JP2003504467A - 錯生成剤改質ヘキサシアノメタレートヘキサニトロメタレート触媒 - Google Patents

錯生成剤改質ヘキサシアノメタレートヘキサニトロメタレート触媒

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JP2003504467A JP2001509394A JP2001509394A JP2003504467A JP 2003504467 A JP2003504467 A JP 2003504467A JP 2001509394 A JP2001509394 A JP 2001509394A JP 2001509394 A JP2001509394 A JP 2001509394A JP 2003504467 A JP2003504467 A JP 2003504467A
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Abstract

(57)【要約】 金属[ヘキアシアノメタレートヘキサニトロメタレート]錯体は有用なアルキレンオキシド重合触媒である。この金属はヘキサシアノメタレート基及びヘキサニトロメタレート基とせ析出物を形成するあらゆる金属である。この触媒は、一般のヘキサシアノコバルテート触媒よりも安価な材料より調製され、誘導期は短く、多くの場合、発熱をより制御することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、アルキレンオキシド重合用の金属触媒に関する。 エチレンオキシド、プロピレンオキシド及び1,2-ブチレンオキシド等のアルキ
レノキシドを重合させると、様々なポリエーテル生成物を形成する。例えば、ポ
リエーテルポリオールは、ポリウレタン用途のために多量に製造される。他のポ
リエーテル類は、潤滑剤、ブレーキ液、コンプレッサー液として、及び多くの他
の用途で使用されている。
【0002】 これらのポリエーテルは、通常、開始剤化合物及びアルカリ金属触媒の存在下
で1種以上のアルキレンオキシドを重合させることにより製造される。この開始
剤化合物は、典型的には、1種以上のヒドロキシル、第1級もしくは第2級アミ
ン、カルボキシル又はチオール基を有する物質である。開始剤の役割は、生成物
であるポリエーテルの公称官能価(1分子当たりのヒドロキシル基の数)を調整
することと、場合によっては、所望の官能基を生成物中に組み込むことである。
【0003】 最近まで、一般に好ましい触媒は、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物
であった。水酸化カリウムは、安価であり、様々なアルキレンオキシドの重合に
適合し、そして生成物であるポリエーテルから容易に回収できるという利点を有
する。
【0004】 しかしながら、様々な程度で、アルカリ金属水酸化物は、プロピレンオキシド
の異性化を触媒してアリルアルコールを形成する。アリルアルコールは、プロピ
レンオキシドの重合中に単官能性開始剤として作用する。従って、プロピレンオ
キシドの重合を触媒するために水酸化カリウムが使用された場合には、生成物は
アリルアルコールにより開始された単官能性不純物を含む。生成物であるポリエ
ーテルの分子量が増大するにつれて、異性化反応はより支配的になる。その結果
、触媒としてKOHを使用して調製された約800以上の当量を有するポリ(プ
ロピレンオキシド)生成物は、非常に多量の単官能性不純物を含む傾向がある。
このため、生成物の平均官能価は小さくなり、分子量分布が広くなる傾向になる
【0005】 より最近になって、アルキレンオキシドの重合触媒として、いわゆる複金属シ
アン化物(DMC)触媒が工業的に使用されている。これらの触媒の幾つかは、
プロピレンオキシドの異性化を著しく促進しないため、水酸化カリウムを用いて
調製されたものと比較して不飽和度が低くかつ分子量がより高いポリエーテルを
調製することができる。
【0006】 これらのDMC触媒は、例えば米国特許第3,278,457号、第3,278,458号、第3,
278,459号、第3,404,109号、第3,427,256号、第3,427,334号、第3,427,335号及
び第5,470,813号明細書に記載にされている。これらの触媒の組成は、非常に多
岐にわたるが、概して、下式: Mb[M1(CN)r(X)tc・zL・aH2O・nMxy (上式中、Mは金属イオンであって、金属シアニド基M1(CN)r(X)tとと
もに、少なくとも1種の水溶性塩を有する不溶性析出物を形成する金属イオンで
あり、M1は遷移金属イオンであり、XはM1イオンに配位するシアニド以外の基
を表し、Lは有機錯生成剤を表し、AはMイオンと水溶性塩を形成する陰イオン
を表し、b及びcは静電的に中性の錯体を与える数であり、rは4〜6であり、
tは0〜2であり、z,n及びaは、それぞれ前記錯生成剤、水分子及びMxy の相対量を示す正の数(分数であってもよい)である) により表すことができる。
【0007】 しかしながら、実験から、M、M1、X、L、r及びtの可能な組み合わせの
ほとんどが、商業的興味をそそるほどの十分な活性を有する触媒を提供しないこ
とが判った。ほとんどの組み合わせは、実質的に全く活性を示さなかった。さら
に、M、M1、X、L、r及びtのそれらの可能な組み合わせの全てが不飽和度
が非常に低いポリ(プロピレンオキシド)ポリマーを与えるわけではない。最近
