JP2003506379A - チエノピランカルボキサミド誘導体 - Google Patents

チエノピランカルボキサミド誘導体

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JP2003506379A JP2001514343A JP2001514343A JP2003506379A JP 2003506379 A JP2003506379 A JP 2003506379A JP 2001514343 A JP2001514343 A JP 2001514343A JP 2001514343 A JP2001514343 A JP 2001514343A JP 2003506379 A JP2003506379 A JP 2003506379A
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Abstract

(57)【要約】 化合物(I)(R=アリール、シクロアルキルまたはポリハロアルキル、R1=アルキル、アルコキシ、ポリフルオロアルコキシ、ヒドロキシまたはトリフルオロメタンスルホニルオキシ、R2およびR3の各々は、独立して、=H、ハロゲン、アルコキシまたはポリフルオロアルコキシ、nは、0、1または2である)およびそれらのN−オキシドまたは薬学的に許容される塩は、α1アドレナリン作動性レセプターについて増大した選択性、および血圧を降下させることにおける低い活性を有する。この活性プロフィールは、これらの化合物を、前立腺肥大症(BPH)を含む下部尿路の閉塞性症候群の処置、眼内圧を低下させること、不整脈および勃起不全および性的不全の処置、ならびに下部尿路症状(LUTS)および神経性下部尿路不全(NLUTD)の処置において、有用にする。化合物(I)それ自体、化合物(I)を含有する薬学的組成物、および化合物(I)の医学的使用が、特許請求される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、チエノピランカルボキサミド誘導体、それらを含む薬学的組成物、
ならびにこのような誘導体および組成物についての使用に関する。
【0002】 発明の背景 US 5403842およびその一部継続出願(US 5474994および5605896)は、種々の
スペーサー基によってヘテロ環式環へ連結された、塩基性部分としての置換フェ
ニルピペラジンを有するヘテロ二環式誘導体を特許請求する。この誘導体の中で
も、化合物A(実施例11、Rec15/2739)は、その非常に高い尿路選
択的(uroselective)活性のため、特に興味深い。化合物Aは、実際、α1Aアド
レナリン受容体に対して良好な親和性を有しており、そして、血圧に対する実質
的な効果なしで、イヌモデルにおける前立腺尿道の収縮性を選択的に阻害し得る
(Leonardi A. ら, J. Pharmacol. Exp. Therap. 281, 1272-1283 (1997))。
【0003】
【化9】
【0004】 7−オキソ−7H−チエノ[3,2−b]ピラン−3−カルボン酸およびその
N,ω−アミノアルキルアミドは、文献に未だ報告されていない化合物である。
本発明は、N−置換フェニル−N’,ω−(5−置換−7−オキソ−7H−チエ
ノ[3,2−b]ピラン−3−カルボニルアミノ)−アルキルピペラジンの新規
の構造クラスに向けられる。
【0005】 このクラスの化合物は、前立腺尿道の弛緩に対する顕著な効果および血圧を降
下させることにおける非常に低い活性を伴って、例えば化合物Aに関して、増大
したα1アドレナリン作動性レセプターに対する選択性および改善したインビボ
尿路選択性を有する。この活性プロフィールは、前立腺肥大症(benign prostat
ic hyperplasia)(BPH)を含む下部尿路の閉塞性症候群の治療、下部尿路症
状(lower urinary tract symptom)(LUTS)の治療、および神経性下部尿
路不全(neurogenic lower urinary tract dysfunction)(NLUTD)の治療
における、全て低血圧活性に関連する副作用を伴わない、本発明の化合物の安全
な使用を示唆する。
【0006】 発明の要旨 1つの局面において、本発明は、式I:
【0007】
【化10】
【0008】 [ここで、 Rは、アリール、シクロアルキルまたはポリハロアルキル基であり、 R1は、アルキル、アルコキシ、ポリフルオロアルコキシ、ヒドロキシまたはト
リフルオロメタンスルホニルオキシ基であり、 R2およびR3の各々は、独立して、水素またはハロゲン原子あるいはアルコキシ
またはポリフルオロアルコキシ基を示し、そして nは、0、1または2である] の化合物に関する。
【0009】 好ましいアリール基Rはフェニルであり、好ましいシクロアルキル基Rはシク
ロヘキシルであり、そして好ましいポリハロアルキル基Rはトリフルオロメチル
である。好ましいアルキル基R1は、1〜4の炭素原子を有する低級アルキル基
(特に、メチル)であり、好ましいアルコキシ基R1は低級アルコキシ基(特に
、メトキシ)であり;好ましいポリフルオロアルコキシ基R1は、トリフルオロ
メトキシまたは2,2,2−トリフルオロエトキシ基である。R2は、好ましく
は、水素またはフッ素原子であり、そしてR3は、好ましくは、水素または塩素
原子または2,2,2−トリフルオロエトキシ基である。nについての好ましい
値は、1である。
【0010】 本発明はまた、これらの化合物のN−オキシドおよび薬学的に許容される塩を
含む。
【0011】 本発明は、さらに、式Iの化合物あるいはこのような化合物のN−オキシドま
たは薬学的に許容される塩を、薬学的に許容される希釈剤または担体と混合して
含む、薬学的組成物を提供する。このような薬学的組成物は、必要に応じてさら
に、抗コリン作動薬、例えば、トルテロジン(tolterodine)、オキシブチニン
(oxybutinin)、ダリフェナシン(darifenacin)、アルバメリン(alvameline
)およびテミベリン(temiverine)の1以上を含み得る。
【0012】 別の局面において、本発明は、尿道および下部尿路の収縮(ノルアドレナリン
媒介収縮を含む)を予防するため、(血圧に実質的影響を与えることなく)該収
縮を選択的に予防するための方法に向けられ、全ては式Iの1以上の選択される
化合物を、このような処置の必要がある哺乳動物(ヒトを含む)へ、個々の使用
に有効な量で投与することによる。
【0013】 なお別の局面において、本発明は、α1レセプターを遮断するための方法に向
けられ、これは、該レセプターの過度の活性に関連する疾患を緩和するような様
式で、有効量の本発明の化合物を、該レセプターの周囲へ(例えば細胞外媒体へ
)、送達することによる(または、該レセプターを有する哺乳動物へ投与するこ
とによる)。
【0014】 発明の詳細な説明 本出願に引用される全ての特許、特許出願および関連文献は、その全体が参考
として援用される。
【0015】 本発明の化合物のアドレナリン作動性拮抗活性は、特にα1アドレナリン作動
性レセプターに富む体組織(例えば、前立腺および尿道)において作用する薬剤
としてそれらを有用にする。従って、それらのレセプター結合プロフィールに基
づいてそれ自体確立された、本発明内の抗アドレナリン作動性化合物は、例えば
下部尿路の閉塞性障害に関連する排尿問題(前立腺肥大症(BPH)を含むがこ
れに限定されない)の処置に有用な治療薬であり得る。
【0016】 BPHは、進行的状態であって、これは、尿道の閉塞を生じる前立腺組織の結
節状腫脹(nodular enlargement)によって特徴付けられる。これは、増加した
頻度の放尿、夜間多尿症、乏しい尿線および尿流を開始する際の躊躇または遅延
を生じさせる。BPHの慢性的結果は、膀胱平滑筋の肥大、代償不全膀胱(deco
mpensated bladder)および尿路感染の増加した発生率を含み得る。膀胱出口閉
塞(bladder outlet obstruction)へ導く前立腺腺腫の特定の生化学的、組織学
的および薬理学的特性は、未だ公知でない。しかし、BPHの発達は、加齢男性
母集団にとって避けられない現象であると考えられる。BPHは、70歳を超え
る男性の約70%において見られる。現在、BPHを処置するための選択の世界
的に公認された方法は、手術である。手術の医薬的代替物が、明らかに非常に望
まれている。BPHを処置するための手術の制限は、初老の男性における手術法
の死亡率、閉塞性および刺激性症状の残存または再発、ならびに手術の高い費用
を含む。
【0017】 α−アドレナリン作動性レセプター(McGrathら, Med. Res. Rev. 9, 407-533 (1989))は、身体にわたる組織および器官における末梢および中枢神経系に局
在する特異的神経レセプタータンパク質である。これらのレセプターは、多くの
生理学的機能を制御するための重要なスイッチであり、そして、従って、薬物開
発のための重要な標的である。実際、多くのα−アドレナリン作動性薬物が、過
去40年にわたって開発されている。例としては、クロニジン、フェノキシベン
ザミンおよびプラゾシン、テラゾシン、アルフゾシン(alfuzosin)、ドキサゾ
シン、タムスロシン(高血圧の処置)、ナファゾリン(鼻うっ血除去薬)、なら
びにアプラクロニジン(apraclonidine)(緑内障を処置する)が挙げられる。
α−アドレナリン作動性薬物は、2つの別個のクラスに細分され得る:内因性神
経伝達物質ノルエピネフリンのレセプター活性化特性を模倣する、アゴニスト(
クロニジンおよびナファゾリンは、アゴニストである)、ならびに、ノルエピネ
フリンの効果を遮断するように作用する、アンタゴニスト(フェノキシベンザミ
ンおよびプラゾシン、テラゾシン、アルフゾシン、ドキサゾシン、タムスロシン
は、アンタゴニストである)。これらの薬物の多くは、有効であるが、また、所
望でない副作用を生じさせる(例えば、クロニジンは、その抗高血圧症効果に加
えて、口渇(dry mouth)および鎮静状態を生じさせる)。上記で報告されるア
ゴニストは、α2−アドレナリン作動性レセプターに選択的であり、一方、5−
HT1Aレセプターにも関連的親和性を示すタムスロシンを除いては、ほとんどの
アンタゴニストは、α1−アドレナリン受容体に選択的である。引用されたα1
ンタゴニストの多くは、現在、BPHの治療のために使用されるが、それらの乏
しい尿路選択性(uroselectivity)に起因して、それらは、心臓血管起源の副作
用を引き起こす傾向にある。
【0018】 最近の薬理学的、生化学的および放射リガンド結合研究は、プラゾシンに対す
る高い親和性を有する3つの異なるα1−レセプターサブタイプ、すなわち、α1 A −(α1a−)、α1B−(α1b−)およびα1D−(α1d−)[小文字の下付文字
は組換えレセプターについて、そして大文字の下付文字は天然組織におけるレセ
