JP2003506310A - ヘパリン及びアデノシドa2アゴニストの組合せで、又はアデノシンでの閉塞性末梢血管疾患及び冠状動脈疾患の治療 - Google Patents

ヘパリン及びアデノシドa2アゴニストの組合せで、又はアデノシンでの閉塞性末梢血管疾患及び冠状動脈疾患の治療

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Abstract

(57)【要約】 閉塞性末梢血管疾患及び冠状動脈疾患の治療のための組成物及び方法が開示される。その組成物及び方法は、例えば新しい血管の成長、即ち血管形成を促進することにより、及び/又は側副枝の補充により、冠状血管の閉塞に関連する疾患の治療を許容する。その方法は、アデノシンA2 レセプターアゴニスト、例えばアデノシンと、ヘパリン及び/又はヘパリン様物質と、の、数日間にわたる同時投与に関する。特に、本発明は、心筋梗塞を患う患者において側副冠状動脈循環を改善するために適用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 発明の分野 本発明は、閉塞性末梢血管疾患及び冠状動脈疾患、特に冠状血管の閉塞を治療
するための組成物及び方法に関する。より詳しくは、本発明は、新しい血管(血
管形成)、特に冠状血管の成長の促進、及び/又は心筋梗塞後の側副血管の補充
に関する。
【0002】 発明の背景 合衆国においては500万の人々が慢性の安定なアンギナに患っていると見積
もられている。毎年65歳未満の200,000の人々が“早期虚血性心疾患”
と呼ばれる病気で亡くなっている。医学的治療にかかわらず、多くの人々が心筋
梗塞及び衰弱性の症状にかかり続けており、経皮的経腔的冠状血管形成術又は冠
状動脈バイパス手術のいずれかでの再血管形成の必要がある。医学研究者は、心
筋の虚血を緩和する1つの方法は、冠状動脈の側副の循環を増強することであろ
うと仮定している。
【0003】 Fujitaら(Fujitaら、Am.Heart.Journal. 122: 453 (1991), Fujitaら、Int. J.Cardiol ., 40: 51 (1993))は、動力学的運動テストにより測定して短期間の
運動トレーニングと組み合わせたヘパリンが運動耐性を改善することを証明した
。この効果が側副血管発達の増加を介して媒介されると信ずる研究者は、冠状動
脈側副の流れへの短い同時の運動トレーニングと組み合わせたヘパリンの効果を
検査した。ヘパリン運動トレーニングの組合せの前及びその後遅くの同じ作業負
荷に関連して得られたタリウム−201心筋灌流像は、冠状動脈側副循環が増強
されたことを示した。短期間でのこのような劇的な変化は自然にはおこらず、血
管形成がおこっていることを示唆する。これらの研究者らは、更に研究を行い、
運動のみ又はヘパリンのみでは側副の発達のためには不十分の刺激であることを
証明した(Fujitaら、Am.Heart Journal, 122: 453 (1991) )。即ち、運動しヘ
パリンを組み合わせた場合にのみ、それらはこの見掛け上の血管形成応答を誘発
した。他の研究は、ヘパリンを組み合わせた運動により誘導される虚血が冠状動
脈側副の流れを増加させることを示唆している。
【0004】 最近、Quyyumi ら(Quyyumi ら、J.Am.Coll.Cardiol ., 22: 635 (1993) )は
、低分子量ヘパリン及び運動誘導性虚血での組合せ治療の抗虚血効果を研究した
。23の患者に、4週間、運動プロトコルと組み合わせてヘパリン又はプラシー
ボを与えた。プラシーボ群の31%と比べて、低分子量ヘパリン(LMWH)群
の80%が、1mmのST部分の低下で開始して速度−圧力の積を大きく増加させ
た。更に、虚血に対する時間はプラシーボ群の62%と比べてLMWH群の10
0%で増加した。この同じ集団において移動性ホルターモニターを用いて測定し
たST部分の低下の発生及びその持続は対照での0%と比べて各々30及び35
%だけ減少した。
【0005】 これらの著者らは、運動及びLMWHが心筋虚血を少なくすること及びその改
善が側副機能の増強によって媒介されるようであることを結論づけた。LMWH
Parnaparin(ヘパリンのブランドについての商標)の1回の1日の
皮下注入を与えた安定な運動誘導化狭心症を患う29の患者に関する別のダブル
ブラインドランダムプラシーボコントロール試験から同様の発見がかった。
【0006】 心筋梗塞の急性期の間の冠状動脈内血栓溶解治療の時に可視化された冠状動脈
側副血管(“側副枝”)の解剖学的外観及びクレアチンキナーゼ時間−活性曲線
、梗塞の大きさ、及び動脈瘤形成との間に相関が見られている。これらの研究は
、冠状動脈閉塞疾患での心臓の側副の保護的役割を証明し、側副枝が可視化され
なかった患者と比べてより小さい梗塞、より小さい動脈瘤形成及び心室機能の改
善を示す。
【0007】 心筋細胞が虚血した場合、側副枝は、DNA複製並びに内皮及び平滑筋細胞の
有糸分裂を伴う成長により活性的に発達する。1つの仮説は、ヘパリン結合性成
長因子が心臓に存在すること、又は生物活性が通常の生理性条件下で静止してい
ることを示唆する。虚血が進展すると、これらの因子が活性化され、レセプター
占有のために利用できるようになり、外因性ヘパリンへの露出後に血管形成を開
始し得る。不運なことに、血管形成がおこる“自然の”過程は、冠状動脈疾患を
患うほとんど全ての患者において虚血を逆転するのに不適切である。
【0008】 ヘパリン−運動組合せ治療の利益の原因は確実性をもって知られていない(No
rrby及びSorbo, Int.J.Exp.Pathol. 73; 147 (1992), Sasayama 及びFujita, Circulation , 85: 1197 (1992) )。1つの可能性は、虚血が、ヘパリンとの組
み合わせで側副の発達を刺激する特定の血管形成物質の遊離又は発現を刺激する
ことである。しかしながら、血管形成を促進するための血管形成物質とヘパリン
との間の決定的な関連は確立されていない。
【0009】 虚血の間、アデノシンがATPの分解により放出される。アデノシンは多くの
心臓保護的な生物の出来事に関与する。アデノシンは徐脈及び血管拡張のような
血行動態の変化において役割を有し、そしてアデノシンは、プレコンディショニ
ング及びおそらく再灌流傷害の減少のような関連のない現象において役割を有す
ると示唆されている。
【0010】 内在性のアデノシンの役割は、心筋の酸素要求の増加に対する冠状動脈瘤の応
答を容易にし、これにより冠状動脈瘤のたくわえを調節することができる。Ethi
erら(Ethierら、Am.J.Physiol., H131 (1993))は、生理濃度のアデノシンのヒ
トさい帯静脈内皮細胞培養物への添加が、おそらく表面レセプターを介して、増
殖を刺激することを証明した。彼らは、アデノシンが、ヒト内皮細胞増殖及びお
そらく血管形成のための因子であり得ることを示唆した。血管形成は、CADの
患者のために保護的であるようであるが、血管が自然に成長する速度はその病気
をくつがえすためには不適切である。これにより、体の自然の血管形成能力を増
強し、加速させるストラテジーは、CADの患者に有益であるはずである。
【0011】 血栓溶解剤、例えばストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ及び組織プラスミノー
ゲンアクティベーターのアデノシンとの組合せが、冠状動脈血栓溶解を供するの
に用いるために提案されている(例えば、Sollevi の米国特許第5,534,5
04を参照のこと)。Sollevi は、これらの剤が、アデノシンとの組合せにおい
ていずれかの血管形成の利益を供したことを教示していない。Sollevi は、更に
、ヘパリンの投与は危険であると教示し、かわりに、ヘパリンのかわりにアデノ
シンを投与することを教示する。
【0012】 最小限の副作用で冠状動脈血管形成の促進のための有効な治療についての必要
性がある。このような治療は、心筋梗塞の患者のために特に役立つであろうし、
虚血及び心筋梗塞の高い危険性を有する冠状動脈循環の少い患者において予防的
に用いることができよう。 発明の概要 閉塞性末梢血管疾患及び冠状動脈疾患、特に冠状血管の閉塞、並びに末梢脈管
構造及び/又は冠状血管の閉塞に関連する疾患の治療のための組成物及び方法を
開示する。また、必要な患者において、血管形成を促進し及び/又は側副血管を
補充するための組成物及び方法を開示する。その組成物は、有効量のヘパリン又
はヘパリン様物質及び有効量のアデノシンA2 レセプターアゴニストを含む。そ
の組成物は、任意に1又は複数の賦形剤を伴い、生理的に及び医薬として許容さ
れる担体に、血管形成に有効な量のヘパリン又はヘパリン様物質及びアデノシン
2 レセプターアゴニストを含む滅菌された注入可能な医薬製剤の形態であり得
る。
【0013】 その方法は、有効量のヘパリン又はヘパリン様物質及び有効量のアデノシンA 2 レセプターアゴニストの、1週間又はそれ超の期間の低い毎回の投与量での同
時投与に関する。一方又は両方の成分を、カテーテルにより局所的に送り出すこ
とができる。ヘパリン(又はヘパリン様物質)及び比較的安定なアデノシンA2 アゴニスト(即ち生体内で約15分を超える半減期を有するもの)を、適切な大
きさのリポソーム又は微小球にそれら化合物を組み込むことにより、虚血組織周
辺の毛細血管床に送り出すことができる。ヘパリンは、適切な抗体と共有結合さ
せることにより、虚血組織を標的にすることができる。
【0014】 その方法は心筋梗塞後に心臓の機能を回復させるための治療として用いること