になって、特異な錯生成剤であるt-ブタノールとともに亜鉛ヘキサシアノコバル
テートに、開発及び商業上の努力が集中している。
【0008】 米国特許第5,470,813号明細書に記載されているように、DMC触媒の1つの
欠点は、活性になるまで約1時間程度から場合によっては長時間の誘導期を必要
とする傾向があるということである。この誘導期の間に、重合はほとんど起こら
ないが、その後激しい発熱反応が起こる。作業工程によっては、特に連続重合法
の場合には、この誘導期を短縮し、それほど激しくない発熱反応を与えることが
望ましいであろう。
【0009】 従って、アルキレンオキシド重合用の活性触媒であって、亜鉛ヘキサシアノコ
バルテート錯体よりも調製するのに費用がかからないものを提供することが望ま
しいであろう。アルキレンオキシドを急速に重合させる前の誘導期が短く、急速
な重合が開始した際に発熱を制御することのできる触媒を提供することがよりい
っそう望ましいであろう。
【0010】 1つの態様において、本発明は、下式 Mb[M1(CN)6]c[M2(NO2)6]d・zL・aH2O・nM3 xy (上式中、M及びM3はM1(CN)6及びM2(NO2)6イオンにより、少なくとも1
種の水溶性塩を有する不溶性析出物を形成する金属イオンであり、 M1及びM2は3価遷移金属イオンであり、 Lは有機錯生成剤を表し、 AはM3イオンと共に水溶性塩を形成するアニオンを表し、 b、c及びdは静電的に中性の錯体を与える数であり、c:dの比は約50:50
〜約99:1であり、 z、n及びaは錯生成剤、水分子及びM3 xyの相対量を示す正の数(分数を
含む)である) により表される金属触媒である。
【0011】 別の態様において、本発明は、エポキシ化合物の重合方法において、この重合
を第一の態様の触媒の存在下において行うことを特徴とする方法である。
【0012】 第三の態様において、本発明は、 (a)水溶性ヘキサシアノメタレート化合物とヘキサニトロメタレート化合物と
を、ヘキサニトロメタレートイオンに対するヘキサシアノメタレートイオンのモ
ル比が約50:50〜99:1となるように含む水溶性ヘキサシアノメタレート化合物
とヘキサニトロメタレート化合物との第1の水溶液を形成すること、 (b)前記第一の水溶液を、ヘキサシアノメタレート及びヘキサニトロメタレー
トイオンと水不溶性析出物を形成する金属の水溶性塩の第二の溶液と混合し、金
属[ヘキサシアノメタレートヘキサニトロメタレート]を析出させること、及び (c)工程(b)と同時に又は後に、前記金属[ヘキサシアノメタレートヘキサニト
ロメタレート]を有機錯生成剤、及び工程(b)において理論過剰量の金属塩を用
いない場合、追加量の金属塩と接触させること を含む方法である。
【0013】 本発明の金属[ヘキサシアノメタレートヘキサニトロメタレート]錯体が、エ
ポキシド重合触媒として優れた活性を有することが見出された。この錯体、特に
高レベルのヘキサニトロメタレートイオンを含むものは、特に通常みられない短
い誘導期を示す傾向にある。多くの場合、この触媒は重合の開始時において発熱
を制御することができる。またこの触媒は不飽和レベルが0.01meq/g以下である
ポリ(プロピレンオキシド)ポリマーを与える。
【0014】 本発明の触媒は、有機錯生成剤と錯生成した金属ヘキサシアノメタレートヘキ
サニトロメタレートである。本明細書において、「ヘキサシアノメタレート」と
は、構造[M1(CN)63-を有する基を意味する。この式で、M1は上記の意
味を有する。「ヘキサニトロメタレート」とは、構造[M2(NO2)63-を有す
る基を意味する。この式で、M2は上記の意味を有する。M1及びM2は好ましく
は、Fe+3、Co+3、Cr+3、Mn+3、Ir+3及びRh+3であり、Co+3及びF
+3がより好ましく、Co+3が最も好ましい。M1及びM2は同一でも相異なって
いてもよいが、同一であることが好ましく、共にCo+3であることが最も好まし
い。
【0015】 ヘキサシアノメタレート及びヘキサニトロメタレート基は、約50:50から、好
ましくは約75:25から、より好ましくは約80:20〜約99:1まで、好ましくは約
96:4までのモル比で存在する。
【0016】 M及びM3は好ましくは、Zn+2、Fe+2、Co+3、Ni+2、Mo+4、Mo+6
、Al+3、V+4、V+5、Sr+2、W+4、W+6、Mn+2、Sn+2、Sn+4、Pb+2 、Cu+2、La+3及びCr+3である。M及びM3はより好ましくは同一である。
【0017】 この触媒は、有機錯生成剤により錯生成させる。非常の多くの錯生成剤が潜在
的に有用であるが、触媒活性は、個々の錯生成剤の選択に応じて変わりうる。そ
のような錯生成剤の例としては、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類、エー
テル類、アミド類、ニトリル類、スルフィド類が挙げられる。
【0018】 好適なアルコール錯生成剤としては、一価アルコール及び多価アルコールが挙
げられる。好適な一価アルコールとしては、メタノール、エタノール、n-プロパ
ノール、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、t-ブタノール、オ
クタノール、オクタデカノール、3-ブチン-1-オール、3-ブテン-1-オール、プロ
パルギルアルコール、2-メチル-2-プロパノール、2-メチル-3-ブチン-2-オール