プターについて使用される]を立証した(Hiebleら, Pharmacol.Rev. 47, 267-
270, 1995)。機能的研究において、プラゾシンに対して低い親和性を有するα1 −レセプターがまた、同定され、そしてα1L−レセプターと名付けられた(Flav
ahan および Vanhoutte, Trends Pharmacol. Sci. 7, 347-349, 1986; Muramats
uら, Pharmacol. Comm. 6, 23-28, 1995)。
【0019】 いくつかの研究は、1997年7月2〜5日にパリで開催された「4th Intern
ational Consultation in Benign Prostatic Hyperplasia (BPH)」の会報(第60
1〜609頁)においてK. E. Anderssonによって概説されるように、下部尿路組織
におけるこれらのα1−アドレナリン作動性レセプターサブタイプの存在を実証
した。
【0020】 いくつかの研究は、ヒト前立腺が、交感神経系および副交感神経系の両方から
神経支配を受けていることを示した。
【0021】 アドレナリン作動性神経は、ノルアドレナリンを放出してαアドレナリン受容
体媒介収縮を刺激することによる、前立腺平滑筋緊張(prostatic smooth muscl
e tone)を担うと考えられる。BPH患者における全尿道圧の約50%は、α−
アドレナリン受容体媒介筋肉緊張に起因し得る。機能的研究は、前立腺の腺腫状
および嚢組織(capsular tissue)における重要なアドレナリン受容体機能の存
在を示した。原型的なアドレナリン受容体選択的アンタゴニストのプラゾシンを
用いての臨床研究は、前立腺平滑筋緊張の制御におけるα1アドレナリン受容体
のキーとなる役割を補強した。これはまた、α1−およびα2−アドレナリン受容
体の両方がヒト前立腺内で同定され得るが、収縮特性は主としてα1アドレナリ
ン受容体によって媒介されることを示す研究によって、実験室において確認され
た。多くの臨床研究者は、BPHに罹患する患者において、α1−アドレナリン
受容体遮断は、貯蔵(storage)(刺激性)および排尿(voiding)(閉塞性)タ
イプの両方の、下部尿路症状(LUTS)を緩和することを確認した。
【0022】 下部尿路症状(lower urinary tract symptom)(LUTS)はまた、女性に
おいて、女性が歳をとるにつれて、生じる。男性におけるように、女性における
LUTSは、充満症状(filling symptom)(例えば、尿意促迫、失禁および夜
間多尿症)ならびに排尿症状(voiding symptom)(例えば、乏しい尿線、躊躇
、断続(intermittency)、不完全な膀胱の空化(incomplete bladder emptying
)および腹部しぶり(abdominal straining))の両方を含む。男性および女性
の両方が充満および排尿LUTSの同様の高い有病率を経験することは、基礎を
なす病因の少なくとも一部が同一であり得ることを示唆する。最近の研究におい
て、α1−アンタゴニストは、女性におけるLUTSを抗コリン作動薬よりも高
い程度まで減少させると報告された(Serels, S. およびStein, M., Neurology
and Urodynamics 17:31-36, 1998)。著者らは、女性におけるLUTSを処置す
る際にα1−アンタゴニストについての役割が存在するようであると結論付けた
。これらの結果を説明するために関与する可能な機構は、以下である:a)第2
の排尿筋の過活性を伴って、BPH誘発出口閉塞と類似の、機能的出口閉塞を引
き起こす、膀胱頸部および尿道の不全;ならびにb)頻度および尿意促迫を引き
起こす、排尿筋における増大したα1−アドレナリン受容体活性。これらに基づ
いて、α1−アンタゴニストは、女性におけるLUTSを処置するために臨床プ
ラクティスにおいて使用される(Fitzpatrick, Brit. J. Urol. Intl. 85, Supp
. 2:1-5, 2000; Kakizaki, M. ら, Brit. J. Urol. Intl. 85, Supp. 2: 25-30,
2000)。Serelsの結果もまた、Fitzpatrick, Brit. J. Urol. Intl. 85,
Supp. 2:1-5, 2000によって示唆されるように、α1−アンタゴニストおよび抗
コリン作動薬の組み合わせた投与は、LUTSの処置に改善された効力を有し得
ることを示す。
【0023】 α1−アンタゴニストの別の可能な使用は、神経性疾患または外傷によって引
き起こされ得るような、神経性下部尿路不全(neurological lower urinary tra
ct dysfunction)(NLUTD)の管理である。NLUTDは、増大した頻尿、
失禁、排尿困難、再発性上部尿路感染および上部尿路変質を含む、衰弱症状およ
び深刻な合併症へ導き得る。NLUTDの管理は、腎臓機能を保護し、そして泌
尿器学的合併症を回避することが示される。α1−アンタゴニストの投与は、乏
しい膀胱コンプライアンス(bladder compliance)および排尿筋亢進によって立
証される、膀胱が充満する間の高排尿筋圧を緩和することによって尿貯蔵を促進
することによって、NLUTDを罹患する患者に利益を与え得る。抗コリン作動
薬耐性の脊髄損傷を有する動物モデルおよび患者の両方において、α1−アンタ
ゴニストは、コンプライアンスを改善した(Kakizaki, M. ら, Brit. J. Urol.
Intl. 85, Supp. 2:25-30, 2000; Sundin, T. ら, Invest Urol. 14:322-328, 1
977; McGuireら, Neurology and Urodynamics 4:139-142, 1985; Swrerzewski,
S. J. ら, J. Urol. 151:951-954, 1994)。
【0024】 2つの異なるα1−アドレナリン受容体サブタイプが、ヒト前立腺に存在する
と示唆されており、プラゾシンに対して、1つは高い(α1H)そして1つは低い
(α1L)親和性を有する。分子クローニング研究において見出された全ての3つ
の高親和性α1−アドレナリン受容体サブタイプは、前立腺間質性組織において
同定された。α1aサブタイプが、優勢であると分かり、α1−アドレナリン受容
体母集団の約60〜85%を示す。最近の知見は、正常な前立腺と増殖性前立腺
との間にサブタイプ母集団における差異が存在し得、サブタイプα1a:α1b:α 1d 間の比は、BPHにおいて85:1:14であり、そして非BPH組織におい
て63:6:31であることを示唆する。
【0025】 α1A−アドレナリン受容体は、インビトロでヒト前立腺の収縮応答を媒介する
と報告された。Fordらは、α1Aアドレナリン受容体はノルアドレナリンに対
する収縮応答を媒介し得ないことを見出し、そして、候補としてα1Lアドレナリ
ン受容体を示唆した。Kennyら(Br. J. Pharmacol. 118, 871-878 (1996)
)による知見は、α1Lアドレナリン受容体(これは、α1Aアドレナリン受容体の
特徴の多くを共有するようである)は、ヒト前立腺の収縮応答を媒介するという
考えを支持する。
【0026】 女性尿道において、α1サブタイプについてのmRNAは優勢であり、そして
オートラジオグラフィーはα1Aアドレナリン受容体の優勢を確証した(Andersso
n, K. E., Brit. J. Urol. Intl. 85, Supp. 2:12-18, 2000)。α1Aおよびα1D サブタイプは、ヒト排尿筋に存在し、後者サブタイプが優勢であると報告される
(Malloy, B. ら, J. Urol. 160 : 937-943, 1998)。従って、α1アドレナリン
受容体アンタゴニストが、男性および女性の両方において前立腺および非前立腺
起源の両方の下部尿路症状を処置する際に有用であるという証拠は、それらが閉
塞性特徴的であるかないかに関わらず、そして患者の性に関わらず、このような
症状を処置することにおける本発明の化合物の有用性を支持するために使用され
得る。
【0027】 他方、α1Aおよびα1Lアドレナリン受容体は、同一レセプターの異なる薬理学
的部位(site)を示し得ることが、示唆されている。
【0028】 各レセプターに対する本発明の化合物の親和性は、例えば以下のように、レセ
プター結合アッセイによって評価され得る: 1)α1−アドレナリン作動性レセプターサブタイプ:Testaら, Pharmacol. Com
m. 6, 79-86, 1995に従って、特異的リガンド3H−プラゾシンを使用する; 2)5HT1Aセロトニン作動性レセプター:Farginら, Nature 335, 358-360, 1
988に従って、特異的リガンド3H−8−OH−DPATを使用する。
【0029】 α1Lアドレナリン作動性レセプターは、未だクローニングされておらず、従っ
て、このサブタイプに対する本発明の化合物の機能的親和性は、Testaら, J. Ph
armacol. Exp. Ther. 281, 1284-1293, 1997によって報告されるように、単離さ
れた器官調製物を使用して、評価され得る。本発明の化合物の上記レセプターに
対するインビトロ試験は、実施例8および9に記載される。
【0030】 BPHの症状治療のために現在使用されるα1アドレナリン作動性拮抗活性を
有する薬物は、サブタイプ選択性に乏しく、そしてそれらの低血圧活性に起因す
る関連副作用を生じさせやすい。従って、明白に心臓血管タイプの、該処置の副
作用をBPH患者に受けさせない、選択的α1−アンタゴニストに対する必要性
が、依然として存在する。
【0031】 本発明の化合物の非常に高い尿路選択性は、実施例10に記載されるイヌモデ
ルにおいて試験され、ここで、血圧に対する非常に制限された効果の存在下で前
立腺尿道の収縮に拮抗することにおけるそれらの効力が、化合物Aおよび別の周
知のα1アンタゴニストであるプラゾシンと比較して示された。
【0032】 従って、急性低血圧によるいずれの過度の(undue)副作用を回避する、BP
Hを処置する方法を提供することが、本発明の主要な目的である。
【0033】 選択的α1−アドレナリン受容体アンタゴニストである7−オキソ−7H−チ
エノ[3,2−b]ピラン−3−カルボキサミド誘導体を含む薬学的組成物を提
供することが、本発明の別の目的であって、該組成物は、BPHおよび下部尿路
の他の疾患(例えば、LUTSおよびNLUTD)の処置に有効である。
【0034】 選択的α1−アドレナリン受容体アンタゴニストである7−オキソ−7H−チ
エノ[3,2−b]ピラン−3−カルボキサミド誘導体を使用してBPHを処置
する方法を提供することが、本発明の別の目的である。
【0035】 本発明の別の局面は、眼内圧を低下させること、ならびに不整脈および勃起不
