものであってもよい。また、天
然物由来のものの一部を利用して合成を行ったものであ
ってもよい。塩基配列は、染色体ライブラリーまたはc
DNAライブラリーから遺伝子工学の分野で慣用されて
いる方法、例えば部分アミノ酸配列の情報を基にして作
成した適当なDNAプローブを用いてスクリーニングを
行う方法、等によって得ることができる。本発明による
塩基配列は、例えば、Kakizuka, M. et al.,Nature 34
9, 617-620(1991) に記載の方法に従ってヒト巨核球性
白血病細胞MEG−01(Ogura, M. et al., Blood 6
6, 1384-1392(1985) )由来のcDNAライブラリーを
調製し、図1に記載のペプチドAP−23に対応するオ
リゴヌクレオチドをプローブとするスクリーニングを実
施することによって得ることができる。
の起源は特に限定されず、ヒトを含むホ乳類由来のもの
であっても、それ以外を由来とするものであってもよ
い。
配列の例は、配列番号2の塩基配列および配列番号2の
DNA配列の一部(例えば、配列番号2の214〜10
29番、2179〜3063番、2539〜3072
番、2716〜3072番、2539〜3045番、2
716〜3045番、または2800〜3045番のD
NA配列)である。
細胞内で複製可能でかつその塩基配列がコードするタン
パク質を発現可能な状態で含んでなるベクターが提供さ
れる。更に、本発明によれば、このベクターによって形
質転換された宿主細胞が提供される。この宿主−ベクタ
ー系は特に限定されず、また、他のタンパク質との融合
タンパク質発現系などを用いることができる。融合タン
パク質発現系としては、MBP(マルトース結合タンパ
ク質)、GST(グルタチオンSトランスフェラー
ゼ)、HA(ヘマグルチニン)、ポリヒスチジン、my
c、Fas等を用いたものが挙げられる。
(例えば、原核細胞、酵母、昆虫細胞動物細胞等での発
現ベクター)、ウイルスベクター(例えば、レトロウイ
ルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ関連ウ
イルスベクター、ヘルペスウイルスベクター、センダイ
ウイルスベクター、HIVベクター)、リポソームベク
ター(例えば、カチオニックリポソームベクター)等が
挙げられる。
主細胞に導入して所望のタンパク質を発現させるために
は、前記の本発明による塩基配列の他に、その発現を制
御する配列や宿主細胞を選択するための遺伝子マーカー
等を含んでいてもよい。また、このベクターは、本発明
による塩基配列を反復した形で(例えば、タンデムで)
含んでいてもよい。これらは常法に従いベクターに存在
させてよく、このベクターによる宿主細胞の形質転換の
方法も、この分野で慣用されているものを用いることが
できる。
法は、遺伝子工学の分野で慣用されているものを用いる
ことができる。
菌、酵母、昆虫細胞、動物細胞(例えば、COS細胞、
リンパ球、繊維芽細胞、CHO細胞、血液系細胞、腫瘍
細胞等)が挙げられる。
で培養し、その培養物から上記した本発明によるタンパ
ク質を得ることができる。従って、本発明の別の態様に
よれば、本発明によるタンパク質の製造法が提供され
る。形質転換された宿主細胞の培養およびその条件は、
使用する細胞についてのそれと本質的に同様であってよ
い。また、培養液からの本発明によるタンパク質の回
収、精製も常法に従って行うことができる。
のガン細胞(例えば、白血病細胞、消化器ガン細胞、肺
ガン細胞、スイ臓ガン細胞、卵巣ガン細胞、子宮ガン細
胞、メラノーマ細胞、脳腫腸細胞等)であるときは、そ
の前記の本発明による塩基配列を含むベクターをヒトを
含む生体内のガン細胞に適当な方法によって導入するこ
とによって、本発明によるタンパク質を発現させること
により、悪性腫瘍等について遺伝子治療を行うことがで
きる。
Rhoタンパク質結合能を有し、かつプロテインキナー
ゼ活性を有さないタンパク質)がヒトを含む生体内で発
現されることにより、活性型Rhoタンパク質がこれに
結合し(内在性p160と活性型Rhoタンパク質との
結合を阻害し)、その結果として活性型Rhoタンパク
質から内在性p160へのシグナル伝達が遮断され、R
hoタンパク質が関与する腫瘍の形成または転移を抑制
できると考えられる。遺伝子治療用のベクターについて
は、高久史磨監修の実験医学(増刊号)第12巻、第1
5号「遺伝子治療の最前線」(1994年)を参照する
ことができる。
つプロテインキナーゼ活性を有さないタンパク質は、活
性型Rhoタンパク質と結合することにより(内在性p
160と活性型Rhoタンパク質との結合を阻害するこ
とにより)、活性型Rhoタンパク質から内在性p16
0へのシグナル伝達を遮断することができると考えられ
る。一方、前記のようにRhoタンパク質が腫瘍の形
成、転移に密接にかかわっていることが確認されてい
る。また、本発明により、p160はRhoタンパク質
からのシグナル伝達を受け取ることが示されたことによ
り、p160もまた腫瘍の形成または転移に密接にかか
わっていると考えられる。従って、活性型Rhoタンパ
ク質結合能を有し、かつプロテインキナーゼ活性を有さ
ないタンパク質は、腫瘍の形成または転移を抑制するの
に有効であると考えられる。
有し、かつプロテインキナーゼ活性を有さないタンパク
質は、Rhoタンパク質が関与する(すなわち、Rho
タンパク質を経由するシグナルの伝達による)腫瘍形成
または転移の抑制剤(以下「腫瘍形成等抑制剤」とい
う)として用いることができる。
hoが関与する腫瘍の形成、他の低分子量Gタンパク質
(例えば、Ras、Rac、Cdc42、Ral等)が
関与する腫瘍の形成、低分子量Gタンパク質のGDP/
GTP交換タンパク質(例えば、Dbl、Ost等)が
関与する腫瘍の形成、リソフォスファチジン酸(LP
A)が関与する腫瘍の形成、受容体型チロシンキナーゼ
(例えば、PDGF受容体、EGF受容体等)、転写制
御タンパク質(myc、p53等)または種々のヒト腫
瘍ウイルスが関与する腫瘍の形成等が挙げられる。
経口または非経口投与(例えば、筋注、静注、皮下投
与、直腸投与、経皮投与、経鼻投与など)、好ましくは
経口投与することができ、薬剤として経口または非経口
投与に適した種々の剤型で、ヒトおよびヒト以外の動物
に使用される。
じて、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、丸剤、細粒
剤、トローチ錠などの経口剤、静注および筋注などの注
射剤、直腸投与剤、油脂性坐剤、水溶性坐剤などのいず
れかの製剤形態に調製することができる。これらの各種
製剤は、通常用いられている賦形剤、増量剤、結合剤、
湿潤化剤、崩壊剤、表面活性剤、潤滑剤、分散剤、緩衝
剤、保存剤、溶解補助剤、防腐剤、矯味矯臭剤、無痛化
剤、安定化剤などを用いて常法により製造することがで
きる。使用可能な無毒性の上記添加剤としては、例えば
乳糖、果糖、ブドウ糖、でん粉、ゼラチン、炭酸マグネ
シウム、合成ケイ酸マグネシウム、タルク、ステアリン
酸マグネシウム、メチルセルロース、カルボキシメチル
セルロースまたはその塩、アラビアゴム、ポリエチレン
グリコール、シロップ、ワセリン、グリセリン、エタノ
ール、プロピレングリコール、クエン酸、塩化ナトリウ
ム、亜硫酸ソーダ、リン酸ナトリウムなどが挙げられ
る。
量はその剤形に応じて異なるが、通常全組成物中約0.