、2-メチル-3-ブテン-2-オール、3-ブチン-1-オール、3-ブテン-1-オール及び1-
t-ブトキシ-2-プロパノールが挙げられる。好適な一価アルコールとしては、ハ
ロゲン化アルコール、例えば2-クロロエタノール、2-ブロモエタノール、2-クロ
ロ-1-プロパノール、3-クロロ-1-プロパノール、3-ブロモ-1-プロパノール、1,3
-ジクロロ-2-プロパノール、1-クロロ-2-メチル-2-プロパノール、並びにニトロ
アルコール、ケトアルコール、エステルアルコール、シアノアルコール、及び他
の内部置換アルコールも挙げられる。
【0019】 好適な多価アルコールとしては、エチレングリコ−ル、プロピレングリコール
、グリセリン、1,1,1-トリメチロールプロパン、1,1,1-トリメチロールエタン、
1,2,3-トリヒドロキシブタン、ペンタエリトリトール、アラビトール、マンニト
ール、2,5-ジメチル-3-ヘキシン-2,5-ジオール、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシ
ン-4,7-ジオール、スクロース、ソルビトール、アルキルグルコシド、例えばメ
チルグルコシド及びエチルグルコシドが挙げられる。低分子量ポリエーテルポリ
オール、特に約350以下の当量を有するもの、より好ましくは約125〜250の当量
を有するものも有用な錯生成剤である。
【0020】 好適なアルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ブチルア
ルデヒド、バレルアルデヒド、グリオキサール、ベンズアルデヒド、及びトルイ
ルアルデヒドが挙げられる。好適なケトンとしては、アセトン、メチルエチルケ
トン、3-ペンタノン、及び2-ヘキサノンが挙げられる。
【0021】 好適なエーテルとしては、環状エーテル、例えばジオキサン、トリオキシメチ
レン及びパラホルムアルデヒド、並びに非環式エーテル、例えばジエチルエーテ
ル、1-エトキシペンタン、ビス(β−クロロエチル)エーテル、メチルプロピル
エーテル、ジエトキシメタン、アルキレングリコールもしくはポリアルキレング
リコールのジアルキルエーテル(例えばエチレングリコールジメチルエーテル、
ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエー
テル及びオクタエチレングリコールジメチルエーテル)が挙げられる。
【0022】 ホルムアミド、アセトアミド、プロピオンアミド、ブチルアミド及びバレルア
ミド等のアミドは有用な錯生成剤である。アミルホルメート、エチルホルメート
、ヘキシルホルメート、プロピルホルメート、エチルアセテート、メチルアセテ
ート、トリエチレングリコールジアセテート等のエステルも使用できる、好適な
ニトリルとしてはアセトニトリル及びプロプリオニトリルが挙げられる。公益な
スルフィドとしては、ジメチルスルフィド、ジエチルスルフィド、ジブチルスル
フィド、及びジアミルスルフィドが挙げられる。
【0023】 ジメチルスルホキシド及びスルホラン等のS=O基を有する化合物も有用な錯
生成剤である。
【0024】 好ましい錯生成剤は、t-ブタノール、1-t-ブトキシ-2-プロパノール、約75〜3
50の当量を有するポリエーテルポリオール、DMSO、スルホラン、並びにアル
キレングリコール及びポリアルキレングリコールのジアルキルエーテルである。
特に好ましい錯生成剤は、t-ブタノール、1-t-ブトキシ-2-プロパノール、125〜
250の当量を有するポリエーテルポリオール、DMSO、及びモノ−、ジ−又は
トリエチレングリコールのジメチルエーテルである。t-ブタノール、DMSO、
及びグライム(1,2-ジメトキシエタン)が特に好ましい。
【0025】 さらに、この触媒錯体は通常、当該錯体の結晶格子中に捕捉された所定量の水
を含む。 水及び有機錯生成剤に加えて、触媒が約300〜4000の分子量を有するポリエー
テルポリオールにより処理された場合に触媒の調製が場合によっては容易になる
ことが判った。
【0026】 この触媒錯体は、水溶性ヘキサシアノメタレート化合物及びヘキサニトロメタ
レート化合物を水に溶解させ、そして得られた溶液をMイオンの水溶性塩の水溶
液と組み合わせることにより都合良く調製される。ヘキサシアノメタレート溶液
とヘキサニトロメタレート溶液は、それぞれ別々に、又は1つの溶液として調製
できる。別々に調製される場合には、ヘキサシアノメタレート溶液とヘキサニト
ロメタレート溶液とを、金属塩溶液に加える前にブレンドしても、金属塩溶液に
同時に加えてもよい。この溶液を混合すると、金属[ヘキサシアノメタレートヘ
キサニトロメタレート]錯体が析出する。析出物を上記タイプの有機錯生成剤に
より処理し、そして場合に応じてポリエーテルグリコールによっても処理する。
【0027】 いかなる水溶性ヘキサシアノメタレート化合物及びヘキサニトロメタレート化
合物も使用できる。好ましくは、これらの化合物は、構造式B3[M1(CN)6
]及びB3[M2NO2]6(式中、Bは水素又はアルカリ金蔵である)により表さ
れるものである。Bは好ましくは水素、ナトリウム又はカリウムである。Bが水
素である化合物は、対応するアルカリ金属塩の水溶液を水素形態である陽イオン
交換樹脂に通すことにより都合良く形成される。
【0028】 金属塩は、ヘキサシアノメタレート化合物及びヘキサニトロメタレート化合物
と反応して金属[ヘキサシアノメタレートヘキサニトロメタレート]析出物を形
成するMイオンのいかなる水溶性化合物であってもよい。この金属塩は、構造式