全および性的不全の処置のための、新規化合物の使用である。
【0036】 本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および添付の特許請求の範
囲から、当業者に明らかである。
【0037】 本発明の化合物の合成 本発明に従う化合物は、一般に、以下のように調製され得る: 酸1とω−アミノアルキルアミノ誘導体2との直接縮合(スキーム1)
【0038】
【化11】
【0039】 は、本発明の化合物へ導く。縮合は、縮合剤(例えば、ジシクロヘキシルカルボ
ジイミドまたはジエチルシアノホスホネート)の存在下、必要に応じて促進剤(
例えば、N−ヒドロキシスクシンイミド、4−ジメチルアミノピリジンまたはN
,N’−カルボニルジイミダゾール)の存在下、非プロトン性または塩素化溶媒
(例えば、N,N−ジメチルホルムアミドまたはクロロホルム)中、−10/1
40℃で行われ得る(Albertson, Org. React. 12, 205-218 (1962); Dohertyら
, J. Med. Chem. 35, 2-14 (1992); Ishihara, Chem. Pharm. Bull. 39, 3236 (
1991))。いくつかの場合において、活性化エステルまたはアミド中間体(例え
ば、N−ヒドロキシスクシンイミジルエステルまたはアシルイミダゾリド)が、
単離され、そしてさらに、非プロトン性または塩素化溶媒中、10/100℃で
、2と反応されて対応のアミド(I)へ変換され得る。この種の縮合は、実施例
において十分に例示される。使用され得る別の活性化中間体は、1の混合無水物
[これは、1を、3級アミン(例えば、トリエチルアミンまたはN−メチルモル
ホリン)の存在下でアルキルクロロホルメートと反応させることによって得られ
得る]であり、これは、2と、0〜80℃で反応され;必要に応じて促進剤(例
えば、1−ヒドロキシピペリジン)が、アミン添加の前に添加され得る(Albert
son, Org. React. 12, 157 (1962))。
【0040】 あるいは、縮合は、溶媒なし、150〜220℃で(Mitchellら, J. Am. Che
m. Soc. 53; 1879 (1931))、または高沸点エーテル溶媒(例えば、ジグリム)
中で行われ得る。
【0041】 さらに、縮合は、1の反応性誘導体(例えば、アシルハライド)の調製および
必要に応じて単離によって、行われ得る。これらすぐ前の誘導体の調製および使
用は、よく文献に実証されており、そして当業者に公知である。
【0042】 また、1のより反応性の低い誘導体(例えば、アルキルエステル)が、使用さ
れ得、これは次に、縮合剤(例えば、トリメチルアルミニウム)の存在下、非プ
ロトン性および/または塩素化溶媒(例えば、ヘキサン、ジクロロメタン)中、
−10/80℃で、あるいは溶媒なし、80〜180℃で、Iへ変換され得る(
S. M. Weinrebら, Tetrahedron Lett. 4171 (1977); M. F. Liptonら, Org. Syn
th. 59, 49 (1979))。
【0043】 上記で報告される縮合と同一の方法およびH2NCH2(CH2nCH2X(こ
こで、X=ハロゲンまたはOH)を試薬として使用することによって、1は3へ
変換され得る。X=OHの場合、当業者に周知の方法によるアルコール性基の好
適な脱離基への変換が、次いで行われる。化合物3(ここで、X=ハロゲンまた
はアルキ/アリールスルホニルオキシ(alky/arylsulphonyloxy)基)は、引き
続いて、フェニルピペラジン8と反応され得る。求核置換は、好ましくは、しか
し必ずでなく、20〜200℃の範囲内の温度で、極性溶媒(例えば、ジメチル
ホルムアミド、アセトニトリル、メタノールなど)中、あるいは溶媒なしで、通
常は塩基(例えば、炭酸カリウム)の存在下で、行われる。Patai中のGi
bsonの章を参照のこと:"The Chemistry of the Amino Group"、p. 45以下
参照、Wiley International Science, N. Y., 1968。
【0044】 化合物2の調製は、文献に開示されており、そして当業者に周知であり、そし
てN−(ω−ハロアルキル)フタルイミドあるいは好適なω−ハロアルキルニト
リルまたはハロアルキルアミドにおけるフェニルピペラジン8の求核置換を含み
、これは、化合物3および8の縮合について上記で例示される方法によるか、あ
るいはα,β−不飽和アルキルニトリルまたはアルキルアミドを、好適な溶媒(
例えば、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、塩素化溶媒または他
の非プロトン性極性溶媒)中、0℃〜溶媒の還流温度の温度で、添加することに
よる。次いで、標準のフタルイミド−基脱保護あるいはアミドまたはシアノ基の
還元によって、化合物2が提供される。
【0045】 本発明の酸1(ここで、Rは、アルキル、シクロアルキルまたはフェニル基を
示す)は、メチル2−アセチル−3−ヒドロキシチオフェン−4−カルボキシレ
ート(J. Chem. Soc. Perkin Trans I, 507 (1986) に記載されるように調製し
た)から出発して合成され得(スキーム2)、これは、当業者に非常に周知の方
法を使用することによって好適なアルカノイルまたはアロイルクロリドでエステ
ル化され得る。代替の手順としては、1のアミド化について上記で記載されるの
と同一の方法が挙げられ、これは、エステル化工程に同様に適用されて4が得ら
れ得る。
【0046】
【化12】
【0047】 4のメチルケト基の簡易な一臭素化によって、5が得られ得、これを、通常の
手順(アセトニトリルまたはトルエンあるいは他の非プロトン性溶媒、還流で)
によってトリフェニルホスフィンと反応させて、ホスホニウム塩6が得られ得る
。この基質に適用される次の分子内エステル−Wittig反応は、チエノ[3
,2−b]ピラン7を与え得る。当業者に周知の酸または塩基触媒手順による7
のエステル官能基の加水分解によって、化合物1を得る。
【0048】 非常に周知の加水分解手順としては、40〜75℃での水性エタノールにおけ
る水酸化ナトリウムまたはカリウム、あるいは40〜100℃での水性ジメチル
ホルムアミドまたはジオキサンまたはテトラヒドロフランにおける水酸化リチウ
ムの使用が挙げられる。
【0049】 Rがポリフルオロアルキル基である化合物1は、2−アセチル−3−ヒドロキ
シチオフェン−4−カルボキシレートから、1,8−ジアザビシクロウンデク−
7−エンによって触媒された無水ポリフルオロアルカノイル無水物の存在下での
直接環化による、Riva, C.ら, Synthesis, 195-201 (1997) によって記載される
環化手順に従い、調製され得る。
【0050】 R1がトリフルオロメタンスルホニルオキシ基である化合物Iは、R1がヒドロ
キシ基である化合物Iから出発して、トリフルオロメタンスルホン酸無水物また
はN−フェニルトリフルオロメタンスルホンイミドを非プロトン性溶媒(例えば
、1,2−ジクロロエタンまたは他の塩素化溶媒またはトルエン)中20℃〜溶
媒の還流温度の範囲の温度で使用することを含む公知の手順によって、合成され
得る(Hendickson J. B. ら, Tetrahedron Letters, 4607-4510 (1973))。化合
物IのN−オキシドは、当業者に公知の簡易な酸化手順によって合成され得る。
P. BroughamによってSynthesis, 1015-1017 (1987) において記載される酸化手
順は、ピペラジン環の2つの窒素原子の識別(differentiation)ならびにN,
N’−ジオキシドおよびN−オキシドの両方を得ることを可能にする。
【0051】 文献においてまだ公知でないフェニルピペラジン8の調製は、実施例部分にお
いてよく実証され、そして当業者に周知の合成手順を使用し、これは、標準的な
反応による好適なアニリンの合成ならびに引き続いてのビス−(2−クロロエチ
ル)アミンとの環化でこのピペラジンを得ることを含み、これは、Prelog
の方法(Collect. Czech. Chem. Comm. 5, 497-502 (1933))またはその変形(E
lworthy T. R., J. Med. Chem. 40, 2674-2687 (1997))に従う。
【0052】 (本発明の化合物の詳細な合成) 実施例1 N−{3−[4−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル
]−プロピル}−7−オキソ−5−フェニル−7H−チエノ[3,2−b]ピラ
ン−3−カルボキサミド a)1−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−4−[3−(N−フタルイ ミド)−プロピル]−ピペラジン (化合物1A) アセトニトリル250ml中の1−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−
ピペラジン28.64g、無水炭酸カリウム44.6gおよびN−(3−ブロモ
プロピル)−フタルイミド33.65gの混合物を、還流下で、8時間攪拌した
。20〜25℃へ冷却後、水800mlを攪拌しながら添加し、そして得られた
懸濁液を吸引濾過し、黄色がかった固体を得、これを水300mlで洗浄し、そ
してメタノールから結晶化させて、表題化合物46.5g(131〜133℃で
融解)を得た。
【0053】
【数1】
【0054】 b)1−(3−アミノプロピル)−4−(5−クロロ−2−メトキシフェニル )−ピペラジン トリヒドロクロリド 2.15H2 (化合物1B) 20.7gの化合物1Aおよび8.6mlの85%ヒドラジン水和物の溶液を
、還流下で、3.5時間、エタノール300ml中で攪拌した。その後、反応混
合物を、20〜25℃に冷却し、水400mlで希釈し、37%塩酸(pH=1
)で酸性化し、そして30分間攪拌した。沈殿固体を、濾過によって回収し、そ
して1N塩酸次いで水で洗浄した。濾液を、真空下で蒸発によって濃縮し、濾過
し、0〜5℃での35%水酸化ナトリウムの添加によって塩基性にし、そしてジ
エチルエーテルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥
し、そして真空下で蒸発乾固させ、13.6g(96%)の表題化合物を塩基と
して得た。この塩基のクロロホルム溶液を、3当量を超える3Nエタノール性塩
化水素で酸性化し、続いて真空下で蒸発乾固させ、そして残渣をエタノール:ジ
エチルエーテル10:3から結晶化させ、表題化合物(200〜202℃で融解
)を得た。
【0055】
【数2】
【0056】 c)メチル2−アセチル−3−ベンゾイルオキシチオフェン−4−カルボキシ レート (化合物1C) 塩化ベンゾイル3.48mlを、20〜25℃で、ジクロロメタン100ml