ができる。その方法は、心筋の虚血による冠状動脈疾患又は心臓以外の領域への
不適切な血流、例えば閉塞性末梢血管疾患(末梢動脈閉塞疾患としても知られる
)であって血流の減少が問題となっている疾患の患者において血流を改善するた
めに用いることもできる。
【0015】 発明の詳細な記載 閉塞性末梢血管疾患及び冠状動脈疾患、特に冠状血管の閉塞、並びに末梢脈管
構造及び/又は冠状血管の閉塞に関連する異常の治療のための組成物及び方法を
開示する。また、必要な患者において、血管形成を促進し及び/又は側副血管を
補充するための組成物及び方法を開示する。その組成物は、有効量のヘパリン又
はヘパリン様物質及び有効量のアデノシンA2 レセプターアゴニストを含む。そ
の方法は、有効量のヘパリン又はヘパリン様物質及び有効量のアデノシンA2
セプターアゴニストの、1週間又はそれ超の期間の低い毎回の投与量での同時投
与に関する。
【0016】 定義 本明細書に用いる場合、用語“心筋(の)虚血”は、心臓の血管の能力の減少
により生ずる心筋への不十分な血液供給として定義される。 本明細書に用いる場合、用語“冠状動脈疾患”は、心筋の機能と冠状血管が正
常な機能のために十分な血流を供給する能力との間の不均衡による心臓の機能の
疾患/異常として定義される。本明細書に記載される組成物及び方法で治療する
ことができる特定の冠状動脈疾患/冠状動脈疾患に関連する異常には、心筋の虚
血、狭心症、冠状動脈瘤、冠状動脈血栓症、冠状動脈痙れん、冠状動脈疾患、冠
状動脈性心疾患、冠状動脈閉塞及び冠状動脈狭窄症がある。
【0017】 本明細書に用いる場合、用語“閉塞性末梢血管疾患”(末梢動脈閉塞性異常と
しても知られる)は、腸骨動脈を含む、頸動脈又は大腿動脈における遮断に関す
る血管疾患である。大腿動脈における遮断は痛みを引きおこし、動きを制限する
。閉塞性末梢血管疾患に関連する特定の異常は、糖尿病患者が患う糖尿病性足で
あり、これは、しばしば、足の切断を引きおこす。
【0018】 本明細書に用いる場合、用語“血管の再生”、“血管形成”、“再血管形成”
、及び“側副の循環の増加”(又はそれらと同じ意味の言葉)は、同意語として
考慮される。天然又は合成物質をいう場合の用語“医薬として許容される”は、
その物質が、許容できる毒性効果を、それよりかなり大きい有益な効果の観点に
おいて有することを意味し、それに関連する用語“生理的に許容される”は、そ
の物質が比較的低い毒性を有することを意味する用語“同時(に)投与”は、2
又はそれ超の薬剤を、それらの効果がほぼ同時に又は実質的に重複して奏される
ように、ほぼ同時に又は接近して連続的に患者に与えることを意味する。この用
語は、連続的及び同時の薬剤投与を含む。
【0019】 本明細書に用いる場合、用語“ヘパリン様物質”は、ヘパリンの機能を擬態す
る化合物をいう。これらには、ヘパリン様グリコサミノグリカン類、例えばコン
ドロイチンスルフェート;デルマタンスルフェート;ヘパリンスルフェート;低
分子量ヘパリンフラグメント、例えばアルデパリンナトリウム、デ−N−硫酸化
ヘパリン、亜硝酸脱アミノ化ヘパリン、及びペルイオデート−酸化ヘパリン;ヘ
パリン画分、及びアンモニウム、カルシウム、リチウム、ナトリウム、及び亜鉛
のようなヘパリン塩がある。ヘパリン様物質は、好ましくは、ヘパリンのものに
似た抗Xa 活性及び抗IIa 活性を供する。
【0020】 他の慣用的な抗凝固剤、例えばヒルジン、アンクロド、ワルファリン、組織プ
ラスミノーゲン因子、ストレプトキナーゼ、ウロキナーゼ及びIntegril
inTM(Cor Therapeuticsから市販)、並びにそれらの組合せはヘパリンと同等
であることを意図しない。なぜならそれらは、全体に異なるメカニズムによりそ
れらの抗凝固効果を発揮し得るからである。しかしながら、これらは、任意成分
として存在し得る。
【0021】 本明細書に用いる場合、化合物は、それがアデニレートシクラーゼを十分に阻
害することができ、競合結合アッセイにおいて〔125 I〕−AB−MECAを置
換することができるなら、アデノシンA2 レセプターのアゴニストである。その
アゴニストはA2a又はA2bレセプターに対して有効であり得る。 選択的A2 レセプターアゴニストは、50より大きいA2 /A1 活性の比及び
50より大きいA2 /A3 の比を有するものである。
【0022】 “医薬として許容される塩”は、ヘパリン、ヘパリン様物質、又はアデノシン
2 レセプターアゴニストの医薬として許容される塩をいい、その塩は、当該技
術分野において公知である種々の有機及び無機対イオンから得られ、例えば、ナ
トリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、テトラアルキ
ルアンモニウム等があり、その分子が塩基性機能性を含む場合、有機又は無機酸
の塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、酒石酸塩、メシレート、酢酸塩、マレイン
酸塩、シュウ酸塩等を、医薬として許容される塩として用いることができる。
【0023】 I.ヘパリン及びヘパリン様物質 A.ヘパリン ヘパリンは牛肉又は豚肉の肝臓から得られるポリサッカライドの異種混合物で
ある。ヘパリンの抗血栓特性についての正確なメカニズムは知られていないが、
アンチトロンビンIII への結合により機能すると信じられる。ヘパリン−アンチ
トロンビンIII 複合体は、第IIa (トロンビン)、IXa ,Xa ,XIa 、及びXII a を含む、凝固カスケード中の多数の酵素の活性を阻害する(Carterら“Enoxap
arin: The low-molecular-weight heparin for prevention of postoperative t
hromboembolic complications," Ann.Pharmacother., 27: 1223-30 (1993); Oli
n, ed. Drug Facts and Comparisons. St.Louis: Facts and Comparisons, Inc.
, 1997: 86b-g; Fareed 及びHoppensteadt, "Pharmacology of the low-molecul
ar-weight heparins," Semin.Thromb.Hemostasis. 22 (Suppl 2): 13-8 (1996)
; Fareedら“Are the available low-molecular-weight heparin preparations
the same?" Semin.Thromb.Hemostasis. 22 (Suppl 1): 77-91 (1996); 並びに
Buckley 及びSorkin, "Enoxaparin: A review of its pharmacology and clinic
al applications in the prevention and treatment of thromboembolic disord
ers," Drugs. 44: 465-97 (1992))。更に、ヘパリンは他の内因性抗血栓物質、
例えば組織因子経路インヒビター及び組織プラスミノーゲンアクティベーターの
遊離を誘導する。
【0024】 ヘパリンの有効投与量は、患者間で極めて広範囲で種々であり得る。長期にわ
たってヘパリンを投与された患者の少い割合の人は、ヘパリン誘導化血小板減少
(HIT)を進展させる。この理由のため、少くとも特定の患者については、ヘ
パリンのかわりにヘパリン様物質を投与することが有利であり得る。適切なヘパ
リン様物質は以下に詳細に開示される。
【0025】 B.コンドロイチンスルフェート コンドロイチンスルフェートは、交互にウロン酸及びN−アセチル−D−ガラ
クトサミン残基を含むガラクトサミノグリカン(GAGS)として知られる構造
的に複雑な硫酸化直鎖ポリサッカライドである。コンドロイチンスルフェートは
細胞表面上及び細胞外マトリックス内に局在化しており、細胞間連絡において重
要である。それらは、単球/マクロファージにより生産されるプロテオグリカン
を含む支配的なGAGSである。
【0026】 コンドロイチンスルフェートA(CSA)は、1→4結合により次のグルクロ
ン酸に結合した4−O−硫酸化N−アセチル−D−ガラクトサミンに1→3結合
した非硫酸化グルクロン酸を含む。デルマタンスルフェート又はβ−ヘパリンと
しても知られるコンドロイチンスルフェートBは、それがグルクロン酸のかわり
にイズロン酸を含むことを除いてCSAと似ている。コンドロイチンスルフェー
トC(CSC)は、6−O−スルフェート基を有し、コンドロイチンスルフェー
トEは、CSAに見られる4−O−スルフェートのかわりにN−アセチル−D−
ガラクトサミン上に4,6−ジ−O−スルフェートを有する。適切なコンドロイ
チンスルフェートには、その内容が引用により本明細書に組み込まれる。Bjorns
son ら、“The Anticoagulant Effect of Chondroitin-4-Sulfate, Thromb Res ., 27: 15-21 (1982); 米国特許第3,895,106号(Morrison)、Mazier
esら、“Chondroitin sulfate in the treatment of gonarthrosis and coxarth
rosis," Rev.Rhum.Mal.Osteoartic., 59: 466-72 (1992); 及びNadkarniら、“
Preparation and biological activity of N-sulfonated chondroitin and derm