xy(式中、M、A、x及びyは先に定義したとおりである)により表される
ものであるのが適切である。好適な陰イオンAとしては、塩化物イオン及び臭化
物イオン等のハロゲン化物イオン、硝酸イオン、炭酸イオン、シアン化物イオン
、シュウ酸イオン、チオシアン酸イオン、イソシアン酸イオン、イソチオシアン
酸イオン、及びC1-4カルボン酸イオンが挙げられる。塩化物イオンが特に好ま
しい。
【0029】 特に好適な金属塩としては、ハロゲン化亜鉛、水酸化亜鉛、硫酸亜鉛、炭酸亜
鉛、シアン化亜鉛、シュウ酸亜鉛、チオシアン酸亜鉛、イソシアン酸亜鉛、C1- 4 カルボン酸亜鉛、及び硝酸亜鉛が挙げられる。塩化亜鉛、酢酸亜鉛、及び硝酸
亜鉛が最も好ましい。
【0030】 触媒錯体は、この金属塩の溶液をヘキサシアノメタレート化合物及びヘキサニ
トロメタレート化合物の溶液と混合することにより析出される。混合温度は、混
合が行われるまで出発物質が溶液中にとどまる限り重要でない。約10℃から溶液
の沸点までの温度、特に約15〜35℃が最も適切である。この混合は急速攪拌を用
いて行うことができる。米国特許第5,470,813号明細書に記載されているような
均質混合法を使用できるが、必須ではない。
【0031】 この初期混合において、少なくとも理論量の金属塩を使用する。1つの態様に
おいて、この初期混合に理論過剰量の金属塩を使用する。以下でより詳しく説明
する別の態様において、初期混合において理論量だけの金属塩を使用し、その後
の工程で追加の金属塩を加える。「理論量」とは、実質的に過剰の金属塩を使用
せずに、ヘキサシアノメタレート及びヘキサニトロメタレートイオンとともに静
電的に中性の析出物を形成するのに十分な量を意味する。
【0032】 ニート又は水溶液としての錯生成剤は、典型的には、概して金属塩とヘキサシ
アノメタレート及びヘキサニトロメタレートの各溶液を混合した直後に錯生成剤
を加えることにより、金属[ヘキサシアノメタレートヘキサニトロメタレート]
の著しい析出が起こる前に加えられる。所望であれば、錯生成剤を、金属塩溶液
もしくはヘキサシアノメタレート及びヘキサニトロメタレートの溶液のいずれか
に、又はこれらの両方に混合できる。初期量の錯生成剤を加えた後、混合物を、
概して数分間攪拌して所望の触媒錯体を形成させ析出させる。
【0033】 得られる析出した触媒錯体を、次に、濾過等の適切な手法により回収する。好
ましくは、触媒錯体を、水、錯生成剤、ポリエーテルポリオール(使用される場
合)又はこれらのある組み合わせを用いて1回以上洗浄する。これは、数分間攪
拌することで液体中に触媒を再スラリー化し、そして濾過することによって都合
よく行われる。少なくとも実質的に全ての不要なイオン、特にアルカリ金属及び
ハロゲン化物イオンが錯体から除かれるまで洗浄を続けることが好ましい。
【0034】 触媒錯体中にポリエーテルポリオールが使用される場合、初期量の錯生成剤と
ともにポリエーテルポリオールを加えても、又は錯体の1回以上の後の洗浄の際
に加えてもよい。
【0035】 最終的な触媒錯体は、過剰の水及び揮発性有機物を除去するために、好ましく
は減圧下やや高温(例えば約50〜60℃)で、都合よく乾燥させる。触媒錯体が一
定質量に達するまで乾燥を行うことが好ましい。
【0036】 触媒錯体を形成するための他の方法において、ヘキサシアノメタレート化合物
及びヘキサニトロメタレート化合物の合計量に対して理論量の金属塩のみを含む
水溶液を初期混合と析出の工程で使用する。初期析出が完了したら、析出物を水
で洗浄し、不要なイオンを除去する。次に、この析出物を、水、追加の金属塩及
び錯生成剤を含む少量の溶液と組み合わせる。使用される金属塩は、析出物の形
成に使用されたものと同じであっても、異なる金属の塩であってもよい。この添
加される溶液の量は、析出物により吸収される量であることが好ましい。使用す
べき溶液の典型的な量は、単離される析出物1グラム当たり、約0.5mlから、好
ましくは0.8mlから、より好ましくは約1mlから、2mlまで、好ましくは約1.5ml
までである。この溶液に加えられる金属塩の量は、単離される析出物100質量部
当たり約9質量部から、好ましくは約11質量部から、約30質量部まで、好ましく
は約25質量部までである。錯生成剤は、水と、約90:10〜約10:90の質量比で存
在することが都合よく、約70:30〜約30:70の質量比で存在することが好ましい
。所望であれば、溶液にポリエーテルポリオールを含めてよい。得られた触媒錯
体を、乾燥させて、さらに処理することなく使用しても、又は先に述べたように
水によるさらなる洗浄にかけてもよいが、錯生成剤又はポリエーテルポリオール
によるさらなる洗浄を行わないことが好ましい。
【0037】 さらに、本願と同日に出願された「金属シアニド触媒/ポリオール開始剤スラ
リーの調製方法(Method for Preparing Metal Cyanide Catalyst/Polyol Initi
ator Slurries)」と題されたWehmeyerの同時係属出願において述べられている
ように、この触媒は開始剤化合物中の分散体として直接形成できる。
【0038】 さらに、本願と同日に出願された「ポリカルボン酸を使用する金属シアニド触
媒の調製方法(Method for Preparing Metal Cyanide Catalyst using Polycarb
oxylic Acids)」と題されたWehmeyerの同時係属出願において述べられているよ