中のメチル2−アセチル−3−ヒドロキシチオフェン−4−カルボキシレート(
J. Chem. Soc. Perkin Trans I, 1986, 507に記載されるように調製した)5.
0gおよび4−ジメチルアミノピリジン3.66gの溶液へ滴下した。混合物を
2時間攪拌し;その後、それを0.5N塩酸、水(2×20ml)、2.5%炭
酸水素ナトリウム水溶液(2×40ml)および水(2×20ml)で洗浄した
。有機層を乾燥し(硫酸ナトリウム)、真空下で蒸発乾固し、そしてフラッシュ
クロマトグラフィー(クロロホルム:酢酸エチル 100:1)で精製し、7.
08gの化合物1Cを黄色潮解性固体として得、さらなる精製なしに次の工程に
使用した。
【0057】
【数3】
【0058】 d)メチル2−(2−ブロモアセチル)−3−ベンゾイルオキシチオフェン− 4−カルボキシレート (化合物1D) テトラクロロメタン24ml中の臭素1.28mlの溶液を、還流下で攪拌し
たテトラクロロメタン72ml中の7.23gの化合物1Cの溶液へ、10分間
にわたって滴下した。還流下でさらに5分後、混合物を20〜25℃へ冷却した
。沈殿固体を濾別し、そして冷テトラクロロメタンで洗浄し、7g(77%)の
化合物1D(115〜118℃で融解)を得た。この化合物は、不純物1Cおよ
びメチル2−(2,2−ジブロモアセチル)−3−ベンゾイルオキシチオフェン
−4−カルボキシレート(それぞれ2%および6%モル、1H−NMR分光法に
よって測定)で汚染されていたが、さらなる精製なしに次の反応工程に使用し得
た。
【0059】
【数4】
【0060】 e)2−[(3−ベンゾイルオキシ−4−メトキシカルボニル)−2−チエニ ル]−2−オキソエチルトリフェニルホスホニウムブロミド半水和物 (化合物1
E) アセトニトリル45ml中の6.9gの化合物1Dおよび5.19gのトリフ
ェニルフォスフィンの溶液を、還流下で4時間攪拌し、次いで、20〜25℃へ
冷却した。沈殿物を濾別し、10.27g(88%)の化合物1E(150〜1
52℃で融解)を得、さらなる反応において使用するに十分に純粋であった。こ
の粗生成物0.27gをイソプロパノールから結晶化させ、0.24gの分析サ
ンプル(融点(124)128〜132℃)を得た。
【0061】
【数5】
【0062】 f)メチル7−オキソ−5−フェニル−7H−チエノ[3,2−b]ピラン− 3−カルボキシレート (化合物1F) 1M炭酸ナトリウム水溶液150mlを、1,2−ジクロロエタン200ml
中の10.07gの化合物1Eの溶液へ添加し、そして混合物を85℃で11時
間攪拌した。冷却後、有機層を分離し、水で中性まで洗浄して、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥し、そして真空下で蒸発乾固させ、粗残渣8.67gを得た。粗生成
物を、フラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル 6:4)に
よって精製し、4.1g(92%)の化合物1F(169〜171℃で融解)を
得た。これを、メタノールから結晶化させ、分析サンプル(融点169〜171
℃)を得た。
【0063】
【数6】
【0064】 g)7−オキソ−5−フェニル−7H−チエノ[3,2−b]ピラン−3−カ ルボン酸 (化合物1G) 0.6N水酸化ナトリウム26mlを、50℃で、メタノール174mlおよ
びジオキサン87ml中の3.82gの化合物1Fの攪拌溶液へ添加した。次い
で、混合物を同一温度で20分間攪拌し、20〜25℃へ冷却し、水280ml
で希釈し、濾過し、そして1N塩酸でpH=1まで酸性化した。沈殿ゲルの懸濁
液を、濾過可能な固体が得られるまで、60℃で2時間攪拌した。この固体を濾
過し、そして乾燥して、表題化合物3.4gを得、さらなる精製なしで次の反応
工程に使用した。それをエタノールから結晶化し、分析サンプル(282〜28
3℃で融解)を得た。
【0065】
【数7】
【0066】 h)N−{3−[4−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−1−ピペラジ ニル]−プロピル}−7−オキソ−5−フェニル−7H−チエノ[3,2−b] ピラン−3−カルボキサミド 93%ジエチルシアノホスフェート0.54mlおよびトリエチルアミン0.
46mlを、0℃で、無水ジメチルホルムアミド15ml中の0.82gの化合
物1Gおよび0.94gの化合物1Bの攪拌溶液へ添加した。20〜25℃で2
2時間攪拌した後、反応混合物を水150mlへ注いだ。母液をデカントし、そ
して沈殿ペースト状固体をクロロホルム60mlに溶解し、水で洗浄し、硫酸ナ
トリウムで乾燥し、そして真空下で蒸発乾固させた。粗生成物を、フラッシュク
ロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール 9:1)で精製した。蒸発によっ
て純粋な表題化合物(1.2g;74%)を得、これを酢酸エチルから結晶化さ
せた。融点165〜166.5℃。
【0067】
【数8】
【0068】 実施例2 N−{3−[4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]−プロピル
}−7−オキソ−5−フェニル−7H−チエノ[3,2−b]ピラン−3−カル
ボキサミド 表題化合物を、実施例1hにおいて記載されるように、しかし化合物1Bの代
わりに1−(3−アミノプロピル)−4−(2−メトキシフェニル)−ピペラジ
ン(GB 2161807に記載されるように調製した)を用いて、調製した。反応混合物
を水に注ぎそして酢酸エチルで抽出した後、合わせた有機層を水(3×80ml
)で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、そして真空下で蒸発乾固させた。粗生
成物をフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル/メタノール 8.5:1.
5)によって精製した。純粋な表題化合物(1.4g;77%)を含む回収した
分画の蒸発によって得た残渣を、酢酸エチルから結晶化し、表題化合物(161
〜162℃で融解)を得た。
【0069】
【数9】
【0070】 実施例3 5−シクロヘキシル−N−[3−[4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペ
ラジニル]プロピル}−7−オキソ−7H−チエノ[3,2−b]ピラン−3−
カルボキサミド a)メチル2−アセチル−3−シクロヘキサンカルボニルオキシチオフェン− 4−カルボキシレート (化合物3A) この化合物を、実施例1の化合物1Cについて記載されるように、しかし塩化
ベンゾイルの代わりにシクロヘキサンカルボニルクロリドを使用して、調製した
。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル勾配
9:1〜7:3)によって精製し、化合物3A(80%)を得た。
【0071】
【数10】
【0072】 b)メチル2−(2−ブロモアセチル)−3−シクロヘキサンカルボニルオキ シチオフェン−4−カルボキシレート (化合物3B) 酢酸3.45ml中の臭素0.70mlの溶液を、20〜25℃で攪拌した酢
酸34.5ml中の3.56gの化合物3Aの溶液へ、60分間にわたって滴下
した。20〜25℃でさらに2.5時間攪拌した後、混合物を氷水へ注ぎ、そし
てジエチルエーテル(2×80ml)で抽出した。合わせた有機層を、水(2×
80ml)、10%炭酸ナトリウム水溶液(100ml)および水(3×80m
l)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして真空下で蒸発乾固させた。粗生
成物を、フラッシュクロマトグラフィー(n−ヘキサン:クロロホルム 6:4
)で精製し、1.31g(29%)の化合物3Bを得た。
【0073】
【数11】
【0074】 c)2−[(3−シクロヘキサンカルボニルオキシ−4−メトキシカルボニル )−2−チエニル]−2−オキソエチルトリフェニルホスホニウムブロミド (化
合物3C) アセトニトリル1.25ml中の0.20gの化合物3Bおよび0.13gの
トリフェニルホスフィンの溶液を、還流下で2.5時間攪拌し、次いで0〜5℃
へ冷却した。沈殿物を濾別し、フィルター上で、酢酸エチル:アセトニトリルの
2:1混合物続いて酢酸エチルで洗浄し、0.19g(59%)の化合物3C(
165〜167℃で融解)を得た。
【0075】
【数12】
【0076】 d)メチル5−シクロヘキシル−7−オキソ−7H−チエノ[3,2−b]ピ ラン−3−カルボキシレート (化合物3D) 0.16gの化合物3C、2mlの1,2−ジクロロエタンおよび2mlの1
M炭酸ナトリウム水溶液の混合物を、45℃で36時間加熱する。20〜25℃
へ冷却後、クロロホルム5mlを添加し、有機層を水(2×10ml)で洗浄し
、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、そして真空下で蒸発乾固した。粗生成物をフラ
ッシュクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル 1:1)で精製し、0
.05g(68%)の化合物3D(114〜119℃で融解)を白色固体として
得た。
【0077】
【数13】
【0078】 e)5−シクロヘキシル−7−オキソ−7H−チエノ[3,2−b]ピラン− 3−カルボン酸 (化合物3E) 1N水酸化ナトリウム0.3mlおよび水1.0mlを、20〜25℃で、メ
タノール1.8mlおよび1,4−ジオキサン0.9ml中の0.040gの化
合物3Dの攪拌溶液へ添加した。混合物を50℃で3.5時間加熱した。20〜
25℃へ冷却後、混合物を水で希釈し、そしてpH1まで3N塩酸で酸性化した
。沈殿固体を濾過によって回収し、そして水で洗浄して、0.028g(73.