atan sulfate derivatives," Carbohydrate Res., 290: 87-96 (1996 )に記載
されるものがある。
【0027】 C.デルマタンスルフェート ββ−ヘパリン又はコンドロイチンスルフェートBとしても知られるデルマタ
ンスルフェートは、1,3及び1,4結合により連結されたウロン酸→N−アセ
チル−D−ガラクトサミンジサッカライドのくり返しからなるポリサッカライド
である。それは、グルクロノシル→ガラクトシル→ガラクトシル→キシロシル結
合領域の反復から構成されるポリマーとして最初に形成される。その生合成にお
いて、D−グルクロン酸残基のいくつかはC−5でエピマー化され、それらをL
−イズロン酸残基に交換し、次にそれを主にC−4であるがC−6でもO−硫酸
化される。デルマタンスルフェートはそれが血漿内で形成される場合、トロンビ
ンの阻害を触媒することにより抗凝固剤として機能する。それは、トロンビンを
阻害するが止血に関連する他のプロテアーゼを阻害しない血漿プロテアーゼイン
ヒビターであるヘパリン補因子II(HCII)を特異的に活性化する。HCIIは、
インヒビターへの結合のために要求されるオクタサッカライド配列を含む12又
はそれ超の残基の長さの画分によって活性化される。
【0028】 適切なデルマタンスルフェートには、その内容が引用により本明細書に組み込
まれるTollefsen, "Heparin and Related Polysaccharides," Lane DA, Bjoeoer
k 1, Lindahl U (Eds), Plenum Press, New York, pp 167-76 (1992), Van Gorp
, "Heparins and Structurally-Related Glycosaminoglycans," Clin.Hemost.Re v. 9: 17-8 (1995); 及びNadkarniら、“Preparation and biological activit
y of N-sulfonated chondroitin and dermatan sulfate derivatives," Carboh ydrate Res., 290: 87-96 (1996 )に開示されるものがある。
【0029】 D.デルマタンスルフェート誘導体 ネイティブのデルマタンスルフェート(DS)はヘパリンより優れた抗凝固剤
であり、表面に結合したトロンビンの阻害を、より容易にすることができる。D
Sの特定のヘパリン補因子II(HCII)媒介抗トロンビン(IIa )活性は、1つ
のデルマタンスルフェートであるインチマタン(CL−03135)において大
きく増加している。
【0030】 インチマタンのスミス分解は、そのHCII媒介抗IIa 活性のほとんどを完全に
有し、及びアルデヒド末端基を有するフラグメント(インチマタンRD)を供す
る。RDは一級アミンと反応して、シアノホウ化水素ナトリウムでの還元により
安定な2級アミンに変換することができる不安定なシッフ塩基を供する。インチ
マタンの抗IIa 活性は60u/mg未満であるが、RDの活性は40u/mg未満で
ある。
【0031】 E.ヘパランスルフェート ヘパリチンスルフェート又はヘパリンモノスルフェートとしても知られるヘパ
ランスルフェートは、直鎖であり、主に分離した様式で配列したN−アセチル化
〔→4)α−D−GlcNpS−(1→4)−ββ−D−GlcAp又はα−L
−IdoAp(1→〕からなるポリサッカライドを記述する一般的用語である。
その全ポリマーの約25%は、2つのジサッカライド単位、→4)α−D−Gl
cNps(1→4)UAp(1→4)α−D−GlcNpAc(1→4)UAp
(1→4)α−D−GlcAp(1→の交互の配列により最初に形成される。そ
のポリマーは、テトラサッカライド:グルクロノシル→ガラクトシル→ガラクト
シル→キシロシル結合領域を介してコアタンパク質のセリン残基に結合した→4
)α−D−GlcNpAc(1→4)−ββ−D−GlcAp(1→のくり返し
として形成される。それは次に、部分的N−脱アセチル化、次に新しく露出した
アミノ酸のN−硫酸化、D−GlcApからL−IdoApへの部分的C−5エ
ピマー化及びO−硫酸化が行われる。O−スルフェートは、スルフェート残基の
クラスター化並びにヘパリンスルフェートの化学組成及び荷電密度の不均一性を
増加させるN−スルフェートの近くに常に見い出される。適切なヘパリンスルフ
ェートは、例えばその内容が引用により本明細書に組み込まれる、Griffin ら、
“Isolation and characterization of heparan sulfate from crude porcine i
ntestinal mucosa peptidoglycan," Carbohydrate Res., 276: 183-197 (1995
)に開示される。
【0032】 F.ヘパリン誘導体 非分画ヘパリンの、亜硝酸での脱アミノ的加水分解は、還元末端基として2,
5−無水−D−マンノース(AM)で終わるジ−、テトラ−、ヘキサ−及びより
高次のサッカライドの形成を伴い、N−硫酸化グルコサミン残基のグリコシド結
合を選択的に開裂する。その末端のAM残基はホウ化水素ナトリウムで安定化す
るか、還元的アミノ化によりアミノ化表面に結合させることができる。
【0033】 ペルイオデートは、両方の隣接する炭素がヒドロキシル基、又はヒドロキシル
基及びアミノ基を有するなら、炭素−炭素結合の開裂を引きおこす。ヘパリン内
の非硫酸化ウロン酸残基はペルイオデート酸化又はスミス分解に対して感受性で
ある。ペルイオデート酸化ヘパリンからのフラグメントは亜硝酸分解により得ら
れるものより大きく、非硫酸化ウロン酸の比較的低い含有量を反映する。アルデ
ヒド(CHO)成分を含むこれらのヘパリンは、有機アミンで可逆的なシッフ塩
基反応を受け、シアノホウ化水素ナトリウムで処理した場合に、そのシッフ塩基
中間体が還元されてその対応するアミンになり、不可逆的な結合を形成すること
ができる。これら両方の場合、ATIII 結合部位は機能的に完全なまま残る。
【0034】 適切なヘパリン誘導体は、例えば引用により本明細書に組み込まれる、Kosaka
i ら“Isolation and Characterization of Sulfated Disaccharides from the
Deamination Products of Porcine Heparin," J.Biochem., 83: 1567-75 (1978
); Braswell, "Heparin: Molecular Weight and Degradation Studies," Biochi m.Biophys.Acta , 158: 103-106 (1968); Fransson 及びLewis, "Relationship b
etween anticoagulant activity of heparin and susceptibility to periodate
oxidation," FEBS Lett., 97: 119-23 (1979); Nagasawa及びInoue, "De-N-s
ulfation," Meth.Carbohydrate Chem., VIII: 291-4 (1980); 並びにLiu ら、
“New Approaches for the Preparation of Hydrophobic Heparin Derivatives,
" J.Pharm.Sci. 83: 1034-1039 (1984)に記載される。
【0035】 G.ヘパリン画分 ヘパリン構造の多くは反復するトリ硫酸化ジサッカライドとして表すことがで
きる。三硫酸化グルコサミン残基を含むペンタサッカライドは、アンチトロンビ
ンIII に特異的に結合するブタ腸粘膜ヘパリンの提案される構造を表す。非分画
ヘパリン中のヘパリンの3分の1はこの構造を含む。その残りの70%はATII
I 依存性抗凝固活性を有さないが、ヘパリン補因子IIを介してトロンビンの阻害
を媒介する。ペンタサッカライド配列自体は構造的にトロンビンを阻害すること
ができない。なぜなら少くとも18のサッカライドの分子がヘパリンのATIII
及びトロンビンへの同時の結合のために必要とされるからである。非分画ヘパリ
ンと比べて、画分は、トロンビン及び抗第Xa 因子活性のATIII 媒介性阻害が
減少又は増加している。
【0036】 適切なヘパリン画分は、例えば、引用により本明細書に組み込まれる、Choay
ら“Structural studies on a biologically-active hexasaccharide obtained
from heparin," Ann. NY Acad.Sci., 370: 644 (1981); 及びLaurent ら、“Th
e molecular weight dependency of the anticoagulant activity of heparin,"
Biochem.J., 175: 691 (1978 )に開示される。
【0037】 H.ヘパリンフラグメント ヘパリンフラグメントは、(i)ヘパリナーゼが、非還元端に4,5−不飽和
ウロン酸を有するオリゴサッカライドの形成を伴って、N−硫酸化グルコサミン
及びウロン酸の間の非分画化ヘパリン結合を開裂すること;(ii)ヘパリンのイ
ズロン酸カルボキシ基のエステルが、非還元端での4,5−不飽和ウロン酸の形
成を伴ってアルカリpHでββ−除去にかけられること;(iii )ヘパリンの非硫
酸化ウロン酸残基を、亜硝酸又はペルイオデートのいずれかでの酸化により開裂