1〜約50重量%、好ましくは約1〜約20重量%濃度
である。
は、用法、患者の年齢、性別、症状の程度などを考慮し
て適宜決定されるが、通常成人1日当り約0.1〜約5
00mg、好ましくは約0.5〜約50mg程度とする
のがよく、これを1日1回または数回に分けて投与する
ことができる。
結合能を有し、かつプロテインキナーゼ活性を有さない
タンパク質を、腫瘍が形成されている細胞、またはその
腫瘍が転移する恐れのある細胞に存在させることを含ん
でなる、腫瘍形成または転移の抑制方法が提供される。
この場合の有効投与量、投与方法、および投与形態等
は、前記腫瘍形成等抑制剤に準ずることができる。
つプロテインキナーゼ活性を有さないタンパク質をコー
ドする塩基配列は、これを有する前記ベクターを用いて
標的細胞を形質転換し、腫瘍の形成または転移を抑制す
る様な態様で用いることができる。すなわち該塩基配列
は腫瘍形成または転移抑制用遺伝子治療剤として用いる
ことができる。
質を、活性型Rhoタンパク質と、活性型Rhoタンパ
ク質結合能を有する本発明によるタンパク質とを含むス
クリーニング系に存在させ、そして(2)活性型Rho
タンパク質と、活性型Rhoタンパク質結合能を有する
本発明によるタンパク質との結合の阻害の程度を測定す
ることを含む、活性型Rhoタンパク質と、活性型Rh
oタンパク質結合能を有する本発明によるタンパク質と
の結合を阻害する物質のスクリーニング法が提供され
る。
方法としては、無細胞系での本発明によるタンパク質と
組換え型GTPγS・GST−RhoAタンパク質との
結合をグルタチオンセファロースビーズを用いて測定す
る方法、動物細胞内(細胞系)での本発明によるタンパ
ク質とRhoタンパク質との結合を免疫沈降とイムノブ
ロットとを用いて測定する方法、ツー・ハイブリッド・
システム(two hybridsystem )(M.Kawabata 実験医
学13,2111-2120(1995)、 A.B.Vojetk et al.Cell 74,20
5-214(1993) )等が挙げられ、例えば、実施例1(1)
および(3)並びに実施例4〜10に記載される方法に
準じて結合の阻害の程度を測定することができる。ま
た、本明細書において「結合の阻害の程度を測定する」
とは結合の有無の測定を含む意味で用いられるものとす
る。
のいずれであってもよく、細胞系としては、例えば、酵
母細胞、COS細胞、大腸菌、昆虫細胞、線虫細胞、リ
ンパ細胞、繊維芽細胞、CHO細胞、血液系細胞、およ
び腫瘍細胞が挙げられる。スクリーニングの対象となる
ものは、特に限定されないが、例えばペプチド、ペプチ
ドのアナログ、微生物培養液、有機化合物等が挙げられ
る。
ングの対象となる物質を、プロテインキナーゼ活性を有
する本発明によるタンパク質またはその誘導体を含むス
クリーニング系に存在させ、そして(2)プロテインキ
ナーゼ活性を有する本発明によるタンパク質またはその
誘導体のプロテインキナーゼの活性の阻害の程度を測定
することを含む、プロテインキナーゼ活性を有する本発
明によるタンパク質またはその誘導体のプロテインキナ
ーゼの活性を阻害する物質のスクリーニング法が提供さ
れる。
ーニングの対象となる物質を、活性型Rhoタンパク質
と、活性型Rhoタンパク質結合能を有し、かつプロテ
インキナーゼ活性を有する本発明によるタンパク質また
はその誘導体とを含むスクリーニング系に存在させ、そ
して(2)活性型Rhoタンパク質結合能を有し、かつ
プロテインキナーゼ活性を有する本発明によるタンパク
質またはその誘導体のプロテインキナーゼの活性または
その活性の亢進の阻害の程度を測定することを含む、活
性型Rhoタンパク質結合能を有し、かつプロテインキ
ナーゼ活性を有する本発明によるタンパク質またはその
誘導体のプロテインキナーゼの活性またはその活性の亢
進を阻害する物質のスクリーニング法提供される。
度」または「プロテインキナーゼ活性の亢進の阻害の程
度」を測定する方法としては、本発明によるタンパク質
の自己リン酸化活性または適当な基質をリン酸化する活
性、または活性型Rhoタンパク質存在下でこれらの活
性の亢進の程度を測定する方法が挙げられ、例えば、実
施例2および5に記載される方法に準じてプロテインキ
ナーゼ活性の亢進の阻害の程度を測定することができ
る。また、本明細書において「プロテインキナーゼの活
性の阻害の程度」または「プロテインキナーゼ活性の亢
進の阻害の程度」を測定するとは、プロテインキナーゼ
の活性またはプロテインキナーゼ活性の亢進の阻害の有
無の測定を含む意味で用いられるものとする。
の亢進の阻害の程度は、例えば、ヒストン等を基質とし
て用いて測定することができる。
対象は、前記スクリーニング法と同様のものが挙げられ
る。
に、腫瘍の形成または転移および平滑筋収縮に密接に関
わっていることが確認されている。また、本発明によ
り、p160は活性型Rhoタンパク質からのシグナル
伝達を受け取ることが示されたことにより、p160も
また腫瘍の形成または転移および平滑筋収縮に密接にか
かわっていると考えられる。従って、上記スクリーニン
グ法は、腫瘍形成または転移抑制物質あるいは平滑筋収
縮抑制物質のスクリーニング法としても用いることがで
きる。
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。
ンパク質の精製等 (1)リガンド・オーバーレイ・アッセイによるRho
タンパク質結合タンパク質の同定 細胞のホモジェネート(各100μgのタンパク質量)
もしくは精製タンパク質を8%ゲルのSDS−PAGE
にかけ、分離したタンパク質をニトロセルロース膜(シ
ュライヒアー&シュエル社製)にトランスファーした。
Manser,E.et al.J.Biol.Chem.267,16025-16028(1992)お
よびManser,E.et al.Nature 367,40-46(1994) に記載さ
れた方法に従って、膜上のタンパク質を変性させ、リネ
イチャーした。ただし、リネイチャーは、0.1%のウ
シ血清アルブミン,0.5mMMgCl2,50μM
ZnCl2,0.1%トリトンX−100および5mM
ジチオスレイトールを含むダルベッコの生理食塩水(P
BS)中、4℃で、一晩かけて実施した。
oAとグルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GS
T)との組換え融合タンパク質)は、Morii,N.et al.J.
Biol.Chem.,268,27160-27163(1993)に記載の方法に従っ
て作製した。組換えGST−RhoAタンパク質に[
35S]GTPγSまたは[35S]GDPβS(デュ
ポン−ニュー・イングランド・ヌクレアー社製)をロー
ドしたが、その際には40μMの組換えRhoAタンパ
ク質を100μMの各ヌクレオシド(1,000Ci/
mmol)とともに、1mM MgCl2,2mM E
DTA,100mMNaCl,0.05% ツイーン2
0および5mM ジチオスレイトールを含む25mM
トリス−塩酸,pH7.5中で、30℃、30分間イン
キュベートした。組換えRhoAタンパク質に結合した
放射能活性は、Morii,N.et al.J.Biol.Chem.263,12420-
12426(1988) に記載された方法に従って、フィルター・
アッセイにより決定した。放射性ヌクレオシドが結合し
た組換えRhoAタンパク質を、その後リネイチャーし
たタンパク質に5nMとなるように加え、Manser,E.et
al.Nature 367,40-46(1994) に記載された方法に従っ
て、インキュベーションした。続いて膜を洗浄し、乾燥
し、X線フィルムに暴露しオートラジオグラフィーを行
った。結果は図11に示される通りであった。
精製 ヒト血液中の血小板を、Morii,N.J.Biol.Chem.267,2092
1-20926.(1992)に記載された方法に従って、バッフィー
・コート画分より集めた。これ以降の実験は、全て4℃
で実施した。100ユニットの血液由来の洗浄した血小
板を、ポッター・エルベジェム・ホモジェナイザーを用
いて、100mlのバッファーA(1mM ジチオスレ
イトール,1mM EDTA,1mM EGTA,1m
Mベンザミジン・ハイドロクロライド,1μg/ml
ロイペプチン,1μg/ml ペプスタチンAおよび1
00μM PMSFを含む10mM トリス−塩酸,p
H7.4)中でホモジェナイズした後、100,000
×gで60分間遠心分離した。970mgのタンパク質
を含む上清を、バッファーAで平衡化したDEAE−セ
ファロースCL−6Bカラム(ファルマシア・バイオテ
ック社製、ベッド・ボリューム,70ml)にかけた。
溶出は、0から0.5M NaClを含むバッファーA
(トータル量,1200ml)の直線勾配によって実施
した。活性型Rhoタンパク質に結合する分子量約16
0kDのタンパク質(以下、「p160」という)は、
0.25M NaClの濃度でブロードなピークとして
現れた。
パク質に結合活性を示す画分をプールし、バッファーA
で平衡化したレッドA・セファロースカラム(アミコン
社製、ベッド・ボリューム,7ml)にかけた。続い
て、カラムを1M NaClを含むバッファーA(15
0ml)で洗浄した後、さらに1.5M NaClを含
むバッファーA(50ml)で洗浄した。溶出は、1.