5%)の表題化合物(269〜275℃で融解)を得た。
【0079】
【数14】
【0080】 f)5−シクロヘキシル−N−{3−[4−(2−メトキシフェニル)−1− ピペラジニル]−プロピル}−7−オキソ−7H−チエノ[3,2−b]ピラン −3−カルボキサミド 表題化合物を、実施例2に記載されるように、しかし化合物1Gの代わりに化
合物3Eを用いて、調製した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー(酢酸
エチル:2.7Nメタノール性アンモニア 95:5)によって精製した。純粋
な表題化合物(0.03g;73%)を含む回収された分画からの溶媒蒸発後に
得られた残渣を、メタノール5mlに溶解し、そして乳白色溶液を活性炭で透明
にした。溶媒蒸発によって、純粋な表題化合物を黄色ペースト状固体として得た
(67%)。
【0081】
【数15】
【0082】 実施例4 N−{3−[4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]−プロピル
}−7−オキソ−5−トリフルオロメチル−7H−チエノ[3,2−b]ピラン
−3−カルボキサミド a)メチル7−オキソ−5−トリフルオロメチル−7H−チエノ[3,2−b ]ピラン−3−カルボキシレート (化合物4A) トリフルオロ酢酸無水物3.95mlおよび1,8−ジアザビシクロ[5.4
.0]ウンデク−7−エン(DBU)9.2mlを、0〜5℃で、メチル2−ア
セチル−3−ヒドロキシチオフェン−4−カルボキシレート4.10gおよびピ
リジン14mlの混合物に添加した。混合物を、80℃で27時間加熱した。こ
の間、トリフルオロ酢酸無水物(合計9.9ml)およびDBU(9.2ml)
をさらに3回添加した。20〜25℃に冷却後、混合物を、氷(250g)およ
び37%塩酸(50ml)の混合物に注ぎ、そして酢酸エチル(2×80ml)
で抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、そして真
空下で蒸発乾固させた。残渣を、石油エーテル:酢酸エチル 7:3に溶解し、
そして濾過した。濾液をフラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エ
チル勾配 7:3〜0:1)によって精製した。残渣をジエチルエーテルに溶解
し、5%炭酸ナトリウム水溶液および水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、
そして真空下で蒸発乾固させ、表題生成物(22%)(148〜158℃で融解
)を得、これは、さらなる精製なしに次の工程に使用し得た。分析サンプルを、
エタノールからの結晶化によって得た。融点163〜164℃。
【0083】
【数16】
【0084】 b)7−オキソ−5−トリフルオロメチル−7H−チエノ[3,2−b]ピラ ン−3−カルボン酸 (化合物4B) 0.70gの化合物4A、5.6mlのジオキサンおよび8.4mlの9N塩
酸の混合物を、還流下で75分間攪拌した。20〜25℃へ冷却後、沈殿固体を
濾別し、ジオキサン:水 1:1.5および水で洗浄し、表題化合物0.46g
を灰色固体として得た(249〜251℃で融解)。
【0085】
【数17】
【0086】 c)N−{3−[4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]−プロ ピル}−7−オキソ−5−トリフルオロメチル−7H―チエノ[3,2−b]ピ ラン−3−カルボキサミド 表題化合物を、実施例2において記載されるように、しかし化合物1Gの代わ
りに化合物4Bを用いて、調製した。粗生成物をフラッシュクロマトグラフィー
(酢酸エチル:メタノール中2.7Nアンモニア 95:5)によって精製し、
表題化合物を淡褐色固体として得た(170〜177℃で融解(33%))。
【0087】
【数18】
【0088】 実施例5 7−オキソ−5−フェニル−N−{3―[4−[2−(2,2,2−トリフル
オロエトキシ)−フェニル]−1−ピペラジニル]−プロピル}−7H−チエノ
[3,2−b]ピラン−3−カルボキサミド a)N−(3−クロロプロピル)−7−オキソ−5−フェニル−7H−チエノ [3,2−b]ピラン−3―カルボキサミド (化合物5A) この化合物を、実施例1において記載されるように、しかし化合物1Bの代わ
りに3−クロロプロピルアミンヒドロクロリドを用いそして使用するトリエチル
アミンの量を2倍にして、調製した。水で希釈後、沈殿固体を濾過し、そしてフ
ィルター上において冷水:ジメチルホルムアミド 2:1次いで水で洗浄した。
次いで、固体を、10%炭酸ナトリウム水溶液に懸濁し、攪拌し、濾過し、そし
て水で中性まで洗浄した。70℃で真空下で乾燥し、表題化合物(95%)を得
た。
【0089】
【数19】
【0090】 b)7−オキソ−5−フェニル−N−[3−[4−[2−(2,2,2−トリ フルオロエトキシ)フェニル]−1−ピペラジニル]プロピル]−7H−チエノ [3,2−b]ピラン−3−カルボキサミド 0.17gの化合物5A、0.13gの1−[2−(2,2,2−トリフルオ
ロエトキシ)−フェニル]−ピペラジン(EP 0748800に記載されるように調製し
た)および0.07gの炭酸カリウムの混合物を、200℃で20分間加熱した
。20〜25℃へ冷却後、粗残渣をフラッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル
:メタノール勾配 95:5〜9:1)によって精製し、0.193g(70%
)の表題化合物を得た。融点152〜158℃。
【0091】
【数20】
【0092】 実施例6 N−{3−[4−[2−メトキシ−5−(2,2,2−トリフルオロエトキシ
)フェニル]−1−ピペラジニル]−プロピル}−7−オキソ−5−フェニル−
7H−チエノ[3,2−b]ピラン−3−カルボキサミド a)1−t−ブトキシカルボニル−4−(5−ヒドロキシ−2−メトキシフェ ニル)−ピペラジン (化合物6A) 水30ml中の1−(5−ヒドロキシ−2−メトキシフェニル)−ピペラジン
ジヒドロブロミド8gおよび無水炭酸カリウム3.17gの溶液を、真空下で蒸
発乾固させた。無水テトラヒドロフラン100mlおよび97%ジ−t−ブチル
ジカーボネート5.18gを残渣へ添加し、そして混合物を20〜25℃で2時
間攪拌し、続いて、無水テトラヒドロフラン100mlを添加した。懸濁液を濾
過し、そして溶媒を濾液から真空下で除去した。残渣をクロロホルム200ml
に溶解した。溶液を3×50mlの5%炭酸水素ナトリウムおよび2×50ml
の水で洗浄し、そして硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、そ
して残渣をフラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル 75:
25)によって精製し、1.91g(28.7%)の化合物6Aおよび1.58
g(35.7%)の1−t−ブトキシカルボニル−4−(5−t−ブトキシカル
ボニルオキシ−2−メトキシフェニル)−ピペラジンを得た。メタノール40m
lおよび1N水酸化ナトリウム6ml中のこの副産物の溶液を、一晩、20〜2
5℃で維持した。混合物を、酢酸で中和し;溶媒を減圧下で除去し、そして残渣
をクロロホルム40mlに溶解した。3×10mlの水で洗浄後、有機層を硫酸
ナトリウムで乾燥し、そして溶媒を真空下で蒸発し、追加の1.15g(17.