うにポリカルボキシル又はポリカルボキシレート化合物の存在下で、又は本願と
同日に出願された「シラン官能性リガンドを使用する金属シアニド触媒の調製方
法(Method for Preparing Metal Cyanide Catalyst using Silane-functional
Ligands)」と題されたWehmeyerの同時係属出願において述べられているように
シラン官能性錯生成剤の存在下で、濾過可能な及び/又は担持された触媒を形成
することもできる。
【0039】 本発明の触媒錯体は、アルキレンオキシドを重合させてポリエーテルを生成さ
せることに使用される。概して、この方法は、重合条件下で触媒的に有効量の触
媒とアルキレンオキシドとを混合すること、及びアルキレンオキシドの供給が実
質的になくなるまで重合を進行させることを伴う。触媒の濃度は、望ましい速度
で又は望ましい時間内でアルキレンオキシドが重合するように選ばれる。概して
、触媒の適切な量は、アルキレンオキシドと開始剤とコモノマーとの合計質量10
0万部当たり金属シアニド触媒が約5〜約10,000質量部となる量である。より好
ましい触媒レベルは、同じ基準で、約10ppmから、特に約25ppmから、約500ppmま
で、より好ましくは約100ppmまで、最も好ましくは約50ppmまでである。
【0040】 高分子量単官能性ポリエーテルを調製する場合、開始剤化合物を含めることは
必須ではない。しかしながら、分子量を制御するために、望ましい官能価(1分
子当たりのヒドロキシル基の数)もしくは望ましい官能基を付与するため、反応
の開始時に触媒錯体に開始剤化合物を混合することが好ましい。好適な開始剤化
合物としては、一価アルコール、例えばメタノール、エタノール、n-プロパノー
ル、イソプロパノール、n-ブタノール、イソブタノール、t-ブタノール、オクタ
ノール、オクタデカノール、3-ブチン-1-オール、3-ブテン-1-オール、プロパル
ギルアルコール、2-メチル-2-プロパノール、2-メチル-3-ブチン-2-オール、2-
メチル-3-ブテン-2-オール、3-ブチン-1-オール、及び3-ブテン-1-オールが挙げ
られる。好適な一価アルコール開始剤化合物としては、ハロゲン化アルコール、
例えば2-クロロエタノール、2-ブロモエタノール、2-クロロ-1-プロパノール、3
-クロロ-1-プロパノール、3-ブロモ-1-プロパノール、1,3-ジクロロ-2-プロパノ
ール、1-クロロ-2-メチル-2-プロパノール、1-t-ブトキシ-2-プロパノール、並
びにニトロアルコール、ケトアルコール、エステルアルコール、シアノアルコー
ル、及び他の内部置換アルコールも挙げられる。好適な多価アルコール開始剤化
合物としては、エチレングリコ−ル、プロピレングリコール、グリセリン、1,1,
1-トリメチロールプロパン、1,1,1-トリメチロールエタン、1,2,3-トリヒドロキ
シブタン、ペンタエリトリトール、アラビトール、マンニトール、2,5-ジメチル
-3-ヘキシン-2,5-ジオール、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール、ス
クロース、ソルビトール、アルキルグルコシド、例えばメチルグルコシド及びエ
チルグルコシドが挙げられる。しかしながら、開始剤がポリエーテルポリオール
である場合に、特に開始剤が約350以下、より好ましくは約125〜250の当量を有
するものである場合に、触媒は良好に作用する傾向がある。
【0041】 本発明の触媒錯体により重合しうるアルキレンオキシドには、エチレンオキシ
ド、プロピレンオキシド、1,2-ブチレンオキシド、スチレンオキシド、及びそれ
らの混合物がある。ブロックコポリマーの調製に続いて様々なアルキレンオキシ
ドを重合させることができる。より好ましくは、アルキレンオキシドは、プロピ
レンオキシドであるか、又はプロピレンオキシドとエチレンオキシド及び/又は
ブチレンオキシドの混合物である。プロピレンオキシド単独、又はプロピレンオ
キシド少なくとも75質量%とエチレンオキシド約25質量%以下の混合物が特に好
ましい。
【0042】 さらに、この触媒錯体の存在下でアルキレンオキシドと共重合するモノマーを
使用して変性ポリエーテルポリオールを調製することができる。そのようなコモ
ノマーとしては、米国特許第3,278,457号及び第3,404,109号明細書に記載されて
いるようなオキセタン類並びに米国特許第5,145,883号及び第3,538,043号明細書
に記載されているような酸無水物が挙げられる。これらオキセタン類及び酸無水
物は、それぞれポリエーテルと、ポリエーテルエステルポリオールのポリエステ
ルを生じる。本発明の触媒により重合しうる他の適切なモノマーの例には、乳酸
、3-ヒドロキシブチレート、3-ヒドロキシバレレート(及びそれらの二量体)等
のヒドロキシアルカノエート、ラクトン類及び二酸化炭素がある。
【0043】 重合反応は典型的には、約25〜約150℃、好ましくは約80〜130℃の温度で良好
に進行する。都合よい重合法は、触媒錯体と開始剤を混合し、そして反応器をア
ルキレンオキシドで加圧することを伴う。重合は、反応器内の圧力の低下により
示される短い誘導期の後に進行する。1分未満又は1分間〜約20分間の誘導期が
通常認められ、誘導期は往々にして10分間未満である。いったん重合が始まると
、望ましい当量のポリマーを生成させるのに十分なアルキレンオキシドが加えら