5M NaClと50%エチレン・グリコールを含むバ
ッファーA(50ml)で行った。回収した画分(1
7.5mgのタンパク質量)を、2回に分けて1リット
ルずつのバッファーAに対して48時間透析した。ダイ
アライゼートを、バッファーAで平衡化した2mlのマ
クロ−プレップ・セラミック・ハイドロキシアパタイト
(粒子径40μm)・カラム(バイオ−ラッド社製)に
かけた後、10〜300mMのリン酸化カリウム溶液,
pH7.0の直線勾配(トータル量,90ml)で溶出
した。その後、Rhoタンパク質結合活性画分(0.7
5mgのタンパク質量)をモノQ HR5/5カラム
(ファルマシア・バイオテック社製)にかけ、タンパク
質を、トータル量35mlの150〜500mM Na
Cl溶液の直線勾配で溶出した。p160は、350m
M NaClの濃度でブロードなピークとして溶出さ
れ、これを最終的な標品とした。精製の結果は図12に
示される通りであった。
32S]GTPγSをロードしたRhoAタンパク質等
とともにオーバーレイアッセイにかけた。ここで用いた
組換えヒトRhoAタンパク質、Rac1タンパク質お
よびCdc42Hsタンパク質は常法に従って、グルタ
チオン−S−トランスフェラーゼ融合タンパク質として
大腸菌に発現させた後、Morii,N.et al.J.Biol.Chem.26
8,27160-27163(1993) に記載された方法に従って精製し
た。結果は図13に示される通りであった。
たアフィニティー沈降実験 約0.2pmolのp160を含むハイドロキシアパタ
イト画分を20μMのGTPγSまたはGDPを含むオ
ーバーレイ・バッファーに対して透析した。この画分
に、20pMのGTPγSまたはGDPをロードした組
換えGST−RhoAタンパク質を加え、トータル液量
を200μlに合わせた。インキュベーションは、4℃
で60分間、緩やかに振とうさせて行った。
イ・バッファーで予め平衡化したGSH−セファロース
を30μlずつを加えて、さらに30分間4℃でインキ
ュベーションを続けた。混合物を1,000×gで5分
間遠心した。その後、ペレットを洗浄バッファー(25
mM MES−NaOH,pH6.5,150mMNa
Cl,5mM MgCl2,0.05% トリトンX−
100および20μM GTPγSまたはGDP)で2
回洗浄した。その後、セファロース・ビーズを等量の2
×レムリ・サンプル・バッファーに懸濁した。懸濁液を
煮沸し、前述の方法に従って、抽出液を[35S]GT
PγSまたはGDPをロードしたGST−RhoA、G
ST−Rac、GST−Cdc42およびGSTととも
にオーバーレイ・アッセイにかけた。結果は図14に示
される通りであった。
[γ−32P]ATP(デュポン−ニュー・イングラン
ド・ヌクレアー社製、25Ci/mmol)とともに3
0℃で30分、50mM HEPES−NaOH,pH
7.3,50mM NaCl,10mM MgCl2,
5mM MnCl2,0.03% ブリジ35および2
mMジチオスレイトール中でインキュベーションした。
インキュベーション後、溶液を等量の2×レムリ・サン
プル・バッファーと混合し、5分間煮沸した後、SDS
−PAGEにかけた。ゲルをクーマシー・ブリリアント
・ブルーで染色し、乾燥後オートラジオグラフィーにか
けた。結果は図15に示される通りであった。
能標識されたタンパク質をPVDF膜にトランスファー
した。次に、放射能標識されたバンドを切り出し、Kuma
gai,N.et al.FEBS Lett.366,11-16(1995) に記載された
方法に従って、リン酸化アミノ酸分析にかけた。結果は
図16に示される通りであった。
40μM[γ−32P]ATP(3.3Ci/mmo
l)および3μgのヒストン(HF2A,ワーシングト
ン社製),脱リン酸化したカゼイン(シグマ社製)もし
くはミエリン塩基性タンパク質(ギブコ社製)ととも
に、0.4μM GDP−またはGTPγSをロードし
たGST−RhoAタンパク質(実施例1)存在下で、
トータル量31μlとして30℃でインキュベーション
した。7μlずつを、0,5,10,20分に取り、等
量の2×レムリ・サンプル・バッファーと混合し、SD
S−PAGEにかけた。ゲルをクーマシー・ブリリアン
ト・ブルーで染色し、乾燥後オートラジオグラフィーに
かけた。20分後の結果は図17に示される通りであっ
た。
バンドを切り出し、放射活性をチェレンコフ測定法によ
り決定した。結果は図18に示される通りであった。な
お、GTP結合Rhoタンパク質存在下でのヒストンの
リン酸化は、GDP結合Rhoタンパク質存在下でのそ
れと比べて明らかに亢進していた。
これをコードするDNA配列 (1)ペプチド断片の配列決定 p160を30pmol含むモノQ画分をSDS−PA
GEにかけた後、PVDF膜にトランシファーした。タ
ンパク質をPonceau Sで染色し、p160のバ
ンドを切り出した。Iwamatsu,A.Electrophoresis 13,14
2-147(1992) およびMaekawa,M.et al.Mol.Cell.Biol.1
4,6879-6885(1994)に記載された方法に従って、固定化
したp160をアクロモバクターのリジル・エンドペプ
チダーゼまたはエンドプロテイナーゼ Asp−Nで消
化し、得られたペプチド断片を分離し配列を決定した。
1(Hirata,M.et al.Nature 349,617-620(1991) および
Ogura,M.et al.Blood 66,1384-1392(1985))より、ポリ
(A)+ RNAを調製し、Kakizuka,A.et al.A Pract
ical Approach(Oxford:IRL Press),pp.223-232. に記載
の方法に従って、λgt−10およびλZAP−IIcD
NAライブラリーを構築した。λgt−10はまず20
残基のデジェネレート・オリゴヌクレオチド・プローブ
(7残基の部分アミノ酸配列AP−23に相当)でスク
リーニングした。2.6kbpのインサート(クローン
P2)を含むポジティブ・クローンのひとつを、3×1
05プラークより単離した。このクローンは、プローブ
に相当する塩基配列を含み、p160由来の2つの他の
ペプチド配列をイン・フレームでコードしていた。
をプローブとして、λZAP−IIcDNAライブラリー
をスクリーニングし、ひとつのクローン(クローンN)
を単離した。このクローンはP2と重複し、さらに3’
側の450塩基対を含んでいた。この3’末端まで伸び
ている部分をプローブとして用いて、クローン4Nをλ
gt−10ライブラリーより得た。クローン4Nはクロ
ーンNよりもさらに350塩基対の3’末端側の延長部
分を有していた。この3’末端側の延長部分をプローブ
として用いて、同一のライブラリーよりクローンCを単
離した。クローンCは、3’末側にさらに2.5kbp
伸びていた。各クローンの位置関係等は図19に示され
る通りであった。
デオキシ・チェーン・ターミネーション法で決定した。
推定アミノ酸配列およびDNA配列は図1および図2〜
10に示される通りであった。
S.F.et al.J.Mol.Biol.215,403-410(1990) )を用い
て、ノン−リダンダントPDP+SwissProt+
SPupdate+PIR+GenPept+GPup