2%)の化合物6Aを濃オイルとして回収した(総収率45.9%)。
【0093】
【数21】
【0094】 b)1−t−ブトキシカルボニル−4−[2−メトキシ−5−(2,2,2− トリフルオロエトキシ)フェニル]−ピペラジン (化合物6B) アセトニトリル60ml中の2.83gの化合物6A、6.05gの炭酸セシ
ウムおよび2.95gの2,2,2−トリフルオロエチルp−トルエンスルホネ
ートの攪拌混合液を、16時間還流した。溶媒を減圧下で蒸発除去し;ブライン
90mlを残渣に添加し、そして混合物を3×40mlの酢酸エチルで抽出した
。有機層を、3×20mlの水および20mlのブラインで洗浄し、そして硫酸
ナトリウムで乾燥させた。溶媒を減圧下で除去し、そして残渣をフラッシュクロ
マトグラフィー(石油エーテル:酢酸エチル勾配 95:5〜80:20)によ
って精製した。溶媒を真空下で除去し、1.86g(52%)の化合物6Bを白
色固体として得た。融点(98)102〜105℃。
【0095】
【数22】
【0096】 c)1−[2−メトキシ−5−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−フェ ニル]−ピペラジン・1.9ヒドロクロリド (化合物6C) 無水ジクロロメタン30ml中のトリフルオロ酢酸2.42mlの溶液を、3
〜5℃で、無水ジクロロメタン40ml中の1.17gの化合物6Bの攪拌溶液
へ滴下した。混合物を一晩20〜25℃で維持し、2×30mlの2N水酸化ナ
トリウムで洗浄し、そして3×15mlの2N塩酸で抽出した。酸水層を、2×
20mlのジエチルエーテルで洗浄し、5〜10℃で37%水酸化ナトリウムで
アルカリ性にし、そして3×30mlのジエチルエーテルで抽出した。有機層を
硫酸ナトリウムで乾燥し、そして溶媒を真空下で除去し、0.78g(89%)
の化合物6C塩基を濃オイルとして得た。塩基のジエチルエーテル溶液を、石炭
で処理し、濾過し、そしてジエチルエーテル中の3.6N HClを添加するこ
とによって酸性化し、塩酸塩を得、これを濾過によって回収し、そしてアセトニ
トリルおよびエタノールから結晶化し、分析サンプルを得た。融点(188)2
02〜208℃(分解)。
【0097】
【数23】
【0098】 d)N−{3−[4−[2−メトキシ−5−(2,2,2−トリフルオロエト キシ)−フェニル]−1−ピペラジニル]−プロピル}−7−オキソ−5−フェ ニル−7H−チエノ[3,2−b]ピラン−3−カルボキサミド この化合物を、上記で実施例5bに記載されるように、但し1−[2−(2,
2,2−トリフルオロエトキシ)−フェニル]−ピペラジンの代わりに化合物6
Cを使用したことを除いて、調製した。20〜25℃へ冷却後、粗残渣を、フラ
ッシュクロマトグラフィー(酢酸エチル:メタノール中2Nアンモニア 98:
2)によって精製し、表題化合物を得た(60%)。融点156〜158℃。
【0099】
【数24】
【0100】 実施例7 N−{3−[4−[4−フルオロ−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ
)−フェニル]−1−ピペラジニル]−プロピル}−7−オキソ−5−フェニル
−7H−チエノ[3,2−b]ピラン−3−カルボキサミド この化合物を、実施例5bにおいて記載されるように、但し1−[4−フルオ
ロ−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−フェニル]−ピペラジン(EP 0748800に記載されるように調製した)を1−[2−(2,2,2−トリフルオ
ロエトキシ)−フェニル]−ピペラジンの代わりに使用したことを除いて、調製
した。20〜25℃へ冷却後、粗残渣を、フラッシュクロマトグラフィー(酢酸
エチル:メタノール中2Nアンモニア 95:5)によって精製し、表題化合物
を得た(74%)。融点189〜191℃。
【0101】
【数25】
【0102】 実施例8 クローン化α1アドレナリン受容体および5−HT1Aセロトニン作動性レセプ
ターに対する結合親和性の測定 クローン化ヒトα1−アドレナリン受容体サブタイプに対する親和性の測定を
、各α1−アドレナリン受容体サブタイプをコードする遺伝子を発現するDNA
をエレクトロポレーションによってトランスフェクトしたCHO細胞(チャイニ
ーズ・ハムスター卵巣細胞)から得られる膜において行った。α1−アドレナリ
ン受容体遺伝子のクローニングおよび安定した発現は、以前の記載(Testa ら,
Pharmacol. Comm. 6, 79-86 (1995))のように行った。CHO細胞膜を、競合す
る薬物(1pM〜10μM)の非存在下又は存在下、0.2nM[3H]プラゾ
シンを含む50nMトリス(pH7.4)中、1.02mlの最終容積で25℃
で30分間インキュベートした。非特異的結合を10μMフェントラミンの存在
下で測定した。インキュベーションを、氷冷したトリス緩衝液の添加および0.
2%ポリエチレンイミン前処理Schleicher & Schuell G
F52フィルターを通す素早い濾過により停止した。
【0103】 ヒト5−HT1A−セロトニン作動性レセプターについてのクローンG−21ゲ
ノムを、ヒト細胞株(HeLa)(Fargin ら, J. Biol. Chem. 284, 14848-148
52 (1989))に安定してトランスフェクトした。HeLa細胞を、10%ウシ胎
児血清およびゲンタマイシン(gentamicin)(100g/ml)を補足した、ダ
ルベッコの改良MEM培地(DMEM)中、5%CO2、37℃で単層として増
殖させた。細胞をセルスクレイパー(cell scraper)で95%コンフルエンスで
増殖フラスコから分離し、そして氷冷したトリス−5−mMおよびEDTA−5
−mM緩衝液(pH7.4)中に溶解した。ホモジネートを40000×g×2
0分遠心分離し、そして膜を少量の氷冷したトリス−5−mMおよびEDTA−
5−mM緩衝液(pH7.4)中に再懸濁させ、そして直ちに凍結し、使用する
まで−70℃で保存した。
【0104】 実験日において、細胞膜を50mMトリス(pH7.4)、2.5mM Mg
Cl2、10μMパルギリン(pargyline)(Fargin ら, Nature 335, 358-360 (
1988))の結合緩衝液に再懸濁させた。膜を、競合薬物の非存在下又は存在下、
1.2nM[3H]8−OH−DPATと共に、1mlの最終容積で30℃で3
0分間インキュベートし;非特異的結合を、10μM 5−HTの存在下で測定
した。インキュベーションを、氷冷したトリス緩衝液の添加および0.2%−ポ
リエチレンイミン前処理Schleicher & Schuell GF52
フィルターを通す素早い濾過により停止した。
【0105】 試験薬物による放射リガンドの特異的結合阻害を、分析し、非線形曲線フィッ
ティングプログラムAllfit(non-linear curve-fitting program Allfit
)(De Lean ら, Am. J. Physiol. 235, E97-E102 (1978))を使用することによ
って、IC50値を評価した。IC50値を、Cheng & Prusoffの式(Biochem. Phar
macol. 22, 3099-3108(1973))により、親和定数(Ki)に変換した。データは
Kiの平均で表した。
【0106】 本発明化合物は、表1に示すように、α1−アドレナリン受容体で所望の効力
および選択性を示した。
【0107】
【表1】
【0108】 実施例9 α1L−アドレナリン受容体に対する機能的親和性 クロロエチルクロニジンで前処理したウサギ大動脈(α1Lレセプター)のノル
アドレナリン−(NA−)誘発収縮に対する試験化合物の機能的α1−拮抗活性
を、Testaらの方法(J. Pharmacol. Exp. Ther. 281, 1284-1293 (1997))
に従って評価した。成体雄性ニュージーランドウサギを、頸部脱臼によって犠牲
にした。大動脈を取り出し、クレブス−Henseleit緩衝液中に配置し、
そして付着組織を除いて解剖した。環(ring)を、各動脈から調製し(1大動脈
当たり8環、約4〜5mm幅)、そして37℃、95%O2:5%CO2で平衡化
させた、以下の組成(mM)[NaCl 112.0、KCl 5.0、CaCl 2 2.5、KH2PO4 1.0、MgSO4 1.2、NaHCO3 12.0およ
びグルコース 11.1]のクレブス重炭酸塩衝液を含む20ml器官浴に懸濁
させた。NAの神経および神経外取り込みを遮断するデスメチルイミプラミン(
0.1μm)およびコルチコステロン(1μM)、βアドレナリン受容体を遮断
する(±)−プロプラノール(propranol)(1μM)、ならびにα2アドレナリ
ン受容体を遮断するヨヒンビン(0.1μM)を、緩衝液に添加した。該組織を
2gの受動負荷(passive load)へ供し、そして、現れた張力をアイソメトリッ
クトランスデューサー(isometric transducer)(Basile 7003)を
使用して測定した。
【0109】 調製物を、60分間平衡化させ、次いで、30分毎に10μM NAで3回プ
ライムした。次いで、大動脈環を、アルキル化剤 クロロエチルクロニジン(5
×10-5M)と共に30分間インキュベートし、次いで、広範囲にわたって3回
洗浄し(0.5時間)、その後、NA−濃度/応答曲線を構築した。NAのウォ
ッシュアウト(washout)および組織の再平衡化(45分)後、試験する薬物を
添加し、そして、30分後、第2のNA−累積−濃度/応答曲線を構築した。各
アンタゴニスト濃度を、異なるウサギ由来の2〜3の大動脈環を使用して試験し
た。
【0110】 用量比(すなわち、試験アンタゴニストの存在および非存在下における、半最
大応答を生じさせるために必要とされるノルエピネフリンの濃度間の比)を、化
合物の各濃度で計算した。これらの用量比−1の対数を、化合物濃度の対数に対
してプロットし(Schildプロット)、親和定数Kbを評価した。試験化合
物の1または2の濃度のみを使用する場合、見かけのKb値を、式:Kb=[B
]/(用量比−1)(式中、Bはアンタゴニスト濃度である)を使用して計算し
た。
【0111】 結果 試験した化合物は、α1Lアドレナリン受容体サブタイプに対して良好な親和性
を示した。データを、表2においてpKbとして表す。
【0112】
【表2】
【0113】 実施例10 静脈投与後のイヌにおける、ノルアドレナリン注射によって誘発された尿道収