し、次に生じたアルデヒドをボロヒドリドで還元し、そしてマイルドな酸性条件
下で加水分解することにより非硫酸化ウロン酸の残存物を伴い末端基を作り出す
こと;(iv)ヘパリンのグリコシド結合を、酸化−還元脱重合として知られる過
酸化水素を用いるラジカルメカニズムにより開裂し、還元端基を有するフラグメ
ントを作り出すこと;並びに(v)ヘパリン鎖を、硫酸及びクロロスルホン酸の
混合物の作用により硫酸化と同時に開裂すること、における酵素的又は化学的開
裂の結果である。
【0038】 低分子量ヘパリン(LMWH)は、慣用的なブタ由来ヘパリンのフラグメント
である。LMWHは、酵素機能のより選択的な阻害を供し、逆効果を減らすため
に開発された。ヘパリンフラグメンテーションは、第Xa 因子に対する活性を維
持し、抗血栓因子を遊離するが、第IIa 因子に対してかなり少い活性しか有さな
い産物を作り出す。結果として、LMWHでの処理は、少い抗凝固効果で出血の
危険性を減らしながら抗血栓効果を供する。
【0039】 非分画化ヘパリンに比べて、LMWHは、トロンビン阻害を長く行う能力の減
少及び第Xa 因子を阻害する能力の増加を示し、それにより抗血栓効果の改善に
寄与する。アンチトロンビンIII (ATIII )結合のための最少の大きさはペン
タサッカライドである。しかしながら、ペンタサッカライド−ATIII 複合体は
、5400D未満のヘパリンオリゴサッカライドがトロンビンのための補因子活
性を有さないので、第Xa 因子のみを阻害し、トロンビンを阻害しない。研究は
、血栓症発達の速度又は合併症を比べた時に、LMWHがヘパリンとして同様の
効能を示すことを示している。
【0040】 LMWHを用いる1つの利点は、ヘパリンに関する出血及びHITを減少させ
ることである。 合衆国において現在、販売され、活動的に研究されているいくつかのLMWH
製品がある。これらには、EnoxaparinTM(Rhone-Poulene Rorer ),
DalteparinTM(Pharmacia & Upjohn),ArdeparinTM(Wyet
h-Ayerst)及びCentaxarin(登録商標)FHがある。Centaxa
rin(登録商標)FH(アルデパリンナトリウム、ML−009723)は、
FDA Drug Master File 7952 に従う、ブタ粘膜ヘパリン酸の酸化−還元膜重合に
より得られるLMWHのナトリウム塩である。
【0041】 EnoxaparinTMは、皮下注入によって局所的に投与される。推奨され
る成人投与量は1日2回、30〜40mgである。DalteparinTMはEn
oxaparinTMより長い排泄半減期を有し、1日1回の投与を許容する。E
noxaparinTM同様、DalteparinTMは皮下に投与される。その
投与量は抗Xa 活性の単位に基づく。DalteparinTMについての推奨さ
れる成人の投与量は、1日1回の2,500〜5,000抗第Xa 因子ユニット
である。ArdeparinTMは患者の体重に基づいて投与される。その推奨さ
れる成人投与量は12時間毎に1kg当り50抗Xa ユニットである。ジサッカラ
イド分析は、“内部”ヘパリン構造を実質的に保持し、いずれの“改変された”
残基もなく、LMWHとしてFHを定量する。
【0042】 他の適切なヘパリンフラグメントには、その内容が、引用により本明細書に組
み込まれる、Fareedら、“AT-III Dependence on the biochemical and pharmac
ologic actions of a low molecular weight heparin," Thromb.Haemostas., 6
9: 1269 (1993); Schaeaeferら、“Anticoagulant and lipasemic profile of a
new low molecular weight heparin fragment in man," Thromb.Haemostas. 6
9: 2402 (1991); 並びにMalinowskiら、“Comparative pharmacologic studies
on a new low molecular weight heparin (ML-009723) and Enoxaparin," Thro mb.Haemostas. 69: 1260 (1993 )に開示されるものがある。
【0043】 I.ヘパリン塩 通常、ブタ腸粘膜から得られるヘパリン塩は、鎖の長さが極めて多様で、硫酸
化の程度及び型が不均一である。ヘパリン塩は強い陰イオン性の多価電解質であ
り、微小イオンの結合及び遊離に関する機能において有効である。 ヘパリンは、一価陽イオン、例えばナトリウム、及び二価陽イオン、例えばカ
ルシウムの両方と塩を形成することができる。二価陽イオン、例えばカルシウム
は1価対イオンよりヘパリンに強力に結合する。
【0044】 J.ヘパリン様物質の混合物 ヘパリン様物質の混合物を用いることができる。このような混合物の一例はD
anaparoidTMナトリウムである。Danaparoidナトリウムは、
ヘパリン治療からヘパリン誘導化血小板減少(HIT)を進展させる患者におい
てかわりの抗凝固剤である。Danaparoidは、ブタ腸粘膜由来の低分子
量ヘパリノイドである。その活性成分は、ヘパリンスルフェート、デルマタンス
ルフェート及びコンドロイチンスルフェートからなる。Danaparoidと
他の低分子量ヘパリン(LMWH)との差は、Danaparoidはヘパリン
又はヘパリンフラグメントがないことである。しかしながら、LMWHと同様、
それは、主に、第Xa 因子及びかなり少い程度、トロンビンの抗トロンビンIII
媒介性阻害を介してその抗血栓効果を発揮する。Danaparoidのヘパリ
ン誘導化抗体との交差反応は10%より少いと報告されている。
【0045】 K.標的化ヘパリン及びヘパリン様物質 ヘパリン及びヘパリン様物質は、高アフィニティーフィブリン抗体DD−3B
6/22のような抗体で、ヒト血栓を標的にすることができる。多機能標的化抗
凝固剤を血栓に結合させることにより、トロンビンの第Xa 因子依存性生産のよ
うな血栓関連のプレコアギュラント活性の他の成分を阻害し、血小板活性化を阻
害することができる。種々のモノクローナル抗体(例えばDD−3B6/22)
が開発されており、それらは、しばしば比較的高アフィニティー(10-9M又は
それ未満のオーダー)でクロットのその場で見い出される架橋されたフィブリン
に結合する。(例えば、その内容が引用により本明細書に組み込まれるJ.Nuc.Me d 35: 195〜202 (1994 )を参照のこと。) L.他の抗凝固剤 以下に議論する抗凝固剤は、ヘパリン様物質として解釈することを意図せず、
本発明の目的のためのヘパリン又はヘパリン様物質について等価でない。しかし
ながら、これらは、任意に本組成物内に含まれ、本明細書に開示される方法に用
いることができる。
【0046】 アンクロッド(Ancrod)はヘビ毒由来の抗凝固剤である。アンクロッド
はヘパリン誘導化抗体と交差反応しない。しかしながら、患者は、経時的に中和
性抗アンクロッド抗体を発達させることができる。アンクロッドはフィブリノー
ゲンレベルを減少させ、それにより、血漿粘度を減少させる。それはトロンビン
を阻害せず、特定のHIT患者、特に播種性血管内凝固(DIC)又は敗血症を
有する患者においてその使用を制限し得る。
【0047】 ワルファリンは、別の広く用いられる抗凝固剤である。ワルファリンは十分な
抗凝固効果のために5日までかかる比較的ゆっくりとした作用の始まりである。 ヒルジンは、ヒルの唾液中の活性な抗凝固剤である。ヒルジン及びそのペプチ
ドアナログ、ヒルログ及びアルガトロバンも抗凝固剤として一般に用いられる。 他の広く用いられる血栓溶解剤又は血小板阻害物質には、ストレプトキナーゼ
、ウロキナーゼ、組織プラスミノーゲンアクティベーター、アセチルサリチル酸
、クマジン、クナリン、及びジピリダモルがある。
【0048】 上述の抗凝固剤はヘパリン及びヘパリン様物質に関して先に議論されるように
標的化することもできる。 II.アデノシンレセプターアゴニスト A1 ,A2 及びA3 として分類される3つの主なクラスのアデノシンレセプタ
ーは薬理学的にキャラクタライズされている。A1 レセプターは、Giタンパク
質を介してアデニレートシクラーゼの阻害に関連しており、イオンチャンネルの
ホスホイノシトールターンオーバーの阻害又は刺激及びイオンチャンネルの活性
化を含む、他のセカンドメッセンジャーにつながっていることも示されている。
2 レセプターは、2つのサブタイプA2A及びA2Bに更に分けられ、ここでアデ
ノシンアゴニストは、各々高及び低アフィニティーでアデニレートシクラーゼを
活性化する。A3 レセプター配列は新規の機能的なアデノシンレセプターに対応
する。
【0049】 アデノシンは、非特異的様式で全部で4つのアデノシンレセプター部位に結合
する。アデノシンは、それは比較的低投与量で有効であるが、生体内で比較的短
い半減期を有する。一実施形態において、アデノシン溶液は、要求される効果を
発揮するために長期にわたって静脈内に投与される。1週間又はそれ超にわたる
アデノシンの慢性的投与は、ヘパリン又はヘパリン様物質の同時投与により増加
する血管形成効果を有する。
【0050】 A2a及びA2bレセプターにおけるアゴニズムは血管形成効果の原因である
。これらのレセプターについて高アフィニティー及び選択性を有するアデノシン
レセプターアゴニストが開発されている。適切なA2 アゴニストには、2−〔p
−(2−カルボキシエチル)フェネチル−アミノ〕−5′−N−エチルカルボキ