dateデータベースに対して実施した。コイルドーコ
イル構造の可能性については、Lupasらによって開
発されたアルゴリズム(Lupas,A.et al.Science 252,11
62-1164(1991) )によって解析した。その結果、p16
0の構造は図21に示されるように推定された。
ミノ酸から成る配列(図1の配列番号72から343に
相当)にセリンスレオニンキナーゼのファミリーのひと
つであるプロテインキナーゼAファミリーのタンパク質
に特徴的な配列(S.K.Hankset al.,Science 241, 42-52
(1998) )が存在することが明らかとなった。このプロ
テインキナーゼAに特徴的な配列を含むN末側の420
アミノ酸配列(図1の配列番号1から420に相当)
は、マイトニック・ディストロフィー・キナーゼ(MD-P
K )のアミノ酸配列(J.D.Brook et al.,Cell,68,799-8
08(1992)およびM.S.Mahadevan et al.,Hum.Mol.Genet,
2,299-344(1993))と44% の同一性があることが明ら
かとなった(図25)。このキナーゼ領域に続く600
アミノ酸の配列(図1の配列番号423から1096に
相当)は、ミオシン重鎖を含む様々なコイルド−コイル
タンパク質との類似性を示す配列が存在することが明ら
かとなった(図26)。また、p160のC末側には図
27に示される様にプレクストリン類似(PH)領域
(A.Musaccio et al.,Trends Biochem Sci,18,343-348
(1993) )に類似するアミノ酸配列が存在し、また図2
8に示される様に、プロテイン・キナーゼCに存在する
様なシステインに富むジンク・フィンガー領域(A.F.Qu
estetal,J.Biol.Chem,269,2961-70(1994) およびJ.Zhan
g et al.,J.Biol.Chem,269,18727-18730(1994))に類似
するアミノ酸配列が存在することが明らかとなった。ま
た、図1に示したように、p160にはロイシンジッパ
ー様配列が存在することが明らかとなった。
ティッシュー・ブロッツI(クロンテック社製)を用い
て、32Pで標識したP2のNotI/BamHI消化
断片の5’−フラグメントをプローブとして実施した。
ハイブリダイゼーションは、50mM リン酸化ナトリ
ウム・バッファー,pH6.5,50%フォルムアミ
ド,5×デンハーズ,0.1%SDSおよび0.2mg
/ml酵母tRNAを含む5×SSPE中で、42℃で
16時間行った。フィルターを、2×SSC−0.1%
SDS中で、42℃、15分、3回洗浄した後、4日間
X−線フィルムへ暴露した。結果は図22に示される通
りであった。
ション・ベクターの構築 発現用に用いたフル・サイズのcDNAは、下記の通り
に構築した。クローン4N cDNAの挿入されたプラ
スミドDNA pBluescript SK+(スト
ラタジーン社製)を、SphIおよびSacIで消化
し、クローンCのSphI−SpeIフラグメントおよ
びSpeI−SmaI−EcoRV−SacIリンカー
とライゲーションし、プラスミド4N−Cを作製した。
次に、クローンN cDNAを鋳型とし、フォワード・
プライマー(5’−GGGGAGCTCAAGGTAC
CTCGAGTGGGGACAGTTTTGAG−
3’)およびリバース・プライマー(5’−CGCCT
GCAGGCTTTCATTCGTAAATCTCTG
−3’)を用いてPCRを行った。PCRフラグメント
をpBluescript SK+(ストラタジーン社
製)中にサブクローニングし、塩基配列を決定した。こ
のプロダクトが挿入されたプラスミドをBamHIとE
coRVで消化し、プラスミド4N−C由来のXbaI
−EcoRVフラグメントおよびクローンN由来のBa
mHI−XbaIフラグメントとライゲーションした。
結果としてできたプラスミドから、Asp718−Ec
oRVフラグメントを切り出し、myc−エピトープ配
列を含むpCMXベクター(Dyck,J.A.et al.Cell 76,3
33-343)に挿入した(pCMX−myc−p160)。
51)を105細胞/3.5cmディッシュとなるよう
にプレートに蒔き、一晩培養した後、リポフェクタミン
を用いて1.5μgのpCMXベクターでトランスフェ
クションした。細胞を、Opti−MEM中で6時間イ
ンキュベートした後、10%ウシ胎児血清を含むDME
M中で18時間培養した。培地を除去し、細胞をPBS
で2回洗浄した後、100μlの2×レムリ・サンプル
・バッファー中で溶解した。30μlずつのライゼート
をSDS−PAGEにかけ、分離したタンパク質をPV
DF膜またはニトロセルロース膜にトランスファーし
た。9E10抗mycエピトープ抗体を用いたイムノブ
ロッティングおよびリガンド・オーバーレイ解析は、前
述の方法に従って実施した。結果は図20に示される通
りであった。
Val14−および野生型RhoAcDNAとのコトラン
スフェクション COS7細胞を1.2×105細胞/6cmディッシュ
の密度に蒔いた。1日間培養した後、培地を除去し、
2.25μgのpCMX−myc−p160またはpC
MX−mycを、0.75μgのpEF−BOS−HA
(ヘモフィルス・インフルエンザ・ヘマグルチニン)が
標識として結合しているVal14−RhoA、pEF
−BOS−HA−RhoAまたはベクターのみととも
に、2mlのOpi−MEM中でリポフェクタミンを用
いてトランスフェクションした。6時間後、3mlのO
pi−MEMを添加し、細胞をさらに30時間培養し
た。氷令したPBSで細胞を1回洗浄した後、リシス・
バッファー(20mM トリス−塩酸,pH7.5,
mM EDTA,1mM EGTA,5mM MgCl
2,25mM NaF,10mM β−グリセロフォス
フェート,5mM リン酸化ナトリウム,0.2mM
PMSF,2mM ジチオスレイトール,0.2mM
ソディウム・ヴァナデート,0.05% トリトンX−
100および0.1μMカリクリンA)を用いて、氷上
で20分間で細胞を溶解した。ライゼートを10,00
0×gで10分間遠心分離し、上清を回収した。
した9E10抗体またはコントロールIgGを上清に加
え、混合液を4℃で3時間震とうした。懸濁液を1,0
00×gで5分間遠心分離し、結果として得られたペレ
ットを3回、0.5mlのリシス・バッファーで洗浄し
た。Morii,N.et al.J.Biol.Chem.263,12420-12426(198
8) に記載された方法に従ってADP−リボシル化反応
のために、ペレットを500μlのジチオスレイトール
を含まないADP−リボシル化バッファーに再び懸濁し
た。100μlずつを取り、沈澱後、抗−myc抗体を
用いたイムノブロッティングに用いた。結果は図23下
段に示される通りであった。
ペレットを再び34μlのADP−リボシル化バッファ
ーに懸濁した。[32P]NAD(デュポン−ニュー・
イングランド・ヌクレアー社製、106cpm/pmo
l)を1μMとなるように加え、400ngのボツリヌ
ス菌C3酵素と30℃、12時間反応させた。ADP−
リボシル化反応の解析は、Morii,N.et al.J.Biol.Chem.