れるまで、追加のアルキレンオキシドを必要に応じて反応器に供給する。
【0044】 別の都合よい重合法は連続法である。そのような連続法では、活性化された開
始剤/触媒混合物を、連続攪拌式タンク反応器(CSTR)又は管状反応器等の
連続式反応器に連続的に供給する。アルキレンオキシドのフィードを反応器に導
き、そして生成物を連続的に取り去る。
【0045】 本発明の触媒は、プロピレンオキシドホモポリマーや、プロピレンオキシドと
約15質量%以下(全モノマーを基準とする)のエチレンオキシドとのランダムコ
ポリマーの製造に特に有用である。特に重要なポリマーは、約800から、好まし
くは約1000から、約5000まで、約4000まで、より好ましくは約2500までのヒドロ
キシル当量と、0.02meq/g以下、好ましくは約0.01meq/g以下の不飽和を有する。
【0046】 生成物であるポリマーには、その分子量、当量、官能価及び官能基の存在に応
じて、様々な用途がある。そのように製造されるポリエーテルポリオールは、他
の用途の中で特に、ポリウレタン製造用の原料として有用である。ポリエーテル
は、界面活性剤、圧媒液、界面活性剤製造用の原料、及びアミン化ポリエーテル
製造用の出発物質としても使用できる。
【0047】 本発明を例示するために以下の例を示すが、本発明の範囲を限定することを意
図したものではない。全ての部及び百分率は、特に断らない限り、質量を基準と
したものである。
【0048】 例1 A.触媒錯体Aの調製 4mlの水中の0.16g(0.0004mol)のナトリウムヘキサニトロコバルテートの溶液
を、水素型のマクロポーラススチレン−ジビニルベンゼン強酸陽イオン交換樹脂
(Dowex MSC-1、The Dow Chemical Companyから入手可能)のカラムに通した。
過剰の水素イオンを与えるに十分な樹脂を用いた。得られた混合物を、ホモジナ
イザー中の25mlの水中の25gの塩化亜鉛の溶液に加え、数秒間均質化した。水とt
-ブタノールの容積比50/50の溶液(200ml)を加えた。得られたスラリーを攪拌ビ
ーカーに入れ、水200ml、t-ブタノール2ml及び分子量4000の名目上3官能性の
ポリ(プロピレンオキシド)2gを加えた。このスラリーを3分間攪拌し、ブフ
ナー漏斗により濾過して析出した触媒錯体を単離した。回収した固形物を、水60
ml、t-ブタノール140ml及びポリ(プロピレンオキシド)2gの溶液中に再スラ
リー化し、10分間均質化し、再び濾過した。得られた固形物を、次に、t-ブタノ
ール200mlとポリ(プロピレンオキシド)1gの溶液中に再スラリー化し、さら
に均質化し、そして濾過した。回収した固形物を50℃で一晩減圧乾燥させた。こ
れを触媒錯体Aとする。
【0049】 B.プロピレンオキシド重合 1.室温重合 栓をしたガラスバイアル内で0.1gの触媒錯体Aと3gのプロピレンオキシドを
混合し、そしてその混合物をプロピレンオキシドの重合が起こるまで室温で攪拌
することにより触媒錯体Aの活性を評価した。激しい発熱と粘稠なポリマーへの
急速な転化によって重合がはっきり示された。重合は約8時間で完了した。
【0050】 2.開始型高温重合(Initiated elevated temperature polymerization) 30gの分子量700のポリ(プロピレンオキシド)トリオールと0.2gの触媒錯体A
をパール(Parr)反応器内で混合した。窒素でパージした後、この混合物を100
℃に加熱し、プロピレンオキシドにより50psigに加圧した。パール反応器内の圧
力低下によって示されるようにプロピレンオキシドの重合が始まった。40℃の発
熱が認められた。合計で140gのプロピレンオキシドを加え重合させるまで、プロ
ピレンオキシドが消費されたら、パール反応器を追加のプロピレンオキシドによ
り50psigに再加圧した。生成物の計算当量は約1000である。
【0051】 例2 A.触媒錯体Bの調製 分子量4000のポリ(プロピレンオキシド)の代わりに分子量450のポリ(プロ
ピレンオキシド)トリオールを使用したこと、及び7.6g(0.023mol)のカリウムヘ
キサシアノコバルテートを用い、0.4g(0.001mol)のナトリウムヘキサニトロコバ
ルテートを用いることを除き、触媒錯体Aと同様にして触媒錯体Bを調製した。
【0052】 B.プロピレンオキシドの重合 1.室温重合 例1B1で述べたようにして、触媒錯体Bを用いて室温重合を行った。重合は
約8時間で完了した。
【0053】 2.開始型高温重合 例1B2で述べたようにして、触媒錯体Bを用いて高温重合を行った。9分間
の誘導期の後、80℃の発熱を伴って重合が始まった。得られたポリエーテルポリ
オールの不飽和度は、0.007meq/gあった。
【0054】 例3 A.触媒錯体Cの調製 7.2g(0.022mol)のカリウムヘキサシアノコバルテート及び0.8g(0.002mol)のナ
トリウムヘキサニトロコバルテートを用いることを除き、触媒錯体Aと同様にし
て触媒錯体Cを調製した。
【0055】 B.プロピレンオキシド重合 1.室温重合 例1B1で述べたようにして、触媒錯体Cを用いて室温重合を行った。重合は
約2時間で完了した。
【0056】 2.開始型高温重合 例1B2で述べたようにして、触媒錯体Cを用いて高温重合を行った。短時間
の誘導期の後、制御された発熱を伴って重合が始まった。得られたポリエーテル
には不飽和レベルは測定できなかった。分散度は4.17であった。繰り返すと、0.