縮および血圧に対する効果 実験を、以下のように、実質的改変を伴って、Imagawaらの方法(J. P
harmacol. Methods 22, 103-111 (1989))従って行った:成体雄性ビーグル犬(
体重8〜10kg)を、ペントバルビタールソディウム(30mg/kg静脈内
、および2mg/kg/h静脈内)で麻酔し、挿管し、そして室温で自然に換気
させた。全身血圧(BP)をモニターするために、ポリエチレン(PE)カテー
テルを、左大腿動脈を介して大動脈弓へ導入した。左大腿静脈の側副枝に、麻酔
薬の注入のためにカニューレ挿入し、そして右大腿静脈に、化合物の投与のため
にカニューレ挿入した。ノルアドレナリン(NA)の動脈内(i.a.)注射の
ために、PEカテーテルを、右外腸骨動脈を介して、腹部大動脈の下部分へ導入
した。このような手順を通して、NAを下部尿路へ選択的に分配させた。骨盤の
ベースから中腹部(mid-abdominal)領域に広がる傍正中垂直恥骨上切開(param
edian vertical suprapubic incision)を行い、そして膀胱および前立腺を露出
させた。膀胱を、手動で、注射器を用いて空にした。前立腺尿道内圧を、外部尿
道を介して膀胱へ導入されそして圧力変換器が尿道の前立腺領域に配置されるま
で引っ込められたMikro−tipカテーテル(5F)でモニターした。結紮
を膀胱の頚部と尿道との間に固定し、後者の応答を分離し、そして膀胱とのいか
なる相互作用をも回避した。別の結紮を外部道でのMikro−tipカテーテ
ル周りに配置し、カテーテル自体を固定した。
【0114】 手術手順に続く安定化期間(30分)(ここで、動脈圧および前立腺尿道内圧
を、基底値として連続的にモニターした)後、NAのi.a.投与を20分間隔
で行った。
【0115】 選択したNA用量は、尿道内圧の少なくとも100%の増加を生じるようなも
のであった。試験化合物を、投与間に15〜20分の間隔を置いて、累積様式で
、静脈内投与した。NAのi.a.注射を、刺激間に約10分の間隔を置いて、
試験化合物の各投与5分後に、繰り返した。投与した化合物の効果を比較するた
めに、用量/応答曲線(log用量変換)を、ピーク効果で、拡張期血圧のパー
セント減少およびNAによって誘発される尿道内圧の増加のパーセント阻害を計
算することによって、構築した。次いで、線形回帰式を使用して、ED25(拡張
期血圧の25%減少を誘発する有効用量)およびID50(尿道内圧の増加を50
%だけ阻害する用量)としての理論的有効性を評価した。
【0116】 結果 実施例1、2および5の化合物のiv.投与後に得られた効果を、表3に示す
。プラゾシンおよびRec15/2739の注射後に得られた効果に関する結果
もまた、表3に示す。
【0117】
【表3】
【0118】 薬理学的結果は、本発明の化合物が、インビトロデータに関する限り、特に5
−HT1Aレセプターと比較して、α1アドレナリン受容体について良好な選択性
、およびまたα1Lサブタイプに対して良好な親和性を有するα1アドレナリン受
容体アンタゴニストであることを確証する。
【0119】 インビボ薬理学的結果は、本発明の化合物の高い尿路選択性を確証し、そして
BPHを含む、下部尿路の閉塞性疾患の処置におけるそれらの可能な使用を正当
化する。
【0120】 有効量 以下は、下部尿路の閉塞性障害における使用のための、1日当たりのmg/体
重kgで表される、有効な経口、非経口または静脈内用量範囲についてのガイド
ラインを示す: 一般的 0.001〜20 好ましい 0.05〜3 最も好ましい 0.5〜2。
【0121】 最も好ましい値は、経口用量に関する。静脈内投薬量は、10〜100倍低い
べきである。選択的使用投薬量(すなわち、血圧に対して実質的効果のない、下
部尿路において活性である投薬量)は、使用される特定の化合物に依存する。一
般的に、尿道収縮の阻害に選択的な化合物の場合、尿道収縮を阻害する際に使用
されるED50の量の4倍までが、血圧に実質的効果なしで投与され得る。投薬量
のさらなる改善および最適化は、せいぜい慣用な実験を使用して可能であり得る
。本発明の活性化合物は、例えば、不活性希釈剤または食用担体と共に経口投与
され得るか、または、それらはゼラチンカプセルに封入され得るか、または、そ
れらは錠剤に圧縮され得る。経口治療投与のために、本発明の活性化合物は、賦
形剤と混ぜられ、そして、錠剤、トローチ剤、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁
液、シロップ剤、ウエハース、チューインガムなどの形態で使用され得る。これ
らの調製物は活性化合物を少なくとも0.5%含むべきであるが、有効成分の量
は特定の形態に依存して変化し得、有利には一単位の重量の5%〜約70%の間
であり得る。このような組成物における活性化合物の量は、好適な投薬量が得ら
れるようなものであるが、所望の投薬量は、複数の投薬形態を投与することによ
って得られ得る。本発明に従う好ましい組成物および調製物は、経口投与単位形
態が1.0〜300mgの活性化合物を含むように、調製される。錠剤、丸剤、
カプセル剤、トローチ剤などはまた、例えば以下の成分を含み得る:微結晶セル
ロース、トラガントガムまたはゼラチンのようなバインダー;スターチ又はラク
トースのような賦形剤;アルギン酸、ソジウムスターチグリコレート、コーンス
ターチ等のような崩壊剤;ステアリン酸マグネシウム又は硬化ヒマシ油のような
滑沢剤;コロイド状二酸化ケイ素のようなグリダント(glidant);そしてスク
ロース又はサッカリンのような甘味剤を添加してよく、あるいは、ペパーミント
、サリチル酸メチル又はオレンジ香料のような矯味・矯臭剤。投与単位形態がカ
プセル剤の場合、それは、上記タイプの材料に加えて、脂肪油のような液体の担
体を含み得る。他の投与単位形態は、投与単位の物理的形態を改変する他の様々
な材料、例えば、コーティング剤を含み得る。従って、錠剤や丸剤は、糖、シェ
ラック又は他の腸溶性のコーティング剤で被覆されていてもよい。シロップ剤は
、活性化合物に加え、甘味剤としてのスクロースやある種の保存料、色素、着色
料、香料を含み得る。これらの種々の組成を調製するのに用いる材料は、使用量
において薬学的に純粋かつ毒性のないものであるべきである。非経口治療の投与
を目的とする場合、本発明の活性化合物は溶液又は懸濁液に混合され得る。これ
らの調製物は、活性化合物を少なくとも0.1%含むべきであるが、その重量の
0.5〜約30%の間で変化してもよい。そのような組成物における活性化合物
の量は、好適な薬用量が得られるものである。本発明に従う好ましい組成物およ
び調製物は、非経口投与単位が活性化合物を0.2〜100mg含むよように、
調製される。溶液又は懸濁液は次の成分を含み得る:注射用水、生理食塩水溶液
、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール又
は他の合成溶媒のような滅菌した希釈剤;ベンジルアルコール又はメチルパラベ
ンのような抗菌剤;アスコルビン酸、重亜硫酸ナトリウムのような抗酸化剤;エ
チレンジアミン四酢酸のようなキレート剤;酢酸塩、クエン酸塩又はリン酸塩の
ような緩衝液;そして塩化ナトリウム又はデキストロースのような張度調節剤。
非経口の複数回投与バイアルはガラス製でもプラスチック材料製でもよい。種々
の経路での投与に好適でありそして本発明に従う化合物を含むさらなる組成物が
また、本発明の範囲内にある。本明細書で意図される投薬形態、追加の成分およ
び投与経路は、US 4089969およびUS 5091182に開示されるものを含む。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 45/00 A61K 45/00 A61P 9/06 A61P 9/06 13/02 13/02 13/08 13/08 15/10 15/10 25/02 105 25/02 105 27/06 27/06 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,MZ,SD,SL,SZ,TZ,UG ,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD, RU,TJ,TM),AE,AG,AL,AM,AT, AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,BZ,C A,CH,CN,CR,CU,CZ,DE,DK,DM ,DZ,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH, GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,K E,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS ,LT,LU,LV,MA,MD,MG,MK,MN, MW,MX,MZ,NO,NZ,PL,PT,RO,R U,SD,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM ,TR,TT,TZ,UA,UG,UZ,VN,YU, ZA,ZW (72)発明者 リヴァ カルロ イタリア国 アイ−21100 ヴァレーゼ ヴィア ヴァルダー 10 (72)発明者 テスタ ロドルフォ イタリア国 アイ−20060 ヴィグネート ヴィア ペルティーニ 3/8 Fターム(参考) 4C071 AA01 BB01 CC11 CC21 DD15 EE13 FF17 GG02 HH08 HH28 JJ01 KK01 LL01 4C084 AA19 ZA282 ZA331 ZA361 ZA811 ZC411 ZC412 4C086 AA01 AA02 AA03 AA04 BC07 BC39 CA05 GA02 GA07 GA09 MA01 MA02 MA04 NA14 ZA33 ZA36 ZA81 ZC41 4C206 AA01 AA02 FA05 FA11 MA02 MA04 MA13 ZA33 ZA36 ZA81 ZC41

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式I: 【化1】 [ここで、 Rは、アリール、シクロアルキルまたはポリハロアルキル基を示し、 R1は、アルキル、アルコキシ、ポリフルオロアルコキシ、ヒドロキシまたはト
    リフルオロメタンスルホニルオキシ基を示し、 R2およびR3の各々は、独立して、水素またはハロゲン原子あるいはアルコキシ