263,12420-12426(1988) に記載された方法に従って実施
した。結果は図23上段に示される通りであった。
5mM MgCl2および0.1μMカリキュリンAを
含む20mM トリス−塩酸,pH7.5で1回洗浄し
た後、リン酸化反応用バッファーに再び懸濁させた。リ
ン酸化反応は、前述の方法に従って、ヒストンを基質と
して実施した。結果は図24に示される通りであった。
合領域の同定 実施例1、2、4、5に示したように、GTP結合型の
RhoAはp160と特異的に結合して、それを活性化
する。p160のRhoタンパク質結合領域を同定する
ために、p160を5つのフラグメントに分け(図2
9)、それらをHis融合タンパク質として発現させ、
Ni‐NTA樹脂を使用することにより精製した。具体
的には、下記の方法に従って実施した。
フラグメント、KD(2- 333)、M1(334- 7
26)、M2(727- 1021)、M3(1018-
1094)およびC(1096- 1354)に分割し、
各々をヒスチジン6残基よりなるタグとの融合タンパク
質として発現させた。まず、これらのフラグメントを大
腸菌で発現させるために、プラスミドベクターpQE‐
11(Quiagen社)のクローニング領域(GGG
ATC CGT CGA CCT GCAGCC A
AG CTT)をGGG ATC CCC GGG T
AC CGAGCT CAA TTG CGG CCG
CTA GAT AGA TAG AAG CGA
GCT CGA ATTに代えて、BamHI、Sm
aI、Asp718、SacIおよびNotIの制限部
位を作った。
「改変pQE‐11」という)のSacI部位にインフ
レームでKDフラグメント(2‐333)を挿入するた
めに、配列番号1の2〜73番のアミノ酸配列に相当す
るcDNAフラグメントを5′‐GG GGA GCT
CAA GGT ACC TCG ACT GGGG
AC AGT TTT GAG‐3′および5′‐CG
CCT GCAGGC TTT CAT TCG T
AA ATC TCT G‐3′の合成プライマーを用
いてPCRにより増幅した。ここに記載されたすべての
PCR用のDNAテンプレートはpCMX‐myc‐p
160(実施例4)に由来する。PCRは初めに95℃
で1分間、その後(95℃で1分間、53℃で1分間、
72℃で1分間)の15サイクル、その後72℃で2分
間インキュベートすることにより行った。このフラグメ
ントをSacIおよびPstIで消化し、pSK+(ス
トラタジーン社製)のSacIおよびPstI部位中に
ライゲーションした。
Iで消化し、オリジナルp160クローンN cDNA
(実施例3)のBamHI‐PstIフラグメントをこ
れらの部位に挿入した(pSK+‐NT1)。配列番号
1の74〜333番のアミノ酸配列に相当するフラグメ
ントNT2も合成オリゴヌクレオチドプライマー5′‐
GGG ATC CCC GGT ACC GAA G
AT TAT GAAGTA GTG AAG G‐
3′および5′‐TC AGC TAA TTA GA
G CTC TTT GAT TTC TTC TAC
ACC ATT TC‐3′を用いてPCRにより作
製した。PCRは初めに95℃で1分間、その後(95
℃で1分間、55℃で1分間、72℃で1分間)の15
サイクル、最後に72℃で2分間インキュベートするこ
とにより行った。次いで生成物をブラント・エンドと
し、pSK+(ストラタジーン社製)のEcoRV部位
中にライゲーションした(pSK+‐NT2)。NT1
およびNT2を連結させるために、pSK+‐NT2の
PstI‐PstIフラグメントをpSK+‐NT1の
PstI部位中にライゲーションして、配列番号1の2
〜333番のアミノ酸配列に相当するインサートを得た
(pSK+‐KD)。pSK+‐KDのSacI‐No
tIフラグメントを改変pQE‐11中に連結して、H
is(×6)‐KDを発現するプラスミドを作製した。
番号1の334〜395番のアミノ酸配列に相当するc
DNAフラグメントをまず5′‐GG GGA GCT
CGA CAT CTC TTC TTC AAA
AAT G‐3′および5′‐CC TAC AAA
AGG TAG TTG A‐3′のプライマーを用い
てPCRにより増幅させた(95℃で1分間、その後9
5℃で1分間、53℃で1分間、72℃で1分間の15
サイクル、最後に72℃で2分間のインキュベート)。
生成物をブラントエンドとし、SacIで消化した。
pSK+(ストラタジーン社製)をAsp718で消化
し、14マーのオリゴヌクレオチドを挿入してNotI
部位を作製した。次いでPCR生成物を上記のように改
変したpSK+のSacIおよびEcoRV部位中に連
結した。次いでこのプラスミドをSpeIおよびXho
Iで消化し、オリジナルp160クローン4N cDN
A(実施例3(2))のSpeI‐XhoIフラグメン
トをこれらの部位に挿入した(pSK+‐M1)。pS
K+‐M1のSacI‐NotIフラグメント(334
‐726)を改変pQE‐11中に連結した。
は、配列番号1の273〜1021番のアミノ酸配列を
コードするオリジナルクローン4N cDNA(実施例
3(2))を含むpSK+(ストラタジーン社製)をX
hoIで消化して、N末端を欠失させ、セルフ・ライゲ
ーションさせることにより作製した。このプラスミドを
Asp718およびSacIで切断して、改変pQE‐
11のAsp718およびSacI部位中にライゲーシ
ョンした。
は、95℃で3分間、その後95℃で1分間、59℃で
1分間、72℃で1分間の15サイクル、最後に72℃
で2分間かけて5′‐C GGG ATC CCC G
AT AGA AAG AAA GCT AAT AC
A CA‐3′および5′‐TAA CCC GGGA
AG TTT AGC ACG CAA TTG CT
C‐3′のプライマーを用いてPCRにより作製した。
生成物をブラント・エンドとし、BamHIで消化し、
pSK+(ストラタジーン社製)のBamHIおよびE
coRV部位中に挿入した(pSK+‐M3)。pSK
+‐M3のBamHI‐Asp718フラグメント(1
018‐1094)を改変pQE‐11中にライゲーシ
ョンした。
現するプラスミドを作製するために、オリジナルp16
0クローンC cDNA(実施例3(2))のSau9
6I‐HincIIフラグメントをブラント・エンドと
し、改変pQE‐11のSmaI部位中にライゲーショ
ンした。
させ、増殖させた。イソプロピルβ‐D‐チオガラクト
シドをA600 が0.8の増殖段階で培養物に加え、培養
を30℃で更に20時間続けた。細胞を0.1Mリン酸
ナトリウムおよび10mMTris- HCl(pH8.
0)を含む8M尿素で溶解させた。25℃で1時間のイ
ンキュベート後に、ライゼートを12,000×gで1
0分間遠心した。上清をNi‐NTA樹脂(Qiagen 社)
と共に25℃で1時間インキュベートした。樹脂を8M
尿素、0.1Mリン酸ナトリウム、0.01M Tris-H
Cl(pH6.3)で洗浄し、Laemmli サンプル緩衝液
中で5分間煮沸した。組換えヒトRhoAはグルタチオ
ン‐S‐トランスフェラーゼ融合タンパク質として発現
させ、Morii, N. et al., J. Biol. Chem .268, 27160-
27163 (1993)に記載されたように精製した。
‐PAGEにより調べた。図32で示されたように、各
タンパク質標品は予想されたサイズで単一のバンドを示
し、各タンパク質の量はIPTG誘導により増加した。
KDフラグメントは発現されなかったが、これはおそら
くKDタンパク質が構成的に活性化した変異体として機
能したためであると考えられる。
35S〕GTPγSをロードしたGST‐RhoAを用い
てリガンドオーバーレイアッセイにかけた。具体的に
は、まず、Laemmli 緩衝液で抽出されたHis標識タン
パク質を8、10または15%のSDS‐PAGEにか
けて、分離したタンパク質をニトロセルロース膜(Schle
icher & Schuell)に移した。次に、膜上のタンパク質を
Manser, E. et al., J. Biol. Chem. 267, 16025-16028
(1992) に記載されたように変性およびリネイチャーさ
せた(実施例1参照)。次いで、リネイチャーした膜
を、Manser, E. et al., J. Biol. Chem. 267, 16 025-
16028 (1992)に記載された方法(実施例1参照)に従っ
て、オーバーレイバッファー中で10または20nM〔
35S〕GTPγSをロードした各Rhoタンパク質と共
にインキュベートした。最後に、膜を洗浄し、乾燥さ
せ、X線フィルムに暴露した。
ン3および4のみで、放射能活性を示すバンドがこのフ
ィルター上でアミドブラックで染色されたM2フラグメ
ントと同一の泳動位置にみられた。これらの結果より、
M2フラグメント(727‐1021)がGTP‐Rh
oAの結合領域を含むことが示された。
ンパク質結合部位の同定 M2フラグメント内のRhoA結合に必須の最小部分を
同定するために、初めにN末端側からM2フラグメント
を欠失( delete )させ(図30のM2‐1〜M2‐
6)、末端欠失体をHis融合タンパク質として発現さ
せ、それらを精製した(図34、レーン1‐7)。具体
的には下記に記載の方法にしたがって実施した。
Rを用いて作製し、各々をHisを融合させたタンパク