シアミドアデノシン(CGS−21680)、選択的アデノシンA2 −レセプタ
ーアゴニスト、4−〔2−〔〔6−アミノ−9−(N−エチル−b−D−リボフ
ラヌロナミドシル)−9H−プリン−2−イル〕アミノ〕エチル〕ベンゼンプロ
ピオン酸、選択的アデノシンA2 レセプターアゴニスト、及びCV−1808(
Glaxo Wellcome)がある。他のA2 アゴニストには、その内容が引用により本明
細書に組み込まれる、Niiya ら、J.Med.Chem., 35: 4557-4561 (1992); Ueedaら
J.Med.Chem., 34: 1340-1344 (1991), Niiyaら、J.Med.Chem., 35: 4562-4566
(1992) 、及びUeeda ら、J.Med.Chem., 34 (4): 1334-1339 (1991)に記載され
るものがある。
【0051】 アデノシンA1 及びA3 レセプターアゴニストの使用は、心臓保護に関連する
。従って、本組成物は、アデノシンA2 レセプターアゴニストに加えて、A1
びA3 レセプターアゴニストを任意に含み得る。適切なA1 アゴニストには、N 6 −シクロペンチルアデノシン(CPA)、選択的アデノシンA1 レセプターア
ゴニスト、2−クロロアデノシン、CPA,R−PIA,GR79236(Glax
o Wellcome)がある。適切なA3 アゴニストには、IB−MECA(1−デオキ
シ−1−〔6−〔〔(3−イオドフェニル)メチル〕アミノ〕−9H−プリン−
9−イル〕−N−メチル−β−D−リボフラヌロナミド)、選択的A3 アデノシ
ンレセプターアゴニスト、R−PIA〔(R)−N6 −(フェニルイソプロピル
)アデノシン〕、及びNECA(5′−N−エチルカルボキサミドアデノシン)
(Glaxo Wellcome)がある。
【0052】 他のアデノシンレセプターアゴニストには、その内容が引用により本明細書に
組み込まれる、米国特許3,819,612、3,819,613、4,954
,504、5,034,381、5,063,233、5,140,015、5
,278,150、及び5,593,875に教示されるものがある。 治療の方法 アデノシンA2 レセプターアゴニスト並びにヘパリン及び/又はヘパリン様物
質は、必要な患者において血管形成を促進するための方法に用いることができる
。その方法は、有効量のヘパリン又はヘパリン様物質及び有効量のアデノシンA 2 レセプターアゴニストを、1週間又はそれ超、低い毎日の投与量で同時に投与
することに関する。その方法は、心筋梗塞後に心臓の機能を回復させるための処
理として用いることができる。その方法は、心筋虚血から生ずる冠状動脈疾患又
は心臓以外の領域への不適切な血流、例えば血流の減少が問題になる、末梢血管
疾患、例えば末梢動脈閉塞性疾患の患者において血流を改善するために用いるこ
ともできる。
【0053】 本化合物は、経口、直腸、局所又は非経口(皮下、筋内及び静脈内を含む)投
与を含む、化合物を投与するのに適したいずれかの医学的に許容される手段を介
して投与することができる。この理由のため、静脈内に投与することが好ましい
。しかしながら、かなり長い半減期を用し、他の手段を介して投与することがで
きるアデノシンA2 アゴニストが開発されている。ヘパリン及びヘパリン様物質
は、例えば静脈内又は皮下投与により投与することができる。
【0054】 特定の実施形態において、アデノシンA2 レセプターアゴニスト及びヘパリン
又はヘパリン様物質は、異なる投与の手段を介して投与される。例えば、ヘパリ
ン又はヘパリン様物質は、1日1回の皮下注入で投与することができ、アデノシ
ンA2 レセプターアゴニストは、所定の期間、静脈内に投与することができる。 血管形成を刺激するのに有効であるために必要なアデノシンA2 レセプターア
ゴニスト及びヘパリン又はヘパリン様物質の量は、もちろん、治療する個体によ
り種々であり、最終的には医師の判断による。考慮すべき因子には、治療すべき
患者の条件、用いる特定のアデノシンA2 レセプターアゴニストの効能、その製
剤の性質、及び患者の体重がある。ヘパリン又はヘパリン様物質及びアデノシン
2 レセプターアゴニストの閉塞治療投与量は、要求される効果を供するいずれ
かの投与量である。しかしながら、ヘパリン(又はヘパリン様物質)及びアデノ
シンA2 レセプターアゴニストの適切な閉塞治療投与量は、10日間の、約50
00〜約10,000U/dのヘパリン及び約40mg〜約80mgのアデノシンA 2 レセプターである。ヘパリン(又はヘパリン様物質)及びアデノシンA2 レセ
プターアゴニストを同時に投与することができるが、好ましくは、ヘパリン(又
はヘパリン様物質)は、アデノシンA2 レセプターアゴニストの投与を始める約
20分前に、ボーラスとして与えられる。
【0055】 典型的には、ヘパリンを用いる場合、それは、アデノシンA2 レセプターアゴ
ニスト投与前約15分に、約15,000Uのボーラスとして注入される。アデ
ノシンをアデノシンA2 レセプターアゴニストとして用いる場合、約140μg
/kg/分(体重に基づく)の速度で約5〜約8分間、注入される。これにより、
80kgの患者のための全投与量は約67mgである。この投与管理は、約10日間
、くり返される。アデノシンA2 レセプターアゴニスト−ヘパリン注入は、他の
より侵入的かつ高価な治療、例えば血管形成術又は冠状動脈バイパス移植手術(
CABG)のかわりに、徴候的な冠状動脈疾患の患者において血管形成を刺激す
るために用いることができる。
【0056】 ヘパリン様物質及びアデノシン以外のアデノシンA2 レセプターアゴニストの
ための有効な投与量は当業者に公知であり、特定の場合において、先に記載され
ている。一般に、ヘパリン様物質のために、有効投与量は、0.5〜1.0ユニ
ット/mlの間の抗Xa レベルを維持する量である。この範囲は、逆効果を回避し
ながら抗凝固活性を最適化することが示されている。アデノシン以外のアデノシ
ンA2 レセプターアゴニストについての適切な有効投与量は、典型的には、1日
当り体重1kg当り約0.1μg〜約10mgの範囲、好ましくは1日当り約1mg/
kg〜約3mg/kgの範囲である。
【0057】 アデノシンA2 レセプターアゴニストは、いずれかの薬理的及び医薬として許
容される形態で患者に投与することができる。好ましくはアゴニストは、連続的
静脈内注入を介して、より好ましくは、等張、水性溶液において投与される。ヘ
パリン(及び/又はヘパリン様物質)及びアデノシンA2 レセプターアゴニスト
の両方は、滅菌した、緩衝した、希釈水溶液で投与することができる。好ましく
は、防腐剤、安定剤、及び酸化防止剤のような賦形剤をこれらの溶液に添加され
る。原型アデノシンA2 レセプターアゴニストであるアデノシン自体はいくつか
のソース、例えば商標Adenoscan(登録商標)でFujisawaから得ること
ができる。同様に、ヘパリン及びヘパリン様物質、例えばヘパリンナトリウムの
医薬形態も直ちに利用できる。
【0058】 全体の1日の投与量は、単一投与、複数投与、例えば1日2〜6回、又は選択
された持続時間、静脈内注入により与えることができる。上述の範囲より上又は
下の投与量は本発明の範囲内にあり、要求及び必要に応じて、個々の患者に投与
することができる。例えば、75kgの哺乳動物において、アデノシンA2 レセプ
ターアゴニストのための投与範囲は、1日当り約75mg〜約220mgであろうし
、典型的な投与量は、1日当り約150mgであろう。分離した複数の投与量で行
うなら、治療は、1日当り50mgの化合物を3回、となる。一実施形態において
、アデノシンA2 アゴニスト単独が、ヘパリン又はヘパリン様物質の同時投与の
必要なく、有益な効果を引きおこす。
【0059】 製剤 上述の化合物は、好ましくは、投与の態様のための許容される担体と一緒に、
アデノシンA2 レセプターアゴニスト並びにヘパリン及び/又はヘパリン様物質
を含む製剤において投与される。当業者に一般に知られているような意図した使
用のために適した活性成分を含むいずれかの製剤又はドラッグデリバリーシステ
ムを用いることができる。経口、直腸、局所又は非経口(皮下、腹腔内、筋内及
び静脈内)投与のための適切な医薬として許容される担体は当業者に知られてい
る。その担体は、その製剤の他の成分に適合し、その受容体に対して有害でない
程度で医薬として許容されなければならない。
【0060】 非経口投与のために適した製剤は、便利には、好ましくは受容者の血液と等張
である活性化合物の滅菌水性調製物を含む。これにより、このような製剤は、便
利には、蒸留水、蒸留水中5%デキストロース又は塩類溶液を含み得る。有用な
製剤は、適切な溶媒での希釈により上述の非経口的投与に適した溶液を供する式
(I)の化合物を含む濃縮液又は固体も含む。
【0061】 腸内投与のために、化合物は、各々が所定の量の活性化合物を含む、カプセル
、カシェ剤、錠剤又はロゼンジのような分離した単位で不活性担体に組み込むこ
とができ;粉末又は顆粒として;又は水性液もしくは非水性液中の懸濁液もしく
は溶液、例えばシロップ、エリキシル、エマルション又は頓服水剤であり得る。
適切な担体は、デンプン又は糖であり得、滑剤、香料、バインダー、及び同じ性
質の他の材料を含む。
【0062】 錠剤は、任意に1又は複数の補助成分を伴い、圧縮又は成形によって調製する
ことができる。圧縮された錠剤は、適切な機械で、補助成分、例えばバインダー
、滑剤、不活性希釈剤、表面活性又は分散剤と混合した、活性化合物を自由に流
れる形態、例えば粉末又は粒子を圧縮することにより調製することができる。成
形された錠剤は、適切な機械において粉状にした活性化合物のいずれかの適切な
担体との混合物を成形することによって作ることができる。