008meq/gの不飽和度を有するポリオールが得られた。
【0057】 例4 A.触媒錯体Dの調製 t-ブタノールをグライムに代えることを除き、触媒錯体Cと同様にして触媒錯
体Dを調製した。
【0058】 B.プロピレンオキシド重合 1.室温重合 例1B1で述べたようにして、触媒錯体Dを用いて室温重合を行った。重合は
約1時間で完了した。
【0059】 2.開始型高温重合 例1B2で述べたようにして、触媒錯体Dを用いて高温重合を行った。短時間
の誘導期の後、大きな発熱を伴って重合が始まった。得られたポリエーテルの不
飽和度は0.010meq/gであり、分散度は1.28であった。
【0060】 例5 A.触媒錯体Eの調製 (1)6.4g(0.019mol)のカリウムヘキサシアノコバルテートを使用したこと、(2)
1.6g(0.004mol)のナトリウムヘキサニトロコバルテートを使用したこと、(3)分
子量4000のポリ(プロピレンオキシド)の代わりに分子量450のポリ(プロピレ
ンオキシド)トリオールを使用したこと、及び(4)低強度攪拌を析出工程で使用
したことを除き、触媒錯体Aと同様にして触媒錯体Eを調製した。
【0061】 B.プロピレンオキシドの重合 1.室温重合 例1B1で述べたようにして、触媒錯体Eを用いて室温重合を行った。重合は
約4時間で完了した。
【0062】 2.開始型高温重合 例1B2で述べたようにして、触媒錯体Eを用いて高温重合を行った。9分間
の誘導期の後、かろうじて検出できる発熱を伴って重合が始まった。その後のプ
ロピレンオキシドの添加においていくらか大きいが、制御された(10〜50℃)の
発熱がみられた。得られたポリエーテルポリオールの不飽和度は、0.012meq/gで
あり、分散度は1.57であった。
【0063】 例6 A.触媒錯体Fの調製 (1)4.05g(0.012mol)のカリウムヘキサシアノコバルテートを使用したこと、(2
)3.9g(0.0096mol)のナトリウムヘキサニトロコバルテートを使用したこと、(3)
分子量4000のポリ(プロピレンオキシド)の代わりに分子量450のポリ(プロピ
レンオキシド)トリオールを使用したこと、及び(4)低強度攪拌を析出工程で使
用したことを除き、触媒錯体Aと同様にして触媒錯体Fを調製した。
【0064】 B.プロピレンオキシドの重合 1.室温重合 例1B1で述べたようにして、触媒錯体Fを用いて室温重合を行った。重合は
約5時間で完了した。
【0065】 2.開始型高温重合 例1B2で述べたようにして、触媒錯体Fを用いて高温重合を行った。7分間
の誘導期の後、25℃の発熱を伴って重合が始まった。その後のプロピレンオキシ
ドの添加においていくらか大きな発熱がみられた。得られたポリエーテルポリオ
ールの不飽和度は、0.022meq/gであり、分散度は1.26であった。
【0066】 例7 A.触媒錯体Gの調製 (1)4.8g(0.0097mol)のカリウムヘキサシアノコバルテートを使用したこと、(2
)3.9g(0.0097mol)のナトリウムヘキサニトロコバルテートを使用したこと、及び
(3)低強度攪拌を析出工程で使用したことを除き、触媒錯体Aと同様にして触媒
錯体Gを調製した。
【0067】 B.プロピレンオキシドの重合 1.室温重合 例1B1で述べたようにして、触媒錯体Gを用いて室温重合を行った。重合は
約45分間で完了した。
【0068】 2.開始型高温重合 例1B2で述べたようにして、触媒錯体Gを用いて高温重合を行った。9分間
の誘導期の後、25℃の発熱を伴って重合が始まった。その後のプロピレンオキシ
ドの添加において大きな発熱がみられた。得られたポリエーテルポリオールの不
飽和度は、0.014meq/gであり、分散度は2.40であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 レイコック,デイビッド イー. カナダ国,オンタリオ エヌ7ティー 6 エヌ6,サルニア,ブランチェ ストリー ト 335 Fターム(参考) 4J005 AA11 AA12 BB02

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下式 Mb[M1(CN)6]c[M2(NO2)6]d・zL・aH2O・nM3 xy (上式中、M及びM3はM1(CN)6及びM2(NO2)6イオンにより、少なくとも1
    種の水溶性塩を有する不溶性析出物を形成する金属イオンであり、 M1及びM2は3価遷移金属イオンであり、 Lは有機錯生成剤を表し、 AはM3イオンと共に水溶性塩を形成するアニオンを表し、 b、c及びdは静電的に中性の錯体を与える数であり、c:dの比は約50:50
    〜約99:1であり、 z、n及びaは錯生成剤、水分子及びM3 xyの相対量を示す正の数である)
    により表される触媒。
  2. 【請求項2】 M1及びM2が各々Co+3又はFe+3である、請求項1記載の
    触媒。
  3. 【請求項3】 M及びM3が亜鉛イオンである、請求項1記載の触媒。
  4. 【請求項4】 ヘキサニトロメタレート基に対するヘキサシアノメタレート