    またはポリフルオロアルコキシ基を示し、そして nは、0、1または2である] を有する化合物、あるいはこのような化合物のN−オキシドまたは薬学的に許容
    される塩。
  2. 【請求項2】 Rが、フェニル、シクロヘキシルまたはトリフルオロメチル
    基を示す、請求項1に記載の化合物。
  3. 【請求項3】 R1が、メチル、メトキシまたは2,2,2−トリフルオロ
    エトキシ基を示す、請求項1または請求項2に記載の化合物。
  4. 【請求項4】 R2が、水素またはフッ素原子を示す、前記請求項のいずれ
    かに記載の化合物。
  5. 【請求項5】 R3が、水素または塩素原子あるいは2,2,2−トリフル
    オロエトキシ基を示す、前記請求項のいずれかに記載の化合物。
  6. 【請求項6】 nが1である、前記請求項のいずれかに記載の化合物。
  7. 【請求項7】 以下の化合物のいずれか1つ: ・N−{3−[4−(5−クロロ−2−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル
    ]−プロピル}−7−オキソ−5−フェニル−7H−チエノ[3,2−b]ピラ
    ン−3−カルボキサミド、 ・N−{3−[4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]−プロピル
    }−7−オキソ−5−フェニル−7H−チエノ[3,2−b]ピラン−3−カル
    ボキサミド、 ・5−シクロヘキシル−N−{3−[4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペ
    ラジニル]−プロピル}−7−オキソ−7H−チエノ[3,2−b]ピラン−3
    −カルボキサミド、 ・N−{3−[4−(2−メトキシフェニル)−1−ピペラジニル]−プロピル
    }−7−オキソ−5−トリフルオロメチル−7H−チエノ[3,2−b]ピラン
    −3−カルボキサミド、 ・7−オキソ−5−フェニル−N−{3−[4−[2−(2,2,2−トリフル
    オロエトキシ)フェニル]−1−ピペラジニル]−プロピル}−7H−チエノ[
    3,2−b]ピラン−3−カルボキサミド、 ・N−{3−[4−[2−メトキシ−5−(2,2,2−トリフルオロエトキシ
    )フェニル]−1−ピペラジニル]−プロピル}−7−オキソ−5−フェニル−
    7H−チエノ[3,2−b]ピラン−3−カルボキサミド、および ・N−{3−[4−[4−フルオロ−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシ
    )−フェニル]−1−ピペラジニル]−プロピル}−7−オキソ−5−フェニル
    −7H−チエノ[3,2−b]ピラン−3−カルボキサミド。
  8. 【請求項8】 前記請求項のいずれかに記載の化合物あるいはこのような化
    合物のN−オキシドまたは薬学的に許容される塩を、薬学的に許容される希釈剤
    または担体と合わせて含む、薬学的組成物。
  9. 【請求項9】 さらに抗コリン作動薬を含む、請求項8に記載の薬学的組成
    物。
  10. 【請求項10】 前記抗コリン作動薬が、トルテロジン(tolterodine)、
    オキシブチニン(oxybutinin)、ダリフェナシン(darifenacin)、アルバメリ
    ン(alvameline)およびテミベリン(temiverine)の1以上である、請求項9に
    記載の薬学的組成物。
  11. 【請求項11】 一般式I: 【化2】 [ここで、 Rは、アリール、シクロアルキルまたはポリハロアルキル基を示し、 R1は、アルキル、アルコキシ、ポリフルオロアルコキシ、ヒドロキシまたはト
    リフルオロメタンスルホニルオキシ基を示し、 R2およびR3の各々は、独立して、水素またはハロゲン原子あるいはアルコキシ
    またはポリフルオロアルコキシ基を示し、そして nは、0、1または2である] を有する化合物の調製方法であって、 該方法は、一般式1の7−オキソ−7H−チエノ[3,2−b]ピラン−3−カ
    ルボン酸誘導体 【化3】 [ここで、Rは、上記に定義される通りである]あるいはこのような化合物のエ
    ステル、ハロゲン化物または無水物を、一般式2のN−(ω−アミノアルキル)
    −N’−フェニルピペラジン誘導体 【化4】 [ここで、n、R1、R2およびR3は、上記に定義される通りである] と縮合することを含む。
  12. 【請求項12】 前記縮合が、縮合剤(例えば、ジシクロヘキシルカルボジ
    イミドまたはジエチルシアノホスホネート)の存在下、必要に応じて促進剤(例
    えば、N−ヒドロキシスクシンイミドまたは4−ジメチルアミノピリジンまたは
    N,N’−カルボニルジイミダゾール)の存在下、非プロトン性溶媒または塩素
    化溶媒中、10〜140℃の温度で行われる、請求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】 一般式I: 【化5】 [ここで、 Rは、アリール、シクロアルキルまたはポリハロアルキル基を示し、 R1は、アルキル、アルコキシ、ポリフルオロアルコキシ、ヒドロキシまたはト
    リフルオロメタンスルホニルオキシ基を示し、 R2およびR3の各々は、独立して、水素またはハロゲン原子あるいはアルコキシ
    またはポリフルオロアルコキシ基を示し、そして nは、0、1または2である] を有する化合物の調製方法であって、 該方法は、一般式1の7−オキソ−7H−チエノ[3,2−b]ピラン−3−カ
    ルボン酸誘導体 【化6】 [ここで、Rは、上記に定義される通りである]を、一般式H2NCH2(CH2
    nCH2X[ここで、Xは、脱離基または脱離基に容易に変換し得る基を示し、
    そしてnは上記に定義される通りである]のアミンと縮合すること、必要ならば
    、一般式3 【化7】 の得られる化合物において基XをOH基から脱離基へ変換させること、 ならびに、一般式3の化合物をフェニルピペラジン誘導体8 【化8】 [ここで、R1、R2およびR3は、上記に定義される通りである] と反応させることを含む。
  14. 【請求項14】 7−オキソ−7H−チエノ[3,2−b]ピラン−3−カ
    ルボン酸1のアミンH2NCH2(CH2nCH2Xとの縮合が、縮合剤(例えば
    、ジシクロヘキシルカルボジイミドまたはジエチルシアノホスホネート)の存在
    下、必要に応じて促進剤(例えば、N−ヒドロキシスクシンイミドまたは4−ジ
    メチルアミノピリジンまたはN,N’−カルボニルジイミダゾール)の存在下、
    非プロトン性溶媒または塩素化溶媒中、10〜140℃の温度で行われる、請求
    項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】 化合物3の前記フェニルピペラジン8との反応が、溶媒な
    しで、または極性溶媒(例えば、ジメチルホルムアミドまたはアセトニトリルま
    たはメタノール)中、20〜200℃の温度で、好ましくは塩基(例えば、炭酸
    カリウム)の存在下で行われる、請求項13または請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】 尿道または下部尿路の収縮(ノルアドレナリン関連収縮を
    含む)を予防するため、あるいは該収縮を選択的に予防するための方法であって
    、該方法は、請求項1〜7のいずれかに記載の化合物または請求項8に記載の組
    成物を、このような処置の必要がある哺乳動物(ヒトを含む)へ、個々の使用に
    有効な量で投与することを含む。
  17. 【請求項17】 実質的に前記哺乳動物の血圧に影響を及ぼすことなく、行
    われる、請求項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】 α1アドレナリン受容体を遮断するための方法であって、
    該方法は、哺乳動物(ヒトを含む)における該レセプターの周囲に、該レセプタ
    ーの過度の活性に関連する疾患を緩和するに有効な量の、請求項1〜7のいずれ
    かに記載の化合物または請求項8に記載の組成物を放出することを含む。
  19. 【請求項19】 前記レセプターの周囲における前記化合物または組成物の
    放出が、該化合物または組成物を、該レセプターを保有する哺乳動物(ヒトを含
    む)へ投与することによって行われる、請求項18に記載の方法。
  20. 【請求項20】 前立腺肥大症(BPH)に罹患する患者の処置のための方
    法であって、該方法は、有効量の請求項1〜7のいずれかに記載の化合物または
    請求項8に記載の組成物を、該患者へ投与することを含む。
  21. 【請求項21】 過剰眼内圧に罹患する患者の処置のための方法であって、
    該方法は、有効量の請求項1〜7のいずれかに記載の化合物または請求項8に記
    載の組成物を、該患者へ投与することを含む。
  22. 【請求項22】 不整脈に罹患する患者の処置のための方法であって、該方
    法は、有効量の請求項1〜7のいずれかに記載の化合物または請求項8に記載の
    組成物を、該患者へ投与することを含む。
  23. 【請求項23】 勃起不全に罹患する患者の処置のための方法であって、該
    方法は、有効量の請求項1〜7のいずれかに記載の化合物または請求項8に記載
    の組成物を、該患者へ投与することを含む。
  24. 【請求項24】 下部尿路症状(LUTS)に罹患する患者の処置のための
    方法であって、該方法は、有効量の請求項1〜7のいずれかに記載の化合物また
    は請求項8〜10のいずれかに記載の組成物を、該患者へ投与することを含む。
  25. 【請求項25】 神経性下部尿路不全(NLUTD)に罹患する患者の処置
    のための方法であって、該方法は、有効量の請求項1〜7のいずれかに記載の化
    合物または請求項8〜10のいずれかに記載の組成物を、該患者へ投与すること
    を含む。
  26. 【請求項26】 性的不全に罹患する男性または女性患者の処置のための方
    法であって、該方法は、有効量の請求項1〜7のいずれかに記載の化合物または
    請求項8に記載の組成物を、該患者へ投与することを含む。
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