【0063】 シロップ又は懸濁液は、糖、例えばスクロースの濃縮水溶液に活性化合物を加
えることにより作ることができ、それには、いずれかの補助成分を加えることも
できる。このような補助成分は、芳香剤、糖の結晶化を遅らせるための剤、又は
いずれかの他の成分の溶解度を増加させるための剤、例えば多価アルコール、例
えばグリセロール又はソルビトールを含み得る。
【0064】 直腸投与のための製剤は、坐剤ベースのための慣用的な担体、例えばココアパ
ウダー又はWitepsol S55(Dynamite Nobel Chemical, Germany)を
伴い、坐剤として供することができる。 あるいは、本化合物は、リポソーム又はミクロスフィア(又は微小粒子)で投
与することができる。患者に投与するためのリポソーム及びミクロスフィアを調
製するための方法は当業者に公知である。その内容が引用により本明細書に組み
込まれる米国特許第4,789,734号は、生物材料をリポソーム中に被包す
るための方法を記述する。本質的には、その材料は、水溶液に溶かされ、適切な
リン脂質及び脂質が必要に応じて界面活性剤と共に添加され、そして必要に応じ
てその材料が透析され、音波処理される。周知の方法の報告は、G.Gregoriadis,
Chapter 14, "Liposomes", Drug Carriers in Biology and Medicine , pp.287
〜341 (Academic Press, 1979 )により供される。
【0065】 ポリマー又はタンパク質から形成されたミクロスフィアは当業者に公知であり
、胃腸管を介しての直接の血流への通過のために調整することができる。あるい
は、本化合物は、ミクロスフィアに組み込まれても、又は数日〜数ヶ月の範囲の
期間にわたってゆっくり放出させるためにミクロスフィアの複合物が移植されて
もよい。例えば、その内容が引用により本明細書に組み込まれる。米国特許第4
,906,474、4,925,673及び3,625,214号を参照のこと
【0066】 一実施形態において、ヘパリン又はヘパリン様物質及び/又はアデノシンA2 アゴニストは、静脈内投与後に毛細血管床にとどまるのに適した大きさであるリ
ポソーム又は微小粒子に調剤することができる。リポソーム又はミクロスフィア
を虚血組織周辺の毛細血管床にとどまらせる場合、その剤は、それらが最も有効
であり得る部位に局所的に投与することができる。虚血組織を標的にするための
適切なリポソームは、一般に、約200ナノメーター未満であり、典型的には、
その内容が引用により本明細書に組み込まれる、“Liposomal targeting of isc
hemic tissue”との表題のBaldeschwellerの米国特許5,593,688号に開
示されるように、ユニラメラ小胞でもある。
【0067】 好ましい微小粒子は、ポリグリコリド、ポリラクチド及びそれらのコポリマー
のような生分解性ポリマーから調製されるものである。当業者は、薬剤放出の要
求される速度及び要求される投与量を含む、種々の因子により、適切な担体シス
テムを直ちに決定することができる。 一実施形態において、製剤は、血管の内側に直接、カテーテルを介して投与さ
れる。投与は、例えば、カテーテル中の穴を介して行うことができる。これらの
活性化合物が比較的長い半減期(1日〜1週間又はそれ超のオーダー)を有する
実施形態において、製剤は生分解性ポリマーヒドロゲル、例えばHubbell らの米
国特許第5,410,016号に開示されるものに含まれる。これらのポリマー
ヒドロゲルは、組織の腔の内側に送り出し、ポリマーが分解するにつれて経時的
に活性化合物が放出され得る。必要に応じて、ポリマーヒドロゲルはその中に分
散された活性化合物を含む微小粒子又はリポソームを有し、活性成分の制御され
た放出のための別のメカニズムを供する。
【0068】 製剤は、便利には、単位投与型で供することができ、医薬の分野で公知である
方法のいずれかによって調製することができる。全ての方法は、活性化合物を1
又は複数の補助成分を構成する担体に会合させるステップを含む。一般に、製剤
は、活性成分を液体担体又は細かく分割した固体担体に均一かつ親密に会合させ
、次に、必要に応じてその産物を要求される単位投与型に成形することにより調
製される。
【0069】 製剤は、任意に、付加的成分、例えば種々の生物活性物質、例えば成長因子(
例えばTGF−β、塩基性繊維芽細胞成長因子(bFGF)、上皮成長因子(E
GF)、トランスホーミング成長因子α及びβ(TGFα及びβ)、神経成長因
子(NGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、及び脈管内皮成長因子/脈管
透過性因子(VEGF/VPF))、抗ウイルス剤、抗細菌剤、抗炎症剤、免疫
抑制剤、鎮痛剤、脈管形成剤、細胞接着剤(CAM’s)、及びヘパリン又はヘ
パリン様物質以外の抗凝固剤を含み得る。
【0070】 上述の成分に加え、製剤は、医薬製剤の分野で利用される1又は複数の任意補
助成分、例えば希釈剤、緩衝剤、芳香剤、バインダー、表面活性剤、シックナー
、滑剤、懸濁剤、防腐剤(例えば酸化防止剤)等を更に含み得る。 化合物についての活性の程度の測定 化合物の活性は、以下のアッセイのいずれかを用いて、少くとも慣用的な実験
を用いて、直ちに決定することができる。
【0071】 A.ヘパリン又はヘパリン様物質 ヘパリン様物質のHCII媒介性抗IIa 活性は、サンプル溶液を、精製されたH
CII及びトロンビンとインキュベートすることにより精製システムにおいて決定
することができる。色原物質を加えることができ、アミド分解トロンビン活性は
、405nmで測定することができる。
【0072】 B.アデノシンレセプターアゴニスト 各々のアデノシンレセプターのためのアデノシンレセプターアゴニストの活性
及び選択性は、以下のアッセイのいずれかを用いて、少くとも慣用的な実験を用
いて直ちに決定することができる。 結合アッセイ 原型のアロステリックエンハンサーPD81.723(Bruns ら、Mole.Pharm
., 38: 939 (1990), Caoら、Gen Pharmac. 26: 1545 (1995)、及びAmoah-Apraku
ら、J.Pharm.Exper.Ther. 266 (2): 611 (1993)を参照のこと)は、A1 Ado
Rにおいて増強及び阻害活性の両方を有する。それゆえ、アデノシンアゴニスト
の効果は、ヒトA1 AdoRを安定に発現するCHO細胞(CHO−huA1
doR)から調製した膜へのアゴニスト〔3 H〕CCPA及びアゴニスト〔3
〕CPX結合の両方に基づいて決定することができる。増強活性は、〔3 H〕C
CPAの増加の倍率によって評価することができ、阻害及び/又はアンタゴニス
ト活性は、〔3 H〕CPXの特異的結合についてそのアゴニストが競合する能力
によって評価することができる。huA1 AdoRを発現するCHO細胞の膜を
調製するための適切な方法、及びラジオリガンド結合アッセイのためのプロトコ
ルは、Kollias-Baker ら(JPET, 281, 761 (1997) )及びCirc.Res., 75, 961 (
1994) )により記載される。
【0073】 A2及びA3活性をアッセイするための同様のアッセイは当業者に公知である
。 実施例 以下の例は、本発明の態様を詳述するが、限定するものと解釈すべきでない。
これらの例に用いる記号及び規定は現在の医学及び科学文献に用いられるものと
一致する。
【0074】 実施例1.ヘパリン/アデノシン組成物の有効性の評価 背景 以下のオープンラベルプラシーボコントロール試験は、アデノシン及びヘパリ
ンのくり返しの静脈内投与が生理的血管形成を擬態し、患者において運動により
誘導される心筋虚血の量を減少させることができるか否かを決定するために行っ
た。
【0075】 方法 慣用的な医学的治療では手に負えない、外科的治療に適さない慢性の安定なア
ンギナを有する患者に、アデノシン(140μg/kg/分で6分)及びヘパリン
(10,000Uボーラス;n=9)又はプラシーボ(n−6)のいずれかを、
毎日、10日間、与えた。全ての患者にタリウム201SPECT心筋灌流イメ
ージングでベースライン及びフォローアップ運動テストを行った。灌流異常性の
激しさの半定量的評価を、2ブラインド研究によって計算した。
【0076】 発見 ベースラインと比べて、プラシーボ又はアデノシン及びヘパリンのいずれかで
行った運動持続又はピークレート−圧力積に大きな変化はなかった。しかしなが
ら、プラシーボと比べてアデノシン及びヘパリンを与えた患者において見られる
心筋灌流異常の激しさの大きな減少があった。
【0077】 解釈 アデノシン及びヘパリンのくり返しの投与は、慣用的な治療で手に負えない慢
性の安定なアンギナの患者において運動誘導化虚血の量を減少させた。 方法 1.患者集団 包含基準:患者は彼らが以前3ヶ月以内に行ったTI−201SPECT心筋
灌流イメージングにより測定して運動に基づく心筋虚血の証拠である慢性の安定
な狭心症の病歴を有するなら、含めて、冠状動脈再脈管形成手順(例えばCAB
G又はPTCA)のための候補とはしなかった。各々の場合、運動TI−201
SPECTを告知に基づく同意下で、プロトコルの一部として行った。
【0078】 排除基準:NYHAクラスIII 又はIVうっ血性心不全の患者で、3ヶ月以内に
、心室駆出期に20%未満の冠状動脈再脈管形成(例えばCABG又はPTCA
)を残した者、又は3ヶ月以内に心臓の出来事(例えば心筋梗塞又は不安定なア
ンギナ)を経験した者を排除した。更に、中断することができなかった抗凝固治