    基のモル比が約80:20〜約96:4である、請求項3記載の触媒。
  5. 【請求項5】 前記錯生成剤が1-ブタノール、1-t-ブトキシ-2-プロパノー
    ル、ジメチルスルホキシド、約75〜350の当量を有するポリエーテルポリオール
    、又はアルキレンもしくはポリアルキレングリコールのジアルキルエーテルであ
    る、請求項4記載の触媒。
  6. 【請求項6】 開始剤化合物の存在下において、エポキシド化合物を重合触
    媒と接触させることによるエポキシド化合物の重合方法において、前記重合触媒
    が下式 Mb[M1(CN)6]c[M2(NO2)6]d・zL・aH2O・nM3 xy (上式中、M及びM3はM1(CN)6及びM2(NO2)6イオンにより、少なくとも1
    種の水溶性塩を有する不溶性析出物を形成する金属イオンであり、 M1及びM2は3価遷移金属イオンであり、 Lは有機錯生成剤を表し、 AはM3イオンと共に水溶性塩を形成するアニオンを表し、 b、c及びdは静電的に中性の錯体を与える数であり、c:dの比は約50:50
    〜約99:1であり、 z、n及びaは錯生成剤、水分子及びM3 xyの相対量を示す正の数である)
    により表されるものであることを特徴とする方法。
  7. 【請求項7】 前記エポキシド化合物がプロピレンオキシドであるか又はプ
    ロピレンオキシドと約15wt%までのエチレンオキシドとの混合物である、請求項
    6記載の方法。
  8. 【請求項8】 生成物が約800〜約5000のヒドロキシル当量を有するポリエ
    ーテルである、請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記ポリエーテルが0.02meq/g以下の不飽和度を含む、請求
    項8記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記ポリエーテルが0.01meq/g以下の不飽和度を含む、請
    求項9記載の方法。
  11. 【請求項11】 M1及びM2が各々Co+3又はFe+3である、請求項9記載
    の方法。
  12. 【請求項12】 M及びM3が亜鉛イオンである、請求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】 ヘキサニトロメタレート基に対するヘキサシアノメタレー
    ト基のモル比が約80:20〜約96:4である、請求項12記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記錯生成剤が1-ブタノール、1-t-ブトキシ-2-プロパノ
    ール、ジメチルスルホキシド、約75〜350の当量を有するポリエーテルポリオー
    ル、又はアルキレンもしくはポリアルキレングリコールのジアルキルエーテルで
    ある、請求項13記載の方法。
  15. 【請求項15】 活性な重合触媒の製造方法であって、 (a)水溶性ヘキサシアノメタレート及びヘキサニトロメタレート化合物の第一
    の溶液を形成すること、ここで前記ヘキサシアノメタレート及びヘキサニトロメ
    タレート化合物は前記水溶液が50:50〜99:1のヘキサシアノメタレート:ヘキ
    サニトロメタレートのモル比を含むような比で存在する、 (b)前記第一の溶液を、ヘキサシアノメタレート及びヘキサニトロメタレート
    イオンと水不溶性析出物を形成する金属の水溶性塩の第二の溶液と混合し、金属
    [ヘキサシアノメタレートヘキサニトロメタレート]を析出させること、及び (c)工程(b)と同時に又は後に、前記金属[ヘキサシアノメタレートヘキサニト
    ロメタレート]を有機錯生成剤、及び工程(b)において理論過剰量の金属塩を用
    いない場合、追加量の金属塩と接触させること を含む方法。
  16. 【請求項16】 前記水溶性ヘキサシアノメタレート化合物が式B3[M1(C
    N)6]で表され、前記水溶性ヘキサニトロメタレート化合物が式B3[M2(NO2)6 ]で表され、ここでBは水素又はアルカリ金属である、請求項15記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記金属が亜鉛である、請求項16記載の方法。
  18. 【請求項18】 ニトロフェリシアニドに対するヘキサシアノコバルテート
    のモル比が約80:20〜約96:4である、請求項17記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記錯生成剤が1-ブタノール、1-t-ブトキシ-2-プロパノ
    ール、ジメチルスルホキシド、約75〜350の当量を有するポリエーテルポリオー
    ル、又はアルキレンもしくはポリアルキレングリコールのジアルキルエーテルで
    ある、請求項18記載の方法。
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