質として大腸菌で発現させた(図30)。フラグメント
M2‐1(847‐1024)、M2‐2(906‐1
024)、M2‐3(920‐1024)、M2‐4
(934‐1024)、M2‐5(946‐1024)
およびM2‐6(974‐1024)を表1で示された
ような一対のプライマー(プライマーペア)を用いて増
幅させた。M2‐1、M2‐2;PCRは95℃で3分
間、その後(95℃で1分間、59℃で1分間、72℃
で2分間)の15サイクル、その後72℃で2分間行っ
た。M2‐3、M2‐4、M2‐5、M2‐6;PCR
は95℃で3分間、その後(95℃で1分間、55℃で
1分間、72℃で1分間)の15サイクル、その後72
℃で2分間行った。尚、ここに記載されたすべてのPC
R用のDNAテンプレートはpCMX‐myc‐p16
0(実施例4)であった。
mHIで消化し、pSK−(ストラタジーン社製)のB
amHIおよびEroRV部位中に挿入した。各プラス
ミドのBamHI‐Asp718フラグメントを改変p
QE‐11のBamHIおよびAsp718部位中にラ
イゲーションして、発現させた。His6‐M2‐7
(906‐1015)およびM2‐8(920‐101
5)を発現するプラスミドを作製するために、pSK−
−M2‐2(906‐1024)およびM2‐3(92
0‐1024)のBamHI‐DraIフラグメントを
改変pQE‐11のBamHI部位およびブラントエン
ドとしたNotI部位中に各々ライゲーションした。M
2‐9(906‐1004)cDNAをNo.7プライ
マーペア(表1)を用いてPCRにより増幅させた。
で1分間、59℃で1分間、72℃で2分間)の15サ
イクル、その後72℃で2分間行った。生成物をBam
HIおよびNotIで消化し、改変pQE‐11のBa
mHIおよびNotI部位中にライゲーションした。大
腸菌での各Hisに融合させたM2フラグメントの発現
と精製、リガンドオーバーレイアッセイは、実施例6に
記載の方法に従って実施した。
い結合シグナルは初めの3つの変異体、M2‐1(84
7‐1024)、M2‐2(906‐1024)および
M2‐3(920‐1024)でみられた。このシグナ
ルはM2‐4(934‐1024)で弱くなり、M2‐
5(946‐1024)でほとんどみられず、およびM
2‐6(974‐1024)で消失した。次いでM2‐
2およびM2‐3のC末端を欠失( delete )させた
後、上記の方法に準じてM2‐7(906‐101
5)、M2‐8(920‐1015)およびM2‐9
(906‐1004)のHis融合タンパク質を作製
し、リガンドオーバーレイアッセイにかけた。
りであった。M2‐7(906‐1015)(レーン
8)およびM2‐8(920‐1015)(レーン9)
では、9アミノ酸の欠失は〔35S〕GTPγS‐Rho
Aとの結合にほとんど影響を与えなかったが、M2‐9
(906‐1004)ではシグナルが全くみられなかっ
た(レーン10)。
テムによるRhoタンパク質結合部位の同定 リガンドオーバーレイアッセイでの結果を確認するため
に、酵母ツー・ハイブリッド・アッセイをM2部分変異
体(実施例7)を用いて行った(図36)。VP16活
性化領域に融合された各変異体は酵母株AMR70で発
現させ、LexA DNA結合領域に融合されたRho
AまたはRhoAVal14を発現する酵母株L40と交
配させた。結合はβ‐ガラクトシダーゼ活性により測定
した。具体的には下記に記載の方法に従って実施した。
するため、M2‐2〜M2‐9を含む各pQEプラスミ
ドDNAのBamHI‐NotIフラグメントをpVP
‐16(Vojtek, A. et al., Cell 74,205-214 (1993)
)中に挿入した。pBTM116(Vojtek, A. et a
l.,Cell 74,205-214 (1993))をMadaule, P. et al., F
EBS Le tt. 377, 243-248(1995)*に記載された方法に
従って改変した。前掲Madaule,P.et al.(1995)*に記載
の方法に従って、pGEX‐rhoAおよびrhoA
Val14のBamHI‐EcoRIフラグメントを上記
のように改変されたpBTM116のBamHIおよび
EcoRI部位中に挿入した。前掲Madaule, P. et al.
(1995) *に記載の方法に従って、pGEX‐rhoB
および‐rhoCのBamHI‐BamHIフラグメン
トを改変pBTM116のBamHI部位中に挿入し
た。p160の様々な部分断片のRhoタンパク質結合
領域を発現するAMR70株を、各BTMコンストラク
トで形質転換したL40株と交配させて得られた二倍体
について、β‐ガラクトシダーゼ活性を調べた。
染色がM2‐2、M2‐3、M2‐4、M2‐7および
M2‐8で認められた。結合は野生型RhoAよりもR
hoAVal14で強かった。M2‐5では非常にかすか
なシグナルが認められたがM2‐6およびM2‐9では
シグナルが認められなかった。このように、ツー・ハイ
ブリッド・システムで得られた結果はリガンドオーバー
レイアッセイの結果(実施例7)と一致した。
たRhoタンパク質結合部位の解析 実施例7および8に記載したオーバーレイ・アッセイお
よびツー・ハイブリット・システムを用いた解析によ
り、GTP‐Rhoの結合におけるM2内のいくつかの
領域の重要性が示唆された。第一に、M2‐9での結合
の消失およびM2‐5で結合の有意な減少は、2つの領
域すなわち配列番号1の934〜945および1005
〜1015のアミノ酸配列がRhoタンパク質認識で必
須の役割を果たしていることを示す。第二に、M2‐4
での結合の減少は、920〜933番の領域が支持的役
割を有する可能性を示している。しかしながら、介在領
域946‐1004)の役割は不明のままである。
に、下記の実験を実施した。RhoAとの結合に必要な
アミノ酸を同定するために、我々はいくつかの点変異を
M2‐8中に導入して(図37参照)、GTP‐Rho
結合に対するそれらの効果を分析した。変異体は、p1
60およびそのホモローグ、ROKα(ROCK‐II)
で保存されているアミノ酸残基(ほとんど親水性アミノ
酸残基)を選択して作製した(Leung, T. et al., J. B
iol. Chem. 270, 29051-29054 (1995)*)。これらの変
異体を、実施例6に記載した方法に準じてHis融合タ
ンパク質として発現させ、精製した。ほぼ同量の精製タ
ンパク質をSDS‐PAGEにかけ、リガンドオーバー
レイアッセイに用いた(図38)。具体的には下記に記
載の方法に従って実施した。
列を各変異を有する配列と置換することにより、アミノ
酸配列906‐1094に相当するcDNA中に導入し
た(図31)。まず野生型フラグメント(906‐10
94)をプライマーペア(No.8、表2)を用いてP
CRにより作製した。
分間、その後(95℃で1分間、45℃で1分間、72
℃で1分間)の15サイクル、その後72℃で2分間行
った。生成物をブラント・エンドとし、BamHIで消
化し、pSK−(ストラタジーン社製)のBamHIお
よびEcoRV部位中に挿入した(pSK−‐M2‐1
0)。pSK−‐M2‐10(906‐1094)のA
sp718フラグメントを改変pQE‐11中にライゲ
ーションした。
921M(906‐926)、M2‐11(924‐1
024)、M2‐12(906‐926)、R926A
(924‐1024)およびE930A(924‐10
24)のcDNAを表2で示されたプライマーを用いて
PCRにより作製した。次いで生成物をブラント・エン
ドとし、BamHIで消化し、pSK+(ストラタジー
ン社製)のBamHIおよびHincII部位中に挿入し
た(各々pSK+‐K921M(906‐926)、‐
M2‐11(924‐1024)、‐M2‐12(90
6‐926)、‐R926A(924‐1024)、‐
E930A(924‐1024))。K921M(90
6‐926)および‐M2‐11(924‐1024)
を連結させるために、pSK+‐M2‐11(924‐
1024)のNheI‐XhoIフラグメントをpSK
+‐K921M(906‐926)のNheIおよびX
hoI部位中にライゲーションした。同様に、pSK+
‐R926A(924‐1024)およびpSK+‐E
930A(924‐1024)のNheI‐XhoIフ
ラグメントをpSK+‐M2‐12(906‐926)
のNheIおよびXhoI部位中にライゲーションし
た。これらpSK+(ストラタジーン社製)DNAのB
amHI‐HincIIフラグメントをpQE‐M2‐1
0(906‐1094)のBamHIおよびHincII
部位中にライゲーションした。
変異体は、各々プライマーペアNo.14、No.15
およびNo.16を用いたPCRで、配列番号1の90
6〜948番のアミノ酸配列に相当するcDNA中に導
入した。次いでPCR生成物のBamHI‐SphIフ
ラグメントをpQE‐M2‐10のBamHIおよびS
phI部位中にライゲーションした。D951A、E9
60AおよびE989A変異体も同様に、各々プライマ
ーペアNo.17、No.18およびNo.19を用い
て、図31で示されたようにPCRにより作製した。次
いでこれら生成物のSphI‐HincIIフラグメント
をpQE‐M2‐10のSphIおよびHincII部位
中にライゲーションした。2つの他の変異体E995Q
およびK999Mも同様に、各々プライマーペアNo.