療、出血、喘鳴、又は進行した心臓遮断の傾向がある患者も排除した。
【0079】 2.プロトコルデザイン この研究は、アデノシン及びヘパリンのくり返しの注入の効能を評価するため
のオープンラベルプラシーボコントロール研究であった。臨床評価、研究室での
研究(プロトロンビン時間(PT)、組織トロンボプラスチン時間(PTT)、
及び血小板)、及び運動TI−201SPECTからなるスクリーニング手順の
後、患者に、プロトコル注入(アデノシン/ヘパリン)又は対照塩類溶液注入を
行った。注入は、10日間、毎日、投与し、一晩、断食した後、午前中に患者に
与えた。
【0080】 注入プロトコルは、10,000Uの静脈内ボーラスとして投与するヘパリン
、及び0.84mg/kgの総投与量で140μg/kg/分の速度で6分間、15分
後に注入する静脈内アデノシンからなる。連続的3−リードECGモニタリング
は、注入の間及び後10分間行った。12−リードECG、血圧及び心拍数を、
ベースライン、注入の間及び後10分間、1分間隔で記録した。活性又はプラシ
ーボ処理の投与の後、3時間、患者を観察した。
【0081】 3.タリウム−201SPECTプロトコル 処置の完了前及びその後1週以内に、全ての患者にStandard Bruceプロトコル
での症状限定運動を行った。 徴候的終了点の運動の持続及び性質を記録した。STセグメント変化を記録し
、それらの症状及びレート−圧力積(心拍数×収縮血圧、ビートmmHg/sec )を
、導電STセグメント及び正常伝導の存在下で評価した。更に、レート−圧力積
をSTセグメント変化の始まり及びピーク運動において記録した。
【0082】 ピーク運動近くで、3〜3.5mCi のTI−201を注入した。患者に更に3
0〜60秒、運動を続けさせた。TI−201SPECT獲得を、アイソトープ
注入後15分に始め、再び4時間後に行い、24Hsイメージの示される獲得を
行った時に、更なる1mCi のTI−201の再注入後に行った。 4.SPECT獲得プロトコル 全てのSPECT研究は、低エネルギーコリメーター及びGenieコンピュ
ーターを備えたデュアルヘッドOptimaカメラ(General Electric, Milwau
kee MI)で行った。環状1800獲得は、必要な時に、ストレス後、4時間目、
及び24時間後に40s/プロジェクションで各々のヘッドについて900にわ
たって16プロジェクションで行った。2のエネルギー窓を利用し、20%窓を
68−〜80−keV で中心にし、10%窓を167keV で中心にした。64×6
4イメージマトリックスを用いてイメージを得た。全てのイメージを患者の運動
について評価し、フィールド不均一性及び回転の中心についてを含む、他の質的
保証を測定する。40% Nyquistのカットオフ頻度でオーダー10のB
utterworthフィルターを用いてプレプロセッシングを行った。6mmス
ライス厚において軸横断断層写真を再構成するためにランプフィルターを用いた
。左心室の短軸、垂直及び水平長軸断層写真を、補間で適切な変換を行い、標準
的形式に従って表示することによりその再構成した断横断断層写真から抽出した
【0083】 イメージ解釈 視覚的な解釈には、標準的なソフトウェアを用いる標準的核医学表示上に供さ
れる短軸、垂直及び水平長軸心筋トモグラフを用いた(Medview, Med Image, In
c, Ann Arbor, MI)。各々の像セットの強度は、心筋において最も高いピクセル
値に標準化した。
【0084】 半定量的視覚解釈は、全部で29のセグメントでの短軸、垂直及び水平長軸を
利用して行った。各々のセグメントを、5−ポイントスコアリングシステムを用
いて、患者処理及びイメージング順番を隠した2人の経験者の同意により、領域
の活性について評価した(0=正常;1=少し減少;2=中程度減少;3=激し
く減少、及び4=バックグラウンドに等しい少い取込み)。
【0085】 灌流異常の程度及び激しさを評価するために、そのスコア分析から3つの指標
を得た。 灌流異常の広がりを評価するために、異常の割合を異常なスコアを有するセグ
メントの実数を29(全セグメント数)で割ることにより、ストレス及び休息下
で得た。
【0086】 誘導化灌流異常の激しさを評価するために、ストレス異常割合を、116の最
大異常スコア(セグメントの総数(29)と最大異常スコア(4)との積)によ
り割った全ストレススコアとして定義した。 次に、各々の患者のためのストレスイメージセットを、対応する休息イメージ
セットと比較し、虚血性心筋の割合を、全ストレススコア−休息スコアを116
で割ったものとして計算した。
【0087】 異常性の基準 2を超えるスコアのセグメントを異常を有すると考えた。SPECT研究は、
2又はそれ超のセグメントが2を超えるストレススコアを有するなら、異常であ
ると考えた。可逆的灌流異常はストレスと休息との間のスコアの変化が1を超え
るものとして定義した。不可逆的異常は、休息において変化がなく、4.3、又
は2のストレススコアを有するものであった。
【0088】 処置後の改善についての基準 これは、1を超えるセグメント灌流スコアの減少として定義した。このバリエ
ーションは、先の研究、特に現在の方法に関連して観察者間の変化性のレベルを
超えることが示された。 半定量的スコア分析の再現性 10の心筋灌流研究を評価のための我々のデータベースからランダムに選択し
た。その研究は、2人の専門の読み手により、独立して読み、上述の通り評価し
た。4つの正常及び6の異常研究を行った。観察者は、290セグメントのうち
266(92%)においてスコアで正確に同意し、290セグメントのうちの残
りの24(8%)において1以下のグレードの差があった。全部で112の異常
な可逆的セグメントが観察された。観察者は、全ての研究において、112セグ
メントのうち94(84%)において異常性の可逆性について正確に同意し、1
12セグメントのうち18(16%)において、以下の差があった。
【0089】 統計分析: 全てのデータを平均±標準誤差として表した。薬剤投与前及び後の研究の間の
差を評価する時に、対のスチューデントtテストを用いて比較を行い、処置グル
ープ間の差を評価する時に非対スチューデントtテストを用いた。カイ自乗テス
トを無条件変数を比較するために用いた。0.05未満のρ値を統計的に有意で
あると考えた。
【0090】 結果患者 15人が男性である16の患者を研究した。グループ1(n=10)を活性剤
で処理した。グループ2(n=6)にプラシーボを与えた。患者の88%が冠状
動脈バイパス手段を行っていた。全ての患者に抗虚血治療を行った。そのグルー
プの平均の残った心室駆出期率は55%であった。2つのグループ間に有意な臨
床的差はなかった(表1)。
【0091】 運動ストレステスト 全ての患者でベースライン及びフォローアップ運動TI−201SPECT灌
流研究を行った。 疲労、呼吸の短縮、又は無能性アンギナによりテストを止めた。ST変化はベ
ースラインST−T及び伝導異常性のため評価できなかった。グループ1におい
て、10の患者のうち6人がベースライン運動テストにおいてアンギナを経験し
ていた。最初の症状でのレート圧力積はベースラインで20,197±5,20
2であり、フォローアップにおいて18,083±9642であった(p=ns
)。フォローアップ運動テストと比べて、ベースラインで行ったピークレート圧
力積にも差はなかった(23,617±3,088対24,588±3350
p=ns)。患者は、ベースラインで6.0±2.2分、フォローアップで6.
5±2.5分運動した。
【0092】 グループ2において、6の患者のうち5人がベースライン及びフォローアップ
運動においてアンギナを経験していた。ベースライン運動テストの間に胸の痛み
を経験しなかった残りの患者は、フォローアップ運動テストにおいて呼吸の短縮
を示した。症状の始めでのレート圧力積はベースラインで16,537±3,9
63であり、フォローアップで15,937±3,109であった(p=0.7
1)。フォローアップ運動テストと比べてベースラインで行ったピークレート圧
力積に差はなかった(21,539±4,593対19,500±2008、p
=ns)。患者は、ベースラインで5.7±14分、フォローアップで6.1±
1.9分、運動した(p=ns)(表2)。
【0093】 ベースラインで、及び活性剤(25,500±2,100対24,600±1
,200 p=ns)又はプラシーボ(21,700±1,760対19,50
0±800、p=ns)で処理した患者の処置後にピークレート−圧力−積にも
差はなかった(表2)。 タリウム−201SPECT グループ1において、ストレスにおけるTI−201欠損サイズの割合はベー
スライン及びフォローアップ各々において61.0±13.4及び53.4±1
4.2、p=0.015であった。欠損サイズの割合において平均12%の改善
があった。ストレス欠損割合はベースライン及びフォローアップ各々において4
0.0±9.7及び34.6±11.3、p=0.003であった。13%の改
善が観察された。最後に、虚血性心筋の割合は、ベースライン及びフォローアッ
プTI−201で計算して31.6±8.7及び24±9.6;p=0.006
であった。また、スコア指数の24%の改善が観察された。これらの変化は観察
者間変化性の限界もはるかに超えた。
【0094】 グループ2において、ストレスでのTI−201欠損サイズの割合は各々ベー
スライン及びフォローアップにおいて53.3±10.9及び56.3±12、
p=nsであった。大きなスコア変化はなかった。TI−201ストレス欠損割
合は各々ベースライン及びフォローアップにおいて35.1±9.3及び35.