20およびNo.21を用いて、図31で示されたよう
にPCRにより作製した。PCR生成物のBamHI‐
HincIIフラグメントをpQE‐M2‐10のBam
HIおよびHincII部位中にライゲーションした。
8A(1003‐1094)、I1009A(1003
‐1094)、R1012L(1003‐1094)お
よびK1013M(1003‐1094)は、各々プラ
イマーペアNo.22、No.23、No.24および
No.25を用いたPCRにより増幅させた。生成物を
ブラント・エンドとし、HincI I で消化し、pSK
+(ストラタジーン社製)のHincII部位中に挿入し
た(各々pSK+‐E1008A(1003‐109
4)、‐I1009A(1003‐1094)、‐R1
012L(1003‐1094)および‐K1013M
(1003‐1094))。次いでこれらpSK+(ス
トラタジーン社製)のHincII‐NotIフラグメン
トをpQE‐M2‐10のHincIIおよびNotI部
位中にライゲーションした。
た。野生型ペプチド(M2−10(906〜1094)
で観察された強いシグナルは配列番号1の934〜94
5番のアミノ酸配列に位置するK934MおよびL94
1A変異とE1008A変異で有意に減少し、I100
9A変異で消失した。余分なバンドは分解産物であると
思われる。この結果は、配列番号1の934〜945番
および1004〜1015番のアミノ酸配列領域がRh
oA結合に重要であるという上記仮定と一致した。
のRhoタンパク質結合活性についての細胞生物学的な
解析 本発明者らは組換えタンパク質としてKDフラグメント
を発現させることができなかったため、M2領域だけで
なくKD領域にもRhoタンパク質結合活性が存在する
という可能性が否定されずに残っている。そこでM2領
域がp160で唯一のRhoタンパク質結合領域である
かどうかについて検討した。まず、COS細胞でmyc
標識タンパク質としてE1008A、I1009Aまた
はR1012L変異のある変異体p160(即ちKD領
域と変異M2領域を含むp160)あるいはこれの野生
型を発現させた。これらのタンパク質を9E10抗my
c抗体と免疫沈降させ、リガンドオーバーレイアッセイ
にかけた。より具体的には下記に記載の方法に従って実
施した。
め、各変異(E1008A、I1009AおよびR10
12L)を有する全長p160cDNAを作製した。M
2‐10(E1008A)、M2‐10(I1009
A)およびM2‐10(R1012L)をコードするp
QEプラスミド(Quiagen社)DNAの各Sph
I‐BalIフラグメントを全長p160cDNAを含
むpSKプラスミドのSphIおよびBalI部位中に
挿入した(実施例4)。得られたプラスミドからXho
I‐SmaIフラグメントを切り出し、その後pCMX
‐myc‐p160(実施例4)のXhoIおよびSm
aI部位中に挿入した。COS‐7細胞(ATCC C
RL 1651)を6cmシャーレ当たり1.2×10
5細胞の密度でプレーティングした。1日間の培養後、
培地を除去し、細胞を実施例4に記載された方法に従っ
てリポフェクタミンを用いて3μgのpCMX‐my
c、pCMX‐myc‐p160野生型または変異体プ
ラスミドDNAでトランスフェクトさせた。細胞を溶解
させ、抗myc抗体との免疫沈降物を記載された方法に
従ってイムノブロットおよびリガンドオーバーレイアッ
セイにかけた(実施例1および4)。
あった。この操作から沈降物中に定量的に各p160が
回収された。Rhoタンパク質結合の強いシグナルは野
生型およびR1012L変異体で観察された。シグナル
はE1008A変異で有意に減少し、I1009A変異
で消失した。これらの結果より、配列番号1の934〜
1015番のアミノ酸配列領域がp160で唯一のRh
oタンパク質結合領域であることが明らかとなった。
合領域をp160のα‐ヘリックスのC末端のアミノ酸
配列(配列番号1の934〜1015番のアミノ酸配
列)に位置づけた(実施例6〜8)が、ここにはロイシ
ンジッパー様モチーフが含まれている(実施例3)。ま
た、この領域でRhoタンパク質結合にとって重要な残
基も同定した(実施例9および10)。この領域のアミ
ノ酸配列は図42に示されている。
る。太い下線はペプチドAP−23を、細い下線は他の
アミノ酸配列を、それぞれ示す。また、星印はロイシン
ジッパー様配列におけるロイシン残基を示す。
応するアミノ酸配列を示した図である。図2から図10
までの図は、連続してひと続きの塩基配列およびアミノ
酸配列を示す。
応するアミノ酸配列を示した図である。図2の続きであ
る。
応するアミノ酸配列を示した図である。図3の続きであ
る。
応するアミノ酸配列を示した図である。図4の続きであ
る。
応するアミノ酸配列を示した図である。図5の続きであ
る。
応するアミノ酸配列を示した図である。図6の続きであ
る。
応するアミノ酸配列を示した図である。図7の続きであ
る。
応するアミノ酸配列を示した図である。図8の続きであ
る。
対応するアミノ酸配列を示した図である。図9の続きで
ある。
小板における活性型Rhoタンパク質結合タンパク質の
同定を示した電気泳動写真である。レーン1および2:
[35S]GTPγS−Rhoタンパク質、レーン3お
よび4:[35S]GDPβS−Rhoタンパク質、レ
ーン5:[35S]GTPγS。
である。
との結合を示した電気泳動写真である。
−Cdc42、およびGSTを用いたアフィニティー沈
降実験の結果を示した電気泳動写真である。
真である。
動写真である。P−Ser、P−Thr、およびP−T
yrは、それぞれリン酸化セリン、リン酸化スレオニ
ン、およびリン酸化チロシンの位置を示す。
酸化を示した電気泳動写真である。
トンリン酸化の活性を定量的に示した図である。●:G
TPγS結合GST−Rhoタンパク質、○:GDPγ
S結合GST−Rhoタンパク質。
図である。太い矢印はオープンリーディングフレームを
示す。
結合を示した電気泳動写真である。レーン1および3:
偽トランスフェクトされた細胞、レーン2および4:ト
ランスフェクトされた細胞。
ーザンブロット分析を示した電気泳動写真である。
パク質の共沈降を示した電気泳動写真である。上段:A
DP−リボシル化反応、下段:抗myc抗体とのイムノ
ブロッティング。一本の矢印はHAに標識された発現R
hoタンパク質を、二本の矢印はmycで標識された発
現p160を、それぞれ示す。
性の活性化を示した図である。
ィストロフィー・キナーゼ(MD−PK)のそれとを整
列させた図である。
を示した図である。
させた図である。
領域とを整列させた図である。
ある。5つの欠失変異体:KD、M1、M2、M3およ
びCを太線で示した。各線の下にある番号は、各フラグ
メントのアミノおよびカルボキシル末端のアミノ酸残基
を示している。p160の機能および構造領域は中間に
概略的に示した。上方の線には、これら変異体の作製に
用いたp160cDNAの制限酵素部位の位置を示し
た。
ある。9つの変異体(M2‐1〜M2‐9)の長さと各
変異体によりカバーされるM2の部分を示した。上方の
アミノ酸の線にある番号は、M2および末端欠失変異体
のアミノおよびカルボキシル末端残基を示している。番
号はp160におけるアミノ酸残基を示す。矢印は、M
2‐7およびM2‐8以外の各変異体のPCR増幅に用
いられたプライマーの位置を示している。M2−7およ
びM2−8は、オリジナルp160cDNAから切り出
した。用いたプライマー配列は表1に示した。
を示した図である。PCRに用いたプライマーは矢印で
示した。PCRにより導入された点変異の位置は星印で
示されている。作製に用いられた制限酵素部位は上方の
線に示した。PCRフラグメントに相当するM2‐10
でのアミノ酸の位置は中間に線で示した。PCRに用い
たプライマーの配列は表2に示した。
した電気泳動写真である。末端欠失変異体、M1、M
2、M3およびCは、IPTGと共に(レーン2、4、
6および7)またはIPTGなしで(レーン1、3およ
び5)発現させ、精製タンパク質を10%(M1、M2
およびC)または15%(M3)のSDS−PAGEに
かけた。分子量マーカータンパク質の位置はキロダルト
ンで左に示されている。
ーレイアッセイの結果を示した電気泳動写真である。末
端欠失変異体、M1、M2、M3およびCは、IPTG
と共に(レーン2、4、6および7)またはIPTGな
しで(レーン1、3および5)発現させ、精製タンパク
質を、10%(M1、M2およびC)または15%(M
3)のSDS−PAGEにかけた。タンパク質量は図3