3±8.02、p=nsであった。また、大きなスコア変化は観察されなかった
。虚血性心筋の割合は、ベースライン及びフォローアップTI−201で計算し
て24.6±9.05及び27.7±9.99、p=nsであった。また、スコ
アの激しさの悪化も観察された。
【0095】 処置に対する応答を2超のポイントの激しさのスコアの改善として定義した場
合、アデノシン及びヘパリンで処置した10の患者のうち5人(50%)が、プ
ラシーボで処理した6の患者の0であったのと比べて改善された。興味あること
に、灌流スコアで最も大きな改善が見られた3人の患者は、運動持続でも大きな
改善を示した。これら3人の患者において、灌流スコアは46%だけ改善され(
28.6±4.5対15.3±1.15、p=0.0039)、それらの運動持
続は1.6分だけ増加した(6.48±2.07対8.04±2.24、p=0
.005)。プラシーボグループ内の患者で運動持続又は灌流スコアを改善した
者はいなかった。
【0096】 議論 本研究において、アデノシン及びヘパリンのくり返しの投与は、心筋灌流イメ
ージングにより評価して運動誘導化虚血の大きな改善を作り出した。この虚血の
減少は、運動持続又はピークレート−圧力積により評価して運動強度の減少に対
して二次的でなかった。実際、虚血において最も顕著なシンチグラムの証拠を示
したこれらの患者は、それらの運動持続において最も大きな増加を示した患者で
あった。興味あることに、運動持続又はピークレート−圧力積の増加は観察され
なかった。進展した冠状動脈疾患を有するこれらの患者は健康をそこない、彼ら
のアンギナによるよりこの又は他の要因によりより限定され得る。イメージ改善
は、危険な心筋の程度の減少を示し、これは、更に、症状又は運動許容性を直接
又は劇的に改善する必要はない。しかしながら、アデノシン及びヘパリンで処理
したこれらの患者は、同じ負荷で運動を行って、プラシーボと比べて、それらの
灌流スキャンの大きな改善を示した。これらの発見は、改善された灌流を明らか
に示す。この虚血の減少がおこるメカニズムはわからないが、冠状側副血管の発
達に関すると信じられる。
【0097】 結論 慣用的な治療では手に負えない慢性の安定なアンギナを有する患者における1
0日間のアデノシン及びヘパリンの両方のくり返しの投与は、灌流シンチグラフ
ィーでの運動ストレステストにより評価して、虚血の大きな削減に関連した。 実施例2.アデノシンの注入用製剤 活性成分及び緩衝剤を約55℃でプロピレングリコールに溶かす。次に注入用
水を撹拌しながら加え、生じた溶液をろ過し、アンプルに入れ、そのアンプルを
密封し、オートクレーブにより滅菌する。
【0098】 成分 量 活性成分 (アデノシン) 3.0mg プロピレングリコール 0.4ml 注入用水 q.s.1ml * 用語“注入用水”は、塩化ナトリウムのような電解質及び血液のようなヒト
生理流体に適合するような緩衝剤を含む滅菌精製水を意味する。
【0099】 実施例3.アデノシン及びヘパリンの注入用製剤 活性成分及び緩衝剤を約55℃でプロピレングリコールに溶かす。次に注入用
水を撹拌しながら加え、生じた溶液をろ過し、アンプルにつめて、そのアンプル
を密閉し、オートクレーブにより滅菌する。 成分 量 活性成分 (アデノシン) 3.0mg (ヘパリン) 10,000U プロピレングリコール 0.4ml 注入用水 q.s.1ml
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 43/00 111 A61P 43/00 111 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM ,HR,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG, KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,L U,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO ,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG, SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,U G,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ボトビニック,エリアス アメリカ合衆国,カリフォルニア 94903, サン ラファエル,ホリー ドライブ 415 Fターム(参考) 4C084 AA19 MA24 MA66 ZA361 ZA401 ZC412 4C086 AA01 AA02 EA18 EA22 EA24 GA17 MA24 MA66 NA05 NA06 ZA36 ZA40 ZA45 ZC41 ZC75

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 閉塞性末梢血管疾患、冠状動脈疾患及びこれらの疾患に関連
    する異常を、必要な患者において治療するための方法であって、アデノシンA2 レセプター並びにヘパリン及び/又はヘパリン様物質を、1週間又はそれ超、少
    い1日の投与量で同時に投与することを含む方法。
  2. 【請求項2】 治療すべき疾患が、冠状動脈の閉塞に関連することを特徴と
    する請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記治療が、冠状動脈形成の促進に関連することを特徴とす
    る請求項1に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記アデノシンA2 レセプターアゴニストが約40mg〜約8
    0mgの範囲の投与量であり、前記ヘパリン又はヘパリン様物質が約5,000U
    〜約10,000Uの範囲の投与量であり、1週間又はそれ超、1日当り約6分
    間、連続的に同時に投与することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記ヘパリン又はヘパリン様物質が、前記アデノシンA2
    セプターアゴニストを投与する前に、大量注射として投与されることを特徴とす
    る請求項1に記載の方法。
  6. 【請求項6】 毎日、前記ヘパリン又はヘパリン様物質を約50,000〜
    約100,000ユニットの大量注射として投与し、その約10〜約20分後に
    、前記アデノシンA2 レセプターアゴニストを、約5〜約10分間、約100μ
    g/kg/分〜約200μg/kg/分の比率で注入により投与することを特徴とす
    る請求項1に記載の方法。
  7. 【請求項7】 約10日間、毎日、前記ヘパリン又はヘパリン様物質を約1
    0,000Uの大量注射として投与し、その約15分後に、前記アデノシンA2 レセプターアゴニストを、約6分間、約140mg/kg/分の比率で注入により投
    与することを特徴とする請求項5に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記アデノシンA2 レセプターアゴニストがアデノシンであ
    ることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記ヘパリン、ヘパリン様物質及び/又はアデノシンA2
    ゴニストが、微小粒子又はリポソームに被包され、又は組み込まれることを特徴
    とする請求項1に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記リポソーム又は微小粒子が200nm未満の大きさを有
    し、該リポソーム又は微小粒子が、該リポソーム又は微小粒子が毛細血管床にと
    どまるように患者に静脈内に投与されることを特徴とする請求項9に記載の方法
  11. 【請求項11】 前記ヘパリン、ヘパリン様物質及び/又はアデノシンA2 アゴニストが、カテーテルを介して投与されることを特徴とする請求項1に記載
    の方法。
  12. 【請求項12】 前記ヘパリン、ヘパリン様物質及び/又はアデノシンA2 アゴニストが、カテーテルを介して血管の内側に適用されるポリマーシステム内
    に存在することを特徴とする請求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】 医薬として許容される担体中に、アデノシンA2 レセプタ
    ーアゴニスト並びにヘパリン及び/又はヘパリン様物質を含む医薬製剤。
  14. 【請求項14】 前記アデノシンA2 レセプターアゴニストの濃度が約40
    mg〜約80mgであり、前記ヘパリン及び/又はヘパリン様物質の濃度が約5,0
    00U〜約100,000Uであることを特徴とする請求項13に記載の医薬調
    製物。
  15. 【請求項15】 1又は複数の医薬として許容される賦形剤を更に含む請求
    項13に記載の医薬調製物。
  16. 【請求項16】 前記ヘパリン、ヘパリン様物質及び/又はアデノシンA2 アゴニストが、リポソーム又は微小粒子内に被包され、又は組み込まれることを
    特徴とする請求項13に記載の医薬製剤。
  17. 【請求項17】 前記リポソーム又は微小粒子が200nm未満の大きさを有
    することを特徴とする請求項16に記載の医薬製剤。
  18. 【請求項18】 閉塞性末梢血管疾患又は血管疾患を、必要な患者において
    治療するための方法であって、1週間又はそれ超、毎日の投与で、有効に閉塞を
    治療する量のアデノシンA2 レセプターアゴニストを投与することを含む方法。
  19. 【請求項19】 閉塞性末梢血管疾患、冠状動脈疾患、及びこれらの疾患に
    関連する異常を患者において治療するための薬剤の調製におけるアデノシンA2 レセプターアゴニスト並びにヘパリン及び/又はヘパリン様物質を含む組成物の
    使用。
JP2000514655A 1997-10-07 1998-10-07 ヘパリン及びアデノシドa2アゴニストの組合せで、又はアデノシンでの閉塞性末梢血管疾患及び冠状動脈疾患の治療 Pending JP2003506310A (ja)

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PCT/US1998/021153 WO1999017784A1 (en) 1997-10-07 1998-10-07 Treating occlusive peripheral vascular disease and coronary disease with combinations of heparin and an adenoside a2 agonist, or with adenosine
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US09/167,816 1998-10-07

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