2の10の1の量である。分子量マーカータンパク質の
位置はキロダルトンで左に示されている。
電気泳動写真である。分子量マーカータンパク質の位置
はキロダルトンで左に示されている。
イアッセイの結果を示した電気泳動写真である。分子量
マーカータンパク質の位置はキロダルトンで左に示され
ている。
するツー・ハイブリッド・アッセイの結果を示した電気
泳動写真である。M2‐VP16転写活性化領域に融合
した各末端欠失変異体タンパク質を発現する酵母L40
細胞を、LexA DNA結合領域‐RhoAまたはR
hoAVal14融合タンパク質を発現するAMR70細
胞と交配した。
入した点変異の導入部位を星印で示した図である。他の
末端欠失変異体(M2‐2〜M2‐9)を配列の上に示
した。ロイシンジッパーを#で示した。
気泳動写真である。分子量マーカータンパク質の位置は
キロダルトンで左に示されている。
ガンドオーバーレイアッセイの結果を示した電気泳動写
真である。分子量マーカータンパク質の位置はキロダル
トンで左に示されている。
質の抗myc抗体との免疫沈降物を抗myc抗体で免疫
ブロットした結果を示した電気泳動写真である。分子量
マーカータンパク質の位置をキロダルトンで左に示し
た。
質の抗myc抗体との免疫沈降物を〔35S〕GTPγS
をロードしたRhoタンパク質でリガンドオーバーレイ
アッセイにかけた結果を示した電気泳動写真である。分
子量マーカータンパク質の位置をキロダルトンで左に示
した。
領域を比較した図である。p160で同定されたRho
タンパク質結合領域と、ROKαで提示されたRhoタ
ンパク質結合領域を太線で示した。保存アミノ酸を網か
け部分として示した。星印は点変異の位置を示してい
る。ROKαの配列はLeung, T. et al., J. Biol. Che
m. 270, 29051-29054 (1995)による。
Claims (26)
- 【請求項1】配列番号1のアミノ酸配列からなる、タン
パク質またはその誘導体。 - 【請求項2】1以上のアミノ酸配列が付加および/また
は挿入され、および/または1以上のアミノ酸が置換お
よび/または欠失された配列番号1のアミノ酸配列から
なり、活性型Rhoタンパク質結合能を有し、かつプロ
テインキナーゼ活性を有する、タンパク質またはその誘
導体。 - 【請求項3】置換されたアミノ酸が下記の群から選択さ
れる、請求項2に記載のタンパク質またはその誘導体: K921M、R926A、E930A、E943A、D
951A、E960A、E989A、E995A、K9
99M、R1012L、およびK1013M。 - 【請求項4】1016〜1354番のアミノ酸配列また
はこの部分配列、および/または344〜933番のア
ミノ酸配列またはこの部分配列、および/または1〜7
1番のアミノ酸配列またはこの部分配列が欠失された、
請求項2または3に記載のタンパク質またはその誘導
体。 - 【請求項5】配列番号1の72〜343番のアミノ酸配
列と934〜1015番のアミノ酸配列とを有するタン
パク質またはその誘導体。 - 【請求項6】1以上のアミノ酸配列が付加および/また
は挿入され、および/または1以上のアミノ酸が置換お
よび/または欠失された配列番号1のアミノ酸配列から
なり、活性型Rhoタンパク質結合能を有し、かつプロ
テインキナーゼ活性を有さない、タンパク質またはその
誘導体。 - 【請求項7】配列番号1の72〜343番のアミノ酸配
列もしくはプロテインキナーゼ活性に必要な領域または
その一部を含む領域が欠失された、請求項6に記載のタ
ンパク質またはその誘導体。 - 【請求項8】配列番号1の727〜1021番、847
〜1024番、906〜1024番、920〜1024
番、906〜1015番、920〜1015番、または
906〜1094番のアミノ酸配列からなるタンパク質
またはその誘導体。 - 【請求項9】下記の群から選択される1以上の置換を有
する、請求項8に記載のタンパク質またはその誘導体: K921M、R926A、E930A、E943A、D
951A、E960A、E989A、E995A、K9
99M、R1012L、およびK1013M。 - 【請求項10】1以上のアミノ酸配列が付加および/ま
たは挿入され、および/または1以上のアミノ酸が置換
および/または欠失された配列番号1のアミノ酸配列か
らなり、プロテインキナーゼ活性を有し、かつ活性型R
hoタンパク質結合能を有さない、タンパク質またはそ
の誘導体。 - 【請求項11】置換されたアミノ酸がK934M、L9
41A、E1008A、およびI1009Aからなる群
から選択される、請求項10に記載のタンパク質または
その誘導体。 - 【請求項12】配列番号1の934〜945番または1
005〜1015番のアミノ酸配列もしくは活性型Rh
oタンパク質結合能を有する領域またはその一部を含む
領域が欠失された、請求項10または11に記載のタン
パク質またはその誘導体。 - 【請求項13】配列番号1の72〜343番のアミノ酸
配列からなるタンパク質またはその誘導体。 - 【請求項14】請求項1〜13に記載のタンパク質また
はその誘導体をコードするポリヌクレオチド。 - 【請求項15】配列番号2のDNA配列の一部または全
部を有する、請求項14に記載のポリヌクレオチド。 - 【請求項16】ポリヌクレオチドの一部が、配列番号2
の214〜1029番、2179〜3063番、253
9〜3072番、2716〜3072番、2539〜3
045番、2716〜3045番、または2800〜3
045番のDNA配列からなる、請求項15に記載のポ
リヌクレオチド。 - 【請求項17】請求項14〜16のいずれか一項に記載
のポリヌクレオチドを含んでなる、ベクター。 - 【請求項18】プラスミドベクター、ウイルスベクタ
ー、およびリポソームベクターからなる群から選択され
る、請求項17に記載のベクター。 - 【請求項19】請求項17または18に記載のベクター
によって形質転換された、宿主細胞(ただし、ヒト細胞
にあってはヒトから単離された細胞に限る)。 - 【請求項20】大腸菌、酵母、昆虫細胞、COS細胞、
リンパ細胞、繊維芽細胞、CHO細胞、血液系細胞、お
よび腫瘍細胞からなる群から選択されるものである、請
求項19に記載の宿主細胞。 - 【請求項21】請求項19または20に記載の宿主細胞
を培養し、そしてその培養物から請求項1〜13のいず
れか一項に記載のタンパク質またはそれらの誘導体を単
離することを含んでなる、請求項1〜13のいずれか一
項に記載のタンパク質またはそれらの誘導体の製造法。 - 【請求項22】(1)スクリーニングの対象となる物質
を、活性型Rhoタンパク質と、請求項1〜9のいずれ
か一項に記載のタンパク質またはその誘導体とを含むス
クリーニング系に存在させ、そして (2)活性型Rhoタンパク質と、請求項1〜9のいず
れか一項に記載のタンパク質またはその誘導体との結合
の阻害の程度を測定することを含む、活性型Rhoタン
パク質と、請求項1〜9のいずれか一項に記載のタンパ
ク質またはその誘導体との結合を阻害する物質のスクリ
ーニング法。 - 【請求項23】(1)スクリーニングの対象となる物質
を、請求項1〜5および10〜13のいずれか一項に記
載のタンパク質またはその誘導体とを含むスクリーニン
グ系に存在させ、そして (2)請求項1〜5および10〜13のいずれか一項に
記載のタンパク質またはその誘導体のプロテインキナー
ゼの活性の阻害の程度を測定することを含む、請求項1
〜5および10〜13のいずれか一項に記載のタンパク
質またはその誘導体のプロテインキナーゼの活性を阻害
する物質のスクリーニング法。 - 【請求項24】(1)スクリーニングの対象となる物質
を、活性型Rhoタンパク質と、請求項1〜5のいずれ
か一項に記載のタンパク質またはその誘導体とを含むス
クリーニング系に存在させ、そして (2)請求項1〜5のいずれか一項に記載のタンパク質
またはその誘導体のプロテインキナーゼの活性またはそ
の活性の亢進の阻害の程度を測定することを含む、請求
項1〜5のいずれか一項に記載のタンパク質またはその
誘導体のプロテインキナーゼの活性またはその活性の亢
進を阻害する物質のスクリーニング法。 - 【請求項25】スクリーニングの系が細胞系または無細
胞系である、請求項22〜24のいずれか一項に記載の
スクリーニング法。 - 【請求項26】腫瘍形成または転移抑制物質のスクリー
ニング法である、請求項22〜25のいずれか一項に記
載のスクリーニング法